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reincarnation
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日記とか雑記とか
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yurustarrphy · 2 years ago
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インターネットと記録
三行de概要 ・Twilogが終わってめっちゃショックうけた ・己の発信する意味を考え直した ・とりあえずインターネットのいろんなとこにいる予定
○Twilogショックの話
約13年間お世話になったTwilogが新規ツイートの記録を終了した。 長年TL閲覧や検索でお世話になったfeatherも完全に終了した。 Twilogに日々のどうでもいいことや好きなものを記録して、featherでなんとなくTLを見るという日常が、不意に終わってしまった。
TwilogがAPIの仕様変更により4月末には終了予定というお知らせを見たのは一週間前くらいのことで、ああついに来たかと思った。いよいよ他の記録手段を探さなければと思った。Twitterを使ってきたいろいろな目的はあれど、私の一番大事だった目的は「記録する」だったんだなとこのとき思い知った。 これからの記録のしかたを模索したり、いろんな手段を試してみたり、代替手段の模索と、心の準備をしてたところだった。なのに、お別れの時間も突然奪われてしまったみたいで、すごいショックを受けてしまった。卒業式の準備しながら思い出を振り返ってたら、長年過ごした母校が突然消し飛んだみたいな気持ちだった。 作品語りも日常の気づきもいろんな思い出も、あのときそういうことがあったな、って振り返って思い出すのにずっと使ってた。13年ずっと一緒に生きてきた、人生のパートナーみたいな存在だった。その別れの時間さえも唐突に失ってしまった。
ここ最近特に、世の中ではひとときの流れを楽しむ刹那のインターネットに親しんでる人のほうが多くて、インターネットに記録を残すことにこだわりを持ってる自分みたいな人間は少数派なんだろうなって感じる。 インターネットを記録の場に使うよりは手帳とかに日記書いたほうがいいのかもしれないが、他人に見られてると思うとちゃんと文を書くきっかけになってる気がする。今も手帳にやったことリストやひとこと日記みたいなのは書いてるけど、誰にも見られてないと思うとめちゃくちゃ適当になりがち。なので、インターネットに適当に何かを放流するスタイルは続けたい。特に、この13年で短文で散逸的になんとなく思いつきでテーマを決めずに語ることに慣れてしまって、結局それが一番自分の心が落ち着く手段になってる気がする。
○発信する意味
発信場所について考えてると、いや別に何も発信しなくてもいいのでは?みたいな気持ちになりがち。というか本当にそうだと思う。必要のないことをやってる。でも必要ないことが必要なときがあるからずっと何かしら発信してるんだと思う。 そんなこと考えるなかで、自分が発信するときに何を大事に思ってるのかが普段よりはっきりしてきたのは面白かった。
いろんな場所で適当に発信してみて、私はよく知ってる人に見てもらいたいというより、誰も見てないかもしれないけど、たまたま通りすがりに見てくれる人がいる、くらいのほうが心地いいのかもしれないと思った。どちらも見てくれるだけでとてもありがたいことなんだけど。
自分の発したものがなるべく自分と紐づいたものであってほしくない、もしくはなるべくそのように見られないようにしたい、みたいなところがあるので、そこが分離できないような感覚を長時間味わうとちょっと溺れてしまうような気持ちになるのかもしれない。 流したものだけ好きに見てほしいし、かと言ってその延長線上で好きなことをぶつぶつと喋りたいし、誰かがふと聞い��くれたら嬉しいと思うし、でもいつでも誰かに聞いてほしいわけでもなく、自分の内の感情を大事にしたいし、誰かの雑音にもなりたくない。私は私の場所で何かをしていて、ほかの人はそれぞれの自分の場所で何かをしている。そういう原っぱをぼんやりと眺めながら笹舟をつくっていたい。 全部成り立たせるのは無理な話で、でもそういうことを考えずに全部気に留めないのも無理な話なので、いかにそれらの欲求たちに折り合いをつけてもらうかという話になる。 私は私という存在としてものを言いたくなくて、そのときどきの言ったものでいたいみたいなところがあるのかもしれない。
でもアカウント分けという行いは、人格が分裂するような感覚がちょっとざわざわするからあまり積極的にやりにくい。そう思ってずっとやってこなかった。しかしそうするとアカウントにひとつづきの人格が生まれるのは必然のことで……作品だけ置いてる場所と生活の一部として作品も置いてる場所と両方作ってきたけど、やっぱりこれまで通りそういうのをテキトーにやっていくのが一番向いてるのかもしれない。作るために生きてるとか生きるために作ってるとかそういう大仰な話でもなく、生きてたら作らずにいられないこともたまーにあるよねみたいな生活がしたい。
○記録方法模索中
半年前くらいから、ひとところに頼りきるっていうのをいろんなところでやめていこうとは思ってたけど、こんなに目まぐるしく転換を迫られるのは予想外だった。万物は流転する。形あるものはいつか終わる。儚くて辛い。 まだまだ模索中で、続けたりやめたりまた始めたりするかもしれないけど、当面は「いろんなところにいる」ってスタンスで生きていこうと考え中。あとできる限りデータを手元に残す。自作品とかブログに書いたものとかはだいたいデータ残してるけど、データも儚いので積極的に保存していきたい。
模索中方法の感想。
◇Mastodon
短文書き散らし媒体としてはとても良い。最大500文字書けるのでまあまあしっかりしたこと書ける。サーバーによっては検索機能もわりと使えるし、サーバー内の投稿が流れるタイムラインがないところだと、誰にも見られてないかもしれないけど見えてるかもしれないっていうちょうどいい加減で書ける気がする。人がいるのが見えにくいので、見つけられることもなかなかなさそうなのが良い点でもあり、難点でもある。 サーバー内タイムラインがあって流れが遅めのとこに最近登録してみたけど、好きな作品の話をだらっとしてみたり好きにつぶやいてる人を適当に観測するのはいいなあと思っている。
◇Misskey
軽い気持ちで軽いことを流せる。サーバー内TLが早いと目がやられ、UIと絵文字がかわいいけど目がやられるのが難点。いろんなとこにアカウント作ってみてる。 ヘビーなCP語りとかより脳直テンションよくわからん発言のほうが流しやすそうなところはある。絵文字で和むこともあればちょっと疲れるところ���ある。 かなり長文投稿もできるし、記事みたいなのも作れるし、診断メーカーみたいなのも作れるらしい。あまりにも多機能。あとチャンネルっていう特定の話題に特化したサークル機能みたいなのがある。ただ現時点でチャンネルに投稿するとサーバー外に記録されないのが難点。サーバーの中のチャンネルで話題が細分化されるとあとでまとめて見返すのは便利だけど、自分が投稿するときに脳が疲れそうだなという現時点の感想。
MastodonとMisskeyはどこのサーバーにいてもアカウントがフォローできるので、アカウント分けっていうより手足が分かれてるくらいの感じで当面はやってみようと思ってる。同じところにいつづけるアンバランスさから脱却するためにフラッと違う場所に行ってみる自由を体験してみるのもいいかなと思った。気分で反復横飛びする感じで。どのアカウントもnotestockってサービスで記録を残している。どれもいつかは終わるのかもしれないけど、とりあえずしばらくはそんな感じでやっていきたい。
Twitterはツールから直接記録を残す方法が当面ちょっとなさそうなのと、諸々の変化に気持ちの面で疲れてしまったので、フォロワーさんの投稿を見るのと、定期的にふらっと立ち寄ったり、何か作ったときは知らせたりするのに使うと思う。 このtumblrは適当な日記で、ブログのほうは作品長文感想で、サイトは最終的な格納庫で、そんな感じでなんとなくの用途を決めつつ、決めないところもあるフワッとした感じで。とりあえずインターネットのどこかにいるような感じで生きていこうとしている。
まだまだ模索中だけど、たぶん下記住所集のどこかしらにいると思う。 https://potofu.me/yuru-sora
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yurustarrphy · 3 years ago
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抗う手段
pixivのハラスメントの件で、フォームから意見を送った。 ここ最近ずっと社会とか風潮とか国家とか大きなものに抗議したり意見を示したりするにはどうしたらいいんだろう、ということを考えていたところで、とりあえずできることから始めようと思った。理不尽な目にあったときに声上げるのって本当に大変だよなと思ったのもあった。
自分はいろんな人が利用してるプラットフォームだからpixivを使ってるのも大きいけど、自分が性別や性的指向を限定しないいろんな関係性の話(三人とか前提とか……)をよく書いていて、そうした作品を全部同じ空間に置いておけるというのが使ってる理由としてかなり大きかったので、改めてどうするべきか悩んでた。
こういう問題って一部を変えれば解決するようなものではなくて、社会のあちこちにずっと根強くあり続けてきたものだと思った。「ふつう」から外れた人を軽んじてもいいっていう意識や空気はそこかしこにあって、自分の中にも確実に根付いてるものだから、ずっと向き合って戦い続けなくちゃいけないんだなって再認識した。
時事問題とかで体調を崩してしまうのを何度もやってて、そういう問題に対する自分の意見をちゃんと書くようなことを長くしてなかったので、久しぶりにやって少し訓練になった。こういうのもっとカジュアルにやってかなきゃなあ……ちょっとずつやっていこうと思う。
今のところ当面pixivの利用をやめる予定はないけど、拠点は多いほうがいいなと思ったので、サイトの更新がんばったり、新しいプラットフォームを試してみたりしようかなと考え中。頼る先はたくさんあるほうがいいって言うし(?)
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yurustarrphy · 4 years ago
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日々うつろい変わり
最近なんかここが後語り倉庫みたいになってたので、たまにはとりとめもない日記を書こうかなと。
もうすぐ今年最後のイベントがあるわけですが、テイリン20に合わせよう!って思いつきでなんとか本を出せそうでほっとしてます。現地には行けないしいろいろアラはあるけど……。
つい先日いろいろあってめちゃくちゃ落ち込んでて、ようやく気分が浮いてきたかなというフワフワした日々を送っている。そういうフワフワした日々を送ってると、昨日の自分と今日の自分がまるで別人のように感じられて不思議だなと思う。昨日までは思いもしなかったことを今日は次々思いつく。昨日まで頭から離れなかったことを今日はまったく考えていない。
落ち込んでいるときは人類得てしてそうだと思うけど(デカ主語)、もう自分はこの先なにもできないような絶望感や、自分の存在が吹き消したらパッと跡形もなくなってしまいそうな心許なさが��し掛かって、あれほどやりたかったことたちがなにも価値のないもののように��えてくる。外はみんな楽しそうで賑やかなのに自分はもうここから出ることはかなわないのだ、と思って自分の足を自分でぐるぐるに縛りつけてしまう。
でも少し時間が経って、日々を過ごしていると新しい出来事が起こったり違う感情をおぼえたり、あれほど無味乾燥だった世界が少し形をとって見えてくる。まだ自分にはやりたいことがあるなあ、と思えてくる。絶望のさなかにいたときには、そんなことを思える日が来るなんて絶対思わなかったのに。
不思議だなといつも思う。もっと短いスパンだと、夜寝て朝起きたら前の日に考えてたことを忘れている。眠りは自分を分断する、といつも思っている。一晩寝るとあれほど苦しんだ熱がすうっと下がっているような、そんな作用がある。時間は薬と言うけれど、眠ることがもっとも時間を早回しできる方法なのかもしれない。時間という薬を手早く与えるには眠ることである、というのは、睡眠が人間の健康にとても重要である理由の一端なのかもしれない。取り止めもなくそんなことを考える。
今年ももうすぐ終わりに近づいていますが、この2年だいぶフルスロットルで創作活動をやりすぎたので、少しだけペースを緩めようかなと思ってます。本作りの他にやりたいことをやったり、いろんな作品に触れたり、次の作りたいものの構想をゆっくり練ったりしようかなと思います。
既刊はたくさんあるのでイベントにはちょいちょい出たいなと思いつつ。そういえば個人誌が今回の11月レイリタ新刊で10冊目になりました。作ったなあ……。
何かこう、もっと度胸とエネルギーのある人間になりたいなと思います。モリモリいろんなことに挑んでいけるような。人生は短いのだし、触れたい作品にぜんぶ触れられる時間もきっとないのだろうなと思うと、今を大事にしたいなという気持ちになります。書きたいものもまだまだたくさんあるし。どれだけ書いて残せるのだろうか。がんばりたいなあ。
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yurustarrphy · 4 years ago
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鍵島6Web展示後語り
鍵島6お疲れさまでした! 今回は初のピクスク導入で、また違った雰囲気が楽しめて良かったです。会場BGMで何度も涙腺が……。 自分のこたことWeb展示について、ちょっとだけ語りたい気持ちになったのでつらつら書きます。
今年の10月のカレンダーを見てたら、原作Rewriteと曜日が一緒だなあと気付いて、10周年で一緒なんてすごいなあと運命力を感じてしみじみしてました。そしたら鍵島の日付が10/23という、ちょうど私の大好きなこたことイベントが起こる日付だったので、ああいった話になりました。
Rewrite小鳥ルート(共通部分)において10/23は、有限の頑張りを振り絞って踏み出した瑚太朗を小鳥は受け入れ、剥き出しの命と向き合う緑化活動をして、その日の終わりに瑚太朗が収穫祭の誘いを口にするという、二人にとって決定的なことが多く起こる運命的な日付だなと思います。
漫画の中身はほとんどRewrite本編の流れのままですが、小鳥はついてきた瑚太朗に対して、かつて置いていかれた自分が、今度は置いていってしまったことに思い至ったんじゃないかという自解釈を加えてます。
だから、「置いて遠くへ行って」っていうのはたぶん、自分は置いていく側になりたくないみたいな気持ちも入ってるのかもしれない。小鳥は「自分から離れたりはしないから、あなたがここから遠くへ行くのを見てる」というスタンスでいたいんじゃないかと思います。「お母さんみたいな気持ち」という台詞が本編にありますが、遠くへ巣立っていくのを見送らなければならないけど、この手をまだ離したくない、みたいな葛藤は母親のそれに近いのかもですね。
おまけの小説は、瑚太朗が夜に一日を振り返ってるだけの話ですが、小鳥の気持ちと対比して、瑚太朗が小鳥に抱いている気持ちはなんなのか? ということを考え出すと味わい深いな……と思いながら書きました。瑚太朗くんは本編でたくさんモノローグがあるのもあって、ほっといてもいろいろ喋ってくれて書くの楽しかったです。
これめっちゃ蛇足だろうな~って思ったけどなんか無性に語りたくなったので書いちゃいました。あくまで自分の解釈なので、ふ~んみたいな感じで読んでいただけたら嬉しいです。気が向いたらご感想などいただけると飛び跳ねます(?)
改めて、Web展示たくさん見ていただけて嬉しかったです。既刊もお手にとってくださった方がいたみたいで、楽しんでいただけたらいいなと思います。
こたことで漫画描いてみたい!って軽い気持ちで描き始めたら、二人ともあまり描き慣れてないのと、自分の原作の読み込みの甘さを思い知らされたのとでめちゃくちゃ苦しみました……原作やり直しながら描いてたのもあってネームから完成まで合計3週間くらいかかったかもしれない。6ページなのに……。普段小説書いてる自分にとって、漫画は考えることいっぱいあって難しいです。でもなんとか完成してよかったなあ……。
イベント展示用に作ったものですが、特に非公開にする予定はないので、また思い出したときに見ていただけたら嬉しいです。 こたことは考えることがありすぎて楽しいなあ……またいずれ何か作れたらいいなとは思いつつ、しばらくは気ままに過ごします。2日間お疲れさまでした!
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yurustarrphy · 4 years ago
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祝Rewrite10周年こたこと本後語り
Rewrite10周年おめでとうございます!10年!歴史!
自分がRewriteをプレイしたのはPSVita版が出たあとだったので、確か2014年くらいだったと思います。PC版発売当初は自分用のパソコンを持ってなかったので、移植されるのをわりと長い間待ってました。
初見で最初に小鳥ルートをやって他のルートをやるたびに「小鳥……今なにしてるの……どこにいるの……」と呻いて苦しんでいたあの日々からもう約7年も経ったとは……自分とRewriteが過ごした年月もそれなりに長くなって驚きます。
本当なら10周年に合わせて何か作りたかったんですが、今月いろいろ忙しすぎたので当日合わせは諦めました……でも10周年はこれからなので……来年6月までアニバーサリーイヤーなので……!
せめてということで、今年3月に発行したこたこと小説本の話をしたいと思います。そのうち後語りしたいなと思いつつできてなかったので、この機会に。
あの本の原案を思いついたのは2019年秋ごろで、突然プロットをA4ノートに書き始めた気がします。以前からこたことの長い話を書きたいと思っていて、本にできたらとぼんやり夢見てました。
でもどうしよう?学園こたことも夫婦こたことも年の差こたこともぜんぶ書きたいな……どれか一つなんて選べねえな……
そうだ!!夢ならぜんぶ書けるじゃん!!
という強欲な願いを叶えるためにあのような話になりました。
初めはいたって平穏な学園こたことから始まるのに途中で雲行きが怪しくなって最後には瑚太朗君はいない、というある意味騙しうちみたいな話にしてしまったなと……。
でも、Rewrite好きな人なら……こたこと好きな人なら許してくれるはず……!!
という盛大な甘えにより踏み切りました。本を手に取ってくださった心の広いRewriteファンの方々ありがとうございます……。
おおまかに4章構成になってたので、それぞれ書いてたときに考えてたことの話をします。
○1章
Terra編の小鳥は、怪我をした瑚太朗を治していないので「瑚太朗君が自分の思い通りになってしまった」という苦悩を知りません。なので前半の高校生の小鳥は瑚太朗との学園生活を年相応に楽しんでいる感じです。Terra編の小鳥も「あたしがもし瑚太朗君と同じくらいの歳だったら?」という想像くらいはすると思うんですよね。でも告白されたその夜に小鳥はこの世界のおかしさに気づいてしまう。あれは自分の幸福をつねに客観的に見つめてしまう小鳥が出たんじゃないかと思います(筆者なのにひとごと感)。
○2章
二人が結婚している世界は、ある意味でTerra編と対極だと思っています。瑚太朗がいるけれど滅びに向かって衰退してゆく世界と、瑚太朗はいないけれど新しい時代を迎えた世界。
小鳥は夢の中では大人として過ごしているけど、瑚太朗とは子どものときに別れているので、一緒にいるときの様子も少し幼い感じに書きました。たぶん枝世界の小鳥はもうちょっとしっかりしてると思います。ナポリタンおいしいよね。
○3章
Terra編でのこたことの別れは言うまでもなく衝撃的なシーンですが、「もしあのとき瑚太朗君がそばにいつづけてくれたら?」という問いを小鳥はどこかで抱えながら過ごしていくのかもしれない、と思わずにはいられません。なので風祭を出て兄妹のように暮らす二人、というのは小鳥のなかで一番「ありえたかもしれない」現実に近い世界だと思います。
そばにいてくれるのは嬉しくても、瑚太朗君はすべてを置いてきたのだとわかっている。あんなに優しくしてほしいと思っていたのに、それと引き換えに瑚太朗君はいろいろなものを手放したんじゃないか。小鳥は分かってしまう子なのでいろいろ考えてしまうんじゃないかと思いました。
余談ですが、都会では毎年熱波で人が死ぬようないわゆる異常気象が起きているけど、風祭はそんなこととは無縁、みたいな描写が原作であったので、風祭の外はもうだんだんと人が住みづらい気候になっているのかなと思いました。瑚太朗が事を起こさなかった世界はやがて衰退枝世界と同じような道を辿るのかも。
○4章
原作ED後の世界を「神話の時代」と呼ぶのが好きです。
人の内なる力が世界を動かすエネルギーになるということは、たぶん集団パニックとか起きたら大変なことになるよな……と思いながら終盤は書いてました。自分の解釈としてはポチ≠瑚太朗なのですが、ポチは小鳥にとってまた別の大切な存在になっていればいいと思います。
地味に、小鳥のオカ研メンバーの呼び方が学生世界と違っています。彼女たちが手を取りあって生きることのできる世界は確かに瑚太朗が残したもので、けれどそれを誰も知ることはないというのが好きです。Rewrite、めちゃくちゃに名作だな……(改めて噛みしめる)。
本のあとがきにも書いたのですが、「アウロラは記憶も思いも残さない」という原作の言葉がずっと胸に残っていて、この話を書くための支柱になった気がしています。
瑚太朗と小鳥が一緒に学園生活を送った束の間の安寧も、小鳥が安寧を作り出すためにひとり戦っていた孤独も、それらを飲み込んでそばに居続けることを選んだ二人の決意も、すべて星が描いた可能性のシミュレーションで、やがて地球に還り始まる一度きりの世界には存在しないのだと。
それでも、残り一度きりの地球の再生、原作のTerra編に至ることができたのは、Moon編で瑚太朗が「またいつか、君に会いたい」と思えたからで、そのメッセージは数々の枝世界��誰かと一緒に運命をともにして、誰かを守りたいと願ってきた瑚太朗だからこそ残せたものだと思っています。
そんな風に、本当には存在しなかったこと、システムが見せた可能性の一つが現実の世界に影響を与えるというのは、人がふだん見る「夢」に似ている気がします。荒唐無稽な光景、現実ではけして起き得ない出来事、それらは現実の残滓であり、でも現実ではない。それでも目覚めたあとの現実を生きるその人のなかに夢は存在しつづける。そんなことを考えて書きました。
強欲から生まれた話なのに、なんかすごいいろいろ考えて書いたみたいになってしまった。いろいろ考えたけど根本はいろいろなこたことが書きたいという強欲です。
蛇足かもと思ってあとがきに書けなかったことを一気に書けてスッキリしました。本をお手に取ってくださった方、本当にありがとうございました。
Rewrite10周年はまだまだこれからなので、また何か語ったり作ったりしたいなと思ってます。折を見て小鳥以外のヒロインズについても掘り下げたいですね。
これまでもこれからも、多くの人に愛されて残りつづける作品でありますように!
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yurustarrphy · 4 years ago
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互い(シュレイシュ鳥兄弟の話)
※2020年8月発行の、レイリタシュ小説本『ガードゥン・プールの朝』の内容への言及を含みます。
自分の中のシュレイシュ鳥兄弟は、互いが近すぎて存在をつねに確認しあうことで空虚を埋め合おうと生きてきて、自分に空いた穴に相手を埋めないと自分を保っていられない、というようなところがある。たぶん、互いが互いでいるうちはそこは閉じた世界なので、二人で埋め合って繋がって生き延びることを繰り返していればよかった。
けれどそこに第三者が現れると、閉じた世界は今までのバランスを保っていられなくなって、シュヴァーンのいないレイヴン、レイヴンのいないシュヴァーンだけで相対しなければならないときもあり、互いが互いだけでいられないときが来るのかもしれないことを恐れるようになる。
レイヴンは、シュヴァーンが「兄」として「弟」にすべてを与えてくれることを痛ましくもとても心地よく思っているから、その心地よさを失うのが恐ろしいと怯える。
シュヴァーンは、レイヴンが「弟」として自分を「兄」たらしめてくれることに身を委ねて生きているから、その役目を失えばもはや生きていられないと絶望する。
そこにあるのは鏡の中の自分を愛するような、自己愛の延長線上にある感情に似ていて、二人とも兄弟としての片割れを大切に思うことと自分を大切に思うことの区別がついていない。近すぎて境界線が溶けているから。
2020年夏に出したレイリタシュ小説本では、そんな二人が一人きりのリタに出会い���兄弟はそれぞれ自分を重ねていろいろな感情を抱く。やがてそれぞれの痛みを持ち寄った三人は、三人で一緒にいたいという結論を出す。リタがかけがえのない存在としてレイヴンとシュヴァーンのあいだにいることで、自分よりも自分であった互いを、一人の人間として見られるようになったという話が書きたかった。互いが他者であることに気づくためには、少しだけ離れてみることが必要だったというような。
いい双子の日なので、シュレイシュとレイリタシュが自分の中で盛り上がってしまった。レイヴンとシュヴァーンというあたかも二人の人間が存在するように一人が振る舞っていたという「レイヴン」のキャラクター性から、鳥兄弟の面白さは来ているような気がする。自我と感情と関係性の焼き直し、シミュレーションとして鳥兄弟を考えるのはとても楽しいです。公式にない捏造設定とかじゃないよ。シミュレーションだよ。
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yurustarrphy · 5 years ago
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10月が終わる
いろいろ忙しくしていたら10月が終わろうとしている。やることが山積みかと思えば次はやりたいことが山積みで、恵まれてるけどもなかなか思うようにいかない人生である。
ソシャゲを追っかけてたら未クリアのゲームができない。
Twitterを見てたら小説や漫画など本が読めない。
絵や小説を作ってるとアニメが見れない。
人生はやることを選択しては別のやりたいことが消えていく。一日が24時間であることはどうやっても変えられないという事実、改めて考えるとすごいな。
世の流れについていくのがもともと得意じゃないのだが、今は『神様になった日』をがんばって追いかけている。なのでしばらくもう世の流れに乗るパワーは売り切れている。話題のアレとかソレとかを見るとちょっと疲れてしまう。
やっぱりこういうときは自分と向き合わなければいけない気がする。自分の好きなものに触れて、作って、対話して。Twitterなどを見てると自分と他者との境界が溶けていく感じがするので程々にしなければ……と自戒。SNSは自分の時間に他者が存在することの幸福と波乱をどちらももたらす。
上旬バタバタしていたせいもあってここをわりと長いこと放ってしまったけど、書こうと思えばこうやってなんかダラダラ書けるのでうまく使っていこう。あまり見ている人を想定した文章でなくて申し訳ないです。日記なのでご容赦を……!
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yurustarrphy · 5 years ago
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あの瞬きを思い出すと
ユリエス漫画をTwitter、pixiv、サイトに上げることができたので、ちょっとユリエスについて考えてたことをつらつらと書きたいなと。
https://www.pixiv.net/artworks/84366265
ユーリは自分にとってTOVキャラの中でも一、二を争うくらい何を考えてるのか分からないキャラなんだけど、主人公なのにぜんぜん分からないって不思議で面白いなと改めて思う。TOV本編がパーティメンバーを見守るユーリみたいな構造になってるところはあるのだろうけど、それはユーリの内心が本編でそこまで掘り下げられていないせいなのではないか?と思うことがある。自分が何をどんな風に見ていて考えて悩んでどうしたいということを、彼はほとんど語らない。
エステルは、自分の今見ているもの、感じていることをそんなユーリに話す。本をたくさん読んで育ったエステルはきっとそうしたことを言葉にするのに長けているのかもしれない。世界がどんな風に映っているのか、どんな気持ちが胸の中にあるのかを素直に語るエステルをユーリはいつも穏やかな目で見つめている。けれど行動を制限されて生きてきたエステルは、「どう思っているか」については話せても、「どうしたいか」については分からない。自分が本当は何をしたいのか、ユーリに聞かれてエステルは初めて考える。「自分で決めな」と何度も促されて、彼女は自分で選択する、決めるということを覚える。
自分の意志を貫くということを教えてくれたユーリの姿は、エステルの目にどんな風に映っただろう。ユーリはエステルがずっとお城の中で思い描いていた自由の形に似て見えたかもしれない。けれども旅を続けて一緒にいるうちに、自分ですべて決めることには大きな苦しみを伴うのだと、エステルはユーリを見て知ったと思う。ユーリは一人で決めて、一人でやろうとする。迷い決めようとするエステルのそばにはユーリがいてくれたのに、ユーリはエステルが手を伸ばす間もなく歩いていってしまう。決められることは自由だけれど、大切な誰かの決断の近くに自分は行くことができない。
描いたユリエス漫画にはイメージソングがあって、チャットモンチーの『惚たる蛍』(https://www.uta-net.com/song/48148/)という曲なのだが、個人的にとてもユリエスを感じた歌詞がある。
「お前は手を伸ばすだけだよ」って? 「絶対につないでおくから」って? ひとりで泣いても意味がない ひとりで光ってもいつだって
「」の中の台詞がめちゃくちゃエステルに対するユーリ・ローウェルだなと思ってしまって、それからこの曲を聴くたびにずっとユリエスのことを考えている。ユーリはエステルが手を伸ばしたなら取ってくれる。けれどユーリはエステルに手を伸ばすことはない。そのことにいつかエステルは気付くのだと思う。エステルの中でユーリがかけがえのないとても大切な存在として刻み込まれたあとで。
ユーリも、自分だけで決めること��ないのだとまだまだ少しずつ知っていく途中なのだと思う。エステルのひたむきさをそばで見て、彼はより前に進もうとしている���ころがあると思う。自分の考えるユリエスは、ユーリにエステルの決意をいつか聞いてほしいという祈りがある。ユリエスのふたりを見ていると、想いあっていつまでも一緒にいるだけがカップリングではないと思わされる。でも想いあって一緒にいようと決めるふたりも好きなので、そんな先の世界を思い描いていたい。その中でも私個人は、ユーリを見るエステルの構図にひときわ思い入れがあるので、今回の漫画を描きました。
余談ですが、ユーリとラピードを今回初めて描きました。めちゃくちゃ難しかったです。一番好きなコマは3ページ目2コマ目です。
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yurustarrphy · 5 years ago
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Hope
『智代アフター 〜It's a wonderful life〜』というゲームのSwitch版が発売されたという知らせを見て、プレイ当時のことを思い返していた。けっこう昔で、がんばってガラケーでプレイしていた。
坂道で智代が真実を告白するシーンでものすごく泣いたのを覚えている。泣いたというのも、ぽろぽろと涙を流したとかそういうのではなく、息をつまらせるようにひたすら苦しかった覚えがある。全身を布団のなかで震わせるような、そんな感情を与えてくれたことを今でも鮮明に覚えている。
タイトル画面の『hope』という曲がとても好きで、いつも起動するたび動けなくなる。聴いていたらいつの間にか時間が経ちすぎている。
その『hope』という曲のボーカル版で、『hope -look up when I walk-』というものがあるのだが、ゲームに“It's a wonderful life”という副題がついているのにもかかわらず、
“人生のすばらしさとかそんなのどうでもよかった”
という歌詞から始まる。
クリア後初めてこの歌を聴いたときはこの作品のヒロイン兼主人公でもある坂上智代のことを考えて考えて胸が苦しくて仕方ない日々がしばらく続いた。今も時折そういう日が訪れる。最近とか。
思い出してもっと考えたくなったので、Switch版を買おうと思う。という話でした。
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yurustarrphy · 5 years ago
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漫画の話とか
Webにあげる漫画を少しずつ描いているのだが、初めて描くキャラだとめちゃくちゃ気付きが多い。ずっと見ていたキャラなのに描くまで気付かないとは人間の目と記憶は信用できないものだ……(自分の能力がないだけかも?)
今回トーンを貼ってみたいと思ってるのだが、拡大縮小するときにモヤモヤするあの感じが慣れないなあ……グレーだとできること増えてとてもやりやすく感じるのだけど、やっぱりトーン使ったほうが漫画っぽく見えるのはなんでだろう。古き形は良き形……。とりあえず下書きはあしたくらいに終わりたい。
やっぱり何かたのしく作ってるときはちょっと心が元気になる気がする。最近文書けてないのは勉強したら文書くときに使うところが疲れるからのような気がする。とりあえず来月まで試験勉強に打ち込みつつ低空飛行でやっていこうと思う。
○やりたいこと
・まんが
・今月20日にあげるやつ(小説かな)
・9月エアブーのカット
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yurustarrphy · 5 years ago
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エターニアを久しぶりに起動してOPムービを見たのだけど、サビのメルディがくるくる回るところがあまりにも美しすぎるなあと思い返していた。テイオケのときに懐かしくなって見たくなったんだけど、もう一回プレイしたいな……。
しかし未クリアテイルズをまずはどうにかしたい。X2、S、ラタトスクとかそのへん。
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yurustarrphy · 5 years ago
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サイトにつなげてみた。
創作とは関係ない話をするかもしれないけど、とりあえず何か書く練習というか、すぐに人の目に触れないという環境に身を置きたくなった。
目標としては
・気軽に投稿する
・上手いこと書こうと思わない
このくらいで。
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yurustarrphy · 5 years ago
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ちょっと長いけどブログほど考えない文を放り込む場所を作りたくなった。
何かの感想とかあったこととか、ここにちょっとためこんでみようかと。
すぐ飽きるかもしれないけど……。
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