#杖と剣の世界大戦
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Diorのコスメを買った記念でした!
#christian dior#lipstick#Magic and the WW#杖と剣の世界大戦#Elizabeth#エリーザベト#エリザベド#バレリーナドレス#ballerina#Dior#illustration#original#original character#original art#character#illust
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まえがき
相打ち / 合言葉 / 合図 / 愛想づかし / アイデンティティ / 赤ん坊 / 赤ん坊(天界の) / 赤ん坊がしゃべる / 悪魔 / 悪魔との契約 / 痣 / 足 / 足が弱い / 足跡 / 足跡からわかること / 足音 / 仇討ち(兄の) / 仇討ち(夫の) / 仇討ち(主君の) / 仇討ち(父の) / 仇討ち(妻の) / 仇討ち(動物の) / 仇討ち(友人の) / 仇討ちせず / あだ名 / 頭 / 後追い心中 / 穴 / 兄嫁 / 姉弟 / 尼 / 雨音 / 雨乞い / 天の川 / あまのじゃく / 雨宿り / 雨 / 蟻 / あり得ぬこと / アリバイ / 泡 / 合わせ鏡 / 暗号 / 暗殺 / 安楽��� / 言い間違い / 息 / 息が生命を与える / 息が生命を奪う / 生き肝 / 異郷訪問 / 異郷再訪 / 異郷の時間 / 異郷の食物 / 生霊 / 生贄 / 遺産 / 石 / 石に化す / 石の誓約 / 石の売買 / 石つぶて / 椅子 / 泉 / 板 / 一妻多夫 / 一夫多妻 / 糸 / 糸と生死 / 糸と男女 / 井戸 / 井戸と男女 / 井戸に落ちる / 従兄弟・従姉妹 / 犬 / 犬に転生 / 犬の教え / 犬婿 / 猪 / 命乞い / 衣服 / 入れ替わり / 入れ子構造 / いれずみ / 入れ目 / 因果応報 / 隕石 / 隠蔽 / 飢え / 魚 / 魚女房 / 魚の腹 / 誓約 / 動かぬ死体 / 動く首 / 動く死体 / 兎 / 牛 / 後ろ / 嘘 / 嘘対嘘 / 嘘対演技 / 嘘も方便 / 歌 / 歌の力 / 歌合戦 / 歌問答 / うちまき / 宇宙 / 宇宙人 / 宇宙生物 / うつお舟 / 馬 / 馬に化す / 海 / 海に沈む宝 / 海の底 / 裏切り / 占い / 占い師 / 瓜二つ / ウロボロス / 運命 / 運命の受容 / 絵 / 絵から抜け出る / 絵の中に入る / 映画 / 映画の中の時間 / エイプリル・フール / ABC / エレベーター / 円環構造 / 演技 / 縁切り / 宴席 / 尾 / 尾ある人 / 王 / 扇 / 狼 / 狼男 / 大晦日 / 伯父(叔父) / 教え子 / 教え子たち / 夫 / 夫の弱点 / 夫の秘密 / 夫殺し / 落とし穴 / 踊り / 鬼 / 鬼に化す / 斧 / 伯母(叔母) / 親孝行 / 親捨て / 泳ぎ / 恩返し / 恩知らず / 温泉 / 蚊 / 貝 / 開眼 / 開眼手術 / 外国語 / 改心 / 怪物退治 / 蛙 / 蛙女房 / 蛙婿 / 顔 / 画家 / 鏡 / 鏡が割れる / 鏡に映らない / 鏡に映る遠方 / 鏡に映る自己 / 鏡に映る真実 / 鏡に映る未来 / 鍵 / 書き換え / 書き間違い / 架空の人物 / 核戦争 / 隠れ身 / 影 / 影のない人 / 駆け落ち / 賭け事 / 影武者 / 過去 / 笠(傘) / 重ね着 / 仮死 / 火事 / 貸し借り / 風 / 風邪 / 風の神 / 火葬 / 仮想世界 / 片足 / 片腕 / 片目 / 語り手 / 河童 / かつら / 蟹 / 金 / 金が人手を巡る / 金を拾う / 鐘 / 金貸し / 金貸し殺し / 壁 / 釜 / 鎌 / 神 / 神に仕える女 / 神になった人 / 神の訴え / 神の名前 / 神を見る / 髪 / 髪(女の) / 髪が伸びる / 髪を切る・剃る / 神がかり / 神隠し / 雷 / 亀 / 仮面 / 蚊帳 / 烏(鴉) / 烏(鴉)の教え / ガラス / 川 / 川の流れ / 厠 / 厠の怪 / 癌 / 漢字 / 観相 / 観法 / 木 / 木に化す / 木の上 / 木の下 / 木の精 / 木の股 / 記憶 / 帰還 / 聞き違い / 偽死 / 貴種流離 / 傷あと / 犠牲 / 狐 / 狐つき / 狐女房 / 切�� / きのこ / 木登り / 器物霊 / 偽名 / 肝だめし / 吸血鬼 / 九十九 / 九百九十九 / 経 / 狂気 / 競走 / 兄弟 / 兄弟と一人の女 / 兄弟殺し / 兄妹 / 兄妹婚 / 凶兆 / 凶兆にあらず / 恐怖症 / 共謀 / 巨人 / 去勢 / 切れぬ木 / 金 / 金貨 / 禁忌(言うな) / 禁忌(聞くな) / 禁忌(見るな) / 禁忌を恐れず / 銀行 / 禁制 / 空間 / 空間と時間 / 空間移動 / 空襲 / 偶然 / 空想 / 盟神探湯 / 釘 / 草 / くじ / 薬 / 薬と毒 / 口から出る / 口と魂 / 口に入る / 口二つ / 唇 / 口封じ / 靴(履・沓・鞋) / 国見 / 首 / 首くくり / 首のない人 / 熊 / 熊女房 / 雲 / 蜘蛛 / 繰り返し / クリスマス / 車 / 系図 / 契約 / けがれ / 毛皮 / 下宿 / 結核 / 結婚 / 結婚の策略 / 結婚の障害 / 月食 / 決闘 / 仮病 / 剣 / 剣を失う / 剣を得る / 幻視 / 原水爆 / 碁 / 恋文 / 恋わずらい / 硬貨 / 交換 / 洪水 / こうもり / 高齢出産 / 声 / 氷 / 古歌 / 誤解による殺害 / 誤解による自死 / 五月 / 子食い / 極楽 / 心 / 子殺し / 誤射 / 子捨て / こだま / 琴 / 言挙げ / 言忌み / 言霊 / 五人兄弟 / 五人姉妹 / 小人 / 殺し屋 / 再会(夫婦) / 再会(父子) / 再会(母子) / 再会(盲人との) / 再会拒否 / 最期の言葉 / さいころ / 妻妾同居 / 最初の人 / 最初の物 / 裁判 / 財布 / 催眠術 / 坂 / 逆さまの世界 / 逆立ち / 作中人物 / 桜 / 酒 / 酒と水 / さすらい / さそり / 悟り / 猿 / 猿神退治 / 猿女房 / 猿婿 / 三者択一 / 山椒魚 / 残像・残存 / 三題噺 / 三度目 / 三人兄弟 / 三人姉妹 / 三人の魔女・魔物 / 三人目 / 死 / 死の起源 / 死の知らせ / 死因 / 塩 / 鹿 / 仕返し / 時間 / 時間が止まる / 時間旅行 / 死期 / 四季の部屋 / 識別力 / 地獄 / 自己視 / 自己との対話 / 自殺願望 / 自傷行為 / 自縄自縛 / 地震 / 紙銭 / 死相 / 地蔵 / 舌 / 死体 / 死体から食物 / 死体消失 / 死体処理 / 死体変相 / 七人・七匹 / 歯痛 / 自転車 / 死神 / 芝居 / 紙幣 / 島 / 姉妹 / 姉妹と一人の男 / 姉妹と二人の男 / 死夢 / 指紋 / 弱点 / 写真 / 写真と生死 / シャム双生児 / 銃 / 周回 / 十五歳 / 十三歳 / 十字架 / 醜女 / 醜貌 / 手術 / 入水 / 出産 / 出生 / 呪的逃走 / 寿命 / 呪文 / 順送り / 殉死 / 乗客 / 肖像画 / 昇天 / 娼婦 / 成仏 / 食物 / 処刑 / 処女 / 処女懐胎 / 処女妻 / 女装 / 女中 / 初夜 / 虱 / 心中 / 心臓 / 人造人間 / 人肉食 / 神仏援助 / 人面瘡(人面疽) / 心霊写真 / 水死 / 彗星 / 水没 / 水浴 / 頭痛 / 鼈 / すばる / 相撲 / すりかえ / すれ違い / 寸断 / 精液 / 性器(男) / 性器(女) / 性交 / 性交せず / 性交と死 / 生死不明 / 成長 / 成長せず / 性転換 / 生命 / 生命指標 / 切腹 / 接吻 / 背中 / 背中の女 / 背中の死体 / 背中の仏 / 蝉 / 千 / 前世 / 前世を語る / 前世を知る / 戦争 / 洗濯 / 千里眼 / 僧 / 象 / 像 / 葬儀 / 装身具 / 底なし / 蘇生 / 蘇生者の言葉 / 空飛ぶ円盤 / 体外の魂 / 体外離脱 / 太鼓 / 第二の夫 / 太陽 / 太陽を射る / 太陽を止める / 太陽と月 / 太陽と月の夢 / 太陽と月の別れ / 鷹 / 宝 / 宝が人手を巡る / 宝を失う / 宝を知らず / 宝くじ / 宝さがし / 竹 / 多元宇宙 / 蛸 / 堕胎 / 畳 / たたり / 立往生 / 立ち聞き(盗み聞き) / 脱走 / 狸 / 旅 / 旅立ち / 玉(珠) / 卵 / 魂 / 魂と鏡 / 魂の数 / 魂呼ばい / 樽 / 俵 / 弾丸 / 誕生 / 誕生(鉱物から) / 誕生(植物から) / 誕生(卵から) / 誕生(血から) / 誕生(動物から) / 誕生(母体から) / 男性遍歴 / 男装 �� 血 / 血の味 / 血の力 / 知恵比べ / 誓い / 地下鉄 / 力くらべ / 地球 / 稚児 / 地図 / 父子関係 / 父と息子 / 父と娘 / 父の霊 / 父娘婚 / 父殺し / 父さがし / 乳房 / チフス / 地名 / 血文字 / 茶 / 仲介者 / 蝶 / 長者 / 長者没落 / 長寿 / 追放 / 通訳 / 杖 / 月 / 月の光 / 月の満ち欠け / 月の模様 / 月旅行 / 辻占 / 土 / 唾 / 壺 / 妻 / 妻争い / 妻食い / 妻殺し / 爪 / 釣り / 鶴女房 / 手 / デウス・エクス・マキナ / 手紙 / 手ざわり / 手相 / 鉄 / 掌 / 手毬唄 / 天 / 天狗 / 転校生 / 天国 / 天使 / 転生 / 転生(動物への) / 転生する男女 / 転生と性転換 / 転生と天皇 / 転生先 / 天井 / 電信柱 / 天地 / 天人降下 / 天人女房 / 天人の衣 / 電話 / 同一人物 / 同音異義 / 盗作・代作 / 同日の死 / 同日の誕生 / 投身自殺 / 同性愛 / 逃走 / 童貞 / 動物援助 / 動物音声 / 動物教導 / 動物犯行 /
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便利屋斎藤さん異世界へ行くー二次創作ー
《行き止まり》
「別の道を探すしかなさそうね」
月光妖精のラファンパンが肩をすくめてみせた。
松明の灯を頼りに迷宮の奥へと向かう斎藤ら一行の目の前に、行く手を阻む大きな奈落が待っていたのだ。奈落は道を分断する様に溝が横切っている。
ラファンパンなら飛んで通れる道でも、斎藤たちにとってはそうもいかない。大魔導士モーロックの魔法で道を創る方法も考えたが、しかし、肝心の呪文が思い出せないため別の方法を模索する――重戦士ラエルザ曰く、セミの抜け殻の方がまだ使えるとのこと。
諦めて迂回できる他の道を探すしかなさそうだといった空気が一行に流れ出した頃。
「どうしたんだサイトウ?」
ラエルザは壁際で何かを探している斎藤に気が付き声を掛けた。
「いや、なにか仕掛けがないかと思って、壁を調べていたんだが、ほらここにすこーしだけ突起物が……」
「ぱっと見は壁と区別がつかないな」
ラエルザも壁を確認するが、斎藤の言うような突起物は分からない。
「ラファ、頼む」
「はーい」
ラファンパンが斎藤の指が示す場所に近づいて、魔法で罠がないか確認する。
「うーん、何か壁の中にありそう……けど、罠ではなさそうだわ」
「分かった。押してみるから離れてて……」
一同が遠巻きで見守る中、斎藤が慎重に慎重を重ねて壁の突起を押してみる。すると壁の一部が凹み、隠されていたハンドルが姿を現した。思い切ってそのハンドルを回してみると、向こう側で音がして、細長いはね橋がこちらへ伸びてくるのが見える。
「おぉ〜でかしたぞ斎藤! 流石わしの娘のハートを射止めた婿殿じゃあ!」
「お、おいジジイ。な、なにどさくさに紛れて言ってんだ……ッ!」
「でも本当の事だものねー」
「ラ、ラファまで…!」
モーロックは斎藤の肩を叩いて褒めちぎり、ラエルザは「婿殿」に反応して動揺した声を鉄仮面越しに漏らす。ラファンパンはそんなラエルザの様子にニヤリとしてからかう。なお斎藤はそれどころではなく、今のスイッチが罠でなかった事にホッと胸を撫で下ろしていた。
「それじゃあ行こう」
さておき、道は出来た。いよいよ橋を渡る段になり、ラエルザ、ラファンパン、モーロック、斎藤の順に勇み足で渡りだす。この区画は先程の奈落を鑑みると、奥のお宝は手付かずの可能性が高いこともあり、みな少し浮かれてしまっていたのも事実だ。
ガコンッ。
ゴロゴロ。
橋の途中まで来た頃に、橋の向こう側で何かが動く音がした。
「今の音はなんだ?」
ラエルザが異変に気付き立ち止まる。何か嫌な感��がする橋の先を見通そうと松明を掲げる。ラファンパンも高く飛び、何が起きているのか見極めようと様子を伺う。
「どうしたんじゃ?」
何事かとモーロック。妙な胸騒ぎに斎藤が前方を見据えた途端、橋の上に大きな鉄球がぬっと薄暗がりから現れた。鉄球は既にこちらに向かって転がり始めている。
「逃げて!」
間髪入れずにラファンパンが叫ぶ。
「お? おぉ……何じゃ?」
慌てて来た道を全速力で駆け戻る。が、モーロックが出遅れた。巨大な鉄球が轢き殺すのが早いか、逃げきれるのか、絶体絶命の危機。
「「モーロックさん(ジジイ)!」」
橋に取り残されたおじいちゃん。
ラエルザが踵を返し、咄嗟に躍り出た。
「ラエルザ何を!?」
「サイトウ! ジジイを連れて出来る限り走れ……! ここは私が食い止めてみせる!」
そう言いながら大剣を構えて、ラエルザは鉄球を迎え撃つもりである事が分かる。
「そんなのいくらなんでも無茶よ」とラファンパン。
「いいから、私に構わず行け!」
刻々と迫りくる鉄球、他に選択の余地はなかった。
「モーロックさん、すまない!」
斎藤はモーロックを抱えて走り出した――モーロックはされるがまま遠ざかる娘の背をただ見ている事しかできない。しかしそれでは駄目だと、心が告げる。
「ワシは何をしとるんじゃ。このままではあの子が、ワシの娘が……そうは、そうはさせんぞ。ええいっ! 斎藤止まれぇぇえい!」
「わ、分かった」
立ち止まって、モーロックを降ろす斎藤。
刹那、覚醒した大魔導士モーロックは杖を構えて、素早く呪文を唱えた。杖先に光が収束し始めて「――砕け散れ!」と一言。光の刃が鉄球に向かって放たれた瞬間――耳をつんざくような衝撃音とまばゆい光が辺り一面を照らし、そうして暫くして静寂が訪れた。
斎藤はあまりに強烈な閃光に思わず目を閉じていた。恐る恐るその目を開けたときには、高速で転がってきていた鉄球は跡形もなく消えており、ただ塵のようなものがキラキラと舞っているのが視界に映る。ふと隣を見やるとそこには、まるで何事もなかったかのように一人の大魔導士がたたずんでいた。
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宝満宮竈門神社。別表神社。縁結びの神様。千三百五十年大祭(2013)。1360年の歴史。 太宰府天満宮の鬼門(北東)に位置する霊峰宝満山のふもとに鎮座するお宮で、神武天皇のご生母である玉依姫命(たまよりひめのみこと)をお祀りされています。 鬼滅の刃(2019年アニメ 主人公が竈門丹次郎)人気で行く人が増えた。鬼滅の刃のイラストを書いた絵馬がたくさんあった。
末社須佐神社。スサノオ。 末社夢想権之助神社。江戸時代の剣客。杖道の祖。宮本武蔵に敗れた。
神社
別表神社。(昭和23年成立。社格制度廃止後、伊勢神宮以外は、全ての神社は対等の立場であるとされた)。第二次世界大戦後、神職の人事のみに関わる区別。規模が大きい神社。現在353社。 近代社格制度。明治維新以降。第二次世界大戦後廃止。 官幣大社(65)>国幣大社(6)>官幣中社(23)>国幣中社(50)>官幣小社(10)>国幣小社(37)>別格官幣社(33)(国家に功績を挙げた忠臣や、国家のために亡くなった武将・志士・兵士などを祭神。楠木正成)。北野天満宮と太宰府天満宮は天神信仰による雷神扱いで官幣中社。 官幣=神祇官(じんぎかん 朝廷)から、国幣=国司(地方)から。 大社。大社(おおやしろ)=出雲大社。明治以降、官幣大社+国幣大社→大社。
中世社格制度。 神宮。33社。日本書記では3社(伊勢、石神、出雲)。鹿島、香取(平安時代)。 勅祭社。(ちょくさいしゃ)。16社。二十二社3、一宮6、別表14。 二十二社(1081年。上七社、中七社、下八社。勅祭4、別表神社19。伊勢神宮、奈良と京都。滋賀の日吉神社、��阪の住吉大社、兵庫の廣田神社)。 名神大社。730年。古代社格。中世以降は明神。全て式内社。 一宮神社。120社。国で一番有力な神社。国司が一番初めに参拝。平安時代後期。 総社。国司がまとめて1つの場所に神拝した神社。不明な場合もあり。
古代社格制度。 式内社。(しきないしゃ)。延喜式神名帳。927年。全国の神社一覧。
上古社格制度。
天津神(アマツカミ。ヤマト王権の皇族や有力な氏族が信仰していた神 アマテラス)。 国津神(クニツカミ。ヤマト王権に平定された地域の信仰。スサノオ、オオクニヌシ)。
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Elizabeth / エリザベド・アマーリエ・オイゲーニエ
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https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=62400183
大正天皇陛下「この木の実はなんと言いますか? 」
白鬼姫「ペルシアのりんごですね、日本語で桃です。英語ではピーチ」
陛下「その花の言葉は? 」
白鬼姫「気立ての良さ、です」
陛下「あなたに似ていますね」
白鬼姫「とんでもございませんわ…わたくしが?」
陛下「ええ……甘く、しなやかでいて華美だ、美しいと言っているのです」
白鬼姫「(嬉しい……)」
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踊り踊るduality
端的に報告します、友人存命でした。ただまだ予断を許さない状況のようなのではらはらしていますが生命力のとことん強いひとなので大丈夫なのではないかという気がしています。1ヶ月間程ひたすら毎日心の中で大騒ぎして何度も泣いていたので、友人が生きている世界ってなんていいんだろう、とここ数日噛み締めています。はあ。よかった…………。まだわからな���けれど、まだこの世にいてくれている、それだけで本当に心強い、有り余る元気が迸る。
それで気が抜けたのか、弾丸東京遠征で回復できないほどの疲労に負けてしまったのか、今日の低気圧にどうしても吐き気が止まらず、1時間遅刻させてくださいと職場に嘆願したところ「休め」と強めに言われて休みました!ああ〜〜皆勤賞ならず…。まあ仕方ない。言われた通りに休んで、なんと1日じゅう、朝(10時)から晩(20時)まで眠ってしまった。何度か起きたような気もするが、��間で何を食べたかも覚えていない。
最近は仕事仕事睡眠、仕事仕事睡眠、のリズムで暮らしているので、ほとんど小説を読んだり書いたりすることができない。それでも尻叩きとして出勝のWebオンリーに申し込んだのだが、結局途中までしか上げられず…泣いちまう。でも話は最後までできているので、あとはいかに書くかだけなのですが、その時間(と体力)確保があまりにも難しく、もうちょっと落ち着けよ、と自分に思っている。仕事では6割の力しか出さないことを目指して働こう!と言っていたのに気づいたら全力を出しているし、それは本当に働くことが楽しいからで、もう自分では止められんな、しょうがないな、と思っている。あまりにも楽しい、労働。なんでこんな楽しいことをさせてくれるんだ世界は。お気に入りです、労働が。労働じゃなくて仕事をしろよ、そろそろ。という話でもあるのですが、一応自分の仕事は3年後から始めることを目指して、今は楽しく労働しています。一兵卒というか下っ端として立ち働くのが自分に合いすぎている。だからいつまでも頭脳労働より肉体労働寄りで、年齢も考えずに未だに走り回っているわけですね。現場が好きだ。
小説は読書会の今回の輪読会のテキストでもある『雪国』を再読したいのと、ウエルベックの『ある島の可能性』。『優しい地獄』を赤森さんのツイートを見て買ったのだが、その帯文にも雪国への言及があり、2倍にも3倍にも楽しみだ。Amazonで突然本を爆買いしてしまった。年末に近所のブックオフで爆買いした辺り(内田百閒、ホモ・ルーデンス、変身、細雪、思考の整理学など)もまるまる積んでいるし、ナボコフの文学講義のためのマンスフィールド・パーク、批評理論入門のためのフランケンシュタインも結局積んでいる。基本的に小説を書くためにしか小説を読まないので、書く時間が取れないと永久に小説が読まれない。小説以外の本は割と読むが、小説は自分にとって書くための食事なので、読みたいという思いから読んでいるわけではない。食事なので…食べなきゃいけないならせめて好きなもの食べたい、みたいな感覚です。
漫画、アニメ、ドラマ、もろもろ見たいものが溜まっている。水星の魔女は1クール終わってしまったようだし、ぼっちちゃんの人気も気になるし、今更だがリコリコも見たいし、何よりNetflixに入ってしまったのでタイバニ2を見るしかない。小栗旬主演のドラマも薦められたので見たいと思う。ジェットマンやドンブラザーズも、井上敏樹脚本をあびたほうがいいことは解った。漫画は先日LINEマンガで20話無料だった『ガールクラッシュ』を続きも買って4巻まで読んだ。これはめちゃめちゃいい漫画だな!と久しぶりに手放しでおすすめしたい。電書しかないので知名度はあんまりだと思うが、とにかく絵が上手いし言っていることが全部筋が通っている。おもしろい。メダリストも読みたいな〜ぼんやり。とずっと思っている。めちゃコミックを解約するまでに1500ポイント使ってからにしようと思い、呪術廻戦を4巻まで読んだ!なるほど!となった。今はまだ虎杖悠仁さんのお話が主だが、早く伏黒恵のターンになってほしい。というのもここ1週間ほどで真剣に「どうしたら伏黒恵を幸せにできるか」ということを考えるまでに『五伏 R-18』検索で苛烈を極めてしまう読書体験を重ねており、いやほんと五伏すげ〜〜〜〜〜〜〜な…。バケモンみたいな書き手のかたがいっぱいいてめちゃ凄いと思いました。くにちょぎの読書体験を思い出す。五伏は読みたいものがすでにあるので自分が書く必要がなくて最高です。出勝は自分が書かないと読みたいものが読めないから書くけど…。早く書き上げて読みたいです。
気づいたら年末年始が終わっていたが、いつも通り仕事して寝て、の毎日。出勝Webオンリーは本当に楽しくて、参加できてよかったです。あのお祭りに自分も入れて貰えたことが本当に嬉しかった!可及的速やかに完成版を上げたい。ご感想も頂いてしまったので、もはや自分一人の問題じゃない!となり、使命感が加わりました。でも本当にクズ×幼女が好きなだけなので、完成版は全然誰の心も動かさないかも。ただ私が読みたいものはちゃんと書く予定です。あと友人のご友人はとても楽しみにしてくださっているようなので、労いと励ましもこめて、少しでも書き進めていきたいです。
2023.1.14
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サイトにあるやつに加筆修正したもの。
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アイル(アイル=スティニード)
年齢:生まれてから22年目 髪の色:癖のある赤茶の髪 瞳の色:黄緑 出身地:プラボカ 属性:土 ジョブ:戦士→ナイト IS:Title of mine/太陽
●性格 のんびりのほほんマイペース時々腹黒。最年長の自覚はあまり無い。 ロヴィーとロウェルの喧嘩は笑って見ているか放っておくことが多く、 バーニィに「たまには止めるの手伝って!」と言われることも。 人ではない���で物事の考え方がずれている。 世界を救う気も誰かのために自分が動く気も無いが、 その気持ちを口に出すようなことはしない。 ロヴィーだけがアイルの薄暗い部分に気付いている。
●滅び行く世界 コーネリアに飛ばされる直前にクリスタルから話を聞いていたため、 そこが自分たちのいた世界とは違うことを知っていた。 記憶を無くした3人をうまく引っ張って旅を進めていく …かと思いきや、昼間から酒場に直行したり露店で食べ物買い漁ったり。 最初に持っていたギルは彼の物だったが、 結局ロウェルに財布の紐を握られてしまった。
●戦闘 前衛担当。幼い頃プラボカにいたテッドに稽古をつけてもらっていた。 魔法に関してはあまり興味を持っていなかったが、 クラスチェンジして白魔法が使えるようになって喜んでいた。
●在るべき姿の世界 プラボカの裕福な家庭に生まれる。 彼が18歳の時に魔物の群れが町を襲い、父と母が死亡。 両親の仇を討とうと1人魔物の棲み処へと向かうが、単身勝てるはずもなく死にかける。 この時クリスタルと接触し、在るべき姿の世界の【神】となる。 体の成長は18で止まり、いくつかの権能を授かった。 その後、町へと帰った彼は家と「スティニード」という名前を棄てて旅に出た。 今後世界をどうするか決めるために終わりの無い旅を始め、 その途中で滅び行く世界へと飛ばされた。
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ロヴィー
年齢:18歳 髪の色:オレンジに近い明るい茶髪 瞳の色:真紅 出身地:クレセントレイク近く 属性:火 ジョブ:シーフ→忍者 IS:オンリーロンリーグローリー
●性格 口が悪く捻くれている。アイル限定ですぐに手が出る(足も) 喧嘩上等!と熱くなったり、どうでもいいと冷めた様子を見せたり。 結構不安定。気分屋なのかもしれない。 寒いところが大の苦手。 氷の洞窟と冬のガイアの町には2度と行きたくないらしい。 食べ物の好き嫌いが非常に多く、特に肉と酒を嫌う。 ロウェルとは犬猿の仲。序盤は顔をあわせる度口論になっていた。 仲間を名前で呼ぶことが少ない。アイルはあんた、ロウェルやバーニィはお前。 ロウェルに限り「バカ魔術士」だの「ブラコン」だのと言ったりも。
●滅び行く世界 コーネリアに辿り着く前の記憶を無くしている。本人は別に気にしていない。 カオスを倒したところで記憶を取り戻す。 他の2人と違って、それまでは一切記憶が戻らなかった。
●戦闘 前衛担当。敵に突っ込んでいくことが多い。 装備は剣とナイフと刀。後半は二刀流。力は余りないが、素早さはパー��ィ1。 クラスチェンジ後は黒魔法も使えるようになるが、実際使った回数は少ない。
●在るべき姿の世界 両親から虐待を受けていた。 体に残るいくつかの傷痕は父親がつけたもの。 左腕に巻かれた包帯の下にある火傷の痕だけは母親につけられた。 このころの経験が今の性格に影響を与えている。 彼が8歳の時、母親が兄を連れて家を出て行ってしまう。 唯一優しく接してくれた兄とはそれきり会っていない。 その後、父親との2人暮しに耐え切れず家を飛び出した。 倒れていたところをテッドに拾われ、剣を習いギルドに入る。 「ロヴィー」はテッドにつけてもらった名前。 現在は配達屋としてあちこちを旅しつつ、兄を探している。 左耳につけているイヤリングはとある人物に託されたもので、 彼のものではないが、随分と大切にしている。 火のクリスタルの欠片(のようなもの)は炎の攻撃から身を守ってくれる。 本名はノエシス。滅び行く世界では既に死亡している。 探している兄の名前はガーランド。
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ロウェル
年齢:20歳 髪の色:銀髪 瞳の色:紫 出身地:オンラク 属性:風 ジョブ:赤魔術士→赤魔道士 IS:とっておきの唄/SCARECROW
●性格 ブラコン。どんなときでもバーニィ優先。バーニィ命。 弟を守るためなら自分が傷つこうが死のうが構わないという困った人。 犬猿の仲であるロヴィーに対しては随分と好戦的。 嫌味を言い合える相手は彼にとって初めてだったので、 後半はむしろ楽しんでいたのかもしれない。 パーティーの食事係。 時々弟のためにお菓子やデザートなんかも作っている。 アイルの浪費癖に呆れ、途中から財布の紐を握るように。
●滅び行く世界 コーネリアに辿り着く前の記憶を失っている。 旅をするうちに徐々に記憶を取り戻し、最終的には浮遊城で記憶が蘇る。 記憶を失っていてもバーニィを想う気持ちに変わりはなかった。 そのことが彼にとって救いになっている。
●戦闘 黒魔法で攻撃したり補助に回ったりとその場に応じていろいろ。 剣の腕も中々だが、前へ出るとバーニィを守れなくなってしまう為、いつも後ろにいる。 リッチ戦ではバーニィを庇って重症を負った。 その後バーニィに泣きながら怒られたが、今でもその想いは変わっていない。 黒魔法の中ではブリザド系が気に入っているらしい。
●在るべき姿の世界 オンラクの町に生まれる。 父親が学者で、家にはたくさんの本がある。 幼い頃から本に囲まれて過ごしてきた所為か、趣味は読書。 魔物に襲われていたところをカーマイン=ミュンヘルに助けられ、彼を尊敬するように。 赤魔術士になったのも氷の魔法を好むのも彼の影響。 バーニィの両親が殺されたのは自分の所為だと思っているが、 そのことでバーニィに嫌われるのを恐れ、未だに伝えられずにいる。 風のクリスタルは「ミザレア」という女性から預かるという形で入手。 1年前に山へ行くと言って出て行ったきり戻らない彼女が 今も何処かで���きていると信じている。 帽子についている羽飾りも彼女からもらったもの。
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バーニィ
年齢:16歳 髪の色:癖のある金髪 瞳の色:空色 出身地:オンラク 属性:水 ジョブ:白魔術士→白魔道士 IS:リトルブレイバー
●性格 優しく思いやりがあり、白魔術士はまさに天職。 しかし命の奪い合いに強い抵抗を持っているため、 回復や補助はできてもアンデッド相手にディア系の魔法を使うことができなかった。 リッチ戦でようやく戦うことの意味を知り、大切な人達を守る為に戦うことを決める。 よく泣くしよく落ち込むし、運動神経もあまりよくない彼だが、 唯一「世界を救おう」という強い意思を持っている。 努力家の彼がいくら努力しても駄目なものは「料理」。 不器用ではないはずなのに、包丁を持つと手が血まみれになる。 現在ロウェルから包丁禁止令が出されているらしい。 たまに簡単な料理を作っているが、味見をしたアイルの口から魂が出たという噂。
●滅び行く世界 コーネリアに辿り着く前の記憶を失っている。 旅をするうちに徐々に記憶を取り戻し、海底神殿で記憶が蘇る。 ロヴィーとロウェルの口論が日常茶飯事なら、彼が止めるのもまた日常茶飯事。 旅の序盤は特に仲が悪かったので止める方も大変だった。 後半は険悪な雰囲気が薄れてきたため、些細な口論は見逃すことにしている。
●戦闘 回復・補助を担当。 序盤はほとんど後ろで守られていたが、リッチ戦以降は戦闘に参加。 クラスチェンジ後は「ホーリー」を習得し、皆を守る為にその力を振るう。 装備はハンマーではなく杖。 力や体力はあまりないが、その代わり魔法関連には優れている。
●在るべき姿の世界 オンラクの町に生まれる。 両親は医者だったが、彼が11歳の時に強盗に殺された。 その後、ロウェルの家に引き取られて一緒に暮らすように。 ロウェルとは幼い頃から家族ぐるみの付き合いで、本当の兄のように慕っている。 将来の夢は水の神殿に仕える白魔道士だったが、 世界を救う旅を終えた後ロヴィーと共に配達屋として世界を巡ることに。
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第34話 『旧き世に禍いあれ (2) - “ブラストフォート城塞"』 Catastrophe in the past chapter 2 - “Blastfort Citadel”
ブラストフォート城塞を見渡せば、『城』という華やかな言葉の印象とは遠い、石造りの堅牢な風貌は砦のそれと言っていいだろう。
スヴェンはこの建造物も元は修道院だったと噂では聞いていた。ただ、城塞に研究所を設けた時には既に砦として使われていて、実際の��ころどうだったかは、皆目見当がつかない。むしろ験を担いだ誰かの作り話ではないかと考えていた。作り変えられた施設にしては、礼拝堂だったと見られる建物もなく、険しい斜面をわざわざ切り出して作られた来歴の割には、この地に作られた由来すら記録に残されていないのも疑念の余地がある点だった。
城塞と名を冠しながらも、城壁の内側に市街はない。居並ぶのは兵舎や倉庫、そして厩舎などの背の低い軍用の建物で、全てが同じように暗い色をしていた。
はぁと深い息を吐く。その息は白く、スヴェンは体をぶるりと震わせた。外套の襟を直し、足を早める。
短い秋は瞬く間に過ぎ去り、もうすっかりと冬だ。視界に入る山岳はすっかりと白い雪に閉ざされている。ブラストフォートは年中気温が低く、1年の半分以上は雪に覆われている。
この城塞は、トラエ、ラウニとソルデの三国間で起きた紛争の中心地となった。三国の国境線が交わる丁度中央地点で、思惑も戦線もぶつかり合った。互いの国へ進攻するに際しても、ここを通らず他二国に兵站を送るにはどうあってもリスクの高い迂回が生じる関係で、攻めるも守るも、話はまずこの城塞を手中にしてから、という事情もあった。この要塞を抑えた国が勝つと信じられ、激しい争奪戦が目下進行している。
トラエがこの城塞を維持し続けられているのは、”軍神”ゴットフリートのおかげだ。不敗を誇るゴットフリートは、皇帝の厚い信望を受け、ブラストフォート城塞に陣を敷いた。ここを確実に堅持し続けることが、即ち勝利を意味する。武勲で比肩する者のいないゴットフリートが此度の采配を受けたのも、当然の帰結であり、疑いを示す者もいなかった。
対するラウニやソルデもそれを理解していたからこそ、戦火はさらに激しくなって行った。トラエ無双の英雄が、史上最も堅牢を誇る城を守護している。つまり、ここを打ち崩したもの、あるいは守り抜いたものが、この戦争を制するに等しい。この三国戦争の顛末を決定づける、天下分け目の決戦地の様相を呈していった。
ゴットフリートは戦場で一度もその膝を地面についたことはなかった。スヴェンが城に派遣されて3年、ブラストフォート城塞は今もトラエ帝国領のままだ。各地で名を馳せたどんな名だたる英雄が攻めてこようとも、この城塞を越えた者は未だかつていなかった。
(砦としての適切なつくりと、それを最大限に生かす武将……。理屈で言うは容��いが、それがこうして揃い立つと、これほどまでに守り抜けるものなのか)
スヴェンは眼鏡のブリッジを押し上げて、先を急ぐ。その手は幾冊もの分厚い魔術書があった。
激戦地とはいえ、兵糧が乏しくなるこの季節には大きな動きも見られなくなる。天候によってはなお一層、双方ともに大人しいものだ。攻めあぐねた敵軍に二面三面と包囲されながらも、ブラストフォート城塞はまるで平時のように静まり返っていた。
(ああ……どうしてうまく行かないのだ……)
城塞の中にある研究室の扉を開ける。
真っ暗な部屋を、たったひとつのランタンが照らしていた。本来はもっと採光がいい窓があったのだが、スヴェン自身が本棚で潰してしまっていた。外光は観測を伴う実験に不向きだ。
城塞の中の、私の城。眼鏡を再度押し上げて、ふふと短く笑う。
「次はうまくやってみせる……この書こそ本物だ、今度こそ……吾輩が見つけるのだ」
ぶつぶつと言葉を口の中で繰り返しながら、長い執務机の上に置かれていた書類や本を床にすべて落とし、新しい本を置いた。
本棚やコートハンガーにかけられた外套、並んだ靴などは嫌と言うほど規則正しく、寸分のずれもないように置かれているというのに、余程気が高ぶっているのか、今は床に落ちた本たちを気にして直すそぶりもない。
大きな椅子に腰かけて、その本を開いてページを手繰り始めた。
世界を知るということに限りはあるのだろうか。スヴェンは幼��頃からずっと考えていた。世界を知るためにありとあらゆる本を読み解き、特例を受けて最高学府に進級したときも、当然のこと、以外には特に何も思わなかった。神童と呼ばれ、世界の知識を見る間に吸収し、未知の研究に邁進し、知性で遥かに劣る両親とは縁を切り、知こそが価値とする者達とこそ縁を深め、生きてきた。
――この世界は、一個の生命だ。
そう悟ったのはいつのころだろう。それからスヴェンの関心は世界の表層を辿ることではなく、世界の成り立ちの根源を掴むことに移った。
この感覚までも理解し共有できる者はさすがにいなかったが、スヴェンは気にすることはなかった。目的と到達点は明確だったからだ。
世界が生まれた瞬間を見る。つまり、過去へ遡行しその瞬間を観測することが出来れば、世界が生命であり、巨大な有機体であり、何がどうやってそれを作り出したのかを証明できるのではないか、と考えた。菌類はそれぞれの菌根で膨大な情報網を作り上げることで知られている。ならば世界は? 世界と世界を構成する生命や物質との関係も、似たものではないのか?
夢を見ていると言われた。気が狂ったとも。けれど、スヴェンは時間を移動することに執着し、トラエ皇帝はスヴェンの情熱に理解を示した。思えばこんな突拍子もない目的に意義を見出す皇帝というのもまた、妙ではあるとは思った。皇帝にもまた、過去に遡行する事で成し遂げたい、”過去に戻ってでもやり直したい何か”が、心中にあったのかもしれないが、それを聞き出す術をスヴェンは持たないし、スヴェン自身興味もなかった。少なくとも、時間遡行がもたらしうる皇家の安定、全ての危険を排し、あるいは時を超えて未来の悲劇を食い止め続けて、皇家そのものを永遠に君臨させる、という”表向きの”理由――そのために、皇帝はスヴェンを支援することを決定し、臣君達も、やや半信半疑ではありながらも、それを支持した。
「これだ」
今日も皇帝に頼んでいた奇書が届けられた。
スヴェンはブリッジを押し上げ、眼鏡の位置を直す。正常な観測のためには、眼球とレンズの距離は常に1.5cmを保たねばならない。立ち上がろうとして自分が先程叩き落した本を見やり、露骨に眉をしかめる。頭の中を整理し終えて一息ついたら、急に普段の几帳面さが顔を出した。手早くそれらを元あった場所へそそくさと戻して、室内を完璧に揃え、部屋の中心に立った。
「まず、魔石を用意して……」
木箱に詰めてある魔石を取り出し、机に置く。魔石は貴重な資源である。研究には大量の魔石が不可欠だった。魔石なしには、相当な魔力量を消耗する実験を繰り返し行うことは出来ない。ブラストフォートは戦地だ。当然、魔術師部隊が使うために魔石も大量に集められていたが、落城までには湯水のごとく消費されていた魔石も、入城し防衛に転じてからは、ゴットフリートを中心とした白兵戦主体の迎撃戦において、これらが投入される機会も乏しく、結果余剰が出ていた。山と積まれた荷物を運び出すにも、労力がかかる。それならば、国内にいる魔石を必要とする人員が、逆にブラストフォートまで来れば良い。研究をする場所としては些か物騒な地ではあったが、自由にできる大量の魔石が得られる機会には代えがたかった。スヴェンは二つ返事で前線まで足を運んだ。研究には様々な代償がつきものだ。それを理解してくれる後ろ盾を得たスヴェンは、他の誰よりも恵まれていると言えるだろう。
取り上げたいくつかの魔石の中から、更に質の良いものを選ぶ。一番大きいものはナリだけで中身は薄く、魔力自体は少ないようだ。ページをたぐる仕草に似た動作で、一粒ずつ指を触れては次の石に触れ、研ぎ澄ませた感覚で内容量を確認していく。最後に触れた人差し指ほどの魔石が最も密度が高く、多くの魔力を秘めていた。
「よし……よし……まずは一時間前に戻る……そうだ……」
長い間研究し、様々な方法を用いたが、まだ成功させたことがない。
スヴェンも焦り始めていた。戦火は年を追って激しさを増している。今は冬期で戦線が膠着しているが、雪が溶ける頃にはまた激化される。2国がこの城塞を攻め、帝国は防戦し続ける。魔石の余剰が出ているのも今だけだ。魔石の消費量も年々増え続け、そうなればいつ自分に回してもらえる分が枯渇するとも知れない。そう考えれば、時間は限られている事になる。一度でも成功させられれば、魔石を消耗する前の時間に何度でも戻って、ほぼ無限の実験を繰り返し、術式完成を確実なものにすることが出来る。それが理想であり、今の目標だ。勿論この方法は戻る人間の肉体時間の経過は加味されておらず、スヴェン本人の寿命の解決という課題が残ってはいるが、禁術に手を出せば、その辺りは時間遡行に比べれば造作もないだろうと見当がついていた。
本のページを睨むように再度読み上げようとした時、パチン、と何かが弾ける音がした。ふぅっと風が頬を撫でる。
音がした方向を振り向いて、スヴェンは動けなくなった。
空間に大きな渦が現れたのだ。
その渦に向かって風が吹き込んでいる。
「おお!」
未知なる光景に弾んだ声を上げる。
まず渦から出てきたのは、手だった。男の両の手が伸び、時空の切れ目をこじ開けて、その姿を現した。これから始めようとしていた実験によって、数分か数時間の未来から自分が戻ってきたのではないか。どうやら、今実験している術式は成功したのではないか。歓喜に身が打ち震える。
単純な転移魔術など、スヴェンも何度も見たことがあるし、日常的に行使している。周辺空間に生じた歪の性質や姿の現れ方から、今目の前で行われているものは、通常のそれとは質が異なることは一目で判断できる。それは”理論上、時間遡行が成功すればこのような形で転移が成されるだろう”と想定した結果そのものだった。
「スヴェン博士か?」
渦から現れた男に尋ねられ、スヴェンは驚いて身を竦めた。
男は自分の身なりに気が付いたのか、ゴーグルの中の目を丸めて、被っていたマスクを外した。城塞の戦士たちよりも重装備だが、防寒具として見ても、防具として見ても、異様な姿をしていた。それはむしろ、ガスや毒に汚染された領域に立ち入る者が使う防護服に似ていた。
男は軽く会釈した。
「僕はフィリップ。スヴェン博士で間違いありませんか?」
「いかにも、吾輩はスヴェンだが……」
答えながら、興奮で何度もメガネを押し上げる。
「僕は未来から来た」
「おお、やはり! では、未来では時間移動の方法が確立されたのか! 素晴らしい! 素晴らしい!!」
スヴェンは無邪気に飛び跳ねた。
悲願だ。
奇跡が目の前で起きたのだ。経緯こそまだ判然としないが、宿願が果たされたのだ。
��その方法が知りたいか?」
「ああ、無論だ。吾輩にとって、生涯をかけた研究の成果だ!」
「僕の生きる時代にはその技術は確立している」
身の内から湧きあがる感動に震える。長い時間をかけた研究が実を結ぶのだ。喜ばない人間がいようものか。
スヴェンはズレたメガネを何度も押し上げ、唇をペロリと舐めた。
「未来では、あなたの完成させた基礎を発展させ、実際に過去に飛ぶことが出来るようになった」
「そうか……そうか……! それで」
「研究資料はある。それを渡してもいい」
フィリップと名乗った男は荷物からひとつの本を取り出して見せた。スヴェンは手を伸ばしたが、ぴたりと手を止める。
「……吾輩は、基礎を完成させた……?」
「ああ、そうだ」
「つまりは吾輩が術式を確立させたわけではないのだな」
基礎を完成させた研究者が自分だとして、その先、実際に技術転用することは別の次元の話になるはずだ。魔術、火薬、物理……この世の全ての技術はそうして生み出されてきた。小さな研究の成果を種として多くの科学者が取り組み、発展的に理論を大成させていく。芽吹いたものを育てひとつの大樹とするにはそれだけの手間と時間と閃きが必要になる。
今までもスヴェンは『時間遡行の第一発見者』『行使者』となるために、寝食を忘れ、周囲から気味悪がられるほど、研究に必死で取り組んできた。
それでも時間が足りないと感じていた。その肌感覚は間違いではなかったのだ。
目の前に提示された本は確かにスヴェンを求めた結果に導くだろう。
だが、同時に自身の敗北を決定づけるのだ。己の力量だけではここには辿り着けなかったのだと、認めることとなる。
フィリップは静かに逡巡するスヴェンを見ていたが、やがて、微笑みながら頷いた。
「これは’’真実’だ。研究者としての矜持はさておき、”真実”を知りたくはないか?」
スヴェンはハッとして顔を上げた。
真実。
私は何のためにここまで進み続けてきたのか。
彼が言っていることが正しく、自身で術式を完成することがなかったとしても、それは過程に過ぎない。私が目指していたものは、あくまで”真実”ではないのか?
「もしも、それをいただくと言ったら? 何が望みだ?」
心のどこかで、素直にそれを受け取る事に呵責が生じていたのだろう。だから、それを受け取る事を、無意識に合理化したがっていたのかもしれない。未来から来た男に対価を返すことで、”真実”を受け取ってしまう自分に理由を与えようとしていた。
予見した通りにスヴェンの瞳に灯った貪欲な光を見出して、フィリップはにやりと笑った。
「城塞内の警備情報をいただこう」
「警備の? 何故だ?」
「知らない方がいい。あなたには関係のないことだ」
「……そもそもお前は、何のためにここにいるのだ?」
「知れば、来たるべき未来のことも伝えねばならなくなる。必要以上に過去を変える事は避けたい……ただ、必要なものがあるとだけ。それを持ち帰る事だけなら、この時代の歴史には影響しない、それは��証しても良い」
まるで台本があるかのように、フィリップは淀みなくスヴェンに語り掛ける。
未来から来た。それは間違いないだろう。スヴェンが口外もしていなかったはずの、仮説段階の転移の様子そのものが目前に展開したことで、疑う気持ちなど寸分もなくなっていた。受け取った資料に目を通せば、そこからもまたフィリップが未来から来た事が真実であるという証拠を得る事もできるだろう。ただ、もう一声、フィリップが信頼に値するという、自身が”真実”を受け取る事に感じる呵責を打ち消すだけの理由を求めたかった。
「受け入れたいのは山々だが、警備情報をとなると難しい。未来から来た事が仮に真実でも、君がトラエ以外の人間であったならば、私の立場からすれば利敵行為に与しかねない事になる。理解してくれるか」
スヴェンはこう言い放ちながら、内心で自嘲した。スヴェンは、フィリップがトラエの人間である事を証明してくれる事を期待していた。彼があらかじめ私の呵責を砕く準備までした上でここに来ていると、察しが付いていた。その上でこんな事を方便にするのは、戯曲を棒読みする姿を見透かされるようで、歯がゆかった。
フィリップは答えをやはり用意していたようで、間髪入れずに分厚い上着のポケットから、ひとつのネックレスを取り出した。金色のネックレスは傷がつき、古いものだった。スヴェンはその取り出す様を見ながら、やはり見透かされていたのだと、思わず赤面した。
「開けてみてくれ」
スヴェンはおずおずと受け取り、開いた。そして息を飲む。
「これは……!」
「一緒に映っているいる赤ん坊が僕だ」
一目見て分かった。写真に写った男は、ゴットフリートだ。城塞の食堂で目にした、岩でも噛み砕きそうな厚い顎、豹を思わせる眼光、右頬と左こめかみに負った特徴的な傷跡。スヴェンの知るゴットフリートよりもかなり年を重ね、白髪や白髭を蓄えた風貌で笑っていた。
――未来だ……。
スヴェンは、ごくりと息��飲んだ。
「あのゴットフリートが、人の親、果ては老人か……。戦場で死ぬような者ではないとは、思っていたが」
「祖父は一族の誇りだ」
「……分かった。警備情報を渡そう。だが、本当に面倒事は起こさないのか……?」
「表立っては何も起きないから、安心していただきたい。この時代には捨て置かれたものを、持ち帰るだけだ」
スヴェンには、その言葉の意味まではわからなかった。
その後の逡巡を見越したように、ゆっくりと研究書をスヴェンに差し出す。
「戻れる先は魔力の量に左右される。魔力を1点に集中すればいい。杖を使えばいいだろう」
「お……おお……」
「この本に詳しくまとめられている。運命は、未来は変わらない」
「本当に?」
「あなたが、あなたのために使うだけに留めれば、自ずとそうなるだろう」
答えないスヴェンの胸に、ドンと本が叩きつけられる。
その感触に、スヴェンの理性はぐらりとふらついた。
月が高く上ったのを見上げて、フィリップはゆっくりと山岳の斜面を進んだ。姿勢を低くし、音を立てないように。
(……不安はあったが、狙ったタイミングに戻れたな……)
グレーテルと徹底的に城塞の歴史を調べた。
激しい攻防戦から間がなく、その後しばらく戦闘がない、天候が落ち着いている時期。かつ、当日の天気が晴天で満月であること。
いくら協力を得ることが出来て警備の状況が把握できていても、誰もいないはずの山の斜面で灯りを用いて、遠目にでも見つかる危険を冒すことは避けるべきだ。暦を遡り、目途をつけたのが今日この日だった。
斜面には雪が積もっている。この積雪から数日、戦線に動きはなかったと記録されている。束の間の平和。だが、その直前には、この斜面で、たくさんの人と人が殺し合ったのだ。静寂に包まれた雪景色の中、あちこちに矢が突き刺さったまま放置されていた。戦闘の跡だ。
左右を見渡してから、フィリップは一番近くの雪を掻いた。そこにも矢が刺さっている。
(……矢先の雪がほのかに赤い)
山岳地の雪らしく、水を含まないさらさらとした雪で、払えば埋もれたものが簡単に姿を現す。
「……あった」
雪の下には、傷の少ない兵士が眠るように倒れていた。
念のため体を検めるが、四肢も無事で、背中に矢を受けた痕があるだけだ。専門外だが、転がした下の赤黒い土の色から察するに、死因は失血だろう。
こんなに状態のいい屍体を見たのは、いつぶりか。
ここはまさに、フィリップにとって宝の山だ。
見渡す限り、無数の屍体が隠されている。先日攻め入ってきたが退路を断たれ、殲滅の憂き目にあったラウニの一個師団がこの斜面に眠っている。
ざっと見積もっても数千から万を超すだろう。 この雪の下にある屍体さえあれば、それらは全て、二人が未来で戦うための手足となる。計り知れないほどの戦力だ。
グレーテルも転送を待っているだろう。と言っても、未来で待つ彼女の方からしたら、突然数千の屍体が目前に現れるような形になるのかもしれないが。
兵士を完全に雪の上に横たえてから、フィリップは術式を展開した���過去に遡行することに比べ、未来に送ることは難しくはない。状態が劣化しない静止した時空間に屍体を閉じ込める。そして、ある特定の時期に来たら、閉じた時空間から屍体を現実に表出させるように仕込んでおく。川の流れを下るように、時の流れに逆らわずに未来へ向かうのであれば、身を任せるだけで良い。逆に、流れに逆らって上流に向かおうとするには、莫大なエネルギーを要する。それが、時間遡行研究者たちがたどり着いた、ひとつの答えであった。
遺体はぼぉっと青白い光に包まれて、ふっと消えた。
成功だ。
こうして閉じ込めた屍体全てが、グレーテルの元で姿を現すだろう。彼女も状態のよさとその数に感動するはずだ。周囲を見渡し、笑みが溢れる。
屍体の数は多ければ多いだけいい。フィリップは近くの雪中を再び探り始めた。
「ん? なんだぁ?」
突然降ってきた声に、フィリップはぴたりと動きを止めた。
振り向けば、豪奢な装備に身を包む屈強そうな男が、首を傾げながらこちらを見ていた。ありえない。
「――……巡回はいないはずじゃ……」
スヴェンから得た警備資料は棚から即座に取り出されたものであって、あの場で嘘を取り繕うためにあらかじめ用意できるようなものではなかったはずだ。
だからこそ、その内容を信じたフィリップは夜を待って行動を開始したのだ。
「巡回なんざしてねえさ。散歩してただけだ」
男は野太い声で言った。
「しっかし、誰だ、お前は。さっき屍体を掘り返してたよな?」
「……何のことだ」
「おいおい、しらばっくれても無駄だ。見てたぞ。目の前から消えたんだからな」
失敗した。
頭の中で思考が急回転を始める。どうやってこの場を切り抜ける? 取り繕うか、命を奪い口を封じるか、逃げるか?
「転送魔法か? それで屍体を運んで何しようってんだ」
「それは……」
なにかうまい口実はないか、言葉を手繰ろうとするフィリップを待たずに、男は叫んだ。
「戦場泥棒は重罪だぜ!」
雪をギュッと踏みしめる音を立てて、男はフィリップに飛び掛かる。
やるしかないか。
咄嗟に、重力歪曲《グラビティプレス》の術式を展開する。
跳躍し上向いた兜の中の顔を、月明かりがはっきりと照らす。豹のような眼光がこちらを見据えていた。一瞬、フィリップの胸中に幼い日が去来した。
(――……ゴットフリート爺さん!)
逃げなければならない。話も通じない。殺してはいけない。
月明りを背に大きな影が落ちる。
フィリップは咄嗟に術式を変じて、空間移動《テレポート》に切り替えた。短い距離であればすぐに展開して移れる。
鈍い音を立てて、ゴットフリートが鞘から引き抜いた剣が雪に突き刺さる。さきほどまでフィリップが立っていた雪の跡は、衝撃で爆ぜて消え失せる。そのまま、目線を数歩先のフィリップに向ける。
「はっ、やっぱり転移か。ラウニの連中は知ったこっちゃねぇが、ここには俺の隊の奴も幾人か眠ってんだ…」
雪から剣を振り上げるように引き抜き、巻き上げられた細かい雪がまるで煙幕のように広がる。視界が真っ白に染まる。
フィリップは咄嗟に腕で顔を庇ったが、視界に影が過る。
(まずい!)
二度目の転送が一瞬遅れ、避け切れなかった。ゴットフリートの剣先は肩から胸にかけて切り裂く。傷は浅いが痛みによろめく。
雪の影から突きを繰り出したゴットフリートは、目をぎらりと輝かせる。
「魔術師相手は滅多にやれねえんだ。面白えな……!」
まともにやり合ったら、殺される。
運が悪すぎる。
本気でやり合ったところで、ゴットフリートに勝てるわけもない。仮に勝てたとしても、祖父である彼を今この場で殺したら、未来から来た自分は一体どうなる? 前例がなく、全く予想がつかない。年老いてからも人の話を全く聞かなかったあの男が、戦場跡をうろつく怪しい男が語る”理由”なぞ、おとなしく聞いてくれるはずもない。殺さずに無力化出来るような術も持ち合わせてはいない。
なんとかやり過ごして、逃げるしかない。
再度テレポートをしようと身構えたフィリップに向かって、ゴットフリートが大きく踏み出そうとして、ぴたりと止まった。
「……なんだ? 臭ぇな……」
眉をぐっと止せ険しい表情で辺りを見渡す。
確かに何か匂いがする。嗅いだことのない匂いだ。
「屍体の臭いでもないな……なんの臭いだ……?」
唐突に、その匂いが一層強くなった。
屍体は確かに掘り返した。けれども、この気温で、雪の下にあった兵士の体は腐敗するはずがない。凍てつき、匂いもなかったはずだ。
腐ったような、けれどももっと酷く脳を直接刺激するような……嗅いだことのないほど異臭。
「……うっ」
胸が悪くなる。
ゴットフリートも片手で鼻を抑えながら、周囲を見渡した。
ふたりの視点が1点にとまった。打ち捨てられた盾だ。放り出されて地面に突き立ったままのそれが、奇妙な黒い靄に包まれている。
「おい、小僧、お前の術か、ありゃあ?」
ゆらゆらと噴き出ていた黒い煙の密度が増す。
フィリップは自分の背中が粟立つのを感じた。
あれは、だめだ。
理由はわからない。ただ、本能が叫ぶ。けれど、足が竦んで動かない。
盾を包んでいた煙は次第に細くなり、盾と地面が成す角から勢いよく噴き出した。そして、その煙が見たこともない不気味な黒い猟犬の姿を取った。
~つづく~
原作: ohNussy
著作: 森きいこ
※今回のショートストーリーはohNussyが作成したプロットを元に代筆していただく形を取っております。ご了承ください。
旧き世に禍いあれ(3) - “猟犬の追尾”
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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やっと色を塗りました。
杖と剣の世界大戦のウッドロウ・ウルフィー
USの新任大統領です。
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Jealous Sugar
勇利は嫉妬というものをしない。意識して我慢しているのではなく、もともとがそういう性質のようだ。たとえば、自分よりずっと年下の選手が、四回転ジャンプをいとも見事に跳んだとしても、「すごいな」と拍手しているだけで、ねたんでいる様子はない。「追い抜かれそう。ぼくも負けないようにしなくちゃ」と感心するだけである。自分のほうがまさっていると絶対的な自信を持っているのではなく、純粋に「追い抜かれないように」「負けないように」としか思っていないらしい。 競技に関してだけではなく、好きなひとについてもそんなふうだった。勇利の愛する相手といえばヴィクトルだが、たとえば余計な記事──事実無根だとヴィクトルが憤慨するような捏造記事──が出ても、とくに気にしていないそぶりである。勇利はそういった報道には敏感ではないけれど、おせっかいなやつがいちいち知らせるらしく、情報だけは持っている。しかし、記事を突きつけられても、ふうん、とうなずくだけなのだ。ヴィクトルが心配して、「ちがうからね」と言うと、「うん」と素直に返事をしてそれ以降は黙っている。それが、拗ねているから何も言わないとか、腹が立つからヴィクトルとは口も利きたくないとかいった感じではなく、本当に「うん」以上の感想はない様子なのだ。ヴィクトルが気にして、「絶対に何もないよ」と念を押すと「うん」とまたうなずく。「わかったよ、もうそれは聞いたから」という愉快そう��印象さえ受ける。どういう感情でそんな態度になるのか、ヴィクトルにはよくわからない。全面的にヴィクトルを信頼しているのか、自分以上に愛される者はいないと自信を持っているのか、それともほかに理由があるのか。勇利は理解できないところがある。ただ、悋気を起こさないたちをしているということだけは確かである。勇利からの要求は、「ぼくだけ見ていて」──一点のみだ。 一方、ヴィクトルも嫉妬というものをしたことはなかった。──勇利に出会うまでは。競技に関しては、ひたすら自分と向きあってまっすぐに進んできたので、まわりよりも自身のことばかり考えていた。だから、勇利がスケートのことで嫉妬を起こさないという気持ちは、なんとなく理解できる。しかし、いとしい相手については、どうもそうはいかないようだ。勇利が誰かと話していると、つい気になってしまう。嫉妬に狂って邪魔をするとか、俺以外の人間と口を利くなとか、そういう極端ないらだちは感じないのだけれど、あれは誰だろうとか、どうやって知り合ったのだろうとか、ちょっと考えてしまう。実際、勇利に尋ねてみることもある。勇利の答えはいつも単純明快で、「ファンの人だよ」とか「パン屋の店員さんにたまたま街で会って声をかけられただけ」とか、ごく普通のことだ。ヴィクトルも、へえ、と納得してそれきりである。だが、やはりまったくの無関心ではいられない。勇利と仲がよさそうなら紹介してもらいたくなるし、ちゃんと知っておきたくなる。勇利が愛しているのは自分だとわかっていても気になる。そう──「気になる」のだ。勇利と出会うまではそんな感情を自分が持つなんて、考えもしなかった。でもいまはそれが自然だし、おかしなことだとは思っていない。愛しているひとのことならば、気にかかって当たり前ではないか。ヴィクトルは、勇利のことはなんでもわきまえていたいのである。 だからこそ、勇利の態度はまったく理解ができなかった。俺のことがどうでもいいのか、とおおげさに拗ねたくなることもある。そんなわけはないとわかっていても、勇利の脳天気な顔を見ていると溜息が出るのである。嫉妬などというものは、どちらかといえばよくない気持ちなので、勇利がそういう思いを持たないのならそのほうがよいし、それに越したことはないのだけれど、あまりに平然とされると、いったいどういうことなのだろうと悩んでしまう。勇利は変わった子だから、というひとことで片づく問題ではある。彼の感覚は一般的ではない。まあ勇利だからな、と思わないでもない。しかし、もうちょっと俺に執着してくれてもいいんじゃないのか、という考えがないとは言えない。 勇利には、嫉妬して俺を責める、という発想はないんだろうな……。 ヴィクトルはそう思っていた。勇利があんなことを言い出すまでは。 「ねえ、ヴィクトル、ぼくのこと好き?」 朝食のとき、勇利がほほえみながら尋ねた。普段そういうことを口にしない彼なので、初めての経験にヴィクトルはいささか戸惑ったけれど、勇利を深く愛していることは動かしがたい事実だ。「ああ」と率直にうなずいて返事をした。 「好きだよ。こころから愛している」 「そう」 勇利はにっこりした。 「ぼくもだよ」 不思議な感覚だった。勇利がこんなことを尋ね、こんなことを堂々と口にするなんて、そうそうないことである。「ぼくのことが好き?」とは一度も訊かれたことがなかったし、「ぼくも好きだよ」という言葉は──夜、服を脱いで抱きあって、勇利がいよいよせっぱつまったときくらいにしか耳にすることができなかった。もっとも、普段に彼がヴィクトルを見る目にははっきりと甘い愛情があらわれているので、ヴィクトルはさほど気にしてはいなかった。しかし、もちろん言われれば胸がときめく。 「……うれしいよ」 ヴィクトルは浮かれて勇利をみつめた。勇利もにこにこしながらうなずいた。ふたりは平和な様子だった。ヴィクトルは頬杖をつき、そんなことを言い出した勇利を眺めた。へえ、勇利、こういうのなんだ、と思った。 「ヴィクトル」 それだけでは終わらなかった。勇利はその日の夕食のとき、厳しい態度でヴィクトルに尋ねた。 「今日話してた人、誰?」 「話してた人?」 会話をした相手などたくさんいる。ヴィクトルはすぐには返事ができなかった。リンクメイトなら勇利もたいてい名前を知っているし、コーチやトレーナーも同様だ。ほかに誰かと話しただろうか? 「答えられないの?」 ヴィクトルが考えこむと、勇利はますます詰問の口ぶりになった。 「いや、そんなことはないよ。誰のことかわからなくて……」 勇利は文句を言ったりヴィクトルを叱ったりすることはあるけれど、こんなふうに性急に怒ることはめったにない。ヴィクトルは瞬いた。 「午後だよ。ぼくがリンクにいるあいだ、親しそうにリンクサイドでしゃべってた」 「……ああ。新聞社の人間だよ。過去に何度か取材されたんだ。彼女がどうかしたのかい?」 ようやく思い当たって説明すると、勇利は疑わしそうにヴィクトルをにらんだ。 「それだけ?」 「それだけって……それだけだよ」 「何かあるんじゃないだろうね?」 「何かって?」 「ヴィクトルがいま考えてるようなことだよ」 何も考えていない。ヴィクトルは困惑した。 「ただの友人……いや友人というほどでもない。知人だよ」 「そうかな。楽しそうにしゃべってたけど」 「普通だよ」 「ふうん」 勇利は鼻先で応じた。 「まあいいけどね……」 彼は、ヴィクトルに彼自身がねだられてつくったみそ汁をすすり、ちらとヴィクトルをにらんだ。 「うそついたら、どうなるか……」 「うそじゃないよ」 勇利はご機嫌ななめらしい。ヴィクトルは急いで言った。それほど親密そうに見えただろうか? ただ挨拶をして、久しぶりだねと世間話をしただけだ。リンクメイトが何かありもしないことを吹きこんだのかもしれない。 「本当に何もないからね」 ヴィクトルははっきりと言った。 「なんか、何度も言われるとかえってあやしい気がしてくる……」 「そんなことはないよ! 俺は勇利ひとすじなんだから」 宣言しながら、ヴィクトルは不思議な気持ちになっていた。これが──勇利の嫉妬? かわいらしいような、──こわくてしびれてしまいそうな。 「勇利」 ヴィクトルはすこし身を乗り出して勇利をみつめた。 「そんなに妬いてるのかい?」 「…………」 勇利は食事を終えると、音をたてて立ち上がり、そっけなく言った。 「そういうの訊くって、ヴィクトル、繊細さに欠けると思うな」 「…………」 勇利の。勇利の嫉妬。本格的な嫉妬。これが! ヴィクトルはうれしいような、なんとなくまごつくような、不思議な気持ちを味わった。 「勇利」 ヴィクトルは、洗い物をする勇利の背後に立ち、彼をかるく抱いてささやいた。 「本当に何もないよ。俺には勇利だけだ」 「そう」 「きみしか見えない」 「…………」 勇利は水を止めると、ゆっくりと振り返り、ヴィクトルの首筋に腕を投げかけた。 「……キスして」 ヴィクトルは熱烈なキスをした。 そんなことがあって、ヴィクトルはこれまでにない経験に、照れるやら、感心するやら、戸惑うやらで、複雑な感想を持った。だが、もちろんそれだけでは終わらず、すぐにまた別のことが起こった。 「ヴィクトル」 ある夜、勇利はソファでくつろいでいたヴィクトルの前に雑誌を突き出すと、大きく掲載されている写真を指さした。 「これ、どういうこと?」 「え?」 ヴィクトルはなにげなく視線を落としてぎょっとした。女性との、誤解されかねない場面がページいっぱいにひろがっていた。あっと思った。そうだ。記事が出ると前もって注意されていたのだ。勇利はまったく気にしないので、べつにどうでもよいだろうとすっかり忘れていた。ちょっと女性と話しただけでも妬くいまの勇利なら、これは文句を言いたくなるかもしれない。 「ゆ、勇利。ちがうんだ、これは──」 「ぼくだけって言ったのに」 勇利は冷静にヴィクトルを責めた。怒鳴り散らされるよりかえっておそろしい。 「あれ、うそだったんだ……」 「ちがう!」 ヴィクトルは慌てた。言い訳ではない。本当にちがうのだ。 「これはそういう記事じゃないよ。わざとだ。そう見えるように撮ってるんだ。俺は勇利を愛してるんだよ。ほかの誰かなんか目に入るわけないじゃないか」 「ふうん……そう」 「信じてくれ。誓ってもいい。俺が大事なのは勇利だけなんだ。彼女はただの知り合いだ」 「ただの知り合い。ヴィクトルってただの知り合いが多いんだね」 勇利がほほえんだ。ヴィクトルはぞくっとした。ある日突然勇利が家を出てしまう、という事態がなんとなく想像された。別々に暮らしたいと言うのかもしれないし、日本へ帰りたいと宣言するのかもしれない。そんなことは断じてあってはならない。 「本当なんだ!」 ヴィクトルは力をこめて言った。 「本当にただの知り合いなんだ」 「ぼくのこと好き?」 「好きだとも!」 「ぼくが、いますぐこの人に電話して勇利を愛してるって言って、って要求したらできる?」 もちろんできる。できるが、彼女の電話番号を知らない。気持ちとしては可能でも、行動としては不可能だ。 「できないんだ」 「そうじゃない。ただ、彼女の番号を知らないから──」 「本当かな」 「本当だ!」 ヴィクトルは必死の態度で言った。なんだか思っていたのとちがう。いや、べつに何も思っていなかったのだけれど、こんなふうになるとは──。 わかっているつもりなのに、なんとなくどきどきする。恐妻家とはこういう気持ちなのだろうか。 「じゃ、ぼくのこと愛してるって言って」 「愛してるよ、勇利」 「本当?」 「本当だ」 「絶対?」 「絶対だとも」 「言わされたって思ってない?」 「俺の素直な気持ちだ」 「…………」 勇利はくちびるを指でなぞり、思いついたようにほほえんでヴィクトルを見た。 「スマホ見せて」 「えっ」 「だめなの? ぼくに見られたら困るものが何かある?」 ヴィクトルはすばやくテーブルに手を伸ばした。そこにあった携帯電話を取り上げ、操作できる状態にして勇利に差し出す。 「何を見てもいいよ」 勇利はにっこりした。 「ありがとう」 勇利はヴィクトルにもたれかかり、念入りに携帯電話を調べた。ヴィクトルは勇利を抱き寄せ、彼の髪に接吻したり、匂いを確かめたりしながら、それを待っていた。勇利がヴィクトルに電話を返した。 「どうだった?」 「うん、合格」 勇利は微笑した。 「ごめんね、疑って……」 「いや、俺も悪かった。勇利が不安になるのは当たり前だ」 「ゆるしてくれる?」 「俺はぜんぜん怒ってないよ。勇利こそ、俺をゆるしてくれるかい?」 「何もなかったならいいんだよ」 勇利はヴィクトルにくちびるを寄せ、甘えるようにささやいた。 「仲直り……し��……?」 ヴィクトルはどきっとして胸を高鳴らせた。 「仲直りの、仲よし……して?」 勇利が上目遣いでヴィクトルを見た。つぶらな黒い瞳にたまらなくなり、ヴィクトルは携帯電話をほうり出すと、勇利を抱き上げて寝室へ連れていった。 勇利の嫉妬は、なんというか威力がある……。こんなことになるとは思わなかった。ヴィクトルはうれしいような、こわいような、どきどきするような、はらはらするような、ぞくぞくするような……なんとも興奮する気持ちを味わっていた。こんな日々がまだ続くのだろうか、とぼんやり考えた。いやではない。ヴィクトルは勇利のすべてを受け止めたいのだ。彼の考えは応援したい。しかし、不思議な感じだ。 「デートしようか」 ヴィクトルは休日、勇利を誘った。勇利はいそいそと承知し、「どこへ行くの?」とヴィクトルの腕を抱きしめた。ヴィクトルは勇利を美術館へ連れてゆき、ちょっと気の利いたレストランで昼食をとり、午後は勇利のために服を買って機嫌がよかった。勇利は美術館では熱心にあちこち見てまわっていたが、買い物のときはつまらなそうだった。しかし、ずっとヴィクトルの腕に腕をからませ、離れようとはしなかった。 「楽しかったかい?」 「うん、美術館は」 「たまには買い物も楽しんでくれ」 「ヴィクトルはなんでも簡単に買いすぎ」 「簡単じゃない。勇利に似合うものしか買ってないさ」 ふと、ヴィクトルは振り返った。すれちがった女性が知り合いのような気がしたのだ。彼女は腕のよいカメラマンで、次の撮影では、ヴィクトルと勇利を一緒に撮ってくれるはずだった。よい機会だから、勇利を紹介して彼を知ってもらい、いちばんよい表情というものを理解してもらいたかった。だが、彼女は振り向きもせず、まっすぐに歩いてゆく。ヴィクトルは、ああ、別人だ、と気がついた。あたりはすでに夕闇にまぎれ始めており、視界がはっきりしない。見間違えるのも無理はなかった。 ヴィクトルは前を向き──その瞬間、頬をぎゅっとつねられた。痛くはなかったがびっくりした。 「誰を見てるの」 勇利が静かに言った。彼はヴィクトルをみつめていた。にらんではいないけれど、その物穏やかな濡れた目にかえってぞくぞくした。ヴィクトルは急いで言った。 「いや、知り合いかと思ったんだ」 「うそ。美人だから見蕩れてたんでしょう」 「ちがう。そんなんじゃない」 「ヴィクトル、いつもぼくがいちばん綺麗だって言ってくれるけど、あれはでまかせだったんだね」 「ちがうんだ。勇利がこの世でもっともうつくしい」 「ああそう。どうもありがとう」 「本当なんだ。ちがうんだ」 ヴィクトルは熱心に説明した。勇利は「ふうん」「そう」とあいづちを打ったが、いかにも冷ややかな、そっけない態度だった。ヴィクトルはぞくぞくした。どういう「ぞくぞく」なのか自分でもよくわからなかった。 「いいんだよ、べつに。ぼくはごく平凡でおもしろみもないし、誰かの目を惹いたりもしないし、どこ���でもいる、地味で一般的なやつだからね。ヴィクトルには似合わないだろうね」 「そんなことはない」 ヴィクトルは強い物言いで否定した。 「俺の隣に立てるのは勇利しかいない」 「気を遣わなくていいよ」 「本気だ。勇利以外と並びたいなんて夢にも思わない」 「…………」 「本当だ。本当なんだ勇利。おまえほど可憐できよらかで俺のこころをかきみだすひとはいないんだ。信じてくれ」 勇利がちらとヴィクトルを見た。その流し目にヴィクトルはぞくっとした。 「……じゃあ、証明してみせて」 勇利がヴィクトルの耳元にくちびるを近づけ、熱っぽくささやいた。 「ぼくを愛してるって言ったのもうそじゃないんだね?」 「当たり前だ」 「全部教えて」 ヴィクトルは勇利の手を握り、急いで家まで帰った。夕食に連れていく予定だったが、そんなものはどうでもいい。ヴィクトルは玄関に入るなり勇利を抱きしめ、熱烈なキスをしたあと、寝室で彼に愛情を示した。 「勇利、綺麗だ」 「きみのようにうつくしいひとはいない」 「俺がどれだけおまえに夢中か、わかっているだろう」 「人を愛したのは勇利が初めてなんだ。そしてこれが最後だ」 「つめたくしないでくれ。おねがいだ」 「勇利に嫌われたらどうしたらいいかわからない……」 ヴィクトルはくり返し、「綺麗だ」「うつくしい」「愛している」と勇利を口説いた。本心だった。勇利は確かに目立たないかもしれない。しかし魂の輝きは清廉で、それが内側からにじみ出ているのだ。彼の純粋さ、初々しさ、色っぽさ、あどけなさ……すべてがヴィクトルを魅了する。彼の見せるかわいげが、どれほどヴィクトルをときめかせているか、ヴィクトルは勇利に正確に伝えることができないほどだ。 「……よくわかったよ」 呼吸が鎮まると、勇利はやわらかな口ぶりでつぶやき、ヴィクトルの腕の中で裸身をはずませた。 「ヴィクトルの愛……」 「本当かい?」 ヴィクトルは熱狂的な様子で勇利を抱きしめた。 「何度でも証明できるよ。何度でも、何度でも……」 「うん……」 勇利はいたずらっぽく笑うとヴィクトルの鼻先をつつき、「でも……」とためすような上目遣いをした。 「ヴィクトルの言う綺麗なぼくって……どのぼく?」 「え?」 「だってヴィクトルは……」 勇利はからかうようにヴィクトルを見ている。 「演技中のぼくが最高だってよく言うよ」 「それは……」 「氷の上にいないぼくは、氷の上にいるぼくほど綺麗じゃない?」 「そんなことはない」 「でも普段のぼくってぱっとしないよね。うつくしいなんて、まちがっても思わないでしょ」 「ちがうんだ勇利、そういうのは」 「氷の上の勇利は綺麗だけど、普段はまあ普通だな、みたいな気持ちでいつもぼくを抱いてるの?」 「そんなわけないだろう」 「そうかな……」 「いまだって、綺麗だうつくしいと言いながら抱いたばかりじゃないか」 「男って、そういうことをするためならいくらでもうそをつくって聞いたけど、本当?」 「俺はちがう」 「妬けるな……」 勇利はほほえんでヴィクトルの手を取り、指先に接吻した。 「ぼくは、氷の上のぼくにはかなわないのかな……」 「ばかなことを言うな」 ヴィクトルは力いっぱい勇利を抱きしめた。 「勇利はいつだって勇利じゃないか。おまえがヴィクトルはヴィクトルでいて欲しいと言ったように、勇利も勇利でいるだろう? どのときだって同じだよ。どんな勇利も愛している」 「本当?」 「本当だ」 「華やかな衣装を着て四回転フリップを跳べるぼくを愛してる?」 「愛している」 「身の丈に合わないって思いながらブランド物の服に身を包んで撮影をしてるぼくは?」 「最高にすてきだよ」 「スーツを着て行儀作法に一生懸命になってるぼくも……?」 「大好きだ」 「ダサい眼鏡をかけて……」 勇利はヴィクトルの指をかすかにちらと舐めた。 「着古した、燃やしたくなるような野暮ったいジャージを着てぼんやりしてるぼくは……?」 ヴィクトルは勇利を夢中で腕に閉じこめ、くちびるを重ねた。 「たまらなくかわいい。俺のものだ」 「ねえ、ぼくだけ見てて。目を離さないで」 「ほかの人になんて視線を向けないでよ」 「ぼくだけに笑いかけて。愛してるならできるでしょ?」 「ぼくだけだって言って」 「ぼくを……」 「ぼくを、愛して」 ヴィクトル、ぼくを。ぼくだけを……。勇利はそうささやき続け、ヴィクトルはなかば夢中になって勇利の望みをかなえた。嫉妬に燃えた勇利はきわめてうつくしく、彼のわがままを聞くことは、たまらないあやうい興奮をヴィクトルにもたらした。やきもちを焼いてくれなければつまらないということはないけれど、そうされるのは不可思議で、ヴィクトルの気持ちをかきみだし、ヴィクトルは幾度もただならぬ混乱に突き落とされた。勇利の悋気は魔術的だった。おそらく、初めての経験だったからだろう。これまで一度もこんな勇利を見たことがなかったから、なおさらヴィクトルは嵐の中に放りこまれたような感覚におちいったのだ。 たとえ……。 そう、たとえ──、それがただの芝居であったとしても。 「ヴィクトル」 数日前のある夜、勇利はヴィクトルに向かってこんなことを言い出した。 「ぼくは新しいことに挑戦したいと思うんだ」 「新しいこと?」 「そう」 勇利は神妙な顔つきでうなずいた。 「ぼく、嫉妬に狂ってみたいんだ」 さあ、また勇利がおかしなことを言い始めたぞ。ヴィクトルは、愉快な気持ちとなんとも言えない警戒心とでかすかにほほえんだ。 「今季、テーマにしたいことのひとつに、『嫉妬』があるんだ」 ヴィクトルは、勇利の「ジェラシー」という発音にぞくぞくした。勇利が一度も口に出したことのない言葉だった。 「まだきめたわけじゃないんだけど。ヴィクトルに相談もしてないし」 「そうだね。初めて聞いた」 「候補としてどうかと思ったんだけど、ぼく、嫉妬ってどういうものかわからないし……」 勇利は考え深そうな目をしてつぶやいた。 「とりあえず一度体験して、また改めて考えてみたいんだ」 「そうだね。いろいろな感情を知っておくのは大切なことだ」 ヴィクトルが理解を示すと、勇利はうれしそうにほほえんだ。 「たとえ今季やらなかったとしても、それは勇利のこころをひとつ熟させる」 勇利は瞳をきらきらと輝かせて宣言した。 「ヴィクトル、ぼく、ヴィクトルのことで嫉妬してみるよ」 ヴィクトルはまぶしい思いで彼のその目を見守った。 「ヴィクトルのことでいちいち嫉妬して、その感情を知ってみるよ」 「つまりお芝居をするということ?」 「そう」 勇利はそこで心配そうな顔をした。 「……だめかな? お芝居じゃ……」 「そんなことはない。人間がその気になって演技をすれば、感情はほとんど本当のものになるという心理学的実験結果も出ている。勇利は入りこむたちをしているし、問題ないと思うよ」 「ただ、ヴィクトル、そのせいで窮屈な思いをするかもしれないけど……」 勇利は申し訳なさそうに言った。 「……それでもいい?」 「いいとも」 ヴィクトルは大きくうなずいた。 「勇利は大事な生徒だからね。きみがそういう演技を目指してみたいというなら、喜んで協力するよ」 「でも、テーマにはきめないかもしれないよ」 「言っただろう、それでもためになると。構わない。それに……、」 ヴィクトルは勇利の耳元にささやいた。 「勇利の嫉妬がどんなにかわいいか、俺も体験してみたい……」 その結果、勇利は本気としか思えないような悋気を見せ、ヴィクトルの胸をときめかせたり、たまらない興奮を味わわせたりした。勇利はいちずで、情熱的で、けなげで、ヴィクトルをひとりじめしようとしていた。芝居であろうがなんであろうが、ヴィクトルは真剣に受け止めた。ヴィクトルは「その気になって演技をすれば感情は本物に近くなる」と勇利に言ったが、ヴィクトル自身も、嫉妬をされた立場をそのまま体験していたのだ。戸惑いもあったし、驚きもあった。喜びも、緊張もあった。勇利は嫉妬をするのは初めてだっただろうけれど、つまりヴィクトルも、勇利に嫉妬をされるのは初めてだった。それは悪くない経験だった。 「どうだった?」 ある夜、勇利はヴィクトルとベッドの中で身体を寄せあい、息をついてささやいた。ヴィクトルは指先で彼の素肌をたどっていた。 「とてもすてきだったよ」 「そうじゃないよ」 「ああ……。もう満足したのかい?」 「うん……、だいたいわかったし、そろそろいいかなって」 「そうか。じゃあ今日で終わりだね」 ヴィクトルはほほえんだ。 「勇利はどうだった? 何か変わった?」 「うーん……、なんだか不思議だったな。でも、楽しかったよ」 「楽しんでいるようじゃ嫉妬とは言えないんじゃないか。もっとどろどろした感情じゃないと」 「そうなのかな? じゃあ、ぼくはまだまだだね……」 勇利はふうと息をついた。 「いい勉強になったけど」 「勇利の嫉妬は真に迫っていて、俺もひどく戸惑った」 「ヴィクトル、そういえば困惑した顔してたね」 勇利がくすっと笑う。 「こいつなに言ってるんだ、みたいな……」 「そんなふうには思っていない」 「理屈が通じなかったでしょ」 「嫉妬なんて関係なく、勇利はいつも理屈が通じない」 「それ……、どういう意味?」 「続けて」 「感情的だったしね。こわかったんじゃない? わけのわからないことで言いがかりつけられるんだから」 「勇利の言いがかりなんてかわいいものさ」 ヴィクトルはかるく勇利のくちびるを吸った。 「それで? テーマにしてみたくなったかい?」 「そうだね……興味深い研究ではあるけど……」 勇利は口元に手を当てた。 「でも、まだきめられないかな……ほかのことも考えてみたいし」 「まあいいさ。勇利の好きにすれば」 ヴィクトルは勇利の髪をそっと梳いた。勇利が上目遣いでヴィクトルをいたずらっぽく見る。 「どうだった? ぼくの嫉妬……」 「うん?」 「感想を聞かせて」 「ぞくぞくしたよ」 ヴィクトルは正直に話した。 「こわくて?」 「いや……、なんだろう? 新鮮だったのかな。次は何を言われるんだろうと……」 「びくびくした?」 「やっぱりぞくぞくしていた」 ヴィクトルは笑った。 「興奮したよ。感じたことのないたぐいのね。快感だったし、恐怖だったし、不安だったし、喜びだった」 勇利の嫉妬は愛らしかった。ぼくだけ見て。なんで目をそらすの? だめだよ、ぼくだけ愛して。よそ見しないで! いまぼく以外を見なかった? 怒るよ! ──そんな、かわいげのある悋気だった。ただ、底にたたえられた感情は真剣で、こわいくらいに澄んでいた。純真可憐な嫉妬だ。 「でも、あんまり長かったら、ヴィクトルも疲れちゃうだろうからね……」 勇利は考えこんでいた。 「これくらいがちょうどいいよ」 おや、とヴィクトルは眉を上げた。 「本当はもっとやりたかったのかい? 俺は構わないけど」 「だめだよ、ヴィクトル。そうやってぼくを甘やかして、いいよ、いいよ、ってなんでも受け容れちゃ」 勇利は楽しそうにとがめた。 「ぼく、どんどんわがままになるよ。手をつけられないくらい自分勝手にね」 「もうなってるよ」 「それ……、どういう意味?」 「……なんでもない」 「本当はうんざりしてたんじゃないの? これはまだ終わらないのか? 変なことを了承するんじゃなかった。こんな毎日、こりごりだ。早く、勇利、満足してくれ──ってね」 「いや……、」 ヴィクトルは勇利の裸身を抱き直した。勇利はとくに文句も言わず、抵抗もせず、押しやられるままに脚をひらき、ヴィクトルのくちびるが素肌に這うのにあえかな息を漏らした。 「……楽しかったよ」 「……本当に?」 勇利がほのかに笑ってから声を殺す。 「こりたんじゃない? ぼくの変な要求にはもううなずかないって……」 「ぞくぞくした」 「…………」 それからふたりで一時間ばかり、また「ぞくぞく」する時間を過ごし、それでその夜はおやすみのくちづけを交わした。勇利は最後に、零時まであと数分残していることを確かめてから、いたずらめいたひかりを瞳に瞬かせ、ヴィクトルの目をのぞきこんであまい約束をさせた。 「これからも、ぼく以外、見ちゃだめだよ。目を離さないで。とろけるような言葉と声はぼくだけに聞かせて。その情熱的な瞳も……。ぼくのこと、愛してるんだからできるよね?」
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光の庭
!Fire Emblem Heros fan fiction!
・カミュとプリシラの話。名も無き森の夢語りの続き。
・独自解釈・ネタバレ・異世界交流を含みます。カップリング要素一切皆無。
Image song:光の庭(D)
00.
ある時、美しい真白の城に美しい姫君が居た。美しい姫君は、一人の王子様に恋をしていた。幼い頃に、出会った異国の王子様。だが、王子様は黄金郷を探しに長い長い旅に出てしまった。姫君は戻って来ない王子を慈しみ、会いたいと願った。だが、彼女の前に現れたのは、美しい悪魔だった。悪魔は言った。 「お前の願いを叶えてやろう」と。
01.
たまに愚痴りたい時もある。とかつて、この世界には居ない部下のロベルトが言っていた。王だって、王子だって――たまに不満を漏らしたい時もある。 アスク城にある酒場で、レンスターの王子はミルクを飲んでいた。 「不思議な感覚だな」 目の前に居るレンスターの王子はそう言い、椅子に座りながら此方を見ていた。 「この世界に来てから、驚きの連続だと思った。セリスの父上と母上が一緒に居て、アレスの父上と…伯母上もこの世界に居る。最初は夢だと思っていたけど、頬をつねっても、夢じゃない――本当の世界なんだなって」 「リーフ王子は、どう思いますか?」 「でも…この世界に来ていない父上と母上が来たら――僕は、どんな気持ちでいけばいいんだろうって。それが不安なんだ。フィンやナンナも、僕に気を遣ってくれているけど、僕は王の器に立つのが相応しいのかどうか、悩んでいるんだ」 リーフは王の立場であるが、王の立場に相応しいかどうかは――自分自身でも分からないのだ。幼い頃に国を追われ、若き騎士と、異国の王女と共に各地を帝国軍から逃げるように転々として来た日々。とある村でエーヴェルと言う女性に救われ、村の人達と、家族のように過ごしてきた日々。その平穏な日常が、ずっと続けばいい。その平穏が――帝国軍の襲来と共に終わった時。 自分にも見覚えがある筈だ。幼い双子の王子と王女も、立場が災いし、暗い、孤独のような日々を送ってきた。王族の頂点に立つのも、王族に生まれるのも、碌な事が起きない。それがリーフ自身が理解している事であり――黒騎士カミュの悲しみでもあった。 「貴方は貴方の道を進めばいい」 だから、自分なりの言葉を贈る事が、精一杯の類でもあった。 「王族であっても、貴方は貴方の道を進めばいいのです。誰の言葉に惑わされなくたっていい、自分の、信じる道を突き進めばいい」 それが――自分自身の答えでもあり、嘗て――自分自身が下したつらい決断でもあった。だが、目の前の王子は、 「…何だか、あなたの言葉に、救われた気がするよ…有難う、カミュ将軍」 ――救われた、か。 自分は、誰かの助けになれたのだろうか。酒場からの帰路についている最中、自分自身はその言葉に悩んでいた。 『…それでも、人は何処へ行くのでしょうか』 トルバドールの女性のプリシラから言われたその言葉は――確かに、彼の胸に響いた。人は、死んだら何処へ行く。 「…カミュ将軍、聞こえていますか?」 リーフの護衛騎士であるフィンから、ハッと我に返った自分は彼の方を見た。 「先程、リーフ様と何かお話しされていましたが…どうしましたか?」 「あ、ああ…少し、彼の悩みについて相談したりしていた」 「…そうですか、有難う御座います」 フィンからいきなり感謝され、こちらも理解がイマイチ分からなかった。何故、感謝されてしまうのだろうか。 「…私でも時、リーフ様のお力に、なれない時があるのですよ。自分自身では耐えきれない、立場故や、ナンナ様の事――そして、キュアン様とエスリン様の悩みを抱えているのですから…ですが、こちらに来てから打ち明けられる人が居て、嬉しかったと思うのですよ。だからこそ――」 「いえ、いい…此方こそ、感謝する」 自分自身でもどうすることも出来ない悩みは――リーフやフィンだけが抱えているのではない、エレブ大陸の杖使いのプリシラも心配していたと言うのなら、自分は結局。一人で悩みを抱えているのだな。と苦笑しながら。
02.
「光と闇、どちらが正しいかなんて私には分からないんですが、どちらも間違っている、どちらも正しいって言うのは、人其々なんだと思います」 モノクルをクイッと片手で正し、闇魔導の使い手である彼――カナスはそう述べた。カナスの自室の書斎は彼にとって、宝庫であろう。ナーガ神についての伝承、ギムレーに関してのレポート、ラーマン経典、正の女神アスタルテの本…探究者である彼は、異国の騎士である自分にそう述べた。 「貴方が出会ったあの闇に堕ちた暗黒皇帝ハーディン…でしたっけ、彼は元々、善良な騎士だったと聞きます。オルレアンの方々から慕われていて、草原の民達からは希望だったと聞きました…例えるなら、闇に堕ちてしまえば、後は奈落の底――私は、堕ちてしまった人達を知っています」 黒い牙の者達の事を、述べたいであろう。剣を振るう『白狼』のロイド、獰猛な凶器を振るい、戦場を大暴れする『狂犬』ライナス――彼らの事を言いたげであった。自分は「何も言わなくていい」と告げ、カナスは「有難う御座います」と申し訳無さそうに言った。 「…闇は、必ずしも負の一面、悪とは限らないと、私は思うのです。歴史に葬り去られた、真実。語られざる、英雄の物語――それは、貴方が経験していると自分自身が物語っているからこそ、歴史が証明している。そう、例えばマルス王子が」 光の英雄なら、貴方は闇の英雄でしょうか。 「…妙な例え方だな、しっくり来る」 「でしょう?」とカナスは人差し指を振った。彼が椅子に座っており、机には色々書物が積み重なっていた。「バレンシア大陸の歴史」「ギムレー経典」「アステルテ経典」「魔石と魔王」「神竜ナーガとメディウスについて」知識を欲する彼が、異界の書物を欲するのも無理はない。と我ながら思う。するとカナスは、ある一冊の本を本棚から出した。 「英雄王マルスの物語」 知識を欲する彼が、この英雄譚に興味を持つのは珍しい事だ。自分の悩み故の決断力であろうか。 「マルス王子が、皆から慕われている光の英雄ならば、貴方とハーディンは闇の英雄です。ですが、彼と貴方の闇は、断然に差があり――違うのです。暗黒皇帝と化したハーディンは、心の闇に、呑まれた英雄。そして貴方は――例えるのは少し難しいのですが、歴史の闇に葬り去られた、英雄でしょう」 ああ、納得した。あの時の自分は黒騎士ではなく、ただの旅の者であった。カミュではなく、シリウスと名乗っていた。 「史実なき戦い、影に隠れた者――闇に葬り去られた者は、私の世界でも居ます。ですが…光と闇は、バランスが成り立たなければ存在意義を見出す事が出来ない。そして、貴方は――何を見出したのでしょうか。何を――」「カミュしょーぐん!マークス様とミシェイル様が呼んでるの!」 自分とカナスが振り返ると、ピエリとラズワルドが自室のドアを開けて、自分を呼び出しに来たのだろう。ラズワルドが「だ、大事な話をされていたのですね…!」と申し訳無さそうな表情をしたが、自分は「いや、良い」と手を振った。 「では、この話はまた、後程で」 まるで自分らしくない。と言い聞かせながら――自室のドアを、閉めた。 「…行ってしまいましたか」 カナスは、飛び出して行ったカミュを見つめ、ふぅ…と疲れた息を吐き出す。やはり、自分はこの世界でも探求を求めすぎている悪い癖が出てしまったようだ。 「…後で、ピエリさんとラズワルドさんに、お菓子でも贈っておきましょうか」 申し訳ない事をしてしまった表情をしたラズワルドに、お詫びの礼の品を考えておきながら、カナスは一つ、気になる事を呟いた。 「…それに、まるで彼女について話したくない素振りを、していた気がしますね…」
03.
「彼の王は泥から生まれた」 アカネイアの大陸一の弓騎士は、そう答えたという。泥から生まれた――その例えは、何処から来たのだろうか。レベッカはそう思った。 それは前、あの自分でさえも畏怖する力を持つ暗黒皇帝と相対していた時の事だ。ジョルジュやカミュが、苦虫を噛んだ表情をしていたのを忘れられない。それに、プリシラも、カミュやマークスについて余所余所しい態度をつい最近していたのも切っ掛けである。あまり他人の過去に突っ込みたくない(エリウッドや彼の御子息の有り難い御忠告である)のだが、ジョルジュと話をするタイミングが偶然にも弓を射る練習の休憩時に出来てしまったのだから。 「…ハーディンは、元々はオレルアン王の王弟だ。しかし、兄より劣る弟と言うのが災いなのか、少し心に歪があった」 ゼフィールもそうだった。彼は優秀過ぎるが故に、父親から忌み嫌われていた。とエリウッド様の御子息であるロイ様もそう仰っていたわね。とレベッカは納得の表情を浮かべた。それと同時に、遣る瀬無い感情が浮かび上がった。 「だが、アカネイアも元々は、高貴な血で建てられた国じゃない、それと同時に――神に守られし王国でもなかった。三種の神器を竜の神殿から盗み、其れを統治して出来上がった王国だった」 「こっちも、竜と人に歪な亀裂が入っていたのね」 「…人間、そう簡単に上手くいくもんじゃないがな。俺だってアカネイアの傲慢な貴族が嫌いだった。ラング将軍やエイベル将軍も、俺は死ぬほど嫌いだったが、アカネイアの為に、と何処かで逃げていた。現実逃避をしていたのかもしれない」 「こっちも大変なのね。ロイ様から、可愛らしいギネヴィア姫様が美しく成長したって言うから…もし会える機会があったら、見てみたかったなぁ」 「そうか…此方もニーナ様と出会える機会があったら、宜しく頼む」 分かった、約束するわ。とにこやかに微笑んだのだが――ジョルジュは口を開き、重たく、ある事を語る。 「――俺も、何時かはああなるだろう。と何処かで諦めていた」 「いつかは、ああなる…?」 「アカネイアの血を引く民が、他国の者達を蔑み、愚かだと嘲笑い、奴隷階級の者同士を戦わせ、動物の様な目でしか見ない剣闘士達の闘技場を見世物の様に観戦し…俺はそれが嫌いだった。だが、俺では何とかならなかった。ニーナ様は、その現状を変えようと必死に頑張っていた。だから俺は彼女の手伝いをしようと考えていた。だが、俺では役不足だったと…グルニア軍と戦う時に、気付いてしまった」 「あ…ああー…黒騎士の、カミュ将軍の事かしら?」 「だが、彼でしかニーナ様の心を開く事しか出来なかったんだろうな。敵国の騎士と、我々の国の王女、相容れない関係なのに、出会ってしまった。出会わなければ良かったのか、出会ってしまったのは必然だったのだろうか。それは今の俺にとっては分からない事だった」 ジョルジュの疑問に、レベッカはある事を口にしようとしたが――開けなかった。 ――ねえ、それはもう、必然だった方が良かったのじゃないかしら。辛い事や、悲しい事、楽しい事があるけれども、出会わなければ、何かが産まれなかったんじゃないかしら。 ニニアンの事を思いながら、レベッカの拳は固く握りしめた。
04.
ニノは歌を歌っている。古い、エレブに伝わる歌である。まだ幼さが残っている魔導士の少女は、アスク城のバルコニーの冷たい夜風に吹かれながらも、用意されている椅子に座って歌を歌っていた。 それを遠回しに見ていたカミュとミシェイルは、暗夜第一王女カミラの臣下である竜騎士の少女から貰った(彼女曰く、日頃レオンやマークスと接していたからそのお礼らしい)暗夜王国産のワインをグラスに注ぐ。 「何処か、遠い国の歌のように見えた」 とカミュはそう述べた。歌は、竜��人の物語を準えた叙事詩のようであった。竜と契約した者と、美しい少女の物語。エレブ大陸に伝わる、悲しい物語でもあった。 「あの少女は、雪を義理の兄と一緒に見た事があるらしい…俺も、ろくに妹であるマリアに、其れらしい事が出来なかったな」 王の激務に追われ、妹のマリアと一緒に、遊んだり一緒にお出かけする事が出来なかったらしい。その王位が、自らの父を手をかけた代償だったとしても、マリアはミシェイルが大好きだった。大好きな兄を、慕っていたのだ。 「…私も、同じ気持ちだ」 敬愛する王の子であるユミナ様とユベロ様と、一緒に遊んだり笑ったり、泣いたりする事はごく僅かで、彼等に何か残す事が出来たのか――後悔した事もあった。 カミュはそう、述べていたがミシェイルに至っては 「貴様はバレンシアであのリゲルの王子と楽しく接していたのではないか」と答えたが、カミュは首を横に振った。 (貴様は本当に優しすぎるな。それが仇となる時があるのだがな――) ミシェイルはそう思う。マリアから見たら自分は「優しい兄」だと思うのであろう。だが、自分はそう優しい兄ではない。妹のミネルバから見たら「父親殺しの自分勝手な兄」と認識された事もあった。 ニノが歌を歌い終わり、立ち上がる。バルコニーの玄関に優しい兄で��るロイドとライナス、大事な人であるジャファルが居て、ニノは駆け寄ってロイドに抱きしめる。 (兄である俺が、何をしてやれたんだろうな) ミシェイルは思い悩む――すると、カミュは笑って誤魔化した。 「だとすれば、貴方も私も同じ悩みを抱えていたのではないか。優しい兄と、王子と王女に仕える騎士が、何をやれたのだろうか」 「お前は悩んでいるのか?」 「ええ、自分は――優しすぎるのではないのか。と思い悩む事があるのです。少し、コンウォル家の令嬢と出かけた時に」 あのトルバドールの少女の事か。とミシェイルはすぐに分かった。彼女は厳格な兄と、彼に使える優しげな、柔らかな声音をした修道士の従者が居る。 「…カミュ」 「…何だ」 「――ドルーアに従った者同士、同じ悩みを抱えているが…貴様も俺も、『どうしようもない大人同士』また、飲む事があったら悩みを打ち明けようか?」 「…それは遠慮しておきます」 やはりこいつは騎士であるが故に優しすぎるな。とミシェイルはそう思いながらも、最後の一杯であるワインを飲み干した。
05.
戦場を駆ける漆黒の駿馬、まるで父上の様だと最初は、そんな感想を自分の心に抱いていた。 「…おい、貴様」 プリシラはゲストルームで暗夜王国のあのドジなメイドのフェリシアが淹れた紅茶を飲んでいる最中に、ある人物と出会った。プリシラは唇をハンカチで上手に拭き取り、後ろの方を振り返る。やはり、最近召喚されたばかりの――師子王エルトシャンの息子であり、セリスやリーフと共にユグドラルの解放戦争を戦った仲でもある…。 ――黒騎士アレス。父親譲りの剣裁きをし、戦場にその名を轟かせている聖騎士だった。 「はい、何でしょうか」 自分がそう答えると、アレスは「丁度良かった、貴様に話がある」とソファに腰掛けた。ベルクトといい、ミシェイルといい、兄と同じ融通が利かない人達と何気に縁があるのだろうか。とそう思っていると、アレスは意外なことを口にする。 「…最近、カミュについて気にしているのだな」 「えっ」プリシラはティーカップを落としそうになったのだが、アレスは「いや、忘れてくれ」とそっけなく答えた。これでは話になっていないのでは。思い切って、プリシラが思い当たる部分を考え、アレスに対してある事実を口にする。 「…貴方のお父様を、思い出しちゃったの?」 無言。どうやら図星のようだ。だが、アレスは「ああ、そうだ」と答えを口にする。プリシラは「やっぱり、そうなんですね」とふふっと笑う。早速だから、彼もお茶に誘ってしまおう。と、隣に居たジョーカーに、紅茶を頼んだ。 「エルトシャン殿下と、カミュ将軍は無茶をし過ぎなんだと思います」 毎回、シグルドとミシェイルが彼等を抱えて私やセーラさんの所に駆けつけて杖の治療を受けてしまうんです。と口にする。 「父上が、シグルド…様と本当に親友だったのか」やはり彼は敵討ちのシグルドに対して敬語をつけるかどうか、まだ迷っているみたいだった。 「で、カミュがミシェイルに抱えられているのは…どんな関係なんだ?歴史書だと、ドルーア側に就いたマケドニアとグルニアの総帥だったと聞いているが」 「…どんな関係、ですか」 確か、その時カミュの事を話していたミシェイルは、友人と言うか、親友とは言い難い…所謂、共犯者?の様な態度をしていた。 「ええっと…一緒に戦った、戦友?」 上手く誤魔化しておく事にした。彼等に首を突っ込むと、余計事態が悪化してしまう。 「そうか」とアレスは納得した表情をした。 「正直、思う。俺はずっと復讐の事を考えていたが…実は、父上の背中を追っていただけだろうな。と今は思ってる」 プリシラは、何も口にしない。アレスの話を、ただ聞いているだけだ。 「…父上は、立派な騎士だったと、母上から聞かされていた。高潔で、誇り高く、優しい騎士だったと聞いていた。俺はそんな父上に憧れていた」 だが、父上が死んだ時は――全てが変わった。とアレスは何処か暗い表情で語る。 「…そうですか、誇り高い黒騎士さんでも、弱音を吐く事はあるんですね」とプリシラは、ちょっと皮肉を込めた言葉を吐き出した。 「騎士である彼等は、誰かを守る為に戦っているんです。貴方のお父様やシグルド殿下、セリス様に、エリウッド公…それに、カミュ将軍や、ミネルバ王女も、前線で戦っている。人はいつか死にます…ですが、その何かを、また次の誰かが受け継いでいるのでしょう」 アレスは「そうか」と口にすると、ソファを棚代わりにして置いているミストルティンを構える。 「…この剣は、父上が俺を見守っている証だったんだな」 プリシラは、そんな彼を見て――ゆっくりと微笑んだ。 「私も貴方も、似たような悩みを抱えているんですね。だったら、一緒にお話ししましょうか」
「んで、俺が弓兵に狙われている若を守る為に、颯爽と弓兵を背後から攻撃して、若を助けたんですよ!」 「成程…今度、ミカヤが狙われた時にはその戦法を組み込む事も考えてみるか」 「じゃあ弓兵はあたしに任せるね!マシューは魔導士をお願い!」 「いやいやいや、俺は若様命だからな!じゃあ魔導士はガイア、お前に任せるぜ!レベッカー、期待してるぜー」 「何で俺!?おい、アズ…ラズワルド、笑いを堪えるな!」 ハハハ…と、食堂で弾んでいるマシュー達の姿を見て、ルーテは考える。プリシラがカミュについて気にしている。つまり、プリシラはカミュを見て何かを思い出した可能性は高い。だとしたら、カミュと関わりのある人物を探ってみる事にした。ジョルジュ、リンダ、ミシェイル、ミネルバ、マリア、パオラ、カチュア、エスト、ベルクト、アルム…思い当たる節が見当たらない。だとすれば、まだ可能性がある筈だ。此処はプリシラに尋ねるしか方法は無いだろう。ルーテが心の中でえいえいおー!と誓った途端に、カミュがミシェイルと一緒に、食堂に入って行った。 「いっつも行動しているのは、お友達なのかしら?」とラーチェルが困惑している表情をしていた。何時だったか、覚えていない。ふと、彼等の会話が聞き取れた。 「…で、最近その御令嬢が貴様を気にしていると?」 「ああ、そうだが……恐らくは、あの一件で」「そうか」 (つまり) 「一緒に出掛けた時に、彼女の言葉が…うん…」 (プリシラさんと出掛けた――つまり、彼女の方程式に考えると、ピクニックか何処かに行ってきたのでしょう。そして、彼女の言葉を考えると――やはり、カミュ将軍の過去に何か関係が?) ルーテがその光景を見ていると――後ろからカナスが「何をやっているんですか?」と話しかけてきた。 「いえ、人間観察です」 「人間観察って…ああ、カミュ将軍の事ですか」とカナスは、何か納得した表情で見据えた。 「多分、彼等については、放っておいたほうがいいと思います」 「どうしてですか?私は非常に気になるのです」 するとカナスは――微笑み、こう答えた。 「あれが、彼等なりの答えなのですから」 (彼等なり、ですか) 恐らくは、自分が介入しなくても、無自覚に彼の善人さが――悩みを解決してくれるのだろう。ルーテはそう思い、魔導書を持ち、立ち上がる。 「カナスさん、有難う御座いました」 ルーテが立ち去った後、一人取り残されたカナスは――ちょうど部屋に帰ろうとしていたマシューを呼び出す。 「…マシュー、少し良いですか?」 「えぇ、何だぁ?」 「私の悩みも聞いてくれませんか」「は、はあ…」 恐らく、カミュについては…勝手に誰かが、悩みを解決してくれるのだろうから。
07.
「わぁー!雪だ!」 黒い天馬に乗っている軍師ルフレの娘と名乗る少女は、降り積もる雪を見て感想を述べた。護衛にはパオラが居るが、どうやら雪と聞いて駆け付けたターナと、追っかけてやって来たであろうフロリーナも参加した。ミシェイルは不満げに竜で空を飛んでいるが――そう言えば、雪なんて久々だろう。とこの時思った。 『貴様は、雪を見たと言っていたが――何時頃だ、アンリの道か?』 『アンリの道…確か、氷竜神殿に行く最中に、だ。ミシェイルは雪の中を行くと言うのか?』 『少しあの軍師の娘とやらが雪を見たいと言っていてな…全く、あの黒い牙の少女もそうだが、少しは危機感を…』 『いえ、それは構わないと思った方がいい――こんなに降り積もる雪の中で戦った時は、氷竜神殿で竜達と戦った時以来だったな。だが、こっちの方が、まだ暖かい』 『…まだ、暖かい?』 『あの時、猛吹雪で――凍えるような息吹を感じたが、ニフルで降り積もる雪は…暖かさを感じる。死を感じられない雪だ』 出発前のカミュとのやり取りを思い出す。自分が彼女らの護衛に立候補に参加したのは、マークが自分の末っ子の妹を思い出す故か、将又他の立候補役が彼女等を任せられない故なのか(ナーシェンやヴァルター)…。だが、ミシェイルはこの雪に、確かな暖かさを感じられたのは事実だった。 「…あの、ミシェイル様?どうなされましたか?」 「いや、少し昔の事を思い出してな」 「…昔の事、ですか?」 「もし、俺と貴様、どっちがマルス王子率いるアカネイア軍を討ち取れるかとしたら――貴様はどっちを選ぶ?」 カミュは自分の忽然とした問いかけに戸惑いを隠せずに居るが、『もし仮にマルス王子を討ち果たし、そしてガーネフを倒せるか』についてを答えるとしたら。まあ、小難しい問いかけに彼は答える事が出来ないだろう――と確信した矢先。 「…ミシェイル、陛下だろう」 驚きを隠せない答えだった。何故自分がマルス王子を倒せるか?とカミュに問いかけた。しかし彼は 「騎士として死ねるのなら、それでいい」と答えるだけだった。丁度その頃は、雪がしんしんと降り続いていた。 結局は、この戦いに何も意味がないと分かっていただろうか、それとも――あの双子の未来が掛かった戦い故の、結論だろうか。 この雪には何もいい思い出がない。が、カミュは気楽に答えた。勝者と敗者の答えなのか、それとも…まあ、いい。これが終わったらカミュにさっさと暖かい酒を寄越せと訴えかけてやろう――降り積もる雪に、舌打ちをしながら。
08.
あいつの顔を見る。高慢な性格のリゲルの王子であるベルクトから見た黒騎士さんについての物語と言うのを誰かはそう言う。俺は彼ではなく、リゲルにいた頃を思い返す。叔父上と話していた時に、今と違う笑い方をしていた。何となくだが、あの時は陰りがない顔をしていた――あのティータという女性と幸せそうに、睦まじく過ごしていた。だが、今の姿は――リゲルの騎士ではなく、グルニアの黒騎士団を率いる騎士の姿だ。何処か、陰りが見えたような気がした。 「貴様からしたら、どうなんだ」「だが、彼が優れた騎士であるのは間違いないだろう」 ノディオンの騎士であるエルトシャンから見たら、自分から見たら優れた騎士である事を直ぐに見抜いた。若くして死んだ者であるが、シグルドの戦友である彼の下す判断は、流石はクロスナイツ騎士団長でありながら、ミストルティンを持つ(どうでもいいが、息子も優れた騎士であるが俺と似た性格をしている)騎士である判断であろう。 「優れた騎士でも、弱点を取られると直ぐに脆くなる」「例えば?」 エルトシャンは口ごもった。きっとあのノディオンの王女や妻の事を言いたいのだろう。自分はそう易々と言及する事は無かった。自分もリネアの事を思い返していたからだ。 「父上は、そう仰っていたのか」 「そうだ」 アレスは自分の問いかけに答え「そうか…」と悩める、思春期の少年らしさをまだ残している表情をしていた。すると会話している自分達の後ろでプリシラが絵本を持って何処かに行こうとしていた。 「おい、いったい何をしに行くつもりだ?」 「あれ、ベルクトさんに…アレスさん?珍しいですね。二人で何をしていたのですか?」 「ちょっとな…貴様こそ、何をするつもりだ?」 「ノノやミルラ���絵本を読みたいって言うから、書斎から絵本を取り出してきたんです。この絵本が一番好きそうかなー…と考えてしまったんです。じゃあ、私は先を急いでますから」 それでは、失礼します。と言い、彼女は先に行ってしまった。 (分からない事だらけだ、結局は――自分は皇帝にはなれないと、何処かで感じてしまったのか。だが、あいつは…王になる器になんて持っていなかった。そう言えば、カミュも何時だったか、ある事を自虐していたな) 『私は騎士の器を持っているとは思えないのですが――王には、猶更向いていなかったのかもしれません』 (…似たもの同士、って事か) 急に用事があると言い、ベルクトが立ち去った後一人取り残されたアレスも自室に帰ろうとした瞬間、後ろから肩をポンポンと叩かれた。後ろを振り返ると――不機嫌な表情をした、従妹のナンナが居た。 嗚呼、これはまた説教のパターンか。と理解したのだが…ナンナは、意外な言葉を口にした。 「ちょっと、話があるの」
09. 「最近、プリシラと言うあのトルバドールの少女とよく話してるわね…私だけじゃ、相手にならないと思っているわけ?」 伯母上譲りの気の強さが得りなナンナの言葉に、アレスは言葉を詰まらせた。別にそう言う訳ではない、ただのお茶会仲間だ。と上手く話せば、ナンナは「…そう」と溜息を吐きながらそう言った。彼女と話をするのは久々だろうか?…いや、ナンナはいつもリーフと話をしていた。そりゃあ彼女はリーフの大事な人だから…幼い頃から一緒にいた仲だろう、仕方がないとは言え、彼女に詰め寄られては困る。「気の強いナンナ様」に言い寄られては、流石の黒騎士アレスもお手上げだろう。 「…そうだな、ナンナ。俺は今、悩んでいるんだ」 「…悩んでいる?どうしたの、らしくないわよ」 らしくない、か。そうだな。と確かに今の発言はまずかっただろうか。ふと考えると、ナンナにある事を尋ねた。 「…ナンナ、一ついいか?」 「どうかしたの?」 「…お前は、フィンの事をどう思ってる?」 えっ。まさかアレスから、フィンの事を尋ねられるとは思っていなかった。これは、答えに迷ってしまう。私はフィンのことを理解している母とは違うのだ…だが、ナンナははっきりと答えた。 「大切な人よ。私やリーフを、立派にエーヴェルと一緒に育ててくれて…エーヴェルが石化した時も、支えてくれた人」 そうか。とアレスは無表情で頷き、天井を見上げた。 …アレスと別れた後、ナンナは彼の行動に不可解を感じた。 (…でも、どうしてあんな事を。いつものアレスだったら――あれ?) そう言えばプリシラと言えば、一つ気になる事がある。プリシラは別の異界で黒騎士と言われているカミュについて詳しく調べている様子が見受けられた。アレスも、プリシラとお茶会をしていたと言う訳ではなさそうだ。じゃあ、一体何の為に?とナンナが考えるとしたら――直接カミュ本人に問い質すしか無さそうだ。 「…でも、どうしてアレスは悩んでいたのかしら…あら?そういえば、カミュ将軍と、叔父上は一緒に出撃していたから…もしかして、そのせい…?」 ナンナは、やっぱりアレスの気持ちも考えた方が良いのかしら。とぼやいた。
10. ざく、ざく、ざく。プリシラはニフルの土地を歩いていた。雪が降り積もるこの国は、雪合戦でも出来そうだ。と考える程だった。そう言えばカミュも、カナスに話をしていたらしく、自分も彼も、似た悩みを持っているのだな――と思いながら、雪がじゃりじゃりとなるこの地を足で踏みしめながら、前に――カミュと一緒に森を歩いていた事を思い出した。死んだら、魂はどこへ行くのだろうか。と問いかけていた。彼は、ニーナ王女の事を語っていた。救国の聖女。と何処かの記述ではそう記され、或いは傾国の魔女。と記されていた。他者を犠牲で成り立っている平和と言うのは、あまりにも残酷だったのだろう――ロイが語っていた『女王ギネヴィア』の物語――ゼフィールの豹変、そしてベルン動乱…竜と人が、分かり合える日は何時かは来るのだろうか。もし、そうだったとしたら…この冬景色を、竜達が見られる日が来るのかもしれない。 ふと、プリシラの足元に、誰かが居た――下を見たら、竜の少女であるファが、雪を見てキラキラと目を輝かせていた。 「ファ、雪を初めて見た!」「ふふふ、そうですね。これが雪なんですよ」 あのね、ニニアンお姉ちゃんからお話しをしてもらったの!イリアの雪はね、綺麗なんだって!と健気に話す姿は、とても楽しかった。 カミュとミシェイル、それに兄とルセアも一緒に連れて来て、ファと一緒に遊ぶのも考えたのだが――雪を見て、思った。 「カミュ将軍に――また、問いかけたい事があります」 この世界にきて、どう思ったのでしょうか。私はそれが、聞きたいです。 「…」 外でニフルの雪を見て、カミュは思う。自分は役目を果たしたからそれでいい。と何処かで思っていた。だが、バレンシアのアルムやベルクト、ティータを見て――一度は考え直した。生きると言うのは、とても残酷な事だ、だが、必死に生きていれば、結果が見えてくる事もある。と言うのも、事実だ。だが、一つだけ心残りがあるとすれば――。 「…この雪を、一度だけニーナに見せてもらいたかったな」 彼女がこの世界に来るのは、まだ遠い。
11.
真白のお姫様に王子様に会える対価というのは、人の心臓でした。人の心臓を悪魔に渡せば、お前の願いは叶えてあげる。そう、1000人の人間の心臓を私に渡せ。と。 お姫様は必死に人間の心臓を食らい続け、悪魔に献上をしました。そして残り一つの心臓を悪魔に上げれば、王子様に会える――しかし、現実は残酷でした。何故なら、残りの心臓は、王子様でしたから。 そう、お姫様は、王子様の国の民や、家族の心臓を喰らい、悪魔に献上したのです。 怒り狂った王子様は、国の民や家族を殺したお姫様にこう言ったのです。 「人殺し」と。 そうして真白のお姫様の心臓は剣で貫かれ、ドレスは真っ赤に血に染まったのです。
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Elden Ring備忘録
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ラニさんの"My dear consort, eternal."ってなんて訳されてるのだ…「私の王」みたいな感じなんだろか うまく感想いえるくらいまで消化できてないけど、ホント楽しかった、(アナウンスもされてないけど)DLC楽しみ オープンワールドって意味もなく世界が広かったり、ミッションが作業になっちゃったり、みたいなのが不安だったけど、無駄のないデザインで、どこいっても発見があって、200時間近く、ず~~~~~っと楽しかった。すごいな。 色々絶対に逃してる、というかそれが意図的なところだと思うので、2周目以降は色々回収しにいきたいし、あと理解していない部分、自分で解釈出来てない部分は他の方の解釈・考察とか見て補完して自分自身が納得できるところに着地したいなと思う。(「~~が正しい!」っていうのを探したいってことではない) ヤーナムから狭間に行ったので色の鮮やかさにオオ…ってなった。世界が壊れてるのが最初は表層に見えないんだけど、ゲームを進めれば進めるほど「この世界はもう壊れちゃってるんだな」って感じる景色・演出になって、最後に世界をどうするか選ばされるのが、あ~………… なんかボス戦はやっぱ難しかったと思うしマレニアさんマジで壊れで笑った。でも倒せたら「楽しかったな~」ってなったから、やっぱ楽しいんだな。生命力大事ネ…。 あ、でも、チャリオットはちょっと…………………怒っちゃった……………… ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 以下途中で書くのやめた備忘録 ・やりすぎでマジで頭が痛い、でもやめどきがわからん、たのしい こんなに狂ったようにゲームするの久々 (↑発売日から3日間くらいやり続けてたときのメモ、頭が痛かった) ・相変わらずストーリーを初見で理解できそうにない ・Two Fingers、狂い火、ドラゴンズ、月、腐れ神、宇宙、忌み子、褪せ人 この辺 ・今回はDEX脳筋ビルドかな~と思っていたのにいつのまにかSTRビルドになって大剣を振り回していた ・なんか迷い込んで1ザコ1000ルーンくれるエリアに飛ばされてしばしファーム かなりレベルあげた ・Spirit召喚つえ~!!しかも使い切りじゃないのか…と気づいた ・フィールド上のボスをトレントのりつつヒットアンドアウェイ戦法つよい ・下の方にいる魂界みたいなのすげえキレイだったけど敵が嫌すぎた 大弓を許さない ・このカニダクソ3で見た ・やっと杖ゲットしたし、やっぱINTもあげたい ビルドが迷子気味 ・最終的にバトルメイジビルドに STRとINTで杖・剣二刀流おいしい ボス関連 ・はじめに倒したのは学びの洞窟は除いて番犬だった、レベルアップがまだ出来なかったのでルーン失いたくて必死 ・マルギットつえ~ なんとなくムーブセットはゲールじいを思い出した けどディレイがマジしんどかった ・ゴドリックさんはマルギットよりは苦労しなかった、けど1度相打ちして狂ったのでNPCを呼んで勝った ・最初のとこにいるドラゴンつえ~!!!!後になってから遭遇したので倒せたけどこれ最初に事故るやつだ ・爛れた樹霊への道のりで頭がおかしくなるかと思った ・ボスといっぱい戦えるの楽しくないか…?楽しい…… ちょう…… ・羽とか尻尾生える騎士色々つまってて好きだけど強い ・Ancestor Spirit戦キレイだったし音楽すげえ好き ・月と女性性の概念、好きよな…… キレイだった… 子を殺す俺、いいんだろか…おもいつつやるのもなかなか震える、といいつつ普通に強くてすごい死んだ(大剣に火ヌメヌメしてR2アタックでひるませてクリティカルとれたのがでかかった) ・ラダーン戦 NPCお祭り、熱い だが、かた~~~!!!!最終的にマッパになって勝った ・Regal Ancestor Spirit戦、周りの動物で回復していることに気づかず力押しにて勝利 この戦いやっぱすげえ好き 自分らがやっとることの正当性を考えてしまう ・natural born of void戦、なんだこのボスデザインは…宇宙虫サイコ~…でもテレポート後の後ろからの掴み攻撃は許さないよ(HPが持たない) ・Elemer of the Briar戦、これオプシ���ナル?なんか装備品説明文が壮大に不穏 ・Godskin戦の曲 クソかっこいい ちょうすき ・でも逆さの塔(?)の橋上にいるふくよかなGodskinは許さない ・ガーゴイル×2戦、サンキュー……いつ来るかと思ってた 出血ダメージでかいから倒せた感あるよ 毒吐いてくるの怖いし歴代の中で1番1体の強さが光ってる気がする ・ライカード、TOGETHEEEEEの声の演技がすごくてちょとわらちゃったけど、すごい戦闘楽しかった ・キングギドラ… Elden Lordだったんだ NPC関連 ・Dung Eaterさんのお腹にあるのなに・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・↑これ……… いや…… そんな…… ・希望の体現が絶望の体現になるなんて、でも絶望が救済ならそれでいいよ 全部諦めていれば期待しなくていいし楽観的虚無主義というか ・「盲目的な楽観性(希望)」も現実にすれば盲目じゃなくて「希望」なんだけど、そこの地続きにある哲学なんかなあ(「相反」じゃない気もする) ・もう少しDung Eaterさんのことをちゃんと知らないといけない ・ケネスのクエスト進めてて、最初あんなだったのに意気消沈してて心がざわついた ・エドガーさんのクエスト悲しい気持ちになった、復讐のあとに死んだりしたら泣く ・エドガーさん…復讐霊になっとるやん…… ・今回のCrestfallenは女の子なんだね…ヒューグさんの弟子入りするのかな ・ボックがドビーみたいになった ・セレンさんに何をしたの…… 話を見てるとセレンさんを追い出した学派の……なんか…? ・セレンさん、ウーン。知を求めすぎたのか……野心で片付けて良いのか やるせねえ ・パッチ…♡ ・エビ売りさんの友達……; ・Thoppさん死んだ これはなんか察していた 大体知識と野望求めるとみんな死んでしまう、悲しい ・Dさん死んだ…… 双子のもうひとりもさがせず…フィアーーーーーッッッ HPが減るワナの後にこれはひどいでしょ ・でも死の包容は優しさでもあるんだろうな ・ロジェールさん死んだ?!!!!手紙がDさんのクエストっぽいけど死んじゃったよ ・Ranniさんクエストをずっと追っていて、Blaiddさんも同時に追ってたけど、最終的に闇霊との殺し合い…になって、Blaiddさん倒してからのRanni人形の"tell Iji and Blaidd, that I love them"に涙でてもうた BlaiddさんはTwo FingersにRanniさんの仕えるようにされた騎士?だから、RanniさんがTwo Fingersに背いた瞬間に狂ってしまうとIjiさんに聞いていて嫌な予感はしていたけど、大分思い入れが強くなってしまう 愛だよ ・Blaiddさん Ranniさんに指輪はめたあとに、Ranniさんのところへ飛んだらI am a part of her...みたいなセリフあって頭おかしくなるな しんど ぶっ壊れる ・ボックはそのままで良かったのに、どうなるか見たくて生まれ変わりルート入っちゃって……悲しい ごめん…… ・ヴァレーさんクエスト調べて進めちゃったけど、Mohgさん倒したあと突然戦闘なってビックリしてしまった。装備品はゲット出来ぬまま… ・ヒューグさん ヒューグさんの「why does the girl weep for me?」に涙でてしまった ・忘れてしまうことは救いでもあるかもしれん ・ローデリカちゃんとの距離感が本当によかった 諦めてしまっているもの同士が、それぞれの存在を理由に少し前に進めた感じがする。王になるね
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杖と剣の世界大戦
・同名側
フリードリヒ・ヴェルヘルム2世
フラン・ヨーゼンフ
エリザベド・アマーリエ・オイゲーニエ
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