Tumgik
tomemi · 2 years
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榎本筆、「続きが読みたい賞」を受賞
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tomemi · 2 years
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・榎本筆、復活
・今後、小説は榎本筆名義、それ以外は(紫水)とめみ名義で活動する予定
・3年ぶりに脳フル回転で短編書いた。ヤババ ハイ とてもハイ コンテスト間に合ってよかった
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その13
「箱、運び終わった」
「二、四、六……うん、たしかに。ありがとうございます、今日はもう終わりでいいですよ。お疲れ様でした」
「まだ時間あるよ。そっちの瓶詰めやれるけど」
「結構です。また割られたら溜まったもんじゃないので」
「『掴む』の、けっこう慣れてきた……」
「結構です」
 高級な薬品の入ったうっすい硝子瓶を握り潰した初日、桃色の粉の入った袋を持ち上げようとして破いて中身をぶちまけた二日目。あれ以来夕佐は草とか火をおこすための木とか、そういうのしかジブンに扱わせてくれない。当然と言えば当然なんだけど、汚名返上させてくれてもいいじゃん。
 それにしても、だ。
「なあ夕佐」
「帰れって言ってるでしょう」
「違くて。この店って、ホントに薬だけの店?」
「他に何があるっていうんですか。これほど薬だけの店も珍しいですよ今時」
 蛍と雪平は夕佐のことを、人をイラつかせる天才って言うけど、そこまででもないとジブンは思う。春彦の性格が少しねじ曲がったのが夕佐って感じがする。少し似てるもん。眼鏡掛けてるとことか。
「……なんなんですかこの間。失礼なこと考えてません?」
「考えてねぇ。どうしたらこの店のカタクソウサクできんのかなってのは考えてた」
「諦めて帰りなさい、しっしっ」
「スゲないことすると、派遣に来なくなる……」
「そりゃ結構!お銀に伝えといてください、もうお前に借りはないんだからうちの売上泥棒を寄越すんじゃない、ってね」
 取り付く島もない。
 「もう借りはない」ってことは夕佐、お銀に「前は借りがあった」ってことだよな。それって……役に立たないかな。
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その12
 丘の上には林がある。
 林の中には家がある。
 家の中には眠っている者がいる。
 眠っている者を、訪ねる者がいる。
「おはようございます! 開けますぞ!」
「ふわぁぁあ眩しい……あ? 誰だあんた」
「今あなたの胸の上から落ちた冊子を開いて読みなさい」
「これ? はぁへぇふぅん……あんたが理造?」
「そうです」
「そっか! なんかまた駄目だったっぽいな、悪ぃな! ん? 俺が悪ぃのか?」
「……いいえ。あなたは何も」
「そっかじゃあ今のナシね。今日超天気いいじゃん、身体動かしてぇ気分」
「その前にやることは、わかりますか」
「ナメてんのか理造。顔洗って着替えてメシだろ? その後歯磨く」
「そうです。メシではなく朝食と言いなさいね」
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その11
「どう? 大福のお味は」
「……」
「……な、ナユタ?」
「わかんね。味の名前って何があったっけ。オイシイってこれのこと? それともスッぱい?」
「え!? あ、そうか……! あのなナユタ、その味は『甘い』って言うんだ」
「アマい……ああ、センセイがよく食べてた……金平糖のと、同じ味か」
「そうそう!」
「見た目も触りゴコチも違うのに、不思議」
「金平糖も持ってるよ。いる?」
「くれ」
「合点っと……よっとと、ほらどうぞ」
「もっと大きかった気が……?」
「そりゃ、ナユタが人間の大きさになったからだよ」
「あっそっか。じゃ、いただきます」
「どうぞっ」
「…………違くね?」
「え?」
「大福がアマい、ならこれは違うだろ……? 春彦お前、この二つ同じに感じるの?」
「へ? ……ああああ!? そういうことか!」
「うるせえぞ春彦」
「やめなさい蹴るんじゃありません! えっなんて説明すれば理解できるんだこれ……あのだなナユタ、甘いとひとくちに言っても、食べ物ごとに味は違くて」
「は?」
「大福の甘いと金平糖の『甘い』……『甘味』は、使ってる材料の違いで、同じ甘いなんだけど変わるもので」
「どっちもアマいってなんだよ、現に違う味なんだよ。アマいってなんなんだよ」
「いや、ええと、甘いって何、か……甘いって……何!?」
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その10
「神社っていうのは裏界の建築のひとつで、神用の家や宿場のことを言うんだ」
「じゃあ、未来神社には神がいる――って事か?」
「だと思う。で、そんな名前をつけたのはお銀さんで間違いないだろうから……」
 たしかに、他の藩がどうなんだか知らないが、この町で春彦以上に裏界のコトバに詳しいのなんて、お銀だけだろう。
「お銀さんは、何か知ってる」
 潜めた声。春彦の表情が険しい。
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その9
「そうその調子……はい! それで大丈夫!」
「完璧……だな……?」
「うん、かんぺきだよ! なゆちゃん、免許皆伝だよ! おめでとうっ!」
 暁が両腕を上に大きく広げた。アレか。ジブンの両の手のひらを、暁のとパチンと合わせてみた。悪くない気分だ。というかいい気分だ。
「感動ひとしお……!」
 暁は涙と鼻水でべしょべしょになっている。箸の持ち方どころか竹串一本をつまむところから始まったのジブンがついに、菜箸で卵を溶くところまで漕ぎ着けたのだ。大変苦労をかけた。
 いくらお銀に恩があって派遣員を受け入れていると��いえ、零技能のジブンが来ることを拒否することはできたはずだろうに。
『なゆちゃんだって、お料理に興味があるから何度も来よう、って思ってくれたんでしょ? なら、わたしはできるようになってほしいよ。できるようになって、料理するのが好きって思ってもらえたら、教えたわたしも嬉しいしね!』
 前に言われたコトバを思い出す。実際問題、ジブンが来ると暁の負担は増えている上、どんなに役に立たなくても最低限の報酬は払わなくちゃならないから、まいしまにとっていいことはひとつもない。お蝶から、ジブンへの報酬は暁の給金から差っ引いてるんだって知らされたおかげでめちゃくちゃ頑張ったけど、本人から一言もその話を出されたことはない。派遣されてきたのがジブンじゃない、もっとアクどいやつだったら、どうなってたんだろ。
 大吉たちが過保護になるのもしゃあない。キッスイのお人好し。本当に。
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その8
誕生月について 過去に考えたメモを掘り出したので
・お銀→桜の季節に完成。4月。とはいえ誰もそのことを知る由もないのでどうしよう。今になってお美世の日記が発見されて発覚するか、なんとなくお銀自身が桜が好き、と思ってノリで4月にする(偶然の一致)かかな。
・光之進→11月。真実が明るみに出るまでは本人含めみんな1月だと思ってた。
・窓一郎→3月。早生まれのイメージがある。
・蛍→8月。ほたるといえば夏休みだと思ってこうしたと思うんだけど、調べたら8月はもうシーズン終盤でした。
・雪平→12月。必然的に夕佐も12月。雪の降る日の夕方に生まれたんでしょうおそらく。
※城崎兄弟の名前は、
①思いつきと響きで「雪平」
②双子の兄弟は対にしよう
③白(雪)↔赤(夕)で対にしよう
という流れで決めたはずなので、雪の降る日の夕方は間違いなく後付である。
ナユタはプレイヤーの任意だからな…
ナユタはお銀と違い量産型で、製作者の思い入れが強いわけではないので、正確な誕生日(=完成日)は不明。なんかみんなから祝ってもらえるっぽいから自分も決めたいな〜ってポロッと言って、じゃあ好きな日にしましょう!いつにします?ってお銀が言って、決定、みたいな感じだろうか(未定)
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その7
※年齢…2035年10月1日時点。
【モシェット・アニミエ】
▼派遣屋。ここで依頼を請けられる。依頼をこなすと、技術習得・パラメータの変動・報酬を得る などができる。店名は異世界の言葉で「魂をもつもの」という意味。
▼所長:銀(ぎん)
 付喪神の女性。博識で、燈果宿の人々から頼りにされている。論理的に考えすぎて困ってしまうことも。主人公とは逆で、顔の表情は最初から豊かだったが、首から下が動かしづらかったそうだ。
▼清川蛍(さやかわ けい)
 現人神の男性。18歳。容姿端麗で男女神人問わず人気者だが、本人は政治家を目指して勉強中の身で、色恋事には興味がないらしい。【旅籠まいしま】によく足を運んでいる。
 主人公の先輩として、各派遣先に最初に行く際は、同行して説明をしてくれる。また、彼が【主人公の部屋】【モシェット・ アニミエ】【蛍の部屋】のいずれかにいる時に、話術の訓練をすることができる。訓練を受けると、「社会性」みたいなパラメータが上昇して、請けられる仕事が増える。
【岡山筆学所】
▼読み書き計算を習う場所。ゲームならかしこさ系のパラメータが上がる。このパラメータを上げると請けられる仕事が増えたり、調べられる本が増えたりする。
▼所長: 岡山理造(おかやま りぞう)
 老齢の基人男性。元・侍。仕えていた家が数年前に断絶してしまい、植田に流れ着いた。【未来神社】によく足を運んでいる。
▼岡山窓一郎(おかやま そういちろう)
 基人の男性。20歳。理造の養子になったのは最近のことらしいが、武器の扱いに慣れているなど、まるで侍のようなときがある。夜になるとよく【モシェット・アニミエ】に現れ、お銀と話している。
【クロエの登麗美庵(とれびあん)】
▼簪屋。派遣先のひとつ&ファッションアイテムを買える場所。クロエや雪平と仲良くなることで、品揃えがよくなる。
▼店長: クロエ・フロアルテカ
 基人の女性。21歳。異国ユロハからの移住者。幼い頃に旅行で来た和笛国で簪の美しさに魅せられ、独学で簪職人になった。おしゃれが大好きだがユロハ人の彼女に和笛国の既成服は小さいため、よく雪平に服を仕立ててもらっている。
▼城崎雪平(きのさき ゆきひら)
 基人の男性。22歳。女性ものの服や髪型、化粧を好んでいるが、本人曰く「中身はただの男」らしい。縫い物が得意で、登麗美庵の店員の傍ら、個人で完全受注の服作りもしている。
 【くすり屋】の夕佐とは双子で、雪平が兄。
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その6
「ナユタは簪、ブキで使う、たいですか?」
 久しぶりにかんざし屋・登麗美庵に派遣で来たら、クロエがえらくしなびていた。唇を尖らせ、長い腕は机の上に投げだされ、辛うじて椅子に腰掛けてるけど、脚も力が抜けてへにゃへにゃしている。
 いつも活力に満ち満ちているのがクロエだ。いったいどうしたと尋ねる前に、雪平が奥の部屋から暖簾を上げて姿を見せた。
「やあ、待ってたよ。じゃあクロエさん、あとは俺とナユタがやるから」
「ノン……制作できない、ナノニ、店に立たない、店長じゃナイ……」
「寝なさい」
 ウムを言わさず雪平はクロエの腕を自分の首に回し、片方の手をその背に回して支えると、今しがた自分が出てきたほうに連れて行く。歩く力もないのか抵抗なのか、クロエがまったく足を動かさないから、ふたりの身長差のせいでクロエの足はずるずる引きずられてる。痛そう。痛覚もへにゃへにゃになっているんだろうか。
 しばらくして雪平が戻ってきた。今日のオメシモノは、紫紺の無地に、薄い緑……いや水色か?なんかサワやかな帯。
「紫、似合うよね」
「どうも。で、クロエさんがああなってる理由だけど」
 いつもなら褒めるとありがとうって笑うのに、過去イチで適当にあしらわれた。目が笑ってない。口元はいつも通りホホエんでるのが、ちょっと怯む。
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その5
先日やってた「自創作世界観で生活シミュレーションゲームがあったらという妄想をする遊び」を基に、文章をつらつら書いています。文章を書く&フィクションを作る、両方のリハビリ。
記暦2035〜2036年。
超自然的存在『神』と、神ではない生物たちが、互いを認識することができる世界。
舞台は、和笛国植田藩・燈果宿(とうかしゅく)。
数十年前に天災に見舞われた土地に、藩内外から集まった有志が中心となってつくった、歴史の浅い小さな町。
主人公ナユタの一人称視点。
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ナユタはこういうやつ。テーブルに置けるサイズ。
人間化時の見た目は今のところ考えなし。ゲーム主人公版はかなり自由度の高いキャラメイクができるor乙女ゲギャルゲ方式で主人公の見た目が基本的に出てこない系(スチルに映る場合でも手とか足の一部だけ、みたいな)。一人称はプレイヤーの任意。
初期は無性。デッサン人形現役(?)の頃に男女キャラ問わずポーズモデルになってたので、自分は何にでもなれるとナチュラルに思っている。
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その4
 付喪神、ってコトバを教えてくれたのは春彦だ。そもそもの存在も貴重だけど、ジブンみたいに生き物の姿に化けられる物は特に珍しいから、秘密にしとけって言われた。
 どうも、同じ和笛国ってクニの中でも、場所によって事情が違うらしい。春彦がずっと住んでた藩では付喪神ってのは伝説でしかなくて、見つかろうもんなら過剰にマツり上げられるか、高値で取引されるかだったって聞いた。でもここ植田では、珍しいのは同じなんだけど付喪神が政治家のヒショやるのが伝統で、藩の事業で付喪神探しやってるけどそれは次代のヒショ育成のため、だそうな。
「じゃあお銀も、いつかヒショになんの?」
「お銀はならないよ。話はあったけど、蹴ったから」
 黄色いたくあんをポリポリと噛む蛍の横で、ジブンは頷いた。
「わかる気がする」
「……そう? もっと驚くかと思った」
「あのヒト、生きるのが楽しそうだもん。おしゃべりだし、色んなことに首つっこみたがるし、本当は自分で派遣員やりたいみたいだし」
 ヒショって何年も何十年も政治家のそばにいて支えなきゃならないんだろ、そういうの合わなさそう。自分の好きに飛び回りたいヒトだから。
 そう言うと、蛍は薄く笑った。センセイが描いてた漫画に登場する『ビジョ』、全員こんな顔と笑い方だったな。
「近くで見てると、よくわかんなくなるもんだね。そっか……二年前のお銀に会ったら、ナユタは吃驚するかなぁ」
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その3
 生きてる物が「死ぬ」のは知ってた。
 ただ、「死ぬ」ってのは血が出すぎて動けなくなるってことだと思ってたんだけど、この人間みたいな質感の身体になってからニオイがわかるようになって、ただ動かなくなるんじゃなくて、なんかすごい、生きてる物からは出ないニオイがするようになるって事がわかった。ジブンは、生きてる時のニオイのほうが好きだと思う。
 最近毎日通っている岡山筆学所、今日は窓一郎が字を教えてくれてる。同じ音でも違う漢字で書くものがけっこうたくさんあって、ニオイって書くにも「臭い」と「匂い」があるのだという。
「そういや昔に見たことある、この形二つとも」
「……字、という概念を知らなかったということか」
「うん。……じゃねぇな、はい」
「……そうか」
 所長の理造はめっちゃお節介焼きだけど、窓一郎はあんまり話をしない。でも、ジブンは窓一郎の感じもけっこう好きだ。
 ジブンは、顔の動かし方がわからない。「握る」の動きも苦手だけど、首から上、顔の表情の作り方が一番わからない。で、窓一郎は、ジブンからすれば表情豊かだけど、他の人間と見比べるとかなり動きが小さい。親近感が湧くのである。
 似ている人間がいるなら、ジブンも人間たちに溶けこめそうな気がする。蛍とかくすり屋の夕佐とかを目指すより、当面は窓一郎を参考にするのが良いと思ってる。
 そういや、窓一郎の目はお銀の目と同じで、黒曜石みたいにマックロだ。お銀は目の色を好きに変えられる。黒い瞳の人間はいてもかなり濃い黒だから珍しいし、偶然同じなんじゃなくて、きっと窓一郎を参考にしているんだろう。
普段着てる服の色とか的に黒が好きというわけじゃなさそうなのに、あえて窓一郎の目なあたり、お銀も彼を気に入ってるのかもしれない。
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多― その2
 ジブンは手本人形。異国ではドロインドオルって呼ぶらしい。木製。全身。球体カンセツ。
 ジブンはセンセイの物だった。
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tomemi · 2 years
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M・A―那由多―
「あなた、付喪神ですね」
 ――バレてら。
「そうだけど?」
 隣で目ん玉ひんむいてた春彦が、ジブンと銀髪女の顔をぶんぶん首振って見比べだした。こいつの動作、なんでいつもこんな可笑しいんだろ。顔が面白いからかな。
 銀髪女は、黒曜石の珠みたいな目をきらめかせながら、ちゃぶ台に身を乗り出した。
「私もなんです」
「ええええええええええええええ!?」
「うるせぇぞ春彦」
「しょうがないでしょうが! 前に話したでしょ、付喪神とか一生に何人も会えるものじゃないんだよ!?」
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tomemi · 2 years
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M・Aの世界観で戦闘なしの生活ゲーム作るなら〜という妄想してたら、ふとDQ7の移民の町システム思い出してテンションがグワッと上がった 住民の職業比率でグランドスラムだったり大聖堂だったり町の様相がめちゃくちゃ変わるやつ あれすごくいいな…!
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tomemi · 3 years
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というか
今更気づいたけど、今回の復刻3種全部「藍田さんによるパロディ世界もの」だったのか 一個はVRゲームだから厳密には違うけど、要は藍田創ファンタジーフェスティバルだったわけよね
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