#引込開閉器盤
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最近の散歩写真
最近の散歩写真。 1枚目:何度か紹介している都道。工事が終わり、広い広い片側1車線に。将来的に2車線になりそうな広さ。てか、中央帯が不自然すぎ。 2枚目:道路工事を上から望む。 小さいユンボは「ザブングル」のウォーカーマシンの味わい。 3枚目:病院の非常階段から近くの団地と給水塔を見る。 4枚目:同上のビルの警報盤。秘密基地っぽくてwktkするよね。 警報表示システム 5枚目:同じく、引込開閉器盤。通常は、電柱に付いている開閉器が、引込先のビルにこうして設置されていることも。 奥山工業「引込開閉器盤の設置工事」 6枚目:いろいろ取り付けられている、美味しい電柱。最上部の箱が開閉器、幹線道路から住宅街に引き込まれるポイントなのでこの電柱に設置されている。その下に昔懐かし首長ダッコちゃん街灯が。 SDAT「照明ポール…
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2020年東京夏季大会とは何だったのか。元時事通信記者の村上直久さんは「当初、組織委員会は『コンパクトで低コスト』を謳い、『ソフトなレガシーを残す』とした。だが、それが実現したとは言い難い」という――。(第2回) ※本稿は、村上直久『国際情勢でたどるオリンピック史』(平凡社新書)の一部を再編集したものです。 ■「コンパクトで低コスト」を喧伝していた東京五輪 2020年東京夏季大会だが、招致運動段階では、国立競技場は改装するものの、そのほかの競技施設は1964年の東京大会の施設を活用するので「コンパクトで低コスト」のオリンピックを開催できると喧伝していた。 招致前の2013年1月にIOCに提出された立候補ファイルでは経費は8299億円とされていた。 しかし、その後、東京大会の予算規模は膨らみ、2017年時点では1兆3500億円(予備費を除く)に達した。内訳は組織委と東京都がそれぞれ6000億円、国が1500億円(国立競技場の建設費用に1200億円、パラリンピック開催費用に300億円)負担する計画だ。 会計検査院は組織委の予算計画第三版が発表される約2カ月前の2018年10月初め、組織委が予算(第二版)としている1兆3500億円に含まれる経費以外に約6000億円が計上されていることを指摘した。 6000億円はオリンピック関連予算として計上されており、その内訳は競技場周辺の道路輸送インフラ整備(1389億円、国土交通省)、警備費用(69億円、警視庁)、熱中症に関する普及啓発(374億円、環境省)、競技力の向上(456億円、文部科学省)、分散エネルギー資源の活用によるエネルギー環境課題の解決(1885億円、経済産業省)など合計80事業だ。 この中には大学などに委託したトレーニング機器の開発やオリンピック参加国と地方自治体の交流事業など成果の伴わないものもあった。 ■そして立候補する都市はいなくなった ただ、組織委は同年12月に発表した予算計画第三版では、会計検査院が指摘した6500億円は国の負担分には含めなかった。東京都も2018年1月、組織委公表の都の予算6000億円とは別に8100億円を関連予算として公表した。この結果、東京大会の予算は総額で3兆円規模となる可能性が出てきた。 ただ、オリンピックの経費については線引きが難しいようだ。会場周辺の道路などのインフラ整備費用などを含めるかどうかに関しては明確な基準はない。 組織委は通常の行政サービスやレガシーとなるインフラなどは計上していないという。IOCは増大するオリンピック経費が開催都市・国の財政を圧迫しており、そのため立候補する都市が少なくなっていることに危機感を覚え、オリンピックの開催に必要な予算とそれ以外の恒久的な都市基盤の整備にかかる費用を区別し、開催都市にかかる「重圧」を軽減しようとしている。 ■経費が予想の倍に膨れ上がったワケ 東京大会の経費は最終的にどうなっただろうか。大会後の組織委の発表によると、1兆4238億円。2017年の試算額を少し上回った。内訳は組織委6404億円、東京都5965憶円、国1869億円だった。 これには後日談がある。会計検査院は、最終報告に含まれていなかった選手強化費、セキュリティー経費など1837億円のほか、国立競技場の整備費179億円、新型コロナウイルス対策費91億円などを加算。総額は1兆6989億円に膨れ上がった。 オリンピックは開催に多大のコストがかかるが、それだけにとどまらず、開催による経済効果も見込まれる。 東京都は2017年3月、2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会は、招致が決まった2013年から大会10年後の2030年までの18年間で約32兆3000億円の経済波及効果を全国にもたらすとの試算を発表した。 経済効果は大会開催の直接効果で生じた「直接的効果」5兆2000億円と大会後に生じる「レガシー(遺産)」効果27兆1000億円から成る。 レガシー効果には交通インフラ整備、バリアフリー対策、訪日観光客の増加と、競技場の活用、スポーツ人口やイベントの拡大などに基づくものだが、このうち交通インフラ整備、バリアフリー対策と訪日観光客の増大が主要な貢献要因になると見込まれる。 ■最終赤字は2兆3713億円 日本銀行も東京大会の経済効果を試算し、建設投資や訪日観光客の増大などを主因として14~20年の実質国内総生産(GDP)が25兆円から30兆円押し上げられると公表した。 民間にはさらに強気の予想もあった。大和証券の木野内栄治シニアストラテジストは一つのシナリオとして、観光産業の拡大で95兆円、国土強靭化が生み出す需要に基づいて55兆円の合計150兆円を見込んでいる。 実際の経済効果はどうなっただろうか。ここでは学者の試算を取り上げる。関西大学の宮本勝浩名誉教授(国際経済学専攻)は東京オリンピック・パラリンピックの経済効果を約6兆1442億円と試算。これは消費の拡大や税収増などのプラス効果も勘案したものだという。 また、大会組織委及び国と東京都は合計約2兆3713億円の赤字を出��たと試算した。この赤字の中には無観客開催で生じた入場料の逸失収入約900億円も含まれていた。 ■事務総長が語った「ソフトなレガシー」 夏の東京でオリンピックを開催するにあたり、避けて通れないのが猛暑対策だ。東京オリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は、2018年10月17日、東京都内の日本記者クラブで行った記者会見で、東京大会の課題について説明。 予想される猛暑への対応については、マラソンのスタート時間を午前7時に繰り上げるなど様々な措置を講じると表明したが、日中の最高気温がセ氏35度、場合によっては40度を超える事態に直面した場合、屋外での競技が続行できるのか、観客は耐えられるのかなどを巡って決め手はないようだ。その後、マラソンと競歩は札幌開催に変更された。 武藤氏は、1964年の東京オリンピックが交通インフラや競技場などのハードなレガシーを残したのに対し、2020年大会は、①日本人が育んできた文化的価値、②社会的なルールの順守の重要性、③自然との調和の重要性、などを発信することによって、ソフトなレガシーを後世に残したいと意欲を示し、大会を通じてボランティア文化も根づかせたいと語った。 2020年2月に日本国内でも新型コロナウイルス感染症が拡大し始め、同年7~8月の東京大会の開催が危ぶまれるようになった。4月にかけてコロナ感染は爆発的拡大を見せ、市民に「行動変容」を促す「緊急事態宣言」が初めて発出された。安倍政権は同月、東京大会を1年延期することを決めた。その後も、コロナ禍は収束の兆しを見せなかった。 ■無観客開催にいたるまで 2021年5月半ば以降、菅首相に中止を求める直言も閣僚の間から相次いだ。そうした中で、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長らは五輪の無観客開催を推奨する提言を政府などに提出した。 菅首相はコロナ禍での五輪開催の意義について、「平和の祭典」であるとしたうえで、「安全・安心の対策をしっかりと講じる」と繰り返した。しかし、7月23日の開会式を控えて、コロナ感染状況は一層悪化、東京都に対する第四回「緊急事態宣言」が発出され、政府は東京大会の原則「無観客」開催に応じるよりほかに術はなかった。 正式には7月8日、都内の会場での無観客開催が決まった。観客を入れて開催したのは静岡県と宮城県、「学校連携観戦プログラム」で児童を入れた茨城県の3県だけだった。東京パラリンピックも原則、無観客開催となった。 ■レガシーはどこにい���た 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中で“強硬開催”された感のある第32回オリンピック大会(東京オリンピック)は21年8月8日、日程を終え閉幕した。 コロナ感染蔓延で1年延期され、大半の会場が無観客となるなど異例ずくめの大会となったが、無事に終了した。約1万1000人の選手が参加し、日本はこれまでで最多の金メダル27個を獲得し、国別では米国、中国に続く3番目。銀、銅メダルを合わせるとメダル数は58個とこれも過去最多だった。 日本勢の活躍により、オリンピックに対する国内世論の逆風は一定程度沈静化したとの見方もある。 オリンピックの期間中はほぼ真夏日が続いた。専門家は熱中症への注意を呼びかけ、選手らはミストシャワーを浴びたり、保冷剤入りのアイスベストを着用して体温調整を図った。水分もこまめに補給した。 新型コロナウイルス感染症の流行が急拡大する中で“強硬開催”された東京大会への世間の風当たりは組織委の武藤氏が掲げた東京大会の“レガシーリスト”(前述)を色あせたものにした。 テレビ局からの放映権料収入を優先して、参加選手を猛暑にさらすことへの抵抗感の欠如は、武藤氏が重視する“自然との調和”をうつろなものに響かせる。汚職と談合に至っては、“ルールの順守”どころではない。
最終赤字額は2兆3713億円…汚職と談合にまみれた「2021年の東京オリンピック」がわれわれに残したもの(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース
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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024)1月30日(火曜日)
通巻第8111号
ミャンマーで本当は何がおきているのか(その2)
中国の二股外交、奇妙なアプローチの狙いは奈辺に
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ヤンゴンの中心部、湖をのぞむ景勝地に立つ豪邸は、アウンサンスーチーの所有する不動産である。この前の道路でよく集会が開催されたため国際的にも有名な場所だった。筆者も、付近の仏教寺院を見学したあとに長い坂道をおりたら、この豪邸の正面にでた。
敷地面積8000平方メートル。庶民から観れば王様の邸宅である。3月20日に、この物件は競売となる。入札価格は221億円から始まるという。きっと中国の金持ちが落札するのではないか。
ミャンマーにおける中国の関心事は、地域の安全保障希求というより自国利益優先で、自己チューである。2021年2月の軍事クーデター以来、中国共産党はミンアウンフライン��令官が率いる軍事政権を支援しているが、他方で各地に盤踞する武装勢力にも武器を供与している。
二股外交が平気な国だからこそできる芸当だ。
米国平和研究所のジェイソン・タワーは「中国は、地政学的利益の確保、経済プロジェクトの推進、辺境地域における欧米の影響力抑制に力を入れている。しかしミャンマーの分裂状態が持続すれば、ミャンマーはアセアンで孤立を深めるだろう。それは中国が裨益する結果をもたらすかもしれない」と分析する。
ミャンマーの国境地帯は軍事政権の統治が及ばず、密輸、人身売買とサイバー詐欺の増加をもたらした。中国のハッカー部隊の拠点化し、ギャングの巣窟となり、しかも中国はゲリラ組織と強い絆がある。中国政府は犯罪増加を憂慮しつつも、取り締まりは手抜き、中国の犯罪組織を阻止するより、反政府武装組織を手なずけ中国の利益に繋がることを目論んでいるかのようだ。
中国の権益とは具体的には、中断されているカチン州での水力発電プロジェクトの再開。ザガイン地域の銅鉱山の操業再開、ラカイン州チャウッピューの工業団地建設、港湾の整備近代化、そして雲南省へ運ぶパイプラインの安全である。
中国雲南省は、ミャンマーの西海岸からのパイプラインで裨益し、また中国の観光客は雲南省に近いミャンマー地域や第二の都会マンダレーを旅行する。翡翠や色石の取引が目的である。
マンダレーは雲南華僑の街である。ホテルで朝から酒を飲んでいるのは大概が華僑の宝石商である。
ミャンマー国境は犯罪集団が跋扈し、人身売買とサイバー集団が、むしろミャンマー政府の監視が行き届かないゆえに却って安全とばかり、武装組織が支配する地域を隠れ家として利用している。かれらの「みかじめ料」もどきも武装組織の軍資金である。
中国公式情報筋の情報では中国警察が2022年に46万4,000件を超える国境を越えた詐欺や詐欺事件を処理し、詐欺に関与した79万のウェブサイトを閉鎖したとか。
ミャンマーとタイの国境では別の問題がある。
中国、タイ、ミャンマーのギャングたちの拠点化しており、密輸シンジケートの暗躍がある。ラオスとの国境へ行くとカジノホテル、売春窟。そして麻薬の密輸ギャング団のアジトがある。
一方、全国の広大な犯罪地帯は拡大し続けており、特にシャン州北部の町タチレクや中国国境に隣接し、ミャンマー国軍が支配するとされた地域で武装集団との戦闘が拡大し、国軍が敗北を喫した(23年10月27日)。
中国が珍しく停戦を斡旋したのは当該地域の華僑の利権を優先させたからだと情報筋は解析する。
タイとの国境、シャン州の東側ではカチン続やカレンニー族が戦乱を逃れてカセ州からタイのメーホーソン県へ多数が逃げ込んだ。
また首都ネピドーに近い中部のピンウールウィンという町では国軍支持の僧侶たちが集会を開き、なんとミンウンフライン司令官の解任を求め始めた。「ゲリラに国軍は手ぬるい」という訳だ。
ギャングの伏魔殿がミャンマー国軍の統治が及ばない辺境地帯。この先、どうなるか?
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BTS Sugaのワールドツアーは究極のポップス転覆 / The Atlantic 翻訳
アメリカでグループ初となるソロコンサートを開催、アーティストとしての個性を強烈に宣言した。
Story by Lenika Cruz
フォグマシーンの柔らかな吐息に包まれたステージから、フードを被った4人の人物が舞い降りてきたかのようだった。その肩には、黒をまとった体が乗っている。雨と稲妻が背後のスクリーンに真っ白に映し出される。ようやく、その男が地面に横たえられた。その後には、まるで死からの復活を思わせるような光景が待っていた。スポットライトが彼を見つけ、歓声が上がり、ついに彼は動き出した。そして、マイクを口に当てた。
このロックスター、ラザロの正体はミン・ユンギ。グラミー賞にもノミネートされ、チャートを席巻している韓国のグループ、BTSのラッパー兼ソングライターのSugaとして広く知られている。しかし、その夜ニューヨーク州ロングアイランドにあるUBSアリーナのステージには、彼のバンドメンバーは誰もいなかった。なぜなら、この日は彼のソロワールドツアーの初日だったからだ。昨年の夏以降、メンバーは各々の兵役義務遂行に向け、個人活動に集中してきた。BTSで初めてソロツアーを行うSugaはグループ作品よりも暗く、生々しく、パーソナルな音楽制作のために2016年につけた名前、Agust Dとしても公演を行っていた。先月、Agust Dの3部作の完結編となる強烈なスタジオアルバム『D-Day』をリリースした。このアルバムで社会批判やトラウマの黙想、名��、精神疾患、孤独、そして許しについて語っている。
同じくD-Dayと題されたSugaの現在進行中のツアーは、彼の作品を初めて本格的にショーケースするものだ。完売したアメリカでのツアーは、まるで10年以上の歳月を経て作り上げた芸術的個性の宣言のようだった。コンサートはフロントマンのエネルギーと作家主義的な華麗さで爆発していた。しかし、彼の最も際立った功績はポップミュージックが持つ共感を生み出す潜在的な力を受け入れながらも、その非人間的な作用に立ち向かっていることだ。
水曜日の夜、カリフォルニア州オークランドで幕を閉じた全米ツアーの全11公演は雷雨の中、道路に横たわるSugaの姿で終わるショートフィルムからスタートした。これはBTSとしてデビューするまでの練習生時代、生活費を賄うためにソウルで配達のアルバイトをしていた時に、車にはねられたことにちなんでいる。この事故で肩に傷を負った彼はBTSが世界的な名声を得た後も、この怪我に悩まされ続けた。この映像の後に命を落としたかのような実物のSugaがステージに担ぎ込まれる展開は、スムーズでありながらも衝撃的であり、何日も会場の外で待ち続けるファンを持つポップスターの人間的な脆さを再認識させるものであった。
初日のUBSアリーナ、そしてアメリカ最終日のオークランド・アリーナで私が観たSugaの公演は、ポップ・コンサートの常識を覆すものだった。ある面では子供の頃に日本の作曲家である坂本龍一の曲をサンプリングして自分のビートを作っていた技術に長けたラッパーによるダイナミックなヒップホップショーだった。Sugaは『Haegeum』でこの夜の空気を作った。タイトルは韓国の弦楽器と解禁を意味する。「溢れ返る情報は想像の自由を禁ずると同時に思想の統一を求める」「資本の奴隷 カネの奴隷 憎悪と偏見 嫌悪の奴隷 / YouTubeの奴隷 Flexの奴隷」とSugaは韓国語でラップする。Haegeumの耳に残るストリングスと、心地よく荒れたベースが空気を振動させた。この曲はすべて韓国語で書かれたものだが、観客は歌詞を大声で彼に歌い返した。反骨精神に満ちた『Daechwita』、初期のファンに人気の『Agust D』、『Give It to Me』と激しいラップ曲で序盤を駆け抜ける彼は��眠状態にあるかのようだった。
観客がまだ落ち着かないうちに、Sugaはアコースティックギターを取り出した。ギターにはBTSの他の6人のメンバーからのメッセージや絵が描かれていた。パンデミック期間中にギターを習得した彼のアンプラグド・バージョンの『Seesaw』は、振り付けやバックダンサー、凝ったセットを伴う過去のパフォーマンスとは一線を画すものであった。序盤の盛り上がる曲で見せた力みのない威勢が、静かなシンガーソングライターモードのSugaへと移り変わっていった。その後、アップライトピアノの前に座り、2020年のBTSの楽曲『Life Goes On』の自作バージョンを披露した。特に感極まる瞬間は、歌手のWoosungと亡き坂本龍一が参加した楽曲『Snooze』のソロパフォーマンスだった。2022年後半にSugaと坂本が唯一対面した時の映像が、前もって大型スクリーンに流れた。グランドピアノで曲を演奏する年上のミュージシャンと喜びを抑えようとする若者。Snoozeは、坂本にとって最後のコラボレーション作品のひとつになった。坂本を敬愛し、苦闘する若きアーティストを慰めるためにこの曲を書いたSugaにとって曲中の坂本の存在は、とりわけ心に響くものだろう。
BTSの活動で、できなかった試みをD-Dayで再三にわたり実践するSugaの姿は、実にスリリングだった。 そう、彼は依然として熟練したエンターテイナーなのだ。何万人もの観客の心をつかむ術を熟知している。BTSのコンサート中盤の爽快なラップメドレーで見せるとおり、息をつく様子もなくラップをしながらステージを飛び回れる人なのだ。そして、ロサンゼルスの2公演ではアメリカ人歌手、MAXとHalseyをゲストに迎え、それぞれのコラボレーションを披露した。その一方で、彼の破壊的な選択も際立った。コンサートに散りばめられたショートフィルムは、デヴィッド・リンチの夢の論理とグラインドハウス映画の粗い質感を思わせる。ポップアイドルのSuga、影のAgust D、そして人間ミン・ユンギという3つのアイデンティティーのストーリーが描かれている。このコンサートにおける究極の芸術的意図は、それぞれの自己を観客に明瞭に示すと同時に、それらがすべて共存していなければならないのだと認識させることにあるようだ。BTSのソロ曲である『Interlude: Shadow』やBTSの他のラッパーたちとの曲のヴァースを披露する姿を見て、彼は自分の過去を否定しているのではなく、むしろ誇りに思っているのだと確信した。なにしろ、その過去が彼を韓国の青瓦台、アメリカのホワイトハウス、国連総会、そしてグラミー賞の舞台にまで導いたのだから。
もうひとつの魅力的な演出があった。公演全体を通じて、舞台の一部がチェーンで天井に引き上げ���れ、Sugaのパフォーマンスできるスペースが次第に狭くなり、より慎重に舞台を進行させる必要があったのだ。 アンコール前の最後の曲『Amygdala』では、寂しげな四角い床に立っていた。周囲には炎が燃え上がり、まるで恐ろしい牢獄のようだった。アルバム D-Dayの核となる、このエモ・ラップトラックには、Agust Dのオルター・エゴの起源が記されている。交通事故、母親の心臓手術、父親の肝臓がん宣告など、彼の人生を決定づけたトラウマに言及し、それらがいかに彼を形成したかを語っている。曲の最後のフレーズで、力尽きたように地面に倒れ込むとフードをかぶった人物たちが戻ってきて彼を運び去った。ただし、今回は全身真っ白な服を着ていた。まるで浄化されたかのようだった。彼のカタルシスが完了したのだ。
アンコールの頃には舞台装置がすべて取り払われ、下に隠れていた機材が露わになった。 消火器、電気コード、発火装置などが散乱していた。Sugaはもう観客の頭上に立つことなく、地面の高さからファンの目の前で最後の数曲をパフォーマンスした。時にはファンの携帯電話を手に取り、自身の姿を撮影してみせた。最後の瞬間は、ほろ苦かった。ほとんどの観客は、6月下旬にあるソウル公演でツアーが終了した後、Sugaが少なくとも18ヶ月間の兵役に就くことを知っていたからだ。その現実がコンサートを一時的な別れのように感じさせた。ファンが持つライトスティックの輝きが、まるでひとつの波のようにアリーナ全体を駆け巡った。 時折、野生的なエネルギーに駆られた観客が吠え始めるとSugaは驚いたり笑ったりしていた。オークランドでは観客に向かって、BTSの他のメンバーと一緒に戻ってくること伝え、ファンにもう少しだけ待って欲しいと頼んだ。
ツアー初日の夜、もうひとつのサプライズが待っていた。私は最後の曲は感傷的なものなのか、軽快なものかだと思っていた。 ところが、Sugaは不気味なビデオカメラの輪の中に入っていき、その真ん中に立った。つぶやきはじめたのは『The Last』のヴァースだった。第一作目のミックステープに収録されているこの曲は、彼の最高傑作であり、私が最も好きな曲のひとつだ。そして、このところ私が聴くのに苦労している曲でもある。The LastでSugaは、強迫性障害、鬱、社交不安について語っている。低く控えめな表現から徐々に切迫していき、最後には叫び声と泣き声の間のような声へと変化していた。数年前、この曲を初めて聴いたとき、私は自分自身の絶え間ないパニック障害による発作と息苦しい死への渇望を思い出した。この曲は私の心に刺さり、歓迎すべき欠片になったのだ。
ここ数年、Sugaは成長、自己愛、不安や苦しみを肯定することをテー��にした音楽を多く作ってきた。 コンサートの序盤、彼は英語で「あまり怒りを抱えずにパフォーマンスしたい」と語り『SDL』、『People』、『People Pt.2』といった曲に焦点を当てた。これらの曲は人生の試練を前にして冷静に考え、許し、謙虚でいられる人物像を描いている。ひどい苦しみから解放され、自分なりの癒しを見つけられたときの安堵感を私もよく知っている。だから、The Lastの出だしの歌詞(「有名なアイドルラッパーその後ろに、弱い俺が立ってる 少し危険だ」)を聴いたとき、私は凍りついた。彼は一体何をしているのだろうか。 監視システムのように並んだカメラ、その映像が映る彼の頭上のスクリーン。彼が見せる苦しみを貪るように映し出す。つまり私もまた、彼の苦しみを貪っているのだ。
しかし、すぐに理解できた。23歳のときと同じように息もつかせぬ情熱でラップしているが、単なる激高ではなく時間とともに和らいだ怒りでパフォーマンスしているのだと。その感情の力強さや真摯さに陰りはないが、それを発信する側が受けるダメージは少ないのだ。今の彼は炎の中に立って熱を感じながらも、その炎に飲まれることはない。若き日の自分に回帰することなく、当時の自分と心を通わせられる。
そして、魔法が解けた。曲が終わった瞬間、客席の照明がつき、彼が舞台袖に無言で歩いていくのが見えた。別れの挨拶も、長々とした感謝の言葉も、歓声を上げる観客に手を振ることもない。後ろを振り返ることさえもしなかった。初日の夜、突然の退場に衝撃を受けた人々は戸惑いの表情を浮かべた。このフィナーレを観客との静かな対決、愛されてやまない芸術家による大いなる自己主張と捉えることもできるかもしれない。けれども、もしそれが対決であったなら、それは見下しているのではなく、むしろ信頼に基づくものだ。観客が不快感に耐えられるだけの知性を備えており、彼が見せたものに気分を害したり、恐怖を感じたりしないのだという信頼だ。
完璧なエンディングだった。闇と神話作りから始まったコンサートが明かりの中で、さらけ出すように終わったのだ。他の誰かに運ばれきてスタートさせた公演をSugaは自らステージを去ることで終わらせたのだ。これ以上、何を望むというのか。彼は私たちに何もかも見せてくれたのだから。
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"Kill them with kindness" Wrong. CURSE OF MINATOMO NO YORITOMO
アイウエオカキクケコガギグゲゴサシスセソザジズゼゾタチツテトダ ヂ ヅ デ ドナニヌネノハヒフヘホバ ビ ブ ベ ボパ ピ プ ペ ポマミムメモヤユヨrラリルレロワヰヱヲあいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほまみむめもやゆよらりるれろわゐゑを日一国会人年大十二本中長出三同時政事自行社見月分議後前民生連五発間対上部東者党地合市業内相方四定今回新場金員九入選立開手米力学問高代明実円関決子動京全目表戦経通外最言氏現理調体化田当八六約主題下首意法不来作性的要用制治度務強気小七成期公持野協取都和統以機平総加山思家話世受区領多県続進正安設保改数記院女初北午指権心界支第産結百派点教報済書府活原先共得解名交資予川向際査勝面委告軍文反元重近千考判認画海参売利組知案道信策集在件団別物側任引使求所次水半品昨論計死官増係感特情投示変打男基私各始島直両朝革価式確村提運終挙果西勢減台広容必応演電歳住争談能無再位置企真流格有疑口過局少放税検藤町常校料沢裁状工建語球営空職証土与急止送援供可役構木割聞身費付施切由説転食比難防補車優夫研収断井何南石足違消境神番規術護展態導鮮備宅害配副算視条幹独警宮究育席輸訪楽起万着乗店述残想線率病農州武声質念待試族象銀域助労例衛然早張映限親額監環験追審商葉義伝働形景落欧担好退準賞訴辺造英被株頭技低毎医復仕去姿味負閣韓渡失移差衆個門写評課末守若脳極種美岡影命含福蔵量望松非撃佐核観察整段横融型白深字答夜製票況音申様財港識注呼渉達良���阪帰針専推谷古候史天階程満敗管値歌買突兵接請器士光討路悪科攻崎督授催細効図週積丸他及湾録処省旧室憲太橋歩離岸客風紙激否周師摘材登系批郎母易健黒火戸速存花春飛殺央券赤号単盟座青破編捜竹除完降超責並療従右修捕隊危採織森競拡故館振給屋介読弁根色友苦就迎走販園具左異歴辞将秋因献厳馬愛幅休維富浜父遺彼般未塁貿講邦舞林装諸夏素亡劇河遣航抗冷模雄適婦鉄寄益込顔緊類児余禁印逆王返標換久短油妻暴輪占宣背昭廃植熱宿薬伊江清習険頼僚覚吉盛船倍均億途圧芸許皇臨踏駅署抜壊債便伸留罪停興爆陸玉源儀波創障継筋狙帯延羽努固闘精則葬乱避普散司康測豊洋静善逮婚厚喜齢囲卒迫略承浮惑崩順紀聴脱旅絶級幸岩練押軽倒了庁博城患締等救執層版老令角絡損房募曲撤裏払削密庭徒措仏績築貨志混載昇池陣我勤為血遅抑幕居染温雑招奈季困星傷永択秀著徴誌庫弾償刊像功拠香欠更秘拒刑坂刻底賛塚致抱繰服犯尾描布恐寺鈴盤息宇項喪伴遠養懸戻街巨震願絵希越契掲躍棄欲痛触邸依籍汚縮還枚属笑互複慮郵束仲栄札枠似夕恵板列露沖探逃借緩節需骨射傾届曜遊迷夢巻購揮君燃充雨閉緒跡包駐貢鹿弱却端賃折紹獲郡併草徹飲貴埼衝焦奪雇災浦暮替析預焼簡譲称肉納樹挑章臓律誘紛貸至宗促慎控贈智握照宙酒俊銭薄堂渋群銃悲秒操携奥診詰託晴撮誕侵括掛謝双孝刺到駆寝透津壁稲仮暗裂敏鳥純是飯排裕堅訳盗芝綱吸典賀扱顧弘看訟戒祉誉歓勉奏勧騒翌陽閥甲快縄片郷敬揺免既薦隣悩華泉御範隠冬徳皮哲漁杉里釈己荒貯硬妥威豪熊歯滞微隆埋症暫忠倉昼茶彦肝柱喚沿妙唱祭袋阿索誠忘��雪筆吹訓懇浴俳童宝柄驚麻封胸娘砂李塩浩誤剤瀬趣陥斎貫仙慰賢序弟旬腕兼聖旨即洗柳舎偽較覇兆床畑慣詳毛緑尊抵脅祝礼窓柔茂犠旗距雅飾網竜詩昔繁殿濃翼牛茨潟敵魅嫌魚斉液貧敷擁衣肩圏零酸兄罰怒滅泳礎腐祖幼脚菱荷潮梅泊尽杯僕桜滑孤黄煕炎賠句寿鋼頑甘臣鎖彩摩浅励掃雲掘縦輝蓄軸巡疲稼瞬捨皆砲軟噴沈誇祥牲秩帝宏唆鳴阻泰賄撲凍堀腹菊絞乳煙縁唯膨矢耐恋塾漏紅慶猛芳懲郊剣腰炭踊幌彰棋丁冊恒眠揚冒之勇曽械倫陳憶怖犬菜耳潜珍
“kill them with kindness” Wrong. CURSE OF RA 𓀀 𓀁 𓀂 𓀃 𓀄 𓀅 𓀆 𓀇 𓀈 𓀉 𓀊 𓀋 𓀌 𓀍 𓀎 𓀏 𓀐 𓀑 𓀒 𓀓 𓀔 𓀕 𓀖 𓀗 𓀘 𓀙 𓀚 𓀛 𓀜 𓀝 𓀞 𓀟 𓀠 𓀡 𓀢 𓀣 𓀤 𓀥 𓀦 𓀧 𓀨 𓀩 𓀪 𓀫 𓀬 𓀭 𓀮 𓀯 𓀰 𓀱 𓀲 𓀳 𓀴 𓀵 𓀶 𓀷 𓀸 𓀹 𓀺 𓀻 𓀼 𓀽 𓀾 𓀿 𓁀 𓁁 𓁂 𓁃 𓁄 𓁅 𓁆 𓁇 𓁈 𓁉 𓁊 𓁋 𓁌 𓁍 𓁎 𓁏 𓁐 𓁑 𓀄 𓀅 𓀆
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みおりん初ミュージカル ジャッキー・ウー・ミュージカル「もう一度抱きしめて」 のレポ
ジャッキー・ウー ミュージカル「もう一度抱きしめて」 2025/2/1(土) 13:00の回
※ネタバレ注意。
市川美織さん(みおりん)推しの私。みおりんが初のミュージカル主演とのことで見に行った。
会場は東京都の銀座の博品館劇場。
12:15 開場
13:00 開演
トイレ休憩有り
15:54 終了
物語はラフマの語りから始まる。ラフマは運命を操る存在だという。
��の後に出演者の皆さんがダンス。
ダンスが終わった後に主役の2人の場面に。
ここは公園。
ベンチに二人の男女が座っていた。
ベンチでため息をつく井生新汰(いお あらた) 。
アラタという青年はこのミュージカルのもう一人の主役だ。
アラタ役は野澤祐樹さん。
野澤さんは「冤罪執行遊戯ユルキルthe stage」にも出演されていてみおりんと共演してた。
——話を戻して。アラタがあまりにもため息をつきまくるので隣に座っていたみおりん演じる天谷美希(あまたに みき)がホイッスルを鳴らした。ミキは大学生。女子大に通っている。ひょんなことから二人は知り合いになった。アラタがミキのことを「ミキティ」(元モー娘。の藤本美貴さんのあだ名)とふざけて呼んでた。ミキが「マッチョの人(旦那の庄司智春さんのこと)を連想しちゃうからやめて!!」と言ってて面白かった。
ミキは踊れなくなってダンサーの夢を諦めているアラタを応援し励ました。
ラフマが運命を操って二人の仲をいい感じにした。
次第に心を通わせていく二人。
次は居酒屋のシーン。
いるのは青年二人と女性客二人。
女性客二人組の会話から始まった。
「男の大丈夫は信用できない」と話す女性客のまゆゆ(※元AKB48のまゆゆではない) 。
ふくよかな体型が特徴のチャーミングな女性。
なぜかこの二人だけテーブルが他のものより小さい。
店員さんはなぜか元気な声で「はい、よろこんで! 」としきりに話していた。
というか、店員さん全員これしかしゃべってない。
料理のもずくに髪の毛が入っているとまゆゆが店員さんに言った。
まゆゆがクレームを入れて悪い評判をネットに書くと言ったら店員さんが「はい、よろこんで!」と答えてて青年二人が驚いていた。
要はギャグシーン。
元ネタはおそらく流行りの曲、こっちのけんとさんの「はいよろこんで」。
回想シーン。
アラタはダンサーで青年二人と同じチームであることがここで判明する。
この二人はアラタの友達。
アラタはダンス大会に出場してた時に、大技に失敗してケガをしてしまい足が動かなくなったためダンス生命が絶たれた。
アラタが「(回想シーンで踊ったから)息が上がる」とメタ発言。
アラタが抜けた穴を埋めるべくメンバー募集のダンスオーディションをする青年二人。
ここでなぜか居酒屋の客だったまゆゆも参加。
他の候補者は、なんか違うダンス、セクシーダンス、盆踊りとかなり個性的。
ここでライバルのダンサーが乱入してオーディションは中止になった。
まゆゆがライバルダンサーに「オレに惚れただろ!」と言っててワロタ。
この後にダンス仲間が客席に語りかけてきた。
内容はクイズだったか、自分達とどこで出会ったのかみたいなやつだった。
挙手制。
答えは「居酒屋! 」。
5回目なのにレスポンスが初めてできたという。
たぶん客層が違うんだと思う。
ミキの家のシーン。ミキとお母さんの天谷佳子(演 : あめくみちこさん)の会話のシーン。
クレープみたいなのが出てきた。
お父さんの好物が「フランス産◯◯」とやたら長い名前の料理だった。
ミキは大学を卒業したら出版社(だった気がする)で働きたいと母親(佳子)に語っていた。
ミキの父親の天谷正一(演 : さけもとあきらさん)が帰宅。
自分は外で食べてきたからと佳子が用意した夕飯を食べなかった。
連絡無し。
連絡ぐらいしてくれ。
この父親が厳格でモラハラ気質ですっごいイヤな感じ。
父親(正一)は会社の社長でお金持ち。
息子はできなかったため跡取りとして婿を欲しがっている。
正一はミキの意志を無視して無理矢理自分が選んだ男と結婚させようとしていた。
ある日、ミキとアラタがハグしている現場を正一に見られてしまう。
よりによって父親に抱き合っているところを見られるなんて…
当然、正一は激怒。
ミキを連れ帰り家に閉じ込めようとする正一。
佳子は正一からミキを逃す。
泣く泣く家を出て女友達の家に避難するミキ。
ここのあめくみちこさんの演技で私は泣いた。
娘を想う優しい母親という設定の通りだった。
正一がアラタを呼び出す。
正一はお高いお店でワインを注文。
アラタには店員さんに水を出させた。
正一はアラタに父親の仕事を聞いた。
アラタは父親は工場で働いていると答えた。
正一がいちいちアラタにプレッシャーをかけてきて怖い。
裏ではアラタとミキの友人達が二人を引き合わせようとしていた。
ここから場面は大きく変わる。
正一が男を使ってアラタをトラックに轢かせようとした。
スマホを落としたアラタは間一髪で助かるもミキが轢かれてしまう。
場面は病室。
アラタはミキに会おうとしても正一に追い返されるのでミキの大学の女友達とアラタの友達に頼んで中入れるようにしてもらった。
まゆゆは「脱いだらすごい」と言って場を和ませようとしてた。
最終的にミキは亡くなってしまった。
ここのミキ(みおりん)の歌唱シーンで私は泣いた。
ラフマが何にも悪いことをしてないのに亡くなってしまったミキに対して「可哀想ですがこれも運命」と無慈悲に言っててイラッときた。
一緒にいた妖精さん(?)達もラフマをにらみつけてた。
観客もみんなそう思っているはず。
正一がアラタを殺そうとしたことを知った佳子は正一を激しく非難。
正一役のさけもとあきらさんの歌唱シーンが良かった。
妻と娘を想うあまりに道を踏み外してしまった不器用な男の心情を見事に歌い上げてた。
物語はいよいよ終盤。
ミキを失った悲しみから首吊り自殺をしようとするアラタ。
それを止めるようにホイッスルの音が鳴った。
幽霊となったミキがアラタに必死に呼びかけているのだ。
残念ながらアラタにはミキの姿が見えない。
なんかここのミキがあの花のめんまみたい。
みおりんは舞台「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の本間芽衣子(めんま)を演じていた。
ジャッキー・ウーさんはおそらくあの花の舞台を見ているはず。
ここのミキの歌唱シーンで私はまた泣いた。
ここでミキが最後のお願いで「もう一度抱きしめて」と行ってタイトル回収。
この二人に感情移入してたから涙が止まらない。
ミキのお葬式のシーン。
ミキとアラタの友人達が参列。
正一は罪を償うことを決意。
ここで佳子が流産した男の子の名前が「あらた」であることが明かされた。
正一は「罪を償ったら会ってほしい」とアラタに話した。
いよいよラストシーン。
懸命なリハビリの甲斐もあって踊れるようになったアラタ。
夢へ向かって歩み出す。
ここで舞台は終わり。
最後にカーテンコールで出演者の皆さんがご挨拶。
感想はXでポストした通り。
みおりんの歌唱力が上がってて良かった。
近くにいた他のお客さんも涙ぐんでた。
花粉症の可能性もあるがたぶん感激の涙だと思う。
出演者の皆さんの演技も素晴らしかった。
ダンスシーンがすごかった。
見に行ってよかった。
ジャッキー・ウーさん、みおりんを選んでくれてありがとう!!
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ハートレスメモリー第一話、生きて帰れました まだ5話あるうちの出だしですが「これがハートレスメモリー…」となっています(大の字)
PCの過去に死んだ人を書いておくと シナリオに出すよ、と言われたので 立ち絵を描いてGMさんに送りました (画像左のメンズ)
⚠️当然の如くネタバレがあるうえに長いし散文⚠️
✿ミドルまでの感想文はコチラ
ラージナンバーだし大人だしPC1の焔くんを後方腕組保護者面で〜と思っていたらシナリオロイス・七姫ちゃんが思ったより物語の中心で巻き込まれていて見守りどころではなくなった件 〜宿屋の主人はオルクス〜
見知らぬ島へ単身乗り込んだものの空振りの連続、島民各位には隠し事が分かる程度にはぐらかされるし、情報収集で島のお爺さんに怒られるしで散々だよぉ…… 最初に会った唯ちゃん巡査がいい人で本当に良かった 多分、唯ちゃんにはすごく懐いてると思う ミドル戦闘前にワーディングがあっても平気なところで「あ……あなたもオーヴァードですか……」ってなったところ、お互いオーヴァードとして長く生きてる感あって良かったな
唯ちゃん巡査、常勝の天才の時の私がついてます! 大丈夫です! ムーブがめっちゃ好き 安心する 命くんちゃんさんには何度も庇ってもらうし、綾花ちゃんは装甲無視でつよつよエースアタッカーだし、焔くんには手当てしてもらうし… あれ? お守りするどころかめちゃくちゃ面倒見られてない? この大人
でも情報収拾シーンの出目は良くて、ちゃんと記者出来てるじゃんと安心しました 面目躍如 七姫式取材術とかあるのかな というかミドルもみんな出目に恵まれて順調だった いいことだ🍵 まぁ装甲積んでも意味なかったんですけどね!
やっぱりサイレンって固定値がないと命中難だけどシーン攻撃装甲無視ってどう考えても強いよ お姉ちゃんもメジャー支援で再行動させるし いや、ラウンド内再行動は自陣も同じだったわけですが… (常勝の天才+アドヴァイス+触媒) 2ラウンド2回攻撃より1ラウンド2回攻撃の方が強いって再認識した 戦闘はやっぱり支援とガードがいると安定する、ありがとうの気持ち🙏 対抗種も賢者ストーンもダメージがアホみたいに伸びるし頼りになる…
自陣は姉から落としましたが、弟から落としたら��うなっていたんだろう 残った方がパワーアップする感じなのかな 攻撃手段を持つのも怖いけど、純粋にガード性能が上がって戦闘が長引くだけでも十分辛いんだよなぁ ブラックドッグ、器用なシンドロームで好き
さ〜て侵蝕思ったより上がらんかったしロイスも守ってもらえたし〜と油断して振ったバックトラック、間違えてたとはいえ6D10で20は酷すぎる 100ピッタリじゃねーの アタイ6面ダイス振ったのかな? 出目、まったく本当にいつもキミはボクを振り回して…… 温情×振り直し×正しくは5D10🎲、大人しく倍振りしました(チキン🐓) 経験点0よりも倍振りの3 タンドリーチキンにしてお召し上がりください🍗
6面ダイス振ったかも、と言えば応急手当キットの2D10が4でしたね 來生にドジっ子属性がついてしまったけど焔くんに手当て(とても上手)をしてもらったの美味しかったです✌️ ドキドキしてすぐ目を逸らしちゃうDKおキャワだね… 血液型O型の自PC応急手当てが全員下手みたいなことになっているけど、その後の戦闘は出目が跳ねるので厄落とし…? ※メメント・バックトラック そう言えばキミ、セッション中に家事得意言うてたけどほんまか? 命くんちゃんさんが心配になるけどエグザイルなら料理の心配せんでええか?
✿シナリオに関して 序盤から焔くんにガンガン揺さぶりかけてくるじゃんって 焔くんがどんだけキズナちゃんのこと想ってるか知ってるかハトメモくん ハートレスなのメモリーじゃなくて貴殿だよハトメモくん でも逃げてと一緒にいてを美少女双子サンドイッチで囁かれる焔くん、ポジションとして好きなのでPLはすっげ〜〜〜笑顔☺️ ふたりの手を取って走り出す主人公DKムーブをキメて欲しい気持ち、とてもあります
あとね、エンディングの段になって綾花ちゃんのお兄ちゃんも出てきてね まずは濃いめピンク髪のショタありがとうございます🙇 「姿を現しなさいよ!」って言いながら玄関を閉める、開ける時は控えめにカラカラ…って随所があべこべでテンパってる感じがあって可愛すぎたセンキュー… 普通に考えて黄泉還りを目の当たりにした後で会う大切な故人、怖すぎるからね でも反応が可愛いので色んな目に遭って欲しい(クソみたいな本音) 繰り返しになりますが濃いめピンク髪のショタありがとうございます、お帽子最高最高
唯ちゃんも消えた死体事件で始末書案件が発生してるし、命くんちゃんさんは前支部長が怪しいしで暗雲が垂れ込めてきてこの先が楽しみですね これダブルクロスだから 穏便に済む��けないと知ってるからPL、ワクワクしちゃうな
✿以下、PC4(來生)のこと もう七姫ちゃんの帽子👒見つけた時点で來生のメンタルは結構キているはず ワーディングで気を失ったり、場合によっては意識を保ったままジャームに…とか悪い方に考えてしまうのが來生なので 9割諦めてるけど周りが励ましてくれるから希望を持っている、そんな状態 ただ、七姫生存を諦めかけているところで小春ちゃんが協力を申し出てくれたことはとても嬉かっただろうなと
でもさぁ、七姫ちゃん多分そろそろ帰ってくるよって言われたあとの足音がまさか死んだ恋人(画像左)のものだとは思わないじゃないですか ほれ見ろ七姫生きとったやろ的な展開かなって予測してたし 何より5話CPだし恋人くんはもっと後ろで出てくるかなって思ってたんですよ そりゃ何でこの部屋ではなく隣の部屋に? 何の溜め? とか思ったけど なんというか、七姫ちゃんにドタドタって足音は違和感がないし、おっちょこちょいかなって思って…(ド直球の失礼)
せっかく色々聞けるタイミングだったのに人(小春ちゃんや仲居さん)がいる前で抱き締められて頭がパンクしてしまったために黄泉還りについて何も聞けず、ただ好きピ(故人)の前で顔を真っ赤にして恥ずかしがるだけの彼女になってもうた…そんなつもりでは…
でも嬉しそうな雰囲気は嘘じゃないんだよなとも 本当はテオドルと一緒になりたかったので、黄泉還ったテオドルに対しての感情は疑いよりも幸せの方が勝ってしまった そもそも身分違いが原因で結ばれなかったので、しがらみもなく世間のことは忘れて普通の恋人同士になれたのなら仕切り直したい気持ちはなくはないよなーなんて思ったり思わなかったり… 恐らく面影島の噂の時点で頭をよぎっただろうし、ナイチンゲールとソングバードのことを知ってテオドルが生き返る想像くらいはしてたかも知れないし
しかも次回、七姫ちゃんもちゃんと帰ってくるらしい……けどハンドアウトが不穏すぎるのでワクワクして待ってようと思います
ところでテオドルくん、ちゃんと靴脱いで上がりましたか? Here is Japan、土足厳禁ですのよ
おしまい✿
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★2023年に面白かった映画まとめ
こちらは題名通り、2023年に観ておもしろかった映画の感想まとめです。 ぼーっとしてると���久に家に閉じこもってしまうので少しでも外に出るきっかけを作るべく、新作映画を観に行くようになってからほぼ2年。ちょっとは映画を観るのに慣れてきた気がするので、備忘録も兼ねてすこし感想を書いてみます。一応ネタバレは回避気味、オチとか核心にはあんま触れてないつもり。
★個人的新作ベストランキング
①ベネデッタ (2021、仏・蘭、監督:ポール・ヴァーホーベン)
ヴァーホーベンの待ちに待った新作……だったらしいですが自分は彼に全然親しんでなくて、なんかヘンそうな映画だなーと思って観に行きました。結果、めちゃくちゃ面白かった。旧作含め、2023年に観た映画のベストです。 中世末期のフランスの修道院を舞台にしたお話……などと言うと非常に取っつきづらそうですがさにあらず。神を見ることができると主張する“聖女”ベネデッタの存在が周囲の人々に無数の波紋を投げかけていき、最終的にはどったんばったん大騒ぎにまで発展する、宗教と信仰と社会にまつわる物語。聖と俗のあいだを行ったり来たりする振り子の振れ具合が超秀逸。エロとバイオレンスと黒いユーモアがふんだんに投入されたパワフルな映画でとてもよかったです。この物語をどう見るかっつう糸口はいろいろ用意されてるんだけど、その間隙をうまーく縫ってくような絵図の描き方が自分は好きだなー。素朴な解釈をやんわり嘲笑するような強靱さとでも言いましょうか。 ちなみにこのあとヴァーホーベンの映画を3つくらい観てみましたが、観れば観るほどこの人の人間観は最高……! という気持ちになりつつあります。画面は一見粗野だけどその実かなり繊細な人なのではという印象。
②スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース (2023、米、監督:ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・トンプソン)
2018年のアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編。個人的に前作は、すさまじいアニメーションの快楽だなーと思いつつもあの手の王道ヒーロー譚がそこまで好みじゃないので、いい映画だけどウームとなるところもありました(でもマイルスが初めて“自分”でスイングするシーンの静かなカタルシスとか最高だったなー)。その点こちらは前作の裏にまわってメッタメタに展開していくところがずっと好みでありました。映像的にもさらにパワーアップしているようで、もはや何が起きてるかよく分からないレベルのイメージ洪水アニメなんだけど勢いのままに楽しんでしまったなー。あとから冷静に考えると内容も若��詰め込みすぎな気はする、しかし観てるあいだはそういうことを考えるイトマもなかった。 結果的になのでしょうが、糸を吐いて摩天楼を縦横無尽に飛びまわる“スパイダーマン”というキャラクターのアクション上のポテンシャルがこのアニメーションによって十二分に引き出されてるのかなーという印象です(全編を埋め尽くす超高速戦闘描写から、ふたりのスパイダーマンが糸の力で高楼に逆さに座るようなちょっとしたアイデアシーンまで)。 超いいところで終わっちゃうので続きが観たくてしょうがないですが、自分としては労働問題が解決してからゆっくり作ってほしいという気持ち……。
③VORTEX ヴォルテックス (2021、仏・ベルギー・モナコ、監督:ギャスパー・ノエ)
ギャスパー・ノエはこれが初見。ごくありふれた老夫婦の“晩年”を、画面の真ん中でまっぷたつに分割されたスクリーンに淡々と映していく老境映画。つまり基本的には夫婦ふたりが左右の別々の画面のなかで別々の行動を取っていくわけです。わりと古典的なスプリット・スクリーンという技法にすべてを賭けた映画とも言えるんだけど、結果的にすばらしく沈鬱でどうしようもないほど無情な効果を上げてるなーと自分は思いました……。ここまで身も蓋もなく直接的に「老い」とか「病い」を描いてるとちょっと嬉しくなってしまう。この画面分割にはいろんな効果があるのでしょうが、とりあえずこれによってごく平凡な老夫婦の生活が劇化されてて、自分は全然飽きなかった。終盤が圧巻。全然楽しくない映画だったけど自分は好きだなこういうの。 ちなみに分割された画面の片方で比較的重要なエピソードが描かれてるとき、もう片方の老人は大抵ウロウロしているだけの様子がただ映されてる感じなんだけど、実はその点が一番のキモだったりするのかも、と思いました。
④イニシェリン島の精霊 (2022、アイルランド・英・米、監督:マーティン・マクドナー)
舞台は1923年、内戦中のアイルランドにある離れ小島。そこに暮らすふたりの男が繰り広げる、みみっちくも壮絶な大人同士のケンカを描いた作品。こういうへんな人間ドラマが自分は観たかったんだなーと思わされる作品でした。演技もあいまって人物描写がすごい巧みで、ストーリーもなんでこんなんなっちゃうんだろうという感じ。あと自分はこの映画のロバと犬が好き……。まだ観れてない『スリー・ビルボード』もちゃんと観ます。 ただ強いていうと、自分的には演技にもロケーションにもかなりリアル寄りの厚みを感じる映画で、そのぶんところどころに差し挟まれる軽くて黒いギャグ調のシーンにはちょっと違和感というか落差を感じたりはしました。たしかにちゃんと俯瞰的にみれば悲惨ながらもバカバカしいストーリーではあるので、次観る��きは笑って観られる気もするけど。でもそれを踏まえても大変おもしろい映画でした。
⑤Pearl パール (2022、米、監督:タイ・ウェスト)
2022年公開のホラー映画『X』の続編。前作に登場した史上最高齢の殺人鬼パールの誕生秘話、ってな具合です。 時は1918年。アメリカの片田舎に暮らすパールは映画が好きで、自分もいつかは晴れ舞台に立つことを夢見ながらも自分の性癖と抜き差しならない現状に押しつぶされそうになっていた……。 これはすばらしきミア・ゴス劇場。堂々たる彼女のひとり舞台でしたね。自分は正直ホラー映画があんまり得意じゃないのですが(理由①は「怖いから」、理由②は「正直ハズレが多そうだから」)、こういうどうしようもない物語を一方的な血の惨劇として描けるのはエンタメ・ホラーの最高の部分ではないかと。淀川長治じゃないけど「いや~、ホラーって、ほんとにいいものですね~」と呟きながら家に帰った記憶があります。 ちなみに観終えた直後はこの世界観および人物描写ののっぺりした感じが気になったんだけど、これはおそらくパールの認識している世界像という表現でもあるのかなと思ってわりと納得しました。 正直『X』は微妙でしたが、こうなると3作目の『MaXXXine』も楽しみになってきました。内容的には前2作でも再三触れられていた、映画あるいは映像というもののあり方的な部分にメスを入れて来るのかなーという予想。
(追記。「○○って、ほんとにいいものですね」は淀川長治じゃなくて水野晴郎でした。すみません。不明を恥じてそのままにしておきます)
⑥マッドゴッド (2021、米、監督:フィル・ティペット) 監督・製作フィル・ティペットのストップモーション・アニメ。この方はいろんな映画の特殊効果を手がけてきたその道の巨匠だそうです。自分に一番なじみのあるものでは『スター・ウォーズep5 帝国の逆襲』の冒頭、氷の惑星ホスに登場するトーン・トーン(ルークとハン・ソロが乗ってるピョンピョン跳ねるかわいいやつ。しかし寒さで死んでしまう)やATーAT(四足歩行の全地形対応攻略兵器。象みたいなやつ。転ばされると無様ですな)。 舞台は遠未来の地球。なんらかの使命を帯びて地底世界へと降りていく工作員の目に映る、狂った世界の様相を描いた地獄めぐりストーリー。 いい意味でのディテールの汚らしさと世界観のおぞましさがすごくよかったです。イメージ・アイデアが無限に投入されてる感じも楽しい。何より、映ってるものがどんだけ酷くても全体的なミニチュア感にちょっとカワイゲを感じてしまうところがいいかなと。 ちなみにストーリーは途中からぶっ飛んでよく分からなくなりましたが、あまり違和感がなかったので別にいいかな~と思いました。ラストもどんな感じだったか忘れちゃったけどそれもまた良し。デヴィッド・リンチのアレとかスタンリー・キューブリックのアレとかいろんなものをオマージュしたようなシーンがいっぱい出てきて理路が爆発してた記憶が。 自分が一番好きなシーンはネックレスやお金がいっぱい出てくるところ。意味わからんけどいいシーンだった……。
⑦窓ぎわのトットちゃん (2023、日本、監督:八鍬新之介)
言わずと知れた黒柳徹子の大ベストセラーのアニメ映画化! 自分ももちろん知ってるけどまぁ読んでません……。 すごい評判がよかったのでへぇーと思って観に行ったのですが、確かにこれはすごかった。全編通して、一番肝心なことを声高に語らず静かに示していく抑制された演出がすげえ効いてるーと思いました。ここぞというところで空想的なイメージを放り込んでくる呼吸も自分は好ましかった。 事前のイメージに反してかなりしぶーい演出のアニメ映画という印象でした。描かれてる時代そのものはいろんなところで触れてるので全然知らないものではないんだけど、この演出にはちょっと胸を突かれるところがあったなー。どの世代の人が観てもいい映画だと思う。
★その他の新作
個人的な好みでいえばもう一歩……! と感じるところもあったけど、いろんな意味で心揺さぶられた作品としては、
○鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 (2023、日本、監督:古賀豪) ○ザ・キラー (2023、ネトフリ、監督:デビッド・フィンチャー) ○私がやりました (2023、仏、監督:フランソワ・オゾン) ○BLUE GIANT (2023、日本、監督:立川譲) ○ザ・ホエール (2022、米、監督:ダーレン・アロノフスキー) ○オオカミの家 (2018、チリ、監督:クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ) などもありました。こちらもおすすめ。
★家で観た旧作 ついでに旧作も。面白いのはけっこうあったけど、書いても際限ないので10作だけ。感想はごく短めに。
●ピアニスト (2001、仏・墺、監督:ミヒャエル・ハネケ) 過保護な母親とふたりで暮らしているピアニストの中年女性が、若い男との出会いをきっかけに自分を開いていくが……というお話。これも全然楽しくはないんだけどかなり面白かった。主演のイザベル・ユペールが“ふつう”に演じてるおかげでこの主人公の存在にちゃんと説得力が生まれている、気がする。あとはぶっちゃけ自分もこの人と大差ないよなーとは思ったり。
●しとやかな獣 (1962、日本、監督:川島雄三) マンションの一室を舞台に繰り広げられる欲望まみれのブラックコメディ映画。ここまで煮ても焼いても食えない人間しか出てこないといっそ清々しいくらい。日本の戦後復興から高���経済成長へという一連の流れに投げつけられた黒ーい陰画。こういう巧妙な呪詛を観るとつい心が喜んでしまう。オチも秀逸。
●秋津温泉 (1962、日本、監督:吉田喜重) 終戦間際にさまざまな絶望によって死を覚悟していた青年周作(長門裕之)が、温泉宿で出会った女中の新子(岡田茉莉子)によって希望を取り戻し、戦後の日本で生きていこうとするが……。「待つ女」と「煮え切らない男」という伝統的な構図に則ったメロドラマで、ジリジリしながら観たのですが最終的には見事な構成の作品だなーと思いました。いつのまにかこういうグダグダ恋愛ものとか、日本の敗戦映画とかがすっかり好きになってしまった。あとはヒロイン役の岡田茉莉子が「うなじで語る」シーンが多くて強烈なフェチズムを感じます。
●大砂塵 (1954、米、監督:ニコラス・レイ) あらゆる点で異色の西部劇という感じの映画。『天井桟敷の人々』みたいな気の利きすぎたセリフの応酬がまず最高。感情のもつれが発火点となって起こる出来事を理詰めで描いていく展開がおもしろくて、これがここまで行き着くの……という驚きもありました。ヒロイン役のジョーン・クロフォードの存在感が圧倒的。個人的には『続・夕陽のガンマン』に次いで好きな西部劇になりました。
●ある戦慄 (1967、米、監督:ラリー・ピアース) 舞台は深夜の電車の一車両。ふたりの酔っ払ったチンピラによって「心理的」に支配されてしまった人々の悪夢の一夜を描いた群像劇です。登場人物が出揃ってからの片時も目が離せないスリラー感がほんとにすごくて、とても面白かった。全体的に演技合戦映画なんだけど、特にチンピラふたりの演技がうまくて、ほんとに何をしでかすか分かんない感じがするのよねー。これを他人事として見られる人はまぁいないだろうからそういう点でも強い映画。
●哀しみのトリスターナ (1970、伊・仏・西、監督:ルイス・ブニュエル) 母親が死に、身寄りのなくなった若きトリスターナ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は初老の男性ドン・ロペに引き取られ、彼の庇護のもとで新たな生活を始める。しかし男はその実、紳士然としたスケベ爺いだった……。ままならない運命に人生を狂わされるひとりの女性の半生を描いた作品。ドン・ロペという男がとにかく酷くて、色々タガのはずれたどうしようもない人間。しかしそんな最低な男を単なる舞台装置にはせず、その浅ましさをこれでもかと描きつつもちゃんと1人の生きた人間として立ち上がらせるところがさすがブニュエル……と思わされました。そしてそんな彼との関係によっていろいろな面を見せていくカトリーヌ・ドヌーヴの表情の変化もいやはやーという感じ……。 完成度では『昼��』のほうがいいかなーとは思うんだけど、このどうしようもない「人生観」みたいなものには強く惹かれてしまうなー。同監督では『忘れられた人々』もひたすら描写が徹底的で大変よかったです。
●ペトラ・フォン・カントの苦い涙 (1972、独、監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー) 登場人物が全員女性の会話劇かつ密室劇。ペトラという服飾デザイナーの女性が主人公で、いろんな人物に対する彼女の振る舞いを通してそのキャラクターを掘り下げていくというのがストーリーかな。前半がちょっと退屈だったけど後半の強度がすごかったので全部チャラになりました。こういう丹念な構成の人間ドラマが結局一番好き。ペトラに同情はしないけどまぁ分からなくもないよなーという気持ちにはなってしまう。これを観てファスビンダーの面白さみたいなものがちょっと分かった気がしました。
●子連れ狼 三途の川の乳母車 (1972、日本、監督:三隅研次) 三隅研次はすげえらしいので自分もすげえのを観てみたいと思って。こちらは劇場版『子連れ狼』シリーズの2作目。ストーリー説明は前作に丸投げ、セルジオ・レオーネばりの眼のアップの連続で緊張感を高めたあとは、猛烈な血しぶきと残酷な切り株描写のつるべ打ち! ストーリーもほぼないので見終えたあとの「何も残らなさ」は前作を遙かに凌駕していましたが、そのへんも含めて快作でした。しかしこれはもうバイオレンスというよりスプラッターのレベルかも。劇場版の残り4作も早めに観るつもり。
●暖流 (1957、日本、監督:増村保造) いっときTwitterで話題になってた作品。経営難に陥っている病院を舞台に、金と恋、嫉妬と欲望が渦巻く、しかし軽やかなコメディ・メロドラマですごくよかった。いい面でもわるい面でも人間のバイタリティーの強さを垣間見させてくれる作品。題材は超ドロドロなのにこの爽やかさは最高としか言いようがなかったですね。
●絞殺魔 (1968、米、監督:リチャード・フライシャー) 『ヴォ���テックス』からの画面分割繋がりで年末に観て、こいつはすごいと思った作品。ボストンを騒がせた実在の女性連続絞殺事件をモデルにした映画。正直自分は題名から、ドキドキ!わくわく!ぶっ飛び猟奇殺人映画!かと思ってあまり期待せず観たのですがとんでもない。ぜんぜん別の面白さを内蔵した衝撃作でした。ストーリー構成も巧みなんだけど「映像の構成」も非常にうまく感じて、これはちょっとすごいなーと。黒沢清がオールタイムベスト1に選んでるのもなんとなく分かる気がしちゃう。
以上、長々と書いてきましたが自分の2023年はこんな感じでした。特にポール・ヴァーホーベンとルイス・ブニュエルという、作家単位でかなり好きそうな監督をふたりも見つけられたことが一番の収穫だったかなーと。 あとは自分はどちらかというとじっくり見せるタイプのドラマ主体の映画が好きらしいことが分��ったので、2024年はアクション映画も意識して観ていきたい所存。 ごく個人的な感想記事ですが何かの参考になれば幸いです。ではまた。
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Epilogue.
禁書庫。かつて特殊部隊達が制圧した脅威に関連した異常現象をまとめた書庫。最古のものであると1000年も昔の資料も保管されている。
遥か昔、世界がゲートに接続された事で、異界よりこの世界に脅威がもたらされた。人類は脅威に対抗するため現在も交戦を行っているが、人の所有する領土はわずかしかない。
それでも、人類には営みがある。私は今、その営みの中で発生する問題を解決する仕事をしている。
私は脅威専門の考古学者の「羅 李春」。過去に起きた脅威に関する資料を作成するべくこの禁書庫に訪れた。
「紅龍眷属亜譚」。この書籍は50年ほど前に鎮圧された「獣の国」に関するものだ。国を構築する「龍」という脅威の主が獣に人の形を与え、人類の真似事をしていたのだ。
何とも忌々しい。
何も知らずに人の文明を真似たため、人類と衝突することは数知れず。また他の脅威に対しての対策がなかったため、海の脅威による「浸食」も確認された。他にもいくつかの脅威と混ざり合っており、「評議会」にて管理不十分の重要不安分子と判断され、制圧されたのだ。
制圧での記録では「社と思われる場所までに、人型の獣により数多の犠牲が出た。中には元特殊部隊員と思われる人物もいた。すべて鎮圧し即処分した。最深部には巨大な蛇がおり、多数の特殊部隊員の犠牲の上鎮圧。腹部を割くと、窒息死した龍が摘出できた」とあった。所詮獣。何を考えているのか分からない。この事件で重要参考人として、眷属の一人を拘束し尋問を行ったそうだが、その後の所在についての資料が紛失している。
脅威が人の文明を真似ているという特殊な案件により、一般的には「カルト宗教の洗脳と過激なテロに対する処置」として認知されている。しかし、「評議会」の事項改定に伴い、正確な内容の一般公開を行うこととなった。そのため、私が改めてこの脅威についての再調査を担当することとなったのだ。
「紅龍眷属亜譚」。
書籍といっても、形は一般的な業務用のファイル冊子数十冊からなるものである。内容な経理的なものから、業務成績、仕事内容などが挟まれている。時折菓子による油の汚れが目立つ。管理が悪い。
冊子の12冊目、それは隠すように挟まっていた。
「狼と鼬」
と書かれた随筆の冊子であった。著者は「羅 狼」。祖父と同一の名前だ。個人的に気になったこともあったので、許可をもらい持って帰ることとした。
薄く汚れた本ではあるが、かなり書き込まれている。何気なく最後の頁を開いた。
ー「狼と鼬」と書かれた冊子の最後にはこう書かれていた。
1月。まだ雪の残る寒空の下。ついに歲の護りが無くなった。丑三つ時。朧さんを護る為に皆一様に社に集った。蠎の家、神社の本殿。だだっ広い本殿の奥座に朧さんが胡坐をかき目を閉じている。ただそれだけなのに先ほどかじったレーションが逆流するような異様な覇気を感じる。空気がピリピリし毛が逆立つ。嫌な汗が出て血の気が引く���まるで蛇に睨まれた蛙のように。やはり朧さんは龍神なんだ。と身を挺して感じた。 窓から外をうかがう。深夜であるのにも関わらず空は赤く燃え、遠くに悲鳴や銃声が聞こえる。そこにしんしんと冷たい雪が降る。血と煙と鉄。硝煙の匂い。あそこにはたくさんのものを置いてきた。仲間、友、家族、姉。みなもう居なくなった。 畳に座りこみ、外勤用の装備を整えながらうなだれた。もうダメだろう。俺らは負け戦をしているんだ。絶望。雪が降る。寒い。姉ちゃん。鼬ちゃん。 しばらくして蠎が零につかみかかった。胸ぐらをつかみ、 「お前がアイツらを入れ込んだんやろ。お前が、お前が…!!」蠎の声が震えている。憎しみのこもった声が本殿にこだまする。 「僕は一切関与していない。むしろあいつ等に捨てられたんだ。僕の家はここ。一緒に泣き、笑い、ともに過ごした紅龍組の仲間を捨てることはない。」と。最期までここに忠誠を誓うと周りを説き伏せた。蟒は苦虫を噛んだ顔をするも、「ここに集ったものの思いは皆同じだ」との朧さんの鶴の一声で厭だ厭だと言いながらも、口を嗣んだ。
各自守備する場所を決め配置に付く。ぬかるんだ雪を踏む足が重い。言葉は出ない。雪を踏む以外の音が聞こえなくなった。きっとここでみんな潰える。火を見るより明らかな事だった。
結局鼬ちゃんには自分の中で渦巻いているあらゆる思いを半分も伝えられなかった。嵐の前の静けさ。今伝えられなかったら、きっと次はない。次は…
「狼ちゃん」
鼬ちゃんが透き通った声で静寂を割った。
「狼ちゃん、きっとみんな死んじゃうってウチ思うんよ。そうきっとウチも狼ちゃんも」
「アホ言うな。んな事ないやろ。俺もお前も、零も鮫も鹿さんも、後、蠎もみんな強いんやしなんとかなるわ」
「狼ちゃんは嘘つく時、目が泳ぐ癖あるの気づいてないんやなぁ。ハハ、可愛いなぁ……本当に、本当に可愛い」
「何言うとんねん」
「なぁ狼ちゃん。いや、ちゃんと聞いて欲しいから改まって言うね。狼ちゃん、私の最後の我儘を聞いて欲しい。今まで沢山我儘聞いてもらってごめんね。狼ちゃんの我儘全然聞かないで、自分ばっかり。なのにずっと私を想ってくれて。愛してくれて。お嫁さんにしてくれて。 ありがとう。とっても楽しい人生だったよ。だからこそ最期まで狼を守りたい。ここでは死なせない。 …私の分まで、みんなの分まで、死が近しい友となるまで。
生きて欲しい」
首に軽い衝撃を受け視界が黒くなっていく。必死に鼬ちゃんに手を伸ばしたが、その手は空をつかみ意識が遠のいた。鼬ちゃん。
気がついたら知らない天井を見ていた。四角のタイル。消毒液の匂い。よく知っている機材や器具が周りに見える。カーテンに��陽光が柔らかく当たっている。腕に点滴。あー、この点滴パックをよく交換したな。なんて思っていた。起き上がれない。トイレに行きたい。腹減った。鼬ちゃんはどこにいるんだろう。
そこからは慌ただしく、あまり記憶がない。半年ほど施設で聴取とは名ばかりの尋問を受け、どう判断されたのかこのノートと、発見されたときに手に握っていた白く艶やかな長い毛束とを持たされて釈放された。
そしてこの知らない国にて支給された、集合住宅地域の一角で生活することとなった。生活の基盤を整えるまでは何を考える暇もなく、あくせく働けていたのは幸せだったのだろう。今こうして、腰を据えてあの日の出来事を想起し書き起こすと落涙が絶えない。
結局「愛してる」とは鼬ちゃんに云えなかった。いや、その言葉を鼬ちゃんは聞きたくなかったんだろう。
最後まで、弱音やなよなよした好きだの愛してるだのを云う俺を見たくなかったんだ。そう理想の狼を見ていたかったんだろう。きっと。
でも、それはあまりにも我儘がすぎる。あまりにも…あまりにも…。
何度毛束を握り締めて、言いたかったことを叫んだか。何度、辛かったこと悲しかったこと伝えたかったか。
飾らない演じていない本音を、本当の思いを伝えたかった。 でも鼬ちゃんはもういない。
もうこのノートも最後になる。色々あって、俺にも伴侶が見つかり子供も産まれた。でも、鼬ちゃんほどの想いは持てない。
だが俺もそろそろ前を向いていく必要がある。鼬ちゃんの髪の毛もここに挟んで全部終わりにする。
さようなら。また会う日まで。
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出会い
1
太陽が姿を見せるより前の、薄暗い夜明けの時間帯が好きだ。 今の時期は特にそう。こんな寒い明け方に誰かと毛布にくるまって、温もりを分かち合えたなら、それが愛���る人だったなら、最高に幸福ってものだろう。 「レオン、そろそろ閉めるぞ」 「……はーい」 声を掛けられ、返事をしながら店内へ視線を戻す。 外の青く光るような夜明けの暗がりとは対照的に、店内はオレンジの暖かい光が満ちている。土地柄、今の季節は夜明けが長い。朝の十時頃まではどこの屋内も陽が入らない。手元がとくに暗いから、こんな酒場は客が帰ってから片付けが終わるまで煌々と灯を点している。 今が一番ぼんやりした時間帯。 「隅の席で寝こけてる奴、あいつを起こしてやってくれ。うちは宿屋じゃねえからな」 「オッケー」 声を掛けてきた彼はここの主人だ。どうやら仕事上がりに酔い潰れた客を回収していけ、ということらしい。 主人に示された隅の席へテーブルをぬって歩み寄る。「寝こけてる」その客は、この地域には珍しい黒い髪と、異国に多い細身の骨格をしてた。 "黒い髪は…影をつくる、顔を隠す、妖しげな魅力があっていい。目元まで伸びた前髪が首を振る度に揺れて、影の形を変えて。黒髪じゃないとこの雰囲気って出せないぜ"……って、こないだ来た客が俺にそう言ってた。 俺と一緒の黒い髪。 一方的な親しみを覚えて、眠っているらしい客の肩を叩く。両腕の上に突っ伏したその顔が、少し揺れた。 「ハーイ、お客さん!もう夜の時間はおしまい。街が目覚めるまでちゃんと家の寝床で休みな?霧の中は歩いたことある?あれってストリートの目蓋みたいだと思わない?」 声を掛けて反応を待ちながら、ここに来るのは初めての客だな、と思う。 黒髪はこの辺りでは珍しい、俺以外は初めて。だから、一��見かけたら忘れない。この人のこと。もう忘れないだろう。 そうでなくても酒場の常連は覚えてるけど、この人はその中の誰とも違った。異質、だった。 色だけじゃなく長さも珍しい肩を流れおちる長髪。前はいつハサミを入れたんだかわからない。ボサボサで、仕事に邪魔になりそう。肌は青白く、日に焼けてない。目元には隈。上下の顎には無精髭が生えている。 この街は夜の方がみんな元気で、仕事の後、その日一日のシメに酒場を訪れる時にこそ身なりを整える。でも、この人は普段から酒場に出入りしてる感じがしない。 それに、彼が着てるだぼだぼの白いパーカーの袖、そこから覗く手首は平らで細かった。これも珍しい、オッサン方はみんな大抵恰幅よくって、俺より身長無い人だって俺の倍近い体重してんのに。痩せてるってのはこの街じゃ、今にも死にそうってふうに見られる。このオッサン大丈夫なのかな。浮浪者かな? 良くない酔い方してなきゃいいけど。 「……体調悪いなら家まで送ろうか?」 口を耳元まで近づけ囁いた時、ようやく彼が身じろいで目を開いた。 ゆっくりとした動作で腕を解き、身を起こす。ぼさぼさになった前髪が掛かった額に片手を当てながら 「……本当に?」 寝起きの掠れた声で呟いてきた。 「送ってくれる?助かるよ」 「……」 思わず、一瞬彼の声と動作に意識を奪われた。 特別なことなんて何もない、少し身を起こして視線を逸らしたまま返事をされただけ。なのに 仕草や雰囲気が妙に静かな人だった。 あまり酔っているようには思えないのにどうにも危うい気がして、俺はそれが当然であるかのように「ああ勿論」、と請け合ってしまった。 「ありがとう」 そう言って立ち上がった彼は座っている時の印象より長身で、俺とほぼ同じくらいの位置に顔がきた。即座に肩を組むようにして俺は彼の身体を支えた。彼が少し顔色を悪くしてふらついたから。 ……抱き寄せた腰に腕がめり込むみたいだ。立ったことで見えた両脚も細くて、黒いジーンズの幅が余っていた。全身痩せていて、埃っぽい。 「家あんの?」 およそ衣食住満ち足りた生活をしているとは思えなくてそう訊いてみたら、意外なことに相手は 「あるよ」 と答えた。 俺の肩に悪びれる風もなくもたれ掛かりながら、吐息混じりの掠れた声で「スラムか公園にでも連れてく羽目になるかと思った?」なんて軽口まで返してくる。彼がふ、っと笑ったような呼気が俺の頬を撫でた。 その返事と一連の遣り取りで、ふと、彼の細い腰を抱きかかえながら、違和感に気付いた。 ……匂いがしない。 これだけ身体の密着した状態で彼が息を吐き出しても身動きしても、酒の匂いが一切しない。酒場からの帰りなど、みな吐く息は酒臭くてかなわないのに、酒の口臭はおろか汗の匂いも体臭らしいものすらも感じなかった。 不潔そうなのに意外、と思ってから、このオッサンはこの場で一体何をしていたんだ?という疑問が湧く。酒場に居たのに食い物の匂い一つしないなんて。 そうしたら店を出たところで、まるでその疑問に答えるみたいに、彼は唐突に肩に掛けた手で俺の背中を叩いて上機嫌に言った。 「君の演奏は素晴らしかった。聴きに行ってよかったよ、レオン」 「……え?」 演奏。 ……演奏だって? この街で演奏って言ったら、俺が酒場で弾く古いピアノしかない。 娯楽の少ない街だ。みんな働いて、食べて寝て、また働いて。遊ばなきゃ気持ちが持たないから酒を飲みにくるけど、それ以上の余裕はない。 俺は体力だけは人よりあるから、踊ったり歌ったり、ピアノを弾くこともある。 ピアノは街の中であの酒場にただ一台だけ。だから確かに「聴きに行く」ならあの酒場に行けばいい。 「オッサン俺のピアノ聴きに来てたの?」 「うん」 あっさりと肯定した彼は顔に笑みこそ浮かべていないものの、願いが叶ったかのような浮ついた、夢みるような声音で続けた。 「君のピアノは夜の街じゃ名物だ。冬の酒場は君に似合うな。にぎやかで、閉ざされた熱が混じり、酔いそうな赤い灯が路地裏に満ちる」 身なりからは想像できない詩的な表現。彼が話す言葉は最初からこの地域の言語だったけれど、今はっきりと耳にしたそれはよどみのない美しい発音をしていた。彼がこの土地に馴染んで長い証拠のように聞こえた。
送り届けることになった住居は、街をずっと上がっていったところにあった。 防音に特化したミュージション。周りは見慣れない、広々とした閑静な街並み。まだ暗い明け方、道にいる人影は俺達二人だけで、他に誰も居ない。 「5階だよ。エレベータがある……もう立てるよ。世話かけたね。ああ、シャワーでも浴びていきなさい、ぼくに触って汚れたろ」 エレベータ前で帰ろうとするとそう言って引き留められた。特に断る理由もなく、興味が勝ってついていくことにする。5階に着くと彼は三部屋並んだ一番右奥の部屋へ歩き、首から提げていた鍵を取り出して差し込むと、ガチャリと回してドアを開けた。 「どうぞ」 と声だけ掛けて彼が先にすたすたと室内へ入っていく。その後ろをついて入った。 室内は広くて雑然としていた。床に直接紙類が積まれ、やけに大きなローテーブルの上にごちゃごちゃと物が大量に出しっぱなしにされている。 右と左に別の部屋へ続くらしいドアがあり、右の壁際に寄せてピアノが置かれていた。 白い、ヴァーチカル。 「楽にしてて」 彼は自分から誘ったわりに構うこと無く、部屋の電気も点けないまま、左のドアの奥へ姿を消してしまった。 「……不用心だなぁ」 これだけごちゃごちゃと物が散らかっていて、何か盗られたら気付けるんだろうか。俺は何も悪さする気は無いけれど。ああ、いや、向こうには俺の顔も職場も知れているから、何をされてもやり返せるのかな。 ならば。 気を楽にして部屋の中を歩き回る。奥の棚に入っているのは大量の本と、CDやレコード盤。隣の棚は開け放されていて、ヴァイオリンのケースとクロスや樹脂などの手入れする道具類が仕舞ってあり、ヴァイオリン本体はどこかと見回すとローテーブルの上で紙の下敷きになっていた。 興味を惹かれるものばかりだ。俺は店の主人が楽器好きで、雑誌類の写真を見て楽器を知ってるけど、本物が手の届くところに置いてあったことはない。それも、こんなにたくさん。 部屋中を散策して、最後に白いピアノの前に立つ。 「……綺麗だ」 白いピアノは、初めて見た。 ピアノは黒くて大きくて、ずっしりと重厚感のある、頼もしい王様だと思ってた。鏡のように赤や金色の照明を吸い込み、夜の酒場をその体に鮮やかに映し出すキング。 けれどこの白いピアノはまるでお姫様のようで、まったく別の音を奏でそう。 「弾きたいかい?」 唐突に耳元で声がした。 びくっと肩が跳ねる 驚いて振り返ると、いつの間に戻ってきたのか、彼が背後に立っていた。黒髪からぽたぽたと雫を垂らしてる。タオルを掴んでいた細い指が一本、すっと前へ差し伸べられて、ピアノを示した。 「触れてもいいよ。君のシャワーの後でね」 細く白い指が俺にタオルを渡して離れていく。 ……なんだか、動けなかった。両眼を瞬かせて、彼を見詰めてしまう。ピアノに向いてた関心が一気に彼の方へ持って行かれたのを感じた。 シャワーを浴びてきたらしい彼は清潔な白いシャツを着ていて、髭も綺麗に剃っていた。思ってたよりも若い。平らな顔立ちから突き出た下向きの鼻、薄い唇、寄せられた眉、針のようなまつ毛に縁取られた目。どれも神経質そうな、アンニュイな雰囲気を漂わせている。 「オッサ……君って本当は何歳くらいなの?」 「今年で二十三」 聞かれたから答えた、それ以上何もない返事をして彼はテーブルの上の瓶を取り、中身を煽った。それからテーブルに腰掛け、ヴァイオリンの上に重なった紙を読み始める。俺への注意は完全に失くしてるみたい。 俺は今年二十一、いま二十歳。それと大差ない。オッサンどころか、友達だ。 「君、ぜったい髭剃ってた方がいいよ。そっちの方が似合う」 「…………」 返事してくれない。あー。彼ってかなりマイペースなんじゃないかな。会ったばかりで勘だけど。 話し掛けても反応がなくなってしまった彼を置いて、大人しくシャワーを浴びにいった。
遠慮なく石鹸やシャンプーを使って身体を洗い、存分に温まってから、シャワールームを出る。ガラス戸を開くと、四角いボックスの内側で溜まっていた蒸気がふわっと解き放たれる。 明かりがどこにあるのかわからず点けないままだったけれど、次第に日の光が差し込んできていた。朝の青みがかった、白い、けぶるような光が、浴室のタイルや水滴に反射する。脱いだ服をもう一度着て、靴と靴下は指に引っ掛けて持った。 ひんやりしたタイルに裸足のまま降りる。 ドアを開けると、音色が聞こえた。 「…………」 震えるように繊細な、高い音色。美しい――――ヴァイオリンの調べ。 そっと指先でドアを押す。音を立てないよう。無意識にそうしていた。 押された分、ゆっくりと静かにドアが開いていく。隙間から覗き込むようにして視線を さしいれて 室内を見る。 正面の壁にピアノ、視界の淵にカーテンのレース。開け放された窓から朝陽がすうっと差し込んで、照らし出された部屋の中央は清らかな薄い光のベールが掛かって、そこだけ別の空間だった。 その中に一人の青年が立ち ヴァイオリンを弾いている。 逆光に透けたシャツが、奏者の動作と、波打つカーテンと共に揺れる。彼は室内の何よりも白く見えた。
彼の音がなかったら、 冬の朝をこんなにも静かだとは思わなかっただろう。
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TEDにて
マリア・ネイラ:大気汚染で脳はこうなる
(詳しくご覧になりたい場合は上記リンクからどうぞ)
私たちがどうしても必要とし、止めることができないものがあります。
それは、呼吸です。やってみましょうか?皆さんで一緒に呼吸を10秒間だけ止めてみましょう。
いいですか?やってみましょう。準備はいいですか?始め!ふぅ、結構大変でしたね。
これから言う数字は、信じられないもので息がまたできなくなるほど驚かれるかもしれません。
「7」、「7何」でしょうか?年間「7百万」人が、吸い込む空気の質の悪化によって若すぎる死を迎えています。私の大好きなマドリッドの全人口より多い人々が、1年間に亡くなっていると想像してみて下さい。
皆さんは「この情報は公開されているのか?公表して広められているのか?」と思われるかもしれません。答えは、イエスです。
現在7万件以上の科学論文において大気汚染と健康の関係が検証されており、世界のメディアが、たびたび、この問題を報道しています。
実際、比較的短期間のうちに分かってきたのですが、大気汚染は主要臓器のほとんどに悪影響を与えるのです。
大気汚染対策も公衆衛生のひとつ。
肺の場合から見てみましょう。大気汚染について考えるときは、いつも肺について考えます。私たちは呼吸をするたびに有害汚染物質を吸い込んでいます。ピンクの素晴らしい肺は可哀想なことに、そんな有害汚染物質の影響を被っているのです。
この10年来、大気汚染と健康に関する多くの知識が集まりました。
大気汚染とは何かについて。まず、お話しします。
大気汚染は、とても複雑な混合物で固体微粒子や液滴、気体の形をとった化学物質でできています。
考えてほしいのは、この混合物は燃焼により生じることです。家庭用の燃料、また工業用、交通機関用、屋内や屋外に。他にも、多くの発生源があります。
もちろん、汚染源が違えばできる混合汚染物質も違います。要するに、これら全ての毒素が様々に混合してしまうわけです。
粒子状物質。つまりPMを例に取ってみましょう。PMは、様々な物質の混合物である場合があり、カクテルのようなものなのですが土壌ダスト、道路のほこり、海塩、有毒金属、ディーゼル排気によるスモッグ、硝酸塩、硫酸塩、これら全ての毒物で作られたカクテルが肺に送られていくのです。
それも毎日です。私たちが常に、大気汚染にさらされているのは呼吸を止めることができないからです。できたとしても10秒ぐらいでしょう。呼吸を止められないこと。それに加え毎日約1万リットルの空気が私たちには必要です。
さて、先ほど毎年7百万人が、大気汚染が原因で亡くなるとお話ししました。パニックになっていますか?それとも平静に受け止めている?国は非常事態宣言を出そうとしていますか?それとも世界規模の危機として?
そういう動きはありませんが、私は日々、ひとりで考えています「何が起きているのか?」と。ここでもっと早急な対応を私たちに迫る臓器があります。大気汚染は肺だけでなく脳にも悪影響を与えているのです。
これが脳です。美しいですね。誰もが持っていて誰もが必要としていて誰もが使っているはずですよね。
人によって使う頻度は違うかもしれませんが、この10年間の歴史において大気汚染と脳の健康の関連に関する研究が、飛躍的に増加しました。
脳はもう煙にやられてダメになりつつあるかもしれませんね。ともあれ証拠に基づきながら大気汚染に影響された脳についてこれまでに分かったことをお話しします。
第1に、膨大な証拠がそろいつつある領域として中枢神経系に及ぼす大気汚染物質の潜在的な悪影響についてがあります。有害な粒子の話に戻りますが、覚えていらっしゃいますよね。
肺に有毒な粒子を蓄積しながら生活を楽しむうちにあらゆる臓器が汚染されています。極小粒子は、血流に入り込み心臓がその血液を全身に送り出すので全ての臓器が危険にさらされ脳も例外ではありません。
大気汚染に国境はないとは、よく言ったもので体内でも同じことが言えます。大気汚染物質は胎盤関門を通って胎児に達し、大脳皮質を変化させるのです。産声を上げるよりも前にですよ。
第2に、このような研究結果もあります。
胎児期と幼児期に長期的に大気汚染にさらされた場合、神経発達に悪影響が及び、認知能力テストの成績が悪くなり行動障害にも悪影響を及ぼします。
例えば、自閉症や注意欠陥多動性障害などです。さらにいくつか見つかった証拠によると青少年の脳が、長期間PMにさらされるとそれが脳炎などの反応の原因となり
神経反応を変化させより多くのタンパク質のもつれからなるプラークを蓄積することの影響も現れ、アルツハイマー病やパーキンソン病などの病気になるリスクを高めます。
皮肉ですよね。子どもの将来のために私たちはお金を使い視野を広げるために毎日、学校にも行かせています。
社会システムとしても、教育にお金を使っているのに、スクールバスを待つ間に、吸う空気が、子どもの脳の発育に、悪影響を与えているのです。
第3に、大人はどうでしょう?
最新の科学的証拠によるとPMに長期的にさらされると加齢とともに研究参加者の認知能力の低下が引き起こされます。それだけではなく長期的に極小のPMにさらされると脳の老化は加速し、より高確率で小さな潜在性脳卒中を起こすようになるのです。
最後にお話しする証拠として
本当はまだまだあるのですが動物を対象とした疫学研究によると大気汚染物質に持続的にさらされると認知症になるリスクが高まるそうです。
さて、ほとんどの人は大気汚染にさらされています。田舎にいても都会にいても高所得国にいても低所得国にいても皆さんも含めて全ての人の脳が危険にさらされているのです。
私は医者として専門家としての人生のうちここ20年以上に渡り
世界保健機関(WHO)で公衆衛生の問題とリスクに関する人々の認識を高めることに専念してきましたが、知識や解決策は存在するのです。
大気汚染対策も公衆衛生のひとつ。
他よりも汚染が酷い地域も、もちろんあります。しかし、これは地球規模の問題です。どんな個人や都市もどんな集団や国家、地域であっても単独では解決できません。
皆のとても強い関心や行動が必要なのです。市民社会として民間企業として、そして、個人としてでさえも私たちには皆、役割があります。私たちは消費の仕方や通勤通学方法やエネルギーの使い方を変える必要があります。
幸いにも実行可能な解決策はあるのです。問題は、行動に移すのを1日先延ばしにすると何千もの命が失われる可能性があることです。もし1年先延ばしにしたら、また7百万の命が消えていくのです。
ですから、先延ばしにしたツケが健康面に回ってくることに気付く必要があります。
実際、目に見えない殺人鬼のリスクに直面するのは、これが歴史上、初めてではありません。
これは1952年のロンドンです。現代からの視点から見ると凄まじく汚い。
50~60年代のロンドンで行ったように政府や都市は、大気汚染による酷い影響を阻止するため緊急対策を講じる必要があります。
政治家はデータを根拠にした措置を先送りにしてはいけません。例えば、都市の交通量の削減、公共交通機関への投資、都市での自転車活用を、推進するための取り組み、再生可能エネルギーへの投資、料理、冷暖房、交通機関でのクリーンエネルギーの推進などは、とても有効な解決策です。
それによって排出を削減し、私たち自身を守るためのWHOの基準に従って大気質を向上させることができます。
大気汚染対策も公衆衛生のひとつ。
私たちは政治家に非常に強力な政治的関与と政治的意思の形成を求め��もいますが、今は両方必要です。行動を怠り先延ばしにした政治家は、法廷での弁明を求められています。これからは、政治家は「知らなかった」とは言えないでしょう。
ここで問題となっているのは、どのくらいの命や生活の質や知力の喪失を私たちが受け入れる覚悟があるのかです。
どの覚悟もないならお願いしたいのです。脳がまだ機能しているうちに、まだ知性があるうちに、どうか自分の権利を行使して政治家に圧力をかけ大気汚染源をなくす対策を確実に取らせるようにして下さい。
これが最初にとるべき行動です。ご自分や美しい脳を守るためにです。
どうもありがとうございました。
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
SDGsや気候変動対策は、再生可能エネルギーのことではありません。パンデミック対策の一環です!それ以外の活動は派生物。権力濫用の口実に注意!
ヒートアイランド現象と地球温暖化は違います。
現在都知事小池百合子の東京都は2018年から更新が止まって5年も進展がありません(2023年時点)
災害に日照りという異常気象。100年前なら歴史的に見ると大飢饉のレベルかもしれません。違いは政治以外のテクノロジーによる大量生産が可能になった、インターネット、金融工学の発展などが貢献してる!
そういえば、2018の猛暑日は自動販売機クーラー控えめにした?猛暑日になったらやれ!これが夜の都心部を熱くする要因かもしれないのに。
都心部の電柱に霧のスプリンクラーつければ?地中から配管伸ばすだけ!地中に電柱埋めなければ現在の資産を有効活用しつつ、雨の降らない日のみ電柱点灯同様、夜中に自動放水すれば、東京都など都市部のヒートアイランド現象回避できる可能性は高いかも?
都市部でのアスファルト50度以上は火事と同様災害!適正温度に消火するべきです!
都心部の電柱に霧のスプリンクラー搭載で夜中放水と同時に全消防署が神社に夜放水。それと同時に東京都のお祭り日には全員で打ち水する。すべては、猛暑日の夜に同時実行がヒートアイランド対策のポイント?
そして、雨降れば中止!こうして、効率を上げ幸福を増やしつつ、でも、税金だから節約もしていく。
(合成の誤謬について)
合成の誤謬とは、ミクロの視点では正しいことでも、それが、合成されたマクロ(集計量)の世界では、必ずしも意図しない結果が生じること。物理学では、相転移みたいな現象です。性質が変わってしまうと��うこと。
ミクロのメカニズムが個人同士の経済における仕組みであるのに対して、マクロのメカニズムは、国家間や経済全体の循環における仕組みだからである。
例えば、家計の貯蓄などがよく登場するが悪い例えです。前提条件が、所得が一定の場合!!所得が一定じゃない増加する場合は?これは、論じていませんので参考になりません!!(法人が提供する製品やサービスの価格も一定の場合も前提条件です)
1930年代のアメリカ経済が金融危機2008と似たような状態に陥った時、ケインズは、「倹約のパラドックス」というケインズ経済学の法則を発見しています。
それは、ポール・A・サミュエルソン(1915-2009)が、近代経済学の教科書「経済学」の冒頭で「個人を富裕にする貯金は、経済全体を貧困にする!(所得が一定の場合)」というわかりやすい言葉で表現しました。しかし、庶民の所得が増加し、貯蓄が投資、消費に回る場合には、「倹約のパラドックス」は生じません。
その後、この「倹約のパラドックス」は、アメリカの経済学者・ケネス・J・アロー(1921- )が「合成の誤謬」を数学的論理に基づいて「個人個人がそれぞれ合理的選択をしても、社会システム全体は合理的選択をするとは限らない」を検証してみせた。 要するに、部分最適ではなく、全体最適させていくということ。
つまり、新産業でイノベーションが起きるとゲーム理論でいうところのプラスサムになるから既存の産業との 戦争に発展しないため共存関係を構築できるメリットがあります。デフレスパイラルも予防できる?人間の限界を超えてることが前提だけど
しかし、独占禁止法を軽視してるわけではありませんので、既存産業の戦争を避けるため新産業だけの限定で限界を超えてください!ということに集約していきます。
なお、金融危機2008では、マイケル・メトカルフェも言うように、「特別資金引出権(SDR)」は、2008年に行われた緊急対策で、一国だけで行われたのではなく、驚くほど足並みの揃った協調の下に国際通貨基金(IMF)を構成する188ヶ国が各国通貨で総額2500億ドル相当を「特別資金引出権(SDR)」を用いて世界中の準備通貨を潤沢にする目的で増刷してます。
このアイデアの根本は、元FRB議長であったベンバーナンキの書籍「大恐慌論」です。この研究がなければ、誰一人として、変動相場制での当時の状況を改善し解決できなかったと言われています。
それ以前では、固定相場制でのマーシャルプランが有名です。
続いて、トリクルダウンと新自由主義
インターネットの情報爆発により隠れていた価値観も言葉となり爆発していくことになった。
しかし、法定通貨の方が、その価値、概念に対する通貨量拡大として価格で応じることができず、圧倒的に通貨量が足りない状況が生まれていたのが、2010年代の問題点のひとつでした。
リーマンショックの後に、新自由主義が誤りであることが、ピケティやサンデルによって指摘され、当時のFRBバーナンキ議長が、通貨供給量を大幅に増やした対策により、ベースマネーの金融、銀行間の相互不信を解消して収束した。
それでも、まだ足りないが、適正水準に収まったことで、さらに価値も増幅され、マネーストックの財政政策から再分配、事前分配を大規模に行い、さらなる通貨供給量が重要となっている現在の日本国内。
例えば
Googleがしようとしてた事は、まだ新産業として、基礎研究から発展できない機械学習の先端の成果をすべて持ち込んだ社会実験に近いこと。
シュンペーターの創造的破壊は、一定数の創造の基礎を蓄積後に、未来を高密度なアイデアで練り上げてから破壊をするのが本質です。
こうして、憎しみの連鎖や混乱を最小限にする。
アルビン・トフラーの言うように、法人と行政府とのスピードの違いが縮まらないのは、構造上の違いであって、それを補うためにプラスサムな連携するということが、必要になってくることを説いています。
三権分立が、規制のないGAFAMを非政府部門としてMMT(現代貨幣理論)からプラスサムに連携したらどこで均衡するのか?という社会実験も兼ねています。
このような前提で、あらゆるインターネット企業が、創業時、貢献するためコンセプトの中心であったものが、今では、悪性に変質して違う目的に成り下がっています。
再分配、事前分配の強化がスッポリ抜けてる欠点があり、ここに明かしたくないイノベーションの余地があります!!
2021年には、新自由主義のような弱肉強食では自然とトリクルダウンは生じないことは明らかになる。
確かに、トリクルダウンは発生しないが、法律で人工的に同じ効果は、貨幣の再分配、事前分配という形にできる可能性は高い。
再分配や事前分配をケムにまく「金持ちを貧乏にしても、貧乏人は金持ちにならない」「価値を生み出している人を罰するつもりがないのであれば税に差をつけないほうがいい」(サッチャー)
とあるが、新自由主義は誤りで、ピケティやサンデルによると違うみたいだ。
(個人的なアイデア)
経済学者で、ケンブリッジ大学名誉教授のパーサ•ダスグプタが、イギリス政府に提出した報告書の中に登場。
経済学を学ぶと、登場する資本や労働などの生産要素の投入量と算出量の関係を示す生産関数があります。
こうした関数は、様々な前提条件に基づきますが、経済学者は、収穫逓減の法則と言うものをよく知っています。
このような人工的な生産関数とは、他に天然由来の生産関数。
つまり、自然から収穫できる生産関数を導き出し、地球全体の生産関数というエコシステムを数値化することでバランスをコントロールできるかもしれないというアイデア。
ここでは、自然資本と呼びます。
自然資本を加味すれば現在の経済成長ペースがどこまで持続可能かを分析することもできます。
人間は、国内総生産GDPを生み出すため、自然から資源を取り出して使い、不要になったものを廃棄物として自然に戻す。
もし、自然が自律回復できなくなるほど、資源が使われて、廃棄されれば、自然資本の蓄積は減少し、それに伴い貴重な生態系サービスの流れも減っていくことになります。
さらに、教授は、経済学者も経済成長には限界があることを認識すべきだと説いています。地球の限りあ���恵みを効率的に活用しても、それには上限があります。
したがって、持続可能な最高レベルの国内総生産GDPと言う臨界点の水準も存在するということが視野に入るようにもなります。これは、まだ現時点では誰にもわかりませんので解明が必要です。
なお、地球1個分は、ずいぶん昔に超えています。
<おすすめサイト>
クリスティン・ベル:「ネット・ゼロ(相対的なCO2排出量ゼロ)」とは何か?
ヨハン・ロックストローム:繁栄する持続可能な世界SDGsを築く5つの革新的な政策?
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「徳洲会」という名前を聞いたことあるだろうか。日本No.1の病院グループである。が、多くの人にとって知名度は高くはないと思うので数字を見るのが1番かもしれない。https://catr.jp/settlements/11ce8/271558直近の業績だが、凄まじい。事業収益: 4,523億円当期純利益: 459億円もし上場していれば数千億円〜兆円クラスの企業体かつ、2位以下の医療法人と収益規模で数倍の差がある圧倒的市場リーダーである。(医療法人なので通常の株式会社とそのまま比較できるわけではないが)徳洲会は、高度経済成長・都市化のひずみによって生まれた病院の数と医療ニーズにギャップ���ある”医療空白地帯”を中心に拡大してきた。そんな巨大病院グループをたった一代で築き上げた創業者が今回取り上げる「徳田虎雄」だが、とても"強烈"な人物である。「人命救助のためなら、人殺し以外は何でもやれ」徳田虎雄 - Wikipedia医療のためには手段を選んでいられないという考えから赤信号を守らないなど規範意識が薄く 、部下の運転手が赤信号で停止するたびに缶で頭部を殴打するなど 、グループ内では暴君として恐れられた。徳田虎雄 - Wikipedia事実彼の歩みを見ると、時にはお金の力、時には政治の力など清濁併せ呑んで病院グループを拡大してきた連続だった。言葉を選ばず言うと、こんなヤバい人がどのように圧倒的規模の病院グループを作り上げたのか、どういった考えの持ち主なのか興味が湧いた。医療法人とはいえ、この規模の事業体をつくったという意味では傑物な起業家のはずである。 ゴッドドクター 徳田虎雄 (小学館文庫) www.amazon.co.jp 803円 (2023年07月17日 20:46時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 目次 初期病院の開業徳洲会の発足医師会との攻防成長の原動力政治への進出難病ALSを患う海外進出とプロジェクトファイナンス徳田王国崩壊と晩年番外編・徳洲会が伸びたマーケットの背景 すべて表示 初期徳洲会の「年中無休・二四時間オープン」という画期的コンセプトの1つや、医療空白地域を中心に拡大してきた原動力となったのは、徳田の幼少期の体験からだった。徳田が小3の頃、三歳の弟が激しい嘔吐と下痢に苦しんでおり、山道を走って医者を探し回ったが、やっと見つけた医者は診てくれず、弟の容態は悪化していった。夜明けに別の医者を呼びにいくが、ようやく到着したのは昼を過ぎた頃で、すでに手遅れとなった弟は亡くなってしまった。こうして医者に診療を拒絶され続けた結果として、弟が死んだという原体験、見殺しにされた怒りが「どんな患者でも診る」方向に徳田を突き動かし、「生命だけは平等だ」という理念を形成した。しかし、清い志だけの人ではない。大学時代に親族の美容院経営に肩入れし、チェーン展開させるなど商売っ気もある上に、のちに徳洲会を拡大するために総理を目指すほど野心的な人間だ。「代議士になれば、もっと病院をつくれる。総理大臣の椅子に座ろう」病院の開業https://www.tokushukai.or.jp/media/newspaper/1115/article-1.php徳田は医師として働きながら、病院を開業するために土地を探して見つけるが、土地と建物、医療機器すべて含めて1億6,000万円が開業にかかることがわかる。銀行に頼ろうにもなかなか貸してくれるところ��見つからない。何件も銀行を回って、興味を持ってくれるところが見つかって面談するも、「担保物件と保証人が必要です」と断られてしまう。しかしそこで徳田は考えた。生命保険を自らに掛け、その受取人を銀行にすることで、生命保険を担保にお金を借りようとしたのだ。実際にこう掛け合う。「着工して病院を開くまで一年ぐらいかかります。もしも返済できないとなれば、病院の屋上から頭を下にして飛び降ります」すると銀行はOKと応じた。文字通り”命をかけて”病院開業資金を借りて、1年後に「徳田病院」がオープンした。徳洲会の発足1つ目の病院経営を安定させると、次の病院建設にとりかかる。医療過疎地の大東市に新病院建設の話を持ち込ませたが、市が購入した用地を競争入札で、しかも割高で購入しなくてはならなかった。だが、やらない選択肢はない。徳田は生命保険の掛け金を8億円に引き上げ、さらにお金を借り入れてベッド数200床と、1つ目の病院から3倍規模の病院立ち上げを実行した。こうして病院が増えたところで、医療法人「徳洲会」を発足させる。これを機にコンセプトが固まり、年中無休・二四時間オープン患者さまからの贈り物は一切受け取らない健康保険の三割負担金も困っている人には猶予する生活資金の立替・供与をすると掲げた。いずれも医療界の常識を覆す、画期的な声明だった。また徳田は、早くから「医療と運営の分離」を志向した。医師が診療しながら、薬や医療機器の購入、経理、人事、土地の入手まで管理・実行するのは難しい。全国展開のチェーン病院には、中央集権的な運営部門が必須であると考えた。病院の医療は院長に任せ、自分の手足となって動く運営部門を編成しようと徳田は人材をかき集め組織成長を図っていく。医師会との攻防順調に拡大していた徳洲会は、次の病院を建設するためいくつか土地も確保していたが、それぞれの地元医師会が敵として立ちはだかる。彼らは「徳洲会は儲け主義」と反発する。ある種当然ではある。徳洲会が拡大するのは医療過疎地とはいえ、患者は無限にいるわけではなく、パイの決まってるマーケットを取り合っているからだ。進出阻止をしたい医師会は、市に対して徳洲会の進出を認めるのなら、学校の校医をボイコット、予防接種を拒否する、と圧力をかける。ほかの地域の医師会も、徳洲会が病院建設用地を入手すると、徳洲会のメインバンクである第一勧業銀に取引停止を通告。医師会員の預金を全額引き出し、重圧をかける作戦をとる。しかし、結果は医師会の敗北だった。学校医のボイコットは子どもを人質にとってるように映り逆効果に、そして何よりも病院を欲しがる「民意」の追い風によって病院建設にこぎつけた。成長の原動力ゴッドドクター 徳田虎雄ここまで数年であちこちに病院を立て急成長する徳洲会の要因は、徳田の医療界とかけ離れた経営にあった。第一は、徹底的な「低コスト主義」。同時期に開院した埼玉県の市立病院と比べると違いが明らかだ。市立病院はベッド数300床で、建設費に69.7億円をかけている。それに対して徳洲会の病院は、同じベッド数300床だが、建設費は16.5億円で、ベッド一床あたり4分の1のコストで建てている。そのカラクリを徳田はこう語る。「僕に言わせれば、市民病院は市民のためのものではなくて、働く職員のためということです。デラックスで広々とした院長室、副院長室、総婦長室、外科医長室……これらはことごとく、患者にとっては無縁の設備ですよ。これに比べて、僕たちは患者のために病院をつくるわけですから、副院長室、総婦長室なんてものは、最初からつくってないわけです。理事長室なんてものもありませんよ。僕が病院に行ったら、絶えず会議室にいるわけです。」この低コスト主義は、薬剤や医療機器の仕入れと管理にも適用された。徳田は、製薬会社が個々の医師に接触して薬剤を売り込むのを止めさせて、グループ全体の薬剤の仕入れを一元管理して値を抑えるようにした。というのも、医療機関は国が定めた基準価格より安く薬剤を仕入れ、患者に使った後に基準どおりの価格で保険請求をする形だが、そもそも医薬品の値段が曖昧で、巨額の差益を生んでいたからだ。徳田はこの隠れた収益源である薬剤に目をつけた。各病院の要望を本部がとりまとめ、何が最適の薬かを見極め、一括で仕入れて配分するシステムを作った。メーカーとの価格交渉も、グループを代表して本部が行う。病院が増え、薬の使用量が膨らむと、さらなる値引き交渉が行われ、莫大な差益が生まれるスケールメリットも発生した。第二に「実力主義での人材登用」だ。医療界は閉鎖的で、教授をトップにしたヒエラルキーの元、教授の意向で、配下の医師の勤務先や序列が決まってしまうという、忠誠心が試される構造にあった。そうした構造の中、アメリカで腕を磨いた医師の多くが、帰国後は不遇な扱いを受けていた。ヒエラルキーの医局から飛び出た者は、いくら技術を高めても、忠誠心が低いと見なされて、帰国後もなかなか良いポストを与えられなかったのだ。そこに徳田は目をつけ、「アメリカ帰り」の医師を積極的にスカウトしていった。アメリカで身につけた能力が正当に評価されなかったところに、徳洲会病院の院長というポストが差し出されると、彼らは日本育ちの医師の二倍、三倍働いた。彼らは患者のために働くのは当たり前であり、「年中無休・二四時間診療」と言われても驚かず、アメリカなら当然、と受け入れる。病院を経営の観点から見れば、収益を上げられるかどうかは医師の良し悪しにかかっており、医師の質と量が経営を決定づける。そう考えると、徳洲会の成長基盤は、アメリカ帰りの医師たちがつくったといえる。政治への進出https://www.fnn.jp/articles/-/26017徳田が政治に強い関心を抱いたのは、最初の病院を建てた頃に応援した候補が市長に当選してからで、その時に医療と政治の距離の近さを実感した。政治権力を持てば、医師会という病院進出の抵抗勢力もねじ伏せられる。近い将来、制約がなかった病院の開設にも制限が課せられると予想されている中で、政治力を持てば、病院開設の許認可権を握る行政に強く当たれる。とにかく病院を沢山作るために”政治力”が必要だと思うようになった。そこで衆議院選挙に出馬することになるが、死闘の末2回も落選してしまう。3度目の正直で挑んだ衆議院選挙、対抗候補とお金で票を買収し合う凄まじい戦いになる。金で票を買うのを媒介する統括者は、買収のポイントを知る年配の熟練者で、徳田に「ここで10億打てるかどうかで、勝負が決まる。勝つか、負けるか、あんたが決めろ。諦めるのなら諦めてもいい」と迫った。徳田は、東京本部の部下に連絡し、「やれ。カネを送れ」と命じた。 それから毎日、部下は徳田が出馬している地域宛に現金を一億円、二億円と送った。投票までの一週間でちょうど10億円、選挙期間中を通して30億円のカネが投じられた。この30億円というお金は徳洲会が医療機器を仕入れる時に、関連会社を経由したり、代理店からのキックバックで作った裏金によって賄った。あらゆる手段を尽くした結果、ついに当選し政界に進出する。初当選でまだ政治家として力ないにもかかわらず、周囲への発言から尽きない野心がうかがえる。「でも彼の言い方はですね、2期目は厚生大臣、3期目は総理大臣、4期目は世界大統領だと平気で言うわけですね。」https://www.fnn.jp/articles/-/26017「自由連合」という政党まで立ち上げ、徳洲会の資金力を目当てに政治家も複数人集まり、石原慎太郎の都知事選のスポンサーもする等、精力的に政治活動に勤しんでいく。難病ALSを患うしかし60代になると、難病・ALSが発症し病魔が徳田を襲う。ALSは筋肉を動かすための神経が障害を受け、「手足を動かせ」といった命令が伝わらなくなっていき、筋肉が衰えていく。口も動かせないので会話もできなくなり、最終的には呼吸の筋肉も動かず呼吸不全に陥ってしまう病気だ。一度罹ったら治らない難病である。海外進出とプロジェクトファイナンスそれでも執念で経営を続け、徳田の野望は「世界」に向けられていた。「世界中に二〇〇の病院を建設する。『生命だけは平等だ』の哲学で、人間主義の人道追求型病院経営を世界で展開し、世界平和に貢献したい」と徳田は大きく宣言した。しかし、資金を安定的に調達しなくては、病院を増やすのは難しい。そこで浮上したのが「プロジェクトファイナンス」だった。これは、土地ではなく、特定の事業が生みだすキャッシュフローを返済の原資にした融資であり、長期的な安定収入を見込んだ方法である。その債権を証券化して第三者に売って資金を調達したりもする。 徳洲会は、日本の医療機関ではいち早く、この新しい資金調達を取り入れた。徳洲会の主なキャッシュフローである診療報酬はかなり魅力的で、プロジェクトファイナンスにぴったりだった。なぜなら、金融機関からすると「診療報酬債権」の報酬を支払うのは公的機関であり、焦げつく怖れはない回収確実で安定的な資産と捉えられるからだ。ゆえに極めて格付けの高い債権となる。診療報酬債権の価値に目覚めた徳田は、診療報酬債権を証券に変えて機関投資家に売り、8病院は市場から年間約280億円を調達した。日本の医療界では初めての試みとなった。しかし当時、徳洲会の負債は1,300億円を超えていて、8病院の証券化でも効果は限定的だった。性急な拡大路線で稼働率の低い病院が生まれていたり、徳田の政治活動資金への荒すぎるカネ遣いが原因だった。一度は銀行に経営を乗っ取られたこともあったくらいである。そこでさらなる資金調達を模索していた時、新たに外銀・RBSが度肝を抜く提案をしてきた。徳洲会の医療法人だけでなく、関連会社を合わせた全事業をまるごと証券化し、それを担保に2,000億円を融資するというプランだ。全事業対象の証券化は前代未聞の荒業で、2年後に孫正義もボーダフォンを買収する際にこの手法を使ったことで有名だ。徳田は、ビジネス界よりも早く、事業証券化に注目した。そして一度は合意に至り全事業を証券化しようとするが、様々な制約によって見通しが立たず、つなぎ融資が財務を圧迫する。最終的に徳田は大胆な方針転換を命じ、RBSとは契約解消、他行への借り換えをすることを決定した。この判断は功を奏した。病院の建設も急ピッチで進んでいき徳洲会は絶頂を迎える。徳田王国崩壊と晩年そんな絶頂の中、徳田のALSの症状は進行し、2006年には声を出して会話できないまでになり、文字盤を目で指して意図を伝えていた。その状態でも海外展開を推し進め、事業欲が旺盛だったのが末恐ろしい。https://www.youtube.com/watch?v=CJzc5LH230oただ、体調は悪くなる一方なため、その少し前から政治活動は次男・毅に任せ、徳洲会の後継も長男・哲に移行し始めていた。ところが、徳洲会を哲へ継承しようとするのを他のファミリーが阻む。これまで徳田が一族を徳洲会には近づけないようにしていたのに、ALSが進行し身体が不自由になっていくと、一人では生きていけないため、一族は心配して近づくとともに「創業家の利得」にありつこうと徳洲会に踏み込んでくるようになってきた。こうして徳田と徳田の右腕・能宗 vs 徳田ファミリーという構図で火種がくすぶるようになる。そしてついに、徳田が過去立ち上げた政党「自由連合」への徳洲会からの巨額の貸付といった爆弾処理を巡って緊張が一気に高まることに。能宗は返済スキームを考案するが、ファミリーはバックデートで文書を作ったり等に抵抗を感じ、脱税を推進してるとして裏切り者に仕立て上げた。ファミリーは徳田にも「能宗は裏切り者」と迫る。これまで固い絆で結ばれ「大事なことは能宗に聞け」と全幅の信頼を置いていたが、この爆弾をうやむやにしたい徳田は能宗を切ることにし、解雇した。こうなれば能宗も闘うしかない。これまで右腕として握り潰してきた「選挙違反」や「政治とカネ」にまつわる数々の徳洲会の爆弾を世間に知らしめた。結果、能宗にもファミリーにも検察の捜査が入り、両者逮捕に至る泥沼に。この一連の事件で、職員は大量に辞め、徳田一族も能宗も去り、徳田本人も要職から外され、徳田王国は崩壊した。徳洲会そのものも「社会医療法人」の認定が取り消され、解体されるかどうかという瀬戸際に立った。だが、厚労省は取り消さなかった。徳洲会が地域の医療に果たす役割があまりにも大きかったからだ。徳洲会の病院が閉鎖すれば、地域の医療は破綻し、厚労省にも責任が及ぶ。王国は崩壊したが、徳田が立ち上げた現場の医療は残り、徳洲会は徳田ファミリーとは決別し今なお繁栄を続けることができている。番外編・徳洲会が伸びたマーケットの背景ここからは番外編で、徳洲会がなぜ伸びたかだ。ひとことで言えば、高度経済成長による人口動態の急速な変化が生んだ”ひずみ”を解消したことが大きい。当時、一次産業が廃れ、若くて「安い労働力」が商工業の雇用を求めて地方から都市へと急速に人口が移動した。その結果、人口急増地域は医療機関が全然足りず、医療砂漠が生まれる。一方で労働者を送りだした地方は人口が減って高齢が進み、こちらは医師が消えていく。また見通しの甘い都市・国土計画と、自由開業制による病院開設で皆が好き勝手に病院を立てたために、医療過疎や医師偏在が発生した。高度経済成長&国の制度設計の不備で生まれた需給にギャップのある空白地域をターゲットに病院を開設する戦略で、徳洲会は「住民のニーズ」を掲げて埋めていった。そこに徳洲会が成長した歴史的な必然性があった。徳田虎雄の知恵優秀な人材と仕事する「僕は自分より能力のある人間と仕事をする」「医師の場合、学閥、教室閥、年功序列にこだわることなく、実力主義で採用してます。他の病院だと、院長は大学教授の古手の天下りが多いけれど、徳洲会病院の場合は、実力とリーダーシップさえあれば、三十代、四十代の若さで院長になってもらっています」任せる力徳田は「できる」と見込んだ部下には仕事を全面的に任せた。人使いの妙がここにある。田中が猛勉強をして無影灯のメーカーを絞ると、徳田はさらに要求する。 「岸和田は三五〇床や、大型病院で徳洲会の顔になる。医療機器も最新鋭のものをそろえないとだめだ。人工透析センターも稼働させる。血管造影のCAD、バイタルサインモニタ、透析機器……、野崎にないものもぜーんぶ、交渉して決めろ」 徳洲会に入って一年経つかどうかの田中に億単位の商談が委ねられたのだった。ゴッドドクター 徳田虎雄人間ウジ虫論徳田は、使えると見込んだ人間がカネを欲しがればカネを、ポストを求めればポスト、色を欲すれば色、理想を求めるのなら理想を、瞬時に見分けて与えた。人間の欲望を掌握する勘は並外れていた。与えられた側は、自己実現の悦びにひたれる。徳田は自己実現の機会をおびただしく創出した。そうして人心を掌握し、徳洲会を拡大させた。 徳洲会を支える医師の前で、徳田はしばしば「人間ウジ虫論」を説いた。「人間なんてな、ウジ虫みたいにそこらを這いずりまわりながら、何をするかわからん生きものや。てんでんバラバラ、好き勝手をしよる。国会議員なんか見てみい、もっともひどいヤツらや。おれやおまえらもウジ虫。全然、まとまらへん。けどな、ウジ虫みたいな連中を、ガサガサ好きにさせてると、ときどき、すごい仕事をしてくれる。ウジ虫やからできる、でかい仕事がある。そこがおもしろい。徳洲会は、いろんなウジ虫がおってええんや」ゴッドドクター 徳田虎雄徳洲会の朝礼「徳洲会の理念、生命を安心して預けられる病院、健康と生活を守る病院、理念の実行方法、一、年中無休・二四時間オープン 二、入院保証金、総室の室料差額、冷暖房費等一切無料 三、健康保険の三割負担金も困っている人には猶予する 四、生活資金を立て替え・供与する 五、患者からの贈り物は一切受け取らない……」 と、声を張り上げるのに合わせて全職員が一斉に唱和していた。内容は極めて事務的だ。「これで世のなかは動いているのか。こんなに簡単なプロパガンダで職員の意識づけができているとは!」と盛岡は仰天した。 インテリは理屈ばかりこねたがるが、世間はまったく違う回路で動いている。それにしても、もう少し、言葉に潤いというか、大脳に響く装いがあってもよさそうだが、飾りはゼロだ。 徳田は、徹頭徹尾、即物的だった。ゴッドドクター 徳田虎雄正しい情報だけをもってこい徳田の職員に対する口癖は「正しい情報だけを持ってこい。間違った情報で判断を誤れば、時間の無駄だ。おれの一分、一秒は、おまえの一時間よりも尊い」だった。ゴッドドクター 徳田虎雄目標はホラでいい「私のモットーは『有言実行』だ。口にしたことは必ず実行する。公言することでそれを実行せざるを得ないように自分を追い込んでいく。みなさんも命がけの迫力をもってほしい。目標はホラでいい。ホラを吹く。 生半可 なホラではダメだ。大欲は無欲に似たり。大欲で死ぬまで全力投球しよう」敵は己自身ゴッドドクター 徳田虎雄出典:https://www.fnn.jp/articles/-/26017ゴッドドクター 徳田虎雄
4,500億円の病院グループ - 徳洲会 創業者「病院王・徳田虎雄」|Yuya Murakami / East Ventures
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千明は、JR御茶ノ水駅から総武・中央線で秋葉原駅で行き、京浜東北線に乗り換え、上野駅から常磐線で水戸に帰った。
「フレッシュひたち」に十七番ホールから乗り、途中で買った缶チューハイを飲みながら特急が動き出すのを待った。
この四十三年間、家族旅行は大概熱海か伊東だった。ディズニーランドも行ったが、それ以外にはなかった。父は地方公務員で、母は保健師をしていた。二人とも忙しく、独りで過ごすことが多かった。
思春期になり、声変わりをして下半身に体毛が生え始めた時、当時通っていた中学校の保健体育の男性教師に片想いをした。年齢は今の千明と同い齢で、サッカー部の顧問もしていた。
ある夏の日、その教師が更衣室でポロシャツとハーフパンツに着替えるのを、中学生の千明は更衣室のドアが僅かに開いていた隙間から見てしまった。ちょうどビキニブリーフ一枚だけの姿で股間の膨らみが視界に入った時、彼は生まれて初めて性衝動を覚えたのだ。前の日に男女の生殖器について習ったばかりだったので、彼は現実に一物がその欲求によって勃起していくのを経験した。
その後、同級生との談笑の中で自慰行為を知った。一物の包皮が剥けない状態ではあったが、あの光景を思い出しながら上下に擦った。次第に包皮も伸びて紅潮した芯が剥き出し、先走り汁で右手が汚れていくのを目前に、千明は罪責感を抱えながらもエクスタシーに酔っていった。そして、
「あっ、あん、ああんッ!」
と、裏声を上げた途端にピュッと跳んだ後にドクッ、ドクッと黄色がかった愛液をトイレの床にまき散らした。栗の花に似た臭いが漂う中で、彼はこれまで身に感じたことのない解放感を覚えた。
この感覚を味わう為に、その体育教師が着替える時間が近づくと、千明は誰もいないことを確認したうえで視姦を繰り返した。時折、ビキニブリーフの膨らみが大きいことがあり、彼は生唾を呑んだ。そして、トイレの個室にこもっては自慰行為をした。
ある日、千明が周囲に誰もいないことを確認し、いつもの様に更衣室を覗こうとした時、背後から声がした。
「君、職員更衣室の前で何やってるの?」
その声にビクッと彼は驚き、そっと振り向いた。そこには髪を七三分けにした、白衣を着た男性教師が立っていた。彼は言った。
「いつも山本先生が着替えている時に君、来てるよね」
「ご、御免なさい…」
「ちょっと、一緒に来てもらえるかな?」
千明は、その男性教師の言う通りについていった。怒られるのかな、と彼は思った。
連れて来られたのは、理科準備室だった。室内から鍵をかけられ、向かい合うと突然股間を弄られた。
「!」
「君、勃ってるじゃないか。先生、知ってるンだよ。君がトイレでオナニーしてるの。山本先生、カッコイイもンなァ…。実は、先生のセフレなンだよ。チ○ポでかいから、いつもイッちゃうンだよ」
「や、やだ…」
後退りしながらも恐怖のあまりに身体が硬直していた。気付くとベルトを解かれ、スラックスを下ろされた。赤と青のラインがはしったウエストゴムのセミビキニブリーフの中央が隆起し、じんわりと先走り汁が染みていた。
「川又先生、御免なさい…」
「流石、性に目覚めたばかりの初々しい肉体だ」
川又は白衣を脱ぎ、ベルトを外し、スラックスを下ろした。ウエストゴムにブランド名があしらわれた真っ白なビキニブリーフが、卑猥��ほどに突き上げていた。彼は言った。
「先生が、君を大人にしてあげる」
「や、やだ!」
「大声出すと山本先生にチクるぞ!」
こう言うと、川又は千明を口止めするかの様に唇を奪い、彼の股間を鷲づかみした。千明の口の中に川又の舌が忍び込み、とめどなく唾液が噴き出した。
「君、感じてるじゃないか」
「あ、あぁ…」
ひんやりとした床の上で、川又は千明の内腿に下半身をうずめ、股間を軸に身体を上下に揺さぶった。徐々にビキニブリーフ越しに川又の先走り汁が噴き出し、それが千明のセミビキニブリーフを濡らしていった。
「ほら、先生も君と同じ肉体をしてるンだよ…」
千明は放心状態となっていた。無言で彼は肉体を弄ばれ、川又の思うがままにされていた。最終的には、セミビキニブリーフの右側から肉棒を引き出され、鏡に映された姿を見せ付けられながら絶頂を迎えた。
「あ、あぁぁぁん!」
乳白色の愛液が、焦げ茶色の床に跳び散る。川又も自分で手淫し、床を汚した。
その後も、理科準備室に連れて行かれては川又は千明と絡むことを要求してきた。いつしか山本が着替える様子を見に行くことはなくなったが、川又との密会を重ねていく毎に自分の肉体の諸部分が感じる様になっていった。
夏休みになり、登校日で学校に来るといつもの様に川又に連れられ、理科準備室に入った。すると、そこには山本の姿があった。彼は水色とワイシャツとライトグレーのスラックスと言う姿だったが、
「千明君、今から山本先生が君の欲求に応えてくれるよ」
と川又が言った。山本は、まさか目前で千明と濡れごとをするとは聞いてもなかったので、
「まさか、お前の前で彼を…」
と聞いた。
「だって、君が着替える姿を見ながらトイレでオナニーしてたンだよ。好きなンだよ」
「だからって…」
「お前だって溜まってるンだろ?いつもチ○ポもっこりさせてるし」
千明は、ただ恐怖でしかなかった。川又に童貞を奪われ、望まない濡れごとを強要され続け、そのうえ山本に告げ口をするとは!狂気の沙汰でしかない。
「…信じられない!」
そう言い放つと、千明はドアの鍵を開けて走って出て行った。彼は泣きじゃくりながら階下の職員室に入り、川又に身体を弄ばれたことを他の教師に告白した。
「本当なンです!助けて!」
結局、教頭が理科準備室に確認しに行くと、ちょうど川又が山本と接吻し股間を弄っている最中だった。
「学校で何やってンだ、お前ら!」
数日後、川又は懲戒免職となり、山本も最終的には辞職することになった。しかし、千明は川又に犯され、肉体の諸部分が感じる様になったことをトラウマとして抱えていた。母が保健師だったこともあり、しばらく心療内科でカウンセリングも受けた。父も教育委員会を相手に訴訟を起こした。
それでも、千明には常に飢えていた。何故か、山本の様な年上の男に好意を持ってしまい、それで性欲の処理はしないが愛して欲しいと言う願望が尽きなかった。
車窓には、家々がひしめいていたのが利根川を過ぎるとあちこちに田畑が広がる景色に変わっていった。千明は缶チューハイとビールを飲み終え、寝てしまった。気付くと特急は内原を過ぎていた。彼は慌てて起き、眠い両眼を擦りながら水戸で下り、JR水郡線に乗り換え、家路に着いた。
家に着くと、未だ彰は帰って来ていなかった。時計の針は、午後五時を回っていた。千明は居間の掃き出し窓を開け、仏前に線香をあげ、合掌した。
「聡、ただいま」
そう言うと立ち上がり、ネクタイを解き、ジャケットを脱ぎながら応接室に向かった。シャンデリアの明かりを付け、サイドボードからテイスティンググラスを取り出し、ボウモアの封を開けた。昔のことも思い出し、どっと疲れてしまった。彼は少し休もうとウィスキーを一口含むと、レコードを一枚取り出した。それは、彰の父が好きだったのか、ジリオラチンクエッティのベスト盤だった。プレーヤーの針をのせると、軽快な前奏が室内に響いた。
あ、この曲いいねと思いながら、千明はグラスを片手に歌詞カードに目を通した。伊語と日本語の対訳になっており、今流れているのは「La pioggia」であった。嗚呼、車のコマーシャルで使われた曲だなと、彼は思った。
マントルピースの上には、幼い頃の聡と彰が両親と撮った写真が並べられている。嗚呼、宇佐見家の歴史にこんな自分が入り込んでもいいのかしら?同じ戸籍にも入れないし、万一、彰の身に何かあっても保証人にはなれないだろう。彼は不安に思った。
ボウモアのお代わりをダブルで三杯飲んでいた頃、再び眠気が襲って来た。あの純喫茶でわんわん泣いてしまったからか、疲れたのだろう。大樹に後で謝っておかなければ…。そう考えていると、彼の瞼は閉じられてしまった。
千明は真っ暗な中で横たわっていた。すると、
「透!何寝てンだよ!」
と声が聞こえた。その声に彼は気付き、両眼を擦りながら身体を起こした。遠くの方から誰かが歩いてきた。近づいて来ると、それが聡であることを認めた。
「聡!聡なンでしょ!?」
「オレだよ!」
聡が千明と向かい合うと、千明は聡を抱きしめた。再び涙が溢れ、泣き出してしまった。
「聡!会いたかった、会いたかったよぉ〜!」
「お、おい!苦しいよ!死んじまうよ、死んでるけど!」
そう言うと、聡は千明の唇を奪った。何故か涙が急に引いた。彼は、
「もう、泣くンじゃねぇよ…。この泣き虫毛虫!成仏できねぇじゃねぇか!」
と言った。彼は言った。
「お前、会社辞めて東京は卒業して、ウチに来いよ」
「…いいの?」
「お前、彰が好きなンだろ?愛してるンだろ?アイツ、オレと同じ淋しがり屋なンだよ。しかも、オレを含めて皆お陀仏しちゃって、アイツ、あぁ見えても苦労したンだせ?働き場所なんて何とかなるし、今後のことなんて今はどうでもいいよ。その時は隆を養子として迎えればいいさ、香だって許してくれるよ。彩も彰が好きだし…。ウチの戸籍には入れないだろうけど、そんなことあぁだこうだ言ってるのは日本だけだよ。フランスなんて事実婚が多いンだから!エリザベス一世だって、ヘンリー八世とアンブーリンとの間の私生児だよ。その私生児だって女王になったンだから、関係ねぇよ!」
あの世に逝ってもメチャクチャなことを言うのは変わらない。千明はおのずと笑顔になった。聡は続けた。
「もう、オレのことは水に流せ!お前が中学生の時にバカな先公に犯されたことも、両親がお前の気持ちを解ってくれなかったことも…。学歴!?もう時効だよ!東大卒だってプー太郎はいるよ。もしバカにしてきたらそいつがバカなンだよ。もう、細かいことでクヨクヨするなよ!?泣くのはなおさらだ。もし泣いたら彰に乗り移って二万四千回の接吻をお前に施すからな!」
「聡!相変わらず…バカだわ」
「バカでも死んじまったよ!」
二人は声を出して笑った。聡は言った。
「そんな理由で、彰をよろしく頼む。あ、そろそろ帰って来るから、またな!愛してるよ!」
そう言うと立ち上がり、聡は暗闇の中へ走って行った。千明は目を覚ました。家の外で車がバックする音が聞こえた。彰が帰って来たのだ。
室内には、「アネマエコーレ」と言う曲が響いていた。ドアを開ける音がし、
「あれ、お帰り。早かったンだね」
と彰が入って来た。千明はソファーから起き上がり、彼のところに向かった。千明は言った。
「彰さん、一緒に暮らしたい…」
「え!?」
「オレを、宇佐見家の一員にして下さい」
「えぇ!?」
「会社は辞めて、東京も卒業して、この地に骨埋めたい。彰さ、彰と暮らしたい」
彼は、彰を初めて「さん」なしで呼んだ。その言葉に彰は顔を真っ赤にさせ、抱きついた。千明をソファーに押し倒し、唇を奪った。彼は言った。
「いいよ!大賛成!幸せになろう!透く、透!愛してる!」
そのまま二人はソファーの上で愛し合った。あの世から聡が嬉し泣きしているのを、千明には見えていた。
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我が国の未来を見通す(60)
「気候変動・エネルギー問題」(25)
原子力発電の長所・課題と展望
宗像久男(元陸将)
───────────────────────
□はじめに
2月24日、ロシアによるウクライナ侵略が1年
を迎えたことから、その前後にマスコミはこぞって
「侵略1周年」を記念した特集を組み、大々的に報
道していましたので、読者の皆様もこのニュースに
関して少々うんざりというところではないでしょう
か。確かに「ほぼ出尽くした」感はありますが、前
回約束をしましたので、本メルマガ冒頭で「ウクラ
イナ戦争1周年から何を学ぶか」に絞って感じたこ
とを取り上げてみたいと思います。
この1年を振り返りますと、様々なことが判明し
たと思っていますが、思いつくままに主要なものを
挙げてみましょう。
1)これまでの人類の歴史がそうであったように、
時代がどんなに進んでも、人類が価値観を完全に共
有することは不可能で、領土や利権の拡大のような
古典的な主張を含め、国家は自国の利益を最優先し、
そのための「戦争」のような行動までその正当性を
主張することから、将来も様々なことが要因となっ
て国家間や民族間の様々な形の「争い」は続くこと
を覚悟する必要がある。
2)第1次世界大戦後の「国際連盟」や第2次世界
大戦後の「国際連合」やNATOなどの集団安全保
障体制など、悲惨な経験に基づく「安全装置」も決
して盤石ではな��、時代とともに抑止力としての機
能にほころびが生じること。また、侵略国に対する
制裁措置のようなものの効果も限定され、侵略国の
行動を止めるには至らないこと。
3)人類の最大の恐怖である「核兵器」の存在が戦
争を複雑にしている。特に、核兵器によって威嚇は
できても、実際に使用まで踏み切るには簡単ではな
いことから、仮に核兵器保有国と非保有国の戦争で
あっても、様々な自制心が働き、一旦戦争が起きる
と長引く可能性がある。
4)いかなる状態で戦争に巻き込まれたとしても、
国民が多大な犠牲を被っても自国を守る意思さえ失
わなければ必ず味方が現れる。そのためにも、平時
から価値観を共有する国々と友好(同盟)関係を保
有しておくことが大事である。
5)本戦争は、実際に戦っているのはロシアとウク
ライナ2か国だけだが、当初から米国はじめNAT
O諸国やベラルーシなどが関与している地域戦争の
様相を呈していたこと。今後もこのような様相の戦
争形態が起きる可能性があること。そして戦争によ
る被害や影響は当事国や関係国の軍事面に留まらず、
国際社会全体に対してエネルギーや食料など広範囲
な問題に多大な影響を及ぼす可能性があること
などでしょうか。これらからしても、本戦争の停戦
あるいは終結に至る道筋はいまだ判明しないと考え
る必要があるでしょう。
では、これまでの戦いにおいては、どちらが有利に
戦っているのかについて考えますと、テレビの映像
から流れるウクライナの各都市やインフラの破壊は
目を覆うものがありますが、数字でみると、両国の
戦死者などの数に大きな隔たりがあることがわかり
ます。
ウクライナの主張によれば、ロシアの戦死者は14
万人超としているのに対して、ロシア側は5937
人と発表しています。一方、ウクライナの戦死者に
ついてはウクライナが1万~1万3000人と発表
しているのに対してロシアは6万1207人と発表
しているようです。このような事柄についても「情
報戦」が盛んに行なわれているのは明白ですが、俗
にいう「戦場の霧」はこのような情報収集手段が発
達した現在においても“いまだ晴れない”ことも事
実なのでしょう。
冷戦が終わった直後、かつての「ノモンハン事件」
が日本の犠牲者よりもソ連の犠牲者の方が多かった
ことが判明しましたが、何年か先に、ロシア側から
ウクライナ戦争の実態がさらされる日が来る可能性
があるのかも知れません。それがいつになるか予測
すらできません。
アメリカの戦略家エドワード・ルトワックは、“資
源や資産が消耗すると平和が訪れる”として「戦争
は平和につながる」との明言を残していますが、オ
ランダの軍事情報サイト「Oryx」は、ロシアは
保有していた戦車約3000両の6割に相当する約
1780両を失ったこと、あるいは英国国防省の分
析ではロシアの犠牲者はウクライナの見立てよりも
っと多い17万5千人~20万人としていること、
あるいは西側の制裁によって兵器の製造能力が低下
していることなども指摘されています。
つまり、ロシアの資源や資産が“底をつき始めてい
る”との見方もできるのですが、無傷の核兵器が残
っています。西側の支援のもとにウクライナの反転
攻勢がある境界を越えた時と合わせ、依然、核兵器
の使用も辞さない事態になる可能性が残っているこ
とは間違いないでしょう。
今頃になって、したたかな戦略が見え見えの中国が
停戦の仲介をとるようなそぶりを見せていますが、
合意に至る条件に大きな隔たりがある現状では、両
国はおろか、国際社会がそう簡単に乗るとは考えら
れません。停戦が実現するかどうか現時点は不明で
すが、「ロシア国内の厭戦気分の盛り上がりにプー
チン大統領が妥協するか否か」がカギを握っている
ような気がします。
いずれにしても、本戦争から台湾有事を含めて我が
国の防衛のために学ぶことは山ほどありますが、続
きは後日にしましょう。
▼太陽光発電以外の再エネのメリット・デメリット
(総括)
再エネについては、2月10日に閣議決定された
「GX実現に向けた基本方針」のトップに「再生可
能エネルギーの主力電源化」として事細かに記載さ
れていますので、興味のある方はご覧ください。
それによると、太陽光発電以外に政府が重視してい
るのは風力発電、なかでも洋上風力のようです。一
般に風力発電のメリットは、枯渇する心配がないこ
とや発電時にCO2を出さないことですが、デメリ
ットもかなりあることがわかっています。
まず、(1)エネルギー密度が低く、広大な面積を必要
とします。前回紹介しましたように、100万kw
の原子力発電1基分の電力を得るために、太陽光発
電の場合は山手線の内側とほぼ同等の面積が必要な
のですが、風力発電の場合は山手線の3.4倍ほどの
面積が必要といわれます。かつ、(2)風力発電の適地、
つまり風況の良い地点は偏在していることも挙げら
れます。
さらに、(3)風向き、風速などの風況による発電は不
安定になり、(4)風車の回転時に騒音が発生するばか
りか、同時に発生する超低周波音が心血管系の変化、
めまい、倦怠感、睡眠障害など人体へ影響を及ぼす
ことも指摘されています。
そして、最大の問題として(5)設備にかかるコストが
高いことも挙げられています。特に、洋上風力の場
合は、(4)のような問題の解決策になるとはいえ、建
設にかかるコストが高いことが明白でしょう。資源
エネルギー庁は、政府や政府に準ずる組織が主導す
る「日本版セントラル方式」を導入して、コスト削
減などを図ろうとしていますが、その効果と可能性
は不明です。当然、これらの設備コストは、私たち
の電気料金にそのまま反映されることは間違いあり
ません。
最近はまた、多発する鳥への被害、つまり「バード
ストライク」のような問題も指摘されはじめていま
す。現に、アメリカ全体では年間最大40万羽の鳥
が死亡している推定されています。
次に、バイオマス発電についても、発電に伴う追加
的なCO2の発生がないことや連続的に電源が得ら
れるなどのメリットに対して、発電効率が悪いこと
やダイオキシンの排出抑制対策や焼却灰の減量化な
ど、さらなる環境負荷軽減が必要なことなどのデメ
リットが指摘されています。
これらを総括すると、再エネを「クリーンなエネル
ギー」として手放しで拡大することを容認するわけ
にはいかないでしょうし、最近は、「再エネは社会
に役立つ」との考えそのものに虚構があるとの指摘
もあります。私たちは、「脱炭素」の政策をはじめ、
エネルギー政策については根本から大きな過ちを犯
しているのかも知れません。そのあたりについては
最後にまとめることにしましょう。
▼原子力発電の長所
さて原子力発電です。我が国の原子力発電は、19
66年7月に、東海発電所が初めて商業用原子力発
電所として営業運転を開始して以来、新しい発電源
として発展し続けてきましたが、2011年年3月
の東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故
以来、稼働を停止しました。
その後、原子力規制委員会が設置され、福島第一原
子力発電所の事故を踏まえ、同委員会により新規制
基準が制定されました。この10年あまりで福島事
故炉を含む21基が閉鎖されましたが、閉鎖されて
いない33基について、地元の同意を得て実際に再
稼働したのはそのうち6発電所10基にとどまって
おり、西日本エリアに集中しています。
一方、GX基本方針では、原子力発電について「C
O2 を排出せず、出力が安定的であり自律性が高い
という特徴を有する原子力は、安定供給とカーボン
ニュートラルの実現の両立に向け、エネルギー基本
計 画に定められている 2030 年度電源構成に占
める原子力比率 20~22%の確実な達成に向けて、
いかなる事情より安全性を優先し、原子力規制委員
会による安全審査に合格し、かつ、地元の理解を得
た原子炉の再稼働を進める」との方針の下、「運転
期間は40年、延長を認める期間は20 年」と運転
期間の延長も明記されました。
改めて、原子力発電のメリットを整理しますと、ま
ずはCO2排出を極端に抑制できることです。日本
原子力発電株式会社(げんでん)の資料によると、
1kwhあたりのライフサイクルCO2排出量は、
石炭火力が943、石油火力が739、LNG火力
が599、太陽光が38、風力が26、原子力が1
9、地熱が13(単位は、それぞれg-CO2/k
Wh)となっていることから、施設建設時のCO2
排出まで含めたライフサイクルにおいても原子力発
電がいかに「地球にやさしい」かがわかります。
それに加え、あまり注目されていないですが、必要
な電力を継続的に獲得するための燃料の少なさです��
資源エネルギー庁の資料によると、100万kwの
発電設備を1年間運転するための必要な燃料は、石
炭火力発電が235万トン(大型石炭運搬船11.
75隻に相当)、石油発電が155万トン(大型タ
ンカー7.75隻に相当)、天然ガス発電が95万
トン(LNG専用船4.75隻に相当)なのに対し
て、原子力発電に使用する濃縮ウランはたった21
トン(10トントラック2.1台に相当)しか消費
しません。この事実は、燃料自体のコストとそれら
の運搬費を考えると、途方もないメリットになりま
す。
その上、GX基本計画においても「六ヶ所再処理工
場の竣工目標実現などの核燃料サイクル推進」と明
記されているように、核燃料サイクルによってさら
に燃料を削減できます。これは、原子力発電所にお
いては使い終えた燃料(使用済燃料)の中には、ま
だ燃料として再利用できるウランとプルトニウムが
残っており、これを化学的に処理して(再処理)、
混ぜ合わせてMOX燃料を製造し、これを燃料とし
て使おうとするものです。
現在稼働中の10基の原子力発電所のうち、リサイ
クルされたMOX燃料を使うことのできる「プルサ
ーマル炉」が4基あります。現在はすべてフランス
で加工されたMOX燃料を使用していますが、20
24年を目途に再処理工場の竣工をめざし、その後
は、国産のMOX燃料に置き換えようとしています。
MOX燃料を燃焼させた後のさらなる再利用につい
ては、現在、実用化されておらず、今後実用化に向
けた研究が必要ですが、実用化されれば、本メルマ
ガでもすでに紹介しましたように、新たなウラン燃
料を獲得する必要性が極端に減り、資源小国の我が
国にとっての「夢」が現実のものになるでしょう。
▼原子力発電所の課題と展望
GX基本計画にも明記されていますように、原子力
発電の最大の課題は、福島第1原子力発電所の例を
引くまでもなく、自然災害やテロやミサイル攻撃の
ような人災によって事故が発生した際には炉心溶融
など人体に重大な影響を及ぼす放射性希ガスが大量
広域に放出される可能性があることでしょう。
福島原発においては、予備電源が津波によって破壊
され、冷却できなかったことが致命的な事態になり
ましたが、それらの解決をはじめ、将来は、より安
全性の高い「次世代原子炉」の開発が加速されてい
ます。また、原子炉建屋そのものを岩盤に埋め込む
などの耐震化の強化処置も研究されています。
なお、列国の原子力発電の稼働状況は、第1位がア
メリカで94基、第2位がフランスの56基、第3
位は中国が48基と続きます。我が国の現時点の運
転中の33基は第4に位置されますが、稼働してい
る10基となると、第10位前後にランクされます。
また、また発電量で日本は第18位に留まっていま
す(15,939百万kWh)。
注目すべきは、この分野も中国です。中国は現在、
16基建設中で、計画中の29基を含めると、近い
将来、フランスを抜いてアメリカに迫る原子力発電
大国に成長すると見積もられています。中国は、地
球温暖化などどこ吹く風、依然として化石燃料発電
を堂々と活用しながらダントツのCO2排出を維持
する裏で、太陽光発電や原子力発電の分野でも世界
のトップランナーになることを目指しています。こ
の戦略は決して国内に留まるものではなく、前回も
触れたように、エネルギーを通じた「一帯一路」を
目指しています。引き続き注視すべきでしょう。
一方、我が国においては、原子力発電に対しては元
総理クラスまで反対の声を上げていますが、これま
で述べたような、エネルギーに関する諸事情を理解
した上での発言なのか疑いたくなります。ろくに勉
強もせず感情的な信念だけでもって、かつての名声
を活用して世論を誘導するような行為は即刻止める
べきと考えます。東日本大震災時の事故でさえ、当
時の総理の誤った判断や行動が主要因ではなかった
かとの疑いが依然残っています。
マスコミにおいても、ロシアによるウクライナの原
子力発電所攻撃の例を挙げて、「脱原発」を誘導す
るような報道がしばしば目にしますが、私などは、
映像で観るような状況の中でも稼働を止めず、しか
も福島原発のような大きな事故に至っていない事実
には目を見張るものがあると思っています。
「脱原発」「脱炭素」「再エネ導入」など何を主張
しても個人の自由であり、かつ身の安全が確保され
ている我が国ではありますが、大多数の国民が“我
が国の未来のために何をすればよいか”を至当に判
断して世論を形成することを祈るばかりです。
(つづく)
(むなかた・ひさお)
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2022年11月13日

【サマリー:J1参入プレーオフ 決定戦】

【熊本】J1初昇格逃す、大木武監督「こんな経験忘れたほうがいい」プレーオフで京都とドロー(日刊スポーツ)
J2ロアッソ熊本は1-1で京都サンガFCと引き分け、上位の京都が勝利するプレーオフ(PO)の規定により、J1初昇格を逃した。
下克上昇格はかなわなかったが、意地は見せた。同点の後半ロスタイム2分。クロスの流れから、MF平川怜(22)が渾身のシュートを放った。だが、京都FWウタカの“顔面ブロック”に阻まれた。再び目の前にきたボールをシュート。しかし今度はゴールポストにはじかれ力尽きた。
1点を追う後半23分、右CKから、DFイヨハ理ヘンリー(24)が2戦連発となるヘディング弾で同点。ボール支配率で上回り、枠内シュートも互角の7本と健闘した。
とはいえ、負けは負け。来季1年契約で続投する大木武監督(61)は、来季のPOの経験を生かす方法を問われて「いい経験を踏んだなら生かせるが、負けて、こんな経験忘れたほうがいい。サポーターを笑って帰してやれなかったのが心残り」と悔しさをにじませた。
九州のライバル・大分がJリーグ史上初となるJ3を経験してのJ1復帰を果たした18年。くしくも、熊本は08年のJ2昇格後初めてJ3降格の屈辱を味わった。前年の17年は他力ながら21位でギリギリ残留していたが、16年4月の熊本地震の影響もあって弱体化して以降、勢いを取り戻せないままもがき続けてきた。14年度決算では債務超過に陥り、クラブ存続の危機もあった。
だが、広島で強化部長や社長を務め、育成面で評価があった織田秀和氏(61)が18年にGM就任して、徐々に息を吹き返していった。
編成において、資金難ゆえに将来有望で伸びしろのある大学生の獲得に重きを置く。日本代表DF冨安と福岡ジュニアユース時代に同学年だった2年目のMF杉山や、J2得点ランク3位(14得点)で3年目FW高橋ら中心の多くが、大卒から熊本でプロになった選手。その数は、京都戦でのスタメンで6人に及んだ。20年に就任の大木監督が清水、京都監督、日本代表コーチなどを務めた豊富な経験を基に鍛え上げた。
J1の16位とはいえ、予算は約3倍の京都が相手だった。だが、大木監督は「(クラブの)歴史がないとか、経験がないとか、予算がないとかあるが、うちみたいなチームは何も成し遂げていないので、俺らもやれないことはないと思う」と強気で立ち向かった。
就任から3年計画で進化を遂げた“大木チルドレン”が、監督の言う「普段通りにやる」サッカーを体現した。エンブレムに象徴される火の国熊本の“暴れ馬”のごとく暴れた。【菊川光一】
【熊本】来季もJ2で編成面はいばらの道 主力残留望まれるも“草刈り場”になる可能性大(日刊スポーツ)
ロアッソ熊本はJ1参入プレーオフ敗退で来季もJ2となり、チーム編成面では、いばらの道が待ち受ける。
22年度決算見込みは収入約7億円、チーム人件費約3億円の緊縮財政の中、リーグ4位と躍進を遂げた。だが、来季も資金不足により、過度な補強や外国人の獲得はしない予定だ。
永田求社長(71)は「4番バッターばかりをそろえても仕方ないわけですから、野球で言う。ブレずに伸びしろのある若手を育てるチームにする」。編成に関しては、これまで通りお金をかけず、向上心やハングリー精神を持つ大学生の獲得や、ユースからの昇格などをベースにする方針だ。
基本、アンカーのMF河原創主将(24)、J2得点ランク3位のFW高橋利樹(24)、DF菅田真啓(25)ら主力の残留が望まれる。だがJ1からのオファーがすでに届いた選手もおり、他クラブの“草刈り場”になる可能性が高い。J3から昇格1年目で4位躍進した一方で、選手個々の能力もフォーカスされた。

文科省が「図書館の自由」揺るがす依頼文 「拉致問題の本充実を」(朝日新聞)
文部科学省が全国の公立・学校図書館向けに出した1通の依頼文が波紋を呼んでいる。「拉致問題の関連本の充実」を求めるもので、内閣官房が文科省に依頼した。特定のテーマで国が図書館にこうした文書を送るのは初めてという。これに対し、公益社団法人・日本図書館協会は10月、「図書館の自由に関する宣言を脅かすものであると懸念する」などとする意見書を文科省に出した。
「北朝鮮当局による拉致問題に関する図書等の充実に係る御協力等について」
文科省が8月末、全国の公立・学校図書館あてに送った「事務連絡」だ。文書は、拉致問題の解決には「世論の一層の喚起が不可欠」だと指摘。12月10~16日の啓発週間に向けて関連本を充実させ、テーマ展示をするなどして、「児童生徒や住民が手にとりやすい環境の整備」に協力するよう求めている。
文科省地域学習推進課によると、図書館向けにこうした文書を出すのは初めて。「内閣官房拉致問題対策本部から頼まれたから」で、「図書館の自由を侵害する趣旨ではない。撤回予定はない」という。
拉致問題対策本部も「毎年力を入れている若者の啓発策だった。お願いにすぎず問題があるとは考えていない」との見解を示した。
図書館には戦前の反省から、独立や市民への責任をうたった「図書館の自由に関する宣言」がある。宣言では、「権力の介入または社会的圧力に左右されることなく、自らの責任に基づき資料の収集と提供を行う」などと明記している。
このため、図書館協会は依頼文について「外部からの圧力を容認し、主体的な取り組みを難しくする怖れがある」などとして「是認できない」としている。
現場の司書たちにも、危機感が広がっている。
千葉県の公立図書館で働く50代の男性司書は、9月、県から届いたメールで依頼文を知った。違和感を覚えた男性が司書の会議で議題にすると、戸惑いの声が上がった。
「国が依頼してくるのはどうなのか」「拉致問題は重要。本をそろえないということはないが……」
男性は「依頼文の通りに展示すれば『従った』ととられる。もう普通の展示はできない」と話す。
「国は『正しいこと』をやろうとしているのかもしれないが、協力を求めて当然という考え方は怖い」

ウクライナ廃虚にバンクシー壁画 「不屈の象徴」と住民歓迎(AFPBB)
【11月13日 AFP】英国の覆面ストリートアーティスト、バンクシー(Banksy)が、ウクライナの首都近郊の廃虚と化した建物の壁にグラフィティを描いた。住民は「不屈の象徴」になると歓迎している。
バンクシーは11日、廃虚の壁に描かれた、倒立する体操選手の絵の写真3枚をインスタグラム(Instagram)に投稿。キャプションには「ボロジャンカ(Borodyanka)、ウクライナ」と記されていた。
首都キーウ北西に位置するボロジャンカは、ブチャ(Bucha)やイルピン(Irpin)と同じく、2月のロシア軍の侵攻開始直後に激しい攻撃にさらされ、4月まで占領されていた町。ロシア軍による徹底的な破壊の爪痕を残す場所として知られている。
「私たちが不屈であることを示す象徴となる」と、オレクシーさんはAFPに語った。「そうとも、わが国は負けない」
ボロジャンカでは、柔道着姿の大人の男性を小さな男の子が投げ飛ばす様子を描いた壁画も見つかった。武道に熱心なロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がモチーフとみられる。
この作品がバンクシーの作品かは確認できていないが、ウクライナのテレビジャーナリスト、ボグダン・マシャイ氏(30)は「男の子が老人に立ち向かい、打ち負かしている」「バンクシーがここボロジャンカにいるなんて信じられない」と感激を口にした。
キーウ近郊ではバンクシー風の壁画が他にも幾つか出現しており、ウクライナの人々は、バンクシーが今も国内で活動しているのではないかと考えている。イルピンの廃虚では、首を負傷してコルセットで固定した新体操の選手が、リボンの演技を披露する姿を描いたグラフィティが見つかっている。
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核ごみ、地下450メートルに 岩盤に密閉、3年後稼働―世界初の最終処分場・フィンランド(時事通信)
【オルキルオト島(フィンランド)時事】原子力発電所から出る使用済み核燃料の処理に各国が頭を悩ませる中、フィンランドは世界初の最終処分場建設を進めている。地中深くに放射性廃棄物を埋める「地層処分」と呼ばれる方式で、3年後の稼働を目指す。南西部オルキルオト島の地下400~450メートルに造られた最終処分場が、時事通信など一部メディアに公開された。

【図解】核燃料最終処分場「オンカロ」
◇100万年先も安全
らせんを描きながら薄暗い坑道を下りていく。道幅は車2台がぎりぎり擦れ違える程度。天井や壁には掘削された岩肌の凹凸がそのまま残る。
核廃棄物の最終処分場「オンカロ」は、フィンランド語で「洞窟」を意味する。使用済み核燃料は約40年間、原発敷地内の貯蔵プールで保管。鉄と銅の容器(キャニスター)で二重に密封した後、オンカロ最深部の縦穴に配置する。
水の浸入を防ぐため、縦穴と容器の隙間はベントナイトと呼ばれる粘土で埋める。すべての縦穴が埋まると、トンネルそのものを粘土とコンクリートで密閉。処分場管理会社ポシバの関係者は「この岩盤は20億年近く安定しており、氷河期など地上の環境変化にも影響されない。100万年先も安全だ」と語る。

「オンカロ」の粘土とコンクリートで密閉された実験用トンネル=10月31日、南西部オルキルオト島
◇透明性を徹底
約5キロ続く坂道を下り、オンカロの最深部に到着した。空気は乾燥し、人や重機が舞い上げた砂ぼこりの臭いが鼻を突く。アリの巣のように張り巡らされたトンネルには、核燃料を埋設する縦穴が数メートル間隔で掘られる。最終的にトンネル数は100本以上、総延長は50キロになる見通しだ。
2025年ごろに稼働し、約100年かけて使用済み燃料6500トンを埋設する。同関係者は「すべてのトンネルや道を埋め戻した後は、地上施設を取り壊し、生物圏から隔絶する」と説明��る。

「オンカロ」の地下450メートルに下りる坑道
スウェーデンは今年1月、フィンランドに続き、最終処分場の建設計画を承認した。だが、日本を含む各国では処分場の建設地選定が難航。フィンランドが他国に先駆けた背景には、伝統的に政府や公共機関に信頼を寄せる国民性もあったとされる。「徹底した情報開示で透明性を確保し、地元住民と協議を重ねた」とポシバ社の広報責任者パシ・トゥオヒマ氏。オンカロの見学希望者は、可能な限り受け入れたという。
オルキルオト島では原子炉2基が稼働し、近く3基目も運転を開始する予定だ。原発とオンカロで20年以上働く地元住民のヤン・ライホネンさん(52)は「多くの住民は原発の安全性を信頼しており、最終処分場もさほど抵抗なく受け入れた」と話している。

【本日(11/13)の広島県内の感染状況】(広島県)
新型コロナ 県内で2105人感染確認3人死亡 13日発表(NHKニュース)
広島県では13日、新たに2105人が新型コロナウイルスに感染したことが確認され、3人が亡くなったと発表されました。
感染が確認されたのは、▼広島市で955人、▼福山市で311人、▼東広島市で162人、▼呉市で120人、▼廿日市市で110人、▼尾道市で78人、▼三原市で74人、▼三次市で65人、▼府中町で52人、▼海田町で29人、▼大竹市で28人、▼庄原市で22人、▼府中市で21人、▼竹原市で18人、▼安芸高田市で11人、▼熊野町で10人、▼世羅町と神石高原町でそれぞれ7人、▼江田島市と安芸太田町、北広島町でそれぞれ6人、▼坂町で4人、▼大崎上島町で3人のあわせて2105人です。
1週間前の日曜日より71人増えていて、9日連続で前の週の同じ曜日を上回りました。
これで県内での感染確認は、のべ49万286人となりました。
また、県内で患者3人が亡くなったと発表されました。県内で新型コロナウイルスに感染し、その後、死亡した人は801人となりました。
新型コロナ県内の医療体制 病床使用率42.7% 12日時点(NHKニュース)
12日の時点で病床の使用率は42.7%(確保病床517床、入院患者221人)、このうち重症患者用の病床使用率は9.5%です(確保重症病床42床、重症の入院患者4人)。
軽症の人や症状がない人が入る宿泊療養施設は1047室を確保し、307人が過ごしています(利用率29.3%)。
直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は556.92人です。
現在、広島県の感染状況はレベル0から4の5段階のレベルのうち、医療体制への負荷が生じはじめていることを示す「レベル2」です。
【新型コロナ 厚労省まとめ】67人死亡 6万8894人感染(13日)(NHKニュース)
厚生労働省によりますと、13日に発表した国内の新たな感染者は空港の検疫などを含め6万8894人となっています。また国内で亡くなった人は67人で、累計4万7579人となっています。
また、今月10日に行われた自主検査を除くPCR検査などの数は速報値で6万5009件でした。
東京都 新型コロナ 3人死亡 6922人感染確認 前週に比べ652人増(NHKニュース)
大阪府 新型コロナ 4人死亡 3269人感染確認(NHKニュース)大阪府内の感染者の累計は221万2402人となりました。府内で感染して亡くなった人は、合わせて6661人となりました。

飼いネコがコロナ発症 北海道・中標津の獣医師らが国内初報告(北海道新聞)
【中標津】根室管内中標津町の「やまだ動物病院」の獣医師山田恭嗣さん(56)と国立感染症研究所が、新型コロナウイルスに感染し、発症した飼いネコの症例を論文にまとめた。新型コロナウイルスに感染した動物の発症の報告は国内初という。山田さんは飼い主からネコに感染した可能性があるとし、「動物に接する際も感染防止を」と呼びかけている。
症例は今年4月に日本獣医師会雑誌で報告した。
ネコは、同管内の住民が室内で飼育する12歳の雌。2021年8月、飼い主と家族が新型コロナに感染して発症し、その10日後にネコにくしゃみや鼻水などの症状が出た。飼い主はネコの発症の3日後、動物病院に電話し、自身の新型コロナ感染についても伝えた。
山田さんはネコにも感染した可能性があると考え、飼い主に採材キットを送付。ネコの口内などから採取した粘液を国立感染症研究所で遺伝子や中和抗体を分析したところ、ネコが飼い主らと同じデルタ株に感染していたことがわかった。
ネコは発症8日後に食欲減退など症状が悪化。山田さんが抗菌剤や抗ウイルス剤などを投与すると翌日に症状が緩和した。風邪と症状が似ているため、山田さんは「症状だけで新型コロナと診断するのは難しく、飼い主の感染などの申し出が不可欠。情報がなく見過ごされた例もあるのではないか」とみる。
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Rexsoka week 2021 Day 4: It happened once in a dream/AU Day
I reposted the story of Rexsoka babies that I wrote a few years ago in the original Japanese version.
I think this story can be read as a dream of Rex who broke up with Ahsoka and retired to Seelos.
狩り
シーロスの砂漠を吹く風は、いつもベタついている。地表に厚く堆積した岩塩を砂嵐が削り、粉々に砕けた塩の結晶が風に乗って舞い上がるからだ。塩の岩盤の下には巨大なワーム類が棲んでいて、僕と僕の家族はそいつらを狩って暮らしている。この過酷な土地に生きる者にとっては、ワーム…特に脂の乗ったジューパは御馳走だ。干し肉にしても良いし、ベーコンにしても美味い。砂漠の縁、岩だらけの山の麓に細く貼り付いた緑地帯に住む人々のところに持っていけば、クレジットや他の品物に替えてくれるから、僕達はそれで食料や燃料、必要な生活用品を手に入れる。
その日、コックピットで“家”を操縦していた父さんは、僕に双眼鏡を渡して言った。
「ジャンゴ、上で周りの様子を見てこい」
「分かったよ、父さん」
僕は双眼鏡を首に掛け、テラスからコックピットの上に突き出したキャノンの砲身にコワキアン・モンキーみたいに飛びついて、するすると上に登る。赤ん坊の頃からやってることだから朝飯前だ。
こんな風に話すと、どう���て家にコックピットやキャノンがあるのかって、皆不思議に思うみたいだけど、僕らの家がクローン戦争時代の全地形対応型戦車だと言うと納得してくれる。見かけは鈍臭く見えるけど、6本の脚で広大な砂漠を渡り、切り立った崖も登ることが出来る、とてもタフな乗り物だ。父さんは宇宙空間でも戦えるって言ってたけど、ホントかな。AT-TEと呼ばれるこの戦車を、父さんと母さんは廃材を使ってあちこち改造しまくった。キッチンと煙突を付け、車体の横に新しく出入り口を開け、家の周りにはテラスを巡らして、外からもコックピットに出入り出来るようにした。屋根の上は広いデッキになっていて、風のない穏やかな日にはここで食事をしたり、夜には星を眺めたりする。もちろん戦車としての機能もちゃんと残っている。5門のキャノンはまだ現役だ。特にコックピットの上の長い砲身を持つ主砲には“リール”が装備されていて、これでジューパを釣り上げ、主砲でとどめを刺す。
屋根のデッキに上がった僕はコックピットの真上、主砲の脇に立って空を見上げた。紺碧の空には雲ひとつ無く、ぎらぎらと陽が輝いている。風は強く吹いていたが、砂嵐の兆候は見えなかった。
天候を確認すると、僕はゴーグルを上げ双眼鏡で注意深く地表の観察を始めた。ジューパが地中を移動すると、地殻が崩れて地表にひび割れが出来る。その方向や崩れた幅からジューパの大きさや移動方向を推測するために、地道な観察は欠かせない。
「…2時の方角に地面の割れを発見!」
下のコックピットの窓から剃り上げた褐色の頭を出して、父さんが怒鳴った。「規模は!」僕も負けずに怒鳴り返す。「全長7~80、幅1.2ってとこ!」
「でかいな!」
「ビックボンゴかな?」
「わからん」
視界の前方にうっすら砂煙が上がった。
「ああ、俺にも見えた!来るぞ!!」
地響きを立てて地面が盛り上がり始め、地殻が割れて、紅い八つの複眼を持つ巨大なクリーチャーの白い頭が現れた。「ビックボンゴだ!」ゾクゾクと鳥肌が立つ。普段、地中深くにいるジューパだけど、僕たちが撒いた餌…今日は小さめのワームだ…の匂いを嗅ぎつけたらしい。
「思いのほか早く来やがったな!」父さんの口調は荒っぽいが嬉しそうだ。「奴さん、よほど腹を空かせてるらしい。母さんは主砲に付いたか?」
「さっきまで配線をいじってたけど、今はクーンにお乳をやってる」クーンは僕の妹だ。まだ赤ん坊だけど、お腹が空くとガンダークみたいに凶暴になる。
「早くするように言え」
「無理!クーンがグズってるんだ。あいつ行っちゃうよ!!僕にやらせて!」
「駄目だ」父さんは短く答えて、母さんを呼んだ。「アソーカ!」
車体の脇の扉が開いて母さんが出てきた。肌蹴た胸にはまだクーンが吸い付いてる。母さんの頭には青と白の縞模様で彩られた二本のモントラルと、それに繋がって左右に二本、後ろに一本のレックが生えている。トゥーカの耳みたいに尖ったモントラルとカラフルな肌の色(母さんのは綺麗な夕焼け色だ)はトグルータ種族の特徴だ。父さんと母さんは種族も違うし、歳だってどう見たって父さんのほうが20くらい上なんだけど、とにかく僕は父さんと同じ褐色の肌で、頭には白地に灰青色のまだら模様が付いた小さな瘤みたいなモントラルとレックがある。つまり、僕は父さんにも母さんにも、半分ずつ似ているんだ。妹は目の色以外は母さんとそっくりだけど。
「レックス、ここで止めて。クーンをお願い」
母さんは胸から引き剥がしたクーンをコックピットの開いた窓から父さんに渡した。クーンはギャー!と砂漠中に響き渡るような声で喚きながら暴れてる。「そう怒るなよ、おチビさん…いてッ」キックとパンチをまともにくらいながら、父さんは猫撫で声でクーンの機嫌を取っていた。「父さんの膝においで。母さんは忙しいんだ」僕に怒鳴る時とは全然違う。ホント、妹って得だよな。
デッキに上がって、キャノンの砲座に掛けた母さんに僕は頼んでみた。
「母さん、僕に撃たせて!一人で出来るから」
「一人じゃ無理よ」
「大丈夫だよ!この前僕が仕留めたの、母さんだって見てただろ?」
「あの時は獲物が小さかったからね」母さんは僕に構わず機器を操作し始めた。
「そんなことないよ!僕は…!!」
下から父さんが笑いながら叫んだ。
「ジャンゴ、母さんの言うことを聞け!我が家のコマンダーだからな」
「レックス、からかわないで」
母さんは砲座から降り、僕の眼を見つめて言った。
「いい?ジャンゴ。このキャノンは撃った時の反動が大きいの。あなたの身体じゃ、吹っ飛んじゃうわよ」
「…そんなら母さん、手伝ってくれる?狙いは僕がつけるけどね」
母さんは笑って僕の頭の小さなモントラルにキスをした。「勿論よ。やってごらん」
僕は歓声を上げ、トンボ返りで砲座に掛けた。あのビックボンゴを僕が仕留めるんだ!母さんは座席ごと僕を抱えるように後ろから支えてくれている。
今回ジューパを仕留めるにはキャノン��2発使う。1発目、ケーブルの付いた鉤針を獲物に撃ち込んで電流を流し、弱ったところに2発目でもって頭を撃ち抜くのだ。
ジューパまでは少し距離があったが、僕には”当たる”っていう確信があった。自信とは少し違う。上手く行くときもそうだけど、上手く行かないときにもそういう予感がして、大体その通りになる。
砲身にはケーブルを繋いだ鉤針をセットしてある。撒き餌を食べ尽くしたのか、ジューパは地表に半身を出して他の餌を探していた。今のこいつに鉤針を命中させるのは、そんなに難しい事じゃない。僕は狙いを定めてキャノンの発射ボタンを押した。ケーブルを巻き取るドラムが凄まじい勢いで回転し、繰り出されたケーブルは真っ直ぐにジューパへと向かって行く。ケーブルの先の大きな鉤針が上手いことワームの白い背に突き刺さった。ガクンと衝撃が伝わる。やった!僕はやったぞ!!
「踏ん張れ!!」父さんが叫ぶ。慌ててリールにストッパーを掛け、電流を流す。ワームが失神した隙にケーブルを巻き上げ、とどめを刺すって算段だ。でもジューパは感電してビクッと跳ね上がりはしたものの、次の瞬間には激しく暴れ出した。「弱過ぎる!!もう一度だ!」父さんが怒鳴る。母さんは電圧を最大に上げようとした僕の手を抑えた。「配線の修理がまだ。回線が焼き切れるわ」
僕は叫んだ。「もう!なんだよそれ!」クーンのバカ!!おまえが母さんの仕事を中断させたせいだぞ!
そんな僕の心の声が聞えたのかどうか、母さんは涼しい顔で淡々と言った。「オーケー、文句はあと。とにかく、今のこの事態をどうにかしないとね」
こういうときの母さんはいつも妙に落ち着き払っていて、一体何を考えてるんだろう、って不思議に思うよ。
僕はブツブツ言いながらリールを巻き上げ始めた。クリーチャーは巨体を大きくうねらせ、無茶苦茶に暴れているから、AT-TEの重い車体は軋んだ音を立ててギシギシと揺れる。ひっくり返るんじゃないかと思うくらい、物凄い力だ。「ジャンゴ!キャノンを使え!」父さんの声に身を乗り出すと、ジューパはもう尻尾まで全身が地表に出てしまっていた。「無理ならケーブルを切って」ワームは大きく左右に身体を振って、鉤針を外そうともがいている。母さんの言う通り、ここで仕留められないなら、これ以上獲物を引き寄せるのは危険だ。近づき過ぎて、あのびちびちと跳ねる尻尾が直撃したら、僕らはぺしゃんこになる。僕は全く気が動転してしまった。キャノンを撃つ手が震えて狙いが定まらない。
その時、母さんが僕の肩に手を置き、静かな声で、きっぱりと告げた。「目を閉じて。ジューパに意識を集中してごらん」
母さんの手から僕の中に、何か暖かい、力強いものが流れてくるのを感じる。僕は落ち着きを取り戻し、大きく息を吐いて眼を閉じた。
照り付ける陽射し、唸るエンジン音と振動、吹き付ける風さえも息を凝らして、世界が静まり返った。動いているのはビックボンゴと僕だけだ。
僕の頭の中で、ジューパの動きはスローモーションのようにゆっくりと、或いは静止したかのように見えていた。巨大なクリーチャーの尻尾がのたうつ不規則な動きさえ、コマ送りの連続画像を見るように数秒先の様子が分かる。
今だ。
砲弾は標的に向かって飛んだ。だが、ジューパに引っ張られた僕たちのAT-TEは前のめりになっていて、後脚は少し浮いて不安定になっている。車体が振動して気を散らした僕は思わず目を開けてしまった。弾道は僅かに逸れてワームの頭を掠めていく。まずい、と思ったその瞬間、パキッと何かが割れる音がして、次にAT-TEの後脚がドスンと落ち車体がガクンと揺れた。鉤針がケーブルから外れたのだ。自由の身になったビックボンゴは鉤針を付けたまま地中に逃げ込んで行った。
「あああああ…」
僕は情けない声を上げて、地面に潜り込んで行くクリーチャーを見送ることしか出来なかった。ものすごくがっかりだ。噂に聞いていた大物を仕留められなかったのと、大事な鉤針をジューパに持って行かれちゃったからだ。
「ジャンゴ」母さんに肩を叩かれて、僕は我に返った。「最後まで気を抜いちゃダメ。焦りは禁物よ」だけど叱った後で母さんは僕をぎゅっと抱き締めた。「でも、最初にしては頑張ったわね」
僕と母さんはデッキからテラスに降りた。父さんとクーンもコックピットから出て来た。父さんの腕に抱かれたクーンは眠っている。あの騒ぎの中で寝ちゃうなんて、どういう神経なんだろう。
「アソーカ、助かったよ」
「いいえ。私じゃないわ」
父さんは母さんの顔を見、次に僕の顔をまじまじと見た。僕も顔を上げて見慣れているはずの父さんの顔を見返した。陽に焼けて深く皺が刻まれた褐色の顔には、怒りの色も失望の表情も無く、ただ何かに驚いているように見えた。そして、僕の目には、父さんが急に老け込んだように見えた。頬と顎の無精髭に白いものがちらほらと混じっているのを、見つけてしまったからかもしれない。
「ごめん、父さん…ビックボンゴを逃しちゃった。それに鉤針も」
父さんは少し笑って、僕の頭の瘤を大きな手でわしわしと撫でた。「何事も経験だ。次は上手くやるさ」
ふと見ると、父さんのシャツにしがみ付いてるクーンが、よだれを垂らして眠ったまま、にっこりと微笑んでいた。
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