風間まこと♂/みらいものがたりラボ代表/1970年代北関東生/首都圏勤務/転職9回経験/支援機関職員歴8年で延べ100人超の中小企業診断士の現場に同席/知的好奇心の塊で年間200冊以上の本を読破/皆様の情報リテラシー、マネーリテラシーを高めることを目的に明るい未来につながるマチ、ヒト、モノ、カネに関する情報を発信中。
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「AIの発展が脅威ではなく恩恵である」理由を知りたい方へおすすめの本のご紹介~シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき02~
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「AIの発展が脅威ではなく恩恵である」理由を知りたい方へおすすめの本のご紹介~シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき02~

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測���ロジェクトを実行中です。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。 前回は、未来予測プロジェクトの4冊目「シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき」の解説第1回目として、「AIが進化したら2045年に何が起こるか?」を知りたい方向けに、知性の進化6つのステージをベースにして、AI進化の現在地およびこの先の発展の仕方をご説明しました。そして具体的な行動として「無料のAIツールを日常生活で活用してみる」ことを提案しました。 今回は未来予測プロジェクトの4冊目「シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき」の解説2回目です。第2回目は、「AIの発展が脅威ではなく恩恵である」理由について解説します。
【「AIの発展が脅威ではなく恩恵である」理由を知りたい】でお困りの方へおすすめの本【シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき】
【「AIの発展が脅威ではなく恩恵である」理由を知りたい】でお困りの方へおすすめの本は、【シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき】です。
シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき
以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【「AIの発展が脅威ではなく恩恵である」理由を知りたい】を解決できる理由は【テクノロジーで生活が指数関数的に良くなっていることを説明する】から
【シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき】で、【「AIの発展が脅威ではなく恩恵である」理由を知りたい】を解決できる理由は【テクノロジーで生活が指数関数的に良くなっていることを説明する】からです。 著者である【レイ・カーツワイル】は、本書でテクノロジーにおける収獲加速の法則は、私たちが目にしている個々のトレンドの多くで、基本的原動力になっており、近い未来において、それがデジタルの領域にとどまらず、生活の大部分で劇的な向上につながると説明します。では、以下でどのような側面で生活が向上したか、その内容を確認してみましょう。
指標変化要因識字率25%(1900年)→87%(現在)公教育の広がり水洗トイレ普及率30%(1950年)→80%(2020年)暴力事件の起きやすい地域で治安が安定化し、衛生関係のインフラに投資可能になった電気普及率70%(1990年)→90%(2020年)効率的な太陽電池が電気供給を増やしているコンピュータ普及率30%(2005年)→約70%(2020年)コンピュータを埋めこんだスマートフォンが発展途上国の市場に急速に浸透した平均寿命40歳(1950年)→80歳(2023年)病気の原因となる細菌やウイルスを避けるか殺す方法を開発した極度の貧困84%(1820年)→8.4%(2019年)国際社会が人道的見地から深刻な貧困と闘うために国際開発を進めることがとても重要だと考えた10万人あたりの殺人件数33人(14-15世紀)→1人以下(2025年)通信技術の進展で、お互いの考えを交換し共通点を理解するようになり、問題解決のために力に訴えるのではなく理性を使うことを促進した再生可能エネルギーの割合1.4%(2000年)→12.85%(2021年)太陽光発電で、AI活用により多くの電気を産む材料の発見と高密度に電極を配置する装置の設計でさらなるコスト削減ができた民主主義社会に住む人3%(1900年)→26%(2022年)SNSが広まり民主主義の概念と個人の権利が世界中に広まった大志となった安全な水を常に使える人口割合76%(1990年)→90%(現在)きれいな水を集め、清潔に保ち、各家庭に送り、飲料や料理、洗濯、風呂に使うシステムが開発された
仕事の未来
ここまで、テクノロジーによってあらゆる面で生活が指数関数的に向上していることを確認しました。 では今後、仕事の未来はどうなるのでしょうか?本書では、最初に、オックスフォード大学のカール・ベネディクト・フレイとマイケル・オズボーンによる2013年の研究結果を引用します。研究結果によると、約700の職業が2030年代初頭までに自動化の影響を受ける可能性があります。例えば、電話セールスや保険業、税務申告代理業などの職種は、99%の確率で自動化します。また、工場労働、カスタマ��サービス、銀行業務、バス・トラック運転手で、自動化する可能性が50%を超えています。その結果、これらの仕事が自動化でなくなる懸念があります。 一方、もうひとつの大きなトレンドとして、従来の雇用形態によらない新しい稼ぎ方が増えていることを指摘します。具体的には、テクノロジーの変化によって、従来の仕事の枠には入らない新たな仕事の機会が数多く生まれてきています。例えば、WEBサイトやアプリを使って物理的及びデジタルな資産やサービスを作成・売買・交換すること、SNSにアプリや動画、その他のデジタルコンテンツをアップロードする等です。つまり、Youtubeのコンテンツ制作で成功する人もいれば、InstagramやTikTokでインフルエンサーになって報酬を得る人もいます。 そして、このような「ギグエコノミー」と呼ばれる働き方は、限界はあるものの、人々に従来の選択肢よりも多くの柔軟性や自律性、余暇時間を与えています。
AI登場による仕事の増減は連続する変化の波である
ここまで、AIなどのテクノロジーによって減る仕事があると同時に、新たな仕事が生まれることを説明しました。では、テクノロジーで仕事の増減はどのように変化するのでしょうか?その応えを説明するために、本書では、仕事の増減を以下3つの波の変化で定義します。
デスキリング:長期間の訓練をしなくても新しい仕事に簡単につけること。その結果、高賃金だった仕事が、低賃金の仕事にとって代わられる。
アップスキリング:前よりも高度なスキルを必要とする技術が導入されることにより、高度なスキルをもつ少数の人に仕事が集中する。その結果、低賃金の仕事が高賃金の仕事に替わる。
ノンスキリング:AIがタスク全体を完全にひき継ぐこと。AIやロボットが多くのタスクをこなせるようになる結果、人間を完全に排除する機会が多くなる。
具体的には、仕事の増減は、デスキリング→アップスキリング→ノンスキリングの順番で連続的に変化します。
ユニバーサル・ベーシック・インカム
では、仕事の未来はこの先どこへ向かうのでしょうか?その応えは「ユニバーサル・ベーシック・インカム」です。「ユニバーサル・ベーシック・インカム」とは、すべての成人に対する定期的な金銭給付またはモノやサービスの無料提供によって、今日の水準から見て充分と言える生活を送れるようになることです。そして、その財源はAIなどのテクノロジーによる自動化によってもたらされる利益に対する税金や、政府による新興テクノロジーへの投資から発生する収益などの組みあわせでまかなわれるでしょう。そして先進国では2030年代初頭までに、他のほとんどの国では2030年代後半までに実現するでしょう。
健康と福祉の未来
ここまで、仕事の未来について確認してきました。では仕事の土台となる心身の健康や福祉の未来は今後どうなるのでしょうか?
2020年代:AIとバイオテクノロジーが結びつく
本書によると、2020年代は、バイオテクノロジーとAI、コンピュータ・シミュレーションとが結びつきます。すでに創薬、疾病監視、ロボット外科手術などの分野にその恩恵が出ています。
創薬:2020年、新型コロナウイルス感染症に対する安全で有効なワクチンを設計するとき、AIが重要な役割を果たした結果、記録的な速さで開発できました。通常、ワクチンの開発は5年~10年かかりますが、新型コロナウイルスの遺伝子配列が発表されてからわずか63日後という驚異的な短期間で最初のワクチンが摂取されました。
疾病監視:全く異なるものを含むリアルタイムデータ(電子医療記録、病歴データ、グーグル検索データ、インフルエンザの広まり方を示す時空間的パターン)を予測力に軽重をつけて統合。その結果、CDC(米国疾病予防管理センター)の予測より一週間早くインフルエンザの感染動向を予測しました。
ロボット外科手術:AIを頭脳としたロボットは、そのシステムで動く世界中のロボットが実施した手術の経験を数百万件学ぶことができます。その結果、どんな外科医が経験するよりもはるかに広い臨床状況をカバーし、より安全でより効果的な手術が可能になるでしょう。
2030年代と2040年代:ナノテクノロジーの発展と完成
では、さらにその先である2030年代や2040年代になると健康や福祉の分野で何が起きるのでしょうか?その答えはナノテクノロジーの発展と完成です。AI革命とナノテクノロジー革命が結びつけば、自分たちの体や脳と自分たちが接触する世界を、分子単位で再設計・再構築することが可能になるでしょう。例えば、一本のアームをもつ単純な分子ロボットが原子レベルの正確な製造を行う「分子アセンブラ」という概念があります。本書では、その一例として「ダイヤモンドイド」を挙げます。「ダイヤモンドイド」とは、10個程度の炭素原子を小さなかご状にし、ダイヤモンド結晶のなかでもっとも基本的な形にして配列したものです。かごの表面に水素原子がくっついていて、とても軽く強いために、ナノサイズの加工においてあらゆる構造の構成単位にできる可能性があります。
健康と長寿にナノテクノロジーを利用する
本章の最後で、寿命延長のための技術進展について、以下4つのフェーズがあると定義します。
第1フェーズ:細胞が働かなくなり組織が壊れてなる病気の発症リスクを、生活習慣や食事の見直し、サプリメント接種で減らすこと。具体的にはガンやアテローム性動脈硬化症、糖尿病、アルツハイマー病等の発症リスクが下がる。
第2フェーズ:AIとバイオテクノロジーが結合し変性疾患を克服すること。生物学的寿命の限界を定める要素(ミトコンドリア遺伝子変異、テロメア減少、がん細胞制御不能)に直接対処可能になる。
第3フェーズ:医療用ナノロボットが細胞レベルのメンテナンスと体中の修復を行うこと。具体的には、壊れたパーツを修理交換するように個々の細胞を狙って修理や改良をすることで確実に老化を打ち負かせる。
第4フェーズ:人間の脳のファイルをデジタル上でバックアップすること。その結果生物としての脳がだめになってもバックアップを保つための複製を繰返すことでその人のアイデンティティを保ったまま長生きできる。
現在は、第1フェーズで、2020年代に第2フェーズ、2030年代に第3フェーズ、2040年代に第4フェーズになるでしょう。
テクノロジーの進展がもたらす危険性
ここまでテクノロジーがもたらす健康と福祉の未来を確認しました。ではテクノロジーがもたらすのは恩恵だけでしょうか?本書では、テクノロジーは、世界で数十億人の生活を向上させる一方で、人類という種にとっての危険性を高めるとします。具体的には新たに起きる核兵器の脅威や生物学のブレイクスルー、ナノテクノロジーの台頭は、人類が対処しなければならない脅威をもたらすでしょう。さらにAIが人類の能力を追い越すとき、AIが有益な目的に使われるように注意を払い、事故を避け、誤用を防ぐ具体策を設ける必要があります。そこで本書の最後で、テクノロジーがもたらす将来の危険性について、核兵器、バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、AIという4つの側面から解説します。
核兵器
最初に核兵器についての危険性とその解決策は以下です。 危険性:現在、人類は約12700発の核弾頭を保有しており、そのうち9440発が核戦争に使用でき、それらは通告から30分以内に発射することが可能です。大国同士が核兵器を撃ちあえば、直接的効果で数億人が死ぬでしょう。さらに二次的被害の死者は数十億人にもなりうるでしょう。
解決策:核兵器使用のリスクを減らす戦略でもっとも有名なものは相互確証破壊(MAD:mutually assured destruction)です。相互確証破壊とは、もしも敵国に対して一発の核兵器を使うと、相手が大規模な報復をしてくる結果、核攻撃が自殺行為になるのでお互いに核兵器を使わないことです。それでも核兵器を使ったテロやダーティボム〔有毒な放射性物質をまき散らす爆弾〕が使用されるリスクをゼロにすることはできません。そこで、先進AIがそうした脅威を探知し、無効にする効果的な手段をもたらしてくれるでしょう。
バイオテクノロジー
次にバイオテクノロジーについての危険性とその解決先は以下です。
危険性:遺伝子操作技術が進歩した結果、ウイルス遺伝子を編集することで強い感染力と高い致死性をあわせもつ超強力なウイルスの創造が可能になりました。ステルス性があり、人々が感染したことに気づくまでに長い時間がかかり、そのあいだに広まるウイルスもつくることができます。さらに新種のウイルスであれば、誰も免疫をもっていないので、パンデミックで人類を蹂躙することが可能になります。
解決策:新しいウイルス兵器が出現したら、すぐにそのウイルスを捕獲し、一日で塩基配列を解読し、医療的対抗策をすばやく設計します。次の対抗戦略のひとつは、RNA干渉を利用することです。RNA干渉は、RNAの小さな断片(小分子RNA)がウィルス遺伝子を発現させる過程で働くメッセンジャーRNA(mRNA)に結合し切断することで無効化します。
ナノテクノロジー
第三にナノテクノロジーについての危険性とその解決策は以下です。 危険性:ナノテクノロジーにより多くの種類の攻撃用兵器を極めて安くつくることができます。例えば、目標から察知されずに毒物を運ぶ小型ドローンや水や空気に混じり体内を掻き回すナノロボットです。そして、これらのナノロボット一台の破壊力が小さくても、きわめて破壊的な威力を持ち、地球全体の災厄となりえます。理由は、ナノロボットは自己複製できるので、一度作れば無限に増殖可能だからです。
解決策:ナノロボットによる自己複製に対する強い防御策のひとつは、「通信」アーキテクチャを備えた自己複製ナノロボットを設計することです。複製は内部のプログラムで動くのではなく、すべての指示を外部から電波でもらうことにします。この方法ならば、緊急時には自己複製の暴走を止めるために、ナノロボットへの信号を切ることも、変更することも可能です。
AI
超知能AIはこれまでとは根本的に異なる危険性を持ちます。理由は、AIが人間より賢くなると、人間が用意するあらゆる対策を回避できるようになるからです。そこで、最後に、超知能AIがもつ3つの危険性と3つの解決策について解説します。
3つの危険性
誤用:人間のオペレータが故意に他人を害するようなAIを開発する。例えば、テロリストがAIを使ってパンデミックを起こすウィルスを設計する。
外部アライメント:開発者の実際の意図とAIに与えた達成すべき目標が一致しない。例えば、特定のガン治療のため、ガンの原因遺伝子が変異する全ての細胞を殺すウィルスの作成をAIに依頼して、実際に患者に投与した結果患者が死亡します。理由は、遺伝子が変異するが発現しない正常細胞を含めて殺したから。
内部アライメント:AIが目標達成のために学んだ手法が一部の場面でマイナスの効果を生むこと。例えば、AIに特定の発がん性細胞に特有の遺伝子変異を学習させ、そのガンを持つ細胞を殺すウィルスを作成させ、実際に患者に投与したが全���効果がなかったとします。理由は、AIが学習した遺伝子のデータが間違っていたから。
3つの解決策
模倣による一般化:AIに人間がどのように考えるかを模倣により学習させる結果、曖昧な状況下でその知識を応用する際の安全性と信頼性を高める
議論によるAIの安全性:複数のAI同士で議論し、相手のアイデアの欠点を指摘させることで、正しい評価が難しい複雑な問題を人間が判断できるようにする
反復増幅:弱いAIに助けられた人間がより強いAIを作るプロセスを繰り返すことで、より整合性のある誤用対策AIを作成する。誤用対策AIは危険な要求を察して拒否する
【「AIの発展が脅威ではなく恩恵である」理由を知りたい】解決のため具体的な行動は【今後は、健康を維持しながら仕事をして生活する日常のなかで、AI、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーの影響を考える】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか? それは、【今後は、健康を維持しながら仕事をして生活する日常のなかで、AI、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーの影響を考える】です。例えば、生活面で、太陽光発電を導入して電気代が安くなったら、ナノテクノロジーでより効率的な太陽光パネルが開発されたと考えみましょう。仕事面で、テキストや画像を自動生成した結果作業効率が向上したら、生成AIの恩恵を認識しましょう。健康面で、新たなインフルエンザワクチンを接種した結果、冬の流行気期に発病しなかったら、バイオテクノロジーによる迅速なワクチン開発の恩恵を意識してみましょう。
最後に「シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき」のリンクを再掲載しますのでご購入のうえ実践してみてください。
シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。本書の内容を実行し皆様の問題解決にご活用ください。次回は、いよいよ未来予測プロジェクト最終���階2050年の未来について解説します。本ブログでは今後も、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。
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「AIが進化したら2045年に何が起こるか?」を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき01~
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「AIが進化したら2045年に何が起こるか?」を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき01~

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測プロジェクトを実行中です。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。 前回は、未来予測プロジェクトの3冊目「2040年の未来予測」の解説第2回目として、これから益々貧しくなる日本で生き残る方法を知りたい方向けに、2040年における社会的変化を背景にした「経済」「教育」「衣・食・住」「自然災害」についてご紹介しました。そして具体的な行動として「自分の身は自分で守る行動を実践する」ことを提案しました。 今回から未来予測プロジェクトの4冊目「シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき」を2回に分けて解説します。第1回目は、AIが進化したら2045年に何が起こるか?について解説します。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【「AIが進化したら2045年に何が起こるか?」を知りたい】でお困りの方へおすすめの本【シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき】
【「AIが進化したら2045年に何が起こるか?」を知りたい】でお困りの方へおすすめの本は、【シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき】です。
シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき
本書で【「AIが進化したら2045年に何が起こるか?」を知りたい】を解決できる理由は【知性の進化を6つのステージで説明する】から
【シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき】で、【「AIが進化したら2045年に何が起こるか?」を知りたい】を解決できる理由は【知性の進化を6つのステージで説明する】からです。 著者である【レイ・カーツワイル】は、本書の冒頭で、知性の進化について説明します。具体的には、宇宙には始まってから6つのステージ、もしくはエポックがあり、各ステージはその前のステージの情報処理から生みだされます。そして、知性は、この情報処理過程を経て進化するのだとします。そして人類の6つのステージで起きるエポックは以下です。
第1のエポック:物理法則による化学プロセスの誕生。具体的には陽子、中性子、電子が結びつき原子が誕生した。
第2のエポック:原子が結びついた分子が生まれ複雑した結果、DNAが生まれ、自己複製能力をもつ原子生命が誕生した。
第3のエポック:情報を処理し蓄える脳をもつ動物が誕生した。
第4のエポック:人類が誕生し、情報を処理し蓄えるテクノロジーを作った
第5のエポック:コンピュータで脳を接続するブレイン・コンピュータ・インターフェイスが実現する。その結果、脳の思考速度と記憶容量が増えて、より複雑で抽象的な思考が可能になる。
第6のエポック:コンプトロニウム(プログラム可能な仮想物質)が誕生。意識があまねく宇宙に広がるようになる。
2025年現在、人類は第4のエポックにいる。この先、テクノロジーが進化する結果、大脳新皮質がクラウドにつながり拡張されるでしょう。そして、2030年代には、第5のエポックに入るでしょう。
AIの発展の歴史
ここまで、人類の知性のは進化について理解しましたが、では人工知能はこれまでどのように進化してきたのでしょうか?その答えとして、AIは以下のように発展してきました。 1950年に「機械は考えることができるか?」を確かめるために、アラン・チューリングがチューリングテストを開発しました。 1956年、ダートマス会議で、ジョン・マッカーシーが人工知能を「AI=artificial Inteligence」と呼ぶ事を提案しました。 1960年代、人間の脳の働き方を模したコンピュータシステム「人工ニューラルネットワーク=ニューラルネット」の開発が始まりました。 1980年代、特定の専門分野の知識をもち、専門家のように推論や判断ができるコンピュータシステム「エキスパートシステム」が開発されました。 2010年代までは、AIの開発には当時のコンピュータの能力を大幅に超えた多くの計算能力と訓練データを必要としていました。 2015年になると、ムーアの法則で計算能力の価格性能比が飛躍的に向上した結果、ディープラーニングで大脳新皮質の階層構造を再現できるようになりました。 2020年、オープンAI社が大規模言語モデル「GPT-3(Generative Pre-trained Transformer 3)」を発表しました。 2021年、AIにおいて「マルチモダリティ(言語だけでなく、画像や音などの他のモダリティ=様式を組みあわせて意味を構築すること)」が実現しました。例えば、オープンAI社が、画像生成する「DALL-E」を発表しました。 2025年現在、動画生成AIが次々と登場してきています。
AIが獲得しなければならない3つのもの
このようにAIは着実な進化を遂げてきましたが、本書によるとAIが人間の知性を再現するうえで、以下3つの能力を欠いているとします。つまり、今後AIが獲得しなければならない3つのものは以下です。
文脈記憶:会話に出てくるアイデアの全ての組合せを追跡する能力。組合せが無限大になり、膨大な計算能力が必要な結果、AIはいったそばからアイデアを記憶しないためストーリーが一貫した小説を書けない。
常識:現実世界の状況をもとに結果を想像する能力。AIは現実世界の現象を説明するモデルを持たないので、暗黙知を理解できない。
社会的相互作用:皮肉など社会的ニュアンスを理解する能力。AIはこのニュアンスを理解できないため、心の理論が扱えない。
一方、AIが持つ3つの欠点は、いずれ以下3つのトレンドで解消されるでしょう。
計算能力の価格性能比低下で、訓練費用が下がること
豊富で幅広い訓練データを利用できること
アルゴリズムの変化でより効率的に学習し推論できること
BCI(Brain-Computer Interface)
ではAIが欠点を克服したらどのような未来が待っているのでしょうか?その答えは、BCI(Brain-Computer Interface)です。本書では、その説明のために脳内の活動を測定する2つの方法について例示します。
機能的核磁気共鳴法fMRI(functional Magnetic Resonance Imaging):脳が活発になりグルコースを燃焼させるため酸素化された血液が流入する量を測定する。血流をはかるので脳内でニューロンが発火した場所がわかり空間分解能は高い。一方、発火と血流とでタイムラグがあり時間分解能が低い。
脳波測定:脳内の電流を測定する。ニューロンにおける電気刺激を直接はかるので時間分解能は高い。一方、能全体を測定値するのでニューロンが発火した場所はわからないので空間分解能が低い。
課題は、脳の空間分解能と時間分解能がトレードオフであることです。この課題を解消するには、脳内に直接電極を埋め込むことが必要です。そして、これは電気自動車テスラで有名なイーロン・マスク氏が起こしたのニューラリンク社が実現しています。しかし、頭蓋骨に穴をあけ、電極を脳内に埋め込むので、脳神経が傷つく恐れがあり、侵襲性が高いことが問題視されています。 今後は、指数関数的な技術進展の結果、最終的なBCIの形は以下のようになるでしょう。
極小の電子装置「ナノロボット」が血流に乗って脳内に入る
大脳新皮質上のニューロンとクラウドコンピュータ上のニューロンを結ぶ
現在より数100万倍速く情報を処理可能になる
その結果、BCIを導入した人間の知能は飛躍的に向上するでしょう。
アフターライフテクノロジーにおけるレプリカント
ここまで、AIが発展した結果BCI(Brain-Computer Interface)が登場することをお伝えしました。では、AIを活用した製品やサービスにはどのような未来が待っているのでしょうか? その答えは「アフターライフテクノロジー」です。 私たちはすでにデジタルの活動を通して、自分がどのように考え、何を感じているか膨大な記録をつくっています。そして、2020年代が終わりに近づくとき、このデータを利用して、具体的なパーソナリティをもつ人間をリアルに再現する非生物的シミュレーションをつくれるようになるでしょう。これらのデータを活かして故人をAIアバターとして復活させることが試みられています。このAIアバターは、「レプリカント」と呼ぶもので、見た目、言動、記憶、スキルは故人のものです。本書ではこれを「アフターライフテクノロジー」と定義します。そして、最終的に、レプリカントは、元の人間のDNAから培養した生物学的肉体に、人工頭脳学で強化した脳を収納したものになるでしょう。
全脳エミュレーション
AIを活用した製品やサービスの一例として、AIアバターを使って故人を復活させるアフターライフテクノロジーをご紹介しました。さらに、先の未来にはどのような製品やサービスがあるでしょうか?その答えは、「全脳エミュレーション」です。 2040年代はじめには、ナノロボットが生きている人間の脳の中に入って、その人の記憶やパーソナリティを形成するデータすべてをコピーできるようになるでしょう。そして、生きている人間の脳のコンテンツを直接に、非生物の媒体にコピーする段階になれば、生前に自分の脳をweb上にアップロードする全脳エミュレーションが試みられるでしょう。 本書では、脳エミュレーションには以下5つのレベルがあるとします。
脳エミュレーション(模倣)5つのレベル
機能的エミュレーション:ヒトの精神のように振る舞うが、脳の情報処理構造を再現しない
コネクトミックエミュレーション:ニューロン群間の階層的接続と論理的関係性を再現するが、細胞レベルではない
細胞エミュレーション:脳内全ニューロンの情報を再現するが、ニューロン間の物理的な力は再現しない
生体分子エミュレーション:タンパク質間の相互作用と各細胞内の小さな動的な力までモデル化する
量子エミュレーション:分子内、分子間で働く原子以下レベルの効果までとらえる
今後20年で、どの段階までエミュレートするべきか議論されるでしょう。
【「AIが進化したら2045年に何が起こるか?」を知りたい】解決のため具体的な行動は【無料のAIツールを日常生活で活用してみる】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか? それは、【無料のAIツールを日常生活で活用してみる】です。例えば、何かを知りたいと思ったら、Google検索ではなくChat-GPTにテキストデータを打ち込んでみる、仕事でMicrosoft Officeでデータを作成する際、Copilotを使ってみる、チラシやプレゼン資料を作成する際に、CanvaでAI画像を生成して使う等です。
最後に「シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき」のリンクを再掲載しますのでご購入のうえ実践してみてください。
シンギュラリティはより近く: 人類がAIと融合するとき
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。本書の内容を実行し皆様の問題解決にご活用ください。次回は、AIが進化した2045年における「生活」「仕事」「健康と福祉」「危険」について解説します。本ブログでは今後も、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。
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これから益々貧しくなる日本で生き残る方法を知りたい方へおすすめの本のご紹介~2040年の未来予測02
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これから益々貧しくなる日本で生き残る方法を知りたい方へおすすめの本のご紹介~2040年の未来予測02

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測プロジェクトを実行中です。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。 前回は、未来予測プロジェクトの3冊目「2040年の未来予測」の解説第1回目として、技術の可能性を知り大衆から一早く抜け出す方法を知りたい方向けに、2040年における技術進展を背景にした「通信」「自動車」「医療」「ショッピング」「エネルギー」「メディア」の未来について解説しました。そして具体的な行動として「現在身近にある技術を用いた製品やサービスを使ってみる」ことを提案しました。 今回は未来予測プロジェクトの3冊目「2040年の未来予測」の解説第2回目として2040年における社会的変化を背景にした「経済」「教育」「衣・食・住」「自然災害」について解説します。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【これから益々貧しくなる日本で生き残る方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本【2040年の未来予測】
【これから益々貧しくなる日本で生き残る方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本は、【2040年の未来予測】です。 2040年の未来予測 以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【これから益々貧しくなる日本で生き残る方法を知りたい】を解決できる理由は【国を忘れてこれからの時代をどう生き残るか?を考えることを提案する】から
【2040年の未来予測】で、【これから益々貧しくなる日本で生き残る方法を知りたい】を解決できる理由は【国を忘れてこれからの時代をどう生き残るか?を考えることを提案する】からです。 著者である成毛 眞氏は、「残念ながらもう日本はこれ以上よくなることはないです。政治家も民間もバブル崩壊以降まったく変わらないまま50年近く経過しているからです。」といいます。そこで本書では「国を忘れて、これからの時代をどうやって生き残るのか?どうすれば幸せな人生を送れるかに全エネルギーを注ぐ」ことを勧めています。理由は、生き残るのは優秀な人ではなく環境変化に適応した人であるからです。そこで本書では今後2040年までに起こる社会環境の変化について紹介しています。
2040年の「経済」
2040年における社会的変化の一つ目は「経済」です。2040年に果たして、年金はいくらもらえるのか?税金はいくら払うのか?医療費はどうなるのか?、についてきちんと把握しながら未来に私たちが何をすべきかを考えるために2040年の日本の状態について数字で把握します。
社会保障の総支出額:124兆円(2019年)→190兆円(2040年)
65歳以上を支える現役世代:12.1人(1950年)→1.5人(2040年)
東京都の年少人口が占める割合:11%(2019年)→10%以下(2040年)
65歳以上で認知症の割合:7人に一人(2019年)→4人に一人(2040年)
一人当たりの医療費:100%(2010年)→147%(2040年)
75歳以上の未婚者:70万人弱(2019年)→250万人(2040年)
年金所得代替率:61.7%(2019年)→54.3%(2040年)
サラリーマンの平均的な退職金:1997万円(2017年)→1000万円以下(2040年)
以上から、これからの日本がますます貧しくなるのは間違いない事をまず認識しなければなりません。 そこで、以下でこれらの問題に関連する経済上の6つのトピックについて詳しく解説します。
年金
まずは「年金2000万円問題」についてしっかり理解しましょう。まずは2000万円の根拠について計算してみます。高齢夫婦無職世帯(夫65歳、妻60歳)において、年金による月間収入21万円に対し、月間支出26万円となり、月5万円の赤字となります。そこから30年生きる(夫95歳、妻90歳)と仮定すると5万円/月×12か月×30年=1800万円+α(医療費)=2000万円程度不足するというものです。 次にこの問題の現実的な解決策について考えてみましょう。それは70歳まで働くことです。理由は、年金受給開始時期を65歳から70歳まで繰り下げると一か月ごとに年金が0.7%ずつ増えるからです。具体的には、21万円×1.0×0.7%×60ヶ月=29万円となり月間支出26万円を賄えます。従って、2040年の年金のリアルは「70歳まで働くこと」です。
歳入庁
日本は社会保険料の徴収漏れが多いです。理由は、税金の徴収を国税庁が、社会保険料の徴収を日本年金機構がそれぞれ別々に行っているからです。両者で行っている作業はほぼ同じですが、お互いに連携することはなく非常に非効率な状態です。実は日本以外の多くの先進国ではこれらの機能は「歳入庁」として一本化されています。その結果、税金や社会保険料を効率的に徴収しています。 そして「歳入庁」を作ることで素早い経済対策が可能となります。例えば、アメリカでは、「歳入庁」がすべてを取り仕切り個人情報まで把握しているので、新型コロナ禍における現金給付において、所得に応じた細かい基準による支給を2週間で実現しました。
ベーシックインカム
「ベーシックインカム」とは、定期的に無条件で国民全員にお金を配ることで、社会保障を現金給付に一本化し、国民に最低所得を保障する仕組みです。今の日本は、非正規雇用で就労環境が非安定な人が増える中、新型ウイルスによる感染拡大や自然災害のリスクと隣り合わせとなる結果、様々なタイプの困りごとが出現します。そうした人に個別最適な保証をすることは事実上不可能です。そこで全員に一律で一定額の現金を給付すれば、助成のために家族や個人を調べるための行政コストがからなくなり、支払いの窓口も一本化できます。したがって、「ベーシックインカム」は2040年に向けて真剣に議論すべき政策です。
MMT=Modern Monetary Theory、現代貨幣理論
「MMT」とは「Modern Monetary Theory」の略で「現代貨幣理論」といいます。MMTは、「自国で通貨を発行できる国は財政赤字により破綻することはない」という理論です。MMTによれば、「財政のことは気にせず無制限にお金を刷って経済対策をしてもよい」ということになります。当然お金を無制限にすれば、ハイパーインフレになる可能性が指摘されますが、��はや我々を取り巻く現状に経済学の理論が追い付かなくなっています。その意味でMMTについて検討の余地があるかもしれません。 (本書が発行された2020年時点ではインフレの傾向はありませんでしたが、2025年現在日本においても急激なインフレが起きています。現在ではMMTは当てはまらないといえます。)
退職金
「退職金」は、「退職一時金」と定年後に年金として受け取る「退職年金」から成ります。しかし、実は企業が退職金制度を設けなくても違法ではありません。だから、退職金制度を廃止する企業は、2008年が16.1%に対し、2022年に22.7%と増加傾向にあります。ではなぜ増加傾向にあるのでしょうか?その理由は、企業にとっての退職金の本質は「賃金の後払い」だからです。具体的には、若いころの給料は安く抑えられるが、年齢を重ねるとともに賃金は上がり、最後に勤続年数に比例した額の退職金をもらうものです。つまり、退職金は終身雇用、年功序列と深く結びついた制度でした。しかし、現在終身雇用、年功序列は崩壊しつつあります。その結果退職金制度を廃止する企業が増えています。だから2040年に向けて退職金をあてにするのは危険であるといえるでしょう。
資産運用
日本は公的保険制度が大変充実しています。例えば、3人家族(夫35歳、妻30歳、長男5歳)で夫が死ぬと遺族年金が子供が18歳になるまで年150万円、合計2000万円支給されます。また、妻には65歳になるまで年100万円、合計3000万円近く支給されます。このように公的保険制度の手厚い保証があるので、追加で民間の医療保険に入る人必要はありません。 しかし、日本では多くの人が追加で民間の医療保険に入っています。仮に民間の医療保険に加入し保険料を月3万円を払うと5年で180万円、30年間で1080万円もの支出になります。本来この金額は支払う必要のない金額です。では、民間の医療保険に支払うはずだった金額を老後のため預貯金に回そうと思うかもしれません。しかし、現状は預貯金に回してもほとんど意味がありません。理由は普通預金金利が0.01%※と超低金利だからです。(※本書が発行された2020年時点の金利。2025年1月現在は0.1%。)では預貯金でだめなら投資がよいかもしれません。 投資というとすぐ連想されるのは、個別株でしょう。ところで、株価は何で決まるのでしょうか?もしかしたらGAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に見られるように企業の戦略や最新技術への期待で決まるとお考えかもしれません。しかし今や実際に株価を決めるのは、テクノロジーではなく政治です。具体的には、米中貿易戦争のように世界情勢が変化するだけで株価が上下動します。従って、一企業のテクノロジーなどの可能性で資産形成を期待するのはあまりにリスクが大きいです。では、個別株ではなく何で資産形成すればいいのでしょうか? 本書では、資産形成したいなら「株式のインデックスファンド」一択であるとします。「株式のインデックスファンド」は、株式指標に連動するように運用する投資信託のことです。その国の市場全体に連動するため個別株に比べればリスクは小さいです。ではどこの国のインデックスファンドに投資すればいいのでしょうか?本書では、ダウ平均※と連動したアメリカ株式のインデックスファンドを勧めます。具体的には、2040年時点でアメリカ経済が堅調ならば自ずと利益があがるでしょう。 ※ダウ平均:ダウ・ジョーンズ工業株価平均のことで、米国の株式市場の代表的な株価指数です。アメリカ各業種の代表的な30銘柄により構成され、構成銘柄はS&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社により選出されています。
2040年の「教育」
2040年における社会的変化の二つ目は「教育」です。日本の教育現場は昭和の時代からほとんど変化していません。学校の授業でパソコンを使用する割合で、日本はOECD※36か国中最下位、パソコンを使って宿題をやる生徒の割合も世界平均22%に対し、日本は3%です。 一方でこれからは、間違いなくオンライン授業が進むでしょう。小中学校では設備の問題でまだ難しいかもしれませんが、大学ではすでにオンライン授業が一般的になっています。 ちなみにアメリカではオンライン授業の長期化に伴い不満が広がった結果、学費の返還を求める動きがあります。理由は、授業料が異常に高額でオンライン授業が学費に見合う環境ではないからです。例えば、2019年度のアメリカの私立大学の平均授業料は年36,900ドル(553万円)で日本の私立大学の約5倍です。その結果アメリカでは約7割の学生が大学の学費のためのローンを借り平均4万ドル(600万円)の負債を抱えて社会人になります。これがアメリカでは深刻な社会問題となっており、アメリカの大学は富裕層以外いけない状態となっています。 では、今後日本での大学進学はどうなっていくのでしょうか?本書によると日本では学歴の価値は下がっていくと予想します。日本はすでに学歴社会ではありません。大学進学率は、OECD36か国平均58%に対し、日本は49%です。さらに、日本の場合、大卒と博士課程で給料の差が20%しかないうえに、博士課程に進学すると就職口が減るという現実があります。そして少子化が進んだ今、若い人の人口が減り売り手市場になっています。だから就職において学歴が持つパワーは弱くなっています。 2040年には、18歳の人口が現在の8割まで減ります。ですからこれからは、大学進学に固執するのではなく、子供に好きなことを見つけて自分の人生を創造する後押しをするのがよいでしょう。それで不足する内容はオンライン教育で補えばよいでしょう。 ※OECD:Organisation for Economic Cooperation and Development(経済協力開発機構)は、世界中の経済や社会福祉の向上を目的とした国際機関です。
2040年の「衣」
2040年における社会的変化の三つ目は「衣」です。洋服を含むモノを買わない人が増えていて、この傾向はますます強まるでしょう。そしてネットが個人と個人を結びつけることでシェアリングサービスが登場しました。その結果、メルカリなどで不要な服をフリーマーケット形式で売買するようになりました。現在(2020年)シェリングエコノミーの市場規模は5兆7589億円でアパレル市場における婦人服・用品と同程度です。 そして、このようにファッションへの考え方が変化する中、今後ファッションの中心地としてアフリカが注目される可能性が高くなるでしょう。本書によるとアフリカが注目される理由は二つです。 一つ目の理由は、2040年にアフリカが「世界の工場」になるからです。現在中国でつくられている衣服は人件費の高騰で東南アジアやアフリカへ生産地が変わるでしょう。 二つ目の理由は、現在から未来に向けて経済界、産業界のテーマが「持続可能性」になるからです。具体的には最近アフリカというエリア内で素材調達、縫製、仕上げまでを完結させる動きがあるからです。つまりアフリカのファッションには「持続可能性」というストーリーがあります。
2040年の「食」
2040年における社会的変化の四つ目は「食」です。今後、日本の人口は減少していきますが、世界規模では人口増加が続きます。世界の人口は2020年の78億人から2040年には90億人に達すると言われています。そこで問題となるのが食料不足です。理由は世界の食肉消費量が2030年には70%増、2050年には90%増に対し、農地や畜産など食料生産に使える土地が限られているからです。 その解決策として「フードテック」が期待されています。以下ではフードテックのトピックを4つご紹介します。なお本書によると2040年には、世界の肉の60%が以下で紹介する人口肉に置き換わると予想されます。
代替肉
「代替肉」は植物性の大豆等を原料にしたもので「ベジミート」「大豆ミート」とも呼ばれます。代替肉の市場規模は2023年には64.3億ドル(約9645億円)に達するとされます。
培養肉
「培養肉」は動物の筋肉の幹細胞を取り出し増殖させたものです。原理的には動物を飼育し屠殺することなく、1年で数10トンの肉の量産が可能になります。これまでコストが高いことが課題でしたが、魏技術開発の結果、2020年時点では培養肉ハンバーガーを1000円台で提供可能と報じられています。
ゲノム編集魚
「ゲノム編集魚」は魚の遺伝子をピンポイントで変えることで一匹あたりの肉の量や栄養を高めたものです。その結果気候変動により魚の生育が左右されなくなります。
昆虫食
「昆虫食」はコオロギやミルワームを使うものが多いです。そして、現在味の癖が少なくうまみがあるカイコの蛹をフリーズドライ製法で粉末にしたものが市販されています。
2040年の「住」
2040年における社会的変化の五つ目は「住」です。皆様は、2040年に向けて日本は人口減少に伴い空き家が増えるため地価が下落の一途をたどると考えるかもしれません。しかし本書では、日本の都市部において地価が上昇すると予測します。理由は「海外投資家から見て、日本の都市部の土地は相対的に安い」ため、日本の都市部の不動産が海外投資家から積極的に買われるからです。実際、同様の現象が世界中で発生しており、香港やシンガポール、アメリカの都市部の地価は高く、家賃も高騰しています。 一方、郊外のマンションの価値は下がるでしょう。1970年代、人口が右肩上がりに増えて住宅不足が深刻になった結果、政府が法律を作って計画的に住宅の供給を続けました。そして、現在地方都市に大量��建てられたマンションは売りたくても売れない状態になっています。理由は2018年時点で、全国のマンションの75%で修繕積立金が不足した結果、修繕や回収ができないまま老朽化しているからです。 2040年にはマンションや団地全体で管理費や修繕積立金の滞納が増えた結果、スラム化していくでしょう。 一方で、2020年に定額制で日本各地の家に住み放題というサービスが生まれています。そして2040年には住宅が飽和状態になります。だから2040年には、これらの余った家を活かして、平日と週末、季節ごとに家を変えて過ごすというライフスタイルが実現するかもしれんません。
2040年の「自然災害」
2040年における社会的変化の六つ目は「自然災害」です。このまま何の対策も施さなければ今から2100年までに地球の平均気温は4℃上昇すると予想されます。そして4℃上昇すると以下のような異常事態が生じます。
ほぼすべてのサンゴ礁が絶命する結果、海洋生物種の3割が死に絶え数億人分の食糧不足が深刻化する
氷河が溶け海面上昇する結果、エジプトのアレクサンドリアの崩壊や、タイのバンコクの2/3が水没する
日本が熱帯化する結果、米がとれなくなり代わりにバナナやパイナップルが栽培される
水の枯渇でアフリカのトウモロコシやキビがとれる耕作地が半減する結果作物の収穫量が減る
飢餓が蔓延する結果、食料を求めて隣国へ攻め込み、戦争が生じる
このような世界規模の自然災害に対して今現在我々は有効な解決策を見いだせていません。 そこで本書では自分の身は自分で守るという発想で以下2点を提言しています。
まず自分のいる場所がどんな水域かを知る
自治体のハザードマップを確認する
そして、2040年までに、テクノロジーが進展する結果、このような自然がもたらす危機に対しても解決策を示してくれるかもしれません。
【これから益々貧しくなる日本で生き残る方法を知りたい】解決のため具体的な行動は【自分の身は自分で守る行動を実践する】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか? それは、【自分の身は自分で守る行動を実践する】です。例えば以下6つの行動を実践してください。
アメリカ株式のインデックスファンドの投資信託を買い資産運用する
自分の好きなことを見つけてオンラインで学ぶ
アフリカ発のファッションアイテムを買う
日々の食事に代替肉を取り入れる
住み替えを前提にしたライフプランに更新する
災害が少ないエリアへ引っ越す
最後に「2040年の未来予測」のリンクを再掲載しますのでご購入のうえ実践してみてください。 2040年の未来予測
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。本書の内容を実行し皆様の問題解決にご活用ください。本ブログでは今後も、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。
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技術の可能性を知り大衆から一早く抜け出す方法を知りたい方へおすすめの本のご紹介~2040年の未来予測01
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技術の可能性を知り大衆から一早く抜け出す方法を知りたい方へおすすめの本のご紹介~2040年の未来予測01

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測プロジェクトを実行中です。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。 前回は、未来予測プロジェクトの2冊目「2035年の世界」の解説第2回目として、2035年に生じる社会的変化に対応する方法を知りたい方向けに、2035年におけるスタイル、リスク、政治、経済について、12個の未来をご紹介しました。そして具体的な行動として「未来の社会的変化につながる行動を実践する」ことを提案しました。 今回から未来予測プロジェクトの3冊目「2040年の未来予測」を2回に分けて解説します。第1回目は、2040年における技術進展を背景にした「通信」「自動車」「医療」「ショッピング」「エネルギー」「メディア」の未来について解説します。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【技術の可能性を知り大衆から一早く抜け出す方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本【2040年の未来予測】
【技術の可能性を知り大衆から一早く抜け出す方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本は、【2040年の未来予測】です。 2040年の未来予測 以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【技術の可能性を知り大衆から一早く抜け出す方法を知りたい】を解決できる理由は【新しい技術はすでにある技術の改良や組み合わせて登場すると提言する】から
【2040年の未来予測】で、【技術の可能性を知り大衆から一早く抜け出す方法を知りたい】を解決できる理由は【新しい技術はすでにある技術の改良や組み合わせて登場すると提言する】からです。 著者である成毛 眞氏は、1986年にマイクロソフト株式会社に入社し、日本マイクロソフト社の代表取締役に就任されました。その活動のなかで様々な新しい技術の登場を体験した結果、新しい技術は突然現れるのではなく、すでにある技術の改良や組み合わせて登場することを考えつきました。例えば、アインシュタインの光電効果の発見から、周りの明るさに合わせる自動点灯ライト、太陽電池パネルの発電や映像を記録する技術へと進展しました。また、量子力学の進展によって、デジタル技術の進展や半導体が生まれました。そして、著者は「現在身近にある技術を見渡せば未来は見える」といいます。そして、さらに「最近は実現速度が加速度的に早まっている」といいます。 だから、本書では、「いち早くその可能性に思いを巡らせる人に機会が与えられる」と主張します。具体的には、新しい技術に対し人は懐疑的である一方、テクノロジーの可能性を知りそこに賭けたものだけが大衆から一早く抜け出せるとします。そこで、本書ではそのようなテクノロジーの可能性について各分野別に解説しています。
2040年の「通信」
2040年におけるテクノロジーの可能性の一つ目は「通信」です。多くの情報を高速で伝えることが可能になる技術は通信が土台となります。通信の世界はこれまで以下のように発展してきました。
1G:1979年、NTTがアナログ方式の電話を開始。ショルダーフォンや自動車電話が登場。
2G:1993年、デジタル方式の電話を開始。PHS(Personal Handy-phone System)が登場。
3G:2001年、NTTドコモがW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)を開始。写メールサービス開始。
4G:2010年、LTE(Long Term Evolution)開始。
5G:2020年、4Gの100倍の高速・大容量化。家にいながら2時間の映画を3秒でダウンロード可能になる
6G:2030年、5Gの100倍で同時接続数1000万台。AR(Augmented Reality)/VR(Virtual Reality)の活用
そして6Gになると、通信速度の高速化、大容量化により世界が変わるといわれています。その結果、6Gで実現する社会は、低遅延ですべてのものがインターネットに常時接続されるのが当たり前になり、2040年には「IoT(Internet of Things)」という言葉はなくなるかもしれません。
2040年の「自動車」
2040年におけるテクノロジーの可能性の二つ目は「自動車」です。通信技術が進展し6Gが実用化されると自動運転が可能となります。自動運転のレベルは以下の6段階があります。
レベル0:ドライバーがすべての運転を実施する。
レベル1:ステアリングや加減速操作をシステムがアシストする。
レベル2:前後/左右の運転操作の一部をシステムが担う。自動ブレーキやACC(Adaptive Cruise Control)※
レベル3:高速道路など一定の条件下で緊急時以外の運転操作をシステムが担う。不測の事態が起きなければドライバーは何もしなくていい
レベル4:高速道路など一定の条件下で緊急時も含めて運転操作をシステムが担う。
レベル5:条件/場所を問わず、システムがすべての運転を実施する
※ACC=Adaptive Cruise Control:クルマに搭載されたセンサーとコンピューターによって、アクセルやブレーキの操作を自動的に行う機能です。前走車がいる場合は、車間距離を一定に保ちながら走る「追従走行」が可能。
2030年以降レベル4が普及し、2040年には完全自動運転のレベル5が実現するでしょう。そして2040年の自動運転車の台数は4112万台となり、世界の新車販売台数の29.4%を占めるでしょう。 では���自動運転のコアテクノロジーは何でしょうか?それは「LIDAR(Light Detection and Ranging)」です。「LIDAR(Light Detection and Ranging)」とは、レーザー光線をセンサーから発射してモノにあたってからセンサーに戻ってくるまでの時間で距離を計測する技術です。現在はiPhoneの一部の機種やロボット掃除機で実用化されています。 最後に、2040年に向けて自動運転で進行している先端的な事例を二つご紹介します。まず、一つ目は月面基地プロジェクトです。具体的には、自動運転技術を使って、トヨタ、JAXAなどが、月面基地で移動手段を提供する方針です。次に二つ目は、空飛ぶ車です。この車は電気エンジンで浮力を経て垂直離陸するので滑走路が不要でエンジンがないので騒音も小さいです。2040年には空飛ぶ車の市場規模は約150兆円、世界のGDPの1.2%を占めると予想されます。
2040年の「ショッピング」
2040年におけるテクノロジーの可能性の三つ目は「ショッピング」です。2040年に日本の総人口は1500万人減少すると言われています。その分働き手も激減するでしょう。そして、今後は無人店舗がスタンダードになるでしょう。本書では、無人店舗の事例として「アマゾンゴー」を紹介します。「アマゾンゴー」は、2018年アマゾンがシアトル本社敷地内に導入したレジなしコンビニで、現在は20店舗を展開しています。「アマゾンゴー」の仕組みは以下です。
事前にスマホにダウンロードしたアプリのコードを入口ゲートでスキャンする
カメラと店内に設置された重量センサーで客がどの製品を手に取ったかを特定する
客は自分の持つバックに商品を入れてゲートを通過する
自動的に課金されてアプリに通知が来る
数年前まで、このような仕組みを導入して無人店舗を構築するコストは数百万ドル(数億円)かかっていましたが、技術進歩をした結果、現在は10-30万ドル(1500-4500万円)までコストが下がりました。だから今後は無人店舗が増えることが予想されます。 さらに本書では、2040年には、無人店舗のあり方が劇的に変わると予想します。アマゾンのテクノロジーで人間の手のひら��クレジットカードの代わりにできるようになります。具体的には、以下です。
指紋認証のように手のひらの幅や指の長さを登録してクレジットカードを紐づける
客は手ぶらで店にいき、センサーに手のひらをかざすだけで決済が完了するようになる
2025年現在スマホをかざすキャッシュレス決済が進んでいますが、2040年には手ぶらで買い物をするのが当たり前になるかもしれません。
2040年の「医療」
テクノロジーの可能性の四つ目は「医療」です。本書では、2040年の医療風景はこうなると予想します。
病院にいくと受付にロボットがいる。
ロボットと対話をすると、その結果から治療の順番や治療方法の優先順位が判断される。
検査室に案内される。
医師の診察では、モニターに先ほどの検査結果に加えて過去の受診歴や処方歴が映っている。
医師がそれを見ながら問診を進めて必要な情報を登録すると疾患の候補が並ぶ
疾患名をクリックすると、所見や確認すべき事項が表示される
さらに問診を進めた結果、処方薬の候補が表示される
以下では、このような2040年の「医療」を実現する8つの技術要素を紹介します。
オンライン診療
通信技術が高度化し高速な上に途切れにくい5G回線の利用が進みオンライン診療の環境が整いました。また家の中のあらゆる機器がネットワークにつながり健康状態や健康維持につながる情報を24時間休むことなく集めます。医師がそのデータを活用すれば患者は医療機関に行く頻度は各段に減るでしょう。
AIによる画像診断
一人の医師が一生涯で診察できる数は限られています。一方、AIであれば同世代の人間のデータをや過去の病歴を集めることができます。その結果、わかりやすい症例や典型的な経過をたどる患者については、最新のデータに基づき、AIが医師よりも素早くかつ見逃しなく診断します。例えば、X線やCT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、超音波画像等の画像診断ではすでにAIが人間を凌駕しています。
AIによる薬の処方
医療データベースが構築されAIが運用されれば薬の処方がより適切な形になります。患者の状態に合わせて薬の種類だけでなく、体調にあわせた量や服用のタイミング等きめ細かい処方が可能になります。例えば、ウエラブルデバイスで患者の健康データを常時把握する結果、薬効成分を自動で算出し、適切な量や時間が自動で表示されるようになるでしょう。
ゲノム編集技術
組織内の病変部分と正常な遺伝子とを、人間の操作で入れ替える遺伝子治療が実用化されました。具体的には、2012年に「CRISPER/CAS9」という画期的な手法が登場し一気に可能性が広がりました。2040年にはガンなどの疾患特有の遺伝子をAIが早期に見つけて治療するのが当たりまえになるでしょう。
分子標的薬
がんの原因となる遺伝子に直接攻撃できる抗がん剤(分子標的薬)が実用化されました。2005年に乳がん、胃がん、血液がん、2010年代には治療が難しいとされるすい臓がんも対象となりました。近い将来、「がん」は治る病気となるでしょう。
免疫チェックポイント阻害剤
免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が人間の免疫機能を抑制する働きを阻害することで、人間の免疫機能を復活させがん細胞と戦わせる治療法です。2040年には「分子標的薬」と合わせてほとんどの「がん」が治るかもしれません。
IPS細胞(Induced pluripotent stem cells:人工多能性幹細胞)
IPS細胞の登場で一つの細胞から別の臓器が作成可能になりました。IPS細胞は再生医療の分野で応用が期待されます。例えば、パーキンソン病やアルツハイマー病などの難病において、IPS細胞から生きた神経細胞を再生し、その原因究明に活用されています。また、脊髄損傷患者の骨髄液に含まれる体性幹細胞を患者の血清で培養・増殖させて骨髄再生を実現する製剤が完成しました。現在治療困難な病気に苦しむ患者にとって、希望の光となるでしょう。
ワクチン開発速度の飛躍的向上
これまでワクチンの開発には10年以上かかっていました。しかし、ビッグデータを使って病原体と薬の関係性を調べる等情報処理技術の進展で開発期間が飛躍的に短くなってきています。例えば、2019年に世界中を席捲したCovid-19によるパンデミックにおいては、そのワクチン開発がものすごいスピードで進みました。今後も、グローバル化が進む中、未知のウイルスや菌が世界中に蔓延するでしょう。その意味で、このような新しいワクチンの開発体制は世界を変えるでしょう。
2040年の「エネルギー」
2040年におけるテクノロジーの可能性の五つ目は「エネルギー」です。日本は石油や天然ガスなどのエネルギー資源が少ないです。さらに東日本大震災で原子力発電に頼ることが難しくなりました。対策として、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを増やせばいいと考えるかもしれません。しかし、課題として再生可能エネルギーは天候頼みのため、出力が不安定であることが挙げられます。 そこでこれらの課題を解決するために二つの技術要素を紹介します。
全個体電池
「再生可能エネルギーは天候頼みのため、出力が不安定であること」の解決策の一つ目は「全個体電池」です。現在は、太陽光発電や風力発電で発電した電気を貯める蓄電池としては、リチウムイオン電池が主流です。しかし、リチウムイオン電池は、課題として安全性の問題を抱えています。具体的には、電解液が有機化合物のため、衝撃による液漏れで発火や爆発につながる恐れがあります。 そこで、リチウムイオン電池に代わる次世代の蓄電池として期待されるのが「全個体電池」です。全個体電池には以下のようなメリットがあります。
電解質を液体から個体へ置き換えたもので、液漏れがないため燃えにくく安全性が高い
リチウムイオン電池の半分の大きさで同じ電力が得られるので、電池容量が二倍になる
その結果、BEVのリチウムイオン電池が全個体電池に置き換われば、航続距離が二倍になる
さらに、全個体電池をV2G(Vehicle-to-Grid、電気自動車を蓄電池としてインフラ活用する技術)に応用すれば、電気自動車を使わないときに電力の貯蔵に利用することができます。例えば、太陽光の発電が過剰な場合は車に電気を貯め、発電力が少ないときは車から電気をもってくることで、停電時のバックアップにすることも可能となります。そして全個体電池は日本企業の競争力が高い分野です。特許出願件数の54%が日本からでています。自動車向けの全個体電池の実用化は2030年ごろといわれています。
核融合発電
「再生可能エネルギーは天候頼みのため、出力が不安定であること」の解決策の二つ目は「核融合発電」です。「核融合発電」は太陽が燃える仕組みである核融合を利用することで、安全で無尽蔵にエネルギーを生み出します。そして、核融合発電の原理は以下です。
重水素とトリチウムの原子核が衝突し、ヘリウム原子核の強力な中性子が発生する
その中性子を壁にぶつけて熱を取り出す
重水素1グラムから石油8トン分のエネルギーが得られる
「核融合発電」のメリットは以下です。
燃料に使われる重水素やトリチウムは、海水等から簡単に手に入る
燃料が枯渇する恐れがない
CO2の排出がない
放射性廃棄物が発生しない
発電量が安定している
一方、「核融合発電」の課題は、物質を一億℃まで加熱して原子核が高速運動するプラズマ状態をつくるが、これを長時間維持・制御することが技術的に困難であることです。その技術的な課題解決のため、日本では核融合エネルギーに関する研究を1960年代から継続しています。そして現在は、国際核融合炉「ITER(International Thermonuclear Experimental Reactor)」計画が進行しており、2025年に実証実験、2035年に本格稼働、2050年に実用化するといわれています。
2040年の「メディア」
2040年におけるテクノロジーの可能性の六つ目は「メディア」です。皆様意外に思われるかもしれませんが本書では「テレビ」というデバイスは絶滅しないとしています。しかし、「テレビ局が制作したコンテンツをテレビで視聴する」形式は廃れると予想します。実際、2025年現在コンテンツを制作する主流は、アマゾンドットコムやネットフフリックスなどのネット企業です。 そして、2040年にはハードウェアとしてのテレビはなくなり「3D映像」に特化したデバイスに代わるでしょう。具体的には、今後通信速度が上がり二次元の映像に比べて情報量が格段に多い3D映像を処理できるようになるでしょう。そしてAR(Augmented Reality)グラスを利用して出演者がテレビを飛び出すような��覚を味わうようになるでしょう。また、頭を覆うヘッドマウントディスプレーでVR(Virtual Reality)映像を楽しむようになるでしょう。 ところで、本書では2040年までに「新聞」というメディアは消滅すると予想します。理由は、すでに最新の情報を手に入れるのはインターネットで済ませることが可能だからです。一方、「新聞記者が取材して記事を書く」機能は残るでしょう。ただし、記事を読む媒体は新聞ではなくニュースサイトになるでしょう。さらに「新聞」というメディアの可能性として、既存の新聞販売店網が、物流拠点から顧客までのラストワンマイルを埋める手段として有効活用されていくでしょう。
【技術の可能性を知り大衆から一早く抜け出す方法を知りたい】解決のため具体的な行動は【現在身近にある技術を用いた製品やサービスを使ってみる】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか? それは、【現在身近にある技術を用いた製品やサービスを使ってみる】です。本書の冒頭で著者は「現在身近にある技術を見渡せば未来は見える」と主張しています。だから本書で紹介するテクノロジーの可能性につながる身近な商品を実際に手に取って試してみるとよいでしょう。例えば以下のような行動を実践するとよいでしょう。
5G通信に対応した最新のスマートフォンに機種変更してを通信速度を体感してみる
自動車を購入する際にオプションでACC(自動運転レベル2) を選択してみる
アマゾンゴー等の無人コンビニエンスストアで買い物してみる
オンライン診療を試してみる
市販のヘッドマウントディスプレーでVRコンテンツを楽しむ
(残念ながら、私が知る限り、2040年の「エネルギー」につながる技術を気軽に体験する製品やサービスは存在しません。)
最後に「2040年の未来予測」のリンクを再掲載しますのでご購入のうえ実践してみてください。 2040年の未来予測
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。本書の内容を実行し皆様の問題解決にご活用ください。次回は、2040年における社会的変化を背景にした「経済」「教育」「衣・食・住」「自然災害」について解説します。本ブログでは今後も、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。
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2035年に生じる社会的変化に対応する方法を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~2035年の世界02
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2035年に生じる社会的変化に対応する方法を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~2035年の世界02

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測プロジェクトを実行中です。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。 前回は、未来予測プロジェクトの2冊目「2035年の世界」の解説第1回目として、2035年における身体科学、科学、移動、環境について、12個の未来をご紹介しました。 今回は、「2035年の世界」の解説第2回目として2035年におけるスタイル、リスク、政治、経済について解説します。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【2035年に生じる社会的変化に対応する方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本【2035年の世界】
【2035年に生じる社会的変化に対応する方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本は、【2035年の世界】です。 以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【2035年に生じる社会的変化に対応する方法を知りたい】を解決できる理由は【ネットで検索するだけでは決して出てこない一次情報を収集している】から
【2035年の世界】で、【2035年に生じる社会的変化に対応する方法を知りたい】を解決できる理由は【ネットで検索するだけでは決して出てこない一次情報を収集している】からです。 著者である高城剛氏は、日々、仕事をしながら世界を放浪し、行く先々で世界の変化をご自身の五感で体験されております。ネットで検索するだけでは決して出てこない一次情報を収集され、ご自身で解釈してわかりやすくした内容を積極的に発信しています。だから、今後の社会的な変化をかなり精度高く予測されます。以下では、本書で紹介される100項目のうち私が特に重要であると思われるものを2-3項目ずつ社会ジャンル別に解説します。ぜひ最後までお読みください。
2035年の「スタイル」
第5に、2035年における「スタイル」について15個の項目を紹介しています。今回はそのうち「幸福度」「ガバメント・オプトアウト」「サード・ウェイブX」を解説します。
幸福度:国の経済的規模を表す指標としてGDP(Gross Domestic Products、国内総生産)がよく使われます。日本はGDPで現在世界第4位です。一方、国民の幸福度を示す尺度として、GNH(Gross National Happiness)やHPI(The Happy Planet Index、地球幸福度指数)が使われます。日本はHPIで115か国中45位です。ここからわかることは、物質的な豊かさだけでは人の幸せは図れないということです。資本主義の機能不全が叫ばれる中、2035年にはGDPに加えてこれらの指数を組み合わせていくことが必要となるかもしれません。
ガバメント・オプトアウト:「ガバメント・オプトアウト」とは、政府の仕組みから一時的に離脱することを指します。具体的には、経済破綻や戦争といったハードリセットから自らを守るために国に対して物理的に距離を置くことです。例えば、海外移住したり、通貨を自国以外のものに換金し、海外の口座に持つことなどです。2035年には、このような動きが、政府に依存しない個人の自由な生き方の表現としてますます定着するかもしれません。
サード・ウェイブX:ここでサード・ウェイブXのXはコーヒーです。最近、健康志向の高まりで、コーヒーは体に良くないものとして脱コーヒーの動きが進んでいます。一方、「サードウェイブコーヒー」と呼ばれるコーヒー店の出店が相次いでいます。コーヒーにおける第1の波は、大量生産・大量消費時代に質やこだわりよりも手軽にたくさん飲めることを重視したコーヒーショップが増えたことです。第2の波は、スターバックスに代表されるどこで飲んでも同じコーヒーチェーンです。そして、第3の波つまりサードウェイブは、単一種の苗木から収穫した豆だけを使用し、顧客の顔を見ながら一杯を丁寧にいれていくものです。豆に産地証明書がついて栽培地に強くこだわります。そして、サードウェイブコーヒーは、コーヒー農園における搾取の歴史への反発として、フェアトレード(途上国と適正価格で取引すること)を店の理念とすることが多いです。2035年にはこのようなフェアトレードを標榜する第3の波を起こすような業態が増えていくでしょう。
以上をまとめると、個人が自らの意志として、海外への資産分散や海外移住等で自国の仕組みから離脱したり、フェアトレードを標榜する企業の商品やサービスを買うことで、経済的成功以外の自分なりの幸福を追求するようになり、国民の幸福度を指標とする未来が訪れるでしょう。
2035年の「リスク」
第6に、2035年における「リスク」について10個の項目を紹介しています。今回はそのうち「有害なバイオ物質」「メガ都市とコンパクトシティ」「水戦争」を解説します。
有害なバイオ物質:これまで有害な物質といえば、ダイオキシン、六価クロム、ホルムアルデヒドなどの化学物資とされてきました。しかし、今は遺伝子研究が進んで様々な遺伝子組換生物が生まれており、その過程で危険がバイオ物質が誕生する可能性が高くなってきています。本書の発行時点では言及がありませんが、実際に、2019年から2022年にかけて、中国武漢市にあるウィルス研究所からCovid-19(新型コロナウィルス)がアウトブレイクし、世界的なパンデミックが発生しました。2035年には、バイオハザード警報が出て急いで自宅に避難するような日常がくるかもしれません。
メガ都市とコンパクトシティ:現在、世界中で都市部への人口集中が生じており、様々な社会問題が発生しています。具体的には、人口1000万人以上の「メガ都市」が出現しつつあり、人口が増えすぎた結果、スラム化し街が荒廃しました。典型的な例はアメリカのデトロイトです。際限のない開発で労働者として貧困層が流入し、スラム化が進んで町が荒廃しました。この解決策として、人口200万人前後でありながら都市機能が集約される「コンパクトシティ」を目指そうという動きがあります。コンパクトシティでは、境界線を設定し、開発を境界線内のみに限定することで地価が上がる結果、貧困層を締め出すことでスラム化を防ぎます。典型的な例はアメリカのポートランドです。ポートランドでは電車が無料で、徒歩や自転車での移動もしやすいので、優秀な人材や有名な企業が集まりました。2035年になると、東京は4つのコンパクトシティに分割されているかもしれません。
水戦争:今、世界は砂漠化や人口増の影響で深刻な水不足に陥っています。地球上にある水資源のうち、飲めるのはわずか3%しかありません。2035年には、水資源をめぐる紛争が世界中で激化するかもしれません。ところで、水道水を飲める国は世界で5か国しかありません。その中には日本が含まれおり、その理由は日本の浄水技術が優れているからです。このことから、今後は日本の水道インフラ技術の輸出が産業として成長するでしょう。
以上をまとめると、都市機能がコンパクトに集約された便利な街に住みながら、日常的なバイオハザード警報に警戒する生活をしつつ、日本の主要輸出産業として水ビジネスがニュースになるような未来が訪れるでしょう。
2035年の「政治」
第7に、2035年における「政治」について個の項目を紹介しています。今回はそのうち「リキッド化」「成長しない世界」「イスラムパワー」を解説します。
リキッド化:本書によると世界はフラット化したあと、リキッド化するでしょう。「フラット化」とは、先進国が没落し新興国が成長し世界が平準化することです。具体的には、���ンターネットが物理的な距離を超えて世界中を結ぶので、先進国で行われる仕事が新興国に流れて賃金水準が平準化します。一方「リキッド化」とは、床にこぼれた水のように、ある地域が独立したり地域同士が連合を作る等緩やかに集合離散を繰り返すことです。2035年には、静的で均質化された世界(フラット)から動的で多極的な世界(リキッド)になるでしょう。
成長しない世界:皆様は日々ニュース等を見ていると、格差は広がりつつあり、現在の資本主義制度は疲弊しつつあるのではないかと感じているかもしれません。これまで世界は成長することを前提に歩んできました。その結果、ねじれや齟齬が生まれ様々な問題を生じてきました。2035年には、成長しない世界を前提として物事を考えるようになるでしょう。本書ではそのような世界で重要になる資産は、知的財産であるとします。具体的には、ロボットが働いてお金を稼ぐ仕組みを支えるような知的財産が重要になるでしょう。
イスラムパワー:今後世界各地でイスラム系住民が増えるでしょう。理由は、イスラム系住民の出生率はヨーロッパ人の4-8倍あるからです。イスラム系移民が流入すると、その出生率の高さから世代を重ねるごとに爆発的に人口が増えます。2035年には、欧米を中心とした秩序にイスラムの秩序が割って入るようになるでしょう。今後産業としてハラル認証等を取得していく必要がでてくるでしょう。
以上をまとめると、世界中の多くの拠点で地域の合従連衡が生じるとともに、成長を前提としない新しい資本主義の下、イスラム世界の文化や習慣が日常生活に反映されるような未来が訪れるでしょう。
2035年の「経済」
第8に、2035年における「経済」について17個の項目を紹介しています。今回はそのうち「資本主義3.0」「キャピタルフライト」「ユニオンとリージョン」を解説します。
資本主義3.0:従来の「資本主義1.0」は行き詰まりを見せています。貨幣経済の本質は「1万円札に1万円の価値がある」と信用ですが、いつかどこかで「1万円の価値がある」という幻想が崩れてインフレが生じると資本主義は破綻します。そこで、その解決策となる「資本主義2.0」として期待されるのが「分散型基軸通貨制」です。具体的には、複数の通貨をバスケットに入れてそれを一つの通貨とみなして管理することです。その中のある通貨(例えばドル)が下落しても、それ以外の通貨が支えるので全体への影響を最小限に抑えることができます。とはいえ、資本主義2.0で基軸通貨が新体制に移行したとしても、貨幣経済が集団幻想であるという本質は変わりません。2035年以降は、成長しない世界を前提とした「資本主義3.0」へと移行するかもしれません。
キャピタルフライト:「キャピタルフライト」とは、資本を国内から海外へ避難することです。例えば、企業が海外へ工場を移したり、個人が自分の財産を他国通貨へ換金することです。本書の発行時点では言及されていませんが、2024年現在世界中がインフレで苦しむ中、歴史的な円安状態となっており、円下落の危険性を感じた多くの富裕層が資産を海外へ移しています。今後は、我々一般の日本国民も、資産を日本円に限定して現金で持ち続けるリスクを真剣に考えるべきかもしれません。2035年には、もっと円安が進み海外へ出稼ぎにでることが当たり前になっているでしょう。
ユニオンとリージョン:世界はフラット化した「グローバル(地球規模の規格化)」からリキッド化した「ユニオンとリージョン」へとシフトするでしょう。「ユニオン」とは、EUのような国同士の連合体です。「リージョン」とは、地域のことで国境をまたいで地域としてつながることです。例えば、スペインからカタルーニャ地方が離脱することやイギリスのスコットランドが独立すること、4か国をまたぐクルド人居住地域を指すクルディスタンの問題等が発生しています。2035年にはユニオンの一員だが国ではなくリージョンとしてつながるという考え方がますます増えることでしょう。
以上をまとめると、複数の基軸通貨を入れた通貨バスケット制を基本とする資本主義の下、資産防衛のため自分の資産を最適な国の通貨に換金する資産運用が当たり前になるとともに、自分のルーツとなる文化や習慣を重視し国ではなくリージョンとしてつながる未来が訪れるでしょう。
【2035年に生じる社会的変化に対応する方法を知りたい】解決のため具体的な行動は【未来の社会的変化につながる行動を実践する】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか? それは、【未来の社会的変化につながる行動を実践する】です。 2035年に社会面で予想される未来は以下4点です。
個人が自らの意志として、海外への資産分散や海外移住等で自国の仕組みから離脱したり、フェアトレードを標榜する企業の商品やサービスを買うことで、経済的成功以外の自分なりの幸福を追求するようになり、国民の幸福度を指標とする
都市機能がコンパクトに集約された便利な街に住みながら、日常的なバイオハザード警報に警戒する生活をしつつ、日本の主要輸出産業として水ビジネスがニュースになる
世界中の多くの拠点で地域の合従連衡が生じるとともに、成長を前提としない新しい資本主義の下、イスラム世界の文化や習慣が日常生活に反映される
複数の基軸通貨を入れた通貨バスケット制を基本とする資本主義の下、資産防衛のため自分の資産を最適な国の通貨に換金する資産運用が当たり前になるとともに、自分のルーツとなる文化や習慣を重視し国ではなくリージョンとしてつながる
これらの未来の社会的変化につながる行動を実践してみてください。例えば、フェアトレードを前提とする商品を購入すること、都市部ではなくコンパクトシティ化が予想される郊外の地域へ移り住むこと、円以外の通貨で資産運用することを検討すること、などです。
最後に「2035年の世界」のリンクを再掲載しますのでご購入のうえ実践してみてください。 2035年の世界
以上で、未来予測プロジェクト二冊目を終わります。最後までお読みいただきありがとうございました。本書の内容を実行し皆様の問題解決にご活用ください。次回は、2040年より先の未来を予測する本をご紹介します。 今後とも本ブログをお読みいただければ幸いです。
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2035年に生じる技術格差に巻き込まれない方法を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~2035年の世界01
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2035年に生じる技術格差に巻き込まれない方法を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~2035年の世界01

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測プロジェクトを実行中です。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。これまで4回に渡って「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説することで、2030年に訪れる未来に対応する方法として以下4点の方法を解説しました。
VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい
2030年の暮らしがどうなるか予想したい
2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい
テクノロジーに関する情報リテラシーを向上したい
今回から、未来予測プロジェクトの2冊目「2035年の世界」を2回に分けて解説します。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【2035年に生じる技術格差に巻き込まれない方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本【2035年の世界】
【2035年に生じる技術格差に巻き込まれない方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本は、【2035年の世界】です。 以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【2035年に生じる技術格差に巻き込まれない方法を知りたい】を解決できる理由は【世界中で研究される最先端の内容をジャンル別に100項目紹介する】から
【2035年の世界】で、【2035年に生じる技術格差に巻き込まれない方法を知りたい】を解決できる理由は【世界中で研究される最先端の内容をジャンル別に100項目紹介する】からです。 著者である高城剛氏は、本書の冒頭で医学特に遺伝子工学の進展により、人類は死ななくなる、あるいは信じられないほど長寿になる一方、最新テクノロジーに触れることができる者が長寿になり、触れられない者はより短命になるという二極化(技術格差)が進むだろうと予測します。このような技術格差に巻き込まれないようにするために、「日々、仕事をしながら世界を放浪し、行く先々で最先端の研究機関に出向き、そこで出会った研究者や学者と話の中から感じた未来のキーワードを100項目にまとめた。(本書「2035年の世界」の「はじめに」より引用。)」ようです。以下では、100項目のうち私が特に重要であると思われるものを2-3項目ずつ技術ジャンル別に解説します。ぜひ最後までお読みください。
2035年の「身体科学」
本書では、2035年における「身体科学」について8個の項目を紹介しています。今回はそのうち「薬事ロボット」「未病とオミックス医療」「ハイパーヒューマン」を解説します。
薬事ロボット:薬事ロボットとは、薬のように飲み込み、体内で診察や治療をしてくれる小さなロボットのことです。例えば2014年には、カプセル内視鏡が実用化されています。口から飲み込むと体内で食べ物と同じルートをたどり、胃や小腸、大腸の様子を撮影し、画像データを外部へ発信します。カプセル内視鏡は診察しかできませんが、2035年までに治療のためのロボットが登場すると予想されます。具体的には、薬事ロボットが患部まで移動したあと、直接薬を噴射することができるようになるでしょう。
未病とオミックス医療:東洋医学で「未病」とは潜在的に病気を抱える状態のことです。アメリカではすでに遺伝子を調べることで「未病」の状態を知るサービスが一般化しており、日本でもいくつかのサービスが開始されています(例:ユーグレナ マイヘルス)。そして、2035年までに遺伝子情報から一人一人に最適な薬を配合して自分だけの薬を作り、発病のリスクを減らす「オミックス(omics)」医療が普及するでしょう。世界的な少子高齢化で医療費の増大が課題とされる中、医療費削減のため未病とオミックス治療は強力な解決策となるでしょう。
ハイパーヒューマン:「ハイパーヒューマン」とは分子モーターによりサイボーグ化した人のことです。分子モーターは、人間の細胞内で永久機関に近い働きをします。そして永久機関とは、出力が入力に戻って永久に運動を続けられる装置のことです。現在、分子モーターの機構を人工的に再現することは可能であるとされています。2035年には、分子モーターを組み込んだ人工臓器が開発され、病に侵された臓器と交換することが可能になるかもしれません。
以上をまとめると、遺伝子検査をすることで自分が将来かかる病気を予想するとともに、病気になったら自分に最適な薬で治療し、それでも治らない場合は、分子モーターを用いた臓器と交換するという未来が予測できます。
2035年の「科学」
次に、2035年における「科学」について13個の項目を紹介しています。今回はそのうち「オートマトン」「ペタバイト」「人工合成技術」を解説します。
オートマトン:「オートマトン」とは、自律的に動く機械人形のことです。最近、Chat GPTを含めてAI(Artificial Intelligence 人口知能)がすさまじい速度で発展してきています。ロボット工学の世界では、2045年に技術的特異点を迎えてロボットがロボットを作るようになるといわれています。つまり、オートマトンが自分たちで勝手に繁殖をはじめる未来が訪れるかもしれません。この先ほとんどの仕事はロボットに奪われるかもしれません。そのとき、人間に残された仕事はロボットのはできない感情面をケアするマインドセラピストになるでしょう。
ペタバイト:ペタバイト(petabyte)とは、ギガバイト(gigabyte)の1000倍であるテラバイト(terabyte)の1000倍のデータ容量のことです。現在、インターネット上でやりとりされるデータの80%は映像になってきています。その結果、テラバイト量のデータをハードディスクに保存しています。しかし、今後通信データの高速化・大容量化が進み、テラバイトを超えてペタバイトのデータ容量を保存するにはハードディスクでは対応できないといわれています。そこで2035年には、ホログラフィック・ハードディスクが実用化されると予想されます。ホログラフィック・ハードディスクは、ディスクの記憶層を立体的にとらえて3次元でデータを保存することで大容量化を実現します。生成AIの登場でますますデータ生成量が増えると予想される中、必須の技術となるでしょう。
人工合成技術:「人工合成技術」とは、遺伝子技術で有機体同士、あるいは有機体と化学物質を組み合わせて合成することです。現在、世界で最も弾力性があって強い繊維であるクモの糸と化学繊維を混ぜ、人工のクモの糸を作る動きがあります(例:スパイバー)。また、イスラエル軍は人工合成技術によってパイロットの座った形状を記憶する素材を開発しました。2035年には、エルゴノミクス(Ergonomics 人間工学)による誰にでも通用するデザインではなく、個体重視のデザインへと変わっていくでしょう。
以上をまとめると、ペタバイトレベルのデータをホログラフィック・ハードディスクに保存し、そのデータをもとにオートマトン化したロボットによる製造工場で、人工合成技術を用いて個体それぞれに適した素材やデザインの製品を生産する未来が訪れるでしょう。
2035年の「移動」
第3に、2035年における「移動」について11個の項目を紹介しています。今回はそのうち「宇宙旅行」「空飛ぶ自動車」「超音速旅客機」を解説します。
宇宙旅行:最近の技術進展によるコストダウンにより、民間企業でも宇宙船を打ち上げることが可能になりつつあります。その結果、宇宙旅行をレジャーとして提供する試みがはじまっています。例えば、ヴァージンギャラクティック社は、大気圏と宇宙の境界付近で4分間無重力を体験するツアーを提供しようとしています(Virgin Galactic Holdings, Inc.)。また、別の試みとして、気球を使って成層圏まで移動するツアーを提供しようとしています(Space Perspective)。
空飛ぶ自動車:空飛ぶ車「スカイカー」が実現すれば、滅多に車が通らない場所に道路を整備する無駄がなくなる、自動車の通行量が減り渋滞がなくなる、交通アクセスできない場所に行ける、等様々な課題解決につながります。これらのメリットがあるため、スカイカーへの取り組みが始まっています。アメリカでは、飛行するときにボタン一つで羽根が広がる二人乗りのスカイカーが開発されており、燃料補給なしで航続距離787kmを実現したようです。また、ホバリングシステムを利用して垂直飛行する実験も始まっています(所謂VTOL機、英語: Vertical Take-Off and Landing aircraft)。その結果、滑走路が不要になります。
静音超音速旅客機:1976年にフランスとイギリスが共同で音速旅客機「コンコルド」を開発しサービスを提供しました。マッハ2.0で空を飛ぶ夢の旅客機として期待されましたが、超音速飛行で生じる衝撃波が課題となり2003年に就航を中止しました。しかし、宇宙旅行の項目で解説したように、低コスト化したロケット技術を活用して、静音超音速旅客機「QSST(Quiet Supersonic Transport)」の開発が試みられています。2035年には東京からロスアンジェルスまで2時間半で快適に移動できるようになるかもしれません。
以上をまとめると、普段は、空飛ぶ車で隣の国のお店に移動し買い物したり、ビジネスでは、超音速で地球の裏側の国まで短時間で出張したり、バカンスとして宇宙旅行を楽しむ未来が訪れるでしょう。
2035年の「環境」
第4に、2035年における「環境」について10個の項目を紹介しています。今回はそのうち「温暖化と寒冷化」「ハイブリット農業」「FCV」を解説します。
温暖化と寒冷化:「今、地球温暖化と同時に地球寒冷化が同時進行している」と聞くと驚くかもしれません。本書によると、2010年にNASA(National Aeronautics and Space Administration、アメリカ航空宇宙局)は、地球を覆う外側の大気層である熱圏が過去43年で最大に縮小したと発表しました。何が起きているかというと、熱圏=地球を覆うバリアが壊れたので地球規模で気温の差が激しくなり急激な温暖化と同時に寒冷化が起きています。つまり暑い地域はより暑くなり、寒い地域はより寒くなるという変化が起こります。その結果、2035年には生態系が大きく変わり、食料不足や水不足が世界中で起こるでしょう。
ハイブリット農業:今後、地球規模で気候変動が生じると、砂漠化で耕作地が減り、温暖化や寒冷化で農作物が育たなくなり、穀物や野菜の生産量が減る一方、日本以外の人口は増加するので、世界的な食糧不足に陥るでしょう。その解決策として、「ハイブリット農業」が注目されています。「ハイブリット農業」とは、遺伝子組み換えで環境変化や病気、虫に強い品種を作り、有機栽培で安全かつおいしく育てる農業のことです。今は、バイオとオーガニックは消費者の意識として直感的に受け入れがたいかもしれません。しかし、2035年にはスーパー店頭にバイオとオーガニックのハイブリット野菜が当たり前に並ぶでしょう。
FCV(Fuel Cell Vehicle):FCV(Fuel Cell Vehicle)とは、燃料電池で動く自動車のことです。電池は現在3種類あります。1次電池とは、乾電池のことです。2次電池とは、充電して繰り返し使うタイプで現在主流のBEV(Battery Electric Vehicle)の動力源にあたります。そして、3次電池が燃料電池のことで、燃料を電池に供給することで新たに電気を生み出します。そして、本書の発行時点では言及されませんが、トヨタ自動車が水素を燃料とするFCV「MIRAI」を市販化し水素ステーションも整備しはじめました。しかし、世界的な電気自動車ブームにおされ商業的には失敗に終わりました。しかし、2024年現在、電気自動車の弱点である「充電時間が長いわりに航続距離が短い」ことがネックとなり、FCVが見なおされつつあります。2035年には、日本発の水素自動車が世界中を走っているかもしれません。
以上をまとめると、温暖化と寒冷化が同時進行した結果、食料不足がますます深刻化し、スーパーの店頭でハイブリット野菜を買うため、水素を充電したFCVで排気ガスを出さずに出かける未来が訪れるでしょう。
【2035年に生じる技術格差に巻き込まれない方法を知りたい】を解決するため具体的な行動は【未来につながる新しい技術を使った製品やサービスを使ってみる】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか? それは、【未来につながる新しい技術を使った製品やサービスを使ってみる】です。 2035年に技術面で予想される未来は以下4点です。
遺伝子検査をすることで自分が将来かかる病気を予想するとともに、病気になったら自分に最適な薬で治療し、それでも治らない場合は、分子モーターを用いた臓器と交換する
ペタバイトレベルのデータをホログラフィック・ハードディスクに保存し、そのデータをもとにオートマトン化したロボットによる製造工場で、人工合成技術を用いて個体それぞれに適した素材の製品を生産する
普段は、空飛ぶ車で隣の国のお店に移動し買い物したり、ビジネスでは、超音速で地球の裏側の国まで短時間で出張したり、バカンスとして宇宙旅行を楽しむ
温暖化と寒冷化が同時進行した結果、食料不足がますます深刻化したため、スーパーの店頭でハイブリット野菜を買うため、水素を充電したFCVで排気ガスを出さずにでかける
これらの未来につながる商品やサービスを見つけたら積極的に使ってみてください。例えば、遺伝子検査を受けてみることやレンタカーで水素自動車を借りる等です。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。今回は、未来予測プロジェクトの2冊目「2035年の世界」の解説第一回目として、2035年における身体科学、科学、移動、環境について、12個の未来をご紹介しました。今回は、2035年におけるスタイル、リスク、政治、経済について解説します。ぜひ最後までお読みください。 本ブログでは今後も、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。
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中小企業診断士二次試験に合格するための戦略~中小企業診断士二次試験対策06
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中小企業診断士二次試験に合格するための戦略~中小企業診断士二次試験対策06
皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。これまで5回にわけて、中小企業診断士の最大の関門である二次試験に合格するための学習方法を事例別にご紹介してきました。今回は、最終回として、これまでの解説内容を総括したうえで、中小企業診断士二次試験全体を俯瞰して合格するための戦略および合格したらどうなるか?をご紹介します。 まず、最初にこれまでに紹介した事例別の学習方法を振り返ります。
「事例1(人事・組織)に合格するには」でご紹介したこと
最初に、「事例1(人事・組織)」に合格するための学習方法を紹介しました。私は、「事例1(人事・組織)」を3回受験し、結果2回合格、1回不合格でした。そして、当時の私は事例1に対して苦手意識があり手応えと点数が一致しませんでした。次に「事例1(人事・組織)」を学習するツールとして、過去問題集等以外に、事例1を学習する上で特別な学習ツールは必要ありませんとお伝えしました。そして、「事例1(人事・組織)」の特徴として、「ほかの事例に比べて難解」であることとその理由として6つの特性をご紹介しました。最後に、人事・組織が事例1である意味として「はじめに人ありき」とお伝えしました。理由は、企業診断の現場では、まず最初に人事・組織の側面から診断を開始するからです。詳しくは以下の記事をご確認ください。
事例1(人事・組織)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策02
第2回として、中小企業診断士二次試験、事例1(人事・組織)に合格する方法についてご紹介します。
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2024.08.11
「事例2(マーケティング)に合格するには」でご紹介したこと
次に、「事例2(マーケティング)」に合格するための学習方法を紹介しました。私は、「事例2(マーケティング)」を3回受験し、結果2回合格、1回不合格でした。そして、受験当時、マーケティング分野で10年以上キャリアがありましたので、事例2は得意であるという自負がありましたが、手応えと点数が一致しませんでした。次に「事例2(マーケティング)」を学習するツールとして、過去問題集等以外に、事例2を学習する上で特別な学習ツールは必要ありませんとお伝えしました。そして、「事例2(マーケティング)」の特徴として、「簡単で取り組みやすいと感じる」こととその理由として6つの特性をご紹介しました。最後に、マーケティングの事例を学ぶ意義として、「フレームワークをツールとして使いこなす」ことをお伝えしました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
事例2(マーケティング)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策03
皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。 当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。現在、5回にわけて...
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2024.08.25
「事例3(生産・技術)に合格するには」でご紹介したこと
3番目に、「事例3(生産・技術)」に合格するための学習方法を紹介しました。私は、「事例3(生産・技術)」を3回受験し、結果2回合格、1回不合格でした。私は、3年間技術開発をしたキャリアがあり、生産現場を肌感覚で理解できたので事例3は得意であるという自負があり、二次試験の手応えと結果が一致しました。次に「事例3(生産・技術)」を学習するツールとして、「生産管理に関する初心者向けの解説書を読むこと」をおすすめしました。理由は製造業の現場になじみがない方にとって、事例3の与件文に書いてある内容は理解しにくいからです。ある程度製造業の現場感覚を理解してから過去問演習をするとよいでしょう。そして、「事例3(生産・技術)」の特徴として「工学・機械的な分野で、課題とその解決策が論理的に明確に説明できる」こととその理由として6つの特性をご紹介しました。最後に、生産・技術の事例を学ぶ意義として「製造業の支援では3現主義の実践が重要」であるとお伝えしました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
事例3(生産・技術)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策04
皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。 当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。現在、5回にわけて...
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2024.09.08
「事例4(財務・会計)に合格するには」でご紹介したこと
最後に、「事例4(財務・会計)」に合格するための学習方法を紹介しました。私は、「事例4(財務・会計)」を3回受験し、結果2回不合格(内一回足切り)、1回合格でした。私にとって事例4は平成24年度で足切り不合格になるほど不得意科目でした。そこで「事例4(財務・会計)」は別途特別な対応が必要であると判断し、学習するツールとして、「財務=ファイナンス」を学べるツールを選びました。そして、「事例4(財務・会計)」の特徴として、「数値を扱う事例で正解・不正解が明確だから、減点法ではなく加点法で対策する」ことをご紹介しました。最後に、財務・会計の事例を学ぶ意義として「国民総起業家時代に必須のスキル」であることをお伝えしました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
事例4(財務・会計)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策05
皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。 当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。現在、5回にわけて...
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2024.09.22
ストレート合格以外の方向けの二次試験に合格する戦略
以上で二次試験に合格するための方法を各事例別に振り返りました。これまでご紹介した内容は、あくまでストレート合格を目指す方(一次試験に合格してそのまま二次試験を受験される方)向けでした。 ここで、二次試験受験が2回目以上の方向けの内容を解説したいと思います。 理由は私自身が、二次試験を3回受けた多年度受験生だったからです。以下私の二次試験受験歴をご確認ください。
事例1事例2事例3事例4総合評価平成24年AABDA平成25年BAABB平成26年67556367252※
※得点開示請求をしました
だから、多年度受験生の苦しみは痛いほど分かります。ここで簡単に私の二次試験の勉強の仕方を振り返ります。 平成24年度は、8月に一次試験を自己採点した結果、苦手科目であった「財務・会計」と「経済学・経済政策」の2科目で合格していると判明し、約二か月間で急いで二次試験の学習をしました。学習方法は独学でした。その結果、総合評価では合格水準の「A」でしたが事例4で「D」の足切り不合格となりました。 平成25年度は、次の二次試験まで1年以上時間があることから本気で取り組むと決めて、平成13年から平成24年までの全事例の過去問題を5回転して、予備校の二次試験の模擬試験も4つ受けるなど自分でできる準備をやりつくして万全の体制で二次試験に望みました。ここでも学習方法は独学でした。その結果、初年度より総合成績が下がったうえに不合格となりました。 ここで「プライベートのあらゆることを犠牲にして全力で取り組んでも合格できないのか・・・」と自分の実力の限界を感じました。そこで当時金銭的な理由であきらめていた「東洋大学が実施する登録要請課程の利用」や「受験予備校MMCの申し込み」を本気で検討しました。 検討の結果、平成26年度は、独学ではなく中小企業診断士の勉強会に入会しました。いろいろ情報を集めるうちに、中小企業診断士受験生同士が集まる勉強会が数多く開催されているのを知り、なんとなく申し込みました。中小企業診断士の学習を4年間たった一人で苦闘するなか、はじめて受験仲間ができました。そこで、受験仲間と切磋琢磨するうちに、自分の偏った考え方が修正され磨かれていきました。その結果、その年に二次試験に合格することができました。
多年度受験生にアドバイスしたいこと
以上の経験を踏まえて、今の自分が多年度受験生当時の自分にアドバイスしたい内容を3つご紹介します。その3つの内容は以下です。
一次試験に合格したら、まず登録養成課程を検討する
中小企業診断士二次試験対策でしたほうがいい3つのこと
中小企業診断士二次試験対策でしなくていいこと
以下順番に解説します。
一次試験に合格したら、まず登録養成課程を検討する
多年度受験生の方にアドバイスしたい内容の1つ目は「一次試験に合格したら、まず登録養成課程を検討する」です。理由は、中小企業診断士として独立した際に、「一生使えるスキルと一生付き合える仲間」ができるからです。 中小企業診断士登録養成課程とは、「中小企業診断士の第1次試験に合格した方が、中小企業庁のガイドラインに基づいた演習や実習を修了することで、中小企業診断士として登録できる」制度です。 そして、養成課程では、第2次試験や実務補習、実務従事(15日以上)は不要になります。現在、養成課程を実施する機関は、中小企業大学校や日本生産性本部、各地の大学院などです。詳しくは以下を参照してください。
https://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/download/Yousei_TourokuKikan.pdf
私の友人の中小企業診断士で、何人か登録要請課程出身の人がいますが、二次試験で合格した人よりも独立して活躍する人が多いです。(私は数100人以上の中小企業診断士の方と現場をともにしています。決して印象論でありません。)気になったので、理由を聞いてました。そしたら皆様例外なく、「養成課程を通じて、企業と信頼関係ができるので、そのまま独立後の顧客基盤になるよ。登録要請課程を受��て本当によかった。確かに課題とかやるのはハードだけど、一生使えるスキルと一生付き合える仲間ができる。時間とお金を使う価値はあるよ。」といいます。 実は、私は今すごく後悔しています。一時期、東洋大学の要請課程を本気で検討したことがありましたが、お金と時間を理由として諦めて二次試験を受けたからです。 登録要請課程最大のハードルは、実施機関によりバラツキがありますが、期間が半年間~2年間で費用が150万円~350万円かかることです。 もし、この時間とお金のハードルを越えられるなら、登録要請課程の利用を強くおすすめします。
中小企業診断士二次試験対策でしたほうがいい3つのこと
多年度受験生の方にアドバイスしたい内容の2つ目は「中小企業診断士二次試験対策でしたほうがいい3つのこと」です。中小企業診断士二次試験対策でしたほうがいい3つのこととは以下です。
毎年一次試験を全科目受ける
再現答案作成
点数開示請求
1の「毎年一次試験を全科目受ける」をおすすめする理由は、メンタル面で安心して二次試験を受けることができるからです。二次試験では、予想外に難しい問題が出て本試験当日混乱する場面が多々あります。そのとき、次年度の二次試験受験資格を確保済みであれば冷静に対応することができます。ですから、毎年一次試験を全科目受けるようにしましょう。 2.の「再現答案作成」をおすすめする理由は、不合格だった場合のアクションプランを立てるのに必要だからです。中小企業診断士二次試験では答案が返却されません。ですから、不合格であった場合でご自身の回答文が手元にないと「なぜ不合格だったのか?」「どう改善したらいいのか?」等次年度に向けたアクションプランを立てることができません。一方、手元に再現答案があれば、「ふぞろいの合格答案」を利用して、自己採点をすることでうまくいかない理由やそれをどう改善するのかを検討することができます。ですから、中小企業診断士二次試験を受験したら回答内容を忘れないよう1週間以内に再現答案を作成しましょう。 3.「点数開示請求」をおすすめする理由は、受験生が行使してよい権利だからです。中小企業診断士二次試験では答案は返却されませんが、採点結果の開示請求をすることができます。使える権利は使い倒しましょう。実際に私は平成26年に得点開示請求を出して4つの事例の採点結果を教えてもらいました。不合格だった場合、2の再現答案とあわせて採点結果をあわせて分析することでかなり精度の高いアクションプランをねることができますので得点開示請求をしてみましょう。詳しくは以下をご確認ください。
https://www.j-smeca.jp/attach/test/kojinjyouhou_kaiji_seikyu2024.04.16.pdf
中小企業診断士二次試験対策でしなくていいこと
多年度受験生の方にアドバイスしたい内容の3つ目は「中小企業診断士二次試験対策でしなくていいこと」です。私が二次試験対策で実際にやってみて「時間の無駄。二次試験合格には関係ない」と感じたことです。以下理由とともに列挙します。
日商簿記検定1級受験:事例4の範囲を超えています。学習時間が長いわりに得るものは少ないです。
意思決定会計ノート演習���複雑で緻密な計算演習をしますが、事例4ではここまでの計算力は不要です。
予備校が実施する二次模擬試験受験:受験予備校が作るダミー事例を解いてもほぼ意味はありません。TACの模擬試験で全国で高い順位を得ても落ちることもあるので気にしないでください。唯一MMCの採点フィードバックコメント付きの模擬試験は受ける価値はあります。
合格答案写経:回答は自分の言葉で書いてください。他人の言葉を真似しても意味はありません。
天声人語要約:文章力の向上にはつながるかもしれませんが、答案作成には関係ありません。
試験委員が書いた書籍やThe Goal等の書籍を読む:エンタメとして時間があれば読む程度でいいです。それよりも過去問題を解いてください。
中小企業診断士二次試験に合格したあとどうしたらいいか?
これまで二次試験に合格するまでの内容をご紹介しました。最後に少しだけ中小企業診断士二次試験に合格したあとどうしたらいいか?についてご紹介します。 二次試験に合格した皆様、合格おめでとうございます!そして長期間にわたる勉強お疲れさまでした。ここまで散々勉強してきたのだから少し解放されたい気分かもしれませんが、実は二次試験に合格すると怒涛のように忙しくなります。本業をお持ちの場合は、スケジュール調整をする場面が多々でてきます。 そこで、今のうちに中小企業診断士二次試験に合格したあとのアクションプランを考えておくことをおすすめします。具体的には以下4点について検討してみてください。
口述試験対策をどうするのか?
実務補習をいつどうやって受けるか?
どこの中小企業診断協会へ登録するか?
中小企業診断士を活かして自分はどうゆうキャリアを積み上げていくのか?
なお、中小企業診断士になったあとの内容について後日記事にしたいと思っています。ぜひ楽しみにお待ちください。以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
いかがでしたか?これまで、5回にわたり、中小企業診断士二次試験に合格するために学習方法や戦略についてご紹介してきました。 当ブログでは、今後も中小企業診断士についての情報を発信してまいります。中小企業診断士試験合格目指して一緒に頑張ってまいりましょう。引き続きよろしくお願いいたします。
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事例4(財務・会計)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策05
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事例4(財務・会計)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策05
皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。現在、5回にわけて中小企業診断士の第二の関門である二次試験に合格するための情報をご紹介しています。前回は、中小企業診断士二次試験の事例3(生産・技術)に合格する方法についてご紹介しました。今回は、第5回として、中小企業診断士二次試験、事例4(財務・会計)に合格する方法についてご紹介します。 この記事を最後まで読めば、中小企業診断士二次試験事例4の傾向や対策を知ることできます。ぜひ最後までお読みください。では本題に入ります。
私の事例4の受験歴=3回受験し2回不合格(内一回足切り)、1回合格
最初に私の二次試験事例2の受験歴を紹介します。
年度平成24年平成25年平成26年評価・点数DB67※結果足切り不合格合格
※得点開示請求をしました
私は、二次試験を3回受験し、事例4は2回不合格でした。しかも平成24年度は足切り不合格です。一次試験でも財務・会計には非常に苦戦しました。ですから、私にとって事例4は不得意科目でした。平成24年度にはじめて二次試験を受けたとき、事例1-3はそれなりに手応えを感じましたが、事例4で頭が真っ白になりました。その結果、平成24年度は総合評価A(全体の点数としては合格)でしたが、事例4のD判定で足切り不合格となりました。そこで、事例4については、別途特別な対応が必要であると痛感しました。
事例4の学習ツール=財務・会計に苦手意識を持つ人は別途特別な対策が必要
次に事例4を学習する上で必要なツールをご紹介します。結論をいえば、財務・会計に苦手意識を持つ人は、事例4について別途特別な対策が必要です。当時、私は日商簿記検定は2級まで取得しており、「財務・会計」のうち、「会計」の部分の知識は十分ありましたが、「財務=ファイナンス」の部分の知識が不足しておりました。そこで事例4の学習をはじめる前に、コーポレートファイナンスについて学ぶことをおすすめします。 (個人的には「ロジックで解く中小企業診断士試験財務・会���問題集」がおすすめです。会計に加えてファイナンスに関することを体系的に理解することができます。) そして、ある程度ファイナンスを理解できたら、全知識で一次知識を補充して、事例攻略のセオリーに従い、過去5年分の事例4を解いて、ふぞろいの合格答案で採点してください。 因みに、事例4の対策として、日商簿記1級の受験や意思決定会計講義ノートによる演習を推奨する方がいますがやる必要はありません。理由は、中小企業診断士に求められるレベルの知識や計算能力を超えているからです。無駄とは申しませんが、それをする時間があるなら、過去問演習の年度を5年前ではなく10年前に増やす等したほうがより効果的でしょう。 以下に学習ツールのリンクを掲載します。ぜひ購入して合格を勝ち取ってください。
ロジックで解く中小企業診断士試験財務・会計問題集 新版
中小企業診断士二次試験 2次試験合格者の頭の中にあった全知識
事例攻略のセオリー
中小企業診断士試験問題
ふぞろいな合格答案
事例4の問題の特徴=数値を扱う事例で正解・不正解が明確だから、減点法ではなく加点法で対策する
では、事例4にはどのような特徴があるのでしょうか?その答えは、「数値を扱う事例で正解・不正解が明確だから、減点法ではなく加点法で対策する」ことです。理由は、事例4が、財務・会計に関する事例として以下のような6つの特性を持つからです。
与件文が極端に短く、非常にわかりやすい
設問文だけで回答できる問題がある
与件文にくわえて、他の設問の内容や計算結果も与件となる
設問のジャンルごとに極端に難易度が変わるわりに配点に差がない
文章問題は、貴重な得点源なので空欄ではなく必ず記述する
難問・奇問がでる場合がある
以下順番に説明します。
与件文が極端に短く、非常にわかりやすい
事例4の特性の1つ目は、「与件文が極端に短く、非常にわかりやすい」です。事例4を初見で解くときに最初に驚くのが、事例1から3に比べて与件文が1/2~1/3と極端に短く、内容が非常にわかりやすいことでしょう。その代わり、多くの場合D社の損益計算書や貸借対照表などが掲載されています。損益計算書や貸借対照表の数値も与件です。ですから、これらの数値を計算するだけではなく、それらの数値が持つ意味や意義を言葉で説明できるようになる練習が必要です。
設問文だけで回答できる問題がある
事例4の特性の2つ目は、「設問文だけで回答できる問題がある」です。事例4は、与件文を読まなくても設問文に書いてある条件に従って計算するだけで回答できる場合があります。事例4は演習していて「時間が足りない!」ということが最大の課題になります。もし、設問を分析する段階で与件文なしでも回答できるとわかればその場で計算してしまえば、時間の節約になります。ただし、計算の前提となる条件が与件文にある場合もありますので、ケースバイケースで判断してください。
与件文にくわえて、他の設問の内容や計算結果も与件となる
事例4の特性の3つ目は、「与件文にくわえて、他の設問の内容や計算結果も与件となる」です。これが事例1から3にない事例4最大の特徴かもしれません。与件文が少ない分、前の設問文の内容や計算結果を与件としたうえで回答する場合があります。後半の問題特に問3や問4に見られる傾向です。例えば、問3でNPVの計算結果から設備投資の意思決定を問われたあと、問4で新工場の建設計画などが問われている場合、問3でNPVを計算できなかったとしても「設備投資する」という意思決定となります。(新工場を建設するのに、設備投資しないという意思決定にはならないですよね?)
設問のジャンルごとに極端に難易度が変わるわりに配点に差がない
事例4の特性の4つ目は、「設問のジャンルごとに極端に難易度が変わるわりに配点に差がない」です。事例の出題ジャンルはある程度パターンが決まっております。具体的には、「経営分析」「CVP(Cost、Volume、Profit)分析」「CF(Cash Flow)計算」「設備投資の経済性計算」等です。それぞれのジャンルごとに回答も定式化できるので、解き方さえマスターしてしまえば、あとは計算ミスを防ぐだけで対策できます。ただし、計算難易度にかなり差があり、「設備投資の経済性計算」>>>「CVP(Cost、Volume、Profit)分析」>「経営分析」>「CF(Cash Flow)計算」となります。ですので、計算が簡単な順に優先順位をつけて、対応することをお勧めします。具体的には、小数点同士の掛け算があり電卓をたたく回数が多い「設備投資の経済性計算」は計算ミスになることが多いので後回しにしてください。
文章問題は、貴重な得点源なので空欄ではなく必ず記述する
事例4の特性の5つ目は、「文章問題は、貴重な得点源なので空欄ではなく必ず記述する」です。事例4の回答用紙が試験監督者から配布されたとき、記述式の回答欄が多くあったら、ガッツポーズをとってください。貴重な得点源ですので必ず記述してください。というのも計算問題は、正解/不正解が明確ですから間違ったらゼロ点ですが、記述問題は計算問題と異なり部分点が狙えますので、貴重な得点源となるからです。私の同期合格者で実際いたのですが、事例4の計算問題で間違いだらけも関わらず、記述問題をしっかり記述したら合格していました。例えば、設問で「計算結果を根拠としてD社の投設備資をするべきか助言せよ」という問題がある場合、たとえ数値があっていなくても。助言内容とその理由がしっかり記述できていれば加点されます。
難問・奇問がでる場合がある
事例4の特性の6つ目は、「難問・奇問がでる場合がある」です。事例4では数年に一度難問や奇問がでることがあります。例えば、平成21年度は営業レバレッジを計算する問題がでました。また、平成25年度は、貸借対照表だけで損益計算書がない状態で経営分析をする問題と品質原価計算に関する問題がでました。(私が受験した平成25年度は二重の意味で高難易度の年でした。)これらの問題は当時の学習内容では対応が難しいため、多くの受験生が受験当日頭が真っ白になりパニックに陥りました。ただし、こうゆう難問・奇問は誰も対応できませんので、気にしなくていいです。一次試験で平均点数が低すぎる科目で点数調整が入るように、二次試験でも点数調整をしているはずです。(公表されていないのではっきりとはいえません。ただ、結果として二次試験の難易度に関わらず毎年ほぼ同数の合格者数になっていますので調整していると推測できます。)
事例4の回答のコツ
事例4の特徴を理解したら事例4の過去問題に取り組んでください。そして、事例4の過去問題に回答する際のコツについては、以下より事例4のファイナルペーパーをダウンロードしてご確認ください。
事例4のファイナルペーパー
事例4の回答例
ではこれらを活かして、実際に事例4を回答した例をご紹介します。以下の記事をご確認ください。
回答例及び解説-中小企業診断士二次試験-平成27年度事例IV
中小企業診断士二次試験-平成27年度事例IVについて解説します。
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2024.07.08
財務・会計の事例を学ぶ意義=国民総起業家時代に必須のスキル
最後に、中小企業診断士二次試験には直接関係ありませんが、財務・会計を学ぶ意義について私見を書きます。私は将来、日本で働く人全員が起業家になる時代がくると予測します。もうすでに、その予兆は表われています。具体的には、あらゆる業界で、副業や複業が解禁・推奨されており、情報インフラの発達で企業に所属して給料をもらうだけではなく、個人が情報を発信し稼ぐ時代になってきています。つまり、我々は皆「自分株式会社」の社長となる国民総起業家時代の到来です。すると、働く人がみな貸借対照表や損益計算書の知識を持つ必要がでてきます。自分のやりたいことを実現するには、どれくらい資金が必要で、それをどうやっていくらずつ調達し、それをどのように運営して、いくらずつ返済していくのか?等を考えるうえで、財務・会計の知識は必須になるでしょう。そして、その結果、財務・会計の知識をもった中小企業診断士の支援を必要とする人は今後も増え続けるでしょう。一人でも多くの起業家を輩出するためにも、しっかり学んでいきしょう。
いかがでしたか?今回は、中小企業診断士二次試験の事例4に合格する方法について解説しました。以上で中小企業診断士二次試験に合格する方法の解説を終わります。次回は、これまでの解説内容を振り返るとともに二次試験に合格したらそのあとどうしたらよいか?をご紹介します。中小企業診断士試験合格目指して一緒に頑張ってまいりましょう。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。当ブログでは、今後も中小企業診断士についての情報を発信してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
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未来に繋がるニュースのご紹介-2024/09/15
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未来に繋がるニュースのご紹介-2024/09/15
皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、未来のトレンドを予測する上で役立つニュースをご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、「私が未来に繋がる!面白い!」と感じるニュース記事を10本程度ピックアップし、簡単に解説します。解説は、どんなトレンドが予想できるか?それに対し我々はどう対応すべきかを中心に私の意見としてご紹介します。それでは、本題に入りましょう。
早期膵臓がんを血液で判定、京大などがAIで開発…精度は5~8割
早期膵臓がんを血液で判定、京大などがAIで開発…精度は5~8割
【読売新聞】 京都大などは、血液に含まれる微小物質・マイクロRNAのデータを人工知能(AI)に学習させ、早期の 膵臓 ( すいぞう ) がんを5~8割の精度で判定できる検査法の開発に成功したと発表した。これまで難しかった早期発見が期
www.yomiuri.co.jp
この記事から、がん診断技術の進展のトレンドが予測できます。病気の予防・診断・治療のうち、予防に資する技術です。記事によると、血液中にマイクロRNAのデータのパターンをAIで学習した結果、10年生存率が5.8%といわれるすい臓がんを、5~8割の精度で判定できる検査法の開発に成功したようです。これは、バイオテクノロジーの進展で微小の核酸分子を扱えるようになったこととITの進展でAI解析が可能な計算能力を得たことが出会った結果可能となりました。したがって我々としては、今後のバイオ×AIの技術進化に期待すると良いでしょう。
脱炭素化でアンモニアに脚光 水素の輸送・貯蔵手段―海外で製造、日本へ
脱炭素化でアンモニアに脚光 水素の輸送・貯蔵手段―海外で製造、日本へ:時事ドットコム
【ニューヨーク時事】脱炭素エネルギーとして期待される水素の活用拡大に向け、輸送や貯蔵の手段となるアンモニアが脚光を浴びている。北米などで日本の商社や企業が携わる製造プロジェクトが進み、日本を含む世界各地に輸出される見通しだ。
www.jiji.com
この記事から、水素エネルギーの活用の拡大のトレンドが予測できます。昨今、電気自動車の様々なデメリットが目立ったことから新車販売台数に占める電気自動車の割合が減少しつつあります。その代わり、世界的なトレンドとして、日本のトヨタ自動車が世界に先行して実用化した水素燃料自動車に注目が集まりつつあります。記事によると、水素エネルギーの輸送・貯蔵手段としてアンモニアが注目されており、北米で日本の商社等がその製造プロジェクトがたくさん立ち上がっているようです。次世代の太陽光発電ペロブスカイトと水素エネルギーで日本の技術がは世界のエネルギー問題を解決するかもしれません。したがって我々としては、期待して待つと良いでしょう。
1型糖尿病にiPS細胞から作る膵島細胞を移植…京大病院が来年にも治験実施へ
1型糖尿病患者にiPS細胞から作る膵島細胞を移植、京大病院が来年にも治験実施…インスリン注射不要に
【読売新聞】 膵臓の細胞が正常に働かない重症の1型糖尿病について、京都大病院がiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った細胞のシートを患者に移植する治験を、来年にも実施する計画であることが、京大関係者らへの取材でわかった。有効性が確認
www.yomiuri.co.jp
この記事から、糖尿病の治療方法の進展のトレンドが予測できます。iPS細胞を用いた再生医療等製品の実用化の事例ですね。記事によると、健康な人のiPS細胞から膵島細胞(インスリン等の血糖値調整ホルモンを分泌する細胞)シートを作成し、糖尿病患者の皮下に移植することで、シートが血糖値の変化に応じてインスリンを放出することで、注射をしなくても血糖値を安定させる効果が期待できるようです。米国で同様の臨床試験をした結果、かなり良好な結果が得られており、この技術はかなりの実用化の可能性が高いでしょう。したがって我々としては、糖尿病になってもインスリン注射なしですむ時代がくることを期待すると良いでしょう。
すい臓がん、超音波治療 富大病院で新装置治験 体外から照射、負担減
すい臓がん、超音波治療 富大病院で新装置治験 体外から照射、負担減|社会|富山のニュース|富山新聞
●第5の手法、開発企業27年承認目指す 富大附属病院が10日…
www.hokkoku.co.jp
この記事から、がんの治療技術の進展のトレンドが予測できます。病気の予防・診断・治療のうち、治療に資する技術です。記事によると、すい臓がんを対象に、体外から照射した超音波でがんを壊死させることで、治療を行うようです。この治療法は、①がんの位置を超音波(エコー)画像で確認しながら麻酔はせず、1回当たり5秒程度の照射を複数回行う、②放射線治療と異なり被爆することもないので何度でも照射可能などの特徴を持ち、治療における患者負担がほとんどないとのことです。10年生存率が5.8%といわれるすい臓がんは、治療の選択肢が少ないといわれており、その選択肢が一つ増えるメリットは非常に大きいでしょう。したがって我々としては、一つ目の記事とわせて、最悪のがんといわれるすい臓がんにおける予防・診断・治療で画期的な技術が開発されていると考えてよいでしょう。
iPSから小腸の多層再現 創薬に期待、京大
iPSから小腸の多層再現 創薬に期待、京大 | 共同通信
京都大などの研究グループは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞(ES細胞)から体内で実際にあ...
nordot.app
この記事から、細胞培養技術の進展のトレンドが予測できます。従来、iPS細胞から臓器を再現する場合は、二次元のシート状の造形をするか、スキャホールド(臓器の形をした足場)上に培養して3次元造形をするしか方法がありませんでした。記事によると、多層構造を持つ小腸組織の再現に成功したとのことです。ここから小腸を模したオルガノイドを作り、炎症性腸疾患などの創薬で展開するとのことです。創薬における動物実験を減らすことに資する技術かもしれません。したがって我々としては、今後の技術開発に期待すると良いでしょう。
以上です。全体として今後、医療分野におけるテクノロジーの進展が目立ちました。今後ますますの発展に期待しましょう。皆さま、トレンドを捉えてしっかり対応していきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。また、次回、皆さまに役立つ情報を発信してまいります。 よろしくお願いします。
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テクノロジーに関する情報リテラシーを向上したい方へおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ04
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テクノロジーに関する情報リテラシーを向上したい方へおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ04
皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測プロジェクトを実行中です。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。 前回は、一冊目「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説3回目で、今後10年間で人類が直面し得る重大なリスクの内容とエクスポネンシャルテクノロジーを用いたその解決策を解説しました。今回は、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説4回目です。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【テクノロジーに関する情報リテラシーを向上したい】でお困りの方へおすすめの本【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】
【テクノロジーに関する情報リテラシーを向上したい】でお困りの方へおすすめの本は、【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】です。 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ 以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【テクノロジーに関する情報リテラシーを向上したい】を解決できる理由は【未来のテクノロジーについての3次元マップが得られる】から
【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】で、【テクノロジーに関する情報リテラシーを向上したい】を解決できる理由は【未来のテクノロジーの進化について3次元マップが得られる】からです。 本書「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」が素晴らしい点は、未来のテクノロジーの進化について3次元マップが得られることです。具体的には、X軸は、エクスポネンシャル・テクノロジーの9つの技術要素、Y軸は9つの生活カテゴリとし、これらの交わるところが時間軸=Z軸に沿ってどのように進化するかを調べることとができます。では、なぜテクノロジーの進化についての三次元マップが得られるのか?それを知るためにも、これまでに解説してきた内容を振り返ってみましょう。
第1部「コンバージェンスの破壊力」で解説したこと
第1部「コンバージェンスの破壊力」の内容から、VUCA時代に変化が加速する理由を解説しました。まず、テクノロジーが指数関数的(エクスポネンシャル)に成長する6段階のステージを説明しました。次にエクスポネンシャルテクノロジーを構成する9つの技術要素を紹介しました。さらに、技術進化を加速する7つの推進力を説明しました。最後にすぐ実践できることとして、「新しい技術に出会ったら、エクスポネンシャル・テクノロジーの6つのステージに従って、現在の発展段階を考える」ことを提案しました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ01
未来予測プロジェクト1冊目「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」をこれから4回に分けて解説します
senor-blog.com
2024.08.20
第2部「すべてが生まれ変わる」で解説したこと
第2部「すべてが生まれ変わる」の内容から、2030年の暮らしがどうなるか予想することを解説しました。具体的には9つの生活カテゴリ別に未来の暮らしを紹介しましました。以下キーワードでお伝えします。未来の買い物は、デジタルアシスタント、無人店舗、3Dプリント、ストアロボット、エクスペリエンス・エコノミーです。未来の広告は、空間的WEB、ビジュアル検索機能、ハイパーパーソナリゼーションです。未来のエンターテインメントは、AIクリエイタ、完全没入型エンターテインメント、感情コンピュータ、ARメガネ/コンタクトレンズです。未来の教育は、Android教師、VRによる情操教育、AIによる個別学習です。未来の医療は、モバイルヘルス、遺伝子治療、細胞医療、AI創薬です。未来の寿命延長は、アンチエイジング薬学です。未来の保険は、クラウド保険、ライフスタイル連動型保険です。未来の金融は、マイクロファイナンス、クラウド融資です。未来の不動産は、VR不動産、近接性、水上都市です。未来の食料は、垂直農法、培養肉です。最後にすぐ実践できることとして、「本書で紹介した新しい製品やサービス、考え方を自分の生活に取り入れてみる」ことを提案しました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
2030年の暮らしがどうなるか予想したい方へおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ02
今回は、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説2回目です。
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2024.08.27
第3部「加速する未来」で解説したこと
第3部「加速する未来」の内容から、2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を解説しました。まず、人類が今後10年で直面する重大な脅威と解決法をご紹介しました。次に、新たな脅威に出会った際に解決策を考える3つの視点を説明しました。さらに、今後100年で起こる人類の5つの大移動について解説しました。最後にすぐ実践できることとして、「新たな脅威に直面したら、視野・予防・統治の観点から解決策を考えてみる」ことを提案しました。詳しくは以下の記事をご確認ください。
2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい方へおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ03
今回は、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説3回目です。
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2024.09.03
【テクノロジーに関する情報リテラシーを向上したい】解決のため具体的な行動は【最新技術に関するニュースを定点観測し未来のトレンドを予測する】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか?それは、【最新技術に関するニュースを定点観測し未来のトレンドを予測する】です。冒頭で説明したように、本書を読むことで、テクノロジーの進化の三次元マップを自分の頭の中に構築できます。そして、これを活用するには、ニュースで新しい技術的要素に出会ったら、このマップのなかにプロットして、未来のトレンドを多面的に予測してみましょう。これを繰り返すことで、テクノロジーに関する情報リテラシーを高めることができます。
最後に本書のリンクを再掲載しますので、購入して実践してみてください。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
以上で、未来予測プロジェクト一冊目を終わります。最後までお読みいただきありがとうございました。本書の内容を実行し皆様の問題解決にご活用ください。次回は、2030年より先の未来を予測する本をご紹介します。 今後とも本ブログをお読みいただければ幸いです。
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事例3(生産・技術)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策04
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事例3(生産・技術)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策04
皆様��こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。現在、5回にわけて中小企業診断士の第二の関門である二次試験に合格するための情報をご紹介しています。前回は、中小企業診断士二次試験の事例2(マーケティング)に合格する方法についてご紹介しました。今回は、第4回として、中小企業診断士二次試験、事例3(生産・技術)に合格する方法についてご紹介します。 この記事を最後まで読めば、中小企業診断士二次試験事例3の傾向や対策を知ることできます。ぜひ最後までお読みください。では本題に入ります。
私の事例3の受験歴=3回受験し2回合格
最初に私の二次試験事例3の受験歴を紹介します。
年度平成24年平成25年平成26年評価・点数BA63※結果不合格合格合格
※得点開示請求をしました
私は、二次試験を3回受験し、事例3は2回合格しました。私は大学を卒業してから、3年間中小規模の理化学分析機器メーカーで3年間技術開発をしたキャリアがありましたので、事例3の現場は肌感覚で理解できました。だから事例2同様得意であるという自負がありました。また、他の事例では試験中の手応えと実際の結果が一致しないことが多かったですが、事例3については試験中の手応えと結果はほぼ一致しておりました。この理由は事例3の問題特性と関係があります。(理由は後述します。)
事例3の学習ツール=別途対策が必要
次に事例3を学習する上で必要なツールをご紹介します。結論をいえば、事例3について人によっては、別途対策が必要となります。理由は、事例3が生産・技術を扱うため、製造業の現場になじみがない方にとって、事例3の与件文に書いてある内容は理解しにくいからです。そこで事例3の学習をはじめる前に、生産管理に関する初心者向けの解説書を読むことをおすすめします。 (個人的には「中小企業診断士試験ロジックで理解する運営管理」がおすすめです。製造業について、研究開発戦略レベルから論理的に理解することができます。) そして、ある程度製造業の現場感覚を理解できたら、全知識で一次知識を補充して、事例攻略のセオリーに従い、過去5年分の事例3を解いて、ふぞろいの合格答案で採点してください。 以下に学習ツールのリンクを掲載します。ぜひ購入して合格を勝ち取ってください。
中小企業診断士試験ロジックで理解する運営管理
中小企業診断士二次試験 2次試験合格者の頭の中にあった全知識
事例攻略のセオリー
中小企業診断士試験問題
ふぞろいな合格答案
事例3の問題の特徴=工学・機械的な分野で、課題とその解決策が論理的に明確に説明できる
では、事例3にはどのような特徴があるのでしょうか?その答えは、工学・機械的な分野で、課題とその解決策が論理的に明確に説明できることです。理由は、事例3が、生産・技術に関する事例として以下のような6つの特性を持つからです。
製造工程やビジネスの工程を図示して全体像を確認することが有効
経営課題が明確で与件文にはっきり書いてある
ビジネスモデルにおけるC社の立場を理解することが重要
事例3の企業には共通の課題が多く解決策をパターン化できる
最終製品を自社開発し、直接販売するという打ち手が有効
拡充すべきは営業部門であることが多い
以下順番に説明します。
製造工程やビジネスの工程を図示して全体像を確認することが有効
事例3の特性の1つ目は、「製造工程やビジネスの工程を図示して全体像を確認することが有効」です。事例3の与件文を読むと、顧客から受注し、商品を製造して、出荷した売上が入金されるビジネスの工程、顧客からの要望を元に設計、原材料調達、生産計画立案、加工作業、組み立て作業、出荷作業に至る製造工程について文章で長々と説明されています。そして、複雑で入り組んだ工程であることが多いので、与件文を読みながらそれらの工程を簡単に図示して整理することをおすすめします。図示してビジネスの全体像を把握すると、「あれ?この工程がボトルネックかな?」とか「この工程が不足しているな?」などC社の課題に気づきやすくなります。
経営課題が明確で与件文にはっきり書いてある
事例3の特性の2つ目は、「経営課題が明確で与件文にはっきり書いてある」です。事例1(人事・組織)では経営課題が与件文で明示されず自分で推測する必要がある場合が多いですが、事例3では、与件文中で経営課題が明示されていることが多いです。そして、多くの場合、与件文の後半にC社社長の言葉として書かれていることが多いです。ただし、それは現在の経営課題であり、未来の事業展開にむけた真の経営課題が別にあることも多いです。その場合は、回答文で適切に助言する必要があります。
ビジネスモデルにおけるC社の立場を理解することが重要
事例3の特性の3つ目は、「ビジネスモデルにおけるC社の立場を理解することが重要」です。つまり、C社が属する産業のビジネスモデル全体で、C社がどのような役割を担うのかを理解してください。具体的には、C社がサプライヤー、メーカー、外注、設計、部品加工、組立、出荷、施工・設置等のうち、どの立場でビジネスを展開しているかを確認してください。理由は、「直接の顧客はだれか?」「新たな戦略を考える際に進出すべき先はどこか?」を確認することで、最終問題でC社の今後のあるべき姿を回答する際の回答文の質が向上するからです。
共通の課題が多く回答をパターン化できる
事例3の特性の4つ目は、「共通の課題が多く解決策をパターン化できる」です。日本の中小製造業の多くは親会社であるメーカーからの依頼で部品加工や原材料を調達し供給する下請け企業です。ですから、事例3で扱う事例企業の多くも下請け企業であるため、課題や解決策が共通であることが多く、ある程度回答文をパターン化することができます。例えば、課題は、受注のサイクルと生産計画のサイクルがずれる結果、納期遅れが発生すること、解決策は、製販連携会議を実施することや生産計画のサイクルを短くすることです。
最終製品を自社開発し、直接販売する打ち手が有効
事例3の特性の5つ目は、「最終製品を自社開発し、直接販売する打ち手が有効」です。多くの場合、C社の課題は、親会社が人件費の安い海外に自社工場を移転した結果、C社に対する発注がなくなり、収益性が低下することです。そして、その解決策として、最終製品を自社開発し、直接販売する打ち手が有効となります。その結果、下請け企業を脱却し、親会社への売り上げ依存度を下げ、収益性を回復することが期待できます。
拡充すべきは営業部門であることが多い
事例3の特性の6つ目は、「拡充すべきは営業部門であることが多い」です。事例3で取り扱う企業の多くは下請け企業でこれまで黙っていても親会社から安定した受注が可能でした。その結果、これまで自社で販路開拓する必要がなかったため、営業機能が不足していることが多いです。一方で、前述の「最終製品を自社開発し、直接販売する」打ち手を有効にするためには、営業部門を拡充することが課題となります。ですから、回答において与件文からC社の営業部門拡充のための根拠を丁寧に拾い上げ方策を提案できるとよいでしょう。
事例3の回答のコツ
事例3の特徴を理解したら事例3の過去問題に取り組んでください。そして、事例3の過去問題に回答する際のコツについては、以下より事例3のファイナルペーパーをダウンロードしてご確認ください。
事例3のファイナルペーパー
事例3の回答例
ではこれらを活かして、実際に事例3を回答した例をご紹介します。以下の記事をご確認ください。
回答例及び解説-中小企業診断士二次試験-令和3年度事例III
中小企業診断士二次試験-令和3年度事例IIIについて解説します。
senor-blog.com
2024.07.22
生産・技術の事例を学ぶ意義=製造業の支援では3現主義の実践が重要
最後に、中小企業診断士二次試験には直接関係ありませんが、生産・技術を学ぶ意義について私見を書きます。製造業を支援する現場では3現主義を実践することが重要です。3現主義とは「机上の空論ではなく、実際に“現場”で“現物”を観察し、“現実”を認識した上で問題解決を図るという考え方」のことです。(株式会社野村総合研究所用語解説より引用)
例えば、中小製造業の経営支援の現場に大きなメーカーで生産管理をされていたメーカー出身のOBの方が入った際に、ご出身のメーカーのメソッドを最良のものとして、製造現場を見ることなく解決策を提言されることが見うけられます。その結果、提言内容はこの会社の現状のリソースでは到底実現不可能なものとなり、よくいえば理想論悪く言えば机上の空論でしかありません。皆様は、そのような診断を決してなさらないでください。まずは、事例3のように社長の話を丁寧にヒアリングしたら、必ず製造現場へ足を運び、ご自身の五感で現場の課題を体感してください。そのうえで実現可能で有効性の高いご提案をすることができるとよいでしょう。
いかがでしたか?今回は、中小企業診断士二次試験の事例3に合格する方法について解説しました。次回は、事例4(財務・会計)に合格する方法をご紹介します。中小企業診断士試験合格目指して一緒に頑張ってまいりましょう。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。当ブログでは、今後も中小企業診断士についての情報を発信してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
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回答例及び開設-中小企業診断士二次試験-令和3年度事例I
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回答例及び開設-中小企業診断士二次試験-令和3年度事例I

皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。
今日は、中小企業診断士試験の最大の関門である二次試験について、実際の過去問を用いて回答例を提示し、解説をします。
中小企業診断士二次試験-令和3年度事例Iの試験問題
今日、取り扱うのは、中小企業診断士二次試験-令和#年度事例Iです。 事例Iなので、人事・組織に関する事例ですね。 試験問題は、こちらよりダウンロードしてください。
中小企業診断士二次試験-令和3年度事例1の解説
中小企業診断士二次試験-令和3年度事例1について解説します。 A社は、1960年創業の印刷・広告会社です。を提言できるとよいでしょう。 設問構成を見ると、デジタル化の進展で紙媒体の需要が減少する中、生き残るため斜陽産業である印刷事業から広告制作業へドメインを展開しながらいかにして事業承継するのか?をテーマにしているようです。 競争が激化する広告制作業においていかに差別化し競争を回避するかがポイントとなるでしょう。 与件分を読むと、当社の経営課題は、新規需要創造による売上回復です。 当社の今後のあるべき姿は、地場の既存顧客の課題を解決するアートディレクターかと思われます。 ですので、これらを意識して回答を記述できるとよいかもしれません。
中小企業診断士二次試験-令和3年度事例1の回答例
以下は、私の回答例です。ご参考になさってください。
第1問
理由は、外部にサプライチェーンを構築し顧客の細かいニーズに対応する分業体制整え、高品質・高精度な印刷に資源を集中し、高度で手間のかかる小ロット印刷や出版事業を展開で差別化し競争回避したいから
第2問
理由は、広告代理店勤務時に共同プロジェクトに参画した人脈を生かして、紙媒体に依存しない分野に事業を拡げ、ウェブ制作、コンテンツ制作をする広告制作業を経験させ、後継者として育成するためである。
第3問
利点は紙媒体に依存しない分野に事業を広げることで地域の中小企業向けの広告制作の業務を拡大した事。欠点は営業機能がない中競合他社が多く既存顧客の新規需要を創造できず案件を獲得できない事である
第4問
助言は既存顧客を含めたプロジェクトチームへと発展させる事である。A社がリーダーとして顧客の要望を 聞き出し最適な協力企業を編成しプロジェクト管理を実行することで競合と差別化し競争回避する。
第5問
長期的な課題は、地場の中小企業の新規需要を創造しLTV向上による売上回復である。解決策は、顧客接点を持つ印刷部門員が既存顧客の課題を聴取し、課題解決のための広告制作プロジェクトを提案するである。
なお、これはあくまで回答例です。合格を保証するものではないことをご理解・ご了のほどよろしくお願いいたします。最後までお読みいただきありがとうございました。コメントなどでご意見・ご感想などいただきますと幸いです。
なお、当ブログでは、今後も中小企業診断士、二次試験についての情報を発信してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
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2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい方へおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ03
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2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい方へおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ03

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測プロジェクトを実行中です。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。 前回は、一冊目「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説2回目で、2030年の暮らしがどうなるか?9つの側面から解説しました。今回は、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説3回目です。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】
【2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい】でお困りの方へおすすめの本は、【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】です。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい】を解決できる理由は【エクスポネンシャル・テクノロジーが各脅威を解決する方法を提示し楽観的な未来の姿を描く】から
【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】で、【2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい】を解決できる理由は【エクスポネンシャル・テクノロジーが各脅威を解決する方法を提示し楽観的な未来の姿を描く】からです。 本書の第三部では、今後10年間で人類が直面し得る重大なリスクの内容とエクスポネンシャルテクノロジーを用いたその解決策を説明します。次にイノベーションの本質は人類の移動にあるとして、100年先の未来を大胆に描きだします。
今後10年間で人類が直面し得る重大なリスク
今後10年間で人類が直面し得る重大なリスクとは、以下です。
水危機
気候変動
異常気象
生物多様性の喪失
環境汚染
自動化(ロボットやAI)による雇用消失
人類が今後10年で直面する重大なリスクとその解決策について以下順番に解説します。
水危機
今後10年間で人類が直面し得る重大なリスク一つ目は、「水危機」です。「水危機」の脅威の内容は、現在、世界できれいな飲み水を確保できない人9億人に上り、その結果水を媒介とする感染症が死因の第1位を占め、毎年命を落とす340万人の大半を子供が占め、2025年には世界人口の半分が水不足に直面します。 「水危機」の解決策として、様々な技術開発が進められています。例えば、「蒸気圧縮蒸留システム」は、乾燥した牛糞などの可燃燃料をエネルギー源とし、ヘアドライヤー以下の消費電力で、汚染された地下水、塩水、下水、尿などの水を浄化するミニ冷蔵庫サイズの浄水器です。この機械1台で1日で300人分の水を賄うことができます。また、「SkyWater(空気中から飲み水をつくり出す装置)」は、再生可能エネルギーをエネルギー源とした結果、1リットルあたり2セント(3円)のコストで、大気中から1日2000リットルの水を抽出できます。この機械1台で200人分のニーズを満たすことができます。さらに、「水用スマートグリット」は、緻密なモニタリング、作物への水やり、虫や疾病の発見などの機能を果たすことで、農業分野で毎年数兆リットルの水を節約できます。 本書によると、これらの水テクノロジーは、エネルギーテクノロジーをほぼ5年遅れで追いかけているようです。
気候変動
今後10年間で人類が直面し得る重大なリスク二つ目は、「気候変動」です。「気候変動」の脅威の内容は、毎年アフリカ大陸1.3個分の森林を燃やすことに相当するCO2を排出しています。���して、石炭、石油、天然ガスを燃やした際に発生するCO2が地球温暖化の主要な原因となっています。そのため、気候変動の解決策として、クリーンエネルギーの転換が求められます。その転換プロセスは、発電、蓄電、環境負荷の低い輸送に分かれます。 まず、発電分野の解決策は、太陽光発電と風力発電の融合です。風は太陽が照っていないときに吹く傾向があるなど太陽光と風は相互補完関係があり、風力と太陽光を一つの送電網に統合すれば、1+1=3以上になるような相乗効果が得られる結果、現在必要な電力の80%を賄えるといわれています。(なお、本書では近年注目される洋上風力発電についての言及はありません。原因は、この本が、大陸国家であるアメリカで出版されたためと考えられます。) 次に、蓄電分野の解決策は、「フロー電池」です。これまで、蓄電池といえばリチウム金属の個体にエネルギーを貯蔵するものが主流でした。リチウム電池は、軽量で携帯性が高いというメリットがある一方、充電サイクルが1000回までと耐久性が低いというデメリットがありました。それに対して、「フロー電池」は溶融塩のような液体にエネルギーを貯蔵するものです。「フロー電池」は、大型でかさばるというデメリットがある一方、充電サイクルが5000~1万回までと耐久性が高く何十年も交換なしで使えるというメリットがあります。最新の技術開発で「フロー電池」のコストがリチウムイオン電池より低くなりつつあり、世界の蓄電池ニーズを90%を賄う可能性があります。 最後に、環境負荷の低い輸送の解決策は、電気自動車の開発です。電気自動車における技術開発の中心は、航続距離、充電時間、充電インフラです。航続距離については、個体電池が実用化された結果、2025年には1回の充電での航続距離が800kmに至るといわれています。充電時間については、従来より高電圧な充電装置と高速充電可能な新材料を用いたバッテリーの組み合わせで、480㎞の走行に必要な充電時間は5分に短縮されるといわれています。充電インフラについては、既存のガソリンスタンドに加え、家庭用充電装置、チャージポイントなどを加味すれば、充電ポートの数は給油ポンプの数とほぼ同じになりつつあります。
異常気象
今後10年間で人類が直面し得る重大なリスク三つ目は、「異常気象」です。「異常気象」の脅威の内容は、ハリケーンが襲来し、広い地域で電気の供給が止まること等です。「異常気象」の解決策は、電気自動車の普及です。例えば、完全充電された電気自動車は3世帯分の電気を24時間賄えるので、電気自動車が全国的な電力ネットワークのノードとなり、バックアップ電源の役割を果たします。
生物多様性の喪失
今後10年間で人類が直面し得る重大なリスク四つ目は、「生物多様性の喪失」です。「生物多様性喪失」の脅威の内容は、現在、昆虫種の40%で個体数が減少、2050年までにサンゴ礁の90%が消失、2100年に海洋生物の50%、大型哺乳類の50%が絶滅する結果、植物の受粉、酸素の生成、洪水制御、気候安定等地球が人類に与える「生態系サービス」の60%が劣化し、持続不可能になります。 そして「生物多様性喪失」の解決策は、以下の4つです。
ドローンを使った森林再生:AI誘導型の植林ドローンが、空を飛びながら地形データを解析し植林に適した場所を特定、ゼリー状の培地を含む種子ミサイルを連続的に打ち込み、ゼリーが衝撃を和らげ培地の栄養を使って種子が発芽し育つ結果、ドローン一台で1日10万本の植林が可能です。
サンゴ礁の再生: サンゴ礁の再生は海の健康を取り戻すことにつながります。最近、サンゴ礁の生育速度を100年から2年に短縮する技術が開発されました。
水産養殖の改革:世界の漁獲の1/3が限界を超えた乱獲の状態にある結果、海洋資源が減少しています。現在、これを解決するため、幹細胞からマヒマヒやクロマグロなどのシーフードを作る技術が研究されています。
農業の改革:培養肉、垂直農法、遺伝子組換作物などでより少ない面積で食料生産を行うことで、現在、農業や牧畜業で人が占有する陸地面積の37%を動植物に返すことができます。
環境汚染
今後10年間で人類が直面し得る重大なリスク五つ目は、「環境汚染」です。「環境汚染」の脅威の内容は、環境汚染による死者が毎年900万人、コストは5���ドル(750兆円)にのぼり、河川に流れ込んだ化学物質、海洋プラスティック、大気中の微粒子が地球の命を蝕んでいます。そして「環境汚染」の解決策は、「ゼロ・トゥ・ゼロ製造プロセス」です。これは製造業ででてくる廃棄物を完全にゼロにすることです。この取組は、環境に優しいことに加え、コスト削減による利益増加に結びつきます。
自動化(ロボットやAI)による雇用消失
今後10年間で人類が直面し得る重大なリスク六つ目は、「自動化(ロボットやAI)による雇用消失」です。「自動化(ロボットやAI)による雇用消失」の脅威の内容は、ロボットやAIが雇用を奪う結果、今後数10年で世界全体の技術的失業が85%にまで高まることです。「自動化(ロボットやAI)による雇用消失」の解決策は、エクスポネンシャル・テクノロジーは雇用にプラスの影響を及ぼすことです。例えば、インターネットは破壊した雇用の2.6倍の雇用を生み出しました。
解決策を考える際の3つの視点
ここまで、人類が次の10年で直面する重大なリスクおよびその解決策をご紹介しました。では、今後新たな脅威に直面した際、我々はどのように解決策を考えたらいいのでしょうか?本書ではそのための3つの視点をご紹介します。
視野-思考のタイムスパンを伸ばす
新たな脅威の解決先を考えるうえで、「視野」とは時間軸としてどれくらい先を見通すか?を意味します。しかし、最近テクノロジーの加速、市場主義経済による短期的思考、選挙を意識する民主主義、マルチタスクで個人が注意散漫になるなどが原因で、人はみな病的に近視眼的になりつつあります。人間の存在を脅かすリスクから身を守りたければ長期的視点で物事を考える必要があります。
予防-先回り対策を打つ
では、「視野」つまり長期的思考を実践して、脅威を解決するにはどうしたらいいでしょうか?その応えは「予防」です。世界の変化が激しくなか生き残るためには、将来を見越した予防の技術を磨く必要があります。具体的には、地球というシステムは生きていて、常に変化しているという前提に立ったうえで、テクノロジーを使い、高度でグローバルな脅威を探知するネットワークを構築し、気候変動を制御するのではなく、可能な限り受け入れようとすることです。
統治-政府をデジタル化する
では、「予防」の究極の形とはなんでしょうか?その応えは、広範囲にわたる脅威に対応して「統治」する者つまり政府が適応力と機敏さを持つことです。現在は変化が加速するしているので、脅威が発生したら、統治者たる政府は反応時間を大幅に短縮することが求められます。そこで、デジタルガバナンスで有名なエストニアのように、テクノロジーの力を使って、政府のデジタル化を進め、脅威に対する反応時間を大幅にスピードアップする必要があります。
五つの大移動
ここまで、今後10年間で人類が直面し得る重大なリスクの内容とエクスポネンシャル・テクノロジーを用いたその解決策を説明してきました。 では、ここで、「視野」を広げて、今後100年で世界はどのように変化するかを考えてみましょう。そのために、本書では今後100年で予想される5つの大移動について紹介します。では、なぜ5つの大移動を紹介するのか?その理由は、世界は人の移動で進歩してきたからです。 ヒトは本性として移動性の習性を持ちます。そして、古きを捨て新しさを求める中で文化的境界を超えて移動した結果、グローバルで統合された世界を生み出しました。 そして、このような移動は、イノベーションを活発化し雇用を増やします。イノベーション面では、ヒトは移動するなかで新たな環境や文化に出会い適応をしていく中で、新しい物事のやり方を生み出していきました。また雇用面では、移民の多くは移住先で希望する職に就けないので、新たな事業をはじめることを通じて雇用を生み出します。 今後発生が予想される様々な危機を克服する上で、移動がイノベーションと雇用を増やすという事実は非常に重要です。理由は、人間の存在を脅かすリスクに立ち向かうには新たなアイデアが必要ですし、そのアイデアを実践するには、世界的な協業、協調、共感が不可欠だからです。
経済的移住
今後100年で起きる大移動の一つ目は、「経済的移住」です。2050年には、経済的理由から25億人が移住した結果、全世界の66~75%が都市部にすむようになります。その結果、プラス面では、人口密度が高いほど生産性が高まる、イノベーションの出現率が上がる、生活の質が高まる、清潔になりエネルギー効率が高まる、CO2排出量が減るなどの効果があります。一方、マイナス面では、無計画な都市化が犯罪、疾病、貧困サイクル、環境破壊につながります。
気候変動による人口移動
今後100年で起きる大移動のニつ目は、「気候変動による人口移動」です。気候変動に関する政府間パネル(IPCC=Intergovernmental Panel on Climate Change)によると、温室効果ガスによる気温上昇を2℃以下に抑えた場合には1.3億人が移住を強いられます。一方、温室効果ガスによる気温上昇が4℃になった場合、ロンドン、香港、リオデジャネイロ、ムンバイ、上海、ジャカルタ、コルカタ等世界の巨大都市の多くが水没する結果、4.7~7.6億人が移住を強いられます。
バーチャル世界の探求
今後100年で起きる大移動の三つ目は、「バーチャル世界の探求」です。バーチャル世界へ移動するデバイスである没入型VRヘッドセットをつけると、脳内で6つの快楽物質がすべて分泌されフロー状態になるようです。その結果、アメリカで3.21億人が1日11時間をオンラインで過ごします。つまりこれはバーチャル世界へ移住するようなものです。 そして、バーチャル世界への移住は雇用と教育で新たな効果が期待できます。雇用面では、バーチャル世界で経済活動が活発化した結果、バーチャル世界の雇用市場が一気に爆発するでしょう。また教育面では、分散型で個々の学習者に合わせてカスタマイズされた加速的な学習環境が提供され、没入しフロー状態になるため通常の2.3倍の速度で学習できるようになります。
宇宙の開拓
今後100年で起きる大移動の四つ目は、「宇宙の開拓」です。気候変動等が原因で、地球上でうまくいかないときの生物圏のバックアップとして第2の人類文明��築くため、宇宙を開拓する新たな大移動を実現します。ここでは、宇宙を開拓する野心的な試みをする例を二つご紹介します。 一つ目はAmazonで有名なジェフ・ベゾスが設立したブルーオリジンです。ブルーオリジンでは宇宙開拓にあたり以下のような計画を予定しています。
繰り返し利用できるロケットを開発し、月へ人や荷物を送りだす
月面に宇宙コロニーを作り、資源を採掘する
採掘した材料で100万人が居住可能な「オニールコロニー(巨大な回転型シリンダ)」を建設する
二つ目は、電気自動車テスラで有名なイーロン・マスクが設立したスペースXです。スペースXでは宇宙開拓にあたり以下のような計画を予定しています。
スターシップを地球周回軌道に打ち上げる
スターシップ・タンカーを打ち上げ燃料を供給する
ロケットはクルーと100人の乗客を乗せて火星へ向かう
2030年までに火星にコロニーを建設する
2050年までに火星で本格的な都市生活を営む
ハイヴマインド・コラボレーション
今後100年で起きる大移動の五つ目は、「ハイヴマインド・コラボレーション」です。 「ハイヴ・マインド(Hive mind、集合精神)」とは複数の個体がひとつの意識を共有する状態のことです。現在、人間の脳をコンピュータと接続するデバイスとしてBCI(ブレインコンピュターインターフェース)の技術開発が進められいます。BCIを使うことで個人の意識をクラウドベースの集団意識へ移行することが可能になります。自分の脳をクラウドに接続すると、常に他者とつながり、グループフロー(皆が一体となって盛り上がるコンサートのように愉快な状態)となる結果、処理能力と記憶力が飛躍的に高まります。
未来に対して楽観主義者であるべき理由
最後に本書で最も印象的なメッセージをご紹介します。それは「世界はひそかによくなっている」です。 現在、富裕層はますます豊かになり、貧富の差は拡大を続け、水不足、気候変動、世界的な飢餓は悪化しており、テロ、戦争、殺人、独裁政治、疾病が今後も世界からなくなることはないでしょう。ここから、世界はますます悪くなっていると感じるかもしれません。 しかし、事実に目を向けてみると、1日2ドル以下で暮らす人の数が減少し、戦争や紛争はかつてないほど少なく平和であり、乳児死亡率、10代の出産率、マラリアによる死者数、飢餓による死者数が劇的に減ってきています。 本書で見てきたテクノロジーの加速は、豊かな世界に向けた絶えまない前進を続けています。具体的には、AI、5G、AR/VR、太陽光発電技術などのエクスポネンシャル・テクノロジーの進展によって、地球上のあらゆる人がより安価に、食料、エネルギー、水、教育、エンターテインメント、住居、医療、交通手段等を手に入れられる未来につながっています。
【2030年までに発生し得る脅威をテクノロジーで解決する方法を知りたい】解決のため具体的な行動は【新たな脅威に直面したら、視野・予防・統治の観点から解決策を考えてみる】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか?それは、【新たな脅威に直面したら、視野・予防・統治の観点から解決策を考えてみる】です。本書で非常に印象的なのは、未来を楽観的に描いていることです。具体的には、VUCAの時代になり、これから予想もつかないようなリスクが発生しますが、人類はそれをテクノロジーの力で一つずつ解決できると信じています。そのための手段として、本書では視野・予防・統治の観点で考える方法を紹介しています。ですから、我々も新たな脅威に直面したら、視野・予防・統治の観点から自分なりに解決策を考えてみるとよいでしょう。
最後に本書のリンクを再掲載しますので、購入して実践してみてください。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。次回は、最終回として、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」を総括して解説します。 本ブログでは今後も、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。
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2030年の暮らしがどうなるか予想したい方へおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ02
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2030年の暮らしがどうなるか予想したい方へおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ02

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 現在、未来予測プロジェクトが進行中です。未来予測プロジェクトでは、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。 前回は、一冊目「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説1回目で、VUCA時代に変化が加速する理由を解説しました。今回は、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」の解説2回目です。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【2030年の暮らしがどうなるか予想したい】でお困りの方へおすすめの本【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】
【2030年の暮らしがどうなるか予想したい】でお困りの方へおすすめの本は、【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】です。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【2030年の暮らしがどうなるか予想したい】を解決できる理由は【生活カテゴリー別にテクノロジーの発展のマップを自分の頭の中に作れる】から
【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】で、【2030年の暮らしがどうなるか予想したい】を解決できる理由は【生活カテゴリー別にテクノロジーの発展のマップを自分の頭の中に作れる】からです。 本書の第一部では、変化が加速する理由を説明するために、9つのエクスポネンシャルテクノロジーと変化を加速する7つの推進力を解説しました。本書の第二部ではこれらが要因となり技術変化が加速した結果、2030年に我々の暮らしがどう変化するのか?を説明します。具体的には、買い物、広告、エンターテインメント、教育、医療、寿命延長、保険、金融、不動産、食料の生活カテゴリー別にテクノロジーの発展のマップを自分の頭の中に作るように説明をします。以下順番にご紹介します。
買い物の未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介の1つ目は買い物の未来です。 本書では、まずアメリカにおける小売業の発展の経緯を紹介します。具体的には、小売業は、1886年創業で通信カタログ販売で発展した「シアーズ」にはじまり、1980年代に効率的に安く売る戦略で一世を風靡した「ウォルマート」にとって代わり、現在は、eコマースの巨人「Amazon」が圧倒的な強さを誇ります。以上からわかるように小売業は「新たな経済的パラダイムシフト」の震源地です。ですので、今後10年で、買い物という体験がまるで違ったものになるでしょう。 小売業一つ目の未来は、AIによる「デジタルアシスタント」です。具体的には、AIが個人秘書のようになり、自分の好みを知り尽くしたAIに何が欲しいかを伝えるだけで「まさにこれが欲しかった」というものが手に入ります。
小売業二つ目の未来は、レジ係が消えた無人店舗です。例えば、無人店舗では、以下のステップで買い物が完了します。
客はお店に入るときスマートフォンでQRコードをスキャンする
カメラが通路を移動する客を追跡する
陳列棚に埋め込まれた重量センサーが商品の動きを追跡する
客は欲しい商品をかばんに入れる
買い物代金は、客が店のドアを通る時、事前登録した決済アカウントに請求される
小売業三つ目の未来は、ストアロボットです。例えば、宅配ロボット、ドローン配送、在庫補充用ロボット、商品を仕分け・包装・出荷する倉庫ロボットなどが実用化されています。 小売業四つ目の未来は、3Dプリンタです。そして3Dプリンタが小売業にもたらす4つの変化は以下です。
サプライチェーンが消える:自身で購入した原材料で小売業自ら印刷する。メーカー、卸売、流通業者が不要になる。
ゴミが消える:小売業者が必要な材料を必要なだけ使用する
交換部品が消える:機械の交換部品をその場で印刷する
商品はユーザーがデザインする:3Dプリントに入力するデータをユーザー自身がデザインする
小売業五つ目の未来は、「エクスペリエンス(体験)・エコノミー」です。将来のショッピングモールは、洗面所のスマートミラーに顧客にあわせた栄養や水分補給のコツが表示され、眼球スキャナーやAIが顧客を識別して過去の購入履歴に基づき最適な買い物ルートを提案する、マジックミラーが新商品を試着した姿を見せるなどの体験する場所となるでしょう。さらにVRヘッドセットをつけることで、これらの体験がバーチャル空間に置き換わり、ショッピングモールそのものが不要になるでしょう。
広告の未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介の2つ目は広告の未来です。 1960年代、広告業界は紙メディア、テレビ、ラジオ広告が牛耳っていました。やがてドットコム革命がおこり、クラシファイド(告知を一覧形式で表示する)サイトで新聞の案内広告、バナー広告で雑誌広告、ネットフリックスなどの動画配信サイトでテレビ広告がそれぞれ駆逐されてきました。そして、現在は、SNSマーケティングが隆盛しています。しかし、本書ではSNSマーケティングは10年以内に消滅すると予測します。その理由として広告の未来を紹介します。 広告の未来一つ目は、「空間的WEB」です。ARメガネを装着すると現実世界に重ねてパーソナライズされた双方向のデータが浮かび上がります。その結果、広告はSNSで展開されるような二次元の画面の呪縛から解放されます。 広告の未来2つ目は、「ビジュアル検索機能」です。具体的には、ARカメラを向けると画面内の商品を自動認識し、すべての商品に購入リンクを付加します。その結果、SNSで広告媒体を見る必要がなくなります。 広告の未来3つ目は、「ハイパー・パーソナリゼーション」です。パーソナリゼーションがさらに進んだ結果、AIが買い物の意思決定を担います。具体的には、AIがあなたのゲノム、生活用品のストック、趣味・嗜好に合わせて自動で買うものを決めて実行します。その結果、SNSでのあなたの行動履歴をもとに商品をアピールする必要がなくなります。
エンターテインメントの未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介の3つ目はエンターテインメントの未来です。 1999年、「ネットフリックス」は、インターネットを使って自宅のソファからDVDを注文するというサービスを開始、当時レンタルビデオ大手だった「ブロックバスター」を駆逐し、現在は会員数1億3700万人で、動画ストリーミング市場シェア51%、売上高45億ドル(6,750億円)まで成長しました。これがエンターテインメ��トの現在地ですが、エンターテインメントの未来は今後さらに拡張していきます。 「誰が」「何を」「どこで」エンターテインメントを提供するか?の観点からご紹介します。 エンターテインメントの未来の一つ目は、「誰が」コンテンツを制作するかが変わります。現在は、視聴者が自ら動画コンテンツを作成し公開する「Youtuber」が増えています。しかし、今後は、AIの力を借りて映像作品を制作する人が増えるでしょう。(本書で指摘はないですが、2024年現在生成AIが登場しています。) エンターテインメントの未来ニつ目は、「何を」コンテンツを中身として制作するかが変わります。具体的には、「完全没入型エンターテイメント」と「感情コンピュータ」です。「完全没入型エンターテイメント」は、360°のVRゴーグルを付けて楽しむもので、現在はグローブ、椅子、超音波、全身スーツで触覚を再現し体験価値を高める研究が進んでいます。「感情コンピュータ」は、AIが私たちのこれまでの経験、神経生理学的反応、現在地、社会的選好などから気分を判定し、瞬時に最適なコンテンツを生成します。 エンターテインメントの未来三つ目は、「どこで」コンテンツを楽しむかが変わります。これまではスクリーンで楽しみましたが、今後は「ARメガネ/ARコンタクトレンズ」、さらに「BCI」へと変わるでしょう。「ARメガネ/ARコンタクトレンズ」は、ヘッドアップ表示装置の機能を持ち、現実世界の上に新しい情報のレイヤをのせます。「BCI(Brain Computer Interface)」は、意識はあるが体が麻痺している患者の頭皮から脳波を読み取り、手を使わず脳で制御するインターフェースで、将来私たちの気分や脳に合わせて、コンテンツをカスタマイズできる可能性があります。
教育の未来
現在、教育は量と質両面で崩壊しています。量の面では、2030年に世界中で6,900万人の教師が不足する結果、2.63億人の子供達が教育を受けられません。質の面では、現在の教育が、標準化された製品を作る工場労働者を排出する目的で時代のままでとどまっている結果、教育内容が大人になってから生きる上で全く必要ないものになっています。本書では、このような問題の解決策として教育の未来を紹介します。 教育の未来一つ目は、「Android教師」で、量の面における教育の問題が解決できる可能性があります。例えば、ある社会実験によると、発展途上国の僻地にある村の子供向けに、ソーラー発電機、簡単な教育コンテンツをインストールした安価なタブレット端末を置いたところ、何も教えていないのに、5日でアプリを使いこなし、2週間で文字を覚え、5か月後にはOSをハッキングするほど教育効果がありました。一方、世界中で毎年10億台のAndroid端末が生産され、多くの人が古くなったAndroid端末を買い替えます。ですから、例えば、この問題解決のために、我々が毎年廃棄しているAndroid製スマートフォンにこれらの教育コンテンツをインストールして、教育を受けられない2.63億人の子供達に無償で届けるという選択肢が考えられます。 教育の未来二つ目は、VRとAIで質の面における教育の問題が解決できる可能性があります。VRを用いた教育は、従来の教育に欠けていた共感力などの感情的スキルを伸ばすことができます。例えば、VRゴーグルをつけて高齢者ホームレス女性として過ごしてみると彼女たちへの共感が高まります。また、AIを用いた教育では、個人にあわせてカスタマイズ可能な学習環境を構築できます。センサーを使って生徒のエネルギーレベルや感情をモニタリングし、成長を促すための最適な学習環境を提供します。
医療の未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介の5つ目は医療の未来です。 現在の医療システムは、ヘルスケア(健康の維持)ではなくシックケア(病気の治療)が主となっています。具体的には、すべてが事後対応となり、非効率で非常にコストが高くなっています。例えば、医者は、責任を逃れるため、本来であればする必要の治療に年間2,100億ドル(31.5兆円)を使います。また、新薬の開発では、実用化されるのは5,000個に1個の割合で、薬一個当たりの開発期間は12年、薬一個当たりの開発費用は25億ドル(3,750億円)となっています。その結果、アメリカを含む多くの先進国でGDPに占める医療費の割合が年々高まています。本書では、このような問題の解決を含めた医療の未来を、予防、診断、治療の観点から6つ紹介しています。 医療の未来一つ目は、「モバイルヘルス」です。「モバイルヘルス」とは、オンデマンドで対応するバーチャルドクターを持ち歩くというアイデアです。この実現には2つの技術要素の発展が関係します。1つ目は、心電図機能を持つApple Watchのように、かつて数百万ドルした医療機器がポータブルでウェアラブルになっていること。2つ目は、AIに支えられた医療用チャットボットが様々な症状を診断できることです。その結果、常時オン、常時監視型のスマートフォンがあなたのかかりつけ医になります。 医療の未来二つ目は、「遺伝子治療」です。「遺伝子治療」は、DNAスクリーニングを受けたのち、32,000種の遺伝性疾患にうち半分を占める1塩基対の不具合を、ゲノム編集技術CRIPERで修正することができるようになります。 医療の未来二つ目は、「ロボット外科手術」です。「ロボット外科手術」は、複雑な組織を見通せるマルチスペクトルカメラを備えた、AIを搭載し人間の医師の5~10倍の速度で組織を縫合できる自立型ロボットが、定型的な外科処置を現在の数分の一のコストで遂行する結果、国民の医療費負担が大幅に安くなります。 医療の未来三つ目は、「細胞医療」です。「細胞医療」では、世界の死因の第二位を占めるがんにおいて画期的な治療法が研究されています。そこには二つの技術要素が関係しています。一つ目は、2000年にヒトの胎盤(プラセンタ)に幹細胞が豊富に含まれることが発見されたことです。二つ目は、患者の白血球を採取しCAR-T細胞を分離してがん細胞を見つけて殺す遺伝子改変をして患者の体内に戻すがん治療法であるCAR-T細胞(キメラ抗原受容体T細胞)療法が開発されたことです。その結果、プラセンタ由来の免疫細胞を用いて万人向けのCAR-T細胞を大量に迅速に製造することで、診断から治療までのリードタイムを数週間から数時間まで縮めることができるとされています。現在、世界中で毎年一億人以上の新生児が生まれますが、その99%の胎盤が廃棄処分されており、これを廃棄せずに活用することでこの治療法を多くの患者に提供することができるでしょう。 医療の未来四つ目は、「AI創薬」です。新薬の開発は、本質的には、薬剤候補物質と薬剤標的(タンパク質)の天文学的な数のお見合いです。薬剤候補物質の90%はムダになり、開発期間は平均10年となる結果、開発コストは120億ドル(1.8兆円)かかります。この問題解決のため、本書ではAIを用いた2つのアプローチを紹介します。一つ目は、特定疾患に効果的な薬剤候補物質の探索です。ニューラルネットワークを互いに競わせる敵対的生成ネットワーク手法で効率化した結果、新薬開発にかかるマンパワーを従来の1/100まで削減し、開発期間を1/80に短縮できるようになります。二つ目は、薬剤標的分子であるタンパク質の立体構造の計算です。これまで、タンパク質の立体構造の計算は、複雑過ぎて既存のコンピュータでは難しいとされてきましたが、AIと量子コンピュータを活用して、この計算が可能となりつつあります。
寿命延長の未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介の6つ目は寿命延長の未来です。 老化の原因は、以下9つの因子が関係します。
ゲノムの不安定性:DNAの複製エラーが修復しきれず蓄積する
テロメアの短縮:テロメア(染色体の両端にある配列。中心部の配列を守る機能をもつ)が短くなり細胞分裂が停止する
後成的変化:環境中の物質に暴露された結果遺伝子が機能しない
タンパク質恒常性喪失:タンパク質のリサイクル能力が低下し有害タンパク質が蓄積する
栄養素を認識できない:細胞が栄養素を認識し吸収できない。例えば脂肪を消化できず中年太りになる
ミトコンドリア機能障害:酸素で食べ物を燃やしエネルギーを得る働きが衰え、活性酸素が増加し、DNAやタンパク質等を破壊する
細胞老化:細胞が分裂能力をなくして、不死化する。いわばゾンビ細胞が蓄積する
幹細胞枯渇:幹細胞が減少した結果、体内の修復システムが機能しなくなる
細胞間コミュニケーション劣化:炎症で細胞間のシグナルが伝わらなくなり、免疫系が病原体を発見できなくなる
本書は、今後テクノロジーが進展する結果しこれらの老化因子が克服される結果、寿命脱出速度(寿命が1年経過する以上の速度で、寿命を一年以上伸ばす技術が登場すること)を突破するとしています。 本書は、その方法として寿命延長の未来を紹介します。寿命延長の未来の一つは「アンチエイジング薬学」です。例えば、免疫抑制剤として知られる「ラパマイシン」は、細胞分裂を促進する物質をブロックすることで老化の影響を緩和します。また、糖尿病の治療薬で有名な「メトホルミン」は、細胞の燃焼を抑えることで参加ストレスを減らし老化の影響を緩和します。また、「Wnt(分泌性糖タンパク質のファミリーで、winglessの略。細胞の増殖や分化を制御する。)リバランス薬」を注射すると、幹細胞を刺激し、新たな組織を成長させることが報告されています。最後に、若者の血液成分のうち「成長文か因子11(GDF11、Growth Differentiation Factor 11)」が、脳内で新たなニューロンを形成を促し、老化に伴う心臓壁の肥大化を逆転させることが明らかになりました。
保険の未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介7つ目は保険の未来です。 保険業は、統計学が支配する世界で、平均値を計算することで成立します。具体的には、健康な人が支払う保険料が健康��ない人にかかる費用を賄います。そこには「大数の法則」が働き、膨大な顧客のデータ、それを集める営業要員、それを分析する統計学者、それを管理する要員が必要で、会社規模が大きい必要がありました。現在、テクノロジーの進化で、統計学をベースとした保険業の前提が崩れつつあります。本書ではそれを保険の未来として紹介します。 保険の未来の一つ目は「クラウド保険」です。「クラウド保険」は、仲介業者がいないピア・トゥ・ピアの保険で、アプリ、DB、AIボットが加入者ネットワークを運営します。加入者は、アプリを通じて保険料を支払い、保険金を請求し、それらをネットワークが承認します。その結果、従来の保険会社のような多くの要員が不要になります。 保険の未来の二つ目は「ライフスタイル連動型保険」です。「ライフスタイル連動型保険」は、AIとセンサーをフル活用し、事件や事故、病気等の事態を予測し予防することで、保険料をダイナミックプライシング(動的価格設定)するビジネスモデルです。
金融の未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介の8つ目は金融の未来です。 現在、フィンテックが進展した結果、世界中で急速にキャッシュレス決済が浸透しています。そこで、それ以外の分野における金融の未来をご紹介します。 金融の未来の一つ目は、マイクロファイナンス「エムペサ」です。エムペサは、ケニアで展開され、銀行口座を持たない貧困層が、携帯電話の通話時間を通貨として送金することができるサービスで、爆発的に普及し現在は10か国で3000万人が利用しています。 金融の未来の二つ目は、「クラウド融資」です。「クラウド融資」は、AIを使って大勢の人が集まり金融情報とリスクを共有することで、ピア・トゥ・ピアの融資を実現しました。
不動産の未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介の9つ目は不動産の未来です。 不動産の未来の一つ目は、「VR不動産プラットフォーム」です。「VR不動産プラットフォーム」では、あなたはソファに座りながら物件探しをします。あなたが希望する条件を不動産AIに伝えると、基準にあった物件をVRヘッドセット内に表示します。あなたは、仮想世界にある物件内で壁紙の色を変える、家具の配置を変えるなどを自由にシミュレーションすることができます。 不動産の未来の二つ目は、立地という概念がなくなるり「近接性」が重視されるようになることです。近接性とは、自宅がショッピングセンターや職場などに近いことを指しますが、自動運転、空飛ぶ車、ハイパールー���等の交通手段の発展により、あらゆる場所が「近場」になる可能性があります。 不動産の未来の三つ目は、「水上都市」です。「水上都市」は、現在人類は直面する3つの課題、海面上昇、人口爆発、生態系の危機に対する解決策として提唱されています。具体的には、海の上に浮遊式プラットフォームを浮かべてその上に都市を建設します。ウォーターキャプチャー技術で飲料水を確保し、温室、垂直農法、養殖業業で食料を確保し、太陽光、風力、潮力で電力を賄います。必要な物資はドローンが本島から輸送し、仕事の会議もアバターが出席すれば島の上での生活が可能となります。
食料の未来
2030年我々の暮らしがどう変化するのか?のご紹介10個目は食料の未来です。 食料を生産する根本的な方法は、植物が、太陽光から炭水化物(糖類)というエネルギー源を合成する光合成です。そして、食料を生産する農業は無駄のかたまりです。地球表面に到達した太陽光のうち光合成に使われるのは1%以下、生育した食べ物は生産地から家庭の食卓まで平均3,200kmを輸送され環境に負荷を与え、腐敗や食べ残しで食事の40%が廃棄(つまり食品ロス)されます。 このような農業の無駄を解決する方法として、本書では食料の未来「垂直農法」を紹介します。「垂直農法」とは、広大な土地ではなく、都市部の高層ビルの中で食料を育てることです。垂直農法には以下のようなメリットがあります。
都市で育てた野菜を都市で消費するので、野菜が新鮮で栄養価が高い
完全閉鎖型の環境で育てるので、殺虫剤不要で、水の使用量が従来農法と比べて90%減らせる
屋内環境でカメラやセンサーを使い生育条件を最適化することで、単位面積あたりの収穫量を数百倍に増やせる
次に野菜以外の食料つまり食肉の未来について考えてみましょう。2050年に世界の人口は90億人に達すると予想されており、そのとき世界の肉の消費量は76%増加するといわれています。肉という食料を生産する方法は、牧畜業です。牧畜業も無駄のかたまりです。地球上で人間が利用できる土地の1/4で、鶏200億羽、牛15億頭、羊10億頭を飼育されています。そして世界の食用作物の80%を家畜が食べています。さらに、食肉生産には世界の水使用量の70%が使われると同時に、温室効果ガス排出量の14.5%を占めます。その結果森林破壊が進み、大量の種が絶滅しています。 このような牧畜業の無駄を解決する方法として、本書では食料の未来「培養肉」を紹介します。培養肉は、以下の方法で作成します。
動物を一切傷つけないバイオプシー(小さな鉗子(かんし)などで組織を採取)という方法で、生きた動物から幹細胞を取り出す
取り出した幹細胞を栄養豊かな培養液に浸す
すべての反応はバイオリアクター内で行う
そして、培養肉は、従来の肉に比べて以下のメリットがあります。
土地の使用量は99%、水の使用量は82~96%抑えられ、温室効果ガスの排出量は78~96%抑えられる
1/4の土地が解放された結果、森林が再生され、二酸化炭素吸収源を増やすので地球温暖化を抑えられる
様々な動物の生育環境が確保される結果、生物多様性が維持される
身体に有益なタンパク質を増やし、飽和脂肪を減らし、ビタミンを加えることもできる
【2030年の暮らしがどうなるか予想したい】解決のため具体的な行動は【本書で紹介した新しい製品やサービス考え方を自分の生活に取り入れてみる】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか?それは、【本書で紹介した新しい製品やサービス、考え方を自分の生活に取り入れてみる】です。例えば、以下を実践してみてください。以下は全て未来につながる行動です。
Amazon Goで買い物する
SNSを見ない日を作る
ネットフリックスの独自番組を見る。
Android端末で教育アプリを試す。
スマートウォッチで心拍数などをモニタリングする。
老化につながる9つの因子につながる生活習慣を改める。
不要な保険を解約する。
キャッシュレス決済を導入する
立地ではなく近接性を意識して不動産を探す
食材のムダをなくす調理法を試す。
最後に本書のリンクを再掲載しますので、購入して実践してみてください。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。次回は、エクスポネンシャルテクノロジーで起こる脅威やそれによる人々の大移動について解説します。 本ブログでは今後も、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。
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事例2(マーケティング)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策03
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事例2(マーケティング)に合格するには~中小企業診断士二次試験対策03
皆様、こんにちは、未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
当ブログでは、社長とともにその企業の未来を考える資格「中小企業診断士」取得者を増やすための情報を発信しています。現在、5回にわけて中小企業診断士の第二の関門である二次試験に合格するための情報をご紹介しています。前回は、中小企業診断士二次試験の事例1(人事・組織)に合格する方法についてご紹介しました。今回は、第3回として、中小企業診断士二次試験、事例2(マーケティング)に合格する方法についてご紹介します。 この記事を最後まで読めば、中小企業診断士二次試験事例2の傾向や対策を知ることできます。ぜひ最後までお読みください。では本題に入ります。
私の事例2の受験歴=3回受験し3回合格
最初に私の二次試験事例2の受験歴を紹介します。
年度平成24年平成25年平成26年評価・点数AA55※結果合格合格不合格
※得点開示請求をしました
私は、二次試験を3回受験し、事例2は3回合格しました。私は受験当時、マーケティング分野で10年以上キャリアがありましたので、事例2は得意であるという自負がありました。だから、毎年事例2の問題を回答していると「これはイケる!」と手応えを感じておりました。しかし、平成26年度は最も手応えを感じたにも関わらず、評価は55点(B判定)でした。このように二次試験では、手応えと点数が一致しないことがよくあります。
事例2の学習ツール
次に事例2を学習する上で必要なツールをご紹介します。結論をいえば、学者準備編でお伝えした過去問題集等以外に、事例2を学習する上で特別な学習ツールは必要ありません。具体的には、全知識で一次知識を補充して、事例攻略のセオリーに従い、過去5年分の事例2を解いて、ふぞろいの合格答案で採点してください。 以下に学習ツールのリンクを掲載します。ぜひ購入して合格を勝ち取ってください。
中小企業診断士二次試験 2次試験合格者の頭の中にあった全知識
事例攻略のセオリー
中小企業診断士試験問題
ふぞろいな合格答案
事例2の問題の特徴=簡単で取り組みやすいと感じる
では、事例2にはどのような特徴があるのでしょうか?その答えは、他の事例1(人事・組織)、事例3(生産管理)、事例4(財務・会計)に比べて簡単で取り組みやすいと感じることです。理由は、事例2が、マーケティングに関する事例として以下のようなを6つの特性を持つからです。
設問文の回答要求が明確
与件文に回答要素がたくさんある
標的顧客を定めることが大切
プロモーション施策が頻出
回答フォーマットが有効
地域全体を盛り上げる施策が有効
以下順番に説明します。
設問文の回答要求が明確
事例2の特性の1つ目は、「設問文の回答要求が明確」です。前回解説した事例1が設問文に曖昧な表現が多く回答要求がわかりにくいのに対して、事例2は設問文の回答要求が明確で分かりやすいです。例えばB社の強みはなんですか?などそのものズバリで聞いてきます。これだけ明確である理由は、マーケティングの事例だからかもしれません。マーケティングは、標的市場の需要に対して、適切な商品やサービスを提供する活動だからです。だから事例2において設問分析で迷うことはあまりないでしょう。
与件文に回答要素がたくさんある
事例2の特性の2つ目は、「与件文に回答要素がたくさんある」です。事例2の与件文には、回答に使える要素がたくさんあります。例えば、B社の強みとなり得るものが3つ以上あることがあります。1つ目の特性にあるように事例2は回答要求が明確ですから、問題となるのはどの回答要素を選んで回答文を作成するか?です。その際には、設問文における制約条件に注目してみてください。よくある例が、時制(先代社長あるいは現社長の強み)、事業(既存事業あるいは新規事業の分析)などです。制約条件に従い、数多くのヒントのなかから適切な回答要素を拾いあげることを意識するとよいでしょう。
標的顧客を定めることが大切
事例2の特性の3つ目は、「標的顧客を定めることが大切」です。マーケティング戦略では、適切な標的顧客を定めることが最も大切です。例えば、B社の現在のビジネスモデルがBtoBで顧客が法人であることを理解したうえで、新たな事業展開においてBtoCへとビジネスモデルを転換する場合、どんな最終消費者を標的にするかを考えて提案するような問題がでます。このとき、B社の経営資源や外部環境から適切な提案をすることを意識してください。
プロモーション施策が頻出
事例2の特性の4つ目は、「プロモーション施策が頻出」です。事例2では、マーケティングの4Pでも特にプロモーション施策に関する問題がよく出題されます。これは診断の現場でも同様です。スモールビジネスの方のご相談のほとんどは販売促進であることが多いです。回答する際は、誰に(標的顧客を定める)、何を(訴求内容)、どのように(訴求手段)、プロモーションするのかを意識してください。特に、標的顧客に対して、適切なコンテンツを適切なメディアで伝える��とが大切です。例えば、マッサージやネイルなど来店型のビジネスの場合は、全国地域へのweb広告ではなく周辺地域へのチラシ配布が有効です。
回答フォーマットが有効
事例2の特性の5つ目は、「回答フォーマットが有効」です。事例2の設問は回答要求が明確である一方、与件文に回答要素がたくさんあるため、適切な回答要素を考えて選ぶ時間が必要です。そのため、回答要求に対して回答文をフォーマットとして持っておくと、あとはそこに回答要素を入れるだけになり時間の節約になります。例えば、マーケティング戦略なら誰に、何を、どのように、売上向上施策なら客数??客単価、集客施策なら新規客と既存客などです。具体的には、過去問演習を通じて自分なりの回答パターンを作るとよいでしょう。
地域全体を盛り上げる施策が有効
事例2の特性の6つ目は、「地域全体を盛り上げる施策が有効」です。事例2の最終問題は、B社の将来に向けた事業展開について提案することを求められます。このとき、B社を含む地域全体が盛り上がる施策が有効です。B社の主要顧客が近隣住民である場合、地域全体の持続可能性を高めることは、B社の発展に繋がります。B社が強みを活かして地域のリーダーになり、地域全体を巻き込んだイベントを提案するとよいでしょう。
事例2の回答のコツ
事例2の特徴を理解したら事例2の過去問題に取り組んでください。そして、事例2の過去問題に回答する際のコツについては、以下より事例2のファイナルペーパーをダウンロードしてご確認ください。
事例2のファイナルペーパー
事例2の回答例
ではこれらを活かして、実際に事例2を回答した例をご紹介します。以下の記事をご確認ください。
回答例及び解説-中小企業診断士二次試験-平成27年度事例II
中小企業診断士二次試験-平成27年度事例IIについて解説します。
senor-blog.com
2024.06.15
マーケティングの事例を学ぶ意義=フレームワークをツールとして使いこなすことを学ぶ
最後に、中小企業診断士二次試験には直接関係ありませんが、マーケティングについて私見を書きます。マーケティングでは様々フレームワークがあります。例えば、STP(Segmentation、Targeting、Positioning)、3C(Company、Customer、Competiter)、4P(Product、Price、Place、Promotion)などがあります。中小企業支援の現場ではフレームワークをツールとして使いこなすことが求められます。勉強会等で受験生と事例2の回答文を議論しているとき、フレームワークを使うこと自体が目的化しているような回答をする方が多く見受けられます。本来、マーケティングにおけるフレームワークは、企業の課題を抜けなく漏れなくダブりなく整理するために使用するものです。ですから無理に回答文にフレームワークを当て込む必要はないと思います。実際の中小企業支援の現場で提出される提案書などで、フレームワークを表現することはほとんどありません。実際には、社長の話を聞きながら、頭の中でフレームワークにあてはめながら情報を整理するようなイメージです。ですから、事例2を演習する際にもフレームワークをツールとして使いこなすことを意識して取り組むとよいでしょう。
いかがでしたか?今回は、中小企業診断士二次試験の事例2に合格する方法について解説しました。次回は、事例3(生産管理)に合格する方法をご紹介します。中小企業診断士試験合格目指して一緒に頑張ってまいりましょう。
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。当ブログでは、今後も中小企業診断士についての情報を発信してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。
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VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ01
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VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい方向けへおすすめの本のご紹介~2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ01

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本ブログでは、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。具体的には、週一回程度の頻度で、皆様の問題を解決するうえでお役にたつ本を1冊ピックアップし、簡単に解説します。 今回から、未来予測プロジェクトを始動します。具体的には、これから先の2030年~2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有してまいります。まず、一冊目として、「2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ」をこれから4回に分けて解説します。 解説は以下3点を中心に私の意見としてご紹介します。
どんな問題が解決できるか?つまりどんな人におすすめか?
どうしてこの本でその問題を解決できるのか?
問題解決のため我々は具体的にどう行動すべきか
それでは、本題に入りましょう。
【VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい】でお困りの方へおすすめの本【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】
【VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい】でお困りの方へおすすめの本は、【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】です。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ 以下でおすすめの理由を解説します。
本書で【VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい】を解決できる理由は【変化が加速する要因を9個の技術要素と7つの推進力に分けて分析する】から
【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】で、【VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい】を解決できる理由は【変化が加速する要因を9個の技術要素と7つの推進力に分けて分析する】からです。 著者の一人であるピーター・ディアマンティス氏は、自身が多くのスタートアップ企業を起ち上げるとともに、スタートアップ企業を支援するベンチャーキャピタル等の団体を運営する中で、進化する異分野のテクノロジー同士が融合(本書では、コンバージェンスと定義。)することを肌感覚で理解しました。 その結果、ピーター・ディアマンティス氏は、個々のテクノロジーの変化が指数関数的に加速することに加えて、それらのテクノロジー同士が影響しあうことで変化が加速することを発見しました。 本書では触れていませんが、これが今は「VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代である」と呼ばれる要因でしょう。 そして、本書の第一部は、これらの変化が加速する要因を9個の技術要素と7つの推進力に分けて分析します。
エクスポネンシャル・テクノロジーとは?
本書の冒頭でエクスポネンシャル・テクノロジーについて説明します。例えば、「空飛ぶ車」はかつてSF(サイエンス・フィクション)の世界のプロダクトでしたが、複数のエクスポネンシャル・テクノロジーの融合によって、今やサイエンス・ファクト=現実となりつつあります。 では、エクスポネンシャル・テクノロジーとは何でしょうか? エクスポネンシャル・テクノロジーとは、ムーアの法則(集積回路のようにコスト一定で性能が年々倍増していくこと)をベースにして、あるテクノロジーが一度デジタル化されると、指数関数的(エクスポネンシャル)な進化の加速が始まることです。例えば、新しいコンピューターを使って、さらに高速なコンピューターを開発することによって、正のフィードバックループが生まれ加速のペースが一段とはやくなります。これを「収穫加速の法則」と定義します。 本書では、収穫加速の法則に基づいて、これからの10年でこれまでの100年分の富が蓄積されると試算します。 そして、我々は、脳の構造上、このようなエクスポネンシャル・テクノロジーを取り扱うには向いていません。その理由は以下2つです。
人間の脳は、ローカル(地域的)でリニア(変化が直線的)な環境で進化してきたため、現在のグローバル(地球規模)でエクスポネンシャル(変化が指数関数的)な環境に適応できない。
人間の脳は、未来の自分自身を他人として扱うので、未来に向けた適切な対処が難しい
以上から、本書では、このような変化が加速するなか、我々人間がすぐ先に待ち受けている未来を見通し、来るべき事態に適応する機敏さを持つことの重要性を強調します。
エクスポネンシャル・テクノロジーの6つのステージ
では、すぐ先に待ち受けている未来を見通し、来るべき事態に適応する機敏さを持つことが重要だとして、エクスポネンシャル・テクノロジー自体はどのように成長するのでしょうか?本書では、エクスポネンシャル・テクノロジーの成長サイクルには6つのステージがあるとします。
デジタル化(Digitalization):テクノロジーがデジタル化されるとムーアの法則に従ってエクスポネンシャル(指数関数的)な加速が始まる
潜行(Deception):大きく注目されるが、初期の進歩がゆっくりで、世の中の期待に応えられない状態が続く
破壊(Disruption):既存の製品、サービス、市場、産業を破壊する
非収益化(Demonetization):かつて製品やサービスにかかっていたコストが消える
非物質化(Dematerialization):かつては独立して存在していた製品やサービスそのもののが消える
大衆化(Democratization):テクノロジーがスケールし一般に広がる
例えば、インターネットが登場(デジタル化)した当初、オンライン上には26のサイトしかありませんでした(潜行)。しかし、1993年にマーク・アンドリーセンによって初期のブラウザ「モザイク(後のネットスケープ)」がリリース(破壊)された結果、数年後にはオンライン上に数百万のサイトが登場しました(非収益化・非物質化・大衆化)。
9個のエクスポネンシャル・テクノロジー
以上でエクスポネンシャル・テクノロジーの定義とその成長サイクルついて解説しました、では、未来を見通すうえで重要となるエクスポネンシャル・テクノロジーにはどのようなものがあるのでしょうか? 本書では、その技術要素として9個のエクスポネンシャル・テクノロジーを紹介します。 9個のエクスポネンシャル・テクノロジーについて以下順番に解説します。
量子コンピュータ
エクスポネンシャル・テクノロジーの1つ目は「量子コンピュータ」です。量子コンピュータは「量子ビット」を情報のかたまりとするコンピュータです。従来のコンピュータは、ビットつまり「0」か「1」のどちらかでしたが、量子ビットは同時に複数の状態になります。例えば、ビットはコインの表か裏ですが、量子ビットはコインがスピンした状態で表と裏が同時に見えます。その結果は演算能力を飛躍的に高めます。例えば、従来の従来のコンピュータで数千ステップを要していたタスクを、量子コンピュータであれば2、3ステップで処理します。 最近、ムーアの法則が終了しつつあると言われています。つまり、トランジスタ間の間隔を狭めることで実現してきた集積回路の性能向上は、ナノスケールまで微細化した結果、現在は物理的な限界を迎えつつあります。 そこで、次世代の技術として量子コンピュータに期待が寄せられています。そして、量子コンピュータで最も発展が期待できる分野は、新たな材料、化学物質、医薬品の発見です。例えば、新たな薬品を開発するとき、大規模なウエットラボで試験管の中で何十万種類の化合物の性質を調べる代わりに、そのほとんどがコンピュータ上でシミュレーションできます。
人工知能(AI:Artificial Intelligence)
エクスポネンシャル・テクノロジーの2つ目は「人工知能(AI:Artificial Intelligence)」です。最近、人工知能(AI:Artificial Intelligence)の進化が加速してきています。
そこには以下4種の技術的要因が絡んでいます。
ビックデータ:インターネットやSNSのおかげで膨大なデータセットが手に入るようになりました。そのデータを使ってAIの画像認識や状況識別能力を訓練しました。
GPU(Graphics Processing Unit):高性能なGPUが驚くほど安価に提供された結果、画像処理に加えてAI処理にも使えるようになりました。
機械学習:アルゴリズムを使ってデータを分析・学習し、現実世界に対する予測を立てられるようになりました。
ニューラルネット:人間の脳の仕組みにヒントを得て、非構造化データからAIが勝手に学習します。データを一つずつAIに与える必要がありません。
その結果、AIはサービスエコノミーに対し、以下5つのタスクで様々な影響を及ぼしています。
「見る」:群衆から特定人物を識別する、読唇術や表情から感情を読みとる、ドローンが森を駆け抜ける人を識別できるようになりました。
「聞く」:ユーザーからの次のコマンドを待機する機能で複雑なコマンドを実行可能になりました。
「読む」:あらゆる話題についてAIに質問し、0.5秒以内に回答可能になりました。
「書く」:AIを使い雑誌に載せられるレベルの原稿を書くことができ、また私たちが文章を作成する間にAIから完成文を提案されるようになりました。
「知識の統合」:複雑性が10の360乗レベルの演算ができるようになった結果、緊急救命室で呼吸器不全や心不全による突然死を予測したり、鬱や心的外傷ストレス障害の初期兆候を察知可能になりました。
ネットワーク
エクスポネンシャル・テクノロジーの3つ目は「ネットワーク」です。ネットワークは、情報などをA地点からB地点へ運ぶ移動手段です。それは、石器時代の牛車の轍という道にはじまり、1844年の電信、1876年の電話、現在の光ファイバー、無線ネットワーク、惑星ネットワーク、インターネットが世界中を結び付けました。 また、ネットワークはこれまで、5世代にわたり進化してきました。いわゆる5G(5 Generation)とは以下です。
0G:1940年代、��初の電話ネットワークが広がりはじめる
1G:1980年代、初の携帯電話ネットワーク誕生
2G:1990年代、インターネットが登場した
3G:2000年代、回線速度が加速し、帯域幅のコストが大幅に下落した
4G:2010年代、スマートフォン、モバイルバンキング、eコマースが広がる
5G:2020年代、追加コストゼロで、4Gの100倍近い回線速度を実現した
最後に、今後のネットワークの進化を支える機器として、以下の取り組みがはじまっています。Googleを運営するアルファベットが地表から20kmの成層圏に熱気球を打ち上げ地上の携帯電話ユーザーに4Gネットワークを提供します。また、電気自動車テスラで有名なイーロン・マスク氏が運営するスペースXが、成層圏のさらに上で通信衛星を打ち上げ地上のあらゆる人に5Gネットワークを提供します。さらに、ボーイング社が地表から8000㎞上空の中軌道にテラビット級衛星を打ち上げ、現在ネットにつながっていない30億人に接続サービスを提供します。
ロボット
エクスポネンシャル・テクノロジーの4つ目は「ロボット」です。現在、センサーでできた電子的皮膚がクラウド上のニューラルネットワークを使ったAIと融合し、機敏で知的なロボットが以下のように次々と誕生してきています。
手術室で手術ロボットがヘルニア修復や心臓バイパス手術をサポートする
農場で収穫ロボットが畑で穀物を刈り取ったり木から果物を採取する
建設現場でロボットが職人の代わりに1時間に1000個のレンガを積み上げる
ルワンダやタンザニアでドローンが輸血用血液や医薬品を配送する
シードボットが樹木の種子を地面に向けて発射し1日あたり10万本植林する
仮想現実(VR:Virtual Reality)/拡張現実(AR:Augmented Reality)
エクスポネンシャル・テクノロジーの5つ目は「仮想現実(VR:Virtual Reality)/拡張現実(AR:Augmented Reality)」です。
仮想現実(VR:Virtual Reality)は、経験をデジタル化し、五感をコンピュータの生み出した世界へ転送します。これを実現するキーワードは没入感です。当初はVRゴーグルによる没入的視覚の開発からはじまり、バイノーラルマイクで360度の音声をとらえる没入的聴覚、グローブ、ベスト、ボディスーツによる没入的触覚が大衆化してきました。現在は、嗅覚や味覚のシミュレータや脳波リーダで没入感をさらに高める開発が進められています。 拡張現実(AR:Augmented Reality)は、仮想現実(VR:Virtual Reality)技術をベースとして各分野で以下のように発展してきています。
自動車では、ARヘッドアップ表示装置(空中に速度等を表示する)が大衆車まで普及する
教育現場で道を歩けば建物の歴史が表示される
産業界では飛行機の操縦をARシミュレータでトレーニングする
美術館でARを使って展示作品の説明を表示する
不動産ではARを使ってバーチャル物件訪問をする
医療現場でARが血管の内側を見せてバーチャル解剖実習をする
3Dプリント
エクスポネンシャル・テクノロジーの6つ目は「3Dプリント」です。3Dプリンタは、1980年代に初めて登場してから飛躍的な進歩を遂げた結果、材料として金蔵、ゴム、プラスティック、ガラス、コンクリート、ガラスなどの無機材料から細胞、皮革、チョコレートなどの有機材料まで扱い可能になり、プリントアウトできるものとして、ジェットエンジン、マンション、回路基板、義肢など高度なものも可能になりました。 その結果、製造業におけるコスト、納期、品質を飛躍的に改善しつつあります。 コスト面では、3Dプリンタはオンデマンドで動かせるので、在庫と在庫に伴うあらゆるコストが消滅します。つまりサプライチェーン、輸送ネットワーク、資材置き場、倉庫などが不要になります。 納期面では、3Dプリンタを用いて地震で被災しテント暮らしを余儀なくされた人に対し、48時間で床面積37平方メートルの住居を提供しました。 品質面では、3Dプリンタを用いてエンジンの部品を制作したところ、従来800個必要だった部品が12個まで減り、重量が大幅に減った結果燃費が20%改善しました。
ブロックチェーン
エクスポネンシャル・テクノロジーの7つ目は「ブロックチェーン」です。ブロックチェーンとは、以下4つの特徴を持つデジタル台帳です。
分散型:広く共有される集合データベースである
可変性がある:誰かが台帳に新たな情報を書き込むと、全員の台帳が更新される
許容度が高い:現金と同じように誰でも使用できる
透明性が高い:ネットワークに属する全員がすべての取引を見られる
ブロックチェーンは、当初、金融機関を介さずに現金をやりとりするピア・トゥ・ピアのデジタル決済システム、つまりビットコインとして発展しました。具体的には、ブロックチェーンの仕組みを通じて、ネットワーク上のすべてのコンピュータが現金の取引の正当性を確認する仕組みを構築しました。 次にブロックチェーンは、スマートコントラクトのレイヤー、つまりイーサリアムとして発展してきました。例えば、不動産の取引において、資産の正当性を担保しながら、人間を一切介することなく直接契約の履行が可能になります。
材料科学
エクスポネンシャル・テクノロジーの8つ目は「材料科学」です。材料科学において、高性能コンピューターと量子力学によって、かつて試験管内で数カ月から数年かかっていた新規材料の探索を、数時間で実現できるようになりました。具体的には、AIがデータベースで利用可能な材料をすべてスクリーニングし、最も安全で信頼性が高いものを選択します。その結果、例えば軽量な車両用の炭素複合繊維、ジェットエンジン用の合金、人工関節用の生態適合材料などが生み出されました。そのなかでも特筆すべき新規材料は、太陽光発電で使用されるペロブスカイト(灰チタン石)です。どこでも入手可能な材料で作成でき、変換効率を従来のソーラーパネル19%から66%まで高めることができます。 また、材料科学の最先端でナノテクノロジーが進展しています。例えば、しわやしみを防ぐナノスケールの添加剤や窓にナノコーティングをして太陽光発電の機能を付加する、癌細胞に薬を届けるナノボット、大気中のCO2を取り込み強度の高い炭素ナノ繊維へ転換することなどが研究されています。
バイオテクノロジー
エクスポネンシャル・テクノロジーの9つ目は「バイオテクノロジー」です。バイオテクノロジーとは、文字通り生物学をテクノロジーとして使うことで、遺伝子、タンパク質、細胞といった生命の基本的構成要素を、生命を操作する手段として使います。進展のきっかけになったのは、1991年から2001年にかけて一億ドル(150億円)をかけた「ヒトゲノムプロジェクト」が完了して人の遺伝子配列がすべて判明したことでした。現在では、人一人のゲノム配列を調べるのにかかる時間とコストは、数日で1000ドル(15万円)以下になっています。 そして、バイオテクノロジーの分野で今注目されているのが遺伝治療と幹細胞治療です。 遺伝子治療は、細胞の中の問題がある、あるいは欠けているDNAを交換して病気を治療します。これが可能になった要因は、安価で手軽に高速で任意のDNAを編集できる技術「CRISPR-CAS9(クリスパーキャス9)」が登場したことです。例えば、嚢胞性線維症や鎌状赤血球貧血に悩まされる家系からその遺伝子を取り除く試みなどが検討されています。 また幹細胞治療は、幹細胞がもつあらゆる細胞に変化する能力を用いて傷ついた細胞組織を修復することで病気を治療します。まだまだこれからの技術ですが、癌、糖尿病、関節炎、心臓疾患、黄斑変性症などの分野で最先端の研究がなされています。 バイオテクノロジーの進展の先にあるのは、パーソナライズされた医療です。あなたのゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、マイクロバイオームなどにあわせて、あなたのための食事、サプリ、運動メニューが提案され、究極の予防医療が提供されるでしょう。
加速を「加速」する7つの力
ここまで9個のエクスポネンシャルテクノロジーについて、その現在地と今後の変化を確認してきました。本書では、今後はその変化がさらに加速すると予測します。ではどのような要因で加速するのでしょうか?その要因として以下7つの推進力を紹介します。
推進力1:時間の節約
テクノロジーは、イノベーションを生み出すまでの時間���節約する一方、イノベーターがそれを生み出すために使える時間を増やします。
推進力2:潤沢な資金
クラウドファンディングは、資本へのアクセスを大衆化し、よいアイデアとスマホさえあれば、誰でもどこでも事業化に必要な資金を入手できるようにしました。
推進力3:非収益化
かつては、極端に資金力のある企業や主要国の政府系研究機関しか使えなかった高価なツールが、今ではタダに近いコストで誰でも使えるようになりました。
推進力4:「天才」の発掘しやすさ
世界がハイパーコネクテッド化され、相互接続性が向上し、ネットワークが爆発的に拡大する中で、全人口の1%を占める天才が、階級、出身国、文化に関わらず、発見されて活躍するようになりました。
推進力5:潤沢なコミュニケーション
人口密度が高いほどアイデアの交流が活発になり、経済成長を促す結果、所得、資産、イノベーションが増加します。今後、技術進展で、地球全体が単一のネットワークでつながるならば、地球全体がイノベーションの培養装置になります。
推進力6:新たなビジネスモデル
今日起こりつつあるイノベーションは、新たなビジネスモデルの創造です。ここ最近新たに7つのビジネスモデルが登場しつつあります。例えば、クラウドエコノミー(クラウド上でつながった数10億人を活用するビジネス)、フリー&データエコノミー(無料のサービス提供で利用者を集めて顧客データで儲ける)、スマートネス・エコノミー(スマート〇〇つまり既存のビジネス+AIとする)、閉ループ・エコノミー(完全循環型のリサイクル事業)、分散型自立組織(ブロックチェーンとAIで従業員なしで操業する組織)、多重世界モデル(現実世界とオンライン世界の両方レイヤーで行うビジネス)、トランスフォーメーション・エコノミー(その経験を通じて自己変革を達成するビジネス)等です。
推進力7:寿命を延ばす
AI、クラウドコンピューティング、量子コンピューティング、センサー、膨大なデータセット、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーが交錯する中で新たな医療ツールが出現する結果、私たちが1年生きる間に、科学によって寿命が1年以上伸びる状況がくるでしょう。(これを本書では、寿命脱出速度の向上と呼びます。)
【VUCA時代に変化が加速する理由を知りたい】解決のため具体的な行動は【新しい技術に出会ったら、エクスポネンシャル・テクノロジーの6つのステージに従って、現在の発展段階を考える】
では、この本を読んだあと、我々は具体的にどう行動すればよいでしょうか?それは、【新しい技術��出会ったら、エクスポネンシャル・テクノロジーの6つのステージに従って、現在の発展段階を考える】です。本書の優れた点は、エクスポネンシャル・テクノロジーの成長を6つのステージで定式化している点です。これによっては、テクノロジーにあまり詳しくない読者にも未来の技術進展のトレンドを予測することができるようになります。新しい技術に出会ったら、この技術は6つの成長ステージのうちどの段階にあるのか?を考えて、今後のトレンドを予測するとよいでしょう。
最後に本書のリンクを再掲載しますので、購入して実践してみてください。
2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ
以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。次回は、変化が加速することで、2030年の暮らしがどう変わるか?について解説します。 本ブログでは今後も、皆様の中で現在生じている問題を解決し、明るい未来へつなげる本をご紹介します。
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「未来予測プロジェクト」はじめます-みらいものがたりラボ1周年記念
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「未来予測プロジェクト」はじめます-みらいものがたりラボ1周年記念

皆さま、こんにちは。未来に繋がる情報を研究し発信するブログを運営する「みらいものがたりラボ」代表のせにょです。
本日、2024年08月13日は、未来に繋がる情報を研究し発信するブログ「みらいものがたりラボ」を開始して1周年となります。そこで、1周年を記念して、「未来予測プロジェクト」を開始します。この記事を最後まで読めば、それが単なる思い込みにすぎず、「世界はどんどんよくなっている」ということがわかります。興味あるという方は、ぜひ最後までお読みください。
「未来予測プロジェクト」とは?
「未来予測プロジェクト」とは、これから先の2030年?2050年までの未来を予測する本を解説して、皆さまとともに未来の物語に向けたトレンドを共有することです。プロジェクトと大げさにいってますが、まあ、要するにいつも通り私が未来につながると思う本をわかりやすく紹介するということです。
「未来予測プロジェクト」をはじめる理由
では、なぜ「未来予測プロジェクト」をはじめるのか?その理由は、「我々が、未来にあるべき姿を描く力を身につける」必要性を強く感じるからです。 皆様は、普段ニュースやSNSを見ていて「世の中はどんどん悪くなっている」とお考えではないでしょうか?具体的には、「格差は広がり、世界各地で戦争が起こり、貧困がなくならず、気候変動で地球はますます住めなくなっている」と思っていませんか?それが単なる思い込みにすぎず、「世界はどんどんよくなっている」と言ったらどう思われますか? 我々、大人がこのような思い込みにとらわれ、ディストピアな未来予想図ばかり見てしまうと、日本の将来を担う子供たちに対して、明るい未来像を提示できるわけがありません。ここに強烈な問題意識を感じたので、「未来予測プロジェクト」をはじめることを決意しました。
マスメディア業界の未来に不安を感じ離れる決意をした
最初に私がこのように考えるに至った背景をご説明します。 私は、20代でマスメディア業界に入り、以後13年間様々な仕事をしてまいりました。その間、.comバブル、YoutubeがGoogleに買収されドッグイヤーと呼ばれる、4大マスメディア広告の衰退、インターネット広告の隆盛、SEO/SEM、FacebookなどのSNSの流行などを体験してきました。そして、決定打となったのは2011.3.11東日本大震災が起きたときでした。震災が起き甚大な被害が出て、皆が悲しみ苦しんでいるとき、当時所属していた新聞記者出身の社長が「スクープだ!忙しくなるぞ!」と嬉しそうに話したとき、「ああ、私とは感性が違いすぎるな」と思いました。そして、Twitterでバイトテロが流行し社会問題化したころ、これをソーシャルメディアを活用した炎上商法の成功例として如何に注目を集めるか?を検討すると聞いたとき、メディア業界の未来に不安を感じたため離れる決意をしました。
メディア業界に感じた未来への不安=「バズらせること、炎上させることを厭わない」という業界慣行
では、私がメディア業界に感じた未来への不安とは何か?その応えは、コンテンツの内容の如何に関わらず「バズらせること、炎上させることを厭わない」という業界慣行です。新聞、雑誌、ラジオ、TV、WEBサイト、SNS、Youtubeと時代とともにメディアの隆盛が移り変わりに伴い、「発行部数、視聴率、PV数、リツイート数、再生回数、チャンネル登録者数」など言葉を変えてきてますが、メディアビジネスの成功の指標は、注目されて数字を伸ばすことです。 もちろん、今メディア業界で頑張っている方やかつての仲間のことは尊敬していますし、何とか業界を盛り上げて頑張ってほしいという応援の気持ちはあります。ただ少なくとも私は、大地震を「スクープだ!」と喜べる感性はありませんでした。
バズりや炎上を厭わない業界慣行の理由=ヒトはネガティブな情報に強く反応するから
では、メディア業界でバズりや炎上を厭わない業界慣行となるのじゃなぜなのでしょうか?その理由は、人間が持つ動物としての生存本能が、ポジティブな情報よりもネガティブな情報に強く反応するからです。スメディアビジネスはネガティブな情報に強く反応するという本能に徹底的に訴えかけることで成り立つビジネスです。そして、これは未来を予想あるいは予測するコンテンツについても同じことがいえます。 なるべく煽情的でおどろおどろしいディストピアな未来予想図を提示することで、多くの利用者に注目された結果、数字を伸ばすことを目指します。これは業界慣行上仕方ないことです。
私が考える未来とは=ユートピアな未来予想図
では、メディアが提示するディストピアな未来予想図に対して、私が考える未来予想図とは何か? その応えは、ユートピアな未来予想図です。以前、ファクトフルネスという本を紹介しましたが、ファクトベースで様々な数値の長期トレンドを分析すると、あらゆる面で「世界はどんどんよくなって」います。そして、世界をよくする原動力は、生活の不便、不満、不安、不快、不足など様々な「不」を技術的な進化で解決するイノベーションです。そして、生活上の様々な「不」が解消された未来とは、便利、満足、安心、快適、十分な暮らし、つまり明るい未来の物語=ユートピアな未来予想図につながります。
過去の延長線上に未来があるとは限らない
ここで、確かに、「過去から今までは着実によくなってきたかもしれないが、過去の延長線上に未来があるとは限らない、つまり今後もよくなるとは限らない」というご意見があるかもしれません。おっしゃる通りです。VUCA(Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性))の時代となり、変化が加速しています。いわゆる破壊的イノベーションで、我々が予測できないような脅威が起こるかもしれません。だからこそ、未来予想は誰にもできません。しかし、未来予測���可能なのです。
なぜ未来予想が不可能で未来予測は可能なのか?
では、なぜ未来予想が不可能で未来予測は可能なのでしょうか?その理由は、予想と予測の定義の違いにあります。 「予想」と「予測」はどちらも「将来のことを前もって見当つけて、どうなるかを推測する」という意味では似ていますが、以下のように明確な違いがあります。 「予想」とは、「物事の成り行きや結果について前もって見当をつけること。また、その内容。(goo国語辞典より) 」です。具体的には、「予想」は主観的で直感や個人的な見解に依存する傾向があります。つまり「予想」は個人の願望や期待や思い込みであることが多いので、未来予想が当たることはほぼありません。 一方、「予測」とは、「事の成り行きや結果を前もっておしはかること。また、その内容。(goo国語辞典より)」です。具体的には「予測」は、客観的で具体的なデータや事実に基づく推定です。つまり「予測」は、今ある事実を根拠に未来の予測をするので当たる可能性もあります。
未来予測をする方法
未来予測が可能だとして具体的にはどうしたらいいのでしょうか?その応えは、過去に書籍「未来に先回りする思考法」で解説していますが、以下の3ステップで実践します。
常に原理から考える
テクノロジーの現在地を知る
タイミングを見極める
より詳しくは以下をご覧になってください。
以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。次回は、未来予測プロジェクトの第1段階として2030年の未来を予測します。次回もぜひお読みください。今後ともよろしくお願いします。
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