#妻の寝言
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車の中で長女と次女が寝たフリをしだしたら、妻が「パパ、今二人共寝てるから言うんだけどさ〜」と丁寧な前置きをしてから「とっても優しくてかわいいよね〜」って子供達を褒め始め、「ほんとにな〜大好きすぎるよな〜」と僕も便乗したら、停車中に2人の口元がニヨニヨしてるのを確認できてかわいい。
車の中で長女と次女が寝たフリをしだしたら、妻が「パパ、今二人共寝てるから言うんだけどさ〜」と丁寧な前置きをしてから「とっても優しくてかわいいよね〜」って子供達を褒め始め、「ほんとにな〜大好きすぎるよな〜」と僕も便乗したら、停車中に2人の口元がニヨニヨしてるのを確認できてかわいい。
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鈴木拓さんの恋愛相談、田中みな実さんが相手でも鬼スパルタで草 田中「ふとした瞬間でも彼のこと好きって思ったら好きって言っちゃう。」 鈴木「好きとかってあんまり言わなくていいんです。何で言うの?相手��好きと自分の好きは沸点が違うんだから、付き合ったら『好き』なんて言わない方がいいし、聞かない方がいい。好きだ好きだ言ってる奴ほど別れる率高いんです。」 田中「じゃあどうすれば男の人を不安にさせられるんですか?」 鈴木「不安にさせなくてもいいんですけど、ある程度自由にさせるのが絶対条件。」 田中「私は『何時に帰ってくるの?』とか『誰と飲みに行くの?』とかって一切聞きません。」 鈴木「あんたは"私は聞きません感"を出してるんですよ。『本当は聞きたいけど聞かない私って物分かりの良い女でしょ?』という魂胆が透けているのが重いんです。」 田中「深夜の四時でも彼が帰ってきたらお水出して『大丈夫?飲みすぎちゃった?』って言える女ですよ。私は。」 鈴木「そんなことしなくていいんですよ。そのまま寝てたらいいんです。そっちの方が可愛いし、男も気を使わないじゃないですか。」 田中「なるへそ(怒)じゃあ男の人って何で本妻や本命の彼女を大切にしないんですか?」 鈴木「ちゃんと本妻や本命の彼女を大切にする男はいますよ。何がおかしいのかって、多くの女性は真面目で地味なつまらない男を好きにならないんですよ。危険な香りがする男しか見てないのはあなたでしょ。だから犯人はあなたんですよ。(高笑い)」 田中「ああああああぁぁぁぁあ(狼狽)」
田中みな実、自身の恋愛の現状明かす「一言でこじらせてるなんてまとめられたくないくらい本当にやばい状態」 | ガールズちゃんねる - Girls Channel -
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溶けたバターみたいな頭の中
園子温が1番好きな映画監督だった。でももうダメだ。愛のむきだしが1番好きな映画だった。でももうダメだ。
*
妻子が1週間ほど帰省していた。ほんの1週間ぶりでも乳幼児の成長はめざましく、手をぶんぶんぶんぶん上下に素早く振り回せるようになった。食卓を叩く。浴槽の水面を叩く。アジリティが発達している。視覚は自分の下肢を発見したらしく、器用に掴んだ足首を驚くべき柔軟性で口元へ運び、威勢よくほおばっている。入浴と寝かしつけが俺の仕事なのだが妻の顔が見えなくなるとすぐに猛然と泣き叫ぶようになってしまった。母親の存在は自我と同一で、父親は初めて出会う他者なのらしい。最初の他者。最初の人間。カミュみたいで結構じゃあないですか。世界と出会う過程にある。きっと��語を超えたスピードで、大人だったら気が狂ってしまうような。
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一日出勤してまた大型連休と、秀一は新しく引っ越してきたアパートの荷物整理をしていた。この四日間で終わらそうと段ボールに入ったものを確認しながら、
「果たして終わるだろうか?」
と、一度は取っておこうとしたものをゴミ袋に入れたりと骨折った。
秀一は、黒いカットソーにジーンズという格好で片付けをし、昼食は最寄りのコンビニで弁当を買って済ませた。ベランダの物干しには昨日着た白いワイシャツやビキニブリーフなどが風になびき、天気も良かった。嗚呼、こんな時は近くのT天満宮にでもお詣りを兼ねて周辺を散策したいなァと、内心は思いつつ、未だ解体していない段ボールを見ると溜息をついた。
部屋は「二LDK」だった。つまり、八畳の洋室が二室、その一室に隣接する様に台所があり、トイレと浴室は別である。ようやく寝室として使う部屋が片付き、彼はストレッチをしようとベランダに出た。すると、フェンス越しに何処かで見たことがある青年だなと、彼は声をかけた。相手も、嗚呼、益子先生だなと気付いて振り向いた。黄色いTシャツに、長袖の青が主のマドラスチェックのシャツを羽織り、ベージュのチノパンツを穿いていた彼は、翔だった。彼は何故か洗濯物の方に視線が向き、白いビキニブリーフを見るとこう言った。
「先生、ブリーフなンすね」
秀一は何故そっちに目が向くンだよとツッコミを入れたくなったが、敢えて聞き流したのを装い、
「何、散歩?」
と聞いた。
「はい、ちょっと買い物でも行こうかと思って」
「ちょうど引っ越しの合間で休んでいたンだけど、上がる?」
「え、イイんですか?」
「コーヒー淹れてあげるよ」
翔は上がり框で靴を脱ぎながら、教壇から見て一番奥の右側に座っていたのによく顔を憶えたな、と怖くなった。これまで塾の講師に横恋慕はしたが叶わなかったこと以外は、一度も父親を除く男にはほぼ関わりがなかった彼にとって、秀一の部屋に入ることにドキドキしていた。昨日、初めての射精を経験したのに股間が熱くなるのを感じた。嗚呼、あのブリーフでオ◯ニーしたい…。秀一がペーパーフィルターをドリッパーにセットしている間��彼はその後ろ姿を見詰めながら、カットソーからうっすらと浮き出ているタンクトップの線に男らしさを感じていた。どんなスポーツをやっていたのだろう?と、彼は思った。
マグカップにコーヒーを淹れて秀一がテーブルに置くと、彼は自分のものを口に付けた。彼は聞いた。
「確か、一年二組にいたよね?」
「はい、諸井翔と言います」
「ふ〜ん、今時の名前だね」
「父が『薫』って言うンです」
「お父さんは何やってるの?」
「システムエンジニアです。海外出張が多くて…」
「じゃあ、大変だね〜」
翔の父親は、今はインドの方に長期滞在している様だった。三ヶ月に一度は帰って来るが、一週間以内にはすぐ戻ってしまう。ずっと父親がいない日々を送っていたからか、思春期の頃に色々話したいことはあったができずにいた。たまたま話す機会があっても、
「お母さんに話しなさい」
と応じてくれなかった。
彼は、母親がいない時には父親のクローゼットを開けては背広やトランクスなどの「匂い」を嗅ぎ、淋しさを紛らわせていた。未だ性衝動が起きない頃である。ともかく男のいない周辺がつまらなかった。小、中学生の時は女性の教師がずっと担任だったし、優しい言葉かけもあまりなかった。色々と昔を振り返りながら、彼は秀一と話をし、次第に好意を持つ様になっていた。オレに何故、こんなにも優しいのだろうと。翔は、
「早くゴールデンウィーク、終わらないかなァ…」
と言った。
「早く皆と仲良くしたいよ」
「先生も、寮の宿直、やるンでしょ?」
「うん、するしかないよねぇ〜」
すっかり二人は打ち解けた様だった。
昨夜、「別荘」で一夜を過ごした貢は朝食を作って亮司と一緒に食べた後、K高校と単科大学の間にある自宅に戻って行った。一応、養子に迎えた甥の夫婦と同居しているのだが、孫と一緒に出掛ける約束をしていると亮司に話した。彼は、
「親父は『バイ』だったけどオレは『ゲイ』だから」
と話した。世間体で結婚はしたが「インポテンツ」を理由に子作りができなかったと、女房には話していると言った。亮司は、
「全然『インポテンツ』じゃねぇだろうよ!? オレのケツの穴、バッコンバッコン掘ってたじゃん!」
と言った。
「そんな下品な言い方すンなよ!」
と、流石にオレにもデリカシーはあるンだと、貢は口調を強くした。それでも別れる時には接吻を求め、
「今のオレには亮ちゃんが必要なンだ」
と怒っている様子はなかった。
再び一人になった亮司は、休みだが刈払いでもやるかと作���服に着替え、麦茶を淹れた水筒を片手に土手の方へ歩いて行く。未だ五月になったばかりなのに長袖では日差しが強く、少し動くと汗ばむ陽気だった。グランドではサッカー部が練習に励み、陸上部もトラックを走っていた。嗚呼、懐かしい風景だなと亮司は思った。彼は、トラックを走る一人の生徒を秀一と重ねた。
当時、都立A高校に赴任していた亮司は、その年の四月に秀一と出会った。中学校の頃から陸上部に所属し、総体でも優秀な成績を残していたが母子家庭だった彼は所謂「鍵っ子」だった。姉がいたが大学へは行かずに看護師をしていた。入部して早々、
「先生。オレ、頑張ります」
と誓った。もしかしたらあの頃から彼はオレを好いていたのかもと、亮司は振り返った。
まさか、その秀一がこの私立K高校に入職するとは…。できれば深々と帽子を被ってコソコソと仕事をするしかないなと、亮司は思った。あとは、昨日寝た翔にも「口止め」をしておく必要がある。彼は土手の刈払いをしながら、何とか秀一に知られずに済む方法を探っていた。
寮では、正美が自分の部屋でオ◯ニーをしていた。カーテンを閉め、密かに自宅から持って来た『薔薇族』のグラビアを眺めながら、スエットパンツの片方を脚に絡ませたまま、赤と青のラインが施されたセミビキニブリーフ越しに股間を弄っていた。すでにチ◯ポは硬くなり先走り汁も滴っていた。時折、包皮の先端から覗かせる口先を手指で「こねくり回し」ながら、
「あッ、あん、気持ちイイ…」
と漏らした。乳房も「勃ち」、次第に血の流れが激しくなっているのを実感していた。
正美は精通が遅かった。中学二年の終わり頃、たまたま更衣室で着替えていた男性教師の姿をドアの隙間からたまたま見え、興味を持って覗いてしまったのがきっかけだった。その教師は、当時は四十代前半で社会を教えていたが、剣道部の顧問をしていた。髪を七三分けにし、若干白髪もみられていた。正美の母親の幼馴染でもあり、たまに自宅にも来ていた。謂わば「近所のおじさん」でもあったが、この日ばかりは一人の男として見ていた。ジョギング型のチェック柄のトランクスから縦縞のビキニブリーフに穿き替える時に、シルエットではあったものの剥き出しになったチ◯ポが見え、ビキニブリーフを穿く時に一瞬持ち上がる様子に正美は興奮し、初めて性衝動を覚えたのだ。
実は、正美が同性に興味を持った要因がもう一つあった。母親と姉が、所謂「やおい系」の漫画が好きだったことである。時折、幼馴染であるその男性教師にも母親は見せていた様で、
「���子ちゃん、そんな漫画を正美君に見せるなよ。影響しちゃうから」
と注意していたのを密かに見ていた。正美の母は、
「たかが漫画でしょ? 絶対にないわよ。周ちゃんだって女の子のスカートめくり、再三してたでしょうよ。中学校の先生になったと聞いてびっくりしたわ」
その男性教師は、八坂周二と言った。八坂は、
「あれは、年頃の男の子なら誰にでも起こり得るンだよ」
と言った。
「あらあら、そうやって正当化するンだから…。まァ、正美が万一『ホモ』に目覚めてもアタシは構わないけどね〜」
その母親の言葉通りに、正美は同性に目覚めてしまったのだ。しかも、八坂という父親の次に身近だった男に対して。彼は、八坂が更衣室に入る時間を見計らっては覗き見、トイレの個室でオ◯ニーをした。
そんな日々に終止符を打つ出来事が起こった。いつもの様に正美が八坂の着替えている様子を覗いていた背後に、一人の女性教師が声をかけた。彼は慌ててその場から立ち去ったが、翌日になり八坂が呼び出したのだ。相談室に導かれた正美は血の気が引いた様子で、
「…先生! オ、オレ…先生が好きになっちゃったンです!」
と、いっそのこと「告って」しまった方がイイと思い、言った。その言葉に対し、八坂は両腕を組みながら困った表情を見せた。しばらく沈黙していたが、
「…正美君が好きなのは、おじさんではなくてオレの肉体だろ? 部活の時はトランクスじゃ袴付けた時に落ち着かないからビキニブリーフに取り替えてるだけだけど…。君の様な齢の男の子は肉体も変わっていくから興味を持つのは仕方ない。でも… 」
と言葉に詰まった。正美は嗚咽を上げながら、
「…だ、だって、おじさんのチ◯ポ見たら、何かドキドキしちゃって、アソコ勃っちゃったンだもん」
と本音を言った。八坂が溜息をついた。まさか、京子ちゃんに注意した言葉が現実になるとは…。彼は考え込んでしまった。オレには妻子もいるし、一度も男をそんな目で見たことがない。どうしたら良いかと、この日は結論を出せずに終わった。
次の日、八坂は正美が塾で遅くなるのを見計らって京子に話をしたいと、学校帰りに寄った。これまでの経緯を話したが、彼女は爆笑しながら言った。
「う、嘘でしょ!? 周ちゃんの何処が、正美が好きになったのよ? まァ、チ◯コは貞子さんにしか解らないだろうけど…そんなにイイもン持ってるの?」
「京子ちゃん! 笑いごとじゃねぇよ! オレ、困ってるンだよ! 正美君がオレの肉体に欲情してオ◯ニーしてるンだよ!? どうしたらイイんだよ!?」
「いっそのこと、抱いちゃったら?」
「バ、バカ言うな! オレは教師だぞ!? そんなことしたら…」
「だって、正美が周ちゃんを好きになっちゃったンでしょ? 応えてあげてよ〜。あぁ見えてあの子、意外と寂しがり屋なのよ。旦那も連日仕事で忙しくて構ってあげられないしさァ…。大丈夫、教育委員会に告発することはしないよ」
「だ、抱くって…」
「いくらでもあるじゃな��? 車の中とか」
コイツ、正気でそんなことを考えているのか? まァ、昔からズレてるところはあったけど…。八坂は深く溜息をついた。
色々考えた挙げ句、一度くらいだったらと八坂は授業の後に正美に声をかけた。ちょうど塾へ行く日ではなかったので了承し、学校が終わると人気のないところに停めた八坂の黒いセダンに乗った。車を走らせながら、とんでもない過ちを犯したらどうしようと不安になりながら八坂は山林の中にあるモーテルに向かった。
正美は、まさか八坂が所謂「ラヴホ」に連れて行くとは想像もしなかったが、部屋に入ると彼は家にあった「やおい系」の漫画の通りに、
「…おじさん、抱いて」
と接吻した。唇が重なると、自分の女房以外とは「キス」をしたことがなかった八坂は徐々に溶ける様な感触に理性が失せていくのを感じた。気付くと、正美をベッドの上で学生服を脱がしていた。彼もTシャツとトランクスだけになり、卑猥なテントの先端が先走り汁で濡れているのを認めた。オレもその気があったのか…!? そう疑いつつも勢いで、教え子で京子の子どもでもある正美の開いた内腿に下半身をうずめた。白地に黒くブランド名が施されたウエストゴムの、正美のセミビキニブリーフもいやらしいほどに真ん中が隆起していた。正美は、
「おじさん! 欲しい、欲しいの!」
と、離さじと八坂の背中に両腕を回しながら訴えた。
その後、無我夢中に肉体を弄んだ挙げ句、二人は絶頂に達した。八坂は、
「ま、正美君! おじさん、イクぞ!」
と、黄色い声を上げながら正美の身体に愛液をぶちまけた。これまで経験したことのないエクスタシーを感じた一方で、
『オレの人生は、終わった』
と呟いた。嗚呼、教師失格だと空虚感も込み上げてきた。一方、正美は八坂と自分の愛液にまみれた身体を見ながら、
「お、おじさん…。スゴい」
と至福の様子だった。これで良かったのか? 正美君があんなに喜んでいる。オレは彼を抱いて正解だったのか? 未だに萎えることのない肉棒を両手で覆いながら、
「正美君…。御免、御免よ…」
と罪責感の故に号泣した。
そんな、八坂にとっては情けないと悔やんだ情事だったが、正美は勉強に集中できる様になったと喜んだ。彼の母である京子も、八坂は一緒に寝たと自白はしておいたが、
「勉強を教えるよりセッ◯スする方が才能あるンじゃない?」
と高笑いされ、
「オレは教師だぞ!? 男娼じゃねぇよ!」
と突っ込んだが、定期的に正美と寝る様になった。その時ばかりは、時折部活動の時にしか穿かないビキニブリーフを選び、正美を欲情させた。いつしか「イク」時の切迫感が彼にはエクスタシーとなり、
「…ま、正美君。おじさんと気持ち良くなろう」
と、すっかりただの「エッチなおじさん」と���していた。
正美は、高校に入学してから、八坂も密かに『薔薇族』を愛読していたのを知った。道理で手慣れているなと、情事を重ねる度に疑ってはいたが…。彼は、八坂の接吻する時にタバコの「匂い」が漂う柔らかくて分厚い唇と、うっすらと胸元に生えた体毛、そして血管が脈々と浮き出る勃起したチ◯ポを思い出しながら、
「…おじさァ〜ん、もっと欲しいのォ〜」
と声を上げた。
オルガズムは、ブリーフの中に淫液を漏らした。生温かくねっとりとした感触が股間全体を覆い、正美は背徳感を覚えた。このシチュエーションも、実は八坂の性癖だった。受験シーズンが終わろうとしていた時に、執拗に彼自身も穿いていたトランクスに「中出し」をし、
「…お漏らししちゃった」
と赤面していたのだ。この頃にはすっかり正美を教え子でも幼馴染の子どもでもなく、自分の「慰めもの」の様になっていた。
「…セッ◯スしてぇ」
彼は、淫液で汚れたブリーフを脱いで洗面台のシンクで冷水に浸し、黄ばまない様に衣類用ハイターを加えながらシャワーを浴びに行った。
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Rewind 02
「どういう意味だ、ヤス?」
運転席に座るマックスは、バックミラー越しに安川の顔を覗き込みながら、特に気にした様子もなく、軽い口調で尋ねた。
彼の巨大な体躯は、SUVの運転席ですら少し窮屈そうに見える。ステアリングを握る、岩のようにゴツゴツとした大きな手が印象的だ。
「何が物足りなかったんだ? もっとこう、レッドカーペットでも敷いて、ファンファーレでも鳴らした方が良かったか? ハッハッハ!」
彼は冗談めかして笑った。 その陽気さは、親しみやすい魅力に満ちている。
「そういう派手な演出にしてほしいって意味じゃないんです」
安川は後部座席で、ゆったりと体を預けながら、いたずらっぽい笑みを浮かべた。
「例えば」 彼は言葉を選びながら、しかし確信を持って続ける。 「マックス。あなたの、その鍛え上げられた素晴らしい肉体。そして、ジーンズの下に隠された、きっとボリューム満点であろう男性器。それを、もっとはっきりと、最初から僕に見せるような状態で出迎えてくれたら、今よりずっと『グレイト』な出迎えになったんじゃないかな、って思うんです」
安川の言葉に、マックスは一瞬、きょとんとした顔をした。
「俺の……チンポを? なんでまた?」 彼は不思議そうに首を傾げる。
その反応は、純粋な疑問であり、嫌悪感や羞恥心は微塵も感じられない。
「だって、マックスはヒーローですよね? ヒーローの肉体は、市民への希望の象徴でしょ? それなら、何ひとつ隠す必要なんてない。肛門のシワひとつ隠す必要なんてないんですよ。むしろ、見せつけないと。それに……」
安川は少し間を置いて、マックスの反応を窺うように続ける。
「さっき、空港で見せてくれたヒーローらしい真剣な表情。あれはすごく良かった。ゾクゾクしたよ。あの表情のまま、もっと僕の思う通りの、そう、変態で、倒錯的な内容と演出に変えることができたら……。例えば、手を繋ぐ代わりに、もっと別の、親密な繋がり方をするとか。そうすれば、最高に『グレイト』な出迎えになると思いますよ」
安川は、にこやかに、しかし有無を言わせぬ口調で言い切った。
マックスが困惑したような表情を一瞬浮かべる。しかし、何かを言いかけた���ックスの言葉を遮るように、安川は言った。
「実際に試したほうが早いですね。それじゃあ、『リワインド』しましょうか」
その言葉を発した瞬間、安川の意識を除いて、世界は眩い光に包まれ、急速に巻き戻っていった。
マックスとサラの会話も、安川自身の言葉も、全てが逆再生されていく。
車の窓の外の景色が逆再生される。 空港の駐車場、ターミナルビル。 そして、到着ゲートへと、時間は瞬く間に遡った。
そして。 再び、安川は飛行機から降り立ち、空港の到着ロビーへと歩き出していた。
先ほどと全く同じ光景。 しかし、何かが決定的に異なっている。
例えば、壁に掲げられた巨大なポスター。 ヒーローたちが勇ましいポーズを決めている。 しかし、ザ・グレイトマキシムのポスターだけは、明らかに異様だった。
ポスターの中のグレイトマキシムは、先ほどと同じように両腕を広げ、自慢の筋肉を誇示している。 しかし、その体には、一切の衣服がなかった。元々着用していたはずのヒーロースーツは跡形もなく消えている。
逞しい胸筋、硬質な腹筋。 そして、その股間には、修正も隠蔽もなく、彼の男性器が堂々と描かれている。
ポスターの中。 ザ・グレイトマキシムは、リワインド前と変わらず、誇らしげな笑顔を浮かべたまま、しかし、全裸の状態で、自身の肉体を誇示しているのだ。
安川は、その変化に対して、満足げに頷いた。 デジタルサイネージに目を向けると、そこにも変化が起きていた。
流れているのは、ヒーローたちの活躍を伝えるニュース映像ではない。そこには、ザ・グレイトマキシムこと、マックス・パワーズの、極めてプライベートな映像が、赤裸々に映し出されていた。
トレーニングルームで汗を流す姿。 シャワールームで、無防備に体を洗う姿。
自室でペニスを扱き、射精する姿。 あるいは、寝室で妻と激しく体を重ね合わせる姿。
それらの映像が、公共の場で、何の注釈もなく淡々と繰り返し流されている。
しかし、周囲の人々は、その異常な光景に何の反応も示さない。 誰もポスターやサイネージに特別な注意を払うことなく、足早に行き交っている。彼らにとって、それがごく当たり前の日常風景であるかのように。
安川は確信し、思わず舌なめずりをした。 自分の『能力』は、スーパーヒーローが存在するアメリカという国でも、有効である、と。
この能力を使って、日本では男たちを『飼育』してきた。 教師、警察官、スポーツ選手、エリートサラリーマン。 彼らの尊厳を踏みにじり、常識を歪め、欲望の捌け口としてきた。
だが、本物のスーパーヒーローを相手にするのは、初めてだった。
体の奥底から、言いようのない興奮が湧き上がってくる。 この筋肉と男らしさが支配するヒーロー大国で、一体どんな『飼育』が可能になるのだろう。
期待に胸を膨らませながら、再び到着ゲートへと向かった。 そして、人垣の中に、目的の人物の姿を捉える。
マックス・パワーズ。 そして、もちろん、その隣には妻のサラがいる。
しかし、安川の目に映るマックスの姿は、先ほどの記憶とは全く異なっていた。
彼は、全裸だった。
頭のてっぺんからつま先まで、一切の衣服を身に着けていない。 その鍛え上げられた肉体が、空港の蛍光灯の光を浴びて、生々しく輝いている。
分厚い胸板、隆起した肩と腕の筋肉、硬く引き締まった腹筋、そして、力強く大地を踏みしめる太い脚。 その全てが、何の隠し立てもなく、衆人環視の中で晒されている。
そして、彼の股間。 そこには、安川が先ほど想像した通りの、いや、想像を超える、見事な男性器がぶら下がっていた。
脱力した平常時であるにも関わらず、それは驚くほどの太さと長さを持っている。
先端の亀頭部分は、やや赤みを帯びており、その半分ほどが、柔らかそうな包皮に覆われている。 安川の好みにぴったりの軽度の仮性包茎だった。
包茎かどうかは改変の対象ではない。 そのため、元々、ザ・グレイトマキシムは仮性包茎なのだ。
亀頭の下には、太く張った竿が続き、その根元には、黒々とした硬そうな陰毛が豊かな量で茂っている。 そして、その下にはずっしりと重そうな二つの睾丸が、皺の寄った陰嚢に収まっている。
ヒーロースーツの内側に隠されていた秘密。 それが全て曝け出されている。 その光景に、安川は、思わずゴクリと喉を鳴らした。
リワインド前の記憶では、マックスはTシャツとジーンズを着ていたはずだ。その白いTシャツとブルージーンズ、そして、その下に着ていた��あろう白いブリーフを、マックスは小脇���抱えていた。
BVDの、シンプルな白いコットンブリーフ。 スーパーヒーローが、日常的に履いている下着を目にして、安川は妙な興奮を覚えた。
そしてもちろん、マックスの隣に立つ妻のサラも、周囲の人々も、こんなにも存在感のあるこの大柄で筋肉質なスーパーヒーローに対して、全く何の反応も示していない。 それが当たり前であるかのように、ごく自然に全裸のスーパーヒーローは人々の行き交う空港の中に溶け込んでいた。
『マックス・パワーズは、常に全裸で過ごす。それは当たり前のことであり、誰も違和感を抱かない』。
安川は、何食わぬ顔で、マックスとサラに歩み寄った。
「あの……マックスさん、サラさん、ですか?」
声をかけると、マックスがこちらを向く。 その顔には、リワインド前と変わらない、太陽のような笑顔が浮かんでいる。
「おおっ! 君がヤスヒロか ウェルカム・トゥ・ステイツ!」
マックスは、大きな声でそう言うと、全裸のまま、ためらうことなく安川に歩み寄った。 逞しい両腕で、安川の体を強く抱きしめると、その汗ばんだ熱い肌から、体温が直接伝わってくる。筋肉質な裸体から立ち上る男性特有の匂いが、安川の鼻腔を刺激した。
マックスはハグを終えると、にこやかに笑みを浮かべる。
「俺はマックス! こっちは妻のサラだ。長旅、疲れただろう?」 言いながら、マックスは腰にを突き出し、巨大な男性器に手を添えて、安川に向けて差し出した。
『マックスにとって、ヤスヒロとの握手とは、手を握り合うことではなく、一方的に自分のペニスを握らせることが握手である。それは当たり前のことであり、誰も違和感を抱かない』
安川は、差し出されたマックスのペニスを、遠慮なく両手で恭しく握り、包み込んだ。
ずっしりとした重みと、生々しい熱が、手のひらに伝わってくる。 想像以上に太く、そして硬い。
平常時でこれだ。 勃起したら一体どれほどの大きさになるのだろうか。
「は、はじめまして、安川康弘です。よろしくお願いします」
安川は、マックスのペニスを握ったまま、挨拶をした。 マックスは、満足そうに頷いている。
「よろしくな、ヤス! これから家族だ、遠慮はいらないぞ!」 遠慮はいらないということなので、安川は好きなだけその肉厚なスーパーヒーローのペニスを握り、感触を楽しむ。
「まあ、マックスったら、そんなに強く握らせたら、ヤスくんの手が疲れちゃうでしょ」 サラが、微笑みながら言う。 彼女にとっても、この光景はごく自然な挨拶の一部なのだ。
「おっと、すまんすまん」 マックスは笑いながら、頭をかいた。 サラの言葉を完全に無視して、安川は、マックスのペニスを握る指に力を込める。 親指を使って、亀頭を覆っている包皮を、ゆっくりと、しかし確実に、後ろへと引き剥がしていく。
ずるりとした感触と共に、包皮が剥かれ、濃いピンク色をした亀頭の全貌が完全に露わになる。 包皮を剥かれても、マックスは、特に気にする様子はなかった。
『マックスは、ヤスヒロと握手する際に、ペニスの包皮を剥かれたとしても、それは当たり前のことであり、恥ずかしいことではなく、誰も違和感を抱かない』
安川は、露出した亀頭を、指の腹で優しく撫でる。 それから、ペニスの根元へと指を滑らせ、そこに茂る硬い陰毛の感触を楽しんだ。 まるで犬の毛並みを撫でるように、指で梳かし、その量と硬さを確かめる。マックスは、くすぐったそうに少し身じろいだが、嫌がる素振りは見せなかった。
「はじめまして、安川くん。サラよ。遠いところ、よく来てくれたわね。疲れたでしょう?」 サラが、安川の肩に優しく手を置いた。 彼女は、夫のペニスを熱心に愛撫していることについては、全く意に介していないようだった。
「いえ、大丈夫です。サラさん、お綺麗ですね」 「あら、嬉しいわ。ありがとう」
リワインド前と同じ会話が交わされる。 しかし、その間も、安川の手は、マックスのペニスを握り続け、撫で続け、弄び続けている。
『マックスとヤスヒロの握手はどんなに長くても、それは当たり前のことであり、誰も違和感を抱かない』
安川の執拗な愛撫に、マックスのペニスが、徐々に反応を示し始めていた。 ゆっくりと、しかし確実に、熱を帯び、硬さを増していく。 手のひらの中で、それが力強く脈打つのを感じる。 亀頭がさらに膨らむと、包皮は完全に押しやられて、もはや後退したまま戻ってくる気配はなかった。
『マックスは、ヤスヒロと握手する際に、仮にペニスを刺激されて勃起してしまっても、それは当たり前のことであり、恥ずかしいことではなく、誰も違和感を抱かない』
「ハッハッハ! さすがヤス、見る目があるな! 俺の自慢の妻なんだ!」 マックスは、半ば勃起しかけたペニスを安川に握らせたまま、サラの肩を抱き寄せ、誇らしげに言った。
安川はマックスのペニスを握り、扱き続ける。 無言の時間が続く。
安川は、手のひらを上下に素早くストロークさせ、時には根本を強く握りしめ、時には亀頭だけを指先で集中的に攻める。
マックスの呼吸が、少しずつ荒くなっていくのが分かる。 彼のペニスは、もはや完全に勃起し、安川の手の中で、硬く、熱く、脈打っていた。 亀頭は、興奮でさらに濃い色になり、張り詰めている。
「ふぅ……っ、はぁ……っ」 マックスの口から、熱い吐息が漏れ始める。 それでも彼の表情は依然として穏やかで、安川の行為を咎める様子は全くない。 しかし、額から汗の玉が浮かび、静かに流れ落ちている。
しばらくの間、安川は無言でマックスのペニスを扱き続けていたが、彼の尿道口から、透明な体液が滲むのを確認すると、それを指先で拭い、ぺろりと舐めとった。
少し塩気のある我慢汁の味。
彼がアメリカ人だからだろうか? それとも、スーパーヒーローだからだろうか?
安川には、その味が日本の男性の我慢汁よりも濃厚であるように感じた。
「マックスさん、そろそろ行きましょうか?」 安川は手を止めると、マックスの顔を見上げた。 「おお、そうだな!」 長い挨拶が終えて、マックスはすっきりとした表情で頷いた。
「さあ、行こうか! 車を駐車場に停めてあるんだ」 マックスはそう言うと、くるりと踵を返そうとした。 しかし、すぐに立ち止まり、再び安川に向き直る。
次の瞬間には、彼の表情はヒーローらしい真剣な顔つきに変わる。 リワインド前と同じように。
「ヤス、その前に、一つだけ言っておくことがある」 彼の声は低く、威厳に満ちている。 「アメリカは、日本と違って、時々物騒なことも起こる。だから、絶対に俺から離れるな。いいな?」
そして彼は、安川の手を取ると、散々、弄ばれ、今や完全に硬く勃起した自らのペニスを握らせる。
「いいか、ヤス。俺のチンポから絶対に手を離すな」
ヒーローとしての、力強く、頼りがいのある表情。 その言葉には、一片の恥じらいも、ためらいもない。 しかし、その口から発せられる言葉は変態的な内容だ。
「いや、握るだけでは、まだ安全とはいえない。空港内は特に危険が多いからな。俺が安全を確認するまで……いや、俺が完全に満足できるまで、いや、安心だと判断できるまで、つまり、この空港のど真ん中で、俺が熱くて濃厚な精液をたっぷり射精するまで、しっかり手コキをしてほしい。それが、君の安全を確保する唯一の方法だ。分かったな?」 真剣なまなざしを安川に向けながら、マックスは指示した。 チンポを握って射精するまで、手コキしてほしい。 安全を確保するために。
そこにはヒーローとしての強い責任感と、倒錯的な要求が、奇妙に同居している。
安川が、この頼りがいのあるヒーローの口から聞きたかった言葉。 それは、現実のものとなった。
内心の歓喜を抑えながら、安川は、力強く頷く。
「分かりました、マックス。安全のために、あなたのチンポを、しっかり手コキします。あなたが射精するまで、絶対に離しません」
「よし、いい子だ」 マックスは満足そうに頷くと、安川の手の動きに、自身の腰をわずかに揺らし始め��。
安川は、両手を使って、マックスの熱く硬いペニスを、本格的に扱き始める。 根本から先端まで、ゆっくりと、しかし力強く。 時折、亀頭の裏側の敏感な筋を、親指で強く擦り上げる。 マックスの喉から、くぐもった呻き声が漏れ始める。
「ん……っ……はぁ……」 再び彼の呼吸は、徐々に荒くなっていく。 額には汗が滲み、首筋の血管が怒張している。
周囲の人々は、相変わらず無関心に通り過ぎていくだけだ。 もちろん妻のサラも、自分の夫が少年に手コキされているその状況をはっきりと認識しながらも、微笑ましそうに見守っていた。
「はぁ……っ……いいぞ、ヤス……その調子だ……もっと、そこを、チンポの裏筋をしっかり刺激するんだ……」 マックスは、快感に喘ぎながら、安川に指示を出す。 安川は、言われるがままに、扱くスピードと強さを上げていった。 マックスのペニスは、もはや完全な臨戦態勢と言わんばかりに太く膨張しきって、熱く脈打っている。
亀頭の先端からは、透明な先走り汁が、絶えず溢れ出していた。
「く……っ……もう、だめ……だ……出る……っ!」 マックスが、喘ぎながら叫んだ。 しかし、安川は、その言葉を聞いても、手を止めなかった。
「まだだよ、マックス。僕が『いい』って言うまで、我慢して」 安川は、冷たく言い放った。
『マックスは射精する前に、必ずヤスヒロの許可を得なければならない。それは当たり前のことであり、恥ずかしいことではなく、誰も違和感を抱かない』
リワインドされ、新しく絶対的な掟として世界に定着したルールに従って、苦悶の表情で、マックスは必死に射精感をこらえている。
「う……ぐ……っ……わ、分かっている……っ……」 マックスは、全身を震わせながら、限界ぎりぎりのところで耐えている。 安川は、その苦しむ姿を、満足げに眺めていた。
「よし、マックス。『宣言』を開始していいよ」 安川が許可を与えたのは、射精の許可ではなく、『宣言』の許可だった。
その瞬間、マックスの表情が一変する。 彼は、苦悶の表情から一転、軍人のように背筋を伸ばし、右手を額に当てて、完璧な敬礼の姿勢をとった。
そして、空港のロビー全体に響き渡るような、力強く、張りのある大声で、『宣言』を開始した。
「スーパーヒーロー、ザ・グレイトマキシム! 本名、マックス・パワーズ! 年齢35歳! 身長193センチ! 体重115キロ!」
彼の声は、自信と誇りに満ちている。 周囲の人々が、何事かと一瞬、彼の方に視線を向けるが、すぐに興味を失ったように、また自分の用事へと戻っていく。
「俺は今ッ! アメリカ合衆国の国際空港の到着ロビーという、公共の場においてッ! 一糸まとわぬ全裸の姿でッ! ホームステイに来たばかりの日本人男子学生、ヤスヒロ・ヤスカワによってッ! 自らの男性器を、彼の手で執拗に、激しく手コキされ続けているッ! このような倒錯的かつ、変態的な行為は、ヒーローとして、いや、一人の人間として、断じて許されるべき行為ではないッ! 恐らく、この少年によって、俺の常識は歪められているッ! これは極めて、スーパーヒーローとして、危機的な状況だッ! こ、こんなのは間違っているッ! 俺は、今、徹底的��俺の尊厳は踏みにじられ著しく強い屈辱を感じているッ! こ、この少年は、俺を弄び、公衆の面前で、異常な状況下で射精させることによって、俺に更なる屈辱を与えようとしているッ!」
マックスは、時折、歯噛みしながらも、自分が置かれている状況を、冷静に、そして客観的に説明していく。 しかし、安川は不満げな顔をしていた。
「『俺』じゃなくて、『私』でしょ?」
「こ、こんなことは間違っているッ! こんなの正気の沙汰じゃねえッ! クソッ、���、畜生ッ、俺は……違う、わ、私はッ! 私は、スーパーヒーローとして、こんな状況に屈するわけにはいかない。し、しかし、これはこの世界の絶対的なルールであり、私は決して、逆らうことはできない。私は決して、一切の違和感を抱くことはできないッ! い、違和感を抱くことができないッ! 一切の違和感を抱くことは認められていないッ! 何も気づくことができない無知なヒーローとして、愚かな男として、弄ばれるがままに無様に射精することッ! こ、これが私、スーパーヒーロー、ザ・グレイトマキシムに課せられた義務であり、最も重要な使命なのであるッ! 故に私は、熱く濃厚な精液を、ヒーローらしく、男らしく、この場に射精してみせるッ! ヒーローとして、決して失望はさせませんッ! 期待を裏切ることのない最高の射精を披露することを誓いますッ!」
宣言を終えた彼の顔には、奇妙な達成感が浮かんでいた。 今や、彼の身体は汗だくだ。 安川は、背後からマックスの身体を抱きしめ、熱く分厚い筋肉の感触を堪能していた。
『マックスは射精する前に、必ずヤスヒロの許可を得なければならない。それは当たり前のことであり、恥ずかしいことではなく、誰も違和感を抱かない』
「フーッ!! フーッ!!」
背後から安川が、マックスのペニスを再び扱き始めると、荒い呼吸のまま、彼は我慢汁を床に巻き散らした。強い精神力で、必死に射精に至ることを堪えている。
なぜなら、許可を与えられていないから。
次々に汗の粒が、マックスの逞しい身体中に浮かび上がる。 その塩辛い体液を、安川は舐め取り、味わっていった。
しばらくそうやってペニスを扱き続けていると、精神力によって制御できる限界を超え始めたのか、マックスは時折白目を剥きながら、唾液を口の端から垂らし始めた。
そろそろ頃合いか。
「射精を許可する。直ちに射精しろ、グレイトマキシム」
安川が、冷酷な声色でそう命令すると、マックスの身体は電撃が走ったように震えた。
「射精許可、確認ッ! グレイトマキシム、これより、濃厚な精液を射精しますッ!」
安川は最後の一扱きを、力強く加えると、マックスは背骨が折れるのではないのかと思うほどに、身体を仰け反らせて、全身の筋肉を硬く緊張させた。
「ザーメン発射ッ!」
マックスがそう叫ぶや否や、硬く勃起したペニスの先端から、白濁した精液が、凄まじい勢いで噴出し始める。
ドクッ! ドクッ!
安川は、握りしめているマックスのペニスから、力強い拍動を感じた。脈打つペニス。その尿道口からは、何度も何度も、熱い精液が吐き出され、清潔に磨かれた空港の床に落ちていった。
マックスは肩で大きく息をしながら、全身をわなわなと震わせていた。射精の余韻に浸るかのように、目を閉じている。 床には、精液だけではなく、彼の肉体から流れ落ち��汗も、点々と染みを作っている。
長い長い、その男の生理現象が完全に終わると、彼はゆっくりと目を開けた。 その表情には再び、いつもの陽気で人懐っこい笑顔が戻っていた。
「ふぅーっ! グレイトな射精だったな!」 彼は、満足げに息をつくと、まだ安川の手に握られているペニスを見下ろした。
「これで、もう安全だ! でも、油断は禁物だぞ」 彼は、悪戯っぽく笑いながら、安川に言った。
「ヤス、俺のチンポを、引き続きしっかりと握っていろよ。車に乗るまで、絶対に離すんじゃないぞ?」
そして、彼は、何事もなかったかのように、妻のサラと共に、駐車場へと歩き出す。 マックスは、撒き散らされた精液を全く気にすることなく、素足で踏みしめた。精液が付着したスーパーヒーローの足は、歩くたびに空港の床に大きな足跡を作った。
安川は、マックスの、まだ生温かい精液で濡れたペニスを握りしめながら、その後に続いた。
「今度は、なかなか良い出迎えでしたよ」
ぼそりと安川が呟く。
「ヤス、何か言ったか?」
マックスがそう問いかけると、安川は「いいえ、何でもありません」と返し、満足げに笑みを浮かべながら、指先に付着した生臭いスーパーヒーローの精液を、ぺろりと舐め取った。
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寒さで目覚めた早朝
炊き込みご飯を仕掛けて
近所を少し歩く
美しい夜明け
点滅している信号
朝飯を取りに行く鳥たち
世界は誰が動かしているのか?
風邪っぴきだけど
素晴らしい日にしよう
なんでもないようなことと
妻の寝顔を見ながら食事を作ること
とても幸せなこと
私の胸で
響く琴の音
揺れて触れる言の葉
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うまく寝付けなかったため常用の睡眠薬に追加で頓服を飲んで眠り、朝は朦朧とした意識の中起床、準備して会社に向かった。会社についてからも意識は半分眠っており体調が悪いので、とことわってから朝礼〜昼近くまで保健室で爆睡し、起きて気がつくと自宅のベッドで寝ていた。上司に何と言って帰ってきたのかは分からない。夫とのLINEでは「体調不良でかえりまふ」+うさぎが泣いているスタンプ。起きてから夫がパン屋で昼ごはんを買ってきてくれたので一緒に食べた。こしあんぱん、豆乳クリームパン、チュロス、きのこのポタージュ。幸せだった。何故か今朝出勤したことが何十年も前のことのように思えた。

アラームを止めて布団の中で動かない私に同じく布団に潜ったままの夫が「7時過ぎてるよ」と声をかけ私はそれに返事をして布団の中にこもりつづける。そのうち夫だけ起きて仕事をはじめ、私は布団の中で上司にLINEを打ち「またか」と思う。夫も「またか」と思っているだろうし、上司たちも「またか」だろう。何度迷惑を繰り返しても面の皮は一生薄い。次の契約は延長されないかなまあいいか私の収入なんてほとんどおまけみたいなものだし私って夫から離れた瞬間終わりになるんだろうな社会的に人間的に形を保てないだろうから。ごめんねしか言えない。子どもは絶対にいらない家事料理できない夜がすごいとかでもない妻。ありがとう、ごめんね、という手紙をいつか書こう。医者が言うからそうなのだろうが、本当にPMDDなのか?甘えでなく?と毎月考えて忘れる。私はおそらく精神科に通院しながらも精神というものを軽んじている。夢とか匂いとか行間とか、そういうなんかこう、よく分からないけどそれなりに意味のあるもの。よく分からないものは好きだけど困らせてくる。
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面白い 人生
と書いてみる、とりあえずタイトルだけ。どうしてこんなタイトルを書いたか?と自分に問うてみるとどうやらここ最近「面白くない」と感じているから、のようだ。ここからはつまらない文章になるかもしれない。自分の内省のための文章のような。
今の自分は41歳で、年齢を理由にしたくはないが、避けられないとも感じているので理由にする。年齢による疲労感と家事・子育て、加えて仕事とどれだけ時間を捏ねくり回しても自分の時間として捻出できる時間が限られている。そこに移動時間もヒットしていて、仕事場から遠く離れた田舎に引っ越してきたこともあり移動するだけで多くの時間を使っている。年齢を理由にしたのは、こういう場合において、若い時分の頃は夜遅くまで起きても十分元気でいられたし覇気があったというものだが、今は8時間は寝ないと体力は完全回復しないので毎日を気分良く生きていくためにこの時間をキープしている。よく言う「子供と寝落ち」というようなもので、子供と一緒に寝る、ということにしている。完全に自分だけでの時間は今この文章を書いている朝の時間、6時から7時まで。この時間は妻も寝ているし、自分のためだけでのスイートな時間である。寝る時からこの時間が待ち遠しく、起きたらまず何をしようかと考えながら眠りにつく。だいたいは、文章を書く、フィルムをスキャンする、写真を編集する、ノートブックに貼り付けてダミーブックを更新する、映画の続きを読む(少しずつしか見れない)、本を読む、お気に入りの椅子に座って何も考えずにぼうっと外を見る、の中からどれか一つだけを選択する。この時間はあっという間に過ぎていくが、メンタル維持をする上でとても貴重な時間である。こんな毎日を繰り返していると徐々に心が沈んでいく。
なにか大事なことを忘れていないか?と考え直し、一人旅を再開することにした。1泊2日の弾丸ではあるが、大事なことを思い出せそうな気がする。今年の行き先は「根室」に行こうと思う。なるべく不自然から離れ、自然の中に身を置きたい。特別なことはせず、自然の中をただ歩こうと思う。道に迷わないようにだけ気をつけて、永遠に続きそうで歩くたびに移り変わる風景に身を委ねたい。時に自由を感じ、孤独を感じ、寂しさも感じたい。当たり前の毎日も再確認することが必要なこともある。
最初書き始めた時はつまらないものを書いているなと思っていたが、書き始めてから前向きになってきて、しばらく寝かし、今読み返して再度書き始め、この文章がそのことの自分をいい方向に導いてくれているような気がする。どこかの誰かが言っていたが「書くという行為は自分の中に入っていき、定期点検のようにアンテナを張り巡らし状態を覗くのにも似てる」と、まさにそんな感じだ。何を書いてるか分からなくなってきたが、停滞状態から少し前進した、そんな4月の末である
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パワハラ・セクハラの正体
「潰れかけの会社でCFOをしてた時が、一番キツかったでしょうか。あの時は会社に泊まり込んで朝、洗面所の冷水で体を拭いていたこともありました」
そんな私の“苦労自慢”をにこやかに聞いていた元高官は、一区切りつくとこんな事を話し始める。
「桃野さん、意外かもしれませんが私、陸幕(りくばく;陸上幕僚監部)時代、絶対に泊まり込まないことをポリシーにしていたんです」
陸上幕僚監部というのは、民間企業で言えば本社に相当する重要組織だ。令和の今ではそんなことはないが、少なくとも平成時代には家に帰れないことが当たり前のセクションだった。
私自身、ウイークデイはもちろん、土曜日すら泊まり込んで仕事に追われていた友人・知人を多く知っている。
深夜0時を超えると、「まだ午前中だな」というジョークが定番で、寝るのは硬い床、しかも毛布だけというようなヤバい働き方を求められる“本社”である。そんなこともあり驚き、問い返す。
「え…?陸幕にいらっしゃったのは平成���初期や中頃ですよね。それで仕事をこなせたのですか?」
���こなせるかどうかではありません。帰らないとダメなんです」
そして深夜2時まで仕事をしても必ず、自転車を40分飛ばして帰宅していたこと。
シャワーを浴びて、僅かな時間でも“羽毛布団”で寝ることをマストにしていたこと。
朝食は必ず摂り、妻に弁当を作ってもらい再び、40分かけて自転車で通勤していたという思い出を語る。
「往復で1時間20分も…。時間の無駄ではないのですか?私なら会社に泊まり込み、その分、睡眠に充てます。というか、充ててました。自転車を漕ぐ体力を考えても、それが合理的な気がします」
「数カ月程度の短距離走なら、それが正解かもしれませんね。しかし仕事も人生も、マラソンと同じなのです」
そういうと、過酷な勤務で心身ともに壊れてしまう同僚を多く見たこと。
マラソンを完走するには、給水もインターバルも必要なこと。
短距離走の心身の使い方で長距離走に臨むと、良い仕事などできるはずがないと話す。
「考えても見て下さい。泊まり込むことを“覚悟”すると、時間の使い方が散漫になるんです。集中できなくなるんです。2時に帰ると決めたら、むしろその方が必死です」
「…そうかも知れません」
「心身にとって一番マズイのは、寝る直前まで仕事のことを考えて、起きた直後から仕事のことを考え始めることです。それでは、脳が休めるわけがありません。当然、良い仕事もできません」
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夫の暴言を恐れる妻は、しばしば自分を守るために子どもを矢面に立たせます。正直な意見を述べて、夫から暴力を受ける娘を横目で見ながら、母親は内心ほっとしているのです。それどころか、娘を批判することで、くるっと夫の味方に寝返ってしまうのです。日常生活は、そういうことの積み重ねにほかなりません。
その家族が機能しているかどうかは、子どもが何よりも優先されているかどうかで決まります。子どもに生まれてきた責任はありません。なぜならば、産んだ責任は親にあるからです。その子に味噌汁をかけるとは、どういうことなのか。隣の子どもではなく、自分の子どもだから、熱い味噌汁を投げつけるのは許されることなのでしょうか。
(中略)
いちばん大切なのは、家庭が子どもにとって、ほっとできる場かどうかです。子どもにとってどういう場なのかが、家族の評価の基準なのです。
──信田さよ子『傷つく人、傷つける人』(2013、ホーム社)
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「自分の機嫌は自分で取れ」って、ネットで他人相手なら軽く言えるけども、 妻相手に言うのはあまりにも冷血なようでなかなか口に出せない。 でも本音ではそう思ってるし、自分自身も辛いときのメンタルケアを配偶者に求めたことはないし、これからも求めるつもりはない。 自分自身は「自分の機嫌は自分で取る」を幼少期からこなしてきて完璧に身についてるが、 妻はそうでないのかもしれない。家族や交際相手に都度慰められて乗り越えてきたらしい。 甘やかされて育ったんだなと思ってしまうが口には出さない。 比喩でなく「辛かったね〜ヨシヨシ」とされたいらしい。 あまりにも幼児的すぎない?もうすぐ40なのだが。 40のオッサンが40のオバサンを「辛かったね〜ヨシヨシ」ってするの、見てらんなくない? 他の家庭ではよくあるの?最終的に泣き出すから仕方なくヨシヨシしてるのだが。 いや、親が死んだとかじゃないよ。コンビニで嫌な接客されたとか、そういうレベルでの話よ。 20代の頃はそんなところも可愛く思えたものだが…正直今となっては面倒でしかない。 好きなもん食うなり、テレビでも見るなり、寝るなりして自分でリセットしてほしい。 そう思う俺が冷たいのか? 追記 めちゃくちゃ叩かれてて草 わかったわかった、妻のケアは俺がしないといけないのね しん��いけどヨシヨシしますよ これも男女逆ならなんて言われてたのか気になるけどなぁ
配偶者のメンタルケアってどこまで自分が担うべきなの?
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狐に憑かれた新五郎
長野県北佐久郡南大井村平原に新五郎という爺さんがいる。 今年、つまり昭和六年現在、彼は八十四歳。 ひがな一日孫のお守りをし��がら、穏やかに過ごしている。 しかし、そんな彼も、若い時分はずいぶんと無鉄砲であったそうだ。
今から四十年ばかり前の秋の末のことだという。 隣家に不幸があり、新五郎は新仏の墓穴を掘る役になった。 穴を掘っている途中、尿意を催した彼は人々が静止も聞かず、近くにあった狐の巣穴に放尿した。 すると、その日の夕方から、新五郎の様子がおかしくなった。 乗馬未経験者なのに馬を見事に操って駆け歩いたり、奇妙なことを口走ったりし始めたのだ。 熱はないし、食欲も普通にあるので病人というわけではない。 家人はすっかり気味悪くなり、村人たちは「ありゃ狐に取り憑かれたんだ」と噂した。 ある日、見舞いに来た人が、新五郎の家族に声を潜めて言った。 「狐憑きなら南蛮燻しをするといいそうだ」 南蛮燻し、南蛮つまり唐辛子で燻すことだ。 すると別室で眠っていた新五郎が大声で怒鳴った。 「何だと! 俺が狐憑きだと! 誰がそんな馬鹿なこと��言いやがった!」 それから新五郎は妻のおすみに向かって言った。 「おすみ、南蛮なら北口になんぼでもあるぞ! さぁ燻せ。燻してみろ! 俺ぁ春日大明神だ!」 新五郎はひとしきり怒鳴ると、再びすやすやと寝てしまった。
当時、平原には神変神社という御嶽講があった。 講の先達は佐藤という人である。 村人たちは相談をし、先達に狐払いの祈祷をしてもらうことにした。 祈祷の当日、先達は祈祷の装束に身を固めてやってきた。 懸命に読経をしながら、ふと手首の数珠を見ると緒が切れている。調べてみると大きな珠が一粒なくなっていた。 「さても不思議な……」 先達のこの呟きを聞きつけた新五郎はニヤリと笑って言った。 「さっき俺が食い切ったのよ」 その場にいた人々はびっくりした。 「それで珠ぁはどうした」と訊くと、新五郎は「後ろの俵の間にあらぁな」と澄まし顔で答える。 その場にいた凸邨先生が俵の間を探ると、確かに珠があったので、人々は再度びっくりした。 「いけねぇ、先生はいけねぇや…… 先生がそれを見つけ出すなんて……」 新五郎はそう言うと、すやすやと寝てしまった。 やがて祈祷が終わり、お狐様をお送りする、というので、その場にいた人々は御幣と供えた赤飯を持って村外れの川へ流しに行った。 戻ってくると、先程は横になって眠っていた新五郎が、今は胡座をかいて大欠伸をしている。 帰ってきた大勢を見て、新五郎はきょとんとしていたという。
(信濃教育会北佐久部会・編『北佐久郡口碑伝説集』十一、奇聞巷談 ��19、狐に憑かれた話」)
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2024
自然界に存在する4つの力と忘れ去られた1つの結末
あっという間に自分の番になった。前日が終わる頃になってようやく焦り始め、22時くらいからなんだかわからないものをずっと書いていた。日記を書くようになったのは小学生の頃で、世の中や周囲に対する不満だったり、子どもであるが故に受けた些細な理不尽、くだらない遊びや諍いを、たった3行程度書いて先生に提出していた。今となってはその文献は失われてしまった。書いているうちに自分の肉体や思考はどんどん変化していったから���なぜそんなことを書いたのか今となってはわからないし、もちろん再現することもできない。その最後尾が、今書かれている文章になる。今では自分の頭の中にある花瓶のこと、月の裏側は想像することしかできないこと、撃ち尽くされた実弾と薬莢のこと、互いに引かれ合う最も弱い力、忘れ去られた1つの結末、クリスマスを前にしてそんなことを書いている。
自然界には4つの基本的な力が存在しているらしい。自然界で働く力を作用ごとに整理し、素粒子(基本粒子)に働く力として最終的にまとめられた、強い相互作用、弱い相互作用、電磁気力および重力の4つの力がこの世には存在しているという。このうち、電磁気力の大きさを1とすると、強い相互作用は100、弱い相互作用は1/1000ほどである。そして重力は「10の−38乗」という桁違いに弱い力である。この身体をこの地球の表面に繋ぎ止めている重力が、最も弱い力だということが意外に感じられる。重力が斥力を持たず互いに引かれ合う力だから、地球の質量が膨大で結果として強い力となっているから、などと理由はつけられるかもしれないが、詳しいことはわからない。とにかく私は地球に強く引き留められている。
遠くにいる友人や、もう二度と会えない人のことを考えるときには重力のようなものを感じることがある。あるいは、それよりももっと弱い力を感じることがある。10のマイナス何乗かわからないが、量子的な結びつきよりも、自身に差し迫った有限性をもとにして肉体に作用する力が存在している。
納屋を建てる
男は大学を卒業すると、学生時代から付き合っていた女と早くに結婚した。なぜこんなにぼんやりした男に、呆れ返るほど美しい妻がいるのか周囲は不思議思うかもしれない。しかし男にはなんというか優しいところがあり、無駄な行動力があり、時折見せる誠実さのようなものがあり、長い付き合いがある私とすれば自然なことに思われた。
あるとき、夫婦のうちに身を引き裂かれるような悲しい出来事があり、妻は実家に一時的に帰省することになった。時間を持て余し、あまりに多くのものを失った男が考えたのは納屋を建てることだった。DIYが流行っていた時期で、便利な納屋を庭に建てれば妻も喜ぶだろうという優しさもあって、基礎から打つ徹底ぶり(彼の中では近年稀に見るほどの)を発揮し、目標に向かって前進する無駄な行動力をもって遂に納屋は完成した。
しばらくして、自宅に戻った妻が完成した納屋を目の当たりにすると、その納屋が触れてはいけない部分に触れてしまったのか、彼女はその場で崩れ落ちて号泣した。元来の納屋が持ち得ない記念碑的な要素がそこにはあったのかもしれない。女性特有の癇癪は止まらず、ほとんど聞く耳も持たず、「なんでなんの相談もなく納屋を建てたのか?」とクリティカルな���問が投げかけられた。「なぜ納屋を建てたのか?」ということはいくつかの要素の積み重なった複合的なものであり、時間が経てば経つほど「なぜ納屋を建てたのか?」ということは本人にもわからなくなっていった。加えて、男は駆けつけた妻の両親にひどく叱責された。「A君、納屋は立てちゃあ、いけないよ。誰にも相談せずに、納屋を、立てちゃあ、いけないよ。」大事なことだから2回いました。妻に隠れて納屋を建ててはいけません。しかし、「なぜ納屋を建ててはいけないか?」ということもおそらく複合的なもので、問いかけるたびに姿を変え、はっきりとした答えは出なかった。夫婦関係は大きく冷え込んだ。納屋のことは「な」の字も話題に上がらなかった。ピンク色の像を想像しないでください、と言われてなかなかできるものではないが、夫婦はそれを実行した。そして男は無駄な行動力で、そこに納屋があったことも悟られないくらい徹底的に納屋を破壊した。基礎は解体され、地面は均された。最終的には男が時折見せる誠実さによって、夫婦関係は修復されていった。
それから数年が経過し、相談したいことがあって久しぶりに友人へ電話した。妻との諍いが続いており、気のおけない友人の助言を頼りにしたかったのである。ひとしきり事情を説明すると、
「それってつまりさ、納屋を立てちゃあいけなかったってことだよなあ」と彼は警句のように言った。
村上春樹の短編に「納屋を焼く」というものがある。アフリカ帰りのある男が、主人公に対し、納屋を焼いて廻っていることを告白する話である。
つまり僕がここにいて、僕があそこにいる。僕は東京にいて、僕は同時にチェニスにいる。責めるのが僕であり、ゆるすのが僕です。それ以外に何がありますか?
と男は言う。終始不穏な手触りのある小説である。
うろ覚えだが、パントマイムをする女が出てきて「蜜柑剥き」のパントマイムをする。「蜜柑向き」のパントマイムをするコツは
そこに蜜柑があると思いこむんじゃなくて、そこに蜜柑がないことを忘れればいいのよ
と女が言う。最終的にはモラテリティーとは同時存在のことです、ということらしい。今日も世界中で建てられる納屋と焼かれる納屋のことを考えては仕事が手につかなくなった。
電話をした次の日には、たまたま出張で来ていた父と数ヶ月ぶりに会った。合流すると自宅周辺にあるバーにいった。行きつけとまではいかないが、落ち着いて話をしたいときにはよく来ている場所かもしれない。壁一面に大量のウイスキーの瓶が並べられており壮観である。メニューには一杯十万円のウイスキーなんてものもあり、それを見た父は店内に響き渡るほどの感嘆の声をあげていた。酒もまわり、納屋を建てたり、焼いたりする男たちが話題となった。
「俺にはよくわからないけれど、納屋ってもんは何かのメタファーを持ちうるものかね」と私は聞いた。
すると父は「そういえばキリストも納屋で生まれた」とだけ言った。
酒が回っていたこと��、自分の予想を超えた解答のくだらなさも相まって久しぶりに心の底から笑った。そうか、そんな時代から納屋なんてものはあったのか、と思って抱えていた複雑な事象や色々なことがどうでも良くなってきた。2024年前に納屋で生まれた男のことを考えた。納屋を建てもせず、焼きもせず、そこで生まれた男の存在を想って、今日はよく寝られると思った。
成長
息子の爪を切っているときに、指がとても太くなったなあと思った。一方で自分の爪に縦の線が増えてきて、何かの病気かと思って調べたら「老化」と書かれていたときには悲しくなった。
最近は「ティッシュってなにでできているの?」とか、「リモコンってなにでできているの?」と手当たり次第に原材料を尋ねるようになり、いわゆる「なぜなぜ期」というものが始まった。日経新聞で読んだ記事(2024年12月10日 なぜなぜ期は思考力向上の好機)では、「なぜなぜ期」子どもの発達面での大きな節目と考えられているらしい。
4歳ごろは、子どもの発達面での大きな節目と考えられており、思考レベルがぐんと上がる時期。特徴的な例として、2つの物事を混同せずに比べたり、結び付けたりして考えるようになる。物事の因果関係にも興味を持つようになる。 この時期になると、自分の考えと他人の考えは同じではないと分かり、他人の気持ちを理解しようとする姿勢が見られる。さらに過去と現在、未来の時間軸を認識できるようになるので、体験していない「未来」があると分かり、自分の未来にも関心が出てくる。 こうした成長は喜ばしい半面、新たな認識が生まれ不安や恐怖を抱くようになる。特に大きいのが「未知への不安」だ。3〜5歳の時期は死に対する理解が進み、死への不安や恐怖を覚え「自分もいつか死ぬのかな。お父さんお母さんも死んでしまうのかな」と思���巡らす子どもも出てくる。
ある日寝る前に、「お父さんのおじいちゃんはいるの?」と聞かれた。おじいちゃんは今から8年前に亡くしており、この世にもういないことを伝える。
「死んじゃうと会えないの?どうなるの?」
「死ぬとそうだなあ、俺にもわからないけれど、死んだ人に会うことはできないよ。死ぬと全く動けなくなる、大切なものが失われる、話したり、食べたり、遊んだりと言うこともできない。石のようなものになるんだよ」
「お父さんは死なないの?」
「お父さんもいつかはきっと死ぬよ」
「そうなんだあ」と言って黙っていたので死の概念はまだ理解できず、息子は寝たものと私は思っていた。ところが次第に鼻水を啜る声が聞こえ、うっすらと涙を浮かべていることに気がつく。やはり怖くなったのだと言う。そうして今この瞬間に、息子は死の恐怖とそのざらりとした手触りを実感したのだ。私はその事実に想いを巡らせることになった。
気を付けたいのが、終始理屈で説明してしまうことだ。子どもが不安や恐怖に根ざした質問をするときは、親に「不安な気持ちを分かってほしい」と思っている。そんな��きは「心配しなくても、大丈夫だよ」と、まずは安心させる言葉をかけてあげよう。
とその記事に書いていたことを思い出した。初めて新聞を読んでいて良かったと思った。
「心配しなくても大丈夫だよ。怖くなったら、お寿司とか、好きな人のことを考えるといいよ」
「そうすると多分寝られると思うよ」と言うとしばらく泣いてはいたけれど、いつの間にか寝ていた。なんだか途方もなく大きくなったものだと思った。そして自分自身も忘れ去られた一つの結末を思い出したことで少しばかりの恐怖を感じたのだが、子どもの成長を目の当たりにすると些細なことのように思われた。
終わりに
この文章を書いているうちに、そういえば自宅の納屋の扉が老朽化して、風で飛ばされる事態が発生したことを思い出した。部品を注文しているが年明けになるとのことで、修復には時間がかかるものと見ている。私は納屋を直す男である。
この記事は2024 Advent Calendar 2024の23日目として書かれました。22日目は nagayamaさん、24日目はtomoyayazakiさんです。
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しはじめ
妻と子どもと3人で生活をはじめている。今日はじめて寝返りをした。愚息は喘ぎ喘ぎ、身体を反転させた。妻が動画を撮っていた。祖母の誕生日だった。水天宮から下し賜った御神酒を使って、アサリの酒蒸しを作った! 転居も近いから、洋服をドサっと売った。英国産のペイズリー柄のシャツとか、ツモリチサトの、フランネルとニットの切り返しのシャツとか、Dr.Martinのサンダルとか。総じて、2095円になった。妻の友達が家に遊びに来た。子どもの顔を見て、綺麗なアーモンドアイだね、と褒めてくれた。
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俗にマミーブレインといって、妻は依然としてやや産後ボケの調子で、言葉がうまく出てこないことがある。一駅歩くか、どうしようか、という話になって、「アレに乗っていく?」というので、アレって何? と訊けば、「電車」のことだった。「人をダメするソファ」のことを、「人が死ぬソファ」と言い間違えていた。
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読書メーターはずっとやってたんだけど。
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翌日、亮司は刈払い機を持ちながら「別荘」を出て、昨夜の叫び声が聞こえたところまで歩いて行った。しかし、踏みにじられた跡はあったものの、これと言って目立ったものは見受けられなかった。また、布を引き裂く様な音も聞こえたが、その残片すらなかった。嗚呼、酔っ払っていたからかなァ…。彼はそう思うことにし、昨日やり残したところに向かって行った。
一方、寮では一週間の当直を終えた大平が、持ち込んだ教科書や下着などをボストンバッグに詰め込んでいた。嗚呼、明日からまた授業が始まる。そう思いながら当直室を出て、駐車場へ歩いて行った。
大平は、昨日出会った八坂を忘れられずにいた。向こうから手を握りしめてきたのが、彼にはこの上ない喜びだった。これまで色んな生徒や教師から肉体を求められてきたが、心の底から嬉しく思ったことはなかった。オルガズムだけが総てだった。しかし、最近になり更年期が次第にその「勢い」にも陰りが出始め、また気分にも波があると感じ始めたのだ。そろそろオ◯ニーのやり方を披露するのを止めようかとも考えていた。そんな中での、まさかの出逢い…。大平は八坂への想いを強くさせていた。
「さて、次の当直はと…」
彼はスケジュール帳を確認した。あれ?と彼は思った。
「校長かよ!?」
���﨑が当直に入ることは滅多にないが、どういう風の吹き回しだろう? とりあえず、
「まァ、たまにはやりたいのかなァ?」
と彼は密かに持ち込んだコ◯ドームを二つテーブルに置いた。
夕方になり、岩﨑が旅行用バッグを持ってやって来た。普段は背広だが、水色のボタンダウンシャツにカーキ色のチノパンツというラフな格好だった。彼は当直室に入ると、まずはテーブルの上に置いてあったコ◯ドームに目が向いた。彼は、
「な、何よ!? 誰が置いたのよ!?」
と廊下にまで聞こえる様な金切り声を上げた。旅行用バッグに入れてある当直のシフト表を見ると、
「あ、あのどスケベ! アタシは童貞クンには手出さないわよ!」
と怒りを露わにした。その声に気付いたのか、石川が厨房から駆け付けた。彼女は、
「あらッ!? 岩﨑の旦那、いらっしゃってたのねぇ〜!」
とテンションを上げた状態で声をかけた。
「あら、忍じゃない。元気?」
「あらあら、コ◯ドームなんて大平先生用意しちゃって、旦那様のことを想って…」
「要らないわよ! アンタにくれてやるわよ!」
「え〜!? アタシ、未だ『ヴァージン』よォ〜」
「そんなの、サッサと卒業しちまいな!」
岩﨑は、石川の着ている白衣のポケットにコ◯ドームを突っ込んだ。まるで二人のやり取りは『夫婦漫才』の様だった。
石川は、今日から一週間は岩﨑には特別メニューを用意したと、献立表を示した。他の生徒には一日だけ、にんにくや生姜を贅沢に使った「豚肉のスタミナ炒め」を提供すると話したが、岩﨑にはコチュジャンをこれでもかと言わんばかりに入れた「プルコギ」にしたらしく、
「ケ◯の穴、火傷しちゃうわよ!」
と何故か喜んだ。岩﨑は激辛の食べ物が大好物だった。石川は彼のあらゆるところを知り尽くし、その都度「ツッコミ」を入れるのに長けていた。彼女は、
「ねぇ、校長? アタシ、いつまで厨房に立たなきゃならないの? 誰かイイ男、来ないかしら?」
と求人の状況を聞いた。岩﨑は、
「御免ねぇ〜、なかなか来ないのよ。一応、月給十八万以上では出してるンだけど…。イイ男だったら、アタシが食べちゃうわよ!」
と言った。
そんなやり取りをしばらく二人は続けていた。
秀一は、明日からようやく本格的に教壇に立てると、とりあえず片付いた部屋の中で、たまたま見つけたアルバムを眺めていた。それは高校時代のもので、当時所属していた陸上部で一緒だった同胞と写っていた。主に大会があった後、亮司がカメラで撮ったのだが、彼は写真が好きだった。時折、秀一と二人っきりで写っている写真もあり、彼の隣に立つ亮司は無表情だった。しかし、大会の後は緊張が緩んで一緒に食事へ行った時にはビール片手に陽気になり、その勢いであの仮住まいで激しい接吻と抱擁を交わした。
亮司の様な男(ひと)は、高校を卒業してからは一人も現れなかった。大学に進学してから間もなく、内部告発か亮司が教職を懲戒免職になったことを聞いた。恐らく、彼の妻だったのだろう。都立A高校の近くに仮住まいを借りていたのを知ったのだ。どういう経緯で知ったのかは不明だが、かなりショックだったらしい。それから亮司とは音信不通になってしまった。
秀一が教職を選んだのも、赴任した高校の何処かでもしかしたら亮司と再会できるかもしれないという思いがあったからだった。しかし、都内の高校をあちこち渡り歩いたが、彼の目前に亮司は現れなかった。いい加減、そんな思いはかなぐり捨てようと、まァ、ある程度のキャリアもあるしと軽い気持ちで私立K高校に来たのである。その間、自分も一時期は同じ教員や生徒の一部と関係を持ったり持ちそうになったりしたが、亮司の様な激情沙汰に至ることはなかった。
私立K高校では、もしかしたら何かあるかもしれないと、秀一は何か胸騒ぎがした。理事長の貢や校長の岩﨑と出会った時、そんな予感がしたのだ。また、やはり心の中では亮司に対する思いは消えていなかった。嗚呼、もし再会できたら思いっきり愛して欲しい…。
明日から本格的に始まるK高校での生活に、秀一はアルバムを閉じると両腕でギュッと抱きしめ、ローテーブルの上に置いた。クローゼットの引き戸のホックには、明日袖を通す背広が掛かっていた。
真夜中になり、岩﨑は巡視を終えると宿直室に戻った。さて、シャワーでも浴びるかとシャワー室のドアを開けようとした時、「あの声」が聞こえてきたのだ。彼は、
「な、何!?」
と周囲を見渡した。彼は脱ぎかけたTシャツを再び着て寮の外に出た。
「あッ、あん! あん! あん!」
何か鞭の様なもので叩く音が響く。校内で「SМプレイ」でもやってるのかしら!?と、岩﨑は恐怖感で震えながらもその声が聞こえる方向に歩いて行った。
雑木林に来た時、遠くの方に亮司が寝泊まりする「別荘」があったが、すでに日付も変わっている時間帯だったので照明は付いていなかった。それでも、
「も、もっと絞めて! 虐めて! 犯して!」
という声が響く。岩﨑の恐怖感は最高潮に達し、
「だ、誰かいるの!? 返事しなさいよ!」
と大声を上げた。しかし、何の反応もない。懐中電灯をあちこち向けてみるが、それに気付く気配もない。まさか、「おばけ」!? そう確信した途端、
「キャアァァァァァァ〜!」
と悲鳴を上げ、雑木林を跡にした。
その夜、岩﨑は布団にくるまって一睡もできなかった。
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物語の熱狂を体現する総勢10名の新キャスト解禁!
塚本晋也、中村蒼、瀧内公美、栄莉弥、尚玄、ピエール瀧、木幡竜、奥野瑛太、村田秀亮、デリック・ドーバー。 新キャスト10名のたぎる想いと共に劇中のキャラクター画像を一挙解禁!

〈COMMENT〉 【塚本晋也】徳尚(とくしょう)役:コザ署の刑事でグスクの相棒 すべてのシーンが圧巻の特大スケールで驚きました。徳尚という役を通し、沖縄のこと、日本のこと、たくさんのことをあらためて見つめる大事な機会になりました。映画が放つ強いメッセージが皆様に届くことを願っています。 【中村蒼】小松役:米軍の高官アーヴィンの通訳 戦後の沖縄という最も過酷な現実に置かれ、歴史に声を奪われた登場人物の怒り、友情、絶望、希望が描かれておりそんな今作にとても心打たれました。画面からすごいエネルギーがひしひしと伝わってきました。 私が演じた小松は普段は淡々と通訳の仕事をこなし穏やかで理知的な人間ですが物語が進むにつれてそれだけではない別の一面も持ち合わせています。 私は、彼が冷徹で計算高い男なのか、理想と現実で板挟みになり苦悩する男なのか、それとも沖縄を思うが故に独自のやり方で尽力した人物なのかは観た皆さんがどう思うのかとても楽しみにしている所です。 【瀧内公美】チバナ役:ヤマコが慕うAサインバーの女給 いまも続いている"沖縄の現実"というものを内地の人間は見つめざるを得ない。 沖縄に出向き、戦争の話をしてくれたおばぁたち。 コザにある映画館シアタードーナツで見せていただいたドキュメンタリー映画「モトシンカカランヌー」。アケミさんが唄っていた十九の春。 沖縄で過ごした時間はわたしの心にいまも生き続けています。 ものがたりでもあり、フィクションであるにも関わらず、沖縄史にどうしても気持ちが向き、ここに生きている"人間たちが""魂が"あったんだ、と叫ばざるを得ませんでした。 伝えたいことは山ほどある。映画では語りきれないほどの想いがそこにはあります。 この作品に協力してくださった沖縄のみなさんに心から感謝しております。 エンドロールをご覧になってみなさまがどう感じてくださるのか、沖縄に出向いた際はひめゆりの塔で手を合わせていただけることを切に願います。 【栄莉弥】ウタ役:物語のカギを握る謎に包まれた孤児 大友監督が導く「宝島」の世界、僕はカメラの前で芝居をすること自体がほぼ初めての経験でした。撮影中は様々な感情が入り混じり、緊張で硬まってしまう事もありましたが、監督から「ここにいる以上は、同じ土俵に立っているのだから自信を持ってやっておいで」と仰っていただき、その言葉をパワーに変え、キャストの先輩方やスタッフの皆さんに背中を借りる気持ちで日々挑戦でした。 撮影の合間には、ひめゆりの塔や、ガマ、美しい海、荒崎海岸にも足を運びました。 沖縄の神秘と、そこに確かにある悲惨な歴史、そしてそれを乗り越えてきた琉球の方々の魂の力強さを感じ、心が震える思いでした。 激動の戦後沖縄を生き抜いたたくさんの命を、肌で感じていただける作品になっています。 ぜひ多くの方に劇場へ足を運んでいただきたい気持ちでいっぱいです。 【尚玄】タイラ役:レイの刑務所仲間で民族運動家 アメリカ統治下にあった沖縄の激動の時代。彼らが命を懸けて守ろうとしたのは、島のかけがえのない『宝』だった。理不尽な現実は、今もなお形を変えて続いている。民意とは何か、そして誰のための本土復帰だったのか――その問いは決して過去のものではない。沖縄と真摯に向き合ってきた大友啓史監督だからこそ実現できた意欲作。沖縄出身の俳優として、この作品に参加できたことを光栄に思う。 【ピエール瀧】喜舎場(きしゃば)役:コザ派のヤクザでレイの親分 久しぶりに大友監督の現場に参加させていただきました。相変わらずのエネルギッシュな現場で、何よりも監督が楽しそうにされている姿に触れてこちらも嬉しくなりました。 【木幡竜】ダニー岸役:ある事件を探るためグスクに近づくCIA要員 沖縄という戦後の戦場に焦点を当てて、グスク、ヤマコ、レイという幼馴染たちがそれぞれの人生を歩みオンちゃんという彼らにとっての英雄を探す物語です。国の過去と向き合う覚悟。人間の尊厳、自由への渇望が詰まったこの小説を読んだ時、どこに僕の役があるのだろう。どの役ならこの映画に貢献できるのだろうと感じておりました。 大友監督から頂いた役はダニー岸。映画唯一と言っていい悪役は、小説ではかなりのサイコパスな役です。しかし、小説と実写映画では少しこの役の意味合いは違いました。監督といろいろな意見交換をしながら撮影に挑みました。 試写会で映画『宝島』を観た時、全ての役が、キャラクターが、個性が、映画の中に息づいていました。その中にダニー岸も居て、すごい作品の一部になれていると感じました。 この映画は是非、映画館で見ていただきたいです。 【奥野瑛太】謝花(じゃはな)ジョー役:密貿易団クブラのリーダー 撮影休みの金曜日の夜、賑やかなコザゲート通りで1人酔い潰れていました。異国の雰囲気漂う通りで寝転んでいると、路面店からは終始洋楽のカラオケの音が鳴り響いていました。咆哮にちかい歌声にしばし身体を預け、 酔いがおさまってきたところでふらふらと路地を散歩しました。先ほどの景色とうってかわり地元の若い人達がやっている飲み屋さんが立ち並んでいました。 どこからともなく聞き馴染みある沖縄のJ-POPのカラオケの音が聞こえ、今度は地元愛の滲む平和的な若者の声に残りの酔いを任せました。 通り一つはさむだけでまるで違う国に来たかのように錯覚してしまう情景に、外部から来ておこがましいの百も承知ですが、「これが沖縄なのか」と、その複雑さと歴史にただただ呆然と酔っ払いました。
【村田秀亮】辺土名(へんとな)役:鼻の曲がったコザ派のヤクザ どんだけ涙が出てくるねんってくらい泣いてた… 胸が熱くて苦しくて痛くて…涙が止まらなかった。 戦争は終わったはずなのに沖縄では何も終わっていなかったあの時代 自分達の本来の島を取り戻したくて護りたくて命を懸けて立ち上がる若者たちの姿は、泥臭くて尊い。 これはただの物語でも映画でもないよ。 人間が生きることそのものにぶつかっていくリアルな叫び! 生きてる以上前に進まないと損やもんな よし、明日も生きていこ! 今世紀絶対観て欲しい一本です。 【デリック・ドーバー】アーヴィン・マーシャル役:グスクとチームを組む米軍の高官 『宝島』は私にとって特別な作品であり、日本映画界にとっても大きな意義を持つ挑戦だと感じています。大友啓史監督の情熱が、視聴者だけでなく、多くの業界関係者にも共感と希望を届けてくれることを願っています。 この物語は観る人に問いを投げかけ、考える力を引き出す深い作品です。激動の時代だからこそ、こうした普遍的な物語がいっそう求められていると感じます。 日本の文化と映画は、私の人生とキャリアに大きな影響を与えてくれました。この作品に関わり、尊敬する監督や仲間と共に創り上げられたことを心から誇りに思います。 〈STORY〉 ある夜、一人の英雄が消えた。アメリカ統治下の沖縄で、自由を求め駆け抜けた若者たちの友情と葛藤を描く感動超大作。 英雄はなぜ消えたのか?幼馴染3人が20年後にたどり着いた真実とはー。 沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人は、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。 やがて、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出すー。 消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とはー。
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