#現代ファンタジー
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転生しないし、したくありません! 7
今夜は寝かさないぜ!
セレィシェと俺はゲームをしながら夜を過ごす。このゲームの勝敗が俺の命を握っているのだが、そんな事は関係なく俺は楽しすぎてヤバ谷園。
だってあのセレィシェとゲーム出来るんだぜ? 神かよ。
「命って…。もう死んでるでしょう?」
そうだった。失敬失敬。忘れちまうんだな、これが。ガハハ。
「そんな事も覚えられないんですかぁ? 馬鹿の相手は疲れますねぇ」
そう俺はセレィシェ馬鹿もといキミバカなので、あながち間違ってはいない。あといまだちょくちょく丁寧語調になることもあるのが、なんか逆にかわいい。
「うるさいなぁ……死んじゃえ」 「あっ」
セレィシェの攻撃で俺の操作するキャラが絶命する。なんてこった。やられた。ってかちょっと教えただけでここまで飲みこみ早く覚えてしまうこの子はなんなの? セレィシェ、恐ろしい子!!
「ふっふっふ、これで私は二勝ですねぇ。いいんですかぁ? このままじゃ『死んじゃい』ますよぉ?」 「ははっ、もう死んでるんだけどね」
死人ジョークは暫く飽きそうにない。なんかセレィシェも乗ってきてくれたし。俺は嬉しいよ。
「あなたが言ったんでしょう? 『俺が勝ったら別々、負けたら一緒に寝る』って」
ああそんな事は言いましたねぇ。だって君、一緒寝ようとするんだもん。早いでしょ、色々と。
「意気地なしですねぇ。それでも男ですかぁ? それとも、『何か悪い事』でも、しちゃうんですか?」
イマドキの世界はジェンダーレスだジェンダー平等だと盛んに叫ばれて久しいので、男らしくないという指摘には懐かしいものを感じるし、『へぇ〜君はそういう風に感じるんだねぇ』とまた一つ彼女の事が知れて嬉しいのだが。それはそれとして男じゃないと言われたら引き下がってはいられない。俺はそういうタイプだ。あと『何か悪い事』とやらには触れないでおこう。ちょっと心臓が持たない。
「……氷河の男らしいところ見てみたいなぁ…」 「ひょっ」
なにそれかわいい殺しにきてる。ええい、そうやって誤魔化すでない! とにかく今日は一緒に寝ないの! まだ早いってぇ。だってまだ、ハグもしてないぜ俺たち?
「そんな悠長な。何を今更紳士ぶってるんだか」 「心外だ。俺はいつだって紳士だぜ?」 「そうでしたか?」 「ああ。君が嫌がる事はしないさ」 「だから。私がいいって言ってるでしょう?」 「こればかりは譲れないね!」 「はぁ、めんどくさいなぁ」
『楽しいからいいけど』。そういう彼女の横顔にまた、俺は見惚れてしまった訳だが、こういう感情を秘密にするのも難しくて困る。色々と彼女のテレパシーを掻い潜る術はあるけれど、そのどれもがそう簡単に常々出来るほど、甘いものではない。というか、あんまり隠す必要もないか、と思えたりもして。
「明け透けに言われるとこっちが恥ずかしいんですって。身も蓋も必要ですよ」 「身も蓋も必要?」
なんか変わった言い回しをするなぁ。そういうとこも好き。
「言ってるそばから……なんなんですか? ムカつくのでコテンパンにしてやりますよ」
そういってニヤリと不敵に笑う様は、まさしく天使。女神。そしてセレィシェ。
「最後のはただの名前じゃないですか……」 「ただの名前かな? 素晴らしきたっとき名前だよ」 「ハイハイ。次やりますよ? これで終わりです」
やばい。なんか勝てる気がしない。だが負ける訳にはいかない。俺だってセレィシェと一緒に寝たいけどまだその時ではない! 勝負は一勝二敗、あと二戦勝てばいいだけだ! 信じろ俺! 俺を信じろ!
……てかよく考えたら、考えを読まれてるから負けてたんじゃね?
「……チッ、気づきましたね。ずっと気付かない馬鹿であればいいものを!」 「おあっ!!」
そういうセレィシェの猛攻。負けるもんか! 今夜別々に寝るんだ! ってかこの二人でゲームしてる時間が至福すぎて引き伸ばしたいってのもある! だからセレィシェには悪いけどめちゃくちゃ試合を引き延ばしてやるからな!! 覚悟しいや!!
今夜は寝かさないぜ!!!!!!!!
#小説#ラノベ#なろう系#ラブコメ#恋愛#異世界転生#異世界転移#転生しない#転移しない#超能力#イメージ#現代ファンタジー#哲学#フィクション#オリジナル#心夢宇宙#転生しないし、したくありません!
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ヘレシー・アウト 1-5 (Kindle配信版)

単話/99円 Kindle Unlimited/0円
毎話 挿絵あり
あらすじ
舞台は令和、コロナ禍の東京のはずれ。
現代に生き疲れたフリーターの青年、海晴(みはる)は唯一の趣味であるゲームに課金をしたい為に、毎日色んな所でバイトをたくさんして、淡々とした日々を生きて、人と深く関わることを避けていた。
そんな海晴の元に、ある日突然天使であるハミエルが舞い降りた。
人の心を癒す役割を持っているという伝説をもつハミエルは、廃れた海晴の心を救う為にやってきたのだ。
始めはハミエルの存在が信じられなかった海晴だが、少しずつ存在を認めていき、ふたりは不思議な共同生活を始めることとなる。
家族と上手くいっていなくて、友達もいない海晴は、孤独だった。
海晴はハミエルと過ごすことで、忘れていたたくさんの感情を思い出す。
そうして、いつしかハミエルは海晴にとってとても大切な存在となっていく。
ふたりには、愛でも友情でもない別の関係性が芽生えていた。
これは、そんな海晴とハミエルふたりの恋でも愛でもない確かな信頼の物語――
注: Kindleの仕様上、挿絵が小さく表示される場合があります。その場合はぜひ拡大してご覧ください。
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Vtuber海月夜澪ちゃんのグッズ用イラストです
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https://anond.hatelabo.jp/20241019210503 俺は普通に地元が荒れまくっていて、何人か友達も死んでるし、俺自身も犯罪に巻き込まれたことがある被害者だ。 こういうのを見る度に思うのだけれど、「頭が悪いから犯罪する」だとか、「能力が不足しているから犯罪をする」という思考に流されすぎ。 いいか、今話題の強盗団は「何も悪くないのに強盗になってしまう」ことが一番の問題なんだ。 倫理意識が高かろうが、頭が良かろうが強盗になる。それがこれからの世の中。 お前が言っているのは「詐欺は騙される方が悪い」とかそういうレベルの極論。何も悪くなくても詐欺の被害者にはなる。 普通の人達が社会人をやってる時間を「どうやったら犯罪で一儲けするか」に振っている人間達がいるという思考をしろ。これは単純な労働力投下量の問題であって倫理の問題ではない。 まずこの文章を読んで、お前も、俺も、いつでもこういった犯罪に巻き込まれる、加害者にも被害者にもなる可能性があるという意識を持つことが何よりも重要なんだ。 要点を適当にまとめるから暇な時、読んでおいてほしい。 ●基本、悪人は強盗はやらない 「何言ってんだお前」という声が聞こえた気がするが、これは圧倒的事実だ。 「強盗と強姦はやるな」というのは、ちょっとでも犯罪に身が近い世界で生きてきたなら当然の常識だ。 すごく馬鹿にされそうな言い方をすると、不良界隈にいたのであれば強盗も強姦も基本的にやらない。置き引きや暴行は普通にやるやつら、簡単に人を喧嘩で刺すやつら、そういう人間達でも強盗はしない。 なぜかと言うとメリットに対してデメリットが大きいからだ。要は実刑を食らい、さらに長い刑罰を食らう可能性が非常に高いのがその二つの犯罪だからだ。 うちの地元だと「強」のつく犯罪はするな、というのは先輩から後輩に受け継がれる鉄則だったりする。 あと立証しやすいとかもある。 お前達の世界観だと、「犯罪をしたら警察に捕まって刑務所にぶち込まれる」くらいの解像度かもしれないが、犯罪にも色々種類があり、捕まり方にも種類があり、ぶち込まれ方にも種類があるということを知るべきだ。 犯罪者は犯罪を犯し捕まれば、泡になって消えるわけではない。 不良界隈は、犯罪のコード化をしっかりと進めているので「これは実刑まではいく」とか、「これはやったら割りに合わない」という思考をする。 犯罪をしたら刑務所、みたいなふわっとした思考でいないのだ。具体的な手順、具体的な刑罰を考えて割に合うように犯罪をするのが不良というものなのだ。 あとはこういう大金が絡む犯罪だと、10年懲役を食らったとしても、1億稼いでいるなら年収1000万だ。これは悪くない、という考え方もある。 (金の隠し方、要は税務署からどう逃れるかにも色々テクがあるが、これは言うと身に危険があるからここには書かない) ダラダラ書いたが、要は「悪いヤツ程強盗はしない」のだ。お前の周囲にも、置き引きやら喧嘩で鑑別とかにぶち込まれた同級生くらいいただろう。うちは年少行きもかなりいたが。 そういうやつらは、強盗は基本的にしない。割に合わないことを知っているからだ。 気軽に人をぶん殴り、喧嘩となれば刃物で人を刺すようなやつらが、強盗はやらないのだ。 じゃあ、誰がそういう犯罪の実行犯になるのか。 普通の人だよ。お前や、俺だ。普通に学校に行き、普通に社会で暮らす人達だ。 ●どうやって強盗団になるのか、どうやって逃げたらいいのか 俺の知るノウハウを書く。正直最早古い手順になっているのだが、啓発だと思って聞いてほしい。(多分、ニュースとかでももうやっていると思う) SNSかバイトサイトで、荷物運びとか適当なことで釣る。で、ここでもう「高報酬」とかあんまり言わん。普通の仕事と同じように見えるように書く。 というかお前ら、バイトの募集アプリで見た事あるか?どれもこれも「高報酬!」とか「隙間時間に手軽に稼げる!」とかでありふれている。 闇バイトと普通のバイトの見分けはハッキリ言ってつかない。というかつかなくしている。 現場にやってきたら、あとは簡単だ。「本人確認」と言って免許証を取り出させ、「スマホってある?」って言ってスマホを取り出させる。 それで免許証とスマホを奪う。これは大体車の中で行う���とが多いかな。場合による。 これでもう完成。「俺はそんなバカなことはしない」と思うかもしれないが、基本的にもう手慣れているのでマジで騙されるよ。 ちなみに、これは周囲から聞いたのだが、基本的に逃げるならここしかない。基本的にこの後はもう車で現場まで行って楽しい強盗団に強制参加だ。 自分の家が書いてある免許証と、スマホを捨てて逃げろって話。 現場に降りた瞬間に逃げるのもアリだが、その時は当然中の人間も武装してるのでついでみたいにぶん殴られ、拘束される。 あと、「緊急連絡先」って言って、実家の住所と電話番号も提出させることが多いので、「実家襲うからな」」という脅しにも当然耐えなければならない。 (というか、事実見せしめで実家も襲われてるみたいなニュースがあったはずだ) ここに、「頭が悪いから巻き込まれる」とか「警戒心が低いから巻き込まれる」という要素は個人的にはないと思う。「スーパーのバイトに���募したら強盗団になる」くらいの感覚でいた方がよい。 バイトや派遣なんざしているのがもう悪い、という話はあまりにも昨今の就職事情からすると暴力的な話でもあるしな。 ●じゃあなんで今更こんな強盗団が流行ってるのか これには3つの要因がある。①技術の発達(普遍化)②犯罪のファンタジー化③ノウハウの高度化だ。 ①はわざわざ語るまでもないだろう。アプリ、SNSでいくらでも人と繋がれる時代になり、情報をやり取りできるんだからそんなもん悪用されるに決まってる。 無知は利用するもの、知識は悪用するものだ。この世の基本だ。求人を誰にでも出せるようになったので簡単に実行犯を集められるようになった。 ②は俺は最も重い問題だと考えている。不良が減りすぎた。犯罪が減りすぎた。犯罪が遠くなりすぎた。 「悪い事」がなにやら魔法のような、よくわからない世界になってしまった。だから、万引きも強盗も同じ「犯罪」のくくりになってしまう。 本件に関しては、「何に替えてでも強盗には参加しない」という意識が低い。強盗は基本的にやったら超絶重たい罰を食らう。 だから、何に替えてでもやってはいけないのだ。 ③、これは①との複合の話になる。今、異常な速度で犯罪のノウハウは共有されている。前述したように、どうやって違法に金を集めるかに、多くの労働力を投下している層というのは存在する。 これからも存在し続ける。そういったやつらのPDCAサイクルが異常に早く回り出している。 「とりあえず試してみよう!」精神が、犯罪者界隈で最近活発になっている。統計上は犯罪が減っている。凶悪犯罪や強盗も減っている。 だから問題ないと考えるのは自由だが、これは俺は身近な空気感として感じている。 ●俺達はどうしたらいいのか 犯罪をしろとは言わんが、犯罪に対する無知があまりにも増えすぎた。もっと悪い奴らと会話をした方がよい。 別にこの話に限ったことではなくて、犯罪を身近においてどうやって避けるかのノウハウに頭のメモリを常時使うべきだ。 「何も悪くなくても強盗団になってしまう」という話と矛盾するようだが。 それでも上記の話のように「免許証とスマホを捨ててでも遁走しろ」みたいな話は俺は地元の先輩から3年は前に聞いていた。 そういう啓発は警察の仕事かもしれないが、基本的に警察というのは起きた犯罪に対処するのが仕事であって未然に事件を防ぐのはあくまでも副次だという意識をもっと持つべきだろう。 犯罪は遠い世界の出来事ではない。お前も犯罪者になるし、俺も犯罪者になるし、お前も被害者になるし、俺も被害者になる。 そういう意識をもって常に生きるべきだ。
強盗団の件、犯罪エアプの人達は平和ボケしすぎ
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翌日、会社からマンションに帰る途中、信也はJR上野駅向かい側のビジネスホテル「М」に近いところに、たまたまゲイ総合サイトからアクセスして見つけたバラエティショップ「B」に立ち寄った。いざゲイビデオに出演するとなると、モデルがどんなシチュエーションで相手と絡んでいるのか研究しなくてはと思ったのだ。しばらく裕美は漫画の〆切が近いと仕事場の方に泊まり込みになると、昼休み中にラインがきた。全く、〆切そっちのけで飲みに歩いているからだと、彼は呆れた。アシスタントの香織も、よく子持ちでありながらあちこち出掛けるよなと、未だに学生気分が抜けないのが不思議だった。
色々と小言を呟いてはいたが、少しは下半身の穴も「開発」しなくてはと、信也は真純にラインをし、「サ◯ソンビデオ」に出演することは伏せつつ、もっと気持ちよくセッ◯スをするにはどうしたらよいかと相談した。すると、真純から返ってきた言葉がこれだった。
「雄マ◯コで感じる様になれば沢山イクよ」
と文末にハート印が付いていた。彼は、
「信ちゃんとまたイッちゃいたいな」
と今度はハート印が三ケ付いていた。余程やりたいンだなと信也は苦笑した。
一方、憲一にも同様の質問をしたが、やはり「ア◯ル」が最高だとの回答だった。直腸と大腸の裏側に前立腺があり、そこを刺激されると普通に肉棒をしごいて淫液を出すより気持ちいいと話していた。彼は、三社祭の前日に真純と寝た時のことを思い出した。嗚呼、確か「潮吹き」をしたな…。あんな状態にオレもなるのかと信也は想像しただけで恥ずかしかった。しかし、問題は挿れるまでの下準備が大変そうだった。まるで鼻の穴にごぼうを突っ込む様なものだし、自分が経験した限りでは痛いの一言しかなかった。 そのことも相談したが、
「まずはラヴオイルで相手の『雄マ◯コ』で濡らし、最初は一本、徐々に二本、三本と拡げていけば大丈夫」
と、憲一からメッセージが返ってきた。また、
「あまりに好きだったら『雄マ◯コ』を舐めちゃうな」
ともきた。「舐める」!? 所謂「ケツ」の穴を!? 信也は生理的に無理と思った。元々、大きい方を排泄する為にあるものを舐めるだと!? オレにはできない! 彼は、縦線の入った『げッ!?』と言葉を放つイラストのスタンプを押した。それに対して憲一は、
「オレは信ちゃんのならペロペロしたいなァ〜」
とハート印を付けて返信した。
そんなやり取りを東西線と銀座線での移動時にしていた。今日は憲一も真純も休んでいるから、まァ、こんな時間にラインしても大丈夫だろうと思ったが…。時折、二人は昨日「Kバー」やホッピー通り、ゲイバー「Z」で撮った写メを添付していた。信也は泰典とずっと過ごしていたが、その間に二人は褌越しに他の客と「兜合わせ」をしたり、舌を絡ませ合ったりと好き放題やっていた。仕舞には、恐らく今朝ビジネスホテル「C」の部屋の中なのか、二人が「フィニッシュ」した後の様子もアップされ、かえって信也の方が赤面した。そのうちに下半身が反応し始め、彼はブリーフケースで股間を隠した。まるで、裸同然の透けた下着だけで卑猥なポーズをとったグラビアの女を見てオ◯ニーを隠れてやろうとする男子中学生の様だ。
信也は、先走り汁がスラックスにまで染み出していないか心配しながら上野駅で下り、バラエティショップ「B」を目指した。雑居ビルの二階に上がってすぐ左手にドアがあったが、開けると奇抜なデザインの下着や褌が陳列され、奥の方には無数のDVDが置かれていた。所謂「ケツワレ」が視界に入り、彼はハンガーに掛けられたものを手に取った。嗚呼、アメリカンフットボールやラグビーの時に穿くやつだなと思ったが、どういうシチュエーションの時に使うのか解らなかった。
一方、DVDの陳列棚に目を移すと、一見ゲイとは無縁な、黒髪を五分分けにした紺色のスーツを着た痩せ型の男が色々とパッケージを見ていた。彼は「エ◯ティックスキャン」のDVDをメインに探している様だった。二、三十代のスーツ姿のモデルがワイシャツのボタンをはだけさせ、比較的筋肉質な肉体を見せながらシースルーのビキニ越しに股間を「もっこり」させている。信也は「如何にも」感を漂わせているので、全然萌えなかった。彼は寧ろ、「Mr. H◯t」の様な普通の中年男が恍惚の表情を見せている方に欲情した。憲一も真純も、見た目は普通のおっさんだからだった。
Mr.H◯tのDVDを二本買うことにし、信也はディ◯トと「ペ◯ローション」の置いてある棚に歩いて行った時、先刻からDVDを探している男の携帯電話が鳴った。何処かで聞いたことがある声が聞こえてきた。
「大輔君、どう〜? カッコいい男の子があんあん言いながらお尻掘られてる様なもの、あったァ〜?」
「いやァ、パッケージだけじゃ解らないスよ! それっぽいの、何本か買って来ますよ」
「一応『レディース』雑誌だから、『ガチ』ゲイでもダメだと思うのよォ〜。いっその事、男だけど妊娠しちゃうファンタジー物にしちゃおうかしら?」
「先生、男に『子宮』はないスよ!」
「そうよねぇ〜、まさか『キ◯玉』に子どもできちゃエイリアンだもンねぇ〜」
この調子の喋り方とい、このトーンの声とい、嗚呼、彼が裕美の担当者なンだなと思った。家に置いてあったDVDは彼が買って来たンだなと、信也は思った。彼は、大輔には声をかけずにレジへDVDや「大人の玩具」を持って行った。チェック柄の紙袋に入れられ、外から見られない様に考慮はされていたが、何となく「ついに買っちまった」感が付きまとった。
途中、下谷神社にお詣りをした後、どうせ独りだしと信也はマンション近くのラーメンチェーン店「H」で日本酒も付け、夕食を済ませた。あまりに近所なのでなかなか来る機会がなかったなと、彼は餃子と野菜たっぷりラーメンを食べた。嗚呼、このまま風呂も済ませちゃおうと、「K湯」にも寄り、日替わり湯にどっぷり浸かりながらしばらく頭の中を空っぽにさせた。マンションに戻ると、彼は新しい下着に取り替え、部屋着のTシャツとスエットパンツに着替��た。そのままベッドに身を投げ、しばらく天井を見上げていたが、彼は枕の横に置いたバラエティショップ「B」で買った諸々を開封することにした。袋から出すと、真っ先にディ◯トと「ぺ◯ローション」が転がってきた。ピンク色のディ◯トは、意外とリアルにできていた。男の肉棒を模したものだが、キチンと血管が浮き出ているところまで再現されていた。大きさがあるらしく、まずは最小のものから始めることにした。しかし、これを「雄マ◯コ」に挿れるのは抵抗があった。汚れてはいけないと思い、念の為に「コ◯ドーム」も箱で買った。
「オレは何やってるンだろ…」
と、内心バカバカしく思えたが総てはビデオ撮影の為だと割り切ることにした。
信也は、ベッドの上にバスタオル��敷き、とりあえず用を足すことにした。ディ◯トを挿れるのだからまずは「雄マ◯コ」の中をキレイにしなければと、トイレに向かった。数分後、用足しをすると彼は再びベッドに横たわり、タブレットで気になる動画をアプリで探しながらスエットパンツを脱ぎ、ブリーフ越しに一物を弄り始めた。時折、向かい側の姿見に映る自分自身の姿に視線を向け、内腿を開きながら腰を突き上げ、何度も股間を愛撫した。動画には、ワイシャツをはだけさせた中年風の男が白いビキニ越しに一物を弄っていた。ネクタイをだらりと襟に垂らし、如何にも仕事帰りという表情を見せながら、時折ビキニの端を引っ張り、勃起してきた「ムスコ」に欲情している。早くも信也は硬く太くなっていくのを感じ、Tシャツをたくしあげた。乳房を弄りながら、動画の男と一緒にオ◯ニーをしているかの様な錯覚に陥った。
「あん、ああん…」
おのずと信也はディ◯トに手が伸び、ブリーフ越しに己の肉棒に押し付けた。腰を左右に動かしながら、そのディ◯トを徐々に「雄マ◯コ」に移していき、突いた。すでにコ◯ドームは付いており、いつでも挿れること��できた。彼は憲一か真純に絡まれているというシチュエーションでオ◯ニーにふけた。次第に肉棒の先端も先走り汁で濡れ始め、彼はブリーフを脱いだ。ぺ◯ローションで手指をヌルヌルにし、まずは雄マ◯コに人差し指を挿れ始めた。直腸を越えたところに「Gスポット」はあった。確かに、しこりの様なものを感じた。彼は中指も挿れた。微かに痛みはあるが我慢できるものではあった。チ◯ポはいったん萎えるも、先端からは先走り汁が滴っていた。そう言えば、ゲイビデオではしごいていたなと彼はチ◯ポの裏側を愛撫した。嗚呼、今のタイミングならディ◯トを挿れられそうだ。
コ◯ドームを被せたディ◯トにぺ◯ローションを塗りたぐり、そっと雄マ◯コに挿れていく。信也は恐る恐るだったが、見事に奥まで挿れることができた。
「嗚呼、入ってる…」
それをゆっくりと上下に動かしていく。彼は声を上げずにはいられず、
「あッ、あッ、あン…」
と、おのずと天井に下半身を上げて開脚した。もし裕美が偶然帰って来たら悲鳴を上げるだろうなと、彼は帰って来ないことをただ祈った。
グイグイとディ◯トを押し込み、信也は理性が麻痺していくのを感じた。じんわりと汗をかき始め、チ◯ポを弄っている左の手指が先走り汁でヌルヌルになっていくのを感じた。嗚呼、女になった気持ちだと彼は思った。そっとディ◯トを引き上げると、
「あッ、あああん!」
と黄色い声を上げた。この様子を憲一や真純にも見せたいと、いったん左手指を枕元にあったティッシュで拭い、近くに置いた携帯電話で動画を撮った。他人に痴情を見られることにエクスタシーを感じるのかもと、彼は自分自身の意外性を見出した。身体が火照り、片手に持った携帯電話を操りながらラインでオ◯ニーする様子を憲一と真純に送信した。三人は三社祭を共に行動するのに先立ち、予めグループラインをつくっていた。
尿意に近い切迫感を経験した挙げ句、
「イ、イク! イク! イク!」
と声を上げた。これまでにない、チ◯ポの先端から止めどなく乳白色の淫液が流れ、一部は跳び散った。右手指はベトベトに汚れ、もう一度シャワーを浴びなければと思った。もう片方の手でデ◯ルトを引き抜こうをしたが、
「いやァァァァァン!」
と、再び黄色い声を上げた。ズルズルと脱腸しそうな感じだった。一番小さいものを買ったつもりが、やはり用を足すだけの穴に突っ込むのはキツいと、信也は思った。下腹部や両太腿に跳び散った淫液をティッシュで拭い、用済みのコ◯ドームをトイレのゴミ箱に捨て、彼はもう一度シャワーを浴びることにした。
浴室から出ると、携帯のラインアプリに赤丸が付いていたので確認すると、憲一や真純からだった。二人共、信也の動画を見て「抜いた」のか、硬直したまま淫液を垂らした二人のチ◯ポが写メで送られていた。コメントはいずれも、
「信ちゃん、サイコ〜!」
「こんな気持ちイイの、初めて!」
と大絶賛していた。すでにライン自体が「ハッテン場」と化していた。まァ、スタンプ一つでも押しておこうと、信也はお気に入りのイラストレーターが描いた「ありがとう」というスタンプを送った。
彼は、いつ撮影の話が来��も良い様に、一日おきにア◯ルセックスの疑似練習をした。
-À suivre...
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オリハルコン(古希: ὀρείχαλκος, oreikhalkos, オレイカルコス、羅: orichalcum, オリカルクム)は、古代ギリシア・ローマ世界の文献に登場する、銅系の合金と考えられる���属である。最も有名な例としてプラトンが『クリティアス』の中で記述した、アトランティスに存在したという幻の金属が挙げられる。古代ギリシア時代の文献でこの言葉が指す意味は多様ではあるが、真鍮や青銅などの銅系の合金を意味すると思われる状況が多く、帝政ローマ期以降は考古学的にも明確に真鍮を指す。
日本特有の「オリハルコン」という発音・呼び名は、ギリシア語の単数対格形 ὀρείχαλκον (oreichalkon) の、現代ギリシア語読みに近いが、下述する経緯から、それほど深い意味があるわけではなく、単に英語読みの「オリカルカム」を日本人が発音しやすいように加工(カをハに、語尾のカムをコンに)した結果、たまたまこういう形になっただけだと考えられる。
日本ではこの特殊な呼び名が、手塚治虫のアニメ版『海のトリトン』(1972年)辺りから使われ始め、その語呂の良さから(「武器・防具の素材となる神秘的な硬い金属」という設定と共に)様々な漫画やアニメ、日本製のゲームでも採用されて普及・定着した。orihalcon, orichalcon などと綴られることもあるが、これは「オリハルコン」が登場する日本製のゲームが国外へ輸出された際に生まれた新しい綴りである。
原典であるプラトン『クリティアス』等の翻訳においては、単数主格形 ὀρείχαλκος (oreichalkos) の古代ギリシア語読みで、「オレイカルコス」と表記されることが一般的である。
語源は、��ロス(ὄρος, oros;山)のカルコス(χαλκός, khalkos;銅)。『ホメーロス風讃歌』や、ヘーシオドスの『ヘラクレスの盾』などの詩に初めて登場するが、これらの作品では真鍮(黄銅、銅と亜鉛の合金)、青銅(銅と錫の合金)、赤銅(銅と金の合金)、天然に産出する黄銅鉱(銅と鉄の混合硫化物)や、あるいは銅そのものと解釈・翻訳されている[1]。ラテン語では、オリカルクム(orichalcum)アウリカルクム(aurichalcum;金の銅)と呼ばれる。英語ではこれを英語訛りでオリカルカムと発音する。
少なくともローマ帝政期以降の文献では、アウリカルクムが「真鍮」を意味するようになったことは確実で、セステルティウスやドゥポンディウスなどの真鍮製銀貨の原料として言及されるようになる[2]。現代ギリシア語のオリハルコス(ορείχαλκος , oreichalkos)やイタリア語のオリカルコ(oricalco)は「真鍮」を意味する。
金属が希少であった時代には、金の代用として祭祀用に金に似た色に調合された黄銅が神秘的な金属として用いられていた例が多い。時代が下がって銅合金の生産量が増えてくると通貨などに使われるようになり、神秘性は薄れていった。
逆に神秘性を高めて架空の金属へと昇華したのが、プラトンの『クリティアス』による記述とそこから派生した資料に記述されているものである。これらの記述は、他の文献での記述とは隔絶した存在となっており、全く別の架空の存在とみなせる。プラトンの『クリティアス』で扱われる伝説上の幻の金属としてのオレイカルコスは、今では名前のみが伝わっている幻の金属として登場している。神秘性を持った架空の存在であるがゆえに様々な解釈と想像を生み、ファンタジー小説などの創作物に登場するに至った。
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[Image above: Haku, the river god, the Studio Ghibli, Spirited Away]
Legends of the humanoids
Intro
Lately, I've been into qigong exercises. This is because during the winter months, the whole body gets cold - muscles, ligaments and even internal organs - and I find that qigong, which stretches with more help of breathing and gravity, is safer than yoga stretching.
There are many common movements in the ancient Indian tradition of yoga, as well as in the ancient Chinese traditions of qigong and tai chi, and those who have been pursuing yoga for many years, or vice versa, may find it easier to switch between the two. And it seems possible that originally it was the same method that humans learnt from higher beings thousands or tens of thousands of years ago.
Common to both is that many of the forms are named after and imitate animals, mountains, flowers and other creatures in nature, such as trees. Not only that, but even in kung fu, karate and other martial arts, ancient people must have worshipped and respected the Nature and non-human creatures far more than modern people, as they compared them to animals and other forms of nature when they performed miracle-class strength.
Of more interest in ancient folklore are humanoids, including human-animal hybrids and human-animal chimeras, as well as cryptids, which are animals that they believe may exist somewhere in the wild. Why are there so many humanoids being talked about, not only in myth and folklore, but also in S.F. and fantasy novels?
Let's take a look at some of the most enigmatic and legendary creatures whose current existence is either scientifically questionable or unfounded.
[Image below: Sphinx, a mythical creature with the head of a human and the body of a lion]

伝説のヒューマノイドたち
はじめに
最近、すっかり気功にハマっている。というのも、冬場は筋膜、筋肉、靭帯、内臓まで全身が冷えるので、呼吸と重力の力をもっと借りてストレッチする気功は、ヨガのストレッチよりも安全だと感じるからだ。
古代インドの伝統であるヨガにも、古代中国の伝統である気功や太極拳にも、共通する動きがたくさんあり、長年ヨガを追求してきた人、あるいはその逆の人たちは、両者の切り替えが楽だと感じるかもしれない。そして、もともとは人類が何千年、何万年も前に高次の存在から学んだのと同じ方法だった可能性もありそうだ。
両者に共通するのは、型の多くが動物、昆虫、山、花や木など自然界に存在するその他の生物の名称が付いており、模倣されていることだ。それだけでなく、カンフーや空手などの武道においても、古代の人々は奇跡的な強さを発揮する際に動物や自然界の姿に例えるなど、現代人よりもはるかに自然や人間以外の生き物を崇拝し、尊敬していたに違いない。
古代からの伝承において、もっと興味深いのは、ヒトと動物のハイブリッドや、ヒトと動物のキメラを含むヒューマノイド、また野生のどこかに存在するかもしれないと信じている動物である未確認生物などの存在だ。神話や民間伝承だけでなく、S.F.やファンタジーの世界でも、なぜこれほど多くのヒューマノイドが語り継がれているのか?
ここでは、現在のところ科学的にその存在が疑問視されているか、あるいは根拠がない、最も謎めいた伝説上の生物をいくつか見てみよう。
#humanoids#legendary creatures#hybrids#hybrid beasts#cryptids#therianthropy#legend#mythology#folklore#s.f.#nature#art
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∘₊✧──────✧₊∘
こんにちは! Konnichiwa!
My name is Sami and this is my spiritual personal blog!
(私の名前はサミです. これは私のスピリチュアルな個人ブログです!≧◡≦ )
∘₊✧──────✧₊∘
→ I go by she/her/hers pronouns!
(私は代名詞として彼女/彼女の/彼女のを使います!)
→ I'm 24 years old, going on 25 yrs.
(私は24歳です!)
∘₊✧──────✧₊∘
I am a hellenistic polytheist and have a focus on these Gods:
Lord Ares ╚(•⌂•)╝
Lady Aphrodite ♥‿���
Lady Persephone 🌿🍃
Father Hades ☠️🪦
Father Poseidon 🌊🐎
∘₊✧──────✧₊∘
🍛A little about me:🍚

ˏˋ°•*⁀➷ Currently: I’m studying Japanese and the language!
(現在、日本語と言語を勉強中です!)
ˏˋ°•*⁀➷ I am a huge fan of Greek mythology, fantasy, hot chocolate, and sweets!
(私はギリシャ神話、ファンタジー、ホットチョコレート、お菓子の大ファンです!)
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シェイクスピア『リチャード三世』
4月23日はシェイクスピアの記念日です。没日は23日、誕生日は明確にはわからないんですが洗礼日が26日なので恐らくこのへんの日付っぽいということでまとめてシェイクスピアデーとなっております。
今年はリチャード三世のポスター風イメージを描きました。
シェイクスピア戯曲は400年以上前に作られた古い芝居の台本です。とはいえ現代でシェイクスピアものをやるとき、シェイクスピア時代の上演の再現を目指す場合を除き、基本的には現代の価値観、現代の人の好み、上演する今、私たちに合わせた演出で行います。
例えば、『ジュリアス・シーザー』のシーザー役をアメリカの大統領選挙風の舞台で明らかにトランプ大統領を想起させるファッションで演出をしたり、『リア王』を家庭の問題として痴呆老人の妄言と徘徊、姉妹間の親の世話の押し付け合いとしたりもしますし、ミュージカルや映画で有名な『ウェスト・サイド・ストーリー』は『ロミオとジュリエット』の翻案で、最近また新しく映画が作られましたし、アラブ圏の演出家が中東を舞台にして自分たちのための物語として『ハムレット』や『リチャード三世』を上演したりもしています。日本だと黒澤明の映画が一番触れやすいと思いますが、戦国時代とか日本の歴史劇風にやったりしますね。少し前の流行りで、直接ではない作品になりますが、『ゲーム・オブ・スローンズ』や『鎌倉殿の13人』も物語構造、エピソードや人物造形などがシェイクスピア戯曲の影響下にある作品として有名です。シェイクスピア戯曲または演劇に直接触れたことがなくても、シェイクスピア戯曲を参照して作られた作品は巷にあふれていますので、そうとは知らずどこかで見たことがあるかもしれません。
エンタメコンテンツでは流行パターンの作品が膨大に創られるというのがありますが、(ここ十年ぐらいの潮流だと、ゲーム・ファンタジー世界観/異世界転生/悪役令嬢ものあたりでしょうか)シェイクスピア戯曲もいわゆる「型」のようなもので、シェイクスピアものをやる、というのは、「あのお話の型でバリエーションを作っている」という読み取り方もできます。
上演芸術の古典と呼ばれるものは基本的に「皆様ご存じの! あのお話をやります!」という構造です。題材は神話だったり歴史だったり、多くの人が読んでいる文芸だったり、同時代のセンセーショナルな出来事だったりしますが、「皆の共通認識になっているもの」を「目の前でやってみせる」からウケるのだ、という構造だと私は思っています。
日本だと歌舞伎・能楽・文楽(浄瑠璃)は漫画やアニメ、ゲームなどのエンタメコンテンツを上演にかけることがありますが、これは「皆の共通認識」になっている物語が漫画・アニメ・ゲームに比重があるからで、上演をやる意義、芸能の何を見せるのかの軸が「生きている人間の芝居や踊り」というところにあるならば、台本に「流行りのモノ」をもってきてやるのは何の不思議もないわけです。
シェイクスピア戯曲・演劇も、歴史や神話などの元ネタがあるものを芝居という形にまとめてやってみせていた芸能で、シェイクスピア自身が無から何かを創造していたわけではありません。芝居が面白くなるように、歴史的な時系列も地理関係も改変しまくっていますし、何百年も前の歴史上の人物も戯曲上のなんらかの性格を持ったキャラクターとして描かれます。これは、歴史から題材をとってきてはいても、上演される時代の人々にウケるための創作であり、歴史上の人物の実像とは一致しないものです。たとえなんらかの記録が多少のこっていたところで、何百年も前に死んだ人の言葉遣いや身振りや性格や実際に心��中に思っていたことなんて十全にわかりようがないので創作するしか方法がない。立ち上がるキャラクターはうまくいったとしても「説得力のある虚像」です。「生き生きした人物像」という芝居のファンタジーを観客は見て説得されているのです。描かれるのがファンタジー・虚像であっても、これを観ている体験は現実であり、ここを明確に区切って考えるには訓練が必要です。
シェイクスピア戯曲『リチャード三世』について。
シェイクスピアの「リチャード三世」は非道な悪役です。身体障害を持って生まれ、母親から愛されず、自分のような見た目の者が女から愛されることはないと世界を呪い、欲しいものは誰も逆らえない権力であり、親族を殺しまくって王位につくも統治能力がなく、戦場でめみじめに殺される男の話です。
こう書きだしてみると加虐性のあるろくでもない男ですが、「リチャード三世」はシェイクスピア戯曲のうちでも人気タイトルのひとつで、魅力的な悪役として描かれることが多いです。実際、王位につくまでの、手段を選ばず他者をだまし、陥れ、殺していく様は「面白い話」として機能します。これは暴力の達成の話、且つ上昇の話だからです。
リチャードが権力の頂点にたったとき、仲間はおらず、信頼もなく、孤独です。王になったらもう地位上昇の高揚もありません。殺してきた者たちの亡霊を夢で見て「絶望して死ね」と呪われ、戦場で馬を失い、殺されます。
歴史上のリチャード三世がどんな人物であったかの歴史解釈とは別に、シェイクスピアのキャラクターとしてのリチャード三世は影響力があり、「リチャード三世」といえばまずシェイクスピアのリチャード三世を思いうかべるひとのほうが多い状態と言ってもいいでしょう。(歴史にもシェイクスピアにも興味がなければ「誰? 何?」って感じだとは思いますが)
日本でいうところの織田信長みたいなものでしょうか。歴史解釈的にどうかというより歴史題材コンテンツのキャラクターイメージが強いというか。これは、良いとか悪いとか言いたいわけではありません。コンテンツが流行ると影響力があるなあ、という話です。良い効果がある場合もあるだろうし、悪い効果がある場合も普通にあるでしょう。状況や条件次第なので。
前半で「皆の共通認識」という言葉を使いましたが、一人一人がなんらかの神話・歴史・物語を深く知っている必要はなく、「よく知らんけどなんかそういうのらしいね」ぐらいでも「共通認識」として機能します。
シェイクスピア戯曲のエンタメ虚像とは別に、15世紀イングランドにリチャード三世は実在したわけですが、2012年に英国レスター市でリチャード三世の遺骨が発掘され話題になり、エンタメ虚像じゃないリチャード三世の印象もまた広まったのではないかと思います。このリチャード三世の遺骨発掘の経緯は映画にもなっています。
リチャード三世の歴史準拠の再評価は昔からありましたが、2012年の発掘があったことで色々な調査が��んで、新たな解釈、そこからまた別の、シェイクスピアのものではない、フィクションのリチャード三世像も生まれるのだろうなと思います。
遺骨発掘シーンの再現を盛り込む演出が入った『リチャード三世』の公演もあったりしましたし、シェイクスピアのリチャード三世上演のほうにも、ヴィジュアルやキャラクターイメージの変化はそれなりにありそうな気はします。
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シェイクスピア戯曲を読んだり上演を見ていて、「よくわからないんだよな……」と思っているのが権力欲で、全く共感がないまま面白いと思って読んだり観たりしています。登場人物に、その判断力があってなんで権力構造には従順でボンクラになるんだ? 的な感想を持ってしまうというか。いや、権力構造の上位者になりたいという欲求はありふれてあるものだということはわかるんですが。
ダンスを見る趣味のスタンスから考えると、欲がなんであれ感情/行為/動作のアップダウンがある=動的になるのでそこを面白いと思っているんじゃないかなあと思うんですが、自分のことだがよくわからない。人なり出来事なりが動いてる状態・動きを発生させる構造、現象に面白さ・愉しみがある、のだと思うんだけど。
ちょっと話はズレますが、『リチャード三世』で言えばリチャードがアンを口説き落とすシーン、成功していると感じた上演をあんまり観たことがないです。緊張感があり印象的だという感覚はあれど、アンが憎しみと嫌悪を持ったまま口説き落とされるって、そのように表現できてると感じたことほぼないんですがあれ、難しくないですか? ものすごく難しくないですか? あり得なくはないだろうがそうとう難しくない? 感情が、字面ではわかっても腑に落ちないというか。
物語創作のセオリーで「これは私の物語だ」と思わせることが必要と言われたりしますが、共感が発生しない、私ごとにはならないことでも全然面白いが? と思っていて、面白さってなんなんだろうとずっと疑問です。
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「私はヒスパニック系の地域に住んでいますが、ドラゴンボールがこれらのコミュニティの少年や男性に絶対的な影響力を持っていることを彼が知っていたかどうかはわかりません。彼の作品は彼らの人生の中で最大の芸術作品の一つでした」 「文化を超え、大陸を超え、世代を超えて、ドラゴンボールを体験するという共通の興奮は完全に普遍的であり、時代を超越しました。神の緑の大地に住む二人の子供が隣に座って、悟空を見て正気を失うかもしれない。それはとても美しいです。そして、これはとても悲しいことです」 「メキシコ全土が壊滅寸前だ。ドラゴンボールとそのキャラクターにちなんだ名前のレストランがあります」 「中南米全土が混乱に陥っている」 「私の友達はみんなショックを受けています、彼らの多くはアニメの大ファンではありませんが、ドラゴンボールだけは大きな例外です」 「ドラゴンボールがどのようにしてこれほど多くの文化の構造そのものに浸透することができたのかは信じられないほどです。私たちは、物語とその登場人物への愛によって結ばれた、地球規模の家族について話しています。それが鳥山作品の力であり、それは���面上にとどまらず、現実世界の伝統や日常生活の一部となった。なんと素晴らしい遺産を残せることでしょう」 「南米のどの国の街路にも、例外なくドラゴンボールの落書きがあります」 「DB がなければ、漫画やアニメは今ほど世界中で人気を得ることはできません。彼は本当に媒体を変え、世界中の人々の世代全体を変えました」 「マンガ、アニメ、ビデオゲーム、商品を含むフランチャイズ全体を考える場合。ドラゴンボールはおそらく史上最も影響力のあるアニメです」 「アラレちゃんと悟空が夕日に向かって歩いていくイメージが浮かんできて、とても感動しました」 「DBZ はアニメを世界的なものにしました。間違いなく。ガンダムでも、エヴァンゲリオンでも、セーラームーンでも、ナルトでも、これに匹敵するものは他にありません。レジェンドに安らぎを」 「少年アニメにおけるドラゴンボールは、現代ファンタジーにおけるロード・オブ・ザ・リングのようなものであり、基本的にジャンル全体のテンプレートを設定する作品であり、そのジャンルの後続のほぼすべてのエントリーは、それがどのように関連するか、覆すか、その他によって定義されます。参考文献、原本」
「ドラゴンボール」作者の鳥山明氏死去、68歳 : r/anime
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転生しないし、したくありません! 6
こんなに幸せでいいんでしょうか
一通《ひととお》りの家具を揃《そろ》えて、やっと生活感の萌芽《ほうが》が予感《よかん》出来《でき》る様子《ようす》を醸《かも》し出《だ》せた。
と複雑な言い方をするのには理由がある。まだ家具を設置しただけで、実際に俺たちはここでの生活をしていない。それはまるで、まだ種《たね》を蒔《ま》いてすぐといった段階にある状況と言えるのではないだろうか。つまりはまだ、『生活感は芽吹《めぶ》いてすらいない』、ということが言いたかったのであろうと帰結《きけつ》する。今まだって何回言った?
「3回ですね」
俺の数歩横《すうほよこ》で、『お部屋』をしげしげと見つめているセレィシェがお答えあそばせになられた。今日も読心《どくしん》は絶好調でしょうか? 因みにセレィシェから『心だけでもいいですよ』と言う提案があったので、俺はウケ狙いで、お口にチャックならぬお口にテープ状態である。ただいま絶賛スベリ倒し中 ‼︎
「なんですか。お答えあそばせになられたって」
俺の心の言葉遣いの《《あそび》》についてクレームを入れてくる読心家《テレパシト》。
「テレパシト? …ああ、テレパシーだから? 馬鹿なんですか?」
セレィシェに夢中という意味での『セレィシェ馬鹿』ということであれば、その答え、イエスだね。
「それ私のことを馬鹿って言ってるみたいに聞こえますね」
オウノォウ! そんなつもりはないのにぃ! じゃあ君に夢中な『君馬鹿』で。 …君馬鹿ってなんか、『平成の大ヒット少女漫画のタイトルの略称』感があるな。気に入った、使っていこう。『キミバカ!』
「あの、それもこっちのことをバカって言ってるように聞こえるのですが」
あ、ほんまや。なんてこった。俺としたことが。下手こいた。あたふた。
「やっぱりバカなんですね」
バカじゃ無いもん! セレィシェが好きなだけだもん! それでちょっと浮かれてるだけだもん! 浮かれポンチレベルに。レベチに。
「うるさ」
そういう彼女はどこか楽しげである。ははあん、ツンデレ?
「ハイハイ。そういうことにしておいてあげますよ。ふふ」
……だいぶデレ性分が大きくなってきたな……俺は果たして受け止められるのだろうか……この可愛さを!!!!
「可愛いって言えばいいと思ってるんでしょう」
へ? 可愛いと思うから可愛いと言ってるだけなんだが。心が読めるんだからそれくらいわかるだろうに。
「ハイハイ。そうですね」
そう言うとセレィシェは、俺の相手をするのをやめて、再び『お部屋』の方へ顔を向けた。
『お部屋』というのは、この空間を醸成するにあたって、二人でアレコレと相談している時に、セレィシェの口からポロっと出た言葉である。それがなんだか可愛すぎて、そのまま正式名称として採用してしまった。セレィシェにはポカポカ叩かれたが、俺の心はポカポカになったので、寧ろプラスであったと言わざるを得ない。最早心は小学生。とても良かったと思いました、まる。やかましいわ!
「何一人で盛り上がってるんですか?」
セレィシェが『かまちょかまちょ』という調子で俺を現実に引き戻す。その現実が理想的過ぎて最高なんだが。最高過ぎて……ここで気の利《き》いた若者言葉を小気味好《こきみよく》く連荘《れんちゃん》して、感情の昂《たかぶ》りを表明したかったのだけれども、若者じゃないので無理だった。
そこで、心に謎のヒップホッパーを召喚して代弁してもらう。彼は褐色の筋肉が目立つ上裸にオーバーサイズのブラックベストをひっかけて、ブラックキャップを後ろ被り。首元にはゴールドチェーンがジャラジャラリ。腕にはリング、やはり金。ボトムスなんかはミリタリー。なんならラジカセ担《かつ》いでる。テンポ良く喋る。
『オレ・マジ・セレィシェ・ダイスキィ。オレ・マジ・セレィシェ・ダイスキィ』
「呆れてものも言えませんね」
そうなん? そうはいうが、そういう物言いが、なんだか早くも俺の影響なのではないかと思えてさ。それがなんかさ、嬉しいんだよね。躁になっちゃうよね。爽快にね。
「だる」
そういう彼女のポーズは、腕組みから右手を顎の方に持ち上げて、軽く握った手はその人差し指あたりをちょうど口元に添える様な、そんなポーズだ。その所作を彼女は良くするのだけれど、俺はそれも大好きで、『かわいっ』って思ってしまう。レペゼンキュート。
こう思ってる間も彼女は動じずに、じっとお部屋を見つめている。
相当、このお部屋に関心があると見える。
然《さ》もありなん。
彼女は俺が具現化した家具や小物を、その度に矯《た》めつ眇《すが》めつ眺めていた。その様子から、彼女がそれらの家財《かざい��に興味津々である事は窺《うあかが》えていた。だから、出来上がったこのお部屋を、彼女がずっと見つめているのは、やっぱりそうなるよなぁ、という所である。ところでそんな彼女は非常にとても尋常じゃないくらい凄まじく愛らしく、正直今すぐ抱きしめたいのだが!! …いきなりそんな事をして嫌な思いをさせたくはないので、当たり前にぐっと我慢した。俺ってばエライ。当たり前だけど。当たり前だけど大層《たいそう》なこと。当たり前大層。
「ふっ」
ウケた。やったやった婚活だ! 今夜は婚活だ! ……などと供述しており……。しかし現世ネタ、伝わるんだな。つまりはアレかな? 知識としてはしってる的な、そういうサムシングなのかな? ぬあ〜んか、そんなフレグランスがするよね。そういうエッセンスが散りばめられて、いるよね。んね。
「婚活って、結婚でもするんですか? お幸せに」
君と!! やろがぁい!!! 一緒に!!! 幸せになりたぁい!!!!
「ところでなんでノルディックなんですか? 同意はしましたけれど、理由を聞いてなかったです」
変わらずにお部屋を見据《みす》えながら、セレィシェが俺に問《と》い掛《か》ける。華麗にスルーされた。ぴえん。。。あ、あきまへん! ぴえんは心内でも彼女に禁止──正しくは使用非推薦《しようひすいせん》──されとるんやったわ! アカーン! へたこいた〜! いてこまされる〜〜〜!
ぴえん、二度と使うな、俺。
いいね?
そんなことよりそれよそれ。お部屋の調はノルディック。調というか、様式か。落ち着いた空間に仕上がった。
しかしあれぇ? おっかしいぞー?
『心を読めるんだったら何《なん》でノルディックにしたかなんて手に取る様に分かるんじゃないのかなぁー?』
という、体は大人で、頭脳は子供な、そういう疑問が湧いたが、
『どうも彼女の読心《どくしん》は完全では無さそうだ』
という、これまでの経験則《けいけんそく》が物を言って、これを諌《いさ》める。
恐らくそういうことなのだろう。
どういう理屈《りくつ》かとか、どの程度わかるのかとか。或いはスイッチのオンオフが定期的に来るみたいなのだとしたら、その頻度や間隔《スパン》はどれくらいなのかとか。その中身は全《まった》く以《もっ》て、皆目検討《かいもくけんとう》も付かないけれど、兎《と》に角《かく》そういう事なのらしかった。
だからそれは一先《ひとま》ず置い|てお《と》いて。
彼女の質問に答えねばなるまいて。
「ふっふっふ、それはね?」
俺はおちゃらけた調子で少し勿体《もったい》ぶってみた。その甲斐《かい》あってか、セレィシェが再び此方《こちら》に顔を向けてくれた。やったぁ!
「なんですか? 勿体ぶってないで早く教えてくださいよ」
セレィシェが焦《じ》れる。なんかちょっとレアな気がする。そうでもない気もする。それは兎《と》も角《かく》。
「安直《あんちょく》だって言わない?」 「安直な理由んですか?」 「そうだけど」 「そうなんですか……ふうん…」 「おん。ええっとぉ……」 「もしやあなたの名前が氷河だからとか?」 「惜しい!」 「惜しいんですね……てっ……もう……」
そういうと、彼女は何かを察したような、諦めた様な、呆れた様な。そんな複雑で微妙な雰囲気を纏《まと》いながら、苦笑しつつ右手で眉間《みけん》を抑《おさ》えるジェスチャーをする。いやまぁ普通に、呆れてるんだろうか。わからん。
「……このひと馬鹿だなぁと思って」
引き続き苦笑しながら俺のモノローグに静かに答えるブルベ天使。
失敬な。俺は『キミバカ!』であって、『セレィシェバカ』の『イカレポンチ』 の『ピエロ』ではあるかもしれないけれども、それ以外の何者でもないのですが!
しっかし、このポーズをしているセレィシェを見るのは初めてだ。正直めちゃくちゃ可愛い。眼福すぎてしにっそ。ああもう死んでたわ。ガハハ!
真面目な話、そのどんな仕草にも目を奪われてしまうのだ。その一挙手一投足《いっきょしゅいっとうそく》に心を奪われるのだ。その素直だったり素直じゃなかったりする性格にもとても惹かれる。そう言えば、彼女好きなところをこれまでに108個伝えてきたけれど、これで109個に増えたんだね。でもまだぜんぜん表し足りないや。
でもそんな『言葉』なんてどうでもいいのかもしれない。全部本当だけど、所詮は『言葉』。そして言葉程度で表���出来る範疇の話でしかない。まるで彼女の口癖を拝借しているみたいだけど、実際そうなので仕方ない。
こんなことを、生前『言葉』に拘《こだわ》ってきた俺が言うのもなんだけど、『言葉に出来ない不可思議《埒外の》』だってあるんだって、今はわかる。それは恋にしたって同じ。恋にも不可思議の好意はある。不可思議の恋慕はある。それだけのことなんじゃないかな。
……いや! 訂正しよう! 今まで表《あらわ》す事に並々《なみなみ》ならぬものを持っていた俺だからこそ! その俺が『表せない』という程の事だという事なのだ!! 手前味噌《てまえみそ》ながらそれ程までに特別で!! 意味深長《いみしんちょう》なのだと!!!! 恥ずかしながら思うワケ!!!!!!
とまぁ色々と独白《どくはく》を白日《はくじつ》の下《もと》に晒《さら》してきたけれど、すごく平易に俗っぽく、つまり有《あ》り体《てい》に言えば、セレィシェには言葉に出来ない、不思議な魅力があるんだってことさね。そうさね。
「自画自賛《じがじさん》ですか? ナルシストな方はちょっと……」
オーマイガッ! なんちゅーこっちゃ! あっちゃっちゃ!
しかし自分のことを愛せない人間がどうして人を愛せようか。そう思わんかね、ワトソンくん?
「否定しないんですね…」
否定するの��きらいだからね!
てア°ッ! 否定してしまった! 否定するのを否定してしまった! ア°ー!
「全てを受け入れると? 神様仏様にでもなったつもりですか?」
君のためなら悟りも開ける。
これ自体煩悩だけど。
「私はそんなこと求めていませんよ?」
あ、そうっスよね、ハイ。ほんま、スミマセンした。ほんと。ハイ。
「ただ一緒に居てくれればいいんで」
はん?
はんはんはん????
「それにさっきの『不思議な魅力がある』って言葉ですけど」
はん?
「こっちのセリフなんですよ」
ほん?
「不思議な魅力を、感じますよね」
んえ?
「嫌いだったら、一緒に居るわけないじゃないですか。《《ここ》》がどれだけ狭いと思ってるんすかね。まったく」
んん?????
んあん??????
ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?
「さっきあなたの心が読めたんですよ」
んんんんんんんんんんんんんん??????????????????
「” 君に似合うから ” って」
!????!!??!??!??!!?
「 ” 君が好きそうだから ” って。” 君の笑顔が見たいからって ” 」
はぁ?! えぇっ、ちょすっ、、、えぇえ?!
「 他にも色々と」
ギャース!!!!!!!!!!!!!!!!
「恥ずかしくないんですか?」
恥ずかしいわ!!!!!!!!
「こっちが恥ずかしかったですよ……」
じゃあなんで見た!!!!!!!!!!!!!!!
「それに小賢《こざか》しいです。あんな細工」
二重思考《ダブルシンク》はそりゃバレたら小賢しくうつるだろうさ!!!!
「矛盾したものを確《しか》と認識しながらも双方《そうほう》を信奉《しんぽう》するという|デノテーション《辞書的意味》も備えつつ。字面からの|コノテーション《連想意味》的に二重の思考がお出来になるんですねぇ、あなたは」
悟られないようにしていた方の心までも読まれていたとは。そのテレパシーめいたものは常に確実に作用している訳ではなさそうだが、だからといって侮《あなど》れる様なシロモノでもないようだ。
だって、自分すらも騙していた二重思考《ダブルシンク》の二重思考《ダブルシンク》を、彼女は突破したのだ。デノテーション的二重思考《ダブルシンク》によって俺はコノテーション的二重思考《ダブルシンク》をしながらも秘匿隠蔽《ひとくいんぺい》していたのだが、そのセキュリティをまさか突破されるとは。
尊敬。
圧倒的尊敬。
ますます好きになっちまうよ……。
っていやそれよりも……俺の心を騒《ざわ》めかせ響《どよめ》かせているのはもっと別のことだ。だから、この一連の思考自体が心の防衛機能のようなものだ。中核《カーネル》とはまた別の、|心の鎧《ペルソナ》的思考だという事は明らかなのだ。
彼女への尊敬の念も感嘆《かんたん》の思いも本心ではあるけれど、それよりもそれよりも。もっともっと俺の心を掻《か》き乱《みだ》す情報が提示されていて、おれについて俺は防衛反応的に敢えて無理くり気づかないようにしている。もしそれを明示的にしてしまったら、明らめてしまったら、俺は耐えられないかもしれないからだろうか。わからん。自分のことすらわからん。まぁ自分のことを何でも分かってるなんていう傲慢よりはマシな気がするが。知らんけど。
「何をそんなに戦慄《わなな》いているんですか? 私があなたの事を本当に不快に思っていたと?」
いやだって、、、、、、そのさ、、、、、、、、、いやさ、、、、、、、えぇ?
「ふふ。嫌いだったらとっくに手段を講《こう》じて、何としてでも転生してもらってますよ。それか、あの時あなたの名前を取り上げずに、現世に帰って貰うことも出来ました。実際そういうルートもあったのでしょう。でも『今此処《いまここ》』にいる、私とあなたはそうじゃありませんよね?」
そうですねぇ、そうじゃありませんねぇ、そうなんですよねぇ、それなんですよねぇ。
「安直な理由でも、率直《そっちょく》な好意は嬉しかったんですよ? 思《おも》いの外《ほか》|素朴《そぼく》でしたけど、それもまた。ただそれだけです」
身《み》も蓋《ふた》も無いと言われなかっただけ命拾《いのちびろ》いした思いです。だからバレたくなかったんだ! それだけじゃないけど!
「でも今は後悔してるんですよね。あの時あなたの名前を奪った事」
え? あ、それってどういう……
あ、もしや上げて落とすパターンスカ!? そッスカ!? ソナンスカ?!
「だって、仕方なかったのはいえ、非道い事をしてしまったなって、思うじゃ無いですか。だからあんまり、氷河って呼びたくないんです。私が付けた名前なんて、そんなの……あの場の思いつきと、あの場だけの流れだと思ったのに、そんなの……」
……うおわ。
予想外の方向だった。
どうしようこれ。
どうしたらいい?
どうすんの俺?
どうすんのよォ!?
「ふう。いっぱい喋って疲れました。あとそれ、いい加減バカバカしいです」
それ?
なんのことだろう?
セレィシェは、コツコツコツと軽快な音を立てながら俺の元へと歩み寄り、俺の懐《ふところ》に入り込む。もしこれが格闘技だったら、次の瞬間一本取られてそうな間合《まあ》いだが、実際に起きた事は、セレィシェが俺の顔を見上げながら、両手を伸ばすと言う、そういうハチャメチャドキドキトキメキイベントだった。ハートがぶち抜かれた。こりゃ一本とられたわ、ハハ。
「また変な事思ってる…。このバカバカしいテープをもう見てられないだけですよ」
ああ、テープね。テープ。そんなんつけてたね。もうなんか、体の一部かってくらいに馴染んじゃってて忘れてたわ。『ソウイヤ・ソンナン・アッタナー島《とう》』ぐらいの勢いだわ。そんな島はない。
「下らないこと言ってないで自分でとってくださいよ。ったく」
そういう彼女の目元口元《めもとくちもと》は、しかしどうにも弛緩《しかん》しているように見えるから、何だかんで言って、ユーモアの相性のいいのかもしれない。うわユーモアとか言っちゃった。俺ってばユーモアなんてないのに! アウチ!
そんなことを思っていたら、セレィシェの細くて白い指先《ゆびさき》が、俺の頬───正確には頬の上のガムテープの端───に触れた。
死ぬかと思った。
死んでるけど。
いやほんと。
そうしてしかしバリっと一気に��がされるののがオチカナーとか思っていたのだが、意外にも『めちゃくちゃ丁寧にゆっくりと』剥がしてくれるセレィシェ。やさちい。ああもうほんとこーゆーとこ好き。多分バリッって一気に剥がしてくれてもそれはそれで素っぽい感じがして好きだけど。どうせそれでどうなってもすぐ回復するし。
バチイイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
一気に剥がされた口テープ。
死ぬかと思った。
死んだ。
いや死んでるんだけどね?
もういいかこれ。
「ごめんなさい。『一気に剥がせ』っていうから、つい」
うん。
そうだよね。
言ったね。
そうは言ってないけどね。
そんな様な事は言ったね?
だから俺の責任だね。
うん。
「……痛ってぇ〜〜……。」
思わず屈《かが》んじゃうくらいには痛い。
それと、図《はか》らずも『脱《だつ》テープ化運動《かうんどう》』後の第一声《だいいっせい》は、そのような間《ま》の抜《ぬ》けた、|スペシャリティ《特徴》の無いものとなってしまった事が、誠《まこと》に遺憾《いかん》である。
「大丈夫?」
セレィシェが如何《いか》にも心配そうという素振《そぶ》りで顔を覗きこんでくる。
睫毛長《まつげなが》っ。
ファサァ。
目ぇデカ。
ぱっちりくりくりですやんか。
しかしその表情とは裏腹《うらはら》に、一気に剥がした方の頬を指先でツンツンと弄《いじ》ってくる。
サイコパスなん?
……まぁでも。
こういうのが、楽しいんだよな。
お互い気兼ねなく……所謂《いわゆる》、気の置けない仲で居られるっていうのは、心地いいね。かといってまったくお互いにリスペクトがない訳でもなく、完全に慣れ親しんでいるわけでもない。
すごく良い塩梅《あんばい》で、とても良い関係性だナァって、思っちゃうワケ。
出会ってからまだ全然日も浅いのに、もうこの調子なら、前途は明るげだ。
いや、明るい!
輝いている!!!! 輝かしい未来!!!!!!!! もう眩《まばゆ》いくらいだ!!!!!!!!!!!!
…真面目な話。
ほんとうに、これほど迄もの幸せが、降《ふ》って湧《わ》いてくるなんて。思いもよらなかったし未だに信じられないことなんだよね。
実感が湧かないわけじゃないけれど、夢みたいというか、奇跡的だなって思うよ。
君と一緒に居れて俺は本当に嬉しいんだよ。ありがとう。
「……ふうん」 「あ……聞こえちゃった?」 「まずかったですか?」 「まずいことはないかなぁ」 「じゃあウマい?」 「うまいうまい」 「……確かにあなたの言う様に、だんだんあなたに似てきてしまっている気がしますね…」
せやろ? そう言うとりまんがな。でんがなまんがな。
「懐かしい言葉ですね」 「ぇえ?」 「? なんですか?」 「ほらさ、懐かしい言いよるから」 「ああ、そういうこと」
セレィシェは俺のすぐ左隣《ひだりどなり》に座る。床に腰を下ろしたのではなく、厳密には、しゃがみ姿勢ダス。
「懐かしいんですよ。古い言葉は」 「あーね。それはわかるわ」 「じゃあ何がわか��ないんですか」 「……『でんがなまんがな』を懐かしいって言ったんだよね?」 「ええそうですね」 「…………ほう」 「……なに」 「…独特をセンスぉをほぉ、お持ちな様でぇぇ…」 「………」
セレィシェの視線が刺さる。じーーーーーーー。
「私のことを、見た目ぐらいの年齢だと思ってます?」 「ん? あーそれ? そこに行っちゃう?」 「それ以外ないでしょう」 「んーーそうかなぁ、、、少なくとも頓着《とんちゃく》はしていないよ?」 「そうですか」 「おん」 「ほんとかなぁ?」 「気になるんダァ?」 「はぁ? うざ」
指先をちょんと突き出すようにして軽く肩を小突《こづか》かれる。ちょっぴり右に揺れてから、振り子の様に戻る俺……そんなことより、オーバーサイズパーカーの姫袖《ひめそで》がカワイイんスけど、どうすりゃエエですか!??!!?!
などと言ってる場合ではない。
「まぁさ、ちょっとビックリしただけだよ。気を悪くしたなら謝るよ」 「いいよ」
あっさりと許してくれた。というかいつの間にかタメ語なんだが。萌死尊死《もえしとうとし》仰《あお》げば天使《てんし》。言うほど仰いでないけど。
「わたしはあなたの思う様なものじゃないかもよ?」
急にぶっこまれる一層のシリアス空気。アレ俺またなんかやっちゃいました?
「そうかな。そう思うの?」 「うん」 「どうしてそう思ったか、おいおい聞けたらいいなぁって」 「どうして? 別に今言ってもいいけど」 「そうなの? じゃあどうぞ」 「なんかムカつく」 「えぇ…」
今度は左頬に指が食い込む。相《あい》っっっ変わらず華奢な指っスネェ〜〜…。華奢《キャシャ》ーンってカンジ。
「ふっ」
笑いを誘ったらしい。マジカオイ。そりゃ半端ねぇな。
でもそこで、一つ気になった。
「なぁ」 「……なに」 「今までどんくらい、一人でいたん?」
それは訊《き》いてよかったのか分からなかったけれど。 聴きたかったし、訊きたかったんだ。
「……さぁね。でも、断続的に人が来てはいたから」
それは何《いず》れも孰《いず》れ転生していく者たちであろう。
そう長い時間|居座《いすわ》っていた者など、殆どいなかったというのは、聞《き》き及《およ》んでいる話である。
「ねえ」 「…ん?」
寂しかった? などと、『き』こうとしてしまったけれど。
「ごはん、食べよかった」 「……………………うん」
俺たちは彼女の手をとって、キッチンに向かう。 その手は最初、驚いたように僅かに震え。
けれども振り解かれることはなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「カスタマイズ?」 「え? カス?」
スンゴイ聞き間違いをしながら彼女が俺へ顔を向ける。ひえ〜かわえ〜。やっぱ目ぇデカいなぁ。そしてこの透け感よ。まさに透き通ってるわ〜相応しいわ〜〜。
「『カスタマイズしてるの?』って」 「え、ああ、、そう」
” 彼女は七味をまだかける。へ〜、激辛が好きなんだなぁ。
彼女が料理に調味料をかけるのを見咎《みとが》めているが、咎《とが》める積《つ》もりはなく、よりお好みの味を提供する為の密かなヒアリングの一歩である。
『味薄かった?』とか『もうちょっと辛い方が良かった?』などと訊く向きもあろうが、それは相手に気を遣わせる場合もあると考えるので俺は採用しない。
そこで編《あ》み出したのがこの『カスタマイズ』という楽しげな言葉の使用だ。 なんでもゲームとかユーモアっぽくした方が円滑な関係を保てるの信じている。こっちも楽しいし、あっちも楽しいなら、何も言う事はあるまい。いや、好きとかありがとうとかおやすみとかおはようとか元気?とかお疲れとか、色々言う事は枚挙《まいきょ》に暇《いとま》がないけれど。
因みに今の俺はカスタマイズ容認派である。昔は視野が狭く、愚かで、そして過激派だったが……若さゆえの過ちというヤツか。しかしてその積み重ねなくして今の俺無し。
『全部、これで良かったんだよ』
と今なら実感と確信をもって心から言える。だから俺は転生をしないという面もあるしな。まぁ原因のほぼ全てが彼女と一緒にいたいからだけど。だから彼女が一緒にいけるのであらば転生も吝《やぶさか》かではないのだ。
まぁいいや、こっちを強く考えながら隠蔽秘匿するのは疲れるゆえ、こっちは深層の海にふただび沈めよう……。 ”
ソファに並んでごはんを食べる。ダイニングテーブルもいいけれど、こういうのもいいよね。
食べ始めは『美味しいね』とか色々言い合っていたが、次第に夢中になって、黙々と食べるモードに突入している現在。それでも二人とも恐らく意図してゆっくりと食べているので、別に量を食べているという訳ではないけれど。
さっきのことを思い出す。
あのあと、何か食べたいものがあるだろうかと確認をした所、『親子丼』という予想だにしていなかった回答をいただいた。美味しいよね、俺も好き。
そこで腕《うで》に縒《よ》りを掛《か》けて、素晴らしき自信作を製造。いや、調理した。
勿論。最初から出来合いの『|インスタンス《実体》』を『生成』することも出来たが、そうしたくはなかったし、最初からそうするつもりはなかった。
結果だけが欲しい訳ではないし、過程だけが欲しい訳でもない。そもそもそういう二元論的な視野狭窄とも言い得る話に押し込めたくはない。
俺は彼女に美味しいものを食べて欲しいし、俺は彼女にごはんを作りたかった。そしてそれを一緒に食べたかっただけだ。これについて要素を抜き出したり特徴を挙げ連ねて別の言葉で再解釈する必要なんてどこにもないんだ。『つまり』なんて今ここでは不要だ。
さて。
完成した親子丼は過去最高の出来栄《できば》えとなった。生前、料理は自分の舌を唸《うな》らせるくらいには嗜《たしな》んでいたし、この場所��特質《とくしつ》を鑑《かんが》みれば、心を込めるほど自ずと美味しい料理が完成するのではないかという仮説もあった。
それは味も香りも非常に均整がとれていて、豊かな風味が香り高い逸品である。これには彼女も驚いていたし喜んでもらえた。
一口食べて、
『…美味しい!』
と言ってくれた時には、表彰台で優勝トロフィーを掲げて観客席に手を振っているような心持ちになった。
イメージがものを言うこの世界だからこそ、体験していないことについは情報を食べることになる。それは酷くぼやけて大味な食物《しょくもつ》となる。彼女がかつて食事をした時に食べたものもそんな味だったらしい。
ここでちょっと疑問だったのが、俺のイメージで作り上げたものが果たして彼女が食べた時にも同じイメージであり続けるのかということだった。俺の観測と彼女の観測が同一である保証はないので、個々のイメージによって結果は変じてしまうのではないかという懸念《けねん》だ。
具体的に言えば、俺がどんなに俺のイメージ通りのものを作っても、彼女がそれを食べる時には彼女のイメージの味や香りや見た目になるのではないか、ということだ。
結果的にはそれは杞憂《きゆう》で、どうやら俺がイメージで具現《ぐげん》したものは俺のイメージ通りの性質を物自体が持つと言うことだ。これを彼女は俺にもわかるレベルのプログラミングの話に準《なぞら》えて、
『あなたのイメージが設計図《クラス》。それを元に実体《インスタンス》を生成しているのですよ』
と説明してくれた。多少プログラミングを齧《かじ》っていた俺としては
『わっかりやすぅぅぅー!』
と唸ってしまう例えであった。
俺は彼女の舌を料理で唸らせて、彼女は俺の脳を例え話で唸らせたと、まぁそんな話である。かな。知らんけど。
「知らんのかーい」 「うおびっくりしたー」
彼女が突然突っ込んできた。ご丁寧にぱしんと『ツッコミの手』付きである。そしてまたすぐ黙々と食べ始めた。かわ。
かわいい繋がりで言えば、彼女は今や砕けた喋り方をしてくれるようになって、これがめちゃくちゃ可愛いんですよね。そしてここについて俺に何かを説明しようとする時なんか、さっきの説明もそうだけど丁寧語調に戻っちゃう感じが、また可愛くってもう、悶《もだ》えますよね。
「うるひゃい」 「なにそれかわいい」
ってか食べながら喋ったの初めて見た。それだけ気を許してくれているんだろうか、照れて咄嗟《とっさ》に喋ってしまったならそれも可愛いし。お行儀が悪いなどという者はここにはいない。
「ごめんあそばせ」 「をあ! やんごとなし!」
お行儀などと心内放送してしまったからかあそばせ言葉のご登場。俺らは勘定《かんじょう》なしの関係、感情そのままお互いに預け、ほらゆけ眩い明日へ、然《さ》しもの神も見果《みは》てぬ夢。レッツゴーレッツゴーヒアウィーゴー、暮らそう無限のここがその場所、ウィーシャルメイクハッピートゥモローオルソー、過ごそう永遠《とわ》に二人一緒〜。
なんてね。
「あとで添削《てんさく》するね」 「ヒェ。ただの即興のお戯《たわむれ》なのに……」 「いいでしょ? 時間はたっぷりあるんだから」 「ひぇ〜〜〜〜」
もう添削なんて懲《こ》り懲《ご》りだよぉ〜〜〜〜〜〜。
なんてね。
二人の夜は、まだはじまったばかりだ。
#小説#ラノベ#なろう系#ラブコメ#恋愛#異世界転生#異世界転移#転生しない#転移しない#超能力#イメージ#現代ファンタジー#哲学#フィクション#オリジナル#心夢宇宙#転生しないし、したくありません!
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20250521
水の女を読み終わる。いい短編集だった。特に後半の2つはケモノと水による浄化を女目線から描いていてよかった。70年代に書かれた短編というのもあって、何十年経った今では考えられないような世界観。でもファンタジーではなくて当時の日本ではよく見る風景だったのかなと思う。
村上春樹雑文集を読む。チェコではノルウェイの森、国境の南 太陽の西、海辺のカフカの三冊がチェコ語に翻訳されて出版されていると書いてあった。これに対し村上さんは世界の終わり〜とねじまき鳥をよんでみてほしいと言っていた。村上春樹の本を3冊翻訳し��くださいと言われたときに、この3つを選ぶのはかなり独特な選択なように感じた。この三冊はチェコ語に翻訳しやすいのかなとか、世界観がチェコの人たちにも伝わりやすいのかなとか思う。当時現行の影響力を持ったチェコの作家としてクンデラの発言を引用した質問があったが、確かにクンデラが好きなら国境の南は面白く読めそうだなとか思ったりした。もし私が日本語からチェコ語に翻訳する翻訳家なら、スプートニクの恋人をチェコの人たちにも読んでほしいと思う。好きだから。
治療塔を読み終わる。分断された価値観の相互にある程度の理解を示し、分断された価値観の間の子供を産むリッチャン。治療塔惑星へと続く展開が気になる。再生の意とイェーツの詩への解釈がどうなるか。
シューマイ。シューマイのことが好きだ。醤油は無くてもよいが、辛子は絶対に欲しい。焼売のパンチを辛子の風味がマイルドにしてくれる感じがする。本場では特に何もつけずに食べるのが主流らしくそれはそれで大好き。どっちがいいとかではなく、どっちもおいしい。
友人の作品を鑑賞。
山は終わり方が好きだった。サルトルの嘔吐や森鴎外の青年、村上春樹のスプートニクの恋人など終わり方が好きな作品はあるが、山もその一つになりそう。いい終わり方の作品は、いい作品だから。終わりだけど終わりじゃない。
All about the beautiful things in the worldはh.u.r.tが好み。私と違う場所に生まれて違う場所で育った人が同じ音楽を聴いたとしても、きっと聴こえ方が違う。h.u.r.tは私も好きな音楽から影響を受けていると感じたが、その音楽をどう咀嚼しているのかが面白くてよかった。もしかしたら全然違う音楽から影響を受けているのかもしれないけど、それはそれで面白いと思う。
リンクを張るので、もしよかったら。
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「企業のネットが星を 被おお い、電子や光が駆け巡っても」国家や民族が消えてなくなるほどではない近未来が舞台の『攻殻機動隊』などで、後のクリエイターに多大な影響と衝撃を与えた漫画家、士郎正宗さん(63)。デビュー40年を迎え、世田谷文学館(東京都)では初の大規模展が開催される中、読売新聞の単独書面インタビューに応じ、これまで生み出した作品や創作の秘密、AI(人工知能)がもたらす人間の未来などについて縦横無尽に語った。近年ほとんどメディアの取材を受けていない士郎さんの貴重な語録をご覧あれ。(文化部 池田創) 展覧会では、『攻殻機動隊』の主人公の素子の印象的なセリフが印刷されたのれんが来場者を出迎える(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 世田谷文学館で大規模展 ――デビュー40年を迎えられて、どのようにお感じになっていますか。 そもそも寡作な上、諸事情による中断・未発表・ボツ作品が多過ぎて読者諸氏に申し訳ないものの、何とかここまで生き残る事が出来て大変に幸運だったと思っています。活動が東京や他業種に広がるに連れて「水中を歩いて進むかの様な状態」になり、40年、色々と大変でした。また書籍などの荷物が転居や避難に適さない分量になっています(笑)。 ――代表作「攻殻機動隊」は海外でも熱狂的な人気が続いています。 最初期に出版物の海外展開を頑張りました。望外に細長く継続しており、ありがたい限りです。 ――今回の世田谷文学館の展覧会は大量の原画が間近で見ることができ、充実した展示内容です。 士郎正宗さんのコメントとともに作品世界を振り返る巨大な年表(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 今回このような機会を頂き大変感謝しております。僕程度の小規模 傭兵ようへい 型漫画家でこういった事が可能なら、日本のコンテンツ業界はもっと多様多彩な作家・作品を、深掘り探索・開発活用出来るのではないかと思います。 ――「攻殻機動隊」をはじめ、ご著書は情報化社会を予見していると言われます。 たまたま運良くタイミングや関係者の都合に合致し話題として取り上げて頂いているだけで、僕以外にもそういった作家・作品は多数存在していると思います。情報化社会の好ましくない側面があまり大きくならなければ良いですね。物騒、殺伐、トラブルは架空妄想物語の中だけで十分です。 ――AIの発展についてどのように感じていますか。 利便性と損害可能性は表裏一体、これまで考えられなかったレベルの明るい未来の可能性が開ける一方で、悪用や視野 狭窄きょうさく が起き、見えざる支配も容易になっている。研究開発に係る方々には頑張って頂きたいなと思います。 簡易強化外骨格、遠隔操作系ロボット類の開発が現実的 ――幼少期に親しんだマンガや小説はどのようなものがありますか。 デビュー作『アップルシード』のラフスケッチなどが並ぶ展示室(東京都世田谷区の世田谷文学館で) アニメ版の「鉄人28号」や「エイトマン」から入って、雑誌「りぼん」(一条ゆかり氏、大矢ちき氏、弓月光氏などなど)、松本零士氏、永井豪氏、細野不二彦氏の影響が大きいですね。大学以降は諸星大二郎氏、星野之宣氏、大友克洋氏の存在が大きいと思います。 ――「攻殻機動隊」で描いた人間の身体と精神の関係はどのように感じていますか。 脳や体が一体として機能している中では、脳が優位の制御系があったり、体が優位の制御系(例えば副腎とか脊髄反射系とか)があったり、交換可能な部分や欠損許容部分(例えば昔は虫垂や 胆嚢たんのう を結構普通に切除していた)があったり、複雑で不思議に出来ていると思います。 義体化のような、身体交換は僕が生み出した要素ではありません。スタニスラフ・レム氏の『君は生きているか?』や、日本のマンガアニメ界においては石ノ森章太郎氏の『サイボーグ009』などの有名作品がすでにありました。サイバネティクスの一般的な目的は医療や軍事だと思いますが、今後は老化・劣化対策というのも存在感を増すかもしれません。個人的には年々増加中の災害現場における簡易強化外骨格や遠隔操作系ロボット類の開発を進める方が現実的かなとは思います。 ――ご著書に細かく書き込まれた欄外文章の役割や狙いを教えてください。 リズム感が単調になりがちな説明セリフや会話を物語内部から減らせる、それによってキャラの練度・演出を高めに設定出来る、物語と読者の距離の調整ができる、などでしょうか。昨今、いや昔もこういう方法は 流行はや りではありませんが……。 ――押井守監督のアニメーション映画版のご感想をお聞かせください。 個人的には原作に気を使っている部分が押井氏にしては多めの1作目より、押井氏節全開の『イノセンス』の方が好みです。いずれも一生懸命作って頂いてありがたいなと思っております。 ――ネット社会の広がりやAI技術の発展をどう感じておられますか。 人工知能の偏向学習、悪意ある人 達たち による人工知能活用と、対策する側の人工知能活用の格差、オンライン上に無い膨大な情報の無視や軽視など、課題は山積しているのではないかと感じています。世界は 繋つな がって狭くなると同時に、逆に分断細分化が進んで互いの距離が開き、問題解決の可否、明暗の格差も広がっている様に感じています。今まさに『言葉が通じなくなってバベルの塔が崩壊し始めている』状態でしょうか。人工知能育成では可能な限り、真実や実態に近い情報を得て優先解とするような、何らかの情報検証機構が必要でしょう。 コスパタイパ重視では驚きや発見も無い ――ネットに常時接続することが当たり前になりました。そのことをどのように感じてらっしゃいますか。 一般的なネット通販をほぼ利用しておりませんが、ネット社会になってからの方がサービスの質が低下&商品を探しにくくなったように感じています。便利、合理的、コスパタイパ重視の姿勢は内向きになりがちで、冗長性や余白が少ない分、周囲を見渡す余裕が減少し続けるし、ひいては驚きや発見も無く窮屈ですね。昔のSFでは「監視管理社会」は人々の敵として描かれるのが一般的だったのですが、現代では意外とそういう管理監視社会の利点も許容されているように思います。とはいうものの、今後もDXが進み常時接続が常識常態化し、行政サービスやインフラなどの分野で、高度化し便利で安全で充実した幸福度の高い世の中になっていくと良いのですが……。 ――「攻殻機動隊」ではサイボーグ化しても人間の内にある「ゴースト」という概念が存在します。「ゴースト」とは何でしょうか。 展示室の中央には『攻殻機動隊』の原画が並び、迫力のある筆致を間近で感じられる(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 正確か否か、定義可能か、とは別にして、宗教や哲学や文学昔話の分野で古くから使われている「たましい」「霊魂」「ソウル」などの単語が印象として一般的には伝わりやすいのではないかと思います。「何だかよくわからないが、存在しているように思えるモヤっとしたものを『ゴースト』と呼ぶ」のも娯楽分野では分かりやすくて良いかな、ということで単語を使用しています。 犬や小鳥も感情を有することが一般的にも知られており、感情は人間だけが持つ最上位の機能・特別な評価対象ではない、という観点から、マンガ版ではゴーストという単語において「感情に特別な意味を持たせていない」つもりです。当然ながら人の価値観はそれぞれなので、僕と他のアニメ版の監督諸氏とでもこうした諸々に対する考え方に違いがあるわけですが、その事自体も含めて、作品を異なる角度から捉えて楽しんで頂ければ良いなと考えています。 神話は魅力の塊なのだが… ――ご著書はシリアスな展開と迫力のある戦闘シーンの間にギャグが挟まりますね。作中におけるギャグの効用とはどのようなものでしょうか。 シリアスとギャグの挟み方や割合、そもそも混在を容認するか否か、など受け取る方々の価値観も観点も実に多様なので「万人にとって満足できる作品」というのは僕には難しいなと考えています。僕の取り扱うキャラクターたちは明日をも知れぬ立場なので、悲観的に備え楽観的に対処する、冗談でも言っていないとやっていられない、といったタイプが多めになっています。会話の軽さと行動、判断の速さ厳しさのギャップを楽しんで頂ければ良いかと思います。 ――『仙術超攻殻ORION』は日本神話をモチーフにしたファンタジーです。神話の魅力を教えてください。 神話と呼ばれる物語達は限られた要素と根源的な思考や解釈と想像力で織り上げられ、時代や民族の壁を越えて生き残っている、「選び抜かれた精鋭達」です。人々の心情や思考型や文化を映す鏡として、魅力の塊と言っても良いですね。一方で歴史を振り返ると、建築や芸術や情報戦において支配者や宗教組織や抵抗組織の都合や思惑と深く関わったと思しきものも多く、純粋に「素晴らしいか?」と問われると、答えに困る側面もあります。 ――『攻殻機動隊』のフチコマや、『ドミニオン』の小型戦車ボナパルトなど、作品からは戦車愛を感じます。 正義感にあふれる女性警察官のレオナが活躍する『ドミニオン』のコーナー(東京都世田谷区の世田谷文学館で) 「頑丈で壊れにくくて安全度が高い&移動以外にも何か作業が出来る乗り物」が好きですね。作品内に描く機会はなかなかありませんが、消防関連や港湾作業用の特殊車両、土木建築系や農林作業系の特殊機能車両なども同じように楽しくて興味深いと思っています。 気負わず欲張らず、自己ベスト更新維持 ――現在はイラスト制作や、画集刊行に活動の比重を置いておられますね。 マンガやアニメやゲームの企画書・プロット・シナリオなども色々と作っているのですが、なかなか最終商品の形にまで進める事が出来ておらず、イラストや画集は関係者や予算が少なくても実現可能な 為ため か商品の形になりやすい、というのが理由かと思います。 ――女性のエロチシズムを感じさせる美麗なイラストを生み出されています。 展示室の後半は、雑誌に発表した色鮮やかなカラーイラスト���目を引く(東京都世田谷区の世田谷文学館で) モノクロでは描写しにくいがカラーでは比較的描写が容易で、競合が起きにくいと思われる光沢の肌にこだわっています。近年の画集においては、似た構図やポージングの微差バリエーションを連続、重複して描くことで、アニメの原画をパラパラと連続で見る時に近い印象や効果の誘発が起きないかと工夫しています。 ――近況を教えてください。 今も40年前も変わらず東京ではなく関西にいて不規則不健康な生活をしながら昼夜延々と絵やプロットや駄文を描き続けています。視力体力の減少により、未読書籍が積み重なっています。 ――今後の執筆への意気込みや読者へのメッセージをいただければと思います。 気負わず欲張らず、自己ベスト更新維持で変わりなく、他にしたい事も無いので、ダラダラ延々と何かを作る日々を送ると思います。読者諸氏にはまた次の作品でお会いした際に、何らかの形でお楽しみ頂けると幸いです。
「攻殻機動隊」士郎正宗、ネット社会・AI発展に警鐘「言葉が通じなくなってバベルの塔が崩壊し始めている」 : 読売新聞
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ようこそトゥイークファンの皆さん!トゥイーク・ウィーク2024は、8月11日~17日まで開催されるキャラ感謝週間です! うちの大切なトゥイークを描いたり、書いたり、感謝したりするきっかけになるよう、毎日2つのプロンプトを用意しています!詳しくはこちら
✩ 1日目 ✩
夏:ビーチ、夏服、プールパーティー、花火など
ファーストデート:特定のパートナーとでも、誰とでも!どんなペアリングも歓迎 😊
✩ 2日目 ✩
睡眠:昼寝、パジャマ、眠りながら抱き合う
ホラー:ゾンビ、吸血鬼、悪魔、宇宙人、ヤンデレ、災害、終末もの、幽霊など
✩ 3日目 ✩
バンド活動: グループまたはソロでもOK
Y2K: 90年代/00年代、ファッション、世紀の変わり目のパーティーなど
✩ 4日目 ✩
ジェンダーベンド: 女体化、異なる性別または表現の形式
ヒーロー: ワンダートゥイーク、どんなヒーローとしてのトゥイーク、魔法少女、ヒーローに救われた男性など
✩ 5日目 ✩
動物: ペット、使い魔、ケモノ(BEASTARSのような)、獣人
ファンタジー: SoT、バーバリアントゥイーク、魔女のトゥイーク、ドラゴントゥイーク、ロビントゥイーク
✩ 6日目 ✩
趣味: スポーツ、アート、クラフト、レゴ、折り紙、焼き菓子、釣り、瞑想
ポストコビッド: 老人ヤオイなど
✩ 7日目 ✩
誕生日: パーティー、お祝い、誕生日に関連する何でも!
自由日: ご自由に!
質問があれば、以下またはTumblrの質問ボックスからお気軽にどうぞ
皆さんがどんな作品を作るか楽しみにしています! 🥳🎉
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2024/9/5
【資本主義リアリズム 読了】
昔、読んだ少年向けのファンタジーに灰色の魔女と呼ばれる存在がいた。遥か昔から人の身体を乗っ取り移り変わり生き長らえるその存在の使命は、世界の均衡を保つこと。
巨大な支配ではなく小さな力が拮抗し引っ張り合いをしている状態こそが健全であり世界が永続していくのに最適だと疑わない。ある国の力が巨大になればそれを弱め、対抗を育て、均衡を取り戻す。そんなことをずっとしている。
この本を読んでいるとその灰色の魔女の存在がちらつく。違うのは資本主義はシステムであり、ある一種の正義であり、健全さを気取った腐敗の名称であること。人間なくして成り立たないくせ、人間性を否定していること。
音楽、建築、芸術、スポーツにしばし資本主義に対するカウンターカルチャーが内包するが、それも資本主義なしでは成立しない。少なくとも現代ではそうだ。

資本主義の中で食い扶持を見つけながらも、欲望や消費よりも大切なものを内包し、曖昧で何者にもならず楽しく生を生ききって死んでいく。
革命や巨大な川の流れに身を任せず、小さな正義を積み重ねていく。それが大切なのかな。
筆者が鬱で自殺してるだけに余計に教訓として身に染みる。

【読書の呪い或いは催眠】
紹介された本を読むときは常に頭のどこかに紹介者がいる。これは呪いであり催眠だと思う。長期に渡れば呪い。短期で済めば催眠或いは心地よい幻想。
何時間か紹介者と話す機会にも恵まれたのだけど、不思議ではあった。アンバランスな家庭環境で育ちながら本人のバランス感覚は見事なもので、ありがちな依存的性質がどこにも見当たらない。分別があり経験することを厭わず常に解釈とそれに伴う行動をし、それでいて人間性は明るく、優しく、理知的である。
与えられたものに自覚的でありながら、何よりもちゃんと親を殺している。独立した自我がある。
こういう人がいるもんだなぁと二軒目が終わる頃にはこちらが背筋が伸びる思いであった。
子供がこういうふうに育つのであれば親になるのも悪くないだろうな。親は良くも悪くも自由で子供はもっと自由で、それが続いていけば。
定型的な良い大人、良い夫婦、良い親、良い夫。こんなものはゴミ箱に捨てよう。
やはり、人と会うのは楽しい。それが何を連れてくるであれ。
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