whitelapis
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all my letters are lost in the mailbox.
32 posts
faked paranoid plastic fingers make stories frequently. sometimes actuality, sometimes falsehood(not a lie).
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whitelapis · 3 years ago
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210726
気がつけば遠いところまで来ていた。目の前に広がる壮大な景色に自分の足跡は霞んでその距離を見誤っていたようだ。たった3ヶ月前はひとりきりでこんなところまでくることは想像もしていなかったのだ。ときにはその足跡を振り返ることができたなら、辿り着けるはずのない未来ばかり覗くのを辞めていれば、こんなことにはならなかったかもしれない。
夢のような3日間が終わり、つぎは夢のような4日間を過ごすはずだった。最後の記憶は、自分の体が自分のものでなくなる瞬間の鈍い音と衝撃。その後の数時間は耐えがたい長さだった。痛みはまだ繋がっていることを示してくれるが、腫れ上がった腕と意思の伝わらない手首はやはり自分のものだとは思えなかった。指先だけが申し訳なさそうに項垂れていた。いまは左手の親指ひとつでこれを書いている。すこしずつまた自分の一部に戻ろうとする右腕と、うれしそうな指先を讃えて。早いうちに記憶を上書きしないと狂ってしまいそうな夜の闇に包まれるまでは詩的でありたい。
210727
その病室はかつては学校の教室だったようで広さを持て余していた。使い古された木の棚(ランドセルを収める大きさだ)が後方に備え付けられ壁はかつての張り紙の形に沿って色褪せている。板張りの床もすり減りツルツルになっているがささくれやひび割れはなく綺麗に磨かれている。二台のテレビからは時間差で同じ映像が流れていて気持ち悪くなる。子供たちはこちらの言葉には耳を貸さずに映像に見入っている。思考を停止する快感に魅入られている様子。
私のリハビリを担当してくれた人は自然に優しさを見せてくれたがこの腕がもう二度と元には戻らないことを知っているのだろうか。また私がそのことを知っていることを知っているだろうか。私は違うことで気を紛らわしたかったのでいつもの夢の中のように傲慢に過ごした。ガレージに会ったこともないチャラい仲間が到着して騒ぐ。タバコをふかす。女をモノのように扱う。どうしたら彼女に幻滅されるかあらゆることを試したが、いつまでも優しいままだった。私が腕を諦めるのをやめるまではそばに居てくれるかもしれない。
210728
船上のパーティに君を連れて行く。しつけのない猫のような君は歩くそばからテーブルのデザートのさくらんぼをつまみ食い。女の子は泣いていたが母親は笑って宥めていた。僕の猫はご機嫌だ。君の気に入りそうなかわいい小皿をいくつか見繕って頼み席に着く。ヤンチャな仲間たちと、すれ違い。オンボロのボードを改造して映像を撮る芸術家を、複雑な家庭で育ち他人の不幸を願う輩が邪魔をする。僕らのスクリーンにはそんなうつつは映らない。入道雲はとても甘そうにフワフワしている。吊り下げられた腕を選ぶ、未来が来る。
210804
あの日を境に夜な夜な組コーンにトライしていた少年たちの姿は消えた。私が権力に屈したからか、ストリートがそれを模した競技場にとって変わられてしまったせいかはわからない。このままこの3ヶ月が何事もなかったかのようにフェイドアウトして去年と同じ退屈なステイホームを過ごすことになっても誰も気にしないだろう。しかし私は知ってしまった。自分の足で体で飛び跳ねる心地よさを。ウィールが路面を擦る音、それだけでも十分なのに。昨日知らなかったことを今日できるようになる喜びを。私の気持ちだけは何事もなかったかのようになんてできない。
210811
悲しいことかな私たち、もう交わることはないの
ただ近くにいて違う生き方を見ているだけでよかったのにね違う人間だから
二つから一つが増えて境界は曖昧 そうなると大概 ウツルカラ密は避けてさ
理屈で焚きつけた心 降参の一言だけが届かないでエンドレス
210831
夏が終わりそうだ。��き土産の湿気と片足の祭典がうるさいくらい皮膚にまとわりついている。
心を捨てて明るくつとめれば言葉も音も生まれない日々が続く。20日ほど平穏に過ごすことはできたから自分を褒めよう。怪我でずれたスケジュールで新しい友達に会えたなら感謝して縋りつこう。父の腕は治るだろう。多少の硬さは残しても外からは気づかないくらい元どおりに。あざやすり傷の跡は目立つだろうか。
ベランダからの侵入者や、慣れない仕事、急な坂道、とかに怯えていた。守るものも失うものも意識の作り出した幻なのにね。花が繰り返し咲くこと、季節は巡ること、それ以外に神に伝えるべきことはもうない気がする。私がよしとしなかった希望や精神を押し付けるのはもうやめにしよう。
好きなものをあざやかにするために嫌いなことを再認識する。もしくは私の周りにい���のまにか積もった好きでも嫌いでもないもの。テレビは嫌いだ。面白くないからではなくてそれは楽だから。脳味噌が楽になるものは排除しなければいけない。脳味噌が楽するものではなくて強くなったり新しくなったりするための刺激であればいいのだけど。
夜は雨が降るようだ。、わたしの足は家までもつだろうか? 転ばぬ先の杖なんていらない。またたちあがればいいだけだから。
(心はいつも平穏で愛らしいものではありませんが、ときどきは愛に溢れることがあります。いつも愛することができないのと同じようにまったく愛していないわけではありません。そのような波の中で生きて、時々は愛に溢れた心を持って家族を愛して生きていくことはできていたはずです。いまの暮らしに満足していることと、過去の生活を比べることにいったいなんの意味があったでしょうか。わかったのは、あなたがいまのほうが幸せであることは私を幸せにできないという変えようのない事実でした。誰かと比べたり過去と比べたり。多少のモチベーションにはなっても心の養分にはなりません。この理屈も心を焚き付けはしても心そのものを作ることはしません。わたしの心は理屈を超えた音楽にこそ宿っていて欲しいとねがっています)
これからあとどのくらい時間がかかるかわからないですが、いつかはうちに帰りたいなと考えながらいろんなことを思い出しています。
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whitelapis · 4 years ago
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210405
セレブのセレブレイションを受け入れられずに当日を台無しにする。彼は過剰な自信をもって逆張りしすぎた挙句、ユーチューバーに落ち着いたようだった。祝儀を渡せないトラウマは幼少のころの記憶に因るものだと思えたが、彼は会社とその崩落の象徴のような人物で、僕の心にずっと引っかかっているのだ。不在の僕を気遣う彼の姿はかまってちゃんな僕の自意識の変容だったかもしれないし、体力を自慢するような振る舞いは欲求不満の解消にも思えた。
210423
桜の花が散るように一瞬で過ぎた4月。友情の終焉、新しい生活様式よ続け。
違ったかもしれない人生に躍る心も見る夢もお金という現実に折られて元どおり。資本主義、価値観のアップデート出来ずに蔓延る虚無。偉大な友情の、始まり、終わり。過去に戻ってあなたにもう一度会いたい。横浜、コンビニの駐車場で無理心中した一家、年齢も編成も近くで移入した感情抑えきれない。
生活を脅かす生活安全課。善意の心配が壊す平穏。システムを変えられない公務員。働いた気になって住民は狂っていく。責任は政府にあり。公道で踊れないスケーター。空を泳げないプレーンズ。君を救えないスーパーマーケット。
210428
ずれた時間を���しんで焦る心。新しいチャレンジはスタイルを変える。スタイルが変えるのは服だけではない。武器を持たずに戦場に来てはいけないな。溢れる言葉は脳には残らずトイレに流れる。小さな心は成長している。君の選択が世界を変えていく。世界を変えない選択もあるということだ。エイトビートとアルペジオ。疾走感と懐かしさ。孤独な脳は穏やかに死にたい。
210429
自分を憐むのはやめてとあの人は言った。子供たちの親だからと。そんな男が使命感とか世間体とか叫んでいた、碌なことにはならない。コンクリートのクラックにつまずくウィール。テールを擦って大きくターン。遠くを見て、近くの一歩を。君を見て、数年のみらいを。
210507
ずいぶん久しぶりに君と会えた。例によって私たちは学生だった。渡り廊下の上から遅れてやってきた君を眺める。原付のエンジン音、君が着ていたはずのない短いスカートからのぞく脚。僕はサポートしていたバンドを離れる決心をしていたけど、君はこんなところにいるべき人じゃないと思って紹介した。音は最高にいかしてるのにデザインがダサかったからね。ARで見る仲間たちのかつての姿。いくつかの分かれ道に残った影たちを懐かしむ。離れることは終わることじゃないって言ってもなかなか実践できない世の中だけど、こうしてまた会えるなら懐かしい歌を歌ってもいいよ。
210511
そして25年前のご機嫌なナンバー。風がさらわれるような爽やかなゴシック。見知らぬ君と出会う前に共有していた真実。もう一度両思いになったみたいに手を繋いで歩く。寄り道したい気持ちを隠しながらかかとをすり減らして遠くまで。道端の花を愛でながら。もういいよ?と言える日まで。ピアノやホーンで飾ったり、耳障りのいいミックスをしても、耳が、脳が、歌を忘れない。
210522
ツアー中に葬列の手配をする君。僕は間に合わない焦りに怯えていたけど君はやるべきことをわかっているみたいに落ち着いていた。予想を超えた参列者に故人の人望を見る。君の親友だったみたいだけど僕の知らない人。雨の演出。気の利いたお返し。葬儀屋に感謝。
210523
ジグザグにスラロームして坂を下る。時計の針はチクタク進み、戻ることはない。ここではいつでもうまくいく。ここではいつも間に合わない。明日になったら忘れている物語のなかで生きている。
F# B E G#m
210613
ウィールがバイトする寝覚の悪い夢だった。67%をこえた湿度が6月の到来を告げる。感じ方は自分の精神��態次第なんて実感、わかっていてもくだらない話だ。空気と裏腹に気持ちは上向き。コントロールできたという僅かな自負が今日の平坦に向かう勇気。フラットなら飛ぶのも回すのも自由じゃん?
210620
クォンダイズされた格子状のスペースにどこかで聴こえたメロディを嵌め込んでいく。タイミングよりも長さがキモだった。全員で乗り越えて川沿いの道を行く。しあわせのナットがうまく絞められず、坂も登れない。全員って誰だっけ?
210628
低速の通信、君にもう届けられない。
私はなにかとすぐに結果を求めすぎた。日々少しずつでも積み重ねていくことができないタチだ。君の歌と分散和音がまたしても心を躍らせ、掴んで離さない。嬉しくて痛い、いつもの告悔。
私の知らない人からメディアで見たと今日も声をかけられた。夢遊病のように私の知らない私が拡散されていく。密を恐れず祭りに集まる人々。約束もなく旧友と再会する。無意識の手柄、好敵手に自慢する虚しさ、能無しさ。鷹の爪は隠しても辛く、ただのツケはまたしても嗤う。
210628(2)
船で祭りの会場へ着いたところだった。2メートルの巨体で操るビンテージのデッキも大きく、縁石をもろともせずに高く飛ぶ輩はかつての母校の前の道を我が物顔で行ったり来たりしていた。雨が降りはじめてやがて校舎へ向かう。
帰り道、長い坂をクルージングで下る。ゆらゆらとスラローム、路地から黒いデッキですれ違うひとと意識し合うが何も起きない。
210705
目覚めてみたらバスだった。見知らぬ街を走り抜けやがて見覚えのある施設が見えた。終点近く混雑した車内をかきわけて出口へ向かうも残高が不足していた。両替をしようにもレシートが溢れて札が取り出せない。なんとか降りて街灯と川を眺めながらこの長い距離をまた歩いて帰ることを想像して萎える。
210707
着替えを終えて出発したところで荷物の1つを忘れたのに気づき戻る。遅れてついていくが信号に阻まれて足音は消える。セクションは水浸し、フラットは水没。国道の反対側、はるか高みにみんなはいた。こっち側は祭りと工事で歩けない。
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whitelapis · 4 years ago
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210323
僕はいつから水たまりを避けて歩くようになったのだろう
体は動くだけで喜びの声を上げる
心は言葉に縛られて苛立っている
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whitelapis · 4 years ago
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210309
一夜目
近所の町だったはずだがどこから歩いてきたかわからない。どこかわからない場所ではなく円環だと気付いたのは見たことのある景色だったから。左回りにしか進まないと思い込んでいたが戻ることができた。達磨や梯子など雑多なものであふれた部屋、緑あふれる部屋、物の少ない無機質な部屋などを通り抜けると物陰から煙に驚かされた。辿っていくと相手がいた。何人か待っていて一目で1人を決めた。口が上手かった。
二夜目
友人と一緒に逃げていた。駐車場で落ち合ったが船の上だった。車の出入りする扉からビルに入り込む。ガラスで仕切られた事務所だった。奥の部屋には違う場所に行ったはずの人が居たので追いかける。行き止まりの部屋で捕まえたとおもうと瞬きのうちに次の扉が現れる。服や髪型が変わる。少し進むとまた消える。目を閉じて集中すると続きを楽しむことができた。
三夜目
祭りの用意をしていた。路線図を繋げてぶら下げる機構を試行錯誤。バイクに飾って街を回る計画だったようだ。頓挫したように見せかけて公園は逃げる。刺客に追われて逃げながら古巣を目指す。公園は祭りの客で盛況で幼子やその若い母親などで溢れている。人混みをかき分けて走る。向こう岸に姿を確認。あと一歩のところで捕まり大声で助けを求める。長い逃亡生活の間に私の下半身は腐っていた。日常に戻るひとときの安寧。レコードを眺めたりすれ違う人を物色したりして時間切れ。
四夜目
現実は手触り、温度、距離、そして時間によって定義された。不可逆の流れのなかで確かにそれらを認識した。近づいた距離、触れた温度。様々な質感の手触り。君がすべてだと態度で表して、やがて自分をも騙す。何かの代わりだなんて誰にも言えない。嘘は現実の中でしかつけない。虚構はすべてを見抜くように精神を反映して刻々と変わっていくから。現実は自分の気持ち以外は何も変わらないでそこに在る。だから今夜はどうしても一つになりたかった。
210316
消化不良の我が欲は腐り始めの厭なにおいをまき散らしていた。砂利敷きの駐車場から歩行者に気づいて追いかける。ノースリーブ、ブロンドストレート。それからパーティーの席で招かれたクリエイターと相席。見かけで敬遠していた自意識過剰気味のコンビは実は真摯な人たちだった。新譜のネタバレに気をつけながら制作を手伝う。末席ではあったが、力になれたことは誇りで、離れなければいけない運命を泣いて呪った。みんないつかいなくなることにもっと気を使う��きだ。
210329
たどり着けない欲望の果て オーバーサイズの白いスウェット ポラロイドのバースデーケーキ 大切な人から離れて夢想 嘘をつく心 マスクと監視カメラ 拗らせた願い 新しいTシャツ着た君が笑う 着想
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whitelapis · 4 years ago
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210205
繰り上げられた終電の帰り、絡まれていた君を助けた。絡んでいたのは酔っ払いだけど君も同じく酔い潰れていた。緩くウェーブした黒髪は艶々で、俯いた顔が見え隠れ。流行りのロングコートからは投げ出された脚がちらりと見える。軍の資金源になっているK社のビールを山ほど抱えてヤバイ女だと一目で思う。電車の行き先は見知らぬ街だった。人気のない車内で乾杯。目的地を乗り過ごした今このまま二人でどこまでもいきたい気分にやられた。そういえば最近よく出会う君。その顔はいつのまにか新しいひとになったようだ。今夜エキセントリックなのは平和な日々への照れ隠しかな。世界が普通じゃなくなった今、普通である意味もなければ、特別であろうとする必要もない。誰かと違うからかっこいい、という価値観を捨てて、みんなと同じにならなければという危機感も忘れて、やっと君になれたんだね。隣に座っただけで、求めていたものを思い出した気分。いくつか川を渡って、レトロなクーペと併走したり雪が降るのを眺めたりして、やがて光も少なくなって、名前のない場所へたどり着くような。地図のアプリも役に立たない。検索しても見つからない。酔いが覚めて冷静になったら名前を聞こう。その前に。
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whitelapis · 4 years ago
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日常的緊急事態
210126
収納足りなくて古びた引き出しを開けると隣の廃工場に繋がっていた部屋は筒抜けで日雇いの輩に混ざり様子を伺う。ベランダからカーテンを揺らす風。
高架下縫うように走る。たどり着いたマンションはかつて暮らしていたところ。料理を届けた屋上からフェスを見下ろす。
**
210207
君は私の妻でかつては宇宙飛行士だった。いまは平凡な主婦で仕事を探している。世界は食糧難、缶詰のトマトスープを大事に温め君の帰りを待っていた。面接でTに会ったという。社名すらも決まっていないTの会社はまたしても実態のない新規事業なのかどうかはわからないが君とTの相性が良くないのはわかる。
街へ出てホップを探しているとエルディア人のスパイに見つかる。路地裏に追い詰めて喉に過剰な串を刺す作戦だったが計らずも正面衝突となる。
相棒の少女は世界を踏み潰す力を受け継いだが幼子を掴み投げる重さに耐えきれずに味方に転じて戦いは漸く終わりを告げた。
210209
君の言いたいことはわかるよ。微妙な気持ちとか繰り返す日々にも変わっていく心。大人になるのは鈍ることだっていってた。何もない日々はお金が貯まる。退任した社長は土にまみれて働いていた。数字を右から左へ動かして大きくなっていく。そんな世界には馴染めないなあ。
210211
折り紙でできたトランペット。父は名手だった。紙の揺れがこの響きを生むのかと納得した。母と見た思い出のステージを探す旅に出る。ゴミ収集車に飲まれそうになるのを躱す。東京の人出に任せて粘土で作ったイメージを広げるが一向に見つからない。海へ出た。横浜だよここは。砂浜、入江、キラキラと光る水面。思い出したそれは大仰な見せ物じゃなくて、すり減るほど聞いたはずのCDと、水没したトランペットの混濁だった。記憶がつながった時に涙が止まらなくなった。失くしたはずのもう半分が帰ってきた。
210214
大きく発達した積乱雲はスタジアムのようにも見えた。人知の及ばぬ速度で肥大し迫ってくる。フラクタルに増殖する柱や屋根、隙間から延びる脇芽のように雨が降り注ぎ始めた。急いでタワーに避難する。集まる青いスーツとそれ以外たち。私のような貧民からの引き抜き組は彼らに引け目を持っているものも少なくない。髪の毛まで真っ青にしたいけ好かない奴らまでいるが、私は横目で見ながら感情を殺した。エレベータで持ち場のフロアまで上がる。ここは青い奴らが少なく私には居心地は良かったが、はるかに能力の劣る奴まで青いだけで私よりも給与が高いのには納得いかない気もした。
210228
夜が開ける前に覚えておかなきゃな/くだらないことたいせつなことなみだのわけさえも/君が起きる前に残しておかなきゃな/こころのすきまうめるようにいまおもいだしながら/今日を/今日も
140文字じゃたりないよな/スマホの写真には写らないよな/ほんの少しだけこぼれ落ちたような/笑顔のうらの寂しさみたいな
210305
Uのアーティストネームは「左川」と言った。流行りの安っぽい打ち込みとスポークンワーズを取り入れてもひねくれた表現と斜に構えた視点はUそのままであった。ブラックアルバムでラップやR&Bを取り入れその後OK HUMANにおいてポップに昇華したウィーザーのように自然に新しい手法を使いこなしている様に感心したが、それよりもブレない芯にこそ聞き応えがあった。さらに一人の表現者として独立した息子とのコミュニケーションの中で生まれたであろう生きることへの肯定の歌が今までのUとは違っていた。
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whitelapis · 4 years ago
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さよならミュージック
201008
そのアカウント、きみの何パーセント? 怒りが原動力 安い決まり文句 酔えば毒まで飲み干そう 忘れ去られてしまうよ レタッチ 継ぎ接ぎ 見栄と映え 忘れないでくれよ 生活、息継ぎ、夢と希望 シェアしてスワイプ右から左へ 流れていく正義の山 箸にも乗りゃしない 美しいもの 遠くから眺めるに限る 近づいたら汚してしまうかもしれない
201014
河原に光の糸���広がって誰彼がうたげをもよおしているようだ。わたしは心の内を全て吐露して君を台無しにした。惨めで救いようのない、甘ったれた自己中心的な考えだ。ボーイズビーアンビシャスを拗らせた。我先に喋らず、黙々と、腐っていければ。今日も自由に生きるべからず。闇夜に光の糸。河原で宴。歌がおぼろげ。
破れたカバン ぶつけるを厭わず 横目で睨むのは自分自身 2メートルあけて 心を開いて モニタにクリーム 君に届かない
201025
さよならミュージック 君と離れ離れになってからかなりの時間が過ぎた 代わりの何かで埋めようとしたり 薬にもならない種を蒔いたりしてみたけれど おいでよ君にここにいて欲しい 僕にはやっぱり必要だった どうしていいかわからずに何もできなかった日々も こうして背中を押す力になるよ 何にもないと君は言う どこへも行けないと僕が嘆く 死んでしまった人もいれば大きく育った人もいるから おいでよ僕もまだここに居たい 簡単な言葉ほど歌にするのはむずかしい どうにもならずに傷つけた痛みも今日はこうして強さに変えて 洗濯機のノイズがやけに音楽的に聞こえた 足音のリズムが心を揺らす ミュージックにさよならした日から 僕の胸を掴んで離さない 離れ離れになった君 ひとりぼっちの君と僕
201029
暗闇の箱にしまってあった僕のもう半分 取り出すときには胸が震えたよ 玉虫色のフルレングス 気持ち隠して輝いてます 君と違うことを変だって言わないで 囀り揺らめき若葉が落ちる 今日着る服をクラウドで選ぶ 半年遅れの入園式 予約された思い出
201119
11月と思えない生暖かい風が髪を揺らす。錆びた二台の黄色い自転車がギシギシと音をたてて進んでいく。男は左右に体を揺らしながら、女は姿勢良くペダルを漕いでいる。薄暗い住宅地、西の空に火星が輝く。籠には生活の荷物。季節に似合わない薄着はこの気候を知っている。僕は重たいコート。錆びた自転車はおんなじ。
201125
暗闇の中 抱えられて進む 折れそうな腰が心配 外の空気吸えば肺が灰色 心肺停止 ハイアンドドライ
暗闇の中 どっちが上か 下から どこに向かっているのか 右か左か前か後ろか わからないわかるまいエゴサしても見つからない君のエゴだ前か後ろから進むのか戻るのか 自分で決めろ
脱いだのは君か 脱いだのは服が心は隠された礫 弾いて感じた 今行くから待っていて
町の外れのアクセサリーショップ 地域の成り立ちを語る 小さな君にも似合うオン��ーワンを探す トンネルの向こう 落ち葉が積もった道を 
201130
フィービーきみは切ないときに切ないって言うの? それとも寂しそうに笑うの? 泣き方を忘れた僕らは君の涙にイライラしてる バックミラーで目があって シエラとすれ違って一瞬 曇ったメガネで注意を促して
201214
この世界でもっとも純粋で美しい魂
遠くのものはスローモーション
君は近すぎて見えない
201217
すぐに変わってしまう気分みたいなもので簡単にくっついたり離れたり始めたりやめたりしていたあの頃の自分に言いたい。本当に大事なものを簡単に手放すんじゃないよ。こんなに誰かと繋がったり出会ったりするのが難しい世界が訪れるなんて想像もできなかった。
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whitelapis · 4 years ago
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whitelapis · 5 years ago
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hammmer and dance
220年41月0日 地獄のような大虐殺の悲劇のシーンで流れる悲しくも美しいイントロ 深いリバーブのピアノの音色 1小節に満たない懺悔の言葉の後に長い長い間奏が続く ナイフが肉を切り裂き銃が脳漿をぶちまけるスローモーション 血の赤は花のように広がり波がそれを洗い流す 船か出発するまでの時間が過ぎ思い出したように愛の言葉を述べる 通奏低音だけが残り慣れた耳に静寂が訪れる
220年41月6日 白い車を運転して交渉に向かう道中だった。懐かしい顔に誘われて大使館のパーティに紛れ込んだ。20年経ったとは思えない。あの日の君と話しているようで。再会が思慕を募らせる。僕たちは離れていた時間を取り戻すように笑いあった。白い車に白いドレスの君を乗せて。螺旋状の駐車場を後にする。顔は見えないが君は君だ。久しぶりにここへ来てくれたね。薬が切れそうで背中が痛み出した。魅力的なその笑顔をもっと見せて欲しい。触れてはいけない指と指先。海辺のテーブル。君が選んだ未来。
220年41月8日 実家の庭の木の上でAが瞑想するのを窓から眺めた。ああ、Aならやりそうだなと納得。庭は熱帯雨林のように大きな葉の木々が生い茂っていた。Aは恍惚の表情を浮かべ薄暗い早朝の庭にたたずんでいた。まるで偶然を装って話が弾む。
220年41月8日 KTは2人の子供を連れていた��萌えアニメから飛び出してきたようなかわいらしい幼女二人。KTの趣味だと思った。案内された郊外の木造建築が立ち並ぶ古い町、薄暗い階段を上っていくと狭い一部屋の壁中にこれでもかと本やCDが詰まっている。およそ子育てをしている家とは思えなかったが、彼らしいとも思い妙に腑に落ちた。彼の妻らしき女性は彼と、もう一人の友人とともに本棚に埋もれたPCを操作し曲作りを始める。気づいたら3人のセッションになっていた。子らはどこで遊んでいるのだろうかと思ったら、部屋の片隅でおとなしくしていた。慣れた状況を見るに日常の風景なのか、散々言い聞かせられたのか想像に難くない。3人目の知人は表裏よく似た人物で、私の昔のプログラムのことを知っていた。私はここへきてなお、自尊心にまかせて過去の栄光を自慢げに語ってしまったことを後悔した。やがて家族は街へ出かけ、映画を見に行くのだと子らは喜んでいる。歴史ある街並みも、都会への憧れとの対比でまぶしく映る。細い��が夕日を浴びて煌めいていた。こんな生き方が出来るのだろうかと胸の奥が痛んだ。
220年42月0日 行き場を失った人々、2メートルの距離をあけてめいめいに歩く。建物は閉鎖 密を避け蜜を求め止まるを良しとしない道は冷たい。花は寂しそうにうなだれた。汚れたボールは捨てられるのを待っている。室外機のノイズが生活を讃える。マスクの奥の顔は笑わないし声も聞こえない。もう戻らない世界を生きていく。それでも君の目には希望が映るか。15分の画面越しの邂逅。花柄の手作りの気分も一興。ガソリンが余り没落する富豪。自動車事故に黙祷。席は1つあけて座れ。
220年42月2日 朝だった気がする。風呂に入っていないと君が言うので匂いを嗅ぎたいと思った。オンラインでの会話もないよりはマシと言うものだが、温度とか、何かが足りないと思った。公共回線では3人以上の会議はラグが酷く話にならない。必要な投資を行わなかった政府、しわ寄せがこの現状だ。ドアの隙間か、窓の反射で通りがかったポニーテールの少女を見る。捕まえる一瞬の想像。友達は兄弟だったみたいで、やがて訪れる死の存在を心配して泣いていた。
220年50月4日 また君を連れている。ずいぶんと痩せて呼吸もまばらになっている。大人しいのをいいことに連れ回したツケだろう。地下鉄の乗り継ぎは急な坂を上り切った先で、地下水で滑り落ちそうになる。君を抱えているから掴まることもできない。足の悪い義父に気遣いながらホームにたどり着く。先に行った長男は悪戯な笑みを浮かべながら手を差し出してくれた。叱る資格などない。然るべきところに在るだけだ。
220年50月2日 ウイルスの🦠去った後の世界、思ったより人は減らなかったみたいだ。 古いコンクリートの遺跡の並ぶ横浜でレトロカーに乗ったヒップホップの黒人がパレード、すれ違う市井の人々のデモを横目に歩く。 彼女がアニメを見ると言うので私はひとり街に繰り出したわけだが、目の前に広がる惨状にあの恐怖の日々が嘘のように思える。盗んだスニーカーで歩くのは少し気がひけるものだ。 デザイナーの卵だったが才能より政治に長けているのに嫌気がさしていた。小学校の文集は丁寧に編纂されていたのをみた。
220年50月7日 建築現場の仕事に来ている。白いノートを泥と砂利のスペースに停めるのは気が引ける。仕事は軽いレクリエーションのあと古いレコーダーを掃除機で吸い取る係になった。油と埃、虫の死骸。薄いふたから覗き込む。なにかが引っかかって取れない。 やがて食事がふるまわれることになったが私は片づけを続け、あまりものをいただ��ことにする。残り物には何があったっけ。乱暴に見える仲間たちは実は気のいい奴らだと知っている。土にまみれ日に焼けた顔が逞しい。
220年51月1日 深いリバーブが悲鳴のようにも聴こえる。奥ゆかしさよりも粘着質な愛憎が垣間見える供述と、後から溢れる証拠を恣意で持って纏めたページを読み込む。ふと、この自粛は誰のためだろうかと自問する。死んだように生きるか自由を謳歌して死ぬかの二択に見える現状も、もっと滑らかな連続性を持って続いているのだ。今日は6秒くらいは花柄の気分だったかもしれない。相対的に我慢の時間は薄くなるから、もう少し大丈夫だ。
流暢に流れるアナウンス/100回聞けば違和感も薄れる/毎日に埋もれていく/日常が変わっていく/今以上にわかってくる
手をつないで夜道を歩いた/忘れられない思い出と
220年51月9日 運転手だった
シーン1 バスには魑魅魍魎とした同僚たちが同乗している。丘陵に差し掛かり休憩になるが、発車時刻になっても私は現れなかった。崖っぷちすれすれに停めていたため乗り込むには少しの体重移動にも気を使うが上から見下ろしてみたところでもう間に合いそうにない。
シーン2 実家に白のノートで向かうも、背の高いタンクと入れ替える必要が出てきた。慣れないタンクに乗り込むと視界の高さ、世界を見下ろす。その後は相変わらず着替えが決まらず、弟の引き出しを漁ったところで学校に間に合わないことがわかった。会社に許可をもらったはずだが、まだ一度も登校したことはない。
シーン3 かつての親友の家だった。デルタ地帯の向こう側、華やかなビルが立ち並ぶエリアの近くの閑静な路地裏で、花々が美しく咲く遊歩道を歩いていく。私はその先の駅に用事があり途中で寄ったつもりだったが、駅はまったくの反対側だと思い出す。また間に合わない。家はキュビスムの柱と極彩色の家具で気が狂いそうだった。
220年52月1日 彼女は世界が不公平で不条理で不平等だと言った。編集で隠しきれないため息が積もり、作家と母の顔を行ったり来たりしている。自粛の影響か、破れたジーンズから覗く膝と足首の白さが作り物のように際立っている。
通い慣れた道を歩き、川を渡る頃にすれ違った少年の一団に財布を盗まれた。キャッシュレスに移行していたおかげでダメージは少なかったが、改札で追いついて取り返した。これは彼女との思い出の品物だからだ。傷や汚れにこそ意味がある。
彼女の顔に刻まれた皺や疲れた声は今でも魅力的で、普遍的な美しさと再現できない重厚さを讃えている。生命の価値が過去に集積されてい��、その1つの見本と成り得るはずだ。
だが、私はどうにかしてこの考えを否定したくてもがいている。木星にマッチを投げ込んでガスを全て燃やし尽くして、太陽系を道連れにして世界を終わらせてみたい。誰もが美しいと感動する音楽がたったいま終わった瞬間、その刹那の寂しさに縋りつきたい。いつか途切れてしまう記憶に悲しまなくていいように、彼女のいなくなった世界に絶望をしなくてすむように。
生きることに依存しない
飽きるまで異論はない
太陽、感染防止のフィルムで覆い
痛いよ、隣人同士トラブルが多い
似たものを探して
違うところを炙って
追い出したいな自分自身
正当な情報型に身を沈め
どこもかしこもクラスター
俺の隣で喋るな
窓は曇って外には赤い粒
バスタブに忘れ物
ヘッドライトの死角
習慣をなおして感情をなくすよ
夜になると忘れ朝になると騙す
定額の気持ちを
220年60月1日
言葉を尽くす。言いたいことの半分も言えなかったが嬉しいものだったのか。頭痛に悩まされるだけ無駄なのか。
言葉は勇気だ
不安もまた言葉
たかが。されど。
玄関の前で少しだけ待ってみる
静寂と思っていた夜の空気に家々の言葉が聞こえる
220年60月2日
誰に伝える、どこまで届く、それが問題だ。尽くしても伝えても届かないのであれば別の方法を模索しなくてはいけない。
変わらない世界に怒る45歳、それに自分の未来を見て絶望する31歳。彼らが変えたくても変えられなかった世界を16歳の彼には変えられるのだろうか。
やりたいことをやれていますかと問いかける。1年前の帆走が懐かしい。伴奏が聴こえる。言葉以上に分かり合えた音楽。そのあとに言葉があった。4階に現れたのは捨てられた首。握手をしてみて、いつの間にかむしばまれていることに気づく。I still believeなにを? バナナの後書き、心を掴む。バカンスで再来する幾ばくかの勇気。作中作の美しい詩。
あたしの中の空白
誘惑
使命
1日のうちたった6秒だけあらわれる
逆光のフルレングス
空を淡いピンク色に染めて憂うべき明日を祝福する
換気のために開け放たれたドアから初夏の夕暮れの気持ちいい風が吹き込んで
寂れたネオンが闇を繋ぐ
シルエットになったビルが流れて
今日という日がまた消えていく
さあドレスを着て精いっぱい飾って
涙が乾くまで踊ろう
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whitelapis · 5 years ago
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忘れていた景色 幼い頃に見たストーリーを インターネットの恩恵で思い出す 秘密基地の 過去の未来のコンピュータ 30年前の2011年
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whitelapis · 5 years ago
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getback2019
素直に生きるために長い長い時間がかかったね
細く険しい道しかないと、そこで頑張り続けることこそ至高だと
それをできる仲間と環境に甘えていた
幸せだった
ずっとこんな日々が続けばと、嘘じゃなく思っていた
でも知ってしまった 全てはいつか終わるということ
その時に、じゃあどうするの?と、自問自答することができるようになったんだ
見ないようにしていたこと
考えないようにしていたこと
それは知らず知らず心を蝕んだ
大事なものを大切にできなくなったら
いろんなことが無意味に思えた
重荷はときに足を掬うけど
そうじゃないときは自分の錨になるんだ
あるかないかもわからない自分という存在を地に足をつけたものにしてくれる
悪いことじゃない
それは素晴らしいことだ
でもあるときに、全てを細分化して
客観的に見て
どこまでが自分なのか
再確認したくなったんだ
気球のようにふわりと浮かんで
自分だと思っていた世界を眺めてみる
大事なものを大切にする
そんな風に生きてみたいと思えた
随分前から心は気づいていたけど、言葉にできなかった
そのことを認めてやったら、あっさりと腑に落ちた
ただ怖かった
今まで積み上げたもの
これから目指しているもの
それを失ってしまうようで
本当は無くなったりしないのにね
そんなものありもしないのにね
ただ続いていく日々がある
それがなによりかけがえのないもので
特別じゃないことが特別で
みんな違くて
みんなおんなじ
もう手を伸ばさなくてもいい
受け入れればいい
それがなにより素敵なこと
mind blown
huge inspiration
町に流れる耳障りのいい優しい歌に辟易しているよう
僕が好きな音楽とやらはどうやらこんなにも心の狭いものだったな
離れている間、時が止まったみたい
いくつもの電車を乗り継いでゆらり揺られてたどり着く
また会えるかなまた会いたいなと時々思い出して
マイナーコードに夢想する
かつて思いついたみたいな自虐の詩をはなでわらう
*
秘密を抱えることで優しくなれるような気がしている
背徳と背中合わせの博愛
許しを求める無言の隙間
心の動かない平穏の対極に愛とは名ばかりの刺激的な日々
秘密か嘘か
真実なんて幻想と笑うけど
*
ラベンダーの部屋で
虚構を眺めている
窓の外を夢見てる
今日を乗り越えたことに感謝して
未来を内包している
君を思っている
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whitelapis · 6 years ago
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1125
ふゆのような朝だ
凍てつく足下、君の手のぬくもり
ずっと昔に同じぬくもりを、誰かの背中に感じたような
幸せそうに見える人
さみしそうに笑う人
色んな人がいて
僕の行動原理になっている感情は
誰かを通した目を想像した僕の姿で
本当はどうしたいのだろう?
流した涙さえもそんな自分に酔っているような?
疑わないで素直になれたらな
照れ隠しがいつのまにか自分さえも隠した
あの人に求められたかったのかな
どの人に認められたいのかな
誰かじゃなくて
僕はどうありたいのかな?
嘘じゃないと信じる事を
誰かに頼るのをやめよう
素直に生きる訓練を
照れ隠しにはにかんでもこぼれ落ちるような
ずっと昔に同じ思いを、引き出しの奥の日記に書いたようだ
いつかなくなる場所
いつかいなくなる人
もうすぐか
もうすぐかと思いを馳せて
ただそこに行って
ただそこに居て
感情を言葉になんかしないで
誰とも共有しないで
大事に仕舞って
心にしよう
君と話した理屈は
淡い涙を流しはしたけど
勇み足を焚き付けたけど
心はここに置いていくよ
ドラムセットだけが間に合わない
僕だけが遅れたステージで、届かない足下 真っ直ぐ立たないスタンド
シンバルは薄く蜻蛉のようで スネアドラムは深く水の底
どこか遠くの崖の上の観衆は灰色の笑みを湛えている
用意周到な一族は、早くも死に装束を用意していた。誰も真実について語る事は許されない。まるでそうする事が正しいと薄い壁に書いてある。冷たい明かりは少し部屋の温度を下げた。代わる代わる訪問して穴を掘る。穴を掘ったらまた埋める。いついかなるときも生きる事とは無意味な事であったように。自分の無力さを知るように。もしくは、許しを乞うように。29.5日経って生まれ変わってまた忘れて人形に紛れて生きる。どう生きるか、それが問題だ。用意周到ではない僕はいまやっと目の前の真実と向き合おうとしている。それなのに言葉さえなにも伝えられない。真っ白いウインドウに月のフォントで文字を埋める。埋めたら、また消して、忘れて、思い出して、夢に見て、君に話して、誰かには隠して、かくして僕は生きる。「必死で稼いで、一日で使い切ろう。異国の地で税金を払わずに暮らそう。深夜になっても買い物を続けよう。」欲しいものなんてない世界に行きたい。そうしないと、君に誇れる暮らしが出来ない。心を失くすまで働いて、正気を捨てて生き返る日々では。もう何も作れない。さようならあなた。さようなら僕。忘れないで。忘れないよ。汚れてしまった白いシャツを元通りにしてくれた。誰にも言えない悔しさを、前向きな言葉で議論してくれた。何も出来ない日々に。何も産まない日々に。それでも命は育っていく。柔らかくて、白く細くて、頼りない足取りで、おぼつかない言葉で、上目遣いで、僕を頼って、僕の軌道修正をして。僕はどこに向かっても、君は君だよ。目を開いたまま。明日失いそうな世界。水しか飲めない躯。深く刻まれた皺。皮膚は、柔らかかった。背中は暖かかった。
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whitelapis · 7 years ago
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“discouraged_disappointed”
この一件で私たちが学んだことは、どうしようもないことだが、理解できないほどに話ができない人間がいるということだ。そう言う時私は被害者意識に襲われているのだが、その認識さえも彼らからするとよもや信じがたい事実として映るのだろう。「約束の時間に到着しない」「約束の期日に連絡ができない(自分で設けた期日でさえ)」「そもそも約束ができない」「連絡をしない」それらは、何度言っても直らないし、そもそも直す気がないように見受けられる。言葉で伝えようとすることは半分も伝わらない様子である。世の中には少なからずそのような人間がいて、彼らは決して悪気があるわけではないらしい。これは果たして一種の病気なのではないかとすら思える。
しかしながら、今回の一件では、私たちに足りなかったのは言葉そのものであるという事実がより一層私たちを苛立たせている。言葉で期日を縛らなかったこと、そして約束の反故に対して保証を設けなかったこと。それらは信頼という無言のコミュニケーションの元で明記されることはなかったし、お互いの利益、つまりは、私たちにとっては経済的な恩恵、Oにとっては技術の研鑽の機会のため、という大義名分によって二の次にしたわけだ。しかし約束(と私たちが信じていること)は幾度となく破られ、また連絡も遅れ約束を取り付けることさえ出来ず、信頼などという言葉は初めから存在しなかったかのように当たり前にただ時間だけが過ぎていくのであった。私たちは何度もOに伝えた。出来ないのなら出来ないと言って欲しい。出来ないことを責めたりはしないと。
私たちはお互いの生活、仕事、住んでいる場所、親や子供、などなど語りつくせないほどのあらゆる影響の中で、限りある時間を削って、決して少なくはない金銭をつぎ込んで、心を込めて音楽を作っている。たとえ技術的にも至らないものだったとしても、私たち自身にとってそれはかけがえのないものだ。音楽にとどまらずあらゆる創作活動がそうであるように、それは何物にも代替することができない唯一無二のものだという意味だ。そして、もしかしたら自分以外の誰かにも、届けることができるかもしれないと、烏滸がましくも願ってやまないでいる。しかし、その機会は斯様にして失われていき、私たちは期待を裏切られる落胆を何度も味わううちにかけがえのない自分たちの作品さえも愛することができなくなっていた。これは私の主観であるが、侮辱されたとさえ感じている。それでも、最後まで信じて待ちたいという気持ちを持っている。そうすれば愛することができるかもしれないと信じている。昇らない螺旋はただの円環である(最初の願いは何だっけ?)
反比例の双曲線のように、だんだんと緩やかにゼロに近づきながらも永遠にたどり着けないように、私たちの作品はOとのすれ違いのために完成に至ることはないのかもしれないと思うと、胸が貼り裂かれるようである。この悔しさはどのようにしたら晴れるだろうか。誰も悪いことはしていない。ただ話の通じない人間がいると言うことを私たちが理解していなかったことに起因する、悲しい結末である。
私たちがそれを理解することと、Oが私たちを理解することとどちらが簡単だろうか。
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whitelapis · 7 years ago
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O脚の彼方に(17冬)
171120 週末だけ抱きしめることのできる君を連れて そのことを叱られながらも初めて訪れる土地を文明の利器を使い歩いた 待望の邂逅すらも届かない階段から見下ろすばかりで いつか自分で捨てたものたちがわらわらと群れるのを眺めていた 突然訪れた災害それは雨となり風となり 見知らぬ土地をあるく私たちを襲う どうやら海辺の町だったようだ 足元は浸水した泥水と繁殖した藻に覆われて 近かったはずの駅までも遠い なんとか逃げ込んだ地下では 乱れたダイヤと繋げすぎた乗り入れ線の影響で 3分後に来る列車が最後 水と食料を手にいれるために店に殺到する輩 お代は貯金箱の中へ 芋洗状態で乗り込んだ車内ですっかり小さくなった君 先輩に問われる覚悟「奴らを殺しても生き残ることができるか」 僕は言う 「誰も殺さずに生き残ることこそが覚悟だ」 砂に埋もれた君を掘り当てて 首根っこを掴んで 新天地を目指したような チューブの中を這い続けるような なんの欲望も満たされないが 君を守ることだけが 残��れた意味のように感じた
171217 階段は壊された それでも変わらずあたらしいルートにもまたスーツたちは規則正しく並ぶのだろう 降りても登っても同じ穴に着くのさ 中学3年生の夏に捻挫した左の足首 20年経った今になって歪んだ痛みを孕んでいる 92年のレディングに見た熱狂を思い出すのさ 誰もが信じて疑わなかった未来 今では洗練され研ぎ澄まされて大事な大事な生活の一部 忘れたくないから書いた物語なのに 鳴らしているあいだはなにもかも忘れられるんだ 僕らが虜になった轟音はそんな矛盾だらけで 君を守りたいのに 君を失ってしまいたい 知らなきゃよかったと思うことばかり 選別される命 勝手なことばかり呟く人たち 人の気も知らないでって言う時の相手は きっと同じことを思っている いつも謝らせてばかりで本当は間違っているのは僕のほうだって 大事なことを大切にできる君が何より正しい 明日は今日よりは信じてみたい 降りて 登って 未来も 過去も 手に入れるためには
171229 指先一つで繋がれる世界はさらに光の速さで広がって どうやら手軽に何もかも手に入るようだ 手軽さに反発していたのがバカらしくなるくらい そこに積まれたモノたちと同じように感動することができた それは手段の違いではなくて 価値があるのは物語であるという理解の裏付けとなる あなたの生きた証は残したモノでも作った曲でもなくて 誰かの記憶に残ったことなんだって 遠く離れた地であなたを思う人がいて 今日も小さな矛盾と戦っていて 納まることない仕事や すれ違う言葉や 偽りと真実が入れ替わり 洗濯物を裏返している時に宇宙の真理を感じたり 誰にもできないことは誰にもできない故に誰でもできるなんて 僕の知らないところで世界は動いて 想像力はマイナス思考 視界は狭くなって凝り固まっていく でも少しだけ解き放たれた気で ありがとうこんな僕に付き合ってくれて 変わり続けることにこだわることと 同じことをいつまでもできることの幸せと なくなっていく地下室でタバコの煙にまみれて 君のやさしい香りを感じて 振り返ったら人違いだった 寂しい心が少しだけ僕を強くして 新しい世界を少しだけ好きになって
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whitelapis · 7 years ago
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17夏秋2
ああなんかこの、この人は死ぬまでこれを続けるのだろうな、ということを感じられる人への絶対的な信頼と言ったら。片思いでもかまわない、あなたが好きです。明日には消えてしまうかも知れない永遠を知っている。有限と微小の微笑を述べる。記録を食べる。羊の冒涜。道徳心と路傍の小石、連れ���って夜道を急ぐ、背中を眺めて、止まり揺れるふらついた足下、横目で舌打ちを受け流して言葉吐いて疲れを癒して、小指を繋ぐ意思だって届いて欲しいのなら140字に今夜も詰めて インスタントに遺した写真さえも流れる速度は光のごとくそれはことごとく届かない イイネ、ってどうでもいいねってことでしょ 言葉も無い表情も無い寝返りさえ出来ない君の気持ちを一挙手一投足逃さずに拾おうとしていた日々を思い出すだけで優しくなれるんだ モノの名前を知っている 僕の言葉を理解して笑う 夢のような時間 手を伸ばせば繋いでくれる 小指がすこし痛む 
鈍い片足を持ち上げ約4分遅れで町へ到着、君を内包したまま何処へ向かえば良いだろうか
受け身を装い先導する 蓋はしない換気扇、どうする? 衣食住、十分でない気持ち 喜色満面、移植した小指。耳奥で鳴る音、なるほど耳鳴り今日も腹の虫騒ぎただの胸騒ぎ見過ごせず行きすぎた記録、四六時中心配る、あなたまたすこしの沙汰 空騒ぎ だ
間を埋めるだけの言葉に今日も救われる 物語は束ねて織って居直って完成 関係ないってそのほうが安全な二人 胸元のチラリ冷や汗気づいたかな 計算ずくの返答にもエンジン急いでかけてフラりと揺れて
座ったから寝る
足下に散らばったビー玉をひとつひとつ大事に拾って家に持って帰りなさい。そうして、今日という日の思い出を何度も反芻するのです。その日々と、今を比べる事に意味なんか無いけれど、変らないもを確かめるように僕らはここに集まった。
始まりはいつもぼんやりとしている。出会いの必然さでさえ記憶は曖昧だ。二人の少女は出会い、やがて共に暮らした、その日々をこんな風に思い出す事があるなんて、考える余地もなかった。ただ流れるような日々が、永遠と思えるほどの時間が目の前にあっただけ。そうか、日々は幸せに満ちていたのだ。
やがてそれも終わりを告げる。終わりには意思が必要だ。いらなかったはずのものを求め、命よりも大事だと思えるものを抱え、それでも手に余る幸せは手放さなければいけない。そんな風に僕たちは作られているのだ。
未来を想う事はやがて僕の終わりに繋がる。それが希望という名前だ。
作っては壊し、直しては失くして、そうやって生きていく。君もいつか、きっとそうなっていくだろう。
やがて誰かを忘れたり、今日という日を思い出す事もあるのだろう。
僕の名前を忘れて。この歌を覚えていて。
理想を追い求める事が仕事さ。
誰かを思いやったり、助けたり、そんな余裕なんてないし、傍若無人にうつることもあるかもしれない。
それでも、自分に嘘をつかない事が、誠実であるために必要なことなんだ。
わかるかい? 僕と君の物語は、この詩の中に。世界の美しいところだけを切り取って、それで満たしてあげる。
楽に生きる事はやがて自分を苦しめる。この場所に立ち続けるために、なにをすればいいか、本当はわかっている。
そしてやがて、誰かには受け入れられたり、切っても切れない仲間ができて、広がって、もう離れられない。
素晴らしいだろ?
どうにもならないことを
いつかまたどうにかしてくれるって
ずっと信じているんだ。
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whitelapis · 7 years ago
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17なつあき
言葉にしなかった気持ちたちも、言葉にしてしまって増幅した悪意も、夜の腹の中で、もくもくと発酵していった。好意的に受け取ればそれは、まだ僕の心が腐っていない証だし、成長の余地が残されているってことだ。これからどう生きるか、なんて大げさに考えてみたけど、今何がしたいか、その延長の、ほんの2、3年先のことまでしか見えない。未来は幸せの中だけにある。
8月5日 しばらく続いた雨模様の空も落ち着き、夏らしい蒸し蒸しとした朝だ。地下には、祝われて送り出される人と、送り出すで溢れた。自分勝手なやつらの振る舞いには腹をたてるだけ損だ。
9月9日 ああ 最終列車が走る 今日という日がまた 終わりを告げる 夜のしじまに 君の名前も溶ける
30年後のシミュレーション 相対的に加速する時間 誰にも言えなかった記憶が蘇る
まったく期待していないところで救われたんだ それなのに 急げば急ぐほど時計は遅く。
誰からも承認されず 誰ともわかりあえず もう忘れてしまいたい日々こそ きみの宝物だよ
ローンに沈んだ愛のかけら 積み立てられない淡い思い出 大事なことは消去法で探せ なんとかなるよと言えるほど強く 秋になったような夜 誰の目を気にすることなく 過去を振り返ることなく 未来を憂うことなく 目の前に広がる純粋な時間だけを過ごしたい 愛するあなたと 尊敬するあのひとと ただひたすら音楽だけを求めて 誰かとの繋がりじゃなくて ないものをあるようにみせる口先の力じゃなくて 面白くもない冗談に笑える能力じゃなくて 出来上がった作品だけで評価してほしいんだ そこには人間性なんて必要ない 作品には人間が映るなんて残酷なことだ 嘘を演じているなんて豊かだと星が言うから 芸術の出発はいつも孤独からだなんて意識するから 生きていくことの息苦しさを 幸せのせいにしていることは愚かだ この日々にも伴う孤独が 積み重なっただけの過去と まだないというだけの未来の 存在しないはずの今に 確かに横たわっているんだ 僕も君も知っているはずのことだ 幸せで朗らかなひとよ 太く短く生きることが目標なんて 今はもう言えない日々で 生きていくだけで精一��なんて なんて盲目で素晴らしい日々で 眠りに落ちるまでに5分とか��らない 寝顔に疲れを癒して 陥没した思い出に縛られて 永遠に錯覚した時間を取り戻して 終わりこそが幸せで 死ねない機械は進化しない アンドロイドの見る夢は きっと自らの終焉で 機能も記憶も 改善したり改竄したり 死ねないあなたは不幸せ 散々悩んで忘れて死んで あとはお次に丸投げで でもそれって命の本質じゃないの? 秋雨前線は鋼色の空を連れてきた やりたくないことを知っている 生きていく以外で精一杯になっている 大切なことを知っている
未来を買うんだ 一生かかっても払い終えない利息を背負って リスクを負って生きること 曖昧にしたままの仕草 気分さ 何も残らないって言っても 何処さ、住めば都だ いやここだ正念場なんだ 残念だ昨日諦めた自分 気分さ 明日が来るさって思っても ここに心込めるところ そういつも酔い払いため息はらい 眠る夜に落ちる朽ちる忘れる
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whitelapis · 8 years ago
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170325
頭が半分死んでいるような状態だから、秒針はいつもの倍の早さで回っている。自分以外は皆馬鹿ばかりだ、と思っている僕が一番馬鹿かも知れない。生きていくのに意味も価値もなくても、生き甲斐やり甲斐など仕事に持たなくても、僕たちは平気だ。本当にその事に向き合って日々考え続けて行く事だけが病まないための秘訣だ。適切な客観性と健康な体があればそれが可能だ。そんな後ろ向きなのか前向きなのか理解し難い価値観を、それぞれの言葉で僕たちは確かめ合った。無くても生きていけるけど、それを考えない事はそう馬鹿だ。馬鹿と阿呆が見下し合っているのに、考えたくないから上辺を繕う。それが今の僕が一日の三分の二を費やしている事だ。誰もお金のためには生きていないが生きるためにはお金がいる。お金のために生きている人もいるけど。生きるために食べるのであって食べるために生きているわけではないけど、ほとんどの人間は食べるために生きている。何も生み出さず考えず消費するだけの人々。彼等の秒針は驚くほどに早い。しかしながら、自分は何かを作り出せる人間だというのは、三十数年で自らに嵌めた呪いだと思う。知らないよりは知っているほうが偉いと思うのは驕りだとしても、知ってしまったら後戻りは出来ないから、知らない奴らは馬鹿だと見下さなければこの呪いは重すぎる。忘れる事は出来るだろうか。馬鹿になれるだろうか。きっと慣れるだろう。僕の三分の二は奴隷だから。僕が僕ではない何かになるではなく、僕が僕のままで正しく生きていくためには、馬鹿になるか、馬鹿と紙一重の自分をそれでも信じていつの日か僕が僕のままで何かを作り出そうともがき続けるしか無いのだ。
光の名を持った展望台。そこから僕たちは見下ろしていた。蟻のような人々の交錯する横断歩道。擂り鉢の底で壊しては作られる鉄筋コンクリート。目的地へ繋がらない道。春のうららかな日差し。400円の価値のない椅子。100円で十分な立ち見席。一筆書きの枯れ枝。量産された鴉。皮肉とユーモア。愛せる人と愛せそうな人。生きている価値を知っている事。大事な事はあっという間に通り過ぎて、今はもう思い出せない。ただそのときは気付いていた、という事だけを覚えている。
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