#deathフェス
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Podcast jFuneral Season 5 Episode 178 「良い死」「悪い死」は存在しない
死の民主化の投稿でも書いたが「良い死」と「悪い死」の考えがあってはならない。 なぜなら「あいつは死んで当然」とか「惜しい人を亡くしました」という概念が現れてしまうからだ。 もちろん「惜しい人を亡くしました」は非常に残念なことですし、もっと長生きして欲しいという純粋な願いでしょう。だが「あいつは死んで当然」というのは、その人の愚行で、色々とやらかしたことがあって死んで当たり前ということです。 それは「罪を似国で人を憎まず」ではなく「人を憎む」という行為になるからです。 もちろん、直接知っている人で私も「あいつは早く死んでくれ」って思う人は大勢いました。さらに他にも(直接の知り合いではないけど)、死んでくれたほうが世の中マシになるよねって思う人も。 しかし、それって正しいことなのか? つまり、この概念はどこに焦点を置くが課題である・「自分軸」であるか・「他人軸」であるか 自分に…
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『DEATHフェス』にイベント参加いたします
「死」について出会いなおす祭典、DEATHフェス(https://deathfes.jp/) 「まじめに、真剣に、そして楽しく!」をコンセプトに、生と死のウェルビーイングを考えるこの祭典に、劇作家女子会。も参加いたします。 劇作家の生前葬を通じて、自分が生前表現したもの、戯曲に限らず、手紙やSNSの投稿、スマホで写した写真などの死後の著作権について考えるイベントとなります。 以下、内容の詳細です。 どなた様も、ぜひこの生前葬にご参列くださいませ。 『劇作家の生前葬~死後の作品の著作権について~』 ■日時 2024/04/13 (土) 17:00 - 18:15 ※受付開始、開場は開演の10分前となります。 ■場所 渋谷ヒカリエ 8 ギャラリー 8/CUBE 3 (渋谷ヒカリエ 8F) 東京都渋谷区渋谷2-21-1 ■香典(参加費) 前売り・当日 3000円 ■ご予約 ご予約はPeatixからの受付になります。 https://peatix.com/sales/event/3894311/tickets ■イベント内容について 「死後戯曲が残る劇作家を目指す」をスローガンに活動をしている女性劇作家4人のチーム、劇作家女子会。にて、チームメンバーであるモスクワカヌの生前葬を行います。このイベントは劇作家モスクワカヌの生前葬というセレモニーを通して、死後の作品の著作権について考えることを目的としています。 著作権の問題は、創作活動をしているひとだけの問題ではありません。現代において、Lineでのやりとりや、SNSへ投稿した文章、スマホで撮影した写真など身の回りの多くのものが著作物にあたります。死後に自分の作品をどのように残すのか、というのは、今を生きるわたしたちにとって重要なテーマであるといえるでしょう。 どなたさまもどうぞお気軽にご参加ください。 ■当日の進行 劇作家モスクワカヌの生前葬というセレモニーを通して、死後の作品の著作権について考える会です。 モスクワカヌと劇作家女子会についての映像鑑賞、モスクワカヌの新作短編リーディングの他、日本劇作家協会の戯曲デジタルアーカイブの企画立案、統括をしている演出家の黒澤世莉さんを��招きし、著作権についての座談会を行います。 ・モスクワカヌよりご挨拶 ・モスクワカヌと劇作家女子会についての映像鑑賞(映像作:黒川陽子) ・モスクワカヌ作品のリーディング上演 『高橋さんの普通の日』 作:モスクワカヌ 演出:坂本鈴 出演:田実陽子、中谷弥生、サラリーマン村松、坂本鈴 座談会~「死後の作品の著作権について」~ ゲスト:黒澤世莉(旅する演出家) メンバー:坂本鈴、モスクワカヌ(劇作家女子会。)
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Thoughts of what once was Ryoji Mochizuki
...Just as I thought, you couldn't lay a finger on me. Maybe you began to love me because we met as friends. But as I've warned multiple times, what I as the 'Appriser' will give you is absolute death. It's not something that can be overcome through willpower or effort. The 'end' as the contrapostion to 'life', which every living thing has without exception, comes upon all human beings as an unavoidable decision. The 'death' that everyone should know but don't recognise as their own... when you all face it, you can't help but dread and depair over that overwhelming truth. So I at least wanted to let you forget about it all and have it come to an end. Only you, who raised me, had the power to make it happen. ...Even though it turned out like this, I'm glad to have met you. Until we meet again, take care. ...Best wishes in the coming year.
The desire of two boys who seek their former halves
Tonight, when the moon ascends in the sky, I will reunite with part of my former self on the tower's peak. Just as time flows and the seasons change, it's obvious that all living things are preparing to end, and that it is unavoidable. Though I know that, I still try to cling to a miracle that might happen. Until I witness true despair, I'm holding on to a sliver of hope... Shadows are born from people's hearts. And Personas are too; they are of the same essence. The only difference is if one has an intent. No matter how much of that power one might wield, what would be the reason to threaten that which is the root of existence, the Great Mother? How much can a tiny, foolish child who bares their fangs at the Fall, the name of the Great Mother, Nyx, do? ...If the future is to change, it's the power of will that's the source of Personas, the heart's bonds, that will push you forward. Now, let's head to that place to fullfill our duty. I, we, have shed tears about the premonition that this day will come ever since we were one.
⋯⋯やっぱり君は、僕に手を下せなかったね。僕たちが友だちとして出会ってしまったから、情が移っちゃったのかもしれないね。でも僕は何度も忠告した、「宣告者」である僕が連れてくる のは絶対の死だ。努力とか意志の力でなんとかできるようなもの じゃない。生きとし生けるものが例外なく持った、「生きる���対偶としての「終わり」が、避けようのない決定事項として、すべての人間の上に訪れるものだ。みんな知ってるはずなのに、自分のこととして認識しなかった���死」⋯⋯それを迎えたときに君たちは、その圧倒的な事実の前に恐怖し、絶望せずにはいられない。だから僕はせめて、すべてを忘れて終わりを迎えてもらおうと思った。僕を育ててくれた君にだけは、それを叶える力があったのだからね。⋯⋯こんな形になってしまったけど、君に出会えたこと、嬉しかった。つぎに逢うときまで元気で。⋯⋯よいお年を。
かつて望月綾時だったものの思い

かつての半身を求めるふたりの少年の想い
今夜、月が天に昇るとき、かつて自分の一部であったものと、あの塔の頂で再会する。時が流れるように、季節が巡るように、生きるものがその終わりに死を控えていることは自明のことで、それを避けることなんてできなしない。それをわかってはいても、それでもなお、起こるかもしれない奇跡にすがろうとする。本当の絶望を目にするまで、一縷の望みをついでいる⋯⋯���シャドウは人の心から生まれ出たものだ。そしてぺルソナもまた、それらと本質を一にするものだ。ちがうのはそこに本人の意思があるかどうかというだけ。その力をいくら振るおうとも、存在の根源、太母であるものの足元をおびやかせる道理などあるだろうか。滅びという名の大いなる母ニュクスに牙を剥くちっぽけで愚かな子供に、一体どれほどのことをできるというのか。⋯⋯未来が変わるというなら、その背中を押すのはペルソナの源となる意志の力、心の絆だ。さあ、与えられた役目を果たすために、その場所を目指そう。僕は、僕たちは、ひとつだったときから、この日が来る予感に涙を流していたんだから。

#persona 3#p3#p3f fanbook#ryomina#ive posted about these before but i need ryomina nation to see these#thats right this is from 2007#2007!!!!!
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死を意識
終活フェアとかが盛んです。 昨年の4月も渋谷Hikarieで「Death フェス」が開催されて、ここで紹介している納棺師の丸山さんが皆さんに納棺の儀をお披露目いたしました。ちなみに今年も4月12日〜17日まで同じくヒカリエで開催しています。 Deathフェス | Well-Being in life and…
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the evening show of the 水星の魔女 Fes just ended with no announcements regarding any future developments. both shows just featured the musicians involved in the anime, a live-dubbing from the voice actors of select scenes from all episodes (from what I read, guel's was the proposal scene, vim's death, his fight with shaddiq, his fight with lauda) with musical accompaniment from the orchestra, lots of ad libs from the voice actors having fun on stage, and then everyone singing the gund-arm company song with an aerial mascot on stage. you can check out the #水星の魔女フェス tag on Twitter to see the impressions!
next event to look forward to would be azakami-san and otsuka-san's appearance in animate for the blu-ray on october and a g witch pop-up shop opening on november!
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ダサいかどうかは置いといてデザイン次第で既存の製品よりリーチしやすくなるっていうのがデザインの面白いところでもある
[B! マーケティング] 長谷川 浩之 | Hiro Hasegawa on Twitter: "3年目で早くも年商190億円と話題のLiquid Death。デスメタルバンドのようなデザインの缶で、中身は100%水。これが今アメリカ中のスーパーや、意外にもフェスやクラブでも売れているらしい。 「バーやクラブで飲んでてもダサ… https://t.co/ru4oUUtggk"
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音楽のススメ299
本日はMichael Kamenから、同じくアメリカよりMetallicaをご紹介していきます。
Metallica(メタリカ)とは、1981年に結成された米国LA出身のヘヴィメタル・バンド。音楽史上最も大きな影響力を持ち、なおかつ商業的にも成功を収めたロック・バンドの一つ。1983年にデビュー。86年の『Metal Master』でゴールドディスクを獲得すると、スラッシュメタルの代表格へ躍進。91年の「Metallica」は本国アメリカだけで1700万枚を記録。以降、2008年の『Death Magnetic』は世界25ヵ国で1位を獲得、翌年にロックの殿堂入りなど、次々と金字塔を打ち立て、クラシックや他ジャンルとの競演、映画制作、フェス開催などトップランナーとして揺ぎない地位を築く。世界中で1億2,000万枚のアルバム・セールス、25億回以上のストリーミング再生数を記録・9度のグラミー賞、2度のアメリカン・ミュージック・アワード、多数のMTVビデオ・ミュージック・アワードを受賞。2013年には南極でもコンサートをし、文字通り7大陸全てでコンサートという画期的な記録も。“メタル”という音楽ジャンルを現在もアップデートし続け、メタルを超えて絶大なる支持を得る現在最強のメタル・バンド。
曲の作りとメロディが邦楽的で受けいれやすかったからなのか、僕のメタルはドイツのパワーメタル、フィンランドのメロディックメタルで止まってしまい、米国のヘヴィメタルは通らずに今まで来ましたが、音楽業界の伝説として現在もなお君臨するバンドを改めてフィーチャーしてみると、自分の好みとは別の次元でやはり色々とすごい。最近音楽バイアスが無いので、かなり柔軟に受け入れられるのです。 こういうのは音源ではなく、ライブ映像を見ると大体好きになるのが鉄則なので、色々と漁っていたら、「Enter Sandman」の1991年モスクワ公演が観客のノリも含め大変な熱量で惚れてしまったので、ここはひとつ。メタルではなく音楽という括りで見ると、めちゃくちゃかっこよくて痺れてしまいます。一度で良いからライブ見に行きたい。
というか、もう60近いおじさまたちが、現役バリバリで、スタンスを変えずに、技術も衰えず、第一線でやってるその事実だけですでにカッコよすぎませんか。
Metallica / Enter Sandman Live Moscow(1991)
#music recommendation#音楽のススメ#音楽は世界を救う#音楽のある生活#音楽のある暮らし#音楽を止めるな#metallica#enter sandman#heavy metal#live in moscow#metal#death magnetic#hard rock#US rock#US metal
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title: Jodo artist: Chihei Hatakeyama + Stijn Hüwels Release Date:2019/6/12 Country of Origin : JAPAN Catalog Number:WPMC058 Format(s): CD
The first collaboration album of Stijn Hüwels and Chihei Hatakeyama has been completed. Stijn Hüwels is runing Slaapwel label in Belgian, which releases high quality ambient works. also, he is mucian forcusing minimalism by long-form pieces, using processed guitar and field recordings.
This album was recorded in during twice in 2018 European tours of chihei hatakeyama. chihei hatakeyama has used for this recodings a small Arturia analog synthesizer and an electric guitar.
Jodo means Buddhist paradise in Jaonese. In Buddhism, there is the world after death called "the Land of Happiness".
A whisper-like, fine-grained analog synth sounds like an empty can thrown away on a longing road
The tone of the analog synth with an indefinite pitch overlaps with the melodic tone of the electric guitar and fades away as it is sucked into a huge gravity or black hole.
The reverbs and delays of strymon and eventide invite guitar drone into the poetics of sorrow that is sucked into a huge mist, and it becomes a reverberation of rage.
良質なアンビエント作品をリリースするSlaapwelの主宰者で、2019年にはHome Normalより、Tomoyoshi DateやNorihito Sudaとのコラボレーションアルバムを立て続けにリリースしたStijn Hüwelsと2018年にはヨーロッパを��心にトルコなどのフェスに出演するなど 世界を彷徨するChihei Hatakeyamaの初のコラボレーションアルバムが完成した。
Jodo(浄土)と名付けられた今作はささやくように微細なアナログシンセの、掠れた道に打ち捨てられた空き缶のような音色から物語が始まる。 ピッチの定まらないアナログシンセの音色は巨大な重力に、あるいはブラックホールに吸い込まれるように、エレクトリックギターのメロコリックな音色に重なり、消えてゆく。 strymonとeventideのリヴァーブとディレイは巨大な霧に吸い込まれるような悲しみの詩学の中へギタードローンを誘い込み、怒濤の残響となって響き渡る。
Track List
1. HA TENGO 2. SU NEKA 3. A NMO 4. NA GOMI
Profile
Stijn Hüwels is a Belgian musician with a profound fascination for minimalism. His work is defined by long-form pieces, using processed guitar and field recordings. Next to solo work, he collaborated with Tomoyoshi Date, Norihito Suda, Danny Clay and Ian Hawgood. Together with James Murray, Hüwels is part of Silent Vigils. His music is released on Dauw, Eilean, Glass Reservoir, mAtter and Home Normal.
Chihei Hatakeyama is a sound artist , an organizer and mastering engineer who was born in 1978, and lives in the Tokyo. He has performed for years under his given name and also as one half of the electroacoustic duo Opitope, along with Tomoyoshi Date. Hatakeyama got involved in playing music through strumming a electric guitar in a few rock-oriented bands in his teenage years. Subsequently a laptop computer superseded his bands as his main platform. Hatakeyama polychromes memory-evoking soundscapes with various recorded materials of acoustic instruments such as guitars, vibraphone, and piano; mostly played by hand and processed time and time again via laptop. His first album Minima Moralia was commissioned for release by the Chicago-based label kranky in early 2006. Since then his many album was released by Room 40, Under The Spire, Hibernate Records, Magic Book Records, Home Nomal, OwnRecords, Spekk, Dronarivm, Constellation Tatsu, Glacial Movements Records and his own label White Paddy Mountain. In 2013 Hatakeyama founded the record label White Paddy Montain, which since then has released over 40 recordings by some of the most accomplished musicians and modern ambient musicians, Shoegazer and folk musicians in Japan. Recent years Hatakeyama continues to evolve his sound by analog synthesizer, modular synthesizer and compact guitar effector. Hatakeyama approaches some modular synthesizer and electric guitar drone project with an expectation of new directions.
all songs written and produced by Chihei Hatakeyama & Stijn Hüwels track 1&3 recorded on June 11th 2018 track 2&4 recorded on November 9th 2018
Chihei Hatakeyama played electric guitar and electronics Stijn Hüwels played electric guitar and electric bass
mixed and edited by Chihei Hatakeyama & Stijn Hüwels mastered by Chihei Hatakeyama
artwork design by WPM cover photo by Stijn Hüwels
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2023年5月15日
田中事件さん「田中事件12月からのパラノイア。坂口恭平さん/倉地久美夫さん/笹口騒音さん/石下谷温美/タローキジウマ/深居優治各氏に頂いたコメント、今の熊本蔦屋三年坂、タワレコ鹿児島。渡邉映像イズムによる最後のMV。サブスク→https://t.co/FyFIVlMy40。2nd Album循環する生命のフォークロア 聴い��ください https://t.co/NOH7aO11dM」https://twitter.com/klagenicholson/status/1392132388885438466
Horaさん「高貴なる俺のお写真をもう一枚どうぞ。 Photo by Reiko Arakawa(zoisite) https://t.co/6UVa9O7ZKp」https://twitter.com/Hora824/status/1657739767872901121
Horaさん「急遽決定!!来ないと呪います。」https://twitter.com/Hora824/status/1657400277119668225
Horaさん「お写真どうぞ。 Photo by Reiko Arakawa(zoisite) https://t.co/8FJbLpjMFg」https://twitter.com/Hora824/status/1657387626058616832
Horaさん「人間たちよ、お楽しみに!」https://twitter.com/Hora824/status/1657044092998524928
Mona_DRさん「#ボカロV系カバー祭2023春 参加してます 【SUCK ME! / 黒夢】を知声でカバーです 良かったら聴いてみて下さい 【N】https://t.co/DoSFy76MxJ #黒夢 #vocanew #vocaloPost」https://twitter.com/Mona_DR01/status/1657084986502303749
黒沢Billy★今年もヨロシクお願いします!さん「少し時間があったので久しぶりに新曲を作ってみました(゚ω゚)、、、いや1分ぐらいのSEですねw。短いけど良かったら是非聴いてみて下さいm(_ _)m https://t.co/8t1SlTxXzy」https://twitter.com/Billy_Eternal_B/status/1655197033064456194
MIYABI the Drummerさん「叩いてみた動画を公開しました! #GARGOYLE(#ガーゴイル)の 「頭ガコワレタ」です! 雑誌『ロッキンf』の全曲解説で、 KATSUJIさんが、 「ボクも頭が壊れたように叩いた」 と仰っていました(笑) 動画はコチラ https://t.co/Yx393MUFoZ ご視聴頂けますと幸いです! https://t.co/1wkQMvBZuv」https://twitter.com/MS16_Masahiro/status/1657696002822774785
MIYABI the Drummerさん「https://t.co/T3T1cM87XP」https://twitter.com/MS16_Masahiro/status/1657545901320310784
MIYABI the Drummerさん「たまにタイムラインに流れてくるドラマー募集。 自分がサポートできるか、知人の紹介ができるかなど、目にしたのは何かの縁なので、一応気にしてはいる。 しかし。 地域がわからん、音源がない、ジャンルわからん、活動ペースわからん、が多いので判断つかないんだよね。 真剣に探す気ないでしょ?(笑)」https://twitter.com/MS16_Masahiro/status/1657431895918129152
MIYABI the Drummerさん「逆に、2つ隣の県であり、若干ジャンルは違う気がするけど、活動ペース的には手伝えるかも、という判断がつくツイートは、赤の他人でも音源は聴いている。 その上で、俺のドラムではお役に立てないな、知人ならどうかな、という判断はしてる。 でも、判断できないのが圧倒的に多い。勿体ないと思うな。」https://twitter.com/MS16_Masahiro/status/1657434156698304513
川崎飛鳥さん「現在決まっているライヴです。 縁に感謝(^���^) 全日ご予約はお気軽にDM下さいませ♪ 0609はイレギュラーな楽しい事やっちゃうよー💕 https://t.co/5gsj7k3V4j」https://twitter.com/asukawa5319/status/1657974110729936896
川崎飛鳥さん「昨日買い物行った時にあれこれ考えながら探していた物を手に取りレジへ。 夕方舞夕さんと連絡やり取りしてた時ふとその事を話したら、笑われました... 何言って笑われたかは、会場にて突っ込んで下さったら赤面しながらお話しします... カレーメシのお湯入れすぎてスープカレーになりました( ˙-˙ ) https://t.co/A7Nf7WZE70」https://twitter.com/asukawa5319/status/1657971218295975937
Dementia177さん「おはよう。 良き1日を。 土曜日はツイキャス配信に 参加してくれた皆様どうもありがとうございました。 またMOTOKIも入れてやろうと思ってますのでお楽しみに。 そして今週の金曜日も 「NARIと金曜日のDUSTBOX」 22:00〜やりますのでそちらも よろしく! 5.19 fri 22:00〜 https://t.co/bLqR80pb8H」https://twitter.com/dementia177/status/1657884578751844352
舞夕-マユウ-さん「週明け、現実の始まりです。 今週末は始めての大阪! 友達もフォロワーさんも会った事が無い人でも気軽に飲みに来てください!🍺😆🎸 予約はDMにて受付中です! DM来てワクワクしながら開いたらエロ系だったりでガッカリ。。。 おはようございます! https://t.co/RMHn6jmXJt」https://twitter.com/hrz45mayou/status/1657875089189376001
東京メタルシティ(ワサビ・シミルネン)さん「サウンドメッセ2023、Zemaitis/Greco Osaka Showroomのブースデモで弾かせてもらったZemaitisのMFGV、ちゃんとコリーナならではのハイミッドの明るさがあるし音も伸びやかで良いギターでした💪 https://t.co/mAUwj5GZJL」https://twitter.com/tokyometalcity/status/1658065178343391232
小美玉たかしさん「超大物…連日の撮影&収録でした† 情報解禁…震えて待て† #小美玉たかし #ヴィジュアル系演歌歌手 #東京リベンジャーズ #小美玉のマイキー #ひよってる奴いる? https://t.co/3bhVtKT0vw」https://twitter.com/TAKASHI_OMITAMA/status/1658058370518241280
たちすけ@6月3日1000人ROCKフェス伊香保グリーン牧場さん「昨日みたいな月海限定GIG、LUNA MATTINOやルナティックススキノを加えてやって欲しい。 https://t.co/6eVAjgTj2u」https://twitter.com/CDN_TACHISUKE/status/1658057702986379264
u/ゆうてゃ👾🍼【SOCIAL DEATH STANCE/蟲の息】さん「スマホの容量がいっぱいになってきたので、必要ない写真を消そうとアルバムを見てたら、ロボガエルの秋輔さんの写真がたくさん出てきた このまま消すのも呪われそうで怖いから、何かしらの有効活用をしてから消そうと思います🤖🐸 https://t.co/ANok5eJ9Tg」https://twitter.com/u_0629_u/status/1658054761210589184
1000人ROCK FES.GUNMAさん「1000人ROCK 2023の開催が近づいてきましたが演奏参加チケットは現在もチケットぴあにて販売中です! ボーカル以外はまだ数に余裕もあるのでエントリーお待ちしています。 演奏の観覧は伊香保グリーン牧場の入場料のみですのでぜひ1000人の「ROCKET DIVE」を観に来て下さい! https://t.co/M0YGnpf0PI」https://twitter.com/1000ROCKGUNMA/status/1658041601682477058
Kiyoshi | Studio Work Nowさん「2名で演奏してるとは思えない、、 色々とうるさすぎる笑 🎵: Kiyoshi - Glorious Days https://t.co/bhMmJHQquD」https://twitter.com/kiyoshi_1031/status/1657952280174555136
leaya(бвб)さん「暴飲と言う名に恥じぬ様ギターソロ中に暴飲してみた 以外と短くて酒で溺れるかと思った (º_º) https://t.co/Np8NbIQ9du」https://twitter.com/leaya_bass/status/1657979884000641024
ツトムさん「改めまして昨日はありがとうございました‼️ 暴飲、セックスマニアック共全開でぶっ叩きました(^ω^) 両バンド共本当に最高です‼️ MCで話しましたがこの2バンドで9月に東京ライブ決まりましたぁ(^ω^) 宜しくお願いします‼️ @SanaHarukawa https://t.co/vVgvgkfApa」https://twitter.com/tsutomuz/status/1657990914772717568
よっぴー@イレイサーズさん「【イレイサーズライブ情報🔥】 5/16@池袋手刀 [super silent] 出演:イレイサーズwith takuto/URiTA ■open20:00/start20:30 ■adv.¥2,500 (+1d)/door.¥3,000 (+1d) *和人 / GreenNoteの出演がキャンセルになりました ※僕らの出番は21:15〜(予定) ドカン💥とぶちかますぜ〜〜 みなさまよろぴこ😜 https://t.co/nnz28Nf0Pu」https://twitter.com/erasersyop/status/1657555923492290560
Yuji Nakanoさん「なお、再開もまだ見えない状況ですが、復帰のときはまた告知させていただきますので、その時はまたよろしくお願いいたします。 ご迷惑をおかけした池袋手刀さま、対バンのみなさま、スタッフのみなさま。 大変申し訳ございませんでした。」https://twitter.com/MojaYuji/status/1657666875793510404
魚住 英���奈(official)さん「🩻��古屋で単独公演します。 2023.5.25(木) 魚住英里奈単独公演「独唱」 Open19:00 start19:30 ¥2800+1drink https://t.co/ET76zOtVdM」https://twitter.com/uozumi_chas/status/1651174399859634177
おとぼけビ~バ~ Otoboke Beaverさん「東京、大阪ツーマンさせていただきます🦫💖🧡💙💚」https://twitter.com/otobokebeaver/status/1657370927028396033
あっこりんりんさん「よろしくお願いします🫶💞」https://twitter.com/accorinrin/status/1657370692814360579
YOSHIKI CHANNELさん「Mon, May 15, 6pm PDT/Tue, May 16, 10am JST #YOSHIKI’s major global announcement and live performance at the GRAMMY Museum will be broadcast live exclusively on #YOSHIKICHANNEL! *Free to watch YouTube - Bilingual or Japanese https://t.co/nipiijJJvi niconico - Japanese… https://t.co/2Gy3tdplOe」https://twitter.com/YoshikiChannel/status/1656935922477465602
leaya(бвб)さん「十三わず 次の地へ…(º_º) https://t.co/pGXfcEoY29」https://twitter.com/leaya_bass/status/1657378794016227329
UNCLOCK LOVER 頼田陵介さん「まぁ。 予想はしてたんだけどさ。 やっぱここギターもう一本真ん中から出て欲しぃな〜 とか出てくるもんですねw … 録るか〜w 今宵も皆さま良き夜を🙋♀️ ぼかぁもう少しやります😅」https://twitter.com/yorita_ryosuke/status/1657384083046146048
TOMO/ 4月29日Deshabillz 名古屋Music Farmさん「名古屋ライブの余韻も今日まで! 次は大阪です👍 チケットも発売中‼️ https://t.co/kNhSVYLPbj #Deshabillz」https://twitter.com/tomo1108gt/status/1657384008563699712
YOSHiPONさん「ホントカッコ良かった🎌 武道館でEMPiREのMAD LOVEはマジ嬉しかったけど、それは今のExWHYZがあるからだと思えて感動した。Wanna Danceのアレンジもダンスも良かったな〜 キリちゃん、Zullさんもありがとう🙏ヲタトークも楽しかった◎ 総じて幸せな1日でした。 #ExWHYZ武道館 https://t.co/7zBMnKQcED」https://twitter.com/YOSHIP0NxxxTOR/status/1657383827524943873
Deshabillz2023 8月19日(土)心斎橋SHOVELさん「これヒロシ出るよな?シビィとクランケさん笑知らんがおもろいことになるな笑 押忍!行くんすよね ストレスないなら笑」https://twitter.com/Deshabillz2022/status/1657388815085105160
クランケ・サンさん「オゾマシーズ活動再開第二弾は名古屋公演。Industrial Apesさんのレコ発をド派手にやったります。 今回はサポートギタリストにシビィさん(DISH/Deshabillz)をお迎えです。お待ちしております。」https://twitter.com/kranke_san/status/1657341409387757568
luin officialさん「luinは19:00〜出演⏰ 御予約受付中です↓↓ https://t.co/T3WF33RMNn」https://twitter.com/luin_official/status/1657392254397583360
現王園 崇【Jagged Little Pill】5/13町田プレイハウスさん「【!!!告知②!!!】 音源発売に伴いレコ発💿やらせていただきます‼️ 先輩方や仲間の胸を借りて、想いと音の楽しさを伝えられるイベントをお届けいたします🎁 皆さんの胸も貸してもらえたら嬉しい‼️ よろしくお願いたします。 ・プレイハウスweb予約 →https://t.co/ahnguxvIUV #JaggedLittlePill #JLP https://t.co/uUvCOhUAvK」https://twitter.com/little_jagged/status/1657313373795778569
yura 🌠Lem「Quintet」6/5 Release🌠さん「無事発表できたら知恵熱が出て逆に寝れません😂 わたし以外のチームLemはライブ会場販売があるんですが🙏ひとりだけ役立たずなので駅前でメイクして手売りでもしようかな🤲 オフショにサインとかつけたら田舎まで来てくれますか? ディズニーグッズもあげます🤣ナンチャッテ」https://twitter.com/yura_voxxx/status/1657394100444987392
takuto_さん「ジグラット@池袋手刀終了しました。非常に楽しく演奏出来ました。いつもありがとうございます。そう言えばジグラットの配信何気に初では?という事で2週間観れるアーカイブ購入リンク貼っておきます。 https://t.co/XqtS0oGosw ジグラット次回ライブは5月22日池袋手刀にて。2マンです。是非。」https://twitter.com/takuto_/status/1657396926663516161
ジョニーダイアモンド首振りDollsさん「🔥大🔥発🔥表🔥‼️🔥」https://twitter.com/Tracisixteen/status/1657400399341699074
leaya(бвб)さん「十三でTATSUYAくん、ユーダイン、春陽、ワシで(º_º) Drum居ればバンド出来るなw https://t.co/Ld2gvNhKzg」https://twitter.com/leaya_bass/status/1657404272647208960
UNCLOCK LOVER 頼田陵介さん「そういえば 先日SHUFFLEでマイクを2本試させて貰ったんですが、 めちゃくちゃ良かったのでポチりました😆 KING RYOさんのおすすめは71でしたが販売してないので中古待ちに心が折れw 70にしました✌️ 自分の声質的に70でもめちゃくちゃ良かったです‼️ にしても最近マイク買い過ぎな気もしますなw https://t.co/JJn4YfVhqv」https://twitter.com/yorita_ryosuke/status/1657405643886845953
YOUDAIさん「本日ご来店の皆様ありがとうございました! メッチャ笑ったイベントでした。 和田脇一一また見たいなぁ。 写真はバー営業に顔出してくれたleayaさん@leaya_bass、春陽さん@haruhirahore と。 お���人は明日寺田町Fireloopでライブとの事。 今日の主役、和田山の二人も一緒なのでお時間ある方は是非! https://t.co/8v7Ua8pTgR」https://twitter.com/YOUDAI76/status/1657406616239771648
KINGRYOさん「取り急ぎ。 とってもおブスなのだが、 何とも幸せそうな顔している☺️✨ みんなありがとう!! photo by @a_kwsk_1985 https://t.co/0UMI39Ds9D」https://twitter.com/kingryoworld/status/1657414155698315264
なかおちさと NAKAO Chisatoさん「#鳥を見た #ソヨ風ニ躰ヲ揺ラシテ まずサブスクなどで視聴していただいてください なおCDはさらに美麗で可愛いアートワークなので、絶対に手元に置きたくなります それから私たちのライブにいらしてね 直近は5月16日火曜日、高円寺Showboat 出番は大トリ CDは会場でも入手可能です https://t.co/ZfQHYJ9q5t」https://twitter.com/nakaochisato/status/1657342514301644800
Deshabillz2023 8月19日(土)心斎橋SHOVELさん「母の日てやつになったな!俺にはいないかなり前からだな17年くらいか? 押忍!知らないすよ....シレッと切ない話しを....てそっくりじゃないすか笑あたさんおかまにしたら それはしゅんこや!母親と写したのこれが最後やね、諸々いい感じにさせられた高校入学式、母大切にね #母の日 #結局半年でクビ https://t.co/ls8JBxkHUF」https://twitter.com/Deshabillz2022/status/1657401212285902848
Deshabillz2023 8月19日(土)心斎橋SHOVELさん「因みに35年前だな嫌いやろ型落ち 押忍!型落ち笑、変わってないすよ大丈夫す! 流石にこれは....鮮度がちゃう」https://twitter.com/Deshabillz2022/status/1657421669525487618
leaya(бвб)さん「逢いたい人に大体逢えた 誰が明日逢えなくなるのか分かんないから大好きな人達の顔見とこね(º_º)」https://twitter.com/leaya_bass/status/1657423158994169857
DÄLLEさん「[news] 🗯今月26日開催ダル2023ラストgig 2023年はこのgigでライブ活動停止です 今後のライブスケジュールは白紙になっています ダルのブルータルワールドを体感して下さい 🗯トーキョーデスディスコ28 DÄLLE vs XTEEN 5.26friday shibuya Chelsea Hotel 🕸ticket / e+ https://t.co/DKq3Kr15UO https://t.co/731HKF2qwW」https://twitter.com/DALLEofficial/status/1657436794550628353
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「ただの水」のリ・クリエイト
ペリエがハイネケン(瓶)みたいなカタチしてたら、また違ったのかなぁ
・朝専用ワンダ ・ナイトシャンプー
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長谷川 浩之 | Hiro HasegawaさんはTwitterを使っています: 「3年目で早くも年商190億円と話題のLiquid Death。デスメタルバンドのようなデザインの缶で、中身は100%水。これが今アメリカ中のスーパーや、意外にもフェスやクラブでも売れているらしい。 「バーやクラブで飲んでてもダサくない水」というパリピのニーズに気づいた創業者すごすぎ。 https://t.co/HM1ofATEEf」 / Twitter
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最近大分無気力になってしまった。
大学の課題もやってはいるけど殆どが適当で出席もギリギリ。毎日帰るのは1時過ぎ。次の日のことを考えるのが面倒で気づいたら寝てしまっている。いつからこんなになっちゃったんだろう、私。私はいつも「楽しい」と「ちゃんとする」が両立出来なくて、どっちかしか選べない性格だ。楽しいを取ったらほかの全てを犠牲にして、ちゃんとするなら一切の娯楽もできる余裕は無い。こんな不���用さと共に19年生きている。
先日知り合いに「頭が空っぽそう」と言われてしまった。あぁ、その通りだって思った。若いなりにやりたいことはたくさんあるはずなのに、そこまでの過程を考えようとしない。夢ばかりあって、道を見つけようとしない。ただ私の手元にあるのは、行き場を失った安っぽい夢だけ。
今日習った言葉で、
Death is the mother of beauty
という言葉がある。永遠に続いていく生命を信じるキリスト教を真っ向から否定する言葉。そうか、人生は終わりがあるから美しいのか、と思った。でもそれは、眩しくて、指の隙間から零れ落ちてしまいそうな、愛しい日々を過ごしている人だけ。私が送っているような自堕落な生活が美化されることなどあるのだろうか。
いつも上手くいかない。いつも何かが足りない。フェスで貰ったバンドを喜びながら付けていたらその形にくっきり日焼けしてしまった。高校の時買ったばかりの服に豚骨ラーメンをこぼした。ヤクルトの蓋は綺麗に開けられたことがなかった。バイト先で靴にガムシロをこぼした。大縄跳びで私だけ連続で入れなかった。
色んなことを間違えて、不器用で、何かが足りない私の人生。せめて好きな人だけには嫌われたくない、私の人生。私の死は美しさを本当に生むのだろうか。その頃までにはこの日焼けの跡も消えてるといいのだけれど。
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12/22 ポルノグラフィティ 17th LIVE CIRCUIT〜続・ポルノグラフィティ〜 @東京ガーデンシアター
2日目!そしてツアー千秋楽!良いツアーだった!
ちょっと落ち着いてきたので感想を。
新始動を謳って始めたこのツアー。
Nang-changが裏方に回った初めてのツアー。
ライブに行き始めて13年でようやく掴んだ最前列なのに、ずっとそこにいると思っていたその人はステージにはもういなくて、それがやっぱり悲しかったけど、何より2年以上ポルノのライブ参戦出来なかった身としては、嬉しい楽しいの方が勝ったかな。
M1.IT’S A NEW ARE:これは絶対ここで来ると思ってた!一曲目で良かった。2021年は期初から仕事も結構しんどかったり色々あったけど、1曲目で全部救われた気になれた。私のための場所ってフレーズがまさにでした。
M2.幸せについて本気出して考えてみた:2021年は期初から仕事も(以下略)だったので、こういうアッパーチューンは嬉しい。大好きな曲だし。それにしてもトムさんのドラムがまじで素晴らしいので、裏拍が取りやすいこと取りやすいこと。
M3.ドリーマー:これもめちゃくちゃ久しぶりのナンバーでしたね。カズーは使ってくれなかったけど、原曲に近い演奏だったかな。
M4.ANGRY BIRD:これも結構ライブの鉄板ナンバーになってきたね。ライブでやるたびに洗練されていく曲な感じ。音響が大分改善された今回のツアーでは落ち着いて聴いてられました。
M5.LiAR(初日)/今宵、月が見えずとも(2日目):今宵は強い(語彙力)昔そんな好きじゃなかったけど最近は割と好きだなーって感じなので、色々好み変わるもんですね。
M6.ウォーカー(初日)/Free and Freedom(2日目):え、ウォーカーってやばくない?(語彙力)初めて聴いたけど良いな、やっぱ。最近ポルノグラフィティは結構よく聴くアルバムなんだけど、農夫とウォーカーは好き。フリフリはむり、好き(語彙力)
M7.Love,too Death,too:あああああああああああむりいいいいいいいいすきいいいいいいいいいって感じなんで、ここで初日のテンション最高潮だった。やっとやってくれたねラブデス。初日は特にたすくさんと晴一さんのユニゾンがすごく良かった。でもミラーボール演出が良く分からなかったのが残念だった。俯瞰できる座席じゃなかったから。
M8.ミステーロ:来ました、アコースティックセッション枠。今まではアコースティックの時、アポロとかメリッサとかノリたいのにノレない曲ばっかりだったから好きじゃなかったけど今回は選曲が良い。ひろさんがウッドベースなのもさらに良い。
M9.サウダージ:TFT様様だね。でも1,000万回も突破したしやっぱり全世代に愛される曲なんだなって実感。TFTのアレンジはアコーディオンソロが好きだけど、ひろさんが加わることで音の厚みがTFTより増しててよかった。何より昭仁さんの出だし生歌はえぐい。
M10.鉄槌:イントロで「うわーーーーーーここでやるんだ?!」ってなった曲。※1番思ったのは「ウォーカー」。
インストアレンジはこれかって思ったけど、案の定でした。照明の演出がゴリゴリなロックで良かった。
M11.Fade Away:バタエフの中では割と好きな曲なんですけど、ちょっとツインギターの音が大きかったかな、、、もう少しベースライン聴きたい曲なんだよな。
M12.元素L:むり。泣いた。一番泣いた。私を泣かせる四天王(憂色、ラビュー・ラビュー、月飼い、元素L)の1曲なんだけど、これも12年前の東京ドーム以来なので嬉しかったなあ、、、そろそろ憂色とかラビュー・ラビューやってくんないかな、、、
M13.Winfing Road:M10-11が救いのない曲だったから愛の歌をって言っていたけど、ワイローもそんな救われる歌じゃないんだけど(笑)
ただ構成として元素からの曲の流れが非常に良かった。一つ言うなら歌詞的にはM12と13は逆にして季節の移ろいを感じたかったけど。
M14.THE DAY:みんな大好きシリーズ(笑)この曲はフェス向きだなあといつも思う。
M15.REUNION:初日は初見だし、最前列だったからフリが分からずちょっと焦った(笑)
M16.メリッサ:ひろさんのベースイントロはまた今までのサポとは全然違って新鮮だった。キャノンテープあるかなって期待したけどコロナだもんね、ありませんでした。
M17.ハネウマライダー:やれて良かった。けど、マスクで全力ジャンプ+タオル回し(しかもTHE DAYから跳びっぱなし)は息苦しくて酸欠ひどかった。
M19.テーマソング:1曲目と本編ラストは予想通り。でもこれ絶対サビはワイパーだと思う。
EN1.新曲(メビウス):皆さんに今伝えたい言葉って言っていたけど、くびねしめちゃう歌詞を、どう受け取ればいいの?(笑)
とはいえ曲調は、結構最近の流行りのって感じ。良い意味でポルノらしさはない曲でした。
EN2.新曲(ナンバー):クリスマスプレゼントはハドホリにしてほしかった!!!!!けど、東京だけが新曲を聴けたので嬉しかったけど、クリスマスだしハドホリが良かった、、、(笑)
EN3.ジレンマ:良かった最後は跳べて。やっぱりラストはこの曲であって欲しい。メンバーソロの時間にNang-changがいないのはやっぱり悲しい。でも皆ちんがハドホリフレーズ弾いてくれて良かった。
流石に2,000字は長い。何はともあれ、良いライブ納めを出来ました。もう終わり。

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2025年2月16日(日)2024年の愛聴盤を振り返る
■アルバム 西岡恭蔵/ディランにて(1972年) John Mayall & The Bruesbreakers/John Mayall with Eric Clapton(1966年) Nico/Chelsea Girl(1967年) よく知られた作品で手持ちの必聴盤を紹介した本にも掲載されているため入手したは良いが、ジャケットのアングラな雰囲気につい敬遠し、何とはなしにトライしたら聴きやすくて驚いた!自分の好物だ、そんな風に思わされたアルバム。 歌と爪弾かれるクリーンのギターと弦のアンサンブルが中心で、フルートのオブリガードやほんの少しだけ登場するオルガンが曲にいろどりを添える。コーラスもリズムセクションもなく伴奏はシンプルだが、弦楽器のハーモニーが全編に渡って曲を引き立てている。5曲目の"It Was a Pleasure Then"だけ曲の質感が他と異なり、ハウリングノイズがノイズそのもののまま歌っているようで、歌とギターのみで繰り広げられる長尺のサイケデリック・ジャムといった趣がある。ニコ本人の歌はやや低めの音域で高い歌唱力というスタイルでは全くないが、それが美しいアレンジとともに他にない魅力となっている。 High Tide/Sea Shanties(1969年) Archie Fisher/Orfeo(1970年) Maybel/Gloam(2023年) Hannah Frances/Keeper of the Shepherd(2024年) ハナ・フランシスはアメリカのアーティストで、公式サイトのプロフィールによると1997年生まれで「ヴォーカリスト、ギタリスト、作曲家、ダンサー、詩人」。Bandcampのプロフィールには「アヴァン・フォーク、プレグレッシブロック、ジャズを融合させたヴォーカリスト、ギタリスト、作曲家、詩人、movement artist」とある。クラシック音楽の訓練を受けたヴォーカリストでギターは独学、母親はプロのピアニストで音楽教育家。ギターを演奏するきっかけとなったのはニック・ドレイクとジョニ・ミッチェルで、ジョニ・ミッチェルのオープンチューニングから多くを得たようだ。 以上の経歴は公式サイトから分かる範囲で確認した情報だが、日本ではほとんど紹介されておらず、どういう人なのか詳しくは知らない。音楽サイト"Pitchfork"のレビューを気まぐれにチェックしている時にフォーク/カントリーの新譜として高めの評価で紹介されていたのが気になり、音源を試聴したところ鳴り響くコーラスの洪水に魅了されて入手を決め、ネットで見つけた兵庫のTobira Recordsのオンラインショップで購入した。それ以来、このお店の入荷情報をたまにチェックするようになった。 さて作品の中身はと言うと、力強い歌と歪み成分が盛り込まれた金属質の音色のギターを中心に、バンドメンバーが有機的なアンサンブルを作り上げているという印象。アコースティックの曲もあるが、バンド演奏の印象が強く、独特のコード感を持つ曲と歌声に引き込まれる。ライブ映像を見てみると、本人はホロウボディっぽいグレッチのギターをしっかりストラップを肩にかけて高めに抱えて弾いていた。 Lal&Mike Waterson/Bright Phoebus(1972年) The Roches/The Roches(1979年) TM NETWORK TRIBUTE ALBUM -40th CELEBRATION-(2024年) Jeff Beck Group/(1972年) ジェフ・ベック(1944年~2023年)はイギリス出身のギタリストで、60年代~70年代はヤードバーズ、自身のグループ、ベック・ボガート&アピスといったバンドで活動していたが、70年代半ば以降はソロ名義で作品をリリースするようになった。自分のような90年代以降の音楽リスナーの目線でも、ソロアーティストの印象が強い。常に第一線で現役で活動し続けている人、というイメージだった。私的なリスナー歴を振り返ると、10代の後半で"Wired"(1976年)や"Flash"(1985年)を、大人になってからジェフ・ベック・グループ名義の作品と"Blow by Blow"(1975年)を聴いたが、特定の型の無い掴みどころのないギタリストという印象。 このアルバムはいわゆる「第2期ジェフ・ベック・グループ」と言われる時期の2作目で特に代表作と言われることもなく顧みられることがない気がするが、お気に入りの1枚だ。有名アーティストだからという理由で漫然と初期作品から順番にチェックしていた中で、初めて聴いたときはさして印象に残らなかったが、しばらく経ったある時から最後の2曲の良さに気付き、それ以来数年おきにアルバムを通して繰り返し聴くようになった。2023年の他界後、2024年に日本盤でリイシューされたLPを入手したのでここに取り上げた。 掴みどころがないという印象は変わらず、ギターの演奏には何となく粗いところがある気がするが、それも含めての魅力なのだと思う。バンドのアンサンブルの肝は自分的にはマックス・ミドルトンだと思っていて、この人のピアノ等の鍵盤が支えることでベックは自由に弾けたのではないかという気がする。愛聴盤となって大分経ってから「オレンジ」という通称があるらしいと知った。 Tenorio Jr./Embalo(1964年) The Doors/Morrison Hotel(1970年) Pete Brown & Piblokto!/Thousands on a Raft(1970年) Dorothy Ashby & Frank Wess/In A Minor Groove(1958年) Thelonious Monk/Thelonious Monk Quintet(1954年) Edu E Bethania(1967年)
2024年2月5日(月)2023年の愛聴盤を振り返る
■アルバム 1. 中川理沙/動物の庭(2023年) 1. JYOCHO/しあわせになるから、なろうよ(2021年) 1. YMO/浮気なぼくら(1983年) 1. Tia Blake and Her Folk-group/Folk Songs and Ballads(1971年) 1. Blood, Sweat & Tears/Child Is Father to the Man(1968年) 1. Julie Byrne/The Greater Wings(2023年) 1. Canned Heat/Boogie with Canned Heat(1968年) キャンド・ヒートは1969年のウッドストックの映画で知っていた程度で、自分好みのバンドではないという認識だった。もともとブルースに余り馴染みがなかったために1967年リリースの初作「エレクトリック・ブルースの王者 キャンド・ヒート登場」は聴き流しただけで終わり、特別に興味を持てないまま本作を聴いた。基本的な路線は前作と大きく変わっていないはずだが、特に長尺の楽曲に顕著なようにバンドのアンサンブルが面白く、引き込まれてしまった。 1. Alice Cooper/Love It To Death(1971年) このアルバムはたくさん聴いた。ひどいダミ声だが迫力に満ちて張り上げた時でもピッチがぶれないヴォーカルパフォーマンスは堂々と全体を牽引し、バンドのアレンジも2本のギターのアンサンブルとキーボードを中心によく練られていて(ベースも聴きどころが多い)、何より曲が良い!キャッチーな"I'm Eighteen"を筆頭に粒揃いの楽曲はどことなくデヴィッド・ボウイのジギースターダスト期のロックンロールフィーリングを彷彿させ、同時代のグラムロックとの共通点を感じさせる。怪奇な雰囲気満載の"Black Juju"にはアリスクーパーの特異な魅力が満載で、同時にこういうところまで影響を及ぼすドアーズの何となく分からずにいた偉大さを思い知った。 勢いのある曲が続く前半と重めの曲による後半とで雰囲気も少し異なり、日本の祭囃子のようなリズムの"Sun Arise"でアルバムは終わる。通して聴いても飽きることのないとても良いアルバムだ。前2作がピンとこず、何となく聴いてそのままにしていたために本作も期待せずに聴いたが、良い意味で全くの誤算だった。 1. Isaac Hayes/Hot Buttered Soul(1969年) 1. Barbara Keith/Barbara Keith(1973年) 1. Mitski/Laurel Hell(2022年) 2023年に新譜を出すと知り、一度聴いたきりだった前年の"Laurel Hell"を取り出して改めて聴いてみた。単調さや80年代をなぞるようなチープな音作りといったネガティブなイメージだけが残っていたが、改めて聴き直すとひょっこりと現れる特徴的な不協和音がクセになり、ミツキの個性に気付かされる。 1. Thelonious Monk/Brilliant Corners(1957年) 1. Ariel Pocock/Touchstone(2015年) 1. Taste/Taste(1969年) テイストについて知っていたことと言えばギタリストのロリー・ギャラガーのトリオ編成のバンドで活動期間はわずか数年、という程度だった。90年代の終わりに見た1970年のワイト島フェスの映画で知ってはいたが、EL&PやTen Years After、Moody BluesやJethro Tullなど映画を通して聴いた幾つかのバンドと比べて余り興味を持てなかったため、さして期待もせずに聴き始めたら1曲目の"Blister On The Moon"からブチかまされた。シングルコイルっぽい乾いた音色のギターが荒っぽくも自分好みでフレーズも歌声も熱く、アコースティックの曲が含まれているところにも好感を持った。 1. The Youngbloods/The Youngbloods(1967年) ■楽曲 1. 大貫妙子/Breakin' Blue(1976年) 1. Roy Buchanan/The Messiah Will Come Again(1972年) 哀感漂うオルガンにギターが重なる。アルバムジャケットの髭の人物はきれいに頭髪を撫でつけている。この曲が���められたアルバム"Roy Buchanan"が1972年8月にリリースされたとき、1938年8月生まれのロイ・ブキャナンは32歳くらいだったはずだ。実年齢以上に枯れた雰囲気が漂っている。 オルガン、ベース、ドラムのバンドは熱情を蓄えつつ静かにギターを支え続ける。その上でギターは歌い、胸をかきむしりむせび泣きまくる。 1. Ann Burton/Someone To Watch Over Me(1969年) 1. Canned Heat/Fried Hockey Boogie(1968年) 1. Jacob Mann Big Band/Kogi(2016年) 1. Steppen Wolf/Born To Be Wild(1968年) 1. Taste/Blister On The Moon(1969年)
2023年8月13日(日)休日の小さな楽しみ
去年は新しく買ったCDやらレコードやら過去に買ったままになっていたものも含めてせっせと聴いたものだが、今年はさっぱりだ。かわりに去年大した回数を聴いていないものに当たって聴き直している。今月の再発見はヤングブラッズの1stとミツキのLaurel Hellだ。そんな風にして休日に音楽を聴いて過ごすのがささやかな楽しみでもある。 今日はさらに遡って昔聴いたままになっていたJuicy Lucy(これは割と聴いた方)やKaleidoscope、プログレのQuiet Sunといったマニア向けのオールドロック音源を聴いて「シンプルに楽しむ聴き方から離れて変な沼にはまる方向に向かっている」と気付き、変なところを掘り直すのはこのくらいにしておくことにしたが、カレイドスコープのやたらと長い"Sky Children"は英国フォークロックバンド勢のエレクトリック伝承歌に似た趣で良い曲だった。調べたら去年リリースされたベスト盤のタイトルにもなっていた。ホリーズの1967年作Evolutionでは、ギターがリッケンバッカーっぽい"When Your Lights Turned On"がThe Whoの"The Kids Are Alright"の同窓生といった風情の活きの良い爽やかな名曲だった。
2023年7月23日(日)2022年の愛聴盤を振り返る
■アルバム 1. Moby Grape/Moby Grape(1967年) 2. Florist/Florist(2022年) 3. Ariel Pocock/Living in Twilight(2017年) 4. Blue Mitchell/Blue's Moods(1960年) 5. Big Star/#1 Record(1972年) 6. Mighty Baby/Mighty Baby(1969年) 7. The Byrds/The Notorious Byrd Brothers(1968年) 8. Rio 65 Trio/Rio 65 Trio(1965年) 9. Renata Zeiguer/Picnic in the Dark(2022年) 10. Hello Honu/遊泳(2022年) 11. Julian Lage/Arclight(2016年) 12. Archie Fisher/Archie Fisher(1968年) 13. The Electric Flag/A Long Time Coming(1968年) 14. Complex/The Way We Feel(1971年) 15. Sandy Denny/Rendezvous(1977年) 16. Joe Cocker/With A Little Help From My Friends(1969年) 17. Big Brother & The Holding Company/Cheap Thrills(1968年) 18. Nilüfer Yanya/Painless(2022年) ■楽曲 1. Tim Buckley/Morning Glory(1967年) 2. ザ・なつやすみバンド/Lightship(2021年) 3. Blue Mitchell/I'll Close My Eyes(1960年) 4. Bread, Love and Dreams/Brother John(1971年) 5. モーモールルギャバン/頭がクサいと君に言われ5日ぶりに風呂に入った(2007年) 6. Tim Hart & Maddy Prior/I Live Not Where I Love(1971年) 7. TubbyHayes/Dear Johnny B(1967年) 8. 加川良/伝道(1971年) 9. jyocho/悲しみのゴール(2022年) 10. 優河/ゆらぎ(2022年) 11. It's a beautiful day/Do You Remember The Sun?(1970年)
2023年6月4日(日)新聞記事の切り抜きメモ
ずっと気になって手元に残しておいた今年の5月10日付東京新聞の記事「坂本美雨の子育て日記」の一部を書き写す。坂本美雨が父・坂本龍一のことを書いている。 先日、眠るときにママがいつか死ぬ、という話題になり、娘が大泣きした。わが家では早くから死の話はしてきたが、こんなふうに泣いたのは初めてだった。じーじの死を通して急にリアルに感じ始めたのかもしれない。「だってじーじは71歳だったでしょう」と言う。そうだよ、だからまーだまだあるでしょ、と言いかけて、あれ?もう30年もないんじゃ…?とがくぜんとした。「できるだけ長く生きて」と彼女が言う。死なないで、ではなくて、できるだけ長く、という切実さ。「わかった。健康にいいご飯を食べて、運動して、よく笑って、できるだけ長生きする」と約束する。そしてタイムリーなことに、今日は人生初の人間ドックである。気が重いが、彼女との約束を果たさねばならない。
2023年2月26日(日)音楽月間
2月の後半は演奏関連の予定が連続した。一つ目はライブハウスでの弾き語り演奏で、10���近く前に出入りしていた店でお世話になった方に声をかけてもらって、出演することになったのだ。転職の合間で12月は時間ができたので、曲作りをせっせと進めた。久しぶりの演奏機会だから、昔の曲ではなく新しい曲を用意して臨みたいと思ったのだ。時間のかかる歌詞の大枠は12月中に出来たが、イントロ・間奏・アウトロの構成を練り上げるのに時間がかかり、全ての曲が始めから終わりまで何とか仕上げられたと思えたのは2月に入ってからのことで、出演日までもうそれほど日にちも残っていなかった。 曲作りと並行して歌と演奏の練習も毎日自分なりにコツコツ続けていたが、うまく出来る気がせず、当日のことをあれこれ思い描いてはいたものの、結果は案の定うまくいかなかった。PAの方は短い時間でうまく調整してくれたと思うが、ライブ演奏がどういうものか薄っすら思い出しながらも、そこが分からないまま臨んだ結果という気がする。自分一人の身体と空間の中で歌・演奏とモニターが完結する家の中とライブハウスとでは、大きな違いがあるのだ。 仕事を定時ちょうどに切り上げ、楽器を持って駅に急ぎ、普段使わない路線で帰宅ラッシュ時の満員電車に乗って会場に向かい、到着した時点で一仕事終えたような状態だった。持ち物の準備はしっかりしていたつもりだったが、持参したプリアンプはノイズのため使えず、お店のダイレクトボックスを使うことになった。1曲目を弾き始めると譜面台に置いた歌詞が2曲目のものだと気付き、まだイントロだったからやり直すことも可能だったと思うが、瞬間の動揺を「続行する」と決めてそのまま何とか乗り切った。1曲目から4曲目はギター弾き語りの新曲だったが、4曲目は歌詞を家に置き忘れていた。唯一の既存の曲である6曲目は間奏のピアノのソロフレーズを工夫して考えていたが、演奏の精度がまだ心許なかったのが本番でも出た。とは言え、ミスタッチのあとは何とか盛り返した。 そんな具合で自分でもいたたまれない思いにしかならないステージだったが、仕事を終えた後によくそんなことやれたなとも思うし、それだから同時に緊張感も集中力も欠いていたようにも思う。歌詞を忘れていなかったらもう少しまともな演奏が出来た気もするが、どちらにしても曲の仕上げに手一杯でステージでの演奏をするには準備が足りていなかった。張り切って臨んだステージが思い描いたような機会にならず打ちひしがれる思いを拭うように(あるいは気持ちを逸らすように)、曲たちに罪はなく、あともう少し曲が出来たらまたアルバムが作れるかも知れない、と1枚目もまだずるずると制作の途中だというのに夢想だけが膨らんだ。肩肘張らずに日々の生活の中で曲作りが出来たら良いと思った。 2つ目は再上京してから始めたスティ��ルパンのイベントだった。単身赴任中のスティールパン仲間がおそらく年度替わりで地元に戻るだろう、というので開催した会だ。他の生徒の方の大変な厚意でお寺を会場として使わせてもらい、食事をしながら懇親を深め、サプライズの合奏をするというとても楽しい1日だった。馬鹿笑いが過ぎたかもしれないが、こんなに笑うのは久しぶりだというくらい笑った。ライブハウス出演の準備に注力していたのでスティールパンの方は中々練習が出来ず不安もあったが、ライブが終わった後はスティールパンの準備に集中し、自分のソロ曲も皆とのサプライズ合奏もうまくいった。発表会ではないから、和やかな雰囲気の中で皆楽しく臨めたのが大きかったと思う。資質や技術の面では足りないところがたくさんあるにしても、中年になっても音楽で楽しい時間を過ごすことが出来るのは、何と幸せなことだろう。
2022年12月23日(金)新しい曲づくりを進める
アコースティックギターはメンテナンスから手元に戻ってきて、何が変わったかよく分からずにいるが、調子は悪くない気がする。それでもカポを変えたらもっと良くなるのではないかとふと気になり、すぐにサウンドハウスで注文した。翌日届いたカポは今まで使ってきたG7thの新しいタイプで、取り付け方が最初分からなかったが、きちんとギターのネックに装着すると弦のテンションが未装着の状態と余り変わらず、音色も落ち着いているという印象を持った。うまくいくよう気を付けてこれから使ってみよう。 今月は仕事が変わる合間で時間が出来たので、曲づくりに励んだ。今日までで5曲、曲の基本の構成とメロディーと歌詞を仕上げた。少し歌詞を手直ししたり、前奏や間奏など歌のない部分を考えたりする必要はあるが、自分なりによくやったと思う。しかし、そのかわりに録音の作業は進められなかった。録音用にペダル類を三つとアダプターなどの機材を買った。時間はたっぷりあるようで足りなかった。
2022年11月14日(月)ギターをメンテナンスに出す
日曜日、10時20分頃に起きてしばらくぼんやりしていた。行けるときに行っとこうと思い、吉祥寺の山野楽器にアコースティックギターを持って行った。一部の弦の響きが濁っているように聴こえて気になっていて、久し振りに銀座店に行って見てもらおうと考えていたのだが、銀座店はポピュラー音楽系の楽器売場の機能を3年前に新宿ロックインに移転していたことを前日に知った。その新宿店も閉店し、今都心でギター売場を展開しているのは吉祥寺と川崎の2店舗のみ、ということだった。何ともさみしいことだ。 吉祥寺では用件をうまく伝えられたか心許ないまま店を後にした。持って行ったギターを店員さんが弾く音が、自分よりもかなり大きかったのに驚いた。駅ビルの新星堂の品数が少なくてひと気のないCD売場に年月の流れを感じ、本屋でミュージックマガジンを立ち読みし、電車で帰った。 午後2時半頃、自宅の最寄り駅に着くとひと雨降ったあとのようだった。帰宅して昼食をとり、しばらくして頭痛で横になり、起きたら朝の5時になっていた。11時からピアノのレッスンに行き、グリッサンドの練習で親指の爪の生え際の変なところに血まめができた。レッスンのあと、用事を済ませて帰宅して2年以上使っていなかった愛機のストラトキャスターをソフトケースから出した。弦は錆びていなかった。
2022年10月19日(水)なつやすみバンドの曲をきく
ふと思い立ち昨年発売された「Sonny Boy soundtrack」というアルバムに収録されたザ・なつやすみバンドの曲"Lightship"を聞いて感涙した。ライブで訪れたあちこちの街のことを思い出し、バンドが今活動を休止していることを寂しく思った。
2022年10月4日(火)モーモールルギャバンの素晴らしい初期音源のこと
ふと気になって休日に聴いたモーモールルギャバンの初期音源集(2017年に実施されたクラウドファンディングのリターン品で、開封せずに置いていた)のうち何曲かが驚くほどの名曲で、気になって調べたら再録版が「モーモールル・℃・ギャバーノ」に収録されていることを知った。知らなかったはずはないが、このミニアルバムは何回か聴いたまま印象に残っておらず、再録音源のことも気に留めることがなかったのだろう。改めて「モーモールル・℃・ギャバーノ」の内容が知りたくなったので棚からCDを取り出したら、中身が入っていなかった。こんなことは中々ない。大体中身は元に戻している。困り果てながらもモーモールルギャバンの他のアルバムに紛れ込んでいないか確認してみたが、ない。心当たりは他にない。これはもう何ともならん。おそらく適当にしまったのが、何度かの引越しの度にどこかに紛れて分からなくなってしまったのだろう。気になって仕方ない、残念だ。 それはともかく、面白かったのは順を追って聴いて行くと僕たちの知っている「野口~」以降のバンドの姿に近付いていく様子がありありと分かることだ。ギターがいる編成にこだわっていたことも、とても良く分かる。最初の頃は目立たなかったユコのキーボードが、コーラスとともに存在感を増すようになり、ゲイリーがギターボーカルからドラムと歌に変わってからリズムセクションが引き締まった印象を持った。ゲイリーにドラムを叩いていなかった時期があったとは、信じられないことだ。とてもひどいタイトルの名曲「頭がクサいと君に言われ5日ぶりに風呂に入った」のサビが良いのでコードを自分に分かる範囲でさらってみたら、C→D→G→C/E→C→Cm6という構成だった。Gの次のC/Eと、最後のCm6が好き過ぎるコードだからきっとハートを掴まれたのだ。15年前に作られた音源だ。それを考えると切なくもある。
2022年9月19日(月)途中までのまとめ作業を行う
きっかけがあって8月から未完成の曲たちの途中経過ミックス作業に取り組んだ。今日一応最後の1曲を仕上げて、明日もう一度それを聴き直して問題なければ全体の音���バランスの調整をして一段落だ。ミックスは楽しいが、知らないことばかりで骨の折れる作業でもある。何より録音作業自体はまだやることがいろいろある。ただ、粗が気になっていた部分もバウンスしたトラックで聴くとそれほど気にならないことに気付いて少し救われた気がしている。コーラスなど人の助けを得て、自分の曲が自分一人だけの場所から飛び出して生き生きとした表情になっていくのを目の当たりにして、思わず気持ちが揺さぶられる瞬間もあった。しかしまだ途中なのに、いちいち自分の録音に胸を打たれていて良いものかどうか。いや、それで前を向けるのなら少しくらい構わないだろう、などとあれやこれや考えてしまう。あれやこれや。
2022年7月4日(月)最近のこと
レッスンに通っているスティールパンのコンサート(発表会)が今月下旬に開催される。本番前の最後の合同レッスンを目前に控え、今日は自分と同じレッスン受講生の方の自宅であるお寺でのレッスンに参加した。近くを荒川線が走っていて、都心だが一帯にとても風情がある。聞くと、空襲の被災を免れて古い町並みが残っているのだという。大阪の谷町もそんな町だったな、と話を聞きながら思い出していた。重い楽器を背負って電車移動をするのは一苦労だが、普段とは違った落ち着いた環境で過ごす特別なひと時だと実感する。 先日は鶯谷の東京キネマ倶楽部にて2日連続で行われた優河のツアー追加公演に行った。東京キネマ倶楽部には10数年前にサケロックを見に行ったなあ、と思い返しながら会場へ向かった。2公演とも、開演前・終演後の場内SEがFairport ConventionのUnhalfbrickingだった。誰がどんな意図で選んだのか分からないが、優河がバンドとして公演に臨んだ姿勢とリンクしているような気がした。Unhalfbrickingはバンド初期のUSサイケデリックロックの影響を受けたスタイルと純ブリティッシュフォーク/トラッドロックの狭間にある作品なのだと改めて感じた。ライブは2日目の方が引き締まった進行で良かった。
2022年3月13日(日)閉店する楽器屋のこと
山野楽器新宿ロックインが閉店することをネットのニュースで知り、若い頃のお気に入りの場所の一つがなくなることに一抹の寂しさを感じた。飲食店と同じようにコロナの影響があったということだった。この店で白いSGやBOSSのコーラスペダル、シールドやたくさんのピック、チューナーなんかを買った。他にもいろいろエフェクターを買ったはずだが、詳しくはもう思い出せない。 ニュースを見てからしばらく経ち、閉店はいつだったかとふと思い出して調べるともう間近に迫っていることに気付き、閉店当日では慌ただしい気がしたので前日の12日に行くことにした。 もう日も落ちて暗くなってから店に着くと、入り口が一箇所閉鎖されていた。店内の客は少なくなかった。1階では親と一緒に来た様子の男の子や女の子たちがベース��抱えて試奏したりギターを買ったりしていた。20代くらいまでの人が多いように感じたが、中には自分と同世代か更に上の世代と思われる人もちらほらいて、それぞれに何か思うところがあるのだろうかと頭をかすめた。あれば買おうと思っていたワウペダルはなく、ドラムフロアでマラカスを、1階で1枚だけ残っていたフェンダーのおにぎり型ピックを買った。レジで尋ねると、最後にまとめ買いするお客さんがいたのだと言う。僕も残っていたらあるだけたくさん買うつもりだった。 振り返ると、いつの間にかディスクユニオンになっていた向かいの建物も以前はロックインの店舗で、1階はスコアやポスターやTシャツなどのグッズ売り場、2階と3階がそれぞれフェンダーとギブソンのフロアだった記憶がある。もう1フロアはアコースティック楽器のコーナーだったかも知れない。別に今はもう街で楽器屋に足を運ぶこともほとんどないし、昔のようにタワレコやディスクユニオンに行くこともない。Flagsのタワレコも、この間まで最上階の1フロア全部がアナログコーナーだったのが、縮小して洋楽と同じフロアに移っていた。そもそも、新宿は元より、コロナで買い物などに出掛けることも減った。新宿と言えば自分にとっては南口で、甲州街道側に長い間フェンスが並んでいたことをよく覚えている。街でも何でも、変わらないものはない。ただ、知っている場所がなくなるのは寂しい。
2022年2月●日(●) 2020年と2021年の愛聴盤を振り返る (更新作業中/2021年:2022年2月~2022年12月13日) ■アルバム 1. 岩井宏 / 30才(1973) 岩井宏(1944-2000)のことはFMラジオで流れた「かみしばい」で知った。気になって調べてみたが、YouTubeでも非公式と思われるものしか公開されていなかった。それで同曲が収録されているアルバム『30才』を購入することにしたが、「バンジョーの名手として知られる彼の唯一作」ということだった。 1944年に京都で生まれた岩井は1966年にフォークソングの団体「A.F.L(アソシェイテッド・フォークロリスト)」の発起人として関わり、いくつかのバンドにバンジョー奏者として参加していた。1968年に京都にやってきた高田渡と出会い、ステージやレコーディングを共にし、1969年のアルバム『ぼくのしるし わらべうた24』の制作を経てURCレコードのディレクターになり、1971年にベルウッド・レコードが設立された後には同社の契約プロデューサーになっている。1973年にアルバム『30才』を録音・リリースし、「30才になったらソロ・アルバムを作って業界を引退する」という言葉をそのまま実行した。以上はベルウッド・レコード40周年シリーズのCDの解説を参照してまとめた。 自身のバンジョーを中心にした演奏は、おだやかで素朴だがしっかりと安定したもので、その上に響く岩井の歌は技巧的というものではないが、くどさのない真っ直ぐな歌唱でじんわりと沁み込むように耳に届いてくる。日本のフォークに馴染みのない僕にもとても聴きやすく、どこか励まされるような思いすらしてくるアルバムだった。たくさんの人に聴いてもらいたい作品だ。 既に亡き人で存命中も裏方の活動が多かったこともあり、もっと知りたいと思っても情報源は限られている。どこかの出版社に、岩井宏について詳しく書いた本を出してもらいたいくらいだ。唯一入手できた雑誌の追悼記事のうち、岩井の音楽活動の経歴に関する部分(記事全体の半分くらい)を紹介したい。
岩井さんは、1960年代の若者達に世の中の不公平をすくいあげる形で支持された「フォーク音楽」の世界の中、その一大拠点とされた「京都」という地で、当時の若者達の間でもその「兄貴格」として慕われていた。例の京都御所でのフォーク・ジャムが喧噪をきわめていた頃、バンジョーという希少価値の高い楽器を弾いていた事もあり、引っ張りダコの人であった。 昨年行われた「京都フォーク・キャンプ同窓会コンサート」では、ついぞ岩井さんの姿を見る事はなかったが、1968年この場で高石ともや、岡林信康に次ぐ「第3の個性」、高田渡との出会い。又、彼等を束ねていた秦政明の事務所「音楽舎」にも身をおき、日本最初のインディーズ「URC」を秦氏が設立した時も、そのディレクターとして参加してゆく。同じ事務所にいた小斉喜弘こと、後の加川良のデビューにも貢献してゆく事になる。60年代から70年代へと変わる時代の激動期、それこそ岩井さんは見事なくらい活動した。アルバム制作者として、助演者として。それは岩井さんらしく、けっして「表」に出る事のない「裏方」としてのものだったが…。唯一、高田渡やシバ達とバンド・メンバーとして同列に並んだ「武蔵野タンポポ団」などは例外といってよいだろう。 キングが日本フォークのレーベルとして「ベルウッド」を設立した頃も、やはり「ディレクター」として参加。ご本人も活動の拠点を東京に移しておられた。そして、友人達のアルバム制作を手掛け、一番最後に御自身のアルバム『30才』(King Bellwood OFL-13)をリリースされたのが1973年(あの時のジャケット写真に収まっていた子供が今回喪主を務められた聡さんだろうか?)。 日本のフォークの基礎が固まった事を確認したのを見届けたかの様に、この後、岩井さんはこの世界を去ってゆくのである。 その後は大阪高槻に帰り、全く音楽とは無縁の世界の仕事をし、全く「市井」の人になっていた。そして、気が向くと「フラリ」とバンジョーを手に大阪や神戸に歌いに出掛けた。多分、それは岩井さんにとって、自分のスタート地点になった京都御所でのフォーク・ジャムの再現だったのだろうか? プロとアマの線引きのない自由な気心のしれた音楽仲間との場、一番安心して我が身を置けた場だったかもしれない。彼が最後に音楽仲間の前に姿を現したのが7月16日、大阪で開かれた『オールドタイム・パーティー・イン・コミカ~井上ケン&一美ファミリー帰国記念』のコンサートだったという。 (岩崎昌樹「追悼、岩井宏」/『MOON SHINER』2000年9月号 BOMサービス) 2. Lianne La Havas / Lianne La Havas(2020) 仕事で車を運転する時は大抵ラジオをつけていて、NHK-FMや東京FM、J-WAVEを時間帯によって切り替えて聞いていた。良い曲が流れたらチェックするのが忙しい日々の楽しみだったが、2020年は「この曲良いな、誰だろう?」と調べたらそれがLiann La Havasという知らないミュージシャンの曲だった、ということが何度かあった。自分にはあまり馴染みのないジャンルの楽曲に聞こえたから、いつもの癖で直ぐには手を出さずに時間が経ってから改めてチェックしてみたらすごく良かった、というのがこのアルバムだった。 リアン・ラ・ハヴァスは2011年にワーナーからリリースしたEP"Lost & Found"でデビューし、セルフタイトルの本作は3枚目のフルアルバムになる。ギリシャ人の父とジャマイカ人の母との間に生まれ、父親の手ほどきで楽器に触れ、11歳の時に初めて曲を作ったという。18歳でギターを弾き始めた時には多くのギタリストを知るなどYouTubeからも学んだと語っており、「曲を書くための新しい道を開いた」ギターを手にしたことがきっかけで曲作りに真剣に取り組み始めた。前作"Blood"のリリースから間隔が空いたが、この間には幸せな出会いも悲しい別れも様々にあったようだ。 アルバムを聴いて惹かれたのはやはりその歌声で、独特の深いビブラートが耳に残る。加えてソウルフルなシンガーでありながらエレクトリックギターを抱えて演奏するというスタイルも特徴だと思う。直線的なロックでもアコースティックなフォークの弾き語りでもない、自身のギターを基盤にしたバンドのアンサンブルを伴って感情豊かに舞うような歌声が胸に響く。 3. Vince Guaraldi Trio / A Charlie Brown Christmas(1965) ヴィンス・ガラルディ(1928-1976)は米国サンフランシスコ出身のジャズ・ピアニストで、この「スヌーピーのメリークリスマス」はクリスマスの特別番組のサウンドトラック。2020年にPEANUTS生誕70周年記念でガラルディによる関連の4作品がリイシューされるというので、「なんだか洒落た曲が流れていた」という子どもの頃に見たテレビ番組のおぼろげな記憶だけを頼りに聴いてみた。ジャズのアルバムやクリスマス音楽として今でも人気のようで、ちょっと調べただけでも近年はバージョン違いのカラーヴァイナルがほとんど毎年のように発売されている。「トリオ」というクレジットの通り、ピアノ・ベース・ドラムのトリオによる演奏で、"Linus and Lucy"や"Christmas Is Coming"など、数多く収録されているガラルディ作の楽曲がすばらしい。 4. Sławek Jaskułke for Rafał Bujnowski / Music on Cancas(2020) スワヴェク・ヤスクウケはジャズとモダンクラシックを横断するスタイルのピアニスト・作曲家で、この"Music on canvas"は428Hzに調律されたグランドピアノで演奏されたピアノソロ作品だ。制作のいきさつについて、メーカー解説には「ポーランド現代美術、特にペインティング、グラフィックの第一人者ラファウ・ブイノフスキをスーパーバイザーに迎え、ポーランド音楽&美術シーンにおけるもっともクリエイティヴな二人がコラボレイトした画期的な内容。(中略)ラファウの『Nokturn(Graboszyce)』(=夜想曲)という作品群(2012-2013)からスワヴェクが強烈にインスパイアーされ、互いにイメージを共有しながらスワヴェクは新曲6曲を、ラファウは本作用の書下ろしペインティングを完成させ『Music on canvas』として結実した」とある。2016年の作品「Senne(夢の中へ)」は432Hzチューニングのアップライトピアノを使用しており、調律のこだわりについてインタビューでこう語っている。 アップライト・ピアノはハンマーフェルトが弦を叩くので、ただでさえソフトで温もりのある音がします。けれど、私はより人間味が感じられ、心に響くようなサウンドを生み出したかった。だから432Hzにチューニングした上でアナログ録音しました (Mikiki インタビュー:スワヴェク・ヤスクウケ インタヴュー―小さな音で伝える、語りかけるように表現する) 寒い冬の終わる頃、2月から3月にかけてよく聴いていたので、このアルバムの印象はそんな春が訪れる前のひんやりとした空気感や静けさとともに思い返される。 5. 環ROY / Anyways(2020) 宮城県生まれのラッパーによる6作目のアルバム。他のトラックメイカーから提供されたトラックにラップを載せるという「ラッパーの様式的な制作手法に限界を感じて」、それまでの5作品を経て作り方を変えたいという思いに至り、作詞作曲、トラックも全て自身の手によるセルフプロデュース作になっている。「個人的には1stアルバムって気持ち」とも語っているほどで、充実感と意気込みを感じさせる。 環ROYは美術館やギャラリーでのパフォーマンスやインスタレーション、映画音楽の制作などにも携わっており、東京FMの坂本美雨「ディアフレンズ」のゲスト出演回を聞いて知った。この時にもアルバムの制作について語っていたが、何より驚いたのは絵本を作ったという話で、しかもそれが最大手で第一人者と言える福音館の刊行ということだった。以前働いていた東京都内の図書館では、福音館と言えば児童書コーナーで偕成社と並んで絵本棚の多くを埋め尽くしていたものだ(調べた限りでは、『ようようしょうてんがい』は「こどものとも」で発売はされたが、その後ハードカバー絵本では出版されていないようだ)。試行錯誤して自分の力でアルバムを作り上げたという話の内容も興味深く、オンエアされた「泉中央駅」も良かった。不思議な浮遊感と寂寥感のある曲だ。ふとしたことで良い音楽に巡り合えるのはとても嬉しいことだ。 ● fnmnlインタビュー ラッパーがビートメイクをはじめるとき 6. Weyes Blood / Titanic Rising(2020) アメリカのミュージシャン、ナタリー・ローラ・メリングのソロプロジェクトによる4作目。一聴するとその美声を中心に据えて美しい雰囲気が全編に横たわっているのに、時折奇天烈な音の渦が流れている、という印象だ。楽曲の根幹は歌とピアノ/ギター、重層的なストリングスとコーラスとリズムセクションだが、ところどころで奇妙な耳触りのシンセサイザーが使われているのがスパイスになっているのかも知れない。前作と前々作も聴いてみたが、このアルバムが抜群に良かった。とても聴きやすい内容だが、特定の時代のロックやフォークばかり聴いている自分には謎が多く、ちょっと調べてみて分かったことを以下に書いておきたい。 メリングは両親と兄がミュージシャンという家庭で生まれ育ち、2011年に"The Outside Room"でデビューするまでの間に自主制作盤の録音やいくつかのバンドでの活動を行っていた。前作"Front Row Seat to Earth"リリース時のインタビューでは、幼い頃に両親と共に協会に通った経験と教会音楽の影響について振り返っており、教会音楽やその影響がメリングのベースにあるようだ。 自身のスタイルについて、自分の声が低く男性的な表現に共鳴するため常に男性ミュージシャンに倣い、男性的な方向性を目指しながらも自分らしくあることで女性らしさが現れて全く新しいものを手に入れることが出来る、と語っていて、ポピュラー音楽ではハリー・ニルソンの影響が大きかったようだ。一方で、度々カレン・カーペンターと比較されることについては、カーペンターズには興味はなく、カレン・カーペンターのエミュレートを選択したことはないと否定している。* 確かにレビューなどでカーペンターズが引き合いに語られているのを目にすることがあるが、このアルバムを聴く限りではその影響があるとは感じられない。 本作のインスピレーション源については、1997年の映画「タイタニック」や気候変動などに触れている。子どもの頃の寝室をモチーフにしたセットを実際に水中に沈めて撮影されたというアートワークも強い印象を与える。けれども、実際のところどうやってこのようなアルバムが作られたのか僕には一向に分からず不思議に思うばかりで、本人が"The Kinks meet WWII or Bob Seger meets Enya"と説明していたり、サンフランシスコのSFウィークリー誌のレビューで"Titanic Rising sounds like the Beach Boys fronted by Kate Bush(ケイト・ブッシュ率いるビーチボーイズみたいなサウンドだ)" ** と書かれていたりしたのを見て、なるほどと思いつつ謎は解けずにいる。ジャンルで言えば管楽器やピアノを多用したスタイルを指すらしい「チェンバーポップ」「バロックポップ」の文脈で紹介されることが多いようだ。 * ●Rolling Stone:Weyes Blood on Stunning New LP, the Titanic Sinking and Climate Change ** ●SF WEEKLY:Weyes Blood’s Natalie Laura Mering Sounds the Alarm on Climate Change 7. Katherine Priddy / The Eternal Rocks Beneath(2021) キャサリン・プリディはバーミンガムを拠点に活動しているイギリスのシンガーソングライターで、渡辺亨のSNSでの紹介で知った。2018年にデビューEP"Wolf"をリリースした際にリチャード・トンプソンの賞賛を受け、サポートアクトの機会も得ている。今作は自作曲で構成された初めてのフルアルバムで、楽曲の多くは10代から20代前半までの間に書かれたもので、本人にとって「これまで音楽で努力してきたことの完璧な集大成」ということだ。元々は一年前にリリースしたいと考えていたところ新型コロナによる計画の大幅な変更などの困難に見舞われたが、ストリームライブなどに前向きに取り組み、オンラインでのオーディエンスを広く獲得するに至ったようだ。 両親ともにアイルランドやイギリスのフォーク音楽を好む家庭で育ち、子どもの頃は学校の聖歌隊とオーケストラに所属し、プレティーンの頃から独学でギターと作曲を始めている。歌い回しにはイギリスのフォークシンガーらしさも色濃く感じさせるが、本人の志向やバックグラウンドは民謡よりもシンガーソングライターというところにあるようで、お気に入りのミュージシャンとしてニック・ドレイクやジョーン・バエズを挙げている。イギリスのインディペンデント系音楽サイトの"Folk Radio"のインタビューでは「フォークシーンでは、女性ミュージシャンは野原をさすらい、花柄のドレスをまとって森の妖精の雰囲気を漂わせて受け入れられるのを期待されていると感じることがある」「写真撮影やアートワークについては、そうしたステレオタイプに陥らないように、常に熱意を持って取り組んできた」と語っており、自身の音楽活動に対する気概を感じさせる。 8. はっぴいえんど / HAPPY END(1973) 解散を決めたはっぴいえんどが解散後の1973年にリリースした3作目で最後のオリジナルアルバム。聴くまでのいきさつの無駄話の前に、ギターマガジン掲載の鈴木茂の述懐を引用する。
『HAPPY END』は、ちょっと地味な存在かもしれないんだけど、僕たちにとっては未来が見える大切なアルバムなんだ。大滝さんだって、現地で書いた「外はいい天気」という曲は、完全にのちの『A LONG VACATION』を予感させる曲だよ。細野さんも「風来坊」とか「相合傘」みたいな、独自の不思議な世界観が深まっていて、その後の『HOSONO HOUSE』とか、トロピカルな作品たちにつながる道のりが見えるよね。そして僕も、『BAND WAGON』のスタート地点がここで見えたというか。それぞれ、まだ完成されたものは見えないんだけれど、きっかけというか‥‥‥のちに花開く”何か”は、偶然にもここで芽生え始めてるんだよね。 (『ギター・マガジン』2021年12月号 リットーミュージック)
はっぴいえんどは最初の2枚を学生時代にチェックしたまま、この3枚目のことは気にも留めずにいた。比較すると地味な印象があったからだと思う。先に購入していた岩井宏の『30才』と同じベルウッド・レコード40周年リイシュー企画のラインナップに挙がっているのを見て、折角だから…というような気持ちで聴いたような気がするが、モダンな耳触りのオープニング「風来坊」から心を掴まれて、しばらく愛聴した。 9. The Weather Station / Ignorance(2021) カナダのフォークロックバンドの5作目。前作はリリース情報を目にした程度で聞き逃していたので、今作はいざ、という心持ちで聴いてみた。アルバムを聴くと、この人たちがフォークという枠で紹介される理由がよく分からない。エレキギターは主役ではないものの、鍵盤楽器を主体としたアレンジでリズムセクションもしっかり演奏しているし、ロックバンドのアンサンブルによる録音だからだ。2017年のセルフタイトルの前作から、中心人物でシンガーのタマラ・リンデマンがソングライティングの根幹をアコースティックギターからピアノに移行したということなので、出自はフォークだけれども作品のスタイルが変化してきた結果が今作ということなのかも知れない。ジャンルの話はともかく、澄んだヴォーカルがひんやりとした印象を抱かせる、統一感のあるアルバムだ。 映画やテレビの子役としてのキャリアもあるタマラ・リンデマンは10代前半の頃にミュージカルの歌を演奏する合唱団に所属していたことがあり、ギターを弾くようになる前はバンジョーをに取り組んでいて、ブルーグラスのレッスンを受けていたことがあったそうだ。 10. Virna Lindt / Shiver(1983) ヴァーナ・リントはスウェーデン出身で、マスコミで働きながら翻訳を学んでいたある日、ニューウェイブバンド"Advertising"の元メンバーで兄が設立したThe Compact Organizationというレーベルの中心人物だったトット・テイラー(プロデューサー/シンガーソングライター)と偶然電車で会い、ロックンロールと映画の影響をミックスしたレコードのアイデアを話したのが音楽活動のきっかけになったと言う。リントにはそれまで歌の経験はあまりなかったが、スウェーデンで行われた3時間のレコーディングセッションを経て制作されたファーストシングル"Attention Stockholm"(1981年)はスパイ映画への愛あるオマージュをちりばめた楽曲で、インディチャートで大きな注目を集めた。その後7インチシングルをリリースした後、間を置いて発表されたのが本作"Shiver"だった。2017年の2枚組拡大再発盤を聴いたのだが、ボーナストラック集の2枚目に収録されたインストバージョンを聴くと、たくさんの楽器が折り重なってとても緻密に作り込まれたアレンジになっていることが分かってたまげた。 11. Golden Retriever and Chuck Johnson / Rain Shadow(2020) Golden Retrieverはマルチインスト奏者でバスクラリネット担当のJonathan Sielaffとシンセ奏者のMatt Carlsonによって2008年にオレゴン州のポートランドで結成されたエクスペリメンタルのデュオで、モジュラーシンセとバスクラリネットのアンサンブルを中心に、即興と作曲を巧みに織り交ぜたスタイルで作品制作を行っている。本作はギタリストのChuck Johnsonとのコラボ作品で、デュオの二人とオークランドに暮らすJohnsonたちはそれぞれの自宅でリモートで作業を行い、Johnsonの作った長尺のテープループは2つの曲のベースになっているという。3人で各曲について相互に繰り返し行ったやり取りをまとめ上げ、Golden RetrieverとJohnsonとで2曲ずつ選んでアレンジとミックスを施したものが"Rain Shadow"となった。 以上のとおり調べたことを書き綴ってはみたものの、実際のところ、どのような音作りが為されているのか見当もつかないのだが、不思議な心地良さがあるのは前作と同様だ。 12. Hall and Oates / Abandaned Luncheonette(1973) 「ホール・アンド・オーツ」と言うと80年代のヒット曲群で知られるポップデュオというイメージで、熱心なファンではないしその長いキャリアに対してわずかな枚数しかチェックしていない。ただ、"Private Eyes"はとても良く聞いた大好きなアルバムで、ポップアクトだからと言って無視するのはもったいない良い作品だと思う。 さてここで取り上げる"Abandaned Luncheonette"は1972年にデビューした二人の2作目のアルバムで、代表曲の一つ"She's Gone"(邦題は「追憶のメロディ」)が収録されている。ブルーアイドソウル(「ホワイトソウル」とも呼ばれるらしい)のミュージシャンと呼ばれるだけあってソウル風味が濃厚で、アコースティック楽器を用いたフォークの色合いも強い。アルバムの最後、カッティングとリードギターで始まるファンキーな"Everytime I Look at You"は中盤のインストパートから徐々に曲調を変え、大団円という雰囲気のロックバラードになり、テンポアップするエンディングはThe Whoの"Baba O'Riley"が遠い親戚に思えてくるような面白い曲だ。 13. 折坂悠太 / 朝顔(2019/2021) 前作「平成」(2018年)はミュージックマガジンの「2010年代の邦楽アルバム・ベスト100」で1位に選出された、ということを情報としては知っているが、雑誌自体は読んでいない。ただ、中村公輔がSNSで喜びの言葉を綴っていたのを覚えている。何れにしても、折坂悠太は一般的な知名度は別にしても今や日本を代表する男性シンガーソングライターと言っても過言ではないだろう。 「朝顔」は「平成」と7インチシングル「抱擁」に続いてリリースされ、TVドラマの主題歌にもなった。自分は後から発売されたCDで初めて聴いたが、Aメロ、Bメロ、サビ前のブレイク、高い音域で歌われるサビ、叙情的なピアノ伴奏など、一聴して分かり易いJポップマナーを踏まえた構成になっている気がして、意外に感じると同時に歌声とともに曲がとてもすんなりと耳に入ってきたのが印象に残っている。 その後折坂は3年振りのフルアルバム「心理」を発売したが、こちらはタイミングを逃したような感じになって余り聴いていない。 14. 渚のベートーベンズ / AFRICA(2021) 渚のベートーベンズは「全員がソングライターのバンド」というコンセプトのもと、2014年に京都で結成された。"AFRICA"はメンバーチェンジを経て制作された3枚目のアルバムで、メンバーチェンジの成果の一つの結実とも感じられる名曲"アメリカ"を含む全14曲を収録しているが、トータルで40分未満というアナログレコードサイズなのも一リスナーとしてはとても大きな魅力と思う。 プレスリリースにある「現代版『PET SOUNDS』をテーマにコンセプチュアルなサイケデリックポップの真骨頂的アルバム」というコメントを本作を楽しむ入口として捉えてみると、オープニングの"DEAD"は文字通りビーチボーイズ的意匠のドリーミーなコーラスが印象的な楽曲と言えるが、そこから広がってアルバム全体は紋切り型のロックではない様々な表情を持つ楽曲があたたかくかつさりげない情熱を持って綴られた作品集、という趣きを感じる。リーダーの江添恵介がインタビューで語った「遊んでいたら結果、音楽になっちゃったっていうのが僕の理想の形だから、その流れで『AFRICA』は出来た」「みんな遊ぶことも好きやから、あんまり真面目に考えると音楽もよくもならへん、って考えは共通認識の中にあります」という言葉には、大切なことを教えてもらったような気がしている。 ● 流れる日々の中で生まれる、渚のベートーベンズの音楽 15. 西村中毒バンド / ハロー・イッツ・ミー (2021) 京都を拠点に活動しているミュージシャン・西村中毒の正式なデビュー作品で、トリオ編成のリーダーバンドの初作。録音には同じく京都で結成されたギリシャラブの取坂直人がギターで参加している。西村は所属しているバンド・渚のベートーベンズやラッキーオールドサンでのサポート活動など、ドラマーとして知られるが、同時に宅録アーティストでもあり、本作の後には自身名義での初期作品集もリリースしている。歌声や楽曲にはあたたかな抒情性が漂いながら、ささくれだったような鋭さのようなものも見え隠れする。様々な切り口でこのアルバムを聴くことが出来ると思うが、西村の特性はずば抜けた豊かさを持つメロディメイカーというところで、どの収録曲にもそれが満ち溢れている。 ところで宅録ミュージシャンの活動を考えるとき、宅録においてドラムの演奏・録音は一段ハードルが上がる要素だと思うが、この人の場合は自身が優れたドラマーであるためにそのハードルを軽々と跳び越え、歌心のあるダイナミックなドラムが持ち味の制作を行っているところも個性であると共に卓抜している。 16. Trees / The Garden Of Jane Delawney(1970) 界隈では有名な2作目"On the Shore"はよく聴いたものの、Treesのこの初作は10年以上前に購入したまま長い間聴くタイミングを失っていた。それが、2020年リリースの50周年4枚組ボックスを入手したことと他のフォーク系のアルバムをいろいろと聴いていた流れでTreesのことを思い出してやっと手に取るに至ったのだが、もったいぶらずにもっと早く聴いておくべきだったと悔やんだ。同じバンドなのだから当然のことかも知れないが、2枚は兄弟のように素晴らしい内容だったからだ。 Treesは1969年に結成されたイギリスのフォークロックバンドで、2枚のアルバムを制作した後、メンバーの一部交代を経て1972年に活動を停止している。メンバー編成はFairport Conventionのラインナップと似ており、女性ボーカル、リードギター、リズムギター、ベース、ドラムの5人組で、Fairportの良きフォロワーと言って良いバンドだが、Fairportと比べるとロックの風味をより強く感じさせる。Fairportは1969年~1970年頃の代表的な諸作において(そしてその後も)スウォーブリックというフィドル奏者を擁してバンドの特色としていたが、Treesは編成の上では他のロックバンドと変わらない5人のメンバーの演奏で完結させていたことと、ギターの音色がより歪んでいてロックフィーリングのある演奏だったことに由ると思う。 オリジナルの9曲のうち4曲はトラディショナルソング、5曲はベーシストでキーボードも演奏したメンバーのバイアス・ボーシェルの手によるもので、何れも違和感なく並んでいる。このバイアス氏はバンド解散後も音楽活動に携わっており、キーボード奏者としてバークレイジェームスハーヴェストやムーディブルースとも仕事をしたようだ。 17. May Blitz / The 2nd of May(1971) 昔も今もMay Blitzはマイナーなバンドなのだと思うが、国内盤は時々再発されており(ここで取り上げる2作目も2021年リリースのユニバーサルの廉価版シリーズで入手した)、なぜだかその名前を目にする機会が時々あって(気のせいかも知れないが)不思議に思っていた。コミック調のイラストのジャケットが強烈な1stは見た目ほどの印象はなく聞き流した程度だったが、何気なく見たYoutubeの「'70s Proto Speed/Thrash Metal Songs」というコンテンツで得体の知れない曲名と曲調が一致した"For Mad Men Only"を知り、May Blitzの名前が残っている理由が分かった気がした。それで、この曲が収録されている2作目である"2nd of May"を聴いてみることにした。 May Blitzは1969年から1971年までの短い間活動し、2枚のアルバムを残して解散したトリオ編成のロックバンドで、ブリティッシュロック界で活躍したドラマーのトニー・ニューマンが所属していたことで知られる。"2nd of May"は"For Mad Men Only"や"8 Mad Grim Nits"などのファズギターが目立つ重めの楽曲が先ず強い印象を残すが、全体は重め一辺倒ではなく、M-6やM-8のようなアコースティックギター基調の曲も収められており、この時代ならではの定型的でない面白さが本作にもあるように思う。 18. ABBA / Arrival(1977) 40年振りに復活作がリリースされると知り、そう言えば買ったまま未開封のABBAのCDが何枚かあったなと思い出して"Arrival"を聴いてみた。 知らない人がいるとは思えない代表曲"Dancing Queen"はこれまでいろいろな所で耳にする度に名曲だと思っていたものの、音源としてきちんと聴いたことはなかったから、この曲を聴くのがこのアルバムの楽しみの一つだった。熱烈にこの曲を愛する人々が世界中に数多くいるだろうし、自分が殊更書き立てる必要もないと思うが、全編に渡って完璧に整えられたアレンジで繰り返される演奏と歌唱が続くのに、終盤で一度だけつんざくようなハイトーンのコーラスが登場するのには驚いたし、通して聞かなければ分からなかった発見があったということは記しておきたい。 レコードだとB面の1曲目にあたる"Money, Money, Money"については、クリス・チャールズワースがThe Whoの3作目"Sell Out"(1967年)の中でも個性的だが目立たない曲"Silas Stingy"の「詞の"money money money"からアイデアを拝借したことがすぐに分かる」*と書いていたのを思い出し、その指摘を半分疑わしく思いながらも双方に共通する物悲しげな雰囲気に案外的外れではないのかも知れないとも感じ、そんなことは置いておいても奇妙な魅力を持つ曲だ。そして後半には"Tiger"というこれまた面白い曲がある。「街はジャングル、街は悪夢、僕は君のすぐ後ろにいる…僕は凶暴なタイガーなんだ」と歌うロックナンバーで、明朗でパワフルなコーラスとメランコリックなヴァース、コーラスで奏でられるギターのオブリガードが半音が多めのメロディで何とも言えず耳を奪われる。そして最後にまたまた度肝を抜くハイトーンの歌で締める3分未満。このアルバムで聴けるハイトーンはなぜだか90年代に親しんだJポップの女性ヴォーカルのハイトーンを思い起こさせるのだが、それは気のせいではなくてアバが90年代の日本にも残響として存在していたからではないか、と根拠はないが思ったりもした。 * クリス・チャールズワース(1996年)『ザ・フー全曲解説』シンコー・ミュージック ■楽曲 1. 岩井宏 / 紙芝居(1973) 曲単体ではなくアルバムを何となく流すことが多いので、楽曲の年間ベストを選ぶのは中々苦労するが、2021年は岩井宏のことを知るきっかけになった「紙芝居」を選んだ。仕事中に聴いていたNHK-FMの土曜午前の番組「世界の快適音楽セレクション」でオンエアされたとき、妙に印象に残ったのは、伴奏のバンジョーの音色のめずらしさと岩井の素朴な歌い回し、歌の内容の素朴さがこの上なく新鮮だったからだと思う。技巧的ではなくてもしみじみと聴かせる岩井の歌唱には勇気付けられもするが、しかし簡単には真似のできないものだ。 2. Lianne La Havas / Sour Flower(2020) セルフタイトルのアルバムは素晴らしい内容だったが、この曲で迎えるエンディングは絶妙だと思う。中盤からの盛り上がりが熱く、パーカッションと手拍子の後に笑い声でアルバムが終わり、静かな余韻を残す。 3. Vince Guaraldi Trio / Linus and Lucy(1965) 子どもの頃に見たスヌーピーのアニメで、変わった響きの洒落た曲が使われていた、というおおろげな記憶がある。今聴いてみるとおそらくこの曲が、音楽のことをこれっぽっちも分かっていない小学生にもそんな印象を残したのではないか、という気がする。そしてその印象の秘密は、やはり2コードのメインリフで左手・単音のベースのフレーズと右手・2音のシンプルなフレーズの重なり合う響きによるものだと思う。 4. はっぴいえんど / 風来坊(1973) 見当違い��も知れないが、キャロル・キングがソウルミュージックに接近したように、はっぴいえんどもフォーク的な地点を経てソウルに挑んだ、そんな趣のある楽曲。細野晴臣の歌もいくらか伸びやかになっている印象がある。リズムにぴったりはまった歌のフレーズがしばらくの間耳から離れなかった。 ところで細野晴臣と「歌」と言えば、ジェイムス・テイラーを引き合いにして細野が語っているのをよく目にする。「アコースティック・ギターで影響される人がときどきいて、ディラン、ドノヴァン、ジェイムス・テイラーがそうだった。うたい方を模索していたころなので、音域が似ている彼をよく聞いた。音域がちがうと一緒に歌えないしね。」*なんてコメントもあるが、細野がジェイムス・テイラーに励まされるように歌うことに取り組んだというエピソードを知り、声の低い僕自身も励まされるような思いがしたものだった。 * 細野晴臣 そのルーツを探る『ミュージック・マガジン』2007年11月号 5. May Blitz / For Mad Men Only(1971) 1960年代後半から70年代はじめ頃までの所謂ブリティッシュロックを浅く聴いてきた身で、昔のロックを以前ほどには聴いていないから新鮮に受け止めたところもあるに違いないが、それにしても「こんな曲があるのか…」と驚きを抑えられなかった。曲の印象、特にイントロは不気味過ぎるがリフが格好良い。ブラックサバスと同じレーベルの所属だったから、と言えば納得できるような気もするが、全く別物の得体の知れなさがある。 6. Pink Fairies / Do It(1971) この曲も、メイブリッツと同じ非公式のコンピレーション動画で知った。70年代の初めにこんな荒々しく変なコード感のギターを聴かせる名曲があったか、と驚くばかりだったが、日本でも国内盤が時々リイシューされているくらいだから、愛好家にはよく知られているのかもしれない。昔のロックには色んな面白い曲があるもんだ。 ペダル奏法によるアコースティックギターのイントロの後、正にハードロック時代と言うべき歪んだ音色のギターリフに切り替わり、もう片方のチャンネルの単音フレーズと重なり合ってあやしげなハーモニーを作っている。リズムパターンは4拍目と次の1拍目にアクセントを置き、それにシンコペーションのフレーズが連なるというもので、Led Zeppelinの"Communication Breakdown"を思い起こさせる。後半はドタバタした感じの2台のドラム(多分)と1コードのギターが終わりまで引っ張る。 7. Virna Lindt / Attention Stockholm(1981) 細野晴臣のラジオ番組に高橋幸宏を迎えた回のオンエアで知った曲。「ニューウェーブの時代に印象に残っている曲」として紹介されていた。オフィシャルでないYoutubeのコンテンツで聴いた。 フリーしゃべくりスポークンワード型とでも言うような歌と半音階を多用した平行移動する単音のリフが印象的な前半のあと、グッとハーモニーそしてピアノの和音の伴奏が際立つサビがたまらない。Bdim→C/B♭→Am7→Fm6/A♭というような下降するコード進行で、ゾッとするような美しさだ。 8. Trees / Nothing Special(1971) アルバム"The Garden Of Jane Delawney"のオープニング曲で、1分半近くの長いイントロで聴かせる開放弦を効果的に使った(と思われる)バッキングとロックギター的な歪んだ音色のリードギター、どっしりとしたリズムセクションによるアンサンブルが気持ち良い。バンドのスタイルが活動期間を通じて一貫していたことが分かる。 9. The Thai Beatles / Day Tripper(2020) タイのレーベルがリリースした"Thai Beatles"というビートルズのカバーアルバムの1曲。これまたNHK-FM「世界の快適音楽セレクション」で知った。この"Day Tripper"はBird Thamaratという男性シンガーによるカバーで、少しゆったりとしたテンポだがイントロをはじめ各所で聴かれるブラスは重厚で、かと思えば独特のこぶしを至るところに織り交ぜた歌声は仰天の軽やかさだ。 アルバムの収録曲では他に、ベースのリフを絶妙な歌やコーラスで表現した"Come Together"もとても面白かった。bandcampのアルバムの説明文には「タイのオーセンティックなスタイルによるビートルズの曲が10曲」収録されている、とある。 10. The Staves / Good Woman(2021) イギリス出身の3人姉妹フォークトリオによる4作目のアルバムのタイトル曲。これも渡辺亨のSNSで知った。2021年はラジオや渡辺氏にいろいろ教えてもらった1年だった。 コーラスワークが印象的な"Good Woman"だが、アルバムのリリースに先行して公開されたMVのバージョンは、メンバーの熱のこもった演奏を映像に捉えているということもあるが、よりバンド感があって力強い印象だ。アルバムの他の収録曲では"Best Friend"も良かった。
2021年8月23日(月)少しだけベースを弾く
長く放ったらかしにしてきた録音作業を再び少しずつでも進めないと、という気持ちになってきたので、先週の休日に少しだけベースを弾いて今日も少し弾いた。休日に作業に取り組もうと考えていても、その他のやることに追われてすぐに日が暮れて行く。休日の終わりに何とか楽器を手に取る、それくらいでもやらないよりはずっと良い。 ずっと引っかかっていたのは、これで良しと納得したつもりだったベースの音色だ。弾いていてもどこか満足できずにいた。この一週間、休日に向けてそのことが気になっていて、本気で仕上げにかかるなら納得いかないまま進めるのではなく、いっそ機材のツマミを全てリセットして一から音色を作ってみるか、といったことを考えていた。今日ケースからベースを取り出して音を出し、機材のツマミを操作する前に一度つないでいるプリアンプをOFFにして長年使っているアンプシミュレーターのセッティングを少しいじってみた。すると、何となく良さそうな感じになった。歪みの成分を持たせるという音作りの狙いはそこそこ上手く出来ていたがどことなくぼんやりした音色だったのが、輪郭のくっきりした音に��った。さらに、何とはなしに最近使っていた亀のマークのダンロップのピックから、以前よく使っていたフェンダーのおにぎり形ピックに替えてみると、ほんのわずかな違いかもしれないがより芯のある音になった気がした。 前に作ったフレーズはもう1年も前に考えたものなので、完成できなかった今それをなぞるのではなく、思いついたことを試すことにした。音色が良くなると弾くのも楽しい。何やかんや弾いてみて、途中までだが忘れないようにメモとして録音した。聴き直してみると、なかなか良い感じのベースだ。 その後ぼんやりと間奏の楽器のフレーズを考え、携帯電話で録音しておき、さっき録音したベースをまた何度か気分よく聴き返した。こういうことは久しくなかった。ちょっとずつでもやろう、いつまでも続けていられるほど時間はないのだ。
2021年8月15日(日)英国フォークについての覚え書き
先月図書館に行ったら『世界のポピュラー音楽史』という本があり、手に取ってパラパラとめくってみると「ブリティッシュ・トラッドとアイリッシュ・ミュージック」という項目の中で英国フォークの背景について分かりやすく書かれていたので借りて帰った。そろそろ本を返却しないといけないので、自分の覚え書きとして転記しておく。
サイモン&ガーファンクルの《スカボロー・フェア/Scarborough Fair》、ジョーン・バエズやアート・ガーファンクルの《バーバラ・アレン/Barbara Allen》、ビートルズの《エリノア・リグビー/Eleanor Rigby》といったヒット曲は、実はイングランドやスコットランドなどに伝わるバラッド/Ballad(伝承歌)である。 1607年、イギリスから3隻の船がバージニアのジェームズタウンに到着、南部の植民地建設がスタートする。背後には全長2600kmのアパラチア山脈が横たわっており、多くの人々は農地を開拓するために山に入った。2000mを超える峻険な山は一旦入山すると簡単には下りられず、人々は山中に留まった。 こうして17世紀の人々の持っていた伝説や民謡、伝承歌といった口承文化が、環境の変化にさらされる事なく生きながらえてきたのである。イギリス本国でさえ失われたこれらの文化が、新大陸の山中で脈々と伝えられ、イギリスの民謡研究家セシル・シャープ/Cecil Sharpやアメリカの民俗学者であり民謡収集家のアラン・ロマックス/Alan Lomaxをはじめ多くの人々によって20世紀になって発見、収集された。 ■バラッドのもたらしたもの ハーバード大学の教授だったフランシス・ジェームズ・チャイルド/Francis James Child(1825-1896)が収集してまとめたイングランドとスコットランドの伝承歌集「The English and Scottish Popular Ballads」は、客観的、科学的に編集されたもっとも信頼度の高いコレクションと言われており、305曲の原曲とそれらのバリエーションを含めると2000曲に及ぶ集大成である。 バラッド/Balladの特徴は、ストーリー性を持っていることであり、内容は実在の事件をもとにしたものや、神話、伝説、��恋物語、妖怪奇異譚、殺人事件、英雄や義賊の伝説(ロビン・フッドなど)などが多く、ドラマティックな、またショッキングなテーマが多い。これらのバラッドをもとに曲づくりをしたり、ほぼそのまま使ったものが、英米のアーティストの演奏に見ることができる。 (山室紘一 2012年『世界のポピュラー音楽史 アーティストでつづるポピュラー音楽の変遷』ヤマハミュージックメディア)
こうした解説に続いて、ペンタングルのCruel Sisterが「スコットランドのオールド・バラッドを元にしてつくられている」ことや、ボブ・ディランの2作目について「13曲中4曲がイギリスのバラッドに立脚したもので、《激しい雨が降る/A hard rain's a-gonna fall》はチャイルド12番の《ロード・ランダル/Lord Rendal》が原型と思われる」と記されている。 手元にあるフェアポートコンヴェンション4作目"Liege & Lief"の2002年リイシュー盤のジョー・ボイドによる解説を見てみると、ヴォーカルのサンディ・デニーがコンサートなどの合間にメンバーにトラディショナル・バラッドを歌って聴かせているうちにメンバーも興味を持ち始め、中でもベースのアシュリー・ハッチングスが「トラディショナル・バラッドの歴史に強く興味を持ち、セシル・シャープ・ハウスに通い研究を重ねるようになった」といったことも書かれている。
2021年6月14日(月)2年前の大阪での日々
毎日暖かい日が続く。休日に外出すると良い天気で、マスクをして歩いていると晴れた空が気持ち良い。真夏ほど暑くない梅雨入り前の今くらいの気候が好きなんだなと気付く。今年は西日本がずいぶん早くに梅雨入りして、今暮らしている関東はいつになるだろうかと思いながら過ごしている中で、2年前の大阪での6月のことを思い返していた。ちょうど2年前の今頃、長く続けてきた仕事を辞め、有給休暇の消化期間を過ごしていた。たっぷり時間があると思って取り掛かっていたレコーディング作業にも中々身が入らず、6月の半ばには引越しの荷作りも始めないといけない。時間はどんどん過ぎて行き、家の中に防音室があるという強みがあるうちに何が出来るか考えて、ピアノとボーカル録りまではやっておこうと決めた。 あの時期は食事を作る時間ももったいなく感じて(面倒だとも思っていただろう)、近くに出来た空堀商店街の脇のライフに行っては弁当や総菜を買い、プラゴミばかりが増えていった。あれからもう2年も経ってしまったのか、とぼんやり考えるものの、その時間の長さと長い月日が経過したという事実を余り実感できずにいる。大阪で数少ないお気に入りの場所だった天満橋へも、残りわずかとなる機会を惜しむように足を運んだように思う。梅雨入りしたら湿度が上がるからジメッとした空気感の録音になりそうでいやだな、と思いつつも、中々梅雨入りしない。そんな6月だった。結局、梅雨入りしたのはかなり遅く、まもなく7月になろうという引越し当日の日のことだった。 晴れた空や雲を見るにつけ、そんな頃のことを思い出す。楽しいことばかり思い出すわけではないが、こんな風に短かった大阪での暮らしを終えた頃をやたらと懐かしく感じ、昨日から岸政彦と柴崎友香の共著『大阪』を読み始めた。読み終えるのにどれくらいかかるだろう。 そうして今日、関東も梅雨入りが報じられた。何となく残念に思い、好きな季節が過ぎて行くのをさみしく感じた。
2021年5月31日(月)楽器を習う
昨年の秋からピアノを、今年になってからスティールパンを習い始めた。 スティールパンはザ・なつやすみバンドをきっかけに、4~5年前に勢いで購入した。バンドのメンバーでスティールパン奏者のmc.sirafuがTwitterで神奈川の専門店のセール情報を紹介しているのを見て、これ位の価格なら自分でも入手できそうだ、と初めて現実的に購入を意識したのだ。それで当時住んでいた広島から何かの折にはるばるお店まで足を運び、いろいろ見たり試奏させてもらったりした結果、セール品よりも高価な楽器を買った。それ以来何となく自宅で弾いてはいたが、引越しした先の前の住まいではルール上演奏することが出来なくなり、このまま持て余しているのも良くないとずっと感じていた。今の家では再びスティールパンも演奏可能になり、将来自分の暮らしがどうなっていくかも分からないが、少なくとも首都圏にいる今なら習いやすい環境だし、幾らかでも演奏できるようになれば、停滞している録音作業のアレンジ面で活用できるのではないかと考えたのだ。幼少時に少しだけピアノを習っていたくらいで、高校生の頃から全くの自己流で楽器を手に取るようになった身では、弾けるようになることが楽しくもあったが演奏の上達よりは曲作りに関心が強かったから余り上手くはならず、技術の習熟に限界を感じることも増えた。すっかり中年になった今、先生について習うのは時間や腕前の点で大変なことも多いが、同時に学びも多い。 スティールパンのレッスンは先生の知己のスタジオで行っており、スタジオには先生持参のスティールパンのほか、マリンバやグロッケンのような個人が家庭で運用するのは中々骨の折れそうな大型の楽器が置いてある。その方面のプレイヤーには重宝されていた場所だったそうなのだが、残念なことに6月半ばをもって経営を終了することになった。5月下旬のレッスンの後に先生からその旨の連絡があった時はどこか信じられないような思いでいたが、次のレッスンへと向かう道中では何となくさみしさを感じ、どんな顔でスタジオを訪れたら良いのか分からずにいた。それでも普段通りにスタジオに入り、レッスンを始める前に、先生に今後のことやこれまでのことを聞いた。オーナーは同級生の親御さんで、もう長い付き合いになるのだということだった。自分はわずか数ヵ月だけの利用だったが、これまでにたくさんのミュージシャンや学生たちがこのスタジオを使っていたのだと思う。自分にも長い年月の間に1日1日が積み重ねられてきたように、たくさんの人たちがそれぞれに日々を過ごす中で、このスタジオを利用して来たのだ。 レッスンを終えると、スタジオの閉鎖についてオーナーと直接話すことはなかったが、先生のことは我が子も同然であること、先生が大学を卒業した後の数年間、ある企画で北海道に遠征した時の思い出を写真を交えながら話して下さった。本当に、たくさんの人にそれぞれの歩みがあるのだ。先生によると、秋には演奏イベントも企画しているということだった。どこまで出来るか分からないが参加してみたい。 いつも録音作業で使っているKORGのD3200という機材の幾つかのボタンの調子が悪く、購入して10年以上経つ間に数回録音エラーはあったくらいで何とか使えてはいるものの、いつ故障してもおかしくないのではないかとふと考えた。突然故障してしまうと多分作業を続行することはかなり難しくなるから、同じものを入手しておこうとネットで調べたのだが、中古品でもそれ程安く出回ってはいなかった。今でもそこそこ需要があるのかも知れない。余り高い買い物は出来ないので、これ位なら、というところでYahoo!オークションで入手した。数日後、届いた段ボールを開けて中を見てみると、思っていたよりもずっと汚れていて閉口してしまった。直ぐに使うわけではないが余り良い気はしなかったから、一瞬うろたえたものの直ぐに立ち直り、台所用洗剤と古歯ブラシで汚れをゴシゴシ擦ったら少しは綺麗になった。 同じ機材が手元に二つあるのは不思議なものだ。肝心の作業は進められずに、道具ばかりが増えていくのは良いことではないが、前向きな環境整備なのだと思いたい。
2021年5月17日(月)女性シンガー・ソングライターの系譜
池袋のジュンク堂に行った。目的は梅崎春生の新刊だったが、勝手に文庫と思っていたらペーパーバックだったので買わず、いつものコースで音楽雑誌コーナーに寄ったらレコードコレクター増刊の『女性シンガー・ソングライターの系譜』が平積みされていた。そう言えば監修の渡辺享が自身のSNSで告知していたな、と思い出し、取り立てて興味を惹かれたわけではなかったのだが手ぶらで帰るのも嫌だったので、知らないミュージシャンを知るきっかけにもなるだろうと考えて買って帰った。 渡辺享のことは、去年仕事中に聴いたNHK-FMのゴンチチの番組で知った。選曲していたA Girl Called Eddyの"Pale Blue Moon"が冷んやりとしたピアノ伴奏主体のやたらと良い曲で、家に帰って「どっかで見た名前だなあ」と手元の音楽本『音楽の架け橋』を手に取ると、正にこの本の著者だったのだ。『音楽の架け橋』は時々パラパラと開いてみるくらいだったが、それ以来一目置いてSNSで発信する情報などをときどき参考にしている評論家だ。 『女性シンガー・ソングライターの系譜』は起点を1967年としており、ざっと見た感じではジョーン・バエズとジュディ・コリンズは扱っていないようだった。取り上げる時代を考えると見過ごして良い人たちではないのではないかと、詳しくもない知ったか振りながら気になったが、よく読むとなぜこの本でジョニ・ミッチェルそしてローラ・ニーロを「女声シンガーソングライター」の起点とするのか、バエズとコリンズについてもきちんと触れた上でその理由が説明されていた。 ローラ・マーリングやエイドリアン・レンカーの近作を聴くにつけ、ジョニ・ミッチェルの特別性は、20数年前にワイト島フェスティバルのライブ映像をきっかけに『ブルー』ま��の初期作品を通じてファンになり、未だにその辺りから前進がない程度のリスナーであってもおぼろげながら日々強く実感していたが、この本では現在に至るまでの女性シンガー・ソングライターたちの系譜を、その大きな影響源の一つとなったジョニ・ミッチェルを通して紐解こうとしている。ぼんやりとだが、60年代に若い女性ミュージシャンが自分一人でキャリアを積み重ねることは今よりもずっと容易いものではなかったと想像する。そうした時代に歌われた作品が今でも聴く者の心に響き続��ることの大きな意味を思わずにはいられない。英国フォーク好きとしてはもっとサンディデニーに紙面を割いて欲しいとか、スザンヌヴェガは『孤独』よりも1stの方が好きだとか、知らない盤が多くを占める中で、紹介されている2010年代以降の作品には聴いてきたのが何枚かあってリスナーとして自分もがんばったなぁと率直に思ったり(オールドロックから音楽リスナー歴を始めたので、同時代の作品には意識的に取り組まないと耳が向かないし詳しくもなく、幅広くたくさん聴ける方でもないのだ)、色々な感慨が浮かんできて面白い。 アーカイブ集のリリースが進む中で、改めてジョニ・ミッチェルへの注目が集まっているが、この人はきっと女性シンガーソングライターの第一人者として歴史に名を残すんだろうなぁとふと思うことがあった。そんなジョニのキャリアの初め頃の位置付けについてローラ・マーリングがインタビューの中で上手く語っており、なるほどと頷くばかりのコメントだったので、引用しておきたい。素晴らしい作品があるからこそ今日まで聴き継がれてきたのだと気付かされる。 父はボブ・ディランやニール・ヤング、ジョニ・ミッチェルといった人たちとほぼ同世代。彼自身は生まれも育ちもイングランドですが、70年代のアメリカやカナダのシンガー・ソングライターたちに憧れ、影響を受けていたようで、実家では彼らのレコードがよく流れていました」 (中略) 父はジョニ・ミッチェルのことをある種崇拝していて、彼女に対する思いは他のアーティストたちをはるかに凌いでいたことを、私は後になって気がつきました。それと私自身が大人になってから思ったのは、父が70年代の時点からジョニのことを高く評価していたのはたいへん誇らしいということです。当時の彼女は、必ずしも他の優れたソングライターたちと同列に語られ、評価されていたわけではなかった。それなのに父は、ジョニを好んで聞いていて、私にも彼女の音楽を聞かせてくれ、なおかつ色々なことを教えてくれた。そんな父のおかげで、私は早い時期からジョニの素晴らしさを認識することができた。
2021年1月18日(月)
2020年が終わり、2021年になった。 引っ越してから、以前の住まいと比べると音楽愛好家としては暮らしやすくなったが、アルバム制作の作業は一向に進んでいない。ほとんど積み重ねもないまま1年が過ぎた。それでも日々、何となくギターを爪弾いたりピアノを弾いたりはしている。出来ない時は出来ないのだ、と現状を受け入れられたら良いが、それも出来ないまま時間が消えていく。 そんな折に、大阪時代にレコーディングへの参加を依頼していた方から、そろそろ作業の成果を送ると連絡があった。何も形に出来ないまま日々を過ごしている身には申し訳なく感じるほかないが、同時にこの上なくありがたいことだ。大阪の住まいでせっせと作ったアルバム用のデモを聴き返して、自分でも良いものになる手応えを再確認したが、しかし完成させなければ何にもならないのだ…。そして今日も些事に追われ、休日が終わる。
2020年10月19日(月)
1. 秋の引越し 9月下旬に引越しをした。2016年から数えて4度目だ。前3回の引越しは転勤や転職に伴って県をまたぐ遠距離の移動だったが、今回は単に自分の都合で、隣りの区に移転した。前の住まいは交通の便が良く、駅の周りも広々としていて都心にしては開放感があり、歓楽街が近場にあってザワついていたところを除けば便利な町だった。しかし入居していた楽器演奏可マンションは録音作業を進めるには遮音性に不安があり、コンデンサーマイクを使ってコーラス録音をするには心許なく、そこが住み始めたときからの一番の心配だった。緩慢に進めている作業を仕上げるのに不安を抱えたまま居続けるよりは、いっそ環境を変えるのもアリではないか、と考えたのだ。それでも引越しの決心はつかず、取り消しの可能性を抱えたままの状態で不動産会社に退室届を提出し、結果として流れに任せたような引越しになった。頭のどこかに「便利な生活環境を手放したくない」という思いが強くあったのだ。 物件探しもスムーズにはいかなかった。不動産屋と話をしていく中で、たとえ24時間演奏可能な防音物件でもスタジオに等しい訳ではないし、そもそもスタジオ並みの環境を期待することは出来ない、ということが分かった。賃貸物件で出来ることには限界がある、と物件探しを通して理解出来たのは良いことだった。そうして入居を決めたのは、かつて知る町・江古田の築約25年の物件だった。築年数は古いのに24時間演奏可能という好条件だったから、却って不安に感じた。内見の時など、二重サッシの性能が築浅のマンションと比べて音を通し過ぎるくらいで、驚いたほどだ。 不安なまま入居した新居だったが、実際に暮らしてみると住宅街の中でとても静かで、引っ越す前は賑やかだったんだな、と思い知った。余裕のないスケジュールでの引越しだったので、荷解きにも2週間くらいかかり、荷物の配置や整理に苦労したが、まもなく1か月を迎える今、暮らしはやっと落ち着いた。しかしレコーディングは再開できていない。一方で何となく楽器に触っていると、曲の原案に出来るような素材を思いつく。前の住まいではこうはいかなかった。でも歌いたい内容は空っぽだ。 2. 昔のこと、他界する人のことなど 高校生の頃、MDは既に世に出ていたが身近にはなく、仲間内では何か録音するときはまだカセットテープが主流だった。1年生の頃に浅倉大介のaccessが好きだった友人は、いつ頃からかハードロックやメタルに親しむようになっており、ある日ヴァン・ヘイレンの編集テープをくれた。その頃広島市のキサダ楽器にエディ・ヴァン・ヘイレンの販促用のパネルが置いてあって、ある時店の人にパネルを譲ってくれと談判したが断られたのだ、というエピソードを話してくれたこともあった。 田舎暮らしで音楽リスナーとしても奥手だった当時、渋谷系やグランジ、ブリットポップの波など知る由もなく、旺盛に活動していた小室哲哉をTMNからの流れで応援していた自分にはメタル系の音楽もまた縁遠く、好みでもなかった。それでも、その友人やMr.Bigのギターをすばらしく上手くコピーしていた耳の良い友だちのお陰で、80年代以降のギターヒーローの有名どころは多少知っていた。ヴァン・ヘイレンのJumpのイントロのキーボードを教えてもらったこともあった。月日は遠く過ぎ、友人が大好きだったエディ・ヴァン・ヘイレンが他界した。寂しく思う。 00年代の後半、Youtubeで太田裕美の「9月の雨」や八神純子の「みずいろの雨」を見たのがきっかけで、歌謡曲をよく聴いた時期があった。中でも愛聴したのは岩崎宏美で、アルバム「WISH」はお気に入りだった。このアルバムは昨今のシティポップの文脈で取り上げられても良さそうなものだが、去年刊行されたムック「シティ・ポップ1973-2019」には掲載されていなかった。どうも僕のシティポップ像はちょっとずれているようだが、それはそれで良いのだ。 さてそんな風に70年代の歌謡曲を聴いていると、当然のように筒美京平という作曲家の存在に行き当たる。80年代に幼少期を過ごして90年代に音楽リスナーになった自分には、筒美には「昔の偉人」といった漠然としたイメージがあった程度だったから、その仕事の大きさを実感を持って語ることは到底出来ない。その存在が俄然浮き彫りになったのは、子ども時代に好きだったアニメ「トランスフォーマー」の主題歌が筒美の作曲によるものだったことを大人になって知ったからだった。これもYoutubeのお陰だ。「この曲、筒美京平だったのか!」という新鮮な驚きがあった。宇宙刑事シリーズや戦隊モノとは違ってどことなく洗練された楽曲の雰囲気は、ぼんやりとだが子供心に記憶に残っていた。そんなこともあり、2000年代以降はどんな仕事をしているのだろうと気になった。筒美の作曲と言うことでチェックした中川翔子の「綺麗ア・ラ・モード」は素直に名曲だと思った。中川がパーソナリティを務めるNHK-FM「アニソン・アカデミー」でも、中川自身、先日の放送でこの曲は自分にとって宝だと語っていた。ある年齢以上の人のほとんどが、お気に入りの歌の中に筒美京平の手掛けた楽曲があるのではないだろうか。 録音作業を進めるために住まいを変えたのに、作業は再開できていない。だがやろうとしていることの幾つかのイメージは忘れておらず、フォーク調の曲のアレンジにフォーク系の楽器が使えないかと思い、昨日は私鉄に乗ってコンサーティーナとマンドリンを試奏してきた。コンサーティーナは楽曲に豊かな彩りを加えてくれそうだが、話を聞くとメンテナンスが簡単ではないこと、きちんとした楽器を使うとなるとかなり高額なものになってしまうことが分かった。弾きこなすのも自分にはかなり難しく感じたので、コンサーティーナの導入は諦めることになりそうだ。マンドリンは試せるかも知れない。 今日は横浜に行き、アパラチアン・ダルシマーを見てきた。ペンタングルのライブ映像でバートヤンシュが演奏しているのを見て以来やってみたいと思っていたが、未知の楽器をネット通販で入手するのはどうにも不安だったから、一度手に取って見てみることにしたのだ。遠い道のりの往復は中々大変だったが、興味を持ったのなら知らないまま��いるよりは知る方が良いものだ。実際の楽器は思っていたより大きく、演奏性はオープンチューニングのギターに近いもので、自分にも親しみやすく感じた。アメリカから輸入するため、手元に届くまでしばらく時間がかかるようだが、お店の方はいろいろと親切に教えてくれるので、やり取りしながら選んでいきたい。 そんな雨の帰り道、赤い公園の若い才能あるギタリストの死を知った。これからも活躍していくと思っていた若いミュージシャンの死は、とても悲しく、とてもかわいそうだ。オフィシャルサイトで、この事実を伝える「お知らせ」は無念としか言いようがない。それでも僕たちは生きていくのだ。
2020年8月31日(月)
数ヵ月に渡って続けてきた曲④のベース録音を一先ず終えた。8月中に終えることを目標にしていたが、休みの度に弾いては指先に水ぶくれが出来て中断の繰り返しで、思うように進められなかった。 今日の仕上がりも、何ともお粗末な内容で、指に力が入らないというか、指が怖気づいているというか、しっかりとした手応えが得られないもどかしい作業だった。無理矢理録音を完了して、気になるところは後日手直しすることになるだろうが、少し寝かせたら余り気にならなくなるかも知れない。そんな風に自分を納得させながら、8月の作業に区切りをつけた。
2020年8月3日(月)
休日の作業の進みは相変わらず芳しくなく、昨日は1時間、今日は2時間という程度だった。4つ目の曲のベースに長いことかかっているが、長い後奏の部分には辿り着いたからやっと終盤に来たとも言える。とは言え、ここ3週間くらいはその入り口でうろうろとしているような状態だ。今日は何となく手クセで弾いていた仮フレーズを割合肩肘張らずに見直して、修正した。一部練り切れなかった部分もあるが、一先ず出来たブロックをメモとして仮録音した。手直しが必要な部分の修正作業も含めて、8月中にはこの曲をまとめたい。弦をダダリオに貼り直して感じは良い。最初に録音した曲のベースを、やはり録り直したいという気持になってくる。その他にもいろいろやることはあるが、今はベースに専念するのだ。 とにかく僕は下手だ。それが分かっていてプレスCDを作ろうとするのは苦しくもある。それでも昨年「アルバムを作ろう!」と思った自分の気持をゆるがせにせず、完成まで持ち続けたい。 久々に部屋を片付けてスッキリした。出しっ放しにして散らかったCDも少しずつ整理している。身の回りを整えるのも大事なことだ。
2020年6月15日(月)
夜になって3時間ほどベースのフレーズ作りに取り組んだ。4つ目の曲に取り掛かってから前に進めていない。こま切れに作業を進めてきたがなかなかフレーズが固まらず、去年大阪で作ったデモを聴いたりアイデアを録音してチェックしたりしながらやってきた。そうしてピアノとアルペジオのギターによる伴奏を邪魔しないようなフレーズにしよう、とようやっと方向が定まった。音色も、弾く度にあれこれツマミを回して変わっていったが、やっとこれで良いと思えるものに落ち着いた。 そんな試行錯誤を経て、今日はやっと1コーラス分のフレーズが固まった。とにかくアイデアを録音して聴き直して、違和感があれば手直ししてまた考えて録音する、そんな工程の繰り返しだ。こんな調子では作業が一生かかってしまう。しかしそんなに時間をかけることは出来ないのだ。 昨日6月14日は内田万里のライブイベントの日だった。しかしコロナの影響で開催は中止になり、ずいぶん前に発券していたチケットを払い戻した。この��から初夏にかけて、幾つかのライブを早いうちから前以て予約していた。ほとんど見る機会はないであろう三枝伸太郎と小田朋美のデュオは中止、初来日公演のBig Thiefは来年2021年に延期となった。eastern youthとナンバーガールの対バン公演も中止になった。楽しみにしていた機会が無くなり、今では好きなミュージシャンのスケジュールをチェックすることもしなくなった。応援するミュージシャンの演奏をその場で見て聴いて過ごすこと、つまりライブを体験することが、自分にとってはささやかだけれども楽しく大切な時間だったということに改めて気付かされる。
2020年5月18日(月)
夕方からベースのフレーズ作りに取り組むが、取り立てて進展なし。ピック弾きと指弾きでいろいろ試して、とりあえずアイデアを忘れないように仮録音だけした。今取り組んでいる曲では1フレットを弾くことが多いからか、水ぶくれがなおった左手人差し指の先がまた途中からヒリヒリしだした。休みの度に気休め程度に作業を進めるだけでは、いつまで経っても終わりそうにない。毎週毎週何をやっとるんじゃろうか。そんな今日の作業だったが、合間に読んだ柚木麻子『ランチのアッコちゃん』は面白かった。登場するカレー屋「ビスマルク」のエピソードに、昔広島駅の南口側にあった行ったことのないカレー屋のことをぼんやりと思い出した。
2020年5月6日(水)ベース3曲目
転職してゴールデンウィークが初めて暦どおりの休みになった。4日間の休日でベース録音を2曲分は進めたいと考えていたが、いざ迎えるといつもの休日と同じで時間を有効に使えないまま日々が過ぎた。それでも1曲分は仕上げた。 3曲目のベース録音に取り掛かるにあたり、先週弦をロトサウンドからダダリオに張り替えた。新しい弦になって張り切って弾いていたら両手の指先に水ぶくれが出来てしまい、「こんなコンディションではせっかくのGWに作業を進められない…」と凹んだ。その後の数日間で指の皮がむけて指先の状態も幾らか変わり、昨日試してみると案外弾けるようになっていた。今回の曲は激しめなので、フレーズを練り過ぎず勢いを大事にすることを目指した。音作りでは、あまり出番のなかったTONE HAMMERを活用し、ベースのピックアップも初めてリアを使ってささやかなゴリゴリ感を加味して、曲にちょうど良く合うものに出来た。昨日は作業を夜遅くに始めてマンションの規定の23時まで焦りながら粘り、翌日の今日本番テイクを録ろうと考えていたが、今日になって聴き返すと焦りによる勢いが意外と悪くなく、時間もないので昨日残した2テイクの両方でいまいちな箇所だけ修正するために追加の1テイクを通して録音し、計3テイクの良いところを組み合わせて完成テイクとした。 今回は初めての取り組みとして、フレーズの構成を大まかに把握するための図を作った。コードは書き込んであるがコード表という程のものでもなく、どの箇所でどんなフレーズを弾くか分かるように簡単に記したものだ。翌日に本番テイクを録ることも想定して、考えたフレーズを忘れないために作ったものだが、図に書くことで頭に入りやすくなった。宅録を長いことやっていて今さら間抜けなことだが、何でも生涯学習(?)、これからの作業では図を書いて録音を進めよう!と心に誓った。 今日はおしまいに次の曲のベースの音作りだけ試した。アルバムに入れる唯一のミドルテンポのロックバラード曲で、もともとベースは何となくYesの"Time and a Word"みたいな雰囲気だとどうかなと思っていたが、実際にやってみるとクリススクワイアみたいな目立つ音は自分の曲では無理だと悟った。それでも前の曲のセッティングをいかしてゴリゴリ風味は残して使えそうだ。この曲が終わったら、ベース録音は折り返しだ。
2020年4月13日(月)
休日にせっせと録音作業に打ち込めば良いのだが、何かと気持が落ち着かず、身が入らない。昨日はYouTubeでミスタービーンなど見て時間が過ぎ、今日は何とか2曲目のベース録音を仕上げとしたが、心底手応えがあるかというとそういう感じでもない。ベース以外のパートでも、これまでに録音したものを気にしようとすれば何でも気になってくる。ここは前向きな諦めでもって前進して行くしかない。自分の考えたフレーズをイメージ通りに弾けないというのは何とも情けないことだ。今がいちばんハートが熱くなっている!という時を逃さずにやっていきたいものだ。
2020年4月12日(日)《1年の愛聴盤を振り返る》について
数年前から、その1年によく聴いた音楽アルバムや曲に順位をつけてリストアップする、ということをやっている。その年のベスト○○枚という企画は、雑誌やウェブの各メディアで毎年よくやっているが、いろんな人が個人でもやっているのを見て「自分でもやってみよう」と思ったのがきっかけだった。ただし、自分の場合は新譜をそれほど聴かないので、単純に新旧問わずその年に聴いたアルバムや曲を選んでいる。 四六時中聴くのではないにしても音楽は日々の暮らしと共にあるもので、こういうリストづくりは自分にとって《その1年を振り返る》作業にもなっている。同時に、単に音楽ファンとして好きなアルバム、曲を自分用にメモしておきたい!という動機もあったりする。そんな訳で、それなりに労力もかかる作業を毎年1回やっている。音楽的な分析は出来ないから、結局「この作品が好き!」という自分語りにしかならないが、自分で書いておいて赤面するようなファン心を綴るのもまあ良いか、という思いに至った。今回は2018年と2019年の2年分をまとめてやって大変だったが、やっと仕上がって良かった。
2020年3月30日(月) 2019年の愛聴盤を振り返る 2019年の1年間はかなり慌ただしく、6月下旬に大阪から東京に転居して、1年がちょうど半分ずつに区切られる。買ってそのままにしていたレコードプレイヤーをやっと繋いで、自宅でアナログ盤を聴くという初めての体験をしたのが大阪の住まいだったが、春になって自分のアルバム制作に取り掛かり始めると意識がそちらに集中し、初夏にかけて新しい音源を聴くことが減った。その後転居してからしばらくは、今振り返ると生活は中々落ち着かず、自分の録音作業のペースも掴めないまま焦りと共に時間が過ぎて行く中、何とかペースを整えながら購入した音源を聴く、そんな日々だった。慌ただしくはあったが、ライブにも何度か足を運び、聴くペース以上に購入するのは相変わらずだったが、音楽ファン・リスナーとしては1年間まあまあ良くやったよ、と自分で自分に言ってやりたい。 一つ思ったのは、暮らす場所や生活が変わると、音楽の聴こえ方も変わるということだ。2年間の広島時代にceroやTAMTAM、CRCK/LCKS周辺をよく聴いたのには遠い土地に思いを馳せるという側面があっただろうし、大阪での生活の中で西院ネガポジに出入りしながら地元ミュージシャンと交流したり、JYOCHOやHomecomingsなど京都発のバンドに触れることには他の場所では感じ得ない特別なものがあった。いろいろな街にいろいろな人々の暮らしがある。東京もその中の一つだ。これからの日々は、どんな風になっていくだろう。 ■アルバム 1. 三枝伸太郎 Orquesta de la Esperanza / FLOWERS(2019) 作曲家の三枝伸太郎ひきいる室内楽アンサンブルOrquesta de la Esperanzaの、情熱あふれる2枚目のアルバム。三枝のことはCRCK/LCKSのシンガー小田朋美とのデュオ作「わたしが一番きれいだったとき」で知った。劇伴の仕事などでこれから先その名が広く知れ渡っても、エスペランサでの活動は続けてほしい。狭い範囲しかフォローできていないが、小田朋美はソロか三枝とのコラボ作品が、一番良いところを表現出来るのではないか、という気がする。7月30日のライブも印象深かった。 2. 小沢健二 / So kakkoii 宇宙(2019) 2017年に19年振りに発表されたシングル「流動体について」を経てリリースされた、アルバムとしては17年振りの新作。豊潤な印象は、アレンジの特色となっているストリングスと、丁寧に重ねられたコーラスによるものだろうか。なぜだか分からないが、冒頭の2曲にみなぎる前を向こうとする力を 感じ、何かと危機に陥りやすい冬を乗り切る後押しさえ得たような思いがした。「この歌があれば冬を越せる」、そんな風にさえ思えた。情緒的で下らない個人的な感慨は別にしても、励ましてくれるような何か不思議な力を持つアルバム、という印象は大きく見当が外れてはいないだろう。 振り返ると、学生時代に部活の手伝いで1996年の「大人になれば」を演奏したことがあるくらいで、音源をきちんと聴いたこと自体初めてだった。2年前の「流動体について」をどこかで耳にして、気になっていたのだと思う。そんな自分にとって、2019年を何とか見送るのを支えてもらった1枚だ。 3. The Who / WHO(2019) 1960年代に結成された英国のロックバンドによる13年ぶりの新作。自分と同じようなオールドロックファンが騒ぎ立てる中で受け止める不安があったが、同時に「本当にリリースされたんだ!」という事実に、純粋に聴いてみたいとも思った。驚いたのは、曲が良いこと、演奏が生き生きとしていること、何よりヴォーカリストのロジャー・ダルトリーが高らかに歌い上げていることだ。過去作に馴染んだ身には、ときおりバンドの楽曲の記号的な要素が見えるように感じることもあったが、2人の老境のベテランロックミュージシャンが力強い新作を作ったということに感銘を受ける。 ピート・タウンゼントによると、2曲を除いて、全ての楽曲が2018年に書かれたということだ。過去の作品の焼き直しでも、やり残した仕事の手直しでもなく、同じ今の時代に作られた今の彼らによる楽曲が届けられた、ということがとても嬉しい。 4. Bob & Carole Pegg / He Came From the Mountains (1971) 英国のフォークロックバンド・Mr.Foxで2枚のアルバムを残したボブとキャロルのペグ夫妻が、バンド結成前の1969年に録音したアルバム。Mr.Fox関連の作品が残されていることを知って俄然興味が沸いて聴いてみたのだが、素朴なフォークサウンドが味わい深い。フェアポートコンヴェンションのハッチングスと交流があったようで、当時の英国フォークシーンの豊かさが偲ばれる。 5. Big Thief / U.F.O.F(2019) NYを拠点に活動するインディーロックバンド・Big Thiefは2019年に2枚のアルバムをリリースしたが、本作は先に出た方の1枚で通算では3作目にあたる。エイドリアン・レンカーの他に代えがたい歌声、アルペジオ主体のギター、楽曲をひきたてる表情豊かなドラムなどのバンドの核に加えて、プロデューサーのアンドリュー・サルロとエンジニアのドム・モンクスが幽玄なサウンドプロダクションによってアルバム全体を印象付けている。今の時代にこんな作品を聴けるなんて、ビッグ・シーフというバンドの存在は現代のフォークロックファンにとって財産のようなものだ。とは言え、M1の絶叫には思わず身構えてしまうような恐ろしさがあり、穏やかに聴き流せるだけの作品ではない。 6. Emma Frank / COME BACK(2019) ニューヨークを拠点にして活動しているヴォーカリスト、エマ・フランクの4作目。ジャズが軸であること、参加ミュージシャンがNYジャズの精鋭であることからジャズのカテゴリーで紹介されているようだが、本作はシンガーソングライターの佇まいも湛えた清澄さのある内容で、透明感のある録音もすばらしい。 エマ・フランクはボストン郊外で生まれ育ち、大学進学でモントリオールに移住して以降音楽活動を開始。その後、ニューヨークに移り、ジャズの演奏家たちと制作を行っている。 7. 中村佳穂 / AINOU(2018) 京都在住のシンガーソングライターによる2枚目のアルバム。バンド・レミ街の荒木正比呂とレミ街をサポートするドラマーの深谷雄一を中心に、シンガー/ビートメイカーの北川昌寛、元吉田ヨウヘイgroupのギタリスト西田修大、CRCK/LCKSから小西遼・越智俊介など多くのミュージシャンがレコーディングに参加している。2018年から2019年にかけて本作に触れ、現代的な音作りと隠しようのない生身の立体感がバランスよく織り込まれた歌と演奏を新鮮な驚きと興奮とともに受け止め、聴き込んだたくさんの人がいるのだろう。自分もそんな一人だ。 8. Adrianne Lenker / abysskiss(2018) バンド・Big Thiefのヴォーカリストのソロ2作目。美しいギターのアルペジオの伴奏が多くの曲で聴かれる。アコースティックのフォークアルバムとしてアプローチは一貫しているが、それぞれに異なる表情をもつユニークな楽曲に単調さはない。バンドのフロントマンのソロ作ということを考えず、純粋に現代のフォーク作品としても楽しめる。隠れフォークファンにとっては、今の時代にこうしたアルバムを聴けるのはささやかな喜びだ。 9. ザ・なつやすみバンド / Terminal(2019) 前年の10周年を経て、再び自分たちのレーベルからリリースしたミニアルバム。コーラスワークは相変わらず冴えわたり、おなじみの池田若菜らサポートメンバーも加わって奏でられる清涼感あふれるサウンドで彩られた全7曲を収録。さわやかさと��なさの同居する、なつやすみバンドらしさのある楽曲群のなかで、注目は新境地を開くM3水の戦記。フロント2人によるエレキギターの伴奏とそこから醸し出されるあやしげな雰囲気、一転雨雲から晴れ間が見えるようなコントラスト、練られたアレンジの「水の戦記」を、本作を象徴する1曲に選びたい! 10. La Düsseldorf / La Düsseldorf(1976) 初期クラフトワークに参加した後バンドNeu!を結成したミヒャエル・ローターとクラウス・ディンガーは3枚のアルバムを作成して袂を分かち、ディンガーが弟と友人と組んだのがラ・デュッセルドルフだ。ひたすら規則的なリズムを刻むドラム、ワイルドなギター、軽やかなキーボードのサウンドの上に朗々としたヴォーカルが少しユーモラスな感じを伴って重なり、アルバム全体が明朗な雰囲気で覆われている。 初めて聴いたのは10数年前のことで、その時はブリティッシュプログレの流れで聴いたせいか、他にない奇妙な陽性のサウンドが自分の志向にフィットせず、そのままお気に入りになることはなかった。時々あることだが、今回も長い年月を経て聴き返し、愛聴盤になるパターンだ。大阪から東京への移転や転職と、生活が大きく変化した2019年の夏、何気なく聴き返し、それから何度も繰り返し再生してあわただしい時期を支えてもらったアルバム。 11. David Bowie / Young Americans(1975) 英国のロックミュージシャン、デヴィッド・ボウイのスタジオ9作目で、長年に渡り彼の活動を支えたギタリストのカルロス・アロマーが初めて参加したアルバム。ライターのダリル・イーズリーは「ソウル・ミュージック大量生産時代のピーク」で「『ジギースターダスト』とベルリン時代のふたつの頂の谷間にあり、見逃してしまいがちな作品でもある」と評している。ボウイ、ジョン・レノン、そしてアロマーの3人による共作の"Fame"が奇妙な華やかさをアルバムの最後に添えている。 個人的にデヴィッド・ボウイは往年のロックを聴く最初の入り口になった人だが、主に初期のジギー時代とベルリン三部作、それに80年代の代表作やベスト盤を聴くに留まり、未聴作がまだまだある。ファンになってしばらく経った今でも初めて聴く作品があるのはラッキーなことかも知れない。正直なところ、引用したアルバム評のとおり、「Young Americans」のことはよく知りもせずに軽んじていたと思う。20年前に青少年だった頃、ベストアルバムでもこの時期の曲は余りピンと来なかった。それが何だ、この活きの良さは。「Let's Dance」は突然変異ではなくて、Young Americansという下地から展開したものだとさえ思えた。 12. Kraftwerk / TRANS EUROPE EXPRESS(1977) 後のヒップホップ、エレクトロ・ポップやインダストリアルミュージックに大きな影響を与えたと言われるが、その辺りのジャンルに疎い身にはそれが未だ実感できていない。ただ、ドイツのロックを掘っていくほどにクラフトワークがその大きな水脈だったことが分かってくる。デヴィッド・ボウイとの接点も興味深い。始まりと終わりはおおらかで間は冷んやりとしており、とに��く聴きやすいアルバムだ。 13. 小鳥美術館 / Little Museum of Bird(2016) 小鳥美術館はギタリストの牧野容也とシンガーの島なぎさによるアコースティックデュオで、リリースされた音源は本作のみ。バンドGuiroでの活動でも知られる牧野の卓越したギタープレイと、島の深い深い味わいのあるボーカルが魅力。ザ・なつやすみバンドとの富山でのツーマンイベントで初めてその演奏を聴き、「こんな人たちがいたのか!」と痺れて購入。しかしSNSにて2020年3月1日をもって解散(プロジェクト完了)と発表された。富山の後も2019年は数は少ないながら国内各地で演奏していたため、また生で聴きたいと思いながら日程をチェックしていたが、残念なことに再びライブを見ることが出来ないままとなってしまった。 14. Gil Scott-Heron & Brian Jackson / WINTER IN AMERICA(1974) シンガー、詩人として活動していたギル・スコット・ヘロンが相棒のブライアン・ジャクソンと連名で発表したアルバム。この作品によって世に知られるようになった、と評されている。ジャクソンによるピアノやエレピがたまらない。 15. 坂本龍一 / 千のナイフ(1978) 坂本龍一のデビューアルバムで、同年のYMOの初作より前に録音を開始し、リリースされた。全編がシンセサイザーによって構築されたアルバムで、ライナーノーツには林光と細野晴臣がコメントを寄せている。 16. Snail Mail / LUSH(2018) Snail Mailは米国のシンガーソングライター/ギタリストのリンジー・ジョーダンによるインディーロックプロジェクトで、本作はジョーダンが18歳のときにリリースされた初のフルアルバム。自身の芯のとおったギターワークを中心にしたバンドアンサンブルには、瑞々しさと少しの寂寥感が漂っている。 17. T-REX / ELECTRIC WARRIOR (1971) T-Rexのサウンドはユニークで、マーク・ボランの特徴的な歌声と個性的なギターに加えて、レギュラーメンバーによるパーカッションも欠かせない要素になっている。本作以降のシングル群のギラギラ加減と比べると、名作の佇まいがたっぷりで聴きやすい内容。プロデューサーのトニー・ヴィスコンティつながりではボウイの後に聴いた身には、ストリングスのアレンジにボウイの諸作との共通性が色濃く感じられたのも興味深く、面白かった。邦題は「電気の武者」。東芝でディレクターとしてT-Rexを担当した石坂敬一は、1997年の雑誌インタビューで洋楽ロックのアルバムの邦題について、こんな風に振り返っている。 日本的心情を混入した洋楽でないとだめなんですよ。ピンク・フロイドの『原子心母』は『ATOM HEART MOTHER』ではなくて『原子心母』なわけで。だからアメリカのタワーレコードで買ってくる『ATOM~』と、例えば帝都無線とかで買う『原子心母』は、やっぱりちょっと違うはずであると。牛の顔も違うんじゃないかってくらい。あれは入魂の一撃でしたね。T-REXの『電気の武者』も、『ELECTRIC WARRIOR』だとブリティッシュ・ポップだけど、あれはやっぱり六本木風/新宿風にするには『電気の武者』がいいんだというくらいの信念はもってましたよね。あのタイトルは自分では凄い好きなんです。『原子心母』が非常に話題にはなったし、ジャケットも斬新で面白いけど、ゴロのハマリから言うと、T-REX、マーク・ボランのイメージと、歌舞伎物的なね、あるいは……バサラ的、サムライ的な迫力のあるイメージと華麗さがあるから『電気の武者』ってのはジャケットにピッタリだ!って思いました (STUDIO VOICE 1997.8) 18. 内田万里 / 何億光年のラブレター (2018) ふくろうずの解散からちょうど1年後にリリースされたソロ2作目で、初のアルバム。バンドの解散が10周年ライブの翌日に事後の報せとして発表されただけに、解散と同じ12月24日のリリースは何かメッセージのかわりのようでファン泣かせだった。 19. LCD Soundsystem / American Dream (2017) 米国のエレクトロ・ロックバンド/プロジェクトの4作目で、2011年の解散後の復活作。中心人物のジェームス・マーフィーは晩年のデヴィッド・ボウイと交流があり、バンドの復活に際してボウイが関与したといった内容で大げさな表題の記事があったが、国内盤CDのライナーノーツにはそのいきさつがこんな風に書かれている。マーフィーからすると、後押ししてもらったように感じたようだ。 マーフィーは、ボウイとは親しい関係にあったようで、「復活について僕が悩んでいる時に、彼に、『それは君を居心地悪くさせるの?』と聞かれたんだ。それで、『そうです』と答えたら、『それは良い』と言うんだ。『居心地が悪いものであるべきだから』ってね。それを聞いて、『ボウイに”居心地が悪い”ことがどういうことなのか分かるわけがないじゃないか!』と思った(笑)。だって僕がボウイだったとしたら、『俺はデヴィッド・ボウイだ!』ってみんなをひっくり返らせながら歩いていたと思うからね(笑)。『俺に何かを言える人は誰もいない』ってね。でも、考えてみれば、彼はそういう人ではなかった。彼はそのキャリアを通して、いつだって居心地の悪いようなことをやり続けてきた。それで、僕も、自分が他の人にどう見られるのか分からないのはすごく良い気分なのだと思えた。他の人がどう思うかは、自分がやることには関係ない、と思えることはね」 20. Yellow Magic Orchestra / YELLOW MAGIC ORCHESTRA(1978) 初めてこのアルバムを聴いたのは約20年前、進学で上京するために滞在した従兄弟の家だった。あれから長い月日が過ぎた。それ故にリアルタイム世代ではないがなつかしさもあり、折に触れて聴き返したくなる。アメリカのバンド・Khruangbinが収録曲「Firecracker」をカバーしていたことにも聴き返し欲を刺激されたような気がする。冒頭、シンセサイザーの音色の中にドラムが入ってきた瞬間にマイク録りのノイズがもたらす生々しい空気感に、得体の知れない感触を覚えたことを思い出す。 ■楽曲 1. 小沢健二 / 彗星(2019) 2. The Who / All This Music Must Fade(2019) 3. ザ・なつやすみバンド / 水の戦記(2019) 4. モーモールルギャバン / 消えて(2019) モーモールルギャバンは群馬県と奈良県出身のメンバー3人によるロックバンドで、「西のクラムボン」と看板を掲げて長く京都で活動していたが、現在は拠点を東京に移している。バンドのサウンドを特徴付けるキーボードの音色は時に往年のカンタベリーシーンとの共鳴を感じさせ、個性でもマイク・ラトリッジやデイヴ・シンクレアに引けをとっていない。シングル「消えて」は2019年にモーモールルギャバンがリリースした唯一の音源で、得意とする静謐な切なさを形にした名曲。 5. The Invisible / Life's Dancers (Floating Points Remix) (2016) ミュージシャン/プロデューサーのFloating Pointsによるリミックスで、原曲は2016年のアルバム"Patience"に収録。TAMTAM、CRCK/LACKS、吉田ヨウヘイグループのメンバーを集めて2016年末に開催されたMikikiの対談企画にて、TAMTAMのドラマー高橋アフィが「フローティング・ポインツのリミックスがもう……こんなにいいリミックスあるんだと言いたくなるくらい良かった。原曲よりもブッちぎりでいいんですよ」とコメントしているのを見て知った。当時、初めて知ったTAMTAMの新鮮な音像にわくわくしながら触れていて、そこから派生してTAMTAMに関連する楽曲ということで自分でも動画でチェックし、それから約2年越しでやっとフィジカルで聴いたので晴れてこの自分ランキングに選出した。高橋アフィはこの曲を、TAMTAMの2018年の「Modernluv制作時に良く聴いていた音源のプレイリスト」にも選んでいるくらいだから、よほどその残響が持続していたようだ。とにかくドラム、特にハイハットワークがかっこいい。 6. The Cranberries / Dreams(1993) アイルランドのロックバンドの1stシングルで、最初のアルバムの邦題にもそのタイトルが使われた曲。コブシの効いたドロレス・オリオーダンの歌いっぷりにはケルト民謡がバックグラウンドにあるようで、ロックバンドらしいアンサンブルながら土着的な雰囲気というか、民族性のようなものを感じるのは気のせいではないと思う。クランベリーズをチェックしたのは90年代の音楽もいろいろ聴いてみようと思い立ったのがきっかけだが、90年代育ちの身にはフェイ・ウォンのカバーに馴染があり、なつかしい。 7. かせきさいだぁとザ・なつやすみバンド / Quiet School(2017) 2017年の夏の終わりに7インチシングルとしてリリースされた楽曲で、ラッパーのかせきさいだあとザ・なつやすみバンドのコラボ作品。MC.sirafuはこの曲を「エターナルエキゾチックチューン」と唱えた。ザ・なつやすみバンドはアナログや配信など、楽曲を限定で変則的にリリースすることがあり、ファンとして追うのが大変だがそれが面白くもある。 8. August Greene / Optimistic(2018) ラッパーのコモンがジャズピアニスト/プロデューサーのロバート・グラスパーとドラマー/プロデューサーのカリーム・リギンスと組んだグループの曲で、ゴスペルグループのSounds Of Blacknessのカバー。ヴォーカルでブランディが参加している。静かに祈るような重層的なコーラスが何とも言えないあたたかさを感じさせる。 9. 坂本龍一 / 千のナイフ(1978) YMOがアルバム"BGM"でも取り上げた楽曲のオリジナル。平行移動する和音のリフを聴くと、なぜだかテレビの坂本龍一と小室哲哉の対談で、小室が「何気なく耳にしたパッドの音でも、これは坂本の楽曲だと分かる」といったことを語っていたのを思い出す。 10. Emitt Rhodes / Somebody Made For Me(1970) 約1年という短い期間出入りしていた京都・西院のライブハウス「ネガポジ」で流れていて知り、アルバムを購入した。どこでどうやってなのか記憶にないが、エミット・ローズは名前だけは目にしたことのあったミュージシャン。この曲はそんなアメリカの優れたビートルズ・フォロワーによる上質の作品だが、特にベースの音色がポール・マッカートニーそっくりで驚くばかりだ。
2018年の愛聴盤を振り返る
2018年はリスナーとしていろいろと面白いことがあったのだが、リストをまとめるのをほったらかしにして、結局1年以上が過ぎてしまった。なので「2018年の愛聴盤を振り返る」リスト作りは記憶を辿りながらになり、骨の折れる作業となった。当時の実感だけで語るのは難しいので、アルバムや楽曲に関する情報で補うやり方になってしまった。 それはさておき2018年はいろいろあって、4月に広島の山あいの町を離れ、大阪の空堀商店街近くの防音室つき木造長屋に引っ越した。「曲を作りたい、演奏したい」という思いがいつでも頭にあるのだが、環境が変わるといろいろ立て直すのに時間がかかるタイプだ。そんな時に、過去に聴いてほとんど印象に残らないままになっていたフォーク系のアルバムを何枚か聴き返し、フォーキーな歌や演奏が自分には馴染むのだと再確認した。あれこれこねくり回さなくても良いんだという思いからギターを爪弾き、そこから生まれた曲のアイデアが曲の素材となり、アルバムを作ろうという意欲を後押しした。 大阪への転居後、ピアノ弾き語りで数ヵ月おきに出入りするようになった京都・西院のライブハウス「ネガポジ」では、たくさんの才能あるミュージシャンの歌を見聞きして大いに刺激を受けた。出会った人たちと交流していく中で、京都の音楽シーンの豊かな土壌、ネガポジがホームグラウンドだったモーモールルギャバンや学生時代に好きだったくるりをはじめとする自分がこれまで親しんできた京都とゆかりのあるバンドに思いを馳せることにも繋がり、自分自身の音楽活動の中でも特殊で特別で最も大切な時期だったと思う。 兄弟が学生時代を過ごし、その後の人生でのいろいろもあって、家族にとっても自分にとっても京都はいろんな意味を持つ土地なのだ。振り返って大阪では、音楽を聴きながら家と職場を行き帰りした。梅田マルビルのタワレコは、大阪での数少ないお気に入りの場所だった。梅田シャングリラは良いライブハウスだった。2018年はそんな1年だった。(2020.4.12)
■アルバム
1. 優河 / 魔法(2018) シンガーソングライターの優河による、「別れ」をテーマにした2枚目のアルバム。プロデュースは本人とベーシストの千葉広樹が共同で行っている。他の誰にも似ていない歌声を、生楽器を主体としたバンドサウンドでまとめていて、SE的な色付けがモダンな雰囲気を加味している。岡田拓郎のギターもアレンジに広がりと奥行きを与えている。1枚のアルバムとしてのまとまりもとても良く、手触りの異なる楽曲も上手く収められている。同時代の作品として指針になると感じたくらいだが、自分に分かるのは感触くらいで、その根拠はうまく説明できそうにない。 2. 三枝伸太郎 小田朋美 / わたしが一番きれいだったとき(2018) 作曲家/ピアニストの三枝と多くのプロジェクトやソロで活躍しているヴォーカリストの小田のデュオによる初めてのアルバム。茨木のり子や谷川俊太郎、萩原朔太郎などの文芸詩に曲をつけ、歌にした楽曲で構成された作品。二人も1曲ずつ作詞しており、小田のソロ作「グッバイブルー」の楽曲「北へ」も収録している。 歌とピアノだけの録音だからかも知れないが、聴こえてくる音が澄み渡り且つ透き通っているようで、感覚だけでも音が特別に良いことが分かる。それは怖いくらいで、全編を聴き通すのも容易いことではない。サラウンド研究の第一人者で高音質音楽制作のためのレーベル「UNAMASレーベル」を運営するエンジニア・Mick沢口が録音、ミックス、マスタリングを手掛けているということだ。CRCK/LCKSをきっかけに小田のソロ作は聴いていたが、三枝のことは全く知らなかったので躊躇していたところ、ceroのメンバーがポジティブなコメントしていたのを知って入手に至った。何でも聴いてみるもんだ、そんなことを改めて実感せずにはいられない。それくらい深く深く心に沁み渡る一枚だ。 3. 優河 / 街灯りの夢(2017) シンガーソングライター/ギタリストのおおはた雄一と共同プロデュースのミニアルバム。優河を知ったのは、ザ・なつやすみバンドの3作目「PHANTASIA」リリースツアーの番外編として開催された東京・吉祥寺での公演だった。「ましろのカメリア」が印象に残り、このミニアルバムでやっと音源として聴くことが出来た、という思いがした。収録された前5曲のうち4曲をおおはたが演奏しているが、M3「ましろのカメリア」だけは優河自身が弾いている。おおはたとの活動は充実したもので「歌いたい」という思いを大きくしたが、自分がやるべき音楽、やるべきことを考えた結果、再び一人でやっていくという選択をしたということで、そうした思いが次作「魔法」に結実したようだ。オフィシャルサイトで購入し、届いたCDを開封すると本人の自筆メッセージも添えられていて嬉しくもびっくりした記憶がある。 4. LOU REED / TRANSFORMER(1972) 1970年にThe Velvet Undergroundを脱退したルー・リードがリリースした2作目のソロアルバム。プロデュースはデヴィッド・ボウイとミック・ロンソンで、レコーディングはボウイの「ジギー・スターダスト」と同じロンドンのトライデントスタジオで行われた。ボウイの作品のリスナーにはそのコーラスが聴ける楽しさがあるが、何より音楽的な面で大きな貢献をしたのが当時ボウイのバンドメンバーで相棒のギタリスト、ミック・ロンソンだった。M1の荒々しいトリッキーなアウトロ、M3とM7のピアノなど、ボウイと共に本作の色合いを作り出している。M10のギターでは、ワウをかませた独自のサウンドとロングトーンのフレーズ、フレットボードの感触が伝わるスライド、ピッキングノイズまでもがロンソンのギターの魅力を存分に感じさせる。元々、ボウイとの仕事で発揮してきたアレンジャーとしての資質がここでも大きな成果に結実している。そんな風にミック・ロンソンの存在を再発見したアルバムでもある。 5. JAPANESE BREAKFAST / SOFT SOUNDS FROM ANOTHER PLANET(2017) 米国フィラデルフィア出身のミシェル・ザウナーによるインディーロックプロジェクトの2作目。ザウナーの父は米国人、母は韓国人で、16歳のときにギターを始めてから幾つかのバンドでの活動を経て、2011年から2014年までバンド「Little Big League」のメンバーとしてヴォーカル・ギターを担当したが、母の病によりバンドを離れる。その後、母親の他界に向き合う方法として1stアルバム「PSYCHOPOMP」を制作。それから約1年後にリリースされた本作は「宇宙とSF」がテーマで、浮遊感あるサウンドプロダクションでメランコリーな雰囲気が漂っている。終盤は悲しみが言葉で表現されてはいるが穏やかな表情も覗く。 6. ザ・なつやすみバンド / 映像(2018) ピアノトリオ+スティールパン/トランペット/シンセというユニークな編成の4人組による2年振り4枚目のアルバムで、バンドの結成10周年の記念作でもある。メジャーでの2作を経て、1st「TNB!」以来再びインディペンデントのウルトラ・ヴァイヴからリリースされた。空気公団の山崎ゆかり、ロックバンド・ミツメ、ラップユニットEnjoy Music Clubとのコラボ曲も収録されており、記念すべき年を祝福する雰囲気があるにはあるが、お祭り感はそれほど濃厚ではなく、どこか寂寥感もある。MC.sirafuが「〈10年バンドを続ける〉って、好きなことを好きな人たちと好き勝手やってきたって思えば全然大したことじゃない気もするけど、とはいえ結構大変なことだとも思うんです。でも、それって僕たちだけじゃなくて、協力してくれる人、一緒に演奏してくれる人、応援してくれる人たちがいたからここまでやって来られたっていうのがあるので、今回はそれに対する感謝を表しつつ、まだまだ〈バンド〉という旅の過程のアルバムだと思ってます」と語っているように、次のステップへ進むための通過点で一度立ち止まって振り返り、道の先を見渡す、そんな趣があるアルバムだ。 7. RENATA ZEIGUER / OLD GHOST(2018) NYを拠点とするマルチインストゥルメンタリスト/シンガーソングライターのデビューアルバム。両親はアルゼンチンとフィリピンの移民で、幼少時にピアノとヴァイオリンを始めて以降クラシックとジャズに親しみ、成長する中でビートルズやムタンチスにも触れていったということだ。どこかエキゾチックでサイケデリックな雰囲気を持っているのは、そうした出自や志向と無関係ではないのだろう。 本作は長年の共作者であるアダム・シャッツとの共同プロデュースで、本人のヴォーカルとギター、キーボード、ヴァイオリンに加えて、ギター、ベース、ドラムの4ピースバンドで構成されている。演奏は有機的で生き生きとしており、「SSWもの」というよりは女性シンガーのインディーロックアルバム、といった風情がぴったりだ。 8. スーパーノア / Time(2017) スーパーノアは京都を中心に主に関西で活動している4人組ロックバンドで、本作は2004年の結成以来初めてリリースされたフルアルバム。過去のシングル曲の再録バージョンも収録されている。2本のギターが生み出す立体感、そこに控えめながらカラフルな色合いを添えるキーボード、アイデア豊富なリズム隊のアンサンブルがこのバンドの魅力だ。モーモールルギャバン���矢島はメンバーの大学の先輩だったようだ。 聴いたのは2018年の3月で、その後自分自身大阪に転居してときどき京都を訪れるようになった。京都の豊かな音楽シーンのほんの一部分に触れる中で、スーパーノアやHomecomingsのようなバンドを生んだ京都という土地の独自のカラーを体感できたような気がして、いろいろと思い出深い。M3「ドリームシアター」、M9「what light」などの名曲を収録。一聴の価値あり。 9. モーモールルギャバン / IMPERIAL BLUE(2018) 2005年に京都で結成された3人組ロックバンドが新境地を拓いた5曲入りEP。初のセルフプロデュース作で、T-マルガリータのスラップが炸裂するアグレッシブなM1、新しい代表曲と言えるM2、もの憂げなM4、ソロのヤジマXの楽曲として発表したM5など、バンドの良いところが凝縮されている。タイトルは、インドでのイベントで主催者が用意したウィスキーの名前からとったのだそうだ。メンバーが手掛けたジャケットデザインも良い。 10. Laura Marling / SEMPER FEMINA(2017) 英国のフォーク系シンガーソングライターによる6枚目のアルバム。2015年に解散したインディフォークバンド・Noah and the Whaleの初期メンバーでもある。父親はギタリストでレコーディングスタジオも経営しており、マーリングの子ども時代にフォークミュージックを紹介したそうだ。アルバム全体は抑制された静けさを持つ美しさに覆われているが、ギター弾き語りのM8がそうしたバックグラウンドを伺わせる。 '70年代の英国フォークのライトなファンとしては現代のフォーク風味の作品に触れることはわくわくするし嬉しくもあるのだが、中々深堀りすることが出来ずにいる。 11. 内田万里 / POM-Pi-DOU(2018) 3人組ロックバンド・ふくろうずのシンガー/コンポーザーだった内田万里がバンドの解散から数ヶ月後、イベント会場限定(後にオンラインでも再度限定販売)でリリースした初ソロ作。歌のスタイルはバンドの初期に近く、アコースティック楽器の音をキーボード/シンセで表現するある意味の素朴さはより純度を増している。全5曲のミニアルバムという丁度よいサイズによって一つ一つの楽曲の存在が際立っている。それぞれが瑞々しい良い曲だ。だんだんと薄まっていったものの、ふくろうずが失わなかったギターサウンドも引き続いて取り入れられている。 12. TAMTAM / MODERNLUV(2018) 東京を中心に活動する4人組バンドによる4枚目のアルバム。前作「New Poesy」で見せた方向性の変化がさらに深みを増している。ゲストとしてラッパーのGOODMOODGOKU、シンガー/コンポーザーの塩谷唯摩、ギタリストの深井勇太、シンガーソングライターの入江陽が参加している。リリース後のインタビューでは、ドラムの高橋アフィの「前作から中村公輔さんにエンジニアリングをお願いしているのですが、ミックスなどのポストプロダクションはもちろん、今回はより曲のコアなところまで関わってもらいました」というコメントをはじめ、信頼を寄せる中村の仕事ぶりに何度も触れており、中村公輔がまるで「TAMTAMの5人目のメンバー」のようにアルバム制作に携わり、バンドをサポートしたことが伺える。 サウンドは先鋭的でも、前作よりも≪同じ目線で生活している生身の人の視点≫が強くなっているような気がする。それはやはり、バンドのソングライティングを担うヴォーカリストKUROの作る歌詞のイメージによるものなのだろう。この人はバンドの中にいてシンガーソングライターという佇まいは持たず、TAMTAMの音楽性故か目立たないがストーリーテラーとしての豊かな資質を持った作家なのだと思う。 13. Homecomings / WHALE LIVING(2018) 京都を拠点に活動する4人組バンドの3枚目のアルバム。インスト2曲をのぞいた8曲中7曲が日本語詞で歌われており、アグレッシブさよりはフォーキーなおだやかさが印象に残る。 リリース後のインタビューで前作「SYMPHONY」についてギターの福富優樹は「あのEPはすごく気に入っているんですけど、その流れでアルバムを作るのはしんどくて。去年の夏の終わりごろから、明らかにバンドが消耗して、危うくなる瞬間が出てきたんです」と語っている。オフィシャルサイトに掲載されたインタビューでも、前作リリース後のライブに追われる「雑」な忙しさ、解散を考えた危うい状況についても触れており、日本語詞の楽曲制作に至ったのは次のステップを模索する中でたどり着いた大切な選択だったようだ。 活動をすすめていく中で様々な場面に突き当たることがあるのだと思うが、京都にいることで広がりを見せたラジオや新聞との仕事が次への展望にも結びついたようで、新しい試みだった日本語詞の曲作りをさらに推し進めつつ、良い作品を作っていって欲しい。 ● Homecomingsインタビュー 寂しさに寄り添い、日々に祈るように ● SPECIAL INTERVIEW 14. 岡田拓郎 / Nostalgia(2017) 元「森は生きている」のリーダーでギタリストによる初ソロ作。森は生きているはP-VINEから2枚のアルバムをリリースして2015年に解散した。'10年代前半の東京インディーシーンを代表するバンドと言われている。 レコーディングにはバンドの仲間だった谷口雄(ピアノ)、増村和彦(ドラム)のほか、ギタリストの西田修大、ドラマーの石若駿、シンガーの優河、ROTH BART BARONの三船雅也、エンジニアとして吉田ヨウヘイなどが参加している。サウンドプロダクションに造詣が深く、ギタリストとして多くのヴォーカリストをバックアップしている活動を見ていると、これから先フロントマンというよりはよりいっそうプロデューサー、コンポーザーといった立ち位置を中心に活動していくんじゃなかろうか。アルバム全体は岡田の渋みのあるギターにより統一感があるが、一辺倒でないアレンジに今の時代を見据えるミュージシャンとしての気概が見えてくるようだ。 15. Jay Som / EVERYBODY WORKS(2017) ロサンジェルスを拠点に活動するフィリピン系シンガーソングライター/マルチプレイヤーによる2枚目のアルバム。ジェイ・ソムはステージネームで、本名はメリーナ・ドゥテルテと言い、リリース時は22歳。全ての楽曲の作曲、アレンジ、演奏までもが本人によるもので、録音とミックスはEMAスタジオと名付けられた自宅にて行われている。他はヴォーカル録音に3人のゲストが参加しているのみで、次作についてのRSジャパンのインタビューで「最近よく思ってるのは、もっとオーディオプロダクションの仕事をやりたいってことかな。他のバンドのレコーディングを手伝ったりプロデュースしたりすることをやりたいし、本当に自分が好きなことって思うと、やっぱりそれだなって気分は強くなってる」と語っているように、スタジオ気質が強い人なのだろう。宅録でイメージしがちなローファイな緩さ、こじんまりとまとまった感じは希薄で、パワフルなギターをはじめ、むしろガッツのある強さが印象に残る。 ● ジェイ・ソムが語る傑作『Anak Ko』の背景、フィリピン人女性としてのアイデンティティ 16. JYOCHO / 互いの宇宙(2018) 元宇宙コンビニのギタリスト・だいじろーが立ち上げたプロジェクトから発展したバンドの初シングル。鋭く冴えわたるマスロック的アプローチもさることながら、アコースティックギターと歌だけの演奏による、表題曲と双子のようなM4「互いの定義」もだいじろーとこのバンドの資質の一面を示している。 17. Kamasi Washington / Harmony of Difference(2017) ジャンルを横断する活動により、従来のジャズシーンの形式にとらわれない道筋で頭角を現した米国のジャズサックスプレイヤーによるEP作品。EPで短い分内容も凝縮されていて、とても聴きやすい。 18. ズーカラデル / リブ・フォーエバー(2017) 北海道発の3人組ロックバンドによるバンド名義での初音源で、名曲「アニー」収録。自主制作ということだが、安っぽい作りでは決してなく、その熱量が胸に迫る。あたたかみある熱をもった楽曲と演奏、吉田崇展の歌声がこのバンドの顔になっているが、吹奏楽のパーカッションをバックグラウンドに持つという山岸りょうの大らかで深みのあるドラムがズーカラデルの歌と演奏の表情を伸びやかなものにしているように感じる。やっぱり良いバンドには良いドラマーがいるもんだ。 19. BOSSA NOVA-MESMO(1960) もしかしたら1年間でもっともたくさん再生したかも知れない、全12曲でトータル24分26秒しかないとてもコンパクトなアルバム。 本作のオリジナルは1960年にリリースされたもので、購入した2009年のユニバーサル盤は「世界初CD化」だったようだ。メーカーは「ボサノヴァ全盛期のタイム感溢れる豪華作品」と歌っているが、解説で板橋純はこれまでリイシューされてこなかったことを「『ボサ・ノヴァというわりにあの独特のリムショット・サウンドが出てこない』『クラリネットなど、ボサ・ノヴァではあまり聴いたことがない楽器がソロをとっている』『どこかなじみのないキメのリズム・パターンが全体に流れている』など、よくあるボサ・ノヴァと違った雰囲気があることが原因のように思う」と書いており、一般にイメージされる定型化したボサノヴァとは一味ちがうところが特徴のようだ。とは言え、ブラジル音楽をよく知らない自分には、のどかでなつかしさを感じさせるようなこのアルバムは、とても楽しめた。何より短いのがイイ! 20. Ernie Graham / ERNIE GRAHAM(1971) 北アイルランド・ベルファスト出身のミュージシャン、アーニー・グレアムがソロ作品として残した唯一のアルバムで、ブリンズリー・シュウォーツとヘルプ・ユアセルフの2組のバンドがバックアップして制作された。グレアムは本作の後の短期間、ヘルプ・ユアセルフに参加し、その後パブロックバンド・クランシーを結成して2枚のアルバムをリリースした。1980年代には音楽活動から退き、2001年に他界している。 アルバムは朴訥とした温かみのある内容で、"Let me hear you sing, girl"と繰り返し歌う優しさとほんのりもの悲しさを湛えるM4「The Girl That Turned The Lever」、失われた愛を思い返すM5「For A Little While」などの名曲を収録。 21. Folkal Point / FOLKAL POINT(1972) 1972年に設立されたフォーク専門のレーベル「ミダス・レコード」からリリースされた、英国ブリストル出身の4人組による唯一作。ジョニ・ミッチェルやボブ・ディランなどのフォークシンガー作品のカバーや、トラディショナルソング、黒人霊歌で構成されており、メンバーのオリジナル楽曲は含まれていない。歌、アコースティックギターの演奏ともに素朴で味わい深い。 バンドのwebサイトによると、元々は学校のコンサートのために結成され、活動を学外に広げていく中でBBCラジオブリストルでライブオンエアを行い、ある時ラジオ番組のゲストに招かれていたレーベルオーナーのアラン・グリーンの耳にとまり、レコーディングへと繋がっていったということだ。しかしアルバムのリリース後、レーベルの倉庫が水害に遭い、(洪水か消火の水による被害か不明だが)レコードの在庫とマスターテープが失われてしまう。そんなこともあり、本作はコレクターの間で幻のレア盤として認知されてきたそうだが、そんな作品をCDで再発した韓国のBIG PINKレーベルの仕事には感謝するばかりだ。2019年6月に開催されたブリストルの夏のクラシックイベントであるクリフトン国際音楽祭(世界で活躍するアーティストと地元から生まれたアーティストが結集するブリストルの毎年恒例のイベント、とのこと)でも、フォーカルポイントはライブ演奏を行ったようだ。 22. Elton John / HONKY CHATEAU(1972) 英国のシンガーソングライター、エルトン・ジョンの5枚目のスタジオアルバム。全編をツアーバンドメンバーと共に作り上げた最初の作品で、中核メンバーはベースのディー・マレー、ドラムのナイジェル・オルソン、ギター・マンドリン・バンジョーのデイヴィー・ジョンストンの3人で、この他にジャズヴァイオリニストのジャン・リュック・ポンティなどゲストプレイヤーもレコーディングに参加している。レギュラーメンバーと一つのチームとなって制作したためか、全体にロックバンド的な力強さとまとまりがある。スワンプ風味の濃厚な、活きのよいアルバム。 23. Rex Foster with Don & Merrily / ROADS OF TOMORROW(1970) レックス・フォスターは様々な国の境界を越えて活動する米テキサス出身のシンガーソングライターで、オフィシャルサイトによると1972年頃からジュエリー職人としても活動している。2019年には9枚目のアルバム"Heart"をリリースしており、長年に渡ってマイペースに音楽活動を続けているようだ。本作はフランスで録音された湿り気のないSSW/フォークロック好盤で、ドラム、キーボード、ベースの3人による"ZOO"というバンドが演奏をバックアップしている。 24. 三枝伸太郎 Orquesta de la Esperanza(2015) 三枝伸太郎率いる「Orquesta de la Esperanza」による初音源。概要は以下、ライナーノーツより。 2014年自身のオリジナル曲を主に演奏する三枝伸太郎 Orquesta de la Esperanzaを結成、モダンタンゴからジャズ、現代音楽の要素を含むオリジナリティある作品を発表し続けている。 このグループの特色は、メンバーにバンドネオン奏者の北村聡を擁していることだ。三枝自身も参加しており、ピアニストとしての存在感も大きい。小田朋美もヴォーカリストとしてM8に参加している。流麗なハーモニーの中に哀切、希望を感じさせるアルバム。 ■楽曲 1. 三枝健太郎 小田朋美 / わたしが一番きれいだったとき(2018) 茨木のり子の詩を歌にしたこの楽曲は、素材とした詩が文芸詩であり、戦時そして敗戦後の若い日々を振り返ったものであることからどこか近寄りがたさを与えてしまうかも知れないが、それでこの曲が遠ざけられるとしたら余りにもったいないことだ。三枝伸太郎と小田朋美による本当にすばらしい仕事で、懐の深いこの曲とこの曲を収録している同名のアルバムは間口広く聴かれて良いと思う。 2. ザ・なつやすみバンド / 速度のうた(2017) ザ・なつやすみバンドのアッパーサイドに位置する滅法良い曲だが、NHK Eテレ「シャキーン!」で使用されたものでオリジナルの音源には収録されていない。レコーディングにはおなじみのサポートメンバーが集結して、たった2分ほどの短い構成の中にザ・なつやすみバンドの音としか言いようのないカラフルな瞬間が詰まっている。 3. モーモールルギャバン / 7秒(2018) モーモールルギャバンにとって「パンティ」というキーワードはバンドを形作る大切な要素でありテーマで、そのテーマにまつわる初期の無垢な楽曲群は名曲揃いだ。しかしながらバンドもそのメンバーである人も変化していくものだ。「7秒」はそうしてもたらされた、バンドにとって重要な初期のテーマにとらわれない純粋に良い曲。今のモーモールルギャバンは今とこれからのモーモールルギャバンになっていけば良いと思うし、これからも変化を遂げながら活躍していってほしい。EP「IMPERIAL BLUE」収録。 4. MITSKI / NOBODY(2017) 微妙に聴きなれない響きの和音を鳴らすピアノとベースが曲の骨格を作り、ギターのカッティングが印象的なディスコサウンドの楽曲で、アルバム「Be The Cowboy」のリードトラック。ピアノと一体化して存在感の希薄なベースだが、1コーラス後の1小節の中で突如その姿を現す。8音のシンプルなフレーズで続く2コーラスを勢いづかせるところが、何とも言えずたまらない。曲自体はとてもキャッチーだが、壊れた曲の残骸を引きずるようなアレンジと喉に言葉を引っ込めるような音で幕を閉じるアウトロは不気味でもあり、「誰もいない」というテーマが最後に濃密に煮込まれた、といった趣だ。 5. スーパーノア / ドリームシアター(2017) 斬り進むギター・ベース・ドラム、そこに軽やかさと爽やかさをもたらすギター、そんなバンドサウンドによる緩急のコントラスト豊かなこの楽曲を、静かに熱気を帯びる歌声が牽引する。くりかえし歌われる「狂ってしまったまま 夢をみている」というフレーズが何かものがなしさを感じさせるが、直ぐさま歪んだギターと炸裂するドラムが風のように感傷を吹き飛ばしてしまう。それでもなお言葉は鳴り続ける。アルバム「Time」と併せて、一聴の価値あり。 6. スーパーノア / what light(2017) アレンジの点では「ドリームシアター」と兄弟のような雰囲気を持つ楽曲。2コーラスの後、ギターのアルペジオに重ねて「what light」と歌う中間ブロックを挟み、シンセリードのリフのもとで奏でられるバンドのアンサンブルは勢いを増してゆく。 7. ものんくる / 夕立(2018) EP「RELOADING CITY」収録で、先行配信もされていた楽曲。ものんくるではベースの角田隆太が作詞・作曲を手掛けてその才能を遺憾なく発揮している、というイメージがあるが、この曲は収録曲の中で唯一ヴォーカルの吉田沙良との共作とな���ている。 切なげな曲の雰囲気にこれ以外に選びようがないと思えるほどベストマッチしたストリングス系のシンセが、まるで場面転換のように辺り一面に今にも雨が降り出しそうな情景を浮かび上がらせる。この音色のセレクトと使い方は本当にすごい。ライブのレギュラーメンバーによる演奏も、曲の持つ体温みたいなものを上昇させている。 8. TAMTAM / Esp feat. GOODMOODGOKU(2018) 整理されたアレンジで歌われるスローテンポの夜の歌だが、コーラス後の間奏でスネアが鳴り始めると、弾け飛ぶような躍動感がまるで全身を強い力で持っていかれるような高揚をもたらす。煌めくピアノのバッキング、極上のオブリガードを奏でるギター、TAMTAMならではの音と言えるトランペットなど、メンバーそれぞれの顔が見えてくるようだ。 9. ズーカラデル / アニー(2017) 10. Japanese Breakfast / The Body Is A Blade (2017) 11. 宇宙コンビニ / EverythingChanges(2014) 京都で結成され、2012年から2015年まで活動していたプログレッシブポップバンド「宇宙コンビニ」の2枚目のミニアルバム「月の反射でみてた」収録の1曲。 ベースとヴォーカルのえみちょこはバンドの解散以降音楽活動を行っていないようで、その若い時代そのものが研ぎ澄まされて録音されたかのような歌声は、これから先もずっと宇宙コンビニが残した作品の中でしか聴くことはできないのだろう。そうした儚さを感じずにはいられないバンドだが、ギターのだいじろーは現在JYOCHOで活躍しており、このことは宇宙コンビニを知るファンの救いにもなるだろう。自分が知った時点で既に解散した後だったこともあり、聴けば寂しさが募りそうで中々音源に手が出せずにいた。サビでキーがBからE♭に転調する(多分)ところが、たまらなく切ない。 12. Hiatus Kaiyote / Nakamarra(2012) オーストラリア・メルボルンのフューチャーソウルバンドの代表曲。TAMTAMをきっかけに2010年代の音楽を後追いで探求している身には、"Future Soul"自体何なのかピンと来ていない。何しろポピュラー音楽のカテゴリーは'70年代くらいまでしか分からないのだからどうしようもない。いつか意味が分かる日は訪れるのだろうか、という自問はともかく、サウンドの核をつくるピアノトリオ+そこに乗っかるギターヴォーカル、という面白いバランスのバンドだ。2枚のアルバムをリリースしたが、現在はソロ活動やサイドプロジェクトがメインの様子。
2020年3月23日(月) ベース2曲目
中村公輔というエンジニアがいる。TAMTAMの仕事を通して、その存在を知った。折坂悠太やTaiko Super Kicksなどの作品も手がけていて、TAMTAMの独特な音作りを担う人物に違いないと注目して以来、時々SNSをチェックしている。著書「名盤レコーディングからよみとくロックのウラ教科書」も購読した。軽い読み物のようなタイトルで、たしかに読みやすいが、決して薄い内容ではない。ロックミュージックの録音を実務に携わる立場から神話めいた抽象性を取り除いて解析したもので、目から鱗の気付きがたくさんあり、自分程度の知識の少ない音楽ファンであっても学ぶことの多い充実した内容だ。加えて、若手ミュージシャンと仕事する中で実感した日本の音楽シーンへの前向きな展望についても記しており、秘めた情熱に読み手のこちらも胸が熱くなる。 そんな中村氏がSNSで「コロナで外に出られなくなったせいか、新規のお客さんのレコーディング依頼が非常に増えている」「出られないからアルバム作っちゃえ!ってノリは、ほんとポジティブでいいと思う。数ヶ月後が楽しみ」と言っていた。いろんな人たちが、時間を無駄にせず、この機会に自分たちの創作活動の成果を形にしようとしているようだ。期せずして自分もそんな状況に身を置いている。がんばらねば、と思いつつ、今週は作業がはかどらなかった。2曲目のベース録音に取り組むものの、音作りが何となくイマイチで、気分がのらない。下書きとして今後の作業につなげるため、フレーズを練って今日できた分だけ録音した。やっぱり細切れの時間であっても積み重ねが必要だ。前向いてやろう。
2020年3月16日(月)
果たして先に進むことが出来るんだろうか、と不安が増すばかりだったベースの録音は、3週間目でやっと1曲仕上がった。ベース録音は自分のプレイヤーとしての自意識がもっとも表れる作業で、加えてベースというパートが曲の印象を大きく左右することもあり、つい腰が重くなってしまう。なかなかイメージする音が作れない機材セッティングの試行錯誤から始まり、いくつかの種類のペダルの組み合わせを試して「これだ!」という音作りが出来たものの、その後に続くフレーズ作りの完成は先が見えなかった。細切れの時間を重ねて、昨日今日でようやくフレーズがまとまり、今日本番テイクの録音を行った。全部で3テイク、どれにするかこれから決めないといけない。決して100%満足のいく演奏が出来た訳ではないが、元々楽器を弾く腕前を磨くことに力を注いできたのでもなく、出来ることと出来ないことがある。今の自分にやれることはやったと思う。とにかく1曲、ここで先ず一区切りにしないと次に進めない。ベースを入れる曲はあと7曲!がんばろう。 今回ベースを録音するにあたって、音質改善のために先に購入していたSaviorを追加でもう一つと、長年使用していた旧タイプのかわりに現行のBOSSのアダプターを二つ使用した。ほんのささやかなテコ入れだが、大きな効果があったと思う。それから、ベースとレコーダーの間に、広島でバンドをやっていた3年前に購入したアンブレラカンパニーのFusion Blenderというブレンダーを繋いだ。2台の異なるペダルのパラレルミックスが出来るのが特徴で、音の組み合わせをいろいろ選べる分あれこれ繋いで最初はなかなか上手く使えなかったが、納得のいく音作りが出来た。音作りの手ごたえと音質の向上は、作業に取り組む意欲を後押ししたような気がする。 図書館でスザンヌ・ヴェガの初作「街角の詩」のLPを借りた。20代の頃にCDで愛聴した音源を久しぶりにレコードで聴いてみると、すぐそばで歌っているみたいだな、と感じる瞬間があった。よく人がレコード鑑賞について「目の前で歌っているようだ」と形容しているのを見るにつけ、本当かなあと疑問に思っていたが、もしかしたら自分が感じたそんな瞬間のことなのかも知れない。 音源にもよるかも知れないが、レコードは適度なボリュームでも音に量感があり、ボリュームを上げてもやかましい感じがしない。何でもかんでもレコードの音が良くてCDより優れている、と言うのは違うと思うが、レコードには音楽の聴き方の一つとして発見があって、面白い。
2020年3月8日(日) ラジオのこと
1週間のうち、仕事のある日は日中のほとんどを車で移動して過ごしている。運転中はだいたいFMラジオをつけていて、各時間帯でお気に入りの番組がある。11時台は東京FMの坂本美雨のディアフレンズ、昼時はNHKのニュース、午後は東京FMの番組を聞くことが多い。土曜の午後は、NHK-FMのアニソンアカデミーとラジオマンジャックが定番になった。かかる楽曲が好みだったり、ミュージシャンがゲスト出演したりする番組がやっぱり面白い。 金曜日は、ほかの平日とは番組構成が異なるようで、ラジオもあまり面白くないが、夕方近くからはじまる東京FMのTOKYO SOUNDS GOODはパーソナリティのラッパーKEN THE 390とチーム未完成の砂糖シヲリの語りが手慣れ過ぎず丁度よい具合で、ミュージシャンがゲストで登場することも多く、中にはメジャーでない人たちもいて注目していた。ちょっと前にはバンドTAWINGSのメンバーが出ていて、働いていたタワレコの話をしていて興味深かった。番組の終わりにはひねりととぼけた味わいの一言で締めて終わってちょっと笑える、そんな貴重な番組だったのだが、放送の中で3月いっぱいで終了するというアナウンスがあった。ミュージシャン同士の話が聞けるので、自分には楽しい番組だった。ささやかな楽しみがなくなるのは残念だ。
2020年2月25日(月) 録音メモ
今日は午前中に起きて、「今日こそはたっぷり作業の時間を取りたい!」という思いが胸の中に沸き起こった。しかし時間があると思うと、あれこれ別のことをしてしまう。ひとまずご飯を食べて、窓を開けて、腰を据えて作業をするには余りに散らかっている作業スペースまわりの片付けに取り掛かった。シンセサイザーの上は適当にうちやられた光熱費の帳票や行ってきたライブのチケットなどで覆われ、ピアノの上にも録音のメモや歌詞などが置いてある。ゴールデンレトリバーの"Rotations"を繰り返し流しながらそんな雑多なものたちをできる範囲で分類して片付けて、ひきだしにしまった。ピアノの上のマイクの箱や使っていないOP-1は、弾くときにごちゃごちゃと視界のじゃまにならないよう足下に移し、いつでも弾けるよう鍵盤のフタは開けておくことにした。鍵盤のフタを台替わりにしてギターやベースのペダル類を置くことが多く、ピアノを弾くときにいちいち機材を片付けないといけなかったからだ。 片付けが大体終わったら、近所の銀行やドンキホーテやコンビニやらで用事を済ませ、スーパーに行って食材を買って帰った。軽くパンを食べて、少しテレビを見てから作業を始めた。もう昼はとっくに過ぎていた。 まず、ロックバラード曲のアコースティックギター録音に取り掛かった。昨日の夜にもやっていたのだが、何となく雑な感じがしていたのでやり直すことにした。左パートはローフレットの指弾き、右パートはハイフレットのピック弾き。アコギでハイポジションのフレーズを弾くのはエレキと比べて難儀で、終わる頃には左手の親指と人差し指の先がしびれていた。仕上がるまでにかなり時間がかかったが、これ以上はもう出来ないというところで納得して終了とした。作業前には、イメージしたほどアコギを重ねる効果がなかったらどうしよう、と不安もあったが、他のパートとあわせてバランスを調整しながら録音を聴き返してみると、中々良い感じだった。エレキギターの伴奏にやわらかい感じを加えたくて試してみたのだが、奥行きも出てうまくいった。やってみたらその分だけ形になるのだ。 そのあとは、アルバムの1曲目と考えている曲のイントロコーラス案のデモ録音に取り掛かった。イントロにコーラスをつけるアイデアは、ふと思い出して聴き直したHomecomingsのアルバム"Whale Living"収録曲の"Songbirds"から着想を得た。もともと自分の作業中のアルバムにはコーラスは加えたいと考えていて、数日前に「Homecomingsはコーラスワークが冴えているなあ」と感服しながら聴いていた。"Songbirds"はギターのイントロから始まってコーラスが加わり、そこにリズムセクションが力強く入ってくる構成で、自分の曲も雰囲気が似ているので、何か足したいなあと考えていたイントロにコーラスを使うアイデアは思いついたその時に良い!やろう、と決めたのだった。今日はその初めてのとっかりだったのだが、残念なことにHomecomingsのような女声ハモリは叶わず、おっさん一人で何とかするしかない。事前に漠然と考えていたフレーズがあり、うまくできるだろうかと不安もあったが、やってみたら案外うまくいった。ひらめいたアイデアを逃さず形にすることが大事なんだ、と実感した。
そんな風にちまちまと進めながら、弾き語りの曲の録音で力を貸して下さったエンジニアの方に無理を言って、他の細々とした作業をお願いするためのやり取りも行っている。メッセージの往復の中で、作業を進めれば進めるほど、すでに録音したパートの細かいところが気になってくるのだと漏らしたら、「録音した物は時間が経つほど良さより粗さが気になるが、作ると決めた以上は、録音した時の自分の力量を受け入れて進めるしかない。」「その時の良い衝動は収められていて、伝わるはず」と励まして下さった。一人だけで作業をしていると、歩いている方角が分からないような状態になるが、その時その時の自分を録音に収めることが大事なのだ。時間には限りがあるのだから、いつまでも悠長にやるわけにはいかない。次の休日はさらにもう少し、しっかり取り組みたい。
2020年2月6日(木)
楽器屋にメンテナンスに出していたベースを久しぶりに弾いてみた。広島でバンドに参加していたときはダダリオの弦を張っていて、今回はそれまで使っていたロトサウンド弦を再び使ってみた。ベースを弾くのが久しぶりだから、という訳ではないと思うが、弦高がやたらと高くて驚いた。メンテナンスを依頼したときに弦高のことは注文しなかったから仕方ないが、しっかり弾きこむにはしんどいコンディションだ。録音に使う前に何とかしたい。
2020年1月30日(木)
新しく入手した機材のおかげでギターの音が良くなったように感じるためか、家で弾いて録音することのストレスが減ったような気がする。転居後の約半年間、アルバム録音の作業を諦めずに続けてきたが、作業日は一週間に1日だけ、それも1時間に満たない時間しか弾けずにいた期間が長かった。それがこのところ、晩飯後の1~2時間程度だが、こつこつと取り組むことが出来ている。休日をしっかり活用できないジレンマもあるが、作業が少しずつでも前進しているのは良いことだ。
2020年1月22日(水)
ふくろうずのギタリストで解散後の現在はソロで活動中の石井竜太が、SNSで"savior(セイヴィア)"というギター用のアタッチメントを紹介していた。これがお手頃価格の割に良さそうだったから、先日購入して使ってみた。「スイッチング電源の音質改善を目的とした”電源アクセサリー”」と謳っていて、ACアダプター使用時と比べて何がどのように改善されたかはっきりとは分からないが、音にハリが出て伸びやかになったような感じで、弾くことが純粋に楽しい、そんな風にさえ思えるように変化した。もっと前に入手していれば、あの曲もこの曲ももっと良い音で録音できたのに…という思いが頭をよぎるが、今さら欲張っても仕方ないので、かわりにこれからの作業で思う存分に使っていきたい。 そんなことを考えながら、今日あらためて商品について確認してみると、「スイッチング電源の音質改善を目的とした製品です。トランス式電源に用いた場合は逆効果となる場合もあるため推奨致しません」という説明書きがあった。自分の使い方は、トランス式のACアダプターとエフェクトペダルの間に挟むというやり方だから、推奨されない使い方をしていることになる。しかし効果はあるように感じるが…、それは単に思い込みなんだろうか??
2019年12月22日(月)
再び東京で暮らし始めてから、都内の各地で開催されるコンサートに足を運びやすくなったが、仕事を終えてから参加するときは開演に間に合わないこともある。そんな中、何度も申し込んで運良く1枚だけ当選したNumbergirlの豊洲公演は、ありがたいことに休日の12月15日(日)開催だった。 開演からしっかりと彼らの演奏を聴きたいという思いを胸に抱き、開場時間の17時を少し過ぎて会場に着くと、既に自分より後の400番台の整理番号が読み上げられていて、当初会場の後方を確保して騒ぎに巻き込まれないようにしようと考えていたのに、興奮からかそんな考えもすっかり忘れて出来るだけステージに近い場所に近付いていった。ステージ前はさすがに人が集まっていたものの、開演までまだ時間の余裕のあるうちはフロア内にいる人はそれほど多くはなかったが、時間が過ぎるにつれてたくさんの観客が集まって来た。前日のセットリストはあえてチェックしていない、など語り合う仲間同士の雑談を耳にしながら待っていた。そのうちにSEのTelevisionが流れて周囲から歓声が上がり、何が何やら分からないままメンバーがステージに登場して、"鉄風 鋭くなって"から演奏が始まった。周囲はまるでNumbergirlのコピーバンドでボーカルをやったことのある連中ばかりかと思うほどのシンガロング振りで、向井秀徳の歌よりも歌詞が聞き取れるくらいだった。周りの縦ノリの狂騒に合わせなければ却って危険に感じて、図らずも飛んだり跳ねたりの流れに合わせた。そんな風にして、ステージ前列付近の狂乱の中で酸欠気味になりながら、「演奏を聴きに来た」という当初の意図を頭の中で立て直し、耳を澄ませて各楽器の音を聴き、田渕ひさ子のリードギターの音は何であんなに太いのだろうと思ったりした。人気曲では人波が大きく揺れ、自分もよく覚えていない"NUM-HEAVYMETALLIC"の収録曲では波が穏やかになるのも面白かった。 自分くらいの年代の人は約20年前のリアルタイムから今日までの年月を振り返り、10代、20代の若者は近い過去の未知の歴史的存在を目の当たりにして盛り上がる、そんな時間だったような気がする。うっかりフロア前列の荒波に入り込んでしまい、演奏を聴き届けることが出来なかったので、次にまた機会があれば会場の2階席の最前列とかで着席した状態でしっかりとバンドのアンサンブル全体に耳を集中させて聴いてみたい。
このナンバーガール公演に先立つ13日(金)には、角銅真実のプレリリースライブを勢いに任せて直前に予約して、遠い吉祥寺まで行った。キチムは3年前のザ・なつやすみバンドのファンタジアツアーで、広島から足を運んだ思い出深い場所だ。演奏を聴いて、角銅真実は角銅真実のままなんだと安心したし、新作への期待が高まった。それにしても西田修大の名サポートプレイヤーぶりはなんだ。角銅真実や中村佳穂のような才能あふれるシンガーの傍でギターを弾く様子は、幸せそうだった。陰ながら応援したい。
2019年12月4日(水)
昨夜、石若駿の"SONGBOOK Ⅳ"を聴いた。シリーズを初作から聴いてきて、1枚目の"SONGBOOK"収録の"ASA"が自分にとっては一番だなあ、なんてことを思った。そして今日また"Ⅳ"を聴き返して、作品の統一感が角銅真実の歌によってもたらされていることに気付いた。SONGBOOKのシリーズは、1枚ごとに様々なミュージシャンとのコラボレーションの成果が収録されているが、中でも角銅真実の歌声が欠かせない大切な要素の一つになっているのだ。
久しぶりに角銅の歌声を聴き、最近の動向が気になったので調べてみると、1月にユニバーサルからアルバムが出されると発表されていた。ソロ2作品のもつ密やかな雰囲気の色濃さ故に、メジャーレーベルから作品を出すことがとても意外に感じたが、「『うた』にフォーカスしたメジャーデビュー」ということで、果たしてどんな作品なのだろうと気になっている。やはりこの人の歌声に惹かれた人たち、この人の歌声を広く知らしめようとした人たちがいたのだろうか、とあれこれ考える。経緯がどのようなものであっても、角銅真実の歌が注目されるきっかけを作ったのは石若駿の功績だと思う。
● 角銅真実が「うた」にフォーカスしたアルバムでメジャーデビュー決定 https://fnmnl.tv/2019/11/22/86271
>過去の日記
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2019.09.19






JOIN ALIVE 2019 & MNF in JOIN ALIVE(7.13 sat) 山崎まさよし / ゆず / iki orchestra / THE BAWDIES / 浅井健一 & THE INTERCHANGE KILLS / MONOEYES / 奥田民生 / サカナクション D.A.N. / Kuniyuki Takahashi / AMI KUSAKARI / Daito Manabe / 巻上公一 / EYE / Ichiro Yamaguchi FUJI ROCK FESTIVAL’19(7.25 thu - 28 sun) 前夜祭(7.25 thu) RED HOT CHILLI PIPERS / DJ MAMEZUKA
DAY1(7.26 fri) RED HOT CHILLI PIPERS / ポセイドン石川・南壽あさ子 / KING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD / JANELLE MONAE / TORO Y MOI / ELLEGARDEN / TYCHO / THE CHEMICAL BROTHERS / グッドラックヘイワ / MATADOR! SOUL SOUNDS / MOROHA
DAY2(7.27 sat) 怒髪天 / GEZAN / the LOW-ATUS / JAY SOM / UNKNOWN MORTAL ORCHESTRA / COURTNEY BARNETT / ALVVAYS / MARTIN GARRIX / AMERICAN FOOTBALL / SIA / DEATH CAB FOR CUTIE / SUNNYSIDE
DAY3(7.28 sun) HANGGAI / STELLA DONNELLY / BANDA BASSOTTI / ORANGE RANGE / PHONNY PPL / Superfly / CHON / JASON MRAZ / toe / VINCE STAPLES / THE CURE / JAMES BLAKE / THE COMET IS COMING RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO(8.17 sat) 怒髪天 / DEPAPEKO / 赤い公園 / 吾妻光良 & The Swinging Boppers / ゴスペラーズ / 真心ブラザーズ / ELLEGARDEN / THA BLUE HERB / MOROHA / the pillows / 七尾旅人 / DMBQ / SONIXTATION(TAKKYU ISHINO) / Dragon Ash
今年のフェスシーズンも全部終わりました。 JOIN ALIVEは近場だしMNFがあるから程度の気持ちで向かったけど、行ってよかったと思える楽しさでした。 個人的ハイライトは、本編ライブ終了後に真夜中にリフトに乗ってMNFの会場へ移動していたとき。宿泊者のテントの上をリフトが進んでいくのだけど、このフェス特有の光景だなと思ったしリフトの軋む音と霧と灯りが良い感じでした。
フジロックはとんでもない雨に打たれたし、立ち回りすぎて最終日の後半は足がダメになってあまり動けなかったのが残念ではあったけど、素晴らしい音楽をたくさん聴くことができて楽しかったです。 自分も多少図々しくなったのか、椅子とかゴミゴミした環境はもうそういうものだと割り切れるようになってきた。 でもやっぱりもうちょい人口密度下げてほしいな~ 会場内の作りや音楽には文句ないです。毎年自分では想像つかないようなものとの出会いを提供してくれるので、いつまでもワクワクできます。
ライジングは初日が中止となってうなだれていたけど、2日目はここ数年で一番良い天気。 毎年一緒に行っている仲間たちと今年も乗りこみ、開場待ちや出店巡りも楽しむことができました。 来年はちゃんと2日間楽しませてほしい!
二週間前には札幌では4年ぶりのMO’SOME TONEBENDER、数日後には遠征してBUMP OF CHICKEN、来月はthe pillows 30th anniversary、その翌日はまた遠征してsyrup16g。 大好きなバンドをこんな短期間で一気に見れるのは初めてじゃないだろうか。すごい楽しみだけど、絶対ピロウズが全部持ってくんだろうなぁ。笑。 こんな遠征したりする年はもうたぶん無いでしょう。楽しみたい。
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