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#いいねしてくれた人に短歌を詠む 20241228-20241231
I am a cat.を和訳せよ。ただし猫の名前はあるものとする。 天になどいなくてもつくれるものはあってたとえばきみの指とか 「青空を説明するときにレイリー散乱とか言うんでしょ」いいじゃん! 「ロンリネス」「ネス湖と関係あるそれは?」「関係ないけどあってもいいよ」 にんげんを漂白することばがあって飲むと身体にわるいそうです クリアブルーのガラスが瞳にもなるよ みかんはいつもやわらかで甘い (生まれ変わりなんてあるの)(ないけどねって言ったら悲しまれるから)夕立ち われわれの色は自分で決める 赤、黄色、青 どれも正解 かつて羽だったんだねといわれても天井はいつも低い でも飛ぶ かみさまは何も処方しない。救う。って決めたからぜんぶ救ってしまう。 庭の木に整えられてみたいかと尋ねてみたが返事は来ない 毒のあるタイプの鳥が嘯くに「お前はすでに世界の王者」 こんな世界(とこ)抜け出して行こうシャングリラ アスファルトに足跡を残そう トンネルもかそけきひかりをよすがにし歩いていけばたぶん、平気だ 夜のこと愛せるようになりました星とか月とか雲とかなくても さんかくのプリズムを窓辺に置いてひかりを見ている トマトを食べる もういっそあなたが神なら花のように従うのも無理はなかったのに 自らの遺灰を胸に立ったときシリウス、夢の混合物と 板の上ならば敵にも味方にもなれたあなたと地上で出会う 書き割りの中の月にはなれないし空の太陽はちょっと明るい そのときに世界になったてのひらが愛してくれた一瞬がある 金よりもきらめいているなんて陳腐なこともお前が言うなら光る あなたの家のそばに流れるゆるやかな川になっておはようと言いたい タッパーに鶏肉と野菜を詰める 朝日が間仕切りの端を照らす 燐光を唯一のひかりということにして終わってくれぬ晴れ舞台 左手の人差し指を何色にするかを決める儀式の途中 モノクロの写真に色が見えるよう魔法をかける天職につく 確信を持って光ってる。星なので。部屋の隅まで照らしてるので。 いちじくのぐしゃぐしゃがわりと好き とか言う人が割と好きなことに気付く そのパースペクティブを得たときにだけよく見える日常があります 混ぜたって灰にならない白と黒があるって信じる自由の行使 庭の木に整えられてみたいかと尋ねてみたが返事は来ない 閃光になりたくてなったわけじゃないひかりはそれでも一瞬でゆく 「ねえ先輩、相変わらず釣った魚に餌やらないんすか、オレはやります」 AがAでないと言うときBもBじゃない確率を求めよ。やだよ。 与えられたものを与えていくための通路として立ち現れる実存 一緒に歩くってふたりきりでいることじゃない、ほら、フリージア咲く 行き先のない切符で旅に出ようか とりあえずアルファ・ケンタウリまで ジェラートが溶けるみたいに眠るとき見る夢にキリンとバクが出たよ もふもふとしたあいさつをする日々にレモンをひとつ足しておきます 一平米の領地を治める王であるように歩いて喋って黙る 花が好きと言うとき失われるものを失わないようにする運動 踊ろうか、って言ったくちびるがどちらでも足は手は身体が踊りだす おろかさの銅像を建ててくれたなら代わりに皿を洗ってあげる 「黄色って何色?」「バナナの色じゃない?」「例えではない色を教えて」 「月は太陽がないと光らないんだ」「それが何?存在はえらいよ」 天をつくショクダイオオコンニャクみたいなハレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤと晴れ 遠すぎるアルデバランはあてにせず机の上のライトをつける 草原にラブラドライトを探すときおそらくすべて間違ってない 金紙に包まれたボンボンショコラを割るか食べるか眺めるかする 背伸びして届く棚にだけ置いてある勇気を持って川べりにゆく 青空に赤金色の旗を振れ たましいの色を忘れぬように えいえんが手に入るほど強くないのでチョコレートをひとくちかじる たぶんもっと大きかったはずの背中が小さく見えるのは遠いせいか 我々が言葉で遊んでいる時に言葉もまた我々で遊んでる 最高の速度と最高速度って違うね。ところで風が強いね。 花に似たものは花ではないのだがドーナツは噛めばいつでも甘い 翼とかあっても飛べないぼくたちの羽を集めて太陽に飛べ あたたかい海もつめたい海もありどちらにせよ舐めると塩辛い グッド・バイのグッドの部分をごまかせるお前じゃないと別れられない 半分に割ったグレープフルーツの片方をあげるときの感情 おとといの天気予報に従って傘なんか持って行くことないよ。 見た目には愛に似ているリンドウを束ねて渡したりしたっけな おしゃべりなセキセイインコを前にしてずっと黙っていたわたしたち 来世では本になりたい えっほんと?今すぐにでもなれるんですか!? その問いに祝福をあげる(解答が一意に定まらない呪いもね) ガラスでも石でも磨けば光るものだし今日もまたよく手を洗う 見えないがかわいいユニコーンに乗ってあなたに会いに走って行くよ
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Dead Plate fanarts
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for all “good” life.
ジャムパンと等値とされることがらはハグとかキスとかそれ以外とか
あの夜にプールの底に沈めない自分をなんだか許しちゃった日
恋人がほしいヒーローになりたいだめでもあなたの犬になりたい
猟犬の言葉を信じてはならず フォー・オール・グッド・ライフ 血溜まりに立つ
「恋情」をあらゆる手段で食い尽くすためにネットで調べるレシピ
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スノーボールラプソディ
腐ってる牛乳は飲むなよ、期限が切れたパンは食うなよ、これ食え
コンビニでインスタントラーメンを買う、みたいな贅沢させてやりたい
レクイエム 届かなくてもいいそれを愉快に奏でた日の夕暮れに
まっくらな夜空に落ちる星たちのようにお前に死んでほしくない
うつくしい摂理が呼んでいて あるいは悪魔を殺すために生まれた
まっしろな銃弾を雪玉に変えてくれてありがとうって言えない 暗転
アキデン
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#いいねしてくれた人に短歌を詠む 20231226-20231229
雲を裂き空飛ぶくじらが夢を見ることはたいがい正夢になる シーソーをずっと揺らしてだけいたい それだけだとさみしいな そうかも 噛むと多分酸っぱいからまだ噛んでない山査子が泳いでいる口内 白線の内側と言うひとだって今朝はコーンスープを飲んでいる あいまいの中にも愛があるけれどあいまいでないぼくらを愛す それは幻ではない。空から降ったサファイアくらいにきちんとあるね。 「何」が好き、に因数分解不可能なあなたたちのことずっと好きだよ。 朝食のトマトにナイフを刺しながら、そう、昨晩は眠らなかった ゆびさきのトロイメライはまっすぐでこわがることはひとつもないよ 灰色のおうさまの夢 雪が溶けていくみたいにほんとうの夢 「何よりも、月に向いてる。」そのわりに主系列星をあきらめないね。 あかいろが前よりおおく目に入るようになったね、ほら、ガーネット 冠を。とこしえに緑なるきみの戴く祝福となれ白金 窓を描く 窓があるから外が見え黒くゆたかな鳥が飛びます センターで笑うあなたを輝かすLEDの一になりたい 喜劇とはうまれてこのかた兄であり弟に決してなれないことだ 願うこと、花の名前を知らなくていいけど花は踏まないでいて クラックがあると仕立てはできないが窓辺に虹をこぼしています 大きさのちがうてのひらの間にも循環してゆく愛があります 液晶のなかにいるひとに差し伸べた手は無駄じゃない 朝がきれいだ お互いに目隠ししてたら明後日もおいしいごはんを食べられたかな アネモネによく似たあなたが笑う時ここにあるのが感情だろう トゲならばぜんぶ抜いたしあんぜんに横たわって 夜がもうすぐそこ さよならを言いのがしては赤い月ばかりのカレンダーを破った 曲線の漸近線を求めよ。ただし、光はすべて等値とみなす。 かんぜんな食卓を作りたくて、冬、テーブルクロスは円にしておく ゼロ番に立つ 結果論でなくクリスマスの星として生まれた みつばちのいない毛布にくるまってさめてゆく夜はいずれやさしい とうめいなアクリルの板を無視せずに手を繋ごうとしているふたり 踊ろうか、砂糖が溶けるまでの晴れ舞台だから 一瞬は永遠 多元的寝所で王者たるひとの残り香を知る唯一のひと コーヒーとラムで今夜を酌み交わしパラフィクションの彼方で会おう 平凡なグラニュー糖になりたくて日に当たっては日焼けしている 世界なら滅んじゃえ、きみが呼吸した酸素分子に気付かれぬよう 泡になるのにはナイフはいらなくて一目見てくれ いちにのさん、はい お前になら噛まれてよかった。まっさらな肌にシャワーが染みてゆく日々 ユートピアには帰れない 帰ったら毎日星を食べるんでしょう? 失楽園 このふたりならこわくない のわりに汗をかいてる右手 ずいぶんと短くなった鉛筆を握り直した年の瀬がある まっすぐに二重性(デュアリズム)を歩くキャラクターとリアルの間 鳥ははばたく このぼくがきみの対蹠点でない人生ならば破り捨てるよ 新宿で燐寸一本配ってる きみの魂に火をつけるため きみはぼくが「酔っているから」で許すほどやさしくないと知っているだろ センキュー・フォー・オール・ラブレター ジャム瓶が毎度かんたんに開きますように 大丈夫!固まってるから歩いても!コンクリートに足跡がつく まぼろしと呼ぶにはちょっと影があり今朝は卵を焼いていました 箱なんか開けなくていい。開けるまでわくわくしたよね。そのための箱。 冷凍のバナナをジュースにするように過ぎゆく時を忘れたくない この振りを踊るのがこのわたしだと、任じるために星はいらない 誰ももう覚えていない風が吹きマーガレットを揺らしています 独力でたどりつけない朝があり小指がひとつ必要でした ぴかぴかの光あれ 影の王が言いそのようにある創世神話 やさしさを期待しないでいたかった 春の雨など望んでなかった オメラスの外れで人を待っている 花に水をやるのを忘れてた 昨夜降った流星のように見つめたら案外真理は近いのかもね 天命(ミッション)に歩くことは孤独ではない 轍で見えなくなってゆく路面
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最近の短歌
アオモジの香りがすきなひとだからキャラメルプリンもきっと好きだよ
仰ぎ見るきみのまぶたの角度なら空は決して見えないだろう
眩しくて オレンジよりも眩しくてずっと地面を見ているばかり
ごめんねといわれたところでわからない「好き」とかきみが言うべきじゃない
リップとか塗らないでいてかんぺきでいてそのままでずっと歩いて
/礼拝
ながれゆく珪砂を溶かして固めたら彼我をあらわす階段になる
手をかざす きみの瞳は中指と薬指の隙間から見えるよ
身長はこっちが下で ヒールっておんなの履くものだから履かない
スニーカーばかりで歩く特権を活かしきれずに階段の下
「なあきみとぼくとはずっと対等でおんなじものが見えているよね」
水中にずっとずっとずっといられたらガラスのふちが見えなくてすむ
/ガラスの階段
中学で習った星を教えたらきみはぱちぱち拍手をしたね
ぱちぱちとクリームソーダが鳴っていて月面着陸みたいに飲んだ
八八はぱちぱちとは読まなくてはっぱと読むよとえらそうな鳥
/ぱちぱち
八分でカルボナーラを食べ切った そうそうお前そういう奴だよ
洗い物シンクに入れてそのままに さながら大安祝日のよう
「なんでおれお前のことが好きなのか全然わからない」夜明け前
プラトンの『国家』を読んでおきながら選挙に行かないお前はバカだ
七分でパスタは茹で終わるけれどおれとお前はまだ終われない
/カルボナーラは得意でもない
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雉野つよし本編沿い一人称小説(49話時点)
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雉野つよしの本編沿い一人称小説まとめ1
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#いいねしてくれた人に短歌を詠む 20221228-20221231
平凡をカレイドスコープでながめてぜんぶぜんぶキラキラにしちゃおう。 夢の中だけで立っているヒーローのとうめいな背を覚えていてね 秋の瀬に緑が赤に変われどもその逆はない道を歩いた 幸福に至るルートが見えずともヒトの温度を知っている赤 永劫の銀河に遍くひかりからたったひとつを選んで掴む ストロベリークォーツの角がいびつでもぴたりとはまる枠があります 海辺から逃げて帰った日常に今のわたしは猫を探さぬ 赤い血とピンクの肉を見出している瞳を所有する身体 ゆるやかな上り坂ではそれなりにがんばったことに気付きにくいね ラフランス、生クリームにヒーローをかけたパルフェをひとくち食べる ルチル・イン・クオーツの針のようにただあなたを傷つけずに眠りたい 来年は曼珠沙華だけ選んでは撫でてゆくような風になりたい バック・トゥ・ブラック 何色の絵の具を混ぜてそうなったのかはひみつ 宇宙とか山とか行かなくたっていい冒険できる関係になろう くまのいる真下の雪は溶けなくて種の住処となったようです なあ鳥だ、告げるあなたの瞳には星が映っていることでしょう 味方だし付き添いである旨を述べ近付くのなら果敢に飛ぼう 大海に黄色い鳥が突っ込んで無事に戻ったことを祝う日 きみが好き 印象派の絵を目にすると頭がオムレツになること以外 スーツでも袴でもジーンズだろうとわたしの目はあなたを見つけよう 口の中にあるものは真実だからきんいろのコンソメはおいしい 群青をトップスピードで駆け抜けたテンカウントが決める結末 イエローのトリリアントはどの面を下にしてもよいとのお達しです その星は終わる前からよく光り地球にももう届いたようです 手を伸ばす 祭りのあとのさみしさからそろそろ出てもいいんだよって 形容詞のいらないただの星ふたつ 普遍は平凡とはまるで違う 裏切ると確信してる だからこそポークサンドを頼ませている グリーンの物語から逃げてきて辿り着いたレッド・オア・ブラック まんなかのハートも嘘も真っ赤だがりんごみたいにおいしくはない あかあかと月光の言う真実をほんとうなんかにしたくなかった 「宇宙って終わるらしいね」「はじめからはじめるらしいね」「よい終末を!」 くっきりと見えるしキスもできるのに幻なんだと主張する影 それはどう音写できるの?火星人から発せられるあいさつだけど 虹色の羽したヒトの実在が正式に確認された学会 夕凪を感知する肌 そうなるように育った自分はわりと満点 窓際でクリームソーダを飲みながら夢を語った日の空の色 三回は鍵を締めたか確認し家を出た日に特有の空 ヒーローになるってこういうことだよと身体を烏に捧げた男 トパーズの瞳でもって見る空はいつもわずかに夕に傾く ほんとうはないのかもねえ明確にあちらとこちらを定める線は 裏庭でフラットメイトが賭けたコイン ジャックポットで埋もれる芝生 刈りとる手 種を蒔く手 糸を刺し色を世界にもたらしてゆく手 銀幕のなかで無限を手に入れて家に帰れば有限のパン 定義とかいらないから愛をください、って泣いてくれたらあげられるのに 紫になれない、ならなくていい赤と青がありエンドロールもない なりたくてなったわけじゃない月ですが花冠を照らすには足る ほんとうを口にするときほんとうのことはなんにもわからない口 間違えぬ月夜に望んだ罰さえもコーヒーの熱が溶かしていった 落ちてくる雪を雪のままつかもうとするようなひとばかりが好きだ 右手にはなにも持たずに家を出た すべてが許される夜の終わり 見下ろしていたうなじはそのまま、だけどとっくのとうに追い越されてた 黒点を孕んだポピー割いた手を無謬と示す愛があります これからね平凡なことを言うけれどバラは葉を持ち棘を持ちます 水源を同一とする川たちがふたたび交わることにしました おさなさを飼い慣らしても﨟���たけた月は剣を胸にしずめる 頼むから醒めない酔いをくださいと蝶に願っていた宵のこと あの海は菫石よりなお青くつめたく夢に横たわってる
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ドンブラザーズ短歌まとめ
さいしょからなにもなかったてのひらは鳥を放してやることもない
からっぽになにを入れてもたいせつな器の柄がよく見えないな
カーテンを閉めたからもう寒くない きみのぬくもりであたたかな部屋
でもこれはぼくの翼だ 平凡で鋭さもなく色のあせても
コーヒーで音を立てればあのひとはぼくをぎゅっとだきしめてくれたよ
宝石を、ぼくががんばって手に入れたきれいな石を取り上げないで
友人と口にするのと有罪を宣告するのはおなじくちびる
オムレツを焦がしてしまった朝こそをゆるしてくれたからきみがすき
刷り込み《インプリンティング》のようにあなたを好きになり小鳥のように手に入れている
喉を焼く砂糖水を飲み干したなら明日まできっとしあわせでしょう
あめだまをください あめだまだけでいい 愛だったならもっといいなあ
夕暮れの彼岸花からにんげんの死を想起するきみはやさしい
寒椿 きみの食べてる柘榴ほど赤くはなくてよかったね 冬
きみの手にさくらの枝をあげたくて折って渡してそのままにする
ひまわりの下に誰かが埋まってることなんてきみは知らなくていい /雉野つよし
もしヒトの子として育てられたならいまごろ鬼であっただろうか
この世こそ楽園というくちびるは嘘をつかないという真実
ヒーローってなんですかたとえば小高い丘の上で死んでたりしますか /桃井タロウ
主系列星のなかの太陽のように歩いている人間でいる/猿原真一
青と青が似ているという誤謬さえよろこばしいと思う水面
あかつきの同じひとみを持ったのでとなりで月はもう見られない /ソノイ
平凡なあなたをわたしの夢にしてすてきなオムライスを口にする/鶴の獣人
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