xbobtimex
xbobtimex
Place to do whatever I like
178 posts
Don't wanna be here? Send us removal request.
xbobtimex · 5 years ago
Text
Welcome to me, Shimokitazawa.
下北沢の駅が変わって、とても使いにくくなった。 大きな工事を何回か見てきて、その度に「また変わっていくのか」と、ぼんやり思った。 あの日一緒にいてくれた下北沢はもうどこにも居なくて、私はヴィレッジヴァンガードに行かなくなったし、あの頃どうしようもなく好きだった彼と朝まで飲み明かした居酒屋はなくなってしまった。 けれど、私の側には新しい下北沢が居てくれるようになった。 恋人とよく行く焼き鳥屋、何が入るのか分からない、長らく空っぽのテナント。そして彼を井の頭線の改札まで送る道のり。駅には若者が缶のお酒を片手に深夜まで話し込んでいて、時々ギターを持った人が引き語りをしている。 下北沢は、結局のところ何も変わっていなかった。 おかえり、下北沢。
2 notes · View notes
xbobtimex · 5 years ago
Text
La carita
信仰と希望と愛、その3つはいつまでも残る。 その中で最も大いなるものは、愛である。 わたしが覚えている、数少ない聖句の中の一つ。愛の章は基本的に全部好き。何か耐えられないようなことを誰かにされた時、何かにすがりたいとき、私は愛の章にすがりつく。 洗礼はうけていない。ただ中高とキリスト教の学校だったので、どうしても仏よりも神が信仰に当たる。刷り込みとは恐ろしい。あんなに嫌いだった礼拝に今は出たい。神に祈りたい。そういう時がくる。 人は何かを信じて生きていくしかないのだ、と、思い知らされる。 愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。礼を失せず、自分の利益を求めず、いらだたず、恨みを抱かない。不義を喜ばず、真実を喜ぶ。すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてに耐える。
1 note · View note
xbobtimex · 5 years ago
Text
KEKKYOKU
恋人とは別れた。久しぶりに、誰かとこうやって関係を拗らせて別れた。 しかも、 自然消滅を狙っているのかただ単に連絡を取れるようなメンタルではないのか何なのか、 向こうは私の別れ話にも応答せず、わたしはうちにあった彼の荷物をかき集めて、「明日ゴミの日だから捨てるね。」と一方的に別れを告げた。連絡を返せない男は何をやってもだめ、と言っていた私の友達の顔が浮かんだ。 悲しいことに、別れる事に対して全然悲しみが湧いてこない。湧いてくるのは「日記読まれたのか…」という嫌悪と、「面倒なことになるなら友達に会わせなきゃよかったな~」というしょうもない後悔、そして「連絡くらい返せるだろ」という怒りだった。 あ、好きじゃなかったんだな…と思った瞬間、そりゃ日記読むよな、とも思った。二人で出かけた思い出も大してなく、数少ない写真も消したので、手元には何も残らなかった。もしかしたら幻だったのかもしれない。
1 note · View note
xbobtimex · 5 years ago
Text
NIKKI
私の恋人が私の日記を勝手に読んだ。 そんな体験したことなかったから、私はとてもとても驚いた。 日記を見な��ては安心できない気持ちにさせたこちらが悪いと思ったので、それは仕方ない事だと思った。 でも、初めて日記を読まれる、という体験をして、その読まれた日記を自分で読み返して、相手はどんな気持ちで無理矢理私の心の中をのぞいたのかと、そんなことを考え始めたら、ひどく悲しくて、わんわん泣いてしまった。 見られたくない部分を、力づくでこじ開けられた。 相手を好きだった気持ちも、全て風化したような、そんな感じだった。 ぜんぶ、無になったような気がした。 これからどうすればいいのか。
1 note · View note
xbobtimex · 6 years ago
Text
焼き売り
キンチョウの夏から約1年、わたしたちは変わらずお酒を飲んでいた。 関係性は変わったけれど、数年前の高円寺での夜、あの時感じた生産性のなさは依然として存在していた。きっと私と彼の間には何もないからこそ、きっとここまで続くんだろうと思った。 その日、三軒茶屋の立ち飲み屋で、彼が「本日のおすすめ」を指さして、「あの”焼きうり”って何?」と聞いてきた。私は私の背後にあった黒板を、ウーロンハイを持ったまま、振り向きながら見た。 「パクチーと牛肉の焼売」 黒板にはそう書いてあった。わたしは笑いがこらえきれず、「…シュウマイだよ…笑」と伝えた。彼はとても恥ずかしそうにしながら、私に言い訳をしていた。その様子がとても愛おしかった。 きっと毎年思い出すことになるだろうなと思った。シュウマイ。
2 notes · View notes
xbobtimex · 6 years ago
Text
花を
綺麗に咲き誇っていた花を摘んで、無理矢理燃やして灰にした。葬ってまた灰になったけれど、そこから返り咲くことはもうない。 またね。
1 note · View note
xbobtimex · 6 years ago
Text
西荻窪のアパートで
布団の中でもぞもぞと蠢きながら、わたしたちはお互いの沸点を探っていた。わたしは彼に背を向けて横たわっていた。向き合ったら終わりだ、と思っていたからだった。
お互い、どうせこの後肌を重ねてしまうだろうと確信しているのに、どうやってそうなっていいのかわからない。そんな感じだった。否、お互いが、手を出されるのを待っていた。責任を押し付けたかったから。
先に負けたのは彼だった。 彼は私の身体を引き寄せて、髪の毛を耳にかけて私の耳に触れた。身体がビクっとなると同時に、ゾクっとする。
(あ、まずい)
実際はなにもまずくなかった、はずだった。その夜は契約の上に成り立っているようなものだったし、最初からこうなることは予想していた。なんせ始発で彼の家に向かったのだから。
それにもかかわらず、わたしの心臓はバクバクだった。 しだいに、耳から何とも言えない、キスの音がした。ぽつり、ぽつり。 全神経は耳に集中していた。彼に心臓の音が聞こえないか心配だった。
(あー。もう無理終わった。)
そう思った私はくるっと向きを変えて、彼と向き合った。彼は私の頬に手を当てて、顔をくいっと持ち上げて、キスをした。彼の唇は柔らかくて、私はすぐに堕ちていった。コーヒーの中に入れるミルクと同じくらい、すぐに呑まれていった。ゆるり、ゆるりと溶けていった。
彼の淹れたコーヒーを裸で呑みながら、枕元にあったカバンを片手で弄り、前日コンビニで買ったチョコレートを彼に手渡した。
「これ、おいしいよね。」
「好きなんですか?買ってきてよかった。」
小分けになった包み紙を開けると、チョコレートには線が入っていて、パキッと割れるようになっていた。
「わ、見てよ。こんなに綺麗に割れるんだね。ハンブンコできるね。」
と彼は言った。
( 誰とハンブンコするんだろう。 )
わたしはそう思ったのに、なんとなく、言えなかった。
あの西荻窪のアパートに、彼はもう住んでいない。
2 notes · View notes
xbobtimex · 6 years ago
Text
キンチョウの夏
いつも通りのところで待っていると、「すみません」と、いきなり謝罪の言葉と共に彼は登場した。(待たせて)すみません、なのだろうが、(そんな待っていないし、すみませんって何やねん。)と思いながら、「久しぶり」と応えた。実際全然久しぶりじゃなかった。2週間前に会っていた。それでも私には遠い昔の事に思えた。
「どこ行く?」「どこでも」というやりとりをして、キャッチのお姉さんをまいて餃子屋さんに入った。本当にどこだってよかった。和民だって、サイゼだって。私の目の前に彼が居る。それだけで十分だった。
カウンター席に案内され、彼の隣に座ると、何かが感じ取れた。 「…ねえ、もしかして緊張してる?笑 やめてよね、こっちまで緊張するんだから」と私は彼の顔も見ずに言った。私も緊張していた。もう何回会ったかわからないくらいに会っているのに。
適当にご飯を食べて、23時くらいにそこを出た。いつもなら「このあとどうする?もう一軒くらい行く?」となるのに、この日は二人とも特に言葉を交わすことなく、コンビニに向かった。おつまみと缶チューハイ。
ぽつぽつと雨が降り始めていた。 彼は私と繋がりながら、「緊張する」と言った。今日は緊張してばかりね、と言いたかったけれど、彼の顔を見たら愛おしくてそれさえも吹っ飛んでしまった。もう何回したとおもっているの。 わたしはいっぱいになった。純度100%の、かれ。 他には何もいらないと思った。外で降っている雨の音や、明日の仕事ことなんてどうだってよかった。 眠るのさえ、もったいなかった。 「今日本当は直接家に来てって言おうとしたんだ。あまりに露骨すぎて言えなかったけど。それぐらいずっと触れたかった。」 と彼は私に告げた。嫌な想いはこれっぽちもなかった。わたしも全く同じ想いをしていたから。性欲じゃなく、私も彼に触れたかった。ただ触りたかった。ずっとずっと、そう思っていた。 指先で会話をするような、あの感じがとても好きだ。触れただけですべてを伝えてくれる彼の手。その手に触れられたかった。 次はいつ触れてくれるのかな…と思いながら眠りに落ちた。 平成最後の夏。キンチョウの夏。
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
NY
午前中、雨上がりのあとの、陽のひかり。それはとても柔らかくて、小春日和というには暖かすぎる気温だった。本来ならうきうきとするはずのその陽のひかりも、ただ私に後悔と罪悪感を植え付けた。
気怠さ。身体が重い。ずっと暗がりに居て、目もなれていない。 そこからパッとひかりに当たると、必ずと言っていいほど悪い事をしたような気持ちになる。自分の身体が穢れていて、陽にあたったら溶けてしまう。そんなかんじ。いっそ溶けてしまったほうがましだな、とその日は思った。 駅に向かう途中でペットボトルのお茶を買って、改札の前で連れと別れた。 天井や壁の模様を思い出しながら、泣きそうになるのを堪えて帰った。こんな気持ちになったのは初めてだった。よほど友人に「助けて欲しかった」と連絡しようかと思った。その気力さえなかった。 傷付くってきっとこんな感じだ、とはっきり感じた11月。
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
HITONI YASASHIKU
わたしが人にやさしくするときのパターン。 ①本当に見返りなしの無償の愛 ②私を愛してほしいから優しくしてしまう ③その場をとりあえずやりすごすための処世術 ④哀れみ ⑤自己満足 日常生活で行われる優しさなんて、ほとんど②~⑤だと思う。①をしてあげたい人なんて実際ほとんどいない。恋人や好きな人でさえ、全く見返りがなかったら、長くは続かないと思う。 私の場合はほとんど②。嫌われたくないから無意識に優しくしてしまう。でも、最近タチの悪い優しさだったなって、反省することがたまにある。甘やかしすぎてダメ男を製造してしまう、いつものあれ。でもそれは男だけじゃなく、女にもやってしまっていることらしい。 人にやさしくするっていうのは、いつだって善ではないのだな、と最近思う。
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
カフェーパウリスタ
鳥取から東京に一時帰省している友達と、久しぶりに会った。三連休の初日、うだるような暑さの東京は、鳥取に比べてさぞかし過ごしにくいだろうなと思った。待ち合わせの場所に向かうまでに汗をかいた。 待ち合わせ場所の、道路を挟んで反対側にある出口、に出てしまった私は、「あ、多分いま反対側にいる。薬屋さん見える?」と彼に連絡をした。彼はそのメールに返信せず、横断歩道の入口に立ちこちらに来てくれようとしていた。反対から彼を見つけた時、「あれ、あんな派手なTシャツ着るんだ」と思った。黒地にImpactみたいなフォントで英字が印刷されていた。しかもカラフルな色遣いで。彼の髪は前に会った時よりも短くなっていた。 2人でウロウロしながら喫茶店を探した。中々良い所が見つからず、彼が一度行ったことがあるというカフェに入った。2階の席からは歩行者天国を楽しむ家族連れ、そして中国人が沢山見えた。 彼とはいつも話が尽きない。最近あった面白いこと、仲の良い友達のこと、インプットを沢山含んだ映画の事、お互いが、お互いに対して思っていること。 私たちはコーヒーと紅茶をおかわりし、ケーキセットを頼んだ。話に夢中になっていたものだから、彼の頼んだ抹茶アイスは溶け、ナプキンに緑のドット模様を作っていた。 「ねえ、君、人のセックスを笑うなの、原作読んだことある?」 「原作はうちにあるけど、もう何年も前に読んだきりだから全然覚えてない。なぜ?」 「僕は読んだことなくて、この間初めて読んだんだけど、原作の設定と映画全然違うし、出てくる人も違うし、こんなに違うんだって、びっくりしたんだよね。」 「え?そうだっけ。」 「そう、役者さんてさ、映画化する前に絶対原作読んで”あ、ここではこのセリフが重要なんだな” とか思って撮影に挑むじゃん?でも、監督は”あ、そこ言わなくていいから”とか言うんだよ。それで思ったんだけど、僕はあの監督の作り替えるセンスが好きなんだと思うんだよね。トリビュートアルバムとかもさ、違うアーティストによってカバーされて+に働く事があるじゃん、ああいうことが、映画でもできてる人って少ないと思ってて。テンポや曲調を変えても、本質をつかんで作り替えるってことが、音楽で出来ても、映画じゃ難しいんだろうね。」 「ああ、うん。言ってることすごいわかる。原作に忠実なことだけに重きを置いた結果、(私たちにとっては)つまらないこと、よくあるもん。」
そんなことをだらだら話して、気付いたら日は落ちて閉店時間が迫っていた。わたしは胸いっぱいの満足感を抱えて家に帰った。 また東京、遊びにきてね、と思った。
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
異性の私に出会った。いたるところで、「あ、わたしだ」と思うことがある。それは良いところも、悪いところも。
彼はすごく気を遣う。自分を卑下する。そのくせ誰かに必要とされたくて、すぐにガードを下げる。でもいざ必要とされてみたら、都合が悪くなって距離を置きたがる。だって近すぎるから。
私もそう。
私はすごく気を遣う。嫌われたくないから良い顔をする。色んな事に遠慮してしまう。好きな人には上手く甘えられない。人の世話を焼いてしまう。
彼もそう。
彼は自分の言うことに保険をかける。核心をついたことはなるべく言わない。さぐりさぐり、ものを言う。常に予防線とセーフティーネットを張り巡らせている。
私もそう。
だから私たちはお互いにゆっくりゆっくり、確認作業をしながら前に進んでいる。それは恋人としてではなく、友人として。
友人としてでさえ、牛歩で歩んでいる。ここまで入っても大丈夫かなあ、とか思いながら、足の先をすこし入れて、底を確認してから恐る恐る進む。
以前、 ばーっと燃え上がって灰になったそれから、きれいな花がさいた。それを殺してしまったと思っていたけれど、しぶとく、綺麗に返り咲いた。
でも、いつまで綺麗な姿を保っていられるか、それはやっぱりわかったもんじゃない。
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
3/23
下北沢の駅が、またいなくなってしまう。もちろん本当になくなってしまうわけではない。私の慣れ親しんだ下北沢がまた、去ってしまう。ただそれだけの事だ。
私が中学生だか高校生の頃は、下北沢の駅はもっと古くて汚くて、改札くぐったら左右に2つしかホームがなかった。井之頭線は、ホームに下る階段の脇から伸びる通路を通らなきゃならなかったし、電車が来るまで、向い側のホームで逆方向の電車に乗る友達を見送った。 そんな下北沢は、ある日姿を消した。知らない間に辞めちゃったよく行くカフェの店員さん、そんな感じで居なくなった。寂しい。でも後を追いかけるまでもない。仕方ない。
そしてまた、下北沢駅は新しくなる。カフェにだって、新しい店員さんが入ってくる。きっとかわいくて愛嬌のある定員さんだ。
でも。でも。
初めてヴィレッジヴァンガードに行きそこで魚喃キリコを買った日の事。呆れるほど下らない恋をして、どうしようもなく好きだった彼と朝まで飲み明かした日の事。その日、その時一緒に居てくれたあの下北沢駅が、私は��番好きだった。
さようなら、下北沢。
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
3/25
「じゃあ世界中にパン屋作る計画を国会に提出して来てくれる?」
わたしはくすくす笑いながら彼にそう言った。
「パン屋の匂い、特にあのパンが焼きあがる匂い、は、人を幸せな気持ちにするって証明されているらしい。」。
そう言った私に、「じゃあパン屋をたくさん作ったらみんな幸せになれるね」と、返してきたのがとてもおかしくて、私は上の言葉で返したのだった。
その言葉を返しながら、「パン屋、たくさん出来ればいいのにな。」と、心から思っていた。
それが実際、国会に提出する案じゃない事くらい私でもわかっている。でもそんな事じゃない。
パン屋なんて無くても、なんだか私はとても幸せだった。パン屋を見たら、またくすくす笑ってしまうなぁと思って、近所のパン屋でパンを買った。
さて、何回パンって言ったでしょう。
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
なんとなく文を書きたいな、と思ったのは、昔好きだった本を読み返したタイミングだった。  友達に江國香織の『スイートリトルライズ』を薦め、彼が実際に購入してくれた旨を報告してくれたので感想を聞こうと思ったのだけれど、「あれ?そんなシーンあったっけ?」となるのが目に見えていたのでもう一度、そして彼より先に読破しておこうと思ったのだった。(私は割と読むのが早い)
 仕事帰りに遠回りをして実家に寄り、自分の本棚を漁ったが、同作者の違う本やエッセイは見つかった、しかも山ほど、なのに肝心の本が見つからなかった。きっと前にも読み返してどこかやってしまったのだろうと思った。
 仕方なく次の日、本屋で文庫を購入し、結局帰り道と帰宅後の2時間で読み切った。
私の隣では恋人がオリンピックを見ていた。 「あー!」とか「やっちまった!」とか言うので画面を見たけれど、私はルールがよくわからないので大して面白くなかった。「またオリンピック見てるの、飽きないね。」と言ってしまった。 「何読んでるの?」と聞かれて「本」と言ったら「そんなの見ればわかるでしょ」と言われた。
 江國香織の本は全般好きだ。表現が絶妙だな、と思うし、とても感覚的な気持ち、特に「え、それって全然わからない」と言われそうな気持ちを読者に伝えるのに長けている、と思う。私だけがそう思っているのかもしれない。  そして彼女の書く恋愛模様はとても面白い。  契約のようなあっさりした関係なのに、これでもかというほど何かに執着していて、それは独占欲とか嫉妬ではなく、愛する人そのものや、その気持ちに対してだということ。  つまり、その人の奥さんや旦那の浮気相手がどうとか、そうではなくて、目の前の人だけしか見えていない人が多い、という感じ。認識はしているのに、まるで「私とあなた以外の人は関係ない」とキッパリ言い切ってしまうような、そんな感じ。
だから彼女の本は好きだ。「私とあなた以外の人は関係ない」は、とても素敵に思える。だからと言って自分ができるかと言われれば、それはわからないけれど。しかも、されたらされたで困っちゃうかもしれないけれど。
ここまでこんなことを書いておきながら、男性は江國香織そんな好きじゃなさそうだな、とも思う。女性が書いた恋愛小説、って感じがすごくするから。
私の友達は、何て言うだろう。
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
七つの大罪
「暴食」「色欲」「強欲」「憂鬱」「憤怒」「怠惰」「虚飾」「傲慢」。これが最初の八つの大罪。最初にWikipediaで七つの大罪を調べた時、「嫉妬」を加えるべきだと思った。 わたしは自分の持つすべての感情の中で「嫉妬」が一番嫌い。その感情が入った瞬間にすべてがダメになる。そんな感じがするから。楽しかったことも、嬉しかったことも。まるで青酸カリのよう。(青酸カリについて決して詳しくはないけど) 嫉妬を感じた瞬間自分の中にドロドロとしたものが入ってきて、自分を「醜い」「みっともない」「哀れ」と心の底から思う。しかも、私は嫉妬する資格がないものにしか嫉妬しない。例えば、才能。努力もしないで相手の才能に嫉妬する。わたしも必死で努力した自信があったのなら、それは産まれ持ったものの限界かもしれない、と思って諦められる。でもそうじゃない。私は強欲だし、怠惰だ。頑張りもしないで人のものを欲しがっている。
わたしの座れなかったあの人の隣に、あの子が座っている。そう思うとまた嫉妬がやってくる。「やめて、来ないで。」と思うのだけれど、知らんぷりをしても結局は常に心の奥底にいるのだ。きっとこいつとは一生付き合っていかなきゃならない。一生罪を背負って生きていかなきゃならない。 「暴食」「色欲」「強欲」「憤怒」「怠惰」「傲慢」「嫉妬」
昔の人も私と同じことを思ったらしい。
『その後、「虚飾」は「傲慢」へ、「憂鬱」は「怠惰」へとそれぞれ一つの大罪となり、「嫉妬」が追加された。』(Wikipediaより)
2 notes · View notes
xbobtimex · 7 years ago
Text
わたしが彼女の話をわざわざするのは、決して「友達をなくした私」を憐れんでほしいわけじゃない。彼女の事が好きで、頻繁に、まるで彼女が生きているかのように、私が彼女の事を話したいと思ってしまうので、結果「でも彼女亡くなっちゃったんだよね」と、必要があれば言わざるを得ない。すると周りが勝手に「とびきり仲のいい友達をなくした子」として認識するだけ。 この前東葛スポーツの会場で見た後ろ姿、いや、横顔さえもそっくりだった彼女の事を、こっそりと盗撮して、友達に送り付け「ねえ、会いたいね」と言ったこと、を、恋人に報告すること。それは決して悪いことじゃない。でもなぜか、私たちは死んだ人の話をタブーのように思っている節がある。しんみりしてしまうからなのか、理由はわからない。でも私にとっては彼女は生きている。遠くに行ってしまって連絡が取れないだけ。それだけの話。
今年はフジロックにVampire weekendがくるってさ。
2 notes · View notes