#三伏風薫
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enugaittayo · 3 years ago
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⠀ ⌘ 全生還/甲子園優勝
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fujihara-org · 5 days ago
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あんスタMusic Bright "Live" up!!の組み合わせの妙(組み合わせ:2025年5月29日時点)
こんにちは、藤原です。こんなこと個人的な誰が興味あるねーん!ではあるんですが、誰かの参考になるかもしれないので、残しておきます!ひょっとしたら、その誰かは私で、年末のメンバーチェンジメドレーの資料になるかもですし(あれば)。
ええと、そんなわけで本題なのですが。もう半月も前になりますか、2025年5月29日まであんさんぶるスターズというゲームはですね、Bright me up!!という大型アップデートをしたことによるキャンペーンを行なっておりました。その中に、課題曲をこなすとファン数を大幅に増やせてアイテムももらえちゃうキャンペーンがありまして。その名は「Bright "Live" up!!」と言います。このBright "Live" up!!に関しては、各アイドルについて課題曲が設定されているのですが、合計3曲ありまして、3曲目は必ず「BRIGHTEST STARS!!」という10周年曲で固定されていたんですよね。
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そこで私はなにをとち狂ったか、指定されたアイドルをセンターにして、「BRIGHTEST STARS!!」はどの組み合わせが好みなのか試行実験を始めたわけでございまして。簡単にいうと、その試行の結果を発表するよ!というたんぶらですね。量がとにかく多いので、もう綺麗にまとめる方法もなかなか思いつかず…。というわけで、リスト化して羅列します! ちなみに試行実験とかいって、全試行をしたわけではないです。試していくうちにこここのくらいのボーカルの方が綺麗に聞こえるんだなとか、このバランスの方が良さそうとかそういうなんとなくの経験をもとにほぼ決め打ちで試行してみて、ハマったらOK!他にも考察の余地がありそうであれば試行を繰り返す、というように試しています。
設定画面のポジンション順(左←センター→右)という順番で記載しています。センターの事務所で区分はしていますし、一応並び順はユニット順で記載したつもりですが、前提としてキャラクタ名については敬称略、同一センターの場合は記載順についても順不同です。 ちなみにですが、組み合わせを作るときには、センターのキャラクタ準拠でなんとなく繋がりはあるけど濃い繋がり(ソウルメイトで)はそんなになさそう、をモットーかつコンセプトしてメンバーを決めました。中には「え?濃い繋がりがないとか嘘じゃない?」という組み合わせもありますが、そちらはご愛嬌、ということで! ちなみに感想は主観です。主観ですが全組み合わせゲーム内でMVで聞き直したので最新の感想です。いろいろ書いていますが、特定のキャラクタを貶める意図は全くありません。注意は払ったつもりですが、傷つけてしまったらごめんなさい。
STARMAKER PRODUCTION / スターメイカープロダクション
朔間零/明星スバル/天���院英智/斎宮宗/月永レオ 音色も華やかで、ポテンシャル的にも十分で申し分なさすぎる。あんスタっぽいっちゃあんスタっぽい。事務所のバランスもいいし。結構サビ前のハーモニーとかが分厚くて聞き応えある。めっちゃ合うじゃん〜!より音楽聞いたなぁという印象。斎宮宗があんまり喧嘩をしない。
真白友也/白鳥藍良/天祥院英智/日々樹渉/蓮巳敬人 軽やかさと厚みのハーモニー。その2つが混ざり合ったらマリアージュみたいな例。日々樹の主張よりも蓮巳の主張の方が強くてちょっと面食らうくらい。
朔間凛月/滝維吹/天祥院英智/巴日和/朱桜司 品の良さを感じる。多分音域や声質が似ているので、なんか音が纏まって制圧しに来る感じすらある。朱桜司と朔間凛月のKnightsコンビがよく聞こえる。意外。
三毛縞斑/紫之創/天祥院英智/守沢千秋/明星スバル 左サイドの優しさと右サイドの明るさ。ひなたのような暖かさと抱擁感がある。意外と暑苦しくない。思ったよりも全員の声が聞こえる。特にしののんの声はこの組み合わせではユニゾンの人数が多くなるほど聞き取りやすくなる。
白鳥藍良/紫之創/姫宮桃李/明星スバル/朱桜司 今回随一の可愛い組み合わせ。ユニゾン同士の相性が結構びっくりするくらい良い。姫宮が意外に目立たなくて他をむしろ引き立てるセンターである。他の組み合わせで埋もれがちな司くんが意外に目立つ。ライバル引き立てるんかい!さすがやけども!
影片みか/七種茨/伏見弓弦/姫宮桃李/月永レオ 思っているより来ずプロ勢の声が低い。伏見姫宮のユニゾンと七種姫宮のユニゾンの響きが似ている。このバランスだと不思議と姫宮が溶けて自然に聞こえる。おすすめ。
葵ひなた/真白友也/氷鷹北斗/日々樹渉/巴日和 声質の明るさの暴力。北斗の正統さ加減がすごい。年相応のはしゃぎっぷりに感じる。男子高校生!
三毛縞斑/瀬名泉/守沢千秋/乙狩アドニス/天祥院英智 珍しいユニゾンばっかり聴ける感じ。なのに初グルーピングと思えないまとまり感。これがリーダー的センターの力か。癖があるのにそれがところどころ万華鏡のように代わる代わる際立つというか、わちゃわちゃしてる感じ。でもまとまってる。不思議。
天城燐音/神崎颯馬/深海奏汰/羽風薫/巴日和 同室を中心にめちゃバランスが良い。意外と羽風が目立つ。そして深海くんは下ハモパートだったという衝撃。最後の方可愛さで騙されそうになるけどまじ��?
明星スバル/蓮巳敬人/高峯翠/天満光/守沢千秋 比較的蓮巳が大人しい。翠くんが全体的にスキマ産業のようにどこにでも聞こえる。明星と天満くんと守沢さんの癖が溶け合って中和。
衣更真緒/朱桜司/仙石忍/ユメ/蓮巳敬人 出だしの衣更が爆イケ。仙石くんと共にアクセントにはなるけど悪目立ちは決してしない。主役じゃないユメちゃんはこう使うみたいな使用例の一つのパターン。
天祥院英智/HiMERU/風早巽/大神晃牙/巴日和 意外に浮かない大神くん。どころかキーボーカルぽさすらある。おそらくボーカルのバランスがめっちゃいい。全体的に耳に優しいボーカル。
真白友也/朔間凛月/礼瀬マヨイ/仙石忍/影片みか 出だしびっくりするくらい上品貴族すぎる。忍くんとみかちのユニゾンはびっくり箱。礼瀬そのパートの曲は良い感じで出てる。声似てるように感じ部分もあるんだけど、ちゃんと聞くと結構全員の声が聞き分けられるくらいの違いがある。その違いが心地いい。
COSMIC PRODUCTION / コズミックプロダクション
日々樹渉/葵ゆうた/乱凪砂/明星スバル/羽風薫 意外に癖まつり。コーラスがなんかゴツい。なぜ?後半の方が明らかよくハモリも含めて調和してまとまって聞こえてくるので、ライブをやるとしたら理想的な感じがする。どう?
天城燐音/風早巽/巴日和/天祥院英智/乱凪砂 各ポジション選抜をした感じすらある。上品だけどあんスタ感。意外に癖強と思いきやそうでもない。聴きやすい。パート分けがうまくいった例。あと身長がほぼ一直線に見えるので、最後の整列が綺麗に見える。
風早巽/衣更真緒/漣ジュン/桜河こはく/鬼龍紅郎 漣の優しめな声に溶けそうになるけど、他の声のメリハリが結構聴いてる感じ。鬼龍くんの声も下すぎずちょうど良い感じで聞こえる。
天城燐音/仙石忍/葵ゆうた/瀬名泉/朔間零 なんか、全部のアクセントが噛み合った感じがある。仙石くんの声が意外によく拾える。折り紙付きのせないずとさくまれのハーモニー。
月永レオ/風早巽/HiMERU/漣ジュン/椎名ニキ 意外に上品な漣と椎名ペア。レオぴと風早さんの明るさハーモニー。声の上品さだけで殴りかかってる気がして来た。声のハーモニーが中音域にまとまっていてめっちゃ聴きやすい。
Rhythm Link / リズムリンク
守沢千秋/蓮巳敬人/朔間零/大神晃牙/高峯翠 高峯の柔らかさが鍵。蓮巳がなんかどの組み合わせでも楽しそう。唐突な朔間零の下ハモパートにびっくりする。
天城燐音/深海奏汰/朔間零/白鳥藍良/乱凪砂 意外にも個性のデパート。1番の時点ではバラバラで個々の歌声がよく聞こえる。終盤にかけてまとまる感じだけど、思い返せば燐音くんがちょっと埋もれてるかも。ライブだと目立ちそうだけど、どないかな。
深海奏汰/朔間零/羽風薫/乱凪砂/葵ゆうた 珍しい下ハモ×下ハモから始まる組み合わせ。下が3人もいると流石にどっしりして聞こえるけど、その下のパートがめっちゃ個性豊かなので比較的聞き分けやすい。上��2人の声の違いも明確なので聞き分けは容易。でもどっしり下ハモと安定の上メロディーラインでしっかり聴ける。
天祥院英智/守沢千秋/羽風薫/葵ひなた/朔間凛月 明確な下ハモはないけど、声室が違ったり音階が違うので、ハーモニーとしては聴きやすく全体的にまとまっている印象。あとみんなすごい男の子していて可愛い。パート割りが良い感じ。
天城一彩/神崎颯馬/羽風薫/瀬名泉/乱凪砂 王道のあんスタっぽさがある。癖がありながらわちゃわちゃしても他の人を邪魔せず、明確なパートに分けれていて、どの歌声も意外にも埋もれていない。なんか、あと無駄に後半にかけて疾走する感じがする。してる訳ないのに。なんで?
鳴上嵐/天満光/乙狩アドニス/神崎颯馬/大神晃牙 どのペアでもデュオ部分に問題がない。だた個性の殴り合い感はすごい。全部の声がバラバラというか個別に聞こえるけど、ハーモニー悪くない不思議。
南雲鉄虎/斎宮宗/鬼龍紅郎/三毛縞斑/仁兎なずな 意外なハーモニーと予想通りの下パートがある。全体的に声が特徴的なメンツが集まってるからか、ハーモニーがいいというよりは全員の声がちゃんと聞こえるパターン。落ちサビ前の「うーいぇい!」まともに聞こえる。
深海奏汰/滝維吹/神崎颯馬/三毛縞斑/乙狩アドニス 「始まらない」のところ好き。意外に5人のユニゾンは合うけど、初手2人のユニゾンだとちょっと違和感あるかも。人数が増えると安定する印象なので、ある意味理想的かも。
日々樹渉/鳴上嵐/天満光/乙狩アドニス/三毛縞斑 元含め陸上部のバランスが良い。全体的に天満くんがイケメンになる成長録っぽい。意外に日々樹が邪魔しない。
NEW DIMENSION / ニューディメンション
葵ひなた/天祥院英智/月永レオ/三毛縞斑/白鳥藍良 因縁はすごいけどまとまりはある。意外に三毛縞くんが誰とでも合うし、微妙な声域の違いでちょっとずつハモリみたいなものが生まれて音階的に聞こえる。
月永レオ/遊木真/瀬名泉/漣ジュン/羽風薫 そもボーカルの歌声のカラフルさが暴力くらいの印象の華やかさ。でも派手すぎない不思議。初手でユニゾン不安になったけど、マジで第一声だけでそれ以降はなんの心配もなく聞けた。むしろ、どのコンビでもユニゾン綺麗だった。安心して聴ける。
朔間零/天城一彩/瀬名泉/斎宮宗/守沢千秋 天城一彩と朔間零の相性が意外にも良すぎる。あと、斎宮宗が頑張ってる。せないずをセンターにしたときには比較的調和してる印象だけど、これは本当に癖のないユニットに仕上げた感じすらする。特に最後の部分は声の厚みがすごい。
HiMERU/葵ゆうた/瀬名泉/天祥院英智/漣ジュン ゆうたの色が意外にもよく出てる。ひなたではこうならない感じ。アールグレイみたいな、清涼感の中に癖のあるユニットの感じがする。ちょっとしたフックが気になるようなそんなハーモニー。
影片みか/南雲鉄虎/鳴上嵐/巴日和/椚章臣 意外にバランスが良い。目分量で想像以上に美味しく作れた料理みたいな感じ。日和の主張が比較的穏やか。もうちょっとだけパンチあっても良いかもくらいの感じ。
明星スバル/礼瀬マヨイ/逆先夏目/日々樹渉/朔間零 歌い方似てる…?礼瀬のアクセントが浮かないので、意外にみんなクセ強い組なんだなと思う。礼瀬・朔間と明星・日々樹で綺麗に分かれてる感じ?夏目くんがその間っぽいのでバランスとまとまりがある感じがする。
影片みか/天祥院英智/青葉つむぎ/逆先夏目/紫之創 関係性ブッ殺っぽいユニットだけど大丈夫か。しののんの新たな魅力が出るポジション一番右だと思う。想像よりははるかにまとまってる。ちょっと清涼感すらある。
朱桜司/葵ひなた/春川宙/日々樹渉/逆先夏目 可愛いだけかと思いきや。後半にかけてグッと良くなる。良くなるというか、掛け算でボーカルのパワーが発揮されるタイプのユニットだった。
天満光/深海奏汰/三毛縞斑/神崎颯馬/乙狩アドニス なんだか別解答だらけのハーモニーみたい。正解が他にありそうな気もするけど、別解として可!みたいな感じ。全員の声が聞こえて、かつ調和が取れているパターン。そんなに相性も悪くないと思う。
真白友也/明星スバル/エス/青葉つむぎ/月永レオ 出だしの王道感がすごい。バラバラっぽいけどまとまって聞こえる。比較的明る目かつ軽めのハーモニー。青葉とエスがいることでちょっと邪道感でてる。
氷鷹北斗/風早巽/カンナ/乱凪砂/大神晃牙 サビでのハモリがすごいはっきりしている。おそらく右と左でパートがしっかりしているからと思われる。最後の落ちサビですら綺麗にハモる。ラストの1列ポジションがすごい谷あり山脈構造。
朔間凛月/ユメ/ライカ/朔間零/守沢千秋 まさに毒(朔間兄弟)を持って毒(ユメ・ライカ)を制した例。新人の中で1、2を争うくらい歌声に特徴があるけど、これだと悪目立ちしない。というか結構良いタイミングで守沢くんも強く出てくれるし、打ち消える。朔間兄弟の縁の下の力持ち具合は異常。
まとめて見て気づいたんですが、キャラクタの偏りがすごい。さらにいうとポジションの偏りもひどい。上手側しかいないとか下手側しかいないとかが、ちょっとありすぎる。低音高音のバランスでそうなったのかな〜と思いつつもここまで偏るものかね?とも思っている。ここに加えて、基本的にセンターは全キャラやったと思っていたけど、全然できていなかった。意外にセンターでの組み合わせ試せてない子多すぎる。結果として、私の好みの偏りとミスが目立ちますね……、しょうがない。 意外に〇〇だったや想像を超えてくる組み合わせもあり、やっぱりユニットは組んでみないとわかんないな〜という部分もある。あとやっぱりボーカルバランスは難しい。正直ポジションによってかなり違う感じがする。例えばだけど、私の偏りのせいで天城燐音は一番左が多かったが、そのせいかわからないけど比較的無個性というか埋もれてる感じもあった。もうちょっとボリュームあれば目立ったかもと思う箇所も多々あり、それは一番左や右から二番目が多かった日々樹渉も同様。他方、蓮巳くんとかは組み合わせによって声の響き方が全然違うので、やっぱり最終的に上手く聞かせるにはポジション別の音量の調整とかも必要になるように思う。あとはスピーカーの位置とか。私は左側のスピーカーと右側のスピーカーでかなり印象が変わるのも感じた(途中でひっくり返したのもあり)ので、きっと3DCDGライブとかを映画館とかで見ると全然違うように聞こえるのはこういうことなんだろう��思う。
以前の試行で全キャラクタを出せないことが後悔だったので、今回一通り全キャラを出せたことは良かったように思う。けど、叶うなら全キャラ全ポジションのセレクトでベストマッチの試行を見つけたかった。せめてセンターの試行の記録は残していたと思っていたので、本当に過去の自分にがっかりしながら、また試しに行こうかな〜と考えてます。けど、試行して記録取ってもう一回聞いて感想書いてというローテーションが結構しんどかったのに、分析や組み合わせがあんまりできなかったこともあるので、時間に余裕があるときじゃないと無理だぁぁ!と思っています。少なくとも他ごとをせざるを得ない現在ではちょっと無理。なので、また余裕がありそうな秋の終わりか冬の始まりにでもやれたら、と思っております。 もし、優しい人がいらっしゃってこの組み合わせいいよ!などあれば試してみたいので、お教えください〜!ぜひ、ご厚意のある方の情報提供のほど、よろしくお願いいたします。
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moko1590m · 6 months ago
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旧幕臣たちは、いわゆる三つの選択肢のなかから自らの身の振り方を決めることが迫られる。すなわち主家とともに駿河へ移住するか、朝臣(ちようしん)として新政府に所属するか、武士身分を捨て帰農・帰商するかという三つである。  駿河への移住、つまり静岡藩士になったのは、明治四年(一八七一)八月時点で一万三千七百六十四名である(『静岡県史資料編16近現代一』)。もちろん、当主のみの人数である。一方、朝臣になったのは約五千名、帰農・帰商したのは約四千五百名(うち三千名以上がのちに静岡藩に帰籍)という数字があるが(原口清『明治前期地方政治史研究上』、一九七二年、塙書房)、時期によって変動も生じており、必ずしも正確ではないかもしれない。  実際には前記の三つの選択肢以外にも別の行動があった。一般によく知られているのが、本誌の特集テーマにもなっている戊辰戦争(ぼしんせんそう)への参加、つまり関東・奥羽・北越・蝦夷地へ脱走して新政府軍との抗戦を続けるというものである。   (中略)   基木的には三つ、もしくは四つの進路を選んだ旧幕臣たちであったが、時間��推移とともにその進路は変更された。一度分かれた流れが、先に行って合流するかのように、帰農・帰商した者や脱走・抗戦した者が結局は静岡藩に帰参する場合が少なくなかったのである。農業や商業に失敗し、困った挙げ句、静岡藩に泣きついて帰参を許してもらうというパターンである。奥羽や箱館で敗北、新政府に降伏した者たちも、赦免(しやめん)後は静岡藩に引き渡された。箱館戦争降伏人には、その後、静岡・沼津の藩校で教鞭をとったり、他藩への御貸人(かしびと)となるなど、静岡藩で有能さを発揮した者もあった。  明治三年に静岡藩の静岡病院医師坪井信良(つぼいしんりぬう)がつくった「示帰参朝臣連」という題の漢詩がある(宮地正人『幕末維新風雲通信』、一九七八年、東京大学出版会)。本領安堵(ほんりょうあんど) 説を妄信し朝臣になって東京に留まったものの、新政府の方針変換によって禄を失い、家財を売り尽くし食うことにも困り果て、藩士への扶持米を増加したと聞いて、家族を引き連れ静岡藩への帰参を希望しているという元旗本たちの存在を皮肉った内容である。一度は徳川家を見限って白ら去ったものの、今度は旧主家にすり寄ってくるその白分勝手な態度を辛辣(しんらつ)に批判したものだった。同じ帰参者であっても、箱館戦争からの復員兵たちは好意をもって藩内に迎えられた一方、帰農・帰商や朝臣からの帰参者は白眼視されたに違いない。  周縁の人びとのその後  幕臣といっても大身の旗本から微禄の御家人までピンからキリまである。下級の旗本や御家人は核家族といってもよかったであろうが、大きな知行地を持つ領主としての旗本の場合、当主とその家族のみならず、家臣・奉公人を多数抱えており、小さな藩と同じだった。知行所の維持・経営が不要となった静岡藩士は、移住前に家臣を解雇し、身軽になった。  五千石を領した蜷川親賢は、数十人いた家臣たちに暇を出し、家族のほか、家来二名と下男・下女数名、合わせて二十数名で移住した。駿河国では大変な住宅難が引き起こされていたが、蜷川家は庵原(いはら)郡の農家で住居を借りることができた。それは江戸の家財を整理し多額の現金を有していたから可能だったことらしい。明治五年時点の戸籍には、家族六名、家臣とその家族八名(二家分)が記されていたというので(坂井誠一『遍歴の武家』、一九六三年、吉���弘文館)、廃藩にいたるまで家臣を雇っていた。  いち早く新政府に帰順した元旗本には、家臣たちからなる兵隊を「官軍」に参加させ関東・奥羽に出兵したり、江戸市中の警備を担当させたりした者もあった。朝臣となった彼らは、本領を安堵されたこともあり、しばらくは家臣を雇用し続けることができたのであるが、明治二年十二月の禄制改革によって家禄(かろく)が蔵米(くらまい)で支給されるようになると、所領とともに家臣たちをも手離していった。静岡に移住した者と朝臣になった者の「喪失」の時問差は、わずか一年ほどにすぎなかった。  旗本の家臣、すなわち陪臣(ばいしん)たちのその後も、すぐに解雇された者ばかりではなく、主家とともに静岡へ移住したり、主人とともに官軍・賊軍として戦ったりと、さまざまであった。江戸に進駐した新政府軍の指揮下に入り、市中取締隊長の任にあたったほか、下野での戦闘や上野戦争にも参加した経歴を持つ、旗本大久保与七郎の家来、匝瑳胤常(そうさたねつね)(郷輔・六郎)という人物は、その後、東京府の府兵局掛、権典事(ごんみてんじ)などをつとめ(『市中取締沿革』、一九五四年、東京都)、官吏として生き、士族の身分も得たらしいが、報いられるところが少ないことに不満を抱いていたのだろう、明治三十一年、陳情書を政府に提出、戊辰時の功績を根拠に持ち出して叙位を求めている(国立公文書館蔵)。  旗本小出家の家臣である大島貞薫(おおしまよさだか)・貞恭父子が洋学者としての能力を買われ陸軍兵学寮(りくぐんへいがくりよう)で地位を得たように、新政府のなかで活躍した者は極めて少なかった印象である。主家の零落とともに職を失ったその他多くの旗本家臣たちは、その後どのようになったのだろうか。  徳川幕府という巨大な組織に身を置いたのは、正規の旗本・御家人だけではない。士分とはされない、代官手代(だいかんてだい)のような本来庶民身分の者もいたし、幕末に加わった陸軍の兵卒や海軍の水夫たちも膨大に存在した。能役者・絵師・碁将棋士など幕府から禄をもらっていた御用達町人(ごようたしちょうにん)も一時は朝臣に組み入れられたが(静岡に移住した者もあり)、のちに平民籍とされた。  その後を生きた旧幕臣たちの背後には、周縁にいた者たちの後の人生も多様な形で広がっていたのである。 《歴史読本2013年3月号「幕末戊辰戦争全史:特集論考:岐路に立った旧幕臣・樋口雄彦」》
人文パイプぶろぐ: 岐路に立った旧幕臣
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ffninewoyoro · 3 years ago
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chikuri · 6 years ago
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“No.1143 韓国の思想的内戦 ~『反日種族主義』を読む
 韓国内では、朱子学的全体主義勢力と自由民主主義文明勢力との命運をかけた政治的・思想的内戦が展開されている。
■1.朱子学的全体主義勢力と自由民主主義文明勢力との戦い<br /><br />
 10月3日、9日と二度にわたって、文在寅政権に反対する50万人規模のデモがソウル中心部に発生した。韓国の保守リーダーたちは、これを「文明勢力」と呼んでいる。自由、人権、民主主義、市場経済、法治を信条とする近代文明を守ろうという勢力である。
 彼らが反対している文在寅政権は、韓国を日米から離反させ、北朝鮮、中国の仲間入りさせようとしている。中朝とも中華型の全体主義体制をとっており、皇帝独裁を支える伝統的な朱子学と親和性が高い。
__________
つまり、いま韓国で展開している戦いは朱子学的全体主義勢力と自由民主主義文明勢力との体制の命運をかけた、妥協が不可能な戦いなのだ,[1]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 とは、麗澤大学客員教授・西岡力氏の総括である。韓国内だけではない。日米 対 中朝の争いも、同様に両勢力の命運を賭けた戦いである。これに負ければ、我々日本国民も自由、人権、民主主義を失う。そういう戦いが目の前で展開されているのである。
 この「朱子学的全体主義勢力」の本質を学問的に明らかにした『反日種族主義』[2]が、韓国で10万部を超えるベストセラーとなり、日本語版も発売2週間で20万部を超えている。
 これを読むと、韓国内の前近代的な「種族主義」、すなわち思想的文化的に閉ざされた集団に閉じこもり、他集団を敵とする古代呪術的体制が学問的に解剖されており、こういう集団には、史実も学問的議論も国際常識も通用しない事がよく判る。
 こういう種族主義的勢力に対抗して、生命の危険をかけても学問的に正しい事実を伝えようとする著者・李栄薫氏のような「文明勢力」がいることを知ると、少しは希望も湧いている。
■2.「日帝をどのように批判したらいいのか分からなくなる」
『反日種族主義』では、「従軍慰安婦」「徴用工」「植民地化」など韓国の訴える「反日」について、史実を踏まえて、その「嘘」が暴かれている。講義を聞いた韓国の学生たちは次のような感想を漏らすという。
__________
「今まで教科書で習って来たことが事実ではないという点を受け入れると、日帝(JOG注: 日本帝国主義)をどのように批判したらいいのか分からなくなる」
「日帝の植民地支配を正当化してしまうのではないかと怖くなる」[2, 827]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 この感想自体が、韓国での研究も教育も非学問的なレベルのものである事をよく現している。というのは学生たちは「日帝は批判すべきもの」という前提を信じ込んでいるからだ。すなわち「日帝とは悪魔のように呪詛すべきもの」という「呪術的信仰」が暗黙の前提となっている。これがまさに「反日種族主義」の正体である。
■3.「日帝の所業に間違いない」
「呪術的信仰」の典型が「鉄杭騒動」である。日本は朝鮮を併合した後、土地調査のため、朝鮮の歴史上初めての近代的測量を行った。その過程で測量基準点の標識を朝鮮全土の高い山に設置した。
 朝鮮では、土地には人体のように気脈が流れているという古代中国起源の風水の自然観が信じられていた。近代的測量の目的も技術も知らない当時の朝鮮人たちは、大地に打ち込まれた鉄杭を見て、「倭人たちが朝鮮に人材が出ないように穴(急所:つぼ)を塞ぎ回っている」と噂し、それを広めた。住人たちは夜、山に登っては、この棒を抜いて、金槌で砕いたという。
 この迷信を国策に利用したのが、金永三政権が1995(平成7)年2月に始めた「光復50周年記念力点推進事業」だった。大統領の指示を受けた内務省が全国の地方自治体に公文を送り、日帝が打ち込んだ鉄杭を見つけて抜くよう指示をした。6ヶ月間で全国から439件の申告があり、うち日帝が打ち込んだ鉄杭だとして除去されたものは18本だった。
 当時、『月刊朝鮮』の記者だった金容三氏は、この18本の鉄杭除去現場を訪ね、事実を調査した。慶尚道亀尾市の金烏市で除去された鉄杭を鑑定したのは、易術人・閔(ミン)スンマン氏だった。彼は「金烏山に鉄杭が打たれている場所は風水学的に明堂(優れた場所)だ」と言った。「龍が天に向かって立ち上がる場所に仏が横たわっており、その額の部分に鉄杭が打たれていた」と言う。
 金氏が「仮にそうだとしても、この鉄杭が日帝が打った、という科学的で客観的な証拠は何ですか」と訊くと、彼は「証拠はないが、金烏山は風水的観点からして非常に重要なので、日帝の所業に間違いないと推定した」と答えた。
■4.「日本人は我々民族の精気と脈を抹殺しようと」
 忠清北道永同郡で除去された鉄杭に関しては、郡庁の担当公務員が「日帝が打ったと言う根拠がなく、そうなのかどうなのか迷いながら抜いた」と語った。しかし、同年6月5日午後、盛大な山神祭とともに除去された。その行事は、日本のNHKやTBSも取材に来て、撮影したという。
 同じ地方の永春面(JOG注: 面は日本の村に相当)でも3本の鉄杭が発見され、情報提供者たちは「1984年頃、永春面で抗日義兵と日本軍の間で大きな戦争が起こった。それで、抗日運動が再び起こらないように、日帝が将来、将軍の生所となる場所に鉄杭を打ち込んだのだ」と主張した。
 永春面の前・面長であった禹ゲホン氏は、「それは日帝が打ったものではなくて、解放後住民たちが北壁の下に舟の綱を結ぶために打ち込んだものだ」と証言した。禹氏は「郡庁の人たちにこの事実を何度も説明したけれど、どんなに話をしても聞き入れてくれず、日帝が打った鉄杭に化けてしまった」と、虚しく語った。
 江原道揚口郡では3本の鉄杭が除去された。それは表面に錆もなく、あまりにも新しくきれいなので、最近作られたものに間違いないと、金氏は思った。もしも日帝の仕業でなかったらどうしようかと、と心配した人々が「専門家の考証を受けた後で除去するのがよさそうだ」という意見を出したが、無視された。
 この鉄杭も、マスコミの大々的な注目を浴びながら引き抜かれ、ソウル国立民族博物館で開かれた光復50周年記念の一部として展示された。そこには次のような説明文がつけられた。
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 民族抹殺政策の一環として、日本人は我々民族の精気と脈を抹殺しようと、全国の名山に鉄杭を打ったり、鉄を溶かして注いだり、炭や瓶を埋めた。風水地理的に有名な名山に鉄杭を打ち込み、地気を押さえ人材輩出と精気を抑え付けようとしたのだ。[2, 2974]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■5.「祖先から受け継いで来た伝統文化に引きずられた結果」
 住民たちが舟の綱を結ぶために打ち込んだ鉄杭まで持ち出して、それを「日帝」が「民族の精気と脈を抹殺」するために打ったものだとする。何の証拠もなく、自分たちの古代的信仰をそのまま日本への糾弾に使う。それは事実ではない、という地元の証言も聞き入れない。
 しかも、それを首都の国立民族博物館という、学問的な権威が必要とされる場所で堂々と語る。ここには、近代的学問の論理的な姿勢はまるでない。そしてそれがいかに恥ずかしい事か、という認識もない。
 李永薫教授は、韓国の教科書を執筆した歴史家は、日帝には「土地だけでなく食料も、労働力も、果ては乙女の性も収奪された、と教科書に書いてきました。その全てがでたらめな学説です」と述べている。その精しい内容は実証的な事実によって『反日種族主義』で検証されているが、「でたらめな学説」が横行している理由について、こう述べる。
__________
 歴史家たちがでたらめな学説を作り出したのは、何かしらの邪悪な意図からというよりは、無意識による、幼い頃から彼らが呼吸して来た、祖先から受け継いで来た伝統文化に引きずられた結果だと言えます。[2, 556]<br />
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 すなわち「鉄杭」神話は、風水説という「伝統文化」に引きずられて生み出され、広められたものである。そこには史実も合理性も学問的検証もない。ただ空理空論で世界のあるべき姿を追求し��朱子学的世界観である。李栄薫教授ら「文明勢力」が戦っているのは、このような前近代的思考に閉じこもった人々なのである。
■6.風水で朝鮮総督府庁舎も解体
 金永三大統領は、鉄杭の除去に留まらず、旧朝鮮総督府の庁舎と総督官邸の解体まで指示した。その理由も、風水研究家が次のような主張をして、世論をリードしたからだった。
__________
 北岳はソウルの主山だが、その優れた気脈が景福宮の勤政殿まで伸び、その血脈を広げ、そこから国中に白頭山の精気を分け与えるというのが、伝統地理家たちの考えだ。
ところが倭人たちが国土を強占した後、北岳の精気が景福宮に続く所に彼らの頭領である朝鮮総督の宿所を造り、気脈の首を絞め、国気の出発点である景福宮南側に総督府の庁舎を造り、首を絞め、口を塞ぐはめになった。当然二つの建物を撤去し原状復旧することが風水の正道だ。[2, 2139]<br />
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 文化界の有名人氏たちも「日帝が朝鮮王朝の景福宮を破壊し、そこに朝鮮総督府の建物を建てたため、国の脈が切れて国土が分断され、同族を殺し合う悲劇が訪れた」と賛同した。朝鮮戦争まで、風水で説明する。
 1995年8月15日の光復50周年慶祝式で、朝鮮総督府庁舎の撤去作業が始まり、翌年11月13日、建物の地上部分の撤去が完了した。朝鮮総督府は日本統治時代に10年の工期を費やして完成した建物で、当時はイギリスのインド総督府やオランダのボルネオ総督府を凌駕する東洋最大の近代式建築物だった。
■7.「恥ずかしく清算すべき歴史」
 朝鮮総督府庁舎は、戦後も大韓民国の重要な歴史が刻まれた舞台だった。1945年9月9日、ここで第9代朝鮮総督・阿部信行が米第24軍軍団長ジョン・ホッジ中将に降伏文書を手渡した。ソウルに進駐した米軍は、ここを米軍政庁として使った。
 1948年5月31日、中央庁の中央ホールで大韓民国の国会が開かれ、同年7月17日には憲法がこの場で公布された。続いて7月24日には大韓民国の初代大統領の就任式が、8月15日には大韓民国政府の樹立の宣布が、中央庁の広場で行なわれた。
 この建物は1950年10月7日まで国会議事堂として使われ、その後は李承晩大統領の執務室となり、朝鮮戦争で火を放たれたが、1962年11月22日、復旧され、その後、中央行政府の庁舎として使用されてきた。
 朝鮮総督府庁舎は、大韓民国の建国以来の歴史の中心的舞台だったのである。それを風水で「国の脈が切れて国土が分断され」た事を理由として、解体撤去するというのは、どういう心理だろう。風水を信ずる多くの韓国民は快哉を叫んだが、金永三大統領の真の目的は別の所にあった。
 金泳三大統領の秘書官・金正男は、『月刊朝鮮』におけるイン���ビューで「金泳三大統領は、中央庁の建物で展開された韓国現代史が、自分の政権の正統性とはほど遠い恥ずかしく清算すべき歴史なので、その建物に対し愛着を感じなかったようだ」と発言している。
 今までの韓国現代史を「恥ずかしく清算すべき歴史」とするのが、金永三大統領の歴史観だった。それは現在の文在寅大統領にも継承されている。その歴史観を李永薫教授は、次のように要約してる。
__________
 日本の植民地時代に民族の解放のために犠牲になった独立運動���たちが建国の主体になることができず、あろうことか、日本と結託して私腹を肥やした親日勢力がアメリカと結託し国をたてたせいで、民族の正気がかすんだのだ。民族の分断も親日勢力のせいだ。解放後、行き場のない親日勢力がアメリカにすり寄り、民族の分断を煽った」 (『大韓民国の物語』文藝春秋)。[3]<br />
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 すなわち現在の大韓民国とは、「日帝時代の親日勢力」の残党がアメリカと結託して建てた国であり、本来の正統的国家は北朝鮮だというのである。3代続いている北朝鮮の金王朝こそ、朝鮮の正統な支配者であり、またその背後にある習近平の独裁政権も、伝統的な中華帝国の支配者と見る。
 中国も北朝鮮も、それぞれの前近代的な伝統に基づく独裁国家である。そこには自由、人権、法治、市場経済という文明的概念はない。こういう東アジアの朱子学的全体主義勢力と戦っているのが、韓国内の自由民主主義文明勢力なのである。
■8.「今の日本は敵でなく、共産主義と共に戦う味方だ」<br /><br />
 この夏、8月15日にもソウルで反文在寅の「太極旗デモ」が行われ、参加者は「日本は敵ではない」「反日は反逆だ」などのスローガンを大声で叫んだ。演説会でも「文在寅政権の反日は親北容共で韓国に有害だ」「反日は愛国ではなく反逆、利敵だ」「今の日本は敵でなく、共産主義と共に戦う味方だ」という発言が相次ぎ、参加者が大声で唱和した。[3]
__________
 現在の韓国の反日は、文政権とその支持勢力が主導する「親北反日」で、それを見抜いた韓国の自由民主主義勢力がアンチ反日運動に立ち上がって、韓国内で激しい政治的、思想的内戦を展開しているのだ。[3]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 西岡力教授の結論である。香港のデモも本質は同じだろう。自由な日本と台湾のすぐ隣、大陸との境界では、「激しい政治的、思想的内戦」が起こっていることを我々は認識しなければならない。『反日種族主義』が韓国でベストセラーになったのは、自由民主主義文明勢力の反撃の狼煙なのである。(文責 伊勢雅臣)”
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2ttf · 13 years ago
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fizzzm · 5 years ago
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先々週のこと/日記とブログと記憶
9月そして10月となんだかんだで週休1日以下が続いていて、というよりかはそれなりに仕事で色々なことがあって(でも色々なことがあったと言っていいほどに仕事を出来ている気はしない)、その週に一度あるかないかの休みを朝寝坊して過ごすことが多くなっている。もともと朝はべらぼうに弱いし、寝ていていいのならば寝ていたい。そこにコロナがやってきて、あまり出歩くでないというその影響の残滓が、そして月曜日はどこも休みだという状況が、昼前まで寝ていることの都合のよい言い訳みたいになっていた。 遅く起きると、洗濯機をまわし、掃除機をかけ、ここのところはまっているヨガの真似ごとをして、あさひるごはんを食べる。コーヒーか紅茶もたっぷり入れて、最初はyoutubeとかを見ているのだけれどそのうちに飽きてなんどかホームをリロードしているうちに、つくえの脇に積んである本を手に取る。最初から本を読めばいいのに、といつもあとになって思っている。 その日開いたのは三品輝起さんの『雑貨の終わり』という本だった。関心ごとのひとつだった生活工芸周りのことを考えるにあたって読みたいな、と思っていたところ、「考える人」のウェブでサイン本プレゼント企画をやっていて、これまた何か仕事のことで落ち込んでいた昼休みになんとなく応募したら後日ほんとうにサイン本が送られてきた。サイン本というものに応募するのも、当たるのも初めてで、ポストを見てびっくりして嬉しかったのに、一週間ほど寝かせていたのだった。あらゆるものが「雑貨化」していく世の中を、すこし憂うように雑貨のお店のなかで見つめ語る言葉を読んで、自分の本棚に並ぶいろいろなものを見返してしまった。小さな石のついたオブジェ、サイコロ、郷土玩具、大きな松ぼっくり、わたしはまさに「雑貨感覚」を曲がりなりにも習得して発揮してしまっているのだと思う。そしてこんな本を、「サイン本プレゼント企画」なんていう方法でいただいて読んでいることが、あまりにミスマッチに思えて、すこし気が引けてしまった。けれども体温の低い語り口と視線が巧妙で、半分くらいまで読み進める。なかには村上春樹の書斎の話がでてきて、その高度な「雑貨感覚」のことを読んで思わずペンギンブックスのウェブサイトから村上春樹のページをチェックした。レコード棚のうえに置いてある野球選手のフィギュアは、確かにハイソな雰囲気を和らげていた。 そのままいくとほんとうに自宅と職場の引きこもりになってしまうので、すこしは出かけようと思ってかるく化粧をしてから考える。何もやる気がおきなくてもうだめだという気分だけれど、これ以上だめになりたくないというとき、自分が出かける先は二つある。ひとつは美容院で、もうひとつは映画館。どちらも、自分は座っているだけで何かが起きてくれるから。(わたしは映画のことをなんだと思っているのだろう。ひどい話だ。)そしてその日は気になっているものがあったので、映画館へ行くことにする。今住んでいる町に��映画館がないので、電車に乗っていけることもまたよい。車内では北村薫さんの『詩歌の待ち伏せ』を読む。北村さんの本は、本屋さんになったゼミの同期の人が何年か前に小説を勧めてくれてから読むようになった。(コロナウイルスが世を賑わしたGW中に、彼が久方ぶりに連絡をくれてまた本を勧めてくれた。そのときに教えてくれた本はやっぱりどれも良くて、また何かおすすめして欲しいと思うけれどなんだかずうずうしいかなと思って連絡を取ることができない。)北村さんのなかで詩と詩が、作家とエピソードが、どんどん繋がっていくさまがミステリーみたいで、登場する作家や文学のほとんど何も知らないのに、贅沢に味見をさせてもらうようにすこしずつ読んでしまう。待ち伏せに遭うのも、その愛情と熱量と深い知性があってゆえのことなのだろうと、憧れる。 映画館には開演ぎりぎりの時間で間に合って、「真夏の夜のジャズ」を観る。1958年のニューポートジャズフェスティバルのドキュメンタリー。クレジットの文字組が水面に揺れて(いた気がする)、サックスの手元が映る。見えないけれど、すこしくぐもった、煙ったようなまろやかなトロンボーンが聴こえる。なんだかBob Brookmeyerみたいですきな音だ、と思っていると、クレジットがでて、Jimmy Giuffre Threeというそのトリオの名前を知る。そして、最後にちらっと映ったトロンボーンプレイヤーがまだ若かりし(?)ブルックマイヤー氏でびっくりする。自分がまだ、自分のすきなものを分かることに、ほっとしてすこしうれしくなった。あとはひたすらぼーっと映画をみる。観客たちの服装がかわいいな(柿色のニットに白いシャツ、ジーンズにベルトを締めてビール片手に踊る女のひと、チェックシャツにメガネでカメラを構える女の子)、とか、もうちょっとこのひとの音楽を聴いていたかったな、とか、もっとバンド全体を写してほしい、とか、チェロの音はいいなあ、とか、勝手なことを思ってぼんやりとスクリーンをみつめ、かかとの感覚のなかだけで2・4のリズムを刻む。おじさんがふたり、大学生らしき男子がひとり、そしてわたししかいない映画館で、もう半世紀以上も前の一瞬が刻々と流れる余白みたいな空間。自分にまだ一応すきなものがあるということがわかったのは幸運だった。 そのまま歩いてすぐにあるジャズ喫茶にでも行けるとよかったのだけど、案の定月曜はどこもお休みなので、本屋さんに行く。せっかく街に出てきたのだからと、大きい本屋さんをうろうろとする。(街に出てくる、という感覚がよく分かるようになってきた。)小説棚をうろつき、雑誌コーナーで立ち読みをし、レシピ本を物色して、小説をひとつ、そして映画の余韻につられて『文學界』のジャズ特集を買った。月曜日の繁華街は仕事終わりのひとたちで賑わいはじめ、明らかに休みであるような格好で人ごみを抜ける。おおむねみなさん働いたような格好をしている。電車の窓に映る俯きがちの顔々をみつめる。 家に帰り、文學界をぱらぱらとめくると、村上春樹がレコード棚を背にゆったりと腰掛けていた。棚の上には今朝PCで見ていた野球選手のフィギュアが相変わらずお茶目さを放っている。北村さんのエッセイみたい。一日が円環となってつながったみたいだった。
「先週のこと」とタイトルだけつけて書き出した一日は、もう二週間以上も前のことになっている。ここのところ書けなくなっていた日記を、ブログにすれば書けるかと思ってすこしずつ書き出していた。ブログならきっとそのままを書かないから、ちょっとは楽かと思ったのだがそうでもない。(でも、すこしは楽しい。これは自分に認めてほしい。)そしてそれとは全く別のところで聡明な友人に日記を書くきっかけをもらった。久しぶりに書く日記はうまく書けない。一日はぜんぜん書ききれない。そして書いた風にわたしは記憶をつくっているのだった。空白の多い2ヶ月くらいのページを見返して、記憶から抜け落ちるいろんな日の細部をちょっとだけ思う。誰も見ていなくたってブログに書くことはすこし整えられた気持ちで、日記もその程度は落ちれどすこしは作り物。でも記憶をなくしやすいわたしは、そうやって書いたりたまに読み返したりして、昨日と今日を同じひととしてやってきたのだった。それならばもしかして。もしかして、と思う。
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buriedbornes · 7 years ago
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第11話「薫る桜花(3) - 死に化粧」 - Short story “Scents of cherry blossoms chapter 3 - Makeup to death”
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「この辺りに、間違いなくおるはずであるが…」
ケンゾーが、周囲を見渡しながら呟いた。
あれから二人で、サクラさんを一生懸命探したんだ。
気味の悪い風穴や、迷宮の奥深く。
そして、腐敗した貧民街の近くで見つけた生存者の集落で、魔物退治のお礼についにサクラさんの消息にたどり着いた。
「和装の女剣士が、光の玉をまとって森へ向かった」
全身から生ゴミの匂いがするおじいさんが、そう言った。
「光の玉って、何のことだろう?」
「…拙者には、見当もつかないでござるよ。サクラ様には、術の素養がなかった。そのような術を、サクラ様が使われる事はないはず」
ケンゾーさんは足跡を探るため、辺りの枯れ葉によくわからない粉末を撒きながら難しそうな顔をして粉の落ちたところを睨んでいる。
「それは、何?」
「なぁに、ちょっとした手品に候」
そう言うと、ふわりと風が吹いた。
それに誘われるように、粉末は風下へと舞っていった。
見下ろすと、粉末が落ちていた場所に、風に飛ばずに足跡の形に粉が残されていた。
「うむ、��のご老人の目は節穴ではなかったな」
すっくと立ち上がると、足跡の向かう先を指差すケンゾーさん。
「この先に、サクラさんがいるんだね!」
「うむ!さぁピエトロ殿、サクラ様はもうすぐにござるぞ」
やった!また、あのサクラさんに会える。
優しくて、良い匂いのする、サクラさんに。
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そう遠くはない、という拙者の見込みは正しかった。
桜の花びらをあしらった模様が、木々の隙間から覗く。
「あ!あれだよケンゾーさん!」
ピエトロ殿が、まるでモグラのようにあちこちの隙間や木の裏から落ち着きなく頭を出し入れしてはこちらを振り返る。
足音を殺し、そっと側の木の陰から様子をうかがう。
顔が見えた。
間違いない、あの整った鼻立ち、胸まで伸びる黒髪、先代様が遺されたソガベの宝刀。
あれから10年か。
大きくなられた。
本当に、大きくなられ、そして美人になられた。
あのおてんば娘が。
しかし、何かがおかしい。
あの凛とした瞳の奥に感じられた、芯の強い意志がない。
そして、ほのかに漂う、屍臭…
「サクラさ~~ん!!!」
ピエトロ殿がオオキノコの傘の下から飛び出すと、そのまま自分の足で駆け寄っていく。
拙者は、再び木の陰で気配を殺した。
「サクラさん、やっと見つけたよ~!」
ピエトロ殿がサクラ様の足元に立ち止まった。
「サクラ、さん…?」
スラリと音を立てて、サクラ様が刀を抜く。
「さ、サクラさん!?」
次の瞬間、宝刀が空を裂き、甲高い金属音が三度鳴り響いた。
拙者の投擲した苦無手裏剣はかさりと乾いた音を立てて草むらに落ちた。
「どうして!?」
忍刀を双手に構えにじり寄る拙者の前に、ピエトロ殿が立ち塞がる。
「なんでこんな事するのケンゾーさん!!」
「拙者が主君より受けた命は、姫の暗殺… 邪魔するならばおぬしも斬らねばならぬ」
愕然としながらも、ウサギの少年は懐中から湾曲した投擲武器を取り出した。
「ぼくの… 恩人なんだ!」
「すまぬ、ピエトロ殿」
術の印を切る間もなく、鈍い音が森に響いた。
ピエトロ殿の首から、新しい耳のようなものがするすると伸びた。
すると、ゴポゴポと不快な音を立てながら、口から赤いものを垂れ流す。
またするりと首から長いものが抜けると、ピエトロ殿はその場に崩れ去った。
刃先を真っ赤に染めた愛刀を手に、生気のないサクラ様が、今度はその刀を流れるように持ち直し、青眼の構えへと移���。
間違いなく、サクラ様でありながら、そこにいる誰かは、もうサクラ様ではないのだろう。
「もう、生きてはおられぬのだな」
首と左手首に接いだ跡が観える。
そこにおられるのは、サクラ様の屍体であって、サクラ様ではない。
「もう命がないのであれば、首だけ貰い受けて持ち帰るのみ」
あらためて、忍刀を構え直す。
サクラ様の構えが動き、重心が下がる。
受けに回る前の、サクラ様の癖。
そんなものまで、再現せしめるというのか、屍者を冒涜する者どもよ!
怒りは、押し殺せ。
跳躍し、再びの手裏剣投擲。
難なく払い、こちらに向けて駆け出し宝刀の突き。
しかし、枯れ葉の積もった地面は踏み込みが効かぬ。
滑るように突きは拙者の頭部横をかすめて後方へ流れていく。
すかさず忍刀を繰り出そうとした瞬間、腹部に強烈な衝撃を受け、右に吹き飛ぶ。
彼女の左裏拳が、拙者の肋骨を砕き、振り抜けられたのだ。
尋常の膂力ではない、この力も技も。サクラ様のものではないはずだ…
木の幹に強く打ち付けられ、血を吐きながらボロ雑巾のように地べたに這う。
油断しない様子でジリジリと桜色の屍者が詰め寄る。
今度は彼女が、大きく振りかぶって跳躍した。
そこに合わせて、印を結び、手を空に。
「火遁の術!!」
手先から業火が走り、空中を舞うサクラ様の身を包む。
しかし、円を描いて振るわれた宝刀が炎を巻き込み、そして払ってしまう。
そこにさらに苦無が飛来させる。
払う。
電撃。
弾く。
さすがの達人でも、これだけの連撃を前に攻勢は維持できない。
たまらず枝を蹴って、後方に飛び退くサクラ様の着地点が、一瞬瞬く。
そして、爆音。
全くの無防備であった彼女の肉体は爆破をまともに受け、後方に倒れ伏せる。 致命傷には至らなかったものの、右腕が吹き飛び、両足は骨が粉々で立ち上がる事はできまい。
「忍術の神髄、お忘れになったか」
たったの一度も、拙者がサクラ様に負けた事は、一度もなかった。
10年の歳月を経て、最期のこの時を迎えても、一度も覆る事はなかった。
ただの、一度も…
そして、永遠に。
「せめて、顔には化粧を施してしんぜよう」
傍らにしゃがみ込み、首を切り落とすために、忍刀を添える。
その時ふいに、サクラ様の瞳から涙が流れた。
「ケン… ゾー… お願…」
ただの、一度も。
些細な事で心が揺れ動くようでは、忍は務まらない。
それが、選んだ世界なのだから。
その言葉が、サクラ様の遺された本心から出たものなのか、冒涜者が策を弄するために取った最後の悪あがきだったのか、今となっては確認する術はない��
全てを言い終わる前に、サクラ様の首は跳ね飛んだ。
その瞬間、一閃の光が視界をかすめる。
暖かな日々が、胸に去来する。
「さようなら、サクラお嬢様…」
そう呟こうとした拙者の口から、言葉は発せられなかった。
ふと、見下ろすと、胸に拳ほどの穴がぽっかりと開いている。
傷口は焼き切れて血も吹き出さず、ただ、熱いものがその胸元からこみ上げてきた。
振り返ると、空中に漂う、光の玉。
それは、死の直前に目にする幻だったのかもしれない。
それは、輝く、小さな少女だった。
その可愛らしい少女は、目を泣き腫らし、何かを訴えるように叫んでいた。
しかし、もう、音も聞こえない。
足の力を失い、倒れ込む。
遠ざかる意識の中で、それでもなお、拙者のした事に後悔はなかった。
これが、拙者の選んだ世界なのだから。
奪い、奪われる者の、世界なのだから。
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~つづく~
薫る桜花(4) 奪い、奪われる世界
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
ショートストーリー
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kachoushi · 2 years ago
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各地句会報
花鳥誌 令和5年8月号
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坊城俊樹選
栗林圭魚選 岡田順子選
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令和5年5月1日 花鳥さざれ会 坊城俊樹選 特選句
葉桜に声まで染まるかと思ふ 雪 葉桜の懐深く観世音 同 葉桜を大天蓋に観世音 同 ふと思ふ椿に匂ひ有りとせば 同 葉桜の濃きに始まる暮色かな 泰俊 葉桜の蔭をゆらして風の音 同 老鶯を聞きつつ巡りゐる故山 かづを 四脚門潜ればそこは花浄土 和子 緑陰を句帳手にして一佳人 清女 卯波寄すランプの宿にかもめ飛ぶ 啓子 蝶二つもつれもつれて若葉風 笑 雪解川見え隠れして沈下橋 天
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月6日 零の会 坊城俊樹選 特選句
五月闇喫茶「乱歩」は準備中 要 だんだんに行こか戻ろか日傘 和子 錻力屋のゆがむ硝子戸白日傘 昌文 空になる途中の空の鯉幟 和子 ラムネ玉胸にこもれる昭和の音 悠紀子 だんだんは夏へ昭和へ下る坂 慶月 だんだん坂麦藁帽子買ひ迷ふ 瑠璃 白シャツのブリキ光らせ道具売る 小鳥 蟻も入れず築地塀の木戸なれば 順子 夕焼はあのアコーディオンで歌ふのか きみよ 谷中銀座の夕焼を待ちて老ゆ 同
岡田順子選 特選句
築地塀崩れながらに若葉光 光子 日傘まづは畳んで谷中路地 和子 ざわめく葉夏の赤子の泣き声を 瑠璃 築地塀さざ波のごと夏めきて 風頭 カフェーの窓私の日傘動くかな 和子 二階より声かけらるる薄暑かな 光子 下闇に下男無言の飯を食ふ 和子 覚えある街角閑かなる立夏 秋尚 谷中銀座の夕焼を待ちて老ゆ きみよ 誰がために頰を染めしや蛇苺 昌文 青嵐売らるる鸚鵡叫びたり きみよ
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月6日 色鳥句会 坊城俊樹選 特選句
カルデラに世帯一万春ともし たかし 大いなる大地を画布に聖五月 朝子 渚恋ひ騒ぐ厨の浅蜊かな たかし しやぼん玉母の笑顔を包みけり 朝子 乙姫の使者の亀ならきつと鳴く たかし 風に鳴るふらここ風の嗚咽とも 睦子 桜貝拾ひ乙女となりし人 久美子 風船の子の手離れて父の空 朝子 夕牡丹ゆつくりと息ととのふる 美穂 はつなつへ父の書棚を開きけり かおり 鷹鳩と化して能古行き渡航路 修二 風光るクレーンは未来建設中 睦子 人去りて月が客なる花筏 孝子 束ね髪茅花流しの端につづく 愛 悔恨深し鞦韆を漕ぎ出せず 睦子 ひとすぢの道に薔薇の香あることも 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月8日 武生花鳥俳句会 坊城俊樹選 特選句
戦争は遠くて近しチューリップ 信子 霾や廃屋多き街となり 三四郎 長長と系図ひろげて柏餅 昭子 鞦韆を揺らし母待つ子等の夕 三四郎 代掻くや越の富士山崩しつつ みす枝 氷菓子あれが青春かもしれぬ 昭子 モナリザの如く微妙に山笑ふ 信子 風なくば立ちて眠るや鯉幟 三四郎 観音の瓔珞めいて若葉雨 時江 春といふ名をもつ妻の春日傘 三四郎 もつれては蝶の行く先定まらず 英美子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月9日 さくら花鳥会 岡田順子選 特選句
金環の眼や神々し鯉幟 実加 テンガロンハットの老夫麦の秋 登美子 筍を運ぶ人夫の太き腕 あけみ 緩やかに青芝を踏み引退馬 登美子 赤き薔薇今咲き誇り絵画展 紀子 自らの影追ひ歩く初夏の昼 裕子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月9日 萩花鳥会
マンションの窓辺で泳ぐ鯉幟 祐子 兜より多産な鯉を子供の日 健雄 山頂に吹き上がるかな春の息 俊文 新緑やバッキンガムの戴冠式 ゆかり 仰向けのベッドに届く風五月 陽子 この日から五類に移行コロナあけ 恒雄 武者人形剣振り回すミニ剣士 美惠子
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令和5年5月10日 立待俳句会 坊城俊樹選 特選句
囀や高鳴く木々の夜明けかな 世詩明 すがりたき女心や花薔薇 同 仏舞面の内側春の闇 ただし 菖蒲湯に老の身沈め合ひにけり 同 うららかや親子三代仏舞 同 花筏寄りつ放れつ沈みけり 輝一 花冷や母手造りのちやんちやんこ 同 機音を聞きつ筍育つなり 洋子 客を呼ぶ鹿みな仏風薫る 同 渓若葉上へ上へと釣師かな 誠 子供の日硬貨握りて駄菓子屋へ 同 白無垢はそよ風薫る境内へ 幸只 春雨は水琴窟に託す朝 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月11日 うづら三日の月花鳥句会 坊城俊樹選 特選句
里山を大きく見せる若葉かな 喜代子 父母座す永代寺も夏に入る 由季子 三国町祭提灯掛かる頃 同 難解やピカソ、ゲルニカ五月闇 都
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月12日 鳥取花鳥会 岡田順子選 特選句
ホーエンヤ口上述べて祭舟 史子 暮の春どちの館の椅子机 すみ子 声潜めメーデーの歌通り過ぎ 益恵 手擦れ繰る季寄卯の花腐しかな 美智子 鳥帰る曇天を突き斜張橋 宇太郎 海光も包まん枇杷の袋掛 栄子 葉桜や仏の夫の笑みくれし 悦子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月13日 枡形句会 栗林圭魚選 特選句
菖蒲湯の香を纏ひつつ床に就く 多美女 風低く吹きたる社の陰祭 ゆう子 やはらかき色にほぐるる萩若葉 秋尚 すと立てし漢の小指祭笛 三無 深みゆく葉桜の下人憩ふ 和代 朴若葉明るき影を高く積み 秋尚 メモになき穴子丼提げ夫帰る 美枝子 祭笛天を招いて始まれり 幸子
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月14日 なかみち句会 栗林圭魚選 特選句
植物園脇に馴染みの姫女苑 聰 近づきて見失ひたる山法師 秋尚 母の日の記憶を遠く置き去りに 同 崩れかけたる芍薬の雨細き 同 若葉して柔らかくなる樹々の声 三無 葉桜となりし川辺へ風連れて 秋尚 白映えて幼稚園児の更衣 迪子 くれよんを初めて持つた子供の日 聰
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月17日 福井花鳥会 坊城俊樹選 特選句
一人逝き村軽くなる麦の秋 世詩明 水琴窟蔵す町屋の軒菖蒲 千代子 三国沖藍深めつつ卯波来る 笑子 母の日や母の草履の小さくて 同 カーネーション戦火の子らに百万本 同 遠ざかる思ひ出ばかり花は葉に 啓子 麦秋の響き合ふごと揺れてをり 千加江 あの世へもカーネーションを届けたし 同 紫陽花やコンペイトウと言ふ可憐 同 人ひとり見えぬ麦秋熟れにうれ 昭子 永き日の噂に尾鰭背鰭つき 清女 更衣命の先があるものと 希子 春愁や逢ひたくなしと云ふは嘘 雪 風知草風の心を風に聞く 同
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月17日 さきたま花鳥句会
鯉幟あえかな風も見逃さず 月惑 土間で輪に岩魚の骨酒郷の友 八草 背に茜萌黄の茶摘む白き指 裕章 薫風や鐘楼の梵字踊りたる 紀花 潦消えたるあとや夏の蝶 孝江 初夏の日差しじわじわ背中這ふ ふゆ子 水音のして河骨の沼明り ふじ穂 なづな咲く太古の塚の低きこと 康子 竹の子の十二単衣を脱ぎ始め みのり 薔薇園に入ればたちまち香立つ 彩香
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月21日 風月句会 坊城俊樹選 特選句
野阜に薫風そよぐ母の塔 幸風 突つ伏せる蝶昂然と翅を立て 圭魚 夏めきて観音膝をゆるく曲げ 三無 谷戸深き路傍の石の苔の花 久子 捩花の気まま右巻き左巻き 炳子 人の世を鎮めて森を滴れる 幸子 水音は水を濁さず蜻蛉生る 千種 夏蝶のたはむれ城主墓に罅 慶月 薫風やボールを投げてほしき犬 久
栗林圭魚選 特選句
要害の渓やえご散るばかりなり 千種 恙少し残り見上ぐる桐の花 炳子 十薬の八重に迷へる蟻小さき 秋尚 野いばらの花伸ぶ先に年尾句碑 慶月 忍冬の花の香りの岐れ道 炳子 水音は水を濁さず蜻蛉生る 千種 谷戸闇し帽子にとまる夏の蝶 久子 日曜の子は父を呼び草いきれ 久 ぽとぽとと音立てて落つ柿の花 秋尚 黒南風や甲冑光る団子虫 千種
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
令和5年5月28日 月例会 坊城俊樹選 特選句
二度廻る梓渕さんかも黒揚羽 秋尚 夏めきぬ膝に一筋擦過傷 炳子 茶席へと鳥獣戯画の帯涼し 要 万緑を黒靴下の鎮魂す 順子 美しき黴を持ちたる石畳 みもざ 霊もまた老ゆるものかな桜の実 光子 薄き汗白き項の思案中 昌文 黒服の女日傘を弄ぶ 緋路
岡田順子選 特選句
夏草や禁裏を抜ける風の色 月惑 白きもの真つ白にして夏来る 緋路 女こぐ音のきしみや貸しボート 眞理子 蛇もまた神慮なる青まとひけり 光子 風見鶏椎の花の香強すぎる 要 霊もまた老ゆるものかな桜の実 光子 白扇を開き茶室を出る女 佑天 緑陰に点るテーブルクロスかな 緋路 黒服の女日傘を弄ぶ 同 二度廻る梓渕さんかも黒揚羽 秋尚
(順不同特選句のみ掲載) ………………………………………………………………
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fujihara-org · 1 month ago
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年越しあんさんぶる!!2023→2024/2024→2025のメンバー、組み合わせの妙(組み合わせ:2025年1月31日時点)
こんばんは、藤原です。本日もソシャゲのランニングの合間に記事を書いてますよ〜。そうじゃないと種類が違う音ゲーを永遠にやる羽目になっちゃうんでね。それだけは避けたい。とは言っても現在はオートプレイ中でずっと周回回しているところでもあるんですが。ははは。 と冗談ではない冗談はその辺りにして、タイトルテーマでたんぶらします。このテーマ、自分語りしてる人いると思ったのに、思ったより多くなくて、なんで?ってなってます。
このたんぶら内でも何回か出てきている、あんさんぶるスターズ!というコンテンツがありましてですね。主にはソシャゲを中心として、アニメ・舞台・ライブ・グッズ・カフェなど多方面マルチ展開を遂げているゲームがあるんですが、その中でも特に「あんさんぶるスターズ!!Music」(以下、Musicちゃん)というソシャゲがありましてですね。あ、ちょっと前にメンテして大型アップデートしたので、正確には「あんさんぶるスターズ!! Bright me up Music」というゲームなんですが。まあ、このMusicちゃんに「年越しあんさんぶる」という企画がありまして。 簡単に説明をすると、4曲からなるメドレーで年越しのカウントダウンをしよう!という企画なんですが、このうち1曲目〜3曲目までは「曲のイメージ」から「出演メンバー」をセレクトしてメンバーチェンジでのメドレーを楽しみ、4曲目は実際にカウントダウンしてくれるセンターを選んで楽曲を楽しむという、本当に年末ナイズされたお年玉企画のような感じです。細かくいうと微妙に違うところもあるのですが、基本おおまかにはこんな感じの内容です。すでに、「2023→2024」「2024→2025」の2年間分が実施されています。より詳しいことが知りたい場合は2024→2025年版の公式の案内ページをどうぞ。 この企画も本当に手間とお金かかってるんですよ!!!これぞ、あんさんぶるスターズ。本当にできるのか…?というか、こんな夢みたいなことやっちゃって良いの?みたいなことやってくる。血税の如く毎月入っている課金やお布施の金額を有効活用してるんだなあと思ってしまう、神企画ですよね…。規模感が凄すぎる。もちろん、新規衣装全員分とかステージをCGで作る、メドレー音源を作る、などどれだけ工数かかってるだろう���と思っちゃうんですけど、一番は音源でしょう。メンバーチェンジという言葉で表現されてますけど、驚くなかれ、要はもともとその曲のメンバーでなかったキャラクタにその曲をワンフレーズ歌ってもらってそれをマッチングさせて遊べるっていうことですからね。もちろん選べるキャラクタは出演メンバーの中からなので制限はありますが、そんな箱庭の神様みたいな遊びできるゲームあるとか…?ちょっと宇宙猫状態でしたよね。楽しすぎるやんけ〜! ということで、遊べる2025年1月末までの間で個人的に試した組み合わせの中でこれは良かった!心の琴線に触れた!というものをお届けします。ちなみに、この企画は年末年始の限定企画で恒常追加はされていませんので、もし試してみたいかも!となった方は今年の年末まで待ちましょう。こういうものを積極的に生きる理由にしていきましょう!なお、組み合わせを試したのは終了日の1月31日の18時以降でして、そこから3時間くらいで試した結果ですので、試行数が少ないこともご注意ください。また、書き方などについては備忘録を兼ねた実験メモみたいな感じですので、順不同・殴り書きでも悪しからず。上に書いたから良い組み合わせというわけでもないです。単純な試行順。
年越しあんさんぶる!!2023→2024
youtube
公式の動画は上記です。この年のMCは氷鷹誠矢さん。安定感すごい〜!さすが伝説のアイドル!本年のメドレー楽曲は「メルティ♡キッチン(Ra*bits)→Finder Girl(Trickstar)→Or the Beautiful Golden Drop(Knights)→BRAND NEW STARS!!(5人版)」の流れでした。可愛い→爽やか→かっこいい→いつもの、という感じですね。情緒の緩急がすごい。組み合わせはポジション順で表記します。
メルティ♡キッチン(Ra*bits):ちょっと明るくて甘めの声の子たちが好み。ポジション問わずいける子もいるけど、個人的に好みのバランスについてひびわたは一番右ポジションが多い。多分パートの問題。
羽風薫/椎名ニキ/遊木真
葵ひなた/朔間凛月/仙石忍
明星スバル/巴日和/朱桜司
深海奏汰/羽風薫/日々樹渉
仙石忍/明星スバル/日々樹渉
白鳥藍良/遊木真/青葉つむぎ
Finder Girl(Trickstar):毒をもって毒を制す系。特徴と特徴で不思議なマリアージュの���メージです。まとめてて気づいたけど、擬似TearSできてるな。バランスはピカイチ。
天城一彩/瀬名泉/漣ジュン
瀬名泉/天城一彩/漣ジュン
漣ジュン/天城燐音/影片みか
天城燐音/月永レオ/高峯翠
影片みか/大神晃牙/逆先夏目
七種茨/逆先夏目/影片みか
鳴上嵐/大神晃牙/紫之創
鳴上嵐/鬼龍紅郎/紫之創
Or the Beautiful Golden Drop(Knights):かっこいい3:キュート1の割合でまとめるとうまくいく(暴論)。結構高音でもアクセントになるのでおすすめ。どっちかっていうと低音と高音のバランスの方が大事かも。
乱凪砂/斎宮宗/氷鷹北斗/朔間零
乙狩アドニス/風早巽/葵ゆうた/衣更真緒
HiMERU/三毛縞斑/春川宙/伏見弓弦
真白友也/伏見弓弦/天満光/朔間零
乱凪砂/真白友也/衣更真緒/風早巽
氷鷹北斗/葵ゆうた/HiMERU/真白友也
乱凪砂/風早巽/伏見弓弦/神崎颯馬
年越しあんさんぶる!!2024→2025
youtube
公式の動画は上記から。この年のMCはナイスPですね〜。ナイス!な年になりそう。昨年とは楽曲が異なり、今年のメドレー楽曲は「Twin Wedding Vows(2wink)→Valentine Eve's Nightmare(UNDEAD)→デートプランA to Z(√AtoZ)→BRAND NEW STARS!!(8人版)」でした。せつな可愛い→アダルティ→楽しい→いつもの、という形ですね。前年と比較してハーモニーが目立つ曲が来たのが意外でした。その分よく声が聞けたので嬉しいです!!前年同様、組み合わせはポジション順で表記します。
Twin Wedding Vows(2wink):ハーモニーが綺麗だとそれだけで高評価。綺麗に聞こえる組み合わせをとりあえず探した感じ。まさかのポジション入れ替えただけの組み合わせもあり、まとめて気づいてびっくり。
瀬名泉/影片みか
漣ジュン/瀬名泉
羽風薫/エス
桜河こはく/滝維吹
影片みか/瀬名泉
Valentine Eve's Nightmare(UNDEAD):この曲が一番難しかった。意外に声質のバランスがとりにくくてバラバラに聞こえてしまう。結果、同系統でまとめるか意外性を狙ってばん!と決めるかどちらか。
月永レオ/天祥院英智/天城一彩
七種茨/葵ひなた/蓮巳敬人
朔間凛月/巴日和/日々樹渉
礼瀬マヨイ/守沢千秋/逆先夏目
天城一彩/逆先夏目/紫之創
デートプランA to Z(√AtoZ):組み合わせの妙が楽しすぎた1曲。低音は低音ならではの真価を見せつける一曲で、音域が合うメンツはそのポテンシャルを遺憾なく発揮。どの組み合わせもデート作戦が見えて楽しい!
真白友也/伏見弓弦/カンナ
乱凪砂/仙石忍/青葉つむぎ
朱桜司/斎宮宗/風早巽
風早巽/神崎颯馬/衣更真緒
乱凪砂/氷鷹北斗/風早巽
HiMERU/衣更真緒/三毛縞斑
朔間零/乱凪砂/鬼龍紅郎
氷鷹北斗/朱桜司/伏見弓弦
こうまとめて見ると、私の好みについては、意外に推しや担当よりも、そのユニットでの曲のバランスとかハーモニー的にアリかナシかといった視点で振り分けられてるんだなあと思います。どうしても入れたい!と思ってもバランス悪いと外しちゃうんですよねえ。そこに担当とか推しとかはあんまり関係ないと思ってるタイプなので。もちろん、選抜回数自体に多少の差はあるかもしれませんが。 反省としては、そもそもこの無限組み合わせを締め切り6時間前から試すとかいう相当無理なスケジュールだったので、もし今年以降あるとすればこれを元に計画的に試していきたいと思ってます。桃李くんとか組み合わせ見つけたかったんです。なずなくんとか、ユメちゃんもね。特徴的な声の子ほど、うまく取り扱えたらなあと思ったんですが、それができなかったので後悔です。今年あるなら、1キャラ1組あわせを目指していきたいと思います。あと、試してるときにも思ったんですが、何人か万能キャラみたいなものがいますね…?なんとなくどの曲を歌っても雰囲気とかトーンにぴったり合って(もしくは、曲やトーンを自分色に染め上げて)うまくまとめてくれる、みたいなボーナスキャラ。せないずとかすごいんだなあ(小並感)って思ってました。あと閣下とか。やっぱり器用ですね。必ずしも推しではなくても全幅の信頼を置いちゃうのはこういうところなんだよなあと改めて実感しました。今年も楽しみにしてます!!(クソデカボイス)
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judachigeiju · 8 years ago
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群青同人作品
『群青』2017年8月号
偶数月刊なら今月だと思っていた。外苑の銀杏並木、「これで最後ね」と言ってその人は『群青』を手渡した。その人があちら側へ行くのではない、私が西遠州へ引越すのをその人は知っている。
珈琲の香のうつすらと避暑地かな 櫂未知子
子の数の捕虫網立ち軽井沢 櫂未知子
落ちて来し高さを仰ぐ桐の花 佐藤郁良
さぼてんに混ざつて犬の遺影かな 副島亜樹
あぢさゐに厚みがあつてねむくなる 小鳥遊栄樹
太陽の寿命問はれし酷暑かな 武山平
太陽の寿命について考えると全てのことが無意味に思えてくる。俳句を文章を本という形で残すことも、数十億年後には消えてなくなることなのだから。しかし本は今後百年のためだけに残すものなのかもしれない。そこまで思考が至るなら酷暑だろう。
簡単に咲くもの買つて新社員 田中冬生
弟に背の越されゐてサングラス 玉城涼
黒南風を呑み込んで塔高くなる 仲寒蟬
花屑の掃き寄せられし中に翅 永瀬十悟
新樹林魚のひかりに水ゆるる 永瀬十悟
畑への径の起伏を夏の蝶 永瀬十悟
街中の鉄匂立つ梅雨晴間 抜井諒一
天上に廃墟ありけり朴の花 野木まりお
水蹴ればやさしくなれる裸足かな 浜﨑結花
朝書きし躑躅といふ字夜は髑髏 柊ひろこ
泉湧く声のはじめは母音にて 柊ひろこ
その声のはじめというより、「泉湧く」だから人間の声のはじめというものは母音であったということだろう。
サンドレス眩しぐんぐんヨーグルト 東影喜子
老鶯や身にひとすぢの草津川 堀下翔
右腕の肉やはらかき昼寝かな 幌谷魔王
「やはらかき」には感謝と親しみがこめられている。
青蔦やシャンパン零す石畳 増井悠山
湿原の薫風に髪甘えさせ 峰あかり
夜の秋書店のロビーコンサート 峰あかり
香水の名前正しく発音す 三村凌霄
香水はほとんど名前で出来ている。
桜桃忌にんげんはちつぽけな箱 宮﨑莉々香
いぢめられつ子に百合のひとつが咲いてゐる 宮﨑莉々香
「百合のひとつ」ということは他の百合の花がいじめっ子にも、傍観者にも咲いている。でも、当然だけど、それらの百合は誰も確かめることができない。
島の夜の端を守れり蚊遣香 宮田雪大
島の夜、海に面した部屋、開け放たれた窓��網戸、波の音と匂い、そういったものを蚊遣香の匂いとともに想像できる。
麦秋や運河の匂ふ旧市街 矢野美羽
あをぞらに書く縦書のせみしぐれ 山田風太
おほぞらの深さは知らず草矢射る 吉田瞳
口に沫ダークチェリーを振りながら リド未来
視覚優位派の字面派としては「口に沫」を讃えたい。
 そういえば五十音の序列が二つある。前号も、その前の号もそうだったような気がする。〆切に間に合った人と間に合わなかった人だろうか。
五月雨に木馬の車輪はづれたる 浅沼璞
同棲をはじめしうはさ蟻の塔 泉山友郁
泳ぐまだ誰のものでもない火星 大塚凱
石段は蛇のけはひに濡れてをり 日下部太河
山の日の新田次郎の文庫本 小橋すみ
「山の日」と「新田次郎」は付きすぎかどうか。
白服の光をはこぶ電車かな 小山玄黙
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mimasuya-blog · 6 years ago
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こんばんは🌆 Staff みか です🍊 【国産シングルモルトウイスキー《松井》】入荷致しました🥃‼️ 左から ・ミズナラ 原酒のもつモルト香やビター風味を活かしつつ、ほのかに甘く爽やかな熟成香が鼻孔くすぐら、なめらかな余韻が楽しめます🥃❤︎ ・サクラ ほのかに薫る甘くかぐわしいサクラの香りが口の中で広がります🌸😌🥂 ・ピーテッド 口当たりはまろやかでフルーティーな甘さとスモーキーで上品なピート香を心地よく感じます🍏✨🕊 700ml…¥4.860(税込) 名峰大山山系の伏流水を使用した鳥取初ウイスキー🥃✨ じっくりとお酒を味わうときだけでなく食事の際にも相性が良く、和食にもとても合います🍽🥢😌 お好みの飲み方で至極の一杯をご堪能くださいませ🌔🤲💞 #国産 #マツイシングルモルトウイスキー #ウイスキー #松井 #名峰大山山系 #伏流水 #ピーテッド #スモーキー #モルト #ミズナラ #サクラ #松井酒造 #鳥取県 #鳥取 #三益酒店 #三益 #酒屋 #地酒専門店 #地酒 #東京 #桐ヶ丘商店街 #赤羽 #桐ヶ丘
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mikeneko28 · 8 years ago
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aoki yutaka/lost in forest 2017年1月18日発売。ロックバンドdowny、unkieのギタリストを務めMORRIE.黒夢などのヴィジュアル界隈からBOOL.aureole.101A、worlds end girlfriendなどのインディー界隈の数多くの作品にも参加しているギタリストの待望のソロアルバムです。ソロ名義としては古くはdhal主催のコンピ、class-plan Bのgreed、kilk records主催のコンピ、helping hands/radio headのExit music(For A Film)ソロアルバムにも収録されているvirgin babylon records主催のコンピ、one minute olderのI'm waldなどで、その片鱗を聴かせて頂きました。他にもdownyのアルバムで御馴染みの「  」シリーズも4thと6thはaoki yutaka名義となっており、そのどれもが技術的な畏敬を感じさせ、そして暗く陰鬱、異形な音をしていますが、卓越した超人的なギターテクニック、エフェクターを駆使したギター離れした音作りなどは、青木裕さんを語る上で絶対に外せないアイデンティティなのですがソロアルバムを聴いて僕の中で改めて一番思った事はフレーズの決定力と言いますかdownyもunkieもソロ名義も勿論、スタイルやアプローチは違うのですが一つだけ共通点があるとすれば、ループされるフレーズによる、そしてループだからこそ、その一つのフレーズにもっと言えばこの小節の、この1音に楽曲に対して命を賭けているぐらいの徹底的に選び抜かれた音運びにとても感銘を受けました。メロディが良い。と言う事は音楽にとって必須で��るのですが他の要素も同じぐらい割り振ると、かなり難易度が上がってしまう音楽の要素だと思うのですよ。さらに実験的な要素を合わせると世に流れている音楽では殆ど皆無だと思っています。このソロアルバムは制作期間10年、数千トラックのギター(一部、ボーカルやバイオリン)だけで構築されていると言われているアルバムなのですが日本は元より世界でも類を見ないほどに実験的、唯一無二なコンセプトを合わせながら、メロディもハーモニーもリズムも最大限に美しいです。単純にかっこいい!とか真似をしたい!というリズムは今までにも色々聴いてきたのですがリズムに対して美しいという概念を感じたのはギターインストでありながら、このアルバムが初めてです。僕は暗い音楽や陰鬱な音楽がとても好きなのですが、何故かというと個人差にもよりますが記憶というのは悲しかったり嫌な記憶ほど脳裏に染み付いている物だと思っていて暗い音楽や陰鬱な音楽を聴くと、その悲しかったり嫌な思い出が振り返られるのですね。明るい曲や楽しい曲を聴いても何故か楽しい記憶や良い記憶は浮かびませんが(笑)自分の中で暗い音楽や陰鬱な音楽はその暗さや陰鬱さが濃ければ濃いほど、それが懐かしさに変換されるのです。例えどんなに嫌な思い出だとしても懐かしさを感じた時点で=快楽に結びつく。そんな僕にとってこのアルバムは史上最高に暗く陰鬱であり、これ以上ない程に快楽を与えてくれるアルバムだと思っています。ゲストもかなり豪華でMORRIE.SUGIZO.薫といった、とんでもない面子が一同に集結しております。僕はこの界隈にはあまり、詳しくは無いのですがどの方も本当に素晴らしく、このソロアルバムを彩っています。近年ではdownyの十六月でミキシング、4thリマスターアルバムではマスタリングも務めていて、今回のソロアルバムでもミキシング、マスタリングも青木裕さんが施しており、プレイヤーとしてだけではなく多面的な様々な視点でアルバムに手を加えており、少しでも音楽を齧っている人なら卒倒するであろうくらいに念密に慎重に圧倒的な音像で作り上げられていると思います。ジャケのイラストも青木裕さん自身がデザインしており、これまた卒倒するレベルに緻密に細部まで作り上げられていて、しかし青木裕さんの音楽が具現化されていると思えば納得の作り込みだと思っています。音楽は作り始めるより終わらせる方が圧倒的に難しいと思っていまして、制作期間やトラックなどの情報を聞くと世に出すタイミングなんかも相当考えていらしただろうし、同じ時代にこの作品を世に出す決定をして下さった事は本当に感謝です。この作品と共にこれからを生きて行くと思うと最大限の幸せを改めて感じております。
1.I am Lost
アルバムの一曲目に相応しい徐々に世界観に引き込まれる様なMORRIEさんの抑え目かつ威厳を感じる囁きの歌声にシグナル(危険信号)の様な音が暗に引き返せなくなる様な焦燥感を曲全体に引き立たせていて危機感を感じる様な始まり方がとても素晴らしいです。22秒頃に頭で鳴らされる裕さん独特の質量を持ったノイズ音の後に続く様な38秒頃のギターフレーズが荒々しく且つ規則性があるノイズ音との絡み方が既にこの楽曲がギターだけで作られていると言った概念を失わせます。ヘッドホンなどで聴くと一秒頃に右にだけパンニングされる風圧の様な音が入るのですが、その瞬間にとてつもない緊張感が身体を走るんですよね。このアルバムを聴く行為が単純に聴くという簡単な行為なのですがとてつもなく覚悟がいると言う風に自分は感じました。あのジャケの動物の目に睨みつけられるような錯覚が音を通じて体感しました。
2.Open The Gate
この楽曲はIm Waldを除けば、初めてトレーラーとして、世に届けられたソロアルバムの断片的音源で、この曲を聴いた衝撃は計り知れなかったです。トレーラーがUPされてから何度も聴いていた楽曲なのでソロアルバムの中でも、思い入れはひとしおです。この曲もMORRIEさんが歌声を担当しており、I am Lostの様な抑制的な囁きとは対照的に、ファルセットを駆使した感情的な歌になっておりトラックとの相性もお互いを引き立たせる様な役割を感じ歌の為のトラック、その逆にトラックの為の歌の様な理想的な楽曲でとても素晴らしい楽曲だと思いました。先程も書きましたが、この楽曲を通じて改めてループに対する感銘を受け、自分の耳では主に三つに分けられていて、無限回廊の様な基軸にループする電子音、変幻自在なリズムの役割も合わせ持つインダストリアルなノイズ音、アタック感を一切感じさせない周囲を包み込む様なストリングス音。さらに言えば時折鳴らされる不規則でヒステリックな鳥類の咆哮の様な音が曲に凄まじい緊張感を与えてくれています。
3.851
僕はクラシックの知識は殆ど無いのですがこの楽曲が最も自分がイメージするクラシックに近い楽曲では無いのかなと感じました。downyの62回転然りdhalの−344281然り数字を使ったタイトルはどういう意味で付けられているのかすごく気になりますよね。そういうところを考察するのもすごく楽しいのでは無いのかなと思います。イントロのアンビエンスな音から脈拍音を連想させる音を皮切りに3を基調にしたフレーズは小節の頭と終わりを感じさせない流れるようなグルーヴで一種のトランス状態の様な酩酊感を感じさせてくれます。そしてメロディがとても美しく本当に周到に練られているフレーズだと感じました。ここまで聴くと予想がつかない展開や次はどんな音が待ち受けているのかなというリアルタイムでは感じる事のない様なワクワク感が体感でき凄く、不思議な気持ちになったターニングポイントは個人的にこの楽曲です。アウトロはまた打って変わって別のベクトルな陰鬱で重苦しい雰囲気で、Waltz Of the Bugsの伏線とも言える様な展開で楽曲を終了させます。
4.Waltz of the Bugs
先程の851のアウトロの流れからは想像つかない程、生々しく叙情的なオルゴールの様な音を基調に時折不穏な音も導入されますが、ソロアルバムの中では唯一と言っていい程、明の雰囲気を醸し出しており、僕は廃墟の遊園地のメリーゴーランドの様なイメージを想像しました。楽しい雰囲気を介した寂れた様な楽曲のイメージは単に暗く怖いというよりも更に濃い暗明感を醸し出しておりアルバムの中でも一番、恐怖を感じた楽曲でもあります。1:52秒頃にギターの早弾き?最早、速いと言った概念も超える様なタイトルにもある通りBugs、大量の虫が蠢いている様なイメージで楽曲に対する違和感の相乗効果で更に不穏感を与えております。アウトロの侘しげに残される様な音も本当に素晴らしいです。イントロは勿論の事なのですが青木裕さんが手掛ける楽曲はどれもアウトロの余韻がとても心地よくてこの楽曲で改めてそれを感じました。
5.Fury
本当にどの楽曲も甲乙つけがたいのですが、もし一番好きな楽曲は?と問われたらこの楽曲を選ぶと思います。アコギの幽玄的なフレーズとボディを叩いた音のタイム感が本当に素晴らしくアルバム名のForestの通り生い茂った森林の中に佇むような印象がこの楽曲で浮かびました。その流れで楽曲が進んでいくと思いきや19秒頃に突如、ハードロックを彷彿させる超人的なまでの速弾きが披露されて言葉を失ったことを覚えています。こんなアプローチの楽曲は世界でも本当に唯一無二ですし、この楽曲で個人的に青木裕さんの歴史という物を覗いたような気がしました。速弾きのフレーズもインプロ的でありながら、どこを切り取っても本当に素晴らしいフレーズで、徐々に崩壊していく様な音が本当に青木裕さんらしくて様々なフレーズ、プレイ、スタイルを破壊、再生、構築している様な楽曲だなと自分は感じました。
6.Missing
数千トラックを使って作成されたアルバムらしいのですが、当たり前ながら完璧に分別は、自分の耳では補えなく部分的に感じ取るしかないのですが、それでもこの楽曲が一番トラック���が多いのでは無いのかなと思っています。耳をすませば済ますほど、楽曲を聴けば聴くほど新たな音を発見できる楽曲といいますか、視点を変えれば違う風に聞こえると言った騙し絵の様な楽曲だと僕は感じました。音の蠢き様も音の色もこの楽曲が圧倒的だなと個人的に感じましたし、そして青木裕さんを語る上で忘れてはいけない静と動のダイナミズムと音価の抜群なコントロールもこの楽曲の随一に現れていると思います。音の概念を改めて考えさせていただいた楽曲でもあります。ノイズを操ることは期待感や予想をコントロールする事なのかなと思っていまして、期待に応えることは一流の仕事ですが、青木裕さんのノイズは期待に応えると同時に予想を超えると言ったとてつもなく難しい事を随所に楽曲に盛り込んでいると思います。
7.Witch Hunt
DIR EN GREYのギタリスト、薫さんが参加しておりこの楽曲はDIR EN GREYの楽曲、滴る朦朧のremixを手掛けた青木裕さんのトラックを主軸に作成されているみたいです。確かに時計の秒針の音などが入っており、もし手にある方がいれば聞き比べたりするのもすごく面白いかもしれないですね。時折、女性のコーラスの様な音が随所に導入されていて、この音すらもギターで作られていると思うと本当に畏敬の念を感じます。2:25秒頃にこれぞ、インダストリアルノイズのお手本の様な素晴らしくダイナミズムのある音が聞こえたり、本当にギターだけなのかなというぐらいに音圧も凄まじいです。だからこそ、静の部分の緊張感も凄まじくストリングスの様な音も一層際立って楽曲に壮大な雰囲気を醸し出しております。周りは表情を変えども秒針の音は一切ブレずに主軸の役割を持ち淡々と進むからこそ、追われている迫害されている様な焦燥感が正にタイトルの様な魔女狩りのイメージが浮かんで凄く悲しい気持ちになってくる楽曲だと思っています。
8.Im Wald
この楽曲はVirgin Babylon Records主催のコンピOne Minute Older、一分間の楽曲をテーマに様々なアーティストが収録されており、その中の一つとしてソロアルバムより先に世に出された楽曲でもあります。MIXの質?も若干ソロアルバムとは変わっており、聞き比べたりするのも面白いかもしれないですね。この楽曲もループによる酩酊感を生んでおり、全体的にソロアルバムは西洋的な匂いがするのですが僕の中では古びた洋館で甲冑の亡霊が彷徨っているようなイメージが頭の中で沸きました。アタック感の無い亡霊のような声に悲しげなピアノの様な旋律、足音をイメージさせる様な規則的で迫り来る様なギターフレーズ。アウトロのメロディの運び方も好きですし、ディレィ?で徐々にフェードアウトしていくミュート音の様な音も凄く印象に残りました。1分という短さなのですが、この楽曲だけでもアルバム1枚分ぐらいの満足感があり、この短さだからこそ、もっとこの旋律を聴いていたいというジレンマと次の楽曲はどうなんだろう?早く聴きたい!というジレンマが生まれると個人的に思いました。
9.Ghost In The Mist
この楽曲の要とも言える、鐘の音は何かの楽曲で凄く聞き馴染みがあると思っていたのですが、最近、青木裕さんご本人からdownyの楽曲「月宿る善良」で使われているエフェクターを使用しているとの情報がありました。downyでは荒々しいバンドアンサンブルの中で、一際目立った異形の音として捉えてた認識ですが、こちらは鐘の音が全ての役割を担っているほど、印象深く紡がれているので更に細部まで感じ取れる鐘の音では無いのかと思います。エフェクターの音は自己満足的な音でアンサンブルに組み込むバンドも決して少なくは無いのですが、青木裕さんの場合はエフェクターとフレーズ、メロディの相性を際限なく練られていてそこが本当に凄いと感じました。ギターで鐘の音という衝撃はさることながらメロディもリズムも本当に美しいのです。理想的なエフェクターの使い方とはこういうことなのかなと改めて認識しました
10.Gryphon/Burn The Tree
この楽曲はタイトルを見ると二つの楽曲として組み込まれているのかな?と自己解釈をしているのですが2:30秒頃に切り替わっているのかなと、穏やかなフレーズの紡ぎ方が区切りに変わり、微かに蠢いているような音に開放的であり壮大な宇宙を感じさせるような音に切り替わっているので。この楽曲もWaltz In The Bugs同様、アルバムの中では穏やかな印象を持つフレーズの旋律なのですが、不穏な音が終始蠢いているので穏やかな気持ちにはなれるけど、気を抜くと一瞬でもっていかれるようなそんな印象が浮かびました。正直、downy然りunkie然り、青木裕さんの旋律で何度も涙腺をやられているのですが、2:30秒頃の旋律は凄い泣きそうになりました。過去では、downyの「月が見ている」やunkie「Body」なんかは何回泣かされそうになったか分かりません。様々な気持ちが配合され昇華される、そんな楽曲だなと個人的に解釈しました。
11.Cave
僕は表面的な事しか分からないのですがアルバムの中でも凄くブルージーな印象を持ち、肉体的なグルーヴ、指のタッチの繊細な感じや絶妙なピッキングのタイム感などがひしひしと伝わって来る楽曲と感じました。様々なアプローチでソロアルバムを魅せてくれましたが本当に底が見えないと言いますか、ギターという一つの楽器でここまで様々な音を聴かせて頂いたのは世界でもこのアルバムぐらいじゃないでしょうか?全体的にもの悲しいイメージのフレーズなのですが、ただ悲しいだけではなく良い意味でもがいているような希望を探しながら絶望の淵を彷徨う感じのフレーズで刹那的な希望を紡ぎ出すも向かう先は闇。みたいなイメージが個人的に浮かびました。このアルバム程、頭の中にイメージが浮かぶアルバムは無いと思いますが、そのイメージも十人十色だと思うので、その自己解釈の共有もすごく楽しいのでは無いのかな?と改めて思いました。
12.B
この楽曲も851同様、自分の中ではクラシックなイメージを感じ、もう聞けるかどうかは分からないのですが、青木裕さんのsound cloudにこんな感じのデモが上がっていた記憶があります。全体的に奥で鳴っているような歪なオーケストラの様な旋律が本当に素晴らしく、この楽曲が個人的に一番、ギターだけで作られていると言った概念を失わせました。頭の中では指揮者も存在する様な大人数のオーケストラが浮かぶのです。元のエフェクターを介していないフレーズを想像したりするのですが、この楽曲は本当にどう弾いているのか想像がつきませんでした。音価の流れも本当に素晴らしく絶妙なタイム感でフレーズを紡いでくれています。Bと言うタイトルも凄くこちらの考察欲をくすぐる様なタイトルで本当に色んな部分で楽しませて頂けるアルバムだなと改めて思いました。
13.Colling
この楽曲もMorrieさんが参加しており、トラックに対しての間を置いた囁き声が本当に絶妙に楽曲に不穏感を与えていて改めて人の声というのはダイレクトに感情を揺さぶる音だな。と個人的に思いました。裕さん独特の質量を持ったノイズ音の区切り方が素晴らしく、雨の様な音が周囲を包んでいて、個人的に映画ブレードランナーの、あの名シーンが浮かびました。雨の音をサンプルなどで入れるトラックメーカーは、星の数ほどいますがさらにそれをギターで作り出すと言った本当に誰にも成し遂げられない偉業を惜しげもなく楽曲に注いでくれています。アウトロの無機質な音のディレィもバッティの止まってしまった時の様なイメージが勝手ながら頭の中に浮かびました。
14.Shape of Death
このアルバムはLUNA SEAのSUGIZOさんがバイオリンで参加しており、曲に幽玄な印象や幕引きを助長する様な本当にラストの楽曲に相応しいプレイを魅せてくれます。前のdownyレビューでも仰いましたが僕は、ラストの楽曲は本当に終わりの様な楽曲が好きで、それを踏まえるとこの楽曲は本当に自分の中で理想の様な終わり方で、アルバムが終わってしまう寂しさと同時に掛け替えのない体験をしたという余韻が身体を突き抜けます。この楽曲も様々な音が鳴っているのですが蠢くというよりは全ての音が塊になって昇華されていく様な感じで、一つの音を集中して聴くのも凄く楽しいのですが、この楽曲に関しては全てのトラックがそれぞれに相乗効果をなしており、それぞれのメロディの紡ぎ方やリズムの拍における音の置き方などが本当に素晴らしい楽曲だと思っています。
aoki yutaka/trailer.Part1(Open The Gate)
https://www.youtube.com/watch?v=0phzW9LMoXY
aoki yutaka/trailer.part2(I am Lost.Fury.Ghost In The Mist)
https://www.youtube.com/watch?v=ZLyQiFJVOCM
aoki yutaka/trailer.part3(Witch Hunt.Missing.Colling
https://www.youtube.com/watch?v=KsGbYEHLXOM&t=6s
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nemurumade · 8 years ago
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聖夜、海に沈んでそれから/薫×奏汰
 ――――『くりすます』も、うみにきましょう 何週か前にそう彼と約束をしたことを思い出して、それを彼に言えば、 「じゃあ、『がっしゅく』もかねてやりましょう~」 と笑った。 「え、ふたりだけで?」 「そうまはかぞくで『くりすますぱーてぃー』をするから、ってことわられちゃいました」 家族で、クリスマスパーティー。颯馬きゅんの家、仲良さそうだもんなぁ、と、弟について話していた彼を思い出してぼんやりと思った。  そうなんだ、と納得してから、 「でも二十五日さ、女の子たちがたくさん来るスタフェスじゃん?」 何気なくそう言ってから、あ、と口を噤んだ。女の子、という単語に奏汰が肩を微かに震わせたからだ。 「……『うわき』ですか?」 ちょっと拗ねたような顔の奏汰に、ごめん、冗談だよ、と謝った。そんな表情もするようになって、彼は前より人間味を取り戻している気がする。それよりも、きっとこんな顔、自分以外には見せないだろうなぁ、と思うと優越感に浸った。  「二十四日と二十五日に合宿する? 二十四日は午前中にレッスン終わるから、午後からは遊べるでしょ」 そう提案しても、そっぽを向いたままだ。奏汰の頬に触れて、目線を合わせる。 「ごめんってば~。そんな拗ねないでよ」 これは本気でご機嫌ナナメ? と身体を強張らせた薫に、ぷっ、と奏汰が噴き出した。 「あははっ、『じょうだん』ですよ、かおる。おかえしです」 そう笑った彼の頬を摘まんでも、いたいです、と笑ったままだった。 「ぼくが『しんせい』しておきます。かおる、『すいぞくかん』にいきたいです。とくべつな『いるかしょー』をやるらしいですよ~」 「はいはい。ほんと奏汰くんは水族館好きだよね~」 「かおるも『すいぞくかん』すきでしょう?」 「まぁね」 それから、奏汰の頬を撫でていた手を止める。 「……水族館行った後さ、俺も行きたいところあるんだけど、いい?」 奏汰は不思議そうに何度か瞬きをした。 「どこへいくんですか?」 「ん~……、奏汰くんに会わせたいひとのとこ」 その返答にまだ首を傾げたままだったけれど、彼はわかりました、と頷いた。
 クリスマスイブのレッスンを終え、着替えを済ませて噴水へ向かうと、奏汰はその縁に腰掛けていた。その横顔があまりにも綺麗で、一瞬息をすることさえ忘れた。 「……奏汰くん」 顔を上げた奏汰は、目を細めて、かおる、と笑った。その頬が赤く染まっている。 「ごめん���遅れちゃって」 「だいじょうぶですよ~」 そう答えながら、奏汰は薫の結った髪に触れた。 「きょうはむすんでるんですね? あと、めがねも。めずらしいです」 「そ。変装」 私服とはいえ、バレるときはバレる。プライベートで軽く変装をするように、と学院側からも言われている。アイドルとしての自覚を持てと耳に胼胝ができるほど聞かされた。 「奏汰くんも少し変装した方がいいんじゃない? せっかくのデート邪魔されたくないし」 「ふふ、はい」 デート、という単語に笑った彼の前髪を崩し、横髪をヘアピンで止めれば少し雰囲気が変わった。噴水の水面を鏡代わりにして自分の髪型を確認した奏汰は、感嘆の声を上げた。 「いつもとちがいます~」 そんな彼に思わず笑みが零れた。その手を取って立ち上がらせる。 「よし、行こっか」 奏汰はとびきりの笑顔で、はい、と肯いた。
 電車に乗って辿り着いた水族館には、クリスマスということもあってか、いつもより人が多かった。いつも平日の空いた時間に来ているため、賑やかな水族館はいつもと違って見えた。入口はイルミネーションで綺麗に装飾されている。  興奮したように奏汰が薫の手を引く。 「はやくいきましょう、かおる」 「そんなに急がなくても魚は逃げないってば」  メインの大水槽はクリスマスカラーの照明でライトアップされ、その中でイワシの群れや大きなエイたちなど、海のいきものたちが悠々と泳いでいた。  水槽と水槽の間を歩きながら、奏汰が次々と指を差す。  アオウミガメ、シュモクザメ、ダイオウグソクムシ、アジ、マダイ、マグロ、オニトマキエイ、マダコ、マンボウ、ハリセンボン、エンゼルフィッシュ、タカアシガニ、シャチ、イルカ、クジラ。  懐かしいのはなんでだろう、と思いながら、奏汰が口にしたその生き物たちの名前を繰り返すと、彼は嬉しそうに笑った。  ペンギンやアザラシを見て、それから向かったクラゲの展示室は一段と暗く、ライトの色に染まったクラゲがふわふわと漂っていた。丸みを帯びた傘、細く長く柔らかな口腕。  あ、と奏汰が微かに声を漏らした。伏せた睫毛の先、水槽の底に沈んだクラゲがいた。くしゃりと潰れた傘が水にゆらゆらと揺れているだけで、動いていない。  「……死んじゃってる?」 薫が静かに問うと、奏汰は黙って肯定した。 「くらげの『じゅみょう』は、みじかいですからね」 静かにそう教えてくれた奏汰の目は哀しい光を宿していた。死を理解している人間が持つ光だった。  「溺れたのかもね」 「ぼくといっしょですね」 何が、とは訊けなかった。不安になるのは、奏汰のことが、本気で好きだからだろうか。引き止めるように彼の手を握れば、不思議そうに奏汰は首を傾げた。 「どうしたんですか?」 「……イルカショー、もうすぐ始まるんじゃない?」 あっ、と思い出したように奏汰が手を叩く。 「そうでした。いきましょう、かおる」 「うん」 そして神に祈る天使のように、死んでしまったクラゲに向かってそっと手を合わせる。薫はその横顔を見つめていた。 「……『てんごく』では、もっとじょうずにおよぐんですよ」 そっと呟いたそれは、後ろからやって来た小さな子供たちの笑い声に掻き消された。  屋外にあるプールの前に並ぶ観客席の後方に腰掛けた。容赦なく冷たい風が吹き付けて、ふたりで身を寄せ合いながら、ショーを鑑賞する。  大きなイルカが三頭、輪潜りをしたり、ボールを口の先に乗せたり、飼育員を背びれに掴まらせて泳ぎ回ったりしている。艶やかな肌が光って、水に潜る。  「わ~、すごいですね~」 迫力のあるイルカショーに見惚れる。 「ぼくも『いるか』みたいにおよげるようになりたいです」 「う~ん、奏汰くん、水好きなのになんで泳げないんだろうね~」 「ぼくはうまれつき『かなづち』ですからね~」  そんなふたりの目の前で、ふたりを皮肉るかのように、イルカが自由に泳ぎ回り、大きくジャンプをした。飛び散った水滴が日の光にきらきらと反射した。
 ショーを見終えて、ふたりは水族館を出て駅に向かった。その構内にある花屋で白いユリの花束と小さなクリスマスリースを買った。それを見つめながらも、奏汰は何も言わずに薫についてきた。  乗り込んだ電車は運良く空いていて、窓を背にした席に腰掛ける。夕陽が車窓から差し込んで、人々の影を濃くする。車輪がレールの上を廻る音だけが響く。  「……どこへ、いくんですか?」 昨日と同じ問いを口にした奏汰に、今度はちゃんと答える。 「母さんのとこ。クリスマスは、毎年行くようにしてる」 奏汰は、吊革が振動に合わせて揺れているのを眺めながら、 「かおるの、おかあさん」 と静かに繰り返した。そして黙って薫の指に自分の指を絡め、肩に頭を預けた。 「……あいたいです」 うん、と答えた声が擦れた。 「俺も会いたいなぁ」 小さく呟いたけれど奏汰の返事は無かった。黙っているうちに、奏汰は薫に凭れて静かに寝息を立てていた。規則的なそれを聞いているうちに、薫にも睡魔がやって来た。  懐かしい夢を見て、ふ、と目を覚ましたときには、目的地のひとつ手前の駅だった。奏汰を起こして、小さな駅で下車した。眠そうに目を擦る奏汰の手を引いて小高い丘へ向かう。  その天辺にある小さな墓園に辿り着いて、こっち、という言葉と共に漏れた息が真っ白に染まってすぐに消える。整備された細い道を、ふたりは黙って歩いた。  海に面した場所に、薫の母の墓は建っていた。 「……うみがみえて、いい『ばしょ』ですね」 潮風に乱れる横髪を耳に掛けながら、奏汰は目を伏せた。 「うん。海が好きな、ひとだったから」  おれ、海好きだよ、と言ったとき、母は嬉しそうに、私といっしょね、と笑った。その聖母のような微笑が海よりも好きで、大切で。  母との思い出は、海でのことが多かった。追いかけっこをしたり、綺麗な貝殻を探してその命の音を聞いたり、足首まで海に浸かったり。  自分が死ぬことを母は誰よりも理解していて、受け入れるわけでも、拒否をするわけでもなかった。ただ、海を見つめる瞳は寂しそうで、まるで海に帰りたがっているみたいだと子供ながらに思ったのを、今でも憶えている。  白い墓石には、自分が持つ苗字が刻まれていた。その石に触れてから、アルミ製の花瓶に並々と水を注ぎ、白百合を生ける。母が一番好きだった花を。そしてそれから、クリスマスリースをその花瓶に掛けた。  「……『めりーくりすます』、かおる、かおるのおかあさん」 「……うん、メリークリスマス」 その声が滲んでしまって、口を閉じる。奏汰の方を見て、いつもみたいに笑うつもりだったのに上手く出来なくて���表情が歪むのが自分でも分かった。喉の奥が引き攣って、出ない言葉の代わりに、湿った白い吐息が漏れた。  「……かおる、」 奏汰が、はっきりと、低めの声で、薫を呼ぶ。  あぁ、ずっと、こういうふうに名前を優しく呼んでもらいたかった。  そう気づいて、その場にしゃがみ込む。泣くときに出る癖だ。誰にも泣き顔を見られないように、蹲って、顔を伏せて、泣き声と嗚咽を噛みころす。震える薫の背に、奏汰の華奢な腕が回って、横から抱き締められる。弱いところなんて見せるつもり、なかったのになぁ、と思っても今更遅い。 「……もう『がまん』しなくて、いいんですよ。『なく』ことは、かっこわるくありません」 薫の頬に、奏汰の指が触れる。ひとより低い体温だけれど、その中にはきちんと命の温もりがある。  その手が薫の顔を優しく持ち上げて、その指が涙を拭う。奏汰の瞳も凪いだ海のように、優しく揺らめいていた。その中に、悲しい光がある。 「『かなしい』ときや、『さびしい』ときは、ないていいんですよ」 それが、『にんげん』です。そう、奏汰は言う。  魚みたいに、悲しみから逃げるように泳げはしないけれど、悲しみを吐露することはできる。  奏汰の手に頬を摺り寄せて、彼を抱き締め返す。  ――――母さん、俺、好きなひとができたんだ。ちょっと変わってるけど、優しくて、いい子だよ。泳げないけど、海がよく似合う綺麗な男。  寂しくて優しい海の匂いが鼻を掠めた。閉じた瞼の裏側に、砂浜で微笑む彼女の姿が浮かんで、また、涙が落ちる。  白百合が潮風に吹かれて揺れた。
201512/20160518加筆修正
海に沈んで、それから。 | よなか #pixiv http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6794335
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jokertrap-ran · 8 years ago
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Hakuouki Shinkai: Hana No Shou Translations  山南敬助編 (Side: Sannan Keisuke) Prologue Pt.1
*MC name is retained as the original 雪村千鶴 (Yukimura Chizuru) 序章 (Prologue)
Summary: 文久三年十二月連絡が途絶えた父を捜すため 京にきた主人公は、 浪人に絡まれ追われる最中、 偶然にも新選組の秘密を見てしまう。それが全ての始まりだった。
On the 3rd year of the Bunkyū era, December. I had gone to Kyoto in search of my father whom I had lost contact with but while I had been pursued by rōnin, I had coincidentally seen the Shinsengumi's secret. That had been the beginning of everything.
Monologue:
文久三年の冬——。 連絡の途絶えた父様を捜すため、 私——雪村千鶴わ、京を訪れた。
The 3rd year of the Bunkyū era, winter——. In order to find my father whom I had lost contact with, I —— Yukimura Chizuru came to Kyoto.
そこで目にしたのわ、白い髪と赤い目を持ち、人を襲う新選組の【羅刹】の姿。
What I saw there had been people with white hair and blood red eyes, they were the Shinsengumi’s【Furies】who attacked people.
その羅刹から私を救ってくれだのわ、新選組の方々だった。
The ones who had saved me from the furies has been the people from the Shinsengumi.
羅刹という秘密を知ってしまった私わ、同じく父様を捜しているという彼らの元で共に父様を捜すことになる。
I, who knew of the secret of the furies had ended up searching for my father together with them as they had the same motives as well.
副長の小姓といという立場を与えられ、新選組の元での生活が始めまったのだ。
Given the position of the vice-captain’s squire, I started my life in the Shinsengumi.
新選組わ恐ろしい浪士集団と聞いていたが、彼らとの生活や事件を通して、その思いは払拭されていく。
I had heard about how the Shinsengumi had been a terrifying group of samurai but that thinking has long since been dispelled through the time I lived together with them and the incidents I had experienced with them.
浪士集団と聞いていたが、彼らとの生活や事件を通して、その思いは払拭されていく
I had also heard that they had been a group of samurais but that thought had also been slowly dispelled throughout the time I lived with them.
京の治安をる彼らの姿や志は、地位や権力を振りかざす当世の武士より、よほど武士のものなのだと——。
Their appearance and aspirations of peace for Kyoto were more of a samurai compared to those who flaunted their status and strength——。
そんな中、山南さんは新選組の総長という役職で、近藤さんや土方さんを補佐をしていた。
Meanwhile, Sannan had assisted Kondo and Hijikata as the Shinsengumi’s Colonel.
剣の腕も立ち、人柄も良かったのだが、怪我で刀を持てなくなったことから、人を避けふさぎ込むことが多くなっていき......。
He was outstanding with a sword and had a great personality, however, due to an injury which caused him to be unable to wield a sword any longer, he had started to avoid people......。
やがて、新選組の参謀として入隊した伊東の登場により、己の立場を失ったと思い話めてしまうのだった。
Eventually, there has been talk of him losing his position with the advent of Ito who had joined the ranks of the Shinsengumi.  
そして、怪我をした左腕を再び動かすため、変若水を飲み羅刹となった彼は、新選組の影の存在となるのだった。
And then, in order to move his left arm again, he drank the water of life and became a fury, becoming one of those who lived in the shadows of the Shinsengumi.
自らを【鬼】と名乗る者たちとの戦いや、山南さんの羅刹研究を通して、新選組で羅刹の存在はどんどん広まっていく。
Through the fight with those who had called themselves【Oni】along with Sannan’s research, the existence of the furies slowly become known within the Shinsengumi.
そして、時代は風雲急を告げる。
And then, an era had passed.
倒幕の気運の高まりとともに、幕府と薩摩や長州等の敵対する勢力との戦は、避けられないものととなったのだ。
As the rise of overtaking powers increased, the battle between the Shogunate and the opposing factors such as the Satsuma and the Choshu became inevitable.
その戦の最中、山南さん羅刹の力を振るいながら敵と戦った。
In the middle of battle, Sannan had wielded his strength as a fury to fight against the enemy.
血を求めるように戦に望むその姿は、初めて見たときのような羅刹の狂気を感じさせるもので......。
That blood-seeking figure plunging through the battle had resembled the madness of the furies I had first seen……。
けれど、敵側に味方する父・綱道、そして実の兄である南雲薫から私を守ってくれたのは、山南さんだった。
However, the one who had protected me from my father who had gone to the enemy's side, and my real brother had been none other Sannan.
戦は薩長側の勝利に終わり、京の地を追われた新選組は、江戸を目指したのだった。
The battle ended with the Satsuma as the victor and the Shinsengumi who had been stationed in the lands of Kyoto went onwards to Edo.
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序章——第1章 (Prologue, Chapter 1)
鳥羽伏見の戦で敗北を喫した新選組が、幕府軍と共に海路で江戸へ到着した後。
After the battle of Toba-Fushimi, the defeated Shinsengumi arrived in Edo together with the Shogunate army via sea.
近藤さんは引き続き松本先生の下で、他の負傷した隊士たちも横浜の病院で、入院を余儀なくされてしまう。
Kondo had continued to remain under Doctor Matsumoto and the other injured forces were hospitalised at the Yokohama Hospital.
さらには病状の悪化した沖由さんも、千駄ヶ谷で療養すに至り......。
Furthermore, Okita went to get medical treatment at Sendagaya due to his worsening medical condition......。
品川の宿【釜屋】に滞在中の新選組には、連日のように苦しい空気が流れていた。
The Shinsengumi who were staying at the Shinagawa’s inn【Kamaya】had a sullen air around them everyday.
何しろ局長がいない上に、副長も臣たちと協議のため不在がち。
Since there wasn’t a commander at all, the vice-captain had also tended to be absent due to consultations with the ministers.
となれば隊たちに焦燥感が募るのも、当然と言えば当然かもしれない。
It might be natural to say that everyone would naturally feel frustrated about it.
…...私たちは、新選組は、これからどうなってしまうのだろう。
…...I wonder what will happen from the shinsengumi from now on.
誰もがそんなことを考えてしまう、ある日の夜のこと——。
While everyone’s thinking of that, it had been something that happened at night one day——。
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土方歳三「江戸市中の見回りをしたい、だと?」
Hijikata Toshizo「You’re saying that you want to know the surroundings of Edo?」
山南敬助「ええ、つまりは巡察です」
Sannan Keisuke「Indeed, in other words, a patrol.」
多々に釜屋へ戻った土方さんに、そんな話切り出たのは山南さんだった。
The only person who would bring up that topic to Hijikata who had returned to the Kamaya many times was none other than Sannan.
山南敬助「元より京にいた時代から、我々新選組の本分は市中の治安維持。それは江戸に来ても変わらないでしょう?」
Sannan Keisuke「From the time when we were in Kyoto, we, the Shinsengumi had been maintaining public order of the market. That won’t change even if we’ve come to Edo, no?」
土方歳三「......言いたいことはわかる。こが今はそれどころじゃねえだろ。動ける隊士もそう多くはないんだ」
Hijikata Toshizo「I know what you’re trying to say. But now’s not the time for it, is it? We don’t have much mobile units to spare」
山南敬助「いいえ。今だからこそ、ですよ」
Sannan Keisuke「No. It’s precisely now that we should.」
山南敬助「最近のここは無残な程に活気がありません。永倉君たちに至っては憂さを晴らすかのように、毎晚酒を飲み歩く始末......」
Sannan Keisuke「Recently, things here haven’t been the least bit  lively at all. Nagakura and the rest have been walking away, drinking and drinking, as if to clear up the melancholiness they feel」
山南敬助「皆、伏見奉行所での敗戦で打ちのめされ、己の道を見失いくすぶっているのです」
Sannan Keisuke「Everyone’s been overwhelmed by the defeat at the Fushimi magistrate place, lost their way of sight and are down in the dumps」
土方歳三「だから今、何か目的を与えて少しでも発散させとこうってわけか」
Hijikata Toshizo「So you’re trying to say that we should give them a purpose and distract them from it even if a little.」
山南敬助「それに江戸の民への宣伝にもなります。夜の巡察なら羅刹隊も出られますしね」
Sannan Keisuke「It’ll also serve as publicity to the people of Edo. Besides, the fury corps can also participate in the night patrols」
土方歳三「......何もしねえよりはマツか」
Hijikata Toshizo「.....It’s better than doing nothing huh.」
土方歳三「わかった。俺のほうで手筈を整えておく。山南さんは羅刹隊を頼む」
Hijikata Toshizo「Alright. I’ll prepare the arrangements on my side. I’ll be leaving the Fury Corps to you 」
渋々という感じだったけど土方さんは承諾したみたいだった。
It felt as if he had been reluctant about it but Hijikata had seemed to accept it.
脇に控えていた私は空になった湯呑みを下げつつ、山南さんへ言葉を向けた。
As I had been beside him, I lowered the empty cup and turned to talk to Sannan.
雪村千鶴「あの、大丈夫なんですか?」
Yukimura Chizuru「Um, is that really alright?」
山南敬助「何がです?」
Sannan Keisuke「What is?」
雪村千鶴「市中の警護も大切な仕事だとは思いますけど......」
Yukimura Chizuru「I do think that maintaining security in the market is an important task but…...」
最近の山南さんは今までにも増して、仕事に精を出すようになっている。
Recently, Sannan has been getting more and more work.
今日だって昼に寝る間も小昔しんで、変若水の研究を続けていたのに。
Even though he slept a little till noon today, he’s still continuing the research on the water of life.
雪村千鶴「この上、夜に巡察まで入れたら、休む暇もないんじゃ?」
Yukimura Chizuru「If you’re going to do patrols at night too above that, won’t you have time to rest?」
山南敬助「いえ、多少の苦労など、たいしたことではありませんよ」
Sannan Keisuke「No, something like this isn’t much of a big deal 」
山南敬助「......その苦労すらできなくなってしまった人たちもいるのですから」
Sannan Keisuke「......Because there’re some people who can no longer bear this hardship」
雪村千鶴「そう......ですね」
Yukimura Chizuru「You’re…...right」
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私を庇って敵に立ち向かい、そのまま帰らぬ人となった井上さん。
Inoue who had covered for me and faced the enemy had never made it home.
今際の際で変若水に手を伸ばそうとした、山崎さん。
Yamazaki-san who had tried to reach out to the water of life at the very last minute.
京の地で散ってしまった、大切な仲間たち......。
Important friends of ours who had gotten scattered all over Kyoto grounds......。
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彼らのことを思い出しているのか、山南さんは目をせてつぶやいた。
Sannan had closed his eyes as he remembered them.
山南敬助「あのとき変若水があれば、二人とて助かったかもしれあい......。だから私は今後も薬の研究を続けます」
Sannan Keisuke「If there had been the water of life back then, it might have saved the both of them......。That’s why I’ll continue the research on the medicine in the future as well」
山南敬助「実際に用いるかは別の問題として、あって困るものではないはずですから」
Sannan Keisuke「It isn’t exactly a problem since whether it is actually being used is another problem in of itself」
人として死ぬか。
Whether one dies as a human.
それとも羅刹として生き、影から新選組を支え続けるのか。
Or one lives on as a fury and supports the Shinsengumi from the shadows.
それは容易に答えの出せない問題だけど、せめてその選択肢を用意できるように。
It’s not a question that can be easily answered but we can prepare that option at the very least.
そんな彼の想いが痛いほど伝わってきて、 私はふと口を開いていた。
I suddenly opened my mouth to speak as those thoughts of his transmitted painfully across.
雪村千鶴「 あの、 そういえば……。私にも協力できることがあるかもしれません」
Yukimura Chizuru「Um, come to think of it……。There might be something I can help with」
山南敬助「協力、 というと? 」
Sannan Keisuke「 Something you can help with?」
雪村千鶴「 せっかく江戸に来たんですし、 明日にでも私の実家にご案内します」
Yukimura Chizuru「Since we came all the way to Edo, I thought that I could bring you to my home」
雪村千鶴「 ひょっとしたら変若水について、 父が家に資料を残しているかもしれませんから」
Yukimura Chizuru「There might be some notes or documents regarding the water of life that Father left behind back home 」
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翌日の夕方——。
During the evening of the next day——。
私が京へと発ってから、 四年振りに訪れることとなった実家。
I visited the home that I’ve not returned to for 4 years since I left for Kyoto.
主が去って久しい雪村診療所は、どこか寂しげな佇まいで私を出迎えてくれた。
The Yukimura Clinic which had been abandoned for a long time greeted me with a somewhat lonely appearance.
山南敬助「 なるほど。 ここが雪村君の実家、というわけですか」
Sannan Keisuke「I see. So this is your home」
山南敬助「 女性の実家を訪れるなら手土産のひとつも持ってくるべきでしたかね」
Sannan Keisuke「Though, I’m not carrying a single gift at all even though I’m visiting a girl’s home 」
軽口を叩く山南さんに苦笑して中へ入ると、 どこか懐かしい香りが私の記憶を刺激する。
After Sannan had entered with a bitter smile on his face, a nostalgic fragrance from somewhere brought up memories within me.
うっすらと積もった埃。
Dust had piled up.
勝手気ままに顔を出す庭の雑草。
The garden was a mess of overgrown weeds
懐かしさに目を細めて歩きながら、私は室内を丁寧に巡り始めた。
I begin to carefully circle the interior as waves of nostalgia hit me.
机の引き出しを片っ端から開き。
I opened the desk-drawer on one end.
書棚の本を一冊ずつ調べ。
Searched the books on the bookshelves one by one.
押入れをかき回して。
Checked through the closets.
勝手知ったる自分の家、 いろいろと調べてはみたものの、 さしたる成果が出るわけでもない。
Even though it was my own house, I couldn’t find anything no matter how much I flipped and searched.
雪村千鶴「 蘭学の資料だったら、 数えきれないほどありますけど……」
Yukimura Chizuru「There are many documents and notes about medicines but…...」
雪村千鶴「 羅刹の研究に繋がりそうなものは、 どうにも見当たりませんね」
Yukimura Chizuru「I can’t find anything regarding the research on furies at all」
山南敬助「 となれば探すべきは......。 普段は想像もしない場所ですね」
Sannan Keisuke「If that’s so then the place we should be searching would be......。A place which one would not imagine it to be a」
山南さんは床に体重をかけながら、ゆっくりと室内を一周。
Sannan slowly went around the room while putting weight on the floorboards.
それから首を捻りつつ、 屈みこんで床へ手を掛けた。
And then he turned his neck sideways before crooking the floorboard open.
山南敬助「 なるほど。......ここですか」
Sannan Keisuke「I see。......So it was over here」
雪村千鶴「 何をするんですか! ? 」
Yukimura Chizuru「What are you doing!?」
山南敬助「 この部屋を歩き回ってみた時、ここだけ床板の軋む音が違ったんですよ」
Sannan Keisuke「When I had walked around the room, the sound of this floorboard sounded different from the others」
山南敬助「 外れたら修理するつもりでしたが、 私の勘も捨てたものではありませんね」
Sannan Keisuke「It might have needed mending but it seems like my intuition wasn’t wrong about it」
床板を引き剥がした先にあったのは、 床下にぽっかり空いた不自然な空洞。
When he had removed the floorboard,  there was an unusual hollow spot below the floor.
押し込められた書簡や紙の束を手に、 山南さんは薄く微笑んだ。
Sannan smiled thinly, holding a bunch of handwritten letters and papers in hand.
雪村千鶴「 こんなところに隠してあるなんて……。 自分の家なのに気付きもしませんでした」
Yukimura Chizuru「To think that it’ll be hiding in such a place……。I didn’t notice it even though it’s my own house」
山南敬助「 私も半信半疑でしたけどね。 見つかったのは沖田君のおかげですよ」
Sannan Keisuke「I was also dubious about it. It’s thanks to Okita that I found it 」
山南敬助「 彼は土方君の隠した句集を見つける度、自慢げに武勇伝を話してくれましたから」
Sannan Keisuke「He had proudly told me the tactics which he had used to prevent Hijikata from finding the phrase book that he hid」
雪村千鶴「 まさかその中に、 床下に句集を隠した話があったんですか......? 」
Yukimura Chizuru「No way, he hid the phrase book under the floorboards……?」
見つかったのは嬉しいけど、笑っていいのか呆れていいのか。
I’m glad that we found it but I didn’t know whether I should laugh or simply be amazed.
私は気を取り直すと真剣な顔で資料を手に取って目を走らせた。
He took no notice of me as he ran his eyes through the documents with serious eyes.
山南敬助「 ——変若水の素となったのは、 遥か西欧に住むという鬼の血液である」
Sannan Keisuke「——The origin of the water of life is the blood of the Onis who lived in the far west of Europe」
山南敬助「 原液の量が限られているため現在は希釈しての利用が主となるが、いずれ枯渇するのは明白」
Sannan Keisuke「Because the amount of it in stick is limited, it’s now mainly used only after dilution thought it’s obvious that it’ll eventually be depleted one day」
山南敬助「 となれば一刻も早く変若水の培養法を確立せねばならない」
Sannan Keisuke「We must find a cultivation method for the water of life as soon as possible」
山南敬助「 …… 綱道さんがいつから羅刹の研究をしていたのかはわかりませんが」
Sannan Keisuke「......I don’t know when Doctor Matsumoto had started his research on the furies but」
山南敬助「 新選組へあの薬をもたらした時には、既にある程度知識があったようですね」
Sannan Keisuke「it seems like he already had some knowledge of it when he had brought that medicine to the Shinsengumi」
山南敬助「 にも拘わらず私たちには詳細を伏せ、対処法も示すことはなかった…… 」
Sannan Keisuke「Nevertheless, we were neither given the details of it nor shown how to deal with it」
山南敬助「 私たちの羅刹を【 実験】 と呼んだのは、 そういう意味だったわけですか」
Sannan Keisuke「So our【 Experiment】for the Furies meant exactly like what it’s called?」
......頁をめくり読み進める度に、私たちの顔は険しさを深めていく。
…...Our faces darkened every time we continued reading through the pages,.
やがて資料に目を通し終えたのは、 もう完全に陽が沈んだ後のことだった。
It was only till the sun had completely set that we had finished reading through all the documents.
雪村千鶴「 …… こっちの資料に書かれているのは、 羅刹の吸血衝動を抑制する薬みたいです」
Yukimura Chizuru「......What’s written in these documents seem to be a medicine which can suppress the blood-drinking impulses of the furies」
山南敬助「 ええ。 ただしこれだけでは発作が起きた時の対症療法に過ぎません」
Sannan Keisuke「Indeed. However, it’s only a momentarily treatment once a seizure has occured」
山南敬助「 しかし、 もしもこの薬を突き詰めることができたなら……」
Sannan Keisuke「If, we can make a breakthrough with this medicine…...」
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halday · 5 years ago
Text
test
■スパコミは日及のマフィアパロ本でした。相も変わらず大好きなhaるかさんに表紙をお願いしてしまい嘘みたいにうつくしく仕上げて頂いてほんとうにうそみたいです……表情から薫り立つ及川徹の狂気がうつくしくてご飯三杯おかわりです。
■珍しく普段はジャンル外の方からもお声掛け頂けて、何とも有り難いなあ、というか、みんなマフィアパロ大好きだなあ、というそんな気持ちでした。わたしもだいすきです、へへ。
■中身は本当に一から十まで趣味を詰め込んだお話だったのですが、もうひたすらと書いていて楽しくて、終わらないこと以外は楽しくて仕方なかったです。終わらないこと以外は。当初は7~8万字くらいで納める予定だったのですが、話が膨らみすぎて当然納まるわけもなく、結局12万字くらいの話になりました。それでも校正していただいた坊さんに「ぐんぐん話が進んでくな~って感じだった」と言われる程度に展開は早かったので、ほんとプロットを見誤り過ぎておりました。実際既に本編に入れきれなかったシーンを番外編で10,000字書いてます。まだたぶん30,000字くらいは書く。反省。
■最初はほんとうに煮詰まっていて全く書き進められなかったのですが、割とパラレルや不思議な話を書かれることが多い西条さんに相談させて頂いたところ「ふわふわな設定でもいいから取り敢えず好きな風に書いてみて、後から辻褄合わせればいいと思います」って言われ、半信半疑でとりあえず好き勝手書き進めたらなんとなく上手く行きました。西条さんはすごい。
■大まかな起承転結こそ決めていましたが、細かなシーンや展開は全部書きながら考えていたものだったので、自分でも伏線にするつもりのなかったシーンが後から繋がってきたりするのに驚きながら書き進めてほんとひたすら楽しかったです。あとは今回ミステリーというわけではないんですが、サスペンスというか、犯人捜しみたいな要素もあって、それも書いててとても楽しかったです。またそういうちょっと頭使うお話も書いてみたいなあ、とぼんやり思っております(*´▿`*)
■あとほんっと白鳥沢好きなのが駄々漏れてて、駄々漏れで、特に白布くんへの愛が凄かったって言われて、ごめんなって気持ちです。白布くんがすきです。白鳥沢さいこう。
■しかしながらわたしが日及で辿り着く感情のかたちは、結局ひとつしかないんだなあって思い知らされた感もございまして、まあこればっかりは性癖だから仕方ないなあという気持ちです。へへ。そんなわけでいつもと少し違う世界の話ではございますが、どうぞ楽しんで頂ければいいなあと思っております。
■次回参加は6月19日の青黄プチを予定しております。個人誌は無理でもまた色々出来たらいいなあ、頑張りたいなあ、というきもち。またどうぞよろしくお願い致します!ぶいぶい!
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