Tumgik
#コンスープ
xx86 · 4 years
Text
夏の獣
ハイヒールを履いてる女を何キロも歩かせる男はモテないって言っただろ、と心の中で毒づきながら梅雨明けの熱されたアスファルトの上を歩く。うるさいぐらい夏だ。
ちっとも美味しくない薄く温いコンスープ。びっくりするぐらい他人と上手く話せなくなっていて、重たい頭を小さく振った。単に寝不足であって欲しい。無理やり口に運ぶハンバーグは咀嚼しても飲み込めない。
夢にあなたが出てきたから元気かなと思って、とメッセージを打かけて消した。ついでに連絡先もブロックした。わたしがまたこんな風に寝ぼけてLINEをしてしまわないように鍵をかける。首輪をする、に近い。
安心して、大丈夫だからと繰り返される言葉が古びたゴムのようにへばりつく。何が大丈夫なのだろう。わたしが何を不安がっていて、何に安心するのか知らないのに。半分程しか機能しない頭を働かせてひねり出したおべんちゃらはひどく安っぽくて、中身がないってこういうことを言うのだろうと思った。
あなたの周りの人は大丈夫だったかもしれないけれど、わたしの人生はどうなるか分からない。最悪の事態になった時、責任を取れないでしょう。そんな根性論に似たポジティブさはいらない。気休めにもならないから。
疲れきって少し眠ってからおかしい。怖い、何が怖いのか分からないけれどずっとお腹の底から恐怖が湧いてきて涙が出る。恐怖の根本をどうにかしなくてはと必死に追う内に、もうわたしは自力で感情をコントロール出来なくなった事を自覚した。何がとか何でとかじゃない。全部だ。
怖い。未来が怖い。生きるのが怖い。
夏は苦手な季節だった。親に怒られてばかりいたから。あの夏よりもあの夏よりも今の方が楽なはずなのにどうしてわたしは1歩も外に出られないのだろう。
14 notes · View notes
lonme23 · 5 years
Text
20200225
電車の中。目の前の席におばあちゃんと一緒に座っている全身くすんだ赤でまとめた赤ずきんみたいな男の子が、隣の男子学生にちょっかいをかけていた。余裕のない人間ならイヤ顔をして即無視なシチュエーション。私だったら曖昧に苦笑して終わりだ。しかし、書店で包まれるカバーをつけた薄い本を片手に持つ男子学生はにっこり微笑んでから、その赤ずきんくんに話しかけていた。なんて優しい光景なのだろう、と思う。おばあちゃんも申し訳なさそうに「すみませんねえ」と言って、赤ずきんくんと男子学生の小さいお喋りに加わっていた。その顔が嬉しそうで優しそうで、私はちらりちらりと視線を送ってしまう。兄弟のようだなあ、いいなあ。そんなことを思いながら。しばらくして、目的の駅に着きドアが開いた時、ふうわり。コンスープの香りが漂う。誰かが自動販売機の缶スープでも飲んだのだろうか。冬の残り香のようだった。
その香りに気を取られているうちに男子学生も立ち上がり、GAPの赤ずきんくんに手を振ってホームへ向かってしまう。おばあちゃんの「お気をつけて」を最後に、男子学生は駅を降りた。学ランは冬の青春だと思える。
3 notes · View notes
o7s0na-blog · 5 years
Text
コンスープと牛タン美味かった👍
Tumblr media Tumblr media
0 notes
makikod · 3 years
Photo
Tumblr media
あれもこれも! もっともっと! 早く〇〇してよー! と感じたのなら。 もうそれは、 欲望。 執着。 #洋食榮屋 おかわり自由のコンスープ。 ハンバーグ。 絶品です!!! #洋食#栄#瀬戸市#名古屋市#長久手市#日進市#錦 #いい言葉 #恋愛#恋愛相談#恋愛運#仕事運#相手の気持ち#不倫#言えない#人生相談#大人の習い事#浮気 #自分嫌い#錦三丁目 #錦三 #錦三キャバクラ #ホスト #ホストクラブ #悩み#悩み解決 #グルメ #いい事#悪い事 (洋食榮屋) https://www.instagram.com/p/CQIj4SwAJBh/?utm_medium=tumblr
0 notes