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『ブラックアダム』レビュー
【それいけ!栄光なきヒーローども!】
今のMCUに足りないものは『マッドマックス2』だ!
暴力が支配する荒野に一人立つ戦士を記した神話なのだ!
アメコミ映画の名を借りた『スコーピオンキング』精神的リブート作。
ギャングに軍事支配されている中東の国を舞台に、復活したご当地アンチヒーローと誰それなマイナーヒーロー軍団がドッカンワイワイするストーリー。
破壊神となったロック様が迫り来る敵を片っ端から粉砕していく、ロック様の魅力とカリスマを最大限に引き出したロック様史上最高傑作が今ここに爆誕した!ピアースブロスナンのイケおじぶりも最高に良かったぞ!
ロック様とマイナーヒーローどものヒロイックな姿に「うおお!」と唸らされる痛快娯楽大作です!
おかえり!スコーピオンキング!
最近、初回を映画館で観て、最高な気分になった作品を改めて鑑賞してみると(あれ?)ってなることが多くなった。
なんでかなと思ってよく考えてみると、そういった作品に共通しているのは、観ている人を楽しませる娯楽要素は多いものの、心の底にガツンとくる描写、その作品の核と呼べるような神話が描ききれていないのである。
人を笑顔にさせるパフォーマンスと人を奮い立たせる神話。
本作とロック様はそれを見事に応えてくれた。
人類には笑顔と神話が必要なのだ!
いま、英雄神話は再生する!!

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『天気の子』レビュー
"島を家出し、雨の降り続く東京へとやって来た高校生の帆高は、天気を操ることができる『晴れ女』の陽菜と出会う。帆高と陽菜は『晴れにする仕事』を通して打ち解けていくが、「晴れ女」にはある宿命があった"
凄く悩んだ映画だ。
『君の名は。』より遥かに好きだけど。
この映画のことを考え��と、その度にいいねとうーんがせめぎ合ってしまい、頭の中がこんがらがってしまう。
(何で物語に銃がでてきて、帆高はそれを拾ったりなんかしたんだ?)
(大人も子供に冷たすぎじゃね?)
(んで、何で曲の歌詞がこんなにも悲壮感漂ってんだよ!)
この三点が凄く苦手で、
帆高が最後のほうで須賀や警察に銃構えて
「行かせてくれよ!」って叫んでたけど
(そんな連中はほっといて、さっさと早く屋上に行けよ!)
(何で陽菜さんから人柱の話聞いた時点で鳥居に直行しなかったんだよ!)
って思っちゃうんだよな、いつ���。
あいつらをケチョンケチョンに笑い飛ばすものが欲しかった。銃ではなく。
例えて言うなら『E.T.』とか『ブルースブラザーズ』『バニシングインターボ』みたいなやつ。
あと、みんな泣きすぎ!もう見てらんない!
いや、ただね、神様に逆らい世界を犠牲にしてまで好きになった女の子を救った的な、そんな自分勝手なセカイ系ストーリーじゃないと思うんすよ。この物語。
あのまま晴れだったら、とんでもないことが起こってたんじゃないかとすら考えてる。
日照りが続きすぎてみんな暑さでバッタンバッタン倒れたとかさ。
僕にとってはこれ、《不幸な登場人物が神様の力を得てしまって、人々の願いを叶えた結果、世界を大混乱させちゃう物語》の『ブルースオールマイティ』や『ワンダーウーマン1984』に似た話なんですよ。
それに、あの二人は世界を変えてない。
これから世界を変えていくんじゃないのか?
あの騒動で知り合えた他の人達と一緒に。
下でも、上でもなく、前を向いて、立ちはだかる困難に立ち向かい、愛し愛されて、他人や自分自身を認めていきながら。
だから、彼らはもう大丈夫さ。きっと。
だって、二人は世界を変えた以上の"奇跡"を起こしたんだから。
「力を使ってスープを分けたのは奇跡じゃない、只の手品だ」
「シングルマザーが仕事の合間に子供をサッカー教室へ、これが奇跡だ」
「十代の若者がドラッグをやめて勉強に励む、これが奇跡だよ」
「何もかも神の力に頼る者は、自分の中にあるパワーに気づいていないんだ。
奇跡が見たいのなら、自分で起こせ!」
「その願いは最高だな、君が『ミスアメリカ』ならな」
「素直になれ、本当の願いは?」
「それが"祈り"だ」
「最高だよ」
「願いを叶えよう、戻れ!」
「どんなに汚れてしまっても、必ず綺麗にできる」
"奇跡を起こすのはあなた"
映画『ブルース・オールマイティ』より
二人や世界に降り注いだのは間違いなく悲劇だ。
だからこそ、これからは愛で満たされてほしいし、その愛で世界を満たしてほしい。
未来がお先真っ暗闇だとしても、生きているのであれば、ほんのちょっとでも良くすることはできるはずだと、僕はそう信じてる。
荒野に生まれたのは確かだ。
でも無目的じゃない。
僕が君達にできることはまだあるかい

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