#頚椎症性神経根症
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首から手にかけてシビレのある患者様😥 * 首を動かした際にシビレが出るようになってきたとのこと💦 * 人間の首は思っている以上に繊細で、強い衝撃や、いつもと違う動作の繰り返しで、シビレを引き起こすことがままあります😣 * このような症状には、障害を受けている神経への血流をあげてやり、神経の支配領域のツボに鍼をうつと神経症状に有効です😄 * また神経は体の組織の中で最も修復の遅い組織であるため、長いこと患い神経の傷が深くなると治りにくくなってくるので、早期の治療が重要となります💨 * * 【坂本整骨院・鍼灸院】 大阪市東成区中本1-3-25 06-6974-7205 * ホームページはトップページのリンクよりご覧下さい✨ @sakamotoseikotuin * * #坂本整骨院・鍼灸院 #大阪市東成区中本1-3-25 #東成区 #城東区 #生野区 #緑橋 #森ノ宮 #中浜 #整骨院 #鍼灸院 #整骨 #鍼灸 #頚椎症 #頚椎症性神経根症 #神経 #神経痛 #しびれ #頚椎ヘルニア #acupuncture #血流改善 #リラックス #老舗整骨院 #電気鍼 #お灸 https://www.instagram.com/p/BziRVb2D2ot/?igshid=1pzhwihvzvz3c
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N Engl J Med 2020; 382: 1353-9.
8月某日, Bostonに住む58歳の男性が, 約2週間の経過で左下腹部から腰部, 鼠径部に広がる激しい痛みを主訴に救急外来を受診した. 痛みの他, 臍周囲から両側下肢の知覚鈍麻もあるとのこと. これらの症状に先行して外傷を負ったり, 足腰を酷使したりといったことはなかった. 尿失禁や便失禁, 発熱, 頭痛, 羞明, 体重減少, 皮疹��自覚, 血尿, 排尿困難, 下痢はなかったが, 受診3日前から排便がないとのこと.
Radiculopathyを認めた場合には, 脊髄圧迫, 馬尾症候群, 硬膜外膿瘍の除外が必須である. 本例では, 横断性脊髄炎も鑑別疾患には挙がる.
Mantle細胞リンパ腫の既往があり, また, 数年前より脂質異常症, 逆流性食道炎に対して, Simvastatin, Omeprazoleの内服を継続しているとのこと.
悪性リンパ腫の既往があることから, その中枢神経再発による脊髄圧迫の可能性は考慮すべきである.
Mantle細胞リンパ腫については, 約5年前に全身リンパ節腫大と脾腫を契機として発見され, 典型的な(11;14)(q13;q32)転座が確認されており, 予後予測因子として知られるKi-67 proliferation indexは10%であった(※Ki67 proliferation indexが高値であるほど, 予後不良とされる). LDHは366U/Lであった(※MCL International Prognostic Index(MIPI) ☞ Age/Performance status/LDH/WBCより算出され, International Prognostic Index(IPI)よりも予後予測能が高い). Rituximab とBendamustineによる化学療法を3サイクル受けた後, RituximabとCytarabineによる治療が追加された. それらの治療後に自家造血幹細胞移植を受け, 完全寛解に至った.
特記すべき家族歴として, 弟がParkinson病, 叔父がHodgkinリンパ腫をそれぞれ発症しているとのこと. 喫煙歴・飲酒歴・違法薬物使用歴はなかった. 受診8ヶ月前にJamaicaへ旅行し, 受診2週間にNew York州北部で家族と過ごしていた(New York州北部を訪れた際にはすでに症状を自覚している状態であったと). 鯉を飼っており, 妻とともに園芸も楽しんでいるが, 特に虫に刺された覚えはないとのこと.
Mantle細胞リンパ腫診断時のLDH及びKi-67 proliferation indexからは, 再発を起こし得るような病勢であったとは考え難く, 悪性リンパ腫の中枢神経再発以外の鑑別疾患についても引き続き考慮する必要がある.
Vital signは体温36.8℃, 心拍数63/min, 血圧157/89mmHg, 呼吸数18/min, SpO2 99%(室内気)であり, 呼吸促迫や苦悶様表情はないものの, なんとなく具合の悪そうな様子であった. 眼球結膜に黄染なく, 咽頭所見に異常は認められなかった. 口腔粘膜は湿潤しており, 項部硬直はなく, 頚部リンパ節腫大も認められなかった. 心音及び呼吸音に異常所見はなかった. 腹部やや膨隆し, 腸蠕動音は聴かれないものの, 触診上は軟で圧痛はなかった. 肝脾腫も認められなかった. 背部に発赤や熱感, 傍脊柱筋の圧痛や脊椎のアライメント異常も認められなかった. 浮腫はなく, 末梢循環は保たれていた. 明らかな皮疹は認められなかった. 意識清明で見当識障害なく, 第II~XII脳神経障害を示唆する所見は認められなかった. 筋萎縮やトーヌス異常, 筋力低下はなく, 腹壁運動の非対称性も認められなかった. 左膝蓋腱反射が僅かに減弱している以外には, 明らかな腱反射異常は認められず, Babinski徴候は両側とも陰性であった. 臍より尾側では, 右下腹部から右下肢前外側部に痛覚低下を認めた(第11胸髄〜第2腰髄のデルマトームに一致する範囲). 肛門周囲の感覚障害はなく, 歩行異常も認められなかった.
(参考)Superficial Abdominal Reflex; https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1308153
血小板数110,000/μL(基準値; 150,000~450,000/μL)であり, 平時の数値(80,000~120,000/μL)と比べて変化はなかった. 白血球数及び好中球数は基準値内であり, 貧血もなかった. 電解質・腎機能・肝機能は何れも基準値内であった. LDH 238U/Lで上昇を認めなかった. 尿定性及び沈渣に異常所見はなかった. 腹部~骨盤部CTで明らかな異常所見は認められなかった. 脊髄造影MRIでは, 胸髄レベルの髄膜に広範な造影効果が認められた. 馬尾神経根にも僅かな肥厚と造影効果が認められた(Fig. 1).
Figure 1. Thoracic and Lumbar MRI Showing Leptomeningeal Enhancement around the Thoracic Spinal Cord and Thickened Cauda Equina.
患者は悪性リンパ腫の中枢神経再発の疑いで, 腫瘍内科へ入院となり, 腰椎穿刺が施行された. 初圧は基準値内であり, 髄液糖は67mg/dL(基準値; 40~70mg/dL), 髄液蛋白は165.9mg/dL(基準値; 44mg/dL未満)であった. 白血球数は190/μL(リンパ球比率 77%)であり, 4本目のスピッツでの赤血球数が530/μLであった(1本目のスピッツでの赤血球数は30,000/μLであった). 細胞診にて悪性細胞はなく, Flow cytometryでも悪性リンパ腫を示唆する異常所見は認められず, 形質細胞様リンパ球や免疫芽細胞を含む, 多様な形態のリンパ球浸潤が認められるのみであった. 血清及び髄液検体は, 梅毒, 結核, Lyme病, VZV, HSV, HHV-6, West Nile virusに関するスクリーニング検査へ提出された. 頭部造影MRIでは, 橋前槽に於ける両側三叉神経の造影効果を認めた(Fig. 2). 眼科的検査では, 硝子体及び網膜に明らかな異常所見は認められなかった. FDG-PETを施行したところ, 頚部及び腋窩リンパ節に複数の集積が認められた. 下位腰髄にも僅かながら集積が認められた.
Figure 2. MRI Scan of the Brain.
リンパ球優位の髄液細胞数増加に関して, 感染症科へのコンサルテーションがなされた. 感染症科医による診察では, 左鼠径部から左前大腿部にかけて, 境界明瞭な環状の紅斑が認められた(Fig. 3). 鱗屑付着や苔癬化, 潰瘍形成は認められなかった. 他の部位には明らかな皮疹は認められなかった. 患者自身はこの皮疹に気づいていなかった.
Figure 3. Patient’s Left Groin and Anterior Thigh, with an Annular, Erythematous Rash(※有害指定回避のため一部改変).
Lyme神経Borrelia症の診断で, 4週間のCeftriaxone投与が行われた. なお, 12誘導心電図検査では伝導障害は認められなかった. ELISA法にて陽性であったものの, Western Blot法ではIgM/IgGともに陰性であった. 髄液検体による他の病原体に対するスクリーニング検査は陰性であり, 塗抹及び培養検査でも抗酸菌は検出されなかった.
(参考)国立感染症研究所(NIID; National Institute of Infectious Diseases)HP; https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/524-lyme.html
米国国内に於ける2017年のLyme病報告例は, 29, 513例に上るものの, 未診断例も含めると, 年間300, 000例ほどと推測されている.
Borrelia症患者のうち, 10~15%に何らかの神経合併症(Neuroborreliosis)が生じるとされるが, 臨床症状は多岐に渡り, 診断が遅れる理由のひとつとなる. 特徴的な皮疹は診断に有用であるものの, しばしば見逃されてしまう.
本例では初診時, 知覚鈍麻, 便秘, 複数領域のデルマトームに一致する神経根痛が認められていた. 造影MRIでは三叉神経, 胸髄, 馬尾といった広範な部位での造影効果が認められた. Mantle細胞リンパ腫の既往があったことから, その中枢神経再発が強く疑われたものの, 同リンパ腫診断時のKi67 proliferation indexは10%であり, 中枢神経再発が起き得るとされる値(>30%)を大きく下回っていた.
本例の臨床経過は, Borrelial meningoradiculitis, いわゆるBannwarth症候群に合致する. Borrelial meningoradiculitisは, (1)激しい神経根痛, (2)筋力低下, (3)脳神経障害, (4)リンパ球優位の髄液細胞数増多, (5)髄液糖低下を伴わない髄液蛋白上昇を特徴とする, Lyme神経Borrelia症の稀な病型であり, 欧州での報告例が多い. 男性により多く, また, 7月~10月に多いとされ, 何れも本例に合致する.
米国では殆どがBorrelia burgdorferi sensu stricto(いわゆるB. burgdorferi)によるものである一方, 欧州では殆どがB. garinii, あるいはB. afezeliiによるものであり, この違いが臨床症状の違いに関連している可能性がある.
米国では全ての州でBorrelia症を発症する可能性があるが, 特に北西部~中北部が流行地とされる. マダニの活動性は湿度と気温に依存するため, 気候変動により今世紀半ばまでに, Borrelia症が20%以上増加すると推定されている.
Borrelial meningoradiculitisは数週間の経過で亜急性に進行する. 神経根痛と筋力低下に加え, 不眠や頭痛, 倦怠感, 感覚異常, 遊走性紅斑, 顔面神経麻痺などが認められる. 神経根痛はほぼ全例で認められる症状であり, 皮疹部位に一致, あるいは隣接する複数のデルマトームに渡るのが一般的である. 上行性筋力低下, 弛緩性麻痺を呈した症例報告もある. 脳神経障害としては顔面神経麻痺が最も多く, 三叉神経麻痺は少ないとされる. 約半数の症例で, 経過中に遊走性紅斑が認められる. 本症例でも認められた腹痛や便秘, 偽性腸閉塞といった消化器症状は, 報告されてはいるものの, 一般的ではない.
診断については, ELISA法でスクリーニングを行ない, 陽性例に対してWestern blot法で確定するのが標準的ではあるが, 発症1ヶ月以内の患者では感度・特異度ともに十分ではない. 特に流行地に於いて, 典型的な遊走性紅斑が認められる場合には, 血清学的検査の結果に関わらず, 治療を開始することが推奨される. また, 近年では, B. burgdorferi C6 peptide antibodyが発症早期のスクリーニングに利用されている. 本例では, Rituximab及びBendamustineによる化学療法と自家造血幹細胞移植が, 患者の液性免疫に影響を与え, Western blot法の結果を修飾した可能性があるが, 治療終了時には, B. burgdorferi C6 peptide antibody陽性が確認されている. Lyme神経Borrelia症の診断に於いて, 確立されたガイドラインはないものの, ペア血清及び髄液での抗体価を確認することが推奨されている. 画像検査は他疾患の除外には有用であるものの, Lyme神経Borrelia症自体に特異的な所見はない.
Lyme神経Borrelia症の治療反応性は良好であり, 適切な抗菌薬治療を10~28日間行なえば, 約95%の症例で改善が期待出来る. そのため, Lyme神経Borrelia症が強く疑われる患者では, 検査結果を待たずして治療を開始することは妥当である. Penicillin, Ceftriaxone, Cefotaxime, Doxycyclineが有効であり, 欧州で行われた β-lactum系抗菌薬静注とDoxycycline内服の無作為比較試験では, 両者で治療効果に有意差はなかった.
Lyme病流行地の居住歴や渡航歴のある患者が神経根症状を呈している場合にはLyme神経Borrelia症を疑うべきであること, そして, 皮膚所見も含めた身体診察が診断に重要であることが本例の教訓である.
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2019.12.07 感が動くと思考がとまる。そしてDQウォーク
このところ、趣味の激辛料理摂取をやめている。うどんに七味、パスタにタバスコくらいは軽くエンジョイするものの、人体に戦いを挑んでくる種の凶暴なチャレンジメニュー=大好物とは距離をおくよう心がけている。
というのも、酒と激辛の大量摂取のおかげさまで順当に罹った逆流性食道炎が、悪化傾向にあるからだ。刺激物を摂ると、明らかにみぞおちと背中が痛む。酒も飲みすぎると、塩に触れたかすり傷のごとく内臓がひりひりする。
長年飼っている胆石が悪暴れしている可能性も否めない。みぞおちの痛みはまさしくその症状のひとつ。胆石の中には投薬治療できる種もあるらしいが、私の子らには薬は効かず、いよいよ暴れた場合は入院手術が必要となる。
その胆石や生活習慣の影響を監視すべく、毎年胃カメラとエコーの検査を欠かさずおこなっている。小心者の大酒飲みの激辛愛好家ゆえに、いつまでも容赦のない刺激を受け続けるための健康チェックには余念がない。
余談だが、血液検査と尿検査は毎月おこなう。その都度、逆流性食道炎とか食後血糖値症とか自律神経失調症とか頚椎椎間板ヘルニアとか貧血とか、いろいろな不備が発見される。そう羅列するといかにも体調不良のオンパレードだが、最近思うのだ。私、お医者さんに行き過ぎなのではないかと。
もう中年なのだからまったくの健康体であるはずがない。内臓にダメージを食らわせる生活習慣にも心当たりがあり過ぎる。加えてそう頻繁に病院に出向いていたら、何かしらの不備が見つかるに決まっている。
健康診断を受けずに、突然大病を患い、こまめに受けておけばよかったと後悔したという話をよく聞く。それを避けたい一心でこまめにチェックしているわけだが、そもそも病気の原因となる生活習慣を改善する気がさっぱりないのはどういうつもりなのだろうか。
しかしそう鷹揚に構えているわけにもいかなくなった。今年は内視鏡等の診断結果が悪く、いよいよ明確に食道ガン予備軍と宣告されてしまった。さすがに反省し、先々月はとり急ぎ1週間アルコールをぬき、激辛とカフェインも控えた。
結果、食道の調子はすこぶる良くなった。が、困ったことに、頭がまったく働かない。集中力が低下し、原稿が書けない。単語は出てきても、文脈がまとまらない。6時間かけてなんとか記した文章は、たったの2行だ。
数年前までは、蒙古タンメン中本の北極10倍辛を汁まで食らって平らげた後、日中はコー��ーを、夜は焼酎をがぶ飲みながら1晩で2万字書いてた。それが一転、ひたすらに脳がもじゃもじゃして2行しか書けないのだから、廃業まっしぐらだ。
2年半前に煙草をやめたときもそうだった。煙草を吸いながら原稿を書く習慣がセットになってしまっていたせいで、片方を禁じたらさっぱり書けなくなってしまった。禁煙直後は、それまで2日で終えていた文章量の執筆に2ヶ月かかった。
それはいわゆるニコチン依存症の離脱症状で、ニコチンによって脳内に日常的に大量分泌されていた快楽物質ドーパミンが欠乏することにより、イライラしたり、怠くなったり、無気力になったり、眠くなったり、集中力が低下したり、抑うつ状態に陥ったりする。
アルコールもドーパミンをじゃんじゃん分泌させる。激辛のカプサイシンは脳内麻薬エンドルフィンをじゃんじゃん誘発する。疲労や眠気の受容を邪魔するカフェインも含め、様々に多幸感溢れる脳内分泌物によって散々鼓舞され、覚醒し続けた我が脳は、今、ドーピングを失い、すっかり鈍化した。
それまで酷使してきた疲労も蓄積されているのだろう。自ら動く力が弱まっている。我が脳は、いうなれば脳内麻薬の人参がなければ走れない馬。私は脳の持ち主のはずなのに、その分泌物に行動を制限されるとは情けない。
諸々の依存は、人間の意志や思考を無視して人間を支配する。身体にもダメージを与える。私は煙草の吸いすぎによって肺気腫になったし、酒と激辛の摂りすぎによって逆流性食道炎になった。なんとわかりやすい構造だろうか。わかっているのになぜ先にやめないのか。
呆れ果てながらも、身体からのダメだしを受けて、なんとか生活習慣の改善を試みる。禁煙を続け、激辛を避け、なるべく消化の良い食べ物を摂取する。コーヒーも常飲をやめ、外食ランチのときに1杯だけ飲んでいいご馳走方向へと切り替えた。
ところが、酒だけがやめられない。強敵。我慢できても、がんばって1週間。その後はご褒美とばかりにまた飲み出す。もっぱら焼酎の緑茶割りを飲んでいるのだが、緑茶もカフェインを含むわけだからコーヒーのみご馳走扱いしても意味がない。
さらに困ったことには、頭がクリアになってしまうのだ。依存のメカニズム上、本当は鈍重化を促進させているのだが、頭が軽くなり、気も晴れるような錯覚が生成され、調子がいいぞと脳が騙される。主治医曰く「酒はうつ症状の素。陽気になるのは脳が騙されてるだけ」とのこと。
アルコール依存の仕組みはひととおり理解している。支配されているだけで、心身ともに良いことなどないと承知のうえである。しかしながら酒を飲むとするする文章が書けてしまう。まじでただのドーピング、ヒロポンさながら。
コーヒーを飲むと、如実に頭が冴える。錆びて動かない思考の歯車が回転し始める。カプサイシンを摂ると急に霞のかかった脳内がクリアになる。気力活力ともに大充実。しかし食道は痛む。再び2、3日、それらを抜いて調子を整える。
ノンカフェイン、ノンアルコール、ノンカプサイシンの日々は憂鬱で、脳のひだというひだに灰が詰まったみたいに頭が重い。それも偏にカフェイン、アルコール、カプサイシン、かつてはニコチンがもたらした後遺症に他ならないのだから、ただの因果応報だ。
最も困るのは、私の意志や思考の許可なく、動きだしてしまう「感」である。脳内麻薬も、私の人体内の活動であるにも関わらず当の私の許可なく私を支配するが、感情や感覚もまた、私の意志や思考を無視して勝手に反応するのでうんざりする。
テレビで見かけた、親子の断絶とお涙頂戴の仲直りのような予定調和を斜めに見ながら、まじでくそくだらないと心底軽蔑している最中、なぜか、号泣している。頭は、感動ポルノなんか消滅してしまえと思考しているのに、身体はそれを無視して嗚咽を漏らしている。
Netflixで延々と映画やドラマを見続けて、頭では分かりきっているフィクションの設定に対し、脊髄反射的に激怒し、大笑いする。お笑い芸人さんにガチ恋してYouTubeを漁るうちに、おまえ本当にガチ恋してるけど大丈夫か、と自問自答することさえ忘れ、ただひたすらに漁り続ける。
買い物に行けば、すれ違った幼い子供を見て、子供を産まなかった自分の人生を、がらにもなく逡巡し始める。その選択には意味があった。理由もあった。何より意志がある。しかしそうした私の思考は棚上げされた状態で、感が動き、メランコリー質の戸惑いに心をとらわれる。
レジの長い列や混雑している病院の待合室で、公共のルールを守ってきちんと並んで順番を待とう、社会は自分の都合の良いようにできていないと考える一方で、なぜそんなにと理由を問いただしたくなるくらい激怒し、地団駄を踏みたくなる。ちょっとしたことで意味もなく喚き散らしたくなる。
他方、ふらっと立ち寄った手芸店で可愛らしいくるみのボタンを見つけたときには、本当は可愛らしいものが好きなのに照れて意識的に隠し、粗野な男みたいに凶暴に振る舞うペルソナを社会で機能させたわけだが、そんな設定どうでもいいくらい超可愛いなにこれ大好きと、激しいテンションで少女のごとく嬉々とする。ちなみに、後日見ると全然可愛くない。
ある日は、犬を見て泣いた。完全に情緒不安定である。これはおそらく、無情の灰の塊のように固まった脳に、私なのか、無意識なのか、脳自らなのかわからないが、何かが、刺激を与えて動かすべく、感情を故意に昂ぶらせにかかっているのではないかと推測する。
ならば、気に入らない。脳内分泌物質に支配され、思考が鈍った。その隙に感情がつけ入り、いよいよ思考が止まった。そして、感情に支配される。私の人体が、脳内物質と感情に乗っ取られている。そこには、私がいない。私の言動に、私の自己決定が反映されていない。その私とは、果たして誰だろうか。
脳内物質が分泌されるきっかけを作ったのは、私の嗜好であり、摂取したのは私の選択である以上、その不足による不調は自己責任の範疇にある。人体の一部に滲み出る脳内物質の分際で私を支配するのは気に入らないが、自分の言動の結果として理解はしている。
だが、感情は、私の所有物ではない。自分の心に湧き上がる感情や、外部の刺激を察知する感覚は、私と、他者や社会や外界との摩擦によって生成されるただの反射反応である。私サイドには、私に与えられた環境や経験より培った価値観や思想があり、それが様々なひと・こと・ものと遭遇し、ある感情がどこからともなく現れたり、五感の感覚が生まれたりする。
その感じ方には、個体差がある。私にとって嬉しいことを、悲しいと捉える人がいる。誰かにとって美味しいものも、不味いと思う人がいる。よって、こと・ものを主語に据えた形で、「そのことは嬉しい」「そのものは美味しい」という事実はこの世には存在しない。ひとを主語に、「そのひとは、そのことが嬉しい」「そのひとは、そのものが美味しい」が正解である。
時に、他者と同様であるとは証明し得ない自分の感情や感覚を、無自覚的に全世界の事実と取り違えたり、「感じ方」を根拠に自分とは異なる「感じ方」の持ち主を人非人として断罪したり、そうした「感じ方」「お気持ち」を故意に引き合いに出してファクトを捻じ曲げたりする人を見かけるが、そういう方々は自分と「感」と他者と世界の境界線が有耶無耶になっていると「感じる」。
私は境界線に意識的でありたい。感情は反射・反応でしかない。それを感じる素養や肉体は私のものであっても、相対するものがなければ発生しない以上、すべて私が所有するとは言い難い。
両者の接触より発生する性質を鑑みると、作用とでもいうべきか。翻って私の意志や思考や決定権は、私の所有物だ。それが正しかろうが間違っていようが知ったことではない。それらは私だけのものなのだ。
その大切な私の所有物が、ただの反射反応の作用である感情によって、ねじ伏せられている。無意味、無思考、無許可のまま、漫然と犬を見ただけでメランコリーに陥り、泣いてしまうようなことがあっていいのか。
ノンアルコール、ノンカフェイン、ノンカプサイシンの、ないない尽くしの毎日をぼうっとやり過ごして、それでいいというのか己よ。嫌だろうよ。
とはい��、ここにきて感情がのさばっている状況にも因果はある。私には、物心ついた時から感情を「ただの反射反応」と小馬鹿にし、思考と理由と意志を執拗に言語化して愛でる癖がある。
子供の頃、感情が怖かった。うちは親の教育が厳しかったので、親の意向に沿わない感情、つまり自我が芽生えると、「なにこの感情、勝手に生成されちゃってるけどすごい罪悪感。これを自由にさせておくとまた叱られる。迷惑」などと考えて、ありのままの自分を受容せず、感情を抑圧した。
親や先生の求める理想像になるべく、頭を使って演技した。それが結果的にのちの自分を苦しめた。その抑圧に対する仕返しが、今さらの感情のでしゃばりを誘発しているのではないか。
あるいは、私には感情の解放こそ必要であるとも考えられる。そういえば、思考を黙らせ、感情的な動物になるための装置として、大酒を食らっていたような節もある。
そして脳と身体、思考と感情などと���対立構造を煽って客観視する風情で、全部自分事という得意の独り相撲を楽しむ最中において、脳も身体も思考も感情もほどほどに仲良くするためには、どうすればいいのだろうかと、重たい脳で考える。
そういえば、昔主治医に「鬱々としたときは、有酸素運動を20分以上続けると、脳内麻薬βエンドルフィンが分泌され、スッキリするからやってみて」と言われ、それから週に2回、ジムのトレッドミルで早歩きウォーキングをおこなっていたのだった。
走るのは、嫌いなうえに頚椎ヘルニアのおかげさまで無理なので、早歩きで。普段も万歩計アプリを覗きながら、極力歩くように心がけた。ところが夏にジムが潰れてしまい、外出自体もあまりしなくなり、明らかに運動不足に陥っていた。
そうだ、歩こう。脳も喜ぶし、身体にも良い。脳が喜ぶと身体が悲鳴をあげ、身体を労ると脳が鈍化するこの状況を打開する策として、もってこいだ。好きな美術館や古着屋を巡ったり、都内近郊の海辺を散歩したりするのも良い。少し趣味に寄せてアレンジすると手放しに楽しいうえに、確かに頭もスッキリする。
しかし手軽な近所の散歩となると、飽きる。うちの周りは国道と住宅街と公園と団地と坂しかないので、行きたい場所がない。そうだ、あれだ、スマホの歩行ゲーム。ゲームを取り入れたら退屈せずに歩けるかもしれない。今、話題のやつなんだっけ。そうそうDQウォーク。
というわけで、ドラゴンクエストウォークに嵌る。ゲームも楽しいのだが、近隣を散策していると、思わぬところに美味しい豆腐店や絶景スポットを発見。周辺を地図アプリで検索すると、また知らないお店などが出てくるので、スマホ片手にせっせとレベルをあげながら右往左往している次第。
ただ一点、スマホを見おろす姿勢には難儀する。いわゆるスマホ首は、頚椎ヘルニアには大打撃なので、極力顔の前に画面を持ってきて操作し、歩き、立ち止まって操作し、を繰り返す。完全に不審者だ。しかもその歩き方ではウォーキングの効果も激減である。スカウターはまだか。
最後に、DQウォークしながら立ち寄った本屋で、酒がやめられない私のために神が遣わせた聖書を入手した。町田康先生の新書「しらふで生きる」。完全に天のお導き。勉強させていただきます。
というわけで、読み始める前に、アルコールとニコチンとカプサイシンとカフェインを摂れば半日もかからなかったであろうこの内容も目的も意味もないペラペラの雑記を書くために、しらふで3日もかかったため、これを労い、今日は酒を飲んで良いことにする。作戦は「いのちだいじ」で、ほどほどに。

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首の痛みが日々悪化、ひどくなり、つらい。腕が痛い。
ストレートネック、頚椎症、ムチウチ、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症と整形外科で診断され、どんどん悪化すると思うと怖い。
首だけではなく、腰や、肩、背中、脇の下から、足手先まで、至るところにコリ、痛み、シビれがあってしんどい。「箸が使いづらい」「服のボタンが留めにくい」など、手を思い通りに動かしづらくなった。
「調子の良い日もあるし、放っておけば治るだろう」と放置しているけど少しずつ痛みがひどくなり、不安になっている。 首に悪いと分かっていても、仕事や日常で、パソコンやスマホを使わなくてはいけないので、対策できない。どうしようもないと��めている。
その場しのぎではなく「根本的に」首の痛みを自分で対策したい。
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2022年7月27日(水)
やさしいうたを聞きたいモードのフチガミが最近ずっと聞いているのが、佐藤GWAN博さんが今年出された「月の歌」というCD。神戸にある東極楽寺が毎春「お花祭り音楽会」を開催され、佐藤GWAN博さん、佐久間順平さんのお二人が毎年出演されているのですが、ふちがみとふなともほぼ毎年参加させていただき、コロナの影響で三年ぶりの開催だった今年のお花祭り音楽会でCDを入手して以来、心��よくてずっと聞いています。佐藤GWAN博さんを親しい方は「ガンさん」「ぐぁんさん」と呼んでおられ、わたしは以前から聞いていた「青空」というCD(2004年、オリジナルLP’76年)の佐藤博さんが同じ方と最初知りませんでした。ちなみにもうお一人「キーボード&歌の佐藤博さん」がおられ、「ぐぁんさん」は「ギター&歌の佐藤博さん」、です。 レコ室三日目は「佐藤博」さんで検索、一曲目は「キーボード&歌の佐藤博さん」の曲が入っていたLPから大瀧詠一さんの曲を、2曲目はレコ室にあった「ギター&歌の佐藤博さん」、3曲目はフチガミが今年入手した「ギター&歌の佐藤博さん」の最新CDからです。 1 Cider '73 '74'75 '77/大滝詠一 ‘77 詞:伊藤アキラ 作編曲: 多羅尾伴内 ( LP スーパーセッション Who's Who ) 2 忘れ物/佐藤博 ‘76 ( CD 喫茶ロック〜やさしい朝の唄〜 キング編 ) 3 頚椎症性神経根症の歌 / 佐藤GWAN博 2022 (CD 月の歌)



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最初はどのような症状がありましたか?
1週間前から腰が痛かった。
上記の症状はどのように良くなってきましたか?
初回でかなり改善されました。 ストレッチの方法なども教えてき楽になりました。
お名前 TN
ご年齢 30代
性別 男
職業 会社員
重いものを持って腰を痛めた【男のギックリ腰】1回でかなり改善した1症例
重いものを持って腰を痛めた【男のギックリ腰】1回でかなり改善した1症例
30代男性の患者さん。重いものを持って左側腰痛が出ています。
過去にもギックリ腰は何度か経験しているので慢性的に腰はよくないことがわかります。
重いものを持って腰を痛めた【男のギックリ腰】整体治療的な検査
上半身右傾き右ねじれ、下半身左ねじれ
重いものを持って腰を痛めた【男のギックリ腰】鍼灸治療的な検査
脈:沈 右尺(ー)
その他の症状
肩こりはいつもすごい。
左膝伸展障害、頚椎3番の神経根症左右の小指がしびれている。ストレートネックと言われた。
重いものを持って腰を痛めた【男のギックリ腰】整体鍼灸治療
1回目
大椎
右陽陵泉
右太谿
整体治療で体幹の調整
これから仕事とのことで、起立筋にキネシオテープ
2回目2日後来院
だいぶよく、仕事できた。痛いは最初に比べると1,2割くらい。
大椎
右陽陵泉
整体治療で体幹の調整
状態落ちつたので治癒とする。
生活指導として、うつ伏せで本を読む癖があるそうなので禁止。
重いものを持って腰を痛めた【男のギックリ腰】1回でかなり改善した1症例の考察
男性らしいギックリ腰でした。
体が右ねじれが強く、それを補正したり、重いものをもったりすると左背部の筋肉を使用するのでその結果、左右差のある腰痛になります。
早期に痛みが軽減・消失した理由は
筋繊維が切れるなどによる炎症がなかった
椎間関節のズレが出てなかった
筋肉の質はまずまずだった。
激しい痛みでも筋繊維が損傷していない場合もあります。切れていたら、修復までに何をしても違和感は残ります。
今回のギックリ腰の原因としては、急に重いものを持ったた��に、体幹の筋肉への負担が増えてしまい痛みにつながったと思われます。
ちなみに腰の痛む箇所に直接鍼をしていません。なぜなら痛む箇所と原因の箇所が違うからです。
多くの鍼灸師が、痛む箇所に直接鍼を打ちます。鎮痛は効くのですが、原因が他にあった場合、無理をして悪化するリスクをともないます。
https://www.enshp.com/gikkurikoshi-hidari-dansei/
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『水道橋博士のメルマ旬報』傑作アーカイブ/茂田浩司『それは奇跡ではなく、確実にやってくる未来~「帝王」高山善廣が再び立ち上がる時』全文無料公開
※2017年9月30日配信『水道橋博士のメルマ旬報』Vol.133より抜粋
著:茂田浩司
それは奇跡ではなく、確実にやってくる未来~「帝王」高山善廣が再び立ち上がる時
年齢を重ねるとは、自分にはどうすることもできない不幸な出来事や辛い別れを経験する機会が増えていくこと。そんな実感を持つようになったのは40代半ばを過ぎてからだった。 友人、知人の重い病や事故、訃報に接することが増えて、自分もガンなどの命に関わる病気に掛かる年代になり「死」はそう遠いことではなくなった。 今年5月4日、知人のプロレスラー高山善廣がDDTプロレス豊中大会の試合中に重傷を負った。回転エビ固めを掛けた際に頭からマットに落ちてそのまま動けなくなったという。翌5日にDDTプロレスが「頸髄損傷および変形性頚椎症」と発表。また「病名等は現時点で考えられるもので、今後の検査等を進めていくことにより変わることがあるとのこと」とし、復帰時期は未定でしばらく欠場することが発表された。 「頸髄」という言葉に嫌な予感もあった。 背骨の中には「脊髄」という大きな神経の束があり、手や足を動かしたり、痛みや温度などを感じる神経のおおもととなり、脳と繋がっている。この脊髄の一番上の部分(脳から一番近い部分)を「頸髄」(けいずい)といい、ちょうど首の骨(頚椎)の中にある。 空中殺法でバランスを崩し、マットで頭部を強打して頸髄損傷の大怪我をしたハヤブサ選手のケースが記憶に新しい。 だが、近いうちに「いやー、怪我しちゃって、欠場してスミマセン」と高山さん本人からSNSに書き込みがあるのではないか。何しろドン・フライと壮絶な死闘を演じた後、バックステージでボコボコに顔を腫らしながら「やられちゃいました」と語る不死身の男なのだから。 そう思って、不安な気持ちを打ち消してみたが、1か月が経ち、2か月が経っても何の情報もなく、高山さんのSNSも一向に更新されない。 さすがに「おかし��」と思っていたところ、8月3日発売の週刊文春が<頸髄損傷、プロレス高山善廣「首から下が動かない」>と報じた。 半ば予想していたことだったが、居ても立っても居られず、高山さんの周囲に連絡を取り、事態の概要は知ることができたが、家族以外に高山さんに会えた人はいなかった。 正式な発表を待っていたところ、9月4日に高山さんのマネージャー、DDTプロレス高木社長、友人の鈴木みのるさんが出席して記者会見が開かれた。 会見で語られたのは、私が想像していた以上に高山さんが厳しい状況に置かれていることが分かる内容だった。 「頸髄完全損傷」で回復の見込みはない。一時は人工呼吸器を付けていたが、現在は外れている。首の手術を受けた後、心臓停止などのトラブルがあり、術後の経過も思わしくない。 私は、頸髄損傷について人よりも知識がある方だと思う。 ロックバンドROUGEのボーカリスト奥野敦士の著書「終わりのない歌」を編集する過程で奥野さんに長時間インタビューし、頸髄損傷について様々なことを調べた。 また、昨年3月に47歳の若さでこの世を去ったハヤブサ選手とは生前にインタビューをし、取材後は酒を飲みながらプロレス談義から頸髄損傷についての話や「iPS細胞」「STAP細胞」の話をした。 そうして得た知識や高山さんの周辺の人の話から、現在、高山さんがどういう状態にあり、どんな生活を送っているかはおおよそのところの察しはつく。 辛いと思う。リングを暴れ回ってきた人が、首から下の感覚を失い、ベッドに固定された状態で過ごさなければならないなんて、悪夢だと思う。 7メートルの屋根から落下し、胸から下の感覚を失った奥野さんを何よりも苦しめたのは「指先の感覚を永久に失い、もうギターは弾けない」という事実だった。食事と入浴以外、常にギターを持つ生活をしていた奥野さんは、深く傷つき、絶望した。 奥野さんは、当時の心境をこう明かした。 <死のう、と思った。やってみたよ。 舌を噛んでみた。だけど、痛いからやめた。 息を止めてみた。だけど、苦しくてすぐやめた。 どんなに死にたくても、体が動かないからそれ以上のことは出来ない。 「俺、死ぬことも出来ないんだな……」 涙が次から次へと溢れて、止まらなかった。 死ねないから、ただ生きてる……>(「終わりのない歌」双葉社) 高山さんに奇跡が起きてほしい。 しかしながら、奥野さんやハヤブサ選手の取材を通して、当事者は過酷な現実と向き合い、涙を流しながら「怪我以前の生活」に戻れない現実を受け入れた上で、前を向けた時、新たな一歩が踏み出せることも知っている。 心の中で「あれも出来ない」「これも出来なくなった」とバツを付けている状態から、奥野さんは���る時「あれも出来る」「これも出来た」と「俺にも出来ること」を発見して、前向きな気持ちになれたという。 奥野さんの場合は「頸髄損傷者は胸から下の感覚がないから無理」と言われていた腹式呼吸を車椅子のシートベルトを利用する独自の方法でマスターし、歌を歌えるようになったことが大きかった。 根っから明るく「楽天的な性格」という奥野さんも、メンタルが回復するまで事故から2年間掛かっている。それぐらい「かつての自由に動き回れた自分」を諦めて「今の、不自由な生活をする自分」を受け入れるには、相当な時間が必要となる。 これから高山さんが歩まなければならない、長い長い道のりを思うと暗澹たる思いになる。 病床からの高山さんのメッセージを読むと、暗闇の中から脱して前向きになったようにも取れるが、周囲を心配させまいと元気そうに振舞っても、心の奥底には「なんで俺がこんな目に遭うのか……」という割り切れない思いがあることだろう。 ドン・フライと「男の殴り合い」をやってのけたタフな高山さんといえども、現在の自分の状態を受け入れて、精神的なダメージから完全に立ち直るにはまだまだ時間は掛かると思う。 私の知る限り、高山さんに直接会えたのは鈴木みのるさんのみ。多くの友人、知人と同様に、私も会いに行くことを自重している。 ただ、私は奥野さんとのお付き合いを通して、頸髄損傷患者が直面する様々な困難や解決策を見て、知っている。 奥野さんが事故直後に直面した様々な課題を実際にどう解決したかを伝えることで、高山さんのお役に立てると思うので、いずれ高山さんのご家族と連絡を取り、必要であれば会いに行こうと思っている。 5年前、奥野さんと本のラストをどうしようかと相談した時、奥野さんは笑顔で言った。 「バン、とさ、派手に行こうよ!」 それで「ROGUEを再結成して『終わりのない歌』を歌いたい」というラストになった。その時点では、まだ奥野さんの体調は優れず「ROGUEの歌を歌える自信はない」という状態で、メンバーと再結成の話もしていなかった。 ところが、本を出版したことがきっかけで事態は動き、再結成が本格化し、それに伴い奥野さんの体調はみるみるうちに上向いた。そして、ROGUEは23年ぶりに奇跡の再結成を果たしたばかりか、奥野さんが体調の問題で一度は共演を断ったミスチルの桜井さんとも昨年のGBGB(群馬グレートギグボックス。ROGUEの香川さんが奥野さんの事故をきっかけに立ち上げた障害者支援のチャリティーライブ)で再会し、共演が実現。二人で『終わりのない歌』を歌うシーンは多くの感動を呼んだ。 「死ねないから、ただ生きてる」と嘆いた奥野さんが、現在ではいろんな人に勇気を与える存在となっている。香川さんたちGBGBのスタッフは、毎年GBGBを開催しながら「2020年、東京パラリンピックで奥野敦士に国歌斉唱を」という新たな目標を掲げて活動��ている。 高山さんの支援の輪は日に日に広がっている。鈴木みのるさんの呼びかけに前田日明さんや高田延彦さんが支援を表明し、プロレス・格闘技会場では高山さんへの募金が始まっている。 高山さんが安心してお子さんの成長を見守れるような環境を整えることと「あれも出来る」「これも出来た」と思えるような支援を考えていきたい。 奥野さんは事故から2か月後に、本格的なリハビリを始めるため、最初に入った病院から所沢の国立リハビリテーションセンターに移った。その際、最初に入院した病院の医師から自分の状態を詳しく説明された。 <「奥野さんは頸髄の5番を損傷しています。ですから、胸から下の部分は動きません」 分かっていたことだし、覚悟もしていた。でも、改めて現実を突きつけられるとショックも大きかった。 ただ、先生は前向きな言葉もいっぱい言ってくれたよ。 「今はiPS細胞というのが発見されまして、再生医療の研究が進められているんです。頸髄損傷は将来治る可能性があります」>(「終わりのない歌」) この話を聞いた時から、私は「奥野さんはきっとまた自分の足で立てる日が来る」と信じている。 それは奇跡ではない。医学の進歩によってもたらされる未来だ。 そのためにiPS細胞の研究が少しでも進むことを心から願い、ささやかな金額だが京大のiPS研究所への寄付も続けている。 私自身、昨年狭心症が判明する前に、医師から「ALSの疑いあり」と告げられた経験をし、現在治療方法のない難病の患者は「iPS研究の進化」に望みを託すしかない現状を知ったこともある。難病と闘う全世界の患者と家族がこの研究の進化を心待ちにしているのだ。 「iPSで神経再生に挑む 慶大、脊髄損傷治療で臨床へ」(日経新聞、2017/2/10付け) https://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H8Q_Q7A210C1CR8000/ 奥野さんや高山さんが再び自分の足で歩く日は必ずやってくる。 その様子を自分の目で見届けて、喜びを分かち合える日がこの先に待っているのだと思えば、年齢を重ねるのも悪くない、と思える。 寄付のお願いと活動報告はこちら 「TAKAYAMAIA」 https://ameblo.jp/takayama-do/
『水道橋博士のメルマ旬報』
https://bookstand.webdoku.jp/melma_box/detail.php?mid=11&cid=1239
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たまごやき❣と、今日は1段と痛いから、短いです。


🍚人参、カボチャ、大根、なす、玉葱、舞茸、豆腐の味噌汁😊納豆ご飯に得意の偽出汁卵焼き🤩 やっぱ市販のツユの素って美味しく感じる魔法の粉が入ってるから、ピンポイントでツボを突いてくるよね~😓
頚椎症性神経根症・・・ネットでどんどん頭でっかちになるのはアレだが、諸々の症状など考察するに、どうやらこれだろう😨「週3で~」と、言われたが、そうそう整形外科へ通って処置を受ける時間もないから、鎮痛剤とストレッチでやり過ごす。
やる事、やりたい事は山盛りなんだが、もんどりうつ程の激痛にしばしば襲われ集中力も途絶え気味・・・何かに例えられないかと考えた末、一番近いのは歯痛ではないかと😭
いつものように治まって頂ければありがたいんだが、かれこれ1週間かぁ😱今日もこの辺で〆・・・😓観たい映画も溜まる一方です。
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RIZEのボーカル・JESSEが活動休止、頚椎症性神経根症で療養へ。The BONEZは出演イベントキャンセル発表。
ギタリスト・Charさん(本名=竹中尚人 63歳)の長男で、人気ロックバンド『RIZE』や『The BONEZ』のボーカル&ギター・JESSEさん(ジェシー 本名=竹中空人 38歳)が、「頚椎症性神経根症」と診断されたこ・・・ Source: 芸トピ
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RIZEのボーカル・JESSEが活動休止、頚椎症性神経根症で療養へ。The BONEZは出演イベントキャンセル発表。
ギタリスト・Charさん(本名=竹中尚人 63歳)の長男で、人気ロックバンド『RIZE』や『The BONEZ』のボーカル&ギター・JESSEさん(ジェシー 本名=竹中空人 38歳)が、「頚椎症性神経根症」と診断されたこ・・・ Source: 今日の最新芸能ゴシップニュースサイト|芸トピ今日の最新芸能ゴシップニュースサイト|芸トピ
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JESSEが頚椎症性神経根症を発症、The BONEZがライブ2本出演キャンセル https://t.co/OWFnqSuoBW pic.twitter.com/OA6WswHgD4
— 音楽ナタリー (@natalie_mu) August 9, 2018
from http://twitter.com/natalie_mu via IFTTT
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Vo. Gt. のJESSEが、左腕の肩より指先に掛け神経の痺れと強い痛みを伴う症状が発生しました。 数日間の入院による精密検査の結果、第六頚椎椎間板ヘルニアからくる頚椎症性神経根症と診断され、楽器演奏やパフォーマンスができる状態ではないとの判断となりました。
<The BONEZ出演キャンセルのお知らせ> | RISING SUN ROCK FESTIVAL 2018 in EZO
まぢですか・・・たしかにそれは無理だ・・・JESSE・・・
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痺れの治療 ☎098-884-6161 那覇市首里スマイル鍼灸整骨院
痺れの治療について
痺れの治療について 那覇市首里スマイル鍼灸整骨院 本院
痺れの原因は神経からきています。

神経痛は筋肉の緊張や腫脹、何らかの原因で神経が圧迫されたり、炎症を起こした痛みです。 坐骨神経痛、肋間神経痛などが代表的な神経痛になります。
神経痛を起こす原因は、変形性の骨髄症、椎間板ヘルニア、狭窄症などがあります。
その根本には、神経を取り巻く筋肉の緊張やしこりにより神経を圧迫したり、関節の動きが悪くなることで関節周囲の組織が神経に緊張を伝えて炎症を起こしたり循環の不良により回復を遅らせています。

足のしびれ、手のしびれ、背中やわき腹の痺れ、多種多様ありますが全身を検査して、体のどの部分に原因があるのかを調べます。
頚椎、背骨、骨盤の歪みが神経を圧迫している可能性があります。
その場合は手技による矯正を行い、歪みを改善することにより血流の流れが正常になりシビレが改善しやすくなり…
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最初はどのような症状がありましたか?
右肩の痛み
上記の症状はどのように良くなってきましたか?
治療後は痛みがやわらぎ、軽くなるような感覚。
アドバイス頂いた姿勢の改善によっても楽になった。
お名前 KT
年齢 20代
性別 男
職業 SE
3週間前から右肩が痛い【SE20代男性】の鍼灸治療1症例
システムエンジニアの男性です。当然ながら肩こりは普段からありましたが、3週間前からただただ右肩の肩甲骨の内側が痛いと来院されました。
3週間前から右肩が痛い【SE20代男性】の鍼灸治療的な検査
脈:滑
3週間前から右肩が痛い【SE20代男性】の整体治療的な検査
上半身右傾き右ねじれ、下半身右ねじれ
右肩いかり肩タイプ
前傾姿勢(++)
3週間前から右肩が痛い【SE20代男性】の鍼灸治療
1回目
大椎
右膏肓
右後谿
体幹の調整
頚椎の神経促通方法をセルフケアで指導
2回目4日後来院
右肩痛みから違和感に変わった。
大椎
右膏肓お灸
右後谿
体幹の調整
感想:軽い
目の疲れがあるので、眼保体操指導、セルフケアでの肩マッサージ方法指導
治癒に���き、1ヶ月後の来院指導
3週間前から右肩が痛い【SE20代男性】の鍼灸治療の考察
まだ20代なので筋肉の質もよかったのですが、体のクセがありました。過剰に右肩をすくめるような状態で、前傾姿勢も重なり負担が生じていました。
さらに首からの神経の流れも悪く肩甲骨の内側のコリから痛みになっていました。
主に後谿という手の小指のつけ根にあるツボを利用して右肩の緊張を除去して、神経の促通は普段してもらえるように指導しました。
体の使い方とセルフケアによって、コンディションキープを長期間できることでしょう。
https://www.enshp.com/migikata-itami/
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