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読んだ���のレビューや考察、夢書きやってて思うこととか書いてます。
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mizuiroblog · 3 years ago
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【感想】青エク28巻
 ご無沙汰しております。更新ではなく感想の投稿ですみません。
 以下、青エク28巻(2022年11月4日発売)のネタバレを含みます。原作で明らかにされていない部分の考察、展開予想もあるので���苦手な方は自衛をお願いいたします。
 前巻から1年以上空いたので記憶がうろ覚えでして……、表紙見て「誰?」と思ってしまいました(笑)悪魔の角ってこんな具合に生えてるんですね。  さてさて、本編についてですが、気になっていたしえみとアマイモンの戦いは一旦の決着となりました。その最中でしえみのなかに蘇った記憶は、おそらくエレミヤとの会話なのではないかと思うのですが……初期のころのしえみの自信のなさは幼少期の育ち方が発端なのでしょうね。そして彼女の養育をシェミハザではなく、“伯父様”がやっていたことに嫌な予感がします……。じつはエンジェルとかと同じ悪魔の王のクローンだったりして。まだ確定じゃないですけど。
 暗い過去を匂わせる展開でしたが、そんななかでも、おばあちゃんとしえみのやりとりはジーンと来ました。修行中、「一人じゃ全然できなくて」と実力不足を痛感するしえみに「どうしてだと思う?」と問うおばあちゃん。「だって私 人並みにできないから いろいろ遅れてて」 と返すしえみに、「何故そう思うの?」と真剣な眼差しで問い直します。なんだか禅問答のようですが、深いなあと思いました。 「何故って──“そう”だから」 このとき、きっとしえみも気づいたのでしょうけど、「できない」、「劣っている」と思う根拠って案外乏しいものなんですよね。「そういうものだ」というある種の思考停止で早まった結論を出してるだけなんだよなぁって。なんかしみじみ思ってしまいました。  あと、意外だったと思ったのは白鳥くんの再登場でした。1巻からすでに予定されていたのか、話の成り行き上で出番がきたのかわかりませんが、懐かしすぎて時の経過を感じました。青エク読みはじめてからもう10年近いのか……。サタン勢は、ルシフェルは抜きにして、エギュンとイブリースが目立った印象でしたが、それも後のアスタロト(白鳥)を出すための調整だったとしたら加藤先生スゴすぎる……。メフィストいわくアスタロトは「聖人気取り」らしいので、今後どう絡んでくるのか気になります。  戦いは激しくなってきましたが(舞台が北極ってのがまた壮大でいいですよね)、まだまだ未回収の伏線があるので今後の展開に期待しています。
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mizuiroblog · 4 years ago
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【感想】青エク27巻
 以下、青エク27巻(2021年7月2日発売)のネタバレを含みます。原作で明らかにされていない部分の考察、展開予想もあるので、苦手な方は自衛をお願いいたします。
 年明け頃に加藤先生が体調を崩されたと聞いて心配でしたが、最新刊が発売されたということは大丈夫なんですかね……(・・;)本誌追ってないし、公式Twitterも見てないからヤフーのニュースで知ったんですけど、人気がある漫画家ほど激務でしょうから、ほんとお大事にしてほしいです……。  さてさて、本編についてですが、やっと、やーっと兄弟喧嘩が一段落しましたね! 前巻がなかなかに暗い展開で、気持ちが引きずられただけに、今回持ち直してくれて本当に良かったです。  「なんで俺を頼らない!?」と問い質す燐に、「お前だって頼らねぇだろ!」とプッツンする雪男。お互いに、相手から頼られない寂しさや無力感を抱えて、その反面、自分が相手に頼ろうとすることはないから余計に拗れて……なんだか胸が痛いです。長年に渡って作られた価値観ならそう簡単に変えられるわけもないでしょうし、だからこそ彼らの喧嘩はじっくり時間をかけて描かれたのかもしれませんね。 「過去を知れば… 頼らなければ 正しければ 力があれば 苦しみは終わるんだと思ってたけど――違った」 「僕を苦しめているのも 失敗を許さないのも 僕だ」 「僕は 僕を許したい」  痛み分け後、雪男が燐に言いました。なんかもう、ジーンときましたね。この答えに自ら辿り着けたことも本当に素晴らしい。  燐に「許さないって、誰が?」と聞かれて、ライトニングに「そんなに罰されたいの? なんで?」と問われて、京都での過ちを勝呂が水に流してくれて……。雪男が今まで一人で背負ってい��重荷をこれからは少しでも下ろしていってほしいですね。    奥村兄弟の喧嘩鎮静後、狙いすましたかのようにルシフェル陣営が姿を見せました。エギュンからエリクサーを受け取ったときのルシフェルの表情がまたいいんですよね。 「勝った」  少年か。かつてここまでイキイキとした光の王を見たことがあるだろうか、ってくらい表情豊かでした。顔の角度のせいですかね……?  ただ、守れた一滴のエリクサーについて誉に指示を出したとき、彼女が何かを躊躇っているように見えたのは気になります。サタンのうなじに注射したものがエリクサーだと思っていましたが、じつはすり替えてたりして……。光の王に心酔している誉なら、サタンより光の王を助けたいと思うかもしれないですしね。  そして、ついに地の王としえみの関係が明らかになりましたね~嬉しい! メフィストから言われた「お前の自由時間もあと僅かということだ」の意味は、あと少しで使い魔になるという暗示だったようですね。実質一年半、おばあちゃんに鍛えられてパワーアップしているはずなので、しえみが新たにどんな能力を身に付けたのか楽しみです。頑張れしえみ!
 一方、扉の外の世界では、プランb発動に伴い、対魔神封殺軍が召集されました。不浄王討伐のときに駆け付けてくれた海外の祓魔師や、劇場版に出てきたリュウ=セイリュウ(合ってます?)とか続々集まってきましたね。そして、極め付きは蟲の王(かわいい)のご登場。虫嫌いな志摩さんとひと絡みあったら面白いなって思いました。
 それにしても、ようやく足並み揃った感じで何よりです。メフィスト的にも燐と雪男が手を取り合う展開は「待ってました☆」と言わんばかりに嬉しいはず(最後のほくそ笑んだ顔なんて完全にキマってましたし……)すごいクライマックス感でてるので、この調子ならサタンもぶん殴れそうな気がしてきます(笑)
 新情報が出てきたので、夢創作再開しようかなーと思ってはいるんですが、いかんせん今パソコンを触れる環境になくてですね……続巻が出るまでにリライトを終わらせたかったけど、ちょっと無理そうです。まだ読んでくださってる方がいらっしゃるか分かりませんが、気長にお待ちいただければ幸いです。
 最後に、この時点でまだ未解明の部分をまとめてみたいと思います。自分用の備忘録なので、以下は読み飛ばしてください。
・メフィストの思惑(フィクサーすぎてもはや分からん。しえみの教導霊にさせるために、おばあちゃんのこと事故に見せかけて殺したんじゃないかくらいには疑ってしまう…)
・ライトニングの���体(じいちゃんと呼ぶアザゼルとはどんな関係?)
・宝ねむの正体(メフィストとはどんな関係? 今回の封殺軍で出てくるか?)
・迦楼羅の行方(勝呂との再契約あるかも?)
・ネイガウスとメフィストの約束(デビル☆バニッシャーの残り一発をどこで使うかも気になる)
・エレミヤ=ウザイの思惑(ルシフェル陣営なのは間違いなさそうだが…)
・エンジェルの正体(ルシフェル群実験体だとしたら、憑依体にされる可能性も?)
・子猫丸の参謀・情報処理スキル(まさか使わずに終わる…?)
・志摩の死亡フラグ(散々、周りから死ぬぞって脅されてきたけど、持ち前の図太さで生き残れるか?)
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mizuiroblog · 5 years ago
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【感想】麒麟がくる最終回
 ついに終わってしまった「麒麟がくる」。約一年も見続けてきただけあって、最近では最も思い入れのあるドラマでした。もう来週からは観られないと思うと寂しい気もするけど、それ以上に物語の結末を見届けられたことに胸がいっぱいです。コロナの影響で過去に例のない大変さだったと思いますが、毎話妥協しないクオリティには頭が下がります。キャスト・スタッフの皆様、本当にお疲れ様でございました!
 まだ再放送があるので、最終回のネタバレ感想は隠しテキストにしておきます。
 ネットでは「最終回まであと少しなのに、本能寺の変に間に合うの?」という意見が多かったけど、あらゆる場所にフラグを立てて、満を持しての“本能寺の変”だったと思います。
 そして、麒麟がくるで披露された新解釈が実に良いんですよね。従来、光秀の動機は怨恨とされてきましたが、ドラマを観ていると、もっと大きな信念のもとに彼は動いていたことが分かります。
 ちなみに、ドラマでは十兵衛のお母上が殺されるシーンはありませんでした。麒麟がくるの鋭い考察をされている方によると、なんでもそのエピソードは後世で創作された可能性が高いのだとか!(次週ついに本能寺! 森蘭丸の「無礼であろう!」が浮き彫りにした光秀、秀吉の危機【麒麟がくる 満喫リポート】 より)
 ビックリですよね~。でも創作だとしたら、それはそれで良かった。あの優しい牧さんが磔にされると思っただけで震え上がるから……。
 十兵衛の「世を平らかにする」という信念はドラマ開始時から一貫しており、作中で何度も出てきました。そんな終生の悲願を達成すべく、時には斎藤道三に、時には足利義昭に、時には織田信長に仕えてきました。その時々に、自分の主君こそが世を平らかにできると信じて。
 けれど、最後の主君である信長は戦のたびにパワハラ上司になっていく。人格的に気に食わないというだけならまだしも、彼の政策はますます平和から遠ざかっていくようにしか見えない。それが十兵衛には耐えられなかったのでしょうね。本能寺の変は、起こるべくして起こった事件なのだと改めて思いました。
 塀の上に見える水色の桔梗紋。それを目にしたときの信長の心情を思うと切ないです。出演者ラストメッセージで染谷さんも仰ってましたが、『攻めてきたのが光秀であったことへの喜び、悲しみ、切なさが入り混ざった複雑な感情』がそこにはあり、それらを見事に演じていらっしゃいました。
『長く眠ってみたい』
『二人で茶でも飲んで暮らさないか』
 暴政をふるう信長でも、こんな台詞が飛び出すほど戦乱の世。天下をとってなお、満ち足りることはないのだと思うと、なんか考えさせられますね。死が目前だというのに、信長にどこか安堵の表情が見えるのは、今までずっと走り続けて休み方を忘れてしまった自分に、誰か引導を渡してくれと心の奥底では願っていたからではないでしょうか。そして、兼ねてから一目置く十兵衛が相手だったからこそ、『是非もなし』という言葉が出たんですよね。
 本能寺にあがる炎を見つめながら、十兵衛が思い出を振り返るシーンは涙を誘います。朝の浜辺で初めて会った日のこと、二人で大きな国を作ろうと語り合ったこと……初期はあんなにピュアピュアだったのに、いつからこんな殺伐としてしまったのか……。あの頃に戻りたい。
 そういえば、本能寺の変前日、囲碁を打つシーン出ましたね!ヒカ碁の番外編でも取り上げられたシーンで、ちょっと興奮しました。しかし、どこが三コウになってたんだろう……。一瞬すぎて盤面ちっとも分からなかったです。まぁ、じっくり見ても分かんないだろうけど。
 十兵衛が天下をとった後から没するまでの描写ほぼなし(ナレーションのみ)、という展開は個人的にすごく気に入りました。歴史を知ってる私たちは、このあと中国大返しがあって秀吉に討たれると予想できるけど、物語として見たときに、この終わらせ方が最良であることは明らかです。十兵衛が竹槍に刺されて死ぬシーンを付けたところで蛇足にしかならないし、麒麟がくるの本筋は十兵衛の生涯ではなく、十兵衛が成し得たかったことだからだと思うんです。
 あまり詳しくないんですけど、十兵衛=南光坊天海って説があるんですよね。じつは生きているという想像の余地を残したラストは非常に夢があります。家康に託した手紙も、再来年の大河「どうする家康」で触れてくれたら嬉しいなぁ。
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mizuiroblog · 5 years ago
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―画像引用元:フリー写真素材ぱくたそ
 自転車で走っていると、どこからともなくいい香りが……ぐるりと見回せば、桃の花が咲いていました。ポッポッと膨らんで可愛らしい花ですよね。桜も好きだけど、桃の花の香りを嗅ぐと、春が近いんだなって毎年思います。
 最近は、青エクの小説を絶賛書き直し中です。イチから話を作るパワーはないけど、リライトだと少なくともネタには困らなくていいです。かといって、簡単かって言われるとそうでもないんですけどね。どんな状況だろうと、悩みは尽きない……。
 書き直しの場合、大筋にたいして影響のないもの���判断しやすいので、ゴリゴリ削っています。当初、改稿し終えたら旧サイトの小説も上書きする予定でしたが、削ったエピソードのほうが好みだったなんてこともあるかもしれないので、あのまま取っておこうかと思います。私自身は昔の作品ってなんかモゾモゾしちゃうんですけど(笑)改めて比べれば新たな発見があるかもしれませんしね。
 フォレストは1ページにつき6千ちょいまで入力できるのですが、xrie/xriaは1万字くらい入力できるらしく(測ったことはないけど)、ついついたくさん書いてしまいます。個人的には2千前後が読みやすいボーダーかな、と思っているのですが、皆様はいかがでしょうか。  ちなみに拙宅の青エク連載は、2~6千字と統一感がありません (+д+)  商業だったらまず採用されないヤツです。もちろん商業でやる気もスキルもないですけど……。
 ゴリゴリ削る反動なのか、あれもこれも症候群なんですよね。特に、夢主がメフィスト・アマイモン以外と絡む回で字数がかさむ……あれ、お相手誰だっけ?状態です。
 先の話と辻褄を合わせながら書いていることもあって、安定した更新はできないのですが、よければ道中お付き合いください。
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mizuiroblog · 5 years ago
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 黒執事の15周年記念でコミックス30巻まで読みました。公式太っ腹すぎる……。  私はアニメしか知らなかったのですが、原作はこんな面白いことになってるんですね。ビジュアルがとにかく綺麗な作品なので、ストーリーはおまけくらいに思ってた(超失礼)のですがビックリするほど伏線が秀逸。
 じつは以前ネットでネタバレ記事を読んでいたので、シエルの過去は知っていたんですけど、それでも既知なりの楽しみ方ができました。初見だったら完全スルーしてたシーンが多かったなぁ、って。枢先生の練り込み力が凄まじいんでしょうね。19世紀英国の雰囲気は保ちつつ、現代のエンタメをオマージュしているのも楽しかったです。
 読了してから興奮冷めやらず、勢いで夢小説探してしまったんですけど(笑)ジャンルの規模がそれほど大きくなくて「馬鹿な……!」と頭を抱えています……。みんなどこに隠れているんや……。たぶん書かないけど、お相手シエルの両片思い設定を考えてしまうくらいには黒執事好きになりました。
 色んな電子書籍でキャンペーンやってたみたいなので、これを機にまた改めて盛り上がるといいですね。私も新刊出たら買いたい。
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mizuiroblog · 5 years ago
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―倉知淳 シュークリームパニック 講談社(画像はYahoo!ショッピングより引用)
 明けましておめでとうございます。昨年に訪れてくださった方も、今年はじめて来てくださった方も、ありがとうございました。昨年はすべての方々にとって大変な一年となりましたが、今年こそ明るいニュースが聞けるといいですよね。2021年も当サイトをよろしくお願いいたします。
 自粛期間中に読書をしようと思ったのですが、集中力と想像力が足りなくて、気づくと文字を追ってるだけになります……。当然、内容なんて頭に入りません。なので、最近は短編集を読むようにしています。
 今回の感想は、倉知淳さんの『シュークリームパニック』に収録されている『現金強奪作戦!(但し現地集合)』です。タイトルが個性的ですよね。オチをネタバレすると最高につまんなくなるので、隠しテキストにして綴ります。
 主人公は家賃が払えず取り立てに喘ぐ青年「サトウ」。物語は、そのサトウが後楽園のウインズでハズレ馬券を拾い集めているところから始まります。なんでそんなことをしているかっていうと、もしかしたらその中に当たり馬券が混じっているかもしれないから。そんな有るかも分からないものを頼りにしなければいけないほど、主人公はジリ貧でした。
 そこへ声をかけてきたのが「サクラダ」という一人のオッサン。 「兄ちゃん、金、欲しいないか?」  見ず知らずの人間から出し抜けに尋ねられて、怪しさがハンパないです。絶対ヤバイ仕事だ、と思いつつもサトウはジリ貧。話を聞いてしまいます。
 ちなみに持ち掛けられた話は銀行強盗だったんですけど、追い詰められていく人間の心理が短いながらも順序だてて描かれていて、強盗が悪いことだって分かってはいるけど、それでも主人公には同情してしまう。ドン底にいる人間に甘い話をしてはいけません。1000%乗っかってしまう……。
 ただ、すごい暗い話かというとそうでもなくて、滑稽な表現が多いです。ギャグミステリといった感じ。  たとえば、主人公は高校卒業後に上京して仕事に就いたらしいのですが、そのときの経験を語ったのが以下。 「焼きあがったメロンパンがベルトコンベアで流れて来るので、それをトングで挟んでひっくり返す。ただただひたすら、ひっくり返す。メロンパンが流れて来る。それをひっくり返す。メロンパンが流れて来る。それをひっくり返す。一日九時間、延々とそれを繰り返す。メロンパンが流れて来る。それをひっくり返す。人間的な感情が、耳の穴から流れ落ちていくのを感じた。たまの休みのパチンコや競馬が、唯一の楽しみだった。そして休み明けには、メロンパンをひっくり返す。メロンパンが流れて来る。それをひっくり返す。おかげで今もってメロンパンが食えない。あの甘い匂いを嗅いだだけで気が狂いそうになる」  こんなにメロンパンって書くことないよね……(笑) 「特技といえば、メロンパンをひっくり返すことくらい」  とダメ押しの自虐も忘れません。
 この話の山場は何といっても銀行強盗当日。  サトウはいわれたとおり、ターゲットにしている銀行に客を装って入店します。迎えた決行時刻。目出し帽を被った仲間が「動くなっ、おとなしくしろ!」とお��まりのセリフで行内にいる人を黙らせます。  主人公も拳銃(モデルガン)を高々と見せつけるように掲げて威嚇。けれども、仲間はいつまでもその場を動きません。立ち尽くしています。なんか事前に聞いていた段取りと違うんだけど……!
「おいおい、何やってるんだ、僕の役目はあんたを補佐して金を運び出すことなんだぞ。あんたが動いてくれないと、こっちも何もしようがないじゃないか」
 胸中では焦りまくっている主人公。それでも他の目出し帽たちは微動だにしません。
「人質の皆さんも、手を挙げたまま止まっている。指示も命令もないので、困惑し始めているのがありありと判る。表情も、当初の驚きや恐怖が薄れ、きょとんとした顔つきになってきた。『えーと、どうしたらいんでしょうか、私達は。何かした方がいいんじゃないでしょうか』とでも云いたげである」
 この皆が皆、「今の時間、何?」状態なのが面白いです。その空気���見事に表現できているところも素晴らしいし、それまでの軌跡からは想像もつかないような展開であることも意表を突かれました。
 じつは持ち掛けられた銀行強盗は、別の場所で銀行強盗を成功させるための囮だったわけです。イヤーやられた。ちなみに一緒にいた仲間と思っていた目出し帽たちは、サトウと同じくサクラダに話を持ち掛けられた哀れな子羊。本物のサクラダは別の銀行を襲撃してちゃっかり逃げ遂せていたのでした。これぞ現地集合が招いた悲劇……。
 じつは今回読むのは二度目でして、やっぱり一度目ほどの驚きはないものの、時間が経っても印象強く残っている作品です。この本には六編収録されているけど、私はこれが一番面白かったですね。
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mizuiroblog · 5 years ago
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ーいがらしみきお ぼのぼの名言集 上 竹書房(画像はgoogle booksより引用) 
 ぼのぼの、かわいいですよね。私はシマリスくんが好きです。  子どもの頃、友達に漫画を借りて読んだことがありました。そのときは正直あまり面白く感じませんでしたが、今になって読むとその奥深さに驚かされます。  そんなわけで、今回は読んで心が楽になった名言をピックアップしていこうと思います。
“後でこまるんだったら 後でこまればいいじゃねえか” (アライグマくん)
 はぁぁ、私もアライグマくんみたいに生きたい(笑)「備えあれば憂いなし」というけれど、必要以上に考えるのも動けなくなっちゃいますよね。老後の心配も、しすぎて今が疎かになるのはよくないんだろうなぁ。
“生き物は絶対こまるんだよ” (スナドリネコさん)
 そうはいっても、できることなら「困りたくない」ですよね。ぼのぼのも「困りたくない」です。そこへやってきたスナドリネコさんが言うセリフもまた深い。「生きてる限りは絶対にこまる」んだそうです。そして「こまるのは絶対に終わる」とも。この「絶対」が強調されてるところがミソ。
“自分で在れ 自分だけで在れ それによって孤独を背負わされようともじゃ” (オオサンショウウオさん)
 何かになろうとすると、ちょっと苦しい。何かになれないとわかったときも、やっぱり苦しい。よく「一般的」という言葉が使われますが、そこに自分をあてはめようとしてはまらなかったとき、寂しくなってしまうことはあります。けど、そこで感じる孤独なんて、自分を失うことに比べれば大したことないんだなぁと気づかされた一言でした。
“できないことを守れ” (オオサンショウウオさん)
 生きるってじつはシンプルなこと。そこに余計なことをつけ足すから、そのぶん不幸も増えるのだとオオサンショウウオさんは言います。欲張りすぎてもダメなのだと、潔く開き直るのも大事なのかもしれません。
“「おもしろい」のは 変わるけど 川みたいにどんどん流れて いくんじゃないよ 落ち葉みたいにどんどん上に 重なるの” (ヤマビーバーくん)
 話変わりますけど、最近noteで「好きの摩耗」という記事を読みました。「自分の好きを人と共有すると熱が冷める」みたいな内容でした。  ちょっと違うけど、私にも似た経験があります。頭の中にあった妄想を文章化してしまうと、それまで柔軟だったイメージが固定されて、それ以上を楽しめなくなるような気がしてるんですよね。  だから、書きかけの連載を終わらせたら、もう夢に興味を持てなくなるんじゃないか、と地味に怖がってました。そんな私からすると、この言葉は救いです。「あ、別に消えてなくなるわけじゃないんだ」って。
“どれくらい やりたいかで 決まるものさ” (アライグマくんのお父さん)
 「できないことってのはな どれくらいできなかったかで 決まるんじゃねえよ」からの上記セリフ。できないことなんていーっぱいあるけど、そのできないことってのは「やりたいこと」か? そう聞かれると、別にできなくてもいい気がしてきますね。
“別なことばっかりやってる一生? それも悪くねえだろ” (アライグマくんのお父さん)
 「できないなら、別のことをやれ」と言うおじさんに対し、「一生何もできなくて別のことばっかりやってたらどうなるのかなぁ」と尋ねるぼのぼの。そこへきた上記のセリフ。アライグマくんのお父さんって気性荒すぎ(現代風に言うとDV)だけど、言ってることは奥深い。
“趣味というのは 役に立たないことなのでぃす” (シマリスくん)
 なんか自分でも「囚われてんな~」と思うのですが、お金を稼げない=無価値みたいに考えるとしんどいですよね。たしかに、趣味=仕事にできればさぞ効率がいいでしょう。けど、仕事にしてしまった以上は自由な部分も狭まるわけで、どっちがいいかは人によるはず。「いいじゃんやれば、好きなんでしょ」ぐらいのスタンスでいきたいものです。
“はじめての人と遊ぶのは すごく難しいのだ なぜって はじめてだからだ” (ぼのぼの)
 そうです。初めてなんです。最初から完璧なんて、そうそうないんですよね。  ちなみに、上記のセリフはシマリスくんの腹違いのお兄さんと遊ぶことになったとき、ぼのぼのが思ったことです。家族だろうと親友だろうと関係ない。「初めて」なんだから難しい。ちょっと忘れがちな事実だなって思いました。
 以上、ピックアップでした。なんか私の自己肯定感の低さを露呈した感じになってしまった(笑) 気が向けば下巻にも触れていきたいと思います。
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mizuiroblog · 5 years ago
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【感想】ドラマ おじさんはカワイイものがお好き。
 ピクシブで連載している漫画を読んでいたところ、ドラマ化されると聞いて観てみました。主演の小路さんを眞島秀和さんが演じるのもテンションが上がる! 共感ポイントも多すぎて、毎週楽しみなドラマでした。ということで、以下最終話までのネタバレ感想です。
 このドラマの面白いところは何といっても『モノローグ』! 見た目カッコよくて、キリッとした表情で仕事するおじさんが、「ああ、早く帰ってパグ太郎を愛でたい」とか考えてたりするんですよ、楽しい。職場や街中で、思いがけずパグ太郎を見かけたときのテンションの上がり方とか(もちろん表情には出さないけど、モノローグでは「あああああっ!!」ってなってる)楽しい。
 世間の目を憚りながら愛でてるところも親近感が湧きます。眼鏡拭きを落としたときの「脱走!?」って驚き方もユーモアありますよね。いやもちろん、小路さんからすればオタバレ危機という絶望的な状況なんだけど、見てる方としては思わず笑っちゃいます。
 そして、ここにきての鳴門さん好感度がうなぎのぼりでした。さすがニュー鳴門。ケンタ君との距離に悩む小路さんに対し、鳴門さんはなかなか深いこと言うんですよね。 「人が二人以上いれば、絶対に摩擦は起きる。でも、しょうがないじゃないですか。出会っちゃったんだから」  友達って時には煩わしいこともあるけど、それはほんの一面に過ぎないんだなぁって思いました。良いことも悪いこともひっくるめて、それでも一緒にいたいが勝ったとき、その人は自分にとって大切な友達なんだなぁって。 「ただ、自分が選びたいほうを選ぶ。猫のように」  そんな生き方ができたらいいなって私も思います。
 ラスト、ついに決心してケンタ君に会いに行くシーンは感動ものでした。いつも胸に秘めちゃう小路さんが「君に会い��ぁぁい!」って叫びながら走るところも気持ちが出てました。ケンタ君が感極まってうずくまるところも、うるっときます。気持ちが伝わるって素敵なことですね。タイトルふざけてるのに(失礼)テーマがなんとも深いドラマでした。
 そしてパグ太郎と対面したときの小路さん最強にかわいい。 「小路さん行きましょう!」 「い、いいから……」 「行きましょう!」 「いや、いいから……!」  腰引けすぎ(笑)なのに、握手したらしたで手を離さないという……。こんな気絶寸前になるくらい好きなものがあるってうらやましいなぁ。
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mizuiroblog · 5 years ago
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押し付けない
 この前、ヒルナンデス!を見たときのこと。ちょっと感動したのでメモしておきます。
 にこるんの愛称でおなじみの藤田ニコルさんと、バイキングの小峠さんが出ているファッションレスキューのコーナー。名前から分かるように、ゲストの私服をコーディネートする企画で、私が見た回では納言の薄幸さんが出ていました。最新のお笑いは詳しくないんですけど、やさぐれキャラでブレイクしている芸人さんのようです。
 私服の色は黒と白、革ジャンにクロックスが基本スタイルの幸さんに、にこるんはグリーンのロングスカートを提案します。幸さんはというと、普段であれば絶対に選ばないスカートだったから戸惑い気味。
 この手のファッション改造系コーナーって、ゲストが拒んでも「えー、絶対似合うよ~」とか上手く言いくるめて、ある意味無理やりイメチェンさせられてるような気がするんですよね。まぁ、そのほうが番組も盛り上がるのでしょうけど。
 でも、にこるんは「無理はさせたくないから」といって、あとのアイテムを幸さんの好きな黒で統一させてたんです。なんか目から鱗でした。こういうときだいたいゲストの気持ちは置き去りになるものだと思ってたので、着る人の嗜好も考慮しているところにすごく好感が持てます。押し付けないって大事。
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mizuiroblog · 5 years ago
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【感想】あの花(アニメ)
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』  “おすすめアニメ”で検索すると、軒並み高評価を付けられている作品です。気になって観てみたところ、評判に違わず素晴らしいアニメでした! 自分でも引くぐらいボロ泣きです。ということで、恒例の(?)感想投下。ネタバレありなので隠しておきます。
 まず、幕開けが秀逸なんですよね。主人公の高校生、じんたんがインスタントラーメンを茹でてるシーン。鍋を持つ彼にへばりつくように、めんまが「めんま、かき玉がいいなぁ!」とおねだりしています。  最初見たときは「やけに子供っぽい女の子だなぁ」と思ったけれど、じんたんのお父さんや幼なじみのあなるが不自然なほどめんまをスルーするので、そこでようやく「あ、じんたん以外には見えないんだ」と気付くわけです。先の言動も、記憶が亡くなったときのまま止まっていると考えれば納得ですよね。この見せ方が魅力的。
 会いたいけど、会えない。伝えたいのに伝わらない。王道ともいえるジレンマが何度も何度も涙を誘います。「じんたんにしか見えない」からこそ起こる軋轢にハラハラとさせられながらも、最後の最後でめんまが皆の前に姿を表したときのカタルシスといったら、もう……! 最終話は尋常じゃないくらい泣きました。超平和バスターズ凄すぎるぞ……!!
 めんまがいい子なのも、また泣けるんですよね。死んでしまったあの日、じんたんに酷いことを言われたにもかかわらず、じんたんの為に戻ってくるとか切なすぎる。しかも、戻って来はじめの頃はじんたんから邪険にされてしまうのに、それでもめげずに寄り添ってあげるところが本当に優しい。精神年齢的には年下なんだけど、ものすごい包容力があるんですよね。
 最後のお別れが「ごめんね」じゃなくて、「ありがとう」なのもいい。めんまは恨んでなんかいないのに、残された側としてはどうしたって自責の念に駆られてしまうものです。たとえ本人が望んでいないことだとしても。直接、話せないがゆえにすれ違ってしまい、時が経とうと自分が心の中で勝手に作り出したイメージにいつまでも責められ続ける。そんな心理が苦しいほど伝わってきました。だからこそ、「ありがとう」というメッセージは救いに思えたんですよね。もう傷つく必要はないのだと言われたような気がして。
 すれ���いといえば、このアニメは恋愛もなかなかこじれていて見どころです。あなるはじんたんが好きで、ゆきあつはめんまが好きで、つるこはゆきあつが好きで、じんたんは……と、好きな人のベクトルが入り乱れる恋愛物語は割りとある話でしょうが、過去に友人を亡くしたという共通のトラウマが物語を複雑に、残酷なほど美しく見せています。何年経っても好きな人が忘れられない系の話は本当にツボ。移り気より一途のほうが感情移入もしやすくて好きだなぁ。
 最近、「良作は二つのストーリーを設定している」という記事を読みましたが、あの花はまさにそれだなぁと思いました。めんまのお願いを叶えることがひとつのストーリーだとしたら、じんたん達が過去と向き合い乗り越えていくことがもうひとつのストーリーなんですよね。  記事を書いている人いわく、一つ目のストーリーは達成できなくてもいいのだとか。たしかに、序盤はめんまのお願いを叶えようとじんたん達は奮闘しますが、徐々に「叶わなくてもいい。ずっと一緒にいたい」という方向にシフトしていきます。まぁ、結果的には「じんたんを泣かす」お願いは叶ってめんまは成仏してしまうわけですが、二つ目の「過去を乗り越える」ストーリーも同時進行しているから、結末は寂しいだけで終わらない清々しさがあります。めんまは消えちゃったけど、代わりに大事なものを得たというスタイル。鉄板だけど芸術的な構成だなと思います。
 とにかく泣けるアニメだったけど、作品全体にほんのり漂う懐かしさも私は好きです。たとえば、子供の頃に打ち上げ花火を作ろうとしたのを思い出して、懐かしむシーン。そのとき描いた拙い計画案に苦笑いしながらも、 「あの頃はこんなんでも本気で飛ばせると思ってた」 とじんたんが溢します。 「あの頃は高校生なんてえれぇオッサンに見えたけどよ」 とぽっぽが続け、 「あの頃のほうが何でも出来そうな気がしてた」 と感慨深くあなるが締めくくります。めちゃくちゃノスタルジーですよね。もう、すっごい共感しました。思い出になった“あの頃”のキラキラ、ほんとどこに行っちゃったんだろう(笑)子供のころに怖がっていたオバケも雷も大人になれば怖くなくなるのに、大人になった今のほうが怯えるものが増えた気がするなんて少し皮肉……。  でも「懐かしい」って思えるものがあるって素敵ですよね。あと何十年もすれば今の出来事も「懐かしい」に変わるでしょうけど、子供のころに経験した出来事は今から増やすことはできないわけで、そう考えると子供のころに好きだった食べ物とか漫画とかゲームとか訪れた場所とか、懐かしい気持ちにさせてくれるそれらは生涯の財産なんだなって思います。
 なんか話が逸れてしまったので、最後に 『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』というタイトルに触れて終わりにします。  公式からはアナウンスがないっぽいので、「意味は受け手次第です」ってことなんでしょうかね。よく牛乳瓶にハルジオンが挿してある絵が映るので、それが関係してくるのかなと思ったけれど違った模様……。じんたんが最後に語った言葉の文脈からすると、めんまを指しているようにも聞こえますが、それなら「名前を知らない」ってどういうことだろうと疑問に思いました。今は気付けないけど大人になったら気付ける感情とか、そういったニュアンスなのか……? めんまが打ち上げ花火を「空に大きなお花が咲いた!」と表現しているので、この花火のことだったり、あるいは花火を見ている自分達の心境だったりを表しているのかもしれません。
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mizuiroblog · 5 years ago
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雑記
 ヒカ碁連載についての雑記。あとがきっぽいけど、まとまりがない文章なのでブログで書こうと思います。
 最後のほう、地味に毎日更新していました。『小説家になろう』とか『ハーメルン』とか、定期更新されてる人が多いので真似てみたんです。といっても、私の場合は一日一話書き上げたのではなく、書き溜めたものを一話ずつアップしてただけなんですけどね。したがって、執筆スピードがあがったわけではありません。一日二行も書けなかったりするのに、一日一話なんてとてもとても…… (遠い目)   そんなわけで、書いてすぐにアップする私としては初の試みでした。ただ、修正作業で読み返しまくったせいでもうお腹いっぱいです(笑)やすりも削りすぎると直らなくなってしまうので、塩梅が難しい。
 連載の設定にある「ヒカルの従姉」と「佐為の想い人のそっくりさん」は、昔の私の妄想をそのまま使っています。そのときは物書きをしていなかったので、夢想するだけで満足していました。のちに夢小説を書いたなんて、あの頃の私は想像もしていなかったことでしょう。  そして、小説を書くには設定以外にもプロットを用意せねばならないわけで、ここがやはり難所でした。下書きにベタ打ちしてみたものの、展開が強引だったり、辻褄が合わなくなったり……。
 そこで何百度目になるかわからない行き詰まりを機に、小説ツールを使ってみることにしました。検索すると結構たくさんあってビックリです。私の場合は、①PC・スマホ対応で、②PCにアプリを入れずに済んで、③何話で張った伏線をどこで回収するか一目で分かるようなツールを探しました。小説本文にマーカーを引いて、メモを挿入できるタイプが理想でしたが、①や②をクリアできなくて「まぁ、マーカー引かなくても分かればいっか」ということでNolaさんにお世話になることにしました。まだ使いこなせてないけど、起承転結機能で全体像を把握しやすいし、ゴールも明確になるのでよかったと思います。サイトの編集画面と二窓で使うと作業も捗るうえ、文字数表示があるのも嬉しい。Nolaさんには感謝です!
 その起承転結を崩さないよう優先した結果、今回はあまり寄り道をしなかった気がします。寄り道、嫌いじゃないですけどね。お相手以外のキャラクターと接するのも楽しいですし。  ただ、それには技量が必要で、私の場合は収拾がつかなくなることが目に見えていたので、展開に必要な人だけ選り抜きました。そのせいで、女性キャラなんて出せたのはヒカルのお母さんと三谷のお姉さんだけ。奈瀬やあかりも出したかった……! エピソード思いつかないけど、芦原さんとか門脇さんとか、永夏とか秀英とかも出したかった……! 続きを書くことはないけれど、佐為が戻ってきた以上、夢主が彼らと出会う可能性もゼロではないのかな、なんて妄想だけはしてます。
 さて、今回は少数精鋭(?)作品でお送りしましたけど、なかでも緒方先生は書いてて一番楽しかった。比較的、書きやすかったんですよね。saiへの執念ゆえ、小説の転換部分で上手に立ち回ってくれたというか、ストーリーの推進力がハンパじゃなかった。26話で登場させるか迷ったけど、「これだけのキャラをフェードアウトさせるのはもったいない!」と急きょ来ていただきました。夢主にはあまりよく思われてないみたいですけど(なんか自然とそういう方向になっちゃうんですよね、なぜだろ)でも、最後のほう少し紳士感を出せて満足です。  逆に難しかったのは、意外にも伊角さんでした。夢主と一対一で会話させたとき、ゴールになかなかたどり着けない(笑)おそらく彼のキャラクター云々ではなく、出したタイミングによるものでしょうけど。20話は一番筆の止まった回だったと思います。もう19話で凍結にしようかなって思うくらい、あのときは書けなかったなぁ。  あと塔矢親子も難しかったです。アキラなんて初期プロットには出てきてなくて、「一回くらい出しとくか」ぐらいのノリだったんですよね。だから本筋としては出さなくても成立してしまうという……。もう少し出番があってもよかったな、という気持ちで本因坊の挑戦者になってもらいました。でもセリフがない(笑)大好きなキャラなんですがね。難しいね。
 この小説の本因坊戦は少し盛りすぎ感があったかもしれません。17歳11ヵ月でのタイトル獲得は都合がよすぎると自分でも思います。原作でヒカルは15歳のときに森下先生と対局して負けていますが、本来ならそれが自然なのでしょう。低段者はリーグ入りすることはおろか、二次予選で勝ち抜くことすら難しい。  けれど、拙作のような出来事が遠くない未来に起きるんじゃないかなとも思うのです。2019年、囲碁界では史上最年少となる芝野虎丸新名人が誕生しました。19歳11ヵ月という快挙です。つい最近(2020年7月)には、将棋界で藤井聡太新棋聖も誕生しましたね。こちらはなんと17歳11ヵ月。若い世代の方の活躍って、なんだかワクワクしてしまいますね。  というわけで、これから天才がどんどん生まれてくる期待も込め、拙作では進藤本因坊を誕生させました。ヒカ碁ワールドの将来も現実同様、輝かしいものでありますように。
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mizuiroblog · 5 years ago
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― 霧島けい 憑きものさがし 九十九字ふしぎ屋 商い中 光文社時代小説文庫(画像はAmazonより引用)
 譲ってもらった本なので、第二弾とか中途半端なんですが、第一弾を読まなくても楽しめる作品でした。全体的に軽やかな筆致で、結末まで息継ぎなしで読めてしまいます。ということで、以下ネタバレありの感想です。
 主人公のるいは、江戸の九十九字屋に奉公する15歳の少女です。ある日、店に持ち込まれたのは、赤子のように泣き出すという枕。るいには幽霊が見える不思議な力があり、こうして持ち込まれる不思議な品々の謎を追って奮闘する姿を描いています。  毎度思うことですが、面白い作品は引き込ませ方が素晴らしいです。特に一次創作は、世界観の情報も一から伝えないといけないわけですが、説明文ばっかりだと情報量が多すぎてパンクしちゃうんですよね。こちらの作品はとにかく掴みがよかったです。ちょっと冒頭を抜粋すると、 「あのう、すみません。もう一度お願いします。……その枕が?」 「いや、だからな。この枕が」  皐月に入って間もないその日、九十九字にやってきたのはまだ若い職人風の男だった。  とあるわけですが、なにやらごたついてるような、これから何が起きるんだろうと読者に期待させる始まりかたですよね。なかば押し付けられた枕を店主命令で面倒みることになったるいがちょっと不憫ですが、持ち前の明るさと周囲の賑やかなキャラクターたちのお陰で微笑ましく感じられました。  加えて、この作品は伏線の回収が非常に親切だなと思います。たとえば、るいが幽霊の男の子に未練の訳を尋ねるシーン。八幡様のお祭りにいた彼は、「なんだかおいら、呼ばれた気がしたんだ」と言って傍らにいる迷子の少女を見つめます。しかし、彼が幽霊になってここにいたのは数日以上も前の話、かたや少女が迷子になったのは今日の出来事です。  そのタイムラグに、るいはちゃんと言及してくれるんですよね。読者が疑問に思うタイミングできちんとるいも疑問に思ってくれます。だから回収��で忘れにくい。気づきにくい作品は「あー、そんなこともあったような……」と回収時には記憶が曖昧だったりするんですけど、「なるほど、そういうことだったのね!」と腑に落ちやすかったです。ページを目繰り返さなくて済む、っていうんでしょうかね。  かといって、構成が単純というわけでは決してなく、ミステリらしいどんでん返しもあるので楽しいです。第二話の「祭礼ノ図」は、絵画に入り込んだ八人の幽霊たちを成仏させて元の絵に戻すというお話でしたが、やっと終わったぁってところで九人目が出てくる展開が熱かったです。そんなの聞いてないんですけど!って調子のるいと、さっさと行くぞと素知らぬ風の冬吾にもニヤニヤしちゃいました。  すでに会った八人は未練を断ち切ってやることで成仏させられましたが、九人目の画家だけはどうすることもできず、その寂寥感が夕暮れの舞台というのも相まってジーンとしました。ほっこりした読了感でよかったです。
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mizuiroblog · 5 years ago
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―杉本苑子 竹ノ御所鞠子 中公文庫(画像はAmazonより引用)
 今回は鎌倉時代の小説を読んでみました。「竹ノ御所」は鎌倉幕府二代将軍、源頼家の娘です。歴史の中では、かなりマイナーな人物といっていいでしょう。  ということで、以下ネタバレありの感想です。
 主人公はタイトルの通り、竹ノ御所に住む鞠子ですが、視点は母親の刈藻を中心に展開されています。そのせいか、序盤は「これ、タイトル鞠子にしなくてもよかったのでは」なんて思ってしまいました。  けれども、結果として鞠子視点より、刈藻視点を選択したほうがラストを引き立てるには良かったのだと考えを改めました。この話は鞠子の死で結末を迎える悲劇なわけですが、そこに居合わせる刈藻の心情を思うとやりきれないんですよね。死ネタでも、死んじゃうキャラより、残されたキャラが絶望する悲しみのほうが涙を誘われますし、悲劇の中心人物である鞠子よりも、彼女の幸せを心から願う刈藻のほうが、他者を思いやる分、感動したのだろうと思います。
 途中、鎌倉時代の政争を記述するシーンがあり、歴史を知らないとちょっと読みにくいかもしれません。しかしながら、教科書を読むよりは頭への入り方が違うので、学生時代にもっと歴史小説を読んでいればなぁと思いました。たとえば承久の乱が起こったとき、この人物はこう思ったのかななんて想像ができると、少し歴史が身近に感じられそうですよね。もちろん、フィクションなのですべてが史実ではないですけれど、明らかになっていないからこそ、それを逆手にとって自由に創作できるところが歴史小説の面白いところだと思います。
 たとえば、本作のオリジナルキャラクターである僧侶の忍寂。占いをした彼は鞠子に対し「30歳まではお命安泰」と告げます。政治の表舞台から離れ、ひっそりと竹ノ御所で暮らしていた鞠子たちにとって、その不吉なお告げは幾度も母子の心に暗い影を落とします。結末が悲劇と分かっていればなおさら、この糸を引くような演出は読み手の焦燥を最後の最後まで駆ったのではないでしょうか。
 もうひとり、重要なオリジナルキャラクターである少女の妙(たえ)。彼女は竹ノ御所前で行き倒れているところを発見され、介抱された後そのまま屋敷の使用人になります。肝の据わった妙は、新しい環境でも見る間に馴染んでいきますが、同じ奉公人であり、鞠子の恋人でもある諏訪六郎に好意を持ってしまったせいで、屋敷を追い出されてしまいました。  もちろん、せっかく出したキャラクターがそのまま退場となるわけもなく、終盤のとんでもないところで再登場を果たします。この伏線がね、本当にすごいんですよ。そのとき、鞠子はすでに六郎との間に子をもうけていましたが、源氏の血を引く彼女に世継ぎを産ませるべく、北条政子によってわずか13歳の名ばかり将軍と結婚させられてしまいます。もしここで、既婚者だとバレてしまえば、六郎も生まれた子供も幕府に殺されてしまうため、鞠子たちはその事実をひた隠しにしてなんとかやり過ごしていました。しかし、将軍主催の宴に招かれた白拍子(俗にいう遊女)のなかに、あの妙が混ざっていたことで事態は急転。舞の上手さを買われて将軍の近くへ進み出ることを許された妙に対し、「どうか何も言わないでおくれ……!」と刈藻は心の中で強く願います。しかし、彼女の祈りも虚しく、妙は「わたしを袖にして姫さまに乗り換えた諏訪六郎が、こんどはみごと、将軍家に妻をとられた」と暴露してしまうのです。まさに震え上がる展開でした。これぞシェイプシフター。
 構成もさることながら、情景の描写も素敵な言い回しが多かったです。たとえば、「食膳を、毎日のように賑わした筍の季節が去ると、採り残した今年竹がすくすく伸びて、翡翠の玉簾を張りめぐらしでもしたように、邸内は浅緑の反射光に包まれる」という一文。竹ノ御所は文��通り、竹林のなかにひっそりと佇む屋敷で、そこから見える景色は“翡翠の玉簾をはりめぐらしでもしたように”幻想的だったのかなぁと想像に浸れました。ささやかな幸せと圧倒的な悲劇のコントラストに惹きつけられる作品だったと思います。
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mizuiroblog · 5 years ago
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【感想】青エク25巻
 以下、青エク25巻(2020年6月4日発売)のネタバレを含みます。原作で明らかにされていない部分の考察もあるので、苦手な方は自衛をお願いいたします。
 この一冊を、泣かずに読むことはできない。そのくらい超感動作でした。今まで練りに練られた伏線たちも一気に回収されていくので、情報量はあれど、読者の期待に応えた巻だったのではないでしょうか。  ちょっと上手くまとめきれる自信がないので、巻頭から順を追って触れていきたいと思います。まず青い夜が起きて、視覚も聴覚も失ったサタンがユリを探し求めるシーン。そこで行き着いた先がルシフェルだなんて、運命のいたずらというにはあまりに悲運な展開でした。ルシフェルも悪意があるわけではなく、慈悲のつもりでサタンの肉体を爆破しているところもツラい……。  ユリに傷つけられたと誤解したサタンは怒り狂い、各地で災いを引き起こします。子猫丸の両親や志摩家の長男、矛造もここで出てきましたね。ところで矛兄、イケメンすぎませんか? めちゃくちゃカッコいいのにもう退場なんて早い……。  アザゼル(の巨人代理をしてる人?)が出てきたとき、若かりし頃のライトニングも登場しましたね。このころは眼鏡で、今は前髪で隠していて、彼の瞳に何か秘密でもあったりするんでしょうか。このとき何かの審査中だったと思われますが、一大事だというのにひとりだけキャッキャしてて、性格は相変わらずなのが笑える。  シェミハザの娘はしえみのお母さんでほぼ間違いなさそうですが、そのお母さんを「シエミ」と呼んだのは気になります。母子で同じ名前……? このあたりはまだ判然としてないんですよね。「天原の庭」の話をしてくれたお祖母ちゃんはこの時代のシェミハザでしょうが、じゃあ祓魔屋の女将さんは誰? 現シェミハザがしえみのお母さんのはずなので、おそらく姉妹とかですかね。  今回は王族勢の新しい能力が結構出てきて、ワクワクが止まりません。個人的に一番カッコよかったのはシェミハザの「皇気」だけど、メフィストのロリポップバリケード(名前は知らない)も印象的でした。肩越しに「ここからは私が引き受けましょう☆」の顔がいかにも悪魔で好きです。獅郎的には「どのクチだよ、ピエロが」って感じでしょうけど。  というか、聖騎士のアベル=フランケンってメフィストの子供��んですかね? 24巻で「誰かに似てねーか?」って燐が言ってるので、サマエルクローンかなと思っていたけど、まさかの巨人説? でも、その割に時の力は使ってないんですよねぇ。どちらかというと火属性攻撃だったし。もしイブリースとの子供だったら火属性になりそうだけど、敵対するルシフェル陣営にいる彼女と子をもうけるのは不自然な気もする……。うーん、また謎がひとつ増えた。  それと、ついに蟲の王がご登場されたわけですが、無気力すぎて笑えました。アマイモンといい、八侯王って下にいくほどやる気なくなっちゃうんですかね……? サタンの肉体もってきたヤツが優勝ってことで、悪魔の王たちが一同に会するシーンの吹き出しも可愛い。見た感じ、アザゼルとアルムマヘルは不在っぽいですね(水晶の吹き出し=アマイモンで解釈しました。違うかもだけど)メフィストの吹き出しは時計の針ですかね……長針短針秒針みたいな(これも違うかもだけど)現代で受肉している王のうち光・時・水・地の四人は登場済みですが、ほかの王たちも今後出てくるのでしょうか。楽しみです。  見返してたらまた泣いちゃったんですけど、「…春になったら 豆まきをしよう」から始まる未来絵が、もう悲しくて悲しくて……。このページにはユリと獅郎と燐と雪男がいて、普通の家族のように四季をめぐる温かい日々があるけど、現実にはユリがいなくて、15年育ててくれた獅郎ももういないのだと思うと本当に切ないです。  ユリを失った瞬間、獅郎が叫んだ後悔には胸をえぐられるようでした。そこに追い打ちをかけるような絶体絶命のピンチ。「ちょーどいいや このまま死んじまえ」と命を投げ出したくなる獅郎の絶望を思うと、ほんとツラくて……。でも、死を選びたくなるくらい愛しい人だったら、生きる原動力にだってなりえるんですよね。獅郎が命を捨てようとした理由がユリならば、まだ生きたいと思わせた理由もユリだったわけですから。 「サタンの子供だって 俺だって 誰だって いつかは死ぬそれまでは ただ 生きてていいんだ」  燐と雪男を拾い上げて、獅郎が言うセリフ。「ただ生きてていいんだ」はジャンプ史に残る名言ではないでしょうか。そしてこの言葉こそが、青エク全体の根底に流れるメッセージなのだと思います。「生きる価値」なんて考えなくていい。生きることに理由も資格も本当は存在しないんですよね。ただ自分で生きづらくしているだけで。25巻は特にそれが身に沁みた巻だったなぁ。  舞台は現代に戻り、神隠しの鍵を使った燐は、獅郎が生きている時代へ導かれます。このシーンはねぇ、もうほんと、もう……!(語彙力)親の偉大さ、ありがたみが切々と伝わってきて、すっごく良かったです。帰り際に燐が「父さん ありがとう」ってところも号泣だけど、獅郎の「なぁに 大したこたぁしてねぇよ」も爆泣き。子育てなんて大変に決まってるのに、こうやって軽く言ってのけてしまうところに親の愛を感じます。  過去に決着をつけた燐は、再び神隠しの鍵を使って雪男のもとへ。なんか左目を潰そうとなさって(?)たので、間一髪なタイミングだったのかも?(これもメフィストの計算の内だったら末恐ろしいな……)いよいよ次巻はドミナスリミニスに舞台が移りそうですし、これからも目が離せない作品です。
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mizuiroblog · 5 years ago
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―画像引用元:フリー写真素材ぱくたそ  6月に入り、街中でアジサイを見かけるようになりました。綺麗な花ですよね。  漢字で書くと「紫陽花」が一般的ですが、ほかにも「味狭藍」や「安治佐為」、「阿豆佐為」と表記することもあるそうです。……佐為!?(つい反応してしまう笑)はっきりとした語源は不明ですが、安治も阿豆も日本の地名みたいですね。では佐為はというと、検索かけてもおなじみの佐為さんばかり出てくるので語源わからず(笑)  ヒカ碁の二次創作作品で「佐(た)すける為」と書いていらっしゃる人がいて、「おお、素敵……!」と感動したことがあります。補佐という言葉があるように、もともと「佐」は「助ける」という意味合いがあるんですよね。  そう考えると、原作の「私はヒカルのために存在した」というセリフにも深みが増すような気がします。雨が降るごとに色づいていくアジサイを見ながら、しみじみと感じ入る今日この頃でした。
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mizuiroblog · 5 years ago
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自分とかけ離れた存在
 ヒカ碁連載、20,21話アップいたしました! 前回の話を書き上げた後、風邪を引いて間が空いたこともあり、感覚を取り戻すところからのリスタートでした。下書きメモには「伊角さんとか出したい」っていう、当時の願望だけが残されていて、「アバウトかよ」と頭を抱えました。おかげですごい難航したうえ、アップしておきながら「これ、書き直しの可能性あるかも」ってくらい手応えナシです。もし、これまでのイメージと違っていたら申し訳ありません。  それと、サイトのデザイン上、ヒカ碁の表記をhkGoにしているんですが、これで伝わってますかね(今更感) じつは見出しを日本語にするとフォントが崩れてしまうので、アルファベットにせざるを得なくて……。でも、使ってる人を今まで見たことがない(笑) たしか鬼滅の刃は「kmt」なんですよね。それで最初、hkgにしようとしたのですが、「いや、これ絶対わかんないよ」と思ってhkGoにしました。でも、やっぱりわかんない(笑) ちなみに私は、よろずサイト様にお邪魔する際、お相手の名前を見て判断するので困ったことはないですが、皆様はどうでしょうか。  話は変わりまして、21話での塔矢先生について。個人的には「つかめないキャラNo1」だったりします。何を言わせても、何をやらせても頭に疑問符が付いてまわるんですよねぇ……。会話も全く広がらないし(笑) 一体、塔矢先生は何を考えてはるんや……(白目)  単純に、私の考察の甘さや表現の乏しさも要因ですけど、それに加えて、自分と考え方が違いすぎることも理由の一つではないかと思います。まぁ、相手は元五冠の棋士ですし、似てなくて当たり前ですけど……(汗)  昔、「作者は自分より頭のいいキャラを書けない」みたいな話を聞いたことがありますが、これもそういうことなんでしょうか(逆に言えば、塔矢先生をはじめ個性溢れるキャラクターを動かせるほった先生は天才である)  そもそも、動かしやすいキャラクターって、何なんでしょうね。セリフも登場回数も多く、行動機序がしっかりしていても、一概に簡単とは言えないし。  個人的には、強気よりは臆病。天真爛漫よりは、どこか影のある人格。天才肌より努力型に気持ちが偏りやすいように思います。本来はツンツンしてるのにマイルドな性格になってたり(ハンターのキルアとか)、明るい性格なのに思いつめちゃったり(ハイキューの日向とか)奇妙な改変が起こることも多々あり……。割といろんなキャラを犠牲(?)にしてきたけど、それでもやっぱり行きつく先は「書いてて楽しいのが一番」なんですよね(開き直り)  ヒカ碁の連載もぼちぼち大ヨセに入りました。執筆速度にムラがありすぎて、書き始めてからそろそろ一年が経ちます。これからもマイペース更新��なると思いますが、お付き合いいただけましたら嬉しいです。
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mizuiroblog · 5 years ago
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【感想】麒麟がくる
 現在放送中の大河ドラマ「麒麟がくる」。今回は明智光秀が主人公ということで、その真新しさに惹かれて観はじめました。戦国時代はたいして好きじゃないけど、ドラマの脚本と役者さんの演技が素晴らしくて、毎週食い入るように観ています。   ということで、以下ネタバレ(5/3放送「大きな国」※土曜の再放送で追ってる派は注意)を含む感想です。
 この回、ついに斎藤道三と斎藤高政の父子が対決することとなって、周囲の人物もその戦へ身を投じていきます。戦争を歴史でしか知らない身としても、戦が始まる前の独特の空気はそら恐ろしく感じました。狂気を含んだような、もう誰にも止められない時代のうねりというか、そういう雰囲気がすごく伝わってくる回です。
 なかでも印象的だったシーンが、明智光安(=光秀の叔父)が、大事にしていた小鳥を逃がしてやるところ。十兵衛(=明智光秀)に対し、  「明るいうちに、逃がしてやろうと思ってな」   と漏らす様は、なんと哀れのそそられることか。第一話からすんごく可愛がっていたのを知っている視聴者なら、断腸の思いで鳥籠の蓋に手をかける光安に胸を打たれたことでしょう。   普段はちょっと優柔不断というか、大事な決断は甥の十兵衛に託すことが多く、道三に対してもハッキリNOと言えない光安。それでも、その優しさゆえにどこか憎めなくて、周りが殺伐としていても、彼のコミカルな振る舞いには何度も癒されてきました。そんな光安が高政に反旗を翻し、従来仕えてきた道三の為に刀をとると言うのですから、戦とは悲しいものですね。ああ、これを書いているだけで思い出し泣きしてしまう……。
 そして、もうひとつ印象的だったのが、やはり斎藤道三と十兵衛のやりとりです。戦を止めてほしいと説得しにきた十兵衛に対し、道三が言ったセリフがこれまた渋いんですよね。高政が出生を偽っていることに触れて、  「人の上に立つ者は、正直でなくてはならん。偽りを申す者は必ず人を欺く。そして国を欺く。決して国は穏やかにならぬ」   さすが、美濃の守護代をやっていただけあって、言うことが違いますよね。現実主義者と揶揄されることもしばしばですが、そんな彼も大きな善のために生きていたんだなぁと思います。   出陣していく道三の背を、十兵衛はどんな心持ちで見ていたのでしょうか。戦を止められなかった無念もさることながら、かつての主君である道三に報いたい気持ちもあったのではないかと思います。鉄砲を探しに旅へ出たときも、そのお代として費用を工面してもらったときも、なんだかんだ道三には可愛がってもらいましたしね。ときには道三の無茶振りに頭を悩ませもしたけれど、今になって思えば素晴らしい主君だったわけです。ちょろっと出てきた回想シーンにも思わず涙が溢れました。
 結果として、十兵衛は道三に味方するわけですが、私としてはこの成り行きにホッとしてます。どうしても明智光秀=裏切り者ってイメージが強いので、もし圧倒的兵力のある高政の陣営についていたら興醒めしていたでしょう。じつは、十兵衛って忠心深く、私利私欲とは程遠い人柄なんですよね。
 余談ですが、十兵衛の妻である煕子は疱瘡を患っていたのだとか。そのせいで顔に痕ができてしまったのですが、十兵衛は美醜を気にすることなく妻として迎え入れたそうです。なにその美談……! 十兵衛の好感度爆上がりするから、そのエピソードもやってほしかった……。ちなみに、ドラマの煕子さんは美肌です。
 次週はいよいよ、道三と高政の直接対決。けれども、現状では新たに収録できないので、あと数話放送したら一旦ストップとのこと。おのれコロナ許すまじ!! ということで、全国の猫さんたちがコロナをやっつける動画を見て、憂さ晴らししようと思います。
めちゃ��ちゃ癒された pic.twitter.com/k22IosTzOy
— 錆兎 (@animenetabot) April 28, 2020
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