Tumgik
#てかアルト小さすぎ可愛すぎ問題
ramiiiiipic · 5 years
Photo
Tumblr media
新潟のイケメンお兄さん🥳 ・ #センターキャップの向き #エアバルブの位置 #タイヤバーコードの位置 #完璧すぎて #脱帽 #てかアルト小さすぎ可愛すぎ問題 #アルト47万円 #欲しい ・ #昭和者 #ふじてんスノーリゾート #toyota #corolla #levin #trueno #ae86 #sr5 #corollagts #jdm #usdm #oldschool #bbswheels #bbsrs #ファインダー越しの私の世界 #RAMIIIIIpic #ラミピク #わりと撮る (ふじてんスノーリゾート) https://www.instagram.com/p/BySSpnkn_wV/?igshid=1lp4nh1zarkjk
15 notes · View notes
fxcfdlabo · 4 years
Text
ビットコインが再び脚光を浴びています。今注目の的「仮想通貨×バイナリーオプション」を提供しているBitodds(ビットオッズ)とは?
少し冷え込んでいたビットコインが、2019年6月から7月にかけて、ついに100万円を上回った。“ブチ上げ相場”への期待感から、注目が集まっている。そんな最中、仮想通貨×バイナリーオプションという新種のバイナリーオプション市場「Bitodds」が今注目を浴びている。仮想通貨バイナリーの魅力をこの記事で見ていこう!
vimeo
Tumblr media
「仮想通貨×バイナリーオプション」で荒稼ぎできる!
Tumblr media
2017年は仮想通貨の時代と言われて、盛り上がりましたが、2018年は仮想通貨市場が冷え込みました。しかし、1年ぶりにビットコインが100万円を超え、再び仮想通貨に対して注目を浴びています。 そこで、資産を仮想通貨取引で増やしたいと考えてたい人に朗報があります。自分の保有資産の一部を明日2倍にするのは難しくても、30秒から1分で資金を2倍にする方法があるのです。  その方法が、仮想通貨とバイナリーオプションを組み合わせた方法です。 この方法を教えてくれたのが、会社経営者のこたつむり氏です。彼は、投資で5億円の資産を築き、現在はスマホやカジノ関連ビジネスへ進出する新興の実業家なのです。 彼曰く、「大きく稼げたのは、バイナリーオプション(Binary Option)でした。上がるか、下がるかの2択を予想して、的中すれば掛け金は約2倍に。外せば没収される金融商品です。私が資産を築いた大半は為替のバイナリーオプションでしたが、5月からついに仮想通貨のBOが始まった。これがアツいんです」(こたつむり氏)
「仮想通貨×バイナリーオプション」の仕組みとは?
Tumblr media
『1分後のビットコイン価格が今より上か下か』を当てるだけ 「『1分後のビットコイン価格が今より上か下か』を当てるだけです。購入期間は毎分0秒から30秒まで。上か下かの判定時刻は60秒後なので最短30秒後の上・下を予想する仕組みです」(同)  こたつむり氏が利用する仮想通貨取引所が「BITODDS(ビットオッズ)」。BITODDS(ビットオッズ)の信頼性は大丈夫だろうか。
Tumblr media
「セキュリティ面で定評があり、機関投資家も利用している『BitGo』と提携しているので、問題ないと判断しています。インターフェースがわかりやすいのもいい。取引を始めて15分で資金が6倍になりました。仮想通貨はトレンドが出ると一方的になることが多く、為替BOよりも勝てるチャンスが多いという印象です」  昨年だけで3億円を稼いだBO強者の個人投資家・ジョンウン氏も、仮想通貨BOに注目する一人。彼が得意とするのは取引所の隙を突いた「裏ワザ」だ。 「以前やっていたのはシンガポール/ドルのBO。米ドルと連動する通貨なのですが、動くタイミングには時差がある。米ドルが上がったのを見てからシンガポールドルが上がる方向に掛けるだけで勝てた時期があった」 仮想通貨BOで稼ぐ「裏ワザ」とは!?  この裏ワザは業者が対策済み。今は使えなくなってしまった。 「仮想通貨BOはまだ黎明期で裏ワザが見つかる可能性が高い。マーケットが成熟すれば裏ワザで稼げる余地は減っていくでしょうが、今はまだ前例が少ない。隙は多いはずです」  すでにビットオッズの研究を始めたジョンウン氏。攻略のヒントを教えてくれた。 「注目はオッズ。ビットオッズでは取引参加者の偏りにより、配当が決まります。上を予想する人が多数なら、下のオッズは2倍を超える。実際に2.5倍を超えることも頻繁です。とはいえ、上がるか、下がるかの確率は丁半博打のようなもの。であるならば、2倍以上のオッズに掛け続ければ期待値はプラスです」  オッズ2.5倍、勝率50%で1万円ずつ掛け続ければ、2戦後には5000円の利益が残る計算になる。この偏りを味方につけるという発想だ。 「単純に2倍以上の方向に掛け続けてもいいし、テクニカル分析を加えて勝率を高めることもできます。オススメは価格の上がりすぎ・下がりすぎを測る『RSI(相対力指数)』。RSIが20以下なら売られすぎなので、上がる可能性が高い。そのときは下方向のオッズが2倍以上でも見送るべき」  逆に、RSIが80を超えていれば買われすぎだから、上方向の取引は見送りだ。 基軸とアルトの時差を利用したシンプル手法  前出のこたつむり氏も、やはりテクニカルを使って攻略していた。愛用しているのはボリンジャーバンドだ。 「ビットコインの短期トレーダーには1分足のボリンジャーを見ている人が多いんです。特に『3シグマでの逆バリ』は鉄板です」(こたつむり氏)  統計的にボリンジャーバンドの3シグマ以内に値動きが収まる確率は99%とされる。 「逆に考えると3シグマに価格がタッチしたら異常事態。反転する可能性が高いということになります。3シグマタッチ後に価格が反転したのを確認したら、その方向にベットしてください。プラス3シグマにタッチして反転したら下、マイナス3シグマタッチ後の反転は上です。短期トレーダーも同じように考えてトレードする人が多いため、このとおりに動きやすいんです」  もっと手っ取り早く稼ぎたい人には、ジョンウン氏が以前行っていたような値動きのタイムラグを突いた手法もある。 「ビットオッズではビットコインだけでなくイーサリアムやリップルも取引できます。仮想通貨の基軸がビットコインなのは言わずもがな。基軸が動くと、他の主要アルトも遅れて追随することが多い。つまりビットコインが急騰すればイーサリアムやリップルも遅れて上がると考えて、上方向に掛ければいいということ」  オッズを見て機械的に取引するか、基軸通貨を見ながらアルトコインを狙うか。はたまた王道のテクニカル分析に頼るか――いずれにせよ、始まったばかりでチャンスが多そうな仮想通貨BO。稼ぎやすい時期は、今だ。
BITODDSの詳細はこちらから
オッズ制のBitodds(ビットオッズ)における資産の期待値
オッズ制のBitodds(ビットオッズ)でどれほど稼げるのか具体的な期待値を計算してみましょう。 まず、期待値とは何かを簡単に説明します。標本空間\( \Omega \)と、標本空間の部分集合全体で\(\sigma \)加法族を満たす集合族を\( \mathcal{F} \)とし、確率測度を\( P\)とします。このときの3つの組を確率空間\( (\Omega, \mathcal{F}, P) \)といい、\( X: \Omega \rightarrow K \) を、\( K \)が実数の時は\( X\)を実数値確率変数、\( K \)が複素数の時は\(X \)を複素数値確率変数といいます。 \( \Omega \in \mathcal{F} \)上での確率変数Xの期待値\( E[X] \)は、 \[ E[X]=\int_{\Omega} X(\omega)dP(\omega) \] と定義されます。 受付開始時刻\( t=t_{0}\)における資産を\( x(t_{0}) \)とし、判定時刻\( t \)における予想が当たる確率を\( p(t) \)とし、そのときのペイアウトを\( a(t) > 1 \)としましょう。ここで、Bitodds(ビットオッズ)は、オッズ制なのでペイアウトが時間によって変わる変数となります。すると、時刻\( t \)における資産の期待値\( E[X(t)] \)は、 \[ E[X(t)] = a(t)p(t)x(t_{0})-(1-p(t))x(t_{0}) \] となります。
Bitodds(ビットオッズ)の概要
vimeo
口座開設時間約3分最小取引額0.001BTC、0.05ETH、20XRP最低出金額0.0025 BTC、0.075 ETH、50 XRP上限出金額特になし。一度の出金において0.045BTC・1.6ETH・1250XRP以上を出金する場合は、KYC(本人確認書類承認・手続き)が必要となります。出金手数料
ビットコイン:0.001BTC+出金額×0.185%
イーサリアム:0.01ETH+出金額×0.185%
リップル:5XRP+出金額×0.185%
口座維持・開設費用全て無料ペイアウト率オッズ制(~10倍)取扱通貨BTC/USD, ETH/USD, XRP/USD判定時間1分と5分の2種類入出金方法BTC, ETH, XRPのみ (日本円や米ドルなどの法定通貨は不可)
ビットコイン,イーサリアム,リップルの3種類の仮想通貨で出金することになるので、それぞれ出金先のウォーレットアドレスを用意しておきましょう。
こちらからBitodds(ビットオッズ)の口座開設をする
source http://kaigai-invest.blog.jp/cryptocurrencybinaryoption_bitodds
0 notes
ho-dukitext · 8 years
Text
アルト、という男は
かつて、かの国は小さいながらも豊かに栄え、外敵にも見舞われることは少なくなかったものの、騎士王を筆頭に十三の騎士団が絶対的な武力でもって国を守護していたために難攻不落と称された強国であった。圧倒的な強さを誇り、国は永劫、衰えることはないと思われた。だが、人の心理は脆く、肥沃な大地の上、絶対は崩れることとなる。
先王の親友であり、騎士でもあったとある方の息子パーシヴァルは、騎士の家が代々守護してきた槍を使うことができる貴重な子供だった。パーシヴァルの父である騎士が遠征先で死に、それまで騎士が担ってきたその槍の守護をまだまだ幼かったパーシヴァルにさせることをアーサーは大層渋った。管理…そう、魔術の一種である槍は誰かの体に定着させておかなければいつ暴発してもおかしくないほどの危険な代物だ。憑代なしに保管することは国を燃やす原因にもなりかねない。何度も何度も、その身にこれからすること、呪い、すべてを説明し、しかしあっさりとそれを承諾したパーシヴァルに槍はゆだねられた。 嫌だと言われれば強要するつもりはなく、その場合は自身の身をもって適合するかもわからない槍の憑代になろうと決めていたアーサーは、その決断の速さに驚きながらも、死んだ騎士によく似ているな、と感じた。 アーサーは父が死んで間もないこの幼子に重いものを背負わせるしかなかったことに自分の無力さを知った。でもせめて、許されるならと、パーシヴァルを実の息子のように愛することを誓ったのだった。それは亡き騎士からの最期の願いでもあり、残されたたった一つの遺言によるものでもあったのだが、それがなくともアーサーはそうしたにちがいない。
かくしてパーシヴァルはアーサーの守護の下、座学が苦手だからと戦場を連れまわされ、父がわりであるアーサーの背中を見ながら騎士道を学び、晴れて円卓の一席を賜ることとなった。円卓の騎士になることはパーシヴァルの身を守ることにもつながるうえ、その選定において実力を証明したパーシヴァルに異論を唱える者はいなかった。
それからしばらくして、とある神託にあった子供を騎士王の側に仕える騎士、ランスロットが拾ってきた。その子供はくしくもランスロットが魔術により騙され一夜を明かしてしまった女性との子供で、女性からの虐待ともとれる教育から命からがら逃げてきたとのことだった。名をガラハッドといい、すぐにアーサーの下かくまわれることとなった。生まれつき欠けている左足にはアーサーが懇意にする魔術師マーリンによりつくられた義足を与え、魔術に長けているガラハッドのため杖が授けられた。それからほどなくしてガラハッドを弟のようにして可愛がるパーシヴァルや父のランスロット、アーサーの助けや教えを受け、ガラハッドも円卓の一席を賜るまでに至った。
子供たちが成長していくそばで、騎士王は数々の武勲を上げていく。全ての戦に快進撃をもって敵を討ち、幾度となく国を守り通してきた。そのさなか子供たちが騎士となりしばらくが経った年のある戦で、騎士王は躓いた。暴走を許したパーシヴァルの槍でもって、敵と定めた隣国を一夜のうちに焼き尽くしてしまったのだ。槍を抑える対策に過ちはないと思われていた。憑代であるパーシヴァルが抑えていられているのだから、問題はないと。少々やんちゃな部分はあるが素直で分け隔てなく優しく、騎士の名に恥じぬ青年に成長してくれたパーシヴァルに弱い部分はないと。けれど、所詮人の子。パーシヴァルがなにより大事にしていた人を傷つけられて、パーシヴァルは黙っていられなかった。抑えられぬ怒りは槍を誘い、その日隣国は燃え滓ひとつ残さずに消滅した。
槍は守護の為にあるのだとパーシヴァルが円卓の席に着いた際の式でアーサーは周りに告げていた。強大な力は内に向くものでは必ずないと信じさせていたし、アーサーも内側にはたとえパーシヴァルを殺すこととなっても絶対に向けないと誓っていた。だが、それは口と書面だけの誓約で、制約。隣国の惨状を目の当たりにした、槍の事を式で知った兵士や騎士たちはみな恐怖に浮足立った。槍の恐ろしさは一晩とたたず国の隅々まで流布し、アーサーと件の騎士パーシヴァルが危険なものなのだという思考が国中を支配した。
やがて、アーサーに近しく、アーサーをよく知る部下たち以外にもうアーサーの味方はいなくなっていた。家族のように愛してきた国民たちは、アーサーの言葉に耳を傾けることすら嫌悪するようになり、やがて一つの声が国の総意となった。
「騎士王アーサーと、その騎士パーシヴァルの処刑を」
アーサーは自身の命は王になった時点で国のものだと考えている。そのため、国民が死ねというのなら抗うことはできないと覚悟は決めていた。ただ、国を、愛する人を守らんと槍を振るったパーシヴァルの体を心配こそすれ、その想いを果たしてみせたパーシヴァルがなぜ責められなくてはならないのか。何を訴えようと揺らぎもしなくなったその"総意"の前にたった一人、アーサーは無力だった。
なにもできないまま決まり、迎えた処刑の日。アーサーはパーシヴァルの腕にいつも巻かれている白い布を取り換えてやった。使い古してしまって少々痛んでいる布を、用意しておいた真新しいものに。 腕に布を巻いてやりながらアーサーは、お前をこんな風に死なせるために槍を託したわけじゃないのに。俺の考えが足りなかったせいだ、あの時、誰にも言わず自分を槍の憑代にすればよかった。と何度も何度も懺悔し、謝った。けれどパーシヴァルはあの日となんら変わらぬように、アーサーは悪くないよ、と笑いかけてくれた。 死の間際であるというのにそれでも恨みもせず許そうとするあまりに優しすぎる子供に、この運命はあまりにむごすぎる。ゆえにアーサーは一人決断した。アーサーは王であったが、人でもあった。
城下の大広場、燃えやすい藁に油を撒いた場所にアーサー、パーシヴァルは座らされた。手も足もぎっちりと縛られ、身動きなど取れようはずもない。手に松明を携えたかつての大臣がにたりと笑い、声を上げた。嘘つきの王と、呪われた子供を今より焼き、祓うぞと。王と騎士に投げかけられる言葉は、叫びは、怒声は、罵声は、想像を絶する力でもって二人を押しつぶした。まだ松明は振り下ろされていないというのに、言葉の刃のなんと鋭いことか。悪意に晒されようとはねのけてきたアーサーですら耐えがたいように思われたのに、まだ守られているのが当たり前のような年頃の子供には辛すぎた。いっそ地獄とも思える針山の上、震える声で、うつむいてぼろぼろと涙を流しながらただただ謝り自分を否定までしようとする子供に向かって、ついに松明は投げられた。瞬く間に足元に群がる炎にあつい、いたい、と泣き叫ぶ声に群衆は湧き上がる。
愛していたはずの国民たちが悪魔のように思えてならなくて、まもなく自身にも回ってきた火が身を焼き、意識を失いそうになるのを堪えながら魔法をひとつ唱えた。その瞬間パーシヴァルの腕の布が淡い光を放つ。次いで、小さな体を布から湧き出た水が包み込む。アーサーは手かせが焼け落ちて自由になった手を必死に伸ばし、意識を手放しているパーシヴァルを包む水に触れる。見れば、パーシヴァルのただれた肌がみるみる癒えていくではないか。アーサーだけが持つ魔法が、その体を癒したのだ。 自分の罪は、自分の死でもって贖おう。ただ、アーサーは人であった。アーサーは、親であった。愛するわが子を守りたいと、強く望んだ。愛する者を傷つけるすべてのものを、薙ぎ払い殺すと、そう決めていた。
アーサーにとって火や水は容易く扱える代物であった。国民は、それを失念していた。パーシヴァルから手を離すと、アーサーはその手を群衆に向ける。するとどうだろう、アーサーが纏う炎は瞬く間にひとりまたひとりと燃え広がり辺りを焼き始めた。自身の身を焦がす炎など気にもせず、内に宿す魔力のすべてでもって炎を広げていく。全てを焼き尽くし、黒土とするころにはパーシヴァルを守る水も消えていることだろう。横にいたはずの父はもう崩れどこかへ吹かれているかもしれないが悲しまなくていい。お前の敵はすべて薙ぎ払った。だから、泣かないでくれ。
美しい城下町が広がる首都は、国を囲っていた森は、瞬く間に消え失せた。上がる黒煙の足元に火はない。立ち上る黒はすべて、焼けた跡のすすなのだから。 ぽつりとひとつ見える白い塊は、すすの真ん中でただただ泣き続けた。すすのすべてに微かにのこる父の魔力のかけらから、父が何をしたのかを理解したから。
国が消え、ひとりぼっちになったパーシヴァルは無意識に記憶にふたをした。思い出す度に涙がこぼれ、心に傷を増やしてばかりの記憶から、自身を守るために。
子供はやがて大人になり、名前を、自らを偽って、父が生きていると信じ、旅を続けている。
目が覚めて最初に飛び込んできたのは質素な木の天井だった。ずいぶんと眠っていたようで、乾いてしまった目に窓からの日差しがまぶしい。ちらちらと見える光は木漏れ日のようで、聞こえる音からこの建物が森の中にあるのだと理解した。 身を起こし瞬きを何度してみても右目が見えない。不思議に思い手で触れてみても目隠しなどもないようで、ああ、右目は失明したのか、と納得した。目の周りがごわつきひきつっていたり体中に違和感を覚えて自分の体を見回してみると、指先からなにから、いたるところがケロイドでひどい有様だった。窓に映る自分の顔も、右側が見るに堪えない状態で、無事だったのが顔の左側だけだった。
自分でもこの状態でよく生きていたものだと思う。だれが助けてくれたのかわからないが、感謝してもしきれない。
それから数日、お礼を言いたくて小屋にしばらく居たものの家主は戻ってくることはなかった。住んでしまうと消耗品を使ってしまうばかりだし、仕方がないので辞去することにした。着させられていた服も大きさは丁度良かったし、やけど部分はきれいにすべて隠れているためこのまま借りることにし、机の上にアルトと書かれていた紙があったので、その紙の端に書置きをして、小屋を出た。
「兄さん、一泊いくら?……そうか、じゃあ一泊借りるよ。金これで足りるだろ?え、名前?えっ……と、アルト。そう、アルトだよ」
名前は、いつまでも思い出せなかった。
1 note · View note
aikider · 4 years
Link
オススメ度10/10(少女マンガだが男も読むべき)
幼い頃に母が死に、父と二人で暮らしてきた主人公・ふみは、父が借金を背負ったため、暁というイケメン時代小説家の家で住み込み家政婦として働くことになる。暁は偏屈で口も態度も悪い男なのだが、ふみはその背後に垣間見える優しさに触れて初めての恋に落ちる。
比較したら怒られそうだが「社畜と少女の1800日」と同じ構図である。しかし「社畜」のヒロイン描写が薄くてリアリティに乏しいのに対して、「椿町」はふみの心理描写が非常に丁寧でリアリティがある。とくにふみが泣いたり拗ねたりするシーンは、ふみ視点で丁寧に、しかしクドくなく描いてあるため、男である自分でも「あーこれは泣くよねえ」と共感できてしまうが、一方で「これは暁視点ではわからんよなあ」とも思う。世間の彼女持ちの多くは「彼女がなんで泣いたり怒ったりするのかわからん」と言うが、その謎が解けるかもしれない。しかし男というのは、暁ほど極端ではないにせよ、はっきり言われないとわからない生き物なので、女性諸氏ははっきり言ったほうがいいですよ。
ふみは苦労人だが性格にねじ曲がったところが全くなく、また堅実かつ料理上手で甲斐甲斐しい。これは本質的に人のいい父の愛情を受けてきたからであろう。ふみは素直でがんばり屋さん、かつ徹底的に健気というかいじらしいというか甲斐甲斐しいというか、とにかく可愛い。オタク系男性読者は絶対萌えると思うので、そういう方々には是非オススメしたい。そういうふみの甲斐甲斐しさが暁を解きほぐしていく。
ただまあ、今時のシングルファーザーに育てられた娘が、親孝行とはいえここまで料理上手になるかという疑問はないではない。社会学の調査では、貧困家庭ほど栄養が偏ることが知られている。貧困とは単に収入が少ないだけではなく、健康や教育や就職に対する基本的知識が乏しく、また社会的つながりが乏しいことを言う。だからガチの貧困家庭出身者は「栄養が偏ると病気になりやすい」という事も知らない、あるいは理解できていないことが多い。節約の方法も知らないことが多い。最底辺になると「教育を受けたら収入が増える」ことさえ知らなかったりする。従ってガチの貧困家庭出身者は、そもそも貧困から脱却する手段を知らず、貧困が再生産されやすい。このことは自分の臨床経験上の実感とも合致する。その点では本作のふみは今話題の「子どもの貧困」とは違っていて、むしろ昭和的な「清く貧しく美しく」に近いものがある。わかりやすく言えば、貧しさを乗り越える知恵を持っている。その点ではリアリティに乏しいのだが、少女漫画でそこまで描いたらあかんでしょうな…。
それはさておき、暁はふみを超える不幸自慢キャラであり、実親の顔を知らず、3歳で施設に預けられた。このあたりは上述のようなガチの貧困家庭を匂わせる描写である。暁は6歳で養父母に引き取られたが、仲のよかった本好きの養父は暁12歳のときに死亡、仲の悪い養母と二人暮らしになる。家を出たのちは、バイトしながら小説を書き、今や新進気鋭の時代小説家である。
暁は顔はいい上に行動は親切で、天然ジゴロと称される。実際暁はクソイケメンであり、男性美形キャラ好きな自分としてはツボに入った。マツモトトモ「キス」の五嶋や、平井摩利「火宵の月」の有匡、アニメで言えばマクロスFのアルトやマクロスΔの白騎士に通じるキャラクターである。一方で偏屈な時代小説家という設定は「昭和の文士」といった風情であり、今やあまり使われなくなった昭和の定番キャラクターをうまく再利用してみせた感がある。その意味ではやはり、ふみと同じく昭和テイスト溢れる作品である。
暁は数多の女性に言い寄られてきたのだが、暁本人はそれほど相手のことを好きではなく、相手の気持ちを察することができず、かつ言葉がストレートすぎるため、女もすぐ離れていく、その繰り返し。さらに歴史オタクである。少女漫画なのでイケメン設定で味付けしてあるが、児童精神科的な視点から言うとASD(アスペルガー)系統である。複雑な生育歴もあって人嫌いだったのが、女絡みでさらに磨きがかかり、そのうち孤独を孤独と感じなくなってしまう。
暁はふみに対しては同情、あるいは猫一匹匿うようなつもりでふみを雇っていたが、ふみと暮らす中で自らの孤独を自覚するようになり、ふみに対する特別な感情に気づく。「俺はあのとき、あの手をどうするつもりだったのか」
暁の唯一の、かつ古くからの親友である悟郎は暁の担当編集者であるが、暁のことをよく知るが故に暁の人嫌いを心配している。そしてふみが暁に恋しているのに気づき、ふみの甲斐甲斐しさと素直さが暁を包み込んでくれることを期待して二人をくっつけようとする。当初は暁をその気にさせるためにふみにちょっかいを出していたのだが、途中で自分がふみに惚れそうになる。しかし暁が「これだけは譲れない」と名言するや、「ふみちゃん大事にしろよ」 と言ってスパッと引く。悟郎ほんまナイスガイやで。なんで悟郎に彼女がいないのか。
それはともかく、ふみの前に現れるライバルたちも強力である。
桂は書店の店長のクールビューティーであり、サイン会でふみに圧力をかけ、打ち上げでは化粧室で「女の戦い」をしかける。「化粧室における女の戦い」というのは男にとって永久に知ることのないものであり、こういう具体例をわかりやすく描いてもらえるとわかりやすくて勉強になる。暁に告白した桂だが、結局暁に振り向いてもらえず失恋。のちに暁とふみのデートを目撃して般若の形相になるも、「きっとあの2人にはお互いしかいないんだろうな」と暁のことを諦め、さらに畝田の登場で自信喪失したふみに喝を入れる。
男から見れば、プライド高すぎてこじらせた前髪ぱっつんの歴女は明らかに地雷なのだが、自ら「そりゃあ誰だってこんな女選ばないでしょうよ」と言うあたり自覚はあるのが救いである。まあそれを抜きにして仮に暁と付き合えたとしても、あの暁が相手だとすれ違い生活で桂が耐えられなくなるか、一念発起して家庭的な女になっても桂に限界が来るのは明らかで、いずれにせよ相性が悪いよね。しかし番外編では熊本諭吉とくっついて幸せそうで良かった。桂は「ヒゲゴリラ」などと言っているが、諭吉は料理ができて面倒見が良くて優しくて包容力があるナイスガイである。番外編ラストで桂が独白するように、「世界で一番の幸せ者それは私!!」。言えたじゃねえか(FF15語録)。実際、番外編の桂は男から見てもめちゃくちゃ可愛くなってて、作者の「こいつをなんとか幸せにしてやりたい」という愛が伝わってくる。桂はわりと典型的なこじらせ系オタク女性であり、暁やふみと違って非常に現代的なキャラクターである。もしかすると桂のエピソードは、そういう女性たちに対するエールなのかもしれない。
畝田は悟郎が骨折+インフルエンザで休んでいる間の臨時担当編集者である。6人兄弟ゆえバイト生活が長い苦労人で、かつ素直で健気でいじらしく甲斐甲斐しくて気が利くがんばり屋さんであり、何より既に社会人であり、その意味ではふみの上位互換である(昭和感もある)。従ってふみは自信喪失してしまうのだが、暁によれば「似て非なるもの」である。それはふみが孤独の中で誰にも自分の思いを言えずに耐えてきたタイプであるのに対し、畝田は一人でいたことがないということである。だから畝田は暁の孤独を理解してやることはできないし、その意味で畝田はふみの代わりにはならない。最後には暁に振られるが、その後はふみに「こんな良い子の恋愛を邪魔しちゃうとこだったなんて また罪悪感湧くじゃないですか」と言って去っていく。そういう畝田がほんまにいい子なので幸せになってほしい。というか悟郎とくっつけば、というのは安直すぎるか?と思ってたら最終回で産休入ってて笑う。
戸水ゆきは暁の大学時代の元カノである。回想シーンに出てくるような、勝手に言い寄ってきて勝手に怒って勝手に去っていった女の一人である。その暁がふみと遊園地デートしているのを見て欲が出たのか、ふみに圧をかけた挙げ句「3人で観覧車に乗らない?」というふざけた提案をしてくる。暁はその提案に乗ったと思いきや、戸水が乗り込んだ瞬間にふみの手を引いて戸水を観覧車に閉じ込めてしまい、見事に撒くことに成功する。このシーンの暁はカッコよすぎて男も濡れるわ。なんか平成のトレンディドラマ感があるなあ(古いか)。本来は観覧車のジンクスを狙っていたふみだったが、「ジンクスなんて敵わないくらいの言葉」を聞けたふみは幸せいっぱい胸いっぱいかわいい。
ふみの父を攻略したのち、ラスボスにあたるのは恋のライバルではなく暁の義母である。血がつながっているわけではないのに暁とそっくり、偏屈で口が悪く不器用、しかし本人も気づいていないが暁のことを母として深く愛している。不器用同士うまく伝わらない母子だが、ふみが頑張って二人の関係を修復することに成功する。ここの描写も悪くないのだが、あえて苦言を言うならば、暁が饒舌すぎる。男は「頼むから長生きしてくれよ」くらいで他に何も言わないくらいがリアリティある。
全体として女性の心理描写が男性から見てもわかりやすく、男性の心理描写は男性から見てもそれほど違和感がない。たぶん女心を理解したい男が読むべき少女漫画のトップ10に入ると思う。
余談ながら文化祭編、第40話ミュシャ風の扉絵に描かれたドレスふみは額縁に飾っておきたいくらい可愛い。あと本編のレースのヘッドドレスつけたふみも可愛い。あと、鞍月×みどりちゃん組も好きで、鞍月がみどりちゃんをダンスの相手に指名するシーンも好きで「よくぞ言った鞍月いいいい!」と叫んでしまった。
0 notes
Text
繰り返すイマジン
 分娩室にほにゃあほにゃあと響いた産声はひとつではなく、厳密にはほにゃほにゃほにゃほにゃあっとよっつの産声が合唱みたいにわんわんしていて、そのなかでソプラノだかアルトだかを担当していたひとりが僕だった。  四という数字は死を連想させる。 忌み���といって日本では平安時代から忌避されてきて、機械ひしめく現代でもマンションやホテルには四の使用された部屋番号がない場合が多い。人間はいまだに縁起を気にする文化を持っている。  だから同じ顔がよっつも並んでいるのはモロ凶兆で、ひとりを手放して三つ子だったことにしようという話になって、運悪く選ばれた僕は捨てられて(ふざけんな)父さん母さんの元に来たらしいのだけれど、僕は出自とかどうでもよかった。 それを告白されたときにまったく動揺しないわけではなかったが、父さん母さんは何がどうなろうと僕の父親と母親だったし、それよりも明日が小学校の卒業式で微妙な不安と期待に満ちた気分なのにそんなかんたんな話を深刻そうに、最終的にはぼろぼろ泣いてまで話す父さんに怒りをおぼえた十二歳の夜だった。  というのも、僕の顔が(自分で言うのもなんだが)すっきりぴったり整っていて周囲から浮くくらいなのに対して、父さん母さんは平々凡々で、目つきから鼻筋まで何ひとつ似通ったところがなかったから、常日頃そういう妄想をしてはさっきの結論に何度も行きついていた僕にとって、今さら妄想が真実だとしてもどうということはなかったのだ。  怒りをかみ殺しながらも、兄弟のひとりが二歳のときに死んで本来の親が僕を取り戻そうとするのを拒んだ話には流石に感謝した。  自分勝手に捨てたくせに足りなくなったら取り戻そうなんて都合のいい馬鹿に育てられるな���て苦痛に決まっているし、父さん母さんは押しつけがましくもまともな愛情を持って僕に接してくれている。どちらか選べと言われたら答えは明白だ。  そんな父さん母さんも僕が二十五歳になった今、この世にいない。そもそも養子をとったのは子どもを作るには歳をとりすぎていたからだった。  僕は顔も知らない人でなしよりも、床に横たわり、僕の手を握りながら死んでいったふたりを脳の底に刻んで生きている。  まぁ、その生も、もうすぐ終わるんだけど。  高校に入ってすぐに顔がいいだけの理由で僕はきゃあきゃあ女の子に寄られて、つまらない話をいくつも聞かされた。SNSどうこう、流行りのポップ音楽がどうこう、女子高生にタイムリーな話題を延々延々いなし続ける……そのなかに妙な話題が混じっていた。  「そういえばあきらは『MT』知ってる?」  「んー、迷子のタマちゃんの略?」  「もーなにそれー知らないなら知らないっていいなよー」  「昨日の特番でもかっこよかったよね~」  「そういえばあきらって『MT』のふたりに似てない?イケメンだし」  「あー!似てる似てる!  はじめてみたときつかさくん!?って勘違いして倒れそうになったもん」  「美奈はつかさくん派だもんね~」  顔目当てで寄ってくる頭の貧困なギャルは、具体的なところを明かさないまま話を進めた。  「それで、『MT』って何?」  「双子のアイドルだよ、今人気の」  僕は表ではへらへらしているが、家では病気になった父さんの看病をしているか読書をしているかで、テレビを見ることなんてほとんどなかった。  だからアイドルに触れる機会なんて書店で見かける雑誌の表紙くらいだったし、特に関心もないから今まで『MT』の存在を知らなかった。 「やぁ、あきら君。  『MT』とやら、調べてみないかい?  おれたちの兄弟って可能性もあるんだぜ」  僕は、血のつながった父母を考えはしなかったが、血を分けた兄弟はどんなやつらなのかよく考えた。自分にあり得た可能性の、まったく知らない同じ顔をした他人に興味があった。  特に、死んだ兄がよく頭に浮かんだ。死んでいるからどこまで空想しても現実と齟齬をきたさないためだ。  そのあげく、僕は奇妙な脳内兄を作り上げてしまっていた。 「確かに、予想外の角度から殴られたよ。  調べてみようか、兄さん」  そんなこんなで書店で立ち読みしたテレビ雑誌に載っていた『MT』のつかさとまもるは僕らにそっくりだった。 しかし、だからといって病気の父さんを問い詰めて容態を不安定にしたくはなかったし、会いたい気もしなかった。  彼らが何者だろうと、兄弟は別の道を進んでいることを改めて理解して、それだけで僕はなんとなく幸福になるのだった。    二十五歳。  僕は人生に行き詰っていた。  夜はコンビニの夜勤バイト、昼は賞に送るための小説を書く生活が七年も続いている。  父さんが遺した金がいつ尽きてもおかしくない、ぎりぎりの状態。表面上の人間関係はとっくに瓦解し、それ以外の人付き合いもなく、僕はアパートに想像の産物とともに住んでいた。  「あきら君、もうやめたら?」  「うるさい!だまってろ!」  僕はひとりで叫ぶ。  「お前なんか僕から出ていけ」  「おれを作ったのはあきら君、きみだぜ?  つまり、おれの言葉は君自身の言葉でもあるのさ」  二十五歳のおれの顔を写したやつは飄々と言う。  「黙っていろと言っている」  「そうは言っても、きみはもう二十五歳なんだぜ?  小説家になると決めたのも、それを意固地になって通そうとしているのも、二十五ともなれば痛々しいぞ。  引き際も肝心ってのは、真実なんだよ。わかっているだろ?」  「…………」  「それにもう、書けないんだろ?  出涸らしたんだろ?  終わったんだろ?」  「僕には小説しかないんだ。七年も、こればかりで」  「なら死ねよ」  そう。  僕など死ねばいい。  ふとした瞬間に思い出す遠く離れた兄弟のなかで、僕が最も惨めでどうしようもない自覚があった。  七年も書いて一次選考に通ったのは二度だけだった。それが唯一の成果だった。  最終的に残ったのは狂った生活リズムと、コンビニバイトで得た灰の粒ほどの社会経験と、小説家への異常な執着。  最初はこんなはずじゃなかった。ちょっとした夢を追ってみたいだけだった。それなのに、気がつけば、手遅れだった。  諦められないなら死ぬまで苦痛が続く。  そして、僕は死ぬまで諦められない予感がしている。  苦痛しか生産しない人生ならば、終わらせればいいのに、ぐだぐだと惨めに生きていた。  真っ暗の部屋で小説が書けずぼんやりしていた僕は、なんとなくテレビをつけた。  本日、十一月三十日のニュースは……のアナウンスに今日が誕生日であることを思い出す。おめでとうを言ってくれる知人は皆無だ。敗者には当然の待遇に、薄い笑いが浮かんだ。  『人気アイドルユニットMTが突然の解散!』のニュースが流れ出す。  彼らの解散は世間から惜しまれているようで、街頭インタビューで号泣しているファンもいた。  彼らは、僕と違って誰かに必要とされている人間なのだ。  僕は自分への苛立ちと劣等感からの絶望に身体を砕かれ、会見映像の途中でテレビの電源を落とした。再び部屋が真っ暗になった。胸の底がむかついた。  最悪の誕生日だった。  僕は何もかもがどうでもよくなってバイトをサボり、毛布にくるまった。  目を覚ますと十二月で、当然のように寒かった。  僕はバイト先からの連絡でいっぱいの携帯をトイレに捨て、シャツとジーパンに着替えてコートを羽織り、外に出た。  だらだら引き延ばすべきではない。 どうせ死ぬのなら、誰も近寄らない、静かな山奥で朽ちて、最後はせめて自然の役に立とうと思った。  レンタカーでいちばん近い、といっても二時間かかったのだが、山まで来た。  どうせ死ぬのだからと、ひとつのこだわりもない軽自動車を乗り捨て、道なき山道を歩く。  日が暮れかけて血のように真っ赤な背景に焦げる木々を通り過ぎ、息を切らしながらどうしてこんなことをしているのだろうという思いをすり潰し、奥へ奥へと進む。誰にも見つからず朽ちるために進む。  夜の森は人間性を破壊する。  光がほとんどなくなった森に、キキキキと得体の知れない声が響く。びしゃっ、びしゃっ、何らかの液体が枯葉に落ちる不気味な音がこだまする。肌が寒さで痛い。ふるえてかちかち歯が鳴る。すぐ後ろで足音が聞こえた気がして立ち止まり、何度も振り返るが、誰もいない。  孤独で五感が冴えるわりにまともな現実を感受できない。  「こっちだよ、こっち」  ふわふわ宙に浮く兄さんの指さす方にあてもなく向かう。  どれだけ進もうと変わらず木々が風に揺れているだけの周囲に方向感覚が狂い、いよいよ本格的な恐怖を覚え始めたころ、そいつが木の根元に落ちているのを見つけた。  そいつを見て、いよいよ気が狂ってしまったと思った。  そいつは、僕とすっかり同じ顔をしていたのだった。  逃げ出したかったが、暗がりにぼんやり浮かぶ白い顔がこちらを見つめてきて、動けない。  情けなく、怯えて声すら出ない。  異常な状況に、冷や汗が背筋をつたう。  幻覚ではないと理解したのは、そいつの口がガムテープで塞がれているのに気がついたからだった。幻覚にしては、間抜けすぎる。  だからといって恐怖が半減したかといえばそうではなく、どうしてこんな山奥に自分と同じ顔をした人間が捨てられているんだ、明らかに関わってはいけない雰囲気じゃないか、お前は誰なんだと、得体の知れない存在に恐怖した。  とりあえず見つめ合ったままでは埒が明かないので、おそるおそる近づいてガムテープをべりりとはがして、口内に詰まったタオルを引っ張り出してやると、四角く赤い口から「まもる!」なんてかすれた声が飛び出して、そいつはわんわん泣き出した。僕は困惑しながらもとりあえずそいつを抱きとめた。 コートが涙と洟でぐじゃぐじゃになろうと、どうせ死ぬのだから関係ないと思った。  馬だった。  こちらを梢のすき間からじっと見ているそれは、明らかに場にそぐわない、馬だった。しかも馬のくせに人間のような歯をむき出しにして、舌をだらりと垂れ下げていた。  僕は「まもる~ごめんな~わああ~」と泣き縋る彼をなだめながら、彼に危険はなさそうだと判断して、背後に両腕を固定する結束バンドを噛み切ってやろうとした。  だらだら流れる唾液で彼の手をべたべたにしながら、がじがじとネズミみたいにやっていると、歯茎を通じて現実感がやってきた。  その現実感をぶち壊すように馬だった。目が合った。  馬の眼は光沢のない真っ黒な空洞だった。  いつからこっちを見ていた?  「ぶるるんるんるるっるるるっる」馬は黒い唇をふるわせながら四つの脚で力強く地面を蹴って目の前に出てきて、そのまま減速することなく僕らに近づいてくる、僕は齧るのを中途に止め、とっさに彼の手を引っ張って全力で走った。  あれに捕まったら、なんかわからないけれど、やばい。  直感がそう告げていた。  死ぬより、やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいことが起こる!  彼のもつれる脚も混乱の声も無視して引きずって、死に物狂いでどこか隠れる場所を探す。足を駆動しながら振り返るとあれが首をぐるぐる回しながらどかどか木にぶつかり、それでもめちゃめちゃな速さで追ってきていた。  「あっちだよ」兄さんが冷めたようすで指さす洞穴に向かって僕は彼をぶん投げてから自分もほとんどダイブするように潜り込む。  息が切れるぜえぜえという音が岩壁に反響した。  「まもる、どう、したの?」  「馬、馬が……大丈夫だったか、つかさ」  あれ?  僕はどうしてこいつの名前を知っている?  ああ、そうだ、昨日こいつをテレビで見たばかりじゃないか、こいつはどう見てもMTのつかさだ、きっととっさの判断で言葉が出たんだ。  「うん、大丈夫だったよ、まもるが守ってくれたから」  そういうつかさの笑顔は暗がりで光のように輝いて、自分と同じ顔なのに違う表情で、思わず見惚れてしまう。  「見惚れてる場合じゃないみたいだぜ」  ぼーっとする僕を兄さんの淡々とした声が現実に引き戻す。  屈んでいないと狭苦しい洞穴の奥から、僕らと同じ顔をした、だけど目がクレヨンで塗りつぶしたように真っ黒い人型が転がってくる。  しかもひとつじゃなく、いくつも。  「あれ、なに、まもる……」  「わからない……  でも、大丈夫。つかさは俺が守る」  僕は結束バンドのせいでうまく身動きのとれないつかさに覆いかぶさるようにして、向かってくる人型から防御の体勢をとる。  人型はからだに当たると、ぶにりと歪み、僕を包んだ。油膜のような影が次々と肌にこびりつき、穴という穴から体内に侵入する。脳に送り込まれるイメージの奔流。  アイドル、死体、無職、小説家、医者、モデル、サラリーマン、ミュージシャン、学者、教授、デザイナー、画家、探偵、コンビニ店員、パン工場員、パティシエ、クリーニング屋、同じ顔をした人間が生きては死ぬの繰り返しが頭を占領して、悟った。  人型は、産まれなかった僕らだ。  四人のあり得た可能性が現像された姿だ。  僕は、何を選択して、どの運命のレールに乗って、ここまで来たのだろう?  パンクしていく脳の片隅を、疑問が通り過ぎて行った。  僕は目を覚ますと、自分が何者なのか曖昧な頭で、でも心配そうに見つめるつかさのことはわかって、強がってすこしわらいながら尋ねた。  「僕って、誰だっけ?」  「何言ってんの、まもるは、まもるでしょ!」  そうだ、僕、おれ、俺、俺、俺は、まもる。  「そうだよな、ごめん」  「心配したんだよ……まもる、急に倒れちゃって」  俺は緊張の解け切っていないつかさの頬を撫ぜた。  「つかさ、好きだよ」  俺はなんとなくつかさがその言葉を長い間待っている気がして、考える間もなくつぶやいた。  つかさはすこし面食らった顔をしたあと、かなしそうな表情で「ありがとう」と言った。  「そろそろ、行こうか」ずっとそこにいたような気がする白い影がぼんやりとこもった声でそう言った。  俺たちは手をつないで洞穴の奥を目指す。  もう、行きつく先に何があるか、なんとなくわかっていた。  「ごめんなさい、ずっと黙っていたけれど、オレ、あなたがまもるじゃないって、最初から気づいてました。  産まれる前からまもるを、今までずっとまもるばかりを見てきて、間違うはずがなかったんです。 でも、もしあなたがまもるならって、甘えて、縋ってしまって……それであなたを、消してしまいました」  「いいんだ。  僕は、きっと、このために産まれてきた」  白い影は、崩れる姿で、満足そうに答えて、消えた。  光が射しこんで、ふたりは外へ出た。  「今日をもって、俺たちアイドルユニット『MT』は十周年を迎えます!」  「今まで応援してくださった皆様、そして支えてくださった方々には感謝の言葉しかありません。この場をお借りしてお礼申し上げます」  『ありがとうございました!  これからも、よろしくお願いします!』  十一月三十日、その日の芸能ニュースはとあるアイドルユニット十周年を祝う話題が席巻していた。俺はあたたかな部屋で、その内容を噛みしめていた。  「誕生日おめでとう、つかさ」  そして、これからも、よろしく。
0 notes