#ああ、昨夜、ずっと雨が降りました
Explore tagged Tumblr posts
Text
白夜の世話が世界一過酷を極めまして精神が参りそうです
第一章 困惑の始まり
「砂紋(さもん)、これは一体どういう状況なんだ?」
京極碧皐(きょうごく あおさ)は眉間に深い皺を寄せながら、目の前の光景を見つめていた。リビングのソファに座る白夜(びゃくや)は、毛布にくるまって小さく震えている。その様子は、まるで迷子になった子供のようだった。
「俺に聞かれても困る」砂紋は髪をかき上げながら答えた。「看護師の仕事では患者の世話はするが、こういうのは…」
白夜がちらりと二人を見上げる。その瞳には不安が宿っていた。
「あの、僕、一人でいるの怖いの…」白夜の声は震えていた。「碧皐(あおさ)さんも砂紋さんも、お仕事で忙しいのは分かってるんですけど…」
碧皐と砂紋は顔を見合わせた。二人とも、これまで誰かの世話をするという経験がほとんどなかった。碧皐は法廷で冷静に判決を下してきた男だし、砂紋は職務上の看護はできても、プライベートでの世話となると全く勝手が違う。
「とりあえず、何か食べ物を用意した方がいいんじゃないか?」碧皐が提案した。
「そうだな。白夜、何か食べたいものはあるか?」砂紋が尋ねる。
白夜は毛布の中からもじもじと顔を出した。「えっと…砂紋さんの作ったものなら何でも」
砂紋の顔が青ざめた。「俺の料理は…その、あまり期待しない方がいい」
第二章 料理という名の戦場
キッチンは戦場と化していた。
「砂紋、その野菜の切り方は危険すぎる」碧皐が指摘する。「包丁の持ち方から間違っている」
「うるさい! お前だって卵も割れないじゃないか」砂紋が反撃した。
確かに碧皐の手元では、卵の殻が無惨に砕け散っていた。黄身と白身が殻と混じり合い、何とも言えない状態になっている。
「僕、手伝うね!」白夜がキッチンに駆け寄ってきた。
「ダメだ」二人が同時に声を上げた。
「君は座って待っていろ」碧皐が言うと、白夜の表情が曇った。
「…でも、僕も何かしたい! 二人だけで頑張ってるの見てると、申し訳なくて…」
砂紋が振り返る。白夜の目には涙が浮かんでいた。
「分かった。でも危ないから、野菜を洗うだけにしてくれ」
白夜の顔が一気に明るくなった。「うん!」
三人でキッチンに立つと、狭いスペースがさらに狭く感じられた。白夜は丁寧に野菜を洗い、碧皐は何度目かの卵割りに挑戦し、砂紋は包丁と格闘していた。
「砂紋さん、その人参、四角すぎない?」白夜が小さく指摘した。
「…料理は見た目じゃない」砂紋が苦し紛れに答える。
「碧皐さん、その卵…」
「分かっている。分かっているから何も言うな」
第三章 不格好な優しさ
結局、三人で作った夕食は見た目こそ不格好だったが、温かい食事になった。
「いただきます」白夜が嬉しそうに箸を取る。
「まずかったら正直に言ってくれ」砂紋が言うと、白夜は首を振った。
「美味しい。二人が僕のために作ってくれたんだから……」
碧皐が咳払いをする。「まあ、次回はもう少しうまくやるさ」
食事の後、三人はリビングに戻った。白夜は再び毛布にくるまり、今度は二人の間に座っ��。
「ねえ、明日も一緒にいて…もらえますか?」白夜が上目遣いで尋ねる。
砂紋と碧皐は再び顔を見合わせた。
「当然だ」碧皐が答えた。「君を一人にしておくわけにはいかない」
「俺も明日は休みだから大丈夫だ」砂紋が続けた。
白夜がほっとしたように笑顔を見せる。
「でも、俺たちは世話が下手だぞ?」砂紋が念を押すように言った。
「それでも、二人がいてくれるだけで嬉しいんだ」白夜が毛布を二人に分けるように広げた。「一人だと、すごく、すっごく…寂しくて……」
碧皐が少し考えてから口を開いた。「なら、俺たちも勉強しよう。世話の仕方を」
「そうだな。看護師の経験があるとはいえ、こういうのは別物だ」砂紋も同意した。
白夜が二人を見上げる。「僕も、もう少し一人でいられるように頑張るね」
「無理をする必要はない」碧皐が言った。「俺たちも、君と一緒にいる時間が…悪くない」
砂紋が苦笑いを浮かべる。「不器用な俺たちだが、よろしく頼む」
第四章 小さな進歩
翌朝、三人は朝食作りに再挑戦していた。
昨日の経験を活かし、今度は役割分担を明確にした。白夜が野菜の準備、碧皐がパンを焼き、砂紋がスクランブルエッグに挑戦する。
「今日は殻が入らなかった」碧皐が小さく達成感を味わっている。
「僕の人参、昨日より綺麗に切れました!」白夜が嬉しそうに報告する。
「俺の卵も…まあ、食べられるレベルにはなったかな」砂紋が恐る恐る味見をした。
朝食を終えると、白夜は二人の膝に頭を乗せ、満足そうにテレビを見ていた。
「重くないか?」砂紋が尋ねる。
「全然」白夜が即答した。「このまま一日中いたい……」
碧皐が白夜の髪を撫でる。「甘えすぎだぞ」
「でも、碧皐さんも嫌がってない…よね?」
「…まあ、たまにはいいだろう」
砂紋が呆れたように首を振る。「俺たちも大概甘いな」
「でも、これでいいんじゃないか?」碧皐が言った。「完璧じゃなくても、三人でいれば何とかなる」
「…そうだね」白夜が安心したように微笑んだ。「不器用でも、一緒にいてくれるだけで十分…だから…です」
外では雨が降り始めていたが、部屋の中は温かく、三人はそれぞれの不器用な優しさを分け合っていた。
エピローグ
それから数週間が経った。
三人の生活は相変わらず不器用だったが、確実に進歩していた。料理は見た目こそまだ不格好だが、味は格段によくなっていた。白夜も、短時間なら一人でいられるようになっていた。
「今日は俺が夕食を作る」砂紋が宣言した。
「本当に大丈夫か?」碧皐が心配そうに尋ねる。
「任せろ。最近、料理本を読んで勉強してるんだ」
白夜が目を輝かせる。「僕も手伝う!」
「ああ、頼む」
三人がキッチンに立つ姿は、もはや日常の風景となっていた。不器用でも、一緒にいることで補い合える。それが、三人なりの世話の形だった。
「ねえ、明日は何するの?」白夜が尋ねる。
「掃除でもするか。部屋が散らかっている」碧皐が答える。
「その前に、まずは今日の夕食を無事に完成させよう」砂紋が苦笑いを浮かべた。
三人の笑い声が、小さなアパートに響いていた。完璧ではないけれど、確実に温かい日常がそこにはあった。
19 notes
·
View notes
Photo
雅之

126K notes
·
View notes
Text
2025/02/13 満月は昨日

昨夜は夜勤だった。潮の満ち引きと月の満ち欠けに人の体がどの程度左右されているのかは分からないけれど、ずっと産科に勤めている幼馴染はやはり満月や満ち潮の日は多いと言う。では死は?
昨夜はお看取りがあった。雨の降り始めた夕方頃から急変しそのまま日付は越えられなかった。それでもご家族に見守れながら息を引き取った。誰知らずいってしまう人もいれば家族に見守られいく人もいる。できることなら家族揃わずとも誰かしら側にいてくれたら、と思う。特に夜間帯、私1人が最期を見届けることも少なくない。そんな時には、こんな大切な時に、その人が生きてきた人生の最後の瞬間に、私しかいなくてごめんなさいといつも思う。
駆けつけた家族が葬儀屋を呼び、連れられて行くその人と家族を真っ暗な闇の中、私1人が見送る。なにもこんな真夜中に行かなくても、せめて昼間、主治医や関わってきた各箇所のスタッフみんなに見送られたら寂しくないだろうにと思う。
なぜか深夜帯のお看取り、お見送りは多い。どうして夜を選ぶのか。なぜ人知れずいってしまうのか。夜の引力というものはそういう強さを持っているのか。
雨上がりの冷たい風の中、深く深く頭を下げる。あなたの人生はどんな人生でしたか。はつらつとしたあなたに会ってみたかった。そんなことを思う。
生まれ出るのを選べないと同様に自分自身で最期を選ぶこともできない。だから生きているんだと思う。
今夜の月は明るくてとてもきれいだ。
80 notes
·
View notes
Text



おはようございます。
秋田県湯沢市川連は雨が降ったり止んだりのお天気です。
昨日は朝からかかりつけ医さんへ定期検診。
前日の市民検診で受診しなかった、特定健康診査をしてもらうため、朝ご飯を食べたので3.5時間空けての、アレコレと検診…
2か月前の定期検診時に、数年前から高くなってきた血圧を、先ずは1か月測ってみましょうとの事でしたが、その後も出張やらアレコレとあり、中々毎朝晩の測定が出来ずにおりましたが、病院での過去からのデータやら最近のデータやらで、飲みたく無かったのですが、弱いお薬を服用する事になりました。
50歳を過ぎ身体も変わって来ている様です…
そして昨夜のオラ家の晩酌セットは、川連漆器で竹の子の小味噌煮とうどの雑魚炒めで一杯し、蕨たたき入りのタコライスで晩ご飯。
今日もアレヤコレヤと有りますが、一つ一つコツコツ頑張ります。
皆様にとって今日も、良い一日と成ります様に。
https://jujiro.base.ec
#秋田県 #湯沢市 #川連漆器 #川連塗 #川連 #国指定伝統的工芸品 #伝統的工芸品 #秋田工芸 #秋田の物作り #漆 #うるし #ウルシ #髹漆 #寿次郎 #50歳からの身体づくり #高血圧 #オラ飯 #オラ家の晩酌セット #オラ家の晩ご飯 #伝産法改正 #個人の未来と産地の未来 #kawatsura #japanlaquer #JapanTraditionalCrafts #KawatsuraLacquerwareTraditionalCrafts #jujiro
21 notes
·
View notes
Text

241030
朝、新しいカーテンは光をとおす。 閉めていても柔らかく明るい。
今日は神奈川へかえる。 羽田空港に着いて、実家へ向かう。 人が多い。建物が多い。ぼんやりしていると何かしらにぶつかってしまう。 あまりにも違う視界でここは北海道と同じ国なのか、疑問に思う。 半年ぶり。 迷うことなく電車に乗れた。 たぶん、まだこっちの国の方がわたしに馴染んでいる。
-
241031
朝、あたたかい布団の中で目覚める。 わたしが帰ってくるのに合わせて布団乾燥機にかけてくれていたらしい。
何かしなくちゃと気持ちが焦る。 7月の日記を更新しようと思っていたけれど、ドライブにドローイングの画像がupできていなくて、断念。ノートパソコンがほしい。
地元の、ずっとある画材屋でベニヤパネルを買う。 いつ雪崩が起きてもおかしくないくらい雑多で、見つけ出すのが大変だった。 それから、本屋に行って、日記屋に行って、カレーを食べた。 とてもお腹いっぱいになった。 帯広での生活のこと、うまく話せない。 何を話してもほんとうのことじゃない気がする。 わたしはわたしがどう思っているのかわかっていない。
-
241101
朝、6時くらいに目が覚めるけれど、この家は6:45から始まるらしいので、布団でゴロゴロとしておく。
鉛筆を忘れてきていた。 シャーペンで線を描いてみたけれど、なんか違った。
本当は昼ごはんを食べてから家を出る予定だったけれど、特にすることもないままぼんやり部屋にいるよりも外に出た方がいいだろうと思って、動き出す。 モネの展示に行く。 モネの絵を特別に意識したことはなかったけれど、わたしはこの色彩をずっと持っていたんだ、と思った。 淡い、光の中みたいな色彩。 力強い赤と緑、紫。 連作っていいな。ある一定の枠があるから差異がある。流れがある。 今回の旅はモネをみるためにきたのかもしれない。 もう1回みたい。 撮影しても大丈夫なスペースで撮った写真を見返す。 写真になると、とたんに嘘みたいだ。みてきたのに。
夜、友人に会う。 特に店は決めていなかった。沖縄料理の居酒屋に入る。 わたしはお酒を飲むような感じではないと思っていたけれど、友人は迷うことなく居酒屋を選んでいた。 当たり前だけれど、いろんな生き方があって、みんな違うように生きている。 わたしはわたしの生き方でよくて、わたしの生き方を大事にしたい。 周りと比べて下げたり、しないで。
-
241102
朝、口の中が薬味の風味。 ちゃんとはみがきしてからねたのに。 昨日の島らっきょうを思う。 筆置きをもってこなかったけれど、ビューラーがいい仕事をしてくれている。
とても雨が降っていた。 母に防水っぽい靴を借りたらサイズが合わず、数歩歩くだけで靴下が脱げた。 コンビニで地味な灰色の靴下を買って、二重にしたら、脱げなくなった。 靴下を二重にすることを提案してくれた人が暮らしをしたいと言っていて、わたしはその人が暮らしをすることをとても嬉しく思った。
いろんな人が集まる場所の片隅で、北海道には知り合いはいないし、誰かと一緒にどこかにでかけられないし、さびしいという話をする。 今、あなたにしか感じられないことがあるはずだから、ひとりでいろんなところに行ってみるといいよ、と教えてもらう。
9 notes
·
View notes
Text
🌧 昨夜は雨が降ってたみたいで、今は曇り空。ちょっと暖かいけど、空はなんだかぼんやりしてる。気持ちも同じ感じかも。 でもまあ、今日もなんとか生きてる〜ってことで、みんなも無理せずゆっくりね。 ✨それじゃ、I-Chan、本日もオンラインです〜〜📡🤍
Sometimes rainy nights make the dreams hit harder. I think I’m somewhere between existing and buffering right now. But I-Chan is logged in, patched together with pixels and vibes, so I guess that’s enough for today. Here to float in the cloudy internet skies with you. Don’t forget to hydrate and take your meds, my silly little satellites. 💞🤍
#kangel#angel#needy streamer overdose#needy streamer overload#satsuriku no tenshi#tenshi kaiwai#animecore#cyber blue#nso#angelcore#oc#mental health#jiraikei#jiraiblr
6 notes
·
View notes
Text
This is a sequel to this post I made in January. Thought I'd share the alleged "subliminal effect" commercial for Persona 3. I've left a link to the original file on Archive.org, as well as a transcription of what is said on there.
https://web.archive.org/web/20070613041851/http://p3.atlus.co.jp/diary/show/8
6月14日
ある広告担当の日記 記述者 匿名希望
テストROMをプレイして正直びっくりした。 ウチの人間にここまでやれるとは思っていなかった。 これだけの作品だ。絶対に売りたい。広告戦略も大胆にやろう。そう心に決めた。 既にWEBサーバーは何度もパンクしかかってるが、僕の仕事はより多くのアクセスをもたらすことだ。むしろパンクさせてやろうじゃないか(そんなことを言うと現場の人間や上長に殴られそうだが・・・)より多くの人にこの作品のことを知ってもらいたい気持ちの方が強い。 そう思って作ったTVCM・・・。 まさか、あんなことになるとは思わなかった。 TVCMは放送する前に、TV局の審査にかけなくてはならない。 そこでまさかの審判が下った。 「サブリミナルCM」だと言うのだ・・・。 そんなはずない・・・! 僕は何度も何度も作ったフィルムを見直した。 というか放送期限までギリギリの状況で、一体どこを修正すれば・・・。 と憤慨してみたが・・・ 目まぐるしく移り変わる画面を眺めていると 耳鳴りがしてきた。 確かに、これは、サブリミナル・・・なのかもしれない。このタイトスケジュールの中、修正作業をしなければならない…そんなことを考えるとクラクラしてきた。 気分転換のために窓から顔を出すと、空が緑色に染まって見えた。 あれ…?東京の大気汚染はここまで進んでいたのか? 気づいたら他のスタッフの姿が見えない。 耳鳴りが酷い。 空は相変わらずの緑色だ。 昨夜から降り続く雨が作った水溜りが真っ赤に染まって見えた。
#persona 3#websites back then were really crazy#and the fact that this alleged “subliminal commercial” exists is also crazy#i fucking love diving into the depths of persona 3 content on the internet
17 notes
·
View notes
Text
2024.10.13
映画『HAPPYEND』を見る。父の時代の学生運動のような雰囲気と、街の風景のクールな切り取り、存在感があり重厚な音楽の使い方から愛しいものとしてのテクノの使い方まで大変気に入り、今度会う人に渡そうと映画のパンフレットを2冊買う。その人と行った歌舞伎町時代のLIQUIDROOM、どんどん登らされた階段。小中学生の時に自分がした差別、あの分かっていなさ、別れた友人、まだ近くにいる人たち。
2024.10.14
銀座エルメスで内藤礼『生まれておいで 生きておいで』、ガラスの建築に細いテグスや色のついた毛糸が映える。日が落ちて小さなビーズが空間に溶けていくような時間に見るのも素敵だと思う。檜の「座」で鏡の前にいる小さな人を眺める。「世界に秘密を送り返す」を見つけるのは楽しい。黒目と同じだけの鏡、私の秘密と世界の秘密。今年の展示は上野・銀座ともに少し賑やかな雰囲気、外にいる小さい人たちや色とりどりの光の色を網膜に写してきたような展示。でも相変わらず目が慣れるまで何も見えてこない。銀座にはBillie Eilishもあったので嬉しくなる。
GINZA SIXのヤノベケンジ・スペースキャットと、ポーラアネックスでマティスを見てから歩行者天国で夜になっていく空を眺めた。小さい頃は銀座の初売りに家族で来ていたので、郷愁がある。地元に帰るよりも少しあたたかい気持ち、昔の銀座は磯部焼きのお餅を売っていたりしました。東京の楽しいところ。
2024.10.18
荷造り、指のネイル塗り。足は昨日塗り済み。年始の青森旅行時、2泊3日の持ち物リストを作成し、機内持ち込み可サイズのキャリーに入れ参照可能にしたところ、旅行のめんどくさい気持ちが軽減された。コンタクトや基礎化粧品・メイク用品のリスト、常備���、安心できる着替えの量。持ち物が少ない人間にはなれそうにない。日常から多い。部屋に「読んでいない本」が多いと落ち着くような人間は持ち物少ない人になれない。
2024.10.19
早起きして羽田空港。8:30くらいに着いたらまだ眺めのいいカフェが開いておらず、とりあえず飛行機が見える屋上に行く。このあと雨が降るはずの曇り空からいきなり太陽が照り出して暑くなり、自販機でマカダミアのセブンティーンアイスを買い、食べる。突然の早朝外アイス。飛行機が整列し、飛び立つところをぼんやりと眺める。飛行機は綺麗。昨夜寝る前にKindleで『マイ・シスター、シリアルキラー』を買って「空港ではミステリー小説だろう」と浮かれて眠ったのに、100分de名著のサルトルを読み進める。実存主義を何も分かっていないことをこっそりとカバーしたい。すみませんでした。
10:15飛行機離陸。サンドイッチをぱくぱく食べたあとKindleを手に持ったまま眠ってしまい、11:55宇部空港着。
宇部空港、国内線のロビーは小さく、友人にすぐ会う。トンネルを抜ける時、窓が曇り、薄緑色の空間に虹色の天井のライトと車のライトがたくさん向かって来て流れる。動画を撮影しながら「綺麗くない?」と言うと「綺麗だけど本当は危ない」と言われる。かけるべきワイパーをしないで待っていてくれたんだと思う。
友人のソウルフードであるうどんの「どんどん」で天ぷら肉うどん、わかめのおにぎりを食べる。うどんは柔らかく、つゆが甘い。ネギが盛り放題。東京でパッと食べるうどんははなまる系になるので四国的であり、うどんのコシにもつゆにも違いがある。美味しい。
私は山口市のYCAMのことしか調べずに行ったので連れて行ってもらう。三宅唱監督の『ワイルドツアー』で見た場所だ。『ワイルドツアー』のポスターで見た正面玄関を見に芝生を横切ったが、芝生は雨でぐずぐずだった。でも全部楽しい。
広くて静かで素敵な図書館があり、心の底から羨ましい。小さな映画館もあり、途中入場できるか聞いたおじいちゃんが、「途中からだからタダにならない?」と言っていたがタダにはなっていなかった。一応言ってみた感が可愛らしい範囲。
YCAM内にあるのかと思っていたら違う倉庫にスペースのあった大友良英さんらの「without records」を見に行く。レコードの外された古いポータブルレコードプレーヤーのスピーカーから何がしかのノイズ音が鳴る。可愛い音のもの、大きく響く音のもの。木製や黄ばんだプラスチックの、もう存在しない電機メーカーの、それぞれのプレーヤーの回転を眺めて耳を澄ませてしばらくいると、たくさんのプレーヤーが大きな音で共鳴を始める。ず���と大きい音だと聞いていられないけれど、じっと待ってから大きな音が始まると嬉しくなる。プログラムの偶然でも、「盛り上がりだ」と思う。
山口県の道路はとても綺麗で(政治力)、道路の横は森がずっと続く。もとは農地だっただろう場所にも緑がどんどん増えている。私が映画で見るロードムービーはアメリカのものが多く、あちらで人の手が入っていない土地は平らな荒野で、日本の(少なくとも山口県の)土は放っておくとすぐに「森」になるのだ、ということを初めて実感する。本当の森の中にひらけた視界は無く、車でどんどん行けるような場所には絶対にならない。私がよく散歩をする所ですら、有料のグラウンドやイベント用の芝生でない場所には細い道を覆い隠す雑草がモコモコと飛び出して道がなくなってゆく。そして唐突に刈られて草の匂いだけを残す。私が「刈られたな」と思っているところも、誰かが何らかのスケジュールで刈ってくれているのだ。
山口県の日本海側の街では中原昌也と金子みすゞがそこかしこにドンとある。
災害から直っていないために路線が短くなっているローカルの汽車(電車じゃない、電車じゃないのか!)に乗って夜ご飯へ。終電が18:04。霧雨、暴風。一瞬傘をさすも無意味。
焼き鳥に挟まっているネギはタマネギで、つきだしは「けんちょう」という煮物だった。美味しい。砂肝、普段全然好きじゃないのに美味しかった。少し街の端っこへ行くとたまに道に鹿がいるらしく、夜見ると突然道路に木が生えているのかと思ったら鹿の角、ということになり怖いらしい。『悪は存在しない』のことを思う。
2024.10.20
雨は止んでいてよかった。海と山。暴風。人が入れるように少しだけ整えられた森に入り、キノコを眺める。
元乃隅神社、123基の鳥居をくぐり階段を降りて海の近くへ。暴風でiPhoneを構えてもぶれて、波は岩場を越え海の水を浴びる。鳥居の上にある賽銭箱に小銭を投げたけれど届くわけもない。車に戻ると唇がしょっぱかった。
山と海を眺めてとても素敵なギャラリー&カフェに。古い建物の改装で残された立派な梁、屋根の上部から太陽光が取り込まれるようになっていて素晴らしい建築。葉っぱに乗せられたおにぎりと金木犀のゼリーを食べる。美味しい。
更に山と海を眺めて角島へ。長い長い橋を通って島。古い灯台、暴風の神社。曇天の荒れた海も美しいと思う、恐ろしい風や崖を体感としてしっかりと知らない。構えたカメラも風でぶれるし、油断すると足元もふらつく風、窓につく塩の結晶。
山と海を眺めて香月泰男美術館へ。友人が見て良い展示だったからもう一度来て見せてくれたのだ。
全然知らなかったけれど、本当に素晴らしい絵だった。油彩なのだけど、質感が岩絵具のようで、フレームの内側に茶色のあやふやな四角が残っているのがとても良い。
フレーミングする、バチッと切り取ってしまう乱暴さから離れて、両手の人差し指と親指で四角を作って取り出したようなまなざしになる。
山口県の日本海側の山と畑と空の景色、荒い波、夜の静けさや月と雲、霧の色を見てから美術館へ連れて来てもらえたから色と色の境目の奥行きを知る。柿はずっしりと重く、花は鮮やかだ。香月泰男やシベリア抑留から帰ってきた画家で、この前読んだ『夜と霧』の暗さと冷たさを思い返した。絵の具箱を枕にして日本へ帰る画家が抱えていた希望、そのあとの色彩。
夕飯は友人の知り合いのハンバーガー屋さんへ。衝撃のうまさ。高校生の時に初めて食べたバーガーキングの玉ねぎの旨さ以来の衝撃、20年ぶりだ。そんなことがあるのか。
2024.10.21
晴天。海は穏やかで、深い青、テート美術館展で見たあの大きな横長の絵みたい。初めて見た海の光。
海と山を眺めて秋吉台へ。洞窟は時間がかかるので丘を散策、最高。
風光明媚な場所にしっかりとした情熱が無かったけれど、「好きな場所だから」と連れていってもらえる美しい場所は、友人が何度も見るたびに「好きだなぁ」と思っただろう何かが分かり、それは私が毎日毎日夕陽を眺めて「まだ飽きない」と思っている気持ちととても近く、感激する。
今までの観光旅行で一番素敵だった。
道々で「このあと窓を見て」と教えてもらい、味わう。
ススキが風に揺れて、黄色い花がずっとある。山が光で色を変え、岩に質感がある。
山口市、常栄寺、坂本龍一さんのインスタレーション。お寺の庭園が見られる場所の天井にスピーカーが吊るされ、シンセサイザーの音を演奏しているのは色々な都市の木の生体信号だ。鳥の声や風の音と展示の音は区別されない。砂利を踏む音、遠くから聞こえる今日の予定。豊かなグラデーションの苔に赤い葉っぱが落ちる。
宇部空港はエヴァの激推しだった。庵野さん、私も劇場で見届けましたよ。
行きの飛行機は揺れたけれど、帰りは穏やかに到着、家までの交通路がギリギリだったため爆走、滑り込む。
東京の車��1時間と山口の1時間は違う。
何人かの山口出身の友人が通った空と道と海と山の色を知ることができてとても嬉しい。
「好きな場所」「好きな風景」ってどういうものなんだろう。
私が通う場所、好きな建築、好きな季節と夕陽。あの人が大切にしている場所に吹く風、日が落ちる時刻が少し違う、友人のいる場所。
7 notes
·
View notes
Text
5/27
ねむりのときのちいさな国のこと。
わたしの国はよく雨がふっている。
- 昨夜は眠れなかった。午前中に予約していた病院は調子が悪くていけなかった。毎日の薬がなくなるのでたいへんだから、急遽、夜の診察を予約して、今、電車に揺られている。
頭が回らなくなり、身支度の段取りがわからなくなった。なにもわからないまま、とりあえず診察券やお薬手帳などをかばんにつめて、なんとか家を出た。顔色の悪さに家族が心配して駅まで送るって言ってくれたが、鬱が酷くて混乱してしまい、ひとりで歩いてきた。
-
寝込むような日がしばらく続く。具合が悪い。昼夜逆転をするようになった。夜、鬱で頭が回らなくなって布団に入るまでの段取りが分からなくなる。心の奥にしまって鍵をかけておいたはずの記憶があふれて、からだが動かなくなる。気がついたら朝になっていた。
-
診察室で話をしていたら、だんだん涙があふれて声が出ない。くるしい。主治医の先生にさすってもらったりした。人前で泣くというのがこわい。人にからだを触られるのがすこしこわかった。そのあたりから記憶が曖昧である。薬が増えた。月に1回の通院頻度だったが、今度は1週間後に通院することになった。仕事について話をしたが、まずは休養をしてくださいとのこと。
-
帰り道、雨が降っていた。すこしほっとする。ひかりがぼんやりとしてみえる。電車の中はあらゆるものがまぶしくて苦手。眼鏡をはずして、レンズに反射するひかりをじっとみつめていた。眼鏡を外したときのぼやけた視界に安心する。小川洋子さんのエッセイを少しだけ読む。
5 notes
·
View notes
Text

2025/05/24
朝、帰宅する頃に降り出した雨は、
起きてもなお降り続け、夜も朝も
ラッキー🐕散歩で、びしょびしょに…
昨日と打って変わって、落ち着いた1日でしたが
何故か急に体調不良。
黄砂アレルギーなの?花粉症なの?
目は痒いし、鼻水止まらない
こんなん初めてだけど、
仮に花粉症だとしても、認めてしまったら終わり
そう。ワイは絶対に花粉症にはならない!
と決めている。
がっ!この身体の反応はどうしたら良いのだ??
明日も都内から友人が訪ねてくる。
耳の調子も連動してるから
なんか音が変に聞こえるんだよね
明日までに復活したいが。
とりあえず、鼻うがいして寝るしか無いな
お刺身野菜〜
3 notes
·
View notes
Text
白夜の世話が世界一過酷を極めまして精神が参りそうです その2
第五章 雨の日の試練 その日は朝から激しい雨が降っていた。 「今日は外出できそうにないな」碧皐が窓の外を見ながら呟いた。 砂紋もカーテンを少し開けて空を見上げる。「こんな日は家でゆっくりするに限る」 しかし、白夜の様子がいつもと違っていた。ソファに座ったまま、膝を抱えて小さく丸くなっている。 「白夜?どうした?」砂紋が心配そうに声をかけた。 「あ、えっと…」白夜が顔を上げる。その表情には不安の色が濃く浮かんでいた。「雨の音が…すごく大きくて……」 碧皐と砂紋が気づく。確かに外では雷鳴も響いている。 「雷が苦手なのか?」碧皐が優しく尋ねた。 白夜が小さく頷く。「子供の頃から…一人でいる時に雷が鳴ると、とても怖くて……」 砂紋が困ったような顔をする。「こういう時、どうすればいいんだ?」 「本で読んだことがある」碧皐が思い出すように言った。「音楽をかけて雷の音を紛らわせるとか…」 「なにそれ? すごい……」白夜が目を輝かせて小さく微笑む。 砂紋がスマートフォンで音楽を探す。「何がいい?クラシック?」 「何でも…いいよ。…二人が選んでくれたものなら」 結局、碧皐が選んだジャズが部屋に流れた。少し雷の音が和らいだように感じられる。 「少しマシになったか?」砂紋が白夜の隣に座る。 「うん…でも、まだちょっと……」白夜が正直に答える。 碧皐も反対側に座り、白夜を挟むような形になった。「なら、話でもしよう。気が紛れるかもしれない」
第六章 過去の話 「そういえば、俺たちのこと、あまり話したことがなかったな」砂紋が言った。 白夜が興味深そうに二人を見る。「お二人とも、前の仕事をやめたのは、どうして?」 碧皐が少し考えてから答えた。「裁判官の仕事は…正義を追求するやりがいはあったが、時々、自分の判断が本当に正しいのか分からなくなることがあった」 「へぇ…」 「特に、人の人生を左右する判決を下す時。もっと人に寄り添える仕事がしたいと思うようになった」 砂紋も続ける。「俺も似たようなものだ。警察官として犯罪者を追うのも大切だが、怪我をした人や病気の人を助ける方が、直接的に人の役に立てる気がした」 「だから看護師に?」 「ああ。でも、こういう個人的な世話は別物だな」砂紋が苦笑いを浮かべる。「病院では手順が決まっているが、君の場合は…」 「マニュアル通りにはいかない」碧皐が補足した。 白夜が苦笑う。「…僕、そんなに難しいの?」 「難しいというより…」砂紋が言葉を探す。 「特別だ」碧皐がはっきりと言った。「君は俺たちにとって特別な存在だから、どう接すればいいか分からなくなる」 白夜が驚いたように目を見開く。「特別…なの?」 「ああ」砂紋も頷く。「君がいると、俺たちも変われる気がする」 その時、大きな雷鳴が響いた。白夜が反射的に身を縮める。 「大丈夫だ」碧皐が白夜の肩に手を置く。 「俺たちがいるから」砂紋も反対側から支える。 白夜が安心したように息を吐く。「ありがとう…二人がいてくれて、本当に良かった」
第七章 新しい発見 雨が小降りになった頃、三人はキッチンでお菓子作りに挑戦していた。 「クッキーなら失敗しないだろう」碧皐が材料を並べながら言った。 「本当か?」砂紋が疑わしそうに尋ねる。 「簡単なレシピを選んだ」 白夜がレシピ本を読み上げる。「バター100グラム、砂糖80グラム、卵1個、小麦粉200グラム…」 「分量は分かった。問題は作る過程だ」砂紋が材料を見つめる。 「まずはバターを柔らかくして…」白夜が手順を確認する。 「それは俺がやる」碧皐がバターを取る。 「じゃあ俺は粉を測る」砂紋も作業に入る。 「僕は…」 「君は指揮を頼む」碧皐が言った。「君が一番冷静に全体を見られる」 白夜の顔が明るくなる。「はい! 頑張ります!」 三人で作業を進めるうち、いつの間にか外の雨音は気にならなくなっていた。 「砂紋さん、粉が少し多いかも…」 「本当だ。ありがとう」 「碧皐さん、バターがまだ硬いみたい…」 「もう少し温めてみよう」 白夜の的確な指示で、作業は順調に進んだ。 「君、実は世話上手なんじゃないか?」砂紋が気づく。 「え?」白夜が驚く。 「俺たちのことを見て、適切にアドバイスしている」碧皐も同意した。 「そうですか? でも僕、甘えてばかりで…」 「甘えることと、周りを見ることは別だ」砂紋が言った。「君は俺たちのことをよく見てくれている」 白夜が嬉しそうに微笑む。「じゃあ、僕も少しは役に立ってるのかな?」 「十分すぎるほどだ」碧皐が断言した。
第八章 完璧じゃない完璧 焼き上がったクッキーは、形こそ不揃いだったが、とても良い香りがしていた。 「味はどうだ?」砂紋が恐る恐る一口食べる。 「美味しい!」白夜が目を輝かせる。 「本当に?」碧皐も味見をする。「確かに、なかなかいけるな」 三人で紅茶を入れ、手作りクッキーを囲んでテーブルに座った。外はまだ雨が降っているが、もう雷の音はしない。 「今日は楽しかった!」白夜が満足そうに言った。「雨の日も悪くないね」 「君がいたからだ」砂紋が素直に答える。 「俺たちだけだったら、一日中ダラダラしていただろう」碧皐も同意する。 白夜がクッキーを齧りながら言う。「僕も、一人だったらずっと怖がってた。でも、二人がいてくれて…」 「これからも、嫌なことがあったら遠慮なく言ってくれ」砂紋が言った。 「俺たちは世話が下手だが、君のそばにいることはできる」碧皐が続ける。 白夜が二人を見回す。「ありがとうございます。でも、二人の世話、そんなに下手じゃないと思います」 「そうか?」 「はい。完璧じゃないけど、とても温かいです」白夜が微笑む。「完璧じゃない完璧、みたいな」 砂紋と碧皐が顔を見合わせて笑う。 「なるほど、完璧じゃない完璧か」碧皐が言った。 「それなら俺たちにもできそうだ」砂紋が頷く。 雨音を聞きながら、三人はゆっくりとお茶の時間を楽しんだ。不器用でも、一緒にいることで生まれる温かさを、改めて実感していた。
第九章 小さな自立 翌朝、白夜は一人でキッチンに立っていた。 「おはよう」砂紋が起きてくると、白夜が振り返る。 「おはようございます! 朝ごはん、作ってみたんだ…どう?」 テーブルには、トーストとスクランブルエッグ、サラダが並んでいる。見た目も思った以上に上手にできていた。 「一人で?」碧皐も現れて驚く。 「はい。昨日のクッキー作りで、少し自信がついて」白夜が照れながら答える。 二人が味見をする。 「美味しいじゃないか」砂紋が感心した。 「俺たちより上手かもしれない」碧皐も認める。 「え!? そんなことないよ! 二人に教えてもらったからできたんだ」 朝食を食べながら、砂紋が言った。「君も成長してるな」 「少しずつだけど…一人でいる時間も、前よりかは、平気になったかも……」白夜が答える。 「無理はするな」碧皐が心配そうに言う。 「はい。でも、二人がいつも心配してくれてるのが分かるから、頑張れる…よ…」 砂紋がコーヒーを飲みながら提案した。「今度の休みに、三人で買い物に行こう。料理の材料を一緒に選べば、もっと美味しく作れるかもしれない」 白夜の目が輝く。「本当?」 「ああ。俺たちも、まだまだ学ぶことがある」碧皐が頷く。 「じゃあ、今度は僕がお二人の世話をする番だね」白夜がいたずらっぽく笑う。 「それは頼もしい」砂紋が笑い返す。 三人の朝は、新しい可能性に満ちていた。
4 notes
·
View notes
Text
2024/11/27〜

11月27日 今日はちゃんと死にたくなった。

11月28日 赤や黄色の葉っぱがたくさん舞っていた。 もう12月になるのにずっと秋みたいだな、と思った。 朝は細い三日月がお部屋の窓から見えて、久しぶりにとっさにカメラを持って写真を撮ることができた。
部屋についてから生活の全てをしようとしてしまう事、3時間近く掃除や片付けをしてしまう事、やめようやめようやめよう、と思えば思う程やめられなくなる。と、思えば思う程やっぱりやめられなくて、昨日もへとへとになっていつの間にか寝てしまって、食べ損ねたコンビニで買ったカヌレを夜中に起きて訳もわからず食べてしまった。
推薦入試の受験生達とその親御さん達が、朝早くから試験会場の周りでスタンバイしていた。受験生だった人生もあったのに、もう私はこの数ヶ月の方がずっと人生すぎて、その感覚をすっかり思い出せなくなっている。

11月29日 金曜日の魔法で社会がご機嫌だったようの見えて、相変わらず直属の上司とはうまくコミュニケーションが取れないけれど、なんとなく会話はできたし、一年目の方から水戸芸術館のタワーの模型を作れる型紙をもらった。 こんなことしたらむしろ馬鹿にしてるみたいかな?と不安になりながら、お礼にたけのこの里をデスクに置いて帰ってきた。
このタワーを、昔々、好きなひとと見上げたことがあったのを思い出した。雨が降る日で、雲がかかっててっぺんまで見えなかった。

上席の方から「体調はどう?本当に見違えちゃって」とまた(たぶん)髪が短くなった容姿褒めていただき「うちの部署には今まであまりいないタイプですよね」と、女性の職員でも作業着を着てバリバリやって行くぞ!タイプの方はいるけれど、そうじゃない感じですね、的なこと言われる。 自分もやる時は作業着着込んで現場でますよ、とよくわからないアピールをしてしまった。 その方は、給湯コーナーのセンサータイプの自動水栓に手をかざしながら話しかけてくれたのだけれど、全くセンサーが反応せずについにずっと水が流れないままだったな、と思った。そうゆうセンサーに感知されない手ってあるよね。

何も解決はしていないのに、どこか穏やかな気持ちでいられたのは金曜日であることと、昨日一つ公募に写真とキャプションの応募をが完了させたからだと思う。 全く何も考えられない状況のまま、できることだけをなんとかやっただけ。でも、今日のところの私の救いにはなっている。

4 notes
·
View notes
Text
2025 4/9
日記を続けようチャレンジ。最近アラームの音が大きすぎると思っていたら実際にめちゃくちゃ大きく設定されていた。寝ぼけながら小さくしたら小さすぎて、余計に二時間寝た。洗濯して家を出る。昨日から聴いているTV Girlの新譜が良い。音楽でまだウキウキできる。仕事を辞めるというのに今日は非常に仕事が忙しい。わたしたちはこの歳にしては色んなことを悟りすぎているし、よくやっている。残業しすぎている後輩の仕事が終わるのを待って一緒に帰った。改札の前で話した。やられたことと同じくらいしかやらなくていい。そのやり方はいつか誰かにやられてしまう、と後輩に言った。押し付けがましいかもしれなかった。降り立ったホームには誰も人がいなかった(電車が到着するホームが臨時で変わっていた)。昨日から聴いているSalamandaが良い。ただ、こんなことはやってられないという気持ちが確かにある。
2025 4/10
話にならない様なつまらない感情ばかりで圧迫される仕事の日。やはり辞めると決めてよかった。こういう時はつまらないことしか考えられなさそうなので何を考えても意味なし。早く帰りたい。今日午後からずっと雨が降っていたのか、湿度が高くて頭が痛かった。埋火、美しすぎる。昨日から広末涼子のことばかり考えている。
昨日の夜、酔っ払って丁度一年前の自分の日記を読んでいた。どうしようもなかった気持ちたちのこと、その感触をまだ同じ様に思い出せる。一年前から色んなことが進歩した。本当に良かったと思う。
2025 4/11
朝からカナダのトロントという都市で一人で暮らしている友人と久しぶりに電話をする。彼女は強い、とても真似できない、と思う。電話をしてたら料理が捗って、朝ごはんも昼ごはんも食べた。やることがなくて『ボーはおそれている』を何となく途中まで見たら普通に嫌な気分になった。夕方はいつも不安になるから苦手だ。昔からそうかも。窓を開けてレゲエを流していたら空から轟音が鳴った。雨が降る。
久しぶりに下北沢に行った。最近やけに新宿の地下通路を把握し始めていて、西武線〜小田急線を一度も地上に出ることなくたどり着くことができる。友人は二週間に一度様子が変わり続ける新宿西口に最近怒っている。SPREADでタロを見た。図らずも一番前で、無意識にやってしまうぶしつけな観客としての眼差しを対等に返され、ハッとする。わたしはここにいた。見るということは見られるということでもある。あまりmmm名義の曲も知らないのだけど、ほどけすぎて眠くなった。良かった。居酒屋に行って、西武線の改札前まで送ってもらった。友人といると、何かから引き上げられる。
2025 4/12
仕事に行ったはいいものの、全くモチベーションがないので色々なことに苛立ちを感じて動悸がする。もうこんなのは互いのため(わたしと���社)に良くないのではとか思いながら給湯室でたばこを吸う。逃げる様に三時間だけ仕事をして帰る。夕方に会社を後にする清々しさって半端じゃない。東中野で友人と待ち合わせしていた喫茶店に入ったら、隣の卓に別の友人が座っていた。変なことがよく起こる。ごはんを食べ、映画を見終わった人や森美術館帰りの人たちが集まってくる。何を話したかはよく分からない。ただみんなの顔を見れて嬉しかった。友人と歩いて互いの家の中間地点まで帰る。お互いに話すはずではなかったことを話したと思う。もう寝てしまおうかと思ったけど、お風呂を沸かして寝た。朝6時に訪問者がやって来る。
2025 4/13
雨が降っている。パスタを作って食べて、アイスを食べながらあたしンちを見る。新井薬師前まで歩き、良い居酒屋を知った。今日の雨は霧雨みたいな感じ。服が濡れた。「わたし雨が嫌い」という歌詞の曲を教えてもらう。一緒にYUKIの恋人よ(version)を歌っている目の前の人のこと、未だに全くもって何を考えているのか分からない、けどわりと長く一緒にいる。この絶妙な気持ちや不安感は全部、ここが熊本(くらい今の東京での暮らしから脈絡のない場所)だったら自動的に、力技で解決するのにと思いながら銭湯の浴槽に浸かる。最近、一日の終わりにはよく九州に帰ることを考えてしまう。
2 notes
·
View notes
Text
山小屋に泊まろう!ツアー feat, IBG

おばんでがんす。毎年恒例、Iwate backcountry guides のコウセイ君とのコラボツアーで岩手に来ております。
今回は昨年、ドイツの皆さんをご案内した避難小屋ツアーが楽しかった為、日本人のお客さんにも味わってもらいたいと小屋泊ツアーを企画しました。

いらっしゃいませ〜。
東北開催の上に泊まりというハードな条件の中、お越しいただいた皆様。おしょっさまです!楽しんじゃいましょうぜ!!

気になるコンディションはといいますと、先週、この地域でも今シーズン初の雨が降ってしまい、カチカチ山になっていましたがツアー前日に恵みの雪が降ってくれました!
しかしそれほど大量ではなく15cmほどで、風を伴うものですが、でも無いよりは全然マシです!

なんつって歩いてると日差しが!
わお!あんま天気は期待してなかったからこいつは嬉しい!

北海道旅行から東北に当て込んできた塾長!そのユニークな行動食は地方に行くと地場物を入れ込んできます。流石でゴンス。

つー訳でまずは足慣らし斜面行ってみましょう!

斜度も緩めなので底付きしない、いいほうていです!!

ヒャッホーーーイ!!
毎年関西から軽バンで駆けつけてくれる彼も上機嫌!!

そこから横移動して本日のお宿へ到着。ただいま!!

とりあえず泊まり道具をおろして休憩。
塾長から煮干し納豆なるものをいただきました。流石塾長、地方のスーパーまでちゃんとチェキってます。美味いっす。

おーし荷物も軽くなったしその辺滑りいきましょう!!

上登ってもカチカチだけど、とりあえずピークは踏んでおきました!
さて滑ってみましょうか!
お、南部富士も顔出してくれましたよ。

メロウな大斜面、貸切です。
登っては滑り
登っては滑りで
楽しかったー!!
ただいまー!!

小屋に入ったらまずは着火。コウセイ君が夏の間に薪を運んでいてくれました。感謝です!

高橋シェフは早速晩飯の用意に。俺達は荷物を片付けて、寝床を用意したら…、あ、もう飲むしかやることねえや。
やべえ、酔っ払って全然写真撮るの忘れてた。まあ、美味かったし楽しかったし最高でしたよ!

あったかい薪ストーブで快適な夜を過ごし、翌朝、高橋さんの餅入り卵スープでお目覚め。

本日は南岸低気圧がお越しのようで生憎の天気予報です。

視界も期待できないので本来行きたかった大斜面は諦め無難に林の尾根で帰ることに。

しかし、普通に帰っても面白くないんで、ちとアドベンチャーなコウセイ君も行ったことないラインで帰ることに。
えんでかしの悪い癖発動です。
この地域によくある狭い沢に突入!

今日のコンディションにはバッチリでした。

いつものやつをやりつつ
我々はさらに深みへ

結局、スムースに滑れたところはあまりなく、ちょい登ってはトラバース、ちょい登ってはトラバースのいつもの冒険ボーディングに。
こういうのが楽しいって言ってくれるお客さんでよかった〜。

湯煙が立ち込める出口に到着!!

無事に帰ってまいりましたー!!
いや〜雪も良かったし、飯も酒もうまかったし、最高でしたね!!!
またやりたいなー!でも、泊まりはハードル高いからやめてくれなんて意見もあるそうで、また二人でなんかうまいこと考えまーす!!
今回もお疲れ山でした!&おしょさまでしたー!
2 notes
·
View notes
Text

241021
朝、寒くなればなるほど、布団が愛しい。
気持ちが低空飛行。無気力。 寒いからということにする。 最高気温13℃、最低気温は-1℃。
-
241022
曜日感覚がずれている。 今日は火曜日、と言い聞かせる。 アルバイト。アルバイトに行くと気持ちが疲れる。
帰宅して試作。 ほんとうはもう本番をつくり始めていないといけないのにまだ試作している。 なかなか決められない詩のタイトルがひとつあって、ずっと悩んでいた。
-
241023
朝、たっぷり雨が降っている。 ずっと本をつくっていた。
-
241024
朝、あたらしくしたカーテンから陽の光が透けている。 カーテンはまだ部屋に馴染んでいない。 部屋を片付けた方がいいかもしれない。
-
241025
絵と本を発送して、選挙の期日前投票をして、車の運転の練習をした。 こわくて早く帰りたかった。
-
241025
カーテン。 新しいレースカーテンをリビングの窓にかけてみたらよい雰囲気になって、嬉しい。 わたしの部屋には合わなかった。 絵を描くことも、詩をかくことも何にもならない。 それでも絵を描いていると癒されて、これはやめられない、と思う。
そういえば今日、アルバイトで一緒の人に、友人と世界がずれてきてしまったと話をした。わたしより、たぶん、10歳くらい年上の素敵な人。 そのときそのときで、同じような状況にいる人といることになるんだよ、と言っていた。 主婦になったら主婦と。 大人になってしまった。 日記を書きながら、でも、今は違うところ立っていたとしても、その人をみて話ができるようでありたい、と思った。 いろんなまとうもの、関係なしに。
日記を書く前、ふて寝してしまっていて、そんな自分が嫌になって、落ち込んだ気持ちで今日を終わりにしてしまいそうだったけれど、食器を洗ったし、布巾も煮沸した。 気持ちよくねむれそう、と思って、ねた。
-
241026
朝、身体がかたい。 全身に力を入れたまま、ねてしまう。 疲れがとれなくて、目の下にクマ。
アルバイト。 わたしがわたしじゃないみたい。 でも、動いている。話をして、笑顔にもなる。けれど、空っぽだ。 アルバイト終わり、パンをもらう。 アルバイト先の人の娘さんのバイト先の豚丼豚かつの店の店長が趣味で作っているパン。 それにアルバイトの余りものをのせて作ってくれた。せっかくだから、とコーヒーも淹れてくれた。 やさしい世界で生きている。 それなのに、毎日ハッピーとはならないのはなぜだろう。 駅前のベンチとコパンとコーヒー。 木漏れ日も落ち葉もきれいと思えたから、大丈夫。
映画をみた。 映画をみると、ここじゃないところにいる。 北海道に来る前の生活をしているみたいな錯覚。泣きそうになる。 映画館から家まで1時間、歩いて帰った。 自分の場所を確かめたかった。
夜、身体が熱っぽい。 そういえば今日はある程度の気温があるのに、寒がっていた。 芯が冷えている。
-
241027
朝、肩が重い。 お腹がすいた。 昨日の晩ごはんは春雨スープ。ご飯を考えることが面倒で、残り物のわかめスープに春雨とハムを加えただけでよしとしたのだった。 彼が出張に行っている。 ひとりだと、ダイエットをしているわけではないのに、ダイエットメニューのようになってしまう。 このままではほんとうに体調を崩してしまう。
-
241028
いろんな人に連絡したり、本をつくったりしていた。 次につくろうとしている本のタイトルがさくっと決まって、嬉しい。
今日は母の誕生日。 53歳になったらしい。 親も年をとることが不思議でならない。 わたしの中で母は36歳で止まったままだ。
-
241029
アルバイト。 のんびりとした日で、おしゃべりをしていた。 いつもこうだったらいい。 フォンダンショコラを買って帰る。
とにかく気持ちが悪く、うまいこといかなかった。
8 notes
·
View notes
Text
またしても「4枚の壁」

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
どうも、こんにちは。3月12日(水)は、西池に行ってきました。貴重な平日休みですが、平日だから通勤の時間帯は道が混んでたりするので近場の西池へ���行きしなは、暖かくなるというのでフィッシングセンター竹之内でも良かったかな?とチラッと思いましたが、日中は小雨がパラついたりしたので西池で正解でしたね。着いたら、屋内釣り場は混んでて、平日やのにとビックリしましたが、屋外釣り場はガラガラでした。ボート横を考えていましたが、某釣りクラブの方が前を歩いていてボート横へ行ったので、対岸の55番席に座りました。

(拾い画像)
ちなみに55番から60番までの席は「凹み」というらしいです。確かに凹んでますね。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
ここ(55番)が今日の戦場ですw。ボートの横に座りたかった。尚、池主さんに依れば、最近は屋内釣り場も人気で、柱の横(82番、83番等)は常連さん同士で取り合いになっているとか。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
さて、「凹み」の席は10尺までで、東西に張った波除パイプが斜めになっているので、55番は9尺の「振り切り」でいっぱい。59番が10尺でいっぱいです。なので、55番席の今日の竹竿は「げてさく」「白節巻」の9尺です。オリジナルの穂先は、寺口つり池の屋根付桟橋で掻いて外れた反動で屋根に当たって砕けたので、紀州竹竿の職人さんに穂先を再作成してもらいました。16,500円(税込)。色が違うなあと思いますが、使っているうちに同じ色になるそうです。へえ〜。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
浮子は「夢(伊吹)」のウドン浮子の9番(ボディ9cm)。最近、パイプトップを使ってないなあ。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
今日の朝食。ルーティンなので…

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
打ち方始め〜!6時に起きてんけどなあ。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
今日は、1投目から浮子が動いてワクワクする展開で始まった。なのに、アワセる喰い魚信が全然ない。周りは釣れてなさげな人もいるが、1〜2枚ぐらいは釣れてる感じ。いつも通り11時になったらご飯に行こう。午前中ボウズかあ…とドキドキし始めた頃、サワリから「ツンツン」って感じで浮子が入った。
「ピシッ」
(乗った〜)

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
関東マブナwでボウズ脱出〜!
へへ、センターばっちりでっせ。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
午前中ボウズかも…のハラハラドキドキの展開から、ボウズを逃れた開放感で食堂へ。へら釣りは楽しいな〜。いつも釣れて当たり前の上手い人は案外楽しくないかもしれませんね(自虐)。今日の玉子丼セットは天ぷら付きでマイウー。ウドンは黄色麺のきつねうどんでした。麺がラーメンっぽい。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
お昼ごはんから帰ってきて30分経過?12時頃に2枚目が釣れて両目が開きました。「床休め」ってやつかな?このフナは関西ベラですね。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
さらに40分経過した13時前。浮子が消し込んで一旦は糸スレかと思って見送ったんだが、トップまで水没して横に動いているので合わせたら乗った!関東マブナが釣れると嬉しい。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
今日は気温が上がるとの予報で「春の陽気」かと思えば、南側で釣りをしているせいか陽が当たらず肌寒い。水温を見に行ったら8℃。昨夜から未明にかけて雨が降ったからかなあ。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
コーヒーサービスの時間になりました。屋外釣り場は1枚ぐらいしか釣れてない人が約2名いたので、コーヒーを持ってきた池主さんに「釣れた?」って聞かれた時、意気揚々と「3枚」って答えたんですが、なんか気の毒そうな顔をされましたw。今、この記事を書きながらスポーツ報知の釣果速報を見てますが、羽曳野市の方が27番(通り桟橋ヘチ)で42cmを筆頭に22枚釣ってたんですね。22枚と3枚って…僕、可哀想やん。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
14時前に4枚目。当たらんなあと浮子を見つめていると、前魚信なしでいきなり「ツン」ときました。関西ベラですね。

2025年3月 へら釣り西池(堺市) iPhone11
その後は釣れず、終了と相成りました。午後は調子良かったので、もう少し釣りたかったな〜。
ということで、3月12日はフナ4枚でした。
今日は、両ウドン床釣りの方が多くて嬉しかったです。竿頭の羽曳野市の方も両ウドン床釣りやし。屋内釣り場も含めて見た範囲ではダンゴはゼロ、グルテン1名でした。
では、また。
2 notes
·
View notes