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おまえが太陽なら、俺は月になるし、おまえが星なら、一番に見つけて、名前を付けよう。あ、でも、手を伸ばしても届かない距離に居るのは、だいぶ無理かもしれない。

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恋は、秘めやかに。

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出逢った日の長さが、これからを築く。

こうやって、彼奴が頭に思い浮かんで、想いがつい口滑らないよう神経尖らせて。毎日、ふとした瞬間に、何度も脳内で唱える。水の泡の様に、消えるのは一瞬で、儚い今。どうか神様、彼奴のあの視線が、俺に向けてのモノでありますように。

今日もこうして神頼み。

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きっと、一生忘れない。

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優しいだけの男なんてなれやしないし、なろうとも思ってない。こう見えて、今もキミの傍で、チャンスを狙ってるんだよ。

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午後0時。仕事終わり、家でやるべきタスクを終え、いつも通り端末片手。俺からのメッセージは既読無視の癖して、いきなり電話掛けてきて、画面上に光るキミの名前に鼓動が鳴って。一瞬躊躇ってみるけど、直ぐ出てしまう、駆け引き知らずの俺。

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｢ あ、出た。暇人だね相変わらず。｣

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呑気な声色と生意気な口調に、少し腹が立つけど、微妙に可愛らしさを感じてしまった。俺の口角は自然と上がる。

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｢なんか用があるんじゃないの、いきなり電話かけてきて。｣

｢んーとねー、特に無い��だけど、蓮の家の前にいる。｣

｢は？｣

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考えもしなかった返答が来て、途端に声が出てしまった。少し駆け足で玄関に向かい、サンダルを無��作に履いて、ドア穴除くと、本当にそこに彼奴が立っていて。寒そうに、軽く足踏みしながら、コンビニの袋片手に立っていた。

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｢何してんの、風邪ひくって。｣

｢暇だったから暇人の家遊びに来た。｣

｢なんだそれ。上がればか。｣

｢へへ、お邪魔します。｣

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久しぶりじゃないのに、久しぶりのような気がして、顔を見れた嬉しさと、急な出来事に頭を混乱させながら、重そうなコンビニ袋受け取って、招き入れる。中身を見ると、アイス、アイス、酒、酒。

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｢……組み合わせばかかよ。普通つまみだろ。｣

｢アイス食べたい気分なんだから大人しく俺と食べて。｣

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本当、生意気な小悪魔。俺の部屋に、俺の好きに出来る部屋に、無防備に足を踏み入れて、何かされるとか、考えてないのか、考えない振りをしてるのか、俺には読めない。そんなところに惹かれたりする俺も、相当な馬鹿。上着を脱いで、ソファーに腰掛けて、淡々と某動画配信サイトを開き、自分の家かのように過ごすキミの隣に、俺も静かに腰掛ける。

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｢今夜は、俺に付き合いなさい。｣

アー、またコイツの好きな奴の話、聞かされんだろうな。それだけは、ハッキリ分かる。

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｢はい、なんなりと。｣

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すぐ隣。手は届くのに、叶わない。キミには到底、適わない。

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たったひと手間の、匙加減の、スパイスが足りなかったようだ。

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ここを見れてるってことは、既に檻の中。もしくは、罠の中。俺で苦しんで、俺で溺れよう。その時の淫らで火照った表情、潤んだ瞳、俺だけのモノにしよう。足掻けば足掻く程、抜けられないね。ほら、完成。

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｢︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎身支度して、闇に堕ちていきましょう。 ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎｣