Tumgik
nyannyanyann · 3 years
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金木犀も枯れた雪の降る街に、薄っぺらい財布と携帯を持ちコンビニへと駆け込む。全てに逃げ出したかったおれは、540円の煙草と缶珈琲を買えば帰路に着く。
また今日もベランダで吹かしたあと、ひとりベッドの上善がり絶頂するでしょう。ただの自己満足オナニーである。人生も、煙草を吸うのも全てオナニーである。また、こんにちも普遍的で規則的な1日になるであろう部屋をチルして眠りにつくのです。
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おれは、あんたが世界一、死んでもいいほどに好きだった。一緒に居られるのであればそれだけが存在の理由であり、価値だった。甘さと、少しの苦味。それが心地良過ぎてしまっていたのだ。もっとも、それはおれだけだったけれど。 おれがおまえと全て一緒になりたいと思っている頃にはおまえはおまえでは無くなった。縋るものがなくなったおれは未だにお揃いの煙草にさえ、甲斐甲斐しく想いを寄せている。おまえの息と存在のモラトリアムがくるしい。おれのなかを知ったおまえの森羅がかなしい。
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おれは、あんたが世界一、死んでもいいほどに好きだった。
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フィクションです。
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