#樹氷の街
Explore tagged Tumblr posts
catdoll007 · 2 years ago
Text
Tumblr media
日泰寺参道にある山門米穀店さんの向かいにある丸型ポスト📮
山門ってことで、中学生の頃に合唱コンクールで唄った ≪風のめぐるとき≫のメロディに合わせてみました🌬️🎼🎵〽️
1年も2年も3年も、私のいたクラスは、3年間全て優勝できたラッキーちゃんでした🥇🥇🥇
しかも、誰ともクラス被ってないから、3年連続は私だけ✌️という、 懐かしい想い出が甦ってきました🙌🎧️🎶
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
youtube
youtube
youtube
1 note · View note
mvrider3 · 3 months ago
Text
蔵王温泉
開湯は1900年前、日本武尊の東征の際、従軍した吉備多賀由により発見されたと伝わる古湯
Tumblr media
昔ながらの情緒漂う温泉街には3つの共同浴場と3つの足湯、5つの日帰り温泉施設がある。
共同浴場の一つ上湯共同浴場
Tumblr media Tumblr media
料金は僅か200円😋
Tumblr media
水車が良い感じ🥰
Tumblr media
上湯の上にある酢川温泉神社
Tumblr media
流石に上まで行くのは断念🥶
Tumblr media Tumblr media
下湯共同浴場
Tumblr media
下湯の外にある手湯と足湯
Tumblr media Tumblr media
共同浴場最後の川原湯
Tumblr media
誰もいなかったので入湯😁
Tumblr media
脱衣所(上)と湯船(下)
Tumblr media Tumblr media
風呂上がりに湯煙煙る温泉街をぶらぶらするのも楽しい😆
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
無料休憩所🛖あったかい😂
Tumblr media
源泉の一つ
Tumblr media
ろばたの足湯
Tumblr media
日帰り入浴施設
Tumblr media
最後はスキー場にある大露天風呂
Tumblr media
雪で冬季は休業
Tumblr media
蔵王名物樹氷は以下から
12 notes · View notes
asagaquru · 1 month ago
Text
日記にしなかった21
元彼氏については、彼の音楽の趣味だけが今も好きだ。Apple Musicでわざわざ彼を探し、新しいプレイリストがないか確認する。
何度も波に晒された流木のように少しずつ美しい流線を描いていくのが記憶なんだと思う
過去の恋愛を思い返してみても、色鮮やかすぎて自分の記憶じゃないように思えてしまう。煌めく星というよりは、何処かへ真っ直ぐ落ちていく隕石。大気圏内でメラメラと燃えていたそれは、今や海に落ちて冷えてしまって、周りの漂流物と区別がつかない。かつての輝くように発していた熱く白い炎の面影もない。
漠然としたあきらめや、一歩引いている見ている自分がいる。
サウナに7分も入れず、水を浴びる。
過去から見れば今の自分が1番年老いている。未来から見れば1番今の自分が若いのだから。
かき氷を一気に食べたかのように、頭蓋骨を超えて脳が冷える。わたしの歩く先にはオリオン座が瞬いている。あとは北斗七星と白鳥座しか星座はわからない。足元ではいつのまにか降った新雪が押し固められてギュギュと歩くたびに悲鳴を上げる。寒くて美しい冬のことを、毎日好きになったり嫌いになったりしている。
昨日帰ったのは0時を少し過ぎた頃だった。布団に入って
眠剤を放り込んで、睡魔が迎えにきてくれるのを待つ
なごり雪がしぶとく溶けない札幌。桜の木は咲く前が一番紅い。樹木全身に花の色をたぎらせて、春を待っている。
フロントガラスに打ち付ける小雨が、街灯に照らされてスパンコールのようにきらきらしている。
小雨降る札幌。次の季節はいつも雨が連れてきてくれる。
15 notes · View notes
maasayada · 10 months ago
Text
愛と遠視、傷と羽音
ここを開けるのは、久しぶりだ。
ここに載せてきたようなことは、特定の宛先なしにはもう、書かないかも知れない。そう思い、過ごしてきた。けれども再び開けてみるのは、魂が「必ず終わりをもたらしてやる」と私にかけた言葉が、最後の投稿(二年前)に置かれたままになっていたからである。
そのことは、ずっと忘れていた。それからふと、私の目に留まった。魂は言った通りのことをやってのけ、そして新しい生を贈ってくれた。その遍歴を語ることはできなくとも、しるしづけることはできると思う。
私は人と一緒にやるようになってから、今の自分の言葉でいえば、こんなことを探求してきた。小説と幼年の境界。小説と死者の境界。小説と観者の境界。小説と神話の境界。小説と肉体の境界。小説と因果の境界(準備中)。
さいごの「小説と因果の境界」は短いものだが、その時点の私にとっては極限だった。2023年3月に書き終えてから、文字通り彷徨った。多くのことに手をつけ消耗していったが、それらがいずれ小説に資すると、以前のようには思えなくなっても、自力では止まらなかった。だから、こころがブレーキをかけたのである。
もっとも状態がよくなかったときに、間一髪で(自分ではなく)世界を選んだ。
それまでは、自分というブラックボックスを通し、みるものに陰影を纏わせつづけていた。私の文について色々なひとが色々なことを言ったが、概ね共通していたのは、独特な結晶化作用があるということだった。確かに私も信じてきた。その陰影こそがやがて固有の輝きを露わにし、光を集めるのだと。それはしかし、かなり時間のかかる作用でもあった。誇張して言えば〈こちら側(この時)〉では、私はいつもほほえむだけだった。蜜蜂は、蜜を集めることが今を生きることであるのに、わたしはそういう成り立ちをしていなかった。
終わりをもたらすとは、このブラックボックスごと引き潮に渡すことを、決断できるということだった。そのとき圧倒的な苦しさの中で、光や風や、水を感じた。私は人に「生きているだけでいい」と何度も言ってきたけれど、自分自身にそう思うのは初めてだった。
それから、素晴らしいことが起こり始めた。
今日お話ししたいのは8月17日に、生まれ故郷がいつより美しい姿をみせてくれたことだ。冒頭に挙げたものたちと並行して、2021年秋から断続的に「小説ではない文」を書いてきた。その文はあれら境界のすべてと、そのほかの体験とを含んでいる。それがついに成り、人に託した翌日のこと。
私は文の主要な舞台のひとつである公園に行き、小さな川が池に流れ込む様子がよく見えるベンチに座った。文を送る際に添えたメッセージ――花が咲いていると、思わずきれいだねと話しかける身体について――を思い出しながら、樹々を眺めたり、サンダルのまま流水に入ったりした。
開いた本に、ある大小説で主人公が亡くなるのは、作者が次第に苛立ちをおぼえてのことだと言う人がいるが、小説家が主人公を愛さなくてあのようには書けぬ。と書かれていて、涙がこぼれた。
上空を涼しい風が吹きわたった。まるで巨大な湖をまえに、雨が降る先触れをきくようだ。30分はもつと思ったが、もっと早く降り始め、晴雨兼用傘をさしてベンチに陣取ると、叩きつけるようになった。それまで氷の入ったプラカップに麦茶を注いで体を冷やしていたが、飲み口の近くに雨雫が付けば楽しかった。化学繊維の軽いスカートは膝上まで濡れて、抱えた水草のバッグは暖かく守れていたから、真っ直ぐな大雨音は、そのまま安心と結び付いていた。
あめのひは、かさをさしてほんをぬらさず。地元の図書館が子供向けに貼りだしていたポスターは、なぜかブロントサウルスが直立歩行で傘をさしていたな…
後方の東屋を振り返ると、その向こうに誰もみていない空が出現した。
そんな空が、生まれ、住まいを変えつつ暮らしてきた人口の多いこの地に降るとは。山を登るときにだけみられる幻でなくなるとは。神代の、人の手付かずの自然であった頃にまで、生地は戻ることもできるのだ。その記憶の存在を私はしっかりと感じた。
動かぬままで雨が上がると、すっきりと遠くを見ていることに気が付いた。
ひとつ上の友人は、ゴルフを好きになってから視力が1.0に回復したといい、2.0ある同い年の友人は、私は本を読まないからだと結論するが、確かに読み書きを好む者の目は、遠くよりも近くを見ることに適応しやすい。
私の場合、いつも近くに対象物が入るよう、目が無意識に動いていた。一本道を歩くとき、街路樹や自転車や自販機を、たぶん本来は必要のない頻度で見る。身体は真っ直ぐに進みたいし、目も協調しているかのようにふるまうけれども、実は遠くを見据えると疲れるので、目は避けようとする。身体はそれを知っている。
このもどかしさが突然、消えた。目が遠くと和解していた。コンタクトレンズ装着時のような視力の上がり方ではない。あれは眼科医も友人たちも、生活に危険がないように、情報が沢山入るようにとすすめるし、私も長い間、そういうことだと思ってきた。近視は見えるべきものが見えずにつらいのだと。そうではなかった。
全力で書き切った文を贈り、生地が応えて記憶のかぎり遡ったから、私は見晴るかす、すべてがうつくしい、と話しかけていたのだ。それで遠くをみるのを畏れることがあろうか。自分の不調の解消や、情報の取得のためならば、ここに出ることはかなわなかっただろう。
歪みを、遅延を、細部をバネに跳躍するというやり方を手放さなければ、ここに来ることはかなわなかっただろう。だからこそ、話せるようになったのだし、それでも、書けるのだ。たぶん。
数日して、仰向けになった首の付け根で何かが羽ばたく夢を見た。蝉のように力強い振動に驚いた。整体師の方によれば、私の視力と幼い頃つくった首の傷には、なにか関係があるらしいのだが。
即時的にあらわれるものも、遅れを伴ってあらわれるものも、どちらも肯定しきるものを書きたい。それはパラレル・ワールドを時間的に翻訳したようなものになるのではないか。今はそのことだけを思っている。
7 notes · View notes
yoichijerry · 2 months ago
Text
Tumblr media
ウィッチンケア第15号(Witchenkare VOL.15)
発行日:2025年4月1日 出版者:yoichijerry(よいちじぇりーは発行人の屋号) A5 判 :276ページ/定価(本体2,000円+税) ISBN :978-4-86538-173-3  C0095 ¥2000E
【寄稿者/掲載作品】〜もくじ〜より
008  綿野恵太/ロジスティクス・ディストピア
014  藤森陽子/だいたい蒸籠で蒸すといい
018  渡辺祐真/無益評論家として生きていく
022  木俣冬/イケメンという言葉の黄昏に
028  カツセマサヒコ/宙を跳ぶ
038  関野らん/死者の尊厳
042  木村重樹/『いなくなっていない親友』のこと
048  山本アマネ/いつも読書の途中
052  鶴見済/推す気持ちがわかっていない
058  武塙麻衣子/ひょうすべ
064  加���一陽/俺のヰタ・セクスアリス
070  朝井麻由美/エモーショナル・ドリーム
076  中野純/男性の乳首には隠す価値がある
082  早乙女ぐりこ/蜘蛛と鬼ババ
088  武田砂鉄/クリーク・ホールディングス 漆原良彦CEOインタビュー
094  内山結愛/散歩、あるいはスーパーマーケットとTwitter
098  佐々木敦/おそらく実現されることはないであろうわたくしの夢のひとり出版社の、もしも実現したとしてもおそらく実現できることはないであろう、夢の刊行予定リスト
102  オルタナ旧市街/氷を踏む
106  清水伸宏/給水塔 もしくは、ヒマジン・オール・ザ・ピープル
112  絶対に終電を逃さない女/ちょっと疲れただけ
118  長谷川町蔵/ミックステープを聴いた朝
124  かとうちあき/宇宙人に会った話
128  多田洋一/山崎さんの殺人事件
140  星野文月/野良犬に月
146  コメカ/カニ人間
152  小川たまか/記録と記憶と証言
158  武田徹/いくじなしのむうちゃん!
162  蜂本みさ/編み物前線
168  宮崎智之/補欠論
174  3月クララ/ここから始まる
178  稲葉将樹/下妻〝書店〞物語 1980年代
184  すずめ園/幸せにしてあげる
190  荻原魚雷/先行不透明
194  仲俣暁生/橋本治の書物観
198  トミヤマユキコ/ひとりっ子という生き物の宿命
202  吉田亮人/小さくて、美しい
206  野村佑香/はじめの一歩
212  久禮亮太/フラヌール書店二年目の日々
218  うのつのぶこ/生きててくれればそれでいい
222  武藤充/チャネラー・足立幸子さんとの出会い
226  ふくだりょうこ/お薬をお出ししておきますね
230  我妻俊樹/スクールドールズ
236  美馬亜貴子/生存学未来論
242  久保憲司/アーティフィシャル・インテリジェンス
248  谷亜ヒロコ/折田さんは自分推し。
252  柳瀬博一/日本は東京以外でできている
260  東間嶺/(概略)アプデしない生き方のせいで殺されてしまった先生とわたしに関するおおよそ4000字のテキスト。
266  参加者のVOICE
274  バックナンバー���介
編集/発行:多田洋一
写真:圓井誓太
Art Direction/Design:太田明日香
取次:株式会社JRC(人文・社会科学書流通センター)
印刷/製本:株式会社シナノパブリッシングプレス
ウィッチンケア第15号が手に取れる書店(仮) https://note.com/yoichijerry/n/n9089f16965e1
きちゃ 〜ノベライズ・ウィッチンケア第15号〜 (下記URLを読むと第14号の全体がざっくり見渡せます) https://note.com/yoichijerry/n/n95e27412beb0
《2010年4月創刊の文芸創作誌「ウィッチンケア(Witchenkare)は今号で第15号となります。発行人・多田洋一が「ぜひこの人に」と寄稿依頼した、47名の書き下ろし作品が掲載されています。書き手にとって、小誌はつねに新しい創作のきっかけとなる「試し」の場。多彩な分野で活躍する人の「いま書いてみたいこと」を1冊の本に纏めました。》
2 notes · View notes
elle-p · 2 years ago
Text
Famitsu 1823 Persona 3 Reload part scan and transcription.
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
続報
謎だらけの迷宮タルタロスも新ギミックを追加してリニューアル!
真田明彦
声:緑川 光
さあ挑め、奈落の果てに
当時開発に携わったP-STUDIOがみずから現行最新機種でフルリメイクしたJRPGの名作。1日と1日の狭間に存在する“影時間”に潜む謎の存在“シャドウ”と戦う若者たちの物語が、新たに描き起こされたグラフィックで色鮮やかに蘇る。今回は、登場人物たちの情報や迷宮タルタロスの新要素を紹介する。
3年生でボクシング部の主将。専用ペルソナ“ポリデュークス”は、不死身の肉体を持ち、剣術と拳闘の名手として名をはせた、ギリシャ神話の英雄だ。
専用ペルソナ
ポリデュークス
己の拳を武器にシャドウを叩きのめす
電撃と打撃のハイブリッドでシャドウたちを蹂躙する
←↑もちろん真田も、本作からの新要素である超強力なスキル“テウルギア”を使用できる。彼のテウルギア“ライトニングスフィア”は、敵全体へ相性を無視し��電撃属性の大ダメージを与える効果を持つ。
専用ペルソナ
ルキア
山岸風花
声:能登麻美子
主人公の同級生で、パーティーを後方から支援するナビ役を務める。専用ペルソナ“ルキア”は、古代ローマで信仰を貫いて殉教したシチリア島の聖女。
←↓支援スキルで主人公たちをサポートする風花。テウルギアの“オラクル”は、味方全体にランダムでいい効果が発生する。
↑→突剣を振るう美鶴。テウルギア“ブリザードエッジ”は、敵1体へ相性を無視した氷結属性の特大ダメージを与える効果を持つ。
桐条美鶴
声:田中理恵
専用ペルソナ
ペンテシレア
3年生。特別課外活動部部長にして生徒会長、フェンシング部にも所属する。専用ペルソナ“ペンテシレア”は、ギリシャ神話に登場する誇り高きアマゾネスの女王。
巨大な迷宮タルタロスに挑め!
1日と1日の狭間に存在する“影時間”にのみ姿を現す巨大な迷宮“タルタロス”。内部には無数のシャドウが徘徊し、主人公たちに襲い掛かる。本作ではグラフィックや一部ギミックが新しくなったほか、ダッシュ移動、ボタンひとつでパーティー全体のHPを回復させる“オートリカバー”などの機能も追加。
↑→本作では操作系が見直され、探索がやりやすくなった。また、戦闘後のシャッフルタイムも選択制になるなどより便利に。『ペルソナ3ポータブル』で追加された失踪者救出も実装。
破壊オブジェクトと施錠された宝箱
タルタロス内には破壊可能な物体や宝箱が点在しており、フィールドアクションで破壊した物体からは、回復アイテムなどが出現することがある。宝箱には施錠されたものもあり、“薄明の欠片”と呼ばれるアイテムで解錠が可能。手間は掛かるがそのぶんいいアイテムが入手できる。
オブジェクトを壊しアイテム収集に励もう
↑→破壊オブジェクトの中には、宝箱の解錠に使う薄明の欠片が入っていることも。発見したら積極的に破壊するといい。
エントランスの時計
タルタロスのエントランスに置かれている時計を起動すると、パーティーメンバー全員のHPとSPを全回復できる。ただし、起動には毎回薄明の欠片が7個必要となる。薄明の欠片は貴重なのでムダ遣いせず、探索期限間際で探索の継続が必要な場合など、いざというときに使おう。
SPを回復できるありがたい施設
←タルタロスではとくにSPの回復手段が乏しく、時計は貴重な存在。使いどころを見極めて薄明の欠片を投入するのだ。
モナドの扉とモナド通���
探索中、“モナドの扉”と呼ばれる巨大な扉が出現することがある。その先には貴重なアイテムが入った宝箱と、強力なシャドウが待つ。
←↑モナドの扉の奥では、貴重なアイテムが入手可能。ただし、強力なシャドウが待ち受けているので、腕前に自信があれば挑戦しよう。
風花だけが使える支援スキル
風花の支援スキルは、戦闘だけではなく探索時のサポートも行える。探索中に“ナビボタン”を押せば、支援スキルを選択して発動できる。
←↑フロア内の敵から感知されなくなる“ジャミング”を始め、スキルは多岐にわたる。発動にはほかの仲間と同様にSPが必要となる。
港区の街を巡って出会いを捜そう
街中で出会う“コミュ”のメンバー
→放課後や夜の時間には、ポロニアンモールや巌戸台駅など、学園外のさまざまな場所に移動できる。
主人公が、出会った人々と交流を重ねて絆を結び、その絆をさらに深めていくことで発生、成長する“コミユニティ”(通称“コミュ”)。コミュランクを上げると、そのキャラクターにまつわる特別なイベントを見られるほか、ペルソナ能力の強化にもつながる。今回は、コミュを築ける人物の中から、おもに学外で出会う人々を紹介しよう。彼ら彼女らとは、放課後や夜の時間などをメインに交流することができる。
飛躍的に顧客を増やすテレビ通販会社社長。お金にがめつく、独特の経営理念を持つ。主人公をタレントとして売り出そうと目論む。
たなか社長
テレビ通販社長
声:島田 敏
ややガラの悪い僧侶。煩悩だらけの様態を見せるが、檀家からの評判は上々。主人公に独自の価値観と言葉で説教をくり返す。
無達
型破りな僧侶
声:青森 伸
他校の陸上部のエースで、全国レベルで注目を浴びる実力者。主人公に才能を見出し、ともに競い合うライバルとして認める。
早瀬 護
他校のエース
声:梅原裕一郎
オンラインゲームで出会うプレイヤー。主人公の操るN島を相棒と呼ぶ。休日には必ずログインし、主人公が来るのを待っている。
Y子
インターネット
声:なし
長鳴神社脇の公園で出会う女の子。両親が離婚寸前で不安を感じ、あまり家に帰りたがらない。主人公をおにいちゃんと呼び慕う。
大橋舞子
神社の女の子
声:河野ひより
不治の難病を患っており、休日になると弱った体をおして神社へやってくる。自分の生きた証を童話という形で残そうとして��る。
神木秋成
余命いくばくもない青年
声:野島裕史
古本屋“本の虫”の店主夫婦で仲はとても良好。数年前にひとり息子を亡くし、生前に彼が植えた柿の木を形見のように思っている。
北村文吉•
光子
古本屋の老夫
声:高木早苗
声:龍田直樹
休日にはメールでの誘いも
放課後や休日には親交を深めたキャラクターたちからメールで誘いを受けることがある。個性的なメールにニヤリとすることも⋯⋯?
8 notes · View notes
yutakayagai · 1 year ago
Text
大樹が宇佐見と会っていた一方、仁志も学校へ行っていた。彼は美術部に所属し、デッサンについては芸大・美大受験でも十分に通るのではないかと周囲が認めるほどの実力を持っていた。この日も「ミロのヴィーナス」の石膏に様々な果物を置き、背後には白い布地を掛けてそれぞれ違う質感を描く練習をしていた。
美術部は専ら女子ばかりで、男子は仁志だけだった。それでも彼は平気だった。彼女たちは、特に異性だからと言って特別扱いせずに関わっていた。
顧問の大畠郁也は、他生徒の作品を見ては助言をしていたが、仁志に対しては何も話しかけなかった。デッサン力が申し分なく、寧ろ仁志から声をかけてアドヴァイスをもらうことの方が多かった。そんな二人のやり取りに、周囲はまさか関係を持っているとは誰も思わなかった。
大畠は、一見すると巷のサラリーマンと変わらなかった。四十代半ばで中肉中背、やや疲れている様な顔つきだった。美術教師ながら普段は背広を着ていた。しかし、彼は仁志をモデルとしてアトリエでもある茨城町の上石崎の家に連れて行き、時折絡んだ。
この日は午前中で部活動が終わった。他生徒が後片付けをし、帰って行く中で仁志も身支度をしていた。二人っきりになり、大畠は仁志に声をかけた。
「今日は、本当に泊まってくれるの?」
「うん。父さん、今夜は東京出張だし」
「お父さんもゲイなンだろ?」
「うん。僕が小学生の時から付き合っているみたい」
「へぇ〜、『倦怠期』もなくてイイね」
「倦怠期なんて、そもそもあるの?」
「あるみたいだよ」
他生徒に見られていないか、まずは仁志が美術室を出て、足早に昇降口を出た。大畠も、いったん職員室で美術室の鍵を所定の場所に戻し、室内に残っている職員に声をかけ、出て行った。二人は「御茶園通り」と言う通りで待ち合わせ、仁志は大畠���ステージアに乗った。
仁志は、性暴力を受けたことは別として、これまで関係を持ったのは大樹しかいなかった。しばらく父と一緒には寝たが、彼以外の他人と絡むことはなかった。機会がなかったと言っていい。大畠とは、高校に入学してすぐ出会い、美術部に入部して間もなくモデルになって欲しいと言われた。茨城県や水戸市の芸術祭に出展する作品を作製する為だった。
大畠とは、五月の大型連休に初めて絡んだ。大樹はどちらかと言えば相手をその気にさせることから始めるが、仁志は真っ先に身体の局所を愛撫しながら唇を奪った。全裸の仁志はすでに一物を硬直せていた。突然接吻され、大畠は最初動転したが徐々に彼自身も内面に潜んでいた本能が目覚めさせられていった。彼はスラックスを脱ぎ、勢いよく反り返った肉棒を白いビキニブリーフ越しに見せつけた。
「『仁志』、君は何て破廉恥なンだ…」
「…僕の肉体が目的なンでしょ?」
「否、君の総てが好きなンだ」
「これも僕の総ての中の一部なの」
二人は肉欲の渦に身を投げた。翻弄され、喘いだ。大畠も服を脱ぎ、仁志の身体の諸部分を弄んだ。すると彼は乳房を赤黒くさせ、硬く膨らんだ。まるで女体の様に全身を火照らせ、歓声を上げた。その姿に大畠は肉棒をいっそう硬くさせ、血走らせた。嗚呼、一体になりたい。彼の欲望が頂点に達した。
「仁志、君と一体になりたい…」
だが、中学生の時の記憶が仁志の脳裏に蘇った。彼は言った。
「…痛いのは嫌」
「でも、欲しいよ」
仁志も、幼なじみや父親以外の男を知り、本当なら大畠の愛液をこの肉体に受けたいと強く望んだ。しかし、ただ痛いだけなら避けたかった。大畠は、ラヴオイルを手に取って仁志の下半身の穴に塗り、まずは人差し指を一本挿入し、徐々に中指、薬指と増やしていった。時折、急所の裏を点かれると仁志は、
「あッ、あん…」
と肉棒が小刻みにピクッと動いた。
「…痛くない?」
と大畠が聞くと、仁志は無言で頷いた。「…挿入(い)れるよ」
大畠の肉棒が仁志の下半身の穴に入って行く。仁志は、大畠の身体にしがみ付き、痛みを忘れようと咄嗟に接吻した。ところが、予め広げておいたからか痛みは感じなかった。仁志は、
「…先生、痛くない」
と言った。彼は、これが愛する男との絡みなのだと思った。
仁志は、下の方から押し寄せてくる心地よいエクスタシーに歓喜の声を上げた。おのずと、彼の肉棒も萎えることなく先走り汁を滴らせていた。接吻も交わし、大畠は恍惚な表情で、
「愛してる、愛してる…」
と繰り返した。
父が川��とベッドで、この体勢で絡んでいるところを見ていた仁志は、これがまさに愛の表現なのだと思った。直腸の裏側を何度も点かれ、これまで経験したことがないエクスタシーを感じていた。時折尿意に似た切迫詰まったものが込み上げ、肉棒からは先走り汁が止まらなかった。
「あッ、あん! あん!」
大畠の肩に両腕を絡ませ、離れじとしがみ付き、仁志は接吻を繰り返した。そのまま二人は掃き出し窓の方に向かい、仁志の身体を押し付けた。大畠は腰を振り続けた。窓からは限りなく水田が続き、青々とした稲が風になびいていた。
オルガズムは大畠の方が早かった。次第に切羽詰まった感覚が身体の奥底から込み上げ、
「あッ、イキそう…」
と呟き、
「あッ、あん! ああン! うぅぅぅん…」
と、仁志の肉体の中に愛液を注いだ。これまで経験したことのない幸福感を仁志は得、彼は叫んだ。
「あぁぁぁぁん!」
彼は恍惚な表情で愛液を跳ばした。続けて潮吹きし、そのまま崩れる様に倒れた。大畠の肉棒が下半身の穴から抜け、仁志は力尽きた。彼は女になってしまったと思った。こんなみち満ちた思いになったのは初めてかもしれない。大畠はそんな彼に、
「仁志、君は綺麗だ」
と抱擁し、しばらく離さなかった。
こうして二人は愛し合う関係となった。モデルを務めた後には必ず絡み、愛液を飲んだ。この日もそうだった。乱れたベッドの上で、大畠は仁志と見つめ合った。出会った頃と比べると、瞳の輝きが違ってみえた。彼は言った。
「仁志。今、幸福かい?」
「…うん、幸福だよ」
「何だか、綺麗になったね」
「先生と愛し合ってるから?」
「…大したことじゃないよ」
「否。先生、愛してる」
上石崎で迎える初めての夜。掃き出し窓から出ると、群青色の空には数多の星が瞬き、三日月が見えた。お盆を過ぎてから秋の虫が聞こえる様になった。昼間に情事を済ませたからか、二人は半袖の丸襟シャツと短パンと言う格好でウッドデッキに出た。大畠は、仁志を家に迎える為にひたちなか市内のホームセンターでガーデンテーブルとチェアを買った。彼は、スコッチウィスキーの「オールドパー」をロックグラスに注ぎ、片手に持っていた。風になびくと聞こえてくる稲の音が心地よい。
仁志も、大畠が気に入っている紅茶を飲んでいた。ベルガモットの香りが付けており、水っぽくなかった。氷を入れたタンブラーを傾けながら、二人は語り合った。大畠は言った。
「元々、この家は親父とお袋が住んでたンだ。親父はオレが三十過ぎの頃に死んで、お袋は今は施設にいるンだ。痴呆になってね。オレは末っ子だから自由気ままにやってたけど、姉貴は苦労したみたい。その家を譲り受けたンだ。田んぼもそう。毎年、ゴールデンウィークと秋の彼岸の時は大変だよ」
「へぇ〜、お米作ってるの?」
「今日食べたパエリャ、オレが作ったンだよ」
「美味しかったよ」
生まれて以来、水戸の市街で育ってきた仁志にとって田園地帯である茨城町は新鮮だった。阿字ヶ浦に住む嶋田もそうだが、羨ましいと思った。
午後十一時を回ると、二人は同じベッドの中に入った。時折、大畠は仁志と寄り添い、接吻した。先刻、オールドパーを飲んだからか、スコッチウィスキーの味がした。仁志は、
「…酔っちゃいそう」
と苦笑した。大畠は、
「どうせ明日になれば、シラフに戻ってるよ」
と言った。
こうして二人の夜は過ぎていった。
阿字ヶ浦では、嶋田が妻の幸恵が来ていた。彼女は勝田駅前で同僚と飲んでいたらしく、泥酔していた。嶋田は、突然来たので驚いた。彼は、
「…なンだよ、別にウチに来なくてもイイじゃん」
とチェイサーを持って来た。そのタンブラーを彼女は一気飲みし、
「何だか、急に祐くんに会いたくなったの!」
と言った。「祐くん」なんて呼ばれたの、何年ぶりだろう? 恐らく、出会って間もない頃以来か…? 嶋田はソファにうなだれる幸恵を目前に、プライベートバーからテネシーウィスキーの「ジャックダニエル シングルバーレル」を持って来た。ロックグラスに注いで一口飲むと、
「あたしにも飲ませて〜」
と幸恵が訴えた。嶋田は、
「ダメだ。そんなに酔っ払ってちゃ味なんて解らないだろうよ」
と注意した。
「じゃ、『ジャックダニエル』ならイイ?」
「今夜は止めなさい」
これじゃ、ゆっくり飲めたもンじゃない…。嶋田はシングルバーレルのボトルとグラスを持ち、プライベートバーに逃げた。壁紙は真っ黒、カウンターの木目調が冴える様に照明も工夫した。この空間がオレには落ち着く…。彼は窓側に座り、彼方に見える真夜中の阿字ヶ浦を眺めながらグラスを傾けた。
間もなく幸恵がドアを開けてきた。嶋田はやれやれと、彼女をカウンターまで導いた。彼は、
「お客さん、かなり飲んでますね〜」
と苦笑した。
結局、嶋田は「ミントジュレップ」を作り、幸恵の目前に差し出した。スペアミントの爽やかな香りが漂う。彼女はストローに口を付けながら、
「やっぱり祐くんのカクテルが一番だね」
と微笑した。カウンターには、注ぎ口に赤い蝋がかかったバーボン「メーカーズマーク」が置かれている。嶋田は、
「何か理由あり?」
と聞いた。大抵、彼女が泥酔している時は何か遭ったことが多かった。一口飲んだ後、
「実はね、祐子と幸子なンだけど。今、『ボーイズラヴ』の漫画や小説にハマッてるの」
と溜息をついた。
ボーイズラヴは、世間では「やおい系」と呼ばれており、嶋田もたまに立ち読みをするが、あんなキレイなものではないと思っていた。学校やオフィスなどを舞台に憧れの先輩や上司と結ばれると言う、結末が読めてしまうストーリーなんて決してあり得ない。祐子や幸子がそんなものに興味を持ったのかと、彼としては内心複雑だった。
「『ボーイズラヴ』ねぇ…」
「当事者としてはどう思う?」
「『当事者』? あれはゲイとは別物じゃないの?」
「でもさァ…。男同士でエッチすることに変わりはないよねぇ?」
「現実はあんなキレイじゃないよ。オレなんて、谷田部って奴に犯されたけど、しばらくトラウマで登校できなかったよ」
「祐くん、そうだよねぇ〜」
何故、祐子と幸子がボーイズラヴにハマッたのか、嶋田は幸恵に聞いた。某少女漫画の雑誌で男同士の肉体関係を扱った連載が、読者の中でブームなのだと言う。彼女たちは他の少女漫画の雑誌を愛読していたが、同級生の一部がその漫画を貸してくれたところ、
「へぇ〜、男同士でエッチしちゃうンだ〜」
と興味を持ったのだそう。
祐子が幸恵にこんな漫画があるンだよと見せてくれたが、
「お母さんは、こういうの好きじゃないな」
と流したらしいが、まァ、異性について興味を持つ齢でもあるかと一度は諦めたと話した。嶋田は、
「でも、オレがゲイであることは話してないンだね?」
と聞いた。幸恵は、彼女のリクエストで作ってもらった「スーズトニック」を片手に、
「祐くんは『バイ』でしょうよ。流石に、自分の父親がそうだと知ったらどう思うかなァって。でも、いつまでもこんな生活を続ける訳いかないし…」
と言った。
「まァね…」
あんなに酔っ払っていたのに、半ばシラフになっていることに、嶋田は幸恵の酒の強さに驚いた。
結局、結論が出ないまま二人は夜を明かした。朝になり、幸恵の携帯電話に祐子からかかってきた。今日も水戸市内の図書館に幸子と出掛けるらしい。もうじき夏休みも終わるので、宿題を片付けないといけないらしい。
幸恵は玄関を出る際に、
「祐くんのカクテル、美味しかったわ」
と言った。嶋田は笑顔を見せた。
3 notes · View notes
yotchan-blog · 5 months ago
Text
2025/2/8 21:00:06現在のニュース
岐阜のタナック、動物手術の訓練器具 模擬骨や模造筋肉 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:48:14) 「煎茶の祖」発信の場のシンボルツリーに 生誕350年で桜植樹(毎日新聞, 2025/2/8 20:44:28) 老朽アパート再生、久留米の交流拠点に 半田兄弟 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) 令和なコトバ「芋緑化」 食料危機ニッポンを救う新技術 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) 街に広がるデカフェの空間、個性派店舗で安心・おいしく - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) バレンタインチョコより大事な「愛」の本質とは 不朽の名フレーズ10選 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) 住宅ローン「3000万円超え」で変動型急増 金利上昇でも - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) フレンチは大喜利だ むちゃなお題→見て食べ「うまい」 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) 網膜色素変性症でも薬剤師 診断遅くも制限なく進学実現 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) おいしいチョコ作りたい 出来栄え決める「温度」とは? - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) 自分を責めないで どう工夫できるか対処策考えよう - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) 【新潟 長野 富山】北信越、日本酒輸出拡大へ注力 バイヤー招請・物語性の酒 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) 【長野】八十二銀行の決算、純利益3%減 24��4〜12月期 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:40:29) 幻想的な世界浮かび上がり 「上杉雪灯篭まつり」始まる 山形(毎日新聞, 2025/2/8 20:37:22) ガソリン価格の事前調整疑惑、長野県が業界団体に調査求める:朝日新聞([B!]朝日新聞, 2025/2/8 20:34:05) 氷河期世代、男性の正社員9割超 やっとバブル世代並みに 生涯賃金や貯蓄、なお差 - 日本経済新聞([B!]日経新聞, 2025/2/8 20:34:05)
0 notes
psyetz4 · 6 months ago
Text
春夏秋の山の自然は日本でもすでに歴史を通して愛でられ、描き尽くされてきたので、なんとなく既視感がある。けれども冬の景色は、はっとするほど新鮮だ。凍りついた湖の静けさや、その表面に描かれる氷紋、吐く息のきらきらする感じや、透きとおった空、極端に色合いの限られた峡谷……。
ボストンはもっと都会だが、それでも似たような美に出会うことがある。すっきりと並ぶ裸の街路樹。凛とした石像。インク画のような雪の公園。チャールズ川の凍った白い渦巻き模様の表面と、その下の豊かな水の流れ……。冬には冬の美しさがある。それはきびしさをふくんだ美しさである。腐敗や混濁、汚染を拒否する美しさである。そして、見えないところで生命の息吹を保ち育てている美しさでもある。
——宮地尚子『傷を愛せるか 増補新版』(2022、筑摩書房)
1 note · View note
nakatani-seminar · 9 months ago
Text
【〈千年村〉研究ゼミ】 前期活動報告⑹〜韓国調査篇
初めまして、中谷研究室学部4年の碓氷です!
韓国千年村調査4日目(8月24日)
の動向をお知らせいたします、よろしくお願いします!
―――――――――――――――――――――――――――――――
7時半に起床したとき部屋はすでに明るく、早朝に新しく印刷した集落調査資料の補足版を、先輩方がホッチキスで留めている最中でした。
あわただしい朝。
すぐにチェックアウトを済ませられるようにスーツケースを持って、少し遅れて朝食に向かうと、ビュッフェ会場は多くの人でにぎわっていました。
スクランブルエッグ、 プルコギ、 キムチ …etc. 韓国のコーンフレークはやけにカラフル 中谷先生に、「朝は沢山飲みものをおなかに入れた方がいい」と言われたので、水とオレンジジュースとコーヒーとスープを飲むことにしました。飲みすぎて苦しい…。
今日も盛りだくさんな一日です。スケジュールは以下の通りです!
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<8月24日のスケジュール>
9:30                    扶蘇山城の見学 10:30                  定林寺址の見学 11:00                  嘉林郡集落の調査(郷校、官衙のある部分) 12:00                 昼食は焼き魚とチヂミ、お肉の定食! 13:30                  嘉林郡集落の調査(微高地集落のある部分) 15:00                  弥勒寺および弥勒寺博物館の見学
~バス移動および地下鉄移動~
20:00                  ホテルに到着 チェックイン! 21:00                  夕食にサムギョプサルを食べました!(^^)! 0:00                    明日に向けての作業                                1:30                    入浴、就寝
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
9:30 扶蘇山城― 8時半にはバスに乗車し、扶蘇山へと向かいました。扶蘇山は昔々百済の都であった扶餘郡に位置する山城で、
大河と山に囲まれた背山臨水の地形を一望できる最高の景観
を持っています。展望台は、赤く塗られた柱と緑に彩られた梁や垂木の色鮮やかな建物です(図1)。
Tumblr media
図1.扶餘山城の色鮮やかな展望台(撮影:2024/08/24 碓井颯)
梯子を昇り扶餘を俯瞰すると、霞がかった空気の中で錦江がゆったりと右手側に流れています。遠くには山々、近くには多くの建造物によって奥行きが生まれています(図2)。
Tumblr media
図2.扶餘山城の展望台からの眺め(撮影:2024/08/24 碓井颯)
千年村の集落調査では、山間部や都心から離れた僻地を巡るイメージを持ってしまうことが多いですが、
���市もまた集落のように住みやすい処に展開されるのだな~と
ここに住もうと決める集落住民と景観の美的・合理的豊かさから都を決定する王の心境は本質的に同じだったのではないか。
今昔一貫する地理的条件を感受する普遍的な人類の立場に立てた気がして少し嬉しかったです!
 扶餘山城址には同時に竪穴式住居の遺跡も残っており、資料館も見学することができました。日本の竪穴式住居より堀が深く、大きな柱径が特徴です(図3)。
Tumblr media
図3.韓国の竪穴式住居(撮影:2024/08/24 碓氷創平)
山城見学に同行していただいた富井先生にこの理由を解説していただいたところによると、
寒さが厳しい韓国ならではの土を利用した断熱機構
であるようで、空気中に熱が逃げることを防ぐため、内部空間をなるべく土に触れるように工夫したものだと言います。韓国住宅によく見られるオンドルは、当初かまどから発生する熱を利用した暖房器具であり、その端緒は竪穴式住居にも見られるようです。
10:30 定林寺址― バスで少し移動し10時半頃、定林寺址に到着しました。滞在時間が短く急がなければいけないということで、
「全体重をかけて」
見学すべく駐車場からスマホだけを持って足早に(図4)。
Tumblr media
図4.定林寺の石塔(撮影:2024/08/24 碓氷創平)
中谷先生から定林寺と法隆寺の比較についてお話を伺いました。そもそも定林寺は百済の聖王が仏教熱心であった所以完成した寺院であり、
その影響は飛鳥時代の日本に多く及んでいるのですが、
大きく異なるのはその伽藍配置です。
講堂を含む回廊によって、金堂と塔が一直線に貫かれている定林寺に対し、法隆寺では講堂を離し金堂と塔を並列しています。
この故が敷地の広さや環境に起因するものなのか、国ごとの考え方の違いによるかは難しいところですが、類似点と相違点という観点から比較できたのは良いことです…(図5-9)
Tumblr media
図5.定林寺の平面図(出典:「韓国の建築」,金奉烈著, 学芸出版社, 111ページ)
Tumblr media
図6.法隆寺の平面図(出典:同朋舎出版刊文化庁文化財保護研究会監修「図説 日本の史跡 第五巻」)
Tumblr media Tumblr media Tumblr media
図7,8,9.定林寺の様子(撮影:2024/08/24 口石直道)
11:00 嘉林郡集落の調査― 昼からは、昼食をはさんで前後で嘉林郡と呼ばれる集落を巡りました。今回、調査班では二か所をピックアップしてめぐることにしました。
Tumblr media
図10.嘉林郡の官衙の入り口を示す門(撮影:2024/08/24 安藤優花)
前半に訪問した場所は、
大きな郷校(科挙を受ける人々が通う学校)を持つ昔からの集落の中心地
と考えられます。郷校の存在を示す門を潜り抜けて集落に入っていきます(図10)。山の麓に位置する郷校付近では、細い路地を挟んで立派な邸宅が並んでいました。色鮮やかに葺かれた赤青の屋根スレートをあちらこちら横目に、ぐるぐると歩き回りました(図11)。
河川付近にも川を覆うようにスラブが敷かれ、RC造の住宅地が展開されていました。
川に臨むところには東屋が置かれ、なんとも快適で落ち着く場所でした~ 日本の夏にも似ていますが、やはり大きな違いは散見されるハングルです…!
Tumblr media
図11.嘉林郡のくねくね道(撮影:2024/08/24 碓氷創平)
後半は
広大な田んぼに囲まれた微高地集落です。
微高地(?)となるほどに丘は大きく盛り上がっていて、大小さまざまな住宅が余裕をもって配置されていました。
米もたくさん採れるから豊かな場所なんだろうと思いました。
上っていくと視界が開けました。
丘の頂上付近には、大きな樹が!
木の麓には椅子や無料で使える健康器具などが置かれ、集落民の憩いの場所となっているようです(図12)。この集落は錦江に囲まれてもいるのですが、錦江の堤防付近にも同様の樹と東屋があり、くつろいでいるおじいさん達に地域のお話を伺うことも出来ました。韓国の集落には気持ちの良いコミュニティスペースが集落単位でいくつも点在していて良いです!
Tumblr media
図12.嘉林郡の大樹(撮影:2024/08/24 碓氷創平)
12:00 弥勒寺―  最後は弥勒寺を見学しました。弥勒寺では3つの回廊のセットが一つにまとめられた建物配置を持っています。それぞれの回廊が一つずつ、計三つの塔を持ち、中央の木造の塔を二つの石塔が挟んでいるのですが(図6)、現在では復元された石塔しか残っていません。二つの石塔に挟まれた弥勒山がその象徴性を増していますね!
大きく開けた平原に白光する二つの塔が映え、
日差しがジリジリと照りつける中で白・緑・青の三色が鮮やかに焼き付きました
(図13-15)。
Tumblr media
図13.弥勒寺石塔跡(撮影:2024/08/24 小谷さくら)
Tumblr media Tumblr media
図14,15.弥勒寺石塔跡(撮影:2024/08/24 安藤優花、小谷さくら)
 弥勒寺見学後は付属の博物館を見学しキラキラした装飾品や生活陶磁器などを見ました。当時の王族や人々の生活の様子について、説明を聞きながら思いを馳せました。一つの考古学品の発見が様々な文脈で意味を持ち、歴史的な発見がダイナミックに展開していく様を感じることが出来ました。
16:00 帰りのバス―  その後ソウルへ向けて再びバスに乗車し、3時間ほど車窓を眺めました。
韓国は右車線通行のため、追い越し車線は向かって左側です。
もう少しで市街につくというとき、
真っ赤になった日が沈むところでした
(図16)
教会やモスクなどの多種多様な建物のシルエットが逆行で暗んで、
ノスタルジックなソウルに車内一同盛り上がっておりました。
Tumblr media
図16.ソウルの夕焼け(撮影:2024/08/24 碓氷創平)
 地下鉄を乗り継いでホテルに着くころ、すっかりあたりは暗くなっていましたが、宿泊先は夜中まで明るくにぎやかな場所でした。ホテル近くのサムギョプサルの店で夕食を堪能し、一日を終えました。
以上が調査4日目(8月24日)の動きでした!いかがでしたでしょうか…?
明日は調査をまとめるポスターセッションを行います
25日の日記も乞うご期待!!
読んでいただきありがとうございました!!
#sennen#nakasemi
0 notes
lyrics365 · 9 months ago
Text
夏実
酸っぱい果実に誘われたの ほら、君の目がもう揺らいでる あの八月に奪われたの 君と僕の想いで やるせないこの気持ちと 夏に置いてかれた僕 君もさ 同じ気持ちなのかな 凛とし美しく切ない君の身体はさ どこか果実の匂いがしたの 儚い空気が 僕を押し寄せ 今に耐えれず 君を探した あるはずもない 足跡をたどる先で 僕は崖の下から… 酸っぱい果実に誘われたの ほら、僕の目に狂いは無くて あの八月に奪われたの 君と僕の想いで 眩い氷が溶けた狭間で 君の姿も曖昧になる 今からそこに僕が行くから 涙を拭いて待っててね 君はさ わざとらしい笑顔をする人だね その顔 瞳が僕をえぐるの あの日の街路樹 キスをかわした 辛さと共に 涙した君 こぼれる記憶 熟れた愛すらも 君の元へ運ぶから 酸っぱい果実に誘われたの ほら、君の目に狂いは無くて 僕を優しく包み込むから 迷いなんてなかったよ 眩い氷が溶けた狭間で …
0 notes
bearbench-3bun4 · 11 months ago
Text
「虚無への供物」中井英夫 0061
序章
6鱗光の館 
国電の目白駅から大通りを千歳橋(ちとせばし)方角に向うと、右側には学習院、その裏手は、池袋駅を頂点に、逆三角形の広い斜面を形づくっているとあある。
今もその地形は残っているようです。 ただ、橋名板にも千登世橋となっています。 千歳橋は、通称名とかなんでしょうか?
学習院や川村女学院、目白署なんかは、名残がありますね。
戦災を免れたので、まるで迷路のように入り組んでいて、丈高い煉瓦塀が隠し、繁り合った樹木が蔽うという具合だとなっています。 外から見えないというのもこれも、伏線ですかね。
豊島区目白二丁目千六百**番地の氷沼家は、その迷路の中心に当たる部分に建てられているみたいです。 迷路という割には、番地なんですね。
これって、調べたら、もしかして、特定できたりして。 楽しいですね。
蒼司が昭和四年生まれだということがわかります。 亜利夫が、ひとつ上だから昭和三年生まれだということですね。
目白の氷沼家のことが書かれていますが、平凡さをやたら強調している気がします。 広さも、五百坪だといってます。
五百坪だと、東京ドームの30分の1です。 サッカー場だと4分の1くらい、 テニスコートだと6面くらいになります。
相当広いですね。
庭に、楢(なら)、ブナ、櫟(くぬぎ)が植えられ、昼間でも陰気に薄暗いとありますが、 いずれの木も落葉樹だから、この話の時期は、枯れ枝めいた雰囲気であったのではないでしょうか。 多少枯れた感じはしますが、 昼間でも陰気に薄暗いとは、多少ずれている感じがします。
さて、そんな屋敷にバア「アラビク」の翌日、夜に訪ねた亜利夫。 目白の氷沼家の門をようやく探し当てた亜利夫とありますから、やっぱり相当大きな屋敷なんですね。
亜利夫のことが少し書かれています。
日本橋本石町の貿易商社に勤めて、朝夕のラッシュ・アワーにもめげずスポーツ新聞を耽読し昼休みはチョッキの胸をはだけて室町界隈を回遊するサラリーマン生活。
日本橋本石町で検索すると、日本銀行が出てきますね。 日本橋一帯の町々は、東京の商業地の中心だったので、何とか持ちこたえ、戦後につながって見事に復興出来たのでしょう。 それを表すかのように、亜利夫は、日本橋の貿易商社に勤めていることになっています。
その当時も、ラッシュ・アワーはすごかったのでしょう。 それにもめげず、読んだスポーツ新聞。
日刊スポーツやスポーツニッポンが発行されています。 スポーツ報知も発行されているみたいですが、いわゆるスポーツ新聞のようにはなっていないようです。
亜利夫の心配も杞憂で、蒼司は請じ入れます。
蒼司が着ている肌に染みるほどな薩摩絣、今は、高級品ですが、当時はどうっだったのでしょう? 調べてみると、庶民の着物だったと書かれていますね。 比較的、手に入れやすかったのかもしれません。 それを生きに着こなしている蒼司ということなんでしょう。 薩摩絣には、紺地のものと白地のもがるようです。 清潔な白いシャツが覗いていると表現されているので、多分、紺薩摩でしょうね。
まるで、それが明治の書生めいたているという表現も、それに合致するようです。
澄んだ湖を思わせる奥深い瞳の印象も6年前とほとんど変わらない。
亜利夫が25歳、蒼司が24歳だと思うのですが、6年前の高校生の頃と比較しているのでしょうか? 唐突に6年前と出てきている気がしますね。
蒼司が洞爺丸の後落ち込んでいたが、最近では、雪花石膏(アラバスター)の中に灯を点すようだと表現されています。 よく知りませんでしたが、 現代では、アラバスターはパワーストーンと知られているようです。 当時は、勿論いまもですが、ランプとして、しかもかなり高価なランプとして、使われているようです。
その蒼司は、大学院の工学部応用物理科数理工学コースでフローセオリーの矛盾を追求していた。 困りました。 さっぱりわかりません。 まあ、大学院は東大のことでしょうね。 他にもあったかもしれませんが。
「フロー理論」は、「個人が完全に今行っている事に夢中になり、自己意識がない中でも自分をコントロールできている感覚がある状態」と定義されています。
の矛盾を追求してたんです。 うんそうに違いありません。
今までの話を裏付けるように、 戦争中の通年動員という中学時代、 戦後の旧制高校時代、 食糧事情の悪化から休校。 亜利夫は蒼司を見るとはなしにみていたことになります。
感傷が先にたった第一日目の氷沼家の探訪は 亜利夫も反省することになるほど生ぬるい事になります。 とはいえ、元々何をしたらいいかわからずに氷沼家に言ってるわけですから、当然かもしれません。
さて、 久生は、翌日の日曜、1954年12月12日に西荻窪(にしおぎくぼ)の南口に近い壁画荘(へきがそう)に亜利夫を呼び出します。 まだ、起こるともしれない殺人事件に大きなのぞみをかけているようですね。
電話で呼び出したとありますが、家に1台の時代ではないでしょうから、 本当に呼び出したのでしょう。 それとも、電話を引いていたのか?これも、伏線になるかも。
亜利夫は、月の話から入りますね。 しかも、屋根が蛇の鱗みたいに青くかがやいて、まるで墓場へでもいったみたい。 古い住宅街で氷沼家は、没落華族の旧家のように苔むした塀をめぐらして、云々。
いくら報告することがないからといって、流石にこれは、関係ない話だと思いますね。
セミダブルのディヴァンにもたれこみ、天井にタバコの煙をあげながら薄目になって聞いていた久生が、 「つまり高い塀があるってことでしょう」と、ホームズの口真似で一蹴します。 もう少しいたわってもいいような。
ディヴァンはソファの一種で、もともとは背もたれやひじ掛けがないもので、少し高くなった床に置かれたマットレスだそうです。 多分、ベッドの変わりにもなるのでしょう。
亜利夫の話は、まだ続きます。 門の脇に電話の番号札が光っていたので、氷沼家とわかったとありますが、 電話番号が家の外に堂々と掲げたあったのなんて、今からは想像つきません。 まあ、たしかに、田舎に行くと、玄関の上なんかに、誰が住んでるとか電話番号なんかが書いてあるのを見かけたことはありますけど。
ここで、久生が、クズみたいな話をしててもしょうがないと、 亜利夫の話を遮って、亜利夫に説教します。
「ワトソン役(亜利夫のことですね)に覚えておいてもらいたい。 殺人事件で、最初に蛇神の呪いなんてことが出てきたらそれは必ず反対にどこか身近なところに犯人がいて合理的な方法の殺人を企んでいる証拠だと」
って、これをいうかって感じです。 これが推理小説なら、まさにそんな感じになる��ですから。 それを頭から否定されたら、これから一体何を読まされるのでしょうか?
しかも、亜利夫はちょっとかわいそうですね。 苦笑いしながら 「まだワトソン役を引き受けるとはいってない。 事件が起きてないのに探偵だけがしゃしゃり出るのはおかしい。」 と、精一杯の反発です。
それに久生が 「殺人を期待しているわけじゃない。 20年も前のモードなら、犯人が好きなだけ殺人をして、やおら神の如き名推理を働かす。」 と、言ってます。
この話は、昭和29年の話ですから、 指摘された小説は、昭和初期の小説でしょう。 小栗虫太郎(おぐり・むしたろう) 大下宇陀児(おおした・うだる) 久生十蘭(ひさお・じゅうらん) あたりを思いつきますけど、 個人的には、横溝正史あたりが一番しっくりきます。 ただ、横溝正史はやっぱ戦後の作家なんですよね。
実際に書かれたのが、昭和40年以降だとすると考えると、案外、しっくりくるかもしれません。
「私のような良心的な探偵はとても殺人まで待ってられない。 事件のおこる前に殺人が行われたはずだと、未来の犯人と被害者その方法と動機までくわしく指摘する」
と、久生は言い放ちます。 だから、ワトスン役の亜利夫の話が大事なのだと。
まあ、たしかに犯罪が起きなければそれに越したことはありませんが、それなら、この小説は成り立つの? まあ、全く逆なんだろうということは薄々わかりますけどね。
ちなみに “白の女王”というのが出てきますが、 ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」の白の女王がすぐに見つかります。
「他人を喜ばせる人生など送らなくていい。云々」
犯人が罪を侵せば、探偵の久生を楽しませることになるとでもいうことでしょうか? 久生の謎解きが始まるんでしょうね。
つづく
0 notes
text-huruhota · 1 year ago
Text
春寒(蛇道初瀬)
※CoCシナリオ「死体は話さない」のネタバレを含みます。
 重量のあるドアを少し力を入れて開くと、からんからんとやや大きめのドアベルが鳴った。いらっしゃいませ、何名さまですか。 「一名で、後からもう一人来ます」  どこでも空いている席にどうぞ。返ってくる声に軽く会釈して店内を見回す。二人掛けのテーブルも空いてはいたが、荷物のことを考えると少し狭いだろう。昼間から集まって盛り上がる近所の老人たちの背後、通路を塞ぎ気味な椅子の背にボストンバッグをぶつけないようやや気を張ってすり抜けて、窓際のボックス席に滑り込んだ。  昼下がりの喫茶店アカツキは、満席でこそないもののそこそこに繁盛している。最初に東海林や蓮実と来たときには少し気遅れしたドアベルの音の大きさに驚くこともなくなって、店内BGMの落ち着いたジャズもすっかり耳慣れたものになった。加えて今日はFRIENDSの作業着でもないから、他の客からじろじろと見られることもない。もっとも作業着を着ていたところで、この店の中で因縁をつけられることはもうないだろうと思うけれど。  天井にぶらさがったランプの光が、テーブルの木目を柔らかく照らしている。そういえばこの席には、最初にあいつらと来店したときにも座った。斜め前に東海林がいて、正面には蓮実がいた。本当はそういえばでなく意識的に選んだのかもしれなかった。  注文を終えて、料理を待つ間、窓の外をぼんやりと眺めていた。
 あれほど深く積もっていた雪はこの数週間ですっかり溶けてしまって、俺はこの道路沿いの歩道のタイルが、レンガのような赤茶色をしていたことを初めて知った。数年前に一部だけ舗装し直したらしく、思ったよりもはっきりした色だ。元々はこれが普通だったのだろうが、雪かきをしてもすぐに薄く白がかかる乙保しか知らない俺にとっては、未だに目が慣れない道なりだった。  人が踏みしめて歩く場所はもうすっかり春の様相だから、街路樹の根本に溶け残る雪を見ると少し安心した。上手く説明はつかないが、俺にとってはそのわずかな氷が、記憶にあるとおりの冬の街と今の接点なのだろう。
 一昨日、菊池が動かなくなった。  その一週間前には俺や黒鉄のことがよくわからなくなって、自分のこともあまり覚えていないような様子だった。そのあとは段々言葉がうまく出てこなくなって、やがて体が動かなくなった。  菊池を見送ったこの数日のことは。もっと言えば、この街に来てからのすべてのことは、全部鮮明に覚えてはいるけれど未だ整理がついていなくて、というより整理を――理屈をつけて飲み込んで何かしらの教訓にしたり、何もなかったように消化して元に戻らないといけないようなことだとするのも嫌で、どうとも形を変えられないまま、ただ現物そのままが頭の中に横たわっている。  岸さんがまだ復帰できないこともあって、株式会社FRIENDSはしばらく休業に入るらしい。小田原さんは宣言通りに菌を処分し、死者を蘇らせることをやめてしまったから、アルバイトの人員はもう必要ない。別にここを出たところで俺には帰る場所も職も宿もないのだが、この市に留まり続ける理由がなくなってしまったから、俺は明日、黒鉄と同じ便で東京へ戻る。まあ、しばらくは小田原さんから貰った金でどうにか生きていけるはずだ。  最寄りのターミナル駅から出る新幹線の便は明日の朝。午後から小田原さんが留守にするので、長らく職場兼宿として世話になっていた会社には先程挨拶を終えて、今夜は二人とも高速バスの駅に近いホテルに泊まることになっている。実質、今日が乙保市で過ごす最終日だった。  豪雪の解消により運行を再開した市内の路線バス(それでも数時間に一本)を待つついでに、喫茶店で遅めの昼食を取ろうということになっていたが、黒鉄が出かけ間際に忘れものに気付いたため置いて先に出てきた。別に社内で待っていても良かったのだが、散々別れの挨拶をした後では若干手持ち無沙汰だったのだ。   「たらこスパゲッティです、どうぞ」  明るく、少し張りのある声が左上から降った。聞き覚えを感じてそちらを見る。店主の堂本沙紀さんだった。差し出されたスパゲッティの皿に軽く頭を下げると、彼女は俺の視線に気付いたように軽く付け足した。 「今日が最後なんだってね、お疲れさま」  小田原さんから俺達が帰ることを聞いていたのだろう。堂本さんはにこりと微笑んでカウンターへと戻っていく。その笑顔がやややつれて見えたのは、単に俺の穿ちすぎなのかもしれない。俺は堂本さんと深く話したこともないし、彼女のことをよく知らないから、本当の所で彼女が何を考えているのかはわからなかった。けれど俺は最近、彼女がもう一度母親を亡くしたことは知っている。  堂本さんはカウンターの向こうで、同じ色のエプロンをした店員に何事か声をかけている。少し前にこの喫茶店は数週間ほど休業し、その後からは、あのカウンターで堂本さんに似た老年の女性を見ることはなくなった。店の外側から目に見えてわかる変化といえばそのくらいだ。俺達の方もきっと、何も知らない人間から見たらその程度なんだろう。アルバイトに来ていた、騒がしい若者集団の人数がそういえば何人か減ったかもしれない。ただそれだけ。  お母さんのことも、菊池のことも蓮実のことも。堂本さんや俺にはとっては絶対にそんな小さなことではなくとも。  テーブルを見下ろす。出来立てのたらこスパゲッティはまだ軽く湯気を立てている。近くの席で談笑する老人たちの笑い声が遠く聞こえた。腹は減っているはずなのに、食欲よりも思考ばかりがぐるぐると回って頭の中を散らかしていくようだった。  フォークを入れる。家族が亡くなるというのは、どんな風だろう。スパゲッティを巻きとる。その想像は今の自分にはとても身近に感じられて、そう思ったこと自体に胃の辺りが粘つくような焦燥感があった。 『死体は話さないだろ。生きてくれなきゃ、困るんだよ』  少し固めの麺を口に運んで噛みしめながら、いつかの岸さんが嗚咽する声が頭の中でずっと反響する。俺も、俺だってそう思う。  死んだ人間はもう何も話せないなんて、もう何もできもしないだなんてことは、本当に恐ろしいことだ。
 食べだすと思ったより腹が空いていなかったとか、明日からの宿はどうしようだとか、目の前のことに振り回されて生活を続ける合間でたまに想像してしまう。  もう半年以上行方のわからない弟は、三笠は今どこにいるんだろう。もし姿をくらましたのがあいつ本人の意思ではなくて、今もどこか冷たい場所に転がされていたら、誰かに殴られていたら。弟が悲鳴を上げたり助けを求める所なんて想像ができないけれど、もし万一そんなことになっていたらと思うと、目の前にあることが急に色褪せて、今すぐにでもどこかに向かわなければならないような気がしてくる。  もしも死んでいたら、どうしよう。何を喋ったかもあまり定かでない、適当に打ち捨ててしまったあの瞬間が人生であいつと話せる最後だったら。
 弟と最後に会ったのは、ちょうど一年前くらいだろうか。課題に必要だったとかで、彼が実家まで本を取りに来たときだ。当時の俺は一番酷い時期で、ほとんど毎日自分の部屋に籠りきり、父に怒鳴りつけられた時以外はそこから一歩も出なかった。三笠は多分俺と顔を合わせたくはなかっただろうが、うちの家は子供部屋が共用だから仕方がなかったのだ。  渋々といった様子で部屋をノックしてきた三笠に、あの時の俺はなんと返したんだったか。当時の自分の精神状態からして、絶対にあまり良い言葉ではなかったことは確かだった。情けなくて目は合わせられなかったが、俺に構わずさっさと目当ての本を手にした三笠は多分、呆れ切ったような、冷めた顔をしてこちらを見ていた���だと思う。二言三言だけ何か話して、バタンとドアが閉まった。  じっくり顔を見ることなんてしなかったから、記憶に残っている弟の最後の姿は、振り返らずに部屋を出ていく背中、それからドアノブを握る手だ。  三笠はいつも、ドアをきっちり最後まで手で閉めてから出ていく。  それは昔、俺がたまにドアを半開きにするのを父に叱られていたのを見たからだと聞いたような気がした。    生き物が死んだ後にどこへ行くのか、俺は知らない。この世の誰もきっと知らない。じゃあ蓮実は、菊池は、我先にと井戸に落ちていった動物たちは、どこへ行ってしまったというんだろう。  黒鉄と退散させたあの納骨堂の神様とやらのところなのか、それとも。自分が死んだことも、水槽のなかでぐるぐるとかき回されていたことも、生き返らされたことも、何も覚えていないまま彼らが帰ってきていたのなら、あいつらが一度行って帰ってきてまた向かった先のところには本当は何もなくて、無いんだろうか。『無い』って何だ? もしもそうだとしたら、あいつらはこの先本当に何にもできないってことか。  考えれば考えるほど、取返しのつきそうなことが何もなくて怖かった。でもそれを忘れてしまうのはもっと嫌だった。
「初瀬さん」
 左上から、今度はもっと硬質な男の声が降った。黒いバッグを肩に掛けた黒鉄が、長い体を折り畳むようにして向かいの席に腰掛ける。 「あったか? イヤホン」 「まあ」  菊池先輩に貸してたの忘れてて、そっちの荷物に紛れてました。そう返事が来たところで一瞬言葉が途切れ、黒鉄は何やらもの言いたげな顔で俺の顔と、四分の一程進んだスパゲッティの皿とを交互に見た。 「何だよ」 「……、や、別にいいんですけど、普通こういうときって、飲み物だけ頼んで待ったりしません?」  もう食ってるし、と続けざまに突っ込みが入る。特にそこに考えが及んでいなかったけれど、まだ飲み物を別で頼むほどの金の余裕はないし。どうせ食べる速度は俺より黒鉄の方が速いこともこの二か月弱でわかっていた。別に改めて一緒に食事をしようという場でもないし、先に始めておいた方がバスの時間に焦らなくて済むだろうと思う。 「? 分けるわけでもないし、お前はお前で頼むんだからいいだろ」  メニューを渡すと、「そういうことじゃなくて」と「まあいいか」がほぼ同時に発される。言いたいことがあるならはっきり言え。 「すみません、注文いいですか」  多分こいつは肉だろうな。片手を上げて店員を呼ぶ黒鉄の横顔から、もう一度窓の外に視線を移す。予想通り「石焼ハンバーグで」と頼む声を片耳で聞きながら、俺は東京に戻ってからのことを考えていた。
 帰ったらまず、三笠を探そう。警察が調べてわからないものをどうにかできると思っているわけではないが、何か行動を起こさないとどうにも胸の据わりが悪くて仕方がなかった。そうだ、小田原さんとも話していたけど、菊池の両親と連絡も取らないといけない。連絡先を知っていそうな同級生を探すかどうにかして。何の本当と嘘をどう伝えるべきなのかも整理がついていないが、息子の遺品の一つも手に渡らないのはいくらなんでも酷すぎるから。  遺体は小田原さんが丁重に葬ってくれると言っていたけど、その内乙保市に墓でも建てることになるんだろうか。一時アルバイトで留まるだけのつもりだったこの冬の街から、あいつはもう永遠に離れられなくなってしまった。街路の雪に染みた血痕が脳裏に蘇る。一応は見送ったはずなのに、結局はまた置いていくようで息が苦しい。  でももう、ここも随分と暖かくなってしまった。   「あそこ、あんな風になってたんだ」
 注文を終え窓の外を眺めた黒鉄が、何かに気付いたようにぼそりと呟く。  視線の先にはあのタイルがあった。 「……明るいよな」  反射的に相槌を打つと、反応されるとは思っていなかったのか、黒鉄は意図を汲みかねたような顔でこちらを見た。 「色。思ったより。もっと地味だと思ってた」 「ああ。そうっすね、確かに」  あそこだけ新しいのかも、と黒鉄は言って、歩道の話題はそこで途切れる。喫茶店周辺の歩道の舗装状況なんかはよそ者の俺達には関係がなく、今の数十秒全部が特に意味のない言葉の往復だった。けれど頭の中のスイッチを切り替える拍子にはなったのか、いつのまにか視覚・聴覚の焦点は賑やかな喫茶店の中へと戻っていく。
 隣のテーブルから軽く笑い声が上がる。何をそこまで盛り上がることがあるのか、来店時に見た老人たちは未だ飽きずにお喋りに興じていた。  気が付けばスパゲッティはもう半分冷めていて、俺は同時に、帰ったらまず仕事と部屋も探さなければいけないのだと思い出した。そういえば前に東海林から来た電話で、東京に戻ったときは連絡しろと言われていたような気がする。飲み会だったか、飲み会? 俺と? よくよく考えると社交辞令の可能性も若干あったが、もしもそうだったら東海林なら上手く断るだろう。それだったら蜂須賀にも、菊池の件について何か報告しておくべきだろうか。唐突にそれだけ連絡されても返事に困るか? 別に文字だけであれば既読で放置してくれても構わないのだが、俺は蜂須賀のその辺りの温度感がいまいち掴めていない。  まあいい、その辺の塩梅は黒鉄の方に訊こう。どうせ明日の新幹線までは同じところにいるのだから。    お待たせしました、と運ばれてきた石焼きハンバーグの皿から、じゅうじゅうと焦げた匂いが漂ってくる。  湯気の立つその皿にいただきますと行儀よく手を揃えてから、黒鉄はこちらの皿と俺を同時に見やった。 「あ��、冷めますよ」  ていうか多分冷めてます。口を挟むタイミングを伺っていたような台詞に、わかってるとだけ返して食事を再開する。  
 すっかり硬くなったスパゲッティはそれでも、最初に咀嚼したときより少しだけ味がした。
0 notes
toshiki-bojo · 1 year ago
Text
近詠十三句
Tumblr media
Tumblr media
佐保姫 坊城 俊樹 令和6年4月
佐保姫が五重塔になつてゐた 四天王らは佐保姫にお怒りか 猫の眼の縦におそろし春の路地 地震いくつ越えて来たりて大試験 すれ違ふ大群衆の春愁と 大試験しづかな大群衆として 五重塔燃ゆる色して節分会 まんばうのやうな大提灯も春 豆撒の大群衆と対峙せり 鳥帰る日も繫がれし氷川丸 氷川丸春の鉄鎖を千切りたく 春節の龍の気配が街溢れ 春節や萬珍楼の炒飯も
1 note · View note
kachoushi · 2 months ago
Text
月例会報告
2025年2月23日
Tumblr media
坊城俊樹選 岡田順子選
於:九段生涯学習館
Tumblr media
春光に包まれ珠の赤きべべ 順子 午後からはあの春雲に座りたし 佑天 広前を傾ぐ天皇誕生日 はるか 小さきもの命の限り春を飛ぶ 軽象 春日影揺るる舗道や乳母車 て津子 傷むためにひらきたるかと白椿 順子 群集は宮の春へと歩きだす はるか
Tumblr media
片腹に春を��ばせ軍馬像 月惑 雲おかぬ天皇誕生日の空 政江 たつぷりと絵の具うるませ木の芽風 和子 如月の菊のご紋の重さかな はるか 他人事は他人事として猫の恋 炳子 街騒を断つ剪定の鉄の音 昌文 日の丸のたたみ目著し二月尽 同 にぎやかな靴跡ありぬ梅の園 和子 西南の戦さの春の遠きこと 軽象
Tumblr media
ダンサーのスパンコールや桜鯛 幸月 かぎろへる一の鳥居のその先を はるか うぐひすに天ゆたかなる青さかな 和子 紅白の梅の襲を天衣とも 軽象 写生子は春来る天を描いてをり 佑天 春よ来よ音たてて引く鉄の門 昌文 十字架の天の遠くや辛夷咲く 順子 二月尽空広すぎて蒼すぎて 要 草青む雑木林の緩みかな としゑ
Tumblr media
押しだまり寄り合ひどれが残る鴨 昌文 狛犬は誰待つとなく浅き春 はるか 薄氷も鯉も胡蝶もうたかたの 軽象 さへづりや天に十字架届かざる 和子 霾天や切つ先鈍りゆく高塔 真知子 ごつごつと翔け官裏のうかれ猫 はるか 一茎もゆらぐことなく濠の春 要 びつしりと重なる絵馬や春埃 政江
Tumblr media
小さきもの命の限り春を飛ぶ 軽象 手折らるる人に薫るや夜の梅 幸月 笹鳴きや裏参道に砂利踏めば 要 春日影揺るる舗道や乳母車 て津子 黒い鳥赤い椿を食ひにけり 和子 群集は宮の春へと歩み出す はるか 黒土は夢二のキャンバス落椿 真知子 たつぷりと絵の具うるませ木の芽風 和子 如月の水かげろふの一舞台 軽象
Tumblr media
慰霊碑に日の斑ゆらすや春の水 真知子 如月の菊のご紋の重さかな はるか 鳥帰る愚かな我の頭上より 俊樹 街騒を断つ剪定の鉄の音 昌文 にぎやかな靴跡ありぬ梅の園 和子 天草や絵踏逃れて来しと云ふ 要 春風に乗つた天女や浅草寺 幸月 紅白の梅の襲を天衣とも 軽象 写生子は春来る天を描いてをり 佑天
Tumblr media
狛犬は誰待つとなく浅き春 はるか 春風に寝返りを打つ日章旗 俊樹 霾天や切つ先鈍りゆく高塔 真知子 薄氷も鯉も胡蝶もうたかたの 軽象 群舞する天皇誕生日の鳩 政江 さへづりや天に十字架届かざる 和子 愛子てふ天賦の瞳犬ふぐり 昌文 胸厚き国士梅園抜けてゆく 和子 鳥雲に入りて淋しき日章旗 俊樹
0 notes
yutakayagai · 1 year ago
Text
十七時過ぎになり、大樹と仁志は嶋田の家を訪れた。車はすでに置いてあった。呼鈴を鳴らすと、ワイシャツとスラックスと言う姿の嶋田が現れた。彼は言った。
「何だ、大樹。阿字ヶ浦にいたのか。ずっと図書室で待ってたンだぞ」
「御免、幼なじみ…。先生、紹介します。武田仁志君です」
大樹が突然紹介してきたので、仁志は一瞬彼の方を見たがすぐに嶋田に向かって会釈をし、
「はじめまして、武田仁志です。大樹とは小学校以来の付き合いで、今、私立S高校に通ってます」
と言った。嶋田は、
「あぁ、君が武田君か。大樹から話は聞いてます。まァ、おあがり」
と二人を室内に招いた。
この夜、嶋田はカレーを作った。カレーと言っても市販のルーは使わず、数十種類のスパイスを鶏肉や野菜と炒めた本格的なものだった。ターメリックやクミンシードを予め熱したサラダ油と炒めた「サブジ」や、きゅうりやトマトをヨーグルトで和えた「ライタ」も付けた。このメニューに仁志は感動した。大樹も、たまに佐伯が作ってくれることがあるが、また違った味わいのカレーだと喜んだ。
そんなひとときを嶋田は名残惜しかった。彼は、今夜は泊まっていってもイイと話した。大樹は、相変わらず両親は仕事で帰らないからとその誘いに便乗したが、仁志は迷った。
「ちょっと電話します」
と、ウッドデッキに出て彼は携帯電話からかけた。しかし、出る気配はない。仕方なく、彼は勇人にメールで大樹の家に泊まると入れ、送信した。確か、今日は日本橋の本社には行かない筈だが…。
仁志は高校に入学してから、少しずつ親離れをしなければならないと思う様になっていた。一時期は親子の垣根を越えた関係になっていたからか、そんな自分自身に嫌悪感を抱いていた。勇人に対する反発として、今付き合っている美術の教師と関係を深めていたが、心の奥底までは満たされない思いがあった。まァ、帰って何か言われてもイイと、メールを送った後、携帯電話を折りたたみながら、仁志は居間に戻った。
午後十時を過ぎた頃、大樹は先に休むといつも嶋田と寝る時に使うベッドがある部屋に行った。一方、仁志は眠れずにいた。そんな彼に嶋田は声をかけた。
「一緒においで」
連れて来られたのは、居間の隣にある一室だった。室内に入ると四畳半ぐらいの広さだがバーの様なカウンターがあり、椅子が二つ並んでいた。窓枠には二十種類以上はあるか様々なリキュールが並び、海が眺める様になっていた。仁志は聞いた。
「嶋田先生、これって…」
「オレは君の『先生』じゃないよ。『おじさん』でいいよ」
「じゃ、おじさん。これ…」
「実は学生時代、銀座のバーで働いていたンだ」
「それって、『バーテンダー』として?」
「あぁ、大学行くより熱中しちゃって…。でも、親父とお袋も大反対して、結局教師になったけど」
「え〜、勿体ないなァ」
「まァ、ノンアルカクテルでも作るよ」
この部屋は、同じ酒好きだった幸絵が嶋田の為に提案してできたプライベートバーだった。彼女は仕事の息抜きとして、わざわざ勝田や水戸の市街に行かなくてもお気に入りのカクテルが飲めるよう、よく嶋田に頼んで作ってもらっていたのだ。
カウンターに立った嶋田は、オレンジジュースとレモンジュースを使ったカクテル「シンデレラ」を作った。予めグラスにロックアイスを入れて冷やし、シェーカーを振った。仁志は両眼を見開き、その姿を十二分に目に焼き付けた。
ロックアイスを流し台に捨て、冷やされたグラスに嶋田はシェーカーの注ぎ口からオレンジ色の飲み物を注いだ。仁志の目前に差し出されると、そのグラスを手に取って一口飲んだ。オレンジの甘味とレモンの酸味が口に広がった。嶋田は、自分が飲むカクテルを作り始めていた。ウォッカとライムジュース、クランベリージュースをシェーカーに注ぎ、振った。氷の音が天井にまで響き、仁志は一足先に大人になった気がした。
仁志に作ったカクテル同様、予め冷やしたグラスに嶋田はピンク色の飲み物を注ぎ、カウンター側の椅子に座って飲み始めた。仁志は聞いた。
「そのカクテルは?」
「『コスモポリタン』って言うンだ。『国際人』って意味だな」
「へぇ〜、お洒落…」
嶋田は、大樹が書いた私小説の中で仁志が登場しているのを読んで知ったと話した。仁志は、大樹がまさかそんなものを書いているとはと、初耳の様だった。赤面する彼に、
「でも、こうやって会えたのだから、イイじゃない?」
と嶋田は言った。
彼は、自分も高校時代に性暴力を受けたことを仁志に告白した。元々、同性にしか興味がないことに気付いてはいたが、あの様なかたちで自分自身が汚されたのは屈辱でしかなかったと、時折グラスを見つめながら話した。そう聞いて仁志は、
「僕には大樹がいたし、父さんも愛してくれた」
と話した。
『愛してくれた、か…』
グラスを傾けながら、嶋田は心の中で呟いた。オレには池野辺先生がいた。裸同士の絡みはなかったが、何かあれば手を握ってくれ、背中を擦ってくれた。感情にあおられている時には抱擁もしてくれた。
「大丈夫、大丈夫。先生が守ってやるから…」
「辛いか、辛いよな? でも、もっと辛い目に遭ってる男女が、この世には沢山いる」
谷田部に犯されて間もない頃、何度も言われ続けた言葉を嶋田は思い出した。池野辺は、今どうしているのだろう? 彼は涙が出そうなのを抑えた。その様子に仁志は、
「おじさんも、辛かったンだね」
と言った。
「互いの傷口を舐め合う」と言う言葉があるが、それがあたかも悪い意味の様にとらわれている。しかし、生きている限り、そうでもしなければ共感し、支え合う言葉もなければ立ち直れない者もこの世にはいる筈…。嶋田はそう思いながら、コスモポリタンを飲み干した。
この夜、二人は午前一時までこのプライベートバーにいた。その間、父親に対し反発心があると仁志は告白した。すると、
「それが自我の芽生えだよ。ようやく、君がお父さん以外の男を愛することができたと言うことの現れだと思う」
と嶋田は話した。
「ヴァージンブリーズ」を片手に、仁志はようやく心の中のもやもやがとれた気がした。
1 note · View note