#男性ばかりでの��アーでした(^^;
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simamamoru · 1 year ago
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戦闘服の男たちNo.0
現職自衛官の告白体験手記
「遠くで突撃喇叭が」
原題「遠くでラッパが」
作  島 守
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新隊員の便所はノリだらけ
 朝五時、起床まであと一時間である。いやあ、変な夢を見たるんだなと思って、ギンギンになっているセガレに手をのばすと、ああ、やっちゃった。まったくしょうのない奴だぜ、昨日センズリかいたばっかりだろうが!
畜生!今起きると、となりのベッドの奴が目をさましてカッコ悪いし、しょうがネーな、起床で戦闘服に着替える時にでも一緒に履きかえるか。
 それにしても新隊員は外出が制限されてるせいで、夜なんかとても遊びに行けないし、極度に欲求不満の日々が読いている。
雄臭い野郎を見るだけならここは本当にいい所だけれど、それ以上のことはちと不可能。けっきょく、夜、誰もいないトイレにはいってシコシコ激しくセンズリをカクしかないのだ。風呂で見たガッチリした��アニイさんや、カワユイ隊員たちがチラチラ浮かんできたりする。
 でも終わってみると、やっぱりむなしいな。なんか小便とたいしてかわりないみたいで。それでもけっこうさかんなようすで、この間も班長から、
「新隊員の便所はノリだらけでたまらん!」
なんて怒られてしまった。マア、ノリは冗談としても、エロマンガのちぎれたのや、ビニ本なんかが時々モロ、トイレにおきっぱなしになってたりする。金があれば普通の隊員はトルコにでも行くんだろうけど、そこはまだペイペイの新隊員、月給は少ないし、貯金はしろとうるさいし、とてもとても…
 それでも、あけっぴろげな男だけの世界。
「これからセンズリ行くゾー」
と、エロ本片手に走って行く奴もいる。
 そんでもって自分もけっきょくその日のタ方、バラしてしまうのだった。
「昨日の夜、爆発しちまったでェー」
「いやー、エッチだなあ。勝見二士がいないからじゃないのォー」
 前期の教育隊から一緒に来た北村二士にいうと、思わぬ返事が返ってきた。まいったなあ。
「このヤロォー、勝見と俺はそんなに深い仲でネェゾ!」
「エへへへ、でも勝見二士は、島二士のダッチワイフだったんじゃないのォー」
 まったく北村の野郎、口のへらない奴だ。
まっ、べつに勝見二土はダッチワイフだなんてのは冗談だからいいけど、でも俺は、やっぱりドッキン!そう、あいつはいい奴だったもんな。この俺に、男と男が精神的に強く結ばれることがどんなに素晴らしいことか数えてくれたから・・・•・・ネ。
 それは3ヶ月前
 桜のつぼみがまだ硬い三月の下旬、俺は陸上自衛隊のある駐屯地に入隊した。出身県の関係で他の県の出身者より四日ほど遅い入隊だった。勝見二士とはこの時に初めて出会ったのである。
〈三月某日〉
 なかなかできてる奴
今日から俺の自衛隊員としての生活が始まる。まわりの環境は、想像していたのとそれほど変りはない。でも一部屋四十人というのは多すぎるようだ。
 それから自衛隊ではバディという仕組があって、二段ベッドの上下でペアを組み、訓練面や私生活でいくそうだ。
 俺のバディは勝見次郎。ガタイが良くてイモの煮っ転がしみたいな顔をした奴だが、なかなか性格はよさそうだ。
 この時はまだバディの重要さなんか知るよしもなかった。
 勝見二士は俺より年下だが、四日も早く入していただけあってちょっと先輩気取りで、ベッドのとり方から戦闘服のネームの縫い物まで俺に協力してやってくれた。早くもリードされっぱなし。それでもけっして悪い顔をしないで黙々と手伝ってくれる彼を見て、
「なかなかできてる奴だワイ」
と内心思ったものである。
<四月某日>
ビニ本でぬいて来い
 入隊式も終わり、訓練も徐々に本格的になってきた。銃こそまだ持たされていないが、戦闘服を着て半長靴をはいて走り回るさまは、一人前の兵隊さん・・・・・なんちゃって。
 そんな時、体育の時間に勝見の野郎がすっころんでけがをした。運動神経いいくせにまったくそそっかしい奴だ。おかげでその晩、俺がヨーチン片手に手当てしてやる。 
 両足おさえつけて、ヨーチンをぬるさまはSの気分。ムフフフと不敵に笑って、「グチェッ!」とぬってやる。勝見の奴たまりかねて、「ギャアー!」
 苦痛にゆがんだ顔って、ちょっとエロチックやなアー。
 
 四月にはいっても外出は下旬にならないとできない。新隊員とはつらいもんである。ああ、自衛隊には自由なんてない!これでは縛られるのが好きなMじゃなきゃ向かないんじゃないだろうか。そんなわけで貴重な休みも隊舎のベッドでゴロゴロ、これじゃ夜寝られるワケがない。
 消燈もとっくに過ぎた十二時半、なんとなく昼間寝すぎたので寝つけない。緑色の毛布の中でごそっと寝返りを打つと、上のベッドでもごそっと寝返りを打ったようだ。安物のベッドがグラッとくる。これじゃセンズリかいてようもんなら、片っぽのベッドの奴は地震かと思って起きちまうだろうななんて思ってると、
「オイ、島さん寝たかい?」
と、勝見が小さな声で話しかけてきた。
「なーんか、こうムラムラして寝られネェんだョオ」
と俺。すると、
「島さん、最近やってないんでしょ、アレを」
「まっ、まあな」
と、二人はムクッとベッドから起き上がて話を始めた。まったく目がさえてしかたいない。すると、その時へやの戸があいて、だれかがはいってきた。なんと班付(つまり上官)の上田士長である。よーく見ると、片手にビニ本を持っている。
「お前ら、まだ起きとるんか」
「エエ、寝られないんですヨ」
と勝見二士。すると上田士長、恥ずかし気もなく片手でもってるビニ本二冊を差し出すと、
「これでちょっとぬいてこい、そうすればバッチリ寝られるゾ。俺も抜いて来た」
 思わず俺と見、顔を見合わせてニヤリ、もちろん俺はあんまりビニ本には興味はないが、そこはノンケの顔をしていなければならないのがツライところ。
 ともかく、俺と勝見の二人はビニ本片手に仲よくトイレに直行。そこで二人は同じ個室に••••••てなわけにはいかなくって別々の目室に。ハイ、でも、ガマン!
「オッ、スケニ本だぜ、もうビンピンだァ」
「タマンネ��ナー。でもあんまりおっきな声だすなァ、不寝番がびっくりして飛んでくるゾォー」
 なんてことを話しながら、お互いに実況中継をし合う。洋式トイレなのですわってカケるのでらくなのだ。となりの個室からのすっとんきょうな声がとだえた。奴も本気になってきたようだ。こっちがたまんなくなるようなあえぎ声が聞こえてくる。思わず俺の手の動きも早くなる……。
 すると、突然奴の声、
「ウッ!ウッーウ」
 畜生、俺より早く終わりやがったな。
奴の家は海辺の町で漁師をやっている。中学、高校と、よくアルバイトを兼ねて家の手伝いをしたそうだ。そのためか潮で鍛えられた体は浅黒く、区隊で誰にもまけないくらいの逞しさを持っている。そんな奴から海の話を聞くのが俺も好きで、いろいろと聞いたものだった。サザエの採り方なんか、実に詳しく話をしてくれたもんだった。
<5月某日>
好きになったのかな?
 知らないというのは恐ろしい。いつものように勝見二土から海の話を聞いていた俺は、なにげなく聞いてしまった。
「じゃ、なんで家の仕事を継がなかったんだい?」
「親父が許してくれなかったんだよ」
「どーして?」
「・・・・・・兄貴が海で死んだからさ••・・生きてれば二十七歳さ。よく晴れてベタなぎの海にもぐったきり、サザエ採りにネ、兄貴、上がってこなかった」
 淡々と話し続ける奴は、やっぱりいつもと違っていた。
「やっぱり親は親なんだな。二人も海で死なせたくはないんだろうな。いくら俺がねばってもだめだった。今の俺なんて、丘に上がったカッパさ・・・・・・・」
と、彼は言う。いやいや、丘に上がったカッパなんてとんでもない。奴の体力は区隊のトップをいつも争っている。俺だって気力じや負けないつもりだが、やっぱり体力検定だとかではっきり数字に出されると、どうも一歩も二歩もゆずってしまう。
「漁仲間の人から最近よく言われるんだ、兄貴に似てるって」
 彼はこう最後に明るく付け加えた。なんか、この話を聞いているうちに、自分が奴に引かれていることに気がついてきた。なんとなく奴のことを、俺は他の班員とは違う目で見ているということに・・・・・・。
 俺、奴のこと好きになったのかな?
まだ五月の下旬だというのに、真夏のような暑さが続く。そんな太陽の下での戦闘訓練は、まだ自衛官として一人前の体力を持ち合わせてない俺たちには、とてもキツイ。 
 たかが4.3kgの小銃が自分の体じゅうの汗を吸いまくる。気がつくと小銃から滴がしたたるほどに汗でぬれている。 
 地面だってこんな間近に見つめることなんてあったろうか。地にふせた俺の目の前にあるのは、青々とした草が高々と繁っている姿と、小さな虫たちの世界だった。
 一瞬、自分が虫けらになったような気がする。ふと隣を見ると、3メートルほど離れて奴がこっちを見てニヤリとした。埃にまみれた顔から白い歯がチラリとのぞく。ほんの数秒の間の静けさが何時間にも感じる。
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 すると突然、頭上で班長の大声が響く!
「目標、前方の敵!」
「突撃!前へ!」
 銃をかまえると全力で走りだす。核の時代にこんなことが役に立つのだろうか、もうバカになるしかないな。班長の号令が頭の中を素通りして直接手足に伝ってゆく。俺も奴も、そして愛すべき仲間たちも、死ぬ時はみんな一緒・・・・・なんだろうな。
<六月某日>
レイプごっこ
 3ヶ月の前期教育も大詰めをむかえてきた。今月の末には、俺も奴もバラバラになって全国の部隊のどこかの駐屯地に配属されることになるだろう。なんか、そう思うと、とてもせつない。でも、俺と奴は違う道をたどらなければならない。希望も適性も違うから。だからあと数週間、思いっきり悔いのないようにガンバッテいく。それが今の俺たちには一番なの
だ。
 営内近は1班12名前後いる。学校の教室の約2倍ほどの大きさの部屋に、実に40人の隊員が詰め込まれ、2段ベッドで毎日の訓練生活を送っている。もちろん性格もさまざまであるが、そんな隊員たちが40人も一つの部屋にいる姿は、なんとも壮観で異様でもある。しかも全員、スポーツ刈りか坊頭で、体格もこの六月ごろになると個人差こそあれ、すっかり逞しくなってくる。
 その中にはやっぱり俺以外にも、男が好きな奴がいるらしい。時々どっかから��、〇〇二土と二士が二人でトイレにはいって行くのを見たなんて話を耳にすることがある。
 うまいことやってるなあなんて思うけど、やっぱり毎日寝起きしている仲間の前ではなかなか、そんなことできるワケがない。それでもよく俺たち二人は皆の前で冗談を飛ばし合う。
「オッ、いいケツしてんなあー、たまんねえぜ!」
「バーカ、今夜はもう予約ズミダヨ」
「ベッドあんまりゆらしてこわすなヨ。下で俺が寝られネェからヨ」
「じゃペーパー貸してやっから、センズリでもかいてきな!」
 なんてやり合ってると、周りの仲間も悪乗りしてきて、なにがなんだかわからないうちにレイプごっこ(つまり解剖というやつ)が始まったりする。どんなバカ力の持ち主でも二十人ぐらいにせめられたんじゃ手も足もでない。アッというまにスッポンポン。一回やられるとくせになるみたいで、次の獲物をさかす。でも気がつくと、一番必死でやってるのは俺みたい。
<六月中旬某日>
こみ上げてくるような話
 今日から前期教育で最初で最後の野営(泊まりがけの野外訓練)が始まった。
 午前中に寝泊まりするテントを設営する。
 午後からは小銃手用の掩体(一種の個人用の隠れ穴…ここに隠れて首と銃だけ出して、敵を狙う)を掘った。
 1グループ6人で3時間ほどで仕上げなければいけない。
 もっぱら俺は現場監督のように地面に穴を掘る設計図を引く。そして奴は、パワーショベルのようなバカカで他の仲間四人とともに穴を掘る。もちろんきっかり時間内に仕上がった。
 野営で俺たちが使うテントは、二人用の小さなもので、朝起きてみると足が外に出ていた、なんてことがしょっちゅうある。もちろん奴、勝見二士と一緒である。
一日めの夜は夜間訓練もあり、ビールも一本入ったので、二人はろくに話しもしないで寝てしまった。
 二日の夜、目が冴えて眠れない。久しぶりに奴と俺はいろんな話しをした。酔うと滑舌になる勝見。入隊する前の事や、これからのこと、もちろん女の話しだって出てくる。俺は当然聞き手に回るわけだが、それでも奴は初体験の話や、彼女にふられてしまったことを、こっちが感心するほど克明に話してくれた。
なんかこみ上げてくるようなものも感じるけれど、それは明日の厳しい訓練にとかして流してしまおう。
 三日めは、昼間の行軍が災いして床についたら、またまた、あっという間に寝てしまった。それでも就寝前、点呼に来る班長が、
「お前ら、あんまりいちゃつくなよ!」
「いやーあ、昨日なんて島さんが寝かしてくれないんスよ。まいったなあ」
なーんて冗談も飛ばしてくれて、言葉の中だけど、楽しませてくれた。
<前期教育終了7日前>
愛すべきパワーショベル
 今日は最後の体育だ。項目はなんと苦手の障害走。外見に似合わず(?)体力のちと足りない俺には恐怖の時間である。だが、今回はなんと二人でペアになってやれというのである。当然勝見二土と組むことになる。よし、やるぞ!
 隊長の合図でスタートし、戦闘服姿で障害物を切りぬけていく。高さニメートルの垂直の壁あり、幅一・五メートルの溝あり、まったくとんでもないコースだ。やっぱり勝見の奴は早い。確実に障害をこなしてゆく。時々日に焼けた顔でこっちをふり向く。そうだ、奴がいるから今俺は、三カ月間ここまできたんだ、汗と埃は今、大きなエネルギーと変わって俺たちに吸い込まれてゆく。奴が好きだ、そう、心の中で叫んでやる、
「好きだ」と。
 ふと気がつくと、目の前にロープが下がっていた。最後の難関のロープ登りである。畜生!俺が最も苦手とするやつだ。それでも登らなければならない。一段階一段階と手足を使って登るのだが、なかなか上へ進まない。
 畜生!もうだめだ、あと五十センチでロープのフックに手が届くに・・。すると、そ畜生!もうだめだ、あと五十センチでロープのフックに手が届くのに…。
 すると、その時である。足をなにか、すごい力で下からさ押れた。グーッと上に上がる。フ、フックに手が届いた。やったあ!思わず下を見る。そう、俺の足の下には勝見のこ��しがあった。奴は満身の力で、俺を下から押し上げてくれたのである。
この野郎!お前はやっぱりパワーショベルなんだなあ。
<前期教育終了6日前>
 自衛隊部隊はラッパの音と共に、毎朝8時に国旗掲揚、夕方5時に国旗降納がある。
 俺の前に整列している奴の後ろ姿の敬礼を見るのもあと数回しかない。教育終了後に別の部隊に進む事に決まったからだ。
 日に焼けたうなじを目に対み込んでおこうと思う。毎日、一緒に行く食事も別れが近いせいか会話が少なくなったような気がする。
 そろそろ身辺の整理を始める。ダンボールに荷物をつめる時、背中に後ろで見ている奴の視線がやけに気になる。
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<前期教育終了4日前>
 パンツの隙間から半立ちのものが…
 教育打ち上げの研修旅行で、ある山奥の温泉に行った。
 やはり百名近い短髪の青年集団というのは一般の人々に奇異に見えるようで、必ず「お仕事は何ですか」なんて聞かれる。もちろん醜態をさらす飲み会に制服なんて着ていくワケがないから、わからないのは無理もない。
「皆さんお若いですネ。今年入社したのですか?」
「ハアー、そうです」
「いい体している人ばかりですけど、どんな仕事ですか」
「まあー(モゴモゴモゴ)」
「ガードマンかなんかですか?」
「似たようなもんですネ」
と、けっこうおもしろがって遠回しに話をするんだけど、後ろから当然、
「島二土!」
なんて階級で呼ばれるもんだから、わけ知りの人にはバレちゃう。そしてその夜ー。
 バカ騒ぎのうちに飲み会も終わり、各班ごとに���っそりと部屋に集まって二次会が始まる。ビールの本数が増えるに従って、歌が出る。かわるがわる歌う員の歌声をバックにして、俺も奴も仲間たちも、この三カ月間の訓練をいろいろ思い出していた。苦しかったことしか浮かんでこない。
でも、俺たちはその中で同期愛ということを学んだ。
 いつのまにかみんな寝てしまっていた。もう外は白みかかっている。
 突然、俺の寝ている毛布に奴が割り込んできた。肌がふれ合う。奴の匂いがする。すぐいびきかく。でも、なんとなく手が出せない。チラリと下を見る。パンツのすき間から、奴の半立ちしたものが見える。そういえば、いつか俺も言われたっけなあ。
「島さん、立ったチンポぐらいしまって寝てろよナ。思わずさわりたくなるだろが!」 
 奴が不寝番をやっていた時見られてしまったようだ。まったく助平な奴だと思った。でも俺のほうが助平だったりして。
「俺、眠ってる時って何されてもわかんねえんだよなあ」
と奴がカマをかけてくる。
「バーカ、もうやっちゃったヨ。でも1万円のダッチワイフのほうが気持ちよかったぜ」
と俺。してやられたというような奴の顔。
 そんなこと思い出しながらいいチャンスの中、俺も寝てしまった。
<前期教育終了日>
 再会をめざして頑張ろう
 とうとう、今日という日が来てしまった。
 俺も奴も違う部隊へ行ってしまう。場所も離れているので、顔も見られなくなるかもしれない。両手で握手をして別れた。
 遠くでいラッパが鳴っている。戻は出なかったが、心で泣いてしまった。ありがとう、リスの目をしたパワーショベル、勝見次郎よ。日に洗けて埃にまみれながら走り続けた道を、ふり返りながら前を行く。奴だから、今日まで.....。
そして今…
 新隊員後期教育が始まって1ヶ月半。前期教育から一緒に教育を受けている北村二士が手紙を見せてくれた。勝見二士と同じ部隊に行った高田二士からだった。
<あ、そうそう、この間の手紙に島さんが夢精したって��いてあったネ。あの文、勝見二士に見せたら、「まいったなあー」って口ではいってたけど、ニヤニヤしてたぜ。島さんに会いたいって伝えといてくれとのこと>
 俺も奴に会いたい。こんど会うのはいつのことだろうか。
「士、別れて三日を経たるは刮目して待つべし」
お互い、目をみはる再会をめざして頑張ろうじゃないか。人は出合いと別れを通じて成長するのだから。
 そして後日談…2024年
 題名「遠くで突撃喇叭が」は第二書房が付けた題名。
 原題は「遠くでラッパが」である。今どき戦闘訓練で突撃喇叭なぞ吹かない。この時代の薔薇族には戦記物を書ける文字通り百戦錬磨の先輩がたくさんいたから仕方ないが、俺の指したラッパの音は毎日部隊で鳴らされる国旗掲揚、国旗降納のラッパである。
 勝見二士(仮称)は俺が見込んだとおり自衛隊員募集パンフレットの表紙を飾った。
残念ながら2任期(4年)で退職。
再会は果たせなかかった…親父の後を継いで海に出たそうだ。
新隊員当時の写真。小説に出てくる面々。
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 その他の隊員と再会したのは地下鉄サリン事件。不幸な事件であったが、それぞれが一線で任務についていた頼もしさを感じた。
 もちろん俺も新隊員の教育をする先任陸曹になった。
 その後俺も2等陸曹で依願退職。約15年の自衛隊生活を終了。鳶職となり予備自衛官で約10年、1曹まで務めた。
 2024年現在、自衛隊に残った同期たちは全て定年退官している。
 俺を薔薇族、さぶに引っ張ってくれた木村べん氏も他界された。
 読んでもらって分かる通り、肉体関係は無くとも男同士の愛情はある事への感動を自衛隊で得ることができた。
 職務上死の覚悟を要求される世界。
 その感動をセ��クス描写のない小説でも構わないからと木村べん氏に書いてみないかと言われて作ったのがこの作品。
 べん氏に銃を持つ手ではイラストは描けなくなると言われて、好きなメカ画も共同で作品表紙等で書かせていただいた。もちろん最初で最後。ben &tetsuは勉&(鳶)徹って言うこと。
 文中漢数字が多いのは縦書きの影響。
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「遠くで突撃喇叭が」掲載誌表紙
もう一つ参考にしてさせていただいた本。
1974年芥川賞受賞作品「草のつるぎ」
実はエロ度こちらの方が数段上。戦闘訓練の打ち上げで全員でセンズリこくシーンがある。実話だからノーカットなんだろう。
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70 notes · View notes
blr-blue · 4 months ago
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 ホワイトデーだった。彼が高価なチョコレートを買ってきてくれた。わくわくしながら箱を開けたら、12粒入りだったけれど、半分くらいしか食べられるものがなかった。同じブランドのトリュフアソートだったら全部食べられたのに、と勝手に落胆しては、そもそも人の好意を無碍にする自分って最悪だなと思ってさらに落ち込んでいる。
 さて、今日もスーパー自己開示タイムをしようと思う。今回は食生活編。先に言っておくが後半で理解のある彼くん(笑)(言ってみたかった)の惚気が入るよ。ここはとても静かで良い場所だから、別に嫌がる人はいなさそうだけど。
 他人からの好意を無碍にしてしまった経験を、幾度となくしてきた。そしてそれのうち、ほとんどが食べ物に関するものだ。以下に思いつく限りの具体例を挙げていく。
 高校生のとき、とある男子運動部のマネージャーをしていた。高1の春、学校外での外練の後、学校に戻る途中にあるシュークリーム屋に寄る流れになった。わたしはべつにいらないな、と思ったので、同じく買わないメンバーと一緒に、お店の外で待っていた。主に3年生の先輩がこぞって買っていたはずだ。先輩たちがお店から出てくると、その中の一人の先輩がわたしにシュークリームをくれた。わたしの分を買ってくれたらしい。ありがたく受け取りはしたが、先輩との間に恋は芽生えなかった。わたしは生クリームが苦手なのだ。
 大学生の頃、美容院の予約日がちょうどバレンタインデーだったので、担当の美容師(メンズ)に既製品のチョコレートをあげてみた。翌月の施術の時、ホワイトデーのお返しをもらった。「甘いの苦手って前に言ってたから、控えめのやつにしてみたよ」と言われ、会話覚えててくれたんだ〜と嬉しくなった。中は謎の焼き菓子だった。家に帰ってひとくち食べた。普通に甘すぎて食べられなかった。家族にあげてしまった。
 ある年の冬、友人と待ち合わせをしていたとき、相手がすこし時間に遅れて、寒空の下で待ったことがあった。遅れてきた友人はコンビニで買ったであろう暖かい紅茶をくれた。午後の紅茶のストレート。飲んでみたら、甘かった。ストレートのくせに甘かった。調べてみると、午後の紅茶はミルクとレモンが入っていない状態の紅茶をストレートと定義しており、ストレートと表記されているものは飲みやすさを重視して、若干量の砂糖が含まれているのだそう。わたしは完全に無糖の紅茶しか飲めない。一口でオエってなって、それ以降飲めなかった。
 恋人と高価格帯のおしゃれなバーで飲んでいたとき、座っていたテーブル席に虫が出た。店員さんに対処してもらった。���の後、不快な思いをさせてすみません的なお詫びで、お店からシャインマスカットの盛り合わせをサービスとして出された。ありがたくいただくことにした。一口食べた。あまくてそれ以降食べられなかった。
 数年前に研究関連の用事で台湾に行ったとき、出先でお弁当などをよく出してもらった。だが、どうしても匂いが受け付けなくて、一口も手をつけられなかったということが何度もあった。去年フィリピンに行ったときも、帰りの飛行機の時間が早朝だったのでホテルが朝食としてお弁当を準備してくれたのだが、食べずに空港のゴミ箱に捨ててしまった。
 食べ物を粗末にしたら地獄に落ちる系の言葉はきっとわたしのためにある。誰かが準備してくれたり、労力をかけてくれたり、お金をかけてくれた好意を、わたしはこんなにも簡単な形で切り捨ててしまう。わたしは本当に地獄に落ちた方がいい。
 食に関する悩みが人生においてずっとつきまとっている。決まった時間に食事をとるのが苦痛だ。毎日決まった時間にご飯を食べている人間、あまりにも文化的存在すぎて尊敬する。あとわたし、単純に好き嫌いが激しすぎる。嫌いなもの・気分じゃないものを食べるくらいだったら一食抜いてもいいや、という、どう考えてもおかしい判断がまるで正当かのようの思われてしまう。
 一般的に太りやすいと思われている食べ物が軒並み食べられない。ポテチはのり塩以外たべられない(のり塩でも別にいらない)。甘いもの、大半はむり。ミルク・ビターのシンプルなチョコレートは大丈夫だけど、ケーキ全般、生クリーム、和菓子、パフェ、ドーナツ、シュークリーム、大抵は無理で、ミスドのチョコファッションのチョコレートの部分が小さくなったという話題についていけなかった。バスキンロビンスことサーティワンアイスクリーム、わたしはオレンジソルベしか食べられない。唐揚げやカツなどの揚げ物も好きじゃない。ステーキも別にいらない。焼き鳥もべつになくても生きていける。天ぷらもいらない。ていうかうどんの天かすマジでいらない。ハンバーガーも食べない。牛丼もいらない。焼肉屋ではホルモンしか食べない(付き合いで他の肉を食べることはもちろんある)。菓子パンも苦手。ついでにフルーツも、柑橘系とりんごしかたべない。
 じゃあ何食うの?? って感じだと思うけど、おさかなと野菜、あと各種麺類です。カップ麺は食べられるので助かっている。わたしあと3年は学生なのでまだいいけど、社会人になったら飲み会とかですごく苦労しそうだからもうすでに怯えている。
 偏食だという事実をふわっと誰かに話すと、ほぼ確実に「羨ましい」と言われる。甘い物と脂っこいものを食べないから細いんですね、いいなあ、と。でも、違うんだよ。生きづらいよ。アフターヌーンティーとか行ってみたいんだけど、無理なんだよ。ほぼ全部食べられないから。パスタ屋に入ってもオイルベース系かジェノベーゼしか選べないし、ピザ屋のピザもトマト系はまず無理だから選択肢がないし、ジェラート屋さんに行って食べられるものが一つもないとかザラだし、カフェのフードメニューから食べられそうなものを探す作業も苦痛だ。行ったことのない店に行くと、これは食べられるものか、という認知判断が食事に先立つからいちいち疲れるんですよ。だるい。
 わたしは実家で暮らしていた約20年間、ことごとく母親を困らせてきた。もともと家族全員で食事をとる習慣がないうえに、わたしは上記の通り病的な偏食なので、よく何も食べずに適当に過ごしていた。ネグレクトとかじゃなくて、家族それぞれ別のものを別の時間帯に食べることが多いというかんじ? 母はふつうに料理をしていたと思う。だけどみんなバラバラの場所で適当に食べるから、なんかぬるっと夕食をパスできる家だった。母はわたしが食事を残すことも、連絡なく勝手に夕食を外で済ませてくることも、なんなら夕食があるのにそれをパスして部屋でカップラーメンを食べるのも(これはわたしが最低すぎる)、べつにとやかく言わなかった。母はたまに気まぐれで、「今日あなたが食べられそうなもの作ったけど食べる?」とか聞いてくるから、そういうふうに言われたら食べるようにしていた。わたしが自室以外で食事を摂ると、父にいつも「珍しいね」と驚かれる。当時はべつに引きこもっていたわけでもないのに。
 ↑は夕食の話だけど、それ以外にも母はよくスーパーでお惣菜を何種類か買ってきて、どれかを食え、と選ばせてくれた(選ばれなかったものは父や弟の昼食になる)。知らない間にウイダーやカップ麺をよく自室の学習机の上に並べられていた。わたしがとあるブランドのグミにハマると、飽きてもういらん!となるまで母は毎日そのグミを買ってきた。お願いだから何か外で食べてこい、とお金を渡されることもしばしばだった。母のために食べた。母はわたしが何かをむしゃむしゃ食べているところを見ると安心するのだそう。あまりにも親だ。迷惑かけてごめんなさい。
 空腹をそこまで苦痛に感じない。お腹がすいた、よりも、動きたくないな、の方が強い。トイレに立ったときに立ちくらみがすると、そこでやっと「そういえば食べなきゃ」が勝つ。そういう生活。
 実家を出て恋人と同棲しているが、ここでも彼を困らせている。放っておくと何も食べない。彼が夕方に仕事から帰ってくると、「今日は何か食べた?」と尋ねられ、「まだ〜」もしくは「さっきウーバー頼んだから今日はもういらない〜」と答える会話をほぼ毎日している。約一日何も食べずに過ごした日曜日の夕方、お願いだからすこしでも食べて、と懇願されて、ねるねるねるねと茶碗蒸しを食べたこともあった。ウェーブ体型なのが相まって、さいきん���骨が出始めてきた。アー食べなきゃ、と思うけど、お腹いっぱい、の感覚が嫌いすぎるのでたくさん食べられない。ジュースを飲んで糖分を摂取した気になっている。わたしはそのうち病気になると思う。死にたくないな〜。
 温泉旅館に泊まったりして、いつもより多い量のご飯を食べると、絶対に次の日は反動で食べられなくなる。これも人体の、否、我が身体の謎だ。
 不健康自慢なんてクソダサいからしたくないんですよ。だけどどうしたって食と睡眠に関してはガタガタすぎて困ってる。せめて2日に1回ウーバーイーツを頼む生活をやめたい。
 ていうか自炊できる人ってすごくないですか?? 毎日働いて、生活してる人って本当に尊敬する。わたし、生活を捨ててそのほかの欲望に忠実でいることで、気が狂いそうな毎日の中で精神性のバランスをとっている節があるから、自炊をするようになったらたぶん心が壊れる気がする。あと、それとは別で、ウーバーを愛用してしまうのは自炊をするのに必要な文化的資本がないからなんですよ。わたし、まったく料理ができない。それは、「色々と大変な状況下でわたしに家事手伝いまで強制させたらあまりにも気の毒だから」という理由で母がわたしに家事手伝いを強制しなかったという一種の愛の副作用でもあるが、それよりもわたしにやる気がなさすぎるのと、ふつうに自炊に必要な道具も食材も足りていないのが根本の原因だ。もちろん、道具と食材とレシピと動機があればやるのかもしれない。だがわたしの頭はほんとうにおかしいから、作るのが面倒だから食べなくていいや、になるの。それだと死ぬからウーバーを頼む。スーパーにいけば安いお惣菜があるけれど、家から出るのがだるいから食べない、になるの。それだと死ぬから、ウーバーしかないんですよ。家に届いたら食べるしかないから。こういう思考回路。あほじゃん。3月までは同年代の人よりも多くの額の収入があったからウーバー漬けの生活でまかり通っていたけど、4月からはそれがごっそり減るので、やはり怯えている。
 ご飯を食べなきゃって思いながら過ごす生活、だるいです。どのタイミングで食べるかを考えるのがしんどい。ログインボーナスをもらうために一日一回ソシャゲにログインしてる感覚に近い。今日もやらなきゃ、みたいなね。午後に出かける用事があればそれが終わるまでは大抵何も食べないから、用事が終わったあとに、やば今日何も食べてないじゃん、と思ってあわてて外食するみたいな。だるい。味のないゼリーとか飲んだら1日分の栄養が摂取できるとか、そういうのってないんですか?? 味も食感もいつか飽きるからしんどい。
 なんか今日の記事いつにも増してキモすぎるからみんなに引かれそうでこわいな〜。おねがい、嫌いにならないで…。
 冒頭の話に戻る。結局その後彼は、同ブランドのトリュフアソートをまた買ってくるねって、にこにこしながら言ってくれた。罪悪感とほんのりとした嬉しさがぐちゃ��ちゃに交わってなきそうです。面倒くさくてごめんねっていうわたしの中のメンヘラの部分が顔を出していると同時に、こんなわたしにも怒らないでいてくれるんだっていう安心感にやさしく包み込まれている。ありがとね。たぶん、彼のそういうところが好きだ。
11 notes · View notes
curefat · 7 months ago
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『99%のためのフェミニズム宣言』(2019)
 2011年、リーマン・ショックを引き起こした政界や経済界を非難するため「ウォール街を占拠せよ」という抗議運動が起こった。参加者たちは「ウィー・アー・ザ・99%」というスローガンを唱え、上位1%の富裕層が多くの富を独占している現状を非難した。2021年時点で、上位1%の富裕層が世界全体の資産の約40%を所有しており、下位50%が持つ資産はすべて合計しても世界全体の資産の2%にしかならない。
 この現状を無視し「女が男並みに働けるようになること」だけを重視するリーン・イン・フェミニズムは、もはやフェミニズムと呼ぶことはできない。資本主義の持つ破壊的な構造を批判せずに、ただ女性も出世階段を上れるようにするということは、資源を枯渇するまで食らいつくし、発生した不経済を貧困層やグローバル・サウスに押し付けて抑圧し、紛争地域を爆撃して無辜の民を虐殺する、その仲間に少数のエリート女性も加われるようになるということであり、これは支配の機会均等に過ぎない。99%の女性を抑圧する1%の女性が新たに誕生するというわけだ。
 資本主義は単なる経済システムではなく、非経済的な慣習をも包み込む制度化された社会秩序である。賃金労働により利潤を形成するためには、そのための人間を形成をすることが必要だ。これを社会的再生産といい、家事・育児・介護などが該当する。しかし、資本主義は社会的再生産に依存しているくせに、社会的再生産を価値の低いものとして貶め、タダで利用しようとする。こうした社会的再生産を支えるのは、主に女性の無償労働��ある。「男は仕事、女は家庭」というのがかつての慣習であったが、新自由主義がもたらしたのは「男は仕事、女は仕事と家庭」という社会に過ぎなかった。そしてこの不利益はグローバル・ケア・チェーンによって、富裕層から貧困層へと、移民や有色人種へと押し付けられる。こうして貧しい女性たちは、エリート女性たちが打ち破った「ガラスの天井」の飛び散った破片の片づけをさせられるのだ。
 本書は「マニフェスト」なので、具体的にどのような社会制度を実装すればよいかについてはあまり論じられないが、本書が指し示す方向は間違っていないだろう。気候危機が差し迫った状況になっても、地球を食いつぶすことを止めることができない資本主義に、もはや持続可能性がないことは明らかだ。能力主義者、反人種主義者、反同性愛嫌悪主義者、多様性推進企業やエコ資本主義の一派、反動的ポピュリズム、軍国主義者、外国人嫌悪主義者、民族主義者……鬱屈した人々を吸引しようとするこれらの分断を乗り越え、今こそ99%が連帯しなければならない。
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oivgbqiqfz358 · 1 year ago
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--深海人形-- 波風穏やかな地獄
※閲覧注意
※ショタリョナ・男リョナ注意
※キャラ崩壊注意
※ディスり・辛辣発言注意
※絶対読んだら後悔する
※微速前進、地獄へ前進
Q.FAZZとFA-ZZの違いを説明せよ
A.…実はワイでもよく分からないんだ……(※にわか)。
…。
バーニィとガトーの違い
此処で戦うのを止めると、自分が自分で無くなるような……←→戦い続けたから、自分は自分で無くなってしまった
連邦が憎いとか、隊長達の仇を討ちたいとか言うんじゃないんだ←→連邦が憎い、ドズル将軍、ジオン公国の仇を討ちたい
彼等だって俺と同じで……←→彼等は自分ですら望まぬ事をやらされている
そのことで、連邦軍の兵士……を恨んだりしないでくれ←→スペースノイドは好きなだけ、アースノイドを恨めば良い
…。
※元ネタ:ガソダムさんのザクポン
「これが最新鋭機、ハンブラビポンだ。」
「如何見ても、ダンボール製なんだが……?」
「大丈夫。君なら乗りこなせよう。」
「ふざけんなよシロッコ!可変機能すら無ぇじゃねぇかよ!」
…。
※以下、クロスオーバー注意
ガトー→(本来なら)嫌われて当然のクズ
シロッコ→嫌われて当然のカス
ヤザン→好かれて当然のブス
…。
アナベル・ガトーの代わりに、マイヨ・プラートがデラーズ・フリートに居た時にありがちな事
・コウの事を終始ガン無視する(最初から、記憶してないので二度と忘れんも無し)。
・シーマ様に好かれる(←※最大の重要ポイント)。
・空気も読まずに手紙で催促しに来たガトーとは違ってケリィにはなるべく作戦には来るな、…然し、お前の好きにしろと労わってくれる(でも結局来る)。
・機器を電子戦向けにして連邦も味方も混乱させる(…其れでも、D3よりはマシだけど)。
・二号機で戦わない。裏で例の専用機を用意してる。追撃に対して��逃げ続けるし、普通に役目を終えたら乗り捨てる(※ガトーもこうするべきだった笑)。
・ノイエ・ジールでも電子戦挑んだ所為で混乱したコウが闇雲に特攻仕掛けて来る(※当然デンドロで)。
結論:…寧ろ、マイヨの方が良い(※忌憚無さ過ぎ意見)。
…。
※やんわりメタ発言あり
※赤い彗星とマイヨの違いすら分からないブレア御嬢様(※の話)。
※ネタの派生元: ttps://www.pixiv.net/artworks/111860791
キース「…赤い彗星とマイヨの違いが分からない奴が、ガトーとマイヨの違いなんて分かる筈無いよな。」
コウ「まぁ、其う言う所かもね。」
キース「…でもさぁ、ガトーとマイヨを同一人物だと看做す奴居るか?彼奴等、性質も違うし、アッガイとズゴックより未だ見分けが付くだろうに?」
コウ「世の中、アニメとモビルスーツに詳しい奴ばっかりじゃないのは確実だし、…実の所は、分かる奴が少数派なんだよ。…だから、僕が彼女に説明して来る。」
そう言うと、コウは御嬢様に話し掛ける。
コウ「…良いですか、…御嬢様?…ガトーとマイヨは全然別人で、違います。…例えるなら、ガトーはFAZZで、マイヨはFA-ZZです(←※逆では?)。」
御嬢様「??????????????(※全部同じじゃないですか!並の感想)。」
キース「何だよ其の例えは!?逆に分かり辛いだろ!?(ガビーン!!!)。」
※おまけ
※ズゴックとアッガイの違いについての説明 今と昔
昔:(※可愛らしいクマちゃんになった事があって)お手手に爪が生えてないのがアッガイ。爪が生えてて、某赤い彗星が乗った時にジムはんのお腹を貫いた事があるのがズゴック(※結論:某赤い彗星ありきだと分かり易い)。
今:アスラン・ズラが乗った事無い方がアッガイ。ズラが乗った事がある上に、隠者弍式になる方がズゴック(※結論:アスラン、マジで凄い)。
…。
※某所に投稿した奴再掲
ブルコス「蒼き清浄なる世界の為に!!」
盟主王「奴をどうするかはまず本当にコーディネーターかDNA鑑定で調べてからだ!!」
伝説の超コーディネーター木星帰り「コズミックイラこわい(´;ω;`)」
元祖公式スーパーコーディネーター(あっ…ちゃんとDNA鑑定してからなんだ……)
…。
※館主様ワドルディ化注意
その日、マホロアは色々と燻って居た。
「…新しく開発した魔法で色々実験したいナ〜。でも手頃なカモガ……。」
…其れから、そう言いながら、暫く、ローアから相当離れた地点付近を歩いて、探して居ると、何かマホロアは見つけた様で、
「アッ!魔法掛ケ易そうなカモ発見!!」
…そして、マホロアは、すかさず魔法を発動する。
…すると。
「ヤッホー!!実験成功ゥ!ちゃんと彼奴ワドルディになったヨ!」
…そう酷く喜んだ後、いつものマホロアらしく、クスクスと嬉しい感じ丸出しで笑い出す。
「…アー、楽シミ。…何だか、とーっても面白い事になりそうダネ。クックックッ。」
「わにゃ♪わにゃわにゃ♪」
…因みに、ワドルディ化魔法を掛けられた方は、未だ自分がワドルディになったと気づいていない。
…、
少し経った後日。
「わにゃ!わにゃにゃ!カービィさん!救援して下さい!」
とあるワドルディが、呆れ返る程平和な中某騎士団団長の様に牛丼を食べて居たカービィへと、必死に救援を依頼して来た。
「何だい?!?!報酬大盛り牛丼100杯ね!」
「そんなの如何でも良いです!兎に角、救援して下さい!……僕等の中の一人が、急に同士打ちをはじめたんです!」
「謀反!?!!?!!…そっか!見事鎮めたら大盛り牛丼100杯ね!」
「謀反では無いです!同士打ちです!彼奴王様なんですよ!大王様でも無い癖に、大王様みたいな感じで!!!カービィさん!兎に角、現場に来て下さい!」
すると、最後に、カービィが訊く。
「……でもさ……、メタナイトは、彼奴は、何処行ったの?」
「何処にも居ません!…多分、此処よりも遥かに離れた所でスイーツ漁ってます!」
「彼奴使えないね。流石、メタニートと言われるだけはあるよ……。」
…あの甘党の『いざと言う時に程役に立たず』振りに、カービィは呆れる様に其う言った。
…其の後、其のワドルディに言われるが儘、カービィは、戦場に駆け付けた。
「あっ!カービィさん!本当に助かります!!…彼奴を血祭りに上げちゃって下さい!」
…其の様な物騒な応援をされたあと、遂にカービィは、其の謀反人(?)と対峙する。
「分かった!あの子が謀反人だね!…えいえい!其処のワドルディの君ィ!!」
それを見た例のワドルディが、超速反応する。
「何だ?!!!此の変な珍獣は!??」
…其処で、カービィは格好良く「ポヨッ!」…っと参上する。
「自分の仲間を昔の大王みたいに暴力で支配するのは辞めるんだ!」
…然し、敵は、明らかに空気を読めていない反応をした。
「だから何だ?」
「…いやぁ……、…あのさぁ……。」
…敵に、カービィは自分のペースを乱され、一瞬油断した。…その時、
「愚か者!俺に命令とはな!!」
其のワドルディは迅速に蹴りを入れて来た。
「うわっ!?何なんだい!??」
普通に避け切れ無かったカービィは、其の蹴りをモロに食う。
「…嗚呼ぁっ、…カービィさん!気を付けて下さい!彼奴本当に強いです!」
…それでも、歴戦の星の戦士であるカービィは、すぐに体勢を立て直す。
「此のワドルディはいけない子だね!他の仲間を同士打ちして滅多打ちにするし、卑怯にも、���意打ちするし!何だか本気で対抗しないといけない気がする!」
「わにゃ!カービィさん!僕たちも全力で支援します!ホント、あのワドルディを血祭りにあげて下さい!」
「負けないモン!」
…。
…然し其れからと言う物、ずっとカービィは劣勢だった。
「何て強いんだろう?此のギャラクティックナイト並に早いスピードにはついていけないよ。」
逆に言えば異常にそのワドルディの動きが早いだけだ。然し、カービィはナイト系程機敏に動けず、スピードも動きも遅い方なので苦戦を強いられた。
「残念だったなピンク玉。其の速さで俺に敵うと思っているのか?」
「…くぅぅぅぅ……、…理不尽に強過ぎるでしょ、此の子……、……ワドルディなのに……。バンダナよりも遥かに強い……!!」
「相手は力で分からせる。それが俺の信条だ。」
「へぇ!…良くも悪くも有言実行だね!」
「此処で虚勢を張るとは。此の戦闘も俺の勝利で終わり、既に其れが近いと見た。」
その時、助太刀がやって来てくれた。
「カービィさん!これです!使ってください!」
其処で、ワドルディ達から貰ったファイターグローブをコピーし、ファイターになった。
「それが如何した?!」
「やるよ!」
そうして、ファイターカービィは、相手の飛び蹴りに合わせて、クロスカウンターになる様に飛び蹴りし、上手い具合に体勢を崩させる。
「なっ!!」
更に、その次に、バルカンジャブを喰らわせる。
「こんのーー!!!」
「わにゃー!!」
ワドルディ達も全力で応援する。
「…その程度か!下らん!」
「こんの!こんの!こんのーー!こんのーー!!どりゃーーー!!!!」
更に秋霜烈日な両者の攻防が続いた後、
…そして、そのワドルディはK.O.される。
「…ま、…真逆……。」
…相手は滅茶苦茶強かったが、ファイターのコピーを駆使する事によってやっと勝てた。
「……ワドルディなのに、何て凄まじく強いんだ!…だけど、君達がくれたグローブからファイターをコピーしたから、割と余裕で勝ってたよ!ありがとね!」
「わにゃー!!流石!!カービィさんです!!」
…それから、一週間の旅行帰りで、カービィとワドルディの戦い、其の最後の方だけを見た大王が、直接、カービィの元へクレームを入れて来た。
「カービィ!良い加減にせい!彼処迄殴るのは、オーバーキルじゃ!吾輩の部下を何だと思っとるんじゃ!?!!」
其処で、ワドルディ達はカービィを庇い、大王への抗議に入る。
「わにゃ!!!!」
「大王様、違います!」
「…喧嘩を売って来たのは彼奴、ボクは正当防衛だよ!其れに、ワドルディ達を虐めてたし!」
「そうです!僕等がカービィさんの為に証言します!大王様!」
「…なんじゃと?」
やがて、カービィとワドルディ達によるわんやわにゃわにゃの大説明会がはじまった。
…、
「……ほう!それは何とも!中々面白いでは無いか!……『強くなければ狩られる』…と言う状況がワドルディ達、特に吾輩直属にはそろそろ必要だと、吾輩思っていた所じゃい!」
…すると、明らかに、カービィが嫌な顔をする。
「力こそ正義みたいに歓迎しないで!皆で平和にやるのが一番だよ!」
「そうかのぉ?吾輩は退屈しない様にするのが一番じゃい。」
「下らない!本気で命掛けて戦った事の無い奴程そう言い出すんだ!」
「元々、お前はお前で、命掛けて戦ってなどおらんだろう!」
「この分からずや!」
「何の!」
こうして、喧嘩をはじめる二名を後目に、こうワドルディ達は決める。
「…まぁ、『強くなければ狩られる』が大王様の、『取り敢えず相手を力で分からせる』…と言うのが、此の子のセオリーなら僕達もそうしましょ。丁度、"戦いは数だよ!兄貴!“とも言うし……。」
「わにゃ!」
…かくして、呆れる程に平和な中、時間が流れて行く。
…。
※…以下、没展開
「なんじゃ?!!なんじゃ?!?」
「其の子凄いんです!カービィさんに真っ向から勝負を挑んだ上に、中々、互角に戦うんです!バンダナ以上の実力ですよ!!」
「素晴らしい!」
「…はぁ?!?!!」
其処で、バンダナがメンチを切りながら仲間達を睨み付けるが、其んなバンダナの事等気にせず、ワドルディ達は大王とわにゃわにゃ話して居た。
「…まぁ、良いでは無いか。では、吾輩も観戦に行くぞ!」
…。
※SM系ネタ、男リョナ注意
※意味が分かると性癖が壊れる話
?「…紫陽花(アナベル)の花が綺麗だから、沢山、花瓶に入れて飾ったんだ!!!!!!!!!(※満面笑)。」
モンチッチ「…可哀想にな。…アナベルの花には洒落にならない強さの毒があるのにな……(※震え声&同情)。」
?「…えっ?食べないなら大丈夫じゃないの???????(※無邪気)。」
…。
…何気無く、気さくに、ナチュラルに、コウが、「…ガトーを花瓶にして飾ったら、とても花が綺麗だった(感涙)。」…と、サイコパスの中のサイコパスみたいな事言い出して、今迄散々コウをいびって虐めてた事を、本気で、ガクブル怯えて後悔するモンチッチ見たい(※相変わらず、ガトーに対して、無駄に鬼畜の仕打ち食らわすワイ)
…。
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nyantria · 5 years ago
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2020.1.26~27にかけての深夜、急性カフェイン中毒でのワンチャンを狙ってカフェイン錠を80錠、ハイボール缶でOD(のちのち致死量の倍だと知る。)本当は200錠の予定だったが、買いだめている最中に希死念慮が強くなってしまい、確実に死ねるかはわからなかったが120~140錠飲むことにする。しかし気分が悪くなって喉が受け付けなくなり80でしか飲めなかった(錠剤もでかかったし)。
ところでまわりに高いマンションもない一軒家住みなので突発的に飛び降りはしなかったが、以前諸事情で月の半分くらいを過ごしていた単身の20階建てマンションに今もまだすんでいたら、飛び降りていたかもしれない(14階くらいに住んでいたし)。
80錠のんでぼーっとしてムカムカしてくる。わたしここで死ねないことを悟り親を起こす。服薬から1時間~1時間半経って救急車に乗る、心拍数などはわからないが若干胸がドキドキする、ここで吐き気と嘔吐(夕飯のぶん)。
服薬2時間くらいで病院に到着、嘔吐がとまらず、内容物は薬と血のみ(食べたものは全てもうでた)。インフルエンザのひどいときみたいな吐き気と嘔吐が2時間半後くらいからずっと続く、意識が朦朧としてきて、死ねなさげなのにいたらずらに苦しくて後悔してくる。2時間~2時間半後にかけて先生や看護師さんに質問されるが返せない。2~3時間後から嘔吐をする際に自分の意思で袋にはいたりできなくなりそのへんに吐き散らかす(看護師さんごめん)。
視界がぐらぐらしてブラックアウトする。意識の覚醒と消失を繰り返す(薬が抜ける数日後までこれが続く)。
筋肉の硬直が始まり自分で動けなくなる。わたしの場合は右半身が固まり眼球も右のほうしか向かなくなる。まばたきができなくなり白目を向きながら嘔吐を繰り返す。
3~4時間後から体が完全に固まり、寝たりたったりができず座ったまま硬直する(イメージは重度の脳性まひの人のかたまり方)(指摘をいただいたので訂正します)。思考はまだ動いているので予想以上の後遺症の可能性に怯える。周囲の様子や質問はほぼわからない。
ここでトイレに行きたくなり看護師さんと母に抱えられて行く。体がまっすぐ硬直しているのでズボンと下着は脱げず、脱がしてもらう。排尿の際に筋肉が動いてないのか5~10分かけて垂れ流しのような状態。わたしは女性ですが、ここでおりものが茶色くなる。(もし男性が見ていたときのための補足ですが、おりものは膣からの分泌物で、基本的にはさらさらと白かったり黄色かったりします)
ここからあまり記憶がないがそのまま6~8時間経つ。場所や時間がわからずうわ言を繰り返す。苦痛から気をそらそうと看護師さんたちがわたしの赤い髪やネイルを誉めてくれるが、なにも返せない。
カリウム?などの値が異常になり、一般的な総合病院から死にかけの人間が運ばれるデカイ救急の総合病院(病院からの紹介状がないと入れない、一般的な外来のないところ)に搬送が決まる(おそらく服用から10時間後くらい)。
看護師さんに「もうすぐ迎えがくるからね」と励まされるが、わけがもうわからないので、「死神………………?うれ……しい……」と途切れ途切れに返して「ちがうよ!」と言われてしまう。
全身の硬直、過度の痙攣、暴れがある。暴れているため体を拘束具で拘束される。わけがわからず救急車に乗せられ瞳孔確認されるが眩しいと思えない。
服用から12時間くらいでその病院に着き、尿道にカテーテルをいれられオムツをさせられたりレントゲンとられたりするが恥ずかしいという感情も体のうごきもない。自力で体が動かせないため、レントゲンをとるのも一苦労。3人かかり。
体温計で体温をとられるが、体温計が何なのか理解できず、「なんでこんなもの脇に挟むの?」と真剣に疑問に思う。また、「みんななんでか白い服で不思議だなあ。おそろいなのかな」とも思う。ダメージを得て、知能が著しく下がり始める。
太い動脈に点滴とか採血とか数種類の管をつけられるが痛みもなく、視界が白黒になる。この場所がどこかもわからないがなぜか頭の中で好きなバンドである神聖かまってちゃんが流れ始める。なぜか暗い曲ではなく『彼女は太陽のエンジェル』だった。
嘔吐、吐血、硬直、痙攣が続く。尿は白くて、なんか栄養が全くなさそう(血尿はなぜかなかった)。
とにかく苦しい殺してくれ以外の感情が消え、場所はおろか昼夜の感覚もなく、目の前の人間の性別の区別もあまりつかないし年齢もわからない。
頭の中で音楽とフィクションの映像がとまらなくなる。
胃と食道なども傷つけて血しか吐けなくなる。よくわからないので自分が吐いているという感覚すらなくなり、全身の硬直と痙攣のせいでずっと噛み続けていた口の中と顎が非常に痛くなる。支離滅裂なうわ言しかつぶやけなくなる。
ここから水分を飲むことを禁止され点滴に頼るしかないが水分禁止すら理解できず看護師さんに対して怒りをあらわに暴れだす。体をふたたび拘束具で拘束される。
涙と唾液がとまらなくなる。支離滅裂なうわごととなんだかすごい脳内妄想で無敵感を得はじめる。そこからほぼ意識ないが眠っているのではなく意識レベル低下(おそらく嘔吐、吐血、硬直、痙攣、たまの暴れが続く)。 
服用後1日経つか経たないかくらいで氷水によるうがいを許可される。その頃には暴れがおさまり、自分の水分禁止を理解できはじめるので、飲まないように懸命にうがいをする。が、吐き出すためのトレーには手が届かず、ベッドの上に吐き散らしてしまうことを繰り返す。全身の激しい痛みにより、寝返りはおろか、手を動かすこともできない。看護師さんが忙しいためなかなか口に氷水をいれてくれず泣いたりする。このとき看護師さんに対して怒りより悲しみをなぜか覚える。
意識の消失と覚醒を繰り返し、脳内妄想、えずき(血もでなくなる)、被殺害願望の抱きを得る。
えずく元気もなくなりベッドで死んだように突っ伏す。
時折体勢を変えようと看護師さんが動かしてくれるが、仰向けになるだけで痛みのあまり手が硬直して天井を向き、勝手に「ア~~~!!」と叫んでしまう。
時間、場所、自己存在すべての感覚を失い、本能がわずかに残るのみの感覚。自覚はないがまだ激しい痙攣があり(恐らく)、母音のみの大きな声をずっとあげている。「アー!アー!アー!」を繰り返していて看護師さんに「頑張って静かにしようね」と言われるが、好きでしているわけじゃないのでできない。
とにかく水が飲みたい以外の感情がない。おそらく1日半くらい経ち毒素が抜け始めたのか苦しみを明確に得る。「こんなに苦しいなら殺してくれ」と看護師さんに懇願する。硬直はとけるが激しい痙攣と大声、妄想、えずきがとまらない。
とにかく死より後遺症が恐くてたまらなかったので、自分がまだ文字を読めるかを必死に考えて、ベッドの柵に書いてある「警告 サイドレールをベッドの内側から操作しないでください。サイドレールが急に下がり、転落し、けがをするおそれがあります」という文章を(覚えちゃいました)ずっと目で追って、まだ読める、まだ読める、と必死になっていた。 
(恐らく)医師に「最近恋人と別れたとかない?」と聞かれるが、言葉にならないが「そんなわかりやすい理由なら苦労してね~~~!!」とキレそうになる。(恋人と別れて死ぬ人もいるし辛さは人それぞれだからそれは否定しませんが、そのときは「は!?」となってしまいました)
その後強制的に眠らされる(透析の可能性も浮上)。
2日後~徐々によくなる、まずは妄想が消え、つぎに痙攣の過小化、吐き気の沈静化、自分のおかれている状況の理解。ベッドが少しずつ入り口に近づいていく。
看護師さんの名前が読めるようになる(発音はまだできない)。
時々激しい痙攣のぶり返し、涙、よだれ、また力の加減がまだできず人の手を怪我させてしまう。
筋肉痛の100倍みたいな全身の痛みに気づく。「はやく退院したい」と思う。
少しずつ話せるようになってくるが語彙選びや声量の調整はうまくできず、また吃音の発生。例えば看護師さんに「母は来ましたか?」と尋ねたくても「ウーッウーッ、マ、マ、マ、ママ、ママ、かんごしさん、ママ、」としか言えない状況。
点滴の量が減り料理がだされるが、薄い味噌汁を数口とお水を数口、牛乳1口が限界ですぐに吐きそうになる。
きつい後遺症を覚悟する。
時計の読み方がわからない。��れが時間を示すものなのはわかるが、読み方はわからない。なのに自分が排卵期であることは把握できていて、オムツが濡れたときに「は、は、はいらんだから、血が、かも、」と伝える。が、血尿はないが子宮から出血。膣から生理2日目くらい出血があるが生理ではなく、女性にしか伝わらないだろうが、なんか感覚がちがう。内壁が剥がれたとかではなくダイレクトに血管から出ている気がする。
ODしたときの記憶がフラッシュバックし吐き気を催す。
だんだん昼夜の感覚が戻り、人の性別、名前、おおよその年齢、部屋の構造の把握などができるようになってくる。空のえずきが続き、歯磨きをしてもらうが匂いでまたえずいてしまう。楽しみにしていたぺこぱの番組見れんかったなとか考え始める(ここらへんから妄想より現実世界の把握が主になる)。
日付が気になり始める。
後悔が半端なくなり、理性的な涙を流すようになり、心の中で看護師さんの名前を呼びながら謝罪を続けるが声にはならない。あと家族に面会時間がある当たり前のことをようやく理解できるようになる。痙攣が下半身のみになり、腕はベッドの柵を掴んで歯を食い縛る。うがい用紙コップに書いてあった、Comfortableという文字が読めるか必死に考える。意味はわからないが綴りは何となく読めて、意味を理解してないことは理解できていて少し安心する。
その頃には硬直はほぼなく、柔らかい白米を一口だけ食べられるようになる。人工的な味を嫌い、母にローソンで買ってきてもらったりんごゼリーのりんごを一齧り、みかんゼリーの小さなみかんを2つ食べる。
看護師さんにリハビリの話をされるが返事はあまりできず。
1日が24時間なら時計は24表記にすべきだと真剣に考えるようになり、その場合の針の刻み方を考案し始める。「それを看護師さんに伝えなくちゃ!時計は24にすべきです!わたしが作ります!」という頭のおかしいことを真剣に訴えようとする。
だんだん痙攣が小さくなり、時折の体の硬直を除けば、一般的なくらいの痙攣になるが、痙攣のせいで点滴が抜けたり毛布に血が飛び散ったりするがまだ気にかけることができない。またずっと続いていた痙攣のせいで足の小指の爪がとれる。
えずきが時折になる。未来を考え始める。
2日かけて吐き気と嘔吐がおさまったため、全身の激しい痛みとの戦いになる。苦しいのはわかっていたが、あんなに痛いと思ってはいなかった。激しく運動したあとの筋肉痛の100倍のやつが頭皮から爪先までを支配している。メチャクチャ痛いです。人生で一番痛い。
精神科の先生に精神病棟に入院するか聞かれるが断固拒否する。 
2日半かかり痙攣が僅かになり吐き気の消失、髪と下半身洗いたいな……などを考える余裕ができる。ベッドの周囲を見渡す余裕ができ、髪が激しく抜けていることに気づく。髪ゴムはあったが髪のくくり方が思い出せなくなる。
2日半後にゼリーと汁物を半分くらいなら食べられるようになるが、腕が二倍くらいに腫れ上がっていることに気付く。看護師さんを名前で呼んだり、看護師さんによる採血の結果の数値の説明の理解などが少しずつできるようになってくる。
ストローを使って氷水が自力で飲めるようになり、風呂に入ったりトイレいったりしたいなと思うようになる。先生と看護師さんに「生きるためにがんばれ」と言われそれに素直に応じるようになる。また看護師さんの世間話に「うん」「はい」と相づちを打てるようになる。
かなり頑張ってだが、ゼリーのみかんを8割食べられるようになる。
音を消したテレビを眺め内容をおおむね理解できるようになる。林先生と伊沢さんが出ていた。おいしい唐揚げを作る裏技をしていたので、あとで母に教えてあげようと思ってメチャクチャ真剣に見ていた。
全身の痛みは消えないが痛み以外の症状はほぼなくなる。
まだ知能はおかしく、50÷25の計算をするのに何分もかかる。その一方で、暗記した覚えのない『失恋ショコラティエ』の1巻1ページ目から頭のなかで読み返すことができた。おそらく脳の働く部位が極端におかしくなっていたのだと思う。
服薬から約3日後、昼夜を完璧に把握できるようになり、看護師さんたちに謝罪できるようになり、退院を逆に不安がるようになる。
服薬から3日後~自分で簡単なベッドの操作をしたり寝返りを打ったり声を出して看護師さんを呼んだりできるようになる。
オムツははめたままだがおしっこの管を抜き、点滴を抜き、ふやふやの野菜と豆腐と牛乳なら8割食べられるようになる。
人の手を借りて歩く練習、トイレに行き自力で排泄、時間はかかるがふくこともできるようになる。
痛みと声以外の症状はなくなり、飛び降りした向かいのベッドの別患者の心配をするようになる。
1/29、服薬から3日半くらい、きょう退院しましょうと言われる(重体重傷の人が運ばれる場所っぽいので、命の危機だけは脱したことが伺える)。退院は不安だがそれに従う。
人の手を借りて、なおかつ十メートルごとに休めば歩けるようになり、ああ血がでてるからナプキン買わないとなあとか考えられるようになる。
寝苦しさはあるので、病院では意識の混濁時以外はほぼ寝られず(カフェインだしね)。途切れ途切れだが家族に謝罪できるようになる。
自力着替えは無理だが前開きのものなら自力で着られ、疑問を先生や看護師さんに聞けるようになる。うっすいコンソメスープを濃いなと感じる。
1/29の14時頃退院、自力歩行はできないが、介助を得ればトイレでの排泄、歩行、立ったり座ったり、身の回りのことができるようになる。
生きなきゃなと思い、帰りの車でTwitterの心配をする。
15時頃、10mくらいならふらふらだが自力歩行ができ、トイレでの排泄やナプキンの交換も自力でできるようになる。処理もできるが、拭くだけで数分がかかる。
全身の激しい痛みとうめき声は相変わらずだが、15時頃~自宅ベッドで汁物を進んで摂取し、LINEやTwitterにアクセスする。思考と打つのに普段の10倍くらいかかるが、多少の誤字脱字のみとなる。
ようやく少し眠れる。
1/29(服薬から3日半すこし)、全身の痛み(少しまし)、うめき声はあるが、汁物を接種するなど食欲が少しずつ甦り、日常に戻りつつある。風呂などはまだ不可能。
以上が退院までの地獄詳細です。方法にもよるけど、これから死ぬみんなはここに引っ越すし、さらにその先に引っ越すので、わたしは「まあ……その勇気あるなら人生どうにかなるやろ」というわたし自身クソ聞きあきた陳腐なことを言いそうになりますが、とにかくやるならガッツしかない。わたしはもう二度としたくないです。
現在も子宮からの出血や全身の痛み、内臓の痛み、麻痺、うめき声、記憶の混濁などがあるので、また回復したらそちらも「地獄から生還したらそっちもまあまあ地獄だったよ編」としてアップします。
https://highb.hatenablog.com/entry/2020/02/03/155423 こちらです
これから先の人生には不安しかないけど、いまは簡単な計算をアプリでやったり文字を書く練習をしたりしています。 
ま、自殺って結局「自分を殺す」わけだからそんな簡単にはいかないですよね。当たり前。
死の否定は難しくても生命の肯定はしていきたいですね。
メンヘラがODで自殺未遂して地獄を見た(地獄編) - 現金満タン、ハイオクで。
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nervouscalzonegardenfan · 5 years ago
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女子高生と山月記
 「虎になる」というフレーズが流行った。
 高校時代の話だ。かつて鬼才と呼ばれた男が、己の心に潜む獣に振り回されて虎になる話を習った。重い題材なのにどうにも心にひっかかる上、人間が虎になるという衝撃的展開に驚いた。加えて「尊大な羞恥心」だとか「臆病な自尊心」とかいう妙に語呂の良いワードが登場することから、わたしたちは授業が終わってもこの話を忘れられず、結果「虎になる」というフレーズを局地的に流行らせた。
 わたしたちは虎になった。主に葛藤してどうしようもない時や人間関係が煩わしい時、そして自分が嫌いになった時に。具体的に言うならテスト前や恋愛にまつわる他者とのいざこざ、理想と現実の狭間でもがいた時に、現状の気怠さを「ほんと虎になるわあ」と溜息交じりに吐き出したのだ。
 
 仲のいいグループだけで使う暗号のような、気怠さの共有コードのような使い方をしていたのに、いつしか他のグループにも「虎になる」子が現れた。使い方を教えたわけじゃない。なのに彼女たちはわたしたちが使うように「このままじゃ虎になる」と自然に言ってみせた。
 言葉は感染する。きっとわたしたちが使うのを聞いて、自分たちのグループにも採用したんだろう。だけど説明してもいないのに完璧な用法で虎になってみせた彼女に驚くとともに、「山月記」という物語がわたしたちに与えた影響に驚いた。グループとか関係なく、わたしたちは同じものを受け取っていた。
 
 あの頃、わたしたちは言葉に出来ずとも、仄暗いものを心の中に感じていた。山月記を教わる前は各々が好き勝手に感じていたものだ。だけど中島敦が、山月記という物語を通じてわたしたちに教えてくれた。あれは間違いなく「虎」だった。
 
怪物と親交を深める
 友人たちと虎になっていたのは、もう昔の話だ。
 今は内なる虎どころか目に見える怪物と相対する年頃になった。つまり就職してお局様と出会う羽目になった。歩く脅威とはまさにこのこと。生きているだけでケチをつけられ、重箱の隅という隅をほじくり回される。
 仕事面では優秀だけど気に食わないことがあれば謎のコネで上に訴え、悪評を広め、最終的には泣き叫び壁を殴り颯爽と帰っていくお局様。人生で初めて出会う怪物がここにいた。
 
 上司ガチャ爆死というワードが脳裏をよぎる中図太く仕事を続け、数年経った今はお局様に個人的なドライブに誘われるなど驚くほどに良好な関係を築いた。怪物の懐にちゃっかり収まった形になる。
 努力をお局様との敵対や転職活動ではなく和解(と言ってもこちらに非は無いので向こうの軟化を待つだけ)に費やしたの���、お局様に好かれたかったからではなく、単純に可哀想だと思ったからだった。
 もちろん腹は立った。この人さえいなければ職場は良い人ばかりだし、天国だろうと考えた。だけど度が過ぎる不条理を与えられると怒りよりも疑問が湧く。何故この人はこんなにも怒っているのだろう、と。一度そう思ってしまうと止められない。わたしはお局様が人目もはばからない怪物になってしまった理由を求めてサバンナの奥地へと旅立ったのだった。
 
 この場合サバンナの奥地というのは比喩で、しかしお局様の私生活や歴史といった個人情報を知るには誰かの心の奥地、それこそサバンナのように深い場所へ踏み入らなければならないと考えていた。怪物のような同僚とはいえ、他人のことをべらべらと喋るわけがないと思っていたのだ。だけどわたしがお局様の詳細を尋ねると、先輩方はみな知ることが当然だと言わんばかりに必要以上を教えてくれた。
 
 悲しくてありきたりな話だった。偏見と既存利益に潰されていた若い女性が、ひょんなことから道を外れて二度と戻れなくなった話。詳細は書かないけれど同情の余地がある。お局様はひどい仕打ちを受けた上、助けてくれる人もいなかった。だからといって女という女をいびり倒す理由にはならないけど、性格が歪む原因としては大いに納得できる。
 
 そして過去から現在までひとりの人間を歪め続けた不幸をネタのように話せる人間に囲まれてしまったことも、お局様にとっては不幸だろうなと感じた。「昔は可愛かったのに、あの時は大変だったんだよ」と笑って言うくらいなら、あの時と言わず今助けてあげればいいのに。
 お局様の世界観にも一応の倫理はあるらしいけど、誰も興味が無いから触れない。あれだけ噂話を教えてくれた先輩も、昔は可愛かったと謎目線の上司も、お局様がお怒りになる基準を知らず天災のように諦めるだけ。お局様マニュアルというか対応心得が無いのかと尋ねれば、ぜひあなたが作ってくれと笑われた。台風の発生機序を研究し始めた頃の人間ってこんな感じなのかな、とか思ったりした。
 お局様と普通に話すようになってから、こんなことを言われた。
「これまではひとりで全部決めてきた。誰も決めてくれないから。だけどひとりで決めるのは大変だから手伝ってほしい」
 誰も決めてくれないったって、あなたが全部聞く耳持たなかったんでしょう。そう言いかけて思い出した。
 
 お局様が感情に任せた強い口調で話した後は、誰もが「あの人はああ言ってるんだよね」と腫れ物に触るような扱いをする。少し経って冷静になったお局様が前言撤回して別の意見を言うと「気分で言うことがコロコロ変わる」と冷ややかな態度を取るだけ。そして最終的に「誰からも意見が来なかったから私が決める」とお局様が決定を下す。
 この間、お局様に意見できる人は影で溜息をつくだけで何もしない。怯える人は陰口だけで何も言わない。お局様の目線からすると、確かに孤独な一本道だ。
「喧嘩がしたいわけじゃない。違う意見も聞きたい」
 そう言われた瞬間に眩暈がしたのは、自分の認識が揺らいだからだ。 
 
 何でこの人は急に普通の人っぽいことを言うんだ。目が合った奴らを全員ボコボコにするような生き方をしているじゃないか。もしこの人がこんな、いかにも普通のことを言うと、わたしはこの人を怪物じゃなくて普通の人だと思ってしまう。普通だから理不尽な仕打ちに歪んで、歪んだから手を差し伸べてもらえなくて、手を差し伸べてもらえないから怪物になった、ただの可哀想な人に見えてしまうじゃないか。
 わたしがお局様に対して行ったのは、普通のことだけ。
 何をしたか? 無視されるとわかって挨拶をして、注意をされれば非礼を詫びて、フォローされればお礼を言った。わからないことがあれば聞き、無知を咎められれば反省する。お前はわたしを特別にいじめるが、こっちはお前をなんてことのない日常の一部としか思っていないぞという反抗心からの行動だけど、特別なことは何もしなかった。
 
 特別なことなんて何もないのに、お局様はわたしを懐に入れた。先輩たちからは猛獣使いと呼ばれた。上役からはお前がお局様のハンドルを握るんだと謎の激励を受けた。だけど何も響かない。きっと褒められて、認められているんだろうけど何一つ嬉しくない。頭の中にこびりついて離れないのは、わたしが自分の意見を真っ向から言った時の、嬉しそうなお局様の顔。
 この人は普通の人なのに、こんな怪物になってしまったのか。
 一度でもそう考えてしまうと、信じて立っていた足元がぐらぐらと揺れるような、どうしようもない不安に襲われた。
おはよう自我
 性格は25歳を過ぎると変わらない、というのは友人の言葉だ。
 
 25という数字の根拠はわからない。だけど友人の体感としては大体��れくらいの年頃から融通がきかなくなっていくらしい。友人はわたしが受けた理不尽(主にお局様)の話を聞くたび「凝り固まった奴らはどうしようもないよ」と諦め顔で笑う。
 友人の言葉には納得できたりできなかったりするけれど、個人的には「大人になったら性格は濃縮される」という持論を推したい。気の利く人がいつしか神経質になったり、雑な人はおおらかになったり。自我が確立した人間の性格は、とんでもない理不尽や幸運が無ければ、培った自我から派生していくものだと思っている。
 と、したり顔で喋ったものの、わたしの体感として自我の芽生えはつい最近で、偶然にも25歳の時だ。友人がどうしようもないよと匙を投げる年頃にやっと芽生えた。遅すぎる自我よ、おはよう。
 自我がない25年間は何をしていたんだと言われそうだけど、それなりに頑張って生きていた。もちろん記憶はあるし、自由意志もあるし、ちゃんと人間として過ごしていた。それでも不思議なことに、25歳の時不意に「自分はこういう人間なんだ」と納得する瞬間があったのだ。
 出来ること出来ないこと、やりたいことやれないこと。理解と諦めと希望がごちゃ混ぜになった不思議な気分だった。ふわふわと漂っていた自分の表面に薄皮が張られたような、世界の解像度が上がったような、言い知れない感覚をどう表せばいいのかよくわからない。
 だけどひとつ確かにわかるのは、自分と他人は違う人間だ、とこれまで以上に感じるようになったこと。自分の基本的なかたちがわかったから、生きるのが少し楽になった。
 大辞林によると、自我とは「意識や行為を主体としてつかさどる主体としての私」らしい。細かい定義を個人がどれだけ認識しているかはさておき、インターネット上では「最近自我が芽生えた」と呟くアカウントがいくつか存在する。自分を赤ちゃんだと思う人RT、みたいな感じではなく「主体としての私」が芽生えたのがつい最近、という雰囲気のアカウントだ。
 自我が芽生える前後のツイートを遡って見てみても、特に差異は感じない。普通に人生の断片が記載されているだけで自我の有る無しなんてわからない。それでも本人の体感として「最近自我が芽生えた」という意識があるのは、わたしと境遇が似ているようで親近感が持てた。
 そんな顔もしらないアカウント達が「自分は20代後半に芽生えた。周囲もそれくらいで芽生える人が多い」「自分は双子だから物ごころついた時から他人との違いや自我を感じて生きていた」「自我が芽生える前の生き方をよく覚えていない」などと呟く様子を眺めるのが好きだった。
 他人に求められる役割や、着せられがちな生き方がある。だけどそれよりも自分の行きたい道があって、思考しながら日々進む。思い悩むこともあるけど他人のことはあまり、気にしなくなった。
 友人たちも似たような感じだ。個人主義になったと言えばいいのだろうか。みんな自分の世界があって、他人の世界も大切にする。学生時代と違って気の合わない人たちとは距離も置けるし、大人になってからの方が楽しい人間関係を築けると確信した。
 確信した。そう、それは間違いじゃない。だけど気になる��とがあるのだ。
 自分というかたちを知るほど、興味のないものを全く取り込まなくなってきた。行動の自由度が高まった分、思い通りにならない時に苛立ちを感じてしまう。わたしはどんどん我儘になっている気がした。
 友人の言葉を借りれば、人間は25歳を過ぎると性格を変えることができない。
 これはもしかして「だいたい25歳あたりから自分の歩き方がわかるから進む道を譲らなくなる。結果として柔軟性が無くなり、自分を形作る価値観の再編ができない」のではないか。そしてわたしの理論では性格というのは濃縮される。価値観の再編ができないままどんどん濃くなっていく。
 
ここで一文、山月記から引用をする。
「人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。」
 濃縮されゆく人間の気質は、いずれ猛獣に至る。
 このまま気のおけない友人に囲まれて、自分のやりたいことをやって、見たいものだけを見ていったらわたしの性格はどんな風に濃縮されるのだろう。今現在、気の合わない人たちを排除した人間関係を築いているくらいだ、この先解放的な性格になるとは思えない。
 自分の世界を深めることは、他人が持つ世界との差異を浮き彫りにすることだ。自分の信条に合わない世界も必ずあるだろう。わたしはそれを尊重できるだろうか。
 耳に優しい言葉を聞いて、見たいものだけを見て、自分の世界を深めていく。それは風の吹かない部屋で延々と穴を掘ることと何が違うのだろう。わたしがいつか狭い穴の中で暮らすようになったら、「外は晴れてるから出ておいで」と言ってくれる人はいるだろうか。もし誰もいなかったら、わたしは永遠に穴の中で暮らす羽目になる。
 そして「穴の中より広い家の方が荷物も置けるし便利だよ」という他人の忠告を、忠告として受け取ることができるだろうか。視野が狭くなってしまえば、自分の世界以外のものは全て亜流に見えるかもしれない。「この穴の良さがわからないなんて」とか言ってしまうかもしれない。
 
 自分が世間一般から大きく外れた生き物になってしまう可能性を、初めて考えた。
 そして、冷やかな目で見られ持て余されたお局様に自分の姿が重なる。
 わたしもお局様のようになる可能性がある。
 そんな考えに至った時、心の中で虎が吠えたような気がした。
内側からの足音
 ここで改めて、山月記を復習する。
山月記 (中島 敦) 隴西(ろうさい)の李徴(りちょう)は博学才穎(さいえい)、天宝の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、ついで江南尉(こwww.aozora.gr.jp
 ものすごく簡単にあらすじを書く。
 能力はあるのに生活が苦しい李徴という男がいる。地方の役人を辞めて詩で生きようとするものの全然売れない。家族養うには詩じゃ無理だな、と再び役人になるも、昔見下していた奴らが出世して指示出ししてくるからプライドがぼろぼろ。発狂して虎になってしまった。
 そして虎として生きていた李徴は、かつての友人である袁傪と再会する。
 李徴は袁傪と会話をする。「何��が呼んでるから外に出たら自然と走り出しちゃって、すごい夢中で走るうちに力がみなぎって、気づいたら虎になってたんだよね」「人の心と虎の心が混じってるから、うさぎ食べる時もあれば自己嫌悪がやばい時もある」「このまま虎になる予感がするけど、詩で有名になれなかったのが心底辛いからちょっとこの詩メモって」とか。
 そして「でも虎になった理由、心当たり無いわけじゃない」と、以下のように語る。
 人間であった時、己は努めて人との交りを避けた。人々は己を倨傲だ、尊大だといった。
実は、それが殆ど羞恥心に近いものであることを、人々は知らなかった。勿論、曾ての郷党の鬼才といわれた自分に���自尊心が無かったとは云わない。しかし、それは臆病な自尊心とでもいうべきものであった。己は詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交って切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。かといって、又、己は俗物の間に伍することも潔しとしなかった。共に、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心との所為である。
(中略)
 人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。これが己を損い、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、己の外形をかくの如く、内心にふさわしいものに変えて了ったのだ。 
 そして李徴は「妻と子供にはもう死んだよって伝えて」「妻子よりも詩のことを先に話しちゃうあたりほんと虎」と自嘲しつつも「もうこの道通らないでね」「ちょっと歩いたら振り返ってみて。今の姿見せる。もう二度と君が会いたいなんて思わないように」と話して、宣言通りに虎となった姿を見せて、友人の前から姿を消す。
 以上、ざっくりとした説明だけど、引用部分には思い当たる節しか無くひたすらに心が痛い。中島敦の破壊力に怯えるとともに、これがデビュー作という事実に驚く。
 そして大事なところだから何度も引用をする。
「人間は誰でも猛獣使であり、その猛獣に当るのが、各人の性情だという。己の場合、この尊大な羞恥心が猛獣だった。虎だったのだ。」
  
 わたしの中に芽吹いた自我は、よりよい人生への切符であると同時に猛獣の幼生でもあった。自分と世界の間に線を引く術を知ってしまったから、世界を自分のことのように感じ入ることが無くなって呼吸が楽になった反面、濃縮されゆく自分自身を希釈することが難しくなった。
 自分の見える範囲、好きな範囲だけを掘り進めるのが本当に楽しいからこそ、強く思う。自我は、猛獣だ。虎だ。そして心地よい世界への入り口だ。李徴が虎になった時「身体中に力が充ち満ちた感じ」と表現された理由がよくわかる。
 自分に自信を持つことは、素晴らしくもあり恐ろしい。
 有名な動画だけど、自分を信じることの恐ろしさはこれを見るとわかりやすい。この動画ではバスケットボールが延々とパスされていく。そこで、動画の中で「白服の人が何回パスに参加したか」を答えてほしい。 
 おわかりいただけただろうか。
 この動画の目的に気づいてもらえただろうか。 
 動画には事実が映されている。そのうち、わたし達はどれだけの��報を受け取っただろうか。見たいものは見えたとしても、見なかったものは、無かったことにされただろうか。自分でも気づかないうちにかけていた色眼鏡は、いつ外せるのだろうか。
 どうしてこんなにも、わたしは自分の中にいる猛獣を恐れているのか。
 それは「素敵な自分でいたい」とか「よりアップデートされた自分でいたい」なんていうお綺麗なものじゃなくて、ただ単に身近な怪物たちが哀れで醜いからだ。
 愚痴ついでに説明するとお局様の他にもう一人、職場に怪物がいる。
 わたしと同時期に入ってきた男の子だった。素直で明るい体育会系で、愚痴をこぼすのが下手くそ。溜め込んでしまうタイプだなあと気にかけていたけど、ちょっと会わない間に怪物に変貌していた。
 彼は愚痴を言うのも、話し相手を選ぶのも下手だった。どんな悪態にも同調し、否定せず、建設的な意見よりも感情的な意見を述べ、煽ることが得意な奴とつるんでしまった結果、自分の抱く負の感情を全て「尊重されるべき真っ当なもの」と思うようになった。友人は選んだ方がいい。悪い奴じゃなくても癖のある奴は用法容量を守るべき。ちなみに癖だらけの煽りマンは、わたしがプレイしているゲームに出てくる「キャスターリンボ」という奴が本当によく似てる。
 
 彼は職場の人間のうち大半を嫌いになった。もちろん顔には出さないけれど、壁に耳あり障子に目あり、キャスターリンボと話している内容は筒抜けだから彼の罵詈雑言レパートリーは皆よく知るところである。
 
 彼が人を嫌う基準は、最初こそ真っ当だった。仕事が適当だとか、やり方が強引だとか。その点、性別や見た目、歩き方やで人を嫌うお局様とは違う。しかし次第に腹を立てるハードルがどんどん下がって、人によって許す許さないの基準を大きく変えた。
 そして一度嫌いになった人間を徹底的にマークして、どんな同情的背景があろうと、その背景含めて人間性や犯したミスを延々と馬鹿にするのだ。「あいつの事情なんて俺知らない」と子どものように頬を膨らませながら。
 そして後輩たちを集めて、愚痴を肴に飲み会を開く。下には強く上には媚び、ながら唾を吐く。なお建設的な意見を表立って言いはしない。影でこそこそと、キャスターリンボや後輩たちに愚痴るだけだ。
 愚痴のレベルがえげつない彼は、今でこそ腫れ物に触るように扱われるけれど、仕事に対する誠実さや巧みな話術は目を見張るものがあって、キャスターリンボとつるみさえしなければ将来の幹部候補だったと上司が嘆いていた。でも今の彼が幹部になったらパワハラセクハラモラハラが権力と服を着て歩いているような感じになってしまう。とんだ化け物だ。そうなればすみやかに辞職しなければならない。
 
 人間の相性は化学反応のようで、理想通りには進まない。向けられた感情を鏡のように反射するコミ��ニケーション術を持ったキャスターリンボと、負の感情のコントロールが下手くそな彼は、壊滅的に相性が良すぎたのだろう。
 かつて同期として肩を並べていたはずの彼は、随分遠くに行ってしまった。入ってきた頃は、溜息交じりに扱い方を囁かれるような人間ではなかった。こうなる前に何か出来ることがあったのかもしれない。そんなことを考えては、現状を思い気分が沈んだ。今のわたしは彼に嫌われているから何を言っても届かない。
 
 お局様も彼も、良いところはあるものの人間として尊敬できない。好きか嫌いかで言えば嫌いだ。興味はあるし同情もするけど、こんな人間にはなりたくない。だけどわたしは最近、自分の都合で他人に苛立つことが増えた。あえて見たいものだけを見ているように思う。見たくない自分を見つめていると、二人とも、わたしの生きる延長線上に立っている気がした。
 周囲を巻き込みながらも気持ちよく生きている二人がどうにも他人事には思えない。わたしが彼に対して何かしたかったと思うのは、自分がもし怪物になった時、誰かに止めてほしいと思うからなのかもしれない。
臆病者の旅路
 「自分が行動を起こせば変わった、なんて思うのは傲慢だよ」
 
 怪物になった彼のことを引きずるわたしに、屈強なミスチルファンがそう言った。このミスチルファン(以下ファンと呼ぶ)は彼のことを友人の友人程度に知っており、彼の変貌過程も知っている。
 「あいつは成るべくしてそう成ったんだよ。あんなになっても誰も止めてくれない程度の人間関係しか築けなかったあいつ自身に問題があるから、周りがどうこうって問題じゃない。そこまで気にするのは筋違いだし踏み込み過ぎ」とファンは言う。ドライな意見に聞こえるけど自信満々に言われると一理あるような気がしてくる。
 ファンはわたしよりも早い段階で「自我」を確立していた。中学高校の時には既に今と同じ自分の世界を、自分の理論を持っていたらしい。そして「調子乗ってたらボコボコにされたけど、叱ってくれる人がいなかったら自意識モンスターになってたから良かった」と話してくれたことがある。
 
 もしかしたら、自意識モンスターという概念を持っているファンには自分が怪物になる恐怖を理解してもらえるかもしれない。そんな思いで打ち明けた。これまで書き連ねてきたことを、一から十まで長々と。
 ファンは時々頷きながら、黙って聞いてくれた。そして話が終わり、沈黙が続く。どんな反応をするかと待っていたら、ファンは突然歌い出した。
「滞らないように揺れて流れて、透き通ってく水のような心であれたら「アー↑」
 名曲HANABIである。
 「HANABIだ、まじHANABIだわ」と、ファンはひとりで納得しながら桜井さんすごいと呪文のように唱えた。そして「今度ミスチルの詩集貸すよ……曲もいいけど文字で見たら全然雰囲気違うし染み込み方が違うから」と力強く約束してくれた。ミスチルが詩集を出していたことを、わたしはその時初めて知った。
 
 ファンが言うには、HANABIという曲は「ボーカルの桜井さんが冬場金魚の水槽を掃除するときにね、水が冷たいから��ょっと貯めて放置しつつ……あれ塩素抜きを兼ねてたんだっけ? まあいいけど水貯めた翌日水の中に金魚を入れたらバタバタ死んでね、金魚が死んだのは水の中に空気が無かったからなんだけど、ああ水も死ぬんだな、人間も同じだなあという思いからHANABIという曲が生まれたんだよ」ということらしい。
 ファンは歌い出し以降、わたしの怪物化への懸念に言及することなく、いかに桜井さんが素晴らしいかという話を延々と続けた。詩の作り込みが凄まじく、自分が生きる中で曲の印象が変わっていくのが面白いのだと。そして「HANABIの解釈がまたひとつ深まってしまった」「桜井さんはアップテンポな曲に容易く地獄を放り込む」と満足そうに去っていった。
 
 わたしはミスチルファン歴が浅く、桜井さんのことはまだよくわからない。だけどファンの感性や屈強さは心から信頼している。だから、わたしが怪物の話をした直後に突如歌われたフレーズをファンの回答として勝手に受け取ることとした。
 空気も水も溜まれば淀む。人だって立ち止まれば淀むのだ。透き通った心でいたいなら常に心を動かさなくてはならない……そういうことなんだろう。と思った矢先にファンからLINEが届いた。
 「今みたいに揺れるのが大事なんだと思う」「自分はこれでいいのかって悩み続けること自体に意味があって」「どんどん新しいものを取り入れていけば」「自浄作用も働くし」「周りの人からも大事にしてもらえる」
 細切れに届く言葉は胸に響くものの、お前それ面と向かって言ってほしかったし何なら歌う前に言ってくれやという気持ちが前に出る。
 
 だけどこういう想定外の行動によって、自分の思い浮かべるやりとりよりも斜め上のやりとりが生まれた時、世界はわからんことだらけだなあと驚きを感じる。面白い時も苛立つ時もあるけど、こうやって人から驚きを貰える限り、わたしの世界はおそらく滞らないのだと思う。
 問題はわたし自身が、自分の心を「揺れて流れる」ような不安定すぎる場所に置き続けられるか、ということで。驚きを与えてくれる友人がいても、結局は自分次第だ。
 心に住まう猛獣はわたし自身であり、手綱も握っている。だけど、不安がどうにも拭えない。他の人たちはわたしのように猛獣を恐れたりしないのだろうか。ただ真っ直ぐに生きているのか、それとも自分を恐れることなく律することが出来るのか。
 
 本来これは感じなくても生きていける恐怖なのかもしれない。だとしたら、そんなものに怯えているわたしは貧乏くじを引いてしまったのか、あるいは精神が未熟なのか。
 そんなことを考えている時、インターネットで出会った友人の言葉を思い出した。ぼんやりと覚えていたものを、もう一度あれ教えてと頼みこんだらログを発掘してくれたので引用させていただく。
 「文明の広がりと生命維持とか考えると色々面白いよね。例えば日本人はとても鬱になりやすいけど、統計とってみるとアフリカ(人類の起源)から離れるほどセロトニントランス���ーター(心の安定に寄与する物質を運ぶもの)の働きが弱いんだってさ。つまりとても不安になりやすい」
「でも私たちがアフリカから極東に辿り着くには、それは重要なことだったんだよね。不安で周りを確認しておっかなびっくり足を踏み出す人間じゃないと、遠くの目的地には到達できない。人間どうしたってネガティブになりがちだけど、私たちはネガティブだからこそ今まで生存できてたってわけです」
「古代文明が栄えた場所も、全部あったかいところなんだよね。シュメール、アッカド、バビロニア。ほかの四大文明も。でも、時代を追うにつれて主役は北へ北へと移っていってるんだよね。やっぱりアフリカから遠く離れれば離れるほど不安だから、色々立ち止まって考えることが多くて、その結果なのかもしれないなあなんて思ったりします」
「じゃあ、移動手段と情報伝達が過度に発達した現代や未来はどうなるんだろうって思うと、途端に法則が当てはまらなくなるから困る。文明の北上は臨界点だし、等しく技術が飽和したなら、今度は環境の恵まれた南の辺りから自由な発想が生まれてくるのかもしれないし、もしかしたら、さらなる北を求めて人間は宇宙にさまよい出すのかもしれないなって思いました」
 
 この話を聞いた当時は、人間すげえや、とか何でこの人こんなこと知ってるのすごっ面白っとしか思わなかった。だけど今はこの話に励まされている。
 
 臆病者じゃないと到達できない場所がある。精神論じゃない。今わたしがここで生きているのは、過去の臆病者たちが一歩を踏み出した結果。わたしの未熟さ、抱える恐怖は、もしかしたら遥か遠くに辿り着くために必要な要素なのかもしれない。
 
 行き着く先できっとわたしは色んなものに触れて、考えて、自分を確かめては組み替える。心の中の猛獣に押しつぶされて他を顧みない怪物となれば、完結した世界に満足して旅に出る気にもならないだろう。だけど恐怖に震える間は、怪物にならず歩いて行ける。長い旅路に意味はある。現に足を伸ばしてオンラインの世界に辿り着いたからこそ友人に出会い、知識に触れ、こうして励まされたのだから。
いつか怪物になるわたしへ
 それでもやっぱり、わたしはいつか怪物になると思う。
 いずれ自分が塗り替えられるという恐怖と戦いながら、怪物化に抗いながら、最終的には成ってしまうと思うのだ。様々なものを見聞きして、考え込んで、いつか考えることを止めて。そうして引き籠る内側の世界はきっと居心地が良い。自分を疑い続けるような旅を続けるより、好きなものだけを追及する方が幸せだと思う。
 
 自分の世界の外に向けた想像力が、わたしを人間たらしめている。目の前に立っている人が見えないところで泣いている可能性を考えるし、自分の理屈が他人に通用しないことを知っている。
 だけどこの想像力を全て自分のためだけに使うのなら、誰が泣こうが喚こうが知ったこっちゃないし、理屈は押し通すものとして狡猾に立ち回るだろう。自分のためだけに生きれば毎日がもっと楽になる。
 怪物になりたくないと思うたび、怪物の良さを突き付けられる。いつの日かこんな風に悩むことすら面倒になって、全てを放り投げて大の字に寝転ぶ時が必ずやって来る。わたしは臆病な奴だから、自分を傷つけて揺るがすものから必ず逃げたくなるだろう。そして考えることを止めて、周りにイエスマンだけを置いて、自分だけの素敵な世界を作りたくなるはずだ。
 
 怪物になったら、怪物じゃない時の理想なんて理解できないかもしれない。だから正気があるうちに「わたしが変なことを言ったらボコボコにしてほしい」と介錯願いを数人に出している。勇者を育てる魔王がいたならこんな気分なのかもしれない。どうか綺麗に殺しておくれ、わが愛しの勇者たちよ。もし君達が先に怪物化したら喜び勇んで殴りに行くね。
 いつか怪物になるわたしは、世間で触れ合う怪物どもに中指を立てて生きている。いずれ自分も辿る道、自覚も無しに通る道。哀れで醜い、と言われる側に立った時、わたしは何を見ているだろう。自分が怪物になったと気づかず、他の奴らを見下しているのだろうか。実はもうとっくに怪物なのかもしれないけど、勇者たちからの正論パンチが飛んできていないからまだセーフだと思いたい。
 ふざけて「虎になる」なんて言っていた頃から、随分遠くに来てしまった。見える景色も歩き方も随分変わったけど、わたしという人間の連続性はゆるやかに保たれながら過去から未来へ伸びていく。願わくばこの悩ましい旅路が、葛藤ばかりではなく瑞々しい驚きと喜びに満ちたものになりますように。
 この文章はいつか怪物になるわたしへ向けた弔辞であり、激励であり、備忘録だ。
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oboro-moon-night · 2 years ago
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7年くらい前の映画「怒り」初見感想
 いまから7年ほど前(7年ほど前!!!?!?!?!?)に、映画館で「怒り」を観たときの感想を発掘したので転載。文章はめちゃくちゃだけど勢いとパッションだけはあっていいな…忙しいを言い訳にせずちゃんとアウトプットしたい…全然文章書けない…。でも今見返してみるとすげ~オタク構文でウケるね。
・冒頭のプール  体系も恰好も雰囲気も表情の作り方も笑い方も完全にその道の人だったよ妻夫木くん…すごい…。インタビューの記事で見たんだけど、役作りのために鍛えたり日サロに行ったりひげをデザイン脱毛したりしたらしいです…もう100点…はなまる…。それにしてもこのプール、イケメンしかいないな。ドレスコードがイケメンとかなの??? ・ハッテン場  安座して顔伏せている直人かわいすぎか~~~~~~~~~~!!白いな細いな筋肉ないな~~~~~~!! そういう自分を抱きしめるみたいな守るみたいな体勢されちゃうとたまらなくなるよ…。そして彼の脚を自分の脚で無理やりこじ開けようとする優馬と抵抗する直人。そこを強引に組み敷いて手首を押さえつけキスをして、そのままロクに慣らしもせず突っ込む優馬。ツイッターで見た通り最&高だった。この時代(とき)この地球(ほし)この場所に生まれ出で存在しこの作品を拝めることは奇跡なのでは…みたいなそんな気持ち。ゴムの口ピッと噛み切ってペッとその辺に吐き捨てる優馬サイコーだし、直人の挿入時のリアクションと事後シーツから顔を上げたときに唾液が糸引いてるのも萌えすぎて涙目だった。唾液の粘性が高いってことはちゃんと快感を得ていたん��ね直人…よかったよかった…(?) 音声が完全に控えめなBLCDでした。そして性欲を満たした後は食欲を満たしに行くふたり。並んでラーメンを啜っているとき、何を訪ねても自分のことを話そうとしない直人のことを「おいおい笑」みたいな感じで優馬が軽く小突くんだけど、カウンター席はこういうことできちゃうからいいよね~ハ~~尊い。 ・コンビニ  コンビニで買い物をする直人。弁当とかオレンジとかと一緒に普通にゴムも買っていて、ああ、ふたりが体を重ねることはもう日常の一端となっているんだなあ…としみじみしてしまう。このとき優馬は友人たちと肉を食らっているんだけど、もうここ完全に肉食系男子(文字通りの意味とダブルミーニング)…めちゃくちゃがっついてますやん…漲るエナジーあふれるパワー…(?) 帰り道で弁当の傾きが気になって直そうとするんだけど、荷物が多いせいでうまく直すことのできない直人アー。そんな不器用なところも素敵。そしてそれを後ろから見守る優馬のまなざしが慈愛に満ちすぎてはいませんか…? この世は愛で満ちている…。そして「オイ!」って優馬にいきなり声かけられた直人のビクッと具合が愛おしい。「持っててやるから好きなだけ弁当直せよ」と言ってさりげなく荷物を持つ優馬のスバダリ感たるや…。そして帰宅するまでの道のりで、後ろを着いてくる直人を振り返って確認する優馬の表情も優しすぎて涙が出そうだった。コンビニエンスストアで350ml(スリーファイブオーエムエル)の缶ビール買って歩く速度をBPM83(エイトスリー)に合わせて夜の散歩してくれ…と本気で思ったけれど、よく考えたら優馬の暮らしに缶ビール似合わなすぎる。 ・「信じてくれてありがとう」のやつ  帰宅後キッチンでカップ麺を調理する直人ですが、ここのうなじが最高にエッチで目が離せなかった。そしてカップ麺…不摂生かよ…もっと栄養のあるものも食べなね…。なんか元気なくない? みたいなニュアンスのことを尋ねる優馬に対して「うん ちょっとだるくて…風邪かも」と答える直人。このセリフ、「ちょっと」が「ちょと」みたいな詰まった感じに聞こえて直人のたどたどしさというか拙さというかまだ緊張してる感じというか、そういうのを勝手に深読みしてしまいめちゃくちゃ萌えた。そんな彼に対し「それなら昼間も家にいればいいじゃん。但し物がなくなったりしたら即通報するけど。ゲイバレ怖くて通報しない人も多いけど、俺そういうの全然気にしないから。」みたいなことを言う優馬。エッ直人日中ずっとふらふらして優馬が帰ってくるまで公園にいたの? まじか…かわいい…。「言っとくけど俺、お前のことこれっぽっちも信じてないから。……何か言えよ」「疑ってるんじゃなくて、信じてるんでしょ。…何か言えばいいんだっけ? 信じてくれて、ありがとう」なっ直人~~~~~~~;;;;;;;;;;;;;;;; ハ~ここで自分の価値観変えさせてくれたんだからますます優馬は直人に惹かれちゃうじゃん!!!!!!!! 信用の対義語が不信であるように、「信じる⇔疑う」ではなく「信じる⇔信じない」であって、疑う≠信じないだと思うんですよね。むしろ信じる≒疑う、というか。表裏一体。信じるという前提があるからこそ疑ってしまう、みたいな…だから疑われているというのは少なからず信じてくれているから、みたいな…。ゆえに、ここで直人が「疑ってるんじゃなくて、信じてるんでしょ」と言った意図はつまりそういうことだと思うんです。(※読み返して追記:たぶんそもそも信じてないと疑いようがないよね、みたいなことを言いたかったんだと思う。卵が先か鶏が先かみたいな話になるけど。)そしてこの後のセッシーンもまさに腐女子大歓喜だった。キスしてる途中で直人が一瞬上になるの、直人もちゃんと求めて欲している感じがしていい。素敵。ハ~~生きててよかった。そしてピロートークの体勢も最高すぎでは…???? 腕枕してるけどお互い向かい合っていないのとかすっかり同じ体勢とっているのとかさあ…。全体的に彼らは正面から向かい合って顔を見合う機会があまりなくないですか? ここもそうだしラーメンも横並びだったし会話シーンでも優馬は後ろとか横から声掛けているし。真上からのカメラアングルがあるんだけど、そこでふたりの体格差はっきり分かってキュンとした…筋肉の付き方も肌の色も全然違うし直人の方が身長高いのもポイント…。ここで頭から足先���でぴったり画面に収まっているのは横長の画面を採用したからだそうです。なるほど~。そしてベッドめちゃめちゃでかくないっすか。二人で寝ても全然余白があるじゃん。キングサイズ? ・ホスピス  なんやかんやで優馬の母親に会いにホスピスへ足を運ぶようになる直人。そこで優馬の母から昔の優馬の話とかたくさん聞いて、自分の知らない優馬の一面を知ることができて嬉しかったのかな直人…と勝手に思いを馳せる私。ある日、ラウンジで優馬の母と直人が話しているところに優馬も顔を出して、直人に自分が昔使っていたスマホを渡す。この時点で優馬は完全に直人と離れる気ゼロだろ~~~だいすきかよ~~~~~~!! 「こいつ今どきケータイ持ってないんだぜ? 信じられないよな~。服なんかもこればっかだし」「あんたは大切なものが多すぎるのよ」鑑賞時は、このやり取りに対して 大切なものが多くて何がいけないの、全部大事なんだもん、いいじゃん…と思っていたのですが完全に伏線でしたねコレ。その多すぎる大切なもののうちのひとつである直人を、永遠に失うことになることへの伏線。それと、仕事にも友人にも恵まれマイノリティでありながらも臆さず人生エンジョイしているように見える優馬(持つ者)と施設で育ち持病もあり安定した生活を送ることができない直人(持たざる者)の対比でもあるのかなあ、と。あ、直人の右頬のほくろが判明したのもこの場面だった。縦に三つ並んだ特徴的なほくろを気に入っていないらしく、指摘されたときに軽く指先で擦るような仕草をしていたのかわいかった…。 ・優馬の母の死  雰囲気的に優馬の母の死に立ち会ったのは直人だったのかな? 「なあ、俺、母さんになんて声かければいいのかな…?」ホスピスに駆けつける優馬の演技が本当に凄い。やたら深呼吸して涙を流すまいとする姿とか、それでも堪えきれなくてこぶしで自分の胸を叩く姿とか、母親の部屋に入ってから一気に涙声になるのとか、感情の発露がリアルだった。そうだよね、人前で涙は流したくないよね、でもだからって直人がこの場にいなかったら思う存分泣けるのに~とかじゃなくて、母親の話し相手になってくれた直人には感謝しているし確実に優馬の支えにもなっているし…うまくまとまらないけどそんな感じ。母親の部屋に入る直前に優馬が直人の肩というか胸というかそのあたりをポンと叩いていたのも、ふたりの信頼というかそういうのが見えた気がした。後日、お墓参りの道中で「葬式…来るなって言ってごめんな。高校とか大学のやつも来るから、お前のこと、なんて言ったらいいか分からなくて」と言う優馬に対して無言で首を振る直人。こういう世間体問題よくBLで見るやつや~~~~~~…肉親に言うのにも家族になるのにも相当な覚悟が必要で、しかも周りから祝福されることが困難で、世間の目は冷たくて二人だけで支え合っていくのはすごく過酷でしんどいこと……。「でもさあ、墓なんて買っても無駄だよな。母さんが入って、俺が入って、それで終わりだろ。…一緒の墓に入るか?」エッッッちょっと待ってこれ完全にプロポーズですやん??? 俺に毎朝味噌汁を作ってくださいと同じようなものだよね???? 本気だとしても冗談だとしても、こういうことサラッと口に出しちゃう程度には優馬にとって直人の存在が大きなものになっていたんだろうなあ…。同じ墓に入る=死ぬまで一緒ってことだよね。冒頭のシーンといい優馬はなんとなく遊び慣れているのかな~という印象で、お付き合いしている人にあまり入れ込まない(入れ込めない)タイプなのかと思っていたので、そう思える人ができて本当によかったね…という気持ち。ご祝儀あげたい。 ・カマかける  中目黒のカフェで女性と楽し気にお茶する直人の姿を偶然目撃した優馬。帰宅後確認するも、「パチンコ行ってた。ちょっと勝っちゃった」と返される(エッ直人パチンコとか行くんだ!!??? ウワ~ギャップ…たまらない…)。ここで直人がオレンジ剥いていて、「そのベタついた手で「はいはい、冷蔵庫などは触りません」というやり取りがあるんだけど被せて返事するの以心伝心かよ…。そしてこのオレンジはこの間コンビニで買っていたやつ?それともオレンジ好きなのかな?? かわ…。その上以前オレンジ剥いたベタベタした手で冷蔵庫とかドアノブとか触って怒られたの? ハ~もうそんなちょっとズボラなところも好きよ直人…。あとさ、ここのオレンジの剥き方が、くし切りにして皮と実の境目に切れ目を入れる食べやすさを考えた切り方でさ、だから何?って言われたらそれまでなんだけど…そのひと手間がなんかいいよね…。 (※読み返して追記:ここのオレンジ、「あなたは私のオレンジの片割れ」…��てコト…!?(気付くのが遅い)そしてヘドウィグ思い出してもっかい見たくなった) 中目のカフェで女といるのを見たと優馬に言われ「どうしてカマかけるような言い方するの?」と直人。自分が彼に嘘をついた罪悪感と、嘘に気付いていた彼に対する申し訳なさと…それと、最初からはっきり言うんじゃなくて、カマかけられたことが信用されていないように感じて傷ついたのかな…。詳しいことは何も話そうとしない直人に「別にお前がバイだったとかでもこんな風には思わなかったと思うんだよな…嫉妬?とは違うかな…なんかこう、もっと根本的なところで裏切られた、みたいな…」と言う優馬。ッッそんなに好きなら!!! 大切なら!!!!! 今ちゃんと話さないと決定的なすれ違いが生じてダメになるからちゃんと話そう!!!!???? こちとら今までそういうBLいくつも見てきたんだよ!!!!!! でもそれらと同じようにまたあんたちも仲直りラブラブハッピーエンド♡になる保証なんてどこにもないんだよ!!!!!!????? とこのセリフを聞いた瞬間一人勝手に昂るわたくし。しかし今画面の向こうにいるふたりにそれを伝える術はなく、悔しさのあまり涙する…お願い、私あなたたちには幸せになってほしいの…。何を言われても結局受け手の捉え方なんだよな、というニュアンスのことを言う優馬にウッとくる。確かに図星だし私も同感なんですけれども…でもそこで双方が伝える努力及び受け取ろうとする努力を怠ってしまったらもう成す術なしじゃん…おしまいじゃん…。 ・直人がいなくなる  そんなやりとりの後に直人がいなくなってしまい、優馬は留守電何度も残したりして憔悴している様子。たまたまテレビで八王子殺人事件の犯人の顔が流れており、なんとなく似ているし特徴的なほくろまで一緒だしもしや…と疑ってしまう優馬。そこに空気読めすぎだろ~…というタイミングで警察から電話が掛かってきて「大西直人さんをご存知ですか?」と尋ねられる。知らない、と答えそのまま電話を切った優馬は、家中の直人のものを片っ端からゴミ箱へ放り込んでいく。最後に彼がよく着ていたカーディガンを手に取り、しばし逡巡するも、結局ゴミ箱へ。私ここの場面がどうしてもピンと来ないんですけれども…なんで知らないって言ったの? 直人の所有物を捨てたの? 殺人犯かもしれないと思ったら怖くなったから? あるいは(結果的に)殺人犯を匿ったことで社会的地位が脅かされることを恐れたから? 千葉編の愛子でも思ったんだけど、どうして信じ切ることができないんだろう。本当に好きなら、信じられるんじゃないの? あるいは殺人犯だとしても一緒にいたいと思うんじゃないの? まあ信じる/疑うこと、信じることの難しさがテーマの映画ではあるんだけどさ…。こんな甘ちゃんの考えしかできないのは私がまだ人生経験の浅い青二才だからなのでしょうか。もっと裏切ったり裏切られたりすればまた考え方が変わってくるのかな。ウーン腑に落としたい。 ・失踪の真相を知る   以前直人を見かけた中目黒のカフェの前を通ると、あの時直人と一緒にいた女性(薫)が店内に座っていた。思わず優馬が声を掛けると、直人の色々なことを教えてくれた。薫と直人は同じ施設で育ったこと。直人は生まれつき心臓に持病があり、手術でどうにかなるものではなく薬でごまかしながら生活していたこと。そのため、思うように仕事に就くことができずにいたこと。…そして、数日前に公園の茂みで倒れている彼が発見されたこと。なっ直人~~~なんでだよ~~~~;;;;;; 自分の死期を悟って姿を消すなんてどこの猫だよ;;;;;;;;; 「直人からよく優馬さんの話は聞いていました」「自分はずっと(同性愛者であることを)隠して生きていくんだって思っていたけど、優馬さんはすごく堂々としていて。優馬さんと一緒にいると、なんだか自分にも自信が湧くんだって、自分まで強くなった気になれるんだーって、直人言ってました」話しながら目を潤ませつつも涙をこらえる薫と、ぐしゃぐしゃの顔でボロボロ泣く優馬が対照的だった…。そして呆然として放心状態で店を出ると、真昼間の往来で慟哭する優馬。だって、母親が亡くなった時も人前で涙を流すまいとしていた優馬がこんな人がたくさんいるところでボロ泣きするんだよ? どれだけ直人が大切だったのかって話だよね…。この直人の事情を明かした後でのあの回想シーンはずるすぎる。もう大号泣だった。ふたりが優馬の家の窓際に腰かけてお酒(缶ではなく瓶なあたりが超優馬。オシャン)を飲んでいる時にふと直人が「前に、一緒に墓に入るかって俺に訊いたろ? …一緒は無理でも……隣でもいいよな」とこぼすんですよ!!?? 泣いてしまうだろ!! 一緒は無理だって分かってるあたり、口に出しちゃうあたり切なすぎる…同じ墓に入りたいって言ってもいいんだよ言うだけタダなんだから…。真面目に捉えて真面目に返すあたり、直人の融通の効かなさというか誠実さが垣間見えた。私は映画が終わって即「墓 他人」でググりました笑 墓埋法的には特に規制はなくて、墓の永代使用権者が認めれば誰を埋蔵してもよいらしい。けれど、一般的な傾向としては永代使用権者の家族しかひとつの墓に入らない模様です。また、法的にはオールオッケーだけど墓地の管理規制によっては永代使用権者の親族に限られてしまうそう。不可能ではないけどちょっとめんどくさいし怪訝な顔はされるよ、って感じかしら。あと全然関係ないけどここの高畑充希の髪型かわいかったので研究して真似したい。 ・その他萌えポイントとか感じたことの殴り書き  全体的に直人が寂しそうでいい。表情が乏しいんだけど、優馬といるときはちょっと柔らかい表情に見える(都合のいい解釈…)。不器用なところがひたすらに愛しい。8~9分袖のカーディガン最高。手首を見せてくれてありがとう。常に彩度の低い色の服を着ているのもいい。直人メチャ儚げな雰囲気出ててすごい、綾野剛こんな人だと思っていなかった。前髪切った直人をちゃんと見たかった。髪を切っているシーンの背中が最高…タンクトップ…肩が出ているよ…。全体的に抱きしめたくなる背中。  優馬、なんとなく刹那主義的というか今が楽しけりゃオッケーみたいな人だと勝手に思っているので、そんな彼が直人という大切にしたい存在、そばにいたい存在に出会えたことに感謝…。でも彼はこの先の人生でずっと直人のことを引きずっていくのだろうか。信じて疑ってこうなったんだから最初から信じなきゃいいじゃん、もう誰も信じんわ、みたいになったらしんどいな…おいしけど…。今までみたいに遊ぶけど絶対誰とも仲良くなりすぎないように予防線張ってる的な(今までは来るもの拒まず去る者追わずだったし、今回の直人みたいに面白そう、自分の興味にピンと来たと思ったら距離を詰めに行っていた)。そんなある日どことなく直人に似た雰囲気の男性に出会い…みたいな話で一本書けちゃうよねきっと…。  二人が雨の日にベッドにふたりして座っているシーン好き。幸せになれなそうな雰囲気出てる(?) 怒りロスなのでこの画像拾ってきてスマホのロック画面にした。  もし二周目見たら絶対最初からボロ泣きしてしまうだろ…だってセリフの一つひとつが全部伏線なんだもの…。 原作履修者と非履修者で彼らの性格などの捉え方が微妙に異なるっぽいので、早く原作履修したい。図書館で予約しよう。  妻夫木くんと綾野剛が役作りのために同棲していたこととかその間のエピソードとかツイッターで見かけては悶絶している。エッすごすぎ…ごちそうさまです…はなまるぴっぴ…。「用意スタート」の前にチューしたりするの…。(おそらくカマかけるシーンを撮影した日に)仕事帰りにふたりで飲みに行って帰路に着いていると、綾野剛が「コンビニ寄って帰るけど何かいる?」「俺はいいや」「そっか、じゃあ行ってくるね」と言ったきりもう戻ってこなかったとか最of the高すぎませんか…「あのシーン撮影日にいなくなろうと前から決めていた」とか「きれいなベッドを見て、あんなに悲しいと思ったのは初めてだったなあ」とか模範解答すぎるよ…。  顔の緩みを抑えるため萌えシーンで頬の内側噛んでいたらいつのまにか切れてた。 ・全体を通してのまとめ  東京編の覚え書きまとめていたら自分が何の映画を観に行ったのかよく分からなくなってきた…悲愛ものの良質なBL映画でも観に行ったのだろうか…。でも「怒り」は本当に衝撃的な作品で、悲しくて、とか悔しくて、とか萌えすぎて���とかではなく、心臓を掴まれてワシワシ感情を揺さぶられる反動で始終涙目の142分間でした。出演陣全員演技がものすごく良い…。上映後しばらく立てなかった。でも東京編がなかったら本当に最後まで見られなかったかもしれない。東北地方の秋口の結構寒い日のプール授業(千葉沖縄)でプールから上がった時の足裏で感じるプールサイドのコンクリートの温かさ(東京)…そしてそこへ容赦なく吹き付ける風(千葉沖縄)…みたいな。自分では結構上手いたとえができたと思ったのに読み返したら全然意味が分からないですね。  LGBTとか貧困とか沖縄問題とかの問題をゴチャゴチャさせずに厭味ったらしくなくコンパクトにぎゅぎゅっとまとめてあるの、すごくないですか。しかも三つの編み方というか絡ませ方がすごく自然で���しい構成だった。  千葉編、宮崎あおい7キロ太ったとかって聞いたけどどこが…? 真っすぐなまなざしが痛いくらいだったし躁っぽさがよかった。久しぶりに見た松ケンの横顔はサイコーだった。いい鼻…。彼は寡黙な役が似合うなあ。警察に電話した後、田代くんが犯人ではないと判明した時の愛子の演技が圧巻だった。サイレントなのがまたぐっとくる。あと「お父ちゃん」呼びかわいい。「おじさん、愛子は幸せになれないって思ってない? あの子を好きになる男がロクな奴なはずがないって、そう思ってるでしょ」に対してお父ちゃんと一緒にハッとした。ごめん…愛子…。  沖縄編、すずちゃんがあまり好きではないのでどうかな~~~と思っていたけど全然そんなことなかった。彼女はすごい女優だ。沖縄編が見ていて一番しんどい。もうこれからすずちゃん見るたびに泣きそう。母親と同じベッドで眠る泉の幼い寝顔を見て「どうしてこの子があんな目に…」と思わずにはいられなかった。母親も「沖縄に引っ越してこなかったら」と自分を責めるだろうし辰哉くんもまた「映画に誘わなかったら」と自分を責めるんだろうなあ…しんどいなあ…。辰哉くんが抗議運動に参加する父親を見て「あんなので変わるわけないじゃん…何を言っても聞いてもらえないでしょ…」と言っていたのがのちのちブーメラン大打撃すぎてつらい。訴えても聞いてもらえない、恥ずかしい思いをしたくない、つらかったことをつらかったって分かってもらうのってすごく大変なんだよ、わたしそんなに強くないよ…そう言って泣き崩れる泉に対して何もできない辰哉くんに泣けた。ああいう時、どんな風に声を掛けてどんな風に振る舞えばいいのか分からないよ…。訴えても聞いてもらえない、伝わらないっていうのが、東京編の「結局受け取り手の捉え方」にちょっとリンクするのかなあ。「まあ三人とも犯人じゃないってオチだと思っているけどこの中だったら確実に森山未來が犯人だろ~笑」と思っていたら本当にそうだったので笑った。笑えない。「ポリス!ポリース!」って叫んだのお前じゃなくて結局見知らぬオヤジだったのかよ。「え、森山未來だったんだ! 声じゃ全然分からなかった~」と思った私の純粋な驚きを返せ。ほか二つは信じる→疑うだったけどここだけ信じる→裏切られるでしたね。辰哉くんの殺害理由も「信じていたから許せなかった」だし。ラストの田中はまじ狂気はらんでた。デストロイヤー田中…。ハサミでほくろ抉ったりだとか「俺さ、こいつはコロッと信じてくれるなって奴、見れば分かるんだよね。なんでそんなに簡単に他人を信じられるのかな、ふっしぎだよね~」とか「頭に血が上らないと冷静になれないんだよね」といきなり壁倒立始めたりだとか。クレイジー。泉が沖縄の美しい海に向かって叫んで(というよりも吠えて)そのままエンドロールに入っていったのが良かった。あの流れであんなに優しいチェロの旋律流れたら泣くだろ…。チェロは弦楽器の中で一番包容力があって感情が音に乗る楽器だと思う。エンドロールの見間違いかもしれないけど演奏しているの2celloの人だった?  怒り、三人のなかに実は犯人いなかったけど疑ってしまうことでもろもろ破綻していって結局心が離れてしまって修復不可能でアーア、という話だと思い込んで観に行ったので、え~~~犯人出るんだ!! まじかよクレイジー!! 嘘やん!!!! という印象。千葉だけ幸せな終わり方をすることによって、余計に東京沖縄のつらさが際立った。これで全部バッドエンドだったらハ~鬱…で終わりだったけれど、千葉によって信じ切れなかったことを乗り越えたパターンが生じてしまうと 他の東京沖縄でバッドエンドを回避する方法はなかったのだろうか…と悶々とやるせなさに苛まれる。疑ってしまった側の視点で進行する物語ですが、信じてもらえなかった側のことも考えながら観ていたらしんどくてしんどくてキャパオーバーになった。あ、まじで今私の胸が張り裂けるかもしれない比喩でなく…とも思った。先輩と観に行ったんですが、きっとひとりで観に行っていたら整理しきれなくて帰り道自転車漕ぎながら「なっ直人~~~~~~~;;;;;;; どうして…なんでだよ直人~~~~~~~~ウオオオオオオオ~~~~;;;;;;;;;」と絶叫アンド号泣してしまっていた。ので、誰かと観に行くのがオススメ。あとしばらく放心状態になってしまうので付き合う前とか付き合いたてのカップルのデートにも激しく推奨しない。それと映画の後に予定が入っているときに行くのもよくなさそうです。この後一緒に行った先輩とそのまま飲みに行ったのですが、普通に酒を飲みかわし楽しく会話できるテンションに戻るまで入店後30分くらいかかった…。  観終わって数日経つにも関わらず未だに引きずっているのですが、ずっと「信じるとは…疑うとは…」ばかり考えております。哲学…。映画は好印象であれ悪印象であれ強ければ強いほど、引きずらせる期間が長ければ長いほど作品の「勝ち」だと思っているので、そういった意味で「怒り」は大大大勝利だと思う。 私の感想は以上です。間違ってる部分があればこっそり教えていただけたら幸いです。あと、「ここの場面、こういうことじゃないの?」みたいなのがございましたらぜひぜひお聞きしたいのでよろしくお願いします。
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gyohkou · 3 years ago
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18/12/2022
ロンドンはずっと氷点下で、髪の毛を結ぶと耳が凍りそう。お昼に温かい液体を摂りたいが選択肢がコーヒーしかない。ご飯も含めて単品で買うと高いので、Sainsbury’s のmeal dealが、メイン+スナック+ドリンクを併せると£3.5なので、ドリンクにホットコーヒーを選んで毎日これ。このシステム太っ腹で、単品でそれぞれ購入したら£7くらいする。値札の隣にmeal dealマークが付いている商品の中からメイン(サンドイッチ、パン、パスタなど。でもパスタは無茶マズイ)、スナック(カットフルーツ、ヨーグルト、ポテチ、チョコバーなど)、ドリンク(COSTA COFFEEのコーヒーマシンがあって、ブラック、ラテ、ホットチョコレートとか作ってもいいし、普通にペットボトルでもいい)を一個ずつ選ぶシステム。最近はBLTサンド、Tony’s Chocoloneryのチョコバー、ホワイトラテの組み合わせにハマっている。ところで日本のコンビニには当たり前にある電子レンジとお湯ポットがこちらにはなく、置いたら店舗売り上げめっちゃ上がると思う。あとお手頃価格のスープ屋、絶対儲かる。オリジン弁当のとん汁みたいな、大きな釜からお玉で掬ってカップに注ぐ��イプのやつ。まじで寒いのに、街を歩けば路上ライブに当たる。極寒の中楽器を演奏するあの人たちの指どうなってんだ。
ケンブリッジ検定が実践的な英語力の底上げに役立ちそうなので資格取得を決めたが、学校から徒歩圏内の丸善的本屋を3軒回っても、どこもわたしが受けたいレベルの公式問題集をピンポイントで置いていない。Foylesに至っては、無い本の為に3度も行くことになった。受けたいレベルの学生向けバージョンを誤って購入し(1)、返品しに行き(2)、学校の担当講師にFoylesには無かったと言ったら、エリザベス女王の20ポンド札プリントティッシュを一枚差し出して「Foylesはロンドンいちの本屋だから置いていないなんてありえない。£20賭けてもいい。もう一回見て来なさい。」というので、しぶしぶまた訪ね、セーラームーンのTシャツを着た店員に在庫確認までしてもらったがやっぱりなかった(3)。この一件で人の言うことより自分の直感信じた方がいいな(人の言うことを信じた方がいい自分の直感があれば信じる)と思い、学校の向かいに占星術関連の店があって、わたしを3度目のFoylesに行かせた担当講師はいつもその店のことを、魔女が変なもの売ってるから絶対行かないように!と繰り返すのだが、今度行く。
フラットメイト3が1週間の帰省から帰って来たので、家が少し窮屈になった。フラットシェア向いてないかもと思ってたけど、この前リビングに4人集まった時家族っぽかった。2年間住み続ける気もする。フラットメイトもそうだけど、ロンドナーに英語が拙くて嫌な顔をされたことが一度もなく、まじで多様性重んじ文化が根付いてんなと感じる。ロンドン暮らしやすくは全くないが、人との距離感は好きだな。早くフラットメイトと仲良くなりて〜。
色んな人がロンドンでの家探しに苦戦した話をたくさん聞く。家探しアプリでメッセージを送っても来ない返信、内見に行ったら別の人と契約しちゃったごめんパターン、ヨーロッパ系のフラットメイトと清潔感が合わずに引っ越した韓国人など。家探しにおいては、おそらくわたしはめっちゃラッキーだったっぽい。立地、家賃、フラットメイトとの折り合いなど、全て許容範囲だ。自分にラッキーが起こっている時ってラッキーを自覚できないよね。デポジット上乗せしてまで家抑えたのは英断だったな。
Tescoのロンググレインライス、3回食べてやっぱりこれマズイ!となった。もう二度と買わないぞ。パスタが夕飯の定番になりつつあり、トマト鯖缶パスタはもう4回作ったかな。イギリスに鯖の水煮缶売ってるか心配してたけど、Mackerel in brineというのが鯖の水煮缶で、日本のツナ缶みたいな状態の鯖が入ってる。Sardine in brineは鰯の水煮缶だけど、魚の形状を保っていて、こっちの方が鯖の水煮缶に近い。どっちで作っても美味しかった。キッチン飲酒しよ〜と思って適当に買った缶のブルームーンが異様に旨くて、異様に旨い。グラスに開けて飲むみくちめまでが最高に旨い。
今週ロンドンは雪降ったんだよね。数日間道が凍ってしまうくらいちゃんと積もった。フランス人のクラスメイトが、W杯でフランスが勝ったら嬉しいけどイェーイ!嬉しい!!!とはならない、と言ってて、雪降った時ってそんな感じだなと思った。嬉しいけど、madにはならない。てかフラットメイト1がフランス人なんだが、家でイギリス-モロッコ戦観てた時、超madだったな、、、。試合観戦のような勝ち負けのつく競技?には昔から興味が薄くて、高校の文化祭とかク��スマッチで自分のクラスの試合が接戦になってるとか、それで勝った負けたとかに対して、あ、勝った?よかったよかった!みたいな感じだったから、熱狂してる人たちを見ると尻込みしちゃうんだよな。
アジア系の生徒とヨーロッパ系の生徒は英語の勉強において間違えるポイントが全く違うのでおもしろい。韓国の英語教育は日本と似ていて、文法や語彙メインらしいから、間違うポイントとか質問するポイントもなんとなく似てて、その覚えづらい文法、ネクステにあったよね〜!みたいな気持ちになる。ヨーロッパ系の英語学習者は、アルファベットの発音と基礎文法でつまづいていることが多い。スペイン語だとeがエーでaがアーだからこんがらがるとか。基礎文法が固まっていないのは何故かわからないが、英語とヨーロッパ系言語はよく似ているから、がっつりテキストで勉強しなくても喋れちゃうみたいなことなのかもしれない。あと、母国語によって指摘される発音に傾向があるのも面白い。スペイン人は“エス”の音(?)が単語の頭に付くこと、イタリア人はhardly everがハードリーへバーになったり、日本人はsea shellのシーシェルのシが同じ音になったりするのを指摘されがち。
クラスメイトが次々に国へ帰ったり学校を卒業していくのが、毎回きちんと寂しい。語学学校は短期で通う生徒が多く、1週間という短さの人もいる。授業で昨日と同じメンバーが揃うことは珍しく、同じ毎日は繰り返されず、違う日が何度もやってくる。いつかもっと英語が上達した時に会えた時の会話のことを思う。
仕事って人生において何なんだろう、わたしは何がしたいんだろうが頭の中を占め続けていて、早く決めてキャリア以外のことで悩みたい。自分が何をしてる時に幸せか、どういう状態であれば納得するのか、探っていく過程でキャリアが形成されるようであってほしい。わたしは前職で作業をしている時に全く幸せを感じなかったから辞めてイギリスに来た。場所を変えても場所が変わるだけで人生のつらさは変わらずここにあるけど、幸せを感じる瞬間が少しでも多くなるようにしたい。やりたいことが見つかる度に報告してくれる友人がおり、その人を見ていると、目標を定めて一旦全力投球を繰り返すことが自分を知ることに繋がるんだなと思う。大事なのは何かをやる覚悟を決めて全力でやってみることで、やってみないことにはそれが好きか、向いているかすらわからない。よく勉強しているんだなと感じるハイレベルなクラスメイトが新しく入って来て、テーマに当てはまる単語の書き出しゲームの最中に別のクラスメイトからちょっかいをかけられて、「あなたがやるべきことはベストを尽くすことだけでしょ、違う?」と言ってて、マジでその通りだよなと思った。
学校がクリスマス休暇に入ったから、今スペインを1人で旅行しているのだけど、1人旅は別に好きじゃないかもしれないな。イギリスにいるし、日本からは行きづらいヨーロッパ旅行たくさんしようと思ってたけど。旅行という単語からは浮ついた気分を連想するけど、実際の旅行の最中って高揚している瞬間よりも気怠い時間の方が長い気がする。ロンドンと同じで建物があって人がいて地下鉄で移動するだけだし...みたいな感じになってしまう。他者がいないと自分の中で言葉が回って淀んじゃうのかな。観光名所に行った方がいい、行かなきゃ、みたいになるのもやだな。別にサグラダファミリア見なくてもいいよね。1人だと全部自分で決めないといけないから、一緒に旅行している人がサグラダファミリア見たいと言うので行くという口実も作れない。都市じゃなくて辺鄙なところへ旅する方が、刺激があって楽しいかもしれないな。やってみないとわからないの例。
バルセロナの海辺に宿をとって、毎朝海を見に行っている。韓国人のクラスメイト達が韓国語の名前は呼びづらいという理由で英語の名前を名乗っていて、わたしも英語名欲しいなとずっと思っている。漢字の意味をとってsunがよかったけど、seaもいいな、なぜなら海が好きだから。でもわたしの名前は呼びやすいから英語名は必要がない。
ライアンエアーが路面状況の悪さから3時間遅れて、日付が変わってから入国した。スタンステッド空港ではスペインの地球の歩き方を読んで暇を潰していた。スペインの入国審査官は優しくて笑顔だったので驚いた。入国審査って睨まれ疑われタイムじゃなかったっけ。スペインはリードの付けられていない犬だらけでちょっと心配になる。ノーリード文化?サウナ付きなのが宿の決め手だったのだが、サウナ室はひとつで(つまり男女共用)、シャワーは性別で分かれていた。壁の説明書きは、服や貴金属は身につけないでください、あなたが必要なのはタオルだけです、と言っててマジで?と思ったが、幸いわたしの他にサウナの利用客はいなかったので事なきを得た(?)。バルセロナは硬水地域で、水を買ってくるのを忘れて部屋の水道水を飲むのを躊躇ったが、UK政府の水道調査結果のHPに、イギリスの水は安全です、心配して水を飲まないことが一番の問題です、とあったのを思い出し、水を飲まないことが一番の問題と思いながら水道水を飲んだ。
ピカソ美術館にあった映像作品で、陶芸室での作業風景を映しているものがあって、背の高い一輪挿しのようなものを何個も作っているのだが、ピカソは形成され終えた一輪挿しを捻じ曲��て鳩のオブジェにしてしまう。それを一緒に作業している陶芸家が怪訝そうに覗き込む。ピカソは幼少期に鳩が身近におり、よく鳩を描いていた為に、鳩の作品はめちゃくちゃ多いらしく、後に平和の象徴にもなっている。奔放さのようなものが感じられて愉快だった。
美術館へ行くのは楽しい。美術館へ行く体験を通して起こる自己分析や、しゃんとする感覚が好きだ。
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noemetnolife · 3 years ago
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 オケコンのネタバレは明日(というか今日)の夜までお預け、とのことです。こんなブログ誰も見てないのでネタバレ書いたところで何ともなさそうですけど、一応ルールは守りたいので詳しい感想はまた後日。  とりあえず、とおーーーーい席ではありましたが(本当にS席???)、生よしPと祖堅さんを見ました。こういう言い方はご本人には喜ばれないでしょうが、めっちゃかわいかった・・・たぶん束売りのアイドルより1億倍かわいいです。あ、束売りのアイドルは実物見たことありません、すみません。このお二人より確実にかわいくて私が実物を見たことがあるアイドルといえばPerfumeのお三方です。PerfumeはガチでCGなのかと錯覚するくらいガチでCGでしたが、よしPと祖堅さんはそのPerfumeに次ぐかわいさでした。祖堅さんは大病を克服された後ですけど、すごくお元気そうで何よりでした。よしPのMCは所々噛んだり、棒読みだったりでかわいかったですね。いつもPLLなんかでは滑らかにしゃべっているイメージしかありませんでしたが、よしPでも緊張することあるんだなと思ったらなおいっそうかわいいと思ってしまいました。できたら石川さんにも登壇してほしかったなぁ。はい、なんかもう色々すみません・・・。  ジェイソンさんとアマンダさんの生歌もすげかったですよ。アマンダさんは正に喉からCD音源という感じでしたが、ジェイソンさんの加工されていない生声はとってもジェントルでした。あとジェイソンさんは楽譜?歌詞?確認しながら丁寧に歌ってる感じが、あのビジュアルとギャップがあってこれまたかわいかったですね。オジサンなら誰でもかわいいのかよっていうのは無しで。アマンダさんはとっても上品且つチャーミングなお方で祖堅さんがナンパしたくなる気持ちもよくわかりました(違)。ただお衣装がせくすぃーすぎて、男性陣は目のやり場に困ったんじゃないだろうか、と思うと若干お気の毒でした(苦笑)。  それから指揮者の栗田さん。きれ~な白髪のおじ様ですが、ぴょんぴょん飛び跳ねながら全身で指揮していらして、すげーかわいかったです。オジサンなら誰でもかわいい()というのは無しですよ。飛び跳ねるからドンドン音するし(笑)いいのかそれwって感じでしたが楽しそうで良かったですよ。途中からファンタジアのミッキーみたいに見えてきました(笑)祖堅さんの賑やかしを嬉々として手伝う様子とかもかわいかったです。  開幕からラストまでずーーっと号泣・・・していた人が周りにチラホラいましたが、実は私は、若干ウルっとはきましたけど、号泣まではしませんでした。なんか自分でも意外。ぜったい開幕からやられるだろうと思い、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっても耐えられる厚手のマスクをして、タオルは常に手に握りしめていましたが、タオルの出番はありませんでした。多分、ストーリーに思いを馳せるとかこれまでの歩みに思いを馳せる、というより、音を真剣に聞いてしまったからなんでしょうね(最初2曲くらいまでは、音の反響?みたいのが気になってしょうがなかった。気のせい?)。演奏中は大きなモニターにゲーム内のムービーも流れていましたが、これ編集したの祖堅さんじゃないだろ、とか思いながら見てました。ムービーの切れ目と音楽の切れ目が合ってないのが気になったし、同じムービー使いまわししすぎなのもちょっと気になったので。だからムービーよりは演奏している人に注目していたのも、号泣にならなかった原因なのかもしれません。とはいえムービーにエメが写るたび、うっ・・・となりましたよね。エメに会いたいよ。ほんと憎たらしい。ううん大好き。ムカツク。クッソ愛してる(涙)  あと、エルピスの花。Twitterを見ると「持っていけ」という声が大きいように思えますし実際それが正しいんでしょうが、私は会場で他の人が持っている実物を見て、自分は買わなくて良かった、と思ってしまいました。プラスチック?塩ビ?で4000円 ・・・私には出せないな、ゴメンナサイ。持ち運びもたいへんだし、私の部屋に飾っても映えないし、あとは埃を被って色褪せていくだけだし(そもそもエルピスの花自体に対する思いがフクザツなのはこれまで書いてきた通り)。もちろん一瞬の一体感のためにお金を出すという価値観は否定しませんし(私だってFF全然関係ない某大好きなアーさんのライブグッズだったら後から使えないなんて考えず買っちゃいますし)、そういう方々のおかげでいいものを見せていただいたのは事実なのでありがたいと思います。でも私だったら、使い捨てで4~500円なら買ったし、逆に、クリスタルガラス製でエメ&局長のフィギュア付きだったら10万でも買ったかもしれません。 色々な事情があってあの材質・クォリティで4000円になったんだ��は思いますけど、自分のニーズには合わなかったということだし、持っていけーという同調圧力はちょっとイヤかなと思ってしまいました。  最後に本日の隣近所。スマホ電源切ったら死んじゃうマンはさすがにいませんでしたが、おしゃべり多いなーとは思いましたね。オーケストラでもそうでなくても、ライブ中に友達とおしゃべりは厳禁じゃないの?まあそのへんゆるいアーさんもいるのかもしれませんが・・・あと居眠りしてる人もいました。まあオーケストラ興味ないと眠くなるよね。私もクラシックコンサートに行った時に寝たことあります、曲名もほぼ知らなくていい子守歌になっちゃったからね・・・だから居眠りしちゃう人の気持ちはわかる。でも居眠り、おしゃべり、居眠り、おしゃべりおしゃべりおしゃべり、居眠り、だと、アンタ何しに来たん??ってなるよね・・・。  実は明日も行きます。まさかの2連戦。席は今日よりさらに遠くなりますけど(笑)明日はどっぷりストーリーに浸かって、自分の涙の海で溺れてきたいと思います。それと、明日は隣近所に恵まれますように。おねがい、エメトセルク!!
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pixiewired · 3 years ago
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ジョー マローン ロンドンのイングリッシュ ぺアー & フリージアのコロンは、香りを発見する旅のすばらしい出発点となるでしょう。フルーツやフローラルの香りは「甘すぎる」に違いないと決めつけている方も、この香りをきっかけに考えを改めてみてはいかがでしょうか。すっきりとしたエレガントな香りで、トップノートの洋ナシとメロンをフリージアやローズ、ルバーブの爽やかでドライな香りで落ち着かせ、特徴のあるシャープな印象を与えています。フレグランスに絶妙に配合されたネロリやベルガモットの香りがイタリアのビーチにいるような気分にさせてくれるように、このイングリッシュ ぺアー & フリージアの香りを嗅ぐと一瞬で英国の果樹園に連れて行かれそうになります。午後の日差しを浴びながらピクニックの敷物の上に寝ころび、軽やかなそよ風に揺れる木々を眺めている、そんな気分が味わえる香りです。また、明るく気分が高揚するこの香りは、毎朝、大都会へと向かう通勤・通学を前向きに乗り切るためにも欠かせません。
これこそが、フローラルやフルーツの香りが持つ力です。身にまとうだけでポジティブな気分になり、いいことがありそうだという期待感を醸成してくれます。また、毎日身につける香りにフローラルを全面的に取り入れるのはまだ早いと感じたとしても、イングリッシュ ペアー & フリージアのボディ & ハンド ウォッシュを朝一番に使ったり、仕事で疲れて帰宅した後、この香りのキャンドルに火を灯したりすれば、心地よい気分になれるはずです。本来、香りの楽しみ方とはこうあるべきなのです。男性はこうあるべきだとか、こういう香りをまとうべきだとかは一切忘れて、予想外のもの、つまりフローラル系のフレグランスを試してみましょう。その時、最高の自分に出会えるかもしれませんよ。
https://www.jomalone.jp/our-stories/florals-for-men
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groyanderson · 4 years ago
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ひとみに映る影シーズン2 第六話「どこまでも白い海で」
☆プロトタイプ版☆ こちらは無料公開のプロトタイプ版となります。 最低限の確認作業しかしていないため、 誤字脱字誤植誤用等々あしからずご了承下さい。 尚、正式書籍版はシーズン2終了時にリリース予定です。
(シーズン2あらすじ) 私はファッションモデルの紅一美。 旅番組ロケで訪れた島は怪物だらけ!? 霊能者達の除霊コンペとバッティングしちゃった�� 実は私も霊感あるけど、知られたくないなあ…… なんて言っている場合じゃない。 諸悪の根源は恩師の仇、金剛有明団だったんだ! 憤怒の化身ワヤン不動が、今度はリゾートで炸裂する!!
pixiv版 (※内容は一緒です。) ☆キャラソン企画第六弾 金城玲蘭「ニライカナイ」はこちら!☆
དང་པོ་
 アブが、飛んでいる。天井のペンダントライトに誘われたアブが、蛍光灯を囲う四角い木枠に囚われ足掻くように飛んでいる。一度電気を消してあげれば、外光に気がついて窓へ逃げていくだろう。そう思ったのに、動こうとすると手足が上がらない。なら蛍光灯を影で覆えば、と思うと、念力も込もらない。 「一美ちゃん」  呼ばれた方向を見ると、私の手を握って座っている佳奈さん。私はホテルの宴会場まで運ばれて、布団で眠っていたようだ。 「起きた?」  障子を隔てた男性側から万狸ちゃんの声。 「うん、起きたよ」 「佳奈ちゃん、一美ちゃん、ごめん。パパがまだ目を覚まさなくて……また後でね」 「うん」  佳奈さんは万狸ちゃんとしっかり会話出来ている。愛輪珠に霊感を植え付けられたためだ。 「……タナカDはまだ帰って来ないから、私が一美ちゃんのご両親に電話した。私達が千里が島に連れてきたせいでこんな事になったのに、全然怒られなかった。それどころか、『いつか娘が戦わなければいけない時が来るのは覚悟していた。それより貴女やカメラマンさんは無事なのか』だって……」  ああ。その冷静な受け答えは、きっとお母さんだ。お父さんやお爺ちゃんお婆ちゃんだったらきっと、『今すぐ千里が島に行って俺が敵を返り討ちにしてやる』とかなんとか言うに決まってるもん。 「お母さんから全部聞いたよ。一美ちゃんは赤ちゃんの時、金剛有明団っていう悪霊の集団に呪いをかけられた。呪われた子は死んじゃうか、乗り越えられれば強い霊能者に成長する。でも生き残っても、いつか死んだら金剛にさらわれて、結局悪い奴に霊力を利用されちゃう」  佳奈さんは正座していた足を崩した。 「だけど一美ち��んに呪いをかけた奴の仲間に、金剛が悪い集団だって知らなくて騙されてたお坊さんがいた。その人は一美ちゃんの呪いを解くために、身代わりになって自殺した。その後も仏様になって、一美ちゃんや金城さんに修行をつけてあげた」  和尚様……。 「一美ちゃんはそうして特訓した力で、今まで金剛や悪霊と戦い続けてた。私達と普通にロケしてた時も、この千里が島でもずっと。霊感がない私やタナカDには何も言わないで……たった一人で……」  佳奈さんは私から手を離し、膝の上でぎゅっと握った。 「ねえ。そんなに私達って信用できない? そりゃさ。私達は所詮、友達じゃないただの同僚かもしれないよ。けど、それでも仲間じゃん。幽霊見えないし、いっぱい迷惑かけてたのかもしれないけど」  ……そんな風に思った事はない、と答えたいのに、体が動かなくて声も出せない。 「いいよ。それは本当の事だし。てかだぶか、迷惑しかかけてこなかったよね。いつもドッキリで騙して、企画も行先も告げずに連れ回して」  そこは否定しません。 「だって、また一美ちゃんと旅に出たいんだもん。行った事のない場所に三人で殴り込んで、無茶して、笑い合って、喧嘩して、それでも懲りずにまた旅に出るの。もう何度も勝手に電源が落ちるボロボロのワイヤレス付けて、そのへんの電器屋さんで買えそうなカメラ回してね。そうやって互いが互いにいっぱい迷惑かけながら、旅をしたいんだよ」  …… 「なのに……どうして一人で抱えこむの? 一美ちゃんだって私達に迷惑かければいいじゃん! そうすれば面白半分でこんな所には来なかったし、誰も傷つかずに済んだのに!」 「っ……」  どの口が言うんですか。私が危ないって言ったって、あなた達だぶか面白半分で首を突っ込もうとする癖に。 「私達だって本当にヤバい事とネタの分別ぐらいつくもん! それとも何? 『カラキシ』なんて足手まといでしかないからってワケ!?」 「っ……うっ……」  そんな事思ってないってば!! ああ、反論したいのに口が動かない! 「それともいざという時は一人でどうにかできると思ってたワケ? それで結局あの変態煙野郎に惨敗して、そんなボロボロになったんだ。この……ダメ人間!」 「くっ……ぅぅうううう……」  うるさい、うるさい! ダメ人間はどっちだ! 逃げろって言ったのにどうして戻ってきたんだ! そのせいで佳奈さんが……それに…… 「何その目!? 仲間が悪霊と取り残されてて、そこがもう遠目でわかるぐらいドッカンドッカンしてたら心配して当然でしょ!? あーそうですよ。私があの時余計な事しなければ、ラスタな狸さんが殺されて狸おじさんが危篤になる事もなかったよ! 何もかも私のせいですよーっ!!」 「ううう、あああああ! わああぁぁ!」  だからそんな事思ってないってば!! ていうか、中途半端に私の気持ち読み取らないでよ! 私の苦労なんて何も知らなかったクセに!! 「そーだよ! 私何もわかってなかったもん! 一美ちゃんがひた隠しにするから当たり前でしょぉ!?」 「うわあああぁぁぁ!! うっぢゃぁしいいいぃぃ、ごの極悪ロリーダァァァ!!」 「なん……なんだどおぉ、グスッ……この小心者のっ……ダメ人間!」 「ダメ人間!」 「ダメ人間!!」 「「ダメ人間ーーーっ!!!」」  いつの間にか手足も口も動くようになっていた。私と佳奈さんは互いの胸ぐらを掴み合い、今まで番組でもした事がない程本気で罵り合う。佳奈さんは涙で曇った伊達眼鏡を投げ捨て、私の腰を持ち上げて無理やり立たせた。 「わああぁぁーーっ!」  一旦一歩引き、寄り切りを仕掛けてくる。甘いわ! 懐に入ってきた佳奈さんの右肩を引き体勢を浮かせ、 「やああぁぁぁーーっ!!」 思いっきり仏壇返し! しかし宙を回転して倒れた佳奈さんは小柄な体型を活かし即時復帰、助走をつけて私の頬骨にドロップキックを叩きこんだ!! 「ぎゃふッ……あヤバいボキっていった! いっだあぁぁ!!」 「やば、ゴメン! 大丈夫?」 「だ……だいじょばないです……」  と弱った振りをしつつ天井で飛んでいるアブを捕獲! 「んにゃろぉアブ食らえアブ!」 「ぎゃああああぁぁ!!!」 <あんた達、何やってんの?> 「「あ」」  突然のテレパシー。我に返った私達が出入口を見ると、口に血まみれのタオルを当てて全身傷だらけの玲蘭ちゃんが立っていた。
གཉིས་པ་
 アブを外に逃がしてやり、私は玲蘭ちゃんを手当てした。無惨にも前歯がほぼ全部抜け落ちてしまっている。でも診療所は怪我人多数で混雑率二〇〇%越えだという。佳奈さんに色んな応急手当についてネットで調べてもらい、初心者ながらにできる処置は全て行った。 「その傷、やっぱり散減と戦ったの?」 <うん。口欠湿地で。本当に口が欠けるとかウケる> 「いや洒落になんないでしょ」 <てか私そもそも武闘派じゃないのに、あんなデカブツ相手だなんて聞いてないし> 「大体何メートル級だった?」 <五メートル弱? 足は八本あった>  なるほど。なら牛久大師と同じ、大散減の足から顕現したものだろう。つまり地中に潜む大散減は、残りあと六本足。 <てか一美、志多田さんいるのに普通に返事してていいの?> 「あ……私、もうソレ聞こえてます」 <は?>  私もこちらに何があったかを説明する。牛久大師が大散減に取り込まれた。後女津親子がそれを倒すと、御戌神が現れた。私は御戌神が本当は戦いたくない事に気付き、キョンジャクで気を正した。けど次の瞬間金剛愛輪珠如来が現れて、御戌神と私をケチョンケチョンに叩き潰した。奴は私を助けに来た佳奈さんにも呪いをかけようとして、それを防いだ斉二さんがやられた。以降斉一さんは目を覚まさず、タナカDと青木さんもまだ戻ってきていないみたいだ、と。そこまで説明すると、玲蘭ちゃんは頭を抱えて深々とため息をついた。 <最ッ悪……金剛マターとか、マジ聞いてないんだけど……。てか、一美もたいがい化け物だよね。金剛の如来級悪霊と戦って生きて帰れるとか> 「本当、なんで助かったんだろ……。あの時は全身砕かれて内臓ぜんぶ引きずり出されたはずなんだけど」 <ワヤン化してたからでしょ> 「あーそっか……」  砕けたのは影の体だけだったようだ。 「けど和尚様から貰ったプルパを愛輪珠に取られちゃって、今じゃ私何にもできない。だってあいつが、和尚様の事……実は邪尊教の信者だとか言い出すから……」 <は!? 観音和尚が!? いや、そんなのただの侮辱に決まってるし……> 「…………」 <……なに、一美? まさか心当たりあるの!?> 「あの」  佳奈さんが挙手する。 「あの。何なんですか? そのジャソン教とかいうのって」 <ああ、チベットのカルト宗教です。悪魔崇拝の仏教版と言いましょうか> 「じゃあ、河童の家みたいな物?」  とんでもない。 「テロリストですよ。ドマル・イダムという邪尊の力を操ってチベットを支配していた、最悪の独裁宗派です」 「そ、そうなの!?」  ドマル・イダム。その昔、とある心優しい僧侶が瀕死の悪魔を助け、その情け深さに心打たれた悪魔から不滅の心臓を授かった。そうして彼は衆生の苦しみを安らぎに変える抜苦与楽(ばっくよらく)の仏、『ドマル・イダム(紅の守護尊)』となった。しかしドマルは強欲な霊能者や権力者達に囚われて、巨岩に磔にされてしまう。ドマルには権力者に虐げられた貧民の苦しみや怒りを日夜強制的に注ぎ込まれ、やがてチベットはごく少数の貴族と無抵抗で穏やかな奴隷の極端な格差社会になってしまった。 「この事態を重く見た当時のダライ・ラマはドマル信仰を固く禁じて、邪尊教と呼ぶようにしたんです」 「う、うわぁ……悪代官だしなんか罰当たりだし、邪尊教まじで最悪じゃん……」 <罰当たり、そうですね。チベットでは邪尊教を戒めるために、ドマルの仏画が痛々しい姿で描かれてます。まるで心臓と神経線維だけ燃えずに残ったような赤黒い体、絶望的な目つき、何百年も磔にされているせいで常人の倍近く伸びた長い両腕……みたいな> 「やだやだやだ、そんな可哀想な仏画とか怖くて絶対見れない!」  そう、普通の人はこういう反応だ。だからチベット出身の仏教徒にむやみに邪尊教徒だと言いがかりをつけるのは、最大の侮辱なんだ。だけど、和尚様は……いや、それ以上考えたくない。幼い頃、和尚様と修行した一年間。大人になって再会できた時のこと。そして、彼に授かった力……幸せだったはずの記憶を思い起こす度に、色んな伏線が頭を過ぎってしまう。 <……でも、一美さぁ>  玲蘭ちゃんは口に当てていた氷を下ろし、私を真正面から見据えた。 <和尚にどんな秘密があったのか知らないけど、落ちこむのは後にしてくれる? このまま大散減が完全復活したら、明日の便に乗る前に全員死ぬの。今まともな戦力になるの、五寸釘愚連隊とあんたしかいないんだけど> 「私……無理だよ。プルパを奪われて、影も動かせなくなって」 <それなら新しい武器と法力を探しに行くよ> 「!」 <志多田さんも、来て> 「え? ……ふええぇっ!?」  玲蘭ちゃんは首にかけていた長い数珠を静かに持ち上げる。するとどこからか潮騒に似た音が聞こえ、私達の視界が次第に白く薄れていく。これは、まさか……!
གསུམ་པ་
 気がつくと私達は、白一色の世界にいた。足元にはお風呂のように温かい乳白色の海が無限に広がり、空はどこまでも冷たげな霧で覆われている。その境界線は曖昧だ。大気に磯臭はなく、微かに酒粕や米ぬかのような香りがする。 「綺麗……」  佳奈さんが呆然と呟いた。なんとなく、この白い世界に私は来たことがある気がする。確か初めてワヤン不動に変身した直後だったような。すると霧の向こうから、白装束に身を包む天女が現れた。いや、あれは…… 「めんそーれ、ニライカナイへ」 「玲蘭ちゃん!?」「金城さん!?」  初めてちゃんと見たその天女の姿は、半人半魚に変身した玲蘭ちゃん。肌は黄色とパールホワイトのツートーンで、本来耳があった辺りにガラスのように透き通ったヒレが生えている。元々茶髪ボブだった頭も金髪……というより寧ろ、琉球紅型を彷彿とさせる鮮やかな黄色になっていた。燕尾のマーメイドドレス型白装束も裏地は黄色。首から下げたホタル玉の数珠と、裾に近づくにつれてグラデーションしている紅型模様が美しく映える。 「ニライカナイ、母なる乳海。全ての縁と繋がり『必要な物』だけを抜粋して見る事ができる仮想空間。で、この姿は、いわゆる神人(かみんちゅ)ってやつ。わかった?」 「さっぱりわかりません!」  私も佳奈さんに同じく。 「よーするにここは全ての魂と繋がる母乳の海で、どんな相手にもアクセスできるんです。私が何か招き入れないと、ひたすら真っ白なだけだけど」  母乳の海。これこそまさに、金剛が欲しがってやまない『縁の母乳』だ。足元に広がる海水は、散減が吐く穢れた物とはまるで違い、暖かくて淀みない。 「今からこの海で、『マブイグミ』って儀式をする。一美の前世を呼んでパワーを分けて貰うってわけ。でもまず、折角だし……志多田さんもやってみますか?」 「え、私の前世も探してくれるんですか!? えーどうしよ、緊張するー!」 「アー……多分、思ってる感じと違いますよ」  玲蘭ちゃんは尾ビレで海水を打ち上げ、飛沫から瞬く間にススキの葉を錬成した。そして佳奈さんの背中をその葉でペンペンと叩きながら、 「まぶやー、まぶやー、うーてぃくよー」  とユルい調子で呪文を唱えた。すると佳奈さんから幾つもの物体がシュッと飛び出す。それらは人や動物、虫、お守りに家具など様々で、佳奈さんと半透明の線で繋がったまま宙に浮いている。 「なにこれ! もしかして、これって全部私の前世!? ええっ私って昔は桐箪笥だったのぉ!?」 「正確には箪笥に付着していた魂の欠片、いわゆる付喪神です。人間は物心つくまでに周囲の霊的物質を吸収して、七歳ぐらいで魂が完成すると言われています。私が呼び戻したのは、あなたを構成する物質の記憶。強い記憶ほど鮮明に復元できているのがわかりますか?」  そう言われてみると、幾つかの前世は形が朽ちかけている。人間の霊は割と形がはっきりしているけど、箪笥や虫などは朽ちた物が多い。 「たしかに……このおじさん、実家のお仏壇部屋にある写真で見たことあるかも。写真ではもっとおじいさんだったけど」 「亡くなった方が必ずしも亡くなったご年齢で現れるとは限らないんですよ」  私が補足した。そう、有名なスターとか軍人さんとかは、自分にとって全盛期の姿で現れがちなんだ。佳奈さんが言うおじさんも軍服を着ているから、戦時中の御姿なんだろう。  すると玲蘭ちゃんは手ビレ振り、佳奈さんの前世達を等間隔に整列させた。 「志多田さん。この中で一番、あなたにとって『しっくりくる』者を選んで下さい。その者が一つだけ、あなたに力を授けてくれます」 「しっくりくるもの?」  佳奈さんは海中でザブザブと足を引きずり、きちんと並んだ前世達を一つずつ見回っていく。 「うーん……。やっぱり、見たことある人はこのおじさんだけかな。家に写真があったなら、私と血が繋がったご先祖様だと思う���……あれ?」  ふと佳奈さんが立ち止まる。そこにあったのは、殆ど朽ちかけた日本人形。 「この子……!」  どうやら、佳奈さんは『しっくりくる前世』を見つけたようだ。 「私覚えてる。この子は昔、おじいちゃん家の反物屋にいたお人形さんなの。けど隣の中華食堂が火事になった時、うちも半焼しちゃって、多分だからこんなにボロボロなんだと思う」  佳奈さんは屈んで日本人形を手に取る。そして今にも壊れそうなそれに、火傷で火照った肌を癒すように優しく海水をかけた。 「まだ幼稚園ぐらいの時だからうろ覚えだけど。家族で京都のおじいちゃん家に遊びに行ったら、お店にこの子が着てる着物と同じ生地が売ってて。それでおそろいのドレスを作ってほしいっておじいちゃんにお願いしたんだ。それで東京帰った直後だよね、火事。誰も死ななかったけど約束の生地は燃えちゃって、お人形さんが私達を守ってくれたんだろうって話になったんだよ」  佳奈さんが水をかける度に、他の魂達は満足そうな様子で佳奈さんと人形に集約していく。すると玲蘭ちゃんはまた手ビレを振る。二人を淡い光が包みこみ……次の瞬間、人形は紺色の京友禅に身を包む麗しい等身大舞妓に変身した! 「あなたは……!?」 「あら、思い出してくれはったんやないの? お久しぶりどすえ、佳奈ちゃん」  それは見事な『タルパ』だった。魂の素となるエクトプラズム粒子を集め、人工的に作られた霊魂だ。そういえば玲蘭ちゃんが和尚様から習っていたのはこのタルパを作る術だった。なるほど、こういう風に使うために修行していたんだね。  佳奈さんは顕現したての舞妓さんに問う。 「あ、あのね! 外でザトウムシの化け物が暴れてるの! できれば私もみんなと一緒に戦いたいんだけど、あなたの力を貸してくれないかな?」  ところが舞妓さんは困ったような顔で口元を隠した。 「あらあら、随分無茶を言いはりますなぁ。うちはただの人形やさかい、他の方法を考えはった方がええんと違います?」 「そっかぁ……。うーん、どうしよう」 「佳奈さん、だぶか霊能力とは別の事を聞いてみればいいんじゃないですか? せっかく再会できたんだから勿体ないですよ」 「そう? じゃあー……」  佳奈さんはわざとらしいポーズでしばらく考える。そして何かを閃くと、わざとらしく手のひらに拳をポンと乗せた。 「ねえ。童貞を殺す服を着た女を殺す服って、結局どんな服だと思う? 人生最大の謎なんだけど!」 「はいぃ???」  舞妓さんがわかっていないだろうからと、玲蘭ちゃんがタルパで『童貞を殺す服』を顕現してみせた。 「所謂、こーいうのです。女に耐性のない男はこれが好きらしいですよ」  玲蘭ちゃんが再現した童貞を殺す服は完璧だ。フリル付きの長袖ブラウスにリボンタイ、コルセット付きジャンパースカート、ニーハイソックス、童話の『赤い靴』みたいなラウンドトゥパンプス。一見露出が少なく清楚なようで、着ると実は物凄く体型が強調される。まんま佳奈さんの歌詞通りのコーデだ。 「って、だからってどうして私に着せるの!」 「ふっ、ウケる」  キツキツのコルセットに締め付けられた私を、舞妓さんが物珍しそうにシゲシゲと眺める。なんだか気恥ずかしくなってきた。舞妓さんはヒラヒラしたブラウスの襟を持ち上げて苦笑する。 「まあまあ……外国のお人形さんみたいやね。それにしても今時の初心な殿方は、機械で織った今時の生地がお好きなんやなあ。うちみたいな反物屋育ちの古い人形には、こんなはいからなお洋服着こなせんどす」  おお。これこそ噂の京都式皮肉、京ことば! 要するに生地がペラッペラで安っぽいと言っているようだ。 「でも佳奈ちゃんは、『おたさーの姫』はん程度にならもう勝っとるんやないの?」 「え?」  舞妓さんは摘んでいたブラウスを離す。すると彼女が触れていた部分の生地感が、心なしかぱりっとした気がする。 「ぶっちゃけた話ね。どんなに可愛らしい服でも、着る人に品がなければ『こすぷれ』と変わらへん。その点、佳奈ちゃんは立派な『あいどる』やないの。お歌も踊りもぎょうさん練習しはったんやろ? 昔はよちよち歩きやったけど、歩き方や立ち方がえろう綺麗になってはるさかい」  話しながらも舞妓さんは、童貞を殺す服を摘んだり撫でたりしている。その度に童貞を殺す服は少しずつ上等になっていく。形や色は変わらなくても、シワが消え縫製が丁寧になり、まるでオーダーメイドのように着心地が良くなった。そうか、生地だ。生地の素材が格段にグレードアップしているんだ! 「うちらは物の怪には勝てへんかもしれんけど、童貞を殺す服を着た女に負けるほど弱い女やありまへん。反物屋の娘の誇りを忘れたらあかんよ、佳奈ちゃん」  舞妓さんは童貞を殺す服タルパを私から剥がすと、佳奈さんに当てがった。すると佳奈さんが今着ているサマーワンピースは輝きながら消滅。代わりにアイドルステージ上で彼女のトレードマークである、紺色のメイド服姿へと変身した。けどただの衣装じゃない、その生地は仙姿玉質な京友禅だ! 「いつものメイド服が……あ、これってもしかして、おそろいのドレス!?」  舞妓さんはにっこりと微笑み、輝くオーラになって佳奈さんと一体化する。京友禅メイド服とオーラを纏った佳奈さんは、見違えるほど上品な風格を帯びた。童貞やオタサーの姫どころか、全老若男女に好感を持たれる国宝級生人形(スーパーアイドル)の誕生だ!
བཞི་པ་
「まぶやー、まぶやー、ゆくみそーれー」  またしても玲蘭ちゃんがゆるい呪文を唱えると、佳奈さんの周囲に残っていた僅かな前世残滓も全て佳奈さんに吸収された。これでマブイグミは終了だ。 「金城さんごめんなさい。やっぱり私、バトルには参加できなさそうです……」 「お気になさらないで下さい。その霊的衣装は強いので、多少の魔物(マジムン)を避けるお守り効果もあります。私達が戦っている間、ある程度護身してて頂けるだけでも十分助かります」 「りょーかいです! じゃあ、次は一美ちゃんの番だね!」  いよいよ、私の前世が明らかになる。家は代々影法師使いの家系だから、力を取り戻してくれる先代がいると信じたい。 「まぶやー、まぶやー、うーてぃくよー」  玲蘭ちゃんが私の背中を叩く。全身の毛穴が水を吹くような感覚の後、さっき見たものと同じ半透明の線が飛び出した。ところが…… 「あれ? 一美ちゃんの前世、それだけ??」  佳奈さんに言われて自分から生えた前世達を見渡す。……確かに、佳奈さんと比べて圧倒的に少ない。それに形も、指先ほど小さなシジミ蝶とか、書道で使ってた筆とか、小物ばっかり。玲蘭ちゃんも首を傾げる。 「有り得ないんだけど。こんな量でまともに生きていけるの、大きくてもフェレットぐらいだよ」 「うぅ……一美ちゃん、可哀想に。心だけじゃなくて魂も小さいんだ……」 「悪かったですね、小心者で」  一番考えられる可能性としては、ワヤン不動に変身するためのプルパを愛輪珠に奪われたからだろう。念力を使う時、魂の殆どが影に集中する影法師の性質が仇となったんだ。それでも今、こうして肉体を維持できているのはどういう事か。 「小さくても強いもの、魔除けとか石とか……も、うーん。ないし……」 「じゃあ、斉一さんのドッペルゲンガーみたいに別の場所にも魂があるってパターンは?」 「そういうタイプなら、一本だけ遠くまで伸びてる線があるからすぐわかる」 「そっか……」  すると、その会話を聞いていた佳奈さんが私の足元の海中を覗きこんだ。 「ねえこれ、下にもう一本生えてない?」 「え?」  まじまじと見ると、確かにうっすらと線が見えなくもない。すると玲蘭ちゃんが尾ビレを振って、私の周囲だけ海水を退けてくれた。 「あ、本当だ!」  それは水が掃け、足元に残った影溜まりの中。まるで風前の灯火のように薄目を開けた『ファティマの目』が、一筋の赤黒い線で私と繋がっている。そうか。行きの飛行機内で万狸ちゃんを遠隔視するのに使ったファティマの目は、本来邪悪な物から身を守る結界術だ。私の魂は無意識に、これで愛輪珠から身を守っていたらしい。 「そこにあったんだ。やっぱり影法師使いだね」  玲蘭ちゃんがファティマの目を屈んで掬い取ろうとする。ところが、それは意志を持っているように影の奥深くに沈んでしまった。 「ガード固っ……一美、これどうにかして取れない?」  参ったな。念力が使えれば影を動かせるんだけど……とりあえず、影法師の真言を唱えてみる。 (ナウマク・サマンダ・バザラダン・カン・オム・チャーヤー・ソワカ)  だめだ、ビクともしない。じゃあ次は、和尚様の観世音菩薩の真言。 (オム・マニ・パドメ・フム)  ……ん? 足の指先が若干ピリッときたような。なら和尚様タイプⅡ、プルパを発動する時にも使う馬頭観音真言ならどうか。 (オム・アムリトドバヴァ・フム・パット!)  ピクッ。 「あ、今ちょっと動いた? おーい、一美ちゃんの前世さーん!」  佳奈さんがちょんちょんと私の影をつつく。他の真言やお経も試してみるべきか? けど総当りしている時間はないし…… —シムジャナンコ、リンポチェ……— 「!」 —和尚様?— —あなたの中で眠る仏様へ、お休みなさい、と申したのです。私は彼の『ムナル』ですから……—  脳裏に突然蘇った、和尚様と幼い私の会話。シムジャナンコ(お休みなさい)……チベット語……? 「タシデレ、リンポチェ」  ヴァンッ! ビンゴだ。薄目だった瞳がギョロリと見開いて肥大化し、私の影から飛び出した! だけどそれは、私が知っているファティマの目とまるで違う。眼球ではなく、まるで視神経のように真っ赤なエネルギーの線維が球体型にドクドクと脈動している。上下左右に睫毛じみた線維が突き出し、瞳孔に当たる部分はダマになった神経線維の塊だ。その眼差しは邪悪な物から身を守るどころか、この世の全てを拒絶しているような絶望感を帯びている。玲蘭ちゃんと佳奈さんも堪らず視線を逸らした。 「ぜ、前世さん、怒ってる?」 「……ウケる」  チベット語に反応した謎のエネルギー眼。それが私の大部分を占める前世なら、間違いなく和尚様にまつわる者だろう。正直、今私は和尚様に対してどういう感情を抱いたらいいのかわからなくなっている。でも、たとえ邪尊教徒であろうとなかろうと、彼が私の恩師である事に変わりはない。 「玲蘭ちゃん、佳奈さん。すいません。五分だけ、ちょっと瞑想させて下さい」  どうやら私にも、自分の『縁』と向き合うべき時が来たようだ。
?????
 ……釈迦如来、文殊菩薩、普賢菩薩……。座して目を閉じ、自分の影が十三仏を象る様を心に思い描く。本来影法師の修行で行う瞑想では、ティンシャやシンギング・ボウルといった密教法具を使う。けど千里が島には持ってきていないし、今の私にそれらを使いこなせる力もない。それでも、私は自らの影に佇むエネルギー眼と接続を試み続ける。繋がれ、動け。私は影。私はお前だ。前世よ、そこにいるのなら応えて下さい。目を覚まして下さい…… 「……ッ……!」  心が観世音菩薩のシルエットを想った瞬間、それは充血するように赤く滲んだ。するうち私の心臓がドクンと弾け、業火で煮えくり返ったような血が全身を巡る。私はその熱量と激痛に思わず座禅を崩してしまうが、次の瞬間には何事もなかったかのように体が楽になった。そしてそっと目を開けてみると、ニライカナイ���ったはずの世界は見覚えのある場所に変わっていた。 「石筵観音寺……!?」  玲蘭ちゃんが代わりに呟く。そう。ここは彼女も昔よく通っていた、私達の和尚様のお寺だ。けどよく見ると、記憶と色々違う箇所がある。 「玲蘭ちゃん、このお御堂、こんなに広かったっけ……?」 「そんなわけない。だってあの観音寺って、和尚が廃墟のガレージに張って作ったタルパ結界でしょ」 「そうだよ。それにあの外の山も、安達太良山じゃないよね? なんかかき氷みたいに細長いけど」 「あれ須弥山(しゅみせん)じゃん。仏教界の中心にある山。だぶか和尚はこの風景を基に石筵観音寺を作ったんじゃない? てーか、何よりさ……」 「うん。……いなくなってるよね、和尚様」  このお御堂には、重大な物が欠けている。御本尊である仏像だ。石筵観音寺では和尚様の宿る金剛観世音菩薩像がいらした須弥壇には、何も置かれていない。ここは、一体……。 「ねーえ! 一美ちゃんの和尚さんってチベットのお坊さんなんだよね? ここにいるよ!」 「「え?」」  振り返ると、佳奈さんがお御堂の奥にある扉を開けて中を指さしている。勿論観音寺にはなかった扉だ。私と玲蘭ちゃんが中を覗くと、部屋は赤い壁のシンプルな寝室だった。中心に火葬場の収骨で使うようなやたらと背の高いベッドが一つだけ設置されている。入室すると、そのベッドで誰かが眠っていた。枕元にはチベット密教徒特有の赤い袈裟が畳まれている。佳奈さんがいて顔がよく見えないけど、どうやら坊主頭……僧侶のようだ。不思議な事に、その僧侶の周りには殆ど影がない。 「もしもーし、和尚さん起きて下さい! 一美ちゃんが大ピンチなんですーっ!」  佳奈さんは大胆にも、僧侶をバシバシと叩き起こそう��試みる。ただ問題がある。彼は和尚様より明らかに背が低いんだ。 「ちょ、佳奈さんまずいですって! この人は和尚様じゃないです!」 「え、そうなの? ごめんごめん、てへっ!」 「てへっじゃないですよ………………!!?!?!??」  佳奈さんが退き僧侶の顔が見えた瞬間、私は全身から冷や汗を噴出した。この……この男は……!!! 「あれ? でも和尚さんじゃないなら、この人が一美ちゃんの前世なんじゃない? おーい、前世さムググム~??」  ヤバいヤバいヤバい!! 佳奈さんが再び僧侶をぶっ叩こうとするのを必死で制止した。 「一美?」  玲蘭ちゃんが訝しんだ。面識はない。初めて見る人だ。だけどこの男が起きたら絶対人類がなんかヤバくなると直感で理解してしまったんだ! ところが…… ༼ ……ン…… ༽  嘘でしょ。 「あ、一美ちゃん! 前世さん起きたよ! わーやば、このお坊さん三つ目じゃん! きっとなんか凄い悟り開いてる人だよ!」  あぁ、終わった……。したたび綺麗な地名の闇シリーズ第六弾、千里が島宝探し編終了。お疲れ様でした。 「ねー前世さん聞いて! 一美ちゃんが大ピンチなの! あ、一美ちゃんっていうのはこの子、あなたの生まれ変わりでー」 ༼ えっ、え?? ガレ……? ジャルペン……?? ༽  僧侶はキョトンとしている。そりゃそうだ、寝起きに京友禅ロリータが何やらまくし立てていれば、誰だって困惑する。 「じゃる……ん? ひょっとして、この人日本語通じない!?」 「一美、通訳できる?」 「むむ、無理無理無理! 習ってたわけじゃないし、和尚様からちょこちょこ聞いてただけだもん!」 「嘘だぁ。一美ちゃんさっきいっぱいなんかモゴモゴ言ってたじゃん。ツンデレとかなんとか」 「あ、あれは真言です! てか最後なんて『おはようございます猊下(げいか)』って言っただけだし」  私だけ腰を抜かしている一方で、佳奈さんと玲蘭ちゃんは変わらずマイペースに会話している。僧侶もまだキョトン顔だ。 「他に知らないの? チベット語」 「えぇー……。あ、挨拶は『タシデレ』で、お休みなさいが『シムジャナンコ』、あと印象に残ってるのは『鏡』が『レモン』って言うとか……後は何だろう。ああ、『眠り』が『ムナル』です」 ༼ ! ༽  私が『ムナル』と発音した瞬間、寝ぼけ眼だった僧侶が急に血相を変えて布団から飛び出した。 ༼ ムナルを知っているのか!? ༽ 「ふわあぁ!?」  僧侶は怖気づいている私の両腕をがっしと掴み、心臓を握り潰すような響きで問う。まるで視神経が溢れ出したような紅茶色の長い睫毛、所々ほつれたように神経線維が露出した肌、そして今までの人生で見てきた誰よりも深い悲壮感を湛える眼差し……やっぱり、間違いない。この僧侶こそが…… 「え? な、なーんだ! お坊さん、日本語喋れるんじゃん……」 「佳奈さん、ちょっと静かにしてて下さい」 「え?」  残酷にも、この僧侶はムナルという言葉に強い反応を示した。これで私の杞憂が事実だったと証明されてしまったんだ。だけど、どんな過去があったのかはともかく、私はやっぱり和尚様を信じたい。そして、自分の魂が内包していたこの男の事も。私は一度深呼吸して、彼の問いに答えた。 「最低限の経緯だけ説明します。私は一美。ムナル様の弟子で、恐らくあなたの来世……いえ、多分、ムナル様によって創られたあなたの神影(ワヤン)です。金剛の大散減という怪物と戦っていたんですが、ムナル様が私の肋骨で作られた法具プルパを金剛愛輪珠如来に奪われました。それでそこの神人にマブイグミして貰って、今ここにいる次第です」 ༼ …… ༽  僧侶は瞬き一つせず私の話を聞く。同時に彼の脳内で凄まじい速度で情報が整理されていくのが、表情でなんとなくわかる。 ༼ 概ね理解した。ムナルは、そこか ༽  僧侶は何故か佳奈さんを見る。すると京友禅ロリータドレスのスカートポケットに、僧侶と同じ目の形をしたエネルギー眼がバツッと音を立てて生じた。 「きゃあ!」  一方僧侶の掌は拭き掃除をしたティッシュのようにグズグズに綻び、真っ二つに砕けたキョンジャクが乗っていた。 「あ、それ……神社で見つけたんだけど、後で返そうと思って。でも壊れてて……あれ?」  キョンジャクは佳奈さんが話している間に元の形に戻っていた。というより、僧侶がエネルギー眼で金属を溶かし再鋳造したようだ。綻んでいた掌もじわじわと回復していく。 「ど、どういう事? 一美。ムナルって確か、観音和尚の俗名か何かだったよね……そのペンダント、なんなの?」  僧侶の異様な力に気圧されながら、玲蘭ちゃんが問う。 「キョンジャク(羂索)、法具だよ。和尚様の遺骨をメモリアルダイヤにして、友達から貰ったお守りのペンダントに埋め込んでおいたんだ」 ༼ この遺骨ダイヤ、更に形を変えても構わんか? ༽ 「え? はい」  僧侶は私にキョンジャクを返却し、お御堂へ向かった。見ると、和尚様のダイヤが埋まっていた箇所は跡一つなくなっている。私達も続いてお御堂に戻ると、彼はティグクという斧型の法具を持ち、装飾部分に和尚様のダイヤを埋め込んでいた。……ところが次の瞬間、それを露台から須弥山目掛けて思い切り投げた! 「何やってるんですか!?」  ティグクはヒュンヒュンと回転しながら須弥山へ到達する。すると、ヴァダダダダガァン!!! 須弥山の山肌が爆ぜ、さっきの何百倍もの強烈なエネルギー眼が炸裂! 地面が激しく揺れて、僧侶以外それぞれ付近の物や壁に掴まる。 ༼ 拙僧が介入するとなれば、悪戯に事が大きくなる…… ༽  爆風と閃光が鎮まった後の須弥山はグズグズに綻び、血のように赤い断面で神経線維が揺らめいた。そしてエネルギー眼を直撃したはずのティグクは、フリスビーのように回転しながら帰還。僧侶が器用にキャッチすると、次の瞬間それはダイヤの埋め込まれた小さなホイッスルのような形状に変化していた。 ༼ だからあなたは、あくまでムナルから力を授かった事にしなさい。これを吹けばティグクが顕現する ༽ 「この笛は……『カンリン』ですか!?」 ༼ 本来のカンリンは大腿骨でできたもっと大きな物だけどな。元がダイヤにされてたから、復元はこれが限界だ ༽  カンリン、人骨笛。古来よりチベットでは、悪い人の骨にはその人の使っていない良心が残留していて、死んだ悪人の遺骨でできた笛を吹くと霊を鎮められるという言い伝えがあるんだ。 ༼ 悪人の骨は癒しの音色を奏で、悪魔の心臓は煩悩を菩提に変換する。それなら逆に……あの心優しかった男の遺骨は、どんな恐ろしい業火を吹くのだろうな? ༽  顔を上げ、再び僧侶と目が合う。やっぱり彼は、和尚様の事を話している時は少し表情が穏やかになっているように見える。 ༼ ま、ムナルの弟子なら使いこなせるだろ。ところで、『鏡』はレモンじゃなくて『メロン』な? ༽ 「あっ、そうでしたね」  未だどこか悲しげな表情のままだけど、多少フランクになった気がする。恐らく、彼を見た最初は心臓バクバクだった私もまた同様だろう。 「じゃあ、一美……そろそろ、お帰ししてもいい……?」  だぶか打って変わって、玲蘭ちゃんはすっかり及び腰だ。まあそれは仕方ない。僧侶もこの気まずい状況を理解して、あえて彼女と目を合わさないように気遣っている。 「うん。……リンポチェ(猊下)、ありがとうございました」 「一美ちゃんの前世のお坊さん、ありがとー!」 ༼ 報恩謝徳、礼には及ばぬ。こちらこそ、良き未来を見せて貰った ༽ 「え?」 ༼ かつて拙僧を救った愛弟子が巣立ち、弟子を得て帰ってきた。そして今度は、拙僧があなたに報いる運びとなった ༽  玲蘭ちゃんが帰還呪文を唱えるより前に、僧侶は自らこの寺院空間を畳み始めた。神経線維状のエネルギーが竜巻のように這い回りながら、景色を急速に無へ還していく。中心で残像に巻かれて消えていく僧侶は、最後、僅かに笑って���た。 ༼ 衆生と斯様にもエモい縁を結んだのは久しぶりだ。また会おう、ムナルそっくりに育った来世よ ༽
ལྔ་པ་
 竜巻が明けた時、私達はニライカナイをすっ飛ばして宴会場に戻っていた。佳奈さんは泥だらけのサマードレスに戻っているけどオーラを帯びていて、玲蘭ちゃんの口の怪我は何故か完治している。そして私の手には新品のように状態の良くなったキョンジャクと、僅かな視神経の残滓をほつれ糸のように纏う小さなカンリンがあった。 「あー、楽しかった! 金城さん、お人形さんと再会させてくれてありがとうございました! 一美ちゃんも、あのお坊さんめっちゃ良い人で良かったね! 最後エモいとか言ってたし、実はパリピなのかな!? ……あれ、金城さん?」  佳奈さんが振り返ると同時に、玲蘭ちゃんは焦燥しきった様子で私の首根っこを掴んだ。今日は色んな人に掴みかかられる日だ。 「なんなの、あの前世は」  その問いに答える代わりに、私は和尚様の遺骨(カンリン)を吹いてみた。パゥーーーー……決して癒しの音色とは言い難い、小動物の断末魔みたいな音が鳴った。すると私の心臓に焼けるような激痛が走り、全身に煮えたぎった血が迸る! それが足元の影に到達点すると、カセットコンロが点火するように私の全身は業火に包まれた。この一連のプロセスは、実に〇.五秒にも満たなかった。 「そんなっ……その姿……!!」  変身した私を、玲蘭ちゃんは核ミサイルでも見るような驚愕の目で仰いだ。そうか。彼女がワヤン不動の全身をちゃんと見るのは初めてだったっけ。 「一美ちゃん! また変身できるようになったね! あ、前世さんの影響でまつ毛伸びた? いいなー!」  玲蘭ちゃんは慌ててスマホで何かを検索し、悠長に笑っている佳奈さんにそれを見せた。 「ん、ドマル・イダム? ああ、これがさっき話してた邪尊さん……え?」  二人はスマホ画面と私を交互に三度見し、ドッと冷や汗を吹き出した。憤怒相に、背中に背負った業火。私は最初、この姿は不動明王様を模したものだと思っていた。けど私の『衆生の苦しみを業火に変え成仏を促す』力、変身中の痛みや恐怖に対する異常なまでの耐久性、一睨みで他者を黙らせる眼圧、そしてさっき牛久大師に指摘されるまで意識していなかった、伸びた腕。これらは明らかに、抜苦与楽の化身ドマル・イダムと合致している! 「……恐らく、あの前世こそがドマルだ。和尚様は幼い頃の私を金剛から助けるために、文字通り彼を私の守護尊にしたんだと思う。でもドマルは和尚様に『救われた』と言っていた。邪尊教に囚われる前の人間の姿で、私達が来るまで安らかに眠っていたのが何よりの証拠だ。観世音菩薩が時として憤怒の馬頭観音になるように、眠れる抜苦与楽の化身に代わり邪道を討つ憤怒の化身。それが私……」 「ワヤン不動だったってわけ……ウケる」  ウケる、と言いつつも、玲蘭ちゃんはまるで笑っていなかった。私は変身を解き、キョンジャクのネックレスチェーンにカンリンを通した。結局ドマルと和尚様がどういう関係だったのか、未だにはっきりしていない。それでも、この不可思議な縁がなければ今の私は存在しないんだ。この新たな法具カンリンで皆を、そして御戌神や千里が島の人々も守るんだ。  私は紅一美。金剛観世音菩薩に寵愛を賜りし紅の守護尊、ワヤン不動だ。瞳に映る縁無き影を、業火で焼いて救済する!
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laugh-eigo-bennkyou · 13 years ago
Text
2012.11.21-30 yoshi
2012.11.30
Awesome:凄い! ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】Awesome 《【アー】サム》
【意味】 凄い!素晴らしい!
【ニュアンス解説】10~30歳あたりの人々が常用している単語です。
自分が本当に尊敬できる物事に対して使います。
【例文】
1.レンタルビデオ屋で   Have you seen this movie yet? It's Awesome. (この映画観た?超良いよ!)
2.ライブの次の日 The song you played last night was awesome! (昨日演奏してた曲凄いよかったよ!)
この言葉には「素晴らしい」の中に「恐ろしい」という意味も 含まれていたようですが、80年代に入ってからは「素晴らしい」 という意味だけが残るようになりました。
フォーマルな場所で使ってはいけないわけではありませんが、 日本で褒める時に使う「これやばいよね」に似ているので、 フォーマルな場所や使う相手によって使い分けるといいですね。
その場合はwonderfulやexcellentを選択しましょう。
もちろん友達には気楽に言って大丈夫ですよ!
2012.11.29
Big deal:大したこと。 ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】Big deal《ビグディーゥ》
【意味】大したこと。
【ニュアンス解説】大したこと・すごいことという意味です。発音に注意です。
【例文】
1.大したことじゃないよ、と言いたい時。
A. Thank you for your support. (助けてくれてありがとう。)
B. It's not a big deal. (大したことじゃないよ。)
2.大したことじゃない・大したことある!と言いたい時。
A. Oh my god, my birthday is 5 days away...I'm almost 30... (やだ、後5日で誕生日…30歳になっちゃうよ…。)
B. It's not a big deal. (大したことないじゃない。)
A. It's a big deal to me! (私にとっては大したことあるの!)
例文1のように Thank you の後に使う場合は No problem と 同じようなニュアンスだと思ってください。
大したことしてないよ、大丈夫だよ、と自分をへりくだっているイメージです。
ちなみに誰かが、何かお得で良い買い物をした時なども “It's a big deal!”(良いもの買ったね!)などと言います。
2012.11.28
Do you want me to~?:してあげようか? ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】Do you want me to~?《ドゥユゥ ウォミラ~》
【意味】~してあげようか?~してほしい?
【ニュアンス解説】日本語に訳すと、えらそうな感じですが(笑) 「~しようか?」というニュアンスです。決して厚かましくはないので、 気軽に使ってくださいね。
【例文】
1.手伝おうか?と言いたいとき。
A:Do you want me to help you? (手伝いましょうか?)
B:Thanks. (ありがとう。)
2.お皿洗おうか?と言いたいとき。
A:Do you want me to do the dishes? (お皿洗おうか?)
B:Oh, thank you, please! (ありがとう、お願いね!)
同じような表現で“Shall I~?”というフレーズがありますが、 これはとてもとてもフォーマルな言い方です。
通常ではdo you want me to ~を使いますので、 覚えておいてくださいね。
2012.11.27
Really:本当に? ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】Really 《ウィァ【リィッ】?》《【ウィ】ァリィッ》
【意味】本当に?マジで?
【ニュアンス解説】カジュアルに聞く時に使います。
【例文】
1.ほんとに?
A:I’m going to Paris next year. (来年パリ行くんだ)
B:Really? (ホント?)
2.あらほんと?そうなんだ。
A:I had a day off yesterday. (昨日は休みだったんだ)
B:Oh Really?  (あ、そうなの?)
日本語で「本当に!?」と聞くのと全く同じ感覚です。
語尾をあげれば、「そうなの??」、 文字の最初��方を方にアクセントを置くと「へえ!」となります。
2012.11.26
Cool:いいね! ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】Cool 《【ク】ゥォー ッ》
【意味】いいね!すごいね!最高!了解!
【ニュアンス解説】GoodやOkと同じ感覚で使います。
老若男女・性別を問わずに本当によく使われる言葉です。
【例文】
1.約束でも。
A. I'll see you at the downstairs at 10 p.m., is that cool?  (じゃ、10時に下でいい?)
B. Cool.  (了解。)
2.それ、最高!
A. Do you want to go to a jazz concert? I've got free tickets.  (ジャズコンサートいかない? 無料券持ってるんだ。)
B. Sure,that's cool!  (もちろん行くよ、最高だね!)
もちろんカッコいい人・かわいい人に対して You're so cool!というのもアリです。
話の途中であいづちを打つような感じにも使えるので ぜひ覚えておきたいフレーズの一つですね。
2012.11.25
Back off:後ろに下がる ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】Back off 《【バッ】ク【オ】フ》
【意味】後ろに下がる。手を引く。かまうな。
【ニュアンス解説】強めに後退させたい時に使います。 使われた時は誰かが危険を警告している可能性もあります。
【例文】
1.災害の現場で警官が
Back off! (下がれ!)
2.興奮気味に何かを言われ続けた時に
Hey! back off ! Would you ? (おいおい、いい加減にしてくれねぇか?)
少し強めに言いたいときに使ってみてください。
アメリカの警察官は日本とは違って丁寧な言葉を 使わないことが多いのですが、失礼だなと思わず、 いそいそ下がりましょう。
2012.11.24
Absolutely:完全に ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】 Absolutely《アブソ【ルゥ】リィ》
【意味】完全に。間違いなく。
【ニュアンス解説】絶対的なフィーリングを含んだ感情的な表現をする時に 使います。「それはないわ、絶対にない!」否定的な的なニュアンスにも 使うことができます。
【例文】
1.父親がが思い出したように
A : Do you still want to go to New York ? (お前まだニューヨーク行きたいのか?)
B : Absolutely! (もちろんだよ!)
2.友人が突然
A : Will you buy me a mercedes benz ? (ベンツ買ってくれない?)
B : Absolutely not !! (買うわけないだろ!!)
このように興奮する気持ちや、焦り、呆れたニュアンスを 含ませつつ、会話の中で使ってみると楽しいですね!
2012.11.23
I'll try.:努力する ■今日のネイティブフレーズ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
【フレーズ】I'll try.《アーゥチュライ》
【意味】努力する、やってみる、試す
【ニュアンス解説】相手に何かをするように促された時に
「やってみるね」という感じで使うフレーズです。
【例文】
1.了解です。
A. Come home early tonight, ok?
(今日は早く帰ってきてね。)
B. Ok, I'll try.
(分かった、努力するよ。)
2.とりあえずやってみるよ、というとき。
A. You can do it!
(あなたならできるよ!)
B. I'll try.
(やってみるよ。)
結果はともあれ、とりあえず努力してみるよ!という時に使います。
I'll try my best.と言ってもよいでしょう。
英語ペラペラになるには、フレーズを覚えるのが一番の近道です。
2012.11.22
That's how it is.:そういうもんだよ ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】 That's how it is. 《ダッツハウイティズ》
【意味】そういうもんだよ
【ニュアンス解説】相手の意見に対して”そんなもんさ”と同調する時、または ”そういうものなのだから仕方がない”と言いたい時に使います。
【例文】
1.久々に会う友達と
A. Do you have a boyfriend? (彼氏はいるの?)
B. No. All the good guys are already taken. (いない。いいと思う人は皆彼女がいるのよね。)
A. I know. That's how it is, I guess. (そうそう。そういうもんなのよね。)
2.クラブ活動のミーティング
A. I might skip the meeting in the afternoon. (午後のミーティング、サボっちゃうかも。)
B. You can't. It's the rule.That's how it is. (それはムリ。規則だから。そういう決まりなの。)
A. I hate rules! (規則なんて大嫌い!)
That's how it is with life. (人生とはそういうものだ。)のように、 it is の後に with (名詞)を続けて、~とはそういうものだ、という 言い方も出来ます。
英語ペラペラになるには、フレーズを覚えるのが一番の近道です。
2012.11.21
Can it wait?:後でもいい? ■今日のネイティブフレーズ  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 【フレーズ】Can it wait? 《キャンニッウェイト》
【意味】後でもいい?、急ぎじゃない?
【ニュアンス解説】それは待つことが出来る?=今すぐじゃなくても大丈夫?という 感じです。すぐ対応出来ない時に待ってもらっても大丈夫かどうかを尋ねるフレーズ です。
【例文】
1.お願い
A.Can you take a look at this report? (このレポートに目を通してもらえる?)
B. Sorry. I'm really busy right now. Can it wait? (ごめん。今すごい忙しくて。後でもいい?)
A.Yes. I'll come by again later. (うん。じゃまた後で来るね。)
2.緊急事態
A.Can you come over here? Please! (こっちに来てもらえる?お願いだから!)
B. What's wrong? Can it wait? (どうしたんだよ?後でもいいだろ?)
A.Absolutely not. It's an emergency. (絶対ダメ。緊急事態なの。)
It can wait. で「急がないよ」「後でもいいよ」となります。
英語ペラペラになるには、フレーズを覚えるのが一番の近道です。
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miroichan · 7 years ago
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「信号待ち」を終えて
こんにちは。エシタです。
3/10の菜香亭でのイベント「信号待ち」にご来場くださった皆様、ありがとうございました。フライヤー設置など関わってくださった皆様にもお礼申し上げます
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ずっと山口大学写真部の部員として写真を撮って展示してきました。個人での展示は数えるほどしか無くて、また久々の展示で、自信なんてこれっぽっちもなかったのだけど、「写真は紹介」が信条なので、やらない訳にいかなかった。
私が創作活動をする上で切り離せないものを切り離さないイベントがしたいと思っての企画でした。その上で、私を介して素敵と素敵が繋がれば良いと思っておりました。大成功です。
私は、「暗室に潜る」という表現をします。コポコポと水の中に居るような感覚です。そこで吐き出される感情や言葉があります。閉め切った暗室で、扉を開ける訳にいかない暗室で、それらで私は息苦しい。暗くて、狭くて、寒くて、苦しい。ひとりぼっちで寂しくもある。それでも暗室に潜らない訳にいかない。これが私の���提です。
消しゴムはんこの みつきうさぎ は、そんな私に創作意欲を与えてくれます。暗室に潜る勇気をくれます。
みつきうさぎに背中を押してもらって潜った暗室で、今回の出演者の音楽を聴いていました。無音の暗室で作業して居た頃と、彼らの音楽を聴きながら焼く今とでは、写真の焼き色が違うと言われます。「暗い中に光が一筋差したような焼きをするようになった」と言われます。
これらを切り離しての写真展示は考えられなくて、今回お願いして企画に乗って頂きました。
それぞれに呼んだ理由があって、あの順番なのにも理由があって。そういうものを自分で忘れないように、ここにまとめておきたいと思います。
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【みつきうさぎ】
彼女の消しゴムハンコは素晴らしい。いつも隣で息を呑んでいます。何度見ても感動する。加えて料理も、言葉も、丁寧な生活も、何もかもが素晴らしい女性です。彼女の素敵は絶対に揺るがないから、みんなに知って欲しくて、今回誘いました。どうだったでしょうか、あんなに笑顔が可愛い女の子の真ん中に一本芯が通っていたのを、皆さん感じて頂けたでしょうか。展示準備が終わってあの空間を見た最初の感想は「やられた、食われる」でした笑 今回のイベントイメージも彼女の作品でした。素敵やろ??(写真はワークショップの様子です)
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【黒崎貴史】
今回のライブは黒崎さんで始まり黒崎さんで終わった訳です。加えて音響の担当もしてもらいました。大忙しです。このイベントのキーマンは彼でした。ずっとSoundCloudで彼の歌声を聴いていて、ライブの始まりがこの人だったら、ゆったりできて良さそうだなあと思ってお願いしました。須合さんがこの日の黒崎さんを「若草色」と評していたけれど、まさにそれ。まだ明るい時間のあの部屋で歌ってもらえてとても良かった。
【うたたねアンディ】
うたたね担当の悟くんは、以前から私の写真のモデルをしてくれています。その縁でライブに聴きにいくようになりました。晴れた日にカーテンを閉め切った部屋に居るような感覚になる。日が落ちていく時間帯の光の変化が絶対に合うと思っていました。なので2番手でした。見るたびに最高を更新していくので、今回のライブも最高でした。皆さんがこれから観る機会があるなら、その日もきっと最高です。
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【tuna】
彼は私の生まれた街で育った男の子です。同郷の彼が山口を見てどう思うのか非常に興味がありました。また話す度に私と近い感覚を持っていると感じるので、彼を山口のみんなに観てもらいたいとずっと思っていました。今回のライブ、今まで私が見たツナちゃんの中で、いちばんツナちゃんらしかったと思います。丁寧で自然で、とても良かった。素敵だった。個人的に彼にはたくさん感謝しています。ツナちゃんに言われて書いた文章がきっかけで、文章を人に見せる勇気を持てました。ツナちゃんを撮った写真で撮りたい方向性が固まりました。私の写真をとても大事にしてくれます。私と近い感覚を持っていると感じる、と書きましたが、私には遠く及ばない素敵を彼は持っています。
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【深居優治】
「アオ」という歌が好きです。これは何かの縁だろうと勝手に決めて、今回の4番手でした。イベントに関して「みんな貴女の期待をこえてくるから」と言ってくれました。本当にそうなって、夢のように幸せでした。和室で深居優治というミスマッチが観たかったのです。満足だー
【須合真衣】
前にアー写を撮らせてもらったのですが、その時1対1で歌ってもらったのがあまりに心地よくて、それからずっと大好きです。空気の粒を感じる、という普段じゃ考えられないような感覚になりました。私の展示の中で歌って欲しくて、いちばん最初に誘ったのが彼女です。諸事情あって黒崎さんにギターを弾いてもらう運びとなりました。黒崎さんってほんとにすごいよね。生活の一部に入り込んで来ても違和感のない感じが、眠る前にぴったりだと思っていつも聴いています。だから最後に歌ってもらいました。
【山口市菜香亭】
とても好きな施設です。菜香亭自体の歴史など、大変興味深い建物なので、もしまた行かれる機会があれば職員さんに案内を頼んでみてください。ライブ会場になったのは「北客間」という部屋です。ロケーション抜群だったでしょ?(展示をするにもライブをするにも制限が多い施設でもあります。ライブはPAの黒崎さんが神経すり減らしてくださいました。また演者さんも建物の事を良く考えてくださったので大変助かりました)(写真は南客間)
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お客さんも出演者も、皆さんいい顔をしていました。私はそれが一番嬉しい。あの光景を私はずっと見たかったのです。
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本当は「みどり」だけど「あお」と呼ばれる信号機みたいな女です。誰にも立ち止まってもらえない。みんな私の前を通り過ぎていく。そんな風に思って生きてきました。18歳の頃初めて自発的に作った作品が人の目に触れた時、あお信号が人を引き止める術は「紹介」しかないのだと確信しました。素敵な人に囲まれると、私は豊かになっていく。錯覚かもしれない。それでも、私は少し素敵になる。私は主張せずにいられません。素敵になった私を見てと主張せずにいられない。自分自身は何も持ち合わせていないのに、誰かの目に映りたくて仕方がない私は、これからも「写真は紹介」を続けていきます。
私の周りの素敵を、あなたに少し分けてあげる。
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diaryofamaniac · 5 years ago
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Mark Glynne and Bart Zwier- Home Comfort(1980)
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中野区野方の公園、「あそこはタバコも吸えるのでよく行きます」Hegira Moyaがそう言っていたのを、散歩中に思い出し向かった。宵口で商店街から路地に入ると仕事終わりのサラリーマンで賑わう酒場を横目に過ぎ、明かりが街灯だけになり暗さを感じるとすぐ公園に着いた。小さな公園で点々と座れるベンチがあり先に煙草を吸っている老君がいた。僕も煙草に火をつけ暫くすると、一人また一人と皆男性がやって来た。あまりに静かで不思議に思い、辺りを見渡した。誰一人として顔を上げていない、自分もそれまで同じだったが皆下向きでスマホをいじり煙草を吸っていたからか、寂しそうに見えた。また違う日の夜Hegira Moyaとその公園に行くとすでに5,6人いて先日と同じく異様な雰囲気を醸していた。僕達も煙草を吸いながら、この公園が落ち着くし気にいったと言えば「僕のアー写ここで撮ったすね」と言い、お勧めの写真を撮るスポットまで教えてもらい、パシャリと何枚か撮った。感謝ですHegira Moya様。野方好きになりましたよ!そして公園にいる間、脳内再生されていたのがこのアルバムラストの曲The survivor。オランダニューウェーブの陰陰たる傑作。四角い太陽が昇るかのような不可思議、消えていく儚さ、崩れ落ちる哀しみがある。
https://youtu.be/_CYurRPzJUU
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bristy1995 · 5 years ago
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『世界一お洒落なクマ』と称される【POLO BEAR】のキャンバストートバッグ。 老若男女使えるのでギフトなんかにも喜ばれてます! 上部はシップで閉められるので中身が見られないし落とす事も無くなるので利便性も良いですよ。 内ポケットには鍵等の貴重小物を入れられたりします🔑 程よいウォッシュ加工もかけてあるので既に使い込んでるかのような雰囲気。 ※こちらでご紹介のアイテムは全て通販可能です。お電話、メール、DM等でお気軽にお問い合わせください。 #bristy #polo #ralphlauren #polobear #nagoya #osu #selectshop #fashion #mensfashion #totebag #ブリスティ #ポロ #ラルフローレン #ポロベア #ポロべアー #トートバッグ #愛知 #名古屋 #大須 #インポート #セレクトショップ #名古屋セレクトショップ #セレクトショップ名古屋 #愛知セレクトショップ #メンズファッション #海外限定 #日本未発売 #日本未展開 (Bristy) https://www.instagram.com/p/B_d_dK8jutO/?igshid=1ub0q1qzpa8k2
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tohoku-youth-orchestra · 7 years ago
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12月の合同練習会レポート
12月23日(土)に今年度の4回目となる合同練習会を福島市で行いました。今年最後の練習だけに団員のみなさんへのクリスマスプレゼントかつ年末大蔵ざらえ的な1日になりました。朝の9時30分集合で午前中は東北ユースオーケストラ初の作曲ワークショップを開催できました。お迎えしたのはこのお二人。
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左の男性は現代音楽の作曲家の藤倉大さん。世界の数々の作曲賞を受賞され、世界の数々の音楽祭やオーケストラから作曲の委嘱を受けられている、押しも押されぬもせぬ世界の第一線で活躍される方。藤倉さんが坂本龍一監督の長年のファンとのご関係から、今回のワークショップが実現できました。今年の3月の演奏会では団員の出身地である東北3県の民謡各3曲をベースにした「Three TOHOKU Songs」を我々のために作・編曲いただき、先日楽譜公開されたことはこのホームページでもご案内したばかりです。
そして、お隣の女性は安達真理さん。きらびやかなご経歴の、来月にはCDデビューされる「新進ヴィオラ奏者」が、団員がつくった作品をなんとその場で演奏していただけるという贅沢企画。
まずは藤倉さんがヴィオラの音階について軽妙な語り口でホワイトボードを使って解説されるや、安達さんが武満徹作品を奏でられ、藤倉さんは「自分はミュート(消音)が好き」と告白されるや、安達さんがミュート奏法を実演。「架空の距離が出るんです」との藤倉さんのコメントが渋いのです。
事前に藤倉さんからは「いろんな特殊奏法を知ってもらう」と聞いていたのではありますが、わたくしは「特殊」を軽く見ておりました。まずは、これから。「世の奥様方、これが楽器になるのです!」と言うと、ジェンダーによる認知バイアスと指弾されかねませんが・・・。
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藤倉さんが手にしているのは、洗濯バサミです。しかも、藤倉さんは化学実験をするサイエンティストのように挟み方と音色の関係をあれこれと忙しなく探っていかれます。次に出でたる小道具は、
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えーっと、消しゴム!もちろん藤倉さんが消しゴムを横にしたり、縦にしたりの音色探りまくりの「民族楽器っぽい」とか「寂れたおじいちゃんみたいな音」とかのコメントに、安達さん越しのTYOヴィオラパートの面々が破顔の笑みです。この後も、ヘアピンを1本、さらに団員の持っていた違うタイプのヘアピンを1本、2本と弦につけてみたり、「ドイツではよく見るんですよ」と藤倉さんがアルミホイルを弦に乗せたり巻きつけたりで、もはや借り物競走オン・ザ・ヴィオラのストリングス状態。
次は大根おろしかまな板かと思いきや、こんどは弦楽器の特殊部分を弓で鳴らす「特殊奏法」に突入です。「スル・ポンティチェロ」。もう何がなんだかわかりません。イタリア語だそうです。そう知ると、美味しそうなパスタが出てきそうですが、コマの上を弓で引くそうです。「そんなん、知らんがな」との思いを管楽器メンバーも共有していたようで、弦楽器メンバーの奇行をぽかんと見つめる他なすすべはありません
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その後、弦楽器のあちらこちらを弓でさすり、最後には弦楽器を裏返して弓をこすっていたところまでは職務的義務感から覚えています。
さて、藤倉先生から。「それでは、これからみなさんに作曲してもらいます」
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団員のみんなから一斉にハテナマークが練習会場に放出されました。
そんな折、今日の合同練習会場に到着されました。
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いつのまにか坂本龍一監督は、今年のコンミス(「コンサートマスター」の女性型「コンサートミストレス」の略で、第一バイオリンのトップ)千葉はづきさん(大学院一年生)と談笑されているではありませんか。
ホワイトボードには藤倉さんの板書が残り、
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団員はいざ作曲です。
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ん、こちら藤倉さんの作曲ワークショップに過去何度も自主参加してきたというパーカッションの塘英純くん(福島市の高校一年生)を取り囲む人たち。
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将来作曲家志望の塘くんは、これまで過去2回のTYO演奏会のオープニングファンファーレをつくってくれていましたが、このたび桐朋学園の音楽コンクール作曲部門高校生の部で第3位(1位2位該当者なし)という成果を収めることができたとのこと。塘くん、身長もぐんと伸びて、まさに伸び盛り。
団員が作曲中の「教授回診中」(山崎豊子『白い巨塔』を意識してみましたが、そんな威厳押し付け風じゃないですよ)のひとこま。我が子の練習を見学する大義のもとに来られた、スリーお母様ズとの記念写真(「もう感激!」の声を耳にした気がします)。
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さて、できたてほやほやの団員の作品を藤倉さん凝視凝聴のもと、安達さんにその場で演奏していただけました。なんたる贅沢!まずは、コントラバスの山崎寛大くん(大学一年生)から。
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続いては、トランペットのトップ、中村祐登くん(大学四年生)。
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ヴィオラパートはもちろん曲を仕上げるよねと藤倉さんからのプレッシャー。
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次は楽譜を持つファゴット西村優里さんの作品かと思えば、隣のフルートの菅野桃香さんが書いた曲を目の前で安達さんが演奏。
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そして、みんなの前で披露。今年からメンバーに加わってくれたトランペットの井出大雅くんは、特等席で自分の作品を聴きます。
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続いて、1期から参加で今年音大に入学した、盛岡出身の遠藤寛人くん(トランペット)も特等席で自分の作品の世界初演を砂かぶり席で体験。
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ヴィオラ担当だけに注目を集めていた、左から鈴木祥子さん、佐藤ひかりさん、村岡瞭くんのトリオの作品も完成しました。
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結果、全員がすんなり作曲に取り組みました。当初は、この作曲ワークショップ自体が成り立つのかと非常に異常に心配していたのは、単に大人は杞憂であったと証明されてしまいました。
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他にも作品の発表に名乗りを挙げてもらったのですが、トリをつとめてくれたは筒井温之くん(トロンボーン、大学二年生)。藤倉さんもおっしゃっていたのですが、「すべて初見で弾いてしまわれる安達さんが凄い!」と。これまで気づかなかった団員の創造性をまざまざと体感できました。どうもありがとうございました。
そして、ようやく昼休みです。練習会場のホールを出ると、
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ホルンの大学生三年生千葉大輝くんがサンタクロースのコスプレで暴走しているではありませんか。その心は、
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坂本監督からの苺のショートケーキ(福島市の洋菓子屋さんの品)の差し入れをみんなに配るために持ってくれていたのでした。
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さらにこの日は毎年の演奏会を支援していただいている森永エンゼル財団さんから森永製菓のお菓子、森永ミルクキャラメル、ダース、おっとっとのプレゼントをいただきました。
急きょ東北ユースオーケストラ・エンゼル・ガールズを編成して感謝の記念写真です。
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森永エンゼル財団さん、どうもありがとうございました。
おかげさまでランチタイムは楽しいひと時になりました。
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小学生から大学生までが混じり合う、東北ユースオーケストラの光景です。
昼休み明けはみんなで集合。今年度のオフィシャルフォト、アーチスト写真(アー写)、宣伝材料(宣材)の撮影大会です。今年もTYOのデザイン全般を見ていただいている「美術教師」の長嶋りかこさんディレクションで、丸尾隆一カメラマンに撮っていただきます。
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坂本監督からの「みんなでふざけよう!」とのお茶目な掛け声に思い思いのふざけ方で応じる団員達の図。
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こういう瞬間にもクリエイティビティが問われますね。食後のデザートがヴァイオリンの人たちもいます。
そして、出来ました、今年度の東北ユースオーケストラです。
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せっかくなので藤倉大さん、安達真理さんもご一緒バージョンも。
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本拠地のニューヨークから来日中の忙しい日程をぬって参加いただいた坂本龍一監督から一言いただきます。3割は初対面の団員たちを前に、今年度は音楽性を高めるチャレンジをしたいとの抱負を語っていただきました。
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この模様は福島民報さんの記事にもなりました。
午後の練習は3月の演奏会のメイン楽曲のひとつ、ドビュッシーの「海」第一楽章からです。
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坂本監督、藤倉先生がスコアを追いながら演奏レベルをチェックされています。
続いてストラヴィンスキーの「火の鳥」(1919年版)の練習です。
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およそ2時間。大人のオケでも難しいと言われる2曲に懸命に取り組みました。
そして休憩をはさんで、坂本監督も合奏で練習に参加です。
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まずはTYOでは初の演奏となる「戦場のメリークリスマス」をクリスマスイブ・イブに練習します。
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続いてTYO恒例の坂本楽曲「ETUDE」を。
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指揮の柳沢寿男さんとともに監督も手拍子を打ってリズムの取り方をご指導。
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みんなも合わせてハンドクラップ!
続いて「Behind The Mask」。狭間美帆さんのご厚意で編曲された、坂本監督のYMO時代の曲です。
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出だしはホルンと打楽器が忙しそう。テクノポップで「Behind The Mask」聴いた世代としては、オーケストラアレンジでこの名曲を鑑賞する味わいが感慨深いですよ。
さらに「Three TOHOKU Songs」も作編曲の藤倉大さんの前で初めてご披露します。
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「うまいなぁ」と藤倉さんに有難いお褒めのお言葉をいただきながら、さっそくご本人自らがその場でスコアを手直しされていきます。
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こういう現場自体が団員にとって貴重な体験になります。
締めは弦楽器だけによる坂本作品「Still Life」の練習で、ゲストの吉永小百合さんとの共演にそなえます。
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この楽曲は10を超えるスコアのピースを各自がそれぞれの順番とテンポでバラバラに演奏するというもの。坂本さんの最新作「async」に通じるコンセプトですね。監督も演奏をチェックするためにスマホでレコーディングされていました。
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ということで、盛りだくさんの長い1日の練習が終わりました。みんな名残惜しそうに練習後に輪になって話していました。
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来年の演奏会は、3月21日@東京の初台オペラシティコンサートホール、31日@仙台の東京エレクトロンホールです。素晴らしい演奏をお聞かせできうように取り組んでおりますので、ぜひみなさまご来場ください。
また有志メンバーによる被災地に赴いての演奏会へのご支援をお願いするクラウドファンディングもはじまっています。来年もどうぞ東北ユースオーケストラを応援いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
みなさま、よいお年をお迎えください。
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