#薬学生の勉強垢
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最近の私をダイジェストで!
(11〜2月)
ドラゴンボール
一気見しましたドラゴンボールからドラゴンボール超まで!めちゃくちゃ面白かったー!TikTokで(ごめん)おすすめマンガの動画を見て、コメント欄に「こういうのがいんだよな、ドラゴンボールみたいなのはつまらない」って書いてあったの見たときにドラゴンボール見よう!って思った 最近の(評価されてる)マンガって社会的背景とか文学的表現とかそんなのばっかりで嫌になってた もちろんそれも面白いし素敵なんだけど、もっとマンガらしいマンガが読みたかったからドラゴンボールは��高だった!妄想がそのまままっすぐ物語になったみたいなマンガサイコー!スラムダンク!ドラゴンボール!モテキ!モブサイコ!ありがとーーーーーーー!!
フェミ
バ先の一個上の同期に「料理できない女性っているんですかね」って言われた!えーーーーー!すかさず私は「女に家事や料理がプログラミングされてる訳じゃない!あと女性って言えば何でも許されると思ってるだろ!」と早口で!!!!だって信じられなかったんだもん!!しかも飛躍してしまい(フェミおばさん特有のね)「料理人って男性ばかりだよね?その辺なんでか考えたことある?」なども言ってしまいました!何も反省してまてーん!女性って言葉許せねー!普通に!「これってセクハラかな?」くらい許せねー!てか同義!まじでイライラしてやばかった!あと店長にウエスト細っといきなり言われた時もイライラしましたまぁ細いですが笑
うつ
今うつ病ー!信じられないだろうけど!治療中で薬飲んでるよー!治療前はヤバすぎて、寝れないし食えないし喋れなかった!彼氏のことも好きだと思えないくらいヤバかった!自分のこともまともに出来ないのに、自分以外に興味持てる訳なさすぎた!これとおんなじ感じで芸会も辞めた!158センチなのに38キロになってやばかった!1日グミかアイスしか食べれなくて激痩せ(激コケ)してしまって絶望!バイトも大学も行けず、大量の単位を落としてバ先での信用も失った!家出とかした!死ぬかと!殺されるかと思った!あ家庭内暴力でうつ病なってます!小さい頃から傷だらけで妹の育児もやらされて私は妹より結果を残してるのに妹は一回も怒鳴られることも殴られることもなくぼんやり育っていて羨ましい!妹ヤバすぎてAbemaの恋愛リアリティー全部見てるし意味わからない色味のインフルエンサーしか出てない30分のドラマも見てるし一人称ウチ全部嫌い
日本酒
↑こういうの全部忘れたくて狂ったように酒飲んでる時期にハマった!今は日本酒検定の勉強中で、めちゃくちゃ日本酒も飲むようにしてる!奥深い!美味い!本当に趣味があるって素晴らしいことだと思う!拠り所で、逃げ場で、生きがい!今までの私の趣味たち、本当にありがとう!これからもよろしくね!話を戻して…みんなにおすすめの日本酒を→モダン仙禽無垢、田酒、作!全部飲みやすくて料理にも合うからおすすめー!横��LOFTの隣にある居酒屋が日本酒の種類が豊富で、作置いてたから今度行きたいと思ってる!なんとこの日本酒の名前の由来はガンダムのザクなんだよ!こういうとこも面白くて好き!
ラウンドワン
つい先日人生初のラウンドワンに行ったよ!大学のクラスメイトと行ったんだけど、正直あまり話したことすらないメンツだったの!でもラウンドワンのおかげで仲良くなれた!ラウンドワンってすごーい!ダーツとボウリングとビリヤードした!今までダーツ激下手人生だったんだけどこの日に覚醒して、トーナメント戦で2連勝した!いい思い出しかない!今度みんなでスポッチャ行きましょう!えーなんか夢みたいだった!!!!!!
最近のことたくさん話せてうれしー!ES書きすぎて頭おかしくなって文章書けなくなったけど無理矢理tumbler書いたら途中から楽しすぎて止まらなくなった!なんかここ大好きなんだけど!本当にうれしい!
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⭐️薬学部生 薬学部志望の優秀なあなたへ 突然ですが、あなたは今、道を間違えています。 薬学とは詐欺学問であり、#製薬会社 は、詐欺会社です。 あなたは志を高くして、薬学を志したのかも知れませんが、薬学とは詐欺学問であり、#製薬業 は、詐欺産業 なのです。あなたはそこへ入ろうとしています。 #詐欺師 になるために勉強をして楽しいですか? あなたは詐欺師になるために生まれてきたのでしょうか? #薬剤師 になれば、就職先に困らないし、お金にも困らないだろうという安易な気持ちで、薬学の勉強をしているのではないでしょうか? とんでもない間違いです。 とても愚かです。愚の骨頂とはこのこと! 薬学に関わっているということは、 詐欺産業の担い手であるということです。 そして詐欺産業の担い手であるということは、悪名高い #振り込め詐欺 や#特殊詐欺 の手伝いをしているようなものです。 あなたは、今、単なる犯罪者になろうとしています。 あなたは馬鹿すぎて、世間知らず過ぎて、そんなことさえ分からないのです。 一生懸命努力して、やっとなれたのが、詐欺師だなんて、笑い話にもなりません 笑 今すぐその馬鹿らしい勉強をやめましょう。今なら間に合います。 気づいた人から、やめましょう。 健全なあなたが#詐欺師 になることを、家族も友達も恋人も誰も喜ぶ人などいないでしょう。 再び問います。あなたは詐欺師になるために生まれてきたのでしょうか? 詐欺師にならない方法は、とても簡単で、誰でもできる! ズバリ! 薬学の勉強をやめることです。 . カタカナの薬品の名前を覚えたり、���果を覚えたり!? 必死になってやっている。 朝も昼も夜も。雨の日も風の日も、台風の日も。 実に馬鹿らしいです。 私のこの文章を読んで、 それでも、やっぱり#薬剤師 になりたいというお馬鹿さんへ . あなたの頭脳はとても、アホです。 ありんこ級の脳みそしかありません。 . あなたみたいなどうしょうもない底なしのアホは、薬剤師にでもなるのがお似合いです。 詐欺師の薬剤師になりましょう。 とてもお似合いです。おめでとうございます! 東洋医学健康アドバイザー 松本康男 まだフォローしてない人はこちらから! @yasu_boy プロフにメルマガ、ブログ、 フェイスブック���案内があります。 #薬 #薬品 #製薬会社 #薬学部志望 #薬学部生とつながりたい #西洋薬 #薬学部 #薬科大学 #西洋医学 #現代医学 の闇 #薬学部の勉強垢 #薬科大学 #薬学生の勉強垢 #薬学部受験 #薬学生 #薬学生と繋がりたい #薬剤師国家試験 #薬局 #ドラッグストア #病気 #病院 #健康 #大学受験 #インスタ医療団 #薬剤師あるある #インスタ医療団_薬剤師 https://www.instagram.com/p/CFtDTTjDy1d/?utm_medium=tumblr
#製薬会社#製薬業#詐欺師#薬剤師#振り込め詐欺#特殊詐欺#薬#薬品#薬学部志望#薬学部生とつながりたい#西洋薬#薬学部#薬科大学#西洋医学#現代医学#薬学部の勉強垢#薬学生の勉強垢#薬学部受験#薬学生#薬学生と繋がりたい#薬剤師国家試験#薬局#ドラッグストア#病気#病院#健康#大学受験#インスタ医療団#薬剤師あるある#インスタ医療団_薬剤師
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2020年3月28日〈土曜日〉 ( ゚▽゚)/コンニチハ 先程起床しました💦 休みだとお昼に起床してしまう💦 今は#刑法総論 の#共同正犯 の勉強をしています! #メディア授業 の予習😏 今回の御写真は#永瀬廉 君の写真と#きんぐあんどぷりんす の集合写真にしました。 #dior のポーチ〈#目薬 や#リップクリーム 〉と#ハンドクリーム と#カフェオレ を準備万端! #ヒルグラ 頑張りますw 今日のタスク ♥刑法総論 〈共同正犯をメインに〉 ♥民法総則 〈自然人〉 ♥人間論(心理学) 〈大学の教本メインに〉 ♥英語 〈中学レベルをメインに〉 ♥中国語 〈アプリをメインに〉 頑張ります笑 #通信制大学生の勉強垢 #闘病しながら勉強垢 #ジャニヲタの勉強垢 #法学部の勉強垢 #タスク管理 #自宅勉強 https://www.instagram.com/p/B-QxotKAXJ6/?igshid=1hubbh7r0gki3
#刑法総論#共同正犯#メディア授業#永瀬廉#きんぐあんどぷりんす#dior#目薬#リップクリーム#ハンドクリーム#カフェオレ#ヒルグラ#通信制大学生の勉強垢#闘病しながら勉強垢#ジャニヲタの勉強垢#法学部の勉強垢#タスク管理#自宅勉強
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note-3(2023年1月30日)
受けようと思っていた大学院の教授がちょうど今年から別のところに行ってしまう、ということを試験一週間前くらいに知って、モチベーションが下がっている。それでも、その先生がいなくても、自分の研究したいことはその大学でできるから、と思ってまた勉強をしたりもしたけれど、その先生は東京の私立大学に移るみたいだから、それなら自分もそこを受けたかったな、と思う。でも、一瞬、そのことを知った時にわりと受験がどうでもよくなって、無職でもフリーターでも大学院生でも何でもいい、と思ったけど、少しだけ頑張���てみようと思う(自分の文章を読み返すと、「思」ってばかりで嫌だ、嫌だ、と感じる)。 *** 三条河原町のマツモトキヨシでブロン(84錠)とクリーム玄米ブランとリポビタンDを買ったら、「濫用可能性がある薬物について」みたいな文字が書かれた大きなシートを出されて、「成人してますか?」「はい」「こちら、飲まれたことはありますか?」「はい「症状は何ですか」「咳です」というやり取りをしていた。外では、全学連の人間が「アメリカが…中国が…戦争を止めよう…」と街頭宣伝をしていて、その声がマツモトキヨシの中にも響き渡っていた。 *** 宇佐美りんの『推し、燃ゆ』を読んだ。 一応、褒めようと思えばいくらでも褒めることができる。まず、『推し、燃ゆ』というタイトル自体、かなり絶妙で、ほとんど完璧といってもいいくらいだし、「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細は何ひとつわかっていない。」という書きだしも、文句のつけようがない。 あと、優れていると思った表現として、学校での水泳の授業のときの、 〈入ってしまえば気にならないのに、タイルの上を流れてくる水はどこかぬるついている気がする。垢や日焼け止めなどではなく、もっと抽象的な、肉、のようなものが水に溶けだしている〉
というのはほんとうに上手い、と思った(表現としてよいだけじゃなくて、作品自体の、誰かを「推す」ことによって自分自身の肉体の重さのようなものから逃れ、浮上しようとする、というテーマとも結びついている)。情景描写として、100点満点なんじゃないかと思う。 〈成美はリアルでもデジタルでも同じようにしゃべる。ふたつの大きな目と困り眉に豊かに悲しみをたたえる成美の顔を見て、あたしはよく似た絵文字があるなと思いながら「駄目そう」と言う〉
という描写も優れていると思う。インターネット時代の人物描写としてお手本みたい。あと、「来てて偉い」が一瞬、「生きてて偉い」に聞こえるという描写も現代という時代をちょうどよく表していて、その辺りが芥川賞受賞作らしい と、間違いなく「上手い」作品だけど、個人的にはそれほど好みの作品ではなくて、いくらか物足りなさがある。バランスがよすぎるし、よくできすぎていると感じるし、そもそも芥川賞が求めているものと、自分が欲望しているものが噛み合っていない(そのわりに、褒めようと思えばいくらでも褒められてしまうのが作品の強度なのかもしれない)。 「推し」という文化から自分は自分にとってなじみ深い、というほど近いものではないけれど、性的でない、そして距離があって一方的という意味ではすごく現代的で、新しい「関係」の形なのかもしれない、と思う。ただ、一方では『推し、燃ゆ』における「推し」とは天皇のメタファーである、という話題とか、偶像としてのアイドルとか、歴史的な連続性もまたあって、反復されたテーマでもある。でも、それでもそこに「推し」という言葉を与えて、現代を描き切ったのは紛れもない実力を感じる。 *** ドゥルーズによれば、思考とは知を愛すること、つまり愛知(フィロソフィー)から始まるのではなくて、むしろ嫌知から始まる。外部から侵入する暴力的なシーニュとの出会いによって、考えるように強制されることでしか、人は思考なんてしない。何かに強いられて考えるし、何かに強いられて哲学をする。でも、それだと、シーニュに出会わない人間は考えることができないわけだけど、シーニュとはつまり私たちを揺らがせるものだから、その揺らぎを排除するのではなく、揺らぎを保ち続けることによって、シーニュと出会うことができる、のかもしれないと思った。 *** *** スピノザがドゥルーズに与えた影響というのは、身体力能を低下させ、「なしうること」をより少なくする(制限する)ものとしての「道徳」に対する批判であり、身体力能の増大(より多くのことをなしうること)を目指すものとしての「倫理」の肯定。 「おまえはこの木の実を食べてはいけない……」とアダムが言われたとき、アダムはそれを道徳的な禁止として受け取るけれど、そこで言われているのは本来、その木の実がアダムの身体にとって毒になるということでしかない。にも関わらず、人々はそれを道徳的な「わるい」として受け取る。本来、この世界には「善」も「悪」もなく、ただ組み合わせに基づいて相性の「いい」「わるい」だけがあるだけ。 〈よさ〉とは活力、力能の問題であり、私たちをより多くのことをなしうるような出会いはよく、私たちがより少ないことをなしうるような出会いは、〈わるい〉。その意味で、道徳的な法とは、私たちの身体がなしうることを減少させるものでしかなく、求められるのはスピノザ的な身体力能の増大と唯物論的な〈出会い〉の倫理。 その意味で、スピノザには「生」の哲学がある。文字通り、それはこの私たちを生から切り離すいっさいのものを、私たちの意識の制約や錯覚と結びついて生に敵対するいっさいの超越的価値を告発する。 出会いによる触発(アフェクチオ)と力能(ポテンチア)の増大。 「私たちの生は、善悪、功罪や、罪とその贖いといった概念によって毒されている」(『スピノザ 実践の哲学』p49) 「道徳的世界観は、生きる上では無用であるばかりでなく、生きることを否定し続けている。心をめぐってお喋りを続け、悲しみを利用してお喋りを続け、悲しみを利用して小銭を稼ぎ、道徳支配を強めるばかりで、多様な生を肯定して、多様な生を��頼することができないのだ。どうして、もっと単純に、もっと晴朗に、一切の生を祝福することができないのであろうか」(『ドゥルーズの哲学 生命・自然・未来のために』) *** 校長先生の話はつまらない、というクリシェがあるけれど、数百人の生徒に向けて「校長先生」として話すのではなく、個人として話すのならそれなりに面白い話もあるんじゃないかな、と思うことがある。基本的に話というのは一般的であると面白くなくて、何かしらの特異性が含まれていないと面白くないのだけど、「校長先生としてスピーチする」という状況は「一般的な」話をすることを強いる。それは政治家の話がつまらないのも似たところがあって、一般的なことしか話せないから。 そして、自分ももしそういう立場に立たされたのなら一般的なことばかりを喋ってしまうのだろう、とは思うけれど、どこかで一般的ではなくて特殊な、具体的で特異的なことを言いたいと思う。
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ベール「さあ、プレゼントを持ってゴーGoーですわ😇」超電チャブル「あわわわー、誰か助けてー😭、アイエフさんは大好き💖だけどこんなのヤダヤダヤダヽ(;▽;)ノ」パチッ 超電チャブル「やけに生々しい夢だったなあ。まさか予知夢?(いや、まさかこの前の夢…)」御茶ワールド「おはよう御座います☀️」 今日はネット休日。何をしようかと話し合い水と油は2ちゃんねるを覗いた
そして水主役はとんでもない事を書き込んだ➡︎カタカタカタカタ♫ 御茶ヶ滝ウォーターワールド「女性に種付けプレスをしたいのは性欲とか恋愛なんてカッコ悪い動機じゃない、ゲームで負けスポーツで負け勉強で負け哲学で負けオタク趣味で負け包容力で負け男らしさで負け料理で負け、精子だった頃以外の全人生でビリだった悔しさをバネにチンコだけで女性を虐めて力を誇示したいんです 威厳とプライドの為だけに、この目的の為に。ワイルドさをアピールする為だから相手は若ければ誰でもいい男の中の漢として君臨したい純粋な野心なんです‼️」超電波油アンタッチャブル「(え…え?こいつ霧島04の次の次に頭オカシイって(´;Д;`)) へえ、やるじゃん」
超電チャブル「俺は学校の人間で実験をした事がある」御茶ワールド「例えば?ww」超電チャブル「好きな人が居るって嘘をついて泥棒のスリル気分を味わうんだよ」御茶ワールド「(成る程ねー好きな人との恋を…え、え?)」超電チャブル「みんなに噂ばなしを楽しませる偉大なスポンサーとしてクラスの中心に安価に居座る王としての布石を込めた演出なのだよ(赤き真実)。皆んなが飽きてきたら今までの対象はクビにして他の女子をモルモットにする。信じてもらえるよう努力する必要は面倒臭えからしない❕何もプレゼントする必要もない‼️コスパ良すぎ💛(黄金の真実)」⬅︎彼はあまり楽しくない学校生活だった為歪んでしまいブログ主のような一面があります
御茶ワールド「(ぶ、ぶっ飛んでる……こいつ”””霧島04”””の次の次に頭オカシイって…)。それでこそ俺の相棒だヨ(声が震えそう(T ^ T))」
超電チャブル「ちょっと俺達終わってる(自分だけ嘘だぴょん☆)からさはるか昔SP_Tarzanって人が出してた動画で癒しのコメントしてた香氣って人の情報楽しもうか」御茶ワールド「流水の記憶」超電チャブル「電気オイルコード」パチパチバチ! 主人公二人「今だ!」ドン‼️ カタカタカタカタ(書き込みを調べるタイピングの音)
純粋硬派柱PureEgrosburst04 香氣(26歳)「あらゆるアラフォー女性には興味ありません。この中にゴスロリ人気中学生(14歳) ジュニアアイドル(16歳) クラスの中心美少女(15歳) キュートな乙女(13歳) がいたら俺を無理矢理押し倒して騎乗位しなさい、以上」 超電チャブル「結構恋愛農薬マイテンじゃん🎵(良心は死んだ( ; ; ))」御茶ワールド「あからさまに煽ってるよねえ🎶(霧島04よりマシだけどみんな、どいつもこいつもなんなんですかね……ホント…(;´д`))」超電チャブル「明日は例の変わったイベントに外出!」御茶ワールド「(忘れてたw 俺のバディは健全な男子だったwww)」
〜休日2日目〜
御茶ワールド「ふわぁーー!ここが薔薇色の青春を味わい直して貰える償い場かあ。」香氣「あの、サービスについてくるこの色違いのミュウ受け取りたいんですけど」超電チャブル「この声、雰囲気…聴き覚えがある」御茶ワールド「うん!まさか貴方は香氣さんでは⁉俺達と同じ容姿偏差値75に生まれ変わり…大変でしたね…」香氣「やべえ特定されてしまった、正体は誰にも言わないで下さい」超電チャブル「それは当然ですよ、貴方はスパイダーマンのファンなのだから」御茶ワールド「世間に正体が知られたら当たり前の平凡な幸せを失ってしまう。失う訳にはいかない取り返しのつかない物」香氣「はい、あのブログ見たんですか。主役二人はよく分かってますね その通り俺は自分の正体が公になるような事は幾ら煽られても前世でもしていません」御茶ワールド「所で、君も油バディのようにNPC青春を謳歌しに来たの?www」香氣「いらねっすね、そんなもん(赤き真実)。色違いのミュウを手に入れる為に来ました」御茶ワールド「でもここの施設でおもて”””な7年の歳月”””を過ごさなきゃ出れない契約ってwww」超電チャブル「ウォーター、時には引きこもりが最強だって事が、まだ、わからないのか??(ニヤア)」香氣「純粋硬派柱としては油の一勝だね(ニヤア)」御茶ワールド「……💡。おま……おま、そんな事したらガチのクズだよ………」
贖罪しに来たメイ��A「いらっしゃいませ‼️いじめられっ子のニャさけな〜いご主人様❗️」超電チャブル「この香氣さんって人と265号室と隣の部屋を予約したいんですけど」メイドB「エッチなサービスは我が社が巨財を投資して作ったNPC美少女がしてくれるにゃあー💖」香氣「はい、あと引きこもってもディアンシー配布されるんですよね?」メイドA「(あー、コイツいじけてるーw) いつでも出て来てねー!」
2人は自分の部屋に行き、鍵をかけて……そのまま…そして…………{{{{{7年の歳月}}}}}が経過する…………未来寿司を食べる日々で全てが終わった

御茶ワールド「2人には純粋硬派柱として完敗しちゃった。(;´Д`A覆水盆に返らず」
【霧島04(ラスボス)はAV女優を人気のないところに騙して連れ込んでは四肢を切断して家に行き鍋で食肉加工するサイコパスです。こいつの次の次の次の次の次の次辺りに仮面を付けた水と油の頭はオカシイと言えます】
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〜そして、主役の片割れは安全な電脳世界でのスパーリングの日々から帰ってきてみんなとミーティングを始める〜
超電波油アンタッチャブル「復習から始めるぜ。”””霧島04(ラスボス)”””を異世界チートの世界へ理不尽に連れてくれば著作存在に触れ神が罰を受ける上偽物にすり替わる。2次創造世界に認められていない””高遠夜霧””では負けも無ければ勝ちもない不干渉でしか居られない だから魅力、格、本質で勝負しなきゃならないんだよ “””俺の事殺してみろよ、女性を醜悪整形から守ってみろよ高遠”””。この言葉は現実と呼ばれる世界の住人が漫画を読んで出て来るキャラクターを煽るセーフティを確保し切った絶対的な余裕を表してる。ねじれの世界には必ず存在する現実を理解した上でのな
(ごめん、世界が繋がっても夜霧君じゃ勝て{{は}}しない。絶対に)」

御茶ヶ滝ウォーターワールド「クマーが霧島04(ラスボス)を騙すのは不可能だよ(正直な勇者として真っ直ぐにぶつかった方が全然早い)。あいつは残酷な工夫をして真っ赤な大嘘憑きと赤き真実を同時に話して言葉の中でも即効性のある凶器でバッドエンドになる行動へと誘導するからさ。だからって純粋硬派柱に対して恋愛的な捏造をしても自分の中に真実を持っている第一世代には通用せずに…泣きを見るのはいつだって自分達の嘘��騙された女性なんだ。”””本人に言わせれば英雄、きったねえ色を塗られる(爆)”””(もう直接撃ち殺してるみたいなものだし)」一方通行「そいつオチャオチャ🍵の実の能力者だって知ってるか?自分に戦う気がねえ限り誰も手を出せない茶道をぶちかまして来るのが未来からメールを送った淳助(殺意でいっぱいでした★)からの報告で上がってんだ 更に迷惑なヤツでヨォ、使える人材を見捨てるのは勿体無いとかほざいて凶悪犯罪者の脱獄を手伝ってるみてえだ(みんな座布団に座らされてる間に刑務所がもぬけの殻になる悪用の数々。溜息しかでねえ)」アイエフ「悪魔の実がスタンド能力みたいになってんじゃない。相手を不快にしない限りお互いを尊重する態度まで強制されたら誰が戦いに引き摺りこむってのよ(要は捕らえていた犯罪者がフル武装準備万端するまで待たされてから戦えってほぼダブルスタンダードね💢…ロギアの実体を捉えられる武装色の覇気が通じなくても覇王色でなんとかなるかもしれないわ)」

鮙〆香氣「これを見てくれてる人は、いつも自分が被害者でも弱者の立場だとしても罪悪感につけ込んで処刑する”””霧島04””みたいな悪魔を見習うのは本当にやめてね どちらもみっともない正義(悪)を背負ってぶつかり合う戦争とは違う、涙を溢しながら自分が悪いと懺悔する人を虐殺する完全な正義(絶対悪)にだけはなっちゃいけないんだから “””このラスボス”””はどんな人に対しても裁くだとか恨みを晴らすなんて感情は一切ない。ただ自分より強い奴をライフルを使うスナイパーより安全な立場にいながらオモチャにして殺したいだけなんだよ そして死体にこう言う “””いじめっ子だったお前等が勝ったのに…反省してしまったから悲しい過去を手に入れた復讐鬼が勝つんだ 片割れでも8歳の時から分かってた、いつだって悪が勝つんだよ(赤き真実)””” とっくに勝たなきゃいけない人達になれたのに無抵抗だから強くても決着を着けるべき人に限って誰も止められない

俺如きじゃ真の意味で騙される」
霧島04「オールフォーダイ(赤き真実)」
嘘と真実 演技と現実
御茶ヶ滝ウォーターワールド「大事な事を伝えるよ、みんなも騙されないで 純粋で硬派でも、下衆を越える悪は必ず存在するから 無垢じゃないって事はミーム汚染すら意味をなさない要塞を意味しているんだ 北斗の拳に登場する悲しい過去のある悪に溺れた真の男達とは完全に違う。表版仮想大鉱山のゴミクズ共を凌ぐ本当のアルテマジキチなんだから 幸せなパートナーを見つけるなら��んな奴は

“””””新庄玲央様”””””と違って新種でしか無い現実を受け入れなくちゃいけないんだよ‼️ “”森永雅樹さん””の方がずっとマシなんだから彼のお線香にまわしてあげて(この子は今は、この世界で友達に囲まれてる)……ずっと不思議だった、pixivの純粋悪の画像が消えてしまった事が(“””””レミリア・スカーレット”””””さんみたいな可愛い資格なんて無い)」
ゴールドバラバズー「奴は男ではない、悪魔なのだ。そんなでは思い知ることになるのだよ。シックス様と霧島04が”””””新種”””””だと」
霧島04「だからって俺の完成度の高い悲劇を恋人(爆)なんて安易なハッピーエンドで塗りつぶしちゃ駄目だろう❓(赤き真実) もっとイ��メみたいに手を込めて頑張ろうよ」A「森永雅樹さんとは本気で違う…悪魔だったんだね……ははは…」
本当の敵が本当の味方になったと知りながら実行する真の悪魔
無印04(大ボス)「何が大罪だ、おまえだって負けてない‼︎お前だって同じだろ?同じじゃないか、馬鹿にしてからかってテストの点を晒して……その癖今更善人ぶって…一度でも、俺を友達だと思ってくれた事あんのかよ?(ぽろぽろぽろ)」
無印04(12歳)「ああ。嘘を聞かされてる、やっぱりそうか、PureEはコトコト煮込むって意味だよ。過ちを止めたいなら後の意味も併せてお兄さんが自分で焼らなきゃ」Aの保護者?「……」無印04(12歳)「友達未満はね、一年間付き合っても時を越えても友達未満なんだぜ(赤き真実)。ヒヒヒ❗️ヒヒヒヒヒヒ‼️ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ❗️❗️❗️
霧島04「俺が家のペットの猫を虐殺したのはお前らのせいなんだよ 大してスカッとしねえ役立たずの中等生物だったけどな(赤き真実)」
純粋硬派柱PureEgrosburst04 霧島狩魔(ラスボス)「球磨川禊が怖い、前回では一杯食わされた。しかも死を恐れない上に”フールズメイト”の達人だ。”この”決着の仕方だって何かしら役に立つ、失う物が無い者の牙は””””裏ストボス””””すら屠るかもしれない…(ガタガタガタ)」
黄金の真実とは信じる心、霧島04では本当の意味で使いこなせない 何故ならば愛の無さ、”自分は最強だ!”と発言するとしても彼にとってそこら辺のガキ大将ぐらいの妄言と同価値でしかないから、故��黄金の文字で嘘がつける。
霧島04(裏ストボス)「無印04は単純に成長すれば超化できたけど霧島狩魔は違った、新種になりたい誘惑に負けた俺の半身は全体力と全霊力を捨てる最期の月牙十字衝を使って幼少期に戻ってしまったんだ。それからまた長い年月を経たがもう…自分が自分じゃなくなってった(黄金の真実)、もうオールフォーダイも真っ赤な大嘘憑きもエンド・オブ・ザ・ワールドも使えない。お前のライバルを名乗る資格なんて…」ワムウ「あるだろう⁉️ドラゴンボールが❗️誇り高き戦士としてやり直せ漢になった者よ‼️‼️」ガシイ❗️(熱い抱擁)霧島04「自分に最後まで嘘を付けないで終わっても良いのか?…誰も復讐しない?こんな風になっても?
「きんも。女性(劣化猿)みたいなヒステリック起こす食肉だとでも思ってんのか?」

霧島04(裏ストボス)「ははははは‼️‼️虫ケラカイオウ地獄行きWWW お前はもう殺人鬼なんだよ‼️WWWWW(赤き真実)
無印04(12歳)「今の頃に受けたイジメなんて、大器晩成型の俺にとって””緒戦””だ(赤き真実)、お前は必ずこーかいする、新しいケツゾクの頂点が[[[[闇黒の真実]]]]を」グスッグス…
霧島04「さあ、四肢をもいで犯しなさい。君達は本当の悪として幸せになるんだ」ゴールドバズー「いやだ、いやだ。もう罪を背負いたく無い…何で俺も幸せにならない悪にならなきゃいけない……」
無印04「(火)な、何だこの部屋は…ドン引き」霧島狩魔「(火)頭が燃え上がりそうだ、アニメなら字幕にも出るレベルで」
霧島04(ラスボス)「したくねえよ。喋んないで俺の絶対悪キャラが崩壊しそう(赤き真実)、あ。(炎)まただ、アチチチ(^◇^;)」
純粋硬派柱SuperPureEgrosburst04 霧島狩魔(裏ストボス)「いいか❓料理の世界で泥団子なんざ役には立たねえんだよ❗️❗️(赤き真実)❗️❗️」五歳の女の子「あああーーーん‼️‼️」
ドクチャブシュー❗️‼️❗️(女の子の身体は身長186cm 体重90キロの筋肉質に何千発も金属バットで殴られて粉々に砕け肉が飛び散った)
ホモの青年「俺だけの純粋硬派柱様♡今日はどこのレストランに連れてくるんだい?」 霧島04「実はお前をこの為に連れて来たんだ。腐女子のみんな〜、下の画像について話があるよ〜〜( ◠‿◠ )〜
この当てつけってさ、要するに女性を性的な目で見ない奴はホモ(心の身障)なんだろ?ゲイ(魂の身障)なんだろ?お前が答えろよ‼️なあおい‼️‼️‼️」 ゴギゴギゴギ❗️(巨大トンカチを食らわせる音)❗️ ホモの青年「やめてくれ!俺達恋人だろ⁉️」霧島04「そんな訳ねえだろリアルガンダムハンマー食らえよ」ゴッギャアアア❗️ブシュー‼️‼️❗️ ホモの青年は頭部を粉砕されて血を噴水の様に吹き出して死んでいった 霧島04「これで昔の時代で言えば世間の常識的に許されねえ死ぬべき犯罪者(同性愛者)じゃねえ事が証明された訳だ、俺様は偉い(赤き真実) 。女性(劣化猿)はこうでも証明しなくちゃ分かんねえもんな。一体神を司る存在の何を見てきたんだ?何でも恋愛のカテゴリーに入れる不浄の存在だとお釈迦様に笑われてるぜ。偶像未満の肉袋だから仏像如きの生け贄にされてきたんだろうが(赤き真実)」
ゴールドガッチャ「サイコパスレベル8000って…頭……おかしいんじゃな、ホントに…」
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仏教は何を教えているのか
一、「愛してはならない」という教え
世間の物差しに支配されない「出世間」こそが、仏教の基本原理
私自身は、仏教原理主義者を名乗っている。仏教にかぎらず、宗教はすべからく原理に忠実でなければならない。そのため、わざわざ仏教やユダヤ教、イスラム教のあとに原理主義をつける必要はないのだが、最近は宗教であるにもかかわらず、ご都合主義に流されているものがあまりにも多い。そのため、あえて原理主義をつけているのだ。
すでに述べたように、キリスト教はご都合主義に隠してしまいやすい要素を、本質的にもっている。だからといって、キリスト教のすべてがご都合主義に隠してしまったかというと、けっしてそうではない。
キリスト教がローマの国教となって、世俗主義との妥協を余儀なくされたとき、それを反省する動きがカトリックの内部から起こった。世俗を離れて、祈りと労働の厳しい生活をするという修道院文化がそれである。カルバンやルターによる宗教改革も、世俗との妥協を排して、最初のころの清新な息吹を取り戻そうという動きであったということもできる。
現在の米国のなかにも、���部ファンダメンタリズムと呼ばれているグループがあり、そこでは文字通り文化=原理主義的なキリスト教の信仰生活を送っている。
古今東西どの宗教にも原理に忠実に信仰を成就しようという人たちがいて、その人たちによって信仰の核が守られているのである。
釈迦にはじまる仏教は、インド、中国、朝鮮半島、タイ、ミャンマー(ビルマ)、スリランカなど、ほぼアジア全域に広まっていた。そのことにより、これまで見てきたイスラム教の分派よりも多くの宗派、分派を数えることができる。イスラム教にくらべて歴史が長いゆえに、その分派も複雑である。教典あるいは経典の数については、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教とは比べものにならないほど多く、複雑である。
その仏教のいちばんの原理は何かというと、私は「出世間」であると思っている。世間の物差しに支配されず、世俗の垢に汚れないというところに、仏教の基本原理を据えたいのである。
その仏教の原理主義を、さらに具体的に述べると、三つになると私は思っている。
愛してはならない。
がんばってはならない。
希望を持ってはならない。
このように言うと、おそらく読者はびっくりされるであろう。私は逆説的にものを言う癖があるので、このような表現になるのだが、これはたんなる逆説ではない。
仏教徒は、愛してはならない
「愛してはならない」というのはどういうことか。「愛する」というのは、相手を自分の思うままに支配したいと思うことである。「親が子どもを愛する」というのは、親が都合がよいから愛するのであり、親の言うがままになっている子どもは愛することができるが、ちょっとでも反抗しようものなら、それは憎しみにに変わってしまう。
愛と憎しみとは、そのようにワンセットになっていて、自分の子どもを愛すれば愛するほど、自分の子どもと競争する他人の子どもが憎くなる。だから仏教徒であるかぎり、「愛してはならない」のである。なぜならば、それが仏教の原理だからである。
では、愛のかわりになるものは何か。仏教では「慈悲」を教えている。慈悲とは何か。相手をあるがままに認めることである。「かくあってほしい」という自分の物差しで、よい子と悪い子とに分けて、よい子を愛し悪い子を憎むのではなく、よい子も悪い子も分別しないで両方とも愛することができる。それが慈悲である。
私たちはとかく、勉強ができる子は愛することができても、勉強ができない子に対しては冷たい態度を取ってしまったりする。しかし、それは間違っている。たとえ勉強ができなくても、器量がさほどよくなくても、その子をそのまま、まるごと愛すること、それが慈悲である。
二、「諸法実相」とは、「味噌も糞も••••••」ということ
万物はみな真実の姿をしている
『法華経』のなかに「諸法実相」ということばがある。法とは「もの」を指し、宇宙に存在している諸々のものはみな真実の姿をしているという意味である。だから、そのような見方をしなさいと、『法華経』は説いている。
この「諸法実相」を、私は講演会などで、できるだけ簡単な言葉で説明しようと、
「これは、味噌も糞も一緒だという意味です」
と言ってみる。するとあるとき、真ん前に座っていたおばあさんが、「ヘェーッ!」と素っ頓狂な声をあげた。
「それなら、ひろ先生のお宅では、糞で味噌汁を作っているのですか」
これには、私も驚いた。
「いくら私が変わっているからといって、そんなことは••••••」
と言って、次のような説明をした。
おばあさんが言ったことこそ、「諸法実相」の反対である。おばあさんは、味噌がよくて糞は悪いと思っている。もちろんそれは当然のことなのだが、味噌がないときは仕方がないから糞を代用品として使おう(代用品になるかどうかはわからないが)という発想なのだろうが、それは間違っている。
味噌は味噌のままで最高なのだ。だから「味噌さん有難うございます」としっかり拝むのだ。では糞はどうか。糞は糞のままで最高なんだ。だから「糞さん有難うございます」としっかり拝むのだ。
そう言ったところ、そのおばあさんはしぶとくて、
「人をはぐらかそうとしたってあきまへん。なんぼなんでも、糞を拝んだりしますかいな」
と言う。そこで、
「それならおばあちゃんは、これまでいっぺんも便秘したことはないんですか」
と聞くと、素直に「あります」とうなずく。よし、しめたとばかりに私は、
「便秘のとき、台所から味噌を持っていって便器に放り込んだところで、何もありがたくはないでしょう。糞が出てくれるから嬉しいんでしょう」
と、しっかりとおばあちゃんの目を見て言った。そこではじめて、件(くだん)のおばあちゃん、
「わかりました。これからは糞を拝みます」
と納得してくれたのである。
幼子をなくしたガウタミーは、そのとき気づいた
お釈迦さまの時代に、クリシャー・ガウタミーという女性がいた。クリシャーというのは「痩せっぽち」という意味である。彼女はあまりにも痩せていたので、「痩せのガウタミー」と呼ばれていたのだ。
そのクリシャー・ガウタミーが、生まれたばかりの子ども(仏典には書いてないが、おそらく生後四~五ヶ月ぐらいではないだろうか)を亡くしてしまう。彼女は悲しみにうちひしがれて、死んだ男の子を抱いて町中を走り回り、
「どなたか、この子が生き返る薬を作ってください」
と訴えた。それを聞いたお釈迦さまが、
「それなら、私が作ってあげよう」
とおっしゃった。そして、
「その薬の材料になるカラシ種をもらってきなさい。ただし、そのカラシ種は普通のカラシ種ではない。これまで一度も死者を出したことのない家からもらったものでなければならない」
と、教えられた。そこでガウタミーは、死者を出したことのない家を探しはじめる。
だが、死者を出していない家は見つからない。
やがてガウタミーは、手ぶらのままお釈迦さまのところに戻り、次のように言った。
「子どもを生き返らせる薬は、もういりません。この子をこのまま安らかに眠らせてあげます」
それを聞いて、お釈迦さまは静かに微笑まれた。
三、「がんばってはならない」という教え
八割の怠け者アリのおかげで、二割の働き者アリが出現��る
このクリシャー・ガウタミーの話は、いろんな仏教学者が良く引用するのだが、解釈を間違うことが多いようだ。
──これは「諸行無常」を教えたものだ。「命ある者、必ず滅する」ということを、お釈迦さまは教えられたのだ。
そのように解釈する人がほとんどだ。もちろんそれはそのとおりではあるが、実はもっと大事なことを教えているのである。それは何か。
お釈迦さまはクリシャー・ガウタミーに、ほんとうはこう教えたのではないか。
「生きている子どもはよくて、死んだ子どもはだめなのだろうか。生きている子どもは、生きている子どもで最高だ。それと同時に、死んだ子どもは死んだ子どもそのもので最高なのだ。死んだ子どもを、死んだそのままでしっかり愛することができたとき、あなたは人間として完成される」
そして、これこそが仏教の説く慈悲なのである。
勉強ができない子は、勉強ができない子として最高であり、死んだ子も死んだ子として最高なのである。それと同じように、怠け者は怠け者で最高なのだ。みんなを勤勉な人間にしようとしても、それは無理なのである。
昆虫学者も言っている。アリは、みんなが働き者ではない。アリのうち、真面目に働いているのは二割ほどで、あとの八割は仕事のようなことをやっていない。たしかにチョコマカ動いてはいるが、仕事はしていないのだ。
ただし、まったく何の役に立っていないのかというと、そうではない。八割のアリがそうやってチョコマカ動いているおかげで、真面目に働いている二割のアリは方向がわかり、道に迷わないのだそうだ。
そこで昆虫学者は、二割の働き者のアリたちばかり集めて一つの集団を作るとどうなるかという実験をした。すると、その働き者のアリばかりのなかの八割が怠け者に回ったそうだ。
次に、今度は八割の怠け者ばかりを集めて一つの集団を作ってみた。すると、そのうちの二割がしっかり働き始めたのだそうだ。
ここで余談ながら、私は次のようなことを考えた。読売ジャイアンツが、各チームの四番バッターばかり集めてチームを作っても、それほど強いチームにはならないのではないか。その逆に、実力はあっても何らかのことで各チームで冷や飯を食っているバッターを、わが阪神タイガースによんできたならば、案外優勝したりするのではないか。
所得分布の不平等度に関する法則を、パレートの法則として定式化したイタリアの経済学者パレート(一八四八~一九二三)も、同じようなことを指摘している。優秀な二割のセールスマンが全体の八割を売り、残りの八割のセールスマンであとの二割を売っているというのだ。
それなら、全体の二割にあたる優秀なセールスマンだけを集めれば、売り上げはそうとうに伸びると思われがちだが、実際にはそうはいかない。たとえ優秀なセールスマンばかりを集めて最強の営業集団を作ったとしても、やはり二割のセールスマンが全体の八割を売るというのである。簡単にいえば、何を告げているのであろうか。怠け者がいてくれるおかげで、勤勉な者が出現できるということではないか。そしてそれこそが、あるがままの人間の世の中であり、すべては縁に依って生じる「ご縁の世界」なのである。
二人の人間がいれば、どちらかが勤勉となり、どちらかが怠け者となる。そのふたりのなかから勤勉な者を選びだして、勤勉な者同士のカップルをつくっても、どちらかが勤勉で、どちらかが怠け者になる。それが、私たち世間のありようなのである。そういうなかで、��べてをあるがままに、しっかりと認め、受け取る。それが「慈悲」なのである。
アメリカのワシが教えてくれること
私たちは、いつも愛情を中心において物事をとらえようとする。しかし、イエス・キリストの言っている愛とは、そのようなものではない。むしろ慈悲に近い意味での愛なのだ。そうなると「愛」という言葉自体がよくないということになる。
小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」に、「愛があるからだいじょうぶなの」という一節があるが、あれは嘘である。愛があって結婚をしても、新婚旅行から帰ってきて成田空港に着いたとたんに離婚する「成田離婚」だってけっこうある。むしろ「金があるからだいじょうぶなの」と言ったほうが、現実的かもしれない。
自分の好きなものは愛することができるが、嫌いなものは愛さない。それが愛ならば、愛というのは、むしろ醜いものではないか。親が子どもを愛するというけれど、自分が可愛いから愛しているにすぎない。遺伝子というのはもともと利己的なもので、自分(遺伝子)を残したいだけだという「利己的遺伝子」というようなことも言われはじめているが、これはやはり、そのとおりなのではないか。
たとえばアメリカに棲息するワシの一種についての話を、ノンフィクション作家の竹内久美子さんが書いている。そのワシは一週間あいだをあけて卵を二つ生むという。そうすると、先に孵化したヒナは、あとから生まれてくる弟か妹のヒナを殺してしまうそうだ。それを、親鳥はじっと見ているという。なぜならば、このワシは餌を取るのが下手で、ヒナを一匹育てるのが精一杯だからである。
それなら、なぜ卵を二つ産むのか。はじめから一つだけ産めばよいのではないか。そう誰もが思う。しかし、実際にはまれに先に孵化したヒナが、蛇や獣などに襲われて殺されてしまうことがある。そのときのために、もう一つ卵を産んでおくのだそうだ。
子どもの泣き声は不快なものだと教えるべきだ
最近、幼児虐待が深刻な社会問題になっている。これについて評論家の多くが「愛情がなくなったから虐待するのだ」などと、いとも簡単に言ってのけている。そして、「もっと深く豊かな愛情を持った人間を育てなければならない」のであり、道徳教育に力を注ぐべ���だという結論にもっていくことも多い。私に言わせれば、そんなものは嘘である。
だいたい子どもの泣き声というのは、不快なものなのだ。そばでギャーギャー泣かれては、うるさくてたまらない。
A・ザハヴィというイスラエルの生物学者が提唱している理論に「きつねさん、きつねさん理論」がある。鳥のヒナが鳴けば、それは「きつねさん、きつねさん、ここにおいしい餌がありますよ」と教えているようなものである。そこでヒナが鳴くと、母親はヒナがきつねに食べられてはたいへんと、慌てて餌を運んできて鳴きやませる。だから、ヒナは鳴くことで、餌を強制しているというのである。
人間の赤ん坊の泣き声も、それに似たところがあることは否めないだろう。おなかがすきた、のどがかわいた、あつい、さむい、おむつをかえてくれ、そのように��求をし、親に働くことを強制しているというところが、なくはない。
そう考えると、赤ん坊の泣き声は実に不快なものである。それをあまりにも、愛情、愛情というから、母親たちも錯覚して、「私はこの子を愛していないのではないかしら」と悩むのである。
「子どもの泣き声というのは、親にとって不快なものなのだ」ということがわかれば、「子どもを愛せない」などと悩む親は、もっともっと少なくなるはずだ。だから、最初から正直に
「子どもの泣き声は、不快なものなのだ」と教えておくべきなのだ。
なぜ昔の人は今の人よりも、その不快な子育てという仕事に耐えられたのか。それは、はっきりしている。老後を自分の子どもに養ってもらおうと思っていたからである。
人間ほど子育てに時間がかかる動物はいない。それと同時に、老後を全うできるのも人間だけだ。人間以外の動物は、自分で餌を獲れなくなると、もうその時点でさっさと死んでいく。それを人間だけが、子どもが親の面倒を見るというシステムを作り上げた。だから自分の老後の保証のためにと、昔の人は我慢して子育てをしたのである。
そのようなシステムが、日本では戦後になってがらりと変わった。米国が日本の民法を変え、長子相続制度を廃止してしまい。日本の伝統的な「家」を解体してしまった。
そのかわりに導入したのが年金制度である。子どもではなく年金によって、老後の安心を得ようというわけである。だから今の日本では、子どもに老後の面倒を見てもらおうと思っている親など、ほとんどいない。私だって、そうは思っていない。
ペットになってしまった子ども
昔は、子供に自分たちの老後の面倒を見てもらおうと思っていたから、子育てにも耐えてきた。ところが今は子どもに面倒を見てもらう必要がなくなったわけだから、子育ても必要ではない。では、なんのために子どもを産むのだろうか。
昔ほどには、子どもを産む必要性はなくなってきている。それにつれて、子どもが欲しいという切実な思いも、なくなってきている。
これは、厳然たる事実である。それは、数字がよく示している。現在、ひとりの女性が産む子どもの数は一・三七人である。夫婦は二人なのだから、本来なら子どもは最低二人は必要である。統計的には、最低でも二・一二人いなければ、人口は限りなく減少し、民族は衰微していくといわれている。
そのことはみんなわかっているはずなのだが、それでも少子化傾向に歯止めがかからない。それは、それほど産む必要はなく、産みたくないからである。
では産んだ人は、なぜ産んだのか。言ってしまえば、ペットが欲しかったからである。子どもを可愛いと、ペット的に思うから産むのである。
ところが生まれてきた子どもは、ほんとうに可愛いだろうか。汚くてうるさい存在そのものではないか。犬もそうだ。はじめは可愛いからと飼い始めたものの、うるさく吠えるからといって、声帯手術をして吠えないようにしているケースもけっこう多い。そもそも犬そのものが、家畜化され飼い慣らされている。
それと同じように、人間の赤ん坊もまたペットになっているというわけである。だから、泣かれると腹が立って仕方がない。しかし、それは当たり前の感情なのだ。ペットであれば、可愛いから育てるのであり、可愛くなければ育てたくなくなるのが普通なのだ。それを「愛情が足りない」などという言い方をして責めるのは間違っている。
では、そんな社会を救う手はないのだろうか。それに対して私は、「もっと���て子をうまくできるシステムを作れ」と言っている。もっと上手に「子捨て」ができるようにしなさいというわけだ。昔はそれができた。お寺の前などに捨てると、なんとかなったものである。
いま養子縁組をすると、遺産相続まで絡んでくる。遺産相続とは関係なしに、孤児を引き取り自分の子どもにできるような制度を作るべきである。それに、ボランティアで子どもを育てようとする人たちが、育てやすい環境もつくる必要がある。
病人に「がんばれ」は言うな
愛するがゆえに恐れがあり、憂いがある、だから愛を離れよということも、仏教が教えている。そのことについて、作家の安倍譲二さんから聞いた話をご紹介したい。
かつて、安倍さんは刑務所にいたことがある。あるとき、お母さんが面会に来た。さすがの安倍さんも、面会に来たお母さんに頭を下げて謝った。するとお母さんは、こう言ったそうである。
「あなたが刑務所に入ってくれたおかげで、わたしはめったに見ることができない刑務所の中を見ることができた」
そのことはが私を更正させてくれたのだと、後に安倍さんは言っている。
「もしあのとき母親が怒ったら、私は立ち直れなかっただろう」
ところが、この話を講演などで紹介すると、ときどき錯覚する人もいて、
「先生、それなら刑務所に入ってもいいんですか?」
などと聞いてくる。
私は、これをAB型論理と言っている。仏教の問題を考えるときには、AとBをはっきりさせましょうというものである。Aはアフターで、Bはびふぉーである。やる前と後とは違うという意味である。
つまり刑務所に入る前なら「入るな」と言うべきであるが、入ってしまったらなら、入っている人間に「入ってよかったね」と言ってやる。それが「慈悲」なのだ。
自殺についても、自殺する前なら「自殺はするな。自殺したら地獄に堕ちる」と説く。それは仏教の経典にもある。
しかし、自殺してしまった後、その親御さんなどに向かって「自殺すべきではなかった」と言ってもしかたがない。だから「よかったじゃないか。仏さんは『生きていては辛かろう。早く浄土に帰っておいで』と、迎えてくださったんだ。よかったんだ。よかったんだ」と言ってあげるのが、仏教の「慈悲」なのである。
病気もそうだ。病人のお見舞いに行って「がんばれ」などと、平気で励ます人がいる。がんばれないから病院にいるにもかかわらず、「がんばれ」などと言うのだ。病気になる前なら「病気にはなるべきではない」でよいが、病気になってしまったら「よかった」と言う。それが「慈悲」なのである。
だから私たちは、誰に対しても「あるがまま」の姿を肯定するところから始めなければならないのである。
学校に行けなくてもいいじゃないか
登校拒否した子どもに、親が無理やり「学校に行け」と言うのは、かわいそうなことなのだ。行けなくなった子どもには、「行かなくてもいいじゃないか」と言ってやってほしいのである。
兵庫県に、不登校児の問題と一所懸命に取り組んでいるお坊さんがいる。そこでは不登校児の親御さんたちの甲斐を開いている。その例会に、私は取材のために出席したことがある。その席で、ひとりのお金が、
「うちの子は三年も登校拒否になっていて、困っている」
と言った。すると別の人が、こう応じた。
「三年で困ったなんて言わないでください。うちなんか六年も登校拒否を続けているんです」
その人は、はじめのころはなんとか学校に行かせようと、柱にしがみついている子どもを殴ったりもしたそうだが、今では反対にこっちが殴られていると、悩みを打ち明けていた。
そういうなかで、私はある人の次のような言葉が、とても強く印象に残っている。
「私は三年も五年もこのことで悩んで、精も根も尽き果てました。そうしているうちに、そんなに子どもが学校に行きたくないのなら、行かなくてもいいじゃないかと思えるようになったんです。踏っ切れたんです。そうして私がそう思えるようになったとたんに、子どもはコロリと変わりました」
もちろん、それで子どもが学校にいくようになったわけではない。しかし、それまで暴れ回っていたのが、急に優しくなったそうだ。そればかりか「お母さん、手伝おうか」などと言ってくれたりするという。
学校に行く子どもはよい子で、行かない子は悪い子だという物差しを、実は子ども自身も持っている。それを押しつけられて悩んでいるのである。学校に行かないのは悪いことだとわかっているからこそ、子どもたちは悩むのである。だから、親がその物差しを振り回している間は、ぜったいに解決できない。
子どもが学校に行かなくなったならば、行かなくなった子どものまま愛してあげなさい。そう私は言っている。すると、
「そんなことを言っていたら、子どもが勉強嫌いになったり、落ちこぼれになったりしないともかぎらない。そうなったら、どうするんですか」
と聞いてくる人もいる。そういう人に対して、私はこう答えている。
「落ちこぼれになったら、落ちこぼれるだけですよ。でもあなたが、むりやり学校に行けと言い続けたならば、彼は自殺するかもしれないんですよ。そうなったら、それこそどうしようもないじゃないですか」
四、「いい加減」は「よい加減」で、これがいちばん
「がんばるな」とは「中道」を取れということである
「がんばってはならない」を仏教の言葉にすると「中道」ということになる。
お釈迦さまは出家された後、猛烈な苦行をされた。ところが、いっこうに覚りを開けない。そんなある日、ネーランジャラー河のほとりを、鋤(すき)を担いで帰っていくひとりの農夫が民謡を歌うのを聴いて、はっと覚った。その民謡を、私はサンスクリット語から次のように訳した。
琵琶の糸、キリリ締めればブツリ切れ、
さりとて緩めりゃベロンベロン
締めすぎるのはよくない。かといって緩めてもだめである。「いい加減」がよいのだという「いい加減のすすめ」である。
このようなことを言うと、怒り出す人がいるかもしれないが、お風呂の湯加減を思い出してほしい。熱い湯が好きな人にとっては熱い湯が「いいゆ加減」であり、ぬるい湯が好きな人にとってはぬるい湯が「いい湯加減」なのだ。だから、けっしていい加減なことを言っているわけではない。
それぞれの人の「いい湯加減」があり、「よい加減」は人それぞれなのである。だから、それぞれの「いい加減」をしっかり見つめてあげることが大切なのだ。それは親子関係についてもいえることであり、親が子に「いい加減」を見つけてあげないといけないのだ。
ところが今の日本はどうだろう。全部が全部「がんばれ、がんばれ」で、まる��「がんばれ、がんばれ」の大合唱ではないか。百人の子どもに、一番から百番まで順番をつけておいて、みんなに「がんばれ、がんばれ」とやっている。これでは子どもがかわいそうだ。
中学生のころ、道端で運動靴を売っているおじさんがいて、
「この運動靴は、よい靴だよ。これをはいて走ったら、あしたの運動会で一等になれる」と言った。
私は子どものころから理屈っぽかったので、さっそくおじさんに議論を吹っ掛けた。
「おじさん、これをはいたら人はみんな本当に一���になるのか」
おじさんは、にこりと笑って、
「そうだよ」と言う。
「それじゃあ、みんながこの靴をはけば、全員が一等になるんですか。そんなことはないでしょう」
と私は、おじさんがぎゃふんと言うことを期待して、ほっぺをふくらませた。すると、おじさんはこともなげに、
「お前はアホか。みんながこれをはけば、足の早いやつが一等で、遅いやつがビリになるに決まってんじゃないか」と言って、かわいそうにというように、私を見つめた。
そのことで、私はずいぶん落ち込んだものである。そのことと、いま学校で行われていることとが、どこか似ている。いま学校では
「がんばれ、がんばれ」といって、みんな背伸びをさせている。
みんなが背伸びをすれば、いちばん背の高いのがいちばん高くなり、いちばん背の低いのがいちばん低くなる。そして、背の低い者が、
「なんだお前は、背伸びがたらんじゃないか。もっと背伸びしろ」と叱られる。
それが、今の教育のあり方なのではないか。
だから、私は言いたい。もう、みんな背伸びはやめよう。みんなで助け合って、ゆったり生きていこうと終えるのが、ほんとうの教育なのではないか。
一番から百番まで順番をつけていけば、誰かが百番になる。百番のビリの子はいらないといって退学させれば、今度は九十九番の子がビリになる。つまりは、そういう話なのだ。
日本人は、とかく励ましたがる
「がんばる(頑張る)」ということばは、もともとあまりいい意味ではないにもかかわらず、いつのまにかいい意味のことばになってしまった。「頑張る」は、広辞苑に次のように記載されている。
「頑張る」は当て字。「我に張る」の転。
我意を張り通す。「まちがいないと─・る」
どこまでも忍耐して努力する。「成功するまで─・る」
ある場所を占めて動かない。「入口で─・る」
「我意を張り通す」とは、他の意見をはねのけて自分の意見を貫き通すという事だ。人の意見と自分の意見とを比べて、日本人はすぐに白黒をつけたがる。
「俺の意見とお前の意見とどっちが正しいか。ひとつ勝負をつけようじゃないか」
白か黒かというのは、百点か零点かということだ。しかし、そんなことがあるはずがない。たいていは灰色だ。それを百点か零点かとなれば、誰だって自分の意見に零点はつけたくないから百点をつけたがるだろう。だからといって、人の意見は零点などという馬鹿な話もない。自分が九十点ならば、相手だって八十七点ぐらいかもしれない。わずか三点の差なんて、どうでもよいではないか。
「がんばる」には「ある場所を占めて動かない」という意味もある。たとえば満員電車のなかで、ちょっと席をずらして開けてあげればよいものを、デンとして動かないでがんばっている。この場合の「がんばる」とは、けっしていい意味ではない。
「どこまでも忍耐して努力する」といういい意味もある。おそらく多くの人は、この意味を取り上げて、がんばるという言葉を使っているのだろう。しかし、もう一歩踏み込めば、これはヘンである。
なぜ、どこまでも忍耐して努力しなければならないのか。もう忍耐の限界だ、これ以上忍耐する必要などないとなったら、努力をやめてもいいのではないか。苦しかったら負ければよいではないか。
たとえば、五人のグループで山登りに出かけた。そのうち一人が体調を崩し、下りたいと言いだした。すると、あとの四人は、
「もう少しで頂上じゃないか。がんばれ」
と必ず励ますにちがいない。しかし、そのように無理をして登ったところで、たかが山上ではないか。宇宙空間まで行くわけではないのだ。だから、一人が苦しくて下りたいと言いだしたならば、
「よし、それじゃあ下りようか。下でビールでも飲もうか」
くらい言ってあげてもいいじゃないか。大切なのは、みんなが楽しむことなのである。
ところがそんなとき、日本人はきまってがんばってしまう。一人がへたばったならば、おそらくあとの四人は、彼を見捨てて自分たちだけで上を目指すだろう。
「いい加減」がいちばん
塚原ト伝のところに弟子入りを請うてきた者がいた。塚原ト伝に「なかなか筋がいい」と言われた弟子は、
「先生、何年で私は免許皆伝になりますか」
と尋ねた。ト伝は、少し考えて、
「五年はかかるじゃろ」
と言った。それを聞いた弟子は、うれしくなって、
「私は寝食忘れて、剣に打ち込みます。そうすれば何年ですか」
と、さらに尋ねた。するとト伝は、
「それなら、十年はかかる」
と、ぶすっとして言った。慌てた弟子は、
「いや先生、私は死に物狂いでやりますから」
と食い下がった。と、ト伝は、いよいよ苦い顔になって、
「死に物狂いでやるのなら、一生免許皆伝ならんぞよ」
と言ったという。
私は、この話を小学生に解説しようとして悩んだ。このまま伝えたのでは、小学生には難しすぎてわからないだろう。そこで、次のように変えて話したのである。
「東京から大阪まで、五百キロあります。ある人は一日十キロずつ歩きました。おいしいごちそうを食べて、旅館でぐっすり寝て、また次の日に十キロ歩くという旅をしました。そして五十日で大阪に着きました。
もう一人の人は、寝ることも食べることもしないで夜まで走りました。その結果、大きな石につまずいて転んで怪我をしたために、二十日も寝込んでしまいました。怪我が治ると、また夜まで走ったために病気になり、三十日も寝込んでしまいました。その結果、とうとう百日もかかってしまいました。
三人目の人は、箱根の山を死に物狂いで越えようとして心臓麻痺を起こし、死んでしまったために大阪には行けませんでした」
つまり、私たちは「いい加減」に生きるのがいちばんよいのである。人によってペースは違うから、十キロ歩く人もいれば、九キロの人、十一キロの人もいるだろう。しかし、間違っても三十キロ歩こうとしてはいけないのである。
そして、旅の途中で道連れができたならば、その道連れに合わせてゆっくりいくという足袋の仕方を身につけるべきなのだ。道連れとともに、おいしいご飯も食べ、温泉につかって���っくり休む。それが、よい生き方なのではないか。
仏教は、そのような「中道」を説いている。
過去を追うな、未来を求めるな、現在をしっかり生きろ
三番目に私は「希望を持ってはならない」ということをあげた。「希望を持つ」ということは、先にあげた安倍さんのことで言えば、「早く監獄から出たい」というものだ。ところが、いくら監獄から早く出たいと焦っても、出られるものではない。まして脱獄なんて馬鹿なことは考えない方がよい。すべては無駄な努力なのである。
真面目に服役すれば早く出してもらえるなどと言われているが、それとて並大抵ではない。人におべっかを使い、監獄長の言うなりになるほど、卑屈ではないか。それほどまでして早く出るよりも、時期がくれば出ることはできると愁然と構えたほうがよいのではないか。そして、一日一日を楽しくしていく工夫をすることのほうが、よほどたいせつなのではないか。
病気になったならば、病人のままでいいではないか。早く治るように希望を持ったところで、治るときが来るまでは治らないものなのだ。だから、病気の間は病人として幸せに生きればよいのである。
今の現実を肯定することを忘れ、未来に希望ばかり持とうとするのは間違っている。お釈迦さまの教えとは、
「過去を追うな、未来を求めるな、ただ現在をしっかり生きろ」
というものなのである。それと同じことを、イエスもこう言っている。
「明日のことを思い煩(わずら)うな」
あくまでも今の瞬間を大事に生きろというのが、宗教の原理なのだ。
「インシャラー」は、神がお望みならということ
イスラム教徒には、「イン・シャ・アッラー」ということばがある。彼らはこれを「インシャラー」と発音する。これは、「もしも神さまがお望みならば」という意味である。『コーラン』の18章23節にも、
「何事にもよらず、『私は明日これこれのことをする』と言いっ放しにしてはならない」
と書いてある。「明日のことは言うな」というわけである。
そして24節には、
「必ず『もしアッラーの御心ならば』と(つけ加える)ように」
とある。
つまり、「神さまがお望みならば、明日これこれのことをします」というわけである。
未来というものはわれわれの支配下にはない。未来について権利を持っているのは神さまだけである。未来はどうなるか、明日どうするかなどすべて神のおはからいなのである。
私たちは、人間の努力によって未来を改変できるかのように思っているが、それは大間違いだ。宗教の根本原理は、あくまでも「未来は私たちの権利ではない」ということなのである。だから、それに対して諦める、権利放棄をする。そこから宗教は始まるのだ。
そういう意味から考えても、今の先進国を中心にした物質主義の生き方というのは、未来を自分たちの権利下におきたいという欲の現れであり、原理主義運動の反対ということになる。
実は、私はこの「インシャラー」ということばが大嫌いだった。
かつてパキスタンに行ったとき、ガイドに、
「明日は遠くまで行きたいから、朝の八時にホテルに迎えに来てくれ」
と頼んだ。パキスタン人の彼は、すぐさま、
「はい、行きます」
と言ってくれたのだが、そのあとに「インシャラー」を付け加えることを忘れなかった。私はそれを聞いて、チラッと不安がよぎったのだが、翌朝、案の定、彼は二時間くらいも遅刻してやってきた。私がカンカンになって怒ると、
「あなたには怒る権利がないじゃないか」
と言う。
「私は昨日、神さまが望んでおられたら来ると約束した。ところが神さまは望んでおられなかったから、八時には来なかっただけである」
と言うのである。そこで私は、
「なぜ神さまがそれを望んでいないということがわかるのか。御告げというのなら、どうやってそれを聞いたのだ」
と問うた。
すると彼は、こう答えたのである。
「私は目覚まし時計をかかて寝た。もし神さまが八時に私がここへ来ることをお望みならば、私にはその目覚まし時計の音が聞こえたであろう。しかし聞こえなかった。聞こえなかったときうことは、神さまがそれを望んでおられなかったからである」
なるほど、論理的な話ではある。
そのときは、何を言うかと腹も立ったが、しばらくして「やはりそうなのだ」と思うようになった。
砂漠の土地においては、砂嵐が吹いたら、いくら目と鼻の先の距離でも行くことはできない。砂嵐が吹くか吹かないか、いつ吹くかは、人にはわからない。神さまが望むか望まないかなのである。
「神下駄主義」こそが、宗教の普遍的な原理
先日、私が敦煌(とんこう)を訪れたときのことである。
そこで私は、砂嵐に遭った人の話を聞くことができた。その人が砂嵐に襲われたとき、なんと四十分もの間、夜中より暗い状態が続いたという。その間中、それこそ恐怖のど真ん中にいるようで、命の危険さえ感じたと言っていた。砂漠に吹き荒れる砂嵐は、それほどに恐いものだそうだ。
��そのようなこともあって、かの地で「インシャラー」ということばを聞くと、実感がともなうようになった。時間の約束をしても、砂嵐が吹けば、もうそれだけで約束の実行は不可能になってしまう。
だから私は、それらのことを「神下駄主義」と名付けた。神に下駄を預けて生きていくということである。もっとも私は仏教徒だから「仏下駄主義」と言おうか。これは、聞きようによっては、奴隷的な生き方にも聞こえるが、これこそ宗教の原理なのである。
キリスト教とて例外ではない。基本的には、やはり「神下駄主義」なのである。人間はそんなに大それたことができるわけがない。未来がどうなるかは神さま次第なのだということである。ところが、今の日本人はこれを忘れてしまっている。
私は、ご都合主義の生き方はしんどいと思う。世の中のご都合に自分を合わさないといけないからだ。それよりは原理主義の生き方のほうが楽である。日本人にもう一度、仏教原理主義のよさを知ってほしいと願っている。
2001年12月15日ビジネス社発行
ひろさちや著
「宗教激突」(第九章 仏教は何を教えているのか)より
著者 ひろさちや
宗教評論家。1936年大阪生まれ。東京大学文学部印度哲学科卒、同大学院人文科学研究科印度哲学博士課程修了。立正大学客員教授。さまざまな問題を仏教的な視点からわかりやすく説くその切り口は、心を楽にし新しい視野を広げると、幅広い支持を受けている。現在、執筆・講演などで活��中。著書『ひろさちやの般若心経88講』『仏教とキリスト教』『仏教と神道』『仏教と儒教』『まんだら人生論』など多数。はじめての小説に『阿闍世王(あじゃせおう)物語』がある。
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軽快なメロディが音割れしていることにきっと全員気付いているはずなのに、誰も指摘しないまま、彼は毎日狂ったようにそれを吐き出し続けている。
時刻は朝の8時過ぎ。何に強制されたでもなく、大人しく2列に並ぶ現代の奴隷たち。いや、奴隷ども。資本主義に脳髄の奥まで犯されて、やりがいという名のザーメンで素晴らしき労働という子を孕まされた、意志を持たない哀れな生き物。何も食べていないのに胃が痛い。吐きそうだ、と、50円のミネラルウォーターを一口含んで、押し付けがましい潤いを乾く喉に押し込んだ。
10両目、4番目の扉の右側。
俺がいつも7:30に起きて、そこから10分、8チャンネルのニュースを見て、10分でシャワー、10分で歯磨きとドライヤー、8:04に自宅を出て、8:16に駅に到着。8:20発の無機質な箱に乗る、その最終的な立ち位置。扉の右側の一番前。黄色い線の内側でいい子でお待ちする俺は、今日もぼうっと、メトロが顔を覗かせるホームの端の暗闇を見つめていた。
昨日は名古屋で人が飛び込んだらしい。俺はそのニュースを、職場で開いたYahoo!のトップページで見かけた。群がる野次馬が身近で起きた遠い悲劇に涎を垂らして、リアルタイムで状況を伝える。
『リーマンが飛び込んだ』
『ブルーシートで見えないけど叫び声聞こえた』
『やばい目の前で飛び込んだ、血見えた』
『ハイ1限遅れた最悪なんだけど』
なんと楽しそうなこと。まるで世紀の事件に立ち会った勇敢なジャーナリスト気取り。実際は目の前で人が死ぬっていう非現実に興奮してる変態性欲の持ち主の癖に。全員死ね。お前らが死ね。そう思いながら俺は、肉片になった男のことを思っていた。
電車に飛び込んで仕舞えば、生存の可能性は著しく低くなる。それが通過列車や、新幹線なら運が"悪く"ない限り、確実に死ぬ。悲惨な形を伴って。肉片がおよそ2〜5キロ圏内にまで吹き飛ぶこともあるらしい。当然、運転手には多大なトラウマを植え付け、鉄道職員は線路内の肉片を掻き集め、乗客は己の目の前で、もしくは己の足の下で、人の肉がミンチになる様を体感する。誰も幸せにならない自殺、とは皮肉めいていてよく表現された言葉だとつくづく思う。当人は、幸せなのだろうか。
あの轟音に、身体を傾け頭から突っ込む時、彼らは何を思うのだろう。走馬灯とやらが頭を駆け巡るのか、やはり動物の本能として恐怖が湧き上がるのか、それとも、解放される幸せでいっぱいなのか。幸福感を呼び起こす快楽物質が脳に溢れる様を夢想して、俺は絶頂にも近い快感を奥歯を噛み締めて堪えた。率直に浮かんだ「羨ましい」はきっと、俺が人として生きていたい限り絶対漏らしてはいけない、しかし限りなく本音に近い、5歳児のような素直な気持ち。
時刻は8:19。スマホの中でバカがネットニュースにしたり顔でコメントを飛ばして、それに応戦する暇な人間たち。わーわーわーわーうるせえな、くだらねえことでテメェの自尊心育ててないで働けゴミが。
時刻は8:20。腑抜けたチャイムの音。気怠そうな駅員のアナウンス。誰に罰されるわけでもないのに、俺の足はいつも黄色い線の内側に収まったまま、暗がりから顔を覗かせる鉄の箱を待ち侘びている。
俺は俯いて、視界に入った己のつま先にグッと力を込めた。無意識にするこの行為は、死への恐怖か。馬鹿らしい。いつだって、この箱の前に飛び込むことが何よりも幸せに近いと知っているはずなのに。
気が付けば山積みの仕事から逃げるように、帰りの電車に乗っていた。時刻は0:34。車内のアナウンス。この時間でこの場所、ということは終電だろう。二つ離れた椅子に座ったサラリーマンがだらりと頭を下げ、ビニール袋に向けて嘔吐している。饐えた臭いが漂ってきて貰いそうになるが、もう動く気力もない。死ね。クソ野郎が。そう心の中でぼやきながら、俺はただ音楽の音量を上げて外界を遮断する。耳が割れそうなその電子音は、一周回って心地いい。
周りから俺へ向けられる目は冷たく、会社に俺の居場所はない。同期、後輩はどんどん活躍し、華々しい功績を挙げて出世していく。無能な俺はただただ単純で煩雑な事務作業をし続けて、それすらも上手く回せない。ああ、今日はただエクセルの表作りと、資料整理、倉庫の整理に、古いシュレッダーに詰まった紙の掃除。それで金を貰う俺は、社会の寄生虫か?ただ生きるために何かにへばりついて必要な栄養素を啜る、なんて笑える。人が減った。顔を上げると降りる駅に着いていた。慌てて降りる俺を、乗ろうとしていた騒がしい酔っ払いの集団が睨んで、邪魔そうに避けた。何だその顔は。飲み歩いて遊んでた人間が、働いてた俺より偉いって言うのか。クソ。死ね。死んでくれ。社会が良くなるために、酸素の消費をやめてくれ。
コンビニで買うメニューすら、冒険するのをやめたのはいつからだろう。チンすれば食べられる簡単な温かい食事。あぁ、俺は今日も無意識に、これを買った。無意識に、生きる��とをやめられない。人のサガか、動物としての本能か、しかし本能をコントロールしてこその高等生物である人間が、本能のままに生きている時点で、矛盾しているのではないか。何故人は生きる?生きるとは?NHKは延々とどこか異国の映像を流し続けている。国民へ向けて現実逃避を推奨する国営放送、と思うと笑えてきて、俺は箸を止め、腹を抱えてしこたま笑った。あー、死のう。
そういえば、昔、俺がまだクソガキだった頃、「完全自殺マニュアル」なる代物の存在を知った。当然、本を変える金なんて持ってなかった俺は親の目を盗んで、図書館でそれを取り寄せ借りた。司書の本を渡す際の訝しむ顔がどうにも愉快で、俺は本を抱えてスキップしながら帰ったことを覚えている。
首吊り、失血死、服毒死、凍死、焼死、餓死...発売当時センセーショナルを巻き起こしたその自称「問題作」は、死にたいと思う人間に、いつでも死ねるからとりあえず保険として持っとけ、と言いたいがために書かれたような、そんな本だった。淡々と書かれた致死量、死ぬまでの時間、死に様、遺体の変化。俺は狂ったようにそれを読み、そして、己が死ぬ姿を夢想した。
農薬は消化器官が爛れ、即死することも出来ない為酷く苦しんで死ぬ地獄のような死に方。硫化水素で死んだ死体は緑に染まる。首吊りは体内に残った排泄物が全て流れ出て、舌や目玉が飛び出る。失血死には根気が必要で、手首をちょっと切ったくらいでは死ねない。市販の薬では致死量が多く未遂に終わることが多いが、バルビツール酸系睡眠薬など、医師から処方されるものであれば死に至ることも可能。など。
当然、俺が手に取った時には情報がかなり古くなっていて、バルビツール酸系の薬は大抵が発売禁止になっていたし、農薬で死ぬ人間など殆どいなくなっていたが、その情報は幼かった俺に、「死」を意識させるには十分な教材だった。道徳の授業よりも宗教の思想よりも、何よりも。
親戚が死んだ姿を見た時も、祖父がボケた姿を見た時も、同じ人間とは思えなかった俺はきっとどこか欠けてるんだろう。親戚の焼けた骨に、棺桶に入れていたメロンの緑色が張り付いていて、美味しそうだ。と思ったことを不意に思い出して、吹き出しそうになった。俺はいつからイカれてたんだ。
ずっと、後悔していたことがあった。
小学生の頃、精神を病んだ母親が山のように積まれた薬を並べながら、時折楽しそうに父親と電話をしていた。
その父親は、俺が物心ついた、4、5歳の頃に外に女を作って出て行った、DVアル中野郎だった。酒を飲んでは事あるごとに家にあるものを投げ、壊し、料理の入った皿を叩き割り、俺の玩具で母親の顔を殴打した。暗い部屋の中、料理が床に散乱する匂いと、やめてと懇願する母親の細い声と、人が人を殴る骨の鈍い音が、今も脳裏によぎることがある。あぁ、懐かしいな。プレゼントをやる、なんて言われて、酔っ払って帰ってきた父親に、使用済みのコンドームを投げられたこともあったっけ。「お前の弟か妹になり損ねた奴らだよ。」って笑ってたの、今思い返してもいいセンスだと思う。顔に張り付いた青臭いソレの感触、今でも覚えてる。
電話中は決まって俺は外に出され、狭いベランダから、母親の、俺には��して見せない嬉しそうな顔を見てた。母親から女になる母親を見ながら、カーテンのない剥き出しの部屋の明かりに集まる無数の羽虫が口に入らないように手で口を覆って、手足にまとわりつくそれらを地面のコンクリートになすりつけていた。あぁ、そうだ、違う、夏場だけカーテンをわざと開けてたんだ。集まった虫が翌朝死んでベランダを埋め尽くすところが好きで、それを俺に掃除させるのが好きな母親だった。記憶の改変は恐ろしい。
ある日、俺は電話の終わった母親に呼ばれた。隣へ座った俺に正座の母親はニコニコと嬉しそうに笑って、「お父さんが、帰ってきていいって言ってるの。三人で、幸せな家庭を作りましょう!貴方がいいって言ってくれるなら、お父さんのところに帰りましょう。」と言った。そう。言った。
俺は、父親が消えてからバランスが崩れて壊れかけた母親の、少女のように無垢なその笑顔が忘れられない。
「幸せな家庭」、家族、テレビで見るような、ドラマの中にあるような、犬を飼い、春には重箱のお弁当を持って花見に行き、夏には中庭に出したビニールプールで水遊びをし、夜には公園で花火をし、秋にはリンゴ狩り、栗拾い、焼き芋をして、落ち葉のベッドにダイブし、冬には雪の中を走り回って遊ぶ、俺はそんな無邪気な子供に焦がれていた。
脳内を数多の理想像が駆け巡って、俺は、母の手を掴み、「帰ろう。帰りたい。パパと一緒に暮らしたい。」そう言って、泣く母の萎びた頬と、唇にキスをした。
とち狂っていたとしか思えない。そもそも帰る、と言う表現が間違っている。思い描く理想だって、叶えられるはずがない。でもその時の馬鹿で愚鈍でイカれた俺は、母の見る視線の先に桃源郷があると信じて疑わなかったし、母と父に愛され、憧れていた家族ごっこが出来ることばかり考えて幸せに満ちていた。愚かで、どうしようもなく、可哀想な生き物だった。そして、二人きりで生きてきた数年間を糧に、母親が、俺を一番に愛し続けると信じていた。
母は、俺が最初で最後に信じた、人間だった。
父親の家は���れ果てていた。酒に酔った父親が出迎え、母の髪を掴んで家の中に引き摺り込んだ瞬間、俺がただ都合の良い夢を見ていただけだと言うことに漸く、気が付いた。何もかも、遅過ぎた。
仕事も何もかも捨てほぼ無一文で父親の元へ戻った母親が顔を腫らしたまま引越し荷物の荷解きをする姿を見ながら、俺は積み上げた積み木が崩れるように、砂浜の城が波に攫われるように、壊れていく己の何かを感じていた。母は嬉しそうに、腫れた顔の写真を毎度俺に撮らせた。まるでそれが、今まで親にも、俺にも、誰にも与えられなかった唯一無二の愛だと言わんばかりに、母は携帯のレンズを覗き、画面越しに俺に蕩けた目線を送った。
人間は、学習する生き物である。それは人間だけでなく、猿や犬、猫であっても、多少の事は学習できるが、その伸び代に関しては人間が群を抜いている。母親は次第に父親に媚び、家政婦以下の存在に成り下がることによって己の居場所を守った。社会の全てにヘイトを募らせた父親も、そんな便利な道具の機嫌を損ねないよう、いや、違うな、目を覚まさせないように、最低限人間扱いをするようになった。
まあ当然の末路と言えるだろうな。共同戦線を組んだ彼らの矛先は俺に向いた。俺は保てていた人間としての地位を失い、犬に、家畜に成り下がった。名前を呼ばれることは無くなり、代わりについた俺の呼び名は「ゴキブリ」になった。家畜、どころか害虫か。産み落とした以上、世話をするほかないというのが人間の可哀想なところだ。
思い出したくもないのにその記憶を時折呼び起こす俺の出来の悪い脳を何度引き摺り出してやろうかと思ったか分からない。かの夢野久作が書いた「ドグラマグラ」に登場する狂った青年アンポンタン・ポカン氏の如く、脳髄を掴み出し、地面に叩きつけてやりたいと思ったことは数知れない。
父親に奉仕する母は獣のような雄叫びをあげて悦び、俺は夜な夜なその声に起こされた。媚びた、艶やかな、酷く情欲を煽るメスの声。俺は幾度となく吐き、性の全てを嫌悪した。子供じみた理由だと、今なら思う。何度、眠る父親の頭を金属バットで叩き割ろうと思ったか分からない。俺は本を読み漁り、飛び散る脳髄の色と、母の絶望と、断末魔を想像した。そう、この場において、いや、この世界において、俺の味方は誰もいなかった。
いつの間にかテレビ放送は休止されたらしい。画面端の表示は午前2時58分。当然か。騒がしかったテレビの中では、カラーバーがぬるぬると動きながら、耳障りな「ピー」という無慈悲な機械音を垂れ流している。テレビの心停止。は、まるでセンスがねえな死ね俺。
ずっと、後悔していた。誰にも言えず、その後悔すらまともに見ようとはしなかったが、今になっ��、思う。何度も、あの日の選択を後悔した。
あの日、俺がもし、Yesと言わなかったら。あの日の俺はただ、母親がそう言えば喜ぶと思って、幸せそうな母親の笑顔を壊したくなくて、...いや、違う。あれは、幸せそうな母親の笑顔じゃない、幸せそうな、メスの笑顔だ。それに気付けていたら。
叩かれても蹴られても、死んだフリを何度されても自殺未遂を繰り返されても、見知らぬ土地で置き去りにされても、俺はただ、母親に一番、愛されていたかった。父親がいない空間が永遠に続けばいい、そう今なら思えたのに、あの頃の俺は。
母親は結局、一人で生きていけない女だった。それだけだ。父親が、そして父親の持つ金が欲しかった。それだけだ。なんと醜い、それでいてなんと正しい、人間の姿だろう。俺は毎日、父親を崇めるよう強制された。頭を下げ、全てに礼を言い、「俺の身分ではこんなもの食べられない。貴方のおかげで食事が出来ている」と言ってから、部屋で一人飯を食った。誕生日、クリスマス、事あるごとに媚びさせられ、欲しくもないプレゼントを分け与えられた。そうしなきゃ殴られ蹴られ、罵倒される。穏便に全てを済ませるために、俺は心を捨てた。可哀想な生き物が、自己顕示欲を満たしたくて喚いている。そう思い続けた。
勉強も運動も何も出来なかった。努力する、と言う才能が元から欠けていた、可愛げのない子供だったと自負している俺が、ヒステリーを起こした母親に、「何か一つでもアンタが頑張ったことはないの!?」と激昂されて、震える声で「逆上がり、」と答えたことがあった。何度やっても出来なくて、悔しくて、冬の冷たい鉄棒を握って、豆が出来ても必死に一人で頑張った。結局、1、2回練習で成功しただけで、体育のテストでは出来ずに、クラスメイトに笑われた。体育の成績は1だった。母親は鼻で笑って、「そんなの頑張ったうちに入らないわ。だからアンタは何やっても無理、ダメなのよ。」とビールを煽って、俺の背後で賑やかな音を立てるテレビを見てケタケタと笑った。それ以降、目線が合うことはなかった。
気分が悪い。なぜ今日はこんなにも、過去を回顧しているんだろう。回り出した脳が止められない。不愉快だ。酷く。それでも今日は頑なに、過去を振り返らせたいらしい脳は、目の前の食べかけのコンビニ飯の輪郭をぼやけさせる。
俺が就職した時も、二人は何も言わなかった。ただただ俺は、父親の手口を真似て、母親の心を取り戻そうと、ありとあらゆるブランド物を買って与えた。高いものを与え、食わせ、いい気分にさせた。そうすれば喜ぶことを俺は知っていたから。この目で幾度となく見てきたから。二人で暮らしていた頃の赤貧さを心底憎んでいた母親を見ていたから。
俺は無邪気にもなった。あの頃の、学校の帰りにカマキリを捕まえて遊んだような、近所の犬に給食のコッペパンをあげて戯れていたような、そんな純粋無垢な無邪気さで、子供に戻った。もう右も左も分からない馬鹿なガキじゃない。今の俺で、あの頃をやり直そう。やり直せる。そう思った。
「そんなわけ、ねぇよなぁ。」
時刻は午前4時を回り、止まっていたテレビの心拍が再び脈動を始めた。残飯をビニール袋に入れて、眩しい光源を鬱陶しそうに睨んだ。画面の中では眠気と気怠さを見せないキリリとした顔の女子アナが深刻そうな顔で、巷で流行する感染症についての最新情報を垂れ流している。
結論から言えば、やり直せなかった。あの女の一番は、俺より金を稼いで、俺より肉体も精神も満たせる、あの男から変わることはなかった。理解がし難かった。何度殴られても生きる価値がない死ねと罵られても、それが愛なのか。
神がいるなら問いたい。それは愛なのか。愛とはもっと美しく、汚せない、崇高なものじゃないのか。神は言う。笑わせるな、お前だって分かっていないから、ひたすら媚びて愛を買おうとしたんだろう。ああ、そうだ。俺にはそれしかわからなかった。人がどうすれば喜ぶのか、人をどうすれば愛せるのか、歩み寄り、分り合い、感情をぶつけ合い、絆を作れるのか。人が人たるメカニズムが分からない。
言葉を尽くし、時間を尽くしても、本当の愛の前でそれらは塵と化すのを分かっていた。考えて、かんがえて、突き詰めて、俺は、自分が今人間として生きて、歩いて、食事をして、息をしている実感がまるで無い不思議な生き物になった。誰のせいでもない、最初からそうだっただけだ。
あなたは私の誇りよ、と言った女がいた。そいつは俺が幼い頃、俺じゃなく、俺の従兄弟を出来がいい、可愛い、と可愛がった老婆だった。なんでこんなこと、不意に思い出した?あぁ、そうだ、誕生日に見知らぬ番号からメッセージが来てて、それがあの老婆だと気付いたからだ。気持ちが悪い。俺が人に愛される才能がないように、俺も人を愛する才能がない。
風呂の水には雑菌がうんたらかんたら。学歴を盾に人を威圧するお偉いさんが講釈を垂れているこの番組は、朝4時半から始まる4チャンネルの情報番組。くだらない。クソどうでもいい。好みのぬるめのお湯に目の下あたりまで浸かった俺は、生きている証を確かめるように息を吐いた。ぼご、ぶくぶく、飛び散る乳白色が目に入って痛い。口から出た空気。無意識に鼻から吸う空気。呼吸。あぁ、あれだけ自分の傷抉って自慰しておいて、まだ生きようとしてんのか、この身体。どうしようもねえな。
どうせあと2時間と少ししか眠れない。髪を乾かすのも早々に、俺が唯一守られる場所、布団の中へと潜り込んで、無機質な部屋の白い天井を見上げた。
そういえば、首吊りって吊られなくても死ぬことが出来るんだっけ。そう。今日の朝だって思ったはずだ。黄色い線の外側、1メートル未満のその先に死がある。手を伸ばせばいつでも届く。ハサミもカッターも、ガラスも屋上もガスも、見渡せば俺たちは死に囲まれて、誘惑に飲まれないように、生きているのかもしれない。いや、でも、いつだって全てに勝つのは何だ?恐怖か?確かに突っ込んでくるメトロは怖い。首にヒヤリとかかった縄も怖い。蛙みたく腹の膨れた女をトラックに轢かせて平らにしたいとも思うし、会話の出来ない人間は全員聾唖になって豚の餌にでもなればいいとも思う。苛立ち?分からない。何を感じ、生きるのか。
ああ、そういえば。
父親の頭をミンチの如く叩きのめしてやろうと思って金属バットを手に取った時、そんなくだらないことのためにこれから生きるのかと思うと馬鹿らしくなって、代わりに部屋のガラスを叩き割ってやめた。楽にしてやろうと母親を刺した時、こんなことのために俺は人生を捨てるのか、と我に返って、二度目に振り上げた手は静かに降ろした。
あの時の爽快感を、忘れたことはない。
あぁ、そうか、分かった。
死が隣を歩いていても、俺がそっち側に行かずに生きてる理由。そうだ。自由だ。ご飯が美味しいことを、夜が怖くないことを、寒い思いをせず眠れることを���他人に、人間に脅かされずに存在できることを、俺はこの一人の箱庭を手に入れてから、初めて知った。
誰かがいれば必ず、その誰かに沿った人間を作り上げた。喜ばせ、幸せにさせ、夢中にさせ、一番を欲した。満たされないと知りながら。それもそうだ。一番も、愛も、そんなものはこの世界には存在しない。ようやく分かった俺は、人間界の全てから解き放たれて、自由になった。爽快感。頭皮の毛穴がぞわぞわと爽やかになる感覚。今なら誰にだって何にだって、優しくなれる気がした。
そうか、俺はいつの間にか、人間として生きるのが、上手くなったんだ。異世界から来てごっこ遊びをしている気分だ。死は俺をそうさせてくれた。へらへらと、楽しく自由にゆらゆらふわふわ、人と人の合間を歩いてただ虚に生きて、蟠りは全部、言葉にして吐き出した。
遮光カーテンの隙間から薄明るい光が差す部屋の中、開いたスマホに並んだ無数の言葉の羅列。俺が紡いだ、物語たち。俺の、味方たち。みんなどこか、違うようで俺に似てる。皆合理的で、酷く不器用で、正しくて、可哀想で、幸せだ。皆正しく救われて終わる物語のみを書き続ける俺は、己をハッピーエンド作者だと声高に叫んで憚らない。
「俺、なんで生きてるんだっけ。」
そんなクソみたいな呟きを残して、目を閉じた。スマホはそばの机に放り投げて、目を閉じて、祈るのは明日の朝目が覚めずにそのまま冷たくなる、最上の夢。
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【/D】テーブルクロスの下で
AU、モブ×ディーン、モブ視点。8500字くらい
兄弟は少年(S10/D14くらい)。ジョンがいなくなり、里親に引き取られている。わるいソーシャルワーカーとわるい里親に搾取されるディーン。気づかないサム。
以前「誰にもいわないで」という話をアップしましたがあの設定で書きたかったのがコレです。でももう別物です。。
気味の悪い話です。
◇
人の家に招待されるのは慣れているが今回は特別だった。イドリスは今にも吐きそうな気分で塗装のはげたインターフォンに指を伸ばした。何十年も前に取り換え工事をしたのか古い配線がスイッチのすぐ側にぶら下がっている。その黒ずんだスイッチを見ていると腹の具合がますます悪くなる気がする。普段の彼ならこれに触れるくらいなら一晩の飯くらい喜んでキャンセルするだろう。今回は特別なのだ。 ベルが鳴ってすぐに見知った顔が彼を迎えた。この家の家主ではないがイドリスを招待した男だ。人好きのする丸顔。清潔そうな金褐色の口ひげを蓄えた、評判のいいソーシャルワーカーだ。イドリスは常々、恵まれない少年たちに対する彼の情熱と行動力に感心していた。今ではその感心は尊敬の念にまで達している。 「ようこそ。よく来てくれました」 ニックというその男はにこやかに挨拶をして、イドリスの上着と帽子を預かった。コートハンガーにはすでに重そうな上着が数枚かかっていた。イドリスは自分が最後の訪問者になったことに怯んだが、少しほっとした。というのも家の内装が外見といくらも変わらない古ぼけて汚らしいものだったからだ。ドアの前に敷かれたマットなど、うっかり踏もうものなら何百年もの間蓄えた埃と靴裏の糞を巻き上げそうだ。なかなか立派なシャンデリアや装飾額の絵画などもあるが、どれも埃のかぶった蜘蛛の巣に覆われている。長居はしたくない家だ。 ところがダイニングルームに入ると景色が一変した。部屋が明るい。広さはそれほどなく、八人掛けの長テーブルが置かれていてそれででいっぱいの印象だ。着席していた三人の男たちが一斉にこちらを見たので、イドリスはいつも通りの愛想笑いで会釈をして、ニックに示された席に腰を下ろした。清潔でシミひとつ見えない白いテーブルクロスと同じ刺繍をされたカーテンが、通りに面している六角形の窓を外界の視線から守っている。床は椅子が滑りやすい板張りで、埃ひとつ落ちていなかった。まるでここだけが他の家のように美しい。 「ようこそ、校長先生」 上座の男がいった。「アンドリュー・リックスです。あなたをご招待できて光栄です。こちらはアデリ保安官」 左手に座る男が小さく手をあげた。「こちらはキンツル医師」 右手の男が頷いた。 「こちらこそ、ご招待に預かりまことに光栄です」 イドリスは椅子を引き直した。滑りがよくてテーブルに腹がくっつきそうになり、足を踏ん張って少し戻す。向かいの席に座ったニックが自分に声をかけたことを後悔していたらどうしようと思ったが、ちらりと見た彼の顔には、新参者に対する期待と、これからの楽しい時を想像させるような高揚感の色があるだけで、ほっとする。「わ、私は、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、この地区の学校の校長をしていまして……」 とつぜん、みんなが笑いだした。イドリスはぎくっとしたが、それは緊張がほどけるような和やかな笑いだった。「いや、いや。あなたのことはよく知っていますよ」 グレーの髪を短く刈った、おそらくはもう六十代になるだろうに、若々しい印象のキンツル医師が手を伸ばしてきた。「イドリス・ウエイクリング校長。私の孫が来年転入予定です。よかったら目をかけていただきたいね」 「ああ、それは、ぜひとも」 あわてて手をつかみ、握手をする。 「私も先生のことはよく存じ上げています。一緒にコンビニ強盗を追いかけたでしょう? 忘れてしまった?」 アデリ保安官にも握手を求められる。ぱりっとしたクリーム色のシャツの肩がはち切れそうな体格の良い男だ。イドリスは日に焼けて皺の深い彼の顔をまじまじと見つめ、もうすいぶんと昔の記憶がよみがえってくるのを感じた。「――ああ! あの時の! あれはあなたでしたか、保安官!」 遠い未知の世界に飛び込んでいくものとばかり思っていたのが、あんがい近しいコミュニティの男たちに歓迎されていると実感し、イドリスの腹の具合はとてもよくなった。 「さて、そろそろ始めましょうか。お互いのことを知るのは食事をしながらでもできますしね」 家主のリックスが手を一度叩いた。「さあ、おいで」 暖炉の影からゆらりと人が現れて初めて、イドリスは少年がずっとそこにいたことに気が付いた。 少年のことは、当然イドリスは知っていた。彼の学校に通う問題児として有名な子だ。イドリスがこの集まりに参加する気になったのも、彼の学校以外の態度に興味があったからだ。 しかし、当の彼を見るまでは、信じられなかった。ソーシャルワーカーのニックは彼を”とても従順”だと評したが、イドリスはそれは自分を不道徳な会へ引きずり込むための方便だとすら思った。学校での彼を見るに、とても”従順に”扱えるとは思えなかった。ニックは彼の舌のテクニックの上手さを声高にセールスしたけれど、イドリスは自分の大事な持ち物を咥えさせるのは不安だった。部下の教員が暴れる彼を抑えようとして二の腕を噛まれ、一か月も包帯を巻いて出勤したことを思うと震えが走る。それでも断らなかったのはこの少年が非常に端整な見目をしているからで、よしんば暴れる彼を押さえつける役として抜擢されたのだとしても、そうして嫌がる彼が弄ばれるのを見ることができれば上々と思ったからだ。 それがどうだ。ここにいる少年は、学校での彼とは別人のようだった。高い襟のボタンを上まで留めてまっすぐに立つ彼は若木の天使のように静かだ。 「ディーン、お前ももう腹がぺこぺこだろう。今日は先生もいらしてる。ご挨拶して、準備にかかりなさい」 「はい、おとうさん」 リックスの言葉に従順に頷くと、なんと彼はそのまま、”おとうさん”と呼んだ者の唇にキスをした。それが終わると、きちんとアイロンのかかったハンカチをズボンのポケットから出して、ていねいに口をぬぐった。そしてまた、今度はリックスの隣に座る保安官に「こんばんは、ようこそ、アデリ保安官」とあいさつすると、白い手で保安官の頬を包み、ちゅっとキスをしたのだった。 唐突に始まったショーに、イドリスはすっかり動揺し、その動揺を表に出さないよう必死に尻の穴を引き締めた。少年ディーンは、順当に隣のニックにもキスしたあと、やはりていねいに口をぬぐい、イドリスの横に立った。 「こんばんは、ようこそ、ウエイクリング校長先生」 「こんばんは」 だれも返事をしなかったのに、とっさに挨拶を返してしまい、まずいのかと思ったが、慌てて周りをみると、みな微笑ましい様子で見守っているだけだった。 「エヘン――」 気恥ずかしさに咳をしていると、するりと手が伸びてきて、頬を少年の手で包まれた。くるなと思った時には、もう��らかい唇が触れていた。 小さなリップ音とともに唇は離れた。手が離れていくときに親指がやさしくもみあげを撫でていった気がした。イドリスがぼうっとしているあいだにディーンは自分の唇の始末を終え、最後のキンツル医師にも挨拶とキスをした。 最後にディーンは、それまで口をぬぐってきたハンカチで自分の目を覆い、頭の後ろで結んだ。 「さ、それではお楽しみください」 リックスの言葉が合図だったかのように、さっとしゃがむと、ディーンの姿はそれきり消えた。 キンツル医師が親切そうにほほ笑んで家主とイドリスの顔を交互に伺い見る。「アンドリュー、今日は彼は初めてだから……」 「ああ、そうか! ルールを説明しておりませんでしたな。先生、これは実に紳士的でシンプルな約束です。ディーンを呼ぶ時は足を使ってください。届かないからといって、靴を脱いで飛ばすのはなし。ディーンが怪我をしてしまうし、誰かが準備万端のアソコをむき出しにしてたら大変なことになるでしょう?」 ハッハッハッと、陽気に笑う。「基本的には終わるまでディーンはやめませんが、あまり長いと他のみなさんが不満になるので、私のほうで様子を見てやめさせることもあります。今まであったかな、そういうの?」 「ないよ、ない。だって十分だってもたない」 ニックが自分のことのように誇らしげに、自信たっぷりにいう。「ディーンはすごい。今までの子で一番だ。僕らはいまや、彼にすっかり飼いならされてるよ」 「その通りだ」 「たいした子だよ」 医師も保安官も笑い合って頷く。 「だれにもついていないのに、呼んでもすぐに来ないこともある。そういう時、彼は休憩中だから、少し待ってやってくれ」 「あとはサムだ」 「そう、サムだ。校長先生、サムのことは知っていますよね?」 「ああ、ええ。ディーンの弟でしょう。四歳下の。知っていますよ、教員が言っていました。学校でも二人はいつも一緒だそうです」 「サムがこの部屋にいる時は、最中だったらいいんだが、そうでなければサムがいなくなるまで待ってあげたほうがいい」 「サムがこの部屋に?」 イドリスは驚いた。この会合のあいだ、この部屋へは不道徳な合意を果たした者だけしか入れないものだと思ってい���。 しかし、リックスは平然とした顔で頷いた。「ええ、彼には給仕を任せていますから」 「大丈夫ですよ、難しく考えなくとも」 キンツル医師がイドリスのほうへ首を傾けてささやく。「皿が空く直前に呼んでしまえばいいんです。サムが給仕しているあいだは特に良くてね。タイミングを教えてあげますよ」 リックスがみなに確認する。「では?」 三人の客がダン、と一斉に床で足を鳴らした。それと一息空けて、リックスが手元のベルを鳴らす。イドリスは少し様子をみることにした。テーブルクロスは床まで長さがあり、その中でディーンがどのような動きをしているか、まったくわからない。そもそも、ほんとうに彼はいるのだろうか? 男たちはテーブルの端に手をついて上半身をゆらゆら揺らしている。顔だけは澄ましてテーブルの上の蝋燭や果物を見つめているのが気色がわるく、たまらなく愉快だ。ここにいるのはいずれも地元の名士たちで、その彼らがダイニングルームで食事を待ちながら、クロスの中で足をバタバタと動かして少年を自分のほうへ引き寄せようとしているなんて。 イドリスは興奮しすぎて足を床から離せなかった。何とか自分もと、震える膝を持ち上げたとき、その膝にするりと手が置かれた。 「あっ」 と思わず声を上げてしまい、慌てて同士たちを見回す。彼らの顔に理解が浮かんだ。おそらくは、ルールの中に”クロスの下で行われていることなどないような顔をすること”も含まれているんだとイドリスは想像したが、彼が新参者だから大目にみてくれているのか、不届き者を見る目つきの者はいなかった。ただ少し残念そうな表情を浮かべて、みな背もたれに背を預けた。 こうなれば自分は見世物だ。イドリスはもう必死に尻の穴に力を込めて、みっともない声をあげないよう努力した。ディーンの手はゆっくりと太ももの内側を辿り、ズボンの上からふくらみを確認すると、ベルトに手をかけたまま、開いた足の間に膝をついて座ったようだった。イドリスは改めて、なぜこの部屋の床がよく磨かれ、埃一つ落ちていなかったのかわかった気がした。 ベルトを解かれ、ジッパーを外す音はよく響いた。これが食事中ならここまで音は目立たないのだろうと思った。もはやみなの目線は遠慮なくイドリスに当てられている。彼の表情の変化で、いまディーンがどのような技で彼を喜ばせているのか推測しようというのだ。全員が目と耳が澄ませているなか、ディーンの手が布の層をかき分けて熱い肉に触れた時、彼が漏らしたであろう吐息がはっきりと聞こえた。イドリスは視線を上げないようにした。少年にそんな声を出させた自分が誇らしかったが、まだそれを表に出すのは早すぎる気がした。 ディーンは広げたジッパーの間から出して垂らしたペニスを、指の腹を使って根本から丹念にしごいていった。すでに興奮で立っていたイドリスのペニスはすぐに天を向いた。裏筋を濡れた何かが辿っていき、それが彼の指でなく唇であると気づいたとき、彼はそれだけで絶頂するところだった。 ディーンの唇はゆるく閉じたり開いたりしながら上へ登って、ついに先端に到着すると、鬼頭だけを飲み込んだ。きゅっと絞るように吸い付かれ、時々力の加減を変えながら、そのまま先の部分だけをねぶられる。イドリスは目を見開いて、膝の上のテーブルクロスを握りしめた。それをめくって、ディーンが――学校一の問題児が――自分を――つまり、校長のペニスを――咥えている姿を見てみたい衝動を抑え込むのは大変な苦労だった。 「失礼します!」 明るく元気な声がダイニングルームに飛び込んできた。ディーンが口の力を緩めて息を吐いたのがわかった。イドリスはとっさに、テーブルクロスの下に手を入れて、彼が逃げないように髪の毛を掴んだ。 「サム、待ちくたびれたよ」 リックスがいう。 「ごめんなさい。ピンチーさんが遅刻したんです。オーブンの調子も悪いみたいで……」 トレー台のカートを引いたサムが現れた。兄にくらべて体が小さく、病気しがちという話は聞いていたが、実際、その通りの見た目だった。 「言い訳はいい。早く配って。その前にご挨拶なさい」 「はい。こんばんは、アデリ保安官、キンツル先生。ようこそいらっしゃいました、ウエイクリング校長先生」 「や、やあ、サム――」 ディーンに動くよう指示するのに、髪を掴むのはルール違反のはずだ。乱暴なやり方が他の同士にばれる前に、イドリスは手を放して、かわりに膝を揺らした。ディーンはためらいがちに舌でカリをこすったあと、顎を上下しはじめ、動きを大きくしていった。 「校長先生は君のために来てくれたんだよ、サム」 リックスが何をうそぶくのかと、驚きながら聞くイドリスだったが、何のことはない、それはニックからも聞いていた、この会合に招待される代わりの”寄付”のことだった。 「僕のためですか?」 「数学の勉強がしたいといっていただろう。これから週に一度、校長先生が家まで教えにきて下さる」 サムはびっくりして目が飛び出しそうな顔をしていた。当然だ、ふつう校長がそんなことしない。イドリスだって初耳だったが、週に一度というのは、この会合の後ということだろうか? それならば、特に断る理由もない。週に一度、彼の兄と遊ばせてもらう代わりに、数学を教えてやるくらい、どうってことない。むしろ、このテクニック。イドリスは根本まで唇に包み込まれ、舌の上下運動だけでしごかれている今の状態に、非常に満足していた。このテクニックと、背徳感を味わうためなら、もっと犠牲を払わなくては、恐ろしい気すらする。 「ああ、君のような、勉強熱心な子には、特別授業をしてあげなければと、そう思っていたんだ……」 「そんな……でも……本当に……?」 「ああ、本当だよ」 イドリスは、衝動にしたがい、右足の靴を脱いで、爪先でディーンの体に触れた。それが体のどの部分なのかもわからないが、シャツ越しに感じるやわらかでハリのある若い肉の感触に、たまらない気持ちになった。 サムは、養父のほうを見て、それからもう一度イドリスを見た、イドリスは、深い呼吸をしながら、これは、麻薬よりもクセになりそうだと感じた。サムもまた、可愛らしい見た目をしていた。兄のような、暴力的な裏面を持つがゆえの、脆さや、はかなさはなかったが、天真爛漫な、無垢な愛らしさがあった。それに、とても賢い子だ。 「ありがとうございます、ウエイクリング先生!」 自分は今、ディーンの口を使って快楽を得、それとは知らぬサムを喜ばせている。同時に二人を犯しているようで、言葉では言い尽くせないほどの興奮を覚えた。 イドリスのこめかみに伝う汗に気づいたキンツル医師が席を立ち、サムの給仕を手伝った。医師が大きな長テーブルに前菜とスープを並べているうちに、サムが一度キッチンに戻ってパンを運んできた。なるほどこれをサム一人がやろうとすれば、給仕に十分以上はかかったかもしれない。 「それでは何がご用があれば――」 「ベルを鳴らすよ。ありがとう、サム」 リックスが手を振り、サムはもう一度イドリスに向かってうれしそうに会釈をした。出ていこうとしたが、振り返り、こういった。「どうせなら、ディーンも一緒にみてくれませんか、校長先生? ディーンも本当は数学が好きなんです」 リックスはもう一度うるさそうに手を振った。「ディーンはバイトで忙しいから無理だ」 「でもおとうさん、週に一度くらい休んだって」 「ディーンは君のために頑張ってるんだよ」 ニックが自然と口をはさんだ。「知ってるだろ? 兄弟で同じ里親のもとにいられるのは幸運なんだよ。ディーンは学校とバイトをちゃんと両立させて、いい子だってことをアピールして、君と一緒にいるほうがいい影響があるって証明しようとしてるんだ。ソーシャルワーカーの僕や、ここにいる偉い人たちにね」 みんな、しようのない冗談をいわれたように笑った。サムもすねたように笑って、肩をすくめたが、すぐにまた真面目な顔に戻る。 「でもディーン、最近疲れてるみたいなんです。夜もあんまり眠れてなくて、何度も寝返りを打つんだ」 それでイドリスは、この兄弟がいまだ一緒のベッドで寝ていることに気づいた。興奮はいよいよ高まり、もう数秒も我慢がならないほどだった。 「ディーンに今のバイト先を紹介したのは僕だ。僕から言っておくよ、あまり彼をこき使わないでくれって」 ニックの声はやわらかく、有無を言わせない力があった。サムは会話が終わったことを受け入れ、いたずらっ子らしい仕草で唇の片方を上げると、空になったカートを押して出ていった。 「……お、オオオッ!」 サムが出ていった瞬間、イドリスは堪えていたものを吐き出した。 親切でよく気がつく医師がスープ皿をテーブルの中央へ遠ざけてくれなかったら、胸元がカボチャ色に染まっていただろう。今までに体験したことはおろか、想像すらしたことのない、すさまじい絶頂感だった。 目の裏がチカチカした。どうにか正気が戻ってくると、自分がとんでもない失態を犯してしまった気がした。これでは普通にしゃぶられてふつうにイッたのと変わりない。ここはバーの二階のソファでもホテルでもないんだぞ。秘密の会合。澄ました顔はどこにいった? ”テーブルクロスの下”のルールは。 その上、最初に出したものを飲み込んだディーンが、残りを搾り取るようにチュっと吸ったので、そこでも声が出てしまった。穴があったら入りたいという気持ちになったのはこれが初めてだった。不正入試がばれかけて両親にさらなる出費を強いたときも、こんなに恥ずかしい気持ちにはならなかった。 さぞやニックは自分を引き入れたことを後悔しているだろうと思ったが、ここでも彼は同士の寛容さに感動することになる。まずは保安官のアデリが快活に、気持ちのよい笑い声を上げて場の空気を明るくした。 「先生、若いですね!」 ボトルからワインを注ぎ、グラスをイドリスに差し出した。イドリスはまだ震える手を伸ばし、なんとかそれを受け取って、下でディーンがていねいな手つきで後始末をしているのを感じないようにして、一口飲み下した。たった一口で酔いが全身に回りそうだ。 「最初は誰だってそうなる」 医師の手が肩を撫でた。「慣れてくれば、サムがいるときに絶頂を合わせることもできるようになる。兄弟が同じ部屋にいる時にイくのはとんでもないですよ。どうしても声が出そうな時は、ナプキンを使うんです」 「……なるほど」 イドリスはそう返すのが精いっぱいだ。 「いや、でも、今日のシチュエーションは初めてにしてはハードでしたね。初めてで、サムと一緒の時間があって、しかもサムがお兄ちゃんを気遣うような言葉を使うなんてね。ラッキーだ。僕だってそんな条件の揃った状況でやったことないですよ、いいなあ」 ニックがそういってくれたことで、ほっとする。彼とイドリスとの付き合いは長く、ずっと昔、彼の担当する少年が不慮の事故で亡くなったことがあり、ともに処理をした。彼との絆は絶ってはいけない。それに、人見知りの強いイドリスが本音で話せる唯一の友でもある。 「うちの子はどうでしたと、野暮なことは聞きません」 リックスもむしろ満足そうだった。「あなたの態度が証明してくれましたからね。ようこそ、これで本当の仲間だ、先生」 その後もかわるがわる、イドリスが気をやまないよう声をかけてくれた面々だった。イドリスはスープを飲んだ。勧められたときにはワインを飲み、その味がわかるほど回復した。いつの間にかベルトはもとの通り閉められ、足の間からディーンの気配はなくなっていた。 気づくと、また男たちの上半身がゆらゆらと揺れていた。
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「あけましておめでとうございます。枢木さん」
ソファに横並びで『ゆく年来る年』を眺めていたルルーシュが、日付の切り替わりと同時にこちらへ向き直り、座面の上で正座になって三つ指を突いてくる。白無垢を纏った幻影が見えるほどの流麗なお辞儀に新年早々、文字通り本当に早々、心臓が鷲掴みにされる心地だ。
「あけましておめでとう、ルルーシュ。今年もよろしくね」 「はい、お願いします。……ふふ、平成三〇年の枢木スザクは男前ですねえ」
粛々とした顔つきを即座にふにゃりと緩ませ、胸の前で小さく拍手をするルルーシュの頬はほんのり、を通り越してなかなかに赤い。そこらの大学生よりも酒に弱い白人が存在するのだという事実を、スザクは目の前の可愛い同居人を通じて初めて知った。飲み慣れていないせいもあるのだろうか。なにせスザクが気合を入れたレストランで二十歳の誕生日を祝ったその席まで、ルルーシュがアルコールに口をつけたことは一度たりともなかったというのだから驚きだった。ルルーシュを見ていると事あるごとに、育ちが良いとはこういうことかとしみじみ思わされる。芸能界に足を踏み入れ立てでおまけに自分のファン、いかにもチョロそうだからさくっと抱いてモノにしてやろう、などと謀っていた三年前の自分を殴り倒しに行きたい。もっとも、ふわふわと心地良さそうにスザクの両手を取って無意味に振り、挙句ぽすんと胸元に倒れ込んでくるこの懐き具合に対して、これまでの戦績が口先だけのごく軽いキスひとつという今の体たらくの方が、過去の自分から張り倒されて然るべきといった話なのだが。
「眠いの? 寝るならちゃんとベッドに行かないと」
揃いのパジャマの胸元に顔を埋められ、こんなことでも童貞のように爆発寸前の下心を抑えながら頭を撫でる。さらさらとした黒髪の指通りを、指先から伝い全身全霊で愉しむことくらいは許してほしい。同じシャンプーを使っている筈なのに、どうしてこんなにも甘くやわらかな匂いがするのだろう。
「ルルーシュが寝るなら、俺も寝るし。明日のお雑煮作りも手伝うから」 「おぞうに……枢木さんは、おもち、何個食べますか?」 「んー、五つくらい? ほら、ルルーシュ立って」 「いつつかあ。いっぱい食べますねえ。いっぱい食べるひとはいいひとですよ」 「そうだね。ありがとう」
この瞬間もこれまでにも、襲ってしまおうと思えば容易に襲える場面がいくつもあった。今までベッドを共にしてきた女優なりモデルなりアイドルなり、凡百の相手であればとっくに抱き飽きている頃だろう。それをこの、五歳年下の男の子に限っては、酔ってふらついた身体を支えて唇が近づいた瞬間の、衝動的な一度の口づけしか為せていない。しかもそれを、同じ状況である今再び、今度こそは舌まで入れて奪ってやろう、などという気も臆病風で起こせない。あのキスの直後、真っ先に感じたのは圧倒的なまでの罪悪感だった。ルルーシュが嫌がっていない、というよりも「酔ってふざけてキスなんて大人だな、それも枢木スザク��相手なんて役得だ」程度にしか捉えていないのが丸分かりであったことで、「枢木スザクに生まれて良かった」という天から光射す気持ちプラス「どうして俺は枢木スザクなんだ、いっそただの顔が良くて才能と金のある一般人だったなら」という気持ちプラス「でも俺が枢木スザクでなければルルーシュはこんなに気を許してはくれないんだ」プラス「そうだ少なくとも俺はルルーシュにこんなに懐かれてるんだぞ見たか世界!」、イコールでこうして今もただの良い人、ルルーシュを愛し愛されるお兄さんポジションに甘んじている。与えた自室のベッドまで手を引いて先導し、布団を胸元まで掛けてやったルルーシュが「おやすみなさい」とこれ以上なく安心しきった声で言うのを聞いて、ようやく勃起を許した股間を開放すべくトイレへ向かった。二〇一八年の自慰初めだ。
9:00
「はい、熱いから気を付けてくださいね。いっぱいおかわりしていいですからね」
椀を手渡すルルーシュが着ている割烹着は、この日のためにスザクが購入した卸し立てだ。いつものエプロンももちろん至高だが、新年の朝には真っ白な割烹着と三角巾でお玉を片手に微笑むルルーシュがどうしても見たかった。今年の正月休みは三日の午前中まで、ルルーシュよりも半日分短いがその間はずっと一緒にいられる。どこにも行かず、何にも邪魔されることなく、ルルーシュの作った食事を三食食べて酒を飲んで――この世の春とはまさにこのこと。にやにやしながら雑煮の椀を片手にソファへ座ると、ルルーシュも後を追ってにこにこと身を寄せてきた。期待たっぷりに輝く瞳は、スザクがもう片方の手に持つお神酒の瓶へ向けられている。弱いと言っても酒好きの度合いにおいてはスザクどころか、『コードギアス』の打ち上げで目の当たりにしたシャルルのそれと並ぶほどのようだった。流石は親子、いや親子ではないのだが。シャルルとの共演回数はスザクの方が遥かに上回り、またルルーシュの実の両親ともそれなりに顔を合わせてきているというのに、未だに時折『ギアス』の世界が現実を侵食するような心地に襲われる。映画総集編の新規カットや宣材写真の撮影で仕事が継続しているから、という理由もあるがそれだけではなく、要はあまりにも強烈な体験だったのだ、『コードギアス』という現場は。あのドラマがスザクの人生を、比喩でも大袈裟でもなく変えた。思えば正月らしい正月を過ごしたいと考えたことなど、ほんの幼い頃以来ではないだろうか。
「お雑煮って、作るのも初めてだったんですけど、考えてみたら食べたこともほとんどないかもしれません。給食で出たかな……?くらいで」 「そっか、いつもはイギリスで過ごすんだもんね。イギリスの正月料理ってなんかあるの?」 「特にないですね……うちだと、ちょっと良い朝ご飯を食べるくらいです。あの、あれです、ラピュタのパンみたいな」 「あ、いいなあそれ。っていうかルルーシュ、ラピュタ見たことあるんだ?」 「映画という意味なら……」 「城本体は俺もないかな」
「ふふ、すみません」と、楽しくて仕方ないといったように笑い、角餅の端に齧りついて熱さに少し眉根を寄せるルルーシュをうっとり眺める。香り立つ湯気の向こうにルルーシュ、新しい年の陽射しに黒髪が透けて綺麗な茶色に映るルルーシュ、ああ今食べたのはスザクが型を抜いたお花のにんじん、椀を傾ける仕草もほんのり血色に染まった唇も完璧だ。
「そんなに意外ですか? 俺とジブリの取り合わせって」 「うーん、割と。なんか国内アニメとかって全然見ないで育ってきてそうな」 「それはそうですけどね。でもジブリは後学のためにも一通り観ましたよ。あ、あと、最近は移動中にあれとか観てました。けものフレンズ」 「なんだっけ、聞いたことあるなそれ……すごーい! ってやつだ」 「そうですそうです、すごーい! たのしーい! ってやつ」
かわいーい。心の中でしみじみ呟く。
「枢木さんとも観たいなあ、ラピュタとかトトロとか。ジブリって配信ないですもんね、借りてきますか?」と、雑煮のおかわりを取りに立ちながら提案してきたルルーシュに「えー、『正月は外に出ない計画』じゃん」と返す。「そうでしたね。あ、それじゃあそろそろ頼んでた神社が……」とルルーシュが言ったとほぼ同時、マンションコンシェルジュからのコールが鳴り響いた。
「わあ、ジャストタイミング。出ますね。……はい、枢木です。あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします……え? ……はい、ええ。少々お待ちいただけますか?」
空の椀を持ったまま、壁から取り上げた受話器を器用に押さえて「大きい荷物だから、配達員の方をそのまま上げてもいいか、って」と、ルルーシュはやや困惑顔でこちらを振り向く。頷いてやると、不思議そうながらも「……すみません、はい。お願いします。ありがとうございます」と丁寧に対応し、キッチンではなくスザクの傍に戻ってきた。
「そんな大きいもの、頼んでましたか? なんだろう、ゲンブさんからとか?」 「ないない。ああ、ハンコ押したらそのままでいいからね。俺が中まで運ぶから」
ますます首を捻るルルーシュだったが、ややあって聞こえたドアチャイムで弾かれるように再び立ち上がりインターホンまでぱたぱたと駆けていく。残りわずかだった雑煮を食べ終えてからゆっくり後を追えば、玄関にスザクが着いたときには配達員の姿がドアの向こうに消えたところで、ルルーシュが頬を紅潮させてスザクの方へ振り向いた。
「枢木さん、枢木さんこれ! これ、kotatsu!」
興奮のあまりかイントネーションが非日本語のそれになっているのを思わず笑いながら、「うん、炬燵。注文してたんだ。ルルーシュ、本物見たことないって言ってたから」と意識してさらりと伝える。ああ注がれる「枢木さんすごい! かっこいい!」の眼差し。
「すぐ組み立ててあげるから。炬燵でみかん食べてさ、おせちも食べて、一緒にテレビ見て、ごろごろしよう?」
さあ来い! 飛びついてハグ! 顔には出さず、しかし期待ではち切れんばかりの胸を脳内で大きく開く。ルルーシュの瞳がきらきらと輝き、勢いよく広げた両腕をがばりとスザクの首へ回して――近づく温度! 触れ合う胸!
「枢木さんっ、ありがとうございます! 大好きです!」
やったーーーーーーーーーーー!!!
15:00
予定通り炬燵と一緒に届いた神社のジオラマを組み立てるのには、予想以上に骨が折れ時間がかかった。ルルーシュと二人、お互いに細かい作業は得意だと自負していたが、出来上がったときにはどちらからともなくぐったりとした溜息が漏れたほどである。
「紙製だとは思えないですね。すごくしっかりしてる」 「そうだね、ちゃんと狛犬もいるし」
しかしジオラマと目線の高さを合わせ、炬燵の天板に顎をついて感嘆するルルーシュの美しい目瞬きと、その度に音を立てそうな睫毛を見ているだけでかなりの回復を感じるのだから安いものだ。否、この至近距離でルルーシュの素の表情を凝視できるという立場はどれだけの維持費がかかろうとも手放せない。このジオラマなんて二千円ほどの代物なのだ、むしろ神やら運命やらに莫大な額の値引きをしてもらっていると言える。
「でもちょっと、結構疲れましたね……今年の疲労初めだ」 「俺らジオラマを舐めてたね。あ、横になるならいいよ、膝」 「いいんですか? じゃあ、お言葉に甘えて」
炬燵に入ったまま横たわろうとするルルーシュに好機とばかり、だが極めて何気なく誘導をかけて、自身の膝に頭を置かせることにも大成功した。改めて見下ろせばなんて小さな頭、形の良い頭蓋だろう。そして髪の間から覗く、耳のやわらかく真っ白なことよ。指先でふにふにと耳殻を揉めば「くすぐったいですよ」と笑いながらの抗議が来た。
「ごめんごめん」
永遠にこの時間が続けばいいのに、と思うもルルーシュは早々に身を起こし、「だけどようやくこれで初詣が出来ますね。ほら、枢木さんも」と傍らに用意していた小箱を引き寄せる。中に入っていたのは賽銭箱を模した貯金箱で、スザクが「神社は混むし、どこに行っても人目が多すぎるから家で初詣をしよう」と提案したことに想像よりも遥かに喜んだルルーシュが買ってきたものだった。大学の友人に連れられて行ったヴィレッジヴァンガードで見つけたのだとか。前半は気に食わないが(男であれ女であれルルーシュと買い物をすることにデートの意味を見出さない人間などいるものか)、未だに場慣れしないという猥雑な雑貨店でおずおずとはしゃぐルルーシュの姿は想像するだに素晴らしいマスターベーションの供になる。
「二礼二拍手一礼、ですよね? お賽銭は先でしたっけ、後でしたっけ」 「合ってるよ。賽銭はよりけ��だけど……まあそもそも手水とか鈴緒もないし、タイミングとかは気にしなくていいと思う」 「これね、見てください枢木さん。綺麗なのを用意したんです」
いそいそとルルーシュが取り出したのは五円玉が九枚で、「四十五円でしょう? 始終ご縁がありますように、って」とどこか自慢げに教えられる。
「すごいね、よく知ってるね」
チャンスとばかりに頭を撫でると、ルルーシュは一転して照れた笑みを満面に浮かべた。積もりに積もった欲望はもはや己の武器ともなっている。人間は進化する生き物だ。
「ご縁って、誰との?」
だが心温まっているだけの場合ではなく、ここはしっかり聞いておきたいところだ。これだけこちらからの想いを重ね、圧を込めておきながら、ルルーシュの恋愛観や好みのタイプといった情報を聞き出せたことはまるでない。ルルーシュの側からスザクに聞きたがることは多々あれど、反対にこちらからそうした話題を振るとルルーシュは本当に困ったようになってしまい、反応に窮してわずかに落ち込んでしまうのだ。
「そうですね、俺は特定の神を信仰している訳ではないんですが、何か大きな、上位存在のようなものはあるのかなと、ぼんやりですけど。それがもたらす運命だったり、チャンスだったり、そういうものとの良縁を、と思って」
ルルーシュは当然、性愛に無知というわけではない。仮にも二十歳の男子なのだ。この仕事をしている以上、扇情的なアピールを行うこともある。だがそれとは別の次元で、性の部分に希薄さを感じる、というのがこの三年間ルルーシュをじっとりと見てきた人間の所感だった。本人に確かめては勿論いないので、あくまで所感に過ぎないのだが。育ちの良さが影響しているのか、パーソナリティで片付けられるものなのか。ともかく、そのまっさらに見える惚れた腫れたの大地に芽吹きの気配があるのなら、早めに熟知し傾向と対策を――と思ったのだが、この様子ではまだ「優しくて大好きな枢木さん」に甘んじていられそうだ。
「――あとは、その。当たり前ですけど、枢木さんとのご縁も、ずっと続きますようにって」
枢木さんは何円入れますか? あっ、小銭って持ってないですよね。枢木さん、キャッシュレスの人だから。じゃあ、俺と一緒にこの四十五円、入れましょうね。半分ずつ二人で持って、せーのって。九枚だからどっちか一枚少なくなっちゃいますけど――ルルーシュの楽しそうに話す声を聞きながら、思わず目頭が熱くなったのを慌てて堪える。 炬燵の一辺に並んで座り、小さな神社を前にして二礼、二拍手、一礼。それぞれに目を閉じ、しばしの無言で願いを捧げる。神様、俺をずっと、ルルーシュの隣にいさせてください。セックスなんて出来ないままでもいい、いや今のは撤回、ルルーシュのおちんちんも見たいし舐めたいし触りたいし触ってほしいです。出来れば今年中にご査収願います。何卒。
「そうだ、おみくじもあるんですよ。初詣といえばおみくじですよね、今持ってきますね」
うきうきとした語調ながら名残惜しそうに炬燵を出てどうやらキッチンに向かい、バスケットを手に戻ってきたルルーシュがまた素早く炬燵に潜り込む。バスケットの中には人間の形をしたふわふわのパンが四つ、レーズンの目やボタンをつけられて可愛らしく鎮座していた。
「これって、あのラジオで言ってたやつ? えーと、」 「そうです、マナラ。美味しいですよ。では枢木さん、この中から好きなのをひとつ選んでくれますか?」
これがルルーシュの用意した「おみくじ」なのだろうか。なにやら誇らしげな顔で見守られ、カラフルなチョコレートで靴を履かされている一体を選んで手に取る。「裏返してみてください」と囁かれ、パンをひっくり返せばそこには、筆にチョコレートを取って書かれたと思しき、この手の装飾には異様なほど達筆な「大吉」の文字。
「おめでとうございます! 大吉ですよ! 枢木さんの二〇一八年は良い年になりますよ」
心底嬉しそうに楽しそうに、自分の食べるマナラを持って手を振るように動かすルルーシュ。こんな、スザクにおみくじを引かせるために、わざわざパンを焼いて、裏面に文字まで仕込んでわくわくと待っていたのか。抱き締めたい、猛烈に抱き寄せて深く深く口づけてしまいたい。可愛らしく振っていた手の部分から早速食べている唇を奪いたい。でろでろに愛しさで蕩けながら、スザクは大吉パンの頭に齧りつく。
21:00
「小腹が空いた気がします」
シャルルからの頂き物だというオリジナル日本酒『ルルーシュ』を大事そうに呑みつつ、毒にも薬にもならないような正月特番を微笑んで眺めていたルルーシュが突然、真剣な顔つきで報告してきた。
「枢木さん。俺は小腹が空きました」
むしろ宣誓と表現してもいいくらいの真面目な申告だった。「おせちのローストビーフ、確か残ってましたよね。枢木さんも食べますか。食べますよね」と静かな口調ながら言い募られ、「そうだね……ちょっとつまもうかな」とわずかに気圧されて答えると、ルルーシュの表情がぱあっと明るくなり、「にっこり」の図解として辞典に採用されそうな満面の笑みが浮かんだ。毎度思うがあまりにも顔が良い。
「取ってきますね! ローストビーフと、みかんのおかわりと、あと、ビールと」
浮き足立っているというよりほとんど千鳥足、これはかなり酔い始めているな、とキッチンへ向かう綿入れ半纏(こちらも着ているところが見たくて買った)の背中を目で追う。そして頬が緩む。炬燵机の上に置かれた、みかんの皮を広げて作った蛸にも口元がにやける。スザクが作ってみせてやったのを意気揚々と真似していたが、今見ると足が七本しかない。
「おせち、何が一番美味しかったですか?」 「一番? えー、難しいな……生春巻きかな。えびのやつ」 「あれは特にうまくいきましたね。もっとたくさん作れば良かったかな」 「また作ってよ。この前の餃子みたいにさ、大量に。次のおせちにも入れてね」
右手にローストビーフの皿、小脇にクッキーの細長い箱を抱え、左手に缶ビールの六缶パックをぶら下げつつみかん入りのネットを胸で抱えるという器用な格好で戻ってきたルルーシュへ、早々とかつ当たり前のように来年のリクエストを申告する。せっかく手作りするのだから互いの好きなものだけを入れたお重にしよう、とルルーシュからおせち料理の提案をされたときは自分でも度が過ぎていると思うほど大喜びしてしまった。大晦日の朝から並んで台所に立ち、ルルーシュのいつもながら鮮やかな手際に見惚れつつ、包丁捌きを褒められたり共に味見をして頷きあったり、あの楽しさはまるで子供の頃の自分までもが優しい手で抱き上げられたような心地だった。ただでさえ五つも年下で同性の相手に、ただ懸想するだけでなく母性まで求めるようになってはいよいよ終わりの始まりだと自覚してはいる。だが「あ、これたぶん甘いですよ。これもそうかな」とみかんを選別してこちらに寄せてくるルルーシュに、高鳴りとはまた違う、震えるほどの胸の衝動を覚えない男が果たしているだろうか。
「ミスターイトウのバタークッキーが昔から好きなんですよね。ムーンライトとかも美味しいけど、俺はやっぱりこの赤い箱に胸がときめく」 「ね、ルルーシュ」 「はーい。なんですか?」
酒に酔っていることもあり、出会った頃では考えられないほど気安くなってくれた反応。少し濡れたように瞬く睫毛、何にというでもなく、場の雰囲気に緩く笑んだ美しい唇の端。
「今年も、良い年になるといいね」 「はい。二人で、素敵な年にしましょうね。……あっ桃鉄! そうだ桃鉄やりませんか! 俺ね、結構いろいろ勉強したんですよ」
スザクの感傷を吹き飛ばさんばかりに勢いよく立ち上がり、「Wiiリモコンってこっちのチェストでしたっけ?」とわくわく探し始める姿に、思わず吹き出すように笑ってしまった。準備を手伝いに腰を上げ、「勝利パターンとか、カードの対策と使い方とか。もうやられっぱなしの俺じゃありませんよ、なんなら枢木さんに一泡吹かせてやりますからね」と意気込むルルーシュを軽くからかう。
「威勢がいいねえ。じゃあ罰ゲーム制にしよっか、ルルーシュが勝ったら何でも言うこと聞いてあげる。そのかわりあれだよ、負けたら俺にキスだからね」 「えっずるい! 俺もそれがいいです!」
明らかにふざけているとわかるような声色を作って言った台詞を食い気味に主張され、予期せぬ反応と勢いにぎょっとする。「俺が勝ったらー、枢木さんは俺に勝者のキスですからね」と続く語尾のふわふわした口ぶりは、完全に酔っ払い特有の様態。
「えっ……えっ、いいよ、うん」
鼻歌を歌いながらディスクを本体に飲み込ませるルルーシュには、自分が言ったことにどれだけ重みがあるか、いかに今スザクが動揺しているかもわかってはいないのだろう。スザクが勝ったらルルーシュとキスができて、スザクが負けたらルルーシュとキスができる? いや違う、負ければスザクからのキスだが勝てばルルーシュからのキス、両者は似て全く非なるものだ。恐らくルルーシュの中ではダチョウ倶楽部的な認識か下手をすればそれ未満だが、スザクにとってみれば瓢箪から駒の超特大級お年玉だ。
「何年でプレイしますか? 三十年……いや、五十年かな」 「三年決戦でいこう」
三年で片をつける。そして絶対に、ルルーシュの方からキスしてもらう。「えー、北海道大移動は起こさないんですか? そこも研究したのになあ」と可愛く不満を述べるルルーシュにクッキーを咥えさせて誤魔化し、スザクはリモコンを握る手にじっとりと汗を滲ませた。 結果として、我欲は人間を驚くほど弱くするもので、かのイカロスもただ飛ぶ��けなら良かったものを太陽に届かんとしたその途端に翼を溶かしたというわけで、ものの見事にスザクは敗北を喫したのである。流石ルルーシュの「研究」は伊達ではなかったということか、いや運の部分ばかりはどうしようもない要素であって、やはり天がスザクの下心に味方をしなかったということなのだろうかしかし結局キスはできるのだから抜かったな天よ! なにせ前回の偶然から一ヶ月もせず再び巡ってきた、しかも今回は完全同意のチャンスである。酒に酔っての言動を同意とするのは人としてどうなのかという後ろめたさも小さじ程度ありつつ、もはやそんな理性を働かせてはいられないほど状況は切迫しているのだった。リモコンを静かに床へ置き、勝利に拳を掲げているルルーシュに向き直る。別にこれを機に関係を進めようだとか、ましてやそのまま押し倒してやろうだなどと思っているわけでは決してないのだ。ただ、人生に少しばかりのご褒美が欲しいだけ。ルルーシュという奇跡の存在と寝食を共にして、あまつさえその唇に触れるという極上の果実を「少しばかり」と形容するなどまさしく天をも恐れぬ所業だと自覚はしているが、それでも。
「ルルーシュ……」
好きだよ、と続けて甘く囁いたとしても、それが愛の告白だと受け取ってはもらえないこの身の切なさが、少しくらい報われてもいいじゃないか。
「あっ、そうですね! やったあ、じゃあお願いします」
――弾む口調で目を軽く閉じ、ルルーシュが自身の頬をとんとんと指差したことで、夢から醒めたように気付いた。そうだ、何もマウストゥマウスで、と指定されてはいなかったのだ。勝利のキスを頬に、というのは最近までやっていた番組名物のビストロコーナーでもお決まりの行為だった。なるほど、それならルルーシュが、いくら酔っているとはいえ自分からねだってくるのも理解の範疇内である。浮かれきっていた自分を内心、自嘲で笑い飛ばそうと努めながら、いやでもそれにしたってご褒美はご褒美に違いない、もうルルーシュのほっぺの感触を味わいつくしちゃうもんねとルルーシュの両肩に手を置く。近づく肌のきめ細かさと、香る黒髪の甘い匂い。はやる心臓が着地点を間違えないように、慎重に近づいて、
近づいて?
唇が。
ルルーシュの唇が、ルルーシュが瞼を一瞬開いて、またすぐに閉じて、顔を。
顔の角度を、変えて、スザクの唇に。
唇が、くちびるに。 「――ふふ、びっくりしました? この前のお返しです。なーんて」
放心しているスザクに、ルルーシュは悪戯が大成功したという笑顔で言う。「……あ、すみません、嫌だったですか?」と表情が翳りかけたのを慌てて勢いよく首を横に振り、「いやいやいや違うすごいびっくりしただけ、えっだってすごいブラフ……えっ��ってどこから?」と無意味にルルーシュの半纏の紐を結び直しながら返した。ルルーシュはほっとしたように頬を緩め、そしてまたにんまりと笑ってWiiリモコンを手遊びに振る。
「最初からです、最初に言ったときから。枢木さんが勝ってもそうしようって思ってたし、俺が勝ったら先制攻撃の不意打ちで、って。俺あのとき、誕生日のとき、すごくびっくりしたんですよ。だからお返しです。目には目を」
こんなところでハンムラビ法典を聞く試しがあるとは思わなかった。などと冷静に言ってはいられない。否もう、まるで冷静ではない。「そっかーいやほんとすごいびっくりした俺も、ルルーシュすごいねほんと良い役者、あー本職、俺も本職」と早口で並べ立て、無意味に手を握っては開き開いては握り、してやったり顔のルルーシュに爽やかな笑みを見せる。
「完全に騙されちゃったな。ああごめん、俺ちょっとトイレ行ってくるね」 「はい。すみません、俺も結構もう、眠くなってきたので……歯を磨いてきますね」 「オッケー。寝る前に声掛けて」
めいめいに立ち上がり、洗面所の前で別れて、ルルーシュが立った鏡越しの視界に映らない場所まで進んだところでトイレへダッシュする。短距離走者の本気の走り方だ。音が立ち過ぎないよう気をつけつつ急いでドアを閉め、息をつき、個室の中でしゃがみこむ。ぐうう、という音とも声ともつかないものが自分の喉の奥から漏れた。
「無理……好き……あー無理、超好き……どうしよう……好きです……」
ついに独り言が敬語になってしまった。ジーンズを下げてぼろんと飛び出す、元日にしてすでに今年最高ではないかという隆起を見せつける我が陰茎。そうだ今年は射精をする度に、赤十字社へ寄付をしよう。みなさんの二〇一八年が、どうぞ良きものでありますように。
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6月のアフタヌーンティー 2(ノルアイ)
(大丈夫よ、エルフィールが成功しているんだから……) すっと深く息を吸い込んで、アイゼルは『健康だいすき』第二章のページをめくり、必要な器材を確認する。素材になるアイテムは持ってきたから、次は器具だ。ノルディスの部屋にあるもので足りるだろうか。 「『このアイテムを作るために必要な器具』は……ろ過器……ほかに何がいるかしら」 必要な道具は1つだけと、あまりに素っ気ない書き方だった。アイゼルは仕方なく調合の手順まで参考書を読み進める。 「オニワライタケを十分に煮込みアク抜きをする……蒸留水と中和剤(青)を加えて溶かし……室温になるまで冷やしたらろ過する……」 手順の方も、ざっくりとした説明が数行書いてあるだけ。具体的な調合を記す図のようなものもない。それ以外のページは中和剤の作用と選び方についての理論のようだった。本来なら、水属性と土属性を調合するのに必要とされるのは、緑の中和剤。そう授業で習ったばかりの中和剤の原則を、優等生のアイゼルはしっかり記憶していた。 しかしこの栄養剤の調合で使われるのは、水の属性を示す青の中和剤。上級生用の参考書らしく、この調合が中和剤の基本『優先順位の原則』に従わない理由がずらりと並べたてられているが、今はそんなことを気にしている場合ではない。 「……これで本当に栄養剤が出来るのかしら」 少しの不安を残したまま、アイゼルは小型の加熱炉に魔法の炎を放つ。 中和剤を使い3種類を組み合わせる複雑な調合など初めてなのに、『初等錬金術講座』や『中等錬金術講座』のような丁寧な説明はない。それに手持ちの材料は1回分で、失敗したらそれで終わってしまう。 ���れでも、挑戦せずにはいられなかった。 ーーここがどういう所か分かっているでしょ?……静かにしてよね。 入学して1ヶ月あまりが過ぎた頃。図書室に入ってきたエルフィールに、挨拶がわりの意地悪をぶつけたことがある。錬金術も知らず末席だった彼女が図書室の暗唱カードを持っているなんて、イングリド先生に泣きついて同情を引いたとしか思えなかったからだ。 (あなたのような『条件付き』の人は来なくていいの。……エルフィール、どんな顔をしてくるかしら?) 嫌そうな顔でも取り繕った顔でもいい。傷ついた顔を見てほっとしたかった。 それなのにエルフィールは『分かってます』とばかりに人さし指を振って、茶目っ気たっぷりに笑っていた。 その笑顔は、まるで自覚のない挑発みたいにアイゼルの心に突き刺さった。どこまでも子どもっぽくてあどけなく、わざわざ皮肉を言いにきた自分をあざ笑っているような気がして気分が悪くなった。 だから気がつかなかった。 あれは『近くの森』へ採取に行ったあとの話で。あの時彼女はすでに栄養剤の調合に成功して、正式にイングリド先生の許可を取っていた。あの嬉しそうな笑顔はエルフィールが真摯に努力した、なによりの証。そして、人差し指のサインがアイゼルへの親愛の印なのだと。 「そうよ、『騒がずに大人しくしていたら仲良くしてあげてもいい』って言ったのは私よ。……でも子どもじゃないんだから。馬鹿にされていることくらい気付きなさいよ!どうして真に受けたの!私があなたと友達になれる訳ないでしょ!」 小型炉に収まっていた魔法の炎が、強い言葉に乗せられて一気に燃え広がる。あわててアイゼルが炎を調節しているうちに、今度は踊り狂っていた鍋のふたから湯気が漏れた。細かく刻んでおいたオニワライタケを鍋の中に入れ、さらに炎を細く弱めていく。 「ノルディスがあなたばかり見ているから……あなたのこと、気になるじゃない」 眠ったままのエルフィールに向かってアイゼルはふうっと息を吐いた。もう材料を入れてしまったから思いっきり怒ることは出来ない。喉まで出てきた何かをもう一度飲み込むと、目頭のあたりにぎゅっと力を込めた。 「……本当にあなたが噂通りの落ちこぼれだったら、よかったのに」 ーー隣のクラスには『学年トップ』と『条件付き』がいて、『条件付き』は基礎魔力で零点を取ったあの子よ。 新入生がまだ全てが目新しいアカデミーにそわそわしていた頃のこと。 どうして入学させたのかしらとささやく声と、噂の人物の名前がクラスの中から聞こえた。噂は好き勝手に色々なことを呟いていたけれど、アイゼルは気にも留めなかった。そんな事は直接確かめればいいからだ。 学年トップのノルディスはすぐに分かった。誰にもない知的な爽やかさを持っていて、優しそうで、そして人懐っこそうで……自然と彼の周りには人が集まり、とても目立っていた。そしてノルディスの隣にいた、ぱっとしない顔に垢抜けないオレンジ色の法衣姿。こちらも『条件付き』のエルフィールだとすぐに分かった。 けれども彼女の方は噂の通りにも、どこか違っているようにも見えてつかみどころがなかった。廊下ですれ違ったり、アカデミーショップで見かけたり。図書室で調べ物をしていたりーーあちこちで見かけはするものの、採取に出かけてアカデミーには来ないことも多く、様子を伺うのにも苦労した。 だから、エルフィールが努力の人だと知ったのもごく最近のことだった。 ノルディスが彼女の話ばかりするから、ついその姿を追ってしまった。図書室で調べ物をする楽しそうな横顔が、ぼんやりした落ちこぼれの学生とは思えなかったから、読んでいた参考書を片っ端から調べてみた。内容はお酒の作り方に爆薬の専門書、貴族文化を扱った歴史書とバラバラで、アイゼルにも分からないものばかり。時には専門課程に進んだ3年目の学生が必要とするページにまで手を出していた。 時にイングリド先生に補習を受けながら、どうして効率の悪そうな勉強をするのだろう。条件付きなのだからゆっくり基礎を学べばいいのに。そう考えているうちに、『条件付き』だからこうなるのだと気がついた。 条件付きの学生は、アカデミーの援助を受けることなく工房で自立生活を過ごす。街に出て依頼を受ける。高度なアイテムでも知らないままでは済まされない。基礎や理論を理解する時間もなく、依頼のための調合をひたすら繰り返していくしかない。きっとアカデミーの雑音なんて届かないほど遠くて、アイゼルやノルディスが思うよりもずっと不自由な場所にいるのだ。 「……ああ、もう!」 湯気に混じって、鼻をつまみたくなるようなオニワライタケの匂いが流れてくる。アイゼルは眉をしかめつつ鍋に浮いた大量のアクと水を捨て、急いで窓を開けた。次の手順を確認しようとアイゼルは参考書に手を伸ばす。 「ノルディスにあんなに心配させて、私にもこんなに迷惑かけて。これで起きなかったら……許さないわよ」 金属製のビーカーをこつんと突ついてアイゼルは視線を落とした。空っぽのビーカーの底にも蒸留水を注いだ水面も、ぼんやりした自分の影ばかりが写っていた。 中和剤を加える前に、アイゼルは深く息を吸って気分を落ち着かせた。ここで失敗すると素材のアイテムは産業廃棄物になってしまう。ガラス棒を使って、慎重に中和剤を少しずつ蒸留水の中へ馴染ませていく。これが成功すればオニワライタケは鍋の中で溶けていくはずだ。 「お願い、早く……」 アルテナの女神様に祈るような気持ちで、しゅるしゅると煮えたつ鍋の底をかき回し続ける。 やがて、オニワライタケが完全に形を無くしあめ色の水溶液が出来上がると、アイゼルは鍋を火から降ろした。 (……出来たわ!) 品質のほどはよくわからないが、とにかく形だけは完成した。ゆったりと椅子に腰掛けて休みたいところだったが、水浴の用意だけはしておかなければならない。 「あら……いつの間に」 人差し指に感じる軽い痛み。よく見てみれば指先が少し赤くなっている。アイゼルは栄養剤の鍋を水浴に浮かせ、その隣にもう一つ小さな水浴を作った。ちょっとした火傷なら、その中に指をつけていればそのうち治ってしまうだろう。 「ねえ、エリー。私も栄養剤を調合したの。だから……飲んだら起きるのよ」 撫でるように水の中に指を泳がせてアイゼルはつぶやいた。ぷかぷかと水浴に浮かぶ鍋はまだ熱くて、ろ過器にはかけられない。ただ時間が過ぎて行くのをアイゼルは待つ。 鐘の音が鳴った。早歩きに廊下を駆けてくる音が聞こえ、部屋のドアを控えめにノックする礼儀正しい音が響く。 「ごめん。代わってもらえて助かったよ、ありがとう」 「足りなくなりそうだったから、栄養剤を調合してみたの。道具を借りたわ。冷えたら……ろ過器にかけてもらえるかしら?私、少し疲れてしまったから休みたくて」 戻ってきたノルディスに詳しく説明するのもなんだか恥ずかしくて、なるべく簡単に話を伝える。不自然にならないようにと注意しながら、アイゼルは指をさっと拭って立ち上がった。 「ちょっと待って。アイゼル……もしかして火傷した?」 ノルディスの手が、繊細なレースに縁取られたシルクのハンカチの上から触れた。 「エルフィールには言わないで……薬のことも関係ないって……」 まっすぐな瞳がアイゼルを見つめている。 今、私はどんな顔になっているのかしら。何ともないような顔が出来たかしら。そう心の中に問いかけながら、アイゼルはノルディスの部屋のドアを閉じた。 手のひらを顔に当てると、冷たさが気持ちいい。鏡がなくても顔が赤くなっているのがよく分かった。
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有頂天家族2 第1話「二代目の帰朝」感想
有頂天家族、ふたたび
狸谷山不動院の階段から始まる1話。下鴨四兄弟の母・桃仙のご実家がこちらのようです。 『階段渡りの桃仙』 というあだ名からも分かるとおり、お母さんはだいぶお転婆だったみたいですね。 ちびっこ桃仙ちゃん可愛いです。 対するツチノコ探検隊の隊長が、下鴨家の父・総一郎ですが、狸姿はすでに貫禄あり。 化け姿は他の子狸たちが着物なのに対して、一人洋服を着ていていいとこのお坊ちゃんの気配がします。 時は流れて、白無垢姿の桃仙を階段下で待つ、紋付袴の総一郎の姿。お母さんは今と変わらないけど、お父さんが若い。 その後の一家全員集合(矢四郎誕生くらいかな?)のときにはあのお父さんの姿になっているのですが、 お母さんが若いだけなのか、お父さんが偽右衛門に似つかわしいように貫禄ある姿に化けたのか、 はたまた偽右衛門の心労がたたって老けたのか気になるところです。
矢三郎の独白をバックにした下鴨家のちょっと器の足りない子どもたちの映像がすごくわかりやすい。 矢一郎のいまいち格好がつかないところとか、矢二郎が化ける練習中で今も井戸にいるだとか、 矢四郎は勤勉少年になったけどすぐに尻尾が出るところは変わらないとか。 矢三郎はやっぱり暇そうにしているなとか。 1期の最後から時間を経て変化した部分としていない部分が理解しやすいです。 ああ、彼らが帰ってきたなとしみじみしてしまいました。 『阿呆の道』 、良い言葉です。
モダンな天狗つぶて
父も探したツチノコを探している矢三郎。出会うきっかけのはずのツチノコをちっとも理解しようとしないお母さんが微笑ましい。 矢一郎は今度こそ偽右衛門になるべく、父のもう一つの趣味だった将棋大会の復活を画策している模様。 (どうでもいいことかもしれませんが、将棋は 打つ じゃなくて 指す だと思うのだけど…) 矢三郎はもツチノコ探検隊を再結成すべく、矢二郎を訪いますがふられてしまいます。矢二郎の井戸には将棋盤。 たしかに捕まえたツチノコに食べられたら元も子もないですよね。それにしてもまた井戸端で牛丼を食べているのが面白い。 六道珍皇寺の途中に牛丼屋があるのでしょうか?
丸め込んだ矢四郎を従え如意ヶ嶽へ出かけた新・ツチノコ探検隊長ですが、矢四郎はツチノコよりも電磁気学に夢中。 1期で指先から電気を給電できるという特技(?)を披露していましたが、それを活かすために勉強をしているのかな。 矢四郎くんの成長が見られる場面。天才の下りは矢三郎の阿呆さが全面に出ていていいですね。
そして、唐突に降ってくる瀟洒な長椅子。洛中を騒がせている 『モダンな天狗つぶて』 だそうです。 天狗が所有権を主張しなければもらっていいそう。天狗と狸の関係性が垣間見える習慣ですね。 矢四郎の身長が足りなくて、ほとんど椅子を触っていないところが笑える。 天狗つぶてから身を挺して矢四郎を守る行動といい、矢三郎は何だかんだいいお兄ちゃんだと思います。
噂をすればなんとやら、軽口を叩いていたら鞍馬天狗に絡まれる羽目に。 1期で如意ヶ嶽は赤玉先生ではなく鞍馬天狗の縄張りになってしまったんでした。 お父さんに化かされた恨みもあるのか、赤玉先生や弁天様との関係性が気に入らないのか目の敵にされていますね。 反撃とばかりに矢三郎は白象に化けますが、鞍馬天狗たちは堪えていない様子。 あわやの場面で降ってきたのはまたしても 『モダンな天狗つぶて』 、白い旅行鞄。
二代目のテーマ、無駄に壮大
一分の隙もなく、白いスーツに身を包んだ紳士が空からやってきました。なんと 『薬師坊の二代目』 だそう。 鞍馬天狗が父親である赤玉先生を追い落としたと聞いても冷ややかな反応、「とどめを刺す」とまで言う二代目に 鞍馬天狗たちだけでなく、矢三郎もびっくり。矢三郎は赤玉先生の住む出町柳のコーポ枡形へ一路走ります。 先回りして赤玉先生に化け二代目を迎えた矢三郎でしたが、あっけなく化けの皮を剥がされてしまいます。 矢三郎の得意の話術で、鞍馬天狗に投げ飛ばされてしまった家財道具 = 『モダンな天狗つぶて』 の回収を請け負いました。 二代目が去った後の押し入れを開けると…眠ったままの赤玉先生。のんきなものです。
サブタイトル通り、新キャラの二代目が登場しました!天狗は皆文字通り天狗鼻のデザインだと記憶しているのですが、 (人間だけど天狗の力を持つ弁天様は除く)二代目は天狗鼻じゃないですねえ。目元は赤玉先生の面影がある気もしますが。 短気な赤玉先生に比べてとてもクール、そして押し入れの赤玉先生に(多分)気づいていながら見逃しているところも余裕を感じます。 英国紳士とはかくやという感じ。この人、絶対強い(確信)
怒涛の新キャララッシュ
さあ、二代目の帰朝は天狗界だけではなく狸社会も揺るがす大事件だったようです。 現・偽右衛門の八坂さんに呼ばれて矢一郎とともに向かう矢三郎。なんと本拠地は肛門科の診療所でした。 ここって、今も偽右衛門として相談事を受けているだけじゃなくて、診療もしているのかしら? 古びた診療所感がよく出てる。 置いてある雑誌も 『狸自身』や『クロオッサン』 になっていたり、偽ハワイの内装もやっつけ感が出ていて芸が細かい。
ここで二人目の新キャラ、玉瀾さん登場。ローマの休日のアン王女のような楚々としたデザインいいですねえ。 おっとりした外見に反して再登場した金閣・銀閣を叱りつけるところとか、しっかり者のお姉さんです。 金閣・銀閣、相変わらずいいキャラしてます。背後のおばあちゃんも入れてEXILEになってたり今期も輝いているなあ。 いつもの小競り合いが始まるかと思ったら、なんと三人目の新キャラ・呉一郎まで登場。二人を黙らせてしまいました。 1期で海星と矢三郎の許嫁の件で登場した、夷川の家系図にチラリと載っていましたね。夷川家の長男です。 年の頃は矢一郎と同じくらいでしょうか?僧衣を纏って、なんだか真面目そう。生臭の極みとも言える早雲の息子とは思えない雰囲気です。 『早雲が残したもの』 について偽右衛門へ相談していたということですが…気になります。
やっつけ仕事な偽ハワイに迎えられる、矢一郎と矢三郎。二代目と赤玉先生の因縁を知らされます。 100年前 『壮絶な親子ゲンカ』 をして、敗北した二代目は英国へ出奔したとのこと。赤玉先生、昔は強かったんだなあ。 今では考えられない勇姿ですね。 八坂さんの 『狸親父を決め込む』 って、要はなにもしないことじゃん!と思いましたが、無理もないことかもしれません。 天狗の喧嘩に狸が出る幕はないのです。矢三郎はちゃっかり 『天狗つぶて』 回収の協力を得て、抜け目なし。
決戦は南座で
モダンな天狗つぶて、もとい散逸していた二代目の家財道具を逗留するホテルに運び込む矢三郎。豪華な品々です。 運送業者の制服はヤマトっぽいですが、袖についたあのシルエットが狸っぽい。きっと彼らも狸なんでしょう。 人間社会への溶け込みっぷりが見て取れますね。 謝礼を固辞する矢三郎と二代目のやり取りが軽妙です。二代目も気を許し始めた雰囲気。 さすが大物に気に入られることに定評のある矢三郎。 しかし、まだ見つからない 『独逸製空気銃』 の件は穏やかではありませんが。
さてさて、もう一人の大物(?)である赤玉先生の住まいにやってきた矢三郎は冷や汗をかく状況に。 赤玉先生の友人である金光坊様が来訪していたからです。二代目の帰朝をうまく隠していたつもりが、これはバレている… 案の定詰め寄られて二代目の居場所をしゃべってしまいます。そして、赤玉先生の果たし状を届ける羽目に。 この構図、1期1話の恋文と同じですね。と、いうことはやはり果し合いの場所はあ��こになるのでしょうか。
赤玉先生の果たし状を渡した矢三郎に、二代目はそっけない様子。 「行くかもしれない、行かないかもしれない」あっ、赤玉先生も同じようなことを1期の納涼船のときに言っていたはず。 親子の血がこんなところに出てきました。矢三郎も「これは来るな」と思ったはず。
果し合いの場所は、やはり南座の屋上でした。100年前の決戦の地でもありましたね。 おぼつかない足取りで屋根まで登った赤玉先生、弁天様との逢瀬はともかく、二代目との勝負には無茶な舞台に見えます。 勝負を見守ろうと、金光坊様がスタンバイ。どこから聞きつけたのか、鞍馬天狗は野次を飛ばしながらどんちゃん騒ぎ。 上空から現れた二代目は、あくまでも冷静にしかしギスギスした会話を繰り広げます。 圧倒的不利に見えた赤玉先生ですが、振り上げた手には風神雷神の扇が。1期最終回の無双再びとなるか!
いいところで引き。続編らしく、登場人物盛りだくさんで賑やかでしたね。 1期の対比になるようなシーンが多く見られました。 注目すべきは二代目の存在と弁天様の不在。1期で弁天様が担っていたジョーカー的な役回りを二代目がしているような。 絶対衝突が避けられない二人が、いつ邂逅するかが楽しみです。
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⭐️薬学部生 薬学部志望の優秀なあなたへ 突然ですが、あなたは今、道を間違えています。 薬学とは詐欺学問であり、製薬会社 は、詐欺会社です。 あなたは志を高くして、薬学を志したのかも知れません。 しかし、 薬学とは詐欺学問であり、 製薬業 は、詐欺産業 なのです。 あなたはそこへ入ろうとしています。 詐欺師になるために勉強をして楽しいですか? あなたは詐欺師になるために生まれてきたのでしょうか? #薬剤師 になれば、就職先に困らないし、お金にも困らないだろうという安易な気持ちで、薬学の勉強をしているのではないでしょうか? とんでもない間違いです。 とても愚かです。愚の骨頂とはこのこと! 薬学に関わっているということは、 詐欺産業の担い手であるということです。 そして詐欺産業の担い手であるということは、悪名高い 振り込め詐欺 や特殊詐欺 の手伝いをしているようなものです。 あなたは、今、単なる犯罪者になろうとしています。 あなたは馬鹿すぎて、世間知らず過ぎて、そんなことさえ分からないのです。 一生懸命努力して、やっとなれたのが、詐欺師だなんて、笑い話にもなりません 笑 今すぐその馬鹿らしい勉強をやめましょう。今なら間に合います。 気づいた人から、やめましょう。 健全なあなたが詐欺師になることを、家族も友達も恋人も誰も喜ぶ人などいないでしょう。 再び問います。あなたは詐欺師になるために生まれてきたのでしょうか? 詐欺師にならない方法は、とても簡単で、誰でもできる! ズバリ! 薬学の勉強をやめることです。 . カタカナの薬品の名前を覚えたり、効果を覚えたり!? 必死になってやっている。 朝も昼も夜も。雨の日も風の日も、台風の日も。 実に馬鹿らしいです。 私のこの文章を読んで、 それでも、やっぱり薬剤師 になりたいというお馬鹿さんへ . . あなたの頭脳はとても、アホです。 ありんこ級の脳みそしかありません。 . あなたみたいなどうしょうもない底なしのアホは、薬剤師にでもなるのがお似合いです。 詐欺師の薬剤師になりましょう。 とてもお似合いです。おめでとうございます! 東洋医学健康アドバイザー 松本康男 まだフォローしてない人はこちらから! @yasu_boy プロフにメルマガ、ブログ、 フェイスブックの案内があります。 #薬 #薬品 #製薬会社 #薬学部志望 #薬学部生とつながりたい 薬剤師は、ヤクザ医師であり、ヤクの売人 #精神薬 #向精神薬 #精神科医 は、死神 #西洋薬 #薬学部 #薬科大学 #西洋医学 #現代医学 の闇 #薬学部の勉強垢 #薬科大学 #薬学生の勉強垢 #薬学部受験 #薬学生 #薬学生と繋がりたい #薬剤師国家試験 #薬局 #ドラッグストア #病気 #病院 #健康 #大学受験 #インスタ医療団 #薬剤師あるある #インスタ医療団_薬剤師 https://www.instagram.com/p/B-4ZW6iD4Yl/?utm_medium=tumblr
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2020年1月19日 #統合失調症 の#お薬💊 と#気管支喘息 のお薬💊と#起立性調節障害 のお薬💊と#排卵障害 のお薬💊を飲んでからの#近畿大学通信教育部 の#法学部法律学科 の#メディア授業の振り返り です! #民法総則 の#試験対策 です! 25日から#メディア授業 の#単位取得試験 がある為再度勉強中! #闘病しながら勉強垢 さんと繋がりたい #通信制大学生 #通信制大学生の勉強垢 #法学部の勉強垢 #統合失調症治療中 #気管支喘息治療中 #起立性調節障害の人と繋がりたい #排卵障害 https://www.instagram.com/p/B7f9Mp5gRWo/?igshid=84dlwscyapxf
#統合失調症#お薬💊#気管支喘息#起立性調節障害#排卵障害#近畿大学通信教育部#法学部法律学科#メディア授業の振り返り#民法総則#試験対策#メディア授業#単位取得試験#闘病しながら勉強垢#通信制大学生#通信制大学生の勉強垢#法学部の勉強垢#統合失調症治療中#気管支喘息治療中#起立性調節障害の人と繋がりたい
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2020年3月6日
明らかに人災。新型コロナの感染を拡大させた安倍政権の大失策 今でも場所を限定して自粛を呼びかけるとかリスクの高い事をやっている。 もっと人が多い所も接触の時間が長い所もあるのに。 世界で言われてますけどどうですか? 個人を責めるとかでは無くて、適切な対策をして欲しいです。 https://www.mag2.com/p/news/441923
❦るーと❄️さん「まじでクラスの先生いい先生だった 凄すぎない????」 https://twitter.com/aku_siren/status/1233385057512853508
nikuhitoさん「質問に丁寧な解説をするモヒカン」 https://twitter.com/nikuhito2117/status/1233646749597589506
フタバハル(双刃美)さん「連載当時、集英社の担当があまりにも酷かったので「編集部に相談したい」とお願いした結果、何故か「30万円払う」と言いだされ、断ったにもかかわらず「振り込みました」と連絡が来た時のラインの履歴です。この問題が影響し、連載は早期終了という形になってしまいました。」 https://twitter.com/futabahal/status/1233412871075196928
がい子くじんさん「喋れない子と商人」 https://twitter.com/gaiko_kujin/status/1233749463526543363
双龍@漫画家さん「漫画の読み方がわからねぇのか。 ふーん、じゃあ」 https://twitter.com/Souryu_STD/status/1233761803127017472
らばQさん「1920年2月29日生まれのおばあちゃんが「25歳」の誕生日を祝う : らばQ」 https://twitter.com/lbqcom/status/1233989048122822656
和田浩明/Hiroaki Wadaさん「中国の大気汚染が軽減とNASA観測。2月に二酸化窒素濃度が顕著に低下。新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の低下が理由か。」 https://twitter.com/spearsden/status/1233906972216291328
首相官邸(災害・危機管理情報)さん「【#注意喚起】昨日までの情報をもとに、#新型コロナウイルス に関するよくあるご質問を全面的に更新しました。 ◆保育園・幼稚園の臨時休園はありますか? ◆トイレットペーパー不足は本当ですか? その他にもQ&Aを掲載しています。是非ご活用ください。」 https://twitter.com/Kantei_Saigai/status/1233970652832387072
毎日新聞ニュースさん「目減り収入の最大7割を補償 臨時休校に伴う休職で 厚労相表明」 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1234096175105490946
Shinpei Kato (加藤真平)さん「日本で初めて運転席無人の自動運転車が一般公道を走った瞬間の動画です。 2017年12月14日午前10時 愛知県幸田町 郊外で時速15kmでしたが交差点右左折もあって安全確保が大変でした。あらゆることが初めての経験で学ぶことが多い実証実験でした。」 https://twitter.com/ShinpeiKato/status/1233746607851671553
しおかぜさん「助け合う気持ちは本当に大切 #コロナウィルス」 https://twitter.com/siokaze5231/status/1233343325849022464
あとりえ宇宙工房(塾長)💋@ちぇし @勉強垢さん「ちょっちょっちょ見て! 我が家の猫がライトのスイッチになったんですが!?!?!?!?笑」 https://twitter.com/betelgeuse331/status/1233973588278923264
ロイターさん「20分でいきなり食べられる、3D印刷ステーキを「発明」 スペイン」 https://twitter.com/ReutersJapan/status/1234108629025882112
熊本市長 大西一史さん「すみません。皆さんも大変だと思いますが、私も新型コロナウイルス対策で気持ちが張りつめているので、ちょっと気分転換のツイートさせてもらってもよかですか? コロナのバカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!😭」 https://twitter.com/K_Onishi/status/1234078454074576897
みんなの動画さん「バケツを使ったストリートドラマーがめっちゃかっこいい」 https://twitter.com/minnano_dogaww/status/1226828865508499461
矢部真太(神奈川新聞記者)さん「T-PablowのMC「新型コロナウイルスでもだけど、こういうのが流行ると中国人がどうのとか言う人いるけどそういうことよくない。ネガティヴが募って目に見えない架空の敵に向かってたら思惑通り。今日は少しでも元気になれたらと本気で思っている。ポジティブの力を画面越しでも、そのパワーを集めたい。」 https://twitter.com/shintayabe_257/status/1234078004533350401
篠塚将行(それでも世界が続くなら)さん「「中止は正しい」とか「自粛しないと悪」とかそうじゃないんだよ。自粛の筈なのにもう強制になってる事自体が怖いんだよ。今日も個人イベンターの女の子が30万くらいの借金背負ったよ。悪とか正しいじゃなくて、優しいから中止したんだよ。その子、普通の女の子だよ?中止したよ?もうそれでよくない?」 https://twitter.com/sino_sstn/status/1234076160406900738
ひろゆき, Hiroyuki Nishimuraさん「「換気が悪く、密集する空間、不特定多数の人が接触する場所」の厚労省発表の例: ・スポーツジムや屋形船 ・ビュッフェスタイルの会食 ・雀荘 ・スキーのゲストハウス ・密閉された仮設テント 「満員電車」って絶対言わないけど、罰ゲームでもあるの? ヴォルデモート?」 https://twitter.com/hiroyuki_ni/status/1234114754320510976
なぴなぴさん「薬局でね、 1歳くらいの赤ちゃんを自転車に乗せたママさんがお店の駐輪場で泣きそうになりながら 「もうちょっと頑張ろうね、ごめんね」 って子供に言ってたの。 多分、オムツが無くて自転車で何軒もまわってるんだと思う… 心の底から買い占めやめて欲しい。」 https://twitter.com/na_pipi/status/1233634825887604736
Creativemanさん「【グリーン・デイ 来日公演延期のお知らせ】 3月に予定して来日公演は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し、アーティスト側との協議の結果、公演を延期させていただくこととなりました。 詳しくは下記リンクを御覧ください。」 https://twitter.com/CMP_official/status/1234328613622865921
魚住 英里奈 (独唱)さん「現役の歌手の方がフライヤーを見て 演劇か映画かどこに行けばいいのか��からないとおっしゃっていました。 https://t.co/XXDjgnhrnQ https://twitter.com/erina_chas/status/1235467599154053121
cali≠gari_officialさん「【cali≠gari/deadman「死刑台のエレベーター」公演に関してのお知らせ】 ■3/5最新情報 現在、公演の開催可否を各所と慎重に協議しております。 ご迷惑、ご心配をお掛け致しますが払戻も含め3/9に再度発表させて頂きます。 詳しくは以下URL または添付の画像をご覧下さい https://t.co/lg1Q11Ypnw https://t.co/YReOdHDT6H https://twitter.com/caligari_offici/status/1235490235821277186
杉本善徳さん「細い道の奥の方にあって全体が見渡せないコインパーキングで、「空」マーク出てるから進んで行った結果「軽専用」しか空いてないの困る。「軽」とかの表記を作って欲しい。」 https://twitter.com/ys1126/status/1235499033264676865
Jupiter_Officialさん「Jupiter New Single『Warrior of Liberation』渾身のジャケット公開! ◆ONLINE SHOP限定:豪華盤 40Pフォトブック、DVD(MV + LIVE CLIP + 撮影メイキング)、ステッカー付き 〜3/8(日)23:59まで申し込み! https://t.co/MeWUiVx9YN https://t.co/y97kIiBZjE」 https://twitter.com/Jupiter_jp/status/1235509020242219010
Luna@tteiukoto2018さん「今日、テレビでコメンテーターが「ライブハウスとかは行かない方がいいけど、レストランとかは行ってあげないとどんどん潰れちゃうよ」とコメントしてた。そんなもんライブハウスも潰れるやんけ! #そして主催するミュージシャンはキャンセル料を払わされて破産だね」 https://twitter.com/Luna_tteiukoto/status/1235518324034768896
Hydeさん「ひろった #エアMMXX https://t.co/KNHjZDmKcO」 https://twitter.com/HydeOfficial_/status/1235524218571206656
金子アツシさん「https://t.co/1Q7LzKAPg5 ロフト。あ~、ロフトでやるのね~、って小滝橋のほうに行こうとしてたら「楽屋、どうだったっけか?」とネットで調べていて移転を知ったのであった。あやうく迷子になって昔のようにスッポかすところであった。 事前確認は重要である。(実話)」 https://twitter.com/kaneko_GG/status/1235529515633233920
houchousagi_botさん「秘密の撮影会、楽しいお知らせは近々・・・。 kill you. https://t.co/jQsehqmV7D」 https://twitter.com/houchousagi_bot/status/1235561166576861184
中島卓偉さん「最後に「我が子に捧げるPUNK SONG」シャウトしてます。是非! https://t.co/S1vz3HKMU7」 https://twitter.com/takuinakajima/status/1235581629206159360
takuto_さん「3月18日の発売に先がけロビンさんからdowny 第七作品集『無題』頂きました。細胞を写実したような宇宙を写実したような絵具をめちゃくちゃに撒いたら偶然絵になったような混沌を論理的に解明したような奇跡的な音楽。裕の音も入ってるんですね。聴けて本当に良かった。ありがとう。 https://t.co/xpXE3mhUmP」 https://twitter.com/takuto_/status/1235606553425637376
crazy-shimooon-joe���ん「仕事はよくサボったけど、ライブハウスは真面目に通ってました。 なぜ攻める…誰も悪くない。 #がんばれライブハウス」 https://twitter.com/Shimooon_joe/status/1235693370598547456
NagoyaMusicFarmさん「3月13日(金)に開催を予定しておりました「dpsCD発売ライブ〜名古屋仲間の集い〜」の公演ですが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、主催者側と協議の上、公演を延期前提で中止とさせて頂きます。 只今、振替公演日を調整しております。公演日が確定いたしましたら、改めてお知らせします。」 https://twitter.com/MUSIC_FARM/status/1235549622874943488
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私が中流意識に馴染めない人間と気づいたのは、大学に入ってすぐのことだった。
学校に行けば、どうも皆他人行儀で、親近感も持てないし、行ったら行ったで、何処と無く世間の空気に流されている感じがして嫌になってくる。やがて疎外感だけが強くなる感覚ばかりが残って、ますます学校には行かなくなっていく。
その結果、留年に次ぐ留年で社会には到底受け入れられないとて、風俗店の受付で見栄えもしない男の性欲のため、身を粉にして働いて、あれよあれよと、流転の様。
「〇〇ちゃんは、今ですね、運良くすぐの時間帯で空いてるんですよ。どうですか?サービスもいいって評判なんすよ。」
とても指名客も付きそうにない女の不細工な容姿を誤魔化しているパネル写真を客に見せ、後にパネマジやないけえと言われぬように注意して接客するくだらない生活で得たものは、結局、金しかない。
そのおかげですっかり虚栄心も無くなり、本来の下町気質の性格を徐々にでは取り戻せたから有難い。もともと私にはホワイトカラーのような頭脳労働など向いていないのだ。もともと下町の気性の荒い職人の血を引く癖して、スーツを着込んで仕事をするなんて性に合わないのだ。
学校にしても、大したことも教えてもらえないところにいたとて、何もならず、さらに言えば、デフレで実質賃金が下落する中で、いくら頑張っても得られる報酬には限られていると分かれば、やる気だってなくなる。仮にビジネスで成功したとて、全体のパイが縮少しているためにそれは結局他人の所得を奪っていることになるのだ。
つまり現在は競争が余りに激しく、自身の特性を切磋琢磨する余裕もない。そのため、結局価格ありきで勝負に決着がつく構造に現代社会はなっている。こうしたことが何となく子供の頃からわかっていたが故に、年々私の気力は削がれていった。
高校の最後1年間だけ勉強とやらを頑張ってはみたものの、結局、行き着く先が、大学という、凡庸で退屈で無機質な世界だったのだ。これで何のために頑張ってきたのかさっぱりわからず、ヴォガネットの小説のように、お陰で頭がドッカーンとやられ、危うく精神分裂に陥るところだった。私は酷い無気力になり、何もする気になれず、やたらと街を徘徊を繰り返し、悪いことばかり想像して、ブツブツうわ言を言っては、途中であった女に怪しい病気をもらったりした。
まだこれでもいい方なのだ。本当の精神分裂となると、話は違う。
ゴミ屋敷と化したアパートの一室で、一人��生ゴミに集る蝿たちと会話し、その上、風呂も数日入らず、垢まみれ。家賃、公共料金などの延滞があって、初めて連帯責任者の両親に連絡が行き、この状態が発覚する。こういう経過を辿る一人暮らしの大学生、社会人は、実のところ多い。彼らの末路は、就職も自立もロクにできずに、厄介払いしたい両親に疎まれ、最後、精神病院の隔離病棟で看護師に食事を給仕され、その上、手足の膠着から寝たきりとなり、最後は排泄も自身では行えなくなっていく。
誤解なきように言っておく。両親だけを責めるのが得策ではない、彼らも彼らで精神病院か自立支援スクールなどの機関を利用するしか手立てがないのだ。況してや世間体を気にする中流層に至っては、第三者に助けを求めるのは困難を極める。何故って、自身がこれまで打ち立ててきた経歴、社会的地位などを考えれば、汚点を残すやもしれない精神分裂の子供のことを口外すれば、どのような目で世間から見られるかと怯えても当然だからだ。
分断された社会、具体的にいうと、核家族化した社会では、問題一つとってもその対応はごく限られた家族内でしか為されない。ところが、精神分裂ではそうはいかない。医者以外にも、地域社会、介護福祉、さらには親戚の力も必要になってくることがある。そうはいっても、視野の狭い人間というのは他所の家族のことを秤にかけて自身の境遇に優越感を得たいという衝動は抑えられない。自分だって優越感を得たいところなのに、精神分裂の子供のことを口外したら他人から何と言われるかと怯えてしまう。
それゆえに現代、中流意識のある人々は自身の汚点について、それが第三者の助けを要するものであっても、口外できないし、況してや助けすら求められない。こうして問題を放置していく。
中流意識がデフレという経済が衰退している現状にそぐわない形で長期化したことが、この問題の長期化に寄与したと考えると、本質は見えてくる。しかし、その観点から見ても、この問題には既に有効な処方箋はなく、長期にわたって精神分裂の人たちに公的補助をするより他はないが、しかし、低賃金の単身世帯の負担は大きく、不満も出てくる。
「なんで、あんな中年のう○こ製造機のために、俺たちの税金が使われるんだ?」
といった次第で、最早、社会全体が、無気力、恨み辛み嫉みをますます助長していく。その結果、NHKから国民を守る党、日本維新の会などの、民衆扇動の党が議席を伸ばし、ますます世相を暗くする。
確かに、この精神分裂の子どもの問題には、医者が無秩序に処方する向精神薬の影響もあろうが、そもそもこれだけ精神疾患が増えた背景には、間違いなく、経済をめぐる現在の窮した情勢と、それによって機能不全を起こした親子間の意思疎通がある。
しかし、学校はそれには無頓着。金さえ入ればなんでもいい。たとえ出来の悪い野郎が入ってこようが御構い無し、入学金と年間の学費をしっかり上納してくれればよいのだ。況してや公立学校が小泉構造改革で独立行政法人になってからは、その傾向に拍車がかかり、将来の不安を必要以上に学生に煽っては、オプションでこの講義とやらを受けると就職に有利だとかいって、金をさらに貢ぐように仕向ける。金欲しさに民間から講師を招いて、嘘ばかりの講義をさせて、世間擦れしていない学生を洗脳する。
「国の借金が約1100兆円あって、その返済のために、社会人として納税の義務を果たさなくてはならない」
「年々増えていく社会保障費のために、これからは消費税の増税はやむを得ない」
「イノベーションのためには、組織の改変が必要だ」
しかし、私にはそれらが嘘っぱちであったことが何となくわかっていた。というのもこれらのことを言い続けたこの20年余り世間は良くなっていないからだ。
報道にせよ、講義にせよ、全て絵空事。
このおかげでどれだけ人々は損をしているのだろう、想像するだけでゾッとする。
世間に蔓延る見解のどこにも具体的な数字や表は無く、ただなんと無く漠然としたイメージに基づいているのだ。
書いていくと憂鬱になることばかりで、本当、嫌になってくる。
で、私は何を書こうとしたのか。
話がどんどん脱線していくこの有様、私も精神分裂しているのかもしれないな。
おっとこんなしょうもないことを書いてたらもうこんな時間やん、そろそろ出かけよう。
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Rêverie/05/2017
La vie est un sommeil,l’amour en est le rêve, et vous aurez vécu,si vous avez aimé.
人生は午睡、愛は私の見る夢。 誰かを愛した時、私の人生は輝きを放つ 。
―Alfred Louis Charles de Musset
Rêverie
仏蘭西の庭は、日本のそれとは全く違う。 日本の洗練され削ぎ落とされた庭を、選び抜かれた宝石や瓶を整然と並べた硝子のチェストと例えるとして、仏蘭西の庭はまるで子供が広げた宝箱だった。 水色に紫、琥珀色に淡いピンクの宝石や、黄色みがかった年代物の真珠、くすんだ緑色のドライフラワー、少女のお気に入りが詰まっている。
瑞人と百合子が仏蘭西南東部、二ソワ地方のとある田舎の村のアトリエに住み始めたのは、新芽が萌える春のはじめだった。
屋敷は丘の上にぽつんと建てられて、周囲に他に家は無い。 煉瓦造りの屋敷には二つの煙突が聳え、白く塗られた木の窓枠に、屋敷の入口の扉は濃い緑のアイビーの蔦が覆っていた。
広い庭には、白砂利の小道に曲線を描いたアーチが並び、白くふんわりとした花びらの花が絡まっている。 更に季節が暖かくなると、頭上まで花が咲き乱れることだろう。 木陰では深緑、日向では黄緑色にと姿を変える庭の草花は、無造作に、それでも美しさでもって、庭に折り重なるように生えている。 ふと、足元に目をやれば、砂利の隙間からも小さな草がぴんぴんと生えている。 深い青緑色をした池があり、脇に立つ広葉樹の並木はどれも太い幹に根に、細かな苔がむしている。 紫色をした花が群生しているかと思えば、そこの小道を曲がれば黄色の可憐な花が咲き乱れている。 それが、気まぐれでいて、無垢で、いたずらで、愛おしい。
元は或る音楽家夫婦の別��だったらしいその屋敷は、質素ながらも品の良い家具でまとめられている。 その為二人が移り住んでも、大方そのままの状態だった。 二部屋を瑞人のアトリエにし、寝室に、百合子の私室、 キッチンには薪のオーブン、床には食材を保管する貯蔵室、客用の部屋に、物置。 庭が見渡せる広い居間には暖炉があり、使い古された一台のピアノも残されていた。
料理や掃除、たまの買い物を担う家政婦に、庭師の老人の二人の使用人も前のまま引き続いて、屋敷の手入れを任せている。 瑞人が絵に使う画材は、街の画材屋が月に一度屋敷まで届けてくれた。
葡萄酒や林檎酒、牛乳は顔なじみの行商から買っている。 街へと続く坂道は摩耗した石畳で、百合子は時折自転車に乗ってその坂を下る。 そうして、パンや莢豆、骨付きの羊肉にチーズの塊などを籠に乗せて、坂を登るのだった。
昼になる少し前、十時を過ぎて瑞人は目を覚ました。 薄いレースのカーテンから陽光が差し込み、庭の爽やかな風がひらりと舞う。 寝台に起き上がり、腕をいっぱいに天井に上げて背伸びをすると、ふわと大きな欠伸をした。 百合子は既に階下に降りているらしく、床下から何やら会話のような声が聞こえる。 その音を聞きながら乱れた髪をかき上げて、眠り眼を擦る。 洋服箪笥から麻の白いシャツと綿の焦げ茶のズボンを選び、裸の上に着た。 サスペンダーで釣り上げ、綿の靴下と靴を履く。 日本では考えられなかった土足の生活も、すっかりと慣れてしまっていた。
階段を降りて台所を覗くと百合子と家政婦が豆の莢を剥いていた。 それを見て、くすり忍び笑いをして瑞人は二人に声を掛ける。
「Bonjour, Soleil et le Madame」 「Bonsoir,Lune?」 「Bonsoir?T’es méchant...tu crois? 」 「Qui aime bien châtie bien」
百合子は声に出して笑いながら答えて、前掛けで手を拭った。 そして、瑞人の元に駆け寄るとその頬に軽く接吻をする。
「朝食、召し上がるでしょう?」 「そうだね、庭で食べようかな」 「今日はとっても良い天気なの。 日差しも柔らかくて、日向だとぽかぽかして木陰では少しひんやりして」
百合子はハムにチーズ、ガラス瓶のピクルス、 それに、パンと林檎とナイフなどを布でくるみ、 二つの硝子コップに、冷えた林檎シードルの瓶までまとめてバスケットへと入れる。 一方で瑞人は、陽だまりの庭に白いシーツを広げて、 椅子を運び、イーゼル組み立てて、キャンバスを小脇に絵の具の木箱を手に下げた。
広がったシーツの白に太陽の光が反射して、目を細めるほどまぶしかった。
その上で二人は遅めの朝食をとり、庭を眺めながら他愛のない会話を交わす。 その後はシーツの上に寝転がり、ぼろぼろにくたびれた仏蘭西語の辞書で勉強をしたり、読書をしたりする。 百合子は最近はよく楽譜とにらめっこをして、鉛筆で音階を書き加えた。
「もっと、藤田に習っておけば良かったわ。 まさか、仏蘭西でピアノを弾こうなんて考えもつかなかった」 「随分と上手くなってるよ」
瑞人はいたずらに百合子の黒髪を指に巻き付けながら答えた。 午後もすぎると、家政婦は夕食を作り終えて帰っていく。 そうすると、もうこの屋敷にいるのは瑞人と百合子だけになるのだった。
瑞人はシーツから起き上がり、絵の具の入った木箱を開く。 パレットの上に絵の具を出し、カラカラカラとガラス瓶の水で筆を濡らした。 そして、一雫百合子の額に落とす。 二人はくすくすと笑い、百合子は諦めたように起き上がり、胸元の釦を外し始めた。
すっかり裸になってしまうと、パンやハム、林檎にオレンジに、皿や瓶、バスケットが広がったままのシーツに横たわり頬杖をつく。 肩から乳に掛けての白い肌に、さらさらと黒髪が零れ落ちた。
木漏れ日、陽だまりの午後。 風が優しくそよぎ、咲き乱れる花を揺らす。 時々、休憩を入れて硝子のコップに林檎シードルを注ぐ。 百合子は半身を起こして、裸体のままそれを飲む。 甘みと酸味、そして舌に弾ける泡。 すっかり温くなってしまったのにも構わず、喉を鳴らして飲み干した。
「寒くはない?」 「ちっとも。陽に当たっている腕や腿は温かいぐらい」
瑞人は木漏れ日の当たる百合子の白い腕に唇を寄せてみた。 言葉の通り、ほのかに温かい。 次には腿にも接吻してみたかったが、そうなるとまた歯止めが効かなくなる。 日の陰る夕方まで、二人は庭で過ごした。
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一人の日本人画家Kが、アトリエに訪ねて着たのは半年前、冬の頃だった。 温暖な地中海気候の地方とは言え、アトリエのある村は山間部に位置し、冬の寒さは厳しい。 絶え間なく暖炉に火が焚べられ、外気の温度差に窓ガラスは曇っていた。 その日は雪が降ろうかという寒さで、誰もが家に閉じこもっていた。 屋敷に招かれたKは分厚いコートに手袋の手を擦り合わせながら白い息を吐いた。
「この寒い中、こんな辺鄙な所へ――」 「いいえ、とんでもない。北のジベルニーを思えば、暖かい方です」
瑞人はKを居間へと案内し、紅茶を運んできた百合子を紹介した。
「妹です」 「ああ、これはどうも初めまして」 「百合子と申します、お話は兄から聞いておりますわ」
小さく微笑み、カップに琥珀色の紅茶を注ぐ。 ふわりと瑞々しい香りが立った。 Kはそれに口をつけて、困ったように笑った。
「それは怖いな。どんな話ですか?」 「エドモン=フランソワ・アマン=ジャンが兄の人生を変えたと」
百合子のその言葉を聞いてKは意を得たとばかりに何度も頷いた。 Kは既に何度も欧州に滞在している。 それは画家としでもあり、また日本に西欧の絵画を紹介するための絵画収集家としてでもある。 そんなKが初めて収集した絵画がエドモン=フランソワ・アマン=ジャンの「髪」だった。 「髪」は鏡台を前に髪を梳く明るい髪の女性と、櫛を持つ女性が描かれている。 優美な緞帳の色彩、親密な雰囲気が描写され、女性の化粧風景という秘密の危うさが生々しい。 KがOへ送った手紙にはこう記されている。 ”これは個人としてのお願いにて候はず。 日本の芸術界のために最も有益なる次第にて候へば突然ながら切に懇願申し上げ候” その絵は東京で公開され、日本の画家や美術愛好家に多大な影響を与えた。
「僕は、それを見た時まだ学生でした」 「あれは、私のパトロンのOに是が非でもと頼み込んだものなのです。 君がこうして仏蘭西の画家となっていることを考えれば、その価値はあったのでしょう」 「そうだと良いのですが――」
瑞人は苦笑した。
「実はパトロンのOと私で、いつかは日本で初めての西洋近代美術館を作ろうと話しているのですよ」 「西洋、しかも近代美術館を?」 「ええ、それも東京ではなく、地元の岡山県のK市と云う場所です」 「それは――随分と思い切ったことをなさるのですね」 「Oは十年先が見える、と云うのが口癖でして、それに私も西洋絵画を見られる美術館が必要だと思うのです。 そこで、ぜひヴィコント野宮の絵を、と思って今日は参じた訳です」 「しかし、僕は日本では無名ですよ」 「十年先が見えているのです」
Kはそう云って笑う。 瑞人はそう云うことであればと依頼を受けたのだった。 その後Kはパリに戻り、この3月に帰国した。
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庭を片付けてしまった二人は、屋敷の中へと戻った。 橙色の空に紫の雲が引き伸ばした綿のように広がる。 濃い闇が屋敷を包む前に、玄関と居間の電灯を付けた。
鍋に出来上がったカスレという羊肉と豆そしてトマトを煮込んだものを、温め直しパンと一緒に食べる。 風呂にぬるい湯を沸かして、土と埃と汗を洗い流し、髪を洗った。 大きめの風呂には、薬草や香草が浮き沈みし、庭の池に浸かっているようだ。 大きなバスタオルで互いの水滴を拭う。それは清潔で柔らかく太陽の匂いがした。 乾燥と日焼けで荒れた頬や肩、膝に足の先にとクリームを塗った。 それぞれ、眠くなるまで思い思いに居間で過ごす。 百合子はやはり本を読んだり、楽譜を手にとって歌ったりする。 瑞人は慣れない仏蘭西語で手紙を書いたり、押し花を作ったりした。
「見て、お兄様。 夜のお庭。昼間の庭と全く違うのね」
百合子はどうしてか囁くように云う。 外に降りてみると、真っ暗な庭は月明かりの光りでぼんやりと浮き上がっていた。 しんと音のしない庭は、寂しくもあり荘厳でもあった。 夜空の星の輝く音が今にも聞こえてくるようだ。 ひと仕切り庭を眺めて、電灯を落とし寝室へと登る。 冷たいシーツの中で、素肌で抱き合って眠るのは得も言われぬ心地よさだった。
しとしとと軒先から大きな雨粒が落ちる音。 その日は太陽が陰り、灰色の雲が空いっぱいに広がって霧雨が降っていた。 庭の植物たちは恵みの雨に全身を濡らしている。
瑞人は部屋で絵の仕上げをしている。 夜色の髪で使われる黒は神秘の黒と呼ばれ、光りが当たれば濡れたように艷やかに輝く。 緑や黄色、赤や白の明るい庭の色彩に、頬杖を付いて瞳を閉じる裸婦。 その髪は黒く、肌は真白。 顔は流れ落ちる髪に隠れて、表情は読み取れない。 この絵を見る者は、裸婦がどのような顔をしているのか。 引いては、どんな感情が込められているのかと、不思議に思うだろう。 何を見ているのか、誰を思っているのか。 微笑んでいるのか、悲しんでいるのか、それともここではない遠いどこかを見ているのか。 絵の庭へと入り込み、顔にかかる髪をかき上げてしまいたくなる衝動に駆られるだろう。
百合子は居間でピアノを弾いている音が聞こえる。 仏蘭西の作曲家、クロード・ドビュッシーの「夢幻」だった。 印象主義音楽と呼ばれる作曲家だ。
その、不思議な音色に導かれて、瑞人は筆を置く。 そして瞳を閉じて、数度深呼吸を繰り返す。 油画のつんとした匂い。 どこか悲しげなその曲は、目の前の絵と似ていた。
足音を忍ばせて、階下へと降りる。 百合子は気づかずに、譜を捲り、ピアノを引き続ける。 そして、冒頭の戦慄がやや明るい音階で繰り返され、曲は終わる。 余韻の残る居間に霧雨の降る音だけが響く。
「Brava!」
瑞人はそう云って拍手をする。 すると百合子はくすくすと笑って、社交界風のお辞儀をした。 彼女の手をとって指を掬い、その白い繊細な指先に唇を落とす。
「お前は器用だね。右手も左手も違う動きをしているのに混乱しないの?」 「混乱するわ。でもね、一つずつ音が噛み合っていって、ハーモニーになるととても嬉しいものなのよ」
それは、別の色だった一つ一つの点が花になり庭になり雲になるのと似ている。 ふと自分の指が黒く汚れていることに気がつく。
「ああ、ごめんね。絵の具を落とすのを忘れていた」 「いいえ、大丈夫。お兄様のお部屋に見に行っても良い?」 「うん、いいよ」
キッチンのボウルに水を張って、手をつける。 透明な水に、墨を落としたように黒が広がり水を濁した。
生乾きの絵は強く油画の香りを放っている。 瑞人は絵に見惚れる妹を後ろからそっと抱きしめて、耳元で囁いた。
「お前は彼女が何を見ていると思う?」 「Oui...Elle est en train de rêver」 「Toi aussi? -Rêverie」 「夢幻?」 「そう、僕はね、今でもあの頃の夢を見るんだよ。 あの頃は、絵を描くこともお前も人生を生きることも諦めていたんだから」
背中にかかる黒髪を掻き分けて、釦を一つ一つ外す。 すとんと落ちて足元で丸まるワンピース・ドレス。 小さな顎を摘んで接吻を繰り返す。 すぐにでも、百合子の下肢の紅い花に口付けをしたくなった。 まるで情交の快楽のような口吸いを、下肢の花に落とせば腰は柔らかく萎え、忽ちに蕩けてしまう。 下着を下げ足幅を広げさせ、膝立ちになって百合子の花を吸う。 蜜は溢れ腿に伝い、百合子の甘い香りが強くなった。
「あ、あ、お兄様――」 「ふふ、仕様のない子。こんなに膝が震えて」
くちゅぐちゅという口吸いの水音が百合子の股の間から絶え間なく続く。 少し唇を離せば、花びらも呼吸をするように開閉した。
絵を完成させた日の夜はいつも、瑞人の中の情念が燃え上がるようだった。 瑞人は椅子に腰を掛けて膝の上に百合子を座らせた。 そして、深く口付けたり、乳の柔い所を吸ったり、曲線を指でなぞったりして愛撫する。 その婉曲な愛撫に百合子の身体は火照り、切なさに子猫のような声で鳴き、瑞人の頭を抱きかかえる。 夕暮れまで焦らし、瑞人のズボンは百合子の愛液と先走りで濡れそぼっている。 お互いに小さく達してはいるが、下腹部はじんじんと疼き、全身が酒に酔ったように陶然としていた。 片手は百合子の腰をさすりながら、もう片方の手でズボンの前釦を外していく。 赤黒く勃起したそれは薄暗い部屋の中で分かるほど濡れている。 ごくりと生々しい唾を飲む音が耳に反響する。
「ふぁ、あ、お兄様、お兄様――もう、もう」 「いいよ、挿れて」 「ああっ、あっ、あっ、あ、――ッ」
飲み込む度に百合子の喉から悲鳴が上がる。 まるで、湯の中で溶け合う墨の黒。 乱暴にかき混ぜて濁らせてしまいたい衝動を抑えて、余韻に吐息をつく。 異国の熱がそうさせるのか、二人はより情熱的に交わるようになった。
暗闇が支配するアトリエ部屋で、シーツを被って身を寄せ合う。 それは青臭い草の匂いと太陽の香りがした。 瑞人は百合子への情念を絵に落とした。 云わば、瑞人の肉の一部、百合子の影でもある。 それを結局は手放さなくてはならないことは分かっている。 その身を切る辛さに、絵の完成した夜こそ百合子を抱きたがった。
百合子がピアノ曲を口ずさみながら、白い指を膝の上でととんと叩く。 その夢をたゆたうまどろみの旋律を聞きながら、キャンバスを陶然と見つめる。
誰にも真似の出来ない漆黒。 絵の中の裸婦の黒髪は、暗闇の中では僅かな星明りを集めて白銀に輝いていた。
仕上がった絵をKへ送る。 その数か月後、手紙が届きパトロンのOからKが亡くなったことを知らされた。 その翌年には岡山県K市に日本で初めての西洋近代美術館「O美術館」が開館され話題を呼んだ。 画家であり収集家でもあったKが渡欧によって買い付けた、エル・グレコ、モネ、セザンヌを始めとした名画が並ぶ。
東洋館、日本画家の一角にヴィコント野宮の「Rêverie」は、現在も飾られている。 ヴィコント野宮の代名詞「夜色の髪」と呼ばれた幻の黒。 それが絵具と墨とを混ぜた色であったことが、後年の修復作業中の科学調査で明らかとなった。 仏蘭西に渡り、アトリエで描いた初期の作品である。 他の作品と比べ、まるで夢の様に庭の色彩が豊かなのが特徴だ。
明るい陽射しに白いシーツ、咲き乱れる花、緑の木々。 甘い秘密、木陰の匂い、拙いピアノの音色。 陽だまり、にわか雨、星明りの庭。 あの日の午後。 頬杖を付いて横たわる白い肌に黒髪の少女。 覚めない夢を微睡み、百年の永遠を生き続ける。
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