#井の頭線沿いのアパート風
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埼玉県川口市でクルド人の犯罪が激増して問題になり、その対策が川口市政の中心的課題になっている!というエントリが度々ホッテントリ入りしている。またyoutubeのゆっくり動画等でも「クルド人」「川口」のテロップが入ったサムネの動画が投稿されている。結論から言うとそんな事にはなっておらん。川口市は『広報かわぐち』という広報誌を配布しているが、この10月号で犯罪認知件数が過去最低を記録しているとの広報を打っている。https://www.city.kawaguchi.lg.jp/material/files/group/3/202310-04.pdfこの一年で白昼の強盗事件、沿道商店に突っ込む大事故や死亡ひき逃げ、クルド人による病院での喧嘩騒乱などの事件が報道されて体感治安が低下している故だ。でも実際には治安は過去最高となっている。この問題を喧伝しているのはagora出身の石井孝明というライターで、産経新聞と夕刊フジがそれを元に記事を書くという構造になっている。石井のやり方は、川口、蕨を中心として、肌の浅黒い中央アジア、東南アジア系の人間が事故や事件、不法な業務、反マナー行動をしたものにクルド人を匂わす文言を付けて宣伝するという方法だ。それ故クルド人が毎日事件や不法行為をしているように見える。そんなにクルド人は増えているのか?日本にクルド人は何万人いるのだろうか?だが実際のクルド人の数は2000人程度である。人口60万人の川口市人口の0.3%だ。「あれもこれもクルド人」の安物ネガティブキャンペーンが成功しているのである。 それで今回はちょっとこの問題の背景を説明するよ。「クルド人とは何か、どういう民族か」などは産経以外の大マスコミや大学人が記事を書いてるからそういうのを参考してくれ。 地理「埼玉県川口市」でgooglemaps検索すると川口市の県境が表示される。https://www.google.com/maps/place/%E5%9F%BC%E7%8E%89%E7%9C%8C%E5%B7%9D%E5%8F%A3%E5%B8%82この一番左側の蕨駅付近が問題の舞台だ。まず、駅の東側にやたら細かい碁盤目で緑の線が入った地域があるのが判るだろうか?ここは芝2丁目と芝4丁目という地域になる。ここは一見整備された住宅地に見えるが、実は都市計画に乗っ取ったインフラ整備が間に合わなかったスプロール地域なのである。この碁盤目は元々は大正時代に田んぼを整地したものだった。緑の線は用水路跡で、今でも暗渠化された水路敷きになっている。この付近は江戸時代に作られた見沼代用水が通り、その分水も充実していた。そこで碁盤目に畔と用水路を整備して土地の権利も整理したものだ。ちょっと脱線するが、こういう整備された元田んぼ住宅地の近くにはL字の道と変形交差点を組み合わせたような地区がある事が多い。またそこには寺や神社がある事が多い。その場合、そこら辺は嘗ての村の集落があった場所である。行ってみるとせせこましい建売の中に突然田舎の農家の��うな大きな庭付きの家、時に藁ぶきだったりゴルビジェのサボア邸のようなやたらハイセンスの家が建っていて驚かされる事があるのでおススメだ。そこは付近の建売の元地主やマンションの大家である。この田んぼが戦後の高度経済成長期に売りに出され宅地化されたのがこの芝2、4丁目地区なのだ。元あぜ道は公道化されているのが多いが、そこから奥に入る道は幅が狭い砂利道のままだ。これは私道だからであり「その道路の権利は細切れになって付近の家の持ち主が持っている。故に権利関係がごちゃごちゃなので金を出し合って舗装工事をするという事が出来ない。更にこの路地は通り抜けが出来ない。真ん中に水路敷がある為だ。水路は元々の地主が権利を持っている筈だ。通り抜けにはそこに橋を掛けなきゃならないが、誰もその費用を負担したくないので碁盤目に見えて行き止まりの路地ばかりという事になっている。 1990年代初頭に建築基準法が改正されるとセットバックの義務と接道義務が定められた。接道義務とは、幅4m以上の道に2m以上接していない土地には建物建築不可という事である。これでこの路地の奥にある家というのは建替えが不可能になった。また、水路敷は舗装されていて道路に見えても道路じゃないのでセットバックの義務が無い。だからいつまで経っても道は広がらないから接道要件を満たす道にならない。散歩する時はこのせいで魅力的なのだが不動産的には不良である。この路地をストビューで見れば判るが、公道に面した家は新しい低層アパートで路地は4m拡幅、その奥の一軒は新しい戸建て(公道側隣家のセットバックで接道要件クリア)、その奥は築30年以上の古い戸建てや古アパート、となっている。奥の方の家は建替え出来ないので古いままなのだ。奥の方の家やアパートを借している場合、家が古くて車も入れない砂利道なので客付けが困難である。蕨駅から徒歩5~10分という好条件なのだがこういう状態なのだ。高度成長期中期の昭和30年代後半からこういうスプロール現象が問題になって規制が強化されたのだが、その前に家が建てこんだ地域なのだ。私有地である用水路の暗渠化は市が行ったが、これは下水道整備が間に合わず、水路に垂れ流しとなった為の代替政策だ。 さて、外国人というのは部屋が借り難い。これは差別の問題もあるが、家主としては万が一の時の連絡の問題、家賃不払いや退出後の内装補償、突如国に帰ってしまうリスク、それと土足の問題などがある。室内に靴を脱いで入るのは日本だけなのだ。最近じゃ米国都市部も日本式になって来てるが。だから土足で生活されて畳床等がダメ��なるリスクがある。故に外国人が部屋を借りるのはとても大変だ。一方、建替不可で古くて前が砂利道で引っ越しのトラックも入れない、なんていう借家やアパートの大家は客付けが全然できない。この両者の利害が一致して賃貸借契約、とあいなる。お互い「こんなボロ屋なのに高いが…」「外国人でリスクが高いが…」という妥協の産物だ。 このやたら細かい碁盤目地区はもう一か所ある。駅の反対側に線路で分断された川口市の飛び地みたいな三角の土地があるだろう。ここは芝園町と芝富士という地区なのだが、そのうち芝園町は元鉄道車両工場のUR団地(電車から見える屏風みたいな建物)、芝富士は元田んぼの細かい碁盤目地区だ。この芝富士地区は先の芝2・4丁目地区と全く同様の特徴と来歴を持っている。路地のセットバックが進んで4m以上が確保されて建替え可能になっている所が多いなど、スプロール化の程度は2.4丁目よりも改善されているのだが、それでも水路敷による路地分断などはあり、また建替不可家屋が密集する地帯もある。更にここは飛び地状態なので見捨てられた感もあり市政が行き届きにくいという特徴もある。中学校や幼稚園が線路の反対側で遠いのだ。ここも同様の理由で昔から外国人が多かった。 「蕨」なのに「川口市」であるのはこういう事で、駅の左右に川口市の不良宅地地区がありそこのアジア系の住民が住む事が増えたというのが原初としてあったのだ。「川口市は小規模の鋳鉄工場があり外国人工員を必要とした」という説明をしている記事もあるが間違いだ。鋳鉄工場地域は西川口から南側であって、蕨周辺は田んぼから住宅地に転換している。その転換が早すぎてスプロール化してしまったのだ。 始まりはヘイトデモクルド人問題がおかしな奴らの飯のタネになっている問題の根幹は在特会のヘイトデモに遡る。2009年に在特会はオーバステイフィリピン人の子息が通う中学校付近で「叩き出せ」といシュプレヒコールを上げるデモを行うようになった。この中学校や居宅は蕨駅の南側、西川口駅寄りだ。このデモに左翼運動からの転向者が合流すると一気に過激化し、「殺せ」「殺しに来た」というコールになり、警察に掴まらないような巧い仕方の暴力や、近所のヤジに対して「○○人の家だ」「お前日本から出ていけ」「殺せ」と連呼したり、お散歩と称してデモの後に落書きをしたり通行人に因縁を付けたりという行動をするようになった(後に警察官が解散地から駅まで随行するようになった)。転びアカが合流すると大抵こういう事になる。これに呼応して掲げられる旗も日章旗から旭日旗やハーケンクロイツとなっていった。そんな中で在特会は芝園団地付近で���ルド人に住民が迷惑しているという情報を掴む。そこでヘイトデモの開催地は蕨駅~西川口駅から蕨駅北方になる。そこで鍵十字の旗が沢山はためき、「悔しかったらクルド野郎出てこい殺してやる」などのデモがされるようになった。但し、彼らは居住地区を知っていたから疑問なので警察がそこから外れるルートを許可していても判らなかったかもしれない。 こういう経緯で中東系や中央アジア系の人間の犯罪、不始末を「クルド」と称する動機が生まれてきた。事件が有る度に「これは在日朝鮮人」という差別デマがずっと流れていたが、それの中央アジア版だ。 もう一つの理由がトルコの少数民族問題で、トルコは親日国で、そこで問題化している少数民族のクルドは敵だ、という単純な世界観によるもの。元々国際問題を親日反日でしか捉えれない人間の頭の中なのでこれ以上はバッファオーバーフローである。そもそも少数民族問題は国家の宿痾であって国際政治学では必ず履修する項目であるのにそれを焚きつけて利益にせんとするあたり、ガソリンスタンドでタバコを吸うバカの如しである。 故にそれよりこの方ずっと「クルド」はやべぇ奴らの間の符丁となり、民族問題を理解するという動機にはならずに、彫りが濃い人間の不祥事は「クルド」とする文脈が生まれたのである。 続く https://anond.hatelabo.jp/20231004185255
蕨と川口とクルド人の問題に関して その1
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いい加減に 東京へ出てくるとうんざりするのをやめたい 新宿や渋谷ならまだしも 上野などでうんざりしているようでは 情けがないから やめたいのだけど やっぱりどうしてもああやって人が大きな塊になるような状況をみると 誰でもいいじゃないかという気になってくるので苦手だ そこにいるのは誰でもいい かけがけのないことのないただの記号という形をとった肉の塊にしか思えない だからそのような有象無象に気を配る気にもならない 中高生のような 人を殺す目で あれくらいの時期はみんな特に意味もな���あるいは大きな意志の元で人を殺したいと思っているものでは? うつむきながら 足早に肉塊を通り過ぎるしかない フードエッセイストである平野紗��子さんの (NO)RAISIN SANDWICH が クッキー・モンスター (青色のけむくじゃら) とコラボするということで 銀座のソニーパークへ 遊びに行く 銀座はよくわからない 近いようで遠い街だと思う 京橋や日本橋なんかは完全に他人事なんだけど 銀座に関してはどうしても割り切れない部分が個人的にあったりするわけで 上野から銀座線に乗り ライクアタイトル回収 銀座駅で降りる まずまずの人 ソニーパークは駐車場の傍らにある 以下HP引用 "銀座四丁目交差点改札より、そのまま地下コンコースを歩いてお越しください。B7とC3出口の間にある「西銀座駐車場」の入口を入ってすぐ左がSony Park Miniです" なんとも簡潔でいて分かりのいい文ではないの 無駄のないうえにそこまで事務的でもないのが良い 変な場所にある施設が 結構好きです 新橋の ニュー新橋ビル な 熱海の 第一ビル商店街 な 感じの施設 施設群? この日のために PACS の Round Corner Pocket shirts を卸した 真剣な青色で 名前の通り ザッツリテラリー ポケットがまあるくなっている 生地もスーピマコットンなので 肌触りも良い かつ光沢もあり品の良いシャツに仕上がっている かわいいねお気に入りです 大きめに着る 靴下もファミリーマートのアクアブルーだったので 話しかけられた店員さんに 「格好もクッキー・モンスターを意識されてるんですね!」 などと言われ 恥ずかしそうに頭をかきながらうんとかすんとか ヘラヘラするしかなかったよ 23にもなるのに 恥ずかしそうにヘラヘラするしかない場面がいまだにある ステッカーや缶バッジ なんとなく目当てにしていたクッキー・モンスターのTシャツはソールドだった まあそうだねと思いながら"PREMIUM COOKIE SANDWICH for COOKIE MONSTERS"を抱えて後にした この時点で汗が止まらなくて病気かと思う 汗をかきはじめると 周りの視線が過度に拡張されていく感覚になる 批評よりも批判よりの視線にさらされているような感覚 さすがに耐え難いので 鳥越の方に逃げた 昔に といっても2年前までは鳥越に居をかまえていたので 今でもマイメンな東京のス��ットなのだ そんな場所は本当に貴重だ 鳥越神社という大きな公園のわきにあるアパートの一階部分には Torigoe T という小さなフランス料理のお店があったのだが それも1年前に閉店して今はアメリカ雑貨のお店になっているのを目撃した 6月は鳥越神社の例大祭があり 裸の男たちが蔵前橋通りを神輿担ぎ闊歩する 言語というよりむしろ発声に近い掛け声に混ざるぶつかり合う肌と肌の音は 何かしら象徴的に聞こえるものです 例大祭のチラシがあちこちに貼られているのに沿って鳥越の街を歩く もうこの街は 自室から浅草にあるアルバイト先まで 日陰から一歩も出ることなく歩いて行けるまでに 知っている 知っているのにすでに住んでいないというのはどうして不思議だ 1時間くらい歩き続けて観念したように浅草橋から総武線で新宿まで出張る 小田急線の急行で下北沢に着く頃にはもうだいぶ風が出て涼しくなったような気がして またシャツを羽織った だいぶ変わってしまったねこの街も 高校教師 (1993) には当時の京王井の頭線沿いも出てくるのだが 1993年時点での下北沢駅周辺はとても文化的ではなかったように見える ホームも薄暗くなんとなく湿り気のあるそんなイメージだった むろんあくまでイメージ 妄想ではある産まれてないしそもそも しかしな 今やサブカルチャーにとどまらず演劇や映画のベースメントとして 機能しているので 大したもんだと思う 人間が本気になれば 何もない場所に都市を計画し造ることなんぞは きっと造作もないのだろう 東京も元々大きな湿地帯であったことを考えると 人間のその豪胆さと労力の惜しげのなさには驚かされるばかりである 茶沢通りを北沢タウンホールに抜ける路地の左手に アンダーニース という楽器屋があり ビルの3Fで品揃えもいいしなによりオーナーの人当たりの良さ! この楽器屋でその感じなのありがたい 友人にお土産として Danelectro Black Coffee を買った DODのFX25B Envelope Filter とも悩んだが ゲインがフルテンで固定というオーナーの説明にクラッときたので そっちにした 朝からまともなものを食べていないことに気づいて 渋谷駅から渋谷川に沿って並木橋の方へ降りると恵比寿の手前にフレッシュネスバーガーがあるため そこでフレッシュネスバーガーとジンジャエールを食べる ジンジャエールがとにかく濃く作られており 自家製なのもあって 飲みごたえがすご��ことになってんの 正直ハンバーガーには合わせない方がいい 完全に負けているので 狭い店内の後ろの席には 学芸会終わりの親子が感想戦などをしていた ジメっている恵比寿 リキッドルームに家主がやってくるということで 友人を誘った 昨年の12月に出したアルバムのツアー 恵比寿リキッドルーム ワンマン フルセット 整理番号はなぜか800以降のカスだが 久しぶりのライブも 友人に会えるのも嬉しい チケット代の代わりに 何かモノをくださいという暴力に 友人は旅館の灰皿とぶっとい葉巻で応えた 吸わなかったら灰皿で人を殺してもいいらしい とにかく喫煙が足りないと言われた 喫煙が足りない 喫煙が足りない? アウトレイジ 最近バイトや大学の合間を縫って アルバムのレコーディングなどしているらしく 小職よりも忙しそうにしているので頭が上がらない ライブはもちろん完璧だった 正直言ってここまでのめりこめるライブも少ない 撮影が可能らしく ちらほら撮影している観客もいたが 昔気質だからだろうか どうしてもライブという場において撮影という行為がイマイチしっくりこない いまそこにある景色を損なう可能性を 考えてしまって スマホへ手が伸びなかった 撮影などしなくてもライブはサイコーであるのであれば 無理して撮影する必要はない そうだよね ウン 途中マジで酸欠になって フロアが最高潮だからね クラクラしながら ぜんまいじかけ のリフが宙に浮いて見えたりしたが 無事 終演 熱冷めないまままた歩いて渋谷駅まで戻ることになり 家主の話よりむしろバックナンバーやクリープハイプの話になりなぜ? 家主の話をしないということによってむしろ家主の存在が際立っているような 哲学や文学の文脈でよく使われる論文の手法のような雰囲気で 道玄坂のロイヤルホストに滑り込んでひといきをつく 柴田聡子の新譜は ある種 脱構築的に音楽よりも言語 あるいは歌詞や詩の動きにフォーカスしたアルバムだと論じる 前作 ぼちぼち銀河 においてもその様子はたしかにうかがえたが 今回で完全に音と歌詞 (詩) は同時に存在するように作られはじめた それぞれで見てもイマイチパッとこない 納得できない そのふたつは 同時に鳴ることで私たちの前になにかしらの意味を持って突如立ち現れることになる そこが柴田聡子の独自性ではないかという話で盛り上がって 過ぎる時間 こんな話がしたかったと思っていることに気づいたのは分かれてから銀座線で上野御徒町へ戻る最中だった 山形行きの高速バスで 友人がSound Cloudにあげていると教えてくれた レコーディング中のアルバム そのリード曲になるというデモをこっそり聴く 疲れた���体でも 十分に良いと思える曲だった コンスタントな振動に揺れ カーテンをこっそり開けて 高速道路のナトリウムランプが玉になって流れていくのを眺め 耳を澄ませて友人の曲を何度も 繰り返し聴く はじめて聴くのが夜行バスの中で良かったと思った 眼をつむるまでにそんなに時間がかかることもないだろうなと 考える間もなく 眠った 朝の4時に福島にほおりだされて 始発で郡山へ戻り 8時には職場にいるのだから 頭がおかしいとしか思えない 一緒に住んでいる人には 花屋の娘 が入ったフジファブリックのCDをお土産に買った ディスクユニオンの袋に包まれたのを 満足そうに机の上から机の上へ置き直して ニコニコしている 郡山は肌寒く しまったはずの毛布を取り出した
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01/21 ヤクザと家族 The Family 試写会に参加しました
*ネタバレどころか全編通しての感想なので一定期間が経過したら本記事は非公開に移行いたします🙆♀️
*記事全体でお名前や役名などを敬称略にて記載させていただいている部分が多数あります。ご不快に感じられる方がいらっしゃいましたらブラウザバックしていただけますと幸いです。
2021年1月21日(木)、映画「ヤクザと家族 The Family」試写会に参加させていただきました。年末年始は「1月29日を迎える」ことを目標に繁忙期を生き抜いたため、当選通知のメールを見た瞬間私の2021年は終わったような気持ちでした。(誇張表現)
今回も初見時の気持ちをフレッシュに残しておくべく、鑑賞しつつこんな感じでメモっていました。 黒い文字が上映中のメモ、緑の文字は帰宅後に補足で書き足したメモです。

これまでは人に見せることを前提���せず目と耳に入ったことや感想を自由にメモっていたのですが、今回を機にメモを見返しつつ(時に載せつつ)感想ブログなどもしたため始めてみようと思い、画像と文字を投稿しやすそうなTumblrを開設してみました。普段芸術と程遠い業務にいそしむ会社員の感想を眺めて「わかる〜」「いやわからね〜」みたいな楽しみ方をしていただけたら幸いです。
今回はB6ノートに見開き10ページ分ひたすら悶絶しているメモとなりました。
映画開始から終了までの時系列順で書いています。ちょこちょこ下記のようにスクショで掲載します。
水中から始まる…… フレッシュなダイイングメッセージみたいな文字で書き始めているのですが映画冒頭、あぶくに包まれながら沈んでいく推定・綾野剛さんの映像がとても綺麗でした。今思い出すと「ああ〜Familia……」という感じです…… 一緒に見に行った方が観賞後、「この映画は山本賢治の走馬灯なんじゃないか」という話をされていて打ちのめされました。
そう言われてみると最後の沈むシーンでは刺された血液か返り血かで体の周りにもやのような赤が浮いていますが、冒頭の沈む映像ではそれがなかった気がするので山本さんの自己認識的な映像なのかな〜とも考えていました。 確か右手を伸ばすようなカットがあり、写っている手がなんだか小さく見えたので「19歳の前に胎児からスタートなのかな?」と斜め上なことを考えていたのですが、上方に伸ばした手を自分で見上げているので確かに小さい感じに見えるんだな〜とも考えていました。
1999年
小さい原チャリの山本賢治くん(19)が着席するまでの一連、白い上着で葬儀場に入って行く俯き気味の後頭部が愛しかったです……読み間違いかもなのですが喪主が山本賢治に読めて、あ〜頼れる親族いなかったんだ……とすでに泣きそうになっていました。
少し後のシーンで山本宅が映る時、お父さんの名前で賞状も雑多に積まれていたのが何だったのかな〜と思いながら観賞後にサイトを読んだら証券マンだったとのことで、優秀な社員さんだったのかな……と思いつつ母親も離婚などではなく亡くなっているという記載からかつての山本家に思いを馳せて切なくなっていました。
いちはらはやとかわいい 市原隼人さんをドラマ版『ROOKIES』で知り、『猿ロック』『ボックス!』くらいしか見たことがないながらにくしゃっと笑う顔が好き^〜〜〜と思っていた高校生時代を思い出しました。原チャに足乗せて数珠をいじってるの大変かわいかったです。数珠は手作りなのでしょうか🤔2019年で大原の墓前にも赤マルと一緒にお供えされてるのを見ると三人でお揃いで作ったのかしら……と深読みして涙する私でした。
おかねにはしゃぐのかわいい 夜の堤防で強奪してきたクラッチバッグを開けるシーン。大原を演じる二ノ宮隆太郎さん、お顔は存じていたのですがお名前が出てこず、さらに事前にあまり情報を入れないようにして映画に没入しに行ったので「大原」「細野」の名前が最後までわからず迷走したメモになっています(言い訳) バッグの中から20万円くらいが出てきて堤防でめっちゃはしゃぐ大原が大変かわいかった……1999年でも2005年でも大原が笑ったり喜んだりすると見ているこっちもニコ……☺️と笑顔になるのが不思議でした。
このシーンで月におシャブさんをかざして「きれェ」って言う細野もやばいけど投げ捨てちゃう賢治くんの衝動性も心配な感じでした。この衝動性が2005年の川山を瓶でゴン事件に繋が���んだろうな〜と思いつつ……
あかちゃんあやすいちはらはやときゃわ オモニ食堂で赤ちゃんの翼くんをせっせとあやす細野の笑顔がほんと〜〜に好きで…… 山本・細野・大原の三人でいっぱい食べてるのめちゃめちゃかわいい空間でした。
くみちょうかっこいい 帰宅してから追記したメモもだいぶ頓珍漢なのですが「激シブ」と書きたかったんだと思います。
この食堂乱闘事件の最後、大原が出口手前の机に綺麗にぶつかって気持ちよくひっくり返して走って出て行くのも爽快でした。(どんな感想?)
ドアちゃんとしめるけんじくん 寿司パに呼ばれた賢治くんがビルの入り口ドアを後ろ手ながらちゃんと閉めるのが偉いな〜と思って見ていました。(今思うと金文字の「柴咲組」を見せるためかな〜とも思いつつ) この後商店街を��る時も「どけどけ!」だったのが「どいてどいて!」になって、後に続く言葉の方が優しい感じになる辺りに人柄を感じてグッときました……
はねられたあとはしるけんじくん 雑誌の『キネマ旬報』だったかで綾野さんがスタント無しで挑んだというのは読んでおり、事前公開された映像も見たので心の準備はできているつもりだったのですが劇場で見ると迫力が凄まじかったです……は、はねられている……あと確か長回しがはねられた後も続いていてハラハラしていました。
そしてこのあと盃交わす場面までほとんどメモ取ってませんでした。SNSの完成披露会を見られなかったので一緒に行った方に教えていただいたのですが、あのシーン本当に蹴られているということで……よくぞご無事で……😭 香港までの密輸(入国)船のサイズが意外と小さくて、時々ニュースで見る国境近辺の船ってそういえばこんな感じだったな〜と思い出していました。 あと加藤こと豊原功補さん、『のだめカンタービレ』の江藤しか知らなかったので「なんか見たことあるような…」とは思いつつ一瞬気づきませんでした……!江藤塾の指導が「ヤクザのとりたてみたいな指導しやがって!」と千秋に言われるのですが江藤と加藤全然違う人間ですごかったです……
ところでこの臓器くん三人が密輸されかけるくだりの辺り、賢治くんが柴咲組との関係を否定したのに中村の兄貴が迎えに来てくれて三人とも助かってる描写の理由が1回目だとわからなかったので今後わかるまで見に行きます(ムビチケを追加で積んだ顔)
盃交わすシーンで縦書きのクレジット入るのめちゃめちゃテンション上がりました。かっこいい……ここのシーンの背景や人の配置とお顔など、後で出てくる方��らっしゃるのかな〜と思いながら見ていて白文字を読んでいなかったので結局エンドロールまで気づかなかったのですが今回岩代太郎さんが音楽だったそうで、初めて映画のサントラ買ったのが『武士の献立』だったのでエンドロールでもテンション上がる事態になっていました。
2005年
おしりまで入ってるの 銭湯で山本さんが湯船に向かう後ろ姿のシーンで刺青が背中通り越しておしりと太ももにまで入っていた衝撃のメモ。 そういえば私も小学生くらいの頃、近所の銭湯にどうしても行ってみたかったのですが連れて行ってもらえなかったことを思い出しました。(誰彼構わず話しかけては走り回って物を壊す子供だったのでいろいろな意味で人生変わるところでした)
大原と細野の背中にも線彫りでごっついでかい刺青が一面に入っているのですが、山本賢治さん(25)の気合の入り様がエグいかっこよかった……何年かけて彫ったのか…… 米国にいた時スナック感覚で一緒に刺青入れよ〜と誘われた際、断りつつ色々調べて知ったのですが、線ではなく面の刺青は痛さも尋常じゃない上にグラデーションは彫り師さんの技術も問われるところとのことでお尻やふとももとか脇の肋骨のあたりみたいな皮膚の薄そうなところにまで見事に入っているのを見て山本さんの六年間に思いを馳せたりしていました。あと全然関係ないですがお風呂めっちゃ気持ちよさそうで私も帰宅してお風呂沸かしました。
中村「てれるな」かわいい 安易に「かわいい」という形容詞を使いがちなのですが魅力を感じた時���さくっとメモする時やっぱり「かわいい」とか「かわ」って書くのがラクという。 若頭襲名?就任?のお祝いをされてぽつっと一言中村の兄貴が「照れるな」と言うのがかわいかったです。立ってるだけでめちゃめちゃ怖いし1999年の方でも怖かった中村さんが口を開くと思ったよりフランクで端々にポップさが垣間見えて「あっ好き」と引き込まれた瞬間のひとつでもありました。ドラマ『アンナチュラル』の宍戸だ!!と思って警戒しながら見ていたのですがここで警戒を解いて仲間だ〜🌼と思いながら見ていたので2019年の方で落ち込みました……(鑑賞中に落ち込む視聴者とは)
このシーンで細野が「これ山本の兄貴からです」のような文言で中村さんにプレゼント(とは言わないのかしら……)を渡す時、言い方や間の取り方があまりにも自然なモブっぽくて一瞬細野だと思いませんでした。山本さんから中村さんにお祝いの品を渡すだけの舎弟の役割を果たしている細野aka市原隼人にグッときていました……
せんえんくれる オモニ食堂で小学生の翼くんに千円札をくれる山本さんのシーン。一万円とかではなく、でも小学生には大金の千円札をお小遣いにくれる山本さんのバランス感覚がとても好きでした。愛子さんが止めるでもなく受け取っときなと言う様子になぜか嬉しくなってました。そして翼くんがンマ〜〜〜かわいい……その翼くんと会話してる時の山本さんと細野がこれまたンマ〜〜〜かわいい……あの笑顔は無形文化遺産認定の日も近いです。
「子供と会話すると笑顔になるよな〜」と思いつつ見ていたのですが今思うと大原くんと亡くなった翼くんのお父さんが似ていたというところから、自然と人を笑顔にさせる特性みたいなものを翼くんもお父さんから受け継いでたのかなぁとか、いろんな人の居場所になってたオモニ食堂を切り盛りしてるお母さんから学んだりしてたのかなぁとか色々考えていました。
ジッポのチーンかわいい この「かわいい」も魅力的だったな〜の「かわいい」です。2005年の山本さん喫煙シーンで印象的なジッポライターの開閉音、薄い金属音がおしゃれで好きでした……小中学生の時分、ジッポに憧れて百均やらドンキやらで安いのを買ってはガチッとかバチッみたいな音を立てて開閉させていた勢なので「かっこいい……」と痺れていました。あと山本さんの手が綺麗で二倍痺れました……
2019年、山本さんの出所後に「柴咲組一同、盛大に」のシーンで煙草に火をつける時は百円ライター的なジッという音になっていて泣きそうになりました。対比がエグい……
くうきのかわりかた 2秒前まで翼くんと近所のお兄ちゃんみたいな会話をしていた細野が山本の電話の様子を見て一瞬で空気を切り替えるのがビリッと来ました。オモニ食堂の壁際に飾られた七五三か端午の節句かの人形を挟んで会話していたのも何故か記憶に残っています。
この画面大原があまり映ってなくて若干寂しかったりしました。三人でご飯食べにくるの可愛かった……ビールの乾杯の時にグラス合わせる位置が特に山本さんが上という感じもなく三人でかんぱ〜いってなってたのが本当に好きでした。(見間違いだったらどうしよう…)山本さんの貴重な笑顔……
あめちゃんなげるのかわいい この「かわいい」は「かっこいい」と「かわいい」が半々くらいのかわいいです。去り際に細野が翼くんに2つか3つか何か投げるので「小銭?にしては雑…?」と思っていたらキャラメルなのかラムネなのかアメなのかオレンジ色の細長いのを翼くんが両手で受け取ってて可愛くて死にました。 お菓子を持ち歩く細野……
続くクラブ C'est la vie で敵対勢力が煽りに煽るシーン、細野が��を乗り出してゴリゴリに睨んでる中、山本さんが微動だにせず立ってるのがめ〜ちゃ怖かったです……まじで身じろぎひとつせず川山のことをじっと見ている様子が、あまりにも静かなのに絶対静かな訳がない嵐の前の大気そのものでひたすらぞわぞわしました……
川山が立ち去った後でママが気を取り直して女の子たちに声をかけるのがまた好きでした。ママの肝の据わり方よ……
そしてここで登場するみゆきちゃんこと工藤由香。青いドレスが似合ってて素敵でした。今思い出すと冒頭や最後の海を思い出すような深い青なのですが、由香ちゃんの明るい人柄と真逆な色かつ尾野真千子さんの雰囲気にぴったりの綺麗な深さだったな〜と思いました。(小並感)
自己紹介もなく隣に座り山本さんの親指の付け根部分にガラス片が入っているのをそっと取ってくれる由香ちゃんを見つめる山本さんの目元がサングラスと前髪でわかりづらかったのもエモでした。わかりづらいけれど、川山と話していた時とは完全に異質の静けさ……
さっきまで流血沙汰の事件起こしてた男が、自分で気にもしていない(蔑ろにしている)傷に気づいて手当てをする由香ちゃん、彼女の来歴が映画の中ではほとんど見えないのも「山本の走馬灯」と考えると納得でした。
ついでにこの後ホテルに呼び出される由香ちゃんのシーンがめちゃめちゃ可愛くてニコニコしながら見ていました…… 由香ちゃんの到着で、画面には映らないジッポの音が「山本さん緊張してるのかな…」という感じでかわいかったです。そして由香ちゃんの私服(チェックのシャツワンピースとフードつきダウン)が青いドレスとこれまた180°正反対とは言わずとも90°くらいの位置にある感じでとてもかわいかったです。◯まむらかパ◯オスか……
ぺちぺちたたかれてる かわいい 抵抗する由香ちゃんのぺちぺちパンチが大変かわいかったというメモでした。
そういえば山本さんの背中におわしますは修羅でしたね
抵抗している由香ちゃんに動揺しまくる山本さん、さっきまで貫禄凄かったのに急に中学生男子になってニコニコしちゃいました。川山とか加藤にこんな態度を取ったら親族もいない由香ちゃんは臓器ちゃんコースでもおかしくないのに、運転しておうちまで送ってくれる…… ここで携帯渡して「入れろ」だけ言われて、一回でちゃんと正しい情報を打ち込んで渡してくれる由香ちゃんの律儀さもかわいかったです。ラブコメ映画ならここで一回ギャグ挟んでから山本さんが「あいつ…!」って思ってるときに携帯に由香ちゃんから連絡入るパターン……🤔💭と思考が逸れるくらいかわいいシーンでした。
セーターのおじちゃんかわいいね… この「かわいい」も「かっこいい」と「魅力的」の混ざった感情でした。川山の件で加藤との会談に中村の兄貴を連れて行く柴崎さんにスルッと流されてしまって立ち尽くす山本さんに肩ポンしながら「たまには兄貴に花持たせたれや」のようなことを言うおじちゃんがその場面で一人だけスーツではなくセーター着用だったのがかわいいな〜と思った感想。
ビリビリに張り詰めた空気の中で元凶とも言える山本さんに声をかけようにもかけられない(かける勇気が出なさそうな)雰囲気の中、かる〜い感じで声をかけてくれるおじちゃんが大変好きでした。何か��ったときに気持ち的にラクにしてくれる方が職場とかに一人いてくださると心理的安全ダンチだなぁなどと今打ちながらしみじみ考えます。みんな頼ってひっそり相談に行く感じ……
あとこの「たまには」という一言、最初はおじちゃんが気を遣ってくれてる感じかと思っていたのですが、2019年の方で中村の兄貴と乱闘になる場面で出所したての山本さんに兄貴が「いつもいいとこどりしやがって」みたいなことを言っていたのを考えると、1999年〜2005年の6年で相当派手に活躍していたんでしょうね山本さん……
出待ちしてるのかわいい これは紛れもなく「かわいい」でした。クラブの前で車で由香ちゃんを待ってる山本さんのシーン。この直前の事務所でソファで仰向けで煙草吸いながら起き上がって天井見上げてまた吸って……というシーンの山本さんは手首や体の動かし方から漢と色気の混ざり合った匂いを画面越しに感じるほどかっこいいのに、由香ちゃん呼び出して「無理なんで……」とわりと年単位で寝込みそうな断り方をされて無言クラクションパーーーーーで強制的に呼び止めるあたりの流れまじでラブコメでかわいかったです。
みゆきちゃんにオラつけてないのかわいい まさしく。別に山本さんが「オラついている」訳��はなく「ペースを乱されまくっている」と書きたかったのですが勢いでメモっていたのでこんな書き方になってしまいました。語彙力……
このシーンではまだ「ゆか」という名前が出てこなかったので鑑賞中のメモが「みゆきちゃん」記載。
ドライブ(きょうせい)かわいい 由香ちゃん青いドレスのまま上着だけ持ってきてドライブしてたような気がします。白い上着に青が映えるな〜と思いながら見ていた気がするのですが見間違いかな……次見る時確認します。
そして今気づきましたが「(強制)」と言うと常田大希さんが年末にSNSで公開していた綾野剛さんとのメッセージを思い出します。どんなおせちだったんだろう……ちょろぎ入ってたのかな……🤤
顔が良いあやのごう 夜明けの海岸で由香ちゃんに「どうやって儲けてんの」「なんでヤクザやってんの」のような質問攻めにされるシーン。今回のメモぶっちゃけ6割くらい綾野剛の顔が良い(または諸々が「かわいい」)で埋まっていたのですが、この辺りから各俳優さんの様々な「美しさ」に魂が震える映像になっていった気がしてメモ内容が圧倒的に表情のことや空気感についての言及になっていたので我ながら記述が曖昧で頭抱えました。咄嗟の語彙力 増強 方法 検索👆ポチ
夜通しドライブした二人が由香ちゃんの気軽な質問からほんの一瞬だけお互いの深いところに触れる描写が夜明け前の一瞬の空を思わせてエモでした。
まじすか!? かわいい ここからしんどかった…釣りに出かけた柴咲さん・山本さん・運転手の大原くんの三人が車内で会話しているシーン。 電話で呼び出された時山本さんが着てたセーターかわいかったな〜というのも記憶に残っています。そういえば山本さんが住んでるところって柴咲組の寮的なところなのかしら🤔最初に由香ちゃんが呼び出された時、ドアに避難経路が貼ってあったのでホテルかと思ったのですがそういえばこの場面でも同じベッドな気がするのでホテルじゃなくて家なのかな……?
運転手の大原くんが嬉しそうに相槌を打つのが可愛すぎて劇場でニマニマしてました。「こいついっつもお前の話するんだよ」みたいなことを柴咲さんに言われて山本さんが呆れてるのに「すみません!」ってお返事しながらニコニコしてるの本当にかわいかったです。
気を張ったり気が立ったりがデフォルトの中で大原くんみたいな人がそばにいるとホッとして笑顔になったり少し安心したりするんだろうなぁ、愛されてるんだなぁと思って(由香ちゃんとのラブコメからのエモの流れで完全に油断していたこともあり)完全にリラックスしてたところで二人乗りバイク………………………………
ずるい……………………… 大原くんの魅力にフォーカスした直後のこれはずるい……………………
今思い返すとこのシーンも多分長回しでした。どこからどこまでだったんだろう……完全に頭から世界観に浸って「釣りか〜何が釣れる時期かな〜」とか考えてたのでめちゃめちゃ衝撃でした…… そしてここで山本さんが車を振り返って呆然とする流れが辛いのにめちゃめちゃ綺麗でした。昼前の太陽の明るさ……
ないてるいちはらはやと 翼くんを撫でて笑おうとする細野がぼろぼろ泣いてしまうシーン。シンプルにつらすぎて胸にきました。トレーラー映像で主題歌が入る前あたりに映る煙、煙草かなぁと思ったらこの大原の葬儀のシーンだったんですね……ずるい……
この時の翼くん6〜7歳でしょうか。物心ついてから初めて参加したお葬式だったのかな、と思うと普段と様子の違う知ってる人たちの中で細野ならいつもみたいに笑ってくれる!と思ってたりしたのかなぁみたいなことも考えて辛み増してました。ちょっと戸惑うような様子が辛かった…… 細野の翼くんと接する時のあの笑顔が印象的に描かれていたからこそ辛さが倍増(どころの問題じゃない)でした。
そういえばこの後から細野の笑顔がちょっと変わったような。🥲 2005年ではもう笑うシーンがなく、2019年の方でも相当苦労したんだろうなぁという感じで笑顔の雰囲気が変わっていて辛かったです……パパしてる時ももう翼くんに笑いかけたみたいな笑顔じゃなくて……無形文化遺産儚い メタい感想だと「笑顔」ってそんなに種類分けられるものなの……?と市原隼人さんの表現ぢからにタコ殴りにされていました。安仁屋……
けいさつとヤクザの髪型 ちがうのすごい 柴咲さんと大迫が会話するシーン。画面右側に柴咲さんと中村の兄貴、左側に大迫と若い警官?が映るのですが、中村の兄貴も警官も「髪が短く襟足は刈り上げに近い感じ」「スーツ」「姿勢良く立ってる」とほぼ同じ条件のはずなのに、どう見ても右側がヤクザで左側が警官���ったのがすごかったです。さらに場面的に逆光でほぼシルエットだったにも関わらず明らかな差異があったので痺れました。
ケン坊なのかわいいな…… 入院している山本さんのお見舞い兼報告?で柴咲さんと細野が病室を訪れるシーン。もうすでに嫌な予感はしていたので感想がかわいいポイントだけフォーカスして書いてありました。柴咲さんが「ケン坊」って呼ぶの本当に愛が深くてなんでか泣きそうになります…… 花籠を置きながらずっと泣きそうな顔をしている細野の私が代わりに泣きました。(なんで?)
えっ えっ顔が良い あやのごう…… だいぶ動揺しています。ベッドで横になった山本さんの思考をなぞるように俯瞰でゆっくり回る画面のシーン。天井視点というべきか何と言うか…… 1999年に侠葉会から逃げる賢治くんのシーンでも画面がぎゅん!と回って大混乱なところがあってすごく好きでした。
あの静かな表情が怖いのか美しいのか、ぞっとするのか狂おしいほど愛しいのか、全部詰まっていて文字通り息が止まりました。二重幅の目元がずっと脳裏に残っています。
そしてこの後クラブの中で山本さんに紙袋を手渡す細野���サイトのキャスト紹介の写真もしかしてこの場面では……?と気づいて地に倒れ伏しました。苦しい……
な…中村さん…… 1999年でおシャブさんを扱わない柴咲組に「じゃあ何をやってるんだよ」みたいなことを聞いた賢治くん19歳に、凛と張りのある声で答えていた中村さんを思い出しました。山本さんとはまた別の理由で耐えきれなかったのかな中村さん…… 屋上でゴルフしてる柴咲さんと山本さんを見てる時の中村さんの目線がなんとなく不穏だった気がしたのですが、中村さんは任侠の人でした……😭
刺殺する時は刃物を縦ではなく肋骨に沿うように横にして差し込むと致命傷になるみたいな話を思い出して現実逃避しながら見ていたのですが銃を選んだ山本さんと刃物を選んだ中村さんの違いみたいなところにも思いを馳せていました。 (そういえばサイト読むとドス的なものではなく包丁だったんですね)
そぼくなゆかちゃんハウスかわいい 質素倹約大学生の一人暮らしアパートとてもかわいかったです。調べたら2005年といえばファーが流行したりエスニック柄が流行した時期らしいのですがそんなものの影もない本棚やキッチンの生活用品のカゴに生活を感じてグッときました。そこに転がり込んでくる血まみれの山本賢治……
震えてる山本さんに動揺しながらも少しずつ落ち着いて癒してくれる由香ちゃんと、最初触れるだけのキスをするのがすごくグッときました。
みあげるとき 19さいだ… 翌朝、事務所に帰ってきた山本さんがソファに座ったままぼんやり柴咲さんを見上げて立ち上がるシーン。1999年、加藤の元から助け出された後を思い出しました。ESSE のインタビューで綾野剛さんが語られていた内容もふと思い出し、朝陽の入る光景に胸が痛くなりました。 その後で柴咲さんが山本さんが怪我をしている左肩を大切にして首元を引き寄せて、自分の白い上着を気にするそぶりも見せずにガッと抱き寄せるのがまた辛かったです……(あまりにも当たり前のように深く抱き寄せてたのでしばらく柴咲さんの上着が白いことにも気づきませんでした) 大迫が入ってきて手錠をかけているあたりのシーンで柴咲さんの上着に血がついててウグ……となっていました。
よりにもよって連行される時のニュースを翼くんがガッツリ見ているというのも辛かった……来なくなった大原、逮捕された山本さん、細野は一人でオモニ食堂にご飯食べに行ったりしたんでしょうか……2019年の方だと細野と翼くんのコンタクトが一切なかった気がしてまた辛いです……
怪我が治ってないのに歩かされて収監されてる山本さんが辛すぎると同時に、真っ暗な中から明るいところに出る流れの表情に鳥肌バキバキでした。
2019年
2019年の方が青いの…?(色)がめんの 早朝出所する場面から始まることもあってか映像が青くて「あれ…?」と思うなどしていました。初めて見る丸メガネの若い子と中村の兄貴が迎えにきてくれて、「細野くん来ないんだ…」とざわざわしていました。
そして事務所に到着すると剥がされている金の「柴咲組」。剥がされた後のスプレー跡が残ってるのが傷跡みたいでまた辛い…(この後ほぼ「つらい」「しんどい」しか形容詞が出てこない)
19才の鼻のキズのこっちゃうんだなぁ 出所後にすっかり様変わりした街並みを見上げながら事務所に戻り、多分14年ぶりに柴咲さんにも会うシーン。和装の柴咲さんに嬉しそうにしてる山本さんの鼻に傷跡が残ってるのがなんとなく印象的でした。
20年経ってるんだなぁと思いつつ、2005年の加藤との会談での「俺のたまでも取ってみるか」はもちろん何気ない会話の一言でも声の厚みがめちゃめちゃかっこよかった柴咲さんの声が弱くなっててめちゃめちゃ不安になりました。
あとこの事務所が映る時に「がらんどうだ………」と思った覚えがあります。置いてある小物の数が著しく減ったとかではなかったと思うのですが、何が違ったんだろう……2005年の時から人が減ったのに様子が変わらないから寂しく見えたのかしら……次見に行った時確認します……
そういえば美術の部谷京子さんが『容疑者Xの献身』の方と後で調べて知って唸り倒しました。寂寥感とあたたかさが混在する空間大好きです……
SEKISUI HOUSE 山本さんの新居のアパートの壁にSEKISUI HOUSEのロゴがありましたという。なぜこれメモったんだろう。しんどさが限界点突破して何か関係ないものメモりたかったのかな……
このシーンの前でたぶん大原くんのお墓参りをしているんですが、そこで赤マルお供えしてるのと、あと多分ほどけてる数珠がお供えしてあったのも印象的でした。お揃いで作ってたのか、それとも細野が趣味で作ってたのを置いてったのか、ちょっと次見る時に三人が1999年と2005年でおそろっちしてるか確認します……
丸メガネの子がしょんぼり辛そうに条例の話をシンプルにしてくれるのを聞いてから山本さんがまず由香ちゃんに連絡取ろうとしてるのがかわいかったです……しかし繋がらない…… ここのスマホ使い慣れてなさそうなところがまた紛れもないかわいさでかわいかったです。通信機器って差し入れできないんですね……
そしてこの後の出所祝いが😭ひ、ひたすら辛かった……… 「柴咲組一同、盛大に」という文言はきっと昔から使われてきたもので、山本さんも何度も聞いたことのあるような乾杯の掛け声なんだろうなと思いつつ、どうしてもかつての賑やかさを思い出してしまって辛かったです……煙草に火をつける音が百円ライター……ビールは瓶のプレモル……(これも現実逃避メモ)
追い討ちをかけるようにシラスの密漁シーンが入り、大変な寒さに違いないだろうに「これで食わせてもらってんだよなぁ」的なことを言いながらはしゃぐようにしてるオジキたちがしんどかったです……
そして現存していたオモニ食堂😭よかった……!あった……!変わらず待っててくれる愛子さん、久しぶりの細野……!でもやっぱり笑い方が変わってるというか、なんかあんまり山本さんの方を見てなかったような……この辺りメモがくちゃくちゃ(文字が重なってて)になってて己の動揺を見ました🥲
配偶者を「ヨメ」って呼ぶ細野かわいいな〜と思いつつ、丸めた千円札をぎゅっと押し付けて出て行くまでの流れが辛すぎました。慰めるでもなく何か言うわけでもなく一緒に時間を共有してくれる愛子さんの存在に私も救われていた沈黙のシーンからの翼くん帰宅。上着こそ赤ですがまんま1999年の山本賢治(19)でかわいい〜!となるやら翼くん〜😭となるやら、感情のジェットコースターでした…… あとで加藤と会話してる時にも思ったのですが、翼くんの敬語の使い方が大変最近の若者感で好きでした。何が違うんだろう…🤔何が最近の若者感なんだろう……
ふうとうにフッてするんだね… 親父の入院費を中村さんが徴収するシーン。細かい仕草なのですが気になりました。確かに新しい封筒を開いて紙の端を指で支えて、こう、中の空間を広げて……みたいなのをモタモタやるより一発でガッと開くので効率的ですね。完全に現実逃避の着眼点的メモです。
ここで出所祝金を封筒ごと出して全額出す山本さんもしんどみでした😭お守りみたいに持ってる…… (この部分、あとで由香ちゃんが14年間300万円に手をつけなかった部分と重なるなぁと思っていました)
な…中村さん… おシャブ………………でもいろんな作品見てても「覚醒剤や大麻って儲かるのか〜」と思うので組を守るために背に腹だったのか……と思いつつ、本当に困窮するまで手を出さなかったであろう中村さんの葛藤を思って泣きそうでした🥲
ひかりのかげんすごいすき 車のライトの前で取っ組み合いする中村さんと山本さんのシーン。足が長い二人がこういう画面で喧嘩すると足しか映らないんだな〜と辛さから逃げる思考をしつつ、画面の中央に車を置かない、全部見えない、どっちがどっちかわからなくなりながら怒鳴って掴んで引っ張って引きずり倒して、という二人の感情の発露を息を呑んで見入っていました。この時どこかのタイミングで月も映ってたと思うのですが、1999年に細野がシャブをすかしてた半月と同じだったりしたのかな……早くもう一回見に行きたい……
中村さんよかった…やってない… 「そこまで落ちてねぇよ」的なことを言いながら自分のハンチング帽?で山本さんをぺしってする中村さんの仕草に「照れるな」の時と同じホッとする気持ちで気が緩んで泣きそうでした。ちょっと嬉しそうな山本さんの表情に私も嬉しくて…😭
(そういえばFitbitの記録見たら多分大原くんの死から2019年中盤あたりにかけてめちゃめちゃ落ちててすごい落ち込みながら見てたんだなぁと思いました)
出待ちしがち山本けんじ 韻を踏んでいる😄煙崎市の市役所職員入り口前で由香ちゃんを出待ちしているシーン。最後自宅前でも出待ちしてましたね。 私個人「来るかわからない」「いるかわからない」「会えたところでめちゃくちゃ嫌な顔をされるかもしれない」状態で待つのが辛すぎて無理の民なので、山本さんの忍耐力や相手を想う気持ちの強さに泣きそうになった場面でした。(よくわからないところで泣く系)
月の出ている夕方の海、かつて隣で見た明け方とは異なりこれから暗くなる空の下で会話して、送ってもらってからあの時の血のついたままのお金を持ってくる由香ちゃんのいろいろな気持ちを思うと辛すぎてダメでした………
キムチチャーハン(うまそう) 現実逃避メモ。お夕飯作ってる娘・あやちゃんが可愛くて可愛くて……😭😭そしてたぶんこれはキムチチャーハンではなくてケチャップライスでした。笑
昨年の『ドクター・デスの遺産 THE BLACK FILE』でも父だった綾野剛さん、今回は「父」としてあやちゃんに接する場面がありませんでしたが、先日公開された主題歌FamiliaのMVでおずおず近づいて抱きしめてくれるあやちゃんに腕を回して抱き返す姿になぜだか救われた気持ちがしました。(歌詞と学生服のあやちゃんが映った瞬間から涙が止まらなくて1日あけてからもう一回見ました)
オヤジからぬけろって言われるの… 入院した柴咲さんを見舞った山本さんに優しく柴咲さんが「お前はまだやり直せる」と言うシーン。辛かった…
ドラマ『アンナチュラル』5話で鈴木さんがミコトに「何が間に合うの」「果歩はもう死んだ」と返して刃物を握りなおすシーンを思い出しました。 山本さんにとっては何も間違えていなかった、やり直すことはなかったんじゃないかな、と思う反面、妻と自分の子供と静かに暮らすためには「やり直す」必要があったのか……と思うといろいろな感情で諸々ぐるぐるしました🌀
な…中村さん…… 除籍後、密漁するオジキたちのカットの後で車中で細い注射器で………………おシャブを打つ中村さんのシーン………………………だったと思います……
ハンドルに寄りかかって乱れた髪を手でさらにくしゃっと握りながらメガネがズレるのも構わない様子にめちゃくちゃ……落ち込みました……中村さん……
謎に上から(笑) 加藤宅でお話ししてるシーンで翼くんがタメ語になる瞬間。この場面でも翼くんはずっと敬語でお話ししていて無用な軋轢を産まないというか禍根を残さないと言うか、処世術的にというか極端に悪い言い方をするなら日和見寄りな部分で現代っ子っぽいな〜という印象でした。あっ最近の若者感ってこれかしら…?
加藤の「時代遅れ」な助言の裏にしっかり見えてる支配欲に笑っちゃいそうな雰囲気が、絶えず続けられる撮影にも現れてるような気がしつつ、意外なところで動揺している様子が意外なようなちょっと安心するような気持ちで見ていました。お父さんのことが気になっていた翼くん……
く…くまさんカップ……! 工藤宅で朝ごはんを一緒に囲む山本さんがくまさんカップでスープなのかココアなのかをいただくシーン。この穏やかな朝ご飯の空気と山本さんの柔らかい表情をトレーラーで死ぬほど見てはいたので、これ多分後で崩れ去るんだろうな〜のような予想をしつつ色々気持ちの準備とか覚悟とかしていたのですが、まさかくまさんカップとは思っておらず「かわいい」という気持ちで脳がパンクするかと思いました。と言うよりもパンクしまして準備していた覚悟的なものも全部粉砕したのでこの後のシーンのしんどさ全部真正面から浴びてしまって「もうやめて…やめて…」と泣いてました……(好き)
山本さんにくまさんカップを使わせるに至るまでのあやちゃんと由香ちゃんと山本さんのやりとりも考え始めると辛すぎました。かわいい。辛い。かわいい…………ゆるして…もうやめて………(好き)
空色の車で市役所と学校に二人を送るシーン、学校までのちょっとの時間をあやちゃんと二人で過ごす山本さんが愛しくて泣いてました。この辺りずっと泣いてる…… 「最近ママ楽しそうだよ」って言うあやちゃんに穏やかに笑ってる山本さんがもう無理でした。愛しい空気のままここで見終わりたい……と大号泣している自分と、ここからの展開に期待全開で姿勢を正してアドレナリン分泌の大号令を出す自分が同時に存在したので多分このシーンで私の副腎は副腎皮質も副腎髄質も絶賛大稼働していました。
ありがとうほそのくん… 社長に無理を言って産廃処理工場に勤めさせてくれる細野くん。本当にありがとう……「初めてこいつに感謝したよ」みたいなことを山本さんが笑いながら言うのですがそんなところまで含めてかわいいシーン……………と思っていたら、二人の正面に座る若いの(かみやくん?)が口を開いた瞬間から不安でたまりませんでした。翼くんともまた違う若者口調……
そして場面が変わって翼くんがけつもち?しているお店に大迫が来るシーン。しかし一枚上手の翼くん💪いやここで頼もしい写真の証拠と、さっきのシーンでの記念写真の対比がエグい……
翼くんに一枚取られたのが悔しかったのか、八つ当たりみたいに産廃工場に来る大迫さん。シーンが繋がってたせいか余計そう見えてしまいました。大迫さんへいい感じに負の感情が向いた鑑賞中でした。
そういえば大迫さんもざっくり20年以上刑事を務めているんですよね。ドラマ『MIU404』のガマさんに一瞬思いを馳せていました。ふと思い出すと米ドラマ『The Mentalist』や『NCIS』だと現場に出てくる定年後の刑事ってあんまり出てこない印象があるなぁとも考えていました。『The Mentalist』に至っては『MIU404』の陣馬さんポジションのレギュラーいなかったような🤔ミネリはマメジかな……
「全部終わりだよ」とくずおれる細野、にやつく大迫と山本さんのやりとり、続く由香ちゃんとのシーンはただ呆然と見ていました。目も合わせてもらえないまま「お願いです、出ていってください」と泣かれて土下座されて、敷居を挟んで立ち尽くす山本さん……
ここで気づいたのですが、どのあたりからか山本さんのセリフがどんどん少なくなってってる気がしました。元々しゃべる立ち回りはしない山本さんでしたがますます口を開かなくなって……いたような……
まばたきもしないでないてるの… 病院にかけつけた山本さんが危篤状態の柴咲さんに「まだ親父って呼んでくれるんだなぁ」と言われてまばたきもせずぽろぽろ涙をこぼすシーン。微笑んで「俺の父親は親父だけです」のように返す声で心臓がぎゅっとしました…
このシーン、不謹慎ですが見入ってしまいました。綺麗だった……
6組「彩」ってしんどさよ… 転校?の挨拶をするあやちゃんの左奥、教室の壁に大きく貼られたクラスの標語が皮肉すぎました。名前の漢字、あやちゃん「彩」じゃなかったっけ……
このシーン山本さんが事務所から由香ちゃんの携帯に留守電を残すモノローグが入っていて嫌な予感しかしなくてずっと心臓ばくばくしていました。 そして帰宅すると家がからっぽの細野………土砂降り……
そして半グレの仲間達と金属バット持参で傘もささず父の仇のもとへ向かう翼くんと、その時にはもう着手している山本さん。返り血を浴びた表情がまさに背中の修羅そのものでした……担架で運び出されていた大迫はまだ息があったのか否か……
血まみれのまま朝方の堤防でぽやっと煙草を吸って2、3回軽く咳き込む山本さん、バイクの音が3人分聞こえてたような…… そして泣いてる細野……
このカットがチラシなの!? 心の底から思いました。「ただ、愛した」という短いコピーと薄い空の色にどんな場面なんだろうと思っていたので、ここかぁと胸が熱くなりました。
刺されながら抱きしめて「ごめんな」と返事をする山本さんの体からどんどん力が抜けて、それでも溢れるほどの愛情がそこにあったような気がして息を呑みました。 細野の右頬にべったりと血が残っているのが脳裏に焼き付いています。
そして冒頭の沈む山本さん。海水の中で目を開けて、海面に手を伸ばそうとするような動作をしていたと思うのですが正直泣いててあんまり見えてませんでした。早く次見に行きたい……
後日、大きな白い花束を持って堤防に来てくれる翼くん。山本が吸っていたセッターを一口吸ってから箱ごと供えて立ち去ろうとするとあやちゃんが入れ違いでやってくるシーンがまた最高に好きでした。
お母さんゆずりのグイグ���…… 翼くんに「あんたヤクザ?」とどストレートな質問を投げかけ、「お父さんってどんな人だったの」と質問を重ねるあやちゃんに、夜明けの海岸で山本さんにグイグイ質問していた由香ちゃんを垣間見て涙腺にきました。その後の翼くんの表情の変遷がまためちゃめちゃ好きでした……
血を分けた家族、血や肉の繋がりを超えた家族、いろいろな家族が描かれる中で、ただ愛した人たちと一緒にいたかった山本さんの人生を時系列で見せてもらえてしばらく放心していました。 幸せは人によって異なり、一緒にいたい人と築く家族の形も世帯の数だけ存在すると改めて思いつつ、山本さんが幸せだった時間も一緒に見せてもらえたことが私にとって幸せでした。
感想何かちょっといい感じの感想で〆たかったのですが全然なにもまとまっていないので月間シナリオ2月号で掲載されているという台本を読みつつ1月29日を待ちます。あと円盤にインタビューやオーコメや未公開映像があったらいいな〜と思いつつ円盤も待ちます。あと今後藤井監督や綾野剛さん・舘ひろしさんをはじめとしたみなさんが今後いろんな媒体でまた『ヤクザと家族 The Family』について言及される機会があるだろうと願いつつ各種媒体おっかけながら生き延びます。生きます。
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「プチDIY2」 100均ののリメイクシート第2弾。 前回に引き続き吊戸棚のシート張り。 ネジがナメる為扉を外さず施工。 コーナーの巻き込みに苦戦しました。 #プチDIY #ダイソー #DAISO #リメイクシート #井の頭線沿いのアパート風 #昭和 #レトロ #賃貸DIY #稲荷町不動産 #稲荷町 #京橋町不動産 #京橋町 #セレクト物件 #セレクト文具 #文具雑貨 #輸入文具 #デザイン文具 #不動産仲介 #広島市 #賃貸物件 #SMUD #広島駅 #広島不動産 #民泊 #エアビー #広島ホテル #airbnb #airbnbHiroshima #BreakfastHiroshimaAirbnb #hiroshima
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シナリオ「ぼくの庭」8 記憶
S# 105 中学校の美術室(昼)
悟、熱心にスケッチブックに向かっている。 他の生徒たちは、その様子を窺いながら、ひそひそ喋っ ている。 扉が開き、久保井が入って来る。 生徒たち、各自の作業に戻る。 久保井、悟を見つめる。 悟、手を休めない。
S# 106 樫埜の家(昼)
樫埜、電話している。 樫埜 「ちゃうちゃう、あいつとは関係ないし、仕事とも関係な い。ホンマ個人的なことなんや。……ああ。申し訳ない けど、ツレやろ?……うん、いや、おおきに。……そう 十年くらい前や。東京の方やったらしい。……おお、す まんな、頼むわ。……一週間か、わかった。ほな」 電話を切る樫埜。庭に出る。 花が咲き誇る庭。ぼんやり眺める樫埜。 �� 花に止まる蝶。蝶の舌が伸び、縮む。 樫埜 「十四歳か……」 樫埜、目を閉じる。
S# 107 昔の樫埜のアパート(樫埜の回想/夜)
目を閉じている樫埜、目を開く。 血まみれの沙知が倒れている。 逃げ出そうとする樫埜を誰かの手が制す。
S# 108 高架沿いの道・夏(樫埜の回想/昼)
前に一歩踏み出そうとする沙知を誰かの手が制す。 振り返る沙知。 片手でビデオカメラを持ち撮影しながら、樫埜がもう一 方の手で沙知をとどめている。 沙知、カメラのレンズが向いている先に視線を戻す。 高架のコンクリート壁に巨大なグラフィティアート。 渦巻き状のマンダラ構図の集合図。 それを数人の清掃業者が消している。 沙知、樫埜の手を振りほどいて、清掃員の所へ向かおう とする。 樫埜、ビデオを回したまま、再び沙知を押しとどめる。 樫埜 「ええやんか、放っとき」 沙知 「離して」 樫埜 「あんなしょうもないラクガキ」 沙知 「だって、もうちょっとで完成しそうやったのに」 樫埜、ずっとカメラを構えたまま。 樫埜 「ええねん、ええねん」 沙知 「そんな……」 樫埜 「描いた本人がええ言うてんねんから、ええやんか」 沙知 「えっ、あの絵……」 樫埜、カメラを回し続ける。
S# 109 昔の樫埜のアパート(樫埜の回想/夜)
落書きが消されていく様子を映し出すモニタ。 樫埜 「これ、明日のイベントで流すねん」 シーツにくるまって、モニタの映像を見ている樫埜と沙 知。 沙知 「そうなん」 樫埜 「来れそう?」 沙知 「うん、バイト早番にしてもろたから」 樫埜 「よかった」 沙知 「けど、明日の朝始発で帰らなあかん」 樫埜 「そんな早いん? 帰らんと直接行ったら?」 沙知 「あかんよ。着替えんと。バイトの子、みんな、敏感やも ん」 樫埜 「そっか……なあ、もうこっちへ越して来たら?」 沙知 「一緒に住むの?」 樫埜 「嫌か?」 沙知 「ううん」 いちゃつきはじめる二人。 沙知、樫埜の下腹部の方へもぐり込む。 足がテーブルにぶつかり、上に置いてあったスプレー缶 が転がり落ちる。
S# 110 樫埜の家(夕)
床に落ちる除虫剤の缶。 現在の樫埜、缶を拾い上げる。 ぼんやり考え事をしている。
S# 111 悠里家(夜)
悟が部屋でスケッチブッックに向かっている。 一息ついて、スケッチを見て、破り捨てる。 顔の部分だけ未完成の女の肖像。 ぼんやり虚空を見つめる悟。 男女の言い争う声が聞こえる。
S# 112 昔の悠里家(悟の回想/夜)
扉の隙間から覗き込む幼い悟。 若い詩至と節の諍い。節は背中を向けている。 節 「いい加減にしてよ。ちょっとはあの子のことも考えて」 詩至 「考えてるっちゅうねん」 節 「それだったら、なんで」 詩至 「そやから、俺はお前らのために」 言いかけて、悟が覗いているのに気がつく。 詩至 「もう、寝る時間やろ」 詩至、扉を閉める。 詩至 「なんでわかってくれへんねん」 悟、扉を開く。 節 「なにをわかれって言うのよ。わかってないのはあなたで しょ」 節が後ろ手で扉を閉じる。
S# 113 悠里家(夜)
扉が開き、悟が部屋に入ってくる。 PCに目をやると、新着メール。 ハテルイからのメール、おそるおそる開く悟。 画面の文字 「顔は思い出せたか?」 悟、驚き、周囲を見回す。
S# 114 天根家(朝)
節が食卓で新聞を読んでいる。 隣の部屋で寝ている天根の方を見る。 ため息をつく節。流しに食器を運び、再び天根の方を見 遣ってから、黙って出ていく。 食卓には大判封筒。赤ちゃんのイラスト入りで不妊治療 の宣伝が小さく印刷されている。
S# 115 樫埜の家(朝)
樫埜、庭で水遣りをしている。 ホースの水をバケツにためる。
S# 116 オフィス街・秋と冬(樫埜の回想/昼)
バケツいっぱいにペンキがためられている。 樫埜 「大丈夫?」 沙知、辺りをうかがう。 沙知 「うん、誰もおらへん」 休日らしく閑散としたオフィス街。 大きなビルの前に銅像。 その前にバケツを持った樫埜。 少し離れて、周りを見回す沙知。 樫埜 「よし」 樫埜バケツのペンキを銅像に浴びせかける。 二人、一目散に逃げていく。 ペンキをかけられた銅像。
ペンキに染まったままの銅像。 頬にはバカボンのような渦巻き模様が加えられている。 樫埜と沙知がやって来る。 樫埜 「まだあのままや」 沙知 「あ、バカボンになってる」 樫埜 「ホンマや」 二人、しばらく銅像を見ている。 樫埜 「これいい?」 樫埜、沙知が巻いていたマフラーを取り、銅像の首に巻 きつける。 沙知、笑っている。 樫埜、銅像から離れ、手でフレームを作り、構図を練る しぐさ。
S# 117 中学校の美術室(昼)
久保井、手でフレームを作り、カメラをパンするように 生徒たちを見ていく。 静物デッサンに励む数人の美術部員。 一人だけ離れた悟、イーゼルに立てたキャンバスに真剣 に向かっている。 F・ベーコンの絵のように歪んだ肖像画。
S# 118 ギャラリー(樫埜の回想/夜)
絵画。渦巻きをモチーフにしたコラージュ風の背景に歪 んだ裸体像が描かれている。喧噪。 絵の隣にはにかんだ様子の樫埜。フラッシュを浴びる。 レセプションのような雰囲気。 樫埜、スーツ姿の中年男に握手を求められ、応じるが、 目は誰かを探している。 会場の隅に沙知。 微笑みかける樫埜。 少し寂しげに微笑み返す沙知。 友人らしき者たちに囲まれる樫埜。 着飾った「大人」たちは、異質な若者グループを冷たい 目で見ている。 多くの参加者たちの中に、隠れるように波照居もいる。 樫埜を囲んで盛り上がる若者グループ。 突然、瓶の割れる音。 人だかりの中から、樫埜が割れた瓶を手にして、先ほど の絵の前に進み出る。 静まり返る会場。 樫埜、瓶をカンバスに突き刺す。 皆、唖然とする中、取り巻き連中の一人が口笛を吹く。 一気に盛り上がりを取り戻す若者たち。 「大人」たちの中にも、つられて拍手をする者がいる。 両手を上げて応えるそぶりをする樫埜、絵から離れて、 沙知の傍に来る。 樫埜 「出よ」 樫埜と沙知、会場を抜け出す。 他の誰も気づかないが、波照居だけは二人の出奔の様子 を見つめている。 バイクのエンジン音。
S# 119 夜道(樫埜の回想/夜)
バイクに二人乗りしている樫埜と沙知。 樫埜、運転しながら目を閉じる。 エンジン音が遠のく。
S# 120 樫埜の家(夜)
目を閉じている現在の樫埜。 悟の声 「確かめたいねん」(オフ) 目を強く瞑る樫埜。エンジン音。 沙知の声 「ねえ」(オフ)
S# 121 夜道(樫埜の回想/夜)
バイク、疾走を続けている。 沙知 「ねえ!」(エンジン音に負けじと大声で。以下同じ) 目を開く樫埜。 樫埜 「なに?」 沙知 「明日、話あるねん」 樫埜 「え?」 沙知 「話!」 樫埜 「うん」 沙知 ��……」 樫埜 「なに?」 沙知 「え?」 樫埜 「話って何?」 沙知 「そやから、明日!」 樫埜 「今言えや」 沙知 「あした!」 走り抜けるバイク。
S# 122 昔の樫埜のアパート(樫埜の回想/朝)
樫埜が眠っている。トイレの水の音。 トイレの扉が開き、沙知が出て来る。 目を覚ます樫埜。 沙知 「ごめん、起こした?」 樫埜 「うん、いい。何時?」 沙知 「えーと、七時半過ぎ」 樫埜 「ふーん」 再び寝始める樫埜。 沙知、棒状の物をテーブルに置き、樫埜の傍に座る。た め息をつく沙知。 樫埜 「寝てへんの?」 沙知、少し驚く。 沙知 「え? うん、寝たけど。すぐ目覚めて……」 樫埜 「そう」 沙知 「ごめん」 樫埜 「何が?」 沙知 「……」 樫埜 「で、何?」 沙知 「え?」 樫埜 「話って。昨日言うてたやろ」 沙知 「うん、あの……」 樫埜 「何?」 樫埜、起き上がる。 沙知 「……妊娠、したみたい」 樫埜 「え……」 沙知 「さっき……」 沙知、目をテーブルに落とす。 陽性の青い線を示す簡易判定薬。 それを黙って見つめている樫埜。 樫埜、顔を天井に向ける。 沙知 「聞いてる?」 樫埜、顔を戻し、沙知を見つめる。 樫埜 「うん、おめでとう」 沙知 「……」 樫埜 「って変か?」 沙知 「うん、ありがと」 樫埜、沙知を抱きしめる。 沙知、寂しそうに目を閉じ、樫埜の肩に頭を預ける。 樫埜、浮かない表情。
(つづく)
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Page 88 : 地下
それぞれが黒の団と対峙している傍ら、圭はエアームドに乗りバジルを追っていた。ピジョットは逞しい翼で強まりつつある雨中を翔るが、決してエアームドを突き放すようなスピードではない。圭はもっとピジョットに近付くように指示すると、鋼の鳥は従順に加速した。ピジョットの隣までやってくると、顔に襲いかかってくる雨と風圧に耐えながら圭は声を張り上げる。 「おい! どこに連れて行くつもりだ!」 バジルはちらと圭を見やり、しかし無視して更に速度を上げさせた。挑発されているような感覚だった。この野郎、と思ったのはエアームドも同じか、ピジョットに遅れをとらないよう羽ばたく。 威嚇も兼ねて五月雨を抜くことも考えたが、慣れない不安定な空中では思うように動ける自信を持てなかった。エアームドは鋼に覆われた身体をしているために、雨水で滑りやすくなっている。これだけの雨風、煽られながらがむしゃらに刀を振ったところでバジルには掠りもしないだろう。ただ、雨自体は、決して圭にとって不利な状況ではない。水を操る彼としてはむしろ好条件なくらいだ。それに、バジルの力は空中ではうまく発揮できないことも、圭は知っている。 知っているのだ。 リコリスでクロと再会した際に表情を柔らげた時のように、バジルに出会った時にも戸惑いと同時に無意識に懐かしさを抱いていた。口に出して言うつもりは毛頭無いが、言語による疎通が可能な今、話をしたい気持ちも無いわけではないのが、正直なところだった。 彼らはセントラルの端が見える位置までやってきた。首都は、中心部を円形に囲むような深い川でセントラルと郊外を大きく分断している。川は周囲を白いコンクリートで固められており、架けられている橋の遙か下まで掘り進められている。どんなに大雨が降ろうとも、地上まで溢れることはまず決して無いと断言できる。 ピジョットは徐々に高度を下げていったが、川の傍まできたところでその傾斜を急なものにした。地下、つまり川を囲む白いコンクリートの壁沿いに滑るように高度を一気に下げていく。臆することなくエアームドは後を追う。前のめりに落ちることのないよう圭はエアームドにしがみ付き、息を呑んでバジルの背を見つめた。一体バジルはどこに連れて行くつもりなのか皆目検討もつかぬままである。 雨の日はやはり水流が激しく、近付くにつれて轟々と流れる音が鼓膜を引っかく。殆ど川の水面まで来ると、川の一部も流れ込んでいる壁の横穴が見えてくる。四角く切り取られた巨大な穴はピジョットやエアームドが飛行しているままでも通り抜けられるような大きさだった。当然だが、簡単に人の出入りできるような場所ではない。しかし、ピジョットは躊躇することなくその穴へと飛び込む。多少たじろぎながらも、行こう、と圭は声をかけた。頷いたエアームドも暗闇へと身を投じる。 外から見ると真っ黒く口を開けているようだったが、中はぽつりぽつりと白い明かりが規則正しい間隔で壁に設置されていた。濁流のような水の音はあっという間に背後へ遠ざかっていく。穴の中を流れる水は外に比べれば幅が狭いせいか穏やかで、奥に進むほど顕著になっていった。雨もなければ、自然による横殴りの風もない。静かな廊下だった。ささやかな水の音と鳥ポケモン達の羽ばたきが不安定に反響する中、やがて大きな空間へと出た。道の中央を流れていた水流は巨大な部屋に入ったと同時に左右に分かれ、部屋を囲うように走っていく。 壁には今までの道と似た白電灯がともっているが、それで照らしきれないほど天井が高いことが、音の感覚でわかる。先程は音がちらばってはすぐ跳ね返るような騒がしさだったが、今は音がまるで吸い込まれていくかのようだった。あの真っ暗なおぞましさすら感じさせるような見えない天井に吸収されて、戻ってこない。部屋には部屋を支えている巨大な円柱がいくつも設けられており、そこにも明かりが設置されている。途方も無く天井までが高い部屋だが、奥行きも深いものだった。どれだけ目を凝らしても、点々と照明が黒の中に佇んでいるばかりで、まるでその端が見える気配はない。首都の地下にこのような空間があったとは露も知らなかった圭は、悪寒に包まれたような静かで圧倒的な空気感に狼狽える。 ピジョットは減速し、遂に猛勇な鉤爪が地を捉えた。羽ばたきが止んで、バジルの地面に降り立った音がした。エアームドも倣うようにゆったりと止まり、圭は鋼の背中から降りる。足元で薄い水の音が跳ねた。水流は遠くなっても、水気は満ちていた。 全身が雨でずぶ濡れになっているため、圭はその水を少しでも払うように頭を振っ��、腕で顔を擦る。それから、仄かな灯りの下、正面に立ちじっと圭を窺っているバジルを見た。彼はボールを取り出す。続いて彼の手元から赤い光が伸びた。ピジョットを包み込んで、水の滴る鳥獣は光の中へとその姿を消す。バジルの周囲が急に侘しくなる。出会い頭に見せた痛烈な殺気は潜んでいた。バジルの雰囲気はどこか弛緩していて、まるで敵ではないような隙だらけの懐だと圭は思った。それでも、圭もエアームドにボールも向ける。赤い光が薄暗闇の中で瞬いて、エアームドは呆気なくボールへと戻っていった。 静寂の中にぽつりと佇む。 二人きりで立って、急に圭はどうしたらいいのかわからなくなった。込み上げる懐かしさをぐっと堪える。煌めいた思い出など無い。それに、バジルは黒の団で、圭の敵だった。そしてバジルがなんのためにここに連れてきたのかも、圭には検討がついていた。 「……久しぶりだな」 言葉が分かる。何を言っているのかが解る。記憶の彼よりも声音が低くなっている。 先にそう言われてしまって、圭は頷くしかなかった。 「元気そうだ」 「……まあな」 「それは良かったな」 「皮肉のつもりかよ」 「別に」 バジルの顔は仮面でも付けたように無表情のままで、素っ気ない言動だけれど、多分、バジルの胸にも積もる話があるだろうことがなんとなく圭には嗅ぎ取れた。元々多くを語らない淡々とした人物だ。記憶の中の彼の人格が、そのまま変わらず成長して今に至っているのならば。 「……ずっと、聞きたいことがあった」 声が暗闇に吸い込まれる。見えない天井の中へと消えれば、しなやかな沈黙が流れていく。 「どうして黒の団を出て行ったのか」 途端、圭の丸い瞳がすっと細くなる。 単刀直入に聞いてくる。仏頂面とは裏腹に、性急な心持ちなのかもしれない。オレンジの瞳を縁取る睫毛が下を向く。雨水を吸い込んで、刀の形に浮き出た上着に触れ、布越しに五月雨の鞘を、柄を、確かめた。 「笹波白にどう唆された」 「関係ない」 即座に切り捨てた。 「理由なんてなんだっていいだろ」圭は素っ気なく答える。「そっちからしてみれば、どうであろうと裏切り者であることに変わりない。お前だって、今俺をここに連れてきたのは、人目につかない場所で俺を殺すため、だろ」 「……」 「全部覚悟していた」 言いながら、圭は自分の身を固めているかのような思いだった。覚悟とは、自分で使いながら聞こえの良い言葉だった。脳が、神経が、耳が、指先が、冴えていく。カンナギ襲撃時のような衝動に肉体が突き動かされるばかりの暴力的感覚とは色の異なる、しんと痺れのような緊張感に圧迫されていく。 バジルはひりひりとした圭の威嚇に、目を伏せ、右手を自身の胸の前へと突き出した。袖が引かれて、その腕につけられた黒い腕輪が顔を出す。 「俺はお前達が憎いよ」 「はっ」 圭は鼻で嘲笑した。こんな笑い方、いつからしていなかっただろう。 「それでいいじゃん。余計な言葉は要らない」 冷めた声。涸れた亀裂。 一切の震えはなかった。圭は腰元に手を当て、姿勢を低くする。 「五月雨!」 「創樹」 刀を抜くのと同時に圭が叫ぶと、刀身に淡い光が走る。襲いかかる鋭い枝���真正面から捉えると、まとめて切り落とした。矛先を失った枝は勢いも殺され、その横を走り抜けるように圭は間合いを詰めた。足下は水が敷かれており、一つ蹴るたびに水音が響く。しかし、バジルに近付こうと一歩先をいくたびに不思議と、地が、柔らかい。元はコンクリートで固められたはずの場所が、短い叢で覆われているのに気付く。 初動を遮られたバジルだが、動じない。地に手をついて、音や掌に伝わる感覚から、右手から圭の位置を、速度を、そしてその周囲の草花を把握する。足下に広がる即席の草原に警戒したのか、圭が助走をつけて跳んだのが、バジルには手をとるようにわかった。バジルは顔をあげる。余計なものを削ぎ落とした、燃え滾る朱い両眼。両手に持って振り上げられた五月雨の、ぎらりと睨むような刀身の光が空中をまっすぐに輝き、バジルに向けて躊躇も無く力の限り振り下ろされた。だが、動きがあまりに大振りだった。バジルは横へ避け、右手の人差し指を持ち上げた。圭の足下から細い蔓草が束のように茂り、小柄な圭にせり上がって、バジルの右手が握られた途端、身体に絡まり付こうとする。ざわりといくつも這ってくる草はしかし弱々しい類のもので、抵抗するように、圭は五月雨を足下に突き立てる。 「水柱!」 圭の周囲、ごく僅かの至近距離に細い水の柱が勢いよく突き上がった。土砂降りに当てられたかのように草は萎れて、圭から離れて水没していく。水が解かれたと同時に初動と同様の硬い枝が今度は真上から突き刺さらんとするばかりに走ってくる。視界が悪く、どこに何の植物が潜んでいるのか、把握しきれない。後方へ跳ぶように回避すると、横に視線を伸ばす。気配。バジルの身体は既に接近しており、防ぐ前に横腹に打撃が入った。靴の素材は硬く痛みは骨にまで響くようだった。圭の身体は床に転がり、しかし五月雨を握る手は緩めない。じんとした痛みに僅かに表情を歪めている端から、叢はくすぐるように茎を伸ばし圭に忍び寄る。得体もしれない植物だ。なんの毒が仕込まれているかもわからない。圭は起きあがって飛び退くと、その先の地面も柔らかく、周到な準備に舌を巻きそうになる。 と、頭がぐらり、或いはふらり、と浮かんだような感覚が降りかかる。 痺れ粉の類だとすぐにわかった。微量だが、この敷き詰められた叢の何かが花粉のように周囲にまき散らして、空気に忍び肺に入り、身を硬直させる。だがまだ十分に身体は動く感覚があった。鼻の奥に力をいれて喉を締め圭は目の前を見据える。バジルは右手を翳し、様子を窺っている。 圭は刃先を後方へと向けて、そのまま引きずるように走り出した。切っ先が叢に当たり、走り際に柔らかさを裂いていく。右足に絡みつこうとするように茎が伸びても、圭は即座に振り解くように力強く走るので、バジルは目を見開いた。咄嗟の判断でバジルは腰に下げていたホルダーを開いて刃の太いナイフを取り出すと、下から突き上げてくるような五月雨に応戦した。 金属と金属がぶつかりあう音が異様なまでに地下フィルターに響きわたり、余韻は遙か遠くまで引き延ばされる。二つのぶつかった衝撃は二人の身体を痺れさせる。両者引かなかった。長い刀身を持つ五月雨は持ち上げるには当然重く、うまく受け止めさえすれば上から押し込むようなバジルのナイフでも止められた。急接近した二人は互いに睨みつけあう。バジルはナイフを五月雨に滑らせて、圭が前のめりになる。流させた五月雨に当たらないようバジルは身体を捩り、そのまま切っ先を相手の顔に向けた。体勢を崩された圭はしかし頭を振ってその道を避け、寸で、顔の隣を刃が切り裂いていく。背中、互いに振り返ったところで、バジルの右手が自身に誘うかのように内側に動いたのを見て、圭は背後に勢いよく迫る枝の存在に気がついた。同時に五月雨を後ろに振るうと削る確かな感触が伝わってきた。そのまま、回転するように五月雨を前へ、バジルの腹を横に一閃する動き。バジルはまたナイフで受け止めて、二度目の金属音がこだました。 四方八方に意識を集中させていなければ、どこかしらから抉られてしまいそうだった。光が不十分であり人工的な弱々しい植物群ではバジルの力は完全には発揮されないが、それでも、この一つの方向に囚われないあらゆる方向から多発的に攻撃を仕掛けてくるのが、彼の戦い方だった。しかし、これだけの広範囲、これだけの量の植物を掌握している事実に圭は顔を歪める。 連続的に仕掛けるか。しかし、完全に動きを封じられるほどでなくても、筋肉を硬直させようとする地味な痺れがじわじわと圭の身体を疼いている。刃の長さでいえばリーチは圧倒的に自分が長く、至近距離での戦闘なら、と踏んでいた圭もバジルのナイフを突き返すことができず、むしろ押されていた。 圭の額に脂汗が滲む。 その時だった。バジルは後ろに気配を感じて、その場を咄嗟に離れた。圭から間合いをとり、しかし視線は圭から外れて、まだ距離のある地下フィルターの朧気な光に目を向ける。 ほとんど闇の中で、光に照らされて姿を現したのは、女性だった。いや、その背後にもう一人いる。バジルとほぼ同程度の年齢とみられ、大きな団子をつくった髪型に、ボーダーのタンクトップの上に黒い袖の短いシャツを羽織り、ホットパンツの下からは異常なまでに長い羚羊のような足が伸びている。圭もバジルも思わぬ人間の登場に目を丸くした。 「ココ・ロンド」 先にその名を呼んだのは、バジルの方であった。圭は驚きに言葉を失ったまま、彼女、ココを見つめる。 ココは溜息混じりに、圭やバジルを含めて周囲を見回し、今の状況を確認した。 「随分やってくれてるじゃない。こんな地味なところで。何かをしようとしているとは、種を見つけた時から思っていたけど」 「……いつここに気付いた」 「あんた達が気付かないうちに。急に音がしたからもしかしてと思ったけど……また懐かしい奴まで」 薄暗闇の中でも際立つような、明るい茶色の瞳が圭を射抜く。 圭にとってもあまりにも想定外であり信じられない心持ちだったが、これ以上の助太刀は考えられなった。五月雨を構え直し、ココと挟み込むようにバジルを睨みつける。 「調べてみようとする前にくるとは思わなかったけど。で、どうする。三対一、数ではそっちが不利だ」 「……」 「無駄な怪我は、お互い作りたくないでしょ」 静かなバジルに呼応するように、鬱蒼とし生長を続けていた叢の茎が、一斉に萎えつつあった。 「君からも言ってやりな」 ココは隠れるように彼女の後ろに控えている存在に声をかける。陰に潜んでいたかのような黒い髪が輪郭を��わにし、それとは裏腹の金色の獣の瞳が瞬いた。 バジルがその顔――ブレットの顔を確認すると、明らかに狼狽した。 獣の双眸は下を向いて、後ろめたさを引きずっているかのような雰囲気だった。嘗てバハロ近辺で発作に倒れたクロを助けようとしたブレットは、後を追ってきたバジルと戦い、そして敗れた。そういえば、あの日も夕立のような凄まじい雨が降っていた。当時の一挙手一投足が鮮明に思い出せるほどその記憶はまだ新しいが、互いに随分と遠い過去のようでもあった。 「ペンダントだけ残っていたのは引っかかっていたが、本当に生きていたとはな」 「……僕も、まさか、もう一度会えるとは思ってませんでした」 ブレットは怯えているような震える声を出して、勇気を出して顔を上げる。 「バジルさん、この場は……これで収めてください。あなたと無闇に戦いたくないです」 切実な懇願だった。刃物のような沈黙が誰もの胸をすり減らす。 バジルは右手にはめたブレスレットに視線を落とし、その疼くような淡い淡い濃緑の光を一瞥した。 「……決して逃げるな」ぼそりとバジルが呟く。「そうだろう」 バジルを除いた誰もが身体を堅くした。圭は改めて五月雨をバジルに向け、ココはいつでも走り出せるよう一歩踏み出して、ブレットはまだ割り切れない表情を浮かべながら体勢を低くとる。 対してバジルは薄く嘲笑し、右手に持っていたナイフを元のホルダーに収め、ポケットに入れていたボールを取り出した。「創樹」呟いてから、暗い空洞に白い閃光が弾け、彼のポケモン、ピジョットが再び顔を出す。 彼等の足下にびっしりと敷き詰められた叢が、瞬く間に死んだように枯れていく。そもそもこのような人工的な閉塞空間は、バジルが用意したものの、彼にとって最良の環境とは言い難かった。光が届かず養分も足りなければ伸びる草木も細く弱々しい。相手が三人、それも誰もが近距離戦を得意とする面子だった。状況が最悪など、バジルにとっては火を見るよりも明らかであった。 軽やかにピジョットに乗ると、最後に圭と視線をぶつけ合う。 「甘かったのは俺の方だった」 冷たい顔つきだった。熱気を帯びた圭に断罪のような氷の刃を突き立てる。 「次は容赦しない」 痛々しい火花が散り、ピジョットの翼が広がる。風が巻き起こり、水を含みしなっていた圭の上着もぶわりと大きくはためいた。 羽ばたく音が遠のいていく。エアームドを出してその背中を追おうなどと圭は考えなかった。研ぎ澄まされていた闘争心は既に萎えていた。疲労感が後から全身に圧し掛かってくる。異様な感覚だった。確かに懐旧の情を抱いていたのに、後から考えれば圭自身も不思議に思うほど迷いなく刃を向けていた。 羽音が彼方に吸い込まれて完全に聞こえなくなるまで、誰も動かなかった。 「……圭、久々」 「おう」 煮え切らないような空気の最中、思い出したように二人は会話を交わす。圭は五月雨を鞘に収め、肩の力を抜く。尖りきった雰囲気でバジルを圧倒しようとしていたココは、ふっと脱力したかのように笑った。 「あんた、いつのまにアーレイス語身に着けたの? やるねえ。というか、真弥がセントラルにいるのは噂で知っていたけど、圭までいるなんて思わなかった」 「俺も来たのはつい最近だよ。クロもいる」 「クロ? ……そう」 ココは隣にいるブレットに一瞥をくれる。ブレットは唇を引き締めてその言葉を聞いていた。 「……そいつ、誰だっけ」 つられるようにブレットを見ながら、圭は眉間に皺を寄せる。会話の様子を見るにバジルとも関係が深いようだったが、圭はその存在を思い出せないでいた。萎縮したブレットの肩を、ココは守るように力強く叩く。 「ブレットよ。ブレット・クラーク。まあ、覚えてないのも無理ないかもしれないけどさ。元、出来損ないの」 「今も出来損ないですよ」 縮こまっているブレットはそっと苦笑した。 「……ああ。なんか、いたような気もするようなしないような」 「あ、その言い方、全然思い出せてないでしょ」 「ま、そのうち思い出せるだろ。……でも、大丈夫なのかよそいつ」 「何が?」 「どっちにしろ黒の団だったんだろ。けど、俺はよく覚えてないってことはその後に団を出た奴……そんな近くに置いて、裏切ったらどうするんだって話」 戦闘の熱を引きずっていて、圭の神経は未だ尖っていた。ブレットに向ける視線は疑念と敵意を籠めている。一瞬だけココは不思議そうな顔をしてから、そんな圭を吹き飛ばすように豪快に笑い始めた。地下フィルターに明るさが差し込む。 「平気よ。この子、あのバジルに立ち向かったからね。黒の団の裏切り者、ね」 「……ふーん」 圭は疑いを拭わない。真正面から痛い視線を受けるブレットは身体を硬直させるのみだった。 しかし、この場でブレットをとやかく言っている場合ではない。圭は肩を落とす。こうしている間にも、見えない所で刻々と状況は移り変わっているはずだった。 「まあそれは後でいいや。それより他を探しにいかなきゃ……真弥さんが見つけられたのかわからないし」 圭は鞄からポケギアを取り出す。ぎこちない手つきで通話を選択しても、まるで反応しない。電波が届いておらず、ここがセントラルであるにも関わらず地下の閉塞空間だということを、遅れて思い出す。 「なに、はぐれたってわけ」 「つうかバラバラにされたんだ。……今回の目的は俺じゃなかったんだろうな。俺じゃなくて、他だ。いくら数でこっちが有利でも、あの様子じゃ本来バジルが逃げるはずがないだろ。バジルはただの時間稼ぎだった。クロはそんなに心配しなくても大丈夫か……いや、わからないな。あいつ、黒の団に誘われてるって前言ってたし」 「は? まさか」 ココは顔を歪めた。 「本気らしい。団にとっては今でも特別なんだろうな……とにかく、真弥さんに連絡とってみる。ここじゃ電波が届かないみたいだから、俺は外に出るよ」 「あ、待ってよ」 その前に、とココは左手に腕時計のように巻き付けていたポケギアを差し出した。 「ポケギア持ってんなら、連絡先。交換しておいた方が、何かと後で便利でしょ」 「ああ……そうだな」 改めて連絡先を登録する。ココのポケギアは圭よりも真新しく傷が少ない。型は同じだが深い赤色をしていた。小さな機械にまた一つ繋がりができて、それも相手は嘗て今後会うことはないだろうと踏んでいた人間で、こうして唐突とはいえ再び繋がったことに、二人とも不思議な気分で画面を見つめる。 「北区にある真弥さんの家にいる。ただ今日はこんな状態だ、どうなることかわからないけど……落ち着いたらまた連絡す���」 「了解」 圭は息をついて再度心を引き締める。が、思い出したように顔を上げると、ココの腕を掴み、女性にしては随分背の高いココの身体が前のめりになったところを、身体を伸ばし、耳元に口を寄せる。 「考えておいてほしいんだ」圭は囁く。「黒の団を倒したい。……協力してくれないか」 ココが目を見開き言葉を失っている間に、圭は手を離し、その身を翻す。枯れた叢を走り抜け、その途中でエアームドを出すと、地下フィルターの狭い出入り口の光へと向かっていった。
地下フィルターの外は相変わらず雨が降り続けていた。それも、地下に入った時よりもずっと勢いは増しており、バケツがひっくり返ったかのような土砂降りだった。その気配は、長い通路を進むうちに大きくなっていく雨音から容易に感じ取れた。川に通ずる出入り口を抜けると、その水嵩が増しており、濁流となって波まで立てている荒々しい川の様子に圭は圧倒された。まるで狂った獣だと思った。激しい水音の塊の中に、雄叫びのような雷の音まで飛び込んでくる。 ポケギアの画面に視線を移すと、電波の強さを示すアンテナが三本表示されていた。真弥に連絡をとろうと選択をしている間に、先に真弥から通話が飛び込んできて、慌てて選択する。 「真弥さん! 今どこ!?」 『お、圭の方は無事だったか。こっちは東区だ』 昨晩まで散々聴いてきた声なのに、何故だか随分と懐かしかった。 「そっか……バジルはとりあえずなんとかなった。そっちの状況は?」 『流石。ラーナーは回収した。黒の団に捕まってたけどね、無事だよ。けど、かなり憔悴してる。エーフィとブラッキーも今は使えないから、あまり動けない。クロは屋外だ。東区と南東区の間にある、高層ビルにいる』 ラーナーの無事に胸を撫で下ろしたした直後、真弥の発言に耳を疑った。 「なんでそんなことわかるんだよ」 『ノエルは非常に優秀な人材だ、とだけ言っておくよ。まあそれはいいとして、加勢にいってやった方がいい。通話が変に切れたんだけど、その音がな……あいつのポケギア、多分破壊されたね』 圭は息を止める。同時に、別れる直前に不敵に笑う女の顔が蘇る。周到に用意されていた作戦。あまりにも円滑に分断させられた流れ。恐らく時間稼ぎだったバジル。嫌な予感がした。 『俺も行けそうなら向かうけど、期待はするな』 「……了解。探しに行く」 真弥のアパートで落ち合うことを約束した後、通話を切り、エアームドに場所を指示した。 痛いほどの量の雨が降り頻る。逸る感情を抑えて、泥沼のような予感がただの杞憂であることを、今は祈る他なかった。 < index >
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Page 82 : 変化
夜がより一層濃密になっている頃、時間とは隔絶されたようなかの閉鎖空間は静まりかえっている。資料が押し込まれた本棚に四方を囲まれている私室に、部屋の主であるラルフォと七はいた。彼は深々と椅子に座り、傍らに立つ七と共にパソコン画面を注視していた。 「出来損ないは即死か」 ラルフォは黒縁の眼鏡を上げ直して、もう一度動画を確認する。カンナギの地下、子供達を幽閉していた部屋の角に設けられていた監視カメラの動画データだった。画質は荒く、無音。動画というよりも白黒の連続写真を確認しているようなものだったが、藤波黒と名乗る少年が、出来損ないと呼ばれている毛むくじゃらの子供を刺し殺す様子がはっきりと記録されている。火閃と考えられる刃物からは炎が盛り、あっという間に出来損ないは火達磨となり、炎は部屋に敷かれた藁に移って更に広がっていく。猛々しい光のような炎は画面中に散らばって、やがて煙に包まれたようにノイズだらけになった。 「現場、騒然としていた」 動画が止まってから、七は涼しげな声でそう報告する。 「余計な邪魔入らないよう、何人かは先に殺した。けど、子供の悲鳴で、すぐに他の組員が合流。でも、二人とも躊躇しなかった。片端から殺していった」 「うん、なるほど。容赦無いねえ」 「けど、それほど周りは見えていなかった。身を隠していたとはいえ、恐らく二人とも私には気付いていない」 「冷静さを失っていたのだろう。少なくとも彼が笹波白なら、相手が君といえども気配を察知することくらいは容易いことだと思うのだが。けれど、出来損ないと対面した直後の行動を見る限り、やはり笹波白である可能性は高い。……今回のように、団に近い光景を間近にすれば、更にボロが出る可能性はある」 「それが、記憶?」 「……そうだね」 彼は穏やかな顔をする。 「感情や記憶は曖昧で外からは見えないけれど、彼に植え付けたものはそう簡単に忘れるはずのないものなんだ」 動画は繰り返し再生されている。紅蓮の炎の中に佇み刃を振るう姿は躍動している。荒くとも確実に一撃で屠る術を知っている動きだ。 ラルフォは断定を下さない。どれだけ可能性が高くなろうとも、殆ど確信をしていても、確実といえる判断材料、証拠を手に入れるまでは。慎重な姿勢にもどかしく感じている団員がいるのも彼は知っている。周囲ではなく、自分の意志で見極めようとしていた。 「反抗心の強い人間を手に入れても言うことを聞かなければ意味がない。暴れ馬が暴れ馬であるうちは出来損ないに等しい」 意味が伝わらなかったのか、七は首を傾げる。長い三つ編みが静かに揺れた。 ラルフォはゆっくりと立ち上がる。痩せた身体は縦に長く、女性にしては背が高い七よりも頭一つ分は差がある。仮面をつけたように表情を変えない七の小さな頭を、骨ばった大きな右手が撫でた。任務を全うできた証だ。煙の香りを帯びた髪に、彼女も戸惑うような優しさが触れる。 「七、君はいい子だ」 七は長い睫を僅かに伏せた。考える必要は無い。任務を完遂すること、上官の望むように動くことが、何よりも正しいことだった。 「彼も君のようになってほしいんだ。……丁度明日は雨。最適な人材を使おう」 と、彼は微笑んだ。
*
栗色の相貌がゆっくりと姿を現して、控えめな睫が朝の光に瞬く。ソファに腰掛けたまま眠っていたのに気が付いて、そういえば、ノエルと話してから、クロ達の帰宅を待とうとソファで休んでいたのを思い出した。上半身を気怠げに動かすと、肩まで掛かっていたブランケットが床へと滑り落ちる。拾い上げながら顔を上げて、壁にかけられた時計で時刻を確認する。六時三十二分。静かな朝の気配が差し込み始めたばかりの頃。空気がどこか湿っていて仄暗い。部屋の窓から伺える景色は限られていたが、今朝は曇天で青空は隙間に顔を覗かせることすら許されない。 重い瞳で何の気もなしに振り返ると、まるで普通を装って、いつも通りの寝袋に潜り込んで、ソファのすぐ後ろに並んで眠っているクロと圭の姿が目に入り、肺のあたりの質量がずしんと重くなる。 無造作にブランケットをソファにかけると、ソファから浮き上がる音すら立てないように細心の注意を払って、忍び足で裏へと回る。くたりと仰向けになっている圭が奥に位置し、彼に背を向ける形で横向きになっているクロが手前で眠っている。つまりは、容易にラーナーが顔を見ることができる位置だったのだが、額に脂汗が滲み眉間に皺を寄せている様子を真正面からぶつけられる。え、と危うくラーナーは声をこぼしそうになって、堪えた。堪えた、というよりは、詰まって、出なかった。しゃがみ込み、クロに顔を近付ける。彼の指が寝袋に食い込んで、擦りつく音がする。身体が捻られているようなちぎられているような苦痛の表情があまりにも痛々しい。一方で彼の瞼は重い扉のように決して開かない。ラーナーの胸中は動揺しながらも全身は硬直し、彼を起こすべきかどうか逡巡する。 と、奥の方でかさつく音がして、弾かれたように彼女は顔を上げる。先程まで天井に顔を向けていた圭が、ラーナーを見ている。けいくん、とラーナーは声を出さずに唇を動かす。圭は、わかっているような神妙な顔をして、人差し指を口の前で立てた。起こすな、という指示。それから圭も慎重に寝袋から這い出て、クロを見下ろす。ラーナーは戸惑って、助けを乞うように圭を見つめるが、圭は沈黙を貫いていた。圭の顔もまた、頬が下がり、熟睡したとは考えられないほど随分���臥れているようだった。そのまま、力無く口元を上げて、ラーナーと視線を交わし、おはよう、と、声を出さずに呟いた。たったそれだけの動作、身体から滲み出ている疲労、クロの軋んだ寝顔、それからノエルから聞き出した昨夜の出来事が目の前を渦巻く。最早その全てが、なにもかもを伝えているような気がして、ラーナーは唇を噛みしめた。圧倒的に無力だった。
夢から覚めると、魘されていたのが嘘だったかのように、クロは淡々といつもどおりを振る舞っていた。疲労が滲んでいる圭と違って顔つきも涼やかなものだ。彼は隠すことに関してはずっと上手だった。一体なんの夢を見ていたのか尋ねるのもは憚られ、ラーナーはやるせなさに肩を落としながら、狐色に焼けたトーストにかぶりついた。焦げたパンのささやかな苦みと励ますようなバターのあたたかな甘みがじんわりと舌の中へ溶ける。 朝食をとった後、ポケギアで短く通話してから、アランとガストンに会いに行く、と彼は短く告げた。 荷物を軽く整えてから、クロとラーナー、圭の三人は同時にアパートを出た。事前に真弥に教えられた地図を頼りに、北区のメインストリートとして伸びているルージュ通りまで出る。時刻は十時半を回ったところで、交通はそれほど混んでいないようで、すらすらと気持ちよさそうに多くの車が道を走り抜けていた。その脇を歩き、大通り沿いに設けられた最寄りの駅に入る。セントラルで円を描くように走っている電車に乗ることが目的だ。通勤や通学ラッシュの時間帯は過ぎていたが、構内は多くの人が立ち並んでおり、ひとたび電車がホームに訪れれば、開いた扉から数え切れない人間の塊が足早に出て行く。 キリを訪れたその時と変わらず圭は電車が苦手のようで、乗車前から既に顔に青筋が走っていた。そんな圭を尻目に、クロは淡々と流れていく窓外の景色を眺めている。静かな横顔。周囲に溶け込む、自然な顔つきだった。彼等が夕べの穢れを、一体誰が想像できるだろう。どんな人間がどれだけの数乗り込んでいたとしても、誰も等しく運ばれてゆく。街の隙間に刻まれた線路を緩やかに走っていき、がたんがたんと揺らされているうちに、目的地の最寄り駅に辿り着いていた。 彼等が足を運んだのは、東区だ。 東区は学生区という別名がつくほど多くの学校が寄せ集められてい���場所だ。他の区にもまったく無いわけではないし、小学校などは一般住民が多く住む首都郊外に多い。東区には大学や高等学校が多く、学校間での交流も盛んだ。今回ガストンやアランが参加している研究会はその東区にあるホールを用いて行われている。東区での開催ということもあって学生も多く出入りしており、アランのようなまだ随分若い人間がいても案外に馴染んでいるらしい。東区は地価が高いセントラル内では比較的安く宿泊できる上に交通の利便もよく、多くの参加者がホール近辺に泊まっている。アラン達も例外ではないというわけだった。 駅を出ると淡い色をした石が敷き詰められた、開けた広場に出る。疎らに人が歩いており、広場の中心に造られているドーブルの銅像が遠目でもよく見えた。長い尻尾の先が筆のようになっているドーブルは、その尾を高々と掲げ天を仰ぎ、今にも何かを描きだそうとしているように堂々たる佇まいをしている。 その銅像に背中を預け、新書に視線を落としている存在があった。その横顔。随分と久しく会っていなかったような、胸に沁みる懐かしさに思わずラーナーの顔が溶けるように緩む。 「アランくん!」 我慢が出来ずにラーナーは大きな声をあげて相手の名前を呼んでいた。昨夜からのわだかまりを忘れようとするような、逃げようとするような、活気に溢れた広場の中でもよく通る声に、アランの顔が上がった。すぐに一行に気が付いて、彼も花が咲いたように笑いかけ大きく手を振った。 「ラナちゃん! ひっさびさ、会いたかったぜ!!」 近くまで駆け寄るとアランは溌剌と彼等を迎えた。トレアスで共に穏やかに過ごした日々がラーナーの胸に鮮やかに蘇り、染み渡っていくようだった。 「アランくん、元気そうだね。私も久々に会いたかったよ!」 「ほんとかそっかそっかそりゃあ女の子にそう思われるのは男として感激しすぎて毎日積み重なってる疲労困憊の心が洗練されるようだ……あ、クロも久々」 「……勝手に一人で盛り上がるな」 一歩下がった位置で、クロは今しがた再会したばかりのアランに呆れた言葉を突きだす。アランは軽快な半袖の白い上着のポケットに手を入れて、帽子と髪の毛で影になっているクロの顔を覗き込む。 「まあそんなに拗ねるなってちゃあんと気付いてたよ俺もお前には久々に会いたかったよほんとほんと」 「何を言ってんだ気持ち悪い……さっきからにやにやしてるのも、気持ち悪い」 「いやあなんかこうとりあえず元気そうな二人を目の前にしてみると想像してたより嬉しいっていうかさあ、なあ?」 「なんだよ、なあ、って」 同意を求められたクロは疲れたように肩を落とす。そこに飛び込むように急にアランが片腕を肩に回してきた。その勢いの余りクロの体が大きく横へ揺れ、平静を保っていたクロは顔をしかめた。 「いって……ほんと何なんだよお前!」 「いやー藤波少年が元気そうで何よりだなあ!」 「あははっ」 一連の行動を見守っていたラーナーは遂に我慢しきれず笑い声が溢れた。 「仲いいねえ」 「……よく見ろ、こいつが一方的にはしゃいでるだけだ」 苦い表情を崩さずにクロはうまく体を後方に潜らせて無理矢理アランの腕から外れる。あっさり解かれたアランは少しつまらなさげな顔をしながら、ようやく落ち着きを取り戻したのか息をついた。改まってクロとラーナーを交互に見やった。 「タイミングがうまく合って良かったよ。急で悪かったな」 「別に。こっちも都合が良かったし」 「そっか。ならいいけど。……あ、それで、そっちが話してた新しい連れの人?」 アランがクロのやや後方に注目する。 自分は蚊帳の外といった風に一歩引いた位置から眺めていた圭の顔が上がった。 「ああ、そう。紅崎圭」 これ以上短縮はできないであろう紹介の後、気兼ねなくアランは一歩前に出る。 「初めまして。アランっていうんだ。アラン・オルコット」 気さくな挨拶に圭は目を丸くしつつ、少々硬直していた表情が穏やかに綻んだ。 「よろしく。紅崎圭だ、圭でいいよ。えっと、なんか割り込んでる感じになってちょっと申し訳ないけど」 苦笑する圭を前に、慌ててアランは首を横に振る。 「いやむしろ急だったのにわざわざありがとうと言いたいよクロがどういう人とつるんでんのかは俺としてはけっこう気になるところだし」 「保護者か……」 「うちのクロがご迷惑をおかけしていないか毎日満足に眠れないほど心配で心配で」 「……やっぱり、なんかお前今日おかしいよ」 饒舌に盛り上がっているアランを見て呆れるクロだったが、思い出してみればいつものことだったような気がした。随分と懐かしくて、目映い。アランは昨夜のことなど知る由も無いが、それ故の純粋で無邪気な人間性、姿。昨晩の凄惨な出来事もあり指の先まで存分に毒気に蝕まれた気分だったが、今この瞬間は、完全に吹き飛ばしているとまでは言えずとも、ほんの少しでも解されているようだった。 重たい湿気を帯びた曇天とは裏腹の、浮き足だった空気に弄ばれてどこかそわそわとしている中、ところで、とクロは切り出す。 「ガストンさんは? お前よりもよっぽど挨拶したい」 「お前はいちいち一言余計だよなあ師匠はホテルにいる。ここのところ朝から晩まで用事が立て込んでて疲れてきてるみたいでさ。でもまあクロたちの顔を見ればきっと元気になるよ」 「今日は大丈夫なのか」 「研究会が中休みだからなあとりあえず午前中は空けてあるよ。急だったけど予定合わせてくれてありがとな」 「さっきも言っただろ。別にいいから」 本当につい先程も同じようなことを言っていたから、恐らく気にしているのだろう。半分呆れたようにクロが言うと、そっか、とアランは軽やかに笑った。いつも通りのようで、やっぱり、今日は少し違う気がした。薄く不透明な膜が一枚、クロの胸を包んでいるようだった。 < index >
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