#青備前角皿
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bizenwakakusa · 1 year ago
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角切りイチゴのタルト
青備前角皿 Takuma Watanabe ー角切りイチゴのタルトー
  曇り空の岡山です。
雨が降ったら梅雨入り宣言でますかね。
  さて、今日のおやつは近所のパン屋で買ってきたイチゴのタルト。
  渡邊さんの角皿へ。
  青備前の美しい発���に塗り土をかけ流し、
非常に見ごたえがあります。
  盛り付け面がフラットなプレート皿。
  お寿司二貫を盛り付けて楽しめるようにと、作られたものです。
  料理の盛り付けにはもちろんですが、
個人的には洋菓子にぴったりとサイズ感と思います。
  この機会にいかがでしょうか。
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scottsuiban · 4 months ago
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cooomingsooon · 1 year ago
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ヤナホド習作小話:ハスカールの詮索
身体の関係を持った二人の「相手の事が好きで、お互い好き合ってるから身体関係を持てたので、ちゃんと告白的な事をしていないけれど付き合ってるものだと思っている側」と、「勿論相手の事は好きだから身体の関係をもったけど釣り合ってないしはっきりと言葉にしていないからきっと合わせてくれているだけ、だから思いあがってはいけないと思っている側」の話をですね…書きたかったんですがよくわからなくなりました。 作中ヤーナさんがホドリックさんに猫になって会いに行っているのは当方の趣味です。あと理由としては流石に普段人前でいちゃつけないので猫になってホドリックさんに構って貰いに行っているという当方の趣味です。 ホドリックさんゲーム内で普通にモテそうだから容姿にコンプレックスとか持ってないと思うんだけど、他にイケメン多すぎるしさ、ヤーナ様と釣り合ってないとか思ってたら良いなって妄想。 拙宅のホドリックさんはパレヴィア島に駐在してます。 描写が難しくって四苦八苦してまして、読み難かったら申し訳ないです…。
2024年5月18日
以下↓小話です
+ + + + + +
 その日ホドリック、クロエ、オーバン、ヤーナはパレヴィア島へ立ち寄っていた。  定期的に駐屯して守備に当たっているホドリックは「港町の様子をみてきます」と断りを入れ街の巡回へ、クロエは「美味しいものが無いか探してきます。人手が必要な時に呼びに来ますね!」と市場へ、ヤーナは「ちょっと調べ物をしてくるよ」と町の中へ消えてしまった。 「……お呼びがかかるまでは適当にぶらぶらしてるか」  ぽつんと残されたオーバンは特に目的もないがクロエが呼びに来るまでただ待っているというもの面白くないと港町をぶらつくことにした。しばらく歩くと通路を��ぐ見覚えのある大きな背中が見えてきた。 「(ホドリックの旦那?)」  ホドリックは屈んで何かをしているようだったが、大きな背中で隠れて手元が見えない。オーバンが静かに回り込むとその手は地面に寝転がる猫を優しく撫でていた。撫でられている猫は青みがかった灰毛の猫だった。 「オーバンか、すまない、邪魔だったか?」 「たまたま旦那をみつけたんで何してるのかと思って…、この島で飼ってるんですか?」 「いや、この猫は港に住み着いてる野良猫だ。いつからから見張りや巡回していると近くに寄ってくるようになってな、逃げないし構っていたら懐かれてしまったみたいだ」  ホドリックがオーバンに向き直る為に立ち上がると、寝転がっていた猫がジャンプし、近くの壁を使ってホドリックの肩に乗る。 「肩にまで登って、ふぅーん、人懐っこい奴」  オーバンがホドリックの肩に乗ってこちらを伺う猫に手をのばすと前足で押し返される。初対面じゃあ仕方が無いかと猫の顔を覗き込むと、その緑の瞳に既視感を覚えた。 「(ん?見覚えが)」 「オーバン、クロエが呼びに来ているぞ」 「あ、ああ、じゃあな、ホドリックの旦那」  市場の方角から手を振って読んでいるクロエの方へオーバンは駆け出した。
 ホドリックと別れ、市場から少し離れた所でオーバンが買い出しをしたクロエの荷物の整理を手伝っていると、先程ホドリックと戯れていた猫が路地裏に入っていき、そこからヤーナがニコニコして出てきた。 「あ…」 「あぁ(既視感の正体はこれか…てか本人か…)」  オーバンの察した顔に、ヤーナが慌てて人差し指を立てて首を振る。オーバンが肩をすくめて頷いてみせるとヤーナは「悪いね」と小さく呟いて横を通り過ぎ、クロエの手伝いに加わった。 「(確かあの二人できてるって聞いてたんだが、なんでまたあんな風に構って貰いにいってんのかね…。付き合ってるなら堂々といちゃつけば良いだろうに…)」
 島から戻り解放軍と合流する頃には日も傾き出していた。クロエが早速調達した食材で夕食を作り、皆に振舞っていた。  騒ぐ若者たちから離れた席でホドリックとヤーナが食事をとっていた。 「島は変わりないようでよかったね」 「はい。皆元気そうで良かったです。実は嬉しいことがありまして、島の野良猫に懐かれました。恐らく漁師からおこぼれを貰っている猫のようなのですが、人懐こくて、街の巡回中はいつもついてきてくれているのです。野良猫にしては毛並みも美しい猫なんですよ。ヤーナ様も気に入ると思います」 「…そうかい、それは是非見てみたいねぇ」 「ただ、ヤーナ様が島に居るときはなかなか姿を現さないのです」 「(……………言い出せない。その猫があたしだって���)」 「そういえば」 「!?」 「その猫、ヤーナ様と同じ美しいシーグリーン色の瞳なんですよ」  笑顔のホドリックに顔を覗き込まれ、ヤーナが思わず身構えてしまう。 「そ、そうなのかい、また島に行く機会があったらその猫を探してみようかね(これで、気づいてないのかい?!)」 「ごちそうさまです。ヤーナ様の器も片付けてきますね」 「あ、ああ。ありがとう」  空になった二人分の器を持って、ホドリックが席を立った。
 クロエの手伝いも兼ねて、食器の洗い物を請け負ったホドリックが野営地近くの川で皿を洗っているとオーバンが近づいてきた。ホドリックがどうしたと見上げると隣に膝をついてオーバンが洗い物を手伝い始めた。 「あんたあの魔女様と付き合ってるんだよな?」 「──誰から聞いた?」  オーバンの問いにホドリックの声色がいつもより低くなった。 「隠してたのか?でもみんな察してるぜ。俺も人づてに聞いたしな」 「そうなのか?それは…うむ…」  特に二人が親密に、明らかにその様に分かる風に振舞っていることは無い。が、実際解放軍内では二人は恋仲なのだろうという話になっていた。 「で、実際付き合ってるのか?」  解放軍は色々と抱えている者も多く、皆詮索はしないのが常だったが、昼間の事もありオーバンは踏み込んで聞いてみる事にした。この質問以上踏み込むつもりはなく、まあ聞けたらいいなぁ位の物であったが、問いかけられたホドリックは洗い物の手を止め、しばらく考え込んだ後に 「私は、おそらく違うと思っている」  手元の洗い物を再開しながら呟かれた言葉は、自分に言い聞かせる様な響きを含んでいるのにオーバンが怪訝な顔をする。 「私に合わせて下さっているだけだろう。ヤーナ様程の美しい方ならば、若者が放っておかないだろうしな。それにヤーナ様も容姿端麗な者と並んでおられたほうが…」 「まあ確かに美人さんだわな。でもよ、中身は婆さんなんだろ?」 「失礼なことをいうな!!お前は礼儀というものを学ばねばいかんぞ?」 「はいはい、気を付けますって(わざわざ猫の姿でついて回って撫でてもらったり構ってもらっているのを知った人間としては、魔女様が本気じゃないとは思えないんだけどなぁ…)」  洗い物を済ませると、オーバンはホドリックと別れて野営地近くの街へ向かうことにした。平原を街の明かり目指して歩いていると、飛び立つコウモリと共にヤーナが姿を現した。 「おわっ!驚かさないでくれよ…」 「そりゃすまなかった。一応念押しして置きたくてね。昼間の事は内緒にしておくれよ?」  何を言われるのかと思えばそんな事かとオーバンが小さく息を吐く。 「仕方ねぇなぁ、一杯奢ってくれたら黙っててやるよ」 「そんなことならお安い御用さ」  オーバンの提案をヤーナが笑って快諾し、二人並んで街への道を歩く。 「……なぁ、遊びでホドリック��旦那と寝てるのか?」  オーバンの問いにヤーナが驚いた声を上げる。 「はぁ?誰がそんな事…」 「ホドリック本人」 「え、」 「あんたが自分に合わせてくれてるだけのはずだって言ってたぞ?顔が良い男の方が好みだろうとも」  先程聞いた通りの事を伝えるとヤーナが立ち止まってしまっていた。 「うそ…、ほんとにホドリック坊がそんなこと?……………そんな……えっ…ホントに?」  いつも冷静沈着なヤーナの混乱している姿に、オーバンが深いため息をついた。 「その反応…………お前らちゃんと話し合ってんのかよ…」  オーバンの言葉にヤーナがハッとした表情になるとコウモリが飛び立ち姿を消してしまった。 「……酒はまた今度奢ってくれよな」  頭を掻いて背後の野営地へ一度視線を向けると、オーバンは夜の街へ向かって���った。
 解放軍野営地では、ホドリックとクライブが明日の戦いに向けて装備の確認を行っていた。 「ホドリック坊や!」  コウモリの飛び立ちと同時に現れたヤーナが大きな声でホドリックを呼ぶのでホドリックもクライブもあっけに取られてしまう。ずんずんと歩み寄ってくるヤーナにホドリックが我に返る。 「ヤーナ様、夜は冷えますよ。明日は砦の奪還です。明日に備えて早めにお休み下さい」 「断る!あんたと話さなきゃいけないことがあるからね!」 「それはまた明日でも時間を設けられますから…」 「ダメだ、今話したい」 「……すまない、少し外す。後は頼む」 「承りました」  ヤーナに引き連れられていくホドリックの背中を、クライブが笑顔で見送った。
 ヤーナとホドリックは野営地から少し離れた森に移動してきていた。 「このあたりなら問題ないでしょう。ヤーナ様、要件は何でしょうか?」 「ホドリック坊や、あたしたち、付き合ってるよね?」 「え。その、それは…」 「あたしは、誰彼構わず手を出したりしない。あの日、真っ直ぐに慕ってくれたあんただから、応えることにしたんだ。色々あって一度離れてしまったけど、少なくともあたしは、ホドリック、あんたのことをずっと好きだよ。だから、今もこうして…」 「ヤーナ様…」 「今の関係だって遊びじゃない、あんたに合わせてる訳じゃないよ?」 「お気持ちは…身に余る程で、とても嬉しいのですが私等ではヤーナ様と釣り合わな── 「あーもう!その口塞いでやるからおいで!」  ヤーナが手を伸ばしてホドリックの顔を掴んで引き寄せると強引に唇を重ねる。ヤーナの帽子のつばがホドリックに当たって帽子が外れ、地面に落ちた。 「んぐっ!!ふ、あっ…んっ」  何度も深く口内を舌で弄るとヤーナがホドリックを解放した。 「はぁ…はぁ、………あたしはあんたのことが好き、わかった?好きなの。ホドリック坊、あんたは?あたしのこと好き?」 「……幼い頃お会いした時から、そして離れても、ずっとお慕いしておりました…」 「今も?」 「はい」 「あー…良かった…………」  ホドリックの胸に顔を伏せてヤーナが安堵したため息をつく。鎧に回されるヤーナの細い腕がぎゅっと自分を抱き寄せるのを感じでて、ホドリックが嬉しそうにヤーナを抱きしめ返すと髪に唇を落とす。 「ヤーナ様…好きです…」 「うん、あたしも好きだよ、ホドリック坊や」
「(オーバンが何かヤーナ様に言ったのだろうか…?これは礼をするべきなのだろうか…?)」 「(……普段なら踏み込んでくれるなと釘をさすところだけれど、今回はオーバンにいい酒を奢ってやらないとね)」
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haruhara-san · 4 years ago
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7/27(火)
早朝に起床。次に起きたのは荒木さん。お風呂に向かう音が聞こえる。本当にお風呂が好きな人。次に川村さん、そして槻舘さん。時差が影響してる人から先に起きてる。前日に私たちが病院に行ってる間に槻舘さんがスーパーで買ってきてくれていたパンやチーズやハムやヨーグルトなどで朝食。バジルの入ったパンなどどれもおいしい。荒木さんはチーズがとにかく好きで山盛り食べている。槻舘さんはコーヒーも淹れてくれた。槻舘さんの部屋は廊下を挟んだトイレの向かいにあり、トイレに入る時の音はできるだけ小さく抑えてくれると助かる、音でびくっと起きてしまうと伝えられ、咄嗟に荒木さんと二人で謝ったけれど、いや待てよすごく気をつけてたなーと思って、最終的にそれはきっと川村さんだろうということに落ち着いた。支度をして出発。小雨が降ってたので荒木さんは槻舘さんから借りた真っ白のレインコートを着用。近くのスーパーで折り畳み傘も買った。
事前に槻舘さんがパリでの昼食は何を食べたいかを荒木さんに聞いてて、ガレットとクレープを食べることになってた。地下鉄を乗り継いで槻舘さんのおすすめのレストランがある駅へ。到着してまずは駅前の薬局でPCR検査。この日は私の希望で『レッドバルーン』や『夏時間の庭』の舞台にもなったオルセー美術館に行くことになってて、美術館に入るためには48時間以内の検査陰性の証明が必要で、前日の帰国用の検査の結果はまだ届いてなかったのでまたやることに。薬局のカウンターで登録と支払いを済ませて表のテントで検査を受ける。青年のスタッフがとても丁寧に対応してくれる。無事に三人とも陰性で目的のお店へ。槻舘さんと川村さんは卵などが載った定番、荒木さんは鴨肉、私はサーモンのガレットを注文。このあたりはジョナス・メカスがよく滞在してた一角で、あのカフェによくいたんですよと一軒隣の店を指して教えてくれる。ガレットに合うのはシードルとのことで、ボトルを頼んで飲む。食事が出る前にほとんど飲み終わる。ガレットは焦げる手前みたいな絶妙な焼き加減でおいしい。つづけて荒木さん念願のクレープを頼む。すでにお腹いっぱいなので、2つを注文して分けることに。槻舘さんおすすめの塩キャラメルのクレープとオレンジピールとソースがかかったのを青年のスタッフに伝えた。ベテランのスタッフがやってきて、オレンジピールのクレープとチョコレートソースのをテーブルに置いた。頼んだのは塩キャラメルだと即座に槻舘さんが伝える。たまたま通りかかった青年は、あなたはチョコレートと言ったと言い残して去って行った。まじであいつ許さんとなる。仕方なく食べ始める。どちらもおいしい。けれど槻舘さんがあれだけ言ってた塩キャラメルは心残り。少しして、新たに塩キャラメルのクレープも届いた。さすがベテランの人と思ったけれど、槻舘さんはすぐにレシートをちゃんと確認しましょうと言う。注意を怠らない。クレープ3つの会計になってたらガチギレしよう、もし2つだったら褒め称えようということで落ち着いた。塩キャラメルのクレープはチョコレートと比べられないくらいおいしかった。私はオレンジピールのも同じくらい好きだった。レシートには無事にクレープ二つ分だけ記載されていた。
タクシーに乗って美術館に向かうことになった。4人で乗ろうとしたけれど、感染対策で助手席は不可とわかり、2台に別れた。槻舘さんと川村さんが先に、私と荒木さんが後から向かうことに。前方を走る槻舘さんと川村さんが乗ったタクシーが明らかに道を間違えて同じところを回ってるのがわかった。こちらの運転手の人も、よくわからないことを呟きながらノロノロ運転をしたりしてる。どうも様子がおかしい。Googleマップを開いて自分でも地図を確認する。オルセー美術館が左手に見えたのに通り過ぎる。どういうこと? と思って運転手にここでいいと伝える。ごにょごにょした返事をしながらノロノロと進むタクシー。ようやくだいぶ行きすぎた地点で停車。カードで支払おうとするとカードは使えないからキャッシュでと言われる。カード読み取り機が助手席に見える。嘘ついてる。怪しすぎてすぐに降りたかったので札を渡して降りる。きっと数ユーロ分でも多く稼ぎたかったのだろうとわかる。以前別の国で遭遇したヤクザみたいなぼったくりタクシーの人に比べたら値段も顔も遥かに大丈夫だった。その時は最終的に怒鳴り合いになった。もうそんな元気ない。荒木さんと歩いて戻って美術館の入り口の列へ。槻舘さん、川村さんと合流。槻舘さんが若干ぼったくられましたねと言う。パリは大体こんな感じですと教えてくれる。
列は長いように見えたけれどスムーズに入場。映画祭の疲れと天気もあってか頭がぼんやりする。オルセー美術館の建物や展示物の飾られ方や何から何までの壮大な感じに体が追いつかない。すごいなー、すごいなーと思いながら一人で見て回ったり、荒木さんと槻舘さんと一緒になったりしながら進んだ。途中で川村さんの姿は見えなくなる。1階を回り終えて2階に上がって少し見たところで体力の限界を感じて槻舘さんに正直に伝える。5階にカフェと印象派のエリアがあるので、お茶を飲んで休んで印象派を見て終わりましょうと提案してくれる。川村さんにメッセンジャーで伝えなくてはと思ったところで、長椅子に座って休んでる姿を見つけて声をかける。5階のカフェに移動する。荒木さんはアールグレイを頼んだはずが多分ちがう紅茶が出される。匂いをみんなで嗅いで、これはアールグレイじゃないということだけ確認した。少し席を離れて妻に電話。窓外のセーヌ川を見ながらしばらく話す。席に戻ってセーヌ川がよく氾濫する話などを槻舘さんから聞く。オルセー美術館はそのたびに一斉に地下の物���みんなで上に運ぶとのこと。大変。閉館時間が近づいていたので、駆け足で印象派。とにかく広くて全然見きれない。荒木さんと槻舘さんの姿が見えなくなる。お土産を買うために1階に先に向かうとメッセージが届いてた。お土産大事と思って私も向かう。選んでる時の荒木さんの目が真剣。私も急いで選んでいくつか購入。
美術館を出て歩いて移動。事前に槻舘さんは荒木さんと私にどんな店で買い物をしたいかを聞いてくれてて、一つ一つそれに合ったお店に連れて行ってくれる。マルセイユに関してはコーディネーターとしての仕事を依頼してたけれど、パリでの時間は槻舘さんのただのやさしさ。感謝。洋服店で洋服や鞄、チョコレートやマカロン、薬局で槻舘さんおすすめの歯磨き粉などの薬用品を購入した。どれも日本で買うと桁違いの値段になるらしい。『春原さんのうた』にも出演してるカフェ・キノコヤ店主の黒川由美子さんおすすめのパン屋にも寄った。ビスケットとパンを購入。黒川さんに送るために記念の写真も撮影。この日の夜は外食はやめてお惣菜を買って槻舘さんの部屋で食べることに。最後に川村さんがお土産用のワインを購入して電車を乗り継いで部屋に戻った。
お惣菜がどれもおいしい。チーズもパンも。槻舘さんがジェノベーゼのパスタを作ってくれることに。パスタは100グラムぐらいで大丈夫と伝えたけれど150グラムぐらいすかねと言って槻舘さんはキッチンに向かった。出来立てのジェノベーゼ。これがこの旅で一番覚えてる。おいしかった。一皿分を平げたそばから全く同じ量を追加してくれる。荒木さんと川村さんとこれ全部食べるのはやばいと笑いながら全部食べた。もう最後の夜だし炭水化物なんて知らない。槻舘さんは多分ほとんど口にしてない。途中から槻舘さんがバランスボールに座ってボヨンボヨンしてる。体幹が良すぎると言って荒木さんが大笑いしてる。いつもこれ���しながらパソコン仕事をしてると言う。荒木さんの笑いが止まらない。このあとくらいから記憶がない。どうやら私はそのまま眠ってしまって、その間に皆さんはテーブルを片付け、ソファベッドを準備してくれたみたい。私はちゃんと感謝を伝えながら横になったとのこと。ようやく体の緊張が解けたのかもしれない。あとでその時の写真を見せてくれた。槻舘さんの撮る写真はやっぱり近い。全体を見られる方は荒木さんの撮影。
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idiotect · 4 years ago
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ちょっとだけ、クラウドがホラーちっくなおはなしでっす。
なんでもOKの方推奨~~~~!
「クラウド!!!!」
 目を離した刹那。本当にそれは一瞬で。  クラウドの身体を、ヤズーとロッズが放った銃弾が貫いていた。そして、次の瞬間、振りかぶった彼の大剣と沢山のマテリアから発動した魔法が衝突し、目も開けていられない程の白い爆発の後、どこを探しても、いくら名前を呼ぼうとも、世界中を何周としても、彼の姿はとうとう見つからなかった。  rêve ou réalité  あの日の雨で星痕症候群の患者が救われて幾日が過ぎただろうか。エッジの街はまだまだ遠方から病を治しに来る人々でごった返している。世界中に降った輝くような雨は、それを浴びた人、もの、すべてを浄化したけれども、その時、デンゼルのように屋根の下に居た人も多く、噂を聞きつけた人々で伍番街の教会は連日中に入れないほどの人出だそうだ。混乱が生じるといけないので、リーブをはじめとしたWROが指揮をとっているらしい。仲間達も手が空いている者はそれを手伝っているという。  そんな中、ティファは一人、店を再開した。  手伝いには行かなかった。仲間達も来なくていい、十分だ、と言っていたし、寧ろ、店もやらずに休んでいたらいいんじゃないか、とも言われた。それというのも、あの日から、ティファは連日連夜、クラウドを探していた。そして、そうなることは傍目に見ても分かりきっていたのに、精神のバランスを崩してしまったのだ。  特に深刻なのは睡眠だった。  ティファは、夢を見る。  その夢では、皆が見守る中、クラウドは教会の泉の中に現れて、ただいま、と言った。そして、マリンとデンゼルと4人で手を繋いで、セブンスヘブンに帰ってきた。仲間達皆で祝杯をあげてご馳走を食べて、これでもかと酔いつぶれてそして、二人、同じベッドで眠った。 「…ティファ?」  ふと、柔らかい音が響て、ティファは瞼を開いた。 「…マリン。…ごめん、寝てた?」 「うん。…あのね、そろそろ酒���さん来る時間だな、って思って」  重たい瞼を持ち上げて、ティファは時計を見た。いつから意識を失っていたのか。確かに、もうすぐ納品の車が来る時間だ。 「もうこんな時間だったんだ。起こしてくれてありがとう、マリン」  マリンは少しだけ眉をよせて、うん、と小さくうなずいた。  睡眠障害。そう診断されて日が浅い。  日中、ぼうっとしているとすぐ寝落ちてしまうのだ。だからなのか、寝すぎて眠い悪循環で、ずっと、けだるさが体中にまとわりついている。病院にも行ったが、おそらく精神的ショックをやわらげようと、脳が眠るよう過剰に指示を出しているのでしょう、そういった診断だった。規則正しい生活をすれば、じきによくなりますよ、と。  その為、ティファは一旦クラウドの捜索を諦め、日中起きていられる時間をフルで使って店の開店準備をし、夜は精一杯働いた。働いている間は気がまぎれるし、寝落ちてしまう事もない。ティファだって、夢うつつのまどろみは望んではいなかった。そういう中途半端な眠りが、一番 精神的によくない夢を見せた。だから、ぐっすりと眠る必要があるのだ。潜在意識が届かないほどの、深い深い眠りに。 「こんにちはー!配達でーす!」  元気な声が裏口の方からして、ティファは慌てて走っていった。 「ごめんなさい、ぼんやりしてて… …あれ、いつもの方はお休みですか?」 「あ~… …あの、前の人、突然辞めたんっスよ」 「え!?何かあったとか…?」 「えっと、いや、う~ん、詳しくはわからないんです」  どこか言いにくそうに青年は笑うと、ティファが注文していた酒類の木箱を重たそうに置いた。明らかに慣れてなさそうな様子だ。   (…一昨日来た時は、いつも通りだったのに…)  顔なじみのいつもの酒屋の配達員は、もうセブンスヘブンの担当になって随分長かった。真面目な人柄で、仕事も丁寧で。それに、いつも、ちょっとした雑談とか、おまけとかしてくれるくらいには親しかった、と思っていただけに、何も言わずに突然やめた、という事実を、ティファはいまいち飲み込めなかった。人間関係のもめごとだろうか?職場環境が悪かった、とか…?そんなもやもやが、顔に出ていたのかもしれない。 「あ~、あの…」  悩んだ挙句、のような歯切れの悪さで、新担当の青年が口を開いた。 「ここだけの話なんですが、アイツ、クスリやってたみたいで…」 「え!?」 「中毒っぽくなって入院したって話なんですわ。…言わないでくださいよ。あ、オレも他の店のヤツ皆、クスリやってるヤツなんか後いませんから、そこは安心してください!」  それだけ早口で言うと、青年は帰っていった。 (クスリ、…)  世界が救われたからといって、すべてが平和になるなんて思ってはいない。ついこの間も、常連���の一人が最近店に来なくなったので、いつも一緒に飲んでいた人に聞いたところ、借金を踏み倒して蒸発したとか。 (分かってはいる、、けど…)  今更、正義漢ぶるつもりだってさらさらなかった。でも、命を落とした仲間達の事を想うと、気持ちの収まりどころが分からなくなる時も時々あった。 ***  それから数日後の事だ。その日も店は大繁盛だった。  けっして広くはない店の中、皆が幸せそうに笑っている様子を見渡していて、ふと、カウンター席の端に一人で座る男性にティファの目が留まった。彼もまた、常連客の一人だった。いつもは陽気に、他愛もない色々な話をしてくれる彼だが、今日は何かあったのか沈んだ表情をしていた。 「おかわり、作ります?」  それとなく近寄って話しかけると、空のグラスを両手で抱えて何か考え事をしていたらしい男性は、びくりと身体を震わせて、そしてあわあわと顔を上げた。 「あぁ、ティファちゃん。もう、たくさん飲んだから、この辺にしとくよ」 「ふふ、飲み過ぎは良くないですものね」  そう、ティファが頷くと、男性はほっとしたようだった。  ティファは皿を拭く続きに戻った。一枚一枚、丁寧に布巾で拭いて、棚にしまっていく。その工程をずっと見ていた男性だったが、最後の一枚が拭き終わった時、おもむろに口を開いた。 「ティファちゃんは眠れなくなったことはあるかい?」 「…私は、、最近寝すぎるくらいなので…。…眠れないんですか?」  男性はただ頷いた。 「最近、ね…。酒でも飲めば眠れるかと思ったんだけど、そうでもないみたいだ。…でも、…いや。気のせいかもな…」  そう独り言のように呟いて、そして顔を伏せた。 「あ、そうだ、これ使ってみます?」  ティファはポケットから小さな匂い袋を取り出した。ハーブの優しい匂いが香るそれは、精神を落ち着ける働きがある、とかでマリンとデンゼルと一緒に作ったものだった。 「なんだい?」 「お守りみたいなものです。昨日、子供達と作ったんです。眠れるようになるといいんだけど」  男性はその袋を受け取ると、すうっと匂いを嗅いで、そして微笑んだ。 「いい匂いだ。…よく眠れるかもしれない」  しかし、その後、それまで定期的に来てたその男性を店でみかける事はなくなった。 ***  ユフィが来た時、ティファはこの事を思い切って話してみた。 「え~、ティファの思い過ごしだって。そんなことないよ」 「でも…なんだか、気になって」 「そんなん、世の中にはごまんといるって。たまたま、店の常連客が2人来なくなっただけじゃん」 「酒屋さん入れると3人だよ」  ティファが即座に反論すると、ユフィはあからさまに大きなため息をついた。 「じゃ、3人。…だいたいさ、ティファ働きすぎなんだよ」 「そんなことないよ」 「そんな事あるって」 「だって……ユフィとか皆の方が働いてるでしょ…」 「アタシ達は、ほら、、、どこも悪くないからさ」 「私だって、ただ、寝すぎるだけで…」 「それが心配なんじゃん。皆心配してるよ。クラウドならぜったい止めてる……���  名前を出してしまって、ユフィはしまった、と顔をしかめる。  でも、ティファの表情はみるみるうちに曇っていった。 「寝すぎるとか、そんな事してる場合じゃないのにね。早く、クラウド探してあげないと…」 「あ〜……」     その時だった。ぐらっと視界が揺らいで、ティファはテーブルに手をついた。 「ティファ!?」 「ごめん、ゆふぃ、ちょっと横になる…」 「大丈夫!?苦しい??」 「ううん…だいじょうぶ…」 「全然大丈夫に見えないよ!…何か薬とか…」 「…ほんとうに、だいじょうぶだから…」  それは本当だ。これだけ強烈な眠気ならば大丈夫。今回は深い眠りに違いない。 「ねむいだけだから…」 「ティファ!」  ユフィの悲鳴のような声が遠くに聞こえて、そして、消えた。  ・  ・  ・  ・  無音の後の静寂。 「…ティファ」  真っ暗な世界に響いた、大好きな、やさしい声。  ティファは目を開いた。 「…クラウド?」 「おはよう、ティファ」 「…おはよう」  そして、そのままクラウドの首に抱きついた。 「…ティファ?」 「…怖い夢を見たの」 「……どんな?」 「…クラウドが居なくなる夢」 「俺はここに居る」 「うん。…でも、家出した」 「それはっ…ごめん。もうしない」 「絶対?」 「うん。絶対だ」  耳元で響いた、困ったような、でもどこか嬉しそうなその声に、ティファは少しだけ身体を離して、クラウドの顔を見た。  そこは二人の寝室で、そして、碧い瞳が少し心配そうに、こちらを見ていた。  だから、そのきゅっと一文字に結ばれた唇に、ティファはキスをした。即座にクラウドはそれに答えてくれて、彼女の閉じていた唇は割って入ってきた舌によって開けられる。顔の角度を変え、もう一度、と落ちてきた熱い吐息に、再度入ってきた舌に、身体の奥が疼いて熱を持ち始める。 「…ティファ」 「ん?」 「…もう少しだから」 「え?」 「…もう少しだ。だから…」  こつんと額と額が触れ、地肌に直に触れるクラウドの指に力が籠もった。次の瞬間、彼がティファを掻き抱いた腕が強くて、息が苦しい。 「……。」 「え?」 「」 「クラウド?なんて言ったの?」 「クラウド??」  パッと目が覚めた。  そこは夢に見たのと同じベッドの上。  ただ、そこにはティファ一人だった。 (…聞いちゃいけなかったんだ)    ティファは起き上がった。目を向けた窓の外は、空が白ばんでいる。夜明け前の静かな靄のかかった外の景色。窓にカーテンがかけられていないのは、そんな時間から眠っていたからだろうか。  ティファはただぼんやりと窓の外をみつめた。  徐々に外は明るさを増し、ふとした瞬間、光の糸が空に放たれ、じんわりと頭を見せた陽の輝き。それは一瞬で空を金色に染めた。 (…………そうすれば、まだ一緒にいられたのに)  深い夢は幸せに満ち溢れていて、そして残酷だ。夢はティファの発言を求めてはいない。いつも一方的に始まって、唐突に終わった。  夢の中で二人は言葉もなく飽きもせず、一晩中愛し合った。夢の中で目が覚めると、いつもそこにはクラウドの顔があって。そして、目が合う。唇が重なる。クラウドの手が��の下から肌に触る、その少しだけ冷たい感触までもありありと伝わってくる。だから、いつも全力でそれに答えてしまう。すると、煌々と濡れた唇がティファの身体中にキスを落としていく。全身に余すことなく、彼の、クラウドの感触が刻み込まれていく。そして、夜が明けるのだ。  ……でもそれは、最後まで、間違えなかった時。間違うと、今みたいに夜明け前に目が覚めてしまう。 (…次は気をつけなくちゃ)  話してはいけない、そう訴えるように、夢の中のクラウドはティファの問にはほとんど答えない。それなのに、今日の夢の中の彼は何か伝えたそうでもあった。それは、ティファが咄嗟に抱き着いてしまったからなのかもしれないが。でも、、、 (わかってる、所詮、あれは夢…)  触れる感触も、耳に響くその声も限りなくリアルで、今の生きる喜びで、でも、夢、なのだ。  と、行き場を失ったままになっていた身体の中の熱がうずいて、ティファは自分で自分を抱きしめた。  その時、違和感を感じた。  恐る恐る、自分の腕を見る。そこには、いつできたのだろうか、きつく握りしめられたような、赤い指の跡が浮かんでいた。 *** 「ティファさん…顔色悪くないですか?」 「え!?そ、そうですか…?」  常連客に突然指摘され、ティファは思わずグラスを落としそうになった。幸いにもそれはまた手の中に留まり、最悪の事態は防げたものの、一緒になって飛び跳ねた心臓はドキドキと大きな音を響かせている。 「疲れてるんじゃないかって、前から心配してたんですよ。最近、表情が暗い」  常連客は尚も続ける。  しかし、その彼の心配してくれているのであろう口調が、妙に耳に触るような気がして、ティファは俯いた。 「…昨日夜更かししたからかな。今日は早く寝ます」  ティファはそう言うと、素早く客に微笑み、そしてまた視線を落とす。  作業をしている風を装って、もう磨き上がれているグラスを再度拭き始めた。 「心配だな…僕が家族なら、早く休めって、今日はもう貴女を休ませますよ」 「ふふ、そうですね。もうすぐお店も閉店時間だし、今日は早めに閉めちゃおうかな」 「ティファさん、僕は本気で心配しているんですよ」  ああ、嫌だ、咄嗟にそう思ってしまって、ティファは耳を塞ぎたくなった。 「僕だったら、貴女みたいな人を一人で働かせたりしない」  私は、働きたくて働いているの。働かされているわけじゃない。 「そうだ、僕が代わりに皆に言いましょうか。今日は閉店しますって」  やめて。  それは、それは………クラウドの役目。  ―ティファ、休んだ方がいい。  ―すまない、今日は早いが閉店にする。  脳裏に心配そうな彼の姿が浮かんだ。その表情が夢の中のクラウドと重なる。ティファ、と心配そうにのぞき込む、吸い込まれそうなほど碧い瞳。  彼の、……クラウドの場所を、私から取らないで。  ティファは顔を上げると、にっこり、とほほ笑んだ。 「いえ、自分で皆さんに言ってきます。お会計もあるし…あ、先に頂いてもいいですか?」 「えっ、ああ…」  代金を受け取って、ティファはカウンターから出た。そして、テーブル一つ一つに声をかけていく。その後ろで、先ほどの常連客は店を出たようだった。  それからすぐの事だった。  ドン    そんな鈍い大きな音が店の外から響いた。 「なんだぁ…?」  誰かがそう呟き、誰かが外へ様子を見に行った。しばらくして戻ってきた男は、席に座りながら隣の客に言った。 「なんでも、近くで事故があったらしい。モンスター車だかに人がひかれたんだとよ」 「へぇ。千鳥足で歩いてた酔っ払いか」 「そこまでは分からなかったなぁ」  ・  ・  ・ 「ティファ」 「…クラウド?」 「おはよう、ティファ」 「…おはよう」  ティファはクラウドに抱きついた。 「…ティファ?」 「クラウド、どこに居るの?」 「………ここに居るだろ?」 「………。」  いやいやをする小さな子供のように、ティファは頭を横に振った。 「でも、」 「ティファ」  クラウドはティファの名前を呼ぶ。そして、その唇はティファの耳の外側をなぞるように触れたのち、その耳たぶを唇と唇で挟んだ。 「ん…」  漏れ出た声に、耳元に落とされた、ため息のような吐息。 「…もう少しだ」 「…。」 「……だから、それまで…」 「……。」  静かに身体はベッドの上に寝かされる。  一番最初は額だ。つぎにこめかみ。頬、そして、首筋。ゆっくりとクラウドはキスを落としていく。いつも決まった順番。むき出しの腕をなぞるように移動した唇は、手の甲で止まり、そして内側にも。指の一本一本までも。  その動きを見ていると碧い瞳と目が合う。そして彼は切なげに微笑んで、唇と唇が重なった。 「……俺は、ティファの方が居なくならないか不安だ」 「…え?」  覆いかぶさるその大きな身体が闇を作る。 「…………誰も、ティファに近寄らせたくない」 「え?」 「ティファは分かってない、」 「…クラウド?」 「…俺が…どれだけ……」 「クラウド?」  ・  ・  ・  店のドアベルが勢いよく跳ね上がり、近くのテーブルに座っていた初老の男性がそれに気が付いて顔を上げた。 「おう、いつも元気だな」 「あったりまえじゃん!」  その元気のよい声にティファが顔を上げると、それに気が付いたユフィがひらひらと手を振った。 「ティファ~お腹すいた~」 「先に連絡くれたら作って待ってたのに!」  呆れて言うティファに、ユフィは「忍がそんなことしないって」そう真顔で言い返しながらカウンター席に腰を下ろした。 「適当でいい?」 「うん。おいしーやつお願いね!」 「りょうかい」  ティファが調理を始め、ユフィはそれをにこにこ顔で眺めていたが、ふと、思い立ったように口を開いた。 「あれからは増えてない?」 「え?何が??」 「前に、ティファの思い過ごしだって言ったやつだよ」 「う~ん」 「え、また誰か来なくなったの?」 「うん…、でもそれは私のせいだから違うかな」 「ティファのせいって?」 「ちょっと、失礼な事をした、かも…」  その二人の会話が聞こえていたようだ。ユフィの隣に座っていた男が口をはさんだ。 「それさ、よくそこに座ってたヤツ?身なりの良いスーツ着て」  カウンター席はだいたい常連客が座る事が多いため、それぞれが名前は知らずとも顔見知りであることも多い。その男も大概いつも同じ席に座っていたから知っていたのだろう。 「ええ、そうです」 「あいつ、事故にあったって言ってたから、ティファちゃんのせいじゃないさ。治ったらまた来るだろうから、覚悟しといた方がいいよ」 「なんだよ、覚悟って」 「ティファちゃんはモテるんだって」 「���ぁ?知ってるし」  ユフィが客に失礼な態度をとっているにも関わらず、ティファはぼうっと呟いた。 「…事故?」  あの日、一番最初に帰った彼。あの後すぐに近くで事故があったと聞いたのは、数日たってからだった。街中に入ってきたモンスターと一般人が衝突したそうだ。もし、それが彼だったのなら。それが、ここに来ていた事が原因なのだとしたら。……これで4人目だ。 (なんだろう…怖い…)  背筋に悪寒のようなものが走って、ティファは身震いをした。次々と姿を消していく顔見知りの人達。それぞれ理由があるにせよ、重なりすぎじゃないだろうか。そして、そう、ティファ自身の体調不良。規則正しい生活を心がけてはいるが、一行に改善が見られない。それどころか、日に日に悪化しているような気さえする。 「ねぇ、ユフィ、やっぱり…」  そう言いかけたティファだったが、ユフィはあ、という顔のまま、丁度電話に出てしまったところだった。 「もしもーし!ユフィちゃんだよ。…え、今?…別にいーじゃん、どこでも」  不貞腐れた顔をした彼女だったが、途端に表情が変わった。 「ティファ今仕事中だから。は?ティファなら目の前に……。……。分かった。すぐ行くよ」  電話を切るなり、ユフィはティファを見て真剣な顔になった。大きく息を吸い込み、そして、 「…ティファ、落ち着いて聞いてね。  あのさ、クラウドが見つかったって。今から一緒に行こう」  その後のあれこれを、ティファはあまり良く覚えていない。  ユフィに手伝ってもらって、急遽店を閉めると、マリンとデンゼルを預けて、二人は迎えのヘリに乗った。暗夜の闇を掻き分けるように進んだ先に見えてきたのは、海の中にぽっかりと灯りを灯した孤島だった。  ヘリはその島に一つだけある診療所の屋上上空をホバリングし、二人は飛び降りるように建物に降り立つとそのまま迎えに来ていた看護師に連れられて中に入った。  そして、一つの個室へと案内された。 「…クラウド?」  壁もカーテンもベッドも、真っ白な部屋だった。そこにクラウドは眠るようにベッドに身体を横たえていた。 「今朝、ミディール沖で見つかったようです」  静かな声でリーブが言った。 「おそらく、海底のライフストリームから吹き上げられてきたのでしょう。驚いたのは、どこにも怪我ひとつなかった点です。どうやら、ライフストリームの中で再生していたらしい。身体中のライフストリーム濃度が極端に高くなっています。でも、人体に害があるレベルではない。あくまで、傷の再生にだけつかったようです。それがクラウドさんの意思なのか、ライフストリームの意思なのか、それはわかりませんが」 「……目は、覚めない…?」  真っ白な部屋で閉じられて���る金色のまつ毛。それは照明に透けるように輝いてはいるが、しっかりと閉じられたままだ。 「医者が言うには、いつ覚めてもおかしくない状態らしい。…何か刺激が必要なのかもしれない。それで、ティファさんに来てもらったわけです。ティファさんが来れば、反応があるかと思いまし��…」  気遣わしげにリーブは言った。「ティファさんの体調を考えて、目が覚めてからの方が良い気もしたのですが…」そう言葉を濁した。  ティファはクラウドの傍までくると、身体の横に力なく置かれている手を取った。両手で包んで、暫く待ってみた。でも、特に何も変化はなかった。 「…少し、二人きりにしてもらうことは出来ますか…?」  リーブとユフィ、そして看護師はうなづきあって部屋を出ていった。  その真っ白な部屋に、ティファは眠ったままのクラウドと二人きりになった。 「…クラウド?」  呼びかける、でも、その声は白に吸い込まれていく。  眠るクラウドは、本当にただ眠っているかのようだった。規則的に胸が上下し、顔色も良い。でも、全身の力が抜けていて、意識はまだ、どこか遠い世界にいるのが分かる。 「……帰ってきて、クラウド」  ティファはクラウドの顔を見つめた。あの碧い瞳が見たかった。そして、言って欲しかった。『ティファ』と。クラウドが言うその言葉をどれだけ夢に見たことだろう。  ティファは、クラウドの眠るベッドの上に手をついた。そして、そうっとクラウドの額に唇を落とした。つぎにこめかみ。頬、そして、首筋。ゆっくりとティファはキスを落としていく。腕をなぞるように移動した唇は、手の甲で止まり、そして内側にも。指の一本一本までも。そして、クラウドの顔を見た。 「……………………ティファ?」  薄く開いた口から、細い小さな声が漏れて、そして、ゆっくりと、碧い瞳が開かれた。 「っ、おはよう、クラウド」 「……おはよう、ティファ」    碧い瞳と目が合う。そして彼は切なげに微笑んだ。顔をそっと近づけると、ようやく、唇と唇が重なった。抱きしめた体はまだうまく覚醒していないようだったけれども、クラウドはゆっくりとティファの背中に手を回し、そしてぎゅっと力を入れた。 「ただいま」 「うん、おかえりなさい…」  笑顔と共に堪えるように、きゅっと一文字に結ばれた唇。頭を少し持ち上げると、クラウドはそこにキスをした。ティファの紅い瞳から、涙がぽろぽろと零れていった。 ***    クラウドが帰ってきて、ティファの体調は瞬く間に良くなった。マリンやデンゼルはもちろん、仲間達も店に顔を見に寄っては喜んでいった。  そして、セブンスヘブンに戻ったクラウドを、家族以外で一番?大歓迎したのはまさかの年配の客達だった。そんなに仲良かった…?とティファが思ってしまうくらいだ。彼らは配達を再開したクラウドが仕事を終えて店に戻るなり、 「おお、クラウドさん良かったな~!俺たちもこれで安心して飲める」 「やっぱり、ここにはクラウドさんが居ないとダメだな」  そう彼を囲むとバシバシと酔い任せの遠慮なしに背中を叩くものだから、クラウドが嫌がらないかと少し心配した。しかし、 「当然だ」  そうキリッとした顔で返事をしていて、思わずティファはびっくりしてしまったのだが。  その後、酒屋の配達人は退院し、客として姿を見せた。「薬!?違いますよ、俺、アル中で…だから今日はジュースお願いします」そう情けなさそうに笑った。蒸発した、と言われていた常連客もまた店に来るようになった。「え!?出稼ぎに行ってただけだって」眠れなくなっていた男も、「眠れるようになったから、溜まってた仕事を片せてやっと来れた」そう笑った。あの事故にあった男も、退院したそうだ。  でも、4人共、クラウドと顔を合わせた瞬間、ぎょっとしたように怯えて見えたのは、ただの思い過ごしだろうか。  ��も、あれから、魔晄色が少し強くなった瞳をのぞき込んでティファは言う。 「やっぱり、クラウド少し変わったね…?」  ティファの紅い瞳を見上げてクラウドは答える。 「…だったらティファが教えてくれ」  軟らかい微笑みをたたえて、ティファを抱きしめ、小さく呟く。「ティファが俺を完全にしてくれる」 「どうやって?」  クラウドの唇はティファの耳をなぞり、そして囁いた。 「……夢で見たように」 fin.
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kurihara-yumeko · 4 years ago
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【小説】The day I say good-bye (3/4)【再録】
 (2/4)はこちらから→(https://kurihara-yumeko.tumblr.com/post/647000556094849024/)
「あー、もー、やんな��ちゃうよなー」
 河野帆高はシャーペンをノートの上に投げ出しながらそう言って、後ろに大きく伸びをした。
「だいたいさー、宿題とか課題って意味がわからないんだよねー。勉強って自分のためにするもんじゃーん。先生に提出するためじゃないじゃーん。ちゃんと勉強してれば宿題なんて出さなくてもいいじゃーん」
「いや、よくないと思う」
「つーか何この問題集。分厚いくせにわかりにくい問題ばっか載せてさー。勉強すんのは俺らなんだから、問題集くらい選ばせてくれたっていーじゃんね」
「そんなこと言われても……」
 僕の前には一冊の問題集があった。
 夏休みの宿題として課されていたものだ。その大半は解答欄が未だ空白のまま。言うまでもないが、僕のものではない。帆高のものだ。どういう訳か僕は、やつの問題集を解いている。
 その帆高はというと、また別の問題集をさっきまでせっせと解いていた。そっちは先日のテストが終わったら提出するはずだったものだ。毎回、テスト範囲だったページの問題を全て解いて、テスト後に提出するのが決まりなのだ。帆高はかかとを踏み潰して上履きを履いている両足をばたつかせ、子供みたいに駄々をこねている。
「ちゃんと期限までにこつこつやっていればこんなことには……」
「しぬー」
「…………」
 つい三十分前のことだ。放課後、さっさと帰ろうと教室で荷物をまとめていた僕のところに、帆高は解答欄が真っ白なままの問題集を七冊も抱えてやってきた。激しく嫌な予感がしたが、僕は逃げきれずやつに捕らえられてしまった。さすが、毎日バスケに勤しんでいる人間は、同じ昼休みを昼寝で過ごす僕とは俊敏さが違う。
 帆高は夏休みの課題を何ひとつやっていなかった。テスト後に提出する課題も、だ。そのことを教師に叱責され、全ての課題を提出するまで、昼休みのバスケ禁止令と来月の文化祭参加禁止令が出されたのだという。
 それに困った帆高はようやく課題に着手しようと決意したらしいが、僕はそこに巻き込まれたという訳だ。一体どうして僕なのだろうか。そんな帆高だが、この間のテストでは学年三位の成績だというので、教師が激怒するのもわかるような気がする。
「…………どうして、保健室で勉強してるの」
 ベッドを覆うカーテンの隙間から頭の先を覗かせてそう訊いてきたのは、河野ミナモだった。帆高とは同じ屋根の下で暮らすはとこ同士だというが、先程から全くやつの方を見ようとしていない。
 そう、ここは保健室だ。養護教諭は今日も席を外している。並んだベッドで休んでいるのは保健室登校児のミナモだけだ。
「教室は文化祭の準備で忙しくて追い出されてさ。あ、ミナモ、俺にも夏休みの絵、描いてよ。なんでもいいからさ」
 帆高は鞄からひしゃげて折れ曲がった白紙の画用紙を取り出すと、���ナモへ手渡す。ミナモはしばらく黙っていたが、やがて帆高の方を見もしないまま、画用紙をひったくるように取るとカーテンの内側へと消えた。
 帆高が僕の耳元で囁く。
「こないだ、あんたと仲良くなったって話をしたら、少しは俺と向き合ってくれるようになったんだ。ミナモ、あんたのことは結構信頼してるんだな」
 へぇ、そうだったのか。僕がベッドへ目を向けた時、ミナモは既にカーテンを閉め切ってその中に閉じこもってしまっていた。耳を澄ませれば鉛筆を走らせる音が微かに聞こえてくる。
「そう言えば、あんたのクラスは文化祭で何やんのー?」
「なんだったかな……確か、男女逆転メイド・執事喫茶?」
「はー? まじでー?」
 帆高はけらけらと笑った。
「男女逆転ってことは、あんたもメイド服とか着る訳?」
「……そういうことなんじゃない?」
「うひゃー、そりゃ見物だなーっ!」
「あんたのとこは?」
「俺のとこはお化け屋敷」
 それはまた無難なところだな。こいつはお化けの恰好が似合いそうだ、と考えていると、
「そういやさ、クラスで思い出したんだけど、」
 と帆高は言った。
「あんたのとこ、クラスでいじめとかあったりする?」
「さぁ、どうだろ……。僕はよく知らないけど」
 いじめ、と聞いて思い出すのは、あーちゃんのこと、ひーちゃんのこと。
「なんか三組やばいみたいでさー。クラスメイト全員から無視されてる子がいるんだってさ」
「ふうん」
「興味なさそうだなー」
「興味ないなぁ」
 他人の心配をする余裕が、僕にはないのだから仕方ない。
 そうだ、僕はいつだって、自分のことで精いっぱいだった。
「透明人間になったこと、ある?」
 あの最後の冬、あーちゃんはそう僕に尋ねた。
 あーちゃんは部屋の窓から、遠い空を見上げていた。ここじゃないどこかを見つめていた。どこか遠くを、見つめていた。蛍光灯の光が眼鏡のレンズに反射して、その目元は見えなかったけれど、彼はあの時、泣きそうな顔をしていたのかもしれない。
 僕はその時、彼が発した言葉の意味がわからなかった。わかろうともしなかった。その言葉の本当の意味を知ったのは、あーちゃんが死んだ後のことだ。
 僕は考えなかったのだ。声を上げて笑うことも、大きな声で怒ることも、人前で泣くこともなかった、口数の少ない、いつも無表情の、僕の大事な友人が、何を考え、何を思っていたのか、考えようともしなかった。
 透明人間という、あの言葉が、あーちゃんが最後に、僕へ伸ばした手だった。
 あーちゃんの、誰にも理解されない寂しさだった。
「――くん? 鉛筆止まってますよ���」
 名前を呼ばれた気がして、はっとした。
 いけない、やつの前で物思いにふけってしまった。
「ぼーっとして、どした? その問題わかんないなら、飛ばしてもいいよ」
 いつの間にか帆高は問題集を解く作業を再開していた。流れるような筆致で数式が解き明かされていく。さすが、学年三位の優等生だ。問題を解くスピードが僕とは全然違う。
「……この問題集、あんたのなんだけどね」
 僕がそう言うと帆高はまたけらけらと笑ったので、僕は溜め息をついてみせた。
   「最近はどうだい? ���年」
 相談室の椅子にふんぞり返るように腰を降ろし、長い脚を大胆に組んで、日褄先生は僕を見ていた。
「担任の先生に聞いたよ」
 彼女はにやりと笑った。
「少年のクラス、文化祭で男がメイド服を着るんだろう?」
「…………」
 僕は担任の顔を思い浮かべ、どうして一番知られてはいけない人間にこの話をしたのだろうかと呪った。
「少年ももちろん着るんだろ? メイド服」
「…………」
「最近の中学生は面白いこと考えるなぁ。男女逆転メイド・執事喫茶って」
「…………」
「ちゃんとカメラ用意しないとなー」
「…………先生、」
「せんせーって呼ぶなっつってんだろ」
「カウンセリングして下さい」
「なに、なんか話したいことあるの?」
「いや、ないですけど」
「じゃあ、いーじゃん」
「真面目に仕事して下さい」
 そもそも、今日は日褄先生の方から、カウンセリングに来いと呼び出してきたのだ。てっきり何か僕に話したいことがあるのかと思っていたのに、ただの雑談の相手が欲しかっただけなんだろうか。
「昨日は市野谷んち行ってきた」
「そうですか」
「久しぶりに会ったよ、あの子に」
 僕は床を見つめていた目線を、日褄先生に向けた。彼女は真剣な表情をしている。
「……会ったんですか、ひーちゃんに」
 日褄先生のことを嫌い、その名を耳にすることも口にすること嫌い、会うことを拒み続けていた、あのひーちゃんに。
「なーんであの子はあたしを見ると花瓶やら皿やら投げつけてくるのかねぇ」
 不思議だ不思議だ、とちっとも不思議に思っていなそうな声で言う。
「あの子は、変わらないね」
 ありとあらゆるものが破壊され、時が止まったままの部屋で、二度と帰ってくることのない人を待ち続けているひーちゃん。
「あの子はまるで変わらない。小さい子供と同じだよ。自分の玩具を取り上げられてすねて泣いているのと同じだ」
「……ひーちゃんをそういう風に言わないで下さい」
「どうしてあの子をかばうんだい、少年」
「ひーちゃんにとって、あーちゃんは全てだったんですよ。そのあーちゃんが死んだんです。ショックを受けるのは、当然でしょう」
「違うね」
 それは即答だった。ぴしゃりとした声音。
 暖かい空気が遮断されたように。ガラス戸が閉められたように。
 世界が遮断されたかのように。
 世界が否定されたかのように。
「少年はそう思っているのかもしれないが、それは違う。あの子にとって、直正はそんなに大きな存在ではない」
「そんな訳、ないじゃないですか!」
「少年だって、本当はわかっているんだろ?」
「わかりません、そんなこと僕には――」
 僕を見る日褄先生の目は、冷たかった。
 そうだ。彼女はそうなのだ。相変わらずだ。彼女はカウンセラーには不向きだと思うほど、優しく、そして乱暴だ。
「少年はわかっているはずだ、直正がどうして死んだのか」
「…………先生、」
「せんせーって呼ぶなって」
「僕は、どうすればよかったんですか?」
「少年はよく頑張ったよ」
「そんな言葉で誤魔化さないで下さい、僕はどうすれば、ひーちゃんをあんな風にしなくても、済んだんですか」
 忘れられない。いつ会っても空っぽのひーちゃんの表情。彼女が以前のように笑ったり泣いたりするには、どうしても必要な彼はもういない。
「後悔してるの? 直正は死んでないって、嘘をついたこと」
「…………」
「でもね少年、あの子はこ���から変わるつもりみたいだよ」
「え……?」
 ひーちゃんが、変わる?
「どういう、ことですか……?」
「市野谷が、学校に行くって言い出したんだよ」
「え?」
 ひーちゃんが、学校に来る?
 あーちゃんが帰って来ないのにどうして学校に通えるの、と尋ねていたひーちゃんが、あーちゃんがいない毎日に怯えていたひーちゃんが、学校に来る?
 あーちゃんが死んだこの学校に?
 あーちゃんはもう、いないのに?
「今すぐって訳じゃない。入学式さえ来なかったような不登校児がいきなり登校するって言っても、まずは受け入れる体勢を整えてやらないといけない。カウンセラーをもうひとり導入するとかね」
「でも、一体どうして……」
「それはあたしにもわからない。本当に唐突だったからね」
「そんな……」
 待つんじゃなかったのか。
 あーちゃんが帰って来るまで、ずっと。
 ずっとそこで。去年のあの日で。
「あたしは、それがどんな理由であろうとも、あの子にとって良いことになればそれでいいと思うんだよ」
 日褄先生はまっすぐ僕を見ていた。脚を組み替えながら、言う。
「少年は、どう思う?」
    僕の腕時計の針が止まったのは、半月後に文化祭が迫ってきていた、九月も終わりの頃だった。そしてそれに気付いたのは、僕ではなく、帆高だった。
「ありゃ、時計止まってるじゃん、それ」
「え?」
 帆高の課題は未だに終わっておらず、その日も保健室で問題集を広げて向き合っていた。何気なく僕の解答を覗き込んだ帆高が、そう指摘したのだ。
 言われて見てみれば、今は放課後だというのに、時計の針は昼休みの時間で止まっていた。ただいつ止まったのかはわからない。僕は普段、その時計の文字盤に注意を向けることがほとんどないのだ。
「電池切れかな」
「そーじゃん? ちょっと貸してみ」
 帆高がシャープペンシルを置いて手を差し出してきたので、僕はそっと時計のベルトを外し、その手に乗せる。時計を外した手首の内側がやつに見えないように気を付ける。
 黒い、プラスチックの四角い僕の時計。
 僕の左手首の傷を隠すための道具。
 帆高はペンケースから細いドライバーを取り出すと、文字盤の裏の小さなネジをくるくると器用に外していた。それにしてもどうして、こんな細いドライバーを持ち歩いているんだろうか、こいつは。
「あれ?」
 問題集のページの上に転がったネジを、なくさないように消しゴムとシャーペンの間に並べていると、文字盤裏のカバーを外した帆高が妙な声を上げる。
 そちらに目をやると、ちょうど何かが宙を舞っているところだった。それは小さな白いものだった。重力に逆らえるはずもなく、ひらひらと落下していく。帆高の手から逃れたそれは、机の上に落ちた。
「なんだこれ」
 それは紙切れだった。ほんとうに小さな紙切れだ。時計のカバーの内側に貼り付いていたものらしい。僕はそれを中指で摘まんだ。摘まんで、
「…………え?」
 摘まんで、ゴミかと思っていた僕はそれを捨てようと思って、そしてそれに気が付いた。その小さな紙切れには、もっと小さな文字が記されている。
  図書室 日本の野生のラン
 「……図書室?」
 どくん、と。
 突然、自分の心臓の鼓動がやけに耳に響いた。なぜか急に息苦しい気分になる。嫌な胸��ぎがした。
 ――うーくん、
 誰かが僕の名を呼んでいる。
「どうした?」
 僕の異変に気付いた帆高が身を乗り出して、僕の指先の紙を見やる。
「……日本の野生のラン?」
 ――うーくん、
 僕のことを呼んでいる。
「なんだこれ? なんかの暗号?」
 暗号?
 違う、これは暗号じゃない。
 これは。
 ――うーくん、
 僕を呼んでいるのは、一体誰だ?
「日本の野生のラン、図書室……」
 考えろ。
 考えろ考えろ考えろ。
 これは一体、どういうことだ?
 ――うーくん、
 知っている。わかっている。これは、恐らく……。
「図書室……」
 今になって?
 今日になって?
 どうしてあの日じゃないんだ。
 どうしてあの時じゃないんだ。
 これはそう、きっと最後の……。
 ――うーくん、この時計あげるよ。
「ああ……」
 耳鳴り。世界が止まる音。夏のサイレン。蝉しぐれ。揺れる青色は空の色。記憶と思考の回路が全て繋がる。
「あーちゃんだ…………」
   「英語の課題をするのに辞書を借りたいので、図書室を利用したいんですけど、鍵を借りていってもいいですかー?」
 帆高がそう言うと、職員室にいた教師はたやすく図書室の鍵を貸してくれた。
「そういえば河野くん、まだ宿題提出してないんだって? 担任の先生怒ってたわよ」
 通りすがりの他の教師がそう帆高に声をかける。やつは笑って答えなかった。
「じゃー、失礼しましたー」
 けらけら笑いながら職員室を出てくると、入口の前で待っていた僕に、「じゃあ行こうぜ」と声をかけて歩き出す。僕はそれを追うように歩く。
「ほんとにそうな訳?」
 階段を上りながら、振り返りもせずに帆高が問いかけてくる。
「なにが?」
「ほんとにさっきのメモ、あんたの自殺した友達が書いたもんなの?」
「…………恐らくは」
 僕が頷くと、信じられないという声で帆高は言う。
「にしても、なんだよ、『野生の日本のラン』って」
「『日本の野生のラン』だよ」
「どっちも同じだろー」
 放課後の校内は文化祭の準備で忙しい。廊下にせり出した各クラスの出し物の準備物やら、ダンボールでできた看板やらを踏まないようにして図書室へと急ぐ。途中、紙とビニール袋で作られたタコの着ぐるみを着た生徒とすれ違った。帆高がそのタコに仲良さげに声をかけているところを見ると、こいつの知り合いらしい。こいつにはタコの友人もいるのか。
 この時期の廊下は毎年混沌としている。文化祭の開催時期がハロウィンに近いせいか、クラスの出し物等もハロウィンに感化されている。まるで仮装行列だ。そんな僕も文化祭当日にはクラスの女子が作ってくれたメイド服が待っている。まだタコの方がましだった。
 がちゃがちゃ、と乱暴に鍵を回して帆高は図書室の扉を開けてくれた。
 閉め切られた図書室の、生ぬるい空気が顔に触れる。埃のにおいがする。それはあーちゃんのにおいに似ていると思った。
「『日本の野生のラン』って、たぶん植物図鑑だろ? 図鑑ならこっちだぜ」
 普段あまり図書室を利用しない僕を帆高がひょいひょいと手招きをした。
 植物図鑑が並ぶ棚を見る。植物図鑑、野山の樹、雑草図鑑、遊べる草花、四季折々の庭の花、誕生���と花言葉……。
「あっ…………た」
 日本の野生のラン。
 色褪せてぼろぼろになっている、背表紙の消えかかった題字が僕の目に止まった。恐る恐る取り出す。小口の上に埃が積もっていた。色褪せていたのは日に晒されていた背表紙だけのようで、両側を園芸関係の本に挟まれていた表紙と裏表紙には、名前も知らないランの花の写真が鮮やかな色味のままだった。ぱらぱらとページをめくると、日本に自生しているランが写真付きで紹介されている本。古い本のようだ。ページの端の方が茶色くなっている。
「それがなんだっつーんだ?」
 帆高が脇から覗き込む。
「普通の本じゃん」
「うん……」
 最初から最後まで何度もページをめくってみるが、特に何かが挟まっていたり、ページに落書きされているようなこともない。本当に普通の本だ。
「なんか挟まっていたとしても、もう抜き取られている可能性もあるぜ」
「うん……」
「にしても、この本がなんなんだ?」
 腕時計。止まったままの秒針。切れた電池。小さな紙。残された言葉は、図書室 日本の野生のラン。書いたのはきっと、あーちゃんだ。
 ――うーくん、この時計あげるよ。
 この時計をくれたのはあーちゃんだった。もともとは彼の弟、あっくんのものだったが、彼が気に入らなかったというのであーちゃんが僕に譲ってくれたものだ。
 その時彼は言ったのだ、
「使いかけだから、電池はすぐなくなるかもしれない。でもそうしたら、僕が電池を交換してあげる」
 と。
 恐らくあーちゃんは、僕にこの時計をくれる前、時計の蓋を開け、紙を入れたのだ。こんなところに紙を仕込める人は、彼しかいない。
 にしてもどういうことだろう、図書室 日本の野生のラン。この本がなんだと言うのだろう。
 てっきりこの本に何か細工でもしてあるのかと思ったけれど、見たところそんな部位もなさそうだ。そもそも、本を大切にしていたあのあーちゃんが、図書室の本にそんなことをするとは思えない。でもどうして、わざわざ図書室の本のことを記したのだろう。図書室……。
「あ……」
 図書室と言えば。
「貸出カード……」
 本の一番後ろのページを開く。案の定そこには、貸出カードを仕舞うための、紙でできた小さなポケットが付いている。
 中にはいかにも古そうな貸出カードが頭を覗かせている。それをそっと手に取って見てみると、そこには貸出記録ではない文字が記してあった。
  資料準備室 右上 大学ノート
 「……今度は資料準備室ねぇ」
 ぽりぽりと頭を掻きながら、帆高は面倒そうに言う。
「一体、なんだって言うんだよ」
「……さぁ」
「行ってみる?」
「…………うん」
 僕は本を棚に戻す。元通り鍵を閉め、僕らは図書室を後にした。
 図書室の鍵は後で返せばいいだろ、という帆高の発言に僕も素直に頷いて、職員室には寄らずに、資料準備室へ向かうことにした。
 またもや廊下でタコとすれ違った。しかも今度は歩くパイナップルと一緒だ。なんなんだ一体。映画の撮影のためにその恰好をしているらしいが、どんな映画になるのだろう。「戦え! パイナップルマン」と書かれたたすきをかけて、ビデオカメラを持った人たちがタコとパイナップルを追いかけるように速足で移動していった。
「そういえばさ、」
 僕は彼らから帆高へ目線を移しながら尋ねた。
「資料準備室、鍵、いるんじゃない?」
「あー」
「借りて来なくていいの?」
「貸して下さいって言って、貸してくれるような場所じゃないだろ」
 資料準備室の中には地球儀やら巨大な世界地図やら、あとはなんだかよくわからないものがいろいろ入っている。生徒が利用することはない。教師が利用することもあまりない。半分はただの物置になっているはずだ。そんな部屋に用事があると言ったところで、怪しまれるだけで貸してはくれないだろう。いや、この時期だし、文化祭の準備だと言えば、なんとかなるかもしれないけれど。
「じゃ、どうする気?」
「あんたの友達は、どうやってその部屋に入ったと思う?」
 そう言われてみればそうだ。あーちゃんはそんな部屋に、一体何を隠したというのだ。そして、どうやって?
「良いこと教えてやるよ、――くん」
「……なに?」
 帆高は僕の名を呼んだのだと思うが、聞き取れなかった。
 やつは唇の端を吊り上げて、にやりと笑う。
「資料準備室って、窓の鍵壊れてるんだよ」
「はぁ……」
「だから窓から入れるの」
「資料準備室って、三階……」
「ベランダあんだろ、ベランダ」
 三階の廊下、帆高は非常用と書かれた扉を開けた。それは避難訓練の時に利用する、三階の全ての教室のベランダと繋がっている通路に続くドアだ。もちろん、普段は生徒の使用は禁止されている。と思う、たぶん。
「行こうぜ」
 帆高が先を行く。僕がそれを追う。
 日が傾いてきたこともあり、風が涼しかった。空気の中に、校庭の木に咲いている花のにおいがする。空は赤と青の絵具をパレットでぐちゃぐちゃにしたような色だった。あちこちの教室から、がやがやと文化祭の準備で騒がしい声が聞こえてくる。ベランダを歩いていると、なんだか僕らだけ、違う世界にいるみたいだ。
「よいっ、しょっと」
 がたんがたんと立て付きの悪い窓をやや乱暴に開けて、帆高がひょいと資料準備室の中へと入る。僕も窓から侵入する。
「窓、閉めるなよ。万が一開かなくなったらやばいからな」
「わかった」
「さて、資料準備室、右上、大学ノート、だったっけ? 右上、ねぇ……」
 資料準備室の中は、物が所せましと置かれていた。大きなスチールの棚から溢れ出した物が床に積み上げられ、壊れた机や椅子が無造作に置かれ、僕らの通り道を邪魔している。どんな物にも等しく埃が降り積もっていて、蜘蛛の巣が縦横無尽に走っている。
「右上っちゃー、なんのことだろうな」
 ズボンに埃が付かないか気にしながら、帆高が並べられた机の間を器用にすり抜けた。僕は部屋の中を見回していると、ふと、棚の中に大量のノートらしき物が並べられているのを見つけた。
 僕はその棚に苦労して近付き、手を伸ばしてノートを一冊取り出してみる。
「……昭和六十三年度生徒会活動記録」
 表紙に油性ペンで書かれた文字を僕が読み上げると、帆高が、
「生徒会の産物か」
 と言った。
「右上って、この棚の右上ってことじゃないかな」
「ああ。どうだろうな、ちょっと待ってろ」
 帆高は頷くと、一番下の段に足をかけて棚によじ登ると、最上段の右側に置いてあるノートを無造作に���十冊ほど掴んで降ろしてくれた。それを机の上に置くと、埃が空気に舞い上がる。ノートを一冊一冊見ていくと、一冊だけ、表紙に文字の記されていないノートがあった。
「それじゃね?」
 棚からぴょんと飛び降りた帆高が言う。
 僕はそのノートを手に取り、表紙をめくった。
  うーくんへ
  たったそれだけの、鉛筆で書かれた、薄い文字。
「……これだ」
 次のページをめくる。
  うーくんへ
 きみがこれを読む頃には、とっくに僕は死んでいるんだろうね。
 きみがこのノートを手に取ってくれたということは、僕がきみの時計の中に隠したあのメモを見てくれたということだろう? そして、あの図書室の本を、ちゃんと見つけてくれたということだろう?
 きみがメモを見つけた時、どこか遠いところに引っ越していたり、中学校を既に卒業していたらどうしようかと、これを書きながら考えているけれど、それはそれで良いと思う。図書室の本がなくなっていたり、このノートが捨てられてしまったりしていたらどうしようかとも思う。たとえ、今これを読んでいるきみがうーくんではなかったとしても、僕はかまわない。
 これでも考えたんだ。他の誰でもなく、きみだけが、このノートを手に取る方法を。
 これは僕が生きていたことを確かに証明するノートであり、これから綴るのは僕が残す最後の物語なのだから。
 これは、僕のもうひとつの遺書だ。
 「もうひとつの、遺書……」
 声が震えた。
 知らなかった。
 あーちゃんがこんなものを残しているなんて知らなかった。
 あーちゃんがこんなものを書いているなんて知らなかった。
 彼が死んだ時、僕はまだ小学校を卒業したばかりだった。
 あーちゃんは僕にメモを仕込んだ腕時計をくれ、それを使い続け、電池が切れたら交換すると信じていた。僕が自分と同じこの中学校に通って、メモを見て図書室を訪れると信じていた。あの古い本が破棄されることなく残っていて、貸出カードの文字がそのままであると信じていた。この部屋が片付けられることなく、窓が壊れたままで、ノートが残っていることを信じていた。
 なによりも、僕がまだ、この世界に存在していることを信じていた。
 たくさんの未来を信じていたのだ。自分はもう、いない未来を。
「目的の物は、それでいーんだろ?」
 帆高の目は、笑っていなかった。
「じゃ、ひとまず帰ろうぜ。俺の英語の課題、まだ終わってない」
 それに図書室の鍵も、返さなくちゃいけないし。そう付け加えるように言う。
「それは後でゆっくり読めよ。な?」
「……そうだね」
 僕は頷いて、ノートを閉じた。
    うーくんへ
 きみがこれを読む頃には、とっくに僕は死んでいるんだろうね。
 そんな出だしで始まったあーちゃんの遺書は、僕の机の上でその役目を終えている。
 僕は自分の部屋のベッドに仰向けに寝転がって、天井ばかりを眺めていた。ついさっきまで、ノートのページをめくり、あーちゃんが残した言葉を読んでいたというのに、今は眠気に支配されている。
 ついさっきまで、僕はその言葉を読んで泣いていたというのに。ページをめくる度、心が八つ裂きにされたかのような痛みを、繰り返し繰り返し、感じていたというのに。
 ノートを閉じてしまえばなんてことはない、それはただの大学ノートで、そこに並ぶのはただの筆圧の弱い文字だった。それだけだ。そう、それだけ。それ以上でもそれ以下でもなく、ただ「それだけ」であるという事実だけが、淡々と横たわっている。
 事実。現実。本当のこと。本当に起こったこと。もう昔のこと。以前のこと。過去のこと。思い出の中のこと。
 あーちゃんはもういない。
 どこにもいない。これを書いたあーちゃんはもういない。歴史の教科書に出てくる人たちと同じだ。全部全部、昔のことだ。彼はここにいない。どこにもいない。過去のこと。過去のひと。過去のもの。過去。過去そのもの。もはやただの虚像。幻。夢。嘘。僕がついた、嘘。僕がひーちゃんについた、嘘。あーちゃんは、いない。いない。いないいないいない。
 ただそれだけの、事実。
 あーちゃんのノートには、生まれ育った故郷の話から始まっていた。
 彼が生まれたのは、冬は雪に閉ざされる、北国の田舎。そこに東京から越してきた夫婦の元に生まれた彼は、生まれつき身���が弱かったこともあり、近所の子供たちとは馴染めなかった。
 虫捕りも魚釣りもできない生活。外を楽しそうに駆け回るクラスメイトを羨望の眼差しで部屋から見送る毎日。本屋も図書館もない田舎で、外出できないあーちゃんの唯一の救いは、小学校の図書室と父親が買ってくれた図鑑一式。
 あーちゃんは昔、ぼろぼろの、表紙が取れかけた図鑑をいつも膝の上に乗せて熱心に眺めていた。破けたページに丁寧に貼られていたテープを思い出す。
 学校で友達はできなかった。あーちゃんはいつもひとりで本を読んで過ごした。小学校に上がる以前、入退院を繰り返していた彼は、同年代との付き合い方がわかっていなかった。
 きっかけは小さなことだった。
 ひとりの活発なクラスメイトの男の子が、ある日あーちゃんに声をかけてきた。
 サッカーをする人数が足りず、教室で読書をしていた彼に一緒に遊ばないかと声をかけてきたのだ。
 クラスメイトに声をかけられたのは、その時が初めてだった。あーちゃんはなんて言えばいいのかわからず黙っていた。その子は黙り込んでしまったあーちゃんを半ば強引に、外に連れ出そうとした。意地悪をした訳ではない。その子は純粋に、彼と遊びたかっただけだ。
 手を引かれ、引きずられるようにして教室から連れ出される。廊下ですれ違った担任の先生は、「あら、今日は鈴木くんもお外で遊ぶの?」なんて声をかける。あーちゃんは抵抗しようと首を横に振る。なんとかして、自分は嫌なことをされているのだと伝えようとする。だけれどあーちゃんの手を引くそのクラスメイトは、にっこり笑って言った。
「きょうはおれたちといっしょにサッカーするんだ!」
 ただ楽しそうに。悪意のない笑顔。害意のない笑顔。敵意のない笑顔。純粋で、率直で、自然で、だから、だからこそ、最も忌むべき笑顔で。
 あーちゃんの頭の中に言葉が溢れる。
 ぼくはそとであそびたくありません。むりやりやらされようとしているんです。やめてっていいたいんです。たすけてください。
 しかしその言葉が声になるよりも早く、先生はにっこり笑う。
「そう。良かったわ。休み時間はお外で遊んだ方がいいのよ。本は、おうちでも読めるでしょう?」
 そうして背を向けて、先生は行ってしまう。あーちゃんの腕を引く力は同い年とは思えないほどずっと力強く、彼の身体は廊下を引きずられていく。
 子供たちの笑い声。休み時間の喧騒。掻き消されていく。届かない。口にできない言葉。消えていく。途絶えていく。まるで、死んでいくように。
 あーちゃんは、自分の気持ちをどうやって他者に伝えればいいのか、わかっていなかった。彼に今まで接してきた大人たちは、皆、幼いあーちゃんの声に耳を傾けてくれる人たちばかりだった。両親、病院の医師や看護師。小さい声でぼそぼそと喋るあーちゃんの言葉を、辛抱強く聞いてくれた。
 自分で言わなければ他人に伝わらないということも、幼いあーちゃんは理解していなかった。どうすれば他人に伝えればいいのか、その方法を知らなかった。彼は他人との関わり方がわからなかった。
 だからあーちゃんは、持っていた本で、さっきまで自分が机で読んでいた本で、ずっと手に持ったままだったその分厚い本で、父親に買ってもらった恐竜の図鑑で、その子の頭を殴りつけた。
 一緒に遊ぼう、と誘ってくれた、初めて自分に話しかけてくれたクラスメイトを。
 まるで自然に、そうなることが最初から決まっていたかのように、力いっぱい腕を振り上げ、渾身の力で、その子を殴った。
 あーちゃんを引っ張っていた手が力を失って離れていく。まるで糸が切れた人形のように、その子が倒れていく。形相を変えて駆け寄って来る先生。目撃した児童が悲鳴を上げる。何をやっているの、そう先生が怒鳴る。誰かに怒鳴られたのは、初めてだった。
 倒れたその子は動かなかった。
 たった一撃だった。そんなつもりではなかった。あーちゃんはただ伝えたいだけだった。言葉にできなかった自分の気持ちを、知ってほしいだけだった。
 その一撃で、あーちゃんの世界は木っ端微塵に破壊された。
 彼の想いは、誰にも届くことはなかった。
 その子の怪我はたいしたことはなく、少しの間意識を失っていたけれど、すぐに起き上がれるようになった。病院の検査でも異常は見つからなかった。
 あーちゃんの両親は学校に呼び出され、その子の親にも頭を下げて謝った。
 あーちゃんはもう、口を開こうとはしなかった。届かなかった想いをもう口にしようとはしなかった。彼はこの時に諦めてしまったのだ。誰かにわかってもらうということも、そのために自分が努力をするということも。
 そうしてこの時から、彼は透明人間になった。
「ママがね、『すずきくんとはあそんじゃだめよ』って言うの」
「うちのママも言ってた」
「あいつ暗いよなー、いっつも本読んでてさ」
「しゃべってもぼそぼそしてて聞きとれないし」
「『ヨソモノにろくなやつはいない』ってじーちゃん言ってた」
「ヨソモノって?」
「なかまじゃないってことでしょ」
 あーちゃんが人の輪から外れたのか、それとも人が離れていったのか。
 あーちゃんはクラスの中で浮くようになり、そうしてそれは嫌がらせへと変わっていった。
 眼鏡。根暗。ガイジン。国に帰れよ。ばーか。
 投げつけられる言葉をあーちゃんは無視した。まるで聞こえていないかのように。
 あーちゃんは何も言わなかった。嫌だと口にすることはしなかった。けれど、彼の足は確実に学校から遠ざかっていった。小学二年生に進級した春がまだ終わり切らないうちに、あーちゃんは学校へ行けなくなった。
 そしてその一年後に、あーちゃんは僕の住む団地へとやって来た。
 笑うことも、泣くことも、怒ることもなく。ただ何よりも深い絶望だけを、その瞳に映して。ハサミで乱暴に傷つけられた、ぼろぼろのランドセルを背負って。
 彼のことを、僕が「あーちゃん」と呼んでいるのはどうしてなんだろう。
 彼の名前は、鈴木直正。「あーちゃん」となるべき要素はひとつもない。
 あーちゃんの弟のあっくんの名前は、鈴木篤人。「あつひと」だから、「あっくん」。
「あっくん」のお兄さんだから、「あーちゃん」。
 自分でそう呼び始めたのに、僕はそんなことまでも忘れていた。
 思い出させてくれたのは、あーちゃんのノート。彼が残した、もうひとつの遺書。
 あーちゃんたち一家がこの団地に引っ越して来た時、僕と最初に親しくなったのはあーちゃんではなく、弟のあっくんの方だった。
 あっくんはあーちゃんの三つ年下の弟で、小柄ながらも活発で、虫捕り網を片手に外を駆け回っているような子だった。あーちゃんとはまるで正反対だ。だけれど、あっくんはひとりで遊ぶのが好きだった。僕が一緒に遊ぼうとついて行ってもまるで相手にされないか、置いて行かれることばかりだった。ひとりきりが好きなところは、兄弟の共通点だったのかもしれない。
 あっくんと遊ぼうと思って家を訪ねると、彼はとっくに出掛けてしまっていて、大人しく部屋で本を読んでいるあーちゃんのところに辿り着くのだ。
「いらっしゃい」
 あーちゃんはいつも、クッションの上に膝を丸めるようにして座り、壁にもたれかかるようにして分厚い本を読んでいた。僕が訪れる時は大抵そこから始まって、僕の来訪を確認するためにちらりとこちらを見るのだ。開け放たれた窓からの逆光で、あーちゃんの表情はよく見えない。かけている銀縁眼鏡がぎらりと光を反射して、それからやっと、少し笑った彼の瞳が覗く。今思えば、それはいつだって作り笑いみたいな笑顔だった。
 最初のうちはそれで終わりだった。
 あーちゃんは僕がいないかのようにそのまま本を読み続けていた。僕が何か言うと、迷惑そうに、うざったそうに、返事だけはしてくれた。それもそうだ。僕はあーちゃんからしてみれば、弟の友達であったのだから。
 だけれどだんだんあーちゃんは、渋々、僕を受け入れてくれるようになった。本や玩具を貸してくれたり、プラモデルを触らせてくれたり。折り紙も教えてもらった。ペーパークラフトも。彼は器用だった。細くて白い彼の指が作り出すものは、ある種の美しさを持っていた。不器用で丸々とした、子供じみた手をしていた僕は、いつもそれが羨ましかった。
 ぽつりぽつりと会話も交わした。
 あーちゃんの言葉は、簡単な単語の組み合わせだというのに、まるで詩のように抽象的で、現実味がなく、掴みどころがなかった。それがあーちゃんの存在そのものを表しているかのように。
 僕はいつの頃からか彼を「あーちゃん」と呼んで、彼は僕を「うーくん」と呼ぶようになった。
  うーくんと仲良くできたことは、僕の人生において最も喜ばしいことだった。
 それはとても幸福なことだった。
 うーくんはいつも僕の声に、耳を傾けようとしてくれたね。僕はそれが懐かしくて、嬉しかった。僕の気持ちをなんとか汲み取ろうとしてくれて、本当に嬉しかった。
 僕の言葉はいつも拙くて、恐らくほとんど意味は通じなかったんじゃないかと思う。けれど、それでも聞いてくれてありがとう。耳を塞がないでいてくれて、ありがとう。
  ノートに記された「ありがとう」の文字が、痛いほど僕の胸を打つ。せめてその言葉を一度でも、生きている時に言ってくれれば、どれだけ良かったことだろう。
 そうして、僕とあーちゃんは親しくなり、そこにあの夏がやって来て、ひーちゃんが加わった。ひーちゃんにとってあーちゃんが特別な存在であったように、あーちゃんからしてもひーちゃんは、特別な存在だった。
 僕とあーちゃんとひーちゃん。僕らはいつも三人でいたけれど、三角形なんて初めから存在しなかった。僕がそう信じていたかっただけで、そこに最初から、僕の居場所なんかなかった。僕は「にかっけい」なんかじゃなくて、ただの点にしか過ぎなかった。
  僕が死んだことで、きっとひーちゃんは傷ついただろうね。
 傷ついてほしい、とすら感じる僕を、うーくん��許してくれるかな。きっときみも、傷ついただろう? もしかしたら、うーくんがこのノートを見つけた時、きみは既に僕の死の痛みから立ち直っているかもしれない。そもそも僕の死に心を痛めなかったかもしれないけれどね。
 こんな形できみにメッセージを残したことで、きみは再び僕の死に向き合わなくてはいけなくなったかもしれない。どうか僕を許してほしい。このノートのことを誰かに知られることは避けたかった。このノートはきみだけに読んでほしかった。
 きみが今どうしているのか、僕には当然わからないけれど、どうか、きみには生きてほしい。できるなら笑っていてほしい。ひーちゃんのそばにいてほしい。僕は裏切ってしまったから。あの子との約束を、破ってしまったから。
 「約束」という文字が、僅かに震えていた。
 約束?
 あーちゃんとひーちゃんは、何か約束していたのだろうか。あのふたりだから、約束のひとつやふたつ、していたっておかしくはない。僕の知らないところで。
  うーくん。
 今まできみが僕と仲良くしてくれたことは本当に嬉しかった。きみが僕にもたらしてくれたものは大きい。きみと出会ってからの数年間は、僕が思っていたよりもずっと楽しかった。うーくんがどう思っているのかはわからないけれどね。
 ひーちゃんも、よくやってくれたと思ってる。僕が今まで生きてこられたのは、ふたりのおかげでもあると思ってるんだ。
 けれど僕は、どうしようもないくらい弱い人間だ。弱くて弱くて、きみやひーちゃんがそばにいてくれたというのに、僕は些細な出来事がきっかけで、きみたちと過ごした時間を全てなかったことにしてしまうんだ。
 気が付くと、自分がたったひとりになっているような気分になる。うーくんもひーちゃんも、本当は嫌々僕と一緒にいるのであって、僕のことなんか本当はどうでもいい存在だと思っている、なんて考えてしまう。きみは、「そうじゃない」と言ってくれるかもしれないが、僕の心の中に生まれた水溜まりは、どんどん大きくなっていくんだ。
 どうせ僕は交換可能な人間で、僕がいなくなってもまた次の代用品がやってきて、僕の代わりをする。僕の居た場所には他人が平気な顔をして居座る。そして僕が次に座る場所も、誰か他人が出て行った後の場所であって、僕もまた誰かの代用品なんだ、と考えてしまう。
 よく考えるんだ。あの時どうすれば良かったんだろうって。僕はどこで間違えてしまったんだろうって。
 カウンセラーの日褄先生は、僕に「いくらでもやり直しはできるんだ」って言う。でもそんなことはない。やり直すことなんかできない。だって、僕は生きてしまった。もう十四年間も生きてしまったんだ。積み上げてきてしまったものを、最初からまた崩すなんてことはできない。間違って積んでしまった積み木は、その年月は、組み直すことなんかできない。僕は僕でしかない。鈴木直正でしかない。過去を清算することも、変更することもできない。僕は、僕であるしかないんだ。そして僕は、こんな自分が大嫌いなんだ。
 こんなにも弱く、こんなにも卑怯で、こんなにも卑屈な、ひねまがった僕が大嫌いだ。
 でもどうしようもない。ひねまがってしまった僕は、ひねまがったまま、また積み上げていくしかない。ひねまがったままの土台に、ひねまがったまま、また積み上げていくしか。どんなに新しく積み上げても、それはやっぱりひねまがっているんだ。
 僕はもう嫌なんだ。間違いを修正したい。修正することができないのなら、いっそなかったことにしたい。僕の今までの人生なんてなかったことにしたい。僕にはもう何もできない。何もかもがなくなればいい。そう思ってしまう。そう思ってしまった。泣きたくなるぐらい、死にたくなるぐらい、そう思ったんだ。
 うーくん。
 やっぱり僕は、間違っているんだろうと思う。
 もう最後にするよ。うーくん、どうもありがとう。このノートはいらなくなったら捨ててほしい。間違っても僕の両親や、篤人、それからひーちゃんの目に晒さないでほしい。きみだけに、知ってほしかった。
 きみだけには、僕のようになってほしくなかったから。
 誰かの代わりになんて、なる必要ないんだ。
 世界が僕のことを笑っているように、僕も世界を笑っているんだ。
  そこで、あーちゃんの文字は止まっていた。
 最後に「サヨナラ」の文字が、一度書いて消した痕が残っていた。
 あーちゃんが僕に残したノートの裏表紙には、油性ペンで日付が書いてあった。
 あーちゃんが空を飛んだ日の日付。恐らく死ぬ前に、これを書いたのだろう。そして屋上に登る前にこのノートを資料室の棚の中へと隠した。その前に図書室の本に細工し、それ以前にメモを忍ばせた時計を僕に譲ってくれた。一体いつから、あーちゃんは死のうとしていたんだろう。僕が思っているよりも、きっとずっと以前からなんだろう。
 涙が。
 涙が出そうだ。
 どうして僕は、気付かなかったんだろう。
 どうして僕は、気付いてあげられなかったんだろう。
 一番側にいたのに。
 一番一緒にいたのに。
 一番僕が、彼のことをわかったつもりになっていて、それでいて、あーちゃんが何を思っていたのか、肝心なことは何もわかっていなかった。
 僕は何を見ていたんだろう。何を聞いていたんだろう。何を考えていたのだろう。何を感じていたのだろう。
 僕は何を、していたのだろう。
 何をして生きていたんだろう。
 あーちゃん。
 あーちゃんあーちゃんあーちゃん。
 僕は彼のたったひとりの友達だったというのに。
 言えばよかった。言ってあげればよかった。言いたかった。
 あーちゃんはひねまがってなんかないって。 
 あーちゃんはひとりなんかじゃないって。
 あーちゃんは、透明人間なんかじゃ、ないんだって。
 今さらだ。ほんとうに今さらだ。
 僕は知らなかった。わからなかった。気付いてあげられなかった。最後まで。本当に最後まで。何もかも。
 わかっていなかった。何ひとつ。
 ずっと一緒にいたのに。
 僕があーちゃんをちゃんと見ていなかったから、僕があーちゃんを透明にして、彼の見る世界を透明にしたのだ。
 僕が彼の心に触れることができていたならば、あーちゃんはこんなもの書かなくても済んだのだ。わざわざ人目につかないところに隠して、こんなものを、こんなものを僕に読ませなくても済んだのだ。
 僕は、こんなものを読まなくても済んだのに!
 あーちゃんがたとえ、ひねまがっていても、ひとりぼっちだったとしても、透明だったとしても、それがあーちゃんだったのに。あーちゃんはあーちゃんだったのに。あーちゃんの代わりなんて、どこにもいないというのに。
 ひーちゃんは今も、あーちゃんのことを待っているというのに。
 あーちゃんはもういないのに。全部嘘なのに。僕がついた嘘なのに。あんなに笑って、でも少しも楽しそうじゃない。空っぽのひーちゃん。世界は暗くて、壊れていて、終了していて、破綻していて、もうどうしようもないぐらい完璧に、歪んでしまっているというのに。それでも僕の嘘を信じて、あーちゃんは生きていると信じて、生きているというのに。
 僕はずっと勘違いをしていた。
 あーちゃんが遺書に書き残した、「僕の分まで生きて」という言葉。
 僕はあーちゃんの分まで生きたら、僕があーちゃんの代わりに生きたら、幸せになるような気がしていたんだ。あーちゃんの言葉を守っていれば、ご褒美がもらえるような、そんな風に思っていたんだ。
 あーちゃんはもういない。
 だから、誰も褒美なんかくれない。誰も褒めてなんてくれない。褒めてくれるはずのあーちゃんは、もういないのだから。
 本当の意味で、あーちゃんの死を理解していなかったのはひーちゃんではなく、僕だ。
 ひーちゃんはあーちゃんの死後、生きることを拒んだのだから。彼女はわかっていたのだ。生きていたって、褒美なんかないってことを。
 それでも僕が選ばせた。選ばせてしまった。彼女に生きていくことを。
 あーちゃんの分まで生きることを。
 褒美もなければ褒めてくれる人ももういない。
 それでも。
 でもそれでも、生きていこうと。生きようと。この世界で。
 あーちゃんのいない、この世界で。
 いつだってそうだ。
 ひーちゃんが正しくて、僕が間違っている。
 ひーちゃんが本当で、僕は嘘なんだ。
「最低だな……僕は」
 あーちゃんにもひーちゃんにも、何もしてあげられなかった。
   「あーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 廊下どころか学校じゅうにまで聞こえそうな大絶叫を上げて、帆高が大きく伸びをした。
 物思いにふけっていた僕は、その声にぎょっとしてしまった。
「終わったあああああああああああああああーっ!」
「うるさいよ……」
 僕が一応注意しておいたけれど、帆高に聞こえているかは謎だ。
「終わった終わった終わったーっ!」
 ひゃっほぉ! なんて言いながら、やつは思い切り保健室のベッドにダイブしている。舞い上がった埃が電灯に照らされている。
「帆高、気持ちはわかるけど……」
「終わったー! 俺は自由だああああああああーっ!」
「…………」
 全く聞いている様子がない。あまりにうるさいので、このままでは教師に怒られてしまうかもしれない。そう、ここはいつもの通り、保健室だ。帆高のこの様子を見るに、夏休みの課題がやっと終わったところなのだろう。確かにやつの手元の問題集へ目をやると、最後の問題を解き終わったようだ。
 喜ぶ気持ちはわかるが、はしゃぎすぎだ。どうしようかと思っていると、思わぬ人物が動いた。
 すぱーんという小気味良い音がして、帆高は頭を抱えてベッドの上にうずくまった。やつの背後には愛用のスケッチブックを抱えた河野ミナモが立っている。隣のベッドから出てきたのだ。長い前髪でその表情はほとんど隠れてしまっているが、それでも彼女が怒っているということが伝わる剣幕だった。
「静かに、して」
 僕が知る限り、ミナモはまだ帆高とろくに会話を交わしたことがない。これが僕の知る限り初めてふたりが言葉を交わしたのを見た瞬間だった。それにしてはあまりにもひどい。
 ミナモはそれだけ言うとまたベッドへと戻り、カーテンを閉ざしてしまう。
「……にてしても、良かったね。夏休みの宿題が終わって」
「おー…………」
 ミナモの一撃がそんなに痛かったのだろうか、帆高は未だにうずくまっているままだ。僕はそんなやつを見て、そっと苦笑した。
 僕は選んだのだ。
 あーちゃんのいないこの世界で、それでも、生きることを。
 ※(4/4)へ続く→https://kurihara-yumeko.tumblr.com/post/649989835014258688/
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bizenwakakusa · 2 years ago
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パウンドケーキ
青備前角皿 Takuma Watanabe -パウンドケーキ-
  今日はどんよりとした曇り空の岡山です。
今週は天気が崩れる予報ですね。
  さて、今日のおやつはパウンドケーキ。
シンプルなパウンドケーキは珈琲によく合いますよね。
  いただく前に備前焼に盛り付けて撮影を。
  渡邊さんの青備前角皿へ。
  青備前のきれいな発色にそぶを流し掛けして文様に。
  魅せる盛り付けにおすすめのうつわです。
  一人用の盛り付けに程よいサイズ感で、お刺身パックを移し替えて楽しめますよ。
  この機会にいかがでしょうか。
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eidolon1087 · 5 years ago
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伽藍 01
伽藍         がらん
          宮古藍的屏風之下,一只金魚缽放置於檜木紋的櫃檯。
  簷廊,彼岸花綻放著,凜冽的鮮紅倒映於三途川的水紋粼粼,錦鯉悠游在水中,和室的琉璃光院,窗櫺懸掛著一只鳥籠,神的使者,八咫烏鴉在籠中啞鳴。
  這裡,是「伽藍」,梵語為saṃghārāma,靈魂修習神道的清淨居所。
 「今天入住了128個靈魂,出走了56個靈魂。」
 低沉嗓音輕聲說,一手托著臉,了無興致的登記於宿泊者名簿。
  深藍色髮絲飛舞於風中,俊俏白皙的容顏抬起,幽深的玄黑色眼眸望著入口處,他穿著昭和時代的黑色排釦立領襯衫,一只軍帽斜戴於髮絲之間,斗篷翻飛。
  宇智波佐助閉眸,煩悶的嘆了口氣。
  此岸與彼岸之間,往生的純淨靈魂會來到伽藍,修行神道,作為「神器」的備選。
  「今天也很努力的贖罪呢,佐助。」
 一名黑髮的男人微笑著,以雙手揉握著米飯,製作飯糰。
  俊秀白皙的容顏映照著晨曦,柔和的黑眸斂下目光,黑長髮於肩膀紮成了一束,他穿著火扇的立領上衣、圍裙,一道「鼬」字的小篆文體刺青,銘刻於頸項之間。
  宇智波鼬站在廚房,以飯匙在竹筒掬起了另一斛米飯,回眸,笑彎了眼。
  伽藍,因為是靈魂暫住修行的清淨居所,被稱為是「彼岸的酒店」。
  大正浪漫時代的木造建築物坐落於石磚街道,紙燈籠搖曳著,燈火照亮了藤屋,男女、老少的靈魂完成了今日的修行,享受著銀山溫泉,一起浸泡於露天風呂。
  「啊、好想回到高天原。」
 一名黑捲髮的男人打著哈欠,拿起了清掃用具,刷洗著公共澡堂。
  俊朗白皙的容顏一臉無奈,英氣的眉宇之間,黑瞳抬起,微捲的黑髮飛舞於風中,他從和室取下了鳥籠,手背,是一道「水」字的小篆文體刺青,作為神明的契約。
  宇智波止水打開了鳥籠,以神饌的果物餵食著八咫烏鴉。
  伽藍神(がらんじん),是伽藍的守護神,八百萬神明之末,被稱為「酒店經理」。
  「這樣的日子不知道還要多久呢。」
 止水一手托著臉,似乎是想捉弄佐助,閉眸,故作無奈的嘆了口氣。
 「因陀羅的轉世神明,宇智波佐助,觸犯了天條,被貶謫到伽藍作為守護神……
我們這些神器也要跟著一起受罪,擔任酒店經理的侍者。」
  他吐了吐舌,眨眼,開朗的漾笑,鼬在一旁也忍不住笑了出聲。
  ……….。
佐助沉默著,有些心虛的低下頭,兩位哥哥看著他的背影不自覺掩面偷笑。
    *
    海霧之彼方,低沉的雷鳴隱沒於天空,灰暗厚重的雲��掩去了陽光,山雨欲來。
  煤氣街燈之下,北野町的洋房渲染了異國的風情,摩耶山的纜車搭載著觀光客,神戶港的觀景鐵塔坐落於岸邊,明石海峽大橋下的船隻揚起了風帆,駛入碼頭。
  這裡,是明治時代知名的港灣,神戶市。
  一名粉緋色髮少女回眸,以雙手提著書包,聽見了隱約的雷鳴。
  絕美白皙的容顏抬起,澄澈的翠綠色眼眸望著天空,細雨霏霏,濡濕了鳥囀鶯鳴,她穿著粉色系的高中制服,繫上了格子紋的領結,裙瓣飛舞著,走出三宮車站。
  春野櫻旋身,臨風佇立於石階上,雨水碎落於石磚地,暈開了濕潤的痕。
  ......下雨了?
  她以雙手舉起了書包,慌亂的躲進一間神社,雨水濺濕於鞋襪。
  明明是晴朗的天氣呀,怎麼會突然......
  此時,莊嚴的太鼓聲響錯落於耳畔,似遠似近,神秘、儼然,繚繞於霧隱之森。
  「那是......?」
 櫻不自覺止步,澄澈的翠綠色眼眸看著神社的鳥居之下,模糊的影子逐漸靠近。
  狐狸娶親(狐の嫁入り)。
 依據《古事記》的記載,如果晴朗的天氣下雨,就是狐狸舉行婚禮儀式的日子,下雨是為了提醒人類迎親隊伍即將出發,請別任意打擾,也有另一個說法是為了不讓人類看見狐狸新娘的面貌。
  紙傘下,一名穿著白無垢的女性走入神社,純潔、典雅,雪白的綿帽掩去了臉龐。
  神前式的隊伍演奏著雅樂,另一名穿著紋付羽織袴的男性與新娘並肩,接受祝福,紙燈籠的幽光搖曳著,穿著和服的孩子們走入神社,以雙手捧著一束栀子花。
  櫻屏息著,穿著白無垢的新娘抬眸,長睫之下,細長的黑瞳與她對視。
  ……那不是人類的眼睛。
  「唔......」
 櫻不自覺掩口失聲,踉蹌著,手中的書包掉落,雙腳癱軟,失去了意識。
  宿泊者名簿自動翻閱到最後一頁,“春野サクラ”的名字浮動於半空中。
  「人類……?」
 佐助低聲說,看著浮動於空中的名字化作墨水,浸入紙張中,綻放了光芒。
 「……為什麼人類會出現在這裡?」
  宿泊者名簿的備註欄位下方,寫著“人類”。
  伽藍的入口,一道朱紅色鳥居佇立於碧藍的海洋之中,刻畫了潮汐的痕跡。
  彼岸的酒店於大海延伸了水紋粼粼的倒影,燈影泅沉著,好似永無止盡的迴廊,滿潮,赤紅的朱砂鳥居倒映於水中,退潮,海水退去的岩岸沖蝕了生苔的石階。
  一名粉緋色髮的少女閉眸,沉睡著,側躺在海上鳥居的圓柱旁,濕髮散落於水中。
   「應該是神隱,誤入了彼岸吧。」
 止水俐落的躍上了枝梢,眺望於伽藍的入口,思忖著,環抱雙臂。
 「人類在神域是撐不過七天的,必須要趕快送小女孩回去才行,否則她在此岸的緣分會逐漸消失,最後就沒辦法回到此岸了。」
  神隱,在日語中的意義是“被神明、妖怪隱藏起來”。
  「此岸與彼岸的入口,七天才會再次開啟。」
 佐助煩悶的咬牙,一手拋開了宿泊者名簿,走出和室。
 「……真的很煩人。」
  「這名人類女孩的年紀似乎和佐助相近呢。」
 鼬看著佐助的背影,嘴角,是一抹好看的輕哂。
    *
    夕染暮色的天空之下,穿著和服的孩子們牽起了手,圍繞一圈,唱著童謠。
  「籠の中の鳥は(籠中的鳥兒)
いついつ出やる(什麼時候能出來?)
夜明けの晩に(黎明將至的夜晚)
後ろの正面だあれ?(背後的那個人是誰呢?)」
  栀子花搖曳著,小男孩、小女孩牽著手,人影錯落,圍繞的圓圈中央,沒有人。
  「背後的那個人,是誰呢?」
 孩子們回眸,白狐的側臉映照了夕陽的微光,細長的黑瞳半掩,咧嘴笑了。
  櫻不自覺瑟縮著身體,驚醒,冷汗濡濕了髮絲,喘息著,以指尖緊抓於床褥。
  「……妳醒了?」
 低沉嗓音輕聲說,佐助坐在和室的一隅,幽深的玄黑色眼眸抬起,與她對視。
  「這裡是……?」
 櫻抬眸,看著和室的琉璃光院,在床緣坐起,雪白側顏映照了柔和的微光。
  「伽藍,是一個靈魂暫住的地方。」
 佐助閉眸,一手摘下軍帽,以指尖輕撥了深藍色髮絲,淡然的開口。
 「神明與靈魂簽訂契約,以靈魂作為“神器”,伽藍就是靈魂修行神道的居所,靈魂完成修行之後,神明就會來挑選與自己契合的神器,靈魂就會離開……」
  「佐助,你這樣解釋,人類的女孩聽不懂吧?」
 鼬忍不住掩嘴,失笑,穿著立領上衣的背影坐在榻榻米的圓墊,砌了一壺茶。
  「伽藍,就是彼岸的酒店哦。」
 止水坐在簷廊,回眸,開朗的笑了,肩膀上的八咫烏鴉,鳴叫了幾聲。
 「各種設施都有,客房、餐廳、健身房,還有風呂,像是人類的五星級飯店一樣,以前是神明的招待所,現在是靈魂實習如何好好當一個神器的地方。」
  「你說,彼岸……?」
 櫻輕聲說,一臉困惑的以雙手抱著枕頭,看著和室、以及三名陌生的男人。
 「還有神明,靈魂,神器?」
  「妳的名字是櫻吧?宿泊者名簿是這樣寫的。」
 鼬輕聲說,將茶壺放上火缽,柔和的微笑著,散發了成熟的風雅氣質。
 「妳失去意識之前的事情,還記得嗎?」
  「我記得是放學後,一開始是晴朗的天氣,卻下起了雨。」
 櫻回憶著,澄澈的翠綠色眼眸斂下目光,幾綹粉髮滑落於白皙的側臉。
 「為了躲雨,我跑進了一間神社,然後聽見奇怪的太鼓聲響,濃霧中,看到一名穿著白無垢的新娘,我不自覺和新娘對上了視線,發現不是人類的臉,是狐狸……」
  「啊啊,稻荷神,那傢伙……」
 止水忍不住出聲抱怨,似乎是恍然大悟、又惱怒的拍了一下額頭。
 「每次都這麼任性,竟然看到想捉弄的人類就丟到這裡來!」
  「誒?」
 櫻抬眸,長睫之下,清澈的碧綠眼瞳好似花間彌生的湖影,粼粼而動。
  「……聽起來,似乎是稻荷神讓妳神隱了呢。」
 鼬取下火缽的茶壺,一手斟壺注入茶水,無奈的笑了。
  「妳看到了狐狸娶親,是不祥之事。」
 佐助輕聲說,反手戴上了軍帽,幽深的玄黑色眼眸與她對視,嘆了口氣。
 「稻荷神那傢伙,似乎是覺得妳很有趣,就丟到這裡來了。」
  「……誒誒誒誒誒?」
 櫻不自覺往後跌落於床邊,以雙手緊抓著枕頭。有、有趣?
    *
    「佐助是一個神明哦。」
 止水佇立於湖畔,以手上下拋擲著一個石頭,似乎在瞄準著最佳的角度。
 「伽藍是彼岸靈魂修行的清淨居所,佐助做了一些事情讓其他的神明不太高興,所以呢,就被流放到這裡來了,守護著伽藍的神明,被稱為“伽藍神”。」
  鳶尾花綻放著,龍鳳錦鯉泅泳於水紋粼粼之中,柔和的擺尾、悠游,湖光瀲灩。
  「那麼,止水哥和鼬哥哥也是神明嗎?」
 櫻坐在和室的簷廊,玻璃風鈴旋轉著,清脆的鈴音迴盪於紫藤花飄落的庭園。
  「不,我和鼬都是佐助的神器。」
 嘿、止水俐落的反手,以準確的20度夾角拋擲出石頭。
 「……神器嘛,以人類的語言來說,就是神明的武器吧?」
  打水漂的石頭在水面彈跳了一次、兩次、三次、四次、五次,接著,沉入水中。
  「伽藍神的工作是登記入住、退房的靈魂。」
 止水回眸,一臉開朗的笑了。
 「因為工作的內容就像是管理著彼岸酒店的經理一樣,所以又被稱為酒店經理。」
  紙拉門被推開,一名黑髮男子探首,俊秀白皙的容顏映照了湖水的微光。
  「啊、小櫻,妳在這裡。」
 鼬微笑著,拿著親手做的三色丸子,招了招手,示意她過來。
 「……我幫妳做了點心,還有一些東西要給妳。」
  和室,三色丸子吃完的竹籤擱置於瓷盤中,火缽的茶壺飄散了縈迴繚繞的煙縷。
  「……這件穿起來合身嗎?」
 鼬欠身,在收納箱翻找著,一手拿起了小紋和服、浴衣。
 「如果要在這裡留宿的話,還是要有替換的衣服比較好呢,可以掩蓋人類的氣息……所以,我���倉庫找到了一些女性的衣物,妳試試看哪一件合身,就換上吧。」
  鏡中,花樣年華的少女,從紙拉門半掩的另一間和室走了出來。
  粉緋色髮絲之下,絕美白皙的容顏抬起,澄澈的翠綠色眼眸望著全身鏡中的自己,她穿著撫子色的振袖和服,華麗的繪羽圖案垂墜於袖口,繫以立矢結的腰帶。
  櫻回眸,旋身、原地轉了幾圈,和服的振袖好似吹雪般散落的花舞,如夢似幻。
  「看起來很適合妳呢。」
 鼬笑了,俊秀白皙的容顏勾起了一綹柔和的弧度,面色溫煦的為她整理衣袖。
  「哇啊,好可愛呢。」
 止水從廚房拿著另一盤三色丸子,走入和室,回眸,笑彎了眼。
 「吶,佐助,你覺得小櫻穿這件好看嗎?」
  ……….。
 佐助不語,軍帽之下,俊俏白皙的容顏沉著臉,環抱著雙臂,煩悶的嘆了口氣。
  櫻抬眸,與鏡中的佐助對視,可愛白皙的容顏渲染了淡淡的紅暈,一臉羞怯。
  唔……
 兩人驚覺對上了視線,羞紅著臉,神色慌亂的別開了目光。
  簷廊,八咫烏鴉於鳥籠中啞鳴了幾聲,不安的騷動著,曜黑的羽翎散落。
  「......啊啊,今天又出現了呢。」
 鼬回眸,俊秀白皙的容顏輕哂,黑瞳望著天空,似乎感受了某種不祥的氣息。
  「誒,是什麼出現了嗎?」
 櫻看著鼬的側臉,澄澈的翠綠色眼眸倒映了好看的輪廓。
  「哼。」
 佐助走出和室,俊俏白皙的容顏斂起了神色,幽深的玄黑色眼眸抬起,目光一凜。
 「……人類的氣息會吸引妖怪。」
  伽藍的入口,一只蜇伏的魔物蠢動著,蛇妖般的身體纏繞於海上鳥居。
  妖異舞魅的魔物泅沉於海水中,面色猙獰的咧開了大口,百目鬼的眼睛轉動著,牠嗅聞著人類的氣味,一臉癲狂、嗤笑的以頭部衝撞於神域鳥居所劃下的結界。
  「時化了嗎?」
 鼬輕聲說,俐落的躍上了瓦簷,黑髮紮起的馬尾飛舞於風中。
  棲息於人類的死角之中,那就是……妖。
 妖魔身負怨念和詛咒,大小、姿態不一,但是全都沒有生命,是彼岸的謎樣存在,此岸的人類是看不見妖魔的,可以看見它們的是動物與孩童,以人類為食。
  「看來是晚了一步,已經時化了。」
 佐助望著妖魔身旁的黑暗氣息,一臉淡漠。
  妖魔相當喜歡陰鬱的氣氛,斬殺牠們的神明,將之稱為“時化”。
  「那麼,只能斬開它了?」
 止水輕咬著三色丸子的竹籤,伸了伸懶腰,回眸,自信的一笑。
 「但是這種大小的妖怪,佐助應該兩三下就解決了吧。」
  「那個是……」
 櫻走出了和室,澄澈的翠綠色眼眸望著妖魔,顫然的低語著。
  「妳待在這裡。」
 佐助旋身,修長指尖握緊了櫻的手,幽深的玄黑色眼眸與她對視,神色凜然。
 「那東西是為了妳才出現的,不要靠近它。」
  櫻屏息著,絕美白皙的容顏羞紅了臉,感受著指尖的溫度,一時語塞。
  「佐助,發動一次讓小櫻看看吧。」
 止水微笑著,看著佐助的眼神,像是一名對於後輩感到驕傲的兄長。
 「你可是因陀羅,雷電暴風之武神,別忘了,伽藍神只是暫時的職稱而已。」
  佐助以指尖解開了頸項之間的鈕扣,黑色斗篷彷彿脫籠之鳥,飄然的飛落風中。
  逆光之中,伽藍神的服裝似是流沙般的消散,一瞬幻化為白練色的立領和服。
  神器(しんき),就是得到神許可的武器。
 往生的靈魂徘徊於彼岸之時,被神召喚,而與神明簽訂契約,賦予其容身之所,從此長久留在該名神明身邊,平時是人類的姿態,主人呼喚時會變化為某種武器,侍奉不同的主人則作為武器的型態也會不同。
 神明擁有賜名的權力,賜名會以漢字的形式銘刻在身體上,名為訓讀,器為音讀。
  掌管雷電與戰事的武神、軍神,宇智波佐助的目光一凜,深藍色髮絲飛舞於風中。
  「獲持諱名,止於此地。」他閉眼,抬起手。「假名已稱,為吾僕眾。」
 低沉嗓音在嘴邊輕喃未知的咒文,白練色和服繫著注連繩的腰帶,穿戴了長靴,修長指尖的前端燃起了靛藍色光芒,俐落、傲然的以指尖於風中劃開光之軌跡。
 「從此尊名,其皿以音,謹聽吾命,化吾神器。」
  佐助睜開了雙眼,以指尖在面前結成刀印。「鼬器、水器。」
  此時,銘刻於兩名黑髮男子頸項與手背的漢文「鼬」、「水」二字,綻放了光芒,止水與鼬對視著,微笑,神之契約,具像化的小篆字體躍然的浮動於半空中。
  柔和的白色光芒包覆了止水與鼬的身體,化作光箭直抵於佐助的手心。
  深藍色髮少年俐落的揮袖,一只火紋的草薙劍於風中閃動著凜然的鋒芒。
  「神明、因陀羅……」
 櫻不自覺低喃著,澄澈的翠綠色眼眸望著佐助的背影,無聲顫動。
          _待續
5 notes · View notes
vixenwolcott · 5 years ago
Text
Marine snow
  以都心的標準來說,都營大江戶線就是相對地挖得很深很深。在淺寐的清明夢當中,我挨著西新宿站內ㄧ路直下的電扶梯扶手潛入地底,將那無論乘客有否都毫不間斷地乘坐叮囑聲置於身後,經過一個短暫的轉角,再次搭上繼續向底端月台延伸的電扶梯,強烈的站內循環冷氣像是激流那般,膨大且迅速地招呼過顯露於衣著與口罩外的肌膚,隱隱約約地讓毛細孔緊繃了起來。
  蝶蝶--在電扶梯下方更接近月台的前幾階,我注意到她那一頭染成金色的中長捲背影。然而不曉得她有無察覺,出聲呼喚的想法隨即打消。正巧在不自覺地自然眨眼之間,她的身子以泡沫的形式分解後溜出我的眼簾,不過卻又早一步地在端末的月台那重新凝聚。此時,下個班次的電車即將進站的站內播音開始放送,顧不得多餘的思忖,提起雙腿倉惶地向著月台奔馳。我想要確認--那個重新聚合的蝶蝶,究竟是同一個人嗎,又或者到底只是有著同樣外殼的個體呢?
  踏著混亂的步伐趕抵月台--啪唰地是車門開啟,啪唰地也是車門閉合。蝶蝶已乘上那班電車,發車移動的透明壓克力車窗,恰巧反射著站內的照明,儘管蝶蝶面向我,但卻讓人無法辨識她的臉孔。月台上僅我零落一人,目視該電車急遽地消隱在隧道彼端。莫名地,我隱約察覺下個班次的電車,是不會再有的了。
  就在我回頭準備折返時,身後原先的電扶梯已不見蹤影,取代而之的是每階段都有著三個成人高度的藍色石階,向著原途徑堆疊竄升直至消失在視野的邊際。仰望,但只得一片漆黑的深邃空洞。既無法攀爬更無從離開,除了自己以外空無一人的地底月台,電子看板重複登載班次延遲的顯眼紅字,頂上行列有序的白色 LED 照明在此刻格外地予人壓迫。本應是低熱能的燈光在封閉的空間裡卻宛若鹵素燈泡不斷放出灼傷般的焦躁感--好比碰觸到火與電的瞬間抽手的反射動作,那淺層睡眠的夢境在我彈起驚坐時戛然而止。
  握住置於床頭邊小几桌面的保溫瓶瓶身,將倒扣在上的水杯翻正,替自己斟了莫約五分滿的溫水慢慢喝完,試圖緩和情緒以及暖胃。接著挪動雙腳,前後踩進左右兩邊都有著貓耳裝飾的發熱鞋裡。準備盥洗前,先將全遮光窗簾撥開一道間隙,望向公寓窗外--
  年末最後一個花金的晨光,熹微。
  記憶追溯回十一月初,因公事漏接的那通電話轉成了語音留言:
「以前想去的那家旅館,請你也來吧。」
  語音信箱的列表上,聯絡人抬頭的姓名,唯獨署名蝶蝶的訊息我不怎麼定期清除。也因那句邀約,回撥給蝶蝶向她確認日程後,在工作日將很久沒用過的有給休暇申請送出去。
  於是,時間來到這早朝。梳理整裝完畢,確認家電的關閉與否,在玄關換上革靴,帶上門鎖後乘電梯向下。在這給休的年末最後工作日,慣例地到對角的 FamilyMart 買好能量飲料與早餐,之後原路折回公寓旁側的立體停車場取車。駛離位於小石川町的 Princess Isle 後樂園居所,十來分鐘後順著首都高速道路 5 號池袋線的號誌經竹橋 JCT 接入都心環狀線 C1,馳騁--即刻與東京拉開距離。
  腦中偶爾會閃過、憶起蝶蝶行動力總在計畫前的直率,那種出人意表所帶來的憧憬,就像是連日陰雨後的突然放晴、上班日的早晨共睹體液暈染的被褥,我認為能這樣子灑脫的蝶蝶,早已不用外在的推力支持,而是憑藉自己的直觀,爽快地將能力所及的物事都承攬在肩上。或許更該說,是蝶蝶十足地暸解她與我之間的距離感,因此才得以那麼寬宥有餘。
  而我需要為自己的性向對自己提出申辯嗎?就好比在《Merry Christmas, Mr. Lawrence》當中,大衛・鮑伊擁吻坂本龍一後,對坂本所飾演的世野一角與其他「當時的」日本人所爆發的人文衝擊那樣。蝶蝶是未婚妻,不過與我關係距離更貼近的是大江茜這名同性的摯友,蝶蝶與我互通有無,但我無法割離對茜的愛。像我這樣的人,在完全做好最後的決定前本來就不該妄圖任何的愛憎,交際更是難以維持在同溫層的保護傘下,一時半刻都無法說服自己了,怎麼還能強要蝶蝶又或是茜兩方圓融呢。我並不想撕裂任何一方,畢竟只要有一人崩解肯定是三方一同陷溺。雖說這樣有些情緒化,不過歡欣的過往還是佔據多數,但人性就是最大的感性公約數,那些短暫如一瞬流星的快樂能被無限上綱,對於藏匿在後的那些相對犧牲與齟齬往往渾然未知。在精心佈置的冬陽午後陽台小憩,茶几上放著剛煲好的紅茶,蝶蝶在旁邊的躺椅上哼著山下達郎的 Love Space;在清早的下灘無人車站,與茜並肩齊眺瀨戶內海,放著青春 18 的車票不管任憑久久一班的予讚線電車通過。到底是人都無法界定出歡愉的巴別塔能增設到多麼高聳,那是媲美天堂的偉業呢可不是嗎?
  通過廣島東 IC 地點的出口後,順利地沿著府中往廣島車站方向的出口下了高速道路。把握九鐘頭半的方向盤後的午後四時,我抵達了廣島市內、蝶蝶預約好的旅館。
  「午安妳好,我是有預約的北小路--」
  向右側拉開旅館的門扉,我在玄關朝著出來招呼的女將簡單地告知身分。
  「您的太太在松之間,這就讓我為您領路。」
  其實還沒有去登記呢--我在心中對於蝶蝶這樣權宜的舉動輕做嘖舌。旅館的佔地並不算寬廣,進入玄關換上室內鞋踏足木造廊道後,馬上就能看見口字型的中庭水池以及天井,透過女將介紹得知那池養著十數隻錦鯉的水潭是女將父親過去的主意。午後傾斜的日照穿透天井的半透光隔板,灑落在粼粼池面。館內一樓的房間由於考量天花板上二樓的聲響因素後,原則已不做營業用途,隨著女將前往二樓的階梯時,扶手上的幾何結構也獨具巧思。來到松之間外門前方,待女將打開外門輕敲內門的幾秒內,我短暫詳視了外門門柵上的松葉型的簍空雕飾與客室入口地面上也堆砌成松葉樣子的浮雕,暗自感佩這樣子的堅持。隔著內門,裏頭的應門語調是我熟悉的方式,下一秒便聽見門錠打開的聲音--蝶蝶隨即在內門後方出現。
  等我向女將道謝並目送其離開後蝶蝶便將我拉入房內,她早我兩天先行搭乘新幹線來到廣島。上次見面是在十一月中旬,間隔一個半月又九個多鐘頭後的她,舉手投足以及那挾雜在香水裡涼菸的淡薄尼古丁香,仍然都是我熟悉的那個模樣。向她詢問頭兩天的空檔裡,去做了什麼又或者去哪些地方踩踏,她在腦中整理後約略地托出:
  「散步、爆睡、書寫、抽煙、『買花』,即使是我也有各種要煩惱的事嘛。」
  「還是在抽 VIRGINIA S.DUO 嗎?」
  館內禁菸,我想蝶蝶十有八���是趁著散步時去到街頭的公共吸菸區解癮了吧,注意到房內的桌几上不見菸盒擱置,閃掉『買花』的個人私德,便把話題轉移到她慣用的香菸上。
  「沒帶到留在代代木那邊了,過來的路上就買同品牌的 Noire 撐著……」
  圓窗旁蝶蝶上身趴伏,下巴倚在桌几上她自己帶來的肉骨抱枕,盯著手機的螢幕手指上下來回滑動,如有所失地發著哀怨聲。
  「辛苦你了,那真是不得了呢。」
  我發出「欸--」拉長音的語氣,從行李拿出個人衛浴的小包裝以及替換衣物時,視線卻被她那鴨子坐坐姿而朝向外側--從青靛袴裙末端顯露的,米白色薄光蕾絲花邊隱形襪包覆的足裏,以及在其布料內側正巧細微騷動起伏的腳趾形跡所吸引,然而長距離、高耗時的奔波後想先沖個澡讓筋骨舒緩的生理催促則令我只好進入浴室內。
  旅館是在戰後五年,也就是昭和 25 年時落成的。在廣島被爆的損害下,市內的遊郭花街也在當時同成為歷史的灰燼,而當旅館則在五年後新築落成,至直 33 年政府完全落實、實施賣春防治法--令公娼制度廢止,迎來赤線時代的落幕為止,當旅館在這先前,仍是被列冊的多數男女幽會的「特殊飲食店」;到了 35 年時,旅館裡外雖保留遊郭外觀與格局,不過卻已改建轉型完成,只留下「遊郭」的外殼,徹底地成為一般的旅宿,就這經過了七十年的風雨。因此無論是我現在泡澡的石作浴池,又或是客室內的古典圓窗以及相關的擺設,幾乎都保持與六、七十年前如出一轍的模樣。
  「喲--沖完澡後完全沒聲音,我還在想你是不是在浴室睡著了?」
  浴室的拉門突然被拉開,盤好頭髮的蝶蝶纏著白色的大浴巾自顧自地踏入浴室,拉過浴椅扭開浴池旁獨立的出水口後坐下,順手地就拿著我的衛浴小包裝擠出沫浴乳,從雙腳開始搓揉泡沫。這樣子山賊般的行為,看在想要補眠的我眼裡,說起來有點--可愛?沖洗的淅瀝水聲消停,蝶蝶起身移動到浴池前作勢要爬進來,指了個方位要我讓開出空間的手勢。
  「話說我還這裡面欸,你也進來泡的話就太擠了……」
  「不讓我進來會著涼的是我欸,就不知道是誰啊--說想要跑遊郭跡巡禮的?」
  忽視我抗議的蝶蝶,提起膝蓋、橫過大腿爬進浴池裡匍匐到另一個邊上,背對我出聲拆掉我話語中的台階。我繼續倚著浴池邊上平坦的置物空間,枕著手臂小寐,並沒有搭理她。
  「補眠可以再等等吧?真的在浴室熱水裡睡著也太危險了。」
  划動池水的翻騰捲滾聲響傳入耳蝸,抬起沉甸甸的眼皮,蝶蝶從池裡起身移動,雙手向後扶著池邊支撐上半身,底蘊含蓄的乳房、平坦腹部的腹白線,美裸地胴體就半坐在我正前方。水中,她擺盪右腿,以右腳的腳趾前端從我充血的陰囊下方將其托起,祟動的五趾隔著表層皺折來回逗弄裡頭兩側睪丸,有些搔癢不過卻帶來不少的快感;隨後蝶蝶改變了攻擊的位置,將腳掌貼上已經勃起的陰莖,開始輕微地施力搓踩--期間她索性地把左腿向旁張開,將雙腿間倒三角形地帶的外陰部揭顯在我眼前,也染成金色且修剪整齊的陰毛、微微律動張合的縫隙,都相當地奪人目光,連睡意都能徹底地驅逐。
  蝶蝶起了玩興,將擱置在旁的浴巾朝我扔來遮斷我的視野,右腳則暫時從陰莖離開,以腳趾尖左右來回磨蹭、扒刮過我盤腿踞坐的大腿兩股內緣數次,惹得陰囊與根部開始抽蓄,旋即又貼回陰莖--將龜頭盡力地挾箝在拇趾與食趾的縫隙,用趾腹的柔軟肌膚反覆撥弄著冠狀溝下緣,有規律地妥善分配滑嫩足裏的力道,讓陰莖陷溺在射精衝動的莫比烏斯帶裡無法掙脫。
  「看不到不是更刺激嗎?你自己動手吧我想看你自慰。」
  突然,她先是停下腳部的動作,然後將右腳從陰莖抬伸到我胸前踩踏,使得我得向後仰躺--接著她向我下達自慰的命令。雖然中斷的錯愕帶來幾秒短暫的沉默,不過我還是伸手握住那依然挺立在水下的陰莖,遵從她的意志開始自慰;人聲的靜默持續,矇在浴巾裡再度闔上眼,聽覺的感官範圍在失去視覺能力後大幅地擴張,握住陰莖鬆緊有韻的手掌力道,與手指彎曲伸張相互協調,上下套動,又或以手掌像是握住排檔桿頂部那樣,包覆起龜頭前後左右地循環畫圓;輕淺地划水聲在腦海中放大如潮汐激流,忽明忽滅勾的勒出蝶蝶日常穿鞋,在鞋尖後方露出腳趾縫隙的尾端,以及脫下鞋子時,從後方窺視那踮起的腳跟與足裏的連線,肌肉群拉張收束成曲弓形的模樣--嗚呼,好似在她的身軀體膚上,看見西方中世時那些米色大理石凝膏塑像的再誕--體感我套弄陰莖抵達五分鐘時,嘴巴周圍的浴巾被蝶蝶用腳趾夾開--
  「未帆,你舔啊!」
  蝶蝶叫喚我的名字打破寧靜,把腳趾放在我的嘴唇邊游離試探;我張開嘴蝶蝶把腳趾塞進我的嘴中,小心翼翼地試著不讓牙齒嚙咬傷人,並用舌頭一道一道地清潔她的腳趾縫隙,自然分泌的鹼鹹與些許滲入皮下的沫浴乳合成果香,以及用磨砂膏養護好的木質調芬芳--在味蕾上奔竄流轉。或許是等不及看到--要求看我��慰、舔她腳趾與足裏的蝶蝶,現在是什麼表情,手掌握住陰莖上下套動的速度便比平常加速許多,想快點射精、想快點再看見她的臉--
  「欸你不要在水裡自慰到射精喔!這池還要換我用呢。」
  查覺到我意圖的蝶蝶,把左腳伸過來踩停我手部的上下往復,再度地將射精的節奏打亂,然後將右腳從我的嘴中退出,用同樣的方式將遮蓋我視線的浴巾卸除。 
  「不是因為我的裸體,而是用我的腳弄到完全勃起,你是變態嗎?」
  面對蝶蝶的責備,我不作聲地從浴池中起身站立,讓她戲弄後充血紫腫的龜頭膨脹地幾乎比核桃還大上些許,周圍,甚至到陰莖根部,都有前列腺的分泌液塗抹後的輕微黏稠。發散著熱氣的尿道口更是滴落幾滴在蝶蝶交疊的腿上,在上閃著略帶混濁的水光。腦海被射精的念頭佔據大半的思考迴路,一時找不出可以辯駁的說詞,只好稱讚她起來--
  「--你開發有方嘛……」
  「看來只好取消去宮島看鎮火祭了呢--」
  蝶蝶抬手將盤好的頭髮放開,聽似遺憾的但至多也只是嘴上的遺憾,我明白她的居心便讓她由背後推著從浴室離開……
  是從什麼時候開始習慣於,在冬季時室內的性愛的呢?明明與窗外身著寒服冬衣行走、背膀像是貓咪捲曲起來那樣緊縮的行道人群僅有二樓一牆之隔,我們卻是以裸身的方式弄得汗潮淋漓,甚至連有著窗簾阻隔的玻璃窗內面,都因兩人體溫升高使得四疊半大小的室內更加暖活地驟起熱氣,而與外頭的冷空氣蒸凝出一層薄露。像這樣的情愫,我並不認為是什麼隱晦淫穢的事。
  蝶蝶的腰窩凹陷���仍有局部殘存、沒有滾落到被褥上的,早前一刻的精液積聚流淌的痕跡,在天井燈光的下方顯得清晰可見,本想替她擦拭不過她卻先說出再做一回,順應她的意思在沒有變換體位的背後環抱姿勢下,挪動手掌經由她的鼠蹊,微速地先向著下腹--子宮的位置,伴隨著她悄聲地低鳴輕輕地按摩;這之後那因緊密接觸而持續發熱的掌心,朝著上半身撫過撩動,指甲早已修剪磨平的食指像是繞著漩渦般,從乳暈的環狀帶由外向內的不停迴旋--直到觸及勃起的乳頭時,手掌完全地張開並將部分的乳房緊握、捻揉;蝶蝶的嗚咽隨著動作的加強又開始高漲起來,為了避免呻吟的音量過分明顯,我將揉捏擠壓她胸部的手掌換了個位置,一轉受容強硬地要求她張開嘴巴,將方才服侍過她身軀的食指塞進她的嘴中--
  「舔吧!」
  我靠近她的耳際,在旁發下命令後,食指便感受到她以濕熱黏滑的唾液包覆著吸吮,舌頭也由最初自然抗拒的反射條件逐漸的轉化為非定速的不規律纏繞。陰莖在這段期間以半勃起的情況擱置輕貼在蝶蝶的外陰,龜頭碰到被單時連帶因她的雙腿根部的捕夾、咬肉,或許在此時賀爾蒙分泌就轉化成了清楚可聞的體香,又讓我浮現尋求在她身上那些性癖的部位射精的肉慾……在我要她停下嘴中的動作,好讓我稍微抽身去拿一旁桌几上的保險套時,「啵」地一聲,食指、髮絲以及唾液,混合著蝶蝶的喘息由她的口腔退出--
  而蝶蝶也確實流露出急躁的樣態--那管不住的雙腿在我拿取保險套時,雖然上半身保持不動,卻伸腳過來以足裏及腳趾對陰囊向著陰莖撥撩催促幾番;隨即重新挺進蝶蝶的體內後,我箝制住、抓緊了蝶蝶的兩肩,令陰莖又得以更深入享受她濕潤陰道裡的擠壓,混合著她腰背上那些多少乾涸的精液染痕的視覺刺激,即使與陰道壁內的層層皺褶有一層阻隔,也讓勃起時連帶陰囊上升的受器體感更進一步的放大,帶來好像隨時都能將保險套撐破並在體內射精的快感--不過蝶蝶暫時還沒有打算讓我這麼做的計畫;經過十數分鐘那像是打樁模樣,有規律的在慢速高速間調節的上下動作,由自己腳部蔓延上至骶髓的輕微酥麻感,讓我繃緊大腿的肌肉在她的陰道裡使勁地頂上一下後,暫時將陰莖從陰道拔出--尚未射精,不帶儲精囊的保險套則令前列腺液與體液以及空氣混合成白沫的狀態,將保險套包覆的肉桿局部浸染白濁。
  現在我又把手指塞進她的嘴中,用著十數秒攪和那些唾液弄得整個手掌滿黏潤,退出後她那在嘴角牽成絲狀的迷離側臉與向後垂視的眼珠十足地奢靡。在她恥邱覆蓋上那沾滿她體液的手掌,愛撫著充血勃起的陰蒂周圍之際,兩指併合後更是遞進她的陰道內來回出入刺激皺褶下的神經梢點,蝶蝶忍不住地令呻吟聲加大了些。
  「這可是你的口水呢!用自產的方式讓人替你弄得更溼你不也挺痴狂的嗎?」
  「像這樣恍神迷亂的表情,就算是在代代木那邊跟你做的時候也沒見過呢,你能用這種扭曲的臉孔出現在鄰居前或是職場裡嗎?還是說這是只有去『買花』時才特有的浪蕩啊--!」
  移開手掌後,我俯身到她的耳邊發出斥責的穢語,陰莖尚未沾染白濁的中段至根部的青筋仍舊可見浮現,鼓譟著那亟欲射精的醜態,我伸手調整陰莖的位置,在蝶蝶的下陰處外部,以龜頭的冠狀溝摩擦幾番後,向上移到雙臀的間隙,貼緊那道溝渠,像是畫圓那樣來回擺動。在她迷茫浮沉的氣音途中,提起自己的腰身--然後毫無預警地再次插入--
  蝶蝶像是觸電那樣哀叫了一聲,這次左右手掌交疊把握住她了兩掌,手指縫間密緻地合貼在一塊,共同將被單緊緊抓牢。從上俯視蝶蝶背部的曲線、鼻腔內浸潤混合雌雄體液的腥羶、交合時披散亂墜的金髮,還有她那弄溼枕頭的嘴邊垂涎--鬆開其中一側的壓制,將她的頭部按壓在床單上,讓她身子移動的方向配合著陰莖在她體內進出的前後往復,不給她有機會撐起上半身;之後我徹底無視蝶蝶嘴裡含糊不清的話語詞句,便又抓起她的雙臂,沒有停下陰莖在她體內的鑽突便直接將她往我的方向像是蝦子那樣仰翻,抽蓄收縮的陰道內,多層次的紋路與顆粒的蠕動就像是章魚吸盤糾纏緊繞上來絞榨,陰囊內想突破尿道括約肌壓力馬上在蝶蝶體內洩精的強烈性刺激,就好像深淵之底那種虛邪的呢喃在腦中催化誘使--
  「我也不是完全要討你歡心才跟你做的--你有煩惱我也有想短暫擺脫一切束縛的時候啊搞清楚!順著你的意思想讓我怎麼做就怎麼做的戀人遊戲的戲言就全留在東京那啊東京!現在在這裡跟我媾和的你就只是我的--」
  在半跪的後入姿即將衝抵那射精的紅線前幾秒,陰莖猛烈地從蝶蝶的陰部拔出,接著迅速地摘掉前端的保險套,要蝶蝶將雙足併攏朝上折起,接著抓住那合併成對的透紅腳底,用她的腳掌劇烈地套弄陰莖,而陰囊內那像是天地翻攪的滾動,令我的腳趾由捲曲至緊閉,在前列腺收縮將那酥麻的快感完全釋放,直接竄上腦門達到高潮時伴隨著低吼,精液像潮水暴漲後洩洪那樣--激烈地濺射向她的足裏--
  “但即使兩人的私生活再怎麼官能耽溺,無論性別與性向,最後在射精時都會成為野獸。”
  「那些話才是你真正的樣子嘛……」
  「氣勢上來太衝動了,抱歉喔--」
  順勢地讓脈動起伏的陰莖貼抵著蝶蝶的足裏射精後,以前茜在完事時講過的那段話將理智扯了回來;此時我的手指,在那沾上淌落精液的腳趾縫間游走勾纏,弄得蝶蝶發癢抽蓄,待稍微冷靜下來後,我回到她的身邊,以沒有沾上精液的另隻手抱住她的腰側,將半張臉埋入她的金色中短髮裡,畢竟完事前突然想到茜的事,對蝶蝶射精後便升起些許的自我嫌惡,可是蝶蝶那顯得潮紅並略為喘氣的側臉與髮香,又令陰莖開始躁動,讓我不得不調整過度密合的姿勢。蝶蝶見狀只是笑意摻雜的用問句的方式要我不要多事去打斷她的餘韻,至此我只得在心中幽幽地對自己下了審判:
「真是人渣--」
  渾然不覺斜陽密匿,再醒來時街燈已著,胡亂地摸索擱置在桌几面上的手機,瞥過螢幕上的 19:37,大約補眠了一個半鐘頭,完事後也沒有關閉的白色基調燈光,有點弄痛剛張開的眼睛,雖然模模糊糊地尋不著蝶蝶的身影,不過浴室裡傳來的沖洗交織的水聲讓人安心下來。翻過身背對浴室方式,盯著螢幕左右滑動,確認輸入在行事曆裡的行程。
  如果用海洋深度的色彩來做歸納,蝶蝶、茜,還有我,都在那藍色的光譜上。只是蝶蝶的色調與茜的色調或許是在光譜的兩個極端。紺青色的蝶蝶釋放著凌人地威勢,但卻無法隱藏住其中的落寞,而瓶覗色的茜則是透著清涼,寧靜之中蘊藏著相對掀起駭浪的力量。關於我--群青那般在 2°C 的斜溫層之底、深水層之頂的夾層邊際起伏不安,困惑自己是需要朝著海床飄零,還是順著湧升流再次朝向透光帶發進?摸索有關三人距離時,捲曲在白色照明下的我顯得薄弱,浴室的水聲逐漸趨小,記憶都被沖刷。
  「起來啦!大晦日哪有人在睡覺的,晚點不是還要去搭渡輪去嚴島初詣嗎?」
  走出浴室盥洗完畢的蝶蝶一腳踩在我的背後,開始提點更晚的行程。我坐起來,拿過早前本來是沖澡後要換上,但卻遇事延宕未使用的衣物,準備再次進入浴室,途中向她詢問她怎麼處理完事後腳部的汙濁。
  「踮腳,然後踮腳,跳進浴室洗掉。」
  「好險明天才有別組客人要來,女將講我們的關係太好了--」
  帶上浴門時,她就像影劇中的反派讓計畫得逞那樣她賊賊地笑著。
  由於事前已經知道旅館沒有供餐的服務,因此再盥洗後立刻打理一陣,偕著早已穿戴整齊的蝶蝶準備出發,晚餐或許是在藥研堀,也可能是抵達宮島才處理。將客室外門的掛鎖鎖上,下到一樓與女將再次打過照面,交代明日才會返回的事項後從玄關離開。
  「那個緊急出口,以前唸做『裏樓梯』喔,給男女完事後遁走的呢--」
  掩上正門出入口門扉,走離旅館有段距離後,蝶蝶講起二樓往逃生方向的階梯,伸手捏了我的臀部時裝得若無其事地樣子提起。
  20:44,我們在八丁堀搭上往宮島口的廣島路面電車 2 號線。因為有一個鐘頭的車程,車內也無法連續交談,為了方便溝通我便拿出手機開始敲擊虛擬鍵盤,把今早出發前的夢境用文字的方式傳送給她。明明並肩鄰座,卻以這樣子的形式交流,不免顯得突兀。
  『只有一個人的旅行難過嗎?』,讀完我描述的夢境細節,她丟訊息過來。
  「--那倒未必喔。」,我將訊息回傳。
  『跟我一起旅行,苦澀嗎?』
  「--不見得。」
  『做愛時覺得寂寞嗎?』
  「--嗯。」
  「嗯」很明顯地令人受傷,蝶蝶把手機收起後交代了句抵達時要叫醒她,隨即閉眼休眠。我也無意打斷她的假寐;在那夢中,我僅僅目送他向那個不知曉的目的地出發,將對她的依賴減縮到幾乎不復記憶,因此才表示即使做愛也感到寂寞。但是到底,性愛一事長久看來僅佔據生活裡短暫的現在過去,與亂數的未來。即使加諸精神上的共享,肉體的關係仍是相對多數,只要情感還存於人世的一日,那麼任誰都得擁抱不安吧,這份不安當然可理解為精神上的潔癖,抑或未能克服的懦弱--各種說法。因此,在肉體媾和當中,我甚少找到自身企及的寧靜。但也因為這份不安,從旁看去,蝶蝶與我的連繫就像在獨木上做作用力形式的來回拉鋸,待到切斷這根獨木時,連繫終究傾頹,雙方永遠靜滯。所以,那道「嗯」的訊息,便是我的不安,以及我們關係在目前還得以存在的象徵。
  抵達時我喚醒蝶蝶,跟她在街上找到公共的吸菸區時,她遞了隻菸過來。她知道除了公事外,我沒有碰菸的習慣,於是我解讀為這是那道「嗯」之後的報復。上午奔馳在高速道路時,思考著關於由藏匿起的犧牲與齟齬所建立的巴別塔,僅僅在幾個鐘頭後,便從模擬的想像中,承受著來自現實的侵蝕。燃燒後的薄荷醇化合物香氣,我用吸管喝水那樣的方式,吸了一整口填滿肺葉,隨後再緩緩地讓煙霧從嘴巴吐出--即使有過抽菸經驗,不過老實說一直沒有習慣Noire,或者其它菸品那種突然湧現的冷涼,弄得氣管隱約緊繃起來,抗拒似地在吐出煙霧的途中嗆咳不止。
  「還剩四支我們就均分掉吧,抽完才去買渡輪船票喔。」
  蝶蝶看了看菸盒,又用指節敲了敲反射吸煙區頂上淺蔥色螢光的手錶鏡面,滴答滴答--
  我們總算搭上往嚴島渡航的渡輪時,已經是 22:40。上層甲板的船尾角落,她挽著我的手臂,在望著漆黑海面,對向的返回船程時,說了句「來接吻吧」,突然地便吻了上來,並將舌頭伸進我的口腔中,索求著什麼那樣。周圍一部分人群的注意力在我們的身上飄移,她發現卻也無意隱藏,直到滿足後她才收回舌頭的纏繞。鞭子與糖果、毒與蜜,她的眼裡共存著兩種情愫--審視與魅惑,我則像是在明知不可繼續前行的深淵邊際,讓她拉著手向著淵底齊墮。
與其說是蝶蝶還在生著悶氣,倒不如說是她在搶回主導權,積極而且愈發狠心。
  下船後從港町出發的那小段路幾乎是摸黑前行,不見鹿群只有稀稀落落的隻影暗中向人群張望。然而有參訪人群的地方,屋臺自是少不了的,折過一轉角--接入此刻島上最是熙攘的參道商店街的堤防通路,也不知道蝶蝶的興致怎麼來的,早先在八丁堀時已用過晚餐,現在還特意地買好兩份廣島風的什錦燒後,拉著我坐到堤防邊上大快朵頤起來。海水正逢退潮,堤防上的探照燈餘光亮度勉強可以看見後退的海岸線,我一向吃得沒蝶蝶快,就在我瞭望著海岸線以及沉浸在海潮的迴響裡時,沒留意到背後一隻循香氣而來的落單成鹿,突然咬住服裝��後,讓我怪叫一聲,蝶蝶見狀噗哧地一聲別過頭去。
  「我不是有意的,但有時你就該被這麼刺激一次--」
  蝶蝶將嘴擦拭乾淨後,兩手手肘抵著左右膝上,雙掌捧著下巴轉過頭來向我說著。我本來想說些什麼的,但為了不重蹈覆轍那個「嗯」的失言,吞下最後一口什錦燒後覺得還是算了。處理掉完食器皿後,蝶蝶握住我加入朝著神社行進的行列--在中途推進到可以將大鳥居盡收眼底的彎道附近時,鯽魚般簇擁的人群實在是太擠了,按捺不住的蝶蝶又拉著我從隊伍裡掙脫,一時地欲往沙灘退避。
  「成為大人後,無論男女,人總要有些雅俗、癖好才能繼續面對人生。或許,以後我會為新的生命改掉這些癖好,不過我希望還能在你的身上懷念曾經的自己,才好分清楚你我各自的司職。」
  握住她小心地走下通向沙灘的階梯,讓她依然摟著我的腰,方便穩穩地走在泥濘的地面。與大鳥居取出一個適當的距離後,我請附近的遊客替我們拍了幾張與大鳥居的合照--畫面上的她,難得地收斂起平時的奔放,自然地露齒微笑著。滑動過照片幾回後,她伸手再次摟住我的腰際時,我不多作表示地接受她那像是替自己找個聊表歉意的說詞。
  「意思是得有癖好才能活得像人呢--那為什麼在年末來到廣島呢?」
  「在你夢裡,我不是前往一個未知的地方嗎?我覺得這點,你我姑且是相同的--都有著想逃離到另個遙遠地方的靈魂;北方太冷,南國更遠,所以才起意選了廣島。」
  消退的潮水與我們佇足的沙灘有段距離,大鳥居甚至都露出滿潮時浸潤在海中的根部,從沙灘向岸上望去--雜沓、等待參道底端的入口開放,臨近年始的列隊人龍不見末尾。不超過 4°C 的冬季海風中,蝶蝶摟著我腰際的手,又摟得緊了些。
  師走,年末嚴島 23:45。
  「你能愛我嗎?」
  「--」
  發出聲音的嘴型,是她想聽的答案。
  潮時去來,海淵沉潛,東雲茜時,泡沫心中。
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sorairono-neko · 5 years ago
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何があったと思う?
 勇利は机に向かい、調べた言葉を慎重な態度でノートに書き記した。何度も雑誌の文章を見、携帯電話で単語を確認し、翻訳機能を使い、どうにか日本語をつくっていった。勇利がひろげているのはヴィクトルの載っている雑誌で、そこには彼のインタビューが掲載されていた。すべてロシア語なので、自分で訳す必要があった。 「できた」  勇利は顔を輝かせ、訳し上げた文章を読み直してみた。見たところ、意味の通らない箇所はないようだった。そうか、ヴィクトルはこんなことを言ったのか、と思うと胸があたたかくなった。それを自分できちんと訳せたこともうれしかった。しかし、まちがいがないとは限らない。誰かロシアの人に確かめてみたい。でも、ヴィクトル本人に尋ねるのはどうだろう? それはなんだか気恥ずかしいような……。  とりあえず満足して、勇利はノートを閉じると、テーブルの上を片付け、もたれていた大きなクッションから身体を起こした。時計を見、そろそろやすまなくちゃ、と思った。寝る前に、一度だけヴィクトルの動画を見ようかな。いつのどのプログラムにしよう。迷うだけで十分も二十分も経ってしまいそうだ──。  そのとき、呼び鈴が鳴り、勇利はびくっと肩を上下させた。こんな時間に誰だろう? 訪問するには非常識と言える時刻である。強盗とか──いや、強盗は呼び鈴なんか鳴らさないか。だけど、ひとり暮らしは気をつけろとヴィクトルに何度も言われたし……。勇利はあたりを見まわし、武器になりそうなものはないかと探してみた。また呼び鈴が鳴った。勇利は慌てて近くにあったものをつかむと、玄関まで急いで行った。 「ど、どなたですか?」  英語で尋ねたけれど、相手がロシア人では通じないだろう。ロシア語でなんていうんだろう、と悩んだとき、「カツキ、私だ」とギオルギーの声が聞こえた。勇利はびっくりした。 「こんな時間にどうしたの?」  急いで扉を開けると、ギオルギーがふらつきながら入ってきた。 「遅くにすまないな。ただ、彼をどうにかしなければならなかった」 「ヴィクトル!」  勇利は目をまるくした。ギオルギーの肩に腕をまわし、支えられているのはヴィクトルだった。 「どうしたの?」 「それが──、カツキ、何を持っている?」 「え? あ」  勇利は赤くなって、手にしていたものを慌てて床に置いた。水の入った瓶だった。こんなものしかみつけられなかったのだ。 「ちょっとした集まりがあって、食事をした。酒も出たのだが、ヴィクトルが酔ってしまった」 「ヴィクトル、お酒強いのに」  勇利はヴィクトルのおもてをのぞきこんだ。赤い顔で目を閉じている彼は、どこか笑っているようである。 「ああ、さほど飲んではいなかったと思う。疲れていたのかもしれん。店を出るまではしっかりしていたのだが、だんだんと眠そうになっていった。どうしたと尋ねたら、勇利のところに帰る、と言い出してな……」 「え、なんで?」  勇利はきょとんとしたが、自宅よりここのほうが近かったのだろうとすぐに納得した。それ以外に理由は思いつかない。 「それからはほとんど寝ているような状態だ。何を訊いても、勇利のところ、勇利のところ、とくり返している。かろうじて住所は言えたのでここまで連れてきたのだが……」 「そう……」  勇利が、ヴィクトル、と呼びかけると、彼は目を閉じたまま、「ゆうりぃ」と手を伸べて抱きついてきた。 「わわっ」 「すまんな。本当に連れていっていいものかと迷ったが、まあカツキなら問題ないだろうと判断した」 「そりゃあ困らないけど……どうして?」  意味深そうなふくみが感じられ、勇利はギオルギーを見た。ギオルギーは笑って答えた。 「だって、ふたりは恋愛関係にあるのだろう?」 「え? は?」 「では私はこれで。遅くに悪かったな」 「あの、ちょっと──」  扉が閉まった。勇利はあぜんとしていたが、わざわざ追いかけていって、「ぼくとヴィクトルはそんな関係じゃありません」と訂正するのも妙だ。 「まあいいか……」  勇利はヴィクトルを連れて部屋へ行こうとした。それにしても重い。 「ヴィクトル、ちゃんと歩いてよ」 「ゆうりー」 「はいはい、勇利ですよ」 「ふふ……」  ヴィクトルはしあわせそうに笑っている。彼は勇利に頬をすり寄せ、「勇利……」とつぶやいた。勇利はくすっと笑い声を漏らした。 「もう、しょうがないなあ……」  ギオルギーの言う通り、疲れているのだろう。このところはいろいろな仕事があったようだし、ヤコフと長く話しあったりもしていた。ヴィクトルはロシアの英雄だ。彼はひとことも言わないけれど、勇利には想像もつかないような重圧やめんどうなことがたくさんあるのだろう。 「こっちだよ」  勇利はヴィクトルを支えながらよろよろと歩いた。ほとんど寝ているようなときに、「勇利のところへ行きたい」と言ってくれたのはうれしかった。ゆっくり寝かせてあげよう。ヴィクトルの家にあるような──見たことはないが──寝心地のよい大きなベッドはないけれど。 「重いよ、ヴィクトル……」  勇利は笑いながら苦情を言った。 「ね、聞いてる?」 「うん……」 「ほんとに寝ちゃってるの?」  ここまで、寝惚けながらも一応は自分の足で歩いてきたようなのだが、もう限界なのかもしれない。 「あとすこしだからがんばって」 「勇利……」 「そう、ぼくだよ」  廊下からどうにか部屋にたどり着き、勇利はふうっと息をついた。ベッドはすぐそこだけれど、さきに服を脱がせるべきだろうか? 横になってしまうと大変そうだ。でも、このままだと倒れるかもしれないし……。 「ヴィクトル、立てる?」 「うん……」 「ちょっとだけ我慢してね」  勇利はヴィクトルと向かいあい、肩口に寄りかからせたまま、どうにかコートを脱がせた。上質の、そのあたりにほうり出しておいてはいけないようなものだ。きちんとハンガーにかけたいけれど、いまは無理だった。仕方なく床に落としておく。 「ほら、ヴィクトル……」 「勇利……」 「うん、あとちょっとだから」 「勇利……」 「ん?」  ふいにヴィクトルがおもてを上げた。青い瞳がゆっくりと瞬き、じっと勇利をみつめた。 「起きた?」 「勇利……」  ヴィクトルがつぶやいた。うん、とうなずこうとした勇利は、次の瞬間、驚いて目をみひらいた。ヴィクトルが勇利のくちびるをさっと奪ったのである。 「んん……!?」  ちょ、ちょっと。何やってんの。えぇ!? 「……ゆうり……」  くちびるが離れ、ヴィクトルが溜息のような声でまた呼んだ。勇利はそのふくみもった色っぽさにぞくぞくした。 「ヴィクトル、あの、そんなに押したら……」 「勇利。……ゆうり……」 「あ──」  支えきれなかった。ヴィクトルがぐっと勇利に重みを加え、持ちこたえられなかった勇利は、そのまま仰向けにベッドに倒れこんだ。ヴィクトルがのしかかってきた。 「えっ、あの、ヴィクトル……」 「ゆうり」  ヴィクトルの匂いがした。勇利は彼に深く抱きこまれた。  目ざめると、見慣れない天井と壁が見えた。ふとんはあたたかかったけれどいつもの上質なものではなく、いる場所は全体的になんとなく窮屈で、そんな環境では不快になるはずが、とてもよい匂いがして、ヴィクトルはいい気持ちになった。口元に笑みをたたえ、寝返りを打ってもうひと眠りしようとして、彼はふと疑問をおぼえた。ここはどこだ? 自分はゆうべどうしただろう?  何か致命的な問題を起こしたのではないかという気がして、はっとまぶたがひらいた。ヴィクトルは、どんなに酔っても記憶をなくしたことはない。失態を犯したこともない。ゆうべもずっとよい気分でいた。ただ──ここは自分の家ではない。確か店を出てギオルギーと歩き、酔って気持ちが高揚して、好きな子の名前を──。 「あ、起きた?」  足音が聞こえ、顔の上に影が落ちた。目を上げると勇利がこちらをのぞきこんでおり、彼は食べ物の美味しそうな匂いをまとっていた。 「朝ごはんもうでき��よ。身支度を整えたら? そっちで顔を洗えるから。シャワーを浴びたいなら浴びていいよ。ただ、悪いけど着替えは貸せないんだ。ぼくの服、合わないから着られないでしょ? そもそも、ダサいとかいって拒否されそうだし……。帰るまで我慢して。タオルは、シャワーを浴びるなら大きいのを、顔だけならちいさいのを使って。出してあるからすぐわかると思う」  ヴィクトルはわけがわからないながらも、無言で身体を起こした。肩のあたりから上掛けがすべり落ち、勇利は目をそらした。 「あの……、服はそこにあるから」  彼はちょっと赤くなって行ってしまった。ヴィクトルは勇利の指さしたほうを見た。壁際に、ヴィクトルがゆうべ着ていた服がかかっていた。ヴィクトルはベッドから足を下ろしてぎょっとした。全裸だ。下着もつけていない。  ヴィクトルは考えこんだ。これは自宅では普通のことだ。ヴィクトルは何も身につけずに眠る。しかし、勇利のところでそんなことをするのはあり得なかった。ただ泊まりに来ただけなら、「いつも��りでいいよね!」と要求することはあるかもしれないけれど、ゆうべのような緊急事態でそうするとは思えなかった。いや──緊急事態とはなんだろう? 昨日自分はどうしたのだったか。酔って記憶をなくすことはないけれど、もしかしたら初めてそれを経験しているのかもしれない。ギオルギーに勇利の名を口にしたのはおぼえている。会いたいとか行きたいとか言ったことも。それで──それで──いや、そんなことよりも。  俺は勇利に何かしたのか!?  そのことがいちばんの気がかりだった。ヴィクトルは勇利のベッドに寝ていた。見たところ、ほかに寝られそうな場所は手狭な勇利の部屋にはない。勇利が徹夜で何かしていたのでない限り、彼も同じベッドで眠ったのだろう。そして──自分は何をした?  さっぱり思い出せなかった。思い出せないが、何もしていないという自信はなかった。ヴィクトルは勇利を深く愛しており、彼と進んだ関係になりたかった。つまり、彼とセックスがしたかった。その希望を口に出したことはないけれど、ずっと望んでいた。そうする絶好の機会がめぐってきて、指一本ふれないなんていうことがあるだろうか。おまけに、自分はいま裸だ。  すぐそばにあるくずかごの中を急いで見た。それらしいものは入っていなかった。しかしヴィクトルはスキンを持ち歩いていないし、勇利だって備えているとは思えない。いくつかまるめたティッシュペーパーが捨てられているけれど、いかにも汚れたものを拭いた感じで、「そういうもの」をぬぐったふうではない。けれど、身体はタオルで綺麗にできるし、シャワーで洗い流すこともできる。  ヴィクトルの全身から血の気が引いた。自分はとんでもないことをしたのかもしれない。勇利はごく普通の様子だけれど、彼の態度なんて信用できない。勇利は、そぶりと思っていることが時にまったく一致しない、めったにない性質をしているのだ。 「ヴィクトル? どうしたの?」  勇利が食卓のほうから不思議そうに問いかけた。 「まだ眠いの? ごはんいらない?」 「いや……」 「今日は休み? ぼくは練習に行かなくちゃいけないから、えっと、どうしようかな……」 「すぐ支度するよ」  ヴィクトルはほとんど上の空で立ち上がり、そしてうろたえた。下着はどこにあるのだ? 「ゆ、勇利」  尋ねるのはためらわれたが、ほかに方法がない。ヴィクトルは緊張しながら質問した。 「俺の……下着はどこにあるんだろう」 「あ、あの……」  勇利がまた赤くなってそっぽを向いた。 「服のところに……一緒に……」 「ありがとう」  かけてあるシャツをすこしめくると、ハンガーに上手く下着もひっかかっていた。ヴィクトルは勇利に申し訳なくなった。 「あの、下着は替える? ぼくのでいいならだけど……、あ、もちろん新しいのを出すよ。ただ、大きさが合うかな?」 「いや、いいよ。ありがとう」  そんなことはどうでもよかった。ヴィクトルは完全にほかのことに気を取られていた。 「ヴィクトル、飲み物はどうする? 紅茶? コーヒー?」 「勇利と同じので」 「ぼくはミルクなんだけど……」 「じゃあそれでいい」  なんでもよかった。勇利と朝を迎え、一緒に朝食をとれるというせっかくの時間なのに──ヴィクトルが夢に見ていたなりゆきなのに、しあわせにひたるゆとりはまるでなかった。  身ごしらえを済ませて食卓につくと、勇利が目玉焼きとウィンナーののった皿を前に置いてくれた。 「ちょうどできたよ。何もなくてごめん」 「いや、じゅうぶんだ。こっちこそ……」  悪かった、と言おうとして、何を謝罪しているのだろうと思った。突然押しかけてきたこと? ベッドを占領したこと? それとも──勇利の身体を──。 「いただきます」  勇利が行儀よく手を合わせた。ヴィクトルもそれに倣ったが、やはり彼は上の空で、ほとんどとりみだしていた。どうしよう。何か言わなければ。どういうことなのか知るべきだ。しかし、どのように質問するのがよいのかわからない。ゆうべ、俺ときみ、セックスした? ──そんなふうに簡単には訊けない。何かが終わってしまうかもしれないのだ。 「パンが焼きたてみたいだね」  ヴィクトルはどうでもよいことを言った。自分はばかじゃないだろうかと思った。 「うん。さっき、近くで買ってきたんだ。ちょうど切らしてて」 「勇利はどうするつもりだったの?」 「ぼくひとりでも買いに行くつもりだったよ」  勇利は切ったバゲットにバターを塗って上品にかじっている。ヴィクトルは何も考えずクロワッサンを口に入れた。あたたかくて、ふわっとしていて、美味しかったけれど、味わってはいられなかった。 「勇利、その、俺は……」 「ゆうべはびっくりしたよ」  勇利が笑いながら言った。 「突然来るんだもん。ヴィクトル、おぼえてる?」 「一応は……。ギオルギーと一緒だったと思うんだけど」 「そう。彼に、勇利のとこに行くって言い張ったみたいだね? それで連れてきたらしいよ。なんでぼく? 何か用事があった?」 「いや……そういうわけじゃないんだが……」 「ヴィクトルがわけわかんないのなんていつものことだけどね。まあ、ぼくんちのほうが近かったのかな」  近いことはその通りだけれど、自分はただ勇利に会いたかったのだろう。ヴィクトルはゆうべの自身の感情をそう分析した。 「俺、ひどく酔っぱらってた?」  ヴィクトルはおそるおそる尋ねた。 「おぼえてないならそうなんじゃないの?」  勇利は笑っている。 「いや……なんていうか……酒で記憶をなくすことはないんだが……」 「そうだろうね。ギオルギーが帰ったあと、ぼくはどうにかヴィクトルを引きずって部屋に入ったんだけど……」 「…………」 「ぼくがコートを脱がせると、ヴィクトルはぼくに抱きついてきて……」  ヴィクトルはつばをのみこんだ。 「それで……」 「……それで?」  勇利は明るく言った。 「ベッドに倒れこんで、そのまま寝ちゃったよ」 「…………」 「記憶がないのはそのせいだと思う。すぐ寝たんだからね」  ヴィクトルは探るように勇利の顔をみつめた。本当だろうか? 本当に寝たのだろうか? 何かしたのではないか? そんなに飲んだつもりはないけれど、もしかしたら知らないうちに泥酔していたのかもしれない。 「……それで勇利はどうしたの?」 「ぼくもすぐにやすんだよ」  勇利はあっさり言った。 「しょうがないから同じベッドでね。狭かった」  勇利は苦情を述べるようにヴィクトルをにらみ、それからほほえんだ。ヴィクトルはまだ勇利の言うことを信じきれずにいた。 「……俺、自分で脱いだ?」 「えっ、ああ、それ……」  勇利は気恥ずかしそうに目をそらした。 「……うん。ベッドに倒れこんでしばらくしたら、いきなりもぞもぞ脱ぎ始めた。ぼくは服を拾い集めてかけておいたんだ。ヴィクトルさ、人んちでも脱ぐの? どうかと思う」 「それは……悪かったよ」  まったく申し訳なかった。──脱ぐ以外に何もしていないのだろうか? 「……それだけ?」 「それだけって?」 「俺は脱いで、そのまま寝たの?」 「うん」  勇利はこっくりうなずいた。 「そもそも、脱ぎながら寝てたからね。寝惚けてるのによくやるなあと感心したよ。全裸のヴィクトルの横で寝るのは気が引けるから、せめて下着だけはって思ったけど、ヴィクトル脱いじゃったから。穿かせるのもなんかね……。そうしてもまた脱ぎそうだったし」  言い終えてヴィクトルを見ると、勇利は、「バゲットはいいの?」と勧めた。ヴィクトルは礼を言って食べた。食事のあと、勇利は残ったパンを片づけたり、流しに向かって洗い物をしたりと立ち働いた。ヴィクトルは注意深く彼の様子を観察した。どこかつらそうにしていたり、動きがにぶかったりといったことはとくになかった。すこしだけほっとした。強引なことはしなかったようである。しかし、まったく何もしなかったかどうかはまだわからない。 「ぼく、そろそろリンクへ行くけど……」 「俺ももう出るよ。今日は一日休みだから……」 「わかった。自主練をするし、何かあったらヤコフコーチやトレーナーに訊くよ」 「ああ、ヤコフには話してある」 「あの……」  勇利がちょっと頬を赤くした。 「途中まで一緒に行く?」 「……ああ」  ふたりが歩いて行けるのはほんのひと区画だけで、すぐに別れることになった。肩を並べているあいだ、勇利はひとことも話さなかった。いつもこんな感じだっただろうかとヴィクトルは思い悩んだ。そう……、普段は自分が話しているかもしれない。勇利は特別に饒舌ということはないのだ。だからおかしいのは自分のほうだということになる。理由はわかっているけれど。 「じゃあ、ここで」  勇利がクラブへ向かう曲がり角で手を振った。 「明日は練習に行くから」 「わかった」  歩き出してから、ヴィクトルはふと振り返った。勇利はいつものきびきびした足取りで、背筋を伸ばしていた。ヴィクトルは溜息をつきながら自宅へ帰り、とりあえず入浴した。湯につかっているあいだ、考えるのは勇利のことばかりだった。何かしたのだろうか。しなかったのだろうか。どちらだろう。もちろん、いずれはそうなりたかったのだ。だがそれは「いずれ」であって、昨日のことではない。おぼえていないのも腹が立つけれど、性急な始め方をしたことにもいらだちがつのる。こんなはずではなかった……。  しかし、何かしたとは限らないのだ。判断をくだすのはまだ早い。勇利が普段のままだったのだから、彼の言う通り、ヴィクトルはただ眠ってしまっただけなのかもしれない。勇利は確かに見た感じと考えていることに差のある子だけれど、意に反することをされれば怒るだろう。そのあたりははっきりしている。はっきりしすぎているくらいだ。何かあったのなら、あんなふうにとりつくろったりはしないはずだ。  でも──でも、勇利はわからないしな……。ヴィクトルは考えをまとめきれなかった。もし何かあったとして���セックスをした翌日に元気にスケートなどしてよいものだろうか。初体験のすぐあとは安静にしていたほうがよいのではないだろうか。  夕方、ヴィクトルはいてもたってもいられず、ヤコフに連絡を入れてみた。「勇利は元気?」という唐突な質問をしたが、ヤコフは不思議がることもなく、こんな返事をよこした。 「午前中で切り上げて帰ったぞ」 「え!?」  ヴィクトルは青ざめた。やっぱり、と思った。やっぱり勇利、体調が悪いんだ。俺がいろいろしたから……。 「ハイ、勇利? 大丈夫かい?」  ヴィクトルは急いで勇利に電話をかけた。 「どうしてる? どんな具合? つらいの? 医者を呼ぼうか?」  呼ぶなら何科の医者だ、とヴィクトルは混乱した。 「とにかくすぐ行くよ」 「ヴィクトル……」  勇利はよわよわしい声で言った。 「来なくていいよ……」 「何を言うんだ。俺のせいなのに」 「確かにヴィクトルのせいだけど……」 「責任は取る」 「おおげさだよ……」  勇利がくすっと笑った。 「すこし寝てれば大丈夫だから」 「だめだよ。どこが痛いんだ? 何か欲しいものは?」 「眠りたいだけだよ」 「勇利、強がらなくていい」 「強がってないよ」 「きみが心配なんだ。看病させてくれ」 「ヴィクトル……、何か勘違いしてない……?」  勇利がいぶかしげに言った。 「ぼく、眠いだけだよ」 「うそだ。俺に心配かけないようにそんな……」 「あのね、病気じゃないんだよ」 「病気ではないかもしれないけど、でも……」 「ゆうべ、ヴィクトルがベッドの真ん中にいたから、なかなか眠れなくて、そのせいで睡眠不足なだけだよ。眠いのにすべるのはあぶないから帰ることにしたんだ。わかった?」 「うそは言わなくていい」 「なんでうそなの? 意味わかんないんだけど」 「とにかく行くから」 「来ないで」  勇利はきっぱりと言った。 「ぼくは寝てたんだ。いまからも寝るの」 「勇利……」 「じゃあね。心配してくれてありがとう。明日はちゃんと行くよ。おやすみ」  勇利はひとつあくびをすると、ぷっつりと通話を切ってしまった。ヴィクトルは部屋の中をうろうろした。我慢できず、日が落ちた道を走って勇利のアパートまで行ってみたけれど、彼の部屋の窓は真っ暗だった。訪問しようかと思ったが、本当にただの睡眠不足なら、寝ているのを起こすのは悪い。 「勇利……」  ヴィクトルは心配しながらも結局家に帰り、翌日、いつもより早い時間にリンクへ行った。すると勇利はもう来ていて、ヴィクトルを見るなり、「ヴィクトル」と笑顔で寄ってきた。 「勇利、もういいのかい?」 「もういいも何も、ただ眠かっただけなんだよ。言ったでしょ? 昨日たっぷり寝たから絶好調。今日は一日、みっちりすべるから、ヴィクトルにはしっかり付き合ってもらうよ」 「もちろんだよ」  勇利は本当に身体の具合はよさそうで、前に見たときよりスケーティングがみがかれていた。ヴィクトルはほっとしたけれど、最初の問題が解決していない。自分と勇利はセックスをしたのか。したうえで、勇利は一日やすんだことで体調がよくなったのか。  ヴィクトルは数日、悶々と考えこんだ。いつまで経っても勇利にあの夜の真相が訊けなかった。彼の態度を見ていると、何もなかったのだろうという気がしてくる。だが、なんでもない、というそのそぶりが、かえって、やっぱり自分は勇利を抱いたのだ、という証拠のようにも思えるのである。  ヴィクトルが勇利を求め、自制しきれなかったのだと想像するのは簡単だった。勇利はどうするだろう? かなしむだろうか? 憤るだろうか? 彼はヴィクトルにコーチをやめられたくないのだ。一緒に競技生活を続けて欲しいと宣言した勇利はこのうえなく真剣だった。だとしたら──口をつぐんでしまうのではないだろうか。ヴィクトルがおぼえていないのなら、自分さえ黙っていればこの関係を続けられると、なかったことにするのではないだろうか。この考えが正しいとしたら、ヴィクトルが無理に勇利に話させると──。  終わりにはしない。終わりにはしないぞ! ヴィクトルはひとりで焦り、そうこころに誓った。勇利がなんと言おうと終わりにはしない。しかし、無理やり真相を聞き出すのはやめたほうがよい。  ヴィクトルは、慎重に勇利の態度を観察した。彼は怒っている様子はなく、ヴィクトルを避けもせず、普段通りに過ごしていた。──普段通り? いや、そうだろうか? 「じゃあ、また明日」  勇利の練習が終わり、ヴィクトルが取材のために残らなければならないときは別々に帰ることになる。勇利は荷物を背負ってヴィクトルのところに挨拶に来た。 「ああ、気をつけて」  ほほえんで背を向けた勇利に、ヴィクトルはふと気がついて声をかけた。 「勇利」 「ん?」 「何かついてるよ。ほら」 「あ」  ヴィクトルは勇利のそばに寄り、艶やかな黒髪から糸くずを取り除くと、それを彼に見せた。勇利は顔を上げてヴィクトルを見た。なんだかずいぶんと距離が近い。ヴィクトルは、近づきすぎたと思った。いつものことだけれど、あの夜以来、勇利とのあいだについてはいろいろと考えてしまう。ちょっと慌てた。 「……ありがとう」  勇利は飛びのくでもなく、ぎくしゃくするでもなく、すんなりと礼を述べた。そして──。 「……えへっ」  彼は照れくさそうに笑うと、「じゃあね!」と手を振って駆けていった。ヴィクトルはぽかんとした。  勇利、なんで照れた!? どうして恥じらう!? 俺が近づいたことでなぜそんな顔をするんだ!?  最高にかわいかったけれど、いままでにない反応だったので、ヴィクトルはどぎまぎしてしまった。勇利はヴィクトルのことが好きで、いろいろなところで恥ずかしがったり、頬を赤く染めたりしてきたけれど、最初の慣れていないころを別にすれば、こんなふうになにげない、日常のひとこまではにかむことはまずなかった。ヴィクトルがスケートをしているとか、何か特別なことを語りあっているときとかならわかる。しかしいまのは──ただ糸くずを取るために近づいただけではないか。  なんで? 何かあるのか? 俺たちは親密なのか? いや、もともと親密だが、なんというか──性的な関係ができているのか!?  ヴィクトルは、ずっと疑問に感じていることをまた疑った。やっぱりしてしまったのだと思った。あの夜、勇利を抱いてしまったのだ。その出来事が勇利を恥じらわせるのだ。裸で抱きあった相手がこんなに近く……などと思っているのだ。そうにきまっている。  数日後には、こんなこともあった。 「ヴィクトル、ヴィクトル」  休憩中、勇利がうれしそうに携帯電話を持って寄ってきた。 「これ見て」 「なんだい?」 「諸岡アナが、温泉オンアイスの写真、まだ残ってたっていって送ってくれたんだ。ほら、ヴィクトルが長谷津観光大使とかいって紋付き袴着てるやつ」 「ああ……」  勇利はヴィクトルの隣に座り、すっと身体をくっつけてきた。ヴィクトルはどきっとした。 「これとか。ヴィクトルすごくうれしそうだよね」 「……ああ」 「もしかしてこういうの着るの初めてだった? ぼくらの試合そっちのけでさ……」 「そうだね」 「あ、ぼくのエロス衣装もあるよ。なんかこのころ着慣れてない感じでおもしろい」  いろいろな写真を見せながら、勇利はヴィクトルの腕に腕をからませてきた。ヴィクトルはのぼせ上がりそうになった。勇利、なんでそんなにくっつく!? 自分からそういうこと、しなかっただろう!? 「ね、なつかしいでしょ」 「そう……、そうだね」 「この写真、いる?」 「ああ……」 「じゃああげる。長谷津観光大使だけだからね」 「勇利のはくれないのか」 「うん、あげない」  勇利はヴィクトルに寄り添ったままにっこり笑った。ヴィクトルはめまいをこらえた。いったいどうなっているのだ。勇利はなぜこんなに親しげなのだ? そういう……そういう仲だからか? やはりそうなのか? 「どうしたの?」 「いや……」 「変なヴィクトル。まあヴィクトルが変なのはいつものことだけど」  それからも勇利はヴィクトルに平気でくっついてくるし、ふいのことで頬を染めるし、とにかくいままでとは態度がちがうのだった。ヴィクトルはどんどん確信を深めていった。勇利としたのだと思った。勇利とセックスしたのだ。抱いたのだ、あの夜。  そのうちにヴィクトルは、勇利はもしや待っているのでは、という気がしてきた。そうだ。待っているのだ。二度目を。勇利はあの夜のことを忘れる心積もりなどないのだ。あのことについて口にしないのは、ただ彼が慎み深いからだ。勇利の性質を考えてみれば、「ゆうべのセックスだけど」なんて簡単に話題にするはずがない。彼にとっては秘するものなのだ。だが、秘しても、なかったことにはならない。勇利の中でそれは大切なことで、ヴィクトルとのつながりで、だから、控えめながらもそぶりにあらわしている。そういうことなのだ。次はいつにいらしてくれますかと勇利は尋ねているのだ。  ヴィクトルは、いままでの自分の弱気を恥じ、その迷いぶりにいらだちをおぼえた。何をぐずぐずしていたのだろう。もっと早く勇利を抱きしめ、安心させてやらなければならなかったのに。自分はばかだ。大ばかだ。  勇利、責任は取るぞ! 「今日、帰りに勇利のところへ寄っていいかい?」  ヴィクトルは興奮ぎみに勇利に尋ねた。勇利は不思議そうにヴィクトルを見て、「もちろんいいよ」と答えた。 「晩ごはんはどうする? 食べて帰る? それとも……」 「何か買っていこう」  ヴィクトルは一刻も早く勇利とふたりきりになりたくて仕方がなかった。彼の提案に勇利は素直にうなずいた。  夕食の席は楽しかった。ヴィクトルはこころの憂いを取り払い、勇利と愛しあうことしかもう考えていなかった。この数日を無駄にした気持ちだった。率直になっていればよかったのだ。自分は勇利をこころから愛しているのだから、何も思い悩む必要などなかった。終わりになんてなるはずがない。そうだ。 「勇利、話があるんだ」  食事のあと、ヴィクトルは大きなクッションにもたれ、おむすびのぬいぐるみを抱いている勇利に切り出した。 「なに、改まって……」  勇利はガラスの器に入ったラズベリーをつまみながらヴィクトルを見た。 「勇利、この前、俺はここに泊まったよね」 「ヴィクトルが酔っぱらった夜?」 「そうだ」 「うん。それがどうかした? ……そういえばあれからヴィクトルはなんか様子が変だね。ヴィクトルが変なのはいつものことだと思って気にしてなかったけど、なんていうか、ヴィクトルのいつもの変な感じとはちがったなあ」 「勇利」  ヴィクトルは勇利の手を取った。勇利はきょとんとしてヴィクトルを見た。 「……なに?」 「責任は取る」 「え?」 「いや、義務感で言うんじゃない。もともとそういう気持ちだったんだ。俺は勇利を愛してるんだ」 「なに? 突然……」  勇利はぱちぱちと瞬いた。 「あの夜は本当に悪かった。突然あんなことになって、俺も酔ってたし……。じつはおぼえていない。でも、勇利を想う気持ちは本物だよ」 「…………」  勇利はヴィクトルを不思議そうに見ていた。 「ちゃんと勇利を愛したいんだ」 「…………」 「前のときがきちんとしていなかったわけじゃない。おぼえて��いけど、俺は真剣に、このうえなくまじめに勇利を愛しているから、そのままの気持ちでおまえにふれたはずだ。でも、今度こそ、俺は……」 「……ヴィクトル、なに言ってるの?」 「今夜を二度目にするよ」  ヴィクトルは情熱的にささやいた。 「二度目って、なんの?」 「だから」  ヴィクトルは勇利に顔を近づけた。 「セックスだよ」  勇利は目をみひらいた。 「俺は正直、おぼえていないのが悔しいんだ。勇利の姿を記憶にとどめていない。俺は勇利のすべてを知りたいのに。初めておまえにふれたときのことを──勇利?」  勇利は顔をそむけ、ちいさくふるえている。おぼえていないとはっきり言われたのがかなしいのだろうか? ヴィクトルはうろたえた。 「勇利、待ってくれ。でも本当なんだ。勇利への気持ちはうそ偽りのないこころからの──」 「……ヴィクトル」  勇利がヴィクトルのほうを向いた。彼はこらえきれないというように笑っていた。 「あの夜、何があったと思ってるの?」 「え?」 「ヴィクトルがいま言ったようなことが、本当にあったと思ってるの?」  ヴィクトルは混乱した。何なのだ。何を言っているのだ、勇利は。ちがうのか。あの夜、ヴィクトルは勇利を抱いたのではなかったのか。では勇利の態度は何なのだ。親密に、ヴィクトルに対して頬を染めていた彼は──。 「……何があったんだ」  ヴィクトルはつぶやいた。勇利は一度まぶたを閉じ、それからくすっと笑って流し目でヴィクトルを見た。 「……何があったと思う?」  ヴィクトルは我慢ができなくなった。からかわれたとか、あの夜のことがわからないとか、そういうことではなく、ただ、純粋な気持ちとして、目の前にいる勇利のかわいらしさと、色っぽい挑発にまいってしまった。ヴィクトルは無言で、すぐそばのベッドに勇利を連れこんだ。 「あっ、ちょっと、ヴィクトル──」  さっきまで笑ったり余裕ぶったりしていた勇利が、慌てたような声を上げた。のしかかるヴィクトルを彼は押し戻そうとしたけれど、ヴィクトルはゆっくりとした物言いで言い聞かせた。 「俺を部屋に上げたらこういうことになるんだよ、勇利。あの夜しなかったのなら、いま学んでくれ」 「ああ、もう……」  勇利が吐息をついた。ヴィクトルは満足しごくの様子でにこにこしていた。 「強引なんだよ……」 「よかった?」 「知らない!」  勇利は頬をふくらませて憤っているけれど、本気で腹を立てているというより、照れ隠しといったふうだった。ヴィクトルは裸の彼を抱き寄せた。 「俺はよかったよ」 「それはおめでとうございます」 「怒ってるの?」 「知りません」  ヴィクトルは勇利のくちびるにキスをした。勇利がかるく返してくれた。 「……ねえ勇利」 「なに」 「このところ、勇利がすごくそばに寄ってきたり、恥ずかしそうにしてたりして、俺はかなりどきどきしてたんだけど……」 「え?」 「あれはどうして?」 「…………」 「なんだったんだ?」  勇利は瞬き、考えこみ、「ぼく、そんなだった?」と純粋そうに尋ねた。 「そんなだったよ。うれしかったけど、戸惑った。前の勇利ならしなかっただろうと思うね。なぜ?」 「えっと……、そういうふうにしたつもりはないけど、もしそうなってたのなら……」  勇利はまじめに思案していた。 「……浮かれてたのかもね」 「浮かれてた?」 「うん」  勇利は、あのはにかんだかわいらしい笑みを浮かべた。 「ヴィクトルが仕事のあと、ぼくに会いたいって言ってくれたのがうれしかったんだ」 「……それだけ?」 「それだけというか……」  勇利はさらに頬を赤くした。 「……あの夜、ヴィクトル、キスしてきたから」 「え?」 「キスされたんだよ。ヴィクトルはおぼえてないらしいけどね。それで……」  恥ずかしくて……と勇利がつぶやいた。 「あと、裸のヴィクトルに抱きしめられたし……そういうのがいろいろ重なって……変な態度になったんだと思う」 「ああ……」  そんなことだったのか。そうだったのか……。吐息をつくヴィクトルに、勇利がくすくす笑った。 「えっちなことしたせいだと思ったの?」 「そうだ」 「ふふ……」 「笑いごとじゃない。ずいぶん考えたんだよ。したのかな、しなかったのかな。もししてたらどうしよう。うれしいけど、おぼえていない。勇利は翌日具合が悪そうだった。俺のせいだ……。たくさんね」 「気にしなくていいのに」 「勇利とそういう関係になりたいのに、奇妙なことになってしまった。どう進めるべきか迷ったよ。勇利のことだから、まちがえたらすぐ日本に帰ってしまいそうだし……」 「なにそれ。ぼく、そういう人格だと思われてるの?」  勇利は、可笑しい可笑しい、と声を上げて笑っている。俺がどれだけ悩んだかも知らないで、とヴィクトルは溜息をついた。もっとも、ヴィクトルがおぼえていないのは勇利のせいではない。 「そっか。そんなに考えてくれたんだ」  勇利は口元に笑みを漂わせてヴィクトルを見た。 「ぼくがヴィクトルのキスを思い出したり、寄り添ったぬくもりを思い出したりしてキャーキャーいってるとき、ヴィクトルは……」 「キャーキャー言ってたのか?」 「言ってたよ」 「うれしくて?」 「そう」 「言ってたのか……」 「うん……」  ���ちらからともなく顔を寄せあい、ふたりはきよらかなくちづけを交わした。勇利のまつげがふるえ、ゆっくりとまぶたがひらくのを、ヴィクトルはじっと見ていた。しあわせだった。 「……勇利」  ヴィクトルは勇利に身体を重ねた。 「もう一度……」 「ん……」  ヴィクトルが熱心に愛撫を始めると、勇利はヴィクトルの頬にふれ、夢見るようにほほえんでささやいた。 「……ね、ヴィクトル」 「なんだい?」 「もし……、いま言ったことがうそだったら……どうする?」 「え?」 「あの夜……」  勇利がいたずらっぽく笑った。 「本当は、してたとしたらどう思う?」  ヴィクトルは瞬いた。 「あのとき……、ヴィクトルとぼくが……」  ヴィクトルは混乱した。 「……してないんだろう?」 「どうかなあ」  勇利は楽しそうに笑っている。 「してないと言ったじゃないか」 「うん」 「…………」  ヴィクトルはすこし考えた。 「俺をからかってるんだろう?」 「どうだろう……」 「……本当はしたのか?」 「さあ」  勇利ははぐらかした。 「どう思う?」  彼はヴィクトルの髪にそっとふれた。 「ヴィクトルが、したんだ、と思えるような態度だったんでしょ? ぼく……」 「…………」 「あの夜……」  勇利は熱っぽい吐息を漏らした。 「何があったんだと思う……?」 「……おまえって子は!」  ヴィクトルは勇利にのしかかった。 「俺をまどわせてそんなことばかり言ってると、後悔することになるぞ!」  勇利ははしゃぎ声を上げ、このうえなくうれしそうにキャーキャー笑った。
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roomycage-blog · 6 years ago
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ARASHI EXHIBITION JOURNEY 嵐を旅する展覧会 @tokyo September
母と2人で行ってきたARASHI EXHIBITION JOURNEY 嵐を旅する展覧会の並ぶところからの覚書雑感です。覚えている限りなので曖昧なところもあるかも。
やはり集合時間前から館内で並ばせてくれてたみたいで指示通り時間前に早く着きすぎるのは良くないと、集合時間5分前くらいに着くともうその回のほぼ最後尾グループみたいな感じだったの。でも、展示観ててしばらく経っても後続グループは来なかったしそっちの方がのんびり見られてよかったのかなあと。昼の回でグッズ完売もなかったので良かった!
ガラス張りの入り口入ってすぐのところからあいばちゃん、ニノ、大野さん、寝そべる松ずん、櫻井さんとか順番うろ覚えだけど五人がそれぞれ大自然に扮した壮大な天井〜床までの写真が続いてるホールちっくなところに並ぶ。並ぶ左手は見終わった後のスーベニアショップに繋がってるからスタート&ゴール地点。松ずんは2写真共寝そべってばっかりで並んでる人の頭の辺りになっちゃうから顔見えにくかったな。母と、松ずんいなくない?相葉ちゃん2人いるじゃん!みたいに言ってた記憶。
大自然模した巨大嵐さんは右となりの部屋まで続いててそのとなりの部屋に移る間にチケットと本人確認。チケット画面に触ることはなかったけど、画面読み取った後の会員証、本人確認書類は写真も顔と照らしてきっちりみてた!コンサートもこれくらいやってほしい…。ここの写真もだけど全体的なテーマ写真の、あの大自然をなぜ自分たちで表現しようとおもったのかは最後までわからなかったな…笑
チケット確認済ませるとグッズパンフとグッズ購入引換券がビニール袋に入ったの1人1組貰えた。となりの並ぶだけの部屋に移るとまたもや壮大な大自然嵐さんたちを眺めながら待機タイム。パンフ1部取り出して、購入引換券をまとめて大切にカバンに保管したあと笑、母と2人でじっくり、パンフや壁を眺めてた。パンフ1部は未開封で保管しておくのよ!綺麗に!って言ったら母に大笑いされた笑 そして引換券無くしたらお買い物できないからね!レジでお会計の時に交換するから大切にカバンの奥底に。
入り口〜この部屋までは壁がガラス張りだから外から建物撮るときはそこが写り込まないようにスタッフさんが外で撮影する人に声かけてた。最初に並ぶチケット確認側の部屋の奥にカーテンで仕切られてるところがあって、誘導されて入ると左に続く通路があってそこに14〜16人くらい1グループで通された。そこまで集合時間から15分くらいかな?右の壁に嵐さんの、グッズにもなってるアクリル板の旅に出るやっちまった家族写真(等身大気味)が並べられてて左側はなんかジャングル風…謎の…笑 そこから角を右に曲がると嵐さんからの開催目的のメッセージが今度は左側の壁に掲示。右側は石が積み上げられてるの。ほんとこの大自然の全体テーマ…何…笑 やっちまった家族写真の壁の前で待つので原寸気味だね、とか目の前にあった相葉ちゃんが細いとか翔さん綺麗とか、ほんとにこのグッズ買うの?とか母と話してた笑 曲がったところでまた止まってスタッフさんから写真撮影不可とかスマホ電源切るとかの注意事項と、次の部屋の機械説明受けたあと、右の扉を通り過ぎて最初の小部屋に。チケット確認前にもスマホとか注意事項は案内あったし傘を持ってたら鞄に入れられないサイズのかどうかも確認してて入らなければ入口の傘立て誘導されるんだと思います。
最初の小部屋は4分半くらい?の完全入れ替え制の映像で、宇宙空間みたいな背景の写真の群れの中に五人(全身やや等身大気味?)が正面に現れて、挨拶やこの部屋の写真とかの説明を話してくれた。4面ある壁をメンバーが動いてその写真の小話を少し。懐かしいね〜みたいな。写真と動くメンバーと、どこをみたらいいのかわからなくなって困る!笑 そのあと次に行く?って映像が変わって、私たちはその部屋にいたまま、嵐さんだけ映像が変わります!5×20のPV撮影してた砂浜で寝そべる、翔さん、ニノ、松ずん(入り口壁)にぐるりと囲まれて変わる。ちょうどアップ!入り口に飾られていた大自然嵐さんとは比べ物にならないどアップ!ニノは腕組みするような感じで正面から、松ずんは頭に頬杖ついて横たわってた!翔さんもニノ同様正面からしかみえなかったかな。天井から床まであるスクリーンなんだけど、その2/3が顔くらいのサイズのとんでもないどアップなの!何も知らずに入ってすぐのところに立ってたら左手にニノだった!入り口の扉がある壁面が松ずん、その向かい側が翔さん、二人の間がニノ。天然二人はどこだ?と思ったら二宮さんの反対側(出口がある)の壁面遠くでキャッチボールしててお客さんの頭で全然見えてなかったけど、おーい始まってるよ〜!って呼ばれてるのが可愛くて笑 これPVで謎の超遠景キャッチボール撮影してる時だよね?別アングルからこんなの撮ってたの?そんな何回もキャッチボールしなくない?って母と話してた笑 駆け寄ってくるときに砂浜の砂をバッとみんなに掛かるように輪に加わって三人にバカ!やめろ!とか言われて笑う相葉ちゃんと、途中砂がすごいって自分で愚痴る相葉ちゃんにニノがそれ自分だからなって突っ込んでて相変わらず可愛かった笑 二宮さんと松ずんをメインに見てたから天然側ほとんど見てないよ…😭
話の内容ほとんど覚えてないんだけど、でっかい二宮さんが可愛くて…あんな巨人になら弄ばれたいと思ったんだけど…大きくて可愛いって最強だよね!んね!!この部屋の最後は、寝そべってるみんなが立ち上がって、松ずんの壁と天然の壁の角のところにある出口の周りに集まって、またね〜とか行ってらっしゃーいってまるでアトラクションの誘導かい!っていうわちゃわちゃ感でご案内!スタッフさんが扉開けて待ってる。もちろん名残惜しいんだけど、五人の映像もフェードアウトするからそのタイミングで出た!
次から最後の小部屋前までは時間制限、グループ分けなく自分のペースで見られる模様。平日水曜昼の回でだいぶ人少なくてのーんびり堪能できました。
映像部屋から左に細長く続くのはどこからか忘れたけど最新5×20までのコンサート楽屋裏写真!ポプコンはあった。僕と君もあった!ということは…10周年終わってから…?WSでも映ってた部屋だね。背面はそのコンサートの日程。正直ここの写真を全種売って欲しいと思うほどでした。全部可愛い!表情判定に厳しいから写真買わない母も欲しがってた!自然な顔がお好きなの、母もわたしも笑
5×20でおふざけ分と本ちゃんuntitledでUB練習のにのあい、ゲーム機とキーボード詰め込まれたキャスター付鞄ドヤ顔披露の二宮さん、上半身脱ぐ他三人の写真もちらちらあったな。デジの電極?つけられてるとことか。円陣組んでるuntitledのコンサート前とか、5×20のコンサート終わりのエレベーターにスタッフさん含め6〜7人詰め込まれるとき体を縦書きかぎかっこ並みに横に曲げて前髪ちょういい感じに横に流しながら愛想振りまいてる二宮さんとか。覚えきれないくらいたくさん!全然覚えてられてない。まぢで全種買わせてください!!って思った。平成最後の誕生日祝ってもらってる相葉ちゃんの写真もあったね。お金は用意したのに…なぜ手元に残させてくれないの…。
そのまま直線上の部屋が衣装のコーナーで5×10のスケスケ、5×20・ジャポ・あゆはぴ・ポップコーン・5×10・ハワイのそれぞれオープニングの衣装!足の内もも側は大体素材違いで恐らくストレッチきいてそうな素材で、5×20では松ずんの衣装は肩幅大きかったし、ジャポでは大野さんの身長ちっこかった!笑 靴まであったのは5×20だけでマネキンの身長揃ってたんだけど、ほかの6衣装は全部身長合わせの展示っぽくて、大宮に挟まれた相葉ちゃんの衣装の背が高くて驚いた!ふたりがちっこいのか。松ずんのとか翔さんのとか胸板周りの厚みが他三人と違ったり。ポプコンの、かなり可愛いから下で見たかった!右手前からスケスケ、その上がポプコン、その奥中段にハワイ。左手前から5×20、上にあゆはぴ、奥下段にじゃぽ。5×10は通路正面上段で、お得意のスケルトンステージ風だから真下からのぞけた!笑 本当に刺繍とかスパンコールとかクリスタルとかフリンジとか細かくて、できれば生地の厚みも触って確かめたかった…プロジェクトランウェイ好きとしては!!笑 5×20はツアー中だけどああいうのって普通何着作っておくのかな。汗かきまくるから3着はあるよね…?ちゃんと衣装の足元にメンバーカラーが置いてあるのでここでファン力を確かめられることはありません。あ、でもどのコンサートの衣装かは背景に静止画置いてあるんだけどあゆはぴ衣装は特徴ないから後ろみるまでわからなかった…笑
次が左に曲がるとコの字型にピカンチで岡本さんの撮ってくれた写真の部屋。印画紙にきちんと焼かれてすごく綺麗で。この部屋の壁がグレーでそれがまた良かった。この部屋の色にしたいっていったら暗いって言われたけど笑 二宮さんが車内で飲むのと、翔さんのピントぼやかしたやつ欲しい。あの写真集買ってない…今回の載ってないのかな。なくても買うべきよね…。みんな細くて若々しくて。がむしゃら感がびんびん。
岡本くんがメッセージくれてて、誰よりも早く大人になりたがって岡本くんの周りにいた松ずん、うまくやりたいけどできなくてでもそれも笑顔でみんなとわかちあう相葉ちゃん、パンクかロックとフォークの融合してるニノ、すべてに無頓着なのにすべてにおいて最高のレベルで表現する大野さん、学ランリーゼントで今なら最強とか言うくせにすごく難しい英単語を覚えて大学卒業を目指す翔さん、ってな感じで。すごく良かった。ブレイクしたいっすってずっと言ってた彼らのブレイクは、まだこれからなのか、今もうその時なのかはわからないけど、この五人の巻き起こす嵐に巻き込まれるのはすごく心地いいみたいな、そういうことも書いてくださってて…。客観的な嵐さんは展示の中でここだけだし、嵐の中からじゃなくて、次元は違うけどある種私たちと同じ外からの唯一の文章の、その最後の部分読んだ時、この展示会で涙腺一番刺激されてしまった。この次の部屋でメモを取ってる人が見かけたからわたしもそうしたらよかったなあ。
次は絵の部屋。ここもコの字気味かな?嵐さんの書いたミッキーが、たぶん印刷だけど並んでる。ここはAMNOS順。相葉ちゃんのは鉛筆の下書き線もあった。あの大きさで見るとやっぱり大野さんのは線にブレがなくて綺麗なのがよくわかる。このメンバーミッキー絵を見ながらメモを取っていた方はなにをメモしていたのか知りたい…笑
その横は嵐さんが演じたドラマ・映画の原作漫画家さんが、嵐さん自身を描いてくれた新聞広告の大判。これも当たり前だけど原画じゃなくて残念。それでも新聞の判も大きくサイズ揃えてあるし新聞の枠とかないからやっぱりカッコ良い。実家にまだ貼って飾ってるから回収してこようかな笑 あと嵐四人が大野さんの展覧会の時に描いた彼の似顔絵が、大野さんの写真を挟んで松ずん、二宮さん、写真、相葉ちゃん、翔さん、の順でかな?飾ってあった。フリースタイル観に行ってないから初見!松ずんの絵はぼかしで影とかきちんといれてたし相葉ちゃんと翔さんはミッキーもだけど模写うまい!二宮さんはノーコメントで…笑 その下にはさらにその絵を大野さんが模写した展示。最初はなんで同じ絵のちょっといびつな絵があるんだろ?って思って母とわやわや話してたらスタッフさんが本人が描いたんですって教えてくれました。スタッフさん全体的に優しい。恐らく大野さんは壁に直接描いてるとおもう!四人の絵が飾られてる所とともに一枚大きな板になってたから、剥がしてほかの会場にも持っていけるはず!
次の部屋もコの字気味。やたらカラフルな2019年2月にLA行った時の撮影風景映像が真っ先に。たぶん自由にみられる全部の映像の中で一番長くて4分ちょっとくらい?集合アートボードの跳ねてるところの撮影風景もあったけど映像自体は無音。部屋全体にはBGM流れてるけど。全部の映像部分には尺表記してあってお優しかった☺️(どれも正しい尺は覚えてない笑)どぎついサーモンピンクみたいな壁の色で全体的に明るい、写真そのものを展示する部屋。LAで撮ったものが高そうな紙に印刷されてた!額装も1つずつあって光輝かしいスターのLAツアーって感じします。写真の中に個別ソロのエンドレスで青白い壁と水色の光の中でそよ風受け続ける五人の映像が飾ってあったのでどこからループするのかしばらく見つめてた笑 グラミー賞観に行った時の写真も混ざってた。でもこのLA撮影の背景と、コンサートのピンクジャケットじゃない衣装や小物のケバケバしさとのミスマッチやら髪の長さやらであんまり好きくなくて、俯瞰でサングラスかけた五人を撮影してるのとか以外はあんまりだったかな笑 そのまま、デビュー〜いままでの、お土産屋さんよろしくポストカード風に大量の写真が飾ってあるゾーンがあったんだけど、普通の横並びのと、カードスタンドにも縦横構わず挿さってるのもあるのに触っちゃいけないから首と腰がめっちゃ痛かった笑 しかもスタンドの方は無駄に何枚も同じのをさも売り物のように挿してあるの!笑 売ってないのに!!笑 仕事場以外で撮ったものも混ざってたみたいで、若めの頃の空港とかのもあった。ここの最後に、LAと箱根のプリクラ、箱根のお皿と犬のぬいぐるみ、ジオラマの気球とヘリがあった。ヘリちょうちっこいの。むしろこれを売ってくれ!って感じよ。嵐さんのサインもあったな。あれは何年のだったろう。箱根のプリクラは加工系のだからみんな目がでかくて顎がなくてエイリアンみたいだった笑 マジパンでつくられたみたいなケーキっぽいものはあれ何に使われたやつだろう…記憶…。会報で作った嵐さんのスノードームもあったけど一番上の段でかなり見にくかったよ!笑
写真ブースにもある壮大な嵐さんの右横にこのコーナー最後の家族旅行の五人がいて、入り口のところと同じ原寸大ちっく!大きいから爆笑も原寸大だしまたここで繰り広げられるアクリル板グッズ買うのやりとり笑
展示の写真に関しては、最初のコンサート裏のがクオリティ一番可愛くて欲しかった。このピンクの部屋の写真もチラチラ自然な一面のあったけど、見る姿勢がきついのもあって、ふうん…程度の感じ…笑 アイドルであっても裸体に関心ないから箱根の入浴写真も髪型キマってるなあ程度の感想でした笑
アクリル板家族に別れを告げて進む直線の細い廊下みたいなところは5×20の歌詞が星空に斜めにでっかく印刷されてる。文字が透明なぷくぷくシールみたいな加工されてて綺麗だった!大きくなったからこそ数え間違いのないあの5つの点はわざとだと思うの!って歌詞初見の母に熱弁しちゃったよ笑
その次から個々のコーナー!年齢順に並んでた!
大野さんのところは絵とダンス。入って左には絵の筆と、ベニヤに書かれた左手の縁取り完成版と、失敗の途中までの。ちゃんと失敗って書いてあるのが可愛い。実際に使ってたパレット三種類は何枚も重なってる使用済みペーパーと普通のプラスチックのと、透明なアクリルの薄い蓋みたいな四角いやつを使ってた。この蓋みたいなやつは本当に蓋だと思うのよ笑 筆も10本以上あったんじゃないかな。一列に並べてて、筆先円柱だったり平らなのから極細までたくさん。綺麗に洗ってあったし道具丁寧に使うの素敵だなと。奥には5×20コンサートのために振り付け練習する大野さん。いつものTシャツ着てた!笑 右にはちょう巨大なキャンバスにアクリルで書かれた自画像。2016年作ってあったかな。大野さんの展覧会ってたった3年前…?ん??こんなに大きいの描きたいんじゃ仕事してたら無理ねって母は言ってた。わたしはこんなに大きい絵を描いておける部屋が家にあるのかなって言ってた笑 あとたぶんモデペとか使って立体的になってるところもあって、わたしもまたすこーし絵が描きたくなってるタイミングだからまじまじと見てしまった。モデペ使うの苦手なんだよな〜。
次は翔さん。リリックができるまで!リリックを書く自宅のリビングを再現。流れる音楽は5×20のラップデモを翔さんが歌ってて新鮮でかっこよかった!歌詞が所々違うし天井近くには添削してるラップ詞の映像もあった。流れてるデモと実際のでは違う部分も。吹き込み歌声ラフなのもあってちょうかっこよかった。スノードームもあのサイズなんだなあって、集めたいと思ってたから参考になった。入って正面には、自宅リビングのテレビボードが再現されてて、ブース前でラップ仕上げる翔さんの映像が流れてるテレビの横に、アロマが置いてあって必死にかいだけど忘れちゃった笑 いい香りではあった!嵐ジェットの模型、グラミーのチケット、どこかの国の新聞紙のカレンダー、GQのトロフィー、こないだのしやがれ三人旅行のお写真、おそらく最初の日テレ嵐WEEKの看板?、知識不足でどなたかわからないけどイラストとフィギュアちっくなやつ、ヤッターマン関係のフィギュアと初紅白のスタンドとかが飾られてた。インテリアセンスはあるじゃん!って笑、かっこ良い横長の細い木目のテレビボードというか壁面で。おっとなー!って感じ笑
相葉ちゃんのコーナーのテーマがよく覚えてない笑 あんまりにのあいはあんまり裏感なかった笑 バズりNightの手作りTシャツと、ボクシングのグローブ、大野さんが作ってくれたGパン、ベストジーニストの盾、自転車ドラマの台本、ラブラブ愛してるの人形、とか。あ!子供の頃のお写真たくさんあって、お母さんに面影が似てるなあと思った。まだ一度も中華屋さんに行ったことないからご両親初見…。翔さんのとは別の嵐ジェットのもあったな。あの壁の絵は相葉ちゃんが描いたのかなあ?バイクを絵にしておいたって言ってたけど、それにしてはうまくない??プロの手よね…??笑
次の二宮さんの部屋のテーマは映画とゲーム。ゲームは触れるよ!とかっていう表記がそのテーマに沿ったところみたい。伝わりにくい!笑 報知映画賞のとか、日本アカデミー賞の。母と暮せばと検察側の罪人だったかな?作品ふたっつであんなにもらえるなんてすごいし受賞も大変…物量的に!最優秀主演男優賞のトロフィーにはさわれて、1.5kgあるって係りの人言ってた。撫でるだけじゃなくてしっかり触らせてあげたい!っていう二宮さんの言葉通り、さわったところがすごい擦れてるの笑 みんながさわったあれはこのあとどうするんだろう…ジャニーズ事務所に飾るのかな…絶対家に持ち帰らないよね…?笑 優秀賞に選ばれると小さいトロフィーと賞状がもらえて、最優秀だと金の縁取り幅がすごく広い賞状だった!そういう違いがあるのね〜。ただし、なんというか、まあ…賞を自慢するワンパッケージの二宮さんの原点!笑 翔さんとか大野さんのみたいな裏側が見たかったよ!!笑 いやまあほんとうに誇らしいけど!!なんならハマってるゲームのプレイ動画とか見たかった笑 でもなんだろな…やっぱり嵐さんがお休みしたら役者業が増えるのかな、とはこの部屋をみて思ったかな…。嵐さんが休む感じはこの展覧会では微塵も感じなかったんだけどね!
最後の松ずんのとこは通しリハを見て取ってる松ずんメモ。実物が少しあって、綺麗なのを選んだんだろうね〜って母が笑 男の子の字!っていう感じ。ジュニアの並びが汚いとか端的に書いてあるのがリアル。金剛山ってなんだろ?あとさすがまとまりがあって読みやすくて書き慣れてる感じした。それもそういうのは選んだのかな。実際に書いてる松ずんの映像と共に。後ろには何枚も重ねて拡大されたメモ。毎回素敵なコンサート作り出してくれてありがとうございます!あなたのおかげで私たちは安心して夢の世界に浸れます!!白むちエンジェル松ずんありがとう。
ここで最後の部屋に入る前の並ぶための部屋に。可愛い方の顔の壮大な自然になりすます嵐さんの一枚写真があって、衣装はキービジュアルの並んでる時のともちがうやつ。しっかりスーベニアのマグネットとクリアファイルになってます。可愛いお顔だったから思いのほかたくさんお迎えした笑 思い出してみたら山々や大自然になりすます入り口の並んでるとことスーベニアショップの上にいた寝そべったりしてる嵐さんは同じなんだけど、スーベニアにはなってないなって。顔は微妙だったからいいけど笑
一番最後の展示は恐らく1組ずつ見せてもらえる3分ちょっとのデビュー〜5×20までのコンサート切り取り映像部屋。斜めに5×20が掲示してあったところの背中がこのゾーン。この部屋に入るともう展示に戻れませんみたいに言われるからここまでは戻り放題だったのかな…?悔やむ…。最初のメンバーが説明してくれる部屋と同じ完全入れ替え制。私たちの時は1組ずつ通してくれてたけどどうなんだろう?母と二人きりの貸切!(知人に聞いたら別の組とも合わせて数組で見たそうなので貸切はタイミング次第みたい。)スタッフさんが説明してくれて、映像がはじまるの。BGMはバラードちっくなピアノメインアレンジのA・RA・SHI。はじめは、低い4〜5段の段差の最前列座ってみたけど首痛さ限界だから前から二段目に座って観た。ちょうど良い高さ。映像はAll the BEST!!1999-2019についてるやつの凝縮版ってかんじ。おそらく内容は違うとは思うけど…。10周年とかuntitled長めだった気がするよ?大宮SKもいたしポップコーンマンもいた!若い頃はギラギラしてるし最近のは行って観た記憶もある。曲がしっとりしてるからしんみりセンチメンタルな空気になってしまった。お休みがわかってるから。お休み…。淋しい…。でもお休みがなかったらこの展覧会にはならなかっただろうから意味のない仮定はもうしない。素敵な展覧会のシメだった。
最後の最後の出口の上には嵐さんの大好きだよ!by大野さんとか家に帰るまでがえきしびしょんだよbyニノ(恐らく)、俺たち全部一緒に旅してきたよinイングリッシュby翔さん、ありがとうまたねby松ずん、嵐大好き!by相葉ちゃん、みたいな一言メッセージと個々のサインで終わり!これは最後の部屋に入る前に並んでる時にじっくりみてられるんだと思うんだけど、なにぶん誰もいなかったからむしろ早く部屋に案内したそうなスタッフさんの思いを受けたこともあり笑、メモしてないからうろ覚えすぎて。途中からでも取れば良かったしそういうところくらいの予備知識入れていくべきでした!帰ってきてずっとそこ後悔。特に岡本くんのところ。ニノについてのコメントが大野さんに次いで的確だと思ったのにほぼ記憶にない…😭
スーベニアショップについたけどじっくりみたかったからスタッフさんに声かけてトイレに先に行きました。また戻るときに声かけてじっくりお買い物。
ノリタケさんのポストカードだけ買い忘れたんだけどそんなに広くはないから壁沿いに進んでいけば1巡すれば買い逃しは無いはず。友人に頼まれてたものも買い漏らしなく、母とわたし最大4個買えるから予備欲しいのは母にも協力してもらってお買い物。会場に向かうときすれ違うお買い物済ませた人の袋がやたら小さかったり薄くてみんななんでそんなに少なく買うの?わたしちょう買う気満々なのに!という意気込み通り9万ほど買いました。さらさら素材のビニール袋のサイズ3種類あって母は中を1袋で、わたしは大を二重という買物結果。それでも重くて持ち手切れそうだからスタッフさんに聞いたら二重までなんですって。小分けの袋も(小サイズの?)もらえたらしくそれは1枚まで。友人に渡すのに貰い忘れたよ…ごめにょ…。何円とかの有料でいいから丈夫にしたかったな。予定していた10万超えは無かった!笑 実物みたら意外と予備買いしなくていいやっていうのがあったりメンバーソロ写真は全員分買わなかった…ラグランTもBEAMSコラボも厳選しました。造り丈夫でわたしの中で有名なででにー公認なのにラグランの素材うすいし…笑 でも、11月ディズニー行くので着ていきたいと思います笑 母は一応翔さん推しを自認してるのに、ベアブリックもミッキーキーホルダーもラグランも、色とタッチから松ずん選んでました笑 特に松ずんのミッキーは一番お気に召してて楽しそうに選んでるとこ可愛かった☺️親馬鹿ならぬ子馬鹿です!花道真横の席になったとき、初めて真近で会えた通り過ぎる松ずんのスーパースターのきらめきにやられちゃったもんね、って納得させてた🤣笑 母が楽しめたことが一番嬉しくて良い展覧会だったよ!
お買い物の後に残されたフォトブースでは、ジオラマと嵐さんを自分で好きに撮るミニコーナーと、2箇所にいるスタッフさんが1組3パターンまで嵐さんと撮ってくれるコーナーがあった。スタッフさんのところは二箇所とも同じ写真だからどちらかでのみ。自分たち込みで撮ってくれたあと、嵐さんだけのも3枚撮ってくれました。言えば1組じゃなくて1人分ずつのカメラで撮ってくれたのかな。なかなか図々しく聞けないけど今度からは図々しく聞いてみよう…。あとメモ!コンサート行くときもメモ…はちょっと難しいけど!だって目の前には本物の嵐さんいるからね。
結局実際に通路の中に入ってから出るまでに3時間かけました。長いのかな。スーベニアショップお買い物後半はおそらくつぎの組先頭が追いついたのか混み合ったけどそれまで悠々だったので、結果集合時間間際に並んでラッキー。レジもほぼ空いてた。商品在庫も潤沢でむしろ常にたぷたぷになるようにマメにスタッフさんが品出ししてました。
六本木駅からの道順もわかりやすいしあの展示で1500円って安すぎる…と思うくらい楽しかったです。グッズ代で賄えるんだろうけどそれならもっとオリジナル写真欲しかったし、是非とも展覧会のパンフレットが欲しかった!惜しいよ嵐さん!笑 展覧会の図録って普通あるじゃない…?笑 あんなにも記憶に焼き付けなくちゃいけない時間は早々なくて集中してみたけどやっぱり覚えきれなくて。特に、ほんっとうに、岡本くんのところ…!どなたか岡本くんの寄稿全文メモされてないでしょうか…。
でもでも、大好きな母と一緒にかなりのんびりじっくり堪能できたので本当に満足です。腰や首が相当痛かったので帰り道に見かけたつるとんたんで食べられたのも良かった。母と行きたいなって思ってたので!
東京残すところ2ヶ月分と、各地回ったあともう一周してくれたら何度でも見に行きたいと思うほど素敵でした。ありがとうございました!
わたしと母の次の嵐さんとの花火は、ひとまずは10月ハロウィンのコンサート!母が良い席で観られますように✨🙏✨
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2ttf · 13 years ago
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thirdheaven3 · 6 years ago
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偏食
   「叮叮叮——」    隨著鈴聲在晨光中響起,本丸的中心區域也開始忙碌了起來。炊煙把食物的香味送往各個角落,走廊上,負責送餐的刀劍們的噠噠腳步聲,彷彿帶動了一整天的活力。    除了遠征、手入人員等特例之外,每一天的早晨,本丸的刀劍們都會齊聚在大廣間,享用輪值人員製作的早點。而其中,負責出陣的第一部隊的餐點,總是最早安放在固定位置上,讓六位隊員們可以趁早用完餐,進行出陣的準備。
   和送餐的人手們擦身而過,互道早安,山姥切國廣走進大廣間時,就定位的還只有寥寥數人。和他同樣配屬於第一部隊的太郎太刀已早早將御神刀的例行公事完成,把同為御神刀——卻總是處於酣醉狀態的次郎太刀拖進桌尾的位置就座。他向兩人點點頭,準備坐下時,另一個身影也不疾不徐地走了進來,在他的對面坐下。    與早早整裝完成、只差沒繫上護甲的山姥切不同,坐在對面的大俱利伽羅只穿著輕鬆的白色恤衫,戴著黑色手套,單邊略長的髮尾隨性地落在頸邊。他通常不是最早出現在餐桌前的那批,但也從來沒見過他遲到。
   「⋯⋯早。」「嗯。」    山姥切簡短地打了招呼,對方也給予了簡短的回應。    雖然是每天共赴戰場的夥伴,山姥切依然有些摸不透該用什麼方式和這名獨行俠交談。不過,比起大俱利伽羅剛入隊,山姥切總懷疑這傢伙是不是對自己仿作身份有意見的那個時期,現在的他,已經相當習慣對方不說多餘的話的性格。甚至,偶爾還覺得有些安心。
   看見大俱利伽羅動了筷子,山姥切也低聲地說了句「我開動了」,端起自己面前那碗晶瑩的白米飯。    正當他想夾點配菜時,筷子卻在某個小皿上空頓了一下。那只小皿裡,盛裝著燜煮到透出了醬色,卻依然看得見食材泛著原有的油亮紫光的塊狀蔬菜——是茄子。
   茄子。比起戰場上的任何一把敵刀,這種蔬菜都更有資格被稱為山姥切國廣的天敵。那種軟爛得像泥一般的口感、和咬下去瞬間在口腔內化開的特殊氣味,不管用了什麼調理方式,都無法讓山姥切感受到它的美味。    也許是自己的定格動作太過詭異,山姥切感受到一道狐疑的視線從對面掃過來。他心裡一驚,連忙從小皿裡夾了一塊放進碗裡。
   或許每把刀劍或多或少都有對食物的偏好,山姥切國廣對他人的喜好並沒有什麼意見,但一旦換作自己,狀況就不一樣了。    他是把仿作,從立足點開始就和其他的名劍名刀不一樣。若是自己在戰場的表現不佳,會遭到什麼樣的眼光、多少否定的閒言閒語,他本就不願想像;若是對食物——還是名劍名刀辛苦準備的餐點——挑三揀四,別人又會怎麼笑他不知好歹?    山姥切眼睛一閉,連同最上面的茄子一同扒起一大口白飯,嚼了兩下,在味道還沒擴散到舌尖之前,硬是吞了下去。吞完了這口,他趕緊端起味噌湯,又往喉嚨裡灌了一大口,洗掉口中的餘味——沒事的,只要像以前一樣,忍耐一下、把這頓飯吃完就沒事了。茄子不會天天出現,他還是可以期待下一餐。
   大廣間裡的談笑聲愈來愈熱鬧,隨著時間經過,山姥切面前的茄子也少了一半。只不過——拿來抵銷味道用掉的白飯、味噌湯和其他配菜的量減少得更快。米飯已經見了底,山姥切的臉色也變得愈來愈像茄子,紫中帶青,而握在手中的木筷此時彷彿比本體還重了十倍,連握住都有些艱難。    「唔⋯⋯」他屏住呼吸,心一橫,正要把筷尖伸向那團褐紫色的塊狀物體時,卻只見其中一塊冷不防從眼前浮了起來,往自己的反方向飄去,進了正對面的打刀的嘴裡。
       山姥切的視線下意識追著那塊茄子的移動路徑而去,愣愣地看著面前的打刀吃得若無其事,動作行雲流水地簡直像是從自己的盤裡取食。    「⋯⋯呃、咦?」就在他還一頭霧水,懷疑自己是否一時眼花的時候,大俱利伽羅又從他的小皿裡夾起一塊茄子,理所當然似地放進口中。    「再這樣拖拖拉拉的,待會光忠又要囉唆了。」    像是看穿了山姥切的不知所措,大俱利伽羅頭也沒抬,不動聲色地靜靜回答了他沒說出口的疑問。    說起來,同在第一部隊的燭台切光忠身為大俱利伽羅的舊識,一向都坐在大俱利伽羅的隔壁——也就是山姥切的斜對面。作為一個時時關照本丸內眾刀劍的存在,燭台切實在沒有不察覺山姥切的坐立難安的道理,而在這個當下,這確實是山姥切極力想避免發生的事態。
   「喔、喔喔⋯⋯」山姥切怔怔地動手扒起飯,眼睛卻一瞟一瞟地看著小皿裡的茄子一塊塊減少。等到燭台切爽朗的招呼聲出現在大廣間門口時,茄子已經被掃得乾乾淨淨,而大俱利伽羅也已經把手邊的餐具收拾好,準備起身離開。    「啊、大俱⋯⋯」「哎呀?伽羅醬怎麼這麼早就吃完了?」    山姥切的話還沒來得及出口,就被來到桌邊的燭台切給打斷。    「是你自己動作太慢了。」說完,大俱利伽羅站起身,端起餐盤,頭也不回地步出了大廣間。
   「伽羅醬還是那麼冷淡啊,山姥切君你可別介意。」「不,沒有的事⋯⋯」    和燭台切有一句沒一句的閒話家常之間,山姥切吃完飯,喝完了最後一滴湯,和其他隊員說了聲「待會見」,便收拾了餐具轉身離開。他向迎面而來的其他刀劍打了招呼,而走廊上理所當然地,不見大俱利伽羅的身影。    他依然希望下次的飯菜裡不要出現茄子,但比起那些,他默默提醒自己還有更重要的事——下次,要記得好好跟那位打刀的付喪神道聲謝。
———— 一年一度的9/8,回到初心寫了很舊但一直沒寫的梗,時期是自本丸初期,彼此還沒有很熟的兩人。山姥切國廣就算挑食也會硬著頭皮把討厭的東西吃掉 & 大俱利伽羅不會對別人做的料理有意見,是我蠻早就一路決定到現在的角色解釋。
至於茄子⋯⋯因為是自本丸,所以初期刀對茄子的排斥完全傳承自審神者也就是我,有什麼想為茄子辯護的就衝著我來吧!初期刀是無辜的!
9/8くりんばの日おめでとう!
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shelieshelle · 6 years ago
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ファンシアン・メモリー
  PART.1
一人の女が煙草を燻らせている。彼女は土曜の夜のパーティにいて、賑わいに包まれている。白い指の間で生まれる煙から視線をそらして彼女はピンクのネオンに照らされた曇りガラスの方を見た。白いセーターを着た女が、雪が積もってる!と興奮気味に声を出したからだ。すると二組のうちスミレ色のワンピースを着た女がピンキー・サワーの入ったグラスとは反対の空いた方の手でガラスの水蒸気を拭き取り、額を擦り寄せて向こう側を凝視した。ほんと!と振り返った彼女の頬は赤く染まっている。女は視線を煙に戻す。向かいの男はその間喋りっぱなしで、恐らく外の雪化粧に気が付いていないだろう。
「おい、どこ見てる?」
滔々とした言葉の流れが途切れていることに気が付いた。見上げると彼の眉間がごく僅かに狭まっているのが分かった。
「カスミ、俺の話聞いてた?」
彼女は意識的に小さく笑みを浮かべた。これは常日頃使い分けているいくつかの笑みの一つで、返事に困ったときや間が悪い場合に用いるものだった。すると男の顔に刻まれたしわは次第に解けていき、彼女の微笑を緩やかにそこへ写し取った。
「ぼうっとしちゃって。今なんて?」
カスミはもう一度煙草をくわえた。きっとこれが最後の一本になるだろうとふと思った。
「これからどうする?」
「これからって?」
カートリッジ��インディ・ローズに染めた煙草を灰皿に置き、セヨンのグラスに手を伸ばそうとしたが、男がそれを遮った。彼女には男がなぜ自分の動作を遮ったのかまるで分からなかった。それが親密さを示しているのか、それともそうであることを装っているのか、もしくはまるでひと匙の意図も含んでいないのか。
「そろそろ君は身を固めたいとか思わないの?」
急になに、と彼女ははみ出した髪を耳の横にかけた。
「急な話じゃない。前にもこの話したことがあるじゃないか」
ここで一つ男は深呼吸をした。彼なりに表現を慎重に選んでいるに違いない。彼女は適切な言葉を見つけようと意識を巡らせる彼の眉間を見つめながら白い煙を吐き出した。銀縁のフレームから覗く彼の物憂げな瞳は間違いなく女性を惹きつける艶やかさを備えていたが、その思慮深さがセクシーだと彼自身��気づいていなければどれほど魅力的だろうかと彼女は思った。しかしそんなことは今更どうでも良いことだった。
「お前は今の仕事に満足してる?下着の広告とか、カラーコンタクトのモデルとか、そんな中途半端で誰がやっても変わらないような仕事で満足してるわけ?」
大きな手がセヨンのグラスから離れた。カスミはこのタイミングでそれを飲むべきか、飲まざるべきかを考えていた。
「自分の年齢を考えろよ。今はまだ若くてモデルが務まるけど、一気に仕事はなくなるぞ。お前がどれだけ老けずにいたとしても、若くて新しいティーネイジャーが出てくるとどうなる? 捨てられる前に手を打たないと」
グラスの底に残ったセヨンを傾けるとHAZY SHADOWのネオンサインが見えた。その光は心地よい眠りを誘うようにゆっくりと点滅した。冬の凍った空気を溶かしているみたい、と彼女は見惚れた。点いたり消えたりするその店名を見ると、いつもウォッカ&ライムの風味が口の中に広がった。そして同時にポール・サイモンの後ろ姿を思い浮かべた。季節の歩みに逆らえないもどかしさに耐えかねてアルコールに記憶を飛ばし、目覚めると未発表の歌詞が広がっているのだ。友人には希望を失うんじゃないと言うくせに、彼は希望に満ちてるふりをするのだから、彼はもう限界に近いに違いない。分からなくないな、と店内に意識を戻すと、いつの間にか音楽が変わっていることに気がついた。
さらにカスミを驚かせたのは、看板のネオンサインがこれまでとは違う光り方をしていることだった。それが聞こえてくる不思議な音楽のリズムに従って。
「いい加減にしろよ、お前のことを心配して言ってるんだぞ」
「あのネオンがさっき・・・」
テツロウ、と誰かが呼びかけた。男が振り返ると、ピンキー・サワーを持ったリエが立っていた。彼女は彼の仕事仲間だった。彼女がテツロウのシガレットケースから一本取り出した。彼が付けた火で焦がしながらリエは何かを考えるみたいに首を傾けた。ミディアムボブの形が崩れ、かすかにローズの香りが漂う。
「煙草の煙って白くてつまらないよね」
リエが煙を吐き出しながら呟いた。
「色がついていればいいのにね、自分の好きな色に」
「例えば?」とテツロウも煙草に火を付けた。
「赤とか?」リエは向き直った。
「カスミちゃんは何色がいいの?」
「紫かな、やっぱり」
あの歌を思い浮かべていた。あの曲を聴くといつも、空にどうやってキスするのだろうと考えてしまう。
テツロウがリエに何かを言いかけた時だった。
「ごめん、わたしもう行かなきゃ」
カスミは煙草の吸殻を灰皿に押し付けると、荷物をまとめ始めた。
「行くってどこに?」
 外の空気は澄んでいて、月光は雪の白さを際立たせた。
雪が降ってる、と彼は驚いたが、それを言い終える前に彼女はライダースのポケットから何かを取り出した。
「雪が降るともう要らなくなるの、これ持ってて」
それは雪景色にはあまりにも鮮やかな青で、中国土産を連想させる精密な柄が描かれていた。カスミはそれを彼の手のひらに無理やりねじ込むと、微塵の未練も感じさせない足取りで歩き始めた。
「もう終わりだね、付き合ってられない」
 立ち尽くした彼が小さくなって行く。彼女にしてみれば雪が降っていることなどとっくに知っていた。それはリエがはしゃいだからでもなく、テツロウの饒舌に退屈して窓の外を眺めていたからでもない。それは、今日が彼女の二三回目の誕生日で、企てていた「出発」の日には雪が降って然るべきだと彼女自身が心得ていたからなのだった。
 「少し煙っぽい気がします」
カスミは寒さを感じた。ガタガタと身体の芯から震えるような寒さではなく、隙間風が身体を撫でていくような寒さだ。目には見えないけれど、もしかしたら吐く息も白いのかもしれない。
「いい調子よ。あなたはもう別の場所に来ているの」
「別の場所?」
触れているクリスタルを彼女はより一層力を入れて握りしめた。
「そう。そこは、あなたの意識の中。普段生活している時には分からない、意識を超えた次元。ほら何か、特別なものを感じない?」
特別な場所・・・。わたしは確かにずっとここにいるのにな、と彼女は思った。目を瞑る前まで占い師と向かい合っていて(彼女の髪は増えるワカメみたいだ)、俯いて両手で三角を作ると、さあ目を瞑ってと言ったのだ。きっと彼女はそのままの状態なんだろう。それなのにどうして移動したと言えるのだろうか。
「何か、とは何ですか?」
「疑問を疑問で返すだなんて。それはあなたが見つけることよ、あなたが見ているのだから。些細なことでもいいから、何か言ってちょうだい」
占い師の口調はカスミを不安にさせた。ここへ来たのは確かに彼女自身が決断したからに間違いはなかったが、何も見えていないものについて説明を強いられるとは考えてもみなかったし、それほど主体的な姿勢を求められるとは思っていなかった。どんなに目を凝らしてもただ暗闇の中に青っぽいような赤っぽいような、あるいは白っぽいような粒子が伸びたり縮んだりしながら散っているだけだ。
「説明してと言われても、分からないんです。ただ何だか煙っぽくて、少し寒気を感じます」
占い師は呆れたようにため息をついて、じゃあもう一度ときびきびした口調で言った。彼女が目を開くと、やっぱりワカメの占い師が変わらずにそこにいた。唯一変わっていたのは、彼女の後ろに掛かっている時計の針の向きと、目の前の黒々とした髪が心持ち増量したように思えたことだった。
「二〇分コースで三〇〇〇円になります」
レジの女性スタッフは占い師の持っていたような異質な、あるいはどこか神秘を演出するような雰囲気を持っていなかった。化粧で目鼻立ちを整え、髪は艶やかで、ブラウンのカラーコンタクトをしていた。会計を済ませると、スタッフは気持ちのいい声で「またのご来店をお待ちしております」と言ってお辞儀をした。カスミは曖昧に会釈をしてエレベーターが登ってくるのを待った。
《あなたの中に眠っている本当のあなたに会える》
エレベーターの中に店の看板と同じ文句があった。この言葉が彼女を占いへと誘ったのだった。これまで占いなどジンクスのようなものでしかないと思っていたし、カスミの周りに占いに没頭している人もいなかった。女性向けの雑誌に毎月掲載されている星座占いだって、読み飛ばすこともあれば斜めに読んでおしまいにすることがほとんどだった。しかし今日、それは二〇一七年七月の終わりだったが、カスミはふとこの言葉に吸い寄せられ、そして他人ごとではないような、このまま通り過ぎてしまったら永遠に後悔をしてしまうような思いに囚われて入ったのだった。
 エレベーターを降りて外に出ても妙な違和感が捨てきれないことに不安を覚える。いつも見ていた渋谷の風景が、映画のワンシーンのために用意されたセットのような白々しさを持ってカスミの瞳に映った。遠くの方から吹いてくる夏の風の爽やかさだけが、唯一信じられるような気がした。
《あなたの中に眠っている本当のあなたに会える》
変なことではあるが、あの占い師がこの魔法のような約束を果たしたかどうかをカスミは少しも気にしていなかった。人によっては料金を騙し取られたと言って怒鳴り込んでもおかしくはないのだ。けれども彼女にとっては「自分の中に眠っている本当の自分」が誰なのかという問題よりも、どうして普段ならば反応しない言葉が妙に際立って見えたのかかが問題であった。だから、彼女はあの占い師が「本物」かどうかをもちろん知らないままだったし、後日確かめてみようとも思わなかった。その日の晩帰宅するとカスミはご飯も食べずにシャワーだけ浴びてベッドに潜り込んだ。隣のベッドは今日も空っぽだった。いつもより念入りに身体を洗ったはずなのに、あの部屋で感じた嫌な緊張感だけは洗い流せず身体の中に居座り続けていた。
 「「決して起こらなかった記憶を呼び起こして!!」」
 落ちる!と衝撃と共に目覚めた。汗をかいていて、うなされていたようだ。付けっ放しのテレビが誰のためでもなくだらしなくバラエティ番組を映し出していた。その時カスミは、録画する番組を間違えていたことを思い出した。その番組はテツロウに録画を頼まれていたもので、家にいることの多いカスミが彼の代わりにすることになっていた。彼女にしてみれば録画できようができまいがそれは同じことだった。問題なのは、見るはずのなかったその番組を試しに見てみると案外興味深かったが、重要だと思われる場面を正確に思い出せないことだった。記憶を頼りにリモコンを手にとって巻き戻す。
 テツロウとは二年近く同棲していたが、彼は転職を経てカルチャー雑誌の出版社に四年勤めていた。彼は彼女よりもいくつか年上だった。彼女が彼に出会ったのは彼が若くして編集長を務める雑誌のあるコーナーがきっかけだった。そこでは「知られざるクリエイティブ女子」というテーマで何人かの学生がインタビューされ、そのうちの一人にカスミが掲載されることになったのだった。彼女は当時学生で、渋谷のライブハウスでアルバイトをしつつ趣味で音楽を作っていた。そのライブハウスは小さかったけれど雑誌に取り上げられることが度々あり、知る人は知っている場所だった。そこで初めて二人は出会い、偶然にも彼がそのテーマを担当することになり、彼女にその話を持ちかけたのだった。それはカスミにとって大きな出来事になるはずだったが、運悪くそのコーナーは出番が来る前に打ち切られてしまったのだった。
それ以来彼女は顔の広い彼を通じてちょっとしたモデルや広告の仕事をもらうことが度々あったが、定職に就くことはなかった。いくつかアルバイトをして、長く続けて社員を目指そうとも思ったけれどいつも何か些細なことで挫折して辞めてしまった。彼女の両親は焦らなくていいと毎月仕送りを送っていたし、テツロウは編集者としての力量を兼ねそなえ会社でも重宝がられていたから差し迫って生活に困ることはなかった。ただ漠然とどうやって暮らそうかというぼんやりしたものが忘れた頃に押し寄せて来るのだった。
 テツロウに頼まれていた番組はスポーツ番組で、「今度サッカー選手のインタビューがあるから」とラインを寄越したのだった。一方間違えて録画してしまったのはこれまでに見たことも聞いたこともない番組だった。それは流行りの芸能人が出るわけでもなく、昔からやっているわけでもない、ただその放送枠が余ってしまったから穴埋めに、という粗末な雰囲気をしていた。録画を再生すると途中から始まった。それはとある場所の「呼出音研究所」を取り上げていた。
ナレーション:
呼出音は昭和六〇年になると、事業用電気通信設備規則により、そのトーンを四〇〇 ヘルツに一五 – 二〇ヘルツの変調をかけることが定められた。当時を振り返って研究員の橋本は、呼出音についてこう語っている。
(当時の黒電話から橋本の研究場面に切り替わる)
橋本:
「今となっては一秒オン、二秒オフの繰り返しが定着していますが、これは日本スタンダードなんですね。
(〜♬ 日本の呼出音)
イギリス連邦だと〇・四秒オン、〇・二秒オフ、〇・四秒オン、〇・二秒オフの繰り返しで出来ています。
(〜♬イギリス連邦の呼出音)
北米やヨーロッパにも、もちろんそれぞれの呼出音があるわけです」
(ここで世界中で電話が使用されていることをほのめかすイメージ映像から橋本の父の映像に切り替わる)
ナレーション:
橋本の父は呼出音の研究に三〇年以上の月日を捧げていた。彼の研究こそが、日本スタンダードの呼出音を生み出し、今日の生活をより快適なものにしてきたのである。
橋本:
「この呼出音はあらゆることを想定して作られました。日本の生活空間、日本人の耳の形、日本人の手の長さなど、他にもちょっとやそっとじゃ思いつかないようなありとあらゆる事です。父はこの呼出音が完成したとき、日本の将来は約束されたと確信したようです。なぜなら、この呼出音こそが我々日本人の生活を、人生を、そして日本の行く末を切り拓いていく扉になるのですから」
(研究室から学会の場面に切り替わる)
ナレーション:
2017年5月。日本橋のとある会場で学会が行われた。
橋本:
「可聴音に関する学閥ですか? それは根強いですね。我々の他に、着信音研究所、発信音研究所、話中音研究所が存在しますが、ここ数年の学会では前進が見られないですね。議論が活発なことは良いことですが、お互いの揚げ足を取り合っている姿は醜いです」
ナレーション:
橋本には譲二という息子がいた。彼は埒のあかない学会の希望の星となるはずだった。
(橋本の息子、譲二の少年時代〜青年時代の映像が流れる)
橋本:
「譲二は非常に優秀な息子でした。確かな音感を持ち、人に呼びかけるという行為に対して私以上の深い理解を持っていたのです。しかし、彼が音楽に出会って以来、その『呼びかけ』に対して造詣をあまりにも深め過ぎてしまったのです。息子は今年の三月に、作業着を着たまま研究室を・・・」
録画はここで終わっていた。テレビは再び能無しに戻り、使い古された展開を平気で持ってくるバラエティ番組を垂れ流した。カスミはしばらく動けず、言葉さえ思い浮かばなかった。テツロウが帰宅するまで、テレビ画面の向こう側、ずっと奥にある青年時代の譲二を思い浮かべ、そのまま横になった。
…PART.2 へ続く…
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greater-snowdrop · 2 years ago
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毒を食らわば皿まで
うちよそ。フェドート←ノルバ(パパ従兄弟) ※モブの死/暴力・性暴力行為の示唆
 揺れる焚火を前にマグを両手で包み込む。時折枯れ木が弾ける音を拾いながら、岩場に座すノルバはじっと揺れる炎を見据えていた。泥水より幾分かましなコーヒーはすっかり湯気が消え去り、食事の準備をしていたはずの炊き出し班がいつの間にやら準備を終えて、星夜にけたたましく轟く空襲に負けぬ大声で飯だと叫んでいた。バニシュを応用した魔法結界と防音結界が張られているとはいえ、人の気配までは消すことが出来ないがゆえに常に奇襲が警戒されるこの前哨地において、食事は貴重な愉楽のひとつである。仲間たちが我先にと配膳の前に列を成していくその様子を、ノルバはついと視線だけを向けて捉えた。  サーシャ、ディアミド、キーラ、コノル、ディミトリ、マクシム、ラディスラフ、ヴィタリー。  炊き出しの列に並ぶ仲間の名を、かさついた口元だけを動かし声は出さずに祈るように唱える。土埃にまみれた彼らが疲弊しきった顔を綻ばせて皿を受け取っていく様に、ノルバは深く息を吐いた。
「おい、食わないと持たないぞ」 「っで」
 コン、と後頭部を何かで軽く叩かれ、前のめりになった姿勢に応じてマグの水面が揺れる。後ろを仰ぎ見れば、見慣れた顔が深皿を両手に立っていた。
「フェドート……」 「ほら、お前の分だ」 「ああ……悪ィな」
 ぬるくなったマグを腰かけている岩場に乗せ、フェドートから差し出された皿を受け取る。合金の皿に盛られたありあわせの材料を混ぜ込んだスープは、適温と言うものを知らないのか皿越しでも熱が伝わるほど酷く熱い。そういえば今日の炊事係にはシネイドがいたな、と彼女の顔を思い浮かべ苦笑いを零した。  皿を渡すと早々に隣を陣取ったフェドートは、厳つい顔に似合わず猫舌のために息を吹きかけて冷ましており、その姿に思わず小さく笑い声がもれる。すかさずノルバの腕を肘で突いてきたフェドートに「面白れェんだから仕方ねえだろ���と毎度の言い訳を口にすれば、彼は不服そうな顔を全面に出しながら「それで、」と話を切り上げた。
「さっきは何を考えていたんだ。お前がぼうっとしているなんて、珍しい」 「…………ま、ちょっとな」
 ようやく冷まし終えた一口目を口に含んだフェドートに、ノルバは煮え切らない声で返した。彼の態度にフェドートはただ咀嚼しながら無言でノルバを射抜く。それに弱いの分かってやっているだろ、とは言えず、ノルバは手の中でほこほこと煮えているスープに視線を落として一口分を匙で掬った。  豆を中心に大ぶりに切られたポポトやカロットを香辛料と共に煮込んだスープは、補給路断たれる可能性が常にあり、戦況の泥沼化で食糧不足に陥りやすい前線において比較的良い食事であった。フェドートが別途で袋に詰めて持ってきたブレッドや干し肉のことも考えれば、豪華と言えるほどである。まるで、最期の晩餐のようなものだ。  ───実際、そうなるのかもしれないが。  ため息を吐くように匙に息を吹きかけ、口内を火傷させる勢いのスープを口に放り込んだ。ブレッドと食べることを前提に作ったのだろう。濃い味付けのそれは鳴りを潜めていた空きっ腹を呼び覚ますのには十分だった。  フェドートとの間に置かれたブレッド入りの袋に手を伸ばす。だが彼はそれを予測していたらしく、袋をさっと取り上げた。話すまで渡さないという無言の圧を送られたノルバは観念して充分に噛んだ具材を飲み下す。表面上を冷ましただけではどうにもならなかった根菜の熱さが喉を通り抜けた。
「次の作戦を考えてた。今日までの作戦で死者が予想以上に出るわ、癒し手が不足してるわで頭が重いのはもちろんだが、副官が俺の部下九人を道連れにしたモンだからどうにもいい案が浮かばなくてな」
 言って、ノルバはフェドートの手から袋を奪取すると中から堅焼きのブレッドを取り出し、やるせなさをぶつけるように噛み千切った。何があったのか尋ねてきた彼に、ノルバはくい、と顎で前哨地に設営された天幕を指す。中にはヒューラン族の男が一人とロスガル族の男が二人。ノルバと同じく、部隊指揮官の者達だった。折り畳み式の簡易テーブルの上に置かれた詳細地図を取り囲み話をしているが、平行線をたどっているのか時折首を振る様子や頭を掻く様子が見える。  お前は参加しなくていいのか、とノルバに問おうとして、ふと人数が足りないことに気付いた。ここにはノルバ率いる第四遊撃隊と己が所属し副官を務める第二先鋒隊、その他に第八術士隊と第十五歩兵隊に第七索敵隊がいたはずだ。そう、もう一人部隊長が────確かヒューラン族の女がいたと思ったが。  フェドートが違和感を覚えたことを察したのか、ノルバはスープに浸したブレッドを飲み下すとぬるいコーヒーを手に取り、その味ゆえか、はたまたこの状況ゆえか、眉間に皺を寄せつつ少量啜った。
「セッカ……索敵隊の隊長な、昨日遅くに死んだんだわ。今回の作戦は早朝の索敵と妨害がねェ限り成り立たなかったろ? 俺はその代打で一時的に遊撃隊を離れて第七索敵隊の指揮を預かってた。…………そうしたら、このザマだ」 「……副隊長はどうしたんだ、彼女が死んだのならそいつが立つべきじゃあないのか?」 「普通はな。ただ、まあ、お前と同じだよ。副官としては優秀だが、全体を指揮する人間とは畑が違う。本人の自覚に加えて次の任務は少しの失敗もできないとあって、俺にお鉢が回ってきたってェわけだ」
 揺れる焚火の薪が音を立てて弾けた。フェドートはノルバの言葉に思い当たる節があるのか、「ああ……」と声を零すと干し肉を裂いてスープの中に落としていく。ノルバはその様子に僅かに口角を上げると、ブレッドをまたスープに浸して食みながら状況を語った。  曰く、昨日遅くに死んだセッカは直前まで普段と至って変わらない様子だったという。しかし、日付が変わる直前、天幕で早朝からの作戦に向けての確認作業中にセッカは突如嘔吐をして倒れ、そのままあっけなく死んだ。彼女のあまりにも急すぎる死に検死が行われた結果、前回の斥候で腕に負った傷から遅効性の毒が検出され、毒死という結論に至った。  本人に毒を受けた自覚がなかったこと、術士隊がその日は夜の任であり癒し手の人数が不足していたため軽症者は各自で応急処置をしていたこと、その後帰還した術士隊も多数の死傷者を抱えて帰ってきたこと等、様々な不幸が折り重なって生まれた取り返しのつかない出来事だった。  問題は死んだ時間である。早朝からの任務を控えていたセッカが夜分に死亡し、且つ翌朝の作戦は必要不可欠であったため代理の指揮官を早々に選出しなければならなかった。だが、セッカの副官である男は「己にその器たる資格なし」と固辞し、索敵隊の者も皆今回の作戦の重大さを理解しているからこそ望んで進み出るものはいなかった。  その最中、索敵隊のひとりが「ノルバ殿はどうか」と声を上げたのだと言う。基本��にノルバは作戦に応じて所属が変わる立場だ。レジスタンス発足後間もない頃、何もかもを少数でこなさなければならない時期からの者という事もあって手にしている技術は多岐にわたる。索敵隊が推した所以である諜報技術もその一つだった。結局、せめて今回作戦だけでもと頼まれたノルバは一日遊撃隊を離れ、索敵隊を率いたという。
「別に悪いとは言わねェよ。あの状況で、索敵隊の精神状況と動かせるヤツを考えれば俺がつくのが妥当だ。俺はセッカがドマから客将として入ってから忍術の手ほどきも受けていたから、死んだと聞いた時から予想はしてた」 「………………」 「ああ、遊撃隊は生還率が高く、指揮官が一時離脱しても一戦はどうにかなると言われたな。実際、俺もどうにかなる……どうにかさせると思ってたさ。そうなるよう事前に俺がいない間の指示も伝えてから行った。だけどよ、前線を甘く見る馬鹿が俺がいないからって浮足立って独断行動をしたら、どうにもなんねェんだわ、そんなの」
 ブレッドの最後の一口を呑む。焚火の煙を追って、ノルバは天を仰いだ。帝国軍からの空襲は相変わらず止む気配がない。威嚇を兼ねたそれごときで壊れる青龍壁ではないが、星の瞬く夜空を汚すには十分だった。
「技術はあって損はないけどよ、その技術で転々とする道を進んだ結果、一度酒飲んで笑った仲間が、命を預かった部下が、てめェの知らねえとこで、クソ野郎の所為でくたばっていく度に、なんで俺は獲物一つの野郎でいられなかったんだと思う」
 目を瞑る。第四遊撃隊は今朝まで十六人だった。その、馬鹿な副官を合わせて十人。全体の約三分の二を喪った。良かったことと言えば、生き残った者たちが皆比較的軽症だったことだ。戦場で果てた者たちが、彼らの退路を守ってくれたという。死んだ部下たちの遺体は回収できなかった。帝国が回収し四肢切断やら臓器の取り分けやらをされて実験道具としているか、はたまた荒野に打ち捨てられたままか、どちらかだろう。明日戦場に出た時に目につくだろうか。もう既に腐敗は始まっているだろう。その頃には虫や鳥が集っているかもしれない。  とん、とノルバの背に手が触れた。戦場において味方を鼓舞するそれを半分隠せるほど大きな手。その手は子供をあやす父親のようにゆっくりと数回ノルバの背を叩くと、くせの強い彼の髪に触れた。届かない空を見上げていたノルバの視線をぐっと地に向かせるように、荒っぽいが情愛のある手つきでがしがしとかき回す。「零れるからやめろ馬鹿!」と騒ぐノルバに手を止めると、最後に彼の頭を二度軽く叩いて手を離した。  無理をするな、とも、泣いていい、とも言わない。それらがノルバにはできないことであり、また見せてはならない顔であることを元々軍属であったフェドートは理解していた。ノルバは片手で椀を抱えたままもう片方で眉間を抑え、深く息を吸って、吐いた。
「……今回の大規模な作戦目標は、この東地区の中間地点までの制圧だ。目標達成まであと僅か、作戦期間は残り一日。全部隊の半数以上が戦死し、出来る作戦にも限りがある……が、ここでは引けない。分かっているよな」 「ああ。この前哨地の後ろは湿地帯だ。今は雲一つない空だが、一昨日から今日の昼間までにかけての雨で沼がぬかるみを増している。下手に後退すれば沼を渡っている最中に敵に囲まれるのがオチだ。運よく抜け出せたとしても、晴れだしてきた天気の中ではすぐに追跡される。補給路どころか後衛基地の居場所を教えてしまうだろうな。襲撃されたら単なる任務失敗では済まない」 「そうだなァ、他にはあるか?」 「……第七索敵隊の隊長はドマからの客将��ったな。彼女が死んだとあれば、仲間の命を優先して中途半端に任務を終えて帰るべきではない────いや、帰れないな。"彼女は勇敢に戦い、不幸にも命を落としました。また、甚大な被害が出たため作戦目標も達成することが出来ず帰還しました。"ではドマへの示しがつかない。せめて、目標は達成しなければどうにもならん」 「わかってるじゃねェの」
 くつくつと喉を鳴らして笑うノルバを横目に、フェドートは適温になってきたなと思いながらスープを食む。豆と根菜に内包された熱さは随分とましになっていた。馴染み深い香草と塩っ気の濃い味で口内を満たしながら、フェドートはこちらに向けられている視線へと眼光を光らせた。  鋭い獣の瞳の先にあるのは、ノルバが指した天幕。射抜かれたロスガルの男は肩をわずかに揺らすと、すぐに視線を地図へと戻した。フェドートは男の態度にすっと目線を椀へと戻すと、匙いっぱいにスープを掬う。具に押しのけられて溢れたスープが、ぼとぼとと椀に戻っていった。  万が一にでもこのまま撤退という話になれば────もしくは目標を達成できず退却戦となれば、後方基地に帰った後、まず間違いなくノルバは責任を問われる者のひとりになるだろう。ともすれば、全体の責任を負いかねない。ノルバ自身は最良を尽くし、明らかに自身の行いではないことで部下を大量に失っている身だが、皮肉なことに彼はボズヤ人でないことや帝国軍に身内を殺された経験を特に持たないことから周囲の反感を買っている。責任の押し付け合いの的にするには格好の獲物だ。  貴重な戦力であり、十二年ひたすらに積み重ねてきた武勲もある。まず死ぬことはないだろうが相応の折檻はあるだろう。フェドートは息子同然の子の師であり、共にボズヤ解放を目指す戦友であるノルバにその扱いが待ち受けているのが分かっているからこそ、引けないとも思っていた。ノルバ本人にそのことを言っても「いつものことだ」と笑うから決して口にはしてやらないが。  汁がほとんど匙から零れ、具だけが残ったそれを口に運ぶ。いつの間にかノルバは顔から手を離していた。血糊の瞳と、濁った白銀の瞳はただ前を見つめている。ノルバは肩から力を抜くように大きく息を吐き出すと、フェドートに続くように匙いっぱいにスープを掬い大口を開けて食べ、袋から干し肉を取り出して頬張った。
「ま、何にしろ全体の損失を考えりゃここでは引けねェが、簡単に言えばあと一日持たせてもう目と鼻の先にある目的を達成さえすればどうとでもなるんだ。なら、大人しく仰々しいメシを食いながら全滅を待つこたァねえ。やっこさんを出し抜いて、一泡吹かせてやろうじゃねェの」 「本当に簡単に言うなぁ……」 「そんぐらいの気持ちでいかなきゃやってけねェんだよ、ここじゃあな。ダニラ達もあっちで相当頭捻ってるし、案外メシ食ってたら何か、し、ら…………」
 饒舌に動いていた口が止まる。急に黙り込んだノルバにフェドートは怪訝そうな顔でどうしたと彼を見やる。眼に映った顔は、笑っていた。  ノルバの手の中で、空の匙が一度踊る。そのしぐさに目を奪われていると、匙はこちらを指してきた。
「なあ、フェドート。アンタ、俺の副官になる気はないか?」
 悪戯を思いついたこどものような表情だった。しかし、彼の声色が、瞳が、冗談なのではないのだと語る。「は、」とフェドートは吐息のごとく短い声を上げた。ノルバは手を引いて袋の中からまたブレッドを手に取る。「ようはこういうことだ」ノルバは堅く焼いたそれを一口大に引きちぎり、ぼとり、と残り半分もないスープの中に落とした。
「遊撃隊と」
 ぼとり。
「先鋒隊と」
 ぼとり。
「索敵隊。この三部隊を統合して俺の指揮下に置き、一部隊にしたい」
 三つのかけらを入れたスープをノルバは匙でくるりと回す。突飛な発想だった。確かに遊撃隊はノルバを含め僅か六人の生存者しかいない。どこかの部隊に吸収されるか、歩兵隊あたりから誰かを引き抜いてくる必要はあるだろうが、わざわざ先鋒隊と索敵隊をまとめる必要があるかと言われれば否である。  帝国との兵力差は依然としてある状況でいかにして勝ち進めることができているのかと問われれば、それは部隊を細かく分けて配置し、ゲリラ戦で挑んでいるからに他ならない。それをノルバはよく知っているだろうに、何故。  答えあぐねているフェドートにノルバは真面目だなと笑うと、策があるのだと語った。
「承諾が得られるまで細けェことは話せねェが、成功率は高いはずだ。交戦時間が短く済むだろうからな。それが生存率に繋がるかと言われれば弱いが、生き残ってる奴らの肉体と精神両方の疲労を考えれば、戦えば戦うほど不利になるだろうし、どうせ負けりゃほとんどが死体だ。だったら勝率を優先した方がいい。ダニラのヤツは反対するかもしれねェが……俺が作戦の立案者で歩兵隊と変わらない規模の再編隊を率いるとなれば、失敗したら責任を負いたくない野郎共は頷くだろ」 「おいノルバ、」 「で、これの問題点と言やァ、デケェリスクと責任を全部しょい込んで無茶苦茶を通そうとする馬鹿の補佐につける奴なんて限られてるし、そもそも誰もつきたかねェってとこなんだが」
 ノルバ自身への扱いを聞きかねて小言を呈そうとした口を遮って続けられた言葉に、フェドートは息を詰まらせた。目の前の濁った白銀と血溜まりの瞳が炎を映して淡く輝く。
「その上で、だ。もう一度言うぞ、第二先鋒隊副隊長さんよ。生き残って勝つ以外は全部クソな俺の隣席だが、そこに全てを賭けて腰を据える気はないか?」
 吐き出された地獄へ導く言葉は弾んでいた。そのアンバランスさは他人が見れば奇怪に映るだろうが、フェドートにとってはパズルピースの最後の一枚がはめられ、平らになった絵画を目にした時のような思いだった。ああ、お前はこんなに暴力的で、強引で、けれども理性的な男だったのか。  「おっと、ギャンブルは嫌いだったっけか」とノルバが煽るように言う。彼の手の中でまた匙がくるりと弧を描いた。茨の海のど真ん中で踊ろうと誘っておきながら、退路をちらつかせるのは彼なりの優しさかそれとも意地の悪さか──おそらくは両方だろう。けれども、フェドートはここでその手を取らぬほど、野暮な男になったつもりはなかった。  フェドートが口角を上げて応える。ノルバは悪戯の成功したこどもの顔で「決まりだな」と言うと、浸したブレッドを頬張る。熱くもなく、かと言ってぬるくもない。シネイドが作ったであろう火だるまのようなスープはただ美味いだけのスープになっていた。  この機を逃すまいと食べ進めることに集中した彼に合わせてフェドートも小気味よく食事を進ませ、ノルバが最後の一口を口に入れるのに合わせてスープを飲み干す。は、と僅かに声を立てて息づくと、ノルバは空の皿を脇に置き腰のポーチを漁ると小箱を取り出した。フェドートはそれに嫌そうな顔を湛え腰を浮かせたが、「まあ待てよ」とノルバがにやにやと笑って彼の腕を掴んだ。その細い腕からは想像できないほどの力で腕をがっちりと掴んできた所為で逃げ道を塞がれる。もう片方の手でノルバは器用に小箱を開けた。中に鎮座していたのは煙草だった。
「俺が苦手なのは知っているだろう!」 「わーってるわーってる。そう逃げんなよ。願掛けぐらい付き合えって」
 スカテイ山脈の麓を生息地域とする特有の葉を使ったそれは、ボズヤでは広く市民に親しまれてきた銘柄だった。帝国の支配が根深くなり量産がしやすく比較的安価なシガレットが普及してからというもの、目にしなくなって久しかったが、レジスタンスのひとりが偶然クガネで発見し仲間内に再び流行らせたという。ノルバも同輩から教えられたらしく、好んで吸う側の一人だった。  ノルバは小箱から葉巻を取って口に咥えると、ポーチの中に小箱をしまい、代わりに無骨なライターを取り出して、フェドートに向かってひょいと投げた。フェドートが器用に受け取ったのを見るや否や彼は咥えた煙草を指差して、「ん」と喉の奥から言葉とも言えない声を上げた。フォエドートが嫌がる顔をものともせず、むしろそんなものは見ていないとばかりに長く白いまつげを伏せて火を待つノルバに、フェドートは観念してライターの蓋を開けると、押し付けるように彼の口元の上巻き葉を焦がした。
「今回だけだぞ。いいか、吐くときはこっちには、ぶっ、げほッ!」 「ダハハハハ!」
 フェドートが注意を言い終わるよりも先に、ノルバは彼に向かって盛大に煙を吐き出した。全身の毛を逆立ててむせる彼に、ノルバは腹を抱えてげらげらと笑う。
「お前なあ!」 「逃げねえのが悪ィんだよ、逃げねえのが」 「お前が離さなかったんだろうが!!」
 威嚇する猫のように叫ぶフェドートなどどこ吹く風で笑い続けるノルバに、「ったく……」と彼はがしがしと頭を掻く。ノルバの側に置かれた椀をしかめっ面のまま手に取り、もう片手で自身が使った皿と空になった麻袋を持ってフェドートは岩場から立ち上がった。
「こいつは片付けてくるから、吸い終わってから作戦会議に呼び出せよ、ノルバ」
 しかめっ面の合間から僅かに呆れた笑みを見せたフェドートは、ノルバに背を向けると配膳の天幕から手を振るシネイドの方へと足を進めた。その彼の後ろ祖型を目で追いながらノルバは膝に肘を立て頬杖をつくと、いまだくつくつと喉からもれだす笑い声は殺さないまま焚火の煙を追うように薄く狼煙を上げる葉巻を弄ぶ。
「他のヤツならこれでイッパツなのになァ。わっかんねェな、アイツ。おもしれえの」
 フェドートの背中にふうっと息を吐く。煙で歪んだ彼の背は掴みどころが見つからない。ノルバはもう一度吸ってその煙幕をさらに深くするように吐きだすと、すっかり冷めたコーヒーを飲み干して立ち上がった。
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bizenwakakusa · 1 year ago
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Tumblr media
どらもっち ショコラ
青備前角皿 Takuma Watanabe ーどらもっち ショコラー
  曇り空の岡山です。
ゴールデンウイーク最終日、今日はお家でゆっくりの方が多いんでしょうかね。
  さて、今日のおやつはローソンで買ってきたどらもっち。
ゴディバが監修したショコラバージョンです。
  いただく前に備前焼へ。
  渡邊さんの青備前角皿。
  美しい青灰色の発色と
正方の美しい造形が魅力のうつわです。
  表面がフラットなうつわなので、
盛り付ける素材がとても魅力的に映えます。
  お寿司やお刺身の盛り付けや、ケーキなどの洋菓子にも。
  非日常を愉しむにはぴったりのうつわですよ。
この機会にいかがでしょうか。
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