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2025/4/9
博士号取得後、体よく言えばポスドク生活、ありのままにいえば一年間はただのフリーター、そのあと半年間は自分の専門に何の役に立ちもしないただ必要だからやっていた非常勤があり、これも当然非正規雇用のアルバイトのようなものでほとんどフリーターといって���差支えのない状況が合わせて一年半ほど続いていた。文系ポスドクの就職の厳しさはよく知っていたから、「僕は永遠の休暇に入った」というくらいののんきな気持ちで過ごしていたら、運のいいことにこれだけの期間で「永遠の休暇」を終えることができてしまった。全くもって永遠ではなくてよかったと今なら冗談めかして言える。
さて新年度、何やるのかあんまりわからないけど、がんばるぞ!と思ってたら、初日から風邪で寝込んでしまった。コロナウイルスによる偽の風邪を除けば、8年くらい前にあまりにも酷い扁桃腺炎で寝込んだ以来な気がしている。元々虚弱体質で20代中盤くらいまで一年に一回、一週間以上寝込むというイベントを行っていた。最後の扁桃腺炎は本当に酷く、一週間ほどずっと熱と喉の痛みで寝続け、その後も全快するまでに2週間くらいかかった記憶がある。この寝続けるということ自体も安静に寝ていられるというものではなく、覚醒と睡眠の混濁状態のようなもので、何時だかもわからず、夢を見ているのかどうかもわからず、幻覚と幻聴に見舞われていた。何かよくわからない小人が私の周りを取り囲み、何か唄っていたという絵だけをずっと覚えている。あとは私の風邪におなじみのパニック発作と不思議の国のアリス症候群の合わせ技とか。あんまりにも抑うつ的なときにはあるが、昔からよくわからないことに、不思議の国のアリス症候群、私の場合は身体が無限にのびていく感覚がするのに、それに反比例して身体の中心にすべての密度が折り紙のように積み重ねられていく感覚があり、その感覚がトリガーとなり、パニック発作が起きる。なぜか風邪っぽいときにも起きる。そんな具合の身体的不調だけではないあらゆるものが詰め込まれた最悪の扁桃腺炎を最後に薄っすら体調悪い、風邪かもしれないということはまあまああるが、寝込むということはすっかりなかった。
1日の朝起きて、精神は元気なものの身体のそこらじゅうが痛んで、寒いというねじれた症状で、「身体に鞭打てば動ける」くらいだった。「病は気から」なんてよく聞くが、気は全く悪くないのに風邪をひくということは当然ある。それからあれよあれよという間に熱があがるものの、初日はなんとなくの仕事があり、オンラインでパソコンの前でなんとかこなし、午後の診療に自分で車を出して薬をもらいにいった。そこから翌日、翌々日も症状は変わらず、どうにも眠くて仕方がなく、薬を飲むために���し起きてはあとは寝続けていた。寝続けていて幻覚と幻聴が現れるなんてことは今回はなく、一日目の夜に叫んで飛び起きて、パニック発作を抑えるために家中をぐるぐる歩くということぐらいで済んだ。ずっと寝続けていたせいで「ありとあらゆる眠るための体勢を使いつくしてしまった」とよくわからないことを思っていた。4日には大学に行って仕事をせねばならず、なんとかかんとか仕事をして帰れた。ここ数日は、お腹が減っていて食べられるものの、疲れてしまって量を食べられないという状況だったが、それもようやく良くなってきた。ほぼ快復といっていい状況。
風邪と必ずセットになりうるのが禁煙。もちろん喫煙には中毒性云々というのがあるだろうが、私は生活習慣に結び付いていてやめられない側面のほうが多分にあるだろうと思っている。3日もずっと寝ていれば喫煙習慣を破壊するには充分で、昨日から試しに吸ってみているが、まだ風邪っぽいせいか喫味が風邪前と違うせいもあり、喜ばしいことか喫煙習慣は復活していない。
現代のMPBといえば必ず名前があげられるだろうが、apple musicになく、物理盤も買い損ねて聞けてなかったAlexandre Andresの作品がapple musicにどっと来ていた。聞いていると、「ああ、そうくるのか」「なんてうまいんだ」と嘆息がこぼれ、思わず笑顔になってしまう、さすが名盤と呼ばれるだけのものであった。
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2025/3/28
おそらく15年間に��んだであろうアルバイト生活よさらば! アルバイト遍歴を思い返してみると、厳密な最初のバイトは高校生の夏休みに近所のイオンモールにあるビュッフェでの短期���った。ここで二度と絶対に飲食で働かないと心に固く誓う。次が近所の古着屋。高校を卒業し、晴れて大学生になるかと思いきや浪人生となり、16時くらいまで予備校、17時から21時くらいばでバイトということをやり、浪人生活はめでたく一年で終えて、このバイトは大学三年くらいまでやっていた。このバイトの良かったところは、服を売り場に出す前に気に入ったものがあれば抜き取ってバックヤードに置いておき、閉店後に割引で買えるところだった。やめたのは、家から自転車で10分ないくらいだったのに、移転することになり、自転車で30分、あるいは自転車と電車を合わせてもそれくらいでどうにも面倒になりという理由だった。
もともとそんなにお金を使うほうではないので、1年ちょっとくらい働かなかったものの、じりじりと貯金が減っていき、たしか5万円くらいまでいったところでこれはまずいとバイトを再開する。と言いつつも、このあいだには単発のバイトとして高校受験の模試の単発のバイトをしたりしていた。これは早起きさえできれば午前中に終わり、1万円ないくらいもらえる良いバイトだったのだが、6時くらいに起きなければならず、目を覚ました瞬間に布団のなかで、1万円とここでの二度寝はどちらが効用があるのだろうか、何度も考えてた。次は塾講師。どこにでもある個別指導で、塾の悪いところはそんなに稼げるわけではないこと。もう一つのバイトとしてタイミングよく知り合いに紹介してもらい、シミュレーションを中心に扱うコンサルで働く。ここからダブルワーク体制となる。しかし、ダブルワークの問題点は、ばらばらにすると毎日働くこととなってしまうことであり、くわえて早起きをしたくないという理由から、13時から17時くらいまでコンサル、18時から20時まで塾という体制となった。コンサルのある新中野から塾のある八王子へと移動し続けていた。塾バイトの思い出はいくつかあるが、私のところにはどうにも駄目な生徒が回されることが多く、八王子という土地柄もあってか高校生なのに煙草を吸ってる生徒もいて、私も私だが終業後にそ���ら辺の喫煙所で一緒に吸いながら話していることあった。あとは、これも八王子が統一教会の非常に強い土地ということもあり、駅から出たときに統一教会の勧誘に声をかけられ、帰りにも声をかけられ、そんなことがあまりにも続き、最終的にはあちらが声をかけてきた瞬間に、「あ、また会いましたね。ところで心変わりはしましたか?」と��われる始末であった。コンサルのほうは今日まで続けることとなったが、塾のほうは途中でやめた。始めたころの塾長はやりやすい人だったのだが、途中でやけに真面目な人になり、それがとてもやりづらくて、夏期講習前に「お金を取れて留学に行くことになったんですよ」という嘘をつき、やめた。今思うと素直にやめますと言えばよかったところを、わざわざこんな嘘を入念に仕込んでやめたのはなんだったんだろう。
さてさてバイトが一つだけになり、少し心許ないなと思っていたところでここでも救いの船が到来する。アニメ会社で働いている知り合いが、「近隣に住んでいて、時間があって、お金に困ってそうな人誰だ?」と思案し、私に白羽の矢が立つ。そういうことで、アニメ会社で3年くらい働く。アニメオタクということもあり、アニメ制作の内側を安全な場所から体験できたのは楽しかった。やっていたことも単純作業で、素材を入れに行ったり、回収に行ったり、あとは素材をスキャンしたり、コピーしたり、タップ穴を付け替えたりとか。喫煙所で演出の人と仲良くなったり、なぜか10歳くらい年上の女性に気に入られることが多いせいか、これでクレープでも外に行ったついでに買っておいでと甘やかしてもらったりとか、楽しかった。そんな具合だったが、コロナになり作業が全体的にデジタルベースに移行していったりとか、作品が終わったりとかでお役御免となる。
最後のバイトも渡りに船で、友達が中国人留学生向け大学院受験塾で働ける人を探しているということで紹介してもらった。研究計画書のネイティブチェックをしたり、面接練習をしたりしていた。計画書をチェックしていると、計画書のクオリティが怪しいことが多く、たまに高いものはあってもそれは本人がそもそも持っている力量によるとしか思えず、どんな指導をしているんだと常々訝しんでいた。提出前にチェックできてコメントできたものはまだいいが、面接練習のときにこのクオリティですでに提出してしまったんだとか、おおよそ考えられる基本的な質問に対してしどろもどろだったとか、日本語能力の問題というよりかは、研究能力、もっとたどれば塾としての指導能力を疑うケースが多かった。まあでもそれは私の職域ではないしと自己を免責し続けていた。ここもこの3月まで数年間務めたはずなのに、最後の最後まで中国語を話せるようにはならなかった。中国語を話せるようになる努力をしなかったので当然なのだが。
修士くらいから今まで続けたコンサル会社は良いところだった。いや正しく言えば、全ての会社がアルバイトに対しても有給とか整備しておくべきなのに当然のようにないなかで、この会社は有給があり、給与も良く、助かる面が多かった。新中野という土地柄もあって、バイトが終わって時間があったときには中野まで歩いていき、ブロードウェイを散策できたのは良かった。ブロードウェイのまんだらけ海馬は出版されたばかりの専門書がたまに法外な安さで売られていたり、いつ開いているかわからないでお馴染みだが、行ってまとめて買うと謎の計算式により本をめちゃくちゃ安く買える古書ワタナベに通っていた。いつ開いているかわからないのが本当に手痛いが、古書ワタナベで例えば2600円くらいの会計で端数が切られて2000円になるときの感動をみんなに味わってほしい。
アニメ会社のバイトは貴重なものだったが、どれも所詮は非正規雇用の賃金労働に過ぎず、人格形成に何か大きな影響を与えたとも思えないが、ほとんどが人の紹介でどうにかなってきたのは幸運だったと思う。バイト以外の金策として、所属していた専攻の助成金とか、あるいは某財団の助成金とかもあったことも思いだす。
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2025/3/4
この冬はすっかり晴れが続いたせいもあってか、湿った空気こそがもたらす冬のにおいというものをとんと忘れてしまっていたが、昨日今日と堪能している。寒さというものに対して、これくらいの時期になるともういいよ、と飽きがきてしまうもので、先週のような暖かさに喜んだ一方で、そして昨日今日の雪にまたそれはそれで喜んでいるのだが、先週の暖かさの感覚は気のせいだったように忘れてしまっている。家の周囲はもともと静かというのはあるが、雪が降ると音がどこかへ吸い込まれていき、一層しんとしていくのはとても良い。
4月から生活が変わることもあり、ほんの少しだけ生活改善に乗り気になっている。いつもは9時くらいに起きているところを、8時半くらに試しに起きてみている。昔からいくら早く寝ようとも早起きというものがてんで駄目で、起きてみれば貧血、眩暈、胃の不調に一日中見舞われることになる。8時半くらいだとぎりぎり不調が現れないが、ぎりぎりというところが問題で、一日中うっすら眠く、お腹の調子はよくないし、早く寝ようという合図なのだろうが日付が変わる手前には頭がぐらぐらする感覚になる。おおかたこの不調の原因は、自律神経にあるということはわかっており、早めに手を打とうと2月の初めに病院に行き、漢方を処方してもらうことになった。処方箋を持ち、薬局へと行くと、その漢方は出荷停止されており、30日の処方分のうち3日分しかない、とのことだった。受付に女性が二人、あと男性が一人で回している薬局で、わざわざその男性がソファに座っている私のよこで床に膝をついて丁寧に説明してくれて、何もそこまでご親切にしていただかな��ても、と思いつつ、とりあえず前金のごとく30日分の支払いをした。私はこの手の世間一般では常識的な親切さと受け取れる行為に対して、何もそこまでしなくても、と過剰なものとして受け取ってしまう節がある。あとの残りの27日分は入荷したら連絡をくれるらしい(今日、調べていたらその出荷措置が解除されたようだからぼちぼち連絡がくるといいのだが)。病院と薬局というパチンコの三点方式のような仕組みはよくわからず、医者が処方箋を出す段階でいかなる薬の流通やストックが全体としてどのような状況にあるのか、ということを把握していないのだろうか。
2023年の9月に博士号を取得してからPeople in the boxの「報いの一日」にある歌詞よろしく、「僕は永遠の休暇に入った」と思っていた。ところが、実際はバイトをしているせいもあるが、ずっと動き続けており偽の休暇のようであった。まあ本当に永遠の休暇でなくて、ただの「休暇」となってよかったのかもしれない。
ピープルの曲を聞き直していたら、例えに関する歌詞がとても良かった。
テレビに水をあげましょうかわいい煙を吐き出すわ
やめようドライフラワーに水をあげるのは
たまたま無機物に水をあげる歌詞二つ
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2025/2/6
週報くらいの気持ちでいるのだが、月報になっている。月報という単語を見ると、ベルリン月報という言葉をただ思いだす。カント研究者がいたおかげでこの言葉だけが頭に残っているが、どういう月報だか知らない。こう期間はあいてしまっているものの、ロディアの小さいメモ帳に毎日何をしたかだけは書いている。なんやかんやしていると2,3週間過ぎていてそのあいだに何をしていたか覚えていないということがざらにあるのが恐ろしく、とりあえずのメモだけを。塾とITコンサルみたいなところでバイトをしており、今はちょうど大学院の受験シーズンと納期のせいでよく労働させられており、くわえて授業準備のために本を読んではパワポを作っていて忙しい。月曜日にあった非常勤は一月の頭に無事に終わったのはいいが、火曜日から金曜日までバイトがあり、火曜日からのバイトの波に一度乗ってしまうとあっという間に週末まで運ばれてしまう。バイトがあって副次的に良いこととして、外で、しかも電車のほうが本を読めるということもあり、行き帰りで読書が捗る。
先日、ひさしぶりにロイヤルホストに行き、苺のパフェを食べた。これを食べたのは遡れば、付き合ってすぐあとのことくらいでもう2年前になるということに驚く。時たま書くことではあるが、夏にあった出来事よりも冬の出来事のほうが記憶に残っていて、あるいは反復のなかで記憶のイメージが捏造されているだけかもしれないが、思いだすことのできることが多い。まだ付き合う前のことだったが、商店街の道のど真ん中で落ちていた、というよりは直立していたミスドのエンゼルフレンチがなんだったのかいまだによくわからない。
少し前に下北沢の近道にSleepinside、せだい、Burger Nudsのスリーマンを見に行った。Sleepinsideの出囃子がアートスクールでそれだけで隔世の感だったが、曲もややクリシェが強くて、くわえてこれは四人バンドの意味があるのか?とまで思ってしまい、うーんという具合だった。せだいは演奏のクオリティがとても高く、これだよ四人バンドの意味は、と打って変わって思う。あまり通ってきてはいないものの、bloodythirsty butchers、eastern youthの系譜にあるということがよくわかる。とすると、邦楽においても何を参照点とするのかが重要な気がするな、などと思いながら聞いていた。ここまで私の隣にいた人が曲に合わせて両手でお腹をたたくという特殊な楽しみ方をする人で少し気が散ってしまった。
最後にバーガー。ちょっと前に見たばかりだが、その時よりも断然良くてびっくりする。前回が悪かったわけではないし、もしかしたら箱のサイズに左右されている可能性もあるかもしれないが、ベストを更新していくニートロックバンドおそろしい。見ているこちらも記憶というフィルターを通過して見るというよりかは、まさに今前で起きている音楽に向き合えと迫られているかのようであった。MARCHが聞けて良かった。
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2025/1/9
年末は関西に就職した友達にあったり、大晦日は彼女ともつ鍋食べてちょっと飲み、紅白を見ることもなくゲームをして、日付が変わる前くらいに散歩がてら近所の神社に行き甘酒をもらい、おみくじを引いた。参拝客が随分並んでいて、どちらもそこまでして参拝する気はなく、わざわざ意気込んで並ぼうなんて思わず帰るあたりに、ここらへんがずれてなくてよかったなどと話していた。それ以外の休みの日は、昼間に本を読み、夜に原稿をやり、ずっと活動していた。案の定、授業準備までは手は回らなかったが、原稿をがんばったおかげで終わり、編集者に今日送ることができた。しばらくあちらに任せるターン。
今日はバイトをしていたら、びっくりする知らせが届き、もうそれだけで地に足のつかない状態になっていた。帰ってからさらに驚いたことに、the cabsの再結成の知らせ。さすがに一日に二度もこんなにびっくりする出来事はあり得ないし、まだ夢だと思ったほうが合理的ですらある。the cabsのことを思い返してみると、人生の大部分を構成していたというのはさすがに言い過ぎで、残響レコードがと言ってもまだ言い過ぎではあるが、the cabsと残響レコードがなかったら人格は大きく変わっていただろうと言えるほどには大きかった存在である。twitterの過去のポストを掘り返してみると、残響レコードからデビューする前から知っていたようだが、それがいつから、何をきっかけにして知っていたのかは全然思いだせない。結局ライブは一度も見れていないけれども、残響時代を全て、それはつまり解散までを見とどけて、私にとっては過去の思い出箱に大事にしまい込んでいたバンドだった。だから再結成するだなんて思ってもいなかったし、ましてや再結成してほしいとも思っていなかったから、本当にびっくりしてしまった。
ライブの倍率はものすごそうでもちろん私も見たいが、それ以上にあの日に見れなかった人が、あるいはリアルタイムに乗り遅れてしまった人が聞けたらいいなとは思う。ツアー名が「再生の風景」だが、別に私のあのときの風景は再生される必要はない。むしろ良き思い出として眠らせておいてほしいとすら思っているかもしれない。いずれにせよまだこの出来事をまだうまく受け止めきれていない。
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2024/12/27
秋アニメが次々と最終回を迎えたり、ラジオから「よいお年を」なんて言葉が聞こえて��たりしている。いつまで経っても暖かかったせいか、年末への準備に失敗した気がしている。いつもは下半期になればもう今年は終わりくらいの気持ちでやっていたのだが、なんだか気持ちと季節のずれを感じていて、寒いはずなのに着ているコートのせいもあるがマフラーもつけずに大丈夫な気がしてやっている。
11月後半から何かやるべきことが多く、働いては帰ってきて、公募書類を書き、報告資料を作り、シラバスを作り、としていた。最後のシラバスの締め切りが12/15で、そこから今日まで12日も経っているのだが、忘年会が一度あり、あいかわらず働いてもいたのだが、何をしていたのか記憶がない。ゼンレスゾーンゼロのアプデがあったからそれをやり続けていたのだろうか。この一か月のあいだで一番記憶に残っていることとして、原宿ラフォーレでローゼンメイデンコラボがあり、水銀灯のコスプレといっても差支えのない洋服を彼女に試着してもらったら、とても似合っていたこと。あとは彼女のほうで忘年会があり、終わったあとに落ち合う予定があったのだが、迎えに行ったら泥酔していて大変だったこと。あとは簡単だけどクリスマス会をやり、今年もお茶をもらった。
年末年始は休みがあるようでいてそんなにない予感がしている。昨日で諸々の仕事が収まり、今日から休みとなったが、すぐ今年は終わってしまうし、それからちょっとぼーっとでもしてしまったらまた残りの仕事が始まってしまうのだろう。原稿と来年度の授業準備をやらなければならない。
冒頭で書いた通り、秋アニメがほとんど終わりを迎えており、今期はそれなりに楽しめたので良かった。そのなかでもネガポジアングラーは非常に良い作品だった。シリーズ構成それ自体は、王道ではあるものの、メインキャラに対してサブキャラを複数人用意し、メイン対サブのそれぞれのお当番回をやり、個々別々の話でありながら、ストーリーを着実に進め、最後に全て繋げるというのをきっちりやるというのは、やはりとても好きな形式で実現されていて良かった。
アニメは主人公のどうにもならない人生と釣りを中心にして話が進み、話の筋は予想できるものであったが、とにかくすべてが丁寧に作られていた。音楽や背景、釣りアニメであるがゆえに重要な釣り具、釣りのフォーム、海や川といった水の情景、魚の動きや模様の綺麗さ、理想としてこれらをちゃんとやることが望ましく、ただ多くのアニメが出来ていないなかで、本当にすべてを着実に積み上げていた。最終回は非常に印象的で、よくある光景ではあるものの、喧嘩して話すのがきまずくて、でも釣りをして楽しい瞬間を一瞬共有するも、また後ずさりしてしまう会話の妙とか、最初は釣り初心者であった主人公が最後にはちゃんとしたフォームで釣りをする���技を描けていることとか。あまり釣り自体は知らないがただの道具的な位置づけではなく、それを媒介してこその意味もよくわかった。
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2024/11/17
例年書いているとおりだが、これくらいの時期は風邪によって鼻づまりとか首肩凝りが生じているのか、鼻づまりと首肩凝りが独立して生じていて、それが一つの身体のうえで起きているがゆえに風邪的な症状を疑似的に呈しているのかわからないことがある。風邪と判断するには、帰納的にできるものなのかよくわからなかったが、喉の痛みも出てきて風邪だと判断するに至る。20代の中盤くらいまで年に一回は扁桃腺を酷く腫らして一週間以上寝込むということがあったが、それも気づけばなくなり、扁桃腺炎に由来する風邪というのも随分ひさしぶりだ。しかし、そんなに重いわけではなく、酷い鼻づまりと声のかすれくらいで、他は何事もなく活動できている。煙草を吸っては龍角散のど飴を舐めている。不味いと感じるくらいでは禁煙の動悸を満たすには足らず、喉が痛くてたまったものではないと思うまでにいたらないといけないらしい。
土曜日に彼女がPlastic Treeのライブに行くまでの時間があり、デートをする。山下陽子の展示を見に行ったが、綺麗でよかった。ついでに眼鏡屋をちらりと見て、適当に入った喫茶店でひさしぶりに失敗を経験する。甘いものに関して舌が肥えすぎてしまったのがいけない気がしている。一緒にいるときはロリータ服の後ろの大きなリボンを結び直させてもらうという栄えある仕事を仰せつかるのだが、その日は奇跡的に綺麗にできて思わず写真を撮ってしまった。
今期のアニメの配信スケジュールの間がどうにも悪く、配信が固まっており、何も見るものがない日が生じて困っていた。そこで、ふいに目に留まったラーゼフォンを見た。SF読みにとってラーゼフォンといえば、神林長平の小説だが、これはアニメのノベライズ化、といってもほぼ関係のない内容だった気がする(読んだが記憶がない)。アニメにはテレビ版と劇場版があり、とりあえずテレビ版を見終える。一話目で迷える高校生と彼を導こうとするお姉さん、そして謎のロボットという組み合わせにどうしてもエヴァを想起してしまったが、あえて比べるならばエヴァよりも好きだった。
2002年の作品だが、アニメーションのクオリティ、構図や演出もとても良く大満足だった。25話ほぼ全体を通して、高校生の主人公が思春期特有の迷いと文字通りの故郷喪失者としての迷いで悩み続けており、ロボットによる戦闘以外も見ごたえがある。今や有名となった下野紘の初主演作ということもあり、演技は決して上手とは言えないけどキャリア初期でしか出せなそうなキャラと一体となった心情が乗せられており、それも主人公の迷いにより一層説得力を持たせていたようにも思う。ただ不満な点を挙げるとすれば、私が魅力を感じていたこの主人公の迷いが解消されてしまえばあとは問題解決ないしは物語の折り畳みへとひた走るだけであり、言い換えれば迷いの解決が視聴者側の感情の頂点になってしまい、あとは惰性に感じられたこと。それがちょうど19話のブルーフレンドくらいにあたり、この回それ自体が非常に素晴らしく、ここまでは良かったものの、それ以降がなんとも勢いが損なわれてしまったようだった。
OPも良いが、作曲が菅野よう子でだいぶ攻殻機動隊みを感じる
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劇伴の橋本一子の魅力にもいまさら気づき、彼女自身の作品を聞いていたが、こちらも良かった。
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2024/11/10
昨日、修士まで所属していた大学の飲み会があり、行ってきたらひさしぶりの人に会い、何を話したかたいして覚えていないけど楽しかった。元はOBOG会という名目だったが、何らかの理由で場所をおさえられず、空けておいた人はそれでもよければという感じで開催され7人くらいいた。来年にはOBOG会が正式に開催されるらしい。
その前に彼女とお茶をし、会った瞬間にスネイプ先生みたいだと言われ、なるほどと思う。というのも、その前の日に、記号的に自分の属性を取り上げてみれば、長髪、眼鏡、エリートと乙女ゲームには必ず一人はいるポジションに重なっている気がすると思っていた。しかめ面をしていたわけではなく、ただお茶を飲んでいたら気難しそうと言われ、それはたしかにスネイプ先生であり、乙女ゲームのキャラ的な記号を満たしているように思える。実際そうであるかはおいといて。
ADBLPSのストックリストが更新されており、チェックしている。サボテンまで手を出したらおしまいだと思っていたが、今年は少しだけ手を出してしまい、来年にはもう少しちゃんと育てようと思っている。ここのいいところは、他のところよりも安く、また検疫証明書にお金がかからない。それにしても、リストが膨大でとても時間がかかる。
そろそろ年間ベストを考える頃合いかと、今年聞いたものを聞き返している。去年リリースされたシングルだが、これがとても良い。
このシングルや以下のシングルにも参加しているMariah Rodriguesが良い。メンバー的には、Breno Ferrariも被っているが、こちらもSolaris以外にも作品を出してくれるのを待っている。
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2024/11/4
無計画にとりあえず髪を伸ばしてきたが、そろそろ一度綺麗にしてもらいたいなという気持ちがあり、さりとてどう綺麗にするかというのもあり、少しだけ頭を悩ませている。今日は洋服を求めて少し出かけ、課題の採点をしたら一日が終わっていた。洋服もここしばらく悩みどころで、いわゆる夏以外は綺麗めな格好をしていてたが、それも何だか飽きがきていてはてどうしたものかと方向喪失に陥っている。採点も悩みどころがあり、公平さ、公正さが最も重要であるが、数分程度遅れてきたものをどう処したものかと。あらかじめメールをくれた人は寛恕するとして、メールもくれずに課題提出欄にメモで遅れた理由を書いてくる人もまあ今回多めに見て、そうではない人についてはたとえ数分でも半分の点数にして採点した。機械的に切ってもいいのだけどとは思いつつ。今年はこれで行き、来年はまた考える。
先週はケセラセラとバーガーのツーマンを観に行った。彼女も行きたいと言ってくれたので、一緒に。ケセラセラのほうは昔から名前を見た記憶はあり、おそらく見たのは初めてだと思うが、曲は明るく好みではないものの、良い曲であり、バンドだった。さてバーガー。何らかの理由で機会を逸して、再結成ライブ以来と見るのは10年ぶりになる。不思議なもので、再結成ライブにたどりつくのに私が知ってから5,6年ほどかかったわけだが、そこから二度目のライブには10年かかり、濃密な思春期を捧げてからのライブと、少し離れた距離から見つめることになった今回のライブ。ステージ入れ替え時に彼女と話してたら、歪みのイントロが始まり、てっきりチェックかと思いきやそのままライブが始まり、不意をつかれてしまった。二曲目には自己暗示の日があり、聞けてよかった。Lessonも好きで、こちらも聞けて良かった。歌詞がとにかく好き。
ねえまた僕の目に哀しみの正義が宿ったなら 嘲って嘲って嘲っていいよ ねえほら同じ目に緩やかな腐敗が灯りそうだよ その前に目は塞げる?
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サポート��ースは良く、門田匡陽もかっこよく、感情がのって眼鏡を吹き飛ばし、叫ぶ内田武留も良かった。ライブの告知があり、せだいのリリースパーティーに参加するとのことでそれを聞いた時には、行こうかなと思っていたが、終演後に情報を見ると三会場でのお昼からのライブとのことで、体力上の心配から二の足を踏んでいる。
時折、やる気を出して英語能力をあげようと思い、podcastを聞いていることがある。あいかわらず向上している気はせず、アクセントが弱く、縮約とか脱落みたいなのがあるとほとんどわからなくなる。最近聞いていたものはわりとはっきり喋ってくれるのでとても聞きやすく、テーマ的にも面白くて勉強になる。
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2024/10/26
神保町の古本市が開催されており、時間があるからいこうかと思ったが、人をかきわけかきわけしてまで本を探したいかと考えるとそういうわけではなく、見送る。各出版社の露店があることをずっと知っているが、今まで寄ったことがなく、何がどう売られているのかよく知らないが、とても混んでいるようで、5月にあるブックフリマに行けば十分だろうと思う。あちら��まだそこまで混んでいないのだし。
今週は月曜、金曜と働いて、そのあとはバイトが休みになった。収入が減るのでいいとはいえないのだが、これ好機と思い、新しい研究をちまちまと進める。なんとなく見通しがたってきたこともあり、次に必要そうなところはここ、こっちは足りないので詰めなければならないとあたりをつけて本を読み返し、メモを取っていた。線が繋がっていく感覚がして楽しい。
少しばかり前から寝るときに使っているビーズクッションの丸い抱き枕から中身のあの小さな小さなパウダービーズがこぼれだしている。こぼれだしているといっても、溢れているというほどではなく、起きると腕に2,3ついているのを見るくらいで、たぶん見えてないところにもっとあるのだろうけど、それくらい。中学生くらいのころに、南大沢のアウトレットで買った記憶はあり、それから一度洗濯した程度に過ぎないせいか、よくもっている。ところで、今日は起きてから喉の奥に何かがずっと引っ付いている感覚がしていて、このこぼれはじめから懸念していたのだが、パウダービーズが引っかかっているのではないかと思う。お風呂でシャワーを勢いよく喉の奥にめがけて噴出させても、水を大量に飲んでもどうにもならない。寝ているあいだにどうにかなることを祈っている。
横向きで寝るので、横になったときに上になった肩と腕を支えるためにちょうどいいサイズのものを抱いてないと寝られない性質で、こいつが駄目になったら、というかほとんどもう駄目なのだが、新たなものを見繕わねばならず面倒。
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2024/10/20
昨日、2週間ぶりに彼女に会った。ところで、この○○ぶりという表現がいつもどれくらいなのかわからず、調べてしまう。いつも一週間ごとに会っていたせいで、一般的に見れば2週間ぶりというのは大したことないのだろうけど、私たちにとってはちょっとした大事のようである。去年もそうだったが、なぜか10月は大変なことになるね、なんて話していた。私はちょうどいいくらいの一歩あと、泥酔の二歩手前くらいでとどまっていたが、彼女のほうが今回はだめで、家に帰り着いたときにばたんきゅーといった具合だった。翌日起きたら、予報通り寒くて困ってしまった。ひさしぶりにご飯を作った。
土曜日の朝にニュースで自民党本部に火炎瓶が投げ込まれ、車が突っ込んだというのを見て、それ以上はよく知らないが、それなりにわくわくしてしまうところがある。安倍晋三の殺害から底が抜けてしまったようであるが、政治思想をやっている某先生の「政治家は殺されるためにいるんだよ」という発言にも少なからず頷いてしまう自分もいる。もちろん政治には特定の人物に依存した属人的な権力構造が存在しているが、しかし、残念なことに今の政治の劣悪さは構造的、システム的な問題であって、それは首相が石破になろうが自民党を中心とした構造となっている限りは変わらない。自民党本部を打ち壊したとて、停滞は生じるだろうが、政治的構造は建物に還元されるわけでもない。経団連の連中に全員天誅を下してといったことまでやらないと変わらないだろうし、なかなかに骨の折れる行為だと思う。
いわばコストベネフィットの問題みたいなところはあって、今日は最近の犯罪に関するはてなエントリーが盛り上がっていたが、それの一部の記述に頷くところもある。「強」がつく犯罪はやるな、それは割に合わないからだ、というのはその通りだと思う。たまに考えるが、自分が犯罪に加担しなければならないケースがあったとしても、云億円と手に入れて海外へと高飛びして、逃げ続けられるのでなければ全く割に合わない。当然、犯罪から政治的行為まですべてをコストベネフィット計算で割り切るのは、望ましくないにせよ。
今週の平日にガッチャマンクラウズを見直していて、10年経ってもアクチュアルというか、悲しいことかな、ここで描かれていた問題が一層アクチュアルと思えてしまうような内容だった。大筋としては、Xという超AI(Twitterの名称がXになってしまったことを思うと、何か運命めいたものを感じる)が人々をマッチングし、それぞれの能力を活かして、世の中をアップデートしていこう爾乃美家累と、ガッチャマンへと変身し、社会問題を解決していくガッチャマン陣営との話が対比的に進む。ここは印象的な対比となっており、一方ではガッチャマンという超人的な、ヒーローによる社会の解決、他方ではヒーローではない、それぞれの人々の並列的な力による社会の解決となっている。ところが、人々の善意と自律性に基づいたXの仕組みのなかで悪意が噴出していき、困った困ったとなっていく。今となっては、インターネットに賭けた市民的成熟なんてあまりにもナイーブで安穏と言ってられないけども、もしももう一度その可能性があるとしたら、と考えるきっかけにはなる。
このシングルが良かった。
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2024/10/18
あいかわらず暇と呼べるような状況ではないが、退屈しているので慰みにでも文章を書く。月曜と水曜がバイトだったのが、月曜の非常勤に伴い水曜と金曜がバイトになり、そのせいか、社員の出張に重なり社員不在のまま働いていることが多い。TBSラジオの改変で13時から文化放送のゴールデンラジオを聞くという習慣がすっかり身に着いたが、今日は聞いていると、女性アナウンサー泣かせという言葉とともに番組に珍宝柿が送られてきて、壇蜜がそれをして「ごまんこちんぽかき」と言い、大竹まことがたじろいでいて面白かった。
ラジオといえば、セッションでお馴染みの荻上チキがパイプカット、精管結紮手術をした連載を少し前から始めていて楽しく読んでいる。なかなか波乱のある連載で、googleで低評価の病院を選んだところ、手術がうまくいかず、金玉から血が出てきたり、痛んだりしたとのこと。これを読んでからラジオを聞くと、「金玉が痛いのに毎日真面目にがんばってるなあ」という謎の信念が毎日のラジオで形成され、強化され、弱められているころに連載が更新されて、また信念が形成されることになっている。
かく言う私は、もしお金があって他にも余裕があればやりたいことが脱毛とこのパイプカットで、もちろんそれはコンドームなしの性行為をしたいという理由からではない。しかし、例えば急に関係をもったとして、「俺はパイプカットをしているから中出しさせてくれ」といっても、相手が信じてくれるとも思えないし、そうした性行為をしたいがために強弁しているとしか思えない。理由は別なところにあり、リスクを可能な限り排した性行為ができるにこしたことはないが、それ以上に妊娠させられる身体であることが許容しがたいことによる。それでもこのある種の失敗ルポを読むと、二の足を踏んでしまう。
期待していたアルバムが期待通り良かった。
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2024/10/17
何の気なしに出した公募の書類審査が通ったとの報せが二週間前にきて、20分くらいの面接があり、冒頭5分のプレゼンがあるとのことだった。それを準備するにあたって、あらためて公募先の情報を調べていると、私がやっていることとあちらがやっていることの大きな言葉は一致しているのだけれど、中身は全く合っていなくて、なんで書類が通ったのだかわからない状態で、用意した。で、今日が面接で会った。早起きはできるものの、あいかわらず貧血気味になる。スーツを着なければならず、それもとっても嫌で、もちろん女性が男性用のスーツを着るということもあるが、スーツを着るとお前の身体の使い方は男性としてのこれだぞ、と思わされているかのような気持ちになる。面接は30分くらいで、色々質問を受けて答え、応答自体は過不足なくできたが、あちらのニーズに合っていないのが露呈しただけのような気がする。とりあえず、面接の練習になったと思い、流しておく。
学振にしてもそうだったが、結��を期待してないにせよ、もしかしたらこの金のない生活から脱出できるかもしれないという淡い予期に裏切られることは、それなりにくるものがある。そんな予期さえなければ、いつもどおりちまちまと働いて粛々とやっていくだけなのだが、勝手な上昇と下降が生み出されてそれで倦む。
以前はよくチェックしていたが時間とやる気の関係で、今は思い立ったときにやるくらいのbandcampのチェックをしていたら、Sexoresというバンドの2014年のアル���ムのLP化に際して記事に掲載されていた。これがよかった。ジャケットもとてもよい。
知らないバンドってまだまだあるんだなあとライブラリを見返していると、このバンドのところにすでにアルバムが一枚あり、これはよく聞いていたやつだったと思いだす。ここ数年新たに見つけたバンドの名前を覚えていられない。
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2024/10/3
今週月曜日は3週ぶりに平日で非常勤に行く。3限からということもあり、お昼時に喫煙所に行くと人が多く、渋谷か新宿の喫煙所のよう。その人の多さのせいか、わざわざ警備員が二人もいて、その人たちが学生に向かって、灰皿の近くで煙草を吸ってくださいとか、吸殻をそこらへんに捨てないでくださいとか言っていて、お行儀の悪さがうかがえる光景だった。授業は半分私が喋り、あとは作業してもらうというを三回繰り返すもので、なんだか塾講師の延��線上にあるかのようである。鼻ピアスにヒップホップ的な装いをした学生が最後まで残ってやるのを見届けたあとに、彼らが「大学入ってから一番頭使った―」と言い残して去っていって、彼らの大学生活が少しだけ心配になる。
その前日、日曜日に彼女の自転車を買うのについていった。そろそろ引っ越してから一年になろうとしているが、涼しくなってきたし、行動範囲を広げようということで。マップから店を選び出して行ったところが、近隣の老人のたまり場になっていて、彼女が自転車購入に必要な手続きをしているあいだに、私は遊びに来ていた老人に絡まれたりしていた。引っ越し前に自転車の練習をしていたというが、買ってから少し乗ってもらったところ、ペダルを漕ぐ動作がどうにも不安定でかなり心配だったが、私が徒歩だったこともあり、ちょっと先まで行ってもらっては止まって待ってもらうというのを繰り返していた。それを繰り返していると幾分安定してきて、長い一本道で、やや下り坂ということもあっただろうが、ぐんぐん進んでいってあっという間に先に行ってしまい、こう遠ざかる背中を見て、私の手から離れていくことに感傷を覚えるかのような心象を類比的に重ねる、というありがちなシチュエーションってありそうだななんて考えていた。そのあとに追いついて、順調にいけていることに楽しそうな様子がありありと伝わってきて可愛かった。
最後に夏アニメの話だけ。何かを見ながらでないと作業できない性質のせいで、7割くらいは見ていて、そのなかで今期は『先輩はおとこのこ』が良かった。詰め込みすぎて消化しきれてない部分、それも重要なところがあり、それは映画でということになるのだろうが、可愛いものが大好きで女装して学校にいる先輩、まことのことを中心として落としどころは見つけられていてよかった。まことの母は、自分の息子が可愛いもの好きであるということに耐え切れず、一方で父は「まことの好きなように生きたらいい」と言いつつも、「まことは男の子になりたいのか、女の子になりたいのか」とも言う。母との軋轢、父の理解があるようで理解のなさからスタートして、ストーリーには後輩の女の子の「これは本当の恋ではない」という悩みや、幼馴染の男の子が「女装しているまことを好きになってしまう俺はおかしいのか」といった話が挟まりつつ、まことは「男の子でも、女の子でもなく、自分らしく生きる」というところに帰着していく。「自分にとってありたい自己を発見していく」というとあまりにも現代にありふれてそうで、そういうふれこみだったら見ていなかっただろうが、面白かった。
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2024/9/26
少し前の天気予報を覚えている人がどれだけいるかわからないが、当初、先週の金曜日くらいには涼しくなるはずだったのに、天気予報を見るごとに涼しくなる日が土曜日、日曜日と遠ざかっていき、私はアキレスと亀のアキレスよろしく永遠に秋にたどり着けないかと思っていたが、ようやく秋に追いついた。ところが、涼しさにあまりにも慣れていないせいもあって、気温でいえばたいして低くないのに寒くて困っていた。今日はまたうってかわって秋の晴れ間というよりかは、残暑のそれが強かった。「その前の文章をうけて、それらしく」という意味での「よろしく」という表現が好きで、この書き出しになった節がある。
ちょうど先週であったが、ノベンバのリリースツアーファイナルを観に行った。チケットをとったのが3月くらいでそもそも日程を忘れかけていたこともあるし、そもそもどういう体のライブなのかということもわからなかった。先に書いたように、アルバムのリリースツアーだったらしい。それにふさわしいセットリストで、噂に聞くラッセーラータイムを初めて観て当惑した。今作からの曲ではないが、Ghost Riderをあらためてライブで聞いて、出来る限り一つのリフで曲を構成するということの良さを思い知る。
たまたま何かを受容することが重なったが、月曜日には『悪は存在しない』を観た。涼しくなっていた日であったが、雪景色というのはいいもので、観ながらずっと雪っていいなと思っていた。まず音楽がとても良かった。途中くらいまで地域開発もので、こういう「説明会」あるある、東京の玉川上水近辺の道路開発でもあったと思っていたが、そうではなく、結局、タイトルにある「悪」がいかなる意味なのかはよくわからなかった。形而上学、道徳的、倫理的、あるいは構造的不正義的な意味など色々考えられるが、どれかのカテゴリーの悪はまあ存在するだろうとは思うのだが。ラストで東京からきた人の首を絞め、少しカットがあったあとにタイトルとなり、「悪あるじゃん!」と思わず突っ込みたくなってしまった。まあこれは冗談で、特定の行為に対して悪を帰責するという、アウグスティヌス的な責任のモデルを掘り崩したかったのだろうが、本当のところはどうだか知らない。あとは話に聞いていた謎のおかわさび視点のカットを観れてよかった。
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2024/9/17
こう書く期間が空くとその��い訳をつらつらと書きたくもなってしまうのだが、予想されたお馴染みの文言を毎回つらつらと書いていても仕方がなく、「(ry」みたいな懐かしい表現を使いたくもなる。以下略とかセルフ突っ込み表現とか、インターネット老人会が過ぎる。バイトから帰ってきてぼーとしていても仕方がなく、野球を見ながら日記でも書けばよかろうと思い、書き始めたが、サヨナラ負けしている。
先週はてんやわんやという具合で、まず月曜日に授業が始まった。校内のあちらこちらに禁煙の張り紙があったり、教務課の前には梅毒の啓発ポスターがあったり、どれだけ喫煙者がいるのかわからなかった喫煙所には結構人がいるし、くわえてコンクリの上に座り込み円になって話し込んでいる連中もいて、なかなかな場所なのではないかと危機感だけが募る。授業自体はオリエンテーションということもあってか、すぐ終わり、何事もなくてよかった。月曜日に開講されている授業のせいで、今週もそうだが、来週も祝日で休み、次の授業が来週の火曜日と、振替授業があるせいで、いつか授業をすっぽかしてしまいそうなのが怖い。
あとはバイトをし、つかの間のお休みとして彼女に会ったり、研究会にでたり。とりあえずの週報のような日記。
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2024/9/4
もう9月である。おそろしい。単著のための改稿をやらねばと毎日焦ってはちょっとずつ進めていたり、本を読んだりしている。ここしばらく、週末に台風がきたりして、会うのが阻まれたりしてぐぬぬとなったり、会えばおいしいケーキを食べたりしていた。そう、発見としてはマリアージュフレールのセイロンは単体だとまあ普通に良いお茶であるくらいだが、ケーキにとてもよく合う。
非常勤先の学内ネット用のID発行のために、先日非常勤先に初めて行った。結果としてこの作業は必要なかったのだが、初めての非常勤なので下見ができたという点ではよかった。駅から15分程度でたいした距離ではないものの、坂道が多くて辛い。大学に入ってから目的の建物に行くにも、坂道と階段で、その日は随分と涼しかったのに汗を流すことになってしまった。用事を終えて、肝心の喫煙所探しで、学内にあるコンビニで聞き、あることを知り、一安心。駐車場の隅に設けられているというには広く、格子状に灰皿が9個置かれており、駒場の一カ所一つに比べたら恵まれた喫煙所なのだが、一方でこれだけ灰皿を要するということは、どれだけ喫煙者がいるのかとも思う。帰りは、学内から出た人が私が行きに通った道とは違う道を通っていて、ちょっとした近道を知ることができた���来週月曜日から非常勤。胃が痛い。
youtubeでサブスクにはないちょっとレアな音源をあげている人を見つけた。stoaのガードレールを越えてがあるあたり、感心してしまった。soundcloudにはもっと曲があるのだが、リリースされたのは三曲入り一枚だけで、このシングルが好きでよく聞いていた。
youtube
このアカウントにもあげられていたが、uremaの前身の前身のバンド(前身はうみ)であるrrashirramonigを今更audioleafで聞いていた。uremaは技量として高かったが、わかりやすくギターの超絶技巧を披露するといった具合ではなかった。rrashirramonigはギターのテクニックを見せつけるような側面があって、これ自体でもちろん良いのだが、一周回って現代的なかっこよさがある。
uremaと同時代な懐かしいバンドとしてhouse.のことも思い出した。一枚も音源を持ってないのだが、これも良いバンドだった。当時の関西圏のバンドは、urema、house.、ピアノガール、root13.、HOLGAと好きなバンドが多かった。
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