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聴く和歌
和歌という名がついているからには歌であり、歌えるはずである。
和歌の文脈において歌というとき、それが何を指しているかというと、僕個人の感覚では言葉を口にしてみたときに、それと不可分な節(ふし)のことと感じる。
いま歌と言われているもののほとんどがそうであるように、別で出来た歌詞にメロディーを付けて歌唱することとは微妙かつ本質的な違いがありそうだ。
便宜的に、そういう一般的な歌詞付きのメロディーを「歌」、今考えている和歌における節を「うた」と言うことにする。
百人一首カルタなどでよく聞くあの四拍子の読み上げのふし、あれは覚えやすさ、そのポピュラリティは別にしてやはり「メロディーを付けた歌詞」、つまり「歌」に他ならないだろう。
和歌において考えると、やはり節付けを行うというより普通に自然に読み上げてみたときの抑揚、それがうたであるのだろう。
だから読み上げて口に出せばそれがうたでありそれでいいのだが、一般的な歌のように「うた」にも伴奏があってもいいのではないかと思い、ギターの伴奏を付けたものを「聴く和歌」としてアップロードしてみた。
伴奏をつけるにあたり、普通に読み上げた音源をSynthesizerVに移したロールを見てみると、和歌というのは最初の句から最後の句にかけて次第に声の音の高さは低く、大きさは小さくなっていく傾向がある。また速度については句切れごとに遅→早の単位が繰り返され、次の句のまとまりに行く前には「ため」がある。これは雅楽と似ていて面白い。5句めは最後なので遅くなって終わるが、これは西洋音楽でも共通の傾向だ。
一般的な歌は基本的にメロディの自然さが言葉の自然さに優先するが、うたにおいては言葉の自然な抑揚そのものがうたなので伴奏はどこまでもそれに追随するものとなる。先程分析した傾向をなぞり、ギターの音が出るリズム、というか間合いはそれを邪魔しないようにした。
その間合いがうたなので付ける音程や和音は内容に合わせてなんでもいいように思うが、うたの声が高→低となることを考えると最後に向けて盛り上がるというより静かに消え入るようになる方が合っているだろう。
伴奏の骨組みは伝統的な和歌詠み上げの作法である歌披講の節を分析して採用した。今回の定義からすると歌披講も「うた」ではなく「歌」であるが、何もないところから作るより、より文化的に同質性のあるものから採ろうと考えた。
装飾音や経過音がかなりあるが、基本的な骨格は最初の音から最後の音にかけて四度の下降である。いろいろな民謡や伝統音楽でも共通だ。その四度下降をルート音とし、和音やオブリガートはそのつど内容と合いそうなものを適当に弾いた。ちなみに2句切れの和歌は甲調、3句切れの和歌は乙調が合った。
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有名なポップスグループ、その財をなしたボーカルは無人島を購入し、そこに邸宅を構えているらしい。誰もいない自然に美しい新築を自分の思うように建てられる。私も全てを擲って金を作りそのようなことが出来ればいいのだが。江戸川乱歩のパノラマ島奇譚みたいだな。 その島は今は無人島だが、江戸時代に人が作った階段の跡が残っている。その階段によって海の水分が吸い上げられ島全体に行き渡る。階段の中腹に公民館のような建物があり管理人の男性と話す。島の子供達も寄ってきた。旅番組のような展開だ。
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新居のマンションの部屋は、以前に飛び降り自殺があった場所だと知る。
混沌が侵食してくる予兆を感じる。
セーラー服を着たサブカル風の女学生二人組がその情報をもたらした。
彼女らも不条理にこの住まいを訪れた。混沌の仲間であろう。
安心な場所に不条理が突然押し寄せる恐怖、懐かしい恐怖。
ベランダにあるプールに、またしても知らない人たちが漬かっている。
名前を聞いてみると、なんだか聞いたことのあるような、
旧知の間柄かもしれない雰囲気がある。
この人たちも混沌の仲間には違いないが、会話をすることができ、
名前を知れるということは、私の成長かもしれない。
混沌に侵食されることを怖れては、彼らの思い通りだ・・・
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セイカツ!⑧(終) 今日は休みだから3人でゴロゴロ。昼間のテレビはつまらないのばかりだけど、テレビでやってるってことはこれが世間的には面白くて、かつこんなにたくさんの種類があるって考えると目眩がする。世間は怖くて、かつ楽しいのかもね。
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セイカツ!⑦ ボクが部屋にいない時二人が退屈でないようにインターネットの設定をする。妹の手をずっと握っていてあげたけど、もしかしたらボクも妹に握ってもらっていたってことなのかも知れない。大きくても不安は同じなんだからね。
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セイカツ!⑥ 従妹の頼みで、彼女の父母のtwitterを向こうに分からず見れるよう設定してあげる。そうか、この子の両親は離婚して家族バラバラに暮らしてたんだっけ。忘れても誰かの心の中に生きてるって事もあるんだ。ボクたちはずっと一緒だよ
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セイカツ!⑤ 嫌な予感がしたので部屋に入るとすぐ窓と戸の鍵を閉めた。案の定、さっき立ち小便をしていた男がつけてきていたらしく、窓をバンバンと叩きはじめた。部屋の中にいる以上安心だけど、やっぱり世間は怖い。
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セイカツ!④ アパートは角部屋だけど、アーケードの一階部分で陽も当たらず、風が窓の隙間から入ってくるようなボロ具合。でも変に斜めの形だけどキッチンとそれなりに広い部屋に分かれているし、ぜいたくは言えないな。
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セイカツ!③ 行く手に見るからに教育水準が低そうな男が立ち小便をしている。見つかったら何かいいがかりをつけられるかも知れないから壁の向こうの道を通って行こう。
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