#異世界転生
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【勘違いラブコメの真髄】「滅獄の魔女を婚約者にしたら可愛いしかないのだが?」: Web小説の常識を覆す愛らしさ!
滅獄の魔女 Web小説の常識を覆す愛らしさ! これがWeb小説の醍醐味!「滅獄の魔女を婚約者にしたら可愛いしかないのだが?」の世界へようこそ Web小説の世界は、本当に奥深いものですよね。様々なジャンルがひしめき合っていて、もう、次から次へと魅力��な作品が出てくるものだから、追いきれない、って方が多いんじゃないでしょうか?かく言う私も、気づけば夜中に「あちゃー、もうこんな時間かい!」なんてこともしばしばでしてね。 そんな私が今回、皆さまにご紹介したいのが、カクヨム連載中の「滅獄の魔女を婚約者にしたら可愛いしかないのだが?」という作品でございます。ええ、タイトルからして既に只者ではない雰囲気が漂っていますよね?この作品、まさにWeb小説ならではの”美味しい”要素がぎゅっと詰まっているんですよ。世界を滅ぼす「滅獄の魔女」を、何故か婚約者にすることになるという、もうね、聞くだけでワクワ…
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転生しないし、したくありません! 7
今夜は寝かさないぜ!
セレィシェと俺はゲームをしながら夜を過ごす。このゲームの勝敗が俺の命を握っているのだが、そんな事は関係なく俺は楽しすぎてヤバ谷園。
だってあのセレィシェとゲーム出来るんだぜ? 神かよ。
「命って…。もう死んでるでしょう?」
そうだった。失敬失敬。忘れちまうんだな、これが。ガハハ。
「そんな事も覚えられないんですかぁ? 馬鹿の相手は疲れますねぇ」
そう俺はセレィシェ馬鹿もといキミバカなので、あながち間違ってはいない。あといまだちょくちょく丁寧語調になることもあるのが、なんか逆にかわいい。
「うるさいなぁ……死んじゃえ」 「あっ」
セレィシェの攻撃で俺の操作するキャラが絶命する。なんてこった。やられた。ってかちょっと教えただけでここまで飲みこみ早く覚えてしまうこの子はなんなの? セレィシェ、恐ろしい子!!
「ふっふっふ、これで私は二勝ですねぇ。いいんですかぁ? このままじゃ『死んじゃい』ますよぉ?」 「ははっ、もう死んでるんだけどね」
死人ジョークは暫く飽きそうにない。なんかセレィシェも乗ってきてくれたし。俺は嬉しいよ。
「あなたが言ったんでしょう? 『俺が勝ったら別々、負けたら一緒に寝る』って」
ああそんな事は言いましたねぇ。だって君、一緒寝ようとするんだもん。早いでしょ、色々と。
「意気地なしですねぇ。それでも男ですかぁ? それとも、『何か悪い事』でも、しちゃうんですか?」
イマドキの世界はジェンダーレスだジェンダー平等だと盛んに叫ばれて久しいので、男らしくないという指摘には懐かしいものを感じるし、『へぇ〜君はそういう風に感じるんだねぇ』とまた一つ彼女の事が知れて嬉しいのだが。それはそれとして男じゃないと言われたら引き下がってはいられない。俺はそういうタイプだ。あと『何か悪い事』とやらには触れないでおこう。ちょっと心臓が持たない。
「……氷河の男らしいところ見てみたいなぁ…」 「ひょっ」
なにそれかわいい殺しにきてる。ええい、そうやって誤魔化すでない! とにかく今日は一緒に寝ないの! まだ早いってぇ。だってまだ、ハグもしてないぜ俺たち?
「そんな悠長な。何を今更紳士ぶってるんだか」 「心外だ。俺はいつだって紳士だぜ?」 「そうでしたか?」 「ああ。君が嫌がる事はしないさ」 「だから。私がいいって言ってるでしょう?」 「こればかりは譲れないね!」 「はぁ、めんどくさいなぁ」
『楽しいからいいけど』。そういう彼女の横顔にまた、俺は見惚れてしまった訳だが、こういう感情を秘密にするのも難しくて困る。色々と彼女のテレパシーを掻い潜る術はあるけれど、そのどれもがそう簡単に常々出来るほど、甘いものではない。というか、あんまり隠す必要もないか、と思えたりもして。
「明け透けに言われるとこっちが恥ずかしいんですって。身も蓋も必要ですよ」 「身も蓋も必要?」
なんか変わった言い回しをするなぁ。そういうとこも好き。
「言ってるそばから……なんなんですか? ムカつくのでコテンパンにしてやりますよ」
そういってニヤリと不敵に笑う様は、まさしく天使。女神。そしてセレィシェ。
「最後のはただの名前じゃないですか……」 「ただの名前かな? 素晴らしきたっとき名前だよ」 「ハイハイ。次やりますよ? これで終わりです」
やばい。なんか勝てる気がしない。だが負ける訳にはいかない。俺だってセレィシェと一緒に寝たいけどまだその時ではない! 勝負は一勝二敗、あと二戦勝てばいいだけだ! 信じろ俺! 俺を信じろ!
……てかよく考えたら、考えを読まれてるから負けてたんじゃね?
「……チッ、気づきましたね。ずっと気付かない馬鹿であればいいものを!」 「おあっ!!」
そういうセレィシェの猛攻。負けるもんか! 今夜別々に寝るんだ! ってかこの二人でゲームしてる時間が至福すぎて引き伸ばしたいってのもある! だからセレィシェには悪いけどめちゃく���ゃ試合を引き延ばしてやるからな!! 覚悟しいや!!
今夜は寝かさないぜ!!!!!!!!
#小説#ラノベ#なろう系#ラブコメ#恋愛#異世界転生#異世界転移#転生しない#転移しない#超能力#イメージ#現代ファンタジー#哲学#フィクション#オリジナル#心夢宇宙#転生しないし、したくありません!
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異世界転生の恒例行事について考察しました
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株式会社イザナギゲームズ(本社:東京都江東区、代表取締役CEO:梅田慎介)が運営するツクヨミスタジオ制作の縦読みフルカラー漫画「スライム桜は異世界に咲く」が、本日2024年11月24日(日)よりLINEマンガで連載を開始しました。 本作は『ドラゴン桜』シリーズでおなじみの東大受験をテーマにした公認マンガで、異世界からやってきた天才スライムと不良少年が共に東大合格を目指す、新感覚の学習×エンタメ作品です。
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営業中。「#地図を読むと山はもっとおもしろい!」地図の凡例や等高線の意味は分かっていても、それから読み解いた情報をどう活用するのかの知識が薄すぎるので、本を借りました。
今はスマホがあるからあまり気にする必要ないと分かっているけれど、スマホがない時の代替として、アップデートしておきたいなと思いました。
コロナからこっち、異世界転生もの、悪役令嬢ものにはまり続けているわたくし。若い令嬢が主人公というケースもいいけれど、中身おっさん、中身おばさんに出会った時に共感できるものが増えて、さらに楽しいなと感じるにつけ、
いつか、遭難した時に、何故かコンパスと地図出してきて、目見当で距離計り��がら「ついてきな」なんて静かに言って、全員を避難させる状況に遭遇するかもしれないから、準備しとこうって思ってまずは本を借りました。
方位磁石は、家にある。そしてこの本を読んで知識アップデートして、来るべき異世界転生オリエンテーリング事案に備えるのです(笑
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昔投稿した作品w
二年くらい前にどっかのコミュニティで悪ノリして安価で書いた小説を久々に読み返したので置いときます。あの時の悪ノリはひどかったけど楽し��ったなぁ……
俺が異世界転移した話を少ししようか?/猫神流兎 - カクヨム
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「Megami Magazine (July 2024) - Mushoku Tensei: Isekai Ittara Honki Dasu (Jobless Reincarnation)」
#mushoku tensei: isekai ittara honki dasu#mushoku tensei#jobless reincarnation#無職転生 ~異世界行ったら本気だす~#megami magazine#elf#legs#official art#mypost#mypost:mushoku tensei
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#what kind#Isekai Koushoku Musou Roku ~Isekai Tensei no Chie to Chikara o Tada Hitasura ✕✕✕✕ Suru Tame ni Tsukau~#異世界好色無双録〜異世界転生の知恵と力を、ただひたすら✕✕✕✕するために使う〜#dresses#squish
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Rudeus's hands were smaller than mine.
#my art#mushoku tensei#無職転生#jobless reincarnation#無職転生 ~異世界行ったら本気だす~#rifujin na magonote#eris greyrat#rudeus greyrat#rudy x eris#been rewatching the show w/ a friend and yeah this still makes me cry#I love angst yall
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𝐚𝐧𝐢𝐦𝐞 Mushoku Tensei II: Isekai Ittara Honki Dasu • 無職転生 II ~異世界行ったら本気だす~ (2023) 𝐜𝐫𝐞𝐚𝐭𝐞𝐝 𝐛𝐲 Rifujin na Magonote 𝐬𝐭𝐮𝐝𝐢𝐨 Bind 𝐝𝐢𝐫. Hiroki Hirano 𝐜𝐡𝐫. 𝐝𝐞𝐬𝐢𝐠𝐧𝐞𝐫 Sirotaka, Sanae Shimada
𝘴𝘰𝘶𝘳𝘤𝘦: 𝘮𝘺 𝘴𝘤𝘳𝘦𝘦𝘯𝘴𝘩𝘰𝘵𝘴
#anime scenes#anime quotes#anime time#anime world#isekai#fantasy#otaku#elve#elves#anime moments#magus#mahou shoujo#無職転生異世界行ったら本気だす#無職転生#mushoku tensei jobless reincarnation#mushoku tensei isekai ittara honki dasu#mushoku tensei#magic#rudeus greyrat#sorcery#bgmushokutensei
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異世界転生×ダークヒーロー:「この馬鹿!死ぬのは俺だけでよかったはずだろうが!」のここがお勧め!
異世界転生×ダークヒーロー 「この馬鹿!死ぬのは俺だけでよかったはずだろうが!」のここがお勧め! Introduction 皆様、本日はどのような本をお探しでしょうか?…
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Thank you, Paul. No... Father.
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転生しないし、したくありません! 6
こんなに幸せでいいんでしょうか
一通《ひととお》りの家具を揃《そろ》えて、やっと生活感の萌芽《ほうが》が予感《よかん》出来《でき》る様子《ようす》を醸《かも》し出《だ》せた。
と複雑な言い方をするのには理由がある。まだ家具を設置しただけで、実際に俺たちはここでの生活をしていない。それはまるで、まだ種《たね》を蒔《ま》いてすぐといった段階にある状況と言えるのではないだろうか。つまりはまだ、『生活感は芽吹《めぶ》いてすらいない』、ということが言いたかったのであろうと帰結《きけつ》する。今まだって何回言った?
「3回ですね」
俺の数歩横《すうほよこ》で、『お部屋』をしげしげと見つめているセレィシェがお答えあそばせになられた。今日も読心《どくしん》は絶好調でしょうか? 因みにセレィシェから『心だけでもいいですよ』と言う提案があったので、俺はウケ狙いで、お口にチャックならぬお口にテープ状態である。ただいま絶賛スベリ倒し中 ‼︎
「なんですか。お答えあそばせになられたって」
俺の心の言葉遣いの《《あそび》》についてクレームを入れてくる読心家《テレパシト》。
「テレパシト? …ああ、テレパシーだから? 馬鹿なんですか?」
セレィシェに夢中という意味での『セレィシェ馬鹿』ということであれば、その答え、イエスだね。
「それ私のことを馬鹿って言ってるみたいに聞こえますね」
オウノォウ! そんなつもりはないのにぃ! じゃあ君に夢中な『君馬鹿』で。 …君馬鹿ってなんか、『平成の大ヒット少女漫画のタイトルの略称』感があるな。気に入った、使っていこう。『キミバカ!』
「あの、それもこっちのことをバカって言ってるように聞こえるのですが」
あ、ほんまや。なんてこった。俺としたことが。下手こいた。あたふた。
「やっぱりバカなんですね」
バカじゃ無いもん! セレィシェが好きなだけだもん! それでちょっと浮かれてるだけだもん! 浮かれポンチレベルに。レベチに。
「うるさ」
そういう彼女はどこか楽しげである。ははあん、ツンデレ?
「ハイハイ。そういうことにしておいてあげますよ。ふふ」
……だいぶデレ性分が大きくなってきたな……俺は果たして受け止められるのだろうか……この可愛さを!!!!
「可愛いって言えばいいと思ってるんでしょう」
へ? 可愛いと思うから可愛いと言ってるだけなんだが。心が読めるんだからそれくらいわかるだろうに。
「ハイハイ。そうですね」
そう言うとセレィシェは、俺の相手をするのをやめて、再び『お部屋』の方へ顔を向けた。
『お部屋』というのは、この空間を醸成するにあたって、二人でアレコレと相談している時に、セレィシェの口からポロっと出た言葉である。それがなんだか可愛すぎて、そのまま正式名称として採用してしまった。セレィシェにはポカポカ叩かれたが、俺の心はポカポカになったので、寧ろプラスであったと言わざるを得ない。最早心は小学生。とても良かったと思いました、まる。やかましいわ!
「何一人で盛り上がってるんですか?」
セレィシェが『かまちょかまちょ』という調子で俺を現実に引き戻す。その現実が理想的過ぎて最高なんだが。最高過ぎて……ここで気の利《き》いた若者言葉を小気味好《こきみよく》く連荘《れんちゃん》して、感情の昂《たかぶ》りを表明したかったのだけれども、若者じゃないので無理だった。
そこで、心に謎のヒップホッパーを召喚して代弁してもらう。彼は褐色の筋肉が目立つ上裸にオーバーサイズのブラックベストをひっかけて、ブラックキャップを後ろ被り。首元にはゴールドチェーンがジャラジャラリ。腕にはリング、やはり金。ボトムスなんかはミリタリー。なんならラジカセ担《かつ》いでる。テンポ良く喋る。
『オレ・マジ・セレィシェ・ダイスキィ。オレ・マジ・セレィシェ・ダイスキィ』
「呆れてものも言えませんね」
そうなん? そうはいうが、そういう物言いが、なんだか早くも俺の影響なのではないかと思えてさ。それがなんかさ、嬉しいんだよね。躁になっちゃうよね。爽快にね。
「だる」
そういう彼女のポーズは、腕組みから右手を顎の方に持ち上げて、軽く握った手はその人差し指あたりをちょうど口元に添える様な、そんなポーズだ。その所作を彼女は良くするのだけれど、俺はそれも大好きで、『かわいっ』って思ってしまう。レペゼンキュート。
こう思ってる間も彼女は動じずに、じっとお部屋を見つめている。
相当、このお部屋に関心があると見える。
然《さ》もありなん。
彼女は俺が具現化した家具や小物を、その度に矯《た》めつ眇《すが》めつ眺めていた。その様子から、彼女がそれらの家財《かざい》に興味津々である事は窺《うあかが》えていた。だから、出来上がったこのお部屋を、彼女がずっと見つめているのは、やっぱりそうなるよなぁ、という所である。ところでそんな彼女は非常にとても尋常じゃないくらい凄まじく愛らしく、正直今すぐ抱きしめたいのだが!! …いきなりそんな事をして嫌な思いをさせたくはないので、当たり前にぐっと我慢した。俺ってばエライ。当たり前だけど。当たり前だけど大層《たいそう》なこと。当たり前大層。
「ふっ」
ウケた。やったやった婚活だ! 今夜は婚活だ! ……などと供述しており……。しかし現世ネタ、伝わるんだな。つまりはアレかな? 知識としてはしってる的な、そういうサムシングなのかな? ぬあ〜んか、そんなフレグランスがするよね。そういうエッセンスが散りばめられて、いるよね。んね。
「婚活って、結婚でもするんですか? お幸せに」
君と!! やろがぁい!!! 一緒に!!! 幸せになりたぁい!!!!
「ところでなんでノルディックなんですか? 同意はしましたけれど、理由を聞いてなかったです」
変わらずにお部屋を見据《みす》えながら、セレィシェが俺に問《と》い掛《か》ける。華麗にスルーされた。ぴえん。。。あ、あきまへん! ぴえんは心内でも彼女に禁止──正しくは使用非推薦《しようひすいせん》──されとるんやったわ! アカーン! へたこいた〜! いてこまされる〜〜〜!
ぴえん、二度と使うな、俺。
いいね?
そんなことよりそれよそれ。お部屋の調はノルディック。調というか、様式か。落ち着いた空間に仕上がった。
しかしあれぇ? おっかしいぞー?
『心を読めるんだったら何《なん》でノルディックにしたかなんて手に取る様に分かるんじゃないのかなぁー?』
という、体は大人で、頭脳は子供な、そういう疑問が湧いたが、
『どうも彼女の読心《どくしん》は完全では無さそうだ』
という、これまでの経験則《けいけんそく》が物を言って、これを諌《いさ》める。
恐らくそういうことなのだろう。
どういう理屈《りくつ》かとか、どの程度わかるのかとか。或いはスイッチのオンオフが定期的に来るみたいなのだとしたら、その頻度や間隔《スパン》はどれくらいなのかとか。その中身は全《まった》く以《もっ》て、皆目検討《かいもくけんとう》も付かないけれど、兎《と》に角《かく》そういう事なのらしかった。
だからそれは一先《ひとま》ず置い|てお《と》いて。
彼女の質問に答えねばなるまいて。
「ふっふっふ、それはね?」
俺はおちゃらけた調子で少し勿体《もったい》ぶってみた。その甲斐《かい》あってか、セレィシェが再び此方《こちら》に顔を向けてくれた。やったぁ!
「なんですか? 勿体ぶってないで早く教えてくださいよ」
セレィシェが焦《じ》れる。なんかちょっとレアな気がする。そうでもない気もする。それは兎《と》も角《かく》。
「安直《あんちょく》だって言わない?」 「安直な理由んですか?」 「そうだけど」 「そうなんですか……ふうん…」 「おん。ええっとぉ……」 「もしやあなたの名前が氷河だからとか?」 「惜しい!」 「惜しいんですね……てっ……もう……」
そういうと、彼女は何かを察したような、諦めた様な、呆れた様な。そんな複雑で微妙な雰囲気���纏《まと》いながら、苦笑しつつ右手で眉間《みけん》を抑《おさ》えるジェスチャーをする。いやまぁ普通に、呆れてるんだろうか。わからん。
「……このひと馬鹿だなぁと思って」
引き続き苦笑しながら俺のモノローグに静かに答えるブルベ天使。
失敬な。俺は『キミバカ!』であって、『セレィシェバカ』の『イカレポンチ』 の『ピエロ』ではあるかもしれないけれども、それ以外の何者でもないのですが!
しっかし、このポーズをしているセレィシェを見るのは初めてだ。正直めちゃくちゃ可愛い。眼福すぎてしにっそ。ああもう死んでたわ。ガハハ!
真面目な話、そのどんな仕草にも目を奪われてしまうのだ。その一挙手一投足《いっきょしゅいっとうそく》に心を奪われるのだ。その素直だったり素直じゃなかったりする性格にもとても惹かれる。そう言えば、彼女好きなところをこれまでに108個伝えてきたけれど、これで109個に増えたんだね。でもまだぜんぜん表し足りないや。
でもそんな『言葉』なんてどうでもいいのかもしれない。全部本当だけど、所詮は『言葉』。そして言葉程度で表現出来る範疇の話でしかない。まるで彼女の口癖を拝借しているみたいだけど、実際そうなので仕方ない。
こんなことを、生前『言葉』に拘《こだわ》ってきた俺が言うのもなんだけど、『言葉に出来ない不可思議《埒外の》』だってあるんだって、今はわかる。それは恋にしたって同じ。恋にも不可思議の好意はある。不可思議の恋慕はある。それだけのことなんじゃないかな。
……いや! 訂正しよう! 今まで表《あらわ》す事に並々《なみなみ》ならぬものを持っていた俺だからこそ! その俺が『表せない』という程の事だという事なのだ!! 手前味噌《てまえみそ》ながらそれ程までに特別で!! 意味深長《いみしんちょう》なのだと!!!! 恥ずかしながら思うワケ!!!!!!
とまぁ色々と独白《どくはく》を白日《はくじつ》の下《もと》に晒《さら》してきたけれど、すごく平易に俗っぽく、つまり有《あ》り体《てい》に言えば、セレィシェには言葉に出来ない、不思議な魅力があるんだってことさね。そうさね。
「自画自賛《じがじさん》ですか? ナルシストな方はちょっと……」
オーマイガッ! なんちゅーこっちゃ! あっちゃっちゃ!
しかし自分のことを愛せない人間がどうして人を愛せようか。そう思わんかね、ワトソンくん?
「否定しないんですね…」
否定するの、きらいだからね!
てア°ッ! 否定してしまった! 否定するのを否定してしまった! ア°ー!
「全てを受け入れると? 神様仏様にでもなったつもりですか?」
君のためなら悟りも開ける。
これ自体煩悩だけど。
「私はそんなこと求めていませんよ?」
あ、そうっスよね、ハイ。ほんま、スミマセンした。ほんと。ハイ。
「ただ一緒に居てくれればいいんで」
はん?
はんはんはん????
「それにさっきの『不思議な魅力がある』って言葉ですけど」
はん?
「こっちのセリフなんですよ」
ほん?
「不思議な魅力を、感じますよね」
んえ?
「嫌いだったら、一緒に居るわけないじゃないですか。《《ここ》》がどれだけ狭いと思ってるんすかね。まったく」
んん?????
んあん??????
ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?ん?
「さっきあなたの心が読めたんですよ」
んんんんんんんんんんんんんん??????????????????
「” 君に似合うから ” って」
!????!!??!??!??!!?
「 ” 君が好きそうだから ” って。” 君の笑顔が見たいからって ” 」
はぁ?! えぇっ、ちょすっ、、、えぇえ?!
「 他にも色々と」
ギャース!!!!!!!!!!!!!!!!
「恥ずかしくないんですか?」
恥ずかしいわ!!!!!!!!
「こっちが恥ずかしかったですよ……」
じゃあなんで見た!!!!!!!!!!!!!!!
「それに小賢《こざか》しいです。あんな細工」
二重思考《ダブルシンク》はそりゃバレたら小賢しくうつるだろうさ!!!!
「矛盾したものを確《しか》と認識しながらも双方《そうほう》を信奉《しんぽう》するという|デノテーション《辞書的意味》も備えつつ。字面からの|コノテーション《連想意味》的に二重の思考がお出来になるんですねぇ、あなたは」
悟られないようにしていた方の心までも読まれていたとは。そのテレパシーめいたものは常に確実に作用している訳ではなさそうだが、だからといって侮《あなど》れる様なシロモノでもないようだ。
だって、自分すらも騙していた二重思考《ダブルシンク》の二重思考《ダブルシンク》を、彼女は突破したのだ。デノテーション的二重思考《ダブルシンク》によって俺はコノテーション的二重思考《ダブルシンク》をしながらも秘匿隠蔽《ひとくいんぺい》していたのだが、そのセキュリティをまさか突破されるとは。
尊敬。
圧倒的尊敬。
ますます好きになっちまうよ……。
っていやそれよりも……俺の心を騒《ざわ》めかせ響《どよめ》かせているのはもっと別のことだ。だから、この一連の思考自体が心の防衛機能のようなものだ。中核《カーネル》とはまた別の、|心の鎧《ペルソナ》的思考だという事は明らかなのだ。
彼女への尊敬の念も感嘆《かんたん》の思いも本心ではあるけれど、それよりもそれよりも。もっともっと俺の心を掻《か》き乱《みだ》す情報が提示されていて、おれについて俺は防衛反応的に敢えて無理くり気づかないようにしている。もしそれを明示的にしてしまったら、明らめてしまったら、俺は耐えられないかもしれないからだろうか。わからん。自分のことすらわからん。まぁ自分のことを何でも分かってるなんていう傲慢よりはマシな気がするが。知らんけど。
「何をそんなに戦慄《わなな》いているんですか? 私があなたの事を本当に不快に思っていたと?」
いやだって、、、、、、その���、、、、、、、、、いやさ、、、、、、、えぇ?
「ふふ。嫌いだったらとっくに手段を講《こう》じて、何としてでも転生してもらって��すよ。それか、あの時あなたの名前を取り上げずに、現世に帰って貰うことも出来ました。実際そういうルートもあったのでしょう。でも『今此処《いまここ》』にいる、私とあなたはそうじゃありませんよね?」
そうですねぇ、そうじゃありませんねぇ、そうなんですよねぇ、それなんですよねぇ。
「安直な理由でも、率直《そっちょく》な好意は嬉しかったんですよ? 思《おも》いの外《ほか》|素朴《そぼく》でしたけど、それもまた。ただそれだけです」
身《み》も蓋《ふた》も無いと言われなかっただけ命拾《いのちびろ》いした思いです。だからバレたくなかったんだ! それだけじゃないけど!
「でも今は後悔してるんですよね。あの時あなたの名前を奪った事」
え? あ、それってどういう……
あ、もしや上げて落とすパターンスカ!? そッスカ!? ソナンスカ?!
「だって、仕方なかったのはいえ、非道い事をしてしまったなって、思うじゃ無いですか。だからあんまり、氷河って呼びたくないんです。私が付けた名前なんて、そんなの……あの場の思いつきと、あの場だけの流れだと思ったのに、そんなの……」
……うおわ。
予想外の方向だった。
どうしようこれ。
どうしたらいい?
どうすんの俺?
どうすんのよォ!?
「ふう。いっぱい喋って疲れました。あとそれ、いい加減バカバカしいです」
それ?
なんのことだろう?
セレィシェは、コツコツコツと軽快な音を立てながら俺の元へと歩み寄り、俺の懐《ふところ》に入り込む。もしこれが格闘技だったら、次の瞬間一本取られてそうな間合《まあ》いだが、実際に起きた事は、セレィシェが俺の顔を見上げながら、両手を伸ばすと言う、そういうハチャメチャドキドキトキメキイベントだった。ハートがぶち抜かれた。こりゃ一本とられたわ、ハハ。
「また変な事思ってる…。このバカバカしいテープをもう見てられないだけですよ」
ああ、テープね。テープ。そんなんつけてたね。もうなんか、体の一部かってくらいに馴染んじゃってて忘れてたわ。『ソウイヤ・ソンナン・アッタナー島《とう》』ぐらいの勢いだわ。そんな島はない。
「下らないこと言ってないで自分でとってくださいよ。ったく」
そういう彼女の目元口元《めもとくちもと》は、しかしどうにも弛緩《しかん》しているように見えるから、何だかんで言って、ユーモアの相性のいいのかもしれない。うわユーモアとか言っちゃった。俺ってばユーモアなんてないのに! アウチ!
そんなことを思っていたら、セレィシェの細くて白い指先《ゆびさき》が、俺の頬───正確には頬の上のガムテープの端───に触れた。
死ぬかと思った。
死んでるけど。
いやほんと。
そうしてしかしバリっと一気に剥がされるののがオチカナーとか思っていたのだが、意外にも『めちゃくちゃ丁寧にゆっくりと』剥がしてくれるセレィシェ。やさちい。ああもうほんとこーゆーとこ好き。多分バリッって一気に剥がしてくれてもそれはそれで素っ��い感じがして好きだけど。どうせそれでどうなってもすぐ回復するし。
バチイイ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
一気に剥がされた口テープ。
死ぬかと思った。
死んだ。
いや死んでるんだけどね?
もういいかこれ。
「ごめんなさい。『一気に剥がせ』っていうから、つい」
うん。
そうだよね。
言ったね。
そうは言ってないけどね。
そんな様な事は言ったね?
だから俺の責任だね。
うん。
「……痛ってぇ〜〜……。」
思わず屈《かが》んじゃうくらいには痛い。
それと、図《はか》らずも『脱《だつ》テープ化運動《かうんどう》』後の第一声《だいいっせい》は、そのような間《ま》の抜《ぬ》けた、|スペシャリティ《特徴》の無いものとなってしまった事が、誠《まこと》に遺憾《いかん》である。
「大丈夫?」
セレィシェが如何《いか》にも心配そうという素振《そぶ》りで顔を覗きこんでくる。
睫毛長《まつげなが》っ。
ファサァ。
目ぇデカ。
ぱっちりくりくりですやんか。
しかしその表情とは裏腹《うらはら》に、一気に剥がした方の頬を指先でツンツンと弄《いじ》ってくる。
サイコパスなん?
……まぁでも。
こういうのが、楽しいんだよな。
お互い気兼ねなく……所謂《いわゆる》、気の置けない仲で居られるっていうのは、心地いいね。かといってまったくお互いにリスペクトがない訳でもなく、完全に慣れ親しんでいるわけでもない。
すごく良い塩梅《あんばい》で、とても良い関係性だナァって、思っちゃうワケ。
出会ってからまだ全然日も浅いのに、もうこの調子なら、前途は明るげだ。
いや、明るい!
輝いている!!!! 輝かしい未来!!!!!!!! もう眩《まばゆ》いくらいだ!!!!!!!!!!!!
…真面目な話。
ほんとうに、これほど迄もの幸せが、降《ふ》って湧《わ》いてくるなんて。思いもよらなかったし未だに信じられないことなんだよね。
実感が湧かないわけじゃないけれど、夢みたいというか、奇跡的だなって思うよ。
君と一緒に居れて俺は本当に嬉しいんだよ。ありがとう。
「……ふうん」 「あ……聞こえちゃった?」 「まずかったですか?」 「まずいことはないかなぁ」 「じゃあウマい?」 「うまいうまい」 「……確かにあなたの言う様に、だんだんあなたに似てきてしまっている気がしますね…」
せやろ? そう言うとりまんがな。でんがなまんがな。
「懐かしい言葉ですね」 「ぇえ?」 「? なんですか?」 「ほらさ、懐かしい言いよるから」 「ああ、そういうこと」
セレィシェは俺のすぐ左隣《ひだりどなり》に座る。床に腰を下ろしたのではなく、厳密には、しゃがみ姿勢ダス。
「懐かしいんですよ。古い言葉は」 「あーね。それはわかるわ」 「じゃあ何がわかんないんですか」 「……『でんがなまんがな』を懐かしいって言ったんだよね?」 「ええそうですね」 「…………ほう」 「……なに」 「…独特をセンスぉをほぉ、お持ちな様でぇぇ…」 「………」
セレィシェの視線が刺さる。じーーーーーーー。
「私のことを、見た目ぐらいの年齢だと思ってます?」 「ん? あーそれ? そこに行っちゃう?」 「それ以外ないでしょう」 「んーーそうかなぁ、、、少なくとも頓着《とんちゃく》はしていないよ?」 「そうですか」 「おん」 「ほんとかなぁ?」 「気になるんダァ?」 「はぁ? うざ」
指先をちょんと突き出すようにして軽く肩を小突《こづか》かれ���。ちょっぴり右に揺れてから、振り子の様に戻る俺……そんなことより、オーバーサイズパーカーの姫袖《ひめそで》がカワイイんスけど、どうすりゃエエですか!??!!?!
などと言ってる場合ではない。
「まぁさ、ちょっとビックリしただけだよ。気を悪くしたなら謝るよ」 「いいよ」
あっさりと許してくれた。というかいつの間にかタメ語なんだが。萌死尊死《もえしとうとし》仰《あお》げば天使《てんし》。言うほど仰いでないけど。
「わたしはあなたの思う様なものじゃないかもよ?」
急にぶっこまれる一層のシリアス空気。アレ俺またなんかやっちゃいました?
「そうかな。そう思うの?」 「うん」 「どうしてそう思ったか、おいおい聞けたらいいなぁって」 「どうして? 別に今言ってもいいけど」 「そうなの? じゃあどうぞ」 「なんかムカつく」 「えぇ…」
今度は左頬に指が食い込む。相《あい》っっっ変わらず華奢な指っスネェ〜〜…。華奢《キャシャ》ーンってカンジ。
「ふっ」
笑いを誘ったらしい。マジカオイ。そりゃ半端ねぇな。
でもそこで、一つ気になった。
「なぁ」 「……なに」 「今までどんくらい、一人でいたん?」
それは訊《き》いてよかったのか分からなかったけれど。 聴きたかったし、訊きたかったんだ。
「……さぁね。でも、断続的に人が来てはいたから」
それは何《いず》れも孰《いず》れ転生していく者たちであろう。
そう長い時間|居座《いすわ》っていた者など、殆どいなかったというのは、聞《き》き及《およ》んでいる話である。
「ねえ」 「…ん?」
寂しかった? などと、『き』こうとしてしまったけれど。
「ごはん、食べよかった」 「……………………うん」
俺たちは彼女の手をとって、キッチンに向かう。 その手は最初、驚いたように僅かに震え。
けれども振り解かれることはなかった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「カスタマイズ?」 「え? カス?」
スンゴイ聞き間違いをしながら彼女が俺へ顔を向ける。ひえ〜かわえ〜。やっぱ目ぇデカいなぁ。そしてこの透け感よ。まさに透き通ってるわ〜相応しいわ〜〜。
「『カスタマイズしてるの?』って」 「え、ああ、、そう」
” 彼女は七味をまだかける。へ〜、激辛が好きなんだなぁ。
彼女が料理に調味料をかけるのを見咎《みとが》めているが、咎《とが》める積《つ》もりはなく、より��好みの味を提供する為の密かなヒアリングの一歩である。
『味薄かった?』とか『もうちょっと辛い方が良かった?』などと訊く向きもあろうが、それは相手に気を遣わせる場合もあると考えるので俺は採用しない。
そこで編《あ》み出したのがこの『カスタマイズ』という楽しげな言葉の使用だ。 なんでもゲームとかユーモアっぽくした方が円滑な関係を保てるの信じている。こっちも楽しいし、あっちも楽しいなら、何も言う事はあるまい。いや、好きとかありがとうとかおやすみとかおはようとか元気?とかお疲れとか、色々言う事は枚挙《まいきょ》に暇《いとま》がないけれど。
因みに今の俺はカスタマイズ容認派である。昔は視野が狭く、愚かで、そして過激派だったが……若さゆえの過ちというヤツか。しかしてその積み重ねなくして今の俺無し。
『全部、これで良かったんだよ』
と今なら実感と確信をもって心から言える。だから俺は転生をしないという面もあるしな。まぁ原因のほぼ全てが彼女と一緒にいたいからだけど。だから彼女が一緒にいけるのであらば転生も吝《やぶさか》かではないのだ。
まぁいいや、こっちを強く考えながら隠蔽秘匿するのは疲れるゆえ、こっちは深層の海にふただび沈めよう……。 ”
ソファに並んでごはんを食べる。ダイニングテーブルもいいけれど、こういうのもいいよね。
食べ始めは『美味しいね』とか色々言い合っていたが、次第に夢中になって、黙々と食べるモードに突入している現在。それでも二人とも恐らく意図してゆっくりと食べているので、別に量を食べているという訳ではないけれど。
さっきのことを思い出す。
あのあと、何か食べたいものがあるだろうかと確認をした所、『親子丼』という予想だにしていなかった回答をいただいた。美味しいよね、俺も好き。
そこで腕《うで》に縒《よ》りを掛《か》けて、素晴らしき自信作を製造。いや、調理した。
勿論。最初から出来合いの『|インスタンス《実体》』を『生成』することも出来たが、そうしたくはなかったし、最初からそうするつもりはなかった。
結果だけが欲しい訳ではないし、過程だけが欲しい訳でもない。そもそもそういう二元論的な視野狭窄とも言い得る話に押し込めたくはない。
俺は彼女に美味しいものを食べて欲しいし、俺は彼女にごはんを作りたかった。そしてそれを一緒に食べたかっただけだ。これについて要素を抜き出したり特徴を挙げ連ねて別の言葉で再解釈する必要なんてどこにもないんだ。『つまり』なんて今ここでは不要だ。
さて。
完成した親子丼は過去最高の出来栄《できば》えとなった。生前、料理は自分の舌を唸《うな》らせるくらいには嗜《��しな》んでいたし、この場所の特質《とくしつ》を鑑《かんが》みれば、心を込めるほど自ずと美味しい料理が完成するのではないかという仮説もあった。
それは味も香りも非常に均整がとれていて、豊かな風味が香り高い逸品である。これには彼女も驚いていたし喜んでもらえた。
一口食べて、
『…美味しい!』
と言ってくれた時には、表彰台で優勝トロフィーを掲げて観客席に手を振っているような心持ちになった。
イメージがものを言うこの世界だからこそ、体験していないことについは情報を食べることになる。それは酷くぼやけて大味な食物《しょくもつ》となる。彼女がかつて食事をした時に食べたものもそんな味だったらしい。
ここでちょっと疑問だったのが、俺のイメージで作り上げたものが果たして彼女が食べた時にも同じイメージであり続けるのかということだった。俺の観測と彼女の観測が同一である保証はないので、個々のイメージによって結果は変じてしまうのではないかという懸念《けねん》だ。
具体的に言えば、俺がどんなに俺のイメージ通りのものを作っても、彼女がそれを食べる時には彼女のイメージの味や香りや見た目になるのではないか、ということだ。
結果的にはそれは杞憂《きゆう》で、どうやら俺がイメージで具現《ぐげん》したものは俺のイメージ通りの性質を物自体が持つと言うことだ。これを彼女は俺にもわかるレベルのプログラミングの話に準《なぞら》えて、
『あなたのイメージが設計図《クラス》。それを元に実体《インスタンス》を生成しているのですよ』
と説明してくれた。多少プログラミングを齧《かじ》っていた俺としては
『わっかりやすぅぅぅー!』
と唸ってしまう例えであった。
俺は彼女の舌を料理で唸らせて、彼女は俺の脳を例え話で唸らせたと、まぁそんな話である。かな。知らんけど。
「知らんのかーい」 「うおびっくりしたー」
彼女が突然突っ込んできた。ご丁寧にぱしんと『ツッコミの手』付きである。そしてまたすぐ黙々と食べ始めた。かわ。
かわいい繋がりで言えば、彼女は今や砕けた喋り方をしてくれるようになって、これがめちゃくちゃ可愛いんですよね。そしてここについて俺に何かを説明しようとする時なんか、さっきの説明もそうだけど丁寧語調に戻っちゃう感じが、また可愛くってもう、悶《もだ》えますよね。
「うるひゃい」 「なにそれかわいい」
ってか食べながら喋ったの初めて見た。それだけ気を許してくれているんだろうか、照れて咄嗟《とっさ》に喋ってしまったならそれも可愛いし。お行儀が悪いなどという者はここにはいない。
「ごめんあそばせ」 「をあ! やんごとなし!」
お行儀などと心内放送してしまったからかあそばせ言葉のご登場。俺らは勘定《かんじょう》なしの関係、感情その��まお互いに預け、ほらゆけ眩い明日へ、然《さ》しもの神も見果《みは》てぬ夢。レッツゴーレッツゴーヒアウィーゴー、暮らそう無限のここがその場所、ウィーシャルメイクハッピートゥモローオルソー、過ごそう永遠《とわ》に二人一緒〜。
なんてね。
「あとで添削《てんさく》するね」 「ヒェ。ただの即興のお戯《たわむれ》なのに……」 「いいでしょ? 時間はたっぷりあるんだから」 「ひぇ〜〜〜〜」
もう添削なんて懲《こ》り懲《ご》りだよぉ〜〜〜〜〜〜。
なんてね。
二人の夜は、まだはじまったばかりだ。
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