Tumgik
cityofglasses · 6 months
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------------------------------------------------------ 『催眠術に、かかってあげない!』 ------------------------------------------------------
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cityofglasses · 7 months
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------------------------------------------------------ 『巨根と幼馴染』 ------------------------------------------------------
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cityofglasses · 7 months
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------------------------------------------------------ 『どうやら俺は異世界で世界を救った勇者だったらしい話』 ------------------------------------------------------
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cityofglasses · 1 year
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『癒し系彼女の束縛レシピ』 ------------------------------------------------------
「みさきちゃん……」
 近づくふたりの距離。
 触れ合う唇。
 熱い吐息。
 舌を伸ばせば、素直に応えて絡めてくる。
 ごく普通の大学生の、ごく普通のカップルの、ごく普通の夜の甘やかなひととき。
――ガチャン。
 手首に違和感。
 サラサラと鎖の音。
「みさきちゃん、コレ……今日も?」
「もちろんだよ」
 目の前の彼女は、ふんわりと和やかな天使の微笑みを浮かべて言った。
「私、大事なものはちゃんと繋ぎ止めておきたいタイプなの」
(タイプというか、性癖じゃないかな……?)
 内心で突っ込みつつも、みさきちゃんに嫌われたくない俺は、両手首にかけられたおもちゃの手錠を受け入れた。
 講義が終わって昼休み。
 恋人と待ち合わせて、大学構内のカフェで昼食を摂る。
「千歳くん、ご飯粒付いてるよ」
「え、どこ?」
「ふふっ、ほっぺたに。取ってあげるね」
 みさきちゃんは自然な仕草で俺に近づき、取ったご飯粒を自分の口元へと持って行く。
「……えへへ、もらっちゃった」
 にっこり微笑む顔が可愛い。
 みさきちゃんと付き合い始めて3か月。
 優しくて可愛くて、完璧な女の子。
 日増しに彼女を好きになるばかりだ。
(だからこそ……)
 彼女の性癖だけが引っかかる。
 初めてみさきちゃんとセックスをしたのは、付き合って2週間目のデートの日だった。
 大学がある駅から数駅離れた町の、駅から徒歩10分の場所にあるアパートの205号室。そこがみさきちゃんの部屋だ。
 男子校出身の俺にとって、みさきちゃんは人生で初めてできた恋人。
 そんな彼女の部屋に招かれ、手料理をごちそうになって、順番に風呂に入って……。
 まるで漫画か何かのように完璧な流れ。
 何度もシミュレーションしてきた初体験の段取り。
 清潔な身体で、ベッドに並んで座って、それから――。
「千歳くん……手、貸して?」
 無防備なパジャマ姿で、みさきちゃんが言った。
 全身から石けんの良い匂いがする。
 鼓動がうるさくて耳が痛い。
 興奮と緊張で頭が上手く回らない。
 みさきちゃんの言う通りに手を差し出すと、「両手だよ?」と可愛らしく言われる。
 両手を差し出すと、みさきちゃんの小さくて可愛らしい手が握ってくる。
「ふふっ、手、熱いね」
 ふにゃりと微笑むみさきちゃんが可愛い。
 みさきちゃんが可愛いということしか、もう考えられない。
「千歳くん、目、つむって?」
「う、うん……」
 声が掠れたのが恥ずかしくて、大げさなくらいぎゅっと目を瞑る。
 視界が真っ暗になると、鼓動の大きさが余計気になる。
 ドクドクと全身が心臓になったかのように鳴っている。
 ドクドク、ドクドク、ドクドク、ドクドク――ガチャッ――ドクドク、ドクドク、ドクドク
(……ん?)
 何か変な音が混ざった気がする。
 興奮しすぎて心臓が壊れたのかもしれない。
 薄目を開けようとした瞬間、不意に押されて背中側へと倒れた。
「えっ!?」
 思わず目を開けたその時、また『ガチャッ』と音が聞こえた。
「ふふっ、まだ目、開けていいって言ってないのに。わるいこ」
 みさきちゃんは、目を閉じる前と同じように可愛らしく笑っていた。
「ご……ごめん?」
 よく分からないまま謝った。
「いいよ。次からは、私との約束ちゃんと守ってね」
 みさきちゃんがにっこり笑う。
 可愛い。
 可愛いんだけど……さっきまでとはちょっと違う、ような……。
「あのさ、みさきちゃん」
「なあに?」
「なんで俺の手に手錠がかかってるの?」
 目を開けてみれば『ガチャッ』の原因は一目瞭然だった。
 俺の手に手錠がかけられていた。しかも鎖はベッドのヘッドボード側のパイプに通されている。
 簡単に言えば、バンザイするように両腕を上にあげた状態で寝かされ、手錠はベッドにくくられている――拘束状態にされている。
 誰に?
 他の可能性は一切考えられないにも関わらず、信じられなかった。
「私、こうしておかないと安心できないの」
 みさきちゃんは、どこか切なそうな、儚げな表情でそう言った。
「お……俺、優しくするよ。初めてだけど、みさきちゃんを傷つけるようなことはしないから、安心して」
「うん、それは大丈夫。千歳くんは優しい人だって、知ってるから」
「それなら……」
「うーん、どう言ったらいいのかな」
 みさきちゃんは、小さな手を顎に当てて小首を傾げた。
 仕草がいちいち可愛い。可愛いからこそ、拘束状態の異常さが際立つ。
「あっ、そうだ」
 可愛らしい悩み顔が、可愛らしい笑顔へと変わる。
 くるくる変わる表情もみさきちゃんの魅力のひとつだ。
 そんな愛らしいみさきちゃんは、愛らしい声でこう言った。
「あなたが大切だから、ちゃんと閉じ込めておきたいの」
 それが自然の理だとでもいうように言い切った。
「今夜は帰さないから……楽しい夜にしようね、千歳くん」
 そしてそのままされるがまま、騎乗位で童貞を卒業した。
 みさきちゃんもたぶん処女だったと思う。少し痛がっていたし、血も出ていた。
 両手を拘束されたままだったから、抱きしめて慰めることすらできなかったけど……。
「千歳くん? ぼんやりして、どうしたの?」
 気付けば、みさきちゃんが不安そうな顔でこちらを見ていた。
「最近ぼんやりしてることが多いけど……もしかして、悩み事?」
「ごめん、違うよ……みさきちゃんは可愛いなって思って見惚れてた」
「ふぇ……っ!?」
 色白の顔が真っ赤に染まる。困りつつもまんざらでもない感じの表情で、みさきちゃんが身もだえる。
「もうっ、すぐそうやってからかうんだから」
「からかってないよ、本気だって」
 みさきちゃんは可愛い。
 大事にしたい。
 初めての彼女だし。
 初めての彼女だから、俺の認識が間違っているのかもしれないし。
 拘束プレイなんて、みんな普通にやってる当たり前の行為なのかもしれないし。
「千歳くん、またぼーっとしてる」
「ああ���ごめん。バイト忙しいからかな」
「そうなの……?」
 みさきちゃんが距離を詰めてくる。俺の腕をぎゅっと抱いて、うるうるした瞳で見上げてくる。
「なんでも相談してね。だって私、あなたの彼女なんだから」
 周囲からの羨望の眼差しを感じる。
 誰が見たってみさきちゃんは可愛い。そのうえ健気だ。彼氏冥利に尽きる。
「ありがとう、みさきちゃん」
 だからこそ、俺も彼女にふさわしい彼氏にならないと。
……とはいえ、俺が抱えている悩みをみさきちゃんに打ち明けるわけにはいかないのが現状だ。
 夜、自室でパソコンの画面を食い入るように見つめつつ、心の中でみさきちゃんに謝った。
 ぼんやりしている原因は寝不足だし、寝不足の原因は調べものをしているからだし、調べものの内容はみさきちゃんにまつわることだからだ。
 つまり俺は近ごろ熱心に『SMプレイ』について勉強しているのである。
 みさきちゃんは拘束プレイが好き。ということは、おそらくSMプレイが好きだということだ。しかもみさきちゃんがS側。女王様側。女性上位プレイ派。
 しょっぱなから手錠拘束で来たのだから、本当はきっと相当濃いプレイをお望みなんだろう。調べれば調べるほど自信がなくなってくる。
(ロウソク……は本当は熱くないらしいし、テープ拘束も静電気で接着するテープだから見た目よりエグくないらしい……でもスパンキングは普通に痛そうだ。磔とかも怖いし……ボディピアスとか字面だけで震える……)
 殴り合いのケンカとは無縁に生きて来たし、今までで一番痛かったのは親知らずを抜いた時の痛みくらいなものだ。ネットで少し検索しただけであれよあれよと出てくるSMプレイの上澄みにすら恐怖を覚えてしまうほど、俺には痛みの耐性が無い。
 今後、拘束からさらにプレイが発展していった時、俺はみさきちゃんについていけるだろうか?
 平凡なプレイを望む俺を見限り、別れを告げられたらどうしよう。
「せめて、求められた時にただ恐怖に震えるだけじゃなくて……代替案を提案できるくらいには知識を付けておかないとな」
 それが俺にできる精一杯だ。それ以上のことはいざ求められてみないことには分からない。
 決意を新たにネットサーフィンを続けていると、インターフォンが鳴った。
「なんか通販頼んでたっけ?」
 首を傾げる。
 最近SMプレイ用の本やグッズをいくつか取り寄せてはいるが、今日配達予定の荷物は無いはずだ。すると勧誘か何かだろうか。こんな夜に? 時計を見ると21時を少し過ぎたところだった。
 無視を決め込もうと思っていると、続けざまにインターフォンが鳴らされた。
「なんだ……?」
 首を傾げつつ玄関へ向かう。のぞき窓から外を見ると、みさきちゃんが立っていた。
「みさきちゃん、こんな時間にどうしたの!?」
 驚きのあまり扉を開けると同時に尋ねていた。
「ごめんね、突然……あがってもいいかな?」
「あ、ああ……うん」
 何気なさを装って返事をしつつ、室内をザッと見渡した。近ごろ通販で買い集めていたSMプレイの資料はクローゼットの中だ。洗ったまま畳んでいない服はちらほらあるが、汚れ物は散らかしていない。あとは――SMプレイについて検索したままのパソコンが点いたままだった!
「あれ、千歳くん何か作業してたの?」
 みさきちゃんがパソコンに近づく。
「いや、大したことじゃないから!」
 大急ぎでパソコンのコンセントを引き抜いた。
「……そういう電源の切り方して大丈夫?」
「普通はだめだけど大丈夫……」
 心配そうなみさきちゃんに対して、ただ怪しいだけの返答をしてしまう。
 しょっぱなから大失敗だ。
「と……とりあえず、何か飲む? たしか冷蔵庫にペットボトルが何本か入ってたはず……」
 なんとか気持ちを切り替えようと、一旦キッチンへ避難する。水のペットボトルしかない。仕方なく、それを持って部屋に戻った。
「ごめん、何も無いから近くのコンビニでなんか買ってくるよ。お腹は空いて……」
 言いかけて固まった。
 みさきちゃんは、SM資料の数々を前にして肩を震わせていた。
「ちょっ!? なんでそれを!? 隠しておいたのに……!」
「ごめんね、勝手に見て……でも、ベッドの近くに怪しい伝票の段ボールがあったから、気になっちゃって……」
「怪しい伝票?」
 みさきちゃんの傍らにある段ボール箱へと目を向ける。送り主は「大人の」……。たしかに、こんな伝票をみたら怪しむのも無理はない。
「やっぱり……千歳くん、他に気になる子ができたんだ」
「え!?」
「最近、私と一緒にいてもぼんやりしてることが多かったでしょう? だから、他に好きな子ができたんじゃないかなって、うすうす思ってたんだ……」
 みさきちゃんは、大きな瞳いっぱいに涙を溜めていた。
「千歳くんは、その……こういうエッチをさせてくれる女の子がいいんだね」
 うつむいた視線の先に、SM系の雑誌があった。ボンテージ姿の女性が表紙を飾り、過激な煽り文が躍っている。
「誤解だよ! 寝不足なのは、たしかにこういうのを見てたからだけど……みさきちゃんの他に気になる子なんていないから! 俺、本当にみさきちゃんが好きなんだ!」
 うつむいたみさきちゃんの肩を掴み、なんとか目を合わせた。
「千歳くん……」
 みさきちゃんは目を瞬かせて、表情を少し明るくした。浮気なんてしていないのは分かってくれたようだった。けれど、すぐにまた表情が曇る。
「で、でも、少なくとも私とのエッチに満足してないんだよね……? だって、こういうおもちゃとか本とか買ってるわけだし……」
「違うちがう、逆だよ」
「え……?」
「みさきちゃんが、俺とのエッチに満足できなくなる日が来るんじゃないかって不安で……SMプレイについて予習してたんだ」
「えぇ……!?」
 みるみるうちに、みさきちゃんの顔が赤くなっていく。
「ど、どういうこと? 私、そんなに……あの、エッチな子に見えてた……!?」
「いや、エッチというか……その、性癖が」
「せ、性癖!?」
 これ以上ないくらい真っ赤になっている。ここまでいっぱいいっぱいになっているみさきちゃんを見るのは初めてだった。こんな場合にどうかと思うけれど、みさきちゃんは混乱している最中でもめちゃくちゃ可愛い。
 とはいえ見惚れっぱなしでいるわけにもいかないので、俺はこれまでの経緯を説明した。
「つ……つまり、私が手錠で千歳くんを拘束してからエッチしてたから、SMプレイ好きだと思って……私の趣味に合わせようとしてくれたってことなんだね」
「理解が早くて助かるよ」
 みさきちゃんは、少し赤みの引いた顔をぱたぱたと手で扇いでいる。
 先ほどまでよりは、だいぶ落ち着いてきたようだった。
「えっと……千歳くんが事情を話してくれたから、私もちゃんと説明しないとだめだよね」
 決意するようにひとりごちて、みさきちゃんは俺に向き直った。つられて俺も居住まいを正す。
「心配させちゃってごめんね、千歳くん。でも大丈夫だよ」
 向い合せの俺の手を、みさきちゃんがギュッと握りしめて来る。
「私はただ、拘束したいだけだから」
「……うん?」
「その……サドとかマゾとか、プレイとか、関係無いんだ。私はただ、千歳くんを縛りたいだけなの」
 一点の曇りもない瞳でそう言い切るみさきちゃん。
 対する俺は曇りまくりの顔をしていることだろう。彼女の言っていることがよく理解できていない。
「えっと……つまりみさきちゃんは、緊縛は芸術派の人ってこと……?」
「あはは、違うよぉ! そういう高尚な話でもなくって」
 緊縛趣味が高尚かどうかは分からないけれど、みさきちゃんは謙遜するような照れ笑いを浮かべた。
「私、昔犬を飼ってたの。柴犬でね、ポチっていう名前をつけて、すごくすごく可愛がってたんだ」
 みさきちゃんが柴犬を可愛がっている姿を想像した。ほのぼのとした幸せな光景は容易に想像することができた。心優しいみさきちゃんのことだ、きっと言葉で言い表せないほど可愛がっていたに違いない。
「でもね、ある日脱走しちゃったの。お散歩中に首輪が外れて、パニックになって……色々手を尽くしたけど見つからなかったんだ」
 その時の悲しみを思い出したのか、みさきちゃんは涙声になっていた。
「私……ポチの事があってから、大切なものは自分の側に縛り付けておかないと安心できなくなっちゃったの」
 悲しい思いでの延長線に、唐突に性癖の話が現れて度肝を抜かれた。
「な、なるほど?」
 なんとか相槌を絞り出す。
「手錠とか、首輪とか……とにかく私のそばに縛り付けて、拘束しておかないと安心できなくて……安心って信頼と同じでしょ? 安心して信頼できないと、本当の意味で好きにはなれないよね?」
「そうだね。たしかに」
 恋人になるということは、より深い信頼関係を築いていくということ。
 そういう話なら、俺にも理解できる。
 嫉妬したり、浮気を禁じたり、そういうのも拘束の一種と考えれば一般的な感覚とそう変わらない気もしてくる――が、物理的に縛り付けるという発想に結び付けるのはさすがに厳しい気もする。
「今まで、告白してくれた人もいたんだけど……付き合うなら縛らせてほしい、とか、手錠を付けたいって言うと怖がられちゃって……」
「そう、だったんだ」
 自分が告白した時のことを思い返した。そんな話はされなかったはずだ。されていたら、初エッチの時にあそこまで衝撃を受けなかったはずだし。
 俺が疑問を抱いているのに気付いて、みさきちゃんはもじもじと視線をさまよわせた。
「千歳くんはポチに似てるから、絶対に絶対に手放したくなくて……黙ってお付き合いを始めちゃったの。だまし討ちみたいな形でエッチまでして、ごめんね」
「いや、それは全然いいんだけど」
「えっ、いいの……?」
 なぜかみさきちゃんの方が驚いている様子だった。
「さっきも言ったけど、俺はみさきちゃんが好きだし、みさきちゃん以外の恋人なんて考えられない。だから付き合えて嬉しいし……手錠の理由も分かったから、十分だよ。みさきちゃんが誤る必要なんてない」
「千歳くん……ありがとう」
 みさきちゃんが抱きついてくる。
 ふわりと甘い香りがする。
 華奢な身体だ。こちらから抱きしめ返したら折れてしまいそうなほど。
 あどけなくて庇護欲を誘うみさきちゃんが、まさか縛り付けたい側の人間だとは思ってもみなかったけれど……俺の中のイメージなんて、現実のみさきちゃんの可憐さに比べれば些末なことだった。
「みさきちゃんは、ポチのことがトラウマになっていて、忘れられないんだよね」
「うん……」
「分かった。それなら俺……ポチの代わりになるよ!」
 恋人であると同時に、ペットになってもいい。それくらいの覚悟はできていた。
「あ、そういうのは大丈夫」
「そ、そっかぁ……」
 俺の覚悟はあっさりと流された。
「ポチはポチ、千歳くんは千歳くんだもん。それはちゃんと分かってるよ」
 みさきちゃんは、俺の胸板に頭を擦り付けた。サラサラの髪が、細い肩からこぼれる。
「あなたは私の大切な彼氏さんだもん。誰の代わりでもないんだよ」
「みさきちゃん……」
 今度は俺の方が感激する番だった。
 気持ちが通じ合っている。
 好きな人が自分のことを好きでいてくれる奇跡。
 幸せだ。
 多幸感に浸っている俺の顔を、みさきちゃんの可愛らしい笑顔が覗き込んでくる。
「ただね、私は大切なものを二度と失いたくないの。だから……」
――カシャン。
 首元で金属音。
 冷たい革の感触。
 次いで圧迫感。
「え、これ……」
「首輪だよ。あ、もちろん人間用のね? いつか千歳くんに付けたいと思って、持ち歩いてたの」
「そ、そうなんだ……」
 みさきちゃんの可愛らしいカバンにそんな重たい秘密が隠されていたなんて全然知らなかった。
 新事実に戸惑う俺の頭を、みさきちゃんが優しく撫でた。
「私だけの彼氏くんっていう証、受け取ってくれるかな?」
 俺にとってみさきちゃんは初めての彼女だ。
 普通なんて分からない。
 他の愛の形なんて知らない。
 だから、迷う余地も無かった。
 首輪以外の服を脱ぎ、みさきちゃんの裸身と向き合う。
 首輪をしたということは、今日はとうとう手錠をせずにエッチできるかもしれない。少しワクワクしてしまう。
「せっかく千歳くんが色々買いそろえてくれてるし、一緒に使ってみる?」
 いざ抱きしめ合おうという瞬間、みさきちゃんがにっこり笑って言った。
「別に、活用しようとしなくてもいいんだよ。みさきちゃん、SMには興味なかったんだって分かったし」
「でも、せっかく買ってくれたものだから……」
 そう言って、迷わず『緊縛入門第1巻』と赤い縄を手にした。
「この本に緊縛のやり方載ってるみたいだし、今日はこれを試してみよう?」
 みさきちゃんはちょっとうきうきしている。いや、わりとあからさまに興奮している。明らかに興味津々の様子だ。
「緊縛って高尚そうで私にはできないって思ってたけど……千歳くんが協力してくれるなら、頑張れそう」
 緊縛か高尚かどうかはおいておいて、彼女がこんなにキラキラした目をしていたら反対なんてできるわけがなかった。
「千歳くん、ベッドの上に座って?」
 首輪に指を差し込んで、軽く引っ張られる。
 意思とは関係なく、まず息苦しさで反射的に身体が動いてしまう。
「…………」
 俺を見るみさきちゃんの目は、ゾッとするほど澄んでいる。
 それがどうしようもな綺麗で、見惚れてしまう。
「分かった」
 不思議な強制力に導かれるまま、頷いていた。
 首輪を軽く引く、その些細な動作で、俺たちの関係がはっきり変化したのが分かった。
「ふふ……いい子だね、千歳くん」
 みさきちゃんは蕩けるように甘い声で言って、俺の頭を撫でる。
「この本みたいに、両脚を伸ばして座ってね」
 みさきちゃんに言われるまま本と同じ体勢を取ると、みさきちゃんが俺の脚をまたいできた。尻をついて座っている俺を、膝立ちのみさきちゃんが見下ろしている。彼女の手には真っ赤なロープがある。
「これから、この縄で千歳くんを縛るんだよ」
 みさきちゃんは縄肌を優しく撫でた。
「初めてだからドキドキするね。でも、絶対上手に縛ってあげる。千歳くんが私のものなんだって、ちゃんと分かるように……」
 天使のような微笑みに、血のように赤い縄は不釣り合いに見えた。けれどなぜか、その不均衡が強烈なまでに美しく見える。
 まるで彼女の前にかしずくのが、人生最大の喜びであるかのように――無意識のうちに、身体が歓喜に震えてしまう。
「両手を後ろに回して組んでくれる?」
「うん」
 手を後ろに回し、右手で左肘を、左手で右肘を持つように組む。
 みさきちゃんは俺の後ろに回って組み合わせを微調整して、「上手だね」と褒めてくれた。
「縄を通すね」
 脇から、少し冷たい感触が入ってきた。とうとう縄が腕に通されたのだと分かった瞬間、背中がゾクゾクと震えた。
 シュル、シュル……と縄が擦れる音がする。肌を縄が撫でていく。
「ぁ……っ!」
 腕に巻かれた縄が、キュッと絞められた。
「痛い?」
「い、いや、痛くはないよ」
「そう、良かった」
 少し腕をもぞつかせてみると、両手首のあたりに結び目が来ていた。後ろ手にしっかりと結び付けられているということだ。
「ふふ……動けないよね」
 みさきちゃんがうっとりと言う。耳元で囁きながら、結び目を指で弄んでいる。
 彼女が喜んでいる。その事実だけで、どうしようもなく身体が昂った。
「もう少しだけ、我慢していてね」
 縄が二の腕の上に通され、正面へと回って来た。二周して、再び後ろでキュッと締められる。
「これね、『後手胸縄縛り』っていうみたい」
 みさきちゃんは俺の後ろから身体を密着させ、正面に回った縄を指でなぞった。
 乳首の少し上と少し下に縄が通っている。なんだか少し間抜けな光景で、みさきちゃんに見られるのが恥ずかしい。
「でも、女性用の縛り方とかなんじゃないかな? 胸があったら映える気がするけど……」
 乳房を上下の縄で搾って強調する状態だったら、見た目にも美しい気がする。男の胸板を上下に絞ったところで、ただ乳首がぽつねんとあるだけで貧相だ。
「そんなことないよ。千歳くん、とっても素敵だよ」
 耳元でみさきちゃんが囁く。
「それに……ココを弄ると、男の子でも女の子みたいになっちゃうんだって」
 縄をなぞっていた指が、乳首に触れた。
「ッ……!?」
 指の腹で、乳輪をくるくると撫でまわしてくる。
「気持ちいい……?」
「わ、分からないな……くすぐったいけど……」
「そっかぁ……じゃあ、もうちょっと弄ってみようね」
 上下に通した縄で区切られた範囲を、さわさわと撫でる。乳輪よりも外側部分を優しく撫でていたかと思えば、乳首のあたりをぎゅっと指で押し込んでくる。
 華奢な指で乳首をぐりぐりと押し込まれると、その反動か乳首がむくっと勃ちあがった。
「ぁは……乳首、おっきしちゃったねぇ……?」
 耳元を熱っぽい吐息がくすぐった。
 ピンと勃った乳首をわざと避けるように、その周囲ばかりを撫で、擦ってくる。
「身体、汗ばんできたみたい……肌が少し赤らんできて……縄に映えて、すっごくエッチ……自分でも、分かるよね……?」
 ひそひそと、耳元で囁き続けられる。耳朶が敏感になってきて、みさきちゃんの呼吸ひとつでも身体が震えてしまう。
「乳首、触ってほしそうに一生懸命膨らんでるね……? なんだか可愛い……ふふっ」
「み……みさきちゃん……そこも……」
「そこ? なぁに? もしかして……おねだり、かな?」
 どこか期待するような声。
 優しく導くような囁き。
 身じろぎすると、首輪がカチャリと音を立てた。
 その音を聞いたとたん、頭の中で何かのスイッチが切り替わる感覚がした。
「乳首も……乳首も、触ってほしいんだ、みさきちゃんに……っ」
 くすぐったいだけだと抑えこんでいた性感が、一気に膨れ上がったように感じた。
 みさきちゃんの手も、吐息も、気持ちいい。
 だからもっとしてほしい。
 そんな感情が、堰を切ったように湧き上がってくる。
「くすっ……いいよ。上手におねだりできたからぁ……いっぱい触ってあげるね」
 不意に、みさきちゃんの指が俺の乳首を摘まんだ。
 ためらいなく、強く、ぐりぐりと指の腹で押しつぶしてくる。
「ぉあっ……!? あ……待って、みさきちゃん……っ!」
「グリグリ……ぎゅーって……乳首弄ってあげる……これ、気持ちいいでしょ……?」
 指先でピンと払われる。ピン、ピン、ピン……とリズミカルに弾かれ、乳輪ごと押し込むようにぎゅっと押さえつけられる。
「ぅ、あ……っ」
 無意識のうちに声が出ている。
 強めに弄られた乳首は真っ赤に腫れ、乳輪ごとぷっくりと隆起していた。
「乳首いじめられるの、気持ちいいよねぇ……?」
 みさきちゃんは、唇を耳朶に押し付けるようにしながら囁いてくる。
「だって私、ちゃんと気付いてるよ? おちんちん、さっきから先走りでドロ��ドロになってるの……」
「……っ!!」
 彼女の言う通りだった。
 まだ少しも触れていないペニスはパンパンに勃起して、鈴口からダラダラとカウパーを垂らしている。
 亀頭は物欲しげにぱくぱくと喘ぎ、腫れたように赤く膨らんでいた。
「乳首でいっぱい気持ちよくなっちゃってるね……? ふふっ……千歳くんのおっぱい、女の子になっちゃったね……?」
 両手で乳首を摘まみ、くにくにと揉みしだいてくる。強めに引っ張られると、それだけでペニスがピクンと反応した。
 みさきちゃんはペニスの露骨な反応を見て、嬉しそうな息を漏らす。
「ふふ……そろそろ、おちんちんもいい子いい子してあげないとね」
 みさきちゃんは立ち上がり、俺の前へと回った。縄で縛る前のように、俺の脚をまたいで膝立ちになる。
「いっぱい頑張ったご褒美だよ……」
 みさきちゃんは、細い指を肉丘に添えた。軽く広げると、クチュリという音と共に濡れそぼった粘膜が露わになる。
 濃いピンク色に充血した秘部は、すでに過剰なほど愛液を滴らせていた。
「一緒に気持ちよくなろうね」
 みさきちゃんは、俺の上半身を抱きしめた。そしてゆっくりと腰を下ろしていく。
「はぁ……ぁ……おちんちん、入ってくるよぉ……」
 焦れるほど時間をかけて、肉茎が膣内に埋まっていく。
 愛液が竿を伝い落ちていく、そのひと筋ひと筋の感覚さえ冴え冴えと分かるほどだ。
「ふふ……とってもエッチな顔してる……早くおまんこで気持ちよくなりたいんだね……?」
 心底嬉しそうに、みさきちゃんが言う。
「乳首でいっぱい感じられるようになったご褒美だけど…………私を不安にさせたお仕置きもしないといけないから……千歳くんは腰動かしちゃダメだよ」
「え……!?」
「くす……っ、そんなに切なそうな顔しないで。私が、ちゃぁんと気持ち良くしてあげるから……」
 とうとう肉棒全てがみさきちゃんの膣内に埋まりこんだ。
「はぁ……はぁっ……ふふ……おちんちん、熱く���気持ちいい……」
 膣肉がペニスに絡みつき、優しく締め付けてくる。
 ヒダがうねり、愛液を滲ませながら肉竿を撫で回している。
 腰から下が溶けてしまいそうなほど気持ちいい。
「約束だよ……自分から腰動かしちゃダメって、ちゃんと覚えててね」
 首輪をクンッと引っ張って、みさきちゃんが微笑む。
「分かった……」
「くすっ……いい子」
 慈愛に満ちた微笑を浮かべたまま、みさきちゃんが腰を動かし始める。
「うぁ……っ!?」
「んっ……ん……っ……! はぁ……ナカでどんどん大きくなってる……」
 リズミカルに腰を上下させるたびに、結合部から水音が鳴った。
 先走りと愛液が掻き混ぜられ、泡立ち、飛び散っていく。
「ぁん……んっ……いつもより、おちんちんガチガチだよぉ……ふふっ……縄でぎゅぅって縛られて、嬉しいんだぁ……?」
 大きな動きで抽送されると、全身が跳ねてベッドがギシギシと軋む。
 身体のどこかが弾むたび、動くたびに縄が食い込んで、否応なしに存在を主張してくる。
 縄の擦れる部分が熱い。その熱がなぜか、深い安心感を与えてくる。
 みさきちゃんとどこまでもひとつに溶け合っていくような――そんな多幸感がある。
「お顔が蕩けてるよ……? ふふっ、喜んでくれて、嬉しい……」
「みさきちゃん……」
「でも……今なら、もっと気持ちよくなれるよね?」
「えっ?」
 唐突に、みさきちゃんは両手で俺の乳首を引っ張り上げた。
「ふふっ、千歳くんのおっぱい、女の子になっちゃってるんだもんね……だから、こっちも弄ってあげないとね?」
 ぎゅう、ぎゅう……っと乳輪ごと乳首をねじられる。胸板全体が引っ張られ、肌が縄に擦れる。
 胸全体が敏感になっていて、ちょっとの刺激でも強烈な快感が生まれた。
「あは……とっても気持ちよさそう……おちんちん、私のナカでビクンビクンしてるよぉ……っ」
 膣内でペニスが痛いほど勃起している。
 肉壁を押し広げるように膨張し、亀頭が熱く張っていく感覚がする。
「このままだと、おっぱい弄りながらじゃないとイけなくなっちゃうかな……?」
 きゅっ、きゅっ、と乳首をつねり、指ではじきながら、みさきちゃんが舌なめずりをする。
「私でしかイけない身体にするのも『縛る』ってことだよね……? それって、すっごく……興奮しちゃうなぁ……ふふふっ……」
 腰使いはいよいよ激しくなっている。
 亀頭に子宮口を押し付けるように腰をくねらせ、膣壁全体で肉竿を擦りたててくる。
 根元から先端まで、貪るような動きで膣肉が収縮を繰り返している。
「みさきちゃん、俺、もう……っ」
「いいよ……私も、もうイっちゃいそう……っ」
 愛液まみれの膣内が熱を孕み、膣穴から最奥までが痙攣し始めている。
 絶頂が近い膣内で、容赦なくペニスを扱きたててくる。
「はぁっ、はぁっ……精液昇ってきてるぅ……んんっ、おちんちん、熱くなって……んん……っ!」
 みさきちゃんは、射精寸前のペニス全体を絞るように結合部をしっかり密着させてきた。
「ふふっ……私とのエッチでしかイけない身体になっちゃえ……っ♪」
 子宮口が亀頭に吸い付き、射精を煽る。
「あ、あっ、みさきちゃん……!」
 快感が極限まで高まった瞬間、背中が大きく仰け反った。
「ふぁぁぁぁぁぁっ、んくぅぅぅぅ……っ!!」
 みさきちゃんと同時に果てる。
 射精を始めたペニスを、みさきちゃんの膣肉がわななきながら搾り上げてくる。
 絶頂の証のように噴き出した愛液が下腹部を濡らす熱さを感じながら、二度、三度とみさきちゃんの膣内に精を吐き出した。
「あぁぁ……っ、すごいよぉ……おちんちん、ずぅっとビクビク暴れて……私のナカ、かき混ぜてる……」
 みさきちゃん自身も身体を痙攣させながら、絶頂の余韻に浸っていた。
「そろそろ、縄を解いてあげないとね」
 少し残念そうに言う。「長時間縛るのはよくないって書いてあったから」
 自分を納得させるように呟きつつ、縄を名残惜しそうに撫でる。
 白く華奢な手。細くて簡単に折れてしまいそうな手。
 そんな手が、俺を縛り上げたんだ。
 その事実が今さらながらに甘美に思えて、夢心地になってしまう。
「……どうしたの、千歳くん?」
 みさきちゃんが、俺の視線に気付いて小首を傾げる。
 全身が汗だくで、サラサラの髪の毛も頬に貼りついている。
 白い肌は朱色に染まって、汗の香りを漂わせている。
 快感で乱れ切った卑猥な姿でさえ、みさきちゃんはきれいで――可愛かった。
「みさきちゃんに見惚れてたんだ」
「ふぇっ……!? も、もう……またからかって……」
 みさきちゃんは照れ隠しのようにぎゅっと抱きついてきた。
「わっ……」
「きゃっ!?」
 そのまま後ろに倒れてしまう。
 驚き顔を見合わせて、すぐにくすくすと笑い合った。
「ありがとう。私……今、すごく幸せ」
 首輪を優しく撫でて、みさきちゃんが言った。
「俺の方こそ……大事にするよ、この首輪」
「うん。私の大切な存在って言う証だから……一生、ちゃんと付けててね」
「と……とりあえず、エッチの時だけでいいかな……」
 さすがに常時首輪生活は、日常生活に支障が出そうだ。
「うん、それでもいいよ。今は、ね」
 含みはるけれど、みさきちゃんは頷いてくれた。
「あのね……」
 首輪を撫でていた手を止めて、みさきちゃんが俺の目を見つめてくる。
「どうしたの?」
 瞳がキラキラと輝いていることに気付いて、下腹部が勝手にゾクリと震えた。
「私、今までSMプレイに興味なかったけど……千歳くんとなら、楽しそうかも」
 みさきちゃんは、今までで一番可愛い笑顔を浮かべていた。
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>写真をお借りしています
UnsplashのÖnder Örtelが撮影した写真  
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cityofglasses · 1 year
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------------------------------------------------------ 『たぶん、浮気じゃない関係』 ------------------------------------------------------
 大学の最寄り駅にあるアパートの一室――俺の住まいは、しょっちゅう友人たちとの宅飲み会場にされている。  今日も例に洩れず、サークルの仲間たちによる飲み会が開催されていた。 「あーあ……お前らたまにはちゃんと片付けて行けよ」  開始一時間ほどで、室内には空き缶やつまみの空袋が散乱している。 「あ……っ、じゃあ私、残って片付け手伝うよ」  最近サークルに入ったばかりの月見が、俺のぼやきを拾って手を挙げた。 「月見ちゃんやさしー」と酔っ払いたちの野次が入る。  はやしたてられ、月見は少しはにかんだような笑みを浮かべる。 「ああ、別に本気で言ったわけじゃないから大丈夫」 「でも結構ゴミたくさんあるし、大変でしょ?」 「いつものことだから、気にしないで」  気遣いもできる、優しい女の子。  サークルの男どもは、早くも月見の信者状態になっていた。 (……こんなに可愛い子が、なんで今日みたいな宅飲みに参加してるんだろう)  サークルに入ったばかりだから参加するべき、とか思っちゃったんだろうか。 「そもそも、最後までいなくて大丈夫だからね。電車あるうちに、適当なところで帰るんだよ」  つい親心を出して、そうアドバイスしてしまう。 「や、でも、せっかく参加したから……っ」  月見はなぜか慌てて、目をさまよわせた。 「ほ、ほら……片付け残して帰るのも悪いし……やっぱり最後まで残るよ?」 「うーん……」 (自意識過剰みたいで、あんまり言うのははばかられるんだけど……) 「ごめん、でも俺彼女いるから……たぶん、ふたりきりになるの嫌がると思うんだ。月見が万が一終電逃して帰れなくなっちゃったりしたら、うちには泊められないし……」  痛い奴だと思われてもしょうがない。でも、彼女に疑われるような事態は避けたかった。 「お前ほんと固いよなー」  サークル仲間たちが、口々に野次を飛ばしてくる。 「うるさいな、別にいいだろ」 「ふふ、でも彼女さんは安心だよね。一途で真面目な人、私好きだなぁ」と、月見はニコニコと笑って言う。 「こらこら、勘違いさせるようなこと言わないの」 「あはは、そうだよね」  不覚にも、ドキッとしてしまった。  危うい気持ちを洗い流すように、缶ビールを煽った。
***
「ぅん……?」  もやがかかったように、かすむ目を擦り、瞬いてみると、部屋は薄暗かった。 「おかしいな……さっきまで、飲み会をしてたはずだけど……」  ぼんやりした頭で、記憶を掘り起こそうとする。 「あ……目、覚めた?」  歩み寄ってくる足音の方へ目を向ける。 「月見……?」 「ふふ、まだ寝ぼけてるみたいだね」  柔らかな笑みを浮かべながら、ミネラルウォーターのペットボトルを差し出してくる。  素直にそれを受け取って、ひと口飲んだ。 「みんなはどうしたんだ?」 「もう帰っちゃったよ。君は飲み会の途中で酔いつぶれて寝ちゃったの。だから、私だけ残ったんだ」 「マジか……」  悪友たちのにやけ顔が目に浮かぶ。  あいつら、面白がって月見をそそのかしたに違いない。 「大丈夫。みんなで駅まで行って、その後戻って来たんだ。心配だったから……」  俺の思考を読んだように、月見が先回りしてフォローしてきた。 「あ、ああ……そうだったのか……」  ずいぶん優しい女の子もいたものだ。  月見は容姿もアイドル並みに整っているし、これだけ心根が優しければ人気があるのも納得だった。  感心していると、不意に月見が距離を詰めて来た。 「お、おい……?」 「えへへ……ごめんね。心配っていうのは、ただの口実」  ギシ、とベッドが軋む。 「本当はね、君のこと……ずっと気になってたの」  月見が手を伸ばしてくる。  夢でも見ているように思えて、とっさに反応ができない。 「え……」  気付けば、身体が密着していた。  あまりにも唐突すぎて、月見が抱きついてきたのだと悟るまで時間がかかった。 「私、君とね……こうやって、ぎゅーってしたり……キスしたり…………エッチしたいなって、ずっと思ってたんだぁ……」  高くて甘ったるい、月見の声が耳朶をくすぐる。  まるで催眠でもかけられているかのように、月見との行為を想像してしまう。 (――って、駄目だろ!) 「無理だって。俺、彼女いるから」  少し強めに、月見の身体を押し返す。 「ねぇ待って……」   「……あれ?」  月見の視線が、俺の股間へと集中する。 「っ……」 (見られた……!) 「あは……君の、おっきくなっちゃってるの……?」 「これは……ただの生理現象だから……」  俺が背を向けて隠そうとするより先に、月見が抱きついてくる。 「おっきいままだと、辛いでしょ? 私が抜いてあげる」 「な……何バカなこと言ってんだよ」  一瞬、魅惑的な誘いに感じてしまった自分に嫌気がさす。  酔いが残っているのか、疲れているのか……それでも、月見を悪しからず思っている気持ちが顔を出したことを認めたくなかった。 「これで私を好きになってなんて、恩着せるようなこと言わないよ? 君が好きだから……生理現象、直してあげたいだけ……ってことなら、シてもいい?」  あざとい上目遣いで、顔を覗き込んでくる。 「彼女がいるって言っただろ」  顔を逸らす。  自分が今どんな表情をしているか分からないからこそ、月見にも見られたくなかった。 「…………」  あからさまに拒否しているのに、月見は俺から離れなかった。  それどころか、手を伸ばして――膨らんでいるズボンの前を撫でてきた。 「お、おい……っ!?」 「ねぇお願い……私とふたりきりの時だけは……彼女がいるなんて言わないで……?」 「は……何、言って……」 「私とふたりきりの時だけ……『彼女はいない』って言ってほしいの……」 「ふたりきりの時だけは、って言われても……」 「お願いおねがい……っ、今だけでもいいからぁ……『彼女はいない』って、言ってぇ……?」  すりすりと身体を押し付けてくる。 「そしたらぁ……いっぱい、イイコトしてあげられるよ……?」  甘い体臭が鼻をくすぐる。  耳元で囁く吐息が、熱くて――クラクラする。 「彼女いる、って……」  月見の指先が、ズボン越しに亀頭を掻く。  先っぽばかりを指の腹でくにくにと押され、揉まれて……どんどん下腹部へ血が集まっていく。 「彼女、が……」  あどけなくて可愛らしい顔が、熱っぽく上気している。 「もういっかい、聞くね? ――彼女、いるのかな?」  月見の瞳が、俺をじっと見つめている。  俺に間違った選択を迫る、蠱惑的な視線。  喉が震える。 「彼女、は…………い、ない……」  白々しい嘘を載せた声はかすれていた。 「ふふ……っ」  それでも、月見は満足そうに微笑んで。 「じゃあ――このまま、エッチなことしてもいいよね?」  熱っぽい唇を、俺の口元へと押し付けてきた。
***
「わ……おっきい」  スルスルと下着を脱がされて、あっさりと勃起が露わになる。  月見はためらいなくペニスへ顔を近づけ、手を伸ばしてきた。 「ぅ、ぁ……」  優しく竿を握り、ゆるやかな動きで上下に扱いてくる。 「わ……もっとおっきくなっちゃうんだぁ……?」  楽しそうに言いながら、亀頭へとキスをしてくる。 「ん、ふ……こんなにすごいの……お口に入りきらないかもぉ……」  見せつけるように浮きあがった血管へと舌を這わせていく。 「れる……ん……んふぅ……ちょっとしょっぱい……寝てる間に、汗かいちゃったんだね……」 「わ、わざわざそういうこと言うなよ……」 「えー? ふふ、照れなくていいのにー……私、君のおちんちんの匂い……好きだよ……? ちゅ……ん……ふ、れる……れるる…………」  華奢な体つきに似合わず、舌は肉厚で柔らかかった。唾液で濡れたそれが、意思を持った生き物のように巧みな動きで竿肌を這いまわる。 「んぅ……ちゅ……ちゅ……んれぅ……んん……ふぅ…………れる……ちゅ……」  亀頭から根元までゆっくりと舌が降りていく。  裏筋をなぞりあげるように、下から上へとつぅぅ……と舌先が登っていく。  再び亀頭へと舌が届くと、今度は鈴口を捏ねまわされた。 「ちゅぶ……ちゅ……んふふ……先っぽばっかりチロチロされると……切ないよね……?」  からかうような声音で言って、月見は大きく口を開いた。 「ぁむ……ん……ぢゅ……���…ちゅる…………れるる……ん、ふぅ…………ふぅぅ……っ」  ガチガチのペニスが、ねっとりと潤んだ口内粘膜へと包まれた。  ためらいなく喉奥まで咥えこんだ後は、ゆっくりと頭を引いていく。 「ぢゅぷ……ちゅ……ぢゅぅぅ……れぢゅ、ちゅ……ん……っんぶ、ぢゅ……ぢゅく……ちゅぅぅ……っ!」  恥ずかしい水音を立てながら、月見が頭を前後させた。きゅっと狭められた唇で竿を扱かれる快感に、腰がゾクゾクと震える。 「はぁ……んぶちゅ……ぢゅっ……ちゅぅぅぅ……んちゅっ、ぢゅっ、んくぷ……はぷ、ぢゅ……ぢゅるりゅぅぅ……っっ!」  柔らかな髪が揺れ、可憐な花のような香りを漂わせる。  きめ細やかな白い頬が、ペニスを咥え込むたびにぷくっと膨れる。  快感を畳みかけてくるような激しいフェラチオに、射精欲がどんどん膨れあがってくる。 「んぶちゅ……ぢゅりゅ、ぢゅぅぅ……っ、んはぁ……っ、おちんちんの根元、びくびくぅってしてきたぁ……んふふ……っ、もう出ちゃいそうなんでしょぉ……?」  嬉しそうに言いながら、亀頭だけを唇で扱き始める。  口内では舌をうごめかせ、ぱくぱくと喘ぐ鈴口を愛撫してくる。 「ぐちゅっ、んぐ、ぢゅれぅぅ……がまんしないで……んぅぅ……このままぁ……私のフェラチオで、イっちゃっていいんだよ……? ちゅぅぅ……ん、ん……んぢゅぅぅぅぅ……ッ!」 「う、ぁ……もう、限界、だから……っ」  腰を引こうとすると、月見がそれ以上の距離を詰めてくる。 「ふふ、いいよぉ……? このままぁ……おくちにびゅーってしてぇ……?」  再びペニスを深く咥えこむ。  唾液と先走りに満ちた口内で、ペニスを激しく扱きたて始める。 「んぢゅぅぅぅッ、ぢゅるるる……んぶ、ぢゅ……ぢゅりゅぅぅぅ……っ!」  泡だった粘質な液体が、顎を伝い落ちていく。  ぬるぬるに濡れた唇で竿を締め付けながら、のぼりかけている精液を強く吸い上げてくる。 「ぁ、あぁぁ……ッ!!」  強い快感を前に、なすすべも無かった。  玉袋がツンと引きつる感覚とともに、腰奥の熱が弾ける。 「んちゅりゅ、んぶっ、んぐっ、んんうぅぅぅぅぅ…………ッ」  月見は、射精しているペニスへさらに強く吸い付いてくる。  音を立てて精液をすすり上げ、眉間にしわを寄せつつも喉を鳴らして飲み下していく。 「んっく……んぅ……んぐ…………んん、ふぅ…………ぷは……っ」  最後の一滴まで飲み干して、月見はやっと口を離した。 「ふふ……っ、いっぱい出たね」  口の周りを唾液やら先走りやらで汚しながらも、にっこりと微笑んでくる。 「…………」  不覚にも、可愛いと思ってしまった。 「ぁ……おちんちん、ピクッてした」  射精が終わったばかりで萎え始めていたペニスを、月見がやわやわと揉んでくる。 「お、おい……」 「このまま、続きできちゃうかな?」  俺に、というよりペニスに向かって尋ねるような口調で、小首を傾げる。 「私はしたいなぁ……君と、もっとたくさん……エッチなこと」  一度可愛いと思ってしまったら、抑えが効かなくなってしまう。 「ふふ……エッチな目してる」  俺の気持ちの変化を見透かすように、月見が妖艶に微笑んだ。
「ん、しょ……ちょっと待っててね……」  俺の視線をわかっていながら、月見が服を脱ぎ始める。  シャツとスカートを脱ぐだけでは終わらず、ブラジャーも、ストッキングも、ショーツさえ、全て床に脱ぎ落していく。  均整の取れた身体を惜しげもなく晒しながら、月見はベッドの上に腰を下ろした。 「次はこっちで、気持ちよくなって……?」  俺に向かって脚を広げ、秘部を露わにする。 「ほら……君のおちんちん舐めてるうちに……私も、興奮しちゃって……もう、おまんこぐしょぐしょになってるから……」  誘うように言って、細い指で秘唇を開いた。  濡れててらてらと光っている、ピンク色の粘膜。  蠱惑的にヒクついている小陰唇。  そのさらに奥にある、薄暗い蜜穴―― 「っ……!」  たまらず、月見の脚の間へ顔をうずめた。 「ひゃん……っ!?」  顔いっぱいに、甘酸っぱい香りが広がる。  吸い寄せられるように、その香りの源泉へと口付けた。 「ぢゅ……ぢゅる、ちゅ……ちゅぶぅ……っ」  秘裂に舌を押しつけて、上下に動かす。  肉厚な秘唇が、舌の動きに反応してヒクヒクと痙攣する。  縦の動きで何度も舐めまわしているうちに、上端の小さな突起が腫れてくる。 「ふふっ……すっごい一生懸命舐めてくれるんだね……? クンニ、好きなの?」  楽しげな月見の声に、ハッとした。 「……彼女は、恥ずかしがって舐めさせてくれなくて……」 「むぅ……彼女?」 「……いない、んだったな」 「ふふ、そうだよ」  月見が俺の頭を優しく撫でる。 「だから……好きなだけ舐めていいよ。私、クンニされるの、だいすきなんだぁ……」 ――悔しい。  月見の言葉にあっさり喜んで、興奮してしまう自分が恥ずかしい。  いや……後悔も恨み言も今さらだ。 『彼女はいない』と言ってしまった時点で負けている。 「んぅぅ……っ、ふ、ぁぁ……はぁ……あぁ……おまんこ舐めるの、すっごく上手、だね……ぁぁ……は、んっ、気持ちいいよぉ……っ」  両手で秘唇を拡げて、子宮へと続く蜜穴へと舌をねじこんだ。 「ひぁ、ぁ……っ! あぁん……っ!」  繊細な粘膜を舐めあげるたび、膣穴から愛液が零れだす。女性特有の香りがさらに濃くなる。舌先でトロリとした蜜をすくい上げると、秘部全体がヒクヒクと震える。  唇で性器全体を撫でつけ、愛液を塗り広げていく。次から次へと溢れてくる愛液は口の中へと流れ込むだけでなく、顎を伝ってシーツを汚していく。 「ふ、ぁ……あふ、ぅ…………気持ちいい……よぉ……んぅぅ……  まだ少し余裕を残した喘ぎを聞きながら、夢中で秘部を舐め回す。 「ん……んぅ…………んんぅ……」  無意識なのか、月見がもじもじと腰が揺すっている。切なそうに眉根を寄せて、時折声を詰まらせる。  理由をわかっていながら、あえてその場所だけは避け続けていた。 「ん、はぁ……はぁ……んん……ぁ、あのね……私……」  フェラチオをしていた時とは打って変わって、恥ずかしそうに口ごもる。 (自分が攻められるのは苦手なのか……)  意外な一面がいじらしく思えてきてしまう。そんな気持ちを悟られないように、月見を無視してクンニを続けた。 「んん……っ、ね、ねぇ……お願い……あのね……このまま……イかせて、ほしいの…………だから、ね……?」  切なそうに震える声を聞いた瞬間、頭の奥がチリチリと痺れるような感覚に陥る。 「ああ、もちろん……」  唾液と愛液をたっぷりと絡ませた舌を、メインディッシュへと触れさせる。 「ンンぅぅ――――ッ!?」  月見の腰が、びくんっと跳ね上がった。  焦らすためにずっと取っておいた場所を、やっと愛撫できる。  嬉しさと達成感を覚えながら、舌でクリトリスを揉みしだいた。 「ぅぁ、ぁ、あぁぁ……っ、まっ、てぇ……!? い、いきなり……しげき、つよいよぉ……っ!?」  セックスを初めてからどこか余裕ぶった態度を取っていた月見が、激しく狼狽していた。その姿に、ますます嗜虐心がそそられる。 「こんなに良さそうな反応してるんだから、待つ必要ないだろ」 「や、だからっ、よ、良すぎるの…………ふにゃあぁあぁぁっ!?」  唾液を塗りたくるように、勃起しきったクリトリスを丁寧に舐めまわす。 「ゃ、あぁぁ、だめ、それだめ……っっ、んぅぅ……! イくイくっ……すぐイっちゃうぅ……っ!」  願望をずっと抑え込んでいたからか、歯止めが利かない。  一回イかせたくらいでは満足できない。 (もっと――もっと)  絶頂の余韻が続く膣穴に舌をねじ込み、激しく抜き差しする。 「ひぁぁっ!? ま、まっへぇ……っ!? いまらめっ、らめらからぁぁ……っ! んぅぅぅっ、またイくっ……イくぅぅっ! ふゃああああぁぁぁぁんッ!!」  噴き出した愛液を、今度は舌でクリトリスへと塗りたくる。限界まで腫れあがったクリトリスを唇で強く挟むと、狂ったようにヘコヘコと腰が上下する。 「んぅぅぅぅッ、あぁぁっ、はぁっ、あぁぁっ、も、むりぃ……イくのむりだよぉ……っ! へんになっちゃ……ぁ、んゃぁぁぁぁぁっ! らめ、らめ……っんぁあああッッ!」  びゅっびゅっと絶え間なく噴き出す愛液を顔面に浴びながら、執拗に舌愛撫を繰り返す。 「ふゃぁぁぁぁぁぁぁっ、んぅぅうっ、ああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーっ!」  ひと際激しく達した月見の膣壺から、透明な潮が噴きだした。  おもらしのようにびちゃびちゃと溢れ続けるそれを見て、やっと心が満たされたような気分になって口を離す。 「はぁっ、ぁっ、あっ……あぁぁ……はぁっ…………ぅ、んくぅぅ…………ん…………」  クンニをやめても、すぐには快感が収まらないらしい。  脱力した月見の身体は、しばらくビクビクと痙攣を続けていた。 「はーッ、はーッ…………ふ、ぁぁぁ……気持ち良すぎて……死んじゃうかとおもったぁ……」  少しずつ呼吸が整ってくると、呂律の回らない口調で月見が呟いた。 「はぁ…………はぁ…………はぁぁ……どうしよ……いっぱい、イかされちゃったよぉ……」 「どうしようって、なんで?」 「だって……もっと好きになっちゃう……君といっぱいセックスしたくてぇ……おまんこ、きゅんきゅん疼いちゃう……」  よろよろと起き上がった月見が、俺を押し倒して上へとまたがってきた。  何度も絶頂させた後だからか、体温が高い。全身汗だくで、濡れたようにしっとりとした髪の毛も幾筋か頬へ貼りついている。 「はぁ……ぁ……おちんちん、ガッチガチだね……私のおまんこペロペロして……こんなにおっきくしちゃったの……?」  ぐしょぐしょに濡れた秘唇でペニスを挟み、緩慢な動きで腰を揺らしている。  素股状態で愛撫されて、勃起はどんどん硬度を増していく。 「ふぁぁ……熱いの、擦れて……気持ちいい……ん、ふぅぅ……はぁ……はぁ……」  ぬちゃ、ぬちゃ……と卑猥な水音が鳴っていた。  絶頂の余韻が残っているかのように、めくれあがった粘膜が細かく痙攣している。 「ねぇ……君のおちんちん、私のおまんこでぎゅーってしちゃってもいい……? いいよね……?」  俺の返事も待たず、月見が腰を上げる。  月見の手で支えられ、ペニスが天井を向く。その先端へと、月見が秘部を押し当てた。 「ほらぁ……見て。私のアソコと、おちんちんの先っぽ、キスしちゃってる……ねぇ、止めないなら…………このまま、入れちゃうよ……?」  期待するようにヒクつく膣穴から、とろりと愛液が溢れた。  粘質な愛液が、亀頭を伝い、竿を垂れ流れていく。 「くす……っ」  月見の瞳が、妖しく細められる。 「っあ……」  ゆっくりと腰が降りてくる。  とろとろに蕩けた膣肉に、怒張が包まれていく。  自身がじっくりと捕食されていくかのような光景から、なぜか目が離せない。 「んんー…………っ」  鼠径部にぺたりと腰を下ろし、月見がぶるりと身震いした。 「ふふっ。入っちゃったぁ……」  甘い囁きが、ねっとりと思考を侵していく。 「でも……いいよね? だって……彼女、いないんだもんね……? だから私が……セックス、してもいいんだもんね……今だけは……君のおちんちん、ひとりじめしていいよね……?」  月見は、下半身を密着させたまま身体を前後させ始めた。  秘唇がよじれ、めくれあがり、ぬちゃぬちゃといやらしい水音が響く。 「はぁっ、はぁ……いっぱいペロペロして、イかせてくれたからぁ……また、すぐイっちゃいそうぅ……」  ぽた、ぽた……と月見の身体から汗が降ってくる。  よく見れば、真っ白だった肌は桜色に上気してしっとりと濡れていた。 「ぁ……あぁ……は、あぁ……んっ、ん……んっ…………」  緩慢な動きにも関わらず、月見の身体は敏感に反応していた。  繰り返し絶頂したのが尾を引いているのか、膣内は痙攣しっぱなしだ。 「ん……く、うぅぅ…………ふあぁ……はぁ……はぁ……ん、ん……んく、ふ……ぅっ」  月見の声が一層艶っぽくなっていく。  息遣いに余裕がなくなっていく。 「あぁぁ……もぉ……イっちゃいそう……んんぅ……ん……んっ……イっちゃうぅ…………っ」  ペニスに絡む膣肉が、ヒクヒクと痙攣し始める。  粘っこい愛液がだだ洩れになって、結合部をぐちょぐちょに濡らしていく。 「ぁ……だ、だめぇ……イく……イくぅ…………んぅぅ……イ、っちゃ……ぁ…………んぅぅぅ……っ」  うわごとのように言いながらも、腰を動かすのはやめない。  潤み切った膣内でペニスを深く咥えこみながら、月見は総身を震わせた。 「んっんっんっ……んぅぅ……イっ……イくぅぅ……おまんこ、イっちゃぅぅ……っ!」  一瞬、月見の身体が強張る。膣肉が激しく蠕動し、一気に快感が弾ける。 「ふあぁぁぁぁぁ……っ! あぁぁ……っ!」  月見の腰がガクガクと震えた。  ぎゅっと閉じた目に涙が滲んでいる。 「んぅぅぅー…………うぅぅ……はぁ……ぅぅ……」  絶頂の際に溢れでた愛液に押し出されるように、ペニスが抜けてしまう。 「はぁぁ……はぁー……はぁ……ごめん、ね……? 私だけイっちゃっ���ぁ……」  結合が解けたことにも気づかない様子で、月見は荒い呼吸を繰り返している。  絶頂の余韻に、ぴくん、ぴくん、と身体が震えていた。 「……俺はまだイってないから」  身体を起こし、月見の肩を掴んだ。 「ひゃ……っ!?」  身体を反転させて覆いかぶさり、まだヒクついている秘部へとペニスを宛がう。 「ぁ……っ」  月見がわずかに戸惑いを見せる。  見なかった振りをして、そのまま一気に膣路を割り開いた。 「あはぁ……っ、自分からいれちゃったね……?」 「俺には彼女、いないんだろ……?」 「……ふふ、そうだね。今だけは……私と君の身体は、ふたりだけのものだもんね……」  汗まみれの顔で微笑む月見が、強烈に愛しくなった。 「……ッ!」  間違いだらけの感情を無視するように、思い切りペニスを突き入れる。 「ふゃぁぁぁっ!? あっ、あぁぁん……っ! あっあっあっ……!」  形の良い乳房が抽送に合わせて揺れ、弾む。  月見の嬌声が鼓膜を震わせるたび、脳がじぃんと痺れていく。 「ひ、ぁ、んゃあぁぁぁ……っ! いっぱいゴリゴリ擦られてぇ、おまんこ喜んじゃってるぅ……っ!」  奥を突くたび、膣内全体がビクビクッと痙攣する。 「はぁっ、はぁっ……ぅぅん…………おちんちん……奥まで届いて……あぁ……んっ、気持ち、いいよぉ……はぁ……あぁ……あ……っ!」  月見が身をよじり、快感に悶える。  悩ましげにゆがめた顔までいやらしくて――可愛い。 「お前、エロすぎるんだよ……っ」  俺が思わず悪態をついても、月見はどろどろに甘い態度で受け止める。 「んぅぅ……ふふ……っ、だってぇ……君のおちんちん気持ちいいんだもん……っ!」  月見がいじらしくて、可愛いすぎて――そのせいで、愛しいのか憎いのか分からなくなる。  それでも、ただただ、月見の膣内は気持ちいい。 「あぁぁ……んっ、はぁ、あっあっ……んぅぅ……あぁっあっ……はぁぁ……っ!」  勝手に動こうとする月見の腰を抑えこんで、抽送をさらに激しくしていく。 「あぁっ、あっあっ、すごいよぉ……っ! おちんちんよすぎてぇ……なんにもかんがえられなくなっちゃうぅ……っ!」  下腹部が重だるい。  早く楽になりたくて、ピストン運動の速度を上げた。 「んぐぅっ、んっんっ、ひぁぁんっ! あぁぁんっ、イくっ、またイくぅ……っ! イっちゃうぅ……っ!」 「くっ……俺も……!」 「うんっ……出して、だしてぇ……っ! このままぁ……私のおまんこでイってぇ……っ!」  突くたび締め付けてくる膣肉の刺激で、射精欲が高まっていく。  腰を強く掴みなおし、膣奥を深くえぐる。 「ひぁぅぅんっ!? あぁぁっ、それすご……っ、ぁ、あぁっ、もぉイくっ! イっひゃぅぅ……っ!!」  月見が顎を仰け反らせ、がくんと腰を跳ね上げた。 「あぁぁぁぁぁぁッ、ひぁぅぅぅぅぅーーーーッ!!」  絶頂と共に激しく締め付けてくる膣内で、思い切り射精する。  視界がチカチカと明滅するような快感が全身を駆け巡る。 「あぁん……っ、ぅ、ぁ……はぁぁ……い、いっぱい、でてぇ……んぁぁっ、なかで、おちんちん……びくびくって、してゆぅ……!」  本能のように、膣ヒダが蠕動して精液を搾りあげてくる。 「はぁ……ぁっ……あぁ……せいえき、あつくて……んぅぅ……きもちい……はぁ……はぁ……あぁ…………」  一滴余さず月見の中で出し切るまで、繋がったままで荒い呼吸を繰り返した。
***
 深夜三時。  終電なんてとっくに過ぎている時間帯。 「私、泊まっていいのかな?」  ニヤニヤしながら、月見が首を傾げる。 「今さら、泊まるななんて言えるわけないだろ」 「ふふ、そうだよね。彼女、いないんだもんね」  月見は上機嫌に笑いながら、身体を擦り寄せてくる。 (……最初に『泊められない』って言ったこと、根に持ってるな……)  いや、むしろ、最初から月見の手のひらの上だったんだろうか。  考え始めて――すぐに、考えるのをやめた。  どちらにせよ、間違った選択をしたまま進んでしまったのは俺なんだ。 「朝が来たら……今だけの時間が終わっちゃったら……彼女のこと、忘れていられなくなっちゃうよね」  ぽつり、と月見が寂しそうな声で言う。 「月見……」  最初に間違った答えを口にしてしまっていたからこそ、何を言うべきか迷う。  それでも何か言おうとして、月見と顔を合わせる。 「くすっ……」  予想に反して、月見は笑っていた。 「ねぇ……また、ふたりきりになっちゃおっか……?」 「…………」 「それで、ふたりきりの時だけは……『彼女はいない』って、言ってね?」  無邪気で蠱惑的な、月見の瞳に絡めとられる。  迷って、迷って――それでも、心の奥深くではもう答えが決まっていた。 「彼女は…………」
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------------------------------------------------------ 『今日から始める射精管理』 ------------------------------------------------------
発端の日(水)
「ぁっ、あんっ、はぁ……ふあぁっ!」  ベッドの上に四つん這いになっている彼女の身体を、後ろから何度も突く。  華奢な腰が抽送のたびに跳ねて、形の良いお尻がぶるんと弾む。  とろとろの膣肉に包まれて、ペニスの快感は高まる一方だ。  最愛の恋人とのセックス。  幸せで気持ちいい。  そのはずなんだけど……。 「あぁぁっ、あぁんっ! イくぅっ、イっちゃうぅ……っ!」  切ない声が鼓膜を震わせる。 「俺もイく……!」 「んっ、んぅっ、一緒に、イってぇ……!」  しなやかな背中に力が入り、肩甲骨が浮き上がる。  膣内が火照り、愛液が満ちていく。 「はぁ、ぁ、あんっ、あぁっ! も……だめぇ……っ!」  ビクッ、ビクビクッ!  彼女の身体が大きく震えて、膣内がひと際強く締まった。それを合図に、腰の動きを止める。 「はぁ……はぁ……はぁ……」  恋人の――みなとの身体から力が抜けた。 「えへ……一緒にイけて、嬉しい……」  うつぶせに寝そべったみなとは、肩越しに俺を見あげた。 「ああ、俺も……」  みなとが余韻に浸っている、今のうちだ。  俺はいそいそと膣内からペニスを引き抜き、ゴムを取って口を結ぼうとする。 「んぅ……?」  みなとの表情がうろんなものになった。 「ねえ、ちょっと待って」  ゆっくり起き上がり、俺の方へと手を伸ばす。  正確には俺が持っているコンドームへ、だ。  とっさに誤魔化す案が浮かばず、身動きが取れない。  みなとはコンドームを手にすると、窓から差し込む光に中を透かした。 「ゴムに白いの入ってない……」  ギクッとする。  今度はゴムをさかさまにして、中身を手のひらに出す。 「透明なのしか入ってない」  手のひらに広がったカウパーを、じっと睨んでみなとが呟く。 「一緒にイってない!」  確信を持ってみなとが叫んだ。 「ご、誤解だって」 「なんで射精したフリするの? いつもはいっぱい射精してくれるのになんで!?」  みなとは俺を押し倒す勢いで詰め寄ってきた。そして、はたと動きを止める。 「……もしかして気持ち良くなかった? わたしのこと、もう飽きちゃったの……?」 「気持ちよかったし飽きてない」 「でもイったフリしてたよね!?」 「それは、その……中折れして……」 「なかおれ?」 「途中でちんこが弱まったというか……」  うう、恥ずかしい。こんな説明しなきゃいけない原因を作った自分が憎い。  そうだ、原因は分かっている。  それは断じて彼女のせいではなく――。 「やっぱりわたしに飽きちゃったんだぁ……!」  うるうる瞳を潤ませているみなとを見ていると、胸が痛む。  小さなプライドのために、コトを隠し通すなんてできない。  正直に言って許してもらおう。  そう決意して、俺は口を開いた。 「実は……最近めちゃくちゃオナニーしてるせいで射精できなかったんだ」
「お、おな……えっ?」  もともとが初心なみなとは怯んだようだった。虚を突かれたようにぽかんとしたあと、ハッとした様子で再び怒り顔になる。 「オナニーしちゃうってことは、やっぱりわたしに飽きちゃったんでしょ? ひどいよ、タカオくん……正直に言ってくれれば、こうなる前に勉強したり努力したりできたのに……」  みなとがしゅんとして肩を落とした。罪悪感で心が痛い。 「違うんだ。オナニーは別枠というか、みなとの存在を揺るがすようなものではないというか……」 「でも精液出なくなっちゃうくらいシてるんでしょ!?」 「ごもっとも……」  ちまちま言い訳するのは明らかに分が悪い。  俺はスマホを手に取り、とあるソシャゲの��ーム画面を開いた。 「これを見てくれ」 「え……?」  みなとはスマホの画面を覗きこみ、首を傾げた。 「これって、タカオくんがバイトしてるコンビニとコラボしてるゲームでしょ? この前買い物行った時、教えてくれたよね」 「ああ。俺のオナニーが止まらないのは、このゲームのせいなんだ」 「えっ?」  厳密に言うと、このゲームに先月追加された新キャラのせいだ。  ホーム画面に表示するパートナーキャラとしても設定している『ヒヨリ』ちゃん。  黒髪ロングで、二次元名物長乳完備、恵体すぎるゴスロリシスター。というか、シスターなのにえちぃ衣装なのがマジで罪深い。  このキャラに、俺はすっかりハマってしまったのだった。 「えっと……どういうこと?」  みなとにはいまいちピンときていないらしい。 「こっちを見てくれ」  それならばと、今度は電子書籍のアプリを開いた。  最近ダウンロード購入した、ヒヨリちゃんの同人誌、フルカラーイラスト集、その他諸々のラインナップをみなとへと向ける。 「んぅ……? 何?」  きょとんとするみなとの前で、イラスト集のファイルを開く。 「ひゃっ!?」  みなとが愛らしい悲鳴をあげるのを無視して、次々とページをめくっていく。  ヒヨリちゃんのあられもない姿をまとめた二次創作作品たちだ。  ここ一ヶ月のオカズをどんどんみなとの前に開示する。 「えっえっ? 何これ、どういうこと? ……こういうイラストでオナニーしてるの?」 「ああ」 「絵のテイスト? は違うけど……これ、おんなじキャラ?」 「ああ。色んな人が、色んな性癖のもとに作品を生み出す、二次創作ってものがあるんだ」 「ふーん……」  みなとはスマホの画面と俺の顔を交互に見やった。 「タカオくん、おオタクなのは知ってたけど……変態なオタクだったんだ」  結構心にグサッと来た。 「ごめんなさい……」 「別に謝らなくてもいいけど」  みなとは眉間に寄ったしわを、指先でグリグリと解した。 「……彼女とのセックスで射精できなくなっちゃうくらいオナニーするのはダメだと思う」 「本当に申し訳ない」  正論が突き刺さる。 「そこまでこのキャラに入れこんでオナニーしちゃうなら、浮気判定かなぁ……」  ぼそっとみなとが呟いた。 「マジでごめん!」  土下座する。  みなとに嫌われたくなかった。  それにひとつ言い訳させてもらえるなら、ヒヨリちゃんはみなとにそっくりなのだ。  ちょっと垂れ目で柔和な顔。おっとりとした雰囲気。黒髪ロング、豊かな胸のわりに手足や腰は華奢という抜群のプロポーション。みなとに重なる部分があったからこそ、俺はヒヨリちゃんにハマってしまったのだ。 「むー……」  みなとは小さくうなりながら、俺が購入した同人誌たちを見ている。  許してもらえるかハラハラする気持ちと、性癖博覧会状態のスマホを握られている状態の気恥ずかしさが頭の中で混沌と渦まく。 「……ねえ、この漫画に書いてある『射精管理』って、何?」  不意に、みなとがスマホの画面をこちらへ向けてきた。  表示されているのは、ヒヨリちゃんがシスターとしてパートナーの射精管理をする同人マンガだった。ちょうど昨日買ったばかりの新鮮な作品に目を付けるとは、さすがみなとだ。 「射精管理っていうのは……管理する側とされる側になって、射精をコントロールするプレイというか……」  色々種類はあるらしいが、特殊なプレイの経験がない恋人相手ならこの説明で十分だろう。 「もういいだろ、これ以上は恥ずかしいしさ……」  みなとの手からスマホを取り上げようとする。 「…………」 「えっ?」  ボソッと何か言った気がする。 「…………する」 「なんて?」  耳まで真っ赤にしたみなとが、がばっと顔を上げた。 「今日からわたしも射精管理、する!」  近所に響きそうなくらい高らかな宣言だった。 「…………なんて?」
1日目(木)
「おはよ」  宣言の翌朝。  登校すると、みなとがすぐそばまで近寄って来た。 「おはよう」  隣の席なんだから、わざわざ立って来る必要なんてないのに。不思議に思いつつ、挨拶を返す。 「あのね……」  みなとは教室内をきょろきょろと見回した。  俺とみなとが付き合っているのはすでに周知の事実となっていて、ちょっと話しているくらいでは注目されない。クラスメイトたちは各々自由に過ごしている。平和な光景だ。  みなとは誰も聞き耳を立てていないことを確認してから、耳元に唇を寄せて来た。 「昨日はちゃんと、オナニー我慢できた?」  朝の教室に似つかわしくない話題だった。清楚を体現したようなみなとの口からこんなワードが飛び出しているなんて、クラスメイトの誰も想像だにしないだろう。 「……我慢したよ。約束だからな」 「ふふ、よかった」  みなとはほっとした様子で相好を崩した。 「今日ってバイトあったよね? その前に、うちに寄る時間ある?」 「ああ、大丈夫」 「じゃあ、放課後一緒に帰ろうね」  みなとの笑顔はいつも通り可愛い。昨日の一件が夢なんじゃないかと思えてくる。
 放課後、みなとと一緒に下校した。  みなとのご両親は共働きで、夜にならないと帰ってこない。  ふたりでみなとの部屋に直行する。  まさに女の子の部屋、という感じの室内は来るたびにファンタジー世界に迷い込んだような錯覚を起こす。  全体的に白とピンクでまとめられた家具と小物たち。愛らしいぬいぐるみ。主張し過ぎない穏やかな甘い香り。 「タカオくん」  うっとりしていると、みなとが声をかけてきた。 「なんだ?」 「パンツ、脱いで」  愛らしい笑顔を浮かべながら「さあどうぞ」とでも言いたげに両手をこちらへ向けている。 「ごめん、たぶん俺の聞き間違いだと思うんだけど……脱げって言った?」 「聞き間違いじゃないよ。脱いでって言ったもん」  ちょっと頬が赤くなっている。  自分の大胆発言��照れてしまうみなとは可愛い。  可愛いけど……。 「なんで脱ぐ必要が?」  バイトの時間まで、そんなに余裕はない。ゆっくりセックスしている時間もない。今までこんな要求をされたこともない。初心なみなとには、俺から迫るのがいつものセオリーだった。  首を傾げいていると、みなとは床に座って俺の股間の高さへと目線を合わせてきた。 「ちょ……みなと?」 「昨日、家に帰ってから色々調べたの。その……射精管理のこと」 「調べた?」 「うん。だって、ちゃんとしたいし……だから、脱いで?」  上目遣いで見つめられる。  恋人に切実な表情をさせて、ためらっているわけにはいかなかった。 「……分かったよ」  みなとに見守られながら、いそいそと下を脱ぎ始めた。 「あのね、精液は毎日作られてて……禁欲するのって、子作りの時とかに必要みたいなの」  覚えたての知識をなぞるように、みなとが口を開く。 「それでね、適正な禁欲期間は、サイトによってまちまちなんだけど……だいたい5日前後くらいみたい」 「な、なるほど」  真面目なみなとらしい。しっかり調べてきてくれたようだ。 「それでね、10日間我慢してもらおうかなって思ってるの」 「え!?」  ついさっき「5日前後」って言ってたのに!? 「だって……今回は、彼女とのエッチより、オナニー優先しちゃう人へのお仕置きだから」 「うっ」  それを言われるとぐうの音も出ない。 「本当は、一ヶ月以上我慢してもらうやり方もあるみたいなんだけど……器具が必要みたいなの。今回は初めてだし、器具用意する時間もないし……」 「一ヶ月以上!? つか、器具って」  みなとの怒りは想像よりも深かったらしい。 「本当にごめん……」 「ううん、いいよ。これからわたしがちゃんと管理するから」  いい笑顔で言い切る。  どうしよう、みなとが本気だ。 「んしょ……」  みなとは真剣な表情で、水をすくうように両手のひらをそろえる。そして、下からそうっと玉袋を手のひらにのせた。 「おわっ!?」  ためらいがちな手つきがくすぐったい。驚いて腰を引こうとすると、みなとが真剣な顔で俺を見上げてきた。 「動いちゃダメ。今、重さを量ってるから」 「重さ?」 「だから、そのぅ……お、おちんちん袋の重さ……」  恥ずかしそうに頬を赤らめる。 「……重さを量ってどうするの?」 「男の子の精子って、おちんちん袋に溜まるんでしょ? だから、ここの重さを量って、射精管理するの」 「重さを量るって……手で?」  結構ザルな測量方法だ。身構えた分拍子抜けだった。 「趣味のお菓子作りで培った計量スキルを使うの!」  必死な顔をしている。これで押し切ろうとするのはお茶目すぎる。  なんだかんだで、ちょっと抜けているあたりがみなとの可愛いところだ。つい微笑ましくなってしまう。 「……ニヤニヤしてる」 「気のせいだって」 「そんなことないもん。この計量方法なら誤魔化せるって思ってるでしょ」 「思ってない思ってない」  思ってるに決まってる。これなら10日間乗り切るのも余裕だと安心さえしてる。 「たしかにおちんちん袋の重さを量るだけじゃ心もとないかもしれないよ? でも、わたしは彼女だから! 総合的に診断をくだすことができるの! これは彼女にしかできない『射精管理』でしょっ!」 「総合的な診断?」 「教室では隣同士だから、そばで観察できるし……放課後だってバイト前に会えば様子は分かるもん。タカオくんの普段の態度とおちんちん袋の重さで、射精をちゃんと我慢してるかしっかり管理するからっ!」  堂々とした宣言だった。 「んー……と。これが禁欲1日目の重さなんだね」  真剣な顔をしながら、玉袋を載せた手を軽く動かす。  たぷたぷと揺らされる微妙な刺激が気持ちいい。 (う……ヤバい)  みなとに触られている時点で、勃起しないわけがなかった。 「あれ……? なんでおっきくしてるの? 今日はシないよ?」 「分かってるけど、そんな理性的に制御できるものじゃないんだよ」  好きな子を前にして、反応しないわけがない。  顔が近くて吐息がかかるし、熱視線が恥ずかしいのに心地よかったりするし、なにより丁寧に触れてくる手が気持ち良くて……。 「うぅー……なんかどんどんおっきくなってきてる……」  拗ねたような顔をしている。怒っているみなとも可愛くて、甘勃起はだんだんと確かなものになってきてしまう。 「ご、ごめん……」 「先走りにも精子まざってるって言うし……ちょっとくらい出さないと、身体に悪いかなぁ……?」 「出すって……」  いきなり射精管理終了宣言か?  やっぱりみなとは優しいしな……と少し微笑ましくなる。 「カウパーを、だよ」  にっこり微笑んで、みなとが勃起を握った。  そのままゆっくりと上下させ始める。 「射精はダメだよ。カウパーだけ、出させてあげるね」 「いや、そんなの無理だろ」 「大丈夫。射精しそうになったらやめるから」 (全然大丈夫じゃないけど!?)  俺の焦りを知ってか知らずか、みなとは手コキを続けた。 「わっ……すごい。どんどんガチガチになってきたぁ……」  にゅこっ、にゅこっ、にゅこ……っ。  みなとの手に先走りが絡み、水音が鳴り始めた。 「わ、わ、わ……すごい……透明なおつゆ、いっぱい出ちゃってる……」  ペニスが熱い。  細い指に亀頭から根元までを何度も擦られているうちに、血管が浮くほど勃起が強くなってしまっている。 「どくどくって脈打ってる……おつゆ、止まんないね……?」  昨日はやっぱり調子が悪かっただけだったんだろう。  俺くらいの年齢だと、1日射精を我慢しただけでも結構しんどいくらいなんだ。射精管理なんていらないレベルじゃないだろうか。  その証拠に、今日はみなとの手コキで、あっさり昇りつめそうになっている。 「はぁ……はぁ……んん……すごぉい……わたしの手、とろとろになっちゃってるよぉ……」  みなとも発情したように瞳を潤ませていた。  ペニスを見つめながら、物欲しそうに唇をうっすら開けている。  恋人のいやらしい表情を見ているうちに、射精欲がせり上がってくる。 「な、なぁ、もう……」  射精しそうだと告げようとした、その時だった。 「はい、おしまい」  ぱっと手が離れる。  反りかえったペニスが、べちっと下腹部に当たった。 「え……?」  射精寸前まで高められたペニスに意識が全部持ってかれていた。それを突然突き放されて、呆然としてしまう。 「カウパーちょっと出させてあげるだけって言ったじゃない」  みなとは部屋に置いてあるティッシュ箱から数枚引き抜いて、さっさと手を拭きはじめた。本気で射精はさせないつもりのようだ。 「今日から10日間、射精管理頑張るから。ちゃぁんとついてきてね、タカオくん」  みなとはにっこり微笑んだ。 (マジかよ……)  もしかして、俺はみなとの本気を甘くとらえていたのかもしれない。  そんな予感で、少し背筋が寒くなった。
3日目(土)
 今日で射精管理が始まって3日目だ。  朝から夜までバイトが入っているため、みなととは会えない。 「…………」  普段は出発時間のギリギリまで寝ているのだが、今日は早々に目が覚めていた。 (抜きたい……)  ベッドの上をごろごろ転がりながら、なんとか性欲を打ち消そうとするがダメだった。  どうしてもオナニーのことばかり考えてしまう。  たった3日くらいで、こんな状態になるとは思わなかった。 (でも、あれはズルいだろ……)  あれとはもちろん、みなとの「おちんちん袋計量」だ。  玉袋を手のひらに載せて、重さを量られるあのやり方はズルい。あんなのはもう、ほぼほぼプレイだ。  あんなザルな計量で、まともに量れているとは思えない。一回くらい抜いても大丈夫なんじゃないだろうか?  それに今日は、バイトの関係で会えないのがわかっている日だ。なおさらバレる可能性は低い。 「よし……」  卑怯な考えなのは重々分かっているけれど、抑えられない。  俺はスマホを操作して、電子書籍用のアプリを開いた。  オカズはヒヨリちゃんの同人誌一択。罪悪感はあるけれど、やっぱり俺にとっては今一番旬なオカズ。  ベッドに横たわったまま、乱れた布団も直さずにパンツを下ろしてペニスを掴む。  ヒヨリちゃんのいやらしいイラストを見ただけで、すでに軽く勃起してしまっていた。 (我ながら、相当飢えてるんだな……)  若干苦い思いをしつつ、右手を動かし始める。  艶やかな黒髪と、際どいシスター服が白い肌を引き立てている究極の美しさがヒヨリちゃんの魅力だ。二次創作でよりエロさが強調されているけれど、公式のイラストだけでも十分にエロい。 (ヒヨリがコスプレしたら、似合うだろうな……)  そんなことを考えて、また罪悪感が胸をよぎる。  それでも右手は止まらず、ペニスを扱き続けてしまう。 (う……っ、も、もう……!) 「タカオくん、おはよっ。バイト前に会いにきたよー」 「っ!?」  和やかで可愛らしい恋人の声が、扉が開くと同時に聞こえた。 「…………えっ?」  みなとが硬直した。  ベッドで寝ている俺の姿を見止め、俺が握っているモノを見て、目を見張る。  射精寸前だったペニスはあっという間に勢いを無くしていく。 「み、みなと……これは、ちが……」  言い訳する余裕はなかった。  呆然と目を丸くしていたみなとが、すっと息を吸い込む。  そして―― 「きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」  絶叫が近所中に響きわたった。 「どうしたの、みなとちゃん!?」  母さんが階段を駆け上がってくる音がする。  みなとはハッとした様子で扉を閉めた。 「あっ、だっ、大丈夫ですっ! 虫が出てびっくりしちゃっただけなのでっ」 「む、虫っ!?」 「タカオくんが捕まえてくれたから大丈夫になりました! ねっ?」  必死に目配せしてくる。 「ああ、もう心配いらないから」 「そう……? 本当に?」  扉の向こうで、母さんが不審そうに首を傾げているのがわかる。 「大丈夫、他に隠れてないか探すから、母さんは避難してて」 「えっ!? それならみなとちゃんも一緒に逃げないと……」 「タカオくんが守ってくれるから大丈夫ですよ」  みなとが優しく扉の向こうに声をかける。 「あらあら、相変わらずラブラブねぇ。タカオ、しっかりみなとちゃんを守るのよ」 「分かってる!」  母さんの足音が遠ざかっていく。  みなとは扉に背中を付けたまま、じっと俺を見ている。  もしかしたら、許してくれるかもしれない。  そんな気持ちがじわじわと沸いてくる。  誤魔化すための嘘とはいえ、[俺が守ってくれる』と断言するみなとの姿は胸に来るものがあった。  やっぱりみなとは、俺にとって大切な恋人だ。  だからこそ―― 「なにしてるの!?」  無理やり無視しようとしていた罪悪感が、すっかり膨れ上がっていた。 「ごめん……」  謝るしかない。  ベッドの上で正座した俺の前に、みなとが腰を下ろした。 「……今してたこと、やって見せて」 「えっ?」 「今まで毎日のようにしてたんだもんね。いきなり我慢してって言われても難しいよね」  みなとは思案顔でそう言った。  やっぱり持つべきは理解のある彼女だ。 「ああ、俺……どうしても我慢できなくて」 「それじゃあ、我慢できるようになってもらわないといけないね」 「……うん?」  みなとがにっこり微笑んだ。 「オナニーするのは恥ずかしいことなんだって、タカオくんの心に刻みこんであげれば……もうしなくて済むんじゃないかな」 「な……何言って……」  怒っているならまだマシだったかもしれない。  みなとの瞳には、ほんのりと嗜虐的な喜びが宿っていた。 「ほら、わたしの前でオナニーしてみて?」 「いや、でもバイトの時間が……」 「大丈夫。時間の管理も、わたしがしてあげるから」  有無を言わさぬ口調だった。  俺がオナニーするまで解放する気が無いらしい。 「……分かった」  羞恥心に耐えながら、オナニーを再開した。  すっかり元気がなくなりかけていたペニスを、上下に扱く。 「わ、わ……男の子のオナニーって、そういう感じなんだぁ……」  みなとは珍しいものを見るように、目を見張っている。  初心な反応は可愛らしいけれど、状況は異常だった。  彼女に見守られながらオナニーするはめになるなんて、数日前までは考えたこともなかった。 「ゆっくり触ってるけど……射精しないように手加減してる?」  みなとが不思議そうに首を傾げる。 「オナニーの時はこんな風なの? わたしが手でするときは、いっつももっと強くって言うよね」 「そ、それは、その……」 「いつも通りのオナニーが見たいなぁ」  圧を感じる。  ふんわりと愛らしいみなとの微笑みに、サドっぽい色気が混ざっていた。 「く……っ」  覚悟を決めて、強めにペニスを握る。  勃起は少しずつ硬度を取り戻し、亀頭が赤く充血してきた。 「すごい……おしっこの穴、ぱくぱくしてる……気持ちいいんだね……」  俺のオナニーを見守るみなとの姿が、ヒヨリちゃんの姿と被る。  罪悪感と気持ち良さが混ざり合い、意識を溶かしていく。 「足ピンッってしてる。こうすると射精我慢できるの?」  みなとが指先で太ももをなぞってくる。 「うぅ……っ」  くすぐったくて気持ちいい。  突っ張っていた足の力が緩み、玉袋が引きつるような感覚がしてくる。  久々に射精できるかもしれない。そんな期待で思考が塗りつぶされていく。 「わぁ、すごい……っ、いっぱいシコシコしてる……ガチガチおちんちん一生懸命扱いてぇ……射精したくて必死になっちゃってるんだぁ……」  みなとの視線が絡みついている。それでも我慢はできなかった。  ラストスパートをかけるように、強めに亀頭を扱く。 「あは……彼女の前なのに……必死におちんちんシコシコしちゃって……恥ずかしいね……?」  サドッ気たっぷりの囁き声に、全身がかぁっと熱くなる。 「……っっ」  快感が全身に満ちて、射精感が駆け上ってくる。 「あー……ダメだよ」  みなとがギュゥッと玉袋をつねってくる。 「ぐっ……!?」  反射的に手が止まる。みなとは怯んでいる俺の顔を覗き込み、拗ねたように頬を膨らませた。 「射精しちゃダメ。今は射精管理中だって、忘れちゃったの?」 「で、でも……」  情けないけれど、泣きそうだった。  射精できなくて下腹部が苦しい。 「カウパーだけは出させてあげるけど……射精は絶対ダメなんだよ」  みなとは幼い子どもに言い聞かせるように、玉袋をつねりながら囁いてきた。 「彼女の前で……彼女以外の子でオナニーするなんて……最低だよ?」  ドキッとする。  みなとの視線は、同人誌を表示したままのスマホ画面に向けられていた。 「そんなにこのキャラが好きなんだ……」  拗ねたような表情で、みなとがベッドから降りる。 「射精管理中にオナニーするの、禁止だよ。シたらちゃーんと分かるんだから」  みなとは言って、部屋を出て行こうとする。 「ちょ、ちょっと待ってくれ!」  慌てて引き留めようとする俺を、肩越しに見やる。 「バイト頑張ってね」  それだけ言って、みなとは部屋を出て行ってしまった。 「みなと……」  少しの間の後、階下で母さんとみなとが話している声が聞こえてきた。 「…………」  ひとり部屋に取り残された俺は、射精寸前の状態でピクついているペニスと共に罪悪感を噛みしめる。  ヒヨリちゃんは可愛い。けれどやっぱり、俺にとって一番大事なのはみなとだ。 (残り一週間、絶対にオナニーしない……!)  そう心に誓いつつ、勃起が収まるのを待った。
7日目(水)
 昼休み後、午後の授業は教室内に気だるい空気が満ちる。  周囲の生徒たちはみんなうとうとと船をこいでいるし、そんな生徒を注意するような熱血系ではない教師は淡々と板書を続けている。  そんなまったりとした空気の中、俺は脂汗をかいていた。 (勃起が収まらない……!)  射精管理も7日目。  ちょっとした刺激でもあっさりペニスが反応するようになっていた。  この勃起の原因はわかっている。  プール授業の時に見た、みなとの水着姿だ。  昼休みの最中も勃起が収まらず、ひとりでこっそり昼飯を食べるはめになった。それにも関わらず、午後の授業がはじまっても勃起が収まらないのだ。 「ねえ、タカオくん」  みなとがこっそりと声をかけて来た。  勃起がバレたのかと一瞬背筋が凍るが、続くみなとの言葉はまったく普通の頼みだった。 「資料集忘れてきちゃったから、見せてくれる?」 「あ……ああ」  頷き、みなとの机に自分の机をくっつける。  椅子を深く引いて、とにかく机の下へ勃起を隠そうとする。  授業中でも節操なく勃起しているのを知られたら、みなとに軽蔑されるかもしれない。そんな恐れもあって、どうしても隠したかったのだった。 「……なんで興奮しちゃってるの?」  教科書を口元にあてて隠しながら、みなとが囁いてきた。 「っ……!」  やっぱりバレていた。  恥ずかしいのに、勃起はいっこうに収まってくれない。 「学校で勃起しちゃうなんて……ふふふっ、ダメなおちんちん」  みなとは先生の方へ目を向けたまま、手探りで勃起へ手を伸ばしてくる。ファスナーに手をかけて、ゆっくりとモノを引き出した。 「お、おい……!?」  小声で抗議すると、みなとはチラッとこちらへ視線を向けた。 「普通にしてて。みんなにバレちゃうよ?」  勃起しているペニスを、みなとが手で包み込む。「タカオくんが……授業中に、おちんちんパンパンにしちゃってる変態さんだって」  亀頭を柔らかく揉まれると、快感で腰が痺れた。  みなとが計量してくれる時以外、禁欲を守っているペニスはあっさりとよだれを垂らし始める。 「おつゆ、いっぱい出ちゃってる……射精したくてたまらないんだぁ」  カウパーを指に絡ませて、竿の方へも手を滑らせてくる。  くにゅ、くにゅ、くにゅ……っ。  小さな水音が鳴っている。  誰かに気付かれないか不安な気持ちと、異常な状況に対する興奮で全身が熱い。  みなとの手つきは、周囲をはばかることなく激しくなってくる。 「ビクン、ビクン……って、お魚みたいに跳ねちゃって……おちんちん、こんなに元気になってるのに……あと3日も射精できないんだよね……」  みなとは敏感な亀頭をぐにぐにと揉みしだいてくる。 「うぁ……っ!?」 「かわいそうなおちんちん……」  ことさら優しい声が耳朶をくすぐった。 「先っぽも腫れちゃってる……よだれいっぱい垂らしながら……わたしにおねだりしてくれてるんだね……もっともっと気持ちよくなりたいよぉって言ってるんだよね……」  甘い期待に胸が躍る。 「……でも」  みなとはぐっと根元を指のリングで締め付けた。 「っぐ……!?」 「まだだーめ……絶対射精させてあげない……」  みなとは根元を締め付けたまま、ペニスの脈動が落ち着くのを待っている。 (ち、チンコ壊れる……!)  これ以上射精を我慢していたら、頭がおかしくなりそうだ。  身もだえている俺をよそに、みなとはあっさり手を離してしまう。カウパーで濡れた手をハンカチで拭っている。 「ぁ……」  情けない、哀願じみた声が漏れる。みなとだけがそれを聞いていた。 「くす……っ」  みなとは目を細めて微笑んでいた。  小悪魔じみた、意地悪な表情――初めてだ。みなとのこんな嗜虐的な表情を見るのは。  近ごろほんのりと漂っていたみなとのサドッ気が、今や完全に露呈していた。  優しいみなとの中に、こんなにも嗜虐的な一面が眠っていたなんて夢にも思わなかった。 「まだまだ、だめだよ。10日間って約束だもん」  小さくみなとが囁くのと同時に、授業終了のチャイムが鳴った。  俺は慌ててペニスをパンツの中へと押し込みつつ、絶望的な気持ちになる。  あと3日もこれが続くのか……。  気が遠くなりそうだった。
10日目(土)
「はぁぁぁぁ……」  コンビニでのバイト中だというのに、股間が痛い。  同僚が休憩中で、店内には俺一人。  客足も鈍い。  雑貨の品出しをしながら、思わず大きなため息をついてしまった。 (今日で最後か……)  射精できないのが、こんなに辛いとは思わなかった。  正直、途中で夢精くらいするだろうと思っていた。どんな形でさえ射精すれば辛さも軽減されるんじゃないかと高をくくっていたのに……。 (みなとにSッ気があるのも予想外だったな)  たぶん、みなとにカウパーを絞ら��ているから夢精すらできないんだろう。 (射精寸前の気持ちよさが、ずっと続いているような感じだ……)  教室で、授業中に扱かれた時からペニスはますます敏感になっていた。今や、着替えで下着が擦れる感覚だけでもモノが反応してしまうほどだ。  時間が空けば、射精のことばかり考えてしまう。  一時期あんなに熱中していた、ヒヨリちゃんが活躍するゲームにも集中できていない。今度ヒヨリちゃんが初水着を披露するゲーム内イベントが開催されるというのに、その情報を見ただけで勃起してしまうのが分かりきっているから詳細を調べることすらできない。  気づけば、みなとのことばかり考えている。  片思いの時より邪で、具体性がある性衝動のままに、みなとの意地悪な煽り言葉や、焦らす手つきのことばかり頭に浮かぶ。  そして、恋人のことを考えるだけでところ構わず勃起してしまうのだ。 (ああ、ヤバい……)  嗜虐的なみなとの目付きを思い出して、ペニスが反応してしまっていた。深��吸して必死に意識を切り替えようとする。 ーーピンポーン。  入店音が聞こえ、ハッとした。 「いらっしゃいませ」  とりつくろうように言いながら、意識を品出しの方へと向けようとする。 「タカオくん」  しゃがんでいる俺の頭上へ、柔らかな声が降って来た。 「みなと……?」 「こんばんは」  いつも通りの笑顔を浮かべ、みなとが俺の後ろに立っていた。 「どうしたんだ、こんな時間に」  もうすぐ22時。 「今日で10日目だから、どうしても会いたくて……お母さんに、車で送ってもらったの」 「そうか……ありがとな」  立ち上がりかけた俺を、みなとが押しとどめた。俺の肩に膝を載せて、ぐっと体重をかけてくる。 「みなと……?」  不審がる俺を見下ろして、みなとは微笑んだ。 「いっぱい我慢して、偉かったね……」  スカートのすそをつまんで、ゆっくりと持ち上げる。 「……っ!?」  みなとはショーツを履いていなかった。  恥毛の薄い、なめらかな秘所が露わになっている。 「あ、は……すごい。わたしのおまんこ見ただけで、ガチガチに勃起しちゃってる……」  みなとは俺の股間を見下ろして、たまらなくなったように顔をほころばせた。頬を上気させ、悩まし気な吐息を漏らす。 「恋人おまんこ……いつでも好きにセックスできてた彼女のおまんこ見ただけで、そんなに興奮しちゃうんだぁ……」  心底嬉しそうに言う。  嗜虐心に満ちたみなとの瞳に見つめられているだけで、背筋にゾクゾクとした快感が走った。 「ちゃぁんと禁欲してくれてる証だよね……ふふっ。嬉しい」  いつ誰が来るかもわからない場所で、痴女のようにノーパン姿を見せつけてくるなんて。  ノーマルなみなとにしては、少し前までは考えられない行動だった。 「頑張ってるタカオくんに……ごほうび、あげにきたよ」  みなとが手を離すと、スカートがふわりと頭を覆ってきた。スカートの中には女の子の匂いが充満している。 「はぁ、ぁ……息、熱い……ハァハァって……興奮してる息遣い……くすぐったくて、気持ちいいよぉ……」  みなとは腰を震わせた。柔らかな恥毛が、鼻先をくすぐる。 「あなたの息がくすぐったいから……おつゆ、垂れちゃう……」  みなとがふるりと腰をふるわせる。  割れ目がゆがみ、肉の合わせ目から蜜が溢れ出してきた。太ももを一筋、二筋と伝っていく。 「ぺろぺろしても、いいよ……前祝いに、ごちそうしてあげる」  こんな異常な状況に興奮してしまっている自分自身も信じられない。  バイト先でこんな行為、ありえないと分かっているのに……本能に抗えない。 「れる……っ」  気が付けば、みなとの太ももに舌を這わせていた。  伝い落ちてくる愛液を、犬のように舐め取っていく。 「わたしのおつゆ、おいしい?」 「ぅ……お、おいしい……」 「ふふっ、良かった」  スカートの中に熱がこもる。甘酸っぱい女の子の香りが鼻孔いっぱいに広がる。  少し粘ついた愛液を舌ですくうたび、陶酔感が胸に満ちる。  熱い愛液を求めて、必死に舌を伸ばした。 「ひゃ……ぁん……!」  恥丘に舌が触れると、みなとが脚を震わせた。  控えめな割れ目を舌先でなぞると、愛液がとろりと溢れてくる。 「ふぁぁ……ぁ、ぁ……おまんこペロペロしてるぅ……」  舌ですくうだけでは間に合わず、愛液が唇の周りや頬にも垂れてくる。  顔中を愛液でどろどろにしながら、俺は興奮の渦に包まれていた。 「ん……ぁ、ん……くすっ……すごぉい……お仕事中なのに……おまんこに夢中だなんて……エッチな店員さん」  みなとが熱っぽい声音で囁いてくる。 「彼氏専用のおまんこなのに……10日もお預けだったからぁ……わたしも、すっごく疼いちゃってるんだよ……」 「……ッ!」  甘やかな告白に、思わず腰が震えた。 「あは……おまんこペロペロして、気持ち良くなっちゃってるんだぁ……?」  俺の反応を見て、みなとは満足げに笑った。  スカートの幕が離れ、1歩、2歩と距離を取られる。  膝のあたりまで愛液の筋が垂れていて、しっとりと濡れ光っていた。 「お仕事中に、おちんちんおっきくさせちゃうなんて……ダメな彼氏くん」  テントを張ったパンツを見下ろして、陶酔しきった微笑みを浮かべている。  恥ずかしくなって、思わず手で覆う。  そこでやっと、先走りで小さな染みができているのに気付いた。 「おまんこのおつゆ飲んだだけで……おちんちんそんな風になっちゃうんだ……」  みなとはちろりと舌なめずりした。 「明日、ね……お父さんとお母さん、ふたりでデートに行く日なの」  うっとりするような甘い声で囁いてくる。 「だから明日は……わたしの家で、いーっぱいセックスしようね」  そして、みなとはパッと身体を離した。 「……楽しみにしてるね」  妖艶な微笑みを残して、みなとが店を出て行く。 「…………」  ズボンの中で限界まで勃起したペニスが、ズキズキと痛む。 (明日……明日になったら……)  期待と興奮が入り混じって、身体が熱い。  思考が全て、みなとに占められて溶けていく。 『ヒヨリちゃん』を考える余裕なんて、もう無くなっていた。
解禁日(日)
 解禁日当日。  俺はみなとの家へとやってきた。  インターホンを押すと、すぐに家の中から足音が聞こえてくる。 「いらっしゃい、タカオくんっ」  みなとが玄関扉を開ける。 「ああ、お邪魔しま……」  言いかけて、固まった。 「早く入ってはいって! ご近所さんに見られちゃったら困るから!」 「お、おう……」  みなとに言われるまま玄関へ入り、扉の鍵を閉めた。 「……えへへ、改めて。いらっしゃいませ」  恥ずかしそうにミニスカートのすそを掴んでいる。  それもそのはず、ほとんど鼠径部ぎりぎりの長さしかないスカートから、ショーツがチラチラ見えてしまっているからだ。 「みなと、その服……」  呆然としてしまう。 「……『ヒヨリちゃん』のコスプレ?」 「うん。タカオくんにいっぱい我慢させちゃったぶん、ご褒美あげたいなって思って……通販で買っておいたの」  みなとはその場でくるりとターンしてみせた。  短すぎるスカートや、清楚なフリルがふわりと舞う。 「どうかな……? 似合ってる?」 「ああ、最高だ」  素直に本心からの言葉が出ていた。  性欲が限界まで高まっていて、取り繕うような余裕なんてない。禁欲の思わぬ副産物は、プライドを取っ払った本心を出せるところなのかもしれない。 「えへへ……嬉しい。ありがとう」  まっすぐな褒め言葉に驚いたのか、みなとは照れ照れと顔を赤く染めた。  その後は無言で、みなとの部屋へと歩を進めていく。  やっと解禁日。  この日のために高まり切った気持ちで、胸が張り裂けそうだった。  心臓が期待に早鐘を打つ。  みなととの10日ぶりのセックス。  欲望まみれの感情は、みなとの部屋へ辿り着いた途端頂点を迎えた。 「みなと!」  部屋の扉を閉めると同時、襲い掛かるような勢いで彼女を抱きしめる。 「んっ!? ふ、ぁ……んちゅぅ……っ!」  強引に唇を合わせ、舌をねじこむ。  みなとは驚きつつも俺の乱暴なキスに応え、舌を絡ませてきた。 「ちゅっ……ちゅ、んむぅ……ちゅれぅ、ちゅ……」  唾液を交換し合い、飲ませ合う。普段は恥じらってためらうような深いキスを、何度も繰り返す。 「は、ぁぅ……きしゅ、きもちいいよぉ……」  みなとの声が、口内でどんどん甘く蕩けてくる。  キスの水音が脳に直接響いているかのようだ。  快感でクラクラしながら、酸欠状態になった口を離した。 「それじゃあ、ね……これから、10日間の射精禁止を乗り越えたおちんちん、いーっぱい褒めてあげるね」  みなとは笑顔で言って、俺の服を脱がし始めた。  大好きなキャラのコスプレをしてくれている彼女。  健気で、ちょっとSッ気のある彼女。  みなとが愛しくてたまらない。 「はい、全部脱げたね」  脱がせた服を綺麗に畳んで、みなとが微笑む。 「みなと……っ!」  可愛らしい恋人を、思わず抱きしめた。 「あはは、タカオくん。がっつきすぎだよぉ……」 「みなと、脱がすぞ」 「ふぇっ?」  楽しそうに笑っているみなとのコスプレ衣装に手をかける。 「えっ、えっ!? えええぇぇぇぇっ!?」  一心不乱にコスプレ衣装を脱がしていく俺の態度に、みなとが戸惑いの声をあげた。 「どうしたの? わたしのコスプレ、やっぱり似合ってなかった?」 「いや、めちゃくちゃ似合ってた」  最後にパンツを脱がせて、俺は彼女を抱きしめた。 「でもやっぱり、俺にとってはみなとが一番だから」  全て脱がし切って、全裸になったみなとをベッドへと押し倒す。 「ひゃんっ」  小さく悲鳴を上げたみなとは、まんざらでもなさそうに頬を赤らめながら微笑んだ。 「今日は、いーっぱいセックスしようね」  上目遣いで微笑みかけられて、理性の糸がぷっつり切れた。 「みなと……っ!」 「ひゃっ!?」  ベッドへと押し倒し、中心へと怒張を宛がう。 「ん……すぐにシていいよ。わたしも、さっきからずっと……おまんこ濡れちゃってたから……」  恥じらいながらも、自分から秘所を広げてくる。  真っ赤に充血した粘膜がめくれあがり、小さな秘穴までさらけ出される。  目の前の淫靡な光景に、全身が熱くなった。 「ふぁぁぁっ、ぁぁぁ……!」  前置きもなく、一気に膣内を貫く。 「あぁぁっ、すごい……! 一気に、奥、までぇ……っ!」  ペニスが熱い膣肉に包まれる。 「くあぁ……っ」 (やばい、気持ちいい……!)  久しぶりの膣の感触に我慢できない。 「あ、あ、あ……っ!」  あっけなく快感が高まり、膣奥に達した瞬間爆発する。 「ひぁっ!? あ、ぁ……出て、るぅ……!」  膣内で震えるペニスの感触に驚いたのか、みなとが目を丸くしている。 「はやいよぉ……10日も我慢した精子、もうビュッビュッしちゃったの?」 「あ、ああ……」  羞恥心すら射精の快感に塗りつぶされていく。  精液を吐き出すことが、こんなに気持ちいいことだなんて知らなかった。  快感に突き動かされるまま、射精が終わったばかりのペニスで抽送を始める。 「へ? ぁ、んん……! すごい……っ、まだガチガチなんだぁ……っ」  みなとは驚きつつも俺の抽送を受け入れてくれる。 「はぁ、ぁ、あ……ぁんっ……精液たぷたぷのコンドーム、ナカで擦れて……んんぅ……へんな感じ……」  みなとが身をよじると、結合が離れそうになる。  膣肉の熱が離れるのがもどかしくて、腰をしっかり掴みなおした。  ゴムを突き破るような勢いで、激しく抽送を始める。 「ひんっ……!? ぁ、あっ……はげしい……っ!」  ピストン運動に合わせてベッドがギシギシ軋む。  みなとの膣穴は乱暴な抽送も優しく受け止め、受け入れて、肉襞を絡みつかせてくる。 (腰が溶けそうだ……!)  ぬるぬるの膣肉に包まれて、ペニスが痙攣を始める。 「みなと、もう……っ」 「う、んっ……! わたしも……っ! わたしもイくぅ……!」  細腰が浮き、膣内がうねる。 「く……っ!」  射精寸前の肉茎を、最奥まで突き入れた。 「あっあっあっ! イっひゃぁ……んゃぁぁぁぁんっ!!」  ビクビクッ、ビクン!  絶頂している狭穴が激しくペニスを扱きたててくる。 「っ……!!」  びゅるるるっ、びゅくぅぅっ!!  すき間なく肉襞に絡みつかれたペニスから、精液が迸った。 「はぁ、あ、あ、あー……っ! お、奥で……おちんちん、ビクビクしてゆぅ……っ!」  みなとが舌ったらずな嬌声をあげ、再び腰を跳ねさせた。 「んぅぅ……あぁ……はぁ、ぁ……いっぱい、でてるぅ……」  長い射精が終わった後も、肉竿には芯が残ったままだった。  引き抜いたペニスにまとわりついたままのゴムを結んで放り、新たなゴムへと付け替える。 「ひにゃっ!? あぁぁ……っ!」  余韻でぼんやりしているみなとの膣内へと、再び勃起を埋めていく。 「あぁぁん……ま、また、拡げられ、て……っ!」 「ごめん、全然足りない……」  肉竿を根元まで沈め込み、再び引き抜いていく。  興奮は留まるところを知らず、ピストン運動はどんどん加速していく。 「ふゃっ、あっ、あぁ……! お��んちん、おっきい……んぅぅ……! 奥、ずんずん、当たってゆぅぅ……」  抽送に合わせて、みなとが身体を身もだえさせる。  一度絶頂を迎えたおかげで、イきやすくなっているようだった。  エラで膣壁を引っかくたびに腰がカクカク震えている。 「んぅぁっ、あっ、あっ、だめぇ……っ、なか、敏感、で……っ! あぁぁ……かたいおちんちんで、おまんこゴリゴリするの、らめぇぇ……っ!」  腰奥を突くたびに子宮口が亀頭へむしゃぶりついてくる。  どんどん火照っていく膣内を味わい尽くすように、大きく腰を引き抜き、突き入れる。  気持ちいい。  頭の後ろがジンジン痺れる。  永遠に終わらないんじゃないかという快感が全身に満ちている。 「ふぁぁ……あうぅぅん……っ! またイくぅ……イっちゃうよぉ……っ!」  快感で波打つ身体をしっかりとおさえこみ、繰り返し肉杭を打ち付け続けた。 「ひんっ、んっ、んっ、んぁぅぅぅっ! おちんちん、熱いよぉ……っ、おく、コンコンされてぇ……んんぅっ、子宮、しびれひゃぅぅ……!」  みなとの嬌声が鼓膜を震わせるたび、全身に快感の閃光が走る。 「みなと……みなと……っ!」  うわごとのように名前を呼びながら、力強く肉穴を貫き、えぐっていく。 「ひぁっ、あっ、あぁぁっ! おまんこ、とろけちゃう……ぅぅん……っ、も、もぉ、らめぇぇ……っ!」  子宮を揺さぶるようにペニスを突き入れながら、せり上がってくる射精感に身を任せる。 「あぁぁんっ、あっ、イくっ、イっくぅー……っ!!」  ビクビクビクッ! ビクン!  絶頂するみなとの中で、三度目の精を放った。  膣ヒダが、精液を搾り取るように締め付けてくる。  膣口から愛液を漏らしながら、ぐねぐねと膣肉全体がペニスにまとわりついて離れない。 「くぅぅ……!」  本能的な膣の蠕動が、射精中のペニスをもみくちゃにする。  頭の芯が痺れるような強い快感を感じながら、ビクン、ビクンと腰を震わせた。 「ふゃぁぁぁー……あぁぁー……」  みなとは舌をはみ出させ、唇からは唾液を伝わせている。  今までなら、みなとがこんなに派手に乱れることはなかった。 (めちゃくちゃエロい……)  射精したばかりのペニスがズクリと疼く。 「あ、はぁ……すごい……久しぶり、だからぁ……身体、敏感になっちゃってる……」  みなとが身震いすると、少し勃起の緩んだペニスが膣肉に押しだされた。 「んくぅ……!」  ペニスが抜けた膣穴は、ぽっかりと口を開けたままだ。  白っぽく濁った本気汁が、淫らな膣穴から滲んでいる。 「ぁ……おちんちん、抜けちゃったぁ……」  みなとはよろよろと身体を起こして、ペニスに引っ掛かったままのコンドームへと手を伸ばした。 「すごぉい……いっぱい出たね」  嬉しそうに言いながらコンドームの口を結び、枕元に置く。  さっきの使用済みゴムと合わせて、二つの精液袋が並んだ。 「あは……なんかえっちだぁ……セックスした証明が、増えてくみたいで……」 「そうだな。……たぶん、もっと増えるけど」 「へ……?」  俺の言葉に首を傾げたみなとは、視線を下ろして目を見張った。「あ……っ!」  頬を染めつつも、みなとは俺のペニスへと手を伸ばしてくる。 「おちんちん、おっきいままだね……」  手でスリスリと撫でながら、俺の顔を覗き込む。 「もっとする……?」 「当然だろ」  間髪入れずに頷いた。  さすがに疲れていてもおかしくないのに、不思議と身も心も高揚しっぱなしだった。  今まで我慢していた分の反動なのかもしれない。 「えへへ……わたしで興奮してくれて、すっごくうれしい……」  飛びつくように抱きついて、俺を仰向けに押し倒した。  新しいコンドームの封を開ける。勃起へと丁寧にゴムをかぶせた。 「今度はわたしが動くね?」  馬乗りになったみなとが、ペニスに手を添えながら腰を下ろしていく。 「ん……ふ、ぁ……あぁ……ん……」  熱い潤みの中に呑まれていく。  ほぐれきった膣肉は、際限なくペニスを受け入れていく。  ぺたりと俺の腰の上に座ったみなとは、背を仰け反らせてビクビク震えた。 「んくぅぅ……っ! すごいよぉ……奥まで……おちんちんの形に、拡がってるぅぅ……っ」  乳房を突き出しているようなポーズになっている。  下から見上げると、乳肉の豊満さに圧倒された。  華奢なお腹にゆるやかな曲線の陰が落ち、アンバランスなくらい性的な乳房の豊かさが強調されている。 「は、ぁ……あぁん……っ! おちんちん、ナカでおっきくなったぁ……! 早く動いて欲しいって、おねだりしてるみたい……」  みなとは俺の太ももに手をついて、さらに身体を仰け反らせた。 「おちんちん、いっぱいイかせてあげるね……っ」  嬉しそうに言って、みなとは腰を使い始めた。 「ん……ん……っ! はぁ、んぅ……んくぅぅ……っ!」  ばちゅん、ばちゅん、ばちゅん……っ!  大きなストロークで腰を前後に動かし始める。  陰茎が膣穴を巻き込みながらもぐりこみ、秘唇をめくりあげながら姿を現す。  掻き出された愛液が、下腹部や脚へと飛び散っていく。 「んく……ん、ん……はぁ……気持ち、い……?」 「ああっ、めちゃくちゃ気持ちいい……!」 「えへ……うれしいっ。わたしも……んぅぅ……っ、すごくいい、よぉ……んんぅ……!」  無意識に、みなとは自分の感じる場所を擦りつけているようだった。おへそ側にエラが擦れるような角度で、繰り返し腰を弾ませている。 「ぁんっ、あっ、あっあっ……気持ちい……硬いおちんちん、擦れてぇ……おまんこ、喜んじゃってる……っ!」  可憐なみなとの口から、淫靡な言葉が次々に溢れている。  俺とのセックスに没頭して、快感で頭をいっぱいにしている。 (エロくて可愛い彼女なんて……最高すぎるだろ……!)  射精管理前の俺は、みなとの本当の魅力を理解していなかったんだ。 「みなと、好きだ……っ!」 「ふぇぅぅ……っ!?」  驚いたように、みなとが一瞬動きを止めた。 「い、いまそういうこと言うの、ズルいよ……っ」  ただでさえ上気していた顔がさらに赤くなる。肌が白いから、赤くなったのがすぐにわかる。 「好きだっ、大好きだ……!」  腰を掴み、下から身体を突き上げた。 「ひんっ!? あっ、あっ、あぁぁ……っ!」  抽送に合わせて乳房がぶるぶる弾む。  ピストンのたびにお腹が波打ち、艶やかな黒髪が揺れる。  みなとの痴態は、一瞬一瞬がうっとりするほど綺麗だった。 「あぁっ、ぁ、あ、あー……っ! だ、だめぇ……っ、はげしい、よぉ……! こんなの、すぐイっちゃ……ぁ、あぁん……っ!」  みなとは切羽詰まった声を上げ、背を仰け反らせた。 「あぁぁぁぁー……っ!」  ビクンッ! ビクンッ!  膣内が激しくうねり、愛液が飛び出す。  ペニスを押し出すように迫ってくる膣肉をエラでかき分け、強く突き上げる。 「んくぅぅぁぁ!?」  突き上げるごとに、愛液がぴゅっぴゅっと噴き出してくる。 「だ、だめっ、イってる……イってる、の……っ!」  みなとは戸惑いながらも、なすがままに全身を揺さぶられて喘ぐ。 「あぁぁっ、ふゃぁぁぁぁ……んんんっ!!」  恋人の絶頂に感化されるように、俺自身の快感も増してくる。 「みなと、受け止めてくれ……っ」  彼女の身体に自分を刻み付けるように、深く天井を抉った。 「ふぁぁ、あぁぁぁぁぁ……!」  口からよだれを垂らしながら、みなとが悩ましく腰をくねらせる。  痙攣し続けている膣ヒダを激しく擦りたて、抉りまくり、子宮口を穿った。 「出る……ッ!」 「ぁうぅぅんっ、あっ、あぁぁぁぁぁーー……っ!!」  ビュクビュクッ! ビュルルルルッッ!  にゅるにゅるの膣ヒダにくるまれながら吐精した。 「あぁぁ……ぁんっ、あぁ……はぁ……ぅあぁぁ……ん……っ」  ヒクヒクと全身を痙攣させている。  赤く染まった肌には汗が浮き、甘い香りを漂わせていた。 「はぁ……ぁ……んん……」  絶頂後で半開きになった唇から、色っぽい息が漏れている。  秘唇までヒクついたままで、絶頂の余韻が長引いているのが分かった。 「ずるいよぉ……」  ぽつり、とみなとが呟く。 「うん?」 「あんなに好きって言われたらぁ…………おまんこきゅんってして、我慢できなくなっちゃうよぉ……」  余韻が残る身体をもぞつかせながら囁く。  みなとが動くたび、膣内がうねってペニスをやわやわと揉んでくる。 「もっとシよ……? できるよね……?」  今度は俺の上に倒れ込み、身体を密着させてきた。  ゆっくりと全身を擦りつけるようにしながら、膣口でペニスを扱き始める。 「また、いっぱい好きって言ってね……? 好きって言葉だけでイっちゃえるくらい、たくさん言って……」  コンドームを付け替える余裕も無くなっているようだった。  みなとは早くもスイッチが入った様子で腰を動かし続けている。 「ああ、わった……」  俺はみなとを抱きしめて、より身体を密着させた。
――ベッドの周りには、精液入りのコンドームが散乱していた。  そんな淫靡な余韻が残るベッドに二人で横たわり、セックス後の心地よい倦怠感に包まれる。  みなとのご両親が帰ってくるまでの、ささやかで穏やかな時間だ。 「あのね……これ、見てくれる?」 「うん?」  みなとはおもむろに起き上がって、ベッド下をごそごそとまさぐった。 「なんだ?」  気になって半身を起こす。  俺の隣に戻って来たみなとは、禍々しいオーラを放つ筒状の器具を手にしていた。 「そ、それ……」 「コスプレ衣装を買った時に、一緒に注文しておいたんだ」  いわゆるペニス貞操帯――コックロックというやつだ。 「今度はこれ付けて、2週間の射精管理……挑戦してみちゃおっか?」  可愛らしく小首をかしげる。 「…………」  10日で十分辛かったんだ。しかも、オナニーしすぎた罰としての、一回限りの射精管理という約束だったはず。  あんな苦しい思いはしたくない。 (でも……)  苦しみ以上の快感があった。  我慢して我慢して我慢して……焦らされて焦らされて焦らされたうえでの射精は、信じられないくらい気持ちよかったのだ。  積極的に俺を責めるみなとのエロさも忘れがたい。  自分の身体の――性欲の自由を奪われるなんて、苦痛しかないはずだ。  それなのに、俺は頷いていた。 「ああ……また、みなとに管理されたい」 「ふふっ、嬉しい……わたしに任せて」  丁寧な手つきで、みなとが器具をペニスへと装着していく。  これからの2週間を考えただけで、すでに脳が痺れるほどの快感を覚えてしまっていた。 //
>写真をお借りしています。
Photo by Feliphe Schiarolli on Unsplash    
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cityofglasses · 1 year
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------------------------------------------------------ 『君が望む愛の形に』 ------------------------------------------------------
 午前中最後の講義が終わった後、俺は近くの席に座っていた松来へ声をかけた。 「あのさ、この後ちょっといいか?」 「いいけど……何、改まって」 「いや……ちょっと」  周囲を見る。まだ教室内には多くの学生が残っていた。俺たちを気に留めているやつはいないが、万が一にも誰かに聞かれたら困る。 「やましい話?」  松来はちょっと下卑た顔をした。 「……まあ」  頷くと、松来が肘で肩を小突いてくる。 「あたし、彼女持ちに興味ないんですケド~。美凪に言いつけちゃおっかな」 「バッ……それだけはやめろ!」  思わず声を荒げてしまう。教室内のざわめきが一瞬止んで、学生たちの視線が一心に集まった。 「ちょっと、なにマジになってんの」  松来はへらっと笑うと、俺の服を引っ張ってそそくさと教室を出た。 「とりあえず、サークル部屋行こ。そこで話聞くから」 「おう」
 途中のカフェテリアで買ったテイクアウトのコーヒーを松来に献上する。  松来はことさら偉そうに脚を組んでふんぞり返り、大儀そうにうなずいた。 「それで? 何か話したいことがあるんでしょ、リク?」 「ああ……」 「彼女がらみ?」 「ああ」 「何、ケンカでもした?」 「いや、そうじゃないんだけど……」  沈黙。  松来がコーヒーをひと口飲み、カップをテーブルに置き、脚を組みなおす。  さらに沈黙。 「ああぁぁぁっ、もー! まだるっこしいなぁ! もったいぶらずに、さっさと話しなさいっ!」  松来の剣幕に気圧されて、俺はとうとう口火を切った。 「美凪が風俗で働いてるみたいなんだ」 「……は?」  不意に、松来は泣き笑いのような顔になった。情報を処理しきれず、フリーズしてしまっている。  沈黙。 「ふた月前くらいから美凪の様子がおかしくて、心配してたんだ。デートしてても上の空だったし、しょっちゅうスマホ見てるし、生理の時は二日くらいベッドから動けないくらい体調崩すはずなのに、バイトの持ち帰り仕事があるとか言ってスマホでバイト先とずっと連絡取り合ってたり……」 「ちょ、ちょっと待って、いきなりいっぱい話し出さないで」  松来が頭痛を堪えるように、額に手を当てていた。 「早く話せって言ったのはそっちだろ」 「言ったけどごめん、そんな重い話と思わなかったから」  松来はコーヒーを煽り、口元をぬぐい、天井を仰いで「あー」と無意味な鳴き声を漏らし、そしてやっと俺に向き直った。脚を組むのは止めていた。こちらへ身を乗り出し、声を潜める。 「今のところ疑問だらけだけど、とりあえず続きを話して」 「おう」俺は頷き、再び記憶をたどった。 「とにかく美凪の様子がおかしかったんだ。でもなんとなく、浮気だろうなって思ってた。大学進学と同時に上京して、バイト始めて、急に世界が広くなったように感じて、高校の頃から付き合ってる男が色あせて見える、とか普通によくあることだろ」 「まあねぇ。あたしの友達でも、この前全くおんなじ状況で別れた子いるよ」  だろうな、とは思う。こんなのはありふれた若者の恋愛事情なのだ。  俺は美凪が好きだ。  高校2年の夏休みに、同じ塾へ通い始めたのをきっかけに意識するようになって、3年生になった時に告白して付き合い始めた。一緒の大学に行こうと決めて、二人で猛勉強した。上京して、近くに住んで、お互いのアパートを行き来して。「いつか同棲したいね」なんて話していた。というか、お互いの家にお互いの生活雑貨を置いているから、半同棲しているようなものだった。  俺は美凪を好きで、美凪も俺を好き。  そういう関係がずっと続いていくんだと思っていた。 「感傷に浸ってないで、続きをどーぞ」  同情顔の松来が急かしてくる。 「浮気してるとは思ってたけど、特に何かできるわけじゃなかったから放置してたんだ。証拠があるわけでもないし、変に問い詰めて美凪を傷つけたくなかったから」 「浮気グレーゾーンな相手に気を遣えるキミがすごいわ。あたしだったら普通に怒ってる」  松来は明らかに憐れむような目をしていた。 「一週間くらい前に、美凪が泊まりに来た時にさ、真夜中にふと目が覚めたわけ。美凪が寝る直前まで弄ってたスマホが光ってるのが原因だったんだ。それで、画面を伏せようと思って何気なく手に取ったんだけど……」 「魔がさして中身見ちゃった!?」 「見ねーよ。ただ、通知が表示されてるのだけ偶然目に入って……」 「はいはい、不可抗力不可抗力。それで?」 「『白百合女学園イチャイチャ倶楽部 マネージャー』って人からメッセージが来てたんだよ」 「なんて?」 「『白百合女学園イチャイチャ倶楽部』」 「絶妙にダサいのが明らかにいかがわしい……」 「だろ? それでさ、自分のスマホで調べてみたんだ。そしたら……」  風俗店のホームページがヒットしたのだ。思いのほか綺麗な作りのホームページで、いわゆるアングラで見るからにいかがわしい低俗さは無かった。その理由はすぐに分かった。 「その店が、レズ風俗の店だったんだ」 「伏線回収だー……」  松来が大げさに頭を抱えた。 「伏線も何も、今やっと本題に入っただけだぞ」  そう、ここからが本題だ。 「美凪がこういう店を利用してるんだと思って、料金表とかを見てたわけ。俺とも普通にセックスしてるし、バイだったのかなって思って。風俗なら、浮気かどうかの判定は個人の基準だろ? だからそれを判断するためにも、店のことを知りたいと思って……」 「ぐだぐだ言わなくていいから、話進めて」  松来はちょっと疲れた顔をしていた。まあそうだろう。友人がレズ風俗を利用している話を、友人の彼氏からこっそり相談されたら精神的に疲れるのも無理はない。 「キャスト一覧のところを見たらさ、顔はぼかしてあるんだけど、一応写真とかものってるんだよな。在籍してる子はだいたい10人くらいだったんだけど……その中に、『みな』って子がいて」 「…………」  松来がハッと息を呑んだ。まあ、最初に言った通りのオチでしかないんだけど、真剣に聞いてくれているのが感じられて少し心強かった。 「美凪と同じ位置にほくろがあるんだよ。鎖骨と左胸の間あたりにひとつ。プロフィールもほぼ一緒……だと思うんだ。身長とか、バストサイズとか……そういうやつ」 「………………」  松来はゆっくり深呼吸した。 「それで、キミはどうしたいの?」 「よく聞いてくれた」  俺は松来を正面から見据え、口を開いた。 「松来、美凪を指名してくれないか?」  反応はなかった。  松来はじっと沈黙している。  無表情で俺の顔をまじまじ見つめる。 「……は?」  小さく声を漏らす。 「はあぁぁぁぁぁ!?」  そして、爆発するように絶叫した。
 数日後。  俺と松来は、繁華街のラブホテルの一室にいた。 「15時から90分の予約だから」  ホテル代と時間分の料金が入った茶封筒を松来へと差し出した。  松来は深々とため息をつきながら受け取り、うろんな目を向けてきた。 「悪いな、こんなこと頼んで」 「ほんとだよ」  松来は落ち着かない様子で、部屋を見回した。  比較的シンプルな部屋を選んだ。扉を入ってすぐにカウンターがあり、花やアメニティのカゴが置かれている。その奥にソファとテレビが置かれていて、さらに奥に長方形のキングサイズベッドがある。  ベッドの目の前には大きな鏡がある。『この部屋でやるべきプレイ』みたいなものを否応なしに想像させるような暴力性を感じる。けれど今回は、全く別の目的に利用させてもらうつもりだ。 「俺はこのクローゼットに入って、鏡写しで室内を見るから」  バスルームの扉横にある、大きなクローゼットを指さした。  ソファのちょうど後ろ側にあるクローゼットには空気を通すための隙間が上部についている。鏡のおかげで、そこからなら部屋全体が見渡せそうだった。 「……もしも、美凪じゃなかったらどうする?」 「その時は何もせずにお金だけ渡して帰してあげてくれ」  当然、それしかないだろう。こんな変な状況に巻き込まれたと知られたら、何も関係のない女の子をきっと傷つけてしまう。  俺が気になっているのは――知りたいのは、美凪がどうしてこういう仕事をしているのか、その理由だ。
 この話を持ち掛けた時の記憶がよみがえってくる。 ――『白百合女学園イチャイチャ倶楽部』で、美凪を指名してほしい。松来だとバレて指名変更されても困るから、偽名で予約した方がいい。待ち合わせ場所はホテルの部屋を指定し、俺があらかじめどこかに隠れる。松来は部屋で出迎えて、美凪本人かどうかを確認してほしい。  それが、松来へ話した俺の計画だった。 「本人だったら、すぐ出てくるわけ?」 「いや……」  俺は散々悩んで出した答えを絞り出した。「もしも美凪が来たら、この仕事をしている理由を聞きだしてほしい。女同士の方が、打ち明けやすいこともあると思うんだ」 「それで、どうするの?」  松来は真剣な目で俺の顔を覗き込んだ。 「どうするって?」 「色々あるでしょ。本当は女の子が好きだとか、女性向けとはいえ風俗店で働いてるわけだし、何かすごい理由が出てくるかもしれないじゃない。それを盗み聞いて、キミはどうするつもりなの?」 「分からない」  それが正直な気持ちだった。「でも、覚悟はしてる。何を聞いても、俺が美凪を愛してることは変わらないから……美凪が一番幸せになれる選択をしたいと思ってる」 「ふーん」  松来は俺の顔をまじまじと見たあと、ふっと表情を和らげた。 「彼氏のキミが覚悟決めてるなら、断るわけにいかないじゃん」 「松来……!」 「協力してあげる。あたしも、美凪が心配だからね」
――あの日の決意は変わっていない。  俺は美凪が好きだ。何があってもそれは変わらない。だからこそ美凪の幸せが最優先だ。正しい判断をするためにも、本心が聞きたい。  その時、ノックの音が響いた。 「もう時間だよ、早く隠れて!」  松来が焦ったように俺の背中を押す。 「じゃあ、頼んだぞ」 「わかってる!」  俺は予定通りクローゼットの中に隠れ、すき間から室内の様子を窺った。 「はーい」  もう一度ノックの音がすると、松来は緊張した様子で扉を開けた。 「こんにちは。『白百合女学園イチャイチャ倶楽部』から来ました、みなでー……」  扉を閉め、部屋に一歩踏み出した女性が、言葉を切った。 「えっ、沙世ちゃん!?」  驚いたような声。松来、そういえばそんな名前だったな、と頭の片隅で思う。 「美凪……」  松来の声が震えていた。声を漏らしそうになるのを、唇を噛んで耐える。 (やっぱり……『みな』は美凪だった��か……)  ほとんど確信を持ってはいたけれど、一縷の望みを抱いてもいた。もしかしたら、他人の空似なのかもしれない。単なる杞憂で、いつか松来と笑い話にできたらいいと思っていた。  でも違った。俺の予感は当たっていたのだ。 「まさか、沙世ちゃんがお客さんだったなんて……」  松来には偽名を使って予約してもらったから、美凪にとっては予想だにしない事態だったのだろう。 「とりあえず、入って」  松来が、客人をソファの方へといざなっていく。彼女は素直に従った。  クローゼットの前を通った時、その姿がはっきりと見えた。  黒髪で、顎の横あたりで綺麗に切りそろえられたボブヘア。透き通るような真っ白な肌。長いまつ毛、ぷるぷるのピンク色の唇。肉付きの薄い、華奢な身体。きれいにアイロンがけされた白いレースのカットソーに、花柄のAラインロングスカート。見るからに清楚で、どこかあどけない、純朴そうな雰囲気をまとっている、俺がよく知る女の子。 (美凪……)  二人が並んでソファに座った。少しよそよそしい距離感だ。松来は深刻そうな顔をしている。  沈黙が降りる。 「私だって知らなくて指名してくれたの?」  最初に口を開いたのは美凪の方だった。 「確証はなかったけど、もしかしたら美凪かもしれないって思って……」  美凪は言いつつ、チラッとクローゼットの……俺の方を見た。 「そうなんだ」  美凪は少し強張った表情をしていた。しかし、気持ちを切り替えるように深呼吸すると、松来へと一気に距離を詰めた。ぴったりと身体を横付け、至近距離で顔を覗き込む。 「沙世ちゃんが、こういう趣味だったなんて意外だな」 「へ……」  美凪は微笑みを浮かべたまま、松来へとキスをした。 (…………!?)  思わず声をあげそうになる。少し身じろぎしたせいで、音が鳴ってしまった。  しかし、俺の立てた物音より松来の立てた音の方が大きかったようだ。 「~~~~ッ!?」  声にならない声をあげながら、ソファをばしばし叩いている。目を白黒させ、俺の方へちらちらと目配せする。  今出て行くべきなのか迷う。松来ならうまいことやってくれるだろうという気もする。俺より松来の方が、よっぽどコミュ力が高いし……下手に今飛び出して話をややこしくするのもよくない気がする。 「ちょっ、みっ、美凪!?」  唇が離れた途端、松来は動揺の声をあげた。 「今日のところは、沙世ちゃんはお客さまだもん。一生懸命頑張るからね」 「いや、ちょ、待って!? あたし、美凪に話があってっ!」 「話すのはあと。今は、今しかできないコトしよ……?」  美凪はとろりと甘い声で言って、再び松来の唇を奪った。今度は唇を合わせるだけの軽いキスではない。艶やかな唇の間から覗いた舌が、松来の唇を割っていく。 「ん……く、んんぅ……っ」  クチュクチュ……といやらしい水音がする。 「えへへ……沙世、エッチな顔になってきてる……ちゅぅ……ちゅっ」  美凪は流れるような手つきで、松来の服を脱がせていく。ブラウスをはだけさせ、肌着をまくりあげ、ショートパンツの前を開ける。短い間唇を離した隙に上を脱がしきって、まず上半身を下着だけにしてしまう。 「ぁ……ちょ、美凪……」  松来は、なめらかに動く美凪の腕を掴んで押しとどめようとする。しかし力は入っていないようだった。 「沙世ちゃんと、こういうコトするなんて……ドキドキしちゃう」  美凪は艶っぽい微笑みを浮かべて、唾液で濡れた唇を舌で舐めた。 「美凪……」  松来は頬を上気させて、キスで乱れた呼吸を半開きの口から漏らしていた。意外にも可愛らしいミントグリーンが基調のブラジャーに、豊かな胸が包まれている。 「あっ、最初はお風呂に入らないとだよね。えへへ、沙世ちゃんの反応が可愛くて忘れちゃってた」  美凪はそう言って、自分の服へ手をかけた。見せつけるように���っくりと、一枚一枚服を脱いでいく。仕草がいちいちエロく見えて、こっちの鼓動まで上がってきてしまう。  ブラジャーとショーツのみを身に着けた状態になると、ソファから立ち上がる。 「行こ、沙世ちゃん」  松来は美凪に手を引かれるまま、よろよろと立ち上がった。松来はすっかり美凪のペースに呑まれ、呆然としている。  バスルームへ向かうため、クローゼットの前を通った時だった。不意に美凪が足を止め、クローゼットを睨んできた。 (っ……)  ドキリとする。  美凪はまるですべてを見透かすような目つきをしていた。 「沙世ちゃん、さっきからクローゼットを気にしてたよね」 「え……っ? や、その……」 「隠しカメラとかはダメなんだよ? うちのお店だけじゃなくて、世の中全部で」  美凪はクローゼットの扉に手をかけた。 (やばい、やばいやばいやばい……!!)  一気に鼓動が跳ね上がる。しかし、どうすることもできない。 「沙世ちゃんは、そういうことしないとは思ってるけど……一応ね」  そして、美凪は一思いに扉を開いた。 「………………」  急に強い光に照らされ、一瞬目がくらむ。  光の中に、ぽかんと口を開けて立っている美凪がいた。 「ど、どうして……リクくんがここにいるの?」
 俺は美凪と松来の間に挟まれ、ベッドに腰掛けていた。  俺たちが事情を説明している間、美凪は眉をハの字にして困りきった顔をしていた。 「そっかぁ……リクくんに心配かけちゃってたんだね」  美凪はそう言い、深々と頭を下げた。「ごめんね、リクくん」 「いや、俺の方こそ……こんな方法しか思いつかなくてごめん」 (計画的には、俺の存在をばらさないまま色々聞きだす予定だったんだけど……美凪が予想以上に積極的だったのと、松来が意外にも押しに弱かったのが、かなり誤算だったな……) 「沙世ちゃんも、ありがとう。リクくんに協力してくれて」 「あ……ううん。それは、別に……あたしも心配だったし……」  松来は居心地悪そうに身じろぎした。それもそのはずで、美凪と松来は下着姿だった。着替える余裕もなく、3人で顔を突き合わせて話を始めてしまったからだ。 「私がこのお店で働いてる理由……だよね。ふたりが知りたいのって」 「ああ」「うん」  俺と松来が頷いたのを見て、美凪は意を決した顔つきになった。 「私は、リクくんが好き。性別とか関係なく好きだけど……たぶん私はもともと、女の子が好きっていうわけではないと思う」 「そうなのか……」 「じゃ、じゃあ、どうしてレズ風俗でバイトしてるの!?」  俺よりも熱っぽく、沙世が問いかける。 「単純に、お給料がよかったから……かな。上京してひとり暮らしって、想像以上にお金が必要で……でも、親に仕送りの増額とか頼み辛いんだ。ちゃんと自立してるってところを見せて、リクくんとの仲を……将来のこととか含めて、認めてほしいって思ってるから」 「美凪……」 「でも風俗だよ!?」 「でも、お客さまは女の子だけだから……ギリギリありかなぁって思って……調べた中では、一番お給料よかったし……キャスト側って、レズじゃない子も結構いるんだって。だから大丈夫かなって……」  やっぱり給料が一番大事なようだった。 「それにね、エッチなテクニックとか磨いて、リクくんを喜ばせてあげたいって思ってたし……」  美凪の頬が、ぽっと染まった。 (可愛いこと言うなぁ……) 「『可愛いこと言うなぁ』って考えてる場合じゃないでしょ!?」  ぐいぐいと松来に小突かれた。言われてみれば、たしかにそうだ。 「お給料いいからって、でも危ないことだってあるでしょ。あたしもこいつも心配だし……」 「それは、そうかもしれないけど……」  美凪がしゅんとうなだれてしまう。  その様子を見て胸が痛んだ。  たしかに、不特定多数の女の子とエッチをする仕事だと思うと裏切られている感じがしなくもない。 (でも……)  単純かもしれないけれど、バイトの決め方も、バイトの最中も、俺のことを考えてくれているのが嬉しかった。 「お金のことなら、これから二人で解決していこう」  俺は美凪の頭をそっと撫でた。 「リクくん……」 「上京する時は反対されたけど、同棲の話、もう一度お互いの親に相談してみよう。二人で暮らせば、お金周りはずっと楽になるはずだろ」 「そうだよ、だからバイトは辞めて――」 「……その上で」松来の言葉を遮って、言葉を続けた。「美凪がこのバイトを気に入ってるなら、俺は止めない。美凪が辛いなら、もちろん今すぐ辞めればいい。その判断は、美凪に任せるよ」  俺の言葉に、二人とも目を丸くした。 「ちょ、ちょっと!? キミはそれでいいの!?」 「……ああ。松来には最初に言っただろ。美凪の幸せが、俺の幸せなんだ。だから、美凪が一番幸せになれる選択をしたい」  俺の決意は変わらない。  俺は美凪が好きだ。  その気持ちさえ確かなら、なにも恐れる必要はない。 「それなら……それなら、私……もう少し、このお仕事続けていたい、かな……」  美凪は少し瞳を潤ませながら、俺をまっすぐに見つめて言った。 「だんだん、楽しくなってきたの。やっと仕事に慣れて、先輩たちとも仲良くなれたし、お客さまに喜んでもらえるのが嬉しくって。だから……リクくんさえよければ、もう少し続けていたいな」 「ああ。それなら、続ければいい」 「リクくん……! ありがとうっ」  感極まった様子で、美凪が抱きついてくる。無邪気に喜ぶ美凪の背中を優しく撫でた。 「待って待って、ほんとにそれでいいわけ!?」  松来だけがまだ混乱の中にいるようだった。 「絶対おかしいって! 恋人は独占したいものじゃないの!? お互いに独占し合うのが普通の恋人同士ってものじゃない!?」  松来の混乱は分かる。  だけど、常識から外れても恋人の幸福を選んでしまうのは、惚れた弱みだ。それ以外に説明のしようもない。 「……どうして、沙世ちゃんはそんなに親身になってくれるの?」  美凪の疑問に、松来はなぜか大きく動揺した。顔を赤くし、額には汗を浮かべる。 「あ、たし……」  唇を震わせ、松来が口を開いた。声が緊張で掠れている。 「沙世ちゃん……?」 「あたし……美凪のことが、好きなの」 「へ……っ?」 「友達としてじゃなくて、恋愛対象として好きで……」  松来は美凪の方へ身を乗り出した。自然、間にいる俺の身体に密着するような体勢になってしまう。しかし、松来は話に夢中なのかそんなことは気にも留めていなかった。松来の豊かな乳房が腕に押し付けられて、こっちはそわそわしてしまう。 「……そう、だったんだ」  美凪はぽつりとつぶやいて、松来の顔を見つめた。 「ごめんね、リク。もしも美凪が、本当は女の子が好きなんだったら……あたしにもチャンスあるかもって、下心があって……協力したの」  松来は苦い物を吐き出すように言った。 「そうだったのか……」  胸がチクリと痛む。これは嫉妬というよりも、罪悪感の痛みだった。「そうとは知らずに相談を持ち掛けて、悪いことをしたな。松来も辛かっただろ」 「キミねぇ……」  松来は涙をにじませつつ、苦く笑った。 「優しすぎるでしょ。普通、そんな言葉出てこないから」  強いて普段通りに戻ろうとする松来の顔が痛々しい。なんと声をかければいいのか迷っていると、先に美凪が口を開いた。 「沙世ちゃんって、女の子専門? それとも、どっちも大丈夫なひと?」 「へ!?」  予想外の質問に、松来が目を丸くする。 「わ、わかんないけど……男の子をいいなって思ったこともあった気がするけど……誰かを好きになったのって、美凪が初めてだし」 「そっか」  美凪は真剣な顔で頷き、そしてとろけるように甘い笑みを浮かべた。 「それなら、今日はこのまま3人でするっていうのはどうかな?」 「は!? なんでそうなるの!?」  松来の反応に、俺も完全にシンクロしていた。 「だって……今日こうして秘密を話せたのは、沙世ちゃんが協力してくれたおかげでしょ? だからお礼もしたいし……」 「だ、だからって、そういうお礼は変でしょ?」  松来が『そういう』という部分だけもごもごと声のトーンを落とした。美凪が初恋だと言っていたし、松来は恋愛経験が少ないようだ。 「でも、リクくんに……彼氏に見守られながらするのも変でしょ? それなら、3人で楽しもうよ。リクくんも、それでいいよね?」  どこかで話が飛躍した気がする。しかし、これも惚れた弱みだ。 「美凪がいいなら……それと、松来が嫌じゃないなら、俺は構わない」 「こ、このバカップル……」  松来が悔し気に歯ぎしりした。 「沙世ちゃん、イヤ?」  美凪が愛らしく小首をかしげる。  小動物じみた、この仕草がトドメだった。 「……いや、じゃ、ない、けどぉ……」  期待するように、チラチラと美凪や俺へ視線を向ける。それが合図のように、一気に火がついた。 「ふふ……っ。リクくんえっちぃ顔してる……」  美凪が俺にしなだれかかってくる。 「そっちこそ」 「だって……こんなシチュエーション、ドキドキしちゃうもん……」  美凪は熱っぽい瞳を潤ませて、顔を近づけてくる。 「ほんとは、お風呂に入ってからじゃないとダメなんだけど……今日は特別、ね」  自分に言い聞かせるように呟くと、キスをしてきた。 「ん……んん……ちゅ……」  最初から舌を使って、口腔���膜をまさぐってくる。  拒むことなく受け入れて、俺の方からも舌を絡ませた。 「ひああぁ……!? な、なにしてるの……っ」  松来が普段と全く違う、威勢の無い声をあげる。 「もちろん、キスだよぉ。エッチの始まりは……愛情たっぷりのキスからでしょ……?」  美凪は松来へ見せつけるように、俺の舌を唇で挟んで吸い上げた。 「くちゅ……ちゅ……ちゅぷ、ちゅぅぅ……っ」  淫らな音を立てながら、熱心にキスを重ねる。口の周りが唾液でぬるぬるになるほど、夢中で口内を貪ってきた。 「ふぁ、ぁ……そんなやらしいキス……キスじゃないよぉ……!」  恥じらいながらも目が離せないようだった。松来はあわあわと口を震わせながらも、俺たちのキスに見入っている。 「ちゅぱっ……ふふ。ねぇ、沙世ちゃんも……」  美凪が誘いかけて、ふと言葉を区切った。松来はぶんぶんと首を左右に振っている。 (まあ、そりゃそうだよな……)  いきなり飛ばし気味のキスを見せられて、初心な松来が戸惑わないわけがない。 「……沙世ちゃんは、私のことが好きなんだよね」  美凪はぽつりと言うと、俺の身体を乗り越えて松来をぎゅっと抱きしめた。 「へ……!?」  松来が目を丸くしている。 「沙世ちゃんのファーストキス……私がもらっちゃうね……」  美凪が囁き、そして間髪入れずに唇を奪った。 「んむぅ~~~~!?」  色気のないうめき声をあげて、松来がぱたぱたと腕を振る。 「ちゅ……ちゅぅぅ……んん、ちゅ……」  美凪は松来の反応を気にするそぶりもなく、そのままキスを続けた。  唾液で濡れた舌が、松来の唇をゆっくりと撫でまわす。唇の合わせ目を丹念になぞって、少しずつ抵抗を和らげていく。 「んむぅ……ん……んぐ……んぁっ」  執拗に舌先でくすぐられて、たまらず松来が唇を開けた。 「ん……ぢゅっ」  隙を逃さず、美凪が舌を挿し込んだ。じっくりと歯列をなぞり、頬の裏側をくすぐって、舌を絡め取る。 「ふあ……あっ、んぁぁ……っ!」  クチュクチュクチュ……と、唾液の絡み合う音がする。  松来の顔はすっかり上気して、目尻には涙が浮かんでいる。 「ちゅく、ちゅ……ちゅぅぅ……沙世ちゃん、かわいい……んぢゅ、れぅ……」 「ふぇ、ぁ……みなぎぃ……」  松来はすっかり美凪のなすがままになっている。  吐息が少しずつ艶っぽくなってきた。 「ぷぁ……は……はぁっ、はぁ……」  二人の唇が離れる。  松来は肩で息をしていた。好き勝手にまさぐられた口をぽかんと開けて、荒い呼吸を繰り返している。 「ふふ……っ。沙世ちゃんのファーストキスだから、張りきっちゃった」  美凪が唾液まみれの唇をペロっと舐める。小悪魔っぽい仕草に思わずドキリとしてしまった。 「ん……リクくん、ほったらかしで寂しかったよね?」 「いや、ふたりのキスがエロかったから、全然」  俺の返答に、美凪は艶めいた微笑みを浮かべる。一方松来は、「え、えろ……!?」とますます恥じらいを強くしていた。  二人の対照的な反応が、なんだか楽しい。 (つーか、今日の美凪のテンションが高すぎるんだよな……)  非日常なシチュエーションのためか、普段の何割増しかでエロい。 「ふふ、ほんとだ。リクくんの、おっきくなってる……」  美凪が楽しそうに言って、テントが張っている部分をスリスリと撫でる。 「脱がしちゃうね……」  ベルトを抜き取り、ファスナーを下ろす。パンツごと一気に下ろして、下半身を丸裸にされてしまう。 (今日は積極的すぎるな……)  こういう美凪も悪くない。というか、好きだ。俺までつられて、いつも以上に興奮してしまう。 「うわわ……っ!?」  松来が露出したペニスを見て狼狽した。 「沙世ちゃん、一緒にリクくんの、気持ちよくしてあげよ?」  美凪の言葉に、沙世は目を丸くするだけだった。もうキャパを超えているらしい。 「3人で一緒に気持ちよくなるために……おちんちんに慣れないとね」  美凪は自分から下着を脱ぎ去り、全裸になった。硬直している松来の下着も同様に、鮮やかな手際で脱がせてしまう。 「ね。ふたりでシたら、おちんちん怖くないよ」  俺がベッドの半ばに座ると、二人が俺の股間近くにうずくまった。 「うわぁぁ……」 「もうこんなにおっきくなっちゃってるんだぁ……」  二人とも、勃起をじっと見つめている。  なんだかいつも以上に恥ずかしい。 「こ、これが……男の人の……」  松来がわなわなと呟く。  俺よりも、松来の方がいっぱいいっぱいだろう。 「松来、無理しなくてもいいからな」  声をかけると、美凪の方がぷくっと頬を膨らませた。 「むぅー……リクくん、こーゆー時は名前で呼ばなきゃ」  美凪がつんつんへそのあたりをつついてくる。 「そういうものか?」 「うん、絶対そう。その方が雰囲気出るもん。ね、沙世ちゃん」 「え!?」  松来は戸惑いの目を俺と美凪の間でさまよわせた。しかし、これまでの流れで美凪の提案に抗う無意味さを悟ったのか、観念したように吐息した。 「……いいよ、名前で呼んでも」  恥じらいながら小さく言う。その仕草が、ちょっと可愛い。 「あー……じゃあ、沙世、ちゃん?」 「ちゃん付けはやめて! キミからされるとなんかヤだ!」 「それなら、沙世……で」 「ん……」  こくん、と小さく頷く。 「ふふ、なんか妬けちゃうな~」 「へ!?」  美凪がからかうように言うと、松来はそれを本気に取って慌てる。 「……美凪、はしゃぎすぎ」 「ふふ、ごめんなさーい。ふたりともなんだか可愛いんだもん」 (俺は違うだろ、松来……沙世に関しては同意だけど)  美凪は上機嫌に微笑みながら、ペニスを指先でくすぐってきた。 「ぅ、く……っ」  触れるか触れないかの距離感で、指先が竿をなぞっていく。焦らすような愛撫が心地よくて、勝手に腰が震えてしまう。 「あわ、わ……わわっ、ビクビクしてる……」  腹に付きそうなほど反り返ったペニスを至近距離で見つめて、沙世が顔を赤くした。 「ふふー。リクくんのおちんちん、素直でとってもいい子なんだよ」  美凪は唇を尖らせて、亀頭にキスをする。 「ひぇっ!? み、美凪っ! そんなとこ……」 「おちんちんにもぉ……最初は、ちゅーから……んん、ちゅっ……」  何度もキスされて、亀頭が真っ赤に腫れあがる。唇の熱さに溶かされたように、先走りが滲みはじめた。 「わ……おつゆ出るの、いつもよりはやぁい……こーふんしてるんだね」 「そりゃな……」  急所の反応は隠しようがない。  美凪はうっとりしながら舌を伸ばしてくる。 「ちゅ……れる、ん……れるぅ……」  先走りを舐め取り、鈴口をほじくるように舌先で弄ってくる。 「んぶ、ちゅ……沙世ちゃんも、おちんちんペロペロしてあげて……?」 「うぇ!? で、でも……っ」 「大丈夫。お口でいい子いい子してあげると……おちんちん、とっても喜んでくれるから……きっと沙世ちゃんも、おちんちんと仲良くなれるよ」 「う、ぅ~……」  沙世はゴクッと唾を飲み、それから身を乗り出してきた。鼻先が触れるほどペニスに顔を近づける。 「ぅぁ……すごい、やらしい匂い……」  眉をハの字に困らせながらも、恐る恐る舌を伸ばしてくる。 「れる……」  舌先が触れ、すぐに引っ込む。 「んぅ……れろ……」  また舌が触れて、今度は少し上下に動いて引っ込む。 「ふふ、その調子、その調子」  美凪が優しい顔をして、沙世の頑張りを応援している。同時に、美凪自身は舌を滑らせて、根元の方をチロチロと舐め始めた。 「ふぅ……ぅ、んれぅ……れろ……」  少しずつ、沙世の舌がペニスを撫で始める。唾液の少ないざらついた感触が、ぎこちなく竿を刺激する。 「ちゅ……んぅぅ……れる、んれぅ……ちゅ……っ」  的確に弱点を刺激してくる美凪の舌遣いと、沙世のぎこちない舌遣いは対照的だ。  ふたりの舌がペニスを這いまわり、唾液を塗りつけ、吐息を吹きかけてくる。 (気持ちいい……)  視覚的ないやらしさも当然あるものの、愛撫の快感も強烈だった。  ぬるぬるの舌が競い合うようにペニスを舐めまわしてくる。 「ね、ね、沙世ちゃん……こっちの方も、敏感みたいなんだよ」 「んぅ……?」  美凪が玉袋を手のひらでそっと持ち上げた。重さを確かめるようにたぷたぷと揺らされて、下半身が甘く痺れる。 「でも、ここって……触って大丈夫なの?」 「優しくなら大丈夫みたい。ねっ」  美凪が上目遣いで俺を見あげる。 「ああ、大丈夫」  一応頷くと、沙世は少しほっとしたような顔をした。初心な反応が、いちいち可愛い。 (まさか、沙世を可愛いと思う日がくるなんて……)  つい数十分前まで想像もつかなかったことだ。今日は衝撃的なことが色々ありすぎて感覚が麻痺してきている気がする。 「~~~~っ!?」  感慨にふけっていると、強い快感で喉が震えた。  沙世と美凪が、それぞれ左右の玉袋を口に含んでいる。 「ぁは……触ってないのに、おちんちんビクビク~ってしたぁ……」 「さ、先走り、すごい垂れてきてる……んぐ……ほんとに、気持ちいいんだ……」  ねっとりと熱い口内で、玉袋が揉まれる。筋の一本一本を愛撫するように舌が動くたび、背筋を快感が走り抜ける。 「あは……先っぽ真っ赤になってる……こっちも触って欲しいよね……」  美凪は玉袋を手で揉みながら、今度は亀頭を口に含んだ。 「う、ぁ……っ」  ねっとりと熱い口腔粘膜に包まれ、腰が震える。  唾液をたっぷりにじませながら、美凪が頭を上下に振り始めた。 「んぐ、ぐぽっ、ぐじゅっ、ぐじゅぅ……っ!」  口内で舌が蠢き、エラをコリコリと揉みしだく。唇をすぼめたり緩めたりしながら、竿全体も扱いてくる。 「ふぁ……美凪のつば、いっぱい垂れてる……」  根元まで垂れた唾液を、沙世が丹念に舐め取る。やわやわと玉袋を揉み続けたまま、付け根を横から咥えたり、うねうねと舌を動かしたりしてくる。 「んれぅ、れる、れりゅ……んむ、れるぅ……ちゅ……ちゅぅぅ……」 「じゅぷっ、ん、じゅりゅっ、じゅぅぅ……んじゅぅ……っ!」  畳みかけるような快感美に身体が震えっぱなしで、限界が近付いてくる。 「ふ、ふたりとも、顔離して……!」 「んぅ~……? れちゃいそぉ……?」  ペニスを咥えたまま、上目遣いで見つめてくる。 「ああ、そろそろ限界……」 「んふ……そっかぁ……」  美凪はふにゃっと微笑むと、そのまま激しく吸引してきた。 「うぉぁっ!?」 「んじゅりゅぅぅ、じゅりゅりゅ、んぐ、じゅぅぅ……!」  先走りを吸い上げられる感覚に射精欲が駆け上がってくる。 「んぁむぅぅ……っ、た、たまたま、ヒクヒクしてきたぁ……っ」  玉袋を再び口に含んでいた沙世が、戸惑いの声を漏らす。 「んじゅ、じゅぅぅ、はぷちゅ、んれぅぅ……っ!」  美凪の容赦ない吸い上げで、あっという間に限界が来る。 「うぁぁっ、出る……っ!」 ――びゅくぅぅっ、びゅるるっ、ぶびゅるるるるるるっ! 「んむぐっ、んっ! んむぅーーーー……っ!」  亀頭を咥えたまま、美凪が射精を受け止める。 「んぅぅっ、んっ、んぅ~~~~……」  絶頂の波は一度で収まらず、頬がぷくっと膨らむほどに射精してしまう。 「あ、ぁ、すごい……っ」  口で射精を受ける美凪を、沙世がうっとりと蕩けた瞳で見つめる。  腰の震えが引き、身体から力が抜けた。 「んぅぅー……」  美凪はもごもごと口を動かし、精液を溜めたままでペニスから口を離した。 「あは……いっぱいれたぁ……」  唇の端から精液を溢れさせながら、ふにゃっと蕩けた笑みを浮かべる。  身体を起こして、軽く顔を上向ける。こくん、と喉を鳴らして口内に溜まった精液を飲んだ。 「んぁ、独り占めしちゃってごめんね……? 沙世ちゃんにも分けてあげる……」  精液まみれの唇を、沙世の唇へ押し付けた。 「んぅっ、みにゃぎぃ……ん、んじゅ……むぐっ、ん、んぅ……!」  口内に残った精液を沙世へと注いでいく。空気を含んだ精液が、泡立ちながら二人の唇の間を垂れ落ちる。 「ぐちゅ、ぢゅ……れる……んん~~……っっ」  深いキスから逃れられずに、沙世がゴクッと喉を鳴らした。それを聞き取って、美凪がやっと唇を離す。 「ぷぁ……はぁ、はぁぅ~……にがい……」 「でも、クセになる味でしょー?」 「んぅ……わ、わかんないよ、そんなの……」  沙世が目を泳がせると、美凪がいたずらっぽく���スクスと笑った。  二人の口元は精液と唾液がべっとり付いて、てらてらと濡れ光っている。 (なんなんだ、このエロい光景……)  恋人と女友達が、自分の精液を分け合ってるなんて……非日常すぎる光景でクラクラしてしまう。 「んぅ……あれ? 沙世ちゃん、おちんちん舐めて濡れちゃった?」  美凪は正面から沙世に抱きついて、秘所に手を伸ばした。 「ひぁ、ぁ……っ! いま、触っちゃだめぇ……っ!」  美凪が手を動かすと、クチュクチュ……と水音が鳴った。 「あは……おつゆ垂れてきちゃってるぅ……」  秘裂に沿って指を往復させている。  大陰唇を人差し指と中指で広げると、愛液がつぅっとシーツに垂れ落ちた。 「んゃぁぁ……っ、だめ、はずかし……っ」  沙世の腰がかくかく震えている。 「感じやすいんだぁ……ここ、自分で結構弄ってるでしょー���」 「うぁ……!? そ、それは……っ」  図星らしい。沙世は耳まで真っ赤に染めて恥らっていた。  美凪はにっこり笑うと、再びうつぶせになった。今度は俺の股間ではなく、沙世の秘部に顔を寄せる。 「えへへ、ちょっと触っただけでぬるぬるだぁ……」  おへその下あたりに、ちゅっと音を立ててキスをする。 「ひぅ……っ!」 「ふふふ……私、このバイト始めてからいっぱい勉強したからぁ……おまんこいっぱい気持ちよくできるんだよ」  美凪は唾液をまとわせた真っ赤な舌を伸ばした。秘裂に舌全体を押し付け、ぬるりと舐めあげる。 「あぁぁ……ッ!?」  羞恥心と快感で、沙世が全身を震わせる。 「ぐちゅ、くちゅ、くちゅ……んぁぁ……おちんちん入れる穴、きゅって締まってるぅ……処女おまんこなんだもんね……」 「ひぅっ、んっ、んっ、舌、入れちゃ……ひぐ……っ!」  ガクガクと腰が震えて、沙世の肌に赤みがさした。小刻みに全身をぴくぴく震わせていて、大きな快感を感じているのは明らかだった。 「くりとりす、舐めてほしそうに勃起してる……けど、おちんちんでイってほしいからぁ……我慢してね…………ちゅぷ、ちゅぅぅぅ……っ!」 「あ、あ、あ……し、舌、出たり入ったり、して……っ、んぅぅ……や、やだぁ……お腹、変になっちゃ……ぁんん……っ!」  二人の淫靡な姿を見ているうちに、勃起はすっかり復活していた。亀頭が痛いくらいに張りつめ、興奮で息苦しいほどだ。 「ん……ふふ。見てぇ、沙世ちゃん……」  美凪は俺に目配せする。 「沙世ちゃんが感じてる姿見て、おちんちん興奮しちゃったみたい……」 「え……? あ、あ……っ!」  自分の快感でいっぱいいっぱいだったのだろう。沙世は初めて俺の勃起に目を向けて、恥ずかしそうに口元を覆った。 「おちんちんパンパンで、苦しいよね……」  美凪はお尻を俺に向かって持ち上げた。 「最初は恋人セックスしたいな……」  美凪は片手で尻肉を掴んで、ぐいっと広げた。 「ああ。俺も……美凪が欲しい」  ベッドサイドに用意されているコンドームを手に取る。 「あ……っ、待って。今日はね、そのまま入れて……」 「そのままって……」  思わず生唾を呑んでしまう。 「私のおまんこ汁た~っぷりつけたおちんちんで、沙世ちゃんの処女貰って欲しいんだもん。だから……生おちんちんで、私の中いっぱいぐちょぐちょにして」  美凪は誘うようにお尻を振った。 「…………っ」  ドクドクと心臓がうるさく鼓動する。  よだれのように愛液を垂らしているピンク色の粘膜に、心が奪われる。 「来てぇ……恋人同士の生セックス、沙世ちゃんに見てもらお……?」  俺は勃起を擦りつけ、膣口に荒々しく突き込んだ。 「ひにゃああぁぁっ、ああぁぁんっ!」  一気に挿入が深まっていく。  むき出しの粘膜同士が擦れ合い、もつれ合いながら最奥で繋がった。 「う、く……っ、めちゃくちゃ吸い付いてくる……!」  潤みきった膣ヒダが、ぴっちりとペニスを包み込んできた。  入り口は狭くて締め付けも強いのに、奥側は熱くてにゅるにゅるに濡れている。  発情しきって火照った膣内は、いつも以上に快感を覚えるスピードが速かった。 「沙世に見られて、興奮してるだろ」 「うん……興奮、しちゃってる……」  頷いて、美凪が腰をくねらせる。「えへへ、おまんこでバレバレになっちゃうの、恥ずかしいね……」  膣肉がうごめき、根元から亀頭へとペニスを扱き上げてくる。 (くそっ、エロすぎるだろ……!)  美凪の妖艶さに、今日はずっと興奮しっぱなしだった。  最初から激しく腰を使って抽送する。 「ひぅっ、ぁ、あぁんっ! すごい、よぉ……っ! はげしいぃ……っ!」  突き入れるごとに、愛液が溢れて飛び散る。  膣内が潤んで、ペニスとの密着度が上がっていく。 「んぅっ、あっ、あっ、あっ、おちんちん、きもちいい……っ」  華奢な身体が抽送のたびに前後して、シーツを巻き込む。  美凪の頭のすぐそばには体育すわり状態の沙世がいて、抽送に身もだえる彼女を見下ろしている。  沙世の秘所は、美凪の愛撫によってヒクヒクと震えたままになっている。  愛液が滲むその場所を、沙世は熱に浮かされたように弄っていた。 「はぁ、はぁ、はぁ……っ、美凪ぃ……すごい、やらしい……やらしいよぉ……」 「んんぅぅ……っ、あ、ぅん……っ! だ、だってぇ……恋人おちんちん、すごいんだもん……っ、かたくて、あつくて……突かれると、おまんこきゅぅんってしちゃうの……っ!」  粘膜同士が摩擦する淫音と、オナニーの水音が混ざり合う。  女の子特有の甘酸っぱい香りが強くなっていく。 「美凪……っ」  俺は美凪の胸を抱いて、上体を起こさせた。華奢な身体はすぐに持ち上がり、美凪は膝立ち状態になった。 「ひあ……!? な、なに……っ?」 「美凪のエロ顔、沙世に見てもらおうと思って」 「そんな……ゃんっ、はずかしいよぉ……!」  美凪の膣内が、きゅうぅっと締め付けてくる。 「でも、めちゃくちゃ興奮してる」  耳元で囁くと、美凪がビクビクっと背中を仰け反らせた。 「あ、ぁ、ぁ、だってぇ……っ! 恋人せっくす、してるかお……かんじすぎて、へんになってるもん……! はずかしいよ……はずかしい、のに……っ」  膣内のうねりは大きくなり、ヒダがしつこく絡みついてくる。  最奥を突き上げると、子宮口が亀頭に押しつぶされて膣全体が痙攣する。  全身に汗が滲み、美凪の身体が火照っていく。 「はぁ、あ、あ、あ、きもちい……きもちいい、よぉ……っ! 沙世ちゃんに見られながら、恋人せっくすぅ……どきどきして、おまんこあつくなっちゃう……!」  美凪と同様に、沙世も快感で恍惚とし始めていた。 「ん、んっ、美凪……感じてる顔、すっごく可愛い……美凪、可愛いよぉ……」  切なそうに言い募りながら、秘穴に指を抜き差ししている。ぐぽぐぽとくぐもった水音と共に、愛液が飛び散る。沙世の下腹部周りは愛液でぐっしょり濡れている。 「美凪の中、すげー波打ってる……」 「らってぇ、きもちよくて……! んゃぁぁ……っ、もう、イきそぉなの……!」  突き上げるたびに、美凪のお尻がバウンドする。肉付きの薄いお尻が波打ち、ひしゃげて、再び俺の下腹部に叩かれて跳ね上がる。白い肌が、折檻を受けたように赤く染まっていく。 「おちんちん、なかでビクビクってぇ……んゃぁぁっ、きもちい……っ!」 「俺も、そろそろだから……っ」  浅い抽送に切り替えようとすると、美凪が自分から腰を押し付けてくる。 「なかぁっ、恋人セックスなんだからぁ……せーしもぜんぶ、おまんこにちょうだい……っ!」  美凪自身も腰を揺すぶり、ペニスが根元まで咥えこまれる。  潤み切った膣奥を抉るように肉傘を押し込み、美凪の細身をぐいぐいと揺さぶった。 「んゃぁぁっ、イくイくっ! イくぅぅ……っ! もぉ、だめぇ……っ!」  最奥がきゅうきゅうと亀頭に吸い付いてきた。  背筋に快感が走り、射精感がせり上がってくる。 「出すぞ……っ」 「イっちゃ……ひぅぅんっ! ふゃああああぁぁ~~~~~~ッ!!」  ビクビクビクッ!  絶頂している美凪の膣穴に、精液を注ぎ込む。 「あぁぁぁぁっ、せーえき、おくにきてゆぅ……っ! せーえきで、イっちゃ……ぁ、んふあぁぁぁ……っっ!!」  勃起に貫かれたまま、ガクガクと腰を震わせる。  膣肉は狂ったように収縮を繰り返し、ペニスを扱きたててきた。 「ぁ……はぁ、はぁ、はぁ……っ」 ――ぐぽっ……  萎えたぺニスが、膣穴から抜け落ちた。  絶頂の余韻で、全身がだるい。  美凪はすっかり腰砕けになって、俺に体重を預けてきた。 「ふぁぁ……すごかったぁ……」  口元からよだれが垂れ落ちている。  目がうっとりとろけていて、長いまつ毛に涙の粒が光っていた。 「み、美凪とキミって……いつもこんなにすごいこと、してたんだ……」  沙世が切なそうに、のろのろと秘部を擦り続けていた。 「沙世ちゃん……こんなの見ちゃったら、自分の指じゃ物足りないよね……」  美凪が、とろりとした妖艶な瞳を向ける。 「ぅ~…………うん……」  沙世が小さく頷き、潤んだ瞳で見つめてくる。  女友達の、今まで見たことがないような発情しきった表情。 (うわ……ヤバい)  興奮してしまう。  俺とのセックスを期待して、ぐしょぐしょの秘部を慰めている姿が強烈にいやらしい。 「ぁ……んっ。おちんちん、おっきくなってきたぁ……」  美凪がお尻の間でペニスを擦ってくる。  愛液と精液が混ざり合い、グチュグチュと卑猥な音が鳴った。  汗ばんだ尻たぶに挟まれて、にゅるにゅる擦られているうちに、また硬度が戻ってきてしまう。欲望の強さに、我ながら驚いてしまう。 「ふふっ……沙世ちゃんにも、すっごいセックスしてあげてね」  美凪は沙世に抱きつくと、そのまま倒れ込んだ。沙世を仰向けに寝かせ、美凪自身はその横に寝転がる。 「ほら……沙世ちゃんのおまんこ、切なそう……早くおちんちん入れてあげて……」  沙世の脚の間に身体を入りこませる。 「あ……」 「大丈夫だよ、沙世ちゃん」  沙世の隣に美凪が寝そべり、緊張をほぐすようにお腹を撫でた。 「さっきまで私のおまんこぐちょぐちょにしてたおちんちんで……気持ちよくなっちゃお……」 「ん……うん……っ」  沙世が意を決したように頷いた。 「……無理だと思ったら言えよ」 「だ、大丈夫……無理って言っても、やめないで」  覚悟を決めた顔だった。 「ああ、分かった」  俺は頷き返し、亀頭を秘唇の間へと潜り込ませた。 「ん……っ」  しっかり入り口を狙って、ぐっと腰を押し付ける。 「ひぐっ、ぁ……」  苦し気な切ない声を聞きつつも、自分を奮い立たせて腰を押し進めていく。 「うぁぁぁ……あっ、あぁぁぁぁ~~……っ!!」  引っ掛かりを通り抜け、肉傘で膣肉を割り裂いた。 (キッツい……!)  解したとはいえ、処女肉は強張っていて狭い。ペニスを動かす余裕もないほど、膣肉がみっちりまとわりついて締め付けてくる。 「はぁ、ぁ、ぁ……どうしよ……ほんとに、ちんちん入ってる……っ」  生理的な涙が沙世の瞳からこぼれ落ちる。  処女喪失の余韻のように、お腹から太ももにかけてビクビクと痙攣していた。 「ふふー……沙世ちゃんと私、おんなじ人が初めての相手なんだね……」 「ぁ……んんっ」  美凪が沙世にキスをする。 「えへ……なんだか嬉しい……ちゅ、ちゅ……」 「みなぎぃ……んぅ、ちゅっ、んれぅ……」  キスはすっかりこなれたものだった。ふたりが艶めかしく舌を絡ませ合う音が室内に響く。 「……ふたりばっかり、盛り上がりすぎだろ」  興奮を抑えきれず、俺も腰を動かし始めた。 「ひぐっ……ぁ、あ……!」  すぐにキスの余裕が無くなって、沙世が口をあけっぱなしにしたまま喘ぐ。 「あ、あ、あ、なに、これぇ……っ! ちんちん、中で動いて……ぁ、ああぁっ!」
「私も沙世ちゃんのこと、気持ちよくしたいなー」  美凪は沙世の首筋に吸い付いた。片手を胸へと伸ばし、手のひら全体で揉みしだく。 「ひゃっ……!?」 「沙世ちゃんのおっぱい、大きいから……揉み心地良くて楽しい……っ」  やわやわと力を入れたり、脇と乳房の間をくすぐるように撫でまわしたり……美凪が的確に沙世の性感を高めていく。 「ふゃぁ、あ、あ、だめ……おっぱい、だめ……っ!」  沙世は快感に戸惑うように身もだえる。腰が逃げそうになり、慌てて腰を押し付けた。 「ひぅぅ……っ!?」  挿入が深まり、沙世が背を仰け反らせる。 「わっ、すごーい……沙世ちゃん、すっごくエッチ……」  美凪はわざと羞恥心を煽るようにささやいて、ツンと勃った乳首を指でつまんだ。 「ひあぁぁ!? おっぱい、だめって……んぅぅ~~っ!」  クニクニ……と指の腹で乳首を転がし、捏ねまわす。そのたびに沙世が大きく喘いだ。 「沙世ちゃん、敏感で可愛い……」  耳を甘噛みしながら、美凪が囁く。 「さっきまで私の中に入ってたおちんちん、気持ちいい……? 私のエッチな本気汁まみれのおちんちんで、おまんこグチュグチュされるの、気持ちいい?」 「へぁ、ぁ、ぁ……っ」  ぶるるっと沙世の身体が震えた。 「う……んっ、気持ちいい……きもち、いいよぉ……っ! 美凪とおそろいのちんちんで、なか、かきまぜられるの……きもちいい……!」  膣内がぐねぐねとうねり、ペニスにきゅうっと吸い付いてくる。
「ひぅっ、あああぁっ、ああぁぁぁぁぁぁ~~……っ!!」 ――びゅるるるっ! びゅくっ、ぶじゅうぅぅぅ!  絶頂している沙世の身体を染め上げるように、精液を吐きだしていく。 「あぁぁんっ、あっあっあっ……!」  ビクッビクッと何度も背を仰け反らせ、腰を浮かせる。 「あはっ……すごーい……」  側に寝そべっている美凪にも、精液がかかってしまう。二人して身体をどろどろにしながら、淫靡な表情を浮かべている。 「ふたりのセックス見てたら……私も、またシたくなっちゃった……」  俺の精液を指ですくって、艶めかしい舌遣いで舐める。 「ふぁ……?」  沙世は絶頂の余韻が抜けないようで、まだ呆けた顔をしている。 「マジか……」 「うん……だって、すっごくエッチだったんだもん……おまんこ、きゅんってしちゃったよぉ……」  室内の時計へ目をやって、美凪が淫らがましく微笑んだ。 「えへ……まだ時間、あるみたいだし……」  横たわったままの沙世の上へ、美凪がまたがった。 「ひゃんっ! み、美凪……っ」  沙世の脚を大きく開かせ、恥丘同士を近づける。いわゆる貝合わせの体勢を取って、肩越しに俺へ視線を向けてきた。 「時間まで、いーっぱい3人でエッチしよ……?」  美凪の誘いに、鼓動が震えた。 「そうだな、もっと……3人で、楽しもう」  夢のような誘いに抗えるはずがなかった。  硬さを取り戻し始めたペニスを、恥丘の重なりに沈めこむ。 「ふゃぁっ、ぁ……あぁぁ……!?」 「ひゃぁんっ! ふあぁ、おちんちん、クリに擦れてぇ……あぁんっ、気持ちいい……!」  嬌声と、淫らな水音が室内に響き続ける。  一見異常な、けれど3人の愛が絡み合うセックスに終わりはなく、興奮はいつまでも収まらなかった。  俺たちは互いの身体の境界線が無くなってしまうほどに熱く絡み合い、溶け合って――貪欲にセックスし続けた。
 風呂に入り、美凪の提案に乗って互いの身体を洗いっこした後。  ソファに戻って時計を確認すると、ちょうど予約の時間が終わろうとしていた。 「今日はありがとう、ふたりとも」  服を着終えた美凪が、俺たちに向き合った。 「リクくんに話すべきか、バイト辞めるまで隠し通すべきか……とか、ずっと悩んでたの。だから、きっかけをくれて嬉しかった」  怒るどころか、笑顔でこう言えるあたりが美凪の良さだった。包み込むような優しさが胸に染みる。 「……でも、勢いでこんなことになっちゃったのは良かったのかな」  松来がぽつりと言って、俺と美凪の間で目を泳がせた。 「そう、だよな……」  松来の気持ちを知ったとはいえ、俺だって美凪のことを愛してる。大事な恋人を渡したくはなかった。 「んー……」  美凪は愛らしいうなり声を漏らしたあと、いつも通りのふんわりと優しい笑顔を浮かべた。 「私はリクくんの恋人だから、沙世ちゃんとはお付き合いできないけど……こうして3人でエッチするのは、大歓迎……かも」  美凪は、小悪魔っぽい笑みを浮かべて首を傾げた。 「え……っ、えっ、ほんとに……?」  沙世は顔を真っ赤にしながら、伺うように俺を見た。 「俺は、美凪が楽しければそれで……」答えつつ、俺自身少し迷ってしまう。「俺も結構、楽しんじゃったけど……沙世が辛ければ、断った方がいいと思うぞ」  一応付け足すと、沙世は迷うように目を伏せた。少しの間沈黙してから、決心が固まった様子で俺と美凪を見つめる。 「あたしも……き、気持ち良かったから。これからも……3人で、シたい……」 「ほんと!? じゃあ、決まりだねっ」  美凪がぱあっと表情を明るくする。 (これでいいのか……?)  疑問は尽きない。だけど―― 「これからも、3人で仲良くしようねっ」  美凪の笑顔を見ていると、常識なんてどうでもよくなってしまう。 「好きだよ、美凪」 「えへへ、私も大好き」 「あーっ! あたしも好きだからっ!」  3人で顔を合わせて笑い合う。 (まあ……これでいいんだよな)  常識じゃなく、俺たち3人の答えとして。  今のところの最善は、こんな愛の形が正しいようだ。
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>写真をお借りしています。
Photo by Gary Meulemans on Unsplash    
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cityofglasses · 1 year
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------------------------------------------------------ 『二人の秘密』 ------------------------------------------------------
 僕には、学校の友達に言えない習慣がある。  毎週水曜日、メイド喫茶に通うことだ。
「お帰りなさいませご主人さまぁ」
 メイドさんたちの華やかな声が店内に響く。 (癒される……!)  来店した瞬間の非日常感が、まず最高だ。日常生活では接点が持てないような可愛い女の子たちが、一生懸命もてなしてくれるのも嬉しい。この空間では、女の子に優しくされる正当な理由がある、という気がする。「ご主人様」と呼んでもらうにふさわしい、紳士的な人間でいようと身も引き締まる。 「ご主人さま~、こちらのお席へどうぞ」  駆け寄って来たメイドさんが、僕の顔を見てぱっと顔をほころばせる。 「今日も来てくれたんだねっ。ご来店ありがとー」 「う、うん」  毎週水曜日。それは、僕が推しているメイドさん――ねここちゃんの出勤日だ。  ねここちゃんは、バイト歴1年の中堅メイドさんだ。  20歳で、普段は大学に通っているという。僕から見ると、ひとつ年上だ。  以前「ねここさん」と呼んだら「イメージがあるんだから『ねここちゃん』って呼んで」とたしなめられてしまった。  ねここちゃんはとても綺麗な人だ。  小さな顔に、大きな目や高い鼻や桜色の唇が完璧なバランスで収まっている。腰まで伸びたキャラメル色の髪の毛は、染めているはずなのに手入れが行き届いていていつもサラサラだ。彼女が歩くたびに、髪からはふんわりと甘い香りが漂って、側にいる人々を幸せな気持ちにさせる。背がすらりと高くて細身で、一見すると雑誌から飛び出してきたモデルさんのように見える。  お人形さんみたいにきれいで近寄りがたい外見だけど、彼女自身はとても気さくだ。いたずら好きで、同僚のメイドさんやお客さんにちょっとしたいたずらを仕掛けたりしながら、いつも楽しそうに働いている。  ねここちゃんはお店の人気者だ。  水曜日は彼女目当ての客が多い。年齢層はバラバラだけど、だいたいみんな顔なじみだった。 「注文は、いつもので大丈夫?」  席に着くなり、ねここちゃんが言う。 「うん、大丈夫」 「はーいっ。愛情たっぷりにゃんやんオムライスのケチャップ落書き付きと、アイスティーと、ツーショットチェキ100枚ね!」 「ちょ、ちょっと、ツーショットチェキは『いつもの』じゃないでしょ」 「あはは、今日こそ一緒に撮ってくれるかなーって思ってー」 「と、撮らないよ……」  本当は撮りたい。だけど、なんだか恐れ多いからできない。 「残念。それじゃあ、今日も単独チェキ3枚ね。オーダー通してくるー」  ねここちゃんは踊るような足取りで厨房へと消えていく。その後ろ姿を見送って、思わずため息をついてしまう。 「ねここちゃんは相変わらずお茶目ですなぁ」  隣の席の、よく見かける中年男性がさりげなく声をかけてくる。「私もさっき、チェキ1万枚なんて言われちゃいましたよ。一日でそんなに撮りきれないでしょ、ねぇ?」 「ははは……」  他の常連客が羨ましかった。  彼らのように、もっとうまく話せたらいいのにといつも思う。  だけど、無理なものは無理だ。  ねここちゃんを前にすると緊張して、頭が真っ白になってしまう。  彼女は憧れの対象で、遠い存在だ。だからこそ、会話できること自体が信じられなくて、その感動だけで舞いあがってしまうのだ。
 ねここちゃんと初めて会ったのは、彼女が路上でチラシ配りをしている時だった。  酔っ払いのサラリーマンに絡まれている彼女の手を引っ張り、無我夢中で街中を走った。 「あれくらいいつものことなのに」とねここちゃんは苦笑して「貴重なお客さん逃がしちゃったなぁ」とぼやいた。  慌てて謝ると、彼女は「冗談だよ」と言って笑顔を見せてくれたのだった。 「助けてくれてありがと」  そして、抜け目なくチラシを渡してきて「お礼に一杯おごってあげるね」と店まで僕を連れて行った。  あの笑顔が嬉しくて、僕はすっかり、ねここちゃんにハマってしまったのだった。
 金曜日。  ねここちゃんの出勤日ではないけれど、僕はいつものメイド喫茶へ向かっていた。所用があって、近くまで立ち寄ったからだ。……まあ所用といっても、新刊本の特典目当てに書店を回っていただけなんだけど。  スマホで時間を確認してみると、張り切って早朝から店を回っていたからかメイド喫茶の開店時間まではまだ時間があった。 (ねここちゃんはいないだろうし、寄らなくってもいいか……)  途中で思い直して、引き返す。 (たしか、こっちから行くと近道だったな)  メイド喫茶が入っているビルの裏路地を通ってしばらく行くと、チェーン店が並ぶ飲食街に出るはずだ。 「ん……?」  上の方から、かすかに音が聞こえた���金属――柵か何かが軋む音だ。  何気なく、顔を上げて音の方向を見る。 「あ」  間の抜けた声が漏れた。たぶん向こうも、同じ一音を発したに違いない。  非常階段の手すりにもたれて、タバコを吸っているねここちゃんがそこにいた。
 ねここちゃんは面白いくらい狼狽した様子だった。僕も結構混乱していた。 (あの清楚で可愛いねここちゃんでも、タバコなんて吸うんだ……)  とりあえず、見てはいけない光景なのは明らかだった。急いで目を逸らし、裏路地を通り抜けようとする。 「ちょ、ちょっと待ったぁ!」 「え?」  ねここちゃんは、何を思ったのか手招きしてくる。非常階段の下を必死に指差している。  僕は自分を指差し、そしてねここちゃんがいる方を指差して、首を傾げて見せた。 (――昇れっていうこと?) (――そう!)  ねここちゃんはぶんぶん首を縦に振った。  彼女の必死そうな顔を見たら、無下にすることはできなかった。……そもそも、好きな子のお願いを足蹴にできる奴なんていないだろう。  ねここちゃんのいる場所まで、非常階段を昇って行った。そこはメイド喫茶のちょうど裏側らしかった。扉にメイド喫茶のステッカーと、「関係者以外立ち入り禁止」の貼り紙があった。 「内緒にしてね」  ねここちゃんは開口一番そう言った。「ほら、やさぐれメイドってキャラでやってないでしょ、あたし」 「うん、まあ……そうだね」  先日僕に声をかけてくれたような、ねここちゃん推しの人たちが見たらきっと卒倒してしまうだろうと思う。ねここちゃんは、この店の中でも特に明るく、清楚で、優しい、クリーンなイメージを武器にしていた。 「…………今日、シフトじゃない曜日なのにどうしているの?」  僕が口を開くと、ねここちゃんはきょとんと眼を丸くした。 「最初に聞くことがそれ!?」  ねここちゃんはそう言うが早いか笑い出した。「あはははは、君って筋金入りだね。あたしのこと大好きじゃん」 「え、いや、変かな」 「普通、なんで吸ってるのかとか、口止め料寄越せとか、タバコの件問いただすのが先じゃない?」 「いや、でも……ねここちゃん、成人してるよね? それなら別に……自己判断というか……」 「あはは、ほんと意外な反応」  ねここちゃんは笑いすぎて出た涙を指先で拭った。きれいな白い指の間には、タバコが挟まっている。なんだかとてもミスマッチだ。 「今日は、急に入れなくなったキャストの代わりに入ったの。なんかうち、最近風邪流行ってるんだよね」  ねここちゃんはタバコを口元へ持っていき、軽く吸った。白い煙が、真っ赤な唇から漂い、空へと立ち昇っていく。 「……タバコ、お店の他の子たちは知ってるの?」 「うん。みんな優しいから内緒にしてくれてる……っていうか、お互い内緒にし合ってるっていうか……」  ごにょごにょ。 (他の子も、客に言えない秘密くらいいくらでもあるんだろうな……)なんとなく察しがついたから、聞かないでおくことにした。 「ま、バレたのが君でよかった」  ねここちゃんは、例の眩しい笑顔で言った。 「お客さんには絶対知られちゃダメって、店長にきつーく言われてるんだ。だからバレたらほんとにヤバいんだけど……君ならまあ、安心かな」 「ど、どうして?」 「あたし、君のことは結構信用してるの」 「信用……」  思わずドキドキしてしまう。口外させないための営業トークだとわかっているのに、自然と顔が熱くなる。 「あー、信じてないでしょ」  ねここちゃんは、ずいっと顔を近づけてきた。 「い、いや、そんなこと……」 (近い近い近い! 顔にねここちゃんの息が当たってる……!) 「ほんとだよ? 初めて会った時、助けてくれたでしょ? あれからずっとお店通ってくれてるけど『助けたから』って馴れ馴れしくしたり、偉そうにしたり、過剰サービス要求してきたりしないし。むしろ君の方からすごい距離取ってるよね」 「それは……だって、店員さんと客だし……」  そもそも助けたかどうかも怪しいところだと思っていた。彼女の仕事を邪魔したのかもしれない、と少し罪悪感があったくらいだ。 「あたし……君のそういうところがさ……」  ねここちゃんは、柵に僕を押し付けるように、距離を詰めてきた。 「ちょ、ちょっと……」 「……じれったいと思ってたんだ、ずっと」  至近距離で、ねここちゃんが笑う。ニヤリ、とあくどい顔で。  あ、と思った時にはもう遅かった。  唇が触れていた。 「ん……ちゅ」  タバコの苦い味がする。 (…………!?!!!?)  思わず肩を掴んで引き離す。 「なななななななな、なにして……!? いま、なにを……!!?」 「キスだよ、キス。ちゅー」 「それは分かるけど、そうじゃなくて!」 「君が優しくて自分から要求してこないからって、口止め料を払わないのも申し訳ないかなーって」  ねここちゃんはけろりとしていた。 「く、口止め料なんていらないから。僕、誰にも話す気ないし……」 「そうかなー?」  ねここちゃんが、僕の股間を手のひらでスリスリ……と撫でてきた。 「さっき信頼してくれてるって言ってただろっ」 「言ったけど、それとこれとは別かな?」 「うぁ、ちょ、待って……!」  ねここちゃんはあっさり僕のパンツのファスナーを開け、ペニスを取り出してしまった。 「あ、ちょっと勃ってる」 「う……っ」 「ちゅーされて勃っちゃうなんて、かわいー」 「だ、だって……ねここちゃんとキスできるなんて……」 「あたしだから、ちゅーだけで勃っちゃったの? えへへ、なにその殺し文句。ときめいちゃうじゃん」  華奢な手で握られたまま、しゅ、しゅ、と擦られて、ペニスはどんどん硬くなっていってしまう。ねここちゃんの綺麗な手の中で勃起していく自分の分身は、なんだか普段よりずっとグロテスクに見えた。 「ふふ……それじゃ、口止め料、払っちゃおっかな」  ねここちゃんはひざまずくと、股間へ顔を近づけて来た。 「え、ちょ……まさか……」 「ちゅっ」 「~~~~っ!?」  ねここちゃんの形の良い唇が、亀頭に触れた。 「わっ、いい反応」  楽しそうに言って、ちゅ、ちゅ……とさらに亀頭へキスしてくる。 (なんなんだ、この状況……)  メイド喫茶の裏手にある非常階段で、憧れのメイドさんにキスされたあげく、ペニスを弄られている。一体どれだけ僕に都合がいい夢なんだ? 「ちゅ……ちゅぅ……ちゅ……」  夢だとしか思えないのに、快感をはっきりと感じる。 「あは……この子、すっごく元気だね」  ねここちゃんは指の腹で亀頭をくるくる撫でてきた。彼女の愛撫ひとつひとつに、ペニスが反応してしまう。  鈴口から滲みだした先走りが、細い指に絡みつく。 「すっごいヨダレ垂らしちゃってる……ふふ、やらしー」  彼女がくすくす笑うと、吐息がペニスに直接かかった。思わず腰を引いてしまいそうになる。 「逃げちゃダーメ」  彼女はそう言って、ペニスの根元をしっかり掴んだ。そして、真っ赤な唇の間から舌を伸ばしてくる。 「ん……れろ、んぅ……ちゅぅ、れるる……れろ……」  カウパーを舐め取るように、舌が亀頭をなぞった。  先走りと唾液が混ざり合って、雫が竿を伝い落ちていく。 「ふぁ、こぼれちゃう……」  伝い落ちていく雫を追って、舌が根元へと降りていく。 「ちゅっ、んぁ……ん、ちゅ……れるぅ……んれぉ……れる……れるぅ……」  だんだんと、フェラチオに熱がこもってくるのがわかった。  根元から亀頭へ、亀頭から根元へと舌が這いまわり、ペニス全体を唾液まみれにしていく。 「うぅ……く……っ」  舌がカリ首を丹念に舐めまわし、裏筋をくすぐってくる。  まるで意志を持った生き物のように舌が這い、絡みつき、擦りたててくる。 (なんだ、これ……!?)  快感の強さに、腰が震える。 「んちゅぁ……くすっ。気持ちよさそー……息、上がっちゃってるよ?」  チロチロと亀頭を舐めながら、ねここちゃんが目を細める。  愛らしくて清楚なねここちゃんと、自分のペニスが同時に目に入るこの状況が信じられない。 「ふふふー……反応よくて嬉しいからぁ……もっと頑張っちゃおっかな」  ねここちゃんが舌なめずりする。その仕草だけでもういやらしい。  僕の反応を楽しむような上目遣いのまま、口を開けて…… 「んぁー……ぁむっ」  亀頭をぱくっと咥えた。 「うあっ……!?」  行動は予測していたのに、想像以上の性感に思わず声を漏らしてしまう。 「んふー……」  ねここちゃんは嬉しそうに目を細めた。ペニスを咥えたままなのに、笑顔が可愛い。だからこそ頭が混乱してしまう。 (あのねこここちゃんが、僕のを咥えてるなんて……!) 「んぅちゅ、ぢゅっ、れりゅぅ……っ、んれぉ……れるんっ」  戸惑う僕をよそに、ねここちゃんは口内で舌をうごめかせた。  熱い口腔粘膜に包まれたまま、亀頭やエラを舌で擦られる。 「ね、ねここちゃん……それ、ヤバい……っ」  温かくて気持ち良くて、腰が溶けてしまいそうだった。下腹部がどんどん熱くなってきて、射精欲が高まってきてしまう。 「んぅ……? ふふ、きもちよくなっていーんらよぉ……」  今度は裏筋に舌を添え、頭を前後させ始めた。 「んぢゅっ、ぢゅっ、じゅぅっ、じゅりゅっ、んじゅぅ……っ!」  ぷるぷるの唇が、きゅっと竿締め付けたまま前後する。浮いた血管を押しつぶすようにしっかりと吸い付いたまま、根元からカリ下までを何度も往復する。 ――じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ、じゅぽっ。  下品ですらある水音が響く。ねここちゃんの手入れの行き届いた髪が、激しく頭が動くのに合わせてふわふわと揺れる。  すごく悪いことをしている気がした。  人気者で憧れの対象――可憐なねここちゃんに、口で奉仕してもらっているなんて罪深すぎる。  それなのに。 (気持ちいい……!)  快感が高まって、だんだんと思考が麻痺してくる。  上手く頭が回らない。 「ちゅぢゅぅぅ……ぢゅっ、んっ、んぁ……はぁ、んれぅぅ……じゅぶっ!」  口から唾液が溢れ出し、顎や喉元へ垂れていく。 「んじゅっ、じゅぽ、じゅりゅぅ……んぁふ、おちんちん、びくびくしてきたぁ……」  うっとりと目をとろけさせて、ねここちゃんが言う。 「もうすぐ、でちゃいそうでしょぉ……?」 「う、うん……」  僕の性感を見透かしているかのような物言いに、頷くしかなかった。 「ふふ、うれしい。ねここのおくちに、いっぱいだしてね……」  甘く囁いて、ペニスをしっかり咥えこんだ。 「うぁ……!?」 「んじゅるっ、じゅぅぅ……ちゅずずっ、ちゅぢゅうぅぅ……っ」  唾液まみれでぬるぬるになった唇でペニスを扱きながら、同時に強く吸ってくる。  先走りが強制的に吸い上げられる感覚に、腰がガクガク震えてしまう。 (口にって言われても……そんなの……!)  理性的な思考は、どんどん快感に塗りつぶされていく。  玉袋が引きつるような感覚が強くなる。 「んぢゅっ、ぢゅっ、ぢゅりゅぅぅぅぅ~~……っ! じゅぽっ、じゅぽっ!」  頭を前後に振りながら、口全体を使ってペニスを扱きたててくる。  頬をすぼめ、強く吸い上げ、僕の射精を促してくる。 「ねここちゃん、もう出る……っ!」  掠れた声でそう漏らすと、ねここちゃんはとどめとばかりに亀頭に強く吸い付いてきた。 「らしてぇっ、おくひに、らしてぇ…………んじゅぅぅ、じゅりゅぅぅ……っ!」 「うあぁ……!」  びゅるるっ、びゅくっ、びゅるるるるるるるッ!!  全身に電流が走ったかのような快感が走った瞬間、一気に限界を迎えた。  ねここちゃんの口内に、たっぷりと精液を吐きだしてしまう。 「んぅぅ……んっ、んぐ……! んんー……っ!」  ねここちゃんは亀頭に吸い付いたまま離さず、それどころかもっと精液を絞ろうとするように根元を手で扱いてくる。 「う、ぁ……それ、ヤバい……!」  腰が震え、また射精してしまう。ねここちゃんは少し眉根を寄せて苦しそうにしながらも、ペニスから口を離さなかった。 「ん……ごくっ、こく……んぅ……ふ……」  ねここちゃんは喉を鳴らした。  唇をもごもご動かし、舌の上で精液を転がすようにして、出したものをゆっくりと飲み下していく。 「え……ちょっ、ねここちゃん……!?」  声をかけた時にはもう遅かった。 「んふ……ぜんぶ飲んだよ」  ねここちゃんは口を開けて、きれいになった状態を見せてきた。 「いっぱい出してくれて嬉しい……ふふ、気持ちよかった?」  唾液まみれの唇に笑みを浮かべて、ねここちゃんが首を傾げる。 「す、すごく……気持ち良かった……」  腰から下が溶けてしまうんじゃないかと思うくらい良かった。  快感の余韻がなかなか去らずに、ずっと息が荒いままだ。 「あは……お顔、とろとろになってるよ?」  ねここちゃんは立ち上がって、僕の顔を覗き込んできた。 「そんなえっちぃ顔されたら……私のおまんこ、うずいちゃう……」  おもむろに、彼女はスカートの中に両手を入れた。 「ねここちゃん……?」  そのままゆっくりと、見せつけるようにショーツを下ろしていく。  クロッチ部分に、透明な糸が引いているのが見えた。 「……っ」  脱いだショーツをメイド服のポケットに入れると、ねここちゃんが僕の手を取った。 「ねぇ……触って?」  そう言って、スカートの中へと手を導いていく。抵抗する間もなく、手はスカートの向こうへ引き込まれてしまう。  肉付きの薄いお腹に、手のひらが触れる。生々しい体温を感じる。思わず息を呑んだ。  さらにその下へと、ねここちゃんが僕の手を導いていく。 「あ……」  指先が、じっとりと湿った感触に触れた。 「分かる……? お口でするの気持ちよくて……こんなに濡れちゃったの」  ねここちゃんが、僕の手を包み込むようにしながら優しく力を入れる。指先が割れ目に食い込んで、くちゅりとくぐもった水音が鳴った。 (これが、女の子の……)  ドクン、と心臓が震えた。 「ぁん……っ」  ねここちゃんが肩を震わせる。思わず手を引こうとすると、ぐっと腕を掴みなおされた。 「もっと触って……?」  耳元で、ねここちゃんの声が甘く響く。 「私のおまんこ……ぐしょぐしょになってるでしょ……?」  自分から、指に秘所を押し付けてくる。切なそうに腰をくねらせるうちに、秘唇がよじれて指を挟みこんできた。 「あ……は、指、ふるえてる……」  いたずらっぽい笑みを浮かべて、ねここちゃんが囁いてくる。 「こういうことするの、初めて?」  見抜かれていた羞恥心と、彼女に対して嘘をつきたくないという不思議な忠誠心がせめぎ合い、喉が震える。 「……っ、うん……」  なんとか頷くと、ねここちゃんは僕の耳たぶを甘噛みした。はむはむ……と優しく歯を立てながら、嬉しそうに呟く。 「えへへ、そぉなんだー……」  ねここちゃんは、そのまま腰を前後に動かし続けた。  指が秘唇の内側に擦れるたび、愛液が溢れてくる。  クチュ、クチュ、クチュ、クチュ……  スカートの中でくぐもった淫音が鳴っている。熱がこもって、手が汗ばんでくる。  柔らかくて、ぬるぬるしている。溢れてくる愛液で指がふやけてしまいそうだ。 (あ……ヤバい)  また、下腹部に血が集まっていくのを感じた。さっき出したばかりなのに、あっという間に勃ちあがって、ねここちゃんのスカートの裾に擦りつく。  彼女もそれに気付いたのか、腰の動きを止めた。 「……続き、しちゃう?」  ねここちゃんが耳元で囁く。 「口止めセックス……しちゃおっか」  ねここちゃんは、非常階段の手すりを掴んで僕の方へとお尻を突きだした。  スカートをまくりあげ、肩越しに僕を見つめる。  すらりと伸びた白い脚に、愛液が幾筋も伝っている。  上気したお尻は見るからに柔らかそうだ。 「ほら……おまんこ穴、ちゃんと見える?」  ねここちゃんは、お腹の下側から片手を通して自分の秘所に指を添えた。愛液で濡れた秘唇を左右に広げ、誘うようにお尻をくねらせる。  さっきまで触っていた女の子の中心を目の当たりにして、ゴクリと生唾を呑んだ。  ピンク色の粘膜が、たっぷりと潤んでてらてらと濡れ光っている。お腹側にはぷっくりと膨らんだクリトリスが、お尻側には愛液の源泉となっている小さい洞穴が見えた。 「おいで……バキバキおちんちん、ねここのおまんこで気持ちよくしてあげる」  わざと誘うように、いやらしい言葉を重ねてくる。  頭の後ろ側がジンと痺れて、もう目の前のことしか考えられなかった。 「ねここちゃん……」  勃起の先端を、彼女の秘穴へと宛がう。 「ん、ふぁ……」  腰を押し出すと、ペニスがゆっくりと膣穴へ沈んでいく。愛液を潤滑油にして、どんどん奥へと引き込まれていく。  根元までペニスを押し込むと、強烈な快感が背筋を駆け抜ける。 (あ……熱い……!)  腰が痙攣しっぱなしだった。少し時間を置いたとは言え、さっき射精したばかりのペニスだ。初めての女性器の感触はあまりにも刺激が強くて、身動きができない。 「あ、は……ぜんぶ入ったね……」  ねここちゃんはいたずらっぽい笑みを向けてくる。 「君の初めて……もらっちゃったぁ」  とろけるように甘い言葉に、かあっと全身が熱くなる。 (ねここちゃん、可愛すぎる……!)  可愛くて愛しくて、もっと彼女を感じたくなる。  腰を掴むと、「ん……っ」と小さい声を漏らした。 「えへへ……好きに動いて、いいよ。私のおまんこ……いっぱい味わって」  その一言でスイッチが入った。  ねここちゃんの腰を掴んだまま、前後に抽送を始める。 「ん……ん……っ、ふぅ……はぁ……はぁ……」  我ながらぎこちない腰使いだった。竿の半ばまで引き抜いて、根元まで押し入れる。ゆっくりと、何度もそれを繰り返す。  熱く潤んだ膣肉が、みっちりとペニスを包み込んでいる。  腰を動かすたびに中が不規則に締め付けてきて、ペニスに快感を与えてくる。 (気持ちよすぎる……!)  早く動くとすぐに射精してしまいそうだった。少しでも長くこの夢のような歓びを味わっていたくて、どうしてもじっくりした動きになる。 「はぁ……はぁ……おちんちん熱いね……私のナカ、気持ちいい……?」 「気持ちいいよ、すごく……っ」 「くすっ。余裕ない声……すっごくえっち……」  ねここちゃんが、左右に腰をくねらせる。 「……っ!」  膣ヒダがにゅるにゅると竿に絡みついてくる。  亀頭が擦れる場所が変わって、目まぐるしく刺激が変化する。 「君のおちんちん、カタくて……ナカでビクビクしててぇ……私も、気持ちいいよ……っ」  ねここちゃんの腰使いに釣られるように、抽送の速度が上がっていく。  突くたびに結合部から愛液が溢れ、下腹部を濡らす。 「んうぅ……っ! はぁ、あ……激しく、なって……んんっ! ふあぁぁ……っ」  呼吸が乱れてどんどん苦しくなってくる。それでも腰を止められない。  膣内全体を貪るように、ペニスで肉襞を掻きまわす。 「ふぅぁ、あ、あん……! 一生懸命腰振ってる姿……興奮しちゃう……おまんこきゅんってなるよぉ……っ」  限界まで勃起した竿は愛液でつやつやと濡れ光っている。  引き抜く動きでピンク色の粘膜をめくりあげ、突き込む動きで押し戻す。膣口は健気に竿に吸い付いて、きゅうきゅうと扱いてくる。  肉茎の根元がかぁっと熱くなってきた。 (そろそろ、限界だ……っ)  ラストスパートをかけるように、深く腰を突き入れる。 「ふああぁぁぁんっ!」  ねここちゃんの肩がビクンッと跳ねた。  思いのほか響いた嬌声に自分で驚いたのか、慌てた様子で口を手で覆う。 「ぁん、あっ、あっ……君のおちんちん……っ、ナカの良いとこに、当たってるぅ……っ!」  くぐもった声は、艶っぽくとろけている。 「はぁっ、ぁ、はぁん……声、でちゃう……気持ちいいよぉ……っ」  亀頭で膣奥を抉るように突き込むと、ねここちゃんの腰がびくびく震えた。  彼女の反応が大きい場所を狙って、何度もペニスで責め立てる。  ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅっ、ぱちゅんっ!  肉同士がぶつかる音に、粘質な水音が混ざる。  ピストンの激しさで、互いの呼吸が切羽詰まったものになっていく。 「はぁ……ぁ、あ、あっ、だめぇ、おまんこイく……イっちゃう……!」 「僕も、もう……」  快感で頭が痺れてくる。  がむしゃらに粘膜を擦り合い、互いの身体を貪って絶頂へと向かって行く。 「あんっ、あっ、あっ、あぁんっ! きもちい……っ! あぁっ、あっあっあっ!」  抽送の勢いで、ペニスが膣口から抜け落ちる。 「ひぁぁっ……!?」  そのまま尻肉の間に肉茎を押し付け、ズリズリと擦りたてる。 「出ます……っ!」 「あぁぁ、イくイくイく……っ! んぁ、あ……ひぁっ、イッくぅ……っ!」  ビクッと彼女の背中がしなった。 「あぁぁんっ、あっ、ひぁぁぁぁぁ……っ!」 ――ビュクッ、ビュッ、ビュルルルルルルッ!!  形の良いお尻を、精液まみれにしていく。 「ふあぁぁ……あんっ、熱い……っ!」  ペニスが勝手に跳ね、ベチッと尻たぶを叩く。彼女の腰が跳ね、ペニスの形に開きっぱなしになっている膣口から愛液がプシッと飛び散った。 「はぁ、はぁ、はぁ……」  激しい快感の波が引くと、互いの呼吸音だけが残った。 「おわ……っと」  腰砕けになって、そのまま座りこんでしまった。  ねここちゃんは僕を見下ろして、きょとんと目を丸くする。  そして――にやぁっと小悪魔っぽい笑みを浮かべた。 「ふふふっ、そんなに気持ちよかったんだぁ」  座り込んだ僕の太ももの上へ、無防備にも腰を下ろす。 「すごーい。汗だくだねー……」  ねここちゃんが、不意におでこをペロっと舐めてきた。 「わ……っ!?」  ぺろ、ぺろ……と、そのまま額に浮いた汗を舐め取っていく。 「……本当に、猫みたいだ」 「んー? 愛情表現の仕方が?」 「あ、愛情って……」  ねここちゃんは、僕の顔を覗き込んだ。うっすらと微笑んではいるけれど、感情が読めない。  きれいな瞳にまっすぐ見つめられて、鼓動が早くなる。  ひと言、「どういう意味?」と聞ければいいのに、それができない。 「んー……」  ねここちゃんは小さくうなった。そして、なぜか胸元をぱたぱたと手で扇ぎ始める。 「私もいっぱい汗かいちゃったぁ。おっぱいにも、汗溜まっちゃってるみたい……」  そして、メイド服の胸元をブラジャーごと下へズラした。  たゆんっ、と柔らかな乳房が目の前に躍り出る。 「おっぱいの汗……私がしたみたいに、綺麗にしてくれる?」  僕の顔に押し付けるように、ぐいっと乳房を突き出してくる。 「ねここちゃんがしたみたいにって……」  露わになった乳房に、目が釘付けになってしまう。  白くて肌理細かい乳肌が、あまりにも目に眩しい。 「ねー……シてくれないの……?」  ねここちゃんが肩を揺すると、乳房もたぷたぷと弾む。同時に、女の子特有の甘い香りが鼻孔一杯に広がる。 「…………」  魅力に抗えず、舌を伸ばす。 「ぁん……!」  しっとりと汗ばんだ乳肌に舌を這わせると、ねここちゃんがあからさまな声をあげた。 「ん……そのまま、続けて……?」  言われるままに、乳肌の上へ舌を滑らせる。  柔らかすぎて、舌を少し強く押し付けただけでふにゃりと形を変えてしまう。思わず両側から寄せ上げるように掴むと、ねここちゃんが身体をくねらせた。 「あは……大胆になってきたね……」  僕の行動を咎めることはなかった。むしろ受け入れるように、僕の手へ乳房を押し付けてくる。 「ン……ぁ、はぁ……はぁ……ぁん……」  鼻にかかった吐息を漏らしている。柔肌の熱が次第に上がってきた。 「くす……君の、またおっきくなっちゃってる……」 「あ……!」  ペニスをお尻で踏みつけ、尻肉を擦りつけてくる。 「おっぱいペロペロして、興奮しちゃった? おちんちん元気すぎ」 「ほ、放っておけば収まるから……!」  節操無しに思われるのが恥ずかしくて、ねここちゃんの身体を離そうとする。 「そんなのダメだよぉ」  彼女は少し腰をあげると、ペニスに手を添えて上向かせた。 「口止めセックスだもん……おちんちんにおねだりされたら、応えるしかないよね……っ」 空を向いている亀頭に、膣口をぴっとりと押し付ける。 「ぅ、ぁ……」  クチュリ、と膣口が亀頭にキスをする感触。  半勃起だったペニスが、期待するように硬度を増していく。 「ん……っ!」  ねここちゃんが体重をかけてくる。 「ふあぁ……おちんちん、入ってくるぅ……!」  ぬるぬるの膣内に根元まで包み込まれる。彼女が上になっているぶん、挿入はさっきよりもずっと深く感じた。 「はぁ……ぁ……すごぉい……おちんちん、深い……」  眉根を寄せて、悩まし気な吐息を漏らしている。  汗のにじんだ艶めかしい表情を、今度は真正面から見ることになった。 「ねここちゃん、可愛い……」  思わず口に出していた。 「へっ!?」  ねここちゃんの顔が、いっそう赤く染まった。 「ふ……不意打ちでそういうこと言うの、ズルいよ……」 「でも、本当にそう思ったから」 「うー……」  ねここちゃんは小さくうなる。 『可愛い』なんて言われ慣れているはずなのに、意外な反応だった。 「……エッチの時に、褒められるの……ドキドキするでしょぉ……」  もごもごと口の中で呟いていたかと思うと、急に顔を上げた。 「動くからね……っ」  ねここちゃんは強がるように宣言すると、腰を持ち上げ始めた。  愛液でとろとろになったペニスが秘裂から覗く。  最初はわずかに引き抜いて、腰を落とすのを繰り返していた。けれど少しずつ、大きなストロークで腰を動かし始める。 「ん……っ! んっ、んっ、んっ……はぁ、あ……っ!」  目の前で、豊かな乳房が上下に弾む。  ピンと張りつめた乳首が弧を描いている。  白い肌が波打って、乳房に複雑な陰影を作り出していた。  蠱惑的な光景に我慢できず、再びぐっと乳肉を掴んだ。 「ぁ……んっ!」  指できゅっと乳首を摘まむと、ねここちゃんが快感に身をよじった。 「ひゃんっ、ぁ、あ……おっぱい、気持ちいいよぉ……!」  僕の手に合わせ、膣肉がきゅうきゅう締め付けてくる。 「んぅぅぅ、はぁ、あふ……! すごい……っ、おまんこもおっぱいも、気持ちよくってぇ……」  胸を反らし、艶っぽく身もだえる。  彼女が身体を前後左右に傾けるたび、ペニスは膣路のあらゆる場所を抉った。 「あっあっあっあっ……! ふあぁぁん……あぁ……あぁぁ……っ!」  ぱちゅん、ぱちゅん、ぱ���ゅん……!  肉茎が最奥を穿つたび、膣内がヒクヒクとわななく。  淫らな音は隠しようもなく高まって、背徳感を刺激するように響く。 「奥……いっぱい当たるの……んぅぅっ、これ、好きぃ……っ!」  細い腰がくねって、肉茎を扱きたてる。  最奥の弾力を亀頭に感じるたび、ペニスが性感に痺れた。 「んっんっ、ん~~……っ! 奥にキスされて、おまんこ、きゅんきゅんしてるぅ……っ!」  愛液がダラダラあふれて、肉丘と付け根がぬるぬると擦れる。  手にはずっしりとした乳房の感触がある。  抽送に合わせて手の中で波打つ柔肌に顔をうずめ、女の子の香りを思い切り吸い込む。 「ひゃぁん……っ! あ、あ、あ……おっぱい、感じるぅ……!」  何度も声を抑えようとしては失敗して、淫らな声を漏らしている。  口元からはよだれが溢れ、反らした首筋を伝い落ちていく。 「おちんちん、熱くなってきてる……んぅ……っ、イっちゃいそう……?」 「うん、そろそろ……」  頷くと、ねここちゃんがぐっと身体を傾けてきた。  僕の頭を抱くようにしながら、優しく囁いてくる。 「次からは……ちゃんとゴム、付けてシようね……」 (え……『次』って……)  囁かれた言葉が耳に引っ掛かる。 「あ、あぁん……っ! ナカで、おっきくなったぁっ」  言葉の真意を尋ねるよりも先に、快感に思考が乗っ取られる。 「はぁっ、はぁっ、おまんこ熱いよぉ……っ! もう、げんかいぃ……」 「僕も、もう……!」  ねここちゃんが激しく腰を打ち下ろす。 ――グチュッグチュッグチュッグチュッ!  粘膜の摩擦音が、どんどん大きくなっていく。 「あっあっあっあっ! もぉだめぇっ、イくっ、イくぅ……っ!」  膣内が激しく痙攣し始める。  ペニスを引き抜く間もなく、あっという間に快感が昇り詰める。 「あぁぁ、出る……っ!」 「イくぅっ、イくっ、イッちゃう……っ!」  ねここちゃんが仰け反って、ピンと背を引きつらせる。 「ふゃぁぁぁぁぁぁっ、ああぁぁぁぁん……っっ!」  深く繋がったまま、同時に絶頂に達した。 (搾り取られる……っ!)  膣口から最奥に至るまで、キュウキュウにペニスを締め付けてくる。精液を吸い尽くそうとするかのように、子宮へ向かって膣ヒダがうごめいた。 「はぁ……ぁ、ん……! おまんこにぃ……君の精液、注がれちゃってる……っ」  ねここちゃんが、腰をビクビク跳ねさせる。  彼女の小さな絶頂に合わせて、膣肉の締め付けがさらに強くなる。 「くぅぅ……っ」 「ふあぁぁ……なかでぇ……まだ、びくびくしてるよぉ……おちんちん、元気すぎ……っ」  ねここちゃんが、甘えるように顔を寄せてくる。おでことおでこをくっつけて、猫のように擦りついてくる。 「ふふ……っ、私の秘密と……君のドーテー、交換こしちゃったね」  至近距離の微笑みに、胸がぎゅっと掴まれたように痺れる。  夢みたいな経験だった。というか、夢だと思うのが賢明なのだろう。  偶然知った秘密のために、ねここちゃんに身体を張らせてしまった罪悪感があるけれど……それをどう償っていいのかわからない。 (とりあえず、秘密は墓場まで持っていくから……)  心の中で、ねここちゃんにそう誓った。
(次にお店へ行った時、どんな顔すればいいんだろう……)  そんな風に悩んでいたのだけれど――  翌週、いつもの水曜日。ねここちゃんはお店にいなかった。 (あんなことがあったから、もしかして……)  僕が出禁になっていないということは、非常階段での行為がバレたわけではないはずだ。それでもねここちゃんが出勤していないということは……ねここちゃんにとって、やっぱりあの日のことは不本意でしかなかったのだろう。だから出勤したくなくなったのかもしれない。  ねここちゃんの笑顔や、一生懸命働く姿を思い出しては胸が痛んだ。  口止め料は要らないと言いながらも、結局最後までシてしまったのは僕が優柔不断だからだ。  後悔しても仕方ないことは分かっているのに、それでも水曜日の習慣を止めることはできなかった。ねここちゃんがいないかもしれないと思いつつ、店の扉を開く。 「お帰りなさいませ、ご主人さまぁ」  少し間延びした、甘い声。  よく聞きなれた、大好きな声。  憧れのメイドさんが――ねここちゃんが目の前にいた。 「ねここちゃん……」 「あれー? なんだか久しぶりだねぇ」 「いや、だって……先週、ねここちゃんいなかったから」 「そういえばそうだっけ」  ねこここちゃんは何でもない風に言いつつ、僕を席へと案内する。 「ほら、うち風邪が流行ってるって話したでしょ? あのあと、私もダウンしちゃって」  そういえばたしかに、ねここちゃんがメイドさんの間で風邪が流行ってると言っていた気がする。 「病欠だって、他のキャストの子に聞かなかった?」 「いや、その……」  ねここちゃんとあんなことをしてしまった手前、消息を尋ねるのは気が引けた。他のお客さんともなんとなく顔を合わせ辛くて、先週は食事をしてすぐそそくさと店を出てしまったのだ。 「体調、大丈夫なの?」 「だいじょーぶ。ふふ、君にも風邪うつしちゃったんじゃないかなって心配してたんだよ」 「え……あっ」  思わず顔が熱くなる。確かにキスしたり、他にも色々したし……うつっていてもおかしくはないけれど。 「そうだ、心配させちゃったお詫びにサービスしてあげるね」 「い、いや、そんなの悪いよ」 「遠慮しないの」  ねここちゃんはきょろきょろと周囲を警戒してから、そっと耳打ちしてきた。 「――また、この前の場所で……すっごいエッチなことシちゃお?」  一瞬で、非常階段での記憶が呼び起こされた。 「ちょっ!? ね、ねここちゃん……っ」  吐息でむずむずした耳を手で覆いつつ、急いで距離を取る。かろうじて、今の耳打ちは他のお客さんたちに気づかれなかったようだった。 「鈍感ご主人さまのために、ねここいーっぱい頑張るからね」 「ど、鈍感って……え?」  全身にぶわっと汗が滲んで、動悸が激しくなる。もしかして、今になって風邪の症状がでてきたんじゃないかってくらい身体が熱い。  厨房へ戻っていくねここちゃんの耳元も、心なしか赤いように見えた。
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>写真をお借りしています。
Photo by Parrish Freeman on Unsplash
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cityofglasses · 1 year
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------------------------------------------------------ 『スタンプ』 ------------------------------------------------------
「あ、またメッセージ来てる」  半年くらい前から、クラスメイトの女子が頻繁にSNSへメッセージを送ってくるようになった。名前は小宮真穂。同級生の女子たちは髪を染めていたり、濃いメイクをしていたり、妙に高そうなブランド小物をちらつかせたりしているけれど、小宮さんは違った。肩の上スレスレくらいに切りそろえたボブヘアは、いつもつややかな黒色をしていた。化粧はたぶんしていない。していたとしても、男の僕には分からないくらいの薄さだと思う。肌は白くて、頬や唇はほんのりと桜色をしている。目は大きくて黒目がち。どこか幼い顔立ちのうえ、背もたぶん150センチ前後と小柄だ。クラスでは「世間ずれしていないお子様なマスコットキャラ」みたいな位置づけで、女子たちによく頭を撫でられたり、抱きしめられたりしている。学年があがるごとに生々しさを増していく下ネタも、小宮さんがその場にいる時は必ず「真穂はまだ知らなくていいんだよ」とか「真穂の前ではやめなよ」とか、ワンクッション置くためのいい標的にされている。  小宮さんとは一度、新学期の時に席が隣同士になったことがある。その3か月ほどの間に、ちょくちょく話をするような仲になった。 「佐藤くんって、ノートきれいだよね」 「佐藤くんって、書道部だったんだ。どおりで字が上手だと思った」 「佐藤くんって、お昼ごはんどこで食べてるの?」  小宮さんも僕も、話し上手というわけじゃなかった。だから会話が思い切り弾むとか、趣味が合うから話題が尽きないとか、そういうわけじゃない。ただ、ぽつりぽつりと、穏やかに会話する時間は嫌いじゃなかった。彼女も同じ気持ちなのは、なんとなく分かっていた。もしかしたら、同級生たちに子ども扱いされがちな彼女と対等に話すのが僕くらいのものだったからかもしれない。僕も、周りの友人たちが「俺」と一人称を変えていくなかで「僕」と��い続けてきたことでからかわれて嫌な思いをしたことがある。それで、彼女がクラスメイトたちにからかわれている姿に過去の自分を重ねて、少し同情していた部分があった。  席替えで隣同士じゃなくなると、会話する機会はほとんどなくなった。小宮さんはいわゆるカースト上位のグループのマスコットキャラクターで、僕は当たり障りなく平穏に学校生活を送ることを至上としているモブキャラクターの一員という感じだった。付き合う人種が違うから、共通点は「クラスメイトである」ということだけだった。  それがどういうわけか、小宮さんからSNSへメッセージが来るようになったのだ。新学期に、クラスのリーダー的存在の男子生徒が「SNS上でこのクラスのグループを作って、連絡をし合えるようにしよう」と提案した。それで一応、クラス全員が登録されているSNSグループが作成された。そのSNSから、小宮さんが個人的にメッセージを送ってくるようになったのだ。  最初は「宿題の提出期限いつまでだっけ?」とか「テスト範囲教えて」とか、クラスのめぼしい奴にテンプレで送っていても不思議じゃないメッセージだった。でもだんだんと、「今何してる?」とか「ごはん何食べた?」とか、そういうプライベートな話題をふってくるようになった。小宮さんの真意が分からないうえ、男友達としかメッセージのやり取りをしていなかった僕は返信の書きようが分からなかった。「別に」とか「忘れた」とか、男友達相手のような短文じゃ失礼なような気がしたし、会話を嫌がっているわけじゃないのにそう誤解されるのも怖かった。悩みぬいて返事するのに一週間かかることもあったし、悩んだあげくにスタンプ一個で返事を終わらせてしまうこともあった。そんなSNSベタな僕に、小宮さんはいまだ懲りずにメッセージを送ってくる。最近は主に、新しいスタンプを買った報告を僕に送ってくるようになった。これは僕にとっても返事が楽だ。ある程度の正解があるから。可愛い絵柄のスタンプには「可愛いね」と返事をしたらいいし、ちょっとネタっぽいスタンプには「そういうのも好きなんだ」とか「その元ネタ知ってる」とか、そういう返事を書けばいい。僕の返事の速度が格段に上がったからか、小宮さんのスタンプ購入報告も短いスパンで頻繁に来るようになった。彼女が買うスタンプはバリエーションに富んでいて面白い。でも一番嬉しかったのは、僕が使っていたスタンプを「おそろいだね」と言って送ってきてくれた時だ。こんな僕へ懲りずに色々と話しかけてくれる彼女に、少しずつ惹かれている自覚があった。
 SNS上の課金要素である「スタンプ」とは、メッセージ画面へ貼れる「画像データ」のことだ。「スタンプ」によって、文章では表現しづらい感情やニュアンスを相手に伝えることができる。1セットにだいたい40個入っていて、おおよそ200円から300円。  私は毎月、相当の額を「スタンプ」に費やしている。言葉では表現しきれない感情がそれだけあるのか、といえば別にそういうわけじゃない。1セットの中にだいたい入っている「スキ」のスタンプ1個で事足りる。だけど、私がスタンプを買うのはメッセージ上の感情表現を豊かにしたいからじゃない。好きな男の子から返信してもらうための手段として買っている。  私の好きな男の子は、どうやらSNSのやりとりに慣れていないらしい。あるいはちょっとめんどくさがりなのかもしれない。書道部に所属しているくらいだし、アナログなのが好きなのかもしれないし。スマホなんてそんなに見てないのかも。だから返事が来ないこともあるし、たまにスルーされることもあるし、かと思うと一週間後にぽつんとスタンプだけ送られてきたりする。好きだから、返事が来るだけで嬉しい。だけど、会話ができたらもっと嬉しい。だって好きだから。同じクラスなのに離す機会なんてほとんどないし、だからせめてSNS上でだけでも繋がっておきたいのに、なかなかうまく行かなかった。私は結構恋愛に依存するタイプで、好きな人から連絡がこないとガチで落ちる。一日中スマホ見ちゃうし、メッセージ内容のひとり反省会するし、自分の存在すら不確かに思えて不安でしょうがなくなって他の男子にやたらメッセージを送ってしまう。「私をほっとくからだよ」なんて、恋人でもない片思い相手に対して、勝手に嫉妬を期待したりしてしまう。だから「返信をもらう」というのは私の中で本当に大事で重要なことだ。繋がれないならSNSの価値なんてない。そんなあるとき、私はあることに気付いた。彼が使っているスタンプがいつもちょっと変なことだ。キモかわっぽいキャラだったり、スタンプの文章が独特だったり。スタンプにちょっとこだわりがあるのかな、なんて思って私から購入報告をしてみたら、今までで一番反応が早かった。すぐに既読がついたし、すぐに返事がきた。だから私は、彼からの返事が欲しくてスタンプを買うようになった。新しいスタンプを買って、彼に報告する。彼から返事が来る。私は嬉しくなって元気になる。彼のことが好きだなって実感する。すてきなサイクル。  私はそのサイクルを維持するために身体を売っている。  だって、維持にはお金がかかるから。学校の友達や先生たちは、私の事を他の子よりまだ幼いと思っている。恋愛するのもまだ早いし、好きな人がいても子供の恋愛をしていると思っている。子ども扱いして心の中で見下してくる奴らと同じくらい、私は奴らのことを胸の内でバカにしている。処女なんてとっくに8万で売った。ロリコン趣味のおじさんに、破瓜の血がついたハンカチとセットで。相場より結構高く売った自信がある。ちゃんと調べて、ちゃんと地位がある大人に売ったから。それ以来、私は年齢に不相応なお金を扱えるようになった。みんなが得意げにやりとりしてる、プチプラコスメの情報なんてまったく興味がない。私が持ってるのは全部デパコスだ。セレブのインフルエンサーがアップしている動画を見て、欲しいと思ったらすぐ買って試して、合わなかったら捨ててる。最近はまあ、そんな事せずにスタンプにお金を使うことの方が多いけど。  好きな人がいるのに身体を売るなんて罪悪感がないのかといえば、まあ、そんな風に感じる心はもう持っていない。罪悪感を覚えられれば良かったのにな、とはたまに思う。
「何を考えてるの?」とおじさんが言った。 「学校のこと」と私は答えた。 「いいねぇ。みゃーちゃんは学校でもモテるんじゃない?」  適当に決めた偽名を、楽し気に口にする。 「どーかなぁ? 私、子どもっぽいし」 「そこがみゃーちゃんのいいところなんだよ」  Aカップしかないおっぱいを、おじさんはおいしそうにぺろぺろと舐めている。物好きな人だな、と思う。物好きな人としかセックスしたことないけど。 「ん……」  乳首を甘噛みされて少し身じろぎすると、おじさんがふと顔をあげた。 「お、気持ちいい? 感じた?」 「うん……」  控えめにうなずくと、おじさんは嬉しそうに乳首ばかり責めてくる。じんわりと気持ちいい気がするけど、そこまでじゃない。おじさんが楽しそうだから黙っておくけど。胸を唾液まみれにした後、おじさんは身体を起こした。 「そろそろいいかな? 着けてくれる?」 「うん」  私はおじさんからコンドームを受け取って、それを亀頭にかぶせる。唇で挟んで、舌を這わせながらゆっくり下へとおろしていった。 「う……口で着けてくれるなんて……」  根元までぴっちりつけ切った後、上目遣いでおじさんを見る。 「おじさんのおちんちん好きだから、サービス」 「ははは、嬉しいね」 「今日もいっぱい気持ちよくなってね、おじさん」  まっすぐに目を見て言うと、おじさんは嬉しそうに目を細める。サービスに対して普通に喜んでもらえるのは、シンプルに嬉しい。  仰向けになると、またおじさんが覆いかぶさってくる。 「ああ。いくよ……」  おじさんの指が、アソコを拡げる。硬いものが押し付けられる感覚がして、その後に異物感がくる。ゴムが擦れる感触が、少しだけ痛い。 「あー……狭くて気持ちいいよ」  おじさんが嬉しそうに言って、抱きしめてくる。大きな体に包まれるような感じがする。汗ばんだ身体が密着して、ピストン運動のたびに擦れ合う。 「んぅ……ん……ん……」  派手に喘いでも演技っぽくて、あまり喜んでもらえない。普通にするのが一番、というのが経験則だった。ペニスにお腹が押し上げられるたびに、声は勝手に漏れる。抱きしめられながら奥深くを突き上げられると、逃げ場がない。なすがままに膣内を擦られて、揺すられる。天井を見上げているしかない自分があまりにも非力で、身体全体がおじさんのおもちゃになったような感じがする。  こういう時に考えるのは、やっぱりあの子のことだった。数か月前まで隣の席だった、私の好きな人。彼もいつかこういうことをするんだろうか、と思う。それとも、もうそういう相手がいるんだろうか。だったら悲しいな、と思う。服もコスメも抑えて、彼から返信をもらうためだけにSNSスタンプなんて実体のないデータを買い続けてるのに。彼も、私がこんなことをしていると知ったら悲しむだろうか? ……悲しんでくれるだろうか。 「そろそろ、イきそうだよ……」  おじさんが耳元でささやいてくる。 「ん……ふふ、なかでおっきくなってるね」  微笑みを返すと、おじさんは汗まみれで余裕のない顔で見つめてくる。腰使いは激しくなる一方で、全然止まることがない。 「ゴムしてるし、このまま……いいよね?」 「えー? どうしよ……」 「もう我慢できないよ、みゃーちゃんの中で出したい……」 「えへへぇ……嬉しい。いいよおじさん、いっぱい出して」  もう返事をする余裕もなさそうで、おじさんはぐりぐりと腰を押し付けてくる。奥深くをぐりぐりこね回すような動きに、コンドームが外れないかちょっと心配になる。深い場所を執拗に刺激されて、膣内が勝手に痙攣しはじめる。愛液に濡れて、シーツがお尻に張り付く。 「はぁ……あ、あ……んぅ……」 「イくよ、イく……!」  安くないホテルのはずなのに、ベッドが悲鳴のように軋む。膣内の感覚がマヒしてきて、痛いのか気持ちいいのか分からなくなる。私を抱きしめるおじさんの力が、びっくりするくらい強くなった。直後、壊れそうなほど強くペニスを突き入れられる。 「ひぁ……!?」  思わず声が漏れる。おじさんはそれにも構わず、奥深くを貫いたまま腰を痙攣させた。  ゴム越しに射精を感じながら、ぼんやりと天井を見上げる。耳元で荒い息遣いを聞きながら、彼に送るメッセージのことを考える。  私がこんなことしてるってメッセージを送ったら、私の好きな男の子はすぐに返事をくれるだろうか。そんないたずら心が、少しだけ芽生えた。
//おわり
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cityofglasses · 1 year
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------------------------------------------------------ 『好きなタイプの子』 ------------------------------------------------------
 好きなタイプは家庭的な子。休日にパンを焼いちゃうような女の子。多少言葉遣いが乱れていても、優しくて包容力のある子がいい。 「今時そんな子いないよ」と、スカートのホックを外しながらハルコちゃんが言う。下着姿になったハルコちゃんの身体は、僕と同じ人間とは思えないくらい痩せている。臓器がきちんと入っているのか疑わしい。 「おにーさんも脱いだ? じゃ、はじめよっか」  ハルコちゃんはあっけらかんと言って、ベッドに座った僕の膝の間に座りこむ。何も言わない僕をちょっと不思議そうに見上げて小首をかしげる。 「あれ? 最初お口じゃなかったっけ? 私、コース間違ってる?」 「間違ってないよ」  僕が答えると、ニコッと嬉しそうに笑う。薄ピンク色のグロスを塗った唇からのぞく歯が真っ白で綺麗だ。 「ちゅっ……ん、んぅ……れる……」  舌が、まだ柔らかい僕のモノをゆっくりと撫でまわす。柔らかい唇に根元へキスされ、モノが反応する。ハルコちゃんは僕の弱点を見つけたのが心底嬉しいと言いたげな笑顔で、根元や玉袋へとキスの雨を降らす。演技だとしても、ハルコちゃんの笑顔はちゃんと無邪気だ。笑うたび鼻にちょっとだけしわが寄るのが、可愛いと思う。 「あは、おっきくなったぁ」  甘ったるい声で、ハルコちゃんが言う。細すぎる手で竿を握って、ゆるやかに上下させている。もどかしいようなくすぐったいような刺激で、ペニスは硬度を増していく。 「勃起するとけっこーサイズ変わるね? こんなおっきくなる人初めて見たぁ」  くすくすと軽やかな笑い声。ハルコちゃんの声は、耳心地がいい。きっと誰にでも言っているであろうセールストークでも、素直な気持ちで受け入れられる。 「ぴくぴく跳ねて、お口でシてもらいたいよぉっておねだりしてるぅ……ね、おしゃぶりしていい?」  そういうマニュアルなのか、彼女の方が焦れた様子で問いかけてくる。僕が頷くと、彼女はまた、あの無邪気で愛らしい笑顔を浮かべる。 「やったぁ。じゃあ、お口でくちゅくちゅ、しちゃうね……」  熱っぽい吐息を漏らしたその唇が、亀頭に触れる。唾液を滲ませながら、そのままカリ首まで口内に導かれた。じっとりと湿った熱に包まれて、恥ずかしいほど露骨にペニスが跳ねる。 「んぅ!? んっ……ふふ、げんきらね……」  彼女は嫌な顔ひとつせずに、うっとりと目を細めた。好色にすら見えるその表情の奥に、優しさが隠されているのが分かる。ハルコちゃんは興奮で自律した生き物のようにびくびくと跳ねるペニスをそっと手で包みこんで、さらに深くまで咥えこんだ。 「ふぁ……はぷ、ちゅ……おっきい……んん……れる……っ」  太さを確認するように、唇で何度か締め付けてくる。唇のリングが開閉するときのわずかな隙間から、透明な唾液がつぅっと垂れる。竿を半ばまで咥えたまま、しばらく舌で裏筋を舐めまわしていたかと思うと、ハルコちゃんがゆっくりと頭を引いた。カリ首ぎりぎりまで引き抜くと、今度はまた同じくらい緩慢な速度で根元まで咥えこむ。 「んぷ……ぢゅ……ちゅ……ちゅぅう……ぢゅっ、ぢゅっ……」  少しずつ、頭を前後させる動きが早くなっていく。ぷるぷるした唇が唾液と先走りをまとって、滑りがどんどん良くなる。口内にも唾液が溢れ、ぐちゅぐちゅと泡立ちながら彼女の顎を伝い落ちていく。 「はぷぢゅ、ぢゅっ、んぅ、きもち、い……?」  亀頭を唇で扱きながら、上目遣いで問いかけてきた。唾液と先走りまみれの口元が、ホテルの安っぽい明かりに照らし出されてぬらりと光っている。 「気持ちいいよ」  僕の答えは、ハルコちゃんの想像よりも冷静だったらしい。彼女は少し考えるような顔をした後、一気に根元までペニスを咥えた。唇で強めに根元を締め付けて、舌で裏筋を上下に擦りたててくる。上あごに亀頭がゴリゴリ擦れ、ハルコちゃんが少しえずく。のどがきゅ、きゅ、と健気に震えるのが愛おしい。竿全体を包みこむ口内の熱に感じ入っていると、油断した隙をつくようにペニスを吸い上げられる。 「じゅずずっ、んじゅっ、じゅりゅっ、んぷ、んぅぅぅっ!」  カウパーが根元から無理やり引きずりだされる感覚に、腰が震える。激しい快感に驚いているうちに、ハルコちゃんの手が玉袋をやわやわと揉みしだいてくる。 「んれぅっ、じゅっ、じゅぅぅっ、んぐ、ちゅ、あは、パンパンになってゆぅっ。でちゃいそ、でしょ? んんぅ、じゅ、じゅぅぅ……っ!」  嬉しげな声を漏らしながら、なおも激しく頭を前後させる。頬のぷにぷにとした柔らかさも、唇に守られた歯列に擦れる少し硬い感触も、全てが絶頂感を目覚めさせる。 「ちゅッ、じゅっ、んぅ、んっ、んっ……!」 「もう、出る……!」 「ん……いいよぉ、らして……んぢゅ、じゅく、ちゅぢゅぅっ!」  ハルコちゃんは膨らんだ亀頭を慰撫するように丹念に扱きはじめる。唾液まみれの竿の根元を、華奢な指が絞るようにごしごしと擦りたてる。生暖かく、ぬるぬると滑る快感の応酬に耐え切れず、背筋が勝手に反る。ハルコちゃんの口内にペニスをねじ込むように腰が押し出て、そのままこみあげてきた熱を介抱する。 「んぐっ、んッ! んぐくっ、ん、んぶっ、んっ、んぷぁ、んんんぅぅぅ…………」  ハルコちゃんは射精を続けるペニスを深く咥えたまま、びくびくと肩や背中を震わせた。苦しげにぎゅうっと眉根を寄せている。罪悪感が、いっそう射精の勢いを増させた。 「はぁ……んぅ、……ん……けほっ……」  長い余韻の後、ハルコちゃんはペニスを口から出した。半ば萎えた柔らかいペニスが、彼女の唇を撫でるようにだらりと抜け落ちる。精液の粘質な筋が彼女の唇と亀頭をわずかな間繋いで、ぷつりと切れる。その糸があった場所を、ハルコちゃんが小指でつぅっとなぞる。彼女の全ての仕草が、奇跡的なほど淫靡だった。 「んふ……いっぱい出たね」  口から手のひらへ、とろりと精液をこぼしながら、ハルコちゃんが微笑む。ティッシュを差し出すと、彼女は「ありがと」と言って素直にそれを受け取った。彼女の唾液と混ざりながらティッシュへ吐き出されていく精液は、不思議と言いようのないほどいやらしい。 「もういっかい元気になれるかな?」  ハルコちゃんはからかうように言って、僕をベッドへ押し倒す。脚の付け根あたりに座ると、太ももで萎えかけのペニスを挟んだ。そのまま、フェラチオでどろどろになったペニスのぬめりを利用するように素股を始める。器用なことに、ゆっくりと太ももを擦り合わせてペニスを刺激しながら、ブラを外し始める。 「あのね。本当はいつも途中で顎が疲れちゃうから、それを誤魔化すためにブラ外す時間挟んだりするの。おにーさんはお口でいっぱい興奮してくれたから、休憩するの忘れちゃってたよ」  ハルコちゃんはいたずらっぽくそう言うと、肩ひもを一本ずつはらりとずらした。僕の視線が釘付けになっているのを確認するようにたっぷりと時間をかけて、ブラジャーを取り去る。張りのある乳房が、外気に触れてかすかに震える。色素の薄い乳首はすでに勃っていて、ツンと尖っていた。 「寒い?」  気になって聞くと、ハルコちゃんはわざとらしく拗ねた顔をする。 「おにーさんのおちんちん、いっぱいしゃぶってたからぁ、興奮しちゃったの」  そう言って、パンツのクロッチ部分を自分の指でさわさわと撫でまわす。素股でペニスにまとわりついていた粘液が染みたのか、彼女自身の愛液なのか、その部分はすでに布地がうっすら透けるほど濡れていた。 「ん……んっ、私のここ、早くおにーさんと繋がりたくて、ぐしょぐしょになってる……」  少し腰を浮かせてパンツを脱ぐと、脚を大きく開いて秘所を見せつけてくる。自分の指で秘唇を開き、内側の充血した粘膜を指先でなぞりだす。 「はぁ……あ、んぅ……ほら、私のおまんこ、ヒクヒクしてるの、わかるぅ……?」  惜しげもなく卑猥な言葉で欲情を刺激してくる。自分の身体の上で行われるオナニーの妖しさにあてられて、ペニスは天井を指すように角度を取り戻した。 「あはぁ……おにーさんのおちんちんも、私のおまんことセックスしたいみたいだね」  蕩けるような声でそう言って、ハルコちゃんが覆いかぶさってくる。僕の胸板に片手をついて、もう片方の手はペニスを膣穴へと宛がった。 「いれちゃう、ね……んっ……せっくす、しちゃうから……一緒に、いっぱい気持ちよくなろぉ……?」  そう囁くと、ハルコちゃんは腰を落とした。ペニスが膣肉を押し拡げながら進んでいく感触に、快感が背筋を駆け抜ける。 「はぁ、ん、ん……おにーさんの、おっきい……んぅ……ちゃぁんと硬くなっててえらいね」  優しく微笑まれて、思わず照れてしまう。もっと恥ずかしいことは数秒前にたっぷりしていたはずなのだけれど、褒められるということの方が妙に気恥ずかしかった。 「ふふ、顔赤くなってるぅ……これからもっとエッチなことするのにぃ……」  ハルコちゃんも僕の羞恥心のツボが意外だったらしく、楽しそうにからかってくる。繋がっていることを強調するように、お尻を僕の太ももに押し付けるように何度か前後させる。ペニスが膣内の熱に馴染んでいくような、じわじわと蕩けるような快感が腰奥に渦巻く。 「ん……んっ、ぇい……んぅ……はぁ……」  ゆっくりと前後に動かしていたお尻を、今度は上下させ始める。引き抜く時に膣唇が竿に吸い付きめくれあがる。突き入れると膣壁がわななき、愛液を滴らせる。ハルコちゃんがどう腰を動かしても、激しい快感が生まれるばかりだ。すぐに達してしまいそうなほど、ハルコちゃんの中は気持ちがいい。  目の前でゆさゆさと揺れている乳房の淫靡さに、たまらず手を伸ばす。柔肉を手のひらですくい上げるように揉むと、ハルコちゃんが「あ」と小さく声を漏らした。わざとらしく拗ねたような顔で、僕を見下ろす。 「おっぱいするのはオプションなんだよぉ……?」 「ごめん……我慢、できなくて」 「もぉ……しょーがないなぁ。特別ね」  ハルコちゃんは優しく微笑んで、そのまま胸を突き出すように背を逸らしてくれる。僕はますます距離が近くなった乳房を両手でつかみ、ピストン運動に合わせて波打つ柔肌を堪能する。バウンドを手助けするように上下に揉みしだくと、ハルコちゃんの声から甘い声が漏れる。手のひらの中心に、勃起した乳首が擦れている感触がする。わざとそこを刺激するように親指の付け根あたりを押し付けると、キュッとおまんこの締め付けがきつくなる。 「ん、ふぁ、あ、あぁ、それ、だめぇ……っ、かんじ、すぎるぅ……ん、ん、あぁぁ……ッ!」  ハルコちゃんの嬌声が鼓膜を震わせる。興奮でおかしくなりそうだった。僕は夢中で乳房を手のひらいっぱいに掴んで、左右の乳肉を擦り合わせるように揉みしだく。親指と人差し指で優しく乳首をつねると、彼女の肩がびくっと跳ねた。 「はぁ……んぅ���んっ、それ、気持ちい……はぁ、あぁぁっ」  愛液でぐちゃぐちゃになっている膣内を、限界が近い勃起肉でゴリゴリと擦りたてる。きゅ、きゅ、と膣肉が竿に絡みつき、膣口が根元を刺激してきた。抽送のたびに吸い付き方は激しくなり、精液をねだるようにペニスを膣奥へと導こうとしてくる。少し視線をずらすと見える結合部は、愛液でぐっしょりと濡れていた。抽送でめくれあがる秘唇が真っ赤に充血している。ギチギチに拡がりながら秘肉がペニスを呑み込んでいく光景に、ますます興奮を覚える。 「んっ、あ、あ……! なかで、おっきくなってるぅ……でちゃう? 射精、するぅ……?」 「うん、もう……」 「んっ、いいよぉ……はぁ……ん、ん、私も、イっちゃいそ、だからぁ……っ」  ハルコちゃんの腰使いが激しくなる。肉のぶつかり合う音が部屋に響く。ぱちゅぱちゅと淫靡な水音が鳴る速度が速くなり、ハルコちゃんの嬌声も余裕がなくなっていく。僕の上でお尻を振りたてて、全身で快感を感じていた。 「はぁ、あ、あ、あっ、もぉ、イくぅ……イっちゃいそ……あ、ああぁぁッ」 「っ……!」  ビクンッ、とほとんど同時に身体が震えた。下から彼女の身体を突き上げながら、射精の勢いでがくがくと細い腰を揺さぶる。 「ふああぁっ、あっ、あっ、すご……んぅ、あはぁぁぁ……ッ」  絶頂した秘所が、ペニスを強く締め付けてくる。ぎゅ、ぎゅ、とまるで甘えてすがりつくような刺激に、二度三度と精液が噴きあげた。 「はぁ……はぁ……すごぉい……ナカで、まだぴくぴくしてるぅ……」  ぽうっとしたうつろな目つきで、ハルコちゃんが呟く。汗がじっとり浮かんだ乳肌は手に吸い付くようで、離すタイミングを失ってしまう。頬や首すじに赤みがさして、ハルコちゃんは一層きれいで妖艶だった。細い体に大きな乳房が妙にアンバランスで、見とれてしまう。ずっとこうしていたいとさえ思ってしまうほどに。 「あ……そうだ、ゴム……」  ハッとして言うと、ハルコちゃんはきょとんとして首を傾げた。僕の表情から焦りを読み取ったのか、おかしそうにくすくす笑う。 「気付いてなかったの?」  ハルコちゃんは腰を上げて、おまんこからペニスを抜いた。ペニスには、精液だまりがぷっくりと膨らんだコンドームがちゃんとついている。 「おにーさんのおちんちん、熱くて硬くて、気持ちよすぎたからぁ……もっと分厚いの付けた方がよかったかも」  僕のペニスからゴムを丁寧に取ると、指先でそれを摘まんだ。精液が溜まっている部分を、見せつけるように口で咥えて見せる。 「ふふ、まだあったかい。いっぱい射精してくれて嬉しいな」  にっこり笑って、コンドームの口を下に向ける。どろりと精液が垂れて、彼女の口元や乳房へと流れ落ちていく。 「また一緒に気持ちよくなろうね。おにーさんなら大歓迎だよ」  僕の精液で上気した身体を汚しながら、ハルコちゃんは微笑む。その笑顔があまりにも眩しくて、僕は思わずうなずいていた。
 シャワーを浴びた後。ベッドに座ってスマホをいじっているハルコちゃんに封筒を渡した。  彼女は「入る時もらったよ?」と、封筒と僕の顔を交互に見て怪訝そうにする。 「色々してもらっちゃったから……その、ほんの気持ちだけど」 「おっぱい触ったこととか?」  ニヤ、と彼女はいたずらっぽく微笑む。いつの間に塗り直したのか、形のいい唇にはすでにグロスが光っていた。 「……うん」  頷くと、ハルコちゃんはまた無邪気に笑う。聞いているこっちの顔までほころんでしまうような笑い声だ。 「ありがと。おにーさん、いい人だね」 「そんなことないよ」  緩みかけた口元は、苦笑に変わる。僕はいい人なんかじゃない。 ――好きなタイプは家庭的な子。休日にパンを焼いちゃうような女の子。多少言葉遣いが乱れていても、優しくて包容力のある子がいい。  ハルコちゃんだって将来、そういう女の子になるかもしれない。その時きっと、僕とこうしていた時間が、その記憶が、きっと彼女の優しくて柔らかな心を傷つけることになる。それが分かっていても、僕は彼女の優しい笑顔を手放すことができない。 「またね、おにーさん」  無邪気に言うハルコちゃんに、僕は静かに頷き返した。
//おわり
>写真をお借りしています。
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------------------------------------------------------ 『退職祝いの付き合いで』 ------------------------------------------------------
 3年務めた会社を退職する1週間前。部署で送別会を開いてもらった。  いつも怒鳴ってばかりだった上司も今日だけは優しかったし、会費も他の人たちよりちょっと安かった。送別会ないのにおごりじゃないあたりに、退職してよかったという実感があったりするんだけど、まあそこには目を瞑ろう。  実のところ、仕事上も人間関係も、ちょっとした心残りはある。どっちかといえば人間関係の方に比重がある。パワハラギリギリの上司とか、すっかり会社に馴染んだ同期とか、そんな奴らは別にどうでもよくて。ただ――。 「ふにゃぁぁぁぁぁぁ……」  肩にもたれかかっている先輩が、気の抜けるような声を出した。送別会の一次会で、すっかりできあがってしまっていた。 「悪いけど、駅前のタクシー乗り場までよろしくね。僕らみんな二次会に行くから」  送別会の主役に酔っ払いの介抱を任せて、自分たちは二次会に行くって。どんな社会人生活を送ればそんな発想が生まれるんだ? 呆れつつも、3年間で唯一学んだ100%の愛想笑いを浮かべて頷いた。 「分かりました。みなさん、今日はありがとうございました!」  元気よく言った俺の声が頭に響いたのか、肩にしなだれかかってきている先輩がうめき声をあげる。しょうがないのでいそいそと二次会組と別れ、飲み屋街を出ることにした。 「はぁ~……どこいくのぉ?」  全然自分で歩いてくれない先輩が、半ばおぶさるような体勢になりながら訊いてくる。 「駅ですよ、駅のタクシー乗り場。先輩を送るんです」 「えぇ~? やだぁ、まだ帰りたくないよぉ」  子供のように駄々をこねる先輩は、普段の姿とはかけ離れていた。いつもはどちらかといえば厳しい人で、凛とした雰囲気の人なのに。 「わがまま言わないでくださいよ。つか、一次会でそんな酔うことあります?」 「しょーがないでしょぉ。きょおは飲まなきゃやってられなかったからぁ」 「仕事で��敗でもしたんですか?」 「ちがぁう! 君の送別会だからぁ!」  俺の大声には顔をしかめていたのに、自分はやけに大声を出す。しかも耳元で。鼓膜がキーンと痛んで、先輩の言ったことがとっさには理解できなかった。 「それ、どういうことですか? もしかして……怒ってます?」  転職のことを先輩に伝えたのは、2か月前だった。それから今まで、あまり感情をあらわにされるようなことはなかったけど……やっぱり、良く思ってなかったのかもしれない。当然だ。先輩にはたくさんお世話になって、色々教えてもらって……それなのに俺は、上司と合わずにサクっと転職を選んだ。先輩に裏切者だと思われてもしょうがない。 「怒ってるよぉ!」  案の定、先輩は俺の鼓膜を破らんばかりに大声で叫んだ。 「私の気持ちも知らないでぇ! なんで私をおいてっちゃうのよぉ!」 「すみません……」 「許さないからぁ! だから帰らないぃ!」 「は!?」  駅前に向かっていた俺を、先輩が急に別の方向へ引っ張り始める。飲み屋街から続く、ちょっと薄暗くいかがわしい路地。こっちは――ラブホ街だ。単なる会社の先輩後輩が歩くような道じゃない。 「ちょ、先輩……っ」 「う~……だめ、吐いちゃいそぉ……」 「は!? それならそうと言ってくださいよ!」  道の真ん中でうずくまろうとする先輩を慌てて抱き上げ、近くのホテルへと飛び込んだ。 * * *
「ほら先輩、部屋つきました。もうちょっとですよ」  大急ぎで空いている部屋を取って入り、先輩をトイレへ連れて行こうとする。けれどなぜか、先輩は俺のシャツをぐいぐい引っ張って抵抗した。 「なんなんですか、吐きそうなんでしょ?」 「もう治った」 「は!?」  先輩は急にしっかり立ったかと思うと、俺をベッドへと引っ張っていく。 「ちょっと、先輩……わっ!」  華奢な先輩のどこにそんな力があるのか分からないが、無理やりベッドに座らされてしまう。戸惑いつつ見上げると、先輩は俺の目の前に立ったまま辛そうにうつむいていた。 「先輩、大丈夫ですか? 結構ヤバそうなら俺、コンビニで薬買ってきますけど……」 「……どこにも行かないで」  やっと口を開いたかと思えば、駄々っ子のようなことを言う。いつの間にか拗ねたように唇を尖らせている。 「あの……介抱必要なくなったら帰りますよ。さすがに、こんな場所で一緒にいるとか、ヤバいですし」 「なんで? エッチなことする場所だから?」 「エッ……!? 何言ってんですか! 先輩、おかしいですよ」  普段ならこんなことを言う人じゃない。それどころか、下ネタなんて話そうものなら虫けら以下の存在を見るような冷たい視線を向けてくるくらいなのに。 「おかしくなんてない……だって、本当のことでしょ」  先輩はそう言うと、おもむろに床へひざまずいた。俺の膝の間に身体を割り込ませ、じっと見上げる。 「先輩、ちょっと……」  この体勢はかなりヤバい。あのお堅い先輩が、まるで奉仕するような恰好でひざまずいているなんて。期待と、それを打ち消そうとする理性がせめぎ合う。それでもなんとか身体をズラして先輩から離れようとすると、腰をぎゅっと抱きしめられた。 「っ……!?」  先輩は真剣な表情で、俺のベルトを外し始めた。酔っているからか、緊張のためなのか、手間取りながらもベルトの金具を外し、チャックを下ろし始める。 「待ってください、先輩。それ以上は……!」 「だめじゃないでしょ。そういう場所なんだもん」  拗ねた顔で言って、前開きトランクスから半勃ち状態のペニスをあらわにしてしまう。先輩の吐息が竿に当たる生暖かい感触に、腰がゾクゾク震えた。 「ふぁ……まだおっきくなってない……」 「いや、酒飲みましたし……こんな状況ですし」 「私じゃ興奮しないってこと?」 「そういうわけじゃ、ないですけどっ」 「じゃあ、おっきくして」  先輩は手のひらでモノをそっと握り、上下させはじめる。酔いが残っているのか、先輩の頬はほんのりと赤い。先輩がここまで酔う姿を見るのは初めてだし、もしかしたら本当は恋人の前でしか見せない姿とか、そういうのかもしれない。酔った弱みに付け込んでいるような罪悪感で、かろうじて理性が快感に勝った。 「先輩、やっぱり変ですよ。水でも飲んで、酔いを醒まして……」 「変になるほど酔ってないわ」  先輩ははっきりそう言うと、急に瞳を潤ませた。 「あなたが退職するなんて言うから……寂しくて、私……」 「寂しいって、先輩……」 「……好きなの、あなたのこと。一緒に仕事するようになってから、どんどん好きになって……こんなに早く、離れ離れになるなんて思わなくて。どうしていいか分からなくて……」  長いまつ毛に、涙の粒がキラキラと光っていた。先輩のか弱い姿を見るのは初めてで、ドキリとする。 「だから、せめて思い出をちょうだい……今日のことは、夢だと思って忘れていいから……っ」  先輩は俺のモノを両手で包んで、愛撫しはじめた。優しく上下に擦られて、だんだんと勃起してくる。あの先輩が俺に好意を持ってくれているなんて、思いもしなかった。その感動と、先輩が俺のペニスを触ってくれているという衝撃で、目眩がしてくる。 「ん、ふ……おっきくなってきた……」  先輩は吐息を漏らす。亀頭のすぐ先に、赤く濡れた唇があった。 「嬉しい……私でも、興奮、してくれて……ん、ん……っ」  熱っぽい吐息がどんどん近くなり、唇が亀頭に触れた。 「ッ!」 「ちゅ……ん、ふぁ……びくんってした……ふふ、気持ちいい……?」  甘くとろけるような声で、先輩がささやく。 「き、気持ちいい……です……」 「よかったぁ……ん、ちゅぅぅ……もっといっぱい、頑張るから……」  先輩は竿の半ばまでモノを咥えこむ。温かい口内に包まれて、思わず声が漏れた。 「ん……ぢゅ、ちゅっ……ちゅぅぅ……」  唇の間から唾液を滲ませながら、ゆっくりと頭を前後させる。慣れない様子で、戸惑っているような動きだ。たどたどしさに愛しさが募った。 「ん、く……おつゆ、れてるぅ……」  亀頭を唇で挟み、ちゅるちゅると先走りを吸われる。思いもよらない刺激に、思わずそのまま高まってしまいそうだった。 「ぷちゅ、ぢゅ……ぢゅるる……ふぁ、腰、浮いてるぅ……んんぅ、きもちいいんだぁ……ちゅ、ぢゅっ、ぢゅぅぅ……」  先輩は嬉しそうに目を細め、一生懸命にペニスを咥えて扱いてくる。口内でうごめく舌がカリ首をくすぐられて、射精感がどんどん昇ってきた。 「はぁ……ん、ん、根元、ふくらんでるぅ……ちゅぢゅぅ……出そう……?」 「す、すみません……気持ちよすぎて……」 「謝らないで。嬉しい……ん、ん……いっぱい出して、いいからぁ……ぢゅちゅぅ……んれぅぅ……っ!」  唾液と先走りを潤滑油に、唇でペニスを激しく扱きたてられる。勝手に腰が浮き、先輩の頬の裏側や口蓋に、亀頭を擦りつけてしまう。それでも先輩は口を離すことなく、愛しそうにペニスへ奉仕してくれる。愛情の深さを感じて、腰奥から快感が駆けあがってくる。 「先輩、もう……っ」 「んぢゅぅ、ちゅっ、ちゅっ、らして……んぷ、れぅちゅぅぅ……ッッ!」  激しく吸い上げられ、快感が限界に達した。先輩の口めがけて、一気に射精する。 「んぅ!? ん、ぢゅぅぅ……っ、んぅぅぅ……!」  口から抜く余裕もなかった。先輩もペニスを咥えたまま、口内で射精を受け止める。 「ん、ん、んぐちゅ……んぅ……ぷぁ……っ」  射精の波が落ち着いてから、ゆっくりと先輩が口を離した。 「は……んぅ、いっぱい出たわね……」  口元から唾液の筋と一緒に、精液がつぅっと零れた。 「先輩、飲んじゃったんですか?」  慌ててベッドの近くにあるティッシュを取ろうとすると、先輩が「大丈夫」と少し掠れた声で言った。 「あなたが気持ちよくなってくれて、嬉しいから……私が飲みたいと思ったの。だから、気にしないで」 「先輩……」  ふわっと微笑む先輩の可愛さに、胸が締め付けられた。 「……俺、先輩は怒ってるんだと思ってました」 「えっ?」 「せっかく色々教えてもらったのに、すぐ退職することになって……転職の報告をした日から、先輩よそよそしかったし……」 「怒ってるわ。ひとりで抱えて、相談もせずに決めちゃって……私と離れ離れになってもなんとも思わないのかなって、ショックだった」先輩は眉根を寄せて、ぽつぽつと話す。先輩の言葉が、耳に痛い。相談するのも情けなくて、彼女にはぎりぎりまで話せずにいた。 「でも……あなたをちゃんと守ってあげられなかった自分に、一番怒ってる……」  先輩は落ち込んだ様子で、肩を落とした。 「ふがいない先輩よね、私……それなのに好きだなんて、図々しいことまで言って……」 「そんなことないです。先輩には感謝してますし、俺……」  こんな体勢で、大真面目にこんな話をするなんてちょっとおかしい。だけど真剣だった。こんな機会、二度とないかもしれない。 「……俺、先輩と離れることだけが最後までずっと心残りだったんです。先輩には、すごくお世話になったし……一緒に仕事するの、楽しくて」 「ほ……本当に?」  先輩は今にも泣きだしそうな目で、俺のことを見つめた。 「はい。俺も……先輩に惹かれてて……」  ふにゃ、と先輩の顔が歪む。今にも泣きだしそうになる彼女が愛しくなって、頬に手を添えた。唾液と精液まみれの唇を指先で拭うと、ハッとしたように目を瞬かせる。 「だから、先輩とこういうことができて……びっくりしてるけど、嬉しいです」 「そ、そんなこと言われたら、我慢できなくなっちゃう……」  先輩は立ち上がると、俺をベッドに押し倒して馬乗りになる。 「今度は一緒に、気持ちよくなりましょう、ね……」  ワイシャツをはだけて、スカートとパンツを見せつけるように脱いでいく。その光景だけで興奮がぶり返してくる。 「ん……っ」  先輩は竿に恥丘を押し付け、裏筋をゆっくりと擦りたててくる。濡れたペニスとあふれた愛液が混ざりあい、クチュクチュと音が鳴りはじめた。 「はぁ……ん……もう、硬くなってきてる……」 「先輩がやらしすぎるんですよ……!」  秘唇と、ぷっくり膨らんだクリトリスが、裏筋を何度もなぞる。 「あ、ん……んんぅ……気持ちい……」  素股で先輩自身も感じているのか、声が甘くなっていく。脳を溶かすようなその声に、興奮がかきたてられた。 「先輩……」  ぬるぬるした恥丘に擦りたてられ、ペニスはあっという間に硬度を取り戻していた。焦らされているのが辛いくらい、先輩と愛し合いたくなっている。 「あの、ね……さっきの……冗談とかなら、今言わないと……んっ、本当に挿れちゃう、から……」 「こんな状況で、冗談なんて言いませんよ」  先輩は、涙の浮かんだ目を見開いた。そして感極まったように、腰をふるりと震えさせる。 「んぅ、う……もう……ほんとに、しちゃう、よ……?」  先輩がわずかに腰を上げて、亀頭を秘裂に宛がった。 「う……!」  ぬる、と濡れた感触に先端が包まれた。カリが弾力のある肉壁を押し分けていく感覚が、じわじわ快感を呼び起こす。 「ふ、あ……あぁぁ、はいって、くるぅ……」  秘所の感覚に感じ入るように、先輩がゆっくりと息を吐く。呼吸のたびに、痩せたお腹が波打つ。 「はぁ、はぁ……ぜんぶ、はいっちゃった、ね……」  先輩が微笑む。 「あ、は……なかで、びくびくしてるぅ……まだおっきくなってるみたい……」 「だって先輩、エロすぎて……」 「ん……あなたでもそんな風に、やらしい顔するのね」 「あ、当たり前ですよ」 「ふふ、嬉しい……」  先輩は少し仰け反るようにして、俺の太ももに手をついた。つながった部分が隠す事なくさらされる。真っ赤に充血した秘所は、愛液でてらてらと濡れていた。ペニスをしっかり咥えこんで拡がったその場所が、ヒクヒクと痙攣しているのまで見えるようだった。 「動く、ね……」  先輩が少し腰を浮かせて、再び降ろす。浅い動きから、少しずつ大胆になっていく。粘ついた水音が室内に響きはじめる。 「ん、あ……んぅぅ……おっきい……んぅぅ……私のなか、拡がって……んぅ……」  一時間前には想像もしていなかった光景だった。先輩が俺の上にまたがって、身もだえている姿なんてあまりにもいやらしすぎて現実味がない。部屋の明かりに照らしだされた先輩の身体は陰影がくっきりとしていた。豊満な乳房と、くびれた腰、薄いお腹と、柔らかな太もも。会社ではほとんど隙の無い先輩が、俺の前でこんなに乱れているのが信じられない。 「んああぁっ、すごい……奥にあたってるぅ……っ!」  膣肉がほぐれて、先輩の腰使いも激しくなってくる。溢れた愛液が下腹部を濡らし、シーツにまで染みを拡げていた。 「あなたも……んっ、気持ちよく、なってる……?」  先輩が熱っぽくとろけた瞳を向けてくる。その視線に誘われるように、快感をはっきりと意識させられた。 「気持ちいい、です……先輩のなか、熱くて……」 「良かった……んっ、私も、気持ちいいの……はぁっ、あなたので、なか、いっぱいになって……んぅ、しあわせ、で……っ」  先輩が腰を前後に動かすと、膣ヒダが竿にねっとりと絡みついてくる。蠕動でペニス全体を扱かれて、あっという間に昇りつめてしまう。ぎりぎりで耐えながら、俺は先輩の脚を掴んだ。 「はぅんっ……!? ど、どうしたの?」 「先輩、ここ擦るとナカがうねってましたよ」  下から先輩の身体を突き上げる。先輩の弱点らしい、入り口近くのざらついた場所をカリ首で擦ると、膣口がキュウッと締まった。 「ん、あ、あぁっ、だめ……っ、私が、気持ちよくして、あげたいのに……っ」 「一緒に気持ちよくなろうって言ったのは、先輩ですよ」  それに、このまま先輩に攻められ続けてたら俺だけ先にイッてしまいそうだ。  心の中でそんなことを思いつつ、先輩の身体を下から揺さぶる。勢いづいて膣奥にペニスが当たると、膣全体がビクッとわなないた。 「はぁっ、あっ、あぁぁ……! だめぇ……ぜんぶ、気持ちよくなっちゃう……んぅっ、私ばっかり、こんな……んっ、感じちゃ……あっ、あぁぁッ!」  快感の強さに戸惑って、先輩が震えた声をあげる。膣内が熱っぽく蕩け、ヒダがペニスを奥へ留めようとするかのように強く吸い付いてくる。 「先輩、俺も……」 「うん、んっ、イってぇ……このまま、一緒にぃ……っ!」  先輩の声に思考が溶かされていく。深い場所で繋がったまま、小刻みに突き上げる。 「はぁっ、あっ、あっ、私……私、もう、イくぅ、んんッ、イっちゃ……あ、あぁぁ!」  秘唇まで熱くなって、激しく痙攣する。膣内の締め付けが一層強くなった瞬間、先輩の腰がガクガク震えた。 「はぁぁっ、あっ、あぁぁぁぁぁーーーーッ!」  絶頂する膣内に、精液を注ぎこむ。射精の勢いで腰が跳ね上がるたび、先輩の身体がビクッと痙攣した。 「はぁっ、あっ、あぁぁ……っ」  お互いに絶頂感がなかなか途切れず、終わった後は糸が切れたように脱力してしまう。先輩がよろめいたかと思うと、そのまま俺の上に覆いかぶさった。 「だ……大丈夫ですか、先輩……」 「だ���じょうぶ……」  胸板に頬を押し付けるような体勢で、消え入りそうな声を漏らす。 「あ、あなたの、セックス……想像してたより、ずっと激しかった、から……びっくりして……」 「想像なんてしてたんですか?」  思わず問い返すと、先輩が慌てた様子で顔を上げた。 「す、好きだって言ったでしょ……! 好きな人との……エッチ、想像しちゃいけない……?」 「そんなことないです。ただ、先輩と両想いなのがちょっと、信じられなくて……つい聞いちゃっただけです」 「両想いって……本当に? 同情で言ってくれてるわけじゃなくて……?」 「同情でここまでしませんよ」  先輩が小さな女の子みたいに瞳をキラキラさせる。その表情がやたらと可愛く見えて、急に恥ずかしくなってしまう。 「とりあえず、ほら。シャワー浴びましょう。汗だくですし、服も着替えないと」 「そ、そうね。でも……ちょっとだけ休んでからでもいい……?」  先輩がまた胸板に頬をくっつけて脱力する。上気した体温が伝わってきて、射精したばかりなのについゾクゾクとしてしまう。この人、こんなに可愛かったんだ……なんて、3年越しに改めて気付かされた。
* * *
 風呂に入った後、二人でベッドに入った。汗を流して酔いがすっかり醒めると気恥ずかしくて、お互い妙によそよそしくなってしまった。 「先輩、その……さっきの告白って、これから先も有効ですか?」 「な、なんでそんなこと聞くの?」  枕ひとつぶん開けた距離で、先輩が俺を見る。また拗ねた顔をしていた。「……酔った勢いだけにしたいなら、それでもいいけど」 「そんなわけないじゃないですか」  思わず言うと、先輩はかあっと頬を赤くした。 「ほ、本当に?」 「本当です」 「……それなら、もう一回……告白、聞きたい」 「えっ?」  今度はこっちが赤くなる番だった。 「強引だったけど、二人きりになったり……私、行動でいっぱい示したもの」どこか楽し気に、先輩が微笑む。「私、いつも言ってるでしょ? 信用は行動で得るものだって」 「こんな時だけ、先輩っぽいこと言って……」 「ぽいじゃないわ。私はあなたの先輩だもの」  先輩、結構子供っぽいところあるんだな。会社では見られなかった一面が、なんだかちょっと嬉しい。 「分かりました。じゃあ、言います」 「ふふ、よろしい」  微笑む先輩に身体を密着させるように、距離を詰める。そして耳元で、先輩の求めている言葉をささやいた。 「ひゃ……!?」 「これでいいですか?」  至近距離で見た先輩の顔は真っ赤だった。こんな表情、3年一緒にいて初めて見た。そのことが嬉しくて――ずっとこの人を大切にしよう、と胸に誓ったのだった。
//おわり
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cityofglasses · 1 year
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------------------------------------------------------ 『幼馴染と例のお城で』 ------------------------------------------------------
 幼い頃、近所に住む友達と二人でしょっちゅう探検をしていた。狭い田舎町でも、子どもにとっては世界の全てで、とてつもなく広かった。だから、探検する場所はいくらでもあった。家の周りには錆だらけの遊具がある公園や、謎の空き家や、竹林なんかがあった。地域振興のために一時期誰かが運動でもしていたのか、ちょっと不気味でアーティスティックなモニュメントが町のそこかしこに打ち捨てられていて、肝試しの真似事をして友達を怖がらせたりして遊んだ。  自転車に乗れるようになってからは行動範囲も広がって、色んな場所を探検できるようになった。高速道路沿いにあるホームセンターに行ったり、隣町の大型スーパーに行ったりもした。田んぼの中にぽつんと建っているお城を見て、いつかあの中を探検しようと約束したりもした。ただ探検範囲が広がってから少しして、お互いの交友関係が変わってしまった。それからはほとんど二人で出かけることなんてなくなって、疎遠になってしまった。男女の友情なんて、そんなものだ。幼馴染とはいえ、たまに学校で顔を合わせた時に軽く挨拶する程度の関係になってしまった。 ……なってしまった、はずなんだけど。
「小さい頃に約束したでしょ」  目の前で正座���ている幼馴染が、そう言って俺を見つめた。 「約束って……」 「いつか二人で、お城の中を探検しようって約束」  俺まで思わず正座しながら、幼馴染の言葉を聞く。けれど今の状況では、幼馴染の話は右耳から左耳へ通り抜けていくだけだった。  だって、俺たちはもうとっくに、お城の正体を知っている。わざわざ探検するまでもない。夢も希望もない。このお城は、ただのラブホテルだ。  幼馴染が切羽詰まった顔で放課後に呼び出しをしてきたから、深刻な事件でもあったのかと思ってついて来たら、お城に連れてこられて、戸惑っている間にチェックインまでしてしまって。ベッドで正座して向き合っているこの現状。思わず幼い頃の記憶なんて回想してしまったけれど、それでも呑み込みきれない。 「子供の頃の約束なんて、わざわざ守る必要ないだろ。こういう場所は、その……恋人と来いよ」 「別に、いないから。そんな人」  ちょっと拗ねたように言う。あからさまに不満げにされたところで、どうすればいいのか分からない。混乱して「あ……そう」なんて、つまらない返事をしてしまう。  でも、少し意外だった。幼馴染――ユズキは、性別を意識し始めて疎遠になってからどんどんきれいになっていった。探検ごっこのせいで生傷だらけだった手足は、白く華奢で、すらりと長い。周りの女子たちのようにやたらと染めたり弄ったりしていないらしい髪の毛は腰まで伸びていた。絹糸のようにさらさらと風に揺れる黒髪は、学校中の視線をひとりじめにしていた。切れ長で、少し冷たい印象さえ受ける目は長いまつ毛に縁どられて、どことなく浮世離れした雰囲気を放っていた。一緒に遊び回っていた日々が嘘のように、幼馴染はきれいになった。単なる挨拶をするのさえ、緊張するくらいに。だから目の前にいるこいつは、当然モテていた。俺の友達にも何人か、幼馴染を狙っている奴がいる。幼馴染であることをうらやましがられることだってあった。それなのに、恋人がいないなんて、結構意外だ。 「そっちは……いるんでしょ。彼女」 「は? いないよ」  幼馴染の発言が嫌味にしか聞こえなくて、つい強めに反論してしまった。俺の方と言えば、異性とは無縁の生活を送っていたからだ。華やかな運動部にも入っていないし、委員会で積極的に活動しているわけでもない。ユズキの注目度に比べたら、俺は地味に普通に生きている日陰者だった。 「でも……一昨日、手紙受け取ってたでしょ。女子から」  探るような目で見つめられる。全然ピンと来ていない俺に、ユズキは妙に冷たい視線を送って来た。 「とぼけないで。朝、下駄箱のところで。見てたんだから」 「とぼけてなんて……あ」不意に心当たりに行きあたった。「あれは、俺の友達に渡してくれって、仲介頼まれたんだよ。連絡先知らないから手紙書いたけど、本人に渡す勇気がないって言われて」  一瞬でも自分宛てだと思ったことが悲しくて恥ずかしかったから、速攻で忘れようとした記憶だった。思い出しただけで落ち込む。 「そう、なんだ」  拍子抜けしたようにユズキは吐息した。それでも気を取り直したように、またじっと睨んでくる。「本当にそれだけ?」 「それだけだって。そんなこと確かめるために、その……こんなとこまで来たのかよ」  自分で言っておいて、また状況を意識してしまった。  幼馴染の意図はいまだに分からないけれど、ラブホテルで二人きりという状況だけは動かしようがない事実だ。 「……好き、だから」 「え?」 「私……昔から、ずっと好きで。だから……君が、他の子と付き合ったりしたらどうしようって、思って……」  幼馴染は頬を赤らめて、そんなことを言った。予想外のことすぎて、とっさには思考が追い付かない。 「好きって……」 「君の事が好き」  恥ずかしがりながらも言い淀むことなく、はっきりと言い切る。白い肌が耳まで赤く色づいているそんな顔、初めて見た。なんだか現実感が無くて、くらくらする。 「なんだよ逸れ、急に……そんな態度、全然……今まで、なかっただろ」 「普段から『そんな態度』とれる性格なら、苦労してない」と幼馴染は言って、拗ねたように唇を尖らせた。「ここに来るの、すごい緊張した。直前までずっと迷ってたし……でも、私、上手く伝える自信なくて。だから……」 「だからって、こんな強硬手段取る奴お前くらいだよ」 「そ、そうだよね……」  赤い顔をうつむかせて、縮こまっている幼馴染を見ていたら不意に懐かしさがこみあげた。そういえば、昔からこいつはこういう奴だった。色々考えすぎて、抱え込みすぎて、考え抜いた結果の行動も、周囲から見たら突飛な行動にしか見えなくて。その唐突な行動に俺はいつも振り回されていた。でも嫌にならなかったのは――こいつと一緒にいるのが、楽しかったからなんだ。 「ごめんね……こんな場所に、付き合わせちゃって。軽蔑、した……?」  おずおずと、幼馴染が俺を見る。叱られるのを予期した子供のように、目を潤ませている。今目の前にいるユズキは、学校で見る、やたら大人びた遠い世界のモテる女子なんかじゃなかった。俺がよく知る、一緒にいるのが楽しくて仕方ない冒険仲間の幼馴染だった。 「軽蔑なんて、しない。だって昔から、約束してただろ」  俺は正座した状態から、少しだけユズキの方に寄った。ユズキは驚いたように目を見開いている。 「……本当?」 「本当だって。俺だって、約束は覚えてたから」  ユズキの勇気に応えようと、俺も彼女の目をまっすぐに見つめた。 「びっくりしたけど……軽蔑するくらいだったら、一緒にここまで来ない」 「そ、そっか……ありがと。その……覚えててくれたんだ」 「覚えてるに決まってるだろ。あの頃、楽しかったし……ユズキの方こそ、覚えてないと思ってた」 「忘れるわけない……! だって、す、好きな人との、約束……だし」  いちいち照れるようなことを言って、本人が一番照れている。 「あ……あのさ。その好きって、本当に、その、恋愛感情の……」 「それ以外に何があるの」  あ、また拗ねた。  子供っぽいかもしれないけど、ユズキのこういう表情を見れることが、なんだか嬉しい。俺は――俺だって、昔からユズキの事が好きだったんだ。だから、年を重ねるごとに離れていく距離が寂しくて。ユズキのことを、手が届かないほど遠い存在だと思い込もうとしていた。 「ねえ……君は、私のこと、どう思ってるの?」  もう、自分の気持ちは決まっていた。だから、震える声で紡がれた問いにはすんなりと答えることができた。 「好きだよ、俺も。ユズキのこと……ずっと好きだった」 「ほ、ほんとに……?」 「ユズキはいちいち疑り深いな」 「だって……夢みたい、だから」  ユズキはぺたぺたと自分の頬に触った。夢かどうか確かめているのか、たんに落ち着かないだけなのか……なんにせよ、俺の答えを聞いていっそう潤んだ瞳はますます美しさを増していた。気持ちを口にしたとたん、胸がぎゅっと締め付けられっるような感覚がして――目の前の女の子の事が、どうしようもなく愛しく感じた。 「あ、あのね」 「なんだ?」 「夢じゃないって、確かめても……いい?」  ユズキはそう言うと、正座を崩して身を乗り出してきた。鼻先が触れそうなほど、距離が縮まる。 「……いい、けど」  そう答えるのが精いっぱいだった。それ以上どう行動するのが正解かなんて、初めてだから知らない。なぜかユズキも動かなくなって、お互い見つめ合ったまま時間が止まったかのように固まってしまう。 「ふふ」  やがて、ユズキが表情を崩した。 「私……その、キスの仕方とか……わかんなくて。もしかして……君も?」 「ああ」 「そっか……えへへ、緊張してたけど……ちょっとだけ、ほっとしたかも」 「悪かったな、ユズキみたいにモテなくて」 「そういうの、関係ないよ。私だって初めてだもん」  ユズキはそう言って微笑んだ。「初めて同士、だから……ふたりで、冒険だね」 「そうだな。昔みたいに」 「うん……でも今は友達じゃなくて、恋人同士だよ」 「……ああ。恋人同士だ」  夢見心地で、ユズキの頬に手を添える。火照った体温を手のひらに感じながら、ゆっくりと距離を詰める。最初から鼻先が触れそうな距離だ。唇が触れ合うのはすぐだった。想像していたよりも柔らかく、繊細な感触にドキッとする。息が続かなくなるまでのたった数秒間の幸福感は、羞恥心や戸惑いを取り去るのには十分すぎた。 「好きだ、ユズキ」  溢れる気持ちを止められずに言葉にすると、ユズキはうっとりと目を細めて微笑んだ。 「ありがと……私も、大好き」  甘く湿ったささやき声のあと、二度目のキスはすぐにやってきた。「ん……ぅ、んん……」  息継ぎの間も惜しいほど、唇を擦りつけあった。映画やドラマで見たキスのやり方を必死に思い出しながらのたどたどしいものだったけれど、頭がじんとしびれるほど気持ちいい。好きな女の子とキスしているという実感と、柔らかい唇の感触。手や服越しに伝わる体温が少しずつ上がっていく感覚。浅い息遣い。すべてが入り混じって、目眩がするような幸福感となって心を満たしていく。 「ふぁぁ……はぁ……」  どちらからともなく唇を離し、見つめ合う。荒く早くなった呼吸が、お互いの興奮を証明しているかのようだった。 「ねぇ……今から変なこと言うけど、引かないでね」  ユズキが、血色がよくなって、真っ赤に色づいている唇を震わせる。 「今さら引くとかないと思うけど……何?」 「うん、あのね…………キスの続き、しちゃう?」  期待と不安が入り混じった表情で問いかけてくる。改めて聞かれると、ちょっとひるむ。でも……好きな子と両想いになって、ラブホテルで二人きりでいるなんて、そんな状況……気持ちの止めようがない。 「したい……けど、その、嫌じゃ、なければ」  結局、初めて丸出しのかっこ悪い返答しかできなかった。それでもユズキは優しい微笑みを返してくる。 「嫌なわけ、ないよ。二人で冒険、するんだもんね?」  ユズキの言葉に、歯止めが利かなくなった。これまでの、心の距離が離れていた時間を取り戻すようにユズキを求める気持ちが止まらなくなる。 「ユズキ……」  そっと肩に手を添えてベッドに押し倒す。「ん……」とユズキが緊張したような吐息を漏らした。身じろぎすると、シーツにワンピースの布地が擦れて妙にいやらしい衣擦れの音がした。 「えっと……脱がす、から……」 「う、うん……どうぞ」  ぎこちないやりとりをしつつ、ユズキの服に手を伸ばす。一番上までぴっちりと止められたワンピースのボタンを、ひとつずつ外していく。緊張してやたら時間がかかった。ひとつボタンが外れるたびに、ユズキの素肌が見えていくのが妙に興奮をかきたてる。腰の部分でボタンが終わり、後は肩から下へずらすだけの状態になった。肩口に手をかけると、ユズキがぴくっと震えた。 「ほ、ほんとに脱がしちゃうんだね」 「あ……嫌だったら、その……」 「そうじゃなくて、なんだか、緊張しちゃって……変でも、嫌いにならないでね……?」 「なるわけないだろ。そもそも、比較対象なんてないし」  自分で言っててちょっと悲しくなるけれど、ユズキはむしろ安心したようだった。表情が少し和らぐ。 「ふふ、じゃあ……どうぞ。あの……や、優しくしてね」 「変なタイミングでそんなこと言うなよ」  これからって時に、恥じらいう表情なんて反則だ。可愛すぎて、自制できる自信がなくなる。 「ん……っ」  ワンピースの布地はすべすべしていて、脱がせるのは簡単だった。下着に包まれたユズキの華奢な身体が、ラブホテルの安っぽい明かりの下に露わになる。陶器のようにきめの細かい白い肌に思わず見惚れた。 「あ、あの……そんなに見られると、恥ずかしい……」  ユズキが恥ずかしそうに手で身体を隠そうとする。思わずその手を握って押しとどめる。 「ふぇ……? な、なに……?」 「きれいだから、もっと見たい」  自分が自分じゃないみたいに、素直に言葉が出た。それくらい、ユズキはきれいだった。今まで見た何よりもきれいで、愛しい気持ちをかきたてられる。こんなに素敵な人が、自分と両想いなのだと思うとそれだけで胸がいっぱいになった。  上下お揃いの、水色のブラとパンツはレースたっぷりで可愛らしかった。肌も下着も、少し力を入れただけほろりと崩れてしまいそうな繊細さだ。こわごわとレースを指でなぞると、ユズキがほうっと息を漏らした。 「こ……このブラ、気にいった……?」 「うん、可愛いよ。似合ってる」 「ふふ。なんだか、急に素直だね? え、エッチなことしてる時って、そういうものなの?」  照れながらも、ユズキは好奇心たっぷりに聞いてくる。彼女の方は少しずつ、緊張がほぐれてきているようだった。 「その……ユズキが可愛いから、意地張ってる余裕がないんだよ」 「ふぁ!? そ……そうなんだ」  ユズキの顔が真っ赤になる。俺も恥ずかしくなって、照れ隠しのようにユズキの身体を手で撫でまわす。 「ん……ぅ、んっ……」  ブラごしに胸を揉むと、ユズキの吐息が艶っぽくなった。手のひらでちょうど包めるくらいの大きさで、張りがある乳房の感触。柔らかさにびっくりして、ますます興奮してくる。「ユズキ、下着……脱がすから」 「ん……」  恥ずかしそうに、少し目を逸らしながら頷く。緊張しつつ背中に手をまわして、ホックの部分をぐいぐいといじる。手間取りながらも、ぷちんと金具の外れる感触とともに乳房がふるっと揺れた。そのままブラを外すと、ユズキは反射のように手で胸を隠した。 「隠さないで」 「でも……」  手首を握って、左右へと開く。ユズキは顔を逸らしたままだった。  白い乳房と、その中心にある薄ピンク色の乳首。ユズキの身体は、芸術品のようだった。我慢できずに、両手で乳房を手でつかむ。下着越しよりもずっと不確かで、ふわふわした感触を手のひら全体で味わう。張りのある肌に指が沈み込む。感触を楽しんでいると、少しずつ乳肌が汗ばんできた。 「はぅ……ん、ん……」  ユズキの頬も上気して、首筋にしっとりと汗がにじんでいた。うなじに顔をうずめてキスをすると、ユズキの声が震えた。 「んっ、ん……んぅ……っ!」  ユズキの息遣いに余裕がなくなっていくのに比例するように、興奮が増していく。乳房からお腹の方へと手をすべらせ、さらにその下へと触れる。パンツのすべすべした布地に指を這わせると、ユズキが太ももをぎゅっと閉じた。 「そ、そこも触るの?」 「嫌か?」 「そうじゃないけど……こ、心の準備が……」  ユズキはもじもじと太ももを擦り合わせる。白い肌にできる陰影が、身じろぎのたびに変わるのがやけに淫靡に見えてしょうがなかった。 「ユズキのここ、まだ誰も触ったことないんだろ。……俺が特別なんだって、知りたいから……触らせてほしい」 「あ、はぅ……そんな言い方、ずるいよ……」  そう言いながらも、ユズキは脚の力をゆっくりと抜いてくれた。 「本当に君だけ、特別なんだよ……これから先も、ずっと……君だけだから……」 「ありがとう、ユズキ」  幸福感を覚えながら、内ももへ手を滑らせる。ゆっくりと登って、パンツ越しに秘所へと触った。割れ目の部分がうっすら透けて見えるほど、布地が濡れていた。湿り気をさらに感じようと、割れ目に沿って指を上下させる。 「んぅ……はぁ、あ……あ……」  膝がひくひくと震えている。反応があるのが嬉しくて、つい指使いに熱がこもった。パンツの中で愛液がくちゅくちゅと音を立て始める。くぐもった音が聞こえだすと、ユズキは耳まで赤くなった。 「は……恥ずかしいよ……」  羞恥心がぶり返した様子で、つい太ももを閉じようとするユズキの脚の間に、身体を入りこませる。これ以上焦らされると自分がおかしくなってしまいそうだった。パンツのゴムに指をかけると、ユズキがハッとしたようにパンツを見た。 「脱がすよ」  はやる気持ちを抑えてそう言って、パンツを脱がせていく。細い足からパンツを取り去ると、正真正銘生まれたままの姿になる。子供のころ一緒に遊んでいた友達の姿とは、全然違っていた。性別の境すら曖昧だった幼い時とは違う。ユズキが異性なのだと強く感じた。 「すごい濡れてる」  露わになった秘裂を指でなぞると、内ももがヒクヒクと痙攣する。 「あ、んっ……! そ、そんなこと言うの、いじわるだよ……」  困ったように眉根を寄せる。赤らんだユズキの顔が可愛くて、夢中になってしまう。割れ目へ沿わせた指に、ゆっくり力を入れていく。恥肉は想像以上の弾力を持ちながらも、指先をゆっくり受け入れていく。狭い穴の入り口をくるくると指の腹で撫でまわすと、愛液がさらににじみ出してきた。 「あ、あ……そ、そこ……変な感じ……」 「痛い?」 「痛くは、ないけど……んっ……拡げられてる、感じ……」  引けた腰を片手でおさえて、さらに少しずつ、指へ力を入れていく。やがてくちゅ、と音がして指先が入り口へと呑まれる。指一本でもキツく感じるほどの狭さだった。このまま続きができるのか少し不安になりながら、指を少しだけ前後に動かした。 「んぅっ……!」  ユズキが戸惑った表情で俺を見つめる。強く拒もうとしないのが、信頼の証のように感じる。だからこそユズキを傷つけないように、ゆっくりと指で秘所をほぐした。 「はぁ……あ……あ……んん……っ」  緊張で強張っていたユズキの息遣いが、少しずつ熱っぽさを取り戻していく。指にまとわりつく愛液の量が増え、水音も大きくなる。 「んん……ね、もう……」  焦れたようにユズキが言う。 「でも、まだ……」  狭さに不安を覚えながら言うと、ユズキは俺の下腹部へ視線を向けた。 「おっきくなってる、でしょ? 窮屈そうだよ……?」 「それは……そうだけど」 ���ね、私も……早く君と、ひとつになりたいから……」  濡れた瞳で微笑まれて、理性なんてもつわけがなかった。服を脱ぎ去り、ベッドわきのカゴに入っていたコンドームを勃起へとまとわせる。 「ふぁ……す、すごい、ね……? 君の……そんなに、おっきいんだ……」  指との違いに怯んだ様子で、ユズキが目をしばたたかせる。 「ごめん、その……ゆっくりするから」  どういえばユズキの不安が取り除けるのか分からずに、しどろもどろになってしまう。興奮と、ユズキを大切にしたい愛情が頭の中でごちゃ混ぜになって、思考がまとまらない。 「えと、その……優しくしてね?」  ありきたりなセリフも、ユズキから聞くとどうしようもなく愛しく感じられた。頷いて、ユズキの秘所に勃起を添える。ゆっくり腰を前後させて愛液を先端や裏筋に塗り付けていると、恥丘の熱がじっとりと感じた。 「ん……んっ、はぅ……焦らさないでぇ……」  甘えるような声に、耳が溶かされそうだった。秘穴に亀頭を押しあてると、さすがに緊張した様子でユズキが息を呑んだ。 「痛かったら言って。止める自信、ないけど」 「ふふ……いいよ。絶対、やめないでね」  信頼に満ちた視線に、愛しさがこみ上げる。ユズキの髪をそっと撫でて、それから腰に体重をかけていった。 「ん、く……んんぅ……!」  狭い膣穴に、亀頭をゆっくり押し込んでいく。苦しそうに息が乱れるたび、力を緩めながら少しずつ進む。狭い中を分け入っていくと、めりっと何かを割くような感触とともに抵抗が和らいだ。そのまま、勃起が半ばほどまで呑まれる。 「んっ! う、あぁぅ……ッ!」  ユズキのお腹がびくっと波打つ。痛みで目じりに涙が浮かんでいた。 「ごめん……!」  慌てて動きを止めると、ユズキがすがりつくように肩へ腕を回してくる。 「どうして謝るの……?」  痛みをこらえるように、涙まじりの微笑みを浮かべている。「嬉しいよ。すごく……だって、ずっとずっと……君とこうしたいって、思ってたんだもん……」  ユズキの微笑みで、急に両想いなんだという実感を覚えた。彼女の事が好きだという気持ちが、胸いっぱいに広がる。 「はぁ……あ……繋がってるとこ、すごく熱いね……」  痛みが和らぐようにと動かずにいると、ユズキがとろけた声でそう言った。痛みに強張っていた秘裂が少しずつ馴染んで、竿に吸い付いてくるような感触になってくる。 「あのね、もう……動いていいよ。その……セックスって、そういうもの、なんだよね……?」  おずおずと言われる。俺も知識でしか知らないことだ。でも本能的に、もっと奥で繋がりたいという思いがこみ上げてくる。 「じゃあ、動くけど……痛かったら言うんだぞ」 「ん……言うけど、やめないでね?」  少し不安げに言われて、思わず微笑ましくなってしまった。 「分かった。じゃあ……」  ユズキの腰を両手でつかんで、さらにモノを奥へと進めていく。 「ん……ふぁぁ……っ」  竿の根元まで押し進めてペニス全体がユズキの熱に包まれると、背筋を快感が走った。愛液を掻き出すように、今度はゆっくりと引き抜いていく。腰使いに合わせて膣ヒダが竿にキツく絡みつき、吸い付いてくる。 「はぁ、あ……ナカ、擦れてるぅ……」  肩を掴むユズキの手に力が入り、爪が少し食い込む。その痛みすら、妙に嬉しい。 「あ、あっ……拡がっちゃってる……んぅ、君の、かたちに……んぅぅ……なか、拡げられて……はぁ、あ……嬉しいよぉ……っ」  掠れた声でささやかれて、鼓動が早くなる。ユズキが声を漏らすたび、膣口がきゅ、きゅ、と締め付けてくる。 「はぁぁ……あっ……奥に、あたるの……気持ちい、かも……」 「ん……このへんか?」  ユズキの言葉に、挿入する角度を少しずつ変えながら抽送する。亀頭で膣肉のでこぼこした部分を擦りつけると、ユズキの腰がびくんと跳ねた。 「あ、あっ、そ、そこ、だめ……っ! なんか、へんに……んんぅ……ッ!」  愛液がお尻の方まで垂れて、シーツに染みを拡げていた。痛みよりも快感が勝ってきているのが分かって、抽送の速度が少しずつ早くなっていく。 「あぁ……ん、ん! なか、きもちいい、よぉ……んんっ、あぁぁ……ッ」  腰を打ち付ける勢いで、乳房が上下に揺れる。柔らかな乳房の先端が、ピンと堅く尖っている。片手を腰から乳房へと移動させると、ユズキの声がさらに跳ね上がった。 「あぁっ、あっ、んッ!」  コンドーム越しにも熱が高まっていくのをはっきりと感じる。最奥のザラつきをカリ首で擦りあげながら、深い場所で繰り返し腰を前後させた。 「ん、あ、あ、あっ……も、な、なんか、きちゃう……きちゃいそうぅ……」  破瓜の瞬間からずっと潤んでいた瞳から、ぽろぽろと涙が伝っていた。眉根を寄せて身もだえている。絶頂が近いことは直感で分かった。ユズキの快感に感化されてか、俺自身の絶頂も近くなっていた。 「ユズキ……!」 「んぅぅっ……あ、あ……! 奥で、おっきく……ん、んぅ、あぁぁ……!」  触れている場所から溶け合ってしまいそうなほどの熱に、思考が真っ白になっていく。ペニスを締め付ける膣ヒダの圧と、乳肌の汗ばんだ感触。射精感が、電流のように背筋をかけていく。 「ふぁあ、あっ、ああぁぁぁ……ッ!」  甲高い声が耳元で響いた。その瞬間、ぎゅっとユズキの身体が強張る。 「んぅぅぅーーーーッ!」  びくん、と腰が跳ね、膣内が激しく締め付けてくる。 「く……!」  最奥に亀頭を押し付けたまま射精する。腰が勝手に震えて、絶頂している膣内をズリズリと擦ってしまう。 「はぁ……あ、あ……」  長い絶頂感の波が、少しずつ引いていく。身体から力が抜けて、ユズキの隣へ横になった。いつのまにか膣内から抜けたペニスから、コンドームが外れかかっている。 「ん……はぁ……ふふ……っ」  頬を赤らめたまま、ユズキは俺のペニスに引っかかったままのコンドームへ手を伸ばした。そっと手にして、精液だまりを指先でふにふにと挟む。 「……何してるの?」 「えへ……なんだか、感動しちゃって……私のなかで、こんなに興奮して……射精してくれたんだぁって……」 「恥ずかしいからやめて」  思わず言うと、ユズキはコンドームを俺から守るように胸元で抱いた。 「私の方が、いっぱい恥ずかしかったもん……」  ユズキは少し拗ねたような、子どもが不器用に甘えるような瞳で俺を見つめた。 「……ありがとう、ユズキ」 「ふふ……私の方こそだよ。ありがとう」  汗まみれになった身体を寄せ合う。初体験を終えたばかりで夢見心地の視界に、ユズキだけがいる。ユズキは俺だけを見ている。そのことが、どうしようもなく幸せだった。 「好きだよ。大好き……これからも、ずっと……」 「俺もだ、ユズキ」  しっとりと濡れた頬に手を添えて、キスをする。唇の間から洩れる熱い吐息は、どこまでも甘かった。
//おわり
>写真をお借りしています。
aliceabc0によるPixabayからの画像
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