#絶対安全剃刀
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jeenaandow · 5 months ago
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Eテレの小学生向けドラマ「もやモ屋」で
Eテレの小学生向けドラマ「もやモ屋」を観ていたら高野文子の「絶対安全剃刀」に収録されていた「田辺のつる」そっくりな話がやってる! Amazon 「絶対安全剃刀」 途中からは独自展開で少女3人の料理&食事の風景になりホッコリ。 最後は番組の趣旨に沿ってまとめられ、良作になっていて安心。 こんなケースがあるのでEテレや深夜のドラマを見るのを辞められませんな。
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magazine-hitori · 3 months ago
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書物礼賛⑤
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朱野帰子/キーボードなんて何でもいいと思ってた/自主出版2024
もともとお年玉には手をつけない子供ではあったのですが、その傾向が新卒の頃にあった就職難でさらに強くなってしまいました。エクセルに1円単位で家計簿をつけて節約に励み、年間100万円を貯金する。そんな内部留保をためこむ傾向は、フリーランスになってからさらに強くなりました。数年前に勇気を出して分譲戸建てを買ったのですが、ローンの返済が心配でたまらず深夜に目が覚めることがしばしばあります。
大学も就職も、地方出身の若者にとって東京はイス取りゲーム。幼稚で利己的な考え方をとるよう追いやられる。どこへ行っても不可欠な職、たとえば建設現場で働いているような若者の方が心にゆとりがあって、学歴が低くても考え方がしっかりしている。情報化・都市化が進んで大卒ホワイトカラーが増殖するとその国は滅ぶんじゃないかと思わせる、そんな本です。広告業⇒メーカー⇒兼業作家⇒専業作家となった著者が、頚椎ヘルニアなど体の不調に悩み、長時間使用するパソコンのキーボードを高級品に買い替えるまでのいきさつ、そして同じように高級キーボードを愛用する同業者へのインタビューからなる。文章も装丁も粗悪、これでプロ作家?と疑問を抱かせる、何一つ参考になるところがないゴミ本。
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高野文子/ドミトリーともきんす/中央公論新社2014
高1のときふゅーじょんぷろだくと(漫画評論誌)発だったか「田辺のつる」が凄いと聞いて掲載されている漫金超を買ったものです。友人にも読ませた。高2の冬にそれらを収めた高野文子の初単行本『絶対安全剃刀』が出るということで、西武新宿ペペ内の漫画専門店で予約して買いました。今も漫画の最重要書架に。ところが彼女はそこで見せた実験性やバラエティーのほとんどを捨て去り、第2単行本『おともだち』は芝居がかった懐古的な作風の出発点となる。ここでいう「芝居がかった」とは、まるで宝塚歌劇のように漂白された、固定客向けの。あげく消費に浮かれるOLが読者層の雑誌Hanakoに連載された『るきさん』である。
子どもの頃読んだ野口英世の伝記本には、彼の借金や女遊び、科学的な業績の大半が否定されていることは触れられない。ひさしぶりに高野文子の作品を読んで、そういう女こども向け漂白を感じ、私の高校時に異常天才として現れた彼女が、短期間で作風を狭めるに至った世知辛さとその後の人生の長さを思わざるをえない。つまらない漫画ですが、絵の上手さは折り紙付き。ミニマルアートとして。お芝居は要らない。今の私にとって、渡航のための借金を一晩で使い果たしてしまう、似たことを繰り返す、そっち側にしか野口英世の存在意義はないのです。
マーシャル・マクルーハン+クエンティン・フィオーレ/メディアはマッサージである/河出文庫2015・原著1967
「あらゆるメディアは人間のなんらかの心的ないし身体的な能力の拡張である」
「投票や多数決で頭数を数えることは、18世紀的な断片化プロセスの大切な要素であったが、電気の即時的スピードがもたらした環境において、急速に、社会を評価するにあたって厄介で効力のない方法になった」
「現代とは、すべてが同時に生起するようなまったく新しい世界である。時間は止まり、空間は消え去った。われわれは聴覚的空間にもどってきた。原初的な情緒、すなわち、数世紀間の識字文化ゆえに疎遠になってしまった部族的な感情を、ふたたび構造化しはじめている」
「新たな電子的相互依存はグローバル・ヴィレッジの荷姿に世界を作りなおす」
印刷・鉄道・テレビといった発明がいかに人の意識や社会のあり方を変貌させたかを説くメディア論の名著。古代ギリシャの盲目であった詩人ホメロスに代表される話し言葉の文化と、活版印刷発明後の書き言葉の文化を対比させ、音声に頼り記憶や反復が重要であった古代に対し、視覚による情報の固定化・標準化が行われるようになり「大衆」が生まれた、そして20世紀テレビやラジオといった電気メディアが現れ、話し言葉の特性(流動性・即時性・共同体意識の強化)が復活することで、再び大きな変革が起っているとする。現状スマホ・ネット・AIは双方向的な「話し言葉の復権」と時間の支配による孤立化を促し、文明をカタストロフに導くのではないかというような、示唆に富んだ一冊。
谷頭和希/ニセコ化するニッポン/KADOKAWA2025
前々回いわゆるプロ倫を批判する前置きとして「ディズニーランドのハリー・ポッターのアトラクションでトシ(タカアンドトシ)の次男がグッズを買うのに抽選があって3回行列に並んでやっと買えた」と述べましたが、ユニバーサルスタジオジャパンの間違いでした。まあ似たようなものですが、世間的な娯楽に対する無知無関心がさらけ出されてしまった。
非国民の視点=日本人が行列するようなものごとは価値がない。本書によれば東京ディズニーランドは当初富士山麓と浦安が候補地であったが、ウォルト・ディズニーの創業理念を貫くため日本人が神聖視する富士山を避け、「何もない」浦安に造られた。食事の持ち込み禁止、外の風景が見えないようになっているなどカルト的な閉鎖空間であったが、後年になるほど借景を取り入れたディズニーシーもしくはDオタと呼ばれるリピーターを意識した催しなどマーケティング志向が強まりディズニーの創業理念は薄まっていく。これと類似する差別化・ブランディングを図ったヴィレッジヴァンガードは近年凋落し、スターバックスはリピーターにとって特別な場所であり続けているのだという。前者は行ったことない、後者は2~3回行ってみたが広告・新自由主義的な邪悪な空気。
そしてコロナ禍と円安を経て、日本人客や地元住民など眼中にないと思われるニセコのスキーリゾートをはじめ全国いたるところで「選択と集中」「テーマパーク化」に沿った再開発が進み、静かな排除が進んでいる…。著者自身も、このテーマで食っていく、俺のもんだ感を放つ。週刊東洋経済やダイヤモンドの、写真や図表の潤沢な特集記事で見せてくれるのならそっちがベターでしょう。
打越正行/ヤンキーと地元/ちくま文庫2024・原著2019
本土の建設業に従事する日雇い労働者の場合、単純作業がメインになるが、地元の後輩を雇い入れてきた沖組の場合、仕事の割り振り方がそれとは異なる。作業には楽なものからキツいものまである。新参者の後輩は、目の前のことで精一杯で、できる作業も限られているが、何年か働くうちに、できることが増えてくる。ところが、自分にとって楽な作業を優先して行い、全体の作業工程を乱す従業員がいる。女性従業員が言うように、一緒に働いていれば、他の従業員のことを考えて働く者と、自己中心的な働き方をする者とが、それぞれ見えてくる。作業をサボっているわけではないが、働いているようで実際には手を抜いてい ことが、経験者にはわかる。そういう働き方を繰り返す者は、周囲の従業員に負担をかけ続けることになる。このような従業員は、最終的には先輩から桟木で殴られるなどの暴行を受けることがあった。
(セクキャバの従業員の採用や警察対策において)重要なのは、地元の人間が得た(覚醒剤に関与している)京子と加奈の情報を、適切な範囲で、適切な方法で用いるということだ。そこには、持たざる者同士が、貴重な情報を共有しようとする互酬性の論理が働いている。と同時に地元という場には、情報にせよ、人間関係にせよ、適切な範囲と方法でそれを用いることができない人間は見捨てざるを得ないという力学がつねに働いているのであった。
民主党政権当時に同い年のイトコが長男を連れて在特会・桜井の街宣を見物したとかで、以来「ネトウヨの従弟」として旧ブログにたまに登場してもらいましたが。毎年彼が主催する新年会、風邪やコロナが重なって延期になっていたのが2月1日に行われ、2年ぶりに参加。その「長男」、高卒で大手スーパーに勤め、今35歳。昨夏に入籍し、今夏には第一子が生まれるという、その嫁さんも初参加。ローンを組んで一軒家を買い、中野区の実家は妹2人が好きにすればいいともいう。誰もが利用する生活インフラに従事し、ありとあらゆるクレームに対処したり、パートの女たちを管理する側でもあり、職業意識の高さ、それによって磨かれた人間的な器量に感服する思いであった。少女漫画時代の弓月光さんのファンということで私とも少し話が合うのだが、血は争えないけれどもやはり自分には結婚・子育ては無理だったなと納得。従弟は従弟で表具・内装の仕事のかたわら消防団を30年続け、副団長に推されているという。体を使って働き、地元に根付いて生きる彼らの姿に学ぶところの多い一日であった。
本書は以上のような学びに満ちた、人文系学問の本当の役割を再認識させてくれる労作。解体屋、風俗経営者、ヤミ業者として生きる沖縄の20・30代と同じ目線に立つこと。ウシジマくんの描写が図式的で薄っぺらいと思わせるような、人生の臭いやぬくもりが直接伝わってくる濃密な一冊。
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theeditingroominsunset · 5 months ago
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絶対安全剃刀: 高野文子作品集 (Absolute Safety Razor: The Collected Works of Fumiko Takano) by Fumiko Takano (Hakusensha / January 1982)
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mangacapsaicin · 2 years ago
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fumiko takano's absolute safety razor || 高野文子の『絶対安全剃刀』
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anamon-book · 8 years ago
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絶対安全剃刀 高野文子作品集 高野文子 白泉社
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saritamix · 3 years ago
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出産
7/20
まずは誘発分娩を試みるため子宮口を拡げる処置をした。お風呂に入れなくなるのでこの日は10時頃にシャワーを浴びた。
11時過ぎ、内診で指を奥まで入れられる。せいぜい1cmくらいしか開いていない。この段階でもう泣き叫ぶほど痛い。ラミナリアという棒を3本入れられる。絶叫して泣く。
医師は「夜にバルーンを入れるけどこれよりは痛くないからね」と言った。マジか。それからいつも通り時間に追われる生活をし、ラミナリアを抜いてバルーンを入れた。お腹の中が痛い。腰も痛い。下半身すべてが痛い。自分の声も汚い。夫と通話しながら痛い痛いと泣く。夫の電話先では義実家の声が聞こえてきた。頑張れという声が聞こえたような気がするが、全く嬉しいと思えない。むしろ腹が立つくらい。誘発分娩舐めてた。もうこの時点で心が折れかける。
7/21
7時前後、助産師が入室し着替えるように指示される。体重測定をし荷物をまとめLDR室へ入る。モニターをお腹、両腕には血圧を下げる点滴と促進剤を入れる点滴、左腕には自動の血圧計が付けられる。
8時前後、点滴で水を入れられる。砕けるような腰の痛みと闘いながら血糖値測定をする。
9時過ぎ、産科医が来てバルーンを抜かれる。回診やエコーをやってくれる産科医は複数人いて、この時の人は苦手な医師だった(お腹のエコーもガンガン押し当ててきてめちゃくちゃ痛かった)。子宮口に指をガッと入れられたけど、私があまりに痛がったせいかすぐに抜いて助産師に「子宮口の開きを見といて」と言って早々に立ち去る。無性に悲しくて惨めな気持ちになる。眼鏡越しのあの冷ややかな目、怖い。
10時過ぎ、点滴は少し動くだけでピーピー鳴るからなかなか落ち着かない。スマホも満足に触れない。寝返りもモニターが付いているからなかなか出来ない。動く度に腰が痛い。頻尿だからトイレに行きたくなる。トイレに行くにはいちいちモニターを外して貰い、点滴を持ってドアから歩いて離れたトイレに行かなければいけない。そして尿はいつも通り溜めないといけないのでいちいちカップを取らなきゃならない。腰の痛みに耐えつつ椅子から降りてノロノロ歩きながらトイレに行く。点滴が両腕に2つあるので助産師の補助がないとトイレにも気軽にいけない。人間としての尊厳がガリガリに削られている気分。
12:45 血糖値測定とインスリン注射と昼食。ここでも時間が来たら血糖値測定を自分でしなければならない。その度に体を起こすのも辛い。
13:20促進剤増やされる。両隣の部屋からは産声が聞こえた。いいなぁ。私も早く産みたい。終わりたい。
途中から余裕がなくなり、時間と内容のメモをとるのをやめた。20時過ぎまで上記のようなことを繰り返した。もう何かに縋るような気持ちで過ごしていた。結局破水せず陣痛も来ずでお産には至らなかったので、またバルーンを入れられて明日の朝に再度挑戦ということになった。
前向きに頑張ると言ったのに頑張れていない無力感でいっぱいだった。
7/22
8時過ぎ、バルーンを抜いて子宮口の拡がりを確認される。せいぜい2cmくらいらしい。絶望的な気持ちになる。12時くらいまでダメなら帝王切開になることも考慮すると言われ(子宮口の様子を見つついけそうなら継続する可能性あり)絶飲食になる。お腹は空かない。ただ、喉の乾きが段々酷くなり辛くなる。お腹の痛みは昨日より強いのに陣痛が来る気配がない。喉がカラカラなのにトイレには行きたくなる。トイレに行く時に助産師に喉の乾きを訴える。トイレでうがいのみ行って良いと言われうがいのみ行う。これをあと3時間以上、もしくはそれ以上耐えなくちゃいけない。そう考えたらクラクラした。
13時前、心と体に限界が来る。あんなに生きたいと思っていたのに。辛すぎて夫にしにたいとメッセージを送る。号泣していたところ産科医が入室。1番好きな医師で涙腺が崩壊する。もう無理、耐えられないと泣きながら訴える。医師は優しく、でも少し残念そうな顔で「帝王切開にしよっか」と言った。せめて腰の痛みがなければもう少し頑張れた、と言うと「充分頑張ったよ」と言われ更に泣く(7/25のMRIで分かったこと。お尻の骨辺りに微細な骨折の治りかけの跡があったらしい。骨折していたから助産師のアドバイスの何をしても改善せず、激痛だったのかもしれない)。
13時30分に帝王切開を行うと言われ、バタバタと手術の準備が始まった。寝たまま剃毛されて手術着に着替えさせられた。その後、ストレッチャーに移され急いで手術室に運ばれた。産科病棟を出る時、別の助産師に励まされる。正直、怖いという気持ちは全くなく安堵感でいっぱいだった。色んな人から貰った優しい言葉だけを頭の中で何度も何度も反芻させていた。私も帝王切開で産まれたし大好きな友だちもフォロワーさんも職場のあの人もみんな頑張って乗り越えている。だからきっと大丈夫。
オペ室の前で1度止められる。助産師がオペ看に引き継ぎを行っていた。アレルギーの有無や歯について等、いくつか質問をされる。その後オペ室に入室。オペ看は説明をしながらずっと私の手をさすってくれていた。きっとものすごく恐怖を感じていると思われているんだろう。麻酔科医も入室してきた。「適宜状況を説明しますから安心して下さいね」と言ってくれた。状況の説明をしてくれるのは本当にありがたかったし、LDR室にいた時とは大違いだと思った。あの部屋にいた時は助産師が1名または2名ずつ機械的かつ定期的に入退室を繰り返し、色々な処置を行っていた。基本的にこちらから質問するまでは詳しい説明はしてくれず、ただ淡々と作業をこなしている状況が恐ろしくて苦痛だった。
麻酔を背中に3本ほど入れる。針は痛いけどじわじわ下半身の感覚がなくなってくる。尿カテーテルを入れられた。痛くない。腰の痛みも全く感じない。嬉しい。執刀医は私の好きな医師だから何も心配していなかった。
オペ中は必要最低限の会話以外ずっと無言のイメージがあったが、執刀医含め周りは普通に雑談を交えながらオペを行っていた。それも私に安心感を与えた。横にいる麻酔科医やオペ看に自分から雑談を出来るほど冷静だった。10歳頃に木から落ちて全身麻酔4時間の手術を行ったこと。その時の自分の方が弱音を吐かず頑張っていた記憶があるので、入院してからずっと頑張れていない自分に対して情けない気持ちを持ち続けていたこと。そんな話をした。
麻酔をしてもお腹をグイングイン押されたりグニョグニョされる感覚がすごかった。痛くはないけど変な違和感。麻酔科医がその時その時を教えてくれたけど、気持ち悪い感覚だなと思った。
14時13分
赤ちゃんが取り出され産声が聞こえた。肺はちゃんと完成されていた。良かった、と心から思った。小児科医が横に赤ちゃんを連れて来てくれた。赤ちゃんの皮膚は赤く、しわくちゃの顔で泣いていた。この子が本当に9ヶ月間も私の中にいたのか。なんか不思議な気持ち。
触れても良いと言われたので手や足に触れる。この感情を上手く表現出来る言葉が見つからない。ただ、涙が止まらなかった。早々に赤ちゃんはNICUに連れて行かれ、私の縫合の処置が始まった。ここから先はあまり覚えてないけど意外と時間がかかるな、寒いなと思った。処置が終わりリカバリー室に連れて行かれる。体が寒くて仕方ない。温風が出る機械で温められ、その後部屋に戻って寝かされた。両足には血栓防止のポンプらしき機械が取り付けられる。ちょっと気持ちいい。
部屋に戻され1人の時間になれたので、夫・友だち・家族等に出産の報告をした。
その後、小児科医から夫を今日呼べるか?とお達しが入り夫を呼び出す。NICUへの入院手続きを行ったらしい。
夫も私も直接会えないが、zoomで赤ちゃんの姿を見ることが出来た。夫によく似ているなと思った。
その後、眠気が来たので眠った。
尿カテーテルを入れているのでトイレに行く必要がなく、麻酔が効いているので腰の痛みも全く感じない。入院してから1番快適に眠れた夜だった。
その夜、入院して初めて安らかな夢を見た。赤ちゃんの口元にキスをする夢だった。キスをした後『あ、虫歯菌が移る。ダメだ…』と思ったら、赤ちゃんは嬉しそうにニコッと笑ってくれた。それだけでとても幸せな気持ちになれた。
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2022.07.22
35w 4d 2356g
午後2時13分
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leblog400 · 3 years ago
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liliyaolenyeva666 · 4 years ago
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📛 1386 「空手バカ一代」 #4, 5, 6。
テレビの中で 「空手バカ一代」 がはじまりました。今回は 「天狗と少年 (第4話)」 というお話です。電車に乗り、安房小湊駅で下車した アスカケンは 先週読んでいた “宮本武蔵” のやうになろうと、ひとり山の中 (奥州清澄山) で修行をはじめます。1年の月日が流れ、漁村では 山の中で 天狗と鉢合わせになるとかどうとかといった、奇妙な噂が流れているさうです。そんな中、森のどこかで ふたりの少年が キノコ拾いをしています。「天狗?そんなものいるわけない」 と少年。カラスが大勢集まっている場所に遭遇したふたりのうちのひとりがこわくなって逃げ出します。「ちっ、弱虫が!」 と、強虫な少年。沢山の バキッと折られた大木が目の前に広がっている場所に遭遇してしまった彼は思わず 「まさか!本当に天狗が!」 と呟き、そして 「あっ!」 と 仮面ライダー並みのジャンプ力を持った 空手着を着た青年が、跳んだり跳ねたり木々を飛び移ったりしながら木々を折ったり拳をぶつけたりしている光景に動揺します。「これは一体!」 と少年。「とわっ!」 と修行に励むは 空手着を着た長髪のアスカケンです。1年が経って あまりのイメージチェンジに誰だか分からなくなって���ます。「天狗じゃねえ、あれは山男だ」 と 天狗ではないことが分かった少年。「すんげえや」 と 目の前の山男に慄く少年。「あれは天狗よりすげえや」 と 天狗より上のいきものって何だろって考えさせる少年は アスカケンの側で じいっと アスカケンの魂の修行を見つめています。そんなアスカケンは ここのところ、滝で蹴り技の特訓をしたり (蹴りで 滝の水を とわっ!と切ります)、棒きれの両端に 大岩を結び、バーベルに見立てて歯を食いしばりながら持ち上げたり、大雨の中 うさぎ飛びでぴょんぴょん跳ねたり、吹き荒れる風の中で 修行のし過ぎでせうか、木から木へ ほぼターザンか狼少年ケンのやうに成り果てたり、腕力づくりのため、絶壁を足をつかわずに登ったり、親指一本での逆立ちを練習したりしています。「くっ、んっ、やったー !」 と、親指一本で 逆立ちが出来るやうになったアスカケンは 「よーし、この調子だと歩けるぞ」 と、逆立ち歩きが出来るやうになりたいみたいです。「うまい、うまいぞがんばれ!」 と こっそり見ながら ついつい声を漏らす少年に 「誰だ!何だこどもか、こんなところで何をしている!」 と 少年に喧嘩腰で叱り付けます。「おねげーだ、弟子にしてくだせえ先生っ!」 と少年。彼の回想シーンによると、行商をしている母は 元締めの “ボルネオのトラ” と呼ばれているらしい チンピラの親分に 上前を撥ねられて困っているやうです。ある日、荷を担いで出たのに何処にもいないおっ母を 小湊駅で ウロウロしながら探していた少年は ついぽろっと口が滑って おっ母が チンピラを通さずに行商をしていることをバラしてしまいます。なんて話しを “心” と壁に書いてある部屋の中で静かに聞くアスカケン。少年の名は “ミツル” というやうで、ミツルの為に グローブを買ってきたおっ母は チンピラらに捕まり、ひどい暴行を受け、地面で気絶してしまいます。そんな回想を終え、アスカケン先生は 「坊主はそれで空手をやりたいのか?」 と ミツルに尋ね、そして ミツルに空手を教えられない “3つの理由” を語ります。第一に “空手はそんなやつらをぶちのめすための道具ではない” と、先週まで やくざの用心棒だった者の台詞とは思えないやうなことを言い、第二に “年季がかかる” と、空手は ファミコンの “カラテカ” 並に さう易易とマスター出来るものではないと言い、第三に “母が喜ばない” と、元も子もないやうなことを言い放ちます。それに 「俺は修行中の身だ!俺に構わんでほしい!」 と、逆ギレする始末。口をあんぐりと開けて何も言えないミツルとともに お知らせに入ります。お知らせが明けても 修行中の身なアスカケンは 「ふんっ、てゃぁーーっ!」 と 森の木を痛めつけています。次から次へと 木をぶちのめすアスカケン。そんな超人的な先生を見ながら、見様見真似で木を殴るミツル。そんなミツルを見て 「あれほど言ったではないか!さあ帰れ、ここは子どもの来るところではない!」 と 森林破壊ぎりぎりな男に 帰れ帰れと言われ続けたミツルは涙します。それから いつかの日に “安房小湊駅前” で集まっているチンピラ共に 鎌を持ってタタタっと駆け、親分に襲いかかったミツルは 親分から “なかなかの根性だ” と 変に認められ、中華そば屋で 饅頭なやうな食事をご馳走されます。さらに 親分から グラスの中いっぱいに詰め込まれた札束を掴まされ 「親分って案外だなー」 なんて言いながら 顔を赤らめて親分に惚れ込みます。そんなころ、親指ひとつで逆立ち歩行に全力を注ぐ アスカケンは、親指逆立ちが出来るやうになります。喜びのあまり ミツルの残像まで浮き出してしまうアスカケンは 「あの坊主、どうしたかな」 と ちょっと気になってしまい、村人に尋ねたりしながら ミツル宅に裸足で向かいます。玄関を開けて 裸足の空手着姿の天狗マンを見て驚くミツル母ですけれど、そんなミツル母から ミツルの現在を聞いて驚くアスカケン。あれからどれだけの月日が流れたのか よく分かりませんけれど、ミツルは義務教育もどこへやら、お祭りの場でテキヤ商売をしています。「おい坊主、話があるんだ」 とアスカケン。「坊主、家へ帰るんだ」 とアスカケン。グレたミツルは 「理屈ばかりで何もしてくれない天狗とは大違いだ」 と、ほぼチンピラの仲間入りをしています。上前を撥ねるチンピラに苦しめられている人がいるんだぞ!と理屈天狗は ミツルを説得しますけれど 聞く耳を持たないミツル。とそこへ、ふんどし姿の親分 (赤ふん) と子分ら (白ふん) が現れ 「天狗?」 と聞き返します。こどもをぶん投げて喜んでいた親分は アスカケンに土俵で勝負しろ!と無茶な勝負を仕掛けます。売られたケンカは ついつい買ってしまうアスカケンは ふんどし一丁になり (白ふん)、ミッチー呼ばわりなミツルが見守るなか “ボルネオタイガー対天狗の里” の勝負がはじまります。互いに掴み合い、いい勝負が続きますけれど、投げ技でボルネオタイガーを ドガっと地面に叩きつけたアスカケンは 襲いかかってきた 子分を次から次へと投げ飛ばします。「もういないのか?」 と まだまだ余裕なアスカケン。どこからともなく 皆はドスを構え、アスカケンを囲むやうにじりじりと近づいていきます。そんな中で アスカケンは 「見たか坊主」 と、卑怯な手しか使わない輩どもに向けて 「こんな奴らが かかってきたときだけ空手は使っていいんだ!」 と 空手の誤った使い方をミツルに叫び教え、バッタバッタと チンピラらを余裕で ぶちのめします。「いぃー!おぼえてろ!」 と赤ふん親分。ミツルを見捨てたアスカケンは 「アハハハハ、すまなかったな。俺ももう少し考えればよかった」 と、少年のジンセーを危うく台無しに仕掛けたかもしれないのに アハハハハと笑い飛ばします。と、そこへ 相撲大会の関係者から米一俵が届きます。相撲大会の優勝賞品なやうです。「そのつもりで出ればよかった」 と、天狗先生。ひょいと米俵を左肩に担いで アハハハハハ と笑います。"さよなら" と 両目から涙するミツルと別れ、新たな課題に進んだ アスカケンは、手刀による自然石割りに全神経を注いでいます。パッと実写映像に切り替わったりしながら、自然の石は硬くて硬くて 手で割らうなんて考えは 狂気の沙汰だったとナレーションの声が聞こえてきます。
つづいて
テレビの中で 「空手バカ一代」 がはじまりました。今回は 「新しい出発 (第5話)」 というお話です。「俺は自ら求めてバカになるんだ!」 と、いきなり凄い台詞を飛ばすアスカケンは 先週のおさらいのやうな修行をせっせと 山を破壊しながら励んでいます。けれど、無性にさびしくなり、山を下りやうと思ったりした 少しおセンチな気分に浸ったアスカケンは、これではいけまいと 剃刀で ゾバッと右眉を剃り落とします。セーシン的にヤバミンなアスカケンの誕生です。「アハハハ バカの顔だ!空手バカの顔だ!」 と 空手だけではなく、風貌までおそろしくなってしまったアスカケンは 「73、74、75、76!」 と親指立て伏せに全神経を注いだり 「空手の戦いに助走はない」 と、助走なしで キングダムの主人公よりも高く飛んだり、相も変わらず 木々を破壊したりと 敵に回すと手に負えない感じです。さらに 「85、86、87、88 、91!」 と親指立て伏せの回数を増していくアスカケン。「いゃあー!」 と 雪降り積もる山の中を 親指逆立ち歩きで ガッシガッシと歩むアスカケン。彼は 自ら “最終試練” と強く思い込んでおります、先週の終わり間際に挑み挑んで敗れて終えました、日本の空手史上誰も成し遂げていないらしい “自然石の手刀割り” に再び挑みます。が! 「割れないっ!」 らしいアスカケン。「とことん勝負だ!」 とアスカケン。翌る日も翌る日も自然石を割るアスカケンは 蝉が鳴く季節になっても ひたすら自然石に手刀を浴びせ���います。手が割れないのが不思議ですけれど、そこには悩まず、瓦や煉瓦は割れるのに 自然石は何故割れないっ!と考え込むアスカケンは ある日 「しかし割れる!見える!」 と、突然にジオングを駆るキャスバル兄さんのやうなことを言い出します。「いやあー!」 と気合いを込めての一撃で 見事石を真っ二つに割ったアスカケン。不意に現れた 実写映像も石を割っています。「やりました、やりました!武蔵先生!」 と、宮本武蔵先生は 石を割ったり 割らうと思ったりしたことがあったのか無かったのか、その辺りはよく分かりませんけれど、とりあえず 先生に石割りの報告を済ませたアスカケンは 山を下りる決意をします。何となく古本屋から持ってきていたらしい “宮本武蔵 (数冊平積み)” に別れを告げるアスカケン。「ハハー 何年ぶりの街中かなー!」 と、山に篭ってから何年もの時が過ぎていたことに驚いてしまったわたしですけれど、町の小僧どもに 空手着一つでぶらぶら歩いているところを囃し立てられます。そんな ふざけた小僧に ふざけ半分で投げられた石を スパッとキャッチしたアスカケンは、側にあった木製の電柱に拳をお見舞いします。恐れ慄き 逃げ出す小僧たち。「ふふふ、お山の天狗さまか!」 と いかしたニックネームを付けられることが好きなアスカケンは 電柱の拳の跡を見つめ 「なかなか出来る!」 と渋い台詞を吐いた おじさんに後をつけられます。「あのう、何か御用ですか?」 とアスカケン。今週は つけられていることに気づいたやうです。アスカケンと稽古をしたいと おじさん。「あんた、いったい誰ですか?」 と アスカケン。おじさんは 漁師らしいです。「しかし、一分の隙もない」 と おじさんは並の漁師ではないことを察するアスカケン。何となく おじさんの家に案内されます。「はっ!これは!」 と おじさんの家の入り口に立て掛けてあった 穴だらけの畳を見て驚くアスカケン。「すごい!すさまじい抜き手!」 と アスカケン。砂に ぶっさぶさと両手を突き刺す 実写映像が流れます。強烈技であるやうです。実写映像を終え、砂浜で稽古をはじめるふたり。お互い すり足でじりじりと距離を狭めていきます。「ぬわああああー!」 っとアスカケンに向かってくる おじさん。飛びかかってきたおじさんに 「よし!今だ!」 と、何がよし!今だ!なのか教えてくれないまま お知らせに入ります。お知らせが明けると 「いくぞ!てやあーー!」 と 手刀と蹴りが 空中で激しくぶつかり合あうとしているところから始まります。「とおーーーっ!」 とアスカケンも雄叫びを上げて タイガーショットを決めるか決めないかの瀬戸際です。と突然に 「あゝ待って!お父さん、やめてください!」 と、ピンク色っぽい着物を着た娘さんが 何処からともなく現れて ふたりの稽古を中断させます。家に寄って行かないかと おやじさんからお誘いを受けたアスカケンは 「あ、はい」 と 一泊させて貰います。お酒を交わしながら “戦後初の全日本空手選手権!” という新聞記事を アリマさんというお名前らしい おじさんに見せられ “戦争で果たし得なかったわしの夢” を語られ “共に出場してみんかね?” なんて誘われて心がうずうず疼くアスカケン。「うーん、うまい!」 と タダ酒飲みに関しても超一流なアスカケンは お猪口で ぐいっぐいっとお酒を飲んだあと、柄にも無く 夜の浜辺で物思いに耽っています。「全日本空手選手権か」 とアスカケン。「檜舞台で力を試してみたい!」 とアスカケン。とそこへ 先ほどの娘さんが ふらっと現れ、空手の試合に出たがってる父をどうにか止めてほしいとお願いされます。アリマおじさんの娘、タエさんは 父親の空手に大反対しています。漁師の仕事を辞めて空手の練習ばかりな63才を “やめさせてください!” とタエさん。「しかし!」 とアスカケン。「堪忍してください!俺には俺にはどうしても出来ないんです!」 と アスカケン。カラテカがカラテカにカラテカの空手を辞めさせやうとすることの難しさに苦しみ悩むアスカケン。若い人の中で選手権に挑んで本当に勝てませうか?とのタエさんの答えに悩んでしまったアスカケンは 「もう夜が明けたのか!」 と答えを見出せないまま 朝を迎えます。おやじさんを説得する方法は 何となくわかっているアスカケン。勝負をして、おやじさんの “夢を叩き潰し諦めさせる” という おやじさんのドリームを叩き潰す方法のみは思いついたアスカケン。が、しかし おやじさんの、あの “抜き手の技” を破るための方法を 脳内シュミレーションしたところ、彼の指をすべてちぎり吹き飛ばすという計算結果が出てしまい 「いかん!悲しませたくない!」 と 今週も悩みます。という訳で、そんなやうな話を それなりに話してタエさんを泣かしたアスカケンは 「その漬物石をください!」 とタエさんに尋ねます。急に その漬物石をください!と言われてもと戸惑うタエさんに 「まあここで見ていてください」 とアスカケンは 「とおおお!」 と 庭の真ん中で 漬物石をガパっと割ります。この 日本の空手史上誰も成し遂げていないかもしれない、漬物石の手刀割の割り様をおやじさんに伝えればきっと すっぱり諦めてくれるだらう!と、なぜか走って逃げて姿を消したアスカケン。「おそるべきわざだ」 と その様を見ていたっぽいおやじさん。列車に飛び乗ったっぽいアスカケンは 「あ��たの分まで俺は戦ってみせます!」 と心に決め、1947年、京都の円山公会堂で開かれた 第1回全日本空手選手権に出場します。北は北海道から南は九州まで 48名の猛者が技を競い合うこの大会は “手刀による瓦割り” から始まります。最低瓦を8枚割らないと失格になるらしいこの競技、皆が皆 様子見の8枚割りに挑むなか、いよいよアスカケンの登場です。が、しかし!アナウンサーと 空手5段の解説者から “まったく聞かない名” なんて言われてしまう ダークホースなアスカケン。そんな知名度0なアスカケンは 瓦17枚割りに挑むやうで、周囲から笑われたり 「やつはバカか!」 とか 「こんな男はカラテカではない!」 なんて言われてしまいます。
つづけて
テレビの中で 「空手バカ一代」 がはじまりました。今回は 「爆発した野生 (第6話)」 というお話です。白熱する “第一回空手選手権大会” で 17枚という瓦割りに挑戦するアスカケン。「とわぁっ!」 っと 右手を大きく振りかぶって 高く積まれた瓦に ビシッと一撃を喰らわすアスカケン。7、8枚は 割れずに残っています。見せかけかと周りに笑われるアスカケン。かと思ったらバリバリと割れていく瓦。17枚割りに成功したアスカケンに アナウンサーも だらりと汗を浮かせています。さてさて、第二試合と言うべき 勝ち抜き方式の “組手の部” がはじまりました。相手の身体と紙一重でなければならないこの試合、相手の身体に触れると 反則負けまたは失格減点になるさうで、実写映像の組手を流しながら、その紙一重なテクニックの凄さを見せつけます。そんな中 「すれすれの先に変化が無いやうではカラテカではない!」 と、すれすれの先の変化探しを始めてしまいさうな勢いのアスカケンは 九州の鬼と呼ばれている選手 (四段) との試合に挑みます。「はじめっ!」 と審判。後ずさるアスカケン。お互いの攻撃は バッチバチと めっちゃ身体が触れ合っていますけれど、透かさず 強烈な一本勝ちで勝利したアスカケンは 「力をセーブしなければ相手の頭を蹴り込んでいた!」 と、100%で戦ってしまうと 相手を再起不能、もしくはこの世から消してしまうかもしれないという恐怖に打ち震えます。「けだもの生活で 俺の中には野獣が棲んでいる!」 と、ヤクザの用心棒だったり、森の中で眉毛を剃って笑ってみたり、宮本武蔵に熱中していた生活がけだもの生活だったらしいアスカケンは 「俺の中の野獣をなだめ、人間のルールで戦うんだ」 と、人間のルールで勝負に挑みます。と、そこに 優勝候補ナンバ (五段) が試合に挑みます。「俺より遙かに経験豊かで華麗な技を見せる」 と つぶやきながら試合を見つめるアスカケン。目を瞑り 「くそー!」 と叫ぶ アスカケンは 「強い選手を見ると飛びかかって噛みつきたくなる!」 と、即反則負けが確定するやうな思いに悶え苦しみます。とりあえず 流しで顔を洗って 頭を冷やすアスカケン。次の試合、ベラボーに強いアスカケンは すぐに一本勝ちで勝利し、次の試合 (準々決勝) も すぐに一本勝ちで勝利します。そんな強すぎる無名な長髪男を 「技は鋭いが荒い」 と解説者。「強いことにはたしかにバカ強い」 と 難しいことを言う解説者。次なる準決勝戦も、互いに大空中戦を繰り広げるものの、 7、8秒の離れ業で相手を一本勝ちで倒すアスカケン。そんな ガンダムよりも強さうなアスカケンを見て だらだらと冷や汗を流す控え選手たち。「あんな選手が現実にいたのか」 と、観客席の中の学生服を着た少年が声を漏らします。さて、いよいよ決勝戦が始まります。ナンバ (五段) 対 アスカ (三段) の対決です。ひとまずお知らせに入り、明けると アスカケンの姿が見当たりません。「決勝戦に尻込みしたのでは?」 とアナウンサー。そのころ 「くれぐれも用心しなければ」 と、またまた 流しで顔をじゃぶしゃぶと洗い流していたアスカケンは 「野獣よ鎮まれ、落ち着け!」 と流しの上に写る鏡の中のアスカケンを見つめています。とそこに、学ラン姿の青年が現れます。「ん?わたしを呼びに?」 とアスカケン。学ラン姿の青年に 「応援しています、頑張ってください」 と励まされたアスカケンは 「いやあ、どうもありがとう」 と少し照れます。会場に向かう アスカケンを見て 「巌流島にコジロウを待たせたムサシのやうだ」 と学ラン青年。そんな遅刻気��なアスカケンの決勝戦がいよいよ始まります。開始早々 天高く飛び上がりライダーキックを浴びせるアスカケン。お互いに一歩も譲りません。ナンバの攻撃を躱しながら 「速い!鋭い!」 とアスカケン。「アスカさんのほうが押され気味だ!」 と 先ほどの学ラン青年。「焦るな、焦ったら俺の負けだ!」 と攻撃を緩めたアスカケンに ナンバの上段突きが アスカケンの左のこめかみに直接決まります。攻撃を受けた反動で 透かさずカウンターを決めてナンバをぶっ倒したアスカケンは 「噛みつかれて、俺の中の野獣が抑えきれず、飛び出してしまった」 と、無意識に攻撃の手が出てしまった己を呪います。互いの反則と軽くノビてしまったナンバに 試合は一時中断、"日本空手道 第一回大会 大会規則" では アスカケンの得点勝ちなのではないでせうか?と尋ねるアナウンサーに アスカケンの反則負けを主張する ナンバ贔屓な解説者。アスカケンの空手を邪道呼ばわりしたり、ケダモノ呼ばわりしたりと とことんまでアスカケンを認めないやうです。審判員の審議の結果 “異例の処置、10分間の休憩後 試合再開” となります。身構えるナンバに対し、正座したまま動かないアスカケンは 「孤独な日本一、孤独な日本一」 と、日本一になる前から 孤独な日本一になっている自分のビジョンを ホワワワワンと浮かばせています。「相手が挑んできたからには とどめを刺す!心の師 武蔵先生のやうに」 と、とどめを刺す気満々のアスカケンは 試合開始と同時に、いきなりのハイジャンプからのライダーキックで とどめを刺しました。「一本!」 と審判。「負けた」 とナンバ。「勝った」 とアスカケン。家の置き場所にとても困りさうな 巨大なトロフィーを授与されたアスカケンは 「これが空手日本一か」 とやや不満気です。一撃必殺の空手がこめかみに炸裂したのにも関わらず 命を落とさなかったことに 何故だ!と疑問を感じたアスカケンは 一撃必殺の空手で命を落とさなくて良かったね、なんて思ったりせずに、一撃必殺のカラテカを目指さうと 心に誓います。
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140-not-enough · 5 years ago
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古→長も長→古も古↔長もぜんぶ好き
手に入れた古長本を少しずつゆっくり読んでいます。距離感遠めの古長もいいしエロいことしてる古長もいい…さいこうだな…
悲しいのはすでに感想の送り先がないこと…全盛期にハマっていたら伝えられたのかな〜と思うととても申し訳ないです。でも巻末のコメント(古長好き!とか愛!とか書いてある)を読んでめっちゃやる気をもらいました。絵を描く度にまだまだだな…と自分に凹むんだけどやっぱもっと古長描きたい! 好きだ!
とりあえず今描いてるエロをどうにかします。手とか足とか難しくてなかなか線画にたどり着けないんだ…
Kindleで古典部シリーズを一気買いしました。ほら、もうすぐ入院だから…と言い訳しつつ買ったのにすでに読み始めてます。やっぱり面白い〜! 昔図書館で借りて読んだけど、電子でも手元にある方がしっかり読み込めていいなあ。
ついでに「米澤穂信と古典部」も購入。これもめっちゃ良いです。奉太郎が行く喫茶店「パイナップルサンド」、ブランキーっぽいな…と思ってたら本当に元ネタブランキーだったのが嬉しかった。見せびらかしてーたー見せびらかしてーるー。
あと古典部4人の本棚も良かった! 特に摩耶花の漫画本棚…クドリャフカの時の衣装も「!」と思ったけど、地球へ…、大島弓子、藤子・F・不二雄のSF短編、人魚シリーズ、わたしは真悟、絶対安全剃刀…そしてこいつら…! 私自身も少中高でこれらの作品にハマってたのでめちゃくちゃ興奮しました。でもこういう作品好きだとそりゃ漫研内でちょっと浮くよな…とも思いました。とりあえず私は摩耶花と漫画の話をしてみたい。
最後にプチトマトの写真を載せます。
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プリプリのツヤツヤ
おっぱいに見えるかおしりに見えるか、解釈が分かれそうなプチトマトです。
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buriedbornes · 5 years ago
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第37話 『白き山脈にて (1) - “屍術団"』 In the white mountains chapter 1 - “Necromancers”
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冬、雪深い季節に、エレドスティ山地に足を踏み入れる者は少ない。
麓に住む数人の狩人が、備蓄が尽きてやむを得ず食料を求めて入山するばかりである。
仮に入山しようとする者がいたとしても、無関係の者の多くは、そうした者達を自殺志願者として扱う。
そのため、道案内など頼まれようものなら、道連れを恐れ、誰も首を縦に振る事はない。
しかし、今回だけは、事情が違った。
多くの無知蒙昧な麓の村民達にとって、屍術師の集団などなおさら忌避すべき余所者だ。
私自身でさえ、置かれた状況の変化がなければ、そうした連中と同じように門戸を閉ざし、その冒涜者達と直接まみえることさえもなかっただろう。
しかし今、私は彼らと旅程を共にし、馬車に揺られながら、エレドスティの中腹へと向かっている。
村から半日ほどかけて、馬車は間もなく野営予定地に到着する。
幌の端を軽く捲って外を覗き込むと、麓の村が放つ灯光が白い斜面の先にぼんやりと小さく視界に映る。
あれは、滅びゆくものが放つ、最後の光だ。
私はその村の姿を遠目に見るごとに、死にゆくものを看取るような気持ちを抱いていた。
私が、妻や、老いた両親や、幼い我が子を看取ったときと同じように。
この冬の寒波は一層強く、そして何より、山が牙を剥いたのだ。
それは、自然の力強さだとか、野生動物の活動だとか、そういったものとは性質の異なる、この世のものとは思えない悍ましいものだった。
被害者の多くは、暗く虹色に発光するタール状の痕跡だけを残し、腕一本さえも帰ってくる事はなかった。
被害者こそ数人に留まったが、村の狩人達は完全に萎縮してしまった。
被害者達の末路を知る者はいないのだ。
誰だって、得体のしれない怪物に連れ去られ、どんな悲劇が待ち受けているのかわからない魔境に足を踏み入れるくらいなら、餓死した方がマシと考える。
私自身も、気持ちは同じだった。
狩人のワットと言えば、村で知らぬ者もいないほどの狩りの名手と謳われたものだ。
それが今では、屍術師達の手先に成り下がった、とでも言うのか。
それでも、良いじゃないか。
どうでも良かったのだ。
家族は皆、餓えて死んだ。
あとは私も後を追って、皆の待つ場所へ逝くだけだったのだ。
そこに、彼らがやってきた。
他の村民には門前払いされたそうだが、私はそうはしなかった。
相手が誰であろうと、誰が家に来ようとも、もう、どうでも良かったのだから。
この連中が帰ったら、その後自死しようか、とまで思っていたのだ。
しかし、悪魔は囁き、私は応えた。
エレドスティ山地の案内料は、今どき珍しい、金貨で支払われた。
これだけの金貨があれば、都市廃墟の闇市場に行けば、幾らでも食料を買える。
死なずに済む、生きられる。
そう思ったとき、はじめて死ぬ事が恐ろしくなったのだ。
村民達はきっと私を、家族を見殺しにした死にぞこないとして軽蔑するだろう。
金も分けずに、一人で屍術師達に取り入って生き延びた、裏切り者。
なんとでも言えば良い、それでも私は生きたいのだ。
そして連中は、この冬を越えられず、一人の例外もなく息絶えるだろう。
だから、あの灯光は、死にゆくものの光なのだ。
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私だけが、彼らの訪問を迎えたのだから、私だけが、生き延びる資格を有していたのだ。
屍術師達は、馬車を引き連れて現れた。
手綱を引き、二頭の馬を巧みに操るのは、意外にも女性だった。
はじめ御者席に座る彼女を遠目に見たときに、巨漢と見紛うほどの長身であった。
肩口で切り揃えられた銀髪の先が、黒いコートに縫い付けられたフードのファーに埋もれていた。
雪のように白い肌と切れ長の瞳が、妻に似ていると思った。
名を名乗り挨拶した私を一瞥し、彼女はそっぽを向いてしまった。
仲間との会話から、彼女はアリーセと名乗る事がわかった。
直接門戸に立ち交渉を持ちかけてきた男は、ライツと名乗った。
彼に対して抱いた第一印象は、”普通”だった。
特徴のない顔、伸ばし放題の髪をくくり、肩に垂らしていた。
ヒゲだけは丁寧に剃刀を当てているようだったが、それが逆に無個性さを強調しているようにも思えた。
鈍色のローブの中は見えなかったが、この寒い中でも厚着はしていないようだった。
交渉中も始終抑揚のない発声で、事実のみを淡々と述べていた事が印象的だった。
一方で、交渉が成立し、馬車から飛び降りてきた男は、逆の印象を与える人物だった。
男はジョゼフと名乗り、狼狽する私の掌を強引につかみ、白い歯を覗かせながら握った手を雑に振った。
短く刈り込まれ撫でつけられた髪と猟犬のような端正な容貌は、都会の社交界で幅を利かせていた男前の紳士達とやらを思わせた。
体のシルエットに沿ったハンター用のジャケットとキャップを着こなし、身振り手振りから気取りが感ぜられて、人に見られる事を強く意識しているだろう事が、余計にライツとの違いを際立たせたように思う。
馬車にはこの3人が乗り込んでいた。
そして、馬車の荷台の脇に積まれた、曰く有りげな大袋、5つ…
彼らが何の集団なのかを知っていれば、その袋が何を入れたものなのか、容易に想像がつく。
とはいえ、私はそのことを口に出す事はなかった。
袋は完全に密封されているようだったし、雪深く積もる山中においては、匂いが漂う事もないのだろう。
私は、荷台に設えられた簡易椅子の、一番外側に座していた。
その隣で、ライツが姿勢良く揺られていた。
ジョゼフは、あろうことかその死体袋の脇に鞄を放り、枕にして横になっていた。
アリーセは幌の外、御者席で馬車を進めていた。
道中、車輪の音だけが響いていたが、沈黙に耐えかねた私の質問に、ジョゼフが丁寧に答えてくれた。
彼らは”屍術団”を名乗り、人類の勝利と復興を標榜しているらしかった。
私はつい、随分安直な名だと言ったが、ジョゼフは「俺達にとっちゃ、名前なんてどうでもいいんだよ」と笑った。
屍術師達が集まり、この災禍をもたらした地底の王とやらを屠るために、各地に散在する様々な知識や技術を集め、日夜戦いに耽っているとの事だった。
組織には他にも多数の術士達がいるらしかったが、この3人のように少人数でグループを組み、任務に当たる事が多いとも聞いた。
その日を生きる事ばかりで精一杯の私にとっては、まさに雲の上のような世界だった。
彼らがどれほど恐ろしいものと対峙しているのか、想像する事もできなかった。
ただ、山中で村民が出くわしたような怪異も、彼らにとってはきっと、容易く解決してしまうような日常茶飯事なのだろうなという事は想像できた。
矮小で無力な人間には、自分で自分の未来を決める事すら叶わない。
私のようなただの狩人には、運命は変えられなかった。
己の手で己の運命を決められると信じる彼らの存在は、とても羨ましいと思った。
だから私は、仲間が消え去った山へと登っていく馬車の中でも、不思議と落ち着いている事ができたように思う。
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幌の外から馬の嘶きが響き、揺れが収まる。
馬車が目的の野営地に到着したのだ。
私は術士2人を促して先に降りてもらい、続いて地上に降り立つ。
長い時間揺られ続けていたせいか、降り立った直後に軽い目眩を感じ、私は思わず荷台に寄りかかってしまう。
エレドスティを登る道は、ここで途切れている。
車輪で踏み込めるのはここまでで、ここから先の斜面と険しい岩肌は、馬車で立ち入る事はできない。
この窪地の開けた荒れ地は、露出した土中に含まれる塩分のために雪が積もらず、狩人達が夜通し狩りを行う際にも野営のため頻繁に使われていた。
疎らに立った木の陰を見れば、ロープの切れ端や布切れが散見され、過去にここを使った者達の痕跡が確認できた。
おそらくは私自身が最後に山に登ったときに焚いた焚き火の跡もそのまま残されていた。
ライツは窪地に降り立つが早いか、すぐに石灰の白墨で荒れ地の地面に何かの図形を淡々と描き始めた。
アリーセは馬車の荷台と幹の太い手近な木をロープで手早く括り付けると、荷台に積まれたあの忌まわしき袋を次々とライツの描く図形の脇へと降ろし始める。
ジョゼフは、同様に馬車の荷台奥に積まれていたであろう折りたたみ式の椅子を取り出すと、図形の目前に揺れのないようしっかりと固定し、その上に深々と腰を下ろすと、懐中から取り出した帳面を熱心に読み込み始めた。
三者三様に、これから始まる探索に向けた準備を始めていると素人の私にもすぐに判断できた。
一方で、私自身はというと、明確な目的を持って動く3人を前にして所在なげにウロウロと図形の周囲を歩き回っていた。
時折、荷物を運び出す途中のアリーセの通り道を塞いでしまい、舌打ちされ、慌てて脇に避ける場面もあった。
やがて一通りの荷物は出し終えられ、図形を描くライツの手も止まった。
ジョゼフはそれに気づき、帳面を畳み懐中にしまい直すと、両手のひらで顔を2,3度強く打ち付けた後、気合を入れるように言葉にならぬ声を発し、ライツに声をかけた。
「やろうか、リーダー」
「急くな、結界が先だ」
そう答えたライツは、ブツブツとなにかの呪文のようなものを呟き始めた。
間もなく、光の筋がライツの指先から放たれると、窪地の周囲に積もっていた雪がその光を反射して輝き出すと、やがて私の視界はぼやけ始め、窪地全体にまるで靄がかかったかのような景色へと変じた。
「ワットさん。この窪地から外には決して出ないように」
「アンタ一人で死ぬ分には勝手だが、俺らまで見つけられたら困るからな」
ライツの説明を、ジョゼフが物騒な形で補足する。
アリーセは相変わらず無言のまま、腕組みをして山頂の方角を凝視していた。
ジョゼフは腰掛けた椅子の上で胡座をかくと、目を瞑り、頷く。
それを認めたライツが先程とは異なる呪文の詠唱を始める。
地面に描かれた図形が仄かな光を放ち始めると、アリーセが傍らの袋をひとつ軽々と抱えあげて、円形の図の中央に丁寧に横たえ、また元の位置へ帰る。
やがてライツの呪文に呼応するように図形の光は力を強め、やがて袋そのものが発光を始める。
あまりの眩さに、思わず手を翳して光を遮った。
次の瞬間、嘘のように光が去り、ライツの詠唱も途切れた。
ライツは図形の中央に歩み寄ると、袋を固く封じていた紐を丁寧に解いた。
すると、ああ、これがこの、悍ましき屍術師の業だと言うのか。
袋の中から、頬の肉が破れ、奥歯が露出した顔が覗く。
男の死体が、独りでに起き上がり、地面に手をつき、気怠げに立ち上がった。
ボロ布だけを身にまとい、体のあちこちが綻んで皮膚の内に秘めた真紅の筋肉が覗いている。
遡った胃酸が喉を焼いた。
臭いなどはない。
ただ、その悍ましさ、涜神的な情景に、心が悲鳴を上げていた。
「ジョゼフ、行けるか?」
ライツが死体に声をかけている。
当のジョゼフは、椅子の上で項垂れて、返事をしない。
直立した死体の喉がひゅうひゅうと鳴り、軽く咳払いをひとつ、そして地の底から響く呻きじみた声が発せられる。
「いつでもいけるぜ」
これが、今のジョゼフなのだ。
そこで項垂れた青年は今、ここに立つ死した者の身にその心を宿しているのだ。
耐えきれず、私はその場に吐瀉する。
馬車の中で受け取った林檎の残骸が荒れた土に撒かれる。
「おい、しっかりしてくれよ。ここからがアンタの仕事なんだ」
死体が、その見た目に反した軽口を私に向ける。
一見滑稽にすら見える、この世のものとは思えぬ一幕。
脳の奥の方が、急速に痺れて鈍磨していくのを感じる。
死体は、その立ち上がった時とは別人のような軽快な足取りで、早々に靄の結界の外へと駆け出して、そのまま見えなくなった。
ライツがその姿を見届けると、再び呪文を唱え始める。
やがて、靄の中に、鮮明な幻像が浮かび上がってくる。
風のように過ぎ去る山地の景色。
まるで、崖や岩場を駆ける猫科猛獣の瞳に映るものを覗き込むようだ。
やがてその視界は、今我々が立つこの野営地を見下ろす位置で止まる。
「視界、声、問題ないか?」
やまびこのような声が耳の中に響く。
「問題ない。ワットさん、あなたにも彼の視界と声が見聞きできているか?」
ライツの問いは非常に奇妙なものであったが、首肯する以外になかった。
ここからが私の仕事…
たとえ彼らが屍術に精通し恐るべき力を行使できたとしても、この山の地理には不案内なのだ。
だからこそ、この山に精通した案内人を、この山に生きてきた狩人を求めたのか。
震えが止まらない。
もう前に進むしかない。
これを選んだのは、自分だ。
生き残るための代償。
こうして図らずも、私は屍術師達の戦いに巻き込まれる事になった。
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~つづく~
※今回のショートストーリーは、ohNussy自筆です。
白き山脈にて (2) - “エレドスティ山地"
「ショートストーリー」は、Buriedbornesの本編で語られる事のない物語を補完するためのゲーム外コンテンツです。「ショートストーリー」で、よりBuriedbornesの世界を楽しんでいただけましたら幸いです。
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amalakamala2022 · 2 years ago
Text
amalakamala1万2000字インタビュー
2022年末頃実施のtelementeiko発表時のインタビューを今更ながら公開!
「バンドサークルの先輩は嘘つく」、「〇〇〇〇ーは爆発する」、「なべしゅうは狂犬だった」などのどうでもいい話から、amalakamalaのバンド名の由来やバンドの展望まで。
メンバーから、渡辺周(Vo,Gt)、ヴァイオラ伊藤(Gt)、シバサキ(Ba)が参加。
インタビュアー:わだしんぺい
youtube
――まず今回の3人が、元々同じプログレサークルに所属していて……というところからamalakamala結成に繋がるかと思うので、その辺の話からお願いします。
渡辺周(以下、渡辺) 実は僕とヴァイオラくんとやっていた前身のバンドが微妙にあったんですけど、それは空中分解して。その次にヴァイオラくんと「新しくオリジナルのバンドをやりたいね」ってなって始まったのがamalakamalaなんですが、その時に作ってた曲が、割とシーケンス的なフレーズが入ってる曲で。それが弾けるベーシストがいいなっていうことで、シバサキくんを呼んだんだと思う。
ヴァイオラ伊藤(以下、ヴァ) ベースがDropDの曲だったんですね。それで、「シバサキくん、6弦持ってるから弾けるよね」みたいな話をした記憶がある。
シバサキ(以下、シバ) Pot-pourriも同じ理由で呼ばれた。低い音が出せるって理由で。
ヴァ (笑)
シバ やっぱ6弦ベース持ってると就職先が広がりますね。持つべきものは多弦ベースですよ。でもあの曲、辛かった……
渡辺 初期の代表曲、”Kamisori suite”。
――『絶対安全』?
ヴァ そう『絶対安全剃刀』(高野文子の漫画のタイトル)から(笑)。
渡辺 さっき、ちょっと調べたんですけど、2013年にヴァイオラくんがそのデモをサウンドクラウドに上げてるんですよ。”Traveling Sleepers”とか、”Quadra”が2015年だから、その間の2014年結成になるのかな。
シバ そんなに前なんだ(笑)。”Traveling~”はamalakamalaが出来た後に、「人間椅子みたいな曲を作ろう」みたいな流れで出てきたデモだったと思う。
ヴァ そうね、だから2014年くらいなのかなあ。大学卒業する前だった気がする。
渡辺 サークルでヴァイオラくんとPink Floydの”Echoes”のコピバンをしたのが2014年3月とかなんすよ。それが終わったあとにオリジナルバンドやろうってことになって、4月頃シバサキくんをリクルートしたんだと思う。
シバ それまで僕は、なべしゅう(渡辺)さんともヴァイオラさんともバンド組んだことなかった。
一回もやってないのにいきなり誘われて「怖いな~」と。
――(爆笑)。
シバ しかも、なべしゅうさんが怖い人ってイメージあった。
ヴァ ね! やっぱそうだったよね(笑)。
シバ みんなから「なべしゅうさんはマジで怖い」って。あの時なんか妙に優しく「シバサキくんベース上手いよ~」みたいに言ってきてたのも「コワ~~……」って。
渡辺 なははは(笑)。
ヴァ 当時の渡辺くんはホント、狂犬感があった。
シバ まあ、amalakamalaに入ってから「ああこういう人なんやなあ」と思うようになりましたけど。
ヴァ シバサキくんとはあんま絡みなかったんだよねえ、入ってもらうまでは。
シバ お二人とは、ほぼほぼ喋ったことなかったはず。
ヴァ なかったね、確かに。
シバ コピバンやったのもほぼ無いし。それ以後もamalakamalaしかやってない。
――よくバンド入ろうとしましたね。
ヴァ なんで入ろうと思ったの?
シバ ふつうにやっぱ御二方とも、めちゃくちゃギターヒーロー、ベースヒーローでしたので、「じゃあ、やるか」って感じでしたね。メールで、あのなべしゅうさんから「ヴァイオラくんとファミコンっぽいプログレバンドやろうと思ってます」っての覚えてます。
渡辺 そうかもしれない、忘れてた。
――その時はもう「ファミコンっぽい」ってコンセプトはあった?
渡辺 あったんじゃないですかね。
シバ “Kamisori”がそうだから、ってことだと思う。ピコピコしてるみたいなそういうニュアンスで。
渡辺 まあ、そういう感じでシバサキくんを誘って。他のメンバーの話もすると、Tomtomはヴァイオラくんが兼サーしていたダブ・レゲエのサークルで鍵盤を��いてた。彼女はポストロックマニアみたいな方で、いい感じの音のシンセを弾いてくれるってことで。草稿くんはPot-pourriのサワヲくんの先輩で、ライブを観に来てくれた時に紹介してもらった。
――amalakamalaのライブで?
渡辺 いや、Pot-pourriのライブですね。僕が昔、特殊発声兼ノイズでPot-pourriにいて、2017年1月23日の池袋手刀に出た時ですね。その頃のPot-pourriって、今より最大の音が超デカい、静寂と爆音みたいな感じのバンドだったんですけど、ライブが終わった後に草稿くん(現在のドラム、ex. For Tracy Hyde)が……なんか、すごい馴れ馴れしい感じで「サイコーだった!サイコーだった!」って言ってきて(笑)。あとなんか傘をブンブン振り回してたりしてて衝撃だったんですけど、それが初対面でしたね。
シバ それって「amalakamalaに入ってくれないか」みたいな打診をした後なんすか?
渡辺 うん、打診してて。
ヴァ それで、草稿くんが来るからって我々もライブ観に行ったんだよね。
シバ ああそうか。
渡辺 今のメンバーはそういう感じだけど、2014年から17年の間はドラマーが安定しないというか、安定しないドラマーが一人いたっていうか。
――最初の頃は同じプログレサークルのりょうこっこくんが叩いてたと思うんだけど、演奏は元より、いるのかいないのか安定してなかった、っていう。
渡辺 そうそう。
ヴァ 存在が安定してなかった(笑)。
渡辺 りょうこっこの逸話は山ほどあるんすけど、今回その話は置いといて……ヴァイオラくんがドラム叩いてた時期も。
ヴァ あったあった(笑)。
シバ ヴァイオラさん、本気でドラムやろうとしててスネアとか買ってましたからね。なのに、その数ヶ月後に「やっぱギター弾きたい」って駄々こねはじめた。
ヴァ (笑)。
渡辺 ヴァイオラくんがアコギでやるんだみたいなアコギ期もありましたね。
ヴァ あった、マーシャルにアコギを突っ込んだ時も。
渡辺 そうそう(笑)。
ヴァ 音、すげえ良かったんだけど、めちゃくちゃハウりすぎて続けられなかった。
シバ 今言われて思い出しました。一回だけですからね。(笑)
ヴァ 一時間ぐらいしかやらなかった。
――「期」とかじゃない(笑)。
渡辺 いや、あの頃はいろいろ頑張ってたけど、ほんとにすごい迷走してて(笑)。「いろんなカバーをやってみよう!」とか言って1回やって「なんか違う……」みたいな話を繰り返してたような気もする(笑)。
ヴァ “Stairway to Heaven”もやったもんね。
シバ T2のカバーとか。
渡辺 それは草稿くんが入ってからだからもっと後。
シバ Camelの”Echoes”。
ヴァ ヴァイオラドラム期だね。
シバ あれ、めちゃくちゃクオリティ高くやってるのにどこにも発表してない(笑)。
ヴァ そうそう(笑)。でも、迷走してる時期に作った曲が今の曲なので、まあ曲作りの時期だったかもしれないですね。
渡辺 2017年くらいからが、ヴァイオラくんも僕も別のバンドで、ライブハウスで活動し始めた時期で。それに合わせてamalakamalaもちょっとだけライブやったりとかもありましたね。
ヴァ いつぐらいだっけ? 「そろそろレコーディングしたいね」みたいな話をしたのは。
――Twitterに挙げてる、草稿くんがプログレッシブファミコンサンバを叩いてる動画は、レコーディングの時だったんじゃ?
渡辺 あ、そうっすね。だから2018年か。
ヴァ そうだそうだ。
渡辺 だから……2018年からずっとレコーディングを、まあやっていると。
――今2022年なので、何かがやっぱりおかしいんじゃないかと思うんですけど。
シバ ははは(笑)。
渡辺 それはそうだと思います。
ヴァ 明らかにおかしい(笑)。
渡辺 要するにけっこう「満足いかないんだけど、満足いかないところが何かわからない」みたいな状態が長く続いてる。でも一応、”telementeiko”に関してはもういいかなと。
ヴァ あれはやり切れるところまでやったんじゃないかな。
――じゃあ、MVを公開した”telementeiko”について。あれはどういうコンセプトの曲なんですか?
ヴァ コンセプトでいうと、デモを作った時に僕がすごい高野文子さんの『絶対安全剃刀』にハマっていて。漫画から受けたイメージを曲にしようと思って出来た曲ですね。元はあの短編集に入ってる『早道節用守』。
――あれ、あの短編集の中では、極めてどうでもいい部類の話だと思うんですけど(笑)。
ヴァ あれは僕も読みどころというか、意味があるかっていうと多分、無いと思ってて。
シバ そうなんだ(笑)。
ヴァ ただ、その世界観ですよね。僕、アジアっぽいものにすごい惹かれてるところがあって。昔の日本とか中国とかインドとか。ああいうところの怪しい雰囲気みたいな。
――ああ、あの漫画の元ネタは山東京伝の黄表紙本で、当時の人が想像した架空の中国みたいな話じゃないすか、確か。
ヴァ そうそう。実際にある国とか時代がモチーフだけど、実在はしないような。
シバ カリフォルニアロールみたいなね。海外の人が考えた寿司みたいな。
ヴァ (笑)。そういう空気を出せないかみたいな感じで作ったデモだったような気がします。けっこうメロディは中華風というか、アジアっぽい旋律って僕の中で考えるとこんな感じだなあってところから作っていて。他にも元ネタがあるんですけど、色々くっつけたらああいう感じになった。
――他のメンバー的にはどういう印象の曲ですか?
シバ ヴァイオラさんの曲は、ベースが打ち込みで、人間が弾くことをあまり想定してないのを無理やり弾く感じで、運指がムズいんですよね。
ヴァ (笑)。一応、僕あれちゃんと弾いて作ってるんですよ。
シバ あ、そうなんすね……。だから多分ヴァイオラさんの曲は、ヴァイオラさんがベース弾くのが一番上手いんですよ。
ヴァ へっへっへ(笑)。
シバ だから嫌なんですよこのバンド。なべしゅうさんもベース上手いんで、ベース超絶上手いやつが二人いるっていう最悪なバンド。
一同 (爆笑)。
シバ それはそれとして(笑)、”telementeiko”はダブっぽいリズムがやっぱムズいっすね。
ヴァ そうね、ダブっぽい感じを出そうと思って。難しいフレーズだけどずっとそれを繰り返すみたいな。
渡辺 フレーズ途中の拍が抜けるみたいなね。
シバ あと……聴いて1年2年くらい、サビがどこだかまったくわかんなかったんすよ(笑)。僕がサビだと思って弾いてたところ、まったくサビじゃなかった。
ヴァ ちなみにどこなんだっけ、サビだと思ってたのは?
シバ あの、ジャーチャーチャー…(口でフレーズを言う)。ベースだとドゥートゥトゥートゥー…(口でフレーズを言う)あれサビだと思ったんすけど(笑)。
渡辺 あれサビでしょ。
ヴァ 違うよ。あれ間奏だよ。
シバ (笑)。ヴァイオラさんだけその次のターラーララーラーラ…
ヴァ ラーラーラー…
シバ が、サビだって言ってて(笑)。
ヴァ どう考えてもあそこがサビでしょ。
シバ 信じられなかった(笑)。でも、Tomtomさんは別のバンドでもヴァイオラさんと一緒にやってたから「ヴァイオラのサビ感みたいなの完璧に把握してる」みたいな発言をしてて、それが印象的でした。
――MVだとどの辺り?
渡辺 2分16秒くらいの、ピアニストみたいなのが登場するとこです。ヴァイオラくんの思ってるサビはその後なんだよね。
ヴァ うにゃうにゃうにゃ~ってなってるとこなんだけどね。
渡辺 そうそうそう。これちょっと面白くて、曲調的にはあそこでちょっと落ち着くというか、盛り上がりが落ちるんだよ。
ヴァ あっそうか……君たちのサビで盛り上がるのは、そこがサビだと思ってたからだね。
渡辺 いやまあ、サビの定義にもよるんだろうけど。一番音量的に盛り上がってるから。
ヴァ 音量的には、まああそこでひと盛り上がり来るよね。
シバ 僕がサビだと思ってるところの、ベースの気持ちよさはめちゃくちゃいい曲でしたね(笑)。
ヴァ ベースラインはあそこが一番。それはね、間違いではない。
シバ うん。ベースのサビだと思って弾いてる。
ヴァ 気持ちはわかる。曲のサビではないけど。
シバ (笑)。僕とヴァイオラさんしかわからない感覚の話をしている(笑)。
――じゃあ渡辺くんからも曲に関しての印象を。
渡辺 今、話にあったように、ダブとかファミコンとかプログレとかサイケとか、あとエスニック要素とかいろいろなものが合体してる感じが面白い曲ですよね。ギターとかシンセで言えば、譜面の割り方が少し特殊でリズム的にも面白かったり。YouTubeで曲の感想をいただいたりしてて、普通にサイケデリック・ロックとか、今日は「ニューエイジ風味のKing Crimsonっぽい」とか言われたり。友達からはブラックメタルのSighっていう日本のオリエンタルな感じバンドを思い出したとか、そういう話とかも聞きました。自分のギターに関していうと、ディレイとファズにディレイかけてサイケ感をより出したというか、そういうのはあるかもしれないですね。まあまとめると、いろんな要素がある、ということで(笑)。
――なるほど。じゃあその流れでPVの話もお願いします。
渡辺 フリーで使えるStable DiffusionってAI画像作成ソフトみたいなのがあって、それを元にしたDeforum Diffusionっていう動画を作れるものを使ってますね。僕が音楽を聴いて受け取った印象とか、音楽性みたいなところからワードを選んで動画生成していて、例えば「歌川広重が描いたUFO」ってので、月が2つ見えるシーンが出来てたり。ちなみに最近、UMA���究家みたいな友達から「月が2つあってなんだろうと思ったらUFOだった」みたいな話を聞いたんですが、まさにそれが出来ててちょっとびっくりした。
ヴァ 面白い(笑)。
渡辺 他にも「ジャングルの中のサイバーパンクシティ」とか「空飛ぶペット」とか「ジミ・ヘンドリックス」とかいろいろあるんですが、映像から作成ワードを想像するみたいな楽しみもある気はしますね。
ヴァ 僕は特に何も指定はしてないんですけど、渡辺くんの作った映像と、自分の脳内で想像してる映像とすごくリンクしたものが出てきてびっくりした。
渡辺 AIはバグった感じというか、あり得ない組み合わせを作れるの面白いですね。「サイバーパンクシティを浮世絵風に」するとか。
シバ そもそも映像のクオリティめちゃくちゃ高いですよね。音楽とも親和性高くて、最高のMVが出来てしまったと思った。ていうか、MVを作るって言ってから出来るのがけっこう早かったですよね。半年もかからなかった。
――他のプロジェクト基準で考えると爆速。
シバ そう(笑)。音源と比べたら信じられないペースで出来てる。
ヴァ 音源も、もう早く出しゃよかった感はありましたね。
渡辺 いや~でも、一番ベストなタイミングで出せたと思うよ。時間はかかったけど。
――では、他の曲のレコーディングの状況について聞ければ。
ヴァ まあまず、僕らはファーストアルバムを作っていて、その中の”telementeiko”って曲を先行でリリースしたんですけど、ほぼほぼ録り終わってるのがあと2曲あります。
シバ Artspace Aeorusのコンピレーションに入ってた”Quadra”と”Traveling Sleepers”っ曲をバンドアレンジで再録したものです。
ヴァ コンピとは構成が変わってたり、ボーカルが入ってるバージョンになってます。
シバ その3曲は、ほぼほぼ録り終わってるんですけど、まあ微修正を4年、5年、10年と……(笑)。
ヴァ 熟成した感じあるよね(笑)。
渡辺 いや、まあでも進んでます大分。かなり終わりは見えてる。
ヴァ それ3年前くらいから言ってるよね(笑)。
シバ 気持ちの問題なんだよなあ(笑)。
渡辺 いや違う、細かいところを何回も聴いて直してるからね。
ヴァ ギターのテイクとかもけっこう4年間の内でちょこちょこ変えたりしてるからね。
シバ そうなんですか。知らなかった。
ヴァ “telementeiko”だって最初アコギ入ってなかったけどカエたんだよね。
シバ あ、そのテイクまでは覚えてます。去年ぐらいやってましたよね?
渡辺 今年また録り直したよねアコギは。あと、”telementeiko”に関しては、ドラムをもっとダブ化する計画があって。今の段階でもドラムに相当エフェクト入れてるんですよ。シバサキくん知ってた?
シバ ていうか一時期ハイハットにめちゃくちゃフェイザー掛かってませんでした?
ヴァ 掛けてたけど、なんかやりすぎたからちょっと削ったのかな。
シバ そこに耳が行き過ぎててむしろエフェクト減ったなと思ってました僕は。
ヴァ (笑)。
渡辺 そうフェイザーね。あれとかけっこう面白いよね。
ヴァ けっこうダブの常套句で、「ハイハットにフェイザー掛けるとかっこいいんだぜ」っていうのを当時ダブサークルの先輩から習いました。
シバ その人がホラ吹いてたら終わりじゃないですか!
――『バンドサークルの先輩』って基本的に嘘しか言わないから。
ヴァ 「ベリ○ガーは爆発する」とか。「それは巷ではベリ○ガーボムって呼ばれてる」とか。
シバ ははははは(笑)。
――ベリ○ガーに失礼すぎる。
渡辺 いや、サウンドレファレンスでNew Age SteppersとかDRY&HEAVYとかでのフェイザーの掛かり具合をけっこう確認したはずで…うん掛かってますよ(笑)。
ヴァ ソースありっていうことで。ドラムはやっぱりレコーディングしてくれてるヤミニさんもすごいこだわってくれてて。
渡辺 けっこう攻撃的な音だよね、アグレッシブな。
――そういえばヤミニさんにお願いしている経緯は?
渡辺 色々レコーディングで、曇ヶ原もさかさ族もやってくれてたから。
ヴァ ライブも観てくれてて、レコーディングする前からamalakamalaを認知してて応援してくれてたというのもあって、ヤミニさんに是非お願いしようって自然な流れで。
――その録り始めてもらった時期から言うと、大分原型残ってないんじゃないかっていう。
シバ フランケンシュタインみたいな感じですよ。3、4バージョンを全部継ぎ合わせて、その都度新しいバージョンがちょこちょこ入ってくるみたいな感じで。
ヴァ レコーディングで思い出したけど、僕らって「プログレッシブファミコンサンバ」って言ってるじゃないですか。でも、曲自体は全然サンバじゃないんですよ。
渡辺 あれねえ。覚えてるのは、「プログレッシブファミコンサンバ」にしようって俺が言ったんだよね。
ヴァ 確かレコーディング中に発案したんだよ。
――サンバ要素はどこから?
渡辺 つまり、ベースがちょっとChick Coreaの”Spain”みたいな、サンバっぽいフレーズになってるんですよ。それでスタジオで「ドラムもああいう感じでやってみたらどう?」みたいな話をして、やってみた動画があれです。
シバ でもあれ、動画で草稿がサンバキック出来てないから別にサンバではないっていう。
一同 (爆笑)。
シバ 音数がめっちゃあるからわからないけど、なんちゃってサンバドラム。俺もサンバ出来ないからなんちゃってサンバベースだし。
ヴァ シンバルとスネアのパターンがちょっとね。サンバっぽいっていうだけ
シバ 「音源にはしないでおこう」みたいな話もしたんですよね。バカすぎるっていうか、意味がわからないから(笑)。レコーディングは普通にやって、ライブだけ入れるバージョンにしようってことにしたんですが、それ以降ライブはやってないのでお蔵入りです。
渡辺 確かにそうかもしれん。
ヴァ だからホントは「プログレッシブファミコンダブ」とか言ったほうがいいかもしれないんですけど、ダブよりもサンバのほうが語呂がいいからファミコンサンバなんですよ。
渡辺 想像上のサンバ。
ヴァ 「俺の思うサンバ」っていう(笑)。
――telementeiko的な(笑)。バンド名のほうはどんな感じで決まったんですか?
ヴァ シバサキくんとか呼ぶ前からamalakamalaって名前だったよね。
シバ いや違います。バンド会議があって、その時に「“Kamisori suite”って曲をやってるからカミソリって名前でいいんじゃない?」って話が出てたんですけど(笑)。センチメンタル出刃包丁みたいでパンクバンドっぽすぎるからやめようって話をしてたら、なべしゅうさんがなんかamalakamalaっていきなり出してきたんですけど、覚えてます?
渡辺 いや、覚えてるっていうか明確にあるんだけど(笑)。こういう機会だから説明しとくと、まずアマラとカマラっていうのは、狼に育てられたインドの双子の名前なんですけど、その時、野生児みたいなのに興味があって。つまり、ロックを演る人って幽閉された地下とか、野外でやったりするから、野生児ってイメージと親和性があるなと考えてたんですよね。でも、カスパー・ハウザーとかだと、ちょっと寺山修司的な感じというか「そういうバンド」みたいになっちゃうじゃないですか。
シバ 怒られるぞ(笑)。
渡辺 僕の意向としては、もっとお里がわからなくて謎な語感のものがよくて、amalakamalaを推したっていうのがありました。響き的にもダウンタウンみたいな感じで。
シバ (爆笑)。
ヴァ 語呂もいいよね。
渡辺 英語でもない日本語でもないインド系の言葉なのもいいかなって。
――でも、僕と多分ヤミニさんは、アマラカマラで連想するのってあぶらだこなんですけど。
渡辺 そうなんですか(笑)。
――あぶらだこの、しかもだいぶ初期のポジパン期の曲で”WHITE WOLF”っていうのがあって。歌詞が「アマラ、カマラ」しか無いっていう。
渡辺 そうなんだ、知らなかった(笑)。
ヴァ 図らずしもパンクバンドになっちゃった。バンド名決める時の話、ほとんど覚えてないな。
シバ 「カミソリだけはやめよう」って意見出した記憶だけはあって。
ヴァ 多分、カミソリがいいねって言ったの俺なんだよね(笑)。まあ、確か他にも色々あった中で、amalakamalaが一番しっくりきたんだよね。
――じゃあちょっと話題を変えて……amalakamalaはギターが2人いるバンドですけど、それぞれの役割分担みたいなものを教えてもらえれば。
渡辺 多分、割とフリーキーなものを弾いてるのが僕で、ヴァイオラくんが堅実なものを弾いてるってのはあるのかもしれない。ホントは逆のほうがいいのかもしれないけど。
シバ バッキング然としてるほうがヴァイオラさんですよね。
渡辺 まあ曲によるんだけど。
ヴァ “telementeiko”では渡辺くんが今言った役回りなんですけど。
――いわゆるリードギターとバッキングギターみたいな感じで。
渡辺 けっこう、これといったものがあるというよりは。この曲はコレで行こうみたいな感じで決めてるのが正確なんじゃないかって気がします。ただ、各々の嗜好が出るって感じはあるかなと。ヴァイオラくんのギターは、トラディショナルなハードロックとかブルース・ロックとかを基調にしてて、リズムもものすごく安定していて、かつオールドなカッコいい音で、かつアルペジオがすごい凝っていて、聴いてたら別にそんなに難しくなさそうなフレーズなんだけど、やってみるとめちゃくちゃ難しいフレーズみたいなのがけっこうあって、すごいギターですよ。100点だよ。
シバ 言わされてるんすか?
渡辺 いやあ(笑)。
――自分との差で言うと?
渡辺 なんすかねえ…いや~やっぱ左手の使い方とかすごいっすよヴァイオラくん。コードを弾きながらルート変えたり、テンション入れたりとか、そういうちょっとの工夫が真似しづらいんじゃないかなって気がする。
――ライブで弦切れててもそのままアルペジオ弾いてたり。
渡辺 確かにそれもそう、耳がすごく良いですからね。アルペジオはヴァイオラくんの専売特許的なところあると思う。
ヴァ それはまあ得意不得意というか。amalakamalaでは、アルペジオは自分で考えたやつは自分で弾いてる。”telementeiko”のイントロとかもそう。
――じゃあ逆に、ヴァイオラくんから見たなべしゅうのギター。
ヴァ 渡辺くんとは、けっこうルーツ的なところは近い気がすると思うんですけど、僕ってスケールとかコードでアウトすることがすごい怖いんですよ。でも渡辺くんは割とアウトするタイプで、自分では思いつかないことをやってることが多くて。”telementeiko”とかも半音ずつ上がったり下がったりしてるとこがある。それって多分ふつうはやっちゃいけないような弾き方なんだけど、あの曲にはすごいそれが合っていて。彼のそういうアイデアは僕には��いものを持っている。
渡辺 不協和音を聞きすぎて耳がおかしくなっただけかも(笑)
ヴァ その不協和音に関する感覚がやっぱり絶妙だなあと。
渡辺 聴く音楽もポストパンクとかレコメン系とかの現代音楽寄りというか、不協和音の多い音楽がすごい好きだから、そういう感じはあるのかもしれないね。
ヴァ 二人で好みは被ってるんだけど、被ってないところもあって、そういうところの良さがすごく出ていると思う。
渡辺 でもヴァイオラくんの曲も、けっこう半音で動くところたくさんあるよね、コード進行的に。
ヴァ あんまり意識してないけど、それを上手く広げてくれてる。多分。
渡辺 うんうん。助け合いでした
ヴァ (笑)。
――シバサキくん的には2人のギターはどういう感じですか?
シバ ヴァイオラさんに関してはアルペジオの話に繋がる話と思うんですけど、コード感がすごい独特っていうか。『Animals』を聴きまくってる人なんだなあって。
ヴァ (笑)。
シバ Pink Floydっぽい変なコード進行の気持ちよさがあって、その感じがすごいカッコいいなと思いますね。なべしゅうさんは、ちょっとジャズ寄りというかブルージーな感じというか。あと、飛び道具的な機材をめちゃくちゃ使いますね、なべしゅうさん。ディレイとか音響とか空間系のやつ使ったりとか、モデリングギターみたいなの使ってたりとか。そういうガジェット的な部分でも、ヴァイオラさんとなべしゅうさんの違いがあって、そこは面白いかなあと。
ヴァ 確かにね。
渡辺 僕Line 6のアンプシミュレーター買ったんでね、amalakamalaのライブやる時はね、将来的にアンプなくそうと思ってるんでよろしくお願いします。
ヴァ じゃあ俺、三段積みにする。
一同 (笑)。
――では最後にまとめということで、3人から今後の展望を聞かせてください。
渡辺 とりあえずレコーディングを完成させるが一つですよね。あとは、例えば今回PVを出したんですけど、普通のバンドではしないようなことをガンガンやってくっていう方向性に振れてもいいのかなと思ってて。ライブハウスにガンガン出て、色々対バンして……ってのも一つのやり方なんですけど、PV作ったり海外の人とやり取りをしたりとか、そういうところに可能性を見出していくありなんじゃないかなって思ってる。国内だけで観るとプログレってマイナーみたいな扱いをされてるけど、Pink Floydって世界的に売れてるバンドじゃないですか。僕、イギリス行った時にPink Floydの話したら、現地の女の子とかが普通に”Wish you were here”とか歌い始めて「うわ、文化ちげえ」って思ったことあるんですよね。国内でも、コロナが始まってから一番最初に来日した外国のバンドがKing Crimsonだったみたいな話もあったり。だから先鋭的なバンドこそ普遍性がある気がしていて。amalakamalaも変にマイナーと思いすぎず、けっこういい線いくんじゃないかなって考えがちょっとある。そういうところを踏まえつつ、ワールドワイドに活動していけたら理想的ですね。
ヴァ 僕としては、まずアルバムを出そうってのが先決。それで、先々としてはやっぱり曲を増やしていきたいなっていうのがある。
――今は合計で何曲くらいあります?
ヴァ ライブですぐに出来るのが4曲。もうちょっと詰めれば出来るのが、2曲くらいあるのかな。
渡辺 いやでも”Kamisori”があるでしょ?
ヴァ “Kamisori”は、ちょっと今のままでは出来ないんじゃないの?
渡辺 出来るじゃん、普通に。え、何か変えたいとかあるの?
シバ 喧嘩しないでよ(笑)
渡辺 いやいや、喧嘩じゃないけど問題は炙り出しておきたい。
ヴァ まずあの曲を今の編成でやったことがないから、そのままやるかどうかってところ。まあそれで言うと、すぐ出せる曲は4曲だけど、”Kamisori”もやろうと思えば出来るし、”Raise”も出来るのか。だからライブやるくらいのストックはあるんだよね。
シバ 40分のステージでも、まあいけるかな、くらいの感じではある。ライブ呼んでくれということで。
ヴァ ただ、当然いいライブに出たいなっていうのはあるけど、それよりは曲を作って、ちゃんと完成させて発表させていくっていうほうが、どっちかというとやりたい。
渡辺 そうそうそう。一方で、この3人以外のメンバーがめちゃくちゃ忙しそうっていう問題があって、それがけっこう大変だよね。つまり、「久しぶりにスタジオ入ろうぜ」って言っても、この3人しか集まらなさそう(笑)。
ヴァ だから極論を言うと、スタジオに入らずいきなりレコーディングから始めちゃってもいいと思うんだよね。曇ヶ原の曲とかも割りとそう言うのがあるんだよね。
渡辺 そうだよね、それでもいいと思う。アルバムを完成させて出せば流れが作れるんで、ライブとかは全然しなくても、僕はいいけどね。
ヴァ してもいいし、しなくてもアピールしていく方法があるっていう意味では、渡辺くんの意見には賛成。で、思ってるのは、渡辺くんがすごくいい映像作るじゃないですか。今回の3曲とか全部映像つけて、一つの作品として3曲それぞれ出してもいいのかなと。
渡辺 全然いいよね。
ヴァ ていう意味では、アルバムを出すのも映像を出すのも、曲のストックが必要だなあと思ってますね。
渡辺 まあ今回録音したので、間奏曲とか加えるかもしれないけど。一応アルバムは作るけど、他の曲とかを最優先にしたほうがいい気はするよね。
ヴァ そうそう。で、これを勝ちパターンみたいにして、バンドのやり方にするのがすごいいいのかなと思ってる。映像にしても、ライブを撮影するより映像作品を作って観てもらうほうがクオリティの高いものが出せると思うんだよね。それで、レコーディングだったら一度に集まらなくても出来るわけじゃん。ライブを前提にしちゃうと、みんなでリハに入る時間が多分取れないけど。
渡辺 まあそうするしかないよ、基本は。多分、そのまま普通にやってくとライブオファーとか来るようになると思うけど。そんなたくさん出なくてもいいかなって気はしてて。
ヴァ ライブをやることを目的にしなくてもいいかも、ってところですね。
渡辺 まあでも、僕デカいライブハウスにいつか出たいと思ってるんで。野望はある。
ヴァ 企画に出ればいいんだよ。
渡辺 自分たちの企画をメインでやりたいみたいなのはありますね。僕ライブハウスに出すぎて、食傷気味になってしまったところが正直あるので。普通に昼のワンマンとか、なんかいい感じで午後も遊べるんだみたいなのがいいですね。
シバ みんな色々考えてて、すごいなあと思いました。まあ個人的には……いや、さっさとアルバムを出したほうがいい。
一同 (笑)。
シバ そういう難しいことを考えずに、アルバムをまず出す! いっぱい出す! また不満が出てきたら再録する! 回してく!これがamalakamala!! 観とけよお前ら!!!
渡辺 正論だ(笑)。
ヴァ シバサキくんが締めてくれたよ、その通りだよね。とりあえず俺たちがamalakamalaだってのを知ってもらわないことにはどうしようもないんだよ。
シバ 今回“telementeiko”を出して、けっこうPVもいい感じに伸びてて、実際、世界レベル目指せるいいバンドなんで……なんで作ったものを出さないんだってのを僕は5年間くらいずっと思い続けてきたので、早くやっぱ出したい。
渡辺 ほんとに申し訳ねえ。俺のエゴでした……
シバ 100%いい作品って作れないから80%でも早く出したほうがいいってのは、やっぱ思いますけど。まあ作業していただいているんで、僕は無責任に言ってるんですけども。
渡辺 いや、出したほうがいいとは思ってるので、ちょっと今年で最後にしたい。それはでもね、バンドメンバーの温かい応援が必要だよね。
ヴァ どんだけ応援してると思ってるんだよ~~!
シバ Twitterでamalakamalaで検索したら一番つぶやいてるの俺だぜ!
ヴァ 次が草稿くんでしょ(笑)。まあ俺もシバサキくんもお前は最高だと言ってるので、落とし所を作ってください、今年中に。
シバ ヤクザなの?
渡辺 落とし前をね。いや、ボーカリストってのは難しいわけよ。単純に。
ヴァ 渡辺くんさあ……じゃあ例えば、俺が突然代わりのボーカル連れてきたらめちゃくちゃ怒るでしょ。
渡辺 いや、怒んない。一応「話は聞くよ」みたいな感じで接すると思う。
ヴァ 怒れよ!!
シバ めんどくせえカップルの会話聴いてるの俺らは?
(その後、2023/6/17からBom6yx numataが新キーボードとして加入)
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ophelia333k · 3 years ago
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2022年6月15日
 眠らずに朝の6時を越えて、すっかり日が昇ってきてしまった中、Oasisの「Moning Glory」を聴いていた。
「All your dreams are made
お前の見た夢というのは全部、
When you're chained to (your) mirror with (your) razor blade
お前が鏡と剃刀から抜け出せなくなって出来たもの
Today's the day that all the world will see
それを今日こそ世界中に見せてやれ」
 最初の歌詞からもうかっこいいのだけど、「モーニング・グローリー」とはアサガオの種から抽出される、LSDに似た成分であり、そういえば青井硝子さんの『雑草で酔う』でもアサガオの種で幻覚が見えるという話はされていたから、こんなところで接続が起こるんだ、と驚いた。
***
 生きている中で一番楽しいと思える時間って、睡眠薬を飲んですべてが曖昧になって現実に夢が混入して夢に現実が混入しているようなあの感覚、状態かもしれないと、思う。というのも、結局のところ生活をしている時間のほとんどは何らかの不安に追われている状態なわけだけど、睡眠薬が効いているときはすべてが曖昧になって不安の感情なんて消え去って、躁に近い状態になる。何もかもができてどこへでも行けて何にでもなれるような気がする時間。
 曖昧な幻覚が空中には見えるし、文字列は波打っていて立体みたいに浮き上がってくるし、身体はふらふらで、だけど身体がふらふらであることとは対照的に、魂の方は普段よりも遥かに軽くなれている気がする。
 
 ***
 大森靖子の首を絞める夢を見た。もちろん自分は大森靖子の曲を弾き語ったりライブに行ったりするようなファンなので、特に恨みがあるわけではないけれど、とにかく大森靖子の首を絞めた。状況としては、自分は何かの組織の中に潜入しないといけなくて、その入り口の部屋には大森靖子がいた。そして、自分はドラえもんに出てくる秘密道具「透明マント」を被って隠れながらその部屋に入ったのだけど、色々あって大森靖子にぶつかってしまう。そのとき、自分は透明だからだれにも見られるはずもないのに、ぶつかってしまったことによって、彼女の瞳が自分の方へと向く、「ここに何かがいる」という眼と、自分の眼が合う。
  その瞬間、透明で絶対に気づかれないはずの自分の眼を彼女に見られてしまったことでパニックになってしまって、「いまここで殺さないと全部が失敗する」「いまここで殺さないと全部が失敗する」という思考が何度も繰り返されて、気が付いたら、大森靖子の首を絞めていた。大森靖子は必死に抵抗をして自分の首のところに手を添えているものの、私が首を絞める力には逆らえないみたいだから、どんどん首は締まっていって、もう少しで彼女が死んでしまうことが、彼女の表情や手先の感覚、絞めている時間から、何となく分かる。
 人の死、自分の手でか細い首を絞めてただひとつしかない命を不可逆的に奪ってしまうこと、そこで、どうしようもないくらいに怖くなってしまって、彼女が命を失うか失わないかのギリギリというところくらいで首から手を離した。
***
 最近、東浩紀の『存在論的、郵便的』を読んでいて、そこで紹介されていた、言語についての「コンスタティブ(constative)」と「パフォーマティブ(performative)」という区別は、かなり明快でいい概念だと思った。たとえば、「私は結婚している」という言明は、それが正しければ真だし、間違っていれば偽だから、コンスタティブ=事実確認的なわけだけど、「私は結婚します」という言明は、まさにその行為によって結婚を成立させるわけだから、それ自体は真でも偽でもなく、パフォーマティブ=行為遂行的なものになる。
 
 このような区別はJ・L・オースティンの言語行為論によって示されたものだけど、デリダはこの区別を批判して、端的に、すべての言明はむしろパフォーマティブだと指摘する。
 たとえば、「この牛は危険である」という張り紙は単に文字通りのことを意味しているのではなくて、「この牛は危険である(だから近づいてはいけない)」というように、パフォーマティブな言明(命令)を意味する(一方で、「この牛は危険である」という張り紙を見た人は、「危険な牛なんだ」と思って面白がって近づいてしまうかもしれなくて、何かが誤読されるということは、本質的に言語がパフォーマティブな機能を持っているから)。
 
 自分は「自己紹介」というものに対してずっと苦手意識を持っていて、「自己を紹介する」なんて言っても何を紹介するのか分からない、という感情がずっと付きまとっていたのだけど、それは端的に、「自己紹介」という営みがかなり「パフォーマティブ」な効果を持った(持たせようとする)ものである、ということに起因していたと思う。
 というのも、「みなさん自身のことを他の人に紹介してあげてください」という指示があって、「私は○○が好きです」とか「私は〇○をしています」とか言って自己を紹介するとき、それは単に文字通りに何かを説明している(コンスタティブ)のではなくて、それによって「私」をこう思わせたい、というパフォーマティブな力が働いているから。
 「私は猫が好きです」という自己紹介があったときに、それは文字通りに「私」が「猫を好きである」というコンスタティブな言説ではなく、「猫を好きである人だと思われたい/猫が好きな人には積極的に話しかけてきてほしい/猫が好きなタイプのかわいい子として見られたい」 みたいな、パフォーマティブな効果を期待しているし、そのようにして解釈する。
自己紹介とは、たとえば「真面目な人なんだ」とか「面白い人なんだ」とか「変わった人なんだ」とか、それぞれが思われたい自分をパフォーマティブな言語機能によって構築しようとするもので、それは自分の中から「その状況で見せたい自分」のために要素を抜き出すという営み(そして、自己紹介はときに誤読される)。
 そして、他に分かりやすい例としては、ファッション誌(的なもの)の言葉もそうであると思っていて、たとえば「夏物はこのワンピースが大流行!」という言説があったときに、それは「実際に今そのワンピースが流行している」というコンスタティブな意味に加えて、その「夏物はこのワンピースが大流行!」という言説を載せて、多くの人がそれを読むことによって、そのワンピースが流行することになるという、パフォーマティブな効果も含んでいる(「流行している」と言明することで、「流行している」状態が達成されること)。
 他には広告の言葉もそうで、「〇〇が大人気です!」という言葉は、文字通りに「〇〇が大人気である」ことだけを表しているのではなく、その言葉自体が、たくさんの人に読まれる中で、パフォーマティブに、「〇〇を大人気」にしていく。
 
 あと、この「コンスタティブ」と「パフォーマティブ」の話は、ドゥルーズとガタリの『千のプラトー』で、「言語とは本質的に命令そのものであり指令である」と言われていたこととも重なると思う(「火事だ!」という言明は「逃げなさい」という命令を含んでいるし、その意味ですべての言語は命令として機能する)。
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watashiwohagemasukai · 4 years ago
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絶対安全剃刀で手首を切ろうかな
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mangacapsaicin · 3 years ago
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fumiko takano's absolute safety razor || 高野文子の『絶対安全剃刀』
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aveshi05 · 5 years ago
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カイコ録
◆黒い炎(中公文庫)
教科書で名前を見たことはあるけど、読んだことのない作家の短編作品を読めるので試読とかにも良い。タニザキ、ダザイの描く女性もだけど、カフー先生の描く女性もまた生々しく、文庫だと見かけないけど他の短編でオススメのものがあったら読みたい。安野モヨコ先生のセンスが良く、どの作品も楽しめたので他二冊も購入する予定。
◆白痴(新潮文庫)
『青鬼の褌を洗う女』は2019年の「あべくん読書大賞受賞」です。おめでとうございます。個人的にはいままで読んだサカグチ作品の中で一番『文学のふるさと』の思想の系譜だなと感じる小説。《私》が道程で立ち寄った山間の、閑散とした村の澄んだせせらぎの底に沈む、角の取れた石英からは悲しさや淋しさが絶えず染み出していて、その夏の暑さと切り離された冷え冷えとした小川の水を一口含むと身体中、細胞のくまなくまでそれらがすっかり広がって、不意に「私は随分遠くまで来てしまったのだな」と孤独を思い出してしまうようなイメージのある小説。
◆校閲ガール(角川文庫)
校閲の仕事は一生できね~~~!って思った。編集、校閲以降の後工程の仕事をしているせいでわかりやすいエンターテイメント小説として読めた。恋愛もあり、コメディもあり、少しのミステリと感動性もあるジャンル欲張りセットみたいな一冊。編集は[検閲済]。はっきりわかんだね。(※偏見。ただあまりにもあまりな赤字や原稿作成、納期は多い)
◆夏の葬列(集英社文庫)
ほぼショートショートなので、サッと読めるし教科書に掲載されていたので、難解な単語や表現はなかったような記憶があるので誰にでもおすすめできる良い一冊。『夏の葬列』や『十三年』はオチが素晴らしいのと、やっぱりファムファタルみのある女が男の人生を引っかきまわす作品を読むとQOLが上がるな、という実感を得られる。全体的な作品の傾向が最晩年のアクタガワっぽいというか、人間への失望とかニヒリズムみたいな、精神的に不安定だったり落ち込んでいる時に読むと鬱に引っ張られるような印象。
◆高野聖(角川文庫)
全編読みづらいので、良さが理解できていない。ナカジマ曰く「……日本人に生れながら、あるいは日本語を解しながら、鏡花の作品を読まないのは、折角の日本人たる特権を抛棄しているようなものだ。……」(青空文庫『鏡花氏の文章』より一部引用)だそうですが、漢文からの引用があったりするので、学がない以上厳しいです。ごめんなさい。ただ完全完璧とはいかないものの、『高野聖』の蛭が身体を這うシーンのような剃刀を背筋にあてられて、薄く皮膚が裂かれるようなヒヤリとした感覚や、幻想をぬけた後の視界が非常にクリアになる感覚の対比や切り替わりはすごいなと思った。幻想小説ではないけど『夜行巡査』はたまに思い出してぺらぺらと捲りたくなる作品の立ち位置になってきている。
◆夫婦善哉(岩波書店)
タニザキの『卍』を読んでいて気付いたことだけど、オダ作品の大阪弁くらいが丁度良いと言いますか(仕様とは言え)全編独白形態をとっている『卍』は平易な言葉が並んでいたとしても口語体故に読みにくさがあったけど、会話の中にするりと混ぜ込んで、それでいて「これは大阪の作品なのです」という塩梅が良いのは手腕なんだろうな。推しキャラの元ネタ作家なので評価が甘い自覚はある。一番は『湯の町』のやるせなさ。珍しく女性が世界を破壊しない弱い作品だからかな。
◆卍(新潮文庫)
これの狡いところは園子と光子のレズ性愛描写が一切ないところで、唯一緒に家族温泉に行ったり人気のない丘に行ったりしか書いていなくて、好きあってるし、このただならね~雰囲気の二人が、まさか性的接触をしてないわけがないだろうという断定を前提に読んでる深読み読者腐女子クンの、永年に渡り培った逞しい妄想力に全て委ねられているところです。つまり読者の隠していた、或いは予期していなかった「エロ」への興味や知識を白日の下に晒さねばならないで、対してタニザキはツンとすましている(私は書いてないでしょ。あなたが勝手に想像しただけですし)みたいなのが、この、この…。個人的には移住後の日本趣味に切り替わった作品群より初期の西洋趣味っぽい方が好みかもと気付いた。
◆武蔵野(角川文庫) 
読み進めるほどに、かつて田舎だった渋谷を一目でいいから見たくなる。特に秋と冬の風景の、刻々と変わっていく描写がめちゃめちゃめちゃ天才。優勝。世間に受けた『愛弟通信』はルポルタージュだけど、記者だからか、随筆(エッセイ?)とかの見聞を描くのが向いてるから小説よ��もそういう作品が読みたい。この本の中の作品からはあまり自然主義作家っぽさは覚えず、詩人は浪漫主義なんだなという印象。
◆96 純(百年文庫)
『蝶々夫人』とか『ミス・サイゴン』が好きな人、『八重山の雪』も多分好き。『青鬼の褌を洗う女』もそうだけど、戦中・戦後の人の動きが描かれている作品の「もののあはれ」の中でも特に無常観や、人と人は永く共にあれない描写が好きなので余計に良さが増す。続編にあたる作品があるらしいけどこの読後感とか記憶を大事にしたいので読まなくても良いかな。
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itose01 · 6 years ago
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ラトレイア(礼拝)
「ひみつのはなぞの」の番外編です。本編は一覧(https://privatter.net/u/Itose)からどうぞ。 文字書きワードパレット(@Wisteria_Saki)様より 11.「灰色」「無音」「鏡」
拍手からリクエスト下さった方、遅くなってしまい申し訳ありません。ありがとうございました! 
――ガシャンッ!
 恋人と迎える朝にしては、少々騒がしい目覚めだった。 いや、そもそもその恋人が隣にはいない。昨晩は確かにこの腕の中に抱いて眠りについたはずなのに。とはいえ、彼が先に目覚めるのはそう珍しいことではない。太刀川は朝に弱い方ではないと自負していたけれど、それより少し上回って出水の方が仕事熱心だった。つまり、仕事のある日は決まって出水の方が早く目覚め、自分の身支度を整えた後に太刀川を起こすのがいつもの流れなのだ。  それが休日ともなると、平常の反動だと言わんばかりに出水は怠惰になる。日が高く上るまでベッドの上で過ごし、腹が減ったら太刀川に適当なフルーツを所望する。だから太刀川はリンゴとオレンジだけはナイフで難なく剥けるようになってしまった。それまでは人の急所に差し込むとか投げて相手の武器を弾くとか、そいった用途でしか使ったことの無かったのだから、大した上達である。  つまり、出水が先に目覚めていること自体はそれほどおかしなことではないのだ。けれど今日は休日で出水が早く起きる必要はないはずなのに。  そして何よりもあの不穏な破壊音。  かつて出水が一人暮らしだった頃、当時のストーカーにまんまと住居を割り出されてから、太刀川と共にセキュリティの厳重なマンションに住むようになった。よほどの事がない限り、太刀川に感づかれないままこの部屋に不審者が進入することは不可能だ。しかしその「よほどの事」を引き寄せるのが――時には自ら引き起こすのが――出水公平の出水公平たる所以だった。  一応の警戒心と、マットの下に入れている護身用の武器を用意して、音のした方へ急いだ。部屋を出て右に曲がり、短い廊下をまっすぐに行くとその先は洗面所だ。  ガチャッガチャッガチャッ!  続けて硬いものを抉るような短くリズムの良い破壊音。それと同時にこの距離でようやく聞こえた、粉砕された何かがバラバラとこぼれ落ちる音。 「……出水?」  壁際に身体をつけていつでも突入できるように中を窺い、けれども8割がたの確信をもって呼びかければ、すぐそこから「はぁい」と機嫌の良さそうな返事が返ってきた。  やっぱりか。  太刀川はそれなりに緊張していた身体の力を抜いて無造作に洗面所の中に入る。  どうせ、そんなことだろうとは思っていたのだ。  それなりの広さをもったそこは、大人の男が二人並んでも余裕がある。洗面台の全面に張られた大きな鏡が(太刀川にここを案内した業者曰く)自慢だった。  その鏡が、無惨にも叩き割られている。一打では足りなかったのか、一際大きな中央のひび割れの周囲に小さな穴がいくつも開き、そこから蜘蛛の巣状に罅が広がっていた。それらが絶妙に繋がって、あと一撃でも入れば一気に崩れ落ちそうだった。 「……いずみ、お前、何してんの」 「おはようございます、太刀川さん」  洗面台に片膝で乗り上げるようにして鏡に向かう出水の右手には、玄関の工具入れに入っていたはずのスパナが鈍く銀色に光っていた。その体勢のままで、首だけで振り向く出水はへらりと頬を緩める。  太刀川慶の恋人は、今日も相変わらずかわいらしかった。 「何って……見たとおりですけど」  何を当然のことを、とばかりに言うのでそれもそうかと納得しかけ、いやいやそうじゃないと持ち直す。 「ほら、とりあえずこっち」  加害者を標的から離すのが先決と、両脇に手を差し込み軽く抱え上げて奥にあるドラム式洗濯機の上へと載せてやると、出水は昨晩太刀川が脱がせたそのままの素足を一つ不満そうにぶらつかせた。 「なんですかもう」  裸足の指先にひっかけたオフホワイトのもこもこスリッパが危うく落ちそうになっていたから、もう一度その小さな指先ごと踵まで押し込んでやると、戯れるように太刀川を蹴り上げる素振りをしてみせる。当てる気がないとわかっていても位置的に危ういからやめてほしい。  やめなさい、となだめるように両手をつかみ、その流れで片手にもっていたスパナから手を離させてランドリーバスケットの上に積まれたタオルの山の上に放り投げてしまった。 「そりゃこっちの台詞だ。何があった?」  出水は時折ひどく不安定になる。というより、この生い立ちで「時折」で済んでいるあたり、出水もやはりどこかおかしいのだ。恒常的に頭がおかしくて、時折、情緒不安定になる。それが出水の「ふつう」で、太刀川は出水のそういうところがいじらしくてけなげでかわいいと思っていた。だから、こんなふうに甘やかに愛し合ったその翌日に、ベッドの上で怠惰を貪ることのできる貴重な休日の朝が謎の破壊音で奪われたとしても、ちっとも不満などないのだった。 「なんていうか……朝起きて、顔洗おーと思って鏡見たら、ひどい顔だったんです」  向かい合わせに立つと珍しく太刀川が見上げる形になる。眉を寄せて、自分にもままならない気持ちを言語化しようとする苦心が見て取れた。 「そうか? そんなことないけどな」 「すごい、セックスしました、って顔」 「そりゃいい」  それは本当のことだった。赤く染まった目元は昨晩の名残だし、たくさんキスをした唇は化粧をした女みたいに赤くぽってりと腫れていた。首筋から胸元にかけてはそりゃもうひどい有様で、このままでは到底外には出せない。けれどそれは全く、悪いことではないはずだった。 「……でも、あの人はこんな顔知らない」  嫌われちゃうかもしれない。  その一言で、彼のおかしな思考の一端を見る。彼が「あの人」という相手など一人しかいない。「パパ」とも「父さん」とも呼べずに、名前を出すことも憚られ、あの事件から出水は自分の父親のことを「あの人」と呼んでいる。  そうして未だに慕っているのだ。自分の代わりに幾人もの少年を犯して殺した異常な殺人犯を。そうしてどうしたらまっとうに愛してもらえたのかを未だに考えている。  ――面会だって拒否されているくせに。この十数年、一度も会えていないくせに。ばかな出水。あっちはとっくにおまえのことなんて忘れているよ。  嘘だ。最後のそれだけはただの太刀川の希望だった。高い塀の向こう側で、出水の父親はたぶん未だに彼のことを想っている。  結局、気休めも誹りも選べなくて、「そうか」とだけ言った。出水が何を求めているとしても、それを太刀川が与えてやれるとは思えなかった。何も言わないことが太刀川の意思表示でもあった。 「ごめんなさい」  素直に謝ってみせる出水に笑ってしまう。何に対する謝罪にせよ、きっと彼はまた似たようなことを繰り返す。 「別にいいさ。鏡なんてろくに見てなかったしな」  だからできるだけ軽口に聞こえるように太刀川は答えた。この話はここで終わりだという合図を、出水も察したようだった。 「そこは見ましょうよ」 「あーでもひげ剃りは困るかも」  バスルームの鏡は見られないこともないが、太刀川が寝ている間にずいぶん念入りに破壊してくれたものだった。これに向き合って髭を整えようとはあまり思えない。 「あ、それならおれが剃ってあげます」  さも良いことを思いついたとばかりに瞳を輝かせている彼は、向かい側で鈍く光っている無惨にひび割れた鏡のことなどすっかり忘れてしまったかのようだった。  でも太刀川にはそれで良かった。出水の関心がこちらへ向いたことが純粋に嬉しい。割れた鏡と同じように、父親のことなどすっかり消え去っていることだろう。少なくともいま、この時間は。 「マジか」 「うん、その代わり太刀川さんはおれの鏡になってよ」  髪、すごいぼさぼさだからと、昨晩太刀川が両手でかき抱いたそのせいで、いつもよりいくぶん乱れたその頭を揺らしてみせた。 「いいけど、ちゃんといつも通りにできるか?」 「えー、どうかなぁ、いやうそうそ、大丈夫ですって」  出水は言いながら、身体を伸び上がらせて、かしりと太刀川の顎に歯を立てる。そのまま何度か淡く食まれた。食ってやるぞ、とでも言うように可愛い猫が小さな歯を立てる。 (この顎髭とも今日でしばらくお別れかもしれないなぁ)  分析官らしくないと言われたから生やし初めて、ようやく馴染んだところだったのに。これでなかなか評判が良かったのに。残念ながら出水は気に入っていなかったようだ。  まぁ、それでこの情緒不安定な子どもの機嫌が良くなるのならば良しとしよう。破壊された鏡と違って髭はすぐにまた伸びてくる。 「わかったわかった」  顎髭を狙う子猫をキス一つであやして、降参を告げれば、 「せっかくだから、テラス行きましょうテラス」  と、出水は俄然やる気を出した。太刀川の横をすり抜けて洗濯機を降りる身は軽く、洗面器にカミソリセットをがちゃがちゃと放り込んで、ブルーグレイのタオルを肩に引っかけてバスルームを出て行く。可哀想な鏡の始末は後回しらしい。  寝室から続く広めのベランダはもっぱらうちでは「テラス」という愛称で親しまれていた。椅子を向かい合わせに二つおいていっぱいになってしまう程度の広さだが、モザイクタイルの施された壁面が日光に照らされると反射の仕方によって色を変えて美しいのだ。よく晴れた休日に椅子にゆったりと腰掛けてだらだらとするのが出水のお気に入りだった。  出水の後を追ってバスルームを去る直前、ひび割れた鏡をもう一度見る。亀裂の入った醜い自分の顔がそこには映っていた。  割られた鏡は自己嫌悪の表出。プロファイルの基礎中の基礎だ。  ――あいつの場合は、何に対する自己嫌悪なんだろうな。  異常な父親からの愛情を未だに求める自分の不道徳さか、それともたとえ異常であったとしても結局父親の愛(という名の暴力)を得られなかった自分自身か。念入りに割られた鏡を見て思う。  灰色のバスルームは、天井にほど近い場所に設けられた小さな明かり窓から差し込む秋の陽光に、ほんのりと照らし出されていた。黒にも白にもなれない自分たちは、曖昧な自身を許したふりをしながらこんなところで児戯を繰り返している。居心地の良い場所に止まって、互いの許しを求め合って、それでどうにか生きていた。歪な箱庭の暮らしがこんなふうに続いていることに、太刀川は感謝していた。祈るべき神も正しい方法も知らないけれど、ふとしたときに何かに感謝し、祈りたくなるときがある。今がまさにそのときだった。  さて、出水はすっかり頭にないようだったが、洗面所から寝室とは反対に向かう廊下の壁には等身大の鏡が掛けられている。今ではこの家で唯一生き残っている鏡だった。寝室へ向かいかけて、ふと思い立ってそちらへと戻る。遠くから「たちかわさーん」と呼ぶ声が聞こえるのに、「おう」と軽く返事をしてから、美しい鏡面に自身を映すそれに向き直る。それから、太刀川は深く考えることなく拳を振り上げた。  ガシャン、という破壊音ーーそして無音。 (その沈黙は、ひどく歪な形をしていたけれど、それでも「祈り」というものにとてもよく似ていた)
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