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nara-artproject · 2 years
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奈良県立大学 現代アート展「船/橋 わたす2022」(開催のお知らせ)
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奈良県立大学 現代アート展 船/橋 わたす 2022「渦中へ」 会期:2022年11月26日(土)~12月4日(土) 13:00~17:00 場所:奈良県立大学(受付:コモンズ棟2階) 入場:無料 企画:奈良県立大学 地域創造学部 西尾ゼミ
「船/橋 わたす」は奈良県立大学地域創造学部西尾ゼミが、本学を舞台に2017年から開催している現代アート展です。地域資源を発掘し、様々な価値観や異質なもの同士を現代アートの力でつなぐことを目的としています。毎年学外からアーティストをお招きして作品を展示するほか、学生作品の展示やワークショップなどを行ってきました。今年度は西尾ゼミ所属の学生11人が、ひとりひとりの問題意識に沿った展示やワークショップを行います。 状況や価値観が絶えず変化を続ける昨今の社会は、かたちの定まらない水が渦巻いているかのようです。渦に打ち勝つのはきっと難しいし、飲み込まれても生きていけません。今わたしたちができるのは、渦中にもまれながら生きる術を得ることではないでしょうか。 これまで現代アートという船や橋をわたしてきたこの展覧会で、新しいアートのあり方に出会うこと、それを奈良のまちに還元させることが、より豊かな視点で地域を見つめるきっかけになればと考えます。 佐藤利香(西尾ゼミ3年)
プロジェクト内容 ・学生展示(会期:11月26日(土)~12月4日(土) 13:00~17:00) 加藤奈津実「TO覚」 内田わか葉「展覧会の回遊を促す仕掛け」 鈴木千尋「一切の表現の自由-小泉明郎氏へのインタビューを通じて」 竹中寧音「セイヨウビジュツ感show!!(世紀末美術編)」 原佳音「ドラァグクイーンへの道のり」 藤居燦志郎「カラフル・ファッションスケープ」 宮川莉奈「こどもの鑑(み)る体験」 山本茉由「Remote Co-Creation」 吉田珠世麗「解体する下着」
・ワークショップ 藤居燦志郎「カラフル・ファッションスケープ」 カラフルな服で登校し、コロナ禍で沈んだ心と校内に彩りを与えます。 日時:12月1日(木) 13:00-16:30 吉田珠世麗「靴下の穴からは何が見えるのか」 靴下を切って作り変え、作品の見方や自分の中身に新たな視点を取り入れます。 日時:11月27日(日)、29日(火)、12月1日(木)、3日(土) 13:00-14:30 永田真由「『推し』を通じたサードプレイス創出の試み」 推しに関するエピソードや想いを語り、好きなものを共有する空間をつくります。 日時:11月30日(水)、12月1日(木) 13:00-15:00
・トークイベント 佐藤利香「『はなす』をおそれないためのはなし」  アーティストを交えたお話会から、「はなす」について考えます。 日時:11月28日(月)、12月4日(日) 14:00-16:00/11月30日(水)、12月2日(金) 15:00-17:00 ゲスト:黒木結(11月28日、12月4日) 1991年生まれ。京都市立芸術大学美術研究科彫刻専攻修了。個人的な対話から日常的・社会的な問題や、その解決に対してそれぞれが解答を持つための機会を作ることを目的にして制作を行っている。
※イベントの日時や内容は変更することがあります。最新情報および会場などの詳細は公式SNSをご覧いただくか、問い合わせ先よりご確認ください。 Instagram: @nishio_npu ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、学外の方は事前に予約が必要です。鑑賞・参加をご希望の方は、問い合わせ先のメールアドレスよりお申し込みください。 ※今後の新型コロナウイルス感染症やその他の状況によっては、イベントを中止、または内容を変更する場合があります。 ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、感染予防対策を徹底して開催します。
アクセス: 奈良県立大学  〒630-8258 奈良市船橋町10番地 JR奈良駅(東口)・近鉄奈良駅(7番出口)より徒歩約10分
鑑賞・参加等お申し込みや企画に関するお問い合わせ先: 奈良県立大学 地域創造学部 西尾ゼミ E-mail:429suzusiro[at]gmail.com (担当:佐藤)
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nara-artproject · 2 years
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異動のお知らせ
2022年9月30日をもって、7年半お世話になった奈良県立大学を退職し、10月1日付で母校の東京藝術大学 美術学部 先端芸術表現科 准教授に着任しました。
地元とはいえ、芸大・美大ではない奈良県立大学の仕事にやりがいをもって従事できたのは、同僚や学生のみなさんが、僕の存在や現代アートの分野を面白がってくれて、自由に教育研究をさせてくれたからです。ゲストで関わってくださったアーティストや関係者の方々にも改めて感謝いたします。歴代のゼミ生はじめ、ここで得たつながりは一生の宝です(年度途中の異動なので、しばらく非常勤でゼミ指導と一部講義を担当します。これから、異質な県立大生と藝大生をつなげることも重要なプロジェクトになりそうです)。
拠点は移りますが、引き続きCHISOUや撤退学、山岳新校、古都祝奈良、なら歴史芸術文化村のAIR事業など、地元の奈良に芽吹き始めたさまざまな同時代の文化活動に携わっていきたいと思っています。 今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
本ウェブサイトは奈良県立大学地域創造学部西尾研究室のアーカイブとして、しばらく残しておきたいと思っています。
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nara-artproject · 2 years
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奈良県立大学 現代アート展「船/橋 わたす2021」(開催のお知らせ)
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奈良県立大学 現代アート展「船/橋 わたす 2021」 失うための対話 黒川岳 三枝愛 妖怪書家/書家 逢香 山本聖子 西尾美也 会期:2022年1月19日(水)~21日(金)・23日(日)~25日(火) 13:00~17:00 場所:奈良県立大学コモンズ棟2階オープンスペース・3階リフレッシュゾーン 入場:無料 主催:奈良県立大学 地域創造学部 西尾研究室 企画:佐藤利香(奈良県立大学コモンズゼミⅠ[西尾ゼミ]2年)
「船/橋 わたす」は奈良県立大学地域創造学部西尾研究室が、本学を舞台に2017年から開催している現代アート展です。地域資源を発掘し、様々な価値観や異質なもの同士を現代アートの力でつなぐことを目的としています。 今年度は、大学の今と向き合うための展覧会として、5名のアーティストをお招きします。現在本学では様々な変化が起こっています。キャンパスの再整備に伴う一部の校舎の取り壊しや新校舎の建設、教育カリキュラムの改変、コロナ禍で激変した生活……。失ってから悔いることのないように、大切なものを置き忘れたままにしないように、今一度本学を見つめ直す時空間が必要だと考えます。 また、変化の中で私たちが思うことはそれぞれに異なっているはずです。他者にとって異質と言えるかもしれない価値観を対話によって共有することが、大学の今を知るきっかけとなるかもしれません。様々な思いを抱える私たちが、ものと土地を見つめる力に長けたアーティストとの語らいを通して、変化によって失われるものとの向き合い方を学びます。
プロジェクト内容 1. 展覧会 黒川岳 三枝愛 妖怪書家/書家 逢香 日時:2022年1月19日(水)~21日(金)・23日(日)~25日(火) 13:00~17:00 3名のアーティストをそれぞれ本学にお招きし、構内をめぐっていただきました。そのときの対話の様子を編集した映像を展示します。
2.トークイベント 山本聖子 日時:2022年1月23日(日) 13:00~15:00 アーティストの山本聖子さんをお招きし、参加者と共に構内をめぐりながら、私たちの現在の大学生活について話し合います。
3. ワークショップ 西尾美也 日時:2022年1月25日(火) 13:00~15:00 自分たちの場所を獲得する行為を通して、大学という土地と私たちの関わりを見つめ直すワークショップを開催します。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、学外の方は事前に予約が必要です。鑑賞・参加をご希望の方は、問い合わせ先のメールアドレスよりお申し込みください。 ※今後の新型コロナウイルス感染症やその他の状況によっては、イベントを中止、または内容を変更する場合があります。 ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、感染予防対策を徹底して開催します。
アーティスト紹介 黒川岳 Gaku Kurokawa 1994年島根県生まれ、京都府在住。音を奏でることや聴くこと、あるいは様々な対象に「触れる」という行為についての考察を出発点に、彫刻やパフォーマンス・映像・音楽などの手法を用いて作品を制作している。奈良県立大には「船/橋 わたす 2019」への参加をきっかけに初めて訪れ、当時の在学生たちに工事中の大学を案内してもらいながら作品を制作・展示した。
三枝愛 Ai MIEDA 1991年埼玉県生まれ、京都府在住。2018年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修士課程修了。近年の主な活動に、2021年「ab-sence/ac-ceptance 不在の観測」(岐阜県美術館)、「A Step Away From Them 一歩離れて」(ギャラリー無量/富山)、 個展「尺寸の地」(Bambinart Gallery/東京)、「沈黙のカテゴリー | Silent Category」(Creative Center OSAKA)などがある。また、アートコレクティブ「禹歩」として、HAPSスタジオを拠点に活動。
妖怪書家/書家 逢香 ouka 1994年大阪府生まれ、奈良県在住。奈良墨と奈良筆を使い、書道を専門に水墨画や妖怪画作品を制作。妖怪ウォッチシリーズ「黒い妖怪ウォッチ」のキャラクター・タイトルデザインを担当。「橿原神宮 御鎮座百三十年記念大祭」揮毫。世界遺産 元興寺の新絵馬の書・画・印デザイン担当。2020年には世界遺産 金峯山寺にて個展開催。NHK奈良「逢香の華やぐ大和」出演・美術担当。奈良市観光大使。
山本聖子 Seiko Yamamoto 1981年京都府生まれ、福岡県在住。2006年京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術表現専攻 修了。「気配の色」をテーマに自身の身体をとりまく状況を映像インスタレーションなど様々な手法で表現する。2013年ポーラ美術振興財団在外研修員としてメキシコシティに滞在。主な展覧会に、2021年VOCA2021(上野の森美術館)、 2020年個展「黒の先に落ちた赤」(駁二大義區漾藝廊/台湾)、奈良町家の芸術祭はならぁと(橿原市今井町)など。
西尾美也 Yoshinari Nishio 1982年奈良県生まれ、同在住。東京藝術大学大学院博士後期課程修了。文化庁芸術家在外研修員等を経て、現在、奈良県立大学地域創造学部准教授。装いの行為とコミュニケーションの関係性に着目したプロジェクトを国内外で展開。代表理事を務める一般社団法人CHISOUの運営で、2022年1月に奈良のまちなかにアート・ファッション・学び合いの拠点「DATSUEBA」をオープンする。
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nara-artproject · 3 years
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西尾美也の研究活動関連ウェブサイト
西尾美也公式ウェブサイト アーティストとしての活動をまとめています。 http://yoshinarinishio.net/
奈良県立大学地域創造学研究センター 西尾は、「ファッション環境デザイン」「アフリカ現代美術研究」「『美術は教育』研究」の研究ユニットの研究代表者を務めています。 https://narapu-rcrc.jp/
奈良県立大学 実践型アートマネジメント人材育成プログラム CHISOU 年齢や経験、学生・社会人など所属を問わず、文化芸術や地域創造に関心のある誰もが受講できるプログラムで、西尾はディレクターを務めています。 https://narapu-chisou.jp/
奈良市アートプロジェクト「古都祝奈良」 2017年から始まった企画で、西尾は4年間、美術部門のプログラム・ディレクターを務めました。2021年度からは代表を務める一般社団法人CHISOUで企画・運営を担っています。 https://kotohogunara.jp/
NISHINARI YOSHIO 大阪市西成区山王にあるkioku手芸館「たんす」に集まる地域の女性たちとの共同制作により立ち上げた西成発のファッションブランドです。 https://nishinariyoshio.com/
西尾工作所ナイロビ支部 ケニア共和国ナイロビにおけるアートマネジメントの実践をまとめています。 http://www.nairobi-artproject.jp/
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nara-artproject · 3 years
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MIND TRAIL 2021 参加アーティスト力石咲さんインタビュー
インタビュー実施日:2021年11月4日(木) 13:15〜14:15 聞き手・編集:西尾美也+2021年度コモンズゼミⅡ、コモンズゼミⅠ(西尾ゼミ)メンバー
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_力石さんは昨年からの継続作家としてご参加されていますが、昨年はどのような活動をされて、どのようなことを考えられましたか?
 昨年は、夏頃にキュレーターさんにご連絡をいただいて、奈良の山で展示を考えてほしいと頼まれました。私はこれまで奈良にご縁がなかったのですが、縁もゆかりも無いからこそ楽しみにしていると、お誘いいただきました。MIND TRAILが生まれた背景がコロナ禍ということもあり、山だとソーシャルディスタンスを保つことができ、自然とも自分とも向き合うことができると思いました。  視察は真夏に行きました。普段山登りはしないのでこれまでの自分の感覚でいくと大間違いで、装備は誰よりも重装備で行ったのですが、実際はとても過酷でした。でも、その時の息が切れる感じや、鼓動の音も含めて、作品に活かそうと考えました。また、吉野山の中には、お地蔵さんが点々としていて、下山する時に自然にお地蔵さんに祈っている自分もいて、こうした状況すべてが作品のヒントになりました。
_力石さんは、編み物のアーティストという印象が強いですが、昨年の作品スタイルは力石さんにとっても新しいものだったのでしょうか?
 吉野山には、鹿を防止する網があるのですが、そういうものを使って作品を作ってほしいとキュレーターさんに頼まれていました。けれど、私が何かを追加することで、たとえば鹿が死んでしまうようなことになるのは嫌だなと思い、アプローチを変えました。 これまでの自分の作品は、自分とまち、自分と人とのつながりをテーマにしてきたのですが、コロナ禍という時勢で人との接触が中々難しくなってきたため、編むという技法で何ができるのかということに改めて立ち戻ってみました。そして、そこにあるものでこのソーシャルディスタンスの世の中を生きてみようというコンセプトで、森の杉を使って、居住空間をつくっていきました。
_「ワイルドライフ」という言葉がまさに作品を伝えるタイトルになっていると思いますが、制作にあたってはいろいろな人に関わってもらったのですか?
 これまでは多くの人に関わってもらってきたのですが、コロナによってそれも難しくなってきたこともあり、自分自身でやるということを目指していました。しかし、山という現場のことが全くわからなかったのと、これまでの作品とは異なる素材、方法での作品だったこと、そして作りたいもののスケールが大きかったので現地の人にご協力を仰ぐほかなく、結局は現地の人を巻き込みながら、いろいろ教えてもらいながらやっていくことになりました。でも結果的にそれが本当によかったのです。実制作に入る前は本当にできるのか不安で仕方なく、アーティスト人生最大のピンチだ!と思っていたほどだったのですが、現地のみなさんとの制作の日々が本当に楽しくて、なんだか色々なことがトントン上手くいって、完成した作品にもその愉快な雰囲気が出ていたと思います。そして今年もまたみなさんと作品を作ることができたわけですから。  ワイルドライフのスーツは、衣食住の"衣"の部分ですね。編み物という特性上、これまでも自分が身に着けるものを作品として作ってきたので自然の成り行きというのもあります。今回は現場にある素材、杉を使わなくてはならなかったので、毛糸のように身体にフィットさせるようなものは難しいかなあと思って球体状のアイデアが出ました。しかもソーシャルディスタンスが自然と保てる形状だ、と思ったし、杉の木は抗菌作用があるので、ちょうど良いとも思いました。
_記録写真を拝見すると、吉野の山で一定期間過ごされたようにも見れますが?
 実際に暮らしたわけではないですが、SNSを使って、あたかも現地で生活しているかのようなパフォーマンスをしました。それも地元の方が会期中に写真を送ってくれたりして、自分事のようにしてくれたおかげもあってできたことです。実際には、オープニングと、台風が来た時と、クロージング間際に滞在しました。
_僕の今年の展示場所が昨年の力石さんの展示場所で、昨年の痕跡があって面白いなと思うのですが、QRコードは実際にSNSに繋がっていくんですよね?
 そうですね。QRコードから実際に作品について見れるようになっています。展示物自体については、山の持ち主の宮本さんは残してもいいよと仰ってくれたのですが、風化の仕方が汚くなったら嫌だったので、山のものは山に返しました。ただ、QRコードだけは残しておきました。
_昨年のMIND TRAILの活動中に、次年度の話というのはありましたか?
 来年あればいいな、とは話していたのですが、芸術祭では2年連続で同じ作家が出られることは通常ないので、今年もまた声をかけてもらえてとても嬉しかったです。実は昨年、作品のプランを2つ考えていました。そのうち昨年やらなかった方のプランはもし来年呼んでもらえたらやってみたいな、と昨年の時点では思っていたのですが、月日が経つにつれ考えが変わっていきました。また、昨年関わってくれた人たちともう一度やりたいと思ったので、同じエリアでの展示を希望しました。同じ場所で同じ季節に同じ作家が展示をするというのは、実際難しく感じた部分もありました。  今回ははじめ「編むことで境界線をなくす」というプランを考えていましたが、改めて視察で吉野山に入った時に、自然には元々境界線がないということに気づき、私がわざわざここですることは何もないという境地になってしまいました。
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写真:中森一輝
_今回の作品のアイデアに至るまでの経緯はどのようなものでしたか?
 そんな境地にされてしまった杉が育つ環境の美しさと、その杉が建材となり人間の住む家になった状態の空間にお邪魔したこと、そこで聞いた吉野林業にまつわるお話が今回の作品のアイデアに繋がりました。視察時、森に入った後に昨年も一緒に作品を作ってくれた面皮細工職人の花井慶子さんのお宅にお邪魔しました。そこは、建材はもちろん家具まで全て吉野杉でできている空間だったんです。吉野杉の美しさに魅了されると同時に、森で見た今生きている杉の空間の美しさも思い出していました。そして偶然花井さん宅にいた、吉野杉で家具を作っていらっしゃる大竹洋海さんにも、吉野林業や吉野杉についてのお話を伺うことができ、建材になるまでに人と時間と自然の多角的な交わりがあることを知りました。  吉野杉は年輪の幅が狭く均一で美しいために建材として使われているんですね。その美しい杉を育てるために間伐や枝打ちをするので、例えば生えている木同士の間隔にも意味がある。枝がないから幹だけのまっすぐな美しい景観が作られている。地面に生えているシダも人の手が入っている空間の証拠だそうです。そういう風に吉野杉の美しさは人が自然に働きかけることによってできているんですよね。しかもその人たちが育成しているのは、100年も200年も後、自分が死んだ後に伐採されるような杉なのです。人の時間感覚を超えたものがありますよね。  これら吉野林業にまつわるつながりを自分なりに編集し、吉野杉でできた住宅はもちろん美しいけれど、そんな吉野杉が育つ空間の美しさも感じてほしいというのが作品のテーマです。年輪1年分を剥いだ素材である面皮を編み、先人が吉野杉が暮らす空間に帰ってきて、子孫の成長を見上げている、というストーリーを作りました。鑑賞者にもこの先人の目線につられて上を見上げてもらい、頭上にある美しい景色を見てほしいと思っています。  「編む」とはつながりを生むものであり、昨年の作品が自分と吉野山を繋ぐものであれば、今年は吉野山が内包するつながりを、物理的に現地の素材を編むことによって表現したという感じです。 「吉野」といっても文脈がいっぱいあって、昨年は修験道にまつわる吉野を本などで調べていました。材料として杉をふんだんに使いましたが、林業に触れることはまだありませんでした。来るたびに新しい発見があるのも歴史深い吉野ならではと思います。
_写真にした時に絵になる作品で、表情がチャーミングでとても力石さんらしさが現れていると思います。
 今回の技法は竹細工を編む技法に近くて、セーターを編むようなものとはまた違うんですね。あまりやったことがなくて吉野に行く前に実験はしたんですが、編目に沿って顔を施すので必然的にそういう顔になります。誰が見ても上を向いているような顔を作ると自然とそんな表情になるというか、そういうふうにしかならない。昨年も毛糸で顔を編んだのですが、編んだ模様がど���も顔のパーツに見えたことから始まっているんです。そういう素材や技法との対話から作品を生み出しています。今年の素材は建材としては使えなかった材を剥いだもので、色々と微調整を重ねながら編んでいきました。
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_もともとは、なぜ編むということで表現をするようになったのですか?
 あとから考えたことではありますが、小学生のころ、母親から教わった編み物が関わっていると思います。マフラーを編んでいましたが、当時は飽きて途中でやめてしまいました。しかし、母が亡くなってから思い出したように編み始め、完成させました。あとから思えば編み物を通して母と繋がる感覚があったのかもしれない。母の死は人生観、死生観、制作の根深いところに関わっています。母と同じ年齢で、母と同じように女性特有の病気で死ぬのかもしれないと思って生きているところがあって焦って欲張りにあれもこれもやりたいと思って生きてきました。結婚して子どもをもちたいと思って家族を作ったけど同時に外の世界とも繋がっていたい。育児に専念して作品制作を一旦やめるなんて考えられない。その中で、ニットは手軽にできます。針と糸をポケットに忍ばせて出かけた先にあるものを即興で編みくるんで残したり、子どもが生まれて思うように時間が取れなくなった時にはスーツケース型の編み機を開発しました。子育てしていると必ず散歩に行くので、散歩しながら作品が作れたら、というのが狙いでした。こうしていろいろなところに自分が行った痕跡を残す活動から始まり、これがどんどん肥大化し、地域をくるむ作品を制作するようになっていき、それに伴って地元の人々を巻き込むスタイルになっていきました。母と自分からスタートした編み物によってつながりを作るようなことが、どんどん外に向いていって社会と自分をつなぐような作品作りになり、関わってくれる人も多くなり、私は自分の作家活動をネットワークが形成されていく様に例えています。編み物も"ネットワーク"ですしね!今は社会と自分をつなぐところから、社会、地域そのものが持っているつながりを自分なりに編集して作品として提示することに関心があります。
_小さい頃の編み物との関わりから、美大ではどのようなことをしていましたか?
 大学では主にエレクトロニック要素を取り入れたインタラクティブアートを作っていました。3年生のときに帽子の編み方を友達から教わったのが、卒業制作のきっかけになりました。卒業制作では、5大大陸に目のついた地球儀をニットで作ったんです。人が近づくと瞬きをしてくれます。世界のいろいろな所にいきたい、たくさんの人と出会いたい、という思いを表現しました。卒業してからは、ニットと電子製品を組み合わせた作品を作っていましたが、ニットが面白くて興味が尽きなく、今は編むという技術の方が中心になっています。
_今年のMIND TRAILの制作過程で印象に残っていることはありますか?
 昨年も参加したことで地盤があったからこそできたこともあって、不安はなかったです。昨年の3分の1の期間しか滞在していませんでしたが、すでに知っている方が制作に協力してくださりました。まちの方々の人となりを分かっているので、何でも言い合える関係性の中で制作できたのが良かったです。
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_特に山の持ち主である宮本さんは、いつも作品のことを気にかけている印象があって、力石さんへの愛情を感じました。
 制作の時間がなくなってくると自分の中で殺伐とした精神状態になることもありますが宮本さんは何事も笑いに変えてくれるところがあり、和みました。それでいてはっきりものを言ってくれます。地域の人に協力していただくスタイルだと作家と地域住民が対等な立場でいることが難しくなりがちですが吉野ではそれがなく、地域住民が恐縮して活動することもありませんでした。私も、現地に行かないとどうにもならないことが多かったので、分からないことは全部聞いていました。宮本さんたちはそれに全部返してくれて、さらに聞かなくてもいろいろなアイデアを出してくれました。それに対して私も自分の作品とズレると思ったことはちゃんと断っていましたし、そのような関係性や雰囲気の良さが今年も印象に残っています。昨年、制作過程は外から見えないけれど完成した作品にはその雰囲気が現れる、ということを強く実感したので、今年の作品も何か制作時のグルーヴを纏っているかな?と思っています。
_女性としての生き方のお話もありましたが、最近になって2拠点生活をされているとのことですが、最後にそれについてもお聞きできますか?
 今宮城県亘理町と東京が拠点です。亘理町ではWATARI TRIPLE C PROJECTのメンバーとして暮らしています。町の沿岸部が大震災の津波の被害で今30万ヘクタールの更地になっていて、ここから新しい文化を世界に向けて発信しようというのがプロジェクトの趣旨で7名いるアーティストのひとりです。広大な空間を使って作品を作れるということ、新しい街づくりを担っている部分もあること、アーティストのほかにもスポーツ選手、ミュージシャン、クリエイターなどの異ジャンルのメンバーもいて自分と異なる世界にいる人と一緒に作品が作れるかも、もちろん地域のみなさんとも一緒に!という部分に惹かれて応募しました。子どもと離れる時間も増えてしまい、いつも子どもに対して申し訳なさと、こんな親でいいのか悩んでいるのですが、チャンスが目の前にあったら諦めることができない。夏休みなど子どもが長期の休みの際は家族で亘理に滞在して東京とは真逆の生活をみんな楽しんでいます。
学生質問
竹中_今回の作品はMIND TRAILが終わったらどうする予定ですか?
 おそらく撤去します。残ってほしい気持ちもありますが、先人が帰ってきたという幻みたいなストーリーなのでずっと残すよりも期間が終われば消えるのが良いのではないかと思います。
佐藤_いろいろな人を巻き込んで行う作品ですが、印象に残っているまちや人はいますか?
 5〜6年前に茨城県北エリアで開催された芸術祭で、地元の人と一緒に商店街を毛糸で編みくるむ作品を展開しました。商店街にあるかばん屋さんの店主が昔ながらのこわそうなおじさんで初めは距離を置いていたのですが、だんだんとやっていることに関心を示してくれるようになってお話するようになって。ある時お店に行くと店の灰皿に傘がくっついていました。これは何かと聞くと、芸術祭に感化され、自分も作品を作ったとのこと。嬉しい瞬間でしたし、他の地域住民の人たちとそのおじさんと大爆笑したことを覚えています。芸術祭が終わってからもコロナ前までは街を訪れていたのですが、必ずおじさんにも会いに行って、すっかり仲良しになりました。
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nara-artproject · 3 years
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MIND TRAIL 2021 学生による西尾美也インタビュー
インタビュー実施日:2021年11月2日(火) 13:05〜14:15 聞き手:佐藤利香、村上雛子 編集:2021年度コモンズゼミⅠ(西尾ゼミ)メンバー
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_MIND TRAILは昨年から開催されていますが、MIND TRAILに対してどのように思っていましたか、また、それに関わることになってどのように思いましたか。
 昨年、MIND TRAILが開催されていることは知っていましたが、それを誰がやっているのかがまず気になりました。プロデューサーが齋藤精一さんで、なるほどすごいなと。奈良県では色々と芸術祭に携わってきましたが、知らないところでしっかりとした芸術祭が企画されていたことに驚きました。谷川俊太郎さんをはじめ、多くの現代アーティストが関わっていたので、お金がかかっているなと思いましたが、奈良県でここまで予算や企画がしっかりした芸術祭の例はあまり知らず、もしかして齋藤さんが個人で払っているのではないかとさえ思っていました。せっかく奈良県立大学の地域創造学部で芸術を教えているということもあり、2回目となる今回は、お誘いいただけて素直に嬉しかったです。二つ返事で参加することにしました。
_今回、アーティストとしてもキュレーターとしても参加されましたが、アーティストの部分とキュレーターの部分で印象に残ったことや苦労したことはありましたか?
 齋藤さんからのオーダーで、吉野エリアのキュレーターと同時に作品も出品することになりました。その時点で、ある程度大変になるだろうと予想していました。なので、自分の作品は新しいものを作るというよりも、正攻法で過去にやったことのある手法で芸術祭に合うものを作ると決め、キュレーターに専念しようと考えました。キュレーターの役割が展覧会や芸術祭によって異なるので、実際何を担うのかは気になっていました。今回のMIND TRAILのキュレーター三人ともにキュレーターの専門ではないということに斎藤さんの意図が含まれているのではないかと思います。キュレーターという名前が与えられたことによって、その役割がどこからどこまでなのかと確かめながら関わっていったというところが、実は一番難しかったところです。具体的なところでは、アーティストに吉野を見てもらうために、毎回の視察でかなり歩く必要があるという点が、他の企画ではない大変なところでした。
_吉野エリアの作家は、先生が携わって一緒に決めたのですか?
 はい。去年から始まっている芸術祭で、齋藤さんの狙いとしては、関わったアーティストが次年度も関わり、継続することです。地域の人とも仲良くなったり、作品が深まったりするため、一部のアーティストは継続させたいと考えられていました。井口さん、力石さん、中崎さんの三人は前回も参加していました。継続作家の方が地域のことや地域の人を僕以上に知っていたため、自分がキュレーターとしてどのように立ち回るかという点が難しかったです。また、新たに携わるアーティストには、僕からオファーをすること自体がラブレターのようなものなので、そこには信頼関係が生まれると思います。継続作家については、いくら後からこちらの想いを伝えたとしても信頼関係の出発点としてうまく作用しないのではないかと必要以上に考えてしまいました。これが、全体の結果などにも影響してしまったのではないかと、反省している点です。
_これまでの作品の中から「人間の家」の作品を、今回の展示に選ばれた理由をお聞かせください。
 プロデューサーの齋藤さんから吉野の地域住民を巻き込んだ作品を求められていたこともあり、公開制作等を通じて地域の人をつないでいくプロジェクトを考えました。古着を提供してもらうことは、地域の人にとって難しいことではないし、公開制作にも地域の人を呼び込んで一緒に作品を制作していくという点で、「人間の家」はこの芸術祭のコンセプトにふさわしいということから選びました。  さらに、視察で森を歩いた時に人間の象徴である服が普段見ない形で自然の中に立ち上がると面白いのではないかと考えました。齋藤さんは「自然の中に丁寧に作品を置くこと」をアーティストに求めていました。この点に関して、過去の作品の経験からも「人間の家」の布の透け感や風になびく感じが、自然の景観に溶け込むことができるのではないかと考えました。
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_過去に「人間の家」を制作した背景について教えてください。
 もともとはオーバーオールという作品でした。これも古着を集めてつなぎ合わせて作るという作品でしたが、この時は「地域にゆかりのある、今はない喪失物を作る」というコンセプトをもとに制作しました。フランスなど海外で発表していた作品でしたが、日本でアートプロジェクトが盛んになった時期と重なり、オーバーオールの作品制作の依頼が立て続けに来るようになりました。そうして作品を展示していく中で、今まで作った作品を再度分解してつなぎ合わせ、新たな作品として家(人間の家)を作りました。この作品は、オーバーオールの作品と比べると抽象的であり、どんな背景を持った人でもそこに集えるという特徴がありました。これを新たに吉野に作りました。
_吉野の地域住民を巻き込む制作過程の中で苦労したことはありますか。
 古着の集め方に苦労しました。また、アーティスト/キュレーターの立場としての役割がやはり分かりにくく、だれが何の役目を担うのかの判断が難しかったです。運営(事務局)は東京の会社であり、やり取りはここを通して行われます。まず初めに古着を集める相談をしましたが、経験がないためなかなか進みませんでした。自分は色々な地域でこのプロジェクトを行ってきたため、ノウハウがあるのにそれを活かせないもどかしさがありました。  また、このMIND TRAILは毎年開催されます。ほかの展示会やイベントでは2〜3年に一回であるため準備期間に時間がかけられますが、毎年実施しようとすると時間がありません。加えて「奥手な吉野の方から古着は提供してもらえないのではないか」というスタッフの思い込みもありました。結局集めはじめるのが遅くなったため、自分たちで一軒一軒お店を回りました。変なお願いをしているわけでもないことと、直接的なコミュニケーションになるため、古着はすぐに集まりました。  この古着回収のタイミングで同時に作品にかかわる作業の参加者の募集の声掛けを行いました。お店の休みの時に地域の人も来てくれ、少しづつ浸透していきました。また、中には「もっと早く言ってくれたら、参加もいいやり方の提案も出来たのに」と言ってくださった方もいました。もし地域の人の参加がなかったとしても、今までの経験からどのくらいの人数や時間で完成させられるかは把握しているので、学生のみなさんにもシフトで入ってもらいましたが、計算通りに出来ました。まさに正攻法でした。
_具体的な制作時間を教えてください。
 吉野の場合は9月21日から公開制作を初め、7日間行いました。仕上げや下準備、要となる屋根の部分は別で奈良市で進行していました。全部入れて、2週間ほどで完成しました。
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_今まで作った作品と今回の作品と比べて違った点や吉野ならではの点はありましたか。
 吉野らしい服はないだろうとはじめは思っていました。しかし作業場の隣の茶屋の女将さんが毎日気にかけてくれて、亡くなったお母さんの形見の服を持ってきてくれました。それはピンク色の桜っぽい服でした。「こんな色の服着るのかな」とも思いましたが、ほかに集まる服にも割とピンクが多くみられました。吉野の桜をイメージし、ピンクっぽい作品になればいいなとも思うようになりました。  また過去に行った地域であるケニアでは原色ではっきりした服が多く、フランスでは上品な色合いの服が、埼玉では和柄が多くみられました。こじつけかもしれませんが、微妙に地域の特性や、持ち寄ってくれた人の趣味など、ある程度「らしさ」は出るのかなと思います。
_吊り上げの際も吉野の方と協力して行ったと聞いていますが、どうでしたか。
 吉野郡黒滝村の森林組合の方に協力していただきました。自分の作品は7メートルあるのですが、たわみ等も考慮して10メートルぐらいの高さから吊りたいと思っていました。しかし森の持ち主の方にこのパッチワークを吊り上げたいと相談したところ、10メートルは難しいという話でした。そこで黒滝村の木登りのプロ、5〜6人に協力してもらい作品を吊り上げました。重機は入れないため、人力ではしごなどを運びました。イメージ通りに、雨でも形が変わらず作品を作れたのは、この人達の技術のおかげです。木登りのプロの中には女性の方もいて、かっこいいと思いました。
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_MIND TRAILの地域住民を巻き込む芸術祭というコンセプトは非常に面白いと感じます。西尾先生は吉野の人と関わってどのように感じましたか?
 吉野の場合は、観光でお店を出している人が多いからか、よく人のことを見ていたり、人を受け入れる包容力がありますね。また、商売をやっているから制作に対してたくさんアイデアを出してくれる人が多い。過疎地域で芸術祭を行う場合は敬遠されがちな印象がありますが、吉野の方々はキャラ立ちする人が多く、吉野を盛り上げてくれたら売り上げにつながるからということで何でも手伝ってくれました。この点はおそらく曽爾村や天川村とも少し違って、他ではあまり見られない潔い態度だなと思いました。吉野には年中桜や紅葉といった魅力があり、コロナがなければ栄えている地域です。元々人を受け入れる土壌があるんだと思います。今回のMIND TRAILの取り組みでは、各アーティストが一週間から一ヶ月という期間で地元の方と関わって制作を進めていきます。吉野の人々にとって観光を通じた1日2日の交流はあっても、このようにまとまった期間で外部の人と関わることは少ないため、吉野の人にとっても新しい経験だったと言えるのではないでしょうか。 _他の作家さんの中にはもっと地元の方と交流を持ちたかったと名残惜しさを感じている方も居ましたが、先生はどうでしたか?
 今回の制作ではお店をやっている方のように目立った方としか関わりを持てなかったのが心残りでした。吉野には大学生位の若い世代も住んでいて、若い人がこんなところに住んでいるのか、という発見もありました。もう少し時間があれば目立つ人に隠れた、見えていない人たちにも出会えたかもしれません。 _反対に吉野ではこの芸術祭に対して良い反応をしない人もいたのでしょうか?
 普通、芸術祭が行われる場合地元の方の中にはとりあえず文句を言いに来る人がいるものですが、吉野で嫌な反応はありませんでした。芸術祭や制作に関して地元の方がアイデアを出して下さることはありました。MIND TRAILは政治的だったり批判的だったりしない優しい作品、感覚に訴える作品が展示されるからかなと思います。この点はキュレーションするにあたって意識した点でもあります。
_天川村や曽爾村といった他のエリアでは何かされていましたか?
 今回は直接的に何か行うことはありませんでした。吉野でトークイベントを行うことはありましたが、横断的なことは視察とコミュニティスナックへの参加ぐらいでした。コミュニティスナックはアーティストと地域の方との会合の場として、3エリアで設けられたプラットフォームです。吉野エリアのスナックに他エリアの人を誘致して、もっと横断した関わりを持たせていく予定もありましたが、実現できていない状況です。
_今回吉野エリアでの制作に関わらせていただいて他のエリアにも興味を持ち、横断キュレーターの存在もあって、エリアを越えた何かがあったらいいなと思いました。
 学生のみなさんに考えてもらうのもありですね。ぜひご提案ください。3エリアとも雰囲気や人の感じも全然違うので、まずは是非行って体験してほしいです。
学生質問
渡邉_これからMIND TRAILを見に行く人に対して、何かこういう気持ちを持っていたほうがいいよといったことはありますか。
 見に行く人に伝えたいのは、作品を見るつもりで来るのではなく、吉野を体感することを意識してほしいとうことです。作品を見ることを目的にしてしまうと、疲れたりがっかりしたりしてしまうかもしれません。齋藤さんも言っていますが、MIND TRAILの作品は吉野の自然を見るレンズとして捉えて、とりあえず吉野を歩くぞというマインドで、ふと作品に出合ってほしいです。
竹中_キュレーターとして全体的な流れはどのようにアーティストに提案しましたか。
 アーティストも視察して、それぞれが色々考えてくれているので一番はそれを尊重しました。しかし作品のスタイルが被ってしまう場合は会話の中で調整しました。強制はしませんでしたが、ルートを意識し、作家間でのバランスを取りながら会話の中で提案していきました。作家さん同士も自然とお互いのことを気にしながら作品作りをしておられると思います。他の方の作品との距離感を共有しつつ、空気を読みながら作品の形態や配置を決めていきます。自然の中という条件において作品の仕上がりや配置の選択肢は限られてきます。そういった点を微調整しつつ完成まで仕上げていきます。
楠田__実際に参加してみて、車と歩行者の行き違いなどが危ないと感じることがありましたが、アートプロジェクトを理由に交通整備をすることなどはありますか。
 MIND TRAILにおいては特にありませんでした。吉野の観光など、通常の状態を保ちながら企画を運営していくことも大切なので、車の整備をするなどはなかったです。しかし、通常のアートプロジェクトなどにおいてはリスク管理に力を入れることが多いので、作品に警備を付けたりすることが多いです。
村上_キュレーターやアーティストとしてMIND TRAILで活動した中で得たものはありますか。
 企画の内側からいろいろな「難しさ」を体験できたのが一番の収穫です。自分の立場では提案しても反映されない部分があるのは仕方のないことで、このもどかしさは別の現場に活かすしかないものかとも思います。ただ、MIND TRAILがさらによりよい企画に育っていくことを期待していますので、どのように自分がこの「難しさ」に関与できるか、難しいですね。
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nara-artproject · 3 years
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MIND TRAIL 2021 参加アーティスト黒川岳さんインタビュー
インタビュー実施日:2021年10月26日(火) 13:15〜14:20 聞き手・編集:西尾美也+2021年度コモンズゼミⅠ(西尾ゼミ)メンバー
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__黒川さんには、奈良県立大学の「船/橋 わたす 2019」に参加していただきました。簡単な自己紹介をお願いできますか?
 京都市立芸大彫刻専攻の非常勤講師をしています。普段、彫刻をベースに活動しています。彫刻といっても色々ありますが、パッと思いつくような人体とか動物などではなく、どちらかというと、彫刻的な考え方を出発点として制作するというような感じです。学部生のときは音楽を学んでいたので、彫刻と音が関係する作品をつくったりもしています。 今回吉野でも出品している《Listening to stone》では、石に穴が空いていて、人が頭を突っ込めるようになっています。頭を突っ込むと音が反響して、空気の流れや、穴の外の環境音、自分の呼吸や心臓の拍動音が聞こえてきます。石自体と身体が一体化することで、鑑賞者も作品の一つになります。別の作品では、昨年に最初の緊急事態宣言が出ていたとき、街に人が本当にいない状況で、深夜にこっそり外に出て、街中の隙間という隙間にはまってみました。自分の身体がフィットする隙間を探したら3秒のタイマーをセットして、自撮りするというプロセスです。街中はあらゆる空間は誰かの所有する場所だと思いますが、でも誰のものかが曖昧になっている隙間のような空間があって、そこにアプローチしてみようと思いました。
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写真:小川美陽
 2019年の県立大での展覧会では2つの作品を発表して、ひとつは動かしてしまうとすぐに壊れかねないぐにゃぐにゃなオブジェを作って屋上から色々な音を鳴らすパフォーマンスをしました。鉄板を鳴らしていたら、近隣の住民から苦情が来たこともあって県立大の皆さんにはご迷惑をおかけしてしまいましたが…。もうひとつは、地面を楽譜に見立てて音を奏でるローラーを作りました。リサーチ中に校庭の工事が始まっていて地形が変わっていくという話を聞いたことや、工事中のグラウンドでグラウンド整備などに使うコートローラーが置いてあるのを見てイメージが繋がりました。場所やテクスチャによって音が変わっていくことが面白く、実際に学生さんたちにも楽しんでもらいました。
__黒川さんの作品が面白いのは、彫刻と身体をコラボさせることで、五感で楽しめる点で、それがMIND TRAILにぴったりだと思い依頼しました。当初、杉の木のプランもありましたが、少しそのお話もきかせていただけますか。
 視察の際に一通りルートを歩きました。吉野といえば吉野杉とか、外から見たときにわかりやすい情報はなんとなく知っていました。でも実際に行ってみると、お寺や神社、山の深さなどいろいろな情報を現地に行ったからこそ感じるものがありました。吉野の山と人との距離が近いと感じ、これに魅力を感じました。  現地の林業の方とともに杉林に入ったときに、間伐され朽ちて横たわっている木を見つけました。この木に私は大変魅了されました。お金にならないから朽ちさせているという話でしたが、朽ちた木が虫などの新しい命がはぐくまれる場所になっていたり、朽ちた木の何とも言えない表情などが景色の一部となっている様子に魅力を感じました。「なくなっていくものが、また何かを生み出していく」というサイクルが、吉野の山の祈りの場としての場所性に繋がるものを感じました。
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 ルート上に勝手神社という神社があるのですが、火事により本殿が焼けているため、草が生えているだけの空間が広がっているんです。何もないけど澄んだ空気感が漂っていて、物としての社が目に見えない様子はコンセプチュアルだと思いました。建物がなくても場所はきれいに整備されていて、地元の方によって大切にされているのが分かりました。お社という目に見えるものはなくなったけど、確かに「在る」勝手神社に感銘を受け、ここを舞台に作品を作りたいと考えました。  実際のプランは吉野杉の朽木を大量に使ってインスタレーションを制作するというものでした。目に見えないものや遠くにあるもののことを想像したり、杉林で見たような倒れてはまた生まれ直すサイクルに思いを馳せる装置のようなものを考えていましたが、場所交渉の段階で持ち主の方への説得が叶わず、結局このプランは勝手神社では難しいということになりました。それならいっそ、当初のプランから離れて全く別のことをやったほうが面白いのではと思い、新たなプランを考えたのが展示している写真の作品になっています。
__別のプランのお話の前に、今回の吉野杉や石のような、別の場所にある1人では持てない重いものを運ぶ行為については、どのように位置付けられていますか?
 自分の作品では物理的に大きい素材を扱うことも多いです。サイズの大きいものや重いものを動かすのは一人ではできないし、危険な作業でもあるので、そこに特有の距離感が生まれます。動かす時には自然とかけ声が大きくなったり、いつも以上に集中したりと、皆のテンションも高揚し、場の雰囲気もいつもと違ったものになります。普段は公開するようなことはしていませんが、運搬作業自体もとても面白い時間になっていると思います。  京都のまちなかで展覧会をした際も、ギャラリーの目の前の道幅が狭いので、石を200m程離れた大通りから運ばなければなりませんでした。道路にはひびや段差があるため、少しでも揺れるとバランスが崩れて危険です。そのため、石を運んでいる際には、みなピリピリしていました。見えている範囲が限られているから、それぞれが見えている範囲を共有し、それが自然と掛け声となっていきました。すると次第に人々が集まってきたりして、お祭りってこういう風にできていくんだと実感しました。  普段動かないようなサイズのものが動いたり目に見えたりと、生活圏内に現れることはそれだけで人々にとって衝撃なことなんだと思います。
__その「運ぶ」というプロセス自体を作品にしたことはありますか?
 それだけで作品を作ったことはありませんが、愛知県で今年3月に開催されたオンライン企画で運搬の要素を作品に取り入れた経験があります。常滑市は窯業地として有名ですが、そこで制作された大甕を利用して作品を作ろうとしました。オンラインなのでわざわざ運ばなくてもよかったのですが、名古屋市内のギャラリーにあえて運び、展示しました。  観客は甕に直接触れられないため、オンラインでさまざまな方面から甕と向き合える工夫しました。甕を移動させること自体も意味を持ちうることとして、作品の要素のひとつとして組み込みました。運んだ場所は3階建ての建物の3階でエレベーターのない場所だったので、そこに運び込むための専用の構造体も作りました。
__噂には聞いていましたが、改めて聞くとすごい話ですね。
 よくこのプランが許可していただけたなと思います。モノを運ぶことそのものが大事で、大きいモノが動くということは、古くから人とモノとの関係の中で特殊な感覚を育んできたんだと思います。自分は出雲市の生まれで出雲大社も近く、お祭りでみんなで神輿を運んだり、神輿の上の旗を動かしたりするのをよく見ていました。大きいモノが動くと、危ないから声を出したり、野次が飛んできたりする。そんなお祭りの中で美術だけではないいろいろなモノとの関係を見たと思います。神輿や飾りは美術的な要素だけど、お祭りに伴う歌や楽器、掛け声は音楽的な要素と、それぞれ独立したわけではなくゆるやかにつながっていて面白いと思いました。お祭りは男性優位な社会で難しくはありますが、お祭りの中で見つけた人とモノとの直のやり取りは面白くて、大事にしていきたいです。
__今回の作品は、黒川さんにとっても新しい作品になりましたね。
 はい、今回は幅5メートルほどの写真作品で、被写体は実物大以上の大きさで写っています。いわゆる彫刻でもない。「草人間」のようなものを、地元の人たちとやってみるという内容で、吉野の人たちと、吉野に生えている草を探してお気に入りの草を手にとってもらい、その草と人とのやり取りを撮影しました。草の種類によってしっくりくる形態を見つけたり、草を体に巻き付けて服と一体化させたりする様子を写しました。ぴんと張ってハリのあるものや、ふにゃふにゃになっているものなど、草独自の重さを感じながら、しっくりくる形態を探しました。おどりの一歩手前のような状態だと思っています。葛の葉を使った葛職人さん、神社に行く途中の険しい道で木漏れ日のなか草を眺める人、夜中にススキのハリを感じながら動き回る人など、様々な人が協力してくれました。普段自分がライフワークとしてやっていることをあえて吉野の人たちとやってみたいなと思い、この作品を作りました。
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__写真のモデルになった方からは、黒川さんの撮影時のモチベーションの上げ方がとても上手だったと伺いました。
 作品だけでなく制作中の現場が面白いということはよくある話かと思いますが、草との感覚をみなさん自身が楽しまれたのかなと思います。普段自分一人でやっていたことを自分以外の人と共有してみることは僕にとっても挑戦で面白かったです。他人をモデルに写真を撮るというのは初めての経験でしたが、やってみると案外上手くいって、こういう作り方もあるなという気づきを得ました。 __今回黒川さんの中で写真という新たな表現方法に取り組まれたわけですが、いかがでしたか。
 すごく面白かったです。まず、生きているモデルがいる。その人たちとの距離の取り方、かれらとのコミュニケーションを通して作品をつくることはとてもエキサイティングな時間でした。子どもたちは、みんなを写そうとしたら、どんどんカメラに近づいてくる。自分も後ろに猛ダッシュしながら撮影したので写真がブレてしまうことがよくありました。大変でしたが、そのぶれた写真には、解像度的な意味で美しく撮られた写真とはまた別の面白さがあると感じます。 __プロデューサーの齋藤さんも、MIND TRAILに関わるアーティストは、今までにやらなかったことをやってくれることが多いと話されていました。
 制作中は地元の方に作品内容に関して強く問われるわけでもなく、お店に入ったときに「どんなのをやるの?」と軽く尋ねられるくらいで、ちょうどいい距離感で接してもらいましたね。確かに新しいことに挑戦できそうな気持ちになりました。
__今回、黒川さんは搬入の時期にマムシに噛まれるという大変な目に遭われましたね。 
 大阪の山奥の原っぱを作業場にしています。作品の搬入の際に、石にロープをかけるのですが、石の反対側からロープを引っ張り出そうとしたら、なんとそれがマムシで嚙まれてしまいました。毒の量もそれなりだったので、一週間入院しました。マムシに嚙まれると僕の場合は目もおかしくなって、まともに焦点が合わなくなってしまいました。写真作品の入稿作業をそんな環境で行いましたが、どうやっても視界がブレるので、これ大丈夫かなと(笑)  山の中での作業なので、たとえば木の作品を作っているときは、1日放置していると素材を虫が住処にするので、簡単に自分の作品を自分の作品として簡単には維持できない経験があります。「これは俺の作品や!」と虫にどいてもらったりするわけですが、毒が身体に入る経験は貴重でした。自分の身体じゃないみたいな、でも自分で動かせるという。入院中にすることがなかったので、マムシについてかなり調べていました。今後は蛇や毒をテーマにした作品も作りたいと思っています(笑)
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学生質問
竹中__黒川さんの作品は、「石人間」や「草人間」など、自然と人間が融合するような作品が多いと感じましたが、そういった作品について何か発想のきっかけはあったのですか?
 まず、人と身の周りのものに目を向け、用途とイメージといったものの意味の解体し、普段と違う形で出会いたいと思ったのがきっかけです。ですが、それと同時に出会う「人」の方にも注目しようと考えました。人間も人間じゃないものもよくわからないものにしたらどうなるのだろう。どちらも普段の状態から離れて考えることでモノと人の関係が今までと全然違うものに見えることが面白いと感じました。
楠田__黒川さんは今回の作品で新しくカメラを購入されたということでしたが、今後そのカメラを使って作品をつくっていく予定はありますか?
 カメラは、値段は張りましたが映像を撮れるものにしました。今後は映像も撮っていきたいと考えています。また、フォトグラメトリーを利用して作品を作って行けたらなあとも思っています。
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nara-artproject · 3 years
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MIND TRAIL 2021 参加アーティスト幸田千依さんインタビュー
インタビュー実施日:2021年10月19日(火) 13:20〜14:30 聞き手・編集:西尾美也+2021年度コモンズゼミⅠ(西尾ゼミ)メンバー
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__幸田さんは今回、吉野で滞在制作をされましたね。
 9月23日から吉野に滞在し、1週間くらい元お土産屋さんで公開制作を行いました。吉野のメインストリートにある場所だったので、声をかけてもらいやすかったし、街の雰囲気を味わいながら絵を描くことができました。未知の場所に行って人と関係し合いながら絵を描くことを大切にしています。これまでに3ヶ月間ぐらい絵を描くために住むこともありました。  MIND TRAILは吉野を歩いてまわる芸術祭だったので、自分も視察で4時間ほど歩きました。視察中には、絵になるようなきれいな場所がたくさんあって感動しましたが、その景色の中を歩く芸術祭で風景を絵にするということに面白さを感じませんでした。歩いている時にふと足を留める、道端のお地蔵様のような一瞬のささやかな存在を描こうと決めました。
__公開制作の中でも今のようなお話を伝えていたのですか?
 声をかけてくださる人は少なかったですが、お話はしていました。基本的には「わあ」とか「ええ」といった驚きの声を通りすがりに皆発していたように思います。地元の方は「これは吉野のどこの場所なのか」といったことを尋ねてくることが多かったです。
__公開制作の様子をみて、設えがシンプルだという印象を受けました。
 あちこちに「滞在して、絵を描く」ということを繰り返していたら、持ち物などもコンパクトになっていきました。ブルーシートを一枚敷いて、どこででも絵が描けるような気がします。絵を前に置きさえすれば、そこを居場所にしてしまうということが得意になりました。
__どうしてアトリエではなく、外で絵を描くようになったのですか?
 美大卒業後、もともとアトリエを持っていなくて、ひょんなきっかけから7年間ぐらい移動しながら絵を描くことになり「旅先で絵を描き、自宅にいる時は休んでいる」という生活になっていきました。アトリエにこもって自分のテーマで絵を描き続けるということができず、未知の場所と出会いながら絵を描く暮らしにだんだん引き込まれていったという感じです。その頃は新しい場所に行く毎に自分の中に新たな感覚が生まれて、とにかく楽しかった。その推進力で次の作品へと繋がっていっていました。
__そうした制作スタイルが確立されるきっかけになった作品について覚えていますか?
 はい。2009年に別府で開催された「混浴温泉世界」という芸術祭の一つに「わくわく混浴アパートメント」というクレイジーな企画がありまして、それに参加したことがきっかけです。古い木造のアパートに会期中様々なアーティストが滞在して、そのアパートで制作も展示も生活もするというものでした。私はそこに2か月間くらい住んでいました。20代半ばの年齢でこのイベントに参加して、たくさんのアーティストや作品に影響を受けたと思います。「アートといえば○○」という概念が消え去り、それぞれの人がそれぞれらしく作り暮らす様子をみて、とにかく面白かった。東京で活動する以外のアーティストにたくさん出会えたことも一つ大きな経験だったかもしれません。そのつながりから各地のアートプロジェクトに参加するきっかけを得たということもあります。別府がなかったらブルーシートの上で絵を描くこともなかったかもしれません。
__こうしたプロジェクト参加の経験が「歩く絵」という発想につながったのですか?
 そうですね。「歩く絵」の発端は、横浜の寿町という日雇い労働者などが多くいる町のドヤ(主に日雇い労働者を対象とした簡易宿所のことをいう)で暮らして描いていた時でした。2畳ぐらいの狭い部屋で絵を描いていると、さすがに悶々としてきます。そこで、外でお酒を飲んでいるおじさんたちとよく話をしていました。おじさんたちに「絵なんてわからん」というようなこと言われていて、絵に興味がない人やアートに触れる機会がない人に対して、どうしたもんかと考えて、絵が会いに行ったり歩いたりして道端にいる人に見てもらえばいいのではないかな?と思ったことが、「歩く絵」というパフォーマンスに繋がったかと思います。
_寿町とはずいぶん場所の特性が異なりそうですが、吉野の人の反応はどうでしたか?
 制作もパフォーマンスも非常に風通しの良い雰囲気でした。吉野の方から「マインドさん」と呼ばれることもあったりして、MIND TRAILが吉野では2年目ということもあってお祭り的な受け入れ方をされているのだなと感じました。お店をやっている人たちとも程よい距離、付き合いが共有されていました。「歩く絵」のパフォーマンスの日も、事前に役所の方が知らせてくれていたようで、「水分神社まで行くの?頑張って」と声をかけられたりもしました。
_「歩く絵」のパフォーマンスでは、学生も参加させてもらって映像撮影もしましたね。
 ありがとうございました!「歩く絵」では絵だけを見るというよりは、絵があることで後ろの景色もいつもと違って見えるというところが面白いです。見ている方には絵に足が生えているように見え、思いがけない光景になるということもあります。  パフォーマンスの際、序盤は坂道が多いためしんどかったですね。学生さん3人が参加してくれたおかげで、足も腕もきつい道中も細かい交代をはさみながら楽しく、引率の先生のような気持ちで歩くことができました。林道に入ったあたりから景色もよく清々しい気持ちになりました。神社に絵が入っていくように見える映像箇所もお気に入りです。撮影時、映像クリエイターさんは先に進む必要があり、大変そうでした。
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撮影:吉永ジェンダー
_特に印象的なことはありましたか?
 きつい山道を上がっている時、突如ほら貝の音が山の上から聞こえてきたんです。吹いていたのは滞在していたゲストハウスの女将の片山さんです。彼女は修験道の行者でもあるのです。行者は山に登って歩きながらほら貝を吹くんです。ほら貝を吹くことは呼吸を整える意味もあると言っていました。このほら貝の音が水分神社のところで待っているという女将さんからのメッセージとなり、みんなうわーっと気持ちがあがって、勇気をもらい、なんだか体が軽くなりました。歩く絵のゴールが近いぞ!という感じで、そこからはなんだか夢みたいでした。花矢倉にも立ち寄り、吉野が一望できる景色を眺めたりして とても清々しかったです。ほら貝すごいです。
_女将さんとの出会いも幸田さんにとって重要でしたよね?
 ゲストハウスで女将の片山さんと出会ったことによって吉野の歴史や修験道に触れることができました。初めは一人静かに暮らし描くことになるかなと思っていましたが、彼女との関わりによって祈ること、それについて考えたり感じることが加わったのが驚きです。朝6時半からの勤行に参加して1日を始めるという暮らしを日常化していくにつれ、話を聞くにつれ、自分の中で、絵を描くことと、暮らしと、祈ることがしっくりくるようになっていきました。
_出会いと言えば、水分神社の宮司さんと幸田さんの対話に居合わせることができてとても感激しました。
 絵を描き始める時に、こういう風に見てほしいみたいな強い考えはなくて、人に何かを伝えるとしてもそれは実際展示してみないとわからないということが多く、今回も水分神社に絵を置いた時にわかることがあるだろうという気持ちはありました。しかし、完成した作品を置かせていただく際に、宮司さんから水分神社でこの絵を奉納・展示する意味を問われて、はじめうまく答えられませんでした。制作に至るまでの動機や描きたかったものについては説明できたのですが、その場所に展示する意味は考えたことがなかったんです。  私がもごもごしていると、絵をみた宮司さんが自分なりの解釈を話してくれました。折れた木の中だけに木漏れ日がさして光が不思議なかた���、不思議な丸い光を作っている特別な一瞬を描いた部分について、宮司さんは「この仏さまが持っている球が絵の球なんじゃないか」と小さな木仏を取り出して言ってくれたんです。その木仏はもともとお土産品で、水分神社の「みくまり」が「御子守」となまったことで子授かりの意味が込められており、何でも願い事が叶う球である如意宝珠を持っています。宮司さんがその球と絵の光を重ね合わせて考えてくれたことがすごく嬉しくて、そうだったのかと言うくらい納得出来ました。こんなふうに自分なりに絵を見てくれる人が一人でもいてくれる瞬間があると描いてよかったなあと思うし、その時完成したのかなと思えることがよくあります。
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__イーゼルに使う木も手作りされましたね。
 森の中で木を拾って作りました。地元の林業の方が手伝ってくれて、傾斜がすごいジェットコースターのような道をどんどん進んで、木をチェンソーでバシーンと切ってくれたりして、かっこよかった。 実際木材集めに行ってみて、林業の人たちが普段どういう風に仕事をしているのかを知る機会になって驚きがすごかったです。イーゼルはインストーラの高橋さんが半日で作ってくれて、それだけ展示したいぐらい場に馴染んでいる良いイーゼルが出来上がりました。
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__いろいろ発表機会をお持ちですが、MIND TRAILに参加してみて、どういう感想を抱きましたか?
 個展などの展示では、そこの空間を最大限整えることはできるのですが、見に来てくれるお客さんがどういう景色を見て、どんな気持ちでそこに来るかまでを把握することはできませんよね、普通はそうです。絵を見に来る人の気持ちもどこから来るかも様々です。でも、MIND TRAILは歩く中に作品がある芸術祭だから、ある程度、作品を見る時の気持ちを他の人と共有できるような気がします。私は吉野を歩いてみて、心の調子を整えて、作品を見るのに気持ちのいい状態に自然となりました。目が素直になると言いますか。その時の感覚を大切に、作品に反映させることができたかなと思っています。
_絵で食べていくことや、いろいろな表現方法がある中で絵画を選ぶことについてどう思いますか?
 学生時代から「アーティストとして食べていく」という言葉の本質がうまく腑に落ちずにいました。でも、自分なりに生きていくことと描いていくことを足がかりとして続けてきたら、今、明日食べるものがないとか激ヤセしているとか全然ない。お金を稼ぐことが生きることではなく、毎秒どんな様子でいるかということそのものが表しているものに、今はなんとなく自信をつけてきた感じです。  今でも絵を描くことは仕事という感覚がないし、趣味でもないと感じます。絵を描くことはいつのまにか、生きる中で行う沢山の習慣の中でも大切な軸になっていると思います。絵を描くことで出会える人、場所、考えつく思考があり、それらが生活に及ぼす力も大きい。一人で絵を描くということは、この世界の誰とでも、一対一で向き合えるということなのではないかと感じていて、私が絵を選ぶ?というか続けている理由の一つはそこにあると思います。人によって何もかもバラバラでも良いのが表現の世界だと思うので、自分なりに生きる、その速さや重さ、全てを確かめながら、生きていく実践をすることが大事なのかなと思います。
学生質問
竹中_描いた時はどんな気持ちでしたか。特別な気持ちになっていますか?
 なっています。絵を描いているときにしか感じない考え方や気持ちがあります。その時の気持ちは、なぜか本当に大切だと信じている面があります。でも、それはご飯を食べている時には食べている時の特別な気持ちがあるのと同じことかもしれません。 それぞれの時に、それぞれ特別な気持ち。  今回の絵では、木漏れ日があるささやかな一瞬を描こうというところから、滞在を経ていくうちに、この光を美しく描きたい!という思いが自然と増してきました。それをどう表現するかという点については、やりながらしか答えはわからず、直観が頼りです。でも確かにこちらが良い!という方向は存在していて、自分でも不思議です。「違うな」と「これだ」を繰り返していく中で「これで良い!」というところになんとかたどり着きます。今回は不安もいっぱいでしたが、絵を奉納した時に、これでよかった、がやっときました。
竹中_最低限「どんな風に見てほしい」と考えていることはありますか。
 自分なりに見てもらえたら嬉しいです。それを知ることができたなら私は嬉しいですが、それぞれが秘めているのも良いなと思います。 こうでないといけない、という思いはないです。
佐藤_撮影に参加させて頂いたときにも感じていましたが、吉野の人への思いやりがあふれていると思いました。吉野の町に対する意識や見る人への意識が片隅にあり、人に寄り添うアーティストだと思います。
 絵を描いていたから吉野の人々と関わらせて頂けるというのは、すごく特別なことだと感じています。滞在中は、できうる限りのことを逃したくないし、感謝したり嬉しい気持ちでいっぱいです。毎日の一瞬一瞬が面白いです。マイナスな感情が湧くことすらも面白いと思っています。今回の芸術祭でも、ここに来られたからこそ貴重な経験ができたと心から思います。
MIND TRAIL公式サイト:https://mindtrail.okuyamato.jp/
幸田千依さん吉野滞在後記:http://kodachie.com/?p=1810&fbclid=IwAR2FpHTN6YwcQ3Eux0hTN04fd40fWwDueLRPfabL8txForW7FFPa9alVO3E
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nara-artproject · 3 years
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地域創造研究センターが創設|西尾は3つの研究ユニットを立ち上げました
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本学に新しく地域創造研究センターが創設されました。「比喩的に言えば、知性とは、社会を支配する力学に埋没せず、その批判的な再考を行う『浮力』なのです。本センターは、衰退の力学の『外部』を示し、新しい『生のスタイル』を模索するために創設されました」。西尾は3つの研究ユニット(「ファッション環境研究デザイン」「アフリカ現代美術研究ユニット」「『美術は教育』研究ユニット」)を立ち上げました。 https://narapu-rcrc.jp/
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nara-artproject · 3 years
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研究室誌『船/橋 わたす 2020』が完成|ゼミ生が懸賞論文優秀賞を受賞しました
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4年生の卒業論文を収録した研究室誌。別れを惜しむように、3月上旬まで編集作業の自主ゼミを継続して開催し、なんとか卒業式に納品が間に合いました。櫻井莉菜さんの卒業論文「分かり合えなさを共有するためのアートマネジメント」が本学懸賞論文の優秀賞を受賞しました。
以下、研究室誌に寄せたエッセイを再掲します。
サバティカルとコロナ、学生と私のリミックス
 本年度のゼミ生(4年生)は、二重の意味でチャレンジングな一年を過ごしたと思う。ひとつは言うまでもなくコロナ禍であるが、いまひとつは担当教員である筆者がサバティカル(研究休暇)を取得したからだ。これまで西尾研究室は慣例として3、4年生合同のゼミを行なってきた。研究室が主催する現代アート展「船/橋 わたす」をともに企画し、その中で自身の研究・活動を何らかの形で表現するのだが、3年生はすでに経験済みの4年生から多くを学ぶことになる。しかし、教員がサバティカルを取得すると、新規ゼミ生である3年生を受け入れることが叶わず、本年度のゼミ生は先輩たちから学んだ知恵や知識を受け渡す後輩の存在を得られなかった。面倒見のよさそうなメンバーが揃っていただけに、これについては申し訳ない気持ちがあった。  コロナがなければ、かれらに対する後ろめたさは払拭できなかったと思う。サバティカルの目的であった東京での研究・活動はまったくままならず、本来であれば東京から遠隔ゼミをしていたであろうはずが、実際はコロナを理由に奈良に留まりながらも遠隔ゼミをせざるを得ないというよくわからない状況を迫られた。サバティカルに専念していたら、サバティカルの集中を妨げる存在としてゼミ生を捉えてしまっていたかもしれない。そう思うと、本年度のゼミにとって、コロナは悪いものではなかったと思う。みなが同じようにコロナに苦しめられ、どうしようかと悩みながら、家に留まることを求められる。  大変な中でも日々の仕事に追われている人や、エッセンシャルワーカーもいる。そんな中で、大学生というある意味で中途半場な立場に、かれらはもどかしさや不安を感じていただろう。大学教員でありながらサバティカルの名のもと一年間の自由を許された身として(かつその研究が制限された身として)、その中途半端さが痛いほどに共有できた。しかし、そんなときにZoomでつながることができるゼミというのは、ひとつの確かな居場所であることが実感できた。学生がどう思っていたかは知る由もないが、仕事ということ(教員であるということ)を超えて、考え議論し、探求するという学問の力や可能性(そしてわれわれはそれをして良い立場なのだ)をこれほどリアルに実感できる機会は得難い。  西尾研究室では毎年、現代アート展「船/橋 わたす」の記録として、作品写真や卒業論文、招聘作家のインタビューなどを収録した冊子を制作してきた。今年度はこれまでとは同じようにできない中で、だからこそ、慣例に従うだけでなく、何が本当に大事なのかを学生それぞれが考えるきっかけになったのではないだろうか。本書は、コロナとともに過ごし、考えた学生たちのこの一年の記録として、間接的に後輩たちへ、ひいては社会へと受け渡すものになるだろう。  櫻井は、筆者の専門分野のひとつであるアートマネジメントをテーマに、実践的に研究を進めた。その専門性から、現代アート展「船/橋 わたす 2020」の企画を一人で担い、アーティストを招聘して、ゼミ生以外の学内のプロジェクトメンバーを募って運営をすることで、「船/橋 わたす」自体のあり方を更新した。「船/橋 わたす」の前身となった企画に、2016年に開催した「私のアトリエ」展というものがある。この時は筆者も本学に着任して一年目で、学生による展覧会をなんとか外部に見せられるものにしたいと、自ら必死に学生の手伝いをし、学内を走り回って、いろんなものを運んで、とにかくヘトヘトになったことを思い出す。そこから考えれば、芸術系の学部も学科もない本学でアートマネジメントを実践的に研究したい学生が出てきてくれるだけでも感慨深いが、立派な企画を実現させてくれたことは、教員冥利につきる。  他の学生の研究テーマは、ゲームや音楽、ストリップで、正直に言ってしまえば、筆者の研究の対象としてはおろか、個人的に日常的に接する��とさえ少ないものばかりだ。櫻井は、毎回のゼミの冒頭で哲学カフェを実施するなどして、放っておくとバラバラになりそうなこうした異なる志向性をもったメンバー同士をつなぎあわせる役割も果たした。以下は櫻井の言葉だが、これは教員である筆者も同じく思うところだ。「普段は仲がいいわけでもないし、ゼミが一緒じゃなければ話すこともなかっただろうゼミ生たちと、だからこそゼミを通じて話せることに意義を感じる」。  筆者の研究からは距離があるとはいえ、振り返ってみるとみなに共通した問いを見出すこともできる。ゲーム実況をテーマにした湯浅は「プロゲーマーとは何者か」を、文化としてのストリップをテーマにした舟山は、それを担っている「踊り子さんとは何者か」を、自身も音楽制作をする大西や瀧澤は「アーティストとは何者か」を問うている。つまり、それぞれが表現に関わる仕事をする人たちに強い興味を抱き、その実像に迫ろうとしているのだ。とくに自ら表現を実践する大西と瀧澤については、ジャンルは違えど、若い頃の勢いと変に自信のある自分を見ているようで恥ずかしくもあり、未熟なところがあったとしても、それはこれからの長い実践の中で自ら気付く他ないという思いもあり、指導教員である自分と表現者である自分との間でやや葛藤があった。  いずれにしても、敷かれたレールには収まらない人たち、AIにはとって代わられない人たちに対する興味が、学生たちを成長させてくれることを願う。筆者も自ら表現活動をするアーティストとして、「指導教員」の枠に収まらず、学生たちの前でそういう存在でいられただろうか。かれらの「問い」が私を見ている。そう思えることはうれしいことだ。
西尾美也(奈良県立大学准教授)
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nara-artproject · 3 years
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現代アート展 船/橋 わたす 2020「へんでふつう 私たちの10年を話しあう」オンライン始動!
対面での実施を中止とさせていただいた本展ですが、展覧会を作る過程に着目したオンラインコンテンツが始動しました。
note上に展覧会企画者及び展覧会スタッフのコラムを掲載していきます。
本展に足をお運びいただいた方も、残念ながらお運びいただけなかった方も、是非投稿をチェックしていただければ幸いです。
https://note.com/funahashi2020/n/n718d69989344
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nara-artproject · 3 years
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現代アート展 船/橋 わたす 2020「へんでふつう わたしたちの10年を話しあう」対面での実施中止のお知らせ
新型コロナウイルス感染症対策にかかる奈良県立大学の「行動基準」の変更により、「施設の維持管理、配送等を行う学外者以外の学内立ち入りを禁止」となりましたので、対面での実施を中止とさせていただきます。残りの会期中はオンラインでの展覧会実施を予定しております。詳細につきましては、西尾研究室のウェブサイトやSNSでお知らせいたします。楽しみにしていただいておりました皆様には大変申し訳ございませんが、ご理解いただけますようよろしくお願いいたします。
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nara-artproject · 4 years
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奈良県立大学 現代アート展 「船/橋 わたす 2020」(開催のお知らせ)
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奈良県立大学 現代アート展 船/橋 わたす 2020 瀬尾夏美「へんでふつう わたしたちの10年を話しあう」 会期:2020年12月12日(土)〜12月20日(日)13:00-17:00 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、学外の方は事前に予約が必要です。鑑賞をご希望の方は、問い合わせ先のメールアドレスよりお申し込みください。 場所:奈良県立大学 地域交流棟3階 CHISOU lab. 入場:無料 主催:奈良県立大学 地域創造学部 西尾研究室 企画:櫻井莉菜(西尾研究室4年)
=============== 「船/橋 わたす」は、芸術系の学部・学科のない奈良県立大学を舞台に、多様な価値観を共有することを目的として2017年から開催している現代アート展です。今年度は、地域社会(岩手県陸前高田市)に旅人として介入し、対話の場を市民と協働で行うなど、対面で行うコミュニケーションを多く紡いできたアーティストの瀬尾夏美さんをお招きします。今回は、10年前に子どもだった人たちを対象としたワークショップと、それを元にワークショップ参加者と協働でつくる展覧会をプロジェクトとして開催します。 現在コロナ禍で生活している私たちは、“へんでふつう”ともいえる日常を過ごしているのではないでしょうか。また、10年前に子どもだった人たちは、震災後の“へん”な社会状況を“ふつう”として、子どもから大人へと成長してきました。震災から遠いと思っている人たちが、自分自身の生い立ちや物語を震災後の時間として振り返ることで、今まで語られてこなかった語りが生まれるのではないかと考えます。ワークショップと展覧会を通じて、話すこと、立場の違う多くの人の声を聞くこと、そこから多様な価値観を共有することが本プロジェクトの目的です。 10年前に子どもだった人たちの今まで語られてこなかった言葉を手繰り寄せることで、一人一人がこれからの生活を営むヒントを得る機会になれば幸いです。
プロジェクト内容 1、アーティストトーク+ミニワークショップ 日程:2020年11月17日(火)16:30~18:30 会場:奈良県立大学 コモンズ棟2F・3Fオープンスペース 定員:30名程度(要事前申込) 申込方法:問い合わせ先のメールアドレスよりお申し込みください。 瀬尾さんの今までの活動や、岩手県陸前高田市の震災後からこれまでの時間を振り返るアーティストトークを開催します。その後、簡単なワークショップを開催します。
2、ワークショップ 日程:2020年11月18日(水)16:00〜19:00・19日(木)9:30〜12:30 会場:奈良県立大学 コモンズ棟2F・3Fオープンスペース 対象:10年前に子どもだった人たち 定員:8名(要事前申込) 申込方法:問い合わせ先のメールアドレスよりお申し込みください。 瀬尾さんがこれまでに用いてきた対話や語りの手法を学びながら、「今私たちが話したいこと」をテーマに参加者同士で話しあうワークショップを2日間行います。ここでの参加者は、本プロジェクトのプロジェクトメンバーとして、12月の展覧会の構成をプロジェクト企画者の櫻井とともに考えます。
3、展覧会 会期:2020年12月12日(土)~12月20日(日)13:00〜17:00 会場:奈良県立大学 地域交流棟3階 CHISOU lab. プロジェクト企画者の櫻井とワークショップ参加者がディスカッションを重ね、11月に行ったワークショップの内容を編集して展示します。
※今後の新型コロナウイルス感染症やその他の状況によっては、イベントを中止、または内容を変更する場合があります。 ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、感染予防対策を徹底して開催します。
瀬尾夏美 画家、作家。1988年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。土地の人びとのことばと風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。2012年より、映像作家の小森はるかとともに岩手県陸前高田市に拠点を移す。以後、地元写真館に勤務しながら、まちを歩き、地域の中でワークショップや対話の場を運営。2015年、仙台市で、土地との協働を通した記録活動を行う一般社団法人NOOK(のおく)を立ち上げる。現在は、陸前高田での制作を継続しながら、戦争体験をした人たちや障害を持つ人たちの話を聞き、展覧会や企画を行っている。著書に『あわいゆくころ――陸前高田、震災後を生きる』(晶文社、2019年)がある。
アクセス: 奈良県立大学  〒630-8258 奈良市船橋町10番地 JR奈良駅(東口)・近鉄奈良駅(7番出口)より徒歩約10分
お申し込み・お問い合わせ: 奈良県立大学 地域創造学部 西尾研究室 E-mail: juniboskri[at]gmail.com(櫻井宛)
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nara-artproject · 4 years
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当サイトのコンテンツ紹介
研究室紹介 教員のプロフィールや研究業績、ゼミの活動内容、これまでの所属ゼミ生の卒論タイトルなどを掲載しています。
現代アート展「船/橋 わたす」 2017年から、奈良県立大学を舞台にした現代アート展「船/橋 わたす」を研究室の主催で企画・実施しています。学生の日頃の研究成果を論文以外の方法で発表することに加えて、学生自身によるキュレーションで招聘作家の展示を企画し、展覧会を運営しています。また、それらの経験を踏まえて、学生は作品解説文(3年)と卒業論文(4年)を仕上げ、展覧会の記録と一緒にまとめたゼミのアニュアルブック(ドキュメントブック)を作っています。 「船/橋 わたす」の前身となる活動として、「創作演習」というゼミの記録もここにまとめています。創作演習ではグループワーク形式によるアート作品やワークショップ、アートプロジェクトの企画制作を体験して、企画立案や広報、展示、記録などの手法を学ぶと同時に、それらを通じて都市の現実社会やコミュニケーションのあり方を考える授業です。授業成果として学内で展覧会を開催したり、他の企画で紹介してもらうこともありました。
アートプロジェクトできるなら? 奈良県内で「こんなアートプロジェクトができたらいいな」というアイデアを公開しています。 アートプロジェクトとは、作品そのものではなく制作のプロセスを重視したり、展示室の中ではなく社会的な文脈で表現を行ったり、アートを媒介に地域を活性化させようとしたりする取り組みのことを指します。作家がアトリエにこもって完成させる作品とは違って、アートプロジェクトは、会場探しから管理者への交渉、予算の確保、アーティストのコーディネート、地域住民との協働、広報、記録まで、さまざまタスクがあり、すぐには��現できないことの方が多いのです。 そのため、西尾研究室では、アートプロジェクトのアイデアを実現前のプロポーザル(企画書)にまとめる作業を行います。アイデアのいくつかについては、試作して提示します。今後、後輩学生や地域の人たちが発展的に研究や検討をすすめられるよう、現実化に向けて知見を蓄積することが目的です。
インタビュー 学生とともに行ったアーティストへのインタビューなどを掲載しています。
学生作品・レポート 所属ゼミ生による作品やエッセイ、レポートなどを掲載しています。
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nara-artproject · 4 years
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MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館
ゼミ生が参加アーティストの制作サポートとして関わりました。また、MIND TRAILコース内の様々な場所に本を散りばめるプロジェクト「森の中の図書館」において、選者として西尾が関わりました。 https://mindtrail.okuyamato.jp/
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nara-artproject · 4 years
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新校舎コモンズ棟のオープンスペースにおける家具選定を西尾が担当しました。
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nara-artproject · 4 years
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地域交流棟1Fのホールにおける家具選定を西尾が担当しました。
これから順次納品され、年内にはすべての家具が揃う予定です。
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