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旅の話 山口編①
3月の終わりに山口県へ行った。金曜に仕事を終え、萩行きの深夜バスに乗るために東京駅へ。八重洲の地下街の端にある、昔のパーキングエリアみたいな雰囲気のカレー屋で380円のカレーを食べ、それまで退勤中の感覚だったのが一瞬で旅の感覚に切り替わる。
19時30分、深夜バス萩エクスプレス発車。
1週間の疲れもあってか、早い時間にも関わらずすぐに寝付くことができた。
翌朝、広島の沼田PAでの休憩で起床。広島や、山口県内各都市の停留所でそれぞれバスを降りる人がいる。終点の萩に向かう頃には、車内はガラ空きになっていた。
乗車時間15時間40分、���京から1,000㎞。最終目的地の萩に到着。
レンタカーの時間まで萩市内を駆け足で散策。時間が足りなくて昼食を食べ損ねた。朝食用に買ったパンが余っていて助かった。レンタカーを借りるや、秋吉台の方向へ。これから3つの鍾乳洞を巡る。
①景清洞
平坦な横穴がトンネルのように続いている。受付の人に探検コースは水浸しだよと言われたので観光コースだけにしたが、意外と探検コースに行っている人がいる。あとでわかったが探検コースの途中までなら大丈夫だったらしい。
②大正洞
景清洞よりも入り組んでいる印象。この洞窟では、音声ガイドとして「マグシーバー」が貸与される。マグシーバーとは株式会社グローバル振興が開発した特殊放送受信機で、昭和50年から平成4年にかけて日本各地の観光地で導入された実績があるようである。世の中には知らない道具がたくさんある。
さて、洞窟を2つ巡ったところで、夕方にもなったので宿泊地へ向かう。俵山温泉へ。明治屋旅館で一泊お世話になる。
この温泉街の旅館には内湯がなく、宿泊客は皆外湯へ出向くことになる。外湯へ行きがてら街並みを散策したりして過ごす。桜が咲いていた。夕食は鹿肉と猪肉が乗ったそばを食べた。
翌日、3つ目の鍾乳洞へ。が、その前に、もう一つ気になっていたスポットへ寄り道する。
江原ウバーレ集落
石灰岩の窪地の中にある集落。全方向を山に囲まれていて流れ出る川がなく、雨が降ったら湖になってしまうのではないかと心配になる地形をしている。なのになぜ湖にならないかといえば、一番底の箇所に「吸い込み穴」があり、雨水などはそこから地中の洞窟へ流れこんでいくからだという。
人の生活空間にあった水が洞窟に流れていくというのはなんだか不思議な感じがする。
ちなみに吸い込み穴は一応フェンスがしてあるのだが周りから落ち葉とか入っちゃっており、詰まったらやっぱり湖になってしまうのではと心配になる。
次回、この旅最大の目的地・秋芳洞へ
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京王線と小田急線を乗り換えるのは少々面倒である。地図上で遠回りをするのがしゃくなので私はしばしば徒歩でショートカットをする。
今回は稲田堤から新百合ヶ丘までを歩いた。
稲田堤から西菅団地の方へと坂を登り、日テレ生田スタジオを越えたあたりで森の中の遊歩道に入る。多摩美の森というようだが美術大学との関連は特にないようである。森を抜けると小田急線のある街道沿いに出る。ここから小田急線の読売ランド前駅で電車に乗ってしまってもいいのだがもう少し歩くことにする。車道沿いをひたすら歩いても退屈だからまた住宅街の小高い方へと足を進める。
なるべくより高い所へ行くように歩いていくと、この周辺で一番高いと思われる高石神社に到達する。

登頂を終えたことだしふらふらと下山する。小田急線の百合ヶ丘駅にたどり着く。
百合ヶ丘という駅は大学生の時にもなんとなく下車して散歩したことがある。古き良き郊外住宅地の趣がある町で、思えば私が郊外の散歩を好きになっていった直接的きっかけでもある。駅前にある信用金庫の建築がとてもクールで心を掴まれたものだが、再訪したその建物は解体の真っ只中であった。以下の画像は在りし日の姿である。

結局もう少し歩いて新百合ヶ丘まで歩いてから電車に乗った。そういえば新百合ヶ丘の次の柿生には降りたことがない。あえて意識する機会もないが小田急線に乗るたびにあ〜良さそうだな〜と思ってはそのたびに忘れている気がする。
次の散歩は柿生にしましょう。備忘録として。
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北と西①
またも個人的な話だが日本列島でいうと北の方への憧れと西の方への憧れがそれぞれある。関東に住んでいるから地理的な広がりがそうというだけのことかもしれないが。
祖父母が金沢にいて小さい頃は鎌倉から毎年車で帰省していた。移動は夜だったり昼だったりしたがどちらも好きだった。ルートはバリエーションがいくつかあるが、だいたい以下のような感じだ。
まずは中央道を目指すことになるが、当時は圏央道がまだなかったから一般道で相模湖まで行くことが多かった。相模湖インターから中央道に乗り、山梨県を貫いていくことになる。今ではすっかり商業的になった談合坂SAもそのころは日本道路公団の残り香があって、「談合坂ラーメン」という名前のただのサービスエリアの醤油ラーメンを妙においしく感じた記憶がある。
長野県周辺で一泊はさむこともしばしばあった。 めちゃくちゃ高い山の見える風景というのはそれだけで特別だと思う。高原リゾート的な情緒は嫌いではない。ヨーロッパの国々に少なからぬ憧れがあるけれど、その端緒はこういうところかもしれない。
失速してきたので気が向いたら続きを書こうと思う。
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自分の体感したことや好きなことについて自分の言葉を残しておくことを、久しくやっていなかった。
やっていこうと思う。
もう半年前の秋のことだが上京をした。故郷を離れ、友人たちがすでに住んでいたシェアハウスの一室に転入した。四畳半、窓は木製サッシ。
冬は寒かったことのほかは覚えていない。
さて、気候が穏やかになり散歩が捗るようになった。晴れた日曜に高尾山を登った。西の端から東京��一望してようやっとこの都道府県に生活圏を移したのだという実感が湧いた気がする。
ニューウェーブバンド・アイズも集まりやすくなったおかげかユニークな人たちと交流する機会が増えつつある。
やるぞ〜

しかしながら、労働に追われ、表現したいことについての思考が衰えている気がしてならない。限られた時間でいかに効率よくストレスを発散し、休眠を確保するかということでループが完結してしまっている。
上京前はあまり働いていなかったので雑多なことを考えたり何も考えなかったりしていた。自分が表現したいことのためにはこれらの状態が重要だったと思う。
じゃあ表現したいこととは何であるのか、次回深めていこうと思う。
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ロストポラウ・ホリデー
大和駅からフラフラ歩いていると緑地に入った。なんかせせらぎが流れているんだけど引地川(※1)の最上流部とのことだった。台地の中の谷になっていて住宅地のエアポケットという感じでもある。園内を奥へ進むととわりかし深い森がある。森を歩くのは久々だ。
自然物は人工物と比べると「これのこういう部分に絶対注目しなさい」みたいな誘導が基本的にない。街や電車で広告に囲まれているととてもインパクトのある文言やとてもわかりやすいイ��ストにばかり目が行きがちですよね?そういうのからフリーになれる自然は貴重だ。
あと江戸時代築の茅葺民家が2棟展示されていたので見た。人工物も経年によって当初の意味が薄れたり実社会から切り離されたりすると自然物に近い印象になることがある。本来なかった権威性を後の人間につけられる場合もあるけど。
というわけで癒しを求めると自然か古いものどちらかに行きがちなんだけど実際には暗渠とか変電設備とか注目を集めなくていい人工物もたくさんある。自然や古いものが身近にあまりない都市生活者としてはそういうものが見えていた方が心に余裕が持てそうだ。
余談:その後たまたま発見した大衆酒場の居抜きのバングラデシュ料理屋に入った。ロストポラウという骨つきチキン煮込みアンドライスが絶品だったので機会のある方は食べてください。BGMが長渕剛の乾杯⇨長渕剛の乾杯のカバー(誰なのかは不明)だったのでもう数時間いたら全てのカバーバージョンを聴けたかもしれない。
※1 引地川…神奈川県大和市・藤沢市を流れ相模湾に注ぐ二級河川。
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原風景
幼少期を過ごした風景が創作の源になっている創作者は一定数いるのではないか
創作者を名乗れるかはさておき自分自身も幼少期に過ごした場所の空気感を何かに反映させたくて音楽をやってるみたいな部分がある
自分が小3まで住んでいたのは5階建てのコンクリートの集合住宅で、でかい工場や関連施設に囲まれていて閉鎖都市みたいな雰囲気があった 一番身近な公共交通機関はモノレールだった
いわゆる田舎でも都会でもなくかといって新興のロードサイド型郊外でもない無機質な風景の中で擁壁をよじ登ったりして遊んでいたと思う
音楽に関してここ最近ジャーマンニューウェイヴとか古いシンセものをよく聴くようになったがレトロフューチャー感というか教育番組感というかがそういう風景にマッチする
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pacific southwest
四国へ行った。 松山に着いてうどんをサクッと食べ、特急宇和海に乗車。終点は宇和島。宇和島市内をフラフラし、バスで三浦半島へ。
1 三浦半島 神奈川の三浦半島とは同名だが別物。とにかく細長くて平地はほとんどない。海は穏やか。海上にプカプカと小屋が浮かんでいる。後で調べると真珠養殖のための作業小屋らしい。東南アジアかどこかの水上集落を連想する。
2 遊子水荷浦 三浦半島の一角。段畑で有名。急斜面の上から下まで石垣が組まれ、今も耕されている。平行な石垣の上を農業用モノレールがうねうねと跨ぐ。段畑はこのあたりでは元々珍しくなかったらしいがこのように残っているのはここくらいだという。
遍路向けの激渋旅館で一泊。
3 外泊 愛南町は西海半島のほぼ西端。家々を強風から守るため集落全体に石垣が築かれている。ここも昔は山の上まで段畑だったらしいが今は完全に森林になっている。
バスを乗り継ぎ高知県に突入。豪雨。次の目的地が室内なので良かった。
4 足摺海洋館 来年リニューアルするらしいから見ておきたかった。そこまですごく古い感じはしないが単純に水族館として良い。マンボウの餌やりが印象的。
5 足摺海底館 無二のレトロフューチャー建築。雨なので海中は渦しか見えなかった。
6 ヤバい廃墟 前情報なしでたまたま遭遇。植物に飲まれつつある中華風の豪華な建物。装飾とか相当金かけたんだろうな。中を覗くとレストランコーナーや、傾いたペンギンの剥製。
80sを感じるホテルで素泊まり。地元スーパーで買ったシイラの刺身(半額)が美味だった。
7 足摺岬 遊歩道に七不思議が点在しているんだけど大体弘法大師が絡んでいる。特に良かったのはそこらへんの岩に大師が彫った「南無阿弥陀仏」の文字。ヤンキーじゃん。ちなみに爪で。
8 ジンベエザメ ジンベエザメをタダで見れる施設。何の変哲も無い漁村にいきなりある。地元レディのチルスポットになっているようだった。
中村から特急あしずりで高知市内へ。レンタカーを借りて山岳地帯へ分け入る。
9 池川集落 仁淀川町の玄関口。山の斜面に茶畑や民家がへばりついている。スケール感がかなりある。「花の里」というサイケデリックな公園があって良かった。
池川を後にして椿山を目指す。道がエグすぎて死ぬかと思った。
10 椿山集落 とにかく最高。
高知市内に帰還。ウツボが美味。サウナで一泊。
11 沢田マンション 白を基調とした明るい違法建築。階段やスロープのあり方が面白い。実際に住める。
以上
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車載動画
車載動画が好きだ
ドライブレコーダーで記録されるようなアレだ
これは現代に生まれてよかったなと思うことの一つなのだけど 動画サイトには国内外の様々な土地で走行を記録した車載動画がごろごろ転がっている
私は旅行をする時に道中の風景を見るのが好きだ
その土地の普通の風景は実際に行かなければ知ることができないからだ
ところが、車載動画を検索すれば家にいながらにしてそれができる
たいへん安上がりな趣味である
昨日は新潟県魚沼市〜福島県只見町の動画を見た カマボコ型の車庫、倉庫がわんさかある
調べたらカマボコ型は屋根の上に豪雪を積もらせない工夫らしい
雪国はそういう工夫がいろいろありそうだ
風土に即した風景というのは過去だけのものではないのかもな
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