Tumgik
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韓国ドラマ 『WATCHER(ウォッチャー/왓쳐)』(2019)
・『ウォッチャー 不正捜査官たちの真実』 日本公式サイト
https://www.welovek.jp/watcher/
・『WATCHER(왓쳐)』 韓国OCNの番組サイト
http://program.tving.com/ocn/watcher
日本放映時の副題に「不正捜査官たちの真実」と付記された通り、強大な組織権力による不正を追及する内部捜査がテーマで、セヤン(架空の地名)という地方警察庁の上層部と監察チームとの攻防を軸に据えたサスペンス。
韓国語で警察のことを「경찰(キョンチャル)」というのは、さまざまなドラマで覚えた。韓国の警察官は皆、国家公務員で、1つの特別市(ソウル)・6つの広域市・9つの道に設けられた「地方警察庁」が16あるらしい。組織のトップである警察庁の長には地方警察庁の庁長から選ばれ、大統領の指名を受ける、とあらば、その権力は絶大なものだろう。
このドラマのメインキャストとして宣伝されていたのはハン・ソッキュ(監察チーム長ト・チグァン役)、ソ・ガンジュン(警察官キム・ヨングン役)、キム・ヒョンジュ(元検事で刑事事件専門の弁護士ハン・テジュ役)で、それなりに面白いだろうと想像できたが、ぜひとも観なければ!と思ったのは、とりわけ好みの名優たち、アン・ギルガン(ヨングンの父で受刑中の元刑事キム・ジェミョン役)、チュ・ジンモ(次長パク・ジヌ役)、キム・スジン(庁長ヨム・ドンスク役)という錚々たる顔ぶれのクレジットを見たからだった。
死ぬまで拭えない恐怖と怒り、悔恨を抱え、それぞれの人生と記憶が交錯する。ストーリーの先を予測するたびに覆され、真実がどこにあるのか、正義とは何なのか、登場人物にも視聴者にも見えず、人間不信に陥りそうになる。 小さな伏線を緻密に積み重ね、丁寧に解き明かしていく構成は実に見事で、最後の最後まで目が離せない非常にスリリングな快作だった。
脚本はハン・サンウン、演出はアン・ギルホ、製作はヒット作連発の「STUDIO DRAGON」。ハン・サンウンの代表作『グッド・ワイフ』(2016)は米国作品のリメイクだが、韓国の実情をうまく反映させ、チョン・ドヨンなど芸達者の演技も相まって優れた作品へと昇華させた(米国版は全く別の雰囲気をもつ、これまた痛快な作品)。
弁護士を演じたキム・ヒョンジュは『商道(サンド)』のヒロイン役しか観たことがなかったので、ウジウジだらだらした恋愛シーンに飽き飽きした覚えがあり、“つまらない普通の美人”というイメージだけだったが、やはり韓国で俳優として生き残っている人はレベルが格段に違う。凄みあるクールビューティ。演技力を磨き続けてきたことが今作でよくわかった。
ソ・ガンジュンは『華政(ファジョン)』だとライバル役のハン・ジュワンのほうが演技力も勝ると感じたが、このドラマではズラリと揃った名優たちの寛大な胸を借り、パク・ジュヒ(監察チーム員チョ・スヨン役)と共に一回りも二回りも成長した印象を受けた。派手で悲惨なアクションシーンでも大活躍だったが、私は暴力場面を嫌悪するので早送りした。
ハン・ソッキュは私がこれまで観た作品の中では抑制の利いた感じで、それがかえって好印象だったが、ヨングンの不確かな記憶の中に登場するニヤリとほくそ笑む表情は、あまりにも恐ろし過ぎて、日本映画『八つ墓村』(1977)の落ち武者役・夏八木 勲のニヤリと同じく、認知症になるまで私の脳裏から離れないだろう。ああ、思い出したくない!
【注目!】
●ホ・ソンテ(広域捜査隊班長チャン・ヘリョン役)
最近では『サイコパスダイアリー』(2019-2020)でのコミカルな演技を見かけた。私が視聴した中では『師任堂(サイムダン)』(2017)、『がんばれ!プンサン』(2019)にも出演していたらしい。
●チョン・ドウォン(弁護士ハン・テジュの秘書兼ボディガード ホン・ジェシク役)
TVドラマより映画の出演作が多いようだ。
●パク・フン(ハン・テジュの元夫で弁護士ユン・ジフン役)
元はミュージカル俳優だったそうで、私が観たのは『六龍が飛ぶ』(2015-2016)ハン・イェリが演じた谷山(コクサン)剣法の伝承者ユルラン(チョク・サグァン) の兄チョク・イングァン役、『ヘチ』(2019)では情報屋で妓楼の主人タルムン役。
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日本で最も有名な漫画家で医学も修めた手塚治虫(1928-1989)が遺した、戦争体験のメッセージ。 ●『手塚治虫と戦争』(©TEZUKA PRODUCTIONS) https://tezukaosamu.net/jp/war Osamu Tezuka (1928-1989), Japan's most famous cartoonist and a practitioner of medicine, left this message of his war experience. ●"Tezuka Osamu and War" (©TEZUKA PRODUCTIONS) https://tezukaosamu.net/jp/war/
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