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恒例の世界のブックデザイン展に行ってきました。 その中で気になったものの備忘録です。
Shahbazi Shirana: First Things First
Claudy Jongstra
Les poissons électriques
Art Decor
Jean-Pierre Kaiser: Himmlische Phaenomene. Das druckgrafische Werk
Early Video Art and Experimental Films Networks

Soirée Fantastique

the first https://www.instagram.com/p/Bnlo-wlAcTk/?utm_source=ig_web_copy_link
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ビール片手に写真集を見て回るイベント、「Photobook JP」に行ってきました。新刊で気になったものをメモ。

中平卓馬『氾濫』(CASE PUBLISHING) 「氾濫」は、1974年に国立近美で開催された「15人の写真家」展に出品された、48点のカラー写真からなる横方向6メートル、縦方向1.6メートルのインスタレーション作品。PROVOKEを経て、それまでの白黒のアレブレボケ写真を捨て去り、実践より言葉に比重を移していた時期(「なぜ、植物図鑑か」の頃)に制作されたものらしいのですが、ぼくもこの作品は全然知らなかったので、とても興味深く拝見しました。 そのインスタレーションの構成をそのまま落とし込んだデザインは田中義久氏。写真集にしては長めの論考も書き下ろされていて、中平卓馬研究に新たな視座を与えてくれそうです。
Emily Shur『Super Extra Natural!: Images from Japan 2004-2016』(KEHRER) ロサンゼルスの写真家が、度々日本を訪れ、日常的な風景を撮影した写真集。写っ���いるのは確かに日本なのに、どことなく日本ではないような感じがします。写真においてその場所らしさとは、場所そのものに多くを依拠しているものと思っていましたが(例えば日本で撮るとどうしても「日本的」になってしまうこと)、この写真集からは、写真家の視点がその場所らしさの印象を変えうるのだということを発見させられた気がします。
David Graham『The Last Car: Cruising in Mexico City』(KEHRER) メキシコシティの地下鉄は、最後尾車両がゲイ達のハッテン場になっているのだそうです。写真集では、この最後尾車両を入り口として、ゲイカルチャーやクラブカルチャーへと想像力を拡げていきます。 極めて公共的な場所の一端が、いつのまにかアンダーグラウンド��文化圏へとつながっていくダイナミズムを感じました。
李 岳凌(リー・ユエリン)『Raw Soul』(赤々舎) 2016年のYoung Art Taipeiで「ポートフォリオレビュー グランプリ」を受賞した台湾の写真家。今回の「Photobook JP」のメインヴィジュアルにも使われています。この2枚のように、手前と奥の2層構造のイメージが印象に残る写真集でした。
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毎年恒例の「世界のブックデザイン」展に行ってきました。 その中から気になったものを少しご紹介します。 展示は3/4(日)まで。ブックデザインに少しでも興味があればぜひ行ってみてくださいね。
『Intrus Sympathiques - Bernard Chadebec』 ベルナール・シャドゥベックのポスター作品集。ポスターが四つ折りにされて、本として綴じてある。ポスター全体を見ることはできないが、細部への視線が促される。世界で最も美しい本コンクール、2017年銅賞
『Vetrelci a Volavky / Aliens and Herons』 チェコスロバキアの正常化時代の公共建築を扱ったユニークなコンセプトがまとめられている。独特の造形の数々がリズミカルに目に飛び込んできて楽しい。チェコの最も美しい本、2013年専門書1位
『Libue Niklová』 プラスチック製の膨らむおもちゃを開発したリブシェ・ニクロヴァーの個展のカタログ。現代作家の息子ペトル・ニクルが編集に関わる。チェコの最も美しい本、2010年美術書1位
『Bound to the Ground』 原発事故のあったチェルノブイリ周辺の風景と人々の暮らしを穏やかなまなざしで捉えた写真集。表紙に印象的に咲く花と同じ黄色を��表紙に用いるなど、配色の工夫がおもしろい。オランダ最もすばらしい本コンクール2016、選出。
『Dadaglobe Reconstructed』 トリスタン・ツァラが編集を画策し実現にいたらなかった『Dadaglobe』を、チューリヒ美術館がダダ100周年に際して、当時集められた資料を元に再構築した一冊。スイスの最も美しい本コンクール2016、選出
『絵巻じたて ひろがるえほん かわ』 川の上流から下流、そして河口の先までが、蛇腹状に折りたたまれたページの中にすべて繋がる形で収められている。1枚の絵の中で遠近感がダイナミックに変わっていき、視線を動かす楽しさを存分に味わうことができる。 第51回 造本装幀コンクール2016(日本)選出
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2017年の本
2017年に出版された印象深い本をまとめました。

『Rei Kawakubo/Comme des Garcons Art of the In-Between』(川久保玲/コム デ ギャルソン 間の技) メトロポリタン美術館で開催された展覧会のカタログ。1980年代の初期のものから直近のコレクションまでが展示され、川久保玲という異端の才能に迫る展覧会。カタログには、ファッションの写真表現についても極めてアーティスティックな視点で、トップクラスの写真家とコラボレーションしてきた野心的な挑戦がアーカイブされています。

『Balenciaga, l'œuvre au noir』(バレンシアガ 黒の作品) 創立100周年を迎えた、バレンシアガの代名詞でもある「黒」に焦点を当てた展覧会。モノクロでまとめれたこのカタログでは、その「黒」の世界の豊かさが緻密に表現されています。

『Costumes espagnols : Entre ombre et lumière』(スペインの衣裳:光と影) 2017年はパリ市立モード美術館の企画によって、スペインのファッションに焦点を当てた展覧会が3つ続けて開催されました。前述のバレンシアガ展はその第1弾。この「スペインの衣裳」展(ヴィクトル・ユゴー記念館)はそれに次ぐ第2弾の展覧会で(3つ目はガリエラ宮パリ市立モード美術館で開かれたマリア・フォルトゥニ展)、マドリードの服飾博物館の伝統的なスペインの衣裳コレクションが一堂に会しました。 展示された色とりどりの衣裳はこのカタログには掲載されていませんが、写真はどれも資料性を超えて非常に奥行きのあるものばかり。白と黒で統一されたデザインは写真集として美しいばかりか、黒をテーマとしたバレンシアガ展との繋がりも意識させます。

『EY!BOY COLLECTION Volume 1 No.4 MARC ARMITANO + RYAN McGINLEY』 12,960円 ライアン・マッギンレーがパートナー���のプライベートを収めた写真集。写真にとっての技術やコンセプトといった要素が瑣末に感じられるほど、自然体で飾らない二人の姿がカメラの前にさらけ出されていて、ページをめくるたびにその多幸感にただただ癒されます。

『羽永光利 一〇〇〇』 3,996円 1950年代後半から1980年代にかけて、前衛芸術から社会運動まで、時代の激動を撮り続けてきた稀代のドキュメント。その膨大な情報量が落とし込まれるのが、「一〇〇〇文庫」というまさに紙の塊(かたまり)なのも必然を感じます。

『SCRAP BOOK』 ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ(statements) 1960年代の前衛芸術の動向を、いちアートファンとして独自の方法で詳細に記録を取りながら追っていた西山輝夫氏をリサーチして作成した3冊組のアーティス��ブックです。第1部は、西山が60年代に東京で追いかけた展覧会をまとめたもの。第2部は、チュンとマエダが現在の東京で開催されていた展覧会を西山の方法を模倣しつつ記録したもの。第3部は、西山のスクラップブックの英訳と、チュンとマエダによる西山とのインタヴューを掲載したものになっています。 前述の『羽永光利 一〇〇〇』と同時期に発表されたことも印象的でした。いずれも、アーカイブすることそのものに考察を向けていて、とても興味深い取り組みだと思いました。

『都市は人なり 「Sukurappu ando Birudo プロジェクト」全記録』 Chim↑Pom(LIXIL出版)3,024円 展覧会「Sukurappu ando Birudo プロジェクト 道が拓ける 展」を彼らの都市論的プロジェクトの集大成として成功させたChim↑Pom。本書は、昨年に新宿歌舞伎町の廃ビルで開催された「また明日も観てくれるかな?」展も含むこのプロジェクトの全容を収めた記録集です。「東京」のスクラップ&ビルドに対応しながら展開されるこのプロジェクトでは、都市状況が変化したり消えたりしてしまうなか、こういった記録集が重要な意味を持つことでしょう。 ブックデザインは椹木野衣氏の書籍も手がけるセプテンバーカウボーイの吉岡秀典氏。

『勉強の哲学』千葉雅也(文藝春秋) 1,512円 勉強するということは周りの「ノリ」から外れて(浮いて)、新しい自分に変身するということ、そのための実践的な手引書。仕事論、コミニュケーション論としても刺激的に読めて、今年一番人にすすめた本です。

『中動態の世界』 國分功一郎(医学書院) 2,160円 人の「意志」とはどこからくるのか。言語を詳細に検討し、「意志」というものの不確かさを論じます。自分や他人の行為に対してより開かれた解釈を与えてくれる名著。

『ゲンロン0 観光客の哲学』 東浩紀(ゲンロン) 2,484円 「観光客」という立場を導入し、二元論で物事を分けるのではない社会の捉え方、関わり方を提示します。ぼくらがよりよく生きるための指針となる一冊です。(先行して出版されたエッセイ『弱いつながり』の理論的な展開となっています。)
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ファッション回顧の年(2017年まとめ)
ファションの先端に立ち、変革を担ってきた老舗ファッションブランドの大規模な展覧会が今年は相次いで開催されていました。歴史を持つブランドがこれだけの規模で回顧された2017年は、これからのファッションに向けて起点となる年になるかもしれません。 そしてそのカタログも見事なものばかり。ファッションにおいては、実物だけでなく、写真に収められたイメージも非常に重要になります。展覧会の一部として、会場とはまた違った体験がカタログから呼び起こされます。 「Rei Kawakubo/Comme des Garcons Art of the In-Between」(川久保玲/コム デ ギャルソン 間の技) @ メトロポリタン美術館(ニューヨーク) 1980年代の初期のものから直近のコレクションまでが展示され、川久保玲という異端の才能に迫ります。カタログには、ファッションの写真表現についても極めてアーティスティックな視点で、トップクラスの写真家とコラボレーションしてきた野心的な挑戦がアーカイブされています。 「Balenciaga, l'œuvre au noir」(バレンシアガ 黒の作品) @ ブルーデル美術館(パリ) 創立100周年を迎えた、バレンシアガの代名詞でもある「黒」に焦点を当てた展覧会。モノクロでまとめれたカタログ��は、その「黒」の世界の豊かさが緻密に表現されています。 「CHRISTIAN DIOR, DESIGNER OF DREAMS」(クリスチャン・ディオール 夢のクチュリエ) @ 装飾芸術美術館(パリ)(1/7まで開催中) 創設者クリスチャン・ディオールから、イヴ・サンローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ、現在のアーティスティックディレクターのマリア・グラツィア・キウリまで、錚々たるデザイナーたちによって70年にわたり継承されてきた創造の世界は圧巻です。
#ファッション#展覧会#コムデギャルソン#バレンシアガ#ディオール#本#写真集#fashion#exhibition#comme des garçons#balenciaga#dior#christian dior#クリスチャンディオール#photo
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プレゼントに本を
もうすぐクリスマス。 プレゼントに本を選んでみてはどうでしょうか?私があげたことのある/あげたい、もらったことのある/もらったらうれしい本をご紹介します。 『Lartigue: Life in Color』Jacques Henri Lartigue 19世紀〜20世紀を生きたフランスの写真家、ラルティーグのカラー写真を集めた写真集。裕福な家庭で育ち、当時まだ高価だったカメラを手にしたラルティーグの、写真を撮ることそのものへの喜びが伝わってきます。一方では時代が激動に向かっていく中、彼が少年時代から撮り続けた上流階級の生活や華やかなベルエポックのパリは、時代の隙間にこぼれ落ちたかけがえのない瞬間として、多幸感と切実さを持って現代の私たちに語りかけてくるようです。 『It Don't Mean a Thing』ソール・ライター、ポール・オースター(The Gould Collection vol.2) 9,072円 写真家と作家のショートストーリーを組み合わせた写真集シリーズの第二弾。 今回は、ソール・ライターとポール・オースターというニューヨークを舞台ににした創作で知られる二人の合作となっています。収録の写真とテキストはもちろん、本のコンセプトやデザインにいたるまで全てがスタイリッシュ。柴田元幸氏による翻訳が付いています。 『勉強の哲学』千葉雅也(文藝春秋) 1,512円 「勉強すればキモくなる。キモくなっていなければ勉強が足りない」と著者がはいいます。勉強するということは周りの「ノリ」から外れて、新しい自分に変身するということ、そのための実践的な手引書です。勉強の過程をユーモア、アイロニーとして捉え、勉強の有限性との付き合い方を考えることを促します。仕事論、コミニュケーション論としても刺激的に読めて、今年一番人にすすめた本です。 『起こらなかった世界についての物語―アンビルト・ドローイング』三浦 丈典(彰国社) 1,944円 建築には(もちろん建築に限らず)、構想だけで実現しないものが数多く存在します。しかしそれらはただ忘れられていくのではなく、あったかもしれない現実として、世界の豊かさに影響しているはずだとぼくは考えたい。 世界は想像力に満ちており、私たちがあらゆる可能性の中で生きていることに気づかされる一冊。ぼくが実際にもらってとてもうれしかった一冊でもあります。
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「世界のブックデザイン2015-16 feat.造本装幀コンクール50回記念展」
印刷博物館 P&Pギャラリーで3/5(日)まで。ドイツ、カナダ、中国、日本など、世界の優れたブックデザインを手にとって見ることができる展覧会です。 出品の中から、特に気になったものを。
「Steiff - Werk Giengen」

テディベアで知られるシュタイフの工場とそこで働く職人たちを、ぬいぐるみの制作過程とともに収めた写真集。
「Die Welt im Spiel」

世界のいろいろな双六が集められている。国、地域ごとの人生観や文化的背景も見えてきそう。
「Up Up」

高層建築に焦点をあて、「より広く、遠く」から「より高く」へと人間の欲望が移り変わっていった20世紀の社会を捉えようとする一冊。
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『梅津庸一 ラムからマトン』
『梅津庸一 ラムからマトン』 2160円 パープルーム予備校を主宰することでも注目を集める美術家、梅津庸一の初作品集&作家論集。美術手帖誌上(2006年7月号)で椹木野衣氏にも日本現代美術の中でのブレイクスルーを期待されていたみたいですが、収録された論考の中で筒井宏樹氏が言うように決して語りやすい作家ではありません。同時期にアラタニウラノ、ナディッフアパートの2カ所で展覧会が開催されていますが、それを見るだけでなく、美術史、美術教育、美術制度など彼の持つ問題意識をまず共有するために必読の一冊でしょう。(展覧会:アラタニウラノ→1/9まで会期延長中、ナディッフアパート→1/11まで。)
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『ユリイカ 2016年1月臨時増刊号 総特集:坂口恭平』
『ユリイカ 2016年1月臨時増刊号 総特集:坂口恭平』(青土社) 1512円 坂口恭平とは結局何者なのか、本人が発する以外には坂口恭平を語る体系的な言葉というのはほとんどなかったのではないでしょうか。はたしてこのアウトサイダーを第三者がどのように語るのか、まとまった坂口恭平論集として、いくつもの立場から改めて論点が与えられることになるでしょう。坂口自身の言葉、絵、音楽が収録されている他、友人たちによるエッセイ、専門家(建築、美術、精神医学など)による分析など、そこに登場するジャンルの異なる様々な顔ぶれは、坂口恭平が様々な切り口で語られえることをそのまま物語っています。
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『赤塚不二夫 実験マンガ集』
『赤塚不二夫 実験マンガ集』 1,800円
展覧会やテレビなどで度々伝説的に語られる、赤塚不二夫の実験性。それが生誕80周年にして1冊にまとまるというのだから買わないわけにはいかない。しかし、徹底してギャグマンガを描いていた中での「実験性」なのであって、それだけ取り出してもしょうがないんじゃないか、とも思うけど、ひとまず資料として重要なのはたしか。
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『NAKED』 東谷隆司
『NAKED』 東谷隆司 2,800円
90年代から00年代にかけてのアートシーンを駆け抜け、2012年に惜しくも世を去った無二のインディペンデントキュレーター・東谷隆司の著作集。美術のアツさで駆動する文章がさらにアツくあふれ出しています。 特に奈良美智の作家論では、一方では「かわいい」という受容が進んでしまっている絵画に対して、パンク・ロックや夭折の画家たちを引き合いに、死や残酷さといった深淵を読み解いています。 また「概論・変態とは何か」も収録(未発表?)。もちろんタイトル通りの変態論ではなく、パロディにも悪ふざけにもアカデミックにも見えるアクロバティックな論?文に筆の自由さが満ちています。
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『読んでいない本について堂々と語る方法』 ピエール・バイヤール
『読んでいない本について堂々と語る方法』1,900円
新刊ではないけれど、本を読むすべての人にとってまずこの本を読むことが急務である。膨大な書物の中、読者が取るべき態度は個別の内容よりも、本同士の関係の把握に重きを置くべきだと説いている。この本では(ムージル小説の)司書を端緒としているが、本屋もまさにそういう仕事だろう。
この「堂々と語る方法」は芸術、特にパフォーマティブなものにもそのまま敷衍できそうだ。膨大にある本を全て読むことができないのと同様、ある時間にしか実行されないパフォーマティブな作品や行為についてすべてを見ることは不可能である。そもそも伝説的パフォーマンスなどというものは見ることができない人が大多数なのであって、実際に居合わせた人しか語れないのであれば批評や歴史的な評価はほとんど成り立たないだろう。その不可能さの発見によって、ぼくたちは現場に居合わせなければいけないという強迫観念から解放され、「全体の見晴らし」が得られることで、その作品の価値をより確かなものとして理解できるのに違いない。
パフォーマンスを「見る必要がない」ということについて、少し違う視点からも示唆がある。スモールビレッジセンターによる一連の「再現芸術」は、「伝説的パフォーマンスの実演が、いざやってみるといかに「なさけなさ」を醸しだすか」ということを見出した(椹木野衣『増補シュミレーショニズム』より)。つまり伝説的と言われていても、実際には「見るほどでもない」ものは少なくないのではないか。先日、灰野敬二による4分33秒への応答として上演され、そして失敗に終わった「奇跡」 もまた、もし第三者によって「再演」されることがあれば、「なさけなさ」を醸しだすことだろう。
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『カディッシュ―タデウシュ・カントルに捧ぐ』 ヤン・コット
『カディッシュ―タデウシュ・カントルに捧ぐ』 1,200円
ポーランドを代表する演出家、タデウシュ・カントル。今年生誕100年をむかえ、日本でもいくつかイベントが催されており、にわかに関心が高まっています。そこでぼくも勉強しようと本を探しましたが、カントルに関しては手に入りやすい本がほとんどなく、これが現行で手に入るおそらく唯一の評論、評伝本のようです。ということで、特に新刊ではないのですがここでもご紹介を。 著者はカントルとともにポーランド出身の世界的な演劇人の一人として数えられるヤン・コットで、「カントル演劇の本質が描かれている」(表4コメントより)ようなので、手頃な価格ながら十分に勉強になりそうです。
*カントル関連イベント(終わっているのもあります) 「カントールと演劇の二十世紀」 @東京芸術劇場 「死の劇場—カントルへのオマージュ」 @京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA F/Tトーク「ポーランド演劇の現在形」 @ 東京芸術劇場
それからポーランドといえば、押井守監督の映画「アヴァロン」のロケ地としても知られます。同じ地球上とは思えない異世界感を、特に、まったく見当のつかないポーランド語から感じたのを覚えています。 今、都内ではポーランド映画祭(アヴァロンは上映ないですが、、、)や、それに関連するブックフェアなども複数の書店で開催されていて、カントル以外でもポーランドに対する意識が否応にも膨らみます。
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『Don’t Follow the Wind: 展覧会公式カタログ2015』
『Don’t Follow the Wind: 展覧会公式カタログ2015』 3,240円
2015年3月11日から、福島第一原子力発電所付近の帰還困難区域内のどこかで展開されている「みることのできない」展覧会、その公式カタログ。「みることができない」というコンセプトが装丁にも反映されています(詳細は手に取ってみて)。 開催以来、真っ白なウェブサイトと参加者の断片的なツイートだけが展覧会の存在をかろうじて担保しつづけてきたなか、「公式カタログ」の出版という形で実態の一部が明かされます。加えてワタリウム美術館では「Don’t Follow the Wind Non-Visitor Center」がサテライト展として開催され(11/3まで)、このつかみどころのない展覧会も少しづつ可視化される段階に入ってきたようです。 それは、グランギニョル未来の一員として作家でも参加する椹木野衣氏が、ロバート・スミッソンの「サイト」⇔「ノンサイト」の概念を引きながら、より具体的にこの展覧会のコンセプトに踏み込んだテキストを寄せていることからも見てとれます。 また印象的なのは、この本で使われる「みる」という単語に漢字が当てられていないこと。「見る」「観る」「視る」などが厳密には使い分けられるように、主体と客体の関係性が複雑に行き交う「みる」という行為。ここでは意識的にニュアンスを固定しない使い方をしているのではないでしょうか。 このいつ見られるかわからない展覧会は、今後も粛々と存在しつづけ、わたしたちに問いを投げかけてくれそうです。
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最近出た本、これから出る本
最近出た本、これから出る本から、手元に置きたい本が多いので整理のためにまとめます。
『日本美術全集19 拡張する戦後美術』 椹木野衣(責任編集) 高いけどやっぱりこれは買っておいたほうがいいんじゃないかと思わせる画期的視点が詰まっている。
『赤塚不二夫 実験マンガ集』 赤塚不二夫 展覧会や特集番組などでも度々取り上げられる赤塚不二夫の革新的なマンガ表現を一冊��集めたもの。「表現」に携わる者は手元に置いておきたい。
『服従』 ミシェル・ウェルベック 今年1月のシャルリー・エブド事件の直後に発表され、「予言的小説」として話題になったウェルベックの新作。久しぶりに小説を読もうかと思います。
『分析美学基本論文集』 西村 清和(翻訳) かつてウォーホルについて書いている時に参照した(しようとした)ダントウの論文などを収録。ようやく日本語で読める。
『ロジ・コミックス: ラッセルとめぐる論理哲学入門』 20世紀を代表する哲学者、バードランド・ラッセルの半生を追ったコミック。もともと論理学は好きだし、ツイッターで米光一成さんがオススメしててぐっと読みたくなった。
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オランダのグラフィックデザイナーIrma Boomの特集展示も楽しみ。

THE TOKYO ART BOOK FAIR 2015
開催日時: 2015年9月19日(土)~9月21日(月・祝日)
http://tokyoartbookfair.com
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『こけし時代 第12号』
『こけし時代 第12号』 3,240円 いつも気になっている(だけで買ったことないですけど、、)『こけし時代』ですが、今回の表紙の仕掛けがすごいことになっています! ↑の画像だとわからないですが、この表紙の女の子がこけしになります。いや、こけしが女の子になるのかな?どういうことかというと、表紙がレンチキュラーになっていて、見る角度によって変わって見えるというもの。 おかっぱの子って「こけしみたいねー」ってよく言われると思うのですが、そんなベタなネタがこれほどストレートな形で実装されていることにちょっと感動したのでした。
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