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織田邦男先生の論稿です。
憲法に自衛隊明記が必要な理由 麗澤大学特別教授、元空将・織田邦男
「もし戦争が起こったら国のために戦うか」の問いに対し「はい」と答えた日本人は13・2%だった(「世界価値観調査」2021年)。調査対象の79カ国・地域中、最下位である。日本に次いで低いリトアニアでも32・8%であることをみれば日本は極めて異質な国といえる。国際社会は自らの国のために戦う国を支援する。ウクライナ戦争の教訓である。日米同盟も決して例外ではない。
自国を守ることを放棄
ちなみに1位はベトナム96・4%、中国は5位88・6%。主要国などを見ると米国59・6%、英国64・5%、フランス65・6%、韓国67・4%、台湾76・9%である。ドイツは44・8%で日本の異常さは敗戦が原因とも言えない。
この淵源(えんげん)は自国を守ることを放棄した日本国憲法にあるのだろう。現行憲法は、昭和21年2月3日に連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーが部下に示した指針に基づき、9日間で速成された「マッカーサー草案」が基になる。指針の一つに「戦争放棄」があり、「紛争解決の手段」のみならず「自国の安全保持の手段」としての戦争も放棄した。これは『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した』という前文に結実する。また『陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない』という9条2項は、「戦争が起こっても国のために戦わない」との宣言に等しい。
冷戦が始まると、詭弁(きべん)に近い解釈変更で自衛隊という実力組織を持つことになった。憲法制定時と戦略環境は激変し、憲法と現実との大きな乖離(かいり)が生じている。国民は気付きながらも、今ある平和に安住し、思考を拒否し続けてきた。先の問いに「わからない」が38・1%と世界で最も大きい値を示したことからも分かる。
このような国民意識で今後も戦争を抑止し平和を維持できるか。戦って勝てる自衛隊であって初めて抑止が成り立つ。一昨年、いわゆる安保3文書が閣議決定され、政府レベルでは有事に対する当事者意識が芽生えたかに見える。だが国民の意識は道半ばである。
自衛隊の本来の役割
自衛隊は『我が国の平和と独立を守��、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務』(自衛隊法第3条)としている。戦うことを前提とした実力組織である。他の行政組織とは明らかに異質であり、価値観も違って当然である。だが憲法にも位置付けられず、一行政組織として取り扱われている。
昨年7月28日の本欄「自衛隊『パワハラ』扱いは慎重に」で書いたので細部は省略するが、他の行政組織と同様に「一切のハラスメントは許さない」と単純には括(くく)れない。一般社会の「パワハラ」基準は、戦場では適用できない。他方、「セクハラ」は自衛隊内ではもっと厳格に律しなければならない。価値判断が違うからこそ、諸外国では軍法で律するが日本にはそれがない。
「人的基盤強化」の有識者検討会もそうだ。報告書のなかに「髪型や髪色のルールなど『しつけ事項』は、国民の信頼が損なわれない範囲に変更」すべしとある。規律を緩めることによって募集状況を好転させようする。本末転倒が当然のように提言される。
現場を知らない有識者の集まりは得てして一般行政組織の価値観を自衛隊に押し付けようとする傾向がある。メディアや官僚はむしろそれを良しとしているようだ。上記の有識者会議も現場を経験した自衛官OBが有識者から排除されていることでも分かる。
国民の国防意識に繫がる
自衛官は、特別職ではあるが国家公務員である。だが一般の公務員と違って、机上ではなく戦場が本来の職場である。自衛隊は国際法的には軍隊であり、侵略者と戦って勝たねばならない使命がある。他の行政組織とは全く性格が異なる。この認識が世間で共有されない限り、自衛隊の真の精強化は難しい。自衛官の募集状況も好転しないだろう。
解決策は憲法に「実力組織としての自衛隊」を明記することだ。「自衛隊は合憲で、その役割と必要性は国民に十分理解されているので、自衛隊の明記は必要ない」と自衛隊明記に反対する政党がある。だが国民の9割が自衛隊の存在を認めるものの、憲法学者の6割はいまだに憲法違反という。憲法上の位置付けが宙ぶらりんのまま、いざ有事には命を懸けて戦えという。政治はあまりにも身勝手だ。それ以上に重要な事は「実力組織としての自衛隊」が明記されていないため、他の行政組織と同列に扱われ、それが自衛隊精強化を阻害していることだ。
国防という崇高な使命を果たす自衛隊を憲法に明確に位置付ける。自衛官に名誉を与えるだけでなく、国民に国防の当事者意識を持たせることになる。「13・2%」という異質性は、大いに改善されるだろう。ひいては抑止力強化に繫(つな)がり、結果として平和が守られることになる。(おりた くにお)

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“その津田沼がある習志野市は、明治天皇が陸軍で活躍した篠原少将を称え「篠原を見習え」➡「習志野」となったという噓みたいな説。忠敬の時代にはまだない地名。”
— 伊能忠敬の古地図見てたら「津田沼」の意外な由来がまんま載ってて面白い「知らなかった」「たまたまかと思ったら…」 (3ページ目) - Togetter
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“Twitter独特の言い回し「爆発しろ」の最古は 2007-04-16 17:30:49+09の @yuuki による「今から明日の朝まで夜勤だお!地球爆発しろバカ。」”
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Twitter / TERRAZI: Twitter独特の言い回し「爆発しろ」の最古は 20…
– neodenjin:長い間の疑問が晴れてスカッとしました。
(via katoyuu, sag)
(via gkojax-text)
(via pirozhki)
(via hkdmz)
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“私たちの脳には、頭の内側から来る情報と外側から来る情報を対照させて、その違いを認識するという独特の能力がある。その結果として生じる知覚が意識である。内側の世界を経験する――白日夢を見る――と同時に外側の世界を経験していなければ、「内」と「外」の概念もなく、「私」と「私以外」の概念もない。”
— 新しいオペレーティングシステムは脳の一部を外部の影響から解放し、記憶と意識を作った - quote stock (via kml) (via yaruo, kanabow) (via gkojay)
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“今回のロシアのように無茶な要求を突き付けた上に問答無用で襲い掛かってきた侵略者にどう立ち向かうのか?、と問われて「戦争回避の努力をする!」と答える奴、国語力鼻くそだろっていっつも思ってる。事故った後の事後処理中に安全運転の努力してどうすんだよ。”
— しわすみ / Twitter (via y-kasa)
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148: 風吹けば名無し 2022/06/26(日) 15:38:29.79 ID:GGXg0/MHd やめてくれ それをまず使わされるのはNTT社員なんだ
NTT株主「NTTは日本独自のSNSや検索エンジン作れんか?WindowsみたいなOSは?」 : PCパーツまとめ (via plasticdreams)
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“常任理事国みずからこのカードを切りながら戦争を始めちゃうと「北方領土の住民保護の名目でロシアが北海道に侵攻」とか「沖縄を独立させるために中国が侵攻」みたいな話ももう絵空事でも無くなってしまうんだよな。”
— ノザキハコネ / Twitter
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【WilD】ワイルドゲリラ(JEFF) on Twitter
9:12 AM · Oct 21, 2021
https://twitter.com/WildG_Jeff/status/1450978236825886724
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香川県
ゲーム条例を巡り2つ目の裁判に
弁護士費用の返還など求め住民が提訴
《KSB 瀬戸内海放送》より。
2021年 10月18日
https://news.ksb.co.jp/article/14463143
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香川県のネット・ゲーム依存症対策条例を巡る2つ目の裁判です。
元高校生と母親が起こしている「違憲訴訟」で香川県が負担する弁護士費用の返還などを求めて18日、住民グループが県を提訴しました。
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訴えを起こしたのは高松市の元高校教師・松崎光成さん(65)ら県民5人です。
香川県の浜田知事を被告とする訴状を18日午後、高松地裁に提出しました。
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第1回口頭弁論(高松地裁 2020年12月)

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高松市出身の元高校生・渉さん(18)と母親がゲーム条例は憲法違反だとして損害賠償を求めている裁判で、被告の香川県は3人の弁護士に代理人を委任しています。
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弁護士との契約書(KSBが情報公開請求で入手)

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契約書によると、着手金は原告の賠償請求額である160万円を上回る合わせて161万7000円で、訴訟終了後に別途、報酬金を支払うとしています。
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住民監査請求(香川県庁 2021年8月)

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松崎さんらは、こ���支出は県の裁量を逸脱した違法なものだとして2021年8月に住民監査請求を行い、棄却されたため提訴に踏み切りました。
弁護士費用の返還と支出差し止めを求めています。
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原告/松崎光成さん

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「(違憲訴訟の原告である)10代の渉さんだけに重荷を負わせるわけにはいかないというので、30代から65歳の僕までが立ち上がったという感じです」
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《 省略する 》
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(記者リポート)
「1つの条例を巡って2つの別の裁判が同時に進むのは異例です。
今回の訴状でも条例の中身や制定過程の問題が指摘されていて、違憲訴訟と内容が重なる部分が多くあります」
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2つの裁判ともに代理人を務める作花知志弁護士によると、元高校生と母親が原告の違憲訴訟で、被告の香川県は「条例は努力義務であり、権利の侵害はない」と主張しています。
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これに対し、新たな訴訟は税金の使い道が争われるもので、
原告側は「そんな条例を守るため、なぜ税金を使わなければならないのか?」と主張する方針です。
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原告の代理人/作花知志 弁護士

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「片方の香川県の主張が、もう一方の有利な証拠に使える。両方の(訴訟にとって)効果があるんじゃないかなと。
ゲーム条例がある限りは当然裁判というのは続く、また別の裁判が起きる可能性だってあると思います」
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被告の香川県は?
「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。 ・
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これはメガソーラーだけの問題ではない。各地でバイオマス発電や風力発電などを再生可能エネルギーであり、気候変動を止めるための切り札的に推進されている。国は、2030年までの二酸化炭素46%削減を公約したため、何がなんでも進めたいのだろう。
しかし森林を伐採して何が脱炭素か。水害を起こしかねないのに何が再生可能か。もう少し真面目に考えてもらいたい。
奈良県が止めたメガソーラー計画の現場から見えてきたもの(田中淳夫) - 個人 - Yahoo!ニュース
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“落ち込んだり気分が沈んだ時に一番ヤバい感情は「面倒くさい」だと思う。これにハマるとしんどい。食事する、ゆっくり風呂に入る、外出する、部屋を掃除する。そういうハードルが高くなる。狂気の作家、平山夢明氏は「面倒くさいは狂うスイッチ」と言っていた。敵は暗い気分じゃない。面倒くささだ。”
— Twitter / tarareba722: 落ち込んだり気分が沈んだ時に一番ヤバい感情は「面倒く … (via eternityscape)
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IOC委員はさすが百戦錬磨の強者ですね。諸外国で国民の過半数が反対する行事をすれば、警察や軍隊が出動する暴力的なデモが起きます。委員もそんな所は怖くて来たくありません。でも日本人は行儀が良いので絶対にしない。委員もそれを経験値から十分に理解している。だから強行突破できる。脱帽です。
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הילל בן שחרさんはTwitterを使っています 「これもちょっと気になるもの。 ノストラダムスの預言絵。 1~6までの上部にある「時の車輪」と思しきもの・・・ 7枚目で、中が空白になってる。 手に指し示す書物も、空白となっている。 時間が無くなり、あらゆる存在が「空」になるという感じ。 https://t.co/uJVBgPyUGx」 / Twitter
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昨日ひろゆきって人の本を立ち読みしたんだけど 目次から「バカはこう考える!」「賢い人はこう!」みたいな見出しばっかりで そこにすごいこだわりがあるんだなと思いました 彼は一流の知性とか頭脳とかに憧れてるけど 自分はそれを手に入れることができずにその道の知識人を言いくるめて 「ほら、知識なんてくだらないでしょ?賢いってのは僕みたいな人のことを言うんです」 という酸っぱいブドウがやりたいんですね
東京大学文学部のJDがひろゆきの本を読んだ結果wwwwwwwww:暇つぶしニュース
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