#豚とほうれん草のニンニクしょうゆ炒め
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momokuri-sannen · 10 months ago
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マルタイ棒ラーメン。
麺を2人前茹でたのでスープが圧倒的に足りない。
伸びているわけではない。
マルタイについては色んな人が色んなレシピを出しているが、個人的に「けんた食堂」さんのレシピがダントツに旨い。
これはひと玉では完全に足りない。
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晩飯は「とうもろこしのかき揚げ」「豚とほうれん草のニンニクしょうゆ炒め」を作る。
米が切れたのでスーパーに行ったのだが、本当に全然ないのな。
いや困るなァ。
ひとまずレンチンのごはんを一掴み買ってきたが、米農家の親戚とか友達とかいなかったかな。
ごちそうさん。
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haru-yonige · 1 year ago
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食べること、というか作ることが好き
思えば2chのメシマズスレに晒されてもおかしくないくらいの美味しくないご飯で育ったので、「不味いものを口にいれたくない」という欲求が強い 人と外食しても相手に比べてむしろ量は食べられない方だから、胃袋が大きいとか食に対してがめついというわけでもないんだろうけど、それよりも作ることが好き 他人の胃袋掴むのが得意
母の手料理が大嫌いで、昔は毎晩の食事が苦痛で仕方なかった わたしが偏食だったわけではなくて、むしろ好き嫌いはほとんどなかった方だと思うけど、それでもしょっぱすぎるカレーとかサラサラすぎて水のようなシチューとか、味のしない野菜炒めとか、いくら料理のセンスがなくてもパッケージの説明の通りに作ればこんな惨状にはならんだろというものを食べて育った 金がなかったのもあるだろうけど、誕生日以外には外食という選択肢のない家だった 母は説明書を読むということと計量という概念を知らない
売り物を買って帰ればめちゃくちゃ美味いということはなくても食べられないほど不味いということも基本的にはないのだから、わたし的には惣菜や冷食で十分だったが、むしろ惣菜でお願いしますという感じだったのに、「惣菜を食卓に並べるのは貧乏くさいから嫌」とかいう母の謎のこだわりによって苦行は続いた それでも作ってもらってるだけありがたいと思い、流石にこれは…というような著しく常軌を逸するレベルの謎料理以外は基本的に文句も言わずに飲み込んでいたわたしを世の偏食共は讃えるべきだと思う
この前わたしがコロナにかかった時、流石に罹患者が人の食事を用意するのは不味いだろうと母に食事の支度をお願いしたら、なんか辛いのに水っぽすぎて味のしないカレーが出てきた 病人にカレーというセンスを疑うというのは置いといて、母の手料理を毎日食べてたあの頃を久々に思い出した 昔は風邪引くたびに具材がほうれん草だか何だかの葉っぱが入っただけの本当に味のしない(調味料が水だけ)お粥が出てきて、当時は罰ゲームか何かだと思って食べてたんだけど、成長して自分でお粥を作ってみたらめちゃくちゃ美味くて、お粥という食べ物がちゃんと美味しいということを知った
こうして母の手料理が不味すぎたがために嫌いだと錯覚していただけで、一般的な形態のものを食せば美味しいと感じるメニューが世の中にはたくさんあることを学んだ
煮物を作るのが好きだ 小学校の頃も泥団子を1日中、何日も飽きず���砂をまぶし続けてハイクオリティの泥団子を錬成する遊びが大好きだったんだけど、それと同じ 自分で漬けて、出汁を取って、味を見ながら何時間も煮込んで、使用するリソースは少ないのに着実に「作る過程で成長させられる」遊びが本当に好き 休みには何か煮込むと一日中映画や漫画読んだりするよりもずっとストレス発散になると気づいた バタチキカレーも大根と手羽先の煮物も、カレイの煮付けも、豚の角煮も、うちに圧力鍋なんてものはないが全て美味しく作れる 食べる時の喜びは作る最中のそれには劣るんだけど、それでも自分で作ったものがちゃんと美味しいと嬉しい
人に出して「人生で食べたものの中でトップクラスに美味い」と言われたり作り置きを頼まれるのは大抵ハンバーグなんだけど、それでもやっぱり煮物が好き ハンバーグもスーパーで一番安い赤ワインを買ってケチャップやみりんと玉ねぎやきのこを入れて煮込んでソースを作って包み焼きにするから、半分煮込み料理みたいなものかもしれない
でも幼稚園児の時点で好きな給食が春雨サラダと海藻サラダだった人間だから、自分が食べる用なら酢の物も好きで春雨サラダはよく作る 大量に作ってよく主食にする 春雨は近場のスーパーのプライベートブランドで麺の太いものが出ていたのでそれを使うと一気に給食の味になる 酢、醤油、砂糖、胡麻油を同量ずつ、鶏がらスープの素は小さじ1くらいでちょうど良い味になる 薄焼き卵は片栗粉少し混ぜて焼くと全く崩れずに焼けるので、冷やし中華やちらし寿司等の卵の食感を気にしない系の料理への汎用性が高い
あとジャンキーな食べ物ならニンニクが正義と言われがちだけど、検証してみて例えば唐揚げだと塩胡椒、醤油、酒、みりんにすりおろし生姜ましましで漬けるのが一番美味いです もちろんニンニクは好きだけれど、ニンニクよりも生姜の方がいいスパイスになることの方が多い 唐揚げは片栗粉で揚げるのが油ケチって揚げ焼きするのでも一番カリっと揚がる 生肉は漬けてる時に味見とかできないんだけど唐揚げは醤油気持ち多めくらいにぶち込んでちょうどいい
わたしは普段夜食をしない人間で、夜中にカップ麺とか人生で片手で数えるほどしか(しかも人といる時しか)やったことのない人間なんだけど、前にめちゃくちゃ腹減った時にジャンキーなもの作ってやるぞって意気込んで、鶏がらスープにニンニク、胡麻油、鶏肉、もやしとかでスープ作った話したら「それはジャンキーじゃなくてただの滋養強化や」って言われた ニンニク入れたらジャンキーになると思い込んでる
スーパーで日頃耳にしないようなよくわからない名前の白身魚1匹丸ごと売りに出されているのを見かけたら買ってきて、アクアパッツァにするとめちゃくちゃ美味い 味付けは塩だけなのにこんなもん家で食べられて本当にいいのかって気持ちになる 下ごしらえも鱗取って腹切って内臓取るだけで(捌くまで行かない)、両面焼いて酒と水と塩、あとはトマト玉ねぎその他好きな野菜ぶち込んで蒸し焼きにするだけでOK 肉もそうだけど生き物まるごと入れた出汁の力ってすごいなーと思う 蛤の酒蒸しが美味いのと同じ理論 魚はすぐ臭くなるから、ゴミ出しの日の直前に作って翌朝さっさとゴミに出してしまうのが吉
魚だと家族が魚嫌いなんだけど、鯖を唐揚げにして甘酢餡、大根おろしで食べると一気に定食屋の味になって本当に美味しいしすぐになくなる 鯖は醤油酒生姜で漬けて、これも片栗粉で揚げます これはできるだけちゃんとカリカリに揚げた方が骨まで食べれるので、ちゃんと揚げるのがおすすめ 前油ケチって少量の油で揚げ焼きにしたらやっぱり骨が食べれなかった
いつも食べてる一人分のうどんのつゆは具材にもよるけど小鍋に水200ml、本だし大0.5、醤油大1弱、酒大1、みりん大2くらいで作ってる これに鶏肉とか小松菜やしめじ入れて沸騰させて肉に火通して、冷凍うどんを半解凍くらいにチンして鍋に入れて、最後に卵入れて蓋してぐつぐつして温玉になったら丼に盛ります ���単だし下手に外食するよりも美味しくて気に入ってる つゆの段階で生姜すりおろして入れてももちろん美味しい 油揚とかも適宜 風邪引いた時にこれが出てきたらわたしは嬉しい
油揚といえば、卵巾着作る時は注ぎ口のついてるタイプの計量カップに卵を割り入れて油揚に注ぐように落とすと楽に作れる 卵巾着も大好き 出汁はほんだしと鰹節で作ってみりんと砂糖を多めにちょっと甘めに作るのが好き 卵が半熟のうちに止めるのもいいけど、やっぱり中まで味が染みてる煮物が大好物 おばあちゃんの煮物みたいな いうてうちのばあちゃん煮物も料理も全体的に美味しくないし下ごしらえという概念のない人だから大根とかもマジで苦くて自分で作った方がダンチで美味い
周囲を見渡してもメシマズで育った人間は食に執着がなくなる、あるいは自分ではやらないというのが多数派っぽくて、探求心旺盛でご飯作ってるわたしはレアケースなのかもしれないと思った
納豆はネギもいいけど大葉入れると美味い 元々卵がけご飯二口目で飽きる味覚なので苦手だったけど、醤油と白だし半々くらい(どっちも小0.5くらい)で卵に味つけて大葉ちぎって入れると美味しく食��れる 飢えてる時によくこれやるけどいつも茶碗のご飯が秒でなくなる 大葉本当に大好き つまみが欲しい時は餃子の皮か春巻きの皮にベビー��ーズハム大葉を包んで焼くと手軽に美味しい 冷奴にも合うし、親子丼にも入れると良いアクセントになる おまけに安い これだから好きな食べ物大葉と豪語している
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geniusbeach · 7 years ago
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海南島記
一日目
海南の空は螺鈿色に湿っていた。私が海口(ハイコウ)に到着したのは夕暮れ時で、それは街が最も騒がしくなる時間帯であった。空港から延びる道路にはわずかの隙間も空けずに車が並び、クラクションがひっきりなしに鳴らされる。私が乗る車も同様、運転手がそれに負けじと鳴らす、詰める、怒鳴る。その横を、日本で言う「原付」型の電動自転車が列をなして通り過ぎ、屋台では店番の女が電話に向かって何事か喚き散らす。笠を被って自転車に乗る果物売り、地べたに座り込む男たち、商店の前で遊ぶ子ら、通りを行き交う人々、その生活のすべてが喧騒に満ちていた。ただ、亜熱帯特有のねっとりとした甘ったるい空気と、何とも言えない暖色の空がそれらを包み込むことで、雑多な街にも不思議な円みがあった。
渋滞とともにのろのろと市街中心部へ移動し、ホテルにチェックインする。その後レストランで夕食だ。円卓でイノブタ、ハト、ガチョウ、アヒル、空心菜、牡蠣、麺など様々な中華料理を食べた。アヒルが一番うまかった。小ぶりな茶碗に入った白飯は日本のものと大差なかったが、箸は先が尖っておらず、さながら細い木の棒のようだった。たらふく食べた後はしばし町をぶらついた。ぎらつくネオンが私の目を刺す。やはり中国だ。見慣れない漢字が多く、一部は読めるが発音ができない。サービスセンターを意味する「服務中心」など、簡単なものだけわかった。まるでパラレルワールドに迷い込んだかのような感覚に陥る。幹線道路沿いを歩いていったが、ほとんどの店が夜遅くまで開いていた。というより、商売っ気がなく売れないので、起きている間中開けているというべきか。店内の黄色がかった薄暗さは、ちょうどそこで働く人の肌の色に似ていた。なんとなく遠い昔を思わせるような、谷崎潤一郎が言うところの「玉(ぎょく)」の色だろうか。その前を電動自転車が歩道も車道も関係なく我が物顔で走り回る。さらに逆走もする。無音なので普通に危ない。そういえば昼間には子供が三人乗りしていた。もちろんバイクも走ってはいるが、それに比べて数が少ない。この電動自転車の普及のせいで、島民の肥満化も問題になっているとか。
ホテルに戻った。ナントカ大酒店という名前だ。中国のホテルは飲食屋でもないのに「飯店」とか「酒店」とかいう。食事は「菜」というそうだ。���屋はかなり広かった。バスルームも綺麗だ。そのぶん値段も高いが。煙草を吸ってから、中に置いてあった「椰树」という名のかすかに甘いミネラルウォーターを口に含み、バスローブにくるまって寝た。
二日目
ホテルの朝食はバイキング形式だった。色々食べたが、フォーのような麺が一番気に入った。言えばその場で茹でてくれる。パクチーやピーナッツ、味噌、細切り肉を入れて食べるのだが、うまいので2回もおかわりした。この日は会合に陪席してから、レクチャーの記録写真撮影を行った。同行者、というよりも随行させていただいている方々とともに壇上で紹介されたのは想定外で、分不相応の扱いに緊張をする。昼飯を済ませ、会議を継続。仕事を終え、地域の様子を見に行く。巨大なアパートの共用部分で麻雀やおしゃべりに興じる老人たち。なかなか活気があった。しばらく歩き、萬緑園という緑地公園へ。民主・富強・文明・和谐・自由……というスローガンが書かれた看板や文字のモニュメントを道中のあちこちで見かけた。主張が強い。道には、おそらく春節用に建てられた大きなオブジェが打ち捨てられていた。赤地に黄色い文字。読めそうで読めない。張りぼてがむき出しになっている。そこには何か私を強く惹きつけるものがあった。置いてけぼりになるのも構わず、しばらくじっと眺めていた。そしてふと周りを見渡せば、街中の色んなものが赤かった。共産主義社会を肌で感じた午後だ。
夕食を取るため、小さな島に渡る。めちゃくちゃに広いレストランだった。歓迎会などというやさしい表現で済めばよかったのだが、やはり例によって白酒の洗礼を受けることに。乾杯の発声と同時に全員のショットグラスが空になる。一瞬、咽喉が焼けるように熱くなるが、後味に不思議な爽やかさがある。乾杯はこれで終わりではない。今度は全員の席を回り、向こうは歓迎の挨拶代わりに、こちらは謝意を込めて一杯また一杯と飲み干す。そして、隣り合った人々とはこれを気の済むまで繰り返し、会話の折々に煙草を勧め合うのだ。私は下戸なのでこの儀式にはほとほと参ったが、なんとか六~七杯で勘弁してもらい、青島啤酒に切り替えて難を逃れた(逃れてない)。そうして一息入れようと、もらった煙草に火を付けた。フィルターには「珍品」と書かれていた。
ちなみに、こちらでは食事の初め、各々の小皿に醤油を注ぎ、輪切りの唐辛子、パクチー、刻んだニンニクを入れ、金柑のような小さい柑橘類を搾って好みの調味料をつくる。味の足りないものはそれで補うのだ。ウズラのまる茹でやら海藻入りのすっぱいスープやら、ヤギ、豚、鶏、特産のピーナッツ等が出てきた。全部うまかったが、酒を飲んで以降は味もヘッタクレもなかった。赤くなった私の顔を見て、皆はしきりにスープを飲めと言った。帰りのことは良く覚えていない。とにかく酔っていた。日本人には酒が飲めない人が多いらしいね?と聞かれ、それは私だと返す。白酒はきついが花のような香りがしたと言うと褒められた。ホテルに戻って「中華」という煙草を買い、部屋で吸った。うまくはないが、旅行中はこれで足りるだろう。腹が膨れて苦しかったが、落ち着くために茶を一杯飲んで寝た。
旅について思う。自分をポケットに入れて旅に出る。旅する身体には普段とは違った意識が宿る。というのも、見知らぬ土地を歩く時、 人は積極的に自身の位置を探ることで、次なる一歩、それもその場において適切な一歩を踏まねばならないからだ。個人的な目的を設定し、それを達成するために地図を広げ、標識を読み、道を尋ね、馴染みのない言語文化に全身を投じて彷徨う。それはまだ見ぬ自分への巡礼なのだ。……
三日目
朝に海南島の田舎、澄萬(チェンマイ)に移動。昼から飲むことに。横に座った男がやたらと酒を勧めてきたが、聞けば現地の医者だという。飲めないという言い訳はなぜか通じない。野郎ばかりの狭くむさくるしい部屋で豚とヤギの鍋をつついた。あまりに大量の肉。山ほどパクチーを食べ、ビールも飲んだ。途中、福山(フーシャン)珈琲に立ち寄ってブレイク。コンデンスミルクを大量に入れて飲むのが東南アジア流だ。少々粉っぽく、八ツ橋のような味がした。亜熱帯気候の海南は日中ずっと暑いので、昼休みが2時間半ほどもあるらしい。そのせいか、福山珈琲館にいた客はしばしの休憩でくつろいでいると言うよりも、椅子の上にグダーっと伸びてひたすらダラダラしている印象を受けた。
ここの環境は良い意味で適当で大らかだ。どこでもタバコが吸えたり、店員がお釣りをちょろまかしたり、交通警官が飲酒運転を黙認していたり、原付が歩道を走っていたり、日本で生活している自分からするとありえないことが多い。しかし、人々は皆楽しそうで、私自身も日本のように気疲れすることは少なかったように思う。なんというか、町中に散らばった漢字の看板も相まって、そこには古き良き���代という言葉がぴったりな気がした。人々と同じように、ほんの少しだけ歩く速度をゆるめるだけで、普段とは違った景色や時間の流れを味わえることに気づく。せかせかした日々を送る私たちだが、ふと立ち止まって空を見上げたり、仕事中でも遠くの緑を眺めたりしてみるといいのかもしれない。忙しくとも気持ちだけはゆっくりいこう。
次の目的地までの移動中トイレに立ち寄ったが、小便器の前にはこう書かれていた。「向前一小歩 文明一大歩」。世界中どこでもメッセージは同じなのだ。ちなみにこちらのトイレでは紙を流してはいけないことになっている。簡単に詰まるからだ。使用済みのものは目の前のくずかごに入れる。紙がない場合、シャワーヘッドが壁にかかっていることがあるが、言わずもがなそれで洗えという意味だ。そして、紙もシャワーもない場合は、単に絶望だ。一度そういうトイレに遭遇したが、同行者からティッシュをもらって助かった。日頃からカミに感謝しよう。
昼過ぎに、福山近くの黄竹村へ。家々の扉には旧正月の名残で倒福がかかっていた。家の前でおしゃべりをする高齢の女性たち。子供もおり、のどかな雰囲気だった。しばしの滞在の後、海南島の最高峰である五指山近くの町へ向かう。午後四時。運転手が中華ポップをガンガンかけながら飛ばすので車内からは悲鳴に近い声が上がったそうだが、私は心地よく眠っていたので知らない。目を覚ますと山道に入るところだった。道幅が狭くなるものの、相変わらず運転は荒い。と、右前方の道端で巨大なタンクローリーが横倒しになっているのが見えた。崖がごっそりとえぐれており、デペイズマンかと思うほどすごい絵だった。警察はまだおらず、運転手と見られる男が乗員とともに困り果てた顔をしていた。これは大事故だ。と思う間もなく、私たちはビュンと通り過ぎた。運転手はあまり驚いていなかった。きっと日常茶飯なのだろう。私たちは無事に山を越えられるだろうか。
日が暮れてきた。相変わらずくねくねとした山道だが、車同士が容赦ないスピードですれ違う。出発から二時間が経とうとしていた。さっきから少し車のスピ���ドが落ちてきたように思う。安全運転にシフトチェンジしたのかと安心するも、何か変な音がすると運転手が言い出す。確かに坂続きで馬力がなくなってきているようだ。そうこうするうちにヘッドライトの先だけが道となり、不安を抱えたまま夜へと乗り入れる。なんとかなるだろうと思っていたものの、いよいよ異音が大きくなる。そうして急カーブに差し掛かったところで、車は静かに止まった。一度降りて様子を見るのかと思いきや、最初の悪い予感が的中する。どうや���故障したようだ。同乗者がすぐに助けを呼んでくれたが、町からは相当な距離がある。途方にくれた。とりあえずあたりの木の枝を折って車の周辺に置くことで停止表示板の代わりにし、安全確保のため路肩に避難する。蚊がぶんぶんとうるさい。聞けば、ここらへんの蚊は昔マラリアを持っていたらしい。今ではもう終息したそうだが、やはり気は抜けない。手を振り回したり、煙草を吸って身体に吹きかけたり、タイガーバームを塗ったりした。そんな絶望的状況から約一時間半後に救援車が到着。なんとか闇のジャングルから脱することができたが、運転手はレッカーを待たねばならない。後から聞けば、彼が帰着できたのは午前零時を超えてからだったそうだ。
さて、私たちが五指山麓の町に着いたころには午後九時を回っていた。出発してからざっと五時間以上かかったことになる。ホテルにチェックインして部屋のカードキーを受け取ったが、錠の反応がなかった。フロントで入れない旨を伝えようとしたが、スタッフは困った顔をしている。仕方なく紙とペンで偽中国語筆談を試みようとしたところ、英語の通じるスタッフが一人いたのでなんとか解決できた。こちらではほとんど英語が通じない上に、たいてい中国人と勘違いされるせいで怪訝な顔をされる。海外からの観光客が少ないせいか。
レストランで遅い夕食を取る。ここでもやはり白酒だ。終わることのない乾杯に、謝謝!と杯で応える。もうどうにでもなれといった感じだ。だがやはり途中で青島に変え、限界がきたので最後には茶を飲んでいた。薬酒のような茶色い酒も飲んだが、口に合わなかった。料理は、薄いオムレツ、ヤギ、鶏、菜心、ピーナッツなどが出た。炒め物を口にした時、ゴリッという音がしたので出してみると、それは鶏の頭だった。くちばしも付いている。トサカだけ噛みちぎって食べた。脂っぽい。食べられるものは何でも食べるんだなと思った。こちらに来てからは毎食、食べきれないほどの量で料理が出てくる。残すのは嫌なので無理にでも詰め込もうとしたが胃袋には限界というものがある。食後にしゃっくりが止まらなくなった私に、同行者は、これはもてなしの表現であり中国の文化であると教えてくれた。また、皆食事中に煙草を吸い、互いに勧め合っていたが、それも慣習であることを知った。灰皿がない席では、吸い殻は床に捨てていた。相手方のうち一人が酔いつぶれたので、助っ人にホテルまで送ってもらった。べろべろになりながらも、貰った煙草に火を点け、人間の生について考えた。
四日目
朝、ホテル近くの市場を見に行く。果物を売っていたり、路上で占いをしていたりと、活気がある。道では放し飼いにされた犬がじゃれあっていた。檳榔売りもいて、歩道にこびりつい��血のような赤い点々はそれが吐き捨てられた跡だった。町を出発し、五指山中へ。五指山市は中国で唯一の貧困都市で、特に山間部の村が貧しいということを聞く。途中で車を降りると、山頂が雲に隠れているのが見えた。少数民族である黎族(リー族)の村へ赴く。同行者が、土地の名物だという竹筒入りの炊き込みご飯を村人から買っていた。熱帯植物の生い茂る山道を進む。家々の扉には未だ福(倒れていない福)の赤い紙が掛かっている。途中、飯屋に立ち寄りイノブタと菜心を食べる。村は最近観光開発が進んだことで、麓と展望台をバスがひっきりなしに往復しており、ラフティング等のアトラクション施設もあった。鶏は放し飼いにされていて至る所にいたが、人の姿はほとんどなかった。仕事のために山を降りているのだろうか。家の前には農具が散らばっていたり、材木や乾物、ぼろぼろのトラックが置かれていたりする。乱雑ではあるが、今の日本が忘れてしまった、アジアの穏やかな昼間があった。
山を降り、昨夜と同じレストランで夕食。白酒はそこそこにして、後はビールで勘弁してもらえた。こちらの熟鮓を食べさせてもらう。少々クセはあるが、日本のものと似ている。日本酒があればいいのにと思った。豚のしゃぶしゃぶのようなものと海藻入りのスープを食べる。スープは酸っぱく、辛い。しかしトムヤムクンとはまた違う。味わったことのない味。料理は全体的に油が多く、それでコクを出しているといった印象だ。日本でいうダシの代わりだろうか。食後、オーナーのトウさんが身振り手振りで電話番号を教えろと言ってきた。また連絡するから、とのこと。連絡をくれたとしてもどうやってコミュニケーションを取れば良いのかわからなかったが、なんとなく面白かったので、番号を名刺に書いて交換した。トウさんは人の良さそうな兄ちゃんで、たぶん同い年くらいだ。奥さんも子供もいて、手伝い半分世話半分で店内をうろうろしていた。
腹ごなしに町をぶらつく。最初に比べ、黄色い街灯やネオンも心地良くなった。明日で最後かと思うと少し寂しい。カバン一つで来たが、叶うなら滞在を延長したいと思った。名残惜しさを噛み締めつつ、橋から川を眺める。紫、赤、白、黄の灯りが水面に反射し、サイケデリックに揺らめいていた。
五日目
朝、昨日買った竹筒入りのご飯と鳥の足の唐揚げを食べる。うまい。五指山からまたも五時間かけて海口へ戻り、海口の旧市街を見に行く。石畳が敷いてあり、ヨーロッパの古い都市を思わせる町並みに驚く。ここは文革でも破壊を免れたそうだ。洋風の建物を良く見ると、その壁に書かれた文字が全て中国語なので不思議な印象を受ける。中洋折衷だ。なぜか道端のいろんな場所にココナッツが置いてあった。特産超市(スーパー)には民芸品と��もにドリアンが並んでいた。資料館で町のジオラマや歴史年表を見た後、昼飯に豚の内臓入りの麺を食べた。地元ではポピュラーな料理だ。こちらに来てから食べ過ぎのせいで顔がむくんだ。体重も2kg増えた。しかし飯がうまいのだから仕方ない。好き嫌いが少なくて良かったと思う。
海南の気温は2月でも30℃近くあったが、この日は雨が降り10℃台まで冷え込んだ。私はシャツにジャケットを羽織って終日過ごしたが、町ではダウンを着た人をよく見かけた。どうやら、一年中春のような気候のせいで海南人は寒さにかなり敏感なようだ。滞在初日、厚手の服を売っているお店の前を通りがかった時には、こんなもの一体誰が買うんだと思っていたが、案外需要があるもんだなとそこで納得した次第だ。
さて、もう日本に帰らねばならない。海口の空港で土産を買った。真空パック入りのサラダチキンのような鳩肉と鶏足の揚げ物だ。店員に英語で値段を聞くとなぜか爆笑された。無言でレジに表示された数字を指差す。別の店で煙草も買ったが、無愛想なジェスチャーで釣りがないと言われた。面倒なのでいらないと答える。行きと同じく広州経由の便に乗る。海南よ、さようなら。飛行機の中で、萬緑園に放置されていた、夢の跡のような春節の残骸を思い出した。
後記
この旅行記は、平成29年2月20日~24日の出来事を、約一年の期間を経てから綴ったものである。旅の主な目的は仕事であったため、内容には多少のフィクションも含まれている。
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ibkuroneko · 6 years ago
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buffet
・自家製ピクルス
ピクルス液にはアップルヴィネガー、白ワインビネガー、穀物酢と三種のお酢とスパイスやハーブを加え複雑な風味に。 人参、玉ねぎ、赤ピーマン、黄ピーマン、ズッキーニにセロリ、カリフラワーとカブ、たくさんのお野菜を一口サイズで漬け込みました。 砂糖は使わずさっぱりとした爽快な味わいです。
・厳選トマトのカプレーゼ
ミルキーな水牛のモッツァレラチーズに高糖度のフルーツトマトを使用。 トマトとチーズを重ねてバジルを散らし、オリーブオイルと黒胡椒。 鮮やかな色彩とシンプルな素材の旨味と甘味をお楽しみください。
・オイルサーディンとしらすのオニオンサラダ
スライスした玉ねぎの上にオイルサーディンと釜揚げしらすをたっぷりと乗せて、鰹節を散らしました。 ドレッシングはオレンジと醤油、オリーブオイルを混ぜ合わせ甘酸っぱく。 個性の強い食材を繊細なバランスでまとめ上げました。
・ロメインレタスと首肉ベーコンのシーザーサラダ
シーザードレッシングにはあっさりとしつこくない油の首肉ベーコンを使用して、ロメインレタスとルッコラにバランスよくまとわせて。 軽くドレッシングを吸わせたクルトン、パルミジャーノ、カリカリのベーコンを散らしました。
・ポテトフリッツ
じゃがいもは棒状に切りそろえて、皮付きのにんにく、ハーブと共に揚げました。 低温と��温で二度上げることにより表面はカリッと、中はふわっと食感に。 マヨネーズソース・チーズディップ・ワサビアボカドディップのソースがあります。
・アサリの香草バター蒸し
白ワインと日本酒をいれゆっくり火を入れたアサリ。 その煮汁にエシャロット、パセリ、ニンニク、松の実、オリーブオイルを加えた香草バターを加え、香り高く仕上げました。 アサリのうまみが染み出したスープも是非バゲットにつけてお召し上がりください。
・炙りサーモンのカルパッチョ
サーモンは軽くオリーブオイルを塗ってさっと炙って、薄切りに。 白ワインビネガーとオリーブオイル、しょうゆにすりおろしたショウガを加え、トロトロドレッシングに。 固めにゆでた柔甘ねぎを添えて、イクラを乗せてできあがり。 香ばしい炙りサーモンをさっぱりドレッシングでお召し上がりください。
・豚肉と鶏白レバーのパテ・ド・カンパーニュ
豚肉と白レバーにポートワイン、マデラワイン、ブランデー、三種のお酒とクローブ、ナツメグ、白こしょう、ジンジャーパウダー、シナモンのミックススパイスをしっかりと混ぜ込んで、ベーコンで包み蒸し上げました。 レバーのこくと肉を引き立てるスパイシーな香り、みっしりと食べ応え満点です!
・チーズフォンデュ
グリエールチーズとエメンタールチーズを白ワインで伸ばしてぐつぐつとろとろと。 具材はバゲット、ブロッコリー、アスパラガス、プチトマト、皮付きフライドポテト。他にもお好みの食材がありましたら店員までお問い合わせください。熱々をたっぷりとつけお楽しみください。
・アリゴ
マッシュポテトは生クリームとバターをたっぷり使って滑らかに。 カーリックと塩コショウでしっかりと味付けして、モッツァレラを練りこめばもっちりトロトロ、チーズのように糸を引き伸びるアリゴの出来上がり。
・魚介トマトスープ
白ワインでふんわり煮込んだ鮭、たら、ヤリイカにマダコ、あさりとエビ。 トマトスープと香味野菜でブイヤベース風に仕上げました。 トマトと魚介の旨味を生かして味付けはシンプルに!
・コーンポタージュ
玉ねぎととうもろこしを炒め、コンソメで煮込んだらしっかり濾して。 生クリームとバターをたっぷり加え、沸騰させないようにコトコト煮込んだら出来上がり。 滑らかな舌触り、コーンの甘みたっぷりのスープです。
・シーフードマカロニグラタン
いか、エビ、ホタテはオリーブオイルでもみこんでぷりっぷりにゆで上げて。玉ねぎ、マッシュルーム、ほうれん草は焦がしバターで香り立たせて。 クリーミーなソース、熱々とろりなパルミジャーノ、プリっとしたシーフードとマカロニの食感をお楽しみあれ。
・生ハムとルッコラのリゾット
玉ねぎ、オリーブオイル、バターでお米をしっかり炒めて、パラパラとした食感に。 しばし蒸らしたらチキンブイヨンと共に生ハムとマッシュルームを加えて炊き込むこんでアルデンテになったタイミングで、バター、生クリーム、オリーブオイル、パルメザンチーズを混ぜ込んでとろとろと乳化させますした 仕上がる直前混ぜルッコラ、トッピングに散らしルッコラ。ついでにパルメザンチーズ、オリーブオイル、黒コショウも散らします。 お米を噛みしめると、一緒に炊き込んだ生ハムとマッシュルームの旨味が滲みだします。
・ぱりぱりおこげの真鯛のパエリア
輪切りのイカに焦げがつくまで焼いたら玉ねぎ、にんじん、セロリ、ニンニクを加えて炒めたらホールトマトで煮込みます。 大きめにぶつ切りした真鯛の身とあら、有頭えびとあさりにサフランを更に加えて煮込んで、海老のみそを押し出してから具を取り出せば、魚介のエキスたっぷりのスープに。 スープにお米を加えて火を入れ、エキスを吸い込んだお米にゼラチン質の膜がうっすらと張られタイミングで強火にしておこげをつくります。 取り出していた魚介を戻して、レモンとパセリを添えたら完成! 魚介の出汁が凝縮されたぱりぱり食感のおこげをお楽しみください。
・フォカッチャ
米粉を加え、低温で長時間発酵することでうまみが増してもちもちの食感に焼きあがりました。 高温で焼き上げ居るので表面はカリッと仕上がっております。 オリーブあり、なしが選べます。
・ピッツァ・マリナーラ
ジューシーなトマトソースをベースに甘く濃厚なリュウジントマトとオレガノ・ニンニクを散らして、オリーブオイルを回し掛けます。 ぐつぐつとオリーブオイルが音を立て、ニンニクの食欲をそそる香りがしてきたら焼き上がり。 厳選された素材の良さを引き出した、トマト・ニンニク・オリーブオイルのバランスが取れた三位一体の味わい。 シンプルなチーズの無いピッツァ、是非お試しください。
・水牛のモッツァレラのマルゲリータ
水牛のミルク100%のもちもちジューシーなモッツァレラを使用しました。 フレッシュでミルキーな水牛のモッツァレラと熱の通ったトマトの旨味と酸味の抜群の相性を是非お味わいください。
・和牛の自家製ローストビーフ
霜降りのもも肉のブロックを表面をしっかりと焼いた後、低温で火を入れて肉汁を閉じ込めしっとり柔らかに仕上げました。 口の中でとろけるような食感を、コクと深みのグレイビーソース、和風さっぱりワサビ醤油ソースの二種類のソースでお楽しみに下さい。
・豚スネのアイスバイン
塩漬けした骨付きの豚スネ肉を、ローリエ・オレガノ・玉ねぎ・セロリと共にじっくりと煮込み、しっとり柔らかプルプルに仕上げました。
・ムール貝と浅利のバターソテー
あっさりとしたクセの無いムール貝とアサリを、コクのあるバターとにんにく、みじん切りにしたパセリと共にソテーしてココットへ。 身だけでなく、貝の旨味が染み出したソースもバゲットにつけてお楽しみください。
・皮つきサーモンのソテー
脂ののったキングサーモンを皮つきで切り身に。 オリーブオイルで皮がカリカリになるようにソテーしました。 添えられたジェノバソースは爽やかなバジルとくるみのコク、そして隠し味のお味噌がやさしい味わいを醸し出します。
・自家製ベーコンの濃厚カルボナーラ
細い平打ちのタリオリーニを使用。 コクと甘みの強いほほ肉のグアンチャーレをじっくりカリカリに炒めた後、白ワインで煮詰めて。 生クリームと牛乳は使わずに、卵黄とミルクの甘い香りのペコリーノチーズをたっぷりと濃厚に仕上げました。
・茄子とモッツァレラチーズのトマトソースパスタ
オリーブオイルでにんくと鷹の爪の香りを立てて、トマトソースと3cmの厚さで揚げた茄子を加えて軽く煮込みます。 パスタを混ぜたら火を止めてから角切りのモッツァレラを和え、バジルの緑を添えたら出来上がり。 茄子とトマトにモッツァレラの間違いない組み合わせのパスタです。
・クレームブリュレ
卵黄・砂糖・牛乳にたっぷりの生クリームとバニラを混ぜ、小さなココット皿で焼き上げました。 表面は溶けたグラニュー糖が覆いスプーンを入れればパリッと割れて、滑らかなプディングが顔を見せます。
・ガトーショコラ
クーベルチュールチョコレートに卵、バター、グラニュー糖。シンプルな材料を丁寧に焼き上げ、ふわふわに。中はしっとりレアに仕上げられておりクリーミーでリッチにカカオが香ります。
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ukigawachihiro · 8 years ago
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『虹と木漏れ日』  虹と木漏れ日。朝露のついた葉っぱ。死んでしまったアゲハチョウ。地を這うアリが集まってくる。今朝の冷え込みは森全体を湿らせて、寒さに耐えきれなかったアゲハチョウの翅をアリたちが運んでいく。木漏れ日の中を生きたアゲハチョウが飛んでいく。空には大きな虹がかかっていた。胸に抱えたスケッチブック。描きたい場所を探して見つけた景色は、中学生の日常からかけ離れていて、私自身もその景色の一部であることに全く実感が湧かなかった。  ○  新しいクラスの親睦会を兼ねた林間学校で近くの自然公園に来た。中学三年生にもなると森の中で遊ぶ機会も少なくなるので、飯盒炊飯を行うキャンプ場までの山道すら、ロールプレイングゲームの中盤のダンジョンのような険しさに思えた。道中襲ってきたスズメバチは紛れもなく凶悪なモンスターだったし、日本最強の猛獣であるエゾヒグマに出喰わす可能性だってゼロじゃない。こんな危険な場所に、ジャージ一枚という装備で強制連行する先生方のリスク管理能力は問題視するべきだろう。そんな不満を心の底でふつふつと煮込んでいた私を他所に、クラスメイトたちはこの林間学校を割と楽しんでいるようだった。  はしゃぐ友人たちの中でも、同じ班の中村君の飯盒炊飯に掛ける意気込みは凄かった。班員で分担して持ってきたカレーの食材の内、私はジャガイモを、中村君はカレールーを持ってくることになっていた。私もカレーは好きなので、煮込んでも型崩れしにくい品種であるメークインをきちんと選んできたのだが、中村君は市販のルーではなく小麦粉と数種類のスパイスを持ってきたのだ。クミン、コリアンダー、ターメリック、チリペッパー。他にも聞いたことがないスパイスが数種類。コンソメ顆粒にニンニク、生姜。塩と胡椒。そんなものがやけに大きなリュックから続々と出てきた時には、班員全員が唖然とした。二年生の時から中村君と同���クラスだった班長の大竹さんは「またやってる」と慣れた様子だった。 「中村君って料理好きなの?」  三年生からの転校生である坂本さんが器用にジャガイモの皮を剥きながら聞いた。中村君はスパイスを調合しつつ、声だけで返事をした。 「好きっていうか、どうせ作るなら美味しいものを作りたいし」  班長の大竹さんが呆れて言った。 「ルーで十分美味しいじゃん。バーモンドの中辛と辛口を混ぜれば、それでもう最高のカレーでしょ」  春の川の冷たい水のような声が印象的だった。臙脂のジャージとは似合わない青白い肌がそういうイメージを与えているのかもしれない。大竹さんも中村君も、勉強も運動もできる優等生という共通点はあったけれど、性格というか、二人の持つ性質は真逆だった。色で言えば青と赤。安っぽく言えば氷と炎。「冷静と情熱」なんて言葉もあるけれど、それは少し違う気がした。大竹さんの方が氷を直接手で持った時のような鋭さや常識を破壊していく激しさみたいなものが感じられる。一方の中村君はというと、強さも弱さも優しさも厳しさも美しさも気持ち悪さもごちゃまぜにして煮込んだような、それこそカレーのような人に見えた。  他の班が協力して各々の料理を作っているのに対して、私の班は中村君に料理を任せ切っている感じで、野球部の斎藤君なんかは元々同じクラスだった長谷川君と連れ立って、キャッチボールに行ってしまった。野球素人の文化系である長谷川君に対し、斎藤君は変化球を全力で投げ込んでいるため、キャッチボールは続かない。斎藤君の一方的な投球練習のようだったし、実際、そのつもりだったのかもしれない。カレー作りは中村君の独壇場となっていたので、大竹さんも遊びに出た二人を止めなかった。大竹さんと私は大きな鍋で玉ねぎを炒め始めた。「体で止めろよー」と大きな声がした。「無茶言うなって」と情けない返答があった。長谷川君が止められなかったボールがキャンプ場の近くに流れている川に落ちたらしく、二人はジャージをふくらはぎの上まで捲り上げ、川の中へと入っていった。川辺にはアゲハチョウがたくさん飛んでいた。  調理場に残った唯一の男子はまだ解凍しきれていない豚肉を一生懸命剥がしている三浦君だった。暇な時間があると、三浦君はよく変な話をした。 「この冷凍肉を狙って熊が出たら、皆は僕を置いて逃げるといいよ。サバンナで襲われたガゼルは、時間の無駄になるのに大きく跳ねるんだって。それは群れに危険を知らせる意味もあるのかもしれないけど、生存競争においては不利��しかならない。でも、ガゼルは本能として跳んでしまう。そんなガゼルに親近感を感じるんだよね、最近」  私は「へぇ」と曖昧な相槌を打った。大竹さんが大きく溜め息をついた。漏れた溜め息はぬるま湯のような確かな感触を持って、辺りを包み込んだ。  ○  中村君が最低三十分はカレーを煮込むというので、鉛筆とスケッチブックを持って、散歩に出た。  絵を描くことは私の数少ない趣味の一つだ。描くものはあまり決まっていない。どちらかというと風景というより具体的なものを描く方が多かった。具体的なものといっても、通常の物体とは限らない。さっき「見えた」ぬるま湯のような溜め息。小さい頃から、ああいう確かに在るのに語られることのないものをよく描いていた。  ○  普通の人が見えないものが見えていると気付いたのは、小学校中学年ぐらいだったと思う。保健室のベットの閉じられたカーテンの向こうから、声にならない泣き声が嵐のように私を包んだときだ。一番強烈に覚えているのは、修学旅行で行った自殺スポットとして有名な滝だった。それはもう、魑魅魍魎や百鬼夜行といった具合でそういうものが溢れかえっていた。霊感の強い友達が「何かいる。嫌な感じがする」なんて言っていたけれど、私の目には、赤黒い怨念がぐるぐるとその子の首を締め付けている姿が映っていた。嫌な感じ、といってお茶を濁して片付けていいレベルではなく、その怨念は確かに「その子を殺したい」という強い意志を持っていた。滝は真っ逆さまに五十メートル程落ちていたけれど、滝壺には霧と様々な感情がひしめき合っていて、美しいはずの水面は全く見えなかった。  私の世界に溢れている、確かにあるのに誰にも語られないものや音や色や感触や温度を誰かに伝えるために、気付けば私はそれらをひたすら描くようになっていた。  最初、母は私のことを天才だと褒めちぎっていた。しかし、母に見えている世界ではない意味不明な絵ばかりを描く私が気持ち悪くなってきたのか、その内、絵以外の習い事ばかりさせるようになった。それでも、私は時間を見つけてはノートに落書きを描いていた。父がそのノートを見たときは、お祓いをしてもらおうと有名な神社に連れて行った。神主さんはさすがで、ふさふさの大幣を振るう度に光の粒が広がって、とても綺麗だったのをよく覚えている。  ○  この森にはたくさんのそういう輩がいて、とても賑やかに見えた。見えると言っても、よくある「黄色いオーラをまとったあなたは・・・」みたいな占いみたいな感じじゃなくて、もっとはっきりした感覚だ。例えば、林道にたくさんの鬼火が飛んでいる。見上げた先、枝の隙間には仄暗い地縛霊の影がふわふわ漂っていた。風が吹けば、葉が擦れる森の音がして、オレンジ色のお腹をした小鳥が地縛霊や鬼火を避けるようにして飛んでいった。普段、街中では��んな人の色んな感情に押し流されそうになってしまうけれど、森はもっと賑やかで、もっと優しかった。  森の中を描くものを探して彷徨っていると、どこまで行っても続く緑に迷い込んでいくような気がしてくる。まるで自分が小さな虫になって、ぐるぐると虫かごの中を回っているように感じてくる。目の前にある大きなカツラの樹が、さっき見たものなのか、それとも初めて見たものなのかも分からなくなる。この道はさっき通った道なのか、それとも皆から離れていく道なのか。普段、家や学校の周りで生活をしているときには感じたことのない気持ちが心の中に積み重なっていく。ぐるぐるぐるぐる。森の中を彷徨っている私と鬼火と地縛霊のどこに違いがあるのだろうか。  じめじめした落ち葉に隠れていた虫の私が、少年に掴まれて光の中に出されてしまったように、急に森が明るくなる。  尾根に出ると緑のトンネルを抜けて、突き抜けるような青空が見えた。ものすごい高いところをカラスが飛んでいる。枝は大空に向かって上に上にと伸びている。崖のような藪に向かって、食事をしていたシマリスが走っていった。陽光が細い葉の上に残っていた幾つものの朝露を輝かせていた。朝露を覗き込むとその一つ一つに虹が入っている。空色のガラスの中に虹が閉じ込められているようで、とても不思議な光景だった。  後ろを振り返って虹を探す。深い青空に大きな虹がかかっていた。空。虹。森。とても綺麗だけれど、抱えたスケッチブックに描くには少し大きいかな。  座ってお茶を飲むことにした。ずっと林道を歩いていたので、気付けば息が上がっている。平たい石に腰を下ろすとジャージから石の冷たさがお尻に伝わってくる。目の前に、山吹の花が咲き誇っていた。鬼火でも地縛霊でもない、とても普通な、美しい花だった。  ○  そういえば昔、占いに依存していた時期があった。毎朝登校前に、ニュース番組の星座占いコーナーをチェックして、順位、注意点、ラッキーアイテムをノートに書き留めていた。学校から帰ってくると家族共用のパソコンの電源を入れ、誕生日占い、動物占い、手相、姓名診断と順に占っていく。最終的には何人かいた好きな人候補の中から本当に好きな人を相性占いで選んだ。「山吹彩夏」「〇〇〇〇(好きな男の子)」といった具合に二人の名前を入れて、「占う」ボタンをクリックするだけで簡単に結果が出てくる。何を決めるのにも占いが必要だったのだ。  結局のところ、占いが当たることも当たらないことも経験した私は、自然と占いへの依存から脱し、「そんなことよくあるよね」といった程度にしか信じなくなってしまった。ちょうどその頃、占いよりももっと確かに感じているこの世界が、占いよりももっと不可思議な世界なのだと疑い始めたのかもしれない。  星で溢れているはずの夜空に暗闇が残されているように、きっと、この世界には目で見ることができない、耳で聞くことも、舌で味わうことも、指で感じることも、機械で観測することもできない物質やエネルギーがある。あるはずなのに、ただ見えないから「ない」としてしまう人が、嫌いだ。そういう人はきっと私のことも見えないものとして扱っている。一生関わり合うことのない異物として。  尾根を吹き抜ける風が吹いた。  どこからか飛んできたポプラの綿毛。今年、初めて見た気がする。  森の季節が移ろいゆくように、私も変わっていくのだろうか。いつか、こういう目で見えないはずのものも感じられなくなってしまうのだろうか。みんなが大人になって、今よりずっと大人になって、そうすると、今の友人たちは影も形も無くなってしまうのだろうか。いつの間にか消えている虹みたいに。  ○ 「何してんの」  目の前に中村君が立っていた。さすが男の子。ここまで登ってきても全然息が切れていない。それでも、少し顔が赤くなっていた。私は仕方なくスケッチの手を止める。中村君が非常に邪魔なのだ。美しい花が中村君の情念のような赤黒いものでほとんど隠れてしまっている。わずかに見える綺麗な花の山吹色も、臙脂色のジャージが写って、カレーのような風味になってしまっている。 「カレーできたから、呼びにきたんだよ」  見上げると、照りつける日差しに丸い葉が透けて、わずかに重なりながら、鮮やかな薄緑色の点描画のようだ。確かにそろそろお昼時だ。  スケッチをやめて、鉛筆をしまった。立ち上がり、振り返ると、そこにはまだ虹が薄くかかっていた。私と中村君はみんながカレーを待っていることを知りながら、しばらくその場に立ち尽くした。  ○  「虹と木漏れ日」  中村君がそう言った。  私はびっくりして、中村君を見ることができない。どうして彼は私の見ている世界が分かるのだろうか。中村君はそれきり何も言わなかった。ただ、そこにいて、私が振り返るのを待っているのだ。見えなくても、聞こえなくても、沈黙と風の中に、その気持ちが伝わってきた。  確かに感じることができるものだけが、世界ではないのだ。見なくても、聞かなくても、触れなくても、伝わる気持ちがあるということを、私は初めて知った。気付いてしまえば当たり前の事だった。誰かに見られる前から、花は美しい。誰に教えられなくても、その優しい少年は小さな虫を外の世界に出してあげるのだ。  私を虫かごから出した少年は、中村君だったのかもしれない。その仕草は荒々しくて、とても好きになれないけれど。その気持ちは真っ直ぐすぎて、遠くに逃げたくなってしまうけれど。私は少年に感謝しなければならないのかもしれない  ○  虹と木漏れ日は占いのラッキーアイテムにはなりえない。滅多にないものと日常にありふれているものだから。でも、それらは間違いなく私の心を解きほぐしてくれた今日限りのラッキーアイテムだった。  葉についた水滴から、虹が逃げていく。私たちの心からも、いずれ消えてしまうのかもしれない。例えば十年後、また中村君にあったとして、私は今日のことを思い出せるだろうか。森の空気、カレーの匂い、山吹の花の良い香り。よくある霊感や虹よりも、もっと不確かで、確かなもの。そんなものを描くことができないだろうか。暑くなってきた森の中では、小さく蝉の声が響きだした。  木漏れ日の中で、消えゆく虹を見ていた。      (���わり) 【作成中の長編『タイムカプセル』より『虹と木漏れ日』】
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kadookanobuhiko · 6 years ago
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本と鍋、間にカレー。
   流行を追うことはないが、気付けばその渦中にいることがある。
   半年ほど前、関西ローカルのバラエティ番組で、スパイスカレー店を特集していた。カレー粉やルーを使わずに、様々な香辛料を使ってつくるのがスパイスカレーである。
   なんでも数十年前に大阪で始まり、ここ数年でにわかに注目されるようになった。とりわけ大阪市内は、激戦区らしい。
 私は基本的に料理は自分でつくるが、食べ歩きも嫌いではない。番組で紹介されていた店が自転車で行ける距離にあるので、何店かを視察した。アジアの各地のカレーを継承した店もあれば、オリジナルを出す店もあった。後者の中には独特の味わいと深みを持つメニューがあり、私の舌に強い印象を残した。
     ☆   ☆   ☆ 
 それから数ヵ月後、大阪市内の書店で、スパイスカレーの本を集めたコーナーがもうけられているのを見つけた。ブームなのである。『関西のスパイスカレーのつくりかた』(ケイ・オプティコム、LLCインセクツ、2018年)を手に取ると、私の舌に強い印象を残した、あの店のレシピが載っているではないか。これは買って帰り、つくるしかない。
 1月にスリランカに行き、スパイスは買い揃えている。足りないものは専門店で見つけてきた。近頃はその手の店が、大阪市内で何店舗もあるからありがたい。
 私を唸らせた<ココナッツチキンカレー>をレシピ通りにつくってみたが、店ほど美味ではなかった。何かが足りないのである。料理の腕か、店側が手の内のすべてを明かしていないかのどちらかであろう。
 他店のレシピを試作してみると、けっこういけるものもあった。<豚バラとじゃがいもの香味カレー>がそれ。クミン、カルダモン、黒胡椒、八角、クローブ、シナモンなど8種類のホールスパイス(粉にする前の粒)を焦がさないように油で炒める(いずれも4人前、以下同じ)。
 黒胡椒は10粒をそのまま入れる。料理に胡椒を使う場合、粗引きかパウダーか、どちらかであろう。そのまま入れるのに、最初はドキドキした。
 そこに、たまねぎのみじん切りを加えてじっくり火を入れ、すりおろしたニンニク、生姜とみじん切りしたトマトを投入する。次にクミン、コリアンダー、ターメリックなど5種類のパウダースパイスを水でといたものを鍋に入れる。
    さらにガラムマサラなどで下味をつけた豚バラの厚切りと水を加え、1時間ほど煮込む。素揚げしたジャガイモを鍋に入れ、最後に無塩バターでカスリメティ(ハーブの一種)を弱火で炒め、トッピングする。
 各スパイスの個性と刺激が口の中に広がり、昇天しそうになる。汗だくになりながら、一気に平らげた。
「これはもう、店に行かんでええわ」
 同じように汗だくで半裸になった北川景子が、高らかに宣言した。地獄の始まりである。以後、北川が単身赴任から帰省する週末は、私はカレー職人に変身せざるを得なくなった。
 スパイスカレーにも種類が色々あって、つくっていて飽きない。<鶏ミンチとセロリのさっぱりアジアンカレー><牛・豚・鶏カレー><白身魚とホウレン草の四川風スパイスカレー><エビのココナッツカレー><海老と夏野菜カレー>などを試してみたが、どれも個性に満ち、甲乙つけがたい。
   最後の海老と野菜のそれは、カルダモンを殻ごと入れるのだが、こいつが辛味の中でさわやかな味をもたらし��くれる。つい「おいっ!」と呼びかけたくなる仕事ぶりなのである。
 週末に何をつくるか。平日はメニューの選定と食材の買出しで仕事どころではない・・・。
     ☆   ☆   ☆ 
 基本的に嫌いな食べ物はないが、カレーはインド人並みに毎日食べていても飽きないくらい好きである。カレーうどんやカレービーフンもたまにつくる。麺にも合うのである。
 カレーせんべいも大好物だ。いったん袋を開けると、もうヤバイ。口の周りにカレー粉をいっぱいつけて、バリバリ食べ続ける。10枚くらいは一度に平らげることはできるが、その半分くらいで我慢するようにしている。
 そんなカレー(味)好きが、カレーづくりに目覚めたのは、10年以上前にクミンシードを使い出してからだった。これを入れるだけで、本格カレーに変身する。クミンさまさまである。まだ誰にも打ち明けたことはないが、私はクミンを切らしたことがない。
 しかしスパイスカレーは、その比ではなかった。スパイスの種類が多い。前記したように、粒でも入れるし、粉でも入れる。二重三重に味が上乗りされて、味に深みが出る。そしてスパイスカレーの衝撃は、思わぬところに”飛び火”した。
 数年前、手ごろな値段のテフロン加工の鍋を購入した。調理した後の汚れがすぐに落ちる優れもので、何をつくるにも重宝した。
 スパイスカレーは、北川景子が単身赴任先の別宅にタッパーに入れて持ち帰るため、一度に7~8人前はつくる。したがって肉はキロ単位で購入する。まるで大家族の食事かキャンプである。テフロン加工の鍋ひとつでは足りないので、同じ製品を買い足してふたつでつくっていた。
 ところがこの鍋が軽すぎて、何かの拍子でコンロから転げ落ちるのである。「いい鍋を買いに行こう!」と北川景子が言い出し、関西空港近くのりんくうタウンのアウトレットショップに出向いた。ここは衣料のほかにも、調理器具も格安で販売している。
 7~8人前がゆうに入る、いい鍋が見つかった。直径27センチ、深さ11センチ、ふたとあわせると、重さはなんと6キロもある! 値段は2万円余りで安くはないが、傷がついているので(といってもほとんどわからない)1万円近く安くなっている。
 問題はこの重量をどうやって持って帰るかである。大丈夫、こんなこともあろうかと、北川景子(と私)は、レンタカーで来ていた。北川は、おのが食糧のことになると、実に手際がいいのである。
 さっそくこれでスパスカレーをつくった。抜群の安定感である。ちょっとやそっとでコンロから落ちない。重量がある上に腰が低いため、容易に土俵を割らない力士のようである。また、鍋に厚みがあるので、材料が焦げにくい。軽い鍋は、たまねぎがすぐ焦げたが、力士鍋はいい感じで火が通るのである。
「これは一生もんやな~。離婚したら、もらうで」
 私が何度もそう言うと、北川は最後はむすっとしていた。本気だと思ったのだろう。
 ちなみに北川は調理器具の購入、私は食材のそれと調理を担当している。もし離婚となれば、力士鍋の所有権はどちらにあるのだろう。やっぱり、北川か?
    ☆   ☆   ☆
 力士鍋を購入してしばらく経ち、大阪市内の書店を回遊していたら、『無水調理で驚きのレシピ革命 ストウブはじめまして』(大橋由香、家の光協会、2018年)という本が目に入った。
 表紙には、我が家の力士鍋の写真が映っているではないか。そうか、あの鍋は「STAUB」(ストウブ)と言うのか。あらためまして、はじめまして。
 本の帯には<NHK「あさイチ」著者出演で大反響!>と書いてある。私は「あさイチ」を見ていないので、知らなかった。どうやら無水鍋もブームのようである。
 さっそく本を買って、一番トップにあるメニューをつくってみた。<キャベツと鶏肉の煮込み>。4人分の材料は、キャベツ1/4個、たまねぎ1個、鶏もも肉2枚だけ。
 つくり方は、実に簡単である。①キャベツを縦半分、たまねぎを4等分に切る。鶏肉の両面に塩小さじ1と1/2をふる②鍋に油を引き、キャベツを置く③そこにたまねぎを乗せる④全体に塩小さじ1/2をふり、鶏肉をそのまま乗せる⑤ふたをし、中火で加熱する⑥ふたの隙間から蒸気が出てきたら極弱火にして40分加熱する。
 これだけである。さて、ふたを開けると、水を入れていないのに具材から水分がたっぷりにじみ出ている。肉と野菜のエキスだけの素朴な味わいが、口の中に広がる。キャベツも鶏も、有り得ないほどやわらかい。これが無水調理というものか! ええやんか!
 というわけで、週末はスパイスカレーづくり、平日は無水調理に忙しい毎日を送っている。
 気がつけば、流行にどっぷりはまっている自分が、ちょっと恥ずかしいい・・・。<2019・9・30>
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ibkuroneko · 6 years ago
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NightMenu 肉・魚介
■肉
和牛の自家製ローストビーフ
霜降りのもも肉のブロックを表面をしっかりと焼いた後、低温で火を入れて肉汁を閉じ込めしっとり柔らかに仕上げました。 口の中でとろけるような食感を、コクと深みのグレイビーソース、和風さっぱりワサビ醤油ソースの二種類のソースでお楽しみに下さい。
牛タンのローストビーフ
脂ののった新鮮なタンをじっくりとローストしました。 弾力のある食感と濃厚なお肉の旨味。 フルーティな甘めのタレを付けてお召し上がりください。
和牛すね肉とイチジクの赤ワイン煮込み
にんじん、玉ねぎ、セロリはみじん切り、赤ワインを加えてアルコールと渋みを飛ばし、たっぷりトマトで酸味と甘みを加えて、長時間煮込みました。 トロトロとろける柔らかなすね肉と、コラーゲンが溶けだし旨味たっぷりのシチューに仕上がりました。
和牛フィレ肉のロッシーニ
まろやかに仕上げたじゃがいものペーストの上には、中心部が明るいピンク色のミディアムレアに焼き上げたきめ細やかで柔らかな分厚いフィレ肉が。 ソテーした滑らかで濃厚なフォアグラを乗せ、フォンドボーにマデラワインとトリュフを加えた芳醇なソースで包み込むように。 最後にスライスしたトリュフを上からたっぷりと散りばめた、贅沢な一品です。
和牛のタリアータ
少し焦がしたバターでもも肉を塊のままミディアムレアに焼き上げて、ミディアムレアに。 皿に敷き詰めたルッコラの辛みをアクセントに、薄切りにしたお肉を並べ、上からスライスしたパルメザンチーズとオリーブオイルをふりかけて出来上がり。 断面に霜が煌めくジューシーな食感をお楽しみください。
豚スネのアイスバイン
塩漬けした骨付きの豚スネ肉を、ローリエ・オレガノ・玉ねぎ・セロリと共にじっくりと煮込み、しっとり柔らかプルプルに仕上げました。 さっぱりザワークラウトとなめらかマッシュポテトを添えて。 ビールと相性がとても良い一品です。
霜降り豚のカツレツ 焦がしバターソース
サシの入った柔らかなロースに卵液と小麦粉とパルミジャーノレッジャーノをまぶして、粒の細かいパン粉を薄くまぶします。 フライパンには乳化させたバターとオリーブオイル。 軽やかに揚げたなら、焦がしバターにみじん切りのパセリとケッパー、そしてレモンを加えた香ばしい香りで爽やかな酸味のソースをかけて出来上がり。 薄い衣はサクサクでお肉はジューシー、バターとチーズのコクにレモンの爽やかな酸味のハーモニーをお楽しみください。
サルシッチャ
濃厚な味わいの豚肉をあらびき。 ローズマリー、カイエンペッパー、フェンネルシードにニンニクを揉みこんで腸詰めに。 一晩ねかせてなじませて、香ばしく焼き上げました。 クセになるハーブの香りとぎょっと詰まった肉の旨味をお楽しみあれ。
ロールキャベツトマトソース煮込み
みじん切りの玉ねぎ、にんじん、セロリをしっかりとバターで炒めて甘みを引き出してひき肉に混ぜ込み、二枚のキャベツでしっかりとくるんで。 干しシイタケとベーコン、ブイヨンの旨味たっぷりのトマトスープでじっくり煮込みました。 甘く柔らかいキャベツに包まれたジューシーなお肉の旨味を引き締めるトマトスープの酸味のコンビネーション!
鶏モモ肉のトマト煮込みパイ包み
鶏もも肉をオリーブオイルでニンニクで焼き、スライスした玉ねぎ・パプリカを炒めて白ワインを加えてアルコールを飛ばしたら、トマトを加えてじっくり煮込みます。 水分が少し飛んでとろりとしてきたら、モッツァレラチーズと共にパイ生地で包みオーブンへ。 サクサクパイ生地にナイフを入れれば熱々とろりとチーズが溶けだしてきます。
鶏もも肉のグリル悪魔風
鶏もも肉をローズマリー・ニンニクの香りを移すようにオリーブオイルで皮面をしっかりと焼く。 マイルドな辛みと酸味のマスタードを皮面に塗り、パン粉をふりかけてオーブンへ。 バター、ワインビネガー、白ワイン、フォンドボーを煮詰めたソースをかけて出来上がり。 パリパリカリカリの皮としっとりした身の食感をお楽しみください。
合鴨フィレのロースト
合鴨の皮面格子状の切れ目を入れ、両面にミックスしたスパイスをまぶして皮から出る油を掛けながら焦げ色がついたら、ホイルで包み低温で蒸し焼きに。千切りにしたじゃがいもをくっつけるように澄ましバターで焼いたガレットを皿に敷いて、その上に合鴨切り分けて乗せ、リンゴのソテーを添えてバルサミコソースを掛けたら出来上がり。 甘酸っぱいリンゴのソテーとぱりぱりガレットと共に、噛みしめるほど溢れる鴨肉の旨味をお楽しみあれ。
仔羊の骨付きロース肉のグリル
骨付きのラム肉を皮面に焦げ目がつくまで、ニンニクの香りを立たせたオリーブオイルで焼く。 酸味のあるマスタードを塗り、香草を混ぜ込んだパン粉を振ってオーブンへ。玉ねぎとセロリ、にんにくをソテーしてブイヨン、ケッパー、レモンを加えたソースを添えて。 ヘルシーでくせのない柔らかなラム肉を是非お試しください。
■魚介
牡蠣のコンフィ
唐辛子、ニンニク、ローリエ、ローズマリー、白ワインでやさしくかき混ぜ牡蠣をマリネ。 オリーブオイルに牡蠣の身を浸し、低温で煮るように過熱しました。 プルプルしっとりと生牡蠣のような食感で、しかして火を通した濃厚な旨味ないいとこどりの一品です。 オイルもバゲットなどにつけてお楽しみください。
殻付き生牡蠣
新鮮で大ぶりなぷりっぷりの身。 クリーミーで濃厚な味わいが、磯の香りと共に口の中でとろけるように広がります。 炙り、焼き、ガーリックバター焼きもお選びいただきます。
ムール貝と浅利のバターソテー
あっさりとしたクセの無いムール貝とアサリを、コクのあるバターとにんにく、みじん切りにしたパセリと共にソテーしてココットへ。 身だけでなく、貝の旨味が染み出したソースもバゲットにつけてお楽しみください。
ハマグリのシャンパン蒸し
オリーブオイルで炒めニンニクの香りを立たせたら、ハマグリを鍋に。 大ぶりでぷっくりとした柔らかなハマグリを贅沢にシャンパンで蒸し焼きにしました。 上品な香りと旨味をお楽しみあれ。
皮つきサーモンのソテー
脂ののったキングサーモンを皮つきで切り身に。 オリーブオイルで皮がカリカリになるようにソテーしました。 添えられたジェノバソースは爽やかなバジルとくるみのコク、そして隠し味のお味噌がやさしい味わいを醸し出します。
真鯛の香草パン粉焼き エスプーマソース
淡白な味わいの鯛を時間をかけて皮はぱりぱり、身はレアに焼き上げます。 皮を上にしてトマトピューレを塗りこみ、にんにくとパセリを混ぜ込んだ生パン粉を乗せてオーブンへ。 ソースは二種類。白ワインと鯛の出汁をしっかり煮詰めて生クリームを加えたヴァンブランソースと醤油と自家製マヨネーズで味付けしたアボカドソースをふんわりエアリーなエスプーマ仕立てにしました。
魚介のブロシェット
ぷりぷりのエビとパプリカ、大きなホタテの貝柱とクリームチーズを巻いたスモークサーモン、真鯛とミニトマトを炭で串焼きに。 玉ねぎニンニクを白ワインで炒めてブイヨンで煮込み、弱火で炒めて甘みを引き出したエシャロット、フォンドボー、カイエンペッパー、マスタードを加えた甘辛ソースでバーベキュー風に仕上げました。
カサゴのアクアパッツァ
オリーブオイルでにんにくの香りを立てて、カサゴの両面をさっと焼き上げる。 オリーブとミニトマト、ムール貝と白ワインを入れて、強火で煮込む間煮汁を回し掛けて魚の身に火が通ったら出来上がり。 ふっくらと炊きあがった柔らかなカサゴとシンプルながら具材の旨味が溶けだしたスープをお楽しみください。
マグロのハラモステーキ
もっとも脂が乗っている部位であるハラモを使用。オリーブオイルとニンニクで片面にしっかりと焼き色を付けたら、白ワインを入れて蒸し焼きに。バターとしょうゆを絡めて、生ワサビを混ぜた自家製マヨネーズを添えて完成です。牛肉に近い食感、けれども軽やかに口に溶ける脂の旨味をお試しあれ。
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ibkuroneko · 6 years ago
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NightMenu 前菜
■前菜
・野菜
自家製ピクルス
ピクルス液にはアップルヴィネガー、白ワインビネガー、穀物酢と三種のお酢とスパイスやハーブを加え複雑な風味に。 人参、玉ねぎ、赤ピーマン、黄ピーマン、ズッキーニにセロリ、カリフラワーとカブ、たくさんのお野菜を一口サイズで漬け込みました。 砂糖は使わずさっぱりとした爽快な味わいです。
トマトの自家製コンフィチュール
甜菜糖で旨味を加えたトマトのジャム。 食感を残すために大きくカット、潰さずにとろとろと煮込みました。 甘さ控えめでさっぱりと。 ジャムのようにバゲットに乗せたり、料理やデザートのアレンジにお使いください。
厳選トマトのカプレーゼ
ミルキーな水牛のモッツァレラチーズに高糖度のフルーツトマトを使用。 トマトとチーズを重ねてバジルを散らし、オリーブオイルと黒胡椒。 鮮やかな色彩とシンプルな素材の旨味と甘味をお楽しみください。
・揚げ
ポテトフリッツ
じゃがいもは棒状に切りそろえて、皮付きのにんにく、ハーブと共に揚げました。 低温と高温で二度上げることにより表面はカリッと、中はふわっと食感に。 マヨネーズソース・チーズディップ・ワサビアボカドディップのソースが乗った小皿付きです。
桜エビと岩のりのゼッポリーネ
桜エビと岩のりにチーズを混ぜ込んだピザ生地を一口サイズにカリッと揚げました。 中はふわふわパンのようで、塩の味と磯の香りが口の中に広がります。
揚げモッツァレラのミネストローネ仕立て
濃厚な水牛のモッツァレラにアンチョビを乗せ青じそで巻いてカラッと揚げて、野菜の旨味をたっぷりと引き出したミネストローネに浮かべました。 ���マトの酸味とアンチョビの塩味がモッツァレラの味を引き締めて、青じそが爽やかな風味を添えます。
生ハムクリームコロッケ
クリーミーなベシャメルソースに生ハムを混ぜ込み、オリーブオイルでカリカリと揚げました。 生ハムの塩気で何も漬けずにそのままぱくりといけちゃいます。
・軽食
じゃがいものニョッキ 紅ズワイガニクリーム
じゃがいものニョッキにリュウジントマトとベニズワイガニのクリームソースを。 生クリームにカニ味噌を混ぜ込んだ濃厚なソースとカニの風味をもちもちのニョッキとともにお楽しみください。
エスカルゴときのこのクリーム パイ包み焼き
だし汁で下味をつけたエスカルゴと相性の良いマッシュルームをパセリとニンニクを混ぜ込んだバターをたっぷり使ったクリームに沈め、白いココットをパイ生地で包み焼き上げました。 サクサクの崩し、熱々のエスカルゴをお召し上がりください。
・魚介
アサリの香草バター蒸し
白ワインと日本酒をいれゆっくり火を入れたアサリ。 その煮汁にエシャロット、パセリ、ニンニク、松の実、オリーブオイルを加えた香草バターを加え、香り高く仕上げました。 アサリのうまみが染み出したスープも是非バゲットにつけてお召し上がりください。
炙りうにムース
生うにに炒めた玉ねぎ、生クリーム、豆乳を混ぜ込みムース状に。 最後に表面に生うにを飾り、パリッと炙りました。 濃厚でクリーミーな磯の香りと甘みをお楽しみください。
炙り穴子とクリームチーズのミルフィーユ
セルクルで丸く仕上げたシャリにクリームチーズと大葉、のりを乗せ、最上段にはふっくら柔らかに炊き込んだ煮穴子を。 仕上げに穴子の表面をカリッと炙り、香りを立たせました。
牡蠣の燻製のオリーブオイル漬け
桜チップで燻した牡蠣を、更にオリーブオイルに漬け込みました。 柔らかぷりぷり食感の牡蠣がオイルに漬け込むことでまろやかな口当たりに。
溺れタコのトマト煮
叩いて繊維を切った地タコとニンニク、ケッパー、アンチョビ、黒オリーブを炒め、ローリエとトマトでじっくりと煮込みました。 柔らかな蛸の蓋をせずに煮込んで凝縮された旨味をお楽しみください。
炙りサーモンのカルパッチョ
サーモンは軽くオリーブオイルを塗ってさっと炙って、薄切りに。 白ワインビネガーとオリーブオイル、しょうゆにすりおろしたショウガを加え、トロトロドレッシングに。 固めにゆでた柔甘ねぎを添えて、イクラを乗せてできあがり。 香ばしい炙りサーモンをさっぱりドレッシングでお召し上がりください。
・アヒージョ
鳥ハラミと焼きネギのレモンアヒージョ
ツクナミ鳥のハラミ(腹壁の筋肉)と焦げ目をつけた柔甘ねぎをオリーブオイルとニンニクに鷹の爪、そしてレモンでさっぱり爽やかに煮込みました。 鳥ハラミのこりこりとした独特の食感とジューシーさを是非お試しください。
カマンベールチーズとえびきのこのアヒージョ
むきえびとマッシュルームのアヒージョをアンチョビソースと塩コショウで味を調えてから、カマンベールチーズを丸ごと一個入れちゃいました。 溶けちゃう前にバゲットに乗せるもよし、トロトロを具材に絡めるもよし。
牡蠣のアヒージョ
大振りで肉厚な牡蠣をシンプルにアヒージョに。 ぷりぷりの身を味わった後は、牡蠣のうまみが染み出したオイルをバゲットでいただくのも忘れずに。
・肉
生ハム盛り合わせ
ねっとりとした脂の旨みと甘みが特徴的なコッパ(首肉)、脂がたっぷりのって濃厚な味わいのグアンチャーレ(ほほ肉)、肉の旨味が凝縮されたパンチェッタ(バラ肉)、スパイシーでほのかな酸味とコクがあるサラミ(ひき肉)を盛り合わせました。
牛内臓(ハチノス・ミノ・ギアラ)のトマト煮込み
くさみはあえてほんのり少しだけ残して下ごしらえ。 香草野菜をじっくりと炒めたソフリットと一緒に白ワインのアルコールが飛ぶまで熱したら、トマトを加えてゆっくり煮込みました。 トロトロになったモツのくせになる味わいをお楽しみください。
豚肉と鶏白レバーのパテ・ド・カンパーニュ
豚肉と白レバーにポートワイン、マデラワイン、ブランデー、三種のお酒とクローブ、ナツメグ、白こしょう、ジンジャーパウダー、シナモンのミックススパイスをしっかりと混ぜ込んで、ベーコンで包み蒸し上げました。 レバーのこくと肉を引き立てるスパイシーな香り、みっしりと食べ応え満点です!
・チーズ
チーズプレート
マイルドでもっちりクリーミーなブリーチーズ、24カ月熟成でしっかりとした旨味と豊かな香りのパルミジャーノレッジャーノ、穏やかでくせのないゴーダチーズ、噛み応えがありからすみのような風味のミモレット、芳醇な甘み塩味の刺激のあるゴルゴンゾーラを盛り合わせ。
クリームチーズの酒盗和え
塩蔵長期熟成で旨味とコクを深めたマグロの胃をクリームチーズに乗せて。 濃厚な味でどんどんお酒が進みます。
チーズフォンデュ
グリエールチーズとエメンタールチーズを白ワインで伸ばしてぐつぐつとろとろと。 具材はバゲット、ブロッコリー、アスパラガス、プチトマト、皮付きフライドポテト。他にもお好みの食材がありましたら店員までお問い合わせください。熱々をたっぷりとつけお楽しみください。
ラクレット
ヒーターに乗せて、ワゴンでお届け。 具材はバゲットにじゃがいも、厚切りのベーコン。 溶けたチーズをナイフでそぎ落とし、これでもかとチーズで食材を覆います。
アリゴ
マッシュポテトは生クリームとバターをたっぷり使って滑らかに。 ガーリックと塩コショウでしっかりと味付けして、モッツァレラを練りこめばもっちりトロトロ、チーズのように糸を引き伸びるアリゴの出来上がり。 肉料理の付け合わせとしてもGOOD!
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