#OL暴行汚す
Explore tagged Tumblr posts
marypickfords · 1 year ago
Photo
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
OL bôkô: Yogosu! (Hisayasu Satô, 1986)
165 notes · View notes
uspiria · 2 years ago
Photo
Tumblr media Tumblr media
OL暴行汚す (1989) dir. Hisayasu Satō
123 notes · View notes
short-span-call · 4 years ago
Text
#076 ナビゲーター(袋小路でやぶから棒に)
 あの、すみません。まずは、あの、はい。お、お、落ち着いて。あ、すみますみすみすみません。とりあえずは、まずは、なにをおいても、こういう時は、ええ、絶対的、可及的、速やかに、落ち着くことが大前提かつ大事ですから。はい。とにかくまずは、深く、ふかく、ふか……げええっほんえふんげふんごめんなさいんんんっ。はい。深呼吸から……はあ、深呼吸から始めましょう。それから、すべてはそれからです。息をすう〜、はあ。すう〜、はあ、して。……そう、そーうですはいはい。はい。はい。よくできました〜。あっすみませんすみません。怒らないでください。馬鹿にしているわけではないんです。けっして、断じて、誓って、そんな失礼なこと、あなたにするわけないじゃありませんか。そう思いません? 思いますよね? よかったよかった。それでですね、まずはそのー。あっ、挨拶がまだでしたね。えと、おはようございます。あ違うか違いますね。はじめましてですねこういうときは。人と人がはじめて、こう、顔面を合わせると言いますか。初対面。そう、初対面、ですよね? 満員電車の中ですとか、信号待ちの間ですとか、もしかしたらもしかすると、偶然ばったり出会っていたのかもしれませんけど。あ、こういう場合――つまり、まだちゃんとした初対面の挨拶を交わすより以前に、あなたを見かけていた場合――も、ばったり、とか、偶然、って、使うんですかね? そこんところ、ちょっとよくわかんないんですけども。でも、そうですね、とりあえずは、はじめましてにしておきましょうか。しておいてください。どうか。どうか……。  えと、それでですね。あなたの頭には今、たくさんのハテナが浮かんでは消え浮かんでは消え――あ、消えてはいないですか。それは失礼しました――、していると思うんですよ。そりゃ思いますよ。思うことでしょう。誰だってこんな、非常時にはそういう思考回路が働くものです。誰だこいつら、と。なんでこんなに腰が低いんだ、と。そもそもなんで部屋にいるんだ、と。こんな早朝に、と。まだアラームが鳴る二時間も前なのに、と。得体の知れない輩に安眠を妨げられたぞ、と。今日は祝日なのに、と。小鳥のさえずりしか聴こえないくらい早朝じゃないか、と。チュンチュク鳴いてるあの小鳥はスズメだろうか、と。そうですおそらくスズメです。それにしても最近、スズメを見かけなくなりましたよね。なんでも年々スズメの数が減っているらしいですよ。ええ。ええ。本当ですとも。こんな所で嘘なんかついてなんになるんですか。こんな、高層ビルの裏の、袋小路の、ゴミ臭い、陽の当たらない場所で。……そうですとも、まだ寝ぼけてますね。大丈夫ですか? もう一度深呼吸しますか? コンコンコン、おーるーすーでーすーかー? いえいえ冗談ですってすみませんってばふふふ。ああ失礼。とにかく、今一度、辺りを見回してください。たっぷり、首を左右上下に、三往復くらい、動かしてみてください。首の運動には眠気をふきとばす効果もあります。そうしたら、けっして慌てずに、まずはこの文章に目線を戻しましょう。  これでようやくお分かりになりましたでしょうか。ああ、よかった。ホッとしました。とりあえず、ホッ、とさせてください。この仕事も、いろいろと気苦労が絶えないのです。ほら、その、あなたのように、イレギュラーな状況で浮空期に突入した場合、パニック障害を併発することもめずらしくないのです。ええ、ええ、ここだけの話。そうなんですよ。  まさか俺が。そう思ってますか? ついにきたか。そう思ってますか? なんでまたこんな時期に……。そう思ってますか? まあ、災難ですね、としか言いようがないですね。五年間、学生のころから付き合っている人と別れて、しかもその人には二年前から別の恋人がいて、つまりあなたは二年間浮気をされていて、しかも付き合っている人的にはあなたより浮気相手のほうが本命で要するにあなたは浮気されていたと言うよりあなたが付き合っている人にとっては浮気相手のようなもので、お荷物で、ただのヒモ野郎で、ノータリンで、……みたいなことを昨日の夜付き合っている人と付き合っている人の浮気相手に一方的にまくし立てられて、あなたは驚きすぎてなにも言い返せなくて、むしろ驚きを通り越してなにも感じなくて、なにも感じないのだから当然言うべき言葉も言いたい言葉もなにも浮かばずただあなたは「ふうん」という心持ちで冷蔵庫から缶チューハイ――夏みかん味の五〇〇ml――を取り出してグビグビ飲んで、飲んでいるうちにやっぱりなんだかムシャクシャするなあとぼんやり思い始めて、特に暴れもせず泣きわめきもせずに、無表情のまま付き合っている人の浮気相手の頭頂部に残りの缶チューハイをダバダバと注いで、付き合っている人も付き合っている人の浮気相手もなぜだかまったく動じずに「なにこいつ」といった眼をあなたに向けるだけで、缶チューハイを注ぎきったあなたは「ほいじゃ、俺はこれで」とでも言い出しかねないくらい気さくな身のこなしで玄関の百円ショップで買ったオレンジ色のサンダルを履いて、行きつけの、駅前のおでんの屋台にでも行こうかなと足を動かしはじめたはいいものの、途中でそっか今日日曜日だわおでん屋やってねーわってことに気づいてしばらく迷いながら歩いた結果駅前のカラオケ館に足が進んで、人生初の一人カラオケというものでもしてみようかという気持ちにだんだんなってきて、「一名で」なんて少しぶっきらぼうに、顔を横にぷいっとそむけそうなくらいそれはそれはぶっきらぼうな「一名で」を店員に向かって投げ捨てて、二〇一の札を笑顔の店員に渡されてあなたは仏頂面のまま二〇一号室までペチペチ――サンダル履いてますからね――歩いて、着いて、固いんだか柔らかいんだかはっきりしないソファーに体を沈めたあとに「別に俺、歌いたい曲ねえや」ってことに気づいてその言葉を実際に口に出して、何回か舌打ちしながらメニュー表をめくって少し迷った末にあなたは生ビールを頼んで、パリパリという音と共に今にも剥がれ落ちそうなくらい乾いた笑顔で店員がそれを運んできて、あなたは痙攣のような会釈だけして店員が去るのを待って、一息で飲んで、頼んで、飲んで、頼んで……、午前三時――つまり日付的には今日、ですね――の退出コールギリギリまでそれを繰り返して、千鳥足で、階段で二、三度転けそうになりながら、爪先立ちみたいな体勢で一階のレジまで歩いて、店員に番号札を渡してから「そういや俺財布持ってきてねーじゃん」ってことに気がついて、「やべ」と口から出かけて、千鳥足��まま操り人形みたいなぎこちない動きで右向け右をして、そのままダッシュで逃げて――お客様! おい! お客様! という声を後ろで聞きながら――この路地裏まで逃げて逃げて逃げて、倒れ込んで、眼を閉じて、そして眼を開けたら見知らぬタキシード姿のおっさんがいて、こんなあなたのプライベートな情報をペラペラと喋られているんですからね。ほんと、災難でした。いや、現在進行形で、残念ですね。ご愁傷さまです。あ、死んでないですね。しかしながらですね、もうちょっとクサい言い方をさせていただきますとあなた、あなたの心はもう死んでいるようなものです。あなたの半分、半身は、ご愁傷さまって感じですね。ほんと。ところでご愁傷さまってあなた、実生活で言われたことあります? 初めて言われたんじゃありませんか?  とりあえず、あなたは今、立ち上がっています。いますよね? まあ、地に足は着いていませんが――いえいえあなたの生き方がというわけではありません、ですからどうか、その握りこぶしを解いてください……そう、そう、ゆっくり、ゆっくりね――、とりえあず、〈立ち〉上がってはいます。ね。そうでしょう?  あなたみたいなケースはわりかしめずらしいのです。ですから、ええ、さきほどから再三、口をこれ以上ないというほどすっぱくして申し上げておりますが、どうか、落ち着いて、冷静に、行動なさることが肝要なのです。浮空期の初期段階に不慮の事故等で死亡してしまうケースはままあります。ですから、あなたのこれまでの人生の、常識の枠は一旦���外していただいて、どうか、説明委員会の言葉に耳を傾けていただきたい。いいですね? はい。いい返事です。そうしましたらまずは、説明委員会の名に恥じぬよう、簡単かつ簡潔に、ご説明のほう、させていただきます。  まずはそう、あなたの足元、ゆっくりと、再度確認してみましょう。はい、そうです。そうですね。浮いています。宙に浮かんでいますね。重力から解き放たれて。歩こうとしても足がスカスカッと空を切って歩けませんね。ええ。そうです。浮空期の間、通常の方法で――つまり、左右の足を交互に、前後に動かして体全体を前に押し進めるという方法のことですね――歩くことができません。ええ、ええ、仰りたいことはわかります。不便ですね。とーっても不便です。エスカレーターに乗ってもあなたの足の下で段差が動くだけです。エレベーターは……、ふふ……、ああ、いえ失敬。すべてを説明してしまっては興も冷めるというもの。わたくしども説明委員会は、過剰な説明は過剰な愛、を社訓――委員会の場合も社訓って言うんでしょうか――に掲げて日々浮空期の方々へのツボを押さえた適切かつ適度な説明――そう、それはほとんど愛――を心がけております。ああっ、そこそこ、その説明。あーちょうどいい、いやあいいわあ。きもちいい……。という声をいただくこともままあります。というわけで、あなたには、肝心要の部分のみ、ご説明させていただきます。あなたもこの宇宙の、この地球の、つまり、宇宙船地球号の乗組員である人間ならば、今、ご自分の体に起こっている現象、そしてその現象の名称、ある程度は理解しているはずです。なにしろ今は朝の七時。人間の脳みそが一番活発に動く時間帯です。もっとも、その三〇分前までに朝ごはんを食べていればの話ですが。あっ、そういえばタキシードの右ポケットに、あなたに会う前にコンビニで購入したおにぎり――焼きたらこ――が入っています。説明と、あなたの練習がてら、このタキシードの右ポケットから、自力で、おにぎりを取ってみてください。安心してください。取って食おうってんじゃないんですから――それに、取って食おうとしているのはあなたですよ――。さあ、指示通りに、体を動かしてみてください。まずはお尻の穴……肛門付近に力を入れてください。なかなか出てこないイケズな大便をひり出すように――もちろん、本当にひり出してはいけませんよ。そういう人、案外多いんです――。そして右人差し指の爪を甘咬みしてください。それが体を動かす方法です。車に例えると、肛門に力を入れることが、エンジンを吹かす行為、右人差し指の甘咬みが、エンジンとハンドルを操作する行為です。甘咬みしたまま手首を左右に動かすと、その動きに連動して……おお、そうそうそうです! その調子です! そのように、体が左右に回転します。そのまま手首を動かして、こちらに体を向けるようにして、はいはいその調子ですよ、そして、その状態で肛門に力を……そーうです! これで前進はわかりましたね。ちなみに後進――バック、ですね――したい場合は、おヘソの辺りに力を込めてください。腹筋を鍛えるような感じで……おおー、いいですね、いいですよ。はい、では、もう一度、前進して、近づいてみましょう。ちなみに力を入れれば入れるほど、スピードは速くなります。はい、これであなたとタキシードの距離は限りなくゼロになりました。ちょっと、その、気まずい距離感ですね。吐息がかかる距離、と、言いますか。恋人でないと許されない距離、と、言いますか。あっ、いえ、別にその気はありませんのでご安心を。では、右ポケットからおにぎりを取ってみてください。はい、よくできました〜! 何度も言うようですがバカにしているわけではありませんよ。なので、どうかその、怒髪天を衝くかのような肩の上下運動を辞めてくれませんか。ちなみにですね、浮空期の間は、自分の体重、身長以下の物なら、一度触れれば宙に浮かせる事ができます。ですから、その、おにぎりを口いっぱいに頬張るのを一旦中断していただいて――ええ、ええ、ほんと、すみません。お願いですからそんな怖い顔しないでください――その練習も、一応、やっておきましょう。万が一、ということがありますからね。その力が誰かの命を救う。なんてことが、無いとも限らないですから。例えばこの、二五階建てのビルが火事になって、逃げ遅れた人が外に面した窓ガラスに追いやられていたら、窓ガラスを割ってもらって、あなたはそこら辺にある――ああ、あそこにちょうどいいベニヤ板がありますね――ベニヤ板を触って、逃げ遅れた人がいる階まで浮かせて、エレベーターの要領でサラリーマンやOLの方々を救い出すことが出来ます。素晴らしいじゃありませんか。浮空期の特権です。もちろん多くの人から感謝されます。ありがとう。ありがとう。君がたまたまこんな路地裏で、酔いつぶれて寝ていたおかげで助かったよ。助かりました。握手。握手。さらに固い握手。そして感謝状の授与。嗅ぎつけたマスコミがあなたをネタに記事を書く。あなたは一躍有名人。街中でサインなんか求められたりして。ああ、はい。そうです。ええっ、サインですか。いやいやそんな。サインするほどの人間じゃあ……、ああ、そうですか……? じゃあ、まあ、はい。えっと、ここに? はい。はい。サラサラサラ、っと。あ、ちょっと、カメラはちょっと。恥ずかしいっていうかなんていうか。いやはは、まいったなこりゃ。そしていそいそと人混みをかき分けて目的の場所へ進むあなた。目的の場所――川沿いに最近オープンした小洒落たヴィーガンレストラン――には、ビル火災の中、果敢にも人々を救ったあなたのことが書かれている記事を読んだ元恋人。再会を喜ぶ二人。微笑みを交わす二人。まずはグラスワインで乾杯をしようではないか。注文をしようと手を上げたあなたを元恋人は優しく止める。ワインはちょっと。だって、私のお腹には、もう……。あなたの耳には聴こえないはずの、命の、微かだけれど確かな鼓動が聴こえてくる。そう、あなたと元恋人の――現、伴侶の――。……なんてことにもなるかもしれないのです。あ痛い。いたた。ごめんなさいごめんなさい。まだ一応、正式には、面と向かって、別れを告げられてはいなかったですね。元恋人ではありませんでしたすみません。すみませんってば。  えと、それで、なんでしたっけ。ああ、説明がまだ途中でしたね。触れた物を浮かせたい場合は、左人差し指の爪を甘咬みします。はい。そうです。甘咬みした瞬間から、物は浮きます。あとは、基本的な動作は先程の、体の操作と同じです。肛門に力を入れると前へ、おヘソに力を入れると後ろへ進みます。上へ上へと浮かせたい場合は、甘咬みしたまま腕を上げてください。上げている間、物は上昇し続けます。落下させたい場合は甘咬みをやめるか、腕を下げてください。その他、細かい動きはすべて、甘咬みしている間、左腕の動きと連動します。簡単でしょう? 最初のうちは微調整が難しいでしょうが、すぐに慣れるはずです。あなた、なかなか筋がいい。いや、本当ですよ。浮かせることすらままならない人も、最近は多いのです。……ああ、そうそう言い忘れていました。浮かせることができる物は、最後に触った物だけです。複数の物を同時に操作することは出来ません。気をつけてください。くれぐれも。  そうそう、これは最初に説明しておくべきでしたが――いやほんと、説明委員会失格ですね――。男性の生理と言われるくらいですから、女性同様、浮空期の前後、浮空期の間で心身に様々な変化が起こります。顕著に現れるのは性欲の減退ですね。浮空期の間、睾丸の機能は著しく低下します。常に射精直後のような状態になる、と言ったら、わかりやすいでしょうか。浮空期の間は女性を――ゲイセクシャルの場合ですと男性を――見るだけで苦痛に感じる人もいるそうです。いやはや、そこまでいくとちょっと理解し難いですね。とにかく、どんなにお盛んな人でも、浮空期の間は射精することが困難になります。ま、大体の人は射精をする気も起こらないので、大丈夫でしょう。  先程、常に射精直後のような状態になる、と説明しましたが、浮空期が近づいてくるにつれて、段々とそういった精神状態になっていきます。落ち着いて、冷静に、物事を判断できるようになる、ということですね。あなたは昨日、元――……失礼――恋人とその浮気相手に散々ひどいことを言われたにも関わらず、ある程度は平静を保てていました。今になって考えてみると、それは浮空期直前特有の症状だったのかもしれませんね。そして、安定した精神状態に移行してから大体三日後、夢精を合図に浮空期が始まります。……ええ。ええ。そうです。あ、気づいていませんでした? あなた、夢精したんですよ。この、高層ビルの裏の、袋小路の、ゴミ臭い、陽の当たらない場所で。あ、ちょっと、ごめんなさい、ごめんなさいってば。  ちなみに浮空期は、月一回ペースでやってきて、およそ一週間で終わります。終わる時は夢精も何も起こりません。目が覚めたとき、体が地面にピッタリくっついていれば、それが終了の合図です。性欲も、精神状態も、通常に戻ります。もう、ビンビンの、グングンです。その、あなたの、スカイツリーに負けじとそそり勃つイチモツを、存分に振り回していただきたい! まあでも、今はとりあえず、精子が乾いてカピカピにならないうちに、ティッシュ――あ、ポケットティッシュ、持ってたんでさしあげます――で綺麗に拭き取ってください。大丈夫です。後ろを向いておきますから。どうかお気になさらずに、あなたのペースで、慌てることなく、精子と、そのぬめり気のあるパンツを処理してください。ここにはあなた以外誰もいない、誰も来ない。袋小路なのですから。栗の花の匂いが染み付いたパンツの一つや二つ、ポイ捨てしてしまっても何ら問題ありません。ええ、ええ。本当ですとも。さあ、一刻も早く――されどあなたのペースは乱さずに――その青いチェック柄の、ゴムが伸びきっていて、歩くと少しづつずり落ちてしまう、三年前に――そう、恋人と付き合い始めたころ、ユニクロで――買ったトランクスを、どうぞ、地面に叩きつけてください。そして、彼がトランクスを力の限り地面に叩きつけたのとほとんど同時に、今までピーチクパーチクしゃべり続けていたタキシード姿の男の隣にただただ突っ立っていただけのもう一人の男――もう一人の男は、ジーパンに半袖シャツというラフな格好だった――が、やぶから棒に、口を開いた。川城さん、も、いっすかね僕しゃべっても。いっすかね。やっぱり〈あなた〉とか言われたってピンと来ないっすよ正直言って。えっと、矢野さんでしたっけ? わかんないっすよね。いやいや、誰だよ。みたいな。そう思いません? ……あ、ちなみに自分、宇城っす。ままま、川城さん、ちょっとここからは、もうちょいわかりやすく、僕が説明しますんで。だ〜いじょぶっすよ川城さ〜ん。これでも自分、説明の成績はトップなんで。川城さんは僕の隣で、ドシンと構えてくれてればいっすから。はい。はい。  矢野は自分の体の感覚を取り戻しつつあった。この袋小路で、怪しげな説明委員会の男二人組に揺り起こされて、ついに自分が浮空期になったということを知らされてから、ずっと、自分の体を見知らぬ誰かに操られているような気分だった。歩く動作をしているのに、前に進まない。体の向きを変えることもできない。これが浮空期か。タキシード姿の男、川城の説明を聞きながら、矢野は昨日の出来事や恋人の浮気相手のこと、サンダルで家を出たのに今は裸足だということ、雨が振りそうな雲行き、何枚も溜まっている公共料金の請求書のこと、などなど、とりあえず現時点でわかる限りの問題や不安、悩みを頭の中でリストアップしようとしてすぐにやめた。そんなこと考えてなんになるというのだろう。自分だって、恋人との生活に限界を感じていたはずだろ。職だってそろそろ本気で探さなくてはいけない。バイトでも内職でも、コンビニでも工事現場でもディーラーでも汚染処理でもなんでもいい、恋人とすっぱり縁を切るからには――やはり、そうするしかないのだろうか――、自分の時間を売ってお金に替える方法を、早いとこ見つけるしかない。それ以外のことを考えるのはやめよう。やめよう。  川城の説明通り、今の矢野には性欲がまったく無かった。まるで最初から存在していないみたいに、きれいさっぱり、消え去っていた。なるほどこれが生理か。矢野は、二八歳という、あまりにも遅咲き過ぎる自分の心身の変化を、戸惑いつつも楽しんでいた。浮空期は女性の生理と違い、始まる時期が人によって大きく異なる。五歳で浮空期が始まった宇城――今、川城の隣でしゃべり続け、言葉を書き連ね続けているジーパン姿の男――のような人もいれば、矢野のように成人してから浮空期が始まる人もいる。死ぬ間際、病院のベッドなどで始まるようなケースも極稀にだが、存在する。その点だけ見ると、生理というよりむしろ水疱瘡やおたふく風邪に近い。矢野は宙に浮かせっぱなしだったおにぎりを口に投げ入れ、というより口の中まで移動させ、ゆっくりと咀嚼した。  携帯を見ると不在通知が何件も��いていた。知らない番号���。おそらく昨日行ったカラオケ館からだろう。なんでてきとうな番号をでっちあげなかったんだ。名前も、きっちり矢野とバカ正直に書いてしまった。いや、それよりも、なんであのとき逃げてしまったんだ。いやいや、そもそも、なんで恋人の部屋で自分はあんなに落ち着いているかのようにふるまってしまったんだ。なんで外に出たんだ。なんで財布を忘れたんだ。これもすべて浮空期の前兆がもたらした行動なのか。考えてもきりがない。どうせもう身元はわれているのだ。説明委員会の二人ですら知っている情報ばかりだ。自分があれこれ案じても何も変わらないのだ。矢野は携帯で一週間の天気を調べた。次に晴れるのは四日後か。ふん。  矢野は左人差し指を甘咬みし、携帯を宙に浮かせた。左腕を思い切り上げると携帯は物凄いスピードで上へ上へとグングン昇っていく。このまま昇り続けるとどうなるんですかね。甘咬みした状態で矢野が宇城に話しかける。まあ、大気圏は余裕で越えるっす。それでもさらに昇り続けたら、どうなりますかね。だんだん、空気が無くなっていくんじゃないっすか、詳しくは知らないっすけど。空気が無くなっても、さらにさらに、昇り続けたら、どうなりますか。宇宙まで行きますね。宇宙を進み続けたら、どうなりますかね。あーそれ、たしか、どっかで読んだか聞いたかしたんすけど、それで、どんどんどんどん進み続けて、何光年も先の宇宙まで進み続けて、そうやって浮空期の人たちが飛ばした物が星になって、星と星を人が繋げて星座にして、だから僕らがこうして星空を見て、おうし座だとかふたご座だとか言っているものは元々遠い昔の人々が宇宙に飛ばした貝殻とか、お椀とか、槍とか、弓とか、筆記具とか、パンケーキとか、ガラス瓶とか、綿棒とか、お相撲さんのマゲとか、レコードとか、煙草とか、パピルス紙とか、羊の毛とか、豆電球とか、画鋲とか、死んだ人の骨とか、貞操帯とか、トランペットとかで、だから、死んだ人がお星様になるっていうのはあながち間違いじゃないと思うんすよね。あれ、なんか、語っちゃいましたね。つまり、俺が今操作している携帯も、いずれは星になるんですね。あー、多分、そっすね、なると思います。矢野の左人差し指は唾液でふやけはじめていた。身元がわれているということは、きっと今頃、警察にも連絡がいっているだろう。早くも捜索が始まっているかもしれない。恋人の家に連絡が行っているかもしれない。いや、連絡では飽き足らず、実際に警察官が恋人の家に押し入っているのかもしれない。別れの瀬戸際でも迷惑をかけてばかりだ。昨日は恋人と恋人の浮気相手にひどい仕打ちをされたが、付き合い始めてから今までの五年間、ずいぶん恋人にひどい仕打ちをしてきた。喧嘩ではすぐに手をあげてしまうし、お金は勝手におろすし、酔って暴れて食器を割った数なんて数え切れない。もう恋人の部屋には戻れないし、戻りたくないし、警察から逃げ続けなければならない以上、職を見つけることすらままならない。財布も携帯も身分を証明するものもなにもない。あるのはポケットでくしゃくしゃになっている煙草とライターだけ。矢野はポケットから煙草を取り出し、火をつけた。吸って、吐いて、一呼吸置いてから甘咬みをやめてしまったことに気づいたが、遥か彼方まで昇っていった携帯は一向に落ちてこなかった。灰が落ちそうになっていることに気づいた宇城は矢野に素早く携帯灰皿を差し出す。ああ、悪いね。いいんすよ。心中、お察しするっす。煙草はまだ充分吸えるだけの長さで燃え続けていたが、矢野はそれを無理やり携帯灰皿に押し込んで、宇城に返した。宇城は渡された携帯灰皿を、また矢野の手のひらに戻す。いいっすよいいっすよ、その携帯灰皿はあげますんで。その灰皿見るたびに、なんとなくでいいんで、僕のこと、思い出してください。って、気持ち悪いっすね自分。よく言われるんすよ、お前は説明対象に情が移りやす過ぎる、って。ま、僕、携帯灰皿何個も持ってるんで、大丈夫っすから。矢野は口元を緩めて、ありがと、とぼそぼそ声でお礼を言った。携帯は落ちてこなかった。おそらく大気圏を越えて、地球の周回軌道にでも乗ったのだろう。それとも周回軌道すら超えて、いずれどこかの惑星にたどり着くであろう隕石やスペースデブリの一つとして宇宙空間を漂っているのだろうか。矢野にも、もちろん宇城にも川城にも、それは分からなかった。ぽつりぽつりと降り出してきた小雨に、傘をさすか否か、三人はそのことばかり考えていた。傘なんてないのに。  同時刻、矢野の恋人は住処である二階建ての軽量鉄骨アパートの部屋で、浮気相手と二人で、穏やかな寝息をたてていた。いや、眠っていたのは浮気相手だけで、恋人は一時間ほど前に目が覚めてから、どうにも寝付けずに、浮気相手の寝息を自分の前髪に当てたり、脇腹をくすぐったりして、再び眠気がやってくるのを待っていた。マヌケそうに口をぼんやりとあけて眠る浮気相手を見つめる恋人の表情は柔らかく、その表情からは、矢野と接するときの冷たさや無感情さをうかがい知ることは困難である。今夜はなにか好きなものを食べに行こう。朝目覚めた時にベッドの中で今日の夜のことを考えるのは恋人の幼少期からの癖みたいなもので、それが、二四時間のうちでもっとも愛おしい時間なのだと、以前、恋人は矢野に言ったことがあった。眠気は一向にやってこない。二度寝を諦めて、恋人は台所で細かく刻んだベーコンとタマネギを炒めた。昨日、矢野が部屋を出ていってから作り置いてあったなめこのみそ汁を温めている間、恋人は矢野が買い置きしていた煙草一カートンをまるまるゴミ袋に捨てて、灰で底が見えなくなった灰皿を捨てて、毛先が開いた矢野の歯ブラシを捨てて、LOFTで買ったペアのマグカップを捨てて、ここぞというときに食べようと思っていた矢野のエクレアを食べて袋を捨てて、捨てて捨てて捨てて、ゴミ袋を二重固結びできつく結んで、玄関の隅に置いた。ベッドでは、浮気相手がフワフワと宙に浮いていた。ああ、今月もきたか。いっつも症状重いみたいだし、大丈夫かな。みそ汁からは湯気がもうもうとたちこめている。恋人はコンロの火を消してお椀にみそ汁を入れ、ベーコンとタマネギの炒めものを小皿によそい、ラップにくるんで冷凍保存してあったご飯をレンジで解凍して、一人きりの朝ごはんを堪能した。今日の夜はなにを食べに行こう。脂っこいものが食べたいかも。チキン南蛮とかいいかもしれない。かつ吉のトンカツもいいかもしれない。いやいやそれより、脂とかいいから、少し足を伸ばして、川沿いに最近オープンした小洒落たヴィーガンチレストランに二人で行くのもいいかもしれない。考えながら箸を動かしているうちにお椀も小皿もお茶碗もキレイに空になり、満足そうに唇の周りを舌で舐めてから、恋人は洗い物を始めた。  どこかで誰かと誰かが話している声がする。向かいの公園から犬の鳴き声が聞こえる。通り沿いにある中学校から野球部の掛け声と吹奏楽部がホルンやユーフォニウムやサックスやフルートを吹く音が聞こえる。携帯がさっきからずっと震え続けているけど私はそれを無視し続けている。冷蔵庫の稼働音がわからないくらい微かに部屋を揺らしている。数分前についたばかりの脂を洗い流す水の音が規則的に聞こえてくる。油は泡と共に水で洗い流され、食器棚に置かれていたときより綺麗になったお椀と小皿とお茶碗の、キュイキュイっという、清潔さの証明のような音が部屋に響く。私はベッドで浮かぶ木下が起きたらまずなにを話そうか、考えている。ヴィーガンレストランなんて、かっこつけ過ぎだ。今日の夜は、近所のスーパーで豆乳でも買って、豆乳鍋にしようか。私も木下も湯葉が大好きなのだ。脂っこいものが食べたいのかも、という気持ちは不思議と消えていた。台所のまな板置き場のそばに、矢野の携帯灰皿が置いてあるのを見つけて、私はそれをからにしたばかりのゴミ箱にシュートした。  木下の寝息は聞こえてこない。  洗い物を終えた私は濡れた手を拭くのも億劫になって、ポタポタと指から水が滴っている状態のまま、ベッドにもう一度もぐった。手についた水は布団やまくらに吸収されて私の手は潤いを失っていく。叩いても突っついても木下は起きる気配すら見せない。私はすぐにまた起き上がり、ベッドの上で体育座りをして、自分の膝に顔をうずめながら、隣で、空中で、ゆりかごに揺られているように漂いながら眠っている木下の、静かな寝息に耳を傾ける。  五年後、矢野の携帯は地球の周回軌道を外れ、凄まじいスピードで大気圏に突入し、地表にたどり着く前に跡形もなく燃え尽きてしまう。
0 notes
marypickfords · 1 year ago
Photo
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
OL bôkô: Yogosu! (Hisayasu Satô, 1986)
83 notes · View notes
marypickfords · 1 year ago
Photo
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
OL bôkô: Yogosu! (Hisayasu Satô, 1986)
97 notes · View notes
marypickfords · 1 year ago
Photo
Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media Tumblr media
OL bôkô: Yogosu! (Hisayasu Satô, 1986)
85 notes · View notes
marypickfords · 1 year ago
Photo
Tumblr media Tumblr media
OL bôkô: Yogosu! (Hisayasu Satô, 1986)
39 notes · View notes
marypickfords · 1 year ago
Photo
Tumblr media Tumblr media
OL bôkô: Yogosu! (Hisayasu Satô, 1986)
20 notes · View notes