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���次創作置き場。 小説中心に、イラスト、漫画、ゲーム制作など節操なし。
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nok0000xxxx-blog · 8 years ago
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憑屋よもやま話第五回『問題児二人』
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今回は憑屋の問題児二人組の話です。
追記から。
黒霧鮮観について 問題児その1。謎の病弱美青年、もといラスボスです。 まずコンセプトから。最初から敵役として立ち回るのは決まっていました。憑屋自体、「勇者が魔王を倒すRPG」の類型…つまり、最初から最後の目的がハッキリしている、単純な造りの物語としてデザインされていました。ので、敵もわかりやすく、ということでとりあえずコイツが敵になる!という非常にざっくりした設定から組んでいきました。初期考は今よりもかなり悪人面でやばそうなマスクとかもしている、まあ明らかに悪役デザインでした。そこから、しかし旅の最終目的はヤマトに大殺生石を届けることで、魔王の打倒が目標ではない。ではどう絡ませるか?となって、悪役も大殺生石を狙っていて〜という流れを考えて、でもそれで毎回襲いかかってくるのじゃつまらんな、となり、では敵もヤマト神宮を目的地としたら付かず離れずで絡ませられるのではないか?となり今に至ります。 この段階で、あからさまな悪役路線は変更になりました。敵の目的として日ノ国の滅亡は最初からわかりやすい脅威として設定してはいましたが、造形を進めていく過程で何故滅亡させようとするか?という動機を考えた結果、滅亡は手段に過ぎず、滅びを美としその様を見、導くことが目的、となりました。つまり行為は悪そのものですが、本人に悪の意識はないというサイコパスめいたキャラクターに組み上がっていったわけです。 なので、明らかに怪しいキャラクターで最終的に敵になることは見え見えでも、基本的には主人公に敵対する理由はないので会えば友好的という動きをさせました。ただ、ほぼ全編通して幕ごとのボスが出てくる理由は彼という図らずも邪魔をしていたみたいな構図にはしています。怪しいヤツアピールに余念がない。
次になかなか描写の難しかった彼の人間像のこと。 基本、人間が好き。人の営みを愛し、万物万象��慈しむ仏のような人間。これが彼の基本骨子であり、そこに表も裏もありません。 好奇心旺盛、享楽主義者、他人の喜びも嘆きも全て己が享楽となす、“楽”の感情のため生きている。ほぼ常に脊髄反射で生きている自由人、とも。 彼の何が異常かとすれば度の過ぎた享楽主義者の側面よりも力に対する執着でしょう。これは幼少期の経験に起因します。万物万象を愛でる性格自体は昔から変わらなかったのですが、それは美しい花が花弁を散らすことも含めて…つまり滅ぶその様さえも慈しんでいたのですが、アヤカシにより母親の体が目の前で千々になった時に、それと全く同じ美を見出してしまったのです。今の今まで生きていたモノが、ほんの一瞬、強大な力の前に塵芥となる。純粋な力による蹂躙。そこに美を見出したために彼は力を求めました。復讐でもなく、身を守るためでもなく、今まで愛でていた人々を散らしその様を愛でるために力を得ようとしました。そして行き着いた先がマガツヒノカミだったわけです。滅びの美を追求した結果が、彼の選んだマガツヒノカミと融合し日ノ国を滅ぼすという道だったのです。それすらも、滅びが目的ではなく滅ぶ様を愛でることが目的だったわけですが。 また、人を害することに関しても同じく人は愛でるが殺すことは厭わないという価値観です。最近いい例えが思いついたのですが、豚を可愛がるけど豚肉は食べる、その価値観をそのまま人間にスライドさせると黒霧鮮観の価値観に近いものになるのではないかと。 この破綻した美意識と倫理観を持ちながら、飄々とした洒脱な人柄であり、多少いいかげんなところはあるものの懐が大きい人物…に見えるのがミソです。作中では意図的に胡散臭く演出はしていましたが。 作中ではさほど言及はされませんでしたが、彼は非常にモテます。その上彼自身も色好みで、全国に老若男女問わずパトロンを持ち、全てを虜にしています。全てを受け入れる彼の懐(まず、嫌いなものがないので拒否すること自体がないが)は心に隙を持った人には覿面で、そうした人々は自然と彼に魅入られてしまうのです。美貌もさることながら、その精神性が人を誑かす最たる要因です。ただし、南雲一行などの芯をしっかり持っている人達は直感的にうさんくさいと感じるはずです。 彼は憑屋としての力に長ける一方、体にアヤカシを憑かせすぎて虚弱体質になっているため自力で路銀を稼ぐこともままなりませんが、それでも旅が出来ているのは彼に魅入られた人々の援助あってです。彼のコンセプトの一つにあるのが「蚕」です。どちらかといえばカイコガか。庇護なくば生きて行けない、でも人を惹きつける何かがある。みたいな。ちなみに貰ったお金や食べた人が持っていたお金は彼の中の「百鬼夜行」から自在に取り出せます。マダラに渡していたお金の出所はそこ。手から砂金も出せる。イメージのひとつに「カ●ナシ」もありました。実は。 本人は悪性ではないが存在そのものが悪性、その上作中での行いは享楽のためにしたことなので同情の余地もない。倒すべき悪役としてはある程度の限界点に至ってくれたのかなと個人的には思っています。そうじゃないと倒しにくいでしょ?
ついでに彼の最終的な相棒、もとい共犯者マガツヒノカミについても。決戦時、マガツヒノカミに変じた段階でアザミ自身にはほとんど自我はありません。マガツヒノカミは無数の負の気から産まれた神であり、そこにアザミが今まで取り込んだ有象無象が混ざって最終戦のあの姿になっています。あの姿に変じた時にはもうアザミもマガツヒノカミと融合した有象無象と同列に溶けています。ので、最終戦後南雲とヨマによって打倒される時にマガツヒノカミの漏らした「死こそ人の安寧」というのはアザミではなくマガツヒノカミの弁です。 マガツヒノカミも人の負の心などから生まれた神なので、彼(或いは彼女)なりに人々に安らぎをもたらそうとした結果があれです。アザミは力を手に入れることが目的なので人がどうなろうが知ったことではないので。人に信仰された神、人から生まれた神、突き詰めて人のために神たちが、必要がなくなったから、その神の愛は人にとっては害だからと人の手により打倒され消えていくのはイズモのエピソードにも掛かってくるところではあります。そう考えるとマガツヒノカミも可哀想かもしれない…? ちなみに最終戦のマガツヒノカミの姿はアザミの面影が幾ばくかありますが、仮にアザミがもう少し自我を残していたらまんまアザミがマガツヒノカミに取って代わった可能性もあります。つまり、異形化せずにマガツヒノカミすら食っていたかも、という。それが出来るだけの器、才能はありましたが、器としてはかなり物理的にガタが来ていたのでそうはならなかった、という話です。
憑屋としての彼の話。 何体もアヤカシを憑かせているので基本、彼の内部でごった煮になった有象無象を中から出してブン殴る、そのまま食べるというスタイルを取っていますが、実は南雲と同じく変身も出来ます。変身して個々の個性を使う必要がないくらい有象無象で殴った方が強くなっているのでしないだけです。 ちなみに金には困っていないものの、たまに気まぐれに興味がそそられたものに首を突っ込んで憑屋みたいなことをしています。SS『死人、花に請う』の孔雀との出会いがそれ。余談ですが『死人、花に請う』は本編公開前に後悔された小話、『死人花に乞う』がタイトル元です。こちらもアザミと孔雀の話。そぞろ語りです。
デザインの話。
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最初期ラフです。見るからに悪人というか、敵。ニヤニヤしてすらいねえと来たぞ。ヤバげなマスクしているラフはどっか行きました。見つけたら上げたいですね。
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第二稿。色ラフ込みです。この頃もまだまだ悪人面。着流し、包帯、勾玉、モジャ髪など基本パーツはこの時に決まっていた模様。
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ほぼ決定後のイメージ絵。よく見ると後ろに……。この頃もまだまだまだ悪人面気味。立ち絵を描いた段階でどんどん柔和になってきたような気がします。カラフルな女物の着物みたいなのを着せる、というのが初期の案でしたが、黒字に椿柄の服の方が逆に大物感あるな?とわりあいシンプルな柄に路線変更しました。何故椿かというと、不吉なイメージの花を使いたかったが彼岸花とかだとベタかなと思ったため。椿も十分ベタだろというツッコミは尤もです。アザミ(薊)じゃねえのかよ!はい、そうです。
ちなみに首、両手首、両太腿に包帯を紙の代わりにして作った呪符を巻いていますが、これは中のアヤカシを抑える為のものです。そのため、まだそこまで力をつけていなかった時…ヨマと会っていた頃は首にしか呪符を巻いていません。
あと、両頬にある赤い線は痣で、霊力が高い人間に出る身体的特徴です。頬に限らず、目元、手など人によって出る場所は様々ですが概ね顔まわりに出る人が多いです。
加々美孔雀の話 憑屋の問題児2。アレな方向に振り切ってしまった人ですがわりと好きとか言ってくれたり憐れんでくれる人もいました。マジ?わかるけど……。立ち位置としては悪役というか敵役。とはいえ、彼は藍銅との再戦以上に望むことはないので藍銅がいなければラスダンで���ボスとして出ることもなく、アザミと一緒にマガツヒノカミの中に溶けていたと思われます。 先に言っておくと、当初はあそこまで振り切るつもりはありませんでした。本当です。元々は藍銅を出すことになった段階で考案した藍銅のライバ���キャラで、生前敵軍同士で藍銅に執着していた、というストレートなライバルキャラでした。まあ2号ライダーみたいなもんです(?)が、それだけだと味付けが足りない、というか一方的にライバル視されているだけでは藍銅側に思うところがなさすぎるので元々は味方同士だったが裏切った、という風に路線を変えました。で、煮詰めたら…ヤツはハジけた。傾国のヤンデレ侍の誕生です。ちなみに初期から人斬り設定はありました。悪役としてわかりやすい記号なので。
人物像の話。真面目でありやんわりとした皮肉屋毒舌家(京都人らしいともいう)(京都の人ごめんね)、基本的には面倒見が良く常識人。これが基本骨子で、そこに人斬りを好むという猟奇的な思考が在る。そんな人。 武士道の人なので基本的には女子供には優しく(甘やかしはしない)、敵意のないもの、武器を持たない者は斬らない。性癖にさえ目を瞑ればいい人です、おそらく。 作中ではヒャッハー!な面しか確認できませんが、生前はそれなりに人斬りの性と向き合い苦悩をしていました。藍銅とのことも、藍銅の剣に憧れと尊敬の念を抱く傍ら、友である彼と斬り合いたいと思うことに対しておかしい事だと感じてはいました。が、とあることをきっかけに吹っ切れてしまい大虐殺を起こし、結果藍銅と死合うことになります。事の詳しい顛末は、いずれ公開予定のスピンオフ「蒼龍戦史」にて。 ちなみに彼の人斬りの性の始まりは藍銅に剣の道に誘われた事が根源的な理由(その道さえ知らなければこうならなかった)ですが、性癖として拗れた理由はまた別のところにありまして、その要因と藍銅への憧憬が魔融合した結果が屯所大虐殺、そして作中の二度目の決闘につながります。スピンオフを待て!!(尻叩き) ちなみに彼が色事を厭う理由は父親が色事にだらしなかったことに起因します。服の趣味が派手だったりところどころ異国風なのも行商人として反物を扱っていた父親の影響。 藍銅への執着の起因は、彼の『情熱』を見せられたから。孔雀は基本的に天才肌で、なにをやらせてもそつなくこなすもそのため情熱に欠ける幼少期を送っており、そんな折に出会ったのが一心不乱に剣の道に励む少年でした。その姿に、自分にない眩しい何かを感じてしまったのでしょう。それがSS『桜の記憶・紅』にて描かれたことです。 ちなみに孔雀の名前��由来は鳥のクジャクではなく、孔雀石の方。ウ●キ先生で「藍銅鉱」を調べてみろ!私は全く狙ってなくて設定が組み上がった後に知った石の関係性ですが、偶然にしては出来すぎているので憑屋開発時の怖い話ベスト3に入る逸話です。石言葉もなかなか…。
彼の戦闘スタイルについて。これは作中で殆ど再現する場がなかったので書くところです。まあ趣味です。特技は瞬歩、とにかく足が速く、一振りも速い。一歩で三歩分の間合いを詰める、高速の剣技が特徴です。目にも止まらない刀裁きは超絶速すぎて一振りで三度斬りつけることも可能とする魔剣です。これが、孔雀戦後彼の刀を調べると習得できる『嘴刃三連』。 藍銅の剣が剛であるなら孔雀の剣は柔の剣。孔雀は左利きの稀有な剣士(矯正しても直らなかったので左利きで通している)ですが、通常使われない左利きであることも相まって素人が彼の剣を見切ることはほぼ不可能です。まあ、デザイン段階で間違えて刀を左差しにしてしまったことに理由をつけただけなのですが。 余談。彼が戦闘時に特定の技を使用した時に喋るセリフ、『恋ひ死ねと するわざならし むばたまの 夜はすがらに 夢に見えつつ』ですが、これは古今集の歌で『夜ずっと夢に出てくるのは、恋死にをせよということらしい』という意味だそう。約100年出来るかもわからない再戦を、記憶すら摩耗しながら待ち続けた孔雀の想いを端的に表しています。さすがにこの演出はやりすぎたかと思いましたが、まあ勝手にキャラがここまで振り切れてしまったならこちらも振り切ってやらないと失礼だろう…という作者なりの礼節から盛り込んだネタです。ちなみに、HPが半分以上と以下で歌の前半部後半部どちらを読むかが変わります。データ上はこのセリフを喋る特技の名称は『相死華』。相思華(彼岸花)が由来です。
デザインの話。
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最初期。糸目、おかっぱ(現在は前下がりボブっぽくなりましたが)は最初期から決まっていました。というか、糸目を出したかったというか…。最初は洋装の新撰組みたいな感じのデザインにしようとしていました。その名残がロングブーツやハイネックのインナーです。
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ほぼ決定稿。色合いもここで殆ど決まっていますが、確か元ネタの孔雀石に寄せて髪色は石の色��ぽくしたような。服の孔雀柄は最初期のほうが自己主張が激しく、今は腕周りにさり気なく入ってるくらいにとどまっています。特に理由はなく、キャラの記号として盛り込んだ柄ですが冷静になって考えるとお前自分の名前好きだろ?というところがシュールというかなんというか。
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で、インナーの資料。他のページにも掲載はしてありますが。よくそのヒール履いて人斬れるな?ちなみに刀の種類は太刀だったはず。銘は『極楽鳥』。
個人的にこの人のデザインは憑屋中で一番フェティシズムを盛り込んだデザインでして、まあ糸目赤目、ロングブーツ、裾の長い服、高身長細身、刀、彩度の高い緑髪等など……心の底からロマンしか詰め込んでないのでさりげに一番描く頻度が高い人かもしれません。いやあ、絵映えするんだこの人…。まあ作中の行動(戦闘狂とか執着とか)から関西弁から何から何までこの人に関しては全部趣味ですが。実はいてもいなくてもいいキャラではありますが、まあそこは中の人のモチベーションの為です。大事だよ、趣味。
問題児二人組ですが、この二人の関係性については共生関係、なお主導権はアザミに在る。が適当でしょう。 孔雀自体、体はすでになく刀を依代に現世に留まっているので今の体はアザミの霊力から与えられた仮初の肉体です。この仮の肉体はすべて擬似的なものですが、汗、涙は出るし、血も出ます。実体を持っている霊体ですね。ただし、心臓は動いていないし血管も流動していない、擬似的にカタチを真似たものに過ぎませんが。この体を維持する霊力の提供者がアザミである以上、孔雀はアザミに逆らえませんがアザミの方は別に彼を縛る気は毛頭ないので好きにさせています。アザミが他の取り込んだ有象無象と違って孔雀を顕現させているのも、アザミの内部に取り込まれても保てるだけの強い我を持っていることに興味を持ったからなので。 孔雀がアザミの面倒を見ていることも、アザミの命令ではなく孔雀が自発的に(ほうっておくとだらしないと思って)やっていることです。苦労人だね。開発室のプロフィールをみてもらうとわかりますが、そういった要因から孔雀の天敵がアザミというわけです。 二人は同時に憑屋のエログロナンセンスの担当でもあります。エロ要素は全年齢対象のため殆ど描写はされませんでしたが。
作中ではイケイケな蛮行を繰り広げた二人(主にアザミ)ですが、作者としてはかなり奔放かつ色々と深淵じみたキャラクターとなったかな?と思うのでお気に入りです。 さて次回���何の話にしましょうか。サブキャラクターか、世界観の用語などについての話か…。またいずれか書きたいと思います。それでは今回はこれにて失敬。
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nok0000xxxx-blog · 8 years ago
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憑屋よもやま話第四回『南雲一行』
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というわけでよもやま話も第四回。南雲一行、具体的にはシノノメ、ミカヅキ他アヤカシ組、藍銅のお話です。
ネタバレにつき続きからどうぞ
猿鳶東雲について
当初は私が忍者という概念が好きだから忍者を出そう!という超適当なノリで生まれたヤツでした。それも軽薄な忍者が好き。いや堅物な忍者も好きですが、まあそこはそれ。そんな超短絡的な動機で、話に絡ませやすいように主人公とはマブダチってことにしておこう!と「自称」南雲仁の親友として登場と相成りました。この時点ではさほど彼の過去については詳しく考えていません。
その後話を詰めていく過程で、僧侶と忍者が友達ってどういう繋がり?っていうところから本編のあの流れで友だちになった、っていうところまで漕ぎ着けました。
南雲と出会った当初のシノノメは食うに困った親に売られ、生ける武器『鋼刃衆(※1)』の武器のうちの"一本"として活動していました。人権ゼロの鉄砲玉。そんな彼に与えられた任務の一つが、神楽宮暗殺の任務でした。政治的な実権こそ握らないものの、神楽宮は日ノ国でも強大な法力を持つ人物なんで命を狙う人間なんてゴマンといたわけです。そんな人らの鉄砲玉としてその時向かわされたのが名無しの少年。のちの猿鳶東雲だったわけです。
で、そこで出会った仁少年に「死んでもいいとかいうな」と叱責され、これまでの人生で躾けられたことはあれど叱られたことのないシノノメ少年はカルチャーショックを受けるわけです。しかもそのあと命を狙った相手には許されて逃され、ある意味で途方に暮れたわけです。失敗したから戻ったら死ぬしそれでいいと思っていたけど、命を粗末にするなと怒られ、その言葉が頭にこびりついて離れず、なぜだか戻ることが出来なかった。そこで彼の人生が変わりました。ちなみに仁少年が彼に怒ったのは、南雲に関するよもやま話でも書きましたが殆ど八つ当たりに近い動機なのですがまあシノノメ少年は知る由もありません。ある意味相手のことを思っての言葉よりも八つ当たりだからこそよかったのかも。
その後仁、キクリに再会し、名前を与えられ、彼らと普通の子供のように遊んで、そこで初めて彼は人間性を獲得しました。嬉しい、楽しいという感情をぼんやりながらも得て、そこからようやく猿鳶東雲という人間の人生が始まったわけです。
それからは紆余曲折あり忍の師朧月の銀狐(※本編SS・忍の心得に登場)に拾われて忍者としての道を歩み出します。現在のシノノメがおちゃらけたムードメーカーになっているのは師の影響が強いです。特に女好きになったあたりは。ただ、彼が身をおくこととなったコーガの里に来た当初は少年漫画のライバルキャラのようなクールボーイでした。何があったの?ちなみに現在のコーガの若き当主とはほぼ同期でマブの戦友だったりします。
ともあれ、修行時代に人格形成が行われ今に至ります。現在の性格になったのは関わった人の影響もありますが、仕事上関わった人間から人間性をトレースして『どのような振る舞いをすると効率よく相手を油断させることが出来、かつ周囲に溶け込めるか』を研究した結果でもあると思われます。とはいえ、打算で作り上げた人格も時間が経てば立派に彼の『性格』足り得るものになっている筈。
忍者になれたことは彼の人生としてはかなり大きな意義となりましたが、仕事柄汚れ仕事は多く、そのことで南雲やキクリに大して引け目が出来てしまっているところがあります。そのあたりがSS・ヒトゴロシの夜などで言及されている話。南雲やキクリ、出会った後はヨマなど、生まれ育ちの悲惨さもあり周囲の人々に対して無意識的に『自分よりも綺麗なもの』として認識しがちなところがあります。自分一人で汚れ役を買って出ようと考えるところがあるのはそのあたりが原因。そして軽蔑はされてもいいけれど相手に気���わせるのは嫌だ、というところにそういった部分を隠す理由があります。結果自分を軽視しがちなのも生まれに由来がありますが、ただこのあたりについては幼少期に南雲に叱られたこともあり何も考えなしに自分を犠牲にしようということはありません。手を汚すのは厭わないけれど、死ぬのは御免。何故なら仁ちゃんが怒るから。そんな感じ。
ちなみにシノノメが決め台詞として言っている、「音無し、香無し、名無し、その功天地造化の如し」の元ネタは「音も無く、匂いも無く、智名も無く、勇名も無し。その功、天地造化の如し」という言葉。万川集海という忍術書に書かれている言葉です。音も匂いもなく功績が残っても誰も知らない、名前も残らない。天がそうしたように思わせる…という意味だそうで。シノノメがこれを決め台詞にしてるのは師に教えられたのと、あと口に出すとカッチョイイからだけであって別にこれを言っている時はこれの意味するところを意識はしていないです。ただ、生き方はそれに沿うようにしてはいるそうですが。
デザイン関係の話をします。実は殆ど一発デザイン。ほぼ決定稿となったのがこちらです。
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この頃はわりと全体的に頭身低めでデザインしていました。変更点は指ぬきグローブじゃなくなったところくらいかな?余談ですが巾着袋に入っているのは兵糧で、クナイや手裏剣などは服の内側に隠していたり忍術で召喚したりしています。
あと、髪~顔の作りに関しては猿鳶の『猿』を念頭に置いて猿っぽくしてい���す。もみあげが内側に来ているところと、眉毛が末広がりなところ。猿っぽくない?そうでもない…?垂れ目は趣味です。なんとなく、女ったらしは垂れ目にしろと遺伝子がそう囁く気がしています。
ちなみに初期配色案はこちら。
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今よりちょっと胡散臭い気がします。ただ、南雲、ヨマともに紫要素の多い配色だったのでコイツまで紫にしたら色が偏るな…と考えてボツにした。…ような気がします。
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あとこちらが幼年期のラフ。おまけに南雲氏も。立ち絵とはほとんど変わっていません。
※1)鋼刃衆…『人鍛冶師』という人を武器として作り変える刀工集団により『打たれた』人間武器の集団。心を��し、刀として、或いは暗器として日夜誰かの命を奪うために生きるモノたち。起こりは憑屋より100年ちょっと前、日ノ国における戦国時代から。それなりに平和になって暫く経つ今でもその行いと技術は連綿と続いています。今なお日ノ国の各地で暗躍し、そして鉄砲玉の如く彼らは死んでいっています。何度か仕事をこなし、実績がついてそれなりに高価な『武器』になると武器としての銘が与えられます。それまでは名無し。シノノメはまだ銘が与えられる前の状態で南雲たちに出会ったわけです。
ミカヅキたちの話
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超初期の南雲withアヤカシズ。つららがニーハイ履いてるとかビミョ~な変化がありますが基本コレから変わっていません。
まずミカヅキについてですが、アヤカシをお供に旅をするという話なわけでわかりやすく、こう、ピカチ●ウみたいなマスコットがほしいというところから生まれました。で、どんな妖怪を引き合いに出すかとなった時に、猫又あたりが一番ポピュラーでわかりやすいだろうと思ったのですが、猫又って属性、何…?となり単純な猫又にするのは没。その後少し妖怪について調べて、火車という存在に行き着きました。猫!火属性!実にわかりやすいじゃあありませんか。まあ実際の伝承の火車は死体を奪い去るというわりとおどろおどろしい存在ではありますが、ミカヅキはまだ仔猫なのでそのへんはご容赦を。南雲につかず、火車として大成していたらそういう方向に行っていたかもしれません。
実はミカヅキはこの最初の4体の中では一番南雲とは付き合いが浅いアヤカシです。それでも常に一緒にいるのはなんだかんだで一番馬が合うから。と、霊装時の相性がいいから。子供なので裏表がないところが南雲的に気に入ったのでしょう。ミカヅキの方も、南雲のツンデレ気質を理解しているのでなんとなく放っておけなくてついてきています。懐いているとも言う。
出会いはミカヅキの住処だったところを荒し回っていた大アヤカシを南雲が退治して云々、という感じ。
お次につらら。彼女はわかりやすくお色気要員と、わかりやすい妖怪要素を担っています。というか、初期4体は全体的にわかりやすさを優先して選定をしてはいますが。
彼が他に誰を想っていても南雲仁を愛している、愛に生きる乙女。とはいえ、別に南雲仁とは添い遂げられなくてもいいと思っています。誰かを想っている状態が楽しいから南雲に恋をしている感じ。両思いになると溶けてしまうさだめを持っているので一方的に片思いさせてくれる南雲だからこそ真っ直ぐ愛することが出来るというか。
SS・みんなの南雲でも描かれたことですが、つららはどうにも優しくて甘い女なので愛する人の哀しみを勝手に分かち合いがちな���性です。愛し合って自分が消えてしまったら、自分は満足だけれど相手はその喪失の哀しみを負わなければいけない、それはイヤ、だったら私を愛さないような人を愛そう、みたいな。勿論、南雲の心根の優しさもしっかりと理解してそこもきちんと、というかそこをメインに愛しています。
南雲との出会いは、昔惚れた男に騙されて見世物小屋に売り飛ばされ、見世物にされていたところを助けてもらったとかです。
ショウキチ。泥田坊という妖怪が元ネタです。微妙にマイナーなんだろうか。どうなんだろう。とにかく土属性のアヤカシをねらなきゃいけないから、わかりやすそうな妖怪を…と選んだのが泥田坊でした。デザイン的には記述にある特徴をマイルドに、デフォルメして描いただけで特に捻りはないです。
イズモの守護していた村の村民で、死後アヤカシとなってからは生前の恩義もあってイズモと交流を持っていました。南雲との関係もそこからで、4体の中では一番南雲と付き合いが長いアヤカシです。イズモ亡き後、南雲がスサノオへ行くまでは彼が面倒を見ていました。南雲からすればもうひとりのおじいちゃんみたいな感じです。親戚の喧しいおじいちゃん、の方が近いか。南雲がスサノオから旅立ち、憑屋として活動をはじめた折に再会。レギュラーメンバーとして南雲の助けとなるべく彼と契約をします。
コクリコ。みんな大好きヤタガラス。でも足は三本ない。とはいえ、この人鳥姿は省エネモードで鳥モードはちゃんと足が三本あったりするのではないでしょうか。今考えました。
鳥キャラは、まあ趣味ですね。趣味です。案外つららとはいいカップルというかコンビのような気がします。お七イベントのあたりとか。元はイズモの住んでいた山の住人で、イズモや南雲とは普通に近所付き合いのような間柄。イズモが生きていた頃はショウキチほど密な関わりはなく、イズモの死後に一人になった南雲の様子をチラチラ覗いてこっそり守っていたような感じです。同じ山に住むよしみというか、まあコクリコさんはいい鳥なので。南雲と契約したのはショウキチと同じルート。ちなみに第二幕で仲間にできる天狗のミカゲさんとは犬猿の仲という裏設定がありますが、そもそもヤタガラスと天狗の種族仲自体があまり良くなかったりします。鳥種問題。
ところで普段くっついてるミカヅキはともかく、他の3体や河童の平太とかは時々出てくるけど普段どうしてるの?という話ですが。作中で霊装図鑑として閲覧できる『霊帖』がまんま契約書とワープの座標指定を兼ねています。仲間になったアヤカシを霊帖に登録し、霊帖を通じて仲間にしているアヤカシに呼びかけると霊帖を標として遠く離れた場所にいるアヤカシが南雲の元へ来るためのワープポイント、『霊門』が発生します。それを通じて戦闘時などに彼らを呼び出して霊装しているわけです。これがあるから付け外しに1ターンずつか��るんだ!まあそれはこじつけですが。なので、普段は皆思い思いの場所でテキトーに気楽に生きてます。
ところで作中では合計26体のアヤカシを仲間にできるわけですが、何故今までも憑屋として活動していたのに初期アヤカシは4体なのか?という疑問があるかと思います。それは実は殆どのアヤカシに大して南雲が契約期間を設定しているからです。今回で言えば神楽宮からのお使いを終えるまで、というような感じで。というのも、人でないものとの契約を十も二十も記しまくった霊帖なるものを遺して死ぬなんてことがあったら悪用されないからです。あとは契約維持に多少なりとも霊力のコストがかかるから。恒常的に裂けるコストは基本10体までが限界です。なので、ほとんどのアヤカシは期間限定。考えてみれば最終幕なんて神霊レベルの存在を仲間にしまくっているわけですからコストは相当やばいことになっているはずです。そのコストを顧みず、自分の体を代償にしてまで契約しまくって逆に喰ってしまっているのがアザミですが。その結果がアレですよ、アレ。
藍銅について
和物と言えば落ち武者だろ!
彼の存在についてはこの短絡的な一言につきます。何故侍ではなく落ち武者だったのか、過去の自分に聞いてみたいところですね。そんな動機から誕生したのが作中屈指のピュアキャラ、藍銅くんでした。どうしてもござる口調の侍が出したかったというのも誕生の動機の一つです。
藍銅について言えば、これを話さず何を話すかというのが孔雀との因縁です。実は当初はここまで濃い関係性にする予定はなく、そもそも藍銅もシナリオでちょろっと出てきて霊装入りするだけのキャラの予定でした。が、ちょっとアブない人斬りキャラを出したい、というところから孔雀が生まれ、折角だから昔ライバルだったみたいな設定にしておこうと決めたが最後…でした。よもやこんなにアレな関係になるとは…。
孔雀��狂わせてしまったのは藍銅だけれど、彼には全くそんなつもりがあるはずもなく、また孔雀もそれを理解してもらおうとは思っていなかったので結局最後の最後まで和解することなく二度の別離となりました。おそらくこの二人は出会わないのが最善だっただろう、とは思えますが、それを本人たちがそう思っているかは全く否。藍銅は切磋琢磨できるよき友人に恵まれた、と思っていますし、孔雀も自分に生きる指標を与えてくれたという点で、出会わない方がよかったなんて微塵も思っていません。孔雀のこのへんの思いに関しては次回あたりの彼のよもやま話で。
ともかく、他人から見たらどうであろうが彼らにとって最後は殺し合う仲になったとしてもそれまでの過程で得た優しい時間は得難いものだったのです。だからこそ、藍銅は二度目の決闘の終わりの時も孔雀の想いを理解したいと思っていましたが、まあ、無理でした、と。それでも今度は地獄で、と冗談のような口約束を遺された孔雀の刀に向かって出来るようになったあたり、理解は出来なくても死んだ後くらいは彼の望みに沿ってやろうと妥協は出来るようになったのではないでしょうか。
何が悪かったかと言えば、藍銅も孔雀も悪いことはなかった。いや孔雀はやったことは悪いですが、まあ双方個人自体には問題はなかったのです。ただ出会ってしまって、孔雀の方が心の釦を掛け違えて闇を深めて、一方藍銅は幼少期から全く変わらずに何一つ歪まずあまりにも真っ直ぐ正しく育ってしまって、そのコントラストが惨劇悲劇の引き金となったというか。このあたりのこと、具台的には孔雀の心の内に何があったのかはいずれ公開されるであろうスピンオフ『憑屋異譚蒼龍戦史』で詳しく物語として綴りたいと思います。彼だって藍銅と出会ってすぐに狂っちゃったわけじゃないんです、最初は普通に憧れてたんです本当だよ…。
ところで良心の塊のような藍銅という青年ですが、生き死にに関しては元々戦国時代の戦人であるためシビアです。とはいえ何もものを思わないというわけではなく、SS・ヒトゴロシの夜に語られた通り、守るために殺すことに関しては自分なりの信念と考えを持っています。人を殺した場数で言えばシノノメより多く、さらに正面切って正々堂々叩き切っているので、ある意味ではシノノメの大先輩というか。だからこそ、あのSSでシノノメを諭す役割に回っていたわけです。
ちなみに基本幽霊なので霊体ですが、満月に近い月の夜や南雲のような霊力が高い人物が近くにいる、黄泉比良坂洞のような霊力が満ちまくってる場所にいる、そもそも禍ツ夜が来ていて土地自体の霊力が高まっている、などなど条件がある程度揃っていれば数分~数十分ほどは実体化出来ます。実体化と言っても生者に対してだと藍銅が一方的に触れられるだけで、早い話がポルターガイストや心霊現象みたいな状態になります。肩が重い、みたいな。生者からは触れられません。一方相手が霊体やアヤカシのような霊力で体の殆どが構成されている存在、孔雀のようにめちゃ強い霊力で常に実体化しているような相手だと普通に干渉ができます。最終幕の孔雀戦ラストで彼を斬り伏せられたのもそのため。
二刀流についてですが、彼は礼儀正しい人間ですが蓋を開けば非常に脳筋なので、一本より二本の方が強いだろう!という単純な考えで二刀流で戦っています。とはいえ、本来二刀流は隙が出来やすいはずなのでそれで大成してしまったあたり、天賦の才能があったというか。一応刀一本でも戦えはしますが、本人としてはバランスが悪い気がするので二本の方が戦いやすいようです。
デザインの話です。
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初期デザインがこちら。基本は今とほとんど変わりませんが、現デザインの方が全体的にスッとしています。動きやすそうといいますか。刀も手ぶらになりましたね。現在は戦闘時にヒュンッと出て来るという設定になっています。この頃は名前が未定で、端っこに「落ち武者」と書かれているのがシュールというかなんというか。
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初期案全身図。袴がビラビラしていたり鉢巻があったり要所要所相違点が見受けられますが基本はさほど変わっていません。コテコテの侍を意識してデザインしています。THE・侍って感じの。右目の三本傷は孔雀につけられたものという設定ですが、最初期は「傷があったほうが落ち武者っぽい」というだけの理由で描かれており、孔雀につけられたというのは後付の設定です。
享年は25歳ですが、顔は美青年というよりは青年と少年の中間あたりで描いています。童顔というか、なんというか。私がこの手の顔を描くのが好きだというのもあります。ちなみに美しさイケメンぶりのベクトルは違いますが、アザミと並んで作中でトップクラスの美形の設定です。立ち振舞であまりそう見えないというのがミソで、黙って遠くを見据えていると非常に美形で絵になる、という想定です。アザミがマイナス方面の、人を拐かす美貌なら藍銅はプラス方面の、単純に人を惚れさせる類の美形という感じです。えーあの俳優さんカッコイー!みたいな。
以上、今回のよもやま話はなかなか長くなりました。次回はアザミ一行、というかあの問題児二人組に関して何か書こうかなという感じです。
よろしければ次回もお付き合いくださいませ。ではまた。
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nok0000xxxx-blog · 8 years ago
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新作告知(仮)
憑屋異譚蒼龍戦史
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憑屋、藍銅スピンオフ製作中です!!彼が生きていた頃の憑屋本編から約100年前の話。戦国乱世の只中にある藍銅のいた国、武燿の物語です。
ジャンルはSRPGの予定!です!SRPGStusioを使ってみようかなーと…思いつつ…。こう、某炎のエムブレムみたいな…。
憑屋本編未プレイでも楽しめるように現在シナリオを執筆中です。早い話が尻叩きです!!!YES!!!!
続きから色々委細を。
【物語】
世界の東端、日の出ずる地。
後に日ノ国と呼ばれるその地は、今まさに乱世の只中にあった。
千々に分かれた"��"という名の集落同士が争い、奪い合い、おのが領地を拡げるために毎日どこかで戦が起きていた。
後の日ノ国の中心にある小国『緋川』も、乱世の荒波に揉まれている国の一つ。
続く戦、国主の不手際によって疲弊した矮小な土地は、飢饉で死にゆく一方。
緋川の国主は半ば自棄となって、領土の拡大のために隣国『武燿』へ兵を出す。
しかしあえなく返り討ちにあい、緋川は程なく武燿に吸収された。
そしてそのかつて緋川と呼ばれた痩せた地の村々を、武燿の国主、十九川八絋は視察のために兵を率いて訪れる……。
物語は藍銅が幼少期、後の主に拾われたところから始まり、彼が武燿の兵となり侵攻してくる他国の軍と戦っていくというもの。
【キャラクター】
藍銅(ランドウ)
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「応とも!貴殿には悪いが、ここから先は一人も通さぬぞ!」
「……誓いますから。貴方様の前ではけして死なぬと」
本作の主人公。『憑屋奇譚南雲』では死後の姿で亡霊として登場した。
闊達な青年。餓死しかけていたところを後の主八絋に救われ、以降は武燿のために戦うと決意し武士の道を志す。
単純で多少頭の足りないところもあるが、素直で純朴な性格のため友人が自然と出来る。
剣の才に恵まれており、幼少の頃から頭角を表していく。
瑪瑙(メノウ)
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「フフン、腕が鳴るのう!」
「怪我ならいくらでもしていい!私が治してやるからな!でも……死んだ者は私にもどうにもできぬ」
武耀の姫君で、国主の妹。
好奇心旺盛、天真爛漫なおてんば娘。尊大な性格だがかなり抜けており、みんなの妹のような立ち位置。
特に藍銅のことを目にかけており、何かと懐いているのを周囲に生温い目で見られている。
法術の才能に秀でており、兵種も呪術師となる。
琥珀(コハク)
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「う、うわあ……ついに初陣かあ、やだなぁ……」
「いい子のコハク��んはみんなの幸せを願ってるんだよ~」
能天気でおおらかな青年。藍銅と同じく、緋川の地から武耀へ避難し、八絋へ恩を返すために兵士に志願する。
大柄だがいまいち自信がなさ気な言動をする。しかしその一方図太いのか抜けているのか、空気を読まない発言が多い。
加々美孔雀(かがみ くじゃく)
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「ええ……。あの小奇麗な顔が乗っかった首、もらいましょか」
「別になんとも。やることはやってきたんだから、あとはもう運でっしゃろ。生きるも、死ぬもね」
西の国独特の訛りで話す青年。憑屋本編にも登場。
物腰は柔らかいが時折毒舌を吐く底の見えない人間。しかし幼少期からの付き合いの藍銅のことはからかいながらも親友と認めている。
天才肌で何をやらせてもそつなくこなす。幼少期に藍銅に剣の道に誘われたことをきっかけに侍の道を歩んでゆき、剣士としても大成していく。
小瑠璃(コルリ)
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「もう、姫様ったら調子に乗って怪我をしないでくださいね!」
「ずっと一緒にいたいと思うなら、恋しいってことだと思います」
元々武耀に住んでいた少女で、藍銅らよりも前から屯所に通い武道の訓練をしてきた。 幼少の頃から歳にあわずしっかり者な性格。おてんばなメノウのことを気にかけており、何かと世話を焼く。メノウの無二の親友である。
同年代の少年らと比べて大人びている孔雀に幼少の折から淡い想いを抱く。
十九川 八絋(とくがわ やこう)
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「ならばせいぜい……二度とこうして苦しむ者がいなくなるよう自分の国だけでも護らねばなるまい」
武耀の国主。豪放磊落を絵に描いたような人物で、何より民を大切にしている。 現在の戦も、領地の拡大よりもより良い統治、守護に当たっており、攻め入られれば迎撃するという姿勢を取っている。 その人柄から若年ながら多くの民に愛される名君と名高い。
石英(セキエイ)
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「三日も誰も斬ってねえ……。退屈で死んじまいそうだったんだぜオレはよ」
「あァ……!いいぜ、いいぜお前!蒼いの……!ランドウとか言ったか!お前、愉しいヤツだなァ!!」
勢力を伸ばしつつある小国『斑鳩(イカルガ)』の武将。
異常なまでに好戦的な男で、戦場で一度剣を交えた藍銅を好敵手と認め戦いを挑む。
『紅蓮獅子』の異名を持ち、炎をまとった剣と圧倒的な戦闘力を持ってして武耀に立ちはだかる。
綾部石榴(あやべ ざくろ)
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「……全員殺したか。貴様は本当に恐ろしい男だな、セキエイ」
斑鳩の軍師。本人は否定するが、セキエイの親友であり彼に絶対の信頼を置いている。
高飛車で己の才覚を信じて疑わないが、その分不測の事態に弱い。強力な呪術を操り、セキエイとともに武燿の前に立ちはだかる。
他にも味方ユニットとしてまだまだたくさんキャラクターは出てきますが主要はこれくらい。
そんな感じでシナリオ進行は本筋は8割ほど。頑張って世に出せるように!書いてますので!いつになるかわかりませんが世に出したいものです。啖呵は切ったぜ俺は
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nok0000xxxx-blog · 8 years ago
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今更なんですが
憑屋の攻略情報を載せてみました。とりあえず第一幕~二幕まで。
こちらから
制作ゲームの項目からも飛べます
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nok0000xxxx-blog · 8 years ago
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憑屋よもやま話第三回『ヒロインの話』
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超久しぶりのよもやま話です。今回はヒロインの話。
続きからどうぞ。
えー、ヒロインの話です。
ヨマちゃんと、もうひとりのヒロインキクリちゃんについて。
まずヨマちゃんについて。
一応憑屋のヒロインという立場でありますが、どちらかと言えばもう一人の主人公という立ち位置です。
南雲さんが物語の開始時点ですでに伸びしろが伸び切っている人物像だったので、話の中で成長できるキャラクターをという感じで造形しました。なので、南雲さんとの関係も男女の関係というよりは兄妹に近い感じです。
キャラクターとしても南雲さんとは対照的に書いていますね。方やアヤカシに救われ、方やアヤカシに村を滅ぼされと。二人とも始まりの時点は人間嫌い、アヤカシ嫌いであったわけです。南雲さんがヨマちゃんをなんとなく放っておけなかったのはそこもあります。まあ半分ほどは神楽宮様が怖いのがありましたが。
デザインとしてはお団子ツインテで絵映えする見た目にしよう、って感じでした。あとはミニスカ巫女服という要素をモリモリ……。14才にしてはお胸がバインバインですが、身長もそこそこ高い方なので発育はいい方なのだと思います。
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こちらは初期の設定画。パッツンはまあ、趣味ですね……。最終的にはおでこがもうちょっと広くなりましたね。おでこが広くて眉毛が太い女の子が好きなのですが、意志の強さが表せたかな?と思います。とはいえ、目元は目つきが悪くならないようにつり目にはしていません。普通のまんまるめの目ですね。まつ毛もあまりないです。
では次はキクリちゃんに関して。
キャラクターとしては最終幕にしか出ないのですが、憑屋そのもののキーパーソンです。
南雲仁にとっての初恋の女の子であり、最初に『人』の中で南雲仁のアヤカシと仲良く出来る力を正面から認めてくれた相手です。
開発室にも書いてありますが、憑屋において彼女の死は不可避なものです。彼女が封印を完遂させていると、また十年後に封印をかけなおすことになり、そのサイクルが終わらなくなります。そしてその間にマガツヒノカミの力が元に戻り、封印が綻びて完全な状態でマガツヒノカミが復活してしまう…ということになっていたわけです。本編の封印の状態はマガツヒノカミの力に蓋をしているだけなので、内側では力が戻ってきているんですね。なので、そのまま進むとマガツヒノカミが完全復活するという。
今回ではアザミさんが不完全な状態でマガツヒノカミを呼び起こしたのでギリギリ人の手でも打倒できる範囲だったというわけですが、それはキクリ嬢の死なくばなしえなかった……という感じです。そういう意味で、不可避。
彼女の内面としては生い立ちはよくはなかったけれど(ヨマと同じの孤児で、神楽宮に拾われた)、まったく普通の女の子です。責任感だけは人より強く、人を好きになることを怯えない社交性のある女の子。だからこそ南雲さんの大切な女の子となり得たのではないでしょうか。と思ったり思わなかったり。
本編の最期はああでしたが、彼女としては自分の使命を真っ当出来なかったけれど自分の大切な人、信じている人にそれを託すことが出来たので未練はないと思います。想い人とも思いが通じましたし。添い遂げたいという淡い願いは叶いませんでしたが、結末としては魂は共に在ることが出来るようになったのでこれはこれで哀しいけれど悪くはない終わりなのかな?とは思いつつ。
デザインの話です。
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初期ラフで、ほとんどこれが決定稿です。
モチーフは花で、袖のデザインなどにそれを反映させていますね。ミニスカなのは趣味でもありますが、まだ普通の女の子なのでそういったところに俗っぽさを出したかったのもあります。衣装が白基調なのは光の中に消えていく、というのがほとんど最初から決まっていたので場面に映えるように配色をデザインしてはいました。
おまけに南雲さんの霊装菊理を。
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おおよそキクリの元の姿をなぞっています。服を男性っぽく改造したというか……。胸元にぶら下がっているのは石塔で託された殺生石です。
今回の話はこんな感じです。ヒロインの話、と括りましたがどうなんでしょうか。全編通じてイマイチ花のない話ではありましたが、彼女たちが物語に華を添えられていたならいいかなーと思います。
では次回は南雲一行の話か、アザミさんの話か……。またよもやま話があれば何か書きたいところです。ではまたいずれ。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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憑屋ラスボス設定画
憑屋のラスボスさんの設定画、全身図です。
ネタバレなので畳みます。
そのうち他の敵キャライラストも公開したいですなあ。
マガツヒノカミ設定画
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ゲーム使用時イラスト
手前の手は別ユニットでそれぞれ『慈悲の左手』『憐憫の右手』という名前があります。
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デザイン時のラフ。
モチーフは『阿修羅+観音』『両性』でした。
マガツヒノカミ自体の「死こそ人の子の安寧」を体現するカタチ…のつもり。
デザインについて解説していきますと、
まず頭はわかりにくいですが3つあり、それぞれ真ん中は見ざる、向かって右は言わざる、左は聞かざる、となっています。
体は上半身は男性的、下半身は女性器をモチーフにしており、つまるところ両性を示しています。『完全な存在』であるという意味合いですね。純粋な力に雌雄はないということですね。
手はそれぞれ、手前左は『迎えに来た』手前右『私に任せなさい』二番目左『怖がらないで』二番目右『話してご覧。願いを叶えましょう』という意味があります。これは仏様のハンドサインが実際にこういう意味合いを持つそうなので… 死こそ安寧とするマガツヒノカミはそれこそ神のつもりでそういった意志で日ノ国を脅かそうとしているわけですね
下半身は、女性器と蓮の花を模しています
まず蓮の花は仏が座る台座。花弁の下にあるのは蓮の根であり卵管です。下はまんま子宮です。
で、下に満ちているのは経血であり、穢れの象徴です
こうして見ると結構要素盛り込みすぎな気もしますが…なんとなく女性器モチーフが好きなので割と気に入っています
ちなみに本体はアザミさんの面影がありますが、ほとんど彼自身の自我はないです
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こちらは没デザイン。
といってもほとんどデザインは変わっておらず、上記のデザインはパーツとキャラクターとしての意味合いを付与したような感じです。こちらの方がいささかシンプルですね。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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更新とか色々
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ゾディアック12話更新した時の告知イラスト。金星さんこと獅子柳児さんとハーヴィーさん。本編でもわかると思うんですが、致命的に性格の相性が悪いです。
さて、久しぶりに更新内容は
・ゾディアック12話(これは数日前)
・憑屋攻略情報2つ(霊装・記憶の欠片)
・憑屋イラストログ
となっております。思い立った時にガッとやらない��ちゃんとやらないのは…よくないね…()
さて、憑屋公開から約2ヶ月経ちました。ぼちぼちサイトの整備を行ったりクリア後特典の実装をしていきたいなーとか、人気投票とかアンケとかしたいなとか。まあ、入れてくれる方がいらっしゃるかはともかく!推しのキャラクターとかって作った側からしてみると結構気になるもんです。
そしてゲームも次回作や、作りかけへの着手も考えていきたいところでございます。
作りかけのホラーとRPGが2つ、考案中が4つくらい…どれだけ形にできるかはわかりませんができる限り世に出していきたいところですね。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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憑屋奇譚南雲攻略情報(記憶の欠片回収)
クリア後のおまけシナリオを見るのに必要な『記憶の欠片』の場所です。
続きからお読みください。
《第二幕》
桃→ハチマン神宮入口の左側
緑→ハチマン神宮内部の3つめのマップから行ける倉庫
青→マダラ襲撃イベント後、神童の間の左上に出現
《第三幕》
黒→エド城下町探索時に入手(アヤカシ襲撃イベント後は戻れないので注意)
橙→エド城内、外に出るところのひとつ前のマップの右側
《第四幕》
紅→採掘場への道3つ目のマップの左側
銀→採掘場内、回想イベントがあったマップの右側
《最終幕》
赤→鎮守の杜1つめのマップの右上
白→御山中腹から2つ進んだマップの右側
黄→御山の石塔イベント後に御山中腹から行ける河原の上部
紫→星屑の洞を入ってすぐに右へ進んだ突き当たり
藍→黄泉比良坂洞の中間地点でのボス戦後、ボスのいたマップに戻ると出現
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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憑屋奇譚南雲攻略情報(霊装回収)
各幕のサブイベントなどで手に入る霊装と霊装入手場所の一覧です。
後日サイトを整備してきちんと載せますが、取り急ぎ…。
続きからお読みください
※ダンジョン名はShiftキーで確認できます※
《第一幕》
木霊→みちゆきの森、街道外れの森でエンカウントする色違いの木霊と戦闘、『説法』すると条件なしで獲得
鬼→街道はずれの森でエンカウントする色違いの鬼娘と戦闘し『説法』を使用。戦闘に勝利すると獲得
《第二幕》
お七→町の『会話』から『町民』にボヤ騒ぎの噂を聞く。すると移動先に『町のはずれ』が出てくるので、そこでお七を倒すと獲得
鎌鼬→ハチマン神宮の入口マップの右はじにいる鎌鼬に話しかけると傷薬を1つほしいと言ってくるので渡すと獲得
座敷わらし→ハチマン神宮の『会話』で『僧侶たち』から町の西側にある家の老人の噂を聞く。すると西側の道から老人の家に行けるので、家を探索。そこで座敷わらしと戦い勝利すると獲得
鵺→神宮への道、神宮地下でエンカウントする色違いの鵺に『説法』、その後戦闘に勝利すると獲得
天狗→神宮への道でエンカウントする色違いの天狗に『説法』、殺生石を5個渡すと獲得
《第三幕》
海坊主→エド城下町での『会話』で『町民』から海の怪物の噂を聞く。すると移動先に海辺の洞窟が増えるので、海辺の洞窟を探索。最深部の海坊主と戦闘し勝利すると獲得
《第四幕》
飛縁魔→町の『会話』で『町民』から南の遊郭の噂を聞く。すると、採掘場へ向かう方向の道の反対側の道から遊郭に行けるようになる。遊郭の奥で飛縁魔と戦い、勝利すると獲得
土蜘蛛→道具屋の『会話』で店主と『会話』すると、病弱な青年の話を聞ける。すると移動先に蜘蛛屋敷が追加されるので、蜘蛛屋敷へ。屋敷内に散らばっている『手記』を13枚全て読み、奥へ。そこで蜘蛛男と戦い、手記を全部読んでいると戦闘後の会話で選択肢が出現。「俺と来るか」を選択すると獲得
カイチ→採掘場への道、採掘場でエンカウントする色違いのカイチに説法、要求された2000銭を渡すと獲得
《最終幕》
カグツチ→御山の石塔イベント後、ヤマト神宮入口の左側にある道が通れるようになるので、そこから行ける火神の祠で、2つ目の溶岩に囲まれたマップで7つの敵ユニット全てを撃破(外に出る��撃破数がリセットされるので倒すまでは外に出ないこと)すると奥に進めるので、そこでカグツチと戦闘。勝利すると獲得 ※7体撃破後は出入りしてもOK
蛟→石塔イベント後、御山中腹(野宿したところ)へ行くと左側の道へ行けるようになり、そこからさらに水龍の住処へ行けるようになる。奥で蛟と戦闘し勝利すると獲得
一目連→町で『会話』から『町民』から鎮守の杜の話を聞く。すると移動先に鎮守の杜が追加される。鎮守の杜で一目連と戦闘し勝利すると獲得。
一本だたら→ヤマト神宮への道から行ける一本だたらの家で彼から『青い石』を集める依頼を受ける。家の下の星屑の洞でエンカウント出来る青い『岩蟲』を倒して青い石を10個取り、一本だたらへ渡す、すると藍銅の強化イベント後、獲得
牛鬼→火神の祠、水龍の棲家を除く全最終章マップでエンカウントする色違いの牛鬼に『説法』。その後戦闘に勝利すると獲得
天津甕星(アマツミカボシ)→アマツミカボシ以外の全ての霊装を集めた状態で星屑の洞の奥にある扉を調べると入れる様になっているのでそこでアマツミカボシと戦闘、勝利すると獲得
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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創星転生ゾディアック#12 愛の調べ~演奏会の罠~(後編)
 結論から言えば、実にいい演奏だった。……と、大介は感想を抱いた。そして、それ以上でも以下でもなかった。というよりも、大介には音楽の善し悪しなどよくはわからない。だが、ともかく獅子柳児の演奏は耳に心地よかった。  しかしながら、大介にはそれ以上に驚くべきことがあった。  天才バイオリニスト獅子柳児は、ついぞ先日大介が乙女として行動している時に街でぶつかった青年だったのだ。  天才バイオリニストと言われてはいるが、元々は海外での活動が主であり彼の名が日本で知られるようになったのはつい最近である。日本では所謂知っている人は知っている、程度の知名度であった。流行りものに疎い大介は彼の顔も名前も知らなかったのだ。  だからといってどうということはなかったので、その驚きは自分のうちだけにとどめておくことにしたわけだが。  それよりも、今は莉奈のことが気がかりである。
 「結局ただコンサートに行っただけになっちまったなあ。なあ、詩依子。……詩依子?」  「あっ……な、何?」
 コンサートの帰りの道すがら大介は詩依子に話しかけてみたが、常になく彼女はぼんやりとしていた。心ここにあらずといった様子で、声をかけてきた大介に視線を移した。
 「どうした? 何かあったか?」  「う、ううん。ただ、コンサート見てから……なんだか頭がぼんやりして……。何かしら」  「熱でもあるのか?」  「いえ、大丈夫よ。なんでも……なんでもないわ」
 どうにもなんでもなさそうには見えなかったが、彼女がそう言うなら、と大介もそれ以上追求することはなかった。   だが、その後家に帰ったあとも、詩依子はいつものように凛とした居住まいではなく、どこかぼんやりとした様子であった。  常にない彼女の不可思議な様子に、大介どころかハーヴィーすらも首を傾げたのだが、結局特に体調を崩したようでもなかったのでしばらくすれば元に戻るだろうといつもの通りに夜を迎えたのだった。  だが、その翌朝のことである。  普段ならまだ眠っているような時間に、大介は体を揺すぶられ起こされた。
 「おい、ゾディアック」  「なんだよ……。まだめざまし鳴ってないだろ……」  「緊急事態だ。千堂詩依子が消えている」  「……は!?」
 あくまで冷静に事実を伝えるハーヴィーの言葉に、一瞬それがどういうことか理解出来なかった。しかしそれを脳が理解した瞬間、大介は跳ね起きて詩依子が寝床として使用している押し入れに駆け寄った。  そこは、少しシワの寄った布団が敷かれているだけのもぬけの殻となっていた。
 「……靴は?」  「あったな。玄関も鍵が閉まったままだ。外に出た形跡はなかった。私が目を覚ました時には、すでに消えたあとだった」  「……くそっ! 詩依子まで……!」
 これほど近くにいながら、何故気がつかなかったのか。  とにかく、竜一に連絡を入れなければならない。なにせ、愛娘が失踪したのだ。殴られる覚悟のひとつやふたつはしておくべきだろうと大介は思った。  しかし、これでハッキリしたことがある。  天才バイオリニスト獅子柳児は、黒だ。  或いは、彼自身が黒でなくとも彼を媒介に何かが行われている、という可能性もある。とにかく、今までの失踪者や莉奈、そして詩依子の失踪前の状況を鑑みるに、獅子柳児のコンサートが一つのスイッチとなっていることはもはや明白である。  そういえば、と大介ははたと思い当たる。  前日、コンサートから帰ってきた詩依子はやけにぼんやりとしていた。あれがひとつのサインだったのではないだろうか。  大一に連絡を取り、コンサート直後の莉奈の様子を聞いてみることにした。
 「そうだなあ、コンサートの後ディナーに行ったんだけど、その時も帰ったあともぼんやりしていたな。てっきり、久々に見た僕が格好よすぎて見とれているのかなって思ったんだけど」  「ハイハイ……。とにかく、いつもと違う感じだったんだな?」  「ああ」  「そっか。……サンキュ」
 続くは竜一への連絡だ。  彼に連絡を取ったところ、とにかくユニヴァースの支部で話し合おうという運びになった。
 「竜一さん。……すいません、詩依子が」  「いや……。アイツも戦士のひとりだし、俺はその親だ。相応の覚悟はしてるさ」
 頭を下げる大介に、竜一は頭を上げるように促した。そういう竜一の言葉に、嘘偽りや我慢はない。しかしいつもの明朗さは、なかった。  インヴェディア関係の話のためついてきたであろうラディアも、竜一の隣に座って神妙な面持ちで話を聞いていた。
 「まあ、探す宛がないわけじゃあない」  「探す宛?」  「ああ、まあなあ。実は、コアの発するエネルギーを感知して場所を割り出すシステムがあってな。本来はコア探しのために開発していたモンなんだが、サンプルが詩依子のソルしかなかったからソルのエネルギーくらいしかまともに感知できない上に、精度もさほど高くなくてな。大まかな位置しかわからん。そんなワケで、使いどころがなくて御蔵になっていたんだが……。まさかこんな形で使いどころが来るとは思わなかった。とはいえ、今まで使われてなかったモンだ。今から使えるように整えて……おそらく、今から半日はかかるだろう。その間、大介くんたちには引き続き詩依子の捜索をしてもらうことになる��
 竜一の指示に、大介は何も言わずに頷いた。口では何も言わないが、ハーヴィーもラディアも手伝うつもりらしく小さく頷いている。  三人の様子を見て、竜一はひと呼吸おいて、もしくは、と言葉を続けた。
 「……例のクサいって話の……獅子柳児、ってヤツだな。アレに探りを入れるか、だ。なんでも、このへんでの公演は今日で仕舞いらしいからな。あのバイオリニストになんかあるとしたら……今日もまた、コンサートで何かをやらかすかもしれん」  「それなら、オレ行くぜ」
 竜一の提案に手を挙げたのは、ラディアだった。
 「いなくなってるヤツらってのは、年齢関係なく女なんだろ? じゃあ、オレが行けばなんかわかるかもしれねえ。……や、女扱いってのは好きじゃねえけどサ。それに、オレはアウェイカーだし、何かしてきたらシーコやダイスケにわからなかったようなこともわかるかも」  「人間とアウェイカーでは力を感知する能力に大きな差があるからな。ルーラーであろうと、だ」
 ラディアの言葉を、ハーヴィーが補足する。元々存在が星に近いアウェイカーの方が人間よりも星の力に敏感なのだという。  ハーヴィーは、サタンがコアや、コアの担い手であり敵対勢力である大介や詩依子を直接探し出して手を下さないのも、それがひとつの要因と考えているらしい。彼も元は、千堂辰巳という“人間”であるためだ。  余談だが、ハーヴィーもラディアもサタンが元々真っ当な人間であったことには感付いていたという。ただ、二人にとっては瑣末なことだったので言及はしなかったようだが。
 「と、いうわけだ。そこな小僧が行くというのなら、私も同伴しよう。どのみち、保護者役は必要だろう?」  「が、ガキ扱いすんじゃねーッ!」  「ふむ、まあお前さんたちが行ってくれるというなら願ったりだな。俺は探知システムを整えなきゃイカンし。正装用の服は用意しといてやるから、獅子柳児の件はよろしく頼んだ。……じゃあ、大介くんはシステムが整い次第俺と詩依子の搜索だな」  「了解っす」  「うし、決まりだ! では各自、作戦前に鋭気を養うこと! 飯だ飯だ!」 
 パン、と手をひとつ叩き、竜一は立ち上がる。  その顔は先程までの沈痛な面持ちと打って変わって、いつもの明朗快活な竜一のそれであった。  だからこそ大介は、一刻も早く詩依子を連れ戻さなくてはならないと一人拳を握る。  それはあまりにも辛い、空元気だったのだから。
 ***
 上品なドレスやスーツに身を包んだ男女が、談笑を交わしながら開演の時間を待つ。  獅子柳児のコンサートは、最終日ということもありホールの右から左まですべての席が埋まっていた。周囲の男女と同じく正装を身にまとったハーヴィーとラディアも、その中にいた。  平時の突拍子のない言動に隠れがちだが、ハーヴィーは世間で言う美丈夫にカテゴライズ���れるような風体をしている。上等な質の燕尾服を着た彼は、そこに座っているだけで絵になるだろう。  一方その傍らで、ラディアは渋い顔をしていた。いつもなら絶対に穿かない��あろうスカートの裾を握っては離し、握っては離しと落ち着かない様子である。
 「なんだ小僧……いや小娘か。用でも足しに行きたいのか?」  「ちっげーよ! なんだ、アレだ。す、スカートなんてはじめて穿いたから……な、なんか落ち着かなくてよ」  「ふむ……」
 気恥ずかしそうに縮こまるラディアを、ハーヴィーは値踏みをするようにしげしげと見やる。  普段はシャツに短パンの少年然とした服を着ている彼女からしてみれば、少女らしい格好をすること自体に違和感があるのだろう。
 「まあ、悪くはない」  「なっ……」  「女装の才能があるとはな」  「て、テメェ~! なめやがって、表に出やがれ!」  「目立つぞ、小娘」
 そうこうと二人が言い合ううちに、開演が近づいていることを告げるアナウンスが会場に響き渡る。照明も徐々に落とされてゆき、壇上のみが山吹色のライトに照らされている。  会場全体がどこか厳粛とも言える空気に満たされ、ラディアも自然と居住まいを正した。ハーヴィーは普段と変わらず無意味に余裕綽々の様子であったが。  そうしてしばらくすると、司会の女性が舞台袖に現れて開演を告げる。  割れるような拍手の雨を受けながら、件の天才バイオリニスト獅子柳児は壇上へ姿を現した。  黄金をそのまま糸にしたような、柔い髪に白皙の肌。すらりとした長身を純白の詰襟で包み、しなやかな手には彼を天才演奏家たらしめるバイオリンを携えている。
 「皆さん、こんにちは。今日は今回の日本公演の最終日です。僕の奏でる最上の音色、最後まで聞いていってください」
 挨拶もそこそこに、柳児はバイオリンを構える。司会の女性が曲名を紹介し、やがて流麗な音色が会場に響き始めた。  弦の上をなめらかに弓と柳児の指が滑る。その都度にバイオリンが美しく歌い、会場の観客はそれにうっとりと聞き惚れた。甘い音が、その空間にいる全ての人間を虜にしていく。  しかし、ハーヴィーとラディアは違った。
 「……五月蝿い音だな」  「なんか耳に、キンキン響くっていうか……こんなんがいいのか、みんな?」
 ラディアはこっそりと耳に指で栓をして顔をしかめる。  彼女とハーヴィーは、そのバイオリンが奏でる音に混じる異質な何かを感じ取っていた。
 「いや、この俗物どもにはさぞいい音色とやらに聞こえているのだろう。……これは、音に星の力を乗せているな」  「ってことは、クロかよこのリュージとかいうヤツは」  「ああおそらくはな」  「でも、コアの指輪はつけてねぇ。ルーラーじゃないのかな……?」
 弦を操る左手の中指は指輪の類はしていない。コアは一度嵌めてし��えば二度と外れることはないモノであり、状況に応じて外すということはできない。  となれば、柳児はルーラーではないとラディアは推測する。しかしハーヴィーはそれを否定した。
 「コアの見てくれなぞ、力を使えばいくらでも誤魔化せる。逆に、これだけ大っぴらに星の力を使っておいてコアを身につけていない方が不自然だ。連日のコンサートで毎度こんなことをしているのだろう。ヤツが生粋のアウェイカーであったとしても、その身一つでそれだけの力を使い続けるには限度があるはずだ。小僧、公演が終わったらあの男に接触するぞ」  「オッケー」
 言うなり、二人は曲と曲の節目に席を立つ。目指すは控え室。公演中ということもあり、通路内は酷く静まり返っている。  獅子柳児が、曲をひとつ演奏し終えるたびに遠く喝采が響く。静かな、あまりに静かな通路に喝采が。  その音を聞きながら、いくつかある控え室を確認する。勿論、柳児に割り当てられた控え室もだ。しかしながら、不審な点は何一つない。  否、ひとつ不審な点を挙げるとすれば。
 「なあ、ハーヴィー。思うんだけど」  「なんだ小僧」  「いくら公演中だからって、誰もいないのってさ……おかしくないか? スタッフや警備員の一人もいないんだぜ?」
 ハーヴィーとラディアの待機する獅子柳児の楽屋の前の通路には、文字通り人っ子一人いない。警備員も、スタッフのひとりも巡回していない。  日本ではそこそこに名が知れ始めたくらいの人物とは言え、海外では有名なアーティストである。そんな彼のコンサートの裏方に、誰ひとりとしてスタッフがいないのは明らかに不自然であった。  ハーヴィーが、手元の腕時計を見やる。時間はじきに獅子柳児のコンサートが終わる頃であった。  ふと顔を上げると、それと同時にホールの方から万来の拍手の音が通路まで轟いた。先程までのそれよりも、ずっと長い。その中心に立つ者を万感の意を込めて称える音だ。
 「終わったみたいだな」  「さて、あの気取った演奏家……気に入らん化けの皮を剥いでやろう」
 やがて拍手が止み、ぞろぞろと観客が談笑をしながら会場をあとにする気配。遠く聞こえるその雑踏に混じり、二つの靴音が通路にこだまする。  純金のごとし髪を揺らし、その男は現れた。片手には愛用のバイオリン。獅子柳児、その人だ。傍らには司会を務めた女性が、粛々と付き従っている。
 「おや君たちは……見ない顔だね。僕のファンかい? ここまで来るということは相当熱烈なファンなのだろうが、ここは関係者以外立ち入り禁止だ。サインならしてあげるから帰りなさい」
 柳児は美しい相貌に、輝くような笑顔を浮かべて二人を諭す。  その笑顔は、おそらく百人が見て百人が絶世の美青年のそれだと褒め称えるであろう。少しばかり彼が微笑むだけで、人々は彼に心を掌握され思うままに踊らされる。それに、なにもおかしなことはない。そう思わせるほどの美貌だ。  だが、その微笑みをハーヴィー��鼻で笑う。それどころか冷笑を浮かべその美術品の如き笑みに応じる。
 「フ、笑わせる。あの醜悪な音色を前にして貴様の信奉者になぞなれるわけがない。あれなら木崎江里とかいう偶像気取りの小娘の歌唱の方がまだマシだな」  「ふうん? ……ああ、君ちょっとムカつくけどさ、それはいいんだよ。君の感性は否定しない。けれど―――わざわざこんなところにまで来てそんな話をするということは、君たちには『わかった』ということかな」  「そう取ってもらって構わねえぜ。テメェ、あのコンサートで何をしてた? どうせサタンの……インヴェディアの差金なんだろ」
 ラディアの好戦的な眼差しを受け、柳児はふ、と笑みをこぼす。  その微笑ひとつで、空間を浸す空気が変化する。それは彼が、人を逸脱したなにかであることをあまりにも端的に示していた。  ハーヴィーとラディアは、それを持って確信した。彼はアウェイカーである、と。そしておそらく、コアの持ち主でもあるだろうと。
 「僕は淑女の皆様に招待状を渡しただけさ」  「気取った話し方は、後で負けた時に恥をかくからやめた方がいいと忠告してやる」  「その言葉はそっくりそのまま君に返すよ。さて……それで君たちは、どうする? 大口を叩いてるくらいだし、この僕を倒すつもりでいるんだよね?」
 口元を笑みで歪め、柳児は挑発的に左手を―――もはや隠すつもりもないと言わんばかりに、左手の中指に収まっている金色のコアをひけらかす。
 「貴様……金星のルーラーか」  「そうとも。そういう君たちはアレだろう、サタンから聞いているよ。ゾディアック側についた負け犬の水星と火星のルーラーかい」  「いっちいちムカつくな、お前……!」  「事実をありのまま言ったまでだよ。で? サタンにコアを没収された君たちが僕に敵うとでも思っているのかな?」
 余裕綽々と、柳児は指で髪を弄りながら睥睨する二人と相対する。その立ち振る舞いには、圧倒的に己が強者であるという自負がにじみ出ている。
 「忠告したはずだ、大口を叩くと負けた後に恥をかくとな。貴様がルーラーだろうが関係ない。目的を言え、金星のルーラー。素直に吐けば貴様の氷像は砕かずにおいてやる」  「君たちに教える筋合いはないよ。そうだろ?」  「ならば吐かせるまでよ。小僧、やるぞ」  「ああ!」
 ハーヴィーが氷の槍を、ラディアが炎の双剣をその手に顕現させる。それを見てなお、柳児は顔色を変えずあまつさえ不敵に鼻で笑ってみせた。
 「まだ期は熟していない。それに君たちは僕が手ずから遊んでやるほどでもないしね。任せたよ、僕の愛し子!」
 いうなり柳児は後ろに飛び退き、コアを携えた左手の指を鳴らす。入れ替わるように、傍らに控えていた司会の女性が二人の前に躍り出た。  彼女の体に白い花が咲いたかと思うと、それはみるみる彼女の全身を覆い、散った。そうして散った花びらの嵐から、頭部に巨大な白い花を咲かせた女性型の怪人が現れた。
 「人じゃなかったのか��」  「星屑か……小癪な真似を」  「では失敬。僕は相棒のメンテナンスをしなくっちゃあいけないからね」
 言いながら相棒―――バイオリンを掲げ、柳児は踵を返す。向かう先はおそらくエントランス。そしてそのまま外に逃げるのだろう。  追おうと身を乗り出した二人を、白い花の怪人が阻む。手には真白い鎌を携え、何人足りとも先に行かせるものかと言わんばかりに刃を突き付け威嚇してくる。
 「上等だぜ。花なら燃やしちまえばおしまいだ!」
 ラディアが先行する。炎の双剣が、緋色の軌跡を描いて花の怪人に襲いかかる。  一撃を、白い鎌の柄が受け止めた。続く二撃目を、初めの一刀を跳ね返した勢いで鎌を回転させさらに跳ね返す。
 「クソッ!」  「退いていろ、小僧!」
 二連撃を受け流した怪人は、しかし体勢を些か崩していた。  その隙をついて後方に控えていたハーヴィーが水の槍を振りかぶり投擲する。槍は螺旋の軌跡を描いて、怪人の頭を突貫し―――爆ぜた。  崩れ落ちる怪人。倒れきる前に、その姿は無数の白い花びらになって床に散らばった。
 「は、口ほどにもないわ」  「いーから、リュージ追っかけるぞ!」
 二人は後を追うも、エントランスにもホールの周辺にも、すでにどこにも柳児の姿はなかった。  人気のなくなったエントランスに二人は戻ってきた。よくよく見てみれば受付嬢すらももいなくなっており、おそらく全てのスタッフが柳児の造り出したスターダスターだったのだろう。つまるところ、このコンサート自体が何かしらの計画によって開かれたものだったのだ。
 「チクショー、逃げやがったか!」  「だがひとつ、あの演奏家が元凶であることははっきりした。そしてアレがインヴェディアに属する金星のルーラーであることもだ」  「とにかく、ダイスケとおっちゃんに知らせなきゃ。アイツが何をしようとしているかはわからないけど、絶対ロクでもないことに違いねぇ」  「ところで小僧」
 大介たちに連絡を取ろうと携帯を取り出したラディアを横目に、ハーヴィーがぽつりと呟いた。
 「貴様女装しているのを忘れて戦っていたろう。幼稚な柄の下着が丸見えだったぞ」  「へあっ!?」
 ハーヴィーの身も蓋もない指摘に、思わずラディアは携帯を取り落とした。ギギギと油切れの機械の如し動きで、茹でたタコのように真っ赤になった顔をハーヴィーに向ける。その赤には怒りだとか羞恥だとか、とかく色々な感情が渦巻いていたがとうの原因はそんなことはおかまいなしである。
 「私はどうでもいいが、野生児なりに人の世に馴染もうとするなら多少は恥じらいを……貴様何故蹴る!」  「うるせー女装じゃねーよ!人のパンツ勝手に見んなこのスケベ!」
 静まり返ったエントランスに、二人分のわめき声が響く。大介たちに連絡が行くのはこの揉め事の、実に10分後のことであった。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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創星転生ゾディアック#12 愛の調べ~演奏会の罠~(前編)
 乙女座の力によって思わぬ災難を大介が被ったその翌日。  昨日に続いて、大介は誰よりも先に目を覚ました。  大介がおそるおそる目を開いて自分の体の状態を確認してみると、昨日の魅惑的な美女の体の名残もなく、見慣れた柔らかさの欠片もない体に戻っていた。
 「よ、よ、よかったぁ~……」
 安堵のため息を漏らす大介の声で、押し入れで眠っていた詩依子と横で眠っていたハーヴィーも目を覚ましたらしく、身を起こしてまじまじと大介を見やった。
 「あら、元に戻ったのね」  「うむ、どこから見ても不本意ながら見慣れた暑苦しい面よ」  「戻ったのはいいけど、ハーヴィーお前、もっと言い方があるだろ……」
 当の本人とは裏腹に、特段感動もない同居人らの反応に大介は気抜けする思いである。あのまま女の体のままだったらお前たちを養っていけないんだぞ、と内心一人ごちたところで、枕元に置いていた携帯電話が着信を告げた。  現在時刻、五時半ほど。こんな時間にいったい誰が、と思いながらディスプレイを見れば、そこには父、渡来大一からの連絡を示す文字。  電話くらい普通の時間にかけて欲しいものだと嘆息しながら通話ボタンを押す。
 「大介大介大介ぇぇぇ! 大変なんだよ! おはよう!」  「もしもし朝からうるせえな! なんだよ! おはよう!」
 耳に当てた電話から聞こえてきたのは、酷く狼狽した実父の声だった。
 「り、莉奈ちゃんが……莉奈ちゃんが……」  「……え?」  「莉奈ちゃんがいなくなったんだよぉぉ~!」
 スピーカーがなくとも周囲に響き渡るような悲嘆の声が発せられる。語尾は殆ど泣き声で、二十歳を過ぎた子供を持つ男性とは思えない情けなさである。  しかし、それに呆れるよりも先に大介は大一の言葉の内容が気に掛かった。  それもその筈である。大一の言う莉奈という女性は、大介の母なのだ。
 「おい、ソレどういうことだよオヤジ! 莉奈ちゃんがいなくなったって、いつからだよ!」  「わからないんだよ、それが! 朝起きたらいなくなってたし……」  「まさかテメー浮気でもしたのか!」  「するわけないじゃないか! 僕は莉奈ちゃん一筋だよ!」  「だよな!」  「だというのに、だというのに……ああ僕は一体どうしたら」  「だーっ! とにかく落ち着けよ! とりあえず後で会って話……」  「あ、それなんだけど」
 狼狽する父をなだめながら、直接会った方がいいだろうと提案しようとした大介の耳に、ガチャという音が飛び込む。それは玄関からだ。詩依子、ハーヴィーももちろん聞いたらしく、玄関の方を覗き込む。  そして、靴を脱ぐ音と共に。
 「来ちゃった」
 片手にピッキングセット、もう��方の手に携帯電話を持った長髪の男性―——大介の父、渡来大一が上がり込んできたのである。  二十歳すぎの息子がいるとは思えないほどの若々しいルックスと甘いハンサム顔に不釣合いな茶目っ気のある笑顔が、ただただ眩しい。
 「ちょ、テメッ……はぁーーーっ!?」  「まあ、さっきから声は聞こえてたんだけど……なんか大介くんと会話成立してたからいいかと思って」
 隠れようもなかったし、と詩依子は肩をすくめる。その一方で、大介は度重なる不測の事態に混乱するばかりであった。
 「オヤジ……何勝手に鍵開けて入ってんだよ……」  「いやぁ、一人じゃいてもたってもいらんなくてさあ。……ところで、そちらのお嬢さんと殿方は?」
 見られてしまったからには仕方がない。  整理のつかない心持ちのまま、大介は今の生活の状況の説明をするために、そして母の行方不明について説明を聞くために大一を座らせる。
 「ふむ……竜一クンの娘さんと、大介のバイトのお友達、か」  「お、おう……」
 とにもかくにも、妙な騒ぎ方をされる前にと大介は詩依子とハーヴィーのことについての説明を試みた。  詩依子については父の竜一が大一の旧友であるらしいということから、大一の息子である大介を頼ってカナダから来日してきたというように説明をした。  ハーヴィーに関しては適当にバイト先が同じ留学生だと言っておいた。その際、余計な事を言うなと必死に釘を刺したのは言うまでもない。  勿論、インヴェディアとの戦いのこと、コアのことは伏せた。命を賭した戦いに身を投じているなど言えるわけがなかった。もっとも、好奇心旺盛な大一のことである。心配よりも先に、目を輝かせてあれやこれやと問い詰めてきそうであるが、それはそれでややこしいので黙っておくのが吉だろうと大介は考えた。
 「まあ、若いからアレやコレやとあるのだろうな! 竜一クンがいいと言うなら大丈夫だ。大介は僕と莉奈ちゃんの子だからね、間違いを起こすような子じゃないしな! 異文化交流も結構結構」
 吟味するように黙り込んでいた大一だったが、しばしの間のあと大介の肩を叩きながらそういうと、笑顔で親指を立てた。どうやら特に疑問に思うこともなく納得したらしく、大介は胸をなでおろした。この時ばかりは、つくづく破天荒な父親でよかったと心底思ったのだった。
 「で、本題なんだけど。オヤジ、莉奈ちゃんがいなくなったって……」  「うむ……それがだね。昨晩、たしかにおやすみなさいのチューをして寝たんだよ僕らは」  「おう、チューのくだりはどうでもいいけど」  「だが目を覚ましてみればどうか……隣のベッドにいたはずの莉奈ちゃんが忽然といなくなっていたんだよ!」
 オーマイゴッド、言うや大一は顔を手で覆いながら天井を仰いで嘆く。  大介も母の突然の行方不明に、不安を隠しきれずに険しい面持ちになる。
 「室内に荒���された形跡はなかった。ただ、玄関の鍵だけが開いていた。これだけだと、莉奈ちゃんが自ら出て行ったと想像できるが……おかしなことに、莉奈ちゃんの靴はなくなっていなかった。つまり、靴も履かずに出て行ったんだよ」
 オーバーなアクションで嘆いていたかと思えば、大一はふいに冷静に状況の分析をしだした。破天荒な人物ではあるが、まがりなりにも学者であり、本来の彼は聡明と形容するに値する人物である。
 「そりゃ、可笑しな話だな。警察には?」  「連絡した……んだが、どうにもその時電話が集中してきていたらしくてね。後にしてくれと言われてしまった。後でもう一度連絡を取ってみるよ」  「ああ。俺もちょっと休み取って、莉奈ちゃん探しに行くよ」  「僕も心当たりのところを探してみる。車もないんじゃあ、一人でそう遠くまではいけないと思うのだけれどね……。じゃあ、とりあえず僕は一旦帰るよ。また連絡する」
 険しい面持ちのまま、大一は立ち上がった。
 「そうだ、最近何か変わったことはなかったのか?」  「いや、特にないが……。昨日大介の家に行った帰りに久しぶりにデートしたくらいだよ。有名なバイオリニストの獅子柳児が来日しているっていうからコンサートに行ったんだ。それくらいかな」  「……そうか。んじゃ」  「うん、また」
 出て行く大一を見送り、大介は深い溜息をついた。  たしかに破天荒な父親だが、妻の莉奈のことは何よりも愛している。そして彼女もそれに応えているおしどり夫婦なのだ。莉奈が家出をする理由もわからないし、大一の説明からすると何らかの事件に巻き込まれた可能性も否定できない。胸中の不安は積層するばかりで、溜息をつけどもそれと共に吐き出されることはなかった。
 「……大介くん、大丈夫?」  「ああ……」
 いつになく不安げな表情を浮かべる大介を気遣い、詩依子が声をかける。対する返事は酷く覇気がなく、生返事といってもよさそうなものであった。
 「私もお母さんを探すの、手伝うわ」  「悪い、ありがとう」  「……それに、大介くんのお父さんの話聞いた限りだと少しおかしい気がするし」
 神妙な面持ちで、詩依子が零した。彼女の言わんとすることをすぐに察し、大介は生唾を飲んだ。
 「おかしいって……まさか」  「インヴェディアが一枚噛んでる可能性があるかもしれないわ。でも、大介くんの家族を狙ったとしたらお父さんが残されたことが引っかかるし……」
 たしかに、仮にインヴェディアが大介の家族を狙ったとしたら大一も莉奈も攫う方がいいだろう。しかし、大一は残されている。不自然だ。
 「とにかく、まだ朝も早いし……。闇雲に動いても仕方ねえし、少し落ち着かないと。飯にしよう、飯」  「今作っている」  「すっかり主夫だなお前……」
 ***
 朝食の席でつけていたテレビが、ふと気がかりなニュースを映した。  画面に映し出されるのは、『緊急速報、女性の集団失踪』というテロップ。  どうやら、今朝方警察の元に恋人、或いは妻、或いは娘、友人、年齢を問わず、女性が失踪したという通報が多数寄せられたという。
 「これ……! もしかして」  「……何か関係があるかも���
 顔を見合わせる大介と詩依子の耳に携帯電話の着信音が飛び込む。大一からの連絡だ。
 「オヤジ、何かわかったのか?」  「一応、警察には連絡した。それで、その時に訊いたんだが莉奈ちゃんと同じように女性が失踪したっていう通報が多数あったんだそうだ」  「同じような話ニュースで見たけど……」  「うん。僕も警察署の前に張り込んで同じような事件に見舞われた女性の家族や恋人を何人か当たったんだ。するとね、奇妙な共通点があったんだよ。失踪した女性たちは、皆先日行われた獅子柳児のコンサートを見に行ったらしい。これがどう関係しているかわからないが……」  「……そうか」
 それから二三言言葉を交わし、通話は終わった。  大一が話していた、獅子柳児のコンサートの件を詩依子に話すと、彼女も思うところがあるのかふむ、と考え込んだ。
 「怪しいわね、その獅子柳児のコンサートっていうの。行ってみましょ」  「でも、俺はよく知らないけど有名なんだろ獅子柳児って。チケットとか取れるのか? それに、コンサートっていっても今日やるかもわかんないし」  「それは今から調べるし、チケットはユニヴァースの財力でもぎ取るわ。コンサートの類がなくても、獅子柳児ないし関係者を調べてみる価値はあると思う」
 そういうと詩依子は竜一に連絡を取り、一通りの事情を説明、獅子柳児のコンサートのスケジュールや彼の近辺の調査を依頼する。  程なくコンサートについては今日も予定があり、チケットも入手できたと報告が返ってきた。
 「……ってことで、行きましょ。二人分取れたから私と大介くんね」  「ハーヴィーは……」  「留守番」  「フン、まあ昨日は追い出されたせいでろくすっぽ掃除も炊事も手をつけられなんだ。その方が都合がいい」
 そういうハーヴィーは本心でそう言っているらしく、特に残念がる様子はない。というか、別に遊びに行くわけではないのだが。
 「そうと決まったら、支度しないとだな。……なあ、バイオリンのコンサートなわけだろ? 服装ちゃんとしたヤツじゃないとダメ……だよなあ」  「ないなら竜一くんに頼んで用意してもらうけど」
 まさかこんなところで正装の必要が出てくるとは、などと思いながら大介は詩依子の申し出に首肯した。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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憑屋よもやま話第二回『主人公の話』
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よもやま話第二回。
さて、今回は主人公…まあ南雲さんですね。彼の話でもしようかなと。
今回はネタバレを含みますのでご注意をば。
つづきからどうぞ。
といったものの何を話したものか(…)造形初期の話からしましょうかね。
まず最初��今ほど口が悪いわけでも、目つきが悪いわけでも童顔なわけでもなく、一見穏やかだけど怒ると怖い坊さん、みたいなキャラクターにしようと考えていました。なんというか、あまりお坊さんらしくないキャラ付けにしたかったんですね。
が、この造形が私が書いている別の作品『死神の葬送曲』の主人公に駄々被りということに気がつき、方向が変わりました。そしてそこから造形を変えて口が悪い坊主、という感じになっていきました。
さて、制作初期のラフがこちら。
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もうひとつの初期ラフはひとつ前のよもやま話で掲載しているものです。その頃はピアスや三度笠みたいな装飾品がありました。ピアスは私のフェティシズムですが、三度笠は旅人らしさを出したかったから付けていた記憶があります。
初期は今ほど童顔ではないですね。これは描いているうちに手癖で童顔になっていた感じです。身長も描いているうちに縮んでいきました(…)
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こちらが決定稿の設定画です。履物だけ赤になりましたね。
この時点で年齢、身長、もやしであることは決まっていたようです。とはいえ、まだまだそこまで童顔ではないですね。ちなみにこの頃に袈裟のテクスチャを作って置かなかったことを制作後期になって私は再三に渡り後悔するのでした。
さて、ここからが設定の話になります。ネタバレ含みます。
最初に決めていたのは霊装ができる口の悪い坊さん、くらいで、かなり行き当たりばったりでシナリオを書き始めました。書きながら設定を決めていった結果、本編で描かれたとおりのアヤカシと人間どっちつかずの坊さん、という造形になりました。
彼の生い立ちは4幕で描かれた通りですが、人に裏切られアヤカシに手を差し伸べられ、また人に手を差し伸べられたという経験があったからこそ、1幕でヨマに対して「心に人もアヤカシも関係ない。心のない人もいないし、心のないアヤカシもいない。ただ、価値観が違うだけだ。他者を思い、行動する仁の心も、人だろうがアヤカシだろうが関係ないってことだ」とか言えたわけですね。1幕でヨマに拒絶された時も、南雲自身の性格を考えればあそこで無視していたところではありますがほうって置かなかったのはそういうことです。勿論、神楽宮が怖かったのもありますが(笑)
ヨマに対していじわるを言いつつも何かと気にかけていたりしていたのも、親近感を少なからず覚えていたからでしょう。ヨマが4幕最後で言っていた、(人にもアヤカシにも、色々いる。心に、人もアヤカシも関係ない……。南雲さんは、私と反対だったんだな……)というのを南雲も感じていたのでしょう。
ちなみにイズモに拾われたとき「本当の自分の名前は忘れた」と南雲は言っていますが、実際はちゃんと覚えています。おそらくその名を名乗ることは一生ないでしょうが。
さて、神楽宮に引き取られスサノオに行った後の話です。キクリやシノノメとの関係ですね。
キクリとは本編で話されていたとおり、キクリが南雲の特異な力(※)を素直に褒め、初めての友達になったところから関係がはじまります。ひねくれものの南雲を真正面から見据え、友達になったのは人間では彼女がはじめてだったんですね。神楽宮はあくまで師匠という立場でしたので。
で、まあ年頃なので自然と年の近い女の子には惹かれるわけです。旅に出る前のキクリとの別れからずっと彼は平気な素振りをしていましたが内心ずっとキクリを想っていました。修行の旅に出ることにしたのも、半分くらいは彼女への想いを振り切るためでした。南雲の初恋は彼女であり、そしておそらく最後の恋も彼女です。最終幕での別れから、彼は一生彼女を想い生きていくことになるわけです。実は憑屋奇譚南雲の物語の軸のひとつとして、『南雲が初恋を吹っ切るまで』という設定がありました。荒療治です。
(※)『憑屋』の能力、アヤカシと心を通わせられる能力は、基本的にアヤカシが驚異とされる日ノ国では特異なものです。作中ではアヤカシに寛容な人物が多かったですが、アヤカシを討伐する『狩屋』が職業として成立するだけあり���実際はアヤカシの存在は好まれないものです。
次にシノノメとの関係ですね。
シノノメが神楽宮襲撃に失敗したあと、「死んでもいい」と言った時に怒ったのは単純に自分が今までしんどい思いをして今まで生きてきて、これからもそれを抱えて生きていくつもりなのに先に楽になろうとしているバカがいる、というのがムカついて怒ったんですね。要するに八つ当たりです。ただ、シノノメからしてみればああして叱られたのははじめてで、それがすごく衝撃的だったんですね。結果、彼の生き方を変えてしまったというわけです。それがよかったのか悪かったのかはさておき。
彼のこれまでの人生の話はとりあえずここまで。さて、本編の後これから彼がどうしていくのかの話でもしましょうか。
本編EDで彼の目が彩度の高い紫になっていたのはキクリの魂の欠片を憑かせているからです。とはいえ、話したりすることはできません。ですが、彼の中で彼女は生きています。
本編のラストでの霊装から、多くの霊力を取り込んだ彼は少しずつ人間の範疇から逸脱していくことになります。今までの霊装の影響もあり(本来霊装は自身がアヤカシに近しいものになるので大変リスキーな術でもあります)、アヤカシではないもののアヤカシに近しい存在になっていくということですね。これから彼は人よりも長い時間を生きていくことになります。その最後がどうなるかは読んでいただいた方に委ねたいなあと思ったり、思わなかったり。
彼のこの先の長い旅路がよきものであるといいですね。とか言ってみたり、みなかったり。以上、主人公の話でした。
次回は誰の話をしましょうかね、ヒロインの話とかでしょうか。なにかこういう話がみたい!とか希望などございましたらどうぞお気��に。
ではちゃんと続いたらまた次回。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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憑屋よもやま話第一回『総括』
さて、『憑屋奇譚南雲』公開からそろそろ2週間くらい経ちますね。
クリア報告やプレイしてるよ!などお声を頂いておりまして本当にありがたい限りです。
さて、前々から言っていた憑屋のコラム、もとい表に出なかった設定とか諸々のお蔵出しコーナーを本日より不定期でやっていこうかな、と思います。
今回の話は作り終えて一息、自分で制作を振り返ってみた総括です。
一回目から総括ってなんやねんって話ですがお付き合いいただければ幸いです。
元々は主人公が変身しながら戦うRPGを作りたいなーというふんわりしたところからはじまりました。
開発室でも話が出ましたが、最初の案では小学生男児が妖怪の力を借りて戦う、というような話でした。
当時私がホビーアニメにドハマりしていたため、なにか子供を主人公に作りたいという考えのもとそういう初期案にたどり着いたと記憶しています。
変身モノを想定していたのも、当時見ていたホビーアニメが変身モノが多かったのも一因ですね。
南雲はその主人公の少年の相方、或いは助言役というポジションを想定されていましたが、なかなか話が思いつかずに没。
なら、舞台を以前描いていた漫画『狩屋鬼譚ゲキ』の日ノ国にすれば妖怪も出しやすくRPGとしての体裁を作りやすいのでは?というところから『憑屋』の話が出来上がっていったというような感じです。
正直なところ、話を作るにあたって世界観の構築が一番時間がかかるし難産であり、逆に言えばここさえ出来てしまえばあとは早かったです。
アヤカシを自分に憑依させて戦う坊主が旅をする。RPGツクール製の和風RPGもあまりないし、いい切り口かもなーと思いつつ構想を作り上げていった感じです。
さて、本作のミソと呼ぶべき霊装システムですが、そんな流れから最初に通常の姿、火車の姿、雪女の姿、と3パターンほど考えて、そこから広げて行きました。
制作初期のラフがこちら。
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どれも現在��さほど変わりはないですね。
こんな感じでその他メジャーどころの妖怪の霊装を考えて考えて…性能なども鑑みていたら気が付けば26種類というアホみたいな量のコスプレ衣装が出来上がっていたという。
基本的に私自身がビジュアル面から書き起して考えていくタイプなので、おおまかなキャラ設定を作りあとはひたすらラフを描いて、そこからシナリオを書いていきました。
シナリオについては……ぶっちゃけ話の考え方は「勇者が魔王を倒しに行く」型のRPGとして、ストレートな話として考えていました。和風AF、みたいな。AFも完成させないとな…とそれは置いておきまして。
ただ、話を読みながら色々考えてもらえるようにキャラそれぞれにある程度のバックボーンは作りこんでいます。シナリオ中では南雲やヨマの話がメインになりますので、あまり出せてはいないのですが……そのために制作の後期になって実装したのがSSシステムでした。システム周りの作業をしながら誰だよショートストーリー12個も考えるとか言ったアホは!!!???とキレ散らかした記憶もありますが、まあそこはそれ。言ってしまえばキャラゲーと言えなくもないですが、それでもプレイしていて一人くらいはお気に入りのキャラクターが見つかれば嬉しいなあと思います。
王道の真ん中を行くような物語であり、複雑な伏線は張っていませんが後半になって明かされてくるキャラクターの過去を鑑みて、もう一周やってみると「ああ、あそこはこういう気持ちで言ってたんだなー」と思ってもらえるような物語には出来たかな…とか…勝手に思っているだけですが。特に4幕をプレイしてから1幕での南雲の言葉を考えてみると腑に落ちる部分はあるんじゃないかな、とか思います。
グラフィックについては、もうできるだけ盛っていこう!というのが当初からの目標でした。
物語はよくも悪くも王道、システムは少しクセがある、絵自体の質についてはあまり自信がない、というところから、それでも画面に絵がバン!バーン!といっぱい出てきたら見てて楽しいよね?という主観の元増やしまくったスチルが50枚強。立ち絵を含めるとグラフィック総数は気が付けば500枚ほどになっていました。
ヒーヒー言いながら描いていたかいもあってか、グラフィックについてはおおむね評価をいただけているのが本当にありがたいかぎりです。無意味にEDは動画だしコモンEDまで作ったしね!頭おかしいのか?(…)
そんな感じで振り返ってみると最初から最後までヒーヒー言っていたような気がしましたが、友人にも応援してもらいつつどうにか完成。公開まで漕ぎ着けることができました。本当に死ぬ前に公開できてよかったです!本当に!人間いつ死ぬかわからないからね!
ということで、まあ総括すると楽しかったな制作…って感じです。月並みか。
次回の題は……主人公についてでも語ってみますかね。そんなに語ることない気もするけど(…)
もし「こういう話ないんか���」とかあれば言っていただければそれで行きたいかなと思ったり。
まあではそんな感じで締まりも緩いですが憑屋よもやま話第一回終了です。それではまた第二回に。ではでは。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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アップデートのお知らせ
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『憑屋奇譚南雲』アップデートいたしました!
現在アップデート済みのデータはフリーゲーム夢現様の紹介ページからDLできます。
ふりーむ!様にもアップデートの申請をさせていただいているところですので、申請が通り次第そちらからもDLできるようになるかと思います。
今回のアップデート内容は以下の通りです。
【Ver.1.1】
第一幕大ムカデ戦後、レベルアップのメッセージが出るのにレベルが上がっていない不具合を修正。 『識瞳』を使用した際の敵データの誤り、表示を一部修正。 シノノメの技、『水遁【水竜波】』の設定ミスを修正。 マップの一部不自然な箇所を修正。 最終幕一本だたらイベントの最後に謎の数値入力画面が出現、 その後霊帖を閲覧しようとすると金属性だけ閲覧できなくなることがあるバグを修正。 (※すでにバグが発生した場合、町に出入りすると直るようになっています) 一本だたらイベントで『青い石』が減らない不具合を修正。 開発室のプロフィールの誤字を修正。 開発室にて特定の記憶の欠片を持っていないととある人物が出現しないように修正。 マニュアルのセーブについての記載の誤りを修正。 (町、ダンジョンではセーブできないと記載がありましたが本来はできます)
DL、アップデート、何卒お願いいたします。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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感謝御礼
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『憑屋』より最終幕登場の南雲さんの幼馴染キクリちゃん。
『憑屋』では珍しいナイムネヒロインです(…)この絵はちょっと盛りましたね
さて、先日公開した『憑屋』ですが色んな方にDL、���レイしていただいているようで感謝、感謝です…!
レビューもいただいておりまして、ひととおりクリアしていただいているということがまず嬉しくて、色々とご意見ご感想いただけていることがまた嬉しい限りです。ありがとうございます…!
ご意見を拝読させていただいたところ、やはりシステム周り(特に戦闘)にはまだ課題が多く、次があるとするならもっとストレスフリーな感じにしていきたいなあ、と感じました。
一方、一番力を入れていたグラフィックについては好評なようでして、嬉しい限りです。
バグ報告もちらちらといただいておりますので、後日時間があるときにアップデートを考えております。
主にTwitterにて広報させていただくかと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
公開からぼちぼち一週間くらいになるかと思いますが、しばらくしたら週ごと、もしくは不定期でタンブラーで憑屋コラムなるものでもやってみようかなあと考えているところです。
といっても、本編中で出し切れなかったネタとか与太話を放流するだけですが。
あとは憑屋の専用サイトを作ってみたり、攻略ページを作ってみたり、PVを作ってみたり…とやりたいことをあげていけばキリがない現状ではございます。
そのうち人気投票をしてみたりとか…出来ればいいなとか…。
ちまちまとサイトの方も充実させていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
余談ですが、『憑屋』は過去に描いた『狩屋鬼譚ゲキ』という漫画と世界観を同じくしています。
こちらを読んでいただきますと『憑屋』ワールドがちょっぴり広がるかも?とか思ってみたり、みなかったり。
ちなみに『憑屋』は『狩屋』の3年前の話という設定です。描いたのは『狩屋』の方が先だったり。
『狩屋』もそのうち続き描きたいなー!
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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『憑屋奇譚南雲』公開です!
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よ う や く !!
公開となりました!!!
『憑屋奇譚南雲』、フリーゲーム夢現様にてDL開始です!こちらからどうぞ!
ふりーむ!様でも申請させていただいていますので、近々そちらからもDL出来るようになるかと思います。
およそ2年ほどかけてのったらのったら作っていた作品ですので、思い入れもひとしおです。色んな方にプレイしていただけると嬉しいなーと!思い!ます!!
ご意見、ご感想、バグ報告、バグ報告、バグ報告、ぜひぜひお待ちしております!
よろしくお願いいたします!!
【!】以前の『体験版』のデータをお持ちの方へ【!】
一応セーブデータを引き継ぐことはできますが、体験版にはなかった追加要素があります。
ですので、最初からのプレイを推奨いたします。
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nok0000xxxx-blog · 9 years ago
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『憑屋奇譚南雲』完成!
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ふりーむ!様、フリーゲーム夢現様に公開の申請を出してきました…!
随分時間がかかりましたがようやく完成まで漕ぎ着けました。
申請が通り次第、公開の告知をさせていただきます、よろしくお願いします!!
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