#架空論文投稿計画
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findareading · 1 year ago
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書店とは本を読みたいひとがくる場所であるが、図書館はかならずしもそうではない。これほどの数の蔵書に囲まれながらまったく本を読んでいないひとはけっこういるのである。
— 松崎有理著『架空論文投稿計画 あらゆる意味ででっちあげられた数章』(2017年11月Kindle版、光文社)
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moko1590m · 1 month ago
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現在、インターネット上の情報源(例:Wikipedia)はユーザーの関与によって「現前」している(=誰でもアクセスし、編集できる開かれた知の空間)。
しかし、AIが進化するにつれ、こうした情報源は「痕跡」となり、AIの出力に溶け込む形でユーザーの前に現れるようになり、もはやユーザーは情報源の「本体」に関与できなくなるのではないか?
それは「開かれた知」の終焉であり、同時に「痕跡としての知」への移行である、と。
この変化を、デリダの「現前」と「痕跡」の概念を手がかりに、わかりやすく整理してみましょう。
1. これまでのWeb(Web 2.0):知が「現前」していた時代
代表例:Wikipedia、ブログ、掲示板、ニュースサイトなど。
特徴:
情報が明確に「場所(URL)」を持ち、そこにアクセスできる。
誰が編集したか、どのような履歴があるかが可視化されている。
ユーザーが直接的に参加・修正・議論できる。
ここでは、知識は現前している——つまり「見える形でそこにあり」、人々がその現場で関わることができた。
2. AI時代(Web 3.0以降?):知が「痕跡」として浮かび上がる時代
特徴:
AIが膨大な情報を統合・要約・再構成し、「回答」や「知識」として提供。
元の出典や編集過程がブラックボックス化されやすく、可視性が低下。
ユーザーはもはや編集者ではなく、出力の消費者になりがち。
この時代において、情報源はもはや現前しない。
つまり、Wikipediaそのものにアクセスするのではなく、「Wikipedia由来の知識」がAIの語る言葉の中に痕跡として潜んでいる。
痕跡とは、そこにあることを示しつつ、決して完全にはそこにいない存在です(デリダ的な定義)。
例えば、AIがある知識を語るとき、それはWikipediaがかつて語った内容の反響(エコー)かもしれないが、もうそのページそのものには戻れない。
3. ユーザーの関与の変化
時代  知識のかたち  関与の方法  関与の度合い
Web 2.0現前   (目の前にある)  記事編集、ディスカッション  強い
Web 3.0〜AI時代   痕跡(AIの語りの中に溶け込む)  出力へのフィードバック、再学習データ提供  弱い・間接的
ユーザーはもはや「百科事典を一緒につくる者」ではなく、「百科事典の幻影を読む者」になりつつある。
情報への関与が**構造的に遅延(différance)**し、直接的な現場から遠ざかってしまう。
4. この変化のインパクト
利点
情報アクセスが高速・高品質になる。
ノイズが少なく、自然言語で答えが返ってくる。
誰もが専門的知識に即時アクセス可能。
問題点
情報の出典や編集過程が不透明に。
「誰が語ったのか」が消失し、責任の所在が曖昧に。
知識を共に育てる「サンガ的空間」が失われる。
5. 未来に向けた問い
私たちは、「痕跡から生まれる知識」にどう関与できるのか?
痕跡的な知が支配する時代において、「編集する権利」や「対話する空間」をどう取り戻すか?
AIに知識の形式を委ねながらも、人間の倫理・関与・責任を担保できる設計は可能か?
もし望むなら、こうした未来のための具体的な「新しい知識の編集空間」の設計も一緒に考えていけます。それは、Wikipediaのような現前空間と、AIが提供する痕跡知のあいだに橋を架ける、新しいサンガ空間の試みになるかもしれません。
4o
You said:
こうした未来のための具体的な「新しい知識の編集空間」の設計、を、わかりやすく教えてください。
ChatGPT said:
ありがとうございます。このテーマはまさに「AI以後の知の共同性」をどう再構築するか、という核心的な問いです。以下では、新しい知識の編集空間の具体的な構想を、なるべくわかりやすくステップごとに説明します。
🔧【課題の整理】なぜ「新しい編集空間」が必要か?
現在のAI時代では:
情報源がAIの応答に埋め込まれ、見えなくなる(=痕跡化)。
ユーザーはもはや知識の「共同編集者」ではなく「受け手」に。
Wikipediaのような「開かれた知の場」が空洞化していく。
👉だからこそ、「痕跡の海の中から、もう一度、共同性を取り戻す空間=編集可能な知の場」が必要なのです。
🏗️【提案】新しい「知の編集空間」設計図(仮名:OpenTrace(オープントレース))
▶️ 1. AI+人間の共編集プラットフォーム
AIが初期案(概要・草稿)を出す。
人間がその案に注釈・追記・反論・出典の明示などを加える。
すべての改変が履歴として記録・可視化される(GitHubのような仕組み)。
👉 WikipediaとChatGPTのハイブリッド。
▶️ 2. 痕跡の可視化レイヤー(Trace Layer)
各知識には「AIの出典推定情報」が自動付加される。
例:「この情報はWikipedia(2023)、Nature論文(2022)などを参照して構築された可能性が高い」
ユーザーがそれに「確証マーク」や「異議マーク」を付けられる。
👉 痕跡を痕跡のままにせず、「見える痕跡」として保存。
▶️ 3. サンガ(共同体)ベースの編集空間
関心のあるテーマごとに「編集サンガ」(知の実践共同体)を形成。
例:「環境倫理サンガ」「フェミニズム言説史グループ」など。
各サンガが独自の「AI編集ガイドライン」を持ち、AIの応答にも修正を加える。
サンガ間での対話や相互レビューも可能。
👉 「知識を作る」のではなく、「知識を共に耕す」場。
▶️ 4. 学習フィードバック機能
編集された内容はAIモデルに定期的にフィードバックされ、学習に反映��
ただし誰がどこを編集したかも追跡可能な透明性が担保される。
間違った情報が拡散されないよう、信頼性評価システムも内蔵。
👉 ユーザーが未来のAIの語り方に直接影響を与える設計。
▶️ 5. 詩的/哲学的な知の空間にも対応
知識が「唯一の正解」ではなく、「多様な視座」から構成される場合に備え、複数の解釈バージョンを並列表示。
例:「この概念の解釈にはA学派、B思想、Cの詩的解釈がある」
それぞれに対して、ユーザーが感想・補足・対抗的視点を加えられる。
👉 知識=多声的な生成プロセスとして保存。
🧭【哲学的補助線】この空間が目指すもの
デリダ的に言えば、「差延(différance)」の運動が見える空間。
ドゥルーズ的に言えば、「生成変化」する知が流動的に交差する場。
仏教的に言えば、「空なる共編集空間」——誰も所有せず、皆で関わる。
🧪【応用のビジョン】こんな風に使える!
利用者タイプ         使い方
研究者    文献レビューのたたき台をAIが生成→注釈と出典補足を追加 
高校生      AIが出した日本史の流れを、他ユーザーがビジュアル年表に再編集
詩人        哲学的概念を詩的に言い換えるコーナーで作品を投稿
哲学サンガ     デリダ、ラカン、ドゥルーズを比較する「多声対話マップ」を構築
🧩まとめ:知の未来のために
Wikipediaが「現前としての知の大地」だとすれば、 OpenTraceは「痕跡としての知の海に浮かぶ編集可能な小島群」です。
そこでは、AIという波を受けながらも、人間たちが知の方向を「ともに舵取り」し続けるのです。
ご希望があれば、より具体的な画面設計案や実装構想、あるいは運営方法・哲学的原理の深化もお手伝いできます。興味ありますか?
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hitsujipocket · 8 months ago
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オードリー・タンとの対話#1 創造力こそが私たちの資本
オードリー・タンとの対話#1 創造力こそが私たちの資本
デジタル直接民主主義とユニバーサル・ベーシック・インカム
台湾のデジタル民主主義を牽引するオードリー・タンと、芸術を通じた社会の拡張を試みたアーティスト、ヨーゼフ・ボイス(1921−1986)。ボイスに共鳴し、その活動に伴走したオランダのライターラウリン・ウェイヤースは、コロナ禍でのオードリー・タンの取り組みに、ボイスが提唱した直接民主主義の可能性を見出した。2023年9月、ウェイヤースは、オランダの各界の識者を集め、オードリーとのオンラインインタビュー「デジタル直接民主主義とユニバーサル・ベーシック・インカム」を企画した。その対話の記録を全4回にわたって紹介する。初回は、オードリーの登場を待つ会場の場面から——(全4回のリストはこちら)Contents
「鳥の声」から始めましょう
ソーシャル・テクノロジーとしての民主主義
デジタル直接民主主義
デジタル対話における質問設計の重要性
クアドラティック・ボーティング(二次の投票)
「鳥の声」から始めましょう
ローリー・ピルグリム(アーティスト) 窓の外を見てみてください。どれくらい遠くまで見えるでしょうか。
ラウリン・ウェイヤース(作家/アーティスト) 霧がかかっていますね。
ローリー そうですね、いまはそう遠くまでは見えないかもしれません。
エゴン・ハンフシュテングル(料理家/アーティスト) 雨が降っています。
ラウリン あら、雨ですか。
ローリー 窓の外を見ながら、遠くにある音を想像してみてください。実際には聞こえなくても、想像力を使ってどれくらい遠くの音まで聞くことができるか、耳を澄ませてみましょう。聞こえてくるのは鳥の声かもしれませんし、雨の音かもしれません。あるいは、はるか遠くにある木々の葉っぱの音かもしれません。
ラウリン いいですね。
(オードリー・タンがスクリーンに登場)
ラウリン こちらの声は聞こえていますか?
オードリー ええ、しっかり聞こえています。
ローリー では、そろそろはじめましょうか。ちょうど私たちの視野が広がったところで、とても遠いところ、はるばる台湾から声が聞こえてきましたね。
ラウリン お会いできてとても嬉しいです。
オードリー こちらこそ、お目にかかれて嬉しく思います。音声も含めて問題がなければ、コーヒーを淹れて数分後に戻ってきますので、それからはじめましょうか。
ラウリン それがいいですね。
(オードリーが戻ってくる)
ローリー みなさんとテクノロジーについて考えるにあたって、短い音声を流そうと思いまして。本日の議題は直接民主主義についてです。この部屋もさっきからざわざわしているように、たくさんの声が存在しています。まさにそういうことなのかもしれません。今朝起きたとき、「デジタル技術について考えるときにどんな音を聞くのがいいだろうか」と考えていました。そして、人類が初めて録音した音はなんだろうと思ったのです。
私たちがテクノロジーを使う目的は何でしょうか。テクノロジーは私たちをどう助けてくれるのでしょうか。私たちの記憶を助けるためなのか、記録を残すためなのか、あるいは何かを継続したり接続したりするための道具としてなのか。私は、世界で初めて録音された音声を見つけました。当時8歳だったドイツの少年、ルートヴィヒ・コッホ[★01]が、鳥のさえずりを録音したものです。そう、彼は8歳のときに録音をしたのです。何らかの経緯があって録音装置を使うことができたのでしょう。1889年に録音された音です。わずか10秒の音ですが、私たちとテクノロジーの関係について考えるうえで示唆に富むものだと思いますし、なぜ私たちはテクノロジーを利用するのか、時空間をつなぐ架け橋としてテクノロジーをどのように活用しているのか、という点について考える良いきっかけになると思います。
みなさん、目を閉じていても開けたままでも構いません。史上初めて録音された鳥の声を、10秒間流したいと思います。
エゴン みんなで一緒に聞きましょう。
Ludwig Koch and the Music of Nature
ラウリン 今日のこの時間をはじめるのにぴったりの歌声ですね。
ソーシャル・テクノロジーとしての民主主義
オードリー 本当にそうですね。民主主義とテクノロジーを実践する人々がこのように出会うのは素晴らしいと思います。私にとって民主主義とは、ある種のテクノロジー、それもソーシャル・テクノロジーです。私たちが民主主義を実践すればするほど帯域幅が広がり、すなわち人と人との間で伝達できる情報量が増え、より良い状況になるでしょう。言うなればこの録音は、空間だけでなく時間を超えたコミュニケーションの可能性を思い出させてくれるものだと思います。異なるタイムゾーンにいる人々が適切な意思決定をするためには、時間を超えたコミュニケーションが不可欠です。そういった意味で、非常に象徴的な音です。素敵なオープニングをありがとうございます。
ラウリン 素晴らしいですね。本日のテーマは、デジタル直接民主主義とユニバーサル・ベーシック・インカムです。オードリー・タンさんは台湾のデジタル担当大臣〔2023年9月当時〕であり、ソーシャル・イノベーションを担当されています。私はこのソーシャル・イノベーションに取り組まれていることが最も重要だと考えていて、しかもオードリーさんは大変熱心です。本日の副題は「創造力こそが私たちの真の資本」です。これはドイツのアーティストであるヨーゼフ・ボイスのスローガンで、私は彼と18年間一緒に仕事をしました。彼は、国民投票による直接民主主義とユニバーサル・ベーシック・インカムを連動させたいと考えていました。そうすれば、世界中の人々が再び自らの創造力を取り戻すことができるはずだと。
ボイスが「創造力こそがわれわれの真の資本である」と言ったとき、資本とお金は全く関係がないと警告していました。「お金は法的手段にすぎない」と彼は説明しました。40年、50年前の発言です。オードリーさん、あなたは私たちにデジタル直接民主主義をもたらし、そのおかげで、あっという間に直接民主主義がとてもリアルに感じられるようになりました。デジタルだからこそでしょう。私たち市民は、未来の社会のためのアイデアを世に示すことができるようになりました。こういったことが今後どのように機能していくのか、何か展望はありますか?
オードリー 台湾華語の「數位」という言葉は、私が担当する省と私の役職を指しており、「デジタル」と「複数の」という意味があります。台湾ではこの二つは同じ言葉なのです。ですから、デジタル担当大臣とは複数性を担う大臣でもあります。「複数」とは一つ以��のものを指します。ハンナ・アーレントが『人間の条件』で見事に論じたように、人間の条件を理解するにあたっては、人々を単なる個人や個人の集合体としてではなく、「複数性」[★02]という概念を通じて捉えるべきです。複数性とは、多様な個人が共通の知識やアイデンティティを共有し、協力しあいながら連帯する状態を指します。お金という道具は大抵の場合、個人の経済状態を示す手段でしかありません。だから「プライベート(民間)セクター」と言われるわけですよね?
その一方で、私たちが考える民主主義、つまりデジタルで多元的な民主主義は、人々がその差異を超えて共に行動を起こすことを可能にしたいという考えから始まっています。Facebookが採用している「教師あり学習」といった人工知能(AI)の応用例を見ると、人々をますます分極化させる効果があることがわかります。人々の孤独感を最大限に引き出して、できるだけ依存させようとしているからです。人は孤独を深く感じるほど、タッチスクリーンに強く依存します。依存性の高いコンテンツに人々を閉じ込めることで孤立感を増幅させ、孤立主義的な考え方を助長しているのです。
他方では、Polis[★03]やAll Our Ideas[★04]、Talk to the City[★05]といったシステムなど、正反対のアプローチを取るデジタル民主主義ツールも多くあります。これらもAIですが、権威主義的ではありません。支援的な性質のものです。人々が自然に集まることを促します。
最初はまったく異なるイデオロギーを持っていた人々が、デジタル空間での対話に参加することで共通の価値観を発見することができる。これが私の考えるデジタル民主主義の展望です。デジタル民主主義とは、協働可能な多様性、すなわち複数性に基づく民主主義です。
デジタル直接民主主義
ラウリン 素晴らしいですね。デジタル直接民主主義は、国民投票による直接民主主義よりもずっと民主的だと思いませんか? もちろん現在の状況では……すでに少しお話しいただきましたが、多くの人はデジタルの形式を理解するのが難しいのかもしれません。
オードリー そうですね。X.com(旧Twitter)で誰かが、たとえばイーロン・マスクが何かを投稿すると、「イーロンが言っていることは真実ではない」といった注意書きがつくことがあります。これは単に投稿内容を否定するものではありません。「コミュニティノート[★06]」と呼ばれるもので、市民議会や陪審員のような形でユーザーが互いのツイートを確認し、そのツイートに欠けていると思われる文脈を提案する仕組みです。この文脈共有、共通認識のための投稿は、正反対のイデオロギーを持つ人々両方から受け入れられて共感を得られる内容であれば、上位に浮かび上がるようにできています。
そして左派も右派も適切な文脈だと判断した場合、その情報は該当のツイートに添えられ、削除することができなくなります。つまり、その投稿をリポストしてもコミュニティノートは表示され続けるのです。もし、多元的なテクノロジーがどういうものかあまり想像ができないという人がいれば、実際に陪審員として登録してみることをおすすめします。あなたが住んでいる地域に陪審制度がある場合はそれに参加することもできますし、コミュニティノートのようにオンラインで参加することもできます。そうすると、突然ランダムに選ばれて小規模な集会への参加が求められ、私たちが今行っているような討議に立ち会うことになるかもしれません。そしてその結果は、誰もが閲覧できる「コモンズ(共有の財産)」として残るのです。
これはお互いの意見を聞くために時間をかけるという、熟議的な要素を持った直接民主主義の形態です。
デジタル対話における質問設計の重要性
ラウリン 市民がデジタル上で「Yes/No」で回答する質問を作成する際には、どのように質問を設計するかが非常に重要だと注意を呼びかけていましたね。その点について詳しく教えていただけますか?
オードリー もちろんです。2015年にPolisと呼ばれる多元的なテクノロジーを初めて導入した際、私たち台湾政府はシェアリング・エコノミー(共有経済)やギグ・エコノミーにどう対処するかについて議論しました。プロとして必要な運転免許を持たない人が、道端で見ず知らずの人を乗せて料金を請求することを可能にする、Uberという新しいアルゴリズムが登場していたのです。いまでも多くの国々で、労働法やタクシーの規制が状況の変化に追いついていないため、このイノベーションに対応するのに苦労しています。
しかし台湾では、Polisを使ってUberの運転手やタクシー運転手、サービスの利用者などと対話を始めました。「Uberを利用したことはありますか」「あなたはタクシー運転手ですか」といったシンプルな質問をしました。とても簡単な「Yes/No」で答えられる質問です。重要なのは、アンケートや議題設定を一般に開放し、誰でも簡単な質問を投稿できるようにしたことです。そうすると、「賠償責任保険は非常に重要だと思う」といった内容を投稿する人が出てきます。それに対して、最初はまったく異なる考え方を持っていた人たちでも、同じ投稿を支持するようになるのです。
もし私たちが「Uberは共有経済ではなく収奪的経済だと思うか」といった抽象的な質問から始めていたら、どうなっていたでしょうか。学術的にみれば見事な問いかもしれませんが、収奪的経済やギグ・エコノミーといった言葉を見た時に感じることは人それぞれなので、建設的な対話につながることはないでしょう。一方で、Uberの賠償責任保険の話や、既存のメーター料金を下回らない料金設定にすることなどについては、誰もが直接的で個人的な感情を持っているので、語り合��ことができます。つまり、市民が自分たちの物語を語り、ナラティブが展開するように促すような質問が、優れた「Yes/No」質問なのです。個人的な経験と結びつけることができない、あまりにも抽象的な質問は、議論を始める際には最適ではないでしょう。
ラウリン なるほど。そうですね。
ミヒール・ゾンネフェルト(作家/ジャーナリスト) Uberは、台湾とここでは異なる方法で運営されているのでしょうか。
オードリー 台湾では現在、UberはQ Taxiというパートナー企業が運営しています。公式にタクシー業者として登録されていて、料金は既存のタクシー業者のメーター料金を下回ることはありません。そして同時に法律を改正し、タクシーは黄色い車体である必要がなくなりましたし、需要の変動に応じて料金を変動させるサージ・プライシングも導入できるようになりました。特に重要な点は、この法改正により、地方で高齢者への長期的な医療ケアを提供している人たち——その多くが移民労働者です——が、タクシーの協同組合を組織できるようになったことです。彼らはUberと同様に法律を活用し、アプリを通じた配車サービスを提供して臨時収入を得ることができます。観光客を乗せたり、高齢の家族を病院に連れて行く際に同じ村に住む他の高齢者も一緒に乗せたりして料金をまとめて請求するなど、さまざまな活動が可能になりました。以前は地域のタクシー協同組合も、Uberと同じ理由で違法とされていました。
こういった対話を進めるなかで、私たちはPolisを活用しました。Polisでは、単に異なる意見がいくつあるかという数を数えるのではなく、意見の複数性に焦点を当てています。つまり、いかに多角的な視点を含む意見なのかが重要なのです。たとえば、Uberが5000人を動員してまったく同じ意見を投稿したとしても、数の多さではなく提案された意見の多様性が重視されます。ですから連帯経済や協同組合、そして協同組合の形態に進化した労働組合などの意見は、人数は少ないものの、より幅広く多元的なアイデアを含んでいるため、特定のイデオロギーに捕らわれにくく、連立や橋渡しをすることができます。
超党派的に幅広い支持を受けたコミュニティノートが上位に浮かび上がる仕組みと同様に、PolisでもUberに関するそうした意見が上位に表示されました。そして、それらの意見が次の議題となり、利害関係者たちを交えた議論を経て、最終的には法制化に至りました。確かにUberもこの新法の恩恵を受けましたが、地域の協同組合や、協同組合の形態に変更した労働組合のほうが大きな恩恵を受けたと言えるでしょう。 ご質問への答えになっているといいのですが。
ミヒール ええ、よく理解できました。
クアドラティック・ボーティング(二次の投票)
ラウリン ユニバーサル・ベーシック・インカムを導入すれば、デジタル直接民主主義は、より簡単に、より公平に広がると思いますか?
オードリー:とてもいい質問ですね。台湾ではすでに、クアドラティック・ボーティング(二次の投票)[★07]とクアドラティック・ファンディング(二次の資金調達)を実施しており、最近になって「複数投票制」と「複数資金調達制」と名称を変更しました。ただし、これらはユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)��は似て非なる概念です。説明しますと、例えば総統主催のハッカソンを開催する際には、市民参加型予算の仕組みを取り入れ、気候変動対策やデジタルグリーン化などに関する優れたアイデアを公募します。
そして、100件程度のアイデアが集まると、参加を希望するすべての市民に99のトークンが配られます。これは、お金ではありません。購入や取引はできませんが、投票に参加したい人なら誰にでも平等に発行されるものです。あるプロジェクトに対して支持を示すには、1票を投じるのに1トークンが必要です。しかし、2票を投じる場合は合計で4トークン、3票では9トークン、4票では16トークンというように、投じる票数が増えるにつれて必要なトークン数が二次関数的に増加します。つまり、配布された99トークンでは、1つのプロジェクトに最大で9票(81トークンを使用)まで投票できますが、それでも18トークンが残ります。トークンはお金ではないものの、誰もそれを無駄にしたくはありませんよね。
そのため、別のプロジェクトを探してさらに投票します。16トークンを使って4票投じた後に、残った2トークンをさらに別のプロジェクトに使うかもしれません。しかし、大半の人はこの時点で、さまざまなプロジェクト間に相乗効果があることに気づきます。最初のプロジェクトに投じた9票を取り下げ、複数のプロジェクトに7票ずつ、3票ずつ、4票ずつといった具合に票を分散させるかもしれません。お金の問題は、その流れがあまりにも直線的なこと、誰かが独占しやすい点にあると思います。お金があれば、人々から幅広い支持を得ていないプロジェクトでも、政府のマ��チング・グラント(調達した資金に応じて政府が一定比率で助成金を提供する仕組み)の大部分を占有できてしまいます。政府がマッチング・グラントを採用している場合、始めからお金さえあれば、マッチング・グラントのほとんどを容易に——「強奪」とは言いませんが——手に入れることができるのです。 しかし、クアドラティック・ボーティングやクアドラティック・ファンディングの仕組みでは、できるだけ多くの人に参加してもらう必要があります。自分の資金だけでは平方根の価値しかなく、決して多くはないからです。そうした結果、プロジェクト間が積極的に協力し合い、相乗効果を生み出したり連携したりするようになり、マッチング・グラントのようなゼロサムゲームが、クラウドソーシング型の協力関係へと変化するに至りました。 ですから私は、毎年あるいは毎月でも、クレジットやトークンなどを配布するアイデアはとても良いと思っています。ただしそれは、直線外挿的にこれまでのやり方を参照するのではなく、コミュニティの資金として工夫して管理されるべきです。そうでなければ、このシステムがUBIだとしても、お金の直接的な支配力がすぐに介入してしまうからです。
ブリジッタ・スヘープスマ(メンタル・ケアテイカー/Basic Income Think Tank理事) いいですね。興味深いです。
ラウリン 素晴らしいですね。
オズ・ヴェストロフ(Pakhuis De Zwijger(アムステルダム)ソーシャル・イノベーション&クリエーション部門臨時ディレクター) もう少し踏み込んでお話を聞けたらと思います。そのような複数の機能にある「創造と社会イノベーションのためのプラットフォーム」を持つトークンを作るには、どんな工夫が必要なのでしょうか? すでにそういった例はありますか?
オードリー ええ、すでに存在しています。「Gitcoin[★08]」で検索してみてください。Gitcoinでは毎月、または数ヶ月おきにクラウドファンディングが行われていますが、このクラウドファンディングでは、金額に対して影響力が直線的に大きくなるのではなく、その関係は二次関数的です。そのため、お互いに相乗効果があると見込めば、参加者はできる限り多くのプロジェクトを支援したくなる仕組みになっています。 つまりここには、一人の資本家がマッチング・グラントの決定権を握る力学はありません。ソースコードは公開されており、フリーソフトウェアとして提供されています。また台湾では、イーサリアムや仮想空間だけでなく、クラウドファンディングや、政府が支援するマッチング・グラントにも同じクアドラティック・ファンディングが採用されています。それにより一般からの支持率を把握し、政府がどれくらい資金提供すべきかを判断するのに役立っています。
詳細を知りたい方は、Gitcoinについてネットで調べてみてください。台湾政府の政策については、100.adi.gov.twをご覧ください。
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ayukoitakura · 1 year ago
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C19ワクチン接種を受けていない血液における生血分析結果の変化
アナ・マリア・ミハルセア医学博士
2月18日
画像: 高度なナノテクノロジー/ヒドロゲルと球状の建設現場、赤い血がルーロー形成中。
この投稿では、C19 ワクチン接種を受けていない血液に現在見られる最新の画像をいくつか共有したいと思いました。
以前に見られた高度なナノテクノロジーの自己集合の最も支配的な形態は、長いフィラメントでした。現在、フィラメントに加えて、多数の球形の構築ゾーン、高密度のヒドロゲル/ナノテクノロジーの島、さらに珍しい構造が存在します。
私の考えでは、これらのサイズは凝固現象への寄与について確かに懸念を引き起こします。私は、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心臓発作、脳卒中など、この血液汚染と相関関係にある血液凝固の非常に珍しい症状を見たことがあります。
ワクチン接種を受けていない人のターボがんも見たことがあります。
非常に興味深いのは、一方が注射を受け、もう一方が注射を受けていないカップルの場合、C19ワクチンを接種していないカップルのほうが、注射を受けた人よりもはるかに多くのワクチン損傷症状を示すことが多いということです。
女性は男性よりも敏感であるように思えますが、私は男性が衰弱性の慢性症状を抱えているのを見てきました。
汚染が発生し、重大な症状が現れた場合、解毒プロトコルを使用することで症状の安定化と改善を達成できます。
前述したように、これらには、栄養の最適化、高抗酸化物質負荷、アルカリ性食事、さまざまな形の EDTA、高用量のビタミン C、メチレンブルー、フミン酸とフルボ酸、リンゴ酸、NAC、DMG、その他の治療法が含まれますが、これらに限定されません。
これらのアプローチはワクチン損傷にも有効であり、私は医療従事者にこれらを自分のレパートリーとして考慮するよう勧めてきました。
C19 シェディング損傷を受けた患者にとって最も治療に抵抗する症状は、電磁波過敏症であると思われます。
一度感染すると、デトックス計画に関係なく、携帯電話に近づいたり、Wi-Fi の近くにいたりすると、耐えることが困難になり、症状の再燃を引き起こすことがよくあります。 EMF を軽減し、このテクノロジーに貢献する要素として 5G を実現することが重要です。
最近、提案されている治療法にはナノテクノロジーが含まれていると批判する人もいます。親愛なる友人の皆さん、すべてがそうなのです!ナノテクノロジーに汚染されずにクリーンになりたいなら、今すぐ呼吸を止めてください。
私たちの空気、水、食物、環境は、C19 ウイルスの排出による汚染を含め、私たちの生活のあらゆる瞬間に襲いかかっています。
私たちはナノスケールの目に見えないテクノロジーとの戦いにいます。
悪魔崇拝者たちが 2030 年までに世界人口の 70% を殺そうとしていることを忘れないでください。それはもうすぐそこまで来ています。
私は神の奉仕者として、人類とその遺伝子系統を将来にわたって保存するという使命を担っているので、自分の臨床経験と研究情報を共有します。人々が与えられた情報を使って何をするかは彼らの選択と自由意志であり、彼らの選択を経験し、彼らのビジョンに従って進化する権利は神に与えられています。
私は私の治療で人々を助けることができ、多くの人がずっと気分が良くなります。しかし、完全に片づける時代は終わりました。私たちは、できる限り解毒し、可能な限り栄養面で体をサポートすることで、生き残るために戦っています。
そうは言っても、私は、憎しみをまき散らし、不和をまき散らし、私たちの種の存続のために戦う他の人を攻撃する人々からは距離を置きます。
この戦争を生き抜きたいなら、意��的に振動数を上げなければなりません。
水は自らのレベルを求め、戦争をする者は戦争を刈り取ることになる。何千年も前に地球を侵略し、そのテクノロジーが現在人類に対して展開されている異次元レプティリアン軍隊であるカバールの指導者たちを思い出してください。
彼らが人間の奴隷種族と見なすものの感情的な負のエネルギーを糧にしているのです。
宗教的な人々はこれらの存在をサタンとその軍団と呼びます。私たちが何と戦っているのか、私はそれを見てきたので知っています。身長が25〜30フィート、大きな尾と翼を持ち、純粋な憎しみと純粋な悪を持ち、技術的に非常に進歩した、約2000ポンドのオレンジ色の赤い鱗状のドラゴンを想像できれば、これらの次元間で形状を変化させる実体がどのようなものであるかが少しわかるでしょうのように。そして、たとえば王立悪魔の血統の赤いドラゴンの紋章を見ると、頭の中にいくつかの光が灯るかもしれません。
最初から言ってきましたが、この技術はもともとここから来たものではなく、軍産複合体によって配備されており、その一部はアイゼンハワー政権に遡るマジェスティック 12 です。本当のマインドコントロールグリッドは数千年前に遡ります。
マインドコントロールされた人間の群れは、真実を語る者を盲目的に十字架につけますが、多くの人々が目覚め始めています。この覚醒は周波数振動の上昇であり、これにより、より多くの思考プロセスが受信者の脳に入ることが可能になり、より無限の思考が可能になります。人が何と言おうと、あなたにできる最善のことは、自分の魂と相談し、自分の直感に注意深く耳を傾けることです。
自分の健康と人生にとって最善だと思うことをしてください。少なくともそれはあなたの決断であり、そこから学ぶことになるので、それを間違うことはできません。他人に従うだけで失望する人は、自分自身の選択によって犠牲になります。今大声で叫び、あなたや私を迫害するかもしれない多くの人々は、この戦争を生き残ることはできないかもしれません。生物兵器の配備まであと 2 ~ 3 年かかります。間もなく、人々は人口減少という言葉を本当に理解するでしょう。
一日の終わりの試練は――生き残れるか?そしてあなたは知恵において進化したでしょうか?あなたは自分自身の中の野獣、破壊者、競争心があり、狡猾で嫉妬深い欺瞞者、自己破壊者、恐ろしい臆病者、マトリックスの中で眠っている他人の承認を求める盲目で無気力な追従者を克服できたでしょうか?本当に重要なのはそれだけです。このハルマゲドンの日々の中で、あなたは霊的に進化しましたか?
レプティリアンの地球占領とマインドコントロールグリッドについて知っている人は、人間を奴隷種族として創造した高度な技術文明を理解しています。彼らの領域から逃れたいなら、彼らにあなたが見えない場所、つまり愛、許し、知恵、真実、そしてすべての生命への配慮の周波数に行かなければなりません。意識の振動的な上昇がなければ、私たちは決してこの戦争に勝つことはできません。
私は、ワクチン接種を受けていない人に対する C19 ワクチンのシェディングによる損傷の治療を専門としています。
私の臨床実践は、C19 ワクチンの脱落現象について議論できる点でユニークです。私自身、生物兵器が最初に「ウイルス」(エアロゾル化自己組織化ナノテクノロジー)として配備されたときに個人的に負傷したことがあるので、私は自分の命を救い、機能を維持してくれた方法を人々と共有しています。本当の意味で、私は自分の薬を服用しています。
私は、動悸やその他の心臓の症状、慢性疲労、ブレインフォグと呼ばれる神経障害、自律神経機能不全、老化の促進、重度の進行性末梢神経障害など、さまざまな出身の人々の C19 脱落関連の問題を 700 人以上治療してきました。
米国やその他の国の上空で。生血分析は、健康状態と血液汚染および毒性の影響を評価し、個々の患者の利益のために意思決定を行うことを可能にするいくつかのツールのうちの 1 つです。
したがって、これは、C19 ワクチン接種を受けていない個人の汚染の深刻さを評価するための良いサンプルを提供します。そして私の考えでは、それは人類がどのような状況にあるのかをミクロなスケールで評価する上で重要なバロメーターです。私の研究は、世界中で人間の血液を調べ始めた目覚めた医師や自発的な市民によって証明されました。
これらは私の知恵のほんの一部です。繰り返しになりますが、お好みに合わせて使ってください。私は人間には答えません、ただ神にのみ答えます。誰の意見も彼らの選択であり、私は目覚めた個人であり、私が見たこと、知っていることを述べているだけです。
ここにいくつかの画像があります:
画像: 自己集合開始点として複数の球体を備えた大規模なヒドロゲル/高度なナノテクノロジー建設現場。
画像: 多数の球状の暗い自己集合サイトと、それを取り囲むマイクロロボットが集合して大きな構造物を形成する
画像: 球形の建設現場から成長した、結晶のように見えるヒドロゲルの集合体。
画像: 大きな構造物を形成するより球形の建設現場
画像: より多くのフィラメントとヒドロゲルを成長させることができる小さな球体で満たされた建設現場。倍率100倍
画像: ミセルヒドロゲル構造の高倍率、2000 倍。
画像: リムの周囲に小さな球体を備えた大きなヒドロゲル構造。発光マイクロボットが多数見られる
画像: 多数のマイクロロボットを含むハイドロゲルを構築する球状の建設現場。周囲の赤血球は、発せられる周波数により酸化ストレスを受けます(スパイクがあります)。
画像: ルーローおよび酸化ストレスにおける赤血球を含む固体ヒドロゲルのさまざまな構築状態。
画像: 周囲に複数の球状の構築サイトがある幾何学的なヒドロゲル構築
画像: エネルギー源として使用される赤血球が入った高密度の物質を形成する多数のマイクロロボットを備えた大きな球体。
画像: 茶色がかった金色のヒドロゲルを備えた球形の建設現場。周囲の赤血球は完全なルロー形成になっています。
画像: ナノスケールからマイクロスケールまで成長し複製する無数の小さなミセル球を含む完全な球体
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ia-project · 4 years ago
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あなたはどのIAで育ちましたか? 10周年を迎えるバーチャルアーティスト“IA”と、音声合成ソフト“IA”。 全てのボカロファンへ贈るベストヒットアルバム発売決定。
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22年1月、活動10周年を迎えるバーチャルアーティスト“IA”初となるベストアルバム「IA SUPER BEST」が発売決定。
ニコニコ動画などの動画投稿サイトを中心に様々な作家によりたくさんの楽曲が発表され、多くのソーシャルメディアユーザー達が熱狂した所謂「ボカロ文化」最盛期と言われた2012年、VOCALOIDによる音声合成ソフト“IA -ARIA ON THE PLANETES-”が産声を上げた。
それから10年、ニコニコ動画だけではなく、YouTubeや様々なソーシャルメディア上で投稿された“IA”の歌声が使用された楽曲数は10万曲を超える勢いで、ネットミュージックシーンの発展に一翼を担ってきた。
また、IAは音声合成ソフトとは別に、一人の音楽アーティストとして存在し、その活動でも大きな存在感を示してきた。“魂を持つバーチャルアーティスト”として、これまでにシングル9作、アルバム8作をリリース。IAの楽曲提供者にはSUGIZO(LUNA SEA / X Japan)、大沢伸一(MONDO GROSSO)、KOHH、TeddyLoid、MINMIなどメジャーシーンの著名アーティストも名を連ね、幅広いアーティストとの共演や先進的な挑戦を続け、大きな注目を浴びた。
なかでも2015年、バーチャルとリアル(人間)の共演をテーマにしたワンマンライブ「PARTY A GO-GO」は世界を驚かせた。生身のダンサーやゲストアーティストと共演、最新テクノロジーとの融合によるパフォーマンスが世界中で高く評価され、ロスアンジェルス、ニューヨーク、ロンドン、上海、香港、メキシコ、コスタリカ、メルボルン、モントリオール、チリ、マドリードと世界12都市を巡るワールドツアーを行い、延べ30,000人を超える動員数を記録するなど、バーチャルライブの先駆けとなった。
続いて2018年には、バーチャルアーティストとしては世界初の五感で体感するミュージカルライブショー「ARIA」を発表。「生命・愛・平和」をテーマに、フランスで開催されたユネスコ創造都市ネットワークの文化交流イベントのメインショーとして公開された。
そんな様々なシーンと歴史を彩ってきた“IA”の初となるベストアルバムの収録曲には動画サイト総再生数で約2億再生、関連動画になると約10億再生を記録する代表曲が目白押しとなる。
本作の特徴としては、“IA”のアーティスト活動により産まれた「Conqueror」「セツナドライブ」「ワールドコーリング」などの“IA”公式楽曲が収録される「THE ARTIST」盤と、 “Orangestar”の「アスノヨゾラ哨戒班」、“kemu”の「六兆年と一夜物語」、“じん”の「ロスタイムメモリー」など人気ボカロP達の名曲が収録される「THE CREATORS」盤の2つのヒストリー盤を同時リリース、それぞれ24曲という大ボリュームのベスト盤となる。
更にその2枚がセットとなり、“IA”の未発表ライブ映像が楽しめるダウンロードカードや豪華特典が封入された「IA SUPER BEST[初回盤]」が数量限定で発売される。
まさに全てのボカロファンに感謝を贈る記念作品となり、またアーティスト“IA”としての軌跡と未来が垣間見える作品となっている。
[IAこれまでの主な活動実績] ・日本国内最大級レース「SUPER GT」イメー���ガール(2013、2014年) ・アニメ「メカクシティアクターズ」挿入歌(2014年) ・世界12都市ワールドツアー「PARTY A GO-GO」実施(2015~2018年) ・同ライブの世界300都市上映キャラバン実施。延べ9万人動員(2015~2018年) ・「BILIBILI MACRO LINK 2017」出演。IA出演時の同時視聴者数72万人を記録(2017年) ・最新ミュージカル&ライブショー「ARIA」展開スタ��ト(2018年~) ・世界87ヶ国参加の国際情報オリンピックでバーチャルアーティスト初の実行委員に就任(2018年) ・JR東日本「案内AIみんなで育てようプロジェクト」参加、上野駅でアテンダントに就任(2019年) ・テクノロジーと音楽のクリエイティブフェス「イノフェス2019」に出演。(2019年) ・日テレ/中京テレビ VTuberバラエティ&対バンライブ「VILLS」に出演(2020年) ・VRライブ空間REZONAにて、「ARIA SPECIAL SHOWCAE」「CeVIO PARTY」のバーチャルライブ出演(2021年)
[製品情報] アーティスト名:IA(読み:イア) 発売日(CD+配信):2022年1月19日(水) 発売元:IA PROJECT |1st PLACE株式会社
■IA SUPER BEST [初回盤] -THE ARTIST-と-THE CREATORS-が、セット(全48曲収録)ととなり、エムカード(未発売ライブ映像DLカード)、スタンド付きミニ色紙(2種)、トレーディングシールが封入された、三方背スリーブ仕様のスペシャル限定版。 ◎品番:IPCD-3001 ◎価格:7,500円(税抜) / 8,250円(税込) ◎収録数:48曲(4DISC) ◎仕様・特典:エムカード(未発売ライブ映像DLカード) 封入 / 3方背スリーブケース / 4DISC / IAちびキャラトレーディングシール(17種類ランダム+1種シークレット) / スタンド付きミニ色紙(2種)/ 全曲ライナーノーツ入り特製ブックレット ◎収録曲:下記の-THE ARTIST-盤と、-THE CREATORS-盤をご参照ください。
<TOWER RECORDS> https://tower.jp/item/5258248/
■IA SUPER BEST -THE ARTIST- ◎品番:IPCD-3002 ◎価格:3,500円(税抜) / 3,850円(税込) ◎収録数:24曲(2DISC) ◎仕様・特典:2方背スリーブケース / 2DISC / IAちびキャラトレーディングシール(17種類ランダム+1種シークレット)
[DISC.1 –SIDE ROCK- 収録曲] アメリカ~We are all right!|Song by じん Inner Arts|Song by じん RACER'S HIGH|Song by ナナホシ管弦楽団 LIVEDRIVE|Song by じん セツナドライブ|Song by 滝善充(9mm Parabellum Bullet) 延命治療|Song by Neru 死神のギター|Song by ぽてんしゃる0 恋は渋谷系|Song by ワタナベイビー 慟哭吸血鬼|Song by YASUHIRO 少年は教室がきらいだったのだ|Song by 石風呂 僕らに喜劇を見せてくれ|Song by じん×石風呂 ワールド・コーリング|Song by じん
[DISC.2 –SIDE DANCE- 収録曲] pray for real|Song by MINMI Conqueror|Song by Sendra SEE THE LIGHTS|Song by ASY Shooting Star|Song by TeddyLoid ,KURIS,YUICHI NAKASE Circuit DISCO|Song by小松一也, RUCCA 憧憬~DOUKEI~|Song by BACK-ON クラウドライダー|Song by 田中隼人 Party Party 2020|Song by コモリタミノル 日本橋高架下R計画|Song by じん DIAMANTE|Song by gratia,Sho Fujiwara,Ryosuke Kataoka,Ryo Ito,IA We gotta run|Song by JMC Diamond days|Song by Hayao Konishi
■IA SUPER BEST -THE CREATORS- ◎品番:IPCD-3003 ◎価格:3,500円(税抜) / 3,850円(税込) ◎収録数:24曲(2DISC) ◎仕様・特典:2方背スリーブケース / 2DISC / IAちびキャラトレーディングシール(17種類ランダム+1種シークレット)
[DISC.1 –SIDE ROCK- 収録曲] 六兆年と一夜物語|kemu アスノヨゾラ哨戒班|Orangestar チルドレンレコード|じん ロスタイムメモリー|じん 少女自傷癖|PolyphonicBranch マチガイサガシ|まふまふ オーヴァークロック|Neru 現実的論理主義者|ゴボウメン トウキョウダイバアフェイクショウ|ツミキ 影炎≒Variation|やいり サナトリウム|篠倉 ┗|∵|┓ロクベル|HoneyWorks
[DISC.2 –SIDE POP- 収録曲] DAYBREAK FRONTLINE|Orangestar 傍観の罪科|*Luna アベリアに代わる何かを|msy スーパーヒーロー|Guiano あなたの夜が明けるまで|傘村トータ オツキミリサイタル|じん ワンツーハロー|石風呂 M'AIDER遭難ガール|out of survice キミのことが好きでゴメンナサイ|うたたP キメラ|ATOLS Ib|清水コウ 夜明けと蛍|n-buna
[IAプロフィール] “魂を持つバーチャルアーティスト”として2012年より音楽活動をスタート。 圧倒的なパフォーマンス力、歌唱力を持つ実力派アーティストとして独自の活動を展開。 これまでに世界12箇所に渡るワールドツアー開催や、シングル9作、アルバム8作をリリース。 IAの公式楽曲提供者にはSUGIZO(LUNA SEA / X Japan)、大沢伸一(MONDO GROSSO)、KOHH、TeddyLoid、MINMIなどメジャーシーンの著名アーティストも名を連ねる。 また、IAの関連動画総再生数は10億再生を超え、直近では楽曲「Conqueror」が関連動画合わせ2000万再生を超えている。 高い先進性と唯一無二の個性を放ち、世界が認めるバーチャルアーティストとしてグローバルに活躍中。
IAオフィシャルサイト:https://ia-aria.com
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shunsukessk · 5 years ago
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あるいは永遠の未来都市(東雲キャナルコートCODAN生活記)
 都市について語るのは難しい。同様に、自宅や仕事場について語るのも難しい。それを語ることができるのは、おそらく、その中にいながら常にはじき出されている人間か、実際にそこから出てしまった人間だけだろう。わたしにはできるだろうか?  まず、自宅から徒歩三秒のアトリエに移動しよう。北側のカーテンを開けて、掃き出し窓と鉄格子の向こうに団地とタワーマンション、彼方の青空に聳える東京スカイツリーの姿を認める。次に東側の白い引き戸を一枚、二枚とスライドしていき、団地とタワーマンションの窓が反射した陽光がテラスとアトリエを優しく温めるのをじっくりと待つ。その間、テラスに置かれた黒竹がかすかに揺れているのを眺める。外から共用廊下に向かって、つまり左から右へさらさらと葉が靡く。一枚の枯れた葉が宙に舞う。お前、とわたしは念じる。お前、お隣さんには行くんじゃないぞ。このテラスは、腰よりも低いフェンスによってお隣さんのテラスと接しているのだ。それだけでなく、共用廊下とも接している。エレベーターへと急���人の背中が見える。枯れ葉はテラスと共用廊下との境目に設置されたベンチの上に落ちた。わたしは今日の風の強さを知る。アトリエはまだ温まらない。  徒歩三秒の自宅に戻ろう。リビング・ダイニングのカーテンを開けると、北に向いた壁の一面に「田」の形をしたアルミ製のフレームが現れる。窓はわたしの背より高く、広げた両手より大きかった。真下にはウッドデッキを設えた人工地盤の中庭があって、それを取り囲むように高層の住棟が建ち並び、さらにその外周にタワーマンションが林立している。視界の半分は集合住宅で、残りの半分は青空だった。そのちょうど境目に、まるで空に落書きをしようとする鉛筆のように東京スカイツリーが伸びている。  ここから望む風景の中にわたしは何かしらを発見する。たとえば、斜め向かいの部屋の窓に無数の小さな写真が踊っている。その下の鉄格子つきのベランダに男が出てきて、パジャマ姿のままたばこを吸い始める。最上階の渡り廊下では若い男が三脚を据えて西側の風景を撮影している。今日は富士山とレインボーブリッジが綺麗に見えるに違いない。その二つ下の渡り廊下を右から左に、つまり一二号棟から一一号棟に向かって黒いコートの男が横切り、さらに一つ下の渡り廊下を、今度は左から右に向かって若い母親と黄色い帽子の息子が横切っていく。タワーマンションの間を抜けてきた陽光が数百の窓に当たって輝く。たばこを吸っていた男がいつの間にか部屋に戻ってワイシャツにネクタイ姿になっている。六階部分にある共用のテラスでは赤いダウンジャケットの男が外を眺めながら電話をかけている。地上ではフォーマルな洋服に身を包んだ人々が左から右に向かって流れていて、ウッドデッキの上では老婦が杖をついて……いくらでも観察と発見は可能だ。けれども、それを書き留めることはしない。ただ新しい出来事が無数に生成していることを確認するだけだ。世界は死んでいないし、今日の都市は昨日の都市とは異なる何ものかに変化しつつあると認識する。こうして仕事をする準備が整う。
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 東雲キャナルコートCODAN一一号棟に越してきたのは今から四年前だった。内陸部より体感温度が二度ほど低いな、というのが東雲に来て初めに思ったことだ。この土地は海と運河と高速道路に囲まれていて、物流倉庫とバスの車庫とオートバックスがひしめく都市のバックヤードだった。東雲キャナルコートと呼ばれるエリアはその名のとおり運河沿いにある。ただし、東雲運河に沿っているのではなく、辰巳運河に沿っているのだった。かつては三菱製鋼の工場だったと聞いたが、今���はその名残はない。東雲キャナルコートが擁するのは、三千戸の賃貸住宅と三千戸の分譲住宅、大型のイオン、児童・高齢者施設、警察庁などが入る合同庁舎、辰巳運河沿いの区立公園で、エリアの中央部分に都市基盤整備公団(現・都市再生機構/UR)が計画した高層板状の集合住宅群が並ぶ。中央部分は六街区に分けられ、それぞれ著名な建築家が設計者として割り当てられた。そのうち、もっとも南側に位置する一街区は山本理顕による設計で、L字型に連なる一一号棟と一二号棟が中庭を囲むようにして建ち、やや小ぶりの一三号棟が島のように浮かんでいる。この一街区は二〇〇三年七月に竣工した。それから一三年後の二〇一六年五月一四日、わたしと妻は二人で一一号棟の一三階に越してきた。四年の歳月が流れてその部屋を出ることになったとき、わたしはあの限りない循環について思い出していた。
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 アトリエに戻るとそこは既に温まっている。さあ、仕事を始めよう。ものを書くのがわたしの仕事だった。だからまずMacを立ち上げ、テキストエディタかワードを開く。さっきリビング・ダイニングで行った準備運動によって既に意識は覚醒している。ただし、その日の頭とからだのコンディションによってはすぐに書き始められないこともある。そういった場合はアトリエの東側に面したテラスに一時的に避難してもよい。  掃き出し窓を開けてサンダルを履く。黒竹の鉢に水を入れてやる。近くの部屋の原状回復工事に来たと思しき作業服姿の男がこんちは、と挨拶をしてくる。挨拶を返す。お隣さんのテラスにはベビーカーとキックボード、それに傘が四本置かれている。テラスに面した三枚の引き戸はぴったりと閉められている。緑色のボーダー柄があしらわれた、目隠しと防犯を兼ねた白い戸。この戸が開かれることはほとんどなかった。わたしのアトリエや共用廊下から部屋の中が丸見えになってしまうからだ。こちらも条件は同じだが、わたしはアトリエとして使っているので開けているわけだ。とはいえ、お隣さんが戸を開けたときにあまり中を見てしまうと気まずいので、二年前に豊洲のホームセンターで見つけた黒竹を置いた。共用廊下から外側に向かって風が吹いていて、葉が光を食らうように靡いている。この住棟にはところどころに大穴が空いているのでこういうことが起きる。つまり、風向きが反転するのだった。  通風と採光のために設けられた空洞、それがこのテラスだった。ここから東雲キャナルコートCODANのほぼ全体が見渡せる。だが、もう特に集中して観察したりしない。隈研吾が設計した三街区の住棟に陽光が当たっていて、ベランダで父子が日光浴をしていようが、島のような一三号棟の屋上に設置されたソーラーパネルが紺碧に輝いていて、その傍の芝生に二羽の鳩が舞い降りてこようが、伊東豊雄が設計した二街区の住棟で影がゆらめいて、テラスに出てきた老爺が異様にうまいフラフープを披露しようが、気に留めない。アトリエに戻ってどういうふうに書くか、それだけを考える。だから、目の前のすべてはバックグラウンド・スケープと化す。ただし、ここに広がるのは上質なそれだった。たとえば、ここにはさまざまな匂いが漂ってきた。雨が降った次の日には海の匂いがした。東京湾の匂いだが、それはいつも微妙に違っていた。同じ匂いはない。生成される現実に呼応して新しい文字の組み合わせが発生する。アトリエに戻ろう。
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 わたしはここで、広島の中心部に建つ巨大な公営住宅、横川という街に形成された魅力的な高架下商店街、シンガポールのベイサイドに屹立するリトル・タイランド、ソウルの中心部を一キロメートルにわたって貫く線状の建築物などについて書いてきた。既に世に出たものもあるし、今から出るものもあるし、たぶん永遠にMacの中に封じ込められると思われるものもある。いずれにせよ、考えてきたことのコアはひとつで、なぜ人は集まって生きるのか、ということだった。  人間の高密度な集合体、つまり都市は、なぜ人類にとって必要なのか?  そしてこの先、都市と人類はいかなる進化を遂げるのか?  あるいは都市は既に死んだ?  人類はかつて都市だった廃墟の上をさまよい続ける?  このアトリエはそういうことを考えるのに最適だった。この一街区そのものが新しい都市をつくるように設計されていたからだ。  実際、ここに来てから、思考のプロセスが根本的に変わった。ここに来るまでの朝の日課といえば、とにかく怒りの炎を燃やすことだった。閉じられた小さなワンルームの中で、自分が外側から遮断され、都市の中にいるにもかかわらず隔離状態にあることに怒り、その怒りを炎上させることで思考を開いた。穴蔵から出ようともがくように。息苦しくて、ひとりで部屋の中で暴れたし、壁や床に穴を開けようと試みることもあった。客観的に見るとかなりやばい奴だったに違いない。けれども、こうした循環は一生続くのだと、当時のわたしは信じて疑わなかった。都市はそもそも息苦しい場所なのだと、そう信じていたのだ。だが、ここに来てからは息苦しさを感じることはなくなった。怒りの炎を燃やす朝の日課は、カーテンを開け、その向こうを観察するあの循環へと置き換えられた。では、怒りは消滅したのか?
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 白く光沢のあるアトリエの床タイルに青空が輝いている。ここにはこの街の上半分がリアルタイムで描き出される。床の隅にはプロジェクトごとに振り分けられた資料の箱が積まれていて、剥き出しの灰色の柱に沿って山積みの本と額に入ったいくつかの写真や絵が並んでいる。デスクは東向きの掃き出し窓の傍に置かれていて、ここからテラスの半分と共用廊下、それに斜向かいの部屋の玄関が見える。このアトリエは空中につくられた庭と道に面しているのだった。斜向かいの玄関ドアには透明のガラスが使用されていて、中の様子が透けて見える。靴を履く住人の姿がガラス越しに浮かんでいる。視線をアトリエ内に戻そう。このアトリエは専用の玄関を有していた。玄関ドアは斜向かいの部屋のそれと異なり、全面が白く塗装された鉄扉だった。玄関の脇にある木製のドアを開けると、そこは既に徒歩三秒の自宅だ。まずキッチンがあって、奥にリビング・ダイニングがあり、その先に自宅用の玄関ドアがあった。だから、このアトリエは自宅と繋がってもいるが、独立してもいた。  午後になると仕事仲間や友人がこのアトリエを訪ねてくることがある。アトリエの玄関から入ってもらってもいいし、共用廊下からテラス経由でアトリエに招き入れてもよい。いずれにせよ、共用廊下からすぐに仕事場に入ることができるので効率的だ。打ち合わせをする場合にはテーブルと椅子をセッティングする。ここでの打ち合わせはいつも妙に捗った。自宅と都市の両方に隣接し、同時に独立してもいるこのアトリエの雰囲気は、最小のものと最大のものとを同時に掴み取るための刺激に満ちている。いくつかの重要なアイデアがここで産み落とされた。議論が白熱し、日が暮れると、徒歩三秒の自宅で妻が用意してくれた料理を囲んだり、東雲の鉄鋼団地に出かけて闇の中にぼうっと浮かぶ屋台で打ち上げを敢行したりした。  こうしてあの循環は完成したかに見えた。わたしはこうして都市への怒りを反転させ都市とともに歩み始めた、と結論づけられそうだった。お前はついに穴蔵から出たのだ、と。本当にそうだろうか?  都市の穴蔵とはそんなに浅いものだったのか?
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 いやぁ、  未来都市ですね、
 ある編集者がこのアトリエでそう言ったことを思い出す。それは決して消えない残響のようにアトリエの中にこだまする。ある濃密な打ち合わせが一段落したあと、おそらくはほとんど無意識に発された言葉だった。  未来都市?  だってこんなの、見たことないですよ。  ああ、そうかもね、とわたしが返して、その会話は流れた。だが、わたしはどこか引っかかっていた。若く鋭い編集者が発した言葉だったから、余計に。未来都市?  ここは現在なのに?  ちょうどそのころ、続けて示唆的な出来事があった。地上に降り、一三号棟の脇の通路を歩いていたときのことだ。団地内の案内図を兼ねたスツールの上に、ピーテル・ブリューゲルの画集が広げられていたのだった。なぜブリューゲルとわかったかといえば、開かれていたページが「バベルの塔」だったからだ。ウィーンの美術史美術館所蔵のものではなく、ロッテルダムのボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館所蔵の作品で、天に昇る茶褐色の塔がアクリル製のスツールの上で異様なオーラを放っていた。その画集はしばらくそこにあって、ある日ふいになくなったかと思うと、数日後にまた同じように置かれていた。まるで「もっとよく見ろ」と言わんばかりに。
 おい、お前。このあいだは軽くスルーしただろう。もっとよく見ろ。
 わたしは近寄ってその絵を見た。新しい地面を積み重ねるようにして伸びていく塔。その上には無数の人々の蠢きがあった。塔の建設に従事する労働者たちだった。既に雲の高さに届いた塔はさらに先へと工事が進んでいて、先端部分は焼きたての新しい煉瓦で真っ赤に染まっている。未来都市だな、これは、と思う。それは天地が創造され、原初の人類が文明を築きつつある時代のことだった。その地では人々はひとつの民で、同じ言葉を話していた。だが、人々が天に届くほどの塔をつくろうとしていたそのとき、神は全地の言葉を乱し、人を全地に散らされたのだった。ただし、塔は破壊されたわけではなかった。少なくとも『創世記』にはそのような記述はない。だから、バベルの塔は今なお未来都市であり続けている。決して完成することがないから未来都市なのだ。世界は変わったが、バベルは永遠の未来都市として存在し続け���。
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 ようやく気づいたか。  ああ。  それで?  おれは永遠の未来都市をさまよう亡霊だと?  どうかな、  本当は都市なんか存在しないのか?  どうかな、  すべては幻想だった?  そうだな、  どっちなんだ。  まあ結論を急ぐなよ。  おれはさっさと結論を出して原稿を書かなきゃならないんだよ。  知ってる、だから急ぐなと言ったんだ。  あんたは誰なんだ。  まあ息抜きに歩いてこいよ。  息抜き?  いつもやっているだろう。あの循環だよ。  ああ、わかった……。いや、ちょっと待ってくれ。先に腹ごしらえだ。
 もう昼を過ぎて久しいんだな、と鉄格子越しの風景を一瞥して気づく。陽光は人工地盤上の芝生と一本木を通過して一三号棟の廊下を照らし始めていた。タワーマンションをかすめて赤色のヘリコプターが東へと飛んでいき、青空に白線を引きながら飛行機が西へと進む。もちろん、時間を忘れて書くのは悪いことではない。だが、無理をしすぎるとあとになって深刻な不調に見舞われることになる。だから徒歩三秒の自宅に移動しよう。  キッチンの明かりをつける。ここには陽光が入ってこない。窓側に風呂場とトイレがあるからだ。キッチンの背後に洗面所へと続くドアがある。それを開けると陽光が降り注ぐ。風呂場に入った光が透明なドアを通過して洗面所へと至るのだった。洗面台で手を洗い、鏡に目を向けると、風呂場と窓のサッシと鉄格子と団地とスカイツリーが万華鏡のように複雑な模様を見せる。手を拭いたら、キッチンに戻って冷蔵庫を開け、中を眺める。食材は豊富だった。そのうちの九五パーセントはここから徒歩五分のイオンで仕入れた。で、遅めの昼食はどうする?  豚バラとキャベツで回鍋肉にしてもいいが、飯を炊くのに時間がかかる。そうだな……、カルボナーラでいこう。鍋に湯を沸かして塩を入れ、パスタを茹でる。ベーコンと玉葱、にんにくを刻んでオリーブオイルで炒める。それをボウルに入れ、パルメザンチーズと生卵も加え、茹で上がったパスタを投入する。オリーブオイルとたっぷりの黒胡椒とともにすべてを混ぜ合わせれば、カルボナーラは完成する。もっとも手順の少ない料理のひとつだった。文字の世界に没頭しているときは簡単な料理のほうがいい。逆に、どうにも集中できない日は、複雑な料理に取り組んで思考回路を開くとよい。まあ、何をやっても駄目な日もあるのだが。  リビング・ダイニングの窓際に置かれたテーブルでカルボナーラを食べながら、散歩の計画を練る。籠もって原稿を書く日はできるだけ歩く時間を取るようにしていた。あまり動かないと頭も指先も鈍るからだ。走ってもいいのだが、そこそこ気合いを入れなければならないし、何よりも風景がよく見えない。だから、平均して一時間、長いときで二時間程度の散歩をするのが午後の日課になっていた。たとえば、辰巳運河沿いを南下しながら首都高の高架と森と物流倉庫群を眺めてもいいし、辰巳運河を越えて辰巳団地の中を通り、辰巳の森海浜公園まで行ってもよい。あるいは有明から東雲運河を越えて豊洲市場あたりに出てもいいし、そこからさらに晴海運河を越えて晴海第一公園まで足を伸ばし、日本住宅公団が手がけた最初の高層アパートの跡地に巡礼する手もある。だが、わたしにとってもっとも重要なのは、この東雲キャナルコートCODAN一街区をめぐるルートだった。つまり、空中に張りめぐらされた道を歩いて、東京湾岸のタブラ・ラサに立ち上がった新都市を内側から体感するのだ。  と、このように書くと、何か劇的な旅が想像されるかもしれない。アトリエや事務所、さらにはギャラリーのようなものが住棟内に点在していて、まさに都市を立体化したような人々の躍動が見られると思うかもしれない。生活と仕事が混在した活動が積み重なり、文化と言えるようなものすら発生しつつあるかもしれないと、期待を抱くかもしれない。少なくともわたしはそうだった。実際にここに来るまでは。さて、靴を履いてアトリエの玄関ドアを開けよう。
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 それは二つの世界をめぐる旅だ。一方にここに埋め込まれたはずの思想があり、他方には生成する現実があった。二つの世界は常に並行して存在する。だが、実際に見えているのは現実のほうだけだし、歴史は二つの世界の存在を許さない。とはいえ、わたしが最初に遭遇したのは見えない世界のほうだった。その世界では、実際に都市がひとつの建築として立ち上がっていた。ただ家が集積されただけでなく、その中に住みながら働いたり、ショールームやギャラリーを開設したりすることができて、さまざまな形で人と人とが接続されていた。全体の半数近くを占める透明な玄関ドアの向こうに談笑する人の姿が見え、共用廊下に向かって開かれたテラスで人々は語り合っていた。テラスに向かって設けられた大きな掃き出し窓には、子どもたちが遊ぶ姿や、趣味のコレクション、打ち合わせをする人と人、アトリエと作品群などが浮かんでいた。それはもはや集合住宅ではなかった。都市で発生する多様で複雑な活動をそのまま受け入れる文化保全地区だった。ゾーニングによって分断された都市の攪拌装置であり、過剰な接続の果てに衰退期を迎えた人類の新・進化論でもあった。  なあ、そうだろう?  応答はない。静かな空中の散歩道だけがある。わたしのアトリエに隣接するテラスとお隣さんのテラスを通り過ぎると、やや薄暗い内廊下のゾーンに入る。日が暮れるまでは照明が半分しか点灯しないので光がいくらか不足するのだった。透明な玄関ドアがあり、その傍の壁に廣村正彰によってデザインされたボーダー柄と部屋番号の表示がある。ボーダー柄は階ごとに色が異なっていて、この一三階は緑だった。少し歩くと右側にエレベーターホールが現れる。外との境界線上にはめ込まれたパンチングメタルから風が吹き込んできて、ぴゅうぴゅうと騒ぐ。普段はここでエレベーターに乗り込むのだが、今日は通り過ぎよう。廊下の両側に玄関と緑色のボーダー柄が点々と続いている。左右に四つの透明な玄関ドアが連なったあと、二つの白く塗装された鉄扉がある。透明な玄関ドアの向こうは見えない。カーテンやブラインドや黒いフィルムによって塞がれているからだ。でも陰鬱な気分になる必要はない。間もなく左右に光が満ちてくる。  コモンテラスと名づけられた空洞のひとつに出た。二階分の大穴が南側と北側に空いていて、共用廊下とテラスとを仕切るフェンスはなく、住民に開放されていた。コモンテラスは住棟内にいくつか存在するが、ここはその中でも最大だ。一四階の高さが通常の一・五倍ほどあるので、一三階と合わせて計二・五階分の空洞になっているのだ。それはさながら、天空の劇場だった。南側には巨大な長方形によって縁取られた東京湾の風景がある。左右と真ん中に計三棟のタワーマンションが陣取り、そのあいだで辰巳運河の水が東京湾に注ぎ、東京ゲートブリッジの橋脚と出会って、「海の森」と名づけられた人工島の縁でしぶきを上げる様が見える。天気のいい日には対岸に広がる千葉の工業地帯とその先の山々まで望むことができた。海から来た風がこのコモンテラスを通過し、東京の内側へと抜けていく。北側にその風景が広がる。視界の半分は集合住宅で、残りの半分は青空だった。タワーマンションの陰に隠れて東京スカイツリーは確認できないが、豊洲のビル群が団地の上から頭を覗かせている。眼下にはこの団地を南北に貫くS字アベニューが伸び、一街区と二街区の人工地盤を繋ぐブリッジが横切っていて、長谷川浩己率いるオンサイト計画設計事務所によるランドスケープ・デザインの骨格が見て取れる。  さあ、公演が始まる。コモンテラスの中心に灰色の巨大な柱が伸びている。一三階の共用廊下の上に一四階の共用廊下が浮かんでいる。ガラス製のパネルには「CODAN  Shinonome」の文字が刻まれている。この空間の両側に、六つの部屋が立体的に配置されている。半分は一三階に属し、残りの半分は一四階に属しているのだった。したがって、壁にあしらわれたボーダー柄は緑から青へと遷移する。その色は、掃き出し窓の向こうに設えられた目隠しと防犯を兼ねた引き戸にも連続している。そう、六つの部屋はこのコモンテラスに向かって大きく開くことができた。少なくとも設計上は。引き戸を全開にすれば、六つの部屋の中身がすべて露わになる。それらの部屋の住人たちは観客なのではない。この劇場で物語を紡ぎ出す主役たちなのだった。両サイドに見える美しい風景もここではただの背景にすぎない。近田玲子によって計画された照明がこの空間そのものを照らすように上向きに取り付けられている。ただし、今はまだ点灯していない。わたしはたったひとりで幕が上がるのを待っている。だが、動きはない。戸は厳重に閉じられるか、採光のために数センチだけ開いているかだ。ひとつだけ開かれている戸があるが、レースカーテンで視界が完全に遮られ、窓際にはいくつかの段ボールと紙袋が無造作に積まれていた。風がこのコモンテラスを素通りしていく。
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 ほら、  幕は上がらないだろう、  お前はわかっていたはずだ、ここでは人���出会うことがないと。横浜のことを思い出してみろ。お前はかつて横浜の湾岸に住んでいた。住宅と事務所と店舗が街の中に混在し、近所の雑居ビルやカフェスペースで毎日のように文化的なイベントが催されていて、お前はよくそういうところにふらっと行っていた。で、いくつかの重要な出会いを経験した。つけ加えるなら、そのあたりは山本理顕設計工場の所在地でもあった。だから、東雲に移るとき、お前はそういうものが垂直に立ち上がる様を思い描いていただろう。だが、どうだ?  あのアトリエと自宅は東京の空中にぽつんと浮かんでいるのではないか?  それも悪くない、とお前は言うかもしれない。物書きには都市の孤独な拠点が必要だったのだ、と。多くの人に会って濃密な取材をこなしたあと、ふと自分自身に戻ることができるアトリエを欲していたのだ、と。所詮自分は穴蔵の住人だし、たまに訪ねてくる仕事仲間や友人もいなくはない、と。実際、お前はここではマイノリティだった。ここの住民の大半は幼い子どもを連れた核家族だったし、大人たちのほとんどはこの住棟の外に職場があった。もちろん、二階のウッドデッキ沿いを中心にいくつかの仕事場は存在した。不動産屋、建築家や写真家のアトリエ、ネットショップのオフィス、アメリカのコンサルティング会社の連絡事務所、いくつかの謎の会社、秘かに行われている英会話教室や料理教室、かつては違法民泊らしきものもあった。だが、それもかすかな蠢きにすぎなかった。ほとんどの住民の仕事はどこか別の場所で行われていて、この一街区には活動が積み重ねられず、したがって文化は育たなかったのだ。周囲の住人は頻繁に入れ替わって、コミュニケーションも生まれなかった。お前のアトリエと自宅のまわりにある五軒のうち四軒の住人が、この四年間で入れ替わったのだった。隣人が去ったことにしばらく気づかないことすらあった。何週間か経って新しい住人が入り、透明な玄関ドアが黒い布で塞がれ、テラスに向いた戸が閉じられていくのを、お前は満足して見ていたか?  胸を抉られるような気持ちだったはずだ。  そうした状況にもかかわらず、お前はこの一街区を愛した。家というものにこれほどの帰属意識を持ったことはこれまでになかったはずだ。遠くの街から戻り、暗闇に浮かぶ格子状の光を見たとき、心底ほっとしたし、帰ってきたんだな、と感じただろう。なぜお前はこの一街区を愛したのか?  もちろん、第一には妻との生活が充実したものだったことが挙げられる。そもそも、ここに住むことを提案したのは妻のほうだった。四年前の春だ。「家で仕事をするんだったらここがいいんじゃない?」とお前の妻はあの奇妙な間取りが載った図面を示した。だから、お前が恵まれた環境にいたことは指摘されなければならない。だが、第二に挙げるべきはお前の本性だ。つまり、お前は現実のみに生きているのではない。お前の頭の中には常に想像の世界がある。そのレイヤーを現実に重ねることでようやく生きている。だから、お前はあのアトリエから���える現実に落胆しながら、この都市のような構造体の可能性を想像し続けた。簡単に言えば、この一街区はお前の想像力を搔き立てたのだ。  では、お前は想像の世界に満足したか?  そうではなかった。想像すればするほどに現実との溝は大きく深くなっていった。しばらく想像の世界にいたお前は、どこまでが現実だったのか見失いつつあるだろう。それはとても危険なことだ。だから確認しよう。お前が住む東雲キャナルコートCODAN一街区には四二〇戸の住宅があるが、それはかつて日本住宅公団であり、住宅・都市整備公団であり、都市基盤整備公団であって、今の独立行政法人都市再生機構、つまりURが供給してきた一五〇万戸以上の住宅の中でも特異なものだった。お前が言うようにそれは都市を構築することが目指された。ところが、そこには公団の亡霊としか言い表しようのない矛盾が内包されていた。たとえば、当時の都市基盤整備公団は四二〇戸のうちの三七八戸を一般の住宅にしようとした。だが、設計者の山本理顕は表面上はそれに応じながら、実際には大半の住戸にアトリエや事務所やギャラリーを実装できる仕掛けを忍ばせたのだ。玄関や壁は透明で、仕事場にできる開放的なスペースが用意された。間取りはありとあらゆる活動を受け入れるべく多種多様で、メゾネットやアネックスつきの部屋も存在した。で、実際にそれは東雲の地に建った。それは現実のものとなったのだった。だが、実はここで世界が分岐した。公団およびのちのURは、例の三七八戸を結局、一般の住宅として貸し出した。したがって大半の住戸では、アトリエはまだしも、事務所やギャラリーは現実的に不可だった。ほかに「在宅ワーク型住宅」と呼ばれる部屋が三二戸あるが、不特定多数が出入りしたり、従業員を雇って行ったりする業務は不可とされたし、そもそも、家で仕事をしない人が普通に借りることもできた。残るは「SOHO住宅」だ。これは確かに事務所やギャラリーとして使うことができる部屋だが、ウッドデッキ沿いの一〇戸にすぎなかった。  結果、この一街区は集合住宅へと回帰した。これがお前の立っている現実だ。都市として運営されていないのだから、都市にならないのは当然の帰結だ。もちろん、ゲリラ的に別の使い方をすることは可能だろう。ここにはそういう人間たちも確かにいる。お前も含めて。だが、お前はもうすぐここから去るのだろう?  こうしてまたひとり、都市を望む者が消えていく。二つの世界はさらに乖離する。まあ、ここではよくあることだ。ブリューゲルの「バベルの塔」、あの絵の中にお前の姿を認めることはできなくなる。  とはいえ、心配は無用だ。誰もそのことに気づかないから。おれだけがそれを知っている。おれは別の場所���らそれを見ている。ここでは、永遠の未来都市は循環を脱して都市へと移行した。いずれにせよ、お前が立つ現実とは別世界の話だがな。
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 実際、人には出会わなかった。一四階から二階へ、階段を使ってすべてのフロアを歩いたが、誰とも顔を合わせることはなかった。その間、ずっとあの声が頭の中に響いていた。うるさいな、せっかくひとりで静かに散歩しているのに、と文句を言おうかとも考えたが、やめた。あの声の正体はわからない。どのようにして聞こえているのかもはっきりしない。ただ、ふと何かを諦めようとしたとき、周波数が突然合うような感じで、周囲の雑音が消え、かわりにあの声が聞こえてくる。こちらが応答すれば会話ができるが、黙っていると勝手に喋って、勝手に切り上げてしまう。あまり考えたくなかったことを矢継ぎ早に投げかけてくるので、面倒なときもあるが、重要なヒントをくれもするのだ。  あの声が聞こえていることを除くと、いつもの散歩道だった。まず一三階のコモンテラスの脇にある階段で一四階に上り、一一号棟の共用廊下を東から西へ一直線に歩き、右折して一〇メートルほどの渡り廊下を辿り、一二号棟に到達する。南から北へ一二号棟を踏破すると、エレベーターホールの脇にある階段で一三階に下り、あらためて一三階の共用廊下を歩く。以下同様に、二階まで辿っていく。その間、各階の壁にあしらわれたボーダー柄は青、緑、黄緑、黄、橙、赤、紫、青、緑、黄緑、黄、橙、赤と遷移する。二階に到達したら、人工地盤上のウッドデッキをめぐりながら島のように浮かぶ一三号棟へと移動する。その際、人工地盤に空いた長方形の穴から、地上レベルの駐車場や学童クラブ、子ども写真館の様子が目に入る。一三号棟は一〇階建てで共用廊下も短いので踏破するのにそれほど時間はかからない。二階には集会所があり、住宅は三階から始まる。橙、黄、黄緑、緑、青、紫、赤、橙。  この旅では風景がさまざまに変化する。フロアごとにあしらわれた色については既に述べた。ほかにも、二〇〇もの透明な玄関ドアが住人の個性を露わにする。たとえば、入ってすぐのところに大きなテーブルが置かれた部屋。子どもがつくったと思しき切り絵と人気ユーチューバーのステッカーが浮かぶ部屋。玄関に置かれた飾り棚に仏像や陶器が並べられた部屋。家の一部が透けて見える。とはいえ、透明な玄関ドアの四割近くは完全に閉じられている。ただし、そのやり方にも個性は現れる。たとえば、白い紙で雑に塞がれた玄関ドア。一面が英字新聞で覆われた玄関ドア。鏡面シートが一分��隙もなく貼りつけられた玄関ドア。そうした玄関ドアが共用廊下の両側に現れては消えていく。ときどき、外に向かって開かれた空洞に出会う。この一街区には東西南北に合わせて三六の空洞がある。そのうち、隣接する住戸が占有する空洞はプライベートテラスと呼ばれる。わたしのアトリエに面したテラスがそれだ。部屋からテラスに向かって戸を開くことができるが、ほとんどの戸は閉じられたうえ、テラスは物置になっている。たとえば、山のような箱。不要になった椅子やテーブル。何かを覆う青いビニールシート。その先に広がるこの団地の風景はどこか殺伐としている。一方、共用廊下の両側に広がる空洞、つまりコモンテラスには物が置かれることはないが、テラスに面したほとんどの戸はやはり、閉じられている。ただし、閉じられたボーダー柄の戸とガラスとの間に、その部屋の個性を示すものが置かれることがある。たとえば、黄緑色のボーダー柄を背景としたいくつかの油絵。黄色のボーダー柄の海を漂う古代の船の模型。橙色のボーダー柄と調和する黄色いサーフボードと高波を警告する看板のレプリカ。何かが始まりそうな予感はある。今にも幕が上がりそうな。だが、コモンテラスはいつも無言だった。ある柱の側面にこう書かれている。「コモンテラスで騒ぐこと禁止」と。なるほど、無言でいなければならないわけか。都市として運営されていない、とあの声は言った。  長いあいだ、わたしはこの一街区をさまよっていた。街区の外には出なかった。そろそろアトリエに戻らないとな、と思いながら歩き続けた。その距離と時間は日課の域をとうに超えていて、あの循環を逸脱しつつあった。アトリエに戻ったら、わたしはこのことについて書くだろう。今や、すべての風景は書き留められる。見過ごされてきたものの言語化が行われる。そうしたものが、気の遠くなるほど長いあいだ、連綿と積み重ねられなければ、文化は発生しない。ほら、見えるだろう?  一一号棟と一二号棟とを繋ぐ渡り廊下の上から、東京都心の風景が確認できる。東雲運河の向こうに豊洲市場とレインボーブリッジがあり、遥か遠くに真っ赤に染まった富士山があって、そのあいだの土地に超高層ビルがびっしりと生えている。都市は、瀕死だった。炎は上がっていないが、息も絶え絶えだった。密集すればするほど人々は分断されるのだ。
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 まあいい。そろそろ帰ろう。陽光は地平線の彼方へと���を消し、かわりに闇が、濃紺から黒へと変化を遂げながらこの街に降りた。もうじき妻が都心の職場から戻るだろう。今日は有楽町のもつ鍋屋で持ち帰りのセットを買ってきてくれるはずだ。有楽町線の有楽町駅から辰巳駅まで地下鉄で移動し、辰巳桜橋を渡ってここまでたどり着く。それまでに締めに投入する飯を炊いておきたい。  わたしは一二号棟一二階のコモンテラスにいる。ここから右斜め先に一一号棟の北側の面が見える。コンクリートで縁取られた四角形が規則正しく並び、ところどころに色とりどりの空洞が光を放っている。緑と青に光る空洞がわたしのアトリエの左隣にあり、黄と黄緑に光る空洞がわたしの自宅のリビング・ダイニングおよびベッドルームの真下にある。家々の窓がひとつ、ひとつと、琥珀色に輝き始めた。そのときだ。わたしのアトリエの明かりが点灯した。妻ではなかった。まだ妻が戻る時間ではないし、そもそも妻は自宅用の玄関ドアから戻る。闇の中に、机とそこに座る人の姿が浮かんでいる。鉄格子とガラス越しだからはっきりしないが、たぶん……男だ。男は机に向かって何かを書いているらしい。テラスから身を乗り出してそれを見る。それは、わたしだった。いつものアトリエで文章を書くわたしだ。だが、何かが違っている。男の手元にはMacがなかった。机の上にあるのは原稿用紙だった。男はそこに万年筆で文字を書き入れ、原稿の束が次々と積み上げられていく。それでわたしは悟った。
 あんたは、もうひとつの世界にいるんだな。  どうかな、  で、さまざまに見逃されてきたものを書き連ねてきたんだろう?  そうだな。
 もうひとりのわたしは立ち上がって、掃き出し窓の近くに寄り、コモンテラスの縁にいるこのわたしに向かって右手を振ってみせた。こっちへ来いよ、と言っているのか、もう行けよ、と言っているのか、どちらとも取れるような、妙に間の抜けた仕草で。
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masamasa-c · 6 years ago
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【報告】第15朝 ミト読書会
3年8ヶ月ぶりの開催、ミ���読書会第15朝の報告です!
今回の参加者は7名、初参加の方は3名でした。
まさに読書会ならではの参加者同士の化学反応がたくさんありました。
皆さまご参加ありがとうございました!
<本日紹介された本>
剣客商売
海外旅行「知らなかった」ではすまされない話
各種航空会社の機内誌など
中国全土の路線図
子供の「脳」は肌にある
うるうのもり
茨城国体障スポ観戦&おでかけガイド
架空論文投稿計画
宣伝会議10月号
次回は10月26日(土)に開催いたします!
時間は8~11時の予定で、場所は現在検討中です。
10月の2週目までには決定してイベントページを作成します。
ご参加頂いた方々のおかげでとても良い再スタートとなりました。
これからもミト読書会をよろしくお願いします!
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12sadasd · 6 years ago
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SS 蕾蒂希婭視點 信
第482~483话 回信 前.后篇不久之前的蕾蒂希娅视点。与SS 莉泽蕾塔视点 西米尔的布偶 也有关。 ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 【蘿潔瑪茵大人, 蘿潔瑪茵大人读到这封信的时候应该已经是贵族院结束的时候了吧。 前日学习的时间中,从斐迪南那里听闻了快的话应该已经结束讲义了。差不多是搞坏身体的时候了,斐迪南大人如此担心了,还精神吗? 蘿潔瑪茵大人似乎非常优秀的样子。我被斐迪南大人给与课题,每天学习度日。】 「啊啦,蕾蒂希娅大人。要给艾倫菲斯特的蘿潔瑪茵大人送信吗?」 我写信的话,我的笔头近侍萝丝维塔稍微窥视一样来问了。我一度放下笔,仰望萝丝维塔。 「……诶。蘿潔瑪茵大人说了送去也可以,而且是斐迪南大人给的一个课题。」 并不是送到贵族院,而是从領界门送到艾倫菲斯特,被这样要求了。(由于要通过)阿伦斯巴赫的乔金娜派、領界门、艾倫菲斯特的文官,似乎是磨练预想到有几个检阅情况下将自己主张传达给对方的技术的很好的机会。 对除了送往在德雷万希尔的双亲的信以外没有写过信的我而言,写出送往他领优秀的领主候补生也不会难为情的信是一个非常困难的课题。 「斐迪南大人真是严格。这不应是给贵族院入学之前的孩子的课题啊。」 知识既能成为保护自己的武器也能成为盾,这样说着,连续给出课题的身姿看起来让人稍微感到有些忧郁。但是,为了不给乔金娜大人或迪特林德大人留下口实而钻研对今后的我来说是必要的事。 「……虽然明白对自己来说是必要的事,呐。」 虽然明白是必要的事,但自由时间基本没有了,看了课题的结果斐迪南大人给出的评价大抵是「嘛啊,大致与预想一样」,现状让人感到非常沉闷。 (因为有)达成课题时候给的点心,放弃了宠爱的话语。那个点心也是「斐迪南大人夸奖的话语不足,所以,奖励之类的请以眼睛能看见的形式给出」这样蘿潔瑪茵大人准备的东西。尤斯托克斯告诉我了,塞尔吉乌斯这样说过。 ……如果没有奖励的点心的话,我早就从学习中逃走了吧。 「因为斐迪南大人夸奖的话真的很少呢。作为代替由我来夸奖。公主大人真的很努力。」 萝丝维塔是从德雷万希尔一起来的我的乳母。母亲大人嫁往德雷万希尔之前,在阿伦斯巴赫的时候就一直服侍着母亲大人,听说了是被拜托了回到阿伦斯巴赫的我的亲信中的亲信。萝丝维塔的家族丈夫也好孩子也好都为了我作为亲信一同跟随着来了阿伦斯巴赫。然后,保护着我。 对斐迪南大人蘿潔瑪茵大人等同��家族的话,对我而言萝丝维塔他们也是与家族同样的存在吧。 「而且,这样多的增加学习的时间也只是在冬天期间。」 「萝丝维塔?」 「迪特琳德大人回来的话,公主大人和斐迪南大人的接触也有减少的可能性。」 迪特琳德大人毕业后,开始办公了的话,为了确认那个时间是必要的,为了我的学习割让的时间将会确实减少,斐迪南大人这样预想了。 「文官们非常高兴呢。工作相当进展了呢。」 从亲信们和他们的家族那里听说了,父亲大人亡故后停滞的案件相当多的工作不断进展着。想趁着迪特琳德大人在贵族院期间推进的案件似乎押给了斐迪南大人。 「在艾倫菲斯特一直做着奥伯代理程度的工作的话既没有夸张也没有说谎呢。」 对萝丝维塔的话我点了点头。因为是被塞入神殿的艾倫菲斯特的领主候补生而怀疑斐迪南大人的贵族们相当地改变了看着(斐迪南大人)的眼神。 「……不过乔金娜大人深居在离宫中让人稍微感到毛骨悚然。」 有着艾倫菲斯特的联系,虽考虑了乔金娜大人积极与斐迪南大人接触,但,乔金娜大人从本馆搬到了离宫,不知是不是那边的准备太忙了,在冬季社交界很少露面。 「似乎是在离宫中招入贵族的样子。比起乔金娜大人在本馆的时候更难取得情报了。只有这点真的很困扰。」 在本馆的话,有潜入的亲信们从乔金娜大人的亲信们那里偷听到的传闻,但离开了的话这边派阀的人很难进入离宫中,偷听到的话也减少了。 「根据斐迪南大人得到的情报,移入离宫乔金娜大人得到了新的打杂人员、将旧威尔克斯托克的贵族作为亲信迎入。虽说了不清楚详细内容,对斐迪南大人得到了预想以上的情报感到吃惊。」 「明明刚到阿伦斯巴赫,到底从哪里得到的情报呢?塞尔吉乌斯明明时常跟随着却不知道,这样说了呢。」 ……虽然非常明白斐迪南大人十分优秀但对我同样要求的话非常困扰。 看着作为斐迪南大人的课题的信,我想起了塞尔吉乌斯的话。作为斐迪南大人的亲信与弟子的莱蒙特的信中蘿潔瑪茵大人的信也同封在一起的样子。因为收到的信的确认完全被交付了,感到非常轻松。然后,回信的原案完全交给了尤斯托克斯和塞尔吉乌斯。 「蘿潔瑪茵大人在贵族院以最快的速度取得了优秀的成绩,斐迪南大人给与‘非常漂亮(大変結構)’这样夸奖的话语。我收到‘非常漂亮’这样夸奖的一天会到来吗?」 「也说了蘿潔瑪茵大人也有不擅长的事物,公主大人比较优秀的部分也是存在的。」 因萝丝维塔的安慰,我心情消沉了下来。 「但是,与在神殿养育的蘿潔瑪茵大人不同作为贵族的公主相当可靠的评价怎么考虑也不是夸奖的话语,萝丝维塔也这样认为的吧?」 我向萝丝维塔稍微发了牢骚再度拿起了笔。然后继续写给蘿潔瑪茵大人的信。 像贵族一样拐弯抹角的写着「蘿潔瑪茵大人也被斐迪南大人以严格的态度对待了吗?」与「如果能教如何度过大量的课题与严厉的视线快要折断心灵的每一天会非常高兴」能很好地传达给蘿潔瑪茵大人就好了。 ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 漫画化纪念SS。 快被山一样的课题折断心灵的蕾蒂希娅和认为手下留情了的斐迪南。 然后,作为两人之间的调整角色在背后努力的塞尔吉乌斯是萝丝维塔的儿子。
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是累了嗎,我在與敦刻爾弗格的茶會後發燒而睡了一會兒。久違的發燒讓我覺得很懷念,看來我變得更健康了呢。在床上這樣高興著時,「為躺著的時候變得健康而感到高興是怎樣」莉希爾達驚呆道。 把茶會的報告交給文官們負責,我一邊在床上滾來滾去一邊讀書。從阿納斯塔修斯、索蘭格、奧滕希婭三人借來的書都在這個房間裡。有許多仍未讀過的書,感覺很幸福。 「這邊似乎是有關史瓦茲它們的研究的記述。是斐迪南大人曾讀過的書嗎?」 因為似乎是在封閉的書庫裡的古老書籍所以說不定沒讀過,也說不定因為與過去的圖書管理員關係很好所以請圖書管理員拿出來而讀過。 「……這本絕對沒讀過吧。畢竟,斐迪南大人的資料裡看不到含有命屬性的部分。」 為了製作史瓦茲它們,不就需要含有命屬性的魔法陣嗎,雖然在領地對抗戰上進行了這樣的討論,但最終應該沒弄清楚該加入哪些魔法陣。加入這個與命有關的魔法陣,其他部分漏空的魔法陣則「雖然至此都弄清楚了,但之後就不知道了。將此託付予後世」這樣與描繪魔法陣的圖樣一起寫道。因為各處都有與斐迪南的研究成果有關係的地方,所以結合這些資料的話說不定會有相當大的研究進展。不得不趕緊通知斐迪南。 「莉澤蕾塔,接下來會在隱藏房間寫……」 「蘿潔瑪茵大人,寫信要等到退燒後喔。」 「不過,很緊急……。說不定知道了史瓦茲它們的製作方法的說。」 能不能籠絡喜歡松兔的莉澤蕾塔呢,我拚命說明打算在自己的圖書館放置像史瓦茲它們那般的松兔的事情。莉澤蕾塔呢喃著「製作松兔」而一瞬間停下來。我確信自己的勝利的下一秒,莉澤蕾塔嘆一口氣並咧嘴笑了起來。 「請首先調整好身體狀況。畢竟不這樣做的話,即使寫了信也無法交給萊蒙特,也不能進行製作大型松兔的研究。」 請回到床上,莉澤蕾塔把我再次推回床上。 因為沒有辦法,所以只好延後寫信。我一邊滾動著一邊讀書的時候,從天幕的另一邊聽到了心情似乎很好的莉澤蕾塔在哼歌。對於在工作中不表露感情的莉澤蕾塔來說,這做法非常罕見。看來,為了松兔研究有相當進展而感到很高興。 ……莉澤蕾塔,好像非常期待呢。 雖然姑且退燒了,但為了觀察情況而被禁止出外,我前往也可以的地方只有食堂與多用途大廳的暖爐前。雖然因為現在自己房間裡有書,即使一直在房間裡也可以,但因為難以與男性近侍取得聯絡,所以被說了希望一天能於多用途大廳裡露面一次。在晚餐後露面,聽取整天的報告。 「這邊是來自艾倫菲斯特的回信。已經讓威爾弗里德大人與夏洛特大人過目。」 我過目親手交給羅德里希的來自艾倫菲斯特的回信。 「發出了所有共同研究的許可呢。」 因為貴族院的研究是學生的領域,所以聽說在沒有特別情況下是不會不容許研究的。與三個大領地進行共同研究也不要緊,這樣寫道。 畢竟與敦刻爾弗格的共同研究也有來自王族的指示而無法拒絕,與德雷萬希爾的研究對艾倫菲斯特來說也是很有價值的。然後,與阿倫斯巴赫的共同研究原本就是預定由我來做,所以似乎並非要阻止的事情。 然後,讚賞了把與德雷萬希爾的共同研究扔了給威爾弗里德和夏洛特的近侍的事情。因為同時進行三個研究很困難,所以被懷疑將部下的功績全都歸功於主人的可能性似乎很高。 「然後,這邊是從艾倫菲斯特送來的紙張。」 作為研究所需的素材而從伊爾格納購入,以魔木製作的紙張送來了。不過,因為每個箱子都只寫了音楓紙、楠栖柨紙那般的名字,所以似乎不知道是什麼樣的紙。 「這楠栖柨紙被稱為勘合紙,與艾倫菲斯特所分發給許可交易的領地的物品一樣。實際上分發的時候會染成與各自領地的斗篷相同的顏色。有著往較大的碎片聚集的習性。這邊的因為是以名為音楓的魔木來製作的物品,大概,適合發出聲音。」 我一邊說明這種魔木的特性,一邊遞給研究小組。伊格納茨和瑪麗安娜以認真的臉寫著筆記。 「如果有不明白的地方,請盡量發問。這是因為,為防止洩漏情報給德雷萬希爾,妾身將不會接近甘道夫老師的研究室。」 「遵命。」 寒暄與會面都已經結束了。把研究素材帶過去的話,甘道夫會對其著迷吧。 「蘿潔瑪茵大人,這邊是有關結星的回信。作為神殿長出席一事,考慮到與中央神殿的關係與人身安全,與以前一樣從遠方進行祝福為好,這樣寫道。」 交給菲莉娜的來自艾倫菲斯特的回信上寫道,在西傑斯瓦爾德與阿道芬妮大人的結星儀式上盡可能不在人前露面比較好。 「���實,能夠不出現在人前就進行祝福說不定是最好的,但說實話,覺得這是不行的。」 「是嗎?」 「畢竟,妾身,至今以來從未有意地進行遠距離的祝福。」 雖然曾經好幾次進行遠距離的祝福,但那是感情溢出擅自變成祝福的。從未試過有意識地進行遠距離的祝福。如果在貴族院練習而使祝福到處飛的話,在貴族院接受祝福就會變得不稀有也沒什麼值得慶幸的,但不練習導致失敗也很糟糕。 本來,連臉孔的印象也很模糊,對其毫無想法的西傑斯瓦爾德,不得不對他注入比阿納斯塔修斯和艾格蘭緹娜更多的祝福。如果偏向與他在一起的阿道芬妮倒還算可以,如果做不好的話可能只會從西傑斯瓦爾德旁邊通過。明明有沒有祝福或偏差都成為了問題,但不知道能不能成功,連時機也沒法計算,很可怕。無法認為這次也可以偶然地順利進行。 「請回答道,遠距離的祝福至今為止都只是擅自飛出去而不是故意進行的,因為想迴避失敗所以不可能不身處當場。」 如果從能夠辨認西傑斯瓦爾德的地方送贈祝福的話,以神殿長的立場出席是最重要的吧。明明在中央神殿的神殿長面前,卻從不同的方向贈予祝福應該看起來完全是在挑釁。比起在眾多貴族面前擊潰中央神殿的神殿長的面子,倒不如讓周圍都知道是因為來自王族的委託而進行祝福還更為溫和。 我寫下一連串艾倫菲斯特一方的憂慮,把主旨為「因為與中央神殿的關係的調整就交給身為提議者的阿納斯塔修斯王子處理了,所以請別再對艾倫菲斯特不利呢」的信件遞給布倫希爾德。 「請把這封信交給艾格蘭緹娜老師。」 除了結星的案件外寫的其他事情有,雖然圖書委員活動的内容變更為鑰匙的管理者,「要嚴肅地聽從王族的要求」但只有這樣寫道。因為不太清楚工作内容,所以總之聽從指示,是這樣非常清楚的回信。 「除非有傳喚,否則都不會有任何關係,以這樣的方針似乎就不會有問題了呢。」 「然後,按照蘿潔瑪茵大人所要求的那樣,費涅媞娜物語的第二卷似乎迅速地印刷出來了。」 為了奉納式而需要把魔石運送去神殿的緣故,所以原稿似乎也與魔石一起運進神殿了。這個送來了的話,應該可以稍微解開費涅媞娜是我的誤解吧。我鬆一口氣地撫摸胸口。 之後,第二天的時候瑪莉耶拉與格蕾緹雅帶著獻名石來了。我在特別準備好的房間接受那個。因為這次是兩名女孩子的獻名,所以護衛與見證人也是女孩子。 「蕾奧諾娜,這樣可以嗎?沒有問題的話就請呼喚瑪莉耶拉前來,菲莉娜。」 「是的。」 從跟著菲莉娜過來的瑪莉耶拉那裡接受了名字。雖然為了盡量減少感到的痛苦而一口氣把魔力流入並用魔力束縛石頭,但果然似乎還是相當痛苦。 「沒事嗎,瑪莉耶拉?」 「沒事。雖然仍有些痛苦,但非常高興的說。妾身,托了要獻名給蘿潔瑪茵大人這個決意的福,才能夠在敦刻爾弗格的茶會上同行。能夠聽到了漢娜蘿蕾大人的感想的說。」 「漢娜蘿蕾大人的感想,嗎?」 「是的。」 對於在敦刻爾弗格的茶會上漢娜蘿蕾所講述的關於戀愛故事的感想,似乎是想全力同意並徹夜暢談的。 明明���魔力束縛而痛苦地喘息著,但不知道是為哪個部分感動了呢,心動了呢,閃耀著綠色眼眸說著話的瑪莉耶拉,比起漢娜蘿蕾來得更像母親大人。 ……正因為說過想獻名給本人,瑪莉耶拉看來與母親大人很投緣呢。 「因此,妾身,衷心希望能於貴族院內盡全力收集戀愛物語並獻給蘿潔瑪茵大人與愛爾維拉大人。」 我讓像母親大人那樣在戀愛物語面前就會暴走的瑪莉耶拉停了下來。 「因為收集故事是菲莉娜的工作,瑪莉耶拉首先要掌握製紙業與印刷業的知識。因為成為母親大人的部下時不能馬上開始工作的話就會很為難了呢。」 「對呢。」 ……嗯,不論怎樣看都很適合成為母親大人的部下呢。 「菲莉娜,請教導瑪莉耶拉有關製紙業與印刷業的事情。然後,有關寫給艾倫菲斯特的報告書也要,呢。如果有餘裕的話就傳達收集故事的方針與做法,兩個人一起收集吧。」 領主候補生的實習文官,必須寫出能在斐迪南的基準下取得合格的程度的報告書。因為菲莉娜從斐迪南與哈特姆特雙方接受了兩年以上的指導,比加入時間不長的羅德里希更習慣文官的工作。 「瑪莉耶拉,妾身的近侍並沒有根據階級決定工作地位的上下。雖然在貴族院裡以上級貴族的蕾奧諾娜為中心,但回到城的時候就會以下級騎士的丹米爾為中心分發工作。雖然實習文官是以哈特姆特為中心,但在貴族院的話從工作的習慣程度和準確性來看,菲莉娜比羅德里希更適合擔當指導的角色,而派她在你身旁。雖然與至今為止的做法大不相同,但這是妾身的做法。請習慣此事。」 「遵命。」 向菲莉娜請求要她指導瑪莉耶拉後,我呼喚莉澤蕾塔與格蕾緹雅,這次是接受格蕾緹雅的名字。 雖然應該相同地感到很痛苦,但格蕾緹雅只是稍稍皺著眉,沒發出呻吟聲就結束了獻名。 「很痛苦吧?沒事嗎?」 「衷心感謝您的擔心。這個程度的話沒問題。因為接受了妾身的名字,妾身將竭盡全力,讓蘿潔瑪茵大人能夠一直住在舒適的房間。」 格蕾緹雅搖晃著稍稍遮著眼睛的瀏海,看著這邊的藍綠色眼睛很高興地瞇細。 「格蕾緹雅的指導由莉澤蕾塔進行。」 因為布倫希爾德忙於調整與上位領地的物品交換,就讓莉澤蕾塔全面負責格蕾緹雅的指導了。似乎會教導喜歡的茶的沏法與房間的整理方法等等的仔細事情。然後,即使不直接與上位領地進行交涉,但被要求在茶會上徹底進行幕後工作,所以好像也會說明這一部分的事情。莉澤蕾塔走上前來,咧嘴微笑。 「蘿潔瑪茵大人的近侍也會把清潔希爾雪露老師的研究室納入工作的範圍。因為會教導做法,所以請好好記住。」 「希爾雪露老師的研究室嗎?」 沒有預料到嗎,格蕾緹雅把眼睛瞪得圓圓的。 「出入那個研究室的人多數是中級貴族,陌生人出入並不常見,所以是面向內部的工作。而且,因為蘿潔瑪茵大人此後會忙於史瓦茲它們的研究,所以出入的頻率會變高。清潔主人的目的地是近侍的工作,所以格蕾緹雅也必須習慣。」 格蕾緹雅稍微抬高下巴後,點了點頭。 ……啊咧?雖然我,在史瓦茲它們的研究之前有必須先做的共同研究喔? 看來莉澤蕾塔為了史瓦茲它們的研究,打算全力支援希爾雪露的研究室。說到是不是受到鼓舞的話,我感到備受鼓舞。 然後,終於恢復了的我總算可以去希爾雪露的研究室了。把寫著敦刻爾弗格的茶會的狀況,以及使史瓦茲它們的研究能夠有進展的魔法陣相關的事情的第三封信交給萊蒙特,作為交換,收下了來自斐迪南的回信。 從萊蒙特交給莉澤蕾塔,經過各種檢查的信件送到我的手上。 「非常厚呢。」 「聽說是集合了兩次份量的回覆。」 我跟萊蒙特談話的期間,格蕾緹雅從莉澤蕾塔那裡接受有關新建的交接程序的說明,身為護衛騎士的勞倫茨也一起學習毒物的確認程序。 作為我的護衛跟來的是優蒂特。 「我也終於得到錄音的魔法具的合格了。托了蘿潔瑪茵大人協助試行製作的福。」 「請讓妾身購入錄音的魔法具的設計圖。妾身,想自行製作的說。雖然現在手頭上沒有錢,但會拜託莉希爾達下一次帶過來。因此,不可以賣給其他人喔。因為妾身預訂了。」 我這樣說的時候,萊蒙特「誰也不想要喔」地苦笑說道。這種事情才不可能發生。只是其他人仍未注意到萊蒙特的價值而已。 「妾身,想回去房間閱讀斐迪南大人的回信的緣故,今天就先告辭了。因為會放好希爾雪露老師與萊蒙特兩人份的餐點,所以請務必在吃完後才開始研究呢。還有,給斐迪南大人的信件,請別忘記了。」 「遵命。」 在萊蒙特面前放下餐盤,我帶著近侍們返回宿舍。 自己使用了發光墨水寫信。來自斐迪南的回信也使用了發光墨水書寫的可能性很高。最好不在引人注目的地方打開吧。我返回自己的房間後,帶著信件飛奔進了隱藏房間。 「哇ー咿,回信、回信!」 用魔法具照亮手邊的話就會幾乎看不見發亮的文字,能閱讀普通的文字。迅速過目後,我歪著頭。 「……總覺得表面也有很多說教呢。為什麼?」 雖然知道會用發光墨水寫下說教,但普通的文字中也有很多說教。明明覺得沒什麼會被發怒的事情,到底是怎麼一回事呢。 明明只是打掃了希爾雪露的研究室,擔心斐迪南的身體狀況,但被寫了「別多管閒事」實在令人難以接受。打掃那個房間也好、擔憂斐迪南的身體狀況也好,應該也不是多餘的事情。 「稍等一下。是以說教來偷偷替換問題呢,這個。因為這邊沒有問題所以別多餘地擔心,不就是說是過著不健康的生活了嗎?」 仔細看了看絮絮叨叨的說教裡,關於首��合格的事情,有「非常漂亮」這樣誇獎的字眼。 「做到了!是非常漂亮,唷!」 嗚哼哼,一邊哼著歌一邊關掉照明。然後,發光文字浮現起來了。 「這裡也是說教……什麼?至今為止居然在這麼短的時間內接二連三地引起問題……。雖然並不是故意要惹出問題,不過對不起。」 別用『在獲得庇佑的儀式上登上高處』這樣的表達方式。你的場合當真可能變成這樣所以感到很困擾,這樣寫道。然後,斐迪南自己是在獲得庇佑的儀式後取得修塔普,所以似乎並未曾因���無法控制魔力而感到困擾。倒不如說,聽說是得到了修塔普後,魔力變得非常容易控制了。雖然寫著取得修塔普前苦於控制魔力時的應對方法,但那個與從養父大人那裡聽說的一樣。 「聽說了魔力積蓄在體內會使成長減慢。因為你的魔力在修塔普能夠控制的範圍內已經很足夠了,所以在尋找到其他對應方法前先減弱魔力壓縮率以優先讓身體成長,不是較好嗎?」 「這樣啊。畢竟用了優雷維身體也變得稍微結實了,稀釋魔力的話就會變得容易長大了呢。」 為與周圍的體格差異而困擾的我,比起增長魔力,更想優先考慮身高的增長。在魔力不足的形勢中,整體氣氛是要盡可能壓縮魔力使其增長就是在貴族院裡進行的事情,所以要稀釋魔力使我有點焦慮,不過聽到「即使是現在的魔力也十分足夠」的話語使心情變得輕鬆多了。 寫了與敦刻爾弗格進行有關獲得庇佑的儀式的共同研究的事情以及,也加上想在艾倫菲斯特以成人對象來試行的事情,不過關於此事,「即使是成人也會增加。我進入神殿後增加了」這樣寫下實驗已經完成的事情。順帶一提,也寫了實驗時的注意事項。 ……到底在神殿進行了多少實驗啊,斐迪南大人!? 但是,因為接受實驗的人只有自己,所以似乎無法從尤斯托克斯和埃克哈爾德兄長大人那裡得到如同因為獻名而得到全屬性的羅德里希那樣的結果。「我也想在艾倫菲斯特進行實驗」寫了這樣難得坦率的話語。雖然寫得很簡潔,但這肯定是瘋狂科學家的靈魂在吶喊。 然後,來來回回寫著希爾雪露與養父大人對話,拉近了距離的事情使他稍為安心了,對於肅清的結果「即使結束了也還不可以放鬆警惕。回去艾倫菲斯特後必須小心」這樣寫著要我注意。 關於與德雷萬希爾的共同研究「期待著在領地對抗戰上發表的結果」這樣寫道,關於與阿倫斯巴赫的共同研究「雖然從來自萊蒙特的信件裡得知了,但仍未收到來自芙勞拉姆的信件」地寫道。 ……果然要送達會花超多時間嗎,還是說有甚麼企圖呢,到底是哪一種呢? 雖然寫道要更詳細描述有關共同研究的事情,但面對「雖然斐迪南大人在貴族院裡似乎讓希爾雪露老師把任何事情都不當作一回事,不過做了甚麼事情呢?」的詢問,回答卻只有「可沒有像你那樣的事情」這樣一句。 「哼哼。總而言之,斐迪南大人也做過各種各樣的事情呢。……啊咧?稍等一下。如果兩人作為我的徒弟進行共同研究的話,還必須再提高水平……這樣說道,斐迪南大人到底把甚麼視為對手了啊!?敦刻爾弗格?還是說,德雷萬希爾!?」 在與三個大領地的共同研究旁加上,我跟萊蒙特背負著「那個斐迪南的徒弟」的招牌發表研究的事情,似乎點燃了斐迪南的好勝精神。今後的研究應該會比以前變得更斯巴達了。 「……雖然我習慣了,但萊蒙特沒關係嗎?嘛啊,畢竟是斐迪南大人的徒弟,沒關係吧。」 而且,在回信的最後以小小的字「說起來,請把格朵莉希的歌當作戀曲。這樣較不麻煩」地寫道。 ……嗚哇,好像非常沒所謂。 視線追逐著發光的文字,眼前開始變得閃爍不停的時候,第一回合的回信終於結束了。 --- 收到了來自艾倫菲斯特與斐迪南的回覆。 瑪莉耶拉與格蕾緹雅加入成為了近侍。 萊蒙特今後似乎會非常辛苦。 接著是,後篇。是信件第二彈的回信。
022(483)回信 後篇
點亮了魔法具的照明,我一度要掩著眼睛。眼瞼裡面似乎仍烙印著發光文字。 ……斐迪南也是這樣一邊覺得視野閃爍不停,一邊閱讀我的信件嗎? 不由得在腦海裡浮現皺著眉頭閱讀著的斐迪南的身影,我一邊微笑著一邊拿起第二彈的回信。 「這邊也相當厚呢。讓我看看?」 首先閱讀用普通墨水寫的部分。會使眼睛有點痛的那部分延後再讀。 我寫的是「在希爾雪露老師的研究室裡負責以萊蒙特的設計為藍本以製作試作品。詳情正如在經由芙勞拉姆老師轉送的報告書中所寫的一樣」這樣的東西。為了讓檢閱的人也知道來自芙勞拉姆的信件沒有送達,也試著在表面寫了下來。 斐迪南對此的回覆是「因為沒有收到來自芙勞拉姆的報告書,這邊完全不知道詳情,不過能夠愉快地進行研究的話就好。不過,因為你帶了好幾名近侍前往,所以請注意別給研究室添麻煩」這樣的說教。這樣一來,把下一份報告書交給芙勞拉姆的時候應該可以「斐迪南大人似乎沒有收到報告書唷」這樣抱怨了。 「雖然寫著別添麻煩,但兩人都是帶著飯菜過去,也把研究室變得非常整潔漂亮,所以應該幫上忙了呢。」 不能讓主人前往骯髒的地方,近侍這樣說道,所以希爾雪露的研究室變得非常整潔漂亮。如果在領地對抗戰的時候去看一次,應該就會明白與以前的差異了。 「雖然不知道是否有這樣的空餘時間啦。」 有關王族主辦的愛書同好茶會裡作為無須保密的內容,以點心與借來的書為話題。關於點心,「聽說在敦刻爾弗格裡,製作了在磅蛋糕裡加入了特產的洛萊的點心。加入各地的特産的磅蛋糕能夠出現的話會很高興呢。雖然如果妾身在貴族院在學期間看到蛋糕增加的話,就會很享受茶會的說」這樣寫道。 對此,「聽說於領主會議上購入了食譜,所以會試著詢問這邊的廚師長,能否把阿倫斯巴赫的特產的果實放進去」這樣寫道。如果廚師長努力的話,斐迪南說不定也能在阿倫斯巴赫稍微嚐到懷念的味道了。 因為書本的話題是在閱讀前寫下的,「借到了中央的書本和王宮圖書館的書本。索蘭格老師借出的閉架書庫的書本哩,似乎也有關於史瓦茲它們的研究的記述。如果有新發現的話,會通知你呢。份量厚得值得一讀」寫道,只寫了當真很表面的事情。 即使如此,對斐迪南來說似乎是有點引起了注意的話題。「即使沒法去圖書館,看來也從其他事物得到樂趣,這比甚麼都好。如果有新發現的話,想獲得通知。即使只是閱讀這封信,也可以稍微沉浸在研究的氣氛了吧」這樣寫道。 ……到底幹了多少工作啊?雖然看來超級渴望研究的說。 雖然想著如果有一點用在興趣上的時間就好了,不過要在迪特琳德在貴族院的期間盡可能牢固地盤的話,說不定真的沒有時間了。 表面上有關愛書同好的茶會的話題是「這次沒有倒下失去意識,就結束茶會了。非常成長了吧?托了斐迪南大人為妾身製作藥物的福呢」這樣就停筆了。斐迪南也「你能安然無恙地享受貴族院生活比甚麼都好。這邊的生活也很順利」這樣給了我無傷大雅的回覆。 在那之後,斐迪南的回信裡寫了一連串蕾蒂希雅的教育的事情。在怎麼樣的課程裡增養推進,非常詳細地記錄了下來。雖然似乎是按照教導威爾弗里德和夏洛特的要訣來教導,但這應該還是斯巴達式教育吧。 不過,有「做得很好」或「比預想中進步更快」這樣的字詞,所以覺得蕾蒂希雅是非常優秀的。 「……蕾蒂希雅好像被好好表揚了。真好吶。嘛啊,雖然我也得到『非常漂亮』了。」 送給蕾蒂希雅的表揚用點心當中收到時最高興的是甚麼等等,還寫著無法想像是斐迪南寫下的內容。與蕾蒂希雅變得相當友好了呢,我一邊想著一邊關掉照明,看著發光文字。 ……哇喔。想著這非常詳細時,感覺能寫在表面而無須保密的內容,好像只有蕾蒂希雅的話題了。 看到寫得密密麻麻的發光文字,我為好像試圖填滿表面的斐迪南的努力而漏出了少許笑聲。在領地對抗戰上見面的話好像會被「別讓我格外操心」地抱怨。 ……因為不能讓他人聽見,所以也會把想說的抱怨壓抑著嗎? 我用發光墨水寫了「將會在王族的結星上擔當神殿長。似乎被知道了進行祝福讓其飛去阿納斯塔修斯王子與艾格蘭緹娜大人的就是我。因為這個祝福的錯而產生了下期王將由誰擔任的爭鬥,為了抑制此事而被說了想我把祝福贈予西傑斯瓦爾德王子。雖然請求了請取得王跟奧伯的許可,不過大概,會變成要祝福的吧」這樣說明情況。 斐迪南則是「如果被王正式委託的話,應該無法拒絕吧」這樣寫道。並非是像上一次那般前一天才提出的唐突的申請(譯註:去年的畢業典禮),而且既然有各種各樣的期望,似乎難以拒絕。因為斐迪南的判斷也是應該接受,所以在回答上也沒什麼特別的問題,使我安心了。 「請求了要讓妾身帶上護衛騎士,還有,要王族負責處理與中央神殿的關係。還有甚麼要請求的其他事項呢?」 對於這樣的詢問, 「因為要在不熟悉的地方舉行神事,請要求讓哈特姆特作為助手同行。然後,因為要讓王族通過神殿的事前協調工作、護衛騎士的陪伴等等這邊的意見,所以要小心注意,以免關鍵的你感到身體不適。」 這樣回覆了。 確實,���擔心的是我的身體狀況。不得不注意,別讓當天取消儀式甚麼的發生。在最糟糕的情況下,即使要灌藥也不得不進行祝福吧。超糟糕藥的準備看來還是別漏掉比較好呢。 最後對我稍微附加的「雖然曾有過想親眼觀看斐迪南大人與迪特琳德大人的結星儀式的念頭也是事實喔」的話,出現了「我的結星儀式不用給予祝福。你會憑感情而使祝福出現巨大的差異。只想避開,祝福比起王子更偏向這邊這樣的事態。因為會變得不明白到底為何從艾倫菲斯特離開了」這樣斥責的話。 雖然被懷疑作為阿達爾吉薩之實盯上王位,而接受了無法登上王位的地位,但如果我的祝福偏頗的話就糟糕了。 ……不過,要不給予斐迪南大人祝福,很艱難唷。 嘟著嘴唇,我繼續閱讀下去。結束結星的話題,改為圖書館的話題。 「史瓦茲它們的管理者已變更為中央的上級圖書管理員。今後圖書委員會成為書庫的鑰匙的管理者。因為這是三人在場才能夠開鎖的書庫的鑰匙,所以聽說可以閱讀讓圖書管理員確認完畢的書。」 斐迪南對於這事的回覆出乎意料之外。 「圖書管理員確認完畢,雖然如此寫道,但能進入那個書庫的應該只有作為王族登錄的人、作為礎石魔法的供給者登錄的領主候補生,還有,圖書館的魔法具而已。在記憶中,書庫的整理並非由圖書管理員擔當,而是由魔法具擔當,圖書管理員僅是管理鑰匙而已。」 斐迪南為了尋找希爾雪露的研究資料而頻繁出入圖書館時,聽說在無意間喃喃自語著想要的資料的時候由史瓦茲它們告知了書庫的存在。 「話雖如此,感覺從王族流失的情報似乎太多了,到了很不自然的程度。難道不是有人限制了情報,或者有其存在被隱藏著的資料嗎。需要三把鑰匙的書庫是為了保存古老的資料和情報而被施加魔法的儲藏書庫,有很多王與下任王應該要知道的情報。並非你,而是讓王族及領主進入的書庫。」 似乎保存著非常古老的領主候補生課程的参考書和古老儀式的資料,所以也好像有哈爾登采爾的儀式的資料。雖然做得到的話想在去年的領主會議時進去,不過因為圖書管理員不在,養父大人和斐迪南似乎被史瓦茲它們拒絕了。 「哼哼。也就是說,畢竟我是有供給魔力的領主候補生,被任命為管理者的三把鑰匙也齊集了,所以可以進去了吧?太好了!」 高興的下一瞬間,發現了「雖然如果失去了這個情報的話最好告知王族,但你別接近書庫。ま似乎又會變成麻煩事」這樣寫道,我「Noooo!」地抱著頭。 想著果然如此的同時,也無法壓抑妒忌的心情。 ……明明斐迪南大人在學生時代就讀過儲藏書庫的資料,我卻被禁止甚麼的好過分喔!明明我也想讀新書! 然後,除了對我的信件的回覆外,還有關於阿倫斯巴赫的現狀的內容。 喬金娜的影響力出乎意料地巨大的事情、前神殿長帶進奉獻式的小聖杯似乎是舊貝爾特修托古之物,所以有很多居民對來自艾倫菲斯特的支援的消失感到怨恨的事情、以王命決定了蕾蒂希雅為下任奧伯的事情在喬金娜和迪特琳德的周圍並不怎麼接受的事情、存在著迪特琳德不知道自己身為中繼奧伯的可能性的事情等等,仔細地寫道。 把這一帶的情報轉達給養父大人,雖然這樣簡單地寫道,但如果這是事實的話,作為蕾蒂希雅的教育人員前往阿倫斯巴赫的斐迪南的立場不就變得非常危險了吧。 「然後,夏天時似乎從蘭斯內維派來了使者,查詢有關獻上公主的事情的意向。必須於下一次的領主會議上由奧伯.阿倫斯巴赫上奏給王。被批准的話,將會把公主從阿倫斯巴赫送往阿達爾吉薩的離宮。」 一邊知道於自己處於相同立場的人會被生下,一邊不得不親手把公主送過去。這對斐迪南來說不就是相當沉重的工作嗎。 「阿倫斯巴赫竟然是與蘭斯內維的聯繫港口甚麼的……。明明斐迪南大人要前往的地方是阿倫斯巴赫以外的地方的話就好了。」 一邊嘆著氣一邊讀完回信,我書寫阿倫斯巴赫的現狀的報告書,然後離開隱藏房間。 「瑪莉耶拉,請把這個寄給奧伯.艾倫菲斯特。然後,莉希爾達。雖然想告訴王族這樣的訊息的說……」 簡短地說明了圖書館的書庫的事情,詢問應該聯繫希爾德布蘭德或者艾格蘭緹娜。雖然在貴族院的王族代表是希爾德布蘭德,但艾格蘭緹娜那邊連絡上阿納斯塔修斯和西傑斯瓦爾德的速度似乎更快。 「對呢。因為是緊急通知,所以讓歐魯多納茲飛去圖書館、希爾德布蘭德王子與艾格蘭緹娜老師三方,告知想進行一次詳細說明,就會為此準備場地了吧。」 學習了把整理場地的事務扔給關係者的方法後,我馬上飛出歐魯多納茲,「聽說上級圖書管理員僅會開鎖,只有王族與一部分領主候補生能進入其中。當中似乎有王族應該要閱讀的資料唷」這樣聯絡道。 「想聽聽詳情。三天後的三之鐘時前來吾的離宮。」 明明應該是發給艾格蘭緹娜的歐魯多納茲,卻收到了阿納斯塔修斯的回覆。怎樣也無法釋然。 「為甚麼阿納斯塔修斯王子會回覆呢?」 「蘿潔瑪茵大人,來自王族的傳喚甚麼的,妾身,該怎樣做才好呢?」 格蕾緹雅一邊顫抖著一邊驚慌地揚聲時,「三天後嗎。仍有少許餘裕呢」布倫希爾德則馬上開始準備。新人與習慣了的近侍的差異很巨大。 「蘿潔瑪茵大人,前往離宮的時候,除了記事用的紙筆外還有什麼必要的物品嗎?」 「這次無此需要。總感覺要忙起來的緣故,盡快進行抄本吧。」 我回答正在努力抄本的菲莉娜的提問後,正在抄寫另一本書的瑪莉耶拉疲倦地嘆了口氣。 「蘿潔瑪茵大人的文官的工作量比預想中更多呢。稍稍感到驚訝。」 瑪莉耶拉似乎以為會有更多閱讀的時間。因為工作是要抄寫困難的書,似乎沒想到幾乎沒有時間去享受母親大人的戀愛物語了。 聽到瑪莉耶拉的話,菲莉娜���奇地歪著頭。 「貴族院結束後,要與蘿潔瑪茵大人一起前往神殿時工作會增加唷。」 「欸?」 「因為並非只有在貴族院進行的故事及情報的收集與分類、抄本、同行前往茶會,也增加了神殿業務﹐以及給印刷與製紙業的協助。」 很有意義的,面對這樣笑著的菲莉娜,瑪莉耶拉露出了抽搐的笑容。仔細想想的話,與威爾弗里德和夏洛特的文官相比,似乎負擔要大得多。 「因為瑪莉耶拉會向母親大人獻名,所以只要能夠滿足貴族院的工作要求的話就沒關係了唷。」 「……沒關係。畢竟妾身也是蘿潔瑪茵大人的近侍。」 瑪莉耶拉搖了搖頭後,以鼓足幹勁的臉把筆插入墨水罐。 直到被王族傳喚那天到來為止,我都在精力充沛地工作。 因為被魯文邀請去騎士大樓,所以對此作出回覆,製作了給實習騎士們的問卷並讓自己的文官們複製。而且,也預備了寫有回答欄目的紙張,以練習進行問卷調查的方法。 然後,在希爾雪露的研究室裡購入從斐迪南得到合格的錄音魔法具的設計圖。用這個來製作錄音的魔法具。 「蘿潔瑪茵大人,需要按照想錄音的話語數量來準備同樣數目的某種程度上品質良好的魔石喔。」 「那並沒問題的。」 現在採集場的品質也很好,聚集過來的魔獸似乎稍微變強了,魔石似乎也能取得品質良好的東西。 因為決定了會為了與頓刻爾弗格的共同研究而進行迪塔,實習騎士們為了增強連攜而連日努力地狩獵。買下必要的魔石就好。 「咕,真羨慕能簡單入手魔石的情況。」 「如果其他人也想要這個設計圖上描繪的魔法具的話,會把情報費用的一成交給萊蒙特。」 說著與著作權同樣,設計圖也按照順序支付追加的費用的時候,萊蒙特似乎不甚明白意思那般眨了眨眼。 「欸?是蘿潔瑪茵大人購入的設計圖喔?追加的部分是什麼?」 「……如果是有廣泛應用價值的設計圖的話,有必要在其上添加額外的費用吧?壓價購入設計圖,會無法培育有幹勁的好研究者的說。」 聽到我的話,萊蒙特和希爾雪露說道「蘿潔瑪茵大人的想法真美妙」並眼睛閃閃生輝。似乎至今為止都是被壓價購買的。 我一邊接受萊蒙特的說明,一邊把魔石鏗鏗地投進去,完成錄音的魔法具。 「想把這個放進布偶裡的說。這樣,撫摸肚子或額頭的話就能聽見聲音……能夠做到嗎?」 「雖然觸碰這個魔石的部分的話想來並沒問題,但放進布偶裡有甚麼意義呢?」 萊蒙特感到莫名其妙地歪著頭,旁邊的莉澤蕾塔則說道「撫摸布偶的話能聽到聲音甚麼的,不是非常可愛嗎」閃耀著綠色眼眸並贊成我的話。 「對吧?因此,就用很像妾身風格的小……」 「果然是松兔吧。覺得那最為可愛。」 莉澤蕾塔一副很興奮的樣子地看著我並「製作布偶的話,請讓妾身幫忙」說道。不擅長針線活的我把「覺得小熊貓也很可愛啊!」的話語吞下去,決定製作松兔。 ……雖然小熊貓很可愛,但難以製成立體版,所以沒辦法呢。 這樣過了三天,為了來自王族的傳喚而前往離宮。這次並非茶會,而是傳喚,所以只準備了土特產程度的點心而已。雖然行李很輕巧,心情卻很沉重。 「沒想過會在這麼短的期間內再次前往離宮呢。」 聽到我的話,布倫希爾德露出苦笑。 「也可以對此保持沉默,決定要告知的是蘿潔瑪茵大人唷。」 「奧伯.艾倫菲斯特也抱著頭了,有這樣的報告呢。不過,如果是對王族來說是多少能幫上忙的情報的話,就不應該吝惜拿出來。公主殿下的判斷很好唷。」 我的近侍們在愛書同好的茶會前從阿納斯塔修斯那裡聽聞了王族的苦勞狀況,非常同情明明沒有接受作為王的教育,卻要登上王位,身心被剝削地供給魔力的現在的王。似乎那是因為,看起來與明明在神殿長大沒受過作為貴族的教育,卻成為了領主的養女以及神殿長而身心被剝削進行魔力供給的我的立場很相像。 ……雖然我不覺得自己像國王大人他們那麼辛苦呢。 「雖然是來自王族的傳喚,但因為是阿納斯塔修斯王子所以多少會感到輕鬆呢。」 雖然說了太多與艾格蘭緹娜的種種真心話,在眼前一下子倒下,已經做了各種各樣的糟糕事情了,不過阿納斯塔修斯大方地寬恕我了。即使進行重要的對話,也能斬釘截鐵地肯定他不會被懷疑要謀反或打算簒奪王位吧,這樣想來,見面比其他王族更輕鬆。 「可不能那樣放鬆警惕唷,公主殿下。」 被莉希爾達斥責時,正好站在與離宮相連的門前。 「久候多時了,艾倫菲斯特的蘿潔瑪茵大人。」 奧斯溫出來迎接,我們進入裡頭。在房間中等待著的是三人。希爾德布蘭德以笑臉迎接,阿納斯塔修斯則「來了嗎」地小聲呢喃。在兩人之間有個陌生人。 是個有著與阿納斯塔修斯同樣色調的金髪以及深綠色的眼睛,笑容溫和的男性,從所坐的位置以及穿著的服裝就馬上能明白是誰了。 ……Noooo!是第一王子啊!請事先通知啊,阿納斯塔修斯王子! 沒想過西傑斯瓦爾德王子居然會來。雖然在心裡盡情發牢騷,但這是傳喚而並非茶會的緣故,所以也不會被告知参加者。 忍住想抱頭坐下的衝動而浮現微笑,與阿納斯塔修斯和希爾德布蘭德寒暄,然後,跪在西傑斯瓦爾德面前並垂下頭。 「向命之神 艾維利貝嚴選罕見之相遇,敬允獻上祝福。」 「允許。」 「初次見面,西傑斯瓦爾德王子。艾倫菲斯特的領主候補生,名為蘿潔瑪茵。今後,請置於識者。」 一邊注意著別做過頭一邊贈予祝福,完成了初次見面的寒暄的我得到許可後站起來。坐在椅子上的西傑斯瓦爾德的視線仍稍微比我高了一點。與阿納斯塔修斯不一樣,似乎是個心平氣和的人。感覺很認真嗎,或者是有種苦勞人的感覺嗎,似乎流露出被好好養育的長子這樣的氣氛。看起來實在不像是會把艾格蘭緹娜夾在其中,與阿納斯塔修斯爭奪王位的人。莫非只是近侍之間興致勃勃嗎。 視線對上了的西傑斯瓦爾德和顏悅色地微笑著,看著我。 「汝就是蘿潔瑪茵嗎。連續兩年的最優秀,卻連續兩年缺席表揚儀式那麼虛弱的艾倫菲斯特的聖女。因為只是一直聽到傳聞,所以想著想見一面呢。」 「……雖然妾身也很期待參與表揚儀式的,但無法如願以償實在遺憾。因為聽說了是被王親口賜予話語的榮譽場合。」 並不是在迴避喔,可是很期待的唷,為營造這個氣氛而參考了滿臉失望的安潔莉卡,努力一番。第一年時被閱讀時間釣住而與斐迪南一起興奮地留守在宿舍裡甚麼的,可不能讓他人知道。 「那麼,請坐在那邊,說說圖書館的書庫的詳情。因為如今,對王族來說那怕只是少許情報也是必要的。」 我把視線移向坐在西傑斯瓦爾德旁邊的阿納斯塔修斯和希爾德布蘭德。 兩人也深感興趣地看著這邊。我輕輕吸一口氣後張口。 --- 是回信的第二彈。 斐迪南在填滿表面的時候辛苦了。 也由於這份辛勞,阿倫斯巴赫的情報流出給艾倫菲斯特了。 然後,由此聯繫到王族的傳喚。 終於第一王子登場了呢。 接著是,王族與圖書館。
023(484)王族與圖書館 前篇
說著對王族來說那怕只是少許情報也是必要的西傑斯瓦爾德,以深綠色的眼睛靜靜地凝視著我。即使正在平靜地微笑著,也能明白在一動不動地觀察著我。 「請坦率回答,蘿潔瑪茵。」 「是的。」 「聽聞只有王族、部分領主候補生與史瓦茲它們能夠進入需要三把鑰匙的書庫,在其中存在著王族應該閱讀的資料。此事沒有錯誤嗎?」 「實在不清楚此事有沒有錯誤。」 我坦率的回覆讓西傑斯瓦爾德眨了眨眼,阿納斯塔修斯則押住額頭。 「蘿潔瑪茵,這是什麼意思?」 「妾身告知艾倫菲斯特從史瓦茲它們的管理者變成鑰匙的管理者時,報告了為了能閱讀經圖書管理員確認的書籍而感到歡喜的事情。然後,此事很奇怪,收到了這樣的回覆。因為並非妾身自己知道的情報,所以不試著進入書庫的話就不清楚此話是否有錯誤。」 西傑斯瓦爾德說道「原來如此」並點點頭,旁邊的阿納斯塔修斯「汝還是過於坦率了」地嘆了一口氣。看來需要再迂迴一點。 ……不過,說著要坦率回答的是王族吧? 「即使如此,也太不可思議了呢。」 「是哪一方面呢?」 「為何在艾倫菲斯特以外沒有知道需要三把鑰匙的書庫的情報的人呢?畢竟,無論是中央或大領地,也沒有知道關於那個書庫的事情的人。」 西傑斯瓦爾德的話使我歪著頭。居然會完全沒有知道的人嗎。以為如果是挺過了肅清的王族的話應該會知道的。 「直到去年為止還在教授領主候補生課程的老師也不知情嗎?」 「雖然聽說她的丈夫在年輕時也曾前往圖書館,但她自己似乎並不知道那樣的書庫的存在。雖然也諮詢過克拉森博格與敦刻爾弗格的奧伯,但聽說也從未踏足貴族院的圖書館。」 知道領主候補生不進入圖書館的理由。接連帶著許多近侍前往圖書館佔領單人間,會被在買不到書籍的情況下學習,或需要以抄本賺錢的下級貴族討厭,也會很麻煩。 我也曾經被近侍們這樣說過。不過,因為我喜歡在圖書館裡閱讀,所以不打算停止前往。今年只是因為有很多研究而忙得不可開交,而且為更改史瓦茲它們的管理者而手忙腳亂,所以儘量不接近而已。 「聽說因為普通的領主候補生會派遣近侍的實習文官去拿取想要的書籍和資料,所以領主候補生自己幾乎沒有前往圖書館的機會。可能是這個原因吧。」 「……是在說於艾倫菲斯特裡就會自己前往嗎?」 聽到彷彿忍住不笑出來的西傑斯瓦爾德的聲線,我意識到自己在說艾倫菲斯特的領主候補生很奇怪,於是稍稍移開視線。 「雖然妾身,這個,很喜歡圖書館與書籍所以非常喜歡前往,但威爾弗里德兄長大人與夏洛特都讓近侍去拿取,所以並不是所有艾倫菲斯特的人都很奇怪唷。」 「對。蘿潔瑪茵僅是喜歡書籍而已。而且,也要向史瓦茲它們供給魔力的緣故,有很多前往圖書館的機會而已。」 雖然希爾德布蘭德進行掩護,但想來西傑斯瓦爾德心裡的怪異領主候補生這樣的評價並不會改變。因為對這份心意心存感激,我笑著向希爾德布蘭德點點頭。 「對艾倫菲斯特來說埋頭研究是興趣,所以所屬研究室的老師要徒弟拼命工作,導致會有經常踏足圖書館的領主候補生的說。雖然似乎也有著很少有可信的近侍,無法把重要的書籍交給他們這樣的理由……」 這樣簡單說明情況後,三位王子的表情都變得非常微妙。說不定這是稍微無關緊要的情報。 「聽說也有碰巧得知書庫的存在的方法唷。在圖書館裡小聲呢喃想要的資料時,聽說史瓦茲它們引導前往書庫了。因為當時似乎是很普通地由上級圖書管理員開鎖的,所以當時並沒有特別保密吧?」 雖然自己前往的領主候補生很稀有,當時的上級圖書管理員也不在了所以無法得知內情,但如果是王族以外禁止通行的書庫的話,上級圖書管理員應該不會開鎖的吧。 「雖然妾身也曾多次前往貴族院的圖書館,因為是史瓦茲它們的管理者所以與其的接觸也應該很多,但即使如此,妾身也不知道書庫的存在。因此,想來應該是要尋找相當特殊的資料唷。」 雖然我曾經「想閱讀未曾讀過的書」這樣向史瓦茲它們請求,但從未「想要這樣的資料」這樣請求過。因此,在閱覽室內的書籍已經足夠了吧。 「如果把閱覽室的書籍全都讀完,把誰都可以借閱的閉架書庫的書籍全都讀完後的話,說不定史瓦茲它們也會引導妾身到那個書庫。然而,考慮到直到畢業之前的時間,覺得此事甚為困難。」 不敢說是從誰得來的情報。不過,似乎傳達給西傑斯瓦爾德和阿納斯塔修斯了。西傑斯瓦爾德繼續微笑著,深綠色的眼睛發亮。 「那人為何至今為止一直對如此重要的情報保持沉默呢?」 「難道不是沒想過此是王族並不知情的情報嗎?如果不知道的話就告知那方為好,因為有這樣的話語,妾身就飛出歐魯多納茲了。聽說感到王族很不自然地缺乏情報,到了甚至會在想是否有人在隱蔽情報那般的程度的說。」 由我來傳達的話就會去懷疑斐迪南,斐迪南自己當然也知道吧。即使如此,應該也包含很多重要性到達了被判斷為傳達會比較好的程度的情報。與其在這樣的地方進行無關重要的對話,在圖書館裡閱讀一份資料還比較有建設性。 「雖然妾身也有想請教王族的事情,但可以說嗎?」 雖然阿納斯塔修斯說著「稍等」而阻止我,但西傑斯瓦爾德先一步「請」地催促我了。我向西傑斯瓦爾德回以微笑。 「對說著要如此傳喚想詳細聽取的王族來說儘管多微小也需要的是,到底是從誰得到情報這樣的事情嗎?還是說,是考量王族應該知道比較好的資料內容嗎?妾身從未進入過書庫的緣故,有關內容的方面完全幫不上忙。」 周圍的近侍們都騷動起來,西傑斯瓦爾德瞪圓了眼睛,阿納斯塔修斯則「說得太過了」地說道。 「妾身從索蘭格老師借來的昔日的圖書管理員日誌裡,有著成年王族於領主會議的時期造訪圖書館,由上級圖書管理員全體前往迎接的記載。從此處來看,能夠想像造訪圖書館對王族來說是重要的事情。因為日誌被中央的騎士團團長拿走了,所以王族一方也閱覽了吧?雖然認為已經知道書庫的重要性的說。」 去書庫是很重要甚麼的是明擺著的事情,所以如果有餘暇質問是從何以來的情報的話就去圖書館啦,這樣說道的我的想法似乎成功傳達到了。 西傑斯瓦爾德和阿納斯塔修斯「是這樣一回事嗎」地互相看了看後,輕輕點頭。 「上級圖書管理員全體前往迎接的事情,代表前往需要鑰匙的書庫的可能性也很高呢。進入裡頭的話就能明白是否當真有重要的情報了。阿納斯塔修斯。」 「明白了。去呼喚敦刻爾弗格的領主候補生去圖書館吧。」 阿納斯塔修斯呼喚奧斯溫,命令放歐魯多納茲飛去敦刻爾弗格。我慌忙揚聲。 「奧斯溫,如果要呼喚漢娜蘿蕾大人出來的話,請轉告她要帶一些回復藥。」 「是回復藥嗎?」 我點了點頭。 「聽聞鑰匙的登錄需要相當多的魔力。準備一下會較好吧?」 「這���說起來,奧滕希婭說過這樣的話哪。奧斯溫,就如蘿潔瑪茵所言。」 「遵命。」 把歐魯多納茲飛過去後「遵命。現在會前往圖書館」送來了這樣的漢娜蘿蕾的回覆。 也用歐魯多納茲通知圖書館關於王子三人會前往那邊的事情,大家紛紛前往圖書館。雖然這非常引人注目而很想逃跑,但身為鑰匙管理者的我不可能逃離。 但是,形成一大群成群的隊伍是暫時性的。考慮到我的步行速度,無論如何都無法與成年的王子們一起走動。看著接連離去的王子兩人稍稍吐出安心的嘆氣時,以相同速度走著的希爾德布蘭德揚聲說道。 「蘿潔瑪茵知道那個書庫裡有什麼東西嗎?」 「聽聞是領主候補生的課程資料以及關於古老儀式的資料。於艾倫菲斯特調查的關於古老儀式的資料似乎也在那個書庫。雖然領主會議時奧伯.艾倫菲斯特與斐迪南大人曾到訪圖書館,但史瓦茲它們似乎說了圖書管理員不在所以並沒有鑰匙。」 畢竟希望大家能認識到圖書館的重要性,盡可能增加一些上級圖書管理員。我企圖心十足地傾訴的時候,希爾德布蘭德仿佛想到好點子那般拍手並笑了起來。 「那麼,蘿潔瑪茵也趁此機會一起搜尋資料不就好了嗎?」 「雖,雖然此是非常令人心動的話語,但為免引起進一步的事端,進入書庫被監護人禁止了的說。」 為防止艾倫菲斯特再被懷疑,而且,為免第一次進入書庫的我引發祝福暴走,最好別進入書庫。 ……即使腦子裏明白卻仍很想進去,但沒辦法呢! 其實非常想進去,想讀書,不過莉希爾達似乎不會容許,斐迪南則絕對會發怒吧。 抵達圖書館時,史瓦茲和懷斯前來迎接。 「蘿潔瑪茵,來了。」 「希爾德布蘭德,來了。」 被史瓦茲它們以「蘿潔瑪茵」地以名字稱呼還是第一次,所以總覺得非常不可思議。雖然這是理所當然的事情,但已經不是「公主殿下」了的事情使我稍稍感到寂寞。 「久候了。已經要求無關人員離開。」 王子聯絡了三人都會前往。雖然是當然的事情,奧滕希婭與索蘭格也在等著。雖然對正在學習的學生們表示同情,但比起與王族發生糾紛,倒不如趕快撤退為好。 與圖書管理員寒暄期間,漢娜蘿蕾在我們之後到達了。看見王子聚集一堂,漢娜蘿蕾輕輕瞪大了紅色的眼睛。 ……明明只是被阿納斯塔修斯的名義叫出來已經對心臟很差了,王子還三人都到齊了。很驚訝吧?明白的,明白的。我也很驚訝唷。 自作主張地對她抱有親近感的期間,漢娜蘿蕾交換了與西傑斯瓦爾德初次見面的寒暄。 「雖然對突然的傳喚深感抱歉,但希望能作為圖書委員幫忙。」 「能為您效勞深感喜悅。」 不愧是大領地的領主候補生。即使是王族突然的請求也沒有狼狽,漢娜蘿蕾微笑著接受了。 ……我也不得不學習。 「鑰匙在這邊的執務室。……不過,畢竟不能讓這麼多人入內,所以請允許同行進入執務室的人數限於護衛騎士兩人與文官一人。」 即使是在奧滕希婭的帶領下進入執務室,也難以讓王子三人與領主候補生兩人的近侍全員進去。我挑選了身為上級騎士的蕾奧諾娜與在我的護衛騎士當中最擅長近戰的勞倫茨,而且,最能勝任文官業務的菲莉娜進入執務室。 在辦公桌上響起嘎咚,嘎咚的聲音,奧滕希婭放下了鑰匙。是雖然從上級圖書管理員的房間找出來,卻似乎只有一個人能登錄一把的鑰匙。 「請用這邊的鑰匙完成管理者登錄。請蘿潔瑪茵大人與漢娜蘿蕾大人握著鑰匙注入魔力。」 我和漢娜蘿蕾按她所述握著鑰匙登錄魔力。與登錄持有聖典鑰匙的主人沒什麼大分別。轉眼之間就結束了。 「很快呢。」 對瞪大眼睛的奧滕希婭「實在不敢當」地回以微笑。漢娜蘿蕾也用不了多久就結束登錄。 「領主候補生與上級貴族果然不一樣呢。」 「奧滕希婭,這兩位可是非常優秀的領主候補生的說。並不是能這樣與自己比較的唷。」 索蘭格一邊像要安慰那般說道,一邊從鑰匙的保管箱取出另外兩把鑰匙,然後關上保管箱。 「從沒想過妾身會使用這把鑰匙呢。」 據索蘭格所言,王族這樣來臨圖書館的時候會由上級圖書管理員全面負責對應,所以索蘭格似乎不會露面,而會在近侍泡茶、準備餐點的地方發出指示,徹底負責內部工作而已。 離開執務室前往閱覽室時,與沒法進入執務室的近侍們會合。當人數一下子膨脹時,穿過閱覽室的一樓。 「在愛書同好的茶會上借給蘿潔瑪茵大人的書籍是放在這邊的書庫裡的東西。」 索蘭格一邊咯咯地笑著,一邊把在閲覽室深處的閉架書庫的門鎖打開。初次進入閉架書庫的我感到很振奮。在有少許塵埃的空氣中混合著羊皮紙的氣味,感覺非常舒服。 大家進入不甚寬敞的書庫後,索蘭格打開在深處的門鎖。那時,看見門的深處點著燈,有通往地下的樓梯。因為周圍全是白色的,感覺相當明亮。 「史瓦茲、懷斯。請為大家帶路。」 「帶路。」 「重要的工作。」 聽到索蘭格所言,史瓦茲和懷斯開始蹦蹦跳著下樓梯。 「請繼續跟隨奧滕希婭、史瓦茲和懷斯。身為中級貴族的妾身從此處開始無法繼續前進。從此處開始的事情,請詢問史瓦茲和懷斯。」 身為上級圖書管理員的奧滕希婭走下樓梯,王子跟在後面。無法繼續前進的不僅是索蘭格,近侍們也是一樣。好像被透明的膜擋住那般,數名王子們的近侍停下了腳步。 三名王子與近侍們走向樓梯後,漢娜蘿蕾跟在後面。考慮到領地的名次,我是最後的。 在我的近侍當中,菲莉娜和羅德里希他們停止了行動。在我的近侍中能跟到樓梯上的只有莉希爾達、蕾奧諾娜與布倫希爾德三人。 考慮到其他王族與漢娜蘿蕾都帶著更多的近侍,我的近侍非常少。 「蘿潔瑪茵大人的近侍有很多中級貴族呢。」 正在走下樓梯時,漢娜蘿蕾回過頭來說道。 「艾倫菲斯特有威爾弗里德兄長大人與夏洛特,之後還有一人,弟弟梅爾基奧,所以在領主候補生當中是互相爭奪近侍的狀態的說。」 「同時期有四名領主候補生,在貴族院的近侍確實會變得不足呢。」 「沒錯。雖然至今為止都完全沒有問題,但也存在著像這樣只有上級貴族才能夠同行的事態呢。」 我「是第一次呢」地露出困擾的表情時,漢娜蘿蕾「妾身也是第一次呢」微笑說道。 走下樓梯後,來到猶如茶會時那般準備了好幾張桌子與椅子的地方。寬廣得近侍全員都能進入,不禁驚訝地環顧周圍。 明明是潔白的樓梯、潔白的地面、潔白的牆壁,卻只有一邊的牆壁有著如同金屬那般的色澤,牆上有三個彷彿在強調其存在那般非常花哨地裝飾著的部分,等間隔地並排。 「三人並排。」 「開鎖。」 史瓦茲和懷斯一邊叩著金屬的牆壁,一邊示意有裝飾的部分。看來這個看起來是金屬牆壁的物件是書庫的門,然後這個有裝飾的部分是鎖孔。靠近看看的話,就看出並非把鑰匙插進去,而是崁進去。 我把視線移向漢娜蘿蕾與奧滕希婭後,輕輕崁入鑰匙。進行了魔力登錄的魔石吸取魔力後發出光,紅色的線條開始在整堵牆壁上奔走。 在全體上描繪了複雜的紋樣後,發出嘎嘎的聲音,牆壁分為三部分開始旋轉。為免被那個動作捲入,我往後退。雖然看起來像牆壁,但這樣分為三部分移動的話,看起來就像門一樣。 門慢慢移動著,一百八十度旋轉,看起來所有門都再次連接在一起的瞬間,門消失了。 裡面確實有像書庫一樣的地方。看書台與書寫用的桌子,而且,有很多書架。那書架雖然很像木牌,但那並非木牌而是白色的板之類的東西並排在一起,至於我所知道的書本形狀的物件,被擺放在頂板傾斜的桌子上的只有二十冊左右。 在大家驚訝得瞪大眼睛時,史瓦茲一邊說著「打開了」一邊往那邊走。雖然奧滕希婭跟隨著史瓦茲,但被和樓梯那邊一樣的透明的膜阻止了。 「……當真進不去呢。」 奧滕希婭像要推著透明的牆壁那般停下腳步。一邊抬頭看著奧滕希婭,懷斯一邊「公主殿下沒有資格」說道。 「像確認領主候補生能否進去。蘿潔瑪茵,試試走進去吧。」 「非常遺憾地,妾身,被監護人禁止進入書庫。如果有可以讓妾身閱讀的資料的話,請帶出給這邊。」 以想哭的心情抬頭看向阿納斯塔修斯時,懷斯噗嚕噗嚕地搖頭。 「資料,禁止攜出。」 「誒誒!?怎,怎會……」 ……本來打算在外面仔細看看的,好過分唷! 受到打擊的人並不是只有我。奧滕希婭也對懷斯的話微微顫抖,用手掩口。 ……我,現在與奧滕希婭完全同步了唷。 看見我和奧滕希婭失落地垂著肩膀的模樣,阿納斯塔修斯呆然地嘆了口氣,把視線轉向漢娜蘿蕾。 「沒辦法。漢娜蘿蕾,去吧。」 「……遵命。」 彷彿下定決心那般,漢娜蘿蕾用力吸了一口氣,戰戰兢兢地一邊伸著手一邊慢慢前進。不過,與奧滕希婭停下來的不一樣,慢慢地走了進去。先前進去的史瓦茲似乎對漢娜蘿蕾說了些話,看見漢娜蘿蕾歪著頭。說不定,從這邊是聽不見聲音的。 「如果是領主候補生的話似乎確實能進去哪。……那麼,兄長。吾先去。」 阿納斯塔修斯像是要確認危險那般走在前面,回過身來點點頭後西傑斯瓦爾德就進去了。雖然王子兩人進去了,但想跟在王子後面的近侍們卻進不去。 「那麼,我也去。」 露出開朗的笑容的希爾德布蘭德想跟在兩名王子後面進去,但沒能進去。被透明的牆壁阻止了。 希爾德布蘭德屏住呼吸,敲打透明的牆壁。 「為什麼!?為甚麼,我不能進去!?是因為決定了與阿倫斯巴赫的公主訂下婚約而不再是王族嗎!?」 聽見猶如要哭泣的希爾德布蘭德的聲音,懷斯搖了搖頭。 「不是的。希爾德布蘭德,魔力不足。」 --- 提供了情報而去圖書館。 漢娜蘿蕾也被叫出來,在鑰匙登錄了魔力。 第一次進入圖書館的地下書庫。 地下的話不是有點浪漫的感覺嗎? 接著是,後篇。
024(485)王族與圖書館 後篇
聽見懷斯的話而目瞪口呆的並不只有希爾德布蘭德。「明明是王族���魔力不足無法進入」面對被懷斯這樣明言的希爾德布蘭德,在場的近侍們也不知該怎樣說話為好,面面相覷。 變得不是為了被禁止攜帶資料外出而垂頭喪氣的場合了,我前往希爾德布蘭德的所在之處。 「希爾德布蘭德王子,應該有記載提及此書庫是成年的王族會造訪的地方。仍未於貴族院入學的希爾德布蘭德王子就算魔力不足也沒辦法唷。畢竟也仍未學習魔力壓縮、也仍未得到修塔普、也仍未獲賜諸神的庇佑。」 「蘿潔瑪茵……」 「希爾德布蘭德王子的成長期還早著,所以在成長前與妾身一起等待大家吧。好嗎?」 一邊這樣說著,我一邊用手示意有好幾張椅子的地方。希爾德布蘭德抬起頭環視周圍。 「……蘿潔瑪茵要在這裡等待嗎?」 希爾德布蘭德一邊看著在透明的牆壁前的椅子跟桌子一邊問道。這裡能清楚地觀察書庫的狀況。能一邊確認沒有危險一邊候命,是近侍們為了在裡面閱讀資料的主人而準備各種各樣的東西的地方吧。 「雖然妾身也想進去裡面,但被禁止了不謹慎地進去的說。打算在這裡一邊喝茶,一邊等待看看會否當真發現有益的資料。」 「那麼,我也一起等待吧。」 希爾德布蘭德展露笑容朝椅子走去。阿圖爾彷彿鬆一口氣那般放鬆了肩膀的力度。 「索蘭格老師說過曾協助茶具的準備吧?布倫希爾德,請去詢問該怎樣進行。」 「遵命。」 布倫希爾德轉過身來,走向樓梯。如此同時近侍們考慮該準備何物,開始為了各自的主人行動起來。 「我也想為主人準備茶品。能許可嗎?」 「拜託了,阿圖爾。」 「雖然曾與莉澤蕾塔一度返回宿舍,但一個人無法全部搬運來此處呢。」 拿著一部分茶具的布倫希爾德露出為難的笑容。「去了宿舍的話,請稍稍休息」莉希爾達說道,去上面提取剩餘的行李。 「泡了茶後,布倫希爾德也在那邊坐下稍作休息為好唷。」 「不。畢竟不能讓蘿潔瑪茵大人離開視線。因為不知曉何時會衝進書庫。」 聽見一邊咯咯笑著一邊這樣說道的布倫希爾德,雷奧諾娜也表示同意。看見書庫就心神不定的我看來相當沒信用。 但是,那裡是有著沒看過的資料和書籍的書庫。因為如果不湊齊三人的鑰匙的話就不能打開,所以想到不知道下次什麼時候會打開,大家肯定會同意我會難以忍耐不進去的。 「該怎樣增長魔力為好呢?」 「因為會在貴族院學習,所以現在不是輕率魯莽的時期唷。如果能找到適合自己的方法的話,會大大增長的。王族肯定有歴代的王研究得出的有効增長方法吧?」 魔力的壓縮方法似乎是一族的秘傳,或者是個人隱匿的東西。王族肯定有王族的增加方法吧。面對如果說了多餘的話就會馬上開始壓縮的希爾德布蘭德,我沒有說任何具體的事情,一邊含糊地回答一邊遠遠看著漢娜蘿蕾他們閱讀資料的模樣。 是打算粗略地看看寫了些甚麼吧。三人分頭拿出各處的白板那般的資料並過目,然後放回原處。漢娜蘿蕾搖著頭,王子兩人露出為難的表情。而且,之後,阿納斯塔修斯打開了被立起來的巨大書籍,呼喚西街斯瓦爾德去看。 ……真好哪。我也想參與那邊。 當我一邊吃著莉希爾達帶來的乾燥點心一邊看著書庫的模樣時,不知道在談甚麼的漢娜蘿蕾和王子兩人走出來了。 「那個,請蘿潔瑪茵大人也進來吧。太多古老的資料,難以判斷內容。因為讀過敦刻爾弗格的歴史書,也對古文很熟悉吧?」 「蘿潔瑪茵,雖然會違背了與監護人的約定此事令人非常心痛,但不能只是幫幫忙嗎?」 被漢娜蘿蕾與西傑斯瓦爾德請求,內心搖擺不定。想進去。想讀書。不過,不想被發怒。 「呃,呃ー哆,不過……妾,妾身是……」 我轉身向莉希爾達和蕾奧諾娜尋求許可。兩人都露出非常為難的表情,即使如此,也「不行」地說道並輕輕垂下眼睛。希爾德布蘭德也露出「請不要走」這樣傾訴著的表情。 此時,阿納斯塔修斯的聲線響起。 「蘿潔瑪茵,過來。」 「阿納斯塔修斯,別用這種命令的語氣。畢竟她是善意的協力者。」 被西傑斯瓦爾德指責的阿納斯塔修斯一邊「不是的,兄長」地說道,一邊搖頭。 「對被艾倫菲斯特的監護人命令的蘿潔瑪茵來說,如果沒有更上位的王族的命令這樣的名義的話,僅依靠請求是不會行動的。……幫忙閱讀在此處的資料,蘿潔瑪茵。此為來自王族的命令。」 ……是來自王族的命令喲?這可是不能拒絕的東西唷!呀呼嗚! 「莉希爾達、布倫希爾德、蕾奧諾娜。如果有王族的命令的話就沒辦法了吧?」 我回過頭來面向近侍們時,三人一起嘆了一口氣。 「公主殿下,這可不是無可奈何的表情唷。」 「雖然沒辦法的就是沒辦法……」 「蘿潔瑪茵大人,請別過於興奮唷。」 說是王族的命令的話,就是無法違抗的。我笑著從椅子上站起來。 「那麼,妾身走了。」 我抱著興致勃勃的心情走進透明的牆壁的那瞬間,史瓦茲的臉微微移動,抬頭看著我。 「蘿潔瑪茵,祈禱不足。」 「欸?什麼事?」 不太明白突然說的東西,我歪著頭。在我之後進來的漢娜蘿蕾「蘿潔瑪茵大人也被史瓦茲說了些甚麼嗎?」地問道。 「沒錯。雖然被說了祈禱不足這樣的事情……」 「雖然不太清楚,但妾身在進入此處的同時也被說了。屬性不足、祈禱不足,這樣。」 漢娜蘿蕾「是什麼呢?」說道並歪著頭。王子兩人似乎也同樣被這樣說了。到底是甚麼意思呢,考慮著的時候,阿納斯塔修斯聳了聳肩。 「如果即使是在做神殿長的蘿潔瑪茵也祈禱不足的話,就無可奈何了。思考也沒用。」 「這也對呢。那麼,趕緊去讀……」 停止思考下去,現在想讀書。我把手伸向豎立在頂板上的書的時候,被阿納斯塔修斯攔住,然後被帶到放滿白板的書架的位置。 「因為那邊的書籍以比較新的語言書寫,即使是我們也會閱讀。你閱讀的是這邊。」 「雖然漢娜蘿蕾說了如果是蘿潔瑪茵的話就能讀懂,但當真能閱讀嗎?」 取出一塊放在書架上的白板,阿納斯塔修斯把它遞給我。在與建築物相同的白色的板子上,雕刻著古老的字句。這樣的話只要有支撐貴族院和圖書館的魔力,就不會腐朽了吧。 ……石板嗎。對保存來說很適合呢。雖然有點重,能書寫在一塊石板上的東西很少。 我一邊用手指摸著一邊閱讀被刻下的字句。 「這是很久以前的儀式的舉行方式呢。……呼嗯。聖典的那個部分變成了這樣的儀式嗎?」 這是從萊登謝夫特的眷屬們因爭吵而燃燒過頭,變成灼熱的夏天時,海之女神 法菲蕾米婭去讓眷屬們冷靜下來,這個故事演變而來的儀式。如果哈爾登采爾的儀式是呼喚春天的儀式的話,這看來就是抑制過熱的夏天的儀式。 雖然聖典上只記載了故事、歌跟圖畫,但這塊石板上詳細記載了儀式的執行方法。如果有記載著哈爾登采爾的儀式的執行方法的石板的話,看來就能確實地再現了。 「雖然妾身對此非常感興趣,想這樣繼續調查聖典與儀式的關係,但對現在的王族來說派不上用場呢。因為要按順序看,史瓦茲,請從頭端開始順序拿過來。」 「明白。」 我過目史瓦茲拿過來的板子。 在這期間,西傑斯瓦爾德和阿納斯塔修斯閱讀記載著比較新的情報的書本狀態的東西,而漢娜蘿蕾則緩緩閱讀著白板。 讀了好幾個儀式的執行方法後,史瓦茲帶來的石板上初次出現寫著儀式以外的東西。 「西傑斯瓦爾德王子、阿納斯塔修斯。這不就能成為王族的参考嗎?此是很久以前的王的回憶錄。寫著有關魔力壓縮的方法與獲得庇佑的事情。這一帶的庇佑的記述對與敦刻爾弗格的共同研究來說也很有幫助呢。」 說是回憶錄嗎,還是說是入門指南資料嗎,是以「這樣我就成為了王」這樣的感覺講述自己的辛勞的資料。 只是,因為要雕刻在這樣不算很大的石板上,而且感覺省略了有關當時的共通知識,所以即使讀了也不太明白意思。 「……只是,真的不明白的說。這裡的部分,『一邊多次旋轉一邊獻上祈禱給予所有諸神』,雖然可以這樣解讀,但是在哪裡並怎樣旋轉呢?難道是一邊跳奉納舞一邊獻上祈禱嗎?中央裡有甚麼可以用來旋轉的地方嗎?」 腦海中浮現一邊咕嚕咕嚕地旋轉一邊獻上祈禱的模樣,阿納斯塔修斯也向我露出為難的表情。 「比神殿長的汝更熟悉有關祈禱的人,應該不存在於貴族院內吧。神殿内不會做些甚麼嗎?這個,一邊旋轉一邊獻上祈禱那般的……」 「會否是並非旋轉,而是來回向各個諸神獻上祈禱的意思嗎?」 聽到冷靜的西傑斯瓦爾德的話,咕嚕咕嚕旋轉的印象一下子消失了。以前的人在做甚麼啊,雖然曾很認真地苦惱,但如果只是獻上祈禱給各個諸神的話就很普通了。 ……不過,說是獻上祈禱,基本上是把神器帶到自己的房間嗎,或者是去禮拜室呢,到底是哪一種啊。雖然神殿裡也沒有來回向各個諸神獻上祈禱的印象。 「……啊!這樣說起來,曾經從神殿的近侍聽聞,神殿裡到處都潛藏著神明大人的雕刻。如果不論哪個神殿也是同樣的話,說不定古人會來回向神殿各處的諸神獻上祈禱。」 「也許是如此呢。」 想起從莫妮卡聽說的話時,阿納斯塔修斯露出難看的表情,「呼—姆」,西傑斯瓦爾德則沉思起來。 「因為這份王的回憶錄似乎很重要,所以如果能做到的話想把翻譯為現代語並寫下來,不過可以拜託汝嗎?雖然就照這樣寫下來的話說不定即使是文官們也能夠翻譯,但如果不是熟悉神殿與祈禱的蘿潔瑪茵的話,也許會有很多無法理解的事情。」 「明白了。那麼,妾身,出去一下從菲莉娜那裡拿來紙張與墨水。因為妾身的文官未有走下樓梯。」 當我這樣說的時候,漢娜蘿蕾拉高聲線「讓妾身去吧」地說道。 「能閱讀古文的蘿潔瑪茵大人在此處確認資料的話,進展會更快吧。妾身會前往跟蘿潔瑪茵的近侍們談談。」 「這,這樣的事情不能夠勞煩漢娜蘿蕾大人!」 不可能讓上位領地的領主候補生去跑腿。明明我起勁搖頭推辭了,但西傑斯瓦爾德卻咧嘴微笑「拜託了,漢娜蘿蕾」地說道。 「告訴蘿潔瑪茵的近侍後,稍作休息為好唷。因為漢娜蘿蕾從��開始就一直在努力了。」 ……這樣嗎。需要休息啊。 完全忘記了與閱讀書籍和資料的時候會忘記時間埋頭讀書,變得不需要進餐或休息的我不一樣,對其他人來說休息是必要的。 目送漢娜蘿蕾離開書庫,我把視線再度落在白板上。 「蘿潔瑪茵,雖然聽聞了會進行因祈禱而增加諸神的庇佑這樣的研究,但當真祈禱的話就會增加嗎?」 「雖然認真祈禱、頻率與次數、魔力的奉獻等等,看來有幾個元素是必要的,不過為了得知此行為到底會造成哪個程度的影響,將會得到多人獲得萊登謝夫特與安格里夫之庇佑的敦刻爾弗格實習騎士們的協助。」 不過,祈禱是肯定會使庇佑增加的喔,我這樣回答西傑斯瓦爾德。西傑斯瓦爾德一邊低頭看著王的回憶錄,一邊輕輕嘆氣。 「雖然吾從有適性的大神那處獲得了庇佑,但只是稍微變得容易使用魔力的程度,感覺並無特別的變化。當獲得來自眷屬的庇佑時,會有何種改變呢?祈禱是否應該優先於現在王族的職責呢,正在為此煩惱。」 是在說明明必須不斷注入魔力以支撐尤爾根施密特,並沒有在書庫裡悠閒地閱讀資料的餘裕這樣的事情吧。 「西傑斯瓦爾德王子,比起越快速越危險的捷徑,還是使用即使看起來是繞遠路卻較安全的道路會較快到達目的地,所以妾身覺得選擇安全並穩固的方法為好喔。」 「這是什麼意思?」 面對歪著頭的西傑斯瓦爾德,我咧嘴微笑。 「對西傑斯瓦爾德王子來說這樣閱讀資料,獲得魔力壓縮的方法和以祈禱來獲得庇佑的事情說不定像在繞遠路。然而,魔力增加,獲得庇佑最終會變得更輕鬆的說。因為,從眾多眷屬獲得庇佑時,可以說魔力的效率、消費量都會變化。」 「有這樣的變化嗎?」 深綠色的眼睛驚訝得大大睜開。 「因為是體感,所以認為存在個人差異。不過,從全部十二柱諸神獲得庇佑的威爾弗里德兄長大人曾說過,消耗至今為止的七成左右的魔力已經能夠進行調合。」 「七成左右的程度……。這能通過多少獻上祈禱的行為來得到呢?」 以像要把人吃掉那般的視線的強度來看,能清楚明白王族到底有多迫切,有多需要魔力。 「……看來比那個威爾弗里德獲得更多庇佑的汝又如何呢?」 被阿納斯塔修斯盯著,我緊閉著嘴唇。可以說出來嗎。還是保持沉默比較好嗎。只是,覺得王族更知道祈禱的效果會比較好。 「會作為於神殿內祈禱的成果來發表吧?即使在此處說出來也不會有太大改變。」 「因為與其他人差異太大,所以於發表研究時預定會適可而止。然而,因為希望王族一方了解祈禱的重要性,所以會說實話。連向艾倫菲斯特也未有報告正確的數字的說。請別洩露給他人得知。」 「知道了。」 「……約好了喔。」 看見阿納斯塔修斯和西傑斯瓦爾德點點頭,我緩緩開口。 「妾身總共承蒙四十三柱諸神賜予庇佑,魔力的消費量變成至今為止的四成左右。不論是調合或者魔力供給也都會在消耗一半以下的魔力就結束了,所以現狀是辛苦地調整著感覺。」 「你說什麼!?」 「一半以下嗎!?究竟是怎樣獻上祈禱的說?」 因為兩人都很驚奇地大聲叫喊,所以我叮囑著「請絕對別洩露呢」,在自己的寫字板上寫下祈禱的話語。 「於艾倫菲斯特裡,向礎石魔法供給魔力時,會一邊向諸神獻上祈禱一邊進行。因此,奧伯.艾倫菲斯特也蒙受複數的眷屬賜予庇佑。因為僅是在魔力供給時頌唱祈禱的話語,所以不覺得即使是忙碌的王族一方也可以簡單實行嗎?」 「僅是如此就可以了嗎?」 阿納斯塔修斯疑惑地看著我。 「當然,如果希望得到眾多的庇佑的話,認為應該要積極地前往神殿舉行神事。然而,王族應該沒有如此的餘裕,而且突然開始舉行神事的話,想來與中央神殿的衝突也會變得很麻煩,所以從簡單易懂的地方開始就好了唷。因為在此期間,會變得能擅自飛出祝福那般自然地向諸神獻上祈禱。」 重要的是習慣。然後,一旦習慣成自然了,有時會被奇異的目光看著,也會被發怒。我經歷過了。 「雖然沒有好好研究過,但即使成年了庇佑似乎也能增加,所以經常一邊祈禱一邊供給魔力的話,想來數年後會變得非常輕鬆的。」 「即使成年了也可以,嗎?艾倫菲斯特究竟隱藏了多少情報?」 「並非打算隱瞞唷。因為直到與其他地方比較之前,都以為向礎石魔法進行供給時祈禱是很普通的。」 而且,隱藏的大部分也是經由斐迪南而來的情報。隠匿著情報的並非艾倫菲斯特,而是斐迪南。不過,不會說這樣多餘的事情。 「收到紙張和墨水了。」 「承蒙惶恐,漢娜蘿蕾大人。」 漢娜蘿蕾從菲莉娜拿來了紙張跟墨水。我收下了物品,開始一邊翻譯王的回憶錄一邊抄寫。 「那麼,接下來吾等稍作休息。漢娜蘿蕾,雖感抱歉,但希望能抄寫這邊的石板的內容。」 「遵命,西傑斯瓦爾德王子。」 目送兩名王子離開書庫,我鬆了一口氣。像被這引起反應那般,漢娜蘿蕾也嘆了口氣,露出小小的笑容。 「沒想過居然有阿納斯塔修斯王子的傳喚,王子三人都在圖書館出現呢,蘿潔瑪茵大人。」 「欸欸。看見西傑斯瓦爾德王子的身影時實在感到驚訝。」 ……雖然我受驚的地方並非圖書館,而是王子的離宮。 「明明只打算開鎖,沒想到會變成像這樣抄本呢。妾身,並不太擅長古語,所以與蘿潔瑪茵大人一起使妾身感到很安心。」 「雖然王族似乎也以實務為重而不太懂古語,所以儘管是少許但也能讀懂的漢娜蘿蕾大人很厲害喔。」 一邊像這樣稍微交談,我一邊進行現代語翻譯。 「……啊啦,這是王的繼承儀式吧?」 漢娜蘿蕾一邊盯著自己手邊的石板,一邊這樣說道。這是艾倫菲斯特的神殿裡絕對不會舉行的儀式。被引起興趣的我盯著白板。 「這邊,新的王展示自己的葛里托利斯海德,這樣寫道,所以覺得是沒錯的說,不過……」 「對呢。覺得這是繼承儀式。」 ……沒持有葛里托利斯海德的現在的王,是怎樣舉行繼承儀式的呢。 一邊抱著這樣的疑問,我一邊閱讀白板。漢娜蘿蕾覺得儀式的次序是不必要的情報,「如果想閱覽的話請拿去」說道並把白板交給我,讓史瓦茲拿來新的石板。 我閱讀漢娜蘿蕾遞過來的白板。 王的繼承儀式上,神殿長似乎會戴著光之女神的神器的冠冕。因為是司掌契約及約定的女神吧。 ……這是咒文? 在記載儀式的方法的白板上,寫著是讓修塔普變化的咒文之類的話語。我在自己的寫字板上寫下那些類似咒文的話語。 ……斐迪南大人絕對來過這裡呢。 在寫著有關其他儀式的石板上,記載著製作暗之神的斗篷的咒文、製作土之女神的聖杯的咒文。雖然想過為何只有斐迪南持有許多奇妙的知識,但肯定因為是在這個書庫裡學到的。 ……我也要多多閱讀! 這樣,我閱讀了記載著各種儀式的石板,所以知道了以修塔普製作所有神器的咒文。 因為過分熱衷於閱讀,除了王的回憶錄外的抄本沒有任何進展,所以被王子兩人罵了一頓,不過真是充實的時光。 --- 雖然希爾德布蘭德王子也長大的話就可以進去了,不過現在沒辦法。 雖然蘿潔瑪茵有一點自重,卻不能違抗王族的命令,沒辦法。 漢娜蘿蕾想盡可能離王族遠一點,沒辦法。 西傑斯瓦爾德想盡可能使魔力供給變得輕鬆,沒辦法。 阿納斯塔修斯不知道蘿潔瑪茵會說甚麼而頭痛,沒辦法。 接著是,為了共同研究而前往騎士大樓。
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shiro-absence · 7 years ago
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著作[編集] 最初の文学的野心は詩人になることだったが、若い頃の第一の創作欲は架空言語の創造だった。それらは後でクウェンヤとシンダール語に発展するエルフ語の初期の形態を含んでいた。 言語がそれを話す民族を指し示し、民族が言語の様式と視点を反映する物語を明らかにすると信じて、(この名前が紛らわしいと考えるようになったのでいくらか後悔することになるが)後にエルフと呼ぶようになった伝説の妖精についての神話と物語を書き始めた(英語で書いたが、かれの創造した言語の多くの名前や用語を含んでいた)。 第一次世界大戦の間、療養中に書きはじめた『失われた物語の書』にはベレンとルーシエンの恋物語が含まれ、これらは後に長い物語詩The Lays of Beleriandとしてまとめられ、自身が完成できなかった『シルマリルの物語』にも発展して含まれることになる。トールキンが繰り返し構想を変えていったことについては、死後に刊行された『中つ国の歴史』に収められた数々の原稿に示されている。 トールキンの作品はいくつかのヨーロッパの神話伝承から多くの影響を受けている。『ベーオウルフ』に代表されるアングロサクソンの古伝承、『エッダ』、『ヴォルスンガ・サガ』をはじめとする北ゲルマン人の神話体系(北欧神話)、アイルランドやウェールズなどのケルトの神話やフィンランドの民族叙事詩『カレワラ』などである。 このまじめな大人向けの作品に加えて、トールキンは自分の子供たちを喜ばせるために話を作ることを楽しみにしていた。毎年毎年、「サンタクロースからのクリスマスレター」をしたため、一続きのお話を添えた。これらの小話はのちに一冊の本にまとめられ、『クリスマスレター付き サンタ・クロースからの手紙』として出版された。 だがトールキンは、自分の空想物語が一般に受け入れられるとは夢想だにしなかった。かつての教え子だった編集者のとりなしで1937年に『ホビットの冒険(The Hobbit)』と題された本を出版すると、子供向けを意図したにもかかわらず大人にも読まれ、アレン・アンド・アンウィン社が続編の執筆を要請するほどの人気を呼んだ。これがトールキンを刺激することになり、1954年から1955年にかけて、最も有名な作品となる叙事詩的小説『指輪物語(The Lord of The Rings)』が上梓された。『指輪物語』はしばしば「三部作」と表現されるが、本来は一編の物語である。現在、三部作として扱われることがあるのは、最初の出版時に編集上の都合で分冊されたのが定着したからである。このサガを書き上げるまでにほぼ10年かかったが、その間インクリングズの仲間たち、中でも『ナルニア国ものがたり』の作者で親友のC・S・ルイスは絶えず支援を続けた。『ホビットの冒険』も『指輪物語』も、『シルマリルの物語』の神話に続く物語であり、トールキンがはっきり述べていたように、ずっと後の物語である(どちらも、現在からは遥か昔のこととして書かれている)。 1960年代、『指輪物語』はアメリカの多くの学生たちの間で好評を博し、ちょっとした社会現象となった。現在でも世界中で高い人気を保っている『指輪物語』は、売上の点からも読者の評価という点からも、20世紀における最も人気の高い小説の一つとなった。英国のBBCとWaterstone's bookstore chainが行った読者の世論調査で『指輪物語』は20世紀の最も偉大な本と認められた。amazon.comの1999年の顧客の投票では、『指輪物語』は千年紀で最も偉大な本となった。2002年には、BBCの行った「最も偉大な英国人」の投票で92位に、2004年に南アフリカで行われた投票では「最も偉大な南アフリカ人」の35位になった。英国人および南アフリカ人のトップ100の両方に現われるのはトールキンだけである。その人気は英語圏だけにとどまらず、2004年には100万人を超えるドイツの人々が、『指輪物語(ドイツ題:Der Herr Der Ringe)』が広範囲の文学のうち最も好きな作品として投票した。 トールキンは当初、『指輪物語』を『ホビットの冒険』のような児童書にしようと考えていたが、書き進めるにつれ次第に難解で重々しい物語となっていった。『ホビットの冒険』と直に繋がる物語であるにもかかわらず、より充分に成熟した読者を対象とするようになり、また後に『シルマリルの物語』やその他の死後出版された書籍に見られるような膨大な中つ国の歴史を構築し、それを背景にして書き上げた。この手法と出来上がった作品群の緻密で壮大な世界観は、『指輪物語』の成功に続いて出来上がったファンタジー文学というジャンルに多大な影響を残した。 文献学のエキスパートであり、研究した言語や神話学は彼の創作にはっきりと影響を残している。『ホビットの冒険』のドワーフの名前は『エッダ』の『巫女の予言』から取られた。また例えば「龍の蓄えからカップを盗む泥棒」などという一節は『ベーオウルフ』から取られている。トールキンはベーオウルフについての認められた権威で、詩についていくつかの重要な作品を出版した。かつては出版されなかったトールキンの『ベーオウルフ』の翻訳は、Michael Droutが編集した。 中つ国の歴史は死の直前まで書き続けている。息子のクリストファは、ファンタジー作家ガイ・ゲイブリエル・ケイの助力を得て、素材の幾つかを一冊の本にまとめ、1977年に『シルマリルの物語(The Silmarillion)』として出版した。クリストファはその後も中つ国創造の背景資料の刊行を意欲的に続けた(ただしその多くは未邦訳)。『The History of Middle-earth』シリーズや『終わらざりし物語』のような死後に発表された作品には、トールキンが数十年もの間、神話を考察し続け、絶えず書き直し、再編集し、そうして物語を拡張し続けていた結果、未完成だったり、放棄されたり、どちらかを選ばなければならない内容や、明らかに矛盾する内容の草稿が含まれている。『シルマリルの物語』だけは『指輪物語』との一貫性を維持するべく、クリストファは編集にかなりの労力を費やした。しかしクリストファ自身も『シルマリルの物語』には多くの矛盾が残っていると認めている。1951年の第二版で一つの章が抜本的に改訂された『ホビットの冒険』でさえ、『指輪物語』と完全に辻褄があっているわけではない。 アメリカのウィスコンシン州ミルウォーキーにあるマーケット大学の図書館は、トールキンの手書き原稿や覚書き、及び手紙の多くを保存している。また、オックスフォードのボドリアン図書館には、『シルマリルの物語』関係の書類と学術的な資料などが残されている。その他、『指輪物語』と『ホビットの冒険』の手書き原稿および校正刷り、『農夫ジャイルズの冒険』といった多くの「マイナーな」作品の手書き原稿、ファンの作った編集作品といったものまでが、貴重な資料として巷に出回っている。 言語[編集] 「アルダの言語」を参照 文献学、言語に関する研究は特に熱心に取り組んだ学問であり、それが高じて約15の人工言語を発明するにいたった。中でも二つのエルフ語、すなわち「クウェンヤ」と「シンダール語」は特に有名である。彼はこれらの言語が誕生した背景として、中つ国の詳細な宇宙論や歴史を創り上げた。 トールキンは専門であるアングロ・サクソン語(古英語)や古ノルド語に加えて、他のインド・ヨーロッパ語族の諸言語(フランス語、スペイン語、イタリア語などのロマンス諸語とラテン語、ドイツ語やオランダ語などのゲルマン諸語とその古語(古サクソン語など)、ゲール語やウェールズ語といったケルト諸語、バルト諸語やスラヴ諸語など)、さらにはウラル語族のフィンランド語など、非常に多くのヨーロッパの言語に様々な水準で通じていた。彼は個人的な手紙の中で、特にフィンランド語が彼の耳に心地よく響き、これがクウェンヤの着想を与えたと書いている。 彼は作品以上に、言語の面で以後のファンタジー文学に広く永続的な影響を及ぼしている。特に"dwarf"(ドワーフ)の複数形を"dwarfs"ではなく"dwarves"としたり、"Elf"(エルフ)の形容詞形を"elfish"ではなく"elvish"と表記する慣例は彼によって生まれた。 派生作品[編集] 1951年のミルトン・ウォルドマンへの手紙(Letters #131)の中でトールキンは「多少なりとも繋がっている伝説」を創造した意図に関して次のように書いた。 「循環は威厳のある全体に繋がりながら、絵画および音楽およびドラマという手段で他の人たちの心や手が参加する範囲を残すべきである」 多くの芸術家がトールキンの作品に触発された。トールキンが個人的に知っていたのは、ポーリン・ベインズ(トールキンの好きな『トム・ボンバディルの冒険』と『農夫ジャイルズの冒険』のイラストレーター)と、ドナルド・スワン(『道は続くよどこまでも』に曲を付けた)だった。1970年代初期、デンマークのマルグレーテ2世は『指輪物語』のイラストを描いた。作品を贈られたトールキンは、女王のイラストと彼自身の絵の様式との類似点に驚いたという。 しかし、生前に行われた著作に基づいた別の分野の作品をほとんど評価せず、時にはこっぴどくこきおろした。 1946年の手紙(Letters #107)では、ドイツ版『ホビットの冒険』のためのホルス・エンゲルスによるイラストの提案に対して、あまりにもディズニー的であると拒否した。 「たれた鼻のビルボ、わたしの意図したオーディンのような放浪者でなく下品な道化になってしまったガンダルフ」 また、アメリカのファンダムの出現にも懐疑的で、1954年にアメリカ版の『指輪物語』のブックカバーの提案に次のように回答している(Letters #144)。 「『宣伝文』の案を送ってくれてありがとう。アメリカ人は概して批判または修正に全く従順ではない。しかし彼らはたいして努力していないので、私が改善するためにかなり努力をせざるを得ないと感じる」 そして1958年、Morton Grady Zimmermanが提案した映画化構想に対し、いらいらした様子でこう書いている(Letters #207)。 「著者の焦燥(しばしば憤慨していること)を理解するのに充分想像力を働かせるようお願いしたい。彼は自分の作品が一般に不注意に、場合によっては無謀に扱われ、どこを探しても敬意の払われている印がないのに気付いている」 この手紙には脚本の場面ごとの批判などがとうとうと続く(「またしても、けたたましい音や、ほとんど無意味な切りあいの場面である」)。しかし、トールキンは映画化という考えについて全く反対していた訳ではない。1968年、彼は『ホビットの冒険』と『指輪物語』の映画化、上演権および商品権をユナイテッド・アーティスツに売った。その際製作への影響を懸念して、将来にわたりディズニーが関与することを一切禁止した(Letters #13, 1937年)。 「アメリカ人が心地よく見るために可能な限り(中略)、(わたしがその作品について心からの嫌悪している)ディズニー・スタジオ自身のものか、それに影響を受けたもの全てを拒否することを(中略)忠告しておいたほうがいいだろう」 ジョン・ブアマンが70年代に実写による映画化を計画したものの、結局ユナイテッド・アーティスツは1976年に製作の権利をソウル・ゼインツの会社の傘下にあったトールキン・エンタープライズ(英語版)に売却。ユナイテッド・アーティスツが配給にまわって最初に実現した映画化は『指輪物語』のアニメーション作品だった。ラルフ・バクシ監督によるロトスコーピング手法で製作され、1978年に公開された。 その後『指輪物語』の配給権はミラマックス社を経てニューラインシネマ社に移り、2001年から2003年にかけてピーター・ジャクソンの監督によってロード・オブ・ザ・リング三部作として初めて実写映画化された。 書誌[編集] 創作[編集] 1936年 Songs for the Philologists, E.V. Gordon他と共著 1937年 『ホビットの冒険』The Hobbit or There and Back again 1945年 『ニグルの木の葉』Leaf by Niggle(Dublin Review誌に掲載) 『農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集』 評論社 2002年 ISBN 4-566-02110-6 所収 1945年 『領主と奥方の物語』The Lay of Aotrou and Itroun, Welsh Review誌に掲載 辺見葉子訳、「ユリイカ」1992年7月号所収、青土社 1949年 『農夫ジャイルズの冒険』Farmer Giles of Ham 『農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集』2002年 ISBN 4-566-02110-6 所収 1953年 『ビュルフトエルムの息子ビュルフトノスの帰還』The Homecoming of Beorhtnoth, Beorhthelm's Son 論考 Ofermodとともに出版された 『指輪物語』The Lord of the Rings 1954年 第一部『旅の仲間』The Fellowship of the Ring 1954年 第二部『二つの塔』The Two Towers 1955年 第三部『王の帰還』The Return of the King 1962年 『トム・ボンバディルの冒険』The Adventure of Tom Bombadil 『農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集』2002年 ISBN 4-566-02110-6 所収 1964年 『木と葉』Tree and Leaf 『妖精物語について』On Fairy Stories 『妖精物語について ファンタジーの世界』 猪熊葉子訳 評論社 2003年 ISBN 4-566-02111-4 所収 『妖精物語の国へ』 杉山洋子訳 ちくま文庫 2003年 ISBN 4-480-03830-2 所収 『ニグルの木の葉』 1966年 The Tolkien Reader(『ビュルフトエルムの息子ビュルフトノスの帰還』、『妖精物語について』、『木と葉』、『農夫ジャイルズの冒険』、『トム・ボンバディルの冒険』を収録) 1966年 Tolkien on Tolkien (自伝的) 1967年 『星をのんだかじや』Smith of Wootton Major 『農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集』 評論社 2002年 ISBN 4-566-02110-6 所収 1967年 『道は続くよどこまでも』The Road Goes Ever On, ドナルド・スワンと共著 学術的な著作[編集] 1922年 A Middle English Vocabulary 1924年 Sir Gawain and the Green Knight E. V. Gordonと共著、『ガウェイン卿と緑の騎士』の中英語から現代英語への翻訳 『サー・ガウェインと緑の騎士: トールキンのアーサー王物語』山本史郎訳 原書房 2003年 ISBN 4-562-03605-2 1925年 Some Contributions to Middle-English Lexicography 1925年 The Devil's Coach Horses 1929年 Ancrene Wisse and Hali Meiohad 1932年 The Name 'Nodens' (Report on the Excavation of the Prehistoric, Roman, and Post-Roman Site in Lydney Park, Gloucestershire所収) 1932年/1935年 Sigelwara Land parts I and II 1934年 The Reeve's Tale (ジェフリー・チョーサーの『カンタベリー物語』の批評にHengwrt manuscriptを導入して、方言のユーモアを再発見した) 1937年 Beowulf: The Monster and the Critics 1944年 Sir Orfeo 1947年 『妖精物語について』On Fairy Stories(Essays Presented to Charles Williamsに掲載) 1953年 Ofermod, The Homecoming of Beorhtnoth, Beorhthelm's Sonとともに出版。 1962年 Ancrene Wisse: the Ancrene Riwleの英語テキスト。 1963年 English and Welsh 1966年 『エルサレム聖書』Jerusalem Bible (翻訳と索引を担当) 没後に出版された作品[編集] 1974年 『ビルボの別れの歌』Bilbo’s Last Song 『ビルボの別れの歌』脇明子訳 ポーリン・ベインズ絵 岩波書店 1991年 ISBN 4-00-110613-2 1975年 Guide to the Names in The Lord of the Rings (編集版) - Jared Lobdell編 A Tolkien Compass 1st edition 所収。トールキンが書いた『指輪物語』の翻訳指示。 1975年 Pearl (poem) と Sir Orfeoの翻訳 1976年 『サンタ・クロースからの手紙』The Father Christmas Letters 『サンタ・クロースからの手紙』 ベイリー・トールキン編 瀬田貞二訳、トールキン絵 評論社 1976年 ISBN 4-566-00228-4 1977年『シルマリルの物語』The Silmarillion 1979年 Pictures by J. R. R. Tolkien 1980年『終わらざりし物語』Unfinished Tales 1980年 Poems and Stories (『トム・ボンバディルの冒険』、『ビュルフトエルムの息子ビュルフトノスの帰還』、『妖精物語について』、『ニグルの木の葉』、『農夫ジャイルズの冒険』、『星をのんだかじや』をまとめたもの) 1981年 The Letters of J. R. R. Tolkien Selected and edited by Humphrey Carpenter with assistance of Christopher Tolkien 1981年 The Old English Exodus Text 1982年 Finn and Hengest: The Fragment and the Episode 1982年 『ブリスさん』Mr. Bliss 『ブリスさん』田中明子訳、トールキン絵 評論社 1993年 ISBN 4-566-01321-9 1983年 The Monster and the Critics and Other Essays (論考集) 1988年 『樹と葉』Tree and Leaf 『妖精物語について』On Fairy Stories 『ニグルの木の葉』Leaf by Niggle 『神話の創造』Mythopoeia 上記すべて『妖精物語について ファンタジーの世界』 猪熊葉子訳 評論社 2003年 ISBN 4-566-02111-4 所収 1983年–2002年The History of Middle-earth(英語版) シリーズ I. 1983年 The Book of Lost Tales 1 II. 1984年 The Book of Lost Tales 2 III. 1985年 The Lays of Beleriand IV. 1986年 The Shaping of Middle-earth V. 1987年 The Lost Road and Other Writings VI. 1988年 The Return of the Shadow (『指輪物語の歴史』The History of The Lord of the Rings v.1) VII. 1989年 The Treason of Isengard (The History of The Lord of the Rings v.2) VIII. 1990年 The War of the Ring (The History of The Lord of the Rings v.3) IX. 1992年 Sauron Defeated (The History of The Lord of the Rings v.4) X. 1993年 Morgoth's Ring (The Later Silmarillion v.1) XI. 1994年 The War of the Jewels (The Later Silmarillion v.2) XII. 1996年 The Peoples of Middle-earth 2002年 The History of Middle-earth Index 1994年 Poems from 'The Lord of the Rings' 『「中つ国」のうた』 瀬田貞二・田中明子訳 アラン・リー挿画 評論社 2004年 ISBN 4-566-02381-8 1995年 J. R. R. Tolkien: Artist and Illustrator (a compilation of Tolkien's art) 1995年 Poems from 'The Hobbit' 1997年 Tales from the Perilous Realm 「農夫ジャイルズの冒険」Farmer Giles of Ham 「トム・ボンバディルの冒険」The Adventure of Tom Bombadil 「ニグルの木の葉」Leaf by Niggle 「星をのんだかじや」Smith of Wootton Major 上記すべて、『農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集』2002年 ISBN 4-566-02110-6 所収 1995年 『クリスマスレター付き サンタ・クロースからの手紙』Letters from Father Christmas 『クリスマスレター付き サンタ・クロースからの手紙』 瀬田貞二・田中明子訳、トールキン絵 1995年 評論社 ISBN 4-566-00458-9 1998年 『仔犬のローヴァーの冒険』Roverandom 『仔犬のローヴァーの冒険』 クリスティーナ・スカル、ウェイン・G・ハモンド編 山本史郎訳、トールキン絵 原書房 1999年 ISBN 4-562-03205-7 2002年 『トールキンのベーオウルフ物語 注釈版』Beowulf and the Critics(Medieval and Renaissance Texts and Studies, Volume 248) Michael D.C. Drout 編 『トールキンのベーオウルフ物語 注釈版』 クリストファー・トールキン編、岡本千晶訳 原書房 2017年 ISBN 4-562-05387-9 2005年 Guide to the Names in The Lord of the Rings (完全版) - Wayne Hammond and Christina Scull 編 The Lord of the Rings: A Reader's Companion所収。トールキンが書いた『指輪物語』の翻訳指示。 2007年 The Children of Húrin 2007年 The History of The Hobbit 2009年 The Legend of Sigurd and Gudrún 『トールキンのシグルズとグズルーンの伝説 注釈版』 クリストファー・トールキン編、小林朋則訳 原書房 2018年 ISBN 4-562-05588-X 2013年 The Fall of Arthur 2015年 『トールキンのクレルヴォ物語 注釈版』The Story of Kullervo 『トールキンのクレルヴォ物語 注釈版』 ヴァーリン・フリーガー編、塩崎麻彩子訳 原書房 2017年 ISBN 4-562-05388-7 2017年 Beren and Lúthien 入手可能な日本語訳[編集] 『ホビットの冒険』瀬田貞二訳 岩波書店、1965年 『ホビット ゆきてかえりし物語』山本史郎訳、原書房 1997年。ダグラス・A・アンダーソン注 『ホビット ゆきてかえりし物語 注釈版』原書房(単行判)、文庫判(上下)、各2012年。新版 『指輪物語』瀬田貞二・田中明子訳 評論社、新版1992年 『サンタ・クロースからの手紙』 ベイリー・トールキン編 瀬田貞二訳 J・R・R・トールキン絵 評論社 1976年 ISBN 4-566-00228-4 『シルマリルの物語』田中明子訳 評論社、新版2003年 ISBN 4-566-02377-X 『終わらざりし物語』クリストファ・トールキン編 山下なるや訳 河出書房新社(上・下) 2003年 ISBN 4-309-20396-5 ISBN 4-309-20397-3 『農夫ジャイルズの冒険 トールキン小品集』 評論社 2002年 ISBN 4-566-02110-6 「農夫ジャイルズの冒険」吉田新一訳 ポーリン・ダイアナ・ベインズ挿絵 「星をのんだかじや」猪熊葉子訳 ポーリン・ダイアナ・ベインズ挿絵 「ニグルの木の葉」猪熊葉子訳 「トム・ボンバディルの冒険」早乙女忠訳 ポーリン・ダイアナ・ベインズ挿絵 『農夫ジャイルズの冒険』吉田新一訳 ポーリン・ベインズ画 評論社 てのり文庫 1991年 ISBN 4-566-02273-0 『星をのんだかじや』猪熊葉子訳 ポーリン・ベインズ画 評論社 てのり文庫 1991年 ISBN 4-566-02270-6 『ビルボの別れの歌』脇明子訳 ポーリン・ベインズ絵 岩波書店 1991年 ISBN 4-00-110613-2 『ブリスさん』田中明子訳 J・R・R・トールキン絵 評論社 1993年 ISBN 4-566-01321-9 『クリスマスレター付き サンタ・クロースからの手紙』 瀬田貞二・田中明子訳 J・R・R・トールキン絵 評論社 1995年 ISBN 4-566-00458-9 『仔犬のローヴァーの冒険』 クリスティーナ・スカル、ウェイン・G・ハモンド編 山本史郎訳 J・R・R・トールキン絵 原書房 1999年 ISBN 4-562-03205-7 『妖精物語について ファンタジーの世界』 猪熊葉子訳 評論社 新版2003年 ISBN 4-566-02111-4 「妖精物語とは何か」 「ニグルの木の葉」 「神話の創造」 『妖精物語の国へ』 杉山洋子訳 ちくま文庫 2003年 ISBN 4-480-03830-2 「妖精物語について」 「神話を創る」 「ビュルフトエルムの息子ビュルフトノスの帰還」 『ファーザー・クリスマス―サンタ・クロースからの手紙』ベイリー・トールキン編 瀬田貞二・田中明子訳 評論社 2006年 ISBN 4-566-02383-4 『トールキンのクレルヴォ物語 注釈版』 ヴァーリン・フリーガー編、塩崎麻彩子訳 原書房 2017年 ISBN 4-562-05388-7 『トールキンのベーオウルフ物語 注釈版』 クリストファー・トールキン編、岡本千晶訳 原書房 2017年 ISBN 4-562-05387-9
https://ja.wikipedia.org/wiki/J・R・R・トールキン
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saitomasaru · 8 years ago
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おはようございます。今年最後の一週間。今週も、地域が少しでも良くなるように一生懸命働きます。 ◆先週の活動 ・私有財産の管理についての質問に答える ・日中技能生歓迎会 ・都市計画道路説明会 ・家屋の調査についての相談 ・保育所の入所についての要望を聞く ・境ライオンズクラブ クリスマス例会 ・羽黒サロン運営会議 ・企業誘致についての質問に答える ・道路改良に対する提言を聞く ・橋の欄干についての相談 ・12月議会最終議事 ・境ジュニアオーケストラ役員会の準備 ・基金の運用に関する聞き取り ・合併処理浄化槽の助成についての相談 ・市政報告会の相談 ・転用許可についての資料研究 ・衆院選反省��� ・境ジュニアオーケストラ役員会 ・選挙看板についての相談 ・選挙にまつわる書簡作成 ・オートレース場に関する意見交換 ・道路縁石についての要望を聞く この他に、お世話になった方々の告別式に参列し、ご冥福をお祈りいたしました。 ◆最近読んだ本 ・ダイイング・アイ:東野圭吾 ・架空論文投稿計画:松崎有理 ・回遊人:吉村萬壱 ・スイカのタネはなぜ散らばっているのか タネたちのすごい戦略:稲垣栄洋
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ia-project · 3 years ago
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1月27日、IAが10周年を迎える生誕祭を開催!10周年プロジェクトの第1弾は、彼女の軌跡と未来が垣間見えるベストアルバム「IA SUPER BEST」
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ニコニコ動画などの動画投稿サイトを中心に様々な作家によりたくさんの楽曲が発表され、多くのソーシャルメディアユーザー達が熱狂した、所謂「ボカロ文化」最盛期と言われた2012年。
ゲーム・アニメ「AIR」「CLANNAD ~AFTER STORY~」等、数多くの主題歌を担うグラミー受賞アーティスト“Lia”から声を受け継ぎ、「かぐや様は告らせたい」等を手掛ける、赤坂アカ氏によるキャラクターデザインによって、VOCALOIDによる音声合成ソフト“IA -ARIA ON THE PLANETES-”として“IA”は産声を上げた。 それから10年、数えきれないほどの名曲と才能が生まれ、今もなお音楽シーンの最前線で注目を浴びている。
また、IAは「魂を持つバーチャルアーティスト」として、この10年間“バーチャルとリアルの融合”をテーマに、3DCG、AR、VR、AIといったテクノロジーを駆使した先進的なエンタテインメントへのチャレンジを重ね、バーチャルライブの先駆けとなる等、唯一無二の存在を築いてきた。
IAは、10周年を迎える2022年1月27日に、自身のYouTubeチャンネルにて、アニバーサリー放送を行う。 この番組は2部制となっており、1部は妹のONEの7周年と共に祝うスペシャルプログラム、そして2部はIA10周年の記念特番として、IAの10年の振り返りや、ゲストにボカロPを迎えて「お祝い&振り返りトークコーナー」、またこれから1年がかりで実施する「IA 10周年プロジェクト」の重大発表、新曲披露など、まさに10周年に相応しい充実した内容となっている。
そして2022年1月19日、この10周年プロジェクトの第1弾として、自身初となるベストアルバム「IA SUPER BEST」を発表した。
収録曲には動画サイト総再生数で約2億再生、関連動画になると約10億再生を記録する代表曲が目白押し。 “IA”のアーティスト活動により産まれた「セツナドライブ」「ワールド・コーリング」「Conqueror」などの“IA”公式楽曲が収録される「THE ARTIST」盤と、 “Orangestar”の「アスノヨゾラ哨戒班」、“kemu”の「六兆年と一夜物語」、“じん”の「ロスタイムメモリー」、“まふまふ”の「マチガイサガシ」など人気ボカロP達の名曲が収録される「THE CREATORS」盤を同時リリース。 更にその2枚がセットとなり、“IA”のこれまでのライブ映像が楽しめるダウンロードカードや豪華特典が封入された「IA SUPER BEST[初回盤]」は、トータル48曲という大ボリュームのベスト盤となっている。
このベストアルバム発表を皮切りに、“IA”は更に未来へと進んでいく
【IA10周年アニバーサリー番組】 開催日時:2022年1月27日   19:00〜 第1部「IA 10th & OИE 7th SPECIAL PROGRAM」 20:30〜 第2部「IA 10th ANNIVERSARY-CELEVRARTION and KICK OFF」 配信チャンネル:IA&OИE Virtual Broadcast https://www.youtube.com/channel/UCHQVqmldaUM8HvOfKZFywGA ※アーカイブ配信有り 出演者:IA|OИE|事務員G|jon-YAKITORY|伊根|夜のロサンゼルス
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【IA 10周年プロジェクト第一弾「IA SUPER BEST」製品情報】 発売日(CD+配信):2022年1月19日(水)/ 発売中 発売元:IA PROJECT | 1st PLACE 販売元:タワーレコード株式会社 CD詳細/購入はコチラ : https://tower.jp/artist/1184721/IA 配信はコチラ▼ THE ARTIST : https://lnk.to/ia_superbest_the_artist THE CREATORS : https://lnk.to/ia_superbest_the_creators
■IA SUPER BEST [初回盤] -THE ARTIST-盤と、-THE CREATORS-盤のセット(全48曲収録)となり、エムカード(未発売ライブ映像DLカード)、スタンド付きミニ色紙(2種)、トレーディングシール(17種類ランダム+シークレット封入)が封入された、三方背スリーブ仕様のスペシャル限定版。
◎品番:IPCD-3001 ◎価格:7,500円(税抜) / 8,250円(税込) ◎収録数:48曲(4DISC) ◎仕様・特典:エムカード(未発売ライブ映像DLカード) 封入 / 3方背スリーブケース / 4DISC / IAちびキャラトレーディングシール(17種類ランダム封入+シークレット) / スタンド付きミニ色紙(2種) ◎収録曲:下記の-THE ARTIST-盤と、-THE CREATORS-盤をご参照ください。
■IA SUPER BEST -THE ARTIST- ◎品番:IPCD-3002 ◎価格:3,500円(税抜) / 3,850円(税込) ◎収録数:24曲(2DISC) ◎仕様・特典:2方背スリーブケース / 2DISC / IAちびキャラトレーディングシール(17種類ランダム+シークレット封入)
[DISC.1収録曲] アメリカ! ~We are all right~|Song by じん Inner Arts|Song by じん RACER'S HIGH|Song by ナナホシ管弦楽団 LIVEDRIVE|Song by じん セツナドライブ|Song by 滝善充(9mm Parabellum Bullet) 延命治療|Song by Neru 死神のギター|Song by ぽてんしゃる0 恋は渋谷系|Song by ワタナベイビー 慟哭吸血鬼|Song by YASUHIRO(康博) 少年は教室がきらいだった|Song by 石風呂 僕らに喜劇を見せてくれ|Song by じん×石風呂 ワールド・コーリング|Song by じん
[DISC.2収録曲] pray for real|Song by MINMI Conqueror|Song by Sendra SEE THE LIGHTS|Song by ASY Shooting Star|Song by KURIS, YUICHI NAKASE, TeddyLoid Circuit DISCO|Song by小松一也, RUCCA 憧憬~DOUKEI~|Song by BACK-ON クラウドライダー|Song by 田中隼人 Party Party 2021|Song by コモリタミノル 日本橋高架下R計画|Song by じん DIAMANTE|Song by gratia, Sho Fujiwara, Ryosuke Kataoka, Ryo Ito, IA We gotta run|Song by JMC Diamond days|Song by Hayao Konishi
■IA SUPER BEST -THE CREATORS- ◎品番:IPCD-3003 ◎価格:3,500円(税抜) / 3,850円(税込) ◎収録数:24曲(2DISC) ◎仕様・特典:2方背スリーブケース / 2DISC / IAちびキャラシール(17種類ランダム+シークレット封入)
[DISC.1収録曲] 六兆年と一夜物語|kemu アスノヨゾラ哨戒班|Orangestar チルドレンレコード|じん ロスタイムメモリー|じん 少女自傷癖|PolyphonicBranch マチガイサガシ|まふまふ オーヴァークロック|Neru 現実的論理主義者|ゴボウメン トウキョウダイバアフェイクショウ|ツミキ 影炎≒Variation|��いり サナトリウム|篠倉 ┗|∵|┓ロクベル|HoneyWorks
[DISC.2収録曲] DAYBREAK FRONTLINE|Orangestar 傍観の罪科|*Luna アベリアに代わる何かを|msy スーパーヒーロー|Guiano あなたの夜が明けるまで|傘村トータ オツキミリサイタル|じん ワンツーハロー|石風呂 M'AIDER遭難ガール|out of survice キミのことが好きでゴメンナサイ|うたたP キメラ|ATOLS Ib|清水コウ 夜明けと蛍|n-buna
[IAこれまでの主な活動実績] ・日本国内最大級レース「SUPER GT」イメージガール(2013、2014年) ・アニメ「メカクシティアクターズ」挿入歌(2014年) ・世界12都市ワールドツアー「PARTY A GO-GO」実施(2015~2018年) ・同ライブの世界300都市上映キャラバン実施。延べ9万人動員(2015~2018年) ・「BILIBILI MACRO LINK 2017」出演。IA出演時の同時視聴者数72万人を記録(2017年) ・最新ミュージカル&ライブショー「ARIA」展開スタート(2018年~) ・世界87ヶ国参加の国際情報オリンピックでバーチャルアーティスト初の実行委員に就任(2018年) ・JR東日本「案内AIみんなで育てようプロジェクト」参加、上野駅でアテンダントに就任(2019年) ・テクノロジーと音楽のクリエイティブフェス「イノフェス2019」に出演。(2019年) ・日テレ/中京テレビ VTuberバラエティ&対バンライブ「VILLS」に出演(2020年) ・VRライブ空間REZONAにて、「ARIA SPECIAL SHOWCAE」「CeVIO PARTY」のバーチャルライブ出演(2021年)
[IAプロフィール] “魂を持つバーチャルアーティスト”として2012年より音楽活動をスタート。 圧倒的なパフォーマンス力、歌唱力を持つ実力派アーティストとして独自の活動を展開。 これまでに世界12箇所に渡るワールドツアー開催や、シングル9作、アルバム8作をリリース。 IAの公式楽曲提供者にはSUGIZO(LUNA SEA / X Japan)、大沢伸一(MONDO GROSSO)、KOHH、TeddyLoid、MINMIなどメジャーシーンの著名アーティストも名を連ねる。 また、IAの関連動画総再生数は10億再生を超え、直近では楽曲「Conqueror」が関連動画合わせ2000万再生を超えている。 高い先進性と唯一無二の個性を放ち、世界が認めるバーチャルアーティストとしてグローバルに活躍中。
IAオフィシャルサイト: https://ia-aria.com
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tomoebookmark-blog · 8 years ago
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qeisu · 8 years ago
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fb転載
いや早、勝手にまたフェイスブックが私の投稿に難癖をつけ消そうとしています。写真投稿だったものですが、この内容。そしてこういう投稿は公開でこちらが載せようとしているにもかかわらず勝手に私にしか見えないようにプライバシーまで変えている始末です。難癖の模様↓ 「lock info-outlineLearn more about how Facebook handles spam trashDelete this post」 Rie Marie Phillips added 6 new photos — with Fumiaki Matsuoka and 8 others. これが今の大量の中国留学生そして移民への大きな架け橋になったのではないでしょうか?こちらも10年前の記事ですが、政府が外国勢力(米軍閥・国際金融資本家ら)の言いなりになり、中曽根時代1983年に教育法改悪や教員免許を在日も取れるようにしたことから日本で反日在日教師が増加、益々、日本皇軍悪玉論、自虐史観を日本の子供たちを洗脳するということができるようになっています。 尚、中国人留学生について言わせていただけば、この記事のときより今ははるかに優遇されている話をここ一、二年あまりで聞いています。以下、抜粋。 『教育基本法が変わるが 現場で教師が思っていること』   http://www.bund.org/culture/20061215-1.htm 職場から 教育基本法が変わるが 現場で教師が思っていること ------------------------------------------------------ 日本には12万人の留学生がいる大半は中国人だ 下崎義夫  わたしのように在日外国人に日本語を教える仕事をしている者にとっては、1983年というのは特別な意味を持つ年だ。時の首相中曽根康弘が、「21世紀初頭までに(当時の)フランス並みに約10万人の留学生を受け入れよ。そのために総合的な留学生政策を推進せよ」と、役人たちに大号令をかけた年だからだ。以来、日本の大学院・大学・短大・専門学校で学ぶ留学生の数は確実に増え続け、2003年には目標数値である10万人を突破、日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、2005年の段階で12万1812人に達した。今年はもっと増えているだろう。  ここで注目したいのは、留学生の内訳だ。留学生とは留学ビザを取得している者を指すが、これには卒業証書の取得を目的とする長期留学生と、卒業証書の取得を目的としない短期留学生がいる。また別に、各種学校扱いの日本語学校で学ぶことを要件に、日本滞在を許可されている就学ビザの取得者もいる。彼らは制度上、留学生ではなく就学生と呼ばれる。彼らも卒業志向型就学生と非卒業志向型就学生に分かれる。前者は日本語学校修了後、高等教育機関に進学しようとする意欲を持っている者だ。  政府が留学生受け入れ拡大の具体的なイメージとしたのは、世界各国から多くの留学生が集まり、その反対に多くの日本人留学生が世界各国に散らばっていく姿、いわば非卒業志向型留学生をメインとする牧歌的な国際交流の光景だったと思われる。  だが、いざフタを開けてみると、そうはならなかった。非卒業志向型留学生も増えたには増えたが、爆発的に増えたのは何と言っても卒業志向型留学生、しかも中国人留学生だった。その数は、現在、留学生全体の約3分の2を占める。第2位の卒業志向型韓国人留学生が約10分の1程度であることから見ても、その数は突出している。1980年代以前は、中国人の姿を日本で見かけることは珍しかった。その時代がフィクションであるかのように、現在では高等教育機関のある所なら全国どこでも中国人、しかも卒業志向型中国人留学生の姿を目にする。  どうして、このような現象が生じたのか。まず、中国の経済発展に伴う高学歴志向の高まりに中国国内の高等教育機関の受け入れシステムが対応しきれず、毎年、大量の進学失敗者が生まれるようになったことがあげられるだろう。彼らの多くは英語圏への留学という選択肢を取ろうとするが、家庭が裕福で英語能力が高いならともかく、そうでない者は別の国を捜すことになる。その時に、同じ儒教・漢字文化圏に属し、距離的にも非常に近い経済大国、しかも在学中のアルバイトが許可されやすい日本が、留学先の「第二志望」「第三志望」として浮かび上がってくるのだ。  日本の高等教育機関の多くは、少子化と新設校の乱立によって、日本人学生のみで定員を確保するのが難しくなっている。これらの高等教育機関の運営者たちにとって、大都市に限らず、どこにでも来てくれる中国人留学生は実に有り難いお客さんだ。需要と供給とは見事にマッチしたのである。もちろん、彼らの全員が中国での進学失敗経験者というわけではない。非常に優秀で志の高い者が少なくないのも事実である。 中国人留学生の現実  卒業志向型中国人留学生の大量出現は、どんな社会的現実をもたらしたのだろうか。アルバイトで学費・生活費の相当部分を稼ぎながら、ごく一般的な非有名大学の文科系学部に通う私費留学生をイメージしてみよう。彼らの大部分は、いきなり日本の大学に入ることはできず、来日したらまずは日本語学校、または大学留学生別科に入学する。そこで基礎的な日本語能力を身につけるのだ。  大学留学生別科の学生は留学ビザを取得するが、彼らの実態は就学生と同じ留学生の予備軍だ。今や、彼らがいなければ日本語学校や大学留学生別科の多くはたちまち存続の危機に追い込まれ、そこで働く日本語教師も失職の危機にさらされるだろう。定住外国人に対する学習支援に取り組む日本語教師はボランティアが原則だ。中国人留学生の予備軍が、高い学費を日本語学校や大学留学生別科に支払ってくれるからこそ、多くのプロ日本語教師は食べていけるのである。  その結果、飲食店や工場の確固たる人材供給源が生まれた。いくら中国の経済発展が著しいとはいえ、日本の大学で学ぶ中国人留学生の大多数が裕福な家庭の出身というわけではない。それどころか親戚中から金を借り集めて、やっと高い学費・生活費の一部をまかなっているという学生が少なくない。そんな彼らにとってはアルバイトは命の綱だ。  アルバイトといっても、デスクワークの仕事が見つかるチャンスはほとんどない。飲食店や工場で働く。彼らは時給さえ高ければハードな現場労働も長時間こなすし、基礎的な日本語能力は持っているので、慢性の人手不足に悩む使用者にとっては貴重な人材だ。遊ぶ金ほしさに働く日本人学生とは性根が違うのである。  だがそのために、不法就労や犯罪に走る中国人が増えたともいえる。日本人学生と比べればたくましいとはいえ、最近の中国人留学生は一昔前に比べて精神的に脆くなったともいえる。一人っ子の「小皇帝」として、小さい頃から周囲の大人たちに、ちやほやされて大切に育てられたためだ。そんな彼らにとって、異国の地で肉体労働のアルバイトに明け暮れながら学生生活を送るのは、実に大変なことなのだ。  しかも日本では、どんな地方都市に行ってもゲームセンターやショッピングセンターといった刺激的な遊興世界があちこちにある。アルバイトや遊興にのめりこんで大学に行かなくなったとしても、注意してくれる親兄弟はそばにいない。彼らの中から中途退学者が生まれ、更にその中から不法就労者や犯罪者が生まれてくるのは自然の流れなのだ。  それが何らかの形で発覚するとマスコミで取り上げられるので、一般に中国人留学生と言えば、不法就労者か犯罪者の予備軍と思われがちで、どうしても社会的イメージは低くなってしまう。しかも日本人学生の確保に四苦八苦している大学は、日本語能力の十分ではない中国人でも卒業志向型留学生として受け入れる傾向がある。そのため、留学生の予備軍から、正規の留学生へとステップアップするためのハードルは全体的に低くなっている。留学生になってからも、日本語能力が伸びていかない者は珍しくない。彼らを対象とした民間の各種サービスは充実しているし、彼ら自体のネットワークもしっかり確立している。  その環境をうまく利用してしまえば、特に高度な日本語能力がなくても日常生活を送ることはできるのだ。例えば、里帰りするための飛行機のチケットなどは、中国人留学生をお得意先とする旅行会社を通じて購入すれば、中国語で用が足りる。日本語を話す必要がないのだ。困ったことが起きれば、自分よりも日本語能力のすぐれた同胞に手助けを頼めばよい。この点は、日系ブラジル人を始めとする南米人就業者の場合と事情は似ているだろう。 異文化交流の難しさ  こうした中で、わたしが一番力説したい事態がもたらされている。日本人の教員・学生と中国人留学生との相互忌避の常態化である。一般的に言って、日本人の大学教員は純粋培養的に象牙の塔の中でずっと暮らしてきたため視野は狭く、ものの考え方は柔軟性に欠けている。海外留学の経験も乏しく、海外に目が向いているとしても欧米一辺倒で、アジアそのものに対する関心も薄い。そのため、彼らにとっての中国人留学生のイメージは、「暇さえあれば肉体労働のアルバイトをしていて」「一歩間違えば不法就労者か犯罪者になりかねない」「日本に住んでいるくせに日本語能力が不十分な」連中だ。だから簡単に言うと、できればかかわりあいたくない、得体の知れぬエイリアンみたいな連中になってしまう。  だが魚心あれば水心ありで、その反対も言える。高い学費を払っているのに講義時間を平気で短縮し、無味乾燥で実用性に乏しい話を、計画性もなく一方的にだらだら喋りまくる、しかも自分たち中国人留学生を白眼視する、そんな日本人教員に対して中国人留学生が好感や信頼感を抱くはずがないのである。  しかも相互忌避は、教員の場合と似たような理由で、日本人学生と中国人留学生の間にも見られる。歴史観を始めとする様々な価値観、それに言語・文化・生活習慣などの違いがここに絡んでくる。日本人学生は日本人学生同士、中国人学生は中国人学生同士で固まって小さなシマ宇宙を作ってしまうのだ。これでは中国人留学生は日本人の友人をキャンパス内で作ることなど難しい。  中国人留学生は表立ってはなかなか不平を漏らさない。「先生たちには期待しない。日本人の学生と友達になれなくてもいい。卒業証書さえ手に入ればいいんだ。そう考えれば日本の大学はラクでいい」と開き直ってしまうのだ。そのため、この現実が表面化するケースは少ないし、マスコミにも取り上げられない。しかし、留学生の数が12万人を超えた日本社会の一側面なのである。  わたしはこの現実を打開するには、日本人の教員・学生と中国人留学生の双方に、心の入れ替えが必要だと思う。中国人留学生に求めたいのは、まず、必要以上のアルバイトを慎むこと。学費・生活費をアルバイトでまかなっている間はいい。だが、欲を出して日本人学生顔負けの遊興費をアルバイトで稼ぎ出そうとすると、中途退学者から不法就労者、ひいては犯罪者へという転落コースが大口を開けて待っているのだ。そして総合的な日本語能力にもっと磨きをかけること。その国の言語の運用能力を向上させようという意欲に欠ける者が、卒業志向型留学生とはみなされないのは、世界のどこに行っても同じだろう。  そのためには地味で孤独なデスクワークの積み重ねは欠かせない。日本人のアルバイトスタッフとのやり取りを通じて獲得した会話能力程度で、満足してもらっては困るのだ。  わたしもかつては日本国外で学ぶ卒業志向型留学生だったので、この点は確信を持って言える。また、自国の生活習慣を愛するのもいいが、例えば「中国料理はとてもおいしいけど、日本料理はまずい」などと、日本人に対して平気で言ってのける態度は改める必要があるだろう。  そして日本人の教員・学生については、中国人留学生以上に心の入れ替えが必要だろう。彼等は言語から生活習慣に至るまで、母国とはまるで異なる環境下で苦学生として大学を卒業しようとしているのだ。彼等は日本人並みというには程遠いにしても、ほんの数年で日常生活に困らない程度の日本語能力を身につける。そんな彼らに対して、どうして素直に敬服の気持ちが持てないのか。わたしには日本人の教員・学生は嫌中意識の対象として中国人留学生を見つめ、中国の言語・文化・生活習慣などに対してたいした関心を抱こうとしてないと思える。この点を根本的に改めなければ、事態は何も改善しないのだ。  わたしは中国に限らず、どの国・地域・民族の学生を教える場合であっても、彼らの母語の挨拶言葉や、いくつかの基本単語くらいは発話できるようにしておく。また、特有の文化・生活習慣もひととおりチェックし、余裕があれば有名人の名前を一人や二人は覚えておく。日本が多文化共生社会の実現を目指している以上、外国人に日々接する日本人ならば、この程度のことはやって当たり前なのである。  こうした現実の打開は、大学の運営者や教育行政に携わる役人たちにも求めたい。留学生が生活苦に追いやられないように、学費減免制度・奨学金制度を充実させたり、留学生対象の日本語クラスをもっと拡充する必要がある。卒業志向型留学生の出身地が、中国を含むほんの数か国・地域にほぼ限られている現状を冷静に分析し、より多くの国・地域から卒業志向型留学生が続々と現れるように、大学の教育システムそのものにメスを入れるべきだろう。  日本人の教員・学生と中国人留学生との相互忌避の常態化。この問題が解決されない限り、たとえ留学生の数が20万人、30万人になろうとも、日本は留学生受け入れ後進国から脱却することはできない。相互理解・相互尊重を基礎とする多文化共生社会の実現などは絵空事のままだ。 (大学留学生別科教員) -------------------------------------------------------------------------------- http://www.bund.org/culture/20061215-1.htm http://www.asyura2.com/07/senkyo29/msg/371.html
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yude2101 · 8 years ago
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少女で撃沈
“伝えるべき魅力”に集中したことで話題化に成功 ―新生・湖池屋のリブランディング戦略― | 電通報
鈴木:今回の結果で、自分が今まで信じてきた「言葉」と「映像」にこだわることで、多くの人に届くということが証明された感じがします。いろんな手法があっても、遠隔で伝えることができるメッセージは、「言葉」と「映像」だと僕は思うんです。ここに頼るしかない。だから言葉に手を抜きたくない。
「お陰様で」「ぼちぼち」を世界で盛大に誤解される日本人 | 文春オンライン
広告は嫌われている、という錯覚について | AdverTimes(アドタイ) - Part 4
雑誌の編集者がWEBに転向するとぶち当たるらしい「3つの壁」 : 焼きそば生活
「流通」「展開」「数字」の3つの壁です。
こんなのあったら絶対行きたい!架空の”洋画あるあるカフェ”話で大盛り上がり! | FUNDO[ファンドゥ]
チャートで見る、テック主要5大企業の収益源 | BUSINESS INSIDER JAPAN
目次(原著論文) | 特集「心理学の再現可能性:我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
3000人のTV露出とTwitter投稿を分析し、次にブレークするタレントを予測 - 日経BigData
2016年に最も多くTVに出演したのは羽鳥慎一アナウンサーで、総出演時間は543万8220秒、日数換算で62.94日となり1年間で約2カ月間TVに出続けたということになる。同時期に最もTwitterに投稿された人・グループは嵐。383万4327のアカウントが1081万80回投稿(Tweet)しており、毎日約1万人がそれぞれ約3回つぶやいていた計算になる。
Facebookで手が滑って友達になった人と本当に友達になりたい - デイリーポータルZ:@nifty
ユナイテッドアローズが発信するファッション雑誌が面白い!?- Byron(バイロン)
【東大京大・就職ランキング】P&Gが17位へ急落?マッキンゼー・BCGを辞退した学生は、どの企業へ進んだか。|就活サイト【ONE CAREER】
熱海、小田原に大きく差をつけた三島市の町づくり 人口キープの秘密はオープンマインドとご近所力 | JBpress(日本ビジネスプレス)
東大卒のフリーアナ 天明麻衣子は「クイズ界」の革命児 (日刊ゲンダイDIGITAL) - Yahoo!ニュース
ライバルの三浦奈保子が“ママ色”を強めているのとは対照的に、“エリート色”を強めている様子ですね。本人はロケの仕事もしたがっているようですが、これだけキャラが立っているタレントですから、使いたいと思う局は多いでしょう
「日本人V不愉快」投稿の米記者解雇…インディ : スポーツ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
複数の米メディアによると、この記者はレース後に「メモリアルデーの週末に、日本人のドライバーが優勝するのはとても不愉快だ」と投稿。その後、削除し、謝罪文を発表した。
「菊川怜さんの結婚は理想の結婚だ」 作家・藤沢数希氏はこう考える (デイリー新潮) - Yahoo!ニュース
現代の日本の結婚制度というのは、金持ちの男性と結婚できたほんの一握りの女性だけが限りある利益を独り占めする構造になっている。
いったん結婚したら、その既得権益は法律で守られるからだ。 そして、そうした男性と結婚できなかった女性は、未婚を貫き、生涯子供を産まない、という選択に追い込まれる。これこそが少子化問題の本質だと筆者は考えている。 つまり金融商品に例えるならば、女性には、金持ち男性と結婚して子供を作る、という非常にめぐまれた選択と、誰とも結婚せずに生涯子供を産まない、という選択のふたつしかなく、その中間の選択肢がほとんどないのが現状なのである
仲里依紗と東出昌大、“笑いながら怒る”怖さ 『あなそれ』の真髄は滑稽さにアリ (リアルサウンド) - Yahoo!ニュース
U-20代表・堂安の彼女がかわいすぎ - 日刊サイゾー
「無事二人とも合格しました。早朝から長いようでめちゃくちゃ短い一日が終わり~。また一つ良い思い出。あいたいなぁん」と、彼女とのツーショット写真を投稿してしまったのだ。もちろん誤爆で、しばらくしてこの投稿は削除されたが、サッカーまとめサイトなどに魚拓を取られてしまい、時すでに遅し。
“渋谷カルチャー”終焉への嘆き - 日刊サイゾー
LSDなどの幻覚剤は、脳を「高次の意識状態」にする:英研究結果|WIRED.jp
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