anarchihiroism
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Imaizumi CHI
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雑貨・ファッションスタイリストコース 学籍番号191301の卒業制作。随時更新。 早くいっぱい寝たい。
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anarchihiroism · 4 years ago
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フェミニズムとファッション
 以前の私は「フェミニスト」にあまり良い印象がありませんでした。(読んでくださっているあなたはどのような印象を持っていた、または持っていますか?ぜひコメントで教えてください。)
一体「フェミニズム」「フェミニスト」とは?
https://tabi-labo.com/281625/meaning-of-feminists
 そもそも私は「平等を訴えているだけで『フェミニスト』とラベリングされ、くくられている」感に違和感を覚えていました。この時はまだ「男女平等を訴えている主に女性たち」という誤った認識で、男女平等なんて至極当たり前、男女差別や男尊女卑問題は社会科の教科書でしか勉強しないし触れることもない、といった考えがありました。
 他国と比べてフェミニズムという単語そのものに馴染みがない日本でそれは何となく異端・異質なものとみなされている印象があります。ネット上に蔓延る否定的な意見が大多数を占めるいわゆる「フェミニスト論」のようなものに私自身も感化されてしまい、フェミニストに対して「怖い、ヒステリック」というイメージを残したまま成長しました。
 そんな私が「フェミニスト」及び「フェミニズム」に対しての考えを改めるきっかけとなったのは、作家 川上未映子さんの存在を知ったことです。
 川上未映子さんは前述したとおり「作家」として活躍するほか、詩人、元歌手など様々な経歴と職業をお持ちの方です。そんな川上さんはご自身で「フェミニスト」を名乗ってらっしゃいます。
 「日本ではなぜか否定的にとらえられることがあるけれど、わたしはフェミニスト。専門的な教育を受けたわけではなく、自分で学んでたどり着いた自分の立場だと思っています。」
 「らしさ」の強要問題は私の永遠の課題です。
 幸い私は家族や友人に「もっと女の子らしい恰好をしたら?」となじられることはありませんでした。そういった環境のおかげで、今の私はこんなに服を愛せるのかもしれない。自分の好きな恰好をした自分を愛せるのかもしれないと考えています。
 専門に入学して本格的に服飾の勉強をしてからというもの、「自分らしさ」の追求が「男らしさ」「女らしさ」に上書きされてしまう事実に改めて直面しました。環境が自分らしさの基盤を男・女らしさのコンクリートで塗り固めてしまうことに私は悲しさを覚えます。しかし自分を保っていられるのは環境のおかげであることも事実。自分は自分でいるために適応した格好をしなければならないということに、私は板挟みになっていました。
 そんな時に出会った川上さんの言葉。
 「男性も『男らしくあれ』とか『男は稼いでいくら』とか、そういうものから自由になってほしい。戦いごっこに興味のない男の子だって、強くない男の人だって当たり前にいる。男も女も、もう、望んでいない『らしさ』から解放されましょうよ。」
 これを読んで「女らしさ・自分らしさ」ではなく「自分が望む『らしさ』」について考えました。結論は「自分が(それをすることによって)一歩でも進めるかどうか」。
 私は自他ともに認めるネガティブで自己肯定感も低いのですが、なぜか自分の好きな服を着るとそれらから解放されるのです。服は時に「鎧」として自身を守るものとして表現されることがありますが私にとっては全く逆で、服でらしさを表現しなければいけないという呪縛から解かれる気がします。とにかく自分の好きな服を着る、それで私の地の底まで下りた自己肯定感が少し上がり、また一歩進むことが出来るのです。
 なので私は俗にいう「女らしい恰好」はしません。スカートやワンピースは好きだから着る、といった考えです。過度に肌を露出したり、「男性受け」を狙ったりは一切しない。自分の好きな服を好きな時に着る。これを大切にしています。私も川上さんと同じく、全人類が望まないらしさから解放されてほしい、そう願っています。
  男の人に好かれたり、性的対象としてちやほやされることと、自分の価値がセットで考えられてしまうことが多い。そうじゃなくって、本当はもっと人間として何ができるかという方向で、自分をエンパワーメントして尊重する機会を得るべきですよね。男の子も女の子もそうじゃない人も、人間としてね。
https://sheishere.jp/column/201912-miekokawakami/
 今回の制作で、「らしさの解放」並びに、私は今のところ女性なので「女性に捧げる服」としてテーマを掲げました。タイトなシルエットになりすぎず、多くの女性がコンプレックスを抱いていそうな部分は、より美しく見せるようにカバーしました。
 これを見た男性も女性も「自分が本当に望む『らしさ』について考えていただきたいです。そうすればもっと、きっと世界は面白くなるはずです。
よろしければこちらも読んでみて下さい。
https://www.elle.com/jp/culture/movie-tv/g35125462/ayaka-wada-hikorohi-interview-210108/?slide=1
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anarchihiroism · 4 years ago
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卒業制作にあたってのプロローグ
中学2年家庭科の授業でミシンをぶっ壊しそうになる、終いには課題を母に作ってもらい、「裁縫なんて一生しない」と心に決めていた私が服を制作するに至るまで
 20年、この女性の体でなんとか過ごしてきましたが、「男性になりたい」と考えたことは何度もあります。生理もないし望まない妊娠をする不安や恐怖もないし、出産の痛みもない。太っていること、人より醜い顔、胸やお尻が大きかったり小さかったりを気にしすぎることもない。そう思って生きてきました。
 ですがそれはあまりにも軽く、各方面に失礼な考えだったと今では反省しています。まるで男性には何の身体的悩みもないかのようなとらえ方が出来ますし、性自認と身体が合っておらず苦しい思いをされている方々に嫌な思いをさせてしまう。寧ろ着たい洋服があり、それを問題なく着られることが幸運なことなのだと己の無知さを恥じました。
 それに、専門学校に入学して服と真剣に向き合うようになったら、服が持つ無限の可能性、つまり服をただ「身に纏う」だけでなく、服が持つバックグラウンド、どこで作られたのか、素材は何かなどの知識を「纏い」、自分の体形や顔のコンプレックスを隠すだけでなく、それをことさらに美しく見せてくれることを知りました。
 そして私は決めたのです。これからも私は女性として好きな服を身に纏い、自分の体と、服と向き合いながら生きていくと。
 私は私以外の女性に対してもそうあってほしいと願っています。そのため、この服のコンセプトは「As Woman ,For Woman」女性そのままを生きるために、ニュートラルでありながらもその人らしさを大切に、性差や体形に縛られず生きていく人に寄り添うことを根底に制作しました。
 また、この服は男性の方でも着られるように工夫がしてあります。例を一つ挙げると、肩幅を広めにすることで男性の肩幅にフィットしやすく、同じ服を女性が着てもドロップショルダー(ショルダーポイントを腕側に落とした肩のライン)に変化し、華奢に見えやすくなるようにしました。
  衣装制作に興味を持つきっかけとなったのは、スマホアプリゲーム『アイドリッシュセブン』のライブ、通称「ナナライ」を鑑賞したことです。
 「アイドリッシュセブン」とは バンダイナムコオンラインが提供するスマートフォン向けアプリケーションゲーム。父親の経営するアイドル事務所「小鳥遊芸能事務所」で働くことになった主人公が、所属する7人組男性アイドル「IDOLiSH7」のマネージャーを担当することになり、彼らをトップアイドルに成長させるために奮闘するストーリーが描かれる。(Wikipediaより引用)
https://idolish7.com/
 アイドリッシュセブン LIVE(以下ナナライ)とは、2018年に初回、翌年2019年に二回目の開催をメットライフドームにて果たした、キャラクターに声を充てる声優陣が出演し、曲を披露するライブ。
 アイドリッシュセブン 1stLIVE「Road To Infinity」
https://idolish7.com/1stlive/
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 アイドリッシュセブン 2ndLIVE「REUNION」
https://idolish7.com/
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 姉がアイドリッシュセブンのファンで、当時私は知らなかったのですが、私の好きな声優さんが出演されているとのことで「一緒に見てみない?」と誘ってくれたのがきっかけです。
 推しが出ていたのもそうですが、姉が私を誘ってくれたのにはもう一つ理由がありました。
 それは「ナナライの衣装のクオリティが高い」こと。
 私が属するコースは何といっても「雑貨・ファッションスタイリストコース」というたいそうな名前なので、「洋服制作の参考にもなるし推しも出ているし」という姉の配慮でした。(この場を借りて言います。ねーちゃんありがとう。)
 ぶっちゃけた話、舐めていました。そりゃあ舐達磨くらい舐めてました。
 ↓ 舐達磨 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%90%E9%81%94%E9%BA%BB
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 姉が何度も「すごい」と言うので、いくら大人気コンテンツとはいってもそんなに…(笑)くらいに思っていました。
 結果、私は度肝を抜かれました。そりゃあスポンと抜けました。初めての鑑賞中はもしかすると推しより衣装を観ていたかもしれない。それくらい細かなディテールで華やかで、何より原作に忠実に作られていました。
 まさか声優さんのライブで「推しが尊い」以外の感情が湧くとは思ってもみませんでした。
 なんともありがたいことに姉は、「ナナライの衣装制作についての本」なるものも買っていました。借りてからは舐めまわすように読ませていただいて、改めて、制作者の意図と熱量が感じられました。
 特に私が驚いたのは、演者に合わせた衣装づくりです。着る人の身長や体形に合わせてフリルのボリューム感やピンの位置を変えていらっしゃるとのことで、ぱっと見ではわからない衣装制作のこだわり、なによりキャラクターのイメージを壊さないようにといった原作への配慮も如実に感じられました。
 「こんな衣装が、私にも作れたら」
 作りたい。こんな素敵なお洋服を。私も。
 自分が思っていることの表現力は音楽や文章などの二次元的なもののほうが強いと思っていたので、私は三次元の表現の仕方に圧倒されてしまいました。
 これが、私の卒制のベースとなった出来事です。思った以上にオタクでビックリさせてしまいましたか?アイナナはストーリーも曲もめちゃ良いので、よろしければプレイしてみてくださいね!(私はバンダイナムコの回し者ではありません)
 推しユニット「TRIGGER」の曲
https://youtu.be/WMBdSdUKo6Y
 ここから先の投稿は私が制作した服に落とし込んだメッセージ、思いを公開していきたいと思います。よろしければそちらもお願いいたします。
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