trm517

[trm517]

光の粒がまたたくGIFを眺めているだけで満たされていたころ　知らないことがいっぱい詰まった宝箱をのぞくだけで踊っていたこころ　ネットサーフィンの意味も様変わりしたね　知らないくせに知っているふりがうまくなって調べたらなんでも手に入った気がして、もう踊れない　まだ踊りたいの？わたし

恋人と付き合って半年経った　最後のボタンが余って初めて、かけ違えていたことに気づいたような、そんな一日でした　鬼は外の要領でしょうか、玄関に向かって大声で泣きました　鬼は外、福はうち、お前はどうして逃げたんだ　あなたと会うために掃いた床、どんな気持ちで座り込んだか考えたことはあるかな　あなたはわたしに、好きな時にいつでも触れるごきげんな肉の塊で、在ってほしいのかな　あのね

わたしは、性欲処理の、道具じゃ、ないですよ

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明日は健康診断　アラサーアラサーアラサー健康健康健康なんかそればっかの日々ですね　入ってる保険とかおすすめのパウダーとかハマってる自炊とか　大人ごっこの延長線

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食べすぎて初めて吐いた　惨めだ　うーとかあーとかひとりで喚いて、2秒くらいで吐ききった　やり場のないきもちではち切れそうな時、わたしはいつも食べすぎる　食べて食べてずっと食べて、気持ち悪くなったら寝る　寂しくなったり悲しくなったり、思った通りにいかないなにかを捉えては食べまくる　苦しくてちょっと泣いたりもする　食事を大切にしたいのにこの時ばかりはできない　かつての母は、仕事帰りにマクドのドライブスルーでポテトLサイズを買ってバクバク食べながら帰る日々を過ごしたらしい　わたしは母に似ている　それとおなじくらい父にも似ている　わたしの両親は言いすぎたり言わなすぎたりを繰り返して、それでもなんとか同じ家で暮らしているらしい　ちょうどいいところでやめられないわたしたち

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いつからか本を読まない彼ばかりに焦がれていた　いまの恋人もそれにならっている　本を読まない彼たちは、本屋や図書館で出会わない　あっ、これあの頃だ、わたしたちのことが書いてある、なんていうことは起こらない　活字のなかで二度と出会えない、なかったね　文字をみてふくらむ胸と、のびてゆく思想のもやにわたしたちは、わたしだけの中にいました　映像でない、絵でない文字だけがどうしてもわたしを羽ばたかせるのは空想が得意だからでしょうか　映画や漫画の中ではまた、わたしたち出会えるでしょうか

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室外機はじく雫のおと　意味のないハミング　きみの腕をまねたふとんにだきついてまたねむる

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旅行すきじゃないけどきみとはなんかどっか行きたいよありきたりな言葉以外で気取るよりも普通のうれしいとか楽しいとかで十分だ明日晴れるね晴れ女だね新幹線に2人で乗るのはじめてだね有給とっちゃったね二つ返事でね寝坊したら許さないからねあ、グミとか買おうかな駅着いたら

煙草吸いたいねとりあえずね

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街をあるけばあおっぽい植物のにおいがして、影ばかりえらんで歩くことがだんだん上手になってく

春ですね、の挨拶が好きだった　も��すぐ夏ですね、その前には梅雨ですね　きたと思えば過ぎますね　景色の記憶を手繰り寄せていたらすぐにふけてゆくね、夜が　声も顔もなんとなく、でも話したこととか食べたものとか、あのころの気持ちとかそういうもの　ものがたりとしていつまでも引き寄せられる才能　歳をかさねる前夜、なぜか毎年すこし浮ついています　

過ぎていったあれこれ、またね、来年ですね、同じ日々は二度と訪れないとわかっているのに繰り返してしまうね、またね、いつかね

満ちたりたとして、決定的になにかが足りなかったあの頃をゆるせなくても過ぎていきたいです　ものがたりの中にいるあなたたちと同じように

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母の入院から始まって

自分じゃどうにもできないあれこれに

心を寄せてはあまりの無力さに打ちひしがれて

くりかえしくりかえし

情けない海みたい

甘えても叶わなかったお願いごとを反芻して

うまれてはじめて電車で泣いた

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ともだちと朝ごはん食べる約束締結　食べる約束は生きようねの意思表示だからうれしいの　その日まで生きて、カロリー摂って、バイバイしてからも生きるの、つづくの　みえなくても居て、過ごして、言わなくても考えてる　忘れちゃっても思い出すから大丈夫　あたしがいるから大丈夫

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夢うつつなままで居られない２６　あなたとの将来を考える　サラダをわけてくれて、テーブルにあるものは全てペロリと食べ終える　スピーディーな大男　甘党　化粧をしていない血の気が引いた顔をやたらと見つめたがる男　甘い　ネァームという唐辛子が丸々入ったソーセージを全部食べてくれたあの瞬間から、あなたと過ごしたいままですべてが明るくたのしい　明日からの仕事に備えて1人で現実逃避しに帰宅するあなたのペースがおもしろい　あなたのとなりにいるときのわたしが好きで、意思に基づいた選択をし続けるときに宿る小さなゆうきをわすれたくない

「わたしの考えてることわかる？」

「考えてることはわからないけど、怒っている時はわかるよ」

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鼻と喉を繋ぐ器官にぴったり張り付いて、コロコロ転げ回っているような感覚　モヤットボール、先生これはモヤットボールです　あのイガグリのような、それですわ　朝起きて水を一口飲むも、潤わない喉　はりつき　いがいが　げぇ〜　これはまずい、明らかに風邪　とっちらかした仕事を畳んだふりをして、なんとか薬局が開いている時間にかけこむ　帰っている場合ではない仕事量　キィー　２６年も生きると流石にわかる、この不調の予感　しかしまあ喉風邪、年に2回は罹っている　前回処方されたトローチをまだ舐め切っていないというのに　喉に優しい食べ物を！と思って冷凍うどんを買ったのに、明太子ソースをあえてしまった　ほとんど気休めで冷凍ほうれん���と納豆をのっけて、あほの晩飯

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生業として紡がれた丁寧で誤植のないぴかぴかの文字を読む　お腹が空かない　ぼんやり微睡の午後　ベッドに毛布や枕を積み上げて私だけのソファにする　今日はくもり　組み立てそこねた午後の予定をパズルのピースのようにならべる　15時55分上映の映画・2時間　天王寺動物園　焼肉　読み終わった著者の別の本を買いに出かける　スーパーへ行く　なにもしない、誰からも返ってこない連絡、都合の良い友だち、都合の悪い友だち、おそらく下着姿のまま、まだ眠っているであろう恋人、今日はくもり　EXPO2025で流れていたアンビエント的BGMを流す

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試すように投げつけることばや態度とる粗末な愛のこと、もうわすれちゃった　まだ太陽が出ているうちにさようならしても、慰めに本を買って帰るとなんだか楽しいポーズ　るん　音符をひとつふたつあとに残して流れ星の軌跡、またたきして過ぎたあともまだ見えている気がするきらめき　よどみなく言える「だいすき」も、つっかえながら告白する「ほんとうはさみしかった」も芝居のようでおかしいね　適切なところでほしい言葉を言わないで、予定調和なんていやいや

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ほんとの自分なんてほんとはいないの知ってるよ　「ぜったいのあたし」なんてウソだけど、しなりながらひび割れながら、でも折れないよ　むかつくし悪口いうしなまけものだけどそうじゃないあたしもいるよ　ほんとの自分はいないけど、ウソでつくった「ぜったいのあたし」は今日もここにいます

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身を粉にすることでしか慰められなかった人生を、それ以外でどのように進めばいいのかわからない　愛することと歩くことにしか向かない情熱をもてあまし気味の毎日はやや退屈で　自己犠牲以外の方法で確かな歩みを感じてみたい

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大切なあなたに割れ物注意の札を貼る　こころにしまう暴れん坊なあたし　適切なことばをあげたくなくて、だからあたしは黙ることを選んでる　それをあなたに伝えられてよかった　人と人が支え合うことは難しい　すべてをあけすけにする必要はないのに、元気な自分で会いたいと言われて寂しいきもちになるのはわがままかな　あなたは電話越しによく泣くの　やさしく撫でてきつく抱きしめたいのに叶わないことがつらいのです　あなたの傷を癒せるすべてを尽くしたい　そういう感情、はじめてで戸惑う　あなたがひょいと抱えるあたしごとすべて、たまには降ろしてもいいのよ　強がり

[trm517]

甘ったるい愛称がすき　いつまでもあなたにべいびーちゃんって呼ばれていたい　最近のお気に入りは天使ちゃん