#T=ひと息つく
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bearbench · 1 year ago
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arenaibason99 · 19 days ago
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「トレンドを追いかけるためにTumblrブログ始めました!」
「Incantabissのリンクを頼んだら、AUDIO 3しか届かなかった」
TumblrでIncantabissっていうイタリアの無名バンドについての投稿を読んで、気になって仕方なかった。リハスタで録ったデモが回ってて、35分のジャムで聴いた人がぶっ飛んだらしい。なんか妙にリアルで面白そうだったから、自分も「聴いてみたい!」ってお願いしてみた。
そしたら、送られてきたのはファイルひとつだけ。名前は「AUDIO 3」。他には何もなし。説明もメッセージもなくて、ただそれだけ。
すぐ再生したんだけど、これがマジで35分の長いジャム。ギターのリフがずっと続いてるんだけど、微妙に変化してて全然飽きない。音はかなりラフで、多分スマホでそのまま録った感じ。スタジオの空気感もそのまま入ってるし、音量もバラバラ。でも逆にそれがリアルで、プレイしてる人たちの集中とかコミュニケーションがちゃんと伝わってくる。適当なジャムじゃなくて、なんかちゃんとした流れがある。
35分って聞くと長そうだけど、実際聴くと意外とあっという間。グルー��に引き込まれて、気づいたら終わってたって感じ。ドラムもいい感じに前に出てて、ときどき誰かの息づかいみたいなのも入ってるから、「あ、ほんとにこれ今そこで鳴ってたんだな」って思わされる。
最初の投稿で言ってた他の曲はまだ聴けてないけど、これだけでも結構インパクトあった。ただのジャムなのに、すごい印象に残ってるし、ちゃんとバンドとしての“何か”が感じられる。
調べてみたら、他にも似たような音源をシェアしてる人がちょっとずつ増えてきてるみたいで、なんとファンが自作でTシャツまで作ったとか(笑)。まだ全然正式な活動とかないっぽいのに、自然と広がってるのが面白い。
どこまで広がるかわかんないけど、とりあえず、残りの4曲も超気になってる!!誰か送ってくれ〜!
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mtosak · 3 days ago
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『黒鉄プロレスリング』にようこそ04
 『黒鉄プロレスリング』の事務棟。  2階の廊下に、コツコツと二人分の硬質な足音だけが響いている。
 前を歩いているのは、『黒鉄プロレスリング』代表の黒崎徹志。  黒崎は、Tシャツにジーンズというラフな格好だ。片手には、履歴書などの書類が入ったクリアファイルを持っている。
 今回の入団希望者は、安川康弘という名前の青年だった。  安川は、Tシャツ越しにも分かる立派な背中を見つめながら、黒崎の後ろを歩いていた。
 地方の小規模なプロレス団体である『黒鉄プロレスリング』に、練習生としての新規で入団を希望する人間は少なく、入団テストをすること自体、稀だ。  『黒鉄プロレスリング』では、練習生の入団テストとして、面接と基礎体力の確認を実施する。入団テストは、代表である黒崎が直接、担当していた。
 面接のために用意された部屋は、二階の廊下の突き当りのすぐそばにあった。  革張りのソファとローテーブル、そして棚などのいくつかのインテリアがあるだけのシンプルなレイアウトの部屋だ。
 ソファのスプリングを大きく軋ませながら、黒崎は、どさりと深く腰を下ろした。 「自由にかけてくれ」  促されるまま、安川も遠慮がちにソファに腰かける。
「君が、練習生志望というのは間違いないか?」  黒崎は、クリアファイルの中の書類に目を通しながら尋ねる。 「はい」 「プロレスラーになることを志しているということだな?」 「そうです」  そう頷いた後、安川は、所在なさげに座り直した。 「……あの、やっぱり僕、場違いでしょうか?」 「場違い?」  質問の真意を測るように、黒崎は安川の顔に目を向ける。 「本当は、体力にも全然自信がないのに、ただ憧れがあって、その気持ちだけで申し込んでしまって」
 黒崎は、安川の身体を一瞥した。  最初に顔を合わせた段階で察してはいたが、この安川という青年は、お世辞にもプロレスラー向きの見栄えがいい体格をしているとは言えなかった。それどころかまともな運動経験があるのかどうかすら怪しい。もし坂口あたりならば、門前払いしてもおかしくない、と黒崎は思った。
「確かにプロレスラーにとって、もちろん体力や身体能力は大切だ。身体が資本だからな。うちでも入団前に基礎体力を測るテストをしている。君は、もしかすると基準をクリアできないかもしれないな。しかし、実をいうと、少なくとも俺は、テストの結果をそれほど重視してない」
「えっ? そうなんですか?」  安川は、少し驚いたようだった。
「プロレスラーを目指すことも、それを生業として続けていくことも、どちらも険しい道のりだ。もちろん、その険しさに大小はあるだろうが、入団時に基礎体力があろうとなかろうと、練習生だろうと、新人だろうと、たとえベテランだろうと��わらない。それは、身体能力の有無や、筋肉の量、運動経験の多さだけで覆るようなものじゃないんだ」  一呼吸おいてから、黒崎は言った。
「プロレスラーに一番必要なのは、精神力だ。どんなに肉体的に恵まれていても、険しい道のりを乗り越えようという意思がなければ、結局はそこで終わりだからな。憧れだけだと君は言ったが、もし本当にプロレスを愛し、その道を本気で志しているのだとしたら、仮に誰に何を言われようとも、俺はその気持ちを支持するよ」 「それなら――」 「しかし、だ」  黒崎は、鋭く安川の言葉を遮った。
「それは、もし君が、本当にプロレスを愛し、本当にプロレスラーを志しているならば、という前提の話だ」 「あの、それは、どういう意味ですか?」  困惑したように安川は尋ねた。
「単刀直入に聞くが、君はプロレスに対して、それほど興味がないだろう?」  黒崎の問いかけに、安川はショックを受けたように肩を震わせた。  しかし、すぐに首を横に振り、そして訴えるように口を開く。 「そんなことありません。僕は本当にプロレスラーに憧れて――」 「それなら君が一番好きなレスラーは、誰だ?」 「えっ」  唐突な問いかけに、安川は即答できず、一瞬、視線を泳がせた。
「俺は今まで何十人と練習生を見てきたが、本当にこの世界を目指す奴は、決まって目を輝かせながら好きな選手の名前を語るもんだ。ぜひ君の憧れを、聞かせてくれ」  安川は少しの間、押し黙ったあと、じろりと黒崎を見た。
「僕が嘘をついているって言いたいんですか?」  今までの柔和な表情は消え失せて、その奥には薄っすらとした苛��ちの色が滲んでいる。
「君が嘘をついているかどうかは知らんが、言動、表情、そしてその目に宿る熱量。話している相手が、プロレスに対して本心から向き合っているかどうかくらいは、簡単に分かるさ」  黒崎は、静かに安川を見据えた。
 僅かな沈黙のあと、安川は少しばつが悪そうに笑いながら、肩をすくめた。 「よく分かりましたね。演技力には結構、自信があったんだけどな」  ふうと息をつき、姿勢を崩し、リラックスした様子でソファに座り直す。
「やっぱり、黒崎さんくらい本気でプロレスに向き合ってる人には分かっちゃうんですね。すごいな。おっしゃる通り、僕、プロレスになんて全然、興味ないんで、ほとんど見たことないんですよね。だって、汗臭そうだし」  わざとらしく鼻をつまみ、安川は愉快そうに笑ってみせた。
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yu-en · 9 months ago
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uihy
自室の記録
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5年前からルームシェアをしているSと一緒に引越しをしてから、3年が経った。寝室をSが、リビングを私が自室としている。私の部屋の正面には大きな窓があり、左右にもそれぞれ小窓がある。
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小窓1
装身具類の置き場所。ピアスを置いている鳥のレモン絞り器は、Fさんから貰ったもの。Fさんはよく動物のものをく��る。犬の形をした栓抜きや、野営をするくまの置物も彼からのプレゼントだった。
カートリッジインクの空き容器には、ヘアピンやネックレスを入れている。私の父は吸引式の万年筆を好んでいて、父から贈られたペンもインク瓶とセットのものが多かった。実家を出て外にいる時間が増えてからは、インクを切らすことが怖く、自然と替えのインクを持ち運べるカートリッジ式の万年筆を使うようになった。それからしばらく経ち、1年前にプログラマを辞めたことを手紙で報告すると、その数日後に「励まし」とボールペンが送られてきた。以降ずっとそのペンを使っているから、手持ちの万年筆はどれもインクを抜いてある。
よく付けるピアスは窓の縁に置いていて、どこかの喫茶店で使われていたらしい伝票入れには、硝子のオーナメントやトライアングルのビーターを差している。
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Hのくれたトライアングル本体は、腕時計とブレスレットを失くさないための場所として機能している。良くない使い方だと罪悪感を覚えてはクロスで磨いている。
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小窓2
『陶の家』を見かけたらひとつ買うというのを続けていて、現時点で3軒が建っている。少しずつ街になっていく。家の奥には、ミナペルホネンの好きなQさんにプレゼントしたものと色違いのタイルを置いている。
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小窓3
すぐぼろぼろにしてしまう指先のケア用品を置いている。H先輩に貰ったネイルオイルの磨硝子が好きだった。Fさんが動物をくれるように、この人は硝子をよくプレゼントしてくれる。硝子のオーナメントも、ステンドグラスのくまもH先輩から貰っている。
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窓を開閉するハンドル(オペレーターハンドルというらしい)に紐をかけて、ケーブルや電源類をまとめている。先日Eから貰った白いカールコードのシールドもここに下げている。黒い服ばかり着ているのに、Eには乳白色のイメージがある。“誤って人間として産まれてしまった天使”だと��じさせる人と知り合うことが何度かあり、Eもその中のひとりだった。
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向かって左には仕事用のシャツ、右には外套を何着か掛けている。秋冬用の服ばかりある。
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ここに越すことが決まってから最初に選んだ家具。プログラマになったばかりの頃、メモリの重要さを机の広さに喩えて教えられた。それで机は広いほど良いものだと認識したのか、気付けば横幅のある机ばかり探していた。天板の色を緑に決めて、部屋の軸に据えた。
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職場で割ってしまったマグカップに無線イヤホンや保湿クリームを入れている。シャツを濡らしたまま破片を持つ私を見て、笑ってくれる会社の人たち。これ以上は無いとよく思う。
ヘアクリップ入れにしている、ままごと用のような小さな花瓶も気に入っている。渋谷の蚤の市で友人へのプレゼントを選んでから、度々その人の店でものを買うようになった。銀色のトレイやハート型の赤い缶もその人から買った。
銀色の電源タップは前の部屋から持ってきたもの。あらゆる電子機器の電力をここから供給している。
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ギターをくれた友人たちが別の年の誕生日に合同出資してくれたオーディオインターフェースがモニターの下にある。未だに1-2と3-4の入力を同時にする方法が分からず、2つずつ付け替えながら使っている。これを貰ってからAudacityで曲を作り始めて、今もそのやり方をしている。会社の先輩には「システムを0と1だけで作ろうとしているみたいなものだよ」と言われたけれど、その頓馬さを含めて自分に馴染むので、Audacityをずっと使っている。キーボードがちょうど上に乗る。
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モニターの横にはmicroKORGを置いている。普段は誕生日に贈り物をしないと取り決めているSだけれど、数年前に何かで手を貸した際「この恩は倍にして返します」と言い、その年の誕生日にmicroKORGをプレゼントしてくれた。このシンセサイザが部屋に来てから、自分の生活が向かうことのできる方角が増えたように感じている。大切な楽器。
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microKORGには、新しい部屋で出した『野良の花壇』のマグネットを付けている。本来は冷蔵庫のために作られたマグネットだけれど、皆とスタジオにいる時にあって欲しく、ここに付けている。プリクラで来られなかった友達の似顔絵を描くような感覚。私の黒い冷蔵庫には、ピーター・ドイグの青鬼の絵と油絵の花のマグネットだけがある。
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机の下に、PC・トランクケース・スーツケースを置いている。PCはSのお下がりで、MacBookしか使ったことのなかった当時の私は、こんなに大きな箱がPCだなんて、と思っていた。PCの上に付けたアンテナは狐の顔のような形をしている。
トランクケースは大学2年のころ大枚をはたいて手に入れたもの。どこか遠出をする時はこれに荷物を詰めている。畳み終えた洗濯物をSの部屋へ運ぶ時のかごや、ギターを弾く時の足置きとしても使用。頑丈さに安心する。
スーツケースはついこの間、京都に長く滞在するために買った。銀色の次に、灰がかった青が好きだと思う。
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ギター・くま・本棚
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ギターは高校時��の友人たちが誕生日にくれたもの。19歳になったばかりの頃、当時の交際相手と出掛けた帰り、気が付いたら楽器屋にいた。ギターを2本持ったその人に「どっちがいい」と訊かれ、指差した方を買ってくれた。私にギターを与え、弾き方を教えてくれたことにずっと感謝している。その人と別れてしばらく経ち、誕生祝いに何が欲しいかを訊かれ、ギターを頼んだのだった。友人たちは「あえて白にしてみた」と笑っていた。今思えば、このギターを貰ってから白を自分のものにすることへの抵抗が弱くなった。ギターの届いた日、触っているのが楽しくて大学を休んだのを覚えている。
YAMAHAのアンプは義兄が使っているのを見て購入した。私が真似をしていると知って嬉しそうだった、と姉から教えてもらった。
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左端のくまは、元は白だったのだけれど、深い青のシーツで眠るのに付き合わせたせいで黝くなってしまった。Kの小説に「ヤニや涎で汚れてしまったのかしら」と書かれてからは、布で包んでいる。いつかぬいぐるみ病院に連れて行きたい。隣は一度も会ったことのない人が贈ってくれた黒いくまと、高校時代の交際相手が留学先のお土産として連れてきてくれた焦げ茶のくま。誰かとビデオ通話をする時にはよくパペットのくまに代理出席してもらっている。右は、地元や旅先の雑貨屋で見つけて連れてきてしまった(“しまった”という意識がずっとある)小麦と白のくま。グレーのワゴンに小さなギャッペを敷いて、くまたちの場所としている。
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低い本棚の上
蓋のない宝箱。小物たちというより、質量のある記憶群という方が実感に近い。
西荻窪にあった喫茶店の閉業を知って沈んでいると、H先輩が「お店で使っていた品物を販売しているみたいです」と教えてくれた。黒い花瓶のあるおかげで、ずっとその店を忘れずにいられる。今はEのくれた竹とんぼや、Aさんのくれた花を入れている。ポストカードをしまっておける箱のついた額縁には、Aの写真を入れている。過去、「__の写真を写真展に出してもいいですか?」と、もう搬入の終わった状態で確認の連絡が来たことがあった。Aがごく稀に見せる、こういった強引さが大好きだった。展示を了承する代わりに譲ってもらったその時の写真たちは、勾配天井の部屋に暮らしていた時に飾っていた。上京してから借りたどの部屋にもAの写真を飾っている。そのほか、江の島で拾った石や、Tさんがライブ終わりに嵌めてくれた指環、Uさんと行った犬吠埼のイルカの置物、書ききれないほどの誰かと紐付いた宝物がある。
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声の依頼を受けた際、お礼にといただいた絵。額装までしてくれていた。元々この人の絵が好きだったので大喜びした。一度この絵を裏返さなければいけない時期があったので、また飾ることができて嬉しかった。
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高い本棚の上
小さなギターは、Kさんと一緒にRさんの部屋でパーティをした日、中古のおもちゃ屋で買ったもの。Rさんの部屋に戻った後もご機嫌に鳴らしていて、そのあと火事が起きた。カセットコンロの火がテーブルクロスに引火して、火が早送りのように広がっていくのを見た。三人で死ぬ映像がちらついた、次の瞬間には火が消えていて、振り向くと花瓶を持って息を切らしたRさんが立っていた。チューリップを活けていた水での消火。このおもちゃが生き延びた証明になっている。このあいだのアルバムに入れたフィールドレコーディング曲にはその日の日付が付けられていて、火のはじける音やこのおもちゃギターの音が入っていた。volca keysは初めて触ったシンセサイザ。自分ひとりである程度のことができるようになりたくて、リズムマシンとマルチエフェクターを買った。
銀色のバットはひとつ前に住んでいた部屋の近くにあった台所道具の店で買ったもので、前日と翌日のあいだの時間に携帯品を置いておく場所として使っている。
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Artekのスツール60を、椅子やベッドサイドテーブルとして使っている。パーティめいたことをする時には、3脚くっつけて大きなテーブルとして使う。雑貨屋でまとめて購入したので、その日で店のポイントカードが1枚分溜まった。そのカードをイッタラのキャンドルホルダーと交換してもらった。
銀色のトレイは、先述の蚤の市で知った店で買ったもの。部屋のポケットとして使っている。
“拯”の字は、精神がどうしようもなく落ちていた今年の始めに、Uさんが「書初めをしよう」と言って筆を持たせてくれたもの。翌月にまた京都を訪れた際に、国際会館のカフェスペースで焼き上がったものを渡してくれた。頭でばかり考えてはすぐに身体と疎通できなくなる私に、四肢のあることを思い出させてくれる友人。
本の上には気休めの紙魚対策として除湿剤と防虫剤を置いている。
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小窓4
Fさんからの犬の栓抜きと、Hに貰ったコンクリートの置物、H先輩が分けてくれた犬の箸置き。母の好きなミニチュアを贈る際、色違いのチューリップを自分にもひとつ購入して、端に置いている。自分のために生きた花を買えない反動か、花のモチーフのものを見かけると嬉しくてつい手が伸びる。
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キッチン
私の洗面台を兼ねている。私もSも、料理と呼べるような自炊は殆どしないので、調味料や調理器具が少なく、キッチンの収納部にはそれぞれの私物が仕舞われている。
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Mさんが引越し祝いに買ってくれたカセットコンロ。パンを焼く時やカフェオレを淹れる時に使う。組み立てる際の動作がロボットアニメのワンシーンを思い出させるので、人前で使う時には「変身!」と言うようにしている。
隣の空き瓶は元々ジンの入っていたもので、誰かに花をいただいた時には一旦ここに活けている。
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この部屋に越した時にIがプレゼントしてくれたローズマリーの石鹸の匂いが好きで、貰った分を使い切ってからも自分で買い直している。歯磨き粉はGUM以外だと落ち着かないので旅行先にも持っていく。歯ブラシはKENTのもので、最初に使ったあとの歯の滑らかさに感動して、誰かに共感してほしいあまりSに押し売りをした。それからSも同じものを使っているので、それぞれのストックも合わせると10本近くこの歯ブラシがある。右端はリングホルダー。左手の薬指に環を嵌めるようになってから、指環が好きになった。今は5本の指環を付けている。
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食器棚
H先輩のくれたくまを吊るしている。緑の石鹸はMさんのスペイン土産。ここに写っている鉄鍋も鉄フライパンも、写っていない3本の包丁も2枚のお盆も貰いもの。
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ソファ
机の天板に合わせて布を選んだ、三人掛けのソファ。毎日ここで眠っている。Sの部屋にある質の良いベッドよりも、薄いマットレスを敷いたソファの方がよく眠れる。枕に近い小窓のハンドルにエジソンランプを括りつけて、普段はその光で睡眠薬が効くまでを過ごしている。
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部屋のすぐ向かいには線路があり、3面の窓から電車の通る音や光が流れる。最終電車の後は、スケートボードの走る音や、酔った誰かの歌が聞こえる。この部屋で生活をしている。
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yutakayagai · 9 months ago
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金曜日になり、浅草では三社祭が始まった。ニュースでは雷門周辺で数多の観光客が一目見ようとあちこちから集まり、賑わっていた。一方、信也はこの日も仕事だったので帰りは通常通りだった。ところが、編集部に務める若い部下から飲みに行きましょうと誘われたのだ。行き先は銀座。大学進学を機に上京してきたが、信也はこれまで数えるくらいしか銀座には来たことがなかった。買い物だったら新宿、飲みに行くなら上野だった。裕美がたまに香織やその他のアシスタントを連れて訪れているが、夫婦としてはなかった。
最初に来店したのは有楽町の「Nビヤホール」だった。そこ��ら銀座七丁目に繰り出し、最終的には「西五番街」の路地に入ったところにあるバー「R」だった。その頃には何人かはすでに解散していたが、信也と二人の部下が店に入った。昔、太宰治や坂口安吾などの文豪が出入りしていたバーとして名高く、いつか「銀座」を特集にしようと部下の一人が提案した。信也は「グレンフィディック」と「ゴールデンフィズ」を注文したが、チャージ代だけで八百五十円と聞き、びっくりした。部下たちは、
「銀座で千円切るチャージなんて、未だ安いですよ」
と言った。いやいや、上野だったらたらふく飲めるし食べられるわと、信也は恐らく二度目はないだろうなと内心思った。
そもそも、背広だってようやく日本橋馬喰町の紳士洋品店「S」で買ったのに、たかが飲み食いの為に金は出せないと言うのが本音だった。たまに、今編集している雑誌「S」を眺めているとこんな、京都とか温泉とか、ただですら明日食べる食料すらない家庭もあるのにリッチな特集ばかり取り上げて意味があるのかなと疑問に思うことがある。銀座なんて、今ではインバウンドの波に乗り過ぎて昔の様な高級なイメージは皆無だ。そもそも、銀座の複合ビルに百円ショップができた時点で終わったと彼は思っていた。
時計台の針が午後十時を回っていた。部下とは銀座駅の入口で別れたが、信也は何か淋しさを感じた。嗚呼、そう言えば新橋の近くにゲイバーがあったなァ…。今日はちょうどスーツ着用が大歓迎だったなと、彼は再び複合ビル「G」の前を通り、新橋方面に向かって行った。
ゲイバー「T」は、銀座の並木通りを抜けて首都高速道路の高架橋を越えた路地にあった。タブレットでゲイ関係の総合サイトを見て知り、更に「ツイッター」でアカウントがありフォローしたのだ。
店の中に入ると、賑やかな雰囲気だった。カラオケがあり、テーブルには老いも若きも仲良く話をしている様だった。マスターと思しき店員に、
「あら、ウチのお店は初めて? 何飲む?」
と聞いてきた。信也はカンパリソーダを飲むことにした。スーツ着用大歓迎ではあるが、最近はスラックスにポロ��ャツも社内では可と言う企業もあり、キッチリ着こなしている者はいない。嗚呼、自分はおじさんになったのかなと、内心嘆いた。
そんな中、ネクタイを外した状態で周囲を見渡しながら信也の隣に一人座ってきた。よく見てみると真純だった。彼は満面の笑みで、
「あれぇ〜、もしかしたらあの時の!?」
と言った。信也も、
「あぁ、先日はどうも!」
と気付いた。
真純は信也の身体に密着し、時折片腕を背部に伸ばしながら内腿にも手指を忍ばせ、撫で回した。かなり上機嫌で、一緒にカラオケをやろうとも誘ってきた。信也は真純が見た目のわりにはミーハーな感じがあることに驚き、恐らく酔っているせいもあるのか、スキンシップが多かった。マスターは、
「あら、知り合いなの?」
と聞いた。真純は、
「ちょっとね…」
と、ニヤリと顔を緩ませながら言った。
結局、信也は完全に真純のペースに流されてしまった。クローズは午前一時だったが、とっくに終電はなくなっていた。それでも真純はスキップしながら信也の手を握り、はしゃいでいた。五十歳は過ぎているだろうが、もしヤングが見たら「変なおじさん」だろうな…。二人は中央通りをひたすら歩いて行った。
意外と、東京は電車や地下鉄が多いので距離がある様に見えるが、駅と駅との間隔は狭い。地方ではバス停の感覚である。上野駅まで来た時、真純は人気ない路地に信也を連れて行き、ビルとビルの影に隠れながら接吻した。頬を寄せ、信也のぬくもりを感じながら、
「偶然と偶然が重なって…離したくない」
とため息をついた。微かに柑橘系のオードトワレが匂い、信也は真純が愛おしくなった。彼の方から今度は接吻し、舌と舌を絡ませた。とめどなく唾液が噴き出し、なんてスケベなンだと信也は興奮した。下半身の奥底に潜む、所謂「Gスポット」がうずくのを感じ、彼は尻の筋肉をキュッと締めた。一物が硬くなり、勢いよくビキニとスラックスを突き出した。嗚呼、欲しい…。真純も同じ反応を示していた。あッ、近くにハッテンサウナのホテルがあるじゃないか。このままベッドインしてイッちゃいたい…。二人は身体を密着させながらハッテンサウナのホテルにチェックインし、部屋に入った。服を脱ぎ捨て、ビキニ姿でベッドに身を投げ、欲情のままに二人は抱擁と接吻を繰り返した。時折、真純は信也の腋下に顔をうずめ、
「し、信ちゃぁぁぁぁん…」
と声を上げた。
ビキニが床の上に重なり合う。信也はいきり勃った己の肉棒を真純の下半身の穴に挿れた。ラヴオイルにまみれた彼の谷間が、とてつもなく卑猥に見えた。腰を突き上げ、また引きながら信也は真純を犯した。真純は、
「イイ、イイッ! もっと突いて!」
とすすり泣いた。彼も自分の一物を弄び、片手を先走り汁で汚した。
オルガズムは信也の方が早かった。真純の肉体の中に彼は愛液を「ぶち込んだ」。
「あッ、あん!」
一突きをすると、信也は両眼をつぶった。こんな感覚、恐らく裕美と寝た時以来だ。嗚呼、クセになりそう…。彼は何か達成感の様なものを感じた。一方、真純も充血した肉棒を信也の方に向け、愛液を跳ばした。
「あぁぁぁぁん!」
真純は顔を紅潮させながら声を上げた。もはや頭の中は空っぽな様だった。信也は真純をもっと歓ばせたい衝動に駆られた。下腹部に跳ばされた彼の愛液を片手で拭い、その手で彼の萎えた一物の先端を「こねくり回した」。
「いやッ! いやッ! 苛めないで!」
と声を上げつつも再び勃ち始めた。彼は包茎だからか、包皮が剥けた先端は敏感な様だった。腰をくねつかせ、時折上下させながら彼はすすり泣き、尿の様なものを出した。これが「潮吹き」かと、信也は思った。快感に酔い痴れた真純は彼に抱きつき、
「愛してる! 大好き! 一生離さない!」
と訴えた。
時計の針は午前二時を回っていた。信也は、両腕から離そうとしない真純に抱かれながら肉体の諸部分を弄られた。特に、乳房はシャツが触れるだけでピクッと反応するほど敏感になっていた。次第に、オトコの身体の方が繊細にできていると思う様になっていった。信也は接吻が好きだった。何度も真純と唇を重ね、その度にいったん萎えた一物が硬直した。真純は、
「す、すごい! 信ちゃん、元気!」
と、彼は信也の下半身を舌と唇で弄んだ。何かのサイトで見たことがあるが、オトコの下半身はオンナより敏感だという。恐らく、子孫を遺す為に生殖器がそうできているのだろう。もし雑誌の特集にできれば面白いだろうが、信也が編集を手掛けているものは定年を迎えて生活自体にゆとりがある世代に読者が多かった。「性生活」の性の字もないよなと、彼は思った。
結局、二人はようやく午前四時頃に疲れ果てて眠った。目覚めたのは午前八時だった。シャワーを浴び、床に散乱した下着や服を拾って着ながら、信也は三社祭を観に行くと話した。すると、真純は嬉しそうに、
「へぇ〜、じゃあ、明日の夕方に来てよ!」
とマッチの一箱を渡した。そのマッチ箱には、
「浅草『Z』」
と書かれていた。ゲイバーらしかった。
信也は真純から詳細を聞き、
「解った。午後八時ね」
と承諾した。
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myonbl · 1 month ago
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2025年5月16日(金)
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間口の狭い我が家、玄関前の駐車スペースに車を駐めると、隣の塀すれすれにドアを開けて下りることになる。小さなプランターの紫陽花はツレアイがもとの職場から持ち帰ったもの、もう何年になるのだろう。環境に配慮して大きく伸びることは遠慮しているようだが、今年もちゃんと開花準備をしてくれている。梅雨ともなれば鬱陶しさが先立つがこの花だけは別、今年も紫色の得意顔を期待しよう。
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5時30分起床。
洗濯開始。
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朝食を頂く。
洗濯物を干す。
珈琲を淹れる。
彼女の弁当を用意する。
可燃ゴ��、30L*2。
7時40分自宅を出発、彼女を職場まで送る。
戻るとT姉とM姉からメール、あれこれやり取り。
8時35分、二男が出勤する。
今日からちゃんと体を動かすことに、ラジオ体操第一・腕立てふせ10回・バックブリッジ20回。
9時30分を待って、セントラルスクエア花屋町店で買物、大根と唐黍糖。ついで、コレモ七条店で牛乳2本・うどん・薄揚げ、削り節。
BSでドジャースの試合、大谷君は2打席連続ホームラン、大喝采。
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ランチ、3男にはサッポロ一番塩ラーメン、私は刻みうどん。
普段は昆布水を冷蔵庫に2L常備しているが、昼に空いた容器に水だしセット、夕飯に使うのだ。
軽く午睡。
ラジオ体操第二・腕立てふせ10回・バックブリッジ20回。
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hontoアプリで読書、『ごんげん長屋 つれづれ帖』第一巻読了。
Youtube渉猟、夕飯メニューを考える。
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今夜の夕飯は<ひらひら大根と豚バラのさっと煮>、もちろん大原千鶴さんのレシピ、アイスプラントのトッピングは私流。
録画番組視聴、名探偵ポワロ。
第1話「複数の時計」/ The Clocksシーズン 12, エピソード 1 ポワロの旧友の息子で、海軍大尉を装う秘密情報機関MI6の一員コリンが協力を求めに来る。コリンの同僚で恋人のフィオナは、機密書類を盗み出した別の同 僚を尾行した先で車にはねられて命を落とした。フィオナが残したメモに書かれていたのは三日月の絵と「M」の文字と「61」の数字。一方、派遣秘書のシー ラに見知らぬ人物から指名が入りその家に向かう。指示通り家主が戻るまで中で待つことにするが、男の死体を発見する。
片付け、入浴、体重は150g減。
スコッチソーダ舐めながら、日誌書く。
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歩数は届かないが、辛うじて3つのリング完成。
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mtosak-genai · 3 months ago
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Rewind 01
 長いフライトの末、飛行機は滞りなく滑走路に着陸した。  窓の外に広がるのは、見慣れた日本の風景とは全く異なる、広大なアメリカの大地だ。
 安川康弘は、機内アナウンスに従ってシートベルトを外した。  手荷物を持ってゆっくりと立ち上がる。  今日から始まる、未知の国でのホームステイ。  期待と、ほんの少しの緊張。それらが交じり合った奇妙な高揚感が、彼の胸を満たしていた。
 近代的なデザインの空港ターミナルは、活気に満ち溢れていた。  様々な言語が飛び交い、多様な人種が行き交う。
 その喧騒の中で、安川の目を引いたのは、壁一面に掲げられた巨大なポスターだった。
 そこには、アメリカが誇るスーパーヒーローたちの雄姿が描かれていた。  鋼の肉体を持つ者、稲妻を操る者、空を飛ぶ者。  まるで神話の登場人物のような、超人的な存在たち。  その中のひとつに安川は目を向ける。
 ザ・グレイトマキシムのポスターだ。  ポスターの中のグレイトマキシムは、誇らしげに両腕を広げ、逞しい上腕二頭筋を見せつけていた。
 太陽のように明るい笑顔。  圧倒的な筋肉のボリューム。
 まさに「アメリカンヒーロー」という言葉がぴったりの、絵に描いたようなヒーロー像だと安川は思った。
 安川は足を止め、ポスターを食い入るように見つめる。  筋肉、力、男らしさが、そこには凝縮されていた。
 さらに歩を進めると、至る所に設置されたデジタルサイネージが目に入る。そこでは、ヒーローたちの活躍を伝えるニュース映像や、彼らを起用したコマーシャルが絶えず流れていた。  ビルを持ち上げる者、災害から人々を救う者、そして時には、プロテインドリンクのCMで爽やかな笑顔を見せる者。  この国では、スーパーヒーローは単なる物語の登場人物ではなく、現実に実在する存在であり、人々の日常に深く溶け込んでいるのだ。
 安川は、周囲の人々がヒーローの映像に特に驚く様子もなく、当たり前の風景として受け入れていることに気づく。  これはきっとヒーロー大国であるアメリカでは、決して珍しい光景ではないのだ。
 入国審査を終え、���けていたスーツケースを受け取る。  大きな荷物をカートに乗せ、到着ゲートへと向かう。
 ゲートを抜けると、出迎えの人々でごった返していた。  プラカードを掲げる人、抱き合って再会を喜ぶ人、様々なドラマが繰り広げられている。  その人垣の中、安川はすぐに目的の人物を見つけ出すことができた。
 思わず息を呑むほどの巨躯。  ポスターで見た印象よりも、さらに圧倒的な存在感。  ザ・グレイトマキシムこと、マックス・パワーズが、そこに立っていた。
 身長は190センチを優に超えているだろう。肩幅も広く、厚い胸板はまるで岩盤のようだ。
 マックスは、白いシンプルなTシャツを着ていた。  体にぴったりとフィットしたデザインのため、その下に隠された筋肉の輪郭がくっきりと浮かび上がっている。  特に、Tシャツの袖を力強く押し広げている上腕の太さは尋常ではない。丸太のように逞しく、血管が浮き出ているのが遠目にも分かる。
 下は、色落ちしたブルージーンズ。これもまた、彼の逞しい脚のラインを強調していた。太腿の筋肉が、デニム生地を内側からパンパンに張り詰めさせている。
 マックスの隣には、小柄で、柔らかな雰囲気の女性が寄り添うように立っていた。ブロンドの髪を綺麗にまとめ、上品なワンピースを着こなしている。おそらく、彼の妻のサラだろう
 安川は、彼らに向かって歩き出した。
「あの……マックスさん、サラさん、ですか?」
 声をかけると、マックスが鋭い視線をこちらに向けた。  その眼光の鋭さに、安川は一瞬、たじろぎそうになる。  ヒーローとしての威圧感だろうか。
 しかし、次の瞬間、マックスの表情は、太陽が雲間から顔を出すように、一気に明るく、人懐っこい笑顔へと変わった。
「おおっ! 君がヤスヒロか! ウェルカム・トゥ・ステイツ!」
 マックスは、大きな声でそう言うと、ためらうことなく安川に歩み寄り、その逞しい肉体でハグをした。香水だろうか、爽やかな香りが安川の鼻腔をくすぐる。
 安川が目を白黒させていると、マックスは、その大きな手を差し出してきた。
「俺はマックス! こっちは妻のサラだ。長旅、疲れただろう?」
 差し出された手は、まるで熊の手のように大きく、分厚かった。  指の一本一本が太く、手のひらには硬いタコができているのが見て取れる。ヒーローとしての激しい活動と、日々の鍛錬の証だろう。
「は、はじめまして、安川康弘です。よろしくお願いします」
 安川は、努めて落ち着いた声で挨拶し、差し出されたマックスの手を握った。
 握手した瞬間、その圧倒的な握力と、手のひらの熱量に驚かされる。まるで万力に挟まれたかのような感覚だ。
「まあ、マックスったら、そんなに強く握ったらヤスくんがびっくりしちゃうでしょ」  隣で見ていたサラが優しく窘めると、「おっと、すまんすまん」とマックスは頭をかいて笑った。
 マックスはすぐに力を抜き、安川の手を優しく包み込むように握り直した。その大きな手のひらが、安川の小さな手をすっぽりと完全に覆ってしまう。
「よろしくな、ヤス! これから家族だ、遠慮はいらないぞ!」  マックスは、白い歯を見せて笑う。  その笑顔には、裏表のない、純粋な善意が満ち溢れているように見えた。
「はじめまして、安川くん。サラよ。遠いところ、よく来てくれたわね。疲れたでしょう?」  彼女の笑顔は、マックスとは対照的に、穏やかで包み込むような優しさに満ちていた。
「いえ、大丈夫です。サラさん、お綺麗ですね」  安川は、少し頬を赤らめながら、お世辞を言った。
「あら、嬉しいわ。ありがとう」  サラは嬉しそうに微笑んだ。
「ハッハッハ! さすがヤス、見る目があるな! 俺の自慢の妻なんだ!」  マックスは、サラの肩を力強く抱き寄せ、誇らしげに言った。  サラは少し照れたように、「もう、あなたったら」とマックスの胸を軽く叩いた。  仲睦まじい夫婦の姿。  微笑ましい光景に、安川も自然と笑みがこぼれた。
「さあ、行こうか! 車を駐車場に停めてあるんだ」  マックスはそう言うと、くるりと踵を返そうとした。  しかし、すぐに思い出したように立ち止まり、再び安川に向き直る。その表情から、先ほどの陽気さがすっと消え、真剣な、ヒーローとしての顔つきが覗いた。
「ヤス、その前に、一つだけ言っておくことがある」  彼の声は低く、静かだが、有無を言わせぬ響きを持っていた。 「アメリカには、日本と違って、ヒーローがいる。なぜだと思う? それはつまり、ヒーローが必要だからだ。ヒーローが必要になるということは、日本とは違って、時々物騒なことも起こる。特に空港のような人が多い場所ではな。だから、絶対に俺から離れないようにするんだ。いいな?」
 その言葉と共に、彼は再び、安川の目の前に、大きな手を差し出した。今度は、握手のためではない。
「ヤス、手を出せ。しっかり繋ぐんだ。そうすれば安全だ」
 有無を言わせぬ口調。  有無を言わせぬ眼差し。  有無を言わせぬ命令。  そ��は、市民を守るヒーロー、ザ・グレイトマキシムの表情そのものだった。
 安川は、陽気なマックスの真剣な一面に内心、ドキドキしながら、言われるがまま、おずおずと自分の手を差し出した。  その手を、マックスは再び大きな手のひらで力強く、しかし温かく包み込んだ。  マックスの体温が、じかに伝わってくる。
「よし! これでOKだ!」  マックスは、安川の手をしっかりと握ると、すぐにいつもの陽気な表情に戻った。 「さあ、行こうぜ! 俺の自慢の『マキシムモービル』へ!」
 彼はそう言って、安川の手を引くように、大股で歩き出した。  サラが、その隣を微笑みながらついていく。
「マキシムモービル?」  安川は、聞き返した。  するとサラは噴き出して言った。 「ただのSUVよ。マックスは、少し子供っぽいところがあるのよ」 「ヒーローの愛車にはかっこいい名前がついているのは当然だろ?」
 駐車場へと向かう道すがら、マックスは、アメリカのプロスポーツの話や、最近観たアクション映画の話など��、一方的に、しかし楽しそうに語り続けた。  安川は、相槌を打ちながらも、本物のスーパーヒーローと手を繋いでいることに対して、興奮を抑えることができなかった。
 やがて、巨大なSUVの前へとたどり着く。  見るからに頑丈そうで、パワフルな車だ。
「まさに、『マキシムモービル』と呼ぶにふさわしい車だろ?」
 マックスは、にやりと笑った。  リモコンキーでドアロックを解除すると、後部座席のドアを開ける。
「さあ、ヤス、特等席だぞ!」
 三人は車の中に乗り込む。  マックスがエンジンをかけて、車が動き出すと、安川はつまらなさそうに大きなあくびをした。
「ん? どうした、ヤス。眠たいのか?」  バックミラー越しに、マックスは安川の顔を覗き込んだ。  安川は首を振る。
「うーん。なかなか悪くない出迎えでしたけど」  少し間を置いて、言葉を続ける。 「正直にいって、全然、物足りないですね」  そう言い切ると、安川は、不毛な演技を止めることに決めた。
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gobangiri-news · 1 year ago
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4月23日(火)完成披露舞台挨拶付先行上映会オフィシャルレポート!
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このたび、映画『碁盤斬り』の豪華キャストが勢ぞろいし、4月23日に完成披露舞台挨拶付先行上映会を開催いたしました!本作は、草彅剛さんが冤罪に貶められた浪人・柳田格之進役に挑み、時代劇を初めて手掛けることとなった『孤狼の血』の白石和彌監督との強力なタッグが実現した感動のリベンジ・エンタテイメントです。本日は、草彅剛さん、清原果耶さん、中川大志さん、奥野瑛太さん、音尾琢真さん、市村正親さん、斎藤工さん、小泉今日子さん、國村隼さんというオールスターキャストと白石和彌監督が登壇した舞台挨拶を実施しました。撮影中のエピソードや、映画の内容にちなんで《リベンジ》したいことなどについてトークが展開され、大盛り上がりの舞台挨拶となりました!
寡黙な武士、柳田格之進を演じた草彅さんは、舞台挨拶冒頭から満面の笑みを浮かべ、充実感を漂わせました。撮影以来となる共演者との再会をよろこび、「みんなのグルーヴがすごくいい!」とニッコリ。自分の持っているものすべてを出し切れたと話した草彅は「幸せな環境で映画が撮れました」と報告し、大きな拍手を浴びました。撮影現場は作品に関わるすべての人、職人のこだわりが詰まっていたとし「みなさんのおかげで(格之進を)ちゃんと演じられました。代表作になったと思います!」と役を演じ切ったと胸を張っていました。格之進の娘・お絹役の清原さんは「現場で草彅さんを見かけるたびに、“父上”という気持ちになって。格之進として佇んでいらっしゃって、とても支えられました」と感謝。父・草彅さんの背中を「追いかけられたらいいな、支えられたらいいなという思いで見つめていました。草彅さんのおかげでお絹ちゃんとしていることができたと思います」との清原さんの言葉に草彅さんは「その言葉、一生大事にします!忘れません」と返し、父娘のほっこりトークで和ませました。萬屋の亭主・萬屋源兵衛役の國村さんは「���イトルにもあるように碁盤を挟んだシーンがたくさんあります。碁がテーマでもありますが、碁のシーンを通して、格之進の性格を伝えていくという意味合いもある作品です。碁のシーンで格之進の中身が変わっていくのを感じられると思います」と笑顔でアピールしました。萬屋の手代・弥吉役の中川さんは「すごくピュアで真っ直ぐな武士の子。小さい時に源兵衛に拾ってもらい、息子のように育ててもらった青年です。映画の中で起きる事件に大きく関わるという役どころ。囲碁がベースになっていますが、とても親近感のある、身の回りで起きるような出来事を描いた作品です。弥吉のポジションは苦しいけれど、応援したくなるような弥吉になればいいなと思いながら演じました」と役作りを振り返りました。音尾さんが演じた萬屋の番頭・徳次郎はトラブルの発端となる役どころでいわばトラブルメーカー。中川さんが「あの人のせいです!」とトラブルを引き起こした音尾さんを指さすと、「トラブルを起こして申し訳ありませんでした」とお詫び。中川さんと音尾さんのトークのコンビネーションで会場を沸かせました。撮影現場で印象的だったのは座らない草彅さんの姿と明かした音尾さんは「神経が研ぎ澄まされているのでしょうか。本番に合わせてググッとフィットしていくために、研ぎ澄まさせている姿を見ていました。今日は現場と違ってかなりふわっとしています」と撮影中とイベントでの草彅さんのギャップを指摘。音尾さんのコメントに「ありがとうございます、高倉剛です」と撮影現場で座らないことで有名だった高倉健さんになぞらえ、キリッとした表情を見せ笑いを誘った草彅さんは、座らない理由について「5秒で眠くなっちゃう(笑)。みんなよく眠くならないよね。僕は夜10時には寝るけれど、座ると眠くなっちゃうんだよね」とマイペーストークを展開し、会場を笑い声でいっぱいにしました。すべてのキャストと絡みがあった草彅さんは、撮影中のエピソードを次々と披露。音尾さんについては「ずっと写真ばっかり撮っているカメラ小僧」とニヤリ。「この話でいいの?」と確認しつつ、カメラトークは止まらず、中川さんに至っては音尾さんにすすめられたカメラを購入したことも明かされました。自身のトークの順番だったにも関わらず、どんどん共演者とのエピソードを話し続ける草彅さんに時折ツッコミを入れ笑わせた音尾さんはしっかりと作品に触れる場面も。「いい役をもらいました。今年も白石監督にお歳暮を送ります」と白石監督作品常連の音尾さんならではのおなじみのフレーズで盛り上がりました。國村さんとの共演シーンを振り返ると、「春のシーンだったけれど、実はすごく寒くて。映像では綺麗に映っているけれど本当は寒いんです!」と草彅さんが撮影時の裏話を暴露。國村さんが「きっと寒かったんやろうな、って思いながら観てください」と舞台挨拶後に鑑賞予定の観客に呼びかけると、草彅さんは「僕(格之進)と國村さん(源兵衛)のラブストーリーにも注目してください!」と本作のおすすめポイントを伝えました。格之進と因縁のある武士・柴田兵庫役の斎藤さんは「ずっとかっこいい!」と大絶賛の草彅さん。「佇んでいるだけですごくクール。なんでいつもそんなにかっこいいだ、チクショー!という気持ちを込めました」と対峙シーンへの意気込みを解説し笑わせました。町の親分・長兵衛役の市村さんについては「すごく気遣ってくれる大先輩」と感謝した草彅さん。「いつも元気ですごい。役者として見習いたいので、健康法を教えてくださいと訊いたら、親が元気なので、と言われて(笑)。遺伝だからって。元も子もない!」と大先輩からのアドバイスを期待しましたが、まさかの回答があったことも明かし、笑い飛ばしていました。彦根藩の藩士・梶木左門役の奥野さんについては「ずっと途方に暮れていた」と撮影現場での様子をレポートした草彅さん。共演者全員との撮影を振り返り「僕はみんなと交流があったので!」と一緒のシーンがなく、今日が初めての顔合わせとなるキャストへの気配りで、いろいろなエピソードを公開したと説明しました。「役柄としては非常にクソ野郎です…」と小声で話した斎藤さんの役作りは「正義への考え方」だと解説。正義の反対は悪ではない。もうひとつの正義という気持ちで兵庫なりの悪を演じたとし、格之進役の草彅さんとは「最小限の動きの競技である囲碁と殺陣。静と動、2つの対峙をやらせてもらいました。どんなに熱を沸騰させた状態でいても、格之進と対峙すると水が変わるというのでしょうか。研ぎ澄まされた空間になってしまう。そういう格之進に静かに鳥肌を立てながら撮影していました」と語りました。このコメントを聞いた草彅は「かっこいい…。“静かに鳥肌を立てながら”っていうセリフもらいます!」とニヤニヤ。これまでの斎藤さんとの共演経験を踏まえ「(対峙の)集大成のようなシーンが撮れました。感謝しています」と深々とお辞儀をしました。演じた役柄について奥野さんは「格之進に常につきまとっている役。格之進が実直で、健気で、武士らしい姿を見せてくれるので、全幅の信頼をおきながら、ただただついていく。彼の背中をただただ執拗に追いかける役です」と独特の表現で分析し笑いを誘いました。草彅とは29年ぶりの共演となった小泉さんは「まだ剛くんが20代前半だった頃。少年っぽさが淡く残っていた時にテレビドラマで共演して。放送が始まって剛くんのキャラクターが人気になって、出番が増えていき、キャラクターが大きくなっていったのを覚えています」としみじみ。「当時から演じることを楽しんでいたし、すごく素敵でした。久しぶりにお芝居を一緒にしたけれど、背中が素敵で。主役としてすべてを背負って引き受けている姿に感動しました。この背中の役に立ちたいと思いながら、お庚という役を一生懸命演じました」と話す小泉さんに草彅は「キョンキョン大好きです!」と答え会場を盛り上げました。さらに草彅は17年ほど前に小泉さんからプレゼントされたTシャツにサインをしてもらったエピソードも明かしました。「和柄で、今回の作品に合っていて。撮影中の2週間、パジャマにしてました、洗わずに(笑)」と付け加え、さらなる笑いを誘いました。「春の撮影で花粉症がつらそうだった」と撮影中の草彅の様子を思い出した小泉さん。すると草彅が「かゆいし、鼻をかむと髭がとれちゃう。鼻をかむたびに(メイクの)直しが入って。それ���1番大変だったかも」と撮影時の苦労を明かす場面もありました。市村さんとは「いつか一緒にミュージカルを!」という話で盛り上がったみたいで、イベントで草彅がその話を続けようとしたところで「今日は『碁盤斬り』の話をしましょう!」と市村さんが脱線を防ぐナイスなフォローを見せて会場を笑わせました。本作で時代劇に初挑戦した白石監督は「日本の映画史は時代劇とともに発展しました」と切り出し、「スマホの寄りを撮らなくていいなど、(現代劇とは違う)発見がいろいろとありました。今後もぜひ、時代劇に挑戦したいです」と充実感を漂わせました。こだわったのは江戸時代の光源だとし、限られた光源でどれだけの表現ができるのか、かなり攻めたとも話しました。さらに「普段はフレームからはみ出るような荒々しい映画をと思っているけれど、今回は美しい映画をという思いがありました」と初時代劇への見せ方にも触れ、注目してほしいポイントです。作品にちなみ“復讐したいこと”を尋ねられた草彅さんと清原さん。草彅さんは「今日の舞台挨拶をもう1回やり直したい。リベンジしたい(笑)」と少し俯き、「テレビカメラとかいっぱい入っているのに、どこが切り取られるんだろうと急に不安になってきて…」とここまでの自由なトーク展開を苦笑い。「では、私はそのリベンジを応援します!」と気合いを見せる清原さんに草彅さんは「清原さんはちゃんとしてたよ」と優しく返答。「これだけ(キャストの)みんなが集まるのは最初で最後かもしれないのに…」としながらも「映画をたくさんの人が観てくれたらリベンジできるかも!」と、今後もイベントが開催されることを願いつつ、たくさんの鑑賞を呼びかけるというナイスなPRで大きな拍手を浴びました。最後の挨拶では本作の宣伝を務める観客に向けて、SNS投稿時の「#(ハッシュタグ)」も発表。「#碁盤斬り」もしくは「#ごばんぎり」とのこと。「漢字は難しいから、ひらがなでもいいです。ご飯じゃないよ、ごばんだよ。このフレーズ気に入っているけど、いまいちウケなくて…」としながらも、最後までしっかりと映画を宣伝し締めくくりました。  
■英語タイトル“BUSHIDO(ブシドウ)”として 4月に開催されるイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭のコンペディション部門での上映も決まっております。 さらに、フランスの配給も早々に決定しました。フランスの配給会社、ART HOUSE FILMS(アートハウス・フィルムズ)社の社長エリックさんからコメントをいただきました。 「演出も俳優陣の芝居もとてもいい。この映画は侍映画の伝統を引き継いでおり、とてもエレガントでよくできている」
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patsatshit · 2 years ago
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タラウマラのすぐ近くに障がい者福祉サービスを提供している「お気楽島」という事業所があって、理事長で落語家の桂福点さんはじめ、施設利用者さんとは僕も日頃から色んな話をする。我妻ゆりかのことが大好きなNさんとはインスタグラムのお気に入り画像を見せ合いっこするし、淡路周辺のお店事情に詳しいKくんはどこのお店の店員さんが愛想が良くて、どこのお店の店員さんが可愛くて、みたいな情報を常にアップデートしてくれる、絵を描くことが大好きなTさんとは『呪術廻戦』の話でいつも大いに盛り上がる。そんな「お気楽島」のルーキー、Rくんと福点さんがある日タラウマラにやって来て、福点さんが開口一番に「お仕事中に申し訳ないんやけど、Rくんにちょいとばかし性教育をしてもらえないでっしゃろか?」と言う。聞けばどうやらRくん、女性スタッフさんの前でオ◯ニーをしちゃったらしくて、しかもそのまま発射したとのこと。そんな訳でタラウマラ店頭で即席の課外授業を実施。僕はRくんに自分の体験を交えて、人前でチ◯コを出すことの諸問題について講義をした。横で福点さんが「そや」とか「もういっちょ」とか合いの手を入れてくる。どうやらRくんには「スケベ」という単語が突き刺さったようで、これから事業所に戻って、当のスタッフさんと話し合いをしたいと反省していた。その後、Rくんは人前でのオ◯ニーは控えて、ひとりでこっそり楽しんでいるらしい。
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次に知的障がいのあるサドルさん(仮名)の話。サドルさんは定期的にタラウマラで自転車のサドル交換に来てくれる常連さんで、そもそもサドルは交換する必要がないくらいキレイな状態だから「まだ交換しなくても、十分に使えますよ」と指摘するもののサドルさんは「サドル交換して!」の一点張りで、こちらの話を聞き入れる余地はなし。ちゅうことでサドルさんの自転車から取り外したサドルをタラウマラで確保しておいてサドルさんが交換したい気分になった際に交換して、その際に取り外したサドルはまた次の交換時まで確保するというルーチンを僕とサドルさんの間で構築した。因みに小学四年生のサドル上げ下げちゃん(仮名)という子も当店の主要人物のひとりなのだが、彼女は日に何度もサドル上げてー、下げてー、を繰り返す。一時期あまりにも頻繁に上げ下げを繰り返させるもんだから、ついつい冷たくあしらってしまったことがあって、それからしばらく顔を見せなくなってしまい、あとからとても反省した。サドルを上げ下げすることが彼女の本当の目的ではないのだろうし、それを無下にしてしまうことで彼女からの無言のメッセージを一方的に断ち切ってしまうことになりかねない。まぁ、いまはまたサドル上げて下げてが再開されて煩わしいことこの上ないのだけれど(笑)。そんなサドルさんが珍しくサドル交換ではなくパンク修理に訪れたときのこと。タイミング悪くサドルさんが「タイヤべこべこー!」とタラウマラ店頭に姿を現す数秒前に別のお客さんの前後タイヤ交換を依頼されたところだったので、その旨サドルさんに伝えると、瞬間湯沸器のごとく憤怒し、大声を上げて大激怒したのだ。キレたサドルさんを見るのははじめてだったので少し驚いたけど、僕はこういう局面には慣れている。そんな大きな声を出してもどうしようもないよ、静かに待ってもらうか、他の自転車屋に見てもらうしかないからね、先客のタイヤ交換をしながらそう伝えるとサドルさんは更に激昂し、そんなに待てない!遅すぎる!てるてる嫌!わーーーーー!っと、わめき散らした。近隣店舗の方々が店先に一瞬だけ顔を出して、すぐに引っ込めた。僕は粛々とタイヤを交換していくが、サドルさんの興奮はおさまらず、店頭のプライスカードをひっぺがしてアスファルトに叩きつけたり、通行人の方々に対しても威嚇するように大きな声を出し続けていた。するとひとりのおっさんが「なんや、こら、文句あんのか?ああ!」とサドルさんに詰め寄って来た。僕は慌てて工具を床に置き、イヤイヤそんなんよろしいからはよ行ってください、この人は僕に怒ってるだけでお父さんには関係のない話ですから、そう言うとおっさんは「やんねやったらいつでもいったんど、コラ!」と吐き捨て、店を後にした。あんまり大きな声を出してたらこんなことなるよ、僕が作業を再開するときチラッとサドルさんの顔を見ると、その表情は明らかに怖気付いていた。そしていつもよりも倍速のスピード感でタイヤ交換を終わらせて、いよいよサドルさんのパンク修理に取りかかろうかというとき、またしてもタイミング悪く、別のお客さんが「タイヤ交換お願いします」とやって来た。せっかく落ち着��を取り戻しかけていたサドルさんがふたたび着火する。お姉さんの前に仁王立ち、鬼の形相で「来るなーー!」と叫んだのだ。すぐさま間に割って入り、事情を説明するとお姉さんは漫画の吹き出しのような大きな大きな「はぁぁぁぁ」というため息を漏らしつつも、自転車を預けて買い物に行ってくれた。僕はサドルさんに「大事なお客さんに来るなとか言うたらあかん!」と一応は注意をして、今度こそサドルさんのパンク修理に注力する。サドルさんは蚊の鳴くような声で「うん」と言い、それからは作業が終了するまで大人しく待ってくれた。そして翌週にはまたいつものようにサドル、ではなく今度はライトの交換をしにタラウマラにやって来た。もちろんそのライトもサドルさんのためにキープ、ライトオン!
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また別の自閉症スペクトラム症の青年の話。いつも親子で来店してくれる物腰の柔らかい人たちなんだけど、息子さんの自転車のタイヤが不具合だという理由で持参されたときは、珍しくふたりともやけに険悪なムードで来店時からずっとささくれ立っていた。あんたがきちんとメンテナンスしてないからやで、と母が言えば、あなたは自分の責任を棚に上げるのですね、と息子が切り返す。一体いつになったら私の付き添いなしでやっていけるの、との母の言葉に、お兄さん、うちの母は二重人格なのでこの人の話に耳を傾けないで下さい、と息子。修理の最中も互いの罵詈雑言は途絶えることなく、しまいには母がヒステリックにいい加減にしなさい!と叫んだ。すると青年は口ごもるように、またそうやってエルヴィン団長みたいにキツい言い方をする……と呟いたのだ。瞬間、僕は修理の手を止めてふたりの前に立ちはだかり、右の拳を左胸に抱えて「心臓を捧げよ!」と叫んだ。するとどうだろう、たちまち青年の顔がほころんだではないか。母もぷっと吹き出した。それから修理が終わるまでずっと三人で『進撃の巨人』『呪術廻戦』『チェンソーマン』の話をして盛り上がった。やっぱりアニメも観とくもんやな、いや、ほんまに。青年の人生ベストアニメを聞き出すのが当面の目標です。
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hibikore-archives · 2 years ago
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よしもとかよ 「日々是好日」。vol.120 (2023/11/8 + 11/15)
2023   8th + 15th november  
M1 Leetzie Lindsay (Eddi Reader)
  M2 こころ (Ann Sally)     M3 Novembre (Austine)
  M4 Fotografia (Nelly Furtado feat. Juanes)     M5 alles eriedigt (Annett Louisan)     M6 心の秘密 (Szaloki Agi)     M7 I need you (金延幸子)       M8 don't cry (LSK)  
< 好日の素…集めること >
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  この間、洗濯を済ませて 服をたたんでいる際に 気がついたのです…   「同じ柄の服ばっかりやな…!」と…   好きだから、とか 着ていてしっくりくるから つい選んでしまって このようなことになっているのでしょうが、 丈や襟の形など シルエットは違いますが 薄い青やグレーのストライプのシャツの多いこと。
コレクションしているわけではないのに いつの間にか 似たような色柄のシャツが 集まっていて、 なんだかちょっとおもしろいな、と思ったのです。   これに次いで多いのが、ボーダーのTシャツ。 こちらは色はまちまちですが それでもやはり ブルー系が多いかな。   とにかく、縞模様が集まっちゃっているのです。   一方で、どちらかというと意識的に 手にとって集めてしまっているものも。 かつてはどういうわけか、 紅茶やハーブティーの ティーバッグのパッケージを コレクションしていました。   他にも、 好きなアーティストのアルバムは 新譜の情報があればチェックして 手元に迎える、というのは珍しくないですし、 最近では 草花交換会でやってきた多肉植物が そうかもしれません。   意識的であれ、無意識であれ、 自己満足かもしれないけれど 手元に集まったものをながめたり 身に着けたりするというのは なごんだり、安心感を感じたりする よいものなのではないか、と 思うこの頃です。      
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *   
< 日々是食べたい! … カステラサンド >
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  どうして これを作ろうと思ったのかしら…と 不思議に思いつつも、 ふわふわにふわふわをはさんだ 甘い誘惑に 抗えないわたしなのです… そう、その名は カステラサンド! さすがにじぶんで作ったことはないですが 買い物に行ったときには 菓子パンコーナーで 必ずと言っていいほどチェックしているパンです。   定番はミルククリームとカステラが やわらかいパンにサンドされているもの。 ボリューミーな断面も好みです(笑。 これを、ふわっ、と 手でちぎってぱくっ!と…♡   惹かれる理由はそれだけではありません、  定番はもちろんのこと 季節ごとに登場する さまざまなフレーバーの カステラサンドが また、たのしいのです。   今まで食べた中では シャインマスカット風味のものが 斬新な感じでおいしかったです。 先日は季節柄、安納芋風味のものを購入。 こちらもよかった。   暦の上では立冬を迎え、 天気予報によれば いよいよ冬に向かうとのこと。 忙しい季節の手前のこのタイミングで あたたかい飲み物と ふわふわ甘いパンで ひと息いれるのも いいかもしれません。
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mlyzvt-no2157 · 2 years ago
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男性ホルモン注射にハマったFさん
大学院修了後、新卒から約10年間程勤めていた会社の営業部は何かと個性的な人(変な人とも言う)の巣窟だった。当時は、会社という所は、面白いネタを落としてくれるものだと思い込んでいたが、夫や友人、親兄弟から、こんなに面白い人の巣窟は私が勤めている会社だけだと言われたし、転職した今は、本当にその通りだったんだとつくづく思う。元々は私が所属していた部署から営業部に異動したFさんもユニークで変わった人だった。
Fさんはバツイチの独身で二人の子供と元奥さんがいた。何故か分からないが容姿に恵まれた人が非常に多い営業部の中で、Fさんはお世辞にもいい男と言えない容姿だった。こう言っては失礼だが、世の中の男性の美形指数から判断すると、中の下か、下の上ぐらいだった。だが、本人は自分を男前だと思っているようだった。本人は、海外のハイブランドのスーツをカッコよく着こなしているつもりだろうが、短い手足でスーツと身体のサイズが合っておらず、ズボンは引きずっているし、ジャケットからは指先しか出ていなかった。そのくせ、ウエストはキツそうでベルトの上にお肉がぷよぷよ乗っていた。
信じられない事だったが、Fさんの元奥様は女優の石田ゆり子さん似の美人で、娘さんも有村架純さん似の美人だった。ちなみにFさんの息子さんはFさんそっくりだった。
またFさんは女性と二人で飲みに行き、解散時刻が深夜11時を過ぎていたらホテルに誘わないと失礼だ、という変なポリシーを持っていた(ホテルに誘わないと失礼どころか、ホテルに誘ったらセクハラで訴えられる恐れがあるというリスクにどうして頭が回らないのだろうと、私はいつも疑問に思っていた)。
そんなかなり自意識過剰気味のFさんは、あるとき、自信満々に自分の容姿をうちの部署の新入社員に自慢していたが、その新入社員の子は竹を割ったようにハッキリとモノを言うタイプの人間だったので、「Fさん、あなたは普通、いや、普通よりダサいオッサンですよ。誰もあなたの事をカッコイイなんて思ってませんよ。みんな優しいからあなたに合わせてカッコイイって言ってあげてるだけです。あなたは背も低いし、脚も短いし、顔も痛いじゃないですか。そのくせ、目下の人間に態度がでかくて、偉そうな口を聞いて、話の9割は自慢話か自分より恵まれている人への妬み話じゃないですか。そんなんだから離婚されるんですよ」とFさんをメッタ刺しに切りつけた。事実、後輩の言った事は真実であり、誰もが皆、同じ思いを抱いていたが、誰もそれをFさん本人に言う事は無かった。
プライドを傷付けられたFさんは自暴自棄になり、暴飲暴食に明け暮れ、3ヶ月程で30kg以上太ってしまった。更にFさんは勤務時間中でも事務所にいる時は常にポテトチップスを食べながら仕事をしており、Fさんの体重は増え続け、もともとスタイルが良いと言えない体型は坂を転げるように崩れていった。
さすがに見かねたFさんの上司のTさんは、Fさんに30kg減量のダイエットができたら30万円あげると言い、Fさんにハッパをかけた。
あの生意気な新入社員を見返してやりたいと燃え上がったFさんは40kg減量のダイエットに見事に成功し、スリムになった。スリムになったFさんは自信に満ち溢れていた。
日焼けサロンに通い、肌を小麦色に焼き、口髭を生やし、髪は金髪になり(これは営業マンとしては如何なものかと思うが…)、全身を若者の間で人気の高級ブランドのクロムハーツで身を固めて出社するようになった。
��が、Fさんのクロムハーツは、クロムハーツの直営店で購入した衣装やネックレス、指輪ではなく、某大陸の偽物市場から並行輸入した安物なので、こう言っては失礼だが、カッコイイどころか、タダの痛いオッサンにしか見えなかった。しかも、クロムハーツは若者向きのブランドなので、50代半ば過ぎのFさんが身に付けているのはどう見てもヘンテコリンだった。だが、そんか事を言えばFさんは何をしでかすか分からないので、誰も何も言わなかった。あるとき、Fさんの上司のTさん(営業部で唯一と言っていいほどのマトモな人)が、「はぁ~、F君のあの服装とファッション、何とかしてくれんかなぁ」と嘆いていたので、「Tさんが上司なんですから、Tさんが注意すれば、やめるんじゃないですか?」と言ったら、Tさんは「オレの言う事を素直に聞いてくれたら苦労はせんよ」と言っていたので、誰もFさんの暴走を止められなかったようだ。
ダイエットに成功し、自分ではオシャレで、格好良くダンディなオジサマになったと思い込んでいるFさんは、お菓子を食べるのを辞めた代わりに、何か娯楽を見つけたいと思ったらしい。そして、何処から情報を得てきたのか謎だが、『男性ホルモン注射を打つと若々しくなり、格好良くなる』と思い込んでしまったようだ。
数か月間の海外出張を経て、帰国したら、Fさんは、更に自信満々な態度になっていた。ファッションは相変わらず偽クロムハーツで固められており、腕時計は偽ロレックスで、両耳は、偽クロムハーツのピアスが鈍い光を放っていた。髪の毛は完全な金髪に染めており、両目にはブルーのカラーコンタクトが嵌められていた。そして、両腕には何重にも数珠か紐か何か分からない得体の知れない物が巻かれており、『痛いオジサン度』は私の出張前よりも何倍にも膨れ上がっていた。
私は、決してFさんと仲良しでは無かったが、Fさんは逆に、私の事を同僚で友達だと思っているようだった。
ある日、忙しく執筆しているとき、Fさんがやってきて隣の机に座ってきた。
Fさん「なぁなぁ、みずほちゃん、オレ、格好良さに磨きがかかったと思わん?」
私「そうですね(嘘)」
Fさん「どうして、こんなに格好良くなれたと思う?」
私「さぁ...分かりません」
Fさん「内緒だけどな、実は今男性ホルモン注射を1週間に1回打ってもらってるんだ♪」
私「えっ?男性ホルモン注射ですか?そんなモノ、自費医療になるからめちゃくちゃ高いんじゃないですか?」
Fさん「総合病院に行って、不妊治療の名目で男性ホルモン注射を打ってもらってるから、保険適用になるから、金はかからんよ」
私は思わずひっくり返りそうになった。
不妊治療って...
Fさんは孫が居てもおかしくない年齢である。その前に、Fさんには配偶者がおらず、独身である。不妊治療なんぞ、天地がひっくり返ってもFさんには必要無いモノである。それを信じた医者も医者だが、世の中、こんな事がまかり通っていいんだろうか?私は何度も自問自答した。
やっぱり、この会社の営業部は変な人の巣窟だ...
このエピソードを書きながら、私は改めてそう思った。
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managician-tls · 2 years ago
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[TL] Planetarium Revue - ENG lyrics
I started playing YumeSute. Gingaza is my favourite group so far, and I love their intro song, so I wanted to share it with others, as the lyrics are very beautiful.
Find kanji + romaji + English under the cut. If you prefer, you can check out the lyrics video that I edited!
Lyrics: Matsui Yohei Composing & Arrangement: SUPA LOVE
T/N: Some sentences have had their order shuffled in English for better readability. These will be marked with matching numbers so you can understand what lines were swapped!
宝石箱をそっと開くような houseki bako wo sotto hiraku youna As if you gently opened a jewelry box
予感に胸は震えるだろう yokan ni mune wa furueru darou Your heart will tremble with anticipation
君の瞳の瞬きさえ奪う kimi no hitomi no mabataki sae ubau We won't let you blink even once
色とりどりの星ここに集う irotoridori no hoshi koko ni tsudou Stars of all colours and shapes gather here
美しき星空へようこそ utsukushiki hoshizora e youkoso Welcome to the beautiful starry sky
幾千の輝きが踊る舞台 ikusen no kagayaki ga odoru butai A stage where thousands of sparkles dance about
88の星座も知らない物語の世界へ hachijuuhachi no seiza mo shiranai monogatari no sekai e We'll take that heart of yours along [1]
その心を連れて行こう sono kokoro wo tsurete ikou To a world with stories even the 88 constellations don't know of [1]
銀河は今、輝き出す ヴィロードの幕を開けて ginga wa ima, kagayaki dasu viirodo no maku wo akete Right now the galaxy's shining bright, opening the velvet curtain
レヴューというプラネタリウム歌声が降り注ぐ rebyuu to iu puranetariumu utagoe ga furisosogu In this Planetarium called Revue, singing voices pour down without end
何世紀も焦がれてきた愛という戯曲さえ nanseiki mo kogarete kita ai to iu gikyoku sae Even that play called "love" that you've been longing for for centuries abound
生まれ変わる瞬間に君はきっと出逢うだろう umarekawaru shunkan ni kimi wa kitto deau darou The moment it's reborn, you'll surely meet with it
君は涙するだろう kimi wa namida suru darou You'll shed tears for it
-♪-
夢のひとひら儚い蜃気楼 yume no hitohira hakanai shinkirou A petal of a dream, a fleeting mirage
残り香を求めて彷徨うなら nokoriga wo motomete samayou nara If you're wandering around looking for that lingering scent
馨し��花園へ誘おう kaguwashiki hanazono e youkoso Let me invite you to a fragrant flower garden
消えない幻想が咲き誇る舞台 kienai gensou ga sakihokoru butai A stage where unfading fantasies lie in full bloom
蕾が華を開く姿はかけがえない刹那を tsubomi ga hana wo hiraku sugata wa kakegaenai setsuna wo The sight of flowers blooming is an irreplaceable, ephemeral moment
より彩って永遠に響く yori irodotte eien ni hibiku It's very colourful and resonates for all eternity
-♪-
ただ一度きりだけの繰り返しのない日々の tada ichido kiri dake no kurikaeshi no nai hibi no Go draw the joys and the sorrows [2]
喜びを、嘆きを、描いていく yorokobi wo, nageki wo, egaite iku From those days that only come once, without repetition [2]
嗚呼、人生という宇宙を飾っていく感動の世界へ aa, jinsei to iu uchuu wo kazatte iku kandou no sekai he Ah, we'll take that heart of yours along [3]
その心を連れて行くよ sono kokoro wo tsureteiku yo To the world of passions that graces this universe called "life" [3]
銀河の輝きはレヴューというプラネタリウム ginga no kagayaki wa rebyuu to iu puranetariumu The radiance of the galaxy is a Planetarium called Revue
見つめている瞳に星々は降り注ぐ mitsumete iru hitomi ni hoshiboshi wa furisosogu From those eyes watching intently, stars and planets pour down without end
宝石の美しさに花々の馨しさに houseki no utsukushisani hanabana no kaguwashisa ni In the beauty of the jewels and the fragrance of the flowers
瞬きも忘れるだろう君は息を飲むだろう mabataki mo wasureru darou kimi wa iki wo nomu darou You'll forget to even blink, you'll have your breath taken away
何世紀も受け継がれた愛という戯曲さえ nanseiki mo uketsugareta ai to iu gikyoku sae Even the play called "love" that has been passed down for centuries abound
生まれ変わる瞬間に君はきっと出逢うだろう umarekawaru shunkan ni kimi wa kitto deau darou The moment it's reborn, you'll surely meet with it
君は涙するだろう胸は震えるだろう kimi wa namida suru darou mune ga furueru darou You'll shed tears for it, your heart will tremble for it
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dovobok · 24 days ago
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秘めたる恋のスクラム6
抑えきれない衝動
悠斗は、黒岩の指先の巧みさに身を任せながら、ふと、自分も黒岩に触れてみたいという衝動に駆られた。恐る恐る、黒岩のTシャツ越しに、彼の胸板に手を伸ばす。がっしりとした胸筋の感触に、悠斗の指が戸惑いながらも、その中央にある乳首を探り当てた。
黒岩の乳首は、悠斗の想像通り、乳輪が大きく、ほんのりと硬く立っていた。さっき自分がされたように、優しく指でなぞってみると、黒岩の体がピクリと反応する。同時に、下半身からさらに硬く、そして熱を帯びた塊が悠斗の太ももに押し付けられるのが分かった。黒岩の下半身も、悠斗の愛撫に明確に反応している。
黒岩は、もう我慢の限界だった。ゆっくりと悠斗から体を離し、ベッドサイドに置いてあったシャツとパンツを乱暴に脱ぎ捨てた。鍛え抜かれた肉体が暗闇に浮かび上がる。そのまま悠斗のシャツにも手をかけ、脱がそうとした、その時だった。
「ッ…!」
悠斗の顔に苦痛の表情が浮かんだ。無理に動かした捻挫した足首が、ズキリと痛んだのだ。
黒岩はハッと我に返った。冷静さを失っていた自分を深く反省し、すぐに悠斗の手からシャツを離した。「す、すまない!」黒岩は心から謝罪し、改めて悠斗の顔を覗き込んだ。
「今夜は…、無理はしない。裸で、優しく抱きしめさせてほしい」
黒岩の言葉に、悠斗は安堵と、そしてほんの少しの物足りなさを感じた。
愛撫の夜
その夜は、遅く更けるまで、黒岩による悠斗への途切れることのない優しい愛撫が続いた。黒岩は悠斗の体を抱き寄せ、その柔らかい肌にキスを落とし続けた。首筋、肩、腕、そして鍛えられた腹筋のライン。指先が髪を梳き、耳たぶをなぞり、頬を撫でる。その一つ一つの触れ方が、悠斗の神経を甘く刺激した。
乳首への愛撫は特に執拗だった。黒岩の大きくゴツゴツとした手が、繊細に、しかし容赦なく悠斗の乳首を攻め立てる。舌先で舐め上げ、吸い上げ、指でひねり上げる。時には優しく甘く、時には激しく弄ぶように。その度に、悠斗の体は弓なりに反り、甘い喘ぎ声が漏れそうになるのを必死で抑えた。全身の毛穴が開き、皮膚が熱を帯びる。
悠斗は快感の波に抗えず、無意識のうちに黒岩の体に自分の体を擦り付けた。黒岩の筋肉質の体に触れるたび、その硬さと熱が悠斗の興奮をさらに煽る。下半身は擦れ合い、お互いの熱が伝わってくる。
黒岩は、悠斗の反応を見てさらに激しく愛撫した。指を滑らせ、悠斗の敏感な部分を狙う。その度に、悠斗の口から、抑えきれない甘い吐息がこぼれた。何時間も続いた愛撫の中で、悠斗は二度、その体を震わせて絶頂に達した。そのたびに、黒岩は悠斗を抱きしめ、熱い吐息をその耳元に吹きかけた。
黒岩自身もまた、悠斗の愛撫と、その快感に喘ぐ声に興奮を抑えきれず、五度もその場で射精した。しかし、一度も悠斗の体内に侵入することはなかった。最後まで紳士であろうとする黒岩の意志が、その行為を律していた。
疲労と鉢合わせ
翌朝、悠斗は激しい寝不足で目を覚ました。捻挫の安静のため黒岩の家に泊まったはずなのに、逆に疲労困憊といった様子だった。黒岩の執拗な愛撫で一晩中感じまくっていたせいで、体はだるく、頭はぼんやりとしている。
昼頃、黒岩に付き添われながら、ゆっくりと帰路についた。黒岩は終始、悠斗の足を気遣い、見かけによらず紳士的な態度だった。昨夜の激しい愛撫が夢だったかのように、普段の頼りになる先輩に戻っていた。
家の前に着いた、ちょうどその時だった。
「悠斗!」
聞き慣れた声に、悠斗はハッと顔を上げた。そこにいたのは、泰介だった。悠斗が無事に帰ってきたことに安堵した表情は、しかし、隣に立つ黒岩の姿を捉えた途端、凍りついた。
泰介の瞳は鋭く、警戒と敵意が入り混じったような色を帯びる。黒岩もまた、���介の視線を受け止め、その表情は一瞬で無愛想なものに変わった。二人の巨漢が、お互いを睨みつけ合う。まるでラグビーのスクラムを組む前の、張り詰めた空気のような緊張感が、住宅街の静かな午後に漂い始めた。
黒岩と泰介、緊迫の対峙
家の前に着いた、ちょうどその時だった。
「悠斗!」
聞き慣れた声に、悠斗はハッと顔を上げた。そこにいたのは、泰介だった。悠斗が無事に帰ってきたことに安堵した表情は、しかし、隣に立つ黒岩の姿を捉えた途端、凍りついた。
泰介の瞳は鋭く、警戒と敵意が入り混じったような色を帯びる。黒岩もまた、泰介の視線を受け止め、その表情は一瞬で無愛想なものに変わった。二人の巨漢が、お互いを睨みつけ合う。まるでラグビーのスクラムを組む前の、張り詰めた空気のような緊張感が、住宅街の静かな午後に漂い始めた。
先に口を開いたのは泰介だった。その声は低く、威圧感をはらんでいる。
「君は?」
黒岩は、自分より遥かに大きな男をあまり見たことがなく、その存在感に一瞬驚きを隠せない。しかし、すぐに持ち前の強面な表情を取り戻し、泰介の視線を真っ向から受け止めた。
「悠斗くんの…」
黒岩が言いかけたところで、悠斗は慌てて割って入った。
「部活の先輩だよ! 昨日、練習中に怪我しちゃって、面倒見てもらったんだ!」
悠斗の言葉に、泰介の表情から少しだけ警戒が和らいだ。
「そうか、それはありがとう」
泰介は黒岩に一言礼を述べると、すぐに視線を悠斗に戻した。そして、まっすぐに悠斗の目を見て、はっきりと告げた。
「俺の大事な弟なんだ」
その言葉に、悠斗の胸はドクンと大きく鳴った。大事な弟。その響きが、悠斗の心を温かく満たしていく。
泰介はゆっくりと悠斗に近づくと、その体を軽々と抱き上げた。まるで子供を抱きかかえるように。悠斗を抱き上げたまま、泰介はもう一度黒岩に向かって静かに頭を下げた。
「改めて、助けてくれて感謝する。だが、もういい」
泰介はそれだけ告げると、悠斗を腕に抱いたまま、迷うことなく家の中へと入っていった。残された黒岩は、閉まった扉を前に、悔しさと焦りが入り混じった複雑な表情で立ち尽くしていた。
家の中での問いかけ
家の中に入ると、悠斗の母親が心配そうな顔で二人を出迎えた。泰介は悠斗をソファにそっと下ろし、母親に軽く状況を説明した。母親は悠斗の足を心配し、黒岩へのお礼を口々に述べたが、泰介は「大丈夫だよ」とだけ返し、どこか落ち着かない様子だった。母親が飲み物を用意しに席を外すと、リビングには泰介と悠斗の二人きりになり、かすかな沈黙が流れた。
先に口を開いたのは泰介だった。
「大丈夫だったか?」
優しさがにじむその声に、悠斗は「うん、大丈夫だったよ」と答えたものの、心の中には黒岩との一晩の出来事が引っかかり、拭いきれない罪悪感が残っていた。泰介と悠斗はあくまで義兄弟。お互いに惹かれ合ってはいるものの、まだ「好き」という感情の、その手前の段階だった。
泰介には、どうしてもこの場で確かめたいことがあった。
「悠斗は…好きな人、いるのか?」
悠斗の心臓が大きく跳ねた。泰介のことが大好きだ。黒岩のことも、部長の堂島も気になるけれど、今日この瞬間、泰介への想いが確固たるものになったことを確信した。でも、まだ口に出せるはずがない。言葉に詰まり、悠斗は何も答えることができなかった。
悠斗の沈黙が続くのを見て、泰介はさらに踏み込んだ。
「いるんだな。男か?それとも女か?」
悠斗は驚いた。なぜ泰介がそんなことを聞くのだろう。一体どう答えるのが「正解」なのか、頭の中を高速で思考が駆け巡る。しかし、何も答えられないまま、ただ泰介の視線を受け止めるしかなかった。
泰介は悠斗の反応から何かを察したのか、静かに「わかった」とだけ言った。その声には、僅かながらも失望と、決意のような響きが含まれていた。泰介は、悠斗が黒岩のことが好きなのだろうと勝手に思い込み、心の中で黒岩を新たな恋のライバルとして認定したのだった。
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mtosak · 12 days ago
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『黒鉄プロレスリング』にようこそ03
 『黒鉄プロレスリング』の拠点は、臨海工場地帯の一角にあった。  もともとは工場だった社屋を買い取り、そこを事務所兼練習場として利用している。
 練習場の中には、ラック、ベンチ、様々な重さのダンベルやバーベル、打ち込み用のサンドバッグなどトレーニング用器具が並んでいる。  ひときわ目を引くのは、練習用リングだ。  『黒鉄プロレスリング』の象徴であるブラックカラーをベースに、アクセントとして朱色を取り入れた特注のリングは、ところどころに痛みが感じられるが、丁寧に手入れされて使われているようだ。
 時刻は、正午。  所属選手や練習生たちの荒い息遣いや、マットに叩きつけられる衝撃音が響く練習場は、熱気で満ちていた。
 リングの上では、若い練習生と黒崎が組み合っている。  社長業の傍ら、黒崎もいまだに現役で興行を続けており、彼が若手相手に胸を貸すことも少なくはなかった。
「ギブッ、ギブギブ、ギブッ!」  リングの上、若い練習生相手にサブミッションを決めた黒崎は、ギブアップの宣言を受けて、力を緩めた。
「前に組み合ったときと比べて、かなり動きが良くなったな」 「あ、ありがとうございます!」  肩で息をしながらも、頭を下げる練習生。  黒崎がタオルを差し出すと、彼は、はにかみながらそれを受け取った。
 リングから降りて、汗に濡れた上半身をタオルで拭っていると、中堅選手の坂口が黒崎に近づいてくる。  坂口は、黒崎と同じくパワーファイター型のレスラーだ。スキンヘッドの強面で、その体格も黒崎に全く劣っていない。決して人当たりが良いタイプではなく、若手に対しては、厳しい態度で指導をすることから恐れられている。どうやらトレーニングをしながら、リング上の練習を横目に見ていたらしい。
「社長、甘いっすよ」  坂口は、黒崎だけに聞こえるように言った。 「アイツの動き、まだまだ褒められたもんじゃないでしょう」 「良くなってるのは事実だろう。それに自分が未熟なことくらい、あいつ自身が一番よく分かってるさ」 「そんなもんすかね」  納得いかないという風に、太い腕を組む坂口。  それを見て黒崎は、小さく笑った。 「そんなもんだよ。お前が若手のときも似たようなもんだったぞ」 「いや、それを言われたら、何も言い返せないっすよ」  坂口は頭を掻いた。  彼の強面には、苦笑いが浮かんでいる。
 坂口は、汗を拭き終えた黒崎に向かって、彼がリングに上がる前に脱いだTシャツを差しだした。黒崎は礼を言ってから、それを受け取る。  黒崎がシャツに頭をくぐらせていると、坂口がぼそりと「俺も」と一言だけこぼした。 「ん?」 「黒崎さんに褒められて伸びたタイプですから」  坂口が呟くように言うと、シャツを着終えると黒崎は、彼の肩を叩いた。 「違う。お前が伸びたのは、お前の実力だよ」  そして、「俺から見たら、お前もまだまだだけどな」と、どこか楽しげに笑った。
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ars1ty · 1 month ago
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【AIよ、QSLを描け!】 ―トランプ風カード制作ドタバタ記―
QSLカードをもっと遊び心のあるものにしたい。そんな思いから、今回は生成AIの力を借りて、トランプ風カードのデザインに挑戦してみました。
日頃のQSLカード交換は、もっぱらeQSLなどの電子QSLカードで運用しています。また、だれでもQSLも利用しています。そんな中で同じ交信相手の方に同じカードを送付するのも芸がないと思い、時折新しいデザインのカードを作成しています。
新しいカードのネタに困っていた時に、日ごろ活用しているAIと一緒に作成してみるのも面白いと思い制作に挑戦してみました。
画像生成で比較的簡単にできる印象を持っているのがBing!です。これまでにも実験的にはいくつか生成してみたことがあります。
そこでコールサインの1文字ごとにトランプのカードに見立て、計6枚のカードでデザインしてくれるように依頼してみます。 この結果、全く生成できない意外な展開に。
予想を覆すことになり、大変驚いていました。
と、驚いてばかりでは、進みません。
次に試したのが、ChatGPTです。 ChatGPTは日頃データの解析や変換にも利用したり、文章の作成を手伝ってもらっています。そのためか画像生成に一発でたどり着いていませんでした。 ChatGPTは有料契約をしているのですが、安い方の契約のため4.5は既に制限がかあり4.0のみ使える状態です。
この状態でスタートしました。
まずは、コールサインの文字をそれぞれ1枚のカードに見立て指定して依頼します。こんな感じで始まりました。
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なかなかいい感じです。
そしてこんな会話になりました。
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なかなかいい提案をしてくれます。
で、出てきたのがこれ!
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素晴らしい出来です! 映画のプロモーションのようで、壮大な冒険感があります。 アニメなどに詳しくないのでわからないのですが、作品としては出来が良すぎて何かの著作権を侵害していないことを祈ります。
しかしながら、、、 趣味が違うのと、キャラクターがカードの絵柄になっていない点がアンマッチです。
さらに言えば、絵柄とコールサインの関連性が弱くただのトランプデザインになっています。 実に惜しい。
ChatGPT、中々やるな。と実力を見せてくれました。
次に、横型で作成を依頼しました。QSLカードは横型のイメージなので。
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またひとつ近づきました。が、コールサインがわからなくなっています。またトランプのカード一枚の絵柄という点でも弱いですね。
もう一段情報を訂正して作成を依頼します。
こちらが修正の要件です。
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良い感じです。要件を理解しているようです。加えてスートを指定しました。
今度は頼むぞAIよ、Go!
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むう、、だいぶ雰囲気は良くなってきましたが、ちょっと変です。両端も切れています。
あまり注文を付けたせいなのか、キングの機嫌が悪そうに見えます。しかも「A」になっています。ハートのエースなのにキングってどうなんでしょうか。
ここはつらいところですが、OKは出せません。
段々私の受け答えもおざなり感が出てきました。
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またこのデザイン両端が切れていることにAIは気づいていないようです。それが次の改良版でわかってきます。
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新しい要件を組み込むと、何かを失ってゆく・・・ そんな変化に見えてきました。キャラも歴史的画像風になっていまい、キャラクターからポップさが完全になくなってしまいました。
恐らくAIには同じキャラとして捉えているのかもしれません。
どうしたものでしょうかーーー思案どころです。
そうか、一度に要件をだ出さず一枚づつ作ろう、そう思い指示をしました。
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おお!なかなか良いではないですか。自慢のハンディ機という感じも悪くありません。
いいぞ!この調子だAIよ、この調子でいこう。
この方法ならできそうです。
次のカードを依頼します。
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これも悪くありません。やっとここまで来ました。
しかし、何ということでしょうか。右手に持っているのがハンディ・トランシーバーなのかおにぎりマイクなのかわかりにくいです。そして、左手に持っているものは意味不明です、開発中モデルなのでしょうか。
この点を改良してもらいました。
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これもいい出来です、、、ん、左手の開発中モデルの仕様が変わっています。もうここまで来たら、これは目をつぶりましょう。きっとVX3のような超小型モデルを掌の中に隠し持っているという事かもしれません、意味は不明ですがキングですから。
次はAです、ハートのエース。 いけ!AIよ。
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おお、ナイス・スマイル。いや、違います。ロビン・ウィリアムズ風のハートのエースは希望しません。ここは涙を呑んで女性キャラへ変更依頼します。
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何というか、これはこれで悪くはないのですが、嗜好が合いませんし、中世ヨーロッパ感が現代の都会風に・・・しかも右下の文字が「I」なので、変更依頼をします。
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また少し改良されました。もう一息か。さらにAIに鞭を打ちます。
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枠が入り文字も直ってきました、向きが違いますが。そして衣装も中世にあったのか私には判断が出来ません。
一旦ここで手を打ちます。こちらの妥協も含めて、きっとこの先の世の中はAIとうまくやれる人が生き残るのだ、と自分言い聞かせます。
この3枚の画像で興味深いのは、手に持っているハンディ機が、何となくアナログからデジタルに進化しているのです。
次のカードに進みます。
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また突然、年代が変わってきました。バック・トゥ・ザ・フューチャーの1955年に出てきそうな雰囲気です。これは違和感がありすぎるので、また変更です。
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かなり変わりました。SOTAでしょうか、背景が入りました。しかし、10がTenなの表現が弱いですね。
こちらも横柄な態度になってきました。
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合っているようなあっていないような、しかしながら10がTenでTを示したいことがしっかり表現されました。背景に大小タワーがあります。そしてTRXの右端にも謎のアンテナが。
では次。
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おお、これもだいたい的を射ています。AIも調子に乗ってきたようです。ハートアピールが素敵ですが、右下のQとハートの向きがあっていないのは、あとで自分で編集ですね。
この後もこんな調子で、ドタバタが続くのでした。
このあとの制作過程もなかなかの混乱っぷりだったのですが、あまりに長くなるので今回はここまでにします。また次回、続編としてまとめるかもしれません…。
最後の文字はこうなりました。
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これも雰囲気は違いますが、ギリギリOKでしょうか。JAではオフバンドな周波数が表示されていますが。
ここでAIとの製作を完了しました。 私の横柄な態度に比べ、AIも満足げです。
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この後、レイアウトなどはPowerPointで行い完成したのがこのカードです。
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もしこのカードが届いた暁には、こんな制作ストーリーがあったことを、そっと思い出していただければ幸いです。
生成AIを使って、こちらの意図を正確に反映した画像を得るのは、今のところまだ容易ではないようです。 要素を細かく指定すればするほど、逆にバランスを崩す──そんな不器用さをAIはまだ持っています。
それでも、うまくハマったときには、自分では到底たどり着けない表現を生み出してくれる。 その片鱗を見られただけでも、今回は十分に価値ある体験でした。
ロジカルに、順を追って、少しずつ伝える。 この作業は、要件が複雑になるほど混乱しがちですが、昔、システム開発に関わっていた頃に培ったモデリングや疑似コードの発想が、今ここで静かに生きています。
AIに“伝える”には、まずこちらが“理解する”こと。 そんなことを、久しぶりに思い出しました。
今後も、生成AIとはうまく付き合っていきたいと思っています。 ……たとえば、次のQSLカードを一緒に考えるときにも。
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noerisa1942 · 1 month ago
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「Paper's Border」
自宅に届いた支払い通知の封筒。それは、社会的義務や経済的プレッシャーを象徴するものであり、手にした瞬間、気まずさや重圧をともないます。
ある日、私はその封筒から書類を抜き取り、代わりに集めてきた映画のチラシを中に入れました。その小さな行為は現実からの一時的な逃避であり、映画のチラシは非現実的で夢のある世界への入り口となりました。そこには、日常の重圧から解き放たれるような、ささやかな願いが込められています。
また、映画は現実からの逃避であると同時に、現実を見つめ直すきっかけにもなり得ます。「Paper's Border」〈紙の境界〉は、そうした映画の力を象徴する作品です。
私はこの制作を進める中で、今回イベントで声をかけてくれた「APNEA」という場所、そして最初にできた「trash」での体験を思い出していました。お金が無くても一目惚れして、試着したまま脱ぎたくなくて買ったシャツ。今持っている靴下に合うか悩んで、別の日に店に靴下を持ってきて履き合わせて決めた靴。仕事場に着て行こうと買った、戦闘体制のTシャツ。これが似合うような大人になりたいと、誕生日に背伸び��て買ったワンピース。
……ほとんどカードの分割払いで買いました。
いま、ここにある「Paper's Border」は、そんな日常との狭間に生まれる、ささやかな境界線のかたち。
ひとつひとつの選択と、ほんの少しの勇気が、生活に少しの彩りと息づかいを与えてくれることで、私という人を紡いでいるのかもしれません。
『鶏・蛇・豚の会』at APNEA
2025.05.17-18
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