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29toq-blog · 7 years
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29toq-blog · 7 years
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9/27 at noon
陽の光を浴びたくて、私は持って来た本を右手に抱え教室を出た。
教室は5階だったので、外へ出るには階段を下らなくてはならない。私はゆっくりと階段を下りながら、どこのベンチに座ろうかと考えていた。
すると、三階の踊り場に白い光を落としている大きな窓の下の際に私は異常な点を見つけた。それに視線を送ると、そこには茶色と褪せた水色の模様がある蝶の羽があった。
私は近づき、蝶をみる。その命はとうに失われているようで、目は虚ろな灰色をしていた。蝶の身体は枯れた花びらのように、生命の輝かしい瑞々しさが抜けていた。
その様子に私は最初「かわいそうに」と憐れんだが、すぐにそれを撤回した。蝶は三階まで、私の手のひらよりも小さな羽を動かし飛んできたのだという事実にハッとしたからだ。
難なく上れる三階分の高さも、この蝶にとっては命を懸けてまで飛び続けなくてはならないものなのだ。それに気づいた時、私は亡き骸が、勇ましくそして命の大きく鮮やかな流れを語っているように思えた。
私と同年代の人たちが騒がしく、各々の時間を過ごすなか、私は黙り、その蝶の命を心の中で静かに、だが真に讃えた。
外から帰り、私は再び蝶がいたところへ上がっていった。まるで私が見つけた骸は白昼夢だったかのように、跡形もなく消えていた。白く無機質な窓のフレームの片隅にいた勇気の面影をしばらく味わい、私は五階の教室へと上っていった。
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29toq-blog · 7 years
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そうよ、私だって煙草を楽しんでるの。
未成年だから煙草を買えないけれど、それでも私は煙草を楽しんでいるのよ。
セブンスターもマルボロも、メビウスもアメスピもいらないの。それでも私は煙草を楽しんでるの。
いつも煙みたいに中身のない言葉を吐いて、
そんで誰かが喋った嘘を胸いっぱい吸って、
最終的にはそんな意味の無い吸って吐いてを繰り返してんの。
そうよ私はそうやって煙草を楽しんでいるの。誰かの汚れた言葉で肺を満たして、胸が重たくなったら煙のような空っぽで虚しい言葉を吐いてんの。
もう中毒ね。
それでしか私は満足しなくなったのだから。
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29toq-blog · 7 years
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9月上半期の言葉
「大好きだから!」、胸から張り裂け出でた黄色い声。
夜明け。少しづつ光が混じるディープブルー。命の色は光の色。それは白。
雨に濡れたアスファルト、信号機の色。信号機を通った雨が色付いてアスファルトに落ちたのだ。色の雨。その残骸。楕円の艶やかな赤、緑。
9月の13:00の光。自転車の後ろに座る私の頬を滑らかに通り過ぎていく。白、そして少しの黄色。ちょっとしたベージュ。9月13:00の光。
私たちの向こう側。カーテンと窓の外。人の声。風の音。車が通り過ぎていく。昼間の鈍い世界の中で、私は眠った。
リビング。テーブルの上に置かれた数本の空き缶。乾いた音が頭の中でカラコロ。包丁。食べ終わった皿。床には少しのゴミと体をなくした骸のようなシャツ。
離れた椅子と椅子。テーブルの端と端。私は座る。向こうにあなた。戻らない時間の葬式場。
確かにあったあの時が、この部屋の隅に座り呪いを吐くように深いため息をついていた。
---9月上半期
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29toq-blog · 7 years
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最近(1ヶ月ほど)
最近、私は変な心地の中に浸っている。
目を開けた時、車の通る音をぼんやり聞きながらベッドで寝そべっている時、私はどこかで不安や寂しさが混じった何ともいえない不安感を胸の奥で見つけるのだ。
どうして。
どうして?
よく分からない。
だから私はとりあえず家から出て、橋を渡る途中で彼誰時(トワイライト)の空を見つめたり、知っている人……とはいってもずっと(もっと)深く知りたい人の元へフラリと向かうようになった。そうなったのは五日前からだろうか。
なぜ私がこんなに感傷的、不均衡、そうなってしまったのかは、原因は何となく分かってはいても、知るべきものが分からない、そんな状態である。
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29toq-blog · 7 years
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9/19 10:47a.m
今日は朝の7:30に起きた。正確に言えばもっと早く目覚めていた。しかし私は重い体を起こせず、しばらくの間灰色のシーツに気だるさを委ねていた。
リビングに向かうと、そこには母と祖母がいた。時計を見ると意外と早い時間に私が起きていたことに驚いた。それから私はトーストを2枚焼いたが、その内の1枚に卵をうまくのせることが出来ず癇癪を起こしてしまった。
朝ごはんを終えたあと私はしばらく部屋を歩き回り、9時ぐらいにゴミを捨てに行った。
そして上野に行こうと青いスカートにTシャツという格好になったのだが、私は午前に来るだろう宅配の荷物を受け取らなければならず、上野へ行くことが叶わなくなった。
そして私は、季節外れの抜けるような青空とまっすぐな明るさをした日光の下で近くの橋を渡ったりと散歩をした。10分ぐらい外に出て私は家に帰り、味の薄いアイスティーと共に読んでいた本を開いた。
アイスティーを飲み干した私はキッチンへ向かいコップを洗った。午前に流れる空気の生ぬるい感触を感じながらカーテンからやって来る陽の光を浴びていると、リビングがやけに静かなことに気がついた。
五月蝿く声をあげるテレビに背を向けてソファを見ると、そこには寝ている祖母がいた。
その寝顔、幼子が周りの時間を気にせずに夢の中へと潜っていく穏やかな顔に近い、それを見て私は部屋へ向かいカメラを持った。
「日常」
眠った祖母と、祖母のいるリビングの風景を切り取った数枚にタイトルをつけるならそれしかないだろう。
9月の午前。私と祖母は、人々が働き動いている世界から隔絶された箱の中にいた。そこでは心を麻痺させるような痺れて、しかし退屈な時間が蛇のようにゆっくりと私たちの足元を這っていた。
外では少しだけ煙たかった白い陽射しが、昼の、明瞭で図々しい日光へと変わっている。
1度目の時の死が、始まろうとしていた。
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29toq-blog · 7 years
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29toq-blog · 7 years
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→bathroom @虎ノ門ヒルズ(tokyo)
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