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【フォトジャーナリスト・安田菜津紀さんに会ってきた】

「取材は「頂きもの」だと思います」
ひとつひとつ言葉を丁寧に選び、より多くの人に伝えたいという想いが全身から伝わる人。フォトジャーナリストの安田菜津紀さんに初めてお会いして、そんな印象を真っ先にうけました。
テレビや新聞、SNSなどで彼女の写真を見始めたのは3年ほどまえのこと。岩手県・陸前高田のほか、イラクやフィリピンなど世界各地で写真を撮影し、発信する仕事をされています。
各地の日常や、そこで暮らす人々に重きを置いた作品が多い印象をうけ「いつかお話を聞いてみたいな」と次第に思うようになりました。
そんな時、大阪でトークイベントを開くという情報を発見! 楽しくて、嬉しくて、そして心にぐっとくる話を1時間たっぷり聞かせていただいたので、内容をシェアしたいと思います。
ーー目立つ情報だけが切り取られてしまうもどかしさ

フォトジャーナリストの方々が取材をしている現場には、戦争や内戦によって人々の生活や命が脅かされている場所があります。シリアやイラク、ヨルダンなどもその一例です。
そういう場には個人で活動するジャーナリスト以外にも、大手の通信社や新聞社も取材にかけつけます。しかし後者が扱うのは「今日は◯◯で爆撃が発生。◯人が負傷」などと、いわゆるわかりやすくて目立ちやすいニュースがほとんど。
そういった情報もたしかに重要ですが、「難民が隣国に暮らし続けている」というような、長期化した状況や問題は隠れやすくなってしまいます。
そのことに対して安田さんは「長引くほどに複雑になる問題は多いし、時間が経つとともに声が届きにくくなる」と指摘。
だからこそいわゆるわかりやすい情報を扱うのではなく、何度も現場に訪れることで、苦しんでいる人々や問題を「置き去りにしない」ことを大切にされているそうです。
ーー共感のピースをどうみつけるか

マレーシアの政権交代。イラクでの爆撃。フランスでのテロ。
テレビやインターネットを通じて、毎日世界から多くの情報やニュースが私たちのもとに届きます。しかし自分の身の回りを見渡してみても、日本以外のニュースに関心を寄せる人はあまり多くない、というのが個人的な感想です。私も自分の興味のあるニュースばかりをみていたり、調べていることが多々あります。
やはり自分の境遇や環境とかけ離れた出来事には、関心を寄せにく��。 そんな風に思うことも増えました。
ではどうしたら自分のコミュニティーの外で起きている問題について、より多くの人々と一緒に考えられるようになるのか。
そこで安田さんが大事にしているのは、写真を撮影する際に「日常」というキーワードを忘れないこと。日本からはるか離れた場所に住む異国の人々も、私たちと同じように笑って、ご飯を食べて、家族や友達と他愛ない話をして楽しむ。そういう「共感のピース」を集めて切り取ることで、今まで関心がむけられていなかった地域の人たちの問題を共有できるのでは、とおっしゃっていました。

その言葉を聞いて、ふと思い出したことがあります。
私も中学生あたりまでは「タリバン・韓国人医療団を誘拐」のような大きなニュースを、朝ごはんを食べながら普通に聞き流すタイプでした。しかし高校1年生の時に1ヶ月だけアメリカに滞在してから、驚くほど世界のニュースに関心を覚えるようになったのです。
いままで日本人の友達ばかりだった私に、アメリカや韓国、メキシコ出身の友達ができた。すると笑えるくらい単純なのですが、急に世界に親近感がわいてしまいました。
言葉もよくわからないけれど、一緒にご飯を食べ、遊んだことがある友達が暮らしている国で、今どんなことが起きているのか。日本とは何がどう違うのか。
私の場合はある一定の時間を彼らと「共有」したことで、ぐっと世界の距離が近くなりました。国という境界は隔てているけれど、彼らも私と同じようにご飯を食べ、友達と遊び、日常を生きている。
今回のトークイベントで話を聞いて、その時のはっとし��感覚がはっきりと輪郭をもって戻ってきてとても嬉しくなりました。
ーー取材は「いただきもの」

イベントの後半では、日々取材をする中で気をつけていることやコミュニケーションの取り方などをお話いただきました。
そこで印象にのこった言葉が「取材はいただきもの」というフレーズ。 取材をするというのは、人から言葉をいただく、人に写真を撮らせていただく、人と時間をともに過ごさせていただくということ。
だからこそその取材に対してお返しをするため、聞いた話をより多くの人により多くの手段を用いて伝える。ジャーナリストだからといって、信頼関係もないまま「締め切りがあるので◯時までにコメントをください」「話を聞かせてください」ではなく、時間をかけて��丁寧に人から話をきく。
そうやってひとつひとつ真剣に、時間をかけて関係を築き上げてきたからこそ撮れた写真がたくさんあるのだろうなあ。
イベントあとにゆっくりと回って見た写真からは、自分の仕事についても含めて、本当に色々なことを考えさせられました。今お会いできてよかった。そう思える貴重な経験ができて、本当にありがたいです。
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【「消極的」に就職活動をするという考え方】

駅で、カフェで、街角で、真新しいスーツを着た就活生を多く見かける季節になりました。就職活動に対する考え方は人それぞれですが、知り合いと最近話していて出てきたフレーズが「就活疲れた」という一言。そんな言葉を聞いて、私にも似たような経験があったことを思い出しました。
そこで「あの、もしよければちょっと聞いていただけたら」というゆるーいメッセージとして、私が就活を通じて考えた「仕事に対する向き合い方」「やりたいこと」についてまとめてみます。

私が就職活動を意識し始めたのは、大学3年生(1年間留学をしていたので、帰国して半年が経っていた頃)の冬のこと。
留学先のフィリピンで、フリーペーパーとウェブメディアを運営している日系の企業に一時期お世話になっていたこともあり、「卒業したらフィリピンに戻るのもいいなあ」と漠然とした思いを抱えていました。
ですが私は周りにとても影響を受けやすい。「まずは自己分析をして、将来の人生像に合ったやりたい仕事を見つける!」と意気揚々と話す友人やそれを推奨する企業の人事の方々にもれなく感化され、真剣にやりたい仕事を探し始めました。
まずは色々な企業で話を聞き、インターンに行って、OB訪問をする。
そんなサイクルを4ヶ月ほど繰り返してみたのですが、皆それぞれが次第に見つけ出す「やりたいこと」を、私は見つけることができずにいました(というか20数年生きてきただけでやりたいことを見つけられる人の方が少ないのでは、なんて生意気なことを思っていた)。
ぼんやりと「海外と接点をもっていたい」「できたら色々な人に会いたい」と興味や関心が向かう先はわかってきたのですが、「御社が第一希望です」なんてとてもいえない。
どーしたもんかなーと思う日々を送っていました。

そんな私に転機が訪れたのは「有り難く内定をもらえた会社でとり会えず頑張るというのもありかな」と考え始めたある日のこと。
とあるご縁から繋いでいただいた企業の人と食事をしながら、会社の選び方がわかりませんと冗談混じりで相談してみたところ、このような答えが返ってきました。
「あまりふさわしくない返答で申し訳ないけれど、僕は消去法で今の会社に入社したよ」
というのも、その方は就職活動で数多くの企業にエントリーして内定も得たものの、どれもやる気がいまいち湧いてこなかった。しかし「これがやりたい」と強く思えるような仕事もない。
そんな彼が散々悩んだ挙句に出したのは「逆にやりたくない仕事をいくつも挙げてみて、その範疇に入らなかった仕事の中から1番やってみても良いかなと思える企業に入社する」という答えだったのです。
肩肘張ってメモを取りまくり、やりたいことを探したい症候群にかかっていた私にとって、ものすごくストンと胸にくる言葉でした。

よくキャリア論などで用いられている考え方で「いかだ下り」と「山登り」という2つのタイプがあります。
「いかだ下り」型は、どんな仕事や状況であっても、その時々で自分ができることに全力で主体的にかかわりながら力をつける。「山登り」��は、自分が目指す目標を決めて着実に一歩ずつ進んでいく。
これまで中学・高校の部活や大学受験で明確な目標を立て、持てる力を全部出してきた自分は後者のタイプだと思い込んでいたのですが、仕事の選択や今後自分がどうなりたいのかとふと考えた時に「いかだでとりあえず下ってみよう」と思えるようになりました。
考え方を変えてみてからは数社選考を受け、「やりたくない仕事ではない、ちょっと面白そう」と思える会社で頑張ることにしました。

実際に働き始めてからまだ1年程しか経っていませんが、意外に不思議なもので、いざ目の前のものに全力で取り組んで見るとやりがいや面白さを感じます。
何より純粋に嬉しいのは、あれだけ探したかった「自分のやりたいこと」がなんとなくわかってきたという手応え。おそらく社会に出て色々試してみたからこそ「興味を感じる方向性」のようなものが見えてきたのだと思います。
海外の大学院でもう少し勉強してみたい(かも)。収益や効率性といったバリバリの資本主義ではない価値観が大切にされている社会や地域で、これからの生活や経済のあり方について考えて、色々な人と意見を交換して、発信してみたい。
フードエッセイとか、生活にまつわるエッセイを書いてみたい。やっぱり世界一周してみたい。農業、漁業、畜産など第一次産業に関わってみたい。教育に携わってみたい。フィリピンでみた路上で生活する子供たちに、貧困から抜け出せるきっかけになる仕組みを作りたい(恥ずかしい話ですがいわゆる「ストリートチルドレン」に初めて会った時、家で涙が止まらなくなった思い出が強く残っています)。

「エントリーシートは20社以上は出しましょう」「自分のやりたいことをまず見つけましょう」。就活で膨大な情報にふれるたびに、私は何をどうしたら良いかわからなくなることがありました。
ただこれだけは言えるかなと思うのは、そういうどこからか聞いた意見を無条件に疑わずに信じるのではなくて、自分が魅力的に感じる働き方や生き方をしている人が発する声に耳を傾けるのが重要だということ。
そうやって一つずつ小さな選択を重ねて始めて「自分らしさ」が現れてくるのだと思います。
まだ社会人2年目の若造が言える立場にはないけれど、学校を卒業してすぐに就職というのが唯一の選択肢でもないし、転職もメジャーになりつつある。可能だったらしばらく遊んだっていいし、起業したっていい。
とりあえず小さな積み重ねを大切にしながら努力して、なんとなく方向が変わって、いつか自分の道になったら良いなあ。眩しい日差しの中でそんなことをぼんやりと考えた4月のおやすみでした。
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【THE PENTAGON PAPERSを観て】
昔からの趣味で読書や映画鑑賞が好き。なのですが、年明けに友人と「料理とか陶芸とか何かを生み出す趣味ってなんだか憧れるよね」という話しになり、その会話が妙に頭に残っていました。
新しい趣味でも見つけるかな〜ともたもたしていたところ、先週からあっという間に新年度がスタート。色々と考えてみて「鑑賞した後に自分がどのように感じたのか、文字にしてアウトプットしよう」と腑に落ちたのは、つい最近のことでした。
ということでまずは、スティーブン・スピルバーグ監督の話題作品『THE PENTAGON PAPERS 最高機密文書』を週末に観て感じたことを書き連ねます。

舞台は共和党ニクソン政権下、1970年代のアメリカ。 資本主義と社会主義のイデオロギーが真っ向から対立した代理戦争がベトナムで勃発し、多くの若者が戦地に駆り出されていた時代の物語です。
米政権が戦地の視察状況などをまとめた最高機密文書「ペンタゴンペーパー」があるきっかけで流出し、米大手新聞社ニューヨークタイムズがそれをスクープ。しかし内容に憤慨した国が新聞の差し止めを要求します。
その頃、同じく米新聞社のワシントンポストが新たな情報を入手。メディアが「報道の自由」を守るために国家権力に立ち向かう構図が明快なストーリーです。感想を大きく3つにまとめました。
【1:新聞社内の描写が細くてわくわくした】
私もつい最近まで全く知らなかったことなのですが、新聞は本当に多くの人々の仕事の成果が結集して読者の元に届けられています。
記事を執筆する記者はもちろんのこと、原稿に誤字脱字がないかチェックする校閲や、当日の紙面のレイアウトを判断する編集部やデスク(統括者のような立場)。完成した紙面は印刷所に送られ、部数を整えて朝早くに配達してくれる販売員がいて初めて読者に届きます(その点ネット配信はやはり便利ですね)。新聞を積んだトラックが各営業所に時間通りに届くよう、天候に応じて道路のルートを指示する社員もいます。
映画内では現代のようにパソコンから記事を送る描写はもちろんなく、煙草をくゆらせながらタイプライターに1字1字打ち込むという、まさに「新聞を作る」過程が緊張感とともに描かれていました。
新聞に掲載する記事を完成させ、最終的に印刷所にまわすことを業界では「降版(こうはん)する」というのですが、その語源も発見! 昔は輪転機(りんてんき・大量の部数を発行するのに適した大きな印刷機のようなもの)用に送る紙面を編集部から地下の印刷所に降ろす「太いパイプ」があったため、このような表現が生まれたといいます。
編集者が複雑な表情を浮かべながら紙面を丸めてパイプに入れ、勢いよくそれが地下に降りていくシーンになぜか心奪われました。
他にも印象的だったことのひとつに、記者が社内で原稿を打っていると床や机がガタガタ揺れる場面があります。原稿の締め切りが終わると地下の輪転機が回り始めて揺れ出し、印刷の開始を知るという描写です。常に締め切りと睨めっこの社内の様子がひしひしと伝わってきました。
【2:歴史を学ぶ意義を痛感した】
「政権に不利な内容の文書を国民の目から遠ざける」という点では森友文書の書き換え・改ざん問題を連想。 「自論を曲げず、批判する報道機関を抑えようとする」という点では米トランプ大統領を連想。 「戦場で起こった不都合を国民に知らせない」という点では防衛省のイラク日報問題を連想。
今を取り巻く状況とあまりにも類似することが多くて驚くとともに、過去の過ちを繰り返さないためには、歴史から学べという術を忘れてはいけないと痛感しました。
「今観られて良かった」と思わせてくれた作品です。 【3:質の高い読者��いう違和感】
映画内では「質の高い読者に情報を届ける新聞社としての使命や責任」というセリフが何度か登場します。本当に何気ない一言なのですが、最近私がもやもやしている内容と重なったので、観賞後改めて考えさせられました。
世の中のあらゆる商品には、それを販売する対象や顧客が存在します。 マーケティングとして例えば「若い女性」「活動的なシニア」など主なターゲットを設定することも、販売促進のための有効な手段だと理解はしています。
しかし新聞は、というかメディアが「質の高い」というような上から目線の括りをした立場で物事を発信することに、果たしてどれほどの価値があるのでしょうか。
「質の高い読者は難解な内容でも理解できる」「質の高い読者が好むような市場動向をいちはやく執筆する」。 こうやって質の高い、いわば所得が高いとも言い換えができそうな読者の興味関心にひっかかるニュースに意識を取られ、そのごく一部の世界がまるで全てかといわんばかりの報道をしたあまりに誕生したのが「予測できなかった」といわれている米トランプ政権だったのではないか、と思うのです。
「質の高い読者」という対象には白人の貧困層を含んでいなかったかもしれない。しかし報道機関である以上、たとえ夢物語であったとしても、あらゆる視点から物事を考えて発信する作業を怠ってはいけないのでは?と疑問を抱かざるを得ないのが本音です。
というかそもそも、読者に質が高いとか低いとかあるのかが疑問。それを判断する時点でおごっている。ニュースに限らず色々な情報や記事というのは、純粋に「より詳しく知りたい」「面白い!」「論調に賛同できないのだけれど、根拠は?」などと、読み手に好奇心を持ってもらえて初めて価値が生まれるものではないかと私は思います。
まだあまり考えもまとまっていないのですが、自戒の念も込めて感想を書きました。新聞やメディア全般に対して批判的な声があるのももちろん理解はしていますが、ニューヨークタイムズの一面左上、「All the News That’s Fit to Print(印刷すべきニュースのすべてがここにある)」という一文にある力強い自負からは、やはり言葉のもつ力を信じてみたくなります。
補足:映画の最後の10秒は最高に痺れるのでぜひ!
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【PASS THE BATON@京都祇園】
時代を超えて、いいものを紡ぐーー。

京都祇園で京町家が軒を連ねるエリアに2015年にオープンしたこちらの「PASS THE BATON 京都祇園店」。厳しい製品規格を満たさない商品といった、諸事情により処分対象となったものなどを再加工して販売するセレクトショップです。
コンセプトは「NEW RECYCLE」。個人が大切にしていたアンティークの宝石をピアスやイヤリングに加工するなど、きらりと光るアイディアが素敵な商品がずらりと並びます。
2階建ての作りで、1階はカフェスペース「お茶と酒 たすき」も併設されています。京都ならではの抹茶セットのほか冬でも行列を呼ぶかき氷を提供するなど、街歩きに疲れたときにちょっと休憩するにはぴったりの場所です。

こちらのお店を運営しているのは「スマイルズ」という、三菱商事初のコーボレートベンチャー。パスザバトンのブランドは東京・表参道など計3店舗展開しています。飲食店「スープストックトーキョー」を手掛ける会社としても馴染みがあるかもしれません。
歴史ある場所と伝統工芸の技を受け継ぎ、地域の魅力を新たな手法で発信する。
どんなに時代が変わっても人々の心を深く捉えるものは、実はあまり変わらないのではないかと私は思うのですが、その魅力の発信方法を工夫したり、時代の流れに合わせて少し手を加えるだけで、さらに魅力が高まるのかもしれないなと思いました。

京都散策の中心地、京都祇園や河原町エリアから歩いていける場所に位置しているので、ぜひぶらりと足を運んでみてください。
【住所】〒605-0085 京都市東山区末吉町77ー677ー6
【地図】グーグルマップはこちら
【営業時間】月〜土曜11:00〜20:00/日・祝日11:00 ー19:00(不定休)
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【文化財カフェで北欧サンドウィッチ@中之島図書館】

大阪市内を歩いていると、趣のある建物が街中に溶け込んでいる様子に気付かされます。市内を南北に縦断する「御堂筋」通りには長い歴史を誇る建築物が特に多く並んでおり、秋には通りの銀杏の萌える黄色と近代建築のコントラストがとっても素敵でした。
大阪は古くから「商人の街」と呼ばれ、経済的にも文化的にも重要な都市として発展。さらに、江戸時代の長い鎖国を終えて比較的早くに開港した歴史をもつなど、海外との交流拠点としても栄えてきました。
1868年には外国人居留地も設けられ、欧米の知識や文化、風習が大阪に流入。1925年には当時の東京を抜いて日本一の市域と人口を誇ったともいわれています。欧米風の建物が大阪に多くみられるのは、そういった歴史的背景も強く影響しているのだそう。

そんな数ある近代建築物のなか、大阪府立中之島図書館も明治期の貴重な近代建築として脚光を浴びています。住友財閥の住友吉左衛門��の寄付によって1904年に完成したとのことで、国の重要文化財にも指定。こんな素敵な文化財を「もっと市民に親しんでもらえたら」との想いから、2016年には館内にレストラン「スモーブローキッチン」が開業しました。
日本ではまだあまり馴染みのないデンマーク料理が楽しめるとあって、若い女性を中心に大人気。ゆっくりと食事やお茶を満喫できるので、中之島近辺の散歩途中につい立ち寄りたくなります。

木製の重厚なドアを開けると、暖色の電灯、淡い青や白の壁、木材を基調にした家具など、店内は北欧の世界観で統一。中央にはオープンキッチンがあり、その周りがぐるりと本棚で囲まれているのが図書館ならではのデザインなのかもしれません。お水はデトックスウォーターを提供するなど、体に優しい気配りがいたるところで感じられます。

こちらのおすすめはオープンサンド「スモーブロー」。ライ麦などが原料の薄切りのパンにバターを塗り、魚介やチーズ、ハムに野菜などをのせたものです。チョコレートやバナナ、ラズベリーなどデザート系も充実しているので、カフェの利用にもぴったり。デンマークで親しまれている料理は、素材本来の味を活かしたシンプルな伝統料理が多いとのことで、さっぱりとしたハーブティーなどとの相性もばっちりでした。
ランチはもちろん、ディナータイムも様々なスモーブローが楽しめるので、ぜひ一度足を運んでみてください。窓から見える中之島の夜景もとってもおすすめです!
【営業時間】09:00〜21:00 【住所】 大阪府大阪市北区中之島1ー2ー10 中之島図書館2階 【アクセス】地下鉄御堂筋線 淀屋橋・京阪本線 淀屋橋 1号出口から徒歩5分
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【Amazonより商店街が好き】

みなさんはどこで食材の買い物をしますか?
私はここ数年商店街で買い物をするのが好きです。お客さんが集まる賑やかな雰囲気はもちろんのこと、お店に並ぶ野菜や魚をみて、季節の移り変わりをふと感じる瞬間がなんともあたたかい気持ちにさせてくれます。
残念ながら平日は朝食以外ほとんど家でご飯を食べていないので、週末は商店街に買い物にいくところから1日がスタート。八百屋さん、お肉屋さん、お魚屋さんと、近所でそれぞれ行きつけのお店もできました。
「最近葉物が高いからじゃがいものおまけで許してね」と気さくに声をかけてくれるおばちゃんと会えるのが、八百屋に向かう楽しみのひとつ。「THE大阪のおばちゃん」という風貌の方なのですが、今日ネームプレートを見たら「エリザベス」って書いてあった……だれ……(笑)
お肉屋さんでは週替わりのおすすめ品を買って、新しい調理方法を開拓。色々とアレンジをしてみて失敗することも多々あるのですが、その度に、新鮮なお肉はシンプルに塩で焼くのが1番美味しいのだなと学んでいます。
ご夫婦で切り盛りしている小さなお魚屋さんのおすすめは、魚ではなく、奥さんがつくるお惣菜(笑)。たけのこの煮物や菜の花のごま和えが絶品です。「いつもおーきに」と笑顔でお釣りを渡してくれるのですが、水仕事をしているせいか手はパンパンであかぎれがたくさん。一層食材に感謝の気持ちを覚えるようになりました。

こういった売り手の人との会話とか、お店いっぱいに新鮮な食材が並んでいる光景をみてしまうと、やっぱりそれぞれのお店で買い物をするのが1番楽しいなと思います。それと同時に、インターネットなどで「効率的に便利に食材を買う」動作を続けていると、なんだか食材に対するありがたみなどがどんどん失われてしまうように感じるのです。
インターネットでは生鮮食品を自宅まで配達するサービスが続々と登場しています。Amazonに楽天はもちろんのこと、スーパーマーケットなどでも対応する店舗が増えてきました。
雨の日でもスマートフォンで商品を選ぶだけで自宅まで好きなものが届く便利な世の中。たしかに、外出するのが難しい方や出かける時間がない方には本当に有益なサービスだというのは十分理解しています。
ただなんとなく、本来食べ物を食べるって、そんなに簡単なことではないのになと思うのです。

畑で農家さんが暑い中寒い中育ててくれた野菜があって、袋に詰めてくれる人がいて、届けてくれる人がいる。海で早朝から漁に出る漁師さんがいて、きれいにさばいてくれる人がいて、届けてくれる人がいる。
食べ物にまつわる手間暇とか、そういう大事な部分をどんどん忘れさせてしまうサービスのような気がして、インターネット販売はなんとなく敬遠してしまいます。(もちろんネット通販を通じて生産者が販路を広げられる、という意味ではネットがもつ力はやはりすごいと感じます)
私が好きな作家さんのひとりで稲垣えみ子さんという方がいるのですが、こんな言葉を綴られていました。
「考えてみれば、便利なものを手に入れるとは、自ら考え工夫する機会を失うことである」
効率的に食事を取ろう、効率的に働こう、もっと便利な世の中を作ろう。
便利さや効率性という言葉が色々なところから聞こえるようになって久しいですが、そういう価値観だけで判断できないこともあるのになと考えた1日でした。
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【地球で働くという考え方】

今日は大学機関にお勤めの方と話すきっかけがあり、たまたま今話題の「働き方」について意見交換をさせていただきました。長時間労働、生産性向上など日本の働き方には課題が山積みというのが現状の認識。そんななか、その方が就職を控える学生にしきりに伝えているのが「時間があるうちに海外旅行に行ってみなさい!僕の時代と違ってLCC(格安航空会社)が就航しているのだから、気軽にバンバン外にでてみよう!」というメッセージなのだそう。私の学生時代のバックパッカー話しをすると、喜んで聞いてくださったのも印象的でした。
でもわざわざなぜそのメッセージ?と疑問に思ったので伺ってみると、私にとってはすごく心に残る答えが返ってきました。
「日本の企業に勤めていても、どこかでその仕事は巡り巡って日本を飛び出して、世界と繋がっていると思うのです。とすると、どんな仕事も世界とか地球規模で考えられる。ちょっと大げさかもしれないけれどね(笑)。
だからもし日本の企業に馴染めなかったから海外に出たっていい。とりあえず地球のどこかで働いている、くらいのふわっとした考え方を学生にあえてもってほしいのだよね。そのためにはまず就職する前に海外に出てみて、日本以外の選択肢��あることを知ってもらえたらと思うのです」

この言葉を聞いて、私はふと気付かされたことがあります。
あんなに学生のころは海外、特にアジアがもつ新しいものにみんなで向かっていくようなエネルギーとか、街そのものが台所みたいな雰囲気とか、そういうものが大好きで、自分にとって心地よいお気に入りの空間を癒しに仕事も頑張ろうと思っていたのに、仕事を始めて約1年弱、その志をどこかに置いてきていたのです(笑)取り戻せてよかったー!危ない!セーフ!!
自分らしい生き方とか働き方なんて全然わからないしわかる気もあまりしないのですが、きっと重要なのは、自分が魅力的だと思う人が発する声に耳を傾けることなのだと思います。誰がいってるのかわからないような意見や罵声に消耗されていては時間がもったいない。とりあえず私は私なりに、自分が「すてきだな」と思う気持ちを信じて伝えられる人になりたいです。
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【兵庫県城崎温泉】
大阪市内から特急電車に揺られること約3時間。兵庫県の城崎温泉は平安時代から温泉街として栄え、約1300年もの歴史と文化を誇ります。駅を降りるとすぐに目に入るのは、温浴施設やレストランが並ぶメインストリート。泉質は無色透明でさらりとしていて、くせがないのが特徴です。

城崎温泉がある豊岡市は「幸せを運ぶ」という言い伝えのあるコウノトリの生息地として有名なのですが、そのコウノトリが傷を癒すためにやってきたとの逸話もあるのだとか。7つの外湯を巡れるパスポートが販売されているので、それぞれ広さや景色が異なる温泉を楽しめます。新鮮な魚介を堪能できる食事処やカフェも駅周辺に集まっているので、歩いて観光できるのもおすすめポイントです。

こちらは「ブルーマウンテンナンバー1が飲める店」と看板を出す駅前の喫茶店。ジャズ好きのオーナーさんが集めたレコードやカセットがずらりと並びます。石油ストーブの暖かさとおじさんの愛想の良さが、店内のほっこりと優しい雰囲気を醸し出していました。

クラフトビール工房やおしゃれなカフェもあり、街全体で温泉街を盛り上げる機運をいたるとこ���で感じます。トレンドをうまく取り入れてまちづくりをしていて、1日では周りきれないほど気になるスポットがありました。
夜になると暖色のライトが街を灯し始め、美しい景色が広がる城崎温泉。ぜひ一度ゆっくりと足を運んでみてください😌💘
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