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SONY Eマウントに深入りしなかった訳
もう約10年前か、Sony Eマウントでレンズ交換式のデジタルカメラを初めて使い始めた時、Eマウントを選んだ一つの必要性は、Aマウントや他社のレンズをアダプターで生かせるからだった。特に、CONTAX N/645レンズを多数持っていたし、後述する通りZeissのZFシリーズも当時人気で、それらが電子接点付きのアダプターで使えることは大きな利点だった。また、CONTAX GマウントやライカMマウントのレンズを、当初は電子接点がないアダプターだったが、使えることもその先の魅力だった。
しかしEマウント用に出るレンズは高価な割に欠点もいろいろ感じられ、仕事用の16-35mm F4 ZA以外に買った新レンズは、タムロンのOEMと言われる90mmマクロのみだった。
新レンズのどのような点が不満だったかを挙げる。
・ 35mm ZAはレンズの片ボケの報告が多く、値段なりの品質コントロールが出来ていなかった。必然的に、COSINA-ZeissのNikon Fマウント用レンズをアダプターで使う方が良いと考え、実際Zeiss Distagon 35mm F1.4 ZF.2を購入した。
・ Eマウントの新標準レンズとしてSonnar FE 55mm F1.8 ZAが出たが、それにも魅力を感じなかった。これはソニーが設計してツァイス名を冠したものだが、中心部の解像にパワーを振ったため、周辺部は距離によって悪名高いぐるぐるボケが発生したり、絞った時のMTFチャートはサジタルとタンジェンシャルが大幅に乖離していた。
・ Eマウントは元々APS-CのNEXで性能を満たせるように設計されたマウント径と言われており、フルフレームのデジタルカメラの中では最もマウント径が小さく、レンズ設計の制約になっていると考えられた。従って特に広角から標準レンズの設計に無理が生じ、中心部と周辺部の落差や、歪曲など、どれかを捨てたようなレンズが多かった。
・ GMレンズは非常に高価で、その割に特に初期のGMレンズには万能感がなく、やがて立ち上がったNikon Zのレンズの優秀さに目が行くようになった。
そういうわけでSony Eマウントレンズへの投資は抑え、ある時点からは殆ど買わないと決めた。買ったレンズは16-35mm F4 ZA、Zeiss Loxia 50mm F2、90mm macroのみである。Aマウントでは唯一無二のレンズがあった。例えば、所有していた135mm STF、200mm F4 Macro、100mm Soft Focusだ(100mm Softは後で買い足したもの)。それらはマニュアルフォーカスか、ボディー側モーターで駆動するAFなので、マウントアダプターでもマニュアルフォーカスしかできなかったが、それでもレンズを維持する価値があると思った。
一方で、はじめに買ったカメラはA7 RIIだったが、RAW現像しても思うように出ない色があるとか、緑が鮮やか過ぎると思うことはあり、色への信頼性があまりなかった。
この状況が大きく変わったのは、A7 IVが発売され、また純正AマウントレンズアダプターでSSM以外のAF駆動レンズでもAFが使えるようになったことである。(続く)
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SOHO, New York. 2024.
CONTAX 645 Sonnar 140mm F2.8
一部では不人気と評されるレンズですが、気に入っています。アダプターを使ってSony A7 IVで撮りました。
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オールドカメラは備品が命
今となってはビンテージな写真機材をスナップ以上に使おうと思うと、フラッシュとか、フラッシュブラケットとか、レリーズケーブルとか、角型NDフィルターを付けるリングとか、PLや黄色フィルターが必要になって、集めるのに手間とお金がかかる。
昨日はCONTAX 645用のフラッシュブラケットMSB-1を買いました。
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CONTAX 645 Planar 80mmをフジが参考にした説
フジフイルムがGF 63mmか80mmのどちらかを開発するにあたり、「CONTAX 645 Planar 80mm F2 の写りを参考にしたのではないか」という趣旨のブログがありましたが、再び探し出すことができなくなってしまいました。フジの開発は80mmより63mmが先で、63mmがCONTAX 645 80mmでフィルムに写る範囲に近いことから、恐らくGF 63mmのことだったと推察しています。どなたか教えて頂けますと有難いです。
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New York Stock Excahangeのクリスマスツリー。高さ21メートルのモミの木です。古いレンズながらシャープに写っています。
Minolta 135mm STF F4.5
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デジタル対応のホースマン
フジのGFXシステムに30mmのティルト・シフトレンズがあって、それは素晴らしいかもしれないけど、56万円もするので、それならホースマンのVCC Pro G(約40万円、備品別)にHassel VまたはPENTAX 645または大判のレンズを買うという選択もあるのだよな。そういった古いレンズでもGFX50Sなら十分な解像度ではないだろうか。
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Leica Q3 43
43mmのレンズが話題で、ライカもその利点を結構宣伝したようだけど、1997年以来、PENTAX FA 43mm F1.9 Limitedがあることを思い出して欲しい。2021年にHDにリニューアルされている。私は購入してSony Eマウントで使っている。
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「山岳プラナー」の本当の意味~古いレンズを買う上で考えること
Hasselblad V システムの標準レンズとしては、Planar 80mm F2.8 の他にPlanar 100mm F3.5(通称 「山岳プラナー」)が有力な候補に挙がります。何年も前の値段がどうだったかは���えていませんが、CFi/CFEレンズを比較する限り、80mmより100mmの方が今は数百ドル高いようです。
Zeissが公表している両レンズのMTFは、同一のF値ではないため明らかには比較できませんが、合理的に推察する限り、F3.5付近の同一絞り値では中心部でほぼ同じMTFで、周辺部は100mmの方が良さそうです。一方で、100mmのF8でのMTFと80mmのF5.6でのMTFを比べると、中心部は80mmの方がF5.6でも100mmを凌駕しており、それより絞っても80mmの方が優れているでしょう。周辺部は、80mm F5.6での落ち込みが大きく、それは恐らくF8に絞っても100mmには及ばないと推察できます。
また���歪曲は100mmではほぼないのに対し、80mmでは最周辺部で-1.0%程度あることが示されています。
最短撮影距離はどちらのレンズも0.9mです。
ここまでを理解すると、資金のある方は断然 Planar 100mm F3.5を選ぶべきではないか、と考えるかもしれません。F8程度まで絞った時以外を除くと、Planar 100mmの方が概ね全域で周辺部まで良く解像し、平坦に写るからです。Planar 80mmを持っている私も、100mmを買い求めるべきか、80mmを売ってまで買うべきかと暫く悩みました。しかし今では、80mmで良いと言う結論に至っています。その理由は次の通りです。
(1)100mmのMTFの良さは遠景のものであって、被写体までの距離が短くなると、100mmの解像は急速にそれほどでもない凡庸なものになります。「山岳プラナー」の名は伊達ではなく、まさに遠景で性能が際立つことに由来します。80mmの周辺解像度が中央より落ちるのはどのような標準レンズでもあることで、近距離を撮る際は特にボケなどで優れている可能性があります。撮影対象が遠景ばかりではなく、またPlanar 80mmの近めの距離での表現力が良いなら、100mmを選ぶ意味をあまり見出せません。
(2)上記の写りの特徴は、レンズ構成からも推察できます。Planar 100mmは、伝統的なPlanarにありがちなシンプルな4群5枚構成で、前群は2枚、後群は貼り合わせレンズ一組と最後部の補正レンズの2群3枚から成ります。Planar 80mmは5群7枚構成で、前群は4枚3群と贅沢、後群は100mmと似ています。焦点距離が100mmより短く明るい分、この前群は必要なものだったと思いますが、この違いが近距離への対応にもなっているだろうと推察します。

また、Planar 100mmの遠景性能を取沙汰する前に、現代の水準と比べてどうなのかを冷静に考えました。ハッセルV時代の同時代のレンズを比べる限りではPlanar 100mmが優秀かもしれませんが、今のデジタル時代のレンズには、例え逆光などの状況でなくても、解像だけをとっても全く及ばないように思われます。フィルムで撮る場合にも拘りたい人だけが、遠景の差を評価して買うものだろうと思っています。これらのレンズの市場価格の差は、希少性と、ハッセルV時代の比較でつけられていますので、今のPlanar 100mm F3.5の価格は割高だと考えます。
最後に、Planar 100mm F3.5のレンズ構成についてもう一つコメントします。前から2枚目のレンズの形を見て下さい。まるで2枚のレンズがくっついたような一体型です。これはハッセルVやローライ6000シリーズ用レンズでよく目にするもので、それより後の時代のレンズには殆ど見られなくなりました。これも、わざわざ山岳プラナーを買うメリットがあるだろうかと、頭を冷やす要因になりました。
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フジフイルムの中判レンジファインダー
フジフイルムの中判レンジファインダーの標準レンズは、GS645では5枚構成、GF670では補正に後ろ玉に一枚加わった6枚構成で、技術の進化のせいか貼り合わせも一組増加。実は、CONTAX G 45mmと似ている。これを知ると、古い標準レンズの5枚玉は買う気が失せる。なお、CONTAX G Sonnar 90mmが5枚玉なのは、中望遠だからだろう。
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ライカ SL3 のセンサーの互換性
デジカメウォッチに掲載された、ライカ社の人へのインタビューで、SL3のセンサーについて疑問を抱かせる発言がある。
センサー前のカバーガラスは、「薄いほど(フィルムを念頭に設計された)M型レンズ本来の性能を発揮できる」ので、SL3では「他社のLマウントカメラよりカバーガラスを薄くしている」という。
これはLアライアンスに参加する他社への裏切りではないか。レンズの設計は、センサーのカバーガラスの厚みを正確に反映して行われる。厚さが変われば、レンズはそのセンサーに最適なものではなくなる。
ライカ社にとっては、SL3でLマウントレンズを使ったときの写りを若干落としてでも、Mマウントレンズを使ったときの性能を上げることは、妥協ではあるが販売上のメリットがある。しかしパナソニックやシグマがLレンズに最適と考えて作ったレンズは最適の写りをしなくなる。これは互換性の毀損であり、ライカはLアライアンスの他社を自分の都合の良いように(例えばデジタルの協業でノウハウを得る)利用しているという見方ができる。
また、ライカがこのような姿勢であれば、今後ライカが発売するLマウントレンズは、SL3のセンサーの厚みにこっそり最適化する可能性すら想定できてしまう。ライカが設計上の前提とするセンサーは何なのか、明確にすべきである。
また、もう一つ浮かぶ疑問は、Lアライアンスはセンサーのカバーガラスの厚みを決めていないのかということである。これは憶測になるが、シグマのfp Lに、フィルム時代の対称型レンズであるBiogonを付けて撮った作例を見たところ、周辺のカラーシフトがかなり大きい。カバーガラスが比較的薄いといわれているニコンZシリーズで撮った写真より悪かったと思う。fp LのカバーガラスはニコンZより厚いとすれば・・・ライカ SL2のセンサーの厚さと同じなのかが気になってしまう。本来同じ厚さであるべきであるが。このような疑念を呼ばないためにも、ライカはLアライアンスの互換性を厳密に守るべきと考える。
SL3のセンサーはMマウントに最適化して作って、Lマウントレンズを使う時にはLマウントレンズに最適化するようにセンサー前に薄いガラスを追加する作りをやってもいいのではないでしょうか。
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ソニー製カメラのメニュー表示言語
ソニーは、日本国内向けのデジタルカメラでは、メニューの表示言語として日本語しか選択できなくしている。多数の外国人が日本に住んでいるのに、英語の表示もできない。これはかなり不便を強いることだし、いくらマーケティング上の目的があると言っても、排他的という他ない。
それに引き換え、ニコンのデジタルカメラは、国内向けでも日本語と英語のどちらもが使えるし、サービスセンターに依頼すればそれ以外の言語にも対応してもらえる。
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Nikon NCフィルターの米国での販売価格は日本の3.5倍
ニコン NCフィルター (77mm) の米国での価格が日本の3.5倍と知って愕然とした。
ニューヨークの有名小売店で税別 $95. これは1ドル149円で換算すると、1万4,155円になる。ニューヨークの価格だが、有名店なのでこれはアメリカ価格と思って差し支えない。一方で日本では税込み4,500円だから、税前に直すと4,090円。
ニコンの日米公式サイトで比較すると、日本では税前5,400円、Nikon USAではなんと税前$147で、上記の為替レートで換算すると2万1,900円にもなる。
価格が違い過ぎて、NCフィルターを日本でしか売っていないARCRESTかと勘違いして買ってしまった。HOYAの16層コーティングの製品EVOの方が多分性能が良くてNCフィルターより安いから、EVOにすればよかった。あまり調べず買いがちな付属品の値段を釣り上げて儲けるのはどの業界でも定石か。もうニコンのNCフィルターは絶対買わないからな!
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Leica SOFORT 2はInstax mini Evoと同じ?
ライカのゾフォート2が発表されたが、スペックを見る限り、フジフイルムのハイブリッドチェキであるInstax mini Evoと中身が同じのようだ。
センサーはCMOS 1/5インチ、2560×1920ピクセル、ライカのレンズはズマールと名前は付いているが28mm相当F2.0と同じ、プリントは1600×600ドット(スマホアプリからの印刷時は800×600ドット)、メモリーに入った50枚まで後から再印刷可能。これらが両者で全く同じ。重さの違いは主に外装の違いではないかと。
そして価格はSOFORT 2が59,400円、Instax mini Evoが28,600円。ライカはフジフイルムの2.08倍もする。買うなら断然Instax mini Evoです。#sofort2 #instaxminievo #fujifilm #instax
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Camera Labsに於ける Nikon 24mm F1.4G のレビュー (http://www.cameralabs.com/reviews/Nikon_Nikkor_AF-S_24mm_f1-4G_ED/sharpness.shtml)
Nikon 24mm F1.4Gは、全般に解像が良くないことが、チャートの撮影と、遠景の実写の両面によって明らかになった。風景に使いたければ、少なくともf5.6に絞る必要がある。
開放でのコマ収差が非常に激しい。
室内の本棚を写した写真を見ると、背表紙の黒い文字に色づきがそこそこ見られる。比較対象であるSigma 24mm F1.4 Artは、色付きがかなり少なく、クリーンな画像と言える。
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Camera Labsに於ける Nikon 24mm F1.8G のレビュー (http://www.cameralabs.com/reviews/Nikon_Nikkor_AF-S_24mm_f1-8G_ED/sharpness.shtml)
には、
Nikon 24mm F1.4G
Sigma 24mm F1.4 Art
との f2.0 でのチャート比較があり、さらに、
Tamron 15-30mm F2.8 VC
Nikon 24-75mm F2.8E VR
との f2.8 でのチャート比較が掲載されている。
これを見た私の観察は以下の通りであり、「24mmの焦点域では、Tamron 15-30mmがあらゆる面で比較対象より顕著に優れている」と結論付けた。また、憧れであったNikon 24mm F1.4Gは、思っていたほど良いレンズではないことが示され、少なくとも値段ほどの価値はないと結論づけた。(比較的古いレンズなので仕方ない面もあるだろう。縮小画像で見る近距離の作例は非常に好ましいと思っていたので、残念な結果だが、これは自分が風景を1.4Gで撮影して、拡大して見れば、早々に直面するはずのことだった。)
Nikon 24mm F1.4Gのf2.0での解像は、中心部ではF1.8Gに若干勝っている。DX周辺部(つまりFXの中間域)では、F1.8Gが(像面湾曲の所為だろうか)著しく解像度を落としているのためにそれより勝っているが、中心部よりは弱く、また、FX周辺部では逆にF1.8Gがよく解像するのに比べて、F1.4GはDX周辺部よりさらにぼやけ、比較した単焦点レンズの中で最も悪い。
Nikon 24mm F1.4Gは、全領域で、チャートの黒い線に色付きが目立ち、実用での支障が想定される。
Nikon 24mm F1.8Gによる遠景実写を見ると、f8まで絞り込まない限り、DX周辺部の像のぼやけが著しく、作品を大きくプリントする風景作家には不向き。
Nikon 24mm F1.8Gとズームレンズとの比較においては、中心部とDX周辺部で、Tamron 15-30mmが最も解像している。FX周辺部では、Tamron 15-30mmよりNikon 24mm F1.8Gが若干良く解像しており、歪曲も小さいが、黒いチャート図の色づきがある。Tamron 15-30mmは、DX周辺部の解像が中心よりそれほど落ちておらず、FX周辺部はそれからやや劣る程度という、極めてなだらかな解像度の変化を示す。
Tamron 15-30mmのチャート図の色づきは、どの部分でも他のレンズより明らかに目立たず、全体にクリーンな写り。
Nikon 24-75mm F2.8E VRは、Tamron 15-30mmと比べると、中心部で解像がほんのわずかに劣るが、黒い線の色づきはTamronよりさらに少ない。DX周辺部では一部でTamronより解像しているように見受けられるが、逆の箇所もあり、さらに歪曲が目立ち、黒い線の色づきが強くなり始める。FX周辺部では、あらゆる面で像の劣化が激しい。
室内の本棚を写した写真の例では、Nikon 24mm F1.8Gは黒い文字の色づきが小さくコントロールされている。
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