Don't wanna be here? Send us removal request.
Text
学生の頃、前の席の子が振り向いたはずみで、その子の持っていたカッタ一が、本当に軽くだけれど、俺の指へ当たって流血したことがあった。そんなふうな、ことなんでしょう。”誰も悪くないじゃない”、"悪気があったんじゃないんだもの"。じゃあ俺はいつ、この傷を慰めてもらえるのさ。
0 notes
Text
「初めて出会ったあの日から、牽制していたら良かったんだわ。この男が他所へ行けないように、他の女がこの男に誑かされないように、あたしだけで、済むように。あたしだけを、見てくれるように。」
0 notes
Text
「良いんじゃねえのべつに、パビナールがねえと生きてらんねえって、それがあの子を生かしてやってるって���とじゃん。お前にもなれなかった、“生の理由”に、ソレが今なってるわけでしょ。自分が適いっこねえ相手に、ソレを止めさせたい、だとか謳ってもね。」
0 notes
Text
貴女の手の平の上に居たいです。俺をどう踊らせるかだけを、考えていてください。器用にこなしてみせますから、俺を娯楽とだけ考えていて。俺なんかに本気にならないで。幻滅させないでください。
0 notes
Text
国語を俺に教わりたがったあの子のことを、ふと思い出した。数学と違ってこれといった法則や正解がなくて、のらりくらり、意図される答えをなんとなく探り、それがまぐれで的中する、俺にとって国語での成績とはそんなイメージだったので、教えてくれと頼まれてもなあ、と思った。作者はどんな心境で〜云々、そんな問題文の常套句に対して、回答が丸っきり同じ男女を、教師はべつに気にも留めず、答案として成り立っていればマルをつけたろうけど、なんとなくあの子の心境が、今になって解ったような気もした。
0 notes
Text
0 notes
Text
自傷と自慰の区別をつけられない。結局、自分を虐げて泣かせて喚かせて、それで、赦された気になっている。世間から?あなたから?あの子から?分からないけれど。流れた涙で濡らしたシーツ眺めて、ほんの少し、気持ちよくなっている。これだけ虐めたから誰にも虐められないだろう、そんな気持ちから、なのでしょうか。防御本能ゆえ、なのでしょうか。
0 notes
Text
嫉妬ばかり一丁前に覚えて、嫉妬の対象に勝ろうという努力は一向に覚える気がない。我ながらこんな脳みその足りない野郎は、見ていて虫唾が走る。
0 notes
Text
愛されることに慣れたひとの、油断しきった情けない横顔を。俺は恨み憎み、それでいて、安堵を覚えて。あの人の幸福で不幸を喰らう、それでいい。弱者側に立っていれば、ここより堕ちることは、ないはずだから。上で、嗤っていてください、どうか。
0 notes
Text
酔えないなら初めから口にしなければ良い。その男に無理に釣り合おうとするので擦れた踵も、凝固した血液も、白も、赤も、俺はきっと、その男より上手に拭えます。滑稽な女に惚れたから、俺はもっと、滑稽です。
0 notes
Text
つまるところ、器用な人間が、嫌いです。恨めしくて仕方がない。器用にあの人に愛されるなら、あの人の気持ちを擽ることが出来るなら、俺だって、こんなに落ちぶれたりしませんでした。
0 notes