Tumgik
kazuyamajima · 3 years
Text
最後の話し
2021.09.30
俺、バンドやめたんだな。
俺、諦めたんだな。
俺、もう、気に入ってもらえる音出そうとしなくていいんだな。
俺、やっと認めたんだな。
俺は、ずっと騙してたんだな。
俺、騙されてたんだな。
俺、ずっと好きだったけど
お前、俺のことそんなカンジで見てたんだな。
俺な、ちょっと気付いてた。
俺、中途半端な努力しかしてねえもんな。
俺、俺のことばっかだもんな。
俺、気が弱えもんな。
俺、もっと真剣に考えてたこと言えばよかったな。
俺、キッパリ断ればよかったな。
俺、お前をダメにしてたな。
俺、悪いのは、俺なんだよ。
お前は、変わってない。
俺は、変わった。
俺、愛されたかった。
なのに俺、愛とはちょっと違うものばかり気にしてた。
俺、それでも気にしないフリしてた。
俺の、この心は次第にドライになった。
俺、本当はお前に好きだと言って欲しかった。
俺は、最初それだけでよかった。
俺は、その気持ちをどこかで失っちまった。
俺、それをこの道を渡るための覚悟だとか思ってた。
俺は、そしてお前の声も聞こえなくなった。
俺は、とうとうつまらない男になっちまった。
俺、バンドやめたんだな。
俺は、つまらないもんな。
俺、つまらないヤツのバンド嫌いだもんな。
俺、お前が好きでいてくれたの今知ったんだよ。
俺、やっぱり間違ってなかった。
俺、ずっと幸せだったんだな。
今までありがとう。
俺、俺でいいんだ。
おしまい。
♪ ザ ハイロウズ/ 夏の朝にキャッチボールを
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー9 :瞳の色
2021.08.28
しばらく執筆の手を止めておりました。
困ったことに何を書けばいいのかわからなくなったのです。
書くことが無いわけでも、書きたいことが無いこともないんです。
ただ僕はつまらない考え事をしているがために手を暇にしていました。
病気はしておりません。
この通り、体は淡々と代謝を繰り返しつまらぬことに細胞を作り続けています。
唐突ですが、僕は自分をあまり信じていません。
数多のつまらない失敗を繰り返すうちにありもしない自信は靴底のように擦り減へっていきました。
歩かずとも足踏みばかりを重ねた末に進んでこなかった私の人生を振り返っているうちにこうして空白の日々を作り出したのです。
思い返せばただの27年分の記憶があるばかり。
特に振り幅も無く、深くも濃くも無い"ただの27年分の記憶"が頭だか胸にだかあるだけの人間なのです。
そこからでも何か、少し捻るくらいは出来る思い出くらいあるだろうとずっと考えてきました。
でも何故か僕の脳はその記憶の断片をチラつかせるばかりで話を広げようともしません。
いつも疲れた目のようにショボくれており、メンドクセエと僕の言うことをまるで聞こうとはしません。
そう、私は考えられない人間なのです。
そして同時に思い出を大切に出来ない人間なのです。
実は自分がこのような人間性であることは5歳までには気がついておりました。
道徳心の芽生えも遅く、自己中心的であり思い通りにいかないとき癇癪を頻繁に起こす子供でした。
そのくせ、大人に怒られるとき、反省や後悔をしているフリが非常にうまかったのでいい子だと思われる事も多かった気がします。
この反省のフリは団地に住んでいるヤンキーの子供がとても上手だったのでマネするようになりました。
きっと悪いこと��して多く怒られる分、大人の顔色や感情を分析していたのでしょう。
先程の"いい子だと思われる事も多かった"と言う自惚れのような自己の認識ですが、これには確かでは無いただの推理ですが心当たりがあります。
僕の精神状態がいつもフツーの子とは違うことをきっと母は原因ありきのことと知っていたのかもしれません。
というのも、母の子供の頃の話から、母もきっと精神状態がフツーで無い子だったからという推理をしています。
ただ母はそれを言い訳にすることなく、僕をフツーの子供と同じように育てようとしてくれました。
もしかすると先に周りの大人たち、例えば先生たちには僕の様子が少し変だと話してくれていた可能性があります。
だから周りの大人たちは僕に気を使い、過剰に褒めてくれていたのかもしれません。
いつも不自然に大切にされることが多かった気がしているのです。
非常に集団生活や思いやりという言葉が僕は苦手でした。
耳に聞こえても理解が出来なかったのです。
いつも僕は僕の事で頭がいっぱい。
友達と遊ぶのも僕のため。
誰よりも笑いを取ろうとするのも僕のため。
可愛い同級生の女の子に好かれたいのも僕のため。
僕が仲間外れにされないように僕を僕のために殺し続けて来たのです。
呪いのような癖です。
こうした外面の良さが大人たちには、"心に難がある癖にその中でもいい子"という評価につながったのではないかとよく考えるのであります。
ひねくれているようでカッコ悪いですね。
ですが母には大変に感謝し誇りに思っております。
母は僕に何か特別なことを教えるわけではなく、いつも窮屈に叱りつける事もありませんでした。
母の偉大なところは僕から何も奪わなかった事だと思っております。
きっと母は僕が人生のどこかで人並みに愛に気づけると産まれた瞬間から信じているのかもしれません。
僕が今その愛に気づけているのか確かめたことはありませんが、母のことを思い、時より張り詰める胸の中に答えがあってもいいような気がします。
そんなふうに僕は僕をたまに見つめますが、これも事実無根のただの勘違いに過ぎないかもしれないのです。
僕は一体なんなのでしょう?
何者なのでしょう?
毎日行方不明の誰かを探すようです。
誰が居場所を教えてくれるわけでもありません。
一歩ずつ進む。
進んでは、進んだ先に出会ったあなたが僕を見つめる、その目に写る僕を、僕は見逃さないようにあなたの目を見つめ返すのでしょう。
そんな時ふと我に帰り、あなたの目が綺麗な焦げ茶いろの瞳であることに気がつけるかが人として生きることにおいて大切なことなのかも知れないと思うのです。
それが私たちの正体だと感じ合えたら幸せでしょう。
そう思います。
♪ Sherbets / 38Special
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー8:ハンバーガー
2021.07.30
マクドナルドで¥1000分食べたかった。
僕は中学生の頃ほんのわずかな間だけ塾に通っていた。
放課後その塾までの時間、よくマクドナルドで当時の友達4、5人とポテトをトレーにばら撒き、ちびちびとつまみながら時間を潰していた。
今思い返してみてもどんな話をしていたかなんて思い出せない。
僕はとにかく毎日お腹が空いていた。
ずっと空腹で空腹でたまらない。
飲んでも食っても満たることのない巨大なタンクを腹に積んでいるかのようにとにかく空っぽのような気持ちがずーっと続いていた。
いつもポテトだけ。
たまにアップルパイ。
マックポークも。
友人たちが進学の話や数学の解き方を話ている時、僕は上の空で、いつも少しその輪の外に居るような、胸のスースーする思いが秋の風の涼しさと相まってほんの少しセンチメンタルでいた。
それにしてもお腹が空いていた。
¥1000分。
いつか一人で食べたい。
それ以外何も考えが浮かばなくても時間が来れば塾に向かうのであった。
今大人になり、僕が¥1000分のマクドナルドのハンバーガー食べるために役に立つ数学の問題など存在しないことなどつゆ知らず。
♪プリンセス プリンセス / M
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー7:神様がいるかどうか。
2021.07.25
小さな頃はただ漠然と何か人間以上の者が僕らの運命を決めているのかもしれないと思っていた。
それが神様という者だと思っていた。
僕は小さな頃、小学生に上がる前からずっとイジメられることが多かった。
気弱な性格と妄想の世界にのめり込むクセや人の気持ちを考えたり理解することがどうにも出来ず人と人との輪の中に入ることが難しかった。
その上、道徳も無く人格もないためとにかく人を怒らせてばかりいた。
そうなると僕に関わる全ての大人が自分を嫌っているように見える。
本当は��んな大人たちの態度や目から、考えて感じて心で距離の取り方かを覚えて行くのだろうが、それが本当に困難だった。
いつも神様に願っていた。
幸せにしてください。
その言葉を両手を握って合わせて目を閉じて呟いていた。
僕の想像する神様は頭のツルピカな白髭のおじいさんだった。
今思えば亀仙人みたいな感じだった。
しかしそんな事で幸せになれるはずもない。
今になって思えば幸せは感じるものなのだから。
求めて探すものでは無いのだ。
だが、まだ小さかった僕は段々とその神様という物に対して少し考えを曲げるようになりはじめた。
神様というのは一見人を助けたり支えるように見えるけど実は必要のない人間は苦しめようとする存在なんだ。
そう考えるようになって行った。
小学生になる前ににはもう何かきっかけさえあれば神様の嫌がらせに乗っかって死んでやろうと常に考えるようなり目を閉じて横断歩道を渡ったりしていた。
毎日死ねないかどうか考えてた。
でも死ねかった。
多分神様はいないから。
♪THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / 太陽をつかんでしまった
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー6: 甘栗屋
2021.07.17
小学生に上がる前のこと。
近所にあったスーパーぐらいの規模のディスカウントストアによく母親に連れられて行った。
保育所にお迎えに来たその帰りで、ママチャリの前部分につける子供用のシートに弟、リアキャリアにつけるシートには僕を乗せて三人でよく夕方ごろ買い物に行っていた。
なかでもそのディスカウントストアの入り口付近で甘栗を売っているおじさんをよく覚えている。
多分個人でいろんな場所で売り回っているタイプの営業スタイルで、よく見かけたその時期はこのディスカウントストアの入り口付近で販売する許可を得て販売していたのだと思う。
僕はなんとなくそのおじさんを少し怖く感じていた。
「あまーぐりーごひゃーくえーん」
「あまーぐりーごひゃーくえーん」
「あまーぐりーごひゃーくえーん」
と合唱曲のモルダウみたいなテンポ感で声かけし続けるそのおじさんの低くガラついた声と浅黒い焼けた肌がなんとも脳裏に焼き付くからだ。
家でも思い出してしまう。
ある日同じようにそのディスカウントストアを訪れたときまたその甘栗屋のおじさんがいた。
いつもと同じ、少し眉を曇らせた顔で
「あまーぐりーごひゃーくえーん」
「あまーぐりーごひゃーくえーん」
「あまーぐりーごひゃーくえーん」
と声を上げる。
その時、おばさんが前を通りかかった。
「あまーぐりーごひゃーくえーん」
と声をかけ右手に持った甘栗を差し出した時、そのおばさんは車に轢かれてしまった猫でも見たかのような不快そうな顔でその甘栗屋のおじさんを避けて歩いたのだ。
おじさんは相変わらずの顔でしばし声を出さずに立ち尽くした。
それを見た僕も何も言えなかった。
おじさんのことを子供心にも気の毒に感じてしまい、なぜか強烈な無力感に苛まれ僕は涙が出てしまいそうになった。
あの時は冬の夕方だった。
程なくして甘栗屋のそのおじさんはディスカウントストアの入り口辺りから姿を消した。
弟が「あまーぐりーごひゃーくえーん」と真似するのを見て母親はそっくりそっくりと笑って楽しんでいたが僕はそのおじさんのあの時の目とおばさんのあの時の顔が一気に蘇るので変な笑い方で合わせるばかりだった。
モノマネはほんとに良く似ていた。
♪奥田民生 / 愛のために
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー5:ランカー
2021.07.12
中学生の頃。
野球部で球を転がしながらただただぼんやりと日々を過ごす中で、ロックが好きになったり、彼女が出来たり、フラれたり。
ムカつかれたらすぐ殴られるあのサイテーなボロいガッコーという建物の中をいつも壁中に乱暴に書き殴った罵詈雑言をどこかに抱えてなんとか過ごしていた。
僕のそんな中で唯一の息抜きがバス釣りだった。
釣りバカの父親の影響で小学生になる前から経験はあったが中学生になった頃から一人で近所の野池に通うようになりかなり気を入れ込んでやっていた。
誰よりもうまく投げられ、誰よりも大きなバスを釣り
誰よりもうまくルアーを操れる自信があった。
初めて50センチオーバーのバスを釣り上げたのは中3の秋頃。地元の動物霊園のわきにあるデッカい野池でのことだった。
その日も放課後ダッシュで家に帰り日が暮れる精一杯まで釣りをするためにチャイムが鳴るよりも早く静かに教室を抜け出ていた。
皆は部活も夏の大会が終わり受験勉強の四文字を頭に乗っけている頃だ。
僕にはそんなこと全く持ってどうでもよかった。
人生なんて考える気も起きなかった。
不安なんてない。無敵の思考だった。
それは希望なんてとうの昔に無くした、ただ楽しみを目の前に準備するだけの変なポジティブさからだった。
僕はその全てをバス釣りに注い��。
自転車通学禁止区域の中をママチャリで家までブッ飛ばし、準備済みのタックルをカゴにブチ込んで竿を持ちまた野池に向かって猛ダッシュ。その時僕に切られた自由の香りがする秋の涼しい風を忘れない。
池についた。
誰かが侵入するために切断した有刺鉄線を学生ズボンとパーカー姿のままくぐり抜け、ナイキのハイカットのエアフォースを泥に踏ん張らせながら一投一投池にルアーを投げる。
その日は序盤さっぱりだった。
寒くなり始め、魚の動きも悪くなってくる頃だったこともあり風邪をひくか心が折れるかどっちが先か時間の問題だった。
しかたねえ、ちょっと行ってみっか〜。
今でもこの時の独り言を覚えている。
普段は侵入できない動物霊園の敷地から侵入してルアーを投げることにした。
デカイ鉄の門はその日は空いていて難なく侵入成功。
キョロキョロとあたりを確認しながら、カカトから着地させるタイプの大股のダッシュで一気に奥の茂みに入る。
そこから赤土の斜面を降れば絶好のポイントが待っている。
この日は運良く一発で侵入できた。
だがそろそろ日暮れが近い。
イノシシが出てき出したらもう怖くて帰れねえ。
そのラストチャンスに僕が選んだルアーはビッグベイト。その名の通りデカイ魚の形したルアーだ。
俺はそれにさらにクソなげえワームをルアーのテール部分に装着した特性のルアーで挑んだ。
全長32センチ。
モンスタージャック+ゲーリーヤマモトカットテール11インチ
デカイけりゃサイコー!
みたいなアメリカンドリームサイズのルアーだ。
多分俺のそんな姿勢に釣りの女神は惚れたのだ。
ポイント到着後の第一投。
そいつがルアーに食いついた。
ゴリラがいきなり竿にのしかかったようなありえない衝撃が今でも忘れられない。
バレんなぁバレんなぁ、、はぁっ、ああっっ!と独り言をケッコーなトーンで言いながら慎重にラインのテンションを測る。
ジリジリと魚のとりあげやすいポイントに移動しながらリールを巻く。
もう少し、もう少し。
あの瞬間なんてものの10秒足らずであろうか。
僕にはもっとスローにそして強い快感と緊張に包まれた長い時間にも感じられた。
そしてついに俺は手にヤツを掴んだ。
バスは50センチを超えるとランカーと呼ばれる一段登った存在になる。
僕が釣ったのは52センチ。
シャアッッッア!!!!
僕の声は野池を震源地に当たり一面に炸裂した。
サイッコウに嬉しかった。
くだらん学校からの脱出、自作のルアー、はじめてのランカー。
全てが僕を興奮に包んで天に押し上げた。
コラァア!!
ヤベエ、霊園のヤツだ。
でももはや賢者モードの僕に恐れは無かった。
「すげくない?!写真撮ってくれませんか?
入ってスミマセン!もう帰るから写真だけ!」
霊園のヤツにそう言うと。
「いいよ、もう入るなよ!」
そう言って快く承諾してくれた。
僕はヌルヌルの手で黄色いガラケーをその霊園の男に渡してバッチりポーズを決めた。
「うわーどこ?どこ押すん?」
教えてまた、ポーズを取り直して無事写真に収めてもらった。
そして僕は目の前の夢を一つ叶えた気になってゆっくりゆっくり、うちへ帰ったのだった。
そんなこんなで僕はその日初めてランカーを手にしたのだ。
んー、今度実家に変えることが有ればその写真でも探してみようかな。
♪ ザ イエローモンキー / プライマル。
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー4: 段ボール置き場
2021.07.07
通っていた小学校に処分するための段ボールを溜めておく段ボール置き場があった。
あまり使われていない、教室のない図書館や理科室、家庭科室などがある棟の一階の一番端っこだ。
段ボール置き場はそんな端の階段の裏にあった。
古い学校の石ともコンクリとも呼べないような蒟蒻色した冷た〜い階段によく冷やされ、しんっと静まりかえった誰一人として人の来ない妙な空気の場所だった。
僕はそこのニオイが好きで堪らなかった。
あらゆるダンボールや古紙から漂うなんとも言えない心の皺が伸びる様な整頓されたニオイと古い校舎の硬い壁から漂うペンキの様なニオイがまじり他にはない最高のブレンドを楽しませてくれたのだ。
僕はたまにそこでただじっとしてニオイを嗅ぐだけの時間を過ごした。
昼休み皆が校庭で"天下"と呼ばれるボール遊びにフケッているときや、移動教室の合間、掃除時間など僕は人目を縫ってそこに侵入し、ただ突っ立った状態でニオイを嗅いだ。
子供心にも疲れのたまる学校の集団生活における雑音や鈍色に無意識にも心が辛くなったとき、そのニオイにとても癒されていた。
僕が段ボール置き場を見つけたのが1年生の頃。
ニオイに気づいたのも同じその瞬間で、それから卒業するまで僕は誰にも告げず段ボール置き場にニオイ嗅ぎに行った。
でも一回だけそこで人と遭遇したことがある。
僕がいつものようにフラフラっと白々しい顔をして段ボール置き場のニオイを嗅ぎに行った時、奥でうずくまって泣いている男の子がいた。
僕はその男の子の嗚咽を見て咄嗟に怖くなってしまい逃げようにも足が動かず何も考えられなくなったのだ。
誰も居ないと思っていた場所に人が居て尚且つ泣いている。それが何故か考えるよりも早く体は怖い!と感じたのだ。
見たことも聞いたこともない知らない生徒がこんな学校の果てのような場所で泣いている。
ふと我に帰った時、そうだ、先生呼んでこよう。
そのときやっと頭が冷静に一回転した。
走って10秒の職員室に行き、段ボール置き場で泣いてるヤツが居ると息を切らしながらなるべく優しそうな女の先生に話した。そしてすぐにその女の先生と段ボール置き場へ向かった。
だが、
その男の子はもうそこには居なかった。
「あれ?居ない?」
先生はなにか違和感のあるトーンで僕に聞く。
「うん、おらん。元気出したんかな?」
そう僕が答えた。
また続けて先生は、
「どんな子だったん?先生探してみるよ。」
僕は
「顔は見とらん。でも白い服やったよ。ランニングみたいなん着とる。あと丸刈り。」
そして先生はこう言った。
「またか〜。」
ん?また?って?
僕は初めの違和感と相まって先生に色々聞きたくなった。
そして先生はまた続けた。
「なんでここに入ったん?ここ入ったら行けんことなっとるんやけど。」
ギク!そうやった。
一瞬冷静に判断して先生を呼んで来たと思っていたが、そうだ、呼べばここに入ったのがバレるではないか。そう思うと急に僕の気持ちは枯れたチューリップぐらいしぼんだ。
本当の理由なんか言えるはずもなく。モジモジしていると昼休みの終わりのチャイムが鳴った。
まあ、いい、とにかく聞かないでおくわ。
というような顔をしながら、
「掃除に行って!」と女の先生は僕を段ボール置き場から追い払った。
実はこれが小学校2年の頃の話。
5年生になってある日、クラスの男女数名がひそひそと教室の隅で何やら話し合っていた。
僕はそれを自分の席から聞いた。
「廊下に神霊写��が、、、うんぬんかんぬん、、、」
「戦争、、うんぬん」
あまり聞き取れなかったがこの2つのワードだけはハッキリ覚えている。
この頃すでに創立150年を超える古い学校だったため、昔の学校周辺の写真や昭和初期の生徒たちの集合写真などが残っていて、それらを廊下の壁にかけてあるのだ。
そんな教室でのヒソヒソ話は瞬く間にみんなの間に広まった。僕もその神霊写真と生徒がざわめく写真を見に行った。
「一番上の右から3番目、この人の手が異様に長くない?
それを聞いて周りや自分もうわー、本当やん〜!
とかなんとか言いながら神霊写真というつまらないものに振りまわされていた。
でも僕にはどうしてもあれ?と思うことがその写真にはあった。
んー。なんだろ?なんかおかしい。
そう思って再三写真を覗いてもその"あれ?"は当時解くことが出来なかった。
それからたまに、そのこと考えてはみたが結局結論には至らなかった。そしてそのまま僕は小中高と卒業した。
そしてそのことをすっかり忘れていた。
でもね、今こうしてブログを書き記憶遡る習慣がついて来た今。何故かその違和感が今になってはよくわかる。
昭和の大昔の生徒の集合写真。
どうやら日本は戦争の只中にある年代の生徒たち。
男の子は皆、丸刈りでランニング姿。
なんてね、いや、、いやいや、、。
まさかね。
♪ マキシマムザホルモン / 予襲復讐
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー3:さとみちゃん
2021.07.02
小学生低学年の頃、サトミちゃんという女の子からゲームボーイのゼルダの伝説のソフトを借りた。
ゲームの内容はあんまり覚えていない。
というかほとんどまともにやらなかった。
サトミちゃんはちょっと��っ飛んだ子だった。
あまり女の子と遊んでいる姿は見なかった気がするし見た目もそこそこ可愛らしかったと思うが、虫を獲ったりゲームをピコピコやったり野球をやったりなんか男っぽい遊びばかりしていたと思う。
でも洋服は女の子らしい服を着ていた。
そしてサトミちゃんは結構血の気が多かった。
すぐに誰かと喧嘩になる。
学校の体育の授業でやったキックベースでも、試合後にエラーした事をしつこくいじってきた男子をボコボコにして泣かしていたし、教室で何気ないきっかけから始まった口喧嘩でもまあ達者な口振りで完膚なきまでに叩きのめしていた。
また声もデカイ。
ベンキョーが出来たかどうかはわからない。
僕はそんな事に興味はなかった。
サトミちゃんからゼルダを借りた日。
この頃の僕はサトミちゃんとよく遊ぶ様になっていた。
小さい頃だったからちょっとした話すきっかけからよくフザケ合う様になり家の方向も一緒だったこともあって一緒に放課後帰っていた。
近道の水路を通って帰ったり、自販機の下で100円拾ったり僕が帰り道にやる遊びをサトミちゃんとひとしきりやった。
帰路の途中まで来たところでサトミちゃんが僕に言った。
「トイレしたい。」
一瞬僕は思った。
男の子同士で帰る時誰かしら立ちションベンしてた気がするけどサトミちゃんはそんなこと出来ないよな、女だもんな〜。
この時初めてサトミちゃんという女の子を意識したと思う。まだ小さかった僕はそれまでみんなただの友達という人たちで性別なんて全く気にもしていなかったのだ。
またサトミちゃんは僕に言った。
「ねえ、絶対見ないであっち向いてて。」
ん?え?
「早く目閉じて塞いで!見たらコロス!」
ここで?と思った。近道の途中にある焼肉屋さんの駐車場の隅にある網め状の鉄格子がしてある排水口の側でサトミちゃんは半笑いで僕に言った。
「見ないでよ。」
念を押したサトミちゃんに僕は手で両目を塞いでいいよーと言った。
しばらく黙った時間が続いた。
何も合図もなく数十秒が経った。
まだかなと思い僕は指の付け根の隙間から覗いてしまった。
スカートで綺麗に足元を隠してしゃがみ込みオシッコをするサトミちゃんを僕は一瞬見てしまった。
ヤベェ!終わってないやん!と思いながらも指の隙間を閉じれず見続けてしまった。
そしてサトミちゃんがポケットティッシュを手に取るのを見て僕は目を隠した。
済ませたサトミちゃんが僕にまた言った。
「絶対誰にも言わないで。絶対よ。」
言わんよ。絶対言わん。
この時秘密が出来た事になんとなく変な感情を持った。
「見たでしょ?」
見とらんよ!
「嘘だ〜、絶対見たね!」
見てねえし!ぜってえ!
「私逆だったら見るもん。」
一瞬見てもらいたいと思ってしまった僕もいたが小学2年生の僕にそんなことが出来るわけもなく。エロ!とか言って慌ててた。
サトミちゃんは堂々とエロかった。
そして別れ際これ貸してあげる!っとサトミちゃんはゲームボーイのゼルダをポッケから出して貸してくれた。
なんでこんなん持っとるん?と聞いてもモジモジして何も答えなかった。
そしてこの日は別れた。
帰って早速電源を入れてみたものの初めてやるRPGで途中まで誰かが進めた状態からだったのでチンプンカンプン。
剣を振り回して歩くぐらいしかプレーしなかった。
サトミちゃんの物がウチにある。
そんなことがとても不思議で特別に感じたことでもう満足していた。
なんでサトミちゃんはこれを貸してくれたんだろう、なんてその頃深く考えることはなかった。
今大人になったサトミちゃんはどんな人になったのだろう。
きっと可愛い女になっただろうなと思うことしか今はもう出来ない。
転校した日以来サトミちゃんの事はわからない。
お母さんと一緒に僕の元を訪ねてくれてありがとうと一言交わしたことが最後のサトミちゃんの記憶だ。
仲良くなった友達は何故か転校してしまう。
♪ THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / Girl Friend
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー2 : フルカワ
2021.06.27
小学1年生の放課後のこと。
時間の感覚もほとんどないこの頃は暗くなる前に帰ることくらいしか時間を意識することはなかった。
腕時計を持っているわけでも無く、そもそも時計を見て時間を確認するということも全くなかった。
僕はフルカワくんを待っていた。
遊んでいる途中二人はカードゲームがしたいと言う事になりフルカワくんが家にカードゲームのデッキを取りに帰る事になったのだ。
その時フルカワくんはこれ、隠しとこ、と言ってランドセルを植木の側に置いていった。
何故かははっきりわからないが、絶対戻ってくると信じて貰いたいという気持ちで僕に預けて行ったのだろうか。
小さかった僕はそのフルカワくんの言動を気にも止めず、早く戻ってきてね、と言ってフルカワくん待つ事になった。
一人でぼーっとただフルカワくんが戻ってくるのを待った。
花壇傍の階段で待っている間散歩中の犬が何匹通りすぎただろう。
何人の大人がタバコを吸いながら歩いて行っただろう。
ただじっと待っている時間が続いた。
その間僕はフルカワくんのことをたくさん考えていた。
学校ではよく話す仲だったが放課後一緒に遊ぶのは初めてだった。
今思えばインパルスの板倉のような話し方が面白くて笑わせ上手な彼をとにかくクラスでも僕は一目置く存在として認識していた。
たがら放課後一緒に遊べるのが嬉しくてしょうがなかった。
その頃大流行りしていた遊戯王カードの話をしをしながら近道をして下校、僕が放課後預けられていた児童館にフルカワくんは下校したその足で遊びに来てくれていたのだ。
待ちながら僕は考えていた。
フルカワくんに僕の持っているカードを自慢したくなり児童館の閉館後カードゲームをしようよと言い出したのは僕の方からだ。
フルカワくんは少し、しょうがないな、と言う顔をした気がする。
取っておいでよと言い出したのも僕だ。
んじゃ、取ってくるわ、これ隠しとこ。
そう言ってフルカワくんは家を目指した。
僕はこの時フルカワくんの家がどこにあるのか知らなかった。
僕の家は児童館に程近く、すぐにカードを取って戻ってこれだがフルカワくんはまだいない。
やけにツヤツヤのランドセルだけが花壇の脇に隠されていた。
児童館が閉館するのが17時。
だんだん暗くなって行く空に俺はめちゃくちゃ焦ってきた。
あっちの角を見に行っても、こっちの角を覗いてもフルカワくんは現れない。
どのくらい待っているのか時間の感覚はわからないがとにかくずっと待っていた。
どんどん空が暗くなって行く。
僕が少し待ち合わせの場所から離れた角でフルカワくんが来るのを待ってるいると、通りすがりのお姉さんが放置されたランドセルを不思議に思い近づこうとしたのが見えた。
僕は焦る気持ちとランドセルが盗まれる!っというワケのわからない恐怖心で、
何をする!!
とガチャガチャな口回りで叫んだ。
お姉さんは、はぁ、とした顔をして何も言わず去った。
もう、どうすればいいのか、僕はわからなくなった。
帰れば完全に怒られる暗さになった。
フルカワくんは戻って来ないんだろうな。
何故かだんだんそう思うようになってきた。
フルカワくんにカードを取ってきてもらおうとした自己中心な考えを責めて涙が出てきそうになった。
怖くなってどうしようもなくなった僕は最悪の決心をしてしまう。
そう、帰ったのだ。
ランドセルを元の場所に置いたまま。
フルカワくんを僕は待てなかった。
目の前の全てから逃げたのだ。
その次の日学校でフルカワくんと謝り合ったのを覚えてる。
泣きながら謝った僕をフルカワくんはいいよいいよ、俺も親からシコタマ殴られたと言って笑いながら許してくれた。
僕のせいでフルカワくんはボコボコだった。
担任から聞いた話だとフルカワくんの家は校区ギリギリのかなり遠い所だった。
それを小学1年生のフルカワくんは僕のために暗くなる道を往復したのだろう。
小学1年生のこの頃の僕はとてつもなく悪い事をしたという事に泣いていた割にまだあまり気がついていなかった。
そこからフルカワくんと遊んだり話したりした記憶がない。
2年生になる前に彼は転校した。
ほんの数ヶ月の内しか関わり間になることが無かったフルカワくんを僕はずっと忘れられずにいる。
もう、どこで何をしているかなんて絶対に知ることはない思う。
自分のわがままで人を振り回す恐怖と罪悪感に僕はビビって、人を待つたびにあの頃のフルカワくんを思い出す。
ps.
フルカワくんはランドセルを置いて17時過ぎに帰ってきた事でめちゃくちゃ怒られたらしく、親と一緒にランドセルを回収しに行ったそうな。
そこに僕が居ればどうなっていたんだろうとフルカワくんを思い出すときによく思う。
♪ スーパーカー / DRIVE
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ナンバー1:ニホン対トルコ
2021.06.22
日韓ワールドカップが開催されてた小学2年生の頃。
2002年平成14年、俺は世の中がサッカーで盛り上がってるのに合わせてなんとなく一緒に盛り上がっているような気持ちになっていた。
でも本音を言うと俺自身はサッカーにあまり興味が無い。
ドリブルをすれば2蹴り目にはボールを置き去りにし、リフティングをすれば3蹴り目くらいでホームラン。
玉蹴りにはちっとも向いていなかった。
テレビをつければコーラのCMでワールドカップ。
ハッピーセットのおまけもサッカー。
中田、サントス、稲本、小野。
父親もサッカー大好きだし、担任の花田先生もサッカー大好きヤロウでサッカーの話について行けないとなんとも言えない気持ちの悪いムードになるのが子供心に嫌だった。
だからサッカーが好きなフリをしていた。
友達にも。
そのワールドカップで日本は初めて決勝トーナメントに進んだ。
ロシアやチュニジアを破り日本サッカー史上に残るくらい良い成績を残していたらしいのだ。
そしてその決勝トーナメントの運命の試合。
ベスト16で挑むトルコ戦。
試合時間はたしか朧げな記憶だが学校があってた時間に行われていたと思う。
放課後ダッシュで帰れば少し観れるかも知れない時間だったと記憶している。
どの今日室でも鉄の棚にのっけた真っ黒いブラウン管の塊でサッカー中継を繋いでいたぐらい学校中がワールドカップ一色だった。
そして放課後のチャイムが鳴る。
ここから小学生たちのキックオフかのような熱気、一気に男子生徒が下校し始める。
もちろんオレも。
その時ニホンは0-1とトルコに負けていた。
「走れカズヤ!家のテレビで見れば勝てるぞ!」
なんの根拠もない小学生のキラキラとした声でレイヤと言う友達がオレに希望を叫ぶ。
レイヤと一緒に走った。
とにかく走って走って走った。
ランドセルは置き勉でカラカラのはずなのにとにかくガチャガチャして重かった。
ちょうど学校とレイヤの家の半分あたりに来た時レイヤはあ〜っと口を開け愕然とした顔で走るのをやめた。
「ここでハイタイです!」
漢字はわからんが負けたと言う感じの言葉なのはわかっていた。
それは路肩に止めてあるエンジンつけっぱなしのトラックのラジオが空いた窓から聴こえてきたのだった。
レイヤは歩くのすらやめて座り込んで泣いた。
何故かサッカーなんて本当は興味ない俺も泣いていた。
好きじゃ無い変な気持ちとレイヤからのもらい泣きで短い変な気持ちの涙が目から出てくる。
俺も悔しいよ。と慰めるつもりでウソをついた。
多分うっすら子供のレイヤでも怪しいなと思っただろう。
しばらく俺たちはその場を動かずに居た。
まだ結果を知らない小学生の慌ただしい下校風景を俺だけが気持ちのやりどころを探しながら眺めていたのだった。
サッカーには今も興味がない。
そしてあのまま何故学校で見せてくれなかったのか謎に意地を張った学校の規則にも気持ち悪さを覚える。
♪銀杏BOYZ / 日本発狂
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ドライな店
Tumblr media
2021.6.10
数日前、銀座のとある店に行った。
「高級珍味かめや」
7丁目のちょっと深いところの角にポツンと佇む緑のお店。
仕事がちょうどこのお店のすぐ脇で終わったので行ってみることにした。
いままでずっと気になっていたのだ。
僕はここをNHKの72時間という番組で知った。
番組は常連さんやかめやで働く人たちにインタビューをしていてこのかめやに訪れる様々な理由やその背景、情緒あふれる街の表情と人情、温もりある人間味とドラマを伝えていた。
それをたまたま見た僕はかめやに行こうと決めていたのだ。
あまりテレビに影響されることは無いけど食が絡むと意外とすぐ気持ちがつられてしまうんだなと自分をちょっと知った。
それはさておいていざ入店。
多分誰もが想像する駄菓子屋くらいの広さの店内には僕を入れて6〜7人ほどすでにお客さんがいた。
多分僕のように番組をきっかけに訪れたであろう夫婦もいた。
みんな背の高い棚を上から下まで舐めるように見渡しながら珍味を眺めている。
ドライいちぢく、ドライみかん、なんか変わったチーズおかき、麦チョコ、キャラメルチョコレート、いちごパフェチョコレート。
パスタのねじ曲げたやつ、ナッツ、またまたおかき、またまたドライ、どんどんドライ、なんでもドライ、いろんな野菜のせんべい、色んな野菜のドライ。
とにかく見たことが無い乾き物ものばかりで逆にあんまり覚えられない。
シンプルな包みにインパクトある中身のせいで情報がクチャっとなる音が頭で鳴っているような。
前日から眠れないほど楽しみにしていた遊園地にいざ入った途端何からどうすればいいのか訳が分からず興奮だけが先走ってるようなそんな感覚。
うーん、これとこれ迷うなーとか、うわこれもウマソーとか心で吟味し悩んだ末その中から僕は4つ買った。
その時ちょうど空腹状態だったから余計に迷った記憶がある。
僕はドライみかん、ドライいちぢく、テイラミスチョコレート、たまねぎせんべいを買った。
しめて¥2300くらいだったろうか。
Tumblr media
店を後にしさっと帰宅してすぐさままず大好物味のテイラミスチョコレートを食べた。
本当のティラミスのようにココアパウダーに包まれ、まるまった中���しっかりと甘くて芳醇なマスカルポーネチーズ感があるチョコレートの層が待っていて、さらにアーモンドを包んだりなんかしちゃったりなんかしちゃったりして、カリッと香ばしく弾けた瞬間にめちゃ上品な甘みと風味が一気に鼻の奥の深くと脳を目掛けて登ってくる。
うめーぇ。
それ以外言うことがなかった。
ぼりぼりくった。
もうドライみかんも言うことなし。
オレンジとみかんのうまさの違いがよくわかる繊細な味。
みかんがドライで大成功している。
オレンジにはない小さな巨人感。
里中智。
柑橘の甘酸っぱさと太陽の恵みのアンダースロー。
いいぞー。
思わず心の中の五郎ちゃんが出てしまった。
もう言わずとも、ドライいちぢくもサイコー。
体にいい味がする。
タネのプチプチハジける咀嚼時の音も小気味いいもんだ。
甘さは控えめなところもいなせだ。
たまねぎせんべいも言うことなし。
カルビーつぶつぶベジタブルの高級版と言った味だろうか。
似て非なる奥深さ。
お菓子とは一線を博したまさに珍味というところがビールによく合う。
一袋じゃ止まらなかった。
株式会社岡田かめや。
今度はまた行った時には新しい冒険もしてみたくなった。
店員さんの人間味がより一層の味わいをもたらせているに違いない。
食の仕上げはやはり雰囲気だ。
♪ SEX MACHINEGUNS / みかんのうた
youtube
1 note · View note
kazuyamajima · 3 years
Text
あたらしいひび
2021.6.1
Tumblr media
引っ越しをした。
日当たりのいい粘土のような赤土色のマンションへ。
部屋に向かって登った太陽が沈んで来るかのような日当たりの良さが引越しの疲れを労うかのようにじんわりと優しい。
ようやく新しい暮らしでのフツーが体の中の歯車を回しはじめている。
ここからまた新しい見つけた方で世界中にある謎めきと出会い自分がその謎に価値を見出していくのだ。
どんな歌が僕の中から出てくるのだろう。
明るく楽しくなるべくテキトーに。
それで行こう。
新しく機材の仲間に加わったフェンダーのツイードのアンプもいい音だ。自分のギターの音に説得力が宿ったような艶やかな音がする。
僕はあともう少し眠れば大丈夫だ。
♪ ザ ハイロウズ / 月光陽光
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
まごころ
2021.5/23
この頃は引っ越しの準備で忙しい。
上京してきた当初から6年近く暮らした高円寺のマンションを出て行くのだ。
まだその当時付き合って数日の彼女だった妻が地元の福岡から二つ返事でついてきてくれた最初の家だ。
部屋の隅から隅、壁や床カーテンから家具まで全てにこの東京で暮らしてきた思い出が部屋のお香のにおいと一緒に染み付いている。
バンドで上手く行ってる時も行っていないときも
アルバイトでクソつまらん苛立ちを引っ付けて帰ってきたことも
画業の仕事で部屋中がスケボーデッキまみれになったことも
全部この部屋が包んで暖かい思いでに光らせる。
今回の引っ越しで大きな家具は全て買い換えることにした。
特に大きな3人がけソファなんかは捨てるのにもお金が沢山かかるからジモティを利用して次に使ってくれる人を募ったのだ。
その引き渡し当日、妻と2人でなんとか2階の部屋から1階エントランスへソファを降ろそうと朝から悪戦苦闘していた。
ちょうどその日別の階の住人も引っ越しをしていたらしくサカイ引っ越しセンターが汗を光らせて階段を走って登り降りしていた。
僕より多分いくつか年下で若くてさわやかな青年スタッフと妙に今どきな若い女の子スタッフが入れ替わり立ち替わりエレベーターのない4階建てのマンションを駆け回る。
無駄のないプロのフットワーク。
僕らがソファを降ろそうと階段手前で持ち方を考えていたまさにその時若い青年スタッフが手伝いましょうか?と透き通るような声をかけてくれた。
なんなら甘い香りすらしたかもしれない。
ピーチっぽい。
それはさておき、なんだか悪りぃなと思ったけどもここでモタモタしているのも引っ越しの邪魔になりそうだったので手伝ってもらうことにしたのだ。
僕はそのサカイの青年スタッフと2人でせっーのっと息を合わせてさっと下の階へソファを降ろしながら思った。
"真心ってなんだろう?"そんなサカイのCMソングのコピーのまんまを僕は頭に過らせながら。
もう、ものの一瞬でソファはエントランスへ。
さすがとしか言いようのない重さを感じさせないサカイ青年の動きはやはりプロの技だった。
その後しばらく僕はソファをエントランスで拭いていた。そして沢山の荷物と汗に塗れたサカイ青年がなん往復か目に通り過ぎる時"きっつーい!!"とつぶやいた。
それはそれは本当にさわやかなぷりぷりピーチボイスで呟きなさった。
吹き出す光る汗はまさに桃の天然水。
そしてこれまたモデルのような笑顔が僕のマナコにフラッシュする。
またまた僕は思った。
真心ってこれか?これのことなのか、、うん、これだ!!!
コイツぁ、、本当ダァ!!!
僕は膨らんだ餅がパンクしたかのように自分が膨らませてきた全てが小さく萎んでしまった気がした。
そのサカイ青年に本当の真心ってのを思い知らされてしまったのだ。
これが人を思いやるってことなのか、人の思いを大切に手のひらに乗せてその重みを充実に変えて汗をかいて、、
なんてこった!!
僕は自分のことばかり考えていた日頃の小ささとメンドーだからと気づいていないフリをしたりしていた人への気づきや気配りを恥じた。大恥た。
オレの命は燃えていない。
こんなの生きているとは言えない。
ただの命所持タンパク質としか言えない。
そう思ってしまったのだ。
音楽、絵。
僕の作るものに真心は足りていただろうか。
真の心と書いて真心。
それは心が一番最初に感じた僕ではない人への思いやりの感情。
僕ではない人への想像の心。
それを形に変えるべく労を率先してこと初めて真心を、愛をこの世界へ生み出せるのだろう。
そして初めてめて伝えるための権利を持つ。
あとは誰かの心にあるゴールテープに飛び込むだけ。
そのテープを貼っていた者があとは受け止めてくれるのだ。
だから人として大切で、出来る最大限かもしれない
真心というものをスタートラインに送り走り出させること。
それ無くして愛など語りえないと僕はおもったのだ。
サカイ青年のスタートラインを切った真心は僕のゴールテープを一番乗りで切った。
きっと担当していたお客さんのテープも切ったはずだ。
思い出いっぱいのソファは優しそうなおじさまが大切そうにハイエースに積んで持っていってくれた。
なるべく丁寧に拭きあげたら僕は汗をかいていた。
♪ 真心ブラザーズ / 流れ星
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
かわる
Tumblr media
2021.5.21
変わるということ。
簡単なようで難しいところもある。
思い切って捨てちまうか
努力でたどり着くか
変わるということ。
続けるということはカッコいい。
コロコロフラフラ彼女は自由。
変わらない物は多分ない。
変わる必要も多分ない。
変わりたい
自然な気持ちそれはきっと。
変わる必要のない最後の価値観もある。
辿り着いて笑わせに行く。
それは自分らしく自分に正直に生きること。
これはずっと。
音楽よ鳴り止まないでくれ。
♪ ザ・クロマニヨンズ / タリホー 
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
蝋燭の火
2021.5.17
燃えているだろうか。
今私の炎は燃えているだろうか。
そこからこの灯火は見えるだろうか。
チリチリと音を立て
バキバキと積み上げた木を灰にする。
絶やすことなく焼べ続ける。
ひとり汗をかき。
♪ 魚座 / 本を読まなくちゃ
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ローズテイ
2021.5.5
僕の暮らしている高円寺には薔薇亭と書いてローズ亭と読む洋食屋さんがあった。
僕は一度も行ったことがない。
6年ほど高円寺に暮らし駅と家との通り道にあって通るたび必ず見かける薔薇亭なのに一度も行った事がない。
髪をピンクに染めて飾りをチョンっとのせた可愛らしいおばあさんととってもフツーの見た目のおじいさんが営んでいて店内には派手な飾りが壁や天井に所狭しと飾られていたことぐらいは知っていた。
あとうまい!っていう噂とエビフライがデカイことくらい。
いつか行こうがズルズルと長引き結局僕は行く事が出来なかった。
薔薇亭はある晩の深い時間に火事にあって焼けてしまったのだ。
実はその前日、正しくは火事が発生する数時間前、テレビをなんとなーく見ているとさんまのからくりテレビという番組に薔薇亭のおばあさんが出演していたのを見ていた。
若者の悩みを聞き人生の先輩がアドバイスをするというコーナーにおばあさんは出演していた。
前向きな明るい人だなあと思いながらそのコーナー見ていうるうちに僕は明日薔薇亭に行ってみっかとふと心に決めたのだった。
そして翌朝。
朝僕より早く出た妻からメール。
薔薇亭のある建物一角が火事で真っ黒になってるという知らせだった。
そんなことってあるのかよ。
本当ににそんな映画やアニメのセリフのような言葉が胸にドンっと詰まった。
僕も朝通りがけに見かけたのだが本当に真っ黒こげになった建物があってその近くに肩をさすられシュンっと小さくなった薔薇亭のおばあさんが居た。
どうやら火元は隣のお店のようだった。
数時前テレビで見ていた姿とは180度違うおばさんがただそこに人に寄り添われ居た。
結局その数週間後建物は完全に取り壊された。
今もそこの更地に風が吹いている。
その後たまに高円寺で何度か薔薇亭のおばあさんとおじいさんが仲良さそうに昼間の高円寺を歩いて居るのを見かけたりした。
きっと薔薇亭のファンが焼け跡に設置したおばあさんへのメッセージボードや手紙も力になったんだろうないい笑顔で歩いていた。
おばあさんはもう大丈夫だよ。立ち直れたよ。っていうお返事をその焼け跡に残していた。
僕は薔薇亭に行った事がない。
もしいつか違う店舗で復活したらなんてことを今日曇った空を見て考えていた。
僕は近く高円寺を引越す。
♪ ムーンライダーズ / ダイナマイトとクールガイ
youtube
0 notes
kazuyamajima · 3 years
Text
ケツバット
Tumblr media
2021.5.1
弟から一枚の写メが送られてきた。
小学生の頃に所属していた"長尾クラブ"という少年野球チームの部員募集の張り紙の写真だ。
たまに頭の中をスッとよぎる事��ある。
鬼のように怖かったケンジ監督は今どうしているんだろう。
ケンジ監督がやる、ボールよ、俺のところには飛んで来ないでくれと心で神に懇願したくなるような地獄のノックは健在なのだろうか。
このノックで何度泣かされたことか。
センターを守っていた僕はエラーや判断ミスをするたびにホームベースまで呼ばれダッシュで向かいどこが悪いのかをめちゃくちゃに言われた後ケツバットとして尻に痛みとしてたたき込まれてきた。
監督のいる土日の練習では必ず学校体操服の短パンをユニフォームの下に仕込んで行ったもんだ。
ケンジさん、俺、大人になってもわからない事がまだいっぱいあります。
でも何が大切な事なのかはあの頃からちゃんと教えてもらえていたんだと言うことは良くわかってきました。
泣いても目を擦らずに涙を流したまま。
もう小学校を卒業して15年余りが経つ。
今日は妻との2回目の結婚記念日。
初心に帰ろう。
作りかけの歌や描きかけの詩がてんこ盛りや。
ふわぁ〜ぁ。
♪甲本ヒロト / 真夏のストレート
youtube
0 notes