#許容���力度計算による耐震等級3
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shioriya-archi · 1 year ago
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完成見学会のご案内
これまでの経験の中で一番キツい工程でしたが、やっとのことで完成見学会にこぎつけることが出来ました‼️ お世話になった職人の皆様には本当に感謝感謝です‼️!!
それでは、ご案内です。 開催日:令和6年3月15(金)・16(土)・17(日)・ 23(土)・24(日) 時 間:10時~16時 完全予約制 開催場所:金ヶ崎町 見学申込方法:弊社HPのお問いわせ または 下記電話より        ★tel. 0198-41-5615        ★mobile. 090-3755-0155   (申込受付後に詳しい場所をお知らせさせていただきます)
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⭐︎『ベースボールハウス』のご紹介 野球が大好きなファミリーが伸び伸び暮らせる家が出来ました。 緑の山々に映える切妻屋根の板貼りの家は、どこか野球(ホームベース)を連想するような外観です。 外装の板材は岩手県産材の杉、内装に使われている床と階段材は岩手県産材の赤松、天井の羽目板は杉と何処にいても木の香りとぬくもりを感じられるお家となりました✨ LDKにはお子さまの背比べを刻んでいく桧の柱が立っています。木の経年変化と共にお子様の成長を暖かく見守ってくれるお家です☺️ 野球少年のお子さまとお父さんが広い庭でキャッチボールをする姿が今から楽しみです‼️😊
UA値0.22W/㎡K Q1.0住宅Level-3 許容応力度計算による耐震等級3 BELS⭐︎5評価取得
#栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #しおりや  @tettsu1972 #岩手県産材 #いわて木づかい住宅普及促進事業 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #95%が岩手県産材 #板張り外装 #杉板張り #岩手県産赤松フロアー #新住協 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事  #木の住処 #家づくりは住まいづくり #衣食住を丁寧に #心地よい家 #暖かい家 #エコな暮らし #本と栞と綴り #田舎暮らし  #自然素材の家づくり #オガファーザースモール #細部に心を込める大事さ #想いは細部に宿る #中村好文好き  #伊礼智好き
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roomzblog · 6 years ago
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「空と庭の家」完成見学会にご来場いただきありがとうございました
8/31(土)9/1(日)に開催しました「空と庭の家」完成見学会に多くのお客様よりご来場いただき、ありがとうございました。
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ご来場のお客様には、中庭と裏庭の両方を大開口で愉しむことのできる家、2階にあるテラスの開放感を感じていただけたと思います。また、その開放感の安全性を裏付ける、許容応力度計算による耐震等級3の取得。
長期優良住宅認定による、資産価値のある家。 全館空調システムによる、温度差の少ない空間。 多くの要素をご覧いただけたと思います。
今回の見学会では 土地を契約されて家づくりが前進されるお客様。 これから融資の申し込みをなさるお客様。 ご出産なさったお客様。 初めて弊社の建物をご覧になったお客様。 久しぶりに参加いただいたお客様。 新婚のお客様。 今回も様々なお客様との出会いがあり、楽しくお話しをさせていただきあっと言う間の2日間でした。
ありがとうございました。
無事に終えましたことを、お施主様、ご来場の皆様に感謝申し上げます。
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lohastahome · 2 years ago
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明日はいよいよ構造見学会を開催します。まだ予約に空きがございますので、興味がある方はぜひHPよりご予約ください🙌 最新施行事例はホーム画面のURLから @lohastahome #新築注文住宅 #新築住宅 #ロハスタ #ロハスタホーム #lohastahome #lohasta #lohasstudio #モデルハウス #gooddesign #グッドデザイン賞 #デザイン住宅 #マイホーム #一戸建て #設計士とつくる家 #住宅設計 #部屋作り #耐震等級3 #許容応用力度計算 #ホウ酸防蟻処理 #em漆喰 #em珪藻土 #emセルロースファイバー #外付けブラインド #passivblind #ダクトレス熱交換換気 #家づくりアイデア #構造見学会 #構造見学会やります #二世代住宅 #nealyzeh https://www.instagram.com/p/Cp7CaG_S056/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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estatopics · 3 years ago
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耐力壁で大臣認定、年間3億円の建設費削減見込む 一建設
飯田グループの一建設は、構造用パーティクルボードを用いた耐力壁で「壁倍率5」の大臣認定を7月26日付けで取得した。 同社は19年度から特に構造や外皮おける仕様の向上を進め、22年3月15日以降の確認申請分から、住宅性能評価の5分野8項目での全棟最高等級取得を標準化した。一方で、構造用面材の使用量の大幅な増加、資材や人件費の高騰といった現在の市場動向を踏まえ、耐力壁の高耐力化によって、使用面材量を削減する構造計画の見直しを検討してきた。 今回の大臣認定取得によって、倍率4.3の軸組仕様とほぼ変わらない施工手間で倍率5.0を運用することが可能となったほか、許容応力度計算(構造計算)で用いることができる耐力壁の実性能値(短期許容せん断耐力)は大壁直張り仕様で5.5倍相当、大壁片側受け材仕様で5.7倍相当に上り、木造2階建ての耐震・耐風性能が向上する。 また、構造計算が必要な木造3階建てでは、更なるコスト削減効果を見込むとともに、設計上では年間約3億円の建設費削減を試算している。 今後は、同様の接合方法でJIS構造用MDF仕様の耐力壁についても認定申請を勧めるほか、床勝ち仕様などのバリエーションを拡充するとともに、建設現場の施工合理化と品質の安定を目的に耐力壁の工場生産化(パネル化)を検討する方針だ。
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salamander-art-works · 3 years ago
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個人ブログなんですが、一応、関連事業一覧を掲載しておきます。
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yukue3-blog · 8 years ago
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検品作業(マティーニとギブソン)
こんばんわは。
今日は検品作業と銘打って、自分の書いたものに対して、ちょっとした批評をやってみます。
もちろん、どんな作品であれ、作り手の手から放たれたものをどう解釈し、どういった感想を持つかというのは完全に読み手の権利です。 第三者の感想や解釈なんか知らんわ、という方も多いはず。 僕もそうでした。
ただ、批評によって、よりその物語が好きになることもある。 それは例えば、美術館での音声ガイドのような役割でしょうか? その絵の作られた意味だったり、時代背景、作者のおかれていた状況などは、作品を知るに当たってとても大切な要素だと思います。 そして作者が何気なく使っている言葉や色、そのひとつひとつに意味があった時、僕は感動するとともに、自分の教養の無さを悔やみます。
一方で、良いものは無条件に良い。 そこにどんな理由も必要ない、むしろ余計な知識は感動の鮮度を落としてしまいかねない。 録画して楽しみにしてたサッカーの試合結果だって、意図せず画面に出てしまうような現代、情報が行き交う中、余計なものを排除して自分の感性をひたすら信じるスタイルは素敵ですし、僕も好きです。頭でなく心で惹かれるというのは、とてもプラトニックで尊いことかもしれません。
前者はこの先のページへ、後者はもう一度自分の中へ。 どちらのスタイルも素晴らしい。 いずれにせよ、僕には失うものが全くないので、手前味噌なところもありますが、まぁ適当に楽しんでやります。
それでは。
1.構図
物語は全部で7つの小さな章に分かれています。
1章:現在行われている作家へのインタビュー 2章:作家と美瑛が出会ったパーティー会場の描写 3章:新宿での美瑛との再会、そこで抱いた小さな違和感 4章:作品への拘りについて作家の独り言 5章:美瑛から秘密を打ち明けられる 6章:美瑛の生い立ちについて告白 7章:ふたりのその後から現在へ
2.時代設定
時代は特に指定されていませんが、いくつか時代を示唆する言葉が出てきます。
_ 未来という純白なキャンパスを前に、彼女の目は淀みなく、静かな野心で燃えていました。_ _ものを書くこと以外ろくに頭にない私はその姿を見て感心しました。_ _その頃は、まだ若い女性が多くの夢を語れる時代ではなかったのです。_
1970年ごろから1985年に「男女雇用機会均等法」が制定されるまでにかけて雇用における男女差別はゆるく回復していったようです。おそらく二人が出会ったのもそのくらいの時代でしょう。 出会った時、大学生だった美瑛は22歳、駆け出しの作家は20代で、おそらく美瑛より少し歳上だと思われます。
_ そして、彼女もたくさんのことを話してくれました。_ _自分は二十二歳で都内の大学に通う女学生だということ。_ _品川のホテルでは給仕係のアルバイトをしていること。_
_ 美瑛と出会ったのは出版業界の関係者が集まるとあるパーティーの場でした。その頃、私はまだ二十代で、ようやく自分の書いたものが文芸誌の片隅に載り始めた頃でした。_
3.マジョリティとマイノリティ
作家は現在でこそ、書く喜びや物語を生み出すに当たっての自分との向き合い方について整理をつけているようですが、過去のシーンには度々、作品づくりに苦悩する作家の描写が見られます。
_ 当時、無名の作家でお金も地位もない私でしたが、若さ故、野心と反骨心だけは旺盛に持っていました。そこにいる文士たちの本もひと通り読んではいましたが、彼らの書く浮世の世界の薄く張り巡らされた膜のようなセンチメンタリズムにはどうにも浸れませんでした。_ _彼らはたしかに素晴らしい美文を書きます。_ _でも、そこには人の温度がない。_ _彼らの書くものはすっと胸に入って来て、次へ、次へと頁を捲らせます。_ _でも、それは培養された感情で、胸に刺さる楔のような余韻を残すことはありませんでした。_ _私は日頃から、“私の方がずっと本当のことが書ける”と、胸の内でひどく対抗心を燃やしていたのです。_
パーティーでは文士に囲まれ、胸の内では対抗心を燃やしているものの、実世界ではその雰囲気と高級な酒に飲まれ、作家は酩酊してしまいます。
_年が明け、春が終わる頃、示し合わせたかのようにいくつかの連載の話が舞い込んできました。
私は胸にいつまでも残る余韻のような感情をなんとか作品にできないかと、文章を書いては推敲し、自分の表現を模索していました。_ _ 当時、私の書くものへの評価は大きく二分されていました。
自由な文体に漂う叙情的な感情の流れを新しいものだと評価してくれる人たちと、非構成的で散漫な文章からは何も見出せないと厳しく批評する人たち。
簡単に説明するとそのような感じです。
そして、文壇で力を握っていたのは圧倒的に後者の人たちでした。
彼らは私の文章をどうにかして自分たちの作った既存の枠に押し込もうとします。
彼らの手にかかると、言葉はひとつひとつ分解され、検品され、気がつくと皮を剥かれた玉ねぎのようにすっからかんにされてしまいました。
それはある範囲では正しさであったのかもしれませんが、私のような若者にとっては吐き気がするくらい悍ましく、不自由なものでした。
そのため、この世界での私への評価はあまり良いものではありませんでした。_
自分の書く文章についての不安とそれを評価する人たちへの不満、息苦しさを漏らしています。
_ そして、気付かないうちに時代は変わっていきました。_ _忙しない日々が続き、私はいつしか文壇のメインストリームと言われるようになっていました。_ _かつてあれほど私のことを批判した者たちも手のひらを返したように私の時代を迎合し、ある時期には、私の文章を模倣したような作品がいくつも生まれました。_ _中には著名な賞を獲ったり、世間の話題を攫う作品もありましたが、そういったもののほとんどが、私には感情の濃度を薄めただけの肉も骨もないようなものに思えました。私はそういった作品を忌み嫌い、自分の次元はもっと高いのだと証明するかのように作品を書き続けました。_ _そしていつしか、貪るようにストーリーを作り、とってつけたような悲しみを添えた、ハリボテのような作品が増えていったのです。_ _私は、もう書くことなどなくなってしまったのだと胸の内では途方に暮れていました。_
自分の文章で栄光を掴みながらも、そのスタイルが踏襲され一般化していくことに憤りを感じる作家。そこから抜け出そうとする一方で、もがけばもがく程自分の作ったスタイルに溺れていく姿が描かれています。
物語全体に、メインストリーム(文壇)とそれに抗うマイノリティ(小さな作家)という対立構図ができています。 特定の要素や時代背景が出てくるわけではありませんが、 例えば、ルネサンス期であったり、ビートニクのように、芸術が型にはめられたり、一部の人の手によって価値観が固定されていると、そういったものに息苦しさを感じ、抗う人たちが現れます。 世間に評価され認められているものが本物なのか、自分が心の深いところで感じているものが本物なのか、という葛藤はものを作る人なら誰でも抱いたことがあるのでは?
4.美瑛はなぜ作家に心を開いたのか?
パーティーで酩酊している作家を助けたところから、美瑛と作家の物語は始まります。 美瑛は文士たちの世界に旧態依然とした日本の息苦しさを、そして居心地の悪さにそこで酔い潰れる作家に自分を重ねたのかもしれません。 また、作家も美瑛に不思議な魅力を感じています。
_彼女はモデルのような煌びやかな容姿をしているわけではないのですが、どこか他人とは違う、一度見たら忘れない、人を惹きつける不思議な雰囲気を纏っていたのです。_ _それは、とても静かで、どこか神秘的で、勢いのままに触れたら壊れてしまいそうな繊細なものでした。_
いくつもの言葉を話せるのに、いつも一人でお酒を飲んでいる美瑛。 彼女はお酒を飲みながら、自分と同じ匂いのする誰かをずっと探していたのかもしれません。 そこに偶然現れたのが作家でした。 そんな美瑛に対して、作家は小さな違和感を抱きます。
_小さな違和感。
それは決してネガティブなものではなく、かといって良いものでもなく、どちらかというと何かを正しく捉えそこねているような悪い予感でした。_ _ うまく言葉にできないのですが、彼女からは他の若い女性(或いは男性も)が持つ、ある一つの世代に共通する匂いや手触りが一切感じられなかったのです。
それは偏に容姿が良いとか悪いとか、性格が活発であるとか控えめであるといったことではなく、なんといいますか、例えば、彼女が他の誰かと過ごしている姿が(それは、友人だったり、恋人だったり…)全く想像できなかったのです。
彼女が友人とランチをしている姿、母親と電話をしている姿、恋人と手を繋いで歩く姿、下着を脱ぎ、ベッドで抱き合う姿…
そのどれもに手触りがなく、掴もうとすると、するりと指の間を抜けていくようでした。_ _ ただ、正直なところ私もそれをうまく計れずにいたのです。
私も人生経験の未熟な若者でしたし、なにせ出会って間もない女性のことです。
多少の神秘性はあってもおかしくはない。
むしろそれが彼女の魅力なのかもしれなかった。_ _いずれにせよ、私にとってそれは初めての感覚でした。_
話が合い、とてもシンパシーを感じるのに自分とは決定的に違うものがある美瑛。 この時点で作家は違和感の正体に気付いていませんが、それはつまり国籍です。 先ほどの「世間に評価され認められているものが本物なのか、自分が感じているものが本物なのか」という問いとともに物語で問われているのが、国籍や肩書きなど外面的なものは価値を判断する基準になり得るか?ということです。 作家は、彼女が語った夢や、話している時の目を信じ、違和感について「むしろそれが彼女の魅力なのかもしれなかった」と言っています。 これは文体やストーリーのような表の要素より、感情を信じて書くという作家の作品への向き合い方にも通じているのでしょう。
_文体やストーリーは、その隠れ蓑でしかありません。自由に配色され、時に焦点をぼかしながら、然るべき場所へと進んでいきます。それは装飾であり、ひとつの個性であり、意思の有無に関わらず、花が咲き、やがて枯れていってしまうものです。_ _しかし、感情は違います。_ _感情は、物語の通奏低音としていつまでも流れ続けます。_ _それは個性というよりも血であり、生臭い匂いであり、拭うことのできないものなのです。_ _作家はそれを捕まえなくてはいけない。_
5.作家が掴んだものと掴めなかったもの
思い描くスタイルと世間からの評価の間で揺れ、なかなか納得のいく作品が書けないでいた作家。 彼は美瑛の告白を受けて、ようやく本物の感情の尻尾を掴みます。
_悲しみを飲み込むように消えていくその背中。
それはどんな言葉や物語よりも本当のものでした。_ _ 私たちと彼女を隔てて、明滅する青信号。
そこに散らばったいくつかの風景。
水の入ったグラス、赤提灯、絵に描いたような笑み、知らない国の香り、夢を語る姿、小さな違和感、文壇、電話の声、ネオン、ステップ、溢れる涙、消えていく背中…
それらはどれも失くしたことすら忘れてしまうようなとりとめのないものでした。
でもそれは確かにそこにあったんです。
そして、今ここでひとつの物語が終わろうとしている。
終わる。
終わらせてしまう…_ _ 気がつくと、私は急いで交差点を渡り、彼女のもとへ駆け寄って、その手を掴んでいました。
春の夜の東京の空気より少しだけ冷たい手のひら。
それが初めて触れた、彼女の確かな温度でした。_
息苦しい日本で必死に生きる美瑛の物語は、コントロールされた悲劇ではなく、現実の悲しい喜劇であり、作家が作品を通して伝えたい本物の感情を纏っていたのです。
一方で作家には決定的に欠落しているものがありました。 それは自身の挫折の経験です。 具体的に語られてはいませんが、若い日の彼はあまりにも純粋で無力です。 自分に特別な才能があると信じ、文壇にも反骨心を燃やすものの、美瑛の告白を聞いても何もできない、気の利いた言葉の一つも言えない、彼は自分の無力さに打ちひしがれます。
_ 彼女は目を閉じ、何かを確かめるように空を見て、ゆっくりと煙草を吸い、またひとつ煙を吐き出しました。_ _そして、無理矢理ににっこりと笑いました。_ _それはとても、とても悲しい笑顔でした。_ _たまらなくなって、私はその煙草を取り上げ、火を消すと、そのまま彼女を抱き寄せ、そっと口づけをしました。_ _私にできることはそれくらいしかなかったのです。_ _震える彼女の髪の向こう、次第に色をつけていく東京の朝を厨芥車が駆けて行くのが見えました。_ _涙の生温い舌ざわりと彼女の煙草の残り香が、いつまでも、いつまでも口元に残っていました。_
作り手が本物の感情を扱うにはそれに耐えうる器の大きさが必要です。 喜びを描くにはより大きな喜びを、悲しみを描くにはより深い悲しみを、胸に捉えていないと感情を表現することはできません。 作家は、初めて触れた本物の感情の大きさに飲み込まれてしまったのです。 美瑛の告白は、作家にとっての大きな挫折となり、彼の前に立ち塞がります。
_ 彼女の物語の残した余韻は、作家である私を試すかのようにずっと宙を漂っていました。_ _ ですが、その後、彼女と会うことはありませんでした。
私は何度か中野のアパートへ行こうと思いましたが、その度に何か理由をつけては足を遠ざけました。
安易な言葉や簡単な優しさを与えるのが怖かったのです。
或いは私には彼女の悲しみを背負っていく覚悟がなかったのかもしれません。
彼女からも電話はありませんでした。_
その後、作家は自らの信念から逃げるように、自分のコントロールしたもの(それは本物の感情ではない)を書き続け、外面的な価値で評価される世界に身を委ねます。 そこで彼は称賛を受け、自身の余韻に浸りますが、一方、胸の内では自分の作品に疑問を持ち、途方に暮れてしまいます。
_ そして、気付かないうちに時代は変わっていきました。_ _忙しない日々が続き、私はいつしか文壇のメインストリームと言われるようになっていました。_ _かつてあれほど私のことを批判した者たちも手のひらを返したように私の時代を迎合し、ある時期には、私の文章を模倣したような作品がいくつも生まれました。_ _中には著名な賞を獲ったり、世間の話題を攫う作品もありましたが、そういったもののほとんどが、私には感情の濃度を薄めただけの肉も骨もないようなものに思えました。私はそういった作品を忌み嫌い、自分の次元はもっと高いのだと証明するかのように作品を書き続けました。_ _そしていつしか、貪るようにストーリーを作り、とってつけたような悲しみを添えた、ハリボテのような作品が増えていったのです。_ _私は、もう書くことなどなくなってしまったのだと胸の内では途方に暮れていました。_
そんな彼のもとに届いたのが美瑛の手紙でした。
6.作家と美瑛
作家にとって美瑛は初めて触れた本当の物語であり、自分の描きたい文章の欠片であり、また一方で、弱くて脆い、彷徨う彼の文章の生き写しのような存在でした。
では、美瑛にとっての作家とはどのような存在だったのでしょう? 美瑛が恐れていたことは外面的な評価、つまり国籍で自分を判断されることでした。 新宿の酒場で打ち解けた作家に対して、美瑛はこのことを打ち明けようとします。 しかし、彼女はこの関係があっけなく終わってしまうこと、現実に失望することを恐れてここでは告白しませんでした。 そのせいか、秘密を打ち明けられずにいる彼女にはまだ本物の感情が感じられないため、その笑顔はいつもとってつけたように素敵だと描写されています。
_ 本が好きで怜悧な彼女との話を尽きることなく、あっという間に夜は更けていきました。_ _そして、日付が変わる前にようやく私たちは新宿駅で別れました。_ _別れ際、改札前で何かを言おうとして逡巡する彼女に、私は「また会えるかな?」と尋ねました。_ _彼女は言葉を飲み込んだ後、笑顔で「あなたが良ければ」と言いました。_ _その笑顔はとても愛らしく、私の心を暖めました。_
そんな美瑛もいよいよ秘密を打ち明けます。 無国籍な新宿の喧騒やビル街が終わり、人の生活の匂いが始まる山手通りで彼女は作家に自身の国籍を告げます。 それを聞いた作家は、ここで大きな選択を迫られるのです。 美瑛に対して、外面的な評価を下すのか?内面的な評価、つまり彼女への感情を選ぶのか? 外面的な要素と内面的な要素、それ俺を含んだ光景がチカチカ��明滅する中で、作家は感情を取り、美瑛との物語はさらに進んでいきます。 帰るべき場所のない彼女にとって、これは大きなきっかけになったのではないでしょうか? 東京にも外面的な評価をしない人間がいること、どんな場所でも彼女が彼女らしく生きていける可能性。これは、故郷をなくし、どこに行っても窮屈に過ごしてきた彼女に大きな希望を与えます。
美瑛にとって作家は、その希望の欠片だったのです。
_ 私たちと彼女を隔てて、明滅する青信号。
そこに散らばったいくつかの風景。
水の入ったグラス、赤提灯、絵に描いたような笑み、知らない国の香り、夢を語る姿、小さな違和感、文壇、電話の声、ネオン、ステップ、溢れる涙、消えていく背中…
それらはどれも失くしたことすら忘れてしまうようなとりとめのないものでした。
でもそれは確かにそこにあったんです。
そして、今ここでひとつの物語が終わろうとしている。
終わる。
終わらせてしまう…_ _ 気がつくと、私は急いで交差点を渡り、彼女のもとへ駆け寄って、その手を掴んでいました。
春の夜の東京の空気より少しだけ冷たい手のひら。
それが初めて触れた、彼女の確かな温度でした。_
一方、作家にとっての誤算は美瑛の本物の感情の強さでした。 手を取り、彼女を抱きしめ、そこでハッピーエンドではなかったのです。 彼女は翌朝さらに強い感情を告白します。
7.美瑛の手紙が与えたもの
外面的な価値で評価される世界に籍を置き、消費されるだけの作品を生み出していた作家の心は、次第に美瑛の物語から離れていました。そのことは深い後悔となって作家の胸に留まり続けていたのです。
そんな時に届いたのが美瑛の手紙でした。 この手紙によって作家は救われ、感情を書くことへの情熱を取り戻します。
_ その時です、なぜか頬を濡らすものがありました。
それはとどまる事を知らず、いつしかその文字を滲ませていました。
そして気が付くと私は声を出して泣いていました。
私は、私の中のどこかでずっと彼女が生きていたことを思い出したのです。
彼女があの日からどうやって生きて、どれだけ涙を堪え、無理矢理に笑ってきたのか。
異邦の地で踊りながら、どれだけ煙草を吸って、眠れない夜を越えてきたのか。
私は偉そうに筆をとっていながら、そんな大切なことも考えることができなかった。
(中略)_ _
 それは皆、私を作り上げる大切な欠片でした。
しかし、そうやって胸の奥からすくい上げて、決して離さないようにしようと決めた想いも、忙しなくすぎる日常という波に攫われ、いつしか沈んでしまっていたのです。
それでも時折姿を見せるそれを、なんとか形にしようと私は筆を取りました。
でも、それはいつだって少し違う形をしていた。
そして無理矢理に捻じ曲げコントロールしようとすればするほど、あっけなく手から離れていき、後味の悪い喪失感だけが残りました。そして、いつしか自尊心に駆られ、自分自身の余韻に酔いながら書いていた私は、かつて憎んでいたものになってしまっていた。
私は自分の傲慢さ心の弱さを恥じました。
そして気付いたのです。
私には書きたい感情がまだたくさんあると。
それは決して特別なものではない。
華美に装飾されたものでも、ドラマティックなものでもない。
吹いたら消えてしまいそうな小さな記憶の断片たち。
その断片たちが薪となって、私の作品に灯をともしてくれます。
私は特別でない私のことをもっと考えたい。
もう戻れない場所もたくさんあるかもしれない、でも今だから行ける場所もきっとたくさんあると思います。
私は今書くことがとても楽しいんです。_
何よりもまず作家を救ったのは、美瑛が幸せになったということでした。 美瑛は美瑛のままで小さな幸せを掴みました。 救えなかった本物の感情が、外面的な評価をされない世界でしっかりと生きていたことに彼は救われたのです。
また、美瑛が帰る場所を見つけたことも大きな救いでした。 当時、何よりも美瑛の心を締め付けていたのは「帰る場所がないこと」でした。 このことは自分が何者であるのか、どこで何者として生きていくのか?という彼女の生き方の軸を揺さぶり続けていました。拠り所のない彼女は自分をうまく定義できずにいたのです。 その一方で、彼女の胸の奥に深く根を張る、故郷を裏切ったことへの罪悪感とそんな中での母の死。これが彼女が帰る場所を求めることへの大きなトラウマになります。 つまり、美瑛自身が誰よりも自分の「帰る場所」を作ることを恐れていたのです。父のもとへ行くこともできた、中国や韓国に行くこともできた。しかし、彼女は東京に来て、自分を不幸にすることを免罪符に生きていきます。 そんな彼女が自分を許し、幸せになってもよい、帰る場所を作ってもよいと思うきっかけになったのが、作家との時間でした。 誰よりも「帰る場所」を作ることを恐れていた彼女は、誰よりも「帰る場所」を欲していたのです。
美瑛と帰る場所の関係はそのまま、作家と感情の物語に置き換えることができます。 外面的な評価をされない強い感情を書いていこうとする作家。しかし、そこに立ちはだかるのは美瑛の強い物語でした。誰よりも強い感情を描きたい作家は、誰よりもそれと向き合うことを恐れたのです。そして、そんな自分を憎み、描くことを恐れ、作家は納得のいかない物語を量産し、それを免罪符に生きていきます。
そんな中、届いた手紙。 彷徨っていた作家にとって、これは大きなきっかけになったのではないでしょうか? 作家にとっても美瑛は、希望の欠片だったのです。
手紙によってもたらされた本物の感情の断片たち。 作家はそれをコントロールするのではなく、呆れるほど考えることで受け入れ、一体化することによって扱うというスタイルを見つけます。 作家はインタビューで、「夜」は過ぎ去った過去、「朝」は訪れる未来、「昼」は現実だと語っています。
作家と美瑛、それぞれに訪れた夜明けは、ふたりに福音をもたらしたのでしょうか?
_気がつくとグラスは空になっていた。
作家はグラスに残されたオリーブを口にし、その余韻に暫し目を閉じると、バーテンダーにそっと告げた。_ _「次はギブソンを貰おうか、思い切りドライなやつを」_ _ カタカタとシェーカーの揺れる東京の街は、ゆっくりと夜が明けていく時間だった。_
_ 明け方、目を覚ますと隣に彼女はいませんでした。_ _少しだけカーテンが開いていて、そこから夜明け前の薄く伸ばした光が入り込んでいます。_ _アパートの二階、彼女の残り香がするクリーム色のタオルケット。薄明かりに晒された部屋は六畳くらいの大きさで、壁がところどころ剥がれていて、彼女の持つ雰囲気とはかけ離れた質素なものでした。_ _(中略)_ _震える彼女の髪の向こう、次第に色をつけていく東京の朝を厨芥車が駆けて行くのが見えました。_ _涙の生温い舌ざわりと彼女の煙草の残り香が、いつまでも、いつまでも口元に残っていました。_
8.単語集
【マティーニ】 ジンベースの著名なカクテル。通称カクテルの王様。 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より抜粋
【ギブソン】 ジンベースのカクテル。マティーニとほぼ同じレシピだが、マティーニがオリーブを添えるのに対して、ギブソンはカクテルオニオンを用いる。また、マティーニは通常ステアであるのに対して、こちらは通常シェイクである。
【カート・ヴォネガット】 アメリカの小説家、エッセイスト、劇作家。人類に対する絶望と皮肉と愛情を、シニカルかつユーモラスな筆致で描き人気を博した。現代アメリカ文学を代表する作家の一人とみなされている。 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より抜粋
【ハムレット】 シェイクスピア作の悲劇。5幕から成り、1600年から1602年頃に書かれたと推定される。4000行を超え、シェイクスピアの戯曲の中で最も長い。 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より抜粋
【ユリシーズ】 アイルランドの作家ジェイムズ・ジョイスの小説。20世紀前半のモダニズム文学におけるもっとも重要な作品の一つであり、プルーストの『失われた時を求めて』とともに20世紀を代表する小説とみなされている。意識の流れの技法、入念な作品構成、夥しい数の駄洒落・パロディ・引用などを含む実験的な文章、豊富な人物造形と幅広いユーモアなどによって、『ユリシーズ』はエズラ・パウンド、T・S・エリオットといったモダニストたちから大きな賞賛を受ける一方、初期の猥褻裁判をはじめとする数多くの反発と詮索とをも呼び起こした。 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より抜粋
【自治州】 中華人民共和国の行政単位のひとつで、省クラスと県クラスの行政レベルの中間で、少数民族に自治権が付与された地区クラスの行政体である。中国大陸には現在30の自治州がある。 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より抜粋
【美瑛町】 北海道上川郡にある町。なだらかな丘陵と豊かな自然環境と景観が特徴になっている。町全域を「景観計画区域」の対象にしており、「美しい日本のむら景観百選」、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」(美瑛リフレッシュライン)に選定されているほか、美瑛町を含む1市6町村で「富良野・美瑛観光圏」を形成している。 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より抜粋
【ルネサンス】 従来の一般的な見方は次のようなものである。およそ1000年の間の純粋キリスト教支配のもと、西ヨーロッパ圏では古代ローマ・ギリシア文化の破壊が行われ、多様性を失うことにより、世界に貢献するような文化的展開をすることはできなかった。こうした見方はルネサンス以前の中世を停滞した時代、暗黒時代とみなすものである。 『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より抜粋
【ビートニク】 1950年代のアメリカに起こったビート運動になんらかのかかわりをもった世代(ビートニクbeatnik)の総称。ビート運動は,抑圧的で非人間的な機能をもつ社会体制と,そこに安住しようとするスクエアsquareすなわち保守的で中産階級的な価値観とに反逆し,人間性の無条件な解放のために積極的に貧困に甘んじ,原始的なコミューン生活を行おうとする一���の生活運動である。 『コトバンク』より抜粋
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tak4hir0 · 5 years ago
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人類にとって2000年以上も昔の紀元前から解決できなかった超難問、「緩まないねじ」を画期的な発明によって実現した天才日本人がいる。株式会社NejiLaw(ネジロウ)代表取締役社長の道脇 裕氏である。その発明の原理は19歳の時、わずか数秒で考えたという。 道脇氏が開発した「緩まないねじ(L/Rネジ)」がどれほど頑強かを物語る有名なエピソードに、米国航空宇宙規格(NAS)にのっとった耐久試験をあっさりクリアしただけでなく、逆に試験装置の方を壊してしまったということがある。その評判は瞬く間に世の中に知られることとなり、数々の賞を総なめにした。 道脇氏は小学校を5年で“自主”休学した。理由は「今の教育システムに疑問を感じる」だった。それ以来、まともに学校には行っていない。子どもの頃は大学教授の母親の研究室で実験に明け暮れ、長じては新聞配達や漁師、とび職などの職を転々としながら独学で20,000件以上もの発明を生み出すという、実に型破りな人生を送ってきた。 L/Rネジは、プラントや橋梁、送電鉄塔、建築物、飛行機や自動車等から腕時計、メガネやインプラントに至るまで幅広く応用できる。老朽化や災害などでねじの緩みが原因となる事故を無くすことができ、日本のみならず世界の危機を救う画期的ツールになる可能性を秘めている。道脇氏は更に、L/Rネジを応力センサーとして用いて締結作業の適切性判断や締結状態の常時監視、構造物の異常検知を可能とし、健全性を見える化する「スマートネジ」も開発した。 普段は、まともな食事時間を確保することも難しく、気付けば夜中になっていることも少なくない。それでもなんとか日に1食は軽食だけでも摂るようにしているという。脳を動かすのに不足する糖分は、常にペットボトルのレモンティーで補給するという道脇氏に、L/Rネジの事業展開や日本の教育のあり方、今後の抱負などについて伺った。 「緩まないネジ(L/Rネジ)」とは ボルトに組み付けた2種のナットを機械構造的に結合。互いにぶつかり合う、または引き合うことでロックされる。 出典:NejiLaw HP (http://www.nejilaw.com/product.html) きっかけは、夜中。運転中に車のタイヤが外れてしまった ――「緩まないねじ(L/Rネジ)」の発明は、どのようにして生まれたのでしょうか。 道脇 19歳のある日、真夜中に古い愛車、簡単に言えばオンボロの車を運転していた時のことです。突然ハンドルを取られて車がズズズッと路肩に引きずられ、その瞬間、黒いものが猛スピードで走行中の愛車を追い抜き去って行くのが、視界に入りました。数百メートル先まで転がって行ったもの、それはなんと、走行中の僕の車から外れたタイヤだったのです。 タイヤは車体側のハブという部品に埋め込まれた5本のボルトで固定されていましたが、そのうちの1本が折れ、残りの4本はナットが緩んで外れてしまっていました。 それは、「ねじって本当に緩むんだ・・・」と深く体感した瞬間でした。もし人通りの多い日中だったら、人身事故につながっていたかもしれません。 後日、「緩まないねじを実現することは、不可能である」と耳にした僕の脳は、いつものように「不可能が証明されたのか?不可能を証明することは可能を証明することより難しい。不可能が証明されていないのであれば、不可能とは言えないだろう。では可能にする構造を考えて、反証しよう」と動き始めたのでした。 その数秒後、僕の脳はそれを可能とする原理と構造を考え出していました。ボルトの構造と同時にナットの構造を考え、緩まないネジの原型は、この時でき上がったのです。  ベンチャー・キャピタルの出資を断って資金ゼロで起業 ――まさに「常識をネジろう」という発想ですね。ところで、道脇さんはこれまでに20,000件以上の発明をされていて、大半が未発表だと聞きます。その中から事業化にL/Rネジを選んだのは、どのような経緯があったのでしょうか。 道脇 僕にとって発明は日常であってどちらかというと反射現象に近いかも知れません。それは、いわば思考のクセのようなものです。そしてそれは、本質的な問題や課題を感じ取り、原因や要因を見いだし、メカニズムや原理を突き止め、解決策を考え出すという思考の流れが常に循環しているような。それに付随して、1つの発明をしている間に別の発明が次々と、まるで河の流れ���ように出てくるのです。 そんなある日、有名企業の顧問をされていた親しい人から「どんな発明も道脇さんの頭の中にあるだけでは、世の中の役には立たないので、形にして世に出しましょう」と促されました。その後、数年間にわたってことあるごとにお声がけいただき、いつの間にか周囲には10人を超える僕の応援団ができていました。 そこで、目ぼしい発明を200件ほど書き出し、実現性や事業性、費用等について、皆で検討することになりました。その結果、「事業化するなら、これからの世の中に大きな貢献ができ、投資も比較的少なく実現性の高そうな緩むことのない(L/R)ネジがいい」となったのです。 ただ、その時リストに書いたのは「緩まないネジ」というタイトルと概要だけで、図面も見本もありません。原理を説明しても、誰もが「構造をイメージできない」というのです。そこで、紙粘土でL/Rネジの形状を造って��たのですが、ますます首をかしげるばかりでした。それでも「道脇さんが言うのだから間違いないだろう」と皆信じてくれました。 頭の中での考案から11年後の2007年、紙粘土製ではあるものの初の試作品を製作し、その翌年には特許出願を行い、09年にその開発と事業化のための会社を創業しました。創業したものの、当時は資金“ゼロ”の会社でした。オフィスも無く、机や椅子さえ無い小さな小さな会社の会議は、いつも喫茶店や駅の待合室、支援者の会社の空き会議室を使わせてもらうといった状態でした。 創業のきっかけとなったのは、ちょうどその頃に出会ったある教授の勧めで2009年度の日本MITエンタープライズフォーラム(現日本MITベンチャーフォーラム)のビジネスプランコンテストに応募することになったことでした。応募するからには個人よりも法人の方がよいとの結論から株式会社NejiLawを設立したのです。 こうしてビジネスプランコンテストに出場することになり、その結果として、おかげさまでMost Attractive Award(最優秀賞)などの賞をいただくことができました。余談ではありますが、例年副賞があった当ビジネスプランコンテストでは、前年に起きたリーマンショックのあおりでこの年、副賞はつきませんでした。 コンテスト後、複数のベンチャー・キャピタルから出資の声をかけていただきました。ですが、すべてお断りをすることにしました。資金難にあえいでいた時だったので、胃から手が伸び出るほどだったのですが、道に迷わず、流されず、どんなに苦しくても甘えることなく、信じる道を小さくとも一歩一歩自力で歩んで行こう。たとえ時間はかかっても、独立独歩で着実に進んで行こうと決意していました。 ですから資金面では創業当時から大変苦労しました。 試験装置を壊してしまった「緩まないネジ」 ――NejiLawのネジは緩まないあまり、ねじの緩み試験で逆に試験装置を壊してしまったそうですね。 道脇 そうなのです。世界で最も厳しいとされる米国航空宇宙規格(NAS)にのっとった振動試験機で、L/Rネジの緩み耐久試験を実施した時のことです。その試験では、17分間緩まなかったら合格とされています。それが17分たっても全然緩む様子が見えない。しばらくそのままにして、どこまで耐えられるか試すことになりました。ちょうど3時間くらい経過した頃、試験室から聞こえてくる音が何だかおかしい。いよいよ限界点が来て緩んでしまったかと急いで試験室に飛び込むと、ネジが床に散らばっていたのです。「あれ、ネジが増えている?」と思ったら、なんとそのネジは試験装置側のねじだったのです。L/Rネジが緩んだのではなく、試験装置の方が先に壊れて試験装置を構成しているねじが飛び出して散乱してしまっていたものだったのです。緩まないネジの実力を確信した出来事でした。 ――その後次々と賞を受賞され、「L/Rネジ」は広く知られるようになりました。 道脇 資金不足を何とか解消しようと、できる限りの賞に挑戦しました。いくら技術に自信を持っていても、資金が無くては何もできません。世に広めるためには権威ある賞などによる信用も必要です。そして、2011年2月には新技術開発財団の助成に採択され、8月に川崎起業家オーディションの大賞を受賞しました。10月には東京都ベンチャー技術大賞も受賞しました。同年11月には「GOOD DESIGN賞」の金賞を受賞し、2012年、経産省の戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)にも採択され、いよいよ量産技術の開発がスタートしたのです。 「道脇裕知財全集」。20,000件を超す発明のうち、特許を取っているものはほんの一部。何しろ発明は少なくとも1時間に1つ、毎日ダース単位で浮かぶ。特許を取得する手間も資金も追いつかない。メモを取ることさえ追いつかない。 一人一人の独創性を伸ばすことが本当の教育 ――ところで、道脇さんは小学校を自主休学されています。お母様は大学教授、お父様は某大手化学メーカーの研究所所長、役員という家庭と聞きますが、なぜ休学に至ったのか、お聞かせいただけますか。 道脇 個人の能力や興味対象は千差万別で、それに対する万能の処方箋は無いと思っています。あるとすれば、社会全体が愛情を持って子どもに接すること、見守ることが大切なのではないかと。親が子どもに、先生が生徒に、近所の人が子どもたちに接するとき、大切なのはやはり愛情です。それと教育内容や方法は、時代を読みながら時代に合わせて行く必要があると思っています。 小学校に入ると、学校とはどんなところかとわくわくしましたが、入学して程なく授業は自分に合わないと感じました。先生が授業で説明してくれることは教科書にほとんど書かれていて、その内容は1週間もあれば授業中に全科目の通年分を理解できてしまう。するとその後の1年間近くの時間は一体どう過ごせばよいのであろうかと思いました。 1年生の時から教科書やノート、筆記用具はすべて学校に置きっ放しにして帰っていたので、いつも忘れ物はゼロ。ランドセルに入っているのは探検用の懐中電灯やロープなどでした。それらの7つ道具的な物は、下校時に遠回りしたり、下水道を通ったり、毎日違う道無き道を進んで探検しながら帰宅していたので、その探検に必須アイテムでした。 小学校に入学した初学年は、学校というところがどういうところか解らずに通っていたわけです。その状況は、2年生に進級すれば変わるかも知れないと通い続け、3年生、4年生になっても何等変わらない状況が続きました。結局、僕は小学校に通うべき理由を知らずして丸々4年間通っていたわけです。当時は、偏差値偏重が極度に進んだ末期の時代背景がありました。正解が決まっている問題を模範解答に忠実に、そしていかに早く正確にこなせるかが問われ、それができる子どもが優等生で、将来の企業戦士として有望視されていました。世の中はアメリカに追いつき追い越せの時代でもありましたが、教育の効果が出る20~30年後は今とは違う社会になるはずです。アメリカに並ぶようになった日本は、アメリカを真似るのではなく、自分で課題を見つけ解決策を考えて実行することが重要な社会になるのに、そういう教育になっていない。これでは、本当の能力は伸びない上、そのような状況に移行した際に社会を支えられる人材がいなくなってしまうだろうと感じたのでした。 大切なのは、個々の子どもの持っている独創性を伸ばすこと、そしてその独創性を昇華させる裏付けとなる盤石な基礎を構築させることです。このまま中高大学と進んでも、今は独創性を持っていても遅かれ早かれ、多かれ少なかれ、自分も量産型みたいに画一的な人間になってしまうだろうと、僕はおそれを抱いたのでした。そのような未来社会のギャップ、つまり独創的で問題解決型でさまざまなモノゴトを共有できる人が多く必要な社会であるが、反面そのような人はほとんど存在しないというギャップは、僕1人の問題なだけではなく、日本全体にとっての甚大な損失でもあるので、1人でもその量産型ラインから降りるしかない――これが5年生当時の僕の解決策だったのです。 そこで、「自分は、勉強が嫌いではない。むしろ好きな方だ。それでも今はそれをするときではない。他にもっとすることがある。だけれども自分はいつか必ず学問の道に戻ってくる。その日が来るまで見守っていて欲しい」。親と学校にそういう考え方を説明して、自主休学しました。親は僕の性格をよく知っているので、僕の意思を尊重してくれました。そして、その後10年近くもの間、見守り続け、待ち続けてくれました。 道脇氏は、発明の内容を各担当者たちに、いつでもどこでも説明して共有するため、身近な壁という壁はすべてホワイトボードにしていますと笑う。 社会常識の欠如を痛感。結局、学問に戻ってきた ――小学校は義務教育ですが、その面での支障は無かったのですか。 道脇 その辺りにつきましてはよく誤解されるのですが、義務教育というのは、「子どもは学校に行って教育を受けなければならない」という子の義務ではなく、「国や親が子どもに教育を施さなければならない」という社会や親の義務なのです。明治維新の後、政府は学校をつくりましたが、多くの子どもたちは野良仕事や親の手伝い、でっち奉公などで、登校できない状況があったわけです。そこで先生たちが各家庭に、「子どもに教育を受けさせるのは親(政府)の義務です」と説得して回ったわけです。それが義務教育の始まりなのです。 学校に行かなくなった頃は、大学で物理や科学の教鞭をとっていた母親の研究室に入り浸って、喜々としてあれこれ実験をしていました。そこには実験道具はいくらでもありました。回路設計や電子工作みたいなことをしたいと思えば、装置も器具類も書籍もそろっている。僕は夢中でいろいろな物を作ったり分解したりしました。特殊な電極で電気分解をして酸性水と塩基性水とを分離したり、有機物を熱分解させて炭化水素を発生させたり、塩酸や硫酸などの劇薬を使った実験をしたり、好奇心旺盛な少年にとって、そこは格好の遊び場だったのです。 また��るときは1日中、公園のベンチで、バス停で乗り降りする人たちを眺めたりしていたこともありました。スーツのビジネスマン風の人、中年の女性、作業着の人、学生服を着た人などみんな疲れた顔をして、それでもせかせかと満員のバスに乗る姿を観察しながら、社会とは一体どういうものなのだろうと思索にふけっていたのです。 その頃には、新聞配達、チラシのポスティングの仕事を、商店街を回って受注したりするなど働くとはどういうことなのかを考え、実行するということもしていました。その後は、漁師見習い、とび職、内装リフォームなど、さまざまな仕事をして10代の終盤近くまでを過ごしました。実際に稼いでみないと、社会の仕組みが分からないと思い、いろいろな仕事を経験したのでした。 しかしある日、友達と話していて、自分に知識や社会常識が全く無いことに気が付きました。本も新聞も全く読まなかった上、人の話を聞いてもニュースを見ても理解できず、世の中とのギャップを痛感しました。自分はバカなのだと。 では、バカを克服するにはどうしたらいいか。知識が無いから知識が必要なのではないか。知識をつけるにはどうしたらよいだろうか。そうだ本と新聞を読もう。本を読むには、漢字を知る必要がある。では漢字の勉強をしよう。旧い言い回しも知っておく必要がある。それでは古文も漢文も必要だ。新聞には、経済や社会のことが書かれている。すると、経済とは何かを知る必要がある。社会もだ。社会には歴史や文化が関係している。日本の歴史も世界の歴史も必要だ。それに地球の歴史、宇宙の歴史もある。文化とは何かも知る必要がある。それから経済には数字や計算が付き物だ。それでは計算ができないといけないから算数も学習しておこう。その延長に数学があるから数学も勉強したい。数学を知っておけば、経済だけではなく、あらゆる本質に通じているに違いない。技術にも関係している。技術といえば、その基礎は物理学や化学、工学が関係している。するとそれらも学ぶ必要がある。それから人とコミュニケーションをはかるには人の心も理解できなければならない。そうだ心理学も必要だ。というようにバカを克服するのに必要なことを考えては書き連ね、書いては考えてと進めていったら、漢字から宗教、哲学、神学に至るまで何十項目になりました。こうしてできたバカ克服プログラムを眺めていたその時、「そうか、これはまさに小学校から大学にかけて学ぶ教育カリキュラムそのものではないか」と気が付いたのです。と同時に、このことが、僕が学問の道に戻るきっかけとなったのです。 そこで、まずはバカ克服のマイルストーンとして、大学受験資格検定(大検)を受検することを決意しました。ですが、試験まではあと3カ月しかない時期でした。 それからの3カ月間というもの、昼夜を問わない徹底した独学による自習に没頭し、平均学習可能猶予期間8日間という詰め詰め工程の中、大検は無事全11科目合格することができました。 その後、数年来の知己で予備校の校長をされていた人の勧めで、米国コロラド州の大学に留学しました。それは、その人が留学費と生活費、渡航費に至るまでを与えてくれたことによって実現したものでした。ところが、またしても僕は学校に通わなくなってしまったのです。通ったのはわずか5日間でした。や���り学校という枠が僕には合わなかったようです。その後は、現地でしかできないことを目一杯しようと、大学の先生や研究者、作家と仲良くなって、豊かな日々を過ごしました。帰国後、いの一番にそのパトロンのところに真っ先に報告に行くと、「で裕は、どれくらい学校には通ったの?」と訊かれ、「5日間で辞めてしまいました」とこたえると、彼は大きく頷きにっこりしながら「さすが、裕。そんな感じだろうと思ってはいたんだけど、5日間とはすごい。それでこそ裕だ。」と笑うのでした。 帰国後の何年間かは家に閉じこもり、数学の研究、特に自然数の構造と性質についての研究に没頭しました。 先人のアプローチや考え方を一切学ばず、完全に独自に「素数分布構造」を解明したり、「離散と連続を連結する解析的剰余式」を導出したりと、ほとんど家から出ることもなく、インスタントラーメンと納豆を食として、寝る際には敷き布団の下でわずかばかり寝るというスタイルで何年もの間、数学と戯れていました。 またそのずっと後には、かのアインシュタインも悩んだといわれる、「ゼロ除算」(例えば1÷0)に関する論文も著しました。ゼロで割ることはできないというのが数学史上の常識ですが、その問題に答えを出し、世界の数学者の評価を受けているところです。 小学5年生の時の“自主”休学で親を説得した際、僕はこう約束しました。「何年かかるか分からないけれど、自分は必ず学問の道に戻って来る。心配せずに温かく見守ってほしい」。時間はかかりましたが、その通りになりましたね。 食事は基本的に1日に1食となることが多い。他にはレモンティーを10本ほど。液体から摂取するその糖分が、即効的に脳の活動を効率よく促進させるという。 第二次ネジ革命、マルチセンシング機能を備えたIoT「スマートネジ」を開発 ――現状での商品化の事例はどのようなものがあるのでしょうか。また今後のビジネスの方向性についてお聞かせください。 道脇 商品化の1例としましては、カシオ計算機株式会社の腕時計「G-SHOCK」があります。時計本体とバンドをつなぐ部分にL/Rネジをご採用いただいております。搭載モデルが剛体である腕時計本体とゴム製のバンドという構成であることから、普通のねじでは、いくら締めても適切な締結状態が得られず緩んでしまいますが、それをL/Rネジで解決しました。 ネジ単体だけでなく、ボルトやナットを含めた接合部材の応用開発も進めています。詳しくは言えませんがその1つには、IoTとしての「スマートネジ」があります。これはL/Rネジ自体をセンサーにしたもので、ネジ型センサーともセンサー型ネジとも言えます。 スマートネジに極微弱な電圧をかけて電位の変化を調べると、ネジにかかる応力の状態や異常を検知できます。普通のねじで止めた場合、電位に異常値が出ても、その原因がねじの緩みによるものなのか、周辺の応力状態の変化によるものなのか、区別がつきません。さらに緩みが進行してしまえば、応力自体を検知できなくなってしまいます。 しかし、スマートネジであれば、原因としてネジの緩みは初めから除くことができるので、周辺応力状態の変化を反映しているものとして正確に応力測定ができます。このアイデアは、19歳の時のタイヤ事故でL/Rネジを発案した翌日に考え出しました。緩まないねじが実現できるなら、精確な応力検知ネジを実現することができると。 経験豊富な作業員や技能者、技術者の引退や減少を、スマートネジが補う ――応力を測れるスマートネジは、プラントや建築物など応用範囲が広そうですね。 道脇 はい、その通りです。例えば、ある種の社会インフラ的なプラントは全国にあり、時に深刻な事故が起きています。それでもこれまでは、立上げの時代から携わっていた現場力の極めて高い経験豊富な多くの作業員の方々によって、正常な運転状態が守られているわけです。ところが今後の社会では、経験豊富な担い手が高齢化してどんどん引退され、その担い手は、人数としても減少した経験の浅い人に替わっていくというのが実情です。今後の社会の中で、大きな事故などが起こらないように操業を長期的に持続させることは、容易ではないでしょう。ひとたび大きな事故が起これば、経営に大きな打撃になるだけではなく、その生産を頼りにしている社会も大きな損失を被ることになります。「ヒヤリ・ハット」までを含めると、大小を問わずトラブルの原因の多くはねじ回りにあるとされています。 各種のプラントでは、大小さまざまなねじが膨大な数使用されています。重要な設備の要所を留めるねじには、非常に高度な締結技能が要求されます。締め忘れや締結状態に重大な変化を与える急激な温度変化などのリスクがあっても、外見では異常の有無を確認できません。 ――プラントの他に想定される応用例を挙げていただけますか。 道脇 例えば鉄塔は、国内に約24万基ありますが、鉄塔1基あたりには万本単位のねじが使用されているといわれています。つまり24億本以上のねじが鉄塔に使われていることになります。その管理は数人1組で現場を回って鉄塔に登り、ねじ1本1本、サビや塩害や鳥害の有無を目視確認したり、打音検査をしたりして緩みなども確認されています。 高所でしかも高電圧。雨天や落雷などを考慮するとその危険性はさらに増してしまうと思われます。それを人海戦術でやっていることになるわけですが、今後は人口減少でこの種のインフラの維持管理も人手不足が深刻化してしまうことから、これまでの保守管理の方法のままでは持続性が危ぶまれます。 そこで、そのようなところに役立つモノをつくろうと開発したのが、スマートネジなのです。高速道路やトンネル、橋、鉄道、高層建築、航空機や自動車などのねじが緩めば、大惨事につながりかねません。また、ねじの緩みのみならず、被締結部材等の構造体の応力状態を知ることができれば、適切な運用、保守管理ができ、事故も未然に防げます。 世界的に自然災害の大規模化が進行する中、日本��は特に地震、台風、竜巻、大雨、火山噴火などの天災が巨大化し、しかも頻発しているだけでなく、同時発生まで起きています。 今年9月の台風15号の前後には地震、竜巻、噴火も起きました。国の安全基準は災害ごとに別々に作られており、同時発生は想定されていません。連続的に発生する心配もあり、何万戸もの建物やインフラの被害を1つ1つ点検することは極めて困難です。困難というよりも、実質的にほとんど不可能な状態になってしまいます。人手は足りず、外見だけでは正確な判断ができません。 2016年の熊本地震では、震度7が2回襲いました。1回目の震度7に耐えた大学の学生寮に居た学生が、2回目の震度7で被害に遭われるという痛ましい事故もありました。もしスマートネジが使われていれば、一見安全でも、内部は力学的に危険だと警告することができたのではないかと思うのです。 こうした情報があれば、警察や消防隊、自衛隊はもっと安全に、もっと効率的に救援活動を展開することができると思うのです。 日本の人口は、2060年には今より4000万人少ない8670万人になると言われています。つまり今後は平均して毎年100万人ずつ減る計算です。作業員も保守管理要員も技能者も技術者も減るので、老朽化したインフラや住宅の維持はますます困難になります。 では、どうやって現代社会の瓦解を防げばよいか。人口減少に合わせて、誰でも使えるテクノロジーをつくり、あまねく普及させることが求められます。 そこで、スマートネジを使えば、締めている作業最中からデータが取れるので、規則通りに締めたかどうかが「見える化」され、経験が浅い人でも正しく作業できます。また応力データを時間の経過に伴って取得し続けることで、プラントや建造物や乗物などの内部の隠れた異常をキャッチして、事故を予防することができるようになります。 L/Rネジ用の「N規格」体系を着々と整備 ――道脇さんはL/Rネジを「N規格」として体系化すると述べておられます。進捗状況はいかがですか。 道脇 ISOで最初に規格が採用されたのは、ねじです。ねじはオスとメスを組み合わせて使います。ねじ山の高さやピッチが少しでも違うと互いに適合しないことになって使えませんが、規格に従っていれば、誰がどこで製造したねじでもオスとメスがぴたりと合い、強度も保証されます。 L/Rネジは、従来のねじに極めて似ていますが、構造はもとより機械的特性などにも違いがあります。そのことからL/Rネジとしては、現在日本で広く使われている「M規格」とは別の体系が必要になります。それがN規格です。ちなみにNは、新しい(New)、次なる時代の(Next)、ニッポン発の(from Nippon)、ネジの法則体系(Neji’s Law)というコンセプトから、新たな規格体系をN規格と名付け、社名をNejiLawとしたものです。 すでにN1(ネジの外径が1ミリの呼び径)からN300まででき上がっていて、それに合わせるメッキ仕様や特殊ネジの専用規格も整えています。 L/Rネジ以外にも発明を製品化したものはいくつもあり、その一部を当社のショールームで展示しています。例えば、東日本大震災で福島第1原発が被害を受けたのを見て、何とかしたいと開発した「放射線防護システムウォール」は、水の壁を簡易に造って放射線による被爆を防ぐための物です。また高速道路用の交通騒音消音デバイスである「ブライトライン」という、首都高速道路で採用されている物もあります。 旧態依然とした体質のままでは取り残される ――最後に、日本は近年、国際競争力の低下が指摘されています。新しいアイデアを次々と実用化されている立場から、現状をどのように見ておられますか。また処方箋があれば、お聞かせください。 道脇 世の中は相互に作用しながら刻々と遷り変わっていくわけで、旧態依然としたやり方や体質、構造のままでは、海外を含め周りの社会から取り残されてしまいます。 先進国は、例外無く高齢化して人口が減少しており、人口構造にも深刻な変化が顕れています。先進国が先進国になる過程で建設してきたインフラは、老朽化が加速し、いまや大きなリスクへと変貌しつつあります。これらを適切な形態で維持管理し、発展させていくことが求められます。しかも先ほどもお話ししたように、近年は確実に自然災害のレベルが著しく増大しています。これら自然災害レベルの凶暴化、インフラや住設の老朽化、人口減少・少子高齢化が重なり、深刻化すると、社会は維持できなくなってしまいます。「今、何が問題か」が判っているので、あらゆる方面からあらゆる取り組みをし、国民が総力を挙げて実行していくことが極めて重要で、それこそが社会を維持してゆくことができる唯一の道だと感じます。 今ほど、すべての人々が、目の前にある危機に真摯に取り組む姿勢が求められる時代はないのではないでしょうか。 TEXT:木代泰之、PHOTO:倉橋 正 史上初の「緩まないねじ」が世界を救う――小学校“自主”休学の天才発明家・道脇裕の「常識をネジろう!」はMugendai(無限大)で公開された投稿です。
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maborice · 7 years ago
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ぼくとダンガンロンパ1:chapter2
※一応書くがネタバレ。僕は本当に8年前のゲームの何を警戒しているんだ……? 表題通りchapter2の話をする。
 僕が1話で得た教訓から、このゲームを続けるモチベーションは大きく分けて3つある。 ひとつは、舞園さやかちゃんのその後、真意や裏事情を確認すること。 もうひとつは、最初に立てた第一印象からキャラクターたちがどのような結末を迎えるのか確認すること。 そして最後のひとつは、舞園さやかちゃんの次点で僕の気を引くキャラクター、不二咲千尋(一発変換してくれるGoogleIMEくんは優秀)の行く末を見届けることである。 もう既に今回の記事がどういうオチになるのか目に見えていると思うがどうせここまで来たのなら読んでいってほしい。
 本題に入る前にいくつか前回の記事に関して話すことがあって、まず第一に舞園さやかちゃんの苗字を思いっきり誤字っていたことに後から気付いた。死んでお詫びする。あとギャルがいきなり退場したことに関してネットで顔しか見た記憶ないのはそういうことかーいとか書くつもりだったのがさやかちゃんの話をするうちに着���点が迷子になって気付いたらすっ飛ばしてた。最後にUIが狂ってると書いたが狂ってるのは僕の環境だったことが判明した。もとがPSPであることを考えると妥当な配置であると言える。
 というわけでchapter2である。いきなり本命がいなくなってしまったので既に消化試合の様相を呈しているが、逆転裁判だって2話でいきなり綾里千尋さんが死ぬしそのあとだってあの手この手で登場してくれたんだからさやかちゃんだってこの後出番がないわけがない! ……ん? 千尋? 2話で死ぬ? とはいえ、僕が不二咲千尋に注目したのは別に逆転裁判の登場人物と名前が被っているからではない。セーラー服を着てデフォルトが困惑顔でついでに口が開いているキャラクターは半分以上が男、という歪んだ統計の結果である。
 僕はこの手の女装男子(作中では男の娘と言われていたが線引きに自信が無いのでその点に異議を唱えるのはやめておく)に強いエモを感じるタイプの人間で、何故かというと秘密を隠しているキャラクターはそれだけで魅力がグッと引き締まり、その振る舞いに強い説得力を持つようになるからだ。 秘密を隠していると言えばそれはこのゲームのすべての登場人物に当てはまり、本心を覆い隠すという意味では舞園さやかちゃんがその最たる例のようなものでそれは勿論非常に魅力的な要素だが、「自分の根本的な属性を偽る」という点でこの手の、とくに目的ではなく手段として女装を用いるキャラクターはまた違う魅力を発揮する。それが、「最初からボタンの掛け違った人間関係が構築される」という点である。 「偽った自分」と最初に対面した相手が初手から違ったプロトコルのコミュニケーションを選び、正しくないグループの人間としてカウントされ、最初に目指したはずの未来からどんどん遠ざかってしまう。そうして積みあがったツケは自らの心の限界か、それとも周囲からの違和感の蓄積か、何らかの手段で払わされることになり、そこで初めて本当の自分で勝負することになる。その全ての虚しさに僕の心は打ち震えさせられる。二次元の話と言えどあんまり性別差を強調した話をすると警察が飛んでくる気がするがそれは別のところで話をしてもらおう。 とにかく、僕はこういう一つの嘘からどんどん嘘が積みあがっていって最初に躱そうとした問題よりはるかに大きな問題が後からやってくることになるキャラクターが大好きなのだ。まあ、別に女装してなくても条件に該当するような属性を持つ登場人物は他にもいてその大体は好物だが。
 chapter1の間は不二咲千尋も特に変わった様子を見せず(僕が見落としている、自由時間に話しかけると分かる、等の可能性は考えられるが)、chapter2に入ったあたりで大きく風向きが変わることになる。 なんと会話に登場する機会が大幅に増加したのである。しかも「女子からの誘いを断る」「強さに憧れを見せる」「男の約束に惹かれる」「いつか強くなって秘密を打ち明ける」などと数え役満みたいな振る舞いをはじめ、完全にそういうことだ、という疑惑を深めていくのであった。その一方でこの手のお話のお約束である「スポットの当たったやつは死ぬ」の条件をドンドンドンドン満たして行っており、内心でハラハラしながら自由時間に突入する(この前後で行われたサウナ対決のことはプレイ時に日を跨いだこともあって完全に意識の外に放り出されており、それが後に困った事態を引き起こすことになる)。
 さて、自由時間であるが、本命がいきなり消えたのでこちらも消化試合である。どうも全員分の会話を見たければゲームを周回することが前提の量あるらしいので、不二咲千尋ら一定以上楽しめる会話が見込めるメンバーは後に回して、パッと見イロモノに見えるメンバーから先に会話を埋めることにした。2週目をプレイしたときは最初に野球部の会話を埋めないといけないという事実にややげんなり(僕は典型的なナードなので彼のような人間とはゲームの中ですら会話するのが億劫)するが、それはそれとしてパッと見でイロモノ枠に見えるのはオタク、腐女子、成人(chapter2までプレイしたにも関わらず彼のパーソナリティは3ダブということ以外何も分からない、情報量がモノクマと大差ないんだが?)、そして大神さくらあたりであろう。 僕は大神さくらちゃんとコミュニケーションをとることに決めた。決してイロモノ度が一番高いと言いたいわけではなく、「超高校級」という一言で整合性をぶん投げているこのゲームの中でもひときわ輝くその異彩を放つ風格と、達観したキャラクター性を理解することがこの世界を僕が咀嚼する上で重要だと思ったからである。初手で死んだ奴ですら現実離れしたコントロールを披露するこのゲームを常人が理解できるかどうかは全く自信が無いが……。
 自由時間を全て費やして彼女の下へ通いつめ、手持ちのアイテムが食品(カップラーメンとかポテチとか渡したら絶対怒るだろ……)と武器(絶対素手以外邪道とか言うだろ……)と石しかなかったのでひたすら軽石(こんにゃくにしか見えない)を渡し続け、稽古をつけてもらったり茶をしばいたりしながら彼女のエピソードを進めていく。1話の時点で薄々思っていたがパロディめっちゃ多いなこのゲーム! 計4回のエピソードを見ても結局のところ彼女の底は見えなかったが、話を聞いてくれないとちょっと怒っちゃったり、精神面の鍛錬に重要性を見出していない(苗木くんに言われてかろうじて納得する程度)あたり、ああなんだ普通(?)の高校生なんだなあ、と思えて楽しいエピソードだった。エピソード中というより本編シナリオ中の行動への感想になるが、武にしか興味がない、という風に一見見えても情に厚かったり協力する姿勢を積極的に見せてくれたり、不二咲千尋の体を「我が行こう」と確認してひっくり返るあの下りは彼女の頼もしさ、優しさ、ほんのちょっぴりのスパイスとしての可愛さ(失礼)が一度に味わえて美味しいイベントであった。そもそも不二咲千尋をトレーニングに誘ってるのが既にかわいい。なんやかんやで結構好きなんだけど彼女の顔を思い出そうとするとブロリーしか出てこないのはなんでだろう。 なお、結局彼女の通信簿に星はつかなかった模様。やっぱりあの星エピソードコンプの星じゃねえかあああァァァァァアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 順番が前後するが、僕が彼女のエピソードをチョイスした理由は地味にもう一つあって、「最初からコミュニケート相手に選ぶプレイヤーが少なそうだから得られるスキルが強そう」という下心丸出しな理由なのだが、実際にコミュニケーションが進んで「明鏡止水」やら「丹田呼吸法」やらクッソ強そうな名前のスキルをもらうと否が応でもテンションが上がるというもの(さやかちゃんからもらった『美声』はラップバトルで機能するものとあってイマイチ実感できなかった。というより僕はラップバトルを2回やった今でもルールを把握していない)で、どれどれ……とスキルを確認してみると無事ひっくり返った。
めっちゃ有能じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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……照準の……ブレが……なくなる? あのクソエイムにブチ切れ台パンかまさなくてよくなる? 最っ高じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!さくらちゃん有能!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 一生ついていきま……それは無理。
 1話の頃は影薄くてただのビッグマウスという印象しかなかった石田彰もここに来て本格参戦、こういうタイプのキャラはどうしても第一印象であまり良くない印象を持ってしまう性格をしていて、その後好きになれるかどうかは今後の展開次第なんだけどこのゲームの場合はのちのちお仕置きするときに偽りのカタルシスを高めるために散々憎まれ口を叩かせている可能性が否定出来ないのであんまりヘイトを高めていくような感情移入は望ましくないね。 帝王学を叩き込まれて社会を裏から操る存在を自称する割に苗木くんにライバル心メラメラなのが可愛いと思います。大丈夫か? 君の戦う存在は多分もっと強大だぞ?
 この時点でのキャラクターへの感想はこんな感じ。
オタク:親友とは言わんがコメディリリーフとしてしぶとく生き残るんじゃないかな……。 腐女子:臭い連呼される女子キャラはある意味貴重なんじゃないかな……。 風紀委員:ぼちぼちこいつがバカだということに気付き始めてきた。風紀委員であって秀才ではないもんね。 リーゼント:不良キャラの常である怖そうに見えて男気溢れるいいヤツ路線を発揮し始めてきたがバカそうなやつが1話で死んだことを考えると怪しいんじゃねえかな……。 水泳部:数少ない常識人ポジに収まり始めている、意外と生き残るか? 御曹司:こいつが終盤ボスになるかこのchapterで無残に死ぬかはこのゲームのキャラクターの扱い方を知る上で重要な要素になるだろう。 成人:パーソナリティが不明 不二咲千尋:死なないで……どうか……。 縦ロール:御曹司と比べるとやや協力的に見えるがたいていこういうヤツのほうが手強いんだよなあ。怪しすぎて味方サイドにはカウントできないが果たして。 大神さくら:彼女が犯人サイドに立つことがあったら地味に結構なショック受けると思う。なんやかんや好き。 ギリギリちゃん:こいつの正体さては超高校級の天才とか探偵とかとにかく頭いいポジションだろ。 
 ……目をそらし続けるのも限界はいつか訪れる。既に分割して書けば良かったと激しく後悔しているが、下手に分割して文量格差が出来るとそれはそれで寂しいのでようやく捜査パートに入ろう。 そう、捜査パート。つまり事件発生後。確信と共に女子更衣室へ踏み込む御曹司を見ながら(こいつ絶対むっつりスケベ扱いされてるな)と謎の評価を下しながらそこで見た光景。
 はい、死んでました。不二咲千尋。
推しのワンツーフィニッシュは思ったよりこたえたらしく、しばらくの間無言でゲームを進める僕の耳には通話口から流れる含み笑いの声が響いていた。 さて、これでこのゲームでも被害者は基本スポットの当たった奴から死ぬ、という法則はある程度適用されるのだろう。問題は犯人の方で、逆転裁判と同じく「最初の容疑者は犯人ではない」の法則は適用されると考えてもよいだろうが、この場合の最初の容疑者は誰だろう。死体の状況から伺えるジェノサイダー翔(サイバー亮の親戚か?)か、突然しゃしゃり出てきた御曹司のどちらかと考えるのが自然だろう。どうせジェノサイダーは突然豹変要素が出てきた腐女子なんだろうし。
 本当は捜査パートでも各キャラクターの反応をいちいち拾っていくべきなんだろうが、難易度イジワルではそれが許されない。総当たりすると時間がかかりすぎるのである程度効率的な操作をしないと時間が消滅するのだ。それに集中するあまり途中で出てきたReアクションを奇麗にスルーして奇声をあげたりしながら、さっくりと証拠を回収していく。死んでから「そういえば付き合い悪かったねあの子」と言われるところに最高のエモを覚えながらもタイムアップ、裁判に突入。1話を後から振り返って思ったがこのゲームは決定的な証拠を苗木くんが手に入れることは出来ないようになっている節を感じるのできっとオタクの手に入れたアイテムでまた話がこじれるんだろう。あとオタクの居た場所が場所なので完全に更衣室で拾ったのだと勘違いしており(勝手に)話がややこしくなるのであった。御曹司の同時行動も完全に苗木くんにミスディレクションさせるためだけにわざわざ同行して丁度いいタイミングを見計らって別れて後はこっそり観察してたのかと思うとほほえましい。
 さて、この裁判開始時に得られた情報と妄想から、焦点は以下の通り。
・不二咲千尋の性別
・模倣されたジェノサイダー
・更衣室の男女の交換(2話連続で部屋入れ替えトリックというのはどうなんだろう)
・学生証(前述のとおりサウナイベントを忘れていたせいで悲惨なことになった)
である。これらが明らかになっていく順番によって真犯人が誰なのか、という話に変化していくだろう(この辺はとりあえず裁判してしまえという逆転裁判プレイヤーの諸症状の一つである)。 結果的にジェノサイダー→性別→部屋→学生証の順で話が進み無事真犯人が判明するわけだが、サウナイベントを忘却していた僕は推理がかなり迷走していて辛いプレイとなった。
 さくらちゃんのおかげでエイム力の向上した苗木くんにご満悦……と思ったら新たに現れたノイズとかいうシステムに絶叫し、腐女子の人表も裏も演技うめーなーと思ったらそのあたりでようやく沢城みゆきだったことに気付き、「ジェノサイダーが不二咲千尋を殺さなかった理由は?」の問いに意識の中で既に不二咲千尋が男性だったので「正解無いじゃん!!!!」と取り乱したりしながらもジェノサイダーの模倣犯が御曹司であることを看破(演技のはずなんだけど取り乱した演技うまいっすね御曹司)、そのまま話題は不二咲千尋の性別と犯行現場の話に入っていく(このあたりになるとノイズでも発言でも場を荒らしまくるジェノサイダーの発言が基本全員からシカトされてるのが笑える)。さくらちゃんが不二咲千尋に触れるくだりは前述のとおり素のさくらちゃんが垣間見える良い場面だったし、ジェノサイダーの「殺しときゃよかったチクショウ!」が楽しそうでよかった。
 このあたりになると裁判中でもちょいちょい示唆された通り(御曹司犯人じゃないな……?)という疑惑が広がり始めるのだが、サウナイベントを忘れていたせいで犯人候補が頭から消滅した僕は内心めちゃくちゃ焦ったりしていた。「犯人は男」のあたりで証拠を見直してようやくリーゼントが男の約束をしていたり地味に目立っていたのを思い出したぐらいだ。 というか性別問題にも部屋入れ替えにも気付いてなかった御曹司大丈夫か?
 それはともかく、その後の進行によって御曹司が犯人ではない、という流れになり、今までまるっきり問題にされていなかった被害者の生前の行動に話が行くのである。縦ロールの「不二咲……くん」の言い方が可愛い。 ここでちょっとしたトラブルがあって、1度目は「まだ証拠がある」という意味で、2度目は「ジャージの色はまだ話してない」という意味で「セレスの証言」を2回連続で使用することになるのだが、「逆転裁判では2回連続で同じ証拠を突き付けることはほぼない」という感覚に慣れ切った僕は思い込みから推理が暴走、はじめてのゲームオーバーを拝む羽目になってしまった。逆転裁判と違うところは突き付ける部分以外の会話も読んでないと「証拠品の全容が明かされていない」という逆転裁判ではあまりなかった(弁護士から見て。検事サイドは使いまくってくる)状況が作られたときに対応できないところ、というのを思い知った。よくログ読んだらさくらちゃんの「ジャージは数種類ある」に誰も反応してなかったね。
 結局、この後ギリギリちゃんの話題誘導によってリーゼントが言わなくていいことを口走ってしまい、そのまま男子更衣室にいたこと、学生証の壊し方を知っていることが芋づる式にばれ、風紀委員の必死のフォローも虚しく観念してしまうのである(御曹司お前、「更衣室から出ていくリーゼントを見た」ってそれだけかよ。証拠能力低っ)。後付の感情なんだろうけど、せめて秘密がバレないように、とした更衣室の入替、学生証の破壊というその余計な行動は非常に綺麗だ。せめて、という状況にしたのはお前だ、というやるせなさも含めて、彼のやり場のない感情がよく伝わってくる。
始まるリーゼントの述懐。ようは「兄貴の死の真相がバレたらチームへの求心力が無くなり、仮に脱出しても居場所がなくなる(一部推測)(そもそも普通に警察沙汰レベルの事故起こしてんじゃねーかと思うが暴走族にそれを言っても仕方ないだろう)」というものだったわけで、彼は元いた自分の所属、属性を希望ヶ峰学園で新たに生まれた親友や、これから親友になるかもしれなかった関係より優先してしまったということになる。
 これが非常に美味しい! 自分の強さを誇示しておきながら、その実前に進むことを恐れ(もちろん兄の存在は彼にとってそれこそ呪いのように大きな十字架としてのしかかっていただろうし、公表されれば確実に大事件である)、新たな友人よりも昔の集団を選び変化を拒んでしまったリーゼントは、自分の弱さを自覚し、前に進むために新たな仲間たちに秘密を打ち明ける決意をした不二咲千尋に嫉妬してしまうのである。美味しい……。 庇護する対象として「男の約束」を交わしたはずの相手は、自分よりずっと先にいることを思い知らされたリーゼントの胸中はどうであっただろうか。強いつもりになっていただけの自分を頼ってくれた不二咲千尋に感じたものは本当に嫉妬だけだったのだろうか。考えなかったわけではないだろう。もしかしたら族の連中も今までの功績でたとえ真相がそうであれ自分をリーダーと認めてくれるかもしれないと。ここで出会った新たな友人たちが助けてくれるかもしれないと。ぐるぐると回る思考の中で、最後に彼が信じられなかったのは自分自身だったのだろう。
 事が起こってから何度も後悔したことだろう。いざ裁判が始まってみれば新しい親友はあんなにも自分のことを庇ってくれるではないか。けれども時は戻らない。少しでも不二咲千尋に詫びるための余計な行為が引き金となって疑惑が決定的となり、ついには観念した彼の胸中を思うとメシウマが止まらない。 こうして、不二咲千尋は自らの嘘を精算することで、誰かの逆上を呼び、ひとつの事件を引き起こし、二人の命を失う結果となった。不二咲千尋は間違っていたのだろうか? そんなはずはない。秘密を持った人間がその秘密を明かす、その瞬間に再構築される関係こそが最もエモいのだから。今回はそれが殺人事件という展開を呼び起こしただけだ。不二咲千尋の生き方は何より美しかった���そう思う。
 ……頼むから舞園さやかちゃんか不二咲千尋のどっちかでいいから帰ってきてくれ……。
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ムービーギャラリーが虚しすぎるんです。
 全体のストーリーラインとしては、真犯人が後ろめたさと贖罪の気持ちから取った行動が結果的に余計な行動となって犯行が明らかになる展開は非常に良く纏まっていてスッキリ出来たと思う。冷酷になりきれずに取ってしまった行動が結果的に自らの破滅を呼ぶ、というのはこの作品の中で統一したテーマとなっていきそうなので今後も注目していきたい。その点野球部って全く考察することなくてすげーよな。 で、ここで一つ気になるのが、リーゼントは「ギリギリちゃんの誘導尋問」と「サウナに学生証を投げ込む行為」が決定的な証拠(正確には決定的な証拠ではないのだが、このゲームは逆転裁判と違って客観的に決定的な証拠が生まれ得ないので仕方ない)となって無事裁判でクロ判定されたわけだが、もし「ギリギリちゃんが口を挟まず」「サウナの学生証が発見されていなかったら」リーゼントを犯人とするのは御曹司の「現場から出ていくリーゼントを見た(しかも男女のどっちかが判別できる場所で見れていない)」という証言だけになってしまう。この状態だといくら御曹司が口八丁を重ねても風紀委員は確実にリーゼントに味方するだろうし、水泳部あたりは情に流されそうだし、ジェノサイダーは「どうせなら正統派イケメンが処刑されたほうが萌える」とか言い出しそうだし御曹司負けてたんじゃないの……? とずっと思ってる。不二咲千尋の性別にも更衣室入れ替えにも気付いてなかったようだし実は結構ポンコツなのかこいつ? と思うと裁判終了後にデカい顔して堂々と宣戦布告した挙げ句自分も一部分っていなかったトリックの解明で「危険すべき相手がわかった」とか言っちゃうその神経も許せようものである。
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煽り耐性低いところもかわいい。
 ようやく最後の話題までたどり着いたのだが、chapter2の最後のシーンで「彼女が口火を切ってくれたおかげで殺し合いが始まった」の彼女ってもしかして舞園さやかちゃんを指してるわけじゃないんじゃないですか? よく考えたら部屋のプレートを入れ替えたのも野球部にお誘いの手紙書いたのもさやかちゃんだとは確定してないですよね? つまり舞園さやかちゃんを殺した真の黒幕がいるんですよ。これはきっと彼女の真相が明らかになっていく展開ですねえ、間違いない。そうに決まっているんだ(それだとさやかちゃんが包丁を持ち出した事実に説明がつけられない現実から目をそらしながら)。
次回から分割します。
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shioriya-archi · 3 months ago
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完成見学会のご案内
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『猫と一緒に楽しく暮らす家』の見学会のお知らせです!!
お客様のこだわりがちりばめられたお家が完成しました!!今回もいろいろな試みがあったので、見学会がとても楽しみでおります。
下記に今回の見どころを紹介させていただきますので、ご覧いのうえたくさん妄想していただき(笑)まして、是非足をお運びいただけますと嬉しく思います。
それでは、ご案内です。
開催日:令和7年3月15(土)・16(日)・ 22(土)・23(日) 時 間:10時~16時 完全予約制 開催場所:滝沢市巣子 見学申込方法:弊社HPのお問いわせ または 下記電話より  ★tel. 0198-41-5615  ★mobile. 090-3755-0155 (申込受付後に詳しい場所をお知らせさせていただきます)
☆『猫と一緒に楽しく暮らす家』
猫が寝たり楽しく歩き回ったりするのを常に感じながら、家族団らんしたり、それぞれ自分のお気に入りの場所でリラックスしたりと、猫にも家族にも『居場所』がたくさんあるお家です。
そして、この土地に建築地を決めるに当たり惚れ込んだお気に入りの景色を常に眺められるピクチャーウィンドウ。2階リビングならではお得感ですね。
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●見どころ
・お気に入りの景色や岩手山を常に感じられる2階リビング
・造作家具と渡り板が連結した周回可能なキャットウォーク(リビング)
・家族それぞれの秘密の隠れ家(ロフト、裏動線など)
・普段の買い置きに便利なストックヤードを便利な場所に配置
・外壁:岩手県産材杉の板張り、フロアーは岩手県産材の栗と赤松
・紙クロス下地に天然粘土塗料を塗った塗り壁
UA値0.24W/㎡K Q1.0住宅Level-3 許容応力度計算による耐震等級3 BELS☆6評価取得
#栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #岩手県産材 #いわて木づかい住宅普及促進事業 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #板張り外装 #杉板張り #新住協 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事  #木の住処 #家づくりは住まいづくり #衣食住を丁寧に #心地よい家 #猫大好き #猫と暮らす #天然粘土塗料レームファルベ #エコウッドトリートメント  #自然素材の家づくり #オガファーザースモール #細部に心を込める大事さ #想いは細部に宿る #中村好文好き  #伊礼智好き
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shioriya-archi · 4 years ago
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ついに、完成見学会のお知らせです‼️ かねてより建築中の住宅が完成し、施主様のご厚意によりお引き渡し前に完成見学会を行います。 日時 11月27日(土)、11月28日(日)、11月29日(月) 時間 9:30〜、11:00〜、13:30〜、15:00〜 完全予約制となりますので、見学をご希望の方はメール又は弊社ホームページのお問合わせフォームよりお名前、ご住所、お電話番号、ご希望日時を記入のうえお申し込みください。追ってご連絡をさせて頂きます。 希望日時が重複した場合には調整をさせて頂く場合がございますので、お早めにお申込みください。 申込先  [email protected]      プロフィールのURLより弊社ホームページへ なお、感染症対策といたしまして検温、マスクの着用、靴下の着用、手袋(会場にて用意) の着用をお願いいたします。 #岩手県  #花巻市 #栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #しおりや  @tettsu1972 #岩手県産材 #岩手県森連 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #天然塗料の塗り壁  #チャフウォール #新住協 #高断熱高気密 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事 #手刻み #ささら桁階段 #家づくり #住まい #心地よい家 #暖かい家 #エコな暮らし #本と栞と綴り #住処 #自然素材の家づくり #自然素材 #オーガニック #花巻桜台の家 #中村好文好き  https://www.instagram.com/p/CWhKDRrPonV/?utm_medium=tumblr
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shioriya-archi · 2 years ago
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2/11、12日に完成見学会開催予定の花巻百ノ沢の家をチョイ見せ第三弾…そして、大詰め。笑 今回は水廻りをご紹介。 先ずは造作キッチン…一言、いいなぁ。近くに配膳台があり薪ストーブがあり、家族が集まりそうなキッチンって、とても幸せ感があることを改めて感じます☺️ 今回紹介の水廻りの共通点は、給排水管が見える作りになってますが、隠れてジメジメ感があるより清潔感があってとてもいいなぁと思います。 是非、体感して欲しいと思います❗️😊 #岩手県  #花巻市 #栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #しおりや  @tettsu1972 #岩手県産材 #岩手県森連 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #板張り外装 #杉板張り #新住協 #高断熱高気密 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事  #木の住処 #家づくり #住まい #心地よい家 #暖かい家 #エコな暮らし #本と栞と綴り #田舎暮らし  #自然素材の家づくり #自然素材 #チャフウォール #樹々に囲まれた住まい #中村好文好き  #伊礼智好き  https://www.instagram.com/p/CoZuEfChH0m/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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shioriya-archi · 2 years ago
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2/11、12日に完成見学会開催予定の花巻百ノ沢の家をチョイ見せ第二弾。笑 今回は1階をご紹介。 前回紹介の2階は遠景を望む窓でしたが、1階の窓は家の周りの景色を楽しめる窓です。 敷地内にはシンボルツリー🌲となる樹木や家を迎え入れてくれた林の樹木が立っています。その樹木たちを生活の色んなシーンで眺めることが出来るなんて、幸せだなぁとつくづく思います☺️ 是非、この空間を体感して欲しいと思います😊 #岩手県  #花巻市 #栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #しおりや  @tettsu1972 #岩手県産材 #岩手県森連 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #板張り外装 #杉板張り #新住協 #高断熱高気密 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事  #木の住処 #家づくり #住まい #心地よい家 #暖かい家 #エコな暮らし #本と栞と綴り #田舎暮らし  #自然素材の家づくり #自然素材 #チャフウォール #樹々に囲まれた住まい #中村好文好き  #伊礼智好き  https://www.instagram.com/p/CoXDjbIBR-R/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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shioriya-archi · 2 years ago
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2/11、12日に完成見学会開催予定の花巻百ノ沢の家をチョイ見せ。笑 壁塗り作業も終わり、床養生板を剥がすことが出来ました。 今回は2階をご紹介。 岩手県産材の温もりと塗り壁の優しい色合いが相まって、何とも素敵な気持ちの落ちつく空間に仕上がりました。こだわりのピクチャーウィンドウでは景色の眺めを楽しめること間違いなし! 美味しい珈琲をいただきながら・・・ん〜、この空間が欲しくなりました‼️☺️ 是非、この空間を体感して欲しいと思います😊 #岩手県  #花巻市 #栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #しおりや  @tettsu1972 #岩手県産材 #岩手県森連 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #板張り外装 #杉板張り #新住協 #高断熱高気密 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事  #木の住処 #家づくり #住まい #心地よい家 #暖かい家 #エコな暮らし #本と栞と綴り #田舎暮らし  #自然素材の家づくり #自然素材 #チャフウォール #百ノ沢の家 #中村好文好き  #伊礼智好き  https://www.instagram.com/p/CoOZuNyhlEc/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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shioriya-archi · 2 years ago
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花巻百ノ沢の家では塗り壁作業が進んでおりますが、なんと建主様ご夫婦がご自身で作業をされております✨😃 今日はその作業のほんのわずかですがお手伝いに。 とても想いのこもった住まいになること間違いないですね‼️☺️ 建主様のご厚意により完成見学会を開催することになりました。 そちらのアナウンスは改めてさせていただきます。 この後の作業も力を合わせて進めて参ります😊 #岩手県  #花巻市 #栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #しおりや  @tettsu1972 #岩手県産材 #岩手県森連 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #板張り外装 #杉板張り #新住協 #高断熱高気密 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事  #木の住処 #家づくり #住まい #心地よい家 #暖かい家 #エコな暮らし #本と栞と綴り #田舎暮らし  #自然素材の家づくり #自然素材 #チャフウォール #百ノ沢の家 #中村好文好き  #伊礼智好き  https://www.instagram.com/p/Cn_FXhlhueb/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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shioriya-archi · 2 years ago
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遅いご挨拶となりましたが… 2023年明けましておめでとうございます⛩🌅🎍 昨年は、年始に計画した予定がコロナ禍による様々な影響を受け、初めて経験する混乱ぶりでした。 昨年経験した課題も今年に生かして、より前へ進めるよう社内一致団結し精進して参りますので、本年もどうぞよろしくお願い致します🙇🏻‍♂️😊 #岩手県  #花巻市 #栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #しおりや  @shioriyakenchikusya #岩手県産材 #岩手県森連 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #天然塗料の塗り壁  #チャフウォール #新住協 #高断熱高気密 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事 #住まい #心地よい家 #居心地のいい家 #暖かい家 #エコな暮らし #本と栞と綴り #住処 #自然素材の家づくり #自然素材 #オーガニック #花巻百ノ沢の家 #中村好文好き #伊礼智好き https://www.instagram.com/p/Cm8dzgdhx4O/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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shioriya-archi · 3 years ago
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住む。84号 2023年冬号 本日発売です。 今回で3度目ですが、今回もご縁があり初めての1ページ広告といつもの社名掲載と2箇所に弊社が掲載されております。 いつか効果を発揮してくれると信じております!笑 電話でもメールでもSNSでも、いずれにしてもご連絡いただいた方には1冊プレゼントさせていただきます‼️ #岩手県  #花巻市 #栞家建築舎 #Ume-ie建築設計事務所 #しおりや  @tettsu1972 #岩手県産材 #いわて森の棟梁 #いわて木づかいサポーターが作る住宅  #新住協 #高断熱高気密 #200ミリ断熱の家 #許容応力度計算による耐震等級3 #手仕事  #家づくり #暖かい家 #エコな暮らし #本と栞と綴り #自然素材の家づくり #自然素材  #中村好文好き  #伊礼智好き  #住む。  #暮らし #無印良品 #心地よい暮らし #田舎暮らし #住処に住む  #住処 #住み継ぐ #食は家にあり https://www.instagram.com/p/CmbO6bXB-L7/?igshid=NGJjMDIxMWI=
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