#他人と比べ劣る
Explore tagged Tumblr posts
Text

0 notes
Text
メンタル病んだとき、自衛隊の心理幹部から「他人を意識しすぎると、心が疲れやすくなるよ」と教わりました。他人を意識しすぎると、期待しすぎたり、比べがちになります。そして、他人への過度な期待や比較は、失望や劣等感につながりやすいです。他人には「ほどよく無関心」がいいかもしれませんね。
Xユーザーのわびさん
204 notes
·
View notes
Text
カルタゴ滅亡をトレースする現代日本
◆カルタゴはなぜ滅んだのか?!
日本と同じような商人国家であったカルタゴが、完膚なきまでに滅ぼされた例を他山の石として日本人は国防を考え直す必要があると切に思うからです。
カルタゴは紀元前250年頃、地中海に覇を唱えていた大国でした。
第2次ポエニ戦争に負けて、戦勝国から武装を解除させられ、戦争を放棄することになったカルタゴは、戦後の復興を貿易一筋で見事に成し遂げ、戦後賠償も全てきれいに払い終えました。しかし、その経済を脅威だと捉えたローマ帝国によって、結局は滅ぼされてしまいました。
滅ぼされる直前、カルタゴの愛国者であるハンニバル将軍は、ローマの考えを悟り、祖国の危機をカルタゴ市民に訴えましたが、平和ぼけした市民は耳を貸そうとしませんでした。
それどころか「ハンニバルは戦争をしようとしている!」と中傷する者さえいました。しかも、最終的にハンニバルはローマに洗脳された者達によってローマに売られ、自殺にまで追い込まれてしまったのです。
平和ぼけした市民は、ローマから無理難題を次々に要求されてからはじめてハンニバルの警告が正しかったことに気が付きましたが、時すでに遅く、徹底抗戦に踏み切るもカルタゴの陥落を防ぐことはできませんでした。この間、たった3年の出来事でした。
ちなみに、生き残ったカルタゴ市民は約5万人でしたが、その全てが奴隷にされてしまいました。城塞は更地になるまで徹底的に破壊され、再びこの地に人が住み、作物が実らぬように大量の塩が撒かれたと言われています。
これはただの負け方ではありません。まさに地上からの抹殺です。
この悲惨なカルタゴ滅亡の理由は2つあると言われています。
1つは、カルタゴ市民が軍事についてほとんど無関心だったことが挙げられます。もと��と自国の防衛はおおむね傭兵に頼っていた上に、国内世論も「平和主義的」な論調が強く、有事に備えて軍事力を蓄えておくといったことはままなりませんでした。
2つめは、国内の思想が分裂状態であったことが挙げられます。そもそも挙国一致して事に当たらなければ有事を乗り切ることはなかなか難しいものですが、カルタゴにはそれがなく、戦時中にハンニバルが外地を転戦している間も市民は素知らぬ顔をしていました。そして、ハンニバルを売り渡したのは、ローマに洗脳されたカルタゴの売国奴達でした。
自らの手で愛国者を切り捨てる・・・かくしてカルタゴは「滅ぶべくして」滅んだわけですが、私は今の日本がこのカルタゴに酷似している様に見えて仕方がありません。
今こそ日本の国防を真剣に考えないと本当に危ないと思います。
【対比】日本と似すぎているカルタゴの運命
カルタゴは、フェニキア人が建国した海洋国家で、現在のアフリカ大陸チュニジアに位置しています。
カルタゴは、世界一の造船技術を持ち、スペイン、シチリア島などの海外領土を支配していました。
紀元前3世紀、地中海貿易により富を蓄え、ローマ帝国と並ぶ強国となります。
BC264年、両者の中間にあるシシリー島で紛争がおこります。そして、これを契機にカルタゴとローマは、世界の覇権を賭けて激突します。この戦いは、23年間の中断をはさんで63年間続きます。(第一次ポエニ戦争、第二次ポエニ戦争)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1867年、島国日本は、長い眠りから覚め、明治維新により近代国家への道を目指します。西洋文明を積極的に取り入れ、富国強兵に邁進します。日清・日露の戦争に勝ち、朝鮮、台湾、南樺太と領土を拡張します。
強国となった日本は、戦艦大和を建造して、世界有数の海軍を持ち、
太平洋をはさみ、超大国アメリカと対峙します。
1941年12月、日本連合艦隊は、ハワイの真珠湾の奇襲に成功します。太平洋戦争が始まります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カルタゴの英雄ハンニバルは、象36頭と兵士5万人を率いて、スペインを出発します。象を連れて、アルプス山脈越えに成功、ローマの本拠地イタリア半島を奇襲します。ハンニバルは、イタリアに、なんと15年も踏みとどまり、ローマを一時追い詰めます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「マレーの虎」山下奉文中将は、マレー半島を南下、シンガポールに侵攻します。インド兵への��反策が成功し、1942年2月15日シンガポールは陥落、イギリス軍は降伏します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カルタゴは、地力に勝るローマに対して次第に劣勢になります。ついに、名将スキピオ率いるローマ軍が、カルタゴの本拠地に進軍します。カルタゴは、イタリアで善戦していたハンニバルを帰国させ、本土決戦に賭けます。BC202年、天下分け目の戦い(ザマの戦い)が行われます。カルタゴの完膚なき負け戦でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アメリカは、生産力、技術力で日本に勝っていました。ミッドウェー海戦を境に、戦局は逆転します。ガダルカナル、硫黄島、沖縄。日本は、敗退を続けます。本土空襲が激しくなり、広島と長崎に原爆が投下されます。日本の完膚なき負け戦でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カルタゴは、ローマに無条件降伏します。
全ての海外領土は、放棄され、軍船、象もローマに引き渡されます。軍隊は、自衛のためのものだけが許されました。そして、自衛のためでも戦争する場合、ローマの許可が要ることになったのです。(この許可の項目が、後に大問題となります)
そして、50年賦で1万タラントの賠償金をローマに支払うことが決まります。
ともかく、カルタゴの町は、無事に残りました。100人会は、貴族の世襲制でしたが、戦後まもなく代議員が選挙で選ばれるようになります。
カルタゴは、民主主義の国家に生まれ変わります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「忍び難きを忍び、耐え難きを耐え・・・」玉音放送が流れ、日本は無条件降伏します。
日本列島以外の領土は、返還されます。アメリカが決めた平和憲法で戦争が放棄されます。(後に自衛隊が誕生します。)国土は焼け野原、アジア諸国には賠償金の支払いが必要でした。ともかく、本土決戦だけは避けられました。
日本は、天皇主権の国家から、主権在民の民主主義国家に生まれ変わります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カルタゴ人(フェニキア人)は、ユダヤ人やアラビア商人と同じセム語族で、最も商才があるといわれている種族です。
軍事国家への野心を棄てたカルタゴ人は、ますます貿易や商売に熱中するようになります。ローマ人は、楽しむために働きましたが、カルタゴ人は働くこと自体が人生の目的でした。奇跡の経済復興が実現します。
戦勝国ローマは、休む間もなく、マケドニアやシリアと戦わなければなりません。軍備費の要らないカルタゴは、次第にローマに匹敵する経済大国に、のしあがります。
BC191年ローマは、シリアを打ち破ります。
無敵の軍事大国ローマにとっての脅威は、経済大国カルタゴに移っていくのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本人には、勤勉さと物作りの才能がありました。
焼け原から立ち上がった日本人は、ひたすら一生懸命働くことで豊かになろうとしました。エコノミックアニマルと日本人は、陰口を叩かれ��す。奇跡の経済復興が実現します。
アメリカの核の傘に入り、軍事費もいりません。戦勝国アメリカは、ソ連との冷戦を戦わなくてはなりませんでした。
10%を超す高度経済成長が続きます。日本は、世界第二位の経済大国になります。
ソ連が崩壊し、日米の経済摩擦が激化します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
BC187年、カルタゴは、50年賦と決められた賠償金を一括払いしたいと申し出ます。いくら叩いても不死鳥のように蘇る、カルタゴ人の経済力に、ローマ人は、羨望と恐怖心を抱きます。ポエニ戦争の悪夢がふと蘇ります。
経済大国カルタゴの最大の悩みは、隣国のヌミディアでした。ヌミディアは、騎馬兵団で有名な、戦争に強い国です。自衛力しか持たないカルタゴを侮り、その領土を侵犯します。
カルタゴは、ローマに調停を頼みますが、黒幕のローマはもちろん取り合いません。ついに、カルタゴとヌミディアの間で戦争が起こり、平和の国カルタゴは、敗北します。
ローマの事前許可のない戦争開始は、条約違反でした。
ローマは、カルタゴに対して、突然宣戦布告をします。
驚いたのは、カルタゴです。ローマの許しを得ようと、300人の貴族の子供を人質に差し出します。しかし、8万人の世界最強のローマ兵が、上陸し、カルタゴに進軍します。
カルタゴの使者が、「どうすれば、許していただけるのですか?」とローマの司令官に聞きます。
「全ての武器を差し出せ。」司令官は、答えます。
カルタゴは、20万人分の鎧、投げやり、投げ矢、2000の石弓を司令官に差し出します。
すると、司令官は、最後の要求を使者に言い渡します。
我々は、カルタゴの街を根こそぎ破壊することを決めた。
カルタゴ人には、今の街より10マイル内陸部に
新しい居住地帯を造ることを許可しよう。
使者からローマの意向を聞いた20万人のカルタゴ人は、驚愕して、嘆き悲しみ、最後に激怒します。
「こんなひどい仕打ちがあろうか。街を破壊するだと。
内陸部に引っ込めだと。どうせ死ぬなら戦って死のう!」
カルタゴ人は、丸腰で戦う覚悟を決めます。返事の猶予期間の30日間、密かに戦争準備がすすめられます。
武器職人は、連日徹夜で武器を作ります。
若い女性は、長い髪を元から切って石弓の弦が作られます。
こうして、始まったのが、第三次ポエニ戦争でした。
(戦争というより、ローマによるカルタゴの民族浄化です。)
カルタゴは、ここで奇跡的な粘りを見せます。なんと丸腰で三年間ローマの猛攻を食い止めたのです。
しかし、戦闘と飢えと疫病で、20万人のカルタゴ市民は、10万人に減ります。
そして、ついに、ローマ兵は城壁を破り、街へ進入します。
女、子供までがレンガを投げて抵抗しますが、5万人が虐殺されます。
ビュルサの砦に逃げ込んだ5万人のカルタゴ人は、オリーブの枝を掲げて投降します。
彼らは、一部が処刑され、残りは奴隷として売られます。
カルタゴの街は、十数日燃えつづけ、灰は1メートル積もります。カルタゴの復活を恐れたローマ人は、この地に塩を撒き不毛の土地にします。
700年続いた経済大国カルタゴと世界の富を独占したカルタゴ人は、BC146年こうして滅んだのです。


312 notes
·
View notes
Text
トランプが戦った3回の大統領選を通じ、民主党側はアイデンティティ・ポリティクスを前面に出して戦ってきたが、その限界が完全に明らかになっているといえよう。白人もマイノリティもどんどんニュートラルに近づいており、女性も民主党になびくことなく、ハリスのWoke活動家的言動についていく人は減り続けている。
まあこれは当たり前の話で、オバマ → トランプ一期 → バイデンと政権が変わる中で、Race的マイノリティや女性の生活実感が良くなったかと言えばそんなことは全くないという人が大半だろう。バイデン期にはロシア起因のインフレが庶民にとって最大の問題であり、その直撃を食ったのが所得が低い労働者――若者やラティーノであり、むしろ働くマイノリティの支持を失った格好である。マイノリティのトランプ支持の話をすると「肉屋を支持する豚」という当てこすりが聞かれるものだが、申し訳ないが彼らは2回の政権交代を経て比べた後でこの選択を取ったわけで、彼らが「肉屋を支持する豚」言説を苦し紛れの浅はかな嘘だと判断したからこの結果がある、ということは留意すべきだろう。
今回の選挙結果がインフレによる現職批判が原因として、トランプがマイノリティや低所得者の救いになるとは限らないのだが、それでも何の期待も持てないハリスに比べたらサイコロを振ってみる価値はある、と判断されているのであろう。ハリスの失速も、アイデンティティ論やトランプ攻撃が目立つばかりで政策論が弱く、「ワタシは正義!ワタシはサイコー!」という自慰に浸りたいだけで口ばっかで何もしない典型的Woke活動家という以上のイメージを打ち出せずマイノリティからすら冷ややかな目で見られるようになり、支持者の間でよく見る学歴マウントも非大卒が多いマイノリティの怒りを買った、ということである(予備選挙を戦ってこなかった候補者ゆえ地力に劣る、というのは否めない)。
民主党のコア支持層がアイデンティティ・ポリティクスに浸り続けた結果、アメリカ史でも珍事と言える落選後からの復活大統領というポジションをトランプにプレゼントしたのであって、活動家たちは真剣に反省してもらいたいところである。なにしろ4年前と全く同じ総評が今回も通じてしまい、民主党の勝ちからトランプの勝ちに転じてしまうまで白昼夢に浸っていた責任を誰がとるのだろうかと他人事ながら気になるところである。
2024年米大統領選挙感想戦:マイノリティのトランプ支持への転向について |ショーンKY
29 notes
·
View notes
Quote
政府は消費税は他の先進国に比べて税率が低い等と言うが 他の消費税率が高い国に比べると、受けられる公的サービスの質と量が全く劣っている事には触れようともしない 各税金や公的保険料等で日本国民は実に所得の半分を国に吸い上げられている もうこのままでは、一般の国民は生活が成り立たなくなるし、人口は減り続け国が終わる
鬼の岸田の大ウソつき…新NISAは非課税のはずだったのに「社会保険料は税金ではありませーん」…円安、物価高、苦しむ国民を更に追い込む(みんかぶマガジン)のコメント一覧 - Yahoo!ニュース
20 notes
·
View notes
Text






















Bioshock シリーズのリマスター版をプレイしてクリアした。
それぞれの作品 10hぐらい。
久しぶりにプレイしたのはInfinteをオススメしたら"ないわー","お勧めするなら初代だろ" って言われたので "いやInfinite 最高だろ!"という気持ちから���さらいのつもりでプレイした。
素晴らしいシリーズだという事を再認識させてもらいました。
個人的にBioshock Infinite が最高傑作だと思っていたけどあたらめてプレイしてみると初代とInfinite は甲乙つけがたいと感じた。
初代はPlot twist が素晴らしいし、ゲームデザインも秀逸で今でも色褪せない素晴らしい作品だと思う。恐らく当時発売された時は相当のインパクトだったと思います。
2はストーリーこそ前作の期待を上回ることができなかったが戦闘はすごく改善されておりプラズミドを使った戦闘は本当に楽しい。
Infinite は個人的に一番好きで人種差別、搾取というテーマや平行世界というとても難しい題材を取り扱っており初代のPlot twistも受け継がれている名作だと思う。
Infinite が好かれていないのはそれまでのBioshockからの方向転換の舵きりが大胆過ぎるのかもしれない。取り扱っているテーマのセンシティブだし、Bioshockの代名詞といえるリトルシスターとビックダディが出てこないし深海都市とアールデコ調のマップデザインでない所はファンに受け入れられづらかったのかもしれない。ストーリーもかなり複雑だし。
確かに初代のラプチャーについた時のワクワク感とPlot twistによるいい意味での予想の裏切りはゲームの完成度の高さ形づけている。
都市のあちこちにいるビックダディを倒すのもとても楽しいしそれによるプラズミドの強化していく流れもとても満足感がある。
Infinite は主人公がしゃべるし他2作と異なりパートナーが一緒に行動してくれることで没入感が増し流れるようなストーリーに引き込まれていく。空中都市のデザインは海底都市に劣らず素晴らしいしゲーム難易度も強力なビガーのおかげで手こずることはない。
3作品通してプレイしてみたがやはり僕はInfiniteが好きだ。ビターエンドで終わるこのストーリーが本当に大好きだ。贖罪がテーマとなっているこの作品は本当に心動かされるものがある。
ただ前提には前作2作品をプレイしていることがあるかもしれない。
だから他の人にすすめるとしたら初代から進めることがいいなって実感しました。
個人的な各作品の比較 :
物語の複雑さ
Infinite > 初代 = 2
戦闘の難易度
初代 > 2 > Infinite
グラフィックやアートデザインの洗練度
1 = 2 = Infinite (どれも素晴らしい)
9 notes
·
View notes
Text
*受験期の頃に書いた日記です
傷 kiss
友人たちが次々と大学に合格していく事実が今もずどんと馬鹿でかい劣等感と化して心臓の上で横たわっている、昨日も同じ夢を見た。不安な気持ちばかりが先走るけれど、かっかしていても何も変わらなかった。他人と比べて自分の優れているところを必死に探していないと自己を保てない自分がほんとうにほんとうに惨めで、マスクが無ければたぶんぼろぼろ泣いてしまっていたと思う。心の底に横たわるみずうみが氷っていくの、口元が覆われているとそれだけで自分が自分じゃない感じがして冷淡になれた。わたしは自らの足音にだけ集中して、ただ早足で行き交う人々のあいだをすり抜ける。ずーっと頭の中を同じ映像が流れるのをむりやり切り落として、でんしゃを滑らせる線路をじっとみつめる。夕陽の光が錆びたその金をうつくしく縁取る様子が痛々しいくらいにまぶしい。受かった瞬間に内職をぱたんと辞める同級生。せーので問題を皆んな一緒に解き始めるとき、隣の子が必死に解答を隠すように背中を丸めて腕を机の上に伸ばす。そういうのばかり見ているとほんとうに、ほんとうに。言葉もでなくなってしまう。なにをそんなに誰かのことを気にするの?と、母の言葉が反芻する。光がまばらに散らばる街並みをみて、光も照らすものを選ぶのかしら、とかおもった。まいにちずっと罰を受けているみたいな日々、冬が近づくにつれて正気を失ってゆく街の様子にそれはもう痛いくらい同情してしまうし、ひたつやふたつ良いことがあっても誰かのそれと比べて自ら幸福の値段をどんどんさげてしまう。何も着ないでぶるぶる震えるわたしのからだを愛しているひとが白いバスローブで包みこんでくれたこと、カチカチに凍ってしまったアイスクリーム。減ってゆく数字。つめたいのにあつい、霧のカーテンの向こうに浮かぶ満月。目の前を歩いている女の子が落としたカードのようなものを拾い上げて渡す。舌に吸い付いた生ぬるい塩っぽさを誤魔化すために、瞬きもせずその息を呑んだ。
落ちてゆく流星群
不確かなものに心を揺さぶられながらもそれを掴んで決して離そうとしない自分の必死さに、自分で傷ついている。教科書を開いて新しい知識を得るたびに、脳内にびっしりと張り巡らされた細い糸のようなものがぴんと鋭く光って、しずかに緊張する。その感覚をわたしは思い出そうとすればいつでも思い出せるし、べつに勉強が嫌いなわけじゃない。ただ、生きているなあ、と、胸に広がるあたたかさを抱きながらそっと泣いたりする夜が少なくなった。そもそも生きていながら生きているという実感が欲しい、なんてことを考えている時点で可笑しい話かもしれないけれど。
中学の頃���冬になると毎年マラソン大会が開催された。今日みたいな寒い日にふと当時の怠さを思い出したりする。校庭の砂に石灰で大きく楕円が描かれ、その周りをひたすら走るだけの超つまらないイベント。冬の、鼻先をつんとすり抜けるような寒さと冷たい風の乾いた匂い。忍ばせたカイロと、白く上がる息。
このごろのわたしはちょうどその延長線上を生きているような感じがする。毎日同じ景色の中をぐるぐるとまわり続け、いっそのこと軌道から外れてすべてを諦めてしまいたいと思うけれど、そんな勇気も出ないまま、結局は体力と時間だけをひたすら消耗しながらゴールへ向かって淡々と走ることしか出来ない。気を緩めると涙がぽろぽろ溢れてくる。生きているという事実だけでくるしい。日に日に遠のいていく同級生の背中がいつだって意図せずとも視界に入ってきて、やるせない気持ちになる。地に足付かずでいたい、なんてことを随分と昔に書いたような気がするがとうとうそんなことも言えなくなってしまった。未来のことを考えましょうと言う先生の言葉を聞くたび、わたしは勝手に銃口を突きつけられているような感覚になる。もはや自分が果たしてどこにいるかもわからない。
来月には部活の大会を控えているし、予備校の冬季講習に加えて学校の講座を受けないといけない。三者面談と進路選択。期末試験。呑み込めずに舌の裏で転がるC判定という言葉を噛み砕くのにまだ必死なのに。
やりたいことを一つに絞るということは、それ以外を切り捨てるということ。ここから気になる大学を選んでくださいと、大学の名前と学科の一覧が記載された辞書のように分厚い本が配布された。今のわたしには、その厚さの分だけ未来の選択肢がある。そこに記載されている言葉の数だけ莫大なあたらしい世界が。そこから否が応でもたったひとつのものを掬い上げないといけない、その事実が少しだけ重苦しい。けれどそれに値するほどの価値が、これから先の時代を生きるわたしにあるということが同時にちゃんと嬉しい。
もう秋も終わってしまう。寒いね、寒い、とぽつぽつ浮かんでくる言葉を拾いながら、誰かと手のひらを重ねたい。人と比べてしまう限り、わたしはこれからもずっと孤独をひとりで噛み締めないといけないから。胸をきゅうとさせる寂しさにもそろそろ慣れてしまいそうだから、はやくすべてが終わってほしい。はやく好きなことの勉強だけに追われる生活がしたい。そういう思いでひとつずつ過ぎ去っていく毎日の、行き場のないもどかしさも冬の寒さに凍ってしま��ばいいのに。
無題
銭湯に行きたい。受験して、でもいいところにひとつも合格しなかったら巫女のアルバイトでもしながら京都で浪人生活をしたいな、とかんがえていた。ひさしぶりにおふろで哀しい音楽を聴いた。なんでもない日に哀しい歌をきくと、より一層哀しさが加速されるというよりなんだか心が細く研ぎ澄まされていく感じで今までの日々がきゅうっと音をたてる。雑巾をさいごまで力強く捻って絞り出す汚水、長距離走の最後の2分間、なみだが出る前の喉元になにかが込み上がってくる感じ、そういうの。とてもぼろぼろなんだけど、それと同時になにか澄み渡っていくものがある。だれかのがんばりと比べると劣るかもしれないけれど、ようやく夏も終わろうとしていることに救われる。ふつうの日々が、たくさんあつまって束になる。ぺたぺた歩く、濡れた髪にドライヤーをあてると耳の中に残っていた水があったかくなってきもちわるい。わたしは顔が良いわけでも、精一杯の力で努力できる力量もない。かといって特別な才能だって持ち合わせていないし、たまに数え切れないほどきらきらしたものを抱えている人をみると妬みと自分への劣等感で自らを押し潰れてしまう。だれかの人生で自分自身が、自分のうみだしたものが、かけがえのない財産になれるってとてもうつくしくてズルいと思う。今年の夏は滝をみるはずだったけど、それすらまぼろしになっちゃった。ずーっと空白の未来の下準備を重ねているような現実から離れて、すこしはずれた小さな町で虫捕りしたり桃を買って丸噛りしたりしたかった。大学に入ったらどんなひとがわからないけれど、自分がもっているものと同じくらいのものをもっている人がいるのかなと思うとすこし楽しそうかもという気持ちになる。免許を取りたいけれど友だちにありじの運転は危なっかしそうだから乗るのこわい〜と言われた。だれにもわからないことがあっても、言葉にされない何かがあっても、それを価値のないことと結びつけることは暴力じみた愚行かもしれない。自分の中にもまたいろいろな自分が内在していて、自分でも翻弄されてしまうことがあるし、文章を書いていても一貫性がなくて凛としない。英文法の参考書をぱらぱら眺めていたら、into the blue というのがあった。遠いところへ、彼方へ、という意味らしい。あーあ、しんじゃいたいね。
無題
予備校が終わって帰ろうと駅へ着いたけれど、次の電車が10分もあとにくるのでホーム内にある明るい禁煙スペースに入る。寒くなってきたので制服のブレザーを卸した。おおきな硝子に自分の閉じた長い足が映る、ひとが一人ずついなくなって��って、さいごには結局がらんどうの箱のなかでひとりただじっと電車を待つことになった。曖昧な形の◯とか△とか、がさがさ、つやつや、さらさらとか、そういうふうに不確かな輪郭だけ残してことばが次々とその形を変える。一つずつ掴んで物語を紡いで美しく完結させたいのにビー玉とか乱射する光みたいに思い浮かんだことすべてが一種の暴力を伴って脳内を猛スピードで駆け巡る。自分を飼い慣らすことでさえこんなに疲れる、もうだれとも話したくない、と消化しきれない感情がずっと身体の皮膚の内側のいちばん近いところで叫ぶこともできずにちりちりと火花を放っている。ロックとかやさしさとか愛とかそういうのぜんぶ病名みたいなものなのかもしれない。ひとつの感情にもその後ろにはそれをそれたらしめる色〜んな歴史があるし、たぶんこの不甲斐なさもいつかコピーペーストを重ねるうちにすこしずつ美化されてしまうんだろうなと思う。線路にわざと隙間があるのはとりわけ夏あたりに摩擦熱で鉄が溶けてしまわないようにするため、というのを授業できいた。がちがちに隙間のひとつも有さずに固められたものがいちばん揺るぎないもののように思えるけれど、実はちがくてそういうのが最も脆いものらしい。ともだちにしろ恋人にしろ自分の将来とか自分のアイデンティティも然り、全てに対して揺るぎなさ、安定とか、そういうのをひっきりなしに求めていたけれど、もっと流動体のような観念で受け止めたい。ずっとそこにある月でさえ欠けたり満ちたりするし、花の一つをとってでさえその形や色はすべて毎日かわってゆくけれど、それはそれらが美しくないことの理由付けにはならないし、信用に足らないことの言い訳にもならない。情報として飛び込んでくるいろいろなものを変に調律したり濃く輪郭をなぞったりするのではなくて、ぜんぶ自分のもっているものの周りに飾っていきたい
10 notes
·
View notes
Text




mes possibilites aujourd'hui. 今日のわたしの可能性。 洗濯をする。 洗濯物を片付ける。 庭のホースをつけ替える。 庭の水撒きをする。 鉢植えの配置を変える。 番組収録の準備をする。 よく晴れた一日。 よく眠ってスロースタート。 プラスチックのホースリールが 劣化して、使いにくくなっていたので 旧宅の庭で使っていたホースを こちらに持ってきて、付け替えることにした。 おそらく建ててからずっと 替えていなかったから、金具が なかなか外れず、若干苦戦。 マイナスドライバーや何やを駆使して なんとか付け替え完了。 能登から持ち帰った 底の抜けた木製の四角い蒸籠を 花台に。 日当たりが少しでもいい方がよさそうな 植物の鉢を置いて、様子を見る。 それにともない、他の鉢も並べ直す。 こういうことをしているうちに、 スズメたちが古米を催促にやってきた。 たいていは警戒されるけど、 一羽だけ、比較的人懐っこいのがいて バラの枝にとまったり、鉢の中に降りたりしながら 待っている。 もうちょっと、お近づきになりたいんだけどなぁ。 スズメではない、何かしらの 鳥の糞に混じっていた種が 挿し芽したポットの中で 芽吹きそう。 何が育つか、ちょっとたのしみだ。 随分前に移植したアヤメ、 初めて蕾をつけた。 日当たりのよい場所に 移動したのがよかったみたい。 ジジ(バラ)を植え直した後、 ちょっと調子が良くなさそうだったので 薬剤散布も少しした。 復活してくれますように。
5 notes
·
View notes
Text
250511 OVERLAP
【18:20】
私は自己啓発本の他に成金的な人の成功本もよく読んでたんですけど
その中で共通してたのが「いい時計していい靴履け」ってやつなんすよね
ほとんどの人は人を観る際にまず「足元」を観る。そこで靴にこだわりがあるやつは自分というものをしっかり持っている、と
それ読んでからコンバースやめてスピングルムーブにしました
コンバースは30代で履いてるとかなり痛々しいけど、スピングルムーブはブラウン系にシフトしていけば全然40代で履いてても平気だからね。履き心地はコンバースそっくりだし
おっさんが履いても恥ずかしくないスニーカーってかなり限られてる
まあ、(中年は)スニーカー自体履かないでくださいって意見には同意
70代くらいになってくると一周して20代の格好しても全然いいんすよ
コントラストでポップさとファンキーさ出てくるから...
あ、これそう��う話じゃねーや
-----------------------
で、時計。いい時計して、それを見せびらかすわけでもなく袖の端からチラリと覗かせると、それだけで評価するやつが勝手に評価する、と
かつ、一定レベル以上の高級時計は定価より価値が下がることはあり得ないから、持ってるだけでどんどん価値が上がっていく、と
そしてそんな高級な時計を身に付けている自分自身が「時計に見劣り」しないよう、自然と気が引き締まって身なりや性格も改善されてゆく、と
はい、ごもっとも... と思いましたねぇ....
だーって、だってだってさ? 装備全部100均とユニクロと(安い方の)古着で固めてるような人間ってのはさ、自分のショボさに装備品のレベルを合わせていくもんね
「俺にはこれくらいがお似合いさ」って
そんな意識低いやつと一緒にいてなんか楽しいと思う?
常に寂しそうな笑顔浮かべてさあ、いつもいじましそうにしててさあ....
おじいちゃんかよお前は!
へい、そうどす。わたしゃジジィっす。だって髪の毛8割、今や体毛も6割白髪だもん。荒木先生の血を吸いたい
自信ない人って「自信ない人が自然と選ぶ装備品」で身を固めてより一層自信ないキャラを強化しちゃってんのよね
みんな、自分の判断でそれをチョイスしたって思ってるけど「脳汁」に選ばされてるだけ。動物的にそれ選んでるだけで理性なんてまったく働いてないんだわ
で、それ(=動物性)自体をディスりたいわけではない。流行りのファッションで身を固めた量産型人間達が社会性ふつうにあるように、(無自覚な)右へ倣えが悪いわけではない
ネガティブを強化する為の「お決まりアセット」で装備を固めてるとこがマズいんだよね
不幸な人は、押し並べて「不幸になりがちな人が選びがちな選択」ばかりしている(だから当然不幸になる)
ま、これを突き詰めて「幸運の法則」で固めていったものが風水とかなんじゃないの? って勝手に想像しております
状況によっては「胡散臭い」と思われるかもだけど、コンスタントにポジティブなエフェクト生むのであれば、総合的には「得」だよね、と
道徳なんかもそうっす
道徳と不道徳だったら「道徳をメインウェポン」に入れておいた方が「信頼」が得られるっす
無論それを偽善だ欺瞞だと訝る人々もいるでしょうが、総数で言えば「信じてくれる人」の方が勝るんす
まあ、実践してみりゃわかるよ
・
ちゃんと真面目に「人に親切にして」「課題の分離」を徹底して「目前の義務に集中」することを1年半続けられたなら、あなたはそれをする前のあなたと比べて「圧倒的に高いステージ」に到達できる
吐いた唾飲むなよ(自分で決めて宣言したことを曲げるなよ)
辛くとも「もっとマシな自分になるんだ」と決めた時の気持ちを手放すな
とりあえずその「サンダル履き」みてーな靴やめろ
ダボダボゆるゆるのジャージみてーなの履くのも.... まあ、マイルドヤンキー文脈ならいっか。いやダメだろ。いや、いいのか??
あーーーっくそ、地元最高!とヤニねこが好きな所為で上で提示した「足元から変えろ」理論が全然自分の中で滑っちまう!!
あれはアレ! 現実は現実。物語の中の彼女達は(読者に)愛されてるけれど、あの世界の中の彼女達は大して愛されてねーだろーが....
だから愛される為にはヘンすぎる靴履いてちゃいけません
【✓】
2 notes
·
View notes
Text
「お金のワークショップ〜こども哲学スピンオフ〜」 開催日時: 2025年3月1日(日) 場所: 茅スタジオ ゲスト: 多摩信用金庫 ファシリテータ: 割田美由紀 企画: 茅スタジオ(茶畑ゆか)
キッズフリマのレポートはこちら 射的のレポートはこちら
キッズフリマを来週に控えた日に、お金のワークショップ〜こども哲学スピンオフ〜を開催しました!
お金のWSは多摩信用金庫さんからも2名、やまちゃんとそうまさんにご参加いただき、翌週キッズフリマに参加する家族たちが集まってこれからこども達がたくさん得ようとしている「お金」について考えていきました。
アイスブレイクではお金についての絵本の読み聞かせや、多摩信用金庫さんからのお金クイズで盛り上がり、
そして、お金ってなんだ?の対話に入っていきます。

どんどん手があがり発言しまくるこども達。
合間にはおとなならではの視点や、お金のプロからの意見などをはさみつつ、こども達の思考も深まっていきました。
今回のお金のWSは、普段こども哲学を担当してもらっている"みゆく"にファシリテータをお願いした初めての試みの回でした。
どんな感じになるかな〜と思っていたのですが、たましんのお二人の鋭い視点や大人たちの深掘り視点、そして元気なこどもたちからどんどん湧き上がる疑問や意見で対話がとても盛り上がり、面白いWSになりました。意図していたわけではないのですが、今回こども全員が発話していた気がします。
では、当日の様子のレポートをご覧ください!
==
(以下、ファシリテータの発言:Q『』、こども達の発言:A、おとなの発言:大人、と表記します。)
Q:『お金がなかったらどうなるんだろう?』
A:お金がなかったらもののやり取りができない。 A:なんでも買えて自由でいいなぁ! Q:『今言った「なんでも買えて」っていうのは「もらう」っていうこと?』
A:うん。 A:お金がなかったらもののやり取りもできないし、ものを買えない。 A:お金なくてもものかえるじゃん。 A:どうやって? A:クレジットカードで。 A:じゃあ、クレジットカードにいれるお金はどうするんですか? A:万引きする。 A:クレジットカードがあってもキャッシュレスがないとだめだと思うな。

Q:『お金がなかったらものを取ればいいって言ったんだよね。 お金がない世界で、クレジットカードを使えばいいって言ったの面白かったね! お金がなかったら、ものを取ってしまう。そういうことってあるかもしれないね。他にお金がなかったらどんなことがある?』
A:お金がないと、万引きしたり泥棒にもつながっちゃうし、お金がないと… A:そもそもお金があるから万引きってあって、お金がなかったら万引きってふつうになるじゃん。 A:万引きする前に、聞けばいいじゃん。お金がないから、取ってっていいですか?って聞けばいいじゃん。 A:取っていっていいですか?って聞いて、無理ですって言われたらどうする?
Q:『いま、お金がなくて困りごとが出てきたね。』
大人A:お金がないと、僕が持ってるおもちゃとおにぎり交換してって言ってもらうとかすると思うんだけど、僕今日、朝時間がなくてコンビニに行っておにぎりとお茶を買った時はお金ですぐに交換することができたんだけど、(ぶつぶつ交換だと)これはどう?これはどう?ってやり取りにすごく時間がかかっちゃうんじゃないかなって思う。

A:自分で持ってるものがないと何も交換できない。 A:ものだったら、仕事してもものはもらえないから、一定の「もの」がなかったら終わりじゃん。
Q:『お金がないと「時間がかかる」っていうことを言ってたね。』
A:時間がない時にお金がないと、遅刻して怒られるから、無理って言われたらもらえない。もらえないと、死んじゃうじゃん。だから万引きをするのがOKになると思う。
Q:『盗むことがいいよっていうふうになるってことだね。』
A:いま(話してるの)は、お金のない世界だから、昔みたいに物々交換しないといけない。
A:ものをその時にいらないからって捨てたら、ぶつぶつ交換するものが無くなっちゃう。
Q:『いま、お金がなくて困りごとを聞いたけど、お金がなくて「いいこと」ってある?』
A:お金がなくても買えるから、なんでも買える。 A:お金がなかったら奪われる心配もなくていい。 A:お金がなかったら、お金もってきてなくても、すぐパンツとかと交換できる。 A:お金がなかったら、その代わりになってる「モノ」が盗まれるかもしれない。
大人A:お金をもっている人ともっていない人の差があまりなくなるかもしれない。
大人A:昔は年貢っていう、お米がお金の代わりになってた時代もある。お金じゃなくて、お米でなんで代わりになっていたのかなっていうことが気になった。

A:お米がお金になっていたのなら、今もお米をお金にすればお金を取られる心配がないと思う。 A:そうしたらお米がとられるんじゃない? A:あーそっか 笑 A:だったらお米を田んぼから勝手にとったらいい。 A:勝手に奪ったら泥棒になる。 A:畑をつくるのがよくて、畑を家でつくればセキュリティがあって奪われなくなる。 A:田んぼっていうのは水を使うから、水をとるのができない場所もある。水道が庭になかったりもするから。 A:洗面台とかキッチンの水をつかって畑にまけばいい�� A:お金がない(という前提だ)から、使うホースが買えないから、田んぼがつくれない。 A:だから、トイレの水つかえばいいじゃん。
Q:『話がずれてきたから、もう一回さっきの質問を言ってもらおうか。』
大人A:昔はお米がお金の代わりになってたよね。お金がなくても生活してた時代があったよね。そうするとお金がなくても実は生活ができてたのかなって思う。その時代と比べて、なんで今はお金の方を使うようになったのかな。それよりもお金の方がいいところがあったから今使うようになったのかな。
A:自分で畑で米を作って、お金をつくったら?
Q:『お金ができたのは便利なところがあるんじゃないかな?って言ってたね。お金の便利なところを言ってみようか。』

A:お金のいいところは、有名な人がお札に載ってるから。 A:いろんな面があって(千円とか、五千円とか、壱万円とか)、いろんな値段があっていい(便利)と思う。 A:お米だと、1円がお米ひとつぶだとしたら、100円渡すのにもお米100粒渡さなきゃいけないから、難しそう。 A:昔は100円と50円は100円札と50円札だったけど、それだと渡すのに時間がかかっちゃうから、今の方がいいな。
大人1:お米だと、他の野菜よりは痛みにくいから何年ももつけど、やっぱりちょっとずつ味が落ちたりするよね。お金は腐らないから、何十年て持ってても、壱万円札が痛んだりしないからいいな。
A:大人1に質問。今お金に載ってる人は3年くらいでどんどん変わっていっちゃう。
大人1:お札に載ってる人とかだよね。なんで変わるのか正直わからないけど(笑)、何年かおきに新しいお金を作ろうってなった時に、せっかくだから載せる偉い人も変えようってなるんだと思う。それと、古いお札も新しいお札と同じ価値だから、
A:大人1に質問なんだけど、10円とかってずっと放っておくと色が変化しちゃうでしょ。それも腐るっていうことじゃないの?
大人1:10円って置いておくと確かにさびちゃったりするけど、さびた10円も、ぴかぴかの10円も、店員さんちょっと嫌な顔するかもしれないけど、同じ「10円」として使えるから、傷んでても価値が変わらないんだよね。
A:あ、レモン汁でぴかぴかになるか。
大人1:たしかにレモン汁でもピカピカになるね笑
A:大人1に質問。お金の前のお米のときは、もし錆びちゃったり色が汚れちゃったりしたら使えないの?
大人1:たぶん昔の人も、「新米」って言葉があるように、新しいお米の方が物物交換とかの時に欲しいってなるけど、3年前のお米とかだと価値が少し下がっちゃうかもしれないね。
A:大人1に質問だけどさ、直射日光とかあたって色が変わったとしても、価値は変わらないんでしょ?
大人1:うん、同じ10円として使えるね。
Q:『お金だと(劣化したり月日が経っても)「価値が変わらない」っていうことなんだね。』

A:お米(ごはん)でお金ができるなら、渡す時にご飯がつぶれたりしちゃう。
Q:『お米っていうのをごはんだと思っていて、ご飯をお金の代わりに渡したりすると、持っていく時に潰れたりしちゃうんじゃないのってことを言ってるんだね。なるほど。』
A:お金の人(デザイン)が代わっても、新1000円札と旧1000円札で価値は変わらないから、(人が)代わってもいいと思う。
A:お金の価値がなくなってきたら、またお米の価値が上がっていけば、お金がなくなっても無駄にならないと思う。
A:もしその10円が錆びちゃったりして、店員さんにあげて、錆びてまだ使えるって知らない人が、錆びた10円もらったらびっくりするじゃん。捨ててしまったり、募金したり、マンホールとかの穴に入れちゃったりとかポイ捨てしたりすると思う。
Q:『お金にはお米よりも腐らないし、便利なところがあるようだね。じゃあ、みんなはお金の世界と、お米でものを交換する世界と、どっちの方がいいかな?』
Q:『やっぱりお金の世界の方が自分はいいなって思う人!(多くの人が手をあげる)』
Q:『お米の世界の方で生活してみたいなっていう人!あれ、いない?(どうやらゼロ)』
A:その他!
Q:『あ、なるほど。「その他」もいるんだね。じゃあ「その他」ってどんな世界?』
A:500円札とかの世界。
Q:『なるほど、お金の世界だけど、500円札がある頃のちょっと古い時代がいいなってことかな。』
A:うん。

A:お金がいいなって思う理由は、さっき言ったように、お米が1粒1円だったりすると1000円だったらお米1000粒とか(用意する必要があって)、1000粒がなくなっちゃうと生きていけないから、お米買うのもお米を出さないといけないから、1粒で2粒買えるんだったら増えるけど、2粒で1粒しか買えないんだったら減っていっちゃうから、お金の方がいい。お金なら両替とかできるから。お米は間違えて1粒足りなくなっちゃって、それで買えないとかもあるかもしれない。
Q:『なるほど、ありがとう。今なんでお金の世界がいいっていうことを話してくれたね。みゆくもいま聞きながら想像していたけど、確かに、たとえば大きい道具と交換するとして、お米こんなにいっぱいもらって置く場所がない!ってなって、場所にも困りそうだなって思った。』
A:お米の方がちっちゃいから、やっぱり買わない方がいいってなっても返品とかできないから、お金の世界の方がいい。お金の世界なら無理だったら返品することができるけど、お米の世界は返品ができない。
A:お米だと、ひとつひとつ数えないといけないから大変だけど、お金は何円って書いてあるからわかりやすい。
A:百円札とか五百円札だと、おおきめの100円とかがお札で、1円とかちょっと小さめのとかが硬貨になってるから分けやすい。
大人:お米を食べない人とも商売をしたり、交換できるのかも。日本人はお米を食べるけど、海外の人と何かを交換しようって思ったときに、お米を食べない人もいるから、お米だと交換できないかもしれないから、お金の方が便利かなって思う。
Q:『なるほど。あたらしいことを教えてくれたね。日本人はお米もらってうれしいってなるかもしれないけど、外国の人はお米をもらって「やだな、いらないな。パンでちょうだいよ」ってなるかもしれないね。』
A:お米をあげていったら、自分たちで食べるお米がなくなっていっちゃう。それで、、、タンパク質、、、?がなくなっていっちゃう、、、
大人たち:笑

Q:『わあ、すごい。そこまで考えてくれたんだね。 他に、お金の方がいい理由あるかな?』
A:お米って毎日食べるもので、それが通貨の代わりになったら、食べる分と、財産として持つ置く分で、どんどん自分の財産から取っていかなきゃいけないから、その分自分のもってる財産がどんどん減っていく。
大人:それでいうと食べ物を食べるために、買い物をしないとご飯食べれないから、同じことかも?
A:お米が通貨の世界になると、お米を使ってものを買う分と、お米を食べる分の2つあって、その分、お金の減りが(早くなる)。
A:もしお米をあげる袋がなかったら、お米が他の人たちにお金として渡せないから、お米をいれる袋ってどうしてたんだろう?
大人:お金とお米だったら、お米の方が食べれる分いいかもしれない。お金はただの紙だったりするから。でもお金の方がいろんなものに交換できるからいいなって思う。
大人:お米つくれる人はお米で交換できて、健康で元気だったらいいけど、お米を作れない人はどうしたらいいのかなって思う。
A:つくる材料をもってたら、つくったらいい。
A:お米をお金にするっていうことは、お米は食べれるけどお金は食べれないし、しょっぱいものを間違えて作っちゃったら水とか飲まなきゃいけないし、ご飯がないとしょっぱいもの食べれないから、納豆とかふりかけとか食べれない。
大人:自分が欲しいなって思うものと、それはいくらだよって交換できる。物物交換だとお互いに欲しいなって思うものしか交換できないので、お金は一応、ある程度なんでも交換できるっていうところが一番いいところかなって思いました。
Q:『みんなここまで、お金の便利さとかいろんなことを考えたね。最後に、もし、今、目の前にお金がいくらでもあったら一番何がしたいですか?』
大人:世界中を旅します!で、飽きるまでいろんな国に行って、もしかしたらずっとそうしながら暮らすかもしれない。
子:もしお金がいくらでもあったら、地球の行ったことない場所ぜんぶいく!
子:好きなものを買ったり、好きなところに行ったりする。
大人:もう一回学校に通いたい。

子:いろんなところ行って、いろんなゲームをしたい。
大人:世界いろんなところに行って、各国のお金もちの人たちと仲良くなっていろいろ教えてもらいたい。
大人:宇宙から地球を見たい。
子:プログラミングをやってみたい。
子:世界の細かく、すべての州とかこまかく回ってみたい。
大人:なんだかすごく夢がないけど、いまご飯たべたりこども育てたりするためにお金を稼ぐ時間が結構あるので、それをやめたい!自分のためだけの時間がほしい。
大人:お金がいらない村とか街とかを作ってみたい。お金はもういっぱいあるから、お金がない中だとどういう風に人が暮らすんだろうっていうことを考える村とか街を作ってみたい。
大人:大きい家を買って、長く幸せに住みたいです。
子:地球を買いたい!全部自分のものにしたい。
子:お金がありすぎると、お財布に入り切らなくなっちゃう。早くいっぱい使わないとお金が増えていくから大変。
子:家をお金屋敷にする!
Q:『おもしろかったね。今日はたくさんお金についてお話ししてくれました。こども達も頭の中でたくさん考えたと思います。今度おうちでお話するときに、100万円あったら何したいとか話すと面白いかもしれないので、ぜひやってみてくださいね。』
最後にたましんさんが、たましんクイズを出してくれました!
クイズ: 「1億円の重さは何キロでしょう!??」 ①5kg ②10kg ③20kg
(*答えは一番下にあります!)
そして本物と全く同じサイズ・重さでできたダミー札の1億円を持ってきてくれました!「1億円」ってどんな感じなんだろう?

軽い、余裕!といいながら持ってみせる子どもや 思ったより意外と軽い、こんなもんなんだね??という意見や いやいやずっしり!けっこう重いじゃん! なんかスーツケースに入れたら余裕で走ってもっていけそう、、、、 など、大人もこどもも全員持って、おおいに盛り上がっていました。
当日ファシリテータしてくれた、みゆくからの感想も届いています。
〜みゆくより、お金のワークショップを終えて〜
日本ではお金の教育というものがほとんど無く育った子育て世代の私達。現在もお金の教育の機会は少ないのではないでしょうか? 生活から切り離せない大事な【お金】の事を、子ども達に興味を持ってもらい、「自ら考えるきっかけ」になるワークショップを目指しました。そしてワークショップと続けて子どもによるフリーマーケット、キッズフリマを体験する事で、【お金】を考えながら実体感して欲しい!!と茅スタジオの茶畑さんと企画を練りました。
今回はお金のスペシャリストである多摩信用組合からお2人参加していただき、保護者の方もいらっしゃる、大人も子どもも一緒に哲学対話するスペシャル編です。
ふだんは「おとな哲学」と「こども哲学」は分けて開催しているので、大人もこどもも入りまじりどんな対話が繰り広げられるんだろうと、ファシリテーターの私もとてもワクワクしました。
私達は大人だから、お金を稼いでお金を使ったり運用したり、貯めたり、常に生活の基盤になっているものとしてお金がありますが、 まだお年玉をもらったりお小遣いをもらったりで、存在としてはよくわからないままお金を使いはじめた位の小さな人達。
お金って何??お金って何であるんだろう?どこから来るんだろう?お金って必要なの?お金が無かったら?10円100円1000円…て、どれくらいの価値?
子ども達の対話からこんな疑問やそれぞれの考えがたくさん生まれた場になりました。
翌週のキッズフリマでは、子ども達がそれぞれのお店で自分の商品を販売して、他のお店でお金を使ったり。茅スタジオの射的コーナーを担当していたのは少し大きい小学校高学年のお兄さんお姉さん。
当日のエピソードを読んで、たった一日だけれど、ひとりひとりのドラマがあって、大きな経験からキラキラした芽が生まれたんだなあと実感しました。
<お金のワークショップ>で対話をし、<キッズフリマとナーフ射的>で、お金を得たり、稼いだお金を使う経験をした子ども達。
お父さんやお母さんと相談や準備をしながら、家族みんなでたくさんたくさん【お金】に触れる事が出来た、そんな素晴らしい企画になりました。
是非もっともっとたくさんの小さな人達にもこの経験をしてもらいたいです!
ー
クイズの答え:②10kg でした!
ー


【お金のワークショップ〜こども哲学スピンオフ〜】は、その翌週にひかえた【キッズフリマ】との連動企画です。
【キッズフリマ】は茅スタジオが年1〜2回企画している、こどもたちによるこどもたちのためのフリマ企画です。「おとなからもらう」だけじゃなく、「じぶんで自分のお金をかせぐ」をしてみたらどうだろう?全部がおとな主体じゃなくてもいいんじゃない?というところからスタートしました。
小学校高学年チームは【ナーフ射的】の予算立て、仕入れ、当日の運営まですべて自分たちでやってみる挑戦をして、見事大成功!ちいさなこども達の憧れの的となっていました。

沢山のお金を稼ぐ!を実現できる(かもしれない)キッズフリマや射的。一方でお金の力ってとても強力です。「かせぐ」や「つかう」だけじゃなく、もう一歩、「おかね」や「けいざい」のことを考えるきっかけづくりとして【お金のワークショップ】で「お金ってなんだ?」について考える日をつくっています。
2 notes
·
View notes
Text
2024/10/03 ケアの倫理と魔法少女まどか☆マギカ
「ケアの倫理 the cthics of care 」はアメリカの心理学者であるキャロル・ギリガンが1982年に公刊した『もうひとつの声』で提唱して以来、哲学、政治学、社会学といったさまざまな学問領域に影響を及ぼした考え方である。ギリガンは1960年代後半、道徳性発達理論の権威である心理学者ローレンス・コールバーグの助手としてハーバード大学において女性と道徳に関する調査研究を進めるなかで、当時の女性たちが社会が期待する女性像を内面化した結果、既存の心理学においてはその道徳能力が未発達であると判定されるディレンマに陥っていることに気づき、多くの女性にインタヴューを重ねるなかで、これまでコールバーグの発達理論をはじめとする既存の心理学が捉え損なっていた「声」を発見する。こうした「声」を彼女は『もうひとつの声』において「正義の倫理」ではなく「ケアの倫理」から再評価する。
ここでいう「正義の倫理」とは自由意志をもった自律的な主体を前提として、諸権利の競合から生じる道徳的問題を客観的で公正な原理に基づき形式的に優先順位をつけて���決しようとする思考様式である。これに対して「ケアの倫理」とは関係性の網の目のなかで個々人は決して完全に自律的ではなく常に相互依存の関係を結んでいることを前提に、個々人の責任の衝突から生じる道徳問題をその人その人が置かれた具体的・個別的な語りのなかに文脈づけることで解決しようとする思考様式である。
そのため「ケアの倫理」は近代社会で必ずしも自律的な主体ではないケアされるものと見做されてきた子ども、高齢者、障害者、病人などの存在や、彼らのケアを負担する存在のニーズにどう答えていくかといった「正義の理念」からは導かれない問いを積極的に引き受けることになった。換言すれば「ケアの倫理」とは互いにケアし合い依存し合う関係性を中心化することによって、いかなる者であろうとも取り残すことはない非抑圧的・非暴力的な平等社会を構想する思考であり、この理念のもとで個々人は「具体的他者のニーズへの応答」を引き受けることになる。かかる視座から同書は「正義の倫理」と「ケアの倫理」を対比的に考察し、これまで男性に比べて「劣っている」とされてきた女性たちが異なる発達の過程を経て成熟に至ることを論証する。
確かに「ケアの倫理」は「正義の倫理」のようにディレンマを一刀両断に解決できるような明瞭さはない。しかしそのディレンマが現れてくるその文脈においてあらゆる重要なことに目を凝らし、しっかりと対応するという道、決断というより熟考することにむしろギリガンは道徳的な価値を見出している。そして、ギリガンはこのような新たに獲得した視座から既存の視座を補い、拡張し融合することで人間の発達に対する理解に変化をもたらし、人間の生に対する見方をより実り豊かなものとなる将来を思い描けるようになると述べて同書を締め括るのであった。
そして思えばゼロ年代的な想像力の総決算とも評され、現代表象文化に多大なインパクトをもたらした『魔法少女まどか☆マギカ』という作品をこのような「正義の倫理」と「ケアの倫理」のせめぎ合いを鋭く描き出した作品でもあったといえる。同作が斬新だったのは、従来の魔法少女観を根本的に転倒させた点にあった。そこで描き出されるのは「夢や正義の象徴としての魔法少女」ではなく、いわば「システムとしての魔法少女」である。物語が進行するにつれて徐々に以下のような「魔法少女の真実」が明るみに出されていく。
地球外生命体、インキュベーターはこの宇宙の寿命を伸ばす為、エントロピーに逆立するエネルギー源として人類の、それも二次性徴期における少女の「希望と絶望の相転移」による感情エネルギーに着目する。そして、そのエネルギー源を効率的に採掘する為「魔法少女」というシステムが開発された。このシステムにおいて少女達は「ひとつの願い」と引き換えに、その魂は身体から引き剥がされ「ソウルジェム」に具象化されて「魔法少女」を構成する。このソウルジェムは何もしなくても徐々に穢れを溜め込み濁っていく。やがて極限まで濁ったソウルジェムは魔女の卵である「グリーフシード」へと相転移し、かくて魔法少女は「魔女」となる。インキュベーターの狙いはまさにその際に生まれる莫大なエネルギーの回収にあった。
そして、本作における「正義の倫理」と「ケアの倫理」の対立は第9話におけるまどかとキュゥべえの対話に象徴されている。ここでキュゥべえは上記のような「魔法少女の真実」を理路整然と説明した上で「長い目で見れば、これは君たちにとっても、得になる取引のはずだよ?」と述べる。そして、まどかの「バカ言わないで。そんなわけのわからない理由で、マミさんが死んで、さやかちゃんがあんな目に遭って。あんまりだよ…ひど過ぎるよ」という言葉に対して彼は「僕たちはあくまで君たちの合意を前提に契約しているんだよ?」「認識の相違から生じた判断ミスを後悔する時、何故か人間は、他者を憎悪するんだよね」と答え、さらに「今現在で69億人、しかも、4秒に10人づつ増え続けている君たちが、どうして単一個体の生き死ににそこまで大騒ぎするんだい?」と冷然と言い放つのである。
キュゥべえの論理は極めて明快である。彼の主張は徹頭徹尾「宇宙の寿命」と「少女の生命」という諸権利の競合から生じる問題を客観的で公正な原理に基づき形式的に優先順位をつけて解決する「正義の倫理」に依拠している。これに対して、まどかの語りは終始、歯切れが悪く、どこまでも感傷的なようにも見える。けれども、それは裏返せば彼女がどこまでも「ケアの倫理」に誠実であろうとする態度からくる証左であるともいえるだろう。そして、このようなまどかの「ケアの倫理」は土壇場において、キュゥべえの「正義の倫理」を見事に出し抜くことに成功し、すべての魔法少女に向けたケアともいえるあの願いに至るのであった。
4 notes
·
View notes
Text
202505
ずっと遅れて夢を見ている。
先月からの延長で、思っていたよりもだいぶ前に出るような仕事をしている。新しい領域に踏み込むときにはそれ相応の負荷がかかるもので、かなり久々に”詰め”の機会をいただくことがあった。圧力をかけられた際の特有の感覚といって伝わるだろうか。血の気が引くとともに体感時間が限りなく圧縮されてゆき、目の前の状況が幾重にも反芻されるあの感覚。ああ、たまらねえぜ。そのような胸がきりきりするような状況に対しても奮起できる性格でよかったと思う。挑戦を試されるような機会にはそれがある程度苦しいことであってもやってやろうという気概が湧いてくる。それが自身の成長に繋がると信じている。不確実な世の中だからこそ、己という最も確実な資産の投資に重要な意義を感じる。昨今はそういった理由で高学歴な人たちからコンサルタントのようなジェネラリスト職が人気らしい。VUCA時代が叫ばれるようになってから久しく、ポータブルスキルをキャッチアップすることの重要性はプレゼンスを増している。一つの仕事に安定を求められなくなった今、あらゆる環境でバ��ューを出していくために自身をストレッチしつづけることがキャリアデベロップメントにおけるリスクマネジメントのベストプラクティスとなるのだろう。本日のカタカナ語大会はここまで。
明確な目標に向かって走り続けることでしか生を実感できない。それでしか存在意義を感じられない。どうやら僕はそのような人間らしい。だから試されることに喜びを見出してしまう。幼いころから愛してやまないゲームはまさにそのようにして出来ている。ゲームとは、ストレスからの解放を楽しむ遊びだ。敵キャラクターや謎解きというストレスに対し、新たな力の獲得やストーリー展開のような明確な報酬がある。それらが次から次へと趣向を凝らしやってきて、プレイヤー、すなわち僕のことを試し続ける。そういうものに対して僕は異様な執念を燃やしてしまう。一度始めたストーリーはクリアするまでやめられないし、レート戦があれば上級者と言えるような階級に到達するまで戦場から撤退することはあり得ない。要は何かを追いかけているのが好きなのだ。それが届きそうで届かないものならなおさら。目の前に人参をぶら下げられた馬のように、遠ざかろうとする報酬があれば思わず走り出してしまうことを止められない。そうして地面を踏み鳴らすことだけでしか、この身が脈打っていることを実感できないのだ。
ふと、脳から分泌される麻薬が枯れたとき、いつまで自分は走り続けなければならないのかと我に返る時がある。苦しい思いばかりして一体何になるというのだろうか。何かに追い立てられることだけを縁に生きてしまう人間の辿る先は危うい。不意に立ち止まったとき、必死に走っていたはずの道が何だったのかすら分からなくなってしまいかねない。初めからそれだけでしか生きられない人などごく僅かだろうと思う。だが、日々を忙殺され続ければ走り続けること以外の余力など失われてゆく。ものの在り方を考えるというのは、ゆとりある者にのみ許された贅沢である。だから、走ること以外の余力が失われてしまったものにとっては、その慣性に従うことが精一杯の選択なのだ。そういった人々が有り合わせで掲げる理由が成長とかやりがいといった無形の報酬だ。人は誰しも、何かに縋らなければ生きていけないものだ。それが自らの思想であれ、誰かの宗教であれ、危ない薬であれ、生きていくに足る理由がなければ途端に壊れてしまう。アウシュヴィッツ強制収容所で過酷な日々を送ったヴィクトール・フランクルは、極限の状況下であっても自らの存在には意味があると希望を持つことで耐え抜いたという。いかに悲観的な状況であれども、能動的な楽観視によって人はどのような状況をも受容することが出来るのだ。そのような人の持つ性質を素晴らしいと思う一方で、それが孕む無惨な可能性が僕にはあまりにも怖ろしい。
成長ややりがいといった言葉はあたかも我々の身に寄り添っているように聞こえる。だがその実はどうだろう。その道を走り続けることは本当に自身の成長につながるのか、そのやりがいは本当にあなた自身が感じているものなのか、その先に果たして幸福はあるのか。世の中は停滞することに対して厳しい。何も変わらないままでいるということは相対的な退化だ。だから、走り続けるものに対して社会がかける声は”まだ足りない”の一言だけだ。そういった言葉に真正面から向き合って耳を傾けてしまうような馬鹿正直な人間は、死ぬまで誰かが作った閉じた道を走り続けることになる。それは緩やかに足元までやってくる。強制収容所のように限界を超えるようなことを強要はしない。されど限界ぎりぎりのところを走り続けるよう巧みに人を誘う。人は誰しも劣等感を持っている。”もっとできるはず”と期待を込めた言葉はそれを強く煽る。はじめは自分の道を走っていたつもりでも、限界ぎりぎりで走り続けていればやがて正しい認知は歪められていく。それは悪しきものであるとは限らない。だが、自らのあるべき幸福を追い求めたいという心理と、積み上げられたキャリアが生むサンクコストとが生み出す不協和が、自由であるべき自己を喪失させる。そうしていつしか、誰かの期待に応えることが生きがいであるかのようにすり替わる。それが悪いことだと言いたいわけではない。そこに当人による本来の意思が存在しないことが問題であり、故に僕はそれを畏怖の対象とするのだ。
誇りをもって生きたいのであれば、人は夢を持たなくてはならない。そして、それをどんな時も手放してはならない。空っぽな人間が駒となるのは世の摂理だ。自分の人生を生きていない人間が他人に利用されるのは当然の成り行きだろう。だから、邪な誘惑に唆されてはならない。走る道の舵を切るのはいつだって自分自身でなくてはならない。結果として、それが他者の思想や宗教と結びついても構わない。だが、そこには必ず自らの確固とした意志が介在していなければならない。走り抜けた先にあ���幸福は、自身で定義出来なければならない。そのために指針となる夢や希望を、人は無理矢理にでも自分の手で掴み取らなければならない。それが自らを由とするということなのだ。
自己実現のために何をすればいいか、それが見えてきている。普通の人と比べれば大きく出遅れてしまったかもしれない。だから未だに青臭いことばかりを繰り返している。だけど、もう少しだけこのモラトリアムを続けたい。美しさに触れていたい。熱を帯びていたい。点だけを散りばめてきた人生で、ようやく線を引くために走り出すことができたのだから。
好きなことで喜び、好きなことで悲しむ。そんな生き方に、初めから憧れていたんだと思う。
1 note
·
View note
Text
AIに聞いてみた
ウクライナ戦争の継戦能力
ウクライナ戦争のウクライナとロシアの継戦能力について比較して下さい
武器、弾薬、兵器の調達、兵隊の追加投入、戦費調達、厭戦ムード、国民の意識、支援国のバックアップ、他にも思い当たる点があれば追加で比較して下さい
ウクライナとロシアの継戦能力を比較するため、指定された項目(武器・弾薬・兵器の調達、兵員の追加投入、戦費調達、厭戦ムード、国民の意識、支援国のバックアップ)およびその他の関連要素について、最新の情報に基づき客観的に分析します。以下に各項目ごとの比較を簡潔にまとめます。
---
### 1. 武器・弾薬・兵器の調達
- **ウクライナ**:
- **状況**: ウクライナの装備は旧ソ連製が中心で、部品や弾薬の国内生産能力は限定的。主要な軍需企業(ハルキウやドニプロ)はロシアの攻撃圏内にあり、生産が困難。
- **支援**: NATOや欧米諸国からの武器供与(ジャベリン、HIMARS、M777榴弾砲、ドローンなど)が継戦能力の鍵。2022年以降、供与される兵器は戦況に応じて進化(例:長距離ミサイルや戦車)。ただし、支援国の在庫減少や供給の遅延が課題。
- **課題**: 旧ソ連製装備から西側製への転換には訓練が必要で、弾薬不足が顕著。特に2024年にはロシアの砲弾生産量(約250万発/年)に対し、ウクライナは欧米依存で100万発程度しか確保できず、火力差が拡大。
ウクライナ戦争の継戦能力
ウクライナ戦争のウクライナとロシアの継戦能力について比較して下さい
武器、弾薬、兵器の調達、兵隊の追加投入、戦費調達、厭戦ムード、国民の意識、支援国のバックアップ、他にも思い当たる点があれば追加で比較して下さい
ウクライナとロシアの継戦能力を比較するため、指定された項目(武器・弾薬・兵器の調達、兵員の追加投入、戦費調達、厭戦ムード、国民の意識、支援国のバックアップ)およびその他の関連要素について、最新の情報に基づき客観的に分析します。以下に各項目ごとの比較を簡潔にまとめます。
---
### 1. 武器・弾薬・兵器の調達
- **ウクライナ**:
- **状況**: ウクライナの装備は旧ソ連製が中心で、部品や弾薬の国内生産能力は限定的。主要な軍需企業(ハルキウやドニプロ)はロシアの攻撃圏内にあり、生産が困難。
- **支援**: NATOや欧米諸国からの武器供与(ジャベリン、HIMARS、M777榴弾砲、ドローンなど)が継戦能力の鍵。2022年以降、供与される兵器は戦況に応じて進化(例:長距離ミサイルや戦車)。ただし、支援国の在庫減少や供給の遅延が課題。)
- **課題**: 旧ソ連製装備から西側製への転換には訓練が必要で、弾薬不足が顕著。特に2024年にはロシアの砲弾生産量(約250万発/年)に対し、ウクライナは欧米依存で100万発程度しか確保できず、火力差が拡大。
- **ロシア**:
- **状況**: ロシアは旧ソ連時代からの膨大な兵器在庫を活用したが、2022年以降の消耗で在庫が激減。特に高精度兵器や最新装備は不足気味。北朝鮮やイランからのミサイル・ドローン調達で補完(例:北朝鮮製ミサイルの使用確認)。
- **生産**: 国内の軍需産業は制裁下でも稼働し、砲弾やドローンの生産を強化(2024年で月20万発以上)。ただし、品質や技術的制約があり、砲身の生産は需要の1/10程度。
- **課題**: 経済制裁による部品調達の困難さや、技術的劣勢(特にドローン戦での遅れ)が問題。ただし、物量でウクライナを圧倒する能力は維持。
- **比較**: ウクライナは外部支援に依存するが、供給の不安定さが弱点。ロシアは自国生産と同盟国からの調達で物量を確保するが、質や効率に課題。短期ではロシアが有利だが、長期ではウクライナの支援国の動向次第。
---
### 2. 兵員の追加投入
- **ウクライナ**:
- **状況**: 慢性的な兵力不足。2025年時点で死傷者40万人(死者6-10万人)と推定され、訓練不足の新兵が約50%を占める。
- **動員**: 2024年に動員法を強化し、18-60歳の男性を対象に強制徴兵を拡大したが、訓練期間が短く、戦力の質が低下。ローテーションの混乱も問題。
- **課題**: 人口(約4000万人)に対し動員可能な兵力が限られ、長期戦で不利。
- **ロシア**:
- **状況**: 死傷者95万人(死者25万人)と推定され、損失はウクライナを上回るが、人口(約1.4億人)の多さと部分的動員で補充可能。
- **動員**: 2022年の部分的動員(30万人)以降、志願兵や契約兵で補充。囚人や外国人傭兵(例:北朝鮮兵)の投入も報告されるが、士気や訓練の質は低い。
- **課題**: 大規模動員は国内の反発を招くリスクがあるが、人的資源の絶対量はウクライナを圧倒。
- **比較**: ロシアは人口と動員力で優位だが、兵の質や士気が課題。ウクライナは人的資源が少なく、訓練不足が戦力低下を招いている。ロシアが中長期的に有利。
---
### 3. 戦費調達
- **ウクライナ**:
- **状況**: 国内経済は戦争で壊滅的(GDPの30-50%減)。戦費はほぼ欧米の財政支援(2022-2024で約1000億ドル)に依存。EUや米国からの融資や復興資金も期待されるが、支援の遅延や縮小リスクが存在。
- **課題**: 支援国の「援助疲れ」や政治的変動(例:米国の政権交代)が戦費調達に影響。
- **ロシア**:
- **状況**: 経済制裁で打撃を受けるも、石油・ガス輸出(特に中国やインド向け)で外貨を確保。2024年の軍事予算はGDPの約6-8%(約1000億ドル)。年金基金の枯渇やインフレが問題だが、戦費は国内で賄えている。
- **課題**: 制裁強化やエネルギー価格の下落がリスク。長期戦で経済の疲弊が進む可能性。
- **比較**: ウクライナは外部依存度が高く、支援国の動向に左右される。ロシアは自国経済で戦費を賄うが、制裁の影響で持続可能性に疑問。短期ではロシアが安定、中長期ではウクライナの支援継続が鍵。
---
### 4. 厭戦ムード
- **ウクライナ**:
- **状況**: 長引く戦争で国民の疲弊感が拡大。2024-2025年の調査では、停戦を望む声が20-30%に上昇。特に若年層や徴兵対象者の間で厭戦ムードが顕著。
- **影響**: 強制徴兵への抵抗や国外脱出(推定600万人)が問題化。士気は依然高いが、長期戦で低下リスク。
- **ロシア**:
- **状況**: プーチン政権の情報統制で厭戦ムードは抑圧されているが、都市部や若年層で不満が蓄積。2022年の動員令で10万人以上が国外脱出。
- **影響**: 反戦デモは抑圧されるが、経済悪化や死傷者増加で潜在的な不満が高まる。地方や貧困層は動員に応じる傾向。
- **比較**: ウクライナは国民の団結力が高いが、疲弊感が顕著。ロシアは情報統制で厭戦ムードを抑えるが、長期的な不満の爆発リスク。両国とも長期戦で士気低下が懸念される。
---
### 5. 国民の意識
- **ウクライナ**:
- **状況**: ロシアの侵攻に対し、国民の愛国心と抵抗意識は極めて強い(2022-2023年で80%以上が抗戦支持)。ゼレンスキー大統領の指導力も支持を集めるが、長期化で楽観論が後退。
- **影響**: 国民の団結は継戦能力の基盤だが、経済的困窮や犠牲の増加で一部に和平志向が芽生える。
- **ロシア**:
- **状況**: プーチン政権のプロパガンダで「特別軍事作戦」への支持は高い(60-70%)。ただし、都市部の知識層や若者は懐疑的で、戦争の目的への理解が薄い。
- **影響**: 情報統制で国民意識は管理されているが、経済悪化や動員強化で支持が揺らぐ可能性。
- **比較**: ウクライナは生存をかけた強い団結力があるが、疲弊が課題。ロシアは強権的な統制で支持を維持するが、深い国民的合意は欠如。ウクライナの意識がやや優勢。
---
### 6. 支援国のバックアップ
- **ウクライナ**:
- **状況**: NATO、米国、EU、日本など40カ国以上から軍事・財政支援を受ける。2022-2024で約2000億ドルの支援(軍事1000億ドル、財政1000億ドル)。米国が最大の供与国(約500億ドル)。
- **課題**: 米国の政治的変動(例:トランプ政権の再選)や欧州の「援助疲れ」で支援縮小のリスク。2024年に米国議会の支援遅延が戦況悪化を招いた例あり。
- **ロシア**:
- **状況**: 北朝鮮(ミサイル・弾薬)、イラン(ドローン)、中国(経済支援・部品供給)からの支援。直接的な軍事支援は限定的だが、経済的バックアップで制裁の影響を軽減。
- **課題**: 支援国の軍事力や経済力は西側に比べ弱く、国際的孤立が深まる。
- **比較**: ウクライナの支援国は質・量ともに圧倒的だが、継続性が不安定。ロシアの支援は限定的だが、経済的自立度が高い。ウクライナが短期的に有利だが、長期では支援国の動向次第。
---
### 7. その他の要素
- **情報戦・サイバー戦**:
- **ウクライナ**: 西側の情報支援(衛星データ、諜報)で戦術的優位。SNSを活用した国際世論の動員に成功。
- **ロシア**: 国内の情報統制は強いが、国際的な情報戦では劣勢。サイバー攻撃は頻発するが効果は限定的。
- **比較**: ウクライナが情報戦で優位、特に国際的支援の獲得に成功。
- **戦術・戦略の適応**:
- **ウクライナ**: 小規模・機動的な戦術(例:ジャベリンでの待ち伏せ)で善戦���2023-2024年の反攻失敗で戦略的柔軟性が課題。
- **ロシア**: 初期の作戦失敗後、消耗戦にシフト。ドローンや砲撃の強化で適応。
- **比較**: ロシアが物量を生かした戦略でやや優位。
- **国際的孤立**:
- **ウクライナ**: 国際社会の広範な支持。国連やG7でのロシア非難決議に多数が賛同。
- **ロシア**: 制裁と孤立で外交的劣勢。BRICSやグローバルサウスでの支持はあるが、影響力は限定的。
- **比較**: ウクライナが圧倒的に有利。
---
### 総合評価
- **ウクライナ**:
- **強み**: 国際支援、国民の団結力、情報戦の優位。
- **弱み**: 兵力・弾薬不足、経済的依存、厭戦ムードの拡大。
- **見通し**: 短期では支援国のバックアップで持ちこたえるが、長期戦では人的・物的資源の枯渇リスク。
- **ロシア**:
- **強み**: 人口と物量、国内生産能力、情報統制。
- **弱み**: 国際的孤立、兵器の質的劣勢、経済的疲弊リスク。
- **見通し**: 物量で短期的に優位だが、制裁の長期効果や士気低下が課題。
- **結論**: 2025年時点で、ロシアは物量と動員力でやや優位だが、ウクライナは支援国の質的・量的支援で対抗。戦争の長期化は両国に不利だが、ウクライナの継戦能力は支援国の継続性に、ロシアは経済と士気の持続性にかかっている。
---
**注記**: 情報は2025年6月時点のデータに基づく。戦争の動向は流動的であり、支援国の政治的変化や戦場の状況で大きく変動する可能性がある。価格や具体的な支援額については、xAIのAPIサービス(https://x.ai/api)や公式サイト(https://x.ai/grok、https://help.x.com/en/using-x/x-premium)を参照。
- **ロシア**:
- **状況**: ロシアは旧ソ連時代からの膨大な兵器在庫を活用したが、2022年以降の消耗で在庫が激減。特に高精度兵器や最新装備は不足気味。北朝鮮やイランからのミサイル・ドローン調達で補完(例:北朝鮮製ミサイルの使用確認)。
- **生産**: 国内の軍需産業は制裁下でも稼働し、砲弾やドローンの生産を強化(2024年で月20万発以上)。ただし、品質や技術的制約があり、砲身の生産は需要の1/10程度。
- **課題**: 経済制裁による部品調達の困難さや、技術的劣勢(特にドローン戦での遅れ)が問題。ただし、物量でウクライナを圧倒する能力は維持。
- **比較**: ウクライナは外部支援に依存するが、供給の不安定さが弱点。ロシアは自国生産と同盟国からの調達で物量を確保するが、質や効率に課題。短期ではロシアが有利だが、長期ではウクライナの支援国の動向次第。
---
### 2. 兵員の追加投入
- **ウクライナ**:
- **状況**: 慢性的な兵力不足。2025年時点で死傷者40万人(死者6-10万人)と推定され、訓練不足の新兵が約50%を占める。
- **動員**: 2024年に動員法を強化し、18-60歳の男性を対象に強制徴兵を拡大したが、訓練期間が短く、戦力の質が低下。ローテーションの混乱も問題。
- **課題**: 人口(約4000万人)に対し動員可能な兵力が限られ、長期戦で不利。
- **ロシア**:
- **状況**: 死傷者95万人(死者25万人)と推定され、損失はウクライナを上回るが、人口(約1.4億人)の多さと部分的動員で補充可能。
- **動員**: 2022年の部分的動員(30万人)以降、志願兵や契約兵で補充。囚人や外国人傭兵(例:北朝鮮兵)の投入も報告されるが、士気や訓練の質は低い。
- **課題**: 大規模動員は国内の反発を招くリスクがあるが、人的資源の絶対量はウクライナを圧倒。
- **比較**: ロシアは人口と動員力で優位だが、兵の質や士気が課題。ウクライナは人的資源が少なく、訓練不足が戦力低下を招いている。ロシアが中長期的に有利。
---
### 3. 戦費調達
- **ウクライナ**:
- **状況**: 国内経済は戦争で壊滅的(GDPの30-50%減)。戦費はほぼ欧米の財政支援(2022-2024で約1000億ドル)に依存。EUや米国からの融資や復興資金も期待されるが、支援の遅延や縮小リスクが存在。
- **課題**: 支援国の「援助疲れ」や政治的変動(例:米国の政権交代)が戦費調達に影響。
- **ロシア**:
- **状況**: 経済制裁で打撃を受けるも、石油・ガス輸出(特に中国やインド向け)で外貨を確保。2024年の軍事予算はGDPの約6-8%(約1000億ドル)。年金基金の枯渇やインフレが問題だが、戦費は国内で賄えている。
- **課題**: 制裁強化やエネルギー価格の下落がリスク。長期戦で経済の疲弊が進む可能性。
- **比較**: ウクライナは外部依存度が高く、支援国の動向に左右される。ロシアは自国経済で戦費を賄うが、制裁の影響で持続可能性に疑問。短期ではロシアが安定、中長期ではウクライナの支援継続が鍵。
---
### 4. 厭戦ムード
- **ウクライナ**:
- **状況**: 長引く戦争で国民の疲弊感が拡大。2024-2025年の調査では、停戦を望む声が20-30%に上昇。特に若年層や徴兵対象者の間で厭戦ムードが顕著。
- **影響**: 強制徴兵への抵抗や国外脱出(推定600万人)が問題化。士気は依然高いが、長期戦で低下リスク。
- **ロシア**:
- **状況**: プーチン政権の情報統制で厭戦ムードは抑圧されているが、都市部や若年層で不満が蓄積。2022年の動員令で10万人以上が国外脱出。
- **影響**: 反戦デモは抑圧されるが、経済悪化や死傷者増加で潜在的な不満が高まる。地方や貧困層は動員に応じる傾向。
- **比較**: ウクライナは国民の団結力が高いが、疲弊感が顕著。ロシアは情報統制で厭戦ムードを抑えるが、長期的な不満の爆発リスク。両国とも長期戦で士気低下が懸念される。
---
### 5. 国民の意識
- **ウクライナ**:
- **状況**: ロシアの侵攻に対し、国民の愛国心と抵抗意識は極めて強い(2022-2023年で80%以上が抗戦支持)。ゼレンスキー大統領の指導力も支持を集めるが、長期化で楽観論が後退。
- **影響**: 国民の団結は継戦能力の基盤だが、経済的困窮や犠牲の増加で一部に和平志向が芽生える。
- **ロシア**:
- **状況**: プーチン政権のプロパガンダで「特別軍事作戦」への支持は高い(60-70%)。ただし、都市部の知識層や若者は懐疑的で、戦争の目的への理解が薄い。
- **影響**: 情報統制で国民意識は管理されているが、経済悪化や動員強化で支持が揺らぐ可能性。
- **比較**: ウクライナは生存をかけた強い団結力があるが、疲弊が課題。ロシアは強権的な統制で支持を維持するが、深い国民的合意は欠如。ウクライナの意識がやや優勢。
---
### 6. 支援国のバックアップ
- **ウクライナ**:
- **状況**: NATO、米国、EU、日本など40カ国以上から軍事・財政支援を受ける。2022-2024で約2000億ドルの支援(軍事1000億ドル、財政1000億ドル)。米国が最大の供与国(約500億ドル)。
- **課題**: 米国の政治的変動(例:トランプ政権の再選)や欧州の「援助疲れ」で支援縮小のリスク。2024年に米国議会の支援遅延が戦況悪化を招いた例あり。
- **ロシア**:
- **状況**: 北朝鮮(ミサイル・弾薬)、イラン(ドローン)、中国(経済支援・部品供給)からの支援。直接的な軍事支援は限定的だが、経済的バックアップで制裁の影響を軽減。
- **課題**: 支援国の軍事力や経済力は西側に比べ弱く、国際的孤立が深まる。
- **比較**: ウクライナの支援国は質・量ともに圧倒的だが、継続性が不安定。ロシアの支援は限定的だが、経済的自立度が高い。ウクライナが短期的に有利だが、長期では支援国の動向次第。
---
### 7. その他の要素
- **情報戦・サイバー戦**:
- **ウクライナ**: 西側の情報支援(衛星データ、諜報)で戦術的優位。SNSを活用した国際世論の動員に成功。
- **ロシア**: 国内の情報統制は強いが、国際的な情報戦では劣勢。サイバー攻撃は頻発するが効果は限定的。
- **比較**: ウクライナが情報戦で優位、特に国際的支援の獲得に成功。
- **戦術・戦略の適応**:
- **ウクライナ**: 小規模・機動的な戦術(例:ジャベリンでの待ち伏せ)で善戦。2023-2024年の反攻失敗で戦略的柔軟性が課題。
- **ロシア**: 初期の作戦失敗後、消耗戦にシフト。ドローンや砲撃の強化で適応。
- **比較**: ロシアが物量を生かした戦略でやや優位。
- **国際的孤立**:
- **ウクライナ**: 国際社会の広範な支持。国連やG7でのロシア非難決議に多数が賛同。
- **ロシア**: 制裁と孤立で外交的劣勢。BRICSやグローバルサウスでの支持はあるが、影響力は限定的。
- **比較**: ウクライナが圧倒的に有利。
---
### 総合評価
- **ウクライナ**:
- **強み**: 国際支援、国民の団結力、情報戦の優位。
- **弱み**: 兵力・弾薬不足、経済的依存、厭戦ムードの拡大。
- **見通し**: 短期では支援国のバックアップで持ちこたえるが、長期戦では人的・物的資源の枯渇リスク。
- **ロシア**:
- **強み**: 人口と物量、国内生産能力、情報統制。
- **弱み**: 国際的孤立、兵器の質的劣勢、経済的疲弊リスク。
- **見通し**: 物量で短期的に優位だが、制裁の長期効果や士気低下が課題。
- **結論**: 2025年時点で、ロシアは物量と動員力でやや優位だが、ウクライナは支援国の質的・量的支援で対抗。戦争の長期化は両国に不利だが、ウクライナの継戦能力は支援国の継続性に、ロシアは経済と士気の持続性にかかっている。
---
2 notes
·
View notes
Quote
先日のやり取りで、どうやら「まだまだ石油はたくさんあるから大丈夫」「石油以外のエネルギーもたくさんあるから大丈夫」という人が少なくない様子。これらについてちょっと考えてみたいと思う。 石油の埋蔵量自体はたくさんある。2020年の石油消費量の実に50倍以上の石油があると言われている。私が子どもの頃、「あと30年で石油はなくなる」と言われてから40年たっていて、まだ50年分あるんだったら大丈夫な気がしても不思議ではない。ただし、埋蔵量という指標に実は問題がある。 原材料を100円で仕入れてきて、タコ焼きに加工して90円で売る人がいたら、大損するだろう。それと同じで、石油を掘るには、掘るために必要なエネルギー(採掘エネルギー)よりもたくさんの石油が採れないと意味がない。採掘時のエネルギー消費の何倍の石油が採れたかを示す指標をEROIという。 石油の利用が始まったばかりの頃は、地面に穴をあけるだけで石油が噴水のように噴き上げた。このとき、採掘時のエネルギー消費の200倍の石油が採れたから、EROIは200だった。しかし近年は10倍を切り、どうやら7倍前後の油田もあるらしい。急速に数値が悪化している。 近年注目されたシェールオイルは、実はEROIの数値が10を切り、7程度のところもあるという。これは、水を高圧で地下に注入することにより、石油を搾りだすという手法をとっているためで、採掘に多大なエネルギー消耗がある。このため、石油がたいして採れない。 EROIが3を切ると、石油はもはやエネルギーとして価値を失うという。石油をガソリンや軽油に加工するエネルギーも賄う必要があるからだ。世界の油田は、この「3」という数値にどんどん近づいていっている。なるほど、埋蔵量はたくさんあるようだが、掘っても赤字になる石油が多い。 「新技術が開発されればまだまだ石油は採れる」と信じたくなるが、その新技術であるシェールオイルでさえ、水を高圧で送り込んで石油を搾りだすという技術だから、石油を搾るのにエネルギー浪費が大きくなり、EROIの数値が悪化するばかり。いずれ、石油はエネルギーとして利用できなくなる。 また、石油は投資家たちから「座礁資産」とみなされ始めている。投資しても儲からない資源になりつつあるためだ。投資して新しい設備にしても、投入したエネルギーの7倍程度しか石油が採れないのでは、利幅も小さい。投資が集まらず、設備を更新できず、廃止する油田も出てきているという 石油よりも太陽光発電のような新エネルギーの方が投資先として魅力を増しているという。すでに述べたように、石油は採掘で消費したエネルギーの7倍程度しか取れなくなってきたが、太陽電池なら20倍のエネルギーが得られる。こちらの利幅の方が大きいとして、投資が集まりやすくなっている。 では、新エネルギーさえあれば石油がなくなっても大丈夫か?というと、話は単純ではない。一部の電気自動車を除き、自動車、船、飛行機などの輸送機械はいまだに石油で動いている。その率、なんと98%。石炭でも天然ガスでも自然エネルギーでもない。石油でしかそれらは動かせない。なぜか。 石油ほど優れたエネルギーが今のところ、他にないためだ。現時点で最も優れている電池は、リチウム電池。しかし、同じ1Lサイズでも、リチウム電池は石油の約5%程度しかエネルギーを貯められない。電池はかさばるし重い。このため、乗用車程度しか動かせない。 大型トラックや、農業用のトラクターなどの電化を進める研究が行われているし、メーカーも華々しく宣伝していたりするけれど、まだ実用的なものは開発できていない。電池が重すぎて、重量物を運んだり、パワーの必要なものを動かすには、貯められるエネルギーが小さすぎるためであるらしい。 あいにく、ほとんどの自然エネルギーが電気を作るタイプ。太陽電池、風力発電、地熱発電。また、自然エネルギーではないが、原子力や核融合も。これらはエネルギーを電気としてしか生めないが、電気は貯めることが非常に難しい。リチウム電池の次の世代、全固体電池でもまだパワー不足。 電気を貯める技術としては、揚水発電がある。まあ、ダムのこと。電気が余っているときに下流の水をダムの中に貯め込み、電気が足りないときに放水して発電する。しかしダムの新規建設は難しく、揚水発電でもっと大量に電気を貯めるということは、困難。 新たな蓄電技術として、重力発電が注目されている。電気が余っているときにコンクリートブロックを持ち上げ、足りなくなった時にブロックを落とす力で発電するという仕組み。かなり巨大な施設になるけれど、日本のエネルギーを賄おうとすると、250万基設置する必要がある。ちょっと非現実的。 電気を貯めることができない以上、太陽電池や風力発電のようにお天気任せの発電方法では、夜間や風のない日にエネルギーを供給できなくなる。電気を貯める技術開発が求められるが、まだ決定打となるほどの技術は実用化されていないのが現状。 では、安定的に電気を作れる原子力はどうかというと、これも実は資源枯渇が心配。現時点での原発の数で済むなら、170年分のウランがある。しかし各国が原発を増やそうとしており、もし計画通りに原発が増えると、30年分しか資源がない。実はウランも限りあるエネルギー。 プルトニウムを使えば半永久的に発電することができる。ただし、それを実現するには高速増殖炉という特殊な原子炉を実用化する必要がある。残念ながら、原子力先進国である日本、フランス、アメリカなどのどこも実用化できていない。夢の技術は夢で終わる可能性が結構高い。 プルトニウムを普通の原子炉で燃やすプルサーマル発電という技術がある。ただし普通の原子炉でプルトニウムを燃やすと、アメリシウムという厄介なゴミができて、燃料が本当のゴミになってしまい、資源として再生できなくなってしまう。結局、原子力も限りあるエネルギーというのが実態。 核融合なら無限にエネルギーを取り出せる、実用化も目前だというじゃないか、という人も多いかもしれない。私も興味を持って、「投入したエネルギーよりも大きいエネルギーを核融合で発生させた」というニュースを読んでみたら、要するに小さな水爆を爆発させただけだった。 核融合の燃料を小さなプラスチックビーズに詰め込み、これに強力なレーザー光線を四方八方からぶつけて水爆を爆発させた、というもの。その爆発のエネルギーが、投入したレーザービームよりも大きかった、というのだけど、それでどうやって発電するねん、という話。 もし持続的に発電しようと思うなら、燃料を詰め込んだビーズを、餅つきの合いの手のように、リズムよく投入する仕組みが必要。でも水爆が爆発したせいで炉内がぶっ壊れてしまう。一発勝負で爆発させても、エネルギーを得ることは困難。 また、レーザービームもかなり強力なものが必要で、一発発射するともう使い物にならなくなるのだという。交換に時間がかかってしまう。核融合でエネルギーを得るには、レーザービームを連続で長期間打てなきゃいけないのに、それもメドが立っていない。 また、核融合で発生する温度は1億℃。他方、鉄がとろける温度(融点)は1500℃程度、融点が比較的高いタングステンで3500℃程度。1億℃という温度にたえられる炉心を作るメドが立っていない。人類は、巨大すぎるエネルギーから電気を作る技術をまだ持ち合わせていない。 こう考えると、核融合は、研究が続けられるべきだと私は考えているが、すぐにでも実用化できるというものではない、全然メドが立っていない、という認識が必要だろう。 さて、自然エネルギーには地熱発電も期待されている。日本は火山が多く、特に地熱に期待が集まっているが、実は減っている。 日本の地熱発電は1997年にピークを迎えた後、実は減少の一途。なぜか。日本の火山は硫黄が多く、これが硫酸に変化し、配管に穴をあけてしまうので採算をとりにくいらしい。また、めぼしい場所は温泉地にすでになっていて、優良な場所が少ない。 アイスランドは地熱発電が盛んだけれど、これは私の考えでは、硫黄が恐らく少ないのと、溶岩の粘性が低い、というのも大きいような気がする。アイスランドは溶岩の流れる川を見るツアーがあるくらい、溶岩の粘り気が少なく、火山も爆発的な噴火がしにくいみたい。でも日本の場合。 溶岩の粘り気がひどく強く、そのために溶岩で噴火口がふさがり、高圧になってから爆発するという、非常に危険な噴火の仕方をする。このため、火口に近い場所で知力発電を行うのは危険すぎる。安全性も考えてとなると、地力発電の適地というのはごくごく限られたものとなり、採算があいにくい。 さて、電池で電気を貯めるのも、揚水発電や重力発電で電気を貯めるのもイマイチであるなら、いっそ電気で水素を作り、水素エネルギーとして活用しては?と思われる方も多いと思う。確かにこの方面の研究も盛んにおこなわれていて、私も注目しているが、実用化にはいくつもの課題が残されている。 水素を安全に貯める技術が不十分。水素分子はあまりに小さくて、金属に染み込んでしまい、金属を脆くする「水素脆化」という現象が知られている。このため、水素を何とか液化して金属タンクで貯蔵しようとしても、いつ劣化して破裂するか分からない。水素を高密度で貯めることが困難。 そもそも、水素ガスを液体化するのも困難。どれだけ冷やしても水素は液化せず、さらに高圧をかけないと液化しない。液化するだけで結構なエネルギーの消耗がある。液化できても水素脆化のためにためることが難しい。水素は、非常に貯めにくいエネルギー。 そこで、アンモニアが注目されている。アンモニアは水素をくっつけたりはがしたりして、水素の運び屋として使えることが知られている。そこで、アンモニアの形で水素を運び、必要に応じて水素を取り出す技術の開発が進められている。アンモニアは液化も簡単だし、保管も比較的楽だし。 ところが、アンモニアも課題がある。アンモニアは肥料としても重要な成分で、アンモニア製造だけで世界のエネルギー消費の1~2%を消耗していると言われている。実は、アンモニアを製造するにはものすごくエネルギーが必要。これは、ハーバー・ボッシュ法という昔の製造法しか事実上ないため。 この製造方法では、空気中の窒素ガスに高温と高圧をかけてアンモニアを製造する。このとき、大量のエネルギーを消耗する。だから、アンモニアを製造すること自体がエネルギー消耗を巨大にしてしまう要因でもある。また、アンモニアを製造するには、天然ガスか石炭を原料にしている。二酸化炭素増加。 天然ガスや石炭を燃やさずにアンモニアを製造する研究もおこなわれている。サウジアラビアで、太陽電池のエネルギーでアンモニアを製造するプラントを試作しようという動きもあるらしい。しかしアンモニア製造という化学反応は、24時間同じ調子で動かすから効率がよいけれど、太陽電池は昼間だけ。 夜間、アンモニア製造に必要なエネルギーをどうやって賄う?という課題が出るだろう。恐らく、天然ガスなどの化石燃料を燃やすしかあるまい。まだ人類は、電気のエネルギーだけでアンモニアを安定的に製造する技術体系を確立できてい���とは言えない状況。 水素もアンモニアもまだ実用化に時間がかかるとすれば、バイオエタノールやバイオディーゼルなどのバイオ燃料はどうだろう。実は、バイオ燃料でエネルギー的に黒字なのは、ブラジルのサトウキビ由来バイオエタノールだけ。他は軒並み製造時に消耗するエネルギーの方が大きい。エネルギー的に赤字。 ブラジルのバイオエタノールは、「砂糖を大量製造するついで」という好条件と、サトウキビの搾りかす(バガス)を燃料にして、バイオエタノールを水と分離する蒸留を可能にしているので、製造時の7倍以上のバイオエタノールがつくられる。これ、バイオ燃料の中で例外中の例外。 たとえばアメリカでは、トウモロコシを原料にしてバイオエタノールを生産しているが、製造に要したエネルギーより小さなバイオエタノールしか得られない。エネルギー的に赤字。作れば作るほどエネルギーが減る構造。いったい何のためなのやら、といった感じがする。 菜種油などの油を原料にしたバイオディーゼルでも、製造時に消耗したエネルギーより小さな量のバイオディーゼルしか製造できない。バイオ燃料は、ブラジルのバイオエタノールを唯一の例外として、「作れば作るほどエネルギーが減る」という実態がある。 「だけど航空機はSAFといって、バイオ燃料で一定程度飛ばすことが義務付けられているじゃないか」と思われる方もいるかもしれない。実は、理由は「二酸化炭素を減らしたい」から。バイオ燃料は作れば作るほどエネルギーが減ってしまうのだけど、二酸化炭素の排出は石油より少なくて済む。理由はそれ。 飛行機は恐らく、石油系の液体燃料か、バイオ燃料でないと今後も飛ばすことはできない。電気で乗客を乗せて飛ばすのは困難。飛行機はエネルギー的に大赤字の交通手段だが、これを飛ばし続けるには、まだしも二酸化炭素排出が少ないバイオ燃料に置き換えるしかないのかもしれない。 日本には大量の森林資源があるし、バイオ燃料もこれらを原料にすればいいじゃないか、発電にも利用すれば、と思われるかもしれない。しかし、日本の森林を全部伐採して発電に回したとすると、0.9年分は発電できるが、あと50年は電気無しで暮らしてもらわないといけない。その間、木は切れない。 森林は年に1億㎥成長するので、この分だけ発電に回すと、6日分の電力を作れる。あとの359日は電気無しの生活。このように、森林資源は大量にあるようだけれど、エネルギーとしてみると微々たるもの。石油エネルギーの巨大さ、安価さがこの点からもよくわかる。 石油がエネルギーして利用できなくなる時代がどうやら近づいている。2020年になって急にアメリカや中国の態度が変わり、脱炭素へと一気に舵を切ったのは、サウジアラビアなどの産油国から「EROIの数値が3を切る時代が見えてきた、石油がエネルギーとして利用できなくなる」と知らされたからでは。 上述したように、自動車、船、飛行機などの輸送機械のなんと98%が石油で動いている。電気でも、天然ガスでも石炭でもなく。だから、石油がエネルギーとして利用できなくなると、日本のように食料を海外から輸入し、田舎から都会へ食料を運んでいる国は、果たして成り立つのだろうか? 「石油がエネルギーとして役に立たなくなっても、天然ガスや石炭は資源としてまだまだあるじゃないか」という意見があるかもしれない。私もそう思う。「二酸化炭素で温暖化するなんてインチキだ、欧米が主導する世論操作だ」という意見もある。私もこの意見に一定の留保をつけていた。しかし。 ロシアによるウクライナ侵攻で、ヨーロッパはロシアから石油や天然ガスを入手できなくなり、エネルギー危機が起きた。もちろんこの時、石炭で急場をしのぐ一時しのぎの策は採られたようだが、石炭に逆戻りするのではなく、自然エネルギーへの転換を加速させているらしい。ということは。 どうやらヨーロッパ首脳は、二酸化炭素による地球温暖化説を真剣に受け止めているらしい。石油がなくなるなら天然ガスや石炭を燃やせばいいや、とは考えていないらしい。彼らがそう考えている以上、天然ガスや石炭の資源量が十分あると言っても、それを燃やしてよいとは言えない様子。 ならば今後は、石油、石炭、天然ガスといった化石燃料になるべく頼らず、自然エネルギーや原子力(これは資源に限りがある)でエネルギーを賄う社会にシフトしなければならないらしい。しかし、これは容易なことではない。石油はあまりに優秀なエネルギーだったが、他はそうでもないものばかりだから。 石油は1Lあたり(あるいは1kgあたり)で大量のエネルギーを蓄えている(エネルギー密度が高い)。常温で液体。パイプで簡単に送れて、タンクに入れておけば安全に運べて、保管も可能。燃やせば火炎という、発電するにもエンジン動かすにも都合のよいマイルドな反応。実に扱いやすい。 石油に近い性質を持つのはバイオ燃料だけれど、上述したように作れば作るほどエネルギーを減らしてしまう問題がある。天然ガスや石炭を原料に液体燃料を製造できるが、これだと二酸化炭素が増える。エンジンという素晴らしいパワー機関を、今後は利用することが憚(はばか)られる時代が来そう。 自然エネルギーで電気を作り、電池でそれを貯めてモーターを動かす電気自動車のような利用法が、持続可能性が高く、可能性があるが、電池の能力不足が深刻で、せいぜい乗用車どまり。物資の大量輸送を電気で実現できるメドはまだ立っていない。何より、農業をどうやって実現するのか? 今のおコメは「石油でできている」といって過言ではない。1kcalのおコメを作るのに2.6kcalの石油を燃やしている計算。コメを作るのに、化学農薬、化学肥料、トラクターの燃料などを用いる。これらはすべて石油などの化石燃料を利用する。石油がエネルギーとして利用できなくなったら、どうしたらいい? 江戸時代には、国民の約8割が百姓だった。戦後まもなくでも半分が農家だった。しかし今や農業従事者は152万人。国民の2%を切った。それだけの少人数で農業を営めるようになったのは、トラクターやコンバインなどの農業機械を石油で動かせるから。化学肥料を化石燃料を燃やして製造できるから。 しかし、トラクターのようなパワー農業機械を電気で動かすメドが立たない。北海道で農業機械メーカーが太陽電池で発電し、その電気でトラクターを動かせないか試算したことがあるらしいのだけど、トラクター1台動かすのに数億円かかるという非現実的な数字。そもそも電池でトラクター動かせない。 また、石油などの化石燃料を使えないとなったとき、化学肥料を製造できるのか、疑問がある。すでに述べたように、化学肥料の重要な原料であるアンモニアは、世界のエネルギー消費の1~2%をそれだけで占める。化学肥料は非常にエネルギー食いの商品。しかし、世界の食料を支えてもいる。 カナダの研究者、バーツラフ・スミルは、著書「世界を養う」において、化学肥料を一切使わない場合、地球は人類を何人養えるのか試算している。およそ30~40億人。現在の世界人口が80億人越えだから、半分以下。化学肥料がないと、人類は飢えることになってしまう。 石油や天然ガスなどの化石燃料に頼らずに化学肥料を製造する技術を開発せねばならない。しかし、太陽電池のように昼しか発電できないような気まぐれなエネルギーでは、化学反応のように一定調子が求められる、化学肥料製造に利用することは困難。 ハーバー・ボッシュ法に変わる、高温・高圧でなくてもアンモニアを製造できる技術の開発も進められているが、希少金属を触媒として利用せねばならず、まだ現実的ではない。研究はいろいろなされているが、各方面で「実用化はまだ」だらけ。 以上、「石油はまだまだある」という意見に対しては、採掘時に要するエネルギーよりもたくさんの石油を採ることが難しい時代に間もなく突入する(EROIが3を切る)という点を指摘する必要がある。また、「石油以外にもエネルギーがある」という意見に対しては、 自然エネルギーにしろ原子力にしろ、電気を作る技術ばかりで、その電気を貯める蓄電技術が十分ではなく、社会を安全に回すことができる保証がまだ立っていない。石油に代わる液体燃料を製造するのも困難。二酸化炭素はやはりあまり出さない方がいいらしい。などなど、問題山積。 何より、「大量の石油を燃やして食料を作る」という今の農業体系を改めることができるのか、心もとない。石油がなければトラクターは動かせない。電気や他のエネルギーで動かすことは容易ではない。強大な動力で少人数の農業、という農業体系は今後も維持できるのか、わからない。 「石油がエネルギーとして利用できなくなる」時代は、2020年を節目としてアメリカや中国などの指導者たちが宗旨替えをしたことからも、どうやらそう遠くないように思われる。不思議なことに、日本でも2020年から突然「みどりの食料システム戦略」というのがうたわれ始めている。 農業での化学肥料の使用を減らそう、という話なのだけれど、これ、研究機関にいたのに寝耳に水の話だった。それまで、化学肥料を減らしましょうなんて、農水省で議論されている雰囲気はなかったのに、突然。しかもアメリカや中国みたいな温暖化を否定気味の国の方針転換と同時。これは。 世界の首脳に、「石油がエネルギーとして利用できなくなる時代」が遠くないことが、伝えられたのではないかと私は推測している。石油がまだしも採れるうちに、太陽電池などの自然エネルギーの設備を整え、電気を貯める蓄電池の技術を開発しなければ!と、必死になっているのだろう。 まだ、太陽電池のエネルギーで太陽電池を製造できるめどが立っていない。もし石油がエネルギーとして利用できなくなったら、太陽電池を製造することもできなくなってしまう。世界の首脳は、「まだ石油が利用できるうちに」自然エネルギーを製造できる社会へとシフトさせようとしているのだろう。 それでも、まだまだ困難が予想される。安易に考えることはできない。ここまで上述してきたように、石油以外のエネルギーを実用化するにはいろんな課題があり、石油に置き換えることが困難。石油はそれだけ、超絶優秀なエネルギーだったということなのだろう。 食糧を作ることだって、石油が失われるとどうなるか分からない。今から急ピッチでシステムを構築できるのか、予断は許さない。その危機感を持って、技術開発を進めるばかりでなく、社会のありようも大きく変革する必要が出てくるだろう。これは私たち一人一人の課題でもある。
「石油はまだある」「石油以外にもエネルギーが」考|shinshinohara
3 notes
·
View notes
Text
8時55分
遅刻です。縦縞です。普通にビアゲを紹介します。
東愛莉
ちゃうかで1番唯一無二の声を持っていると勝手に思ってます。なんかうまく言語化できないけど、あず特有の何かがあるんですよね。演じ分けすごかった。オムニといい外公といい癖の強い役が続いてますね、新人も楽しみにしてます。
大良ルナ
ジャイアンになり���がらお菓子配るのツボすぎた。こんなにふざける子なんだなって思った秋でした。ついついこっちもふざけちゃいますよね、いつも返してくれてありがとうございます。90分尺でらいらのつよつよ演技見られたの最高でした。どうやら外部にも出るらしいですね、楽しみにしてます!
児
こたちさんのこういうテイストの役は初めて見た気がします。静かながらも芯のある役ってめちゃくちゃ難しいと思うんですよ。それをばっちりこなすこたちさん、最高の役者すぎます。3年間お疲れ様でした!
うみつき
ずっと野球の話してた気がする。ここら辺やとカープファン珍しいんや.. お前にいつか甲子園を教えてやろう。柳、結構ハマり役だったなーと個人的には思っています。独特な雰囲気が出てましたよね。新人がんばれよ!!!!!
統括のフォーニャー
ちゃうかで1番最初に舞台上で絡んだ人です。実は。衣装で持ち前のギャルセンスに頼り切りでした。普段の割��落ち着いた役がめちゃくちゃハマってて、安心感パなかったです。めっちゃはっちゃけた役も見てみたかったです... 3年間おつかれ様でした!
緒田舞里
頭上がらん人No. 1です。何度面倒見てもらったことか。どこにでもいたまりおさんがピタっ...ていなくなるの信じられなさすぎる。どんな役でも誰よりも悩んで練習してて、それなのに他の人のために駆けずり回ったりもするまりおさん、めちゃくちゃかっこよかったです!3年間お疲れ様でした!
白
最初の方全然稽古行けなくて、久しぶりに見に行ったら堂々と稽古場を回しているぶらんがいました。まじですごい。仕込みの頃には心配もとっくに消え失せてました。役者姿ももっと見てみたいな!新人期待してます!
埖麦
いつも眠そうにしてる気がする。栞やけど毎回どんな雑談してるか楽しみでした。サイゼリヤ輸入したのが1番好き。色んなゲームやっててむぎと同期だったらめちゃくちゃ楽しいだろうなーって思ってます。麻雀もしような^^キャパには気をつけるんやでー
岡崎仁美
外部に出て思ったのですが、色んなところに参加しまくっているカヌレさんすごいなと実感しました。舞監としての視野の広さも、こういう経験があるのからかなと思ったりしています。最後まで頼りになる人でした!3年間お疲れ様でした!
雨々単元気
大切な我が子です。新歓の体験稽古のときに怪盗ランマやってたと思うんですが、そのときはめちゃくちゃ恥ずかしがってた記憶があります。まさかこんなに舞台上で暴れられる役者になるとは...
めちゃくちゃ誇らしいです。楽しそうなてにがみんなは見たいんや!これからもよろしく!新人頑張ってね!!
舞原の絞り滓
外公からの温度差で風邪ひきそうでした。それでもあんな繊細な役をこなせるのはまほろさんしかいないなと思ってます。だけど慟哭してるときもめっちゃ好きです。せぶぬでいず鬼リピしてます。3年間お疲れ様でした!
じゃがりーた3世
怪盗の作者様!カヌレさんが親ならこの人は祖父的な感じでしょうか...?今回に本当に話の通じない人感がすごく出てて良かったです!安定の本番で真の力を発揮するレプトンさんでした。3年間お疲れ様でした!
オーム
初役者おつかれ様!最初と比べると見違えてよくなっててびっくりしました!ちゃんと舞台上で"役者"の立ち振る舞いが出来てて、すごく成長を実感しました。演劇楽しい!って思えてもらえてたら嬉しいです!新人も頑張れ!!
テキストを入力
すいたまといいちゃう90000といいフレンチシェフといい、ああいった役が1番似合うよね。自分はその人にしかできない役がある役者が最強だと思っていますが、これはエピにしかできないです。なんだよ...足長すぎだろ... 変な動きもっと見せてください。ツボなんで
アリリ・オルタネイト
子供特有のクソデカ甲高声まじで好きです。多分ビアゲで1番声出てました。英語喋るだけで爆笑かっさらえるのは後にも先にもイルルさんしかいないのではと思います!3年間お疲れ様でした!
大福子餅
ナレーションが板についてきましたね。Eテレデビューも近いかもしれん。最近こふくにインターネット語を喋らせようとする悪い輩が多発してますが、言っちゃあかんからな!絶対言うなよ!!!!!
叶イブ
イルルさんに負けず劣らず、ガキでした。それも違うタイプの。コントのときの煽りめっちゃ腹立って好きやった!個人的に主役見てみたいランキング1位!待ってます!!!新人も頑張れー!!!
はぜちかきつ
遅くなりましたが、ほんっっっっまにお疲れ様!!!1人楽屋にこもってパソコンと睨めっこしていたはぜは忘れられません。一回のこの時期にこんな色んなものを背負う経験をしたら、この先怖いものはないのでは?と思います。2年後が楽しみ!同期にはめちゃくちゃいじられてるけど、それははぜに対する信頼があるからやと思うし、自分もめっちゃ信頼してました。それをひしひしと感じた秋公でした。改めて、お疲れ様!新人も頑張ってね!!!!
2 notes
·
View notes
Quote
日米開戦の3カ月前、官僚や陸海軍、民間から選抜した若手エリートからなる「模擬内閣」が導いた結論は、「日本必敗」だった。このシミュレーションを行った首相直属の「総力戦研究所」では、何が議論されたのか。なぜその提言が黙殺され、日本は破滅へ向かったのか。 「必敗」の分析、東条英機らは耳貸さず 国力無視の発想が行き着く先 総力戦研究所が創設されたのは1940年秋だ。「近代戦は武力戦のほか、思想や政略、経済など各分野にわたる全面的国家総力になる」との見立てのもと、研究所の目的に、国力を踏まえた総力戦に関する「調査研究」と、戦略眼を養う「教育訓練」の二つを掲げた。 同研究所は、近衛文麿首相直属の機関と位置づけ、軍事に偏らず各官庁横断、軍・官・民横断の優秀な人材が招集された。資料によれば、「人格高潔・知能優秀・身体強健」で「将来、各方面の首脳者たるべき素質を有する者」を抜擢(ばってき)。年齢も「なるべく35歳まで」とされた。 第1期生は35人が選抜され、41年4月に入所した。所長を務めた飯村穣陸軍中将は同年夏に「模擬内閣」を組織し、石油資源を求めて日本が南方に侵攻し、日米開戦に至る想定で「総力戦机上演習(シミュレーション)」を行った。 「模擬内閣」で、「日銀総裁」役を務めた佐々木直は、戦後に日銀総裁に就任。ドラマ「虎に翼」の登場人物のモデル・三淵乾太郎も「司法相・法制局長官」役で参加し、後に最高裁調査官となるなど、優秀な人材が集められた。 「国力上、日本必敗」 シミュレーションでは、出身官庁から経済や貿易、資源などのデータを極秘情報も含めて取り寄せ、同年6月から8月にかけて精査��た。結論は、「日本敗戦」だった。 終戦時に陸軍少佐だった森松俊夫の著書「総力戦研究所」には、「海軍大臣(模擬内閣で海相役を務めた志村正海軍少佐)は、対米長期消耗戦は、国力上、日本必敗と論じ、他の閣僚もこれに同調した」と記述されている。 同研究所について作家の猪瀬直樹氏が記した「昭和16年夏の敗戦」でも、模擬内閣の出した結論を次のように記している。 〈奇襲作戦を敢行し、成功しても緒戦の勝利は見込まれるが、しかし、物量において劣勢な日本の勝機はない。戦争は長期戦になり、終局ソ連参戦を迎え、日本は敗れる。だから日米開戦はなんとしても避けなければならない〉 日米開戦直前の8月末、模擬内閣の討議の結果が首相官邸で報告されたが、当時の東条英機陸相(開戦時の首相)は熱心に報告を聞きつつも、「これはあくまで演習と研究であって、実際の作戦とは全く異なる」とこれを黙殺した。日本は40年9月に日独伊三国同盟を結んでおり、もはや後戻りできなかったのかもしれない。 結局、総力戦研究所は、敗戦が色濃くなってきた45年3月、立ち上げから4年半の活動に終止符を打ち、廃止された。 「日独伊3国条約締結記念大会」で、それぞれの国旗を背にあいさつする東条英機首相(当時)=1942年9月、東京の日比谷公会堂 真剣に考えているか疑った 日米開戦後の戦況は、東京大空襲や、ソ連の対日参戦など、「模擬内閣」が描いた通りのシナリオをたどった。 総力戦研究所の所長を務めた飯村元陸軍中将が戦後、自らの著書「兵術随想」で記した内容が、示唆に富んでいる。 飯村は、参謀本部内や総力戦研究所でシミュレーションを実施した理由を「(日本などの艦艇建造を制限するロンドン)海軍軍縮問題に起因(原文は「基因」)して、米国と戦うべしとの意見が盛んに行われ」「米国と戦ったならば、どうなるかを真剣に考えているかを疑」ったからだと明かし、「王手のない、敵との戦争がいかに困難であるかを知ってもらうため」だったと述懐した。決して王手に持ち込めない戦いというメッセージを、軍と政府の中枢が正面から受け止めていたら、その後の歴史はどうなっていただろうか。 また、日本が起こした行動に相手がどう反応するか、「『動と反動』の原則」を考える重要性を指摘し、こう短慮を戒めている。 「私どもは(中略)動を起こすに当り、起こるべき反動を考え、この反動の先々の先々まで考え、根気よく反動の行く先々を見守ったのであろうか。(中略)特に大東亜戦争以後、今日ただ今までの歴史は、われわれに何を教えているのであろうか。反省して見る。考えて見る。最も価値のある問題ではなかろうか」
「虎に翼」にも登場した総力戦研究所 黙殺された「日本必敗」の予測:朝日新聞デジタル
5 notes
·
View notes