#この日郡上踊りはやってなかった
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2024.07.15(月、海の日)
3連休の最終日。「うだつの上がる町並み」として歴史的家屋が残る美濃市へ行ってきた。
福井北ICから九頭竜ICまで開通している中部縦貫自動車道を利用し、158号線に入り岐阜県白鳥(sirotori)町へ。
国道沿いでは、令和8年供用予定の九頭竜ICから油坂出入口までの複数の工事現場が、祝日にも関わらず作業中であった。ここが供用されると岐阜の方の自動車道と繋がり、より一層便利になる。福井区間は無料で利用できるのもいい。
白鳥から国道156号線で山間の道を目的地の美濃市へ向かった。
天気は曇天で傘の心配はなかったが、蒸し暑さには参った。帰りに郡上市美並町にある「日本まん真ん中温泉 子宝の湯」で、汗を流し、郡上八幡で遅めの昼食をいただき、帰路に就いた。
写真
小坂酒造場(「百春」蔵元、Kosaka Shuzojo、HYAKUSYUN Sake Brewery、1772年創業、起(むく)り屋根(なだらかな凸状になっている)と卯建(うだつ、家同士の境目に分厚い土壁を入れて、その上に瓦の屋根飾りをつけ、防火壁としたもの)が美しい建築物で有名)
瀧神社(御祭神 水園象女之尊、瀬織津比咩尊、八百万神)
郡上八幡旧庁舎食堂の若鳥のモモ肉を使った「鶏ちゃん(けいちゃん)定食」
など
#美濃市#小坂酒造場#瀧神社#子宝の湯#郡上八幡#この日郡上踊りはやってなかった#お土産は美濃手すき和紙専門店「カミノシゴト」でかやうちわと和紙のメモ帳、郡上八幡でハンカチ、小坂酒造場で酒粕など#美濃市の「割烹 朝田屋」さんで「レモン香る爽風御膳」を食べたかったが、お店は予約じゃないと難しいみたいだった。#美並町の星宮神社横にあるという「かふぇ ほしの里」(土日限定営業)も行ってみたかった
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郡上おどりin青山

2025.6.21
今年も仕事帰りに踊りに行ってきました〜♪
今週から東京は完全に夏。梅雨はどこへ…の毎日です。それでも昨日は少し曇っていて風も多少あったので、踊るにはよい日でした。

終わって帰る時の提灯の方がやっぱりいいですね!
ここの郡上おどり、年々参加する人が増えている気が��ます。一度踊るとまた来たくなるんですよね! 楽しい時間でした!
※昨年の郡上おどりin青山はこちら

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【山日記 続き】
三河住み歴16年、山登る人になって10年。一度は観てみたいと思っていた、東栄町の「花祭」に、ようやく初めて行けた。ほんの部分でしたが、良い体験だったので、印象が醒めないうちに、長いけど記しておきます。
*
「花祭」は、奥三河の山間の村々に古くから伝わる冬の夜の祭。立冬から年明けにかけ、地区ごとに続々開催される(→*)。 昔はもっと広く三遠南信の各地(天竜川の支流域山間部)で行われていたらしいけど、数が減り、いまは愛知県の山間(おもに北設楽郡の東栄町)に十数カ所残るばかり。今回訪れたのは足込(あしこめ)という地区。かねがね機会をうかがってはいたのだけど、今日、ここしかないと決心し、先日S山から帰宅後、19時に寝てAM2時半に起き出し、真っ暗な夜道をTさんの車で向かった。(甲斐駒ヶ岳山頂アタック時のような行程だ 笑)
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麓の大千瀬川と、やがて天竜川にそそぐ、足込川という小さな谷川に沿った傾斜地。山に囲まれた静かな地区。旧小学校舎と集会所が会場だ。山の中腹にある神社から神様をお迎えする神事と、滝水を汲む神事を経て、夕方早くから翌朝にかけてが祭事となる。様々な舞の奉納が、夜通し切れ目なく続くらしい。
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今回は、未明から明け方の三時間ほどを見物できた。演目は、四つ舞、翁、一力花、湯ばやし、茂吉鬼、というもの。誰でも入って近くで(勿論しめなわの外から)見ることができる。まだ青い闇に浮かび上がる、小さな祭場と焚き火。かまどの煙と湯気にゆらめく、天井の色とりどりの飾りや、結界に貼られた白い切り紙、お面も舞手のいで立ちも美しく、見どころがとても多い。一見して、好きだな、と思った。見始めは午前4時半。前夜からいる観客も舞子も、もう疲れて眠そうな頃合い。よそ者でも疎外感なく、規模が大きくないのがまた良い。お見舞い金を出しに会所に入ったとたん笑った。保存会のはっぴを着た高齢のおじさんが四人、狭い受付の座敷内にぎゅうぎゅうに折り重なって爆睡している。(こんな時刻なので予想はしていたけど笑)。「お見舞いを…」と言うと、一番手前の方が赤い顔でむくりと起き上がり、どうにか受付をしてくれて、記念品に素敵なタオルをくれた。(なぜタオルなのかはその後よく分かった)こういう、ゆるさも同居する雰囲気がいい。
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踊りは、「テーホへー テーホヘッホー」という掛け声に、笛太鼓、ときおり歌ぐらも伴い、滝水を沸かしたかまどの周りで、絶え間なく披露される。舞手はきほん男性で、お面で翁や鬼に扮した、ゆっくりとした古風な舞踏もあれば、四人組(世代別)が輪になって、大振りで���ズミカルに舞踏するものもある(時代とともに昔の女人禁制は解かれ、今は、演目によって女性も舞手になるらしい)。派手な化粧をするでもなく、衣装も踊りも洗練されていて、非常にかっこいい。こんな閉ざされた奥山で、小規模でも何百年と続いてきたのは、自分もあれを踊ってみたいと、次世代に思わせる何かがあったからかもしれない。
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佳境は「湯ばやし」といって、十代の若者四人が舞う。両手に、"ゆたぶさ"という、稲束を持って。みんな細く小柄な少年だ。 セイト衆と呼ばれる大人の男たちが、つかず離れずの距離で立ち、ときおりお茶や菓子を口に含ませてやったり、せんすで扇いだり、リズムにのせて大声で囃し立てながら、ひき立て、盛り上げる。 舞は、端正かつ乗りの良い、意外に激しい動作の繰り返し。1時間以上ぐるぐると踊り続けねばならないから、運動神経と体力が要るのはもちろんだけど、決して肉体や力技を見せるようなのではなく、立ち居振る舞い、姿勢、表情の瞬間瞬間がよく見える踊り、という印象だ。 一人、所作と表情のひときわ佳い少年がいて、なんだか見ていて幸せな気持ちになった。ああ、そういうことか、と思う。きっと、若い娘さん達が見て、いい人を決める。昔は特に、そんな貴重な場でもあったのかもしれない。 担い手だろうから、来年また来れば彼はいるだろう。でもきっと成長して役回りも変わってしまうから、この姿を見ることは多分もうない。と思うと、なんだか切なくも尊くも見えてくる若い舞台だ。 ゆばやしの太鼓と舞は、夜明けとともに加速して、再び目を覚ました一堂大盛り上がりの中、舞手がかまどの熱湯にゆたぶさをひたし、観衆にぶちまけていく。みんなびしょ濡れ。でもこれを浴びれば一年無病息災に暮らせるそうだ。最後は、観衆の頭を適当にはたきながら奥へ走り去って行った。私もあの少年にバシャッとやられ、良い気分。 一堂騒然とし、みなタオルを手にやれやれとしている最中、ふと気づくと、泥々になったかまどの周りに藁が敷き詰められ、いつの間にか、鬼が一匹、槌のようなのを持って、ひっそり立っていた。外は明るくなり、朝の鬼(茂吉鬼)の、また新しい静かな舞いが始まる。休憩はなく、見事なまでに、飽きさせない流れだ。
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寒い冬の夜、山間の小さな場所に灯りがともり、繰り広げられる、愉快で華やかで、でも静��さと儚さもある、とてもいいお祭りだった。祭りを貫く "生まれ清まる " という思想もいい。収穫を終え、冬の眠りに入った大地に感謝するとともに、新しい年に向け、またそのエネルギーを呼び起こす。人は、心身を開放して発散し、洗われる。未勉強だけども、所感、そんな趣旨だろうか。 繋いでいくのは大変だろうけど、地元の方々は本当に楽しそうで、この魅力は自然と次世代を惹きつけるかもしれないと思えた。時代の変化に変容しながらも…。
*
演目や地区によっても差があるだろうけど、初見でとてもいい印象に触れることができ、私も幸運。浄められ、新たな気持ちで、師走を迎えられそうです。
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短編 "BED TIME STORY"

今日もまた、夕焼けのように移り変わる水温を浴びて1日を終える。
★
―――それは数百年前の話。地球に住めなくなった人類はその住処を空に求めた。発達した科学文明はいとも容易くそれを実現し、今、宇宙にはかつての大陸の名残りのように複数のコロニー郡が思い思いに浮かんでいる。完璧に、安全に整備されたインフラの下、人工知能によって労働不足は改善され、人々はより自らに費やすための時間を手に入れた。そうして今を生きる僕らは、きっと過去想定していなかった程に何不自由のないーーゆりかごのような生活を送っている。
★
ただ、そんな完璧に思える世界にも些細なイレギュラーは発生する。「あれ?」呟きが浴室に反響する。異変に気づいたのは髪を洗い流そうとした時だった。いつもなら自動で切り替わるはずのシャワーの温度が、冷たいまま変わらないのだ。何回か壁のパネルを操作してスイッチを切り替え、水を流し続ける。やがて、緩やかな時間をかけて水温は元のように上がっていた。たまたま調子が悪いだけならまだいいが……何かの故障だろうか。風呂上がり、部屋に戻って浴室装置の型番を調べてみると、どうやらこの家についている装置は旧式のようで、極稀にそういったエラー現象が起きるらしい。しばらく使い続ければ元に戻るとも書いてあるので、面倒を嫌う僕はとりあえずそのままに、この気まぐれなシャワーと少しだけ付き合うこととなった。そうして今日もいつも通り、ディスペンサーから取り出した洗髪剤を髪と泡立て、ノズルから勢いよく溢れ出す水を頭からかぶった。ゆっくりと温かくなっていく水温。目を閉じれば、その変化が肌の細胞一つ一つに伝わっていくのを感じる。そんな時、脳裏に浮かんだのは窓の外に見える都市の風景で。それはプラネタリウムのように、コロニーを覆うスクリーンに映し出される空を模したグラデーション、あの移ろいによく似ていると、そんな事を思った。
★一通りの身支度を済ませて、力の抜けきった体で布団にもぐり込む。時刻は22時。ぼんやりと室内を照らすベッド脇のランプを電球色に切り替えて、3回まばたきをした。目の前に現れたのは、図書室の一室だ。かつて人々の生活で親しまれていた「本」という文化は、この宇宙時代の中で廃れてしまった。今ではもう紙という媒体で何かを読むことは珍しく、コレクターでもない限りは現物を所持している人はほとんどいない。その代わり、これまで出版されてきた書物は、貴重な文化遺産として各コロニーが厳重管理を行い、閲覧を開放している。最近の僕の寝る前のルーティーンは、このサービスを利用して様々な物語を読むことで、ここしばらくは別のコロニー管轄の図書まで手を伸ばしていた。仮想空間の図書室を少し歩き回り、今晩は英国の書物を収蔵する本棚を選ぶ。何冊か背表紙をなぞって、本棚から一冊を取り出した。データベースを見るに、この本は19世紀初頭に作られたもので、代々国に伝わる民話を子供たち向けに大きな図版(ずはん)と文字で構成した一冊のようだ。架空の手触りながら、パラパラとページをめくる。いくつか進んだところ、突然、脳内で栞を指すサイン音が鳴った。あくまでそれは物理的なものではなくブックマーク操作の履歴ということになるけれどーー、本来であればそうした履歴はつけた本人はまだしも他人が見ることは出来ないはず。これも何かのエラーだろうか?音が鳴ったのは書物の中では六つ目の物語にあたる扉のページで、川沿いを飛ぶ、翡翠色の美しい羽を持つ鳥が描かれている。添えられた物語の題名は、"KINGFISHER GIRL"……カワセミの少女、だ。鉱石のように輝く、鳥の瞳と目が合う。僕は、いつかこの本を読んだ「誰か」の目線をなぞるように、物語の最初の部分に目を落とし始めた。
★
『これはカワセミ少女の物語
彼女は生命の川の辺(ほとり)に座る
その心は、七つの悲しい海を越えて飛び
その羽根は、歌に呼応し光を放つ
百万の甘やかな月に照らされたその歌は
神秘的な異国の調べを持ち
彼の人へと捧げられた
歌え この歌を世界中に届くように
銀色の涙を流して
この歌は『けして叶うことのない願いの歌』
これはカワセミ少女の物語
愛はダイヤモンドのように深く
その水に飛びこめば、心は泳ぐ魚を捕らえ
舌の上で魅惑の輝きが踊る
太陽からしたたり落ちた暗い蜜
唇に広がる甘美なスパイスの味わい
それはまるで永遠のようにーー
歌え この歌を
世界中に届くように
銀色の涙を流して
この歌は『ここにいない君を想う歌』
やがて揺らめく炎を身にまとい
私はひとりぼっちの星になる
飛びこんで 時の流れに
それは永遠の生と死が共に在る瞬間
銀色の涙を流して
この歌の名は『あなたがここにいてくれたら』
★
まるで情熱的なバラッドを聞いているかの如く、駆け抜けていった言葉達。深く息を吸って、また3回、まばたきをする。図書室は消え去って、目の前に見慣れた天井が広がれば、感覚は現実に戻る。それなのに、まだ、聞こえないはずの音楽がどこかから届くような気がしてーーじっと耳を澄ませてみるけれど、まるで誰もいないかのように部屋も、そして街も静かなままだ。そのまま瞼を閉じて、カワセミの少女に思いを馳せる。僕らはデジタルのスクリーンに映る、作られた空しか知らない。彼女は、空そのものになった。その美しい羽も、魂も大気に溶けて……それが、僕には、少しだけ羨ましい。微睡みに浮かぶのは淘汰される空想だ。もし、僕が本当の空の下で息をすることができる日が来たとしたら。流れていく雲を追うように、風と共に駆け抜けてみたいと思う。 その時、この目に映る空はどんな色をしているだろう?それはあの移り行く夕焼けの色か、夜明けの深い宇宙の色だろうかーー薄れていく意識の中で、見たことのないはずの空に、星が一つ瞬くのが見えた気がした。
★Inspireーーーーーーーー
『覚醒都市』/新居昭乃
『KINGFISHER GIRL』/坂本真綾
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20240507≠ME 全国ツアー2024「やっと、同じクラス」福島公演
福島に来ました。美玲ちゃんの凱旋コンサート。
郡山駅に掲載されている有志の方が準備したサイネージと一緒にセルフィーをしました。福島で美玲ちゃんがライブをしたんだ、って証が確かにそこにはあった。嬉しかった。
いつかのshowroomで福島にファンを連れて行きたいと美玲ちゃんは言っていた。 それを実現するone of themになれたんだ。嬉しかった。 みれいおかえり、と会場で叫べたんだ。嬉しかった。 恩返しが出来たような気がした。
喜多方ラーメンと白河ラーメンもお店に行って食べた。オバサーだからチャーシューがいっぱいの喜多方ラーメンはめちゃめちゃ胃がもたれる。(そうですか)
ままどおるもクリームボックスもゆべしも浪江焼きそばも酪王カフェオレもお土産で買った。クリームボックスと酪王カフェオレは東京帰ってから直ぐに食べたけど、賞味期限めっちゃ短いんだね。食い合わせは凄く良い。美味しかった。
あと、郡山のコンビニで買った緑茶割りを東京に帰ってから飲んでいます。美味しい。日本酒とかも買えば良かったかな。(アル中)
私の身体の細胞が福島の食べ物で構成されているんです。福島に連れて来てくれたんだ。美玲ちゃん、ありがとう。
しおちゃん推しの優しいオタク(以下、「△氏」)が「twelve_secが福島に行くなら俺も見届ける」と最初で最後の連番をしてれる予定っだったのですが、運よく(?)仙台に住んでいる"元"早耶ちゃん推しの見た目が確実にカタギではない気の良いオタク(以下、「ヤクザ氏」)がたまたま郡山に寄る予定があったので、早朝6時から3人でノイミー同窓会、もとい、朝練@「やっと、同じクラス」福島校をすることになりました。(6時~8時なら空いてるよ~、ってヤクザ氏アホなん。結局、集まる我々もアホなん。)
ヤクザ氏は朝練が終わったら颯爽と「じゃあ俺、授業サボるわ」と東京へ好きな人に会いに発って行きました。ハッピーオタクライフ。
彼ら��出会ったのは≠MEを通じてです。
ヤクザ氏とは2022年の幕張で。ライブ後、席に座っていたら「もしかして12秒さんですか?」と跪いて私に訊いてきました。黒服か。幕張メッセ近くの中華屋さんでいっぱいお酒を飲んでいたら「オタクで俺より飲む人間初めて見た」とえらく感動していた。福岡公演でカメコのやり方を教えてもらった。彼が応援しているアイドルを一緒に観に行った。DJがELLEGARDENを掛けた瞬間イントロ即最前で暴れた。Supernova、大好きです。イイ曲だからみんなも聴いてね。
△氏と出会ったのは、まほろばアスタリスクの解釈ツイートがとても良くて、
https://x.com/kak_not/status/1445067377180176387
私から声掛けて2022年のツアーの埼玉公演かどこかの公演で初めて会ったんだっけか。△氏とヤクザ氏が応援しているアイドルが同じで、不思議な三角関係だったと思う。(△!?!?)ノイミーの歌詞解釈でしのぎを削っていた時、めちゃめちゃ楽しかった。意外と酒飲む。私は△氏のオタクスタイル凄く好き。みんなも大好きでしょ。2023年のツアー武道館公演が終わった後にオタク達と一緒に鳥貴族で飲んでその後早朝の東京ドーム行って「次はここです」みたいな話したよね。福島での最初で最後の連番で私の観劇スタイルがニヤニヤオタクスマイル双眼鏡キンブレ単振動だとバレたのちょっと恥ずかしい。まぁ、ええか。△氏はパワー系振りコピスタイル。広島でしおちゃんソロで「前髪」やってくれると良いね。やるかな?アイルネの超初期の水色のTシャツ貸すで〜。17歳のCDも貸すで〜。たこ焼きは別腹やで〜。(おジャ魔女舞台の亡霊)
書いている途中で思い出したんけど、私達はもう少し前に、2022年のTIFで出会ったんだった。細かいことは端折るけれど、そういえば△氏はHOT STAGEでアイマスの曲でガン踊っていたし、ヤクザ氏は私がTIF観ながらしたツイートふぁぼってくれてFFになったんだっけ。
書ききれないこと、いっぱいあるや。
美玲ちゃん。貴方のおかげで不思議な出会いが、ここには書ききれないものも含めて、本当に沢山あったんです。私の人生にとって、絶対に忘れられない出会いが沢山あったんです。 美玲ちゃんと≠MEに出会わなければ絶対に無かった出会いがあったんです。
意味わからん出会い方をした3人が、意味わからん時間に、美玲ちゃんの凱旋コンサートの日に、私が福島にいるからという理由で、コンビニ前でお酒を飲みながら他愛もないことを話しながら笑いあったんです。凄いでしょ。美玲ちゃんは凄いんだよ。
コンサートの話をします。 昼、夜、両公演参加しました。
昼。2階席のやや下手。一番後ろの席、△氏と連番でした。我々より前の席は着席だったので、とても見やすかった。(△氏振りコピし放題。)
美玲ちゃんのソロ、可愛かった。ハート型ウイルスの冒頭、オリジナルではセンターの小嶋陽菜さんの名前を「は~るなは~るな、はるなは~る~な~」と叫ぶお約束があり、周りは誰一人やっていなかったけれど、美玲ちゃんバージョンで「み~れいみ~れい、みれいみ~れ~い~」としっかり叫ぶことができた。(アケカス老人)。
昔、2年間ぐらい引きこもりニートをしていた。平日が怖くて、何で生きているのか分からなくて。それを紛らす為に「神曲たち」というAKB48のアルバムを無限にループして、ベッドの上で誇張なく一日中ヘッドホンでずっと聴いていた。アイドルソングを聴きすぎて、自分と違って一生懸命に生きているアイドルを好きになって、そのアイドルをキラキラ輝かせるお手伝いをするアイドルソングを死ぬまでに作りたいなと思った。 自分で作ったアイドルソングをライブで爆音で聴いて、自分でMIXを打ったことがある?私はあるんだ。
私のルーツである48の曲を、福島で美玲ちゃんが歌ってくれたのがとても嬉しかった。ヒキニート時代の私が、少しだけ、浮かばれた。
昼公演の最後あたりで団扇にレスを貰った。イコノイジョイ2022の団扇。赤い浴衣がとて見つけやすい、と、いつかのshowroomで美玲ちゃんが言っていたから、それからずっと、どのライブでも持参した。想い出がいっぱい詰まっている。今日もちゃんと見つけてくれた、嬉しかった。
夜。アリーナ。後方ブロック下手、最前列。すぐ右隣りには通路があった。よく見える席だった。去年の仙台の夜公演も、同じようによく見える席だったことを思い出していた。大好きなマシュマロフロートの「恋の駆け引きが上手かどうかなんて君次第」のところで美玲ちゃんから指差しを貰ったことも、そのときの笑顔も、想い出した。
あれから1年近く経った。 私は美玲ちゃんを裏切ってしまった。 勝手に彼女を作って、勝手にオタクを辞めた。 キャラアニで同じCDを沢山買うとき、これからの季節を美玲ちゃんとの想い出で彩ることが出来ることが嬉しくてたまらなかった。カレンダーの予定が美玲ちゃんとのオンライン2ショットで埋まってくのが嬉しくたまらなかった。それなのに私は、カレンダーの予定を勝手に書き換えた。本当にごめんなさい。「Thank you」のスタンプが押されないままの参加券がMeet Passに沢山残っている。本当に酷い仕打ちをしてしまった。最悪だと思う。
最後に対面で会った時に「彼女が出来たから今までのようにオタクが出来ない」と伝えた。美玲ちゃんは「でも、幸せならOKです。」とネットミームで返してくたけれど、美玲ちゃんに出逢えた美玲ちゃんのファンは絶対に幸せになる、と、ボケを潰して支離滅裂に気持ちを伝えたっけ。美玲ちゃんが一番苦しかった時期だと思う。美玲ちゃんから沢山貰って、沢山幸せにしてくれたのに、私は本当に、本当に、酷い仕打ちをしたと思う。
ソロ曲、「帰り道は遠回りしたくなる」 歌詞の全てが美玲ちゃんと私の為にあるような、美玲ちゃんと私の為に美玲ちゃんが選曲したような気がしてならなかった。身勝手なオタクの戯言だと思われても構わない。ラストサビの"大切な思い出"と美玲ちゃんが歌う時にこちらを向いた気がした。気がしたんだ。 戻れなくたって、それが知らない道だって、それぞれが選んだ道を進んで、それで良いんだって、そうすることに決めた、って。美玲ちゃんが言ってくれた気がした。 私にとって大切な曲になった。
本編最後の曲は「ラストチャンス、ラストダンス」 この曲とまほろばアスタリスクが歌われている時だけは、美玲ちゃんのことを大好きな自分に、大好きな気持ちに戻ることに決めていた。 美玲ちゃんと私の為の曲だと個人的に思っています。 最後サビで美玲ちゃんから指差しを貰いました。 指差しの後に続く歌詞は、
"君の全部が好きだ 最後ぐらい言わせて ラストチャンス、ラストダンス 片想い"
そのあとの美玲ちゃんは、それまでの、どの美玲ちゃんよりも笑っていたんです。世界で一番可愛かったんです。美玲ちゃんと心が通じ合えたような気がして、曲が終わったあとに思わずフフッと笑ってしまった。ズルいよ、美玲ちゃん。
身勝手にオタクを辞めた、身勝手に貴方を好きになることを諦めた私に、どうして貴方はそんなに優しくしてくれるの?どうして、初めて出逢ったときからずっと優しいの?
私は貴方のことを、ずっとずっと忘れられないです。今日起こった事、目に見えた事、感じたこと、ずっとずっとずっと、忘れないです。私がどれだけ幸せになっても、貴方が誰か一人を愛することになっても、私だけは今までのことをずっとずっと、忘れないです。
貴方が私に向けたその笑顔で、私がどれだけ救われたか。その笑顔を見て、想い出して、どれだけ私が笑顔になれたか。どれだけ赦されたか、貴方は知っていますか? 心の底から大好きでした。 私は貴方に感謝してもしきれないです。私は絶対に、絶対に幸せにならなくちゃいけないんです。貴方に出逢えたのだから。貴方に出逢えた人間は、貴方の力で必ず幸せになります。本当です。沢山の人を幸せに、笑顔いっぱいにする才能が美玲ちゃんにはあります。
福島公演の2日後、美玲ちゃんはshowroomの配信をしていました。 公演の感想を配信を観てるファンに美玲ちゃんは訊いていました。
「幸せでしたか?」
美玲ちゃんに初めて出逢ったときから、今日までずっと、そしてこの先もずっと、私は幸せです。 ありがとう。

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2023/10/8、岐阜県山県市での「秋の踊り会&2023年下駄供養」で踊ってきた。

2023/10/8、岐阜県山県市での「秋の踊り会&2023年下駄供養」で踊ってきた。
この踊り会は、郡上おどり・白鳥おどりを歌とお囃子にあわせて踊り、また白鳥等の拝殿での踊りを、参加者同士が歌を掛け合いながら踊るのをメインとした踊り会だ。とは言えそれのみならず、合間合間では録音音源でも踊る。
岐阜や愛知の盆踊り愛好者界隈は、郡上おどり・白鳥おどり、拝殿踊り等が好きだという人と、録音の盆踊りが好きという人とそれぞれいるが、この回は前者を中心としながらも、どんな盆踊りも大好きな踊り助平、踊り猛者が集っていた。
私は踊り仲間のMさんに岐阜駅で車に同乗させてもらい、そこから一時間かからないくらいで会場の「伊自良ふれあいさわやかドーム」に着いた。雨模様であったが会場は屋根付きの広々としたところで、少し肌寒い程度で踊るのには最適な気候だった。13時過ぎに踊りがスタートした。
この踊り会は、歌好きで踊り好きのHさんが主催する踊り会だ。
Hさんは岐阜西濃の揖斐地方のご出身で、毎年10月頃に揖斐の区域の半屋外のステージ型施設にてこの踊り会を催している。例年使っていた施設が工事に入るとのことで、今年は場所の異なる山県市の施設にて催されることとなった。
郡上八幡や白鳥おどり、また白鳥の拝殿踊りなどに足繁く通われているHさんは、愛知一宮などの踊り会にも参加されて名古屋などでの現代曲の盆踊りにも大変親しまれている。まだ30代前半と若い方だが経験値は高い。
特筆すべきは踊ることより歌うことがとても大好きな方というところで、郡上八幡や白鳥おどり、また岐阜県各所の拝殿踊りでの即興の掛け合い歌の遊びを大変好まれている。様々に歌の文句も通じており、口説きや祭文、経文などへの造詣も深い。
かけあい歌の踊り文化は今日の岐阜県には比較的多く残っている。郡上地域の寒水や大和、特に白鳥各地の拝殿踊りは今も盛んである。西濃の根尾や徳山の踊りなど含め、東京にはいくつかの愛好家グループがあり彼らが盛んに岐阜の現地に出向いたりしていて、東京での有志の歌と踊りの会がいくつも開かれている。
私自身は拝殿踊りに行ったことはなく、というのも自家用車を持たない私は名古屋から通うことがままならない。この日の山県市での踊り会も自動車でしか向かえない場所で、私は行けないことを残念と思っていた。しかし渡りに船というべきか、前日の名古屋での盆踊りで会った踊り仲間のMさんのご好意で、車に乗せてもらえる運びとなり急遽行けることとなった。Mさんに感謝してもし尽くせない。
さて、ではなぜ行ったことのない拝殿踊りの文化に私が多少なりとも触れられるかと言えばこれもHさんのおかげだ。Hさんが音頭を取り、名古屋近郊の歌い好き踊り好きが集って月に一度、名古屋市内の公園でとても小さな踊り遊びが催されている。たまたまその公園が私の住まいのすぐ近くであることで、自転車で向って混じ��せてもらって私も踊っている。
さて「秋の踊り会&2023年下駄供養」でのお囃子担当は、岐阜県飛騨金山を拠点に活動される「小夜会」の皆さんだ。
「小夜会」はご家族を中心に編成されるお囃子会のようで、小学生と中学生くらいの二人の子供さんも、大変伸びやかな声で歌われる。男性二人が三味線と歌を担い、子供さんも三味線や太鼓も演奏する。ちなみに小夜会の皆さんが白鳥や根尾などの各所の拝殿踊りで歌われているのを、私はこれまでSNS上でいくらかお見かけしていたのだが、このときはじめて皆さんの歌を生でお聞きすることが出来た。時間が足らず今回はあまり披露されなかったが、郡上八幡や白鳥などとはまた異なる区域である飛騨金山の祖師野において、かつて盛んだった拝殿踊りを小夜会の皆様が中心となって今年に復活させ催された模様も、私はSNS上で拝見していた。
更にこの日は岐阜各所の踊りのみならず、滋賀県高島市から高島おどりの方々が来られ、高島の踊りを踊った。踊り指南を勤められた江頭ゆかり先生のレクチャーとともに三曲を踊った。私は今年の7月に初めて近江今津へ「高島おどり」を踊りに行き、高島の各集落の踊りの面白さや、江頭先生の講習術に圧倒され、大変な魅力を覚えた。
それらの各郷土の踊りが踊られる合間合間に、Hさん盟友であり、踊り、太鼓、歌、司会、PA、各種方面とのコネクション、その他裏方雑務諸々含めて盆踊りにまつわる何もかもをこなす東海圏盆踊り会の若きオールマイティであるNさんの仕切りによって、録音盆踊りタイムが差し込まれた。
日永つんつく踊、江州音頭、河内音頭、ダンシングヒーロー、恋のダンスサイト、平和音頭、磐城やっちき、伊勢じゃこっぺ踊り、岡崎えびすくい音頭などなど、スタンダードからマニア向けまで、この時間帯で私は体を絞り倒してしまった。
終盤は拝殿踊りでのかけあい歌をたのしみ、17時頃に一旦お開きとはなるも、会場が19時まで使用が可能ということで、片付けを挟みつつ踊りたい人は残って踊り続く。
そこからはまたNさん仕切りによる録音盆タイムの2ターム目がスタート。
高輪ゲートウェイ、にんじゃりばんばん、アンコールでまたまたえびすくい音頭も踊るし、声出して叫ぶ。
Nさんの機材の片付け作業も挟まるが、片づけがひと段落着いたところでスマホと中型スピーカーだけをBluetoothで繋いで音出せば、みんなは踊り出す。
走り回る鹿島一声浮立、叫び散らかす桐生八木節、飛んで喜ぶマイムマイム。
走らなくてもいい踊りを走り回ってスタミナを使い果たし、そしてまたすぐ踊るという、踊り助平にしかわからない自助会めいた様相を呈した。
さてHさんは本職が僧侶であり、経典や仏事のみならず民俗習俗にも造詣深い。そうした趣向からこの踊り会の名称は「下駄供養」というお題となっていて、実際に儀礼に則って下駄が供養される。下駄にまで魂が宿り、下駄もが成仏する(集まった下駄は供養ののち、年の瀬の12月30日にHさんの所属寺にて餅つきのカマドの薪となり、一切無駄になさらないとの事)。
読経であったり唱和であったりまた念仏踊りなど、踊り歌や踊り行事と仏教行事とのかかわりは深い。しかし難しい理解でなく、夏の期間に踊りで履き潰した下駄を慰労して供養するのは、それだけ踊った自分自身や踊り仲間の労いや、楽しみを分かち合う気持ちであろう。
白山麓一帯の踊り行事は白山信仰との繋がりで論じられることも多いが、信仰という広範で抽象的な概念を用いずとも、歌や掛け声と踊りで生じる心理的な一体感、その一方で立ち上がる極めて個人的なトランス状態の心的作用が重なり合う。もしかすれば五蘊、三昧などの心身を分析する仏教概念についても、踊ることが理解の深まりに効果的かもしれない。
(文責:田中瑞穂)

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「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)9月14日(火曜日)
通巻第7050号
コロナ禍は何かの祟りではないのだろうか?
科学も医学も合理主義も、疫病解決に役立っていないではないか
**************************
疫病大流行。文献的に最古の事例は崇神天皇の御代である。
『古事記』は以下のごとく惨状を書いた。
「この天皇(崇神)の御代に疫病多に起こりて人民死にて燼きむとしき。この天皇愁ひ嘆きたまひと神床に坐しし夜、大物主大神、御夢に顕れて曰りたまひしく、『こは我が御心ぞ。故、意富多多泥古(おほたたねこ)をもちて、我が御前に祀らしめたまはば、神の気起こらず、国安らかに平らぎなむ』とのりたまひき」(岩波文庫版112p)。
疫病は崇神天皇以前にも頻繁に起きていたと考えられるが、記録としては、崇神天皇の時代が初で、しかも国民の大半が死んだとの記載があるような猖獗を極めた。
神の怒りを懼れ、タケミカツジの子である「おほたたねこ」を神主として、三輪山に祈祷し、御社を造成したところ、疫病はやんだ。疫病は神々の祟りという認識が古代人には広くあった。
時代はぐんと下がって聖武天皇の時代、平城京を仏都として造り替えた功績、大仏殿の造営で知られる聖武天皇は、じつは平城京の前にいくども遷都している。
疫病と災害の原因は祟りだと考えていたからだ。恭仁京の建設が本格化していた。しかし地の利、水利など諸条件が揃わず、藤原京、平城京が廃止されたように、つぎは柴香楽へと遷都する(現在の滋賀県甲賀郡信楽)。同時に難波にも副都の宮殿を建てていた。柴香楽宮は放火による山火事で廃棄された。
遷都の理由は旧来の風習を打破し、人事を一新し、守旧派と敵対勢力を追い出すためだったと歴史学者は賢しらに「科学的に」「合理的に」解釈したが、かような政治的理由はむろんあっただろう。
しかし一番の動機はじつは疫病対策だった。そのうえ祟りを懼れての遷都ではなかったのか。皇位継承をめぐってのだましあい、謀、暗殺が続き、怨霊が漂っていた、と当時の人々は認識していた。
藤原氏の全盛は中臣鎌足の子、藤原不比等が天皇の外戚となって大活躍し、陰険な策謀をもって政敵をつぎつぎと冤罪を仕掛けて葬り、藤原四兄弟は皇子後継をめぐる政争で、最大の政敵だった長屋王を冤罪をでっち上げて葬った。
ところが、疫病は藤原四兄弟もあいついでに葬る。因果応報、長屋王の祟りだと囁かれた。この四兄弟の死は、それまで権力の下層で燻っていた藤原仲麻呂が中央舞台に踊り出す契機ともなった。
▼神社にかわって仏教寺院が祈りの場所となった
天災は豪雨、洪水、河川の氾濫は凶作と飢餓を産みだし、そのうえ疫病である。国家安泰を祈願するために神道に替わって仏教寺院の造成が急がれ、神社への祈りが仏教寺院へと祈祷場が変わったことに、とりわけの留意が必要である。
聖武天皇は急激に仏教へ帰依し、全国に国分寺の建設を命じた。仏教は人々の不安を吸収し、救いをもたらす信仰に置き換わった。天平六年(73��)畿内は大地震に襲われた。この年に遣唐使が帰国したが、入れ替わりに新羅の使者が太宰府にやってきた。
「凶作によって人々が困窮したところを疫病が襲い、恐るべき大流行をもたらした。流行は食糧の乏しくなった夏に、まずは太宰府管内からはじまり、冬までに全国各地に拡がった。発生地からみて、遣唐使か新羅使が列島社会に持ち込んだものと考えられる」(吉川真司『聖武天皇と仏都平城京』、講談社学術文庫)。
疫病が外国からもたらされることは古代からの常識であり、武漢コロナはシナ大陸からやってきた。梅毒も江戸時代に外国人が持ち込んだ。
奈良時代の疫病は三年続いた。藤原四兄弟が次々に死に、これが僥倖となって藤原仲麻呂が急激に台頭したことは述べた。
疫病による朝廷の被害は皇族、官吏の三分の一に及んだ。全国の死亡率は25%から35%とされた。和泉国で45%、駿河で30-34%、豊後で30-31%が死んだという記録は正倉院文書に残る。
令和時代のコロナ災禍は中国湖北省の武漢で発生し、日本にもたらされた。やはり外国との接点が多い地方、都市の被害が甚大になるのも古今東西、同じである。
聖武天皇は、疫病の原因を長屋王の怨念と考えた。古代から中世にかけて、科学は発達しておらず、曖爽から夜明け、日中から夕闇と到り、夜は真っ暗な闇が支配する。古代人は闇に鬼が、魑魅魍魎が存在知ると考え、怨霊を信じていた。電気はない。書物も少なく、医学は未発達である。その不安を人々は宗教に求めるのだ。
伝来の神道より仏教を信仰する人々が増え続け、留学生が帰国したおりにもたらされた仏典や新しい信仰スタイルが急拡大し、皇室も人民も仏教に救済を求めた。
▼神仏習合が本格化した
ならば古来より宮廷人の拠り所としていた神道への信仰はどうなったのか。じつは、ここで初めて神仏混交が本格化するのである。
神社勢力はだまっていたわけではない。強烈な軋轢が生じるのは当然であり、そこで「有力な神々が仏教に帰依する。あるいは仏教を(神社が)護持するという言説を用いて、新旧イデオロギーの調整が吐かされた」。神仏混交という「日本教」が全土に拡大した。
「神仏習合の深まりとは、日本古来の神祭りが、外来宗教である仏教によって『文明化』されたことへの証しである。これを受容し、あるいは反発するうちに『神道の自覚過程』が訪れる。神祇祭祀に特有のものがあらたに見出され、やがて中世につながる神国意識が形作られて入った。それはイデオロギー面における『国風文化』の生成であった��(吉川前掲書)。
ならば後世、『神皇正統記』で北畠親房は、この聖武天皇と、崩御後の光明皇后の仏教への急傾斜をいかに論じたのか、興味がある。
想定外だが、後醍醐天皇の改革を熱狂的に支持した北畠親房は、聖武天皇、光明皇后の仏寺建設、大仏開眼、国分寺の建設令、外国からの高僧の来日などを淡々と記するのみで批判はなく、むしろ次の称徳天皇が、一時期に仲麻呂に惠美押勝の氏を給え、まつりことを委任したことも客観的にのべる。
そのうえで、「後に道鏡という法師また寵幸ありしに、押勝(藤原仲麻呂)いかりをなし、廃帝をすすめ申て、上皇の宮をかたぶけむとせしに、こと顕れて誅にふしぬ(道鏡を寵愛したため、称徳天皇廃帝を謀して露見し、仲麻呂の乱は潰えた)」と、経過をのべたあと、道鏡批判に移るのである。
「法師の官に任ずることは、もろこしより始めて、僧正、僧統などといふ事のありし、それすら出家の本意にはあらざるべし、いはむや俗の官に任ずる事あるべからぬ事にこそ。されど、唐土にも南朝の宋の世に惠琳といひし人、まつりごとにまじらいしを黒衣の宰相といひき。」などと多数の唐の例を引きつつも「法王の位をさずけられたりし、猶あかずして皇位につかんといふこころざし有りけり。女帝さすがに思ひわずらひ」、和気清麻呂に神託の真偽を調べよと宇佐神宮へ派遣するのである。
仏教に帰依した女性天皇が、神道の託宣に頼ったという視点で見れば、神仏習合が、顕然と進んでいた状況を物語る。
▼無実の罪に陥れられた早良親王の怨霊
早良親王は光仁天皇の皇子である。母は高野新笠(たかのにいがさ)。両親が百済系とされたために正妻とは認められず側室として桓武天皇、能登内親王、そして早良親王の生母である。早良親王は皇位継承権の有資格者だったため桓武天皇の皇太弟に立てられていた。ところが藤原種継の暗殺に関与したとして廃された。
母方が皇族ではなく、側室だったために早良親王は早くに出家し東大寺羂索院や大安寺東院に住み、「親王禅師」と呼ばれた。天応元年(781年)に同母兄・桓武天皇の即位があり、還俗、立太子された。すでに桓武天皇には安殿親王(後の平城天皇)がいたが、万一の備えとして安殿親王の幼帝即位を避けるためだった。もとより東大寺で高位の僧侶だったこともあり、早良親王は妃を迎えず、子もなかった。
延暦4年(785年)、造長岡宮使��藤原種継の暗殺事件に突如、巻き込まれ、乙訓寺に幽閉された。無実を訴えるため絶食、淡路へ配流される途中、守口付近で憤死した。
種継暗殺は桓武天皇留守中の事件だが、東大寺は親王禅師(早良親王)に後事を託したとされ(『東大寺華厳別供縁起』)、還俗後もなにかにつけて東大寺は早良親王に相談していたという。桓武天皇は道鏡事件の経緯から僧侶の政治関与の弊害を懸念し、長岡京遷都を急いだのだ。
長岡京遷都の裏の目的は東大寺など奈良寺院の影響力排除である。
その後、皇太子安殿親王が発病や、桓武天皇妃・藤原旅子・藤原乙牟漏・坂上又子の病死、生母高野新笠の病死と疫病の大流行、くわえて洪水が相次ぎ、それらは早良親王の祟りであるとして幾度か鎮魂の儀式が執り行われた。
そればかりか、延暦19年(800年)には早良親王に「崇道天皇」が追称され、それでも祟りが収まらずとみるや、五年後に「崇道天皇陵」を造営する。
附近には早良親王を祀る嶋田神社があり、奈良町に崇道天皇社、御霊神社で祭神として祀られた。東大寺の高僧が神道で祭られたのである。
令和の疫病は、それなら何の祟りか。いささか神懸かりと思われるかも知れないが、靖国の英霊を蔑ろにしているからではないのか。
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7月の第一土曜日から9月の第一土曜日まで毎週末行われる郡上踊り。お盆の8月13日から4日間は徹夜踊りと銘打って、朝5時まで踊りの輪は町を眠らせない。お囃子も歌も生演奏。その中でも『春駒(はるこま)』は、シンプルな振り付と「七両三分の春駒!春駒!」という掛け声が 地元衆も観��客も巻き込んで盛り上がりは最高に。一見さん大歓迎。浴衣は無くとも下駄だけは忘れずに。こだまする下駄の音の醍醐味。グルーヴ!高揚感! 朝方道に舞う下駄の木屑。手ぶらで来てくれて大丈夫。そこここにある下駄屋さんが、貴方にぴったりの下駄と鼻緒を選んでくださいます。400年続く元祖夏フェス、郡上踊り。
今年はコロナの影響で中止になった。
郡上踊りの無い夏が来るなんて。コロナのやつめ。
町山智浩 「日本の盆踊りもそうですけど、なんで夏祭りとか、みんなで踊るんだと思います?」
山里亮太 「御先祖様に捧げるとか そういうことですかね」
町山智浩 「セックスだろセックス!夏祭りの踊りはセックスだろ!そこで相手を見つけて秋に結婚すんだよ。こういう文化も説明しないとわかんないんだ…」
『TBSラジオたまむすび ミッドサマー解説』
えっ そうなの?18年郡上で暮らしたけれど …なんもなかった。
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HISオンライン体験「行った気になる観光セミナー~ハーレム���ゴスペルの歴史&観光~」メモ
世界に2千人いるというニューヨーク公認観光ガイド、うち日本人は30人ほど(コロナでさらに人が減り20人ほどになるかも)、その中のひとりイサオ・ノブハラさんに、実際のニューヨーク州ニューヨーク郡(マンハッタン区)観光ツアー形式で解説して頂きました。セントラルパーク→アッパーウエストサイド→アッパーイーストサイド→ハーレム
■マンハッタン島
◇セントラルパーク まさに島の真ん中にある世界的に有名な公園。1873年正式に開園。樹齢200歳のオークの木など2万本以上の木がある。コヨーテも住むほど都市公園としては破格の広大さで、都市における自然の割合が東京の何倍も大きい。貯水湖には死体が発見されることもしばしば。
◇アッパーウエストサイド ハリウッドセレブなどWASPの大金持ちが住む。 かつてジョン・レノンが住んでいて暗殺されたことで有名なダコタ・ハウスがある。オノ・ヨーコは現在も住んでいる。暗殺の犯人マーク・チャップマンは、ダコタ・ハウスの前で1日中待ち続け、昼に一度ジョンと顔を合わせサインを貰っていた。待っている間読んでいたという「ライ麦畑でつかまえて(サリンジャー)」は、レーガン大統領暗殺未遂事件の犯人も読んでいた本ということで当時有名になった。毎年追悼式には、セントラルパークのストロベリー・フィールズに世界中からファンが集まる。 ワシントンD.Cほどではないが桜並木が見られる。 ダコタ・ハウスの他にもトランプホテルなどの高級ホテルや高級アパートが多くあり、ハリウッド俳優など有名人が住んでいる。かつてスティーブ・ジョブズが住んでいたところも。 全米で2番目に大きい自然史博物館「アメリカ自然史博物館」では、恐竜の化石など多数の標本や資料が見られる。自然科学者の一面もあったセオドア・ルーズベルトの像でも有名だったが、2020年、ブラック・ライヴズ・マター運動の影響で、ルーズベルトが��イティブ・アメリカンを従えているデザインが差別的だということで撤去された。
◇アッパーイーストサイド アッパーウエストサイド同様世界トップレベルの大富豪達が住む高級住宅街。博物館や美術館が多い。
◆ハーレム地区 もとはオランダ人が作った農園で、1910年頃は白人は滅多に入らなかった。当時は普通のアパートにも住めなかった黒人に初めて高級住宅を解放した地区で、憧れの地としてみんな集まった。現在では高級化が進み、黒人住人はどんどん移住してしまっている。ニューヨークの中では開発が遅れていて、古い建物も残っているが、ショッピングモールがたくさんできてきたりと急速に高級化しているいま、20年後には黒人街ではなくなっているかも... 「ハーレム」という呼び名はリトルチャイナ・リトルイタリーと同じく、ニックネーム(wikiによるとオランダの都市ハールレムにちなんでオランダ移民がつけたともいわれる)。 ハーレム一の高級アパート(といっても日本では普通くらい)には、ヤンキース時代イチローが住んでいた。 ニューヨークのタクシーはよく道を間違える。覚えやすいように?ハーレムではストリート名に黒人偉人の名前をつけていることが多い。 ジャズ発祥、というかアメリカ黒人文化の発祥の地、というか、ハーレムに触れて初めて白人は黒人文化を知った。
〇ハーレムの有名な場所 「ネーション・オブ・イスラムの寺院(モスク)」 マルコムXが牧師を務めた。 「グラハム・コート」 1920年代ユダヤ系のアスター一族が作った。ダコタ・ハウス並みの白人向け高級アパート。 「テレザ・ホテル」 マルコムXが住んでいたことも。キューバのカストロ議長が来て演説して以来、民主党議員中心に演説の名所となった。ニューヨークは民主党のおひざもと。ちなみにトランプ前大統領がハーレムに来たことは一度もない。 「アポロ・シアター」 多くの著名な黒人歌手を輩出したアメリカポピュラー音楽の歴史的クラブ。プロへの登竜門「アマチュアナイト」でデビューしたスターは、スティービー・ワンダー、マイケル・ジャクソン(ジャクソン5のメンバーとして、当時8歳)、リトル・リチャード、ホイットニー・ヒューストン、B.B.Kingsなど。 「元はシナゴーグだった教会たち」 ユダヤ人コミュニティのシナゴーグだったが、黒人流入の折「自分達は他に移るのでここあげます」と黒人コミュニティに明け渡し、建物はシナゴーグの造りだが実際は黒人教会という一風変わった礼拝堂が多くある。 「アダム・クレイトン・パウエル・ジュニア」 初めて黒人の国会議員になった人物の名をつけたホテル。ここに天皇陛下と美智子様が訪れ、現地の黒人のおばちゃんが美智子様に抱き付き、美智子様がおばちゃんに抱き付き返した映像が有名になった。 「ニューヨーク市警 ハーレム分署」 かつて日本では、タレントのミッキー安川さんなどが現地ポリスとパトカーに同乗して、当時治安が悪かったハーレム内の犯罪を放送する番組があった。現在では観光客も大勢来る世界的観光地となりかなり治安が良くなったが、コロナ禍で経済にダメージを受けた最近では、順調だった治安良好化が停滞してしまっている。 「シャッター」 暴動が多かったハーレムの歴史の中で、暴動への防衛のためどの建物もシャッターをつけ、シャッターに落書きするシャッター・アートなどと呼ばれる文化が育った。シャッター・アーティストとして有名なフランコ・ザ・グレートさんは、ノブハラさんの個人的な友人とのこと。 「セント・ジョン・ザ・ディヴァイン大聖堂」 建築物としてはまだ未完成のゴシック教会。サグラダ・ファミリアみたい。年に2回しか開放されない。売っているステンドグラスのステッカーはお土産に最適。世界中から色々な品物が集まるリベラルな教会。日本の天皇家から贈られた壺もある。 キング牧師やネルソン・マンデラの演説、デューク・エリントンのシークレット・コンサート(大聖堂付属のパイプオルガンを弾いた。のちにエリントンの葬別式も行われ、1万2千人集まった)、3大テノールのひとりプラシド・ドミンゴの収録(ドミンゴは現在バリトンに転向、セクハラで訴えられ自粛中)、アネッサ・フランクリンのラストコンサート(YouTubeで見られる)etc.ここでは世界的イベントが行われている。
■ニューヨーク区各所にある偉人像 セントラルパーク周辺にコロンブス像。ある博物館のリンカーンは等身大だが意外と大きく感じない。 ハーレムには黒人の偉人の像が多く、「フレデリック・ダグラス」の像は北を向いて立っているニューヨーク唯一の像。北=ハーレム(黒人)。他の像はみな南向き。フレデリック・ダグラスは、リンカーンに奴隷制の廃止を訴えた黒人で、ワシントンD.Cの象徴的人物として有名。 「ハリエット・タブマン」は、奴隷の逃亡を助ける運動組織「地下鉄道」のリーダーだった人物。
■ゴスペル 本物の「ゴスペル」は教会で歌われるもの。教会は撮影禁止なので、過去に特別に撮影された動画を見せてもらった。迫力ある歌声でコンサートのような盛り上がりぶり。タンバリンなど楽器を鳴らす人、観客席側で激しく踊る人もいて一体感がある。まさに「天使にラブソングを」で見た光景。 みんな教会には、映画に出てくるようなお洒落な格好でやってくる。派手なおばちゃんおじちゃんが大勢いて、おばちゃんは飴くれたりする。ハーレム住民は大���府民っぽい。 ハーレムの教会では、”神が降りてきて”失神する人がよくいるため看護師さん常駐。そのまま死ぬ人も...(まさに昇天。最高の死に方といわれる) ゴスペル歌手を目指す者が集まる聖地か、といわれるとちょっと違う。もとはゴスペルは、英語も分からないままアフリカから無理矢理奴隷としてさらわれてきた人々が、救いと慰めを求めて仲間と集まり歌ったもの。教会があれば、ゴスペルはどこでも歌える。ハーレムには教会も多かったため特にゴスペル=ハーレムとして有名になっただけ。 コロナ禍が落ち着けば、ハーレムで日本のアーティストも集まる世界的イベントが行われる予定?
■その他 コロナ禍でひどくなったアジア人ヘイトは、日本のメディアではニューヨークでひどいと言われるようだが、アジア系移民が大勢住むカリフォルニアの方がひどい。とはいえ、通りすがりにいきなり殴られたりなどは、ニューヨークでもコロナ前からたまにあった(ノブハラさんの友人の体験)。
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つれづれ日記 相模原篇!
3月1日 初・神奈川県❗
相模原駅は初めて行きました。
夕方、駅集合ということで、
駅に着いたところ…
人が、いない…。

一抹の不安を抱えつつ(笑)
通勤帰りの方々が、一定数ダーッと改札から足早に出てきて、そして居なくなり…。
人々は寒そうに通り過ぎて行きます。
夕方になり、なんだか寒さが増してきました。
寒さにはトコトン痛い目にあっているので、せっかくやるなら少しでも気温の高い日にしようと、月曜日を選んだのに!
強い風に煽られ、寒いではないですか!

(津軽三味線、摩郎氏の何か言いたげな見えない表情…笑)
ほとんどの人々は立ち止まる事もなく(もしかしたら後ろ髪を引かれながらも)通り過ぎてゆきました。
今回は寒さに敗退…。
しかしながら、ほんの数人でも声をかけて下さったり、寒い中立ち止まって聞いて下さりありがとうございました🙏
時々ありますが、「私、青森出身なんですよ」と嬉しそうに応援がてら聞きに来てくださる方がいて、今回も青森出身の方に声をかけて頂き、心が救われました。津軽三味線は強いな〜。
私も、通りがかりに「郡上踊り」が聞こえてきたら、その演奏者に絶対声かけると思います(わたくし岐阜県出身です)
そうか、特定の県民を釣る!って方法があるな〜(笑)
んー、バリエーション増やせば全国の人が集まるかなー。無理やけど。
寒さにはやられましたが、摩郎氏と即興を楽しんだりで充実した時間を過ごすことができました。
メゲズにがんばるぞ💪
相模原駅には、次回は休日の暖かい陽気の日に来ますね♪
お楽しみに〜🎵
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次世代へつなぐ・わがまち榎本へのエール
※ふれあいえのもと通信39号(9/26発行)掲載
楽生会会長座談会 2020.8.5(榎本福祉会館)
平均年齢は80 歳越え。榎本地域を支える続ける楽生会(老人会)の 4 人の会長さんにお話をお聞きしました!

◯さて榎本、いかがです? 〈‥ということでゆるゆるとプロローグ〉
濱田: 放出に生まれ、放出で育ち88 年。戦争の一番厳しい昭和18 年に卒業した榎本小の卒業生は250人。今も同窓会は続いていて、昨年は11人。今年はどうかな。
脇田: そやな‥小学校の思い出といえ��、消防署を折り返してのマラソン大会。大きな建物もないから見渡せたし、ズルのしようもなかったな。
境: 放出に高層マンションが建ち始めた頃、この地に。東京オリンピックの頃には東京に、万博の頃には吹田住まい。ずっとサラリーマン生活で子どものPTAにも係ることもなく、楽生会が地域活動の始まり。
坂東: 大阪は仮の住まい、老後は徳島に帰るつもりで。しかし折角建てた故郷の屋敷も30 年間両親が住んだ後は空いたまま。広すぎて売りたくとも売れず‥。
◯ズバリ、榎本の魅力は?〈理由はわからんが何となく住みよい〉
濱田:寺が2つに神社が1つ。長い歴史財産をもつ放出。ずっとこの地で鉄工所をしてきたが、70 歳で車も仕事も全部卒業。11 年前に家内に先立たれたが、娘も息子も放出住まい。まだまだ百まで住みますよ。

脇田:サラリーマン時代、転勤になるかなとも思っていたが、私がどこかに行こうと家族はここに住み続けると。便利やしね。特に娘には住心地良過ぎたかも(笑)
坂東:子ども3 人が榎本小、今津中と通ううち、家内が様々な活動に参加、榎本でネットワークができ、そして手芸クラブを立ち上げ定住。
境:転勤を重ねてきたが、ここに来て住まいを購入。もう動かないと覚悟を決めたのは、やはりその居心地の良さでしょう。
◯マイブームを教えて下さい〈次は八十の手習いやな、何しよう〉
坂東:60 過ぎて子どもの勧めで夫婦でパソコンを。家内は指一本打ちで株を始め、亡くなるまで1 日1回はパソコンに向かっていたね。私は独学でCAD を習得。設計が好きなんでCAD なら精密な線引きができるし、酒も飲まんのでパソコンで遊んでいます。
境:津軽三味線を始め30 余年、この10 年ほどは鶴見区の小ホールで月に2 回、民謡の講習会を(現在は休止中)。民謡で人の役に立てればいいなと。

濱田:放出は古くは水害の多いところ。児童公園の大きな石碑にも大橋房太郎さんの治水の偉業が記されてますな。
坂東:そのお陰もあってか、大阪っていうか、ここらは豪雨災害も少ないね。また大雨が降っても今津公園のポンプが作動するとみるみる引いていく。
脇田:それでも昔は雨降ったら、床下まではよく水に浸かっとったな。地震に台風、コロナも予想外の災害やね。
◯自粛期間はどのように?〈地域のイベントは引きこもりがちな高齢者を誘ういい機会〉
境: 1 年に20 や30 は演奏活動をしていたけど今は中止。教室も休止中。飲みに行くのも自粛中(笑)
坂東: コロナ以前から、特に男のひとり暮らしは外へ出てこない。年寄りが増えているのに、楽生会は減る一方。私自身50 歳になって町会の班長になり、地域に係わり始めて30 年。その頃に出そびれると、いよいよ億劫になるのかな。まつりや行事があると声かけて出る機会も作れるが‥。
脇田: 百歳体操なんかも中止で、みんな家でじっとしてどうにかならんかなと心配。卓球は再開したが、みんなで集まってできることはないかなと考えている。今年は盆踊りもないしな。

◯ご家族のお話をお聞きしたいです〈元気の秘訣はやはり家族愛〉
境: 生家は製材業。兄弟は中学校卒業したら家業に勤めていた。私は林業試験場で技術を身に着け、28 歳の時、結婚して故郷を離れ東京へ。運輸会社でトラックの運転をしていたが大阪の営業所開設とともに転勤。35 歳過ぎて経理を習い、真面目が取り柄で勤めてきました。え、今?あはは。
坂東: 最近はずっと家内の病院へ行くのが日課のようになっていたが‥いくつもの病院へ出向き、夜間の付き添いも。車は特別仕様(接近アラーム付)ですが、今はキーも取り上げられて(笑)。初盆を迎え、老後の資金計画を含め、様々な面で家内には感謝しかない。また葬儀の参列者の多さに地域との関わりの厚さをあらためて実感。娘たちにも地域とのつながりの大切さが伝わった。「私らも出来ることはせなあかんな」との感想は嬉しい。

◯児童の見守り活動も15 年〈声かけてくれるのは嬉しいな〉
脇田:馴染みの子どもも増えて、中学生や高校生も挨拶してくれるのは、長く見守り活動が続いている証拠かな。こっちからの声掛けは難しい世の中やけど、普段でも声かけてくれるのは嬉しいな。
境:見守り活動が始まった頃の子らが働きはじめて、年金を払う歳に差し掛かってる。回りまわって助けてもらってるんかもね。
脇田・坂東:昔の子どもいうたら、上が��を見るのは当たり前。それが自然につながってゆく。夕方遅くなっても、親も「どっかで遊んでんねんやろ」ぐらいにしか思ってない。親の言うことは聞かんでも年長の子が世話してたな。今は子どもも忙しいし、自由もなくてかわいそうやな。
◯今後の楽生会は?〈なんとか次へと繋げたい〉
脇田:鶴見区でも老人会は3 分の1 ぐらいに。大方は会長の引き継ぎが難しく潰れてゆく。本人は元気でも奥さんが認知症になったり介護が必要になったりと。榎本も役員の後継でそれぞれ苦労している。歳を重ねるごとに、頼みに来られた前会長の想いが分かってきた。

◯榎本へのエールを!〈これからも地域のために〉
濱田:「奉仕」という気持ちを忘れたらあきません。そしてまだまだ地域のためにがんばりたい。
坂東:地域のためにと手伝ってきた事は間違ってなかった。身体が続く限り、楽生会のために尽くしたい。
境:地域との関係をできるだけ密にして、自分に出来ることが、少しでも人の役に立てばと願っている。
脇田:会議以外で、地域でこんな風に喋ったことはない。たまにはこんな時間もええな。
本年度は敬老慰安大会の開催も見合わされました。 マスクを外し自由に語り合い外出できる日常が1日でも早く戻ります様に。 和やかな時が流れ、癒やしの空気に満ちたこの日。 地域の先輩の皆さまに心より感謝いたします。

脇田 広志 さん(榎本在住77 年)榎本・放出出身 NPO 法人理事会監事・榎本第3楽生会会長(2018 年楽生会会長就任) 一番の若手!

濱田 照雄さん(榎本在住88 年)榎本・放出出身 榎本第1 楽生会会長、放出の歴史地域・中高野街道が南北に走る2町会

坂東 尚さん(榎本在住50 年)徳島県吉野川市出身 榎本第2 楽生会会長。電気設備設計士。60 歳から独学でCAD 習得。

境 傳(つとう) さん(榎本在住46 年)岩手県東磐井郡出身 榎本第4楽生会会長。50 の手習いで津軽三味線を。 日本民謡鶴見区連合会事務局長他
楽生会〜楽しく前向きに生きていこう〜
「カラオケ ・ 健康体操 ・ グランドゴルフ」の3つの部会を作り、年間行事としては歩こう会、菖蒲・紅葉・梅の花に誘われての行楽会などがあります。 平成17年より 子どもみまもり隊 を組織して週1回木曜日安全な下校を目指して12箇所に立ち、子どもに声を掛けています。 60歳以上で榎本校区に居住される方は入会できます。
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TLEA京都シオン教会のLightning、京都賛美隊、Zionが11月14日、大阪府三島郡島本町にあるキリスト教系の保育園で、約1時間コンサートを行いました。
コンサートには、園児を中心に保育士の方々、お母さん、保育園の近隣に住む一般の方々など、100人を超える人々が集まってくださいました。
コンサートでは、「Let's Sing!」や「ありがとう」など歌集『風のひびき』の曲を中心に全部で8曲歌いました。曲と曲の合間には、福音的な絵本のお話もし、子供たちもじっと聞き入っていました。短く福音も語られました。また、曲に応じてカラオケに合わせて即興の振り付けやダンスもしたりして、子供たちも一緒になって喜び踊ってくれました。
特にLightningが「よろこびのうた」という曲をカラオケに合わせて歌った時には、出演者の振り付けに合わせて多くの子供たちが一緒に飛んだり跳ねたりしてくれて非常に盛り上がり、それを見た出演者のほうも喜びに満たされました。
保育園では、来られた方々へのアンケート用紙も用意してくださっており、「楽しかった」「子供たちも一緒に楽しく踊ったりすることができてよかった」「初めてゴスペルが聴けてよかった」「すべて初めて聴く曲なので、新鮮だった」など多くの感想を頂きました。
園長先生からも、来年の4月に地域の大きなイベントがあるので、そこにも出演してほしいという依頼がありました。
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ぼくのこと、ここに置いてくれる? 行くところないんだ。
長谷津の勇利の家は、古いし、ぎしぎしいうし、部屋は狭いしで、ヴィクトルにとって初めて体験する場所だった。けれどヴィクトルはこの家が好きだった。古風な雰囲気がすてきだし、あたたかみがあるし、人々の「生活」というものが染みついている気がした。それは「他人の生活」の印象ではなく、親しみやすい、こころが落ち着く感じだった。勇利はこの家で育ったのだ、と思えば、ますますヴィクトルはここが好きになった。冬になり、隙間風が入りこんでくることが多くなっても、その気持ちは変わらなかった。 「ヴィクトルのサンクトペテルブルクの家は豪華であたたかいんだろうね」 初めて毛布を出したとき、勇利は申し訳なさそうに言った。 「ここじゃ寒すぎない?」 「俺は寒いのには慣れているから平気だよ。ロシアにくらべたらこんなのは暖房と温泉がいっぺんにあるようなものさ」 ヴィクトルの言葉に笑ってから、勇利はベッドの端にちょこんと腰掛けた。 「でも、ロシアは家の中はあったかいでしょ? 試合で何度か行ったけど、外は寒くても、建物に入るとすごく暖房が行き届いてたよ」 「まあ、そうじゃないと大変なことになるからね。けど、だからといって、日本でも同じだけのものを俺が要求しているなんて思わないでくれ。さっきも言ったように慣れてるからそれほど寒いとは感じないし、ここはすてきな家だよ。俺はこういうの大好きだよ」 「そっか」 勇利はかすかにほほえんだ。ああかわいいな、とヴィクトルは胸のときめきを抑えるのが大変だった。ヴィクトルにとって勇利は愛すべき生徒だが、それとは別に、彼にはいつもヴィクトルはまいってしまっているのだった。去年のバンケットのときからだったけれど、こうして一緒に過ごすようになって、その気持ちは深まる一方だ。 「ヴィクトルは、いま、家はどうしてるの?」 「どうしてるって?」 「誰もいないの? 家って住まないと傷むっていうけど、大丈夫なのかな? もしかして……誰か……」 ヴィクトルはどきっとした。勇利は何か余計なことを考えてはいないだろうか。ヴィクトルが家をまかせるような相手がいると。そういえば、西郡やミナコが、酔っぱらったときに、「ヴィクトルは世界一もてる」「恋人だらけ」「身のまわりのことをやってくれる女性が山ほどいる」などと吹きこんでいた。勇利は笑って聞き流していたから大丈夫だと思っていたのだが、もしかしたら信じているのかもしれない。冗談ではない。女性をはべらせているなどというでたらめはさっさと打ち消しておかなければ。勇利にそういう誤解をされるなんて我慢がならない。 「うちは無人だよ!」 ヴィクトルは力強く言った。 「鍵をかけてそのままさ。傷むとか、そんなことは考えたこともないな。もし何かあれば手を入れればいいんだし、勇利のところへ来るにあたって、そういうことはまったく頭になかった。それより早く日本に来たくて、そのことばっかりだったよ」 「ふうん、そうなんだ……」 勇利はにこっと笑ったが、ヴィクトルは、これではまだ足りない気がした。もっと──何か、勇利を安心させることを言わなければ。 「そもそも��、自分の家に他人が入ることがいやなんだ」 ヴィクトルは熱心に説明した。 「考えただけでぞっとするね。俺の家に入ったことがあるのは、俺とマッカチン、それにヤコフくらいだよ。あとは業者とかそんなところさ。誰かを招くなんて想像したこともない」 「そっか」 勇利がにっこり笑った。 「そうそう。そうなんだよ」 ヴィクトルは真剣にうなずいた。 「俺の家には誰も入れるつもりはないよ。絶対にね」 「ヴィクトルとマッカチンだけのお城だね」 「そうさ!」 勇利が納得してくれたようなので、ヴィクトルはこころの底から安堵して息をついた。西郡やミナコに余計なことを言わないように注意しておかなければと、このときヴィクトルはまじめに決心した。 シーズンが終わったら、勇利はロシアへ来る。たくさんの話しあいの結果、そういうことになった。それが動かしがたい事実として決定すると、ヴィクトルは有頂天になり、浮かれてしまった。勇利が来る。勇利が俺の町に! サンクトペテルブルクは曇り空が多く、どんよりとした印象だけれど、勇利がやってくればきっと花が咲いたように華やかに、明るくなるだろう。ヴィクトルの世界は輝くにちがいない。勇利と通りを歩き、勇利と買い物に行き、勇利といろんなところへ出かけるのだ。なんて楽しみなことだろう。勇利が長谷津を教えてくれたように、勇利にサンクトペテルブルクを教えようとヴィクトルは張り切った。そして、勝生家でよくしてもらったみたいに勇利によくしてあげよう。ヴィクトルの家が自分の家だと思ってもらえるような努力をしよう。 しかし、そんなヴィクトルのこころぎめなど知らぬというように、勇利は地図や間取り図を示して笑顔で言った。 「ぼくはここに住もうと思ってるんだ」 「は?」 それはリンクの近くのちいさなアパートで、確かに便利そうではあるけれど、それ以上のことは何もない、何の変哲もない住居だった。 「ちょうどひと部屋だけ空いてて。家賃もそれほど高くないし、悪くないと思うんだよね。ちょっと狭いかなあっていう気はするけど、ぼく家で過ごすことそんなにないし、あんまりひろすぎても落ち着かないしね」 そんなことはどうでもいい。ヴィクトルは、勇利はいやではないのだろうかとうろたえた。家賃が安くても、面積が気にならなくても、そこにはヴィクトルがいないではないか! 「勇利……」 「ん、なに?」 「それでいいのか? だって……」 「うん。住んでみないとわからないところもあるけど、そんなこと言い出したらどこでもそうだしね。デトロイトへ移り住むときもわりとおおざっぱにきめていったし、ぼくはそういうの気にしないよ」 「そうじゃなくて!」 ヴィクトルは焦りながら熱心に言った。 「そこには俺がいないよ?」 「え?」 「だから……、俺はてっきり……勇利は俺の家に……」 「えー、そんなこと」 勇利はかぶりを振った。 「だめだよ。だめだめ」 「えっ……」 だ、だめなんだ……。ヴィクトルはぼうぜんとした。勇利の物言いは、そんなことしていいわけない、といった感じだった。勇利がロシアへやってくるにあたり、住処の候補として思い浮かべたものの中に、ヴィクトルの家は数えられてもいなかったのだ。これはヴィクトルにとってかなり衝撃的だった。だってヴィクトルは勇利の家に世話になったのだ。すこしくらい、ぼくもヴィクトルのところに行けるかな、と夢想してくれてもよいではないか。勇利のことだから、ずうずうしいとか慎みがないとか、そんなふうに遠慮する可能性はあるけれど、まったく考えもしないなんて、そんなことが……。 「ないない。ヴィクトルと一緒に住むなんてない。あり得ない」 「そ、そこまで言わなくても……」 ヴィクトルはますます落ちこんだ。 「大丈夫。ヴィクトルの邪魔はしないよ」 勇利は優しくほほえんだ。 「ちゃんとそういう線引きはするから、安心して」 「いや……邪魔とか安心とか……」 「ヴィクトルには自分のいいように、いい環境で暮らしてもらいたいんだ」 勇利は落ち着き払って言った。 「だからヴィクトルの家に押しかけたりしないよ」 「押しかけるとか……」 俺はおまえに来てもらいたいんだ……。ヴィクトルはそう言いたかったけれど、勇利の態度には、「引退します」と宣言したときのような、おごそかな、きっぱりとしたものがありありとあらわれており、何を言っても無駄という様子だった。 「もしかして心配してたの?」 勇利は笑った。 「勇利が一緒に住みたいって言ってきたらどうしようって? 憂鬱にさせてごめん。ぼくのことは気にしないで。コーチをしてくれるだけでじゅうぶんだよ」 俺はそれじゃじゅうぶんじゃないんだ! ヴィクトルはわめき散らしたかったが、素直に口に出すことができなかった。勇利がせっかくロシアへ来る気になっているのに、余計なことを言ったら臍を曲げてしまうのではないかと、それが心配だった。いつ「終わりにしよう」とそっけなく突き放されるかわからない。勝生勇利はおそろしい。 「そういうわけだから安心して。ロシアへ行くの楽しみだな。春でも寒いのかな」 「ああ……」 ヴィクトルは勇利の言うことをまったく聞いていなかった。勇利とは一緒に暮らせないのか……。そのことが重くこころにのしかかり、せっかく彼がロシアへ来てくれるというなりゆきになったのに、ひどく苦しく、さびしく感じた。 勇利の言っていたアパートを買い取ってやろうか、俺もそこへ引っ越そうか、などと真剣に思案していたヴィクトルだが、そんなことをすれば勇利があきれて、やっぱり「終わりにしよう」と言い出す気がしてできなかった。ひと足先にロシアへ戻った彼はすっかり落ちこんでおり、ヤコフに「おまえ……ついこの前までは人生はばら色とかなんとか言っておったのに……」といぶかしげにされ、ユーリには「ヴィクトルが静かだと気持ち悪い」と言われた。しかしヴィクトルはそれどころではなかった。 落ち着け。勇利のこのさきすべてがきまってしまったわけではない。もしかしたら彼がヴィクトルがいないのはいやだと言い出すかもしれないし、そうでなくてもアパートに何か不都合が起きるかもしれない。何も起こらなかったとしても、とにかく勇利を口説いて「ヴィクトルと一緒に住みたい」と思えるようにすればよいのだ。そうだ、毎日彼を招いて食事をごちそうするのはどうだろう? ヴィクトルの家から帰りたくない、と思わせることに成功すれば、ひとつの屋根の下で暮らすのだって夢ではない。あきらめるのはまだ早い。努力をするのだ。 やがて勇利がやってき、ヴィクトルはそのときばかりはうっとりとした気持ちになった。勇利は前よりも綺麗になり、さらに可憐になっていた。以前は眼鏡をかけているときは野暮ったく、平凡で、まったく目立たなかったのに、いまはそんなことは関係なく、ひどくかわいらしく見えた。ヴィクトルは勇利に、ニット帽をかぶらせ、マスクをさせる必要性を感じた。しかし、ユーリにこっそりと「勇利はますますうつくしくなったと思わないか」と言ってみたところ、彼は薄気味悪そうにヴィクトルを見やり、「いや前と同じだろ……」と答えるだけだった。 「同じ? ユリオの目は節穴なのか?」 「ヴィクトルの目がどうかしてんじゃねえのか。ただのブタじゃねえか。気色の悪い……」 勇利が「どうしたの?」と後ろから尋ねたのでヴィクトルは振り返った。みずみずしい、楚々とした愛らしさは、世界じゅうの人から愛されそうだった。ヴィクトルは、勇利を誰にも渡してはならないという気持ちになった。そうなると、もともと勇利と一緒に住めないことが憂鬱だったのに、ますますいやなこころもちになった。勇利がロシアへ来てくれてうれしいのに、それと同じだけ不満をおぼえるというおかしな状況だった。 それはともかく、勇利と過ごす時間は楽しかった。ヴィクトルは勇利をリンクへ連れてゆき、久しぶりに彼のスケートを直接目にした。姿かたち同様、すべりにもみがきがかかっていて、ヴィクトルはこころを奪われるとともに誇らしくなった。あの子は俺の生徒なんだ、と思った。 「勇利、よかったよ」 「本当?」 「ああ。俺がいなくてもがんばってたんだね。えらいよ」 「ヴィクトルが恥ずかしい思いしないようにと思って……」 勇利ははにかみながら、彼の実力がいかほどのものかとリンクサイドで見守っていたクラブのコーチ陣や生徒たちに目を向けた。なんてけなげでかわいらしいのだろうとヴィクトルは感激した。 「勇利は俺の自慢��生徒だ」 「あの……」 勇利がためらった。 「なんだい?」 「……ヴィクトルがすべってるところも、見たい……」 「もちろんだよ!」 勇利の視線を浴びてすべることは、最高に気持ちがよかった。誰に見られるよりもうれしい。これがこれから毎日続くのだと思うと胸が躍った。 しかし、練習を終えて着替えているときはまた気分が落ちこんだ。ふたりは同じ家に帰るわけではない。 「勇利……」 「なに?」 勇利がヴィクトルを見た。知らないうちに、無意識に呼びかけてしまった。ヴィクトルは急いで提案した。 「食事に行かないか。一緒に」 「いまから?」 「そうだ」 「でもぼくこんなかっこうだし……」 勇利は動きやすそうな服装を見下ろした。 「構わない。高級レストランへは連れていかないよ。俺のかっこうだって同じようなものだ」 「うーん……、だけど、今日はやめておくよ」 勇利は困ったように断った。 「着いたばかりだし、時差もあって、早めにやすもうかなと思ってたんだ」 「そうか……」 ヴィクトルはがっかりした。しかし勇利の言う通りだ。彼は疲れているだろう。へこたれずにヴィクトルは誘った。 「じゃあ明日はどうだい?」 「明日かぁ……」 「明日は着替えを持っておいで。俺もそうするよ。そしてふたりで食事をしよう」 「うーん……」 勇利は考えこんだ。ヴィクトルはどきどきしながら返事を待った。勇利がほほえんだ。 「うん、わかった」 「本当かい?」 「着替えだね。持ってくるよ。あの、スーツじゃないとだめなの?」 「いや、なんでもいいよ。気軽な店にしようと思う」 ヴィクトルは頭の中にあるレストランの一覧表から、勇利が緊張せずに入れるような店を急いで選び出した。 「この近くでね。歩いていける。味も悪くないよ」 「もちろん美味しいものがいいにきまってるけど、ぼくはなんでもいいよ」 勇利はあっさり言った。 「ヴィクトルと一緒なら」 ヴィクトルは有頂天になった。断ったあとにこういうことを言ってくるのだから憎い子だ。俺をもてあそんでいるのか、とヴィクトルはうきうきしながら思った。 「じゃあ、明日」 勇利はクラブの建物の前でヴィクトルに手を振った。 「楽しみにしてるよ」 ヴィクトルは声をはずませた。 「デートだね」 「あははっ」 勇利はもう一度手を振って帰っていった。ヴィクトルは、いま、適当にあしらわれた? とがっかりした。頬をあからめるとかして欲しかったんだが……。 まあいい。明日は勇利と食事だ。ヴィクトルはいい気分で帰途についた。 約束通り、練習後にレストランへ寄り、勇利と楽しく食事をした。離れていたあいだのことやスケートのこと、長谷津のみんなのことなど、話は尽きなかった。夕食のあともヴィクトルは勇利を帰したくはなく、飲みに行こうと誘った。勇利は迷うそぶりを見せたが、「もっと話したい」とヴィクトルが言うと、「ぼくも」と了承してくれた。 「勇利」 ほの暗い店の、窓のほうへ向けてつくられた席で、勇利の横顔をちらと見た。勇利は目の前にひろがる異国の上品な夜景にうっとりし、しとやかな笑みを浮かべていた。 「これをきみにあげたいんだけど……」 ヴィクトルは、リボンをかけた白いちいさな箱を差し出した。テーブルの上に置かれたそれを勇利は見、それからヴィクトルの目を見た。 「これは?」 「きみへの贈り物だよ」 「本当に?」 勇利がうれしそうにまぶたをほそめた。その微笑があまりにかわいらしく、ヴィクトルはいますぐ抱きしめたいと思った。 「開けてみていい?」 「いいとも」 答えてから、ヴィクトルはかなり緊張した。受け取ってもらえなかったらどうしよう? 勇利の様子から判断すれば、おそらく──。いや、しかし、やってみる価値はある。言わなければだめだ。このままでは……。 「なんだろう……」 勇利はしなやかな指でリボンの端をつまみ、するっとほどいて箱の上部を持ち上げた。それは簡単にひらき、中から出てきたのは、ふわふわしたペーパークッションにうずもれた銀色の鍵だった。 「え……」 勇利は瞬き、それから慎重な態度で顔を上げた。 「ヴィクトル、これって……」 「俺の家の鍵なんだ」 ヴィクトルは急いで言った。 「勇利には持っていてもらいたいなと思って」 「…………」 勇利は難しい顔をして黙りこんでしまった。ヴィクトルはさらに急いだ。 「重苦しく考える必要はないんだ。勇利の好きに使ってくれればいい。それを持っているからといって勇利を縛るつもりはないし、俺の家で何かしろと強制するつもりもない」 ヴィクトルは、勇利がとにかく深刻にならないよう、言葉を用心深く選んだ。 「なんていうか、ただ持っていてもらいたいというか、それによって何かが起こると期待しているわけじゃないんだよ」 しまった。ちょっと生々しい言葉だっただろうか? 勇利がどう受け止めるか心配でヴィクトルはどきどきした。 「俺の気持ちっていう……それだけの……」 「ごめんなさい」 勇利は箱を閉じ、吐息をついてそれをヴィクトルに返した。 「これ、いただけません」 ヴィクトルは目をつぶった。やっぱり……。溜息が漏れた。そうなるだろうと思ってはいた。勇利がヴィクトルとの同居を選択しなかった時点で、もちろんこういうなりゆきになるのだ。 「なぜ?」 それでもヴィクトルは粘り強く尋ねた。 「勇利に負担をかけるつもりはないよ。ただ……」 「負担だと思うわけじゃないよ。ぼくがそれを持っていられないというだけのことなんだ」 「どうしていやなんだ? 勇利、何か身構えてる?」 「そうじゃないよ。なんていうか……申し訳ないから」 申し訳ない? なんのことだろう。ヴィクトルのファンに対して、という意味だろうか。 「勇利���─」 「ヴィクトル、気を遣わないで」 勇利はほほえんだ。 「ぼくは大丈夫だから。心配いらないよ」 「勇利……」 勇利はこの件についてあまり話したくなさそうだ。しつこくしたら怒り出すかもしれない。ヴィクトルは仕方なく、少ない情報でよく考えてみた。勇利はヴィクトルの家の鍵を受け取ることを申し訳ないと言う。ヴィクトルが気を遣っていると思っている。つまり、こうだろうか。異国の地で不安な勇利を気遣い、ヴィクトルがおまもりのような気持ちでこれを差し出したのだという解釈をくだしているのだろうか。 「勇利、あのね──」 「本当にごめんなさい」 勇利はゆっくりとかぶりを振った。 「でも、うれしかったよ。ありがとう」 彼はほほえんで率直なまなざしを示した。迷惑そうではない。うれしいなら受け取ってくれればいいのにとヴィクトルは思った。 「俺のことが嫌いというわけじゃないんだね?」 「そんなことあるわけないじゃない」 勇利は驚いたように瞬き、それから笑い出した。 「ヴィクトルの優しさに、ぼくの敬愛と好意は増すばかりなんだ」 「…………」 「ヴィクトルはぼくの王子様だよ」 王子様の家には入れないということだろうか。勇利の中には、いつまでもヴィクトルは神様だという気持ちが根付いているのだろう。 無理やり持たせても仕方がない。ヴィクトルはいったん鍵は引き取ることにした。いますぐなんでも上手くいくわけではない。勇利の目にあふれる愛情は確かで、疑いの余地はない。ゆっくりと事を進めよう。 「ヴィクトルってほんとに優しいよね……」 「そういうわけじゃないけど」 「ううん、そうだよ」 勇利はにっこり笑った。ヴィクトルはテーブルの上にある彼の手をそっと握った。勇利は拒絶せず、じっとヴィクトルの目をみつめた。 けっして酔わせようと思ったわけではない。勇利がおかわりをするのを止めなかったのは、ただ彼と長く一緒にいたかったからと、夢中になって話し続けており、彼が何杯飲んだかを数えていなかったためだ。気がつくと勇利はまっかな頬でヴィクトルにもたれかかっており、ヴィクトルはようやく、失敗したのだと理解した。 「勇利、大丈夫かい?」 肩を抱き寄せて尋ねると、勇利はとろんとした目つきでヴィクトルを見、「んー」と返事をした。 「具合は悪くない?」 「んー」 だいぶ酔っているようだ。だが、いつかのように踊り出すほどではない。ヴィクトルはほっとしつつも、さてどうしたものかと考えこんだ。勇利の部屋は知っている。送っていける。しかし、彼をひとりにするのは心配だった。それならヴィクトルの家に連れ帰るしかないけれど、それもいささかためらわれた。まるでヴィクトルが企んで飲ませ、酔わせて好きにしようとしているみたいではないか。そんなつもりはなかったのだ。 「勇利、立てるかい?」 「うん……」 勇利は立ち上がり、ヴィクトルに抱きつくようにして寄り添った。ヴィクトルはどきどきした。勇利のよい匂いがした。練習のあとなので汗の匂いも混じっているが、長谷津で慣れ親しんだ、優しい、なつかしい匂いだった。 「あぶないな。俺の家に来る?」 「ん……」 「いいんだね?」 「うん……」 勇利はわけもわからず返答しているようだ。ヴィクトルは反省した。酩酊している勇利に「いいのか」なんて尋ねて責任を押しつけている。ひどい男だ、自分は。やはり彼のアパートに送っていったほうがよいだろうか。いや、それはだめだ。こんな状態でほうっておけない。 ぐずぐずと思い悩んだあげく、結局タクシーで自宅まで勇利を連れ帰り、抱いていって寝室のベッドに横たえた。 「勇利、起きてるかい?」 「ん……」 「水、飲む?」 「いらなぁい……」 勇利はほとんど夢の中にいるようだ。ヴィクトルは彼をせつなくみつめ、ふっと息をついた。 「何もしないよ」 身をかがめて耳元にささやく。 「きみにめろめろでも、紳士のつもりなんだ」 ヴィクトルは苦笑を浮かべた。勇利はすやすやとやすらかな寝息をたてている。口の端を吸いこむようにして、すこしほほえんでいるようだ。何かよい夢でも見ているのだろうか。 「ヴィクトル……」 「なんだい?」 「…………」 寝言らしい。ヴィクトルは勇利の眼鏡に手を伸べ、そっとはずしてやった。服を脱がせてよいものかと迷ったけれど、このままでは寝づらいだろう。ヴィクトルは勇利の上着やシャツを丁寧に脱がせ、代わりに自分の簡単な部屋着を着せた。それは勇利には大きくて、首元がよく見え、なんだか目の毒のような感じだった。 「何もしない、何もしない」 呪文のようにくり返し、勇利の身体を掛布で覆う。どうしても可憐なくちびるや首のあたりに視線が向いてしまうから、そんな作業もひと苦労だった。マッカチンがやってきて勇利を眺めたので、ヴィクトルはそっと撫でてやった。 「明日遊んでもらおうね」 シャワーを浴び、バスローブ姿で水を飲みながら寝室へ戻った。勇利は相変わらずすやすやと眠りこんでいる。ヴィクトルは水の入った瓶をまくらべへ起き、ベッドにもぐりこんで溜息を漏らした。 何もしないぞ。 ���ッカチンがいてよかった。ヴィクトルは勇利の匂いとぬくもりを背中で意識しながら眠りについた。 翌朝目ざめても、勇利はまだ深く寝入っていた。よく寝るな、時差ボケが残ってるのかな、と思いつつヴィクトルは起き上がり、自然に勇利にキスしようとしてぎょっとした。俺は何をしているんだ。 「やれやれ……」 今日は練習は休みなので、寝かせておいても問題はない。しかしヴィクトルは仕事がある。取材のために出かけなければ。勇利の朝食を支度する時間くらいはあるので、店がひらくのを待ってマッカチンをともない、外へ出た。近くのパン屋で勇利の好きそうな、チキンなどの挟んであるパンを買った。それから、卵や牛乳、ヨーグルトや果物を購入した。いつもはどこかの店やクラブの食堂で食べているから、こんなことはめったにしない。勇利に食事をごちそうして家にいたいと思わせる、などと計画を立てていたので、すこしは練習したのだけれど、せっせと台所でつくった朝食は、あまり美味しそうには見えなかった。 「……まあ、仕方ない」 ヴィクトルはがっかりしてつぶやいた。 「努力はみとめてもらえるだろう」 そろそろ出かけなければ、と着替えながら、でもあれを食べて「こんなまずいごはんをつくるひととは暮らしたくない」と思われたらと不安になった。やっぱり出来合いのものだけを出すべきだろうか。いや、しかし、それではパンのみということになる。そんなそっけない朝食はよくない。どうしよう……時間がない。くそ、もう行かなければ。 「マッカチン、勇利を頼むよ」 ヴィクトルは溜息をつきつつ家を出た。 やたらと上質なベッドの中で目がさめた。勇利はしばらくぼんやりし、視界に勢いよくマッカチンが入ってきたことで、自分がどこにいるかに思い至った。 「ああ……失敗した……」 ヴィクトルに迷惑をかけてしまったようだ。さいわい、いつかのように記憶がすっかりなくなっていることはなく、自分がゆうべ何をしていたのか、どうやってここへ連れてこられたのか、それを明確に思い出すことができた。 「最悪だ……」 勇利は室内を見まわした。いかにも私的な、ヴィクトルのためという空間だった。ヴィクトルとマッカチン以外、きっと誰も入ったことがない。なのに自分が泥酔したせいで……。勇利は溜息をついた。ヴィクトルはなんと思っただろう? 優しいひとだから嫌悪感を抱いてはいないかもしれないけれど、その優しさに甘えるのは思い上がりだ。 「あぁあ……」 しかも着ているのはヴィクトルの衣服だった。まったく、自分は何をしているのだろう。もう泣きたい。 謝らなくちゃ、と部屋を出た勇利は、人の気配がないことに気がついた。なんだかよい匂いがするので食堂へ行くと、テーブルの上に朝食の支度がしてあり、上品な型押し模様のついた便せんがのっていた。 おはよう勇利。 きみが起きるまでいられなくてごめん。仕事があるので出かけるよ。 食事はテーブルの上にあるものを好きに食べてくれ。全部食べてもこぶたにはならないから大丈夫。あたためてね。コーヒーでも紅茶でも好みのものを淹れて。ミルクは冷蔵庫にあるよ。ヨーグルトもね。使った食器は流しに置いておいてくれればいい。 もし帰るのなら、鍵は自動だからそのまま出てくれ。もちろん、俺が戻るまでいてくれても構わない。むしろ大歓迎だよ。夕方には戻れると思う。 きみの服は寝室の椅子に置いてあるけど、洗っていないんだ。俺の服はどれでも好きなのを着ていいから、思うようにしてくれ。服だけじゃなく、家の中のもの、なんでも自由に使っていい。自分の家だと思ってくつろいで。マッカチンにはもうごはんをあげてある。欲しがっても騙されちゃだめだ。 それじゃあ行ってくるよ。 愛する勇利へ きみのヴィクトルより 「……ふっ」 まるで恋人へ宛てたような書き置きに、勇利は笑ってしまった。 「愛する勇利へ、だって」 肩をふるわせながら手紙を置く。 「きみのヴィクトルより、だってさ」 迷ったけれど、せっかく用意してくれたものに手をつけないのは失礼だろう。勇利は卵料理をあたため、冷蔵庫から出したミルクをグラスに注ぎ、ヨーグルトと果物を合わせた器を並べて朝食にした。レタスやチキンを挟んであるパンは、買ってきたばかりなのか、とてもやわらかかった。卵料理はかたくていまひとつ美味しいと思えない。勇利はまた笑った。ヴィクトルでも朝ごはんつくるんだ……。しかもあまりじょうずじゃない。勇利はずっと笑いながら食事をした。そばに来たマッカチンが甘えるように勇利を見た。 「だめだよ。もうもらったんでしょ? マッカチン、ヴィクトルはあんまり料理が上手くないね。ぼくだって人のことは言えないけどね。それでもこうしてつくってくれるんだ。ヴィクトルはどうしようもなく優しいね。本当は、彼、きっと、こんなこと……」 そこで勇利は食べる手を止め、ふうっと息をついた。ヴィクトルに悪いことをしてしまった。 勇利は使った皿を洗い、丁寧に片づけをした。しかし、必要以上にものには手をふれなかった。借りていたヴィクトルの服も洗濯するべきだったが、それは自分の家でしようと思った。とにかく、他人がさわった感じが残らないようにと、細心の注意を払った。 「マッカチン、ぼく帰るよ」 勇利はマッカチンのつむりを撫でた。 「ごめんね。もうちょっと一緒にいてあげたいんだけど」 自分の服に着替え、ヴィクトルの服はかばんにつめこんだ。やり残したことはないかとひとつひとつ考え、大丈夫だとうなずいて靴を履く。ここには、これからさき、もう来られないだろうけれど、探険なんてしなかった。じろじろ見るのは失礼だ。 「じゃあね」 勇利はすぐにヴィクトルの家を出た。ポケットには、ヴィクトルがくれた置き手紙が丁寧にたたまれ、おさまっていた。 ヴィクトルは、勇利が待っているのではないか、おかえりと迎えてくれるのではないかと思って期待をこめて帰ってきたのだが、家には明かりがついていなかったし、扉を開けたときも人の気配はなく、しんとしていた。やっぱりそうだよな、とヴィクトルは落ちこんだ。 やってきたマッカチンに話しかけつつ、食堂へ行ってテーブルを見た。勇利はすべてすっかり食べてしまったようで、食器は綺麗に洗ってあった。食べてくれただけでもヴィクトルはうれしかった。 置き手紙があった。勇利の持ち物の手帳の切れ端だ。丁寧な文字でこう書いてあった。 ヴィクトル、おかえり。 ゆうべは迷惑かけてごめんなさい。反省しています。今後はこんなこと、ないようにします。本当にごめんなさい。 朝ごはん、ありがとう。美味しかったです。 それから、服も借りちゃってごめん。洗って返します。……普通に洗っていいんだよね? ヴィクトルの服は高級なのばっかりだからこわい。手洗いします。 では。またリンクでね。 ぼくの王子様へ 貴方の忠実なる生徒より 勇利がいないことがヴィクトルはさびしかったけれど、最後のひとことでしあわせになった。 「何が忠実だ」 ヴィクトルは手紙にキスをした。 「俺の言うことなんか聞かないくせにね」 それからもヴィクトルは、折にふれ、勇利に鍵を持ってもらおうと努力をした。ジュースを買ってきてあげる、と言えば、紙パックのジュースと一緒に鍵を渡そうとした。勇利と手をつなぐときはてのひらに鍵を忍ばせ、鍵と一緒に彼の手を包んだ。勇利がすべり終わったあと、「勇利、ちょっとおいで」とまじめな顔で呼び、どんな注意をされるのだろうと身構えている彼に「とてもよかったよ。着氷のあとに妙に力が入っていたからそこさえ気をつければ言うことなしだ。ごほうびにこれをあげよう」と鍵を握らせたりもした。だが、すべてだめだった。そのたびに勇利は笑い、「なんで渡してくるの」とヴィクトルにそれを返した。時には「そんなに気軽に出してきちゃいけない」と説教をされることもあった。ヴィクトルは心外だった。渡すべき相手にしか渡していないというのに。 一緒に暮らさなくてもよいのだ。──いまはまだ。受け取ってくれるだけでいい���だが勇利はそれをよしとしなかった。それならとヴィクトルがただ家に誘っても、それさえも断った。「勇利が俺の家にいたがるように」と思って立てた計画は、ことごとくついえてしまった。まず勇利がヴィクトルの家に近づきたがらないのだから話にならない。 何がいやなのだろうと考えてみると、最初に勇利を家に泊めたことしか思い当たらなかった。勇利はきっと、迷惑をかけた、もうあんなことはしてはならないと自分を戒めているのだろう。ヴィクトルのことをいやがっているという感じはしない。ただ、長谷津にいたころより態度が厳しくなっているかもしれない。ヴィクトルに対する態度ではなく、自分を制御する態度ということである。 もっと甘えてくれていいのに、とヴィクトルは不満だった。異国の地ではさびしいと言い、ぼくに構ってとわがままを述べ、ヴィクトルの家に上がりこみ、ここに住むからめんどうを見てと求めたって、彼ならちっとも構わないのだ。ヴィクトルは勇利の言う通りにするだろう。なんでもしてあげる、望みを言ってごらん、と甘やかすにちがいない。自立心の強い勇利はそれがいやなのかもしれないが、それにしてもヴィクトルからへだたりを取りすぎだと思う。ヴィクトルはおもしろくなかった。 このところ、勇利はギオルギーと仲がいい。そのことをヴィクトルは気にしていた。勇利に友人ができるのはもちろんよいことだ。しかし、あのふたりはたいして話が合うまいと思っていたのである。ギオルギーは思いこみは激しいけれど、実直な、きちんとした男だ。ただ、話題といえば惚れた女のことばかりで、勇利にはいちばん苦手な相手ではないだろうかという気がしていた。勇利も愛にあふれているのだけれど、ギオルギーとはあきらかに型がちがう。それなのに、練習のあとは何か簡単に言葉を交わしたり、確認をしたりしているのだ。 「最近、勇利と仲がいいみたいだね」 どうしても気になったので、ヴィクトルはギオルギーがひとりでいるときを見計らい、さりげなく話しかけた。リンクサイドで自分の滑走の動画を見ていたギオルギーは顔を上げ、「ああ」とあっさりうなずいた。 「そんなにふたりの気が合うとは知らなかったよ」 「べつに気が合っているわけではないが……、カツキは話していても物静かで楽な相手だな」 勇利は確かに控えめで清楚だ。だが、「物静か」と言い切ってしまうのは多少抵抗がある。ヴィクトルはバンケットで大騒ぎした勇利を思い出し、ふっと胸があたたかくなった。しかしその安寧は、ギオルギーの次の言葉で吹き飛んでしまった。 「寮は物音にうるさい者��多いが、あれなら誰にも文句は言われないだろう。問題はなさそうだ。彼自身も過ごしやすいと言っているし、互いにとってよかった」 「なんだって!?」 聞きまちがいかと思った。寮? いったいいつ勇利が寮に行ったというのだ。意味がわからない。 「勇利は寮を訪問しているのか!?」 ものすごい剣幕で質問してしまい、まわりの注目を浴びたヴィクトルは咳払いをした。 「もちろん……、友人の家に遊びに行くくらいは当然のことなんだが」 いいのだ。それくらいは。友達は多くいたほうがよい。しかし、友人づくりを苦手としている勇利が、と思うと違和感をおぼえた。 「遊びに行っているわけではないぞ」 ギオルギーは不思議そうに言った。ヴィクトルはさらに心中穏やかではなくなった。 「どういうことだ」 「なんだ、彼に聞いていないのか?」 「何を!?」 「住んでいる部屋がだめになってしまったそうだ」 「だめに……?」 「ああ。空き巣が入ったらしい」 「勇利の部屋に!?」 「いや、同じアパートのほかの部屋らしいが、鍵は壊されるし、荒らされるし、ひと部屋では済まなかったということだ。さすがに気味が悪いだろうとヤコフコーチが彼に声をかけた。その結果、新しい部屋がきまるまで寮へ入ることになった」 「それをなんで君が知っている!?」 そういう相談は俺にすべきじゃないのかとヴィクトルは抗議した。 「そんな話、まったく聞いていない」 「ちゃんと報道されていたぞ。ヤコフコーチもニュースを見てカツキを心配したのだ」 「それは……」 確かにニュースは近頃見ていなかった。だがそういう問題ではない。 「私も以前は寮に住んでいたから、カツキもいろいろ訊きたいことがあるのだろう。私はそれに答えているだけだ。不安もあるだろうからな。そうそう、このあいだ、私の大切な女性に、親切で頼りになると言われたのだ。愛する彼女……」 「そんなことより」 ギオルギーの新しい彼女の話などどうでもよい。 「寮へ入ることを勧めたのはヤコフなんだろう?」 「そうだ。カツキはべつにもとの部屋でいいと言っていたようだが」 「よくない!」 「そうだろうな。私もあまりいいことだとは思わん。ヤコフコーチも同意見だろう」 「それならなんでヤコフは俺に言わなかったんだ!?」 ギオルギーは興味なさげにかぶりを振った。 「さあな。私もカツキに、どうせならヴィクトルにどうかしてもらってはと提案したが、そういう話にはならなかった。彼のやり方に口を挟むつもりはないからそれ以上は言わなかったが」 「意味がわからない!」 ヴィクトルは憤慨しながらヤコフがいるはずのスタッフルームへ向かった。勇利に問いただしたいが、彼はいまバレエの時間である。 「ヤコフ!」 扉を開けるなりわめいたヴィクトルに、ヤコフがめんどうくさそうな視線を向けた。 「なんだ、騒々しい」 「いったいどういうことだ!」 ヤコフは、何がだ、とは言わなかった。彼は「聞いたのか」と溜息をついた。 「聞いたとも! なんで勇利は俺のところへ来ない!?」 ヴィクトルは、重厚な椅子にゆったりと座っているヤコフのそばでまくしたてた。ソファを示されたがのんびり腰を下ろす気になれない。 「言っておくが、わしも提案した。もとの部屋で構わんというようなことを言うから、クラブの管理者としてそれは容認できないと。コーチに相談すべきだと勧めた」 「勇利はなんて!?」 「『ヴィクトルに迷惑はかけられない』そうだ」 「迷惑!?」 「ヴィクトルは優しいから、これを聞いたら部屋へ来いと言うにきまっている。それは困る。だから言わないで欲しい。そう懇願してきた」 「…………」 「わしとしてはおまえのところへ行ってもらいたいが、おどして言うことを聞かせるわけにもいかん。いかにも頑固そうな、手のつけられん態度だったしな。それで仕方なく、寮へ入れるように手続きしてやった。もっとも、寮は若い連中が多い。カツキも、自分のような立場の人間が占領していては悪いと思ったのか、すぐに新しい部屋を探すと言っておったが」 ヴィクトルは来たときと同じ勢いで部屋を出た。そろそろ勇利が戻ってくる時間だ。みっちりと叱ってやらなきゃ、と決心していた。 ところが勇利は、ヴィクトルの剣幕におそれをなした様子もなく、汗を拭きながら平然と言い返した。 「ああ、うん、寮にいるけど。それがどうかした?」 「どうかしたじゃないだろう!」 ヴィクトルはむきになった。 「そういうことは俺にいちばんに報告すべきじゃないのか!?」 「ヴィクトル、声が大きいよ……」 「聞けば、俺には黙っていてくれとヤコフに頼んだそうじゃないか。どういうことだ!」 「ヴィクトル、こっちへ……」 リンクメイトたちがじろじろ見るのを避けるように、勇利はヴィクトルの手を引いて廊下のすみへ行った。 「確かにそう頼んだよ。でもヴィクトルは、ぼくが困ってるって知ったら家においでって言うでしょ?」 「当たり前だ! 何がいけない!?」 「いけなくはないよ。ありがたいと思う。でも……」 勇利はふっと息をついた。 「ヴィクトルに迷惑はかけられないよ」 まただ。迷惑をかけられない。いったいどういうことなのだ。 「俺はそんなの迷惑だとは思わない」 「ヴィクトルは優しいからそう言うけど」 「優しいとかそういうことじゃない。俺が何度勇利に鍵を差し出したと思ってる? 冗談だとでも思っているのか?」 「あれこそ親切でしょ」 勇利はゆるゆるとかぶりを振った。 「大丈夫。心配しないで。なんとか部屋もみつかりそうだし」 「そんなの探さなくていい!」 「ヴィクトルのところには行かないよ。安心して……」 来ないから安心できないんだ! ヴィクトルはもっと言ってやろうかと思ったが、勇利の口元はしっかりと引き結ばれ、何を言われても動じない、といった印象だった。勇利も大人なのだし、彼の意思を尊重しなければならない。守ってやるからおいでと甘やかすのは失礼なのだろう。ヴィクトルはそうしたいけれど。 「……わかった」 ヴィクトルは溜息をついた。 「勇利のきめたことなら反対はしない……。でも、そういうことはちゃんと俺に言って欲しい」 勇利がゆっくりと目を上げてヴィクトルを見た。 「勇利にひみつをつくられるのはかなしいよ。俺のためを思ったのだとしてもだよ」 勇利はようやくやわらかな目つきになると、うん、とこっくりうなずいた。 「ごめんなさい」 「これからはちゃんと話してくれるね?」 「はい……。ぼくも意地になってた。よくない態度だったと思う」 「俺も頭ごなしに叱りつけてすまない。ただ勇利のことが心配なんだ」 「ありがとう」 勇利はとろけるような微笑を浮かべて熱心にヴィクトルをみつめた。ヴィクトルの胸がぎゅうっと引き絞られた。ああ、いますぐこの子をさらっていけたら。そう思った。 ヴィクトルは相変わらず、せっせと勇利を食事に誘ってはデートをくり返していた。勇利自身の意見は知らないが、ヴィクトルとしてはこれはデート以外のなにものでもなかった。 勇利は、ヴィクトルが家に招こうとしてもけっしてうなずかないけれど、外で食事をしようという誘いには素直に応じた。ヴィクトルは、なぜ外で食べるのはよくて家はだめなのだろうと思案し、もしかして勇利はヴィクトルの家を訪問したが最後、何かいやらしいことをされると心配しているのではないかと思いつき、言い訳をしたくなった。ちがうのだ。そんなことをしようと思っているのではないのだ。もちろん、将来、そうなれたらと考えてはいるが、何もいますぐ強引に、という気持ちではいない。勇利さえよければ──いますぐでもいいけれど。ヴィクトルはそうしていろいろと悩み、溜息をついたあげく、勇利を一度だけ家に泊めたとき何もしなかったことを思い出し、それを知っている勇利が警戒するのもおかしな話だと気がついて、自分の考えはまちがっていると悟った。どうも勇利のことになると気がはやって妙なことを考えてしまう。 「勇利、食事に行こうか」 「うん、いいよ」 その日もヴィクトルは勇利を夕食に誘い、おおいに楽しい時間を過ごした。ヴィクトルの家に来ないからといって、勇利がヴィクトルにつめたいわけではない。一緒にいるときは優しく笑うし、目つきはヴィクトルへの愛を語っている。いったい何がだめなのだろうとヴィクトルは答えの出ない問題についてまた思案した。勇利とはもう一生一緒に住めないのではないかと、気弱な不安が頭をよぎったりもした。 「明日はひどい雨らしいよ」 ヴィクトルはレストランの大きな窓から空を見上げて言った。重そうな雲が低くたれこめ、どんよりとしており、いかにも嵐が来そうな様相だった。もっとも、サンクトペテルブルクはたいてい曇っている。 「ずっと湿った空気だったね」 勇利はうなずいた。 「明日が休みでよかった」 「家に閉じこもってじっとしてることだね」 「そうする」 「俺の動画でも見るんだろう」 「たぶんね」 勇利はほほえんだ。 「今夜は大丈夫かな」 「明日の昼過ぎから大降りだそうだよ」 「そっか」 「この町じゃ、日本みたいに晴れ渡ることはめったにないから、勇利はおもしろくないだろうね」 「そんなことないよ。どこでも、その国その国の事情といいところがあるよ。ここはヴィクトルの生まれ育った町だし、そう思って見ると親しみが湧く。情緒的ですてきなところだしね」 ヴィクトルは黙って勇利の手を握った。勇利は微笑してされるがままになっていた。 「勇利……」 「ん?」 一緒に暮らしたい。その言葉をヴィクトルはのみこんだ。 「綺麗だ」 勇利は笑い出した。 「本当だ」 勇利はまだ笑っている。 「うそじゃないぞ」 「ありがとう」 勇利はヴィクトルの手を見た。 「離してくれないと食事ができないよ」 「離したくない」 「そう?」 「ああ」 勇利は何も言わず、チョコレートのような色の甘そうな瞳でヴィクトルをみつめた。ヴィクトルは胸がどきどきして、結局手を離してしまった。だが、食事が終わるまでずっと勇利を求めていた。終わってからも求めていた。帰りたくなかった。しかし、ヴィクトルの目には、勇利は帰りたそうに見えた。 「ぼくんち、寄ってく?」 通りに出てそう問いかけられたとき、ヴィクトルの心臓は一度止まってしまった。もちろんそんなはずはないのだが、それくらいどきっとしたし、我を忘れてしまった。 「この近くなんだ。新しく借りた部屋」 「……いいのかい?」 「いいよ。狭くて殺風景なところだけど、ヴィクトルさえよかったら……」 「行く」 ヴィクトルが勢いこんでうなずくと、「ヴィクトル、鼻息が荒い」と勇利が笑った。 「そうか���?」 そうだろうな、と思った。 「うそうそ。でも期待しないでよ。何もないんだから」 何もなくてもいい。勇利がいるだけでヴィクトルには天国だ。ヴィクトルは有頂天になって勇利についていった。それにしても妙だ。ヴィクトルの家に来るのはいやで、自分の部屋へ招くのはよいのだろうか。勇利の思考回路はわからない。 「ここだよ」 路地の奥にあるその細長い建物は、いかにも古く、さびしく、うらぶれてアパートらしくなかった。 「この最上階なんだ。びっくりした? クラブの近くでぼくの支払える家賃でってなると、あんまり候補がなくて」 急な狭い階段を勇利は上がっていった。 「でも、ひみつ基地みたいでわくわくしない?」 勇利の言うことはわからないでもないが、しかしあまりに古ぼけているのではないだろうか。味わいはあるが、便利で住みやすいとは言えないようである。 「ここ。入って」 部屋もやはり狭かった。ベッドとちいさなテーブルセット、それにおもちゃのような本棚しかない。 「紅茶でも淹れるね。座ってて」 「勇利、ここ、快適なのかい?」 ヴィクトルは部屋を見まわした。 「うん。おもしろいよ」 「おもしろいね……」 「まあ、ぼくはあまり部屋にはいないから、居心地は気にしないんだ」 勇利の淹れた紅茶をヴィクトルはゆっくりと飲んだ。なくなってしまうと帰らなければならなくなる。それはせつなかった。 「ヴィクトルはこんな部屋、住んだことないでしょ」 勇利がいたずらっぽく言った。かわいい笑顔で、ヴィクトルは胸がうずいた。 「ないね」 勇利はうんうんとうなずいてくすくす笑っている。ヴィクトルは口をひらいた。 「勇利とだったら、どんなところでも住むけどね」 勇利がぱちりと瞬いた。 「ここだってそうだよ。すてきだね。確かにひみつ基地だ。勇利と身を寄せあってここで暮らしたいな」 勇利がほほえんだ。冗談だと思っているらしい。 「引っ越してこようかな」 ヴィクトルはつぶやいた。勇利がまた瞬いた。 「同じ部屋に勇利の息吹が感じられるというのはすてきだ。狭いと距離がより近くなって、さらに胸がときめく」 勇利は何も言わなかった。彼は不思議そうな顔でヴィクトルをじっと見ていた。ヴィクトルはたまらなくなった。この可憐な、世界にたったひとりのうつくしい子を愛していると思った。 「勇利……」 ヴィクトルは手を差し伸べ、向かいにいる勇利の頬にふれた。勇利はじっとしていた。 「きみと一緒に暮らしたいな……」 勇利のくちびるが何か言いたげに動いた。ヴィクトルは顔を寄せ、彼のくちびるに接吻した。勇利がはっと息をのんだ。 「──愛してる」 ヴィクトルは勇利のまじりけのない瞳をまっすぐにみつめた。チョコレート色の中に何かがきらめき、流れ星のようにすっと線を引いて、うつくしい余韻を残した。 「ごめん。帰るよ」 ヴィクトルは立ち上がった。 「ヴィクトル」 「紅茶、美味しかった。ありがとう。またね」 ヴィクトルは階段を二段飛ばしに駆け下りると、古めかしい建物を飛び出すようにあとにして、路地に立ち尽くした。 キスしてしまった。勇利に。 翌日は、予報通りの空模様だった。ヴィクトルは激しい雨音を聞きながら、勇利はいまごろどうしているだろうと考えた。ヴィクトルにキスされたことを怒っているだろうか? 気に病んでいるだろうか。それとも、まったく気にしていないだろうか。怒られるのも、嫌悪を持たれるのもいやだけれど、気にしてくれないのもさびしい。ヴィクトルは家の中をうろうろと歩きまわり、勇利のことばかり思案した。かわいい勇利。可憐な勇利。うつくしい勇利。勇利の音楽的なスケート。ヴィクトルのスケートを愛している勇利。ヴィクトルを愛している勇利。しかし家には来てくれない勇利。なのに自分の部屋には招いてくれる勇利。勇利にキスをしたヴィクトル。ヴィクトルの家にはもうずっと訪れてはくれないのだろうか。いや、それよりさきに、部屋に呼んでくれなくなるかもしれない。キスをされるなんて危険きわまりないから、ふたりきりになるのはいやだと思っているかもしれない。 いつの間にか夜になり、雨はますます激しくなってきた。ヴィクトルは溜息をつき、窓辺に立ってカーテンをそっと手で払った。表の通りを見下ろしたとき、はっとなった。街路灯のよわよわしいひかりが、トランクをごろごろ転がしてきた青年の姿を照らした。彼は防水用のウィンドブレーカーを着て、その上から重そうなバックパックを背負っていた。 「……勇利」 ヴィクトルはつぶやいた。勇利だ。ヴィクトルが見間違えるはずがない。勇利だ。 彼は通りを渡ると、迷いもなくヴィクトルの家の前庭に入ってき、小径に沿って庭を勢いよくを突っ切った。勇利の姿がヴィクトルのいる窓から見えなくなり、すぐあとに呼び鈴が大きく鳴った。ヴィクトルは駆け出し、マッカチンがついてきた。 「勇利!」 勇利は、フードの先からぽたぽたと雨しずくをこぼしながらにっこり笑った。 「こんばんは」 「勇利、どうしたんだ──いや、そんなことどうでもいい!」 勇利が来た! どんなに誘ってもヴィクトルの家へ入ることを承知しなかった勇利が。酔ってどうしようもなくなり、ヴィクトルが連れ帰ったとき以外足を踏み入れることを拒んだ勇利が。 「入ってくれ。寒かっただろう。びしょ濡れだ」 「中は濡れてないんだ。上着、ここで脱ぐね。それから、バックパックを拭くタオルを貸してもらえるとうれしいんだけど」 「ちょっと待って!」 ヴィクトルは飛ぶように走ってタオルの置いてある棚まで行き、何枚もそれをつかんで勇利のところへ戻った。ヴィクトルのあとを浮かれたようにマッカチンが追った。 「はい、これ」 「ありがとう。……ヴィクトル、こんなにいらないよ」 勇利が陽気に笑った。ヴィクトルは胸が痛いくらいどきどきした。 「上着を貸してくれ。かけておけばすぐに乾くよ。バックパックも、拭いて置いておけばいい」 「あ、悪いんだけど、このトランクも……」 「もちろんさ。こっちのすみへどうぞ。お風呂に入る?」 「ううん。冷えてないよ。一生懸命歩いてきたから暑いくらいなんだ」 「でも何かあたたかいものを用意するよ。紅茶? コーヒー? ミルク?」 「何もいらないよ」 ヴィクトルは急いで勇利を居間へ案内した。信じられなかった。勇利がいる。夢ではない。 「いきなり来てごめん」 勇利はソファではなく、ふかふかした敷物の上にぺたんと座りこんだ。ヴィクトルもすぐ前に座った。 「ぜんぜん構わない。ぜんぜん」 ヴィクトルは勢いこんで言った。勇利がほほえんだ。彼は改まったそぶりで口をひらいた。 「ヴィクトル、あのね」 「うん」 「ぼくのこと、ここに置いてくれる?」 ヴィクトルは目をみひらいた。 「ぼく、行くところないんだ」 勇利は可笑しそうに笑った。 「あのね、あの部屋、雨漏りがすごくて」 ヴィクトルは瞬いた。 「最初は食器を置いてしのいでたんだけど、もうあっちこっちで漏り始めて、器の数は足りないし、家の中にいても雨が降ってるみたいな感じで」 「…………」 「っていうのはちょっとおおげさだけど、でも、天井のあちこちに水が染み出してるし、とてものんびり過ごせないんだよね」 「…………」 「次こういうことがあったらちゃんと報告しろってヴィクトル言ってくれたし……」 勇利は目を伏せ、それから上目遣いでヴィクトルを見た。 「つまり、ここに住んでいいっていう意味でしょ?」 「…………」 「何度も鍵をくれようとしたし……」 「…………」 「あれ、ぼく、ヴィクトルはコーチとしての義務感でそうしてくれてるんだと思ってたんだけど、ちがったみたい」 「…………」 「だって、ゆうべ、ヴィクトル……」 勇利は頬を赤くし、そっとみずからのくちびるに指先でふれた。ヴィクトルは胸がいっぱいで何も言えなかった。 「……あれ? そうじゃなかった?」 勇利が不思議そうに顔を傾けた。 「もしかして、ぼくが最初に考えてたのが正しいの?」 「…………」 「やっぱり、責任感で渡そうとしただけだった? 報告しろっていうのも、言葉の通り? ただ報告すればよかっただけ? ぼく、来ちゃいけなかった?」 ヴィクトルはなおも口が利けなかった。勇利は困ったように頬に手を当てた。 「ぼく、まちがえた? はずかし──」 ヴィクトルは両手を差し伸べ、勇利を胸に抱きしめた。勇利がぱちくりと瞬いた。 「……まちがってない」 ヴィクトルはささやいた。 「合ってる」 「…………」 「合ってるよ……」 勇利がヴィクトルを見た。ヴィクトルはチョコレート色の瞳と視線を合わせ、まぶたをほそめると、首をかたげてくちびるを重ねた。勇利がヴィクトルの背中に手をまわし、そっと目を閉じた。 「なんでなかなか俺の家に来てくれなかったんだい?」 ヴィクトルは、うっとりと胸にもたれかかっている勇利に抗議するように言った。万事望み通りになり、喜びでうきうきしてしまうと、そんなふうに文句を述べるゆとりができた。 「ひどいじゃないか。俺をもてあそんだのか? そうだろう。俺が何度も鍵を渡そうとしたり、家においでと誘ったりするのを見て笑ってたんだ」 「だからそれは義務感からの行動だと思ったんだってば……」 勇利は片目を開け、あきれたようにヴィクトルを見た。 「なぜそんなふうに思う? あんなに熱心だったのに。俺が勇利を愛してるのなんてあきらかだろう? なのに家には行きたくないとか、鍵を渡してくるなんて恥知らずだとか」 「言ってないよ」 「それくらいの気持ちだったんだろ」 「あのね、ぼくばっかり責めないでくれる? ヴィクトルはいまは気を変えたみたいだけど、もとはといえばヴィクトルのせいじゃないか。ぼくと暮らしたくなかったでしょ」 「なんてことを言うんだ」 ヴィクトルはますますむっとした。 「そんなわけないだろう。冗談じゃない。誰がそんなことを言った?」 「ヴィクトル」 「そうだろう。誰も言わない。きみの想像だ。……なんだって?」 「ヴィクトルが言った」 勇利はヴィクトルの胸から身体を起こし、自分は悪くないというように言い張った。 「ヴィクトルがそう言ったんだよ」 「なに言ってるんだ?」 ヴィクトルは眉根を寄せた。 「ヴィクトル、また忘れたんだね」 勇利は笑った。 「そんなことは言っていない」 ヴィクトルは断定的に宣言した。 「言うわけないだろう? なんで勇利と暮らすのをいやがらなければならないんだ。わけがわからない。こんなに望んで、夜も眠れなかったっていうのに」 ヴィクトルは勇利と額をこつんと重ね、こらしめるようににらんだ。 「何を勘違いしているのか知らないが、そんなあり得ないことを──」 「他人に入りこまれたくないって」 勇利がそらんじるようにつぶやいた。 「え?」 「誰も家に入れるつもりはないって」 「なに?」 「誰かが入ると思うとぞっとするって」 「……何が?」 「ここはヴィクトルとマッカチンだけのお城。そうだったでしょ?」 「…………」 そんなことは言ってない。言っていない、……はずだ。言っていない……。しかし、記憶の底に何かひっかかるものがあった。 『ヴィクトルは、いま、家はどうしてるの?』 『俺、自分の家に他人が入ることがいやなんだ。俺の家には誰も入れるつもりはないよ。絶対にね』 『ヴィクトルとマッカチンだけのお城だね』 あれか……! ヴィクトルは動揺した。すっかり忘れていた。そもそもあれは、勇利を拒絶したいという意味での発言ではなかった。かえって勇利への愛情を表現したつもりになっていたのだ。あのころはここでふたりで暮らせるなんて、考えてもいなかったから。 「ち、ちがうんだ、勇利」 ヴィクトルはうろたえながら言い訳を始めた。 「あれはそういう意味じゃない。そうじゃないんだ」 「そう言われたらぼくだって遠慮するよね。ああ、ぼくには入りこめない場所なんだなって。わがまま言ってヴィクトルにめんどうだと思われたくないもの」 「ちがうんだ」 「ヴィクトルは人を自分の家に入れたくない。なのに鍵を渡そうとするから、このひとは残酷だなあと思ったよ。ぼくをためしてるのかと思った。これで大喜びで受け取ったりしたら、自覚のないやつだってきめつけられるのかなって」 「ちがう! そういうつもりじゃなかった」 「酔っぱらってヴィクトルのお世話になったとき��本当にまいったよ。嫌われたかと思った。できるだけ家のものにさわらないようにしてすぐに帰ったけど、あのとき、ヴィクトル、本当はいらついてなかった?」 「そんなわけないだろう! 俺は家に帰ったら勇利がいるかもしれないと思ってわくわくしてたんだぞ!」 「それは初めて知った」 勇利はくすっと笑った。 「勇利、よく聞いて」 ヴィクトルは真剣に言いつのった。 「確かに言った。他人は入れないとね。でもそれはちがうんだ。勇利に誤解されたくなくて。俺はあのときまで、本当に家には誰も入れていなかったんだ」 「これからさきも入れたくないんじゃないの?」 「黙って聞いてくれ。確かに入れたくない。入れたくないが、いいんだ。勇利はいいんだ。俺はただ、勇利が俺のことをもてると思ってるみたいだったから、誰でも家に入れると断定されたくなかっただけなんだ」 ヴィクトルは一生懸命に説明した。 「勇利なら別だ。勇利は来ていいんだよ」 「そう?」 「そうなんだ。むしろ来て欲しいんだ。いて欲しいんだ。勇利がいなくちゃだめなんだよ、俺は」 「そう?」 「そうなんだ。そうなんだ」 「ふうん」 「勇利が別に部屋を借りると言ってきて、俺がどれだけがっかりしたと思う。もう毎日毎日しおれてたんだよ。ヤコフたちに訊いてみてくれ。勇利がロシアへ来るのはうれしい。最高だ。でも一緒に住めないなんてひどい。そんなの聞いてない。俺は衝撃のあまりぐったりしていた。ふらふらだった」 「そうなの?」 「どうすればいいのか考えていた。勇利は言い出したら聞かないから、とりあえずは受け容れるしかない。勇利の気に入らないことをして、また終わりにするなんて言われたらたまらないからね。でもあきらめたわけじゃなかった。どうにかして勇利の気持ちを変えようと思っていた。将来はふたりで暮らすんだときめてた」 「そうなの?」 「勇利をここへ迎えようと必死なのに、勇利はぜんぜん俺を相手にしてくれないし、勝手に寮へ行ったりするし、さらに部屋を借りたりするし、さすがの俺もくじけそうだった」 「前向きなヴィクトルが」 「おまえが頑固だからだ」 「ヴィクトルが誰も入れたくないって言うからだよ」 勇利はじっとヴィクトルの目を見た。 「ぼくだってヴィクトルのところに来られたらなあと思ってたよ。でも、あんな拒絶の言葉を聞いたんじゃ、絶対そんなこと言えないじゃないか。手がかかる邪魔者だなんて思われたくないからね」 「それは……、それは、悪かったけど……でもあれはずっと前の……」 「部屋へ入られるのは困る、って宣言してるひとに、ところで一緒に住んでいい、なんて訊けないよ」 「それはそうだけど……」 「ぼくだって……」 勇利はふと目を伏せ、吐息のような声でささやいた。 「さびしかったんだからね……」 そのひとことでヴィクトルはもう何もかもをゆるせる気がした。 「本当だよ」 勇利が念を押した。 「本当にさびしかったんだから」 「ごめん」 勇利はほほえんだ。 「……でも、食事に誘ってくれたのはうれしかったよ」 「……勇利」 「酔ったぼくを家に連れてきてくれたのも」 「勇利!」 ヴィクトルは夢中で勇利を抱きしめた。 「勇利、俺の勇利。おまえは、俺が自然で豊かな生活をいとなむために不可欠な存在だ」 ヴィクトルは勇利の耳元に熱烈にささやいた。 「勇利、愛してる」 勇利が純粋そうな目でヴィクトルをじっと見た。 「おまえなしじゃだめなんだ。ぜんぜんだめだ」 「…………」 「いつも、勇利と会っているあいだは元気なのに、帰ってきてからは冷蔵庫の奥でひからびたチーズみたいになっていた」 その物言いに、勇利がかすかに笑った。 「かわいそうだろう?」 「……うん」 「ヴィクトル・ニキフォロフじゃないみたいだろう」 「ん……」 「俺を元気にできるのは誰なのか、どういう行為なのか、勇利、知っている?」 「…………」 「わかるだろう?」 「ふたりでひみつ基地に行って、雨漏りのする部屋で過ごしてみる?」 ヴィクトルは笑い出し、勇利に頬ずりをした。 「確かにそれは楽しそうだ」 「ぼくの最初のアパートで、泥棒が来るかもしれないって思いながら暮らすとか」 「スリルがあるね……」 ヴィクトルは勇利のくちびるを親指でなぞった。 「選んだ部屋がことごとくそんなことになるなんて、ぼく、運がないのかなあ」 「今度の部屋は最高だ」 「本当?」 「本当さ。なにしろ、ずっときみの王子様がいるからね。さっそく勇利の部屋のものを買いにいこう。でも買わなくていいものもある」 「なに?」 「ベッドはいらないよね。俺のがあるから」 ヴィクトルがきめつけると、勇利はおおげさにあきれた顔をした。 「話すことがまずそれなの?」 「そうだ」 「えっちなんだから……」 「そうだ。俺はえっちだ。覚悟しておいてくれ。おまえはえっちな男と住むことになるんだ。これがどういうことかわかるよね?」 「えっちなんだから」 勇利はヴィクトルをにらんだ。 「でも勇利を泊めた夜は何もしなかっただろう?」 「分別があるね」 「えっちだけど紳士だよ」 「えっち紳士」 勇利はくすくす笑い、ヴィクトルの肩に頬を寄せた。 「……べつに、何かされても、よかったけど」 「え?」 勇利はぱっと立ち上がると、「上着は乾いたかな」と言いながら玄関のほうへ行ってしまった。 「勇利、ちょっと待って。どういう意味だ? きみね……」 「あ、乾いてる。ヴィクトル、これどこに置いたらいい? トランクも。ぼくの部屋は?」 「勇利!」 ヴィクトルは勇利の腕をつかみ、真剣に言った。 「今夜から一緒に寝るぞ」 「ぼくが試合でクワドフリップ跳ぶのを見ているときみたいな顔で言わないでください」 「そんな顔してた? というかきみ、試合中に俺の顔を見ている余裕があるのか?」 「試合中は見てないよ。でも、どこのテレビ局も、ぼくがクワドフリップ跳ぶときはヴィクトルの顔を映すんだよ。あとでスロー再生見たら絶対ヴィクトルを挟んでくるんだから。ヴィクトル、すごく挑戦的だよ」 「そうかな。初めて知った。勇利、返事は? もしかしてかわそうとしてる? 俺は断られているのか」 「ヴィクトル……、分別があるね」 勇利はほほえんだ。ヴィクトルは分別をかなぐり捨てて、勇利を寝室へ連れていった。 「ぼくの荷物」 「そんなの明日にしろ」 ヴィクトルは勇利をベッドに押し倒すと、服を一枚一枚脱がせていった。勇利はとくに文句も言わず、されるがままになっていた。 「ヴィクトル……ぼく……」 「さあ、もう何も言わないで。愛してるんだ……」 ヴィクトルは勇利を抱きしめた。勇利のしなやかな肢体はいともたやすく腕の中におさまって、すんなりとヴィクトルのもののようになった。ヴィクトルは勇利のおとがいを持ち上げた。くちびるを重ねると、甘えるように勇利が抱きついてきた。ヴィクトルは夢中になって熱烈なキスをした。 「……待って。ひとことだけ、いい?」 「こわいことじゃないだろうね」 「ちがうよ。それが終わったら本当にもう何も言わないから」 勇利はヴィクトルのくちびるをかるくついばんだ。ヴィクトルは身構えた。 「じつはあの卵料理、いまひとつだったんだ。ヴィクトルでも変な料理つくるんだぁって思った。発見。ちょっとうれしい。以上」 「勇利、それ、いま言わなきゃいけないこと? 『ヴィクトルでもセックスへたくそなんだぁ』とは絶対言わせないからね」
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■大型の台風19号接近中 大型で非常に強い台風19号は、勢力を保ったまま12日夕方から夜にかけて東海から関東に上陸し、その後、東北へ進む見込みです。12~13日に広い範囲で記録的な暴風や大���となる恐れがあります。台風情報について、タイムラインで逐一お伝えします。 【写真】新幹線の運休のお知らせが張り出されたJR新大阪駅=2019年10月12日午前7時51分、白井伸洋撮影 ■東京都内の自治体に避難勧告・指示(12:00) 東京都のホームページによると正午現在、9自治体で避難勧告や避難指示が出ている。避難勧告・指示が出ているのは次の自治体。 ◇ 【神津島村】一部地域【利島村】全域【八王子市】土砂災害警戒区域と浸水想定(予想)区域【日野市】一部地域【大島町】全域【町田市】全域(川沿いや崖・斜面地の近くの住民)【三宅村】全域【奥多摩町】全域【あきる野市】全域の秋川の浸水想定区域や一部地域の土砂災害警戒区域や浸水想定区域 ■群馬・井野川で氾濫危険水位超える(12:00) 国土交通省によると、群馬県を流れる利根川水系の井野川で氾濫(はんらん)危険水位を超えた。 ■JAL、13日の一部の便も欠航(11:00) 日本航空は、羽田と成田の両空港を発着する一部の便を13日も欠航すると発表した。国内線で169便、国際線で17便。約3万2千人に影響が出るという。今後も欠航便は増える可能性がある。 ■京急電鉄も運転中止発表(11:00) 京急電鉄は、正午ごろから運転本数を減らし、午後2時ごろまでには運転を取りやめると発表した。運転再開は13日昼ごろになる可能性があるという。 京急はあらかじめ運休を決める計画運休はせず、直前の気象条件で判断するとしていた。 ■自主避難の住民「近所の人いるし安心」(11:00) 東京都足立区は区立小中学校を中心に30カ所の避難所を開設。区立大谷田小学校の体育館には22世帯33人が自主避難した。 区職員6人と地域のボランティア11人が駆けつけ、避難者に毛布やマット、水を配布した。避難した住民らはマットの上で横になったり、窓から外の様子をみたりして過ごしていた。伊沢萬紀子さん(73)は「一人暮らしなので、家にいると風の音が怖い。ここには近所の人もいるし安心する。早く去ってほしい」。 ボランティアの丸岡和夫さん(77)は「家が土手沿いにあり、川の増水が心配だが、皆さんの手助けになればと」駆けつけた。区福祉部地域包括ケア推進課の千ケ崎嘉彦さん(50)は「この地域は近くに川があり増水の危険が高い。安全に過ごしてもらえるように全力を尽くしたい」と話した。 ■中央道と圏央道で通行止め(11:00) 中日本高速道路は、中央道と圏央道の新たな通行止め区間を発表した。 中央道:八王子インターチェンジ(IC)―一宮御坂IC(上下)、大月JCT―都留IC(上下) 圏央道:圏央厚木IC―あきる野IC(内外回り) ■JR東、運転再開後も本数減(10:30) 順次計画運休している首都圏の在来線について、JR東日本は、13日昼ごろと見込んでいる運転再開後も通常より大幅に運転本数が減る予定だと発表した。 湘南新宿ライン、中央線の高尾―小淵沢、青梅線の青梅―奥多摩、烏山線、水戸線、水郡線は13日も終日運転を取りやめる。山形新幹線「つばさ」のほか、「スーパービュー踊り子」「あずさ」「ひたち」などの特急も13日の運転を中止する。 ■静岡で住宅街冠水、住民「とても不安」(10:00) 静岡市駿河区西島の住宅街では道路などが冠水した。黒田隆彦さん(52)宅付近は午前8時ごろに腰あたりまで水位が上がり、自宅は玄��から浸水、床が水浸しになった。 周辺はよく冠水する地域だが、ここまで水位が上がるのは初めてという。「この後台風が最接近すると聞いてとても不安。電気やガスのライフラインが止まらなければよいが」と話した。 ■ローソン、435店が休業(10:00) コンビニ大手は首都圏と東海地方を中心に一部店舗で休業する。ローソンは435店が休業や休業予定。ファミリーマートも午前10時時点で、東京都や神奈川県を中心に約660店が休業しているという。セブン―イレブン・ジャパンは約1千店が休業する見通し。 ファミマやローソンは12日夜から13日早朝にかけて弁当などの配達を中止する。ファミマは主に関東地方の6200店、ローソンは同地域の4400店が対象。前後の配送を強化するなどして対応する。ローソンはカップ麺や水などの発注を強化して品薄に対応している。 ■東京駅は閑散(9:30) 計画運休で閑散としたJR東京駅。駅員によると、利用客は普段の20分の1ほどという。オーストラリアから家族4人で観光で訪れ、14日に帰国予定のケビン・マクガンさん(42)は大きなスーツケースを手に成田エクスプレスの乗り場をめざしていた。「空港周辺のホテルは満室でまだ寝床を確保できていない。空港で2泊するかな」と疲れた顔で話した。 ■境川が氾濫危険水位に到達(9:00) 東京都は、境川が午前8時1分に氾濫(はんらん)危険水位に到達し、水位はさらに上昇する見込みと発表した。浸水に警戒するよう、流域住民に呼びかけている。 ■京王、終電は午後1時発(9:00) 京王電鉄は12日の最終電車について、京王線は午後1時新宿発(京王八王子着と橋本着は午後1時50分)、井の頭線が午後1時渋谷発(吉祥寺着は午後1時28分)になると発表した。運転再開のめどは未定という。 ■東急全線、運転とりやめを繰り上げ(9:00) 東急電鉄は、午前10時半ごろから全線で運転を順次とりやめると発表した。午前11時半ごろからの予定だったが、台風19号の接近で当初の想定より気象状況が悪化しているためだという。 ■イオンは営業時間を短縮(8:30) 総合スーパー大手のイオンリテールは、関東と東北、東海の1都8県(東京、福島、千葉、神奈川、埼玉、群馬、栃木、茨城、静岡)で展開する「イオン」「イオンスタイル」など計128店舗について、営業時間を短縮する。 東京や千葉、神奈川、埼玉の店舗は正午か午後1時までの営業とし、その他の店舗も午後5時までには閉める。 広報担当者によると、停電の影響を受け、一部店舗では営業開始の午前9時に開店できていないという。 大型商業施設のイオンモールは、関東と東海の1都8県(東京、千葉、神奈川、埼玉、群馬、茨城、栃木、静岡、愛知)の48施設で12日を臨時休業する。 ■千葉県などで停電(7:50) 東京電力は、千葉県の約6800軒が停電していると発表した。同社は「復旧には時間を要する可能性がある」としている。 内訳は次の通り。 八街市 約3千軒 山武市 約1300軒 木更津市 約1千軒 富津市 約600軒 館山市 約500軒 いすみ市 約300軒 鴨川市 約200軒 また、茨城県龍ケ崎市と利根町で約200軒、静岡県南伊豆町と下田市でも約200軒が停電している。 ■新宿駅地下街、「臨時休業」の貼り紙(7:30) JRや私鉄、地下鉄が乗り入れる新宿駅(東京都新宿区)の地下街では、多くの店で「台風接近のため臨時休業」などと貼り紙が貼られ、シャッターが閉められていた。改札付近では、運行状況を示す電光掲示板や立て看板を見るため、足を止める人の姿が目立った。 ■関西空港連絡橋が通行止め(12日朝) 西日本高速道路(NEXCO西日本)は12日、台風19号による強風の影響に伴い、午前8時から関西空港連絡橋を通行止めとすると発表した。
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フィールドが飛び跳ね歌う グッドモーニングアメリカ

開演時間になると、たなしん(Ba.Cho.)のアナウンスからライブがスタート。「2019年、流行りに流行ったタピオカ。今日はタピしんが!サインボールを投げますよ〜!」と、なんと肌色の全身タイツに黒いサインボールをくっつけた姿でフィールドに登場!”♪パンケーキ食べたい”さながらに、“♪タピオカ食べたい、タピオカ食べたい”のメロディーをBGMにしながら客席エリアに突入すると、すかさずオーディエンスが密集。ところが「それはダミーだぞ!」と、ステージには本物のたなしんが!フィールドに降りるともみくちゃになり、サインボールの外れた肌色タイツ姿で「みなさんハッピーに楽しく遊んで下さい、始めまーす!」とグドモらしい幕開けだ。

1曲目「ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ」からドラムビートに合わせてハンドクラップが広がり、お客さんが両手を上げてステップを踏んでいるとフィールド全体が弾んでいるよう。「コピペ」はスピーディなイントロからすぐさま“オイ!オイ!”のコールが起こり、呪文のようなサビが面白いナンバーもすっかりライブ定番曲に。コールだけでなく、お客さんがメロディーを歌い上げるシーンも多いのがグドモのライブだ。

MCでは渡邊幸一(Gt.Cho.)が「アルカラの稲村さんも言ってたけど、トレジャーは愛に満ちたイベントだと思ってます。今もこうやって台風が来てる中でこれだけの人が集まってくれて、素晴らしいと思います。2011年からトレジャーには愛をもらってばっかりなので、今年ぐらいは恩返ししたい」と話す。たなしんは「私はこういう形でしか思いを伝えられませんが!」と全身タイツを脱いで、お約束の「3、2、1…ファイヤーーーー!!!!!」を全員で叫んだ。

TOTALFATのJoseが飛び入り参加して「全然聞こえねーぞー!」と炊きつけた「未来へのスパイラル」、ピースフルに革命を歌った「YEAH!!!!」、ラストは「空ばかり見ていた」でフィニッシュ。どの曲もアンセム級の盛り上がりで、笑顔を見せて楽しむお客さんの姿が印象に残った。グドモが作り出したこのハッピーな光景が、TREASURE05Xへのプレゼントそのものだ。
<SETLIST��� 1. ウォールペーパーミュージックじゃ踊りたくないぜ 2. コピペ 3. 言葉にならない 4. 未来へのスパイラル 5. YEAH!!!! 6. 空ばかり見ていた
text:青木美穂 photo:郡元菜摘

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